JP2020519591A - 精子細胞を強化するためのヒドロキシ尿素 - Google Patents

精子細胞を強化するためのヒドロキシ尿素 Download PDF

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Abstract

本明細書には精子の受精能を高める方法が説明されている。この方法は、精子をヒドロキシ尿素に接触させることを含む。精子とヒドロキシ尿素と緩衝液とを含む組成物が開示されている。精子の受精能を高めるための方法、キットおよび組成物も提供されている。【選択図】図1A

Description

本出願は、「精子細胞を強化するためのヒドロキシ尿素」について提出されたPCT特許出願である。本出願は、2017年5月8日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/503,131号の優先権と利益を主張する。
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する声明
本発明は、国立衛生研究所(NIH)助成金番号:RO1 HD020419−19S1およびIU54HD0431501−09により授与された助成金の下で政府の支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
この文脈において「政府」とはアメリカ合衆国政府を指す。
成熟した精子細胞(精子)は、ヒトを含む動物の有性生殖における雄性生殖細胞である。精子細胞は、雌性配偶子(卵子または卵子細胞)と融合するための雄性配偶子である。配偶子の融合後、結果として得られる細胞である接合体は通常、発達して胚になる。
精子には、形態や運動性など、生殖能力に重要な多くの特徴がある。精子運動性、または受精を行うために精子が適切に泳ぐ能力は、自然受精および人工受精の成功を決定付ける、精子のそのような重要な特徴の1つである。ヒトなどの哺乳類では、効果的な精子運動性が、雌性生殖卵細胞を取り囲む卵丘および透明帯を通る精子の通過を促進し、雌性生殖細胞の受精を完了させる。内部受精の場合、精子運動性は、精子細胞が雌性生殖管を通って移動して卵細胞に到達し受精する程度によって測定される。人工授精では、精子運動性は、精子細胞が水溶液を移動して卵細胞に到達し受精する能力によって測定される。
ヒト精子細胞は、平らな円盤型の頭部と長い鞭毛または尾部とを有する。尾部は迅速に動き、正常な精子を尾部の反対方向に約1〜3mm/分の速度で推進する。鞭毛は主に精子運動性に関与している。
ヒト精子細胞は、射精された精子が排卵性アルカリ性子宮頸管粘液に浸透した後、子宮内腔においてなど、環境pHの変化の結果として完全な運動性(過活動運動性または過活動)に達する。自然授精中、過活動は通常、男性の射精中の精子の培地である精液のアルカリ性が酸性の膣環境によって中和されると誘発される。過活動は、無方向性の激しい運動パターンによって特徴付けられ、これは、成熟卵に結合し受精する能力を獲得した精子の特徴的な運動パターンである。
精子運動性は、運動性のグレードなど、様々なパラメータで測定できる。運動性のグレードは活動(すなわち非受動)運動性の4つの異なる分類に分けることができ、分類は運動性が高い順にグレードa、グレードb、グレードcおよびグレードdであり、それぞれ運動性IV、運動性III、運動性IIおよび運動性Iとしても知られている。グレードaの精子運動性は、精子が素早く、前方かつ精子の尾部とは反対のまっすぐな方向に動くことを特徴とする。グレードbの精子運動性は、精子が前方に、曲がった経路または間接的な経路で動くことを特徴とする。グレードcの精子運動性は、精子が一般的に尾部の動きと共に動くが、経路に沿って前方に動けないことを特徴とする。グレードdの精子運動性は、精子が運動不能であることを特徴とする。
精子運動性が低い場合、精子は効果的に動いて卵細胞に到達することができないため、受精が達成される可能性は低い。試験管内受精(IVF)や子宮内授精などの生殖補助治療の状況では、精子運動性が低いと精子は水性環境を効果的に動いて卵細胞を受精させることができないため、受精が成功する可能性も低くなる。
ヒト精子細胞は環境に敏感であるため、ヒト精子細胞がさらされる多くの環境要因は、精子運動性の低下または減弱を引き起こす可能性がある。そのような有害な環境要因をもたらす男性対象の活動の例には、タバコの使用、マリファナの使用、アルコールの摂取、アナボリック・ステロイドの使用、およびテストステロンサプリメントの使用が含まれる。対象の精子運動性に対するさらなる有害な要因には、過度のストレス、老齢、性器への過度の熱曝露、薬物の副作用、および不十分な食生活が含まれる。多数のヒト男性対象において精子はこれらの有害な要因の1つまたは複数の影響を受けているため、精子運動性を高める技術が必要である。
予期せぬことに、ヒドロキシ尿素がヒトの精子を含む精子の運動性、寿命、および精子の健康に関連する他の要因にプラスの効果を有することが発見された。
第1の態様では、ヒドロキシ尿素を精子に接触させることを含む、精子運動性を高める方法が提供される。
第2の態様では、有効量のヒドロキシ尿素とヒト卵管液培地などの緩衝液とを含む、精子運動性を高めるための組成物が提供される。
第3の態様では、精子の精子運動性を高めるためのキットが提供される。キットは、ヒドロキシ尿素と、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地などの緩衝液とを含む。
第4の態様では、運動性が強化された複数の処理精子は、精子を有効量のヒドロキシ尿素に接触させることを含むプロセスによって調製される。
第5の態様では、精液中のヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)を抑制する方法が提供される。この方法は、HIVに感染した対象から精液を提供すること、および精液をヒドロキシ尿素に接触させることを含む。
第6の態様では、HIV陽性精子提供者からのHIV感染を予防する方法が提供される。この方法は、HIV陽性精子提供者から精液を提供すること、精液をヒドロキシ尿素に接触させること、および接触後の精液から採取した精子で卵子を受精させることを含む。
第7の態様では、精子を提供すること、および精子を有効量のヒドロキシ尿素に接触させることを含む、精子の寿命を延ばす方法が提供される。
第8の態様では、凍結保存後に解凍した精子試料の収量を増加させる方法が提供される。この方法は、複数の精子を含む試料を提供すること、精子をヒドロキシ尿素に接触させること、精子を凍結保存すること、および精子を解凍することを含む。
上記は、特許請求する主題のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために簡略化した要約を示している。この要約は広範な概要ではない。主要または重要な要素を特定したり、特許請求の主題の範囲を線引きしたりすることは意図していない。要約の唯一の目的は、後述するより詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化した形式で示すことである。
ヒドロキシ尿素で処理していない精子(対照)を示す、約9秒間にわたって撮影した写真である。 ヒドロキシ尿素で処理した精子(実験)を示す、約9秒間にわたって撮影した写真である。
特に定義しない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示の当業者が一般に理解する用語と同じ意味を持つ。さらに、一般に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、仕様の文脈における意味と一致する意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義される場合を除き、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことが理解される。簡潔さや明確さのために、よく知られている機能や構造は詳細に説明しない場合がある。
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。
「から本質的になる」という用語は、列挙された要素に加えて、請求内容が、本開示に記載の意図した目的に対して請求内容の運用性に悪影響を及ぼさない他の要素(ステップ、構造、成分、構成要素など)も含み得ることを意味する。この用語は、そのような他の要素が何らかの他の目的で請求内容の運用性を高める可能性がある場合でも、本開示に記載の意図した目的に対して請求内容の運用性に悪影響を及ぼすような他の要素は除外する。
「約」および「およそ」という用語は、一般に、測定の性質または精度を考慮して、測定された量の許容できる程度の誤差または変動を意味するものとする。典型的で例示的な誤差または変動の程度は、所与の値または値の範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である。生物学的システムの場合、「約」という用語は、許容される誤差の標準偏差、好ましくは所与の値の2倍以下を指す。本発明の詳細な説明における数量は、特に明記されていない限り概算であり、明示的に記載されていない場合「約」または「およそ」という用語が暗示され得ることを意味する。
本明細書で使用される「個体」、「対象」または「患者」という用語は、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類およびヒトなどの哺乳類を含む任意の動物を指す。この用語は、雄性または雌性あるいはその両方を指定するか、雄性または雌性を除外する場合がある。
「精子(spermatozoon)」という用語は、生きている雄性生殖細胞を指す。「精子」という用語は、複数の生きている雄性生殖細胞を指す。文脈で特に必要とされない限り、複数形と単数形は互換性がある。「精子(sperm)」という用語は略語として使用され、少なくとも1つの精子を指す。本明細書で使用される場合、精子はヒト男性対象、またはウシ、ウマあるいいはブタなどの家畜動物を含む動物からのものであり得る。
ヒドロキシカルバミドとしても知られるヒドロキシ尿素(「HU」)は、化学式CHおよび化学構造を有する:
Figure 2020519591
驚くべきことに、とりわけヒドロキシ尿素は精子の運動性を高め、有益な濃度で精子に悪影響を及ぼさないことが現在発見されている。HUは雄性および雌性の生殖能力に有害であると以前は信じられていたため、これは驚くべきことである。
精子運動性を高める方法には、精子をヒドロキシ尿素に接触させることが含まれ得る。精子は、ヒト男性またはウシなどの別の動物の精液から分離された精子であり得る。ヒドロキシ尿素は、以下でさらに説明するヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地などの適切な緩衝液に含有されてもよい。ヒドロキシ尿素は、精子運動性を高めるのに有効な量、例えば0.1〜250μg/mL、1〜50μg/mL、10〜25μg/mL、約18μg/mL、またはその部分値および/または部分範囲の量で緩衝液中に存在し得る。これらの濃度は、接触後の精子と緩衝液との混合物中のヒドロキシ尿素濃度を反映している場合もある。この方法は、そうでなければ非進行性の精子(すなわち、動くが前進はしない精子)における精子の進行性運動性(すなわち、ある点から別の点への直線運動)を増加させ得る。
いくつかの実施形態では、運動性の強化は、過活動状態の精子運動性としても知られる活性化された過活動運動性を含む。過活動状態の精子運動性は、精子が鞭毛の高振幅で非対称的な拍動パターンを有することを特徴とする。過活動状態の精子運動性は、進行性運動性よりも活発で短期的である。生物学的には、過活動状態の精子運動性は、精子が成熟した卵子を受精させる前に卵子の外側外郭を通過できるようにするために重要である。精子の人工授精の前に、精子運動性を高めてもよい。この方法は、精液を提供すること、および精液から精子を分離することを含み得る。この方法は、精子をヒドロキシ尿素に接触させて精子を処理することを含む。緩衝液は、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含み得る。一実施形態では、ヒドロキシ尿素で処理した精子を1分〜24時間、15分〜3時間、30分〜1.5時間、約1時間、またはその任意の部分範囲および/または部分値の期間インキュベートする。
前述のように、精子は適切な緩衝液中でヒドロキシ尿素に接触させることができる。緩衝液は、子宮内授精や試験管内受精など、精子洗浄を必要とする手順でよく使用される。精子洗浄によって精液から粘液(精漿)および非運動性精子を取り除く。したがって、ヒドロキシ尿素含有緩衝液は精子を洗浄すると同時に精子運動性を高める働きをし、洗浄緩衝液とヒドロキシ尿素を有利に組み合わせて単一の組成物および工程で運動性を高める。緩衝液は、精子運動性の増強またはHIVの抑制などの所望の結果をもたらすのに有効な任意の量、例えば0.1〜250μg/mL、1〜50μg/mL、10〜25μg/mL、約18μg/mL、またはその任意の部分範囲または部分値の量でヒドロキシ尿素を含み得る。緩衝液は、例えば、ヒト卵管液(「HTF」)培地または改変HTF培地であり得る。HTFは重炭酸ナトリウム緩衝システムを備えており、インキュベーション中に二酸化炭素雰囲気を必要とする用途で利用されることがある。改変HTFは、重炭酸ナトリウムおよびHEPES([4−2(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸])を組み合わせた緩衝液を含む。改変HTFは、生理学的pH(7.2〜7.4)の維持を提供し、保管中に二酸化炭素雰囲気を必要としない使用にも適している。HTF培地または改変HTF培地の適切な例には、カリフォルニア州サンタアナのIrvine Scientificから市販されているものが含まれる。精子緩衝液は、精子の運動性(または他の特性)の測定可能な改善をもたらすのに十分な期間インキュベートすることができ、本方法の特定の実施形態では、インキュベーションは1分〜24時間、15分〜3時間、30分〜1.5時間、約1時間、またはその任意の部分範囲もしくは部分値である。
本方法の一実施形態では、洗浄工程を行う。洗浄は、0.5%ウシ血清アルブミン(「BSA」)を含むHTF−HEPES培地の混合物で精子を遠心分離すること、および遠心分離した精子を分離し抽出することを含み得る。洗浄工程は、精子をヒドロキシ尿素で処理する前、処理と同時に、または処理した後に行うことができる。
精子の寿命を延ばす方法を提供し、この方法は精子を提供すること、および精子を有効量のヒドロキシ尿素に接触させて精子を処理することを含む。ヒドロキシ尿素の有効量は、0.1〜250μg/mL、1〜50μg/mL、10〜25μg/mL、約18μg/mL、またはそれらの部分範囲もしくは部分範囲であり得る。ヒドロキシ尿素の有効量は、治療上安全な量のヒドロキシ尿素が上限となり得る。ラットの単回投与におけるヒドロキシ尿素の経口LD50は5780mg/kgであり、1000で割ってヒトの大まかな最大安全用量を計算するため、最大有効用量は5.78mg/kg以下であり得る。不可能ではないが、本開示のヒドロキシ尿素が経口投与される可能性は低い。ただし、ラットの経口LD50に基づいた最大有効用量5.78mg/kgは、経口投与または別の経路での投与にかかわらず、ヒトでの最大安全ヒドロキシ尿素レベルを決定する際に有用な指針となり得る。
特定の仮説に縛られることなく、精子のヒドロキシ尿素処理によって引き起こされる運動性の増加は、精子のより長い寿命に寄与すると考えられる。したがって、ヒドロキシ尿素で処理した精子は、ヒドロキシ尿素で処理していない精子と比較して、より長期間保存することができ、卵細胞を受精させる能力を保持することができる。
いくつかの実施形態では、精子の凍結保存後解凍後の精子の収量を増加させる方法は、精子を含む試料を提供すること、精子をヒドロキシ尿素に接触させること、精子を凍結保存すること、および精子を解凍することを含む。精子の収量の増加は、HU処理していない精子と比較して、より多い相対数の精子が運動性であり受精可能であることを意味する。したがって、HUで処理した精子は、HUで処理していない精子よりも、凍結保存し解凍した後の収量が多い。ヒドロキシ尿素に接触した精子はまた、グリセロール、クエン酸塩、卵黄および抗菌剤などの1または複数の成分を含むいくつかの有用な凍結保存成分のいずれかを含み得る。グリセロールは、凍結時に細胞生存率を維持するために、当技術分野で知られている任意の濃度で存在してもよい。そのような濃度の例は、約5〜25%v/v、より具体的には約10〜20%v/v、12%v/vおよび15%v/vを含む。クエン酸と卵黄を使用して、グリセロールが浸透する際の細胞への浸透圧ストレスを軽減できる。適切な凍結保存成分である凍結緩衝液の例には、カリフォルニア州サンタアナのIrvine Scientificから市販されている「TYB with Glycerol&Gentamicin」が挙げられ、これは他の成分に加えて卵黄20%、グリセロール12%、および硫酸ゲンタマイシン10μg/mLを含む。抗生物質を使用して、試料の微生物汚染の可能性を減らすことができる。そのような成分は、標準のグリセロールおよびグリセロール卵黄凍結保存剤に使用される濃度で使用され得る。一実施形態では、ヒドロキシ尿素は凍結緩衝液中に提供される。
この方法は、混合物を1日〜20年、30日〜5年、少なくとも2週間、少なくとも1か月、少なくとも1年、またはそれらの任意の部分範囲または部分値の期間保存することを含み得る。この方法のいくつかの実施形態では、凍結保存は、効果的な凍結保存のために十分に低い温度で凍結することを含み、例えば凍結保存は約−10℃以下で行われてもよく、さらなる実施形態では組成物は−40℃以下で凍結され、さらに別の実施形態では温度は約−80℃、−100℃、−140℃、−160℃、−180℃、または−190℃以下である。
別の態様では、ヒドロキシ尿素は、HIV感染を予防するための組成物の製造、または精子運動性を高めるための組成物の製造に使用することができる。
一実施形態では、本開示のヒドロキシ尿素は、精子の運動性グレードを高める。例えば、ヒドロキシ尿素処理は、グレードcの精子運動性を有する精子の精子運動性をグレードaの精子運動性に高めることができる。ヒドロキシ尿素処理は、グレードbの精子運動性を有する精子の精子運動性をグレードaの精子運動性に高めることができる。ヒドロキシ尿素処理は、グレードcの精子運動性を有する精子の精子運動性をグレードbの精子運動性に高めることができる。
有利には、人工授精の前に精子運動性を高めるためにヒドロキシ尿素を使用することができる。ヒドロキシ尿素は精子の過活動運動性を活性化または誘導するため、ヒドロキシ尿素を使用して人工授精プロセス中に精子の過活動運動性を誘導し、ヒト女性または雌の家畜動物(雌のブタまたはウシなど)の卵細胞などの卵細胞の受精が成功する可能性を高めることができる。
一実施形態では、試験管内受精法などの生体外受精法において、ヒドロキシ尿素を使用して精子の過活動運動性を活性化することができる。
別の実施形態では、組成物は精子、有効量のヒドロキシ尿素、および緩衝液を含む。緩衝液は、HTFまたは改変HTF培地など、生存可能な精子の培地として適切な任意の緩衝液であり得る。ヒドロキシ尿素は、緩衝液中に0.1〜250μg/mL、1〜50μg/mL、10〜25μg/mL、約18μg/mL、またはそれらの任意の部分範囲および/または部分値の量で存在し得る。
いくつかの実施形態では、精子の運動性を高めるためのキットは、有効量のヒドロキシ尿素と緩衝液を含む。緩衝液は、上記で適切であると開示された任意の緩衝液であり得る。キットは、有効量のヒドロキシ尿素と緩衝液(例えばHTFまたは改変HTF)のみから構成されてもよいし、または本質的に構成されてもよい。ヒドロキシ尿素は緩衝液中に提供されるか、または別々に提供されて後で混合されてもよい。ヒドロキシ尿素は、緩衝液中に任意の有効量、例えば0.1〜250μg/mL、1〜50μg/mL、10〜25μg/mL、約18μg/mL、またはその任意の部分範囲および/または部分値で存在し得る。ヒドロキシ尿素および緩衝液は、キット内の適切な1または複数の容器に別々に、または一緒に含まれていてもよい。
一実施形態では、運動性が著しく向上した複数の精子が提供され、これは、精子を提供すること、および精子をヒドロキシ尿素に接触させることを含むプロセスの産物である。著しく強化された運動性は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、または少なくとも75%または約80%強化され得る。著しく強化された運動性は、10%〜200%、25%〜150%、50%〜100%、または70%〜90%強化され得る。著しく強化された運動性は、過活動運動性の著しく強化された活性化であり得る。著しく強化された運動性とは、非HU処理試料と比較した場合のHU処理試料における卵子を受精させることができる精子細胞数を指す。
別の実施形態では、ヒドロキシ尿素は、ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)に感染した精液試料を処理する方法において使用することができる。この方法は生体外プロセスであってもよく、それにより、処理条件がより制御され、提供者に起こり得る副作用がないという利点がある。精子の処理は、精液または精液試料中のHIVの複製、発現および/または活性化を抑制することを含み得る。いくつかの実施形態では、処理は、HIV陽性精子提供者と精子レシピエントとの間のHIV感染を防ぐ。レシピエントは、例えば、HIV陽性精子提供者の精子によって授精された卵細胞を有するヒト女性対象であり得る。
ヒドロキシ尿素は、HIVに感染した対象からの精液を含む培地に加えてもよい。ヒドロキシ尿素は、精子レシピエントの受精の前に、精子を処理するために加えてもよい。ヒドロキシ尿素は、精液中のHIVを抑制するのに有効な量、例えば0.1mM〜10mM、0.5mM〜5mM、0.75mM〜2.5MM、または1.0mM、またはその任意の部分範囲および/または部分値で培地に存在し得る。精子は、有益な効果を有するのに十分な期間、例えば、1分〜24時間、15分〜3時間、30分〜1.5時間、約1時間、または任意のその部分範囲および/または部分値の間、HU含有培地でインキュベートする(すなわち、ヒドロキシ尿素と接触させたままにする)ことができる。特定の仮説モデルに拘束されるものではないが、HUは、刺激された末梢血リンパ球(「PBL」)のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(「dNTP」)を枯渇させると考えられている。dNTPの枯渇は、HIV−1(HIVの最も一般的な株)DNA合成の速度を著しく低下させ、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激PBLにおけるウイルスDNA合成の完了を阻害する。
一実施形態では、本開示のヒドロキシ尿素は、HIV感染精液の凍結または凍結保存の前に、精液中のHIVを不活性化する方法で使用される。別の実施形態では、本開示のヒドロキシ尿素は、不妊治療中に精液中のHIVを不活性化する方法で使用される。いくつかの実施形態では、本開示のヒドロキシ尿素は、人工授精または試験管内受精のために精子を調製する前に、精液から運動性精子を単離する前に、精液中のHIVを不活性化するために使用される。
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、ヒドロキシ尿素は、場合により、ヒドロキシ尿素接触後の精子または精液から分離または洗浄されてもよい。このオプションの分離工程は、ヒドロキシ尿素へのヒトの直接的な曝露は有害な副作用をもたらす可能性があるため、有利であり得る。接触後の精子からヒドロキシ尿素を分離する任意の適切な手段、例えばカラムクロマトグラフィー、ろ過または示差遠心分離を使用することができる。
<実施例1>
ヒト精子をHUで処理して、HUで処理していないヒト精子よりも運動性が向上していることを示した。正常なヒト精液を15mLコニカル遠心分離管に採取した。精液から非常に運動性が高い(すなわち、グレードa)精子を分離し収集した。分離した非常に運動性が高い精子を、0.5%ウシ血清アルブミン(「BSA」)を含むHTF培地(HTF−HEPES;pH7.4)で遠心分離により洗浄し、0.5%(5mg/ml)BSA(36;pH7.4)を含む重炭酸塩(25mM)緩衝HTFに懸濁した。その後、各精子懸濁液を37℃で、加湿空気中5.0%CO雰囲気下で、異なる処理群、すなわち対照群とヒドロキシ尿素処理群に分注されるまでインキュベートした。
対照群は、加湿空気中の5.0%CO雰囲気下、37℃で0μg HU/mLを含むHTF緩衝液で24時間培養した。24時間培養後、対照精子の運動性のパターンおよび程度を評価した。
ヒドロキシ尿素処理群は、加湿空気中の5.0%CO雰囲気下、37℃で18μgHU/mLを含むHTF緩衝液で24時間培養した。24時間培養後、ヒドロキシ尿素処理精子の運動性のパターンおよび程度を評価した。結果として生じる全体的な精子運動性(進行性の運動性精子[主に直線または非常に大きな円で泳ぐ精子]+過活動の運動性精子[横方向頭部変位のより大きな振幅および進行性運動性のより低い頻度を示す精子])を細胞100個中の運動性精子の量として位相差顕微鏡で観察し、実験用カウンターで計数した。運動性精子の割合は、計数した精子100個に対する運動性精子の比に100を掛けて計算した。非ヒドロキシ尿素処理群(対照)の全体的な割合の運動性の値は75.4、標準誤差は±8.6%であったが、ヒドロキシ尿素処理群の精子運動性は79.0、標準誤差は±7.0%であった。
結果として生じる進行性の精子運動性のみを上記のように測定すると、対照群の運動性は51.7±10.2%であったが、ヒドロキシ尿素処理群の精子運動性は37.7、標準誤差は±8.4%であった。対照群精子の進行性運動性は、ヒドロキシ尿素処理群精子の進行性運動性よりも高かった(P<0.001;対応t検定の比較に基づく)。驚くべきことに、結果として生じる過活動運動性のみを上記のように測定すると、対照群の過活動運動性は23.0、標準誤差±6.4%であったが、ヒドロキシ尿素処理群の過活動運動性は41.3、標準誤差±5.3%であった。ヒドロキシ尿素処理群は、対照群の精子と比較して、有意に多い(P<0.001;対応t検定の比較に基づく)過活動運動性精子を有していた。これらの結果は、ヒドロキシ尿素が精子の過活動運動を刺激し、成熟卵細胞に結合し受精させる能力を獲得した精子の数を増やすことを示す。一方、対照緩衝液中のほとんどの精子細胞は、進行性運動状態のままであった(成熟卵を受精させる能力を獲得していない精子細胞で観察された運動パターン)。進行性の精子運動性は受精部位(ファロピウス管)への移動に向けて子宮頸管粘液を透過する精子の能力の決定要因であるのに対し、過活動の精子運動性(受精能獲得)は成熟卵を受精させる能力を獲得した精子に特徴的な運動パターンであるため、これらの発見は臨床的に重要である。
<実施例2>
ヒト精子をHUで処理し、HIV感染を防ぐという意味で、HUが全体的な精子運動性に重大な悪影響を及ぼさないことを示した。従来、全体的な精子の運動性および生存に対する悪影響を含むヒト精子およびヒト卵細胞などの生殖細胞に対するHUの有害作用により、HUは、精子中のHIVの複製および/または活性化を抑制したり、生殖細胞のHU処理を介してHIVの感染リスクを低減したりするには不適切な薬剤であると考えられていたため、この結果は驚くべきものである。
正常なヒト精液を15mLコニカル遠心分離管に採取した。精液から非常に運動性が高い(すなわち、グレードa)精子を分離し収集した。分離した非常に運動性が高い精子を、0.5%BSA(HTF−HEPES;pH7.4)を含むHTF培地で遠心分離により洗浄し、0.5%(5mg/ml)BSA(36;pH7.4)を含む重炭酸塩(25mM)緩衝HTFに懸濁した。その後、各精子懸濁液を37℃で、加湿空気中5.0%CO雰囲気下で、異なる処理群、すなわち対照群とヒドロキシ尿素処理群に分注されるまでインキュベートした。
対照群は、加湿空気中の5.0%CO雰囲気下、37℃で0μg HU/mLを含むHTF緩衝液で24時間培養した。24時間培養後、対照精子の運動性のパターンおよび程度を評価した。
ヒドロキシ尿素処理群は、異なる濃度のHU、すなわち(1)1.0mM HUおよび(2)2.0mM HUを含む2群のHTF緩衝液で培養した。これらの群を、加湿空気中の5.0%CO雰囲気下、37°Cで24時間培養した。24時間培養後、ヒドロキシ尿素処理精子の運動性のパターンおよび程度を評価した。
驚くべきことに、全体的な運動性を測定すると、HU処理群は対照群と比較して全体的な運動性測定値が類似していた。対照群の全体的な運動性は70.3で、標準誤差は±3.6であった。1.0mM HU処理群の全体的な運動性は66.6、標準誤差は±2.6であった。2.0mM HU処理群の全体的な運動性は68.3、標準誤差は±4.0であった。従来、HUは精子などの生殖細胞に損傷を与え、精子運動性を低下させると考えられていたため、これらの結果は驚くべきものである。このように以前は、HUは、生殖細胞のHU処理を介して精液中のHIVの複製および/または活性化を抑制したり、HIV感染のリスクを低減したりするのに不適切な薬剤であると考えられていた。
<実施例3>
ヒト精子をHUで処理して、凍結保存された精子の維持と保存にHUが有益であることを示した。HU処理または精子の接触は、ヒドロキシ尿素処理精子が、ヒドロキシ尿素処理または接触していない精子と比較して24時間凍結培地での精子の維持に優れていることを示したため、この結果は驚くべきものであった。
正常な精液試料について世界保健機関(WHO)の基準を満たしたOvation Fertility Centerから廃棄され匿名化された精液試料の精液事後分析を実施した。WHOの正常基準を満たすこれらの精液試料を2つに分けた。半分は、凍結防止剤として12%グリセロールを含むTEST−Yolk緩衝液(凍結緩衝液[FB];Irvine Scientific、CA)で凍結させた(対照群)。各試料の残りの半分は、FB+HU(Sigma Aldridge、St. Louis)で構成される実験凍結緩衝液で凍結した(処理群)。対照緩衝液と実験緩衝液の両方を、それぞれの精液試料(v/v)に1:1の比率で滴下方式で加えた。精液+FBの最終グリセロール濃度は6%であり、精液+実験凍結緩衝液の最終HU濃度は、HIV複製の阻害に効果的なHU濃度を使用するために1μMであった。凍結前の精子運動性を各試料について決定した後、凍結手順の冷却工程を開始した。対照群および処理群の試料を24時間冷却して、処理群におけるHU誘導性の活発な運動性細胞の動きを遅くした。続いて冷却後運動性を測定し、30分間液体窒素蒸気相で凍結した後少なくとも24時間液体窒素(LN)に浸漬して保存し、その後分析のために解凍した。運動性分析の前に、試料を室温で35分間解凍した。
結果は、以下の表1に示すように、凍結培地にHUを補給すると運動性精子(凍結前)の初期集団の76〜84%の運動性が維持され、これは対照群の精子について観察された割合(凍結前集団の28〜45%)よりも著しく高いことを示す。さらに、処理(HU)群で凍結した解凍後の精子寿命は、対照群の解凍後の精子寿命よりも長かった。
Figure 2020519591
上記の表1からわかるように、HUは、非HU処理の運動性精子と比較して、その後凍結保存される運動性精子の保存、運動性の維持、および生存の維持に非常に効果的である。実際、上記で試験したすべての試料のそれぞれで、HU処理は非HU処理の運動性精子と比較して運動性精子の収量を増加させた。7つの試料の冷却後運動性に対する対照群の冷却後運動性(冷却プロセス生存率)の平均は50.71であり、標準誤差は±4.86であった。有利には、7つのHU処理試料の冷却後運動性に対する冷却後運動性(冷却プロセス生存率)の平均は71.91であり、標準誤差は±4.39であることがわかった。
図1A〜図1Hおよび図2A〜図2Hは、凍結保存される運動性精子の保存、運動性の維持、および生存の維持におけるHUの有効性を実証している。図1A〜図1Hは、約9秒にわたる非HU処理(すなわち、対照)運動性精子を示すビデオの静止画面を示し、図1Aは約1秒経過に対応し、図1Bは約2秒経過、図1Cは約4秒経過、図1Dは約5秒経過、図1Eは約6秒経過、図1Fは約7秒経過、図1Gは約8秒経過、図1Hは約9秒経過に対応している。見てわかるように、対照群には運動性を伴う精子が全体的に少なく、過活動運動性を示す精子はたとえあっても稀である。他方、図2A〜図2Hは、約9秒にわたるHU処理(すなわち、実験)運動性精子を示すビデオの静止画面を示し、図2Aは約1秒経過に対応し、図2Bは約2秒経過、図2Cは約4秒経過、図2Dは約5秒経過、図2Eは約6秒経過、図2Fは約7秒経過、図2Gは約8秒経過、図2Hは約9秒経過に対応している。見てわかるように、処理群には運動性を伴う精子が全体的に中程度から高度に存在し、多数の精子は、解凍後運動性が低い対照群と比較して、過活動運動性を示している。
この実施例3のこれらの結果は、凍結保存された運動性精子の生存率および運動性の保存または維持にHU処理が非常に効果的であることを実証しているため重要である。さらに、HU処理は、ここで試験した濃度1μMなど、HIV複製を阻害するのに効果的なHU濃度で運動性精子の運動性を保存または維持する。本明細書に記載のHUのこの二重の特徴(HIV複製を阻害しながら運動性を増大させる)は、本開示の実施形態の重要な態様である。
<実施例4>
ヒト精子をHUで処理して、凍結保存された精子の運動性の維持にHUが有益であることを示した。
正常な精液試料について世界保健機関(WHO)の基準を満たしたOvation Fertility Centerから廃棄され匿名化された精液試料の精液事後分析を実施した。WHOの正常基準を満たすこれらの精液試料を2つに分けた。半分は、凍結防止剤として12%グリセロールを含むTEST−Yolk緩衝液(凍結緩衝液[FB];Irvine Scientific、CA)で凍結させた(対照群)。各試料の残りの半分は、FB+HU(Sigma Aldridge、St.Louis)で構成される実験凍結緩衝液で凍結した(処理群)。対照緩衝液と実験緩衝液の両方を、それぞれの精液試料(v/v)に1:1の比率で滴下方式で加えた。精液+FBの最終グリセロール濃度は6%であり、精液+実験凍結緩衝液の最終HU濃度は、HIV複製の阻害に効果的なHU濃度を使用するために1μMであった。凍結手順の冷却アームを開始する前に、各試料について凍結前の精子運動性を決定した。対照群および処理群の試料を24時間冷却して、処理群におけるHU誘導性の活発な運動性細胞の動きを遅くした。続いて冷却後運動性を測定し、30分間液体窒素蒸気相で凍結した後少なくとも24時間LNに浸漬して保存し、その後分析のために解凍した。運動性分析の前に、試料を室温で35分間解凍した。
結果は、以下の表2に示すように、凍結培地にHUを補給すると、運動性精子(凍結前)の初期集団の運動性は、HUを含まない対照群よりも良好に維持されたことを示す。
Figure 2020519591
上記からわかるように、運動性精子のHU処理は、凍結保存された精子の解凍後運動性にプラスの効果をもたらす。ただし、実施例4よりも多くの試料数を含む実験では、より高い統計精度が得られるであろう。これらの結果は、HUに接触する運動性精子は、運動性精子の対照群と比較して、解凍後運動性および生存率が比較的高いことを示す。
予言的実施例5
HUで処理した精子は、卵子の受精およびその後の接合子の発達(例えば、卵割、圧縮、細胞分裂、芽球形成、実行および胚形成)に対して安全かつ効果的であると考えられる。卵子試料(例えば、ブタ、ウシまたはキヌゲネズミ亜科(ハムスター)の卵子など)を2セットの精子試料で人工的に受精させ(IVFなど)、1セットをHUで処理し(実験)、もう一方のセットはHUで処理しない(対照)という実験が行われ得る。例えば、精子試料が20個ある場合、試料20個を、HU処理用の試料20個と、HU処理なしの(例えばHUを含まない緩衝液などによる)対照試料20個の2セットに分ける。精子は、ブタ、ウシまたはキヌゲネズミ亜科などの動物から提供されてもよい。次に、精子のセットを使用して卵子を受精させるが、卵子は実験変数を最小限にするために単一の動物からの卵子、または試料ごとに単一の動物からの卵子であることが好ましい。試料のセットの受精卵についてその後の発達を観察、測定および記録する。対照試料とHU処理試料の発達を比較することにより、HU処理精液試料からの精子が動物の受精手順および技術に対して安全かつ効果的であると示すことができる。
本発明で開示された実施形態の所与の要素はいずれも単一の構造、単一の工程、単一の物質などで具現化され得ることを理解されたい。同様に、開示された実施形態の所与の要素は複数の構造、工程、物質などで具体化され得る。
前述の説明は、本開示のプロセス、機械、製造物、組成物および他の教示を例示および説明している。さらに、本開示は、開示されるプロセス、機械、製造物、組成物および他の教示の特定の実施形態のみを示し説明しているが、上述のように、本開示の教示は様々な他の組み合わせ、改変および環境における用途で使用でき、本明細書に記載の教示の範囲内で関連技術の当業者のスキルおよび/または知識に応じて変更または改変が可能であることを理解されたい。上記の実施形態は、本開示のプロセス、機械、製造物、組成物および他の教示を実施する既知の特定の最良のモードを説明し、そのようなまたは他の実施形態において、および特定の用途または使用に必要な様々な改変を含めて、当業者が本開示の教示を利用できるようにすることをさらに意図する。したがって、本開示のプロセス、機械、製造物、組成物および他の教示は、本明細書に開示される正確な実施形態および例を限定することを意図するものではない。本書のセクションの見出しは、37 C.F.R.§1.77の示唆に一致するため、または組織的なキューを提供するためにのみ提供されている。これらの見出しは、本書に記載されている発明を制限または特徴付けるものではない。

Claims (34)

  1. 精子を提供するステップと、
    前記精子を有効量のヒドロキシ尿素を含む組成物に接触させるステップと
    を含む、精子運動性を高める方法。
  2. 前記組成物が、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含む緩衝液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接触した精子を1分〜24時間インキュベートするステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ヒドロキシ尿素が前記組成物中に0.1〜250μg/mLの量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ヒドロキシ尿素が前記組成物中に10〜25μg/mLの量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記精子がヒト精子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記精子がウシ精子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記運動性を高めることが、過活動運動性を活性化することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 複数の精子と、
    前記複数の精子の運動性を高めるために、少なくとも0.1μg/mLヒドロキシ尿素と
    を含む組成物。
  10. 前記組成物が、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含む緩衝液を含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 精子運動性を高めるための有効量のヒドロキシ尿素と、
    緩衝液と
    から本質的になる、精子の精子運動性を高めるためのキット。
  12. 前記有効量のヒドロキシ尿素が前記緩衝液中に提供される、請求項11に記載のキット。
  13. 前記ヒドロキシ尿素が10〜25μg/mLの量で前記緩衝液中に存在する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の組成物またはキット。
  14. 前記緩衝液が、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の組成物またはキット。
  15. 精子を提供するステップと、
    運動性を高めるために前記精子を有効量のヒドロキシ尿素に接触させるステップと
    を含むプロセスによって調製した運動性を強化した処理精子。
  16. 前記有効量のヒドロキシ尿素が、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含む緩衝液中に提供される、請求項15に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  17. 前記接触した精子を1分〜24時間インキュベートするステップをさらに含む、請求項15または16に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  18. 前記有効量のヒドロキシ尿素が組成物中に0.1〜250μg/mLの量で存在する、請求項15〜17のいずれか一項に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  19. 前記有効量のヒドロキシ尿素が組成物中に10〜25μg/mLの量で存在する、請求項15〜18のいずれか一項に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  20. 前記精子がヒト精子である、請求項15〜19のいずれか一項に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  21. 前記精子がウシ精子である、請求項15〜19のいずれか一項に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  22. 前記運動性を高めることが過活動運動性を活性化することを含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載のプロセスにより調製した処理精子。
  23. ヒト免疫不全ウイルスに感染した対象から精液を提供するステップと、
    前記精液をヒドロキシ尿素に接触させるステップと
    を含む、精液中のヒト免疫不全ウイルスの活性を抑制する方法。
  24. 精子提供者と前記精子提供者の精子で授精した精子レシピエントとの間のヒト免疫不全ウイルスの伝播を防ぐ方法であって、
    前記精子提供者から精液試料を提供するステップと、
    前記精液試料から採取した精液をヒドロキシ尿素に接触させるステップと、
    前記ヒドロキシ尿素接触精液から採取した精子で前記レシピエントを授精させるステップと
    を含む、方法。
  25. 精子を提供するステップと、
    前記精子を有効量のヒドロキシ尿素に接触させて前記精子の寿命を延ばすステップと
    を含む、精子の寿命を延ばす方法。
  26. 複数の精子を提供するステップと、
    前記複数の精子をヒドロキシ尿素に接触させるステップと、
    前記複数の精子を凍結保存するステップと、
    前記複数の精子を解凍するステップと
    を含む、凍結保存後に複数の精子における運動性精子の収量を増加させる方法。
  27. 前記ヒドロキシ尿素に接触させた精子を1分〜24時間インキュベートするステップをさらに含む、請求項23〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記ヒドロキシ尿素が、ヒト卵管液培地または改変ヒト卵管液培地を含む緩衝液に提供される、請求項23〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. ヒドロキシ尿素が組成物中に0.1〜250μg/mLの量で存在する、請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記ヒドロキシ尿素が組成物中に10〜25μg/mLの量で存在する、請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記精子がヒト精子である、請求項23〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記精子がウシ精子である、請求項23〜30のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記接触精子は、ヒドロキシ尿素に接触した後、運動性が増強されている、請求項23〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記増強された運動性は、過活動運動性または進行性運動性である、請求項33に記載の方法。
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