JP2020505608A - 高い空間分解能の核磁気共鳴検層 - Google Patents

高い空間分解能の核磁気共鳴検層 Download PDF

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Abstract

核磁気共鳴(NMR)による全コア検層のための技術が記載されている。NMR試験は、ある長さを有するNMR無線周波数(rf)コイルを用いて標準試料に対して行われる。NMRrfコイルの応答マップが特定される。応答マップは、NMRrfコイルの複数の相対位置を複数の相対信号強度に関連付ける。NMR試験は、流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いて実行される。岩石試料の長さは、NMRrfコイルよりも長い。試料中の流体含有量は、NMRrfコイルを用いて岩石試料に対して為されたNMR試験の結果、並びにNMRrfコイルに対する応答マップ及び数学的デコンボリューションを用いて特定されて、高分解能を取得する。同じ方法が、貯留層において高い空間分解能の検層のNMR測定値を取得するために使用することができる。

Description

この出願は、2017年1月27日に出願された米国出願第62/451,262号及び2017年7月11日に出願された米国出願第62/531,038号の優先権を主張し、その内容は参照によりこの明細書に組み込まれる。
本願は、測定、例えば核磁気共鳴(NMR)測定を岩石試料(サンプル)、例えば地層から採取されたコア試料に行うこと、及びNMR測定を貯留層中の地層に行うことに関する。
水平掘削及び水圧破砕によって、非従来型のシェール貯留層並びにタイトな(堅い)他の貯留層から炭化水素を製造することが改善されてきた。このような貯留層からの炭化水素の生産高を予測して生産戦略を最適化するために、炭化水素の貯蔵メカニズムと炭化水素の輸送メカニズムを理解することは有益である。低磁場NMRは、例えば炭化水素含有貯留層中の流体含有量及び他の特性を測定するための、また流体・固体の相互作用を特徴付けるための強力な検層(ロギング)技術であることを明らかにした。また、低磁場NMRは、正確に石油系の特性を評価すること及び現場において検層データを較正(キャリブレーション)するために実験室で使用されてきた。
本願は、実験室における全コアを包含する岩石コア及び貯留層における地層のNMR測定に関する技術を記載しており、このNMR測定は、改良された高い空間分解能を示す。分解能とは、小さくて希薄な特徴を解像する能力のことである。
本願に記載された主題のいくつかの態様は、方法として実施できる。NMRの試験は、有限の長さを有するNMR無線周波数(rf、radio frequency)コイルを用いて標準試料に対して行われる。NMRrfコイルの応答マップが特定される。この応答マップは、NMRrfコイルに対する異なる位置における複数の信号強度に関連している。各信号強度は、NMRrfコイルの相対的な位置に対応する。一次元では、NMRrfコイルは、台形又はガウス分布によって近似される特性の応答マップを有しており、この分布は特性幅を有する。NMR試験は、流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いて行われる。岩石試料の長さはNMRrfコイルよりも長い。岩石試料中の流体含有量は、岩石試料に対するNMRrfコイルを用いたNMR試験結果と、NMRrfコイルに対する応答マップとを用いて特定される。
この態様及び他の態様は、以下の機能(特徴)のうちの一又は複数を含むことができる。標準試料の長さは、NMRrfコイルの長さより短くてもよい。標準試料は、既知の流体含有量を有することができる。NMR試験は、NMRrfコイルの複数の相対位置で、以下のステップ(a)、(b)及び(c)によって実行されることができる:各位置において、(a)NMRrfコイルの相対位置に標準試料を位置決めし、(b)前記標準試料を電磁場にさらし、(c)電磁場に応答してコイルに誘導された信号を測定する。この信号は、標準試料中の既知の流体含有量と、標準試料が位置決めされたNMRrfコイルの相対位置とに対応する。標準試料は、NMRrfコイルに対してNMRrfコイルの次の位置へ移動でき、ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返すことができる。
標準試料は、ステップモータを用いて自動的に移動できる。
NMRrfコイル内で標準試料を移動させる距離は、岩石試料中の流体含有量が特定される分解能に対応している。
NMRrfコイルのための応答マップを特定するために、コンピュータ読取可能な記憶媒体に、NMRrfコイルの複数の相対位置及び複数の相対信号強度を記憶することができる。
流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いてNMR測定を実行するために、実行される操作は、各位置において、(d)NMRrfコイル内においてrfコイルの相対位置に岩石試料を位置決めし、(e)岩石試料を電磁場にさらし、(f)電磁場に応答してNMRrfコイルに誘起された信号を測定する、ステップを含む。誘起された信号は、岩石試料中の流体含有量と、岩石試料が位置決めされたNMRrfコイルの相対位置とに対応する。
岩石試料は、NMRrfコイルに沿ってNMRrfコイルの次の位置に移動されることができ、ステップ(d)、(e)及び(f)が繰り返されることができる。
岩石試料は、ステップモータを使って自動的に移動されることができる。
NMRrfコイル内において岩石試料を移動させる距離は、岩石試料中の流体含有量をNMRrfコイルが特定する分解能に対応することができる。
岩石試料のNMR測定及びNMRrfコイルの応答マップを用いて岩石試料中の流体含有量を特定するために、後処理の手順が、NMRrfコイルにおける複数の位置で測定された複数の信号値に対して実施でき、複数の位置には岩石試料が置かれる。後処理の手順は、標準試料を用いてNMRrfコイルにおける複数の位置で複数の相対信号強度が測定されることを実施してもよい。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値が、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能を持つ岩石の流体含有量を表す。流体含有量Aは、行列反転法及びデコンボリューション法、A=R−1Sを実施することによって特定できる。同じ方法が、NMRの検層データに対して使用されて、高い空間分解能の検層を取得できる。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値が、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能を有する岩石の流体含有量を表す。流体含有量Aが、目的関数の凸最小化(凸最適化)を実施することによって特定できる。
ここに記載された主題のいくつかの態様は、コンピュータにより実施される方法として実施できる。その方法は、NMRrfコイルの応答マップを受け取ることを含む。応答マップは、NMR試験を使用して特定され、NMR試験は、既知の長さ及び既知の流体含有量を有する標準試料に対してNMRrfコイルを用いて実行される。応答マップは、NMRrfコイルの複数の相対位置を複数の相対信号強度に関連付ける。NMRrfコイルの各相対位置は、それぞれの相対信号強度に対応する。この方法は、複数の信号値を受け取ることを含み、複数の信号値は、流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いてNMR試験を行うことによって特定される。岩石試料の長さは、NMRrfコイルよりも長くてよい。岩石試料のNMR試験は、NMRrfコイル内においてNMRrfコイルに対して岩石試料を移動することによって実行される。その方法は、応答マップ及び複数の信号値を用いて岩石試料中の流体含有量を特定することを含む。
この態様及び他の態様は、以下の特徴のうちの一又は複数を含むことができる。応答マップ及び複数の信号値を用いて岩石試料中の流体含有量を特定するために、複数の信号値に対して後処理の手順を実施できる。後処理の手順は、NMRrfコイルにおける複数の位置で標準試料を用いて複数の相対信号強度を測定することを実施できる。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値が、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能を有する岩石の流体含有量を表す。流体含有量Aは、行列反転を実行することによって特定できる。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値が、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能を有する岩石の流体含有量を表す。流体含有量Aは、目的関数の凸最小化を実施することによって特定できる。
ここに記載された主題のいくつかの態様は、NMRシステムを含むシステムとして実施されることができ、このNMRシステムは、試料に対してNMR試験を実施するように構成される。NMRシステムは、試料がさらされる電磁場に応答してNMR信号値を特定するために試料に対して移動するように構成されたNMRrfコイルを含む。このNMRシステムは、一又は複数のプロセッサを含むコンピュータシステムと、本願で説明されている操作を実行するために一又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体とを含む。操作は、NMRrfコイルの応答マップを受信することを含む。応答マップは、NMR試験を用いて特定され、NMR試験は、既知の長さ及び既知の流体含有量を有する標準試料に対してNMRシステムによって実行される。応答マップは、NMRrfコイルにおける複数の相対位置を複数の相対信号強度に関連付け、ここでNMRrfコイルの各相対位置は、それぞれの相対信号強度に対応する。操作は、複数の信号値を受信することを含み、複数の信号値は、流体を含有する岩石試料に対してNMRシステムを用いてNMR試験を実行することによって特定される。岩石試料の長さは、NMRrfコイルよりも大きく、岩石試料のNMR試験は、NMRrfコイル内においてNMRrfコイルに対して岩石試料を移動することによって実行される。操作は、応答マップ及び複数の信号値を用いて岩石試料中の流体含有量を特定することを含む。
この態様及び他の態様は、以下の特徴のうちの一又は複数を含むことができる。応答マップ及び複数の信号値を用いて岩石試料中の流体含有量を特定するために、後処理の手順が、複数の信号値に対して実施できる。後処理の手順は、標準試料を用いてNMRrfコイルにおける複数の位置で複数の相対信号強度を測定することを実施できる。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値は、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能で岩石内の流体含有量を表す。流体含有量Aは、行列の反転を実行することによって特定できる。
後処理の手順を実施するために、複数の信号値が、行列形式でS=RAとして表すことができる。Sは、複数の信号値を表し、Rは、NMRrfコイルの応答マップに関連付けられた複数の相対信号強度を表し、Aは、高い空間分解能で岩石内の流体含有量を表す。流体含有量Aは、目的関数の凸最小化を実施することによって特定できる。
標準試料の長さは、NMRrfコイルの長さよりも短くてもよい。NMRシステムは、NMRrfコイルを用いて標準試料にNMR試験を以下のステップ(a)、(b)及び(c)によって実行するように構成されることができる:(a)標準試料をNMRrfコイルの相対位置に位置決めし、(b)標準試料を電磁場にさらし、(c)電磁場に応答してコイルに誘導された信号を測定する。信号は、標準試料中の既知の流体含有量と、標準試料が位置決めされたNMRrfコイルの相対位置とに対応する。且つ信号は、NMRrfコイルの位置における相対的信号強度に対応する。標準試料は、NMRrfコイルに対してNMRrfコイルの次の位置に移動でき、またステップ(a)、(b)及び(c)が繰り返されることができる。
NMRシステムは、流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いてNMR試験を以下のステップによって実行するように構成されることができる:(d)NMRrfコイル内において岩石試料をNMRrfコイルの相対位置に位置決めし、(e)岩石試料を電磁場にさらし、(f)電磁場に応答してコイルに誘導された信号を測定する。信号は、岩石試料中の流体含有量と、岩石試料が位置決めされたNMRrfコイルの相対位置とに対応する。岩石試料は、NMRrfコイル内においてNMRrfコイルの次の位置に移動でき、またステップ(d)、(e)及び(f)が繰り返されることができる。
岩石試料をNMRrfコイル内で移動させる距離は、NMRrfコイルが岩石試料中の流体含有量を特定する分解能に対応することができる。
本願に記載された主題における一又は複数の実施の詳細は、添付図面及び引き続く記述に説明される。本主題の他の特徴、態様及び利点は、記述、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
図1は、岩石試料の流体含有量を特定するNMR試験システムの概略図である。
図2は、図1のNMR試験システムによって実施されるワークフローである。
図3Aは、標準NMR試料の概略図である。
図3Bは、図3Aの標準NMR試料中における流体のTスペクトラムを示す。
図3Cは、標準NMR試料の位置のそれぞれにおける相対信号強度の応答マップ表である。
図4Aは、NMR試験システムを用いる岩石試料のNMRデータ獲得の概略図である。
図4Bは、NMR試験システムのNMRrfコイル内の岩石試料の異なる相対位置における信号強度のプロットである。
図5Aは、制約なしの反転されたTスペクトラムを示す。 図5Bは、制約なしの反転されたTスペクトラムを示す。
図5Cは、制約有りの反転されたTスペクトラムを示す。 図5Dは、制約有りの反転されたTスペクトラムを示す。
図6Aは、ノイズトランケーションの例示を示す。 図6Bは、ノイズトランケーションの例示を示す。
図7Aは、合成データに対する反転試験の結果を示す。 図7Bは、合成データに対する反転試験の結果を示す。 図7Cは、合成データに対する反転試験の結果を示す。 図7Dは、合成データに対する反転試験の結果を示す。
図8は、NMRrfコイル内へ移動する岩石試料及び対応する検出された信号の概略図である。
図9は、コア試料全体の流体含有量を特定するために使用された特異値の対角行列のプロットである。
図10Aは、複合岩石試料を示す。
図10Bは、図10Aの複合岩石試料のデコンボリューションにより演算された信号を示す。
図11Aは、コア試料全体における102.0mm(4インチ)のセクションにわたって獲得されたCPMGエコー、及びその反転されたTスペクトラムを示す。 図11Bは、コア試料全体における102.0mm(4インチ)のセクションにわたって獲得されたCPMGエコー、及びその反転されたTスペクトラムを示す。
図12は、コア試料全体の長さにわたって平均化された分布的Tスペクトラム及び累積的Tスペクトラムの例示的なプロットである。
図13は、NMRrfコイルの長さにわたって平均されたバルク体積パーセントにおける流体含有量のプロット例である。
図14は、コア試料全体をNMRrfコイル内においてステップ状に移動するステップの長さに等しい分解能での全コアのNMR記録の例である。
図15A及び図15Bは、2つの異なる坑井内における異なる深さから回収された全コア試料の平均された流体含有量を示す。
図16は、岩石試料中の流体含有量を特定するための例示的なプロセスのフローチャートである。
図17は、NMR試料を自動的に移動させる第1の構成の概略図である。
図18は、NMR試料を自動的に移動させる第2の構成の概略図である。
図19は、NMR試料を自動的に移動させる第3の構成の概略図である。
磁気共鳴画像法(MRI)及び磁気共鳴分光法(MRS)は、多くの分野で使用されており、これらの分野としては、例えば、医学的な診断及び評価、材料評価、地層評価、プロセス制御、並びに他の分野を含む。前述したように、低磁場(100キロヘルツ(kHz)から30メガヘルツ(MHz))のNMRは、流体含有量を推定すると共に貯留層の流体輸送特性を特徴付けるために適用されてきた。低磁場NMRは、実験室において、石油化学的物性測定の精度を高めるべく流体及び小型コアプラグの分析のため、及び坑井の検層データの較正のために実施されてきた。全コア又は検層のためのNMR適用の制限要因は、空間分解能がNMR無線周波数(rf、高周波)コイルの長さによって制限されることである。rfコイルの長さは、実験室用の機器の場合は数インチであり、検層ツールの場合は数インチから数フィートとすることができるが、所望の分解能はrfコイル長のほんの数分の一であり得る。
検層の用途又は長い試料におけるNMR測定の場合、この場合では研究対象がrfコイルよりも常に長く、有限長コイルの端効果が顕著になる。試料がこのコイルよりも短い場合、このコイルが無限であると仮定することができ、これは、試料全体にわたって高周波磁場強度及び測定感度が均一であることを意味する。しかしながら、コイルというものは有限長であり、特にrfコイルの両端では、rf磁場は一様ではない。結果的に、試料がrfコイルよりも長い場合、端効果は重要な役割を果たす。測定された信号は、両端からの信号と、このコイル内の試料の均一部分からの信号とを含む。
高分解能の測定値を得るというこの問題に対する1つの解決策は、スライス選択のためのパルス磁場勾配(PFG)技術を使用することであり、これは、MRIにおいて使用される手法である。しかしながら、高品質のPFGのコストは高額なものとなり得る。さらに、この手法は、短い横緩和時間Tを有する材料を定量的に分析するためには使用できず、その理由は、PFGの適用中に、信号が非常に小さい値に減衰するからである。多くのタイトな岩石、これは低透過性と細孔とを持つ岩石、例えば頁岩、タイトなサンドストーン、タイトなカーボネート、及びその他のタイトな岩石であって、タイトな岩石は、実質的に1ミリ秒(ms)以下のTを有する。この明細書において、「実質的に」とは、最大10パーセント(%)の偏差又は許容値を意味し、言及された値からの変動は、部品を製造するのに用いられる任意の機械の許容範囲内にある。0.8msのPFGが使用される場合、信号は、式exp(−0.8)=0.45以下に減衰する。この場合、半分以上の信号が失われ、より長いPFGが使用されるとさらに多くの信号が失われる。
本願は、全コアの検層及び貯留層のNMR検層、例えば有機物に富む頁岩及び他の岩層の検層のための高空間分解能NMRデータを獲得する方法及びワークフローを記述する。このワークフローは、コア試料の流体含有量を取得するために実施されることができ、また異なる坑井から取得されたコア全体を検層するために実施できる。コア試料全体は、非従来型の貯留層(例えば、頁岩貯留層、タイトな砂、タイトな炭酸塩、又は他のタイトな貯留層)から回収された岩石試料である。このような試料では、多孔質試料の網状組織のナノ・ダルシー透過性に起因して、流体(例えば液体)が岩石中に残存する。本願に記載された方法及びワークフローは、そのような全コア試料中の流体含有量を見積もるために実施され、またそのような全コア試料における流体・固体の相互作用を特徴付けるために実施されて、非従来型の貯留層に関する情報を明らかにするものであって、全コア試料は非従来型の貯留層から取り出される。
本願に記載の全コアのNMR検層は、坑井の現場又はコアを取り扱う施設で全コア中の流体含有量を見積もるために、非破壊のツールとして使用されることができ、また非従来型の貯留層からの回収された試料に対して、全コアの他の分析、例えば連続的なガンマ線測定と組み合わせることができる。ここに記載された技術は、測定に使用されるrfコイル又はアンテナ長さによって制限されることのない任意の空間分解能を流体含有量及び画像の測定において提供するために実施できる。この技術は、このコイルよりも長い試料への実験室内の用途や、調査対象物がNMRツールのアンテナよりも長い坑井の検層に特に有用である。この技術は、有限長のrfコイルの端効果を説明するためのものであり、したがってこれに制限されない。この技術は、非常に短い緩和時間を持つ物質のための定量的な画像又は測定値を提供できる。また、この技術は、医療用途でのPFGの使用を減らすことによって、非常に静かで安価なMRI機器の可能性を提供する。
図1は、岩石試料の流体含有量を特定するNMR試験システム1000の概略図である。このシステム1000は、NMR試験システムを含み、このNMR試験システムは、NMR無線周波数(rf)コイル1020を含み、またこのNMRrfコイル1020内には、岩石試料1030、例えば全コア試料が位置決めできる。NMRrfコイル1020の軸方向の長さは岩石試料1030の長さよりも短い。NMRrfコイル1020の直径は岩石試料1030の直径よりも大きい。NMRrfコイル1020及び岩石試料1030は、後述される段階的な移動で軸方向に、互いに対して相対的に移動されることができる。段階的な移動における各ステップにおいて、NMR試験が、岩石試料1030を電磁場にさらすことによって岩石試料1030に対して実行され、この電磁場は、NMRrfコイル1020に電流を誘起できる。NMRrfコイル1020内に誘導された電流量は、NMRrfコイル1020内の岩石試料1030の部分における流体含有量の関数である。岩石試料1030の各部分をNMRrfコイル1020内に位置決めし、また各部分にNMR試験を実行することによって、岩石試料1030の縦方向の軸に沿ったそれぞれの部分に対応する複数の電流量が測定できる。NMRrfコイル1020に対する試料の相対的な移動を制御することは、後述するように重要である。
NMR検査装置は、コンピュータシステム1002に接続されており、その詳細は後述される。コンピュータシステム1002は、操作を実行するために、一又は複数のプロセッサと、この一又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、コンピュータ読取可能なメモリ)とを含むことができる。例えば、コンピュータシステム1002は、前述されたように、測定された複数の電流量から岩石試料1030中の流体含有量を特定するために説示された後処理の手順を実施できる。後述するように、コンピュータシステム1002は、NMRrfコイル1020の長さに等しい分解能で流体含有量を特定でき、さらに、測定された電流を後処理して、一ステップ分の長さに等しい分解能で流体含有量を特定できる。この一ステップ分の長さとは、NMRrfコイル1020及び岩石試料1030が、互いに相対的に移動した長さである。
後述されるいくつかの試験例では、NMRrfコイル1020は、108.0mm(4.25インチ)の長さを有していた。各岩石試料は、非従来型の貯留層から取得された全コア試料であった。全コア試料の各々は、102.0mm(4インチ)の直径と305.0mm(12インチ)の長さとを有していた。全コア試料の各々は、NMRrfコイル1020に対して25.4mm(1インチ)でステップ状に相対的に移動された。コンピュータシステム1002は、実質的に102.0mm(4インチ、NMRrfコイル1020の長さ)及び実質的に25.4mm(1インチ、ステップ状の移動の一ステップ分の長さ)の分解能で、全コア試料の各々中の流体含有量を特定した。そうするために、コンピュータシステム1002は、測定データに対してデータ反転命令及びデコンボリューション命令(共に後述される)を実施した。
図2は、図1のNMR試験システム1000によって実施されたワークフローである。NMR試験システム1000は、最初に、NMRデータ獲得202を実施する。NMRデータ獲得202のステップ204は、所定の距離で、岩石試料1030のいくつかの部分を、所定距離にあるコアのCarr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)パルスシーケンスエコーにかけること、及びNMRrfコイル1020のための応答マップ(しばしば、応答カーブとして称呼される)を特定するための較正の手順を実施することを含む。NMR試験システム1000は、次いで、データ反転206を実施する。データ反転206のステップ208は、岩石試料1030用に所定の距離でTスペクトラムを取得すること、岩石試料1030のTスペクトラムを取得すること、及びNMRrfコイル1020によって平均化された、つまりNMRrfコイル1020の長さ以上の分解能で、流体含有量を特定することを含む。NMR試験システム1000は、次に、デコンボリューション210を実施する。デコンボリューション210のステップ212は、NMRデータ獲得202により獲得されたデータを後処理して、岩石試料1030の所定の距離で流体含有量を特定すること、及び岩石試料1030用の全体的な平均流体含有量を特定することを含む。NMR試験システム1000によって実施されるワークフローの各態様の詳細は、以下の図を参照して記述される。
岩石試料を取得するステップ
いくつかの記載された試験例のために、35個の全コア試料(各々は、長さ305.0mm(12インチ)、直径102.0mm(4インチ))が坑井から取得された。全コア試料の各々は切断されて実験室に輸送され、実験室では、繊維ガラススリーブ又はアルミニウムスリーブ内で試験が実行された。全コア試料の各々は、受け取ったままの状態で、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナーによりX線撮影された。次に、これら全コア試料は、それぞれのスリーブから取り出され、パッケージ化、例えばテフロン(登録商標)エンドキャップ付きの熱収縮テフロン(登録商標)で包まれて、さらなる損傷から全コア試料を保護した。全コア試料のほとんど全ては、成層に沿って破砕を示した。全コア試料のいくつか、例えばコアプラグが取り出された状態のものは、他より大きくより多くの破砕を有し、また、全コア試料のいくつかは中程度の損傷を有していた。
NMR試験装置
いくつかの記載された試験例に対して、NMR試験装置は、エコテック株式会社(米国、テキサス州、ヒューストン)から取得されたNMR分光計であった。静磁場は1.83メガヘルツ(MHz)であった。NMRrfコイル1020の直径は、108.0mm(4.25インチ)であり、これにより、NMRデータ獲得のために102.0mm(4インチ)径の全コア試料を磁石に押し込むことが可能になった。全コア試料は、NMRrfコイル1020内において完全には整列されておらず又はNMRrfコイル1020内において中心に置かれておらず、またNMRrfコイル1020の開口部の底部に置かれる一方で、その上部にいくらかの空間が残っていた。NMRrfコイル1020の感知ウィンドウは、実質的に102.0mm(4インチ)幅であり、また磁石の中央に位置していた。したがって、rfコイル1020は、1回で全コア試料の全体を測定しなかった。NMRデータは、合計17回の走査(スキャン)のために1ステップを25.4mm(1インチ)としてNMRrfコイル1020を通して試料を手動で動かすことによって、全コア試料の長さに沿って獲得された。図17から図19を参照して後述されるいくつかの実施では、試料は、予め定められた移動ステップ長で段階的に又は連続的に、あるいはその両方で、rfコイル1020を通って自動的に移動されることができる。25.4mm(1インチ)は、25.4mm(1インチ)の分解能で全コア試料の流体含有量を取得するべく移動ステップ長として選択された。異なる分解能で全コア試料の流体含有量を取得するために、上記の分解能以下の移動ステップ長が選択されることができる。
NMRデータ取得
NMR信号が、CPMGパルスシーケンスを用いて獲得された。エコー時間(TE)は0.17msであった。また、各ステップは、500msの走査間遅延を持つ64累積の4セットからなっていた。
較正手順及びNMRrfコイル1020のための応答マップ
スペクトロスコピー(分光法)、イメージング、及びロギングのための磁気共鳴の適用において、rfコイルは、一般には、以下の2つの機能を果たす:(1)このコイルからのrfパルスを用いて核スピンを励起すること;(2)励起された核スピンがこのコイル内に電流を誘起したときに信号を受信すること。任意のrfコイルに対して、これら両方の機能は空間依存性であって、これ故に空間的に不均一である。本願では、所与のrfコイルの応答マップは、rfコイルの異なる位置における検出された相対信号強度の空間分布として定義される。この定義は、励起への空間依存性と、rfコイルによるスピン系の検出との両方を考慮している。
rfコイルの応答マップは、2つの方法によって特定できる。1番目の方法は、マクスウェル方程式を用いた計算による。測定に使用されたコイル又は新たに設計されたコイルの場合、このような計算は古典電気力学的問題であり、正確な結果を生成できる。この手法自体には、空間分解能に制限がない。空間分解能は、有意なデータ処理を可能にする測定感度によってのみ制限される。2番目の方法は、有限サイズの標準試料を用いた測定によって応答マップを描くことによる。後述するように、標準試料は、応答マップを取得するためにコイルの感応領域を通して動かされる。応答マップの分解能が特定されて、これ故に、最終測定の空間分解能は、標準試料のサイズの関数である。理想的な標準サンプルは薄く大きなNMR信号を示す必要がある。最良の標準試料は、ディラック(Dirac)のデルタ関数に近似するものであろう。標準試料のサイズは、所望の空間分解能に等しいか又は所望の空間分解能の1/n(nは整数)に選択されなければならない。後述するように、一次元の適用では、応答マップは、合計n個のデータ点{r、r、r、・・・、r}の曲線であり、各データ点間のステップ(つまり、距離)は、空間分解能lを規定する。
NMRrfコイル1020の端における検出感度が、NMRrfコイル1020の中央部における検出感度と同じではないため、較正の手順が実施される。したがって、このシステム1000は較正の手順を実施して、全コア試料の正確な検層のためにNMRrfコイル1020の応答曲線の正確なマッピングを特定する。較正の手順は、図3Aから図3Cを参照して記述された標準試料を用いて実施された。
図3Aは、標準NMR試料300の概略図である。標準NMR試料300は、NMRrfコイル1020の内径よりも小さい直径と、NMRrfコイル1020の軸方向の長さより小さい厚さ(又は軸方向の長さ)とを有する。いくつかの実施では、標準NMR試料300の厚さは、岩石試料1030の流体含有量を決定すべき分解能に実質的に等しくすることができる。標準NMR試料300は、既知の流体含有量を有することができる。流体含有量は、水及び他のドーパントを含むことができ、それらの濃度は既知である。例えば、流体含有量は、流体のT時間を短くするように選択されることができる。標準NMR試料300は、NMRrfコイル1020の応答曲線をマッピングすると共に全コア試料中の流体含有量を較正するために、円盤形状又は円筒形であり得る。
図3Bは、図3Aの標準NMR試料内の流体のTスペクトラムを示す。いくつかの記載された試験例に対して、標準試料300の内径及び厚さは、それぞれ実質的に93.4mm(3.68インチ)及び25.4mm(1.0インチ)であった。標準NMR試料300は、図3Bのプロット302に示されているように、Tスペクトラムを70msに短縮するために、約178.2グラム(g)又は178.2ミリリットル(mL)の二重蒸留水で満たされている。この二重蒸留水には、実質的に215ppmの濃度の硫酸銅(CuSO)をドープ(doop、添加)する。
NMRrfコイル1020の応答マップを取得するために、標準NMR試料300は、NMRrfコイル1020内へ置かれ、またNMRrfコイル1020内に段階的に押し込まれる。段階を構成する各ステップは、等間隔に離されており、その間隔が岩石試料1030中の流体含有量を求める分解能に等しい又は分解能の1/n(nは自然数)である。図3Cは、標準NMR試料のそれぞれの位置における相対信号強度の応答マップ表である。いくつかの記載された試験例に対して、NMRのCPMGエコーが25.4mm(1インチ)のステップ間隔で獲得される。標準NMR試料300が実質的に25.4mm(1インチ)の厚さであり、NMRrfコイル1020が実質的に102.0mm(4インチ)の長さであるので、標準NMR試料300のための相対位置は6つあり、この6つの相対位置で相対信号強度が測定された。標準NMR試料の相対位置で取得される複数の相対信号強度は、表304(図3C)に示される。
NMRrfコイル1020の応答曲線のマッピングに加えて、標準NMR試料300は、また全コア試料内の流体含有量を較正するために役立つ。岩石内の流体含有量のpercent bulk volume(pbv、バルク体積率)は、式1を用いて計算される。
Figure 2020505608
式1において、rは表304の応答係数(又は、相対信号強度)であり、M は、標準NMR試料300のための測定されたNMR信号であり、Vは、標準NMR試料300のための測定されたNMR体積であり、M COREは、岩石試料1030のための測定されたNMR信号であり、VCOREは、岩石試料1030のための測定されたNMR体積である。
全コア試料のためのデータ取得手順
図4Aは、NMR試験システム、例えばNMR試験システム1000を用いた岩石試料のNMRデータ獲得の概略図である。データ獲得を開始するために、岩石試料1030の端部が、NMRrfコイル1020の端部に位置決めされ、そしてNMRデータが収集される。NMRrfコイル1020における端効果のため、獲得されたデータは、ノイズ信号になるであろう。次に、岩石試料1030の端部が、岩石試料中の流体含有量の所望の分解能に等しい長さを有する一ステップ分だけNMRrfコイル1020内に移動される。そしてNMRデータの収集ステップが繰り返される。図4Bは、NMRrfコイル1020の異なる相対位置における信号強度のプロット400であり、このプロット400は、NMRrfコイル1020の全体が全コア試料1030を取り囲むときのものである。試料端がNMRrfコイル1020のすぐ外側にあるとき、NMR信号は小さい(ゼロに近い)。試料端がNMRrfコイル1020の中心に近いとき、この信号の強度は高い(1に近い)。プロット400は、NMRrfコイル1020の中心付近にある感度領域をNMRrfコイル1020が有することを示す。NMRrfコイル1020の感度は、この感度領域において最も高い。試料が、NMRrfコイル1020を通して延在するとき、測定されたNMR信号は、中心部の一様な領域と、減衰された応答を持つ2つの端部とからの寄与を含む。このような方法では、岩石試料1030の他端がNMRrfコイル1020の他端に位置決めされるまで、岩石試料1030全体が、NMRrfコイル1020を通して段階的に移動される。いくつかの記載された試験例に対しては、前述のように305.0mm(12インチ)の全コア試料が25.4mm(1インチ)のステップで押し込まれて、実質的に102.0mm(4インチ)のNMRrfコイルを通過し、この結果、17個のNMR信号を獲得することになる。
いくつかの実施では、NMR試験システム1000の品質管理及び安定性の検査が実行できる。そうするために、例えば、NMR標準試料300をNMRrfコイル1020の中心に置いて、NMR信号を周期的に(例えば、1日に1回)獲得することができる。連続走査のための平衡をスピンが再確立するために選択走査間遅延(例えば500ms)が十分であることを確実にするために、無作為に選択された全コア試料に対して長めの遅延を試験して、観察可能な信号増強についてチェックすることができる。いくつかの記載された試験例に対して、品質管理及び安定性のチェックが実行されて、観察可能な信号の増強は見いだせなかった。
データの反転
コンピュータシステム1000は、一又は複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体(例えば、コンピュータ読取可能なメモリ)にエンコードされたコンピュータ命令を一又は複数のプロセッサを用いて実行することによって、データ反転を実施できる。いくつかの実施では、獲得されたNMR信号s(t)は、式2を用いて表すことができる。
Figure 2020505608
式2において、M(T)は、磁化の分布(横緩和時間スペクトラムと呼ばれる)であり、tは、時間である。横緩和時間スペクトラムは、式3に表される逆ラプラス変換を用いて取得することができる。
Figure 2020505608
取得したデータs(t)は連続的ではなく、常に、式4を用いて表すことができるノイズを含む。
Figure 2020505608
式4において、δ(t)は測定誤差を表し、この場合、測定誤差はノイズである。M (T )を式4から取得することは、NMR検層データ処理における古典的反転問題である。いくつかの記載された試験例に対しては、Matlab(登録商標)ソフトウェアプログラム(米国マサチューセッツ州、Mathworks、Incに登録)を用いてM (T )を特定する、CONTINと呼ばれるアルゴリズムが実施された。コンピュータシステム1002は、このアルゴリズムを実行して、式5を満たすように最小二乗解又はM (T )の集合(m個)を見出した。
Figure 2020505608
varとは、最小化された変数(つまり、最小二乗解)である。
式5において、nは獲得したデータ点の数、wは指定可能な任意の重み付け係数、mは変数の数である。最小二乗解を特定するために、事前に規定されたT のセットが使用される。したがって、式5の指数項が、式6に示すように定義された変数xで置換できる。
Figure 2020505608
この置換を行うと、式5は、式7に示されるように線形化された一組の式になる。
Figure 2020505608
後述されるように、コンピュータシステム1002は、古典的な線形最小二乗問題としてNMR反転を実施することができる。いくつかの実施では、コンピュータシステム1002は、式8に示されるように、正規化された線形最小二乗法を使用して、NMR反転を実施できる。
Figure 2020505608
式8の第2項は、正則化器と呼ばれ、また正則化パラメータαによって特定される強度を有する。
最小二乗フィッティング法は、式8によって表される最小分散において同じ許容誤差の多数の異なる解が得られる。多数の異なる解を取得することの問題は、複雑な制約を組み込むことによって対処できる。いくつかの記載された試験例に対して、式9.1及び式9.2によって表される制約が使用された。
Figure 2020505608
図5A及び図5Bは、制約なしの反転Tスペクトラムを示す。図5C及び図5Dは、制約付きの反転Tスペクトラムを示す。図5A及び図5Cにそれぞれ示されるプロット500a及び500cにおいて、線は、計算された近似(fit)を表し、点はデータを表す。図5B及び図5Dにそれぞれ示されるプロット500b及び500dにおいて、線は、近似に使用されたデータを表す。計算誤差の許容範囲は、両方の反転、つまり制約付き反転と制約無し反転に対して同じに設定された。両スペクトルは、見込まれる実際のTの分布を反映している。
ノイズ切り捨て
NMRのCPMGエコーデータを獲得するとき、一般には、より多くのエコーを測定して、確実に、有用なデータが無視されないようにする。結果として、獲得されたエコー列の端におけるかなりの数のデータ点は、有用な情報の無い主にノイズである可能性がある。これらのデータ点を含めることは、これらが実際の情報として取り扱われるために、かなりの余分な計算時間を消費し、不正確な反転及び結果につながる可能性になる。したがって、獲得されたCPMGのエコーから詳細なノイズを反転前に切り捨てることは有用である。
いくつかの実施では、獲得データがノイズであるか否かを識別するために、区分的線形フィッティング(近似)方法が使用できる。具体的には、エコーデータは等しい幅のN個のウィンドウに分割することができ、第1ウィンドウから第Nウィンドウまでのデータs(i=1、・・・、N)の傾きをウィンドウ毎に線形フィッティングを用いて計算する。次いで、勾配のしきい値sthが設定できる。n番目の点から開始する場合、全ての残りの勾配は、このしきい値より小さくなり得る。つまり、i=n、・・・、Nの場合はs<sthになる。ウィンドウnからNまでの全てのデータ点を、ノイズと見なすことができる。第1ウィンドウから第n−1ウィンドウまでのデータのみが、反転に使用できる。いくつかの記載された試験例に対して、N=100及びsth=exp(−4.5)が選択された。
図6A及び図6Bは、ノイズ切り捨ての図を示す。プロット600aは、長いノイズテールを持つ全CPMGエコーを示す。プロット600bは、前述された手順に従う切り捨て処理された信号を持つ全CPMGエコーを示す。プロット600aを作成するために、56604個のデータ点が取得されて、全てのデータに対する線形近似が、ウィンドウの繰り返しにわたって取得された。プロット600bを作成するために、4528個のデータ点が取得されて、データは、設定ウィンドウ内においてexp(−4.5)よりも大きい減衰率で保持された。線は、各プロットおける線形近似を示す。
次いで、前述の特徴を有する反転プログラムが開発された。合成データに対する試験実行が、コンピュータシステム1002を用いて実行された。合成データは、S(t)=exp(−t/1.5)+exp(−t/10)+exp(−t/150)+「ノイズ」を用いて計算された。図7A及び図7Bは、実質的に18に設定された信号対ノイズ比(SNR)を持つ合成データに対する反転試験の結果を示す。図7C及び図7Dは、実質的に7に設定されたSNRを持つ合成データに対する反転試験の結果を示す。図7A及び図7Cにそれぞれ示されたプロット700a及びプロット700cでは、線は反転スペクトルから計算された信号である。図7B及び図7Dにそれぞれ示されたプロット700b及びプロット700dは、異なる信号対ノイズ比での反転Tスペクトルを示し、より大きい信号対ノイズ比でより良好な反転結果を示す。
デコンボリューション
前述のデータ反転は、NMRrfコイル1020における各NMR測定のTスペクトルを使用する。(図3Cの表304に示された)応答マップの測定から、これらのスペクトル及び結果として得られる(pbv単位の)流体含有量は、サンプルの一部がNMRrfコイル1020内にある場合にNMRエコーが測定されたコアの両端を除く、127.0mm(5インチ)のコアの平均であることが理解できる。具体的には、NMRrfコイル1020の直径は、102.0mm(4インチ)である。縦軸に沿って127.0mm(5インチ)の試料から信号を取得するNMRrfコイルの感度領域は、127.0mm(5インチ)である。コンピュータシステム1002は、岩石試料1030がNMRrfコイル1020内において移動されてNMR信号を取得する各ステップの長さに等しい分解能で流体含有量を取得するために、後述されるデコンボリューション技術を実施できる。
図8は、NMRrfコイル内へ移動する岩石試料及び対応する検出信号の概略図である。有効応答ウィンドウ、すなわち、試料内の流体含有量に感度を示すNMRrfコイル1020の部分は、コイル1020の両端を含まない。例えば図3Cにおける表304に示されるように、102.0mm(4インチ)のNMRrfコイルの有効応答ウィンドウは127.0mm(5インチ)、つまり、1番目の相対位置と5番目の相対位置の間である。結果的に、コアがNMRrfコイル1020を横切って延在するときの検出信号は、式10に示すように表すことができる。
Figure 2020505608
式10において、rは、NMRrfコイル1020の有効応答ウィンドウ内で測定された相対信号強度を表す。一般に、r値の数は、NMRrfコイル1020の有効応答ウィンドウの長さに等しい。例えば、図3Cを参照して記述されたNMRrfコイルに対して、rには5つの値がある(図3Cの表304から、r=0.35、r=1.00、r=0.98、r=0.98、及びr=0.49)。Sは、検出されたNMR信号であり、a(i=1,2、・・・、k、ここで、kは、インチ単位の全コア試料の全長に対応する。なぜなら、この例における分解能は25.4mm(1インチ)であるからである)は、i番のインチにおけるバルク流体を表す。図8は、行列(マトリクス)形式で式11に変換できる。
Figure 2020505608
検出されたNMR信号Sは、式12.1に示されるように、式11で表される。
Figure 2020505608
相対信号強度値の行列は、式12.2に示されるように、Rによって表される。
Figure 2020505608
コア長の距離の行列は、式12.3に示されるように、Aによって表される。
Figure 2020505608
式12.1、式12.2及び式12.3において、S、R及びAの次元は、それぞれ(k+4)×1、(k+4)×k及びk×1である。これは過決定問題を表しており、なぜならSの次元がAの次元よりも大きいからである。式12.1、式12.2、及び式12.3の定義を用いて、式11は、式13に示されるように、行列形式で記載できる。
Figure 2020505608
式12は、式14に変換できる。
Figure 2020505608
式14において、R’は、行列Rの転置である。式14において、R’Rはk×k行列であり、R’Sはk×1行列である。式15は、Aを特定するために使用できる。
Figure 2020505608
式15では、(RR)−1はRRの逆行列である。行列Aは、25.4mm(1インチ)の分解能におけるコアの(pbv単位の)流体含有量である。
正則化
いくつかの実施では、(RR)−1の特定によって、エラーが生じる可能性がある。エラーを回避し又は克服するために、式8を参照して前述したような一般的な線形最小二乗法が実施できる。或いは又は加えて、全コア試料の全てが同じ行列Rを有する場合、より明確な特異値分解手法が実施できる。いくつかの実施では、コンピュータシステム1002は、式16に示されるように行列R’Rの特異値分解を実行できる。
Figure 2020505608
式16において、VはVの共役転置を表す。U及びVはユニタリ行列であり、これらの各々はUU=VV=1(1は単位行列を意味する)を満たす。また、Σは、式17によって表される対角行列である。
Figure 2020505608
式16を用いて、式15は、式18のように書き直すことができる。
Figure 2020505608
ユニタリ行列U及びVの性質を用いて、式18を式19として書き直すことができる。
Figure 2020505608
式19において、Σ−1は式20として表される。
Figure 2020505608
式12.2の行列Rは、与えられたkに対して記述できる。異なるk値に対しては、式12.2の行列R、並びにそれに対応する計算及び結果が異なる。いくつかの記載された試験例については、全コア試料の長さは305.0mm(12インチ)であり、以ってk=12である。僅かに長い全コア試料については、k=13である。k=12である仮定すると、式20からのΣ−1を特定できる。図9は、Σ内の対角要素のプロット900である。プロット900に示されるように、数個の要素は、ゼロに近い値を有し、式20を使用してΣ−1を計算すると、最終結果に大きな誤差を追加することになるだろう。代わりに、しきい値σthが行列Σの対角要素に対して規定され、しきい値より小さい任意の要素(つまり、σ<σth)に対しては、対応する行列の値は0に等しくなるように設定されて、その結果、式21を用いてΣ−1が特定されることになる。
Figure 2020505608
記載された正則化手法を実施しても、精度の大部分が犠牲になることはない。なぜなら、行列Σ内の大多数の情報は、行列の値のうちのしきい値(th)となる値が大きすぎない限り、ほとんど情報を運ばないからである。いくつかの記述された試験例では、k=12の場合、しきい値は、行列Σ−1の最後の6つの対角要素がゼロになるように選択された。
凸最適化によるデコンボリューション
(式13に示される)解行列Aは、デコンボリューションを凸最適化問題として扱うことによって特定される。式22によれば、拘束のない目的関数zがラグランジュ形式で提示される。
Figure 2020505608
ここで、TV(A)はAの総変動であり、φは、Aをウェーブレット領域に変換する関数であり、αは、Aの全変動のペナルティ(つまり、重み又は係数)を特定する正則化パラメータ(定数)であり、βは、Aのウェーブレット領域への変換のペナルティを特定するパラメータ(定数)である。一対の二重縦線(||・・・||)で項又は式を囲んで、ノルムを表す。||・・・||はlノルムであって、lノルムは、全要素の絶対値の合計である。||・・・||は、ユークリッドノルムであって、全要素の二乗和の平方根である。例えば、ベクトルx=[2,9,5]の場合、||x||は2+9+5=16であり、||x||=(2+9+51/2の値は、近似的に10.5と等しい。
式22の目的関数を最小にする解Aは、以下の勾配式23がゼロに等しい場合を特定することによって見出される。
Figure 2020505608
ここで、αは、時間の次元に沿った(式22からの)αに対する準正則化パラメータであり、αは、距離の次元に沿った(式22からの)αの準正則化パラメータであり、Wは、対角重み行列である。記号▽は、勾配を表しており、これ故に、▽zはzの勾配である。
図10Aは、3つの25.4mm(1インチ)直径のプラグを積み重ねることによって調製された複合岩石試料を示している。複合岩石試料は、2wt%塩化カリウム(KCl)溶液を染み込ませた。ベレア砂岩の上部は38.0mm(1.5インチ)長であり、マンコス頁岩の露頭の中央部は25.4mm(1インチ)長であり、タイト砂岩の下部は25.4mm(1インチ)長であった。図10Bは、先に説明された凸最適化の方法を利用したデコンボリューションされた信号を示している。信号は、長さ102.0mm(4インチ)のNMRrfコイルを用いて6.3mm(0.25インチ)の空間分解能で獲得された。
エコー列によるエコーの取得
前述の手法は、追加の情報を含む最大限のCPMGエコー列を取得するために拡張できる。獲得された各CPMGエコー列は、m個のエコーを含み、入力として使用できる。前述の式13では、SとAはベクトルであった。エコー列を取得する実施では、S及びAは行列である。信号Sは、式24になる。
Figure 2020505608
式24の行列Sの各行は、測定されたエコー列である。流体含有量Aは、式25になる。
Figure 2020505608
式25の行列Aの各行は、コイルの端効果無しで、及びより高い空間分解能で望まれるエコー列を表す。rfコイルの応答マップを表す式12.2の行列Rは、先に定義されたものと同じであって、既述のように求解できる。
信号最適化及びノイズ抑制
NMR測定は、流体含有量の真の典型的な信号を汚染する様々な種類のノイズを含むことがある。ノイズの基本的な種類は、周囲の背景ノイズ、NMR機器のノイズ、及び各岩石層へのNMR応答に関連付けられた特定のノイズを包含する。前述の手法を用いてエコー列によって流体含有量及びエコーを取得するために、後処理の技術が、ノイズを抑制するために最適化される。以下の段落には、ノイズ抑制技術の例が開示される。これらの技術が、一又は複数のプロセッサ、例えばコンピュータシステム1002によって実行可能であると共にコンピュータ読取可能な記録媒体に格納されたコンピュータ命令として実施できる。
整合フィルタのノイズ除去方法
この方法を実施するために、複数回の測定が、一様な(好ましくは非常に長い)地層の内部で行われて、フィルタの精度を向上する。整合フィルタは、式26によって表されるように、隣接する測定値間の最小化問題として実施できる。
Figure 2020505608
式26では、Sは、一様な地層内のi番目の測定値であり、Si+nは、整合フィルタfを計算するために使用された最後の測定値であり、Gは、全測定値の中央点におけるガウス平滑化関数の中心である。フィルタのエッジ効果を軽減するために、式27に示すようにガウス平滑化関数が記載されることができる。
Figure 2020505608
式27では、Rは、フィルタ計算に使用された測定長であり、rは、各測定間において中点に対するオフセットである。G(r)は、出力ガウス重みであり、λは、ガウス平滑化関数のための制約重みである。整合フィルタの解は、式28に示されるように表すことができる。
Figure 2020505608
整合フィルタの解は、地層組成物に限定された多量のサンプリングから恩恵を得る。
いくつかの実施では、コンピュータシステム1002は、整合フィルタのノイズ除去のために以下のワークフローを実施する。コンピュータシステム1002は、全てのNMR測定値を読み取り、その測定値を共通の地層データビンに分類する。第1の分岐において、コンピュータシステム1002は、最も多くの測定値を有する地層を検索する。コンピュータシステム1002は、隣接する測定値のlノルムを最小にするように整合フィルタのコスト関数を設計する。lノルムは、ベクトルノルムであって、このベクトルノルムはしばしばベクトルの大きさとも呼ばれる。コンピュータシステム1002は、端効果を軽減するためにガウス重み関数を設計し適用する。コンピュータシステム1002は、データ残差が許容誤差に収束するまで、整合フィルタを反復的に解く。併せて、第2の分岐において、コンピュータシステム1002は、NMR測定値を元の順序に並べ直す。次に、コンピュータシステム1002は、取得された整合フィルタを全測定値に適用して、フィルタ処理されたNMRデータを出力する。
ウィナーフィルタのノイズ除去方法
この方法を実施するために、コンピュータシステム1002は、地層の外側におけるノイズのサンプルを使用することができ、これによって前述の制約を軽減する。コンピュータシステム1002は、地層の外側のわずかなNMR測定値を用いて、この方法を実施できる。サンプル化されたデータは、ノイズとして特徴付けられることができる。ウィナーフィルタは、式29に示されるように、周波数領域で表すことができる。
Figure 2020505608
式29において、N(ω)は、フーリエ変換の後の周波数領域におけるノイズ表現である。これに対応して、S(ω)とG(ω)は、それぞれ、周波数領域におけるNMR測定値及びガウス平滑化関数の複素共役を表す。ウィナーフィルタのノイズ除去方法は、外側ノイズ測定の精度に依存し、また現場での適用において不安定になり得る。
いくつかの実施では、コンピュータシステム1002は、ウィナーフィルタノイズ除去方法のために以下のワークフローを実施する。コンピュータシステム1002は、全てのNMR測定値を読み取る。コンピュータシステム1002は、複数の測定値を地層の外側でサンプル化し、これらの測定値はバックグラウンドノイズとして扱われる。コンピュータシステム1002は、全ての測定値を周波数領域へフーリエ変換する。コンピュータシステム1002は、周波数領域においてウィナーフィルタを直接に解く。コンピュータシステム1002は、全ての測定値に対してウィナーフィルタを適用する。コンピュータシステム1002は、データを時間領域に変換し戻して、そしてフィルタリングされたデータを出力する。
結果
岩石試料(例えば全コア試料)に対して前述した技術を実施すると、以下の結果になることができる:NMRrfコイルの長さに等しい間隔でのCPMGエコー、NMRrfコイルの長さに等しい間隔でのTスペクトラム、岩石試料全体のTスペクトラム、NMRrfコイルの長さに等しい分解能での流体含有量、NMRrfコイル内において岩石試料が段階的に移動されるステップ長さに等しい分解能での流体含有量、及び岩石試料全長にわたる平均の流体含有量。
いくつかの記載された試験例のために取得された結果は、図11A、図11B、図12、図13、図14、図15A及び図15Bを参照して示される。図11A及び図11Bは、全コア試料に対する102.0mm(4インチ)の領域にわたって獲得されたCPMGエコー(プロット1150a)及びその反転Tスペクトラム(プロット1150b)を示す。獲得されたNMR信号のSNRは、200より多い。T分布は、細孔径と流体特性の複合効果を反映する。図11BのTスペクトラムは、全コア試料の102.0mm(4インチ)の領域において、いくらかの破断が存在しているらしいことを示している。図12は、全コア試料の長さにわたって平均された分布及び累積Tスペクトラムの例示的なプロット1200を示す。プロット1200において、実線は、全コア試料の長さ(実質的に305.0mm(12インチ))にわたって平均された分布Tスペクトルを示し、破線は全コア試料の長さにわたって平均化された累積Tスペクトラムを示す。図13は、102.0mm(4インチ、NMRrfコイルの長さ)にわたって平均化された(pbv単位の)流体含有量のプロット1300である。図14は、25.4mm(1インチ)の分解能での全コア試料のNMR検層1400の一例であって、25.4mm(1インチ)の分解能は、NMRrfコイル内で全コア試料が段階的に移動されるステップの長さに等しい。図15A及び図15Bは、2つの異なる坑井内の異なる深さから回収された全コア試料の平均流体含有量を示す。プロット1500aは、異なる全コア試料が取得された第1の坑井内の深さ(単位はフィート)と、各試料の(pbv単位の)流体含有量とを示す。プロット1500bは、異なる全コア試料が取得された第2の坑井内の深さ(単位はフィート)と、各試料の(pbv単位の)流体含有量とを示す。これらのプロットは、流体含有量に基づき各坑井におけるゾーンを区別するために使用することができる。
図16は、岩石試料中の流体含有量を特定するための例示的なプロセス1600のフローチャートである。プロセス1600は、図1を参照して前述されたNMR試験システム1000によって実施できる。1602では、NMR試験が、ある長さを有するNMRrfコイルを用いて、標準試料に対して実行できる。1604では、NMRrfコイルのための応答マップが特定できる。1606では、NMR試験は、流体を含有する岩石試料に対してNMRrfコイルを用いて実行できる。岩石試料の長さは、NMRrfコイルの長さよりも長い。1608では、岩石試料中の流体含有量は、岩石試料に対してNMRrfコイルを用いたNMR試験の結果とNMRrfコイルに対する応答マップとを用いて特定できる。
いくつかの記載された試験例に対して、コア検層の所望の分解能は、25.4mm(1インチ)であった。これに従って、岩石試料が、NMRrfコイルを通して25.4mm(1インチ)のステップで移動された。所望の分解能は、25.4mm(1インチ)とは異なることがある。NMRrfコイルを通して段階的に標準試料が移動されるステップ距離及び標準試料の厚さは、所望の分解能に合致できる。
応用
前述のように、記載された技術は、例えばrfコイルの応答マップを特定するために使用された標準試料の厚さによって規定された空間分解能で、全コア試料において流体含有量を獲得するために実施できる。この技術は、地層に対して相対的にNMRツールを連続的に移動させることによってNMRデータ検層に適用できる。ワイヤーラインによる検層の場合、このツールは目標ゾーンの下から上に移動する。掘削中の検層の場合、このツールは掘削ビットと一緒に上から下に動く。記載された技術が、空間分解能を増大させてrfコイル長よりも小さくするために使用できる。データがすでに取得されているため、追加コストをかけずに、高品質の検層データの空間分解能を上げることができる。追加の努力としては、ツールのrfコイルの応答マップを取得することを伴う。高いSNRは、遅い検層速度により取得できる。
ここに記載された技術は、イメージングのための医療用途に実施できる。この技術は、PFGの使用を減らすことができ、MRI計器の安価版を提供できる。また、この技術は、MRI機器におけるPFGの適用によって発生するノイズを低減できる。
図1に戻って参照すると、コンピュータシステム1002は、本願に記載されたように、記載されるアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー、及び手順に関連付けられた計算機能を提供するために使用できる。図示のコンピュータシステム1002は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ/ノートブックコンピュータ、無線データポート、スマートフォン、パーソナルデータアシスタント(PDA)、タブレットコンピューティングデバイス、これらのデバイス内の一又は複数のプロセッサ、又は他の任意の処理デバイスといったコンピューティングデバイスを包含し、コンピューティングデバイスの物理的若しくは仮想的インスタンス(若しくは両方)を含む。さらに、コンピュータシステム1002は、キーパッド、キーボード、タッチスクリーン、又はユーザ情報を受け入れ可能な他のデバイスといった入力デバイスと、コンピュータシステム1002の動作に関連付けられる情報を伝達する出力デバイスとを含む、又はグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を備えるコンピュータを含んでいてもよく、情報には、デジタルデータ、ビジュアル又はオーディオ情報(又は情報の組み合わせ)が含まれる。
コンピュータシステム1002は、クライアント、ネットワークコンポーネント、サーバ、データベース若しくは他の永続性の物、又は本願に記載された主題を実行するためのコンピュータシステムの任意の他のコンポーネント(又は、役割の組み合わせ)としての役割を果たすことができる。図示のコンピュータシステム1002は、ネットワーク(図示せず)と通信可能に結合されている。いくつかの実施では、コンピュータシステム1002の一又は複数のコンポーネントは、クラウドコンピューティングベース、ローカル、グローバル、又は他の環境(又は環境の組み合わせ)を含む環境内で動作するように構成されることができる。
高レベルでは、コンピュータシステム1002は、記述された主題に関連付けられたデータ及び情報を受信し、送信し、処理し、格納し、又は管理するように動作可能な電子的計算デバイスである。いくつかの実施によれば、コンピュータシステム1002は、また、アプリケーションサーバ、電子メールサーバ、ウェブサーバ、キャッシングサーバ、ストリーミングデータサーバ、又は他のサーバ(又はこれらのサーバの組合せ)を含むことができ、或いはこれらと通信可能に結合されることができる。
コンピュータシステム1002は、クライアントアプリケーション(例えば、別のコンピュータシステム1002上でクライアントアプリケーションを実行すること)からネットワーク(図示せず)を介してリクエストを受信し、また適切なソフトウェアアプリケーションにおいて前記リクエストを処理することによって、受信したリクエストに応答することができる。さらに、リクエストは、内部ユーザ(例えば、コマンドコンソールから、又は他の適切なアクセス方法によって)、部外者若しくは第三者、他の自動化されたアプリケーション、更には任意の他の適切なエンティティ、個人、システム、又はコンピュータからコンピュータシステム1002に送信されるようにしてもよい。
コンピュータシステム1002の各コンポーネントは、システムバスを用いて通信できる。いくつかの実施では、コンピュータシステム1002のコンポーネントのいずれか又は全て、ハードウェア又はソフトウェア(又はハードウェアとソフトウェアの組合せ)は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)1012又はサービス層1013(又はAPI1012とサービス層1013との組み合わせ)を用いて、互いに又はインタフェース1004(又はその両方の組合せ)とシステムバスを介して結合される。API1012は、ルーチン、データ構造、及びオブジェクトクラスのための仕様を含むようにしてもよい。API1012は、コンピュータ言語に依存しないものでも依存するものでもよく、また完全なインタフェース、単一の機能、或いは一組のAPIさえも指していてよい。サービス層1013は、コンピュータシステム1002、又はコンピュータシステム1002に通信可能に結合された他のコンポーネント(図示されているかどうかにかかわらず)にソフトウェアサービスを提供する。コンピュータシステム1002の機能は、このサービス層を用いて、全てのサービスコンシューマにアクセス可能であってもよい。サービス層1013によって提供されるサービスのようなソフトウェアサービスは、規定されたインタフェースを介して、再使用可能な定義された機能を提供する。例えば、インタフェースは、JAVA(登録商標)、C++、又は拡張マークアップ言語(XML)フォーマット又は他の適切なフォーマットでデータを提供する他の適切な言語で書かれたソフトウェアであってもよい。コンピュータシステム1002の統合されたコンポーネントとして示される一方で、代替の実施は、コンピュータシステム1002の他のコンポーネント、又はコンピュータシステム1002に通信可能に結合された他のコンポーネント(図示されているかどうかにかかわらず)に関連して、スタンドアロンコンポーネントとしてAPI1012又はサービス層1013を例示するようにしてもよい。さらには、API1012又はサービス層1013のいずれか又はすべての部分は、この明細書の範囲から逸脱することなく、別のソフトウェアモジュール、企業アプリケーション、又はハードウェアモジュールのチャイルドモジュール又はサブモジュールとして実施されてもよい。
コンピュータシステム1002は、インタフェース1004を含む。図1では単一のインタフェース1004として示されているが、2以上のインタフェース1004が、コンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って使用できる。インタフェース1004は、分散環境において(図示されているか否かに関わらず)ネットワークに接続されている他のシステムと通信するためにコンピュータシステム1002によって使用される。一般には、インタフェース1004は、ソフトウェア又はハードウェア(又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせ)においてエンコードされると共にネットワークと通信するように動作可能なロジックを含む。より具体的には、インタフェース1004は、ネットワーク又はインタフェースのハードウェアが、図示されたコンピュータシステム1002の内外で物理信号をやりとりするために動作可能であるように、通信に関連付けられる一又は複数の通信プロトコルをサポートするソフトウェアを含むようにしてもよい。
コンピュータシステム1002は、プロセッサ1005を含む。図1では単一のプロセッサ1005として示されているが、2以上のプロセッサが、コンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って使用されるようにしてもよい。一般には、プロセッサ1005は、命令を実行すると共にデータを操作して、コンピュータシステム1002の動作、及び本願に記載されるような任意のアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー、及び手順を実行する。
コンピュータシステム1002は、また、ネットワーク(図示されているか否かにかかわらず)に接続されることができる他のコンポーネント又はコンピュータシステム1002(又は両方の組合せ)のためにデータを保持できるデータベース1006を含む。例えば、データベース1006は、本願と整合するデータを格納するインメモリ、従来の又は他の種類のデータベースであることができる。いくつかの実施では、データベース1006は、記述された機能及びコンピュータシステム1002の特定の必要性、要望、又は特定の実施に従う2以上の異なるデータベースタイプの組み合わせ(例えば、ハイブリッドインメモリと従来のデータベース)であることができる。図1には単一のデータベース1006として図示されるが、記述された機能及びコンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従う(同じ又はタイプの組み合わせの)2以上のデータベースが使用できる。データベース1006は、コンピュータシステム1002の集積コンポーネントとして図示される一方で、代替の実施では、データベース1006はコンピュータシステム1002の外部にあることができる。
コンピュータシステム1002は、また、(図示されているかどうかにかかわらず)ネットワークに接続されることができる他のコンポーネント又はコンピュータシステム1002(又は両方の組合せ)のためのデータを保持できるメモリ1007を含む。例えば、メモリ1007は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光学式、磁気式、及び同様のものであることができ、これらは、本願に整合するデータを記憶する。いくつかの実施では、メモリ1007は、記述された機能及びコンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従う2以上の異なるタイプのメモリの組合せ(例えば、RAMと磁気ストレージの組合せ)であることができる。図1では単一のメモリ1007として図示されているが、(同じもの又はタイプの組み合わせの)2以上のメモリ1007が、記述された機能及びコンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って使用できる。メモリ1007は、コンピュータシステム1002の集積コンポーネントとして図示される一方で、代替の実施では、メモリ1007は、コンピュータシステム1002の外部にあってもよい。
アプリケーション1008は、アルゴリズムのソフトウェアエンジンであって、アルゴリズムのソフトウェアエンジンは、詳細には本願で説明されている機能に関して、コンピュータシステム1002の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従う機能を提供する。例えば、アプリケーション1008は、一又は複数のコンポーネント、モジュール、アプリケーション、又は他のコンポーネントとして役立つことができる。さらに、単一のアプリケーション1008として図示されているが、アプリケーション1008は、コンピュータシステム1002上の複数のアプリケーション1008として実施されてもよい。加えて、コンピュータシステム1002に集積されるものとして図示されているが、代替の実施において、アプリケーション1008は、コンピュータシステム1002の外部にあってもよい。
任意の数のコンピュータ1002があり得、個々のコンピュータシステム1002は、ネットワークを介して通信する。コンピュータ1002は、コンピュータシステム1002を含むコンピュータシステムに関連付けられ、又はその外部にある。さらに、用語「クライアント」、「ユーザ」、及び他の適切な用語は、本明細書の範囲から逸脱することなく、必要に応じて、交換可能に使用され得る。さらには、本願は、多くのユーザが1つのコンピュータシステム1002を使用できること、又は一のユーザが複数のコンピュータ1002を使用してもよいことを想定している。
図17は、NMR試料を自動的に移動させる第1の構成1700の概略図である。第1の構成1700では、NMR試料(例えばNMR試料1030)は、支持フレーム1702によって囲まれている。例えば、支持フレーム1702は、(2つの垂直板といった)少なくとも2つの垂直部材を含むことができ、それらの上端は(水平板といった)水平部材によって接続される。モータ1704(例えばステップモータ)は、支持フレーム1702上に、例えば水平部材の上方において位置決めされている。NMR試料1030は、水平部材の下方に位置決めされる。
モータ1704は、動力源によって動力が与えられると共にコントローラによって制御される回転可能なシャフトを含む。電源からの電力を用いて、コントローラは、所定のステップでシャフトを回転させることができる。水平部材は、モータ1704が接続部材1706を介してNMR試料1030に接続されるための開口部(例えば、貫通孔)を含むことができる。例えば、接続部材は、ボールねじアクチュエータであり(しかし、他の選択肢として、例えばチェーン、ロープ、つなぎ綱又は他のケーブルを利用可能である)、このボールねじアクチュエータは、一端において回転可能なシャフトに取り付けられると共に他端において試料ホルダ1708に取り付けられる。つまり、接続部材は、NMR試料1030及び試料ホルダ1708の重量を支える十分な強度を有する。例えば、ボールねじアクチュエータは、剛性部材であることができ、剛性部材は、モータ1704を用いて上昇され又は降下されることができる。
非磁性の試料ホルダ1708が、接続部材1706とNMR試料1030との間に配置されている。試料ホルダ1708は、試料と接続部材とを接続する固体片であることができる。試料が磁場を通って移動するときに、試料ホルダ1708は、試料を固定位置に維持し、またモータ及び接続部材を試料から遠ざけておく。試料ホルダ1708は、テフロン(登録商標)、溶融石英、あるセラミック、又は他のHフリーの高剛性非磁性材料(Hは同位体水素−1である)から成ることができる。NMR試料1030は、反対極の2つの磁石1710の間に位置決めされる。
動作中、ステップモータ1704はアクチュエータを所定の長さで動作させることができ、その結果、NMR試料1030は、所定の距離で、それぞれに上昇又は下降する。各所定の長さの後に、ステップモータ1704は、アクチュエータを移動することを停止でき、NMR測定は、NMR試料1030をNMRrfコイル1020によって発生されたNMR場1712にさらすことによって行うことができる。或いは又は加えて、ステップモータ1704は、アクチュエータを連続的に上下に動かすことができ、その結果、NMR試料1030は、それぞれに、連続的に上昇又は下降する。このような操作では、NMR測定を連続的に、すなわち、NMR試料の移動を所定の距離で止めることなく行うことができる。このような実施では、空間分解能は、時間ステップにわたる平均をとることによって特定される。
図18は、NMR試料を自動的に移動させる第2の構成1700の概略図である。第2の構成1800では、支持フレーム1802がNMR試料(例えばNMR試料1030)の下に位置決めされる。例えば、支持フレーム1802は、(2つの垂直板といった)少なくとも2つの垂直部材を含むことができ、その上端は(水平板といった)水平部材によって接続される。モータ1804(例えば、モータ1704と同様のもの)は、支持フレーム1802上に、例えば水平部材の上方において、位置決めされる。NMR試料1030は、支持フレーム1802の上方に位置決めされる。
モータ1804は、電源によって電力が与えられ、コントローラによって制御される回転可能なシャフトを含む。電源からの電力を使用して、コントローラは、所定のステップでシャフトを回転させることができる。モータ1804は、接続部材1806を介してNMR試料1030に接続される。例えば、接続部材は、ボールねじアクチュエータであってもよく、ボールねじアクチュエータは、一端において回転可能なシャフトに取り付けられると共に他端においてNMR試料ホルダ1808に取り付けられる。非磁性の試料ホルダ1808が、アクチュエータとNMR試料1030との間に配置される。NMR試料1030は、反対極の2つの磁石1810の間に位置決めされる。第1の構成1700及び第2の構成1800では、モータ1704及びモータ1804は、それぞれ、垂直方向に、NMR試料1030を上昇させ及び降下させるように配置される。いくつかの実施では、図19を参照して記述されるように、モータは、垂直方向ではなく水平方向にNMR試料1030を移動させるように配置することができる。
図19は、NMR試料を自動的に移動させる第3の構成1900の概略図である。第3の構成1900では、NMR試料(例えば、NMR試料1030)は、支持フレーム1902上に位置決めされる。例えば、支持フレーム1902は、(2つの垂直板といった)少なくとも2つの垂直部材を含むことができ、垂直部材の上端は(水平板といった)水平部材によって接続される。モータ1904(例えば、モータ1704又はモータ1804に類似のもの)は、支持フレーム1802上に、例えば水平部材の上方で位置決めされる。モータ1904の回転可能なシャフトは、垂直に、すなわち水平部材に対して垂直に方向づけることができる。
支持フレーム1902は、水平部材に取り付けられた2つの垂直部材1903a及び1903bを更に含むことができる。2つの垂直部材は、NMR試料1030が動かされるべき全距離に少なくとも等しい距離だけ離間させることができる。2つの垂直部材は、水平部材1903cによって接続されることができ、水平部材1903cは、2つの垂直部材の上端に取り付けられる。NMR試料1030は、水平部材1903cの上面に位置決めされることができる。磁石1910は、NMR試料1030が磁石1910間に位置決めされた状態で、水平部材1903cの上下に位置決めされることができる。
モータ1904の回転可能なシャフトは、電源によって駆動され、またコントローラによって制御される。モータ1904は、接続部材1906を介してNMR試料1030に接続される。例えば、接続部材は、ボールねじアクチュエータであることができ、ボールねじアクチュエータは、一端において回転可能なシャフトに取り付けられると共に他端においてNMR試料ホルダ1908に取り付けられる。非磁性試料ホルダ1908が、アクチュエータとNMR試料1030との間に位置決めされる。
動作中、ステップモータ1904を作動させてアクチュエータを所定の長さ移動させると、NMR試料1030は、水平部材1903c上で水平方向にステップモータ1904に向けて又は離れるように所定の距離だけ移動される。各所定の長さの後に、ステップモータ1904は、アクチュエータを移動することを停止でき、NMR測定は、NMR試料1030をNMRrfコイル1020によって生成されたNMR場1712にさらすことによって行うことができる。或いは又は加えて、ステップモータ1904は、アクチュエータを連続的に移動させるように操作でき、その結果、NMR試料1030が、連続的に水平部材1903c上で水平に移動される。このような操作では、NMR測定は連続的に、すなわちNMR試料の移動を所定の距離で止めることなく行うことができる。
いくつかの実施では、配置が組み合わされることができる。例えば、モータは、回転可能なシャフトが水平になるように配置することができる。回転可能なシャフトに一端に取り付けられたケーブルは、滑車を通過して(例えば、90度)向きを変え、他端が水平方向に方向づけられたNMR試料に接続されることができる。そのような構成では、回転可能なシャフトによってケーブル又はアクチュエータを垂直方向にスプールし及びスプール解除を行うと、試料が水平方向に移動し得る。別の配置では、回転可能なシャフトが垂直になるようにモータを構成することができる。滑車を使用して、ケーブルの向きを変えて、また垂直方向に方向づけられたNMR試料に取り付けできる。そのような構成では、回転可能なシャフトによってケーブル又はアクチュエータを水平方向にスプールし及びスプール解除を行うと、試料が垂直方向に移動し得る。
このようにして、主題の具体的な実施が説明された。他の実施が以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、請求項に記載される動作は、異なる順序で実行しても望ましい結果を達成できる。加えて、添付の図面に示されたプロセスは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、つまり順次の実行を必ずしも必要としない。ある実施では、マルチタスク処理及び並列処理が有用であり得る。
300 標準NMR試料
1000 NMR試験システム
1002 コンピュータシステム
1020 NMRrfコイル
1030 岩石試料

Claims (24)

  1. 長さを有する核磁気共鳴(NMR)無線周波数(rf)コイルを用いて標準試料に対してNMR試験を実行するステップと;
    前記NMRrfコイルのための応答マップを特定するステップであって、前記応答マップは、前記NMRrfコイルにおける複数の相対位置を複数の相対信号強度に関連付けると共に、前記NMRrfコイルにおける各相対位置は、それぞれの信号強度に対応する、ステップと;
    流体を含有する岩石試料に対して前記NMRrfコイルを用いて前記NMR試験を実行するステップであって、前記岩石試料の長さは、前記NMRrfコイルよりも長い、ステップと;
    前記岩石試料に対する前記NMRrfコイルを用いた前記NMR試験の結果と前記NMRrfコイルのための前記応答マップとを用いて、前記岩石試料中の流体含有量を特定するステップと;を備える、
    方法。
  2. 前記標準試料の長さは、前記NMRrfコイルの長さより短く、前記標準試料は、既知の流体含有量を有し、前記NMRrfコイルを用いて前記標準試料に対して前記NMR試験を実行するステップは、前記NMRrfコイルの前記複数の相対位置において前記NMR試験を実行するステップであって、各位置において:
    (a)前記NMRrfコイル内において、前記標準試料を前記NMRrfコイルの相対位置に位置決めするステップと;
    (b)前記標準試料を電磁場にさらすステップと;
    (c)前記電磁場に応答して前記コイルに誘導された信号を測定するステップであって、前記信号は、前記標準試料の前記既知の流体含有量と、前記標準試料が位置決めさた前記NMRrfコイルの前記相対位置とに対応し、且つ前記信号は、前記NMRrfコイルの前記相対位置における前記相対信号強度に対応する、ステップと;を実行する、ステップを備える、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記NMRrfコイルの前記複数の相対位置において前記NMR試験を実行するステップは:
    前記NMRrfコイル内において前記標準試料を前記NMRrfコイルの次の位置に移動するステップと;
    前記ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返すステップと;を備える、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記標準試料がステップモータを用いて自動的に移動される、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記NMRrfコイル内において前記標準試料が移動される距離は、前記NMRrfコイルが前記岩石試料中の前記流体含有量を特定する分解能に対応する、
    請求項3に記載の方法。
  6. 前記NMRrfコイルのための前記応答マップを特定するステップは、前記NMRrfコイルの前記相対位置及び前記複数の相対信号強度をコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納するステップを備える、
    請求項3に記載の方法。
  7. 前記流体を含有する前記岩石試料に対して前記NMRrfコイルを用いて前記NMR試験を実行するステップは、各位置において:
    (d)前記NMRrfコイル内で前記NMRrfコイルの相対位置に前記岩石試料を位置決めするステップと;
    (e)前記岩石試料を電磁場にさらすステップと;
    (f)前記電磁場に応答して前記コイルに誘導された信号を測定するステップであって、前記信号は、前記標準試料中の前記流体含有量と、前記岩石試料が位置決めさた前記NMRrfコイルの前記相対位置とに対応する、ステップと;を実行するステップを備える、
    請求項3に記載の方法
  8. 前記流体を含有する前記岩石試料に対して前記NMRrfコイルを用いて前記NMR試験を実行するステップは:
    前記NMRrfコイル内の前記岩石試料を前記NMRrfコイルの次の位置に移動するステップと;
    前記ステップ(d)、(e)及び(f)を繰り返すステップと;を備える、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記岩石試料は、ステップモータを用いて自動的に移動される、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記NMRrfコイル内を前記岩石試料が移動する距離は、前記NMRrfコイルが前記岩石試料の前記流体含有量を特定する分解能に対応する、
    請求項7に記載の方法。
  11. 前記岩石試料に対して前記NMRrfコイルを用いた前記NMR試験の結果を用いると共に前記NMRrfコイルのための前記応答マップを用いて、前記岩石試料中の前記流体含有量を特定するステップは、
    前記NMRrfコイル内に置かれた前記岩石試料が前記NMRrfコイルの複数の位置において測定された複数の信号値に後処理の手順を実施するステップであって、前記後処理の手順は、前記標準試料を用いて前記NMRrfコイルの前記複数の位置において前記複数の相対信号強度が測定されることを実施する、ステップを備える、
    請求項7に記載の方法。
  12. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは、前記複数の信号値を表し、Rは、前記複数の相対信号強度を表し、Aは、前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    行列の反転を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは前記複数の信号値を表し、Rは前記複数の相対信号強度を表し、Aは前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    目的関数の凸最小化を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項11に記載の方法。
  14. コンピュータにより実施される方法であって:
    核磁気共鳴(NMR)無線周波数(rf)コイルの応答マップを受信するステップであって、前記応答マップは、既知の長さ及び既知の流体含有量を有する標準試料に対して前記NMRrfコイルを用いて行われたNMR試験を用いて特定され、且つ前記応答マップは、前記NMRrfコイルの相対位置を複数の相対信号強度に関連付け、前記NMRrfコイルの各相対位置は、それぞれの相対信号強度に対応する、ステップと;
    流体を含有する岩石試料について前記NMRrfコイルを用いて前記NMR試験を実行することによって特定された複数の信号値を受信するステップであって、前記岩石試料の長さは、前記NMRrfコイルよりも長く、前記岩石試料に対する前記NMR試験は、前記NMRrfコイル内において前記NMRrfコイルに対して前記岩石試料を移動することによって実行される、ステップと;
    前記複数の信号値及び前記応答マップを用いて前記岩石試料中の前記流体含有量を特定するステップと;を備える、
    コンピュータにより実施される方法。
  15. 前記複数の信号値及び前記応答マップを用いて前記岩石試料中の前記流体含有量を特定するステップは、
    前記複数の信号値に対して後処理の手順を実施するステップであって、前記後処理の手順は、前記標準試料を用いて前記NMRrfコイルの前記複数の位置で複数の相対信号強度が測定されることを実施する、ステップを備える、
    請求項14に記載の方法。
  16. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは前記複数の信号値を表し、Rは前記複数の相対信号強度を表し、Aは前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    行列の反転を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項15に記載の方法。
  17. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは前記複数の信号値を表し、Rは前記複数の相対信号強度を表し、Aは前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    目的関数の凸最小化を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項15に記載の方法。
  18. 試料に対してNMR試験を実行するように構成された核磁気共鳴(NMR)システムであって、前記試料がさらされる電磁場に応答するNMR信号値を特定するために、前記試料に対して相対的に移動するように構成された、前記NMRシステムと;
    コンピュータシステムと;を備え、
    前記コンピュータシステムは:
    一又は複数のプロセッサと;
    操作を実行するために前記一又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体と;を備え、
    前記操作は:
    NMRrfコイルの応答マップを受信するステップであって、前記応答マップは、既知の長さ及び既知の流体含有量を有する標準試料に対して前記NMRシステムによって実行されるNMR試験を用いて特定され、且つ前記応答マップは、前記NMRrfコイルの複数の相対位置を複数の相対信号強度に関連付けており、前記NMRrfコイルの前記複数の相対位置の各々は、それぞれの相対信号強度に対応する、ステップと;
    流体を含有する岩石試料に対して前記NMRシステムを用いて前記NMR試験を実行することによって特定された複数の信号値を受信するステップであって、前記岩石試料の長さは、前記NMRrfコイルよりも長く、前記岩石試料に対する前記NMR試験は、前記岩石試料を前記NMRrfコイル内において前記NMRrfコイルに対して相対的に移動することによって実行される、ステップと;
    前記複数の信号値及び前記応答マップを用いて前記岩石試料中の流体含有量を特定するステップと;を備える、
    システム。
  19. 前記複数の信号値及び前記応答マップを用いて前記岩石試料中の前記流体含有量を特定するステップは、
    前記複数の信号値に対して前記後処理の手順を実施するステップであって、前記後処理の手順は、前記標準試料を用いて前記NMRrfコイルの前記複数の位置において前記複数の相対信号強度が測定されることを実施する、ステップを備える、
    請求項18に記載のシステム。
  20. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは前記複数の信号値を表し、Rは前記複数の相対信号強度を表し、Aは前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    行列の反転を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項19に記載のシステム。
  21. 前記後処理の手順を実施するステップは:
    前記複数の信号値を行列形式でS=RAとして表すステップであって、Sは前記複数の信号値を表し、Rは前記複数の相対信号強度を表し、Aは前記NMRrfコイルの前記複数の位置における複数の流体含有量を表す、ステップと;
    目的関数の凸最小化を実施することによってAを特定するステップと;を備える、
    請求項19に記載のシステム。
  22. 前記標準試料の長さは、前記NMRrfコイルの長さより短く、前記NMRシステムは、前記NMRrfコイルを用いて前記標準試料に対して前記NMR試験を:
    (a)前記NMRrfコイル内において前記標準試料を前記NMRrfコイルの相対位置に位置決めするステップと;
    (b)前記標準試料を電磁場にさらすステップと;
    (c)前記電磁場に応答して前記コイルに誘導された信号を測定するステップであって、前記信号は、前記標準試料内の前記既知の流体含有量と、前記標準試料が位置決めされた前記NMRrfコイルの前記相対位置とに対応し、且つ前記信号は、前記NMRrfコイルの前記相対位置における前記相対信号強度に対応する、ステップと;
    前記NMRrfコイル内において前記標準試料を前記NMRrfコイルの次の位置に移動するステップと;
    前記ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返すステップと;によって実行するように構成された、
    請求項19に記載のシステム。
  23. 前記NMRシステムは、前記NMRrfコイルを用いて前記流体を含有する前記岩石試料に対して前記NMR試験を:
    (d)前記岩石試料を前記NMRrfコイル内において前記NMRrfコイルの相対位置に位置決めするステップと;
    (e)前記電磁場に前記岩石試料をさらすステップと;
    (f)前記電磁場に応答して前記コイルに誘導された信号を測定するステップであって、前記信号は、前記標準試料内の前記流体含有量と、前記岩石試料が位置決めされた前記NMRrfコイルの前記相対位置とに対応する、ステップと;
    前記NMRrfコイル内において前記岩石試料を前記NMRrfコイルの次の位置に移動するステップと;
    前記ステップ(d)、(e)及び(f)を繰り返すステップと;によって実行するように構成された、
    請求項22に記載の方法。
  24. 前記NMRrfコイル内を前記岩石試料が移動する距離は、前記NMRrfコイルが前記岩石試料中の前記流体含有量を特定する分解能に対応する、
    請求項22に記載のシステム。
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