JP2020502043A - 4’−チオ−2’−フルオロヌクレオシドホスファミド化合物の固体形態及びそのための調製方法及びその使用 - Google Patents

4’−チオ−2’−フルオロヌクレオシドホスファミド化合物の固体形態及びそのための調製方法及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物の固体形態、固体形態を調製するための方法、固体形態を含む医薬組成物、及び異常細胞増殖を伴う疾患又はウイルス感染性疾患の治療における固体形態の使用に関する。(式I)【選択図】なし

Description

本発明は、(S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3S,4S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(以降、「式(I)の化合物」と称する)の固体形態、固体形態を調製するための方法、固体形態を含む医薬組成物、及び異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の治療のための固体形態の使用に関する。
人工的に合成されたヌクレオシド類似体は、腫瘍に用いられる化学療法薬の重要なクラスであり、通常は代謝拮抗剤と呼ばれ、例えば、既に市場で入手可能なゲムシタビン、アザシチジン、デシタビン、シタラビン、フルダラビン、クラドリビン、6−アザウリジン、チアゾフリン、及びアトロミドなどがある。その機構は、主に、腫瘍細胞の酵素系に影響を及ぼすことを介してDNA及びRNAの合成を阻害することである。
4’−チオヌクレオシドとは、フラノース環の酸素原子が硫黄原子に置き換えられたヌクレオシド類似体を指す。4’−チオヌクレオシドの合成プロセスは、長くかつ困難であることから、そのような化合物の研究は大きく制限されている。米国特許第6,147,058号は、ヌードマウスモデルの結腸がんモデルで阻害活性を示す、4’−チオヌクレオシド化合物を開示している。この化合物は、ゲムシタビンよりも少ない毒性で腫瘍成長の阻害にさらに良好な効果を有することが示されている(Cancer Let.、1999年、144巻、177〜182頁)。また、この化合物は、ヌードマウスモデルで膵臓がん及び卵巣がんを阻害し、阻害活性及び安全性は、ゲムシタビンを凌ぐ(Int.J.Cancer、2005年、114巻、1002〜1009頁)。米国特許第5,128,458号及び米国特許第5,128,458号は、ウイルス感染性疾患(例えばHIV、B型又はC型肝炎など)と異常細胞増殖性疾患との両方の治療に良好な効果を有する、2’,3’−ジデオキシ−4’−チオリボヌクレオチドを開示している。
これまで、経口での低い生物学的利用能、急速な代謝、複数の有害作用、及び薬剤耐性傾向など、4’−チオヌクレオシド薬の開発に際して遭遇している問題によって、それらの薬の上市が困難なものとなっている。そのようなチオヌクレオシド薬の問題を克服するために、プロドラッグのアプローチが採用されている。現在、数多くの製薬企業が、他のプロドラッグを用いることによりがんを治療するための方法の開発に依然として取り組んでいる(G.Xu、H.L.McLeod、Clin.Cancer Res.、2001年、7巻、3314〜3324頁;M.Rooseboom、J.N.M.Commandeur、N.P.E.Vermeulen、Pharmacol.Rev.、2004年、56巻、53〜102頁;W.D.Wu、J.Sigmond、G.J.Peters、R.F.Borch、J.Med.Chem.、2007年、50巻、3743〜3746頁)。
そのため、優れた物理化学的特性、高い生物学的利用能、及び/又は低い薬剤耐性傾向を有する新規の4’−チオ−2’−フルオロヌクレオシドホスホラミド化合物を見出すこと、及び医薬調製物の調製に適したその結晶形態を開発することが、医療分野で緊急に求められている。
本発明の態様は、式(I)の化合物((S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3S,4S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート)の結晶形態を提供する。

(式I)
本発明の好ましい結晶形態は、異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患を予防又は治療する際に優れた効果を有するだけではなく、他の利点をも有する。例えば、本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、優れた物性(溶解性、溶解速度、光耐性、低い吸湿性、高温耐性、高湿度耐性、流動性などを含む)を有し、本発明の好ましい結晶形態は、生物学的利用能、物理的及び/又は化学的な安定性、並びに調製し易さの点で優位な特性を有することがある。本発明の好ましい結晶形態は、良好な粉末特性を有し、大量生産に及び製剤の形成にさらに適しかつ利便性があり、刺激を低減し、吸収を高め、代謝速度の問題を解消し、薬剤の蓄積により生じる毒性を大幅に減少し、安全性を向上させ、医薬製品の品質及び効能を効果的に確保することができる。
本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、良好な化学安定性及び熱安定性を示し、ゆえに製剤の調製及びその投与に際し十分な溶解にさらに有利であり、妥当な生物活性を保持することができる。さらに、本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、高い生物学的利用能を有し、in vivoで治療的に有効な投薬量の式(I)の化合物を供給する。
本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、周囲温度で保管又は輸送する間に、分解を滅多に又は殆ど示さず、本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、示差走査熱量測定(DSC)分析では、50℃超で融解又は脱溶媒和した。この特性によって、本発明の好ましい結晶形態は、製剤を調製する標準的なプロセスにさらに適したものとなる。
本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態を摩砕し、次いで500μm及び250μmの篩を通して微細粉末を作製したところ、X線粉末回折(XRPD)検出では、結晶形態の変化が示されなかった。このことは、本発明の好ましい結晶形態が良好な安定性を有し、調製し易く、製剤の調製にさらに適することを示す。
貧溶媒添加法を用いた分析では、本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態が、水性の医薬調製物中でさらに安定であり、ゆえに本発明の好ましい結晶形態が、制御放出性調製物又は持続放出性調製物として開発されるのにさらに有利であるということが示された。
本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、良好な光安定性を有し、ゆえに保管及び輸送の間、結晶形態(例えば結晶形態A)の信頼性を確保し、よって薬剤の安全性を確保する。さらに、結晶形態(例えば結晶形態A)は、光の作用を予防するための特別なパッケージ処理を必要とせず、よってコストを節約する。結晶形態(例えば結晶形態A)は、光の効果によって分解せず、よって薬剤の安全性を向上し、長期保管時に効能を持続させる。結晶形態(例えば結晶形態A)を摂取した患者は、太陽光への曝露に起因する感光性反応を起こすことはない。
本発明の式(I)の化合物の好ましい結晶形態は、良好な流動性及び粒子形状、並びに大幅に改善された粘着性を有し、ゆえに、濾過時間を大幅に低減し、生産サイクルを短縮し、製剤プロセスの間のコストを節約することができる。
本発明の別の態様は、気体−液体浸透法、室温緩徐揮発法、重合体誘導性晶析法、気体−固体浸透法、徐冷法、貧溶媒添加法、室温懸濁液攪拌法、及び高温懸濁液攪拌法からなる群から選択される、本発明の結晶形態の調製のための方法を提供する。
本発明の別の態様は、本発明の結晶形態のうちの任意の1つ又は複数と、1つ又は複数の医薬的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物を提供する。
本発明の別の態様は、異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の予防又は治療のための医薬品の製造における本発明の結晶形態の使用を提供する。
式(I)の化合物の結晶形態AのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態AのDSCグラフである。 式(I)の化合物の結晶形態BのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態BのDSCグラフである。 式(I)の化合物の結晶形態CのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態DのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態DのDSCグラフである。 式(I)の化合物の結晶形態EのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態EのDSCグラフである。 式(I)の化合物の結晶形態FのXRPDパターンを示す図である。 式(I)の化合物の結晶形態FのDSCグラフである。
結晶形態及びそのための調製方法
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Aを提供し、結晶形態Aは、回折角(2θ)約10.5±0.2°、13.5±0.2°、及び17.9±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、回折角(2θ)約10.5±0.2°、13.5±0.2°、15.8±0.2°、17.9±0.2°、18.3±0.2°、及び21.3±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、回折角(2θ)約10.5±0.2°、13.5±0.2°、15.8±0.2°、17.9±0.2°、18.3±0.2°、21.3±0.2°、22.3±0.2°、24.2±0.2°、及び26.8±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、図1に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、図1に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、約155.7±0.2℃(開始温度)に特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、図2に示されているものと本質的に同じ温度で特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態AのDSCグラフの特徴的なピーク位置は、図2に示されているものと本質的に同じである。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、未溶媒和形態にある。より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Aは、無水の結晶形態である。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Bを提供し、結晶形態Bは、回折角(2θ)約7.0±0.2°、14.0±0.2°、及び21.1±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、回折角(2θ)約6.2±0.2°、7.0±0.2°、13.2±0.2°、14.0±0.2°、21.1±0.2°、及び26.2±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、回折角(2θ)約6.2±0.2°、7.0±0.2°、9.3±0.2°、13.2±0.2°、14.0±0.2°、15.5±0.2°、18.7±0.2°、21.1±0.2°、及び26.2±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、図3に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、図3に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、約125.3±0.2℃(開始温度)に特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、図4に示されているものと本質的に同じ温度で特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態BのDSCグラフの特徴的なピーク位置は、図4に示されているものと本質的に同じである。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、未溶媒和形態にある。より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Bは、無水の結晶形態である。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Cを提供し、結晶形態Cは、回折角(2θ)約8.6±0.2°、17.2±0.2°、及び21.0±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、回折角(2θ)約8.6±0.2°、10.1±0.2°、14.4±0.2°、17.2±0.2°、18.0±0.2°、及び21.0±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、回折角(2θ)約8.6±0.2°、10.1±0.2°、14.4±0.2°、17.2±0.2°、18.0±0.2°、18.6±0.2°、21.0±0.2°、24.9±0.2°、及び26.0±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、図5に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Cは、図5に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Dを提供し、結晶形態Dは、回折角(2θ)約10.2±0.2°、18.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、回折角(2θ)約10.2±0.2°、15.4±0.2°、16.9±0.2°、18.2±0.2°、18.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、回折角(2θ)約10.2±0.2°、14.3±0.2°、15.4±0.2°、16.9±0.2°、18.2±0.2°、18.8±0.2°、20.4±0.2°、25.0±0.2°、及び28.6±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、図6に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、図6に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Dは、約144.2±0.2℃(開始温度)に特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Dは、図7に示されているものと本質的に同じ温度で特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態DのDSCグラフの特徴的なピーク位置は、図7に示されているものと本質的に同じである。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Dは、未溶媒和形態にある。より好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Dは、無水の結晶形態である。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Eを提供し、結晶形態Eは、回折角(2θ)約4.0±0.2°、6.8±0.2°、及び8.0±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、回折角(2θ)約4.0±0.2°、6.8±0.2°、8.0±0.2°、11.6±0.2°、18.6±0.2°、及び19.8±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、回折角(2θ)約4.0±0.2°、6.8±0.2°、8.0±0.2°、11.6±0.2°、18.6±0.2°、19.8±0.2°、23.8±0.2°、29.6±0.2°、及び33.9±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、図8に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、図8に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Eは、約96.6±0.2℃(開始温度)に特徴的なピークを含むDSCグラフを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Eは、図9に示されているものと本質的に同じ温度で特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態EのDSCグラフの特徴的なピーク位置は、図9に示されているものと本質的に同じである。
好ましい実施形態では、本願の式(I)の化合物の結晶形態Eは、テトラヒドロフランと共に式(I)の化合物により形成された溶媒和物である。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態Fを提供し、結晶形態Fは、回折角(2θ)約6.7±0.2°、13.5±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、回折角(2θ)約5.8±0.2°、6.7±0.2°、13.5±0.2°、14.2±0.2°、17.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、回折角(2θ)約5.8±0.2°、6.7±0.2°、9.4±0.2°、11.7±0.2°、13.5±0.2°、14.2±0.2°、17.8±0.2°、20.4±0.2°、及び27.3±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、ピークを以下の回折角(2θ)で含むXRPDパターンを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、図10に示されているものと本質的に同じ回折角(2θ)でピークを含むXRPDパターンを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、図10に示されているものと本質的に同じXRPDピーク位置を有する。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Fは、約121.9±0.2℃(開始温度)に特徴的なピークを含むDSCグラフを有する。
より好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態Fは、図11に示されているものと本質的に同じ温度で特徴的なピークを含む、DSCグラフを有する。最も好ましい実施形態では、式(I)の化合物の結晶形態FのDSCグラフの特徴的なピーク位置は、図11に示されているものと本質的に同じである。
好ましい実施形態では、本発明の式(I)の化合物の結晶形態Fは、テトラヒドロフランと共に式(I)の化合物により形成された溶媒和物である。
一実施形態では、本発明は、上記に述べたような結晶形態AからFのいずれか1つの調製のための方法をさらに提供し、この方法としては、以下に限定されないが、気体−液体浸透法、室温緩徐揮発法、高重合体誘導性晶析法、気体−固体浸透法、徐冷法、貧溶媒添加法、室温懸濁液攪拌法、及び高温懸濁液攪拌法などが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、気体−液体浸透法によって調製され、この方法は、第1のベッセルで式(I)の化合物を良溶媒に溶解して清澄な溶液を形成するステップ(清澄な溶液を供給するために必要に応じて溶液を濾過することがある)、第2のベッセルに貧溶媒を添加するステップ、開蓋された第1のベッセルを第2のベッセルの中に置くステップ、第2のベッセルを密閉して放置するステップ、及び沈殿した固体を濾過して結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、良溶媒としては、以下に限定されないが、有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサン)などを含む)及び有機酸など、具体的には例えばアセトン、酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、若しくはクロロホルムなど、又は上記溶媒のうちの2つ以上によって形成される混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、貧溶媒としては、以下に限定されないが、有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、及びニトリルなど、例えばジクロロメタン、クロロホルム、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、n−ヘキサン、アセトニトリル、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノンなど、又は上記溶媒のうちの2つ以上によって形成される混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、約(10〜50):1である。いくつかの実施形態では、良溶媒と貧溶媒との体積比は、1:(2〜10)である。いくつかの実施形態では、第2のベッセルの密閉及び放置を、室温で実施することができる。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、室温緩徐揮発法によって調製され、この方法は、ベッセルで式(I)の化合物を溶媒に溶解して清澄な溶液を形成するステップ(清澄な溶液を供給するために必要に応じて溶液を濾過することがある)、ベッセルを(例えばパラフィルムを用いて)密閉するとともにシールには小さな孔又はスリットを保持するステップ、清澄な溶液を放置するステップ、及び溶媒を揮発させて結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ケトン、ニトリル、若しくはエステルなど、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、トリクロロメタン(クロロホルム)、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、若しくはアセトニトリルなど、又は上記溶媒のうちの2つ以上によって形成される混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(5〜20):1である。いくつかの実施形態では、放置を室温で実施することができる。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、高重合体誘導性晶析法によって調製され、この方法は、ベッセルに式(I)の化合物の清澄な溶媒中溶液を形成するステップ(清澄な溶液を供給するために必要に応じて溶液を濾過することがある)、高重合体を添加するステップ、ベッセルを密閉するとともにシールには小さな孔又はスリットを保持するステップ、清澄な溶液を放置するステップ、及び溶媒を揮発させて結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ケトン、ニトリル、若しくはエステルなど、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、トリクロロメタン(クロロホルム)、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリルなど、又は上記溶媒のうちの2つ以上によって形成される混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、高重合体は、結晶形態を調製するために使用できるならば、任意の比率で混合され得る複数の高重合体の混合物(混合高重合体)であることがある。
いくつかの実施形態では、混合高重合体は、例えば、混合高重合体A:ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロースの混合物である。いくつかの実施形態では、混合高重合体は、例えば混合高重合体B:ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、アルギン酸ナトリウム、及びヒドロキシエチルセルロースの混合物である。
いくつかの実施形態では、放置を室温で実施する。いくつかの実施形態では、混合高重合体は、等しい重量の各構成成分の混合物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と混合高重合体との重量比は、(5〜10):1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(5〜20):1である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、気体−固体浸透法によって調製され、この方法は、式(I)の化合物を含有する第1のベッセルを、溶媒を含有する第2のベッセルの中に置くステップであって、固体形態の式(I)の化合物が、溶媒に直接的に接触していない、ステップ、第2のベッセルを密閉するステップ、及び放置して結晶形態を得るステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、無機溶媒(例えば水)並びに有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ニトリル、及びエステルなど、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、又はクロロホルムなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、約(1〜10):1である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、徐冷法によって調製され、この方法は、式(I)の化合物を溶媒に添加するステップ、加熱及び攪拌して化合物を溶解するステップ、結果として得られた清澄な溶液を放置するステップ(清澄な溶液を供給するために必要に応じて溶液を濾過することがある)、及び徐々に冷却して結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、無機溶媒(例えば水)並びに有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、ニトリル、及びエステルなど、具体的には例えばイソプロパノール、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール、n−ヘキサン、若しくは酢酸エチルなど、又は上記溶媒のうちの2つ以上によって形成される混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、徐冷とは、例えば、0.1〜0.5℃/分の、例えば0.1〜0.3℃/分、及び好ましくは0.1℃/分の温度低減速度を指す。いくつかの実施形態では、加熱温度は、例えば30〜80℃、例えば50℃である。いくつかの実施形態では、冷却の終了時の温度は、室温又は0〜10℃、例えば5℃である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(10〜50):1である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、貧溶媒添加法によって調製され、この方法は、以下に限定されないが、式(I)の化合物を良溶媒に溶解して清澄な溶液を形成するステップ(清澄な溶液を供給するために必要に応じて溶液を濾過することがある)、次いでそれに貧溶媒を添加するステップ、及び攪拌して(攪拌を室温又は加熱下で(例えば30〜60℃、好ましくは50℃に加熱して)実施することがある)結晶形態を沈殿させるステップ、又は溶液を(例えば室温で)放置して(好ましくは、同時に溶媒を徐々に揮発させて)結晶形態を沈殿させるステップを含む。
いくつかの実施形態では、良溶媒としては、以下に限定されないが、有機溶媒、例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、スルホン、アミド、及び有機酸など、例えばメタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、又はジメチルアセトアミドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、貧溶媒としては、以下に限定されないが、無機溶媒(例えば水)及び有機溶媒(例えば、1〜10個の炭素原子を有するケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、及びニトリルなど)、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロペンチルメチルエーテル、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸イソプロピル、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、ブタノン、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロピオン酸エチル、炭酸ジメチル、及び酢酸エチルなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、良溶媒と貧溶媒との体積比は、(0.2〜1):(1〜20)である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と良溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(10〜80):1である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、室温懸濁液攪拌法によって調製され、この方法は、以下に限定されないが、式(I)の化合物を溶媒に添加して懸濁液を得るステップ、懸濁液を攪拌した後に単離して結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、無機溶媒(例えば水)及び有機溶媒(例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、ニトリル、及び有機酸など、例えばn−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ジクロロメタン、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、炭酸ジメチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸、トルエン、クロロホルム、シクロペンチルメチルエーテルなど)、又は上記溶媒から選択される2つ以上の混合溶媒が挙げられる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(20〜250):1であり、好ましくは(20〜200):1であり、さらに好ましくは(20〜150):1であり、最も好ましくは(20〜100):1である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
本発明のいくつかの実施形態では、結晶形態は、高温懸濁液攪拌法によって調製され、この方法は、以下に限定されないが、式(I)の化合物を溶媒に添加して懸濁液を得るステップ、懸濁液を加熱下で(例えば30〜100℃、及び好ましくは50℃又は80℃に加熱して)攪拌した後に単離して結晶形態を与えるステップを含む。
いくつかの実施形態では、溶媒としては、以下に限定されないが、無機溶媒(例えば水)及び有機溶媒(例えば、1〜10個の炭素原子を有するアルコール、ケトン、炭化水素(アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素を含む)、エーテル(鎖状エーテル及び環状エーテル(例えばフラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサンなど)を含む)、エステル、ニトリル、及び含窒素複素環など、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、クロロホルム、n−ヘキサン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、及びアニソールなど)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物と溶媒との重量/体積比(mg/mL)は、(15〜100):1であり、好ましくは(20〜100):1である。いくつかの実施形態では、加熱温度は、50〜80℃である。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の結晶形態を調製するための方法及び結果は、以下のように例示される。
定義
コンテクストに別段に定義のない限り、本明細書に使用されている全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって通例理解されているものと同じ意味を有することが意図される。本明細書に採用される手法への言及は、当技術分野に通例理解されているような手法を、当業者に明らかとなる手法のバリエーション又は等価の手法の置換を含めて指すことが意図される。以下の用語の殆どは、当業者に容易に理解されるものとなることが考えられる一方で、しかし、以下の定義は、本発明をより良く説明するために提示されている。
用語「含有する」、「含む(include)」、「含む(comprise)」、「有する」、又は「関連する」、並びに本明細書に使用されている他のバリエーションは、包括的又はオープンエンドであり、追加の無記載の要素又は方法のステップを除外しない。
本明細書に使用される際の単語「約」とは、当業者が認識するように、値の許容可能な標準誤差内の範囲、例えば±0.05、±0.1、±0.2、±0.3、±1、±2、又は±3などを指す。
本明細書に使用される際の用語「固体形態」は、式(I)の化合物の全ての固体形態、例えば結晶形態又は非晶質形態などを含む。
本明細書に使用される際の用語「非晶質の」とは、3次元での秩序を欠いている任意の固体物質を指す。例によっては、非晶質の固体は、公知の手法によって特徴付けられることがあり、そのような手法としては、XRPD結晶法、固体状態核磁気共鳴(ssNMR)分光法、DSC、又はこれらの手法のいくつかの組合せが挙げられる。下記に説明されるように、非晶質の固体は、典型的には1つ又は2つの広いピーク(すなわち、2θ約5°以上のベース幅を有するピーク)から構成される、拡散したXRPDパターンを与える。
本明細書に使用される際の用語「結晶形態」又は「結晶」とは、3次元秩序を示す任意の固体物質を指し、この固体物質は、非晶質の固体物質とは対照的に、鮮明に画定されるピークを伴う特有のXRPDパターンを与える。
本明細書に使用される際の用語「X線粉末回折パターン(XRPDパターン)」とは、実験的に観察されたディフラクトグラム又はディフラクトグラムから得られたパラメーターを指す。XRPDパターンは、通常はピーク位置(横座標)及びピーク強度(縦座標)によって特徴付けられる。本発明のXRPDパターンは、好ましくはPANalytacal Empyrean及びX’Pert3 X線粉末回折計にて採集され、透過モードは、好ましくはPANalytacal Empyrean X線粉末回折計にて採集される。
本明細書に使用される際の用語「2θ」とは、X線回折実験の実験設定に基づく度単位のピーク位置を指し、回折パターンの一般的な横座標の単位である。その実験設定では、入射ビームがいくらかの格子面と共に角度シータ(θ)を形成する際に反射が回折する場合に、反射されたビームが角度2シータ(2θ)に記録されることが必要とされる。特定の固体形態についての特定の2θ値への本明細書における言及は、本明細書に記載されているようなX線回折の実験条件を用いて測定された際の(度単位の)2θ値を意味することを意図されていることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されているように、Cu−Kα(Kα1(Å):1.540598及びKα2(Å):1.544426Å)が放射線源として使用された。
本明細書に使用される際の用語「示差走査熱量測定(DSC)グラフ」とは、示差走査熱量計にて記録される曲線を指す。本願のDSCグラフは、好ましくはTAQ200/2000示差走査熱量計にて採集される。
本明細書に使用される際に、X線回折ピーク位置を参照した用語「本質的に同じ」とは、典型的なピーク位置及び強度の変動が考慮されていることを意味する。例えば、ピーク位置(2θ)がいくらかの変動を、回折の測定に使用されている装置と同様に典型的には0.1〜0.2度もの程度で示すものとなることを、当業者は認識することになる。さらに、相対ピーク強度が、装置間の変動だけでなく結晶化の程度、好ましい配向、調製された試料の表面、及び当業者に公知の他の要因に起因する変動をも示すものとなること、並びに定性的な測定としてのみ取られるべきであることを、当業者は認識することになる。同様に、本明細書に使用される際に、DSCグラフを参照した「本質的に同じ」とは、これらの当業者に公知の解析手法に関連する変動をも包含することを意図されている。例えば、示差走査熱量測定グラフは、典型的には、明確に画定されたピークについて最大±0.2℃の変動を、広い線についてはさらに大きく(例えば最大±1℃)有するものとなる。
本願における液体の核磁気共鳴スペクトルは、別段に述べない限り、DMSO−d6を溶媒として用いて、好ましくはBruker 400M核磁気共鳴分光計にて採集される。
本願における偏光顕微鏡法データは、好ましくは室温でAxio Lab.A1正立顕微鏡にて採集される。
本明細書に使用される際の用語「炭化水素」とは、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する炭化水素を意味し、そのような炭化水素としては、アルカン、ハロゲン化アルカン、アルケン、アルキン、及び芳香族炭化水素が挙げられ、具体的には、以下に限定されないが、ジクロロメタン、トリクロロメタン(クロロホルム)、n−ヘキサン、n−ヘプタン、及びトルエンが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「アルコール」とは、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルコールを意味し、そのようなアルコールとしては、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール(n−プロパノール)、2−プロパノール(イソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、及びtert−ブタノールが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「エーテル」とは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するエーテルを意味し、そのようなエーテルとしては、鎖状エーテル及び環状エーテル(例えば、フラン(テトラヒドロフランを含む)及びジオキサン)が挙げられ、具体的には、以下に限定されないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール、及びジメトキシエタンが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「ニトリル」とは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するニトリルを意味し、そのようなニトリルとしては、以下に限定されないが、アセトニトリル及びプロピオニトリルが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「ケトン溶媒」とは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するケトンを意味し、そのようなケトン溶媒としては、以下に限定されないが、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びジエチルケトンが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「エステル」とは、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有するエステルを意味し、そのようなエステルとしては、以下に限定されないが、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、イソプロピオン酸エチル、炭酸ジメチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「有機酸」とは、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有する有機酸を意味し、そのような有機酸としては、以下に限定されないが、ギ酸及び酢酸が挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「スルホン」とは、好ましくは、2〜10個の炭素原子を有するスルホン又はスルホキシドを意味し、そのようなスルホン又はスルホキシドとしては、以下に限定されないが、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「アミド」とは、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアミドを意味し、そのようなアミドとしては、以下に限定されないが、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「含窒素複素環」とは、好ましくは、3〜10個の炭素原子及び少なくとも1つの窒素原子を有する含窒素複素環を意味し、そのような含窒素複素環としては、以下に限定されないが、N−メチルピロリドンが挙げられる。
本明細書に使用される際の数値範囲(例えば「1〜10」)及びその部分範囲(例えば「2〜10」、「2〜6」、「3〜10」)などは、数値範囲内の任意の点(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)を包含する。
調製された塩又はその結晶形態は、デカンテーション、遠心分離、蒸発、重力濾過、吸引濾過、又は加圧下若しくは減圧下で固体を回収するための任意の他の手法を含めた方法によって回収されることがある。回収された固体は、任意選択で乾燥されることがある。本発明における「乾燥」は、残存溶媒の含有量が医薬品規制調和国際会議(the International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(「ICH」)ガイドラインに示されている制限内に低下するまで、減圧下で(好ましくは真空中で)実施される。残存溶媒の含有量は、溶媒のタイプに依存するが、約5000ppm、又は好ましくは約4000ppm、又はさらに好ましくは約3000ppmを超えない。乾燥は、トレイ乾燥器、真空オーブン、エアオーブン、円錐型真空乾燥器、回転式真空乾燥器、流動床乾燥器、スピンフラッシュ乾燥器、フラッシュ乾燥器などにて実施されることがある。乾燥は、約100℃未満、約80℃未満、約60℃未満、約50℃未満、約30℃未満の温度で、又は任意の他の適した温度で、大気圧で又は減圧下で(好ましくは真空で)、塩が質的に分解されない限り、所望の結果が達成されるまでの任意の所望の期間(例えば約1、2、3、5、10、15、20、24時間若しくは一晩)、実施されることがある。乾燥は、所望の製品の質が達成されるまでの任意の所望の回数、実施することができる。乾燥製品は、任意選択でサイズ低減処置に供して、所望の粒子サイズを得ることができる。摩砕又は微小化は、乾燥前に又は製品の乾燥の完了後に実施されることがある。粒子サイズの低減に使用されることがある手法としては、限定はなく、ボール、ローラー、及びハンマー摩砕、並びにジェット摩砕が挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「無水の結晶形態」とは、好ましくは、構造的要素として含まれている水分子のない結晶形態を意味する。
医薬組成物及びその使用
別の実施形態では、本発明は、本発明の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はFのうちのいずれか1つ又は複数と、1つ又は複数の医薬的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。
別の実施形態では、本発明は、異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の予防又は治療のための医薬品の製造における、本発明の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はFの使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の予防又は治療での使用のための、本発明の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はFを提供する。
別の実施形態では、本発明は、異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の予防又は治療のための方法を提供し、この方法は、本方法を必要とする対象、好ましくは哺乳動物に、予防的又は治療的に有効な量の本発明の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はFのうちのいずれか1つ又は複数を投与するステップを含む。
好ましい実施形態では、異常細胞増殖性疾患としては、腫瘍及び/又はがん、並びに食道、胃、腸、直腸、口、咽喉、喉頭、肺、結腸、乳房、子宮、子宮内膜、卵巣、前立腺、精巣、膀胱、腎臓、肝臓、膵臓、骨、結合組織、皮膚、眼、脳、及び中枢神経系の関連の障害、並びに甲状腺がん、白血病、ホジキン疾患、リンパ腫及び骨髄腫が挙げられる。
本明細書に使用される際に、本発明の用語「医薬的に許容可能な担体」とは、希釈剤、補助材、賦形剤、又は治療薬を投与するのに用いる媒体を指し、健全な医療的判断の範疇で、理に適ったベネフィット/リスク比に相応して、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を生じることなくヒト及び動物の組織との接触に適している。
本発明の医薬組成物に採用することのできる医薬的に許容可能な担体としては、以下に限定されないが、滅菌された液体、例えば水及び油などが挙げられ、油としては、石油、動物、植物、又は合成由来の油、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などが挙げられる。水は、医薬組成物が静脈内に投与される際の例示的な担体である。また、生理食塩水並びに水性のデキストロース及びグリセロール溶液も、液体担体として、特に注射溶液に採用することができる。適した医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マルトース、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。組成物は、所望に応じて、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含有することができる。経口製剤は、標準的な担体、例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。適した医薬担体の例は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(1990)に記載されている。
本発明の組成物は、全身で及び/又は局所的に作用することができる。この目的のために、組成物は、適切な経路を通じて、例えば注射、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、若しくは経皮などの投与を通じて投与するか、又は経口、バッカル、鼻、経粘膜、局所を介して、眼科製剤として、若しくは吸入を介して投与することができる。
これらの投与経路に用いるために、適切な剤形で、本発明の組成物を投与することができる。
剤形は、固体、準固体、液体、又は気体の製剤であることがあり、具体的にそのような製剤としては、以下に限定されないが、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、ハードキャンディー、粉末、スプレー、クリーム、膏薬、坐剤、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射溶液、懸濁液、エリキシル、及びシロップが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、当技術分野に周知の任意のプロセスによって、例えば、混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、凍結乾燥などによって、製造されることがある。
本明細書に使用される際に、用語「治療的に有効な量」とは、治療されている障害の症状のうちの1つ又は複数をある程度軽減することになる、投与されている化合物の量を指す。
投薬量レジメンは、最適な所望の応答をもたらすように調整されることがある。例えば、単一のボーラスが投与されることもあれば、いくつかの分割用量が時間をかけて投与されることもあれば、治療状況の緊急性によって示されるように用量が比例的に低減又は増加されることもある。投薬量の値は、緩和されることになる状態のタイプ及び重症度と共に変わることがあり、単回用量又は複数回用量を含むことがあることに留意されたい。いかなる特定の対象のためにも、具体的な投薬レジメンが、個々の要望、及び組成物を投与するか若しくは組成物の投与を監督する人物の専門的な判断に従って、時間をかけて調整されるべきであることをさらに理解されたい。
投与される本発明の化合物の量は、治療されている対象、障害又は状態の重症度、投与の速度、化合物の処理、及び処方する医師の裁量に依存するものとなる。概して、有効な投薬量は、単回用量又は分割用量で、1日当たり体重kg当たり約0.0001〜約50mgの範囲内、例えば約0.01〜約10mg/kg/日である。70kgのヒトには、この有効量は、約0.007mg〜約3500mg/日、例えば約0.7mg〜約700mg/日という量にもなることになる。場合によっては、前述の範囲の下限を下回る投薬量レベルが、単に妥当であるにとどまらないこともあれば、他の場合では、何ら有害な副作用を引き起こすことなく、いっそう多くの用量が採用されることもある。但し後者は、そのようなさらに多くの用量が、一日を通じた投与のために、最初にいくつかの少用量に分割されるならばの話である。
医薬組成物中の本発明の化合物の含有量又は投薬量は、約0.01mg〜約1000mgであり、適切には0.1〜500mgであり、好ましくは0.5〜300mgであり、さらに好ましくは1〜150mgであり、特に好ましくは1〜50mgであり、例えば1.5mg、2mg、4mg、10mg、及び25mgなどである。
別段に標示のない限り、用語「治療する」又は「治療」とは、本明細書に使用される際には、そのような用語が適用される障害、状態、若しくは疾患、又はそのような障害、状態、若しくは疾患のうちの1つ若しくは複数の症状を逆転、緩和、進行阻害、又は予防することを意味する。
本明細書に使用される際に、用語「対象」は、ヒト又は非ヒト動物を含む。例示的なヒト対象としては、疾患(本明細書に記載されるものなど)を有するヒト対象(患者と称する)、又は正常な対象が挙げられる。本明細書に使用される際の用語「非ヒト動物」は、全ての脊椎動物、例えば非哺乳動物(例えば鳥類、両生類、爬虫類)など、及び哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、家畜及び/又は家畜化動物(例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなど)を含む。
本発明は、実施例を参照して、下記にさらに詳細に説明されており、実施例は、本発明の技術的な解決策を説明するために使用されているに過ぎず、本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、当業者は、本質的ではないいくつかの改善及び調整を行うことがあるが、そのような改善及び調整はやはり、本発明の範囲内にある。
実施例1
式(I)の化合物((S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3S,4S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート)の調製

(式I)
(1)1−((2R,3S,4S,5R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロチオフェン−2−イル)シトシン(化合物A)の調製
(a)SOCl、イミダゾール、DCM;(b)KF、2−メトキシルエタノール、還流;(c)2M HCl、THF;(d)BzCl、ピリジン、DCM;(e)MsCl、ピリジン;(f)NaOMe、MeOH;(g)チオ尿素、MeOH、還流;(h)AcOK、AcO、AcOH、還流;(i)90%TFA;(j)NaIO、MeOH、HO;(k)HCl、MeOH、還流;(l)BzCl、ピリジン;(m)HSO、AcO、AcOH;(n)HBr、AcOH、DCM;(o)シリル化N−アセチルシトシン、80℃;(p)NH水溶液、MeOH、HPLC分離。
本願の実施例に採用された化合物Aを、文献(J.Org.Chem.1999年、64巻、7912〜7920頁)の方法によって調製した。
(2)(S)−イソプロピル2−(((S)−(ペンタフルオロフェノキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエート(化合物B)
標題化合物を、文献(J.Org.Chem.2011年、76巻、8311〜8319頁)の方法によって調製し、特徴付けデータは文献に記載されている通りであった。
(3)式(I)の化合物の調製
化合物A(1mmol)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、空気を3回にわたってアルゴンに置き換えた。塩化tert−ブチルマグネシウム(1.0mol/L、1.2mmol)を−10℃で滴下添加した。反応混合物を2時間攪拌し、室温に温めた後に0.5時間反応した。化合物B(1.2mmol)の無水THF溶液(10mL)を滴下添加した。反応を30℃で15時間実施し、次いで、メタノール(10mL)の滴下添加によってクエンチし、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して式Iの化合物を与えた。
ESI−MS:531.1(M+1)
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ7.86(d,J=3.4Hz,1H)、7.38(t,J=7.6Hz,2H)、7.31〜7.17(m,5H)、6.56(dd,J=4Hz,14Hz,1H)、6.09〜6.03(m,2H)、5.77(d,J=7.6Hz,1H)、5.03〜4.87(m,2H)、4.36〜4.32(m,2H)、4.14〜4.12(m,1H)、3.80〜3.78(m,1H)、1.23(d,J=6.4Hz,3H)、1.17(d,J=5.2Hz,6H)
31P−NMR(CDOD,162MHz):δ3.29
調製された式(I)の化合物の単結晶を培養し、X線単結晶回折に供したところ、結果は、調製された化合物が(S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3S,4S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートであることを示した。
(S)−イソプロピル2−(((S)−(((2R,3S,4S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートを追加的に特徴付けたが、特徴付けデータは以下の通りである。
31P−NMR(CDOD,162MHz):δ3.57
実施例2:室温懸濁液攪拌法
15.5mgの式(I)の化合物を秤量して1.5mLガラスバイアルに添加し、0.3mLのアセトニトリルを添加して、結果として得られた懸濁液を20℃で約2日間、磁気攪拌(500rpm)した後、遠心分離して結晶形態Aを得た。
得られた結晶形態AをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図1に示し、関連データを下記の表に示す。
得られた結晶形態AをDSC分析に供して、結果として得られたグラフを図2に示す。この分析によれば、試料は、鋭い吸熱ピークを155.67℃(開始温度)に有した。
実施例3:気体−固体浸透法
約15mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、約4mLの酢酸エチルを別の20mLバイアルに添加した。3mL開蓋バイアルを20mLバイアルの中に置き、次いで20mLバイアルを密封した。バイアルを室温で6日間放置した後、固体を採集した。得られた結晶形態のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例2のものと実質的に同じであり、結晶形態Aが得られたことを示している。
実施例4:室温懸濁液攪拌法
約15mgの式(I)の化合物を秤量して1.5mLガラスバイアルに添加し、0.2mLのジクロロメタンを添加して、結果として得られた懸濁液を室温で約4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、遠心分離して固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例2のものと実質的に同じであり、結晶形態Aが得られたことを示している。
実施例5:高温懸濁液攪拌法
約15mgの式(I)の化合物を秤量して1.5mLガラスバイアルに添加し、0.3mLの水を添加し、結果として得られた懸濁液を50℃で約4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、遠心分離して固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例2のものと実質的に同じであり、結晶形態Aが得られたことを示している。
実施例6:気体−液体浸透法
下記の表に示された通りの量の式(I)の化合物を秤量して、下記の表に示された通りの体積の溶媒に溶解し、上清を濾過によって得て、3mLバイアルに移した。約4.0mLの貧溶媒を別の20mLバイアルに添加し、上清を含有する3mL開蓋バイアルを20mLバイアル中に置いた。20mLバイアルを密封して、室温で放置した。固体沈殿が観察された際に、単離を実施して結晶形態Bを得た。
得られた結晶形態BをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図3に示し、関連データを下記の表に示す。
得られた結晶形態BをDSC分析に供して、結果として得られたグラフを図4に示す。この分析によれば、試料は、鋭い吸熱ピークを125.3℃(開始温度)に有した。
実施例7:徐冷法
19.8mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、0.5mLのイソプロパノールを添加し、溶液を50℃で約1時間攪拌した。次いで、上清を濾過によって得て、生物インキュベーターに置いた(インキュベーターを0.1℃/分の速度で50℃から5℃へと冷却し、次いで、5℃の一定温度で保った)。その際に、沈殿した固体はなかった。上清中の溶媒を室温で徐々に揮発させて固体を沈殿させ、得られた固体を単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例8:室温緩徐揮発法
約15.0mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、1.5mLのアセトンを添加して清澄な溶液を形成した(又は濾過後に清澄な溶液を得た)。清澄な溶液を含有するバイアルを、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムで密封し、次いで、緩徐揮発のために放置した。結果として得られた固体を採集した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例9:室温懸濁液攪拌法
15.5mgの式(I)の化合物を秤量して1.5〜3.0mLガラスバイアルに添加し、0.2mLのイソプロパノールを添加して、結果として得られた懸濁液を室温で約3〜4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、遠心分離に供して固体を単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例10:室温懸濁液攪拌法
235.8mgの式(I)の化合物を秤量して1.5〜3.0mLガラスバイアルに添加し、1.0mLのイソプロパノール/n−ヘプタン(体積比2:1)の混合溶媒を添加して懸濁液を得た。結果として得られた懸濁液を室温で約3〜4日間、磁気攪拌(500rpm)し、遠心分離に供して固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例11:高温懸濁液攪拌法
15.5mgの式(I)の化合物を秤量して1.5mLガラスバイアルに添加し、0.3mLの炭酸ジメチルを添加し、結果として得られた懸濁液を50℃で約4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、遠心分離に供して固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例12:貧溶媒添加法
下記の表に示された通りの量の式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、下記の表に示された相当量の良溶媒に溶解し、20mLバイアルに濾過した。下記の表に示された相当する貧溶媒を、清澄な溶液に、攪拌下、固体が沈殿するまで滴下添加した。約10.0mLの貧溶媒を添加した後に沈殿した固体がなかった場合には、清澄な溶液を5℃で一晩攪拌した。それでもなお沈殿した固体がなかった場合には、清澄な溶液を室温で放置し、徐々に揮発させた。沈殿した固体を遠心分離によって単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例13:高重合体誘導性晶析法
15.0mgの式(I)の化合物を秤量し、1.5mLのアセトンを含有するバイアルに添加して、清澄な溶液を得た。次いで、1.8mgの混合高重合体(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロースを等しい重量で混合した)をバイアルに添加し、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムでバイアルを密封した。バイアルを室温で揮発させて、単離にて固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例14:高重合体誘導性晶析法
15.0mgの式(I)の化合物を秤量し、1.5mLのアセトンを含有するバイアルに添加して、清澄な溶液を得た。次いで、2.1mgの混合高重合体(ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、アルギン酸ナトリウム、及びヒドロキシエチルセルロースを等しい重量で混合した)をバイアルに添加し、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムでバイアルを密封した。バイアルを室温で揮発させて、単離にて固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例6のものと実質的に同じであり、結晶形態Bが得られたことを示している。
実施例15:貧溶媒添加法
20mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、0.5mLのメタノールに溶解した。清澄な溶液を20mLバイアルに濾過したところへ、攪拌しながらシクロペンチルメチルエーテル(貧溶媒)を滴下添加した。添加された貧溶媒の終体積は10.0mLであり、清澄な溶液を室温で2時間攪拌した後、固体を沈殿させて、遠心分離して結晶形態Cを得た。
得られた結晶形態CをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図5に示し、関連データを下記の表に示す。
実施例16:室温緩徐揮発法
14.8mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、1.5mLのクロロホルム/酢酸エチル(体積比3:1)の混合溶媒を添加して、清澄な溶液を調製した(又は濾過後に清澄な溶液を得た)。清澄な溶液を含有するバイアルを、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムで密封した。バイアルを室温で徐々に揮発させた。結晶形態Dを採集した。
得られた結晶形態DをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図6に示し、関連データを下記の表に示す。
得られた結晶形態DをDSC分析に供して、結果として得られたグラフを図7に示す。この分析によれば、試料は、鋭い吸熱ピークを144.2℃(開始温度)に有した。
実施例17:室温懸濁液攪拌法
235.8mgの式(I)の化合物を秤量して3mLガラスバイアルに添加したところへ、1.0mLの2−メチルテトラヒドロフランを添加して、懸濁液を得た。結果として得られた懸濁液を、室温で約3日間、磁気攪拌(500rpm)した後、固体を遠心分離によって単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例16のものと実質的に同じであり、結晶形態Dが得られたことを示している。
実施例18:貧溶媒添加法
14.9mgの式(I)の化合物を秤量し、1.0mLのアセトンに溶解して清澄な溶液を得て、0.3mLの2−メチルテトラヒドロフランを添加して、懸濁液を得た。結果として得られた懸濁液を、50℃で約4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、固体を遠心分離によって単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例16のものと実質的に同じであり、結晶形態Dが得られたことを示している。
実施例19:貧溶媒添加法
15.6mgの式(I)の化合物を秤量して1.0mLのアセトンに溶解し、清澄な溶液を得た。0.3mLのアニソールを添加して、懸濁液を得て、結果として得られた懸濁液を、80℃で約4日間、磁気攪拌(500rpm)した後、固体を遠心分離によって単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例16のものと実質的に同じであり、結晶形態Dが得られたことを示している。
実施例20:高温懸濁液攪拌法
19.1mgの式(I)の化合物を秤量して1.5mLガラスバイアルに添加し、次いで、1.0mLのテトラヒドロフラン(事前に結晶形態Aの試料を用いて飽和させた)を添加して、懸濁液を得た。結果として得られた懸濁液を、50℃で約1日、磁気攪拌(500rpm)した後、結晶形態Eを遠心分離によって単離した。
得られた結晶形態EをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図8に示し、関連データを下記の表に示す。
得られた結晶形態EをDSC分析に供して、結果として得られたグラフを図9に示す。この分析によれば、試料は、鋭い吸熱ピークを96.6℃(開始温度)に有した。
実施例21:室温緩徐揮発法
65.3mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、2.0mLのテトラヒドロフランを添加して、清澄な溶液を調製した(又は濾過後に清澄な溶液を得た)。清澄な溶液を含有するバイアルを、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムで密封した。バイアルを室温で徐々に揮発させた。結果として得られた固体は、結晶形態Fであった。
得られた結晶形態FをXRPD分析に供して、結果として得られたXRPDパターンを図10に示し、関連データを下記の表に示す。
得られた結晶形態FをDSC分析に供して、結果として得られたグラフを図11に示す。この分析によれば、試料は、鋭い吸熱ピークを121.9℃(開始温度)に有した。
実施例22:徐冷法
20.1mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、1.0mLのテトラヒドロフランを添加し、50℃で約0.5時間攪拌した後、上清を濾過によって採集した。結果として得られた上清を生物インキュベーターに置き(インキュベーターを0.1℃/分の速度で50℃から5℃へと冷却し、次いで、5℃の一定温度で保った)、固体を単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例21のものと実質的に同じであり、結晶形態Fが得られたことを示している。
実施例23:気体−固体浸透法
14.8mgの式(I)の化合物を秤量して3mLバイアルに添加し、約4.0mLのテトラヒドロフランを別の20mLバイアルに添加した。式(I)の化合物を含有する3mL開蓋バイアルを20mLバイアルの中に置き、次いで20mLバイアルを密封した。バイアルを室温で6日間放置した後、固体を単離した。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例21のものと実質的に同じであり、結晶形態Fが得られたことを示している。
実施例24:高重合体誘導性法
15.1mgの式(I)の化合物を秤量して、1.5mLのアセトニトリル/テトラヒドロフラン(体積比1:5)の混合溶媒を含有するバイアルに添加して、清澄な溶液を得た。約2mgの混合高重合体(ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、アルギン酸ナトリウム、及びヒドロキシエチルセルロースを等しい重量で混合した)をバイアルに添加し、5〜6個の小さな孔を穿ったパラフィルムでバイアルを密封した。バイアルを室温で揮発させて、単離にて固体を得た。得られた固体のXRPDパターン及びDSCグラフは、実施例21のものと実質的に同じであり、結晶形態Fが得られたことを示している。
実験例
実験例1 平衡溶解性試験
約2.0〜5.0mgの式(I)の化合物の結晶形態A、結晶形態B、及び結晶形態Dのそれぞれを秤量して、3mLバイアルに添加し、1.0mLの脱イオン水を添加した。結果として得られた懸濁液を、次いで、回転式インキュベーター(回転スピードを25rpmとした)に置き、生化学インキュベーターにて25℃で24時間、平衡化した後、0.8mLの懸濁液を採取した。懸濁液を遠心分離し(6000rpm、15分)、上清をHPLCにより溶解性について検出に供し、固体のXRPDパターンを検出した。
試験の結果では、式(I)の化合物の結晶形態A及び結晶形態Bの、25℃で24時間後の水への溶解性が、それぞれ約1.0mg/mL及び1.8mg/mLであること、つまり溶解性が良好であることが示された。一方で、水に24時間分散された後に、結晶形態A及び結晶形態Bは結晶転移を経ず、結晶形態Dは結晶転移を経た。
実験例2 固体状態の安定性
適切な量の式(I)の化合物の結晶形態Aを被験試料として秤量し、開蓋された容器に40℃/75%RH(RHは相対湿度を意味する)の条件下で8日間放置した。処理後の被験試料のXRPDパターンを検出に供し、純度をHPLCによって測定した。
試験の結果では、結晶形態Aが、開蓋された容器に40℃/75%RHの条件下で8日間放置された後に、結晶転移を経ず、試料の相対純度が99.9%であったことが示された。このように、式(I)の化合物の結晶形態Aは、40℃/75%RHで良好な固体安定性を有する。
実験例3 光実験
式(I)の化合物の結晶形態Aを、光強度4500lx、25℃、及びRH25%の条件下に30日間置き、試料を0日目、5日目、11日目、及び30日目でそれぞれ採取し、試料の特性の変化を観察した。比旋光度を旋光計で測定し、乾燥による損失を測定し、総不純物含有量をHPLCによって測定した。
試験の結果では、光強度4500lx、25℃、及びRH25%の条件下で30日間置かれた後、結晶形態Aは、依然として外観に変化を生じることなく白色粉末であったこと、そして0日目から30日目までの期間の間、比旋光度のバリエーションが3°を超えなかったことが示された。乾燥による損失を異なる時点で測定したところ、乾燥による損失の%は1.0%以下であり、異なる時点でHPLCによって検出された総不純物含有量は、実質的に変化のないままであった。
式(I)の化合物の結晶形態Aは、良好な光安定性を有し、保管及び輸送の間、結晶形態Aの信頼性を保証することができ、ゆえに薬剤の安全性を確保することが分かる。さらに、結晶形態Aは、光の影響を予防するための特別なパッケージ処理を必要とせず、よってコストを低減する。結晶形態Aは、光の影響によって分解せず、よって薬剤の安全性及び長期保管時の有効性を向上する。結晶形態Aを摂取する患者は、太陽光への曝露に起因する感光性反応を起こすことはない。
実験例4 高温実験
式(I)の化合物の結晶形態Aを高温60℃で30日間放置し、試料を0日目、5日目、10日目、及び30日目にそれぞれ採取して、試料の特性の変化を観察した。比旋光度を旋光計で測定し、乾燥による損失を測定し、総不純物含有量をHPLCによって測定した。
試験の結果では、高温60℃で30日間放置された後、結晶形態Aは、依然として外観に変化を生じることなく白色粉末であったこと、そして0日目から30日目までの期間の間、比旋光度のバリエーションが2°を超えなかったことが示された。乾燥による損失を異なる時点で測定したところ、乾燥による損失の%は1.07%以下であり、異なる時点でHPLCによって検出された総不純物含有量は、実質的に変化のないままであった。
このように、式(I)の化合物の結晶形態Aは、良好な高温耐性(熱安定性)を有する。
実験例5 高湿度実験
式(I)の化合物の結晶形態Aを、25℃及びRH75%の高湿度条件下に30日間置き、試料を0日目、5日目、10日目、及び30日目にそれぞれ採取して、試料の特性の変化を観察した。比旋光度を旋光計で測定し、乾燥による損失を測定し、総不純物含有量をHPLCによって測定した。
試験の結果では、25℃及びRH75%の高湿度条件下に30日間置かれた後、結晶形態Aは、依然として外観に変化を生じることなく白色粉末であったこと、そして0日目から30日目までの期間の間、比旋光度のバリエーションが1°を超えなかったことが示された。乾燥による損失を異なる時点で測定したところ、乾燥による損失の%は1.0%以下であり、異なる時点でHPLCによって検出された総不純物含有量は、実質的に変化のないままであった。
このように、式(I)の化合物の結晶形態Aは、良好な高湿度耐性(すなわち、高湿度条件下での高い安定性)と低い吸湿性とを有する。
本発明の結晶形態B〜Fもまた、良好な高温耐性、高湿度耐性、及び/又は光耐性特性を有する。
実験例6 安定性の関係
等しい重量の結晶形態A、B、及びDのそれぞれ(各8mg)を秤量し、結晶形態Aの試料を用いて室温で予め飽和されたHO溶液(0.3mL)にそれぞれ添加して、結果として得られた懸濁液を室温で約4日間スラリー化した後、固体を単離した。湿潤試料及び乾燥試料をそれぞれXRPDパターン検出に供した。結果では、結晶形態B及びDの両方が、室温で結晶形態Aに変換されることが示された。このことは、結晶形態Aが室温でよりいっそう安定であることを示していた。
実験例7 マウスにおける薬物動態実験
式(I)の化合物の結晶形態Aを、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)中懸濁液として調合し、ICRマウスに単回の胃管栄養により投与して、薬物動態の特徴を検討した。単回の胃管栄養の用量は、それぞれ2mg/kg、4mg/kg、及び8mg/kgとした。結晶形態Aは、体内に入ると、速やかに薬理活性代謝物Iとして代謝された。
活性代謝物Iの構造:
薬物動態パラメーターを、血漿の代謝物Iの濃度−時間曲線に従ってそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
表1から分かるように、単回の胃管栄養によって用量2mg/kgでマウスに投与した後の代謝物Iの最高血漿濃度(Cmax)は、211ng/mLであり、曝露量(AUC0−∞)は、239ng・時間/mLであった。用量4mg/kgでは、Cmaxは284ng/mLであり、AUC0−∞は332ng・時間/mLであった。そして、用量8mg/kgでは、Cmaxは633ng/mLであり、AUC0−∞は796ng・時間/mLであった。本発明の式(I)の化合物の結晶形態Aの活性代謝物は、優れた血液濃度及び曝露を有していたことが分かる。
実験例8 ビーグル犬における薬物動態実験
式(I)の化合物の結晶形態Aを、0.5%CMC−Na中懸濁液として調合し、ビーグル犬に単回の胃管栄養により投与した。単回の胃管栄養の用量は、それぞれ0.1mg/kg、0.2mg/kg、及び0.4mg/kgとした。結晶形態Aは、体内に入ると、速やかに薬理活性代謝物Iとして代謝されたため、薬物動態パラメーターを、血漿の代謝物Iの濃度−時間曲線に従ってそれぞれ算出した。結果を表2に示す。
表2から分かるように、単回の胃管栄養によって用量0.1mg/kgでビーグル犬に投与した後の代謝物Iの最高血漿濃度(Cmax)は、45.3ng/mLであり、曝露量(AUC0−∞)は、296ng・時間/mLであった。用量0.2mg/kgでは、Cmaxは81.6ng/mLであり、AUC0−∞は567ng・時間/mLであった。そして、用量0.4mg/kgでは、Cmaxは164ng/mLであり、AUC0−∞は1120ng・時間/mLであった。本発明の式(I)の化合物の結晶形態Aの活性代謝物は、優れた血液濃度及び曝露を有することが伺われる。
実験例9 マウスにおける薬剤排泄実験
放射性同位体を有する結晶形態A([14C]結晶形態A)を、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)中懸濁液として調合し、117μCi/4.08mg/kg[14C]の結晶形態Aの用量で、ICRマウスに単回の胃管栄養により投与した。結晶形態Aの吸収及び排泄の特徴を、尿及び糞便の放射活性の回収率を測定することによって調べた。
測定によれば、[14C]結晶形態Aをマウスに胃内投与した後の0〜120時間以内の尿の放射活性の回収率は、78.7%であった。このことは、経口投与によって血液に吸収された薬剤成分の比率が少なくとも78.7%であったこと、言い換えれば、胃内投与による結晶形態Aの絶対生物学的利用能が78.7%を超えることを示す。結晶形態Aは、良好な経口吸収を有し、経口製剤として調製されるのに適することが分かる。
14C]結晶形態Aをマウスに胃内投与した後の放射活性材の排泄は、主に投与後48時間以内に集中し、この期間内に尿及び糞便に排泄された放射活性物質は、投与された量の84.5%を占め、これらのことは、結晶形態Aの排泄が完全なものであり、薬剤の蓄積に起因する安全性のリスクが低いことを示している。
実験例10 医薬組成物の安定性
従来の補助材、例えば適正な量のセルロース粉末などを結晶形態Aに添加して、混合粉末を調製し、光(4500lx±500lx)、高温(60℃)、高湿度(92.5%)下でそれぞれ30日間保管した。混合粉末の総不純物含有量と30分以内の溶解速度のバリエーションとを測定し、結果を以下の表に示した。
結果では、結晶形態A及び従来の補助材を用いて調製された混合粉末が、光、高温(60℃)、及び高湿度(92.5%)の条件下でそれぞれ30日間保管された後に、総不純物含有量が、全て0.9%を下回って保たれ、溶解速度が、30分以内では93%超に維持されたことが示された。結晶形態Aが良好な安定性と溶解特性とを有する医薬組成物として調製されるのに適することが確認された。本発明の他の結晶形態もまた、良好な組成物安定性を有した。
実験例11 医薬組成物の粉末特性
結晶形態A及び微結晶セルロースを重量比1:3で混合し、次いで、混合粉末の安息角を固定漏斗法によって測定した。具体的には、漏斗をある高さ(H)に固定し、混合粉末を漏斗に置いて自然に流れ落ちるようにして、円錐の先端が漏斗の出口にちょうど到達するまで堆積させた。円錐形の底面の半径(r)を測定し、安息角を算出した。安息角=円弧タンジェント(H/r)。
結果では、混合粉末の安息角が36〜40度の範囲にあることが示され、結晶形態Aと従来の補助材とを混合することにより形成される粉末が、良好な流動性を有すること、生産において原材料と補助材料との混合粉末の流動性に関する要件を満たし得ること、及び医薬組成物の工業生産に適することが確認された。本発明の他の結晶形態もまた、良好な粉末特性を有した。
上記の具体的な実施形態は、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、上述の本発明の主題の範囲は、上記の実施例に限定されるものと解釈されるべきではなく、本発明の開示に基づき実行される技術的な解決策は、全て本発明の範囲内にある。

Claims (14)

  1. 式(I)の化合物の結晶形態Aであって、

    (式I)
    回折角(2θ)10.5±0.2°、13.5±0.2°、及び17.9±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)10.5±0.2°、13.5±0.2°、15.8±0.2°、17.9±0.2°、18.3±0.2°、及び21.3±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)10.5±0.2°、13.5±0.2°、15.8±0.2°、17.9±0.2°、18.3±0.2°、21.3±0.2°、22.3±0.2°、24.2±0.2°、及び26.8±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態A。
  2. 気体−固体浸透法、貧溶媒添加法、室温緩徐揮発法、室温懸濁液攪拌法、及び高温懸濁液攪拌法からなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物の結晶形態Aの調製のための方法。
  3. 式(I)の化合物の結晶形態Bであって、

    (式I)
    回折角(2θ)7.0±0.2°、14.0±0.2°、及び21.1±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)6.2±0.2°、7.0±0.2°、13.2±0.2°、14.0±0.2°、21.1±0.2°、及び26.2±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)6.2±0.2°、7.0±0.2°、9.3±0.2°、13.2±0.2°、14.0±0.2°、15.5±0.2°、18.7±0.2°、21.1±0.2°、及び26.2±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態B。
  4. 気体−液体浸透法、徐冷法、室温緩徐揮発法、室温懸濁液攪拌法、高温懸濁液攪拌法、貧溶媒添加法、及び高重合体誘導性晶析法からなる群から選択される、請求項3に記載の式(I)の化合物の結晶形態Bの調製のための方法。
  5. 式(I)の化合物の結晶形態Cであって、

    (式I)
    回折角(2θ)8.6±0.2°、17.2±0.2°、及び21.0±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)8.6±0.2°、10.1±0.2°、14.4±0.2°、17.2±0.2°、18.0±0.2°、及び21.0±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)8.6±0.2°、10.1±0.2°、14.4±0.2°、17.2±0.2°、18.0±0.2°、18.6±0.2°、21.0±0.2°、24.9±0.2°、及び26.0±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態C。
  6. 式(I)の化合物を良溶媒に溶解して清澄な溶液を形成するステップ、次いでそれに貧溶媒を添加するステップ、及び攪拌して結晶形態Cを沈殿させるステップ、又は前記溶媒を揮発させて結晶形態Cを沈殿させるステップを含む貧溶媒添加法である、請求項5に記載の式(I)の化合物の結晶形態Cの調製のための方法。
  7. 式(I)の化合物の結晶形態Dであって、

    (式I)
    回折角(2θ)10.2±0.2°、18.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)10.2±0.2°、15.4±0.2°、16.9±0.2°、18.2±0.2°、18.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)10.2±0.2°、14.3±0.2°、15.4±0.2°、16.9±0.2°、18.2±0.2°、18.8±0.2°、20.4±0.2°、25.0±0.2°、及び28.6±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態D。
  8. 貧溶媒添加法、室温緩徐揮発法、室温懸濁液攪拌法、及び高温懸濁液攪拌法からなる群から選択される、請求項7に記載の式(I)の化合物の結晶形態Dの調製のための方法。
  9. 式(I)の化合物の結晶形態Eであって、

    (式I)
    回折角(2θ)4.0±0.2°、6.8±0.2°、及び8.0±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)4.0±0.2°、6.8±0.2°、8.0±0.2°、11.6±0.2°、18.6±0.2°、及び19.8±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)4.0±0.2°、6.8±0.2°、8.0±0.2°、11.6±0.2°、18.6±0.2°、19.8±0.2°、23.8±0.2°、29.6±0.2°、及び33.9±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態E。
  10. 式(I)の化合物を溶媒に添加して懸濁液を得るステップ、前記懸濁液を加熱下で攪拌した後に単離して結晶形態Eを与えるステップを含む高温懸濁液攪拌法である、請求項9に記載の式(I)の化合物の結晶形態Eの調製のための方法。
  11. 式(I)の化合物の結晶形態Fであって、

    (式I)
    回折角(2θ)6.7±0.2°、13.5±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを、好ましくは回折角(2θ)5.8±0.2°、6.7±0.2°、13.5±0.2°、14.2±0.2°、17.8±0.2°、及び20.4±0.2°に特徴的なピークを、最も好ましくは回折角(2θ)5.8±0.2°、6.7±0.2°、9.4±0.2°、11.7±0.2°、13.5±0.2°、14.2±0.2°、17.8±0.2°、20.4±0.2°、及び27.3±0.2°に特徴的なピークを含むXRPDパターンを有する、結晶形態F。
  12. 室温緩徐揮発法、徐冷法、気体−固体浸透法、及び高重合体誘導性晶析法からなる群から選択される、請求項11に記載の式(I)の化合物の結晶形態Fの調製のための方法。
  13. 請求項1、3、5、7、9、及び11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はF、並びに1つ又は複数の医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
  14. 異常細胞増殖性疾患又はウイルス感染性疾患の予防又は治療のための医薬品の製造における請求項1、3、5、7、9、及び11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の結晶形態A、B、C、D、E、又はFの使用。
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