本発明は、皮膚光沢(skin gloss)を測定するセンサを含むシステムに関する。本発明は、更に、皮膚光沢を評価する方法に関する。
皮膚光沢に関連する問題は、当技術分野において知られている。US2015/127071(対応物であるUS9,452,113B2又はWO/2013−186716A2も参照のこと)は、脂っぽい皮膚の処置に関連し、皮膚は皮脂腺に富み、絶えず更新されていることが記載されている。US2015/127071は、皮脂の分泌が皮膚及び毛の頭部の両方に有用な正常な現象であることを更に記載している。皮脂は、通常、表皮の保湿剤である。それは皮脂腺の天然の産物であり、皮脂腺は、毛包脂腺構成(pilosebaceous unit)の付属物である。それは本質的に多かれ少なかれ脂質の複雑な混合物である。皮脂は、皮膚を保護し、頭皮も保護し、キューティクル(cuticle)を潤滑することによって毛に光沢(sheen)を与える。
US2015/127071によれば、皮脂の過剰分泌、又は脂漏は、審美上の障害につながることがある。よって、皮脂の過剰な泌は、輝いた又はきらめく外観の脂っぽい皮膚をもたらすことがあり、それは頭皮の脂っぽいふけの状態又は脂っぽいふけの外観を促進することもある。それは孔径の増大を伴うことがある。例えば、ストレス、疲労、冬期は、大部分の人々においてこれらの状態を強める要因であることがある。脂っぽい皮膚を有する集団の中には、内分泌障害又は神経障害を有する被験者又は肥満被験者を見出すことが可能である。青年期の若者、過剰なホルモン(特に男性ホルモン)に苦しむ人々、脂っぽい皮膚を有する月経のある女性又は閉経期の女性を見出すことも可能である。
US2015/062380は、非偏光成分を有する光を放射するように構成される非偏光放射部分と、第1の偏光フィルタを介して所定の偏光成分を有する光を放射するように構成される偏光放射部分と、第2の偏光フィルタ、互いに直交する関係にある偏光方向を有する第1の偏光フィルタ及び第2の偏光フィルタを通じて、非偏光放射部分及び偏光放射部分のうちの一方による光で照らされる被験者を撮像するように構成される、撮像要素とを含み、撮像要素は、非偏光放射部分による光で照らされる被験者及び偏光放射部分による光で照らされる被験者を時分割方式で撮像し、撮像の結果として得られる非偏光画像及び直交偏光画像を出力する、ように更に構成される、撮像装置を記載している。
US2016/296119は、皮膚を分析するために適切に使用される画像を効率的に取得するための画像分析デバイス、画像分析方法、プログラム、及び照明デバイスに関する。画像取得ユニットが含められ、画像取得ユニットは、少なくとも、可視光を放射するように構成される発光素子と不可視光を放射するように構成される発光素子とを含む複数の発光素子がパッケージ化される、発光ユニットを含む、照明ユニットと、照明ユニットから放射される照射光を分析標的によって反射させることによって生成される反射光の画像を取り込むように構成される画像ピックアップユニットとを含む。本記述は、例えば、人間の皮膚を分析するデバイスに適用可能である。
EP2919185は、複数の三次元プロファイルを格納するデータベースであって、基準色値が予め付加される複数の基準色三次元物体を写真撮影することによって得られる画像データ及び対応する基準色値から計算される変換関係が、複数の写真照明条件と関連付けられる、データベースと、三次元写真被験者を写真撮影するときの照明条件に基づいて、照明条件に対応する三次元色プロファイルを選択する、選択ユニットと、選択される三次元色プロファイルに基づいて、写真撮影された三次元写真被験者の写真撮影画像の画像データから色値への色変換を行う、色変換ユニットとを含む、カメラシステムを記載している。
US2013/256505は、被験者に対する照明方向を切り換えることができる照明ユニットと、あらゆる照明方向について被験者に対する焦点調整を行って焦点状態に従った評価値を算出し、その評価値に基づいて焦点状態が最良になる方向を照明方向として決定する、制御ユニットとを含む、撮像デバイスを提供する。
皮膚の外観は、皮膚表面上の薄い乳化した膜の存在によって有意に影響される。皮脂腺及び表皮ケラチノサイトからの脂質を含む皮脂は、汗や化粧品及び環境からの他の脂質と混合させられて、表皮よりも高い屈折率の乳化膜を形成する。皮脂は、より高いフレネル反射及び滑らかな空気−皮脂界面の故に、皮膚をより光沢あるように見せる。皮脂生成物と必要条件との間の最適なバランスは、光沢のない健康的な感触を皮膚に与え、皮膚科学的及び美容的に望ましい。光沢のある脂っぽい皮膚は、審美的でなく不快であると考えられ、しばしば、脂漏症、座瘡、ホルモン不均衡のような、様々な皮膚疾患と関連付けられる。皮脂欠乏状態において、皮膚は感染症にかかりやすく、かゆみがあり、乾燥していて、光沢がなく、紅斑があり、うろこ状に見える。
結果的に、皮脂分泌速度を制御することによって皮膚の要求とその最適な脂質要求とのバランスを取り且つ/或いは非侵襲的な光学デバイス及び方法を用いて皮膚状態をモニタリングする戦略が必要であると思われる。
皮膚の光沢度を測定するデバイスは、当技術分野において知られている。しかしながら、それらは、例えば、皮膚上の回転位置の依存性に悩まされることがあり、且つ/或いは定量的な結果を提供し得ないことがある。故に、上述の欠点の1つ又はそれよりも多くを好ましくは少なくとも部分的に除去する代替的なデバイス(本明細書では更により一般的な用語である「システム」が適用される)及び/又は皮膚光沢感知方法を提供することが、本発明の態様である。本発明は、従来技術の不利点の少なくとも1つを克服又は改善し或いは有用な代替を提供するという目的を有することがある。
とりわけ、本発明は、皮膚光沢及び皮膚脂性からなる群のうちの1つ又はそれよりも多くから特に選択されるような皮膚パラメータを測定するセンサ(「センサ」又は「皮膚光沢センサ」)を含む、システム(「システム」又は「皮膚センサシステム」)を提供し、センサは、(i)光源光(「光」)を提供するように構成された複数の空間的に分離された光源と、(ii)各光源から第1の距離(d1)に構成された検出器とを含み、センサは、10〜80°の範囲から特に選択される入射角(α)以下の光軸(OL)を備える光源光を、第2の距離(d2)で皮膚に提供して、(皮膚で反射される)反射光源光を検出するように構成され、センサは、少なくとも2つの光源、より一層具体的には、少なくとも3つの光源を含み、光源は、偏光されていない可視光源光、より具体的には、白色光を提供するように特に構成され、第1の距離(d1)は、5〜80mmのような、具体的には5〜60mmのような、より具体的には5〜50mmのような、例えば、具体的には5〜30mmのような、1〜100mmの範囲から特に選択され、検出器は、偏光された光を検出するように構成される。
そのようなシステムを用いるならば、皮膚に対するセンサの回転の影響が減少させられた、比較的信頼性の高い方法で、皮膚光沢を感知することが可能である。更に、そのようなシステムを用いるならば、皮膚光沢を定量的に推定することが可能である。「皮膚光沢(skin gloss)」という用語は、本明細書では、皮膚の光沢を指すが、「皮膚脂性(皮膚の脂っぽさ)(skin oiliness)」を指すこともある。故に、本明細書中の「皮膚光沢」という用語は、「皮膚光沢及び皮膚脂性からなる群の1つ又はそれよりも多くから特に選択される皮膚パラメータ」として定義されてよい。本明細書に記載するシステムで測定されることがある値は、皮膚光沢及び皮膚脂性を反映することがある。何故ならば、皮膚光沢は、皮膚脂性に関連することがあるからである。本明細書では、「皮膚光沢」という用語は、皮膚光沢又は皮膚脂性の両方を示すために使用されることがある。故に、実施形態において、「皮膚光沢」という用語は、皮膚光沢又は皮膚脂性を指すことがあり、或いは特に皮膚光沢を指すことがある。
上述のように、本発明は、センサを含むシステムを提供する。「システム」という用語は、例えば、それ自体のハウジングを有する、単一のデバイスを指すことがあるが、例えば、センサ及び制御システム、又はコンピュータ、スマートフォン等のようなデバイスを含む、制御システムのような、複数の機能的に連結されたデバイスを指すこともある。実施形態において、「センサ」という用語は、複数のセンサを指すこともある。
特に、システムは、ハウジングを含むデバイスを含むシステムのような、ハウジングを含む。センサは、本質的に、ハウジングによって収容されてよい。ハウジングは、アパーチャ(孔)(aperture)を含んでよい。そのようなアパーチャは、検出器に視野を提供することがある。更に、アパーチャを備えるハウジングは、アパーチャ(即ち、センサが皮膚上に構成される場合の皮膚)と検出器(又は(検出器から見られるときの)検出器の前の最後の光学系、特にレンズ)との間の距離として定義されてよい、第2の距離を提供することもある。第2の距離は、自由動作距離として示されてもよく、アパーチャと検出器との間の距離として定義されてよく、或いは光学系が利用可能なときには、アパーチャと(アパーチャの方向において検出器から見られるときの)最後の光学系との間の距離として定義されてよい。故に、第2の距離は、皮膚と検出器との間の距離として示されてよく、或いは光学系が利用可能なときには、皮膚と(アパーチャの方向において検出器から見られるときの)最後の光学系との間の動作中の距離として示されてもよい。ハウジングは、距離ホルダとして見られることができる。何故ならば、それは皮膚と検出器(又はその最後の光学系)との間の距離を定義するからである。そのような光学系は、検出器の上流に構成される。即ち、検出器は、そのような(任意的な)光学系の下流に構成される。第2の距離は、10〜45mmのオーダにあってよいが、最大200mmであってさえよい。故に、実施形態において、第2の距離は、10〜30mmのような、10〜200mmの範囲から選択されてよく、或いは40〜80mmの範囲内で選択されてよい。検出器は、反射光を検出するように構成される。故に、検出器は、(偏光されていない)光源による(順次式の)照明中に撮像のために反射光を検出する。検出器は、例えば、検出器の上流の偏光子の故に、本質的には、偏光された光を検出するに過ぎない。検出器の光軸及びセンサの光軸は、本質的に一致してよい。更に、センサの光軸及び全光源の正味の光軸は、本質的に一致してよい。
光源は、それらが検出器から第1の距離にあり、第1の距離が(関連する)視野(寸法)よりも小さい、ように特に構成される。更に、複数の光源は、検出器に等距離に構成される2つ(又はそれよりも多く)の光源のセットを特に含んでよい。そのようなセットは、独立して制御されてよい。更に、第1の距離は、光源の各々について必ずしも等しくない。故に、「光源の各々からの第1の距離(d1)に構成される検出器」という句及び類似の句は、「光源から第1の距離(d1)に構成される光源であって、光源の各々についての第1の距離が同一であってよい或いは2つ又はそれよりも多くの異なる第1の距離がある、光源」として解釈されてもよい。本明細書に示すように、第1の距離は、1〜100mmの範囲から特に選択されてよい。
故に、本発明は、(ある態様において)皮膚パラメータを測定するセンサを含み、センサは、(i)光源光を提供するように構成される複数の空間的に分離された光源と、(ii)光源の各々から第1の距離に構成される検出器とを含み、センサは、10〜80°の範囲から選択される入射角(α)以下の光軸を備える光源光を提供するように構成され、動作中、センサは、皮膚上に構成され(るべきであり)、皮膚上にセンサのハウジングのアパーチャを備え、センサは、(皮膚で反射される)反射光源光を検出するように構成され、センサは、少なくとも3つの光源を含み、光源は、可視光源光を提供するように構成され、可視光源光は偏光されず、第1の距離は、10〜80mmの範囲から選択され、検出器は、偏光された光を検出するように構成される、システムを提供する。システムは、添付の実施形態で定義される更なる構成を含んでよい。
システムは、メモリと、処理デバイス(又は「プロセッサ」もしくは「プロセッサシステム」もしくは「コントローラ」もしくは「制御システム」)と、ユーザインタフェースと、(例えば、感知した値に依存して0−n個のLEDのスイッチをオンすることによって異なる値を示すのに適し、nは、一般的に、少なくとも3のような、2以上である)LEDインジケータ及び/又はディスプレイのような、検知した皮膚光沢値を示すための表示ユニットとを含んでよい。
ユーザインタフェースデバイスの例は、とりわけ、手動作動ボタン、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーパッド、音声作動入力デバイス、オーディオ出力、インジケータ(例えば、ライト)、スイッチ、ノブ、モデム、及びネットワークカードを含む。具体的には、ユーザインタフェースデバイスは、ユーザインタフェースが機能的に構成されることによって、ユーザインタフェースが機能的に連結されるデバイス又は装置にユーザが指令することを可能にするように構成されてよい。ユーザインタフェースは、手動作動ボタン、タッチスクリーン、キーパッド、音声作動入力デバイス、スイッチ、ノブ等を特に含んでよく、且つ/或いは、任意的に、モデム、ネットワークカード等を含んでよい。ユーザインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェースを含んでよい。「ユーザインタフェース」という用語は、リモートコントロールのような遠隔ユーザインタフェースを指すこともある。リモートコントロールは、別個の専用デバイスであってよい。しかしながら、リモートコントロールは、システム又はデバイス又は装置を(少なくとも)制御するように構成されたアプリを備えるデバイスであってもよい。
コントローラ/プロセッサ及びメモリは、任意の種類であってよい。プロセッサは、様々な記載する動作を行うことができてよく、メモリに格納される指令を実行することができてよい。プロセッサは、(複数の)特定用途向け集積回路又は汎用集積回路であってよい。更に、プロセッサは、本システムに従って作動するための専用プロセッサであってよく、或いは多くの機能のうちの1つのみが本システムに従って作動するために動作する汎用プロセッサであってよい。プロセッサは、プログラム部分、複数のプログラムセグメントを利用して動作してよく、或いは専用又は多目的集積回路を利用するハードウェアデバイスであってよい。
センサは、(i)光源光(「光」)を提供するように構成される複数の空間的に分離された光源を含む。具体的には、センサは、少なくとも3つの空間的に分離された光源を含む。
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振キャビティ発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、エッジ発光レーザなどのような、半導体発光デバイスを含んでよい。「光源」という用語は、受動マトリクス(PMOLED)又は能動マトリクス(AMOLED)のような、有機発光ダイオードを指すこともある。特定の実施形態において、光源は、(LED又はレーザダイオードのような)ソリッドステート光源を含む。ある実施形態において、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態において、いわゆるチップ・オン・ボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、半導体チップの形態のLEDチップを特に指し、半導体チップは、収容も接続もされないが、PCBのような基板上に直接的に取り付けられる。故に、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてよい。実施形態において、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
更に、光源は、偏光されていない光源光を提供するように構成される。これはセンサが反射光の偏光方向から情報を得ることを可能にする。
更に、光源は、白色光を提供するように特に構成される。本明細書において、白色光という用語は、当業者に知られている。それは、約2000〜20000Kの間の、具体的には2700〜20000Kの間の、一般照明について具体的には約2700〜6500Kの範囲内の、バックライト目的について具体的には約7000〜20000Kの範囲内の、具体的にはBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(色合わせの標準偏差)内の、具体的にはBBLから約10SDCM内の、より一層具体的にはBBLから約5SDCM内の相関色温度(CCT)を有する光に特に関連することがある。特に、白色光は、黄色発光する発光材料を有する青色LEDによって提供されてよい。そのような光源は、本質的に偏光されていない白色光を提供することができる。
センサは、複数の空間的に分離された光源を含む。これは、光源間に多少の距離があることを暗示する。具体的には、光源は、間に検出器を備えて構成される。更に、具体的には、光源の最大数は、約12個であり、例えば、10個であり、例えば、8個であり、例えば、6個又は4個又は3個である。最大約12個、より具体的には最大約8個、例えば、最大約6個が、少なくとも10mmのような、少なくとも5mmのような、約1〜100mmのオーダにあってもよい、隣接する光源間の空間的な分離も可能にする、センサの周囲の構成を可能にする。
故に、実施形態において、システムは、少なくとも3つの光源を含む。更に別の実施形態において、センサは、センサ光軸を有し、光源は、センサ光軸の周りで回転対称に構成される。実施形態において、光源は、360°/nの光軸との角度の下で互いに対して構成されてよく、nは、光源の数である。故に、システムが少なくとも3個又は4個の光源を含む実施形態において、光軸との相互角度は、それぞれ、120°及び90°であることがある。
従って、上述のように、システムは、具体的には、少なくとも2つの光源を含み、より一層具体的には、少なくとも3つの光源を含み、光源は、具体的には、偏光されていない可視光源光、より具体的には、白色光を提供するように構成される。
実施形態において、システムは、具体的には、可視光源光を提供する複数の光源を含んでよく、可視光源光は、偏光されず、具体的には、本質的に全ての可視光源光は、偏光されない。具体的には、各々の光源は、本質的に偏光されていない可視光源光を提供する。故に、これらの実施形態は、皮膚に偏光されていない光源光を提供し、光源光は、本質的に部分的に偏光されない。従って、具体的には、光源は、可視光源光を提供するように構成され、可視光源光は、偏光されない。
更に上述したように、システムはまた、各々の光源から第1の距離(d1)に構成される検出器を含む。約1〜80mmの範囲内にある第1の距離(d1)は良好な結果が得られた。故に、特定の実施形態において、第1の距離は、1〜80mmの範囲から、特に5〜20mmの範囲から、例えば、6〜14mmの範囲のような、2〜60mmの範囲から選択されてよい。
具体的には、検出器は、偏光された光を検出するように構成される。この目的を達成するために、検出器は、検出器の上流に構成される偏光子を含んでよい。このようにして、偏光された光のみが、具体的には、S偏光された光のみが、検出器によって受信されることがある。以下に、偏光子の幾つかの具体的な実施形態を更に解明する。
具体的には、検出器は、偏光された光を検出するように構成される。故に、センサは、検出器の上流に構成される偏光子を含んでよい。偏光子は、検出器が、偏光された光、具体的には、S偏光された光、或いは代替的に、具体的にはP偏光された光を受け取るように、(皮膚で反射された)反射光源光をフィルタリングすることがある。
特定の実施形態において、センサは、具体的には10〜80°の範囲から選択される入射角(α)以下の光軸を(OL)を備える光源光を、第2の距離(d2)で皮膚に提供して、(皮膚で反射される)反射光源光を検出するように構成される。もちろん、皮膚はシステムの一部でない。しかしながら、システムは、第2の距離で皮膚を測定するように特に構成される。例えば、システムは、距離ホルダ(distance holder)又は他の要素を含んでよく、それは第2の距離でのセンサの構成を可能にする。この距離で、10〜80°の範囲内にある、特に20〜80°の範囲内にある、上記入射角が達成されることがある。以下で更に解明される特定の実施形態において、その角度は、20〜60°の範囲から選択される。
距離ホルダは、皮膚が検出器又は(検出器から見た)検出器の前の最後の光学系から第2の距離にあるよう皮膚上に配置されるように構成される。具体的には、距離ホルダは、皮膚が検出器又は(検出器から見た)検出器の前の最後の光学系に対して第2の距離にあるよう皮膚上に平坦に配置されるように構成されてよい。距離ホルダは、センサのハウジング内に含められてよい。具体的には、システムは、センサを少なくとも部分的に包囲するハウジングを含んでよく、ハウジングは、距離ホルダを含む。代替的に、システムは、ハウジングと、(別個の)距離ホルダとを含んでよく、そのような実施形態では、第2の距離が更に増加させられることがある。又はウジング以外の距離ホルダが、アパーチャを含んでよい。
システム、又はハウジングのようなその少なくとも一部は、皮膚を圧迫するように構成されてよい。故に、「皮膚上」は、システム又はその少なくとも一部が(使用中に)皮膚に対して圧迫されること、具体的には、ハウジングのような距離ホルダが皮膚に対して圧迫されることを示すことがある。故に、「第2の距離」という用語は、システムの使用中の検出器又は(検出器から見た)その最後の光学系と皮膚との間の距離を特に指す。第2の距離は、アパーチャ/皮膚と検出器(又はそのような光学系が利用可能なときの検出器の上流の光学系)との間の非ゼロ距離である。光学系という用語は、ここではレンズを特に指すことがある。
特定の実施形態において、検出器は、CCDカメラ TD−Next 5620 M7_1A及びTD−Next 5640 M12_3Bのような、2Dカメラを含む。各ピクセルは、本質的には、青色、緑色、及び赤色について、それぞれ3つのピクセルで構成されてよい。これは、検出器の青色、緑色、及び赤色チャネル強度を別々に提供することがある。
実施形態において、検出器は、約10×10mm2の検出器面積を有してよい。検出器は、1メガピクセル以上のオーダを有してよい。
更なる態様において、センサは、検出器の上流に構成される集束レンズを更に含んでよい。集束レンズは、集束レンズの一方の側に焦点が合っている検出器を有し、且つ/或いは集束レンズの他方の側に焦点が合っている皮膚を有するように構成されてよい。集束レンズは、検出器で皮膚の良好な画像を可能にする。
実施形態において、センサは、検出器の上流及び集束レンズの上流に構成されるアパーチャを更に含んでよい。これは解像度を更に高めることがある。実施形態において、アパーチャは、0.1〜5mmの範囲から選択される、より具体的には0.1〜0.8mmのような、より具体的には0.1〜2mmの範囲から選択される直径を有してよい。
システムの光軸は、検出器に対して垂直に構成されてよい。
特定の実施形態において、システムは、分析システムを更に含んでよい。分析システムは、センサのセンサ信号に依存して、対応する皮膚センサ値を生成するように構成される。分析システム及びセンサは、皮膚洗浄デバイス、皮膚回春デバイスなどのような、単一のデバイスに組み込まれてよい。故に、実施形態において、システムは、そのような皮膚洗浄デバイス、皮膚回春デバイスなどのような、スキンケアデバイスを含み、スキンケアデバイスは、センサ及び分析システムを含む。分析システムは、センサの信号、より具体的には検出器の信号を、(ディスプレイ又はLEDバーのような)インジケータユニット上での皮膚光沢の表示のようなユーザの有用な情報を含むことがある信号に変換することができる。皮膚センサ値は、皮膚パラメータであることができ、皮膚センサ値と皮膚パラメータとの間の所定の関係に基づいて皮膚パラメータに更に処理されてよい。
しかしながら、他の実施形態において、センサは、分析システムに有線式に又は無線式に連結される別個のデバイスによって構成されてよい。例えば、そのような分析システムは、スマートフォンによって構成されてよい。例えば、アプリを使用して、センサを読み出し、センサによって生成されるセンサ信号に基づいて皮膚センサ値を表示してよい。従って、更に他の実施形態において、本システムは、(i)スキンケアデバイスを含み、スキンケアデバイスは、センサを含み、(ii)スキンケアデバイスに機能的に連結される第2のデバイスを含み、第2のデバイスは、分析システムを含む。「分析システム」という用語は、複数の相互に関連するシステムを指すこともある。例えば、センサは、プロセッサを(更に)含んでよく、外部デバイスが、互いに通信し合ってよいプロセッサを含んでよい。センサのプロセッサは、センサ信号を提供してよく、外部デバイスのプロセッサは、それに基づいて、皮膚の光沢/脂性を示す皮膚センサ値を生成する。
センサ信号は、検出器信号であってよい。他の実施形態において、センサ信号は、処理済み検出器信号であってよい。故に、「検出器信号に基づく」という句は、実施形態において、処理済み検出器信号を指すこともある。センサ信号に基づいて、即ち、本質的に検出器信号に基づいて、分析システムは、対応する皮膚センサ値を提供することがある。
システムが、皮膚洗浄デバイス又は皮膚回春デバイスのような、機能デバイスを含むとき、デバイスは、(光沢を感知するための)センサのセンサ信号(又は皮膚センサ値)に依存して動作を実行するように構成されてよい。例えば、皮膚光沢(又は皮膚脂性)の特定の下方閾値又は上方閾値に達すると、機能デバイスは、音又は振動信号のような信号をユーザに提供してよい。代替的に又は追加的に、機能デバイスは、センサ信号に依存して特定の動作を減少又は増加させてよく、例えば、センサ信号に依存して皮膚のマッサージを増加又は減少させてよい。
従って、一層更なる態様において、本発明は、皮膚光沢を感知する方法も提供し、方法は、本明細書に定義されるシステムを用いて光源光を皮膚に提供するステップと、システムを用いて皮膚で反射された反射光源光を感知するステップとを含む。
本方法は、特に、皮膚上でセンサを用いて実行され、例えば、皮膚上でアパーチャを含むハウジングを用いて実行され、それにより、動作中に皮膚と検出器又はその最後の光学系との間に第2の距離がある。
特に、この方法は、非医療方法である。特に,この方法は、化粧方法である。
また、一層更なる態様において、本発明は、プログラム指令を格納するデータキャリアを提供し、プログラム指令は、本明細書中に定義されるシステムによって実行されるときに、システムに本明細書中に定義される方法を実行させる。
更に特定の実施形態では、上述のように、システムは、分析システムを更に含んでよく、分析システムは、センサのセンサ信号に依存して対応する皮膚センサ値を生成するように構成される。センサ信号が生成される多数の方法があってよい。家庭使用の用途のための多くの低コストデバイスが報告されているが、これらのデバイスを用いる光沢測定は定量的ではないように思われ、主観的知覚及び基準デバイス測定と相関しないこともある。光沢を推定する方法は、非偏光照明を用いて得られるカメラ画像において特定の閾値を上回る白色ピクセルの数を数えることに基づいてよい。しかしながら、白色ピクセルの数に基づく光沢推定は、入射光強度レベル(及びその変動)、あまり望ましくない皮膚の光学特性における閾値及び変動(個体間変動及び個体内変動)に依存するように思われる。
ここでは、以下に、より信頼性の高い結果をもたらすことがある幾つかの特定の実施形態を記載する。
故に、実施形態では、特に、システムは、検出器を用いて皮膚の画像を生成するように構成され、皮膚の画像は、最大強度が感知される第1の領域と、第1の領域から第1の画像距離にある第2の領域とを含み、第1の領域及び第2の領域は重なり合わず、システムは、第1の領域と第2の領域との間の経路に沿う反射光源光の強度依存性に基づいて皮膚センサ値を生成するように更に構成される。画像は、画像領域を有してよい。第1の領域及び第2の領域は、例えば、画像領域の0.1〜10%のような、0.05〜15%のような、0.05〜30%の領域であってよい。更に、第1の画像距離、即ち、第1の領域と第2の領域との間の距離、より正確には、これら2つの領域の境界間の最短の距離は、少なくとも第1の領域又は第2の領域の領域サイズのオーダにあってよい。一般的に、第1の領域及び第2の領域は、本質的に同じであってよい。任意的に、領域は異なってもよく、次に、補正係数が適用されてよい。更に、一般的に、これらの領域は、正方形又は四角形、特に正方形に選択される。最大強度が感知される領域は、本質的に鏡面反射が起こる画像の領域、即ち、光源光がミラーのように反射されて検出器によって検出される画像の領域であってよい。
故に、第1の画像距離は、画像領域の0.1〜10%の平方根のような、画像領域の0.05〜15%の平方根のような、画像領域の0.05〜30%の平方根の範囲内にあってよい。具体的には、第1の領域と第2の領域との間の距離は、画像領域の平方根の少なくとも5%である。画像領域は、固定値を有さない場合があるが、例えば、倍率に依存する場合があることに留意のこと。
更に、「画像を作る」という用語及び類似の用語は、瞬間での実画像の生成を必ずしも含まない場合があるが、検出器表面に亘る異なる位置で検出器の値を読み出すことを指す場合もあることに留意のこと。
2つの領域及び/又はそれらの2つの領域間の(直)線又は領域から導き出すことができる情報は、光沢に関する情報を提供することができ、それは、特にシステムが較正されているときに(下記も参照)、(皮膚脂性を含む)皮膚光沢の定量化を可能にすることがある。
従って、実施形態において、システムは、第1の領域と第2の領域との間の経路に沿う反射光源光の強度によって定められる曲線の傾きに基づいて皮膚センサ値を生成するように構成されてよい。故に、曲線の傾き又は曲線の角度に基づいて有用な皮膚光沢値を生成することができるように思われる。
代替的に又は追加的に、システムは、第1の領域と第2の領域との間の経路に沿う反射光源光の強度によって定められる曲線の下の領域に基づいて皮膚センサ値を生成するように構成されてよい。故に、曲線又は曲線の角度の下にある領域に基づいても有用な皮膚光沢値を生成することができるように思われる。経路を直線の軌跡又は線として示すこともできる。
更に代替的に又は追加的に、システムは、所定の閾値を上回る画像の多数のピクセルに基づいて皮膚センサ値を生成するように構成されてよい。よって、閾値を上回るピクセル数に基づいても有用な皮膚光沢値を生成することができるように思われる。
更に、代替的に又は追加的に、システムは、対応するピクセル強度でそれぞれ重み付けされた所定の閾値を上回る画像の平均ピクセル数に基づいて皮膚センサ値を生成するように構成されてよい。従って、閾値を上回るピクセルの重み付け数に基づいても有用な皮膚光沢値を生成することができる。
更に代替的に又は追加的に、システムは、第1の領域及び第2の領域の積分強度の間の関係に基づいて皮膚センサ値を生成するように構成されてよい。従って、皮膚光沢値を生成するために、これらのそれぞれの鏡面対拡散強度比も使用されてよい。例えば、システムが本質的に鏡面反射性の領域で並びに本質的に拡散反射性の領域で較正されるときには、これらのそれぞれの比の鏡面対拡散強度比から皮膚光沢パラメータを導き出すことができる。
更に、代替的に又は追加的に、システムは、画像内のバイナリラージオブジェクト(「blob」)を定義するように構成され、システムは、画像内のバイナリラージオブジェクトの平均サイズ及び最大サイズのうちの1つ又はそれよりも多くに基づいて皮膚センサ値を生成するように構成される。故に、blobの数及び/又はblobのサイズに基づいても有用な皮膚光沢値を生成することができる。故に、この実施形態では、白色ピクセルの数自体は使用されないが、blobは定義される。故に、特定の強度閾値を超える隣接するピクセルのうちの少なくともk個の数のような閾値がこれらのblobについて定義されてよい。
上述の実施形態では、較正が何回も言及されている。特に、皮膚光沢又は皮膚脂性の定量的評価のために、システムの較正が、より正確にはセンサ(よって、実際には、検出器)の較正が有用なことがある。この較正をセンサの製造後に行うことができる。代替的に又は追加的に、較正は、例示的なセンサの1つ又はそれよりも多くの以前の較正に基づいて、各センサについてソフトウェア実施されてよい。較正は、測定プロセスの一部であってもよく、或いは定期的にスケジュールされてよい。特定の実施形態において、較正は、センサの製造後に一度適用される。更に、システムは、基準センサのセンサパラメータに基づいて或いは例えば信号のドリフトなどに基づいて較正を更新することがある、制御ルーチンを含んでよい。
特定の実施形態において、システムは、フラットフィールド補正(flat-field correction)後のセンサのセンサ信号に依存して、対応する皮膚センサ値を生成するように構成される。フラットフィールド補正は、デジタル撮像の品質を改良するために使用される技法である。フラットフィールド補正は、照明及び検出の不均一性、検出器のピクセル間感度の変動、及び/又は光路のひずみによって引き起こされる、2D画像からのアーチファクトを補償するために特に使用される。上述のように、フラットフィールド補正は、例えば、スペクトラロン(Spectralon)のような拡散標準のような、純粋な拡散基準を有する測定に基づいてよい。そのような測定に基づいて、フラットフィールド補正が提供されてよく、それは(本明細書に記載するように)任意の測定において使用されてよい。
一層更なる実施形態において、システムは、検出器の赤色、緑色、及び青色チャネルのそれぞれの信号の平均に基づくセンサのセンサ信号に依存して、対応する皮膚センサ値を生成するように構成される。
上述のように、システムは偏光子を含んでよい。偏光子は、1つ又はそれよりも多くの特定の偏光のみが検出器に入ることを可能にするように構成される。故に、特定の実施形態において、センサは、検出器の上流に構成される偏光子を含む。更により具体的には、偏光子は、(i)セグメント化された偏光子及び(ii)空間的に変化する偏光子のうちの1つ又はそれよりも多くを含む。これは、特に光源が順次式に駆動されるときに、検出器の(回転)位置の影響の低減を可能にする。このようにして、センサは、光源の関数として反射光を検出することがある。偏光子の異なる偏光を用いるならば、システムの感度がより高いことがある。
したがって、特定の実施形態において、デバイスは、感知モードを含み、光源は、光源光を順次式に提供するように構成される。更なる特定の実施形態において、検出器は、光源によって順次式に生成される反射光源光を順次式に検出するように構成されてよく、対応する検出器信号を生成するように構成されてよい。上述のように、システムは、分析システムを更に含み、分析システムは、センサのセンサ信号に依存して対応する皮膚センサ値を生成するように構成され、特定の実施形態において、皮膚センサ値は、それぞれの検出器信号の平均に基づく。
実施形態において、セグメント化された偏光子は、異なる偏光向きを有する2つ又はそれよりも多くのピクセルを備えるピクセル化された(pixelated)ワイヤグリッド偏光子を含む。ここで、「ピクセル(pixels)」という用語は、領域(areas)を指すこともある。具体的には、センサは、4つの光源のような、n個の光源を含み、セグメント化された偏光子は、(4つの光源の場合における)2つのピクセルの2つのセットのように、互いに垂直な偏光向きを有するn個のピクセルを備える、ピクセル化されたワイヤグリッド偏光子を含む。上述のように、nの値は、具体的には、3個又は4個又はそれよりも多くのように、少なくとも2個である。
実施形態において、空間的に変化する偏光子は、方位角変化偏光子及び半径方向変化偏光子のうちの1つ又はそれよりも多くを含み、それは、特に、より多くの数のエミッタが互いに非常に近接して構成されることを可能にする。
最良の結果はブルースター角の辺りで得られることがある。故に、実施形態において、センサは、入射角(α)以下の光軸(OL)を備える光源光を、第2の距離(d2)で皮膚に提供するように構成され、入射角(α)は、50〜60°の範囲から選択され、より一層具体的には、入射角(α)は、52〜56°の範囲から選択される。
故に、とりわけ、本明細書では、ブルースター角又は偏光角に(本質的に)等しい入射角で皮膚を照明する複数の偏光されていない光エミッタからの順次式の照明を使用する皮膚光沢測定システム及び方法と、検出経路におけるセグメント化された或いは空間的に変化する偏光子とが提供される。
光源が順次式に駆動されるときに特に良好な結果が得られる。光源は異なる位置に構成されるので、反射挙動及び偏光挙動、並びに反射光の角度依存性は、このようにして、(皮膚構造及び/又は照明の不均一性に起因することがある)追加的な情報を提供することがあり、且つ/或いは皮膚上の回転位置に対するセンサの依存性を低減することを可能にすることがある。
故に、特定の実施形態において、デバイスは、感知モードを含み、光源は、光源光を順次式に提供するように構成される。
例えば、センサは、0.1×n−100×n Hzの範囲内の測定周波数を有してよく、ここで、nは、光源の数である。例えば、1×n Hzでは、毎秒、全ての光源が皮膚を連続的に照らし、検出器は、それぞれの光源に基づいて可能な反射を(連続的に)測定する。
もちろん、複数の光源の使用は、2つ又はそれよりも多くの光源のサブセットのアドレス指定を可能にすることもある。例えば、互いに対向して構成される2個の光源の2個のセットを有するために4つの光源が使用され、2個の光源の2個のセットの間には検出器があるとき、光源のそれらのセットは、交互にオンオフで切り替えられることが可能なこともある。
また、そのような方法の組み合わせを適用されてよく、その場合、光源のセットの組成は、例えば、丁度よいときに変化してよい。例えば、あるモードでは、所定の時間の間に、光源は、順次式にアドレス指定され、後続の所定の時間において、光源は、グループとしてアドレス指定される。そのようなモードは、これらのそれぞれの所定の時間の繰り返しを含んでよい。全ての種類の照明スキームを用いて、皮膚光沢のより信頼性の高い測定を更に作ってよい。
検出器信号は、それぞれの光源によって生成される信号に亘る平均であってよい。故に、一層更なる実施形態において、検出器は、光源によって順次式に生成される反射光源光を順次式に検出するように構成され、対応する検出器信号を生成するように構成され、システムは、分析システムを更に含み、分析システムは、センサのセンサ信号に依存して対応する皮膚センサ値を生成するように構成され、皮膚センサ値は、それぞれの検出器信号の平均に基づく。故に、具体的には、検出器信号は、先ず処理され、次に、平均化される。このようにして、検出器信号は、それぞれの光源によって生成される信号に亘る平均であることがある。
上述のように、システムは、少なくとも3つの光源を含んでよい。一層更には、上述のように、実施形態において、センサは、センサ光軸を有し、光源は、センサ光軸の周りで回転対称に構成される。
次に、添付の図面を参照して、ほんの一例として、本発明の実施形態を記載する。添付の図面において、対応する参照記号は、対応する部分を示している。
システムの幾つかの態様を概略的に描写している。
システムの幾つかの態様を概略的に描写している。
シミュレーションのために使用されるシステムモデルの光学レイアウト及び視野に関する幾つかの態様を示している。
シミュレーションのために使用されるシステムモデルの光学レイアウト及び視野に関する幾つかの態様を示している。
異なる光沢値について得られたセンサ上のパワー分布を示しており、灰色値はパワー密度の対数である。
異なる光沢値について得られたセンサ上のパワー分布を示しており、灰色値はパワー密度の対数である。
異なる光沢値について得られたセンサ上のパワー分布を示しており、灰色値はパワー密度の対数である。
0%(拡散標準)〜100%(ミラー)の範囲の光沢値の関数としての光線トレースから計算された鏡面反射における電力と拡散バックグラウンドにおけるパワーとの間の比を示している。
複数のエミッタがリング構成において照明のために使用され且つ均一な偏光特性を有する偏光子が検出経路において使用されるときに検出された偏光状態の概略図を示している。
界面における偏光されていない光の反射及び透過を示している。
センサ回転に対する光沢値の依存性を最小限に抑える照明及び検出のための偏光スキームの概略図を示している。
空間的に変化する偏光フィルタ又は遅延器の幾つかの実施形態を概略的に描写している。
空間的に変化する偏光フィルタ又は遅延器の幾つかの実施形態を概略的に描写している。
基準を備える4個のサブピクセルと、0°、45°及び90°の向きを備える3個のグリッド被覆ピクセルとからなる、CMOS偏光画像センサのために使用されるナノワイヤ偏光フィルタアレイのパターンを示している。
照明及び検出のための可能な偏光スキームの概略図である。
異なる閾値についてのセンサの回転角の関数として生体内で測定された白色ピクセルの数の変動を示している。
較正標準、拡散標準及び反射ミラーでの測定に基づく専門的な光沢計の較正を示している。
下方光沢範囲内の光沢値を推定する異なる方法(角度、S/D比、重み付けピクセルの数)の比較を示している。
より高い光沢範囲内の光沢値を推定する異なる方法(角度、S/D比、重み付けピクセルの数)の比較を示している。
傾き(角度)に基づいて光沢を推定する画像処理ステップの例示である。
傾き(角度)に基づいて光沢を推定する画像処理ステップの例示である。
傾き(角度)に基づいて光沢を推定する画像処理ステップの例示である。
傾き(角度)に基づいて光沢を推定する画像処理ステップの例示である。
概略図は、必ずしも縮尺通りでない。
図1Aは、(皮膚光沢(skin gloss)及び皮膚脂性(皮膚の脂っぽさ)(skin oiliness)からなる群のうちの1つ又はそれよりも多くから選択される)皮膚パラメータを測定するセンサ100を含むシステム1を概略的に描写している。センサ100は、光源光111を提供するように構成された複数の空間的に離間させられた光源110と、光源110の各々から第1の距離d1で構成された検出器120とを含む。センサ100は、第2の距離d2で皮膚との10〜80°の範囲から選択される入射角αの下にある光学軸OLを備える光源光を提供して、反射させられる光源光111を検出するように構成される。センサ100は、理解のために2つだけの光源が示されているが、ここでは具体的には少なくとも3つの光源110を含んでよく、光源110は、偏光されていない(非偏光の)可視光源光111(unpolarized visible light source light)を提供するように構成される。第1の距離d1は、例えば、10〜80mmの範囲から選択されてよく、検出器120は、偏光(polarized light)を検出するように構成される。
検出器120は、例えば、2Dカメラ101を含んでよい。更に、センサ100は、検出器120の上流に構成された集束レンズ102と、検出器120の上流及び集束レンズ102の上流に構成されたアパーチャ103(孔)(aperture)とを含んでよい。アパーチャ103は、0.1〜0.8mmの範囲から選択される直径D1を有する。集束レンズは、例えば、10mmレンズのように、f5〜15mmであってよい。更に、システムは、第2の集束レンズを含んでよく、このレンズと第1のレンズとの組み合わせは、システム全体について所望の視野及び焦点深度を提供することがある(例えば、図2aを参照)。光源110は、偏光されていない白色光源光111を提供するように構成される。
図1Aに示されるように、システム1は、分析システム2を更に含んでよく、分析システム2は、センサ100のセンサ信号に依存して、対応する皮膚センサ値を生成するように構成される。
分析システム2は、センサ100(図1bも参照)も含むデバイスによって構成されてよく、或いは分離されたデバイスによって構成されてよい。図1aは、そのような実施形態も概略的に描写しており、システム1は、スキンケアデバイス3を含み、スキンケアデバイス3は、センサ100と、スキンケアデバイス3に機能的に連結された第2のデバイス200とを含み、第2のデバイス200は、分析システム2を含む。
センサ100は、開口107(opening)を含む。この開口は107、特に平坦であってよい。即ち、その周囲は、本質的に平坦であるエッジ(縁)を有してよい。このようにして、センサは、皮膚上で平坦に構成されてよい。開口107は、約10〜30mmの範囲内にあってよい直径D2又は等価直径D2を有してよい。
参照符号O2は、センサ100の光軸(optical axis)を指している。センサ100が皮膚上に構成されるとき、この軸は、皮膚に対する法線と本質的に一致してよい。
参照符号TSは、センサの頂面を示している。これは平坦な表面であってよい。参照符号LBは、光源の光が単一の反射なしに検出器に到達することを防止するように構成された、且つ/或いは皮膚によって反射されないがセンサの他の内表面によって反射される検出器120に到達する光を減少させることがある、直接光遮断器(direct light blocker)を示している。参考番号104は、偏光子(polarizer)を指している。
軸O2は、皮膚に対する法線と本質的に一致してよい。
具体的には、TSは、ハウジング105の頂面(top surface)を示すことがある。頂面TSは、実際には、皮膚から検出器120又はその最後のレンズまでの第2の距離d2を定めることがある。ここで、頂面TSは、アパーチャ107を含む。アパーチャの開口サイズ(opening size)を視野(FOV)として示すこともできる。ここで、視野は、参照符号FVでも示されている。開口又はアパーチャ107は円形であってよいが、正方形又は長方形であってもよく、或いは別の形状を有してよいことに留意のこと。参照符号FVAは、視野角を示している。参照符号TTは、アパーチャ107(即ち、動作中の皮膚)及び光源110をホストする支持体の頂側(top side)からの距離の合計トラックを示しており、その距離は、一般的にはLEDのような固体状態(ソリッドステート)光源が適用されるときの、光源110の頂部までの距離と本質的に同じである。合計トラックは、例えば、10〜30mmの範囲内のような、又は40〜80mmの範囲内のような40〜200mmの範囲のような、10〜80mmの範囲内のような10〜200mmの範囲内にあってよい。合計トラックTTは、第2の距離d2よりも大きい。検出器120及び任意的な光学系は、1〜20mmのような約1〜50mmの範囲内の高さを有してよい。図面から導き出すことができるように、センサ100が皮膚上に構成されるときに、第2の距離d2は保証される。従って、センサ100は、(描写するような)ハウジング105のような距離ホルダを含んでよく、或いは任意的に、ハウジングと、別個の距離ホルダとを含んでもよい。上述のように、可視光源光111は、特に偏光されていない。故に、光源光111は、特に偏光されていない光源光である。センサ100の光軸O2及び検出器120の光軸は、本質的に一致してよいことに留意のこと。更に、センサの光軸O2及び全ての光源110の正味の光軸とは一致してよい。
一般的に、距離d2は、検出器から見た、検出器又はその最後の光学系と、皮膚上に位置付けられるべきアパーチャとの間の距離として定義されてよい。
図1Bは、システム1の実施形態を概略的に描写しており、システム1は、皮膚洗浄デバイス、皮膚回春デバイスのような、スキンケアデバイス3を含み、スキンケアデバイス3は、センサ100と、分析システム2を含む。スキンケアデバイス3は、指示ユニットIU及び/又はユーザインタフェースUIを含んでよい。参照符号FAは、皮膚をマッサージ又は剥離するために使用されることがある領域のような機能領域を示している。
我々の皮膚光沢カメラシステムを調査するために、我々は専用ソフトウェアを備えるモンテカルロ光線追跡法(Monte Carlo ray tracing)を使用した。シミュレーションは、完全な照明及び検出分析を行うために、測光量及び放射量を計算する。カメラのプロトタイプ及びシステムのレイアウトの概略的な表現が図2Aに示されている。図2Aは、システム1の更なる実施形態を概略的に描写している。ここでは、アパーチャ103の上流に構成された追加的なレンズ102bが適用されている。センサのサイズは、ボックスの隅からの光が鏡面反射のためにエッジでセンサに当たるように、ボックスのサイズを決定する。我々は、センサの周囲にブラックボックスを使用して、壁(walls)やストップ(stop)からの信号が皮膚を見ずにセンサに直接的に当たるのを防止した。皮膚サンプルは、17%の反射率を有する表面を用いてモデル化された。この反射光の一部は鏡面的に反射され、それは反射角が入射角と同じであることを意味し、光の一部は拡散的に反射され、それは入って来る光の方向と反射光との間に何らの関係もないことを意味する。サンプルの光沢特性は、反射光のどの部分が鏡面的であり、どの部分が拡散的であるかを選択することによって、このようにして変更された。我々は全範囲、よって、100%鏡面(ミラー(mirror))から0%鏡面又は100%拡散(拡散標準(Diffuse standard))までを調査した。サンプルの光沢度(glossiness)の情報を得るために、我々はLED光からの鏡面反射がセンサ表面に到達し得ることを必要とする。従って、先に決定したボックスのサイズは、我々がLEDとセンサとの間の意味のある距離のみを使用することを可能にする。
使用されたLEDは、4000Kの色温度と70のCRIとを有し、完全拡散面エミッタ(Lambertian surface emitter)としてモデル化された。LEDパッケージ自体は、90%の拡散反射率を有するようにモデル化された。LEDは、70%の反射率の表面としてダイスされる(die)。PCBは、60%の拡散反射率を有するようにモデル化される。ハウジングの壁並びにSTOP表面(STOP surface)は、黒色としてモデル化されたが、完全な黒色ではなく、5%の拡散反射率を有する。レンズは、より大きいレンズ及びより小さいレンズのそれぞれのために、N−LASF9及びN−BK7ガラスに対応する屈折率を有してモデル化される。
3つの異なる光沢値についてのセンサ上のパワー密度分布の例が図3に示されている。図は、グレー値の対数を示している。プロットから分かるように、反射ミラー(100%)から拡散標準(0%)へのサンプルの光沢値の変化は、鏡面反射光の大きさの変化に対応する。それは低下するのに対し、拡散バックグラウンド信号(diffuse background signal)は増加する。基本的には、ミラーの場合には、センサ表面にLEDの画像を形成し、光沢度の程度が低下するにつれて、画像はますますぼやけてくることが起こる。
図2Bは、(ハウジングのない)頂面図を概略的に示しており、中央のハッチングされた四角形は、検出器120を示している。ここでは、四角形の、即ち、4:3のアスペクト比を有する検出器が適用される。視野FVは、ハウジング(図示せず)の開口の面積、又は該当する場合は距離ホルダ(図示せず)の面積であり、それは検出器120によって観察可能である。特に、この視野、即ち、アパーチャは、検出器120と同じ対称性を有するように選択されるが、アパーチャは、例えば、円形対称性を有することもある。ここで、四角形の視野FVは、長さFVLと、幅FVWと、対角FVDとを有する。視野が円形であるならば、直径(FVL=FVW=FWD)がある。光源110は、光源110と検出器120との間のエッジ間距離が、それぞれの光源110−検出器120の第1の距離d1に平行な関連する視野寸法よりも小さいように特に構成される。故に、s2及びs7で示される光源110の距離d1は、FVWよりも特に小さく、s4及びs5で示される光源110の距離d1は、FVLよりも特に小さい。更に、特に、s1、s、s6及びs8で示される光源110の距離d1は、FVD(対角)よりも特に小さい。
エッジ間距離の代わりに、特にLEDのような光源の中心と検出器120の中心との間の距離も適用されてよく、それは、次に、光源の大きさの0.5倍及び検出器の大きさの0.5倍を含む、関連する視野の大きさよりも特に小さくなければならない。
図3Aは、100%光沢の表面が測定されるときにシステムで提供される画像を示している。図3Bは、50%光沢及び50%拡散の表面が測定されるときにシステムで提供される画像を示している。図3Cは、100%拡散の表面が測定されるときにシステムで提供される画像を示している。
図4において、図3におけるようなプロットの情報は、別の方法で表現されている。これまでに行われたことは、鏡面反射の位置の周りに中心化される四角形内のパワー密度を積分することである。これは我々に鏡面反射される光の量を与える。次に、センサに入射する光の総量から、次に、我々は拡散バックグラウンドに含まれるパワーを計算することができる。これら2つの数字の比、即ち、バックグラウンドパワーによって除算された鏡面パワー(specular power)が、図4にプロットされている。予想されるように、光沢度の程度が増加するにつれて、比は増加する。このグラフは、我々が、強度で重み付けられた閾値を上回るピクセル数、対拡散強度を移行させる鏡面の傾き、及び選択的な関心領域における鏡面対拡散バックグラウンド比(拡散バックグラウンドに対する鏡面の比)のような、異なる方法を使用することによって、カメラプロトタイプで得られる単一画像からのサンプルの光沢値を差し引くことができることを暗示する。シミュレーションに基づくこれらの新規な方法を用いて推定される光沢値は、本明細書中の他の箇所に記載されている。光沢値を推定するために我々が開発した新しい方法の詳細及びこれらの方法の背後にある物理的原理は、本明細書の他の箇所に記載されている。
図4において、x軸には、パーセント光沢度が示されており、0%では拡散面があり、100%では右側で鏡面がある。y軸には、鏡面対拡散比(拡散に対する鏡面の比)が定義されている(鏡面/拡散)。
とりわけ、以下には、本質的にブルースター角又は偏光角に等しい照明の角度で皮膚を照らす並びにセグメント化された又は空間的に変化する偏光検出を使用する、複数の偏光されていない光エミッタからの連続的な照明に基づく方法及びシステムが提案されている。
可能なアプローチは、皮膚光沢の指標(indicator)として特定の閾値を上回る白色ピクセルの数を推定することに基づいてよい。しかしながら、センサ上の白色画素数は、測定プロトタイプ/センサが回転させられるに応じて変化する。センサの回転角度に対する光沢値の依存性は、白色ピクセルの数を推定するためにより高い値の閾値が使用され、皮膚構造が存在し、且つ照明のために単一のエミッタが使用されるときに、より顕著になる。よって、空間的に変化する表面特性及び構造特性を有する皮膚の光沢特徴は、偏光感受性カメラ撮像において1つの光源を用いて部分的にのみ得られることができた。この依存性は、重大な問題である。何故ならば、消費者はカメラセンサを皮膚に無作為に位置付け、光沢値の非定量的推定をもたらし、よって、消費者に潜在的に提供することができる情報の質を損なうからである。
この限界を克服し、センサ回転角に対する光沢値の依存性を低減するために、我々は、とりわけ、単一の低コストカメラセンサを用いた順次式照明及びS偏光検出における複数の偏光されていない光源(N>2)を提案する。しかしながら、このアプローチでは、鏡面反射/光沢の指標である好ましいS偏光状態の検出は、互いに正反対の2つの偏光されていない光源(U1とU3との組み合わせ又はU2とU4との組み合わせのいずれか)のペアについてのみ実現されることができる(図5)。これは、均一な偏光特性を有する偏光子が、検出のために光路において使用されるときに、最適な偏光状態を提供することができる光源の最大数が2であることを意味する。図5Aは、中央のセンサを示しており、U1−UVは、偏光されていない光源を示している。図5Aは、検出スキーム(detection scheme)を示しており、図5Bは、均一偏光フィルタを想定する検出スキームを示している。
とりわけ、本明細書では、センサの回転角と本質的に無関係な皮膚光沢の定量的測定のためにカメラシステム及び方法を使用することが提案される。とりわけ、3つよりも多くの光源からの順次式の照明(非偏光)及び単一の低コストカメラセンサを用いた順次式検出(S偏光検出)が使用されてよい。カメラプロトタイプの光学レイアウトの概略的な表現が、図2Aに示されている。
プロトタイプのためにも用いられた態様は、例えば、1)白色光LED照明、2)偏光されていない照明(LEDの数>3)、3)特にブルースター角に等しい入射角〜54°(即ち、50〜60°の範囲内の入射角)、4)LED−センサ距離>5mm(6〜14mmの範囲)、5)集束レンズ及びアパーチャ(ストップサイズ0.2〜0.6mm)を有する低コストカメラセンサ、及び6)カメラの前のセグメント化された偏光子又は空間的に変化する偏光子を含んでよい。
光沢値を推定するために使用される画像処理アルゴリズムは、白色ピクセルの数又はフラットフィールド補正(flat-field correction)後に最大値に正規化された光軸に沿う強度変化の傾きのいずれかに基づくことができる。他の方法も本明細書に記載される。
偏光されていない光が皮膚表面によって反射させられるとき、反射光の偏光特性は、照射の角度に依存する(図6)。反射及び透過に重要な2つの直交直線偏光状態は、p偏光及びs偏光と呼ばれる。(ドイツ平行(German parallel)から)p偏光される光は、入射の平面に平行に偏光させられる電場を有する一方で、(ドイツセンクレヒト(German senkrecht)から)s偏光される光は、この平面に対して垂直である。参照符号Nは、(表面に対する)法線を示しており、参照符号PIは、入射の平面を示している。更に、参照符号SKは、皮膚表面のような入射表面を示している。参照符号S及びPは、偏光を示している。
反射光は、0°又は90°に等しい照明角について偏光されず、0°〜90°の間の照明の角度について部分的に偏光(好ましくはS偏光)され、偏光角又はブルースター角に等しい1つの照明角について平面偏光(S偏光)される。
入射平面(P)に平行な電場を有する光についての反射係数がゼロになり、その角度での反射光が入射平面(S)に垂直な電場ベクトルで直線偏光される、入射角(0°及び90°)は、偏光角又はブルースター角と呼ばれる。偏光角又はブルースター角(θB)は、フレネルの式に基づいて計算されることができる。フレネルの式は、入射角がθB=1/tan(n2/n1)であるならば、(電場が入射光線及び表面法線と同じ平面において偏光される)p偏光を有する光は反射されないことを予測し、ここで、n1は、光が伝搬する初期媒体(「入射媒体」)の屈折率であり、n2は、他の媒体の屈折率である。空気(n1≒1)中のガラス媒体(n2≒1.5)について、可視光についてのブルースター角は、約56°である。この発明において開示されるような光学レイアウトについて、光は、空気−皮膚界面に入射し、ブルースター角は、約54°である。好ましい範囲は、50°〜60°である。
従って、実施形態では、検出経路において、(4〜8個までのより少ない数のエミッタについて)セグメント化された偏光子又は(例えば、12個を上回る多い数のエミッタについて)空間的に変化する偏光子が使用されることができる。特に、セグメントの数は、エミッタの数に等しい。
照明角度が0°〜90°の間であるときには、カメラの前にS偏光子を用いてこの構成要素内でフィルタリングすることによって、光沢の尺度である部分的に偏光(好ましくはS偏光)された反射鏡面光の検出を強化することができる。複数の光源を使用する照明スキームの場合には、図7に示すようなセグメント化された偏光子又は空間的に変化する偏光子を使用することができる。これは、照明のために4個のエミッタが使用されるときに、光源(U2及びU4)のペアのためのセンサの前の偏光子の向きは、U1及びU3から検出される光のための光路において使用される偏光子(V)の向きに直交(H)しなければならないことを意味する。これらのセグメントは、標準的な低コストの偏光シートから切断されることができ、セグメント化された偏光子を作るために個々のセグメントを回転させることによってそれぞれの向きに配置されることができる。参考番号104は、偏光子を示している。更に、参照番号1041は、セグメント化された偏光子を示している。
図8A及び図8Bは、それぞれ方位角又は半径方向に変化する、空間的に変化する偏光子1042を示している。
セグメント化された偏光子は、検出のために光路内に配置されることができ、或いは標準的なCMOSプロセスを使用してワイヤグリッド偏光子を製造することによってカメラセンサ自体に押印される(imprinted)こともできる。6μmのピクセルサイズを有する高速偏光画像センサは、基準を有する個のサブピクセルと0°、45°及び90°の向きを有する3個のグリッド被覆ピクセルとで構成される偏光マッピングについて既に報告されている。
図9は、互いに垂直な偏光方向を有する2つのピクセル1044の2個のセットを備える、ピクセル化されたワイヤグリッド偏光子1043を含む、セグメント化された偏光子1041の実施形態を概略的に描写している。
上述のように、光センサを用いた空間的に変化する表面及び構造特性を有する皮膚の光沢特性及び構造特徴の測定は、1個又は2個の光源が用いられるときのセンサ回転角に依存することがある。これは、光沢値の非定量的推定をもたらすことにより、消費者に潜在的に提供することができる光沢情報の質を劣化させ得る。
故に、本明細書では、センサの回転角により少なく依存する皮膚光沢の定量的測定のためのシステム及び方法も提案される。提案される発明は、代替的に又は追加的に、3個よりも多くの光源(非偏光照明)及びカメラセンサ(偏光検出)を使用する順次式の照明及び検出を使用することに基づいてよい。
とりわけ、我々は、偏光カメラ撮像設定におけるセンサの回転角に対する白色ピクセルの数の変化を分析した。とりわけ、我々は、構造が存在し、照明のために1つのエミッタが使用されるときに、センサの回転角度に対する光沢値の依存性が、より高い閾値でより顕著になることを観察した。
故に、とりわけ、本明細書では、センサの回転角により少なく依存する皮膚光沢の定量的測定のためのカメラシステム及び方法を使用することが提案される。提案される発明は、他の実施形態の中でも、3個よりも多くの光源からの順次式の照明(非偏光照明)及び単一の低コストカメラセンサを使用する順次式の検出(偏光検出)を使用することに基づくことがある。光沢値は、異なる方向に沿って撮影された複数の独立的な画像から推定されたピクセルの平均数に基づいて推定される。カメラプロトタイプの光学レイアウトの概略的な表現が、図2Aに示されている。光沢値を推定するために使用される画像処理方法(アルゴリズム)は、白色ピクセルの数又はフラットフィールド補正後の最大値に正規化された光軸に沿う強度変化の傾きのいずれかに基づくことができるが、他のオプションも可能なことがある(以下の参照のこと)。
プロトタイプにも使用された態様は、例えば、1)白色光LED照明、2)複数のエミッタ(LEDの数>3)を用いた偏光されていない順次式の照明、3)特に>45°(一般的には40〜80°の範囲内の)入射角、4)LED−センサ距離>5mm(6〜14mmの範囲)、5)集束レンズ及びアパーチャ(ストップサイズ0.2〜0.6mm)を有する(低コスト)カメラセンサ、6)カメラの前にある偏光子を含んでよい。
我々は、センサの回転角(30°のステップで0°〜360°)に対する光沢値(特定の閾値を上回る白色ピクセルの数)の依存性を調査した。順次岸の照明を備える1個及び2個のエミッタを用いるカメラプロトタイプを用いて測定を行った。
− スペクトラロン(Spectralon)(均一な光学特性を有する拡散標準)、
− (制御された実験を行うための)生体外皮膚(Ex-vivo Skin)、及び
− (前頭部、皮膚II型)生体内皮膚(In-vivo Skin)。
スペクトラロン、生体外皮膚及び生体内皮膚に対して測定された実験データに基づいて、我々は、リング照明構成(図10)において対称的に配置される3個よりも多くのエミッタ(N=3についての三角形構成及びN=4についての四角形構成など)を利用する順次式の照明を使用することによって、単一エミッタの使用と関連付けられる回転関連効果に起因する光沢含有量の過小評価を最小限に抑え得ることを例示する。複数のエミッタが同時に使用されるとき、光沢値は、回転角に依存し、複数のエミッタからの強度分布が重なり合う領域における白色ピクセルの数が、効果に主に寄与する。ここで、A、B、及びCは、リング構成に配置された光源を示している。
センサ回転角に対する光沢の依存性を定量化するために、白色ピクセル数を異なる閾値についてのセンサ回転角の関数と推定した(図11)。図11は、x軸に、センサの回転角RAを示しており、y軸は、白色ピクセルの数Nを(任意の単位で)示している。ピクセル数POL_Lは、多数の閾値についての角度の関数として表示され、110は、110の値の閾値を示しており、200は、200の値の閾値を示している。参考符号MX及びMNは、それぞれ最大及び最小を示している。
所与の閾値について、回転角に対する光沢の依存性は、ピクセル数の最大相対差、即ち、(Δ光沢)=(最大−最小)/(平均(最大,最小)に関して表される。
これらの実験に基づいて、以下の結論を下すことができる。
− 均一な光学特性を有するスペクトラロンから推定されたピクセルの数は、センサの回転角により少なく依存することを示した。
− 生体外及び生体内皮膚測定から推定されたピクセルの数は、回転角に対する依存性を示した。
− 回転角に対する光沢値のこの依存性は、皮膚構造及び表面特性の非均一性に起因する。角度に対するこの依存性は、皮膚構造が存在するときに、特に洗浄後に皮膚構造が存在するときに、より顕著になる。
− 複数の照明源を使用することによって、単一エミッタと比較して、センサの回転角に対する依存性を最小限に抑えることができる。この依存性は、複数のエミッタを同時に使用される場合(L,R)よりも順次式に使用される場合(L_R)に、更に減少させられる。
Δ光沢(非偏光)(L_R)Δ光沢(非偏光)(L,R)<Δ光沢(非偏光)L,Δ光沢(非偏光)R、及び/又は
Δ光沢(偏光)(L_R)<Δ光沢(偏光)(L,R)<Δ光沢(偏光)L,Δ光沢(偏光)R。
ここで、
− Lは、左側からの単一の偏光されていないエミッタであり、
− Rは,右側からの単一の偏光されていないエミッタであり、
− L、Rは、2個のエミッタ(L及びR)が同時に使用され、単一の画像が取り込まれることであり、
− L_Rは、2個のエミッタ(L及びR)が順次式に使用され、光沢値が平均値に基づいて推定される(Lエミッタ及びRエミッタは、リング構成において互いに正反対に位置付けられる)ことである。
故に、とりわけ、センサ向きに対する光沢値の依存性を最小限に抑えるために3個よりも多くの光源(非偏光照明、等角度分離)からの順次式照明及び単一の低コストカメラセンサ(偏光検出)を使用する皮膚光沢測定システム及び方法が本明細書において提供される。
以下、我々は、0〜100の光沢単位の範囲の光沢値を有する較正サンプル(ミラー、較正タイル、光沢紙、拡散標準)に対して行われた実験を報告する。我々は、カメラで測定された光沢値を、当該技術分野において知られている他の専門的デバイスと比較する。図12は、デバイス読取値DRをGU単位で示しており、DSは、拡散標準を示しており、RMは、反射鏡を示しており、Sは、光沢較正標準を示している、X軸には、較正標準の光沢がGU単位で示されている。
専門的な工業光沢計Gardner(G85)を用いて測定を行って、0〜100光沢単位(Gloss Units)(GU)の範囲の測定スケールを定義した。50、60、90GUの既知の基準光沢単位の定義された屈折率を有する3つの高度に研磨された3つの基準黒色ガラス標準(Novo Gloss)を用いてより高い範囲の光沢単位における専門的な光沢計(Gardner85)の性能と直線性を測定した。それらは「較正タイル(calibration tiles)」又は「較正標準(calibration standards)」として使用された。同じ表面特性を有する並びに十分な数のサンプルを有する広範囲の光沢値を提供するような材料はない。第1の較正タイルは中−高光沢値をカバーする一方で、光沢紙は低光沢値をカバーする。従って、我々は、これらの較正タイルを用いてデバイスを較正した後に、より低い範囲内の光沢単位の光沢値の範囲を有する光沢紙を使用した。これらの較正標準は、測定角について光沢単位を割り当て、材料研究用のBIN標準にトレース可能である。我々は、Garnder85で測定された光沢値と較正光沢標準の光沢基準値との間に良好な相関を観察した。我々は、ミラー及び拡散標準に対して追加的な実験を行って、ミラーに対する100の上方点較正を構築し、拡散標準に対して0で構築された下方終点を有した。我々は、ミラー及び拡散標準で10GUのオフセットを観察した。Gardnerデバイスにおける20°及び65°のような他の照射角で実施した測定は、0〜100GUの広い範囲において測定することができず、従って、我々は、85°の特定の照射角を以下の測定の基準として使用した。
光沢紙(図13)及び較正タイル(図14)をそれぞれ用いて光沢範囲の低光沢及び高光沢範囲を測定するカメラプロトタイプ及びアルゴリズムの性能及び直線性。カメラ画像に基づいて光沢を推定するために使用される様々な方法の記述及びフラットフィールド補正の定義を第6章に見出すことができる。専門的デバイスGardner85で測定した光沢単位を水平軸における基準値として使用する。カメラ読取値を最大値に正規化する。我々は、異なる方法の測定精度がサンプルの光沢範囲に依存することを観察した。より低い光沢値について、傾きの測定精度及び重み付けピクセル(weighted pixels)の数は、鏡面対拡散比アプローチの測定精度よりも高い。高い光沢値を有するサンプルの場合、重み付けピクセルの数及び鏡面対拡散比は、傾き/角度法と比較して優れている。これらの観察は、シミュレーションの結果と一致する。図13は、x軸に光沢単位を示しており、y軸にデバイス読取値を任意の単位で示している。参照符号S/Dは、傾き/拡散比に関連する値を示しており、S/Aは、傾き/角度比に関連する値を示しており、NWPは、重み付きピクセルの数に関連する値を示している。図14は、異なる曲線について図13におけると同じ参照符号を使用しており、加えて、参照符号Rは、基準光沢単位を示している。
現在のところ、光沢レベルに依存して異なる照明角が使用されている。85°の入射角(AOI)の光沢計は、60°で10GUを下回る光沢差により感度が高いのに対し、20°のAOIは、60°で70GUを上回る高光沢被膜に対してより高い解像度を有する。これは、0〜100GUの範囲内の光沢値を測定するために、如何なるハードウェア修正も伴わずに、異なるアルゴリズムアプローチを有する1つのカメラデバイスを使用することができること、及び重み付きピクセル数法を用いて、全てのサンプルについて合理的に良好な精度を得ることができることを示す。
サンプルの光沢レベルを測定し、他の専門的な光沢計を用いた較正標準に対する我々の方法の性能を評価した。較正タイル及び光沢紙の両方の表面特性の測定精度は均一である。測定が予想される不均一な表面特性及び予想される低い光沢値を有する皮膚に対して行われるとき、結果は異なり得る。
これに加えて、カメラを使用する皮膚光沢の測定は、多数の要因、例えば、皮膚の色、適用される圧力及び皮膚表面上の皮脂、汗の量などに依存する皮膚ドーム形成の程度によって影響され得る。皮膚の色は、おそらく、青色、緑色、又は赤色チャネルの強度差の影響のみを与え、最終的なシステムでは自動強度補正によって補償されることができる。光沢の検出可能な差は、サンプルの光沢レベルに依存し、これらの検出可能な差の関連性は、どれぐらい多くの光沢の単位が有意に異なるものとして主観的に認識されるかに依存する。60°で測定するとき、これらの検出可能な差は、サンプルの光沢レベルに依存し、例えば、非常に艶消しの表面(おそらく5GU)で測定された3.0GUの差は、人間の眼で見られるが、より高い光沢被膜(おそらく60GU)では、その差に気付くことは非常に困難である。
以下、以下に記載する(或いは上述の)方法のための前処理ステップとして使用することができる、RGBからグレースケール撮像及びフラットフィールド補正に基づく幾つかの可能な(前)処理ステップを記載する。取得した画像は飽和させられていないと仮定する。飽和画像は、画像の全体的な強度を向上させ、よって、関連しない(バックグラウンド)情報は考慮に入れられないことがある。
あらゆるカメラキャプチャは、底右(BR)、底左(BL)、頂左(TL)、及び頂右(TR)に位置付けられる4個の偏光されていない光源によって得られる、4個の画像を提供する。次に、これらの画像を使用して、空間平均化を行い、光沢度値とセンサの回転との間の依存性を最小限に抑える。
RGBからグレースケール:SensorTechカメラからの画像は、24ビットRGB画像である。各色は、8ビットを有する。RGB画像内の各ピクセルについての色値は、24ビット値である。各ピクセルについて、ツリー色強度は、24ビット数の部分(ビット0〜7は青色(B)を表し、ビット8〜15は緑色(G)を表し、ビット16〜23は赤色(R)を表す)を使用することによって導き出されることができる。グレースケール画像は、R、G、及びBチャネルから得られた平均情報であり、飽和についてRGB画像を確認するとき、個々のチャネルが確認されなければならない。LabVIEWによって実装されるアルゴリズムにおいて、グレースケール画像は、3個(R、G及びB)のチャネルの加算によって得られる。即ち、画像の最大強度は、3×255=765である。
フラットフィールド補正:フラットフィールド補正(FFC)の目標は、カメラのピクセル感度の変化及び光路内の全体的な強度ひずみによって引き起こされる画像からのアーチファクトを除去することである。また、我々は、偏光されていない光の結果としての画像に亘るピクセル強度の勾配変化を補償するためにFFCを使用する。FFCを実行するために、基準画像−「スペクトラロン」のような拡散標準が使用される。我々はSensorTechカメラに複数の光源を有するので、異なる基準画像が撮られる。即ち、FFCは、各々のエミッタについて別個に行われる。
画像のフラットフィールド補正(FFC)は、画像を基準画像(スペクトラロン)によって除算し、次に、各ピクセルを基準画像の平均ピクセル強度で乗算することによって行われる。
以下、(定量的)測定に使用することができる幾つかの方法を記載する。
閾値を上回るピクセルの数:この方法は、鏡面反射光が拡散バックグラウンドよりも画像内でより明るく見えるという事実に基づいている。画像は飽和させられないことが重要である。即ち、1)我々は、カメラの4個の偏光されていない光源(BR、TL、BL及びTR)からの画像を使用する。各画像を別々に処理し、2)画像をRGBからグレースケールに変換し、3)グレースケール画像にFFCを適用し、4)画像内の最大ピクセル強度を決定し、5)最大強度の半分よりも高い及び低い強度を有するピクセルの数をカウントする。6)結果は、(より高い強度のピクセルの数)/(より低い強度のピクセルの数)である。7)平均=(より高い強度のピクセルの数)/(4個の画像のより低い強度のピクセルの数)である。より多くの又はより少ない光源を用いて、4個の画像の代わりに、n個の画像が使用されてよく、nは、光源の数を指す。
傾き(角度)計算:この方法は、光軸の方向における鏡面拡散移行の周りの窓内に定められる関心領域における強度分布の傾き(角度)を利用し、偏光されていない光源を使用する。完全ミラーは、ゼロバックグラウンド(ノイズ)でセンサ上の小さな領域に集中させられるエミッタの鏡面反射を100%与えるのに対し、完全拡散標準は、FFC後のセンサ上にほぼ均一な強度分布を与える。傾き(角度)は、強度が光軸に沿う距離の関数としてどれぐらい速く低下するかについての指標を与える。以下の行為が含められてよい(図15も参照)。
1.カメラの偏光されていない光源(BR、TL、BL及びTR)から得られる4個の画像の各々を別々に処理する。
2.画像をRGBからグレースケールに変換する。
3.要因8を用いて画像を低解像度処理して(downsample)、皮膚構造によって引き起こされる後方散乱光を除去する。15のカーネルサイズを備える中間フィルタを適用して、皮膚の構造を更に取り除き、画像を元のサイズに向かって低解像度処理する。
4.次に、我々は、画像のホットスポット強度を探索する。それは最大強度を有する領域によって表される。これは以下のステップで行われる。
a.16倍低解像度処理された画像における最大強度を探索する。
b.この強度で画像を閾値設定する(threshold)。
c.バイナリ画像を作成する(0=閾値を下回る、1=閾値を上回る)。
d.8個の接続性を使用してBLOB(バイナリラージオブジェクト)(Binary Large Object)を作る。
e.最大BLOBの質量中心を得る。
5.定義されたホットスポット強度と画像の中心との間の線を定める。
6.線に亘って均一に分割された中心を備える長方形(幅75、高さ50)を作る(#160)。
7.フラットフィールド補正が適用されるならば、基準画像上でステップ5,6,7を繰り返し、フラットフィールドの結果によって除算する。
8.結果をX、Y座標に導入し、Xは、[1,160]の範囲に対応し、Yは、平均強度である。
現在のシステムによって得られる画像に対して特定のパラメータ(ステップ6〜8)を選択した。これらのパラメータは、他のデバイスによって取得される画像のために追加的な同調を必要としてよいことが可能である。
9.各四角形において平均強度を得る。
10.そのグラフの最大値がX=1でないならば、Yの最大値まで部分を除去し、残余のグラフを3つの部分に分割する。
11.最初のグラフに亘ってグラフの傾きを計算する。これは常に負の数字である。
a.高い鏡面反射は、高い負の数をもたらすはずである。
b.拡散反射は、低い負の値をもたらすはずである。
12.4個の画像について得られる傾きの結果を平均する。
図15は、図15Aにおいて、未処理画像を概略的に示しており、図5Bは、FFC後のような処理済み画像を示している。図5Cは、最大強度MIを有する領域を示しており、その領域は、参照番号1001で示されている。参照番号104は、ある距離で構成される、第1の領域1001と第2の領域1002とを接続する線を示している。線104に沿って第1の領域1001から第2の領域1002に移動することは、光軸に沿って窓を移動させることと本質的に同じであってもよい。図15Dは、この線に沿う強度プロファイルを示している。傾き1005及び/又は曲線の下の領域1006は、皮膚パラメータのための測定値として使用されてよい。
鏡面対拡散強度比(拡散強度に対する鏡面の比):(同じ角度にあるミラーによって反射チャネルに誘導される)直接反射光及び拡散反射(散乱)光は、2つの別々の測定チャネルに受け入れられる。散乱/拡散反射光は、光が全ての度(拡散チャネル)に亘って同じ方法で散乱させられるという仮定の下で、(測定された表面の上方に完全に垂直に)0°で測定される。これらの鏡面及び拡散成分は空間的に分離されるが、同じセンサ平面上で検出され、広帯域波長照明及び広範囲の照明及び検出の角度を使用する。この方法は、拡散バックグラウンドの強度に対する鏡面スポットの周りの関心領域内の強度の比を計算することに基づいている。これらの関心領域は、傾き(角度)に基づいて光沢を推定するために使用される領域と類似する。よって、拡散強度に対する鏡面の比は、ミラー(〜1)のような高い光沢値を有するサンプルのための最大値を与える。
特に、この方法では、最大反射を有する領域の平均化された強度を拡散反射の領域の平均化された強度と比較する。
1.最高の鏡面反射を有する四角形の領域に亘って、平均化された強度を計算する。
2.同様に、最大拡散反射を有する四角形の領域に亘って、平均化された強度を計算する。
3.計算する比は、強度の比である(ステップ1/ステップ2)。
偏光拡散撮像法(SAMBA類似法):この方法は、非偏光照明チャネルに加えて、偏光チャネル情報を使用することがある。皮膚を偏光された光及び偏光されていない光によって順次式に照らし、偏光カメラセンサを用いて皮膚を検出した。基本的に、この方法の測定原理は、偏光−差撮像に基づいており、SAMBAのような専門的な光沢測定デバイスにおいて使用されるものと類似している。しかしながら、ここでは、我々は、偏光されていない光と、偏光フィルタとを用いる。SAMBA類似法における我々の計算のために、我々は、偏光された光源と、偏光されていない光源とを用いる。偏光されていない光源は、鏡面及び拡散成分を有する一方で、偏光された光は、拡散成分のみを有する。鏡面成分を得るために、偏光された画像は、偏光されていない画像から減じられる。
1.pol_BR及びpol_TLからの画像を、unpol_BR及びunpol_TLの画像と共に処理する。
2.画像をRGBからグレースケールに変換する。
3.グレースケール画像にFFCを適用する。
4.更なる処理のために、我々は、画像をその対称性を通じて変換する。即ち、最大反射は、頂右(TR)にあるはずである。
pol_BR画像及びunpol_BR画像を、水平対称を通じて変換する一方で、pol_TL画像及びunpol_TL画像を、垂直対称を通じて変換する。
5.各々の4個の画像について、画像の中心に配置される200×200の四角形内で平均強度を計算する。四角形は、拡散反射のみがあるように選択される。これらの強度値で、画像間の光強度を補償することが可能である。四角形のサイズは、現在のシステムのために予め定められる。
6.2つの比を計算する。
a.Ratio_BR=強度pol_BR/強度unpol_BR。
b.Ratio_TL=強度pol_TL/強度unpol_TL。
7.偏光されていない画像をそれらの比で割る。
8.偏光された画像を加えて、1つの偏光された画像のみをもたらす。
9.偏光されていない画像を加えて、1つの偏光されていない画像のみをもたらす。
10.減算:非偏光−偏光。
11.結果として得られた画像全体に亘る平均強度及びその標準偏差を計算する。
12.SAMBA結果の平均/stdev。
BLOBの平均サイズ及びBLOBの最大サイズ:この方法は、画像中に見出されるBLOB(バイナリラージオブジェクト)の平均サイズ及び最大サイズに基づいており、光沢よりも脂っぽさに関連する皮膚特徴を定量化することにより関連する。皮膚光沢と脂性との間の相互作用(interplay)は、依然として完全に理解される必要がある。BLOBは、同じ特徴を持つ、互いに隣り合った、ピクセルの群として見られることができる。ピクセルの強度は、特定のレベルを上回らなければならない。この方法は、画像中の脂の視覚的な外観に基づいている。以下のステップが実行されてよい。
1.我々は、偏光されていない光(BR、TL、BL及びTR)からの画像のみを使用する。
2.画像をRGBからグレースケールに変換する。
3.グレースケール画像にFFCを適用する。
4.画像中の最大ピクセル強度を決定する。
a.最大値の80%又は90%又は95%で画像を閾値設定する。そして、バイナリ画像を作る(閾値より上=1;閾値より下=0)。
5.8個の接続性を用いてBLOBを計算する。
6.全てのBLOBに亘る平均サイズを計算する。
7.最大BLOBサイズを計算する。
8.(リング構成に配置される4個の光源から得られる)4個の画像に亘る平均値を計算する。
閾値を上回るピクセルの数:この方法は、鏡面反射光及び拡散反射光の強度の差に基づいている。鏡面反射はより明るく、従って、画像閾値設定後の光沢度を定量化するために使用されることができる。ここで、我々は、皮膚色のより良好な識別を容易にするために並びにFFCが実行されないときに追加的な情報を説明するより感度の高い方法を作るために、閾値範囲を活用する。特定の閾値を上回るピクセルの強度のみが考慮されるときには、この情報を無視することができる。このアルゴリズムの主な欠点は、閾値が特定の場合に調整されなければならないことである。
1.4個の画像(BR、TL、BL及びTR)を別々に処理する。
2.そのような画像の各々について、R、G及びBチャネルは、スペクトラロンを使用して基準画像のそれぞれのR、G及びBチャネルによってフラットフィールド補正される。
3.補正されるBチャネルについて複数の閾値{110,...180,....,220}を使用し、R及びG補正されるチャネルについて{120}を使用して、画像を閾値設定する。
4.選択した閾値を上回る強度を有するピクセル数をカウントする。
5.結果として得られるピクセルの数は、各々のBR、TL、BL及びTR画像について計算されるピクセルの数を平均化することによって得られる。
閾値を上回るピクセルの重み付け数:この方法は、鏡面反射及び拡散反射の強度の差にも基づいている。我々は、画像を閾値設定することによって特定のRGB強度を選択し、それに基づいて、以下に提示するようなステップを実行する。特定の閾値を上回る全てのピクセルは、ピクセルの実際の強度レベルとは無関係に、同じ値(1)を得る。より明るい鏡面反射はより高い光沢度値に対応するので、この方法において、我々は、強度によって予め選択されるピクセルを重み付けする。以下のステップは、アルゴリズムの詳細を記載する。
1.BR、TL、BL及びTR画像を別々に処理する。
2.各々のそのような画像について、R、G及びBチャネルは、FFCが使用されるならば、基準画像(スペクトラロン)のRGBチャネルによってフラットフィールド補正される。
3.RGB画像をグレースケールに変換する。
4.補正されるBチャネルのために複数の閾値{110,...180,...220}を使用し、R及びG補正されるチャネルのために{120}を使用して、画像を閾値設定する。
5.閾値を上回る複数の各々のピクセルをそのグレースケール強度によって乗算し、それらを合計する。
6.ピクセルの数によって結果の正規化する。
7.BR、TL、BL及びTR画像の各々について計算されるピクセルの重み付け数を平均化することによって、結果として得られるピクセルの重み付け数を得る。
BLOBの数/BLOBの平均サイズ/最大のBLOB:ここで、我々は、複数の閾値を使用して、(BLOBを形成する)多数のピクセルを選択し、画像をグレースケールに変換し、最大強度値の95%を選択する。上述のように、より低い閾値は、特に不均一な照明の場合には、追加的な重要な情報を導入することがある。アルゴリズムの主なステップは、以下の通りである。
1.BR、TL、BL及びTR画像を別々に処理する。
2.各々のそのような画像について、FFCが使用されるならば、基準画像(スペクトラロン)のRGBチャネルによって、R、G及びBチャネルをフラットフィールド補正する。
3.補正されるBチャネルについて複数の閾値{110,...,180,...,...,220}を使用し、R及びG補正されるチャネルについて{120}を使用して、画像を閾値設定する。
4.接続されているピクセルを探し、輪郭(BLOB)によってそれを近似させる。
5.BLOBの数:BR、TL、BL及びTR画像の輪郭の数を平均化することによって、結果として得られるBLOB(輪郭)の数を得る。
6.BLOBの大きさ:ボックスの大きさを計算し、平均を取り/最大を取る。やはり、結果として得られるBLOBの平均化されたサイズ/最大は、BR、TL、BL及びTR画像の平均輪郭サイズ/最大を平均化することによって得られる。
「複数」という用語は、2つ又はそれよりも多くを指す。
「実質的に構成される」のような「実質的に(substantially)」という用語は、当業者によって理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを有する実施形態を含んでもよい。故に、実施形態において、実質的にという形容詞も除去されてもよい。適用可能な場合、「実質的に」という用語は、95%以上、特に99%以上、一層更には、100%を含む99.5%以上のような、90%以上に関することもある。「含む(comprise)」という用語は、「含む」という用語が「〜なる(consists of)」を意味する実施形態も含む。「及び/又は(and/or)」という用語は、「及び/又は」の前後に記載された項目のうちの1つ又はそれよりも多くに特に関係する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という句及び類似の句は、項目1及び項目2のうちの1つ又はそれよりも多くに関連することがある。「含む」という用語は、ある実施形態において、「〜なる(consisting of)」を指すことがあるが、別の実施形態では、「少なくとも定義される種を含み、任意的に、1つ又はそれよりも多くの他の種を含む」ことを指すこともある。
更に、本明細書及び請求項中の第1、第2、第3などの用語は、類似の要素の間を区別するために使用され、必ずしも順次的又は時系列的な順序を記述するために使用されない。そのように使用される用語は、適切な状況の下で互換可能であり、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載される或いは例示される以外の順序で動作し得ることが理解されるべきである。
本明細書中のデバイスは、とりわけ、動作中に記載されている。当業者に明らかであるように、本発明は、動作方法又は動作中のデバイスに限定されない。
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項から逸脱することなく、多くの代替的な実施形態を設計し得ることが留意されるべきである。請求項において、括弧内に配置される如何なる引用符号も、請求項を限定するものと解釈されてはならない。「含む」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載されている以外の要素又はステップの存在を排除しない。文脈が明らかに別のことを要求しない限り、明細書及び請求項を通じて、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」等の語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、即ち、「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。単数形の要素表現は、そのような要素が複数存在することを排除しない。本発明は、幾つかの別個の要素を含むハードウェアによって、並びに適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてよい。幾つかの手段を列挙するデバイスの請求項において、これらの手段のうちの幾つかは、1つの同じ項目のハードウェアによって具現されることがある。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。
本発明は、装置又はデバイス又はシステムを制御することがあるか或いは本明細書に記載する方法又はプロセスを実行することがある制御システムも提供する。その上更に、本発明は、装置又はデバイス又はシステムに機能的に結合されているか或いはそれらによって構成されるコンピュータ上で動作するときに、そのような装置又はデバイス又はシステムの1つ又はそれよりも多くの制御可能な要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
本発明は、更に、本明細書に記載される及び/又は添付の図面に示される特徴的な構成のうちの1つ又はそれよりも多くを含むデバイスに更に当て嵌まる。本発明は、更に、本明細書に記載される及び/又は添付の図面に示される特徴的な構成のうちの1つ又はそれよりも多くを含む方法又は方法に更に関する。
追加的な利点を提供するために、この特許で議論する様々な態様を組み合わせることができる。更に、当業者は、実施形態を組み合わせることができ、2つ又はそれよりも多くの実施形態を組み合わせることもできることを理解するであろう。更に、構成の一部は、1つ又はそれよりも多くの分割出願の基礎を形成することができる。