JP2020510050A - がんを治療するための、腫瘍溶解性ウイルスの単独又はチェックポイント阻害剤との組み合わせでの使用 - Google Patents

がんを治療するための、腫瘍溶解性ウイルスの単独又はチェックポイント阻害剤との組み合わせでの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、様々な種類の癌の治療のための、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)の単独又は免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗体などの抗CTLA−4、抗PD−1及び抗PD−L1化合物)との組み合わせのいずれかでの使用に関する。加えて、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスの単独又は免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせのいずれかでのこのような使用に関連する組成物及びキットに関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/471,875号明細書の利益を米国特許法第119条(e)の下で主張するものである。
過去数十年にわたるがん治療の進歩に鑑みて、肺がん、結腸がん、乳がん及び前立腺がんなどの最も一般的な種類のがんについてのがんによる死亡率は、男女共に低下し続けている。この生存率の改善は、特定のがんの初期段階での診断の進歩、治療法の改善及び予防処置並びにスクリーニングを奨励する公衆衛生の取り組みの結果に起因する可能性が高い。
それでもなお、がんは、毎年1,600万人を超える人々が診断される、公衆衛生上の重大な問題のままである。加えて、がんの診断は、患者並びにその家族及び友人に深刻な影響を与える。実際、米国において、がんは、二番目に多い死亡原因のままであり(心臓疾患のみが上回る)、4件の死亡原因のうちのほぼ1件を占める。2017年3月8日アクセスのprogressreport.cancer.gov/introductionを参照されたい。
がん療法の望ましい目標は、正常細胞に有害な影響を及ぼすことなくがん細胞を優先的に死滅させることである。この目標を達成しようとして手術、放射線療法、化学療法及び腫瘍溶解性ウイルスによる療法を含むいくつかの方法が用いられてきた。
放射線療法及び手術などの局所治療は、外科的技術又は高線量の放射線療法を通してアクセス可能である身体の領域内で腫瘍量を低減する方法を提供する。しかしながら、がん治療の主なアプローチは、化学療法である。しかし、化学療法剤は、多くの一般的な固形腫瘍を含む多くのがんの種類を治療するためのそれらの有効性が限られている。この不成功は、多くの腫瘍細胞における薬剤耐性(獲得性であろうと内在性であろうと)に部分的に起因する。化学療法剤の使用の重大な障害は、それらの重篤な副作用である。これらには、骨髄抑制、吐き気、嘔吐、抜け毛及び口内の潰瘍が挙げられる。
提案されている代替療法としては、腫瘍溶解性ウイルスの投与及び抗がん活性を有する導入遺伝子を送達させるためのウイルスベクターの使用が挙げられる。腫瘍溶解性薬剤として使用するためのウイルスの遺伝子工学は、初期には、非腫瘍細胞に対するウイルス誘導損傷を防止しようとして複製不全ウイルスの使用に焦点を当てていた。このアプローチの主な制限は、これらの複製不全ウイルスが、宿主細胞中での組み込み及び/又は複製を可能にするためにヘルパーウイルスを必要とすることであった。これらのウイルスは、各複製欠損レトロウイルス粒子が単一細胞のみに進入することができ、それ以降、他の細胞中で増殖性感染することができないため、それらの有効性が限られている。したがって、これらは、プロデューサー細胞から離れて拡散することができず、インビボで多くの腫瘍細胞に完全に侵入することができない。ごく最近では、腫瘍溶解性ウイルスの遺伝子工学は、ウイルスが他の腫瘍細胞に拡散することを可能にしながら、全身感染を回避しようとして「複製制限型」ウイルスの生成に焦点を当てている。
現在、米国及びヨーロッパにおいて唯一承認された腫瘍溶解性ウイルスベースの薬剤は、タリモジーン・ラハーパレプベック(talimogene laherparepvec)(IMLYGIC(登録商標))である。タリモジーン・ラハーパレプベックは、臨床株JS1(欧州認証細胞培養機関(European collection of cell cultures)(ECAAC)に登録番号01010209で寄託)に由来するHSV−1である。タリモジーン・ラハーパレプベックにおいて、ICP34.5及びICP47をコードするHSV−1ウイルス遺伝子は、機能的に欠失されている。ICP47の機能欠失は、腫瘍選択性を減少させることなく腫瘍細胞内のウイルス成長を促進する遺伝子であるUS11の早期発現をもたらす。加えて、ヒトGM−CSFに対するコード配列がウイルスゲノム中に以前のICP34.5遺伝子部位において挿入されている。Lie et al.,Gene Ther.,10:292−303,2003を参照されたい。
腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との治療的組み合わせが探究されている。例えば、タリモジーン・ラハーパレプベックと免疫療法(例えば、イピリムマブ及びペンブロリズマブ)との組み合わせは、現在、メラノーマ(NCT01740297及びNCT02263508)並びに頭頸部扁平上皮癌(NCT02626000)の臨床試験で探究中である。イピリムマブ(CTLA−4抗体)、ペンブロリズマブ並びにニボルマブ(抗PD−1抗体)及びアテゾリズマブ(抗PD−L1抗体)などのチェックポイント阻害剤は、様々な腫瘍型において効能を証明している。Grosso et al.,Cancer Immun.,13:5(2013);Pardoll,Nat Rev Cancer,12:252−264(2012);及びChen et al.,Immunity,39:1−10(2013)を参照されたい。
Lie et al.,Gene Ther.,10:292−303,2003 Grosso et al.,Cancer Immun.,13:5(2013);Pardoll,Nat Rev Cancer,12:252−264(2012) Chen et al.,Immunity,39:1−10(2013)
しかしながら、副作用を減少させた(例えば、化学療法と比べて)有効ながん療法を更に開発する必要性が依然として残っている。転移性がんに対して有効であるがん療法を更に開発する必要性も依然として残っている。本発明は、これら及び他の必要性に対処する。
一実施形態では、本発明は、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスを投与することにより、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌(すなわち結腸癌)、メラノーマ、扁平上皮癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療する方法に関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変され得る。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスと、(ii)治療有効量のチェックポイント阻害剤とを投与することにより、B細胞性リンパ腫、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法にも関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4ブロッカー(例えば、抗CTLA−4抗体)である。特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1ブロッカー(例えば、抗PD−L1抗体)である。特定の実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1ブロッカー(例えば、抗PD−1抗体)である。特定の実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ又はペンブロリズマブである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変され得る。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
具体的な一実施形態では、本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、(ii)治療有効量のCTLA−4ブロッカー(例えば、抗CTLA−4抗体、例えばイピリムマブなど)とを投与することにより、B細胞性リンパ腫、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法にも関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。別の実施形態では、本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、(ii)治療有効量のPD−L1ブロッカー(例えば、抗PD−L1抗体、例えばアテゾリズマブなど)とを投与することにより、B細胞性リンパ腫、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法に関する。他の実施形態では、本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、(ii)治療有効量のPD−1ブロッカー(例えば、抗PD−1抗体、例えばニボルマブ又はペンブロリズマブなど)とを投与することにより、B細胞性リンパ腫、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法に関する。
本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスと、(ii)治療有効量のGITRアゴニストとを投与することにより、B細胞性リンパ腫を治療する方法にも関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性B細胞性リンパ腫である。特定の実施形態では、GITRアゴニストは、AMG228(9H6v3とも称される)、TRX518、MEDI1873又はMK−4166である。PCT公開国際公開第2015031667号パンフレット及び米国特許第9,464,139号明細書を参照されたい(これらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変され得る。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
本発明は、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスに更に関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。更に別の態様では、本発明は、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、腫瘍溶解性ウイルスを含む医薬組成物に関する。このような実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスであり得る。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
他の態様では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤に関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤を含む医薬組成物に関する。このような実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4ブロッカー(例えば、抗CTLA−4抗体)である。特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1ブロッカー(例えば、抗PD−L1抗体)である。特定の実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブである。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1ブロッカー(例えば、抗PD−1抗体)である。特定の実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ又はペンブロリズマブである。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
加えて、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びCTLA−4ブロッカー(例えば、抗CTLA−4抗体、例えばイピリムマブなど)に関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びPD−L1ブロッカー(例えば、抗PD−L1抗体、例えばアテゾリズマブなど)に関する。別の実施形態では、本発明は、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びPD−1ブロッカー(例えば、抗PD−1抗体、例えばニボルマブ、ペンブロリズマブなど)に関する。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びCTLA−4ブロッカー(例えば、抗CTLA−4抗体、例えばイピリムマブなど)を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びPD−L1ブロッカー(例えば、抗PD−L1抗体、例えばアテゾリズマブなど)を含む医薬組成物に関する。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)及びPD−1ブロッカー(例えば、抗PD−1抗体、例えばニボルマブ又はペンブロリズマブなど)を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないようにも改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍内投与のBalb/cヌードマウスにおけるA−673ユーイング肉腫の腫瘍体積に及ぼす効果を示す。 タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍内投与のBalb/cヌードマウスにおけるSK−N−AS神経芽細胞腫の腫瘍体積に及ぼす効果を示す。 タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍内投与のBalb/cヌードマウスにおけるG−401横紋筋肉腫様腫瘍の腫瘍体積に及ぼす効果を示す。 タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍内投与のBalb/cヌードマウスにおけるSJSA−1骨肉腫の腫瘍体積に及ぼす効果を示す。 タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍内投与のBalb/cヌードマウスにおけるSJCRH30横紋筋肉腫の腫瘍体積に及ぼす効果を示す。 WSU−NHL(GCBサブタイプ)及びTMD8(ABCサブタイプ)DLBCL細胞株におけるタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度増大によって達成された細胞増殖阻害の程度を示す。 HCT−116(結腸直腸)及びSK−MEL−5(メラノーマ)細胞株におけるタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度増大によって達成された細胞増殖阻害の程度を示す。 HUT−78(CTCL)及びRPMI 8226(多発性骨髄腫)細胞株におけるタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度増大によって達成された細胞増殖阻害の程度を示す。 CT−26及びMC−38(結腸直腸)細胞株におけるタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度増大によって達成された細胞増殖阻害の程度を示す。 OncoVexmGM−CSFの3種の用量:3×10PFU、3×10PFU及び3×10PFUで処置されたA20腫瘍担持動物における注入された腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの3種の用量:3×10PFU、3×10PFU及び3×10PFUで処置されたA20腫瘍担持動物における注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの3種の用量:3×10PFU、3×10PFU及び3×10PFUで処置されたA20腫瘍担持動物の生存期間中央値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb及びOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせの投与のマウスの体重に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb及びOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせの投与のマウスの体重に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの3種の用量:5×10PFU、5×10PFU及び5×10PFUで処置されたneuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスにおける注入された腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの3種の用量:5×10PFU、5×10PFU及び5×10PFUで処置されたneuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスの生存期間中央値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの5×10PFUで処置されたneuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスにおける注入(処置)腫瘍及び注入されなかった(対側性/未処置)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSFの5×10PFUで処置されたneuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスの生存期間中央値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置のマウスの生存期間中間値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置のマウスの生存期間中間値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによるCT−26腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによるCT−26腫瘍担持動物の処置のマウスの生存期間中間値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによるCT−26腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによるCT−26腫瘍担持動物の処置のマウスの生存期間中間値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせで処置されたCT−26腫瘍担持マウスのELISpotによる、又はFACSを使用するデキストラマー染色による全身的(脾臓の)抗AH1 CD8T細胞の定量化を示す。 OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせで処置されたCT−26腫瘍担持マウスのELISpotによる、又はFACSを使用するデキストラマー染色による全身的(脾臓の)抗AH1 CD8T細胞の定量化を示す。 OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせで処置されたCT−26腫瘍担持マウスの局所的(腫瘍)抗AH1 CD8T細胞の定量化を示す。 対照、OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせで処置されたB16F10ネクチン1腫瘍担持マウスの処置の、注入された腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 対照、OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせでの処置後の、腫瘍担持マウスへの肺転移負荷の評価(肺転移の数によって証明される)を示す。 対照又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせによる処置の腫瘍担持マウスの生存期間中央値に及ぼす効果を示す。 対照、OncoVexmGM−CSF、CTLA−4阻害薬又はOncoVexmGM−CSFとCTLA−4阻害薬との組み合わせによる処置後、B細胞が専ら腫瘍周辺部に残りながら、マクロファージが、腫瘍内及び腫瘍周辺部での密な細胞浸潤内の両方で際立っていたことを示す。 対照又はOncoVexmGM−CSFによる4T1腫瘍担持マウスの処置の、注入された腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗GITR mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗GITR mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせによるA20腫瘍担持動物の処置の、マウスの生存期間中央値に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−1 mAb及びOncoVexmGM−CSFと抗PD−1 mAbとの組み合わせの投与の、マウスの体重に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−1 mAbとの組み合わせによるMC−38腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによるMC−38腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍及び注入されなかった(対側性)腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。 OncoVexmGM−CSF、抗PD−1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−1 mAbとの組み合わせによるB16F10腫瘍担持動物の処置の、直接注入された腫瘍の体積に及ぼす効果を示す。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的に過ぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書の本文で引用される全ての参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
標準的技法を組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養及び形質転換、タンパク質精製などに使用することができる。酵素反応及び精製技術は、製造業者の仕様書に従って又は当該技術分野において一般的に達成されるように若しくは本明細書に記載されるように実施され得る。以下の手法及び技法は、当該技術分野において周知の従来の方法に従って、且つ明細書全体を通して引用され論議される様々な一般的且つより具体的な参考文献に記載されるように概ね実施することができる。例えば、いかなる目的に対しても、参照により本明細書に組み込まれるSambrook et al.,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manuel,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい。特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載の分析化学、有機化学及び医薬品並びに製薬化学に関連して使用される命名法及びこれらの実験室手法並びに技法は、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。標準的技法は、化学合成、化学分析、医薬調製物、製剤及び患者の送達並びに処置に使用することができる。
腫瘍溶解性ウイルス
本明細書で論議されるように、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスが単独で又はチェックポイント阻害剤と組み合わせて様々な腫瘍型において抗腫瘍効果をもたらし得ることを証明している。本発明の腫瘍溶解性ウイルスの顕著な有益性は、例えば、化学療法と比べて抗腫瘍効果がそれほど重篤/マイナスではない副作用を伴うことである。例えば、一実施形態では、本発明は、がんの治療における腫瘍溶解性ウイルスの使用に関する。別の実施形態では、本発明は、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療するための腫瘍溶解性ウイルスの使用に関する。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌を治療するための、腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との組み合わせの使用に関する。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。この単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型であり得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つ(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有しないように改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、(i)それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、(ii)それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つ(iii)それが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。特定の実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
タリモジーン・ラハーパレプベック、HSV−1[JS1株]ICP34.5−/ICP47−/hGM−CSF(以前にはOncoVexGM−CSFとして知られていた)は、固形腫瘍内で選択的に複製する免疫増強型HSV−1を含む、腫瘍内送達される腫瘍溶解性免疫療法である(Lui et al.,Gene Therapy,10:292−303,2003;米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)。HSV−1は、欧州認証細胞培養機関(ECAAC)に登録番号01010209で寄託されたJS1株に由来した。タリモジーン・ラハーパレプベックにおいて、ICP34.5をコードするHSV−1ウイルス遺伝子は、機能的に欠失されている。HSV感染中に病原性因子として作用するICP34.5の機能欠失は、非分裂細胞における複製を制限し、ウイルスを非病原性にする。ICP34.5が機能的に欠失されたHSVの安全性は、複数の臨床試験で示されている(MacKie et al,Lancet 357:525−526,2001;Markert et al,Gene Ther 7:867−874,2000;Rampling et al,Gene Ther 7:859−866,2000;Sundaresan et al,J.Virol 74:3822−3841,2000;Hunter et al,J Virol Aug;73(8):6319−6326,1999)。加えて、ICP47(主要組織適合遺伝子複合体クラスI及びII分子に対するウイルス抗原提示をブロックする)は、タリモジーン・ラハーパレプベックから機能的に欠失されている。ICP47の機能欠失はまた、腫瘍選択性を減少させることなく、腫瘍細胞中のウイルス増殖を促進する遺伝子であるUS11の早期発現をもたらす。本明細書で使用される場合、「機能ウイルス遺伝子欠く」とは、機能ウイルスタンパク質が、単純ヘルペスウイルスによってその遺伝子からもはや発現され得ないように、遺伝子が単純ヘルペスウイルスゲノム中で部分的又は完全に欠失されるか、置き換えられるか、再配置されるか、又は他に変更されていることを意味する。免疫応答の刺激に関与するサイトカインであるヒトGM−CSFに対するコード配列は、タリモジーン・ラハーパレプベックのウイルスゲノム中に挿入されている(ICP34.5遺伝子の2つの以前の部位において)。ヒトGM−CSFをコードする遺伝子の挿入は、これがICP34.5遺伝子のほぼ全てに取って代わるように行われ、タリモジーン・ラハーパレプベックと野生型ウイルスとの間のいかなる潜在的な組換え事象も、無能にされた非病原性ウイルスのみをもたらすことができ、またヒトGM−CSFに対する遺伝子を運ぶ野生型ウイルスの生成をもたらすことができないことを確実なものにする。HSVチミジンキナーゼ(TK)遺伝子は、タリモジーン・ラハーパレプベック中にインタクトなまま残り、これは、ウイルスをアシクロビルなどの抗ウイルス剤に対して感受性にする。したがって、アシクロビルは、必要に応じて、タリモジーン・ラハーパレプベック複製をブロックするために使用することができる。
改変され得る追加のHSV遺伝子の例としては、非分裂細胞におけるヌクレオチド代謝及びウイルスDNA合成に関与するが、分裂細胞に関与しないリボヌクレオチドレダクターゼの大サブユニットであるICP6が挙げられる。アシクロビル一リン酸塩へのアシクロビルのリン酸化を担当するチミジンキナーゼ、ビリオントランス活性化因子タンパク質vmw65、糖タンパク質H、vhs、ICP43及びICP4、ICP27、ICP22並びに/又はICP0をコードする最初期遺伝子も改変され得る。
改変は、単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現のタイミングを変更するためにも行われ得る。例えば、US11は、Us12プロモーター下にUS11遺伝子を配置することにより、初期遺伝子として発現され得る(Mulvey et al.(1999)J Virology,73:4,3375−3385、米国特許第5824318号明細書、Mohr&Gluzman(1996)EMBO 15:4759−4766)。
当業者であれば理解されるように、ヒトGM−CSFをコードするものなどの異種遺伝子をHSVウイルスゲノム中に挿入することができ、ICP34.5及びICP47などのウイルス遺伝子を、プラスミドDNAとの相同組換えを用いて機能的に欠失させることができる。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、腫瘍中のウイルスの複製による直接腫瘍溶解性効果及びGM−CSFの局所発現並びに溶解を介した腫瘍由来抗原の放出によって増強される抗腫瘍免疫応答の誘導を作り出す。多くのがんは、患者において原発性及び続発性(すなわち転移性)腫瘍として存在するため、この二重活性は、治療的処置として有益である。意図される臨床効果としては、注入された腫瘍の破壊、局在する局所領域の遠隔の注入されなかった腫瘍の破壊、新たな転移の形成の低減、最初に存在する疾患の処置後の全体の進行の速度並びに再発速度の低減及び全生存期間の延長が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、互換的に使用され、ヒト、非ヒト哺乳動物、例えばウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ又はネコを含むが、これらに限定されない、哺乳動物を意味する。好ましくは、患者は、ヒトである。
タリモジーン・ラハーパレプベック及びOncoVexmGM−CSF(ヒトGM−CSFがネズミGM−CSFで置き換えられている以外、タリモジーン・ラハーパレプベックと同じ遺伝子改変を有するHSV−1ウイルス)は、様々なインビトロ(細胞株)及びインビボネズミ腫瘍モデルにおける効力について試験されており、臨床試験で使用されたものに匹敵する用量で腫瘍を根絶するか、又はそれらの増殖を実質的に阻害することが示されている。非臨床的な評価も、GM−CSFが生じた免疫応答を増強させ、注入された腫瘍の反応及び注入されなかった腫瘍の反応の両方を増強させること、及びMHCクラスI分子の増加した表面レベルがICP47の欠失から生じることを確認している。タリモジーン・ラハーパレプベックは、正常なマウス及び腫瘍担持マウスに注入され、その安全性を評価している。概して、このウイルスは、良好な耐容性を示し、最大で1×10PFU/投与量の用量は、安全性に関する懸念の兆候を示さなかった。(例えば、Liu et al.,Gene Ther 10:292−303,2003を参照されたい)。
臨床試験がいくつかの進行性腫瘍型において行われるか又は現在行われており、400人を超える対象がタリモジーン・ラハーパレプベックで治療されている(例えば、Hu et al.,Clin Can Res 12:6737−6747,2006;Harrington et al.,J Clin Oncol.27(15a):abstract 6018,2009;Kaufman et al.,Ann Surgic Oncol.17:718−730,2010;Kaufman and Bines,Future Oncol.6(6):941−949,2010を参照されたい)。臨床データは、タリモジーン・ラハーパレプベックが、進行性メラノーマを有する患者に対して全体的な臨床的有用性を提供する可能性があることを示す。特に、IIIc期〜IV期のメラノーマにおいて高率の完全奏効が達成された(Scenzer et al.,J.Clin.Oncol.271(12):907−913,2009)。加えて、奏効は、内蔵部位を含む注入された部位及び注入されなかった部位の両方で観察された。
本発明のウイルスは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)株又はその派生株にも由来し得る。派生株としては、HSV−1及びHSV−2株からのDNAを含有するインタータイプ組換え体が挙げられる。このようなインタータイプ組換え体は、例えば、Thompson et al.,(1998)Virus Genes 1(3);275 286及びMeignier et al.,(1998)J.Infect.Dis.159;602 614で当該技術分野において説明されている。
単純ヘルペスウイルス株は、臨床分離株に由来し得る。このような株は、再発性単純疱疹を有するものなどの感染個体から単離される。米国特許第7,063,835号明細書及び同第7,223,593号明細書(これらのそれぞれは、その全体が参照により組み込まれる)に記載されるように、臨床分離株は、標準的な実験室株と比べて、インビトロ及び/又はインビボでの腫瘍及び/又は他の細胞中での増強された複製などの所望の能力又は特性についてスクリーニングされ得る。一実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、再発性単純疱疹からの臨床分離株である。
単純ヘルペスウイルス1型ウイルス株としては、JS1株、17+株、F株及びKOS株、Patton株が挙げられるが、これらに限定されない。
改変された単純ヘルペスウイルスの更なる例としては、限定されないが、単純ヘルペスウイルス1型のSeprehvir(商標)(HSV1716)17+株が挙げられ、これは、HSVゲノムの長い反復領域のBamHIのフラグメント(0〜0−02及び0−81〜0.83マップ単位)の各コピー内に位置する759bpの欠失を有し、18bpのDRから「a」配列のエレメントまでの1つの完全なコピーを除去し、最初期(IE)遺伝子1の5’末端の1105bp上流で終端する(MacLean et al.,(1991)Journal of General Virology 79:631−639を参照されたい)。
G207は、HSV神経毒性の主要な決定因子のICP34.5遺伝子の両方のコピーの欠失及び感染細胞タンパク質6(ICP6)をコードするUL39中の大腸菌(E.coli)lacZ遺伝子の不活化挿入を有する、野生型HSV−1のF株に由来する腫瘍溶解性HSV−1である(Mineta et al.(1995)Nat Med.1:938−943を参照されたい)。
OrienX010は、ガンマ34.5及びICP47遺伝子の両方のコピーの欠失並びにICP6遺伝子の割込み及びヒトGM−CSF遺伝子の挿入を有する単純ヘルペスウイルスである(Liu et al.,(2013)World Journal of Gastroenterology 19(31):5138−5143を参照されたい)。
NV1020は、ICP34.5、UL24及びUL56.34、35の1つのコピーを含む、ロング(L)及びショート(S)領域の接合領域が欠失されている単純ヘルペスウイルスである。欠失領域は、HSV−2 US DNAのフラグメント(US2、US3(PK)、gJ及びgG)で置き換えられた(Todo,et al.(2001)Proc Natl Acad Sci USA.98:6396−6401を参照されたい)。
M032は、ICP34.5遺伝子の両方のコピーの欠失及びインターロイキン12の挿入を有する単純ヘルペスウイルスである(Cassady and Ness Parker,(2010)The Open Virology Journal 4:103−108を参照されたい)。
ImmunoVEX HSV−2は、vhs、ICP47、ICP34.5、UL43及びUS5をコードする遺伝子の機能欠失を有する単純ヘルペスウイルス(HSV−2)である。
OncoVexGALV/CDは、ICP34.5及びICP47をコードする遺伝子が機能的に欠失され、シトシンデアミナーゼ及びテナガザル(gibbon ape)白血病融合性糖タンパク質をコードする遺伝子がICP34.5遺伝子の代わりにウイルスゲノム中に挿入された状態であり、これもHSV−1のJS1株に由来する。
改変単純ヘルペスウイルスの追加の例としては、G47デルタ、G47デルタIL−12、ONCR−001、OrienX−010、NSC 733972、HF−10、BV−2711、JX−594、Myb34.5、AE−618、Brainwel(商標)及びHeapwel(商標)が挙げられる。
ヘルペスウイルス株及びそのような株の作製法は、米国特許第5824318号明細書、同第6764675号明細書、同第6,770,274号明細書、同第7,063,835号明細書、同第7,223,593号明細書、同第7749745号明細書、同第7744899号明細書、同第8273568号明細書、同第8420071号明細書、同第8470577号明細書、WIPO公開国際公開199600007号パンフレット、同第199639841号パンフレット、同第199907394号パンフレット、同第200054795号パンフレット、同第2006002394号パンフレット、同第201306795号パンフレット、中国特許第128303号明細書、同第10230334号明細書及び同第10230335号明細書、Varghese and Rabkin,(2002)Cancer Gene Therapy 9:967−97並びにCassady and Ness Parker,(2010)The Open Virology Journal 4:103−108にも記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイントは、T細胞(細胞媒介性免疫において中心的役割を果たす)などの何らかの種類の免疫系細胞を制御するタンパク質である。免疫チェックポイントは、免疫応答を抑制することを補助するが、これらは、T細胞ががん細胞を死滅させないようにすることもできる。免疫チェックポイント阻害剤(又は簡単に「チェックポイント阻害剤」)は、免疫チェックポイントタンパク質活性をブロックし、免疫系の「ブレーキ」を解除し、T細胞ががん細胞をより良好に死滅させることを可能にし得る。
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」又は「チェックポイント阻害剤」という用語は、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全に又は部分的に低減させるか、阻害するか、干渉するか、又は調節する分子を指す。チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化又は機能を制御する。CTLA−4及びそのリガンドCD80並びにCD86及びPD−1と共にそのリガンドPD−L1並びにPD−L2などの多数のチェックポイントタンパク質が知られている(Pardoll,Nature Reviews Cancer 12:252−264,2012)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激又は阻害性相互作用を担当している。免疫チェックポイントタンパク質は、自己免疫寛容及び生理学的免疫応答の持続時間並びに振れ幅を制御且つ維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか又は抗体に由来し得る。
チェックポイント阻害剤は、小分子阻害剤を含み得るか、又は免疫チェックポイント受容体に結合し、それをブロック若しくは阻害する抗体又はその抗原結合フラグメント、或いは免疫チェックポイント受容体リガンドに結合し、それをブロック若しくは阻害する抗体を含み得る。ブロッキング又は阻害のために標的とされ得る例示的なチェックポイント分子としては、CTLA−4、PD−L1、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(分子のCD2ファミリーに属し、全てのNK、γδ及びメモリーCD8+(αβ)T細胞上で発現される)、CD160(BY55とも称される)、CGEN−15049、CHK 1並びにCHK2キナーゼ、A2aR及び様々なB−7ファミリーリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。B7ファミリーリガンドとしては、B7−1、B7−2、B7−DC、B7−H1、B7−H2、B7−H3、B7−H4、B7−H5、B7−H6及びB7−H7が挙げられるが、これらに限定されない。チェックポイント阻害剤としては、CTLA−4、PD−L1、PD−L2、PD−1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160及びCGEN−15049の1つ以上に結合し、これらの1つ以上の活性をブロック又は阻害する抗体若しくはその抗体結合フラグメント、他の結合タンパク質、生物学的治療薬又は小分子が挙げられる。
細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA−4)は、T細胞活性化の経路をダウンレギュレートする免疫チェックポイント分子である。CTLA−4は、T細胞活性化の負の調節因子である。CTLA−4の遮断は、T細胞の活性化及び増殖を増強させることが示されている。単純ヘルペスウイルスと抗CTLA−4抗体との組み合わせは、腫瘍内のウイルスの細胞溶解性複製後に放出される腫瘍抗原に対する抗腫瘍免疫応答を増強させるために、2つの異なる機序を通してT細胞活性化を向上させることを意図するものである。したがって、単純ヘルペスウイルスと抗CTLA−4抗体との組み合わせは、注入された腫瘍及び注入されていない/遠位の腫瘍の破壊を増大させ、全体の腫瘍応答を改善し、特に、全生存期間の延長が抗CTLA−4抗体を単独で使用して得られるものと比較される場合に全生存期間を延長させることができる。
プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)は、T細胞及びプロB細胞上で発現され、それらの運命/分化において役割を果たす288個のアミノ酸の細胞表面タンパク質分子である。PD−1の2つのリガンドのPD−L1及びPD−L2は、B7ファミリーのメンバーである。PD−1は、感染に対する炎症反応の際に末梢組織におけるT細胞の活性を制限し、インビトロで自己免疫PD−1遮断を制限することは、特異的抗原標的によるか又は混合リンパ球反応中の同種細胞によるチャレンジに応答してT細胞増殖及びサイトカイン産生を向上させる。PD−1の発現と応答との間の強い相関関係がPD−1の遮断によって示された(Pardoll,Nature Reviews Cancer,12:252−264,2012)。PD−1遮断は、PD−1又はPD−L1に結合する抗体を含む様々な機序によって達成することができる。
分化抗原群274(CD274)又はB7ホモログ1(B7−H1)とも称されるプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)は、CD274遺伝子によってコードされるタンパク質である。Entrez Gene:CD274 CD274分子を参照されたい。PD−L1は、免疫系の抑制において役割を果たす40kDaの1型膜貫通タンパク質であり、細胞活性化又は阻害を調節するために、活性化T細胞、B細胞及び骨髄細胞上で見出されるその受容体(PD−1)に結合する。Chemnitz et al.,Journal of Immunology,173(2):945−54(2004)を参照されたい。
他の免疫チェックポイント阻害剤としては、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)阻害剤、例えばIMP321、可溶性Ig融合タンパク質(Brignone et al.,2007,J.Immunol.179:4202−4211)が挙げられる。また、B7阻害剤、例えばB7−H3及びB7−H4阻害剤(例えば、抗B7−H3抗体MGA271(Loo et al.,2012,Clin.Cancer Res.July 15(18)3834))も含まれる。別のチェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)である(Fourcade et al.,2010,J. Exp.Med.207:2175−86及びSakuishi et al.,2010,J.Exp.Med.207:2187−94)。
本明細書に更に記載されるように、一態様では、本発明は、がんの治療のための、腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との組み合わせの使用に関する。別の態様では、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との組み合わせを含む医薬組成物に関する。
したがって、本発明の一態様では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1又はPD−L2のブロッカー又は阻害剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、トレメリムマブ、イピリムマブ(10D1、MDX−D010としても知られる)、BMS−986249、AGEN−1884などのCTLA−4のブロッカー又は阻害剤及び抗CTLA−4抗体(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,811,097号明細書、同第5,811,097号明細書、同第5,855,887号明細書、同第6,051,227号明細書、同第6,207,157号明細書、同第6,682,736号明細書、同第6,984,720号明細書及び同第7,605,238号明細書に記載される)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1又はPD−1のブロッカー又は阻害剤(例えば、PD−1とPD−L1及び/又はPD−L2阻害剤との相互作用を阻害する分子)であり、例えばペンブロリズマブ(抗PD−1抗体)、ニボルマブ(抗PD−1抗体)、CT−011(抗PD−1抗体)、CX−072(抗PD−L1抗体)、IO−103(抗PD−L1)、BGB―A333(抗PD−L1)、WBP−3155(抗PD−L1)、MDX−1105(抗PD−L1)、LY−3300054(抗PD−L1)、KN−035(抗PD−L1)、FAZ−053(抗PD−L1)、CK−301(抗PD−L1)、AK−106(抗PD−L1)、M−7824(抗PD−L1)、CA−170(抗PD−L1)、CS−1001(抗PD−L1抗体)、SHR−1316(抗PD−L1抗体)、BMS 936558(抗PD−1抗体)、BMS−936559(抗PD−1抗体)、アテゾリズマブ(抗PD−L1抗体)、AMP 224(PD−L2/PD−1相互作用をブロックするように設計された、PD−L2の細胞外ドメインとIgG1抗体との融合タンパク質)、MEDI4736(デュルバルマブ;抗PD−L1抗体)、MSB0010718C(抗PD−L1抗体)及び米国特許第7,488,802号明細書、同第7,943,743号明細書、同第8,008,449号明細書、同第8,168,757号明細書、同第8,217,149号明細書並びにPCT公開特許出願国際公開03042402号パンフレット、同第2008156712号パンフレット、同第2010089411号パンフレット、同第2010036959号パンフレット、同第2011066342号パンフレット、同第2011159877号パンフレット、同第2011082400号パンフレット及び同第2011161699号パンフレットに記載されているもの(これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる)が挙げられる。追加の抗PD−1抗体としては、PDR−001、SHR−1210、BGB―A317、BCD−100、JNJ−63723283、PF−06801591、BI−754091、JS−001、AGEN−2034、MGD−013、LZM−009、GLS−010、MGA−012、AK−103、ゲノリムズマブ(genolimzumab)、ドスタルリマブ(dostarlimab)、セミプリマブ、IBI−308、カムレリズマブ(camrelizumab)、AMP−514、TSR−042、Sym−021、HX−008及びABBV−368が挙げられる。
BMS 936558は、PD−1を標的化する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。第1相臨床試験において、進行した難治性悪性腫瘍を有する対象におけるBMS−936558の隔週投与は、持続的な部分的又は完全な退縮を示した。最も顕著な奏効率は、メラノーマ(28%)及び腎細胞癌(27%)の対象で観察されたが、実質的臨床活性は、非小細胞肺癌(NSCLC)の対象でも観察され、一部の奏効は、1年を超えて持続した。
BMS 936559は、PD−1リガンドのPD−L1を標的化する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。第1相試験結果は、この薬剤の隔週投与が特にメラノーマの対象で持続的奏効をもたらすことを示した。客観的奏効率は、進行期NSCLC、メラノーマ、RCC又は卵巣がんを有する対象においてがんの種類に応じて6%〜17%)の範囲であり、一部の対象は、1年以上にわたって続く奏効を経験した。
AMP 224は、第2のPD−1リガンド、PD−L2の細胞外ドメインとIgG1との融合タンパク質であり、PD−L2/PD−1相互作用をブロックする能力を有する。AMP−224は、現在、進行がんの対象において単独療法として第1相臨床試験中である。
MEDI4736は、この用量漸増試験において許容可能な安全性プロファイル及び持続可能な臨床活性を証明した抗PD−L1抗体である。MEDI4736の複数のがんにおける展開及び単独療法としての並びに併用でのMEDI4736の開発が継続中である。
GITRアゴニスト
グルココルチコイド誘導性TNFR関連遺伝子(GITR:TNFRSF 18)は、活性化誘導性TNFRファミリーメンバー(AITR)と呼ばれることもあり、TNF受容体スーパーファミリー(TNFRSF)に属する受容体である。これは、その同族リガンドのGITRリガンド(GITRL、TNFSF18)によって活性化される。GITRは、TNFRファミリーメンバーの特徴である、システインに富む細胞外ドメインを含有するI型膜貫通タンパク質である。例えば、GITRの細胞質ドメインは、4−1BB及びCD27などの特定の他のTNFRファミリーメンバーと密接な相同性を共有する(Nocentini,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,94:6216−6221(1997))。GITRアゴニスト抗体は、CD8+Tエフェクターメモリー細胞集団を増殖させる手段として、一方では同時にTregの消失又は阻害の促進の手段として現在検証中である。
レスポンダーT細胞の共刺激及び制御性T細胞の抑制活性の抑止は、GITR活性化が免疫応答の増強をもたらすことを意味する。このような活性化は、感染及び腫瘍に対する免疫応答を回復させる可能性を有する。したがって、GITRを活性化することができる分子は、免疫応答の増強を誘発させることが望ましい状況において免疫刺激剤としての価値があるであろう。
本明細書に更に記載されるように、一態様では、本発明は、がんの治療における腫瘍溶解性ウイルスとGITRアゴニストとの組み合わせの使用に関する。別の態様では、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスとGITRアゴニストとの組み合わせを含む医薬組成物に関する。
いくつかの実施形態では、GITRアゴニストは、AMG 228(9H6v3とも称される)、TRX518、MEDI1873、MK−4166、BMS−986156、MK−1248、INCAGN01876又はGWN323である。
TRX518は、GITRの相互作用をブロックし、がんモデルにおいて化学療法剤と相乗的に作用することが示されているヒト化されたFc無効化抗GITRモノクローナル抗体である。TRX518は、NCT01239134(III期若しくはIV期悪性メラノーマ又は他の固形腫瘍)及びNCT02628574(進行性固形腫瘍)を含む臨床試験で現在検討中である。
MEDI1873は、潜在的な免疫調節及び抗新生物活性を有するGITRアゴニスト(GITRリガンド(GITRL)IgG1融合タンパク質)である。MEDI1873は、NCT02583165(進行性固形腫瘍)を含む臨床試験において現在検討中である。
MK−4166は、がんモデルにおいて化学療法剤と相乗的に作用することが示されている抗GITR作動性モノクローナル抗体である。MK−4166は、NCT02132754(進行性固形腫瘍においてペンブロリズマブとの組み合わせで)を含む臨床試験で現在検討中である。
BMS−986156は、抗GITR作動性モノクローナル抗体である。BMS−986156は、NCT02598960(進行性固形腫瘍の対象において、単独療法として及びニボルマブとの組み合わせで)を含む臨床試験で現在検討中である。
MK−1248は、抗GITR作動性モノクローナル抗体である。MK−1248は、NCT02553499(進行性固形腫瘍の対象において、単独療法として及びペンブロリズマブとの組み合わせで)を含む臨床試験で現在検討中である。
INCAGN01876は、抗GITR作動性モノクローナル抗体である。INCAGN01876は、NCT02697591(進行性又は転移性固形腫瘍の対象における)を含む臨床試験で現在検討中である。
GWN323は、抗GITR作動性モノクローナル抗体である。GWN323は、NCT02697591(進行性がん又はリンパ腫の対象において、単独療法として及びPDR001との組み合わせで)を含む臨床試験で現在検討中である。
疾患又は障害の治療方法
本発明は、がんなどの疾患又は障害を治療する方法にも関する。いくつかの実施形態では、がんは、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫である。他の実施形態では、がんは、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、メラノーマ又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、がんは、転移性がんである。
「転移性がん」という用語は、それが発生した体の部分(すなわち原発部位)から体の他の部分に拡がったがんを指す。がんが新しい領域に拡がる(すなわち転移する)と、依然としてそれが発生した体の部分に従って命名される。例えば、膵臓に転移した結腸がんは、膵臓がんではなく、「膵臓への転移性結腸がん」と称される。治療も、がんが生じた場所に基づく。結腸がんが骨に転移する場合にも、これは、依然として結腸がんであり、関連医師は、転移性結腸がんに対処することが示された治療を推奨するであろう。
本発明は、がんの治療のための、腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との組み合わせの使用にも関する。いくつかの実施形態では、がんは、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫である。他の実施形態では、がんは、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、がんは、転移性がんである。
本発明は、(i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスと、(ii)治療有効量のGITRアゴニストとを投与することにより、がんなどの疾患又は障害を治療する方法にも関する。特定の実施形態では、がんは、B細胞性リンパ腫である。他の実施形態では、GITRアゴニストは、AMG 228、TRX518、MEDI1873又はMK−4166である。
腫瘍溶解性ウイルスは、本明細書に記載されるもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型)である。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つそれがインタクトなICP47遺伝子を含有しないように改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つそれが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。具体的な実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
チェックポイント阻害剤は、免疫系の阻害経路をブロック又は阻害する任意の分子であり得る。例えば、以下のチェックポイント分子がブロッキング又は阻害のために標的化され得る:CTLA−4、PD−L1、PD−L2、PD−1、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(分子のCD2ファミリーに属し、全てのNK、γδ及びメモリーCD8(αβ)T細胞上で発現される)、CD160(BY55とも称される)、CGEN−15049、CHK 1並びにCHK2キナーゼ、A2aR及び様々なB−7ファミリーリガンド。B7ファミリーリガンドとしては、B7−1、B7−2、B7−DC、B7−H1、B7−H2、B7−H3、B7−H4、B7−H5、B7−H6及びB7−H7が挙げられるが、これらに限定されない。チェックポイント阻害剤の例としては、CTLA−4、PD−L1、PD−L2、PD−1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160及びCGEN−15049の1つ以上に結合し、これらの1つ以上の活性をブロック又は阻害する結合タンパク質(例えば、抗体又はその抗体結合フラグメント)、生物学的治療薬又は小分子が挙げられる。
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、PD−1、PD−L1又はPD−L2のブロッカー若しくは阻害剤である。CTLA−4阻害剤の例としては、トレメリムマブ、イピリムマブ(10D1、MDX−D010としても知られる)、BMS−986249、AGEN−1884及び抗CTLA−4抗体(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,811,097号明細書、同第5,811,097号明細書、同第5,855,887号明細書、同第6,051,227号明細書、同第6,207,157号明細書、同第6,682,736号明細書、同第6,984,720号明細書及び同第7,605,238号明細書に記載される)が挙げられる。PD−1とPD−L1及び/又はPD−L2阻害剤との相互作用を阻害する分子の例としては、ペンブロリズマブ(抗PD−1抗体)、ニボルマブ(BMS 936558;抗PD−1抗体)、CT−011(抗PD−1抗体)、BMS 936558(抗PD−1抗体)、BMS−936559(抗PD−L1抗体)、CX−072(抗PD−L1抗体)、IO−103(抗PD−L1)、BGB―A333(抗PD−L1)、WBP−3155(抗PD−L1)、MDX−1105(抗PD−L1)、LY−3300054(抗PD−L1)、KN−035(抗PD−L1)、FAZ−053(抗PD−L1)、CK−301(抗PD−L1)、AK−106(抗PD−L1)、M−7824(抗PD−L1)、CA−170(抗PD−L1)、CS−1001(抗PD−L1抗体)、SHR−1316(抗PD−L1抗体)、アテゾリズマブ(抗PD−L1抗体)、AMP 224(PD−L2/PD−1相互作用をブロックするように設計された、PD−L2の細胞外ドメインとIgG1抗体との融合タンパク質)、MEDI4736(デュルバルマブ;抗PD−L1抗体)、MSB0010718C(アベルマブ;抗PD−L1抗体)及び米国特許第7,488,802号明細書、同第7,943,743号明細書、同第8,008,449号明細書、同第8,168,757号明細書、同第8,217,149号明細書並びにPCT公開特許出願国際公開第03042402号パンフレット、同第2008156712号パンフレット、同第2010089411号パンフレット、同第2010036959号パンフレット、同第2011066342号パンフレット、同第2011159877号パンフレットに記載されているものが挙げられる。追加の抗PD−1抗体としては、PDR−001、SHR−1210、BGB―A317、BCD−100、JNJ−63723283、PF−06801591、BI−754091、JS−001、AGEN−2034、MGD−013、LZM−009、GLS−010、MGA−012、AK−103、ゲノリムズマブ(genolimzumab)、ドスタルリマブ(dostarlimab)、セミプリマブ、IBI−308、カムレリズマブ(camrelizumab)、AMP−514、TSR−042、Sym−021、HX−008及びABBV−368が挙げられる。
特定の実施形態では、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスと抗PD−1抗体との組み合わせ、腫瘍溶解性ウイルスと抗PD−L1抗体との組み合わせ又は腫瘍溶解ウイルスと抗CTLA−4抗体との組み合わせに関する。具体的な実施形態では、腫瘍溶解ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
多くの場合、がんは、原発性腫瘍として(すなわち腫瘍進行が開始し、がん性塊をもたらし続ける解剖学的部位において増殖する腫瘍)及び二次性腫瘍又は転移(すなわちその原発部位から体の他の部分への腫瘍の拡がり)としての両方で患者に存在する。本発明の腫瘍溶解性ウイルスは、溶解効果及び全身性免疫効果を介した腫瘍の治療で有効であり得る。例えば、タリモジーン・ラハーパレプベックに関して、ウイルスは、腫瘍を物理的に溶解して原発性腫瘍細胞死を引き起こす。加えて、[1]腫瘍細胞の溶解は、その後、免疫系によって認識される腫瘍由来抗原を放出し、[2]GM−CSFの産生は、抗腫瘍免疫応答の誘導の補助となり、これらの両方の機序が全身性免疫応答をもたらし、これにより、免疫系が原発性及び二次性腫瘍/転移の両方を認識及び攻撃することができると考えられる。腫瘍溶解性ウイルスがチェックポイント阻害剤と組み合わされる実施形態では、チェックポイント阻害剤は、プライミングを増強させ、T細胞などの免疫系細胞上の免疫チェックポイントタンパク質の阻害効果を低減させることにより、全身性免疫応答を更に高めると考えられる。更に、腫瘍溶解性ウイルスがGITRアゴニストと組み合わされる実施形態では、GITRアゴニストは、CD8+Tエフェクターメモリー細胞集団を増殖させることによって全身性免疫応答を更に高めて、Tregの消失又は阻害を推進すると考えられる。したがって、本発明は、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)を単独で又はチェックポイント阻害剤との組み合わせのいずれかで用いた、原発性腫瘍、転移(すなわち二次性腫瘍)又はこれら両方の治療を企図する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療又は使用の方法は、放射線による治療又は放射線との組み合わせ治療を含まない。他の実施形態では、本明細書に記載の治療又は使用の方法は、化学療法剤(すなわち悪性細胞及び組織に対して選択的に破壊的である化学薬剤又は薬物 − 典型的には小分子化合物)、例えばシスプラチンよる治療又は化学療法剤(例えば、シスプラチン)との組み合わせ治療を含まない。更に他の実施形態では、本明細書に記載の治療又は使用の方法は、放射線及び化学療法剤(例えば、シスプラチン)の組み合わせによる治療を含まない。
本発明の方法は、いくつかの異なる病期のがんを治療するために使用することができる。大部分の病気分類システムは、がんがリンパ節の近くに拡がっているかどうか、腫瘍が体のいずれの箇所に位置するか、細胞型(例えば、扁平上皮癌)、がんが体の異なる部分に拡がっているかどうか、腫瘍のサイズ及び腫瘍の悪性度(すなわち細胞異常のレベル、腫瘍が増殖し拡がる可能性)に関する情報を含む。例えば、0期とは、組織の近くに拡がっていない異常細胞 − すなわちがんになる可能性がある細胞の存在を指す。I期、II期及びIII期のがんは、がんの存在を指す。病期が高くなるにつれて、がん性腫瘍が大きくなり、組織の近くにより拡がるようになる。IV期のがんは、体の遠隔部分に拡がったがんである。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、転移性がんを治療するために使用することができる。
医薬組成物
本発明は、腫瘍溶解性ウイルスを含むか、又は腫瘍溶解性ウイルスとチェックポイント阻害剤との組み合わせを含む医薬組成物にも関する。医薬組成物は、例えば、組成物のpH、オスモル濃度、粘度、清澄度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解若しくは放出の速度、吸着又は浸透を変更、維持又は保存するための製剤材料を含有し得る。医薬的に活性な薬剤は、例えば、経口又は非経口、例えば静脈内、筋肉内、皮下、眼窩内、嚢内、腹腔内、大槽内、直腸内、腫瘍内、血管内、皮内を含む様々な経路により、又は例えば皮膚パッチ若しくは経皮イオントフォレーシスをそれぞれ使用して、皮膚を介した受動的若しくは促進された吸収により患者に投与することができる。一実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)は、腫瘍内に注入される(すなわち腫瘍内注射を介して)。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体又は抗CTLA−4抗体)は、全身投与される(例えば、静脈内で)。
当業者であれば、本開示の任意の態様に従って投与量及び治療期間を決定することができるであろう。例えば、当業者は、患者をモニターして、治療を開始するべきか、継続するべきか、中断するべきか、又は再開するべきかを判定することができる。特定の患者に対する有効量は、治療される状態、患者の全体的健康状態及び投与の方法、経路並びに用量などの因子に応じて変化し得る。臨床医は、当該技術分野において既知のパラメータを使用して適切な用量の決定を下す。治療的に使用される医薬組成物の有効量は、例えば、治療の背景及び目的に依存するであろう。当業者であれば、治療に適切な投与量レベルが、このように送達される分子、結合薬剤分子が使用される適応症、投与の経路及び患者のサイズ(体重、体表面又は臓器サイズ)並びに状態(年齢及び全身の健康状態)に部分的に応じて変化することを理解するであろう。したがって、臨床医は、投与量を力価測定し、最適な治療効果を得るために投与の経路を変更し得る。
臨床研究は、タリモジーン・ラハーパレプベックが、可視であり、触知可能である皮膚病変、皮下病変若しくはリンパ節病変に直接注入することができるか、又は超音波誘導を用いて注入され得ることを証明した。したがって、一態様では、タリモジーン・ラハーパレプベックを含む医薬組成物は、病変内注射を介して投与される。タリモジーン・ラハーパレプベックは、現在、一定の投与濃度:初回投与のための10pfu/mL及びその後の投与のための10pfu/mLにおいて1mLの使い捨てバイアルで提供されている(Reske,et al.J Immunol,2008,180(11):p.7525−36)。注入される容量は、腫瘍型に応じて変化し得る。例えば、タリモジーン・ラハーパレプベックは、注入可能な皮膚腫瘍、皮下腫瘍及びリンパ節腫瘍中、1週目の1日目に10プラーク形成単位/mL(PFU/mL)の最大4.0mLの用量で、続いて4週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mLの用量で、その後、2週間(±3日)毎に腫瘍内注射によって投与される。別の実施形態では、タリモジーン・ラハーパレプベックは、注入可能な皮膚腫瘍、皮下腫瘍及びリンパ節腫瘍中、1週目の1日目に10プラーク形成単位/mL(PFU/mL)の最大4.0mLの用量で、続いて4週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mLの用量で、その後、2週間(±3日)毎に腫瘍内注射によって投与される。腫瘍中に注入されるタリモジーン・ラハーパレプベックの推奨される容量は、腫瘍のサイズに応じ、表1(及び参照により本明細書に組み込まれる特許出願PCT/米国特許出願公開第2013/057542号明細書に示されるような)注入量ガイドラインに従って決定され得る。
Figure 2020510050
一般的に、全ての適正に注入可能な病変は、個々の投与事例に有効な最大投与量で注入されなければならない。各処置日において、注射の優先順位付けは、次の通り推奨される:前回の注射以降に出現した任意の新たな注入可能な腫瘍;腫瘍サイズによって最大の腫瘍から開始し;現在注入可能である任意の以前に注入されていない腫瘍。
本発明の組成物は、生理学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む1つ以上の追加の成分を含むことができる。例えば、本組成物は、緩衝液、アスコルビン酸などの酸化防止剤、低分子量ポリペプチド(例えば、10個より少ないアミノ酸を有するもの)、タンパク質、アミノ酸、グルコース、スクロース又はデキストリンなどの炭水化物、EDTAなどのキレート剤、グルタチオン、安定剤及び賦形剤の1つ以上を含み得る。許容される担体としては、例えば、中性緩衝生理食塩水又は特定の血清アルブミンと混合された生理食塩水が挙げられる。ベンジルアルコールなどの防腐剤も添加され得る。本組成物は、適切な賦形剤溶液(例えば、スクロース)を希釈剤として用いて凍結乾燥物として製剤化され得る。
特定の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.5mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg又はこれらの任意の組み合わせ用量で投与される。特定の実施形態ではチェックポイント阻害剤は、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、2週間毎に1回又は毎月1回投与される。特定の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、単回投与、2回投与、3回投与、4回投与、5回投与又は6回以上の投与で投与される。
特定の実施形態では、抗PD−1抗体は、約1〜30mg/kg、例えば約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kg又は約3mg/kgの用量で注射(例えば、皮下又は静脈内)により投与される。投与計画は、例えば、1週間に1回〜2、3又は4週間ごとに1回で変化することができる。一実施形態では、抗PD−1抗体は、隔週に約10〜20mg/kgの用量で投与される。
一実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばニボルマブは、2週間毎に約1mg/kg〜3mg/kg、例えば約1mg/kg、2mg/kg又は3mg/kgの用量で静脈内投与される。一実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばニボルマブは、3週間間隔において約2mg/kgの用量で静脈内投与される。一実施形態では、ニボルマブは、約1mg/kg〜5mg/kg、例えば3mg/kgの量で投与され、1週間におよそ1回〜2、3又は4週間毎に1回、60分間の時間にわたって投与され得る。
一実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばペンブロリズマブは、3週間毎に約1mg/kg〜3mg/kgの用量、例えば約1mg/kg、2mg/kg又は3mg/kgで静脈内投与される。一実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばペンブロリズマブは、3週間間隔において約2mg/kgの用量で静脈内投与される。別の実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばペンブロリズマブは、3週間毎に約100mg/kg〜300mg/kg、例えば約100mg/kg、200mg/kg又は300mg/kgの用量で静脈内投与される。一実施形態では、抗PD−1抗体分子、例えばペンブロリズマブは、3週間間隔において約200mg/kgの用量で静脈内投与される。
特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体(例えば、イピリムマブ)は、約3mg/kgの用量においてIV Q3Wで最大4回投与、約3mg/kgの用量においてIV Q6Wで最大4回投与、約3mg/kgの用量においてIV Q12Wで最大4回投与、約10mg/kgの用量においてIV Q3Wで最大4回投与又は約10mg/kgの用量においてIV Q12Wで最大4回投与において注射(例えば、皮下又は静脈内)により投与される。特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体(例えば、トレメリムマブ)は、約10mg/kgの用量においてQ4W又は約15mg/kgの用量において3ヶ月毎に注射(例えば、皮下又は静脈内)により投与される。
特定の実施形態では、抗PD−L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)は、疾患進行又は許容できない毒性に至るまで、約1200mgの用量においてIV Q3Wで注射(例えば、皮下又は静脈内)により投与される。
したがって、一実施形態では、本発明は、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、腫瘍溶解性ウイルスを含む医薬組成物に関する。別の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤を含む医薬組成物に関する。追加の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びGITRアゴニストを含む医薬組成物に関する。
他の実施形態では、本発明は、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスに関する。更に他の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤に関する。追加の実施形態では、本発明は、B細胞性リンパ腫の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びGITRアゴニストに関する。
いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型)である。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有しないように改変されている。他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、且つそれがインタクトなICP47遺伝子を含有しないように改変されている。更に他の実施形態では、単純ヘルペスウイルス1型は、それがインタクトなICP34.5遺伝子を含有せず、それがインタクトなICP47遺伝子を含有せず、且つそれが、GM−CSF(例えば、ヒトGM−CSF)をコードする遺伝子を含有するように改変されている。具体的な実施形態では、腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである。
医薬組成物がチェックポイント阻害剤を含む実施形態では、チェックポイント阻害剤は、本明細書に論じられるもののいずれかであり得る。例えば、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4ブロッカー、PD−L1ブロッカー又はPD−1ブロッカーであり得る。CTLA−4ブロッカーは、例えば、イピリムマブなどの抗CTLA−4抗体であり得る。PD−L1ブロッカーは、例えば、アテゾリズマブなどの抗PD−L1抗体であり得る。PD−1ブロッカーは、例えば、ニボルマブ又はペンブロリズマブなどの抗PD−1抗体であり得る。
いくつかの実施形態では、GITRアゴニストは、AMG 228、TRX518、MEDI1873又はMK−4166である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、放射線と共に又は放射線との組み合わせ治療で使用されない。他の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、化学療法剤(例えば、シスプラチン)を含まない。更に他の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、放射線及び化学療法剤(例えば、シスプラチン)の組み合わせによる治療で使用されない。
キット
別の態様では、本発明は、[1]任意選択で、チェックポイント阻害剤と組み合わせた腫瘍溶解性ウイルスと、[2]患者への投与に関する指示書とを含むキットに関する。例えば、本発明のキットは、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、がんの患者を治療するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)とを含み得る。いくつかの実施形態では、このがんは、転移性がんである。別の実施形態では、本発明のキットは、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体又は抗CTLA−4抗体)と、がんの患者を治療するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)とを含み得る。
別の態様では、本発明は、[1]任意選択で、GITRアゴニストと組み合わせた腫瘍溶解性ウイルスと、[2]患者への投与に関する指示書とを含むキットに関する。他の実施形態では、本発明のキットは、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック)と、GITRアゴニスト(例えば、AMG228(9H6v3とも称される)、TRX518、MEDI1873又はMK−4166)と、がんの患者を治療するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)とを含み得る。
いくつかの実施形態では、タリモジーン・ラハーパレプベックを含むキットは、1週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mlの用量で、続いて4週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mlの用量で、その後、(例えば、完全奏効まで)2週間毎の腫瘍内注射による投与に関する指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。いくつかの実施形態では、タリモジーン・ラハーパレプベックを含むキットは、1週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mlの用量で、続いて4週目の1日目に10PFU/mLの最大4.0mlの用量で、その後、(例えば、完全奏効まで)2週間毎の腫瘍内注射による投与に関する指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。
キットが抗PD−1抗体を含む実施形態では、キットは、本明細書に記載の用量で静脈内投与するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。抗PD−1抗体の例としては、ペンブロリズマブ及びニボルマブが挙げられる。
キットが抗PD−L1抗体を含む実施形態では、キットは、本明細書に記載の用量で静脈内投与するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。抗PD−L1抗体の例としては、アテゾリズマブが挙げられる。
キットが抗CTLA−4抗体を含む実施形態では、キットは、本明細書に記載の用量で静脈内投与するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。抗CTLA−4抗体の例としては、イピリムマブが挙げられる。
キットがGITRアゴニストを含む実施形態では、キットは、本明細書に記載の用量で静脈内投与するための指示書(例えば、添付文書又はラベルにおいて)を含む。抗GITR抗体の例としては、AMG 228、TRX518、MEDI1873又はMK−4166が挙げられる。
別の実施形態では、本発明のキットを製造する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のキットは、放射線と共に又は放射線との組み合わせ治療で使用されない。他の実施形態では、本明細書に記載のキットは、化学療法剤(例えば、シスプラチン)を含まない。更に他の実施形態では、本明細書に記載のキットは、放射線及び化学療法剤(例えば、シスプラチン)の組み合わせによる治療で使用されない。
以下の実施例は、本発明の具体的な実施形態又は特徴を例示する目的で提供されるものであり、その範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:タリモジーン・ラハーパレプベックは、インビボマウスモデルにおいてある範囲の腫瘍型に対して抗腫瘍活性を示す
この実施例は、タリモジーン・ラハーパレプベックの腫瘍担持マウスへの投与が腫瘍死滅をもたらすことを証明する。
タリモジーン・ラハーパレプベックの抗腫瘍効力をBalb/cヌードマウスにおけるいくつかのマウス異種移植研究で評価した。腫瘍細胞(A−673ヒト小児ユーイング肉腫、SJCRH30ヒト小児横紋筋肉腫、G−401ヒト小児横紋筋肉腫様腫瘍、SK−N−ASヒト小児神経芽細胞腫又はSJSA−1ヒト小児骨肉腫)を皮下注射によって各マウスの右脇腹に移植した。いずれの場合にも、100〜200μLの50%マトリゲル/50%DMEM中の5×10〜1×10個細胞をマウスに移植した。
腫瘍測定値を週に2回得た。タリモジーン・ラハーパレプベックによる処置は、腫瘍が平均で4〜6mmの直径に達した際に開始した。3種のタリモジーン・ラハーパレプベックの用量(5×10、5×10又は5×10PFU/投与量、50uLの投与容量)を腫瘍内注射によって3日間離して投与した。体重、総括的臨床所見及び腫瘍測定値を週に2回得た。腫瘍重量が体重の10%を超えたときに動物を安楽死させた。
この実験では、タリモジーン・ラハーパレプベックは、65〜112%の腫瘍増殖阻害及び腫瘍型にわたる動物の3〜30%での完全退縮の証拠により、試験された全ての細胞株に対して抗腫瘍効力を示した。
ユーイング肉腫
A−673ユーイング肉腫担持マウスをタリモジーン・ラハーパレプベックで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において治療的に処置した。タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験8日目、11日目及び14日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図1の赤色の矢印)。腫瘍を1週間当たり2〜3回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mm±平均値の標準誤差での群の平均腫瘍体積として表される(16日目、20日目及び23日目のビヒクル対照群について注記されている場合を除き、1群当たりn=10)。星印は、試験23日目にビヒクル対照に対して全てのタリモジーン・ラハーパレプベック群がp<0.0001であることを示す。
結果を図1に示す。
神経芽細胞腫
SK−N−AS神経芽細胞腫担持マウスをタリモジーン・ラハーパレプベックで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において治療的に処置した。タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験6日目、9日目及び12日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図2の赤色の矢印)。腫瘍を1週間当たり2〜3回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mm±平均値の標準誤差での群の平均腫瘍体積として表される(18日目、20日目及び23日目の5×10PFU/投与量の群について注記されている場合を除き、1群当たりn=10)。星印は、試験23日目に製剤緩衝液対照に対して5×10及び5×10PFU/投与量群についてp<0.0001であり、5×10PFU/投与量群についてp=0.0001であることを示す。
結果を図2に示す。
横紋筋肉腫様腫瘍
G−401横紋筋肉腫様腫瘍担持マウスをタリモジーン・ラハーパレプベックで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において治療的に処置した。タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験14日目、17日目及び20日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図3の赤色の矢印)。腫瘍を1週間当たり2〜3回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mm±平均値の標準誤差での群の平均腫瘍体積として表される(注記されている場合を除き、1群当たりn=10)。星印は、試験40日目にビヒクル対照に対して全てのタリモジーン・ラハーパレプベック投与群がp<0.0001であることを示す。
結果を図3に示す。
骨肉腫
SJSA−1骨肉腫担持マウスをタリモジーン・ラハーパレプベックで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において治療的に処置した。タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験9日目、12日目及び15日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図4の赤色の矢印)。腫瘍を1週間当たり2〜3回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mm±平均値の標準誤差での群の平均腫瘍体積として表される(1群当たりn=10)。
結果を図4に示す。
横紋筋肉腫
SJCRH30横紋筋肉腫担持マウスをタリモジーン・ラハーパレプベックで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において治療的に処置した。タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験8日目、11日目及び14日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図5の赤色の矢印)。腫瘍を1週間当たり2〜3回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mm±平均値の標準誤差での群の平均腫瘍体積として表される(26日目、30日目及び33日目の5×10PFU/投与量の群と、30日目及び33日目の5×10PFU/投与量の群とについて注記されている場合を除き、1群当たりn=10)。星印は、試験26日目(全ての対照動物が試験中である最後の試験日)にビヒクル対照に対して全てのタリモジーン・ラハーパレプベック投与群についてp<0.0001であることを示す。
結果を図5に示す。
実施例2:タリモジーン・ラハーパレプベックは、細胞ベースのアッセイにおいてある範囲のヒト腫瘍型の増殖を阻害する
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL又はDLBL)
いくつかのDLBCL細胞株(SU−DHL−2、OCI−LY−3、TMD8、RI−1(ABCサブタイプ)及びWSU−NHL(GCBサブタイプ))を1ウェル当たり5,000個細胞で96ウェルプレートに播種し、37℃で一晩インキュベートした。各細胞株について、タリモジーン・ラハーパレプベックを、100MOIで開始して9個のウェル中で段階希釈した(1:4の段階希釈)。72時間のインキュベーション後、各ウェルに残った細胞数を、CellTiter−Glo Luminescent cell viability assay(Promega,Madison,WI)を使用して定量化した。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、21種のDLBCL細胞株のうちの14種で100を下回るMOIで有効であった。5種の細胞株(SU−DHL−2、OCI−LY−3、TMD8、RI−1(ABCサブタイプ)及びWSU−NHL(GCBサブタイプ))は、1以下のMOI IC50で最高の感受性を示した(表2)。対照的に、OCI−LY−1、KARPAS422、WSU−DLCL2、SU−DHL−4、SU−DHL−10及びOCI−LY−7(全てGCBサブタイプのもの)は、最高100MOIでタリモジーン・ラハーパレプベックに対する耐性を示した(表2)。細胞増殖の阻害は、1のMOI IC50を下回る感受性を示してほとんどの細胞株で最大であった。図6は、WSU−NHL(GCBサブタイプ)及びTMD8(ABCサブタイプ)DLBCL細胞株においてタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度を増加させることによって達成される細胞増殖阻害の程度を示す。これらの結果は、DLBCL細胞株をタリモジーン・ラハーパレプベックで処置することがDLBCL腫瘍細胞増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。
Figure 2020510050
追加の固形腫瘍
様々な固形腫瘍細胞株(メラノーマ、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌及びトリプルネガティブ乳癌)を1ウェル当たり2,000〜10,000個細胞で96ウェルプレートに播種し、37℃で一晩インキュベートした。各細胞株について、タリモジーン・ラハーパレプベックを、100MOIで開始して9個のウェル中で段階希釈した(1:4の段階希釈)。72時間のインキュベーション後、各ウェルに残った細胞数を、ATP−Lite(Perkin Elmer,Waltham,MA)を使用して定量化した。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験した全ての13種のメラノーマ及び癌細胞株に対して有効であった。試験した全ての細胞株は、1を下回るMOI IC50を示した(表3)。図7は、HCT116(結腸直腸癌)及びSK−MEL−5(メラノーマ)細胞株においてタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度を増加させることによって達成される細胞増殖阻害の程度を示す。これらの結果は、メラノーマ、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌及びトリプルネガティブ乳癌細胞株をタリモジーン・ラハーパレプベックで処置することが、腫瘍細胞増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。
Figure 2020510050
皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)及び多発性骨髄腫(MM)
CTCL及びMM細胞株を1ウェル当たり2,000〜10,000個細胞で96ウェルプレートに播種し、37℃で一晩インキュベートした。各細胞株について、タリモジーン・ラハーパレプベックを、100MOIで開始して9個のウェル中で段階希釈した(1:4の段階希釈)。72時間のインキュベーション後、各ウェルに残った細胞数を、ATP−Lite(Perkin Elmer,Waltham,MA)を使用して定量化した。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験した全ての5種の細胞株に対して有効であった(表4)。多発性骨髄腫細胞株は、皮膚T細胞性リンパ腫株よりも高い感受性を示した。図8は、HUT−78(CTCL)及びRPMI 8226(多発性骨髄腫)細胞株においてタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度を増加させることによって達成される細胞増殖阻害の程度を示す。これらの結果は、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)及び多発性骨髄腫(MM)細胞株をタリモジーン・ラハーパレプベックで処置することが腫瘍細胞増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。
Figure 2020510050
実施例3:タリモジーン・ラハーパレプベックは、細胞ベースのアッセイにおいて様々なネズミ腫瘍細胞株の増殖を阻害する
メラノーマ、結腸直腸癌及びB細胞性リンパ腫のネズミ細胞株を1ウェル当たり2,000〜10,000個細胞で96ウェルプレートに播種し、37℃で一晩インキュベートした。各細胞株について、タリモジーン・ラハーパレプベックを、100MOIで開始して9個のウェル中で段階希釈した(1:4の段階希釈)。72時間のインキュベーション後、各ウェルに残った細胞数を、ATP−Lite(Perkin Elmer,Waltham,MA)を使用して定量化した。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、試験した5種の細胞株のうちの4種に対して有効であった(表5)。B16F10メラノーマ細胞株は、タリモジーン・ラハーパレプベックに対する耐性を証明した。この耐性は、Miller et al.,Molecular Therapy,3(2):160−168(2001)により以前に記載されたように、単純ヘルペスウイルス1型に対するエントリー受容体の欠如によって媒介される。Cloudman CL M3(メラノーマ)、CT−26及びMC−38(結腸直腸癌)細胞株は、約0.2のMOI IC50で同様の感受性を示した。図9は、CT−26及びMC−38(結腸直腸癌)細胞株においてタリモジーン・ラハーパレプベックの濃度を増加させることによって達成される細胞増殖阻害の程度を示す。これらの結果は、ネズミ腫瘍細胞株(メラノーマ、結腸直腸癌及びB細胞性リンパ腫)をタリモジーン・ラハーパレプベックで処置することが腫瘍細胞増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。
Figure 2020510050
実施例4:OncoVexmGM−CSFは、マウスモデルにおいてB細胞性リンパ腫及び神経芽細胞腫の増殖を阻害する
A20腫瘍細胞を0日目において雌BALB/cマウスの右及び左脇腹に皮下注射した(2×10個細胞)。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、マウスを、処置施行の開始時の平均腫瘍体積(両脇腹における)及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、マウスにOncoVexmGM−CSF(3×10〜3×10PFU/投与量)又はビヒクルの3回の腫瘍内注射を10日目、13日目及び16日目に施した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
A20腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSFによる処置は、全ての3種の用量:3×10PFU、3×10PFU、3×10PFUにおいて、全ての直接注入された腫瘍の100%の完全退縮をもたらした(図10a)。結腸直腸腫瘍は、3×10PFUの用量で奏効を示さず、3×10PFUの用量で50%の腫瘍増殖を示し、及び3×10PFUの用量で100%の腫瘍増殖阻害を示した(図10b)。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、3×10PFU(p=0.0054)及び3×10PFUの用量(p=0.0004)群で有意に延びた(それぞれ38日間対21日間 − 図10c)。体重の減少は、観察されず、試験した処置が安全且つ忍容性があることを示す(図10d及び10e)。表6は、各群における腫瘍のない対象の割合を示す。
加えて、neuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスをOncoVexmGM−CSFで5×10、5×10又は5×10PFU/投与量において処置した(1群当たりn=10)。OncoVexmGM−CSFは、試験の10日目、13日目及び16日目に1日1回の腫瘍内注射によって投与した(図10f)。注入された腫瘍を週に2回測定した。結果は、0日目が腫瘍摂取の日である日数での時間の関数として、mmでの個々の腫瘍体積として表される。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、5×10PFU/投与量群(p=0.0056)、5×10PFU/投与量群(p<0.0001)及び5×10PFU/投与量群(p<0.0001)で有意に延びた(図10g)。
neuro2a神経芽細胞腫腫瘍担持マウスにおける注入されなかった(「未処置」)腫瘍に及ぼすOncoVexmGM−CSF処置の効果も評価した。neuro2a腫瘍細胞を雌A/Jマウスの左右の脇腹に0日目において皮下埋め込みした。腫瘍体積(mm3)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、マウスを、処置施行の開始時の平均腫瘍体積(両脇腹における)及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、マウスにOncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)又はビヒクルの3回の腫瘍内注射を10日目、13日目及び16日目において右側(「処置」側)に投与した。腫瘍体積及び生存期間(腫瘍がいずれかの側で800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2回測定した(図10h)。neuro2a腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSFによる処置は、10個の直接注入された腫瘍のうちの8個で完全退縮をもたらした(図10h)。対側性の注入されていない(「未処置」)腫瘍は、腫瘍増殖における著しい遅延を示した(図10h)。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、OncoVexmGM−CSF処置群で有意に延びた(32日間対18日間、p<0.0001、図10i)。
これらの結果は、インビボマウスモデルにおける定着したB細胞性リンパ腫及び神経芽細胞種腫瘍のOncoVexmGM−CSFによる処置が腫瘍増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。抗腫瘍活性は、直接注入された腫瘍(おそらく腫瘍溶解及び免疫応答を介して)及び同じ宿主における注入されていない対側性腫瘍(おそらく適応免疫応答を介して)で観察された。
Figure 2020510050
実施例5:OncoVexmGM−CSFとCTLA−4又はPD−L1阻害剤との組み合わせは、マウスモデルにおいてB細胞性リンパ腫の腫瘍増殖を阻害する
A20腫瘍細胞を0日目において雌BALB/cマウスの右及び左脇腹に皮下注射した(2×10個細胞)。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積(両脇腹における)及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、動物にOncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)単独又は抗PD−L1 mAb若しくは抗CTLA−4 mAbの腹腔内注射と組み合わせて3回の腫瘍内注射を施した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
A20腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによる処置は、全ての直接注入された腫瘍の完全退縮をもたらした(図11a)。腹腔内抗CTL4−4単独によって処置された(両脇腹)腫瘍は、約50%の腫瘍阻害を示した。対側性腫瘍は、OncoVexmGM−CSF単独でいくらか一貫した効果を示した一方、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせは、全ての腫瘍を退縮させ、10匹のうちの9匹のマウスで完全治癒をもたらした。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、抗CTLA−4 mAb群、OncoVexmGM−CSF群及びOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせ群において有意に延びた。加えて、生存期間中央値における有意な延長は、いずれかの単剤単独と比べて組み合わせ群において測定された(OncoVexmGM−CSFに対してp=0.012、抗CTLA−4 mAbに対してp=0.001)。生存期間中央値は、ビヒクルでは25.5日間であり、OncoVexmGM−CSF群では36.5日間であり、抗CTLA−4 mAb群では32日間であった。組み合わせ群についての生存期間中央値は、40日目を過ぎて未確定のままであり、この時点で10匹のマウスのうちの9匹が腫瘍の徴候を示さなかった(図11b及び表7a)。
Figure 2020510050
A20腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSF、抗PD−L1 mAb又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによる処置は、全ての直接注入された腫瘍の完全退縮をもたらした(図11c)。腹腔内抗CTL4−4単独によって処置された(両脇腹)腫瘍は、腫瘍成長に対して効果を示さなかった。対側性腫瘍は、OncoVexmGM−CSF単独でいくらか一貫した効果を示した一方、OncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせは、全ての腫瘍を退縮させ、10匹のうちの10匹のマウスで完全治癒をもたらした。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、OncoVexmGM−CSF群及び組み合わせ群において有意に延びた。加えて、生存期間中央値における有意な延長は、抗PD−L1 mAb単独と比べて組み合わせ群において測定された。組み合わせをOncoVexmGM−CSFと比較するとき、全生存期間における傾向の強まりも観察されたが、統計的優位性は、観察されなかった(OncoVexmGM−CSFに対してp=0.067、抗PD−L1 mAbに対してp=0.0013)。生存期間中央値は、ビヒクルでは23日間であり、OncoVexmGM−CSF群では48日間であり、抗PD―L1 mAb群では26日間であった。組み合わせ群についての生存期間中央値は、40日目を過ぎて未確定のままであり、この時点で10匹のマウスのうちの10匹が腫瘍の徴候を示さなかった(図11d及び表7b)。
Figure 2020510050
これらの結果は、インビボマウスモデルにおける定着したB細胞性リンパ腫腫瘍のPD−L1又はCTLA−4阻害剤のいずれかと組み合わせたOncoVexmGM−CSFによる処置が、いずれかの単剤単独と比べて腫瘍増殖のより良好な阻害をもたらすことを証明している。抗腫瘍活性は、直接注入された腫瘍(おそらく腫瘍溶解及び免疫応答を介して)及び同じ宿主における注入されていない対側性腫瘍(おそらく適応免疫応答を介して)で観察された。
実施例6:OncoVexmGM−CSFは、単独又はCTLA−4若しくはPD−L1阻害剤との組み合わせのいずれかでマウスモデルにおける結腸直腸腫瘍の増殖を阻害する
CT−26腫瘍細胞を0日目において雌BALB/cマウスの右及び左脇腹に皮下注射した(2×10個細胞)。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積(両脇腹における)及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、動物にa)PBS+IgG対照、b)OncoVexmGM−CSF+IgG対照、c)PBS+抗CTTLA−4 mAb若しくはPBS+抗PD−L1 mAb、又はd)OncoVexmGM−CSF+抗CTLA−4 mAb若しくはOncoVexmGM−CSF+抗PD−L1mAbを投与した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
CT−26腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又はこれらの組み合わせによる処置は、20日目までに、全ての直接注入された腫瘍の約75%の腫瘍増殖阻害をもたらした(データを図示せず)。対側性腫瘍は、OncoVexmGM−CSF単独に対して奏効を示さなかった(約25%のTGI)一方、約75%の腫瘍増殖阻害は、抗CTLA−4 mAb及び組み合わせ群で観察された。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、抗CTLA−4 mAb及び組み合わせ群において有意に延びた(図12b)。生存期間中央値は、ビヒクルでは20日間であり、OncoVexmGM−CSF群では22日間であり、抗CTLA−4群では41日間であった。組み合わせ群についての生存期間中央値は、50日間よりも長く、実験が中止された際に未確定のままであった。組み合わせ群における生存期間中央値は、OncoVexmGM−CSF単独群(p=0.0001)又は抗CTLA−4 mAb単独群(p=0.0031)のいずれかよりも有意に長かった(図12b及び表8a)。
Figure 2020510050
CT−26腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSF又はOncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせによる処置は、18日目までに、全ての直接注入された腫瘍の約75%の腫瘍増殖阻害をもたらした(データを図示せず)。抗PD−L1 mAbの腹腔内注射は、腫瘍の増殖(いずれかの脇腹)にほとんど効果がなかった。対側性腫瘍は、OncoVexmGM−CSF又は抗PD−L1 mAb単独に対して奏効を示さなかった一方、約75%の腫瘍増殖阻害は、組み合わせ群で観察された(図12c)。生存期間中央値は、いずれかの薬剤単独と比べて、組み合わせ群において有意に延びた(OncoVexmGM−CSFに対してp=0.012、抗PD−L1 mAbに対してp=0.007)。生存期間中央値は、ビヒクル及び抗PD−L1 mAbでは21日間であり、OncoVexmGM−CSF群では23日間であり、組み合わせ群では34日間であった(図12d及び表8b)。
Figure 2020510050
これらの結果は、インビボマウスモデルにおける定着した結腸直腸腫瘍の、1)OncoVexmGM−CSF、2)OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせ、又は3)OncoVexmGM−CSFと抗PD−L1阻害剤との組み合わせによる処置が腫瘍増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。抗腫瘍活性は、1)OncoVexmGM−CSF、2)OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせ、及び3)OncoVexmGM−CSFと抗PD−L1阻害剤との組み合わせで直接注入された腫瘍(おそらく腫瘍溶解及び免疫応答を介して)で観察された。抗腫瘍活性は、1)OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせ、及び2)OncoVexmGM−CSFと抗PD−L1阻害剤との組み合わせで処置された同じ宿主における注入されていない対側性腫瘍(おそらく適応免疫応答を介して)で観察された。
OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせの抗腫瘍活性を更に理解するために、1)OncoVexmGM−CSF、2)抗CTLA−4阻害剤、及び3)OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせの、腫瘍抗原を放出し、抗腫瘍特異的T細胞応答を刺激する能力を評価した。ニトロセルロースフィルターベースを備えた96ウェルのELISpotプレート(Millititer HA;Millipore,Temecula,CA)を精製抗IFN−γ(2μg/ml)抗体でコーティングした。OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4 mAb又は組み合わせで処置されたCT−26腫瘍担持マウスの10日目の脾臓細胞(8×10)を対照ペプチド(GFP)又はAH1ペプチド(SPSYVYHQF)と共に1μMの最終濃度において37℃で20時間インキュベートした。AH1ペプチドは、MHCクラスILd分子(25)によって提示された内在性ネズミ白血病ウイルスのエンベロープタンパク質(gp70)に由来する免疫優勢Agである。スポットを、CTLS6 Fluorospotアナライザー(CTL,Shaker Height,OH)を用いて計数した。全身性(脾臓の)抗AH1 CD8T細胞の、ELISpotによるか又はFACSを用いたデキストラマー染色による定量化は、OncoVexmGM−CSF、抗CTLA−4阻害剤又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせで処置されたマウスにおけるAH1反応性T細胞の有意な増加を証明した(図12e、12f)。局所的(腫瘍)抗AH1 CD8T細胞の定量化は、組み合わせ群のみで有意な増加を示した。Tregの有意な減少もCT−26モデルで観察された。この効果は、CTLA−4阻害剤との組み合わせでより大きかった(図12g)。この実験は、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせがエフェクター細胞の存在の増加及び制御性T細胞の存在の減少をもたらし、これが、次に、いずれかの化合物単独を超える組み合わせの有効性の増加をもたらすことを証明している。
実施例7:OncoVexmGM−CSFは、単独で又はCTLA−4阻害剤と組み合わせてマウスモデルにおけるメラノーマ腫瘍の増殖を阻害する
B16F10細胞(5×10−HSV−1エントリー受容体の欠如のためにOncoVexmGM−CSF溶菌に対して耐性)を0日目に静脈内注射した。2日目に、マウスネクチン1でトランスフェクトしたB16F 10メラノーマ細胞(OncoVexmGM−CSF溶菌に対して感受性)を雌BL6マウスの右脇腹に皮下注射した。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。皮下腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、動物にOncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)の3回の腫瘍内注射、抗CTLA−4 mAbの4回の腹腔内注射、OncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)の3回の腫瘍内注射と抗CTLA−4 mAbの4回の腹腔内注射との組み合わせ又はビヒクル単独を施した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
B16F10ネクチン1腫瘍担持マウスのOncoVexmGM−CSF又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによる処置は、それぞれ約85%及び99%の腫瘍(皮下)増殖阻害をもたらした。抗CTLA−4 mAb単独では阻害が観察されなかった(図13a)。肺転移負荷の評価は、肺転移の阻害において、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせがいずれかの単独の処置よりも有意に効果的であることを示した(OncoVexmGM−CSFに対してp=0.0008、抗CTLA−4 mAbに対してp=0.0007)(図13b)。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて組み合わせ群で有意に延びた(p<0.0001)。生存期間中央値は、ビヒクルでは30日間であり、OncoVexmGM−CSF+抗CTLA−4 mAb群では46日間であった(図13c及び表9)。
Figure 2020510050
これらの結果は、インビボマウスモデルにおける定着したメラノーマ腫瘍の、OncoVexmGM−CSF又はOncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせによる処置が腫瘍増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。これらの結果は、肺転移を阻害する組み合わせの能力からも明らかであるように、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせが、いずれかの処置単独と比べて、有意によりロバストな全身性抗腫瘍効果を証明することも示す。抗腫瘍活性は、直接注入された腫瘍(おそらく腫瘍溶解及び免疫応答を介して)及び同じ宿主における注入されていない対側性腫瘍(おそらく適応免疫応答を介して)で観察された。
ビヒクル、OncoVexmGM−CSF及び抗CTLA−4 mAb群における肺腫瘍は、腫瘍周辺部及び穏やかな腫瘍内マクロファージにおいて散乱したT細胞及びB細胞を稀に示すことも観察された。興味深いことに、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4 mAbとの組み合わせ群における腫瘍は、腫瘍周辺部における優勢なT細胞並びに腫瘍中へのT細胞浸潤を可変数で示した。マクロファージは、腫瘍中及び腫瘍周辺部での密な浸潤細胞の両方で優勢であった。B細胞は、専ら腫瘍周辺部に留まった(図13d及びデータを図示せず)。
これらの肺腫瘍の免疫浸潤結果は、OncoVexmGM−CSFと抗CTLA−4阻害剤との組み合わせが、変換された不十分に浸潤したB16F10転移(すなわち「コールド」腫瘍)を、十分に浸潤したB16F10転移(すなわち「ホット」腫瘍)に変換し得ることを示す。
実施例8:OncoVexmGM−CSFは、マウスモデルにおいてトリプルネガティブ乳癌腫瘍の増殖を阻害する
4T1腫瘍細胞を0日目において雌BALB/cマウスの右脇腹に皮下注射した(2×10個細胞)。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、動物にOncoVexmGM−CSF(5×10、5×10又は5×10PFU/投与量)又はビヒクルの3回の腫瘍内注射を施した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
4T1腫瘍担持動物のOncoVexmGM−CSFによる処置は、5×10PFU/投与量において約75%の腫瘍増殖阻害をもたらした(p<0.0001)。OncoVexmGM−CSFの5×10及び5×10用量は、いかなる測定可能な腫瘍増殖阻害ももたらさなかった(図14)。
これらの結果は、定着したトリプルネガティブ乳癌腫瘍のOncoVexmGM−CSFによる処置が腫瘍増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。抗腫瘍活性は、直接注入された腫瘍のみで測定された。
実施例9:OncoVexmGM−CSFは、単独で又はGITRアゴニストと組み合わせてマウスモデルにおけるB細胞性リンパ腫腫瘍の増殖を阻害する
A20腫瘍細胞を0日目において雌BALB/cマウスの右及び左脇腹に皮下注射した(2×10個細胞)。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積(両脇腹における)及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。次いで、動物にOncoVexmGM−CSF又はOncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせを投与した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
抗GITR mAbで腹腔内処置された腫瘍は、腫瘍の30%を治癒した(注入された腫瘍及び他側性腫瘍の両方において)。OncoVexmGM−CSFは、注入された腫瘍10個中6個で(60%)を治癒した一方、対側性腫瘍は、治癒することなくわずかな応答を示した。OncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせは、全ての腫瘍(注入された腫瘍及び対側性腫瘍の両方において)を退縮させ、10匹中7匹のマウスで完全治癒をもたらした。図15aを参照されたい。生存期間中央値は、ビヒクルと比べて、抗GITR mAb群、OncoVexmGM−CSF群及びOncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせ群で有意に延びた。加えて、生存期間中央値における有意な延長は、いずれかの単剤単独と比べて、OncoVexmGM−CSFと抗GITR mAbとの組み合わせ群で測定された(OncoVexmGM−CSFに対してp<0.0001、抗GITR mAbに対してp=。0.039)。生存期間中央値は、ビヒクルでは24日間であり、OncoVexmGM−CSF群では26日間であり、抗GITR mAb群では43日間であった。組み合わせ群についての生存期間中央値は、49日目を過ぎて未確定のままであり、この時点で10匹のマウスのうちの7匹が腫瘍の徴候を示さなかった。図15b及び表10を参照されたい。
Figure 2020510050
これらの結果は、OncoVexmGM−CSF及びOncoVexmGM−CSF群と抗GITR mAbとの組み合わせによるB細胞性リンパ腫の処置が腫瘍増殖の強力な阻害をもたらすことを証明している。
実施例10:マウス結腸(結腸直腸)腺癌(MC−38)腫瘍モデルにおけるOncoVexmuGM−CSF群と抗PD−1阻害との組み合わせを評価する試験
この試験は、マウスMC−38腫瘍モデルにおいて、OncoVexmuGM−CSF、抗PD−1阻害又はOncoVexmuGM−CSFと抗PD−1阻害との組み合わせの忍容性及び抗腫瘍活性を評価するように設計した。
C57BL/6マウスに対して同系MC−38腫瘍細胞を右及び左脇腹の両方に接種した。腫瘍が平均して5mmの直径になった(60mmの腫瘍体積)接種後10日目に動物を6つの群に割り当てた(1群当たりn=10)。OncoVEXmuGM−CSF(5×10PFU/投与量)又は製剤緩衝液対照を右側腫瘍に1日1回、3日毎に合計3回投与で腫瘍内投与した。左側腫瘍は、注射を受けなかった。
抗マウスPD−1(クローンRMP1−14、BioXCell)又はアイソタイプ対照抗体(ラットIgG2a、クローン2A3、BioXCell)を1mg/投与量又は300μg/投与量のいずれかで週に2回腹腔内投与した(試験10日目に開始して、試験30日目に終了した(7回投与量))。注入した(右側)腫瘍及び注入されなかった(左側)腫瘍の両方の腫瘍体積、体重及び総括的臨床所見を週に2〜3回採取した。総腫瘍体積(右側+左側)が体重の>10%のIACUC強制終了に達した場合又は動物が苦痛の徴候を示した場合、動物を安楽死させた。試験14日目及び20日目(投与開始後、それぞれ4日目及び10日目)にイムノフェノタイピング分析のために末梢血を採取した。赤血球溶解後、白血球を次のマーカー:CD3、CD4、CD8、CD25、CD49b(NKマーカー)、FoxP3、GITR、PD−1及びPD−L1について染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
全ての動物は、実験期間中に生存し、体重(図16a)又は生存期間から明らかなように、処置に関連する有害な健康への影響の証拠を示さず、毎日の健康モニタリング検査で特定された特記される有害な臨床徴候がなかった。対照群と比べての処置群におけるわずかに低い体重は、以下に論じられるように、処置動物と比べて対照動物におけるより侵襲性の高い腫瘍増殖に起因する。
腫瘍増殖阻害は、抗mPD−1抗体(1投与量当たり300μg及び1mgの試験された用量の両方において)又はOncoVexmuGM−CSFのいずれかによる単独療法処置に応答して見られた(図16b)。表11は、右側(注入された側)又は左側(注入されていない側)脇腹のいずれかでの、実験の終了時に腫瘍がない(退縮した)動物の数をまとめている。いずれかの薬剤による単剤活性は、注入された腫瘍において10〜20%の完全退縮に限定された(及び注入されていない腫瘍の完全退縮なし)のに対し、組み合わせは、注入された腫瘍での80〜90%の退縮(及び注入されていない腫瘍の10〜20%の完全退縮)をもたらした。これらのデータは、OncoVexmuGM−CSFと抗PD−1との組み合わせ療法が、マウスMC−38腫瘍モデルにおいて実質的に改善された腫瘍クリアランスをもたらしたことを示す。
Figure 2020510050
これらの結果は、OncoVexmuGM−CSFが単独で又はPD−1阻害剤との組み合わせのいずれかで結腸直腸MC−38腫瘍の増殖を阻害することを証明している。
実施例11:マウス結腸(結腸直腸)腺癌(MC−38)腫瘍モデルにおけるOncoVexmuGM−CSF群と抗PD−L1阻害との組み合わせを評価する試験
この試験は、マウスMC−38腫瘍モデルにおいて、OncoVexmuGM−CSF、抗PD−L1阻害又はOncoVexmuGM−CSFと抗PD−L1阻害との組み合わせの忍容性及び抗腫瘍活性を評価するように設計した。
MC−38腫瘍細胞を0日目において雌C57BL/6マウスの右及び左脇腹に皮下注射した。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。OncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)又は製剤緩衝液対照を単独で又は抗PD−L1 mAb(クローンMIH5、マウスIgG1)又は対照IgG1と組み合わせて(mAbは、合計で4回投与であった)、3日毎に合計3回の注射を腫瘍内投与した。注入されていない腫瘍(対側性;動物の左側での)は、注射を受けなかった。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
全ての動物は、実験期間中に生存し、体重から明らかであるように、処置に関連する有害な健康への影響の証拠を示さず、毎日の健康モニタリング検査で特定された特記される有害な臨床徴候がなかった。
腫瘍増殖阻害は、注入された腫瘍及び対側性腫瘍の両方でOncoVexmGM−CSF又は抗PD−L1 mAbのいずれかによる単独療法処置に応答して見られた(図17)一方、OncoVexmGM−CSFと抗PD−L1 mAbとの組み合わせは、全ての注入された腫瘍及び10個の注入された腫瘍のうちの7個を退縮させた。
実施例12:マウスメラノーマ(B16F10)腫瘍モデルにおけるOncoVexmuGM−CSF群と抗PD−1阻害との組み合わせを評価する試験
この試験は、マウスメラノーマ(B16F10)腫瘍モデルにおいて、OncoVexmuGM−CSF、抗PD−1阻害又はOncoVexmuGM−CSFと抗PD−1阻害との組み合わせの忍容性及び抗腫瘍活性を評価するように設計した。
mNectinを発現するように操作されたB16F10腫瘍細胞を0日目において雌C57BL/6マウスの右脇腹に皮下注射した。腫瘍体積(mm)を、電子ノギスを用いて週に2回(Q2W)測定した。腫瘍が平均でおよそ100mmに達したら、動物を、処置施行の開始時の平均腫瘍体積及び腫瘍体積のばらつきが処置群全体に均一であるように4つの群に無作為化した(1群当たり10匹のマウス)。OncoVexmGM−CSF(5×10PFU/投与量)又は製剤緩衝液対照を単独で又は抗PD−1 mAb(クローン29F1A12、マウスIgG1)又は対照IgG1と組み合わせて(mAbは、合計で4回投与であった)、3日毎に3回、腫瘍内投与した。臨床徴候、体重変化及び生存期間(腫瘍が800mmに達した場合、マウスを試験から除外した)を試験が終了するまで週に2〜3回測定した。
全ての動物は、実験期間中に生存し、体重から明らかであるように、処置に関連する有害な健康への影響の証拠を示さず、毎日の健康モニタリング検査で特定された特記される有害な臨床徴候がなかった。
腫瘍増殖阻害は、OncoVexmGM−CSF単独療法による単独療法処置に応答して見られた(10匹のマウスのうちの3匹が、腫瘍退縮を示した)一方、抗PD−1 mAb単独療法は、腫瘍増殖に対していかなる阻害効果も有さなかった(図18)。OncoVexmGM−CSFと抗PD−1 mAbとの組み合わせは、10個の注入された腫瘍のうちの5個を退縮させ(図18)、OncoVexmGM−CSFと抗PD−1 mAbとの組み合わせが単独療法と比べて優れた抗腫瘍活性を有することを証明した。
実施例13:直接注入しやすい進行性非中枢神経系腫瘍を有する小児対象においてタリモジーン・ラハーパレプベックの安全性及び有効性を評価するための第1相、多施設、オープンラベル、用量デエスカレーション試験
この実施例は、直接注入しやすい進行性非中枢神経系腫瘍を有する小児対象においてタリモジーン・ラハーパレプベックの安全性及び有効性を評価するための第1相、多施設、オープンラベル、用量デエスカレーション試験の記述である。米国国立公衆衛生研究所ウェブサイト(clinicaltrials.gov)、試験識別子:NCT 02756845を参照されたい(これは、参照により本明細書に組み込まれる)。
本試験の主な目的は、直接注入しやすい進行性非CNS腫瘍を有する小児対象において、用量規定毒性(DLT)の発生によって評価される、タリモジーン・ラハーパレプベックの安全性及び有効性を判定することである。
タリモジーン・ラハーパレプベックは、直接注入しやすい進行性非CNS腫瘍を有する小児対象のおよそ18〜36人に投与される。小児対象は、年齢及びベースライン単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)血清状態によって層別化されたコホートに全体的に登録される(3〜6人の対象/コホート)。DLTは、そのコホート中の3〜6人のDLT評価可能な対象に基づいて評価されることになる。
腫瘍評価項目は、直接注入しやすい進行性非中枢神経系(CNS)腫瘍を有する小児対象において、用量規定毒性(DLT)の発生によって評価される、タリモジーン・ラハーパレプベックの安全性及び有効性を判定することである。
副次評価項目は、(1)全奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、初回奏効までの期間(TTR)、無増悪期間(TTP)、修正された固形腫瘍における効果判定基準(Immune−related Response Criteria Simulating Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(irRC−RECIST)を使用する無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)によって評価される、タリモジーン・ラハーパレプベックを評価することと、(2)アーカイブの腫瘍組織中の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)受容体/サブユニットと、臨床的成果(ORR、DOR、TTR、TTP、PFS及びOSなどの安全性エンドポイント及び有効性エンドポイント)との間の関連を評価することとである。
選択基準
・対象がインフォームドコンセント/アセントを提出するには法的にあまりにも若すぎる場合、対象の法的に認められる代理人がインフォームドコンセント/アセントを提出しており、対象には、いかなる試験に特定な活動/処置も開始される前に、条例及び/又はガイドラインに基づいて書かれたアセントが提供されていること。
・インフォームドコンセント/アセントの時点で男性又は女性の対象が0歳〜18歳未満であること。
・登録前28日以内に局所的HSV−1血清状態を提出する意思があるべきであること。
・標準的治療後に再発したか又は利用できる標準的治療がない、組織学的若しくは細胞学的に確認された非CNS固形腫瘍であること。
・測定可能な(irRC−RECISTにより定義された)又は修正irRC−RECISTによって定義されるような測定不能な病変が存在すること。
・以下の1つ以上として定義される病変内注射の候補である対象:
− 最長径≧10mmの少なくとも1つの注射可能な病変
− 全体として≧10mmの最長径を有する、複数の注射可能な病変
注記:内蔵病変は、注射対象外である。更に、注射が容易である軟組織成分がない限り、骨病変は、注射対象外である。
・パフォーマンスステータス:
− 12歳〜18歳未満について、カルノフスキーパフォーマンスステータスが≧70%であること
− 0歳〜12歳未満の子供について、ランスキープレースケールが≧70%であること
・平均余命が登録の日時から>4ヶ月であること
・以下のように定義される十分な臓器機能があること:
− 血液機能(造血成長因子を必要とすることなく)
好中球絶対数(ANC)が≧1.0×10/Lであること
血小板数が≧75×10/Lであること
ヘモグロビンが≧8g/dLのヘモグロビン(輸血支援なしに)であること
− 腎機能
血清クレアチニンが≦1.5×年齢の正常値上限(ULN)であるか、又は>1.5×年齢のULNのクレアチニンレベルを有する対象について、クレアチニンクリアランスが≧60mL/分/1.73mであること(クレアチンクリアランスは、ベースライン血清クレアチニンが≦1.5×年齢のULNである場合、判定される必要がないことに留意されたい。クレアチニンクリアランスは、施設内規準に従って判定されるべきである)。
− 肝機能
血清ビリルビンが≦1.5×年齢のULNであるか、又は直接型ビリルビンが、>1.5×年齢のULNの総ビリルビンレベルを有する対象について≦年齢のULNであること
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が≦2.5×年齢のULNであるか、又は肝臓転移を有する対象について≦5×年齢のULNであること
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が≦2.5×年齢のULNであるか、又は肝臓転移を有する対象について≦5×年齢のULNであること
− 凝固機能
国際標準比(INR)又はプロトロンビン時間(PT)が≦1.5×年齢のULNであること
部分トロンボプラスチン時間(PTT)又は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が≦1.5×年齢のULNであること
・投与前72時間以内に尿又は血清妊娠検査が陰性でなければならない妊娠が可能な女性対象。尿検査が陽性であるか又は陰性と確認できない場合、血清妊娠検査が必要となる。
除外基準
・白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病又は他の血液悪性腫瘍と診断されていること
・登録前6週間以内又は頭蓋脊髄軸若しくは骨盤の少なくとも60%への事前放射を受けている場合には登録前3ヶ月以内、局所緩和放射線療法を受けている場合には登録の2週間前以内に骨髄への放射線療法を受けていること
・CNS腫瘍又は臨床的に活動性の脳転移があること
・原発性眼内メラノーマ又は粘膜メラノーマがあること
・巨大先天性色素細胞性母斑、異形成母斑症候群又は色素性乾皮症の病歴又は証拠があること
・以下の例外を除いて、過去5年以内に他の悪性腫瘍の病歴があること:
− 治療目的で処置された悪性腫瘍であり、既知の活動性疾患を有さず、登録前>5年間化学療法を受けておらず、治療医が再発のリスクが低いと感じている悪性腫瘍
・全身治療(すなわち疾患修飾剤、コルチコステロイド又は免疫抑制薬を使用しての)を必要とする活動性自己免疫疾患の病歴又は証拠があること。補充療法(例えば、チロキシン、インスリン又は副腎若しくは下垂体機能不全のための生理学的コルチコステロイド補充療法など)は、全身治療の形態とみなされない。
・以下のような臨床的に意味がある免疫抑制があること:
− 重度複合免疫不全症などの原発性免疫不全症
− 同時日和見感染
− 経口ステロイド投与を含む全身免疫抑制療法を受けていること(登録の>2週間前)(維持的な生理学的補充療法を除外する)。吸入のためのステロイドの不連続使用又は局所ステロイド注射を必要とする対象は、本試験から除外されない。
・活動性のヘルペス性皮膚病変があること、又は以前にヘルペス感染症の合併症(例えば、ヘルペス性角膜炎若しくはヘルペス性脳炎)があること
・タリモジーン・ラハーパレプベック又は任意の他の腫瘍溶解性ウイルスによる処置を以前に受けていること
・腫瘍ワクチンによる処置を以前に受けていること
・不連続的な局所使用以外の、抗ヘルペス薬(例えば、アシクロビル)による不連続的又は慢性的処置の必要性があること
・登録前28日以内に化学療法、放射線療法若しくは生物学的がん療法を以前に受けているか、又は登録前28日を超えて施されたがん療法に起因する有害事象から有害事象共通用語規準(CTCAE)のグレード1以上まで回復していないこと
・別の治験用医療機器若しくは薬物における処置を現在受けているか、又は別の治験用医療機器若しくは薬物での処置終了から28日未満であること。本試験に参加しながら他の治験処置を受けることは除外される。
・登録前≦28日に大手術を受けていること
・本試験中、局所緩和放射線治療を除いて他のがん療法を必要とすることが予想されること
・急性若しくは慢性の活動性B型肝炎ウイルス若しくはC型肝炎ウイルス感染症を有するか、又は試験処置の開始から12週間以内において、B型肝炎ウイルスの処置で使用されるもの(例えば、ラミブジン、アデホビル、テノホビル、テルビブジン及びエンテカビル)、リバビリン若しくはインターフェロンアルファなどのヌクレオチド類似体での処置を受けていること
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症が既知であるか又はそれが疑われること
・登録前28日以内に生ワクチンを受けていること
・静脈カテーテルの開通性を維持するために必要な低用量ヘパリンを除く、タリモジーン・ラハーパレプベックの注入前7日以内に許可された抗血小板薬又は抗凝固薬がないこと
・試験処置中及びタリモジーン・ラハーパレプベックの最後の投与後3か月間を通して、女性対象が妊娠若しくは授乳しているか又は妊娠することを計画していること
・試験処置中及びタリモジーン・ラハーパレプベックの最後の投与後3か月間を通して、有効な避妊の承諾可能な方法の使用を望んでいない妊娠可能な女性対象であること。注記:有効な避妊の承諾可能な方法は、インフォームドコンセント/アセントフォームで規定されている。条例及び規制で義務付けられている場合、追加の国で規定された避妊要件は、プロトコルの付録セクションの最後にある国で規定されたプロトコル捕足で概説されている。
・処置中及びタリモジーン・ラハーパレプベックによる処置後30日以内の性的接触時、ウイルス伝播を回避するための男性用又は女性用ラテックスコンドームの使用を望まない性的に活発な対象及びそのパートナー
・投薬中、投与される製剤又は構成成分のいずれかに感受性であることが知られている対象
・全てのプロトコルで要求される試験時の来院若しくは処置を完了することができず、且つ/又は全ての要求される試験手順を、対象及び治験医師が知っている限りで遵守することができない可能性が高い対象
・相談にあずかる場合、治験医師又はAmgenの医師の意見では、対象の安全性に危険を及ぼすか、又は試験評価、処置若しくは完了を妨害すると思われる任意の精神障害、薬物乱用又は任意の他の臨床的に意味のある障害、状態若しくは疾患(上記に概説されたものを除く)の病歴又は証拠があること
・タリモジーン・ラハーパレプベック処置中及びタリモジーン・ラハーパレプベックの最後の投与後28日間を通して、対象の血液又は体液を、HIV−1誘発性合併症のリスクがより高い個体(免疫抑制個体、HIV陽性個体、妊娠女性又は1歳以下の乳児)への暴露を最小限に抑えることを望まない対象
選択基準及び除外基準の定義により、タリモジーン・ラハーパレプベックは、注射可能な皮膚、皮下、リンパ節及び他の非内蔵腫瘍中のみに病変内注射によって投与されるであろう。したがって、本試験のために予想される適格な腫瘍型は、以下の通りである。
・骨の肉腫:ユーイング肉腫及び骨肉腫
・軟部肉腫:横紋筋肉腫及び非横紋筋肉腫軟部肉腫
・神経芽細胞腫
・メラノーマ
タリモジーン・ラハーパレプベックの第1の用量は、1日目に投与される10PFU/mLの最大4.0mLである。10PFU/mLの最大4.0mL(又は用量デエスカレーションコホートについて10PFU/mLの最大4.0mL)の第2の注射は、初回注射後21(+3)日目に投与される(すなわち22日目以降であるが、21日目の時点から3日を過ぎて遅延されるべきではない)。10PFU/mLの最大4.0mL(又は用量デエスカレーションコホートについて10PFU/mLの最大4.0mL)である全ての後続の注射は、14(±3)日毎に投与されることになる。処置サイクル間隔は、毒性が原因で延ばされ得る。いかなる用量でも、タリモジーン・ラハーパレプベックの投与される最大量は、任意の個々の病変に対してまたいかなる処置においても4.0mLである。腫瘍中に注入されるタリモジーン・ラハーパレプベックの推奨量は、腫瘍のサイズに応じ、表12の注入量ガイドラインに従って決定されるであろう。下記の優先順位モデル及び腫瘍サイズに基づく注入量ガイドラインを使用して、各病変は、次の病変に移動する前に各来院時の腫瘍特性に起因して注入することが可能な最大量を受け取るべきであることが推奨される。
Figure 2020510050
各処置日に、注射の優先順位は、以下の通り推奨される。
1.前回の注射以降に出現した任意の新たな注入可能な腫瘍
2.腫瘍サイズによって最大の腫瘍から開始する
3.現在では注入するのに十分に大きくなった、腫瘍評価時に注入するには小さすぎた以前に見られた任意の腫瘍
対象が完全奏効(CR)を達成し、注入可能な腫瘍が存在しなくなり、修正irRC−RECISTに従って病態進行(PD)を確認し、試験処置の忍容性が悪化し、タリモジーン・ラハーパレプベックの第1の投与の日時から24ヶ月が経ち、いずれか早い方において代替抗がん療法又は試験の終了が必要となるまで、対象にタリモジーン・ラハーパレプベックが投与される。作用機序に起因して、対象は、タリモジーン・ラハーパレプベックの最大の臨床的有用性の前に既存の腫瘍の増殖又は新たな腫瘍の出現を経験する場合がある。したがって、修正irRC−RECISTを奏効評価に使用することになる。

Claims (16)

  1. 治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスを投与することにより、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、メラノーマ、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療する方法。
  2. 前記腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (i)治療有効量の腫瘍溶解性ウイルスと、
    (ii)治療有効量のチェックポイント阻害剤と
    を投与することにより、B細胞性リンパ腫、結腸直腸がん、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法。
  5. 前記チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、PD−L1又はPD−L1ブロッカーである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記腫瘍溶解性ウイルスは、単純ヘルペスウイルスである、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記単純ヘルペスウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである、請求項6に記載の方法。
  8. ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫の治療において使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス。
  9. ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫様腫瘍、骨肉腫、横紋筋肉腫、B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、胃癌、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)、皮膚T細胞性リンパ腫又は多発性骨髄腫を治療する方法で使用するための医薬組成物であって、腫瘍溶解性ウイルスを含む医薬組成物。
  10. 単純ヘルペスウイルスである、請求項8又は9に記載の腫瘍溶解性ウイルス。
  11. 前記単純ヘルペスウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである、請求項10に記載の腫瘍溶解性ウイルス。
  12. B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)の治療で使用するための治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤。
  13. B細胞性リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、結腸直腸がん、頭頸部扁平上皮癌又は乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳癌)を治療する方法において使用するための医薬組成物であって、治療有効量の腫瘍溶解性ウイルス及びチェックポイント阻害剤を含む医薬組成物。
  14. CTLA−4、PD−1又はPD−L1ブロッカーである、請求項12又は13に記載のチェックポイント阻害剤。
  15. 単純ヘルペスウイルスである、請求項13又は14に記載の腫瘍溶解性ウイルス。
  16. 前記単純ヘルペスウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベックである、請求項15に記載の腫瘍溶解性ウイルス。
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