JP2020512845A - 核酸ライブラリーを調製するための方法、組成物、およびキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド上で修飾標的ポリヌクレオチドを作成し、標的配列の1つまたは2つの鎖にタグ付けすることを伴う、ポリヌクレオチドを伸長させるため、およびポリヌクレオチドのシーケンシングライブラリーを調製するための方法、組成物およびキットに関する。シーケンシングライブラリーは、超並列シーケンシングに適しており、複数の二本鎖核酸分子を含む。

Description

本発明は、標的ポリヌクレオチドを伸長させるための方法および組成物に関する。アダプター配列が一本鎖核酸の3’末端に付加される。
次世代DNAシーケンシングは、臨床医学および基礎研究に革命をもたらすことを約束する。しかしながら、この技術は、1回の実験で数千億のヌクレオチドのDNA配列を作成する能力を備えているが、〜1%のエラー率が、数億のシーケンシングミスをもたらす。腫瘍または混合微生物集団などの遺伝的に異質な混合物を「ディープシーケンシング」する場合、これら散在するエラーは極めて問題になる。
シーケンシング精度の限界を克服するために、いくつかの方法が報告されている。デュプレックスシーケンシング(duppex sequencing)(非特許文献1)もその1つである。このアプローチは、DNA二重鎖の2本の鎖のそれぞれに独立してタグ付けしてシーケンシング(塩基配列決定)を行うことにより、エラーを大幅に減らす。2本の鎖は相補的であるため、真の突然変異は両方の鎖の同じ位置に見られる。対照的に、PCRまたはシーケンシングエラーは、1本の鎖にのみに変異をもたらすため、技術的エラーとして割り引くことができる。Safe−Sequencing System(「Safe−SeqS」)と呼ばれる別のアプローチがKindeらによって報告されている(非特許文献2)。このアプローチの鍵は、(i)各鋳型分子への一意の識別子(UID)の割り当て、(ii)それぞれ一意にタグ付けされた鋳型分子の増幅によるUIDファミリーの作成、および(iii)増幅産物の冗長シーケンシングである。同じUIDを持つPCR断片は、それらの95%以上に同一の変異が含まれている場合にのみ、突然変異体(「スーパーミュータント」)と見なされる。特許文献1〜3は、異なる開始ポリヌクレオチドの数を決定/推定するために縮重塩基領域を付加させたポリヌクレオチドをシーケンシングする方法について記載する。しかしながら、これらの方法は、標的化アンプリコン(targeted amplicon)シーケンシングに容易に使用できず、また縮重塩基領域を取り付けるためにライゲーションを伴うことが多い。標的化アンプリコンベースのエンリッチメントおよびシーケンシングのために、融合または転座イベントを容易にシーケンシングすることはできない。さらには、プライマー部位は配列決定されないため、一部の領域をシーケンシング不能として失うことなくホットスポットの領域をカバーするための適切なプライマーペアを設計することが困難な場合がある。単一チューブでのマルチプレックス増幅の場合に、オーバーラップ領域を増幅できず、標的ポリヌクレオチドのプライマー結合領域中のシーケンシング情報が失われる。血漿DNA、スモールRNA(small RNA)、miRNAなどの小さなサイズの標的断片の場合、プライマー配列を設計する余地がないため、一対のプライマーを設計するのも困難である。
標的化次世代シーケンシング(targeted next generation sequencing)は、しばしば大きく複雑な断片の解析を伴い、これはマルチプレックスPCR(単一PCR反応での異なる標的DNA配列の同時増幅)によって達成される。しかしながら、マルチプレックスPCRで得られる結果は、増幅産物のアーチファクトによって複雑になることがよくある。それらアーチファクトには、反応の失敗による偽陰性の結果や、非特異的プライミングイベントによる偽陽性の結果(スプリアス生成物の増幅など)が含まれる。非特異的プライミングの可能性は追加のプライマーペアごとに増加するため、個々のプライマーセットが加えられるときに必要に応じて条件を変更しなければならない。
米国特許第8,722,368号 米国特許第8,685,678号 米国特許第8,742,606号
Schmitt, et al PNAS 109: 14508-14513 PNAS 2011 Jun 7;108(23):9530-5
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
本明細書で使用する「サンプル」は、核酸を含むかまたは含むと考えられるあらゆる物質を指し、個体(単数または複数)から単離された組織または体液のサンプルを含む。特に、核酸サンプルは、ウイルス、細菌、真菌、植物および動物から選択される単一細胞、生物、または生物の組合せから得ることができる。好ましくは、核酸サンプルは哺乳動物から得られる。好ましい実施形態では、哺乳動物はヒトである。核酸サンプルは、対象の体液検体または組織生検検体から、あるいは培養細胞から得ることができる。体液は、全血、血清、血漿、尿、痰、胆汁、便、骨髄、リンパ液、精液、乳房滲出液、胆汁、唾液、涙液、気管支洗浄液、胃洗浄液、脊髄液、滑液、腹水、胸水、および羊水から選択することができる。「個々のサンプル」は単一細胞でもよく、それは1つのT細胞または1つのB細胞であってよく、また一方で複数のサンプルは血液サンプル中の多くの血液細胞であってもよい。
本明細書で使用される「ヌクレオチド配列」という用語は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたは他の核酸のホモポリマーまたはヘテロポリマーのいずれかを指す。
本明細書で使用される「ヌクレオチド」という用語は、一般にヌクレオチド配列のモノマー成分を指すが、モノマーは、ヌクレオチドに加えて、ヌクレオシドおよび/またはヌクレオチドアナログ、および/またはアミノ修飾ヌクレオシドなどの修飾ヌクレオシドであってもよい。さらに、「ヌクレオチド」には、天然に存在しないアナログ構造も含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、または他の核酸であってもよい。
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、共有結合により互いに連結した少なくとも2つのヌクレオチドを指す。核酸は一般にホスホジエステル結合を含むが、場合によっては、代替の骨格を有する核酸アナログが含まれる。核酸は、指定されるように、一本鎖でも二本鎖でもよく、または二本鎖配列と一本鎖配列の両方の部分を含んでもよい。核酸は、DNA、ゲノムDNAおよびcDNAの両方、RNA、DNAとRNAの混合物、またはDNA−RNAハイブリッドであってよく、核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの任意の組合せ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなどを含む塩基の任意の組合せを含む。「DNA配列」または「RNA配列」への言及には、一本鎖および二本鎖の両方のDNAまたはRNAが含まれ得る。特定の配列は、文脈がそうでないことを示さない限り、そのような配列の一本鎖DNAまたはRNA、そのような配列とその相補体との二重鎖(二本鎖DNAまたはRNA)および/またはそのような配列の相補体を指す。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は「核酸」のタイプであり、一般に、プライマー、または検出されるべきオリゴマー断片を指す。「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語の間には、その長さに意図的な違いはなく、これらの用語は互換的に使用される。「核酸」、「DNA」、および「RNA」、ならびに同様の用語には、核酸アナログも含まれる。オリゴヌクレオチドは、必ずしも既存のまたは自然発生の配列から物理的に得られるわけではなく、化学合成、DNA複製、逆転写、またはそれらの組合せを含む任意の方法で作成することができる。
本明細書で使用される場合、用語「標的配列」、「標的核酸」、「標的ポリヌクレオチド」、および「目的の核酸」は互換的に使用され、増幅、検出またはその両方のいずれかを受けるべき所望の領域、あるいは相補的オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、例えばブロッキングオリゴマー、とのハイブリダイゼーションの対象、またはプライマー伸長プロセスの対象である所望の領域を指す。標的配列は、DNA、RNA、それらのアナログ、またはそれらの組合せから構成されてよい。標的配列は、一本鎖でも二本鎖でもよい。伸長プロセスでは、オリゴヌクレオチド(鋳型)とハイブリダイゼーション二重鎖を形成する標的ポリヌクレオチドは「プライマー」と呼ばれる場合があり、またはプライマーとハイブリダイゼーション二重鎖を形成する標的核酸は「鋳型(またはテンプレート)」と呼ばれる場合もある。鋳型は、相補的なポリヌクレオチドの合成のためのパターンとしての役割を果たす。標的配列は、原核生物、真核生物、植物、動物、およびウイルスを含むがこれらに限定されない任意の生きているまたは一度は生きていた生物に由来するもの、ならびに合成および/または組換え標的配列、あるいはそれらの組合せであってもよい。
本明細書で使用される「プライマー」は、自然に発生したかまたは合成により作成されたかにかかわらず、核酸鎖に相補的であるプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわち、ヌクレオチドおよび重合のための作用物質の存在下において適切な温度で適切なバッファー中に置かれたときに、合成開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指す。そのような条件には、適切なバッファー(「バッファー」は、補因子であるかあるいはpH、イオン強度などに影響を及ぼす物質を含む)中、適切な温度で、4種類以上の異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸、ならびにDNAポリメラーゼ、および/またはRNAポリメラーゼ、および/または逆転写酵素などの重合誘導剤が存在することが含まれる。本明細書におけるプライマーは、伸長される各特定配列の鎖に実質的に相補的であるように選択される。これは、プライマーがそれぞれの鎖とハイブリダイズするのに十分に相補的でなければならないことを意味する。非相補的ヌクレオチドが存在していてもよい。
本明細書で使用する「相補的」という用語は、二重鎖核酸複合体を形成するための通常のワトソン・クリックの法則に従って、2つのヌクレオチド配列が、それらのプリンおよび/またはピリミジン塩基を介した水素結合により、ランダムにまたは設計により互いに配列特異的に結合する能力を指す。それはまた、修飾ヌクレオチド、またはデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドのアナログ、またはそれらの組合せを含み得るヌクレオチド配列が、通常のワトソン・クリックの法則以外により配列特異的に互いに結合して、代替核酸二重鎖構造を形成する能力も指すことができる。
本明細書で使用される「ハイブリダイゼーション」と「アニーリング」という用語は交換可能であり、互いに相補的な2つのヌクレオチド配列が結合して二重鎖配列またはセグメントを形成するプロセスを指す。
「二重鎖(duplex)」と「二本鎖(double-stranded)」という用語は交換可能であり、核酸の2つの相補配列間のハイブリダイゼーションの結果として形成される構造を意味する。このような二重鎖は、2つのDNAセグメント同士の、2つのRNAセグメント同士の、あるいはDNAセグメントとRNAセグメントの、またはRNAとDNAの混合物から構成される2つのセグメント同士の相補的結合によって形成され、後者の構造はハイブリッド二重鎖とも呼ばれる。そのような二重鎖のいずれかまたは両方のメンバーは、修飾ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログ、ならびにヌクレオシドアナログを含むことができる。本明細書に開示されるように、そのような二重鎖は、1つまたは複数のブロッキングオリゴヌクレオチドのサンプル配列への結合の結果として形成される。
本明細書で使用される場合、「野生型核酸」、「通常の核酸」、「通常のヌクレオチドを有する核酸」、「野生型DNA」および「野生型鋳型」という用語は交換可能に使用され、正常または改変されていないと考えられるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを指す。
本明細書で使用される「突然変異ポリヌクレオチド」、「突然変異核酸」、「バリアント核酸」、および「バリアントヌクレオチドを有する核酸」という用語は、対応する野生型ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列とは異なるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを指す。野生型ポリヌクレオチドと比較した突然変異ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の違いは、ヌクレオチド「突然変異」、「バリアントヌクレオチド」、または「変異」と呼ばれる。「バリアントヌクレオチド」という用語は、1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、メチル化、および/または修飾の変化も指す。
本明細書で使用される「増幅」は、核酸配列の混合物内の特定の核酸配列の濃度またはコピー数を増加させるための任意の増幅手順の使用を意味する。増幅は線形増幅または指数関数的増幅であってよい。
「増幅産物」または「アンプリコン」という用語は、増幅法でプライマーを使用してポリメラーゼにより増幅されたDNAまたはRNAの断片を指す。
「プライマー伸長産物」という用語は、反応において1つまたは1対のプライマーを使用してポリメラーゼにより伸長されたDNAまたはRNAの断片を指し、その反応は、例えば第一鎖cDNA合成などのワンパス(one-pass)伸長、または線形増幅であり得る多重サイクル(multiple cycles)の伸長、またはcDNA合成、またはPCRなどの指数関数的増幅であり得る多サイクルの伸長を含むことができる。
「適合する(compatible)」という用語は、大規模並列シーケンシングプラットフォームで使用されるPCRプライマー配列/シーケンシングプライマー配列と同一または実質的に同一、相補的、実質的に相補的、または類似のプライマー配列またはプライマー配列の部分を指す。
本発明の実施は、特に明記しない限り、分子生物学、微生物学および組換えDNA技術の従来の技術を用いるが、それらは当業者の技術の範囲内である。一態様では、本発明は、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するための除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)を提供し、そのRTOは、
(a)3’ランダム配列;
(b)RTOを伸長不能(non-extendible)にするブロッカー部分が付加された3’末端;
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;および
(b)作用物質(agent)によって認識可能なヌクレオチド配列/修飾(NSM);
を含み、RTOは鋳型として機能し、反応産物に組み込まれず、反応後に破壊/除去され、
ヌクレオチド配列/修飾はRTOの除去を容易にする。
一実施形態では、3’ブロッカー部分とNSMは同じである。3’ブロッカー部分とNSMはビオチンであってよく、作用物質はアビジンまたはストレプトアビジンである。NSMは、例えば鎖切断をもたらす消化により、またはアフィニティー精製により、RTOの除去を可能にする。RTO分子は、伸長反応後の反応でRTOを分解可能にするまたは非干渉性でかつ非競合性にするNSM部分を含み、この部分は、RTOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である。
あるいは、除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(removable template oligonucleotide)(RTO)は、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と呼ばれる。用語RTOおよびATOは交換可能に使用することができ、ポリメラーゼ伸長によって既知の配列を追加するように標的を修飾するために、標的の末端を伸長させるための鋳型として機能するオリゴヌクレオチドを指す。アダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)または除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)という用語は、集団の各メンバー間での共通(ユニバーサル)領域とランダムな可変配列(Nとして言及され、Nは4つの各塩基である)を有する配列の集団を指す。したがって、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)の集団は、3’末端のランダムな性質によって異なる複数の配列を指す。
本開示は、ポリヌクレオチドを伸長させるためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)を提供し、そのATOは、
(a)3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカーが付加された3’末端;および
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列
を含み、
ATOは、ポリメラーゼによる伸長反応を導く鋳型として機能する。
ユニバーサル配列という用語は、その5’末端からランダムまたは標的特異的配列の最初のヌクレオチドまでのATO全体を指し、すべてのATOに存在する「ユニバーサル配列」であることから命名されている。
ATO分子は、伸長反応後の反応でATOを分解可能にするまたは非干渉性および非競合性にする部分をさらに含むことができ、この部分は、ATOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である。
本開示は、ポリヌクレオチドを伸長させるためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)を提供し、そのATOは、
(a)3〜36個の「N」塩基の3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカーを有する3’末端;
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;
(d)ATOを3’エキソヌクレアーゼ切断に耐性にする任意選択の修飾ヌクレオチドまたはリンケージ(linkage);および
(e)ATOを分解可能にする部分
を含む。
一実施形態では、その部分はウラシルヌクレオチドであり、作用物質はdU−グリコシラーゼ、またはdU−グリコシラーゼおよびプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼであり、これは第1の(最初の)伸長反応後にATOを消化/除去することができる。
別の実施形態では、その部分はリボヌクレオチドであり、リボヌクレオチドは、オリゴ合成中に任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれる;ここで、作用物質はリボヌクレアーゼであり、それは第1の伸長反応後にATOを消化/除去することができる。
ATOはRNAオリゴ、DNAオリゴ、またはDNAオリゴとRNAオリゴの組合せであってよい。
ATOは、1つまたは複数の異なるATOの組合せであってよい。ATOの組合せは配列が異なっていてよい。組み合わせたATOは設計が異なっていてよい。組み合わせたATOは機能が異なっていてよい。本明細書では、「ATO」という用語は、1つまたは複数のATOの組合せ、ATOの任意の配列、ATO設計特徴の任意の組合せを有するATOの任意の設計、機能の任意の組合せを有するATOの任意の組合せを指すことができる。1つまたは複数のATOの組合せを使用する場合、使用されるATOによってユニバーサル配列内に変動がある場合があり、ユニバーサル配列という用語はこれらの場合にも使用される。
別の実施形態では、分解性部分は制限酵素認識配列であり、作用物質は制限酵素である。
ユニバーサル配列は、RNAポリメラーゼプロモーター配列を含んでいてよい。T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、またはそれらの組合せなど、任意のRNAポリメラーゼを使用できる。ユニバーサル配列は、RNAポリメラーゼプロモーター配列および/またはプロモーター配列の3’に位置するプライミング部位の両方を含んでよい。プライミング部位は、後続の増幅のためのプライマー結合配列を提供する。
ユニバーサル配列は、二本鎖または部分的に二本鎖であってもよい。ユニバーサル配列を二本鎖領域として保護することにより、標的ポリヌクレオチドおよびATOのランダム化された3’末端とのハイブリダイゼーションが防止される。一実施形態では、ATOは、ユニバーサル配列の全部または一部に相補的または部分的に相補的な5’ステム部分配列を含み、それはステムループ構造またはスプリットステムループ構造を形成することができる。ATO分子は、5’から3’の順序で、5’ステム部分、RNAポリメラーゼ配列、プライミング部位配列、および3’ランダム/縮重配列、ランダム/縮重配列と特異的配列との混合、または配列特異的配列を含むことができる。RNAポリメラーゼ配列は、ループ部分、またはステムの一部およびループの一部、またはステムに位置してよい。ループ部分は、コピー不能なリンケージを含んでいてよい。あるいは、ループ部分は、コピー不能なリンケージを含まなくてもよい。あるいは、ステム部分は、コピー不能なリンケージを含んでもよい。ステム部分の5’が追加配列を含む場合、コピー不能なリンケージがステム部分と追加配列との間に存在してよい。あるいは、ステム部分は、コピー不能なリンケージを含まなくてもよい。別の実施形態において、5’ステム部分はコピー不能なリンケージを含む。コピー不能なリンケージは、C3スペーサーホスホロアミダイト、またはトリエチレングリコールスペーサー、または18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または1’,2’−ジデオキシリボース(dSpacer)の群から選択することができるが、これらに限定されない。
二本鎖ステム部分は、非相補的領域を含むことができ、ユニバーサル配列鎖にある非相補的領域は、ランダム、縮重配列、または特別に設計されたミスマッチを含む。ステム部分は、1つまたは複数のコピー不能なリンケージによって分離された2つまたはそれ以上のスプリットセクション(または分割セクション)を形成し得る。ステム部分は、ミスマッチ塩基対の1つまたは領域によって分離された2つ以上のスプリットセクションを形成してもよい。
別の実施形態では、ATOは、ユニバーサル配列を含む下側の鎖の全部または一部に相補的または部分的に相補的である上側の別個の(下側の鎖と一体になっていない)鎖(upper separate strand)を含む。上側の別個の鎖の5’末端は、リン酸基(phosphate group)を含んでもよい。
ATOは、ATOの任意の場所に付加されたアフィニティー結合部分を含んでもよい。アフィニティー結合部分はビオチンであってよい。
ATOのユニバーサル配列は、追加の一意の識別子(UID)配列として機能するランダム配列または配列特異的配列を含むことができる。UID配列は、ATOのステム内に存在してよい。UID配列は、ATOのループ内に存在してよい。UID配列は、ATOのステムおよびループ内に存在してよく、2つ以上のUIDがATOのステムおよび/またはループ内に存在してもよい。
ATO配列は、任意の位置に非標準(non-canonical)ヌクレオチド(非dA、非dG、非dT、非dC)を含むことができ、これは自然発生のまたは人工のヌクレオチドである。非標準ヌクレオチドはユニバーサルヌクレオチドであってもよい。非標準ヌクレオチドはイノシン塩基を含んでもよい。3’ランダム配列は、一部または完全に非標準ヌクレオチドを含んでもよい。ユニバーサル配列は、一部に非標準ヌクレオチドを含んでもよく、または完全に非標準ヌクレオチドから構成されてもよい。
ATOの3’末端は、DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対してATOを耐性にする修飾ヌクレオチドまたは修飾リンケージを含んでもよい。修飾リンケージには、ホスホロチオアート結合が含まれる。
ATOは、ランダム配列の3’に、標的ポリヌクレオチドの特定場所にハイブリダイズすることができる特異的配列、または特定の標的用には設計されていない特異的配列をさらに含んでいてよく、3’ランダム/縮重配列の一部は、ポリヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長される際の鋳型として機能する。ATOの3’ランダム配列は、特別に設計された特異的配列によって2つ以上の部分に分離されてよく、3’ランダム/縮重/標的特異的配列の一部は、標的ポリヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長される際の鋳型として機能する。
本開示は、少なくとも1つの核酸ポリメラーゼと、記載の任意の組合せまたは混合物の1つまたは複数のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)とを含む組成物をさらに提供する。核酸ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、または逆転写酵素、またはDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素の任意の組合せの混合物であってよい。好ましくは、ポリメラーゼは鎖置換活性を有する。ポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有していてよい。ポリメラーゼは、1つ以上の異なるDNAポリメラーゼの混合物、または1つ以上のRNAポリメラーゼ、または1つ以上のDNAまたはRNAポリメラーゼの組合せであってよい。ポリメラーゼは、鋳型依存性ポリメラーゼであり、鋳型非依存性ポリメラーゼではない。
本開示は、標的ポリヌクレオチドの伸長方法であって、ATOを鋳型として用いて標的ポリヌクレオチドの3’末端を伸長させるのに十分な条件下で、標的ポリヌクレオチドを本明細書に記載の組成物と共にインキュベートすることを含み(「ATO反応と呼ばれる)、ATOが標的ポリヌクレオチドの任意の場所または特定の場所にハイブリダイズすることができる方法を提供する。別の態様では、その方法は、標的ポリヌクレオチドの伸長後にATOを分解することをさらに含む。
第1のATO反応は、標的ポリヌクレオチドがプライマーとして伸長され、ATOが鋳型として働く伸長反応であってよい。あるいは、第1のATO反応は、標的ポリヌクレオチドが伸長され、ATOの5’ステム部分または上側の鎖と連結される伸長−ライゲーション反応(ニックフィリング反応(nick filling reaction))であってもよい。あるいは、第1の反応は、標的ポリヌクレオチドがATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、ATOの5’ステム部分または上側の鎖と直接連結されるライゲーションのみの反応であってもよい。
ATOは、ATOを分解可能にする部分を含み、この部分は、ATOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である。あるいは、ATOは、伸長反応後の反応においてATOを非干渉性および/または非競合性にする部分を含む。
一部の実施形態では、ATO分子はdU塩基である部分を含み、dU−グリコシラーゼとのインキュベーション(脱塩基部位を作成する)およびその後の80℃超の温度でのインキュベーション(脱塩基部位内に切断を導入する)によって、あるいはdU−グリコシラーゼとアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼとの混合物によって、分解可能である。提供される方法および組成物は、dU塩基を有するATO、およびATO分子を分解するためのdU−グリコシラーゼとのインキュベーションを含み、またはdU−グリコシラーゼとのインキュベーションおよびその後の80℃超温度でのインキュベーションがATO分子を分解し、またはATOをdU−グリコシラーゼとアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼとの混合物とインキュベートする。さらなる態様において、ATOはリボヌクレオチドを含み、リボヌクレアーゼ活性に十分な条件下でリボヌクレアーゼにより分解可能である。関連する態様において、リボヌクレアーゼは、RNase H、RNase HII、RNase A、およびRNase T1からなる群より選択される。
他の実施形態では、その部分は修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログであってもよい。修飾ヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド(非dA、非dG、非dT、非dC)であってよく、これは自然発生のまたは人工のヌクレオチドである。非標準ヌクレオチドは、ユニバーサルヌクレオチドであってもよい。非標準ヌクレオチドはイノシン塩基を含むことができ、イノシンはATOの配列のグアニン位置を置換するために使用され、他の残基はあまり頻繁に組み込まれないという期待および理解のもとで、デオキシイノシンはDNAポリメラーゼによる成長中の新生鎖へのdCの取り込みを優先的に導く。
修飾ヌクレオチド/アナログは、5’ユニバーサル配列(5’ユニバーサル部分)、または3’ランダム/縮重部分に存在してよく、あるいは修飾ヌクレオチド/アナログは、5’ユニバーサル部分と3’ランダム配列(3’ランダム部分)の両方に存在してもよい。
この部分は、塩基対合の結合を弱くしているか、または第1のATO伸長反応後に分解可能/除去可能な修飾であってもよい。結合が弱いため、ATOは、次の反応で同じ鋳型に結合するのに通常のプライマーに干渉または競合できない。また、作用物質により消化されるため、ATOは後続の反応を妨害できない。
標準的な標準塩基対合よりも弱い塩基対合の分子間水素結合を提供する修飾は、任意の自然発生のヌクレオチドまたは人工ヌクレオチドアナログであってよい。ATOで使用される好ましい自然発生の非標準ヌクレオチドはイノシンであり、これはdGに置き換わってdCと対合するために使用され得るが、dG:dCよりも弱い。
核酸アナログは、自然発生のRNAおよびDNAに類似した(構造的に類似した)化合物である。核酸は、ヌクレオチドの鎖であり、その鎖は3つの部分:リン酸骨格、リボースまたはデオキシリボースのいずれかであるペントース糖(五炭糖)、および4つの核酸塩基の内の1つ:で構成される。アナログでは、これらのいずれかが変更されている。典型的には、アナログ核酸塩基は、とりわけ、異なる塩基対合および塩基スタッキング特性を付与する。例として、4つのすべての標準塩基と対合できるユニバーサル塩基、および鎖の特性に影響を及ぼすリン酸−糖骨格アナログが挙げられる。ポリヌクレオチドの任意の場所にハイブリダイズする、鋳型として機能するATOの3’ランダム部分は、1つまたは複数のユニバーサル塩基を含むことができる。
ユニバーサル塩基は、4つのDNA塩基のいずれも、弱い塩基対相互作用に置き換えることができるアナログ化合物である。一般的に使用されるユニバーサル塩基は、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、または2’−デオキシイノシンである。イノシンは、他の対合よりもdI:dCが優先されるヌクレオチドハイブリダイゼーションにわずかなバイアス(偏り)を示す。
標準(canonical)塩基は、グリコシド結合から最も離れた窒素原子を取り囲む炭素にカルボニル基またはアミン基のいずれかを有することができ、水素結合(アミンとケトン、プリンとピリミジン)を介してそれら塩基が塩基対を形成(ワトソン−クリック塩基対合)することを可能にする。
ユニバーサル塩基は、任意の他の塩基と無差別に対合できるが、一般に、配列の融解温度を大幅に低下させる;例として、2’−デオキシイノシン(ヒポキサンチンデオキシヌクレオチド)およびその誘導体、ニトロアゾールアナログ、および疎水性の芳香族非水素結合塩基が含まれる(強力なスタッキング効果)。この開示は、アニーリング温度がATOのユニバーサル部分のTmよりも高い後続の反応をATOが妨害しないように、通常のオリゴヌクレオチドよりも低いTmを有するイノシン含有ATOを作成するためにこの特性を検討した。
自然発生の塩基であるデオキシイノシンは、最初の「ユニバーサル」塩基と考えられた−他の自然発生の塩基A、C、G、およびTと塩基対を形成できることを意味する。実際に、デオキシイノシンに関する研究は、デオキシイノシンがデオキシグアノシンの特定のアナログとして機能することを示すが、デオキシイノシンはデオキシグアノシンのように自己凝集はしない。
ATOのユニバーサル部分の弱い対合ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログおよび/または修飾リンケージを含み、それらは、イノシン、ジノシン、またはホスホロチオアートリンケージ、メチルホスホナートリンケージであってよいが、これらに限定されない。自然発生のヌクレオチドまたはリンケージと比較して弱い対合を提供する限り、ヌクレオチドまたは/およびリンケージのあらゆる修飾を使用することができる。ATOのユニバーサル部分の弱い対合は、後続の反応で使用されるプライマーと比較的なものであってよい。弱い対合のヌクレオチドが通常の天然ヌクレオチドである場合、後続の反応で使用されるプライマーは、修飾ヌクレオチドまたは/および修飾リンケージである強い対合のヌクレオチドを含むことができる。強いまたは弱い対合能力を提供する修飾ヌクレオチドには、限定はされないが、LNA、O−me RNA、2−アミノ−dA、2−チオール−dT、2−アミノプリン、2’フルオロRNA塩基、AP−dC、dCおよびdTのC5−プロピンおよびメチルアナログ、デオキシイノシン、デオキシウリジン、または超塩基(superbase)ヌクレオチド(Epoch Bioscience)が含まれる。
ATOは、ユニバーサル配列の一部に相補的な5’ステム部分配列を含むことができ、それはステムループ構造を形成することができ、
ループ部分は、コピー不能なリンケージを含んでもよく、
コピー不能なリンケージは、C3スペーサーホスホロアミダイト、またはトリエチレングリコールスペーサー、または18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または1’,2’−ジデオキシリボース(dSpacer)の群から選択できるが、それらに限定されない。
5’ステム部分配列は、5’ユニバーサル配列の一部、好ましくはランダム配列に隣接する部分に、相補的または実質的に相補的な配列を含むことができる。一実施形態では、ループ部分は、コピー不能なリンケージを含むことができ、ATO反応におけるポリメラーゼは、鎖置換活性または5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を含んでいてよい。標的ポリヌクレオチドは、ATOの3’ランダム/縮重/標的特異的配列のみにハイブリダイズし、5’ユニバーサル配列にはハイブリダイズしないことが望ましい。これは、ステムループ構造によって達成され、ステムループ構造は、ATO反応で標的ポリヌクレオチドがATOのユニバーサル配列にハイブリダイズするのを防ぐ。ATO反応では、標的ポリヌクレオチドは3’ランダム配列にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素の任意の組合せの混合物によって伸長される。伸長された鎖はステム部分に置き換わり(displace)、コピー不能のリンケージで停止する。加えて、第1のATO反応に続く反応では、ステムループ構造はATOが修飾標的ポリヌクレオチドへの結合と競合するのを防ぐため、加えられたプライマーはいずれも、増幅のために修飾標的ポリヌクレオチドに効率的に結合できる。この実施形態では、ステム部分およびコピー不能なリンケージは、ATO反応後の反応においてATOを非干渉性および非競合性にする部分として機能する。ATOは、ウラシルヌクレオチドまたはリボヌクレオチドなどの他の修飾を含んでも含まなくてもよく、これらはATO反応後に消化することができる。
別の実施形態では、ATOのループ部分は、ウラシルヌクレオチドまたはリボヌクレオチドなどの消化され得るヌクレオチドを含んでいてよい。ATO反応では、標的ポリヌクレオチドは、3’ランダム配列にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼによって伸長される。伸長された鎖は、5’リン酸基を含むステム鎖の5’末端と出会い、DNAリガーゼにより連結される。この反応は、ポリメラーゼIまたはクレノウラージフラグメントなどのニックフィリング活性を有するDNAポリメラーゼ、およびDNAリガーゼを含む。ATO分子は、複数のウラシルヌクレオチド、またはリボヌクレオチドを含んでもよい。ATO反応後にATO分子を消化することができる。
さらに別の実施形態では、ATOのループ部分は、ウラシルヌクレオチドまたはリボヌクレオチドなどの消化可能なヌクレオチドを含むことができる。第1の反応では、標的ポリヌクレオチドは、ステム鎖の5’末端に隣接する3’ランダム配列にハイブリダイズし、DNAリガーゼによりステム鎖の5’末端に連結される。5’ユニバーサル配列部分は、複数のウラシルヌクレオチド、またはリボヌクレオチドを含んでもよい。第1の反応後に、5’ユニバーサル配列部分を消化することができる。
さらに別の実施形態では、ATOは、ユニバーサル配列の一部または全体に相補的または実質的に相補的である上側の別個の鎖を含み、それらは部分的二本鎖構造を形成することができる。標的ポリヌクレオチドは、ATOの3’ランダム配列にのみハイブリダイズし、5’ユニバーサル配列にはハイブリダイズしないことが望ましい。これは、上側の鎖によって提供される二本鎖構造によって達成され、その二本鎖構造は、第1のATO反応で標的ポリヌクレオチドがATOのユニバーサル配列にハイブリダイズするのを防ぐ。ATOは、ウラシルヌクレオチド、またはリボヌクレオチドなどの他の修飾を含んでもよく、これらは第1の反応後に消化することができる。第1のATO反応では、標的ポリヌクレオチドは3’ランダム配列にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼによって伸長される。伸長された鎖は、上側の鎖に置き換わることができる。あるいは、伸長された鎖は、5’末端に5’リン酸基を有する上側の鎖の5’末端と出会い、DNAリガーゼにより連結される。この反応は、ポリメラーゼIまたはクレノウラージフラグメントなどのニックフィリング活性を有するDNAポリメラーゼ、およびDNAリガーゼを含む。5’ユニバーサル配列部分は、複数のウラシルヌクレオチド、またはリボヌクレオチドを含んでもよい。第1の反応後に、5’ユニバーサル配列部分を消化することができる。別の態様では、第1の反応において、標的ポリヌクレオチドは、上側の鎖の5’末端に近い3’ランダム配列にハイブリダイズし、DNAリガーゼにより上側の鎖の5’末端に連結される。5’ユニバーサル配列部分、ならびに3’ランダム部分は、複数のウラシルヌクレオチドを含んでもよい。第1の反応後に、ATO分子を消化することができる。
ライゲーションが用いられる実施形態では、上側の別個の鎖の5’末端はリン酸基を含んでよく、上側の別個の鎖の3’末端はビオチンを含んでよい。ライゲーションなしで伸長が用いられる実施形態では、上側の別個の鎖の5’末端はリン酸基を含まず、上側の別個の鎖の3’末端はビオチンを含まないが、上側の別個の鎖は、ウラシルヌクレオチドなどの消化可能なヌクレオチドを含んでよい。
ランダム配列部分はいずれの長さであってもよく、3〜48ヌクレオチドの範囲、好ましくは3〜36ヌクレオチドの範囲、または最も好ましくは12〜30ヌクレオチドの範囲の長さを有していてよい。具体的には、ランダム配列部分は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、またはそれより多くのヌクレオチドを有する。ランダム配列は、完全にランダムなヌクレオチドを含んでもよく、4つのヌクレオチドのいずれも任意の位置に存在することができる。あるいは、いくつかの場所に縮重ヌクレオチドが存在してもよい。ランダム配列部分は、いくつかの特定の位置にいくつかの特定の(ランダムではない)ヌクレオチドを含む場合があり、例えば、3’末端ヌクレオチドは、T残基、またはA残基、またはG残基、またはC残基などの特定のヌクレオチドであってよい。その特定の3’末端ヌクレオチドは、ビオチン、スペーサーまたはリン酸ブロッカーなどの修飾を簡単かつ安価に付加するために選択される。ランダム配列は、縮重もしくは半縮重ヌクレオチド、または完全にランダムなヌクレオチド、ならびに特定のヌクレオチドを含むことができ、ランダムなヌクレオチドが優勢に存在する。ランダム配列は、自然発生のまたは人工の修飾ヌクレオチドも含んでいてよい。これらの修飾ヌクレオチドは、上記のようなユニバーサル塩基であってよい。ランダム配列は、配列全体をCおよびG残基が豊富なものにする(50%超のヌクレオチドがCおよびGで構成されることを意味する)、またはAおよびT残基が豊富なものにする(50%超のヌクレオチドがAとTで構成されることを意味する)など、配列のバイアスを有していてよい。ランダム配列は、部分的または完全に、標的特異的配列で置き換えてもよい。
ATOは、非ストリンジェントな条件でランダム配列を介して標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズするが、その際にポリヌクレオチドの3’末端がランダム配列にハイブリダイズし、一実施形態では、ATOを鋳型として使用して伸長される。
説明したように、ランダム配列は、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズして、ATOを鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドの伸長を導く鋳型としての機能を提供する。加えて、ランダム配列は、次世代シーケンシングにおいてUID(一意の識別子、分子バーコード)としての第2の機能も提供する。
別の実施形態では、ATO分子は、ランダム配列部分の3’に位置する3’追加特異的配列を含んでいてよい。3’追加特異的配列は、標的ポリヌクレオチドの特定の位置にハイブリダイズすることができる配列を含んでもよい。3’追加特異的配列は、制限酵素認識配列を含むことができ、それによって、標的配列にハイブリダイズしたときに、標的ポリヌクレオチドに酵素によるニッキングを生じさせることができる。
ATOの3’末端に、ATOを伸長不能にするブロッカー基を付加してよい。任意のブロッカー基を使用できる。一般に、意図的にATOの伸長が必要なため3’をブロックしないで伸長を可能にする場合を除き、ATOの3’末端は「ブロック」されてATOがプライマーとして機能するのを防止する。「ブロッキング」は、ビオチンまたはリン酸基などの化学部分を最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルに結合させることにより達成でき、これは、選択される基によって、ATO反応後のそれに続くATOの除去または捕獲のためのアフィニティーキャプチャー部分としても機能することにより、二重の目的を果たすことができる。ブロッキングは、3’OHを除去することによって、またはジデオキシヌクレオチドなどの3’OHを欠くヌクレオチドを使用することによっても達成できる。ブロッキング基は、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシヌクレオチド、C3スペーサー、リン酸基、ジデオキシヌクレオチド、アミノ基、および逆位デオキシチミジンからなる群より選択することができる。
ATO反応は、好ましくは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを含み、したがって、ATO分子は、好ましくは、ポリメラーゼによる消化を防ぐ修飾ヌクレオチドまたは修飾リンケージを3’末端に含む。任意の耐性のある修飾を使用できる。一例では、3’末端が、従来のホスホジエステルの代わりにホスホロチオアートなどの耐性部分を含むように、この位置で、最後のヌクレオチド、好ましくは最後の2つのヌクレオチドの間に修飾リンケージを含む。
一実施形態において、5’ユニバーサル配列部分は、標的ポリヌクレオチドの伸長のための鋳型としての機能を提供する配列の一部であり、その伸長産物は、ライゲーションによるシーケンシングライブラリー調製のためのアダプターの付加に相当する。しかしながら、伸長された配列−アダプター様は新たに合成され、追加のオリゴは付加されない。5’ユニバーサル配列部分は、プライマー配列またはプライマー結合配列を含み、これは次(または第3)世代のシーケンシング(NGS)または他の大規模並列シーケンシングに適合する。例えば、5’ユニバーサル配列部分は、イルミナ(Illumina)プラットフォーム用のシーケンシングプライマー配列、および/またはイルミナプラットフォーム用のアンカープライマー配列を含んでいてよい。
5’ユニバーサル配列部分は、ステムループまたはヘアピン構造を形成してもよく、ステム部分の末端はランダム配列部分の5’末端に近い。ステムの5’末端は、5’オーバーハング(または突出部分)を形成することができる。ステム部分の長さは任意選択であってよい。ステム部分は、3〜30ヌクレオチド、好ましくは4〜24ヌクレオチドの範囲の任意の長さを有することができる。ステム部分は完全に二本鎖であってよく、あるいは好ましくは完全には二本鎖でない。ステム部分は、非対合領域を含んでいてよい。非対合領域は、NGSでUID(分子バーコード)の機能を果たすランダム配列を含むことができる。ステム部分は、例えば制限酵素部位などの酵素により認識可能でかつ切断可能な配列を含むことができる。ステム構成は、ユニバーサル配列の標的ポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを防ぐことができる。ループ部分は任意の長さを有していてよい。ループ部分は、0〜36ヌクレオチド、好ましくは1〜30ヌクレオチドの範囲の任意の長さであってよい。ループは、例えば脱塩基部位、ヘキシエチレングリコール(HEG)モノマー、18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または1’,2’−ジデオキシリボース(dSpacer)などの、ポリメラーゼによってコピー不能なヌクレオチドアナログまたは他の化学リンケージで部分的にまたは完全に構成されていてよい。コピー不能なリンカーは、ATOの5’部分でのポリメラーゼ媒介伸長を防ぐ。
ATO分子は、2’−デオキシチミジン5’−一リン酸(dTMP)、2’−デオキシグアノシン5’−一リン酸(dGMP)、2’−デオキシアデノシン5’−一リン酸(dAMP)、2’−デオキシシチジン5’−一リン酸(dCMP)、2’−デオキシウリジン5’−一リン酸(dUMP)、チミジン一リン酸(TMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、アデノシン一リン酸(AMP)、シチジン一リン酸(CMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、塩基アナログ、およびそれらの組合せからなる群より選択されるヌクレオチドを含む。ATOは、本明細書で定義される修飾ヌクレオチドまたはリンケージ修飾を含むことも企図されている。
修飾オリゴヌクレオチドまたは修飾ポリヌクレオチドは、オリゴ−ポリヌクレオチド中のヌクレオチド単位の1つまたは複数の糖および/または1つまたは複数のヌクレオチドリンケージが「天然に存在しない」基で置換されているものを含んでいてよい。一態様では、この実施形態は、ペプチド核酸(PNA)を想定している。PNA化合物では、ポリヌクレオチドの糖骨格は、アミド含有骨格で置き換えられる。修飾オリゴ−ポリヌクレオチド骨格は、リン原子を含んでいてよく、例えば、ホスホロチオアート、キラルなホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホナートおよび他のアルキルホスホナートが含まれる。修飾オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、1つまたは複数の置換糖部分を含んでもよい。さらなる修飾には、Iso−dCやIso−dGなどの遺伝子コードを伸長するものが含まれるが、これらに限定されない。Iso−dCとIso−dGは、それぞれシトシンとグアニンの化学的バリアントである。Iso−dCはIso−dGと水素結合するが、dGとは水素結合しない。同様に、Iso−dGはIso−dCと塩基対を形成するが、dCとは結合しない。一態様において、糖の修飾には、ロックド核酸(Locked Nucleic Acid)(LNA)が含まれる。
標的ポリヌクレオチドは、ランダムにまたは特異的に、あるいはランダムと特異的の組合せにより、自然にまたは人工的に断片化されてよく、断片化された標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOのランダム配列または標的特異的配列とのハイブリダイゼーション後に伸長される。標的ポリヌクレオチドのランダムな3’末端配列とランダムな鋳型上での伸長部分との組合せにより、シーケンシングリードをファミリーにグループ分けするのに使用できる一意の識別子(UID、分子バーコード)配列が提供される。さらに、ATOは、ユニバーサル配列内に位置する1つまたは複数の追加のUIDを含んでいてよい。追加のUIDは、ステム部分およびランダム配列部分の5’の近くのループ内に配置してよい。追加のUIDは、3’ランダム配列とループとの間のどこかステム内に配置されてよい。追加のUIDの長さは任意選択であってよい。追加のUIDは、任意の長さを有してよく、2〜48ヌクレオチドの範囲の長さを有することができ、好ましくは3〜36ヌクレオチドの範囲を有する。追加のUIDは完全にランダムなヌクレオチドを含んでよく、4つのヌクレオチドのいずれが任意の1つの場所に存在してもよい。あるいは、一部の場所に縮重ヌクレオチドが存在してもよい。
ATO分子は、作用物質によって認識可能でかつ切断可能な非標準ヌクレオチド、アナログ、または修飾を含むことができる。非標準ヌクレオチドは、dUMP、dIMP、および5−OH−Me−dCMPからなる群より選択される。非標準ヌクレオチドの塩基部分を切断できる作用物質は、N−グリコシラーゼ酵素である。N−グリコシラーゼは、ウラシルN−グリコシラーゼ(UNG)、ヒポキサンチン−N−グリコシラーゼ、およびヒドロキシメチルシトシン−N−グリコシラーゼからなる群より選択される。非標準ヌクレオチドがdUMPである場合、非標準ヌクレオチドの塩基部分を切断できる酵素はUNGである。非標準ヌクレオチドがdUMPの場合、非標準ヌクレオチドの塩基部分を切断できる酵素はUNGであり、ホスホジエステル骨格がDMEDで切断される。一実施形態では、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドの代わりにオリゴ合成中にATOに組み込まれる。非標準ヌクレオチドを含むATOは、2つ以上の異なる非標準ヌクレオチドの存在下で合成することができ、それにより、2つ以上の異なる非標準ヌクレオチドを含むATOが合成される。非標準ヌクレオチドを含むATOが、3つの標準ヌクレオチドと非標準ヌクレオチド、または4つすべての標準ヌクレオチドと非標準ヌクレオチドの存在下で合成される場合、非標準ヌクレオチドはATO反応後にATOを分解するに適した比率で提供される。典型的には、塩基除去修復酵素は、DNAグリコシラーゼ、APエンドヌクレアーゼおよびデオキシホスホジエステラーゼからなる群より選択できる。好ましくは、DNAグリコシラーゼは、ウラシル−DNAグリコシラーゼ、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ、ピリミジン水和物−DNAグリコシラーゼ、FaPy−DNAグリコシラーゼおよびチミンミスマッチ−DNAグリコシラーゼからなる群より選択することができる。より好ましくは、DNAグリコシラーゼはウラシル−DNAグリコシラーゼである。ウラシル−DNAグリコシラーゼ(UDG)またはウラシル−N−グリコシラーゼ(UNG)は、6塩基対超の一本鎖および二本鎖DNAからの遊離ウラシルの放出を触媒する酵素である。
一実施形態では、ATO分子はリボヌクレオチドを含むことができ、リボヌクレオチドは、オリゴ合成中に任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれる;ここで、作用物質はRNaseであり、それはATO反応後のATOを分解/除去することができる。ATOは、全長がRNAであってよく、あるいは部分的にRNAで作成されたものでもよい。ATOの任意の部分がRNAであってよく、ユニバーサル配列部分がRNAであることが好ましい。
別の実施形態では、ATO配列は制限酵素認識配列を含むことができ、これはユニバーサル配列中または3’の追加の特異的配列中に位置する;ここで、作用物質は制限酵素であり、それはATO反応後にATOを分解/除去することができる。制限酵素認識配列は、ATOのステム部分に位置してよく、ステム部分は制限酵素により切断され得る。
別の実施形態では、ATO分子は、ATOの任意の位置に付加されたアフィニティー結合部分を含んでよく;ここで、作用物質はタンパク質または抗体であり、これらはATO反応後にATOを除去することができる。例えば、アフィニティー結合部分はビオチンであり;作用物質はアビジンまたはストレプトアビジンである。ある実施形態において、ATOは、ATO反応後の反応混合物からのATOのアフィニティー除去を可能にするATOの5’または3’末端または任意の内部位置に組み込まれた1つまたは複数の部分を含んでいてよい。好ましいアフィニティー部分は、同族リガンドと特異的に相互作用できるものである。例えば、アフィニティー部分には、ビオチン、ジゴキシゲニンなどが含まれる。捕獲基の他の例には、リガンド、受容体、抗体、ハプテン、酵素、あるいは抗体またはアプタマーによって認識可能な化学基が含まれる。アフィニティー部分は、任意の所望の基体/固体支持体に固定化することができる。所望の基体の例には、例えば、粒子、ビーズ、磁気ビーズ、光トラップビーズ(optically trapped beads)、マイクロタイタープレート、スライドガラス、紙、テストストリップ、ゲル、他のマトリックス、ニトロセルロース、またはナイロンが含まれる。例えば、捕捉部分がビオチンである場合、基体はストレプトアビジンを含むことができる。一部の場合において、固体支持体はビーズである。ビーズの例には、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、抗体結合ビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインA結合ビーズ、プロテインG結合ビーズ、プロテインA/G結合ビーズ、プロテインL結合ビーズ、オリゴdT結合ビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、および抗フルオロクロムマイクロビーズが含まれるが、これらに限定されない。
RTOのランダム配列の一部は一意の識別子(UID)配列として機能するが、RTOはユニバーサル配列部分にある追加のUIDを含んでもよい。
本開示は、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成する方法であって、
(i)サンプル由来の標的ポリヌクレオチドをプライマーとして使用し、かつ上記のRTOのいずれか1つの除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)を鋳型として使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
(ii)RTOを除去するステップ;および
(iii)ユニバーサル配列を含む第1プライマーを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップ;
を含み、
前記作成するステップは、ポリメラーゼによって、鋳型にハイブリダイズしたプライマーを伸長させることを含む、方法を提供する。
したがって、本開示は、一本鎖3’末端を有する標的ポリヌクレオチドの集団を伸長させる方法において、
(i)標的ポリヌクレオチドをアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)とインキュベートするステップであって、ATOは、
(a)3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカーを有する3’末端;および
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列
を有し、標的ポリヌクレオチドは、ATOの3’ランダム配列にハイブリダイズする、ステップ;
(ii)ATOを鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドのポリメラーゼ伸長を実行し、それにより3’ユニバーサル配列を有する伸長標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
を含む、方法を提供する。この方法は、(iii)修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップであって、第1のCSの作成が、修飾標的ポリヌクレオチドを鋳型として使用する3’ユニバーサル配列からのポリメラーゼ伸長を含むステップをさらに含むことができる。
本開示は、ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、
(i)標的ポリヌクレオチドを上記の組成物とインキュベートすることにより修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップを含み、酵素的な第1のATO反応において、標的ポリヌクレオチドの3’末端はアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(第1のATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズし、標的ポリヌクレオチドの3’末端がATOを鋳型として使用して伸長され、3’オーバーハング末端が存在する場合、伸長が生じる前に標的ポリヌクレオチドの3’末端がトリミングされる、方法を提供する。
一実施形態では、修飾ポリヌクレオチドは、ATO上での3’末端の伸長後、任意選択で、一本鎖修飾ポリヌクレオチドの環状化をもたらす一本鎖DNA環状化リガーゼとインキュベートされる。
この方法は、(ii)修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップをさらに含む。
ステップ(ii)は、修飾標的ポリヌクレオチドを、1ラウンドの増幅のための鋳型として、連続ラウンドの増幅のための鋳型として、精製ステップによって分けられる連続ラウンドの増幅の鋳型として、使用することを含んでいてよい。
一実施形態では、前記第1のCSの作成は、第1プライマーを使用しかつ修飾標的ポリヌクレオチドを鋳型として使用する伸長を含み、第1プライマーは、修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、ポリメラーゼによって伸長される。第1プライマーは、修飾標的ポリヌクレオチドの3’伸長ユニバーサル領域にアニールする。第1プライマーは、NGSプラットフォームに適合する追加の配列、例えば、必要な配列を含む5’テール(5’ tail)を含んでもよい。
別の実施形態では、前記第1のCSの作成は、RNAポリメラーゼプロモーターを含むATO上で伸長させることにより生成される修飾標的ポリヌクレオチドの二本鎖RNAポリメラーゼプロモーター領域を使用して、RNAポリメラーゼを用いるin vitro転写を行うことを含む。別の実施形態では、ATOの消化および/または除去後にヌクレオチドを修飾標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズさせることにより、修飾標的ポリヌクレオチドの二本鎖RNAポリメラーゼが生成される。
さらに別の実施形態では、前記第1のCSの作成は、修飾標的ポリヌクレオチドを熱変性させ、修飾標的ポリヌクレオチドの3’ステムループ構造を自己アニールさせ、さらに自己プライミングにより伸長させて第1のCSを形成することを含む
さらに別の実施形態では、第1のCSの作成は、修飾標的ポリヌクレオチドにアニールする標的特異的プライマー、およびポリメラーゼによる伸長を含む。標的特異的プライマーは、目的の標的配列にアニールする。第1のCSの二本鎖末端をアダプターに連結することができる。
この方法は、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成する前または後に、ATOを消化することをさらに含んでもよい。
この方法は、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成する前または後に、アフィニティーキャプチャーをさらに含んでもよい。
第1のATO反応において、この方法は伸長およびライゲーションを含むことができ、DNAポリメラーゼは標的の3’末端を伸長し、DNAリガーゼは伸長した標的配列をATOの5’ステム部分またはATOの上側の別個の鎖に連結する。
この方法は、第1のCSを上記の組成物とインキュベートすることにより修飾された第1のCSを作成することをさらに含んでもよく、第1のCSの3’末端は、酵素的な第2のATO反応において、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド(第2のATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズし、第1のCSの3’末端はATOを鋳型として使用して伸長され、3’オーバーハングが存在する場合、伸長が生じる前に第1のCSの3’末端がトリミングされ、第2のATOは第1のATOとは異なる5’ユニバーサル配列を含む。
この方法は、ステップ(ii)の産物にアダプターを連結することにより、修飾された第1のCSを作成することをさらに含んでもよい。
この方法は、第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させることによって、第2のCSを作成することをさらに含んでよく、第2プライマーは、標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む。
この方法は、修飾標的ポリヌクレオチド反応を2つの別個の反応に分離することをさらに含んでもよく、各反応は、修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル領域に相補的なプライマーを含み、1つの反応は、標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含み、第2の反応は、標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である。
別の実施形態では、標的特異的プライマーのプールはプライマーの混合物を含むことができ、個々のプライマーは異なる標的のフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかを標的とすることができ、最終プールはフォワード鎖およびリバース鎖の両方の異なる領域を標的とすることができる。ここで、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的であり、フォワード鎖およびリバース鎖を標的とする2つのプライマーは、それらがPCRのプライマーとして一緒に作用することができて望ましくないPCR産物の生成をもたらす場合には同じプールに加えられないことを考慮する限りでは、フォワード標的特異的プライマーとリバース標的特異的プライマーは2つの異なるプライマープールに分けられる。さらに、「フォワード」および/または「リバース」プールへのすべての言及は、上述したように、各プールがフォワード鎖とリバース鎖の両方を標的とするプライマーを含むことを可能にする。
この方法はさらに、修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル領域に相補的なプライマーをハイブリダイズさせ、次いで1または複数ラウンドの線形増幅を実行し、第1の相補配列(CS)を作成することを含んでもよい。線形増幅反応産物は2つの別個の反応に分離され、各反応は修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル領域に相補的なプライマーを含み、1つの反応は標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含み、第2の反応は標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である。
この方法は、二本鎖標的ポリヌクレオチドの末端修復ステップと、それに続く二本鎖アダプターのライゲーションをさらに含んでもよい。次に、ライゲーション産物を、標的ポリヌクレオチドライゲーション産物のユニバーサル領域に相補的なプライマーとハイブリダイズさせ、次いで1または複数ラウンドの線形増幅を実行する。線形増幅反応産物は2つの別個の反応に分けられ、各反応は修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル領域に相補的なプライマーを含み、1つの反応は標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含み、第2の反応は標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーまたは標的特異的プライマーのプールを含む。標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である。
サンプル中の標的ポリヌクレオチドが二本鎖であり、第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、標的特異的増幅のためのATO反応後の反応は、ATO反応産物または線形増幅された第1のCS産物を2つの別個の反応に分割することを含んでよく、フォワード反応は標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、リバース反応は標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である。
一態様では、第1のCSの作成は、ポリヌクレオチドの3’伸長ユニバーサル部分を標的とするユニバーサルプライマーである第1プライマーを使用するワンパス伸長または線形増幅を含む。線形増幅は、1〜30サイクル、2〜25サイクル、3〜24サイクル、4〜23サイクル、5〜22サイクル、6〜21サイクル、7〜20サイクル、8〜19サイクル、9〜18サイクル、または10〜17サイクルを有していてよい。
別の態様において、第1のCSの作成は、標的がRNAである場合、逆転写酵素を使用する逆転写反応を含む。
この方法は、第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅をさらに含んでいてよい。第1プライマーは、修飾標的ポリヌクレオチドの3’伸長ユニバーサル部分を標的とするユニバーサルプライマーであってよい;第2プライマーは、第1のCSの3’伸長ユニバーサル部分を標的とするユニバーサルプライマーであってよい。あるいは、第2プライマーは、第1のCSの目的の特定領域にアニールする標的特異的プライマーである。第2プライマーは、目的の複数の配列領域を標的とする複数プライマーのセットであってよい。第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーを使用した線形増幅または指数関数的増幅の後に、ネスト化(nested)標的特異的第3プライマーがさらなる増幅に使用される。
第1プライマー、第2プライマー、または第3プライマーは、サンプルバーコード(SBC)配列、およびNGSプラットフォームとの適合性に必要な追加のユニバーサル配列を含んでいてよい。
この方法は、第1のATO反応の前に、標的ポリヌクレオチドを断片化、または断片化/タグ付けすることを含んでもよい。
一実施形態では、前記の標的ポリヌクレオチドの断片化および/またはタグ付けは、二本鎖ポリヌクレオチドを、トランスポゾンDNAに結合したトランスポザーゼと接触させることを含み、トランスポゾンDNAはトランスポザーゼ結合部位およびユニバーサル配列を含み、トランスポザーゼ/トランスポゾンDNA複合体は、二本鎖ポリヌクレオチド上の標的位置に結合し、二本鎖ポリヌクレオチドを複数の二本鎖断片に切断し、各二本鎖断片は、二本鎖断片の各5’末端に結合したトランスポゾンDNAを有する。この方法は、第1のATO反応の前に断片化された標的ポリヌクレオチドを熱変性することをさらに含む。トランスポザーゼはTn5トランスポザーゼであってもよい。トランスポゾンDNAはバーコード配列を含んでもよく、またプライミング部位を含んでもよい。トランスポゾンDNAは、二本鎖19bp Tnp結合部位およびオーバーハングを含み、オーバーハングはUIDおよびプライミング部位を含むことができる。トランスポゾンDNAは、二本鎖19bp Tnp結合部位、および核酸ステムループ構造を含む。結合したトランスポザーゼは、第1のATO反応の前に二本鎖断片から除去することができる。Tn5トランスポザーゼは、トランスポゾンDNAと複合体を形成し、Tn5トランスポザーゼ/トランスポゾンDNA複合体は、二本鎖ゲノムDNAに沿って標的位置に結合し、二本鎖ゲノムDNAを複数の二本鎖断片に切断する。トランスポゾンDNAは、一方の端部に二本鎖19bp Tn5トランスポザーゼ(Tnp)結合部位を含み、さらにバーコード領域、プライミング部位およびその他の配列を含む長い一本鎖オーバーハングを含む。転位すると、TnpとトランスポゾンDNAは互いに結合し、二量体化してトランスポソームを形成する。次いで、トランスポソームは、標的ポリヌクレオチドをランダムに捕捉するか、そうでなければ標的ポリヌクレオチドに結合する。次に、トランスポソーム中のトランスポザーゼがゲノムDNAを切断し、1つのトランスポザーゼが上側の鎖を切断し、1つのトランスポザーゼが下側の鎖を切断して、DNA断片を作成する。したがって、トランスポゾンDNAはポリヌクレオチドにランダムに挿入され、転位/挿入部位の両端に9bpのギャップが残る。その結果、上側の鎖の5’位置にトランスポゾンDNA Tnp結合部位が付着し、かつ下側の鎖の5’位置にトランスポゾンDNA Tnp結合部位が付着したDNA断片が得られる。
別の実施形態では、前記の標的ポリヌクレオチドの断片化は、二本鎖DNAを、ガイドRNAに結合したCRISPR/Cas9酵素と接触させることを含み、CRISPR/Cas9/ガイドRNA複合体は、ガイドRNAの配列によって決定される標的ポリヌクレオチドの領域に結合する。CRISPR/Cas9/ガイドRNA/DNA複合体は、ガイドRNAが標的とする配列によって決定される二本鎖切断を引き起こす。別の実施形態では、一本鎖切断のみが誘導される。
前記断片化は、ゲノム編集ツールを用いる標的断片化(targeted fragmentation)の使用を含んでよい。ゲノム編集ツールは、クラスター化された規則正しく間隔を空けた短いパリンドロームリピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)、およびCRISPR関連タンパク質9(CRISPR-associated protein 9)酵素(CRISPR/Cas9)を含んでよい。酵素はクラスIに属するものでよい。クラスI酵素は、タイプI、タイプIII、またはタイプIVの酵素である。酵素はクラスIIに属するものでもよい。クラスII酵素は、タイプII、タイプV、またはタイプVIの酵素である。酵素は、クラスI酵素およびクラスII酵素の任意の組合せを含むことができる。この組合せは、タイプI、タイプII、タイプIII、タイプIV、タイプV、またはタイプVIの酵素の任意の組合せを含むことができる。ガイドRNAのプールを使用して、ゲノムの複数の領域を標的にして、DNA切断を引き起こす。DNA切断は、一本鎖切断であっても二本鎖切断であってもよい。DNA切断は二本鎖切断と一本鎖切断の組合せであってもよい。そのプールは、任意の数のガイドRNAで構成される。
別の実施形態では、前記の標的ポリヌクレオチドの断片化およびタグ付けは、一本鎖標的ポリヌクレオチドを、5’ユニバーサル配列および3’ランダム配列を含むランダムプライマーと接触させ、そのランダムプライマーを標的ポリヌクレオチド上で伸長させて5’タグ付き断片化ポリヌクレオチドを作成することを含む。
標的ポリヌクレオチドまたは断片化された標的ポリヌクレオチドは、遊離3’ヒドロキシル基を含む。標的ポリヌクレオチドは、一本鎖DNA、または一本鎖RNA、または一本鎖RNAと一本鎖DNAの組合せであってよい。
一実施形態は、ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、
標的ポリヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ、および3’エキソヌクレアーゼ活性に対して耐性を有するように3’末端がブロックおよび修飾されている3’ランダム配列を含む上記のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と混合するステップ;
アニーリングを促進する条件下で前記混合物をインキュベートし、3’オーバーハング末端が存在する場合はそれをトリミングし、伸長させて修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;および
任意選択で、ATOを分解するステップ
を含む方法を提供する。
一実施形態は、シーケンシングライブラリーを作成する方法であって、
標的ポリヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ、および3’エキソヌクレアーゼ活性に対して耐性を有するように3’末端がブロックおよび修飾されている3’ランダム配列を含む上記のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と混合するステップ
アニーリングを促進する条件下で前記混合物をインキュベートし、3’オーバーハング末端が存在する場合はそれをトリミングし、伸長させて修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
任意選択で、ATOを分解するステップ;および
NGSプラットフォームに適合するプライマーを使用して、1ラウンド、2ラウンド、またはそれ以上のラウンドの線形および/または指数関数的増幅で、修飾標的ポリヌクレオチドを増幅するステップ;
を含む方法を提供する。
この方法は、混合の前に標的ポリヌクレオチドを断片化することをさらに含む。標的ポリヌクレオチドは、自然発生の断片化ポリヌクレオチドであってよい。自然発生の断片化ポリヌクレオチドは、血漿の循環セルフリー核酸(circulating cell free nucleic acid)であってよい。前記の標的ポリヌクレオチドの断片化は、二本鎖ポリヌクレオチドを、トランスポゾンDNAに結合したトランスポザーゼと接触させることを含んでもよく、トランスポゾンDNAはトランスポザーゼ結合部位およびユニバーサル配列を含み、トランスポザーゼ/トランスポゾンDNA複合体は二本鎖ポリヌクレオチド上の標的位置に結合し、二本鎖ポリヌクレオチドを複数の二本鎖断片に切断し、各二本鎖断片は、二本鎖断片の各5’末端に結合したトランスポゾンDNAを有する。
さらに、シーケンシングライブラリーを作成する方法であって、
ATO鋳型上で一本鎖標的ポリヌクレオチドを伸長させることにより、上記のATOおよび組成物に従って一本鎖標的ポリヌクレオチドにアダプター配列を付加するステップ;およびNGSプラットフォームに適合するプライマーを使用して、アダプターでタグ付けられた標的ポリヌクレオチドを増幅するステップを含み、ATOはユニバーサル部分にアダプター配列を含む、方法を提供する。アダプター配列は、核酸断片の増幅とシーケンシングの両方のためのプライミング配列を提供し、一部の態様では、次世代シーケンシングアプリケーションのために使用される。さらなる態様において、「アダプター配列」は、RNA分子の生成のためのプロモーター配列として使用され、プロモーター配列は、限定されないが、例えば、T7プロモーター配列またはSP6プロモーター配列である。
本開示は、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成する方法であって、
(i)標的ポリヌクレオチドの3’末端にアダプター配列を付加する酵素的な第1の反応において、上記のATO(第1のATO)のいずれか1つのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズするサンプル由来の標的ポリヌクレオチドを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;および
(ii)ユニバーサル配列を含む第1プライマーと、鋳型としての前記修飾標的ポリヌクレオチドとを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップであって、第1プライマーが鋳型にハイブリダイズしてポリメラーゼによって伸長されるステップ
を含む方法を提供する。
標的ポリヌクレオチドは、自然にまたは人工的に断片化されていることが好ましい。標的ポリヌクレオチドは、DNA、cDNA、RNA、mRNA、スモールRNA、またはマイクロRNA(microRNA)、またはそれらの任意の組合せなどの任意の核酸であってよい。標的ポリヌクレオチドは、複数の標的ポリヌクレオチドを含んでいてよい。複数の標的ポリヌクレオチドのそれぞれは、異なる配列または同じ配列を含んでもよい。1つ以上の標的ポリヌクレオチドまたは複数の標的ポリヌクレオチドは、バリアント配列を含んでいてよい。
DNAおよび/またはRNAのいずれかである標的ポリヌクレオチドおよびATOのタイプに応じて、方法は逆転写またはプライマー伸長を利用できる。プライマー伸長反応は、単一のプライマー伸長ステップであってよい。プライマー伸長反応は、1つまたは複数の個々のプライマーを1回伸長させることを含むことができる。プライマー伸長反応は、1ステップで1つまたは複数の個々のプライマーを伸長させることを含むことができる。ステップ(i)において、標的ポリヌクレオチドの3’末端またはトリミングされた3’末端がプライマーとして機能し、それはATOを鋳型として使用して伸長され、ステップ(ii)において、伸長または増幅プライマーは、標的ポリヌクレオチドの3’伸長部分にアニールする第1プライマーである。
一実施形態では、ステップ(i)において、プライマーとして機能する標的ポリヌクレオチドの3’末端を、ランダムに断片化されまたは特異的に断片化されていてよいその配列の3’末端を介してATOにハイブリダイズさせ、3’オーバーハングが存在する場合にはポリメラーゼの3→5’エキソヌクレアーゼ活性により3’オーバーハングをトリミングして除去し、さらにATOを鋳型として使用して伸長させて、修飾標的ポリヌクレオチドを作成する。ATOの3’ランダム配列部分のランダム性の性質により、標的ポリヌクレオチドの3’末端とATOとの間の完全なハイブリダイゼーションは容易に達成できない場合があり、低いストリンジェントな条件が適用される。例えば、高濃度のATOを使用してもよく、4℃などの低温のハイブリダイゼーションを使用してもよく、および/または複数サイクル(multiple cycles)の伸長を使用してもよく、および/またはより長いハイブリダイゼーション時間を使用してもよい。伸長は、任意のポリメラーゼおよび/または任意の逆転写酵素、あるいは異なるポリメラーゼの混合物によって行うことができる。好ましくは、DNAポリメラーゼは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有し、それにより、存在する場合にはあらゆる3’オーバーハングが消化され(トリミングされ)、伸長させることができる。DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を含んでいてよく、それによってATO分子のステムループ構造と二本鎖ユニバーサル部分が開かれてコピー可能になる。あるいは、DNAポリメラーゼは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を含んでよく、それによってATO分子のステムループ構造の5’末端と二本鎖ユニバーサル部分が消化され、ATOの下側の鎖がコピーされる。DNAポリメラーゼは低温で活性であることが好ましい。ポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性および/または鎖置換活性を有することができる異なるポリメラーゼの混合物を含んでいてよい。本明細書に開示の方法を実施するために使用できるポリメラーゼとして、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、LongAmp(商標)Taq DNAポリメラーゼ、Phusion(商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ、Phusion(商標)Hot Start High−Fidelity DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、DyNAzyme(商標)II Hot Start DNAポリメラーゼ、Phire(商標)Hot Start DNAポリメラーゼ、Crimson LongAmp(商標)Taq DNAポリメラーゼ、DyNAzyme(商標)EXT DNAポリメラーゼ、LongAmp(商標)Taq DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ with Standard Taq(Mg−free)バッファー、Taq DNAポリメラーゼ with Standard Taq バッファー、Taq DNAポリメラーゼ with ThermoPol II(Mg−free)バッファー、Taq DNAポリメラーゼ with ThermoPol バッファー、Crimson Taq(商標)DNAポリメラーゼ、Crimson Taq(商標)DNAポリメラーゼ with(Mg−free)バッファー、VentR(登録商標)(エキソ−)DNAポリメラーゼ、Hemo KlenTaq(商標)、Deep VentR(商標)(エキソ−)DNAポリメラーゼ、ProtoScript(登録商標)AMV First Strand cDNA Synthesis Kit、ProtoScript(登録商標)M−MuLV First Strand cDNA Synthesis Kit、Bst DNAポリメラーゼ、完全長、Bst DNAポリメラーゼ、ラージフラグメント、Taq DNAポリメラーゼ with ThermoPol バッファー、9° Nm DNAポリメラーゼ、Crimson Taq(商標)DNAポリメラーゼ、Crimson Taq(商標)DNAポリメラーゼ with(Mg−free)バッファー、Deep VentR(商標)(エキソ−)DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、DyNAzyme(商標)EXT DNAポリメラーゼ、DyNAzyme(商標)II Hot Start DNAポリメラーゼ、Hemo KlenTaq(商標)、Phusion(商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ、Phusion(商標)Hot Start High−Fidelity DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼ IV、Therminator(商標)γ DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)II DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)III DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)(エキソ−)DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、ラージフラグメント、Bst DNAポリメラーゼ、ラージフラグメント、DNAポリメラーゼ I(大腸菌)、DNAポリメラーゼ I、ラージ(クレノウ)フラグメント、クレノウフラグメント(3’→5’エキソ−)、phi29 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ(非修飾)、逆転写酵素(Reverse Transcriptase)およびRNAポリメラーゼ、AMV逆転写酵素、M−MuLV逆転写酵素、phi6 RNAポリメラーゼ(RdRP)、SP6 RNAポリメラーゼ、およびT7 RNAポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定はされない。
本開示の方法を実施するために使用され得るリガーゼには、T4 DNAリガーゼ、T4RNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、および大腸菌RNAリガーゼが含まれるが、これらに限定されない。
温度の熱サイクル:アニーリング、伸長、および変性:を通して、複数サイクルの伸長を実行することができる。修飾標的ポリヌクレオチドは、伸長された3’部分を有し、その部分は、ランダム配列とプライマーの結合部位を提供するユニバーサル配列とを含むことができる。伸長された3’部分は、追加のUIDも含むことができる。
一実施形態では、ステップ(i)において、ATOのユニバーサル部分がイノシンなどの弱い対合ヌクレオチドを含む場合、第1の伸長反応後のATOの除去は必要ない場合がある。そうでなければ、反応混合物からのATOの除去または消化が、任意の手段によって実行され得る。例えば、ATOがウラシル残基を含む場合、ATOはUNG消化によって消化/除去される;ATOがRNAを含む場合、ATOはRNase消化により消化/除去される;ATOが制限酵素部位を含む場合、ATOは制限酵素消化により消化/除去される;または、ATOがビオチンを含む場合、ATOはストレプトアビジンビーズに捕捉することにより除去される。別の実施形態では、ATOがヘアピン/ステムループ構造を含む場合(図3Bおよび3C)、ATOのヘアピン構造は、ATOが修飾標的ポリヌクレオチドの3’伸長部分にハイブリダイズすることをできなくするため、ATOを消化したり反応混合物から除去したりする必要がない場合がある。
一実施形態では、第1のATO反応はプライマー伸長反応であり、標的ポリヌクレオチドがプライマーとして機能し、DNAポリメラーゼによってATO鋳型上で伸長される。DNAポリメラーゼは、鎖置換活性または5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を含むことができ、伸長中にステムループ構造が開かれるか、あるいは上側のATO鎖が置換または消化される。任意のポリメラーゼを使用でき、例えば、クレノウエキソ−ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、またはT4 DNAポリメラーゼなどを使用できる。
別の実施形態では、第1の反応は伸長−ライゲーション反応であり、DNAポリメラーゼは標的を伸長し、DNAリガーゼは伸長された標的配列をATOの5’ステム部分またはATOの上側の鎖に連結する。任意のDNAポリメラーゼおよびDNAリガーゼを使用でき、例えばクレノウラージフラグメント、T4 DNAリガーゼを使用できる。
別の実施形態では、第1の反応はライゲーション反応であり、DNAリガーゼが標的ポリヌクレオチドをATOの5’ステム部分またはATOの上側の鎖に連結させる。任意のDNAリガーゼを使用でき、例えばT4 DNAリガーゼを使用できる。
第1の反応後、この方法は、ATOの一部を消化する、またはアフィニティーキャプチャー(または親和性捕捉)によりATOの一部を除去することを含んでいてよい。
この方法は、アダプター配列を第1のCSの3’末端に付加する酵素反応において、上記のATOのいずれか1つの第2のATOの3’ランダム配列にハイブリダイズする第1のCSを使用することにより、修飾された第1のCSを作成することを含んでいてよく、第2のATOは、第1のATOとは異なる5’ユニバーサル配列を含む。
この方法は、二本鎖アダプターをステップ(ii)の産物に連結することにより、修飾された第1のCSを作成することをさらに含んでいてよい。
ATOの消化/除去に続くステップにおいて、またはATOの消化/除去なしに、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)の作成が実行される。第1の相補配列(CS)は、プライマー伸長により生成される。プライマーは、修飾標的ポリヌクレオチドの3’伸長部分にハイブリダイズして伸長できるユニバーサルプライマーであってよい。DNA、RNA、またはRNAとDNAの組合せであり得る標的ポリヌクレオチドのタイプに応じて、方法は、DNAポリメラーゼおよび/または逆転写酵素による逆転写および/またはプライマー伸長を利用することができる。プライマー伸長反応は、単一のプライマー伸長ステップであってよい。あるいは、プライマー伸長反応は、第1のプライマーを使用する複数サイクルの線形増幅であってもよい。生成される第1のCSは、5’ユニバーサル配列および標的ポリヌクレオチドの3’相補配列を含む。第1プライマーは、ATOのユニバーサル配列部分と同一または実質的に同一の3’ユニバーサル配列を含む。第1プライマーは、シーケンシングプラットフォームに適合する5’の別のユニバーサル配列部分をさらに含むことができる。第1プライマーは、3’ユニバーサル配列と5’の別のユニバーサル部分との間にサンプルバーコード配列(SBC)をさらに含むことができる。
一実施形態では、この方法は、プライマーとして第1のCSを使用し、かつ鋳型として上記のオリゴのいずれか1つの第2のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)を使用して、修飾された第1のCSを作成することをさらに含む。第1のCSの3’末端は、ATO鋳型上で伸長されて、3’末端に第2のユニバーサル配列を含む伸長された第1のCSが生成され、第2のATOの除去の後に、2つのユニバーサルプライマーを使用して第1のCSをPCR増幅することができる。
別の実施形態では、この方法は、第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成するステップをさらに含み、第2プライマーは、標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む。一態様では、第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、それは5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的部分を含むことができる。第2プライマーを使用する伸長は、ワンパス伸長、または複数サイクルの線形増幅であってよい。あるいは、ステップ(ii)とこのステップは、第1プライマーを使用して第1のCSを生成しかつ第2プライマーを使用して第2のCSを形成する1つの単一PCR反応に一体化され、第1のCSと第2のCSは第1のPCRサイクルの後に同時に生成される。PCR反応または線形増幅の後に、その産物を精製してもよく、あるいは一本鎖特異的ヌクレアーゼ消化によりプライマーを除去する。第1プライマーがサンプルバーコードを含む場合、複数のサンプルから精製されたPCR産物を一緒にプールしてよい。(プールされた)精製PCR産物または精製線形増幅産物は、第1のCSのためのネスト化標的特異的第3プライマー、および第2のCSのためのユニバーサルプライマーを使用して、さらにPCR増幅される。第1のCSのためのネスト化標的特異的第3プライマーは、3’標的特異的部分および5’ユニバーサル配列部分を含み、5’ユニバーサル配列部分はNGSプラットフォームに適合する。その後、PCR産物は精製され、シーケンシング可能な状態になる。別の態様では、第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーは3’標的特異的部分および5’ユニバーサル部分を含むことができ、5’ユニバーサル部分はNGSプラットフォームに適合する。ステップ(ii)とこのステップは、第1プライマーを使用して第1のCSを生成しかつ第2プライマーを使用して第2のCSを形成する1つの単一PCR反応に一体化され、第1のCSと第2のCSは、第1のPCRサイクルの後に同時に生成される。PCR産物は精製され、シーケンシング可能な状態になる。
サンプル中の元の標的ポリヌクレオチドが二本鎖である場合、第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させる反応を、2つの別個の反応に分けてよく、フォワード反応は標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、リバース反応は標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である。
ステップ(i)または(ii)において、伸長は、第1プライマーまたは第2プライマーを使用するワンパス伸長または線形増幅を含むことができる。ステップ(ii)において、伸長は、第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅を含むことができる。
第1プライマーは、サンプルバーコード(SBC)配列、およびNGSプラットフォームに適合する追加の5’ユニバーサル配列を含んでいてよい。
一態様では、本開示は、標的ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、標的ポリヌクレオチドを、ポリメラーゼ酵素、およびNGSアダプター配列および切断可能配列を含むATO分子と混合する;トリミングおよび伸長反応を実行し、ポリメラーゼを熱不活性化し、次いで一本鎖特異的環状化リガーゼ酵素とインキュベートする;任意選択で、開裂反応またはリバースプライマーおよびフォワードプライマーを用いる増幅反応を含め、環状分子を完成した線状NGSライブラリー分子に変形させるためにそれらのいずれか一方が行われる;ことを含む方法を提供する。
別の態様では、本方法は、標的ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、標的ポリヌクレオチドを、ポリメラーゼ酵素、およびNGSアダプター配列を含むATOと混合する;トリミングおよび伸長反応を実行し、次いでユニバーサルNGSアダプター配列に相補的な第1プライマー、DNAポリメラーゼおよびdNTPとインキュベーションして伸長反応を実行して、CSおよび二本鎖基質分子を作成する;T4 DNAリガーゼ、およびNGSアダプター配列と切断された相補体と3’リン酸とを含む2つのオリゴヌクレオチドをアニールすることにより形成された平滑末端またはTテールを有するアダプターを用いて、ライゲーションを実行し、一方のオリゴヌクレオチドが修飾標的ポリヌクレオチド分子の5’リン酸に連結されて線状NGSライブラリー分子を完成させることを含む、方法を提供する。
本開示はさらに、標的ポリヌクレオチドの配列を正確に決定する方法であって、
(i)上記の方法のいずれか1つの増幅された第2のCSの少なくとも1つをシーケンシングするステップ;
(ii)ステップ(i)からの同じUIDを含む少なくとも2つの配列を整列させる、および/または各反応が二重鎖標的配列の一方の鎖または相補鎖の配列情報を作成する2つの反応の同じ標的配列を整列させるステップ;および
(iii)ステップ(ii)に基づいて2つの反応のコンセンサス配列および/または同一のバリアント配列を決定するステップであって、コンセンサス配列および/またはバリアント配列が標的ポリヌクレオチド配列を正確に表すステップ
を含む方法を提供する。
本開示はさらに、上記のATOのいずれか1つのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と、NGSプラットフォームに適合するプライマーとを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキットを提供する。
キットは上記の組成物を含む。
ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキットは、上記のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と、ポリメラーゼと、NGSプラットフォームに適合するプライマーとを含む。
標的ポリヌクレオチドは、以下に記載のポリヌクレオチド、修飾ポリヌクレオチドまたはそれらの組合せである。標的ポリヌクレオチドは、様々な実施形態において、DNA、RNA、またはそれらの組合せである。別の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、化学的に処理された核酸であり、NGSによりメチル化状態を検出するために基質ポリヌクレオチドがバイサルファイト処理されたDNAである実施形態が含まれるが、これらに限定されない。
標的ポリヌクレオチドは、天然供給源から得られるか、または合成のものであってもよい。天然供給源は、原核生物または真核生物からのRNAおよび/またはゲノムDNAである。例えば、限定するものではないが、供給源は、ヒト、マウス、ウイルス、植物、または細菌であってよい。様々な態様において、標的ポリヌクレオチドは、マイクロアレイを含むアッセイおよび次世代核酸シーケンシング用のライブラリーの作成で使用するためのアダプター配列で3’末端において伸長される。
標的ポリヌクレオチドの供給源がゲノムDNAまたはRNAまたはその両方である場合、一部の実施形態では、ゲノムDNAまたはRNAまたはその両方は、伸長される前に断片化される。ゲノムDNA/RNAの断片化は、当業者に知られている一般的な手順であり、例えば、DNA/RNAをせん断(噴霧)することにより、エンドヌクレアーゼでDNA/RNAを切断することにより、DNA/RNAを超音波処理することにより、DNA/RNAを加熱することにより、アルファ、ベータ、ガンマまたは他の放射線源を使用したDNA/RNAの照射によって、光によって、金属イオンの存在下でのDNA/RNAの化学的切断によって、ラジカル切断によって、およびそれらの組合せによって、in vitroで行われるが、それらに限定されない。ゲノムDNA/RNAの断片化は、in vivoでも生じ、例えば、アポトーシス、放射線および/またはアスベストへの暴露により生じるが、これらに限定されない。本明細書で提供される方法によれば、標的ポリヌクレオチドの集団は均一なサイズである必要はない。したがって、本開示の方法は、異なるサイズの標的ポリヌクレオチド断片の集団と共に使用するのに有効である。
本明細書で使用する「標的ポリヌクレオチド相補配列(CS)」は、標的配列に相補的な配列またはその相補体(標的配列に相補的な配列の相補体)を含むポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチド相補配列は、第1の相補配列を含む。「第1の相補配列」は、標的ポリヌクレオチドから逆転写されるかまたは標的ポリヌクレオチド上でのプライマー伸長反応から形成されるポリヌクレオチド、あるいはRNAポリメラーゼによって修飾標的ポリヌクレオチドからの二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターから転写されるRNAポリヌクレオチドである。修飾標的ポリヌクレオチドは、ランダム配列とユニバーサル配列とを含むATO上で伸長された標的ポリヌクレオチドである。
標的ポリヌクレオチド相補配列は、第二の相補配列を含む。「第2の相補配列」は、第1の相補配列に相補的な配列を含むポリヌクレオチドである。標的ポリヌクレオチド相補配列は、UIDを含んでいてよい。例えば、第1の相補配列は、ATOのランダム配列により、およびランダムに断片化された標的ポリヌクレオチドの3’末端部分により提供されるUIDを含むことができる。
第2または第3プライマーは、複数の第2または第3プライマーのセットであってよい。複数の第2または第3プライマーの各第2または第3プライマーは同時に伸長され、同じ反応チャンバー内で伸長される。
標的特異的第2プライマーを使用する増幅ステップは、2つの反応:フォワード反応とリバース反応:に分けることができる。フォワード反応は、1つのサンプル由来の複数の標的CSの第1鎖にアニールする複数の標的特異的第2プライマーのフォワードセットを含み、リバース反応は、同じサンプル由来の複数の標的CSの第2鎖にアニールする複数の標的特異的第2プライマーのリバースセットを含む。ネスト化PCR(nested PCR)においてPCR産物を作成するために使用されるプライマーは、第1プライマーの5’ユニバーサル配列部分を標的とするユニバーサルプライマー、および複数の標的配列の第2鎖にアニールする複数の標的特異的プライマーの第3のセットを含むことができ、第3のセットの標的特異的プライマー(内側プライマー)は、標的特異的第2プライマー(外側プライマー)のセットに対してネスト化される。フォワード反応とリバース反応のユニバーサルプライマーは同じであってよい。
反応混合物は、2つ以上のサンプル(2つのサンプル、3つのサンプル、または4つ以上のサンプル、あるいは10より多いサンプルであってよい)のための複数の反応を含んでいてよい。異なるサンプルを一緒に並行して処理することができる。各サンプルは、2つの反応:フォワード反応とリバース反応:を含んでいてよい。異なるサンプルの反応(すべてのフォワード反応、またはすべてのリバース反応)は、好ましくは、ステップ(ii)の後に混合され、各サンプルのアイデンティティは、SBCを有する第1プライマーによる増幅で割り当てられる。ステップ(ii)の後のすべてのフォワード反応またはリバース反応を、1つの混合物で処理することができる。
この方法はさらに、標的配列の異なる鎖を表すフォワード反応およびリバース反応から得られるNGSのリード(読み取り断片)を解析することを含み、それは、(i)同じランダム配列識別子(UID)配列を含むファミリーにグループ分けし;(ii)標的配列が多数派メンバーと一致しない1つまたは複数のヌクレオチド位置を有する同じファミリーの標的配列を除外し;さらに(iii)標的配列の異なる鎖を表す2つの反応で同じ突然変異が現れるか否かを調べることにより、エラー訂正された(error-corrected)コンセンサス配列を作成することを含む。
この方法は、標的配列の2つの異なる鎖を表すフォワード反応およびリバース反応から得られるNGSのリードを解析することをさらに含み、それは同じランダム配列識別子(UID)配列を含むファミリーにグループ分けすることによりコンセンサス配列を作成し;さらにファミリーの数をカウントすることを含む。この方法は、サンプル中に存在する元の標的核酸の数の正確なカウンティングをもたらす。
この方法を使用して開始分子を定量することができ、他のサンプルと比較した、またはフォワード反応とリバース反応とを比較した、標的配列のUIDファミリーのカウンティングが、正確なカウンティング情報をもたらすことができる。
UIDの目的は2つある。1つ目は、元の各DNAまたはRNA鋳型分子に一意のUIDを割り当てることである。2つ目は、一意にタグ付けされた各鋳型の増幅であり、これにより、同一のUID配列を有する多くの娘分子が生成される(UIDファミリーとして定義される)。増幅に使用される鋳型分子に突然変異が先在する場合、その変異は、そのUIDを含むすべての娘分子に存在するはずである。
ユニバーサルプライマーは、あらゆるエキソヌクレアーゼ活性に耐性にするために、1つ、または2つ、またはそれ以上の末端ホスホロチオアートを含んでよい。ユニバーサルプライマーはまた、NGSフローセル(例えば、イルミナGA IIxフローセル)へのハイブリダイゼーションに必要な5’グラフト配列を含んでもよい。最後に、それらは、グラフト配列とユニバーサルタグ配列との間にインデックス配列を含んでもよい。このインデックス配列は、複数の異なる個体からのPCR産物をシーケンサーの同じフローセルコンパートメントにおいて同時に分析することを可能にする。
サンプルの標的核酸配列は、バリアントヌクレオチドを含む核酸断片または遺伝子を含んでもよく、障害関連SNP/欠失/挿入、染色体再編成、トリソミー、またはがん遺伝子、作用物質耐性遺伝子、および病原性遺伝子からなる群より選択することができる。障害関連遺伝子には、がん関連遺伝子および遺伝性疾患に関連する遺伝子が含まれ得るが、これらに限定されない。サンプルは、ゲノムDNA、循環核酸、RNA、mRNA、スモールRNA、マイクロRNA、またはFFPE DNAもしくはRNAであってよい。
標的ポリヌクレオチド配列の診断領域内のバリアントヌクレオチドは、1つまたは複数のヌクレオチド置換、染色体再編成、欠失、挿入、および/または異常なメチル化を含むことができる。
DNAのメチル化は、ゲノムの重要なエピジェネティック修飾である。異常なDNAのメチル化は、腫瘍抑制遺伝子のサイレンシングを引き起こす可能性があり、さまざまなヒトがん細胞でよく見られる。標的ポリヌクレオチド中の異常なメチル化の存在を検出するために、本方法の実施前に予備処置を行う必要がある。核酸サンプルを、バイサルファイト処理によって化学的に修飾することが好ましく、それによって、シトシンはウラシルに変換されるが、メチル化シトシンは変換されない(すなわち、5−メチルシトシンは、この処理に耐性であり、シトシンのままである)。これらの修飾により、この方法は標的核酸における異常なメチル化の検出に適用できる。別の実施形態では、バイサルファイト処理による修飾は、ATO反応後に生じる。別の実施形態では、バイサルファイト処理による修飾は、第1のCSの生成後に生じる。
本開示は、異なる標的核酸配列の複数の遺伝子座における突然変異または多型の存在および/または量および/または頻度について生物学的サンプルを分析する方法を提供する。別の態様では、本開示は、例えばトリソミーなどの染色体異常について生物学的サンプルを分析する方法を提供する。ATO反応の後に、次世代シーケンシング、デジタルPCR、マイクロアレイ、またはその他のハイスループット分析を行うことができる。標的遺伝子座の多重化の数は、5を超える、または10を超える、または30を超える、または50を超える、または100を超える、または500を超える、1000を超える、さらには2000を超える数であってよい。
例えば、サンプル中に1つまたは2つの突然変異体が存在するなど、突然変異体がサンプル中に非常に低濃度で存在する場合、サンプル核酸を2つの反応に分けた後、1つの反応のみが突然変異体を含むことがある。2つの反応からの2本の鎖配列の比較は、1つの反応のみが変異を含み得ることを明らかにすることができる。2つ以上のリードファミリーが同じ変異を含む場合、その変異が1つの反応のみに現れる場合でも、真の変異として分類される。
別の実施形態では、修飾標的ポリヌクレオチドを、1または複数の後続ラウンドの増幅のためにサンプル核酸を2つの反応に分割する前に、線形または指数関数的増幅により増幅させることができる。すべての元の分子のコピー数の増加により、2つの反応からの2本の鎖配列の比較が突然変異の存在を明らかにする可能性が高くなる。
別の実施形態では、修飾標的ポリヌクレオチドは2つの反応に分割されず、2本の鎖のうちの1本のみが突然変異の存在について調べられる。
別の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは2つの反応に分割されず、両方の鎖が別々に連続的に増幅されて両方の鎖の分析を可能にする。
死にかけている腫瘍細胞から血流へのセルフリーDNAの放出は、さまざまなタイプのがんの患者でよく実証されている。循環腫瘍DNAは、悪性腫瘍の存在を検出したり、治療反応を追跡したり、再発を監視したりするための非侵襲的バイオマーカーとして使用できることが研究により示されている。しかしながら、現在の検出方法にはかなりの制限がある。次世代シーケンシング(NGS)法は、従来の方法のほんの一部の時間とコストで数千億塩基対の同時シーケンシングを可能にすることにより、ゲノム探索に革命をもたらした。しかしながら、エラー率は〜1%であるため、腫瘍や血漿などの遺伝的に異質な混合物におけるまれな変異体を特定することを目的とする場合に許容できない数億のシーケンシングミスをもたらす。本発明の方法は、これらシーケンシング精度の限界を克服する。cfDNAを含む突然変異は、比較的過剰なバックグラウンドの野生型DNAによって不明瞭になる;検出は困難であることが証明されている。この方法では、元の各DNA二重鎖に個別にタグ付けしてシーケンシングすることにより、エラーを大幅に低減する。
本発明の方法は、大規模並列シーケンシングの精度を実質的に改善することができる。このアプローチは、DNA鋳型の集団中のまれな突然変異体を同定するのに容易に使用できる。サンプル中の1つの標的鋳型の2本の鎖は、それぞれ一意にタグ付けされ、独立してシーケンシングされる。2本の鎖の配列を比較すると、お互いに一致するかまたは不一致になる。一致すると、突然変異を真陽性としてスコア付けする信頼をもたらす。
シーケンシングの後、同一のUIDタグ配列を共有することにより、各リードファミリーのメンバーが同定およびグループ分けされる。次に、一意にUIDタグ付けされたファミリーの配列と標的配列の1本または2本の鎖を比較して、コンセンサス配列を作成する。このステップは、シーケンシングまたはPCR中に導入されたランダムエラーを除外して、それぞれが一本鎖DNAの個々の分子に由来する配列のセットをもたらす。
希少DNAバリアントの高感度検出への適用に加えて、標的特異的プライマーのバーコード化ランダム配列識別子は、相対的または絶対的なDNAおよび/またはRNAのコピー数を正確に決定する単一分子カウンティングにも使用できる。主要な増幅の前にタグ付けが行われるため、比例代表が増幅バイアスによるゆがみの影響を受けないならば、母集団におけるバリアントの相対存在量を正確に評価できる。
本発明の方法は、各標的配列にランダム配列識別子をタグ付けして、2本の鎖をシーケンシングすることにより、エラーを大幅に低減する。分析は、シーケンシングされた一意にタグ付けされた配列をグループ分けし;標的配列がファミリーの多数派メンバーと一致しない1つ以上のヌクレオチド位置を有する同じファミリーの標的配列を除外し;さらに2つの集団に現れる同じ突然変異を真の突然変異とすることにより、エラー訂正されたコンセンサス配列を提供する。
この方法は、FFPEまたは血液などの任意のサンプルにおける変異を検出するために使用できる。サンプル中に存在する元の分子を反映するシーケンシングリードの正確なカウンティングは、コピー数の変動に関する情報または染色体異常の出生前診断に関する情報を提供する。
本発明の方法で使用される試薬は、キットにパッケージングすることができる。キットは、個別の容器または単一のマスター混合容器内に、ATO、ポリメラーゼ、プライマーを含む。キットは、例えば、バッファー、dNTP、および/または重合手段などの伸長、増幅、エンリッチメントのために必要な、および例えば酵素などの検出分析のために必要な、他の適切にパッケージされた試薬および材料、ならびにアッセイを実施するための指示書も含むことができる。
例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの混合物)は二本鎖であってよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 図1Aの続きである。 図1Bの続きである。 図1Cの続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。 図2−1の続きである。 図2−2の続きである。 図2−3の続きである。 図2−4の続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。 図3−1の続きである。 図3−2の続きである。 図3−3の続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。ヌクレアーゼを使用した酵素的断片化プロセス、または超音波処理によるDNAの物理的せん断は、トランスポザーゼを使用した断片化で置き換えることができる。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 図8−1の続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチドの3’伸長が生じて修飾標的を生成する効率を測定するために、ポリヌクレオチド定量PCR(qPCR)が使用された。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチドの3’伸長が生じて修飾標的を生成する効率を測定するために、ポリヌクレオチド定量PCR(qPCR)が使用された。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 、例示的な実施形態の概略図を示す。開始材料からシーケンシングデータの分析まで、標的化アンプリコン次世代シーケンシングパネルの生成に使用されるすべてのステップが示されている。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 図13−1の続きである。 図13−2の続きである 例示的な実施形態の概略図を示す。開始材料から最終ライブラリーまでの全ゲノムDNAライブラリーの作成に使用されるすべてのステップが示されている。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 図14−1の続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 図16−1の続きである。 図16−2の続きである。 例示的な実施形態の概略図を示す。DNA標的ポリヌクレオチドが示されている。ヌクレアーゼを使用した酵素的断片化のプロセス、または超音波処理によるDNAの物理的せん断のプロセス、またはトランスポザーゼの使用によるプロセスは、Cas遺伝子のタイプI、タイプII、タイプIIIまたはその組合せとCRISPRサブタイプの酵素などのゲノム編集ツールの個別または多重ターゲティングに置き換えることができる。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。 例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。
図1Aは、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの混合物)は二本鎖であってよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、ATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、第一のユニバーサルプライマーが加えられて修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、伸長されて第一の相補配列(CS)を生成する。
図1Bは、例示的な実施形態の概略図を示す。ステップ(i)において、ATOを、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。ATOはステムループ構造を含み、ループ部分はコピー不能なリンケージを含む。伸長は、5’ステム部分配列に置き換わり、コピー不能なリンケージで停止する。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、第一のユニバーサルプライマーが加えられて修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、伸長されて第一の相補配列(CS)を生成する。
図1Cは、例示的な実施形態の概略図を示す。ステップ(i)において、ATOを、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。ATOはステムループ構造を含み、ループ部分は、ウラシルヌクレオチドなどの消化可能または切断可能な修飾を含み、ヘアピンの破壊を可能にする。伸長鎖は、5’ステム部分配列に出会い、5’リン酸基を含む5’ステム部分に連結される。伸長−ライゲーションにより、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドの1本の鎖の3’末端は、ATOの5’ステム部分に直接隣接するATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、DNAライゲーションによってATOの5’ステム部分に連結される。このライゲーションは、DNAポリメラーゼを使用せずに行うことができる。ステップ(i)の後に、ATOは修飾部分で切断され、ATOの下側は消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去され得る。ステップ(ii)では、第一のユニバーサルプライマーが加えられて修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、伸長されて第一の相補配列(CS)を生成する。
図1Dは、例示的な実施形態の概略図を示す。反応のステップ(i)において、ATOを、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの1本の鎖の3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。ATOは二本鎖構造を含み、ATOのユニバーサル部分は、アニールして二本鎖領域を形成するように設計された2つの配列(ランダム配列を含むATOの下側部分、および別個の上側部分)で形成される。標的ヌクレオチドの伸長は、鎖置換活性または5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼによって上側配列に置き換わりまたはそれを消化する。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ATOは第1の反応後に消化され得る。一部の態様では、標的ポリヌクレオチドの1本の鎖の3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。伸長鎖は5’上側配列に出会い、5’リン酸基を含む5’上側配列に連結される。伸長−ライゲーションにより、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドの一本の鎖の3’末端は、ATOの上側部分の5’末端に直接隣接するATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、DNAリガーゼによってATOの上側部分の5’に連結される。このライゲーションは、DNAポリメラーゼを使用せずに行うことができる。ステップ(i)の後に、ATOまたはATOの下側部分は、消化またはアフィニティーキャプチャーによって除去され得る。ステップ(ii)では、第1のユニバーサルプライマーが加えられて修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、伸長されて第1の相補配列(CS)を作成する。
図2は、例示的な実施形態の概略図を示す。
(A)標的特異的第2プライマーが提供されて第1のCSにハイブリダイズし、伸長されて第2のCSを生成する。標的特異的第2プライマーは、3’標的特異的部分と5’ユニバーサル部分とを含む。伸長は、ワンパス伸長、複数サイクルの線形増幅、または第1プライマーと第2プライマーの両方を使用したPCR増幅であってよい。任意選択で、NGSプラットフォームに適合するユニバーサルプライマーを使用して、第2のCSをさらにPCR増幅することができる。
(B)標的特異的第2プライマーが提供されて第1のCSにハイブリダイズし、伸長されて第2のCSを生成する。標的特異的第2プライマーは、5’ユニバーサル部分と共にまたは5’ユニバーサル部分なしで、3’標的特異的部分を含む。伸長は、ワンパス伸長、複数サイクルの線形増幅、または第1プライマーと第2プライマーの両方を使用したPCR増幅であってよい。第2のCSは、ネスト化標的特異的第3プライマーと、NGSプラットフォームに適合するユニバーサルプライマーとを使用してさらにPCR増幅される。任意選択で、NGSプラットフォームに適合するユニバーサルプライマーを使用して、第2のCSをさらにPCR増幅することができる。
(C)第1プライマーは、標的ポリヌクレオチドの追加されたアダプター配列にアニールし、伸長されて第1のCSの二本鎖DNAを生成する。第1のCSの二本鎖DNAは、DNAリガーゼによる二本鎖ライゲーションによってアダプターに連結される。CS鎖のみが連結される必要がある。ライゲーション産物は、任意選択で、固体支持体にアフィニティーキャプチャーにより捕捉することができる。ライゲーション後、2つのユニバーサルプライマーによって産物を増幅することができる。
(D)標的ポリヌクレオチドをバイサルファイト処理し、それによって非メチル化シトシン(C)はウラシルに変換され、メチル化シトシンはそのままである。ATOは、1つまたは複数の場所で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。標的ポリヌクレオチドの一本の鎖の3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ATOは第1の反応後に消化され得る。修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーとハイブリダイズし、このプライマーの3’は、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、また修飾標的ポリヌクレオチドは標的特異的プライマーのプールまたは1つともハイブリダイズし、このプライマーは追加の5’ユニバーサル部分と共にまたは追加の5’ユニバーサル部分なしで3’標的特異的部分を含む。その混合物を、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した1または複数サイクルのPCR増幅で増幅する。この増幅産物は、次世代シーケンシングで直接使用することができ、あるいはさらに処理して次世代シーケンシングに適した生成物にすることもできる。
(E)ATOを、1つまたは複数の場所で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの1本の鎖の3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ATOは第1の反応後に消化され得る。修飾標的ポリヌクレオチドは、続いてバイサルファイト処理を受ける。修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーとハイブリダイズし、このプライマーの3’は、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、また修飾標的ポリヌクレオチドは標的特異的プライマーのプールまたは1つともハイブリダイズし、このプライマーは追加の5’ユニバーサル部分と共にまたは追加の5’ユニバーサル部分なしで3’標的特異的部分を含む。その混合物を、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した1または複数サイクルのPCR増幅で増幅する。この増幅産物は、次世代シーケンシングで直接使用することができ、あるいはさらに処理して次世代シーケンシングに適した生成物にすることもできる。
(F)第1のCSを第2のATOとハイブリダイズさせ、第1のCSの3’末端にアダプター配列が追加された修飾された第1のCSが生成される。第1のCSは、ビオチンを含む第1プライマーを使用する線形増幅により生成され得る。任意選択で、線形増幅の後、第1のCSはアビジンによりアフィニティーキャプチャーされ、第1のCSでないものは洗浄により除去される。第2のATOが加えられ、第1の反応として伸長反応が繰り返される。伸長反応後、未反応産物が洗い流され、産物はユニバーサル配列の両端を標的とする2つのユニバーサルプライマーによって増幅される。第1のCSの5’末端を標的とするユニバーサルプライマーは、ネスト化プライマーであってよい。
(G)修飾標的ポリヌクレオチドは1つまたは複数のアリコートに分割され、各アリコートはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーの3’部分は修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計され、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有しており、また異なる標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、そのプライマーは標的ポリヌクレオチドの標的領域を増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に、3’標的特異的部分を含む。この混合物を、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した1または複数サイクルのPCR増幅で増幅する。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの標的領域が増幅されたPCR産物となり、さらに次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(H)修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、また標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられる。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的配列を含む。この混合物を、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用して、1または複数サイクルのPCR増幅で増幅する。この増幅の産物は、3’および5’ユニバーサル配列を有するまたは有さない、元のポリヌクレオチドの標的領域が増幅されたPCR断片になる。第1のPCR反応からの最早不要となった試薬を除去するために第1の増幅産物を精製してもよい。PCR産物は、第2のネスト化ユニバーサルプライマー、および異なるネスト化標的特異的プライマーまたはネスト化標的特異的プライマーのプールと組み合わせられ、第2のネスト化ユニバーサルプライマーの3’部分は第1のPCR産物のユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計され、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有しており、ネスト化標的特異的プライマーは、次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に3’標的特異的部分を含む。この混合物を、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した1または複数サイクルのPCR増幅で増幅する。この増幅の産物は、元のポリヌクレオチドの標的領域が増幅されたPCR産物であり、また次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
図3は、例示的な実施形態の概略図を示す。(A)アダプター鋳型オリゴには、(A−T)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、3’ランダム配列、縮重配列、ヌクレオチドバイアスのあるランダム配列、または標的特異的配列;ATOを伸長不能にするブロッカー部分が付加されたまさに3’末端;ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;および、作用物質によって認識可能なヌクレオチド配列/修飾(NSM)であってよい部分;を含むATOが含まれる。
(B)アダプター鋳型オリゴには、(A−T)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ループ部分は、コピー不能なリンケージ、または切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。
(C)アダプター鋳型オリゴには、(A−T)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ステム部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。
(D)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ステム部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。ループ領域は、一意の識別子として機能することができる、ランダム配列、縮重配列、ヌクレオチドバイアスのあるランダム配列、または標的特異的配列を含んでもよい。
(E)アダプター鋳型オリゴには、(A−J)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ATOの下側の鎖の全体または一部に相補的または実質的に相補的な上側の別個の鎖を含む2本の別個の鎖を有し、ATOの下側の鎖が(A)のATOに相当するように設計されたATOが含まれる。
(F)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ユニバーサル部位が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計された配列で完全にまたは部分的に構成されているATOが含まれる。
(G)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ユニバーサル部位が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計された配列と、プライミング部位として機能するように設計された別個の配列とで部分的に構成されているATOが含まれる。
(H)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示され、ループ部分は、コピー不能なリンケージ、切断可能なヌクレオチドを含んでいてよく、かつRNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計された配列を有する、ATOが含まれる。
(I)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分が、ランダム配列、縮重配列、またはヌクレオチドバイアスのあるランダム配列によって分離された2つまたはそれ以上の領域に分離され、コピー不能なリンケージまたは同等の長さのランダム配列、縮重配列、またはヌクレオチドバイアスのあるランダム配列によってその間がつながれているATOが含まれる。
(J)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、標的特異的であるように設計された3’配列と、標的特異的配列の5’にあるランダム配列、縮重配列、またはヌクレオチドバイアスのあるランダム配列と、ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列とを含むATOが含まれる。
(K)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、下側の鎖が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計された配列と、プライミング部位として機能するように設計された別個の配列とから部分的に構成されるユニバーサル部位を含み、かつ上側の鎖が、二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを形成できる下側の鎖に部分的または完全に相補的な第2のオリゴであるATOが含まれる。
(L)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ループ領域は、一意の識別子として作用することができる、ランダム配列、縮重配列、ヌクレオチドバイアスのあるランダム配列、または標的特異的配列を含んでいてよく、かつコピー不能なリンケージ、または切断可能なヌクレオチドを含んでいてよい。
(M)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ステム部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。ループ領域は、一意の識別子として機能することができる、ランダム配列、縮重配列、ヌクレオチドバイアスのあるランダム配列、または標的特異的配列を含んでもよい。
(N)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分が、ランダム配列、縮重配列、またはバイアスのあるランダム配列によって分離された2つまたはそれ以上の領域に分離され、コピー不能なリンケージまたは同等の長さのランダム配列、縮重配列、またはヌクレオチドバイアスのあるランダム配列によってその間がつながれているATOが含まれる。ループ部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。
(O)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、3’ランダム配列、縮重配列、またはヌクレオチドバイアスを伴うランダム配列、およびATOの伸長を可能にするプライマーとしての使用に適したまさに3’末端を有するATOが含まれる。
(P)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、3’標的特異的配列と、ATOの伸長を可能にするプライマーとしての使用に適したまさに3’末端を有するATOが含まれる。
(Q)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ループ部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。ATOの5’は、リン酸などのライゲーションアクセプターで構成される。
(R)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ヘアピン/ステムループ構造を含み、ステム部分配列が指示されるATOが含まれる。ループ部分は、コピー不能なリンケージまたは切断可能なヌクレオチドを含んでもよい。ATOの5’は、ビオチンなどのアフィニティー精製部分で構成される。
(S)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、リン酸などのライゲーションアクセプターで構成される5’を有する線状(linear) ATOが含まれる。
(T)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、ビオチンなどのアフィニティー精製部分で構成される5’を有する線状ATOが含まれる。
(U)アダプター鋳型オリゴには、(A−U)に記載されている設計構成要素の任意の組合せに加えて、伸長を防ぐために3’ブロックされたランダム配列と、5’リン酸のみで構成される線状ATOが含まれる。
図4は、例示的な実施形態の概略図を示す。ヌクレアーゼを使用した酵素的断片化プロセス、または超音波処理によるDNAの物理的せん断は、トランスポザーゼを使用した断片化で置き換えることができる。ステップ(i)では、標的二本鎖ポリヌクレオチド(DNA)をトランスポゾンDNAおよびトランスポザーゼと共にインキュベートする。ランダム転位反応が完了すると、標的ポリヌクレオチドは、トランスポゾンDNAの複数のコピーを含むようになり、それによって標的ポリヌクレオチド上の遊離3’末端と、トランスポゾンDNAの遊離5’末端とが生成される。ステップ(ii)では、ATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの1本の鎖のランダム転位の結果として生成された遊離3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、トランスポゾンDNAからの5’ユニバーサル配列、トランスポゾンDNAの3’にある標的ポリヌクレオチド領域、標的ポリヌクレオチドの3’にあるUIDとしてのランダム配列、およびプライミング部位としての3’第2ユニバーサル配列を含む、修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(ii)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iii)において、修飾標的ポリヌクレオチドは、相補鎖(CS)生成、PCR増幅またはその他のダウンストリームプロセスのための出発物質として使用される。
図5は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、ATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にランダムにハイブリダイズさせる。ステップ(ii)では、標的ポリヌクレオチドを鋳型として使用して、ATO分子の3’末端が伸長される。この伸長により、5’ユニバーサル配列、UIDとしてのランダム配列、および3’末端に標的ポリヌクレオチドのコピーを含む修飾標的ポリヌクレオチドのコピーが生成される。ステップ(ii)の後に、修飾標的ポリヌクレオチドのコピーは精製され、未使用のATOが除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iii)では、第2のATOを、1つまたは複数の位置で修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせる。修飾標的ポリヌクレオチドのコピーの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、プライミング部位として機能できる3’および5’ユニバーサル部位を含み、これらの内部にはUIDとしての2つの異なるランダム配列があり、中心には標的ポリヌクレオチドのコピーがあるデュアル修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。
図6は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、標的特異的配列を用いて設計されたATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。ステップ(ii)では、標的ポリヌクレオチドを鋳型として使用して、ATO分子の3’末端が伸長される。この伸長により、5’ユニバーサル配列、UIDとしてのランダム配列、および3’末端に標的ポリヌクレオチドのコピーを含む修飾標的ポリヌクレオチドのコピーが生成される。ステップ(ii)の後に、修飾標的ポリヌクレオチドのコピーは精製され、未使用のATOが除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iii)では、第2のATOを、1つまたは複数の位置で修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせる。修飾標的ポリヌクレオチドコピーの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、プライミング部位として機能できる3’および5’ユニバーサル部位を含み、これらの内部にはUIDとしての2つの異なるランダム配列があり、中心には標的ポリヌクレオチドのコピーがあるデュアル修飾標的ポリヌクレオチドが生成される
図7は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、一本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化される。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列とプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。
図8は、例示的な実施形態の概略図を示す。(a)標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、一本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化され、ATOはRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、標的ポリヌクレオチドとATOの間の二本鎖配列の領域を含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成され、その領域はUIDとしてのランダム配列と、RNAポリメラーゼプロモーターを含む3’ユニバーサル配列とを含む。ステップ(i)の後に、任意選択で修飾標的ポリヌクレオチドは精製され、未使用のATOが除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、修飾標的ポリヌクレオチドの二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドのRNAコピー(第1の相補配列)が生成される。
(b)標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、一本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化され、ATOはRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列と、修飾標的ポリヌクレオチドの3’末端にヘアピンを形成できる相補領域を含むプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む、修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、修飾標的ポリヌクレオチドの3’末端は、それ自身にアニールすることにより小さなヘアピンを形成でき、それによって3’末端はプライマーとして機能し、伸長されると二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを含む第1の相補配列が生成される。ステップ(iii)では、修飾標的ポリヌクレオチドの二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドのRNAコピー(第1の相補配列)が生成される。
図9は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、1本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化される。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。伸長により、UIDとしてのランダム配列と、修飾標的ポリヌクレオチドの3’末端にヘアピンを形成できる相補領域を含むプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、修飾標的ポリヌクレオチドの3’端は、それ自身にアニールすることにより小さなヘアピンを形成でき、それによって3’末端はプライマーとして機能し、伸長されると第1の相補配列が生成される。
図10は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、1本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化される。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列と、プライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)では、標的特異的プライマーが修飾標的ポリヌクレオチドに加えられ、修飾標的ポリヌクレオチドの5’末端に到達するまでポリメラーゼにより伸長される。ステップ(iii)では、二本鎖アダプターを適切な酵素とともに修飾標的ポリヌクレオチドと混合し、その後、アダプターを修飾標的ポリヌクレオチドの5’二本鎖DNAに連結させる。
図11は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチドの3’伸長が生じて修飾標的を生成する効率を測定するために、ポリヌクレオチド定量PCR(qPCR)が使用された。使用した標的ポリヌクレオチドは、既知の長さおよび配列の一本鎖DNAオリゴ、内部コントロール(IC)であった。また、10%の量の内部コントロール(IC)である既知の長さおよび配列の一本鎖DNAオリゴと混合したゲノムDNAも標的ポリヌクレオチドとして使用した。修飾標的ポリヌクレオチドが生成されると、それら両方が3つの異なるqPCR反応のための鋳型として独立して使用され、1つは標的ポリヌクレオチド配列内に位置する2つのプライマー(フォワードプライマーおよびリバースプライマー1)を用い、もう1つは、標的ポリヌクレオチド内に位置するプライマーと、修飾標的ポリヌクレオチドに追加されたユニバーサル配列中にあるプライマーと(フォワードプライマーおよびリバースプライマー2)を用い、別の1つは、標的ポリヌクレオチド内に位置するプライマーと、修飾標的ポリヌクレオチドと相同ではないテールを有する、修飾標的ポリヌクレオチドに追加されたユニバーサル配列の末端にあるプライマーと(フォワードプライマーおよびリバースプライマー3)を用い、それら反応のすべてに標的ポリヌクレオチド内に位置するデュアルラベルqPCRプローブ(プローブ)が含まれていた。IC内とユニバーサル配列内に位置するプライマーペアにおいて蛍光増幅シングルが検出された「CT」値と比較した、ICコントロール特異的プライマーにおいて蛍光増幅シングルが検出された「CT」値が、標的ポリヌクレオチド3’伸長の効率の比例指標を与える。「CT」値は非常に類似しているため、効率は50〜100%と解釈できる。
図12は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、または任意の供給源のDNAもしくはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、1本鎖標的ポリヌクレオチドが1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズする前に、標的ポリヌクレオチドが断片化される。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列と、修飾標的ポリヌクレオチドの3’末端にヘアピンを形成できる相補的領域を含むプライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(ii)において、修飾標的ポリヌクレオチドの3’末端は、それ自身にアニールすることにより小さなヘアピンを形成できる。ステップ(iii)では、3’末端がプライマーとして機能し、伸長されると第1の相補鎖が生成される。ステップ(iii)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iv)では、第1のCSの二本鎖DNAは、DNAリガーゼによる二本鎖ライゲーションによってアダプターに連結される。ステップ(v)では、反応混合物をdU−グリコシラーゼ、アプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼ、およびS1ヌクレアーゼの混合物とインキュベートすることにより、残ったATOが消化され、ヘアピンが切断される。最終二本鎖産物を、適合する次世代シーケンサー(例えば、MiSeq)でのシーケンシングに直接使用する。
図13は、例示的な実施形態の概略図を示す。開始材料からシーケンシングデータの分析まで、標的化アンプリコン次世代シーケンシングパネルの生成に使用されるすべてのステップが示されている。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、標的ポリヌクレオチドは酵素的に断片化される。ステップ(ii)では、断片化された標的ポリヌクレオチドのサイズ分布が、高感度バイオアナライザチップを使用して決定される。ステップ(iii)において、断片化された標的ポリヌクレオチドを1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしての3’ランダム配列と、プライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(iii)において、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iv)では、修飾標的ポリヌクレオチド、ATOのユニバーサル部位に結合するように設計されたユニバーサルプライマー、遺伝子特異的プライマーのプール、適切なバッファー、適切な酵素、dNTP、およびその他の添加物が組み合わせられて、修飾標的ポリヌクレオチドを指数関数的に増幅させるために使用される。ステップ(v)では、PCR産物が精製される。ステップ(vi)では、第1のPCR産物、PCR産物のユニバーサル部位に結合するように設計された第2のユニバーサルプライマー、第2のネスト化された遺伝子特異的プライマーのプール、適切なバッファー、適切な酵素、dNTP、およびその他の添加物が組み合わせられて、修飾標的ポリヌクレオチドを指数関数的に増幅させるために使用される。ステップ(vii)では、第2のPCR産物が精製される。ステップ(viii)では、高感度バイオアナライザチップを使用して、最終シーケンシングライブラリーのサイズ分布が決定された。ライブラリーは、150bpのペアエンドシーケンシングを備えたMiSeqシーケンサーを使用してシーケンシングされた。その後、bwaアライナーとカスタムデータフィルタリングPythonスクリプトの組合せを使用して、シーケンシングデータを解析した。データ図(H)は、MiSeqによって作成されたシーケンシングデータから抽出されたインサートのサイズの分布を表し、(I)は、指数関数的増幅で使用されるプール中に存在するすべてのプライマーにわたるリード(読み取り)の分布を表し、(J)は少なくとも3つのリードがあるファミリーサイズのシーケンシングデータ中に認められる「バーコードファミリー」の数を示す。
図14は、例示的な実施形態の概略図を示す。開始材料から最終ライブラリーまでの全ゲノムDNAライブラリーの作成に使用されるすべてのステップが示されている。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、標的ポリヌクレオチドは酵素的に断片化される。ステップ(ii)では、断片化された標的ポリヌクレオチドのサイズ分布が、高感度バイオアナライザチップを使用して決定される。ステップ(iii)において、断片化された標的ポリヌクレオチドを1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしての3’ランダム配列と、プライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(iii)において、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iv)では、修飾標的ポリヌクレオチド、ATOのユニバーサル部位に結合するように設計されたユニバーサルプライマー、適切なバッファー、適切な酵素、dNTP、およびその他の添加物が組み合わせられて、修飾標的ポリヌクレオチドを線形増幅して第1のCS(相補配列)を作成するために使用される。その後、産物は任意選択で精製される。ステップ(v)では、線形CSを、1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズさせる。線形CSの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、各末端に、UIDとしてのランダム配列と、プライミング部位としての異なる3’および5’ユニバーサル配列とを含む修飾されたCSが生成される。ステップ(vi)では、ATOが消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(vii)では、修飾されたCS産物、修飾されたCS産物の5’および3’末端にあるユニバーサル部位に結合するように設計された2つの異なるユニバーサルプライマー、必要なバッファー、酵素、dNTP、およびその他の添加物が組み合わせられて、修飾されたCS産物を指数関数的に増幅するために使用される。ステップ(viii)では、第2のPCR産物が精製される。ステップ(ix)では、高感度バイオアナライザチップを使用して、最終シーケンシングライブラリーのサイズ分布を決定した。
図15は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)において、一本鎖標的ポリヌクレオチドを、1つまたは複数の位置でATO分子にランダムにハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしての可変長ランダム配列と、プライミング部位としての3’ユニバーサル配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(ii)において、修飾標的ポリヌクレオチドは精製され、未使用のATOが除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(iii)では、修飾標的ポリヌクレオチド、PCR産物のユニバーサル部位に結合するように設計されたユニバーサルプライマー、遺伝子特異的プライマー、適切なバッファー、適切な酵素、dNTP、およびその他の添加物が組み合わせられて、修飾標的ポリヌクレオチドを指数関数的に増幅するために使用される。
図16は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。
(A)修飾標的ポリヌクレオチドは、2つのほぼ等しいアリコートに分割される。これらの各アリコートにユニバーサルプライマーが加えられる。このプライマーの3’は、修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有している。各アリコートに、異なる標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、各プールのプライマーは、標的ポリヌクレオチドの標的領域のフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかを増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に、3’標的特異的部分を含む。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物の2つの別個のプールになり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(B)修飾標的ポリヌクレオチドは、2つのほぼ等しいアリコートに分割される。これらの各アリコートにユニバーサルプライマーが加えられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されている。各アリコートに、異なる標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、各プール中のプライマーは、標的ポリヌクレオチドの標的領域のフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかを増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的配列を含む。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーのプールの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、3’および5’ユニバーサル配列を有するまたは有さない、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物の2つの別個のプールになる。第1のPCR反応からの最早不要となった試薬を除去するために第1の増幅産物を精製してもよい。PCR産物の2つの別個のプールのそれぞれを、第2のユニバーサルプライマー;第1のPCRで使用されたユニバーサルプライマーまたはネスト化ユニバーサルプライマーであって、このプライマーの3’は第1のPCR産物のユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されておりかつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テール有するユニバーサルプライマー;および次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に3’標的特異的部分を含む異なるネスト化標的特異的プライマーまたはネスト化標的特異的プライマーのプール;と組み合わせる。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーのプールの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの一方または他方の鎖を増幅したPCR産物の2つの別個のプールであり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(C)修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されている。次いで、修飾標的ポリヌクレオチドは、1または複数ラウンドの増幅により線形増幅される。線形増幅反応物からの最早不要となった試薬を除去するために、線形増幅産物を精製してもよい。線形増幅産物は、2つのほぼ等しいアリコートに分割される。これらの各アリコートにユニバーサルプライマーが加えられ、このプライマーの3’は修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有する。各アリコートに、異なる標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、各プールは、標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかの標的領域を増幅するように設計されたプライマーを含む。標的特異的プライマーは、次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に、3’標的特異的部分を含む。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーとプライマープールの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物の2つの別個のプールであり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(D)修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されている。次いで、修飾標的ポリヌクレオチドは、1または複数ラウンドの増幅により線形増幅される。第1のPCR反応からの最早不要となった試薬を除去するために線形増幅産物を精製してもよい。線形増幅産物は、2つのほぼ等しいアリコートに分割される。これらの各アリコートにユニバーサルプライマーが加えられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されている。各アリコートに、異なる標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、各プールは標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかの標的領域を増幅するように設計されたプライマーを含む。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的配列を含む。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーとプライマープールとの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、3’および5’ユニバーサル配列を有するまたは有さない、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物の2つの別個のプールになる。第1のPCR反応からの最早不要となった試薬を除去するために第1の増幅産物を精製してもよい。PCR産物の2つの別個のプールのそれぞれを、第2のネスト化ユニバーサルプライマーまたは第1の増幅で使用されたユニバーサルプライマーであって、このプライマーの3’は第1のPCR産物のユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されかつ次世代のシーケンシングに必要な配列を含むテールを有するユニバーサルプライマー;および次世代のシーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に3’標的特異的部分を含む、異なるネスト化標的特異的プライマーまたはネスト化標的特異的プライマーのプール;と組み合わせる。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーとプライマープールの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物の2つの別個のプールであり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(E)修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、このプライマーは標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖を増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的配列を含む。この混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、3’および5’ユニバーサル配列を有するまたは有さない、元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方を増幅したPCR産物のプールである。第1の増幅産物は精製され、未使用の一本鎖プライマーがすべて除去される。精製された第1の増幅産物はユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列の有無にかかわらず修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、この標的特異的プライマーは、第1の増幅反応で標的にされなかった標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖を増幅するように設計されている。フォワード鎖が第1の反応で標的にされた場合、第2の反応ではリバースが標的にされる。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共にまたは5’ユニバーサル配列なしで、3’標的特異的配列を含む。この混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。第2の増幅産物は精製され、未使用のプライマーがすべて除去される。第2の増幅産物は、2つのほぼ等しいアリコートに分割される。これらの各アリコートに第2のユニバーサルプライマーが加えられ、このプライマーの3’は、修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計され、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有している。各アリコートに、異なるネスト化標的特異的プライマーまたはネスト化標的特異的プライマーのプールが加えられ、そのプライマーは標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖のいずれかを増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’ユニバーサル部分と共に、3’標的特異的部分を含む。2つの別個の混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの鎖のいずれかを増幅したPCR産物の2つの別個のプールになり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
(F)修飾標的ポリヌクレオチドはユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列を有する修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、このプライマーは、標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖を増幅するように設計されている。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共に、3’標的特異的配列を含む。この混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、5’および3’のユニバーサル配列を有する、元のポリヌクレオチドの鎖の一方または他方をそれぞれ増幅したPCR産物のプールになる。第1の増幅産物は精製され、未使用のプライマーがすべて除去される。精製された第1の増幅産物はユニバーサルプライマーと組み合わせられ、このプライマーは、追加の5’ユニバーサル配列を有する修飾標的ポリヌクレオチドのユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、標的特異的プライマーまたは標的特異的プライマーのプールが加えられ、この標的特異的プライマーは、第1の増幅反応で標的にされなかった標的ポリヌクレオチドのフォワード鎖またはリバース鎖を増幅するように設計されている。フォワード鎖が第1の反応で標的にされた場合、第2の反応ではリバース鎖が標的にされる。標的特異的プライマーは、5’ユニバーサル配列と共に、3’標的特異的配列を含む。この混合物は、ユニバーサルプライマーと標的特異的プライマーの両方を使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。第2の増幅産物は精製され、未使用のプライマーがすべて除去される。第2の増幅産物は2つのユニバーサルプライマーと混合され、それらプライマーの3’は、増幅産物の3’および5’のユニバーサル配列にハイブリダイズするように設計されており、かつ次世代シーケンシングに必要な配列を含む5’テールを有している。2つの混合物は、両方のユニバーサルプライマーを使用した複数サイクルのPCR増幅で増幅される。この増幅の産物は、それぞれが元のポリヌクレオチドの両方の鎖を独立して増幅したPCR産物のプールになり、次世代シーケンシングに適合するのに必要なすべての配列を含む。
図17は、例示的な実施形態の概略図を示す。DNA標的ポリヌクレオチドが示されている。ヌクレアーゼを使用した酵素的断片化のプロセス、または超音波処理によるDNAの物理的せん断のプロセス、またはトランスポザーゼの使用によるプロセスは、Cas遺伝子のタイプI、タイプII、タイプIIIまたはその組合せとCRISPRサブタイプの酵素などのゲノム編集ツールの個別または多重ターゲティングに置き換えることができる。例として、CRISPR/Cas9酵素をDNA、および1つ以上のガイドRNAの混合物とともにインキュベートする。これにより、DNA、CRISPR/Cas9酵素、およびガイドRNAが結合し、ガイドRNAはDNAの二本鎖または一本鎖切断を標的にする。次いで、標的断片化DNAは精製され、第1のATO反応などの任意の後続のダウンストリームプロセスで使用できる。
図18は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。ステップ(i)では、ATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、UIDとしてのランダム配列を含む修飾標的ポリヌクレオチドが生成される。ステップ(i)の後に、ATOは消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。ステップ(ii)において、標的ポリヌクレオチドは、末端修復プロセス、続いて二本鎖アダプターとのライゲーションを受ける。このライゲーション反応の産物は、短い5’連結配列と、より長いユニバーサル3’連結配列とを含む修飾標的ポリヌクレオチドとなる。これを、ダウンストリームプロセスで使用できる。
図19は、例示的な実施形態の概略図を示す。標的ポリヌクレオチド(PCR産物、またはDNA、またはRNA、またはそれらの任意の混合物)は二本鎖であってもよく、2本の鎖のうちの1本のみが示されている(フォワード鎖)。この描写は、ポリヌクレオチドの伸長のためのプライマーとして、RNAではなくDNAのみを使用するポリメラーゼの能力を利用している。第1のラウンドでは、ATO分子を、1つまたは複数の位置で一本鎖標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、3’オーバーハングが存在する場合はトリミングされ、ATOを鋳型として使用し、RNAプライマーを使用できないポリメラーゼを使用して、DNAのみが伸長される。ATOは、消化されまたはアフィニティーキャプチャーによって除去される。一部の実施形態では、ATOは消化も除去もされない。修飾標的DNAポリヌクレオチドの3’末端は、それ自身にアニールすることにより小さなヘアピンを形成することができ、それによって3’末端はプライマーとして機能し、伸長されると第1の相補配列が生成される。ヘアピンを有する二本鎖DNAは、ATOハイブリダイゼーションの第2ラウンド中に優先的に二重鎖を再形成させるように作用する。標的RNAポリヌクレオチドの3’末端は、ATOの3’ランダム配列部分にハイブリダイズし、ATOを鋳型として使用しかつポリメラーゼを使用して伸長される。修飾標的RNAポリヌクレオチドの3’末端は、それ自身にアニールすることにより小さなヘアピンを形成することができ、それによって3’末端はプライマーとして機能し、伸長されると第1の相補配列が生成される。その後、ヘアピンを消化できる。結果として得られるDNA;DNAおよびRNA;DNAハイブリッドは、さらなるダウンストリームプロセスのための鋳型を形成できる。DNAおよび/またはRNAを選択的に増幅して、DNA、またはRNA、またはDNA+RNAシーケンシングライブラリーを作成するなど。
以下の記載は箇条(clause)として提供されており、請求項と見なされるべきではない。第1の態様によれば、本発明は以下を提供する。
1.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するための除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)であって、
(a)3’ランダム配列;
(b)RTOを伸長不能にするブロッカー部分が付加された3’末端;
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;および
(d)作用物質によって認識可能なヌクレオチド配列/修飾(NSM)
を含み、RTOは鋳型として機能し、反応産物に組み込まれず、反応後に破壊/除去され、
NSMはRTOの除去を容易にする、除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
2.NSMがウラシルヌクレオチドであり、ウラシルヌクレオチドはチミンヌクレオチドの代わりにオリゴ合成中にRTOに組み込まれ、作用物質はウラシル−DNAグリコシラーゼ(UNG)であり、反応終了後にRTOを破壊/除去することができる、箇条1に記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
3.NSMがリボヌクレオチドであり、リボヌクレオチドは任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにオリゴ合成中にRTOに組み込まれ、作用物質はRNaseであり、反応終了後にRTOを破壊/除去することができる、箇条1に記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
4.NSMが、ユニバーサル配列中に位置する制限酵素認識配列であり、作用物質は制限酵素であり、反応終了後にRTOを破壊/除去することができる、箇条1に記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
5.NSMが、RTOの任意の場所に付着したアフィニティー結合部分であり、作用物質はタンパク質または抗体であり、反応終了後にRTOを除去することができる、箇条1に記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
6.アフィニティー結合部分がビオチンであり、作用物質はアビジンである、箇条5に記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
7.RTOが、ユニバーサル配列中に位置する追加の一意の識別子(UID)配列を含む、箇条1〜6のいずれか1つに記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
8.RTOがステムループ構造を形成する部分を含む、箇条1〜7のいずれか1つに記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド。
9.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成する方法であって、
(i)サンプル由来の標的ポリヌクレオチドをプライマーとして使用し、かつ鋳型として箇条1〜8のいずれか1つに記載の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)を使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
(ii)RTOを除去するステップ;および
(iii)ユニバーサル配列を含む第1プライマーを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップ
を含み、前記作成するステップは、ポリメラーゼによって、鋳型にハイブリダイズしたプライマーを伸長させることを含む、方法。
10.前記第1の相補配列をプライマーとして使用し、かつ箇条1〜8のいずれか1つに記載の第2の除去可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)を鋳型として使用して、修飾された第1のCSを作成するステップをさらに含む、箇条9に記載の方法。
11.第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成するステップをさらに含み、第2プライマーは、標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む、箇条9または10に記載の方法。
12.サンプル中の標的ポリヌクレオチドが二本鎖である場合、第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させることは、第1のCSを2つの別個の反応に分割することを含み、第1の反応は、標的配列の第1鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、かつ第2反応は、標的配列の第2鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、標的配列の第1鎖および第2鎖は相補的である、箇条11に記載の方法。
13.伸長させることが、第1プライマーまたは第2プライマーを使用する線形増幅を含む、箇条11または12に記載の方法。
14.伸長させることが、第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅を含む、箇条11または12に記載の方法。
15.第1プライマーが、サンプルバーコード(SBC)配列と、NGSプラットフォームに適合する追加のユニバーサル配列とを含む、箇条9〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーを使用した線形増幅または指数関数的増幅の後に、ネスト化標的特異的第3プライマーがさらなる増幅のために使用される、箇条9〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.標的ポリヌクレオチドの配列を正確に決定する方法であって、
(i)箇条9〜16のいずれか1つの増幅された第2のCSの少なくとも1つをシーケンシングするステップ;
(ii)ステップ(i)からの同じUIDを含む少なくとも2つの配列を整列させる、および/または各反応が二重鎖標的配列の一方の鎖または相補鎖の配列情報をそれぞれ作成する2つの反応の同じ標的配列を整列させるステップ;
(iii)ステップ(ii)に基づいて2つの反応のコンセンサス配列および/または同一のバリアント配列を決定するステップであって、コンセンサス配列および/またはバリアント配列が標的ポリヌクレオチド配列を正確に表すステップ
を含む、方法。
18.箇条1〜8のいずれか1つに記載の取り外し可能な鋳型オリゴヌクレオチド(RTO)と、NGSプラットフォームに適合するプライマーとを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキット。
第2の態様によれば、本発明は以下を提供する。
1.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)であって、
(a)3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカー部分が付加された3’末端;
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;および
(d)ATOを非干渉性および非競合性にするヌクレオチド配列/修飾(NSM);
を含み、該ATOは、第1の伸長反応を導く鋳型として機能し、反応産物に組み込まれない、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
2.NSMは、非標準ヌクレオチド(非dA、非dG、非dT、非dC)であり、それは自然発生のまたは人工のヌクレオチドである、箇条1のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
3.非標準ヌクレオチドはユニバーサルヌクレオチドである、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
4.非標準ヌクレオチドがイノシン塩基を含み、イノシンはATOの配列中の通常のグアニン位置を置換するために使用され、デオキシイノシンはDNAポリメラーゼによる成長中の新生鎖へのdCの取り込みを優先的に導く、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
5.NSMは、ATOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
6.NSMはウラシルヌクレオチドであり、ウラシルヌクレオチドはオリゴ合成中にチミンヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれ、作用物質はウラシル−DNAグリコシラーゼ(UNG)であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
7.NSMはリボヌクレオチドであり、リボヌクレオチドはオリゴ合成中に任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれ、作用物質はRNaseであり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
8.NSMはユニバーサル配列中に位置する制限酵素認識配列であり、作用物質は制限酵素であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去できる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
9.NSMは、ATOの任意の場所に付着したアフィニティー結合部分であり、作用物質はタンパク質または抗体であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
10.アフィニティー結合部分はビオチンであり、作用物質はアビジンである、箇条9に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
11.ATOがユニバーサル配列中に位置する追加の一意の識別子(UID)配列を含む、箇条1〜10のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
12.ATOがステムループ構造を形成する部分を含む、箇条1〜10のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
13.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成する方法であって、
(i)プライマーとしてサンプル由来の標的ポリヌクレオチドを使用し、鋳型として箇条1〜12のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)を使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;および
(ii)ユニバーサル配列を含む第1プライマー、および鋳型として修飾標的ポリヌクレオチドを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップ;
を含み、作成するステップは、鋳型にハイブリダイズしたプライマーをポリメラーゼによって伸長させることを含む、方法。
14.第1の相補配列をプライマーとして使用し、かつ箇条1〜12のいずれか1つに記載の第2のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)を鋳型として使用して、修飾された第1のCSを作成し、さらに該第1のCSをATO鋳型上で伸長させることをさらに含む、箇条13に記載の方法。
15.ステップ(i)が、ATOを除去することをさらに含む、箇条13に記載の方法。
16.第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成することをさらに含み、第2プライマーは標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む、箇条13、14または15に記載の方法。
17.サンプル中の標的ポリヌクレオチドが二本鎖である場合、第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させることは、第1のCSを2つの別個の反応に分割することを含み、第1の反応は、標的配列の第1鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、第2の反応は、標的配列の第2鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、標的配列の第1鎖と第2鎖は相補的である、箇条16に記載の方法。
18.伸長させることが線形増幅を含む、箇条13、14、16または17に記載の方法。
19.伸長させることが、第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅を含む、箇条16に記載の方法。
20.第1プライマーが、サンプルバーコード(SBC)配列と、NGSプラットフォームに適合する追加のユニバーサル配列とを含む、箇条13〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーを使用する線形または指数関数的増幅の後に、ネスト化標的特異的第3プライマーがさらなる増幅に使用される、箇条13〜19のいずれか1つに記載の方法。
22.標的ポリヌクレオチドの配列を正確に決定する方法であって、
(i)箇条13〜21のいずれか1つに記載の増幅された第2のCSの少なくとも1つをシーケンシングするステップ;
(ii)ステップ(i)からの同じUIDを含む少なくとも2つの配列を整列させる、および/または各反応が二重鎖標的配列の1本の鎖または相補鎖の配列情報をそれぞれ作成する2つの反応の同じ標的配列を整列させるステップ;および
(iii)ステップ(ii)に基づいて2つの反応のコンセンサス配列および/または同一のバリアント配列を決定するステップであって、コンセンサス配列および/またはバリアント配列が標的ポリヌクレオチド配列を正確に表すステップ
を含む、方法。
23.箇条1〜12のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と、NGSプラットフォームに適合するプライマーとを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキット。
第3の態様によれば、本発明は以下を提供する。
1.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)であって、
(a)3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカー部分が付加された3’末端;
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;および
(d)ヌクレオチド配列/修飾(NSM);
を含み、該ATOは第1の反応を導く鋳型として機能し、ATOのすべてまたは一部は第1の反応産物に組み込まれず、NSMは、第1の反応後の反応においてATOを非干渉性および非競合性にする、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
2.NSMは非標準ヌクレオチド(非dA、非dG、非dT、非dC)であり、それは自然発生のまたは人工のヌクレオチドである、箇条1のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
3.非標準ヌクレオチドはユニバーサルヌクレオチドである、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
4.非標準ヌクレオチドがイノシン塩基を含み、イノシンはATOの配列中のグアニン位置を置換するために使用され、デオキシイノシンはDNAポリメラーゼによる成長中の新生鎖へのdCの取り込みを優先的に導く、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
5.NSMは、ATOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
6.NSMはウラシルヌクレオチドであり、ウラシルヌクレオチドはオリゴ合成中にチミンヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれ、作用物質はウラシル−DNAグリコシラーゼ(UNG)であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
7.NSMはリボヌクレオチドであり、リボヌクレオチドはオリゴ合成中に任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれ、作用物質はRNaseであり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
8.NSMはユニバーサル配列中に位置する制限酵素認識配列であり、作用物質は制限酵素であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを破壊/除去できる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
9.NSMは、ATOの任意の場所に付着したアフィニティー結合部分であり、作用物質はタンパク質または抗体であり、それは第1の伸長反応が終了した後にATOを除去することができる、箇条5に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
10.アフィニティー結合部分はビオチンであり、作用物質はアビジンである、箇条9に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
11.ATOがユニバーサル配列中に位置する追加の一意の識別子(UID)配列を含む、箇条1〜10のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
12.ATOが、ステムループ構造を形成することができる、ユニバーサル配列の一部に相補的な5’ステム部分配列を含む、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
13.ループ部分がコピー不能なリンケージを含む、箇条12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
14.コピー不能なリンケージが、C3スペーサーホスホロアミダイト、またはトリエチレングリコールスペーサー、または18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または1’、2’−ジデオキシリボース(dSpacer)である、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
15.ループ部分が消化可能なヌクレオチドを含む、箇条12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
16.ステム部分配列の5’末端がリン酸基を含む、箇条12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
17.ATOが、部分的に二本鎖構造を形成することができる、ユニバーサル配列の一部に相補的である上側の別個の鎖を含む、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
18.上側の別個の鎖が消化可能なヌクレオチドを含む、箇条17に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
19.上側の別個の鎖の5’末端がリン酸基を含む、箇条17に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
20.上側の別個の鎖の3’末端がビオチンを含む、箇条17に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
21.ポリヌクレオチドのライブラリーを作成する方法であって、
(i)標的ポリヌクレオチドの3’末端にアダプター配列を付加する酵素的な第1の反応において、箇条1〜箇条20のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)(第1のATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズするサンプル由来の標的ポリヌクレオチドを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;および
(ii)ユニバーサル配列を含む第1プライマーと、鋳型として修飾標的ポリヌクレオチドを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの第1相補配列(CS)を作成するステップであって、第1プライマーが、鋳型にハイブリダイズしてポリメラーゼによって伸長されるステップ
を含む、方法。
22.第1の反応がプライマー伸長反応であり、標的ポリヌクレオチドが、プライマーとして機能し、DNAポリメラーゼによってATO鋳型上で伸長される、箇条21に記載の方法。
23.DNAポリメラーゼが鎖置換活性を有し、伸長中に、ステムループ構造が開かれるか、またはATOの上側の鎖が置き換えられる、箇条22に記載の方法。
24.第1の反応が伸長−ライゲーション反応であり、DNAポリメラーゼが標的を伸長させ、DNAリガーゼが、伸長された標的配列をATOの5’ステム部分またはATOの上側の鎖に連結する、箇条22に記載の方法。
25.第1の反応がライゲーション反応であり、DNAリガーゼが標的配列をATOの5’ステム部分またはATOの上側の鎖に連結する、箇条22に記載の方法。
26.第1の反応の後に、ATOの一部を消化するか、またはアフィニティーキャプチャーによりATOの一部を除去することをさらに含む、箇条21に記載の方法。
27.アダプター配列を3’に付加する酵素反応において、箇条1〜20のいずれか1つに記載の第2のATOの3’ランダム配列にハイブリダイズする第1のCSを使用して、修飾された第1のCSを作成することをさらに含み、第2のATOは、第1のATOと比較して異なる5’ユニバーサル配列を含む、箇条21に記載の方法。
28.ステップ(ii)の産物に二本鎖アダプターを連結することにより修飾された第1のCSを作成することをさらに含む、箇条21に記載の方法。
29.第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成することをさらに含み、第2プライマーは標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む、箇条21、27または28に記載の方法。
30.サンプル中の標的ポリヌクレオチドが二本鎖であり、かつ第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させることは、第1のCSを2つの別個の反応に分割することを含み、フォワード反応は、標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、リバース反応は、標的配列のリバース鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は補完的である、箇条29に記載の方法。
31.第1のCSを作成することが、1〜30サイクルでの線形増幅を含む、箇条21〜30のいずれか1つに記載の方法。
32.第1のCSを作成することは、標的がRNAである場合、逆転写酵素を使用する逆転写反応を含む、箇条21〜31のいずれか1つに記載の方法。
33.伸長させることが、第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅を含む、箇条21〜32のいずれか1つに記載の方法。
34.第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーを使用した線形増幅または指数関数的増幅の後に、ネスト化標的特異的第3プライマーがさらなる増幅に使用される、項21〜33のいずれか1つに記載の方法。
35.ユニバーサルアダプター配列を標的とする第1プライマーまたは第4プライマーが、サンプルバーコード(SBC)配列と、NGSプラットフォームに適合する追加のユニバーサル配列とを含む、箇条21〜34のいずれか1つに記載の方法。
36.標的ポリヌクレオチドの配列を正確に決定する方法であって、
(i)箇条21〜35のいずれか1つに記載の増幅された第1のCSまたは第2のCSの少なくとも1つをシーケンシングするステップ;
(ii)ステップ(i)からの同じUIDを含む少なくとも2つの配列の整列させる、および/または各反応が二重鎖標的配列の1本の鎖または相補鎖の配列情報をそれぞれ作成する2つの反応の同じ標的配列を整列させるステップ;および
(iii)ステップ(ii)に基づいて2つの反応のコンセンサス配列および/または同一のバリアント配列を決定するステップであって、コンセンサス配列および/またはバリアント配列が標的ポリヌクレオチド配列を正確に表すステップ
を含む、方法。
37.箇条1〜36のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と、NGSプラットフォームに適合するプライマーとを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキット。
第4の態様によれば、本発明は以下を提供する。
1.ポリヌクレオチドを伸長させるためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)であって、
(a)3’ランダム配列;
(b)ATOを伸長不能にするブロッカー部分が付加された3’末端;および
(c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列
を含み、該ATOはポリメラーゼによる伸長反応を導く鋳型として機能する。
2.ATOを分解可能にするまたは伸長反応後の反応においてATOを非干渉性および非競合性にする部分をさらに含み、該部分がATOの消化/除去を容易にする作用物質によって認識可能である、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
3.前記部分はウラシルヌクレオチドであり、作用物質はdU−グリコシラーゼを含み、それは第1の伸長反応後にATOを消化/除去することができる、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
4.前記部分はリボヌクレオチドであり、リボヌクレオチドはオリゴ合成中に任意のヌクレオチドまたはすべてのヌクレオチドの代わりにATOに組み込まれ、作用物質はリボヌクレアーゼであり、それは第1の伸長反応後にATOを消化/除去することができる、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
5.ATOはRNAオリゴである、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
6.ATOはDNAオリゴである、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
7.ATOは、DNAオリゴとRNAオリゴとの組合せである、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
8.前記部分は制限酵素認識配列であり、作用物質は制限酵素である、箇条2に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
9.ユニバーサル配列が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能することができる配列を含む、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
10.RNAポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、またはSP6 RNAポリメラーゼである、箇条9に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
11.ユニバーサル配列が、5’RNAポリメラーゼプロモーター配列と、RNAポリメラーゼプロモーター配列の3’に位置するプライミング部位とを含む、箇条9に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
12.ユニバーサル配列は、二本鎖または部分的に二本鎖である、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
13.ATOが、ステムループ構造を形成することができる、ユニバーサル配列の一部または全部に相補的または部分的に相補的な5’ステム部分配列を含む、箇条12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
14.ATOが、5’から3’の順に、5’ステム部分、RNAポリメラーゼ配列、プライミング部位配列、および3’ ランダム/縮重配列を含む、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
15.RNAポリメラーゼ配列がループ部分に位置する、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
16.ループ部分がコピー不能なリンケージを含む、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
17.ループ部分がコピー不能なリンケージを含まない、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
18.ステム部分の5’が追加の配列を含む場合、ステム部分と追加の配列との間にコピー不能なリンケージが存在する、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
19.5’ステム部分がコピー不能なリンケージを含む、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
20.コピー不能なリンケージは、C3スペーサーホスホロアミダイト、またはトリエチレングリコールスペーサー、または18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または1’、2’−ジデオキシリボース(dSpacer)である、箇条13〜19に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
21.二本鎖ステム部分が非相補的領域を含み、ユニバーサル配列鎖における非相補的領域がランダム配列を含む、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
22.ステム部分が、1つまたは複数のコピー不能なリンケージによって分離された2つ以上のスプリットセクションを形成する、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
23.ステム部分が、ミスマッチ塩基対の1つまたは領域によって分離された2つ以上のスプリットセクションを形成する、箇条13に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
24.ATOが、ユニバーサル配列に相補的または部分的に相補的である上側の別個の鎖を含む、箇条12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
25.上側の別個の鎖の5’末端がリン酸基を含む、箇条24に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
26.ATOが、ATOの任意の場所に付着したアフィニティー結合部分をさらに含む、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
27.アフィニティー結合部分はビオチンである、箇条26に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
28.5’末端がリン酸基を含む、前述の箇条のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
29.ユニバーサル配列が、追加の一意の識別子(UID)配列として機能するランダム配列を含む、前述の箇条のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
30.ATOが、ループセクション内に追加のUIDを含む、箇条29に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
31.ATOが、ステムセクション内に追加のUIDを含む、箇条29に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
32.ATO配列が、非標準ヌクレオチド(非dA、非dG、非dT、非dC)を含み、それは自然発生のまたは人工ヌクレオチドである、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
33.非標準ヌクレオチドはユニバーサルヌクレオチドである、箇条32に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
34.非標準ヌクレオチドがイノシン塩基を含む、箇条32に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
35.3’ランダム配列が非標準ヌクレオチドを含む、箇条32に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
36.ユニバーサル配列が非標準ヌクレオチドを含む、箇条32に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
37.3’末端が、DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対してATOを耐性にする修飾ヌクレオチドまたは修飾リンケージを含む、箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
38.修飾リンケージはホスホロチオアートリンケージである、箇条37に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
39.ランダム配列の3’に特異的配列をさらに含み、その特異的配列はポリヌクレオチドの特異的配列とハイブリダイズすることができ、3’ランダム/縮重配列の一部は、ポリヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長される鋳型として機能する。箇条1に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド
40.少なくとも1つの核酸ポリメラーゼと、前述の箇条のいずれか1つに記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)とを含む組成物。
41.核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼである、箇条40に記載の組成物。
42.DNAポリメラーゼが鎖置換活性を有する、箇条41に記載の組成物。
43.DNAポリメラーゼが3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有する、箇条41に記載の組成物。
44.DNAポリメラーゼは鋳型依存性ポリメラーゼであり、鋳型非依存性ポリメラーゼではない、箇条41に記載の組成物。
45.標的ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、
(i)標的ポリヌクレオチドを前述の箇条のいずれか1つに記載の組成物とインキュベートすることにより修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップであって、酵素的な第1のATO反応において、標的ポリヌクレオチドの3’末端がアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(第1のATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズし、ATOを鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドの3’末端が伸長され、3’オーバーハング末端が存在する場合、伸長が生じる前に標的ポリヌクレオチドの3’末端がトリミングされるステップを含む、方法。
46.(ii)修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップをさらに含む、箇条45に記載の方法。
47.第1のCSを作成することは、第1プライマーを使用しかつ鋳型として修飾標的ポリヌクレオチドを使用する伸長を含み、第1プライマーは鋳型にハイブリダイズして、ポリメラーゼにより伸長される、箇条46に記載の方法。
48.第1のCSを作成することは、RNAポリメラーゼプロモーターを含むATO上で伸長させることにより生成される修飾標的ポリヌクレオチドの二本鎖プロモーター領域からのRNAポリメラーゼを使用するin vitro転写を含む、箇条46に記載の方法。
49.第1のCSを作成することは、修飾標的ポリヌクレオチドを熱変性させ、修飾標的ポリヌクレオチドの3’ステムループ構造をアニールさせ、さらに自己プライミングにより伸長させて第1のCSを形成することを含む、箇条46に記載の方法。
50.第1のCSを作成することは、修飾標的ポリヌクレオチドへの標的特異的プライマーのアニーリングおよびポリメラーゼによる伸長を含む、箇条46に記載の方法。
51.修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成する前または後に、ATOを消化することをさらに含む、箇条46〜50のいずれか1つに記載の方法。
52.修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成する前または後に、アフィニティーキャプチャーをさらに含む、箇条46〜51のいずれか1つに記載の方法。
53.第1のATO反応が伸長およびライゲーションを含み、DNAポリメラーゼが標的の3’末端を伸長し、さらにDNAリガーゼが伸長された標的配列をATOの5’ステム部分またはATOの上側の別個の鎖に連結する、箇条45に記載の方法。
54.箇条35〜39のいずれかに記載の組成物と共に第1のCSをインキュベートして修飾された第1のCSを作成することをさらに含み、酵素的な第2のATO反応において、第1のCSの3’末端がアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(第2のATO)の3’ランダム配列にハイブリダイズし、第1のCSの3’末端がATOを鋳型として使用して伸長され、3’オーバーハングが存在する場合、伸長が生じる前に第1のCSの3’末端がトリミングされ、第2のATOは第1のATOとは異なる5’ユニバーサル配列を含む、箇条46に記載の方法。
55.ステップ(ii)の産物にアダプターを連結して修飾された第1のCSを作成することをさらに含む、箇条46に記載の方法。
56.第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成することをさらに含み、第2プライマーが標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む、箇条46〜55のいずれか1つに記載の方法。
57.サンプル中の標的ポリヌクレオチドが二本鎖であり、かつ第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第1のCSにハイブリダイズした第2プライマーを伸長させることは、第1のCSを2つの別個の反応に分割することを含み、フォワード反応は標的配列のフォワード鎖に相補的な標的特異的第2プライマーを含み、リバース反応は標的配列のリバース鎖に相補的である標的特異的第2プライマーを含み、標的配列のフォワード鎖とリバース鎖は相補的である、箇条56に記載の方法。
58.第1のCSを作成することが、1〜30サイクルまたはそれ以上での線形増幅を含む、箇条47に記載の方法。
59.第1のCSを作成することは、標的がRNAである場合、逆転写酵素を使用する逆転写反応を含む、箇条47または49のいずれか1つに記載の方法。
60.第1プライマーおよび第2プライマーを使用する指数関数的増幅をさらに含む、箇条56〜59のいずれか1つに記載の方法。
61.第2プライマーが標的特異的プライマーである場合、第2プライマーを使用した線形増幅または指数関数的増幅の後に、ネスト化標的特異的第3プライマーがさらなる増幅に使用される、箇条56〜60のいずれか1つに記載の方法。
62.第1プライマーまたは第3プライマーが、サンプルバーコード(SBC)配列と、NGSプラットフォームに適合する追加のユニバーサル配列とを含む、箇条56〜61のいずれか1つに記載の方法。
63.第1のATO反応の前に標的ポリヌクレオチドを断片化することを含む、箇条45に記載の方法。
64.前記標的ポリヌクレオチドの断片化は、二本鎖ポリヌクレオチドをトランスポゾンDNAに結合したトランスポザーゼと接触させることを含み、トランスポゾンDNAはトランスポザーゼ結合部位およびユニバーサル配列を含み、トランスポザーゼ/トランスポゾンDNA複合体が二本鎖ポリヌクレオチド上の標的位置に結合して、二本鎖ポリヌクレオチドを複数の二本鎖断片に切断し、各二本鎖断片は、二本鎖断片の各5’末端に結合したトランスポゾンDNAを有する、箇条63に記載の方法。
65.前記断片化は、ゲノム編集ツールを用いる標的断片化の使用を含む、箇条63に記載の方法。
66.前記ゲノム編集ツールは、規則正しく間隔を空けてクラスター化された短いパリンドロームリピートおよびCRISPR関連タンパク質9酵素(CRISPR/Cas9)を含む、箇条65に記載の方法。
67.第1のATO反応の前に、断片化された標的ポリヌクレオチドを熱変性することを含む、箇条63に記載の方法。
68.トランスポザーゼがTn5トランスポザーゼである、箇条64に記載の方法。
69.標的ポリヌクレオチドの断片化およびタグ付けは、一本鎖ポリヌクレオチドを、5’ユニバーサル配列および3’ランダム配列を含むランダムプライマーと接触させ、標的ポリヌクレオチド上でランダムプライマーを伸長させて5’タグ付き断片化ポリヌクレオチドを作成することを含む、箇条63に記載の方法。
70.標的ポリヌクレオチドが遊離3’ヒドロキシル基を含む、箇条45に記載の方法。
71.標的ポリヌクレオチドは、一本鎖DNA、または一本鎖RNA、または一本鎖RNAと一本鎖DNAの組合せである、箇条45に記載の方法。
72.ポリヌクレオチドを伸長させる方法であって、
標的ポリヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ、および3’エキソヌクレアーゼ活性に対して耐性を有するように3’末端がブロックおよび修飾されている3’ランダム配列を含むアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と混合するステップ;
アニーリングを促進する条件下で前記混合物をインキュベートし、3’オーバーハング末端が存在する場合はそれをトリミングし、伸長させて修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;および
任意選択で、ATOを分解するステップ
を含む、方法。
73.シーケンシングライブラリーを作成する方法であって、
標的ポリヌクレオチドを、DNAポリメラーゼ、および3’エキソヌクレアーゼ活性に対して耐性を有するように3’末端がブロックおよび修飾されている3’ランダム配列を含むアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)と混合するステップ
アニーリングを促進する条件下で前記混合物をインキュベートし、3’オーバーハング末端が存在する場合はそれをトリミングし、伸長させて修飾標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
任意選択で、ATOを分解するステップ; および
NGSプラットフォームに適合するプライマーを使用して、修飾標的ポリヌクレオチドを増幅するステップ;
を含む、方法。
74.混合の前に標的ポリヌクレオチドを断片化することを含む、箇条73に記載の方法。
75.標的ポリヌクレオチドは自然発生の断片化ポリヌクレオチドである、箇条73に記載の方法。
76.自然発生の断片化ポリヌクレオチドは血漿の循環セルフリー核酸である、箇条75に記載の方法。
77.前記標的ポリヌクレオチドの断片化が、二本鎖ポリヌクレオチドをトランスポゾンDNAに結合したトランスポザーゼと接触させることを含み、トランスポゾンDNAはトランスポザーゼ結合部位およびユニバーサル配列を含み、トランスポザーゼ/トランスポゾンDNA複合体が二本鎖ポリヌクレオチド上の標的位置に結合して、二本鎖ポリヌクレオチドを複数の二本鎖断片に切断し、各二本鎖断片は、二本鎖断片の各5’末端に結合したトランスポゾンDNAを有する、箇条74に記載の方法。
78.シーケンシングライブラリーを作成する方法であって、
ATO上で一本鎖標的ポリヌクレオチドを伸長させることにより、箇条45〜69のいずれか1つに記載される一本鎖標的ポリヌクレオチドにアダプター配列を付加するステップ;および
NGSプラットフォームに適合するプライマーを使用して、アダプタータグ付き標的ポリヌクレオチドを増幅するステップ
を含む、方法。
79.条項1〜44のいずれか1つに記載の組成物を含むキット。
80.箇条1〜41のいずれか1つに記載されるアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)、ポリメラーゼ、およびNGSプラットフォームに適合するプライマーを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキット。
実施例1
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ループが化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を含むステムループ構造を有するアダプター鋳型オリゴを使用して次世代シーケシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサー(Illumina Next Generation Sequencers)に適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014、1−015、1−016、1−017、1−018(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
プライマー、2−001、2−002、2−003(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
Agilentのバイオアナライザ高感度キット(製品ID 5067−4626)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
断片化または非断片化一本鎖または二本鎖の任意の長さの適切な量のデオキシリボ核酸(DNA)を、適切な量のアダプター鋳型オリゴ(ATO)(例えば、限定はされないが、適切なバッファー中でヘアピンを形成するオリゴ)と混合する。この例では、図14のセクション(A)に示すように、Frag Kitを使用してヒトgDNAを断片化し、100〜400bpの断片化DNAを作成する。合計25ngを、合計200pmoleのATOとなるように4つのATO(1−001、1−002、1−003、1−004)のそれぞれ50pmoleとHO中で混合し、15μlの最終体積にする。混合物を、適切な温度(この例では95℃)で、適切な時間(この例では2分間)、または二本鎖核酸を一本鎖に変性させることができる他の温度または時間で、加熱する。続いて、図14のセクション(B)に示すように、核酸とATOの混合物を、この例では4℃に2分間、または核酸とATOとの間のアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間まで、冷却する。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的ポリヌクレオチドのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
プルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない、鎖置換活性を有するまたは鎖置換活性を有さない、適切な量のDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Bstポリメラーゼ、DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント、Taq DNAポリメラーゼ、またはPhusion)を適切なバッファーおよび適切なdNTPと混合したものを、DNA−ATO混合物と組み合わせる。この例では、合計2.5単位のクレノウと2.5単位のTAQ DNAポリメラーゼ、2μlの10xTAQ DNAポリメラーゼバッファー、および10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)を、DNA−ATO混合物と組み合わせて20μlの最終体積にする。この例では、DNAポリメラーゼとバッファーの存在下で標的核酸とATOとのアニーリングをさらに促進するために、混合物を25℃未満の温度で30分間、または核酸とATOとの間のアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間でインキュベートする。この例では、ATO配列を鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドの伸長を開始するために、インキュベーション温度を、37℃に30分間、またはDNAポリメラーゼ活性を促進できる他の適切な温度に上げる。産物は修飾標的ポリヌクレオチドである。図14のセクション(C)に示すとおり。
アダプター鋳型オリゴの分解
アダプター鋳型オリゴは、例えば、限定はされないが、dU−グリコシラーゼとアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼとの組合せの添加により選択的に分解され、この例では、2単位のUSER酵素が20μlの修飾標的ポリヌクレオチド反応混合物に加えられ、その後、この例では、37℃で30分間および次いで25℃で15分間、または酵素活性を促進できる他の適切な温度と時間で、順次インキュベートする。任意選択で、分解されたATOを任意の適切な精製方法を使用して除去してもよい。図14のセクション(D)に示すとおり。
修飾標的ポリヌクレオチドのワンパス伸長または線形増幅
精製または未精製の標的ポリヌクレオチド伸長産物(修飾標的ポリヌクレオチド)を、標的DNA分子の3’に現在存在する保存(ユニバーサル)配列に相補的なプライマー、プルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さないDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Phusion DNAポリメラーゼ)、適切なバッファー、および適切なdNTPと組み合わせる。この例では、精製または未精製のUSER処理された修飾標的ポリヌクレオチドのすべてを、標的DNA分子の3’末端に現在存在するユニバーサル配列に相補的な50pmolのプライマー(2−001)、2単位のPhusion DNAポリメラーゼ、10μlの5xPhusion DNAポリメラーゼバッファー、および12nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)と組み合わせる。次に、その混合物を熱サイクル処理して、標的核酸伸長産物をワンパス伸長させるかまたは線形増幅して第1の相補配列(CS)を作成する。この例では、98℃で30秒間;98℃で5秒間、60℃で1分間および72℃で1分間を5サイクル;その後に72℃で2分間である。次いで、任意選択で、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法で線形CS産物を精製することができる。図14のセクション(E)に示すとおり。
第2のアダプター鋳型オリゴの第1の相補鎖へのアニーリング
第1のCS産物を、適切なバッファー中において、適切な量の第2のアダプター鋳型オリゴ(例えば、限定はされないが、ヘアピンを形成するオリゴ)と混合する。この例では、第1のCS産物を200pmoleのATO(1−018)とHO中で混合し、最終体積15μlにする。その混合物を、適切な温度(この例では95℃)で、適切な時間(この例では2分間)、または二本鎖核酸を一本鎖に変性させることができる他の温度または時間で、加熱する。その後、核酸とATOの混合物を、この例では4℃に2分間、または核酸とATO間のアニーリングを促進することができる他の適切な温度または時間まで、冷却する。図14のセクション(F)に示すとおり。
修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
プルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない、鎖置換活性を有するまたは鎖置換活性を有さない、適切な量のDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Taq DNAポリメラーゼ、またはPhusion)を適切なバッファーおよび適切なdNTPと混合したものを、DNA−ATO混合物と組み合わせる。この例では、合計2.5単位のクレノウと2.5単位のTAQ DNAポリメラーゼ、2μlの10xTAQ DNAポリメラーゼバッファー、および10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)をDNA−ATO混合物と合わせて、最終体積20μlにする。DNAポリメラーゼおよびバッファーの存在下で標的核酸とATOとのアニーリングをさらに促進するために、この例の混合物を、25℃未満の温度で30分間、または核酸とATOとの間のアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間で、インキュベートする。この例では、ATO配列を鋳型として使用する標的核酸の伸長を促進するために、インキュベーション温度を37℃に30分間、またはDNAポリメラーゼ活性を促進できる他の適切な温度に上げる。図14のセクション(G)に示すとおり。
アダプター鋳型オリゴの分解
アダプター鋳型オリゴは、例えば、限定はされないが、dU−グリコシラーゼとアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼとの組合せの添加により選択的に分解され、この例では、2単位のUSER酵素を20μlの修飾標的ポリヌクレオチド反応混合物に加え、その後、この例では、37℃で30分間および次いで25℃で15分間、または酵素活性を促進できる他の適切な温度と時間で、順次インキュベートする。任意選択で、分解されたATOを任意の適切な精製方法を使用して除去してもよい。図14のセクション(H)に示すとおり。
PCRによる修飾された第1の相補鎖産物の指数関数的増幅
精製または未精製の修飾された第1のCS産物を、2つのプライマー、プルーフリーディングポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Phusion DNAポリメラーゼ、Q5)、適切なバッファー、および適切なdNTP、ならびにその他の適切なまたは必要な添加物質(例えば、限定はされないが、DMSO、ベタイン、および硫酸アンモニウム)と組み合わせる。2つのプライマーのうちの1つは、第1のATOを用いて形成された伸長と配列類似性を有し、かつそれに結合するように設計されており、さらに次世代シーケンシング技術を使用したシーケンシングに適合しかつそれに必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含み、2つ目のプライマーは、第2のATOを用いて形成された伸長と配列類似性を有し、かつそれに結合するように設計されており、さらに次世代シーケンシング技術を使用したシーケンシングに適合しかつそれに必要な配列(例えば、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む。この例では、精製された修飾された第1のCS産物を、50pmoleずつの2つのプライマー(2−002、2−003)、2単位のPhusion DNAポリメラーゼ、10μlの5xPhusion DNAポリメラーゼバッファー、10nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、および1μmoleの硫酸アンモニウムと組み合わせて、最終体積50μlにする。次に、その混合物を熱サイクル処理して、修飾された第1のCS産物を指数関数的に増幅する。この例では、98℃で30秒間;98℃で5秒間、60℃で1分間および72℃で1分間を12サイクル;その後、72℃で2分間である。次いで、増幅産物を、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法により精製することができる。最終増幅産物は、例えば、イルミナプラットフォームでの次世代シーケンシングに適合する。図14のセクション(I)に示すとおり。
結果
アジレント(Agilent)社のバイオアナライザ高感度キットを使用して、最終完成シーケンシングライブラリー(final complete sequencing library)を評価して、ライブラリー調製の最終産物が、投入材料のサイズ分布から予測されるものと同等のサイズ分布を有することを実証することができた。図14のセクション(J)に示すとおり。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、複数の第1相補鎖を作成するための線形増幅プロセスと、線形増幅産物を標的ポリヌクレオチドとして使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成に使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例2
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−006(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−004、2−005(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
アジレントのバイオアナライザ高感度キット(製品ID5067−4626)
SYBR(商標)Green I核酸ゲル染色(In vitrogen、S7563)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
実施例1と同様に、合計25ngの断片化標的ポリヌクレオチドを、合計100pmolのATOとなるように100pmolのATO1−006とHO中で混合し、7.5μlの最終体積にする。図13のセクション(A)および(B)に示すとおり。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様に、合計1.25単位のクレノウと1.25単位のTAQ DNAポリメラーゼ、1μlの10xTAQ DNAポリメラーゼバッファー、および5nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)を、DNA−ATO混合物と組み合わせて10μlの最終体積にする。図13のセクション(C)に示すとおり。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様。図13のセクション(D)に示すとおり。
PCRによる修飾標的ポリヌクレオチドの第1の指数関数的増幅
精製または未精製の修飾標的ポリヌクレオチドを、元々ATOに存在して現在は標的ポリヌクレオチドの3’末端に存在するユニバーサル配列に相補的なユニバーサルプライマー、目的の突然変異を含むDNAの領域(例えば、限定はされないが、一塩基多型、インデル、DNA融合)を標的とするように設計された標的特異的プライマーのプール、プルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない適切な量のDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、TAQ DNAポリメラーゼ、またはPhusion)、適切なバッファー、適切なdNTP、およびその他の適切または必要な添加物(例えば、DMSO、ベタイン、および硫酸アンモニウム)と混合する。この例では、5μlの修飾標的ポリヌクレオチド、50pmoleの2−004、100pmoleの標的特異的プライマーのプール、12nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、2単位のPhusion DNAポリメラーゼ、10μlの5xPhusionバッファー、および1μmoleの硫酸アンモニウムを合わせて、50μlの最終体積にした。次に、この混合物を熱サイクル処理して、標的核酸伸長産物の選択領域を増幅する。この例では、98℃で1分間;98℃で5秒間、60℃で5分間および72℃で30秒を15サイクル;続いて72℃で2分間である。次に、任意選択で、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法で増幅産物を精製することができ、この例では、図13のセクション(E)に示すように、PCR産物を30μlに溶出させた。
PCRによる第1の指数関数的増幅産物の任意選択的な第2の指数関数的増幅
精製された第1の指数関数的増幅産物を、次世代シーケシング技術を使用したシーケンシングに適合しかつそれに必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む、第1のユニバーサルプライマーによって導入されたユニバーサル配列と配列類似性を有し、かつそれに結合するように設計された第2のネスト化ユニバーサルプライマー;目的の突然変異を含むDNAの領域を標的とし、次世代シーケシング技術に適合しかつその適合に必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む、第1のプライマープールを含むかそれに対してネスト化された、DNAの領域を標的にするように設計された標的化プライマーの第2のプール;プルーフリーディングポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Phusion DNAポリメラーゼ、Q5);適切なバッファー;適切なdNTP;およびその他の適切なまたは必要な添加物(例えば、制限はされないが、DMSO、ベタイン、および硫酸アンモニウム)と組み合わせる。この例では、10μlの精製された第1の増幅産物、12.5pmoleの2−005、50pmoleのネスト化標的特異的プライマーのプール、5nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、1単位のPhusionDNAポリメラーゼ、5μlの5xPhusionバッファー、1xSYBRgreen、および0.5μmoleの硫酸アンモニウムを合わせて、25μlの最終体積にした。次に、その混合物を熱サイクル処理して、第1の指数関数的増幅産物の選択領域を増幅する。図13のセクション(F)に示すように、この例では、98℃で1分間;98℃で5秒間、60℃で5分間、および72℃で30秒間を15サイクル;その後72℃で2分間であった。次に、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法で増幅産物を精製することができ、それは適合する技術に基づき次世代シーケンシングに適したものとなる。この例では、図13のセクション(G)に示すように、サイズ分布を決定し、MiSeqで150bpのペアエンドリードを作成するために使用する前に、第2の指数関数的増幅産物をビーズ精製した。
結果
第1および第2の指数関数的増幅の組合せにより、修飾標的ポリヌクレオチドの標的領域をうまく増幅し、標的化アンプリコンライブラリーを作成することができた。第2の指数関数的増幅反応にSYBRgreenを含めることにより、最終ライブラリー生成物の増幅率のモニタリングを可能とし、融解曲線分析は、鋳型なしのコントロールと比較して、その方法全体が実質的により高分子量の生成物を作成できたことを示した。アジレント社のバイオアナライザ高感度キット(製品ID5067−4626)を使用して、最終完成シーケンシングライブラリーを評価して、ライブラリー調製の最終産物が、投入材料のサイズ分布から予測されるものと同等のサイズ分布を有することを実証することができた。MiSeqを用いてプールされたランの一環としてシーケンシングデータを作成するためにこのライブラリーを使用して、360万よりわずかに多いリード(読み取り)を作成した。そのリードを、bwaを使用して参照サンプルにマッピングし、98%のマッピング率が得られた。マッピングされたペアエンドリードのインサートサイズを調べると、26bp(25bp以下のインサートは除外された)からほぼ400bpまでのインサート分布を表す。図13のセクション(H)に示すように、ピークインサートサイズは約100bpである。図13のセクション(I)に示すように、各標的特異的プライマーの効率の検査は、各プライマー部位にマッピングされるシーケンシング結果のリード数をカウントすることによって行われた。これにより、標的部位の全体にわたり均一なカバレッジが明らかになった。セクション(J)に示すように、UIDの組み込みにより、「バーコードファミリー」を作成することができ、標的部位あたりのファミリー数をカウントすることができた。これにより、ちょうど1000を超えるバーコードファミリーの最大カウントが示された。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、標的特異的プライマーのプールおよび第2のネスト化標的特異的プライマーのプールを使用する2ラウンドの指数関数的増幅プロセスとを組み合わせることにより、鎖特異的標的化アンプリコンベースのシーケシングライブラリーの作成に使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。イルミナ社のMiSeqシーケンサーで最終ライブラリー生成物のシーケンシングに成功し、最終ライブラリー製品に、我々がその中に組み込むように設計した構成要素がシーケンシングに必要な正しい順序で含まれていることが確認された。データ分析は、すべてのプライマーについて同様のエンリッチメントレベルで、200を超える異なる標的領域のマルチプレックス増幅(多重増幅)に成功したことを示した。プライマー部位のそれぞれについてバーコードファミリーの数を比較すると、すべての部位にわたりほんのわずかな変動しか示さず、ATO反応において標的配列に基づきバイアスがほとんどないかまたはまったくないことを示した。
実施例3
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、RNAポリメラーゼプロモーターと互換性がありかつRNAポリメラーゼプロモーターとして機能できる配列とヌクレオチド配列によって形成されたヘアピンとを含むアダプター鋳型オリゴを使用して、RNAポリメラーゼのプロモーターを組み込んでDNAのRNAでの増幅を駆動する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−012(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
T7−Scribe Standard RNA IVT Kit(CELLSCRIPT、C−AS3107)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOが、RNAポリメラーゼプロモーターと互換性がありかつRNAポリメラーゼプロモーターとして機能できる配列(例えば、限定はされないが、T7、T3、またはSP6プロモーター配列)を含むことを除いて実施例1と同様であり、この例では、ATOはT7プロモーターを含むATO1−012である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
RNAポリメラーゼを使用するin vitro転写
精製または未精製の標的デオキシリボ核酸伸長(修飾ポリヌクレオチド)産物を、適切なバッファー、適切なNTP、他の適切な添加物(例えば、限定はされないが、DTT)、および適切なRNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、T7 RNAポリメラーゼプロモーターが使用される場合、T7 RNAポリメラーゼ)と、RNAポリメラーゼの活性を促進するのに適切な時間および温度で組み合わせる。この例では、5μlの精製された修飾標的ポリヌクレオチドと、市販のキットを取扱説明書に従って使用し、CELLSCRIPT(商標)T7−Scribe(商標)Standard RNA IVT KITを、37℃で18時間、最終体積20μlでインキュベートした。生成されたRNAを、高感度Qubit3試薬を使用して定量化し、合計107ng/μlが測定され、一晩18時間のインキュベーションから生成されたRNAの合計量は2035ngであった。その後、そのRNAは、例えば、限定はされないが、RNA次世代シーケンシング、cDNA合成、in situハイブリダイゼーション、qPCR、またはその他の適切なダウンストリームプロセスなど、任意の適切なRNAベースのダウンストリームアプリケーションのための投入材料を形成できる。
結果
二本鎖のときにRNAポリメラーゼのプロモーターとして機能するように設計された配列を含むATOを、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するための第1のATO反応で使用した。その産物をin vitro転写反応で使用して合計2μgのRNAが生成されたため、この第1の反応は成功したと判断できる。
結論
RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計されたヌクレオチド配列を、ATOの設計にうまく組み込むことができる。第1のATO伸長の後、修飾標的ポリヌクレオチドの一部は二本鎖となり、RNAポリメラーゼプロモーターを含む。次に、この二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、標的ポリヌクレオチドをDNAではなくRNAで増幅させることができる。これにより、少量のDNAを迅速かつロバストにRNAで増幅させることができ、RNA−SeqやcDNA合成を含む多くのダウンストリームアプリケーションでの鋳型として使用できる。
実施例4
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、RNAポリメラーゼプロモーターと互換性がありかつRNAポリメラーゼプロモーターとして機能できる配列とヌクレオチド配列によって形成されたヘアピンとを含むアダプター鋳型オリゴ(ATO)、およびそのATOに相補的である第2のオリゴを使用して、RNAポリメラーゼのプロモーターを組み込んでDNAのRNAでの増幅を駆動する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−019、1−020(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
T7−Scribe Standard RNA IVT Kit(CELLSCRIPT、C−AS3107)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATO1−019を使用したことを除き、実施例3と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターの生成
精製または未精製の標的デオキシリボ核酸伸長産物を、元々ATOに存在して現在は標的DNA分子に存在する保存配列に相補的な配列と組み合わせる。この例では、15μlの精製された修飾標的ポリヌクレオチド、および100pmoleの1−020を、20μlの最終体積のHO中に含める。その混合物を、適切な温度(この例では95℃)で、二本鎖核酸の一本鎖への変性を促進するのに必要な適切な時間(この例では2分間)、加熱する。次いで、混合物を冷却して、修飾標的ポリヌクレオチドと標的デオキシリボ核酸伸長相補オリゴとの間で二本鎖複合体の形成を可能にする。この例では室温(25℃)で少なくとも5分間である。
RNAポリメラーゼを使用するin vitro転写
実施例3と同様である。
結果
二本鎖であるときにRNAポリメラーゼのプロモーターとして機能するように設計された配列を含むATOを、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するための第1のATO反応で使用した。その産物をin vitro転写反応で使用してRNAが生成されたため、この第1の反応は成功したと判断できる。
結論
RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計されたヌクレオチド配列は、ATOの設計にうまく組み込むことができる。第1のATO伸長の後、ATOは消化されて除去され、相補的オリゴが修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズし、修飾標的ポリヌクレオチドの一部は二本鎖となり、RNAポリメラーゼプロモーターを含む。次に、この二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、標的ポリヌクレオチドをDNAではなくRNAで増幅させることができる。これにより、少量のDNAを迅速かつロバストにRNAで増幅させることができ、RNA−SeqやcDNA合成を含む多くのダウンストリームアプリケーションでの鋳型として使用できる。
実施例5
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短いステム領域を用いて形成されたヘアピン(ステムループ)構造を有するアダプター鋳型オリゴを使用して、RNAポリメラーゼのプロモーターを組み込んでDNAのRNAでの増幅をもたらす。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−021(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
S1ヌクレアーゼ(ThermoFisher、EN0321)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
T7−Scribe Standard RNAIVT KIT(CELLSCRIPT、C−AS3107)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATO(1−021)が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計された配列に加えて、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンを含むことを除いて、実施例3と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例3と同様である。
二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを含む二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の作成
修飾標的ポリヌクレオチド反応混合物を、追加のプルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない耐熱性DNAポリメラーゼ(例えば、TAQ DNAポリメラーゼ、またはPhusionなど)と組み合わせ、さらに適切なバッファーおよび適切なdNTPと混合する。この例では、20μlの修飾標的ポリヌクレオチド反応混合物、2単位のPhusionDNAポリメラーゼ、6μlの5xPhusionバッファー、5nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)を最終体積30μl中に含める。その混合物を、適切な温度(この例では95℃)で、適切な時間(この例では2分間)、または二本鎖核酸を一本鎖に変性させることができる他の温度または時間で、加熱する。次に、サンプルを冷却して、標的デオキシリボ核酸伸長産物内およびATOオリゴ内の相補的な領域(例えば、限定はされないが、部分的にまたは完全に相補的な2つの領域を含むことによりヘアピンを形成するヌクレオチド配列)を自己アニールさせる。この例では室温(25℃)で5分間である。修飾標的デオキシリボ核酸伸長産物の3’領域は、小さなヘアピンを形成して自己アニールする。その後、3’末端を完全に伸長させるのに必要な適切な時間のあいだ温度を適切な温度に上げ(この例では72℃で10分間である)、その際に3’末端は、伸長を開始して2本の相補鎖を分離するヘアピンを有する完全にまたは部分的に二本鎖である標的デオキシリボ核酸伸長産物を形成するためのプライマーとして機能するであろう。
任意選択によるアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
RNAポリメラーゼを使用するin vitro転写
実施例3と同様である。
結果
二本鎖であるときにRNAポリメラーゼのプロモーターとして機能するように設計された配列と内部ヘアピンを形成する配列とを含むATOを、修飾標的ポリヌクレオチドを作成するための第1のATO反応で使用した。その産物をin vitro転写反応で使用してRNAが生成されたため、この第1の反応は成功したと判断できる。
結論
RNAポリメラーゼプロモーターとして機能するように設計されたヌクレオチド配列は、内部ヘアピンおよび伸長と組み合わせて、ATOの設計にうまく組み込むことができる。第1のATO伸長の後、ATOが消化されて除去された後、相補的な領域が再アニールおよび伸長することができ、ヘアピンを有する二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドが生成されることを示した。次に、この二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、標的ポリヌクレオチドをDNAではなくRNAで増幅させることができる。これにより、少量のDNAを迅速かつロバストにRNAで増幅させることができ、RNA−SeqやcDNA合成を含む多くのダウンストリームアプリケーションでの鋳型として使用できる。
実施例6
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、次世代シーケンシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−013、1−022(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
S1ヌクレアーゼ(ThermoFisher、EN0321)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー 2−002、2−003(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATO(1−013)が、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンとして機能するように設計された配列を有することを除いて実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドの作成
実施例5と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解およびヘアピン分解
S1ヌクレアーゼを追加して、実施例5と同様に行った。これは、EDTAを添加し、さらに70℃で10分間、またはS1ヌクレアーゼの不活性化をもたらす同様の温度と時間でインキュベートすることによりS1を不活性化させる追加の不活化ステップを必要とする場合がある。
二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドのワンパス伸長または線形増幅による第1のCSの作成
実施例1と同様である。
第1のCSへの第2のアダプター鋳型オリゴのアニーリング
ATO(1−022)が、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンとして機能するように設計された配列を有することを除いて実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1のCS自身をプライマーとして使用する第1のCSの伸長による修飾された第1のCSの形成
実施例1と同様である。
二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドの作成
実施例5と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解およびヘアピン分解
上記のとおりである。
PCRによる修飾された第1のCSの指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
この実施例を使用して、修飾標的ポリヌクレオチドおよび修飾された第1のCSの自己アニーリングおよび伸長を使用して、完成全ゲノム次世代シーケンシングライブラリーをもたらす最終指数関数的増幅のための鋳型を作成できることを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、二本鎖DNAを作成するための自己アニーリングおよび伸長プロセスと、複数の第1の相補鎖を作成するためのワンパス伸長または線形増幅と、線形増幅産物を標的ポリヌクレオチドとして使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例7
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴと、二本鎖のまたは部分的に二本鎖の通常のアダプターとを使用して、次世代シーケンシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−022(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼ I、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTPs(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
T4 DNAリガーゼ(NEB、M0202S)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATO(1−022)が、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンとして機能するように設計された配列を有することを除いて実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドの作成
実施例5と同様である。
二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の末端への二本鎖アダプターのライゲーション
精製または未精製の二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドを、適切な量の平滑末端または3’Tヌクレオチドオーバーハング末端の完全に二本鎖であるか部分的に二本鎖のヘアピン有するまたは有さないアダプター、適切な量のリガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)、適切なバッファー、および任意のその他の必要な試薬と混合する。この実施例では、15μlの精製二本鎖修飾標的ポリヌクレオチド、50nmoleのアダプター、100単位のT4 DNAリガーゼ、2μlの10xリガーゼバッファーを20μlの最終体積中に含める。すべての二本鎖標的核酸伸長産物の末端への完全なライゲーションを可能にする適切な温度と適切な時間、その混合物をインキュベートする。この例では、25℃で30分間であり、または酵素活性を促進することができる他の適切な温度および時間である。
任意選択的なアダプター鋳型オリゴの分解およびヘアピン分解
実施例6と同様である。
PCRによる連結された伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
この実施例を使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの自己アニーリングおよび伸長を使用して二本鎖の第1のCSを作成し、その利用可能な末端にアダプターを連結することにより、完成全ゲノム次世代シーケンシングライブラリーをもたらす最終指数関数的増幅のための鋳型を作成できることを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、二本鎖DNAを作成するための自己アニーリングおよび伸長プロセスと、第2の二本鎖DNA産物を作成するための二本鎖アダプターの露出末端へのライゲーションと、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例8
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴと、二本鎖のまたは部分的に二本鎖の通常のアダプターとを使用して、「PCR」フリーの次世代シーケンシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−023(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
T4 DNAリガーゼ(NEB、M0202S)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATO(1−023)が、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列を含み、部分的にまたは完全に相補的な2つの領域を含むことによりヘアピンを形成する配列を有することを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的ポリヌクレオチドのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の作成
実施例5と同様である。
二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の末端へのアダプターのアニーリングおよびライゲーション
実施例7と同様である。
任意選択的なアダプター鋳型オリゴの分解およびヘアピン分解
実施例6と同様である。
結果
この実施例を使用して、修飾標的ポリヌクレオチドの自己アニーリングおよび伸長を使用して二本鎖の第1のCSを作成し、その利用可能な末端にアダプターを連結することにより、「指数関数的PCR」フリーの次世代シーケンシング用の鋳型をうまく作成できることを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、二本鎖DNAを作成するための自己アニーリングおよび伸長プロセスと、第2の二本鎖DNA産物を作成するための二本鎖アダプターの露出末端へのライゲーションとを組み合わせることにより、「指数関数的PCR」フリーの次世代シーケンシングに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例9
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ループが化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を含むヘアピン(ステムループ構造)を有するアダプター鋳型オリゴと、二本鎖のまたは部分的に二本鎖の通常のアダプターとを使用して、標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−023(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
T4 DNAリガーゼ(NEB、M0202S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー 2−006(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOのヘアピンが化学スペーサー1−024によって作られていることを除き実施例8と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的ポリヌクレオチドのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
線形伸長による二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドの作成
精製された標的核酸伸長産物を、修飾された標的DNA分子の3’末端に現在存在する保存配列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマー、ポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Phusion DNAポリメラーゼ)、適切なバッファー、および適切なdNTPと組み合わせる。この例では、標的DNA分子に現在存在する保存配列に相補的な50pmolのプライマー(2−006)、2単位のPhusion DNAポリメラーゼ、6μlの5xPhusion DNAポリメラーゼバッファー、12nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、15μlの精製修飾標的ポリヌクレオチドを、30μlの最終体積中に含める。その混合物を、この例では60〜72℃で30分間、または酵素活性を促進してオリゴヌクレオチドを伸長して平滑末端またはAテールを有する二本鎖DNA産物を作成することができる他の適切な温度および時間で、インキュベートする。その後、産物を任意の適切な精製方法を使用して精製してもよい。
二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の末端への通常のアダプターのライゲーション
実施例8と同様である。
結果
この実施例を使用して、第1のATO反応、1ラウンドの伸長、および通常のアダプターのライゲーションの組合せを使用して、PCRフリーの次世代シーケンシング用の鋳型をうまく作成できることを示すことができる。
結論
断片化されたゲノムDNAを使用する第1のATO反応と、第1のATO反応と、ATOの除去およびユニバーサル配列に相補的なオリゴのアニーリングと、ワンパス線形伸長と、それに続く修飾標的ポリヌクレオチドの5’末端への二本鎖アダプターのライゲーションとを組み合わせることにより、「PCR」フリー次世代シーケンシングに関してこの技術的アプローチの検証に成功した
実施例10
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、一本鎖アダプター鋳型オリゴを使用して、次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−025、1−026(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー 2−002、2−003(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOが1本鎖の1−025であることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的ポリヌクレオチドのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
修飾標的ポリヌクレオチドの線形増幅
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの第1の相補鎖へのアニーリング
ATOが一本鎖である1−026であることを除いて実施例1と同様である。
修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
一本鎖ATOを使用して、実施例1で詳述したものと同様のゲノム次世代シーケンシングライブラリーの完成に成功したことを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、複数の第1の相補鎖を作成するための線形増幅プロセスと、線形増幅産物を標的ポリヌクレオチドとして使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例11
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、2つの相補鎖に分離されたアダプター鋳型オリゴを使用して、次世代シーケンシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−027、1−028、1−029、1−030(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
T4 DNAリガーゼ(NEB、M0202S)
プライマー 2−002、2−003(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOが2つの1本鎖オリゴ1−027と1−028の等モル混合物であることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長、およびライゲーション
実施例1と同様であるが、加えて、反応がDNAリガーゼを含む。標的ポリヌクレオチドの3’末端が、ATOにハイブリダイズしてATOの上側の鎖のリン酸化5’末端に直接隣接する場合、標的ポリヌクレオチドの3’末端は、伸長の必要なしにATOの上側の鎖の5’末端に連結される。標的ポリヌクレオチドの3’末端が、ATOにハイブリダイズしてATOの上側の鎖のリン酸化5’末端からある程度離れた位置にある場合は、標的ポリヌクレオチドの3’末端はDNAポリメラーゼによって伸長され、そしてATOの上側の鎖の5’末端に連結される。この例では、反応は、実施例1の伸長成分に加えて、100単位のT4 DNAリガーゼ、2.5μlの10xDNAリガーゼバッファーを、最終体積25μl中に含む。その混合物を適切な温度および適切な時間でインキュベートして、標的ポリヌクレオチドまたはその伸長産物の3’末端と、ATOの上側の別個の鎖またはATOのステム構造のステム部分の5’末端であるアダプター鋳型補足オリゴとのライゲーションまたは伸長−ライゲーションを可能にする。この例では、25℃で30分間、または酵素活性を促進できる他の適切な温度と時間である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
任意選択的な修飾標的ポリヌクレオチドの線形増幅
実施例1と同様である。
任意選択的な第2のアダプター鋳型オリゴの第1の相補鎖へのアニーリング
ATOが2つの1本鎖オリゴ1−029と1−030の等モル混合物であることを除いて実施例1と同様である。
この実施例における前のステップと同様に、修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長、およびライゲーション
実施例1および上記と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
2つの相補鎖に分離されたATOを使用して、実施例1で詳述したものと同様のゲノム次世代シーケンシングライブラリーの完成に成功したことを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、複数の第1の相補鎖を作成するための線形増幅プロセスと、線形増幅産物を標的ポリヌクレオチドとして使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例12
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ループが化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を含むヘアピン(ステムループ)を有し、かつATOの3’末端が標的特異的配列を含む標的特異的アダプター鋳型オリゴ(ATO)を使用して、標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。3’標的特異的配列は、標的ポリヌクレオチドとATOとの間のハイブリダイゼーションを導くために使用される。ATOは、他の実施例で説明されているように、3’標的特異的配列と5’ユニバーサル配列との間に通常の3’ランダム配列を含んでいてよく、またはこの3’ランダム配列はアニーリングのための鋳型としてではなく純粋にUIDとして機能し得るため短い3’ランダム配列を含んでいてよく、または3’ランダム配列を含まなくてもよい。5’ユニバーサル配列は、RNAポリメラーゼプロモーター配列を含むことができる。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、様々なATO。
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー 2−002、2−003(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴプールのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOが、3’末端に標的特異的配列を有する200種類の異なるATOのプールであることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。標的ポリヌクレオチドの3’末端は、ATOとハイブリダイズしたときにオーバーハングになる場合があるため、伸長が生じる前にDNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼによってそのオーバーハングがトリミングされる。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによるアダプター鋳型伸長産物の第1の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
最終シーケンシングライブラリーを作成するためのPCRによる第1の指数関数的増幅産物の第2の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
3’標的特異的配列を有するATOのプールを使用することにより、実施例2で詳述したものと同様の、標的化アンプリコン次世代シーケンシングライブラリーの完成に成功したことを示すことができる。
結論
断片化されたgDNAおよびATOのプールを使用する第1のATO反応と、2ラウンドの標的特異的増幅のプロセスとを組み合わせることにより、標的次世代シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例13
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ループが化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を含むヘアピン(ステムループ)を有する標的特異的アダプター鋳型オリゴを使用して、単回ラウンドのPCRにおいて、標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014、1−015、1−016、1−017。
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー 2−003(表2)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
SYBR(商標)Green I核酸ゲル染色(Invitrogen、S7563)
5’テール:AAT GAT ACG GCG ACC ACC GAG ATC TAC ACT CTT TCC CTA CAC GAC GCT CTT CCG ATC T:を有する標的特異的プライマーのプール
方法
アダプター鋳型オリゴプールのデオキシリボ核酸へのアニーリング
それぞれ50nmoleの1−014、1−015、1−016、および1−017の各ATOのプールを使用したことを除き、実施例2と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的ポリヌクレオチドのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例2と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例2と同様である。
最終シーケンシングライブラリーを作成するためのPCRによる線形伸長産物の指数関数的増幅
精製された修飾標的ポリヌクレオチドを、ATOによって導入された保存配列と配列類似性を有しかつそれに結合するように設計され、次世代シーケシング技術を使用するシーケンシングに適合しかつそれに必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む、ユニバーサルプライマー;目的の突然変異を含むDNAの領域を標的とするATOオリゴのプールに近接するDNAの領域を標的にするように設計され、かつ次世代シーケシング技術に適合しかつその適合に必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む、プライマーのプール;プルーフリーディングポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Phusion DNAポリメラーゼ、Q5);適切なバッファー;適切なdNTP;およびその他の適切なまたは必要な添加物(例えば、制限はされないが、DMSO、ベタイン、および硫酸アンモニウム)と組み合わせる。この例では、20μlの精製修飾標的ポリヌクレオチド、25pmoleの2−003、合計100pmoleの標的特異的プライマーのプール、10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、1単位のPhusion DNAポリメラーゼ、10μlの5xPhusionバッファー、1xSYBRgreen、および1μmoleの硫酸アンモニウムを合わせて、最終体積50μlにした。次に、その混合物を熱サイクル処理して、選択した領域を増幅する。この例では、98℃で1分間;98℃で5秒間、60℃で5分間および72℃で30秒間を15サイクル;その後72℃を2分間である。次に、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法で増幅産物を精製することができ、それは適合する技術に基づき次世代シーケンシングに適したものとなる。
結果
実施例2に示した2ラウンドではなく、1ラウンドの指数関数的増幅を使用して、標的化アンプリコンの次世代シーケンシングライブラリーを作成することができた。
結論
断片化されたgDNAを使用する第1のATO反応と、標的特異的プライマーのプールおよびユニバーサルプライマーを使用する1ラウンドの指数関数的増幅プロセスとを組み合わせることにより、鎖特異的標的化アンプリコンベースのシーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例14
標的ポリヌクレオチドとしてリボ核酸(RNA)を使用し、例えば、限定はされないが、ヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、次世代シーケンシングライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014、1−015、1−016、1−017、1−018
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447s)Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
AMV逆転写酵素(NEB、M0277S)
Antarcticホスファターゼ(NEB、M0289S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー 2−001、2−002、2−003(表2)
方法
アダプター鋳型オリゴのリボ核酸へのアニーリング
25ngの断片化メッセンジャーRNAを標的ポリヌクレオチドとして使用したことを除き実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的リボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
選択したDNAポリメラーゼがRNAプライマーおよび任意選択的な追加の5単位のAntarcticホスファターゼを使用できることを確認することを追加して、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
消化/除去ステップがRNAを非特異的に分解しないことを確認することを追加して、実施例1と同様である。
逆転写酵素による修飾標的ポリヌクレオチドのワンパス伸長または線形増幅
精製または未精製の修飾標的ポリヌクレオチドを、標的RNA分子の3’末端に現在存在する保存(ユニバーサル)配列に相補的なプライマー、逆転写酵素(例えば、限定はされないが、M−MuLV、またはAMV逆転写酵素)、適切なバッファー、および適切なdNTPと組み合わせる。この例では、精製修飾標的ポリヌクレオチドを、50nmoleの2−001、10単位のAMV逆転写酵素、2μlの10xAMVバッファー、10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)と混合する。次に、その混合物をインキュベートしてcDNA(第1のCS)を作成する(この例では42℃で30分間)。次いで、逆転写産物または線形増幅産物を、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法で精製することができる。
第2のアダプター鋳型オリゴの第1の相補鎖へのアニーリング
実施例1と同様である。
修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自体をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
RNAを標的ポリヌクレオチドとして使用して、実施例1の方法と同様の方法により、リード重複および低頻度変異検出を評価するためのUIDを含むRNAシーケンシングライブラリーを作成し、より正確な定量のために分子カウンティングを改善することができた。
結論
断片化されたメッセンジャーRNAを使用する第1のATO反応と、複数の第1の相補鎖を作成するための逆転写酵素を使用する線形増幅プロセスと、第1の相補鎖を標的ポリヌクレオチドとして使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、RNAシーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例15
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するRNAアダプター鋳型オリゴを使用して、次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−031、1−032。
dNTP(NEB、N0447s)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−001、2−002、2−003(表2)
AMV逆転写酵素(NEB、M0277S)
RNase H(NEB、M0297S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
200pmoleのRNA ATO(1−031)を使用することを除いて、実施例1と同様である。
RNAアダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
10単位のAMV逆転写酵素と2μlの10xAMVバッファーを使用し、42℃で30分間の伸長温度を使用することを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
アダプター鋳型オリゴを、RNAse(例えば、RNase H、RNase HII、RNase A、RNase Tl)の添加、続く37℃で30分間、またはRNA−ATOの分解をもたらすその他の適切な温度または時間でのインキュベーションにより、選択的に分解する。この例では、10単位のRNase Hを20の修飾標的ポリヌクレオチドと混合して37℃で30分間インキュベートし、さらに65℃で20分間インキュベートすることにより不活性化する。任意選択で、分解されたATOを任意の適切な精製方法を使用して除去することができる。
修飾標的ポリヌクレオチドの線形増幅
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの第1の相補鎖へのアニーリング
200pmoleのRNA ATO(1−032)を使用することを除いて、実施例1と同様である。
修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
10単位のAMV逆転写酵素、および2μlの10xAMVバッファーを使用し、42℃で30分間の伸長温度を使用することを除いて、実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
先に述べた「アダプター鋳型オリゴの分解」ステップと同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
RNA ATOと、実施例1に類似する方法を使用して、リード重複および低頻度変異検出を評価するためのUIDを含むシーケンシングライブラリーを作成できた。
結論
RNA ATOおよび断片化gDNAを使用する第1のATO反応と、複数の第1の相補鎖を作成するための線形増幅プロセスと、第2のRNA ATOおよび標的ポリヌクレオチドとして線形増幅産物を使用する第2のATO反応と、それに続くグローバルな増幅とを組み合わせることにより、シーケンシングライブラリーの作成で使用することに関してこの技術的アプローチの検証に成功した。
実施例16
標的ポリヌクレオチドとしてリボ核酸(RNA)を使用し、例えば、限定はされないが、化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、転写開始部位を決定する。
材料
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014。
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー、2−003(表2)
AMV逆転写酵素(NEB、M0277S)
方法
標的特異的逆転写によるcDNAの作成
任意の長さの断片化されたまたは断片化されていない適切な量のリボ核酸(RNA)を、転写開始部位が特定されていないRNA(例えば、限定はされないが、メッセンジャーRNA、マイクロRNA、リボソームRNA、または非コードRNA)のある領域を標的とする適切な量の遺伝子特異的プライマーと、適切なバッファー中において混合する。この例では、100ngのmRNAを、10pmoleの標的特異的プライマー、10単位のAMV逆転写酵素、2μlの10xAMVバッファー、10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)と組み合わせて、最終体積20μlにする。その混合物を、適切な温度(この例では65℃)で、適切な時間(この例では2分間)、または二本鎖核酸を変性させて一本鎖にすることができる他の温度または時間で加熱する。続いて、核酸および標的特異的プライマーを、この例では25℃に5分間、または核酸と遺伝子特異的プライマーとの間のアニーリングおよび逆転写を促進できる他の適切な温度または時間まで、冷却する。次に、この混合物をインキュベートしてcDNAを作成する。この例では、42℃で30分間インキュベートする。次いで、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法により、cDNAを精製することができる。
アダプター鋳型オリゴのcDNAへのアニーリング
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とするcDNAのそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
最終シーケンシングライブラリーを作成するためのPCRによる標的相補的デオキシリボ核酸伸長産物の指数関数的増幅
修飾されたcDNAを、ATOによって導入された保存配列に相補的なユニバーサルプライマー、第1の遺伝子特異的プライマーに近接するmRNAの領域を標的とするように設計された第2プライマー、DNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、TAQ DNAポリメラーゼ、またはPhusion)、適切なバッファー、適切なdNTP、およびその他の適切なまたは必要な添加物(例えば、DMSO、ベタイン、および硫酸アンモニウム)と組み合わせる。この例では、5μlのcDNA、10pmoleの2−003、10pmoleの標的特異的プライマー、2単位のPhusion DNAポリメラーゼ、10μlの5xPhusion DNAポリメラーゼバッファー、および10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)を、最終体積50μl中に含める。次に、その混合物を熱サイクル処理して、標的核酸伸長産物を指数関数的に増幅する。この例では、98℃で30秒間;98℃で5秒間、60℃で1分間および72℃で1分間を25サイクル;続いて、72℃で2分間である。次いで、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法により、増幅産物を精製することができる。精製された産物は、主要産物を同定するためのゲル電気泳動、クローニングおよびシーケンシングなどのダウンストリームプロセスで使用することができ、あるいは、形質転換およびコロニー選択後の適合するクローニングシステムおよびシーケンシングに直接使用することもできる。
最終シーケンシングライブラリーを作成するためのPCRによる標的相補的デオキシリボ核酸伸長産物の指数関数的増幅
これは、前のステップと一緒に、または前のステップの代わりに行うことができる。その方法は、標的特異的プライマーが、次世代シーケシング技術に適合しかつ必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む5’テールを必要とすることを除いて、前のステップと同様である。例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法により、増幅産物を精製することができ、それは適合する技術に基づき次世代シーケンシングに適したものとなる。
結果
遺伝子特異的プライマーを使用して、ATO反応の鋳型として使用されるcDNAをうまく作成し、その産物は、2つの追加のプライマーと共に使用したときに、イルミナの機械でシーケンシングすることができるライブラリーを作成し、その結果は、選択した転写産物の転写開始部位を明らかにした。
結論
mRNAの5’付近のプライマーを使用する遺伝子特異的cDNA生成を組み合わせることにより、選択した遺伝子の転写開始部位を特定するためにこの技術をうまく適合させることができた。すべての可能な転写開始部位を同定するのに必要なリード数が少ないという事実を考えると、小さな出力の機械であっても、全シーケンシングの実行は不要である。次世代シーケンシングに適合する産物を作成するアプローチは、かなりの深さを必要とする、または多数の転写開始部位を同定するためにマルチプレックスで非常に多数の遺伝子特異的プライマーを必要とする別のライブラリーへの小さなスパイクイン(spike in)として使用するのに最適である。
実施例17
デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の混合物を標的DNAとして使用し、例えば、限定はされないが、化学的スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、DNAとRNAを組合せた次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014、1−015、1−016、1−017、1−018(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−001、2−002、2−003(表2)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
AMV逆転写酵素(NEB、M0277S)
方法
アダプター鋳型オリゴの核酸へのアニーリング
標的ポリヌクレオチドがRNAとDNAの混合物であることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
ポリメラーゼがRNAプライマーを使用できることを確認することを追加して、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
アダプター鋳型伸長産物のワンパス伸長または線形増幅
10単位のAMV逆転写酵素を追加して、実施例1と同様である。
第1の相補鎖を形成するための第2のアダプター鋳型オリゴのアニーリング
実施例1と同様である。
修飾された第1相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
実施例1と同様の方法を使用して、RNAとDNAの両方を組合せて、PCRの重複を除去するのに適しまた低頻度変異を同定するエラーを訂正するのに適したUIDを含む次世代シーケンシングライブラリーを作成することができた。
結論
DNAとRNAを組み合わせて混合シーケンシングライブラリーを作成できることにより、特に、すべての標的ポリヌクレオチドについてUIDを含む技術の固有の性質を考えると、多くの潜在的な適用が可能になる。例えば、RNAとDNAの両方をシーケンシングすることで、突然変異の比較分析が可能になる。
実施例18
デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の混合物を標的DNAとして使用し、例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成されたヘアピンを有し、シーケンシング後の分子の分離のためにRNAとDNA分子に異なる一意の識別子を割り当てるマルチプルなアダプター鋳型オリゴを使用して、DNAとRNAを組合せた次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−013、1−033、1−036(表1)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ(NEB、M0258S)
Tth DNAポリメラーゼ(SIGMA、000000011480022001)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
プライマー、2−002,2−003(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
AMV逆転写酵素(NEB、M0277S)
方法
アダプター鋳型オリゴの核酸へのアニーリング
ATO1−033が使用されることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とするリボ核酸ではなく標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する特異的伸長
DNAプライマーを使用できるがRNAプライマーは使用できない、プルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない適切な量のDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、LongAmp(登録商標)Hot Start TAQ DNAポリメラーゼ、またはOneTaq(登録商標)Hot Start DNAポリメラーゼ)を適切なバッファーおよび適切なdNTPと混合したものを、DNA/RNA ATO混合物と組み合わせる。この例では、合計2単位のDeep VentR DNAポリメラーゼ、2μlの1OxDeep VentR DNAポリメラーゼバッファー、10nmolの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)、およびDNA−ATO混合物を組合せて、最終体積20μlにする。DNAポリメラーゼおよびバッファーの存在下で、標的核酸とATOのアニーリングをさらに促進させるために、この例では、混合物を25℃未満の温度で30分間、または核酸とATOとの間のアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間で、インキュベートする。ATO配列を鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドの伸長を開始するために、この例では、インキュベーション温度を30分間37℃まで上げ、またはDNAポリメラーゼ活性を促進できる他の適切な温度に上げる。その産物は修飾標的ポリヌクレオチドである。
二本鎖修飾標的ポリヌクレオチドの作成
実施例5と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの核酸へのアニーリング
ATO1−036が使用されることを除いて実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的リボ核酸伸長産物のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
RNAプライマーを使用することができるプルーフリーディング活性を有するまたはプルーフリーディング活性を有さない適切な量のDNAポリメラーゼ(例えば、限定はされないが、大腸菌DNAポリメラーゼI)を適切なバッファーおよび適切なdNTPと混合したものを、DNA/RNA ATOの混合物と組み合わせる。この例では、合計2.5単位のクレノウ、2μlの10xクレノウバッファー、および10nmoleの各dNTP(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)をDNA−ATO混合物と合わせて20μlの最終体積にする。DNAポリメラーゼおよびバッファーの存在下で標的核酸とATOのアニーリングをさらに促進させるために、この例では、混合物を25℃未満の温度で30分間、または核酸とATOとの間のアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間で、インキュベートする。ATO配列を鋳型として使用して標的ポリヌクレオチドの伸長を開始させるために、この例では、インキュベーション温度を37℃まで30分間上げ、またはDNAポリメラーゼ活性を促進できる他の適切な温度に上げる。その産物は修飾標的ポリヌクレオチドである。
二本鎖標的リボ核酸伸長産物の作成
ポリメラーゼとして10単位のAMV逆転写酵素を添加したことを除き、実施例5と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解およびヘアピン分解
実施例5と同様である。
二重鎖標的デオキシリボ核酸およびリボ核酸の伸長産物のワンパス伸長または線形増幅
70℃の伸長温度で、2.5単位のTth DNAポリメラーゼおよびTth DNAポリメラーゼバッファーを使用することを除き、実施例1と同様である。
第3のアダプター鋳型オリゴの伸長産物または線形増幅産物へのアニーリング
ATO1−022が使用されることを除いて実施例1と同様である。
2のアダプター鋳型伸長産物を形成するための、第3のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする線形伸長産物のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
第3のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
PCRによる第2のアダプター鋳型伸長産物の指数関数的増幅
実施例1と同様である。
結果
実施例1と同様の方法を使用して、RNAとDNAの両方を組合せて、PCRの重複を除去するのに適しまた低頻度変異を同定するエラーを訂正するのに適したUIDを含む次世代シーケンシングライブラリーを作成することができた。
結論
DNA標的ポリヌクレオチドから生じるリードとRNA標的ポリヌクレオチドから生じるリードとをバイオインフォマティクス分析中に分離する能力と組み合わせて、DNAとRNAを組合せて混合シーケンシングライブラリーを作成できることにより、特に、すべての標的ポリヌクレオチドについてUIDを含む技術の固有の性質を考えると、多くの潜在的な適用が可能になる。例えば、RNAとDNAの両方をシーケンシングすることで、突然変異の比較分析が可能になる。また、DNA ATOとRNA ATOに異なるアダプターを使用して、最終的なシーケンシングライブラリー中のDNAコピーを増やすためにそれらを別々に増幅させることもできる。
実施例19
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、ヘアピン(例えば、限定はされないが、ランダムな特別に設計されたまたは特別に選択された配列によって分離された部分的にまたは完全に相補的な2つの短い領域を用いて形成された)を有するアダプター鋳型オリゴと、ヘアピンに結合した二本鎖アダプターとを使用して、ローリングサークル増幅に適した鋳型を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−013(表1)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
T4 DNAリガーゼ(NEB、M0202S)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の作成
実施例5と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
二本鎖アダプターの二本鎖標的デオキシリボ核酸伸長産物の末端へのアニーリングおよびライゲーション
アダプターがヘアピンを形成することを追加して、実施例5と同様である。
結果
ヘアピンを形成できるATOとヘアピンを有するアダプターとの組合せを使用して、環状修飾標的ポリヌクレオチドをうまく作成した。
結論
環状標的ポリヌクレオチドを作成する能力により、ローリングサークル増幅が可能になり、それは特定のダウンストリームプロセスに必要な非常に長い産物の作成を可能にする。
実施例20
デオキシリボ核酸(DNA)を標的ポリヌクレオチドとして使用し、化学スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用してローリングサークル増幅に適した鋳型を作成するが、相補領域を含む少なくとも2つのアダプター鋳型オリゴを使用する必要があり、それら相補領域はアニールすることができ、伸長を可能にするための露出した3’末端を有する短い二本鎖DNAを生成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−034、1−035(表1)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
ATOの使用を追加して、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
修飾標的ポリヌクレオチドのワンパス伸長または線形増幅
実施例1と同様である。
第1の相補鎖への第2のアダプター鋳型オリゴのアニーリング
ATOの使用を追加して、実施例1と同様である。
修飾された第1の相補鎖を形成するための、第2のアダプター鋳型オリゴを鋳型とする第1の相補鎖のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
第2のアダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
3’末端がプライマーとして機能するDNAの二本鎖領域を作成するための第2の伸長産物の自己アニーリング
精製された伸長産物を、適切なバッファー中において、適切な温度(この例では95℃)で、適切な時間(この例では2分間)、または二本鎖核酸を変性して一本鎖にすることができる他の温度または時間で加熱する。次いで、伸長産物を、この例では25℃に2分間、または伸長産物の両端に存在する相補的な領域の間でのアニーリングを促進できる他の適切な温度または時間まで、冷却する。現在の環状DNA分子を、環状DNAのローリングサークル増幅の鋳型として使用できる。
結果
実施例19と同様に、3’末端がさらなるローリングサークル増幅のためのプライミング部位として機能することができる環状産物を作成することに成功した。
結論
環状標的ポリヌクレオチドを作成する能力により、ローリングサークル増幅が可能になり、それは特定のダウンストリームプロセスに必要な非常に長い産物の作成を可能にする。追加のプライマーが必要ないことは、環状DNAの自己アニーリングとの競合を回避できることを意味する。
実施例21
PCR産物を標的ポリヌクレオチドとして使用し、例えば、限定はされないが、化学スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、単一(または複数)アンプリコン高多様性次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−014(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−003(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
方法
アダプター鋳型オリゴのPCR産物へのアニーリング
標的ポリヌクレオチドがPCR産物であることを除いて、実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的PCR産物のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
最終シーケンシングライブラリーを作成するためのPCRによる線形伸長産物の指数関数的増幅
ユニバーサルプライマーの1つを、次世代シーケシング技術に適合しかつ必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む5’テールを有する標的特異的プライマーに置き換えたことを除いて、実施例1と同様である。
結果
実施例1と同様の方法で、単一PCRアンプリコンを標的ポリヌクレオチドとして使用して、次世代シーケンシングライブラリーの作成に成功した。
結論
ATOを使用して見られるランダムプライミングと組み合わせて、PCRアンプリコンをライブラリーで直接使用できることは、単一アンプリコンまたは高類似性のアンプリコンのプールから、高多様性シーケンシングライブラリーを作成できることを意味する。これは、多数の高類似性アンプリコンが使用される環境サンプルのための用途を有する。
実施例22
デオキシリボ核酸(DNA)を標的ポリヌクレオチドとして使用し、2つの標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−006(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−004、2−005(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング法
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
標的特異的プライマーの2つの異なるプールを使用するPCRによるアダプター鋳型伸長産物の第1の指数関数的増幅
修飾標的ポリヌクレオチドを2つの等しいアリコートに分割することを除き、実施例2と同様であり、分割の結果、後続の各反応における標的ポリヌクレオチドのコピー数が約50%減少するためすべての感度が低下し、各アリコートは、もともとATOに存在して現在は修飾標的DNA分子の3’末端に存在する保存配列に相補的であるユニバーサルプライマー、および2つの異なるプライマープール(ここでは「プールla」および「プール2a」と称する)のうちの1つと組み合わせられ、プライマープールlは、目的の変化を含むDNAの標的領域の一方のDNA鎖を標的にするように設計され、プール2はその標的領域の相補鎖を標的にするように設計されている。
PCRによる第1の指数関数的増幅産物の第2の指数関数的増幅
ネスト化プライマーの2つの別個のプールが使用されることを除き、実施例2と同様であり、ネスト化プライマーのプール(プール1bまたはプール2b)は、第1のプライマープール(プール1aまたはプール2a)に関連するDNAの領域を標的とするように設計され、目的の突然変異を含むDNAの領域を標的とし、さらに次世代シーケシング技術に適合しかつ必要な配列(例えば、限定はされないが、P5またはP7アダプター配列、患者/サンプルインデックス配列、イルミナ社の次世代シーケンサーとの適合性のためのイルミナまたはカスタムリード1またはリード2配列)を含む。
結果
実施例2の方法を、プライマーの各プールがフォワードまたはリバースの1本鎖を標的とする2つの別個のプライマープールに適用することに成功した。プール内のすべてのプライマーがそれらの標的をさまざまな効率で増幅でき、バーコードファミリーを作成したときにすべての標的で一貫した効率が見られることを示すことができた。
結論
投入標的ポリヌクレオチドを2つの別個の分析プールに分割することによる最大効率の低下を受け入れると、標的ポリヌクレオチドの両方の鎖を独立して調べることができ、これにより、変異の存在を両方のプライマープールにおいて見つけることができ、したがって両方のプールで見つかった変異が何等かの種類のエラーである可能性が大幅に減るため、さらなるレベルのエラー訂正および変異が正しいことの確信のために両方の鎖で同定された変異を比較することを可能にする。
実施例23
あらゆる感度損失の可能性を大いに低減させて、デオキシリボ核酸(DNA)を標的ポリヌクレオチドとして使用して2つの標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナ社の次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−006(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−004、2−005(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
修飾標的ポリヌクレオチドの線形増幅
実施例1と同様である。
二本鎖DNAの各鎖を標的とする標的特異的プライマーの2つの異なるプールを用いるPCRによる第1の相補鎖の第1の指数関数的増幅
第1の相補鎖が鋳型として使用され、2つのプールに分割されることを除いて、実施例22と同様である。
PCRによる第1の指数関数的増幅産物の第2の指数関数的増幅
実施例22と同様である。
結果
実施例2および22と同様に、標的化アンプリコン次世代シーケンシングライブラリーの作成に成功した。
結論
重要なこととしてUIDの組み込みの後に元の標的ポリヌクレオチドを増幅するため、修飾標的ポリヌクレオチドの線形増幅のこの実施例のアプローチを使用して、実施例22の方法の限界を克服することができる。これは、鎖特異的増幅の2つ以上のプールを、各プールの最大効率を理論的に低下させることなく使用できることを意味する。
実施例24
標的ポリヌクレオチドとしてデオキシリボ核酸(DNA)を使用し、例えば、限定はされないが、化学スペーサー(例えば、限定はされないが、C3スペーサー、C18スペーサー)を用いて形成されたヘアピンを有するアダプター鋳型オリゴを使用して、1つのチューブで2つの標的化アンプリコン次世代シーケンサーライブラリー(例えば、限定はされないが、イルミナの次世代シーケンサーに適合する)を作成する。
材料
標的ポリヌクレオチド、ヒトgDNA(BIO−35025)
DNA断片化酵素、KAPA Frag Kit(Roche、7962517001)
アダプター鋳型オリゴ(ATO)、1−006(表1)
TAQ DNAポリメラーゼ(NEB、M0273L)
TAQ DNAポリメラーゼバッファー(NEB、M0273L)
DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)フラグメント(NEB、M0210L、M0212L)
dNTP(NEB、N0447)
Phusion(登録商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ(NEB、M0530S)
Phusionバッファー(NEB、M0530S)
USER(登録商標)Enzyme(NEB、M5505S)
プライマー、2−004、2−005(表2)
硫酸アンモニウム(SIGMA、A4418)
Agencourt AMPure XP(Beckman Coulter、A63881)
エキソヌクレアーゼI(NEB、M0293S)
方法
アダプター鋳型オリゴのデオキシリボ核酸へのアニーリング
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴを鋳型とする標的デオキシリボ核酸のそれ自身をプライマーとして使用する伸長
実施例1と同様である。
アダプター鋳型オリゴの分解
実施例1と同様である。
標的特異的プライマーの第1のプールを使用するPCRによるアダプター鋳型伸長産物の第1の指数関数的増幅
実施例22で使用した2つのプライマープールの内の1つを用いて、実施例2と同様である。
第1の指数関数的増幅反応混合物からの未使用プライマーの除去
第1の指数関数的増幅産物を、一本鎖特異的ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼI)と、ある温度(例えば、37℃)で、ある時間(例えば、15分)、または指数関数的増幅産物中に存在するすべての一本鎖DNAの分解を生じる酵素活性をもたらすことができる他の適切な時間または温度で、混合する。この実施例では、20単位のエキソヌクレアーゼIを第1の増幅産物に添加し、37℃で25分間インキュベートした。次いで、一本鎖特異的ヌクレアーゼを不活性化できる温度(この例では80℃)および時間(この例では15分間)、反応混合物をインキュベートすることにより、一本鎖特異的ヌクレアーゼを不活性化することができる。任意選択で、その後、例えば磁気ビーズを使用するなど、任意の適切な方法により増幅産物を精製することができる。
標的特異的プライマーの第1のプールを用いるPCRによるアダプター鋳型伸長産物の二次指数関数的増幅
標的特異的プライマーの異なる第2のプールが用いられることを除いて、第1の指数関数的増幅と同様である。
第2の指数関数的増幅反応混合物からの未使用プライマーの除去
第1の未使用プライマーの除去と同様である。
PCRによる第2の指数関数的増幅産物の第3の指数関数的増幅
この例では、鋳型が第2の増幅の産物であることを除いて、実施例22の第2の指数関数的増幅と同様であり、その産物は2つの等しいアリコートに分割される。
結果
実施例2、22、23と同様に、標的化アンプリコン次世代シーケンシングライブラリーの作成に成功した。
結論
重要なこととしてUIDの組み込みの後に元の標的ポリヌクレオチドを増幅するため、この例での2つの連続指数関数的増幅のアプローチを使用して、実施例22の方法の限界を克服できる。これは、各プールの最大効率を理論的に低下させることなく、鎖特異的増幅の2つ以上のプールを使用できることを意味する。
実施例25
245x2のプライマーペアを含む、がん突然変異ホットスポットパネルが設計された。そのパネルは、ヒトがん遺伝子で頻繁に変異するゲノムの「ホットスポット」領域からアンプリコンライブラリーを調製するために使用されるプライマーの4つのプールを含む。ホットスポットパネルは、50のがん遺伝子と腫瘍抑制遺伝子から約3,000のCOSMIC突然変異をカバーする245アンプリコンを増幅するように設計された。

ABLl EZH2 JAK3 PTEN
AKT1 FBXW7 IDH2 PTPN11
ALK FGFR1 KDR RBI
APC FGFR2 KIT RET
ATM FGFR3 KRAS SMAD4
BRAF FLT3 MET SMARCB1
CDH1 GNA11 MLH1 SMO
CDKN2A GNAS MPL SRC
CSF1RGNAQ NOTCH1 STK11
CTNNB1 HNF1A NPM1 TP53
EGFR HRAS NRAS VHL
ERBB2 IDH1 PDGFRA
ERBB4 JAK2 PIK3CA

Fp5プールは、第1のセットのフォワードプライマーを含み、それはテールのない標的特異的プライマーである;
Fp7プールは、第2のセットのフォワードプライマーを含み、それは、構造:5’テール(ユニバーサル)−標的特異的:を有するネスト化プライマーである;
Rp5プールは、第1のセットのリバースプライマーを含み、それはテールのない標的特異的プライマーである;
Rp7プールは、第2のセットのリバースプライマーを含み、それは、構造:5’テール(ユニバーサル)−標的特異的:を有するネスト化プライマーである。
各プールは245のプライマーを含む。
第1の反応では、ATOをサンプルの標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる。標的ポリヌクレオチドは、ATOを鋳型として使用して伸長される。この伸長により、修飾標的ポリヌクレオチドが生成され、これはUIDとしてのランダム配列と3’ユニバーサル配列とを含む。
第2の反応では、第1のユニバーサルプライマーおよび標的特異的プライマーのFp5プールまたはRp5プールを加えて、修飾標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせ、標的配列をPCR増幅させる。第3の反応は、ネスト化標的特異的プライマー(Fp7またはRp7)およびユニバーサルプライマーを使用することにより行う。
その後、各タグ付きアンプリコンライブラリーを小さな残留DNA断片から精製し、DNA濃度を決定した。次に、これら精製されかつ個別にタグ付けされたアンプリコンライブラリーを等モルプールして、アンプリコンプールまたはシーケンシングサンプルをもたらした。
すべてのプライマーは、EurofinsまたはEurogentecによって合成され、10μMに希釈された。DNAポリメラーゼは、Promega、Thermo Fisher、またはNEBから購入した。
Figure 2020512845
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Claims (22)

  1. 一本鎖3’末端を有する標的ポリヌクレオチドの集団を伸長させる方法において、
    (i)標的ポリヌクレオチドをアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)とインキュベートするステップであって、前記ATOは、
    (a)3’ランダム配列;
    (b)ATOを伸長不能にするブロッカーを有する3’末端;および
    (c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列
    を有し、前記標的ポリヌクレオチドがATOの3’ランダム配列にハイブリダイズする、ステップ;
    (ii)前記ATOを鋳型として使用して、標的ポリヌクレオチドのポリメラーゼ伸長を実行し、それによって3’ユニバーサル配列を有する伸長標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
    を含む、方法
  2. (iii)前記修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補配列(CS)を作成するステップをさらに含み、第1のCSの作成が、修飾標的ポリヌクレオチドを鋳型として使用する3’ユニバーサル配列からのポリメラーゼ伸長を含む、請求項1に記載の方法。
    ことができる。
  3. 前記第1のCSの作成するためのポリメラーゼ伸長は、
    (a)RNAポリメラーゼプロモーターを含むATO上で伸長させることにより生成された修飾標的ポリヌクレオチド中の二本鎖RNAポリメラーゼプロモーター領域からのRNAポリメラーゼを使用するin vitro転写;
    (b)自己プライミングによる3’ステムループ構造の伸長;または
    (c)3’ユニバーサル配列にハイブリダイズしたプライマーの伸長
    のいずれかである、請求項2に記載の方法。
  4. 修飾標的ポリヌクレオチドの第1の相補鎖(CS)を作成する前または後に、過剰のATOが除去または消化される、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記第1のCSが請求項1に記載の方法を用いて伸長され、3’ユニバーサル配列を有する伸長された第1の相補配列が生成される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のCSがDNAリガーゼを用いて伸長されて該第1のCSにアダプターが連結される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズしたプライマーを伸長させ、それによって第2のCSを形成することをさらに含み、第1のCSまたは修飾された第1のCSにハイブリダイズした前記プライマーは、標的特異的部分またはユニバーサル配列、あるいは3’標的特異的部分と5’ユニバーサル配列の両方を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(ii)で用いられるポリメラーゼが3’→5’ エキソヌクレアーゼ活性を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 一本鎖核酸の集団からシーケンシングライブラリーを調製する方法であって、
    (a)請求項1に記載の方法を実行して3’ユニバーサル配列を有する伸長された標的ポリヌクレオチドを作成するステップ;
    (b)請求項2に記載の方法を実行して第1の相補配列を作成するステップ;
    (c)5’ユニバーサル配列および3’ユニバーサル配列を有する第2の相補配列を作成するステップであって、5’ユニバーサル配列と3’ユニバーサル配列は異なりかつ互いに対して相補的ではないステップ、および
    (d)前記2つのユニバーサル配列を標的とするプライマーを用いて前記第1の相補配列および第2の相補配列を増幅し、それによって異なる配列の既知のユニバーサル末端を有する二本鎖ヌクレオチド断片のシーケンシングライブラリーを調製するステップ
    を含む、方法。
  10. 一本鎖3’末端を有する標的ポリヌクレオチドがRNAまたはDNAであり、該DNAまたはRNAが、FFPEサンプル、循環セルフリー核酸、またはバイサルファイトで処理したサンプルに由来する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ポリヌクレオチドを伸長させるためのアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)であって、
    (a)3〜36「N」塩基の3’ランダム配列;
    (b)ATOを拡張不能にするブロッカーを有する3’末端;
    (c)ランダム配列の5’にあるユニバーサル配列;
    (d)任意選択で、ATOを3’エキソヌクレアーゼ切断に対して耐性にする修飾ヌクレオチドまたはリンケージ;および
    (e)ATOを分解可能にする部分
    を含む、アダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)。
  12. 前記分解可能にする部分がウラシルヌクレオチド、リボヌクレオチドまたは制限酵素認識配列である、請求項11に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)。
  13. ATOを3’エキソヌクレアーゼ切断に対して耐性にする修飾ヌクレオチドまたはリンケージがホスホロチオアートリンケージである、請求項11または請求項12に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)。
  14. 前記ユニバーサル配列が、RNAポリメラーゼプロモーターとして機能することができる配列を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)。
  15. ATOが5’ステム部分配列を含み、該5’ステム部分配列は、前記ユニバーサル配列の一部または全部に相補的または部分的に相補的であり、それによってステムループ構造を形成することができる、請求項11〜14のいずれか一項に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)。
  16. ATOが、5’から3’の順序で、5’ステム部分、RNAポリメラーゼ配列、プライミング部位配列、一本鎖オーバーハング、3’ランダム配列、およびブロッカーを有する3’末端を含む、請求項15に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
  17. 前記ステムループ構造がコピー不能なリンケージを含む、請求項15または請求項16に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
  18. 前記コピー不能なリンケージが、C3スペーサー、トリエチレングリコールスペーサー、18原子ヘキサエチレングリコールスペーサー、または2’−ジデオキシリボース(dSpacer)である、請求項17に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
  19. 3’末端が、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシヌクレオチド、C3スペーサー、リン酸、ジデオキシヌクレオチド、アミノ基、および逆向きデオキシチミジン(inverted deoxythymidine)からなる群より選択される部分でブロックされている、請求項11〜18のいずれか一項に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド。
  20. 請求項11〜18のいずれか一項に記載のATO、および3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを含む、ポリヌクレオチドを伸長させるための組成物。
  21. ATOが請求項11〜19のいずれか一項に記載されるものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項11〜19のいずれか一項に記載のアダプター鋳型オリゴヌクレオチド(ATO)、3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ、およびNGSプラットフォームに適合するプライマーを含む、ポリヌクレオチドのライブラリーを作成するためのキット。
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