添付の各図面は、本発明の更なる理解を提供するべく本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の各実施形態を例示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
負荷に結合され、それぞれのセルと通信するコントローラに結合された電圧センサによって一次電源の電圧を測定するように構成された従来技術のバックアップ電力供給システムを示す。
負荷に結合され、それぞれのセルと通信するコントローラに結合された電流センサによって一次電源の電流を測定するように構成された従来技術のバックアップ電力供給システムを示す。
マイクロコントローラと、複数のスイッチと、放電スイッチと、充電スイッチとを有する従来技術のセルの図を示し、このセルは一次電源の状態に関してコントローラから信号を受信する。
負荷に結合され、セルコントローラのそれぞれに結合された電圧センサによって一次電源の電圧を測定するように構成された本発明の例示的なバックアップ電力供給システムの実施形態を示す。
負荷に結合され、セルコントローラのそれぞれに結合された電流センサによって一次電源の電流を測定するように構成された本発明の別の例示的なバックアップ電力供給システムの実施形態を示す。
負荷に結合され、セルのそれぞれにハードワイヤされた電圧センサによって一次電源の電圧を測定するように構成された本発明の例示的なバックアップ電力供給システムの実施形態を示す。
負荷に結合され、セルのそれぞれにハードワイヤされた電流センサによって一次電源の電流を測定するように構成された本発明の例示的なバックアップ電力供給システムの実施形態を示す。
マイクロコントローラと、複数のスイッチと、放電スイッチと、充電スイッチとを有する例示的なセルの図を示し、このセルには一次電源センサがハードワイヤされている。
一次電源が閾値レベルを下回ったことをセンサが検出したときに、放電準備完了モードにある各セルを負荷に接続して負荷に電力を供給する例示的なバックアップ電力供給システムについての例示的な制御図を示し、このセンサは、セルのそれぞれと通信するコントローラーに接続されている。
一次電源が閾値レベルを上回ったことをセンサが検出したときに、充電準備完了モードにある各セルを一次電源に接続する例示的なバックアップ電力供給システムについての例示的な制御図を示し、このセンサは、セルのそれぞれと通信するコントローラーに接続されている。
一次電源が閾値レベルを下回ったことをセンサが検出したときに、放電準備完了モードにある各セルを負荷に接続して負荷に電力を供給する例示的なバックアップ電力供給システムについての例示的な制御図を示し、このセンサは、セルのそれぞれに直接接続されている。
一次電源が閾値レベルを上回ったことをセンサが検出したときに、充電準備完了モードにある各セルを一次電源に接続する例示的なバックアップ電力供給システムについての例示的な制御図を示し、このセンサは、セルのそれぞれに直接接続されている。
例示的な電気化学セルを示す。
例示的な電気化学セルを示す。
対応する各参照文字は、各図面のいくつかの図にわたって対応する各部分を示す。これらの図面は、本発明の実施形態のうちのいくつかの例示であり、如何なる意味においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。また、これらの図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の構成要素の詳細を示すために一部の特徴が誇張されている場合がある。したがって、本明細書に開示された具体的な構造上および機能上の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に本発明を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
本明細書で用いられる用語「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を意図している。例えば、列挙された各要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の各要素を含み得る。また、「a」または「an」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために採用されている。これは単に便宜上および発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。こうした記載は1つまたは少なくとも1つを含むように解釈されるべきであり、単数形の場合も複数を意味しないことが明らかでない限り複数を含む。
本明細書および参照により組み込まれた文書が矛盾するおよび/または一貫しない開示を含む場合、本明細書が優先されるものとする。
本発明の特定の例示的な各実施形態が本明細書に記載され、添付の各図面に示されている。記載されている各実施形態は、本発明の例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者には本発明の他の実施形態ならびに記載された各実施形態の特定の変更、組み合わせおよび改良が理解でき、そのような代替実施形態、組み合わせ、変更、および改良は全て本発明の範囲内である。
「直接」という語は、通信または信号送信に関して本明細書で用いられる場合、通信がセンサまたはコントローラなどのある要素から、他の機能を司る任意の付加的なコントローラまたはマイクロプロセッサを通過することなく、コントローラ、充電制御回路、放電制御回路、またはインバータゲートなどの、システムの別の要素に直接転送されることを意味する。「直接」という語は、第1の要素から通信トランシーバを通過することを含んでもよく、信号は無線信号であってもよい。直接通信の概念は、他のプロセスに供するために送信を遅延させる可能性のある構成要素を通過する信号を除外することを意図している。例えば、システムコントローラのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラは一般に多くの高レベル機能を司り、そのマイクロコントローラーを通じて閾値信号をルーティングすると、許容できない遅延が発生する恐れがある。
図1から図3は、より従来的な技術を用いた制御トポロジを例示するための参考として提供される。図1および図2に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、負荷12に結合され、一次電源センサ22によって一次電源14の電力レベルを、測定することなどによって検出するように構成されている。一次電源センサ22は、それぞれが再充電可能電池81を備えるそれぞれのセル80から80’’と通信するマイクロプロセッサの形態であるコントローラ70に結合されている。そのコントローラ70はシステムレベルにあり、システムレベルでの多種多様な機能と、個々のセルからのデータおよび指令の収集/個々のセルへのデータおよび指令の送信を司る。このコントローラ70は、負荷/電源への接続およびDC−DC変換またはDC−AC変換のためのパワーエレクトロニクスを管理することもできる。一次電力センサは、一次電源によって負荷に供給される一次電力の特性を検出する。
図1において、一次電源センサ22は、特性としての電圧を検出する電圧センサ24であり、図2において、一次電源センサ22は、特性としての電流を検出する電流センサ26である。その他の点では、これらの実施形態は概して同じである。
1組の電力ライン78、78’は、各電池セルをバス40に電気的に結合し、バス40は、各電池セルを一次電源14および負荷12に結合する。AC電源が用いられる場合、整流器44によるなどして、AC信号がDCに変換され得る。一次電源センサ22が一次電力の閾値を下回る低下、例えば下位閾値レベルを検出すると、システムコントローラ70は指令を送信して、各セルコントローラに(放電の準備ができた、以下に説明する方法でバイパスされていない各セルに対する)それらの電力スイッチ75を閉じさせ、各電池を負荷に直列に結合して電池電力を負荷に供給する。電力が接続された各セルからなるセル列に送達される点を除き、充電についても同じことが起こる。電力レギュレータ77は、負荷への供給のために電池システムによって生成される電力を制御してもよい。例えば、負荷は44ボルトから54ボルトで電力を受け取るように構成されてもよく、電力レギュレータを用いて負荷に送達される電力の量を制御してもよい。一例として、バス電圧が30ボルトに低下した場合、電力レギュレータは、生成された電圧を付加的な14ボルトから24ボルトに制限し、バス電圧を許容範囲に維持して負荷をサポートしてもよい。同様に、負荷に利用可能な電力がより高い場合、レギュレータ77は、再充電を目的として余分な電圧を各セルに流用してもよい。この電力レギュレータは従来的かつ周知であり、1つの充電専用レギュレーターと1つの放電専用レギュレーターなど、別々の構成要素で具現化されてもよい。電力レギュレータ(群)77の操作は、システムコントローラ70によって行われる。
電力レギュレータ77は、用途に応じて、DC−DCコンバータまたはDC−ACコンバータなどの電力コンディショナも含み得る。代替的に、電力レギュレーション(例えば、セル列からの電圧または電流の出力を制限する能力、またはセル列への電圧または電流の入力を制限する能力)および電力コンディショニング(例えば、信号変換またはマッチング)は、別々の構成要素によって実行されてもよい。
電池セル80−80’’のそれぞれは、電池が放電モードまたは充電モードのための準備完了状態にあるかどうかを判断するために用いられる電池の1つ以上のパラメーターを測定する準備完了状態センサ82−82’’を有する。準備完了状態センサは、電池セルに欠陥があるかどうかを判断し、セルコントローラおよび/またはシステムコントローラに信号を供給してセルを欠陥モードにしてもよい。準備完了状態センサは電池の充電状態も測定し得、充電状態が低すぎる場合、バイパススイッチ85(ならびに随意に電力スイッチ75および/または放電スイッチ90)を開いて、電池が放電モードにある負荷と結合しないようにしてもよい。セルの充電状態が閾値の上限を上回ると、バイパススイッチ85(ならびに随意に電力スイッチ75および/または充電スイッチ92)を開いて、セルが充電モードにならないようにしてもよい。充電モードによって、過充電が電池セルに有害な影響を与えかねない。準備完了状態センサは、セルが充電または放電のための準備完了モードにあるかどうかを判断するための入力を提供し、一次電源センサ22もまた、各セルを充電モードまたは放電モードに切り替えるためのシステムへの入力を提供する。これら2つのセンサは連係して動作し、正常な準備完了モードにある各セルのみを負荷または一次電源に結合させる。
一次電源センサ22は、電池システムコントローラ70と通信し、電池システムコントローラ70は、通信ライン79を介してセルのそれぞれと通信する。信号送信機と、場合によっては信号受信機とを備える通信トランシーバ72は、電池システムコントローラ70およびセルのそれぞれと通信する。通信ライン79は、電池システムコントローラ70を各セルコントローラ87に結合する。セル80から80’’のそれぞれは、電池システムコントローラ70から通信信号を受信し、各セルのスイッチ75、85、90、92を制御するセルコントローラ87を有する。
それぞれのセルは放電スイッチ90を有する。それぞれの放電スイッチ90は、セルを放電するためにそのカソードによってセル80、80’、80’’をセル列に結合するための閉位置と、カソードをセル列から切り離すための開位置との間で切り替え可能である。金属空気セルの例において、カソードは空気カソードである。
それぞれのセルは充電スイッチ92も有する。それぞれの充電スイッチ92は、充電のために充電電極によってセルをセル列に結合するための閉位置と、充電電極をセル列から切り離すための開位置との間で切り替え可能である。金属空気セルの例において、充電電極は、ニッケルベースのものなどの酸素発生電極であってもよい。
それぞれのセルは電力スイッチ75も有する。それぞれの電力スイッチ75は、電池と負荷との間で電力を伝達するためにセル列内で電池セルを電気的に結合する閉状態と、電池セルをセル列から電気的に切り離す開状態との間で切り替え可能である。各図面に見られるように、電力スイッチ75は、金属空気セルにおける金属(例えば、亜鉛)燃料電極などの負電極によってセルをセル列に結合する。
本明細書で説明するように、それぞれのセルは、セルを充電または放電から解除またはバイパスするために用いられるセルバイパススイッチ85を有する。セルバイパススイッチ85は、セルコントローラ87に結合されている。セルバイパススイッチ85は、セル80、80’、80’’をセル列において電気的に結合することを可能にするための通常状態と、セル列内でセルをバイパスするバイパス状態との間で切り替え可能である。
図3に示すように、通信ライン79はセルコントローラ87に結合され、セルコントローラ87は各セルスイッチのうちの1つ以上のセルスイッチ、すなわちセルバイパススイッチ85、電力スイッチ75、放電スイッチ90、および/または充電スイッチ92の開閉を制御する。セルコントローラ87は、セルがメンテナンスモード、サービスモード、非準備完了モード、または故障モードにあるとき、バイパススイッチ85を閉じてセルをバイパスモードにしてもよい。ディープ放電、交換、リセットなどの特定のアクティビティのためにあるセルをオフラインに保ち、残りの各セルを直列に接続されたままにすることを目的とした、このようなバイパスモードの使用が知られている。
背景技術のセクションで上述したように、この従来のアプローチの欠点は、システムコントローラ70が信号を送信して各セルを、セル各々の電力スイッチを閉じ、それぞれのセルの放電スイッチまたは充電スイッチを、放電モードまたは充電モードの何れであるかに基づいて閉じるようにトリガーすることを司ることである。システムコントローラ70は多くの他の役割も有するため、電力の供給または充電のために容量を利用可能にするのに遅延が生じる可能性がある。
以下の各実施形態は、各セルを充電または放電のための状態に切り替えるためのより直接的な技術を用いることによってその問題に対処する。図1から図3におけるトポロジの類似点については、詳細に繰り返すことはしない。
図4および図5に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、負荷12に結合され、一次電源センサ22によって一次電源14の電力レベルの特性(例えば、電圧または電流)を、測定することなどによって検出するように構成されている。例えば、負荷としてのコンピュータ群に電力を供給するグリッド用途において、一次電源はそのグリッド上で利用可能な電力を示す特性を検出して、各コンピュータを動作させるのに十分な電力があるか、電力が不足しているため各電池からのバックアップ電力を必要とするか、または各電池の充電に使用できる余剰があるほど十分過ぎる電力があるかについて、情報に基づく決定を行ってもよい。ソーラーファーム用途において、電源は、ソーラーファームによって負荷としてのエリア全体にわたるグリッドに出力された電力量であってもよく、センサは、ソーラーファームによって生成された電力の特性を検出して、同じ情報に基づく決定を行うことができる。他の各用途において、充電および放電に異なる優先順位を与えてもよく、充電および放電が同じ優先順位を有していてもよい。コンピューターの例において、遮断されることなく均一な電力供給を維持することが重要であるため、そのようなシステムは、放電を目的としてより迅速に反応するように設計されてもよい。ソーラーファーム用途の場合、各電池によって貯蔵される必要がある出力にスパイクが発生する可能性があるため、システムは充電を目的としてより迅速に反応するように設計されてもよい。一部のシステムにおいて、充電機能と放電機能の両方に同じ優先順位を付けてもよい。これらの相違に関するコンテキストについては、バイパス機能性に関連して以下で言及する。
図4および図5において、一次電源センサ24/26は、ハードワイヤリングによるなどして、セル80’からセル80’’用のセルコントローラ87のそれぞれに直接通信する。具体的には、図4に示すように、一次電源センサは電圧センサ24であり、図5に示すように、一次電源センサは電流センサ26である。一次電源センサは、電池システムコントローラー70にも直接通信する。したがって、一次電力センサ24/26は、それぞれのセルのコントローラ87およびシステムコントローラ70に並列に結合されている。直接信号は、直接ライン95によってセル80からセル80’’のそれぞれに転送される。この実施形態において、各セルコントローラ87は、(a)放電モードを示す閾値信号(後述)に応答して電力スイッチ75および放電スイッチ90をそれらの閉状態に切り替え、(b)充電モードを示す閾値信号に応答して電力スイッチ75および充電スイッチ92をそれらの閉状態に切り替えるように構成される。一次電源センサ24/26はセルコントローラ87のそれぞれに直接接続されているため、電池システムコントローラ70はバイパスされている。これにより、電池電力供給への切り替えがより高速になる。
センサ24/26は何れも、システムのための放電モードまたは充電モードを示す閾値信号を出力するように構成されている。閾値信号は、関連する特性が適用可能な閾値を超えたことをセンサ24/26が検出したときに発せられる信号である。電圧を一例とすると、センサ24は単一の閾値を有し、電圧が閾値を上回ると充電モードを示す閾値信号を出力し、電圧が閾値を下回ると放電モードを示す閾値信号を出力してもよい。電圧がそれを超えると充電モードを示す閾値信号の送信をトリガーする上位閾値、および電圧がそれを下回ると放電モードを示す閾値信号の送信をトリガーする下位閾値など、複数の閾値を用いてもよい。閾値信号はそのため、閾値の違反を示し、その違反がシステムのための充電または放電の何れを示すのかを示す信号である。特定のセルのアドレスを示し、特定のセルを対象とするアドレス指定された信号とは対照的に、閾値信号は、全てのセルが応答するグローバルまたは一体的な指令またはデータ信号である。グローバルまたは一体的な指令により、1つの指令を、全てのセルに並行して送信し、システムコントローラー70にも送信することができる。閾値信号は、高/低データビットまたはハードウェア型信号と同じくらい単純であってもよい。システムコントローラー70において、システムが、放電イベントにどれだけの電力が必要であるかについて決定を行い、電力出力の制御および管理を司るレギュレーター77を動作させる(または充電イベントについては、システムは逆を行い、充電にどれだけの電力が利用できるかを決定する)。
一次電源センサ24/26は、閾値を下回る一次電力の低下または下位閾値レベルを検出すると、放電モードを示す閾値信号を送信する。次にセルコントローラ87がその信号を受信し、それに応じて反応する。好ましくは、一次電源センサは、セルコントローラ87の割り込み入力(割り込みピンとも呼ばれる)に接続される。割り込み入力は、応答アクションを高い優先事項としてトリガーし、セルコントローラ87が、応答を遅延させる可能性のある他のプロセスを実行するのを待たずにそのプロセスを速める。放電モードを示す閾値信号に対するセルコントローラの反応は、電力スイッチ75および放電スイッチ90を閉じ(すなわち、その閉状態に切り替え)てセル80から負荷12への電力の流れを提供することである。
セルがメンテナンス中、または放電準備ができていないことを含む非準備完了モードにある場合、バイパススイッチ85が閉じられることによってセルがバイパスされ、そのセルから負荷に電力が供給されなくなる。その場合、コントローラは、電力スイッチ75および放電スイッチ90を閉じる必要はない。実際、コントローラがそうしないことが好ましい(ただし随意)。そのような接続がセルとセル列との間のある程度の接続性を可能にし得るからである。
その閾値信号が放電モードを示す結果として、放電に利用可能なそれぞれのセルが、適切な切り替え接続を迅速かつ並行して同時に行うことが可能になる。
同様に、一次電源センサー24/26は、上位閾値レベルなどの閾値を上回る一次電力の増加を検出すると、充電モードを示す閾値信号を送信する。次にセルコントローラ87がその信号を受信し、それに応じて反応する。充電モードを示す閾値信号に対するセルコントローラの反応は、電力スイッチ75および充電スイッチ92を閉じ(すなわち、その閉状態に切り替え)てセル80から負荷12への電力の流れを提供することである。
セルがメンテナンス中、または充電準備ができていないことを含む非準備完了モードにある場合、バイパススイッチ85が閉じられることによってセルがバイパスされ、そのセルに電力が供給されなくなる。その場合、コントローラは、電力スイッチ75および充電スイッチ92を閉じる必要はない。ここでも、コントローラがそうしないことが好ましい(ただし随意)。そのような接続がセルとセル列との間のある程度の接続性を可能にし得るからである。
その閾値信号が充電モードを示す結果として、充電に利用可能なそれぞれのセルが、適切な切り替え接続を迅速かつ並行して同時に行うことが可能になる。
バイパス切り替えの決定は、閾値信号反応とは無関係にセルコントローラ87によって行われてもよい。したがって、所定のセルをバイパスモードにする決定は事前に行われている可能性があり、その決定への言及に、バイパススイッチ動作が、電力スイッチ75および放電/充電電力スイッチ90/92を閉じるための信号送信と必ずしも同時に起こることを意味する意図はない。一部のシステムは、用途に応じて放電または充電寄りの構成バイアスを有してもよい。例えば、上述のように、コンピューターなどの高感度の電子機器に電力をバックアップするためのシステムは急速放電に重点を置いてもよく、一方、ソーラーファームまたは風力ファームをバックアップするためのシステムは急速充電に重点を置いてもよい。
急速放電が優先されるシステムでは、システムは、バイパススイッチ85を閉じた状態で、バイパス状態において放電の準備ができていない各セルと、バイパススイッチ85を開いた状態で、通常状態において放電の準備ができている各セルとを保持するようにする構成バイアスを有してもよい。これは、セル準備完了状態センサ(群)を用いて、放電の準備はできているが充電の準備ができていない各セル(例えば、それ以上充電が不要なフルセル)およびその逆である各セルを識別する場合に特に有用である。放電がより優先される場合、各セルコントローラ87は、放電が要求されることを見越して各バイパススイッチ85を設定するように構成され得る。これにより、各バイパススイッチ85が既に正しい位置に設定されているため、放電モードを示す閾値信号が送信されたときにシステムがより迅速に反応できるようになり、必要な動作は電力スイッチ75および放電スイッチ90を閉じることだけである。
同様に、急速充電が優先されるシステムでは、システムは、バイパススイッチ85を閉じた状態で、バイパス状態において充電の準備ができていない各セルと、バイパススイッチ85を開いた状態で、通常状態において充電の準備ができている各セルとを保持するようにする構成バイアスを有してもよい。これは、セル準備完了状態センサ(群)を用いて、充電の準備はできているが放電の準備ができていない各セル(例えば、それ以上放電できず、充電が必要な消耗セル)およびその逆である各セルを識別する場合に特に有用である。充電がより優先される場合、各セルコントローラ87は、充電が要求されることを見越して各バイパススイッチを設定するように構成され得る。これにより、各バイパススイッチが既に正しい位置に設定されているため、充電モードを示す閾値信号が送信されたときにシステムがより迅速に反応できるようになり、必要な動作は電力スイッチ75および充電スイッチ92を閉じることだけである。
他のシステムには、充電または放電寄りの構成バイアスがない場合がある。さて図6から図8を参照すると、付加的なバックアップ電力供給システム10は、負荷12に結合され、一次電源センサ22によって一次電源14の電力レベルを測定するように構成されている。図6において、一次電源センサ22は電圧センサ24であり、図7において、一次電源センサ22は電流センサ26である。システム設計は、センサ24/26が、それぞれのセルの放電制御回路96および充電制御回路98に並列に結合されて、閾値信号をそれらに直接送信することを除いて、図4および図5におけるものと同じである。これらの回路96、98は、それぞれ放電スイッチ90および充電スイッチ92を制御し、この直接接続により、適切なスイッチを閉じるための極めて迅速な応答が可能になる。
放電制御回路96は、ANDゲートとして設計されてもよい。ANDゲートは、適切な閾値信号を受信するために一次電源センサー24/26に接続された第1の入力を有する。すなわち、一次電源センサ24/26は、それぞれのセルの放電制御回路96、および特に図示の実施形態においてはANDゲートの第1の入力に並列に結合されて、閾値信号をそれに直接送信する。放電制御回路96のANDゲートは、セルが放電準備完了状態にあるかどうかを示す信号を受信するためにセルコントローラ87に接続された第2の入力も有する。放電制御回路96は、2つの条件が満たされたことに応答して、放電スイッチ90を閉状態に切り替えるように構成されている。それら2つの条件とは、第1の入力で放電モードを示す閾値信号を受信することと、第2の入力でセルコントローラ87からの、セルが放電準備完了状態であることを示す放電準備完了信号を受信することである。両方の条件が満たされた場合、放電制御回路96は放電スイッチ90を閉じる。
充電制御回路98も、ANDゲートとして設計されてもよい。このANDゲートも、適切な閾値信号を受信するために一次電源センサー24/26に接続された第1の入力を有する。すなわち、一次電源センサ24/26は、それぞれのセルの充電制御回路98、および特に図示の実施形態においてはANDゲートの第1の入力に並列に結合されて、閾値信号をそれに直接送信する。充電制御回路98のANDゲートは、セルが充電準備完了状態にあるかどうかを示す信号を受信するためにセルコントローラ87に接続された第2の入力も有する。充電制御回路98は、2つの条件が満たされたことに応答して、充電スイッチ92を閉状態に切り替えるように構成されている。それら2つの条件とは、第1の入力で充電モードを示す閾値信号を受信することと、第2の入力でセルコントローラ87からの、セルが放電準備完了状態であることを示す充電準備完了信号を受信することである。両方の条件が満たされた場合、充電制御回路98は充電スイッチ92を閉じる。
インバータゲート99は、スイッチ90、92の両方が同時に作動させられることを防止し、一度に放電スイッチおよび充電スイッチの一方のみが閉じられ得るようにする。
同様に、電力スイッチ75も、電力スイッチ75を制御するための電力スイッチ制御回路93を有してもよい。電源センサ24/26は、他の各要素と並列に電源制御回路93に直接通信してもよい。電力スイッチ制御回路93も、ANDゲートとして設計されてもよい。このANDゲートも、適切な閾値信号を受信するために一次電源センサー24/26に接続された第1の入力を有する。すなわち、一次電源センサ24/26は、それぞれのセルの電力スイッチ制御回路93、および特に図示の実施形態においてはANDゲートの第1の入力に並列に結合されて、閾値信号をそれに直接送信する。電力スイッチ制御回路93のANDゲートは、セルが準備完了状態にあるかどうかを示す信号を受信するためにセルコントローラ87に接続された第2の入力も有する。電力スイッチ制御回路93は、2つの条件が満たされたことに応答して、充電スイッチ92を閉状態に切り替えるように構成されている。それら2つの条件とは、第1の入力で放電モードまたは充電モードを示す任意の閾値信号を受信することと、第2の入力でセルコントローラ87からの、セルが準備完了状態にある、すなわちバイパスされていないことを示す準備完了信号を受信することである。両方の条件が満たされた場合、電力スイッチ制御回路93は電力スイッチ75を閉じる。
一部の実施形態において、電力スイッチ制御回路のANDゲートの第2の入力に印加される信号は、包括的な準備完了信号、すなわち、電力スイッチ制御回路93に、セルが電力スイッチ75が閉じられる準備ができていることを示す(ただし、充電のための準備完了と放電のための準備完了とを区別しない)、セルコントローラによる信号出力であってもよい。一部の実施形態において、第2の入力制御回路ANDゲートに印加される信号は、これら2つの状態を区別してもよく、すなわち、放電準備完了信号または充電準備完了信号であってもよい。電力スイッチ制御回路93は、それらの信号の何れかに反応するように構成されてもよい(閾値信号も受信されると仮定)。セルコントローラ87からの放電準備完了信号と放電モードを示す閾値信号の両方を受信したときに電力スイッチ75を閉じるANDゲート、およびセルコントローラからの充電準備完了信号と充電モードを示す閾値信号の両方が受信されたときに電力スイッチ75を閉じるANDゲートなど、複数の構成要素を用いることもできる。したがって、単一のANDゲートの使用は限定的ではなく、他の高速動作回路も同様に使用され得る。
図6から図8におけるこの直接通信および回路駆動による切り替えは、一次電源が閾値レベルを下回ることに対する非常に高速な応答性を提供する。
一実施形態において、バックアップ電力供給システム10は、AC電力を受け取るように構成された負荷12に結合されてもよい。インバータを用いて、例えばソーラーパネルである一次電源14からのDC電力がAC電力に変換される。同インバータ(または別のインバータ)は、一次電源が閾値電力レベルを下回ると、バックアップ電力供給システムによって生成されたDC電力を、負荷に印加するためのAC電力に変換する。
一部の実施形態において、セルは、放電機能および充電機能のために別々の電極を回路に結合する充電/放電スイッチを備えていない場合がある。例えば、一部の電池セル(例えば、リチウムイオン電池および鉛酸蓄電池)はアノードとカソードとを備えるのみであり、単に極性を反転させることによって、同じ各電極を用いて放電および充電することができる。ただし、メンテナンス/欠陥のために、そのような各セルを、セル列全体を遮断することなくオフラインにすることが望ましい場合があるため、それらのセルは、前述の各実施形態と同じ電力スイッチ75およびバイパススイッチ85を有することができ、充電および放電を目的としてそれぞれ異なる電極間で切り替える複数のスイッチを要しない。セルを確実にセル列から完全絶縁するために、そのようなセルのアノード用とカソード用の2つの電力スイッチを有することもできる。アノードとカソードのみを有する各セル上のそのような各スイッチの接続、構成、および応答性は、上記で説明したものと同じである。
図9の制御図に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、一次電源が閾値レベルを下回ったことをセンサが検出すると、放電準備完了モードにある各セルを負荷に接続して負荷に電池電力を供給する。一次電源センサ22は電池システムコントローラと通信し、電池システムコントローラはそれからセルのそれぞれと通信する。
図10の制御図に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、一次電源が閾値レベルを上回ったことをセンサーが検出すると、一次電源を充電準備完了モードにある各セルに接続して各セルに一次電力を供給する。一次電源センサ22は電池システムコントローラと通信し、電池システムコントローラはそれからセルのそれぞれと通信する。
図11の制御図に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、一次電源が閾値レベルを下回ったことをセンサが検出すると、放電準備完了モードにある各セルを負荷に接続して負荷に電池電力を供給する。一次電源センサー22は、各セルと直接通信する。
図12の制御図に示すように、例示的なバックアップ電力供給システム10は、一次電源が閾値レベルを上回ったことをセンサーが検出すると、一次電源を充電準備完了モードにある各セルに接続して各セルに一次電力を供給する。一次電源センサ22は、例えば、各回路を制御するために各セルと直接通信する、または各セルコントローラと直接通信する。
さて図13および図14を参照し、電気化学セル100の様々な部分は、プラスチック、金属、樹脂、またはそれらの組み合わせから形成されることを含むがそれに限定されない、任意の好適な構造または組成のものであってもよい。したがって、セル100は、複数の要素から形成される、一体に成型されるなどの任意の方法で組み立てられてもよい。様々な実施形態において、セル100および/またはハウジング110は、米国特許第8,168,337号、第8,309,259号、第8,491,763号、第8,492,052号、第8,659,268号、第8,877,391号、第8,895,197号、第8,906,563号、第8,911,910号、第9,269,996号、第9,269,998号、および米国特許出願公開第2010/0316935号、第2011/0070506号、第2011/0250512号、第2012/0015264号、第2012/0068667号、第2012/0202127号、第2012/0321969号、第2013/0095393号、第2013/0115523号、および第2013/0115525号の各明細書のうちの一つ以上に記載された要素または構成を含んでもよく、これらの明細書は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
図13は電気化学セル100の概略断面図を示す。図に示すとおり、電気化学セル100の各構成要素は少なくとも部分的に、対応付けられたハウジング110内に収容されてもよい。セル100は、ハウジング110内に収容され、その中で循環してセル100内でイオンを伝導するように構成された、電解液126などの液体イオン伝導性媒質124を用いる。イオン伝導性媒質は時に停滞ゾーンなどのハウジング110内において概ね静止していることがあるが、これに対してセル100はイオン伝導性媒質の対流を生じさせるように構成されてもよいことが理解され得る。一部の実施形態において、イオン伝導性媒質の流れは、セル100内の発生ガスの泡によって生成される対流であってもよく、これは例えば、米国特許出願番号第13/532,374号に記載されており、この内容は参照により全体として上記に組み込まれている。
図13に示す実施形態において、セルハウジングは、酸化剤還元極150が酸化剤還元極モジュール160とともにセル室120内に浸漬されるように構成されているが、様々な実施形態において、セル100の他の構成または配置も可能であることが理解され得る。例えば、図14において、セル100の別の実施形態(具体的には、セル100*)が提示されているが、これによれば、酸化剤還元極150*はセル室120のための境界壁を画定しており、ハウジング110*の一部に封止されてその間にイオン伝導性媒質が浸出することを防いでいる。しかしながら、このような構成は、酸化剤還元極150*の故障がイオン伝導性媒質のセル100*からの漏出を招くいう懸念のため、一般的には好ましくない。いずれにせよ、一部のそのような実施形態において、以下により詳細に説明されるセル室120内のイオン伝導性媒質の対流は、上に向かい、酸化剤還元極150*から離れ、燃料極130の頂部を横切る方向にあってもよい。
好ましくは、本発明の各実施形態による各システムは、電源センサ22が適用可能な閾値の通過を検出してから10ミリ秒以内に切り替えを完了し得る。より好ましくは、この期間は5ミリ秒以下、更には2ミリ秒以下である。
本発明において、本発明の精神または範囲を逸脱することなく多様な変更、組み合わせ、および変形が可能であることは当業者には明白であろう。本明細書に記載の特定の実施形態、特徴、および要素は、任意の好適な方法で変更および/または組み合わされてもよい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に入る本発明の変更、組み合わせ、および変形を包含することを意図している。