JP2020196103A - ロボットシステム - Google Patents

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博行 宮野
Hiroyuki Miyano
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Abstract

【課題】床等の設置部に固定されていなかったり簡易にしか固定されていなかったりする場合でも転倒しにくいロボットシステムを実現すること。【解決手段】設置部に設置される台と、前記台に搭載されているロボットと、前記設置部と前記ロボットとの間に設けられている複数の感圧部を有する感圧センサーと、前記感圧センサーの検出結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御部と、を備えることを特徴とするロボットシステム。【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットシステムに関するものである。
特許文献1には、作業用ロボットのハンドが開示されている。このハンドは、ワークの搬送、組立および分解を行う。また、このハンドは、ワークを把持するハンド指のハンド指先端部とハンド指ベースとの間に設けられたシート状圧力センサーを備えている。このシート状圧力センサーには、微小範囲の圧力を検出する圧力検出手段が複数分布している。このようなハンドは、圧力センサーが出力する計測信号とその分布の状態を検出することにより、ハンド指に加えられた力とその向きを検出する。そして、このハンドは、圧力の分布状態から、各種ワークを安定して把持することができる。
また、特許文献2には、トルクセンサーや加速度センサーを備えるロボットが開示されている。このロボットでは、トルクセンサーや加速度センサーの出力に基づいて、ロボットハンドの駆動が制御される。これにより、ロボットは、把持している対象物の落下を防止する。
近年、作業用ロボットを床に固定しないで使用することが増えている。この理由の1つは、ワークの位置や作業内容に応じて、作業用ロボットの位置を頻繁に変更するためである。作業用ロボットを固定していないことにより、作業用ロボットの位置を迅速に変更することが可能になる。このため、配置変更等における作業用ロボットの機動性を高めることができる。また、作業用ロボットを固定する場合にも、簡単に解除できるよう、簡易な固定が望まれている。
特開2003−94377号公報 特開平7−227779号公報
しかしながら、作業用ロボットが固定されていない場合、ワークの重量やロボットの姿勢、動作によっては、ロボットがバランスを失って転倒してしまうおそれがある。また、作業用ロボットの固定が簡易である場合は、ロボットがバランスを失ったときに固定が解除されて、転倒してしまうおそれがある。
本発明の適用例に係るロボットシステムは、
設置部に設置される台と、
前記台に搭載されているロボットと、
前記設置部と前記ロボットとの間に設けられている複数の感圧部を有する感圧センサーと、
前記感圧センサーの検出結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
第1実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 図1に示すロボットシステムの機能ブロック図である。 図1および図2に示すロボットシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図1の感圧センサーを一部透視して図示した斜視図である。 図4の部分拡大図である。 図5のA−A線断面図である。 図6に示す感圧センサーに圧力を付与している状態を示す図である。 図4に示す感圧センサーにおける圧力と検出値である抵抗値との関係の一例を示すグラフである。 図1に示す感圧センサーの受圧面における荷重分布の検出例を示す図である。 図1に示す感圧センサーの受圧面における荷重分布の他の検出例を示す図である。 図1に示すロボットシステムの側面図である。 第2実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 第3実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 第4実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 図14に示すセンシング部の平面視形状のバリエーションを示す図である。 図14に示すセンシング部の平面視形状のバリエーションを示す図である。 図14に示すセンシング部の平面視形状のバリエーションを示す図である。 図14に示すセンシング部の平面視形状のバリエーションを示す図である。 第5実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 第6実施形態に係るロボットシステムが備える感圧センサーを示す断面図である。 図20に示す感圧センサーの部分拡大斜視図である。 図21のB−B線断面図である。
以下、本発明のロボットシステムの好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。図2は、図1に示すロボットシステムの機能ブロック図である。図3は、図1および図2に示すロボットシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を設定している。X軸およびY軸は水平面と平行であり、Z軸は鉛直軸である。また、各図では、これらの軸を矢印で表しており、以下の説明では、矢印の先端側を「プラス」、基端側を「マイナス」として説明する。さらに、Z軸のプラス側を「上」、Z軸のマイナス側を「下」ともいう。また、本明細書における「平面視」とは、Z軸に沿った位置からZ軸に沿って見ることをいう。
図1に示すロボットシステム1は、ロボット2と、制御装置3と、台4と、感圧センサー6と、を備えている。
1.1 ロボット
このうち、図1に示すロボット2は、基台20と、ロボットアーム200と、を備えている。図1に示すロボットアーム200は、いわゆる6軸の垂直多関節ロボットアームである。基台20は、後述する台4に固定されている。
ロボットアーム200は、アーム201、アーム202、アーム203、アーム204、アーム205、およびアーム206を有する。これらアーム201〜206は、基台20側からこの順に連結されている。各アーム201〜206は、隣り合うアームまたは基台20に対して回動可能になっている。
ロボットアーム200の先端には、図1に示すように、作業対象物を把持する把持ハンド207が接続されている。なお、把持ハンド207は、交換可能である。把持ハンド207は、吸着ハンド、磁気ハンド、ねじ止めツール、係合ツール等の各種エンドエフェクターで代替可能である。このような把持ハンド207を備えるロボットシステム1は、例えば対象物の給材、除材、移載、搬送および組立等の作業を行う。
また、ロボット2は、図2に示すように、アーム201〜206を回動させる図示しないモーターと、図示しない減速機と、を備える駆動部230を有する。モーターとしては、例えば、ACサーボモーター、DCサーボモーター等のサーボモーターを用いることができる。減速機としては、例えば、遊星ギア型の減速機、波動歯車装置等を用いることができる。また、図2に示すロボット2は、位置センサー240を有する。位置センサー240は、モーターまたは減速機の回転軸の回転角度を検出する。駆動部230および位置センサー240は、例えば基台20および各アーム201〜206に設けられている。そして、駆動部230は、各アーム201〜206を互いに独立して駆動可能である。なお、各駆動部230および各位置センサー240は、それぞれ制御装置3と通信可能に接続されている。
なお、ロボットアーム200のアームの数は、1〜5本または7本以上であってもよい。また、ロボットアーム200は、スカラロボットであってもよく、2つまたはそれ以上のロボットアーム200を備える双腕ロボットであってもよい。
また、ロボットシステム1は、これらの他に任意の部材、機器等を備えていてもよい。任意の機器としては、例えば、作業対象物やロボット2またはその周辺を撮像する撮像部、ロボット2に加わる外力を検出する力センサー等が挙げられる。
1.2 制御装置
図2に示す制御装置3は、制御部31と、記憶部32と、外部入出力部33と、を有している。このような制御装置3は、位置センサー240の検出結果に基づいて、駆動部230に駆動信号を出力し、ロボットアーム200の駆動を制御する機能を有する。また、制御装置3には、例えば液晶モニター等を備える表示装置311と、例えばキーボード等を備える入力装置312と、が接続されている。
制御部31は、記憶部32に記憶された各種プログラム等を実行する。これにより、制御部31は、ロボット2の駆動の制御や各種演算、各種判断等を行うことができる。一例として、後述する感圧センサー6からの出力に基づき、ロボット2が転倒するおそれがあるときには、制御部31は、ロボット2の転倒を回避するように、ロボット2の駆動を制御する機能を有する。これにより、ロボット2の転倒を防止することができる。
記憶部32には、制御部31により実行可能な各種プログラムが保存されている。また、記憶部32には、外部入出力部33で受け付けた各種データが保存される。
外部入出力部33は、制御装置3と、ロボット2、表示装置311および入力装置312と、の接続の他、外部に設けられる任意の機器類等の接続に用いられる。
このような制御装置3のハードウェア構成は、特に限定されないが、例えば、図3に示すように、ロボット2と通信可能に接続されたコントローラー610と、コントローラー610に通信可能に接続されたコンピューター620と、を含んでいる。
このうち、図3に示すプロセッサーとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が挙げられる。
また、図3に示すメモリーとしては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリーや、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー等が挙げられる。なお、メモリーは、非着脱式に限らず、着脱式の外部記憶装置を有していてもよい。
さらに、図3に示す外部インターフェースとしては、各種の通信用コネクターが挙げられる。通信用コネクターとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクター、RS−232Cコネクター、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等が挙げられる。
なお、制御装置3には、前述した構成に加えて、さらに他の構成が付加されていてもよい。また、記憶部32に保存されている各種プログラムやデータ等は、予め記憶部32に記憶されていてもよいし、例えばCD−ROM等の記録媒体に格納され、この記録媒体から提供されていてもよいし、ネットワーク等を介して提供されてもよい。
1.3 台
図1に示す台4は、枠体41と、枠体41の下部から下方に延びる4本の脚部42と、枠体41の上部に固定されている天板43と、枠体41の内部に固定されている棚板44と、を有している。台4は、床、床に置かれたシート、板または台、床上を移動可能な台車等に設置される。図1では、一例として水平面と平行な床面からなる設置部9に台4が設置されている。
枠体41は、直方体の稜線に沿って延在する棒状の基材411X、411Y、411Zを有し、これらが互いに連結してなる構造体である。図1に示す枠体41は、X軸に沿って延在する4本の基材411Xと、Y軸に沿って延在する6本の基材411Yと、Z軸に沿って延在する4本の基材411Zと、を有している。そして、4本の基材411Zの上端には、2本の基材411Xと4本の基材411Yとで構成された略正方形状の上部フレームが設けられている。この上部フレーム上に天板43が固定されている。一方、4本の基材411Zの下端には、2本の基材411Xと2本の基材411Yとで構成された略正方形状の下部フレームが設けられている。この下部フレーム上に棚板44が固定されている。なお、枠体41の構成は、これに限定されない。例えば、枠体41における基材の本数は、本実施形態より多くても少なくてもよい。また、前述した構造体の角部同士を対角に結ぶように基材を追加するようにしてもよい。
脚部42は、下部フレームの下面から下方に突出する部材である。4本の脚部42は、4本の基材411Zの延長線上に位置している。図1に示すように、各脚部42は、後述する感圧センサー6のセンシング部60を介して設置部9上に配置されている。したがって、脚部42は、枠体41およびロボット2の重量を支えるとともに、脚部42の下面は、台4およびロボット2の総重量に伴う荷重でセンシング部60を下方に押圧している。
また、脚部42は、雄ネジが付されている軸部421と、軸部421に固定されているアジャスター部422と、を備えている。これらを備える脚部42は、Z軸に沿った長さを調整する機能を有している。つまり、枠体41には、軸部421の雄ネジと螺合する雌ネジが付されている。そして、枠体41に対して軸部421を上下に移動させることにより、脚部42の突出長さを調整することができる。これにより、枠体41と設置部9との距離を自在に変更することができ、ロボット2の上下の位置を自在に調整することができる。
また、脚部42の構成は、これに限定されない。例えば、脚部42の長さは可変ではなく固定であってもよい。また、脚部42の本数は、4本に限定されず、3本であっても、5本以上であってもよい。一方、アジャスター部422は、例えば円盤状の部材である。
天板43上には、ロボット2が固定されている。具体的には、ロボット2の基台20と天板43とがねじ止めされている。これにより、ロボット2と台4とが一体になっている。
また、棚板44上には、制御装置3が設置されている。図1に示す制御装置3は、棚板44上に単に置かれているだけでもよいし、図示しない固定具を用いて棚板44に固定されていてもよい。なお、棚板44上には、制御装置3の他に、任意の機器、例えば真空ポンプ等が設置されていてもよい。
1.4 感圧センサー
図1に示す設置部9と台4との間には、感圧センサー6のセンシング部60が配置されている。
図4は、図1の感圧センサー6を一部透視して図示した斜視図である。図5は、図4の部分拡大図である。図6は、図5のA−A線断面図である。図7は、図6に示す感圧センサー6に圧力を付与している状態を示す図である。図8は、図4に示す感圧センサー6における圧力と検出値である抵抗値との関係の一例を示すグラフである。
感圧センサー6は、図4に示すように、シート状をなすセンシング部60と、これと電気的に接続されているセンサーコントローラー65と、を有している。そして、感圧センサー6のうち、センシング部60が、設置部9と台4との間に設けられている。
センシング部60は、上面の受圧面61と、受圧面61に沿って配置されている複数の感圧部62と、を有している。受圧面61には、4本の脚部42が当接し、脚部42を介して台4およびロボット2の総重量に基づく圧力が付与されている。
感圧センサー6における圧力の検出原理としては、例えば電気抵抗方式、静電容量方式等が挙げられる。図4ないし図8に示す感圧センサー6は、電気抵抗方式を採用したセンサーである。
図5に示すセンシング部60は、機能部63と、機能部63を挟むように設けられた一対のフィルム体641、642と、を備えている。フィルム体641、642は、それぞれシート状をなしている。
機能部63は、図5および図6に示すように、フィルム体641に設けられたX軸電極631、および、フィルム体642に設けられたY軸電極632を備えている。X軸電極631は、X軸に沿って延在するとともにY軸に沿って並んでいる。Y軸電極632は、Y軸に沿って延在するとともにX軸に沿って並んでいる。また、X軸電極631は、フィルム体641から上方に向かって突出している。Y軸電極632は、フィルム体642から下方に向かって突出している。そして、フィルム体642の上面が前述した受圧面61である。
また、X軸電極631同士の間、および、Y軸電極632同士の間は、それぞれ互いに離間することによって絶縁されている。さらに、感圧センサー6に圧力が付与されていない状態では、図6に示すように、X軸電極631とY軸電極632との間も離間しており、これによって互いに絶縁されている。
一方、感圧センサー6に圧力が付与された状態では、図7に示すように、X軸電極631とY軸電極632とが接触する。これにより、接触部を介して、一部のX軸電極631と一部のY軸電極632との間の電気抵抗が減少する。かかる電気抵抗の変化を検出し、変化が生じたX軸電極631およびY軸電極632をそれぞれ特定することにより、圧力が付与された位置を求めることができる。
したがって、受圧面61を平面視したとき、X軸電極631とY軸電極632とが交差している交差部が感圧部62である。図4ないし図7に示す感圧センサー6は、受圧面61に沿ってマトリックス状に分布した複数の感圧部62を有している。
複数の感圧部62は、X軸に沿って列状に並ぶとともに、その列がY軸に沿って並ぶように設けられている。感圧センサー6では、受圧面61に脚部42が当接するとき、複数の感圧部62において、各脚部42における荷重分布を個別に検出することができる。それに加え、4本の脚部42における荷重分布を検出することもできる。
また、X軸電極631の表面は、図7に示すような凹凸6310を有している。同様に、Y軸電極632の表面は、図7に示すような凹凸6320を有している。感圧部62においてX軸電極631とY軸電極632とが接触すると、凹凸6310と凹凸6320とが接触する。このとき、感圧センサー6に付与される圧力が大きくなると、凹凸6310および凹凸6320がつぶれることにより、接触面積が増大する。このため、圧力の大きさと感圧部62における接触抵抗との間には、図8に示すような負の相関関係が成り立つ。この負の相関関係を利用することにより、抵抗値から圧力の大きさを求めることができる。そして、圧力の大きさから荷重を求めることができる。
また、感圧センサー6は、図4に示すように、センサーコントローラー65を有している。センサーコントローラー65は、各X軸電極631および各Y軸電極632と電気的に接続されている。また、センサーコントローラー65は、ケーブル68を介して制御装置3と電気的に接続されている。このようなセンサーコントローラー65では、各感圧部62におけるX軸電極631とY軸電極632との接触を検出する。そして、センサーコントローラー65は、接触した感圧部62に対応するX軸電極631およびY軸電極632を特定する。そして、その特定結果に基づいて、センサーコントローラー65は、接触した感圧部62のX軸に沿った位置、すなわちX軸座標と、Y軸に沿った位置、すなわちY軸座標と、を求める。センサーコントローラー65は、求めたX軸座標およびY軸座標を、制御装置3に出力する。
また、センサーコントローラー65では、接触した各感圧部62について、前述したような圧力の大きさ、または、各感圧部62が占める単位面積当たりの荷重を求める。センサーコントローラー65は、接触した感圧部62のX軸座標およびY軸座標とともに、かかる感圧部62についての圧力または荷重を、制御装置3に出力する機能も有する。なお、センサーコントローラー65が有するこれらの機能は、制御装置3が有していてもよい。つまり、センサーコントローラー65は、制御装置3に内蔵されていてもよい。
フィルム体641、642は、絶縁性および可撓性を有するフィルムであれば、特に限定されない。一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
また、X軸電極631およびY軸電極632は、それぞれ図6および図7に示すように、コア部66と、コア部66を覆う被覆部67と、を備えている。コア部66の主材料は、例えばAg、Au、Cu、Al等を含む金属材料である。また、被覆部67の主材料は、例えばゴム、エラストマー、樹脂等の絶縁性材料に、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、金属粉末のような導電性物質を分散させてなる複合材料である。なお、主材料とは、体積比で50%以上を占める材料のことをいう。被覆部67の主材料がこのような複合材料であることにより、感圧部62では、前述したように感圧センサー6に付与される圧力の大きさに応じて、被覆部67に変形を生じさせることができる。これにより、前述したような凹凸6310、6320がつぶれる現象を生じさせることができる。その結果、圧力と接触抵抗との間に一定の相関関係を成り立たせることができる。
以上、感圧センサー6の構成の一例について説明したが、感圧センサー6の構成はこれに限定されない。
また、感圧センサー6は、前述したように、ケーブル68を介して制御装置3と電気的に接続されている。図1および図2に示す制御装置3は、感圧センサー6の検出結果に基づいて、ロボットアーム200の駆動を制御する機能を有する。かかる制御の詳細については、後述する制御方法として説明する。
1.5 ロボットシステムの制御方法
次に、ロボットシステム1の制御方法の一例について説明する。
図1に示すように、4本の脚部42が感圧センサー6の受圧面61に当接している場合、感圧センサー6では、脚部42の当接面に対応した4つの領域において、荷重を検出する。
図9は、感圧センサー6の受圧面61における荷重分布の検出例を示す図である。図9では、荷重を検出した領域にドットを付している。また、荷重が相対的に大きい領域では、荷重が相対的に小さい領域に比べて、ドットの密度を高めている。
感圧センサー6では、前述したように、荷重が付与された位置と荷重の大きさとを検出することができる。このため、これらの情報を集約することにより、図9に示すような荷重分布を得ることができる。そうすると、この荷重分布からロボット2および台4の一体物の重心位置を求めることができる。図9の例では、脚部42に対応する領域42a、42b、42c、42dで荷重が検出されている。これらの検出結果に基づき、センサーコントローラー65では、各感圧部62のX軸座標およびY軸座標に関する位置情報と、各感圧部62の接触抵抗に関する抵抗情報と、を集約する。センサーコントローラー65は、集約した情報を感圧センサー6の検出結果としてそのまま制御装置3に出力してもよいし、集約した情報に対して任意の演算を行い、その演算結果を感圧センサー6の検出結果として制御装置3に出力してもよい。制御装置3の制御部31は、これらの出力に基づいて重心位置を算出し、それに基づいてロボット2の駆動を制御する。
なお、上記のようにして算出される重心位置とは、例えば、ロボット2および台4の一体物の重心を受圧面61に投影した投影点Cの位置を指す。図9には、感圧センサー6で検出した荷重分布に基づいて求めた投影点Cの例を図示している。
制御部31では、この投影点Cを常時または所定の時間間隔でモニターする。図9に示す例では、領域42a、42bにおいて検出した荷重より、領域42c、42dで検出した荷重がわずかに大きい。このため、図9に示す投影点Cは、台4の設置領域S、すなわち4本の脚部42の設置点を結ぶ領域の中央Oよりも多少、領域42c、42d側に位置している。この場合、ロボット2および台4の一体物は、比較的安定しており、転倒する確率は小さいと考えることができる。
一方、図10は、図1に示す感圧センサー6の受圧面61における荷重分布の他の検出例を示す図である。図10では、設置領域Sにおいて投影点Cの位置が図9よりも外側、すなわち図9に比べて中央Oからより遠くに位置している。この場合、ロボット2および台4の一体物は、図9の場合よりも不安定であり、図9の場合よりも転倒する確率が大きいと考えることができる。
なお、このような投影点Cの位置は、ロボットアーム200の伸縮状態や駆動速度、把持ハンド207が把持している作業対象物の重量や大きさ、形状等によって変化する。
そこで、図10に示すような検出結果が得られたときには、制御部31は、ロボットアーム200や把持ハンド207の駆動を制御することにより、ロボット2と台4の一体物の重心位置を調整する。これにより、制御部31は、投影点Cが設置領域Sの外側にそれ以上移動しないように、ロボット2に転倒回避作動をとらせる。具体的には、例えば、水平面に投影したときのロボットアーム200を長さが短くなるように、または、ロボットアーム200の駆動速度が遅くなるように、ロボットアーム200の駆動を制御する。また、把持ハンド207が作業対象物を把持しているときは、作業対象物を離すように把持ハンド207の駆動を制御する。これらの制御により、投影点Cを設置領域Sの中央Oへ近づけることができる。これにより、ロボット2と台4との一体物が転倒する確率を下げることができる。
なお、投影点Cの求め方には、例えば次のような方法がある。まず、受圧面61上に任意の原点を設定し、各感圧部62と原点との距離および各感圧部62における荷重とを求める。次に、荷重と距離との積を荷重の合計で除する。これにより、原点を基準にした座標系における各感圧部62の座標を求めることができ、さらに投影点Cの座標を求めることができる。
以上の制御内容は、一例であり、これ以外の制御内容であってもよい。例えば、図9または図10に示す荷重分布において、荷重の最大値と最小値とを求め、その差がしきい値を超えたか否かによって転倒回避作動の要否を判断するようにしてもよい。
また、図9および図10に示す領域42a、42b、42c、42dごとに、転倒回避作動の要否を判断するしきい値を設定してもよい。当該しきい値は、領域ごとに設定され、各領域内の全ての感圧部62の荷重の和を感圧部62の数で除することによって導き出される。この転倒回避作動は、領域42a、42b、42c、42dのうちの1つで当該しきい値を超えたときに実行される場合と、領域42a、42b、42c、42dのうちの1つとそれに隣り合うもう1つが、ともに、それぞれに設定されたしきい値を超えたときに実行される場合と、の2通りがある。なお、一例として、領域42a、42b、42c、42dのうちの1つが領域42aのとき、隣り合うもう1つは領域42bまたは領域42cである。
以上のように、本実施形態に係るロボットシステム1は、設置部9に設置される台4と、台4に搭載されているロボット2と、設置部9とロボット2との間に設けられている複数の感圧部62と、を有する感圧センサー6と、感圧センサー6の検出結果に基づいて、ロボット2の作動を制御する制御部31と、を備えている。
このようなロボットシステム1では、感圧センサー6の検出結果に基づいて、制御部31がロボット2の作動を制御する。このため、例えば、ロボット2および台4の一体物の重心を投影した投影点Cが台4の設置領域Sの外側に近づいた場合、投影点Cがより中央Oに近づくように、ロボット2の作動を制御する。これにより、ロボット2および台4の一体物がバランスを失って転倒する確率を下げることができる。その結果、転倒を事前に回避することができ、台4が床等の設置部9に固定されていなくても、あるいは、簡易な固定であっても、転倒しにくいロボットシステム1を実現することができる。
また、本実施形態では、感圧センサー6のセンシング部60が、台4と設置部9との間に設けられている。このため、感圧センサー6は、ロボット2による荷重分布のみでなく、台4による荷重分布も検出することができる。これにより、特に転倒しにくいロボットシステム1を実現することができる。
さらに、本実施形態では、台4は、前述したように、台本体である枠体41と、枠体41の下面(設置部9側の面)に設けられ、枠体41と設置部9との間に設置された脚部42と、を有している。そして、感圧センサー6のセンシング部60は、脚部42と設置部9との間に設けられている。
これにより、感圧センサー6は、脚部42がセンシング部60の受圧面61に付与する荷重の分布を検出することができる。これにより、感圧センサー6は、ロボット2および台4による荷重の偏重を検出することができる。このとき、脚部42を用いることで、例えば枠体41をそのまま受圧面61に当接させるよりも、受圧面61に付与する荷重がバラつきにくくなる。つまり、ロボット2および台4の重量が4本の脚部42に分散され、かつ、これら4本の脚部42が受圧面61を確実に押圧するため、意図しない荷重のバラつきが発生しにくい。その結果、ロボットシステム1では、ロボット2および台4の一体物の重心位置の特定精度を高めやすくなる。そして、制御部31は、ロボット2および台4の転倒を防止する制御を、より精度よく行うことができる。
ここで、図11は、図1に示すロボットシステム1の側面図である。
台4は、図11に示すように、枠体41の下部フレームから下方に向かって突出する支持板45をさらに備えている。この支持板45は、屈曲部451で直角に折り曲げられた、L字状をなす板体である。屈曲部451よりも一方側451aは、下部フレームに固定されており、屈曲部451よりも他方側451bは、図11に示すように、設置部9からわずかに離れた位置で宙に浮いている。図1に示す台4は、このような支持板45を複数備えている。
かかる構成によれば、ロボット2および台4が正常な姿勢にあるとき、つまり、投影点Cが設置領域Sの中心付近にあって、傾き等が発生していない場合には、各支持板45が感圧センサー6の受圧面61に接触することはない。このため、感圧センサー6では、脚部42による荷重のみを検出する。
一方、ロボット2および台4が傾いた場合、例えばロボットアーム200を伸長させた状態で、把持ハンド207が重い作業対象物を把持した場合、ロボット2および台4が瞬間的に傾くおそれがある。このような場合、投影点Cは図9および図10に示す設置領域Sの中心よりも外側に位置し、または設置領域Sの外側に位置することになる。制御部31は、前述したようにして荷重分布を検出し、このような荷重の偏重を検出した場合、それを解消するべくロボット2の作動を制御する。しかしながら、偏重の解消にはタイムラグが生じるため、荷重の偏重が著しくかつ急速に生じた場合には、ロボット2および台4が転倒してしまうおそれがある。
これに対し、支持板45を設けておくことにより、ロボット2および台4が傾いた場合でも、支持板45の他方側451bと感圧センサー6の受圧面61とが接触し、それ以上の倒れ込みを抑制する。つまり、支持板45が突っ張り棒として機能する。
また、支持板45の他方側451bと受圧面61との接触を感圧センサー6によって検出することにより、ロボット2および台4が実際に傾いたことを検出することもできる。この場合、制御部31は、荷重の偏重によるロボット2の作動の制御とは別のモードで、より強力に、荷重の偏重を解消するようにロボット2の作動を制御することもできる。
なお、支持板45と感圧センサー6とが離間していることは必須ではなく、ロボット2および台4の姿勢に関わらず、感圧センサー6に対して支持板45が当接していてもよい。その場合、支持板45による荷重分布も加味して、ロボット2および台4の荷重の偏重を検出することができ、より高精度な検出が可能になる。
また、前述したように、感圧センサー6の感圧部62は、マトリックス状に配置されている。このため、感圧部62が受圧面61に沿って均等に分布することになり、受圧面61が受ける荷重の分布をより精度よく検出することができる。その結果、荷重の偏重をいち早く捉えることができ、ロボット2および台4の転倒を避ける回避作動をロボット2に行わせることができる。
さらに、感圧センサー6は、前述したように、図6に示す、フィルム体641(第1シート)およびフィルム体642(第2シート)と、フィルム体641とフィルム体642との間に設けられている複数の感圧部62と、を有している。そして、感圧部62は、フィルム体641とフィルム体642との間に設けられた、後述する感圧層84に相当する被覆部67を有している。被覆部67でも、後述する感圧層84と同様、感圧センサー6に付与される圧力の大きさに応じて変形し、それに伴う電気抵抗変化を生じる。
このような構造の感圧センサー6は、簡単な構造であるにもかかわらず、付与される荷重の分布を検出することが可能である。このため、感圧センサー6の大型化および低コスト化を容易に図ることができ、例えば台4の大型化にも容易に対応することができる。
また、このような構造では、感圧部62同士のピッチが異なる感圧センサー6を容易に作製することができる。すなわち、感圧センサー6の作製に際し、ピッチの変更が比較的容易である。このため、感圧センサー6の検出精度を容易に調整することができ、過剰な検出精度に伴う解析負荷の増大を防止するとともに、検出精度の不足に伴って十分な効果が得られなくなるのを防止することができる。
さらに、ロボットシステム1は、例えばロボットアーム200に装着された図示しないジャイロセンサーを備えていてもよい。このジャイロセンサーは、ロボットアーム200の作動に伴う加速度や角速度を検出し、検出結果を含む信号を制御装置3に出力する。このため、制御装置3では、ジャイロセンサーからの出力を、感圧センサー6からの出力と関連付けてデータベース化し、保存することができる。そして、得られたデータベースを機械学習することにより、例えばロボット2および台4が転倒する際のジャイロセンサーからの出力の傾向を導き出すことができる。そうすると、かかる傾向を制御装置3においてロボット2の作動にフィードバックすることにより、より転倒しにくい作動を実現することができる。つまり、転倒しやすい条件をあらかじめ特定し、その条件にならないようにロボット2の作動を制御することで、転倒する確率を十分に下げることができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図12は、第2実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、重複する一部の符号については省略している。
前述した第1実施形態では、感圧センサー6が備える1つのセンシング部60が、台4と設置部9との間に配置されているのに対し、本実施形態では、感圧センサー6Aが4つのセンシング部60Aを備え、各センシング部60Aが4本の脚部42と設置部9との間に配置されている。また、4つのセンシング部60Aは、それぞれ図4に示すセンサーコントローラー65と電気的に接続されている。なお、図示の便宜のため、図12では、センシング部60Aと脚部42とを離して図示している。
各センシング部60Aは、脚部42のアジャスター部422に合わせた形状である円形をなし、かつ、アジャスター部422が当接可能な程度の大きさを有している。すなわち、アジャスター部422は、センシング部60Aに荷重を付与する荷重付与部として機能する。そして、平面視において、各センシング部60Aは、各アジャスター部422を包含する形状をなしている。
このような本実施形態では、センシング部60Aが4つに分かれているものの、各センシング部60Aから得られる信号をセンサーコントローラー65において集約することにより、第1実施形態に係る感圧センサー6と同様の検出結果を得ることができる。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態に係る台4は、枠体41の下面に設けられたキャスター46を備えている。このキャスター46により台4を容易に移動させることができる。なお、かかるキャスター46は、他の実施形態にも設けられていてもよい。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図13は、第3実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、重複する一部の符号については省略している。
前述した第2実施形態では、感圧センサー6Aの各センシング部60Aが脚部42と設置部9との間に配置されているのに対し、本実施形態では、感圧センサー6Bが4つのセンシング部60Bを備え、各センシング部60Bが支持板45と設置部9との間に配置されている。また、4つのセンシング部60Bは、それぞれ図4に示すセンサーコントローラー65と電気的に接続されている。なお、図示の便宜のため、図13では、センシング部60Bと支持板45とを離して図示している。
各センシング部60Bは、支持板45の他方側451bに合わせた矩形をなし、かつ、他方側451bが当接可能な程度の大きさを有している。そして、本実施形態に係る支持板45の他方側451bは、第1実施形態とは異なり、各センシング部60Bに当接するように構成されている。すなわち、他方側451bは、センシング部60Bに荷重を付与する荷重付与部として機能する。そして、平面視において、各センシング部60Bは、他方側451bを包含する形状をなしている。
また、各支持板45の他方側451bには、貫通孔451cが設けられている。さらに、各センシング部60Bには、貫通孔451cに対応する位置に貫通孔600Bが設けられている。本実施形態では、これらの貫通孔451cと貫通孔600Bの双方を貫通するように、図示しないボルト等を挿通して、両者を設置部9に固定する。この際、ボルトの長さや太さは最小限に留め、固定の解除を速やかに行えるようにする。これにより、簡易な固定を実現することができる。なお、ボルトは、その他の固定具で代替することが可能である。
このような本実施形態では、第1実施形態に係る感圧センサー6と同様の検出結果を得ることができる。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。例えば、台4を簡易に固定している場合でも、転倒しにくいロボットシステム1を実現することができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図14は、第4実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、重複する一部の符号については省略している。
前述した第1実施形態では、感圧センサー6のセンシング部60が台4と設置部9との間に配置されているのに対し、本実施形態では、感圧センサー6Cのセンシング部60Cがロボット2と台4との間に設けられている。具体的には、ロボット2の基台20の下面と天板43の上面との間に、センシング部60Cが配置されている。したがって、本実施形態においても、感圧センサー6Cのセンシング部60Cは、設置部9とロボット2との間に設けられている。
センシング部60Cは、基台20の下面に合わせた矩形をなし、かつ、基台20の下面が当接可能な程度の大きさを有している。すなわち、基台20は、センシング部60Cに荷重を付与する荷重付与部として機能する。そして、平面視において、センシング部60Cは、基台20の下面を包含する形状をなしている。なお、図示の便宜のため、図14では、天板43と基台20とを離して図示している。
このようなロボットシステム1によれば、感圧センサー6Cにおいて、ロボット2による荷重分布を検出することができる。そして、かかるロボットシステム1では、ロボット2による荷重分布に基づいて、ロボット2および台4の一体物全体が転倒するおそれがあることを制御部31において求めることができる。つまり、ロボット2による荷重分布に基づいて、一体物の重心がどこに位置するのかを求めることにより、一体物が転倒するか否かを算出することができる。これにより、例えば一体物が転倒しそうになった場合、制御部31によりロボット2の作動を制御し、一体物が転倒する確率を下げることができる。
以上のような第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、センシング部60Cが、台4とロボット2との間に配置されている。このため、センシング部60Cを一体物とともに取り扱うことができるので、前記各実施形態と比べて、ロボットシステム1全体の取り扱い性が良好である。これにより、ロボットシステム1を頻繁に移動させる場合、移動作業および再設置作業を効率よく行うことができる。
ここで、図15ないし図18は、それぞれ図14に示すセンシング部60Cの平面視形状のバリエーションを示す図である。なお、図15ないし図18では、天板43上に固定されているセンシング部60Cを図示しており、センシング部60Cが占める領域にドットを付している。
このうち、図15に示すセンシング部60Cは、天板43の上面のほぼ全面を覆う矩形をなしているとともに、基台20と天板43とを固定するボルトを挿通させるための貫通孔69を有している。
一方、図16に示すセンシング部60Cは、天板43の矩形をなす上面の四隅と中心とに位置するように、5か所に設けられている。各センシング部60Cは、それぞれ図示しない配線を介してセンサーコントローラー65と電気的に接続されている。
また、図17に示すセンシング部60Cは、天板43の矩形をなす上面のうち、各辺の中間部と上面の中心とに位置するように、5か所に設けられている。
さらに、図18に示すセンシング部60Cは、各貫通孔69の周囲に設けられ、それぞれ環状をなしている。
以上のように、センシング部60Cの平面視形状は、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図19は、第5実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、重複する一部の符号については省略している。
前述した第4実施形態では、台4が据え置き型であるのに対し、本実施形態では、台4Dが移動型になっている。
具体的には、図19に示す台4Dは、移動可能な台車47を有している。すなわち、ロボット2は、台車47上に固定されている。そして、感圧センサー6Dのセンシング部60Dがロボット2と台車47との間に設けられている。したがって、本実施形態においても、感圧センサー6Dのセンシング部60Dは、設置部9とロボット2との間に設けられている。
センシング部60Dは、基台20の下面に合わせた矩形をなし、かつ、基台20の下面が当接可能な程度の大きさを有している。すなわち、基台20は、センシング部60Dに荷重を付与する荷重付与部として機能する。そして、平面視において、センシング部60Dは、基台20の下面を包含する形状をなしている。なお、センサーコントローラー65は、例えば台車47に内蔵されている。
台車47は、ユーザーが手動で移動させる手動台車であってもよいが、AMR(Autonomous Mobile Robot)、AGV(Automated Guided Vehicles)等の自動台車であってもよい。自動台車であれば、ロボットシステム1が目的とする位置に移動してロボット2に様々な作業をさせることを可能にする。これにより、作業効率を高めることができる。
なお、自動台車は、磁気テープや磁気棒等のガイドに沿って目的地まで誘導される自動誘導方式を採用する台車であってもよく、周囲の状況を読み取って目的地まで自律的に移動する自律移動方式を採用する台車であってもよい。
そして、このような移動型の台4Dを備えるロボットシステム1によれば、移動可能なロボット2においても、転倒を抑制することができる。これにより、ロボット2の転倒に伴う破損等の発生を防止することができる。
以上のような第5実施形態においても第4実施形態と同様の効果が得られる。
6.第6実施形態
次に、第6実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図20は、第6実施形態に係るロボットシステムが備える感圧センサーを示す断面図である。図21は、図20に示す感圧センサーの部分拡大斜視図である。図22は、図21のB−B線断面図である。なお、各図では、一部の構成の図示を省略している。
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、各図において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第6実施形態に係るロボットシステムは、感圧センサーの構成が異なる以外、第1実施形態に係るロボットシステムと同様である。第1実施形態では、X軸電極631とY軸電極632との間が離間しているのに対し、本実施形態では、感圧層84が配置されている点で相違している。
図20ないし図22に示す感圧センサー6Eは、2枚のフィルム体87、87と、その間に設けられた機能部63Eと、を有する。機能部63Eは、センサー基板80と、センサー基板80の上面80aにマトリックス状に配列している複数の個別電極83と、感圧層84と、共通電極85と、がこの順で積層されてなる積層体を備えている。なお、図20および図21では、個別電極83の図示を省略している。
センサー基板80の上面80aは、図21に示すように、X軸方向およびY軸方向の双方に延在する波型形状をなしており、その上面80aに重なるように設けられた感圧層84および共通電極85も、図22に示すように、上面80aの形状にならった波型形状をなしている。
センサー基板80の構成材料としては、例えば、プラスチック、ガラス、石英等の絶縁性材料が挙げられる。
電気抵抗方式における感圧層84は、圧力が付与された場合の形状変化に伴って電気抵抗が低下し、それに基づいて圧力を検出可能な層である。また、感圧層84は、弾性を有しており、圧力を受けて変形するとともに、外圧が除かれた場合には元の状態に戻る特性を有している。さらに、感圧層84は、個別電極83や共通電極85よりも低いものの、導電性を有している。これにより、感圧層84に圧力が付与されたとき、その部分に位置する個別電極83と共通電極85との間で電流が流れる。したがって、センサーコントローラー65においてその電流を検出することにより、圧力を検出することができる。一方、静電容量方式における感圧層84は、誘電率を有する材料で構成される。そして、図6における感圧部62の面積、例えば図5のZ軸プラス側からの平面視においてX軸電極631とY軸電極632とが交差する面積、ならびに、感圧層62の誘電率および膜厚は、圧力を検出可能とするように適宜選択される。
感圧層84の構成材料としては、例えば、ゴム、エラストマー、樹脂等の弾性材料に、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブのような導電性物質を分散させてなる複合材料が挙げられる。このような複合材料では、圧力が付与された場合に、その部分において導電性物質同士が電気的につながり、電流を流すことができる。
共通電極85は、個別電極83とともに感圧層84を挟むように設けられている。共通電極85には、例えば接地電位が与えられている。
また、感圧センサー6Eは、前述したように複数の個別電極83を備えている。そして、1つの個別電極83、感圧層84および共通電極85により、1つのセンサー単位800が構成される。各センサー単位800では、圧力の付与によって感圧層84が弾性変形することを利用して、圧力を電気抵抗の変化として検出する。そして、電気抵抗の変化を検出したセンサー単位800の位置に基づき、圧力が付与された位置を検出することができる。また、センサー単位800同士の間で、測定された電気抵抗の変化の差分を求め、各種演算に供することにより、圧力の大きさを算出することができる。
以上のような感圧センサー6Eを備える第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明のロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
例えば、本発明のロボットシステムは、前記実施形態の各部の構成が、同様の機能を有する任意の構成に置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成が追加されたものであってもよい。
また、ロボットと感圧センサーとの間および台と感圧センサーとの間には、任意の介在物が介在していてもよい。
さらに、本発明のロボットシステムは、前記実施形態のうちの2つ以上を組み合わせたものであってもよい。
1…ロボットシステム、2…ロボット、3…制御装置、4…台、4D…台、6…感圧センサー、6A…感圧センサー、6B…感圧センサー、6C…感圧センサー、6D…感圧センサー、6E…感圧センサー、9…設置部、20…基台、31…制御部、32…記憶部、33…外部入出力部、41…枠体、42…脚部、42a…領域、42b…領域、42c…領域、42d…領域、43…天板、44…棚板、45…支持板、46…キャスター、47…台車、60…センシング部、60A…センシング部、60B…センシング部、60C…センシング部、60D…センシング部、61…受圧面、62…感圧部、63…機能部、63E…機能部、65…センサーコントローラー、66…コア部、67…被覆部、68…ケーブル、69…貫通孔、80…センサー基板、80a…上面、83…個別電極、84…感圧層、85…共通電極、200…ロボットアーム、201…アーム、202…アーム、203…アーム、204…アーム、205…アーム、206…アーム、207…把持ハンド、230…駆動部、240…位置センサー、311…表示装置、312…入力装置、411X…基材、411Y…基材、411Z…基材、421…軸部、422…アジャスター部、451…屈曲部、451a…一方側、451b…他方側、451c…貫通孔、600B…貫通孔、610…コントローラー、620…コンピューター、631…X軸電極、632…Y軸電極、641…フィルム体、642…フィルム体、800…センサー単位、6310…凹凸、6320…凹凸、C…投影点、O…中央、S…設置領域

Claims (8)

  1. 設置部に設置される台と、
    前記台に搭載されているロボットと、
    前記設置部と前記ロボットとの間に設けられている複数の感圧部を有する感圧センサーと、
    前記感圧センサーの検出結果に基づいて前記ロボットの作動を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするロボットシステム。
  2. 前記感圧部は、マトリックス状に配置されている請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記感圧センサーは、第1シートおよび第2シートを有し、
    前記感圧部は、前記第1シートと前記第2シートとの間に設けられている感圧層を有する請求項1または2に記載のロボットシステム。
  4. 前記感圧センサーは、前記台と前記設置部との間に設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
  5. 前記台は、
    台本体と、
    前記台本体の前記設置部側の面に設けられ、前記台本体と前記設置部との間に配置された脚部と、
    を有し、
    前記感圧センサーは、前記脚部と前記設置部との間に設けられている請求項4に記載のロボットシステム。
  6. 前記脚部は、長さを調整する機能を有する請求項5に記載のロボットシステム。
  7. 前記感圧センサーは、前記ロボットと前記台との間に設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
  8. 前記台は、台車を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロボットシステム。
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WO2022219784A1 (ja) * 2021-04-15 2022-10-20 ファナック株式会社 搬送用脚部材及びロボット装置
WO2024150528A1 (ja) * 2023-01-11 2024-07-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 荷重センサ

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