以下、添付図面を参照して、本開示の実施例について詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、同一の符号で基本的に同一の機能及び構造を有する構成要素を表し、これら構成要素に対する説明を繰り返さない。
以下、添付図面を参照して、本開示の例示的な実施例について説明する。明瞭さと簡潔さのために、実際の実施形態のすべての特徴が明細書に説明されているわけではない。しかしながら、そのような実際の実施形態の開発において、開発者の特定の目的を達成するためには、実施形態に固有の決定が行われなければならないことは明らかである。例えば、システム及びビジネスに関連する制限を遵守し、これらの制限は、実施形態によって異なる場合がある。また、開発作業はより複雑で時間がかかるが、このような開発作業は、本開示から恩恵を受ける当業者にとって、日常的な仕事に過ぎないことも明らかである。
不必要な詳細によって本開示を不明瞭にすることを避けるために、本開示による形態に密接に関連する機器構成及び/又は動作ステップのみが添付図面に示され、本開示との関係が薄い他の詳細は省略される。
パターンドメイン多元接続によってリソースを多重化する通信方法が存在し、そのうち、「パターン」は、複数の端末機器のデータによる複数のリソースに対する占有状態を定義する。例えば、何らかの形式のコードを用いて、端末機器のデータによるリソースに対する占有パターンを表すことができる。本開示において、「端末機器のデータ」又は「端末機器のデータストリーム」とは、端末機器から送信され、又は端末機器へ送信されるデータ又はデータストリームのことである。換言すれば、「端末機器のデータ」又は「端末機器のデータストリーム」とは、幾つかの例において、上りデータ伝送において、端末機器から基地局へ伝送されるデータ又はデータストリームを含み、他の幾つかの例において、下りデータ伝送において、基地局から端末機器へ伝送されるデータ又はデータストリームを含む。パターンドメイン多元接続として、上記のSCMA及びPDMAが挙げられ、それらはそれぞれ多次元スパース符号帳及び特徴パターンをパターンとして複数の端末機器のデータによる複数のリソースに対する占有状態を定義し、且つこれに基づいて各端末機器のデータを区別する。本開示において、パターンドメイン多元接続は、電力特徴によって端末機器のデータを区別する電力ドメイン多元接続と異なる。例えば、SCMAにおいて、スパース符号帳は、1、0によって端末機器のデータがあるリソースを占有するか否かを表すように設計されることができる。PDMAでは、端末機器毎に異なるパターンを設計してリソースに対する占有状態を区分することができる。本開示の説明において、リソースとは一般的に時間ドメインリソース及び周波数ドメインリソースを指すことができる。当業者は、リソースは更に空間ドメインリソースや符号ドメインリソースなどの他のリソースを含むことができると理解することができる。
パターンドメイン多元接続技術では、パラレル検出アルゴリズムによって複数の端末機器のそれぞれに用いられる複数のデータストリームに対して検出又は復号を行うことができる。パラレル検出アルゴリズムは、反復方式で、全ての端末機器に用いられるデータストリームとして同時に復号することができる。換言すれば、パラレル検出アルゴリズムでは、1つの端末機器のデータストリームに対する検出又は復号は、他の端末機器のデータストリームに対する検出結果又は復号結果に依存する必要がない。パラレル検出アルゴリズムとして、例えば、最大事後確率(Maximum A Posteriori、MAP)検出アルゴリズム、最大尤度(Maximum Likelihood、ML)検出アルゴリズム及びメッセージパッシング(Message Passing Algorithm、MPA)検出アルゴリズムなどが挙げられる。パラレル検出アルゴリズムは、比較的高い検出複雑度で良好な検出性能を得ることができる。なお、パラレル検出アルゴリズムの複雑度は、システムにおけるリソース数と端末機器数に関り、リソース数及び端末機器数が大きいほど、検出複雑度は高くなる。
パターンドメイン多元接続技術では、シリアル検出アルゴリズムによってそれぞれ複数の端末機器に用いられる複数のデータストリームに対して検出又は復号を行うこともできる。シリアル検出アルゴリズムは、所定の順序で、各端末機器のデータストリームに一つずつ復号することができる。シリアル検出アルゴリズムがある端末機器のデータストリームに対して行う検出又は復号は、前の端末機器のデータストリームの検出結果又は復号結果に依存する。シリアル検出アルゴリズムとして、例えば、連続する干渉取り消し(Successive Interference Cancellation、SIC)検出アルゴリズムが挙げられる。パラレル検出アルゴリズムと比較して、シリアル検出アルゴリズムの検出複雑度が比較的低いが、検出性能の損失がある。
パターンドメイン多元接続技術の1つの典型的な利用シーンは、セルラ移動通信システムである。図1A〜図1Cは、本開示の実施例に係るパターンドメイン多元接続技術によって伝送リソースを多重化する例示的な通信システムを示す。以下、SCMAを例として、図1A〜図1Cに示されるパターンドメイン多元接続システムについて説明するが、このパターンドメイン多元接続システムとして、パターンドメイン多元接続技術のうちの何れかの技術(例えば、PDMA)を利用できることは当業者に明らかである。
図1Aは、SCMAシステムにおける送信側及び受信端の例示的な動作を示す。この例では、システムにおける時間周波数リソース数をK、端末機器数をJ、各端末機器の要するリソース数をNとする。図1Aに示すように、送信側では、まず、符号化動作によって、バイナリビット情報(例えば、b∈B^log
2M(正式表記は下記※1)。ここでMがコンステレーション図におけるコンステレーションシンボルポイント数である)をN次元コンステレーション図シンボルに変調し(例えば、c∈C
N(正式表記は下記※2))、マッピング行列VによってN次元コンステレーション図シンボルをスパースK次元符号語(例えば、x∈C
K(N<K)(正式表記は下記※3))に変換する。複数の端末機器に用いられるマッピング行列は一般的に因子グラフという表示形式を有してもよい。以下、図6には、K=4、J=6、N=2である場合のシステム因子グラフFが表され、ここで、因子グラフFにおける各行は、1つのリソースノードに対応し、各列は1個の端末機器に対応し、第i行第j列要素が1であることは、端末機器jに対応するコンステレーションポイントがリソースiを占有することを示し、第i行第j列要素が0であることは、端末機器jがリソースiを占有しないことを示す。次に、J個の端末機器の信号は、多重化(multiplexed)された後に受信端に送信される。受信端で、受信信号(例えば、信号y)に対して、チャネル状態情報、因子グラフF及びマルチ端末機器のコンステレーション図に基づいて、送信信号のスパース性を利用して、例えば、MPAアルゴリズムを利用して、マルチ端末機器のデータ検出を実現することができ、即ち、端末機器の信号X=(x
1,…x
J)を検出することができる。
図1BにおけるSCMAシステム100aは、上りリンク伝送シーンに対応する。図1Bに示すように、SCMAシステム100aは、基地局105と、端末機器110_1〜110_Jを含み、端末機器110_1〜110_Jは、上りリンク方向に時間周波数伝送リソースを多重化して基地局105へデータを送信する。
上りリンクSCMAに対して、端末機器110_1〜110_Jの何れかは各々のコンステレーション図、マッピング行列Vに基づいて、バイナリデータをコンステレーションシンボルにマッピングし、更にマッピング行列Vによってスパース符号を得る。複数の端末機器の信号は、無線チャネルによって多重化され、基地局105に送信される。基地局105は、多重化された信号を受信した後、パラレル検出アルゴリズムによって、異なる端末機器のデータに復号する。SCMAシステムでは、例えば、メッセージパッシングアルゴリズム(MPA)をパラレル検出アルゴリズムとすることができる。MPAアルゴリズムにおいて、基地局105は、受信信号のスパース性を利用し、多重化された時間周波数リソースで各端末機器のデータを検出する。具体的には、基地局105は、多重化された信号を受信した後、各端末機器110_1〜110_Jのマッピング行列Vに基づいて因子グラフパターンFを構築し、各端末機器を1つの変数ノードとし、各時間周波数リソースを1つの因子ノードとする。そのうち、1個の端末機器は1つの時間周波数リソースを占有し、この端末機器が対応する変数ノードとこの時間周波数リソースが対応する因子ノードとの間の辺で示す。次に、各端末機器110_1〜110_Jのコンステレーション図に基づいて、各変数ノードの可能な値(即ち、この端末機器がデータを送信する時に利用可能なコンステレーションシンボル)及び各値の確率(初期値を等確率に設定することができる)を決定する。その後、反復処理を行う。毎回の反復処理において、変数ノードは、辺でそれと連結する各因子ノードにその可能な値の先験的確率を送信する。因子ノードは、変数ノードが送信したこの情報を受信した後、受信した情報に基づいて、事後確率を算出し、変数ノードに送信する。反復処理の終了条件は、所定の反復回数に達し、又は2回の反復プロセスにおいて変数ノードが送信した情報の差が設定された閾値より小さいことである。反復が終了した後、各端末機器110_1〜110_Jが送信するコンステレーションポイントシンボルに復号することができる。各端末機器110_1〜110_Jのコンステレーション図に基づいて、その送信したバイナリデータに復調することができる。
SCMAシステムにおける信号のスパース性により、MPAアルゴリズムが比較的低い複雑度でマルチ端末機器検出(即ち、各端末機器の信号を検出する)を実現することができるが、システム端末機器数が比較的大きい場合(例えば、未来の通信に関るモノのインターネットなどのシーンにおいて)、上りリンクの検出複雑度は基地局にとって依然として大きい計算処理の負担となる。SCMAシステムに対して、各リソース因子ノードでの検出複雑度はM^d
f(正式表記は下記※4)に比例する。ここで、Mはコンステレーション図におけるコンステレーションポイントの数を表し、d
fは単独のリソース因子ノード上にオーバーラップする端末機器の数の最大値を表し、マッピング行列によって決定される。全てのリソース因子ノードでの検出複雑度はK・M^d
f(正式表記は下記※5)に比例する。前に述べたように、Kはリソース因子ノードの数(即ち、時間周波数リソース数)である。
図1CにおけるSCMAシステム100bは、下りリンク伝送シーンに対応する。図1Cに示すように、SCMAシステム100bは、図1Bと似たように、基地局105と端末機器110_1〜110_Jを含み、基地局105は、下りリンク方向に時間周波数伝送リソースを多重化して端末機器110_1〜110_Jにデータを送信する。
下りリンクSCMAに対して、基地局105は、いずれかの端末機器110_1〜110_Jのバイナリデータをコンステレーションシンボルにマッピングし、更に、マッピング行列Vによってスパース符号語を得る。複数の端末機器の信号は、多重化された後、各端末機器に送信される。上りリンクSCMAとの相違点は、次に各端末機器110_1〜110_Jが、基地局105によって多重化された信号を受信した後、パラレル検出アルゴリズムによって、この端末機器自身に用いられるデータに復号することにある。例えば、端末機器は、MPAアルゴリズムによって、受信信号のスパース性を利用して、多重化された時間周波数リソースでこの端末機器自身に用いられるデータに復号する。各端末機器110_1〜110_JがMPAアルゴリズムを利用して検出する処理は、上りリンクSCMAにおいて基地局105が実行した処理に類似しているため、説明を繰り返さない。
なお、下りリンクSCMAにおいて各端末機器にてMPAアルゴリズムを実行するので、端末機器の処理能力が基地局より弱いことを考慮して、このアルゴリズムの比較的高い複雑度は端末機器に対する影響が大きい。下りリンクSCMAにおいて、検出複雑度は依然としてK・M^df(正式表記は上記※5)に比例する。
図1A〜図1CがSCMA技術を例として説明したが、PDMAなど他のパターンドメイン多元接続技術を応用する時も似た処理を行うことができることは、当業者にとって明白である。例えば、PDMAに対して、上記のマッピング行列の代わりに、パターン行列を用いて、送信側符号化検出及び受信側復号検出を行い、残るの処理はSCMAの場合に類似する。この時、パラレル検出アルゴリズムの複雑度は、同様にシステムリソース数、単独のリソースにオーバーラップする端末機器数とコンステレーションにおけるコンステレーションポイントの数のうちの一つ又は複数に関わる。
以下、図2を参照して、本開示の実施例に係る無線通信システムに用いられる例示的な電子機器について説明する。一実施形態によれば、図2における電子機器200は、例えば、図1A及び図1Bにおける基地局105又は基地局105の一部であっても良く、基地局を制御するために用いられる機器(例えば、基地局コントローラー)又は基地局に用いられる機器又はその一部であっても良い。図2に示すように、一つの実施例において、電子機器200は、前処理部205及び更新部210を含んでも良い。他の実施例において、電子機器200は、更に、検出情報収集部215を含んでも良い。以下、電子機器200の各部が実行する動作について説明する。
前処理部205は、例えば、端末機器情報に基づいてデータ伝送に対して端末機器の組分けを行うように配置されることができる。そのうち、同一グループ内の端末機器の複数のデータストリームは、パターンドメイン多元接続によって、リソースを多重化する。一つの例において、図1A及び図1Bにおける端末機器110_1〜110_Jは、G個のグループに組分けされることができ、それに応じて、システム全体の伝送リソースは、各グループに配分されることができる。この例において、各グループ内の端末機器のデータストリームは、例えば、SCMAというパターンドメイン多元接続技術によってリソースを多重化することができ、異なるグループ間のリソースが例えば直交する。グループ間のリソースの直交性によって、各グループ内のみでデータ検出を行うことができる。前に述べたように、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)の複雑度は伝送リソース数に関わる。この例において、各端末機器グループに配分される伝送リソースが減らされるので、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)の複雑度をある程度低下させることができる。
更新部210は、例えば、データ伝送の検出情報に基づいて端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行うように配置されることができる。例えば、データ伝送の検出性能が理想的でないことを検出情報が表す場合には、システム更新部210は、端末機器のG個の既存グループ又は単独のグループ内のリソースの配分を調整し、又はデータ検出スキームを更新し、又はこれら動作に対して実行可能な任意の組み合わせを行うことにより、データ伝送の検出性能を改善することができる。一つの実施例において、データ検出スキームは、シリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームであっても良く、このデータ検出スキームは、シリアル検出アルゴリズムに基づいて受信データを復号するために用いられることができる。前に述べたように、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)は、反復方式によって、全ての端末機器のデータに同時に復号し、検出複雑度が比較的高い。これに対して、本開示の実施例に係るシリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームでは、比較的低い検出複雑度を有する。本開示の実施例において、「シリアル検出アルゴリズムに基づく」ことは、シリアル検出アルゴリズムのみを用いることに限定されず、データ検出スキームが少なくともシリアル検出を利用したという旨を指す。即ち、検査プロセスは、シリアル検出動作とパラレル検出動作を組み合わせることができる。
前に述べたように、電子機器200は、更に、検出情報収集部215を含んでも良い。検出情報収集部215は、例えば、上り下りデータ伝送における検出情報、例えば、検出誤差情報や検出複雑度情報などを収集するように配置されることができる。これにより、更新部210は、これらの検出情報に基づいて、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行う。電子機器200は検出情報収集部215を含まなく、他の手段(例えば、更新部210)にてその動作及び機能を実行することができる。一つの実施例において、上り下りデータ伝送における検出情報を収集することによって、検出情報収集部215は、特定の端末機器に用いられる検出情報(例えば、この端末機器の検出誤差情報)、特定のグループに用いられる検出情報(例えば、このグループ内の端末機器の平均検出誤差情報)及びシステム全体に用いられる検出情報(例えば、システム全体における端末機器の平均検出誤差情報)を生成するように配置されることができる。
なお、電子機器200は、上りリンクデータ伝送及び下りリンクデータ伝送のうちの少なくとも一つに用いられることができる。一つの例において、電子機器200は、基地局105又は基地局105の一部であっても良い。例えば、上りリンク伝送において、電子機器200の組分け及び更新動作のうちの少なくとも一つは、基地局側の検出復号に用いられることができ、下りリンク伝送において、電子機器200の組分け及び更新動作のうちの少なくとも一つは、端末側の検出復号に用いられることができる。幾つかの実施形態によれば、上りリンクデータ伝送において、検出情報収集部215は、基地局105から検出情報を直接収集することができる。下りリンクデータ伝送において、検出情報収集部215は、各端末機器110_1〜110_Jから検出情報を取得することができる。それに応じて、各端末機器110_1〜110_Jにて各々の検出情報を報告することができる。
後で図5A〜図6を参照して具体的に説明するように、一つの例において、端末機器の組分けに加えて、前処理部205は、更に、初期のリソースの配分を行い、初期のデータ検出スキームを決定することができる。
前処理部205、更新部210及び検出情報収集部215のうちの一つ又は複数は、例えば、処理回路によって実現されることができる。ここで、処理回路は、コンピューティングシステムにおいて機能を実行するデジタル回路システム、アナログ回路システム又は混合信号(アナログとデジタルの組み合せ)回路システムの様々な実現方式を指すことができる。処理素子は、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)という回路、独立のプロセッサーコアの一部のOR回路、全体のプロセッサーコア、独立のプロセッサー、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)というプログラマブルハードウェア機器、及び/又は複数のプロセッサーを含むシステムを含むことができる。
なお、電子機器200は、チップレベルで実現されることができ、又は他の外部部材を含んで機器レベルで実現されることもできる。例えば、電子機器200はコンプリートマシンとしていて、通信機器として動作することができる。
注意すべきことは、上記各手段は、それが実現する具体的な機能に基づいて区分されたロジックモジュールだけであり、具体的な実現方式を制限することを意図していない。実際に実現される時、上記各機能部は、独立した物理エンティティとして実現されることができ、又はシングルのエンティティ(例えば、プロセッサー(CPU又はDSP等)、集積回路等)によって実現されることもできる。
以下、図3A〜図9を参照して、電子機器200及びその各手段が実行する具体的な例示的な動作について詳しく説明する。
まず、図3A〜図4Bを参照して、端末機器の組分けに関する例示的な動作について説明する。一つの実施例において、端末機器情報は、チャネル状態情報を含んでも良く、このチャネル状態情報は例えばチャンネル利得を含む。前処理部205が実行する端末機器の組分けは、チャネル状態情報に基づいて端末機器(例えば、図1A及び1Bに示される端末機器110_1〜110_J)をグループに組分けすることを含むことができる。一つの実施例によれば、チャネル状態情報に基づいて端末機器をグループに組分けすることにより、同一グループ内の端末機器の間のチャンネル利得差を出来る限り大きくし、又は所定の閾値よりも大きくする。「チャンネル利得差が所定の閾値よりも大きい」における閾値は、予め定められた具体的な数値であっても良いし、アルゴリズムによって客観的に表す何らかのチャンネル利得差の程度であっても良い。換言すれば、グループのアルゴリズムが、客観的にそのグループ内に存在するチャンネル利得差を、ランダムに組分けする時に生じるチャンネル利得差よりも大きくすることができれば、このような組分けのアルゴリズムは、チャンネル利得差を所定の閾値よりも大きくするものと見なされる。
図3Aは、端末機器の組分けに使用可能な一つの方式を示す。図3Aにおけるパターンドメイン多元接続システムが用いた組分け方式により、同一グループ内の端末機器のチャンネル利得が出来るだけ近くなる。これにより、異なるグループ間の端末機器は一般的に比較的大きいチャンネル利得差を有するが、同一グループ内の端末機器は、比較的小さいチャンネル利得差を有する。図3Aに示すように、基地局に近く、チャンネル利得が比較的大きい6個の端末機器は、同一グループに組分けされ、基地局から離れ、チャンネル利得が比較的小さい6個の端末機器は他のグループに組分けされる。図3Bは、本開示の実施例に係る端末機器の組分けの例示的な方式を示す。図3Bにおけるパターンドメイン多元接続システムが用いた組分け方式により、同一グループ内の端末機器のチャンネル利得差が出来るだけ大きくなる。チャンネル利得差が出来るだけ大きくなることは、同一グループ内の端末機器のチャンネル利得が出来るだけ大きい多様性(diversity)を有することである。同一グループ内の端末機器のチャンネル利得差を出来るだけ大きくするために、このグループ内の端末機器のチャンネル利得の分散を出来るだけ大きくするように要求することができる。一つの例において、グループ内の端末機器のチャンネル利得の分散は、ある所定の閾値より大きければよく、即ち、この分散がある程度まで大きければよい。図3Bに示すように、基地局に近く、チャンネル利得が比較的大きい3個の端末機器と、基地局から離れ、チャンネル利得が比較的小さい3個の端末機器は、同一グループに組分けされ、残るの基地局に近い、及び基地局から離れた合計6個の端末機器は、他のグループに組分けされる。図3Aの組分け方式と比較して、図3Bにおける例示的な組分け方式により、同一グループ内の端末機器のチャンネル利得差が比較的に大きくなる(即ち、チャンネル利得が比較的大きい分散又は多様性を有する)ので、本開示の好ましい組分け方式である。同一グループ内の端末機器のチャンネル利得差が比較的大きい場合、シリアル検出アルゴリズムに基づいて、同一グループ内のデータに対して検出又は復号を行うことにより、検出誤差を減少させることができる。これにより、パラレル検出アルゴリズムのみを使用する場合に比較して、検出又は復号の複雑度を減少させることができる。
一つの例において、端末機器の組分けの後、システムリソースを相応的に各グループに配分し、かつ、一般的には、一つのグループに配分されるリソースは、一つの端末機器のリソース需要より多く、グループ内の全ての端末機器のリソース需要より少ない。上記の端末機器の組分けにより、同一のグループの端末機器は同一のグループのリソースを多重化することができる。例えば、同一グループ内でパターンドメイン多元接続(例えば、SCMA)技術を使用することで、異なるグループの端末機器が異なるリソースを使用できるようにする。つまり、異なるグループに使用されるリソースは互に直交する。SCMA技術を使用する場合、SCMAは同期符号化技術であり、端末機器がシステムと同期することを維持する必要がある。そのため、この場合、この同期条件を満たす端末機器を同一グループに組分けすることができる。
なお、端末機器情報は、それぞれ上り下りリンクに対応するチャネル状態情報、例えば、上り下りリンクに対応するチャンネル利得を含むことができる。上り下りリンクのチャネル状態情報に基づいて、上り下りリンクのそれぞれに対して端末機器の組分けを行い、相応の端末機器の組分けのそれぞれを上り下りリンクデータ伝送に応用することができる。なお、上り下りリンクチャネルが相互性(reciprocity)を満足する場合には、上りリンクのみ又は下りリンクのみに対して端末機器の組分けを行い、端末機器の組分けの結果を上りリンクデータ伝送と下りリンクデータ伝送の両方に応用することによって、端末機器の組分けに関連する演算負荷を軽減できるということは当業者にとって明白である。この種類の典型的なシーンは、時分割二重化(TDD)通信システムである。周波数分割二重化(FDD)通信システムにおいて、上り下り周波数帯が十分に接近する場合も、上り下りリンクチャネルが基本的に相互性を満たすと見なされることができる。上りリンク伝送に対して、基地局は例えば各端末機器から送信されるる上りリンクリファレンスに基づいてチャネル推定を行うことで、各端末機器の上りリンクチャネル状態情報を取得することができる。下りリンク伝送に対して、各端末機器は例えば基地局から送信される下りリンクリファレンスに基づいてチャネル推定を行うことで、各々の下りリンクチャネル状態情報を取得してそれを基地局にフィードバックすることができる。
幾つかの実施例において、端末機器をグループに組分けすることは、1)チャンネル利得に基づいて端末機器を並べ替え、各端末機器を順次異なるグループに組分けすること、2)チャンネル利得に基づいて、端末機器を、グループ中の端末機器数及び端末機器のチャンネル利得レベルを指定するグループ配置テンプレートに整合することのうちの少なくとも一方を含む。以下、図4A及び図4Bを参照して、本開示の実施例に係る端末機器の組分けの例示的な動作について説明する。
図4Aは、本開示の実施例に係る端末機器の組分けの例示的な動作を示す。図4Aにおいて、J個の端末機器410_1〜410_JをG個のグループ420_1〜420_Gに組分けするために、まず、これらの端末機器をチャンネル利得の低い順に又は高い順に並び替える(この例では、チャンネル利得の高い順に並び替える)。次に、並べ替えられた端末機器を順次各グループに組分け又は配分する。例えば、第1ラウンドの配分において、端末機器410_1はグループ420_1に組分けされることができ、端末機器410_2はグループ420_2に組分けされることができる。このように、最後に端末機器410_Gはグループ420_Gに組分けされることができる。次に、第2ラウンドの配分において、端末機器410_(G+1)からG個までの端末機器もこのG個のグループに順次組分けされることができる。その後、全ての端末機器がグループに組分けされるまで次のラウンドの配分を行う。グループ410_1を例とし、最後にこのグループに組分けされる端末機器は、410_1、410_(G+1)、410_(2G+1)などである。このような方式によって、チャンネル利得が近い端末機器は、出来るだけ異なるグループに組分けされ、これにより、同一グループ内の端末機器の間のチャンネル利得差を出来るだけ大きくする。
端末機器の組分けの他の例示的な動作において、電子機器200に予め設定されたグループ配置テンプレートを記憶しておき、このグループ配置テンプレートは、グループに組分け可能な端末機器数及び相応の端末機器のチャンネル利得レベルを規定することができる。この例において、端末機器をグループに組分けする過程は、実際に、グループ配置テンプレートに基づいて特定数のチャンネル利得レベルを満たす端末機器をこのグループ配置テンプレートに整合することによって、一つ又は複数の端末機器の組分けをインスタンス化する過程である。図4Bは、本開示の実施例に係る端末機器の組分けに用いられるグループ配置テンプレートの例を示す。図4Bに示すように、グループ配置テンプレート1は、グループが8個の端末機器を有することができることを指定し、そのうち、2個の端末機器のチャンネル利得が12であり、2個の端末機器のチャンネル利得が8であり、2個の端末機器のチャンネル利得が4であり、残るの2個の端末機器のチャンネル利得が1である。同様に、グループ配置テンプレート2は、グループが6個の端末機器を有することができることを指定し、そのうち、3個の端末機器のチャンネル利得が10であり、残るの3個の端末機器のチャンネル利得が2である。端末機器の組分けを行うにあたり、例えば、システムに40個の端末機器がある場合、チャンネル利得レベルを満たす24個の端末機器がグループ配置テンプレート1に基づいて3つのグループにインスタンス化され、チャンネル利得レベルを満たす12個の端末機器がグループ配置テンプレート2に基づいて2つのグループにインスタンス化され、残る8個の端末機器がチャンネル利得が整合しないため単独のグループに組分けされることができる。当然のことながら、他の例において、上記の残る8個の端末機器も他のグループ配置テンプレートに基づいてグループにインスタンス化されることができる。
なお、グループ内の端末機器数が大きいほど、このグループのリソース数が多くなるため、検出複雑度は大きくなり、その逆もまた然りである。グループ内の端末機器のチャンネル利得差が大きいほど、検出性能は良くなり、その逆もまた然りである。そのため、予めグループ検出テンプレートを配置する時、異なる検出需要を考慮する必要があり、グループ内の端末機器数及びチャンネル利得差によって検出需要を満たすグループ検出テンプレートを配置することができる。
なお、グループ配置テンプレートにおける上記のチャンネル利得値は、チャンネル利得の絶対値であってもよいし、正規化した値であってもよい。そして、チャンネル利得に基づいて端末機器をグループ配置テンプレートに整合する過程に、端末機器のチャンネル利得とグループ配置テンプレートにおいて指定されたチャンネル利得とが完全に同一であることを要求しなくても良く、両方が所定の許容範囲内で整合すればよい。このような方式によって、グループ配置テンプレートにおける各チャンネル利得は、1個のチャンネル利得の範囲であっても良く、この範囲に入るチャンネル利得であればグループ配置テンプレートの相応の位置に整合することができる。例えば、グループ配置テンプレート2に対して、実際にこのテンプレートに整合する6個の端末機器のチャンネル利得は、[10.9,9.8,9.7,2.5,2.0,1.9]であっても良い。
以上の方法で端末機器をグループに組分けすることによって、同一グループ内の端末機器の間のチャンネル利得差を出来るだけ大きくし、又は少なくとも所定の閾値よりも大きくすることができる。当然のことながら、以上の方式はただ例示的なものであり、当業者は、他の組分け方式を構想して、基本的に同様の効果を実現することができる。例えば、端末機器をグループに組分けする過程において、各グループに対して、まず、1個の初期端末機器を組分けし、その後、初期端末機器とのチャンネル利得差が最大である端末機器を添加することができる。一つの実施例において、両端末機器間のチャネル利得差を下記のd
i,jと定義することができる。
ここで、hiは第i個の端末機器のチャンネル利得を表し、di,jは第iと第j個の端末機器の間のチャネル利得差を表す。グループ数Gに基づいて、まず、グループ毎に初期端末機器として1個の端末機器Ug,g=1,2,…,Gをランダムに組分けする。次に、グループ毎に1個の添加すべき端末機器を選択し、この添加すべき端末機器と、このグループに組分けされる初期端末機器とのチャンネル利得差を最大にし、即ちargmaxidi,gにする。各グループに選択された端末機器を添加した後、この選択及び添加プロセスを繰り返す。即ち、全ての端末機器がグループに組分けされるまで、毎回グループに組分けされる初期端末機器とのチャネル利得差が最大である端末機器を選択し、添加する。
前に述べたように、電子機器200(例えば、前処理部205によって)は、更に、初期データ検出スキームを決定するように配置されることができる。以下の例示的な方法に加え、当業者は、任意の適当な方式を利用してデータ検出スキームを決定することができる。
一つの実施例において、データ検出スキームを決定することは、グループ内の端末機器をレベル付けすることを含む。これにより、少なくとも一つのレベルが二つ又はより多いの端末機器を含むようになる。レベル付けの結果に基づいて、レベルの異なる端末機器はシリアル検出アルゴリズムによって検出され、同一レベルの複数の端末機器はパラレル検出アルゴリズムによって検出される。一つの例示的な実施例において、グループ内の端末機器をレベル付けすることは、端末機器をチャンネル利得の高低に従い相応のレベルに組分けすることを含み、比較的高いチャンネル利得に対応するレベル内の端末機器のデータストリームの検出順位が早い。例えば、比較的高いチャンネル利得を有する端末機器は、検出順位が早いレベルに組分けされ、中間のチャンネル利得を有する端末機器は、検出順位が中間となるレベルに組分けされ、比較的低い利得を有する端末機器は、検出順位が遅いレベルに組分けされる。このようにすることで、シリアル検出アルゴリズムによって、チャンネル利得差が比較的大きい端末機器のデータストリームが形成した異なるレベルに対してシリアル検出を行い、パラレル検出アルゴリズムによって、チャンネル利得が近い端末機器のデータストリームに対してパラレル検出を行うことができる。
前に述べたように、パターンドメイン多元接続システムにおいて、リソース数及び端末機器数が大きいほど、パラレル検出アルゴリズムの複雑度は高くなる。シリアル検出アルゴリズムの複雑度がパラレル検出アルゴリズムより低くても良いことを考慮して、端末機器の組分けに基づいて、検出複雑度をさらに低減させ、パラレル検出の性能が良好である利点を維持するために、次のような実行可能な例示的な方式があり得る。即ち、グループ内の端末機器をレベル付けすることにより、一つ又は複数のレベルが複数の端末機器を含むようにし、レベルの異なる端末機器をシリアル検出アルゴリズムによって検出され、同一レベルの複数の端末機器をパラレル検出アルゴリズムによって検出されることができる。このように、シリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームを得て、該データ検出スキームでは、端末機器グループ内の各レベル全体をシリアル検出対象として検出し、単独のレベルにおける各端末機器をパラレル検出対象として検出する。
上記の組分け方式により、同一グループ内の端末機器間のチャンネル利得差を出来るだけ大きくし又は所定の閾値よりも大きくする場合、端末機器をチャンネル利得の高低に従い相応のレベルに組分けすることにより、シリアル検出アルゴリズムが比較的低い検出誤差を有するようにすることができ、これによって、シリアル検出アルゴリズム(シリアル検出アルゴリズムとパラレル検出アルゴリズムを組み合わせたものを含む)に基づく検出アルゴリズムが複雑度と検出誤差を両立させることができる。
上記データ検出スキームは、上りリンクデータ伝送及び下りリンクデータ伝送の両方に適用することができる。上りリンクデータ伝送に対して、基地局にてこのデータ検出スキームを実行することができる。一方、下りリンクデータ伝送に対して、各端末機器にてこのデータ検出スキームを実行することができる。
具体的には、上りリンクデータ伝送に対して、基地局にてシリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームにおける各レベルの検出を実行することができる。例えば、第1レベルの検出に対して、この基地局は、特定のグループ内の各端末機器からのパターンドメイン多元接続技術(例えば、SCMA)によって多重化された信号を受信して入力とし、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)によってグループ内の第1レベルの端末機器からの信号を検出することができる。第1レベルの検出において、その後のレベル(即ち、第2レベル、第3レベルなど)の端末機器からの信号は干渉又はノイズと見なされ、第1レベルの端末機器のデータストリームに対してパラレル検出を行う。その後、第二レベルの検出を行うことができ、そのうち、上記の受信信号から第1レベルの端末機器の信号に対応する部分を引いたものを第2レベルの検出の入力とし、パラレル検出アルゴリズムによって、グループ内の第2レベルの端末機器からの信号を検出する。同様に、第2レベルの検出において、その後のレベル(即ち、第3レベル、第4レベルなど)の端末機器からの信号は干渉又はノイズと見なされ、第2レベルの端末機器のデータストリームに対してパラレル検出を行う。その後、全てのレベルの検出を完成させるまで、同様に第3レベル、第4レベルなどの検出を行う。これにより、グループ内の各レベルの端末機器からの信号を検出する。なお、第1レベルの検出の入力は受信信号であってもよいが、第2レベルの検出から、受信信号からその前のレベルの端末機器の信号に対応した部分を引いたものを各レベルの検出の入力とする必要がある。好ましい例において、チャンネル利得が比較的大きい端末機器を第1レベルに組分けする。その後のレベルの干渉が存在しても、第1レベルの検出は依然として比較的高い正答率で完成させることができる。これによって、誤差がその後のレベルの検出に伝えることを避けることができる。レベル毎にこのようにすれば、全体の復号レートを向上させることができる。
下りリンクデータ伝送に対して、特定のグループの各レベルの端末機器によってシリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームにおける一部又は全部のレベルの検出を実行することができる。上りリンクデータ伝送において基地局が全てのレベルの検出を実行すると異なって、下りリンクデータ伝送において、各レベルの端末機器は、シリアル検出に基づく検出スキームをそのレベルに対応する検出まで実行すればよい。例えば、第1レベルの端末機器は、第1レベルの検出のみを実行することができ、そのうち、端末機器は、基地局から特定のグループ内の各端末機器へ送信される、パターンドメイン多元接続技術(例えば、SCMA)で多重化された信号を受信して入力とし、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)によって第1レベルの端末機器自身へ送信される信号を検出することができる。第2レベルの端末機器は、第1レベル及び第2レベルの検出を実行する必要があり、そのうち、第1レベルの検出の動作は、第1レベルの端末機器に類似する。第2レベルの検出において、第2レベルの端末機器が上記の受信信号から第1レベルの端末機器の信号に対応する部分を引いたものを第2レベルの検出の入力とし、パラレル検出アルゴリズムによって、第2レベルの端末機器へ送信される信号を検出することができる。第3レベルの端末機器は、第1〜第3レベルの検出を実行する必要があり、第4レベルの端末機器は、第1〜第4レベルの検出を実行する必要がある。以降もこれに準じて、最後のレベルの端末機器は、相応のレベルの端末機器に送信される信号を検出するために、全てのレベルの検出を実行する必要がある。なお、第1レベルの検出の入力は受信信号であってもよいが、第2レベルの検出からは、受信信号からその前のレベルの端末機器の信号に対応する部分を引いたものを各レベルの検出の入力とする必要がある。
一つの例において、単独のグループ内の端末機器に対してシリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)に基づくデータ検出スキームを決定するために、各端末機器をチャンネル利得の高低に従い若干のレベルに組分けすることができる。シリアル検出アルゴリズムは、まず検出しやすい端末機器(例えば、チャンネル利得が比較的高いもの、受信信号対雑音比が比較的高いもの)を検出することを特徴とするので、比較的高いチャンネル利得に対応するレベル内の端末機器のデータストリームは検出順位が早い。一つの例において、差が所定の閾値範囲内にあるチャンネル利得を1つのレベルに分けることができる。例えば、6個の端末機器のチャンネル利得[10.9,9.8,9.7,2.5,2.0,1.9]に対して、一般的には、仮に閾値範囲が2であるとして、チャンネル利得[10.9,9.8,9.7]は、最大の差が10.9−9.7=1.2(<2)であるため、1つのレベルに対応すると見なされることができる。同様に、チャンネル利得[2.5,2.0,1.9]は、最大の差が2.5−1.9=0.6(<2)であるため、他のレベルに対応すると見なされることができる。その後、前の3個の端末機器を第1レベルに組分けして、後の3個の端末機器を第2レベルに組分けすることができる。また、仮に閾値範囲が1であるとして、10.9−9.8=1.1(>1)であるため、チャンネル利得10.9は単独で1つのレベルに対応すると見なされることができる。チャンネル利得[9.8,9.7]は、1つのレベルに対応すると見なされることができ、チャンネル利得[2.5,2.0,1.9]は他のレベルに対応すると見なされることができる。
以下、図5A〜図5Dを参照して、本開示の実施例に係る例示的なデータ検出スキームの検出処理について説明する。そのうち、図5A〜図5Cは、上りリンクデータ伝送に対して検出を行う例であり、図5Dは、下りリンクデータ伝送に対して検出を行う例である。本開示の幾つかの実施例は、一種類のシリアル検出受信機に関わり、このシリアル検出受信機は、データ検出スキームの検出処理を実行するように配置されることができる。例えば、このシリアル検出受信機は、受信したパターンドメイン多元接続信号を、レベル付け、復号するために、少なくとも2レベルのパラレル検出部を含むように配置されることができる。そのうち、各レベルのパラレル検出部は、パラレルなマルチ端末機器データ検出をサポートし、前のレベルのパラレル検出部の復号出力は、後のレベルのパラレル検出部の既知の干渉とされ、受信信号から取り除かれ、前のレベルのパラレル検出部の対象データストリームのリソースの直交性は、後のレベルのパラレル検出部の対象データストリームのリソースの直交性よりも優れている。一つの例において、パターンドメイン多元接続はSCMA又はPDMAを含む。本開示の無線通信システムに用いられる電子機器は上記シリアル検出受信機を含んでもよい。
図5Aは、本開示の実施例に係るシリアル検出アルゴリズムに基づく例示的なデータ検出スキームの検出処理を示す。図5Aに示すように、パターンドメイン接続システムにおける特定のグループ内の6個の端末機器1〜6に対して、仮に端末機器1及び2が第1レベルに分けられ、端末機器3及び4が第2レベルに分けられ、端末機器5及び6が第3レベルに分けられるとする。これら6個の端末機器に用いられるデータは、パターンドメイン多元接続方式によって多重化された後、無線伝送によって受信端で受信される。受信信号をy=Σ
6 j=1diag(hj)xj+n(正式表記は下記※6)で表すことができる。ここで、hjは端末機器jのチャネル行列を示し、xjは端末機器jに用いられるデータを示し、nはノイズを示し、diagは括弧内のベクトルで対角行列を構築することを示す。受信信号yに対して、シリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームは、レベル毎に各端末機器に用いられるデータを検出することができる。まず、第1レベルの検出を行い(例えば、シリアル検出受信機の第1レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、入力信号yに対して、端末機器の第1レベルをシリアル検出対象とし、パラレル検出アルゴリズムによって端末機器1及び2に用いられるデータx1、x2に復号する。次に、第2レベルの検出を行い(例えば、第2レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、入力信号yから、復号されたデータx1、x2に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第2レベルをシリアル検出対象とし、且つパラレル検出アルゴリズムによって端末機器3及び4に用いられるデータx3、x4に復号する。第3レベルの検出に対して(例えば、第3レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、前のレベルの入力信号から、復号されたデータx3、x4に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第3レベルをシリアル検出対象とし、且つパラレル検出アルゴリズムによって端末機器5及び6に用いられるデータx5、x6に復号する。上りリンクデータ伝送において、基地局は上記の動作によって端末機器1〜6に用いられるデータに復号することができる。
一つの実施形態によれば、使用可能なシリアル検出アルゴリズムとしては、逐次干渉キャンセラ(SIC)アルゴリズムが挙げられ、使用可能なパラレル検出アルゴリズムとして、MPAアルゴリズムが挙げられる。この場合、依然として上記のシリアル検出受信機を用いて検出処理を行うことができ、且つ、このシリアル検出受信機はSIC受信機として実現されることができ、パラレル検出部はMPAユニットとして実現されることができる。図5Bは、本開示の実施例に係るSICに基づく例示的なデータ検出スキームの検出処理を示す。具体的なアルゴリズムが限定されたことを除き、この例は図5Aに類似しても良い。このデータ検出スキームは、例えば、SCMAシステムに用いられることができる。図5Bに示すように、依然として3つのレベルに分けられる6個の端末機器1〜6であり、これら6個の端末機器に用いられるデータはSCMAによって多重化された後、無線伝送によって受信端で受信され、yと表される。受信信号yに対して、シリアル検出アルゴリズムSICに基づくデータ検出スキームは、各端末機器に用いられるデータをレベル毎に検出することができる。まず、第1レベルの検出を行い(例えば、SIC受信機の第1レベルのMPA手段にて実行することができる)、入力信号yに対して、端末機器の第1レベルをSIC検出対象とし、MPAによって、端末機器1及び2に用いられるデータx1、x2に復号する。図5Bの右側に示すように、MPA復号は、端末機器1及び2に対応する因子グラフF1(即ち、システム因子グラフから端末機器1及び2に対応する列を取り出して形成する)を用いることができる。次に、第2レベルの検出を行い(例えば、第2レベルのMPA手段にて実行することができる)、入力信号yから、復号されたデータx1、x2に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第2レベルをSIC検出対象とし、MPAによって、端末機器3及び4に用いられるデータx3、x4に復号する。そのうち、図5Bの右側に示すように、MPA復号は、端末機器3及び4に対応する因子グラフF2(即ち、システム因子グラフから端末機器3及び4に対応する列を取り出して形成する)を用いることができる。第3レベルの検出に対して(例えば、第3レベルのMPAにて実行することができる)、前のレベルの入力信号から、復号されたデータx3、x4に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第3レベルをSIC検出対象とし、MPAによって、端末機器5及び6に用いられるデータx5、x6に復号する。そのうち、図5Bの右側に示すように、MPA復号は、端末機器5及び6に対応する因子グラフF3(即ち、システム因子グラフから端末機器5及び6に対応する列を取り出して形成する)を用いることができる。前に述べたように、SCMAシステムに対して、各リソース因子ノードでの検出複雑度はM^df(正式表記は上記※4)に比例する。図5Bにおける因子グラフF1〜F3に示すように、グループ内の端末機器をレベル付けすることにより、実際に、毎回のMPA検出において単独のリソース因子ノードにオーバーラップする可能性のある端末機器数dfを減少させるので、毎回のMPA検出の複雑度を減少させることができる。
図5Cは、本開示の実施例に係るSICに基づく他の例示的なデータ検出スキームの検出処理を示す。グループ内の端末機器1〜6が2つのレベルに分けられることを除き、図5Cの例は図5Bに類似する。図5Cに示すように、端末機器1及び2は第1レベルに分けられ、端末機器3〜6は第2レベルに分けられる。これら6個の端末機器に用いられるデータは、SCMAによって多重化された後、無線伝送によって受信端で受信され、yと表される。受信信号yに対して、シリアル検出アルゴリズムSICに基づくデータ検出スキームにより、レベル毎に各端末機器に用いられるデータを検出することができる。まず、第1レベルの検出を行い、入力信号yに対して、端末機器の第1レベルをSICの検出対象とし、MPAによって、端末機器1及び2に用いられるデータx1、x2に復号する。そのうち、図5Cの右側に示すように、MPA復号は、端末機器1及び2に対応する因子グラフを用いることができる(即ち、システム因子グラフから端末機器1及び2に対応する列を取り出して形成する)。次に、第2レベルの検出を行い、入力信号yから、復号されたデータx1、x2に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第2レベルをSICの検出対象とし、MPAによって、端末機器3〜6に用いられるデータx3、x4、x5及びx6に復号する。そのうち、MPA復号は、端末機器3〜6に対応する因子グラフ(即ち、システム因子グラフから端末機器3〜6に対応する列を取り出して形成する)を用いることができる。図5Bの場合と似たように、図5Cの検出処理は、上記のSIC受信機を用いて実行することができる。但し、ここで2レベルのMPA手段だけで検出処理を完了させるのに対して、図5Bの検出処理では3レベルのMPA手段によって完成させる必要があることが相違する。
上記の図5A〜5Cは、具体的に上りリンクデータ伝送を例として本開示の応用例について説明した。当然のことながら、上り下りリンクデータ伝送に対して、このデータ検出過程はそれぞれ基地局と各端末機器で実行され、データの流れるチャネルが異なることを除き、他のフローは全て似ている。以下、図5Dを例として本開示に係る下りリンクデータ検出について簡単に説明する。図5Dに示すように、パターンドメイン接続システムにおける特定のグループ内の6個の端末機器1〜6に対して、仮に端末機器1及び2が第1レベルに分けられ、端末機器3及び4が第2レベルに分けられ、端末機器5及び6が第3レベルに分けられるとする。これら6個の端末機器に用いられる下りデータは、パターンドメイン多元接続方式によって多重化された後、無線伝送によって受信端iで受信される。受信信号はyi=diag(hi)Σ
6 j=1xj+n(正式表記は下記※7)と表されることができる。ここで、hiは端末機器iのチャネル行列を示し、xjは端末機器jに用いられるデータを示し、nはノイズを示し、diagは括弧内のベクトルで対角行列を構築することを示す。端末機器iの受信信号yiに対して、シリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームにより、レベル毎に各端末機器に用いられるデータを検出することができる。まず、第1レベルの検出を行い(例えば、シリアル検出受信機の第1レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、入力信号yiに対して、端末機器の第1レベルをシリアル検出対象とし、且つパラレル検出アルゴリズムによって端末機器1及び2に用いられるデータx1、x2に復号する。次に、第2レベルの検出を行い(例えば、第2レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、入力信号yiから、復号されたデータx1、x2に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第2レベルをシリアル検出対象とし、且つパラレル検出アルゴリズムによって端末機器3及び4に用いられるデータx3、x4に復号する。第3レベルの検出に対して(例えば、第3レベルのパラレル検出部にて実行することができる)、前のレベルの入力信号から、復号されたデータx3、x4に対応する部分を引いたものを入力とし、端末機器の第3レベルをシリアル検出対象とし、且つパラレル検出アルゴリズムによって端末機器5及び6に用いられるデータx5、x6に復号する。下りリンクデータ伝送において、端末機器1及び2は、第1レベルの検出のみを実行しても良く、端末機器3及び4は、第1レベル及び第2レベルの検出を実行する必要があり、端末機器5及び6は、第1レベル〜第3レベルの検出を実行する必要がある。これによって、端末機器自身に用いられるデータに復号する。仮に変調方式がQPSK、即ち、コンステレーション図におけるポイント数がM=4であるとして、図5Bにおける検知動作の複雑度は(4
1+4
1+4
1)にかかわり、図5Cにおける検知動作の複雑度が(4
1+4
2)に関わっても良い。同様の変調方式及びリソースの配分方式に対して、MPAのみを行う複雑度が(4
3)に関わっても良く(F1〜F3によって構成される因子グラフ全体において、各リソース因子ノード上にオーバーラップする端末機器数が3であるから)、シリアル検出のみを行う場合、検出複雑度が最も低い。上記から分かるように、図5B、5Cにおける例示的なデータ検出スキームは、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPAアルゴリズム)とシリアル検出アルゴリズム(例えば、SICアルゴリズム)の複雑度のトレードオフを実現することができる。更に、図5B、5Cから分かるように、グループ内のレベル数が多いほど、検出複雑度は小さくなるが、検出性能はそれに応じて低下する。そのため、シリアル検出アルゴリズムとパラレル検出アルゴリズムを組み合わせて検出アルゴリズム設計を行うことも検出複雑度と検出性能に対するトレードオフである。
前に述べたように、電子機器200(例えば、前処理部205によって)は、更に、初期のリソースの配分を行うように配置されることができる。以下、図6を参照して、本開示の実施例に係るグループ内のリソースの配分の例を説明する。この例の他に、当業者は任意の適当な方式で初期のリソースの配分を行うことができる。
一つの実施例において、決定されたグループ内のリソースの配分は、同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを出来るだけ小さくすることができる。図6は、SCMAシステムを例として、本開示の実施例に係るグループ内のリソースの配分の一例を示す。SCMAシステムにおけるリソースの配分は、因子グラフマトリクスFによって表すことができる。そのうち、因子グラフマトリクスFにおける各行は、一つのリソースノードに対応し、各列は、1個の端末機器に対応し、第i行第j列の要素が1であることは、端末機器jがリソースiを占有することを示し、第i行第j列の要素が0であることは、端末機器jがリソースiを占有しないことを示す。図6における因子グラフマトリクスFは、図5Bにおける検出アルゴリズムに対応する例であり、F1、F2及びF3は順にそれぞれFの二列を取り出す。一つの例において、依然として端末機器1及び2が第1レベルに分けられ、端末機器3及び4が第2レベルに分けられ、端末機器5及び6が第3レベルに分けられるとする。図6に示すように、Fで表されるグループ内のリソースの配分は、各レベル内で異なる端末機器のデータストリームがそれぞれ異なるリソースを占有するようにする。即ち、リソースオーバーラップを出来るだけ小さくする(この時も最も小さい)。他の例において、仮に端末機器3〜6が1つのレベルに分けられるとする。各端末機器のリソース需要制限によって(即ち、需要リソース数が2である)、この時、Fで表されるグループ内のリソースの配分は、端末機器3〜6のデータストリームがそれぞれ異なるリソースを占有するようにすることができないが、リソースオーバーラップを出来るだけ小さくすることができる。
同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップが出来るだけ小さいことは、実際に、単独のリソース因子ノード上にオーバーラップする端末機器数dfを減少させる。そのため、毎回のMPA検出の複雑度を減少させることができる。一つの例において、グループ内のリソースの配分を行う時、レベルが前である端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを優先的に出来るだけ小さくすることができる。これにより、検出順位の早い端末機器の検出性能を良好にし、シリアル検出における誤差が伝えられるのを避けることができる。さらに、他の例において、シリアル検出において検出順位の早い端末機器のデータストリームと、検出順位がその後の他のデータストリームとのリソースを出来るだけ直交させることができ、同様にシリアル検出における誤差が伝えられるのを避けることに寄与する。
上記のように、上りリンクデータ伝送及び下りリンクデータ伝送において、データ検出スキームを実行する機器は異なっていてもよい。上りリンクデータ伝送に対して、基地局側でデータ検出スキームを実行することができる。下りリンクデータ伝送に対して、端末機器側でデータ検出スキームを実行することができる。基地局が比較的多い処理リソースを有することができるので、復号能力が比較的強く、各種の複雑度の検出を実行することができる。これに対して、端末機器は一般的に限られた処理リソースを有する可能性があり、それに応じて、復号能力は比較的弱い。そして、異なる端末機器では、復号能力に差があるため、所定の検出複雑度のみをサポートする。例えば、一部の端末機器は、パラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA)及びシリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)をサポートすることができ、他の端末機器は、シリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)のみをサポートすることがある。そのため、下りリンクデータ伝送に対して、電子機器200(例えば、前処理部205)は、端末機器を組分けし、データ検出スキームを決定する時、各端末機器の復号能力を考慮して、端末機器の組分け、グループ内のレベル付け、リソースの配分を適切に行うべきである。
一つの実施例において、基地局から端末機器への下りリンクデータ伝送に対して、特定の端末機器の復号能力がシリアル検出アルゴリズムのみをサポートする場合、グループ内の端末機器をレベル付けすることは、この特定の端末機器に比較的高い下りリンク伝送電力を配分し、且つこの特定の端末機器を単独で検出順位ができるだけ早いレベルに組分けすることを含んでも良い。
前に述べたように、一般的には、グループ内の端末機器をレベル付けすることは、端末機器をチャンネル利得の高低に従い相応のレベルに組分けすることを含むことができる。また、一般的には、比較的高いチャンネル利得に対応するレベル内の端末機器のデータストリームの検出順位が早い。端末機器の復号能力を考慮して、一つの例において、データ検出スキームを決定する時、シリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)のみをサポートする端末機器を単独で1つのレベルに組分けすることができる。これによって、この端末機器はレベル内でパラレル検出を実行する必要がなく、シリアル検出アルゴリズムのみによって復号する。シリアル検出において、順位の早い検出処理は相対的に簡単であるため、シリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)のみをサポートする端末機器の処理負担をさらに低減させるために、それを単独で検出順位ができるだけ早いレベルに組分けすることができる。この時、シリアル検出はレベルは前の受信信号の強度が比較的高いことを要求することを考慮して、この端末機器の受信信号の強度を向上させるために、この端末機器に比較的高い下りリンク伝送電力を配分する必要がある。
一つの実施例において、基地局から端末機器への下りリンクデータ伝送に対して、特定の端末機器の復号能力がシリアル検出アルゴリズムのみをサポートする場合、端末機器をグループに組分けすることは、更に、シリアル検出アルゴリズムのみをサポートする端末機器を同一グループに組分けすることを含み、このグループ内の端末機器はシリアル検出アルゴリズムのみによって検出される。
場合によって、端末機器の処理能力に基づいて端末機器の復号能力を定義することができ、処理能力が強いほど、復号能力は高くなる。逆もまた然りである。場合によって、更に、サービスの復号レイテンシ要求に応じて、端末機器の復号能力を修正することができる。復号レイテンシ要求が高いほど、復号能力は低下する。逆もまた然りである。端末機器の復号能力は異なる表現形式があり、以下は2種類の例示的な表現形式であり、当業者は、他の適当な表現形式を構想することができる。
1)復号能力インジケーター(decoding capability indicator)で示す。例えば、復号能力を5つのレベルに分け、復号能力インジケーター1〜5(又はA〜E)で示し、5(又はE)は復号能力が最も高いことを示し、1(又はA)は復号能力が最も低いことを示すことができる。更に、例えば、復号能力インジケーター1を用いて、端末機器がパラレル検出アルゴリズム(例えば、MPA。この時、端末機器はSICなどのシリアル検出アルゴリズムをサポートすることもできる)をサポートできることを示し、復号能力インジケーター0を用いて、端末機器がシリアル検出アルゴリズム(例えば、SIC)のみをサポートすることを示す。
2)具体的な数値パラメータで示す。例えば、このパラメータは、端末機器において復号するための計算リソースであっても良く、例えば、GHzを単位とする。端末機器において復号するために用いられる計算リソースが多いほど、復号能力は強くなる。逆もまた然りである。
一つの実施例において、端末機器は、初期的に自身の復号能力を基地局に報告することができる(例えば、RRC層シグナリングの形など)。これにより、電子機器200はそれを取得して、端末機器の組分け、グループ内のレベル付け又はリソースの配分を適切に行うことができる。
一つの実施例において、下りリンクデータ伝送に対して、電子機器200(又は検出情報収集部215)は、端末機器から下りリンクデータ伝送の検出情報を取得することにより、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行うように配置されることができる。
端末機器に対して組分けを行い、データ検出スキームを決定し、リソースを配分する前処理の各種の実施例について説明したが、組分け、データ検出スキームの決定及びリソースの配分の具体的な態様は決してこれらの実施例に限定されず、例えば、前処理時には、通常の方式を使用してデータ検出スキームを決定することができ(例えば、グループ内で1つのレベルのみを含むパラレル検出アルゴリズムを利用して)、リソースの配分は、ランダムに行うか、又は通常の方式で行うことができる。
以上のように、図3A〜図6を参照して電子機器200の前処理部205が実行する具体的な例示的な動作について詳細に説明した。前処理部205は、端末機器の組分け、初期のリソースの配分を行い、初期のデータ検出スキームを決定した後、必要な相応の情報を各端末機器に通知する必要がある。例えば、端末機器から基地局への上りリンクデータ伝送に対して、リソースの配分を行った後、端末機器に相応のリソースの配分の結果を通知することができる。端末機器は、このリソースの配分の結果に基づいて、上りリンクデータ伝送を行うことができる。更に、例えば、基地局から端末機器への下りリンクデータ伝送に対して、端末機器の組分け、リソースの配分、データ検出スキームの決定のうちの少なくとも1つを実行した後、端末機器に相応の端末機器の組分けの結果、リソースの配分の結果及びデータ検出スキームのうちの少なくとも1つを通知することができる。端末機器は、このリソースの配分の結果に基づいて、下りリンクデータを受信し、データ検出スキームに基づいて、所属するグループ内の他の端末機器の情報を組み合わせて検出を行う。なお、上記の前処理部205について詳しく説明した端末機器の組分け、データ検出スキームの決定及びリソースの配分の原則や動作は、同様に更新部210が実行する端末機器の再組分け、データ検出スキームの更新及びリソースの再配分に適用することができる。
以下、図7〜図9を参照して、電子機器200の更新部210が実行する具体的な例示的な動作について詳しく説明する。本開示の実施例によれば、前に述べたように、更新部210は、例えば、データ伝送の検出情報に基づいて、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行うように配置されることができる。本開示の実施例によれば、検出情報は、検出誤差情報や複雑度情報などを含むことができる。無線通信システムは、一般的には、データ復号に対して、ビット誤り率又は再送率(HARQによって伝送する場合の再送数の統計情報)の要求が存在する。それに応じて、一つの例において、検出誤差情報は、データ検出スキームによって検出する時のビット誤り率レベル又は再送率を含むことができる。検出誤差情報がビット誤り率又は再送率要求を満たさない場合、端末機器の組分け、グループ内のリソースの配分及び/又はデータ検出スキームを更新する必要があるかもしれない。場合によって、特に、下りリンク伝送(処理能力が限られた端末機器によって復号するため)に対して、データ復号時の検出複雑度レベルを更に考慮する必要があり、且つ実際の検出複雑度レベルが所定の検出複雑度閾値より低いことが望ましい。検出複雑度が検出複雑度閾値よりも高い場合、同様に端末機器の組分け、グループ内のリソースの配分及び/又はデータ検出スキームを更新する必要があるかもしれない。検出複雑度情報は、データ検出スキームによって検出する際の検出複雑度レベルを含んでも良い。一つの例において、検出複雑度レベルは、データの復号に掛かる時間(復号遅延とも言う)で示すことができ、復号遅延が大き過ぎると、無線通信システムのスペクトル効率に影響する恐れがある。上記のように、上り下りリンクデータ通信に対して、各々の検出情報を有しても良い。そして、検出情報は、特定の端末機器に用いられる検出情報(例えば、この端末機器の検出誤差情報)、特定のグループに用いられる検出情報(例えば、このグループ内の端末機器の平均検出誤差情報)及びシステム全体に用いられる検出情報(例えば、システム全体における端末機器の平均検出誤差情報)を含む。
一つの例示的な実施態様によれば、実行のタイミング又は条件が異なることを除き、更新部210が実行する端末機器の再組分け、データ検出スキームの更新、リソースの再配分の動作は、例えば、以上で詳細に説明された前処理部205が実行する端末機器の組分け、データ検出スキームの決定、リソースの配分の原則及び動作と殆ど同じであるため、詳しい実行過程に関する説明は繰り返さない。実行のタイミング又は条件に関して、前処理部205は、データ伝送の前に、初期的に相応の動作を実行する。これに対して、更新部210は、データ伝送中で相応の更新動作の組み合わせを実行する。データ伝送中で、更新部210は、データ伝送の検出情報に基づいて更新動作の組み合わせを実行することができ、更新動作の組み合わせは、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを含むことができる。以下、図7を参照して、本開示の実施例に係る更新部210の例示的な更新動作の組み合わせについて説明する。
図7に示すように、更新動作組み合わせaは、グループ内のリソースの再配分動作のみを含んでも良い。例えば、グループ内の初期リソースの配分が、グループ内の同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを出来るだけ小さくしていない場合、更新動作組み合わせaを実行することができる。グループ内のリソースの再配分動作によって、グループ内の同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを減少させて、且つ/又はシリアル検出アルゴリズムにおいて検出順位が早い端末機器のデータストリームと検出順位がその後の他のデータストリームとのリソースオーバーラップを減少させることができる。更新動作組み合わせaは、データ検出スキームの更新及び端末機器の再組分けに関わらず、グループ内の端末機器のデータストリーム間のリソースの配分のみを調整することができる。図9は、本開示の実施例に係る更新動作組み合わせaを実行する前及び実行した後の例示的なグループ内のリソースの配分の状況を示す。そのうち、第1レベルの端末機器1のデータストリームとのリソースオーバーラップを減少させるために、更新動作組み合わせaは、第1レベルにおける端末機器2のデータストリームのリソースの配分を調整した。
図7に示すように、更新動作組み合わせbは、データ検出スキームの更新を含んでも良く、更に、場合によって、グループ内のリソースの再配分を含んでも良い。一つの例において、更新動作組み合わせbは、データ検出スキームの更新によって、グループ内の各端末機器のデータストリームのシリアル検出アルゴリズムにおける検出順位、即ち検出レベルを調整し(例えば、これによって、各端末機器をチャンネル利得の高低に従い、相応のレベルに組分けする)、且つ/又はシリアル検出アルゴリズムにおけるシリアル検出のレベル数を調整することができる。次に、更新動作組み合わせbは、更に、グループ内のリソースの再配分を行うことができる。これにより、グループ内の同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを減少させることができ、場合によって、シリアル検出アルゴリズムにおいて検出順位が早い端末機器のデータストリームと、検出順位がその後の他のデータストリームとのリソースオーバーラップを減少させることができる。シリアル検出のレベル数を調整する例として、図5B及び図5Cにおける例示的な検知動作を参照することができる。グループ内の検出レベルのレベル数を減少させる(例えば、検知動作を図5Bから図5Cに調整する)ことで、検出性能を改善することができる。一方、グループ内の検出レベルのレベル数を増大させる(例えば、検知動作を図5Cから図5Dに調整する)ことで、検出複雑度を低下させることができる。
図7に示すように、更新動作組み合わせcは、端末機器の再組分け、データ検出スキームの更新及びグループ内のリソースの再配分を含むことができる。一つの例において、更新動作組み合わせcは、システムにおける端末機器の再組分けによって、グループ内の端末機器のチャンネル利得差を増大させることができる。例えば、各端末機器のチャネル状態(例えば、チャンネル利得)は時間が経つにつれ変化する場合、再組分けを行う必要がある可能性がある。次に、更新動作組み合わせcは、データ検出スキームの更新によって、グループ内の各端末機器のデータストリームのシリアル検出アルゴリズムにおける検出順位を調整することができ、且つ/又はシリアル検出アルゴリズムにおけるシリアル検出のレベル数を調整することができる。その後、更新動作組み合わせcは、更に、グループ内のリソースの再配分を行うことができる。これにより、グループ内の同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを減少させることができる。且つ、場合によって、シリアル検出アルゴリズムにおける検出順位が早い端末機器のデータストリームと、検出順位がその後の他のデータストリームとのリソースオーバーラップを減少させることができる。
図7によると、更新動作組み合わせa〜cの実行複雑度は順次漸増することが分かる。更新動作組み合わせaの複雑度が最も低く、端末機器の再組分けやデータ検出スキームの更新を実行せず、グループ内のリソースの再配分のみを実行しても良い。更新動作組み合わせaを実行する場合、上りリンクデータ伝送に対して、基地局は、リソースが再配分された端末機器にこの端末機器の更新されたマッピング行列Vを通知することができる。下りリンクデータ伝送に対して、基地局は、各端末機器に因子グラフマトリクスFにおける相応の列を更新する旨を通知することができる。更新動作組み合わせbの複雑度は更新動作組み合わせaより高く、既存のグループで端末機器を新たにレベル付けすることで、少なくとも一つの端末機器のレベルを調整し、かつレベル付けした後でリソースの配分を行う必要がある。更新動作組み合わせbを実行する場合、上りリンクデータ伝送に対して、データ伝送受信側としての基地局は、再レベル付けの状況に応じて、グループ内の端末機器の検出順位を更新し、且つリソースが再配分された端末機器に、この端末機器の更新されたマッピング行列Vを通知する必要がある。下りリンクデータ伝送に対して、基地局は、グループ内の各端末機器にその更新されたシリアル検出レベルを通知し、各端末機器に因子グラフマトリクスFにおける相応の列を更新させる。更新動作組み合わせcに対して、その端末機器の再組分けは、少なくとも二つのグループにおける端末機器のグループを変え、さらにはシステムにおける全ての端末機器に対して例えば図4A又は図4Bに示される組分け動作を実行する可能性があり、しかも組分け動作の後に、調整されたグループに対してグループ内の再レベル付け及びグループ内のリソースの再配分を行う必要がある。従って、更新動作組み合わせcの複雑度が最も高い。更新動作組み合わせcを実行する場合、上りリンクデータ伝送に対して、データ伝送受信側としての基地局は、組分け、レベル付けの状況を更新して、リソースが再配分された端末機器にこの端末機器の更新されたマッピング行列Vを通知する必要がある。下りリンクデータ伝送に対して、基地局は各端末機器に更新されたグループ、レベル付けの状況を通知し、各端末機器に因子グラフマトリクスFを更新させる。
一つの例において、図7に示される更新動作bのうち点線枠のグループ内のリソースの再配分動作を実行しなくても良い。例えば、検出順位又はシリアル検出のレベル数を調整した後、上記のリソースオーバーラップが出来るだけ小さい条件をを満たせば、グループ内のリソースの再配分を行う必要がない。データ検出スキームの更新のみを含む更新動作組み合わせを更新動作組み合わせb’と記することができる。更新動作組み合わせb’を実行する場合、上りリンクデータ伝送に対して、基地局において再レベル付けの状況に基づいてグループ内の端末機器の検出順位を更新することのみに関わる。下りリンクデータ伝送に対して、基地局が各端末機器にその更新されたシリアル検出レベルを通知することのみに関わる。シグナリングの観点から、更新動作組み合わせaに比較して、更新動作組み合わせb’のほうが複雑度が低い可能性がある。本開示の以下の内容では、一般性を失わずに更新動作組み合わせa〜cについてより多く説明するが、更新動作組み合わせb’も生じる可能性があり、他の更新動作組み合わせと同等の地位にある。また、その複雑度が低いため、場合によって、より高い実行優先度を有してもよい(例えば、図8Bにおいて、検出性能を満たす場合、組み合わせb’を組み合わせaに優先して実行することができる)。
異なる更新動作組み合わせの複雑度の差を考慮して、異なる方法によって複雑度が適切な更新動作組み合わせを実行するように制御することができる。更新動作組み合わせの「複雑度が適切である」とは、この更新動作組み合わせによって、無線通信システムの検出性能要求を満たすことができることを指す。一つの例において、更新動作組み合わせa〜cの優先度が順次漸減するように設定することができる。即ち、グループ内のリソースの再配分を最も優先的に実行し、次に、データ検出スキームの更新を優先的に実行し、最後に、端末機器の再組分けを優先的に実行することができる。それに応じて、まず優先度の高い更新動作組み合わせを実行し、且つ、比較的高い優先度を有する更新動作組み合わせが検出性能要求を満たせない場合にのみ、次の優先度の更新動作組み合わせを実行する。他の例において、主に更新動作組み合わせcの実行複雑度が高過ぎることを考慮して、異なる動作モードをシステムに設置することができる。例えば、モード1において、動作cの実行を許可せず、動作a及びbのみを実行できる。モード2において、動作cの実行を許可し、動作a〜cを実行できる。モード1及びモード2の間で選択することができ、且つ、モード1が検出性能要求を満たせない場合にのみ、モード2をスタートすることができる。
一つの実施例において、検出情報に基づく端末機器の再組分け、リソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つは、周期的に行っても良い。他の実施例において、検出情報に基づく端末機器の再組分け、リソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つは、イベントによりトリガーされてもよく、トリガーイベントは、検出情報に反映された検出性能(ビット誤り率や再送率など)が性能要求を満たさないことを含んでも良い。例えば、トリガーイベントは、検出誤差がビット誤り率又は再送率の要求を満たさない時間が第1の所定の持続時間に達したこと、及び/又は検出複雑度が検出複雑度閾値を超える時間が第2の所定の持続時間に達したことを含むことができる。
図8A及び図8Bは、本開示の実施例に係る周期的に又はトリガーイベントに基づいて更新動作組み合わせを実行する例示的な方法のフローチャートを示す。各端末機器の無線チャネル利得が時間が経つにつれ変化するので、所定の周期に基づいて適切な更新動作組み合わせを実行する必要があるかもしれない。例えば、異なる更新動作組み合わせの複雑度又は優先度が異なることを考慮して、異なる更新動作組み合わせに対して相応の実行周期を予め設定することができる。例えば、更新動作組み合わせbに周期T1を予め設定し、更新動作組み合わせcに周期T2を予め設定することができる。ここで、T1<T2で、つまり、更新動作組み合わせcの実行頻度は、更新動作組み合わせbの実行頻度よりも小さい。図8Aは、本開示の実施例に係る周期的に更新動作組み合わせを実行する例示的な方法800のフローチャートを示す。図8Aに示すように、方法800によれば、枠805において、無線通信システムは通常に動作する。枠810において、稼動開始時刻から時間T1が経過した。枠815において、この経過時間がT2に達したか否かを判断する。達していない場合、枠820へ移行し、更新動作組み合わせbを実行し、且つ枠805に戻ってシステム動作を継続する。達した場合、これは枠820における更新動作組み合わせbを複数回実行した後で達した可能性があり(予め設定されたT1とT2の間の関係による)、枠825へ移行して、更新動作組み合わせcを実行し、そして枠805に戻り、システム動作を継続する。その後、上記の過程を繰り返す。このフローチャートは、周期的に更新動作組み合わせb及びcを実行する例示的な過程を示すが、類似した方式で、周期的に更新動作組み合わせa及びb、更新動作組み合わせa及びc、又は更新動作組み合わせa、b及びcを実行することもできる。
検出情報を取得できる(特定の端末機器に用いられる検出情報、特定のグループに用いられる検出情報及びシステム全体に用いられる検出情報を含む)場合、トリガーイベントに基づいて適切な更新動作組み合わせを実行しても良い。検出情報は、検出誤差情報を含むことができ、トリガーイベントは、例えば、検出誤差情報に基づいて決定された検出性能がビット誤り率又は再送率要求を満たさないことであっても良い。一つの例において、トリガーイベントは、検出性能がビット誤り率又は再送率要求を満たさない時間が予め設定された時間に達したことであっても良い。図8Bは、本開示の実施例に係るトリガーイベントに基づいて更新動作組み合わせを実行する例示的な方法850のフローチャートを示す。なお、図8Bにおけるトリガー条件は、特定のグループの検出性能又はシステム全体の検出性能に関するものであってよい。図8Bに示すように、開始時に、変数Bを0に初期化する。そのうち、変数Bは計数用のものであり、更新動作組み合わせbの実行回数を示す。この例において、更新動作組み合わせbを連続実行するために、1つの回数を予め設定し、変数Bが所定の回数に達した後、比較的複雑な更新動作組み合わせcを実行することにより、グループ、リソースの配分及びデータ検出スキームを調整する。図8Bに示すように、方法850によれば、枠855において、無線通信システムは通常に動作する。枠860において、(特定のグループ又はシステム全体の)検出性能がビット誤り率又は再送率要求を満たさない時間が所定時間に達した。枠865において、グループ内にリソースを調整する余地があるか否かを判断する。グループ内にリソースを調整する余地があることとは、例えば、グループ内に同一レベルの端末機器のデータストリーム間に比較的大きいリソースオーバーラップが存在し、且つ調整によってこのリソースオーバーラップを減少できることを指す。枠865において、「YES」と判断する場合、枠870へ移行し、更新動作組み合わせaを実行し、そして枠855に戻って、システムは動作し続ける。「NO」と判断する場合、枠875へ移行し、更新動作組み合わせbを実行し、Bの値に1をインクリメントし、その後、枠880に到達し、システムは動作し続ける。枠880及び枠885の動作は、枠855と枠860の動作に類似する。枠880と枠885の動作の後、枠890において変数Bが所定の回数に達成したか否かを判断する必要がある。達していない場合、枠875に戻り、枠875〜890の動作を繰り返す。達した場合、枠895に移行し、更新動作組み合わせcを実行し、Bの値として0をとる。その後、枠880に戻り、システムは動作し続ける。
上りリンク伝送に対して、基地局にてデータ検出を実行する。従って、電子機器200(又はその検出情報収集部215)は検出情報をより容易に取得する。下りリンク伝送に対して、各端末機器にてデータ検出を実行し、基地局に検出情報を報告する。従って、電子機器200(又はその検出情報収集部215)が検出情報を得るのは比較的複雑である可能性がある。従って、図8Bに示す方法は、上りリンク伝送に適する可能性がある。しかし、この方法は同様に下りリンク伝送に適用できる。
一つの実施例によれば、検出情報は検出複雑度情報を含むことができる。データ検出スキームの更新は、検出複雑度が検出複雑度閾値より高い場合に端末機器グループ内の端末機器レベル数を増加することを含むことができる。
更に、トリガーイベントに基づいて更新動作組み合わせを実行する他の場合も存在する。例えば、検出情報は、検出複雑度情報を含むことができ、トリガーイベントは、検出複雑度が予め設定された閾値より高いことであっても良い。この場合、検出複雑度を低下させるために、グループ内のシリアル検出のレベル数を増加することができ、例えば、この動作を更新動作組み合わせbに組み込むことで実現することができる。
なお、更新動作のトリガー条件は、さらに、特定の端末機器の検出性能に対することができる。例えば、トリガーイベントは、特定の端末機器の検出性能がビット誤り率又は再送率要求を満たさない時間が予め設定された時間に達したことであっても良い。本開示の実施例によれば、この特定の端末機器に対して更新動作を行っても良い。例えば、まず、更新動作組み合わせaによってグループ内のリソースの配分を調整することができる。次に、更新動作組み合わせbによってグループ内のレベル付けを調整することができ、例えば、図5Bに示される端末機器3の検出性能が要求を満たさない場合、検知動作を図5Cにおけるレベル付けに調整することができる。これにより、レベル数を減らし、検出性能を向上させることができる。更に、端末機器の再組分けを行うことができる。これにより、この特定の端末機器が所属するグループ内の端末機器の間のチャンネル利得差を増大させることができる。例えば、この特定の端末機器とそれが所属するグループ内の他の端末機器の間のチャンネル利得差を特に増大させることができる。システムに12個の端末機器が存在することを考慮して、チャンネル利得を高い順に[8,8,8,8,4,4,4,4,2,2,1,1]に並み替え、初期は2グループに組分けされ、いずれも[8,8,4,4,2,1]である。これにより、チャンネル利得を出来るだけ大きくする。仮にそのうちの1つのグループにおいて、チャンネル利得が8である1個の端末機器の検出性能がビット誤り率要求を満たさないとする場合、この端末機器のグループを調整し、この端末機器とそれが所属するグループ内の他の端末機器のチャンネル利得差を増大させる必要がある。調整することにより、検出性能がビット誤り率要求を満たさなかった端末機器が所属するグループは[8,8,2,2,1,1]であり、他方のグループは[8,8,4,4,4,4]である。
図8Bに示す更新動作組み合わせを実行する例示的な方法によると、データストリームに対する検出誤差がビット誤り率又は再送率要求を満たさない場合、更新動作を実行することは、グループ内の端末機器のチャネル利得差を増大させるように端末機器の再組分けを行うこと、グループ内の各端末機器のデータストリームのシリアル検出アルゴリズムにおける検出順位を調整するようにデータ検出スキームの更新を行うこと、シリアル検出アルゴリズムにおけるシリアル検出のレベル数を調整するようにデータ検出スキームの更新を行うこと、シリアル検出アルゴリズムにおいて検出順位が早い端末機器のデータストリームと検出順位が後にある他のデータストリームとのリソースオーバーラップを減少させるようにグループ内のリソースの再配分を行うこと、及び同一グループ内の同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを減少させるようにグループ内のリソースの再配分を行うことのうちの少なくとも一つを実行することを含むことができる。一つの実施例によれば、検出情報は検出誤差情報を含むことができ、データ検出スキームの更新は、システム平均検出誤差が平均ビット誤り率要求を満たさない場合にグループ内のレベル数を減少させることを含むことができる。電子機器200の前処理部205及び更新部210が相応の動作を実行した後、電子機器200は、一部の動作結果を各端末機器に通知し、端末機器に使用される。端末機器から基地局への上りリンクデータ伝送に対して、リソースの配分とリソースの再配分を行った後、電子機器200は、端末機器に相応のリソースの配分の結果を通知することができる。基地局から端末機器への下りリンクデータ伝送に対して、端末機器の組分け及び再組分け、リソースの配分及び再配分、データ検出スキームの決定及び更新のうちの少なくとも1つを実行した後、電子機器200は、相応の端末機器の組分け又は再組分けの結果、リソースの配分又は再配分の結果及び決定又は更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つを端末機器に通知することができる。
上記のように、下りリンク伝送に対して、各端末機器にてデータ検出を実行し、基地局に検出情報(例えば、検出誤差情報及び/又は検出複雑度情報)を報告することにより、適切な更新動作組み合わせを実行する。それに応じて、基地局から端末機器への下りリンクデータ伝送に対して、電子機器200は、端末機器から下りリンクデータ伝送の検出情報を取得することで、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行うように配置されることができる。
以下、図10を参照して、本開示の実施例に係る無線通信システムに用いられる他の例示的な電子機器について説明する。1つの例示的な応用において、電子機器1000は、パターンドメイン多元接続システムの下りリンクデータ伝送に用いられることができる(この時、電子機器1000は、上りリンクデータ伝送機能を備えても良い)。図10に示すように、一つの実施例において、電子機器1000は、取得部1005を含むことができる。以下、電子機器1000及びその手段が実現する動作又は機能について説明する。
一つの実施例において、取得部1005は、端末機器の組分けの結果を取得するように配置されることができる。この端末機器の組分けの結果は、端末機器情報に基づいてデータ伝送に対して決定されるものである。そのうち、同一グループ内の端末機器の複数のデータストリームは、パターンドメイン多元接続によってリソースを多重化する。取得部1005は、更に、端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つを取得するように配置されることができ、前記端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つは、データ伝送の検出情報に基づいて決定されるものである。そのうち、データ検出スキームは、前記電子機器がシリアル検出アルゴリズムに基づいて、受信された受信データ復号するために用いられる。
なお、本開示の実施例によれば、以上の端末機器の組分けの結果と端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つは、電子機器200にて以上のように詳細に説明された実施例に基づいて生成されてもよい。一つの例において、取得部1005は、基地局からこれらの結果を取得することができる。
また、一つの例において、取得部1005は、更に、基地局から初期のデータ検出スキームを取得するように配置されることができる。基地局がこのデータ検出スキームを決定することは、少なくとも一つのレベルが二つ又はより多いの端末機器を含むように、グループ内の端末機器をレベル付けすることを含む。そのうち、レベルの異なる端末機器はシリアル検出アルゴリズムによって検出され、同一レベルの複数の端末機器は、パラレル検出アルゴリズムによって検出される。
一つの例において、取得部1005は、更に、基地局から初期のグループ内のリソースの配分の結果を取得するように配置されることができ、このリソースの配分の結果により、同一レベルの端末機器のデータストリーム間のリソースオーバーラップを出来るだけ小さくする。
他の実施例によれば、電子機器1000は、報知部1015を更に含むことができる。報知部1015は、基地局に、基地局にて実行する端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つに用いられる検出情報を報告するように配置されることができる。前記のように、検出情報は、検出誤差情報(ビット誤り率又は再送率)及び検出複雑度情報を含むことができる。
本開示の実施例によれば、電子機器1000は、以下の例示的な方式によって検出情報を決定することができる。一つの実施例において、基地局は電子機器1000に専用の参照信号又はパイロット又は任意の既知の系列を送信することができる。参照信号又はパイロット又は他の系列は電子機器1000に対して既知であるため、電子機器1000は、受信してそれを検出した後、検出誤差情報を決定することができる。一つの例において、参照信号又はパイロット又は任意の既知の系列は各端末機器に対して同一であっても良い。他の実施例において、電子機器1000は、実際の下りリンクデータ伝送に基づいて検出情報を決定することができ、例えば、チャネルコーデックに基づいて推定することができる。実際の下りリンクデータ伝送過程において、電子機器1000は、チャネル復号を行うことができる。チャネルコーデックはエラービットを検出又は是正することができるので、電子機器1000は、データ検出の誤差を推定することができる。具体的に、パリティや巡回冗長符号などのエラー検出コードに対して、エラー発生のビット数を検出することにより、検出誤差を決定することができる。LDPCやTurbo符号などのエラー訂正コードに対して、チャネル復号の入力と出力を比較することで、訂正されたエラービット数を得て、データ検出の誤差を推定することができる。この二つの実施例において、電子機器1000は、検出複雑度情報を決定することができ、例えば、検出時間遅延で示す。
なお、報知部1015は、周期的に又はトリガー条件又は両方に基づいて基地局に検出情報を報告するように配置されることができる。周期的な報告に対して、報知部1015は、所定の周期おきに基地局に検出情報をフィードバックすることができ、この周期は、10msなどの固定値であっても良い。SCMAシステムにおいて、この周期は、マッピング行列又はコンステレーション図の有効期間に関わっても良い。例えば、この周期はマッピング行列又はコンステレーション図の有効期間の1/4などであっても良い。トリガー条件に基づく報告に対して、報知部1015は、例えば、ビット誤り率が所定の閾値(例えば10−3)を超えた時に基地局に検出誤差をフィードバックすることができる。
一つの実施例によれば、報知部1015は、更に、基地局に端末機器の復号能力を報告するように配置されることができる。端末機器の復号能力に関しては前記の関連説明を参照することができるので、ここで説明を繰り返さない。
一つの実施例において、図10における電子機器1000は、例えば、図1A及び図1Bにおける端末機器又は端末機器の一部であっても良い。電子機器1000は、端末機器の組分けの結果、リソースの配分の結果及びデータ検出スキームのうちの少なくとも1つに基づいて受信データを復号することができる。更に、電子機器1000は、端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つに基づいて受信データを復号することができる。電子機器1000は、前記実施例において端末機器が行った任意の動作を実行することができる。電子機器1000は、端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つに基づいて、基地局から受信された受信データを復号するように配置されることができる。
取得部1005及び報知部1015のうちの一つ又は複数は、処理回路によって実現されることができる。ここで、処理回路は、コンピューティングシステムにおいて機能を実行するデジタル回路システム、アナログ回路システム又は混合信号(アナログとデジタルの組み合せ)回路システムの様々な実現方式を指すことができる。処理素子は、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)という回路、独立のプロセッサーコアの一部のOR回路、全体のプロセッサーコア、独立のプロセッサー、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)というプログラマブルハードウェア機器、及び/又は複数のプロセッサーを含むシステムを含むことができる。
なお、電子機器1000は、チップレベルで実現されることができ、又は他の外部部材を含んで機器レベルで実現されることもできる。例えば、電子機器1000はコンプリートマシンとしていて、通信機器として動作することができる。
注意すべきことは、上記各手段は、それが実現する具体的な機能に基づいて区分されたロジックモジュールだけであり、具体的な実現方式を制限することは意図していない。実際に実現される時、上記各機能部は、独立した物理エンティティとして実現されることができ、又はシングルのエンティティ(例えば、プロセッサー(CPU又はDSP等)、集積回路等)によって実現されることもできる。
また、本開示の実施例は無線通信システムに用いられる他の電子機器に係り、パターンドメイン多元接続システムの上りリンクデータ伝送に用いられることができる(この時、この電子機器は下りリンクデータ伝送機能を備えても良い)。一つの実施例によれば、この電子機器は、リソースの配分の結果及びリソースの再配分の結果を取得することで、対応する伝送リソースで上りリンクデータ伝送を行うように配置されることができる。
図11Aは、本開示の実施例に係る通信に用いられる例示的な方法を示す。図11Aに示すように、方法1100Aは、端末機器情報に基づいてデータ伝送に対して端末機器の組分けを行う(枠1105)ことを含むができ、同一グループ内の端末機器の複数のデータストリームは、パターンドメイン多元接続によってリソースを多重化する。この方法1100Aは、更に、データ伝送の検出情報に基づいて端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行う(枠1110)ことを含み、データ検出スキームは、シリアル検出アルゴリズムに基づいて受信データを復号するために用いられる。この方法の詳細な例示的な動作は、上記の電子機器200に実行された動作及び機能に関する説明を参考することができるので、ここで説明を繰り返さない。
図11Bは、本開示の実施例に係る通信に用いられる他の例示的な方法を示す。図11Bに示すように、方法1100Bは、端末機器の組分けの結果を取得する(枠1150)ことを含むことができ、この端末機器の組分けの結果は、端末機器情報に基づいてデータ伝送に対して決定されたものであり、そのうち、同一グループ内の端末機器の複数のデータストリームは、パターンドメイン多元接続によってリソースを多重化する。この方法1100Bは、更に、端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つを取得する(枠1155)ことを含むことができ、この端末機器の再組分けの結果、リソースの再配分の結果及び更新されたデータ検出スキームのうちの少なくとも1つは、データ伝送の検出情報に基づき決定されたものであり、データ検出スキームは、シリアル検出アルゴリズムに基づいて受信された受信データに対してを復号するために用いられる。この方法の詳細な例示的な動作は、前記の電子機器1000に実行された動作及び機能に関する説明を参照することができるので、ここで説明を繰り返さない。
さらに、上記の本開示の実施例に係る各動作を理解しやすくするために、以下、図12A及び図12Bを参照して、基地局と端末機器との間のシグナリングインタラクション過程について具体的に説明する。
図12Aは、本開示の実施例に係る上りリンクデータ伝送に用いられる基地局と端末機器との間の例示的なシグナリングインタラクション過程を示す。具体的に、S1において、各端末機器は、基地局に上りリンク参照信号を送信するように配置されることができ、更に、例えば、スケジューリングリクエストSR又はバッファ状態報告BSRの形で、基地局に上りリンク伝送需要を報告するように配置されることができる。それに応じて、S3において、基地局は、各端末機器からの上りリンク参照信号及び上りリンク伝送需要を受信し、受信した上りリンク参照信号に基づいてチャネル推定を行うことで、各端末機器の上りリンクチャネル状態情報を取得するように配置されることができる。S5において、基地局は、端末機器情報(例えば、上りリンクチャネル状態情報)に基づいて上りリンクデータ伝送に対して端末機器の組分けを行うように配置されることができる。S7において、基地局は、上りリンクデータ伝送に対してデータ検出スキームを決定するように配置されることができる。このデータ検出スキームは、本明細書に記載された検出スキームに限定されず、一つの例において、このデータ検出スキームは、本開示の実施例に係るシリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームであってもよい。S11において、基地局は、グループ内のリソースの配分を行い、各端末機器にリソースの配分の結果を通知するように配置されることができる。基地局は、S11において、任意の形式のグループ内のリソースの配分を行うことができ、一つの例において、基地局は、S11において、本開示の実施例に係るグループ内のリソースの配分を行うことができる。ここでのリソースの配分の結果は、端末機器が上りリンクデータ伝送を実行することに寄与する情報を含むことができる。SCMAを用いる例において、ここでのリソースの配分の結果は、対象端末機器自身のマッピング行列V及びコンステレーション図を含む。S13において、各端末機器は、それぞれのリソースの配分の結果を取得することで、上りリンクデータを送信するように配置されることができる。
その後、S15において、各端末機器は、データ変調を行い、リソースの配分の結果に基づいてリソースマッピングを行い、且つ信号伝送を行うように配置されることができる。次に、S17において、基地局は、各端末機器からの信号を受信し、S7におけるデータ検出スキームに基づいてデータ復号を行うように配置されることができる。S19において、基地局は、上りリンクデータ伝送に対して、現地で上りリンク検出情報(例えば、検出誤差や検出複雑度などの情報を含む)を収集するように配置されることができる。S21において、基地局は、検出情報又は周期性に基づいて、本開示の実施例に係る適切な更新動作組み合わせ(例えば、更新動作組み合わせa〜c及びb’)を実行し、且つグループ内のリソースの再配分を行った場合に各端末機器にリソースの配分の結果を再通知するように配置されることができる。S23及びS25において、各端末機器は、各々のリソースの配分の結果を取得し、データ変調を行い、リソースの配分の結果に基づいてリソースマッピングを行い、信号伝送を行うように配置されることができる。その後、S27において、基地局は、各端末機器からの信号を受信し、S21における更新されたデータ検出スキームに基づいてデータ復号を行うように配置されることができる。その後、基地局及び各端末機器は、S19〜S27の過程を実行するように配置されることができる。S21において実行される更新動作組み合わせは組み合わせa〜c及びb’のうちのいずれかである。ここでのリソースの配分の結果は依然として端末機器が上りリンクデータ伝送を行うことに寄与する情報を含むことができる。SCMAを用いる例において、組み合わせa〜cのうちのいずれかを実行する場合、基地局が通知すべきリソースの配分の結果は、更新されたマッピング行列V及びコンステレーション図である。組み合わせb’を実行する場合には、グループ内のリソースの再配分が発生しなかったため、如何なる通知も要しなく(S23以降の動作も要しない)、S21の後、基地局は更新された順位に従って検出、復号を行えばよい。なお、一つの例において、基地局は優先して更新動作組み合わせb’を実行してみることができ、検出性能を満たさない場合にのみ他の更新動作組み合わせを実行してみても良い。例えば、図8Bにおいて、ステップ865の前に更新動作組み合わせb’を実行してみることができる。
当然のことながら、図12Aは、上りリンクデータ伝送に用いられる基地局と端末機器との間のシグナリングインタラクション過程の例に過ぎなく、当業者は、本開示の範囲内で他の例を構想することができ、例えば、他の既知のステップを追加し、図11におけるステップを合併、削除、順位変更することができる。
図12Bは本開示の実施例に係る下りリンクデータ伝送に用いられる基地局と端末機器との間の例示的なシグナリングインタラクション過程を示す。具体的に、S2において、基地局は、各端末機器に下りリンク参照信号を送信するように配置されることができる。それに応じて、S4において、各端末機器は、基地局からの下りリンク参照信号を受信し、受信した下りリンク参照信号に基づいてチャネル推定を行うことで、各々の下りリンクチャネル状態情報を取得するように配置されることができる。S6において、各端末機器は、基地局に下りリンクチャネル状態情報及び各々の復号能力を報告するように配置されることができる。S8において、基地局は、端末機器情報(例えば、下りリンクチャネル状態情報)に基づいて下りリンクデータ伝送に対して端末機器の組分けを行うように配置されることができる。S10において、基地局は、下りリンクデータ伝送に対してデータ検出スキームを決定するように配置されることができる。このデータ検出スキームは、本明細書に記載の検出スキームに限定されず、一つの例において、このデータ検出スキームは、本開示の実施例に係るシリアル検出アルゴリズムに基づくデータ検出スキームであってもよい。S12において、基地局は、グループ内のリソースの配分を行い、各端末機器にリソースの配分の結果及びデータ検出スキームを通知するように配置されることができる。S12における通知に関して、対象端末機器にそれが伝送データ検出を行うのに必要な必要情報のみを通知しても良い。例えば、対象端末機器への通知は、少なくとも同一グループ内の対象端末機器の所属するレベル及びその前のレベルの端末機器のリソースの配分の結果を含むことができ、即ち、後のレベルの端末機器のリソースの配分の結果を通知しなく、これによって、シグナリング消費を減少させる。図5B又は図5Cの検出スキームを用いてSCMA復号を行う場合、対象端末機器への通知は、対象端末機器の所属するSICレベルと前のレベルの端末機器の因子グラフマトリクスF及びコンステレーション図、SICレベルの区分、対象端末機器自身のマッピング行列V(Fにおけるある列に対応する)及びコンステレーション図のみを含んでも良く、対象端末機器自身のSICレベル、即ち、通知の最後のレベルを暗黙に通知する。従来のSCMAのMPA復号と比較して、上記方法では、後のレベルの端末機器のリソースの配分の結果を通知しないので、シグナリング消費を減少させる。勿論、後続の更新動作の後の動作の調整に寄与するために、グループ全体における全ての端末の因子グラフマトリクスFとコンステレーション図及び対象端末のSICレベルを対象端末機器に通知しても良い。基地局は、S12において、任意の形式のグループ内のリソースの配分を行うことができる。一つの例において、基地局は、S12において本開示の実施例に係るグループ内のリソースの配分を行うことができる。S14において、各端末機器は、各々のリソースの配分の結果及びデータ検出スキームを取得することで、下りリンクデータを受信し復号するように配置されることができる。
その後、S16において、基地局は、データ変調を行い、リソースの配分の結果に基づいてリソースマッピングを行い、信号伝送を行うように配置されることができる。次に、S18において、各端末機器は、基地局からの信号を受信し、S10におけるデータ検出スキームに基づいてデータ復号を行うように配置されることができる。S20において、各端末機器は、基地局に下りリンク検出情報(例えば、検出誤差や検出複雑度などの情報を含む)をフィードバックするように配置されることができる。それに応じて、S22において、基地局は、各端末機器からの下りリンク検出情報を収集するように配置されることができる。S24において、基地局は、検出情報又は周期性に基づいて、本開示の実施例に係る適切な更新動作組み合わせ(例えば、更新動作組み合わせa〜c)を実行し、相応の更新動作(例えば、端末機器の再組分け、グループ内のリソースの再配分、データ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つ)を行った後、各端末機器に相応の更新結果を通知するように配置されることができる。S12に似たように、S24に係る通知は、対象端末機器にそれが伝送データ検出を行うために必要な更新情報のみを通知することができる。例えば、対象端末機器への通知は、少くとも同一グループ内の対象端末機器の所属するレベルと前のレベルの端末機器の更新結果を含むことができる。即ち、後のレベルの端末機器の更新結果を通知しない。これによって、シグナリング消費を減少させる。図5B又は図5Cにおける検出スキームを用いてSCMA復号を行う場合、更新動作aを実行する場合には、通知内容は、更新された対象端末機器の所属するSICレベルと、前のレベルの端末機器の因子グラフマトリクスF及びコンステレーション図を含むことができる。この時、レベル更新に関わらないので、各端末機器の因子グラフFにおける列は変わらない。更新動作組み合わせb又はcを実行する場合には、関連する通知内容は、S12のものと同じである。更新動作組み合わせb’を実行する場合、対象端末にそれが所属するレベルの更新後のレベルのみを通知すればよい。S26において、各端末機器は、更新結果を取得するように配置されることができる。S28において、基地局は、データ変調を行い、リソースの配分の結果に基づいて(S24においてリソースの配分が更新された場合、S24に更新されるものである。そうでない場合、S12において決定されるものである)リソースマッピングを行い、信号伝送を行うように配置されることができる。その後、S30において、各端末機器は、基地局からの信号を受信し、データ検出スキームに基づいて(S24においてリソースの配分が更新された場合、S24に更新されるものであり、そうでない場合、S10において決定されるものである)データ復号を行うように配置されることができる。その後、基地局及び各端末機器は、S20〜S30の過程を実行するように配置されることができる。
なお、図12Bは、下りリンクデータ伝送に用いられる基地局と端末機器との間のシグナリングインタラクション過程の例に過ぎなく、当業者は、本開示の範囲内で他の例を構想することができ、例えば、他の既知のステップを追加し、図11におけるステップを合併、削除、順位変更などすることができる。
図12A及び図12Bの例によると、上り下りリンクデータ伝送において、基地局と端末機器との間のシグナリングインタラクション過程は、差が存在しても良い。この差は、主に、下りリンクデータ伝送に対して、各端末機器にてデータ検出を実行するので、基地局は、データ検出に必要な情報(例えば、端末機器の組分け、対象端末機器の復号に要する他の端末機器のリソースの配分、データ検出スキーム)を決定した後それを各端末機器に通知する必要がある。一方、基地局が適切な決定/更新動作を行うように、各端末機器は、基地局にその復号能力及び下りリンク検出情報を報告する必要がある。
以上、図1A〜図12Bを参照して、セルラー移動通信アーキテクチャに関して本開示の実施例の各側面について詳細に説明したが、本開示の発明的構想は、セルラー移動通信アーキテクチャへの応用に限定されない。例えば、以下に具体的に説明するように、コグニティブラジオシステムにこの発明的構想を応用することができる。
一般的に、コグニティブラジオシステムは、例えばプライマリシステムとサブシステムを含む。プライマリシステムは、レーダーシステムなど正規なスペクトル利用権を有するシステムである。プライマリシステムには、マスターユーザなど複数のユーザが居ても良い。サブシステムは、民間用の通信システムなど、スペクトル利用権を有しなく、プライマリシステムがこのスペクトルを使用しない時に適当にこのスペクトルを用いて通信するシステムである。サブシステムには、複数のユーザ、即ちサブユーザが居ても良い。代わりに、サブシステムは、スペクトル利用権を有するシステムであってもよいが、スペクトル使用上でプライマリシステムより低い優先度を有する。例えば、事業者が新しい基地局を配置して新しいサービスを提供する場合、既存の基地局が提供したサービスは、プライマリシステムとされ、スペクトル利用優先権を有する。他の変形例において、プライマリシステムが存在しなく、各サブシステムは、特定スペクトルに対して、いずれも機会利用権しかなく、例えば、法規によってある種類の通信システムに指定されていない一部のスペクトルリソースを各種の通信システムの無認可スペクトルとして機会的に利用される。
このようなプライマリシステムとサブシステムが共存する通信モードでは、サブシステムの通信がプライマリシステムの通信に悪影響を与えなく、又はサブシステムのスペクトル利用による影響がプライマリシステムの許容範囲内に収まるよう制御される(即ち、その干渉閾値を超えない)ことが要求される。プライマリシステムに対する干渉が所定の範囲内に収まることが確保されることを前提として、複数のサブシステムに利用可能なプライマリシステムリソースを配分することができる。
現在では、プライマリシステムを保護する最も主要な方法は、プライマリシステムのカバレッジ情報をデータベースに格納することである。このデータベースには、更に、プライマリシステムの許容できる干渉閾値が記憶されている。同一領域内のサブシステムは、同一領域内でのプライマリシステムのスペクトルを利用する前に、まずこのデータベースにアクセスし、サブシステムの状態情報、例えば位置情報、スペクトル放出マスク(spectrum emission mask)、伝送帯域及びキャリヤー周波数などを提出する必要がある。その後、データベースはサブシステムの状態情報に基づいてサブシステムによるプライマリシステムに対する干渉量を計算して、計算されたカレントステータスでのサブシステムによるプライマリシステムに対する干渉量に基づいて、カレントステータスでのサブシステムの予測使用可能スペクトルリソースを計算する。
そのうち、データベースとサブシステムの間に、複数のサブシステムによる使用可能と予測されるスペクトルリソースに対する利用を協調するためのスペクトルコーディネータを設けることができる。これにより、スペクトル使用率を向上させ、サブシステムの間の干渉を避ける。システム設計によって、シングルのエンティティによってデータベース及びスペクトルコーディネータの両方を実現することができる。なお、プライマリシステムのない例において、データベースを省略して、スペクトルコーディネータのみを設置することができる。
一つの例において、サブシステムに複数のサブユーザ機器と1個のサブユーザ機器との通信が存在する場合(例えば、D2D(マシンツーマシン)、V2V(車対車)などの形で)、複数のサブユーザ機器から1個のサブユーザ機器への通信、及び/又は1個のサブユーザ機器から複数のサブユーザ機器への通信に対して本開示の方法を適用することができる。この例において、スペクトルコーディネータによって、サブユーザ機器のデータ伝送を制御することができ、且つ本開示による組分け、リソースの配分、データ検出スキームに関連する処理を行うことができる。例えば、複数のサブユーザ機器から1個のサブユーザ機器への通信は上りリンクデータ伝送に対応することができ、1個のサブユーザ機器から複数のサブユーザ機器への通信は下りリンクデータ伝送に対応することができる。複数のサブユーザ機器全体は所定範囲の無認可スペクトルを用い、且つ複数のグループに組分けされることができる。各グループに無認可スペクトルの1つの部分集合を配分されることにより、異なるグループ間の無認可スペクトルを直交させる。同一グループの複数のサブユーザ機器は、このグループの無認可スペクトルを多重化して、パターンドメイン多元接続によって(例えば、SCMA、PDMA)通信することで、スペクトル利用率を向上させる。この例において、スペクトルコーディネータによって、本開示による組分け、リソースの配分、データ検出スキームと関連する処理を実現することができ、サブユーザ機器のチャネル状態情報、検出情報などを収集し、且つ相応の処理結果をサブユーザ機器に通知する。この意味で、スペクトルコーディネータによって、上記の基地局の一部の機能を実現することができる。但し、スペクトルコーディネータは、データ伝送の送信側、受信側とされず、制御機能のみを実現する。データ伝送の送信側又は受信側とし、複数のサブユーザ機器のデータに対して検出を行う意味で、その中の複数のサブユーザ機器は上記の端末機器に対応することができ、その中の1個のサブユーザ機器は上記の基地局に対応することができ、且つそれらはいずれもチャネル状態情報、検出情報などをスペクトルコーディネータに報告することで、スペクトルコーディネータが制御機能を実現することに寄与する必要がある。
一つの例において、セルラ移動通信システムにおける各端末機器は、サブユーザとして動作することができる。これにより、サブシステムを構成し、例えば、無認可の又は比較的低い利用優先度を有するスペクトルを機会的に利用する。この時、基地局によってデータベース及びスペクトルコーディネータを実現することができる。図13は、どのように本開示の方法をこのコグニティブラジオ通信シーンに応用するかの例を示す。図13の例において、端末機器の間は例えばD2Dの形で通信することができ、端末機器131〜136は共通の通信対象、即ち端末機器137を有する。それに応じて、端末機器131〜136から端末機器137へのデータ伝送、及び/又は端末機器137から端末機器131〜136へのデータ伝送を有しても良い。そのうち、端末機器131〜136から端末機器137への通信は、上りリンクデータ伝送に対応し、端末機器137から端末機器131〜136への通信は、下りリンクデータ伝送に対応することができる。複数の端末機器全体は、所定範囲の無認可又は比較的低い利用優先度を有するスペクトルを用いて、複数のグループに分けられ、各グループにこのスペクトルの1個の部分集合を配分されることができる。これにより、異なるグループの間のスペクトルを直交させ、同一グループの複数の端末機器がこのグループの無認可スペクトルを多重化してパターンドメイン多元接続(例えば、SCMA、PDMA)によって通信することができる。この例において、スペクトルコーディネータとしての基地局138によって、本開示による組分け、リソースの配分及びデータ検出スキームに関連する処理を実現することができ、それが端末機器のチャネル状態情報、検出情報などを収集し、且つ相応の処理結果を端末機器に通知する。ここでの基地局138と前記の基地局(例えば、105)の共通点は、いずれも制御機能を実現することにある。しかし、基地局138は、データ伝送の送信側、受信側のうちの何れか一方でない。データ伝送の送信側又は受信側として、マルチ端末機器のデータを検出する意味で、その中の端末機器131〜136は前記端末機器に対応し、その中の端末機器137は前記基地局105に対応することができ、それらはいずれもチャネル状態情報、検出情報などを基地局138に報告する必要がある。
他の例において、本開示の方法は、例えば、IEEE P802.19.1a規格を満たすシステムやスペクトルアクセスシステム(Spectrum Access System、SAS)などのコグニティブラジオシステムに応用することができる。本開示から教示を得た当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本開示による組分け、リソースの配分、データ検出スキームに関連する処理とこれらのコグニティブラジオシステムとを容易に組み合わせて使用できる。例えば、本開示における基地局の組分け、リソースの配分機能エンティティは、IEEE P802.19.1a規格における共存マネージャ(coexistence managers(CMs))として実現されて、本開示における端末機器又は基地局のデータ送信、検出機能エンティティは、IEEEP802.19.1a規格におけるジオロケーション能力対象Geolocation Capability Object(GCO)として実現されても良い。また、例えば、本開示における基地局の組分け、リソースの配分機能エンティティは、SASシステムにおけるSASリソース管理エンティティとして実現されても良く、本開示における端末機器又は基地局のデータ送信、検出機能エンティティは、SASシステムにおける市民広帯域無線サービスユーザー(Citizens Broadband Radio Service Device、CBSD)として実現されても良い。理解されるべきことは、本開示の実施例に係る記憶媒体とプログラムプロダクトにおける機器が実行可能な指令は、上記装置の実施例に対応する方法を実行するように配置されることもできるので、ここで詳細に説明されていない内容は、前の相応位置の説明を参照することができ、ここで繰り返し説明しない。
相応に、上記の機器が実行可能な指令を含むプログラムプロダクトを記憶するための記憶媒体も本発明の開示に含まれる。該記憶媒体は、フロッピィディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリスティック等を含むが、これらに限定されない。
また、上記一連の処理と機器は、ソフトウェア及び/又はファームウェアによって実現されても良い。ソフトウェア及び/又はファームウェアによって実現される場合に、記憶媒体又はネットワークから専用ハードウェア構成を有すコンピューター、例えば図14に示す通用パソコン1300へ、該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、該コンピューターは、様々なプログラムがインストールされた時、様々な機能等を実行することができる。図14は、本開示の実施例において利用可能な情報処理機器であるパソコンの例示的な構成を示すブロック図である。
図14において、中央処理手段(CPU)1301は、リードオンリーメモリ(ROM)1302に記憶されたプログラム又は格納部分1308からランダムアクセスメモリ(RAM)1303へロードされたプログラムに基づいて、様々な処理を実行する。RAM1303においても、必要に応じて、CPU1301が様々な処理等を実行する時に必要なデータを記憶する。
CPU1301、ROM1302とRAM1303はバス1304を介して相互に接続される。入力/出力インターフェース1305もバス1304に接続される。
キーボード、マウス等を含む入力部分1306と、例えば陰極管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイと、スピーカ等とを含む出力部分1307と、ハードディスク等を含む格納部分1308と、ネットワークインターフェースカード、例えばLANカード、モデム等を含む通信部分1309とは、入力/出力インターフェース1305に接続される。通信部分1309は、ネットワーク、例えばインターネットを介して通信処理を実行する。
必要に応じて、ドライバ1310も入力/出力インターフェース1305に接続される。取り外し可能な媒体1311、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等は、必要に応じてドライバ1310にインストールされ、中から読み出されたコンピュータープログラムが必要に応じて格納部分1308にインストールされる。
ソフトウェアによって上記系列処理を実現する場合に、ネットワーク、例えばインターネット、又は、記憶媒体、例えば取り外し可能な媒体1311から、ソフトウェアを構成するプログラムをインストールする。
当業者が理解すべきことは、このような記憶媒体は、図14に示すプログラムが記憶され、機器と分離され配布されてユーザへプログラムを提供する取り外し可能な媒体1311に限定していない。取り外し可能な媒体1311の例は、磁気ディスク(フロッピィディスク(登録商標)を含み)、光ディスク(光ディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)とデジタルバーサタイルディスク(DVD)を含み)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含み)と半導体メモリを含む。又は、記憶媒体は、ROM1302、格納部分1308に含まれるハードディスク等であることができ、中にプログラムが記憶されており、且つそれらを含む機器と共にユーザに配布される。
本開示の技術は、様々なプロダクトに応用されることができる。例えば、本開示に言及された基地局は、いずれかのタイプの進化型ノードB(eNB)、例えばマクロeNBと小型eNBとして実現されることができる。小型eNBは、マクロセルより小さいセルをカーバするeNB、例えばPicoeNB、MicroeNBとHome(Femto)eNBであっても良い。代わりに、基地局は、いずれかの他のタイプの基地局、例えばNodeBと基地局送受信台(Base Transceiver Station,BTS)として実現されることができる。基地局は、無線通信を制御するように配置される主体(基地局機器とも呼ばれる)及び主体と異なる位置に設けられる一つ或いは複数の遠隔無線ヘッド(Remote Radio Head,RRH)を含むことができる。また、以下に説明する様々なタイプの端末は、いずれも一時的に或いは半恒久的に基地局機能を実行することで基地局として働くことができる。
例えば、本開示に開示された端末機器は、幾つかの例においてユーザ機器とも呼ばれ、移動端末(例えばスマートフォン、タブレットパソコン(PC)、ノートPC、携帯式ゲーム端末、携帯式/暗号化ドッグツール型移動体ルータとデジタル撮像装置)或いは車載端末(例えばカーナビ機器)として実現されることができる。ユーザ機器は、マシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(機器タイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現されることもできる。また、ユーザ機器は、上記端末における端末毎に実装される無線通信モジュール(例えば単チップの集積回路モジュールを含む)であることができる。
以下、図15から図18を参照して本開示の応用例について説明する。
[基地局に関する応用例]
理解されるべきことは、本開示における基地局は、その通常の意味の全範囲を持っており、且つ少なくとも無線通信システム又は無線システムの一部として通信を行うように用いられる無線通信局を含む。基地局の例として、例えば、基地局はGSMシステムにおける基地局送受信機(BTS)と基地局コントローラー(BSC)の一方又は両方であることができ、WCDMAシステムにおけるラジオネットワークコントローラー(RNC)とNode Bの一方又は両方であることができ、LTEとLTE−AdvancedシステムにおけるeNBであることができ、又は未来の通信システムにおける対応するネットワークノード(例えば5G通信システムにおいて現れる可能性があるgNB等)であることができるが、これらに限定されていない。本開示の基地局中の一部の機能は、D2D、M2M及びV2V通信のシーンに通信に対して制御機能を有すエンティティとして実現されてもよく、又はコグニティブラジオ通信シーンにスペクトル調整の機能としてのエンティティとして実現されてもよい。
第一の応用例
図15は、本開示内容の技術を応用可能なeNBの例示的な配置の第一の例を示すブロック図である。eNB1400は、複数のアンテナ1410及び基地局機器1420を含む。基地局機器1420と各アンテナ1410は、RFケーブルを介して相互に接続されることができる。一つの実現方式において、ここでのeNB1400(又は基地局機器1420)は、上記電子機器200に対応することができる。
アンテナ1410のそれぞれは、一つ或いは複数のアンテナ素子(例えば多入力多出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、且つ基地局機器1420が無線信号に対して送信と受信を行うために用いられる。図15に示すように、eNB1400は、複数のアンテナ1410を含むことができる。例えば、複数のアンテナ1410は、eNB1400が使用する複数の周波数帯に適合することができる。
基地局機器1420は、コントローラー1421、メモリ1422、ネットワークインターフェース1423及び無線通信インターフェース1425を含む。
コントローラー1421は、例えばCPU或いはDSPであり、且つ基地局機器1420の比較的に高い層の様々な機能を操作することができる。例えば、コントローラー1421は、無線通信インターフェース1425によって処理される信号におけるデータに基づいてデータパケットを生成し、ネットワークインターフェース1423を介して生成されたパケットを伝達する。コントローラー1421は、複数のベースバンドプロセッサーからのデータに対してバンドルを行ってバンドルパケットを生成し、生成されたバンドルパケットを伝達することができる。コントローラー1421は、例えば無線リソース制御、無線載置制御、移動性管理、収容制御とスケジューリング等の制御を実行するロジック機能を有すことができる。該制御は、付近のeNB或いはコアネットワークノードに合わせて実行されることができる。メモリ1422は、RAMとROMを含み、且つコントローラー1421によって実行されるプログラムと様々なタイプの制御データ(例えば端末リスト、伝送電力データ及びスケジューリングデータ)を記憶する。
ネットワークインターフェース1423は、基地局機器1420をコアネットワーク1424に接続するための通信インターフェースである。コントローラー1421は、ネットワークインターフェース1423を介してコアネットワークノード或いは他のeNBと通信を行うことができる。この場合に、eNB1400とコアネットワークノード或いは他のeNBとは、ロジックインターフェース(例えばS1インターフェースとX2インターフェース)によって相互に接続されることができる。ネットワークインターフェース1423は、有線通信インターフェース或いは無線バックホール回線に用いられる無線通信インターフェースであることもできる。ネットワークインターフェース1423が無線通信インターフェースであれば、無線通信インターフェース1425によって使用される周波数帯と比べて、ネットワークインターフェース1423は、より高い周波数帯を使用して無線通信に用いることができる。
無線通信インターフェース1425は、任意のセルラ通信案(例えば長期進化(LTE)とLTE−Advanced)をサポートし、且つアンテナ1410を介してeNB1400のセルに位置する端末への無線接続を提供する。無線通信インターフェース1425は、通常に、例えばベースバンド(BB)プロセッサー1426とRF回路1427を含むことができる。BBプロセッサー1426は、例えば符号化/復号、変調/復調及び多重/逆多重を実行することができ、且つ層(例えばL1、媒体アクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)とパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP))の様々なタイプの信号処理を実行することができる。コントローラー1421の代わりに、BBプロセッサー1426が、上記ロジック機能の一部或いは全部を有することができる。BBプロセッサー1426は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、或いはプログラムを実行するように配置されるプロセッサーと相関回路を含むモジュールであることができる。更新プログラムは、BBプロセッサー1426の機能を変更させることができる。該モジュールは、基地局機器1420のスロットに插入されるカード或いはブレードであることができる。代わりに、該モジュールは、カード或いはブレード上に実装されるチップであってもよい。同時に、RF回路1427は、例えばミキサ、フィルタとアンプを含み、且つアンテナ1410を介して無線信号を伝送と受信することができる。図15は一つのRF回路1427と一本のアンテナ1410とが接続されている例を示したが、本開示は該図示に限定されておらず、一つのRF回路1427は、同時に複数本のアンテナ1410に接続されることができる。
図15に示すように、無線通信インターフェース1425は、複数のBBプロセッサー1426を含むことができる。例えば、複数のBBプロセッサー1426は、eNB1400が使用する複数の周波数帯に適合することができる。図15に示すように、無線通信インターフェース1425は、複数のRF回路1427を含むことができる。例えば、複数のRF回路1427は、複数のアンテナ素子に適合することができる。図15は無線通信インターフェース1425が複数のBBプロセッサー1426と複数のRF回路1427を含む例を示したが、無線通信インターフェース1425が一つのBBプロセッサー1426或いは一つのRF回路1427を含んでもよい。
第二の応用例
図16は、本開示内容の技術を応用可能なeNBの模式的な配置の第二の例を示すブロック図である。eNB1530は、複数のアンテナ1540、基地局機器1550とRRH1560を含む。RRH1560と各アンテナ1540は、RFケーブルを介して相互に接続されることができる。基地局機器1550とRRH1560は、例えばファイバケーブルの高速回線を介して相互に接続されることができる。一つの実現方式において、ここでのeNB1530(又は基地局機器1550)は、上記電子機器200に対応することができる。
アンテナ1540のそれぞれは、一つ或いは複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、且つRRH1560が無線信号を送信と受信するために用いられる。図16に示すように、eNB1530は、複数のアンテナ1540を含むことができる。例えば、複数のアンテナ1540は、eNB1530が使用する複数の周波数帯に適合することができる。
基地局機器1550は、コントローラー1551、メモリ1552、ネットワークインターフェース1553、無線通信インターフェース1555及び接続インターフェース1557を含む。コントローラー1551、メモリ1552及びネットワークインターフェース1553は、図15を参照して説明したコントローラー1421、メモリ1422及びネットワークインターフェース1423と同じである。
無線通信インターフェース1555は、任意のセルラ通信案(例えばLTEとLTE−Advanced)をサポートし、且つRRH1560とアンテナ1540を介してRRH1560に対応するセクタに位置する端末への無線通信を提供する。無線通信インターフェース1555は、通常に、例えばBBプロセッサー1556を含むことができる。BBプロセッサー1556が接続インターフェース1557を介してRRH1560のRF回路1564に接続されることを除いて、BBプロセッサー1556は、図15を参照して説明したBBプロセッサー1426と同じである。図16に示すように、無線通信インターフェース1555は、複数のBBプロセッサー1556を含むことができる。例えば、複数のBBプロセッサー1556は、eNB1530が使用する複数の周波数帯に適合することができる。図16は無線通信インターフェース1555が複数のBBプロセッサー1556を含む例を示したが、無線通信インターフェース1555が一つのBBプロセッサー1556を含んでもよい。
接続インターフェース1557は、基地局機器1550(無線通信インターフェース1555)をRRH1560に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1557は、基地局機器1550(無線通信インターフェース1555)をRRH1560に接続する上記高速回線における通信に用いられる通信モジュールであることもできる。
RRH1560は、接続インターフェース1561と無線通信インターフェース1563を含む。
接続インターフェース1561は、RRH1560(無線通信インターフェース1563)を基地局機器1550に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1561は、上記高速回線における通信に用いられる通信モジュールであることもできる。
無線通信インターフェース1563は、アンテナ1540を介して無線信号を伝送と受信することができる。無線通信インターフェース1563は、通常に、例えばRF回路1564を含むことができる。RF回路1564は、例えばミキサ、フィルタとアンプを含み、且つアンテナ1540を介して無線信号を伝送と受信することができる。図16は一つのRF回路1564が一本のアンテナ1540に接続される例を示したが、本開示は該図示に限定されておらず、一つのRF回路1564が同時に複数本のアンテナ1540に接続されることができる。
図16に示すように、無線通信インターフェース1563は、複数のRF回路1564を含むことができる。例えば、複数のRF回路1564は、複数のアンテナ素子をサポートすることができる。図16は無線通信インターフェース1563が複数のRF回路1564を含む例を示したが、無線通信インターフェース1563が一つのRF回路1564を含んでもよい。
[ユーザ機器に関する応用例]
第一の応用例
図17は、本開示内容の技術を応用可能なスマートフォン1600の模式的な配置の例を示すブロック図である。スマートフォン1600は、プロセッサー1601、メモリ1602、記憶装置1603、外部接続インターフェース1604、撮像装置1606、センサー1607、マイクロホン1608、入力装置1609、表示装置1610、スピーカー1611、無線通信インターフェース1612、一つ或いは複数のアンテナスイッチ1615、一つ或いは複数のアンテナ1616、バス1617、電池1618及び補助コントローラー1619を含む。一つの実現方式において、ここでのスマートフォン1600(又はプロセッサー1601)は、上記端末機器1000に対応することができる。
プロセッサー1601は、例えばCPU或いはシステムオンチップ(SoC)であり、且つスマートフォン1600の応用層と他の層の機能を制御することができる。メモリ1602は、RAMとROMを含み、且つデータとプロセッサー1601によって実行されるプログラムを記憶する。記憶装置1603は、記憶媒体、例えば半導体メモリとハードディクス、を含むことができる。外部接続インターフェース1604は、外部装置(例えばメモリカードと汎用シリアルバス(USB)装置)をスマートフォン1600に接続するためのインターフェースである。
撮像装置1606は、画像センサー(例えば電荷結合デバイス(CCD)と互補型金属酸化半導体(CMOS))を含み、且つ捕捉画像を生成する。センサー1607は、一組のセンサー、例えば計測センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサーと加速度センサー、を含むことができる。マイクロホン1608は、スマートフォン1600に入力された音をオーディオ信号に変換する。入力装置1609は、例えば表示装置1610のスクリーン上のタッチを検出するように配置されたタッチセンサー、キーパッド、キーボード、ボタン或いはスイッチを含み、且つユーザから入力された操作或いは情報を受信する。表示装置1610は、スクリーン(例えば液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)を含み、且つスマートフォン1600の出力画像を表示する。スピーカー1611は、スマートフォン1600から出力されたオーディオ信号を音に変換する。
無線通信インターフェース1612は、任意のセルラ通信案(例えばLTEとLTE−Advanced)をサポートし、且つ無線通信を実行する。無線通信インターフェース1612は、通常に、例えばBBプロセッサー1613とRF回路1614を含むことができる。BBプロセッサー1613は、例えば符号化/復号、変調/復調及び多重/逆多重を実行することができ、且つ無線通信に用いられる様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1614は、例えばミキサ、フィルタとアンプを含み、且つアンテナ1616を介して無線信号に対して伝送と受信を行うことができる。無線通信インターフェース1612は、BBプロセッサー1613とRF回路1614が集積された一つのチップモジュールであることができる。図17に示すように、無線通信インターフェース1612は、複数のBBプロセッサー1613と複数のRF回路1614を含むことができる。図17は、無線通信インターフェース1612は複数のBBプロセッサー1613と複数のRF回路1614を含む例を示したが、無線通信インターフェース1612は、一つのBBプロセッサー1613或いは一つのRF回路1614を含むこともできる。
また、セルラ通信案以外に、無線通信インターフェース1612は、他のタイプの無線通信案、例えば短距離無線通信案、近接通信案と無線ローカルエリアネットワーク(LAN)案、をサポートすることができる。この場合に、無線通信インターフェース1612は、無線通信案毎に対するBBプロセッサー1613とRF回路1614を含むことができる。
アンテナスイッチ1615のそれぞれは、無線通信インターフェース1612に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信案に用いられる回路)との間にアンテナ1616の接続先を切替る。
アンテナ1616のそれぞれは、一つ或いは複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、且つ無線通信インターフェース1612が無線信号を伝送と受信するために用いられる。図17に示すように、スマートフォン1600は、複数のアンテナ1616を含むことができる。図17は、スマートフォン1600が複数のアンテナ1616を含む例を示したが、スマートフォン1600は、一つのアンテナ1616を含むこともできる。
また、スマートフォン1600は、無線通信案毎に対するアンテナ1616を含むことができる。この場合に、アンテナスイッチ1615は、スマートフォン1600の配置から省略されることができる。
バス1617は、プロセッサー1601、メモリ1602、記憶装置1603、外部接続インターフェース1604、撮像装置1606、センサー1607、マイクロホン1608、入力装置1609、表示装置1610、スピーカー1611、無線通信インターフェース1612及び補助コントローラー1619を相互に接続する。電池1618は、フィーダ線を介して図17に示すようなスマートフォン1600のそれぞれのブロックに電力を提供し、フィーダ線は図において部分的に破線として表される。補助コントローラー1619は、例えばスリープモードにスマートフォン1600の最小限必要な機能を操作する。
第二の応用例
図18は、本開示内容の技術を応用可能なカーナビ機器1720の模式的な配置の例を示すブロック図である。カーナビ機器1720は、プロセッサー1721、メモリ1722、グローバルポジショニングシステム(GPS)モジュール1724、センサー1725、データインターフェース1726、コンテンツプレーヤー1727、記憶媒体インターフェース1728、入力装置1729、表示装置1730、スピーカー1731、無線通信インターフェース1733、一つ或いは複数のアンテナスイッチ1736、一つ或いは複数のアンテナ1737及び電池1738を含む。一つの実現方式において、ここでのカーナビ機器1720(又はプロセッサー1721)は、上記端末機器1000に対応することができる。
プロセッサー1721は、例えばCPU或いはSoCであり、且つカーナビ機器1720のナビゲーション機能と他の機能を制御することができる。メモリ1722は、RAMとROMを含み、且つデータとプロセッサー1721によって実行されるプログラムを記憶する。
GPSモジュール1724は、GPS衛星から受信されたGPS信号を使用して、カーナビ機器1720の位置(例えば緯度、経度と高度)を計測する。センサー1725は、一組のセンサー、例えばジャイロセンサー、地磁気センサーと空気圧力センサー、を含むことができる。データインターフェース1726は、図示しない端末を介して、例えば車載ネットワーク1741に接続され、且つ車両によって生成されたデータ(例えば車速データ)を取得する。
コンテンツプレーヤー1727は、記憶媒体(例えばCDとDVD)に記憶されたコンテンツを再生し、該記憶媒体は、記憶媒体インターフェース1728に插入される。入力装置1729は、例えば表示装置1730のスクリーン上のタッチを検出するように配置されるタッチセンサー、ボタン或いはスイッチを含み、且つユーザから入力された操作或いは情報を受信する。表示装置1730は、例えばLCD或いはOLEDディスプレイのスクリーンを含み、且つナビゲーション機能の画像或いは再生されたコンテンツを表示する。スピーカー1731は、ナビゲーション機能の音或いは再生されたコンテンツを出力する。
無線通信インターフェース1733は、任意のセルラ通信案(例えばLTEとLTE−Advanced)をサポートし、且つ無線通信を実行する。無線通信インターフェース1733は、通常に、例えばBBプロセッサー1734とRF回路1735を含むことができる。BBプロセッサー1734は、例えば符号化/復号、変調/復調及び多重/逆多重を実行し、且つ無線通信に用いられる様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1735は、例えばミキサ、フィルタとアンプを含み、且つアンテナ1737を介して無線信号を伝送と受信することができる。無線通信インターフェース1733は、BBプロセッサー1734とRF回路1735が集積された一つのチップモジュールであることもできる。図18に示すように、無線通信インターフェース1733は、複数のBBプロセッサー1734と複数のRF回路1735を含むことができる。図18は、無線通信インターフェース1733が複数のBBプロセッサー1734と複数のRF回路1735を含む例を示したが、無線通信インターフェース1733は、一つのBBプロセッサー1734或いは一つのRF回路1735を含んでも良い。
また、セルラ通信案以外に、無線通信インターフェース1733は、他のタイプの無線通信案、例えば短距離無線通信案、近接通信案と無線LAN技術案、をサポートすることができる。この場合に、無線通信案毎に、無線通信インターフェース1733は、BBプロセッサー1734とRF回路1735を含むことができる。
アンテナスイッチ1736のそれぞれは、無線通信インターフェース1733に含まれる複数の回路(例えば異なる無線通信案に用いられる回路)との間にアンテナ1737の接続先を切替する。
アンテナ1737のそれぞれは、一つ或いは複数のアンテナ素子(例えばMIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、且つ無線通信インターフェース1733が無線信号を伝送と受信するために用いられる。図18に示すように、カーナビ機器1720は、複数のアンテナ1737を含むことができる。図18は、カーナビ機器1720が複数のアンテナ1737を含む例を示したが、カーナビ機器1720が一つのアンテナ1737を含んでも良い。
また、カーナビ機器1720は、無線通信案毎に対するアンテナ1737を含むことができる。この場合に、アンテナスイッチ1736は、カーナビ機器1720の配置から省略されることができる。
電池1738は、フィーダ線を介して、図18に示すようなカーナビ機器1720のそれぞれのブロックに電力を提供し、フィーダ線は図において部分的に破線として表される。電池1738は、車両から提供される電力を貯える。
本開示内容の技術は、カーナビ機器1720、車載ネットワーク1741及び車両モジュール1742の一つ或いは複数のブロックを含む車載システム(或いは車両)1740として実現されてもよい。車両モジュール1742は、車両データ(例えば車速、エンジン速度と故障情報)を生成し、且つ生成されたデータを車載ネットワーク1741に出力する。
最後に、発明者は、図19によって、2種類のチャネル状態H下(即ち、6人のユーザの2種類のチャンネル利得H1=[4 4 2 2 1 1]及びH2=[8 8 4 4 1 1]で、SCMAアルゴリズム(6人のユーザの2次元コンステレーション図シンボルを4次元スパース符号語に変換する)に基づいて上記図5B、図5Cに示される2種類のデータ検出スキームを利用する場合の誤り率性能シミュレーション結果を示す。図19において、図5C、5Bのスキームの性能曲線をそれぞれSIC−1及びSIC−2と表記し、対比としてのオリジナルメッセージパッシングアルゴリズムの性能曲線をMPAと表記する。つまり、SIC−1曲線は、受信端が受信信号yに基づいて、まず前の2人のユーザ1、2の信号を復号し、この時の因子グラフマトリクスがF1であり、他のユーザの信号は干渉とみなされ、前の2人のユーザ1、2の信号x1,x2に復号した後、受信信号yから復号した信号を引き、更に、ユーザ3、4、5、6に対してMPA復号を行い、この時の因子グラフマトリクスがF2とF3の和集合であり、これによってユーザ3、4、5、6のデータを復号することを反映する。SIC−2の曲線は、受信端が受信信号yに基づいて、まず前の2人のユーザの信号を復号し、この時の因子グラフマトリクスがF1であり、他のユーザの信号が干渉とみなされ、前の2人のユーザの信号x1,x2に復号した後、受信信号yから復号した信号を引き、更にユーザ3、4に対して復号し、この時の因子グラフマトリクスがF2であり、後の2人のユーザの信号は干渉とみなされ、ユーザ3、4の信号x3,x4に復号した後、復号した信号を引き、最後にユーザ5、6に対して復号し、この時の因子グラフマトリクスがF3であることを反映する。
図19の性能シミュレーション結果によると、ユーザーチャネル利得差の増大につれて、誤り率性能の面で、シリアル干渉キャンセラに基づくデータ検出スキームとメッセージパッシングアルゴリズムの差が小さくなり、即ち、性能損失が小さくなることが分かる。ユーザーチャネル利得の差が比較的大きい時(例えば、H2=[8 8 4 4 1 1])、SIC−1の誤り率性能上の損失を無視することができる。また、復号複雑度から、SIC-2<SIC-1<MPAであっても良い。上記から分かるように、本開示によるスキームは、システムの具体的な状況に応じて適切なユーザ組分け、再組分け、グループ内のリソースの再配分及びデータ検出スキームの更新のうちの少なくとも1つを行うことができ、これによって、復号複雑度、ビット誤り率のトレードオフを実現し、パターンドメイン多元接続スキームが実際の応用に適するようにする。
以上、図面を参照して本開示の例示的な実施例を説明したが、本開示は以上の例に限定されない。当業者は、添付の請求の範囲内に様々な変更と修正を得ることができ、且つこれら変更と修正は本開示の技術の範囲内に含まれると理解すべきである。
例えば、以上の実施例において一つの手段に含まれる複数の機能は、分離された装置によって実現されることができる。代わりに、以上の実施例において複数の手段によって実現される複数の機能は、それぞれに分離された装置によって実現されることができる。また、以上の機能の一つは、複数の手段によって実現されることができる。もちろん、このような配置は、本開示の技術の範囲に含まれる。
該明細書において、フロー図に記載されたステップは、記載の順位で時間系列的に実行される処理だけでなく、必ずも時間系列でなく並行又は個別に実行される処理も含む。また、もちろん、ひいては時間系列的に処理されるステップも適当に該順位を変更してもよい。
本開示及びその利点を詳細に説明したが、理解すべきことは、添付の請求の範囲に限定された本開示の精神と範囲外でない場合に、様々な変更、代替と変換を行うことができる。更に、本開示の実施例の用語“含む”、“有す”又はそのいずれかの他の変体は、非排他的な含有を示すことで、一系列の要素を含む過程、方法、物品又は機器は、それらの要素だけでなく、明示されていない他の要素も含み、又はこのような過程、方法、物品又は機器に固有の要素も含む。さらなる制限がない場合に、“一つの……を含む”によって限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は機器にほかの同じ要素も含むことを除外しない。