JP2020509278A - 発電機 - Google Patents

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Abstract

発電機は、第一の端部(11)に対応してベース(1000)に取り付けられた捕捉要素(1)を備えている。該捕捉要素は、流体中に配設され、および該流体が動いた場合に、該捕捉要素が、該捕捉要素(1)の振動運動を生じる渦を該流体中に生成するように構成されている。該捕捉要素(1)は、第二の端部(12)よりも該第一の端部(11)により近く位置する第一の長手方向位置(11A)から、該第一の長手方向位置(11A)よりも該第二の端部(12)により近く位置する第二の長手方向位置(12A)まで減少する特性寸法を備えた断面を有している。

Description

本発明は、再生可能エネルギーの分野に関し、より具体的には、フォン・カルマン渦(von Karman vortices)に基づく発電の分野に関する。
化石燃料の燃焼または核エネルギーに基づくもの等の再生不能エネルギーの欠点により、太陽光および風力等のいわゆる再生可能エネルギーを開発するために多くの努力がなされてきた。
最も普及している風力発電機は恐らくマルチブレードの水平軸風力タービンであるが、いくつかの代替手段が開発されている。例えば、仏国特許出願公開第2922607号明細書(特許文献1)は、構造に影響を及ぼす突風により動くように構成された該構造に基づく風力発電機であって、それにより、動いている該構造が、圧電素子に作用することによって発電する風力発電機の実施例を開示している。
他の風力発電機は、いわゆるフォン・カルマン渦(カルマン渦ともいう)を利用している。カルマン渦により振動する捕捉要素の原理に基づく風力発電機の実施例が、欧州特許出願公開第2602483号明細書(特許文献2)に開示されている。別の実施例が国際公開第2014/135551号(特許文献3)に開示されている。ここで、ポールの振動運動は、圧電システムによって電気エネルギーに変換される。さらに、該ポールの弾性コアを囲んでいる圧電材料に電圧を印加することによって、該ポールの振動の固有周波数をどのように変更できるかについて説明されている。
カルマン渦に基づくこの種の発電機に関する利点は、該発電機は、ベアリング、歯車および潤滑油なしで作動することができるということ、および該発電機は、該発電機を始動させるための追加的な手段が必要ないということである。
圧電素子の利用は、振動性および非回転性の運動、例えば、該カルマン渦によって自然に生成された運動を電気に変換するための理想的な方策と見なすことができるであろう。しかし、他の選択肢もある。例えば、国際公開第2016/055370号(特許文献4)は、磁石とコイルを用いて、ポールの振動性運動から電気エネルギーを生じる、カルマン渦に基づく発電機について記載している。
国際公開第2016/055370号は、空気の定常流および層流を乱流に意図的に変えるように構成されたポールを備える発電機について記載しており、この場合、該ポールの全長にわたって、渦巻きまたは渦が同期して現れる。そのため、該ポールは、二つの力、すなわち、風と同じ方向の抵抗力と、該風の方向に垂直な方向に生じる揚力とを維持し、該方向は、新たな渦の出現の頻度に相当する頻度に伴って記号を変化させ、そのことは、以下の式
を用いて計算することができ、ただし、Fは、渦の出現の頻度であり、Vは、該空気の速度であり、Sは、ストローハルの無次元数であり、dは、該ポールの特性寸法であり、例えば、円形断面を有するポールの場合、該ポールの直径である。
該捕捉要素のエネルギー捕捉を最大化するためには、該渦が、該捕捉要素に沿って同期して現れることが望ましい可能性がある。風速は、ヘルマン(Hellmann)指数法則に従って、高さに伴って増加し、および渦の出現の頻度は、空気と捕捉要素との間の相対速度(同様に風速に依存する)と、該捕捉要素の該特性寸法(この場合、その直径)の両方に依存すると仮定すると、従来は、例えば、欧州特許出願公開第2602483号明細書において説明されているように、該捕捉要素の該直径が高さに伴って増加することが適切であると考えられてきた。軸方向において、第一の端部(そこで該捕捉要素がベースに取付けられている)から第二の端部(振動の振幅がその最大になっている自由端)に向かって該捕捉要素の直径が増加するもう一つの理由は、該捕捉要素の該振動性運動の該速度が、該ベースからの距離に伴って増加するということであろう。
国際公開第2016/055370号は、該捕捉要素の該高さ全体にわたる該渦の同期を可能にするために、該ベースからの該距離に伴って増加する直径を有する捕捉要素をどのように設計することができるかについて説明している。しかし、この種のデザインは、次善的であることが既に分かっている。
仏国特許出願公開第2922607号明細書 欧州特許出願公開第2602483号明細書 国際公開第2014/135551号 国際公開第2016/055370号
本発明の第一の態様は、捕捉要素と、該捕捉要素の該振動性運動を電気エネルギーに変換するサブシステムとを備える発電機に関する。
該捕捉要素は、細長い形状を有し、および該捕捉要素の第一の端部と、該捕捉要素の第二の端部との間の長手方向に延在している。該捕捉要素は、特性寸法を有する断面と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有している。
該捕捉要素は、ベースに取付けられるように、および該第一の端部が、該第二の端部よりも該ベースに近い状態で、流体中にさらされるように構成されている。該捕捉要素はさらに、該流体が動いた場合に、該捕捉要素が該流体中に渦を生成し、その結果、該捕捉要素の振動運動を生じる振動揚力が該捕捉要素上に生成されるように構成される。
本発明のこの態様によれば、上記特性寸法は、該第二の端部よりも該第一の端部に近く位置する第一の長手方向位置から、該第一の長手方向位置よりも該第二の端部に近く位置する第二の長手方向位置まで減少する。すなわち、該捕捉要素に沿った該特性寸法(例えば、該直径)の変動に関して、欧州特許出願公開第2602483号明細書および国際公開第2016/055370号において提案されていることとは逆に、本発明の第一の態様によれば、該特性寸法は、該第二の端部よりも該第一の端部の近くで始まり、および実際には、該捕捉要素のほとんどの軸方向/長手方向の延在部にわたって延在している可能性がある該捕捉要素の部分に少なくとも対応して、該長手方向において減少する。
意外にも、この形状寸法は、欧州特許出願公開第2602483号明細書および国際公開第2016/055370号によって公知の捕捉要素の該形状寸法よりも良好に該渦の実際の発生に適合されるため、有利であることが分かっている。したがって、該捕捉要素は、適切なまたは強化された性能、効率および/または生産性のため、該捕捉要素に沿って実質的に同期したカルマン渦の発生のために形成することができる。
該捕捉要素は、流体中、例えば、該空気中に配設されるように構成されるが、他の可能性、例えば、水の場合もある。該流体は、実質的な定常流および層流であってもよく、すなわち、該風に一般的にある特性を有していてもよい。該捕捉要素は、該流体が動いた場合に、例えば、国際公開第2016/055370号に記載されているような該捕捉要素の振動性運動を生じる振動揚力が該捕捉要素上に生成されるように、該流体中に渦を生成するように構成されている。この現象は、当技術分野では周知されている。理論に束縛されるものではないが、この形状構成は、例えば、該捕捉要素の該形状によって実現することができ、すなわち、円柱等の先が尖っていない物体が層状の気流中にさらされた場合、広範囲の対気速度値に対して渦が出現するであろう。
通常の動作時に、該捕捉要素は該ベースに取付けられ、該捕捉要素の該第一の端部は、該第二の端部よりも該ベースに近くなっている。
新たな渦の該出現の該頻度に関する計算のための公知の式は、該捕捉要素の該振動がほとんどゼロであるポイントで用いることができる。いくつかの特定の実施形態において、該捕捉要素の該第一の端部は、国際公開第2016/055370号によって教示されているように、このポイントと一致するように配置される。このことは、該捕捉要素がこのポイントを越えて延在されている場合、該捕捉要素の底部部分の該振動運動が、反対方向に渦を形成する可能性があり、そのことが該エネルギー捕捉に悪影響を及ぼす可能性があるため、エネルギー捕捉を最適化するように作用することができる。したがって、最適化されたエネルギー捕捉の計算は、該捕捉要素の該第一の端部が、振動がほとんどゼロであるポイントである状況に基づくことができる。
該捕捉要素のこの第一の端部において、該特性寸法はdと呼ばれ、また、推定される風速はνと呼ばれる。したがって、上記で言及した該式によれば、該第一の端部における(および何らかの端部効果を考慮しない)新たな渦の出現の該頻度は、
となる。
この頻度が、該捕捉要素の生成点の場合に計算し、およびこの頻度が、該捕捉要素全体に沿って等しくなることに従って設計基準が与えられる場合、以下の式が得られる。
ただし、ν(y)は、該第一の端部から距離yに位置する生成点における該風速であり、φ(y)は、この点における該捕捉要素の同等の特性寸法である。
理論に束縛されるものではないが、この同等の特性寸法は、該捕捉要素が動かないときのこの点での該捕捉要素の該特性寸法D(y)と、振動による寄与との関数として、以下のように表すことができる。
ただし、Hは、該捕捉要素の該長さ(すなわち、その第一の端部と第二の端部との間の該距離)であり、kは、該振動の該振幅の影響と、該点から該第一の端部までの距離を関連付ける定数である。それは、この振動の最大振幅に依存する。
該第一の端部において、該振動の該振幅はゼロであるため、dは同時に、該第一の端部における該捕捉要素の該特性寸法および該同等の特性寸法である。
該φ(y)の式を該第一の等式に導入した場合、該軸方向における該捕捉要素の該特性寸法の変動は、以下の無次元の式によって与えられるであろう。
この式は、反対の記号を有する二つの項を含んでいる。ν(y)の該推定に用いられる該式に依存して、D(y)は、該捕捉要素の該長さに沿って大きくなるか、または小さくなる。しかし、標準的な値の場合、該特性寸法が、第一の長手方向位置よりも該第二の端部に近く位置する第二の長手方向位置における該特性寸法よりも大きい、該第二の端部よりも該第一の端部に近い該第一の長手方向位置があることが分かっている。
例えば、本発明者等が、風速に対してヘルマン指数法則を用いた場合、
となり、ただし、yは、該捕捉要素の該第一の端部と該ベースとの間の該距離である。
したがって、該特性寸法の以下の式が得られる。
通常の値、例えば、α=0.15、y=0.35メートル、H=1メートル、およびk=0.45が用いられる場合、(D(y))/dという該式は、y=0からy=Hまでyに伴って減少するため、該第一の長手方向位置は該第一の端部と一致し、また、該第二の長手方向位置は該第二の端部と一致することになる。いくつかの実施形態において、αは、0.05と0.25の間に含まれる可能性がある。いくつかの実施形態において、yは、0.05メートルと10メートルの間に含まれる可能性がある。いくつかの実施形態において、Hは、yの0.5〜8倍の間に含まれる可能性がある。いくつかの実施形態において、k1は、0.3と0.55の間に含まれる可能性がある。いくつかの実施形態において、αは、0.05と0.18の間に、yは、0.2〜2メートルの間に、Hは、yの2〜5倍の間に、およびkは、0.325と0.5の間に含まれる可能性がある。実施例の通りに、ヘルマンの法則を、風速をモデル化するのに用いた場合、本発明の該発電機が最適に作用するとともに、
となる。
この最後の方程式は、該発電機の場合の動作の条件ではないが、該捕捉要素の該高さに沿った風速をモデル化するのに特定の法則が用いられる場合に満足させなければならない、いくつかの設計パラメータ間の適当な条件である。しかし、該発電機の周辺の該風速をモデル化するのに、いくつかの異なる法則を用いてもよい。
いくつかの特定の実施形態においては、それらのパラメータにより、該第一の長手方向位置と該第二の長手方向位置との間の該距離は、該捕捉要素の該長さの30%よりも大きく、例えば、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%よりも大きい。いくつかの実施形態において、この距離は、該捕捉要素の全長、すなわち、該第一の端部と該第二の端部との間の該距離に相当する。すなわち、いくつかの実施形態において、該特性寸法(すなわち、該捕捉要素が円形断面を有する場合の該直径)は、該軸方向において、該第一の端部から該第二の端部へ、または、該捕捉要素の該長さの大部分にわたって一定に減少する。しかし、該特性寸法が減少する速度は、該第二の端部に対応する該捕捉要素の可能性のある終端を議論したときに、例えば、以下で説明する理由で変化させる可能性がある。
これらのパラメータにより、いくつかの特定の実施形態では、該第一の長手方向位置と該第一の端部との間の該距離は、該捕捉要素の該長さの30%よりも小さく、例えば、20%よりも小さく、10%よりも小さく、または、5%よりも小さい。いくつかの実施形態において、該第一の長手方向位置は、該捕捉要素の該第一の端部と一致する。
したがって、近年の当該技術分野における共通認識とは逆に、該特性寸法が高さに伴って(または、該軸方向位置に伴って、該第一の端部から該第二の端部へ)概して増加する捕捉要素を用いるのではなく、該特性寸法が、該軸方向において、軌跡のすべてまたは大部分の間に、該第一の端部から該第二の端部まで減少する捕捉要素を用いることが実際には多くの場合に好適であり、該減少は、該第二の端部よりも該第一の端部の近くで始まり、多くの場合、該第一の端部の近くで、例えば、該第一の端部において始まることが分かっている。したがって、これらの教示は、より効率的なおよび/または有効な渦ベースの風力発電機の該設計および製造にとって有用なツールを示している。
これらの構成に関する一つの利点は、該構成は、エネルギー変換のための上記サブシステムが配置されている軸方向位置において、エネルギー変換手段を含む(例えば、磁石およびコイルを含む)比較的充分なサイズの該サブシステムを可能にすると同時に、比較的充分な振幅の振動、例えば、Dの1〜1.4倍の程度の該振幅を可能にするために、例えば、該第一の端部と該第二の端部との間のどこかの該捕捉要素の内部、例えば、該第二の端部よりも該第一の端部に近いどこかであるが、好ましくは、該第一の端部および該第二の端部よりも中心に近いどこかにおいて、該捕捉要素の比較的充分な特性寸法(例えば、該直径)を可能にするということであり、ただし、Dは、該第二の端部に近い、例えば、以下で議論するカバーポイントに対応する該特性寸法である。
上述したデザインは、捕捉要素が、層状の気流中にさらされたときに、いくつかの上方渦が該捕捉要素の該第二の端部付近に現れることを考慮に入れていない。それらの上方渦は、所望の渦、すなわち、該捕捉要素の該振動性運動の一因である該渦を変形させる。
減少割合が、該カバーポイントから該第二の端部への方向において少なくとも一度減少するように、該第二の端部に対応する該捕捉要素の該終端が、該捕捉要素の該特性寸法がカバーポイントから該捕捉要素の該第二の端部までのゾーン内で減少するように設計されている場合、該発電機のパフォーマンスを高めることができることが分かっている。「カバーポイント」という表現は、本願明細書においては、典型的には、該第二の端部から該捕捉要素の該長さの20%未満、15%未満または10%未満に相当する距離にある、および/または典型的には、該減少割合の増加を特徴とする、該第二の端部に比較的近いポイントを指すのに用いられる。すなわち、該カバーポイントは、該捕捉要素の終端を、例えば、該第二の端部に向かう該方向における該特性寸法の該減少割合の多少の実質的な増加によって認識することができる該捕捉要素の該軸方向または長手方向の位置を指す。該捕捉要素の該終端は、典型的には、別々に製造されたカバーまたはキャップ部を、該捕捉要素の載置部に配置することを含むことができるため、「カバーポイント」という用語が使用されている。
どの特別な理論にも束縛されるものではないが、その第二の端部に対応する該捕捉要素のこの構成が、それらの上方渦のサイズを減少させ、すなわち、それらの上方渦の悪影響を低減すると思われる。したがって、例えば、該上方渦を低減することは、それらの上方渦が引き起こす、該振動している揚力を形成する該渦に対する干渉を低減するため、該特性寸法のこの種の低減は、該捕捉要素が該風からエネルギーを捕捉する効率を高めるのに寄与する。これらの好ましくない渦の該所望される渦への影響が低減されればされるほど、該発電機のパフォーマンスはより良くなる。
該特性寸法の(例えば、該直径の)この低減は、該減少割合が、該第一の端部から該第二の端部への方向において減少する少なくとも一つのゾーンを備えている。該減少割合は、y座標に関する該特性寸法の該サイズの導関数である。
この減少割合が少なくとも一度、減少するということは、該減少割合が曲線D(y)の下方点における減少割合よりも小さい該曲線D(y)の上方点があり、該下方点は、該上方点よりも該捕捉要素の該第一の端部に近いことを意味する。
すなわち、該カバーポイントに達した後の該捕捉要素の単純な直線状カット、または、例えば、国際公開第2016/055370号、国際公開第2014/135551号、欧州特許出願公開第2602483号明細書または米国特許出願公開第2008/048455号明細書によって公知の非常に急速で一定に増加する減少割合を有する該種類の終端の代わりに、本発明の多くの実施形態は、該カバーポイントと該第二の端部との間での少なくとも一つの該減少割合の減少を特徴としている。
該第二の端部に対応する該捕捉要素のこの終端は、さまざまな方法で、例えば、凹状断面が後に続く凸状断面(すなわち、該捕捉要素の該長手方向断面が外側に向かって凸状になっている断面)により、または、一つ以上の円錐状または円錐台状(または、ピラミッド状または切頭角錐形)の断面が互いに追従し、該減少割合は、該第二の端部からより離れている少なくとも一つの円錐または円錐台における減少割合よりも、該第二の端部により近い少なくとも一つの円錐または円錐台(または、ピラミッドまたは切頭角錐)における減少割合の方が小さい実施形態によって具現化することができる。
いくつかの実施形態において、該第一の端部と該カバーポイントとの間の該距離は、該捕捉要素の該長さの95%よりも小さい。この実施形態は、上述したような該特性寸法の減少を特徴とすることにより、該捕捉要素の充分な部分を、該第二の端部近傍での上方渦の発生を最小限にするために確実に利用できるようにする。いくつかの実施形態において、該第一の端部と該カバーポイントとの間の該距離は、該捕捉要素の該長さの90%よりも小さい。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素の該断面は実質的に円形であり、該断面はある直径を有し、該特性寸法は該直径である。
他の実施形態では、該捕捉要素は、円形断面を有していないが、異なる形状を有する断面、例えば、丸みの付いた頂点の有無にかかわらず、多角形の形状を備えた断面を有している。したがって、本願明細書に記載されている説明および式は、それらの実施形態に対して同様に有効であるが、それらのケースでは、「特性寸法」という概念は、それらの実施形態の該断面と同じ面を有する円形の該直径として理解すべきである。この発明は、異なる形状の断面を有する捕捉要素によって実行することができるが、多くの実施形態は、円形断面を有しているであろう。
特定の実施形態において、上記捕捉要素は、該カバーポイントと該第二の端部との間に、
該減少割合が一定であるか、または、該第一の端部から該第二の端部に向かう該方向において増加する第一の部分と、
該第一の部分よりも該第二の端部に近い第二の部分であって、該減少割合は、
一定であり且つ該第一の部分における該減少割合よりも小さいか、または、
該第一の端部から該第二の端部に向かう該方向において減少する第二の部分とを備える。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素の、該カバーポイントと該第二の端部との間のゾーンである上方ゾーンの二つの部分へのこの分割は、例えば、該捕捉要素の該上方ゾーンの各部分は別々に製造した後、一緒に接合してもよいため、製造を単純化するのを補助することができる。また、例えば、いくつかの実施形態において、各部分は、特定の減少割合を有して製造することができる。各部分が円錐台状である(または、一方が円錐台であり、他方が円錐である)場合、この形状構成は、例えば、製造の容易さという観点から特に有利である可能性がある。当然、いくつかの実施形態においては、該カバーポイントと該第二の端部との間の該ゾーンは、二つより多くの部分を備えていてもよく、それらのうちの少なくとも二つは、上記の減少割合間の関係に適合している。
いくつかの実施形態において、該第一の部分は、該外側に向かう凸状であり、また、該第二の部分は、該外側に向かう凹状である。
これらの特定の実施形態は、ソフトな遷移を伴う該上方ゾーンのための輪郭を確保している。
いくつかの実施形態において、該発電機は、支持要素、例えば、第一の取付け点および第二の取付け点を有するフレキシブルなロッドまたはポールをさらに備え、
該第一の取付け点は、該発電機が該ベースに取付けられることが意図されている該支持要素の箇所であり、
該第二の取付け点は、該支持要素が該捕捉要素に取付けられる該支持要素の箇所である。
該第一の取付け点は、通常動作時には、該第一の取付け点が該発電機の該載置部とともに振動しないように、該ベースに取付けられることが意図されている。しかし、該支持要素は、該ベースの下敷きになっている部分を有することができるため、この第一の取付け点が、該支持要素の端部であることは必要ない。
該第二の取付け点は、該支持要素が該捕捉要素に取付けられている箇所であり、この取付は、締付け取付である。この締付け取付は、さまざまな方法で行うことができる。いくつかの実施形態においては、第二の取付け点における角自由度を避けるために、補助取付け点が設けられている。このため、いくつかの実施形態では、該支持要素は、該第二の取付け点の後に上方へ続いていてもよいが、該第二の取付け点は、該支持要素と該捕捉要素との間の締付け取付の最下点である。
該捕捉要素は、多くの実施形態において、比較的堅く、および該振動運動中に変形しない。したがって、該捕捉要素は、該揚力が該捕捉要素に作用するように設計および配置することができ、また、該支持要素は、いくつかの実施形態において、該捕捉要素よりもフレキシブルでありおよび/またはより弾性的であり、および該捕捉要素を該ベースに接続するように配置され、その結果、該揚力が該捕捉要素に作用した場合、該捕捉要素は、例えば、該支持要素の弾性変形により、前記ベースに対して揺動するであろう。この構成は、該支持要素に対してよりも該捕捉要素に対して、よりコストが小さい材料を使用できるため、コストの低減をもたらすことができ、また、該支持要素は、高速の風速を伴う期間を含む長期間に、該風によってもたらされる力、および該捕捉要素の揺動によってもたらされる力に十分に耐える抵抗力がありながら、該捕捉要素の変位または揺動が、上記サブシステムを介して確実に電力を生成するのに十分であるように設計することができる。該捕捉要素に関して特に重要なことは、充分に軽い重量と、天候によって引き起こされる摩耗を含む摩耗に対する充分な抵抗力とともに、多くの場合、その形状およびサイズである。したがって、何らかの点について異なる特性、例えば、弾力性を有する二つの部分を用いることは、有利である可能性があり、およびコストを低減するのに役に立つ可能性がある。該支持要素は、異なる材料で形成することができ、また、該捕捉要素とは異なる材料で形成することができ、または、同じ材料で形成されている場合、該支持要素は、該捕捉要素に用いられる比率とは異なる比率で該材料を含んでもよい。該捕捉要素は、好ましくは、軽量の材料で形成され、および実質的に中空にすることができる。
例えば、該捕捉要素は、好ましくは、軽量の材料、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、玄武岩繊維、バルサ材、アルミニウムおよび/またはチタン等で形成することができ、または、少なくとも該軽量の材料を含んでいてもよい。この捕捉要素は、構造的剛性を与えるリブ、ブラケットまたはビーム等の内部補強要素を含んでもよい。いくつかの実施形態において、該捕捉要素は、10cmを超え、例えば、0.5mまたは1mを超え、例えば、2mまたは4mまたは10mまたは20mまたは50mまたは100mまたは150mまたは200mを超える長さを有している。ロッド等の該支持要素は、適切なパフォーマンスを与えるのに適している何らかの材料で形成することができる。炭素繊維、または、チタンおよび鋼鉄等の材料は、適切な材料の実例である。
本出願において、「ベース」という用語は、振動が起きる箇所、すなわち、「固定した取付」の箇所を指すものとする。例えば、該発電機が、該捕捉要素および支持要素を備え、および該捕捉要素が該支持要素を介してベースに取付けられている場合、該支持要素の、固定されたおよび/または堅い構造への挿入の位置は、該ベースと考えられるであろう。
「支持要素」という用語は、限定的に解釈すべきではなく、および特に、必ず一つの単一の要素を指すものと解釈すべきではなく、すなわち、該弾性要素は、例えば、互いに関連する何らかの適当な方法で配置されたいくつかの要素を備えることができる。
「弾性的」という用語は、湾曲による変形後に、該要素は、その元の形状に戻ろうとする傾向があるという意味で、該要素の弾性的な特性を指す。「弾性的」という用語は、伸長後のそのパフォーマンスに関して弾性的な性質に対する何らかの必要性を伴うことは意図されていない。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素の該第一の端部と、該捕捉要素の該第二の端部との間の該距離は、該支持要素の該第二の取付け点と、該捕捉要素の該第二の端部との間の該距離よりも大きく、したがって、該捕捉要素は、該捕捉要素の該第一の端部と、該第二の取付け点との間に延在している中空部分であるスカートを備えている。
この構成は、該第二の取付け点から下方へ延在している該捕捉要素の部分は、空気等の流体からエネルギーを得るのにも利用可能であるため、該捕捉要素が、より多くのエネルギーを、すなわち、該支持要素の該第二の取付け点から上方へだけではなく、該第二の取付け点から下方へもエネルギーを吸収することを可能にしている。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素の該第一の端部と、該支持要素の該第二の取付け点との間の該距離は、該捕捉要素の該第一の端部と、該支持要素の該第一の取付け点との間の該距離と同じである。
いくつかの実施形態において、および空気速度プロファイルν(y)を考慮すると、該特性寸法の該サイズは、以下の式、すなわち、
によって定義され、ただし、ν(y)は、標準的な風速勾配によるy方向における気流速度プロファイルであり、
yは、該捕捉要素の該第二の端部に向かう該方向において、該捕捉要素の該第一の端部から測定した座標であり、
D(y)は、該捕捉要素の該断面の該特性寸法の該サイズであり、
g(y)は、シグモイド関数であり、
Hは、上記で定義した該発電機の該高さである。
いくつかの標準的な風速勾配がある。それらのうちのいくつかは指数法則、例えば、該ヘルマンの指数法則であるが、他の方法論、例えば、モニン・オブコフ(Monin−Obukhov)法をさまざまな実施形態で用いてもよい。
本発明の該発電機に適している形状を実現するのに適している可能性があるいくつかのシグモイド関数がある。特定の実施形態において、
であり、ただし、
であり、K>4、およびp<0.3である。
Kは、yの値に関連するパラメータであり、ただし、
であり、および
pは、この形状によって影響を及ぼされる該捕捉要素の該部分を表すパラメータであり、ただし、影響がない場合に、p=0であり、全体的な影響の場合は、p=1である。
この式から推測できるように、該シグモイド関数は、該捕捉要素の該上方ゾーンの該形状を定義する関数ではない。このシグモイド関数は、実験的測定に従って、該関数が、該捕捉要素の該第二の端部における該風によって生成された該上方渦によって引き起こされた相対速度への影響に適合するため、既に選択されている。このシグモイド関数が、該相対速度の該式に既に導入されている場合、このことは、このシグモイド関数も含む該特性寸法に関する式をもたらす。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素は、少なくとも部分的に中空であり、また、該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換する上記サブシステムは、該捕捉要素の内部に少なくとも部分的に収容されている。いくつかの実施形態において、該サブシステムは、該捕捉要素内に完全に収容される。
該捕捉要素の該運動を電気エネルギーに変換するサブシステムを少なくとも部分的に該捕捉要素内に配置することによって包含される多くの利点がある可能性があることが既に分かっている。それらの利点のうちの一つは、該エネルギー変換手段のコンパクトな構成をもたらすということである。材料のコストおよび重量を最小限にしながら、エネルギー捕捉を最大化するために、該捕捉要素は、有利には、実質的な中空部である。該捕捉要素の運動を電気エネルギーに変換する該サブシステムを少なくとも部分的に該捕捉要素内に設けることにより、国際公開第2012/066550号、米国特許出願公開第2008/0048455号明細書および国際公開第2014/135551号により公知の従来技術によるシステムにおいて見られるような、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する、そのベースを包囲する潜在的に嵩張るサブシステムを要することなく、例えば、細長いポールの形態のコンパクトで洗練された構成を実現することができる。
いくつかの実施形態において、該第二の端部は、該第一の端部から(該捕捉要素の該長さに対応する)距離H、例えば、該第一の端部の上の高さHにあり、該サブシステムは、該第一の端部から0.05Hより大きい距離に、好ましくは、該第一の端部から0.1Hより大きい距離に、さらに好ましくは、0.2Hより大きい距離に、例えば、該第一の端部から0.3Hより大きいまたは0.4Hより大きい距離に、および必要に応じて、該第二の端部の下のまたは該第二の端部から少なくとも0.1Hの距離に、例えば、該第二の端部から0.2Hより大きい、0.3Hより大きいまたは0.4Hより大きい距離に配置される。例えば、いくつかの実施形態において、該サブシステムは、該第一の端部の上の0.1Hより大きいかつ該第二の端部の下の0.1Hより大きい距離に、例えば、該第一の端部の上の0.2Hより大きいかつ第二の端部の下の0.2Hより大きい距離に、例えば、該捕捉要素の該長手方向の中心部に向かって、例えば、該第一の端部の上の0.3Hより大きいかつ該第二の端部の下の0.3Hより大きい距離に配置される。他の実施形態では、該サブシステムは、該第一の端部の近くに(例えば、該捕捉要素の該長手方向の延在部の底部の10%または20%に)配置することができ、また他の実施形態では、該サブシステムは、該第二の端部にまたは該第二の端部の近くに(例えば、該捕捉要素の該長手方向の延在部の上方の10%または20%に)配置することができる。以下でさらに議論するように、可動部材間の干渉を避けながら、振動の振幅とてこの効果の適切なバランスをもたらすように、該サブシステムが、該第一の端部から0.25Hから0.5Hの範囲内に配置されることが好適である可能性があることが分かっている。また、磁石および/または他の比較的重量のある構成要素を、該第二の端部からまたは該第二の端部の下のかなりの距離、例えば、該第二の端部から0.3Hより大きいまたは0.5Hより大きい距離に配置することが好適である場合もある。
いくつかの実施形態において、該第一の端部は、該ベースの上にある。他の実施形態では、該第一の端部は、該ベースの下にある。いくつかの実施形態において、該捕捉要素および/または該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換する該サブシステムは、該捕捉要素の該長手方向の延在部の、すなわち、該捕捉要素の該第一の端部と該第二の端部との間の該距離の5%から40%に相当する、例えば、10%から30%に相当する、該ベースの上の距離に配置される。
該サブシステムを、該ベースからかなりの距離に、および好ましくは、該捕捉要素の該第一の端部からもかなりの距離に(例えば、該第一の端部から0.1H、0.2H、0.3H、0.4Hまたはそれより大きい距離に)配置することは、該サブシステムが配置される場所での該振動運動のかなりの振幅および最大速度を伴う可能性があり、そのことは、それに応じた、該サブシステムの部材間、例えば、磁石とコイルとの間の相対運動のかなりの振幅および速度を実現することができ、それによって、効率的なエネルギー変換に関する該サブシステムのパフォーマンスが向上する。しかし、いくつかの実施形態においては、該第二の端部に対応する該運動の該振幅は、例えば、該捕捉要素の内壁と、該サブシステムまたは該サブシステムを支持している構造との間の衝突を回避することを困難にまたは不可能にする可能性があるため、該サブシステムが、該捕捉要素の該第二の端部から特定の距離に配置されることが好適である。このことは、特に、上述したようなに、すなわち、該捕捉要素が、上記高さとともに、特性寸法、例えば、該第二の端部に向かって減少する直径を備えている場合に当てはまり、すなわち、このことは、該捕捉要素の内部の利用可能な空間を、該第二の端部に向かう該方向において減少させる可能性があり、それに対して、該振動の該振幅は、該第二の端部に向かって増加する。
多くのエネルギー変換システムの場合、例えば、磁石とコイルの間の相互作用に基づく変換システムの場合、該捕捉要素の該運動に相当する該エネルギーの電気エネルギーへの効率的な変換を実現できるようにするためには、振幅および速度の両方が重要である可能性がある。したがって、例えば、磁石とコイルを該ベースから離して配置することは、効率的なエネルギー変換に関して有利である可能性がある。例えば、該変換を、磁石とコイルの間の相対運動によって行う場合、コイル内に誘起された起電力が、該コイルを横切る磁界の変化に比例するため、高速が好適である可能性がある。
本発明のいくつかの実施形態において、上記発電機は、(例えば、該ベースから)軸方向に延びているサブシステム支持体をさらに備え、および該サブシステムは、少なくとも一つの第一のサブシステム構成要素と、第二のサブシステム構成要素に関連する該第一のサブシステム構成要素の運動による電力の生成のために配置された少なくとも一つの該第二のサブシステム構成要素とを備え、この場合、該捕捉要素の該振動運動が、該第二のサブシステム構成要素に関連する該第一のサブシステム構成要素の振動運動を生成するように、該第一のサブシステム構成要素は、該捕捉要素に取付けられ、該第二のサブシステム構成要素は、該サブシステム支持体に取付けられる。すなわち、該サブシステムの部分は、例えば、該捕捉要素内の固定されて静止状態の構造上に、例えば、何らかの管状構造またはタワー構造の上に配置することができ、それに対して、該サブシステムの別の部分は該捕捉要素に固定することができ、それにより、該捕捉要素の該振動運動が、該サブシステムの該二つの部分を互いに関連して動かすことになる。この動きは、例えば、オルタネータを作動させることによって、電力を生成するのに用いることができる。
いくつかの実施形態において、該第一のサブシステム構成要素と該第二のサブシステム構成要素の少なくとも一方は、少なくとも一つの磁石を備え、および該第一のサブシステム構成要素と該第二のサブシステム構成要素の少なくとも他方は、該振動運動が、該少なくとも一つの磁石と少なくとも一つのコイルとの間の相対的変位によって、該少なくとも一つのコイル内に起電力を生成するように配置された該少なくとも一つのコイルを備えている。該捕捉要素の該振動運動は、該コイルまたは複数のコイルがそれにさらされる該磁界の変動を生じさせ、それにより、該捕捉要素の該振動運動が電気エネルギーに変換される。
電力変換の該効率は、該コイルを通る該磁界の変化の速度に関連しているため、該サブシステムが、該ベースからおよび/または該第一の端部からかなりの軸方向距離に配置されているということによって実現されている、磁石または磁石アセンブリと、コイルまたは複数のコイルとの間の該相対運動の比較的速い高速は、該発電機の該パフォーマンスを向上させる。
磁石および複数のコイルに関する適当な構成はどのようなものでも用いることができる。該コイルまたは複数のコイルが該第二のサブシステム構成要素の部分であることが好適である場合もあり、これは、このことが、何らかのケーブルまたは同様のものを該振動している捕捉要素に取付けることなく、電流の抽出を容易にすることができる場合があるためである。すなわち、該好ましくは静止状態のサブシステム支持体上に該コイルを配置することは、外部の電気系統への接続を、振動するように配置されている該捕捉要素への接続なしに行えるため、有利である可能性がある。該コイルが該捕捉要素内にある場合、該エネルギーを引き出す導体は、金属疲労による劣化にさらされる可能性があり、また、粘性損失が不必要に増加する可能性もある。
したがって、多くの実施形態では、該第一のサブシステム構成要素は、該コイルまたは複数のコイルの上および下の平面内に配置された一つ以上の磁石を備え、それに対して、該第二のサブシステム構成要素は、一つ以上のコイルを備えている。該磁石は、該コイルまたは複数のコイルの上および下に磁石のリングを形成して配置することができる。したがって、例えば、磁石のリングは、二つ以上の平面内に配置することができ、また、例えば、一つ以上のリング状コイルを、該磁石のリングによって決まる該平面の中の一つ以上の平面内に設けることができる。
いくつかの実施形態において、該少なくとも一つのコイルは、共通の平面内に配置され且つその中立位置において該捕捉要素の軸を囲んでいる少なくとも二つのコイルを備え、該コイルの一方は、該コイルの他方の外側にあり、該二つのコイルは、該コイルの一方を通って電流が時計回りに循環する場合に、電流が、該コイルの他方を通って反時計回りに循環するように、且つ逆もまた同様であるように直列に接続されている。例えば、二つのコイルを、垂直軸に垂直な面内に配置することができ、および環状磁石等の磁石を、該二つのコイルが、該磁石によって該平面の間に挟まれるように、隣接する二つの平面内に配置することができる。該環状磁石は、振動中に、該捕捉要素が一つの方向で振動した場合に、該磁石の一つの部分が、該コイルのうちの外側のコイルの上および下を通り、および該磁石のうちの直径方向に対向する部分が、該コイルのうちの内側のコイルの上および下を通り、その結果、該コイルの相互接続により、該磁石の部分がともに、該コイルを通って流れる該電流を強めるように配置することができる。いくつかの実施形態においては、一つのコイルのみが各平面内に存在し、または、上述したように相互接続されていない複数の個別のコイルが用いられる。
該磁界を所望の方向に向けるために、該磁石に対応して、例えば、該環状磁石に対応して強磁性材料を備えること、例えば、該磁石の径方向外側に配置された強磁性材料を含むことが有利である可能性がある。このことは、特に、該磁石が個別のコイルと相互に作用するように意図されている場合に便利である。くわえて、または別法として、強磁性材料は、該コイルに対応して、例えば、該該コイルの間に(例えば、相互接続されたコイルの間に)および/または該コイルの外側および/または内側の径方向に配置することもできる。
本発明のいくつかの実施形態において、上記サブシステムは、該捕捉要素の該長手方向軸に垂直な平面内に配置された、少なくとも一つの環状磁石または少なくとも一つの環状コイルを備え、この場合、前記環状磁石または環状コイルは、該長手方向軸に対して非対称的に配置される。この理由は、少なくともいくつかの実施形態において、該捕捉要素の該振動運動は、一つの単一の垂直面内にはない可能性があるが、特に調整磁石(このような調整磁石については、以下で議論する)が存在する場合には、円形または湾曲した構成要素を実際に取得することができる場合があることが分かっているからである。このような円形または湾曲した構成要素が存在する場合、その中心点が、該システムの該長手方向軸および該捕捉要素の該長手方向軸(ここでは、該捕捉要素が停止している、すなわち、振動していないときの該捕捉要素の該長手方向軸について説明している)から実質的に離間されるように変位される少なくとも一つのコイルを有することは、エネルギー生成を増進させ、これは、該構成要素が、該非対称的に配置されたコイルと、対称的に配置された磁石のリングとの間の該相対運動を強め、逆もまた同様であるためである。例えば、いくつかの非対称的に配置されたコイルを、いくつかの平面内で上下に配置することができ、また、該長手方向軸に関連するそれらの中心点の変位は、該長手方向軸から異なる径方向内にある可能性がある。例えば、一つの可能性のある実施形態においては、三つの非対称的に配置されたコイルが、三つの異なる平面内に上下に配置され、それらの中心点は、互いに関して、例えば、120度だけ角度的に離間された三つの異なる方向において、該長手方向軸から変位される。非対称的に配置されたコイルが用いられる場合、該環状磁石を、該長手方向軸に対して対称的に配置することができ(すなわち、該長手方向軸は、該環状磁石の該中心を通る)、逆もまた同様である。この解決策は、コイルを伴う該平面(または、複数の平面)が、一つ以上の個別のコイルを含む場合だけではなく、例えば、一つ以上の平面の各々が、上述したように直列に接続された二つのコイルを含む場合にも適用可能である。
本発明のいくつかの実施形態において、該磁石は、該捕捉要素が、該振動運動中に、中立位置から過度に傾斜した位置まで動いた場合に、前記少なくとも一つのコイルが、少なくとも一つの磁界の極性または方向の変化に、好ましくは、該磁界の方向の複数の変化にさらされるように配置される。
本発明のいくつかの実施形態においては、いくつかのリングが上下に配置され、および複数のコイルが、該磁石を伴う該平面の間の平面内に配置されるように、該ベースの上の異なる高さに、異なる平面内に配置された磁石のいくつかのサブセットがある。
本発明のいくつかの実施形態において、該発電機は、該捕捉要素と該サブシステム支持体との間に磁気反発力、すなわち、該捕捉要素の該振動運動に伴って変化し且つ最大値(すなわち、該捕捉要素、または、より適切に言えば、該捕捉要素の内側面が、該サブシステム支持体に最も近接した位置に達する場合に、該振動運動の各半サイクルにおいて、一度、生じる最大値)を有する反発力を生じさせる磁界を生成する手段を備えている。該捕捉要素の該振動運動の該振幅が増加した場合、この位置は、該サブシステム支持体にだんだん近付き、その結果、それに応じて、該反発力の最大レベルが増加する。
そのため、該捕捉要素と該サブシステム支持体との間の該磁気反発力は、該振動運動の該振幅が増加したときに増加し、および該振動運動の該振幅が減少したときに減少する。該風速が増した場合には、該捕捉要素の該振動運動の該振幅も増加し、および該反発力の該最大値も増加することが観察されている。風速が増加し続けるにつれて、該振幅は、ある減少率で増大するが、該反発力は逆に、非常に急速に増加し、これは、この増加が、好ましくは、該捕捉要素の関連する部分と、該サブシステム支持体との間の距離の二乗に反比例するためであり、すなわち、該捕捉要素が、ゼロ曲げの該中立位置を通過する際に、該システムが、完全にまたは実質的に運動エネルギー(速度)に変換される位置エネルギーを該磁石に蓄積することを可能にする。このことは、該捕捉要素の固有振動周波数の増加をもたらす。換言すると、該反発力は、該捕捉要素のヤング率または弾性係数が可変であるかのように、該捕捉要素の挙動を変更する。そのため、該風速が増加した場合、該捕捉要素の該固有振動周波数も自動的に増加し、逆もまた同様である。したがって、風速の関数としての該捕捉要素の共振周波数の受動的適応または受動的制御が実現され、そのことは、例えば、国際公開第2014/135551(A1)号に記載されている、圧電材料への電圧の印加に基づくもの等の、能動的適応に対する代替または補完として作用することができる。
例えば、該共振周波数に適応するシステムを有していないポール状の捕捉要素の場合、該風速が遅すぎるときは、該ポールは振動しない。風速が増加して、渦の出現の頻度が、該構造の該固有振動周波数に一致する速度に近付いた場合、該ポールの該振動の該振幅は、最大値に達するまで増加する。該風速が増加し続ける場合、該振幅は減少し始め、これは、該渦が過度に速く生成され始めるとともに、該構造の該固有振動周波数は一定のままであるためである。そして、該風速がさらに増加し続けた場合、該ポールは振動を停止する。該ポールが振動を始める該風速から、該ポールが振動を停止する該風速までの狭い風速範囲は、「ロックイン(lock−in)」範囲と呼ばれている。本発明のこれらの実施形態に関する一つの効果は、該システムの該固有振動周波数の適応のため、幅広のロックイン範囲を得ることができるということである。
該システムの該固有振動周波数のこの種の適応は、該捕捉要素の外側に配置され、例えば、該捕捉要素を完全にまたは部分的に包囲する支持要素によっても実現することができる(例えば、国際公開第2016/055370号に記載されている)が、該支持要素を該捕捉要素内に配置することには、いくつかの利点が伴う。例えば、特に該発電機の最大径方向延在部に関して、外側寸法が該捕捉要素の該寸法に実質的に一致している、非常にコンパクトな構成を得ることができる。空間の効率的な利用が得られ、例えば、該捕捉要素内の空きスペースが利用される。該捕捉要素の該寸法は、該空気と相互に作用する必要性と、該捕捉要素に沿った該渦の生成に同期する必要性とによって、少なくとも部分的に決まる。したがって、所定の所望の高さの該捕捉要素の場合、該捕捉要素の該直径は、好ましくは、特定の範囲内に入ることとなる(および上述したように、概して、該捕捉要素の該軸方向において変化することとなる)。例えば、国際公開第2014/135551号に記載されている構成等の従来技術による構成では、多くの場合、材料の使用および/または重量を最小限にするために中空になるように選定されている該捕捉要素内の該空間は無駄になっている。
そのため、該捕捉要素の振動の固有振動数の受動的調整用のシステムを組み込むためにこの空間を利用することは、輸送の観点からだけではなく有利であり、すなわち、このことは、例えば、該捕捉要素の径方向外側で、または、該捕捉要素の下で、例えば、該捕捉要素を支持するロッドから径方向に離間して、磁石を支持する外部構造を要することなく(または、必要性を低減して)、魅力的なデザインを備えこの種の発電機を製造することも可能にする。
一方で、該捕捉要素と、該捕捉要素内の該サブシステム支持体との間の反発をもたらすことは、該ベースからかなりの距離において該反発をもたらすことを可能にし、このことは、「てこの効果」を活用して、磁石材料を有効に利用するという目的にとって有利である可能性がある。すなわち、このことは、該風速に対する該捕捉要素の振動の該固有振動数の調整をもたらすのに必要な該磁性材料の有効利用を実現できる。該磁石によって生じる所定の反発力は、該捕捉要素の角運動量が比較的小さい位置に該反発力が加えられた場合、より大きな影響を該振動の固有振動数に与える。そのため、該捕捉要素が固定されている箇所から比較的大きな距離に、すなわち、該ベースから比較的大きな距離に、この反発を生じることを担う該磁石を設けることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態において、磁界を生成する手段は、該捕捉要素に関連付けられた(例えば、該捕捉要素に取り付けられた)少なくとも一つの第一の磁石(例えば、一つ以上の環状磁石、または、例えば、該捕捉要素上の二か所以上に、好ましくは、直径方向に対向して配置されて、該捕捉要素内の一つ以上の高さにおいて、連続的または断続的なリングを形成している複数の磁石)と、該サブシステム支持体に関連付けられた(例えば、該サブシステム支持体に取り付けられた)少なくとも一つの第二の磁石(例えば、一つ以上の環状磁石、または、例えば、該サブシステム支持体の二か所以上に対応して、好ましくは、直径方向に対向して配置されて、該サブシステム支持体の一つ以上の高さにおいて、連続的または断続的なリングを形成している複数の磁石)とを備えている。前記少なくとも一つの第一の磁石と、前記少なくとも一つの第二の磁石は、それらが互いに反発し合うように、および該捕捉要素の振動運動が起きた場合に、前記少なくとも一つの第一の磁石と、前記少なくとも一つの第二の磁石との間の距離が、前記振動運動に従って変化するように配置される。該二つの磁石間の該反発力は、該磁石間の距離の二乗に反比例するため、該力は、実質的に、該捕捉要素の該振動中に変化し、およびその最大値は、該振動運動の該振幅にかなり依存するであろう。したがって、該捕捉要素の該振動の該振幅の変動は、最大反発力の変動に一致し、すなわち、該捕捉要素の該固有振動数の変動に一致する。
本発明のいくつかの実施形態において、該少なくとも一つの第一の磁石は、少なくとも二つの直径方向で対向する部材を備え、また、該少なくとも一つの第二の磁石は、該少なくとも一つの第一の磁石の該少なくとも二つの直径方向で対向する部材に対向する、少なくとも二つの直径方向で対向する部材を備えている。このようにして、該捕捉要素の該揺動または振動が起きた場合、該第一の磁石と第二の磁石は、直径方向の両側から離れて移動しながら、該支持要素の一方の側で互いに近づき、振動力が該捕捉要素上に生じ、該記号および振幅は、該磁石間の該距離に依存して周期的に変化する。
本発明のいくつかの実施形態において、該少なくとも一つの第一の磁石は、少なくとも一つのリングとして、例えば、異なる高さにおけるいくつかのリングとして構成され、および/または該少なくとも一つの第二の磁石は、少なくとも一つのリングとして、例えば、異なる高さにおけるいくつかのリングとして構成されている。これらのリングは、向かい合って並んだ個別の磁石で形成することができる。リングの形状の磁石、例えば、水平リングの利用は、該発電機が、風の方向に関係なく同じように作用するのに有用である可能性がある。しかし、例えば、該風が、限定された範囲の方向でのみ吹いている(または、他の流体が流れている)場所では、該捕捉要素の振動の予測可能な垂直面内に配置された第一および第二の磁石から成る対を有することで十分である可能性がある。
本発明のいくつかの実施形態において、該少なくとも一つの第一の磁石は、該発電機のベースの上の異なる高さに配置された複数の第一の磁石を備え、該少なくとも一つの第二の磁石は、該発電機のベースの上の異なる高さに配置された複数の第二の磁石を備えている。
該磁石の該サイズおよび強度、該磁石の数、該垂直方向における磁石の列の数、および該磁石の位置を選定することにより、該捕捉要素に関連付けられた該磁石と、該サブシステム支持体に関連付けられた該磁石との相互作用を設定することができ、そのことは、該捕捉要素の該固有振動数が、該渦の出現の頻度と可能な限り一致するように変化するのに役に立ち、該渦も同様に、該流体(例えば、空気)と該捕捉要素との間の相対速度に従って変化する。
いくつかの実施形態において、該少なくとも一つの第一の磁石は、例えば、互いの上にまたは水平面内で並んで互いに隣接して実質的に配置され、および第一の複数の磁石によって生じる該磁界が、反対側よりも、該少なくとも一つの第二の磁石に対向する前記磁石の側において、より強くなるように(例えば、ハルバッハ配列に従って)配置された極性を有する該第一の複数の磁石を備え、および/または該少なくとも一つの第二の磁石は、例えば、互いの上にまたは並んで互いに隣接して実質的に配置され、および第二の複数の磁石によって生じる該磁界が、反対側よりも、該少なくとも一つの第一の磁石に対向する側において、より強くなるように(例えば、ハルバッハ配列に従って)配置された極性を有する該第二の複数の磁石を備えている。この構成は、該流体の該速度が増加したときの該捕捉要素の該共振周波数の増加に対するそれらの磁石の寄与に関して、該磁石の効率を高めるのに役に立ち、逆もまた同様である。すなわち、基本的には、例えばハルバッハ配列に従ってこのように該磁石を配置した場合、すなわち、該配列の一方の側での該磁界を増加させながら他方の側において該磁界をほぼゼロまで相殺することが知られているこの方法で該磁石を配置した場合、該磁界は、該第一の磁石と該第二の磁石が互いに対向する該側で最強となり、それによって、該磁石の効率的な利用を実現できる。
いくつかの実施形態において、該少なくとも一つの第一の磁石と該少なくとも一つの第二の磁石は、該捕捉要素の長手方向軸、例えば、垂直軸に関連して傾斜するように配置される。いくつかの実施形態において、該傾斜は、該磁石と、該捕捉要素の対称軸または長手方向軸との間の距離が、該捕捉要素の底端部または該ベースの上の高さの関数として増加するようになっている。例えば、該第一および第二の磁石は、円錐台形状、または、円錐台として形成された少なくとも一つの面を有する磁石のリングとして配置することができる。この傾斜は、該捕捉要素が、その振動の固有振動数に対応する共振モードとは異なる共振モードに入る傾向を減らすかまたはなくすのに役に立つ可能性があるトルクを導入するのに有用であることが分かっている。
いくつかの実施形態において、該第二の端部は、該第一の端部の上の距離Hの位置にあり、また、磁界を生成する該手段は、該第一の端部から(例えば、該第一の端部の上の)0.05Hより大きい距離の位置に、好ましくは、該第一の端部から0.1Hより大きい距離の位置に、さらに好ましくは、0.2Hより大きい距離の位置に、例えば、該第一の端部から0.3Hより大きいまたは0.4Hより大きい距離の位置に、および必要に応じて、該第二の端部から(例えば、該第二の端部の下の)少なくとも0.1Hの距離の位置に、例えば、該第二の端部から0.2Hより大きい、0.3Hより大きいまたは0.4Hより大きい距離の位置に配置される。
該ベースの上のかなりの高さに反発磁界を生成する手段を配置することは、該振動の固有振動数の必要な適応または調整を実現するのに必要な該磁性材料、例えば、ネオジウム合金の量を減らすのに役に立つ可能性があるという点で有利である可能性がある。このことは、少なくとも一部は該てこの効果によると思われる。上述したように、所定の反発力は、それが角運動量が小さい箇所に加えられた場合に、該振動の固有振動数に大きな影響を及ぼすことになる。ポールの一方の端部がそれに固定されているベースに関連して揺動して振動している該ポールの角運動量は、該ベースまでの距離に伴って減少し、すなわち、該角運動量は、該ベースに近い所よりも、該ベースからより遠くに離れた所でより小さくなっている。
いくつかの実施形態は、上記の教示を組合せている。例えば、該捕捉要素と該支持要素との間に磁気反発力を生じさせる磁界を生成する該手段の一部を構成する一つ以上の磁石は、該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換する該サブシステムの一部も構成することができる。それにより、該磁気材料の効率的な利用が行われ、このことは、該発電機のコストをさらに下げるのにも役に立つ。
本発明の別の態様は、風速に合った発電機調整を形成する方法に関する。該方法は、少なくとも一つの第一の磁石と、少なくとも一つの第二の磁石が互いに反発し合うように、該少なくとも一つの第一の磁石を該捕捉要素上に、および該少なくとも一つの第二の磁石を該サブシステム支持体上に配置するステップを含む。この構成によって実現される効果は、既に上記で説明されている。該効果は、該捕捉要素の該固有振動数を、渦の出現の頻度に自動的に適応させるのに役に立つ。
本発明の別の態様は、上述したような捕捉要素を備える発電機における複数の磁石の利用に関する。該流体は、多くの場合、該風に当て嵌まる、実質的な定常流または層流を有している可能性がある。該捕捉要素は、例えば、欧州特許出願公開第2602483号明細書または国際公開第2014/135551号に記載されているように、該流体が動いたときに、捕捉要素の振動運動を生じさせる揚力が該捕捉要素上に生成されるような方法で、該捕捉要素が該流体中に渦を生成するように構成されている。また、該発電機は、例えば、特定の高さまで、該捕捉要素の長手方向軸と平行に、該捕捉要素内に少なくとも部分的に延在している支持体も備えている。該磁石の利用は、該風速に対する、該捕捉要素の該固有振動数の自動適応を生じることが意図されている。
本発明の別の態様は、該風速に合った前述したものとして発電機を形成する方法に関する。該方法は、少なくとも一つの第一の磁石と、少なくとも一つの第二の磁石が互いに反発し合うように、該少なくとも一つの第一の磁石を該捕捉要素上に、および該少なくとも一つの第二の磁石を、該捕捉要素内に少なくとも部分的に延在している支持体上に配置するステップを含む。この構成によって実現される効果は、既に上記で説明されている。該効果は、該捕捉要素の該固有振動数を渦の出現の頻度に自動的に適応させるのに役に立つ。
本発明の別の態様は、流体中、例えば、空気中に配設されるように構成された、例えば、ポスト、柱またはポールの形状の、上述したような捕捉要素を備える発電機における複数の磁石の利用に関するが、該流体は、他の可能性、例えば、水の場合もある。該流体は、多くの場合、該風に当て嵌まる実質的な定常流および層流を有している可能性がある。該捕捉要素は、例えば、欧州特許出願公開第2602483号明細書または国際公開第2014/135551号に記載されているように、該流体が動いたときに、捕捉要素の振動運動を生じさせる揚力が該捕捉要素上に生成されるような方法で、該捕捉要素が該流体中に渦を生成するように構成されている。また、該発電機は、例えば、特定の高さまで、該捕捉要素の長手方向軸と平行に、該捕捉要素内に少なくとも部分的に延在している支持体も備えている。該磁石の利用は、該風速に対する、該捕捉要素の該固有振動数の自動適応を生じることが意図されている。
本発明の別の態様は、
細長い形状を有する捕捉要素であって、該捕捉要素は、該捕捉要素の第一の端部と該捕捉要素の第二の端部との間に長手方向に延在し、該捕捉要素は、該ベースに取付けられるように、および該第一の端部が該第二の端部よりもベースに近い状態で、流体中にさらされるように構成され、該捕捉要素は、該流体が動いた場合に、振動揚力が該捕捉要素上に生成されて、そのことが、該捕捉要素の振動運動を生じるように、該流体中に渦を生成するように構成された、捕捉要素と、
該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換するサブシステムと、
を備える発電機に関する。該サブシステムは、(例えば、上述した理由のため)該捕捉要素内に少なくとも部分的に配置され、および、該捕捉要素の長手方向軸に垂直な平面内に並んで配置され且つ好ましくは前記長手方向軸に対して実質的に対称的に配置された少なくとも三つのコイルを備える複数のコイルを備えている。すなわち、本願明細書に記載されているいくつかの実施形態の場合と同様に、おおよそ同軸に配置されたコイルを用いる代わりに、ここでは、異なるコイルが並んで配置されている。「並んで(side by side)」という表現は、上述したいくつかの実施形態と同様に、該コイルが、同軸的に共通の軸の周りに同心円状に配置されてはいないが、ある程度、互いに近接しているため独立して配置されていることを明記することが意図されている。該コイルは、好ましくは、それらの軸を平行に整列させている。該コイル間の空間は、もしあれば、該捕捉要素内の該空間を有効利用するために、およびエネルギーの生成を最適化するために、好ましくは比較的小さくなっている。該コイルは、例えば、円形状に配置することができ、すなわち、該捕捉要素が中立位置にあるときに、該コイルが、該捕捉要素の該長手方向軸に対して異なる角位置に配置されるように配置することができる。
該サブシステムは、磁界を生じるように配置された磁石の少なくとも一つの対をさらに備えている。該コイルと該磁石は、該捕捉要素の該振動運動が、起電力を該コイル中に生成するために、該磁石の少なくとも一つの対と該コイルとの間に相対運動を生じるように配置される。
この構成は、磁性材料とコイルを有効利用する、比較的軽量のエネルギー変換用サブシステムを可能にすることが分かっている。特に、該構成は、該捕捉要素に取り付けられた構成要素を含む該捕捉要素を具体化することを可能にし、その結果、その重量は比較的小さく、このことは、該渦の影響下で、大きな振幅で振動する能力を高め、および該ロックイン範囲を拡大するのにも役に立つ。該構成は、該捕捉要素に取り付けられた比較的少量の磁性材料によって効率的に機能することが証明されている。例えば、該捕捉要素の該振動運動が一つの単一の垂直面に限定されない場合にも、該捕捉要素に取り付けられた磁石のリングを用いることなく、効率的なエネルギー変換が達成され、このことは、該捕捉要素の該重量を減らすのに役に立つ。
該捕捉要素が該垂直方向に延在している場合の、対称軸周りに同じ面内に配置された、すなわち、円形状にまたは水平面内に同様に配置された複数のコイルの利用は、該振動が、一つの単一の垂直面に厳密に限定されない可能性があることを考慮すると、効率的なエネルギー変換にとって適切であることが分かっているが、上述したように、円形または湾曲した構成要素を含むことができる。したがって、該磁石の対は、磁石のリングを用いることなく、この円形運動中に、該コイルと効率的に相互に作用するように配置することができる。
いくつかの実施形態において、該磁石の少なくとも一つの対は、該捕捉要素とともに振動するように、該捕捉要素に取り付けられ、それに対して、該コイルは、サブシステム支持体構造に、例えば、該サブシステムの一部を支持し、および該捕捉要素内に延在しているサブシステム支持体構造に取付けられている。該サブシステム支持体構造は、該ベースに関して固定することができ、それに対して、該捕捉要素は、該ベースに関して、例えば、該捕捉要素が該ベースに固定されている箇所に関して振動するように配置することができる。
いくつかの実施形態において、該発電機は、追加的な磁石と、該磁石の少なくとも一つの対が互いに反発し合うように、および該捕捉要素の該振動運動が起きた場合に、該追加的な磁石と、該磁石の少なくとも一つの対との間の距離が、該振動運動に従って変化するように配置された該追加的な磁石をさらに備えている。このことは、上述したように、該振動の固有振動数を調整するのに役に立つ。
いくつかの実施形態において、該複数のコイルは、該長手方向軸の周りに位置し、およびそれらの軸方向の中心部分を、該隣接するコイルの該軸方向の中心部分から約120度だけ角度的に離間させた三つのコイルから成る。すなわち、三つのコイルが、該長手方向軸の周りに対称的に離間されている。
該捕捉要素は、上述したようにすることができ、または異ならせることができ、すなわち、該捕捉要素は、上述したような形状を有してもよく、または、有していなくてもよい。例えば、本発明のこの最後の態様のいくつかの実施形態では、該捕捉要素は、当該技術分野において公知であるように、該第一の端部から該第二の端部までの該捕捉要素の該長さのほとんどにわたって実際に増加する特性寸法を有していてもよい。該サブシステムは、上述した原理に従って、サブシステム支持体上に部分的に配置してもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、該捕捉要素の該長手方向軸は、該捕捉要素が振動していないときに、概して垂直方向に延在しているように配置される。
本発明のこれらの実施形態のうちのいくつかにおいて、該コイル内に電流を誘導することにより、該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換する該サブシステムの一部であるいくつかのまたはすべての磁石もまた、該風速に対する該捕捉要素の該固有振動数の調整の少なくとも一部にとって役に立つ可能性がある。例えば、該第一の磁石のうちの少なくともいくつかは、該コイル内に電流を誘導するのに用いられる該サブシステムの一部とすることができ、このことが、それらの磁石が二重の機能を有することができ、それによって磁性材料を効率的に利用できる理由である。
本発明による発電機は、太陽光発電の代わりに、または、太陽光発電を補完するものとして、例えば、地方および都市部の両方にエネルギーを供給するのに用いることができる。例えば、太陽光発電設備が存在する場合、例えば、夜に、または、いわゆる悪天候時に、十分な太陽光がない場合にも電力を生成できるように、本発明による一つ以上の発電機を補完物として設置することができる。このとき、太陽電池によって得られた電力に適応して伝導するために既に設置されている電気回路を利用することができ、すなわち、この電気回路は、本発明による該発電機から来る該エネルギーも伝導するのにも用いることができ、および/または適応させることができる。それらの発電機は、スリムかつ魅力的なデザインを備えることができ、また、それらの構成要素の大部分が、該風からエネルギーを捕捉するのに用いられる該スリムで洗練されたポール内にある状態で設けることができるため、この種の発電機を建物または他の場所に設置することは、人々にアピールすることができる。
上述した該実施形態のうちのいくつかで用いられている自動調整にもかかわらず、しばしばおよび特に風速の急速な変化の場合、該磁石によってもたらされる該自動調整は十分なものではない可能性がある。調整または補完調整の別の方法は、運動を電気エネルギーに変換する該サブシステム(単数又は複数)への制御されたエネルギー注入または該サブシステム(単数又は複数)からの制御されたエネルギー抽出に基づくことができる。
さらなる態様は、上述したような発電機を用いて電力を生成する方法であって、該捕捉要素が、該捕捉要素によって該流体中に誘発されたカルマン渦により振動させられるように、該捕捉要素を動いている流体(例えば、動いている空気、すなわち、風)にさらすステップを含む該方法に関する。該カルマン渦は、好ましくは、該捕捉要素に沿って実質的に同期して生成される。このことは、上述したように該捕捉要素の該形状を選択することによって、実現または最適化することができる。
上記説明を補完するため、および本発明の特徴の良好な理解を補助する目的で、本発明の実際の実施形態の実施例に従って、例示としておよび限定することなく、以下のことを示す図面のセットが、該説明の不可欠な部分として添付されている。
本発明の実施形態による発電機の概略正面図および断面図である。 本発明の実施形態による発電機の概略正面図および断面図である。 本発明のこの実施形態による発電機の捕捉要素を横切って通る層状の気流の効果を示す。 本発明のこの実施形態による発電機の捕捉要素の振動の効果を示す。 従来技術において公知の発電機の上部に対応する風の効果を概略的に示す。 本発明の実施形態による発電機の上部に対応する風の効果を概略的に示す。 従来技術において公知の発電機における渦の中心の概略的な分布を示す。 本発明の実施形態による発電機における渦の中心の概略的な分布を示す。 本発明による発電機の異なる実施形態による捕捉要素の概略正面図および断面図である。 本発明による発電機の異なる実施形態による捕捉要素の概略正面図および断面図である。 本発明による発電機の異なる実施形態による捕捉要素の概略正面図および断面図である。 本発明による発電機の異なる実施形態の捕捉要素の平面図を示す。 本発明による発電機の異なる実施形態の捕捉要素の平面図を示す。 本発明の異なる実施形態による、振動運動を電力に変換するサブシステムの一部の概略断面図である。 本発明の異なる実施形態による、振動運動を電力に変換するサブシステムの一部の概略平面図である。 本発明の異なる実施形態による、振動運動を電力に変換するサブシステムの一部の概略平面図である。 本発明の異なる実施形態による、振動運動を電力に変換するサブシステムの一部の概略平面図である。 本発明の異なる実施形態による、振動運動を電力に変換するサブシステムの一部の概略断面図である。 何らかの調整システムがない捕捉要素の挙動に関する二つの単純化したモデルを示す。 調整システムを備えた捕捉要素の挙動に関する二つの単純化したモデルを示す。 ばね力(F)および磁気反発力(F)の変位(x)に対する推移を示す。 最初の瞬間における瞬発力の作用にさらされたときの調整なしの装置(I)および調整を伴う装置(II)(磁気反発力を伴う運動)の該振幅(変位x)と頻度(時間軸tに沿った振動)に関する経時的変動を示す。 図8A〜図8Eのものと類似している、コイルおよび磁石の代替的な構成の図である。 図8A〜図8Eのものと類似している、コイルおよび磁石の代替的な構成の図である。 図8A〜図8Eのものと類似している、コイルおよび磁石の代替的な構成の図である。 図8A〜図8Eのものと類似している、コイルおよび磁石の代替的な構成の図である。 図8A〜図8Eのものと類似している、コイルおよび磁石の代替的な構成の図である。 本発明の動作の異なる実施形態または様態における捕捉要素の振動運動を概略的に示す。 本発明の動作の異なる実施形態または様態における捕捉要素の振動運動を概略的に示す。 本発明の代替的な実施形態による発電機の長手方向軸に対するコイルの構成を概略的に示す。 本発明の別の実施形態の一部の概略正面図および断面図である。 本発明の別の実施形態の一部の概略正面図および断面図である。
図1Aは、本発明の一つの可能性のある実施形態による発電機を概略的に示す。該発電機は、第一の端部11(図1に示すように配置した場合の捕捉要素1の底端部)と第二の端部12(図1に示すように配置した場合の該捕捉要素1の上端部)とを備える垂直方向に配置したポール(すなわち、垂直方向に配置された長手方向軸2000を有するポール)の形状の該捕捉要素1を備えている。該捕捉要素1の高さまたは長さHは、その第一の端部11と、その第二の端部12との間の距離である。この実施形態において、該捕捉要素1は円形断面を有し、このことは、該発電機が、風の方向とは無関係に同じように作動することを可能にするという点で有利である場合がある。
該発電機は、該捕捉要素1の振動運動を電力に変換するサブシステムの一部を支持するサブシステム支持体2をさらに備え、このことは、以下で説明する。この実施形態では、該サブシステム支持体2は、(該捕捉要素が、その中立位置にある場合に)該捕捉要素1の該長手方向軸2000と同軸に延在している概して円筒形のハウジング21を備えている。該発電機は、該捕捉要素を支持する支持要素、この場合は、該サブシステム支持体2の概して円筒形のハウジング21内に配置されたロッド部材5の形態の支持要素をさらに備えている。該ロッド部材5は、第一の取付け点51に相当するベース1000に固定されている。該サブシステム支持体2は、該ベース1000にも取付けられている。そこから、該サブシステム支持体2は、上方に延在して該ロッド部材5を包囲している第一の区間を備え、該第一の区間は、該ロッド部材5と該円筒形ハウジング21との間に、該ロッド部材5がその中で横方向に振動することができる空間200を画定している。該サブシステム支持体2の該概して円筒形のハウジング21は、上部に向かって、該捕捉要素1内へさらに軸方向に延在する三つの独立した軸方向に延在する脚部または区間26で終端している。そこでは、該支持要素2は、該捕捉要素1の該振動運動を電力に変換するサブシステム3の一部を支持するために配置された、軸方向突出部材23が設けられているプラットホーム27内で終端している。このサブシステム3は、該振動運動中に、磁石が、一つ以上のコイルを備えている第二のサブシステム構成要素32に関連して変位されるように該磁石が配置されている第一のサブシステム構成要素31を備えている。該第一のサブシステム構成要素は、該捕捉要素1に取付けられ、また、該第二のサブシステム構成要素32は、該プラットホーム27上で、該サブシステム支持体2によって支持されている。この実施形態では、上述したように、追加的な磁石42が、該捕捉要素1の振動の固有振動数を調整する目的のために設けられている。また、これらの磁石42は、該軸方向突出部材23上にも配置されている。該捕捉要素1の振動の該固有振動数の調整に対する該磁石の寄与に関して、該磁石の効率の損失をもたらす可能性のある、該磁石42の磁界がこの突出部材23を通って方向付けられることを、少なくともある程度まで防ぐために、該軸方向突出部材23に対して、低透磁率の材料を使用することが好適である可能性がある。
該ロッド部材5は弾性的である。「弾性的」という用語は、比較的堅いロッド部材5を使用する可能性を排除しないが、該ロッド部材が、該ベース1000に関連する該捕捉要素1の振動運動を、すなわち、該捕捉要素1が先ず一方の側へ傾斜した後、他方に傾斜する等のことによる振動運動を引き起こすことを可能にするために、横への湾曲/傾斜の十分な能力を有していなければならないことを単に意味しているにすぎない。
該捕捉要素1は、図1Aおよび図1Bに概略的に図示されているように、該捕捉要素1を該ロッド部材5に取付けるように配置されている二つの実質的にディスク状の部材24、25を用いて該ロッド部材5に取付けられている。該ディスク状部材24、25は、該ディスク状部材24、25に存在する中心開口部を通る該ロッド部材5に固定されている。各ディスク状部材24、25は、該ディスク状部材の中心から径方向に離間されている三つのより大きな開口部28をさらに備えている。図1Aおよび図1Bに示すように、該サブシステム支持体2の該脚部または軸方向延在部26は、該ディスク状部材が該脚部26に干渉することなく該ロッド5とともに振動することを可能にするのに十分な大きさであるこれらの開口部28を通って延在している。このようにして、該サブシステム支持体2は、該ロッド部材5の上方軸方向端部の上で終端し、その結果、該捕捉要素の該振動運動を電力に変換する機器またはサブシステム3と、固有振動数を調整する機器も、振動中に該ロッド部材に干渉するリスクを何ら伴うことなく、該ロッド部材5の上に配置することができる。
図2に示すように、該風の層流3001が、細長いポール状の捕捉要素1に衝突した場合、該層流は、該捕捉要素1の一方の側および他方の側に交互に生じる、および該捕捉要素1の各側の連続する渦の間に一定の距離3003を有する一連の渦3002を生成する。そのため、該風の方向における実質的に一定の抵抗力3004と、大よそ該風の方向におよび該抵抗力の方向に実質的に垂直な揚力3005とが、該捕捉要素1上に生じる。この揚力3005は、該渦の発現に一致する頻度で周期的に記号を切り替え、この力は、一方の側に向かうおよび他方の側に向かう、該捕捉要素1の該振動を引き起こす。本発明のこの実施形態において、該捕捉要素1は、円形断面を有している。
図1に示す該捕捉要素1は、上述した理由で、(第一の長手方向位置11Aに対応する)該第一の端部11から、(第二の長手方向位置12Aに対応する)該第二の端部12まで、高さに伴って減少する直径Dを有する断面を備えている。該減少割合は、該第一の端部11から該第二の端部12までの間、より具体的には、該第一の端部11と、該減少割合がそこで増加する、本願明細書においてカバーポイント13と呼ぶ位置との間の該距離のほとんどにおいて実質的に一定である。したがって、この実施形態では、該第一の端部11と該カバーポイント13との間で、該捕捉要素の該断面の外側は、実質的に直線状であり、または、湾曲している場合は、非常に大きな曲率半径を備えている。
図1Aにおいて概略的に説明したように、該サブシステム3は、該捕捉要素1の該軸方向中心位置の下に配置されているが、該軸方向中心位置に比較的近い状態のままである。そこでは、該直径は比較的大きく、該振動の該振幅は、該捕捉要素に関連付けられた該可動部材と、該サブシステム支持体上に配置されている部材との間の物理的干渉を引き起こすほど大きくはない。したがって、該サブシステムを収容するための空間の必要性と、「てこの効果」を利用するための該ベースからのかなりの距離における該サブシステムと該調整磁石の配置の要求と、エネルギー生成を強化するための振動のかなりの振幅の要求との間に均衡が存在する。
上述したように、該捕捉要素の該上端部における該捕捉要素の急な終端が、該振動運動を引き起こす該渦を妨げる追加的な渦を生成する可能性があることが分かっている。この妨げを低減しまたは最小限にするように、該直径が該第二の端部に向かって減少する該捕捉要素の上部部分を設けることが有利であることが分かっている。より具体的には、該カバーポイント13から、該捕捉要素は、直径が、該カバーポイントの前よりも大きな割合で、該第一の端部11から該第二の端部12への方向において減少する第一の部分121を備え、すなわち、該カバーポイントから、該減少割合は、該捕捉要素のこの第一の部分121に応じて、該第一の端部11から該第二の端部12への該方向において増加する。この第一の部分121の後には、同様に、該直径が該第一の端部11から該第二の端部12への該方向において減少しているが、該減少割合は、該第一の端部11から該第二の端部12に向かう該方向において減少している部分である第二の部分122が続いている。したがって、および上述した多くの従来技術による構成とは異なって、該直径は、該カバーポイントから該第二の端部までの該軸方向延在部のすべてにわたって一定のまたは増加する減少割合で減少せず、該減少割合が減少する少なくとも一つの箇所を備えている。このことは、該風からエネルギーを捉えるその能力に関して、該発電機の該効率を向上させることが分かっている。
いくつかの実施形態において、該捕捉要素1は、円形断面部分を有していないが、異なる形状、例えば、丸みの付いた縁部を備えた多角形の形状を有する断面を有している。したがって、本願明細書において議論した関係および式は、それらの実施形態に対しても依然として有効であるが、「直径」という言葉は、それらの実施形態の断面と同じ表面積を備えた円の直径である「特性寸法」という表現に置き換えられている。
図1に示す実施形態において、該捕捉要素1は、該捕捉要素が該ロッド部材5に固定されている位置の下で、該サブシステム支持体2および該ロッド部材5を包囲している、該捕捉要素1の中空部分であるスカート6をさらに備えている。したがって、このスカート6は、(この実施形態では、最下のディスク状要素25が、該捕捉要素1を該ロッド部材5に取付ける箇所である)該ロッド部材5の該第二の取付け点52と、該捕捉要素1の該第一の端部11との間に構成された該捕捉要素1の部材である。この実施形態では、該ロッド部材5の該第二の取付け点52と、該捕捉要素1の該第一の端部11との間の距離は、該捕捉要素1の該第一の端部11と、該ロッド部材5の該第一の取付け点51との間の距離に実質的に等しい。いくつかの実施形態においては、例えば、該発電機の外観を良くするために、該スカート6と、該発電機が設置される面との間で該サブシステム支持体2を包囲する、例えば、実質的に円筒形の形状を有する(図1には図示されていない)カバー部材を設けることができる。他の実施形態では、該スカート6は、該サブシステム支持体2を隠すように、該ベースに向かってさらに延在することができる。
図3は、二つの異なる位置、すなわち、均衡位置および最大振幅位置における図1Aおよび図1Bの実施形態の該捕捉要素を示す。X(y)は、y座標に関するこの振動運動の振幅を表し、これは、該捕捉要素1の該第一の端部11から測定される。
新たな渦の出現の頻度の計算のための既知の式を、該捕捉要素の該振動がほぼゼロである箇所で用いることができる。いくつかの特定の実施形態においては、エネルギー捕捉効率を最大限にするために、国際公開第2016/055370号によって教示されているように、該捕捉要素の該第一の端部はこの箇所に実際に一致している。したがって、以下の式は、該捕捉要素の該第一の端部が、振動がほとんどゼロである箇所になっているという仮定に基づいている。
該捕捉要素1の該第一の端部11において、該特性寸法はdと呼び、推定される風速は、ν1と呼ぶ。その結果として、この風速では、該第一の端部11に対応する新たな渦の出現の頻度は、
となる。
この頻度が、該捕捉要素の生成点において計算される場合、およびそれが、この頻度を、捕捉要素全体に沿って等しくしなければならない設計基準として課される場合、これは、次の式につながるであろう。
ただし、ν(y)は、該第一の端部からの距離yに位置する生成点における風速であり、φ(y)は、この生成点における該捕捉要素の等価な特性寸法である。
理論に束縛されるものではないが、この等価な特性寸法は、該捕捉要素が動かないときのこの箇所における該捕捉要素の該特性寸法D(y)と振動による寄与の関数として、次のように表すことができる。
ただし、kは該等価な特性寸法φ(y)の値に対する該運動X(y)の該振幅の影響に関連する実験定数である。
しかし、該運動の該振幅は、座標yの一次関数として表すことができるため、該等価な特性寸法φ(y)は、次のように表すことができる。
ただし、kは、各発電機の定数であり、および該振動X(y)の該振幅と該座標yとの間の線形関係に依存する。
該φ(y)の式を第一の方程式に導入した場合、該捕捉要素の該特性寸法の形状は、次の無次元式によって与えられる。
この式は、反対の記号を有する二つの項を示している。ν(y)の推定に用いられる該式により、D(y)は、該捕捉要素の該長さに沿って増大または減少する。しかし、標準的な値の場合、該第二の端部よりも該第一の端部により近い第一の長手方向位置があり、そこでは、該特性寸法は、該第一の長手方向位置よりも該第二の端部により近く位置する第二の長手方向位置における特性寸法よりも大きい。
例えば、風速に対して、ヘルマンの指数法則を用いた場合、
となり、ただし、yは、該捕捉要素の該第一の端部と、該支持要素の該第一の取付け点との間の距離である。
したがって、該特性寸法に関する次の式が得られる。
通常の値、例えば、α=0.15、y=0.35メートル、H=1メートルおよびk=0.45が用いられる場合、(D(y))/dの式は、y=0からy=Hまでのyとともに減少するため、これまでの図面に示されているように、該第一の長手方向位置は該第一の端部と一致し、および該第二の長手方向位置は、該第二の端部と一致する。
図4Aおよび図4Bは、従来技術による捕捉要素1’の上端部に対応する渦の発生(図4A)と、本発明の実施形態による捕捉要素の上端部に対応する渦の発生(図4B)の概略的比較を示す。
より具体的には、図4Aは、当技術分野において公知の捕捉要素に対する風の吹き付けの影響を概略的に示す。それらの上方の渦の密度の描写と、それらの上方の渦の影響を受ける該捕捉要素1’の軸方向延在部e1とがこの図に図示されている。
図4Bは、本発明の実施形態による発電機の捕捉要素に吹き付ける風の影響を概略的に示す。それらの上方の渦の密度の描写と、それらの上方の渦の影響を受ける該捕捉要素1の該軸方向延在部e2とがこの図に図示されている。より少ない上方の渦がどのように形成されるか、およびそれらの渦の影響を受ける該捕捉要素1の該軸方向延在部e2が、該捕捉要素1の上方ゾーンのデザインによって、該従来技術による捕捉要素1’(図3A)の場合のこのような渦の影響を受ける該軸方向延在部e1よりもどれほど小さいかを観察することができる。
図5Aおよび図5Bは、図4Aおよび図4Bの該捕捉要素を示しているが、該上方の渦の密度と、それらの影響の領域とを図示する代わりに、該捕捉要素に沿った該渦の中心の概略的分布が図示されている。渦が、該捕捉要素の全長に沿って延びているため、前記渦の該中心を接続するラインは、連続するラインとして表すことができる。これらの図を見て分かるように、このラインは、直線状のラインではない。
図5Aは、従来技術において公知の捕捉要素1’の該上方ゾーンで発生した該上方の渦の影響を大幅に受ける該捕捉要素を備えた発電機における該渦の該中心の概略的分布を示し、それらの該密度は図4Aに図示されている。これらの上方の渦は、該発電機の通常動作に影響を及ぼして、該上方ゾーンにおける空力的状況の遅延を引き起こす。その結果は、この上方ゾーンにおける該渦の該中心もまた、該渦の該中心の残りに関して遅延されるということである。この遅延は、該発電機によって吸収されるエネルギーが小さくなることを引き起こし、このエネルギーの吸収の低減は、理論的に、利用可能なエネルギーがその最大になっているゾーンで生じる。その結果として、この発電機の能力は、準最適になる。
逆に、図5Bは、図4Bに示すように、図4Aと比較して、それらの上方の渦の密度および延在部が、図4Bの該捕捉要素の場合にはかなり小さいため、図5Aの該発電機よりも該上方の渦の影響をほとんど受けない、図4Bに示す本発明の実施形態による発電機における該渦の該中心の概略的図を示す。その結果は、該渦の該中心の上述した遅延が、該捕捉要素のかなり小さい長さに対して影響を及ぼし、そのため、該渦の該中心の分布は、前の事例よりも直線に近くなり、その結果として、より多くのエネルギーを、このゾーンにおいて該捕捉要素1によって吸収することができるということである。このことは、この発電機の能力を、図5Aに示す該捕捉要素を備えた該発電機の該能力よりも良好にする。
上述したように、このことは、従来技術において公知の「フラットカット(flat−cut)」または「フラットドーム形状」の終端、すなわち、野球のバットと似ている終端とは異なるように該捕捉要素を終端することによって実現される。代わりに、本発明は、例えば、図示されている実施形態の場合のように、(該捕捉要素の該長手方向断面が、外側に向かって凸状になっている)凸状部121から、凹状部122(図1Aを参照)への移行による、より高い減少割合から、より低い減少割合への少なくとも一つの変化を含む。
図6A、図6Bおよび図6Cは、これらの上端部が、上述した原理に基づいて能力を高めるようにデザインされている、本発明による発電機の三つの異なる実施形態を示す。図6Aおよび図6Bに示す最初の二つの実施形態では、該捕捉要素1の該外側を見れば分かるように、第一の部分121は凸状であり、また、第二の部分122は凹状である。しかし、図6Bでは、該カバーポイント13と該第二の端部との間の距離は、図6Aの事例よりも小さくなっている。図6Cは、該第一の部分121が円錐台区間に相当し、第二の部分122が、別の円錐台区間に相当するが、減少割合(この場合、頂角である)は、第一の部分121の該円錐台区間の減少割合よりも小さい捕捉要素を示す。
図7Aおよび図7Bは、本発明による発電機の二つの異なる実施形態の捕捉要素1の平面図を示す。これらの平面図は、例えば、図6A〜図6Cに示す該三つの異なる捕捉要素を備えた前に図示したすべての実施形態と組合せてもよい。
図7Aは、円形断面を有する捕捉要素を示す。
図7Bは、丸みの付いた頂点を備えた正五角形の形状を有する断面を備えた捕捉要素を示す。この断面は円形ではないため、該特性寸法lcの図的表現も図示されている。該捕捉要素1の該断面と同じ面積を有する円の仮想周囲13vがこの図に示されており、この断面の面積は、その辺Lpおよび辺心距離aに依存する。この仮想周囲の直径が、該捕捉要素1の該断面の該特性寸法lcであると見なされる。
図8Aは、該捕捉要素1の該運動を電力に変換するサブシステムの一部を概略的に示す。該サブシステムは、電流が、二つのコイル321および322の一方において、一方の方向(例えば、時計回り)に流れた場合に、該電流が、他方のコイルにおいては、反対方向に流れるように相互に接続された該二つのコイルを備えている。該コイルは、該サブシステム支持体2に、より具体的には、突出部材23に取付けられている。導電ワイヤ350が、生成された電流を該コイルから離れて伝導させるために配置されている。
一方、(例えば、各々が、リング状に交互に配置された複数の個々の磁石によって形成されている)環状磁石311が、該コイルの上下に設けられている。この場合、両環状磁石311は、上方に向けられたそれらのN極(黒)と、下方に向けられたそれらのS極(白)とを有している。磁界は、該上方の環状磁石と該下方の環状磁石との間に確立され、該捕捉要素が振動すると、該磁石は、固定されているコイルに対して動き、その結果、該コイルは、可変磁界にさらされることになる。図8Aから容易に理解されるように、該捕捉要素1が一方の方向に傾斜したときに、最も外側のコイル321に誘起された起電力は、同時に最も内側のコイル322に誘起された起電力と向きが反対になるが、(上述したように、すなわち、図8Cも参照)該コイルが相互接続されている方法により、生成された電流は、該二つのコイルに誘起された起電力の合計に一致することになる。図8Bおよび図8Dは、図8Aの該磁石の分布を概略的に示し、図8Cは、該コイルの配置を概略的に示す。図8Eは、強磁性材料360が、力線を適当な方法で伝えるように追加されている代替的な構成を概略的に示す。
また、別の環状磁石41が、固定されているサブシステム支持体上、すなわち、突出部23上に設けられている。図8Aから理解されるように、それらの方向性により、これらの磁石41と、該捕捉要素に取り付けられた磁石311との間に反発力が存在し、そして、この反発力は、上述したように、該振動運動中に、該磁石が互いに接近したときに増加する。したがって、これらの磁石は、上述したように、該捕捉要素の振動の該固有振動数の該風速への適応のための受動的システムを構成するように作用することができる。より具体的には、該捕捉要素1が該ベースに関して振動した場合、該捕捉要素上に実装された該環状磁石311の部分は、該サブシステム支持体2上に実装された該環状磁石41の部分に接近し、同時に、該捕捉要素の直径方向の反対側では、該磁石311の部分が、該磁石41の対応する部分から離れて動く。該磁石311と該磁石41との間の該反発力は、該磁石311と該磁石41との間の距離の二乗に反比例する。該風が増すと、該捕捉要素の該振動運動の該振幅が増加する傾向があり、それにより、該磁石311と該磁石41は、各振動サイクルの最大接近の部分で益々接近する傾向があり、そのため、各振動サイクルにおいて、該磁石311と該磁石41との間に生じた最大反発力が、それに応じて増加する。この反発力の増加は、該構造の共振周波数を増加させる。このようにして、その磁石311および磁石41を備えた図8Aの該発電機の当該構造は、該風速が増加した場合に、該捕捉要素1の該共振周波数の自動的な増加に寄与し、逆もまた同様である。このようにして、該磁石311および41を適切に選択して配置することにより、試行錯誤によりおよび/またはコンピュータシミュレーションにより行うことができる何か、すなわち、風速に関する、該捕捉要素の該固有振動数の自動調整を実現することができ、その結果、該固有振動数は、渦の出現の頻度に伴って常に調整され、それにより、該流体の該運動からのエネルギーの良好な取り込みが実現される。換言すると、該磁石311および該磁石41の機能は、該捕捉要素の該固有振動数と、該渦の出現の頻度との間の自動調整を行うことである。
例えば、該捕捉要素1および該サブシステム支持体2にはともに、例えば、磁石リング状の磁石又はリング状に配置された個別の磁石のセットが設けられ、これら磁石は、同軸に配置され且つ互いに反発する傾向があるように配置されている。それにより、該捕捉要素の該振動運動は、該渦の影響を受けるだけではなく、磁力の影響も受け、その結果、該捕捉要素の該固有振動数は、該振動の振幅が増加するにつれて増加する。
上述したことから以下のように、該サブシステム支持体と、該支持体上に配置されている該サブシステムの部分は、何らかのベアリングまたは減速ギアボックスを要することなく、エネルギーを生成するように設計された、および該ロッド5が固定されている方向に関係なく、電力を生成することができる非従来的なオルタネータの固定子の機能に対応する機能を有している。コイルおよび磁石から成る多数の列、例えば、図8A〜図8Eのような列を設けることができ、それにより、磁石41は、電力の生成、および風速に関する該発電機の「自動調整」の両方に寄与する。
図9Aおよび図9Bは、調整システムが何もない捕捉要素(図9A)の挙動と、本発明の可能性のある実施形態による該調整システムを有する捕捉要素(図9B)の挙動とを概略的に示す。
該調整機構の目的は、該流体の該速度に従って、該設備の該固有振動数を変更することである。該装置が調整システムを有していない場合、その運動は、減衰単調和振動子(a)(図9A)のもののようにモデル化することができる。すなわち、
となり、ただし、mは、その質量であり、cは、該装置それ自体の構造減衰、他の損失、および電気エネルギーに変換される機械的エネルギーを含む減衰定数であり、kは、弾性ロッドの弾性定数である。この場合、該設備の該固有振動数は、以下である。
渦の発生を仮定して、該捕捉要素が(揚力係数の値が一定であると考えられる場合に、該振動数の二乗に比例する)最大値F、Φの遅延、および振動数w=2・π・f(w[ラジアン/秒]、f[ヘルツ])を有する正弦波力Fの影響を受ける場合、該運動は、強制減衰調和振動子のものとしてモデル化することができ、すなわち以下である。
振動数wが、該設備の該固有振動数wに一致する場合、後者は共振に入り、該流体からのエネルギーを吸収するその能力の著しい増加を伴う。
該振動数wが、該流体の該速度に比例するため、原理上、該装置は、(第一の振動モードにおいて)一つだけの固有振動数を有すると仮定すると、該装置が作用するであろう単一の速度のみが存在することになる。しかし、例えば、風力発電機によって得ることができる利益は、該発電機が運転して電力を生成している時間/年数に関連している。上述したように、カルマン渦に基づく設備が、その共振を維持することができる小範囲の風速(ロックインという空気力学的現象)が存在するが、これは、ある程度競合する発電機にとって望ましい風速よりもはるかに小さい。
この風速の範囲を増大できるようにするために、該装置の該振動数を変更する調整機構を組み込むことができる。したがって、該捕捉要素は、より速い風速の存在時に、換言すると、該渦の出現の頻度の増加時に、より大きな周波数で振動することになる。
図9Bの構成は、図9Aの構成と、反発モードにある二対の磁石の追加だけが異なっている。このモデルの運動は、次の式によって記述することができる。
ただし、bは、透磁率の逆数および磁気質量の積を含み(磁気の場合のクーロンの法則)、dは、各磁石の対の間の静止時の距離である。
図10に示すように、該ロッドの変形により該質量に対して生じるばね力Fの変位xに伴う推移と、二対の磁石によって生じる接続力Fの変位xに伴う推移は、大幅に異なっている。図を見て分かるように、および既に述べたように、該質量(該捕捉要素)が動く際に、ゼロ曲げというその中立位置の近傍において、該ばね力は、磁力に逆らって優勢である。該変位が増加する際に、その影響は均等化し始め、高変位では、該優勢な力は、磁気的起源から成る。
これには、いくつかの影響がある。
該捕捉要素が、ゼロ曲げというその中立位置を通過するときの、該振動している捕捉要素の運動エネルギーは、いずれの場合においても、その質量およびその速度の二乗に依存する。その変位が最大のときの蓄積される位置エネルギーはそうではない。図9Aに示す場合、該位置エネルギーは、弾性位置エネルギーのみであり、図9Bに示す場合では、該位置エネルギーは、磁気的起源の該位置エネルギーが、二乗ではなく、該変位の三乗で増加するという違いとともに、弾性的性質および磁気的性質の両方を有する。図10に示すように、大きな変位の場合の減衰単調和運動(I)と比較して、磁気反発力を伴う運動(II)の軌跡は、その振動の周波数の増加に遭遇する。(グラフの右側での)小さな変位の場合、ほとんとすべての位置エネルギーが、該弾性ロッドによって蓄積される場合、両軌跡は、非常に似ているサイズの周期を有している。図11は、最初の瞬間における瞬発力の作用にさらされたときの調整なしの装置(I)および調整装置(II)(磁気反発力を伴う運動)の該振幅(変位x)と頻度(時間軸tに沿った振動)に関する経時的変動を概略的に示す。
図12A〜図12Dは、図8A〜図8Dの図と似ているが、磁石およびコイルの代替的な構成を備えている実施形態の図である。ここでは、該運動を電力に変換する該サブシステムは、該システムの図示されているレベルに、一つのコイル323を備えている。このコイルは、二つの環状磁石の間に配置されている(他の実施形態では、レベルごとに、より多くのコイルがある可能性があり、また、該サブシステムは、複数のレベルのコイル323および磁石312を備えることができる)。この実施形態では、図8A〜図8Dの構成とは異なって、該環状磁石は、それらのN極およびS極が、上下ではなく、径方向外側または内側に配置された状態で配置されている。図12Aからは、該振動運動が、磁石312をどのように径方向に変位させて、それによって、起電力を該コイル323中に誘起するかが明らかになっている。また、この実施形態では、該捕捉要素の該固有振動数を「自動調整」するために、磁石42が設けられている。この場合、これらの磁石42は、同様に、該N極およびS極が、垂直方向ではなく径方向に向けられている。
該環状磁石、例えば、磁石42に関して、いくつかの実施形態では、これらの磁石は、リング状に配置されたいくつかの個別の磁石によって形成されているが、他の実施形態では、これらの磁石は、単一のリング状磁石で構成されている。このような場合、該N極およびS極が、(図12Aの磁石42の場合のように)該径方向にではなく、(図8Aの環状磁石41の場合のように)該軸方向に向けられた状態のリング状磁石を得ることが割安である可能性があることが分かっている。したがって、付随するコストを低減するための一つの可能性は、図12Eに概略的に示すような、軸方向に配置された極を有する磁石を上下に配置することによって、径方向に向けられたS(または、N)極を備えた磁石を得ることである。
理論的には、該流体が一定の方向に動いた場合、例えば、該風が、一方向に絶えず吹いている場合、該捕捉要素の該振動運動の水平面への投影は、図13Aに示すように、直線状である。しかし、多くの場合、および特に、上述したような磁気自動調整構成が用いられる場合には明らかに、該捕捉要素は、一つの垂直面内だけではなく、図13Bに概略的に示すように、明らかに任意の方向で振動することが観察されている。すなわち、該水平面に投影した場合の該運動は、直線状だけではなく、回転成分も有している。
該捕捉要素が、図13Bのように振動するのを防ぐことが望ましい可能性があるが、この種の振動モードにおいても、該運動からエネルギーを抽出することができることが分かっている。しかし、このような場合、および図8A〜図8Eまたは図12A〜図12Dのように、該水平面内に配置されたコイルを使用する場合の電力の抽出を最適化するためには、該コイルの中心が該発電機の長手方向軸2000と一致しないことが有利である可能性があることが分かっている。この種の構成が図13Cに概略的に図示されており、該コイル323は、突出部23に関して、すなわち、該発電機の該長手方向軸2000に対して非対称的に配置されている。また、図13Cでは、他の水平面内に配置された、コイル323よりも遠くの二つコイル323’および323”が概略的に提案されている。これらのコイルは、該コイル323に関して軸方向にずらされ、すなわち、該コイルは、運動を電力に変換する、異なる「レベル」の該サブシステムに対応している。該コイル323’の中心および323”の中心もまた、突出部23に関して径方向にずらされている。該三つのコイル323、323’および323”は、図13Cに概略的に図示されているように、120°の角度間隔で、異なる径方向にオフセットされている。
一方、例えば、上記で提案したアプローチに対する代替例として、該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換するサブシステム3へのエネルギーの制御された注入または該サブシステムからの該エネルギーの制御された抽出は、該捕捉要素の該振動を、実質的に一つの垂直面内で維持するのに、すなわち、図13Bのような振動を防ぐのに用いることができる。
図14Aおよび図14Bは、該サブシステムが、該サブシステム支持体2によって支持された複数のコイル324を備え、該コイルは、実質的に同じ面内に並んで配置され、好ましくは、例えば、三つのコイル324が(120度の角度間隔で)軸2000の周りに対称的に配置されている図14Bに示すように、該長手方向軸2000に対して対称的に配置されている代替的な実施形態を示す。磁石とコイルとの間の相対運動が、該コイル内に起電力を生成するような磁界を確立するために、磁石313の一つ以上の対が配置されている。この実施形態では、該磁石は該捕捉要素に取付けられ、また、該コイルは、該サブシステム支持体2上に配置されている。複数のコイルが該長手方向軸2000の周りに(同心円状にではなく)「並べて」配置されているこの構成は、例えば、上述したように、磁石間に相互作用がある場合に当て嵌まる可能性がある、該振動が一つの垂直面に厳密に限定されていない場合に、該振動運動を電気エネルギーに変換するのに有効であることが分かっている。また、この実施形態では、該捕捉要素の振動の該固有振動数を調整するための磁石43が設けられ、該磁石は、磁石313と相互に作用して反発力を生み出す。この調整の原理は、既に上述されている。
図14Aの該実施形態において、該捕捉要素1は、上述したように、該サブシステム支持体2の該脚部26のための貫通孔を備えている相互接続部材25によって該ロッド部材5に取付けられ、その結果、該捕捉要素は、該ロッド部材5がその中を通って延びている該サブシステム支持体2と何ら干渉することなく、揺動および振動することができる。該磁石313の対に関して、該対の一方の部材は、該捕捉要素5に取り付けられたブリッジ部材29によって、該コイル324の上に取付けられ、それに対して、該磁石313の他方の対の他方の部材は、該ロッド部材5の該端部に、すなわち、該捕捉要素に間接的に取付けられている。このことは、該捕捉要素に物理的に取り付けられた構成要素を含む該捕捉要素を、比較的軽量で実施できるようにし、そのことは、該振動の振幅およびかなりのロックイン範囲に有利に働く。
図示されている実施形態において、「調整」磁石43は、該コイル324の二つの軸方向で対向する側で、上述した原理に従って、該振動の固有振動数の調整を実行できるように、該磁石313の対のそれぞれの部材に対向して、該サブシステム支持体2上に配置された二つの環状磁石43を備えている。
この文章において、「該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換するサブシステム」という表現または同様の表現における「サブシステム」という用語は、限定された意味で解釈すべきではない。従来の風力タービンの分野では、「発電機」という表現は、機械的エネルギーまたは運動エネルギーを電気エネルギーに変換する風力タービン全体の一部に対して良く使われている。本文書においては、「発電機」という用語は、該捕捉要素、すなわち、一次エネルギー源、例えば、該風と相互に反応してエネルギーを捕捉する部材を含む包括的なシステムを示すのに用いられている。したがって、混乱を避けるために、「発電機」という用語は、該捕捉要素の該振動運動を電気エネルギーに変換する該サブシステムに対しては用いられていない。しかし、このサブシステムは、電気エネルギーを生成するため、明らかに発電機と見なすことができる。また、該発電機は、運動を電気エネルギーに変換する二つ以上のサブシステムを備えることができる。二つ以上のサブシステムがある場合には、すべてのサブシステムを、上述したように配置する必要はない。
この文章において、「磁石」という用語は、一般的には永久磁石を指しているが、適切な場合には、当業者により容易に理解されるように、電磁石を用いてもよい。
この文章において、磁石に適用されたときの「環状」という用語は、当該磁石が、一つの単一の環状磁石で形成された完全に「環状の」磁石である必要はない。より正確に言うと、「環状」という用語は、該磁石の一般的な構造を指しており、その構成を指してはいない。すなわち、本文書の文脈における「環状磁石」は、個別の磁石間の空間の有無に関係なく、実質的には円形状に配置された複数の該個別の磁石で形成することができる。該空間は、当該磁石のセットが概して円形の構造を形成するのを邪魔しない限り、かなりのものにすることができる。当業者は、該構成要素のコストおよびそれらの取付けのコスト等の側面を考慮して該構成要素を使用することになる。同じことが、「リング」として形成された磁石に対する言及にも当て嵌まる。
この文章において、「上に」、「下に」、「垂直な」、「水平な」等の用語は、一般的に、該細長い捕捉要素が、その第一の端部が、その第二の端部の下にある状態で、すなわち、一般的に、該捕捉要素の長手方向軸が垂直に延在している状態で配置されている状況を指す。しかし、これは、該捕捉要素が、常にこのように配置しなければならないということを示唆していると解釈すべきではない。いくつかの実施においては、該捕捉要素の他の方向付けが可能である。
この文章において、「備える(comprise)」およびその派生語(例えば、「備えている(comprising)」等)という用語は、排他的な意味で理解すべきではなく、すなわち、これらの用語は、記載されおよび定義されていることが、さらなる要素、ステップ等を含んでもよいという可能性を排除するように解釈すべきではない。
本発明は、明らかに、本願明細書に記載されている特定の実施形態に限定されないが、クレームで定義されているような本発明の全体的範囲内で、(例えば、材料、寸法、構成要素、構造等の選択に関して)当業者なら誰でも考えることのできる任意の変形例も包含する。

Claims (37)

  1. 細長い形状を有する捕捉要素(1)であって、該捕捉要素は、該捕捉要素の第一の端部(11)と該捕捉要素の第二の端部(12)との間の長手方向に延在し、該捕捉要素は、前記第一の端部(11)と前記第二の端部(12)との間に長さ(H)を有する捕捉要素であって、
    前記捕捉要素(1)は、ベース(1000)に取付けられるように、および前記第一の端部(11)が前記第二の端部(12)よりも前記ベース(1000)により近い状態で、流体中にさらされるように構成され、前記捕捉要素は、前記流体が動いたときに、該捕捉要素(1)が該流体中に渦を発生させ、その結果、該捕捉要素(1)の振動運動を生じる振動揚力が、該捕捉要素(1)に生成されるように構成された、捕捉要素と、
    前記捕捉要素(1)の前記振動運動を電気エネルギーに変換するサブシステム(3)と、
    を備え、
    前記捕捉要素(1)が、特性寸法を有する断面を有し、
    前記特性寸法は、前記第二の端部(12)よりも前記第一の端部(11)により近く位置する第一の長手方向位置(11A)から、前記第一の長手方向位置(11A)よりも前記第二の端部(12)により近く位置する第二の長手方向位置(12A)まで減少する、
    発電機。
  2. 前記第一の長手方向位置(11A)と前記第二の長手方向位置(12A)との間の距離は、前記捕捉要素(1)の長さの30%よりも大きく、例えば、該捕捉要素の長さの80%よりも大きく、例えば、該捕捉要素の長さの100%である、請求項1に記載の発電機。
  3. 前記第一の長手方向位置(11A)と前記第一の端部(11)との間の距離は、前記捕捉要素(1)の長さの10%よりも小さい、請求項1又は2に記載の発電機。
  4. 前記捕捉要素(1)は、該断面が直径(D)を有するような実質的に円形の断面を有し、前記特性寸法は該直径である、請求項1から3のいずれか一項に記載の発電機。
  5. 前記捕捉要素(1)は、丸みの付いた頂点の有無に関係なく、実質的に正多角形のような形状を備えた断面を有し、前記特性寸法は、前記捕捉要素の該断面と同じ表面積を有する円の直径である、請求項1から3のいずれか一項に記載の発電機。
  6. 前記捕捉要素(1)は、カバーポイント(13)と前記第二の端部(12)との間に、
    前記第一の端部(11)から前記第二の端部(12)へ向かう方向において、減少割合が一定であるか、または増加する第一の部分(121)と、
    前記第一の部分(121)よりも前記第二の端部(12)により近い第二の部分(122)であって、減少割合が、
    一定であり且つ前記第一の部分(121)における該減少割合よりも小さく、または、
    前記第一の端部(11)から前記第二の端部(12)へ向かう方向において減少する第二の部分(122)とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の発電機。
  7. 前記第一の部分(121)は、円錐台形状を有し、該断面は実質的に円形であり、前記減少割合は一定であり、
    前記第二の部分(122)は、円錐台形状または円錐形状を有し、該断面は実質的に円形であり、前記減少割合は、一定であるが、前記第一の部分(121)における該減少割合よりも小さい、請求項6に記載の発電機。
  8. 前記第一の部分(121)は、外側に向かって凸状になっており、前記第二の部分(122)は、該外側に向かって凹状になっている、請求項6に記載の発電機。
  9. 前記捕捉要素(1)は、少なくとも部分的に中空であり、前記サブシステム(3)は、少なくとも部分的に前記捕捉要素(1)の内部に収容される、請求項1から8のいずれか一項に記載の発電機。
  10. 前記サブシステム(3)は、前記捕捉要素(1)の内部に完全に収容される、請求項9に記載の発電機。
  11. 前記サブシステム(3)は、前記第一の端部(11)から、前記捕捉要素の長さの0.05倍より大きい距離に、好ましくは、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.1倍より大きい距離に、より好ましくは、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きい距離に、例えば、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.3倍より大きいまたは該捕捉要素の長さの0.4倍より大きい距離に、および必要に応じて、該第二の端部から、該捕捉要素の長さの少なくとも0.1倍の距離に、例えば、該第二の端部から、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きいまたは該捕捉要素の長さの0.3倍より大きい距離に配置される、請求項9または10に記載の発電機。
  12. 前記サブシステム(3)は、第二のサブシステム構成要素(32)に対する第一のサブシステム構成要素(31)の運動による電力の生成のために構成された、少なくとも一つの前記第一のサブシステム構成要素(31)および少なくとも一つの前記第二のサブシステム構成要素(32)を備え、該第一のサブシステム構成要素(31)は、前記捕捉要素(1)に取付けられ、前記第二のサブシステム構成要素(32)は、サブシステム支持体(2)に取付けられ、その結果、該捕捉要素(1)の前記振動運動が、該第二のサブシステム構成要素(32)に対する該第一のサブシステム構成要素(31)の振動運動を生成する、請求項9から11のいずれか一項に記載の発電機。
  13. 前記第一のサブシステム構成要素(31)および前記第二のサブシステム構成要素(32)の少なくとも一方は、少なくとも一つの磁石(311、312)を備え、該第一のサブシステム構成要素(31)および該第二のサブシステム構成要素(32)の少なくとも他方は、少なくとも一つのコイル(321、322、323)を備え、前記少なくとも一つのコイルは、該第二のサブシステム構成要素(32)に対する該第一のサブシステム構成要素(31)の前記振動運動が、前記少なくとも一つの磁石と前記少なくとも一つのコイルとの間の相対変位によって、該少なくとも一つのコイル内に起電力を生じるように配置されている、請求項12に記載の発電機。
  14. 前記少なくとも一つのコイルは、共通の平面内に配置され且つ前記捕捉要素の軸(2000)を包囲する二つのコイル(321、322)を備え、一方の前記コイル(321)は、他方の前記コイル(322)の外側にあり、前記二つのコイルは、電流が一方の前記コイルを通って時計回りの方向に循環するときに、電流が、他方の前記コイルを通って反時計回りの方向に循環し、且つ逆もまた同様であるように直列に接続されている、請求項13に記載の発電機。
  15. 前記サブシステム(3)は、前記捕捉要素(1)の長手方向軸(2000)に垂直な平面内に配置された、少なくとも一つの環状磁石または少なくとも一つの環状コイル(323)を備え、前記環状磁石または環状コイルは、前記長手方向軸に対して非対称的に配置される、請求項9から14のいずれか一項に記載の発電機。
  16. 前記捕捉要素(1)とサブシステム支持体(2)との間に磁気反発力を生じる磁界を生成する手段(41、311;42、312;43、313)を備え、該磁気反発力は、前記捕捉要素(1)の前記振動運動に伴って変化し、且つ該捕捉要素(1)の該振動運動の振幅が増加する場合に増加する最大値を有する、請求項9から15のいずれか一項に記載の発電機。
  17. 前記磁界を生成する手段は、前記捕捉要素(1)に関連付けられた少なくとも一つの第一の磁石(311、312、313)と、前記サブシステム支持体に関連付けられた少なくとも一つの第二の磁石(41、42、43)とを備え、
    前記少なくとも一つの第一の磁石(311、312、313)および前記少なくとも一つの第二の磁石(41、42、43)は、互いに反発し合うように、且つ前記捕捉要素の該振動運動が起きた場合に、前記少なくとも一つの第一の磁石(311、312、313)と前記少なくとも一つの第二の磁石(41、42、43)との間の距離が、該振動運動に従って変化するように配置される、請求項16に記載の発電機。
  18. 前記捕捉要素(1)は、前記振動運動の前記振幅が、少なくとも特定の範囲の速度内で、前記流体の速度に伴って増加するように配置され、前記少なくとも一つの第一の磁石と前記少なくとも一つの第二の磁石との間の反発力は、該第一の磁石と該第二の磁石との間の距離の二乗に反比例し、前記流体の速度が増加した場合、前記振動運動の前記振幅は増加する傾向があり、それにより、前記磁石は、各振動サイクルの最大アプローチの部分の間に接近し、それにより、各振動サイクルにおいて、前記少なくとも一つの第一の磁石と前記少なくとも一つの第二の磁石との間に生じる最大反発力がそれに応じて増加し、それにより、該反発力の増加が、前記捕捉要素の共振周波数を増加させ、それにより、前記発電機の構造は、前記流体の速度が増加した場合の、前記捕捉要素の該共振周波数の自動的増加に寄与し、逆もまた同様である、請求項16または請求項17に記載の発電機。
  19. 前記磁界を生成する手段(41、311;42、312;43、313)は、前記第一の端部から、前記捕捉要素の長さの0.05倍より大きい距離に、好ましくは、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.1倍より大きい距離に、より好ましくは、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きい距離に、例えば、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.3倍より大きい距離に、および必要に応じて、該第二の端部(12)から、該捕捉要素の長さの少なくとも0.1倍の距離に、例えば、該第二の端部の下の、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きい、または、該捕捉要素の長さの0.3倍より大きい距離に配置される、請求項16から18のいずれか一項に記載の発電機。
  20. 第一の取付け点(51)および第二の取付け点(52)を備える支持要素(5)をさらに備え、
    前記第一の取付け点(51)は、前記発電機が前記ベース(1000)に取付けられることが意図されている該支持要素(5)の箇所であり、
    前記第二の取付け点(52)は、前記支持要素(5)が前記捕捉要素(1)に取付けられる該支持要素(5)の箇所である、請求項1から19のいずれか一項に記載の発電機。
  21. 前記捕捉要素(1)と前記支持要素(5)との間に磁気反発力を生じる磁界を生成する手段の一部を形成する少なくとも一つの磁石(311、312、313)は、前記捕捉要素の前記振動運動を電気エネルギーに変換する前記サブシステム(3)の一部も構成する、請求項17に従属する場合の請求項20に記載の発電機。
  22. 前記捕捉要素(1)は、該捕捉要素(1)の前記振動運動によって繰り返し変形されるように配置された支持要素(5)を介して前記ベース(1000)に取付けられるように構成され、該支持要素(5)は、前記捕捉要素(1)内へ延在し、前記サブシステム(3)の少なくとも一部を支持するサブシステム支持体(2)も同様に該捕捉要素(1)内へ延在している、請求項20または21に記載の発電機。
  23. 前記支持要素は、前記ベース(1000)から延在し、および前記捕捉要素(1)内へ延在しているロッド部材(5)であり、前記サブシステム支持体(2)は、該ロッド部材(5)を軸方向で越える位置まで該捕捉要素(1)内に延在する、請求項20から22のいずれか一項に記載の発電機。
  24. ヘルマンの法則によって与えられた速度プロファイルを有する気流中にさらされるのに適しており、前記特性寸法のサイズは、
    によって定義され、ただし、
    は、前記第一の取付け点(51)と前記第一の端部(11)との間の距離であり、
    αは、0.05と0.3の間から成る前記ヘルマンの法則の係数であり、
    dは、前記捕捉要素(1)の前記第一の端部(11)における前記特性寸法の値であり、
    yは、前記捕捉要素(1)の前記第二の端部(12)へ向かう方向において、該捕捉要素(1)の前記第一の端部(11)から測定した座標であり、
    D(y)は、前記捕捉要素(1)の断面の前記特性寸法のサイズであり、
    g(y)は、シグモイド関数であり、
    Hは、前記捕捉要素(1)の長さであり、および
    は、前記捕捉要素(1)の振動振幅に依存する定数値である、
    請求項20から23のいずれか一項に記載の発電機。
  25. αは、0.05と0.18の間から成り、yは、0.2メートルと2メートルの間から成り、Hは、yの2〜5倍から成り、kは、0.325と0.5の間から成る、請求項24に記載の発電機。
  26. であり、ただし、
    であり、K>4、およびp<0.3である、請求項24または25に記載の発電機。
  27. 前記サブシステムは、
    前記捕捉要素(1)の長手方向軸(2000)に垂直な面内に並んで配置され、好ましくは、前記長手方向軸に対して実質的に対称的に配置された少なくとも三つのコイル(324)を備える複数のコイル(324)と、
    磁界を生成するように配置された磁石(313)の少なくとも一つの対と、
    を備え、
    前記コイル(324)と前記磁石(313)は、前記捕捉要素の前記振動運動が、前記コイルに起電力を生成するために、前記磁石の少なくとも一つの対と前記コイルとの間に相対運動を生じるように配置される、請求項10から13のいずれか一項に記載の発電機。
  28. 前記コイルは、サブシステム支持体構造(2)に取付けられ、前記磁石(313)の対は、前記捕捉要素とともに振動するように該捕捉要素に取付けられる、請求項27に記載の発電機。
  29. 追加的な磁石(43)と、前記磁石(313)の少なくとも一つの対が互いに反発するように、且つ前記捕捉要素の前記振動運動が起きた場合に、前記追加的な磁石(43)と、前記磁石(43)の少なくとも一つの対との間の距離が、前記振動運動に従って変化するように配置された前記追加的な磁石(43)をさらに備える、請求項27または28に記載の発電機。
  30. 前記複数のコイルは、前記長手方向軸の周りに配置され、それらの軸方向中心部分が、隣接するコイルの軸方向中心部分から約120度だけ離間している三つのコイルから成る、請求項27から29のいずれか一項に記載の発電機。
  31. 細長い形状を有する捕捉要素(1)であって、該捕捉要素が、該捕捉要素の第一の端部(11)と該捕捉要素の第二の端部(12)との間の長手方向に延在し、該捕捉要素(1)は、ベース(1000)に取付けられるように、および前記第一の端部(11)が前記第二の端部(12)よりも前記ベース(1000)により近い状態で、流体中にさらされるように構成され、前記捕捉要素は、該流体が動いた場合に、該捕捉要素(1)が該流体中に渦を発生させ、その結果、該捕捉要素(1)の振動運動を生成する振動揚力が、該捕捉要素(1)に生成されるように構成された、捕捉要素(1)と、
    前記捕捉要素(1)の前記振動運動を電気エネルギーに変換するサブシステム(3)であって、少なくとも部分的に該捕捉要素(1)の内部に収容される、サブシステム(3)とを備え、
    前記サブシステムが、
    前記捕捉要素(1)の長手方向軸(2000)に垂直な面内に並んで配置され、好ましくは、前記長手方向軸に対して実質的に対称的に並んで配置された少なくとも三つのコイル(324)を備える複数のコイル(324)と、
    磁界を生成するように配置された磁石(313)の少なくとも一つの対と、
    を備え、
    前記コイル(324)と前記磁石(313)は、前記捕捉要素の前記振動運動が、前記コイルに起電力を生成するために、前記磁石の少なくとも一つの対と前記コイルとの間に相対運動を生じるように配置される、発電機。
  32. 前記サブシステム(3)は、前記捕捉要素(1)内に完全に収容される、請求項31に記載の発電機。
  33. 前記捕捉要素は、前記第一の端部(11)と前記第二の端部(12)との間に長さ(H)を有し、前記サブシステム(3)は、該第一の端部(11)から、前記捕捉要素の長さの0.05倍より大きい距離に、好ましくは、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.1倍より大きい距離に、より好ましくは、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きい距離に、例えば、該第一の端部から、該捕捉要素の長さの0.3倍より大きいまたは該捕捉要素の長さの0.4倍より大きい距離に、および必要に応じて、該第二の端部から、該捕捉要素の長さの少なくとも0.1倍の距離に、例えば、該第二の端部から、該捕捉要素の長さの0.2倍より大きいまたは該捕捉要素の長さの0.3倍より大きい距離に配置される、請求項31または32に記載の発電機。
  34. 前記捕捉要素(1)は、該捕捉要素(1)の前記振動運動によって繰り返し変形されるように配置された支持要素(5)を介して前記ベース(1000)に取付けられるように構成され、該支持要素(5)は前記捕捉要素(1)内に延在し、前記サブシステム(3)の少なくとも一部を支持するサブシステム支持体(2)が同様に該捕捉要素(1)内に延在する、請求項31から33のいずれか一項に記載の発電機。
  35. 追加的な磁石と、前記磁石(313)の少なくとも一つの対が互いに反発するように、且つ前記捕捉要素の前記振動運動が起きた場合に、前記追加的な磁石と、前記磁石の少なくとも一つの対との間の距離が、前記振動運動に従って変化するように配置された追加的な前記磁石(43)をさらに備える、請求項31から34のいずれか一項に記載の発電機。
  36. 前記捕捉要素(1)は、該捕捉要素に沿って実質的に同期したカルマン渦の生成のために形成される、請求項1から35のいずれか一項に記載の発電機。
  37. 請求項1から36のいずれか一項に記載の発電機によって電力を生成する方法であって、前記捕捉要素が、該捕捉要素により前記流体中に誘発されたカルマン渦によって振動させられ、それにより、該カルマン渦が、該捕捉要素に沿って実質的に同期して生成されるように、該捕捉要素(1)を、動いている流体にさらすステップを含む方法。
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