JP2020197467A - Slamによる自律飛行機能を備えた無人機を用いた構造物の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛星測位システム情報を必要としない自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法を提示する。【解決手段】検査方法は、被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得るステップSt1と、複数画像から被検査構造物の三次元点群情報の画像を得るステップSt2と、被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得るステップSt3と、複数点の地上三次元座標情報を三次元点群情報の画像情報に重ねて被検査構造物の三次元点群情報の地上三次元座標情報を得るステップと、三次元点群情報から撮影位置を地上三次元座標情報で設定するステップと、ドローンに搭載したカメラの画像情報でSLAM手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得るステップと、地図情報を地上三次元座標に重ねるステップSt6と、撮影位置に自律飛行させて被検査部位の検査画像を取得するステップSt7とを踏む。【選択図】図1

Description

本発明はカメラやレーザー等を搭載した無人機を用いた構造物等の三次元形状体の検査方法に関するもので、特に、人が近づきにくい橋梁の下面部分など構造物の精密画像を近接距離から取得する検査方法に適した技術である。
我が国の社会インフラは、高度成長期に整備されたものが多く、老朽化の時期を迎え、橋、トンネルやダムといった設備の点検が必要となっている中、安全で財政的負担が軽くかつ効率的な検査技術や情報管理の技術が強く求められている。この様な要望に応える検査方法として、カメラやレーザー等を搭載した無人機(以下単にドローンという)による写真計測が注目され、実用化されつつある。この検査方法は危険部位に人が立ち入る必要がなく、足場を組む必要もなく、被検査部材表面の画像情報を取得することができるからである。
ドローン(Drone)は、元々偵察機として軍事用に開発されたものであったが、その後災害時の情報収集機として、近年では商業用や、民間利用も増加傾向にある。我が国では土木分野でもその活用が期待され、本発明者らは先に特許文献1の「無人機を用いた構造物等の検査方法」を出願し、特許権を取得した。この発明は、被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得るステップと、該複数画像から前記被検査構造物の三次元点群情報の画像を得るステップと、前記被検査構造物の近傍に自動追尾型トータルステーションを設置して該構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得るステップと、該複数点の地上三次元座標情報を前記三次元点群情報の画像情報に重ねて前記被検査構造物の三次元点群情報の地上三次元座標情報を得るステップと、前記三次元点群情報から被検査部位を撮影する位置を地上三次元座標情報で設定するステップと、カメラを搭載したドローンを前記自動追尾型トータルステーションにより前記撮影位置に誘導制御して前記被検査部位の検査画像を取得するステップとを踏むものである。
このドローンを用いた構造物の検査方法は、GNSSを用いないドローンの自律飛行手法を採用するものであるため、衛星測位電波の届かない領域でも使用可能であり、その位置制御精度も衛星測位制御に勝るとの効果を奏する上に、被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得て前記被検査構造物の三次元点群情報の画像を取得するものであるから、その画像から破損個所など要検査部位を特定することができると共に、その被検査構造物の三次元点群情報から被検査構造物の立体構造を検知し、どの個所に応力集中等の負荷がかかり、疲労している箇所であるかを推定して特定することをドローンによるデータ取得前に容易に行うことができる。またその立体画像から損傷状態をある程度事前に把握できた場合には、どのアングルから撮影すれば効果的な検査画像が得られるかを決定することも可能となる。
また、この検査方法は、前記撮像位置情報を事前にメモリに記憶させておき、ドローンの移動をプログラムして位置制御させるようにすることにより、ドローンを飛行させその撮影画面から劣化・破損個所を検知しながら検査画像を撮影するようなオペレータに負担をかけることもなく、全領域にわたり撮影位置を均等間隔に設定して検査画像を自動取得できることは勿論、要検査部位を選定してより短時間で、かつ検査箇所の見落としもなく着実に検査画像を取得する構造物の検査を実施することができる。また、検査にあたり操作する者の負担を大きく軽減することができる。
更に、この検査方法は、前記被検査構造物の三次元点群情報の画像から欠陥部と推定される部位を把握し、該欠陥推定情報に応じて最適な位置と撮影視覚を決定し、撮影位置とカメラ角度を制御するようにしたことにより、被検査構造物の劣化・破損部の状況をよく観察できる適正画像の取得が可能となるというように、幾多の特有の効果を奏する画期的なものであった。
ところで、ドローンの自律飛行手法は、ドローンが野外空間を飛行させるものであるため、その自律飛行はGNSS等の衛星測位システムによる位置情報を用いることが一般的である。しかし、構造物等の検査方法においては、橋梁の下方領域など電波の届きにくい領域を飛行させることが多いため、衛星測位システムによる位置情報を用いることが不向きである。そのため、前述の構造物等の検査方法は、ドローンの自律飛行手法として被検査構造物の近傍位置に自動追尾型トータルステーション(以下トータルステーションをTSと略称する。)を設置し、ドローンの反射プリズムに向け、このTSからレーザ光を照射して捉え、該ドローンの現在位置を座標情報として把握するようにしていた。そのため、TSとドローンの反射プリズム間に構造物等の障害物が存在する場合など、TSがドローンの反射プリズムを捉えられない事態が生じると、ドローンの現在位置情報が得られなくなって自律飛行ができなくなってしまうという問題を起こすことが分かった。図5には特許文献1に示された手法で行う構造物10の検査において、構造物の下方突出物がTS3とドローン1の間に遮蔽物となってドローンを追尾できなく状況が生じることを例示している。
特開2017−116453号公報 「無人機を用いた構造物の検査方法」 平成29年6月26日公開 特表2013−503404号公報 「移動ロボット環境の同時局在化およびマッピング方法および装置」 平成25年1月31日公表
本発明の課題は、衛星測位システム情報を必要としない自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法において、TSとドローンとの位置関係における構造物等の障害物の影響を受けることなく、自由度の高い堅実なドローンを用いた構造物等の検査方法を提示することにある。
本発明のSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法は、被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得るステップと、該複数画像から前記被検査構造物の三次元点群情報の画像を得るステップと、前記被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得るステップと、該複数点の地上三次元座標情報を前記三次元点群情報の画像情報に重ねて前記被検査構造物の三次元点群情報の地上三次元座標情報を得るステップと、前記三次元点群情報から撮影位置を地上三次元座標情報で設定するステップと、ドローンに搭載したカメラやレーザー等の画像情報でSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得るステップと、該地図情報を前記地上三次元座標に重ねるステップと、前記撮影位置に自律飛行させて前記被検査部位の検査画像を取得するステップとを踏むものである。
そして、前記被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得る手段には、TS、レーザ測位システムまたは衛星測位システムを用いるものとした。
また、本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、上記構成に加え、前記撮像位置は事前にメモリに記憶させておき、ドローンの移動をプログラムして位置制御させるようにした。
また、更なる本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、上記構成に加え、前記被検査構造物の三次元点群情報の画像から欠陥と推定される部位を把握し、該情報に基づき最適な位置と撮影視覚を決定し、撮影位置とカメラ角度を制御するようにした。
本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、衛星測位システム情報を必要としないドローンの自律飛行手法としてSLAM手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得た上で該地図情報を前記地上三次元座標に重ねて使用するものであるため、従来のように現場に設置したTSとドローンとの位置関係において構造物等の障害物の影響を受けることがないため、入り組んだ複雑な構造物の検査も可能となり、自由度の高い堅実なドローンを用いた構造物等の検査方法を実現できる。
しかも、SLAMによる自律飛行であるため、TSの設置位置などの原点位置から遠く離れた広い領域についても、自律飛行と検査が実行可能である。
本発明に係るSLAMによる無人機を用いた構造物の検査方法の実施手順を示したチャート図である。 本発明のドローンをSLAM機能で位置制御する手法を概念的に示した図である。 本発明におけるドローンを位置制御し、位置を自律制御する動作のフローチャートである。 検査現場で使用したトータルステーションの測定状況図である。 従来手法でのドローン自律位置制御の問題状況を示す図面である。
以下、本発明の構造物検査方法について、まず、全体的に説明する。本発明に係るSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法の実行手順は図1に示すとおりである。まず最初の作業(St1)は、橋梁などの被検査構造物を複数個所から画角の異なる撮影した複数の画像を得ることである。この作業から得られた多視点画像をステレオマッチングして被検査構造物の三次元点群データを作成する(St2)。被検査構造物が大型の場合は領域を分割し、複数領域の画像を組み合わせて全体画像を取得する。その場合、隣接画像は一部重なる部分を有するようにして重ねせて合成画像とする。この三次元点群データを作成する手法にはSfM(Structure from Motion)をはじめとする既存の手法が利用できるが、これによって得られる三次元座標データは三次元形状情報であってスケール情報を持たない。要するにこの三次元点群データは、形状が分かるがその寸法は分からない情報である。そこで、本発明は被検査構造物上の3点以上の特定点を選んでその位置を地上座標系データとして取得し(St3)、その複数の特定点位置座標データを前記三次元画像の点群データの特定点データに重ねてデータを対応させる(St4)。これによって、前記被検査構造物の三次元点群情報がすべて地上三次元座標情報に変換できる。これによって得られた被検査構造物の地上三次元座標情報をPCに記憶蓄積する。
本検査方法では、ドローンを飛翔させて被検査構造物の検査画像を取得する前作業として、前記三次元画像を用いて被検査構造物の劣化・破損部の位置と画像から判別できる情報を予め把握しておく。この情報から被検査構造物全領域にわたり撮影位置を設定する(St5)。この様にすることで、構造物の検査を効率的に実行することが出来る。以上St5までの検査手順は我々が先に提示した特許文献1と変わりはない。本発明の特異な手順はSt6とSt7の箇所となる。本発明では、ドローンの自律飛行に追尾型のTSを用いないで、SLAMによる自律飛行が採用されている。本発明で使用するドローンはSLAM機能を備えているので、飛行しながら地上の風景画像を動画撮像することで、周辺のマッピングと自己位置の算出ができる。SLAMの技術は特許文献2に示されるように、一般にロボットなどの地上移動装置用に開発されたもので、同時(Simultaneous)に自分の位置の推定(Localization)と周りの地図の作成(Mapping)を行うものである。ドローンは空を飛ぶ移動装置であり、地面近傍の低空を飛ばす場合には地上の風景が撮影できることから、これを採用することが可能であるはずとの知見に至ったものである。
本発明ではドローンが飛行しながら地上の風景画像を動画撮像することによって、SLAM機能を使い周辺のマッピングと自己位置の算出を行う。そして取得した地図情報を検査現場の特定点を原点とする地上座標データと重ねて対応を取る(St6)。SLAMによって得られる地図情報や自己位置情報が地上座標データに対応するものとなったので、St5で設定した撮影位置にドローンを誘導し、検査画像を自動取得することができる。また、その画像から三次元構造が分かるので、応力集中が起こる部分も把握できるし、既に表面が破損したり亀裂を生じたりしている個所についてはその画像からその部位を把握できる。したがって、前記三次元画像からは劣化や破損が認められなくてもその部分の近接画像を得て詳細に検査し、検討することができる。また、どのアングルから撮影すると要検査箇所の最適画像が得られるかも検知することができる。さらに、前記三次元画像を検証する作業によって被検査構造物全般についてではなく、どの部分の検査画像を取得するかを選別して特定し、その検査箇所を撮影するためのドローンの位置を地上三次元座標情報として設定するようにして、特定箇所の検査画像を効率的に取得することが可能である。前記被検査構造物の三次元点群情報がすべて地上三次元座標情報に変換されているので、検査箇所およびドローンの位置設定を地上三次元座標情報で管理することができる。
被検査構造物の検査箇所の特定および当該箇所の検査画像を撮影するためのドローンの位置設定がなされたならば、いよいよ検査画像の取得作業となる。SLAMによる位置制御によりカメラ3を搭載したドローン1を前記撮影位置に誘導して前記検査箇所の検査画像を撮影する。第1の検査箇所の検査画像が撮影されたなら、第2の検査箇所の検査画像を撮影するためのドローン1の移動を行い検査画像を撮影する(St7)。ドローンの位置情報はこの作業において1つの検査箇所を対象とした検査画像の撮影が完了した後、オペレータが次の位置情報を順次設定入力してもよいし、予めすべての位置情報をプログラム化して設定入力し位置制御を行わせるようにしてもよい。設定されたすべての場所での撮影が終了したところで本発明に係るドローンを用いた構造物の検査は完了する。
次に、本発明の構造物検査方法の実施の形態の要部となるSLAMを用いたドローンの自律飛行について、前記したSt6の手順を詳しく説明する。1)飛行時のドローンの自己位置と傾きは、カメラによって撮影された動画情報を基にSLAMによって算出される。この計算はドローンに搭載されたPCによってでもよいし、地上に配備されたPCによって行ってもよい。また、SLAMに入力されるデータは一般的にはカメラの動画であるが、レーザ測位器のデータを用いることもできる。2)SLAMにより得られたドローンの自己位置情報は地上のPCに送信される。この地上のPCを用いて、3)ドローン座標と検査現場における構造物の位置情報を示す座標とを関係づける。この構造物の位置情報を示す座標は、現場の特定位置を原点とする座標系であっても衛星測位システム(GNSS)座標であってもよい。4)両者の座標対応関係が定まれば、以後の作業における検査位置情報をドローン座標の位置情報に変換し、ドローンの位置制御を行うことが可能となる。以上の準備作業を経ていよいよSt7の検査画像の取得となる。5)SLAMによる位置制御によりカメラ2を搭載したドローン1を先に設定した撮影位置に誘導して特定された検査箇所の検査画像を撮影する。第1の検査箇所の検査画像が撮影されたなら、第2の検査箇所の検査画像を撮影するためのドローン1の移動を行い、以後順次設定箇所に移動させて検査画像を撮影する。
本発明において、ドローン座標と検査現場における構造物の位置情報を示す座標とを関係づける手法について説明する。図2に示したものは本発明のドローンを位置制御する手法を概念的に示した図であって、図中(x,y,z)はドローンの座標系であり、(X,Y,Z)はTS又はGNSSの座標系を示している。この構造物の位置情報を示す座標は、地球座標系であれば、現場の特定位置を原点とする座標系であっても、衛星測位システム座標(以下GNSS座標と呼ぶ。)であってもよいが、この図の例ではドローンの位置確認にTSを用い、現場の特定位置を原点とする座標系で位置制御するものとされている。このTSは被検査構造物上の3点以上の特定点を選んでその位置を地上座標系データとして取得するSt3で使用するものを兼用することができる。
図3は位置制御し、ドローンを自律飛行させる動作をフローチャートで示したものである。まず、1)ドローンを飛行させ、2)その位置(A点、B点、C点、D点)をTS(又はGNSS)で測定し、PCに送信する。3)一方同じA点、B点、C点、D点の位置データをSLAMでも測定し、PCに送信する。4)PCではTS(又はGNSS)で測定した値とSLAMで測定した値との位置関係式を作成する。この演算はA(XA,YA,ZA)とB(XB,YB,ZB)とC(XC,YC,ZC)そしてD(XD,YD,ZD)の4点についてヘルマート変換/アフィン変換で確定し、ドローン座標とTS(又はGNSS)座標との関係式を求める。5)この関係式が得られた後のドローン位置E点以降は4)で得られた関係式によって、SLAMによるドローン座標はTS(又はGNSS)座標に変換される。6)被検査部位を撮影するために地上三次元座標情報で予め設定されたドローンの位置座標と、ドローンの現在位置情報との差から、ドローンの移動量をPCにて算出する。7)算出された移動制御量をPCからドローンの駆動機構に送信してドローンの移動を行う。8)ドローンの位置は設定値に一致しているかの確認を行う。もし一致していない場合は6)の動作に戻り一致するまで繰り返す。一致した場合は次に進む。9)この位置にドローンを留め構造物の要検査箇所の画像を撮影するなど、必要な作業を実行する。10)要検査箇所が他にあるかを確認し、ある場合には次の設定位置情報に置き換え、6)の動作に戻る。もし、次に設定位置情報がないのであれば11)動作完了(END)となる。
上記の動作を実験によっておこない得られたデータを以下に示す。実験は図4に示されるようなあるビルの矩形の屋上で行われた。屋上の一隅にTSを設置して鉛直方向にZ軸をとり、その屋上面位置を0(原点)とし、矩形の屋上の短辺に平行してX軸を、長辺に平行してY軸を設定しTS座標とした。ドローン座標は同じく鉛直方向にz軸を取り、ドローン中心位置を原点とし、x軸はカメラの光学軸方向にあわせ、y軸はそれに直交する方向とした。屋上平面から1〜5m上方にA〜Fの6定点を決め、A点はTS座標で(2,6,1)、B点は(3,5,1)、C点は(4,4,1)、D点は(5,6,1)、E点は(6,5,3)、F点は(7,6,5)とした。以上の準備の後、ドローンを飛ばし、搭載したカメラによって動画撮影を開始し、SLAM機能によって自己位置測定を開始した。実際の現場ではTSを動作させてこのドローンを追尾させ、A点に誘導させて、ホバリング停止させ、その際のドローン座標の値を取得するのが一般的なやり方となるが、この実験では位置情報を確実にするため、台を用意し、A点からD点にこの台を据え、ドローンの中心位置が1mの位置に静止するようにドローンを載置した。そして得たデータは、A点のドローン座標値が(1.368,3.759,1.000)であった。同様にB,C,D点についてのドローン座標値を順次取得した。その値は表1に示される通りであった。勿論、この様にドローンを特定位置の台上に載置して確実な位置情報を得る方法も現場の状況によっては採用できることは当然である。
次に、この4点のTS座標ならびにドローン座標の値から3次元アフィン変換を用いて、両座標の変換式を計算した。三次元アフィン変換の一般式は次に示されるものである。
X=ax+by+cz+d
Y=ax+by+cz+d ‥‥‥‥‥‥1式
Z=ax+by+cz+d

x=AX+BY+CZ+D
y=AX+BY+CZ+D ‥‥‥‥‥‥2式
z=AX+BY+CZ+D
この変換式を用い、E点とF点のドローン座標を算出させると表1に示されるように(4.785,1.451,3.000)と(6.067,2.049,5.000)なる値を得た。続いて、E点とされる値のドローン座標位置にドローンを自律飛行させて停止させると共に、TSをE点に照準を合わせてレーザを照射する。その際に照射したレーザがドローンの中心部を捉えていることを確認した。F点について同様の作業を行い、照射したレーザがドローンの中心部を捉えていることが確認できた。
地球座標のZ軸は鉛直方向であり、ドローン座標においても鉛直方向をz軸とすることが一般的であろうから、両軸は鉛直方向となり、軸変換は不要となることから、ドローン座標の地球座標変換においては二次元のヘルマート変換でこれを行うことも可能である。
この実験では屋上という限られた領域で行ったため、A点からD点の4か所の位置が近い位置に設定したが、この位置は距離を大きくとった方が軸変換式は精度が高くなって、広い領域にわたって位置情報が精度よくとれるので、推奨される。もっとも、本発明のような構造物の欠損箇所や疲労箇所の画像を得る検査においてはドローンを指定された位置への誘導については、測量値を得るような正確さが求められるわけではないので、ドローンの位置制御については高精度が求められるものではない。
上記の実施例では被検査構造物として橋梁を対象として説明したが、本発明は橋梁に限られるものではなく、トンネルや建築物、車両、三次元形状を備えたあらゆる構造物一般に適用可能である。
1 ドローン 2 カメラ
3 トータルステーション 4 コンピューター
10 被検査構造物
本発明はカメラやレーザー等を搭載した無人機を用いた構造物の三次元形状体の検査方法に関するもので、特に、人が近づきにくい橋梁の下面部分など構造物の精密画像を近接距離から取得する検査方法に適した技術である。
本発明の課題は、衛星測位システム情報を必要としない自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物の検査方法において、TSとドローンとの位置関係における構造物の障害物の影響を受けることなく、自由度の高い堅実なドローンを用いた構造物の検査方法を提示することにある。
本発明のSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物の検査方法は、被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得るステップと、該複数画像から前記被検査構造物の三次元点群情報の画像を得るステップと、前記被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得るステップと、該複数点の地上三次元座標情報を前記三次元点群情報の画像情報に重ねて前記被検査構造物の三次元点群情報の地上三次元座標情報を得るステップと、前記三次元点群情報から撮影位置を地上三次元座標情報で設定するステップと、ドローンに搭載したカメラやレーザー等の画像情報でSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得るステップと、該地図情報を測位手段の較正によって、前記地上三次元座標に重ねるステップと、前記撮影位置に自律飛行させて前記被検査構造物の特定箇所の検査画像を取得するステップとを踏むものである。
そして、前記被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得る測位手段には、TS、レーザ測位システムまたは衛星測位システムを用いるものとした。
また、本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、上記構成に加え、前記撮像位置は事前にメモリに記憶させておき、ドローンの移動をプログラムして位置制御させるようにした。
また、更なる本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、上記構成に加え、前記被検査構造物の三次元点群情報の画像から欠陥と推定される部位を把握し、該情報に基づき最適な位置と撮影視覚を決定し、撮影位置とカメラ角度を制御するようにした。
本発明のドローンを用いた構造物の検査方法は、衛星測位システム情報を必要としないドローンの自律飛行手法としてSLAM手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得た上で該地図情報を前記地上三次元座標に重ねて使用するものであるため、従来のように現場に設置したTSとドローンとの位置関係において構造物の障害物の影響を受けることがないため、入り組んだ複雑な構造物の検査も可能となり、自由度の高い堅実なドローンを用いた構造物の検査方法を実現できる。
しかも、SLAMによる自律飛行であるため、TSの設置位置などの原点位置から遠く離れた広い領域についても、自律飛行と検査が実行可能である。
以下、本発明の構造物検査方法について、まず、全体的に説明する。本発明に係るSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物の検査方法の実行手順は図1に示すとおりである。まず最初の作業(St1)は、橋梁などの被検査構造物を複数個所から画角の異なる撮影した複数の画像を得ることである。この作業から得られた多視点画像をステレオマッチングして被検査構造物の三次元点群データを作成する(St2)。被検査構造物が大型の場合は領域を分割し、複数領域の画像を組み合わせて全体画像を取得する。その場合、隣接画像は一部重なる部分を有するようにして重ねせて合成画像とする。この三次元点群データを作成する手法にはSfM(Structure from Motion)をはじめとする既存の手法が利用できるが、これによって得られる三次元座標データは三次元形状情報であってスケール情報を持たない。要するにこの三次元点群データは、形状が分かるがその寸法は分からない情報である。そこで、本発明は被検査構造物上の3点以上の特定点を選んでその位置を地上座標系データとして取得し(St3)、その複数の特定点位置座標データを前記三次元画像の点群データの特定点データに重ねてデータを対応させる(St4)。これによって、前記被検査構造物の三次元点群情報がすべて地上三次元座標情報に変換できる。これによって得られた被検査構造物の地上三次元座標情報をPCに記憶蓄積する。

Claims (3)

  1. 被検査構造物を複数個所から撮影した画像を得るステップと、該複数画像から前記被検査構造物の三次元点群情報の画像を得るステップと、前記被検査構造物の3点以上の地上三次元座標情報を得るステップと、該複数点の地上三次元座標情報を前記三次元点群情報の画像情報に重ねて前記被検査構造物の三次元点群情報の地上三次元座標情報を得るステップと、前記三次元点群情報から撮影位置を地上三次元座標情報で設定するステップと、ドローンに搭載したカメラの画像情報でSLAM手段を機能させてドローンの飛行領域の地図情報を得るステップと、該地図情報を前記地上三次元座標に重ねるステップと、前記撮影位置に自律飛行させて前記被検査部位の検査画像を取得するステップとを踏む、SLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法。
  2. SLAMによる前記地図情報を前記地上三次元座標に重ねる手段は、三次元アフィン変換または二次元ヘルマート変換を用いるものである請求項1に記載のSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法。
  3. 地上三次元座標情報を得る手段は、トータルステーション、レーザビーム測位計、衛星測位システムのいずれかを使用するものである請求項1または2に記載のSLAMによる自律飛行機能を備えたドローンを用いた構造物等の検査方法。
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