本発明に係る実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、第1光信号を伝達するように構成された第1導波路と、第2光信号を伝達するように構成された第2導波路と、実質的に平滑な外面とを含む。ハウジングは、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を含む。第1導波路は、(i)動物組織に進入する第1光信号を放出するように構成された放出器端面を有し、(ii)第1光信号を、放出器端面と約90°で交差する第1経路に沿って案内し、且つ(iii)部分的にハウジング内に配設される。第2光信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1光信号の部分を含む。第2導波路は、(i)動物組織から出る第2光信号を収集するように構成された検出器端面を有し、(ii)第2光信号を、検出器端面と約90°で交差する第2経路に沿って案内し、且つ(iii)部分的にハウジング内に配設される。前記外面は、表皮の上に重なるように構成されると共に、前記表面、放出器端面及び検出器端面を含む。放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から3.5ミリメートル以上の最小距離に配設され、且つ放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から4.5ミリメートル以下の最大距離に配設される。
本発明の他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、一群の放出用光ファイバと、一群の検出用光ファイバと、実質的に平滑な外面とを含む。ハウジングは、第1部分及び第2部分を含む。第1部分は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を有し、且つ第2部分は、第1部分と結合されて、内部体積をほぼ画成する。一群の放出用光ファイバは、前記内部体積内に少なくとも部分的に配設されると共に、第1の経皮的近赤外信号を伝達するように構成される。一群の検出用光ファイバは、前記内部体積内に少なくとも部分的に配設されると共に、第2の経皮的近赤外信号を伝達するように構成される。第2の経皮的近赤外信号は、表皮の下側に位置する血管周囲組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1の経皮的近赤外信号の部分を含む。前記外面は、表皮の上に重なるように構成されると共に、前記表面と、各放出用光ファイバの個々の端面の集合体と、各検出用光ファイバの個々の端面の集合体とを含む。前記放出器端面は表皮に進入する第1の経皮的近赤外信号を放出するように構成される。前記検出器端面は表皮から出た第2の経皮的近赤外信号を収集するように構成される。個々の放出器端面は、中心点の回りに集合され、且つ個々の検出器端面は、中心点に関してほぼ同心の第1円弧と第2円弧との間の帯状領域内に配設される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、第1光信号を伝達するように構成された第1導波路と、第2光信号を伝達するように構成された第2導波路とを含む。第2光信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1光信号の部分を含む。ハウジングは、第1部分及び第2部分を含む。第1部分は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を有し、且つ第2部分は、第1部分と結合されて、内部体積をほぼ画成する。第1導波路は、(i)表皮に向き合って、動物組織に進入する第1光信号を放出するように構成された放出器端面を有し、(ii)第1光信号を、放出器端面と約90°で交差する第1経路に沿って案内し、且つ(iii)少なくとも部分的に前記内部体積内に配設される。第2導波路は、(i)表皮に向き合って、動物組織から出る第2光信号を収集するように構成された検出器端面を有し、(ii)第2光信号を、検出器端面と約90°で交差する第2経路に沿って案内し、且つ(iii)少なくとも部分的に前記内部体積内に配設される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、放出器及び収集器を含む。放出器は、動物組織に進入する第1電磁放射線信号を放出するように構成された放出器端面を含む。収集器は、動物組織から出る第2電磁放射線信号を収集するように構成された検出器端面を含む。第2電磁放射線信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1電磁放射線信号の部分を含む。放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から3ミリメートル以上の最小距離に配設され、且つ放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から5ミリメートル以下の最大距離に配設される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。前記センサは、ハウジングと、第1光信号を伝達するように構成された第1導波路と、第2光信号を伝達するように構成された第2導波路とを含む。ハウジングは、第1部分及び第2部分を含む。第1部分は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を有し、且つ第2部分は、第1部分と結合されて、内部体積をほぼ画成する。第1導波路は、(i)動物組織に進入する第1光信号を放出するように構成された放出器端面を有し、(ii)第1光信号を、放出器端面と第1角度で交差する第1経路に沿って案内し、且つ(iii)少なくとも部分的に前記内部体積内に配設される。第2光信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1光信号の部分を含む。第2導波路は、(i)動物組織から出る第2光信号を収集するように構成された検出器端面を有し、(ii)第2光信号を、検出器端面と第2角度で交差する第2経路に沿って案内し、且つ(iii)部分的に前記内部体積内に配設される。第1角度と第2角度との間の差は、約15°〜約45°の範囲にある。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、該ハウジング内に少なくとも部分的に配設された一群の放出用光ファイバと、ハウジング内に少なくとも部分的に配設された一群の検出用光ファイバとを含む。ハウジングは、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を含む。一群の放出用光ファイバは、第1光信号を伝達するように構成される。各々の個々の放出用光ファイバは、放出コアと、該放出コアを囲繞する放出クラッドとを含む。放出コアは、動物組織に進入する第1光信号の少なくとも一部分を放出するように構成された放出端部を有する。一群の検出用光ファイバは、第2の経皮的近赤外信号を伝達するように構成される。第2の経皮的近赤外信号は、表皮の下側に位置する血管周囲組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1の経皮的近赤外信号の部分を含む。各々の個々の検出用光ファイバは、収集コアと、該収集コアを囲繞する収集クラッドとを含む。収集コアは、動物組織から出る第2光信号の少なくとも一部分を収集するように構成された収集端部を有する。前記放出器端面は中心点の回りに集合され、且つ前記収集端面は曲線に沿って連続的に配置される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、放出器及び収集器を含む。放出器は、動物組織に進入する第1電磁放射線信号を放出するように構成された放出器端面を含む。放出器は、第1角度にて放出器端面と交差する第1経路に沿って第1電磁放射線信号を案内する。収集器は、動物組織から出る第2電磁放射線信号を収集するように構成された検出器端面を含む。第2電磁放射線信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1電磁放射線信号の部分を含む。収集器は、第2角度にて検出器端面と交差する第2経路に沿って第2電磁放射線信号を案内する。第1及び第2角度は、動物組織内への約1ミリメートル〜約6ミリメートルの貫通深さで第1電磁放射線信号が第2電磁放射線信号へ移行するように構成される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、一群の放出用光ファイバと、一群の検出用光ファイバと、実質的に平滑な外面とを含む。ハウジングは、第1部分及び第2部分を含む。第1部分は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を有し、且つ第2部分は、第1部分と結合されて、内部体積をほぼ画成する。一群の放出用光ファイバは、前記内部体積内に少なくとも部分的に配設されると共に、第1の経皮的近赤外信号を伝達するように構成される。一群の検出用光ファイバは、前記内部体積内に少なくとも部分的に配設されると共に、第2の経皮的近赤外信号を伝達するように構成される。第2の経皮的近赤外信号は、表皮の下側に位置する血管周囲組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1の経皮的近赤外信号の部分を含む。前記外面は、表皮の上に重なるように構成されると共に、該外面は、前記表面と、各放出用光ファイバの個々の放出器端面の集合体と、各検出用光ファイバの個々の検出器端面の集合体とを含む。前記放出器端面は、表皮に進入する第1の経皮的近赤外信号を放出するように構成される。前記検出器端面は、表皮から出た第2の経皮的近赤外信号を収集するように構成される。前記放出器端面は第1帯状領域内に配設され、個々の検出器端面は第2帯状領域内に配設され、且つ第1帯状領域は第2帯状領域と概ね平行である。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを包含する。このセンサは、ハウジングと、第1光信号を伝達するように構成された第1導波路と、第2光信号を伝達するように構成された第2導波路とを含む。ハウジングは、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を含む。第1導波路は、少なくとも部分的にハウジング内に配設され、且つ該第1導波路は、動物組織に進入する第1光信号を放出するように構成された放出器端面を有する。第2光信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1光信号の部分を含む。第2導波路は、少なくとも部分的にハウジング内に配設され、且つ該第2導波路は、動物組織から出る第2光信号を収集するように構成された検出器端面を有する。検出器端面は第1の直線に沿う第1の狭幅帯状領域内に延在し、且つ放出器端面は前記直線に対して直交する所定距離だけ離間される。
本発明に係る他の実施例は、放出器及び収集器を含む経皮的電磁信号センサを包含する。放出器は、動物組織に進入する第1電磁放射線信号を放出するように構成された放出器端面を含む。収集器は、動物組織から出る第2電磁放射線信号を収集するように構成された検出器端面を含む。第2電磁放射線信号は、動物組織からの反射、散乱、及び方向変換の少なくとも一つが行われた第1電磁放射線信号の部分を含む。第2電磁放射線信号の大きさの変化は、動物組織における経時的な解剖学的変化に対応する。動物組織内への約1ミリメートル〜約6ミリメートルの貫通深さで第1電磁放射線信号が第2電磁放射線信号へ移行するように、放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から所定距離だけ離間される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサのためのハウジングを包含する。該ハウジングは、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面と、前記表面を貫通する一群の放出開孔と、前記表面を貫通する一群の検出開孔と、前記表面を含む第1ハウジング部分と、第1ハウジング部分と結合されて内部体積をほぼ画成する第2ハウジング部分と、を含む。各々の個々の検出開孔は、各々の個々の放出開孔から所定距離だけ離間される。一群の放出開孔及び一群の検出開孔は、前記内部体積へ通じている。前記表面を含む立体的構成は、第1ハウジング部分と表皮との間の相対運動を最小限度に抑えるように構成される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを製造する方法を包含する。該方法は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を貫通する放出開孔を通して放出用光ファイバを送り込む段階と、前記表面を貫通する検出開孔を通して検出用光ファイバを送り込む段階と、内部体積を画成するように第1ハウジング部分及び第2ハウジング部分を結合する段階と、放出用光ファイバの放出器端面を研磨し、且つ検出用光ファイバの検出器端面を研磨する段階と、を含む。第1ハウジング部分は、前記表面を含む。放出用光ファイバ及び検出用光ファイバは、前記内部体積を貫通して延在する。放出器端面及び検出器端面は前記表面と共にほぼ平滑である。放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から3ミリメートル以上の最小距離に配設され、且つ放出器端面の各々の個別点は検出器端面の各々の個別点から5ミリメートル以下の最大距離に配設される。
本発明に係る他の実施例は、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断を支援するセンサを製造する方法を包含する。該方法は、動物組織の表皮に向き合うように構成された表面を含む第1ハウジング部分を成形する段階と、第2ハウジング部分を成形する段階と、前記表面を貫通する放出開孔を通して放出用光ファイバを送り込む段階と、前記表面を貫通する検出開孔を通して検出用光ファイバを送り込む段階と、前記表面を備える第1ハウジング部分を、重力に対して概ね直交して支持する段階と、放出用光ファイバ及び検出用光ファイバを第1ハウジング部分に対して固定する段階と、内部体積を画成するように第1ハウジング部分及び第2ハウジング部分を結合する段階と、前記内部体積を閉塞する段階と、放出用光ファイバ及び検出用光ファイバを劈開する段階と、放出用光ファイバの放出器端面を研磨する段階と、検出用光ファイバの検出器端面を研磨する段階と、を含む。放出用光ファイバは、第1の近赤外信号を伝達するように構成され、且つ検出用光ファイバは、第2の近赤外信号を伝達するように構成される。放出用光ファイバ及び検出用光ファイバを固定する段階は、第1ハウジング部分を支持する段階とほぼ同時に実施される。放出用光ファイバ及び検出用光ファイバを劈開する段階は、概ね前記表面の近傍で行われる。放出器端面は第1の近赤外信号を表皮に対して放出するように構成され、検出器端面は表皮から第2の近赤外信号を収集するように構成され、且つ放出器端面及び検出器端面は前記表面と共にほぼ平滑である。
本発明に係る他の実施例は、センサを製造する方法を包含する。該方法は、第1センサ・ハウジング部分の表面を貫通する第1開孔を通して第1光ファイバを送り込む段階と、前記表面を貫通する第2開孔を通して第2光ファイバを送り込む段階と、第1及び第2光ファイバの夫々の外側部分及び内側部分を、前記表面に対してほぼ直交して延在するように配向する段階と、第1及び第2光ファイバの夫々の前記内側部分を第1ハウジング部分に対して固定する段階と、を含む。第1開孔は、第1光ファイバの外側部分と内側部分のほぼ境界を定め、且つ第2開孔は、第2光ファイバの外側部分と内側部分のほぼ境界を定める。
本明細書中に取入れられると共に本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の好適実施例を例証すると共に、上で与えられた概略的な説明及び以下に与えられる詳細な説明と協働して、本発明の特徴、原理及び方法を説明する役割を果たす。
図において、構成要素の厚み及び形状は、明瞭化のために誇張されることがある。異なる図における同一の参照番号は、同一の構成要素を表す。
以下の記述及び図は、例証的であって、限定的であると解釈されるべきでない。多くの具体的な細部が、本開示内容の完全な理解を実現するために記述される。但し、一部の事例では、記述を分かり難くすることを回避するために、公知の又は従来型の細部は記述されない。
本明細書における“一実施例”又は“実施例”への言及は、実施例に関して記述された特定の特徴、構造又は特性が、本開示内容に係る少なくとも一つの実施例に包含されることを意味する。本明細書における種々の箇所における“一実施例”又は“他の実施例”という表現の出現は、必ずしも全てが同一実施例を指してはおらず、また、相互に他の実施例を排除する別体的なもしくは代替的な実施例でもない。更に、幾つかの実施例により示され得るが他の実施例によっては示されない種々の特徴が記述される。同様に、幾つかの実施例には含まれ得るが他の実施例には含まれない種々の特徴が記述される。
本明細書において使用される語句は概ね、本開示内容の文脈において、及び語句が使用される特定の文脈において、当業界における通常の意味を有している。本明細書における幾つかの語句は、本開示内容の記述に関する更なる指針を提供すべく使用され得る。ひとつの特徴は、二つ以上のやり方で記述され得ることが理解されるだろう。
本明細書中で論じられる任意のひとつ以上の語句に対し、代替的な表現及び同義語が使用され得る。ひとつの語句が本明細書において作成もしくは考察されるか否かに関し、格別の意義は課されない。幾つかの語句に対しては、同義語が提供される。ひとつ以上の同義語の詳説は、他の同義語の使用を排除するものでない。本明細書中で論じられる任意の語句の例を含め、本明細書の任意の箇所での各例の使用は、例証的にすぎず、且つ本開示内容の、又は任意の例証語句の有効範囲及び意味をより限定することは意図されない。
図1は、好適には解剖学的センサを含む電磁放射線センサ100を示している。本明細書中で使用されるように、用語の“解剖学的”とは好適には、動物の身体の構造を指し、且つ“解剖学的センサ”とは好適には、経時的な動物の身体の構造の変化の検知に関している。比較すると、生理学的センサは、例えば、或る時点における脈拍、又は血液の化学的性質などの、動物の身体の機能又は作用の検知に関している。
電磁放射線センサ100は好適には、皮膚Sに結合される。好適には、電磁放射線センサ100は、皮膚Sの目標領域に重なる様に配置される。本明細書中で使用されるように、用語の“目標領域”とは好適には、患者の皮膚の部分であって、注入液が投与されている箇所にほぼ近接し、しばしばカニューレ挿入部位Nに近接する部分である。好適には、目標領域は血管周囲組織Pの上に重なる。一実施例によると、電磁放射線センサ100を皮膚Sに結合すべく、粘着力が好適に使用される。他の実施例によると、電磁放射線センサ100と皮膚Sとの間の相対移動を好適に最小限にする任意の適切な継手が使用され得る。
電磁放射線センサ100は好適には、例えば光信号などの、経皮的電磁放射線信号を放出及び収集する。好適には、電磁放射線センサ100は、電磁放射線102を放出し、且つ電磁放射線106を収集する。放出電磁放射線102は好適には、血管周囲組織Pの方に向かって皮膚Sの目標領域を貫通通過する。収集電磁放射線106は好適には、放出電磁放射線102の一部であって、皮膚Sの目標領域を貫通通過する前に、鏡面反射されたか、(例えば、弾性的又は非弾性的な散乱により)拡散的に反射されたか、(例えば、内因性又は外因性の要因に依り)蛍光化されたか、又は別の様態で方向変換されたかの少なくともどれかである。
電磁放射線センサ100は好適には、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106を伝達する導波路を含む。本明細書中で使用されるように、用語の“導波路”とは好適には、電磁放射線の伝搬をほぼ局限して所定経路に沿って導く管路、パイプ、ファイバ、又は他のデバイスを指している。好適には、放出導波路110は電磁放射線102を放出する放出器面112を含み、検出導波路120は電磁放射線106を収集する検出器面122を含む。一実施例によると、放出導波路110は好適には一群の放出用光ファイバ114を含み、また検出導波路120は好適には一群の検出用光ファイバ124を含む。個々の放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124は好適には、各々が端面を有する。好適には、放出用光ファイバ114の夫々の端面の集合体が放出器面112を形成し、検出用光ファイバ124の夫々の端面の集合体が検出器面122を形成する。
電磁放射線センサ100により放出された経皮的電磁放射線信号は好適には、動物の身体に対して有害でない。好適には、放出電磁放射線102の波長は、少なくとも400ナノメータよりも長い。故に、放出電磁放射線102の周波数は、約750テラヘルツ以下である。一実施例によると、放出電磁放射線102は、電磁スペクトルの可視放射線(光)又は赤外放射線の部分に在る。好適には、放出電磁放射線102は、電磁スペクトルの近赤外部分に在る。本明細書中で使用されるように、用語の“近赤外”とは好適には、約600ナノメータ〜約2,100ナノメータの波長を有する電磁放射線を指す。これらの波長は、約500テラヘルツ〜約145テラヘルツの周波数範囲に対応する。電磁スペクトルの近赤外部分における望ましい範囲は好適には、約800ナノメータ〜約1,050ナノメータの波長を含む。これらの波長は、約375テラヘルツ〜約285テラヘルツの周波数範囲に対応する。他の実施例によると、好適には放射線強度及び/又は信号継続時間が、組織損傷が最小限度に抑えられるようなものであるとき、電磁放射線センサ100は、例えば、紫外光、X線、又はガンマ線などの、電磁スペクトルの短波長部分における電磁放射線信号を発し得る。
放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は好適には、ひとつ以上の波長を共有する。一実施例によると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は好適には、例えば、約940ナノメータ(約320テラヘルツ)の単一のピーク波長を共有する。本明細書中で使用されるように、用語の“ピーク波長”とは好適には、ピーク・パワーのスペクトル線を含む所定幅間隔の波長を指す。前記間隔は好適には、ピーク・パワーの少なくとも半分のパワーを有する波長を含む。好適には、波長間隔は、スペクトル線に関して±約20ナノメータである。他の実施例によると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は好適には、例えば、約940ナノメータ及び約650ナノメータ(約460テラヘルツ)などの、複数のピーク波長を共有する。他の実施例によると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の内の第1のものは好適には、例えば、約600ナノメータ〜約1000ナノメータなどの、第1の範囲の波長に及ぶ。この波長範囲は、約500テラヘルツ〜約300テラヘルツの周波数範囲に対応する。放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の内の第2のものは、好適には、第1範囲に対し、単一のピーク波長、複数のピーク波長、又は第2範囲の波長を共有する。好適には、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106により共有された単一もしくは複数の波長における光パワー解析は、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化の徴侯を提供する。
図2A乃至図2Cは、浸潤/遊出事象が如何にして好適に展開するかを概略的に示している。図2Aは、浸潤/遊出事象に先立つ皮膚Sを示している。好適には、皮膚Sは、例えば下皮Hなどの皮下組織の上に重なる、例えば、角質層、表皮、及び/又は真皮などの皮膚組織Cを含む。静脈内治療に適した血管Vは典型的に、下皮H内に配設されている。図2Bは、血管周囲組織Pに蓄積し始めている注入液Fを示している。注入液Fの蓄積は典型的には下皮Hにおいて始まるが、蓄積は、皮膚組織Cにおいて、又は皮膚組織Cに対する下皮Hの境界部にて始まることもある。図2Cは、血管周囲組織Pにおける注入液Fの更なる蓄積を示している。典型的に、更なる蓄積物は、下皮H内へ更に延在するが、皮膚組織C内へ延在することもある。一実施例によると、例えば図2A乃至図2Cに示されたように、浸潤/遊出事象は概ね、血管Vの近傍において発生し、且つ/又はそこで生ずる。他の実施例によると、例えば、カニューレCもしくは投与セット30が引張られて、カニューレ吐出口が血管Vから動かされたならば、浸潤/遊出事象は血管Vから一定距離だけ離れて発生し、且つ/又は生じ得る。
図2A乃至図2Cはまた、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の相対パワーも概略的に示している。好適には、放出電磁放射線102が皮膚Sに進入し、皮膚Sを貫通して伝搬し、収集電磁放射線106が皮膚Sから出る。放出電磁放射線102は皮膚Sに向かう矢印により概略的に示され、収集電磁放射線106は皮膚Sから離れるように方向付けられた矢印により概略的に示される。好適には、矢印の相対サイズは、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の相対パワーに対応する。伝搬は、放出電磁放射線102から収集電磁放射線106まで、皮膚Sを貫通する支配的な電磁放射線経路を好適に含む三日月形状により概略的に示される。前記三日月形状における点描は、皮膚Sにおける電磁放射線パワーの分布を概略的に示していて、比較的に低いパワーは稠密さが少ない点描により概略的に示され、且つ比較的に高いパワーはより稠密な点描により概略的に示されている。
収集電磁放射線106のパワーは好適には、血管周囲組織P内に蓄積している注入液Fにより影響される。浸潤/遊出事象に先立ち(図2A)、収集電磁放射線106のパワーは好適には、皮膚Sによる電磁放射線の散乱及び吸収の故に、放出電磁放射線102のパワーの小部分である。好適には、収集電磁放射線106のパワーは、放出電磁放射線102に対して、血管周囲組織Pに蓄積している注入液Fに応じて変化する(図2B及び図2C)。一実施例によると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は、近赤外の電磁放射線を含む。収集電磁放射線106のパワーは好適には、注入液Fによる近赤外の電磁放射線の散乱及び/又は吸収に依り減少する。殆どの注入液の組成は典型的には水で占められる。典型的に、水は、例えば血液などの比較的に強力な近赤外エネルギ吸収体を含む血管周囲組織Pと比較して、異なる吸収係数及び散乱係数を有する。約700ナノメータ(約430テラヘルツ)より短い波長では、血液の吸収ピークの故に、吸収係数の変化が好適に支配的である。好適には、約800ナノメータ(約375テラヘルツ)〜約1,300ナノメータ(約230テラヘルツ)の波長に対しては、散乱係数の変化が吸収係数の変化よりも強い影響を有する。特に、この範囲における近赤外の電磁放射線の伝搬は好適には、吸収ではなく散乱により支配される、と言うのも、散乱係数は吸収係数よりも大きな大きさを有するからである。吸収係数の変化は好適には、水の吸収ピークの故に、約1,300ナノメータ〜約1,500ナノメータ(約200テラヘルツ)において著しく目立つ。故に、血管周囲組織Pに蓄積する注入液Fの散乱及び/又は吸収の影響は好適には、放出電磁放射線102に対する収集電磁放射線106のパワー信号の低下である。他の実施例によると、放出電磁放射線102に対する収集電磁放射線106のパワー信号の上昇は好適には、血管周囲組織Pに蓄積している注入液であって、異なる散乱係数及び吸収係数を有する注入液に関連する。故に、本発明者等は特に、例えば浸潤/遊出事象に起因する経時的な血管周囲組織Pにおける流体変化は好適には、放出電磁放射線102に関して収集電磁放射線106のパワー信号の変化により表されることを見出した。
電磁放射線センサ100は好適には、医療提供者が浸潤/遊出事象を特定することを支援する。好適には、放出電磁放射線102に対する収集電磁放射線106のパワー信号の変化は、医療提供者に対し、浸潤/遊出の評価を実施することを注意喚起する。医療提供者が浸潤/遊出事象の特定を実施する前記評価は好適には、目標領域の近傍において皮膚Sを触診する段階、目標領域の近傍において皮膚Sを観察する段階、及び/又は皮膚Sの目標領域を含む肢と含まない肢とを比較する段階を含む。
本発明者等は、浸潤/遊出の評価を実施することを医療提供者に対して正しく注意喚起する段階に関する問題を見出した。特に医療提供者は、収集電磁放射線106の比較的に低いS/N比の故に正しく注意喚起されないことがある。故に、本発明者等は、特に、収集電磁放射線106中のノイズは多くの場合、浸潤/遊出の評価を実施することを医療提供者に対して注意喚起する信号を不明瞭にすることを見出した。
本発明者等はまた、前記問題の原因は、皮膚Sの角質層の下側の種々の組織/深さから反射、散乱、又は別の様態で方向変換された放出電磁放射線102にあることも見出した。再び図1を参照すると、本発明者等は、収集電磁放射線106の第1部分106aは、例えば皮膚組織Cなどの比較的に浅い組織から反射、散乱、又は別の様態で方向変換された放出電磁放射線102を含むこと、及び収集電磁放射線106の第2部分106bは、例えば下皮Hなどの比較的に深い組織から反射、散乱、又は別の様態で方向変換された放出電磁放射線102を含むことを見出した。本発明者等は更に、特に、比較的に深い組織からの第2部分106bは、浸潤/遊出の評価の実施を医療提供者に対してより正しく注意喚起する信号を含むこと、及び比較的に浅い組織からの第1部分106aは、多くの場合に第2部分106bにおける信号を不明瞭にするノイズを含むことを見出した。
本発明者等は更に、センサ構成は好適には、皮膚に結合されたセンサのS/N比に関連することを見出した。特に、本発明者等は、放出導波路110及び検出導波路120の相対構成が電磁放射線センサ100のS/N比に好適に影響することを見出した。故に、本発明者等は、特に、放出導波路110及び検出導波路120の幾何学的配置、立体的構成(topography)、及び/又は角度が、好適には、第1部分106aにおけるノイズに対する第2部分106bにおける信号への電磁放射線センサ100の感度に影響することを見出した。
図3は、電磁放射線センサ100のハウジング130に関する放出導波路110及び検出導波路120間の相対構成を示すべく分解された概略的断面図である。好適には、ハウジング130は、第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bを含む。第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bは好適には、内部体積132を画成すべく、接着、溶着、締まり嵌め、及び別の様態での結合の少なくとも一つが行われる。内部体積132は好適には、第1端部及び第2端部間で延在する。好適には、内部体積132の第1端部には入口134が配設され、且つ内部体積132の第2端部には、第1ハウジング部分130aを貫通する複数群の通路が配設される。入口134は好適には、放出導波路110及び検出導波路120に対し、内部体積132への相互アクセスを提供する。好適には、一群の放出通路136は、放出導波路110に対し、内部体積132からの個別的な出口を提供し、且つ一群の検出通路138は、検出導波路120に対し、内部体積132からの個別的な出口を提供する。従って、複数群の放出及び検出通路136及び138は好適には、検出導波路120に関して放出導波路110を分離する。好適には、放出通路136は、表面130cを貫通する複数の放出開孔136aを含み、且つ検出通路138は、表面130cを貫通する複数の検出開孔138aを含む。一実施例によると、第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bの少なくとも一方は、好適には、内部体積132内に放出導波路110及び検出導波路120の少なくとも一方を支持し、位置決めし、及び/又は配向するための内壁部130dを含む。他の実施例によると、少なくとも第1ハウジング部分130aは好適には、例えばポリカーボネートなどの実質的に生体適合性の材料を含む。
電磁放射線センサ100は好適には、皮膚Sの直近に位置決めされる。本明細書中で使用されるように、用語の皮膚Sに関する電磁放射線センサ100の“直近”とは好適には、第1ハウジング部分130aの表面130cと皮膚Sの角質層との間の間隙を最小限にする相対配置を指す。好適には、表面130cは、皮膚Sの角質層に向き合う。一実施例によると、表面130cは好適には、皮膚Sに接触係合する(例えば、図1を参照)。他の実施例によると、表面130cと皮膚Sとの間には、電磁放射線に対して透過性を有する(不図示の)フィルムが好適に介設される。
ハウジング130内における放出導波路110及び検出導波路120の相対構成を、好適には充填物140が固定する。好適には、充填物140は、内部体積132内の空隙を塞ぐべく、且つ放出導波路110及び検出導波路120を実質的に囲繞すべく、充填孔142を介して、圧力を受けて注入される。例えば、充填物140は好適には、(i)放出導波路110と、放出通路136を含む第1ハウジング部分130aとの間;(ii)放出導波路110と第2ハウジング部分130bとの間;(iii)検出導波路120と、検出通路138を含む第1ハウジング部分130aとの間;(iv)検出導波路120と第2ハウジング部分130bとの間;及び(v)放出導波路110と検出導波路120との間;における空隙を塞ぐ。好適には、充填物140は少なくとも、入口134、放出開孔136a、及び各検出開孔138aまで延在する。充填物140は好適には、未硬化の液体として注入されてその後、固体として硬化されるエポキシ又は別の接着剤を含む。故に、充填物140は好適には、ハウジング130、放出導波路110、及び検出導波路120の相対位置/配向を実質的に固定する。一実施例によると、充填物140は好適には、第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bを結合する。他の実施例によると、充填物140は好適には、第1成分及び第2成分を含む。好適には、充填物140の第1成分は、放出導波路110及び検出導波路120の少なくとも一方を第1ハウジング部分130aに対して固定し、充填物140の第2成分は内部体積132を充填する。充填物140の第1成分及び第2成分は好適には、内部体積132内へ順次導入される。他の実施例によると、充填物140は好適には、電磁放射線吸収材料を含む。
電磁放射線センサ100は好適には、皮膚Sの上に重なる外面(superficies)1000を含む。好適には、外面1000は、表面130c、放出器面112、及び検出器面122を含む。外面1000は好適には、充填物140の外壁であって、放出器端面112及び検出器端面122の回りで放出開孔136a及び検出開孔138aを閉塞する外壁も含み得る。好適には、外面1000は概ね平滑な3次元表面の輪郭である。本明細書中で使用されるように、用語の“平滑”とは好適には、実質的に連続的で急激な変化が無いことを指す。
図4は、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための適切な幾何学的配置を有する外面1000の例を示している。特に、外面1000の幾何学的配置は好適には、放出器面112及び検出器面122の相対間隔及び形状を含む。一実施例によると、放出用光ファイバの端面の集合体は好適には、幾何学的図心116を有し、且つ検出用光ファイバの端面の弧状配置は好適には、曲線126に沿って延在する。本明細書中で使用されるように、用語の“集合体”とは好適には、ほぼ円形の複数本の光ファイバの端面であって、少なくとも一つの端面が少なくとも3つの他の端面に関して凡そ接するように配置された各端面を指している。好適には、曲線126は、幾何学的図心116に実質的に一致する原点から延在する曲率半径Rを有する。曲線126は、ほぼ円形の検出用光ファイバの端面の個々の弦に対応する一連の線分により近似され得る。従って、各検出用光ファイバの端面は好適には、多くとも2つの他の端面に接する。検出用光ファイバの端面の弧状配置は、例えば、曲線126と類似して、好適には幾何学的図心116に由来する曲率半径を備えた境界を含む。好適には、凹状境界128aは、曲率半径Rよりも増分ΔRだけ小さい曲率半径を有し、且つ凸状境界128bは、曲率半径Rよりも増分ΔRだけ大きい曲率半径を有する。一実施例によると、増分ΔRは、個々の検出用光ファイバの端面の半径に凡そ等しい。他の実施例によると、検出器面122は好適には、凹状及び凸状の境界128a及び128b間の帯域に配設されたほぼ同心の複数の曲線に配置された個別的な複数の群の検出用光ファイバの端面を含む。本明細書中で使用されるように、用語の“帯域”とは好適には、隣接する領域もしくは材料から区別可能な単一の帯状領域又は細長領域を指す。
図5A乃至図5Cは、放出導波路110及び検出導波路120間の異なる基準間隔距離が、収集電磁放射線106に対して如何に好適に影響するかを示している。好適には、放出電磁放射線102は放出導波路110から皮膚Sに進入し、電磁放射線は皮膚Sを貫通して伝搬し、且つ収集電磁放射線106は皮膚Sから検出導波路120に向かって出射する。放出電磁放射線102は皮膚Sに向かう矢印により概略的に示され、且つ収集電磁放射線106は、皮膚Sから離れるように方向付けられた矢印により概略的に示される。好適には、矢印の相対サイズは、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の相対パワーに対応する。電磁スペクトルの近赤外部分における電磁放射線は好適には、ミリワット、デシベル・ミリワット、又は光パワーを表すのに適した別の単位で測定される。伝搬は、放出電磁放射線102から収集電磁放射線106まで、皮膚Sを貫通する支配的な電磁放射線経路を好適に含む三日月形状により概略的に示される。該三日月形状における点描は、皮膚Sにおける電磁放射線パワーの分布を概略的に示していて、比較的に低いパワーは稠密さが少ない点描により概略的に示され、且つ比較的に高いパワーはより稠密な点描により概略的に示されている。図5Aを参照すると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106を、好適には第1基準間隔距離D1が分離する。第1基準間隔距離D1において、皮膚Sを通る電磁放射線の経路は、概ね短く、主に皮膚組織Cを貫通して延在する。図5Bを参照すると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106を、好適には第2基準間隔距離D2が分離する。第2基準間隔距離D2において、電磁放射線の経路は好適には、皮膚S内により深く貫通すると共に、皮膚組織C及び下皮Hの両方の内に延在する。図5Cを参照すると、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106を、好適には第3基準間隔距離D3が分離する。第3基準間隔距離D3において、皮膚Sを貫通する電磁放射線の経路は通常は、比較的に長く、主に下皮Hを貫通して延在する。
本発明者等は、特に、放出導波路110及び検出導波路120の間の間隔距離を変えると、好適に、収集電磁放射線106のパワーとS/N比との間のバランスが変更されることを見出した。より広い基準間隔距離D3と比べて、より狭い基準間隔距離D1に対し、放出電磁放射線102に対する収集電磁放射線106の相対パワーは好適には大きい。他方、収集電磁放射線106のS/N比は好適には、より狭い基準間隔距離D1と比べて、より広い基準間隔距離D3に対する方が大きい。好適には、中間の基準間隔距離D2であって、より狭い基準間隔距離D1と比べてS/N比を向上させ、且つより広い基準間隔距離D3と比べて、放出電磁放射線102に対する収集電磁放射線106の相対パワーを向上させる中間の基準間隔距離D2が在る。
本発明者等は、皮膚模型を設計して解析することにより、好適に、中間の基準間隔距離D2に対する最適範囲を特定した。好適には、皮膚模型は、少なくとも表皮(角質層を含む)、真皮、及び下皮を含む動物皮膚の数層の特性を示す。表Aは、皮膚模型の一実施例に係る各層に対する厚み、屈折率、散乱係数、及び吸収係数を示している。皮膚模型の解析は好適には、皮膚模型を貫通する200,000,000回以上までの光線の伝搬を追跡して、収集電磁放射線106のパワーの変化を予測する段階を含む。適切な光線追跡コンピュータ・ソフトウェアの例としては、ブリオート・リサーチ・オーガニゼーション(米国、アリゾナ州、タクソン)からのASAP(登録商標)、及びバイオフォトニクス・グループの原子物理学事業部(スウェーデン、ルンド、ルンド大学)からのモンテカルロ・マルチレイヤ(MCML)シミュレータのオープンソース実施方式が挙げられる。MCMLシミュレータは好適には、NVDIA社(米国、カリフォルニア州、サンタクララ)からのCUDA(登録商標)、又は別の並列演算プラットフォーム及びプログラミングモデルを使用する。好適には、一連の1ミリメートル厚の区画が、角質層の10ミリメートル下までの深さにおいて浸潤された血管周囲組織を模擬する。浸潤された血管周囲組織区画は好適には、例えば、約1.33の屈折率を有する水を近似する注入液により模擬される。皮膚模型のコンピュータ解析に基づき、本発明者等は、特に、(1)放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離;(2)角質層の下側における血管周囲組織Pに対する予測深さであって、経時的な解剖学的変化が好適に容易に観察される予測深さ;及び(3)電磁放射線の波長;の間には、関係が在ることを見出した。
図6は、皮膚模型のコンピュータ解析に基づく間隔/深さ/波長の関係のグラフ表現を示している。特に、図6は、特定の波長の電磁放射線に対し、種々の血管周囲組織深さにおける、最大信号低下を有する間隔距離のプロット図を示している。“最大信号低下を有する間隔距離”という用語は、好適には、放出導波路110及び検出導波路120の間の間隔距離であって、収集電磁放射線106のパワー信号の最大低下に遭遇するという間隔距離である。“血管周囲組織深さ”という用語は好適には、角質層の下側における血管周囲組織Pの深さであって、経時的な解剖学的変化が容易に観察される深さを指している。図6に示された実施例によると、約3ミリメートル〜約5ミリメートルだけ離間された放出導波路110及び検出導波路120は、約650ナノメータ〜約950ナノメータ(約460テラヘルツ〜約315テラヘルツ)の波長に対し、角質層の約2.5ミリメートル〜約3ミリメートル下側の深さにおける解剖学的変化を容易に観察することが期待される。好適には、電磁放射線波長が約650ナノメータ〜約950ナノメータの範囲にあるときに、約2.75ミリメートルの予測深さにおいて血管周囲組織P内の経時的な解剖学的変化を観察するために、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離範囲は、約3.7ミリメートル〜約4.4ミリメートルである。電磁放射線波長が約950ナノメータであるときに、約2.8ミリメートルの予測深さにおいて血管周囲組織P内の経時的な解剖学的変化を観察するために、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離は、約4.5ミリメートルである。電磁放射線波長が約850ナノメータ(約350テラヘルツ)〜約950ナノメータの範囲にあるときに、約2.6ミリメートルの予測深さにおいて血管周囲組織P内の経時的な解剖学的変化を観察するために、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離は、約4ミリメートルである。
電磁放射線センサ100は好適には、皮膚Sの角質層の下側の予測外の深さにおいても生ずる解剖学的変化の観察を支援する。好適には、解剖学的変化が生ずると予測される予測深さは、例えば、皮膚組織Cの厚み、及び下皮Hにおける血管Vの箇所に関連する。比較的に厚い皮膚組織C、及び/又は下皮H内に比較的に深く配置された血管Vは、好適には、解剖学的変化を容易に観察する予測血管周囲深さを増大する。逆に、比較的に薄い皮膚組織C、及び/又は例えば、皮膚組織Cと下皮Hとの間の境界部の近傍に配置された比較的に浅い血管Vは、好適には、解剖学的変化を容易に観察する予測血管周囲深さを減少させる。電磁放射線センサ100から予測外の距離で始まる解剖学的変化を観察するために、時間遅延があるかもしれない。遅延は、解剖学的変化が、電磁放射線センサ100の観察限界内に広がるまで続く。例えば、経時的な解剖学的変化が角質層の下側の予測外の深さで始まるなら、解剖学的変化の観察は、その解剖学的変化が角質層の下側の予測深さまで延在するまで、遅延される。
放出面112及び検出面122の形状は好適には、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離範囲に関連する。好適には、放出面112の各々の個別点は検出器面122の各々の個別点から最小距離に配設され、且つ放出面112の各々の個別点は検出器面122の各々の個別点から最大距離に配設される。前述の最小距離及び最大距離は好適には、中間の間隔距離D2に対する範囲の極限に対応する。好適には、最小距離は約2ミリメートル〜約3.5ミリメートルであり、最大距離は好適には、約4.5ミリメートル〜約10ミリメートルである。一実施例によると、放出面112の各々の個別点は、収集面122の各々の個別点から3ミリメートル以上の最小距離に配設され、放出面112の各々の個別点は、収集面122の各々の個別点から5ミリメートル以下の最大距離に配設される。好適には、最小距離は約3.5ミリメートルであり、最大距離は約4.5ミリメートルである。他の実施例によると、放出面112の各々の個別点は、放出電磁放射線102が、皮膚Sの角質層の下側の好適には約1ミリメートル〜約6ミリメートルにおける動物組織内への貫通深さにおいて、収集電磁放射線106へ移行するように、収集面122の各々の個別点から離間される。好適には、個々の電磁放射線経路に沿う放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106の間の移行は、動物組織内への最深貫通の点にて生ずる。放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は好適には、下皮Hにおいて移行すると共に、比較的に厚い皮膚組織Cの真皮においても移行し得る。好適には、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106は、皮膚Sの角質層の下側の約2.5ミリメートル〜約3ミリメートルにて、移行する。
図7は、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離範囲に基づいて放出面112及び検出面122の形状を幾何学的に展開する技術を示している。一実施例によると、検出器面122に対して放出器面112を位置決めするための外面1000の部分を、境界1010が決定する。境界1010の幾何学的な展開は好適には、複数本の検出用光ファイバ124の各々の個別的な端面と同心の複数対の円に基づく。好適には、各対の内側円の半径は、中間の間隔距離D2に対する範囲の最小距離に対応し、且つ各対の外側円の半径は、中間の間隔距離D2に対する範囲の最大距離に対応する。境界1010は好適には、複数の点の軌跡であって、(1)複数の内側円の外側であり且つ(2)複数の外側円の内側である複数の点の軌跡により画成される。好適には、放出器面112は、境界1010内に配置される。他の実施例によると、検出器面122は好適には、複数の放出用光ファイバ114の複数の端面に基づいて展開された境界内に配置される。
図8乃至図13は、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するのに適した幾何学的配置を同様に有する外面の更なる例を示している。図8に示された一実施例によると、外面1100は、幾何学的図心116の回りに集合された放出器面112と、好適に幾何学的図心116の回りに同心に配設された環状の検出器面122とを含む。好適には、環状の検出器面122は、放出器面112を囲繞する全方向から電磁放射線を収集する。他の実施例によると、検出器面122は好適には、360°未満の角度範囲に亙る不完全な環形を含む。好適には、検出器面122は、約25°〜約30°の角度範囲に亙る。
図9は、放出器面112及び検出器面122に対する幾何学的変数の幾つかの組み合わせを例証する外面1200を示している。好適には、外面1200は、集合された放出器面112及び弧状の検出器面122を通して延びる対称中心線Lを含む。一実施例によると、放出器面112は好適には、境界1010(図7)に類似した境界1210の内側に配設されるに適した例えば円などの任意の形状を有する。他の実施例によると、検出器面122と放出器面112、112'又は112"との間の対称中心線Lに沿って、種々の基準間隔距離が在り得る。従って、検出器面122の曲率半径Rは好適には、放出器面112'の検出器面122からの基準間隔距離よりも大きいか、又は検出器面122の曲率半径Rは好適には、放出器面112の検出器面122からの基準間隔距離と実質的に等しいか、又は検出器面122の曲率半径Rは好適には、放出器面112"の検出器面122からの基準間隔距離よりも小さいかである。
図10は、検出器面122からの放出器面112の2つの幾何学的変数を例証する外面1300を示している。第1に、対称中心線Lは好適には、外面1300の端縁に対して角度的に配向される。対照的に、図9は、外面1200の端縁に対して直交して配向された対称中心線Lを示している。好適には、対称中心線Lの対角的配向は、放出導波路110及び検出導波路120の間に利用可能な間隔距離の範囲を広げる。第2に、放出器面112及び/又は検出器面122の形状は多角形を好適に含む。例えば、放出器面112の形状は台形状であり、且つ検出器面122の形状は山形である。
図11は、好適には非特異的に形状化された放出器面112及び検出器面122を含む外面1400を示している。一実施例によると、非特異的に形状化された放出器面112及び検出器面122は好適には、ハウジング130内における放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の概ね偶発的な散らばりにより引き起こされる。他の実施例によると、非特異的に形状化された放出器面112及び検出器面122は好適には、破壊されたファイバが放出電磁放射線102又は収集電磁放射線106を伝達できないことから生ずる。好適には、外面1400に関する放出器面112と検出器面122との間の間隔距離の範囲は、概ね外面1000〜1300と類似している。
図12は、好適には平行な放出器面112及び検出器面122を含む別実施例に係る外面1500を示している。外面1500は好適には、放出器面112及び検出器面122に対して直交して延びる対称中心線Lを含む。好適には、放出導波路110及び検出導波路120間の基準間隔距離Dは、放出器面112及び検出器面122が外面1500の端縁の近傍に個別的に配設されたときに最大である。一実施例によると、放出器面112及び検出器面122は、平行な直線に配設された帯状領域を含む。従って、放出器面112及び検出器面122間の直交長さ及び対角的長さは、夫々、放出器面112及び検出器面122の各々の個別点間の間隔距離範囲の最小値及び最大値を好適に近似する。他の実施例によると、放出器面112及び検出器面122は好適には、平行な円弧に配設される。他の実施例によると、放出器面112及び検出器面122は好適には、実質的に合同である。
図13は、検出器面122からの放出器面112の幾何学的変数の幾つかの組み合わせを例証する外面1600を示している。一実施例によると、外面1600は、集合された放出器面112と直線状の検出器面122とを好適に貫通して延在する対称中心線Lを含んでいる。他の実施例によると、集合された放出器面112'は好適には、対称中心線Lからオフセットされる。好適には、対称中心線Lは、直線状の検出器122の長手軸線に対して概ね直交して延び、且つ放出器面112'は、対称線Lに関して横方向に変位された幾何学的図心116を含む。
個々の外面の幾何学的配置は好適には、角質層の下側の種々の深さにおける血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するのに適している。上で論じられたように、角質層の下側における血管周囲組織Pの深さであって、経時的な解剖学的変化を表す信号が好適に観察されることが期待される深さは、少なくとも部分的に、放出導波路110及び検出導波路120間の間隔距離の範囲に関連している。図14A乃至図14Dは、外面の幾何学的配置の例に対する間隔距離範囲の分布を示している。
図14Aは、曲率半径Rが好適に約4ミリメートルであるときの外面1000(図4)に対する放出器面112及び検出器面122の個別点間の間隔距離範囲の分布を示している。間隔距離は好適には、例えば約3.5ミリメートル〜約4.5ミリメートルなどの、約1ミリメートルに亙る範囲内に在る。好適には、前記分布は、約4ミリメートルの最頻値を有するほぼ対称のプロフィルを有する。本明細書中で使用されるように、用語の“最頻値”とは好適には、例えば、一群の間隔距離などのデータ群において最も頻繁に生ずる値を指している。
図14Bは、基準間隔距離Dが好適に約4ミリメートルであるときの外面1500(図12)に対する放出器面112及び検出器面122の個別点間の間隔距離範囲の分布を示している。概略的に、間隔距離の全ては好適には、例えば約3.5ミリメートル〜約5.5ミリメートルなどの、約2ミリメートルの範囲内に在る。好適には、前記分布は、全体的に非対称的なプロフィルを有するが、約3.6ミリメートル〜約3.9ミリメートルにおける約0.3ミリメートルの範囲において前記プロフィルの一部は、約3.75ミリメートルの最頻値を以て概ね対称である。
図14A及び図14Bに示された間隔距離の分布を比較すると、好適には、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための外面1000及び1500の確かな相対特性が示唆される。図14A及び図14Bを比較すると、外面1500に関する最頻値における間隔距離の分布の大きさは、外面1000に関するものよりも大きく、全体的な範囲は、外面1500に関するものよりも外面1000に関するものの方が小さく、且つ概ね対称的な部分は、外面1000に関するものよりも外面1500に関するものの方が小さい。従って、外面1000及び外面1500は好適には、(1)外面1000のピーク感度は、外面1500よりも、皮膚Sの角質層の下側における深さのより広い範囲を包含し;(2)外面1500のピーク感度は、外面1000よりも、皮膚Sの角質層の下側におけるより狭い範囲においてより大きく;且つ(3)皮膚Sの角質層の下側におけるより深い深さからの信号に対する感度は、外面1000に関するものよりも外面1500に関するものの方が大きい;などの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するためのある種の相対特性を有する。本明細書中で使用されるように、用語の“ピーク感度”とは好適には、間隔距離の最頻値を含む、ある区間の間隔距離を指している。前記区間は好適には、最頻値の大きさの少なくとも半分の大きさを有する間隔距離を含む。
図14Cは、外面の幾何学的配置1700に関する放出器面112及び検出器面122の個別点間の間隔距離範囲の分布を示している。放出器面112は曲率半径R1を以て概ね弧状であり、検出器面122は曲率半径R2を以て概ね弧状であり、且つ放出器面112及び検出器面122は、好適には約4ミリメートルである離間距離R2-R1を以て概ね同心である。好適には、放出器面112は、例えば曲線126と類似する概ね同心の個別的な複数の曲線に配置された複数群の検出用光ファイバの端面を含む。概略的に全ての間隔距離は好適には、約3.7ミリメートル〜約5.7ミリメートルである約2ミリメートルの範囲内に在る。好適には、間隔距離の分布は、非対称的なプロフィルと、約4.1ミリメートルの最頻値とを有する。
図14A乃至図14Cに示された間隔距離の分布を比較すると、好適には、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための外面1000、1500及び1700の確かな相対特性が示唆される。図14Cと図14Aを比較すると、外面1700は概ね弧状の放出器面112を含むが外面1000は概ね集合された放出器面112を含み、外面1700に関する最頻値における間隔距離の分布の大きさは、外面1000に関するものよりも大きく、且つ外面1700は、外面1000よりも大きな全体的範囲の間隔距離を含む。従って、外面1700及び1000は好適には、(1)外面1000のピーク感度は、外面1700よりも、皮膚Sの角質層の下側における深さのより広い範囲を包含し;(2)外面1700のピーク感度は、外面1000よりも、皮膚Sの角質層の下側におけるより狭い範囲においてより大きく;且つ(3)皮膚Sの角質層の下側におけるより深い深さからの信号に対する感度は、外面1000に関するものよりも外面1700に関するものの方が大きい;などの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための確かな相対特性を有する。図14C及び図14Bを比較すると、外面1700は同心の複数の円弧に配設された放出器面112及び検出器面122を含むが、外面1500は平行な直線に配設された放出器面112及び検出器面122を含み、外面1700に関する最頻値における間隔距離の分布の大きさは、外面1500に関するものよりも小さく、且つ外面1700の最頻値及び全体的範囲は、外面1000よりも大きな間隔距離の方へ移されている。従って、外面1700及び1500は好適には、例えば、ピーク感度は、外面1500に関するものよりも、外面1700の方が、皮膚Sの角質層の下側において大きな深さに在るなどの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための確かな相対特性を有する。
図14Dは、外面の幾何学的配置1800に関する放出器面112及び検出器面122の個別点間の間隔距離範囲の分布を示している。好適には、放出器面112及び検出器面122は、約4ミリメートルのほぼ等しい曲率半径及び間隔距離Dを備えた平行な円弧を含む。概略的に全ての間隔距離は好適には、約3.3ミリメートル〜約6ミリメートルである約2.7ミリメートルの範囲内にある。好適には、間隔距離の分布は、非対称的なプロフィルと、約4ミリメートルの最頻値とを有する。
図14A乃至図14Dに示された間隔距離の分布を比較すると、好適には、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための外面1000、1500、1700及び1800の確かな相対特性が示唆される。図14D及び図14Aを比較すると、外面1800は概ね弧状の放出器面112を含むが、外面1000は概ね集合された放出器面112を含む。好適には、外面1800及び1000は、(1)間隔距離の分布の夫々の最頻値が凡そ等しく;(2)最頻値の大きさは凡そ等しく;且つ(3)範囲の最小値と最頻値との間における間隔距離の分布のプロフィルが概ね類似している;などの多数の共通の特性を共有する。外面1800及び1000の個々の特性は好適には、例えば、最頻値と範囲の最大値との間における独特の間隔距離の分布のプロフィルを含んでいる。一実施例によると、少なくとも部分的に、弧状の放出器面112(外面1800)の面積は集合された放出器面112(外面1000)の面積よりも大きいことから、外面1800の間隔距離の分布は外面1000よりも大きい。外面1800及び1000は好適には、例えば、皮膚Sの角質層の下側におけるより深い深さからの信号に対する感度が外面1000よりも外面1800の方が大きいなどの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための確かな相対特性を有する。図14D及び図14Bを比較すると、外面1800は平行な円弧に配設された放出器面112及び検出器面122を含むが、外面1500は平行な直線に配設された放出器面112及び検出器面122を含み、最頻値における間隔距離の分布の大きさは外面1500に関するものよりも外面1800に関するものの方が小さく、且つ外面1800は、外面1500よりも大きな全体的範囲の間隔距離を含む。従って、外面1800及び1500は好適には、(1)外面1800のピーク感度は、外面1500よりも、皮膚Sの角質層の下側における深さのより広い範囲を包含し;(2)外面1500のピーク感度は、外面1800よりも、皮膚Sの角質層の下側におけるより狭い範囲においてより大きく;且つ(3)皮膚Sの角質層の下側におけるより深い深さからの信号に対する感度は、外面1500に関するものよりも外面1800に関するものの方が大きい;などの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するためのある確かな相対特性を有する。図14D及び図14Cを比較すると、外面1800は、平行な円弧に配設された放出器面112及び検出器面122を含むが、外面1700は、同心の円弧に配設された放出器面112及び検出器面122を含む。好適には、外面1800及び1700は、(1)間隔距離の分布の夫々の最頻値が類似しており;且つ(2)最頻値の大きさが類似している;などの、多数の共通の特性を共有する。外面1800及び1700の個々の特性は好適には、例えば、最頻値の両側における独特の間隔距離の分布のプロフィルを含んでいる。一実施例によると、外面1800は、外面1700よりも大きな全体的範囲の間隔距離を含む。外面1800及び1700は好適には、例えば、皮膚Sの角質層の下側におけるより浅い深さ及びより深い深さの両方からの信号に対し、外面1700よりも外面1800の方がより高感度であるなどの、血管周囲組織Pにおける経時的な解剖学的変化を観察するための確かな相対特性を有する。
故に、電磁放射線センサ100は好適には、収集電磁放射線106のS/N比を向上させる外面の幾何学的配置を含む。好適には、各外面の幾何学的配置は、放出器面112及び検出器面122間において適切な相対形状及び間隔距離を含む。適切な形状の例としては、集合体、円弧、及び直線が挙げられる。適切な間隔距離は概略的に、角質層の下側にて血管周囲組織Pに対する予測深さであって、経時的な解剖学的変化が好適に容易に観察される予測深さに対応する。適切な間隔距離の例は、角質層の下側の約2.75ミリメートルにおける解剖学的変化を観察するための約4ミリメートルである。
本発明者等はまた、外面1X00の立体的構成は好適に、電磁放射線センサ100のS/N比に影響することも見出した。本明細書中で使用されるように、用語の“立体的構成”とは好適には、3次元的表面の輪郭を指し、且つ“外面1X00”とは好適には、電磁放射線センサ100の任意の適切な外面に対する全体的な参照である。好適には、外面1X00は、例えば、外面1000(図4など)、外面1100(図8)、外面1200(図9)、外面1300(図10)、外面1400(図11)、外面1500(図12など)、外面1600(図13)、外面1700(図14C)、及び外面1800(図14D)を含んでいる。本発明者等は、特に、外面1X00の立体的構成が、皮膚Sの表皮に対する間隙もしくは移動を最小限度に抑えるときに、電磁放射線センサ100のS/N比が好適に向上することを見出した。
外面1X00の立体的構成は好適には、実質的に平坦、凸状、凹状、又はそれらの組み合わせである。一実施例によると、外面1X00は好適には実質的に平坦である。例えば、外面1000(図4)は好適には、皮膚Sの表皮の上に重なる実質的に平坦な平面である。他の実施例によると、外面1X00は、皮膚Sの表皮を伸張するために、好適には、凸状の外面1X00(図15)及び凹状の外面1X00(図16)の少なくとも一方を含む。好適には、表皮は、(1)凸状の外面1X00が好適に、放出器面112及び検出器面122を皮膚Sの方へ押圧したとき;又は(2)皮膚Sが、放出器面112及び検出器面122の方へ、凹状の外面1X00内へ膨出したとき;伸張される。凹状の外面1X00の周縁部に沿う圧力は好適には、皮膚Sを該凹状の外面1X00内へ膨出させる。好適には、外面1X00に対して表皮を伸張させると、電磁放射線センサ100と放出器面112及び検出器面122との間の相対運動及び間隙が最小限度に抑えられる。
図17及び図18は、同様に皮膚Sの表皮を伸張するのに適した立体的構成を有する外面1X00の更なる例を示している。図17は、外面1X00から延在する突出部150を示している。一実施例によると、突出部150は好適には、放出器面112及び検出器面122を囲繞する。他の実施例によると、別体的な複数の突出部150が好適に、個々の放出器面112及び検出器面122を囲繞する。図18は、個々の放出器面112及び検出器面122を好適に囲繞する別体的な凹所160を示している。他の実施例によると、放出器面112及び検出器面122の両方を単一の凹所160が好適に囲繞する。好適には、単一もしくは複数の突出部150及び単一もしくは複数の凹所160は、外面1X00に対して表皮を伸張させて、電磁放射線センサ100と放出器面112及び検出器面122との間の相対運動及び間隙を最小限度に抑える。
故に、外面1X00は好適には、電磁放射線センサ100のS/N比を向上させる立体的構成を含む。好適には、皮膚Sと放出器面112及び検出器面122との間の相対運動及び間隙を最小限度に抑える適切な立体形状は、平坦面、凸状表面、凹状表面、突出部及び/又は凹所を含んでいる。
本発明者等はまた、特に、外面1X00と放出導波路110及び検出導波路120との間の交差角度が好適には、放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106に影響することも見出した。図19は交差角度の第1実施例を示し、且つ図20A及び図20Bは交差角度の第2実施例を示している。実施例に関わらず、放出導波路110は電磁放射線を概ね第1経路110aに沿って放出器面112へ伝達し、且つ検出導波路120は電磁放射線を検出器面122から概ね第2経路120aに沿って伝達する。外面1X00は好適には、表面130a、及び放出器端面112及び検出器端面122を含む。好適には、第1経路110aは外面1X00に対して第1角度α1で交差し、且つ第2経路120aは外面1X00に対して第2角度α2で交差する。凹状又は凸状の外面1X00、又は突出部150もしくは凹所160を含む外面1X00の場合、第1角度α1及び第2角度α2は好適には、外面1X00に対する接線に関して測定される。放出電磁放射線102は好適には、第1経路110aに沿って伝達された電磁放射線の少なくとも一部を含み、且つ第2経路120aに沿って伝達された電磁放射線は好適には、収集電磁放射線106の少なくとも一部を含む。好適には、放出電磁放射線102は、放出円錐104内で放出器面112から出て、収集電磁放射線106は受容円錐108内で検出器面122に進入する。放出円錐104及び受容円錐108は好適には、電磁放射線が、放出導波路110により放出される角度範囲及び検出導波路120により受容される角度範囲をそれぞれ含む。典型的には、各範囲は、以下のように、対応する導波路の開口数NAに関連する最大半頂角θmaxを有する:NA=ηsinθmax、式中、ηは、電磁放射線が(例えば放出導波路110から)進入し、又は(例えば、検出導波路120へ)出る物質の屈折率である。放出用光ファイバ114又は検出用光ファイバ124の開口数NAは典型的には、以下のように、光ファイバのコアの屈折率(ηcore)及び光ファイバのクラッドの屈折率(ηclad)に基づいて算出される。
故に、種々の角度にて光線を放出又は受容する導波路の機能は概略的に、該導波路の物質特性に関連する。放出導波路110又は検出導波路120のための適切な開口数NAの範囲は、例えば、約0.20と約0.60との間など、相当に変化し得る。一実施例によると、個々の放出用光ファイバ114又は検出用光ファイバ124は好適には、約0.55の開口数NAを有する。円錐の最大半頂角θmaxは典型的には、該円錐の中心軸線と円錐面との間の角度の尺度である。従って、放出導波路110の最大半頂角θmaxは好適には、放出円錐104の中心軸線104aと円錐面との間に形成される角度の尺度であり、且つ検出導波路120の最大半頂角θmaxは好適には、受容円錐108の中心軸線108aと円錐面との間に形成される角度の尺度である。中心軸線104aの方向は好適には、外面1X00に関する第1角度β1におけるものであり、且つ中心軸線108aの方向は好適には、外面1X00に関する第2角度β2におけるものである。故に、第1角度β1は好適には、放出円錐104の方向を表すことから、放出電磁放射線102と外面1X00との間の交差角度も記述し、且つ第2角度β2は好適には、受容円錐108の方向を表すことから、収集電磁放射線106と外面1X00との間の交差角度も記述する。凹状又は凸状の外面1X00、又は突出部150もしくは凹所160を含む外面1X00の場合、第1角度β1及び第2角度β2は好適には、外面1X00に対する接線に関して測定される。
図19は、外面1X00と、放出導波路110及び検出導波路120との間における概ね直交した関係を示している。本発明者等は、特に、第1角度α1及び第2角度α2が好適に外面1X00に関して約90°であるなら、(1)第1角度β1及び第2角度β2もまた、外面1X00に関して約90°となる傾向があり;(2)放出電磁放射線102は好適には、皮膚Sと放出器面112との間の境界部において最小限だけ減衰され;且つ(3)収集電磁放射線106は好適には、向上されたS/N比を有する;ことを見出した。放出導波路110を外面1X00に関して約90°に配設することの利点は、好適には、センサ100と皮膚Sとの間の境界部において第1経路110aに沿って該経路から、放出電磁放射線102へ伝達される電磁エネルギが最大化されることである。好適には、電磁エネルギのこの伝達は、放出器面112に起因する導波路110中の内部反射が最小限度に抑えられるときに向上され得る。例えば、第1経路110aに関して約90°で一本もしくは複数本の放出用光ファイバ114を劈開及び/又は研磨するなどして、放出器面112を第1経路110aに対して凡そ直交させると、好適には、導波路110中の内部反射は最小限度に抑えられる。詳細には、第1経路110aに沿って伝達された電磁放射線の少ない部分が放出器面112で反射され、且つ第1経路110aに沿って伝達された電磁放射線の多い部分が、放出器面112にて、放出電磁放射線102として出射する。放出導波路110を外面1X00に関して約90°に配設することの別の利点は、好適には、放出電磁放射線102が皮膚S内へ伝搬する角質層の下側の深さが増大されることである、と言うのも、第1角度α1が約90°であるときには第1角度β1もまた約90°となる傾向があるからである。好適には、図2A乃至図2C及び図5A乃至図5Cに関して上で論じられたように、皮膚Sを貫通する支配的な電磁放射線経路は三日月形状であり、且つ放出電磁放射線102の増大された伝搬深さは、収集電磁放射線106のS/N比を向上させる。故に、図19に示された第1実施例によると、放出電磁放射線102の光パワーを増大するために、且つ収集電磁放射線106のS/N比を向上させるために、第1経路110a及び第2経路120aが外面1X00に対して凡そ直交するように、放出導波路110及び検出導波路120は好適には、ハウジング130内に配設される。
図20A及び図20Bは、外面1X00と、放出導波路110及び検出導波路120との間の傾斜した角度的関係を示している。好適には、第1角度α1及び第2角度α2の少なくとも一方は、外面1X00に関して傾斜している。第1角度α1及び第2角度α2は好適には、いずれも、外面1X00に関してほぼ同じ方向に傾斜して傾けられている。一実施例によると、第1角度α1及び第2角度α2間の差は好適には約15°〜約45°の範囲にある。好適には、第1角度α1は第2角度α2よりも約30°だけ小さい。他の実施例によると、第1角度α1は約50°〜約70°の範囲にあり、且つ第2角度α2は約75°〜約95°の範囲にある。好適には、第1角度α1は約60°であり、且つ第2角度α2は約80°〜約90°の範囲にある。第1角度α1が外面1X00に関して傾斜することの結果は、第1経路110aに沿って伝達された電磁放射線の一部分102aが、放出器面112において、放出電磁放射線102として放出器面112から出るのではなく反射されるということである。別の結果は、センサ100と皮膚Sとの間の境界部において屈折が生じ得ることである、と言うのも、皮膚S及び放出導波路110及び検出導波路120は典型的には、異なる屈折率を有するからである。従って、第1角度α1及びβ1は通常は等しくなく、また第2角度α2及びβ2も通常は等しくない。
図20Bは、放出導波路110及び検出導波路120が外面1X00に関して傾斜して配設されたときに、放出電磁放射線102と収集電磁放射線106との間の相互作用を幾何学的に解釈するための手法を示している。好適には、放出円錐104は、放出電磁放射線102が放出器面112から出射する角度の範囲を表し、且つ受容円錐108は、収集電磁放射線106が検出器面122に進入する角度の範囲を表している。放出円錐104及び受容円錐108を、皮膚Sの角質層の下側の共通深さまで投影すると、好適には、図20Bにおいて異なるハッチングにより夫々示される第1パターン104b及び第2パターン108bが描出される。好適には、放出円錐104及び受容円錐108の投影は、第1パターン104b及び第2パターン108bが部分的に重なることから図20Bにおいてはクロスハッチングにて示される共通点の部位を含む。基本的に、放出円錐104及び受容円錐108の投影により共有された共通点の部位は、経時的な解剖学的変化を監視するための好適には電磁放射線センサ100の焦点である組織を含む。従って、放出導波路110及び/又は検出導波路120を外面1X00に関して傾斜角度で配設することの利点は、好適には、電磁放射線センサ100を皮膚Sの角質層の下側の特定範囲の深さに焦点合わせすること、及び/又はセンサ100を特定の相対方向に操舵することである。実施に際しては、放出円錐104及び受容円錐108の投影内に含まれる概ね直線的な伝搬の可能性は低い様に、皮膚Sを通り伝搬する電磁放射線は、反射されるか、散乱されるか、又は別の様態で方向変換される。従って、図20Bは好適には、特定範囲の深さまで、又は特定の相対方向において、電磁放射線が伝搬する可能性の幾何学的解釈である。
故に、外面1X00と放出導波路110及び検出導波路120との間の交差角度は、好適には、電磁放射線センサ100の放出電磁放射線102及び収集電磁放射線106に影響する。好適には、放出電磁放射線102の光パワーを向上させ、収集電磁放射線106のS/N比を向上させ、且つ/又は特定の深さ/方向にて電磁放射線センサ100を焦点合わせする、適切な交差角度は、例えば、凡そ直交する角度、及び傾斜角度を含む。
本発明者等により為された発見としては、特に、好適に、放出電磁放射線のパワーを増大し、且つ/又は収集電磁放射線のS/N比を向上させる、電磁放射線センサの構造形が挙げられる。適切な構造形の例は、外面の特定の幾何学的配置、外面の特定の立体的構造形、及び放出及び検出導波路の特定の角度的配向を含め、上で論じられた。好適には、適切な構造形としては、外面の幾何学的配置、外面の立体的構造形、及び/又は導波路の角度的配向の組み合わせが挙げられる。一実施例によると、電磁放射線センサは、導波路間の約4ミリメートルの距離と、凸状の外面と、前記外面と約90°で交差する各導波路とを含む構造形を有する。
本開示内容に係る電磁放射線センサは、好適には、(1)浸潤及び遊出の少なくとも一方を検出する補助器具として;(2)血管周囲組織における解剖学的変化を監視するために;又は(3)経皮電磁信号を放出及び収集するために;使用され得る。本発明者等により為された発見は、特に、(例えば形状及び間隔などの)幾何学的配置、立体的構造形、及び経皮電磁信号の放出及び検出の角度などのセンサの構造形が、浸潤/遊出事象を含む血管周囲組織における解剖学的変化の正確な表示に影響するということを含んでいる。例えば、本発明者等により為された発見は、電磁放射線センサの構造形が、動物組織における浸潤及び遊出の少なくとも一方の診断の支援に対する該センサの正確さに関連するということを含んでいる。
本開示内容に係るセンサは好適には、変更され得る特定の方法により製造される。好適には、前記製造方法に含まれる工程は、同様に変更され得る特定のシーケンスで実施され得る。センサ製造方法の例は好適には、第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bを成形する段階を含む。好適には、外面1X00は第1ハウジング部分130aと共に成形される。外面1X00を貫通する放出開孔136aを含む少なくとも一つの放出通路136を貫通して、少なくとも一本の放出用光ファイバ114が好適に送り込まれる。好適には、同様に外面1X00を貫通する検出開孔138aを含む少なくとも一つの検出通路138を貫通して、少なくとも一本の検出用光ファイバ124が送り込まれる。第1ハウジング部分130a及び第2ハウジング部分130bは好適には、結合されて内部体積132を画成する。好適には、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124は内部体積132を貫通して延在する。放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の内側部分は好適には、第1ハウジング部分130aに対して固定される。好適には、内部体積132は、例えばエポキシなどの充填物140が充填孔142を介して注入されたときに、閉塞される。充填物140は好適には、内部体積132内における放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の夫々の内側部分を囲繞する。好適には、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の外側部分は、概ね外面1X00の近傍にて劈開される。劈開は好適には、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124を第1ハウジング部分130aに対して固定した後に行われる。好適には、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の端面は、外面1X00と共にほぼ平滑に研磨される。一実施例によると、放出用光ファイバ114の端面上の各々の個別点は好適には、検出用光ファイバ124の端面上の各々の個別点から、3ミリメートル以上〜5ミリメートル以下の距離に配設される。他の実施例によると、第1ハウジング部分130aは好適には、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の内側部分が該第1ハウジング部分130aに対して固定されたときに、重力に関して直交して配設された外面1X00により支持される。故に、外面1X00と放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124との間の第1交差角度α1及び第2交差角度α2は、好適には、約90°である。他の実施例によると、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の少なくとも一方は、外面1X00に関する傾斜した交差角度にて、第1ハウジング部分130に対して固定される。他の実施例によると、内部体積132を閉塞する段階は好適には、第1ハウジング部分130a、放出用光ファイバ114及び検出用光ファイバ124の少なくとも一つを加熱する段階を含む。好適には、加熱すると、充填物140の流れが促進される。
本発明は、特定の実施例に関して開示されてきたが、添付の請求項に規定された本発明の本領及び有効範囲から逸脱せずに、記述された実施例に対する多数の改変、修正及び変更が可能である。例えば、上で論じられたように、その他の場合には放出用に構成される導波路により電磁放射線を収集し、且つ上で論じられたように、その他の場合には検出用に構成される導波路により電磁放射線を放出するなど、センサの動作は反転され得る。別の例に関して、放出導波路及び検出導波路の相対サイズは調節されてよく、例えば、放出導波路は検出導波路よりも多数の光ファイバを含み、逆も同様である。従って、本発明は記述実施例に限定されるのではなく、本発明は、以下の各請求項の文言により定義される最大限の有効範囲とその均等物とを有することが意図される。