JP2020192619A - 物体把持装置 - Google Patents

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善光 生駒
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将啓 中村
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司 法上
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圭佑 中村
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朗通 前川
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麻千子 笹井
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将司 森田
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Abstract

【課題】小型且つ軽量で、優れた応答性を有する物体把持装置を提供する。【解決手段】物体把持装置1は、ジャミング転移により状態が変化する物質が収容された可撓性及び気密性を有するバッグ11を含み、対象物を把持する形状可変な把持部10と、気体を吸着脱着可能な多孔体21及びエネルギー発生装置22を有し、バッグ11内の圧力を所定負圧に減圧したりバッグ11内の圧力を大気圧に戻したりすることができる加圧減圧部20とを備え、加圧減圧部20は、エネルギー発生装置22によって多孔体21にエネルギーを与えて多孔体21に吸着している気体を脱着させることでバッグ11内を加圧し、エネルギー発生装置22によって多孔体21に与えているエネルギーを取り除いて多孔体21に気体を吸着させることでバッグ11内を減圧する。【選択図】図1

Description

本開示は、物体把持装置に関する。
様々な形状の対象物を保持することができる物体把持装置が知られている。近年、この種の物体把持装置として、ジャミング転移を利用したロボットハンド等の研究がなされている。
従来、この種の物体把持装置として、例えば特許文献1には、内部に粉体を充填させた可撓性及び気密性を有するバッグを有する把持部と、バッグ内の圧力を減圧する減圧装置とを有する形状自在な吸着グリッパが開示されている。
特開2012−236240号公報
しかしながら、従来の物体把持装置では、真空ポンプを用いてバッグ内の圧力を減圧するため、物体把持装置が大型化したり重量が大きくなったりする。一方、真空ポンプを用いずにバッグ内の圧力を減圧しようとすると、バッグから気体を排出するのに時間がかかってしまい、応答性が悪くなる。
本開示は、小型且つ軽量で、優れた応答性を有する物体把持装置を提供することを目的とする。
本開示に係る物体把持装置の一態様は、ジャミング転移により状態が変化する物質が収容された可撓性及び気密性を有するバッグを含み、対象物を把持する形状可変な把持部と、気体を吸着脱着可能な多孔体及びエネルギー発生装置を有し、前記バッグ内の圧力を所定負圧に減圧したり前記バッグ内の圧力を大気圧に戻したりすることができる加圧減圧部とを備え、前記加圧減圧部は、前記エネルギー発生装置によって前記多孔体にエネルギーを与えて前記多孔体に吸着している気体を脱着させることで前記バッグ内を加圧し、前記エネルギー発生装置によって前記多孔体に与えているエネルギーを取り除いて前記多孔体に気体を吸着させることで前記バッグ内を減圧する。
小型且つ軽量で、優れた応答性を有する物体把持装置を実現することができる。
実施の形態に係る物体把持装置の構成を模式的に示す断面図である。 一般的な多孔体における気体の吸着等温線の一例を示す図である。 ゼオライトについてのCOの吸着等温線を示す図である。 一般的なゲート吸着型MOFにおける気体の吸着等温線の一例を示す図である。 ELM−11についてのCOの吸着等温線を示す図である。 実施の形態に係る物体把持装置のバッグ内が減圧状態である場合を模式的に示す図である。 実施の形態に係る物体把持装置のバッグ内が加圧状態である場合を模式的に示す図である。 実施の形態に係る物体把持装置をロボットハンドに適用したときに、ロボットハンドがワークを把持するときの動作を説明するための図である。 多孔体と粉末接着剤とで構成された複合体の一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の包括的又は一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において、縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る物体把持装置1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る物体把持装置1の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示される物体把持装置1は、ジャミング転移を利用することにより様々な形状の対象物を把持することができる。図1に示すように、物体把持装置1は、対象物を把持する形状可変な把持部10と、把持部10内の圧力を制御するための加圧減圧部20とを備える。
把持部10は、ジャミング転移により状態が変化する物質が収容された可撓性及び気密性を有するバッグ11を含む把持装置である。本実施の形態では、バッグ11の内部には、ジャミング転移により状態が変化する物質として、粒体12が充填されている。つまり、バッグ11内には、無数の粒体12が詰め込まれている。把持部10は、バッグ11内に充填された粒体12がジャミング転移により固体的に振る舞ったり流体的に振る舞ったりして状態が変化することで、軟質化したり硬質化したりする。把持部10は、軟質化すると変形可能な軟質状態となり、硬質化すると変形しにくい硬質状態となる。
バッグ11は、内部に空間を有する袋状の中空バッグである。バッグ11は、把持部10における対象物を把持する部分である。具体的には、バッグ11は、把持する対象物と接触し、把持する対象物の形状に倣って形状が変化する。したがって、バッグ11は、エラストマー等によって構成されたゴム弾性を有する弾性変形可能なバッグであるとよい。
なお、バッグ11は、外力によって可逆的に形状が変形する閉鎖系のものであれば、弾性変形するものに限らない。また、バッグ11そのものから気体が抜けていかないように、バッグ11は、ガスバリア性の高い材料によって構成されていたり、表面にシリカコート等のガスバリア膜が被膜されていたりするとよい。
バッグ11内に充填される粒体12は、把持する対象物の形状にバッグ11の形状を倣わせる際に流動しやすいものであるとよい。したがって、粒体12の形状は、球状であるとよい。なお、粒体12の形状は、起伏のある形状又は多角面体の形状であってもよい。また、粒体12は、無機材料、有機材料又は金属材料等からなる粉体又は粒子等である。粒体12としては、例えば、発泡スチロール等に用いられるポリスチレン等の樹脂材料からなる樹脂ビーズ又はガラス材料からなるガラスビーズ等を用いることができる。なお、粒体12の材料は、これに限るものではなく、バッグ11に充填されてジャミング転移を発揮する材料であればよい。
加圧減圧部20は、バッグ11内の圧力を制御する加圧減圧装置である。具体的には、加圧減圧部20は、バッグ11内の気体をバッグ11から排出することでバッグ11内を減圧し、バッグ11内に気体を送り込むことでバッグ11内を加圧する。本実施の形態において、加圧減圧部20は、バッグ11内の圧力を所定負圧に減圧したり、バッグ11内の圧力を大気圧に戻したりする。加圧減圧部20は、バッグ11内の圧力を変化させることで、把持部10の状態を軟質状態と硬質状態とに切り替えることができる。すなわち、把持部10又はバッグ11は、加圧減圧部20による圧力変化対象部となる。
加圧減圧部20は、気体を吸脱着可能な多孔体21と、エネルギー発生装置22とを有している。バッグ11内の圧力は、多孔体21とエネルギー発生装置22とによって制御される。つまり、多孔体21及びエネルギー発生装置22は、把持部10のバッグ11内の圧力を制御する圧力制御部として機能する。
多孔体21は、気体を吸脱着することができる。つまり、多孔体21は、気体を吸着したり、吸着している気体を脱着したりすることができる。具体的には、多孔体21は、エネルギーが与えられることで多孔体21に吸着している気体を脱着し、多孔体21に与えられているエネルギーが取り除かれることで気体を吸着する。
多孔体21と吸脱着する気体は、気体分子であり、多孔体21の細孔表面との相互作用によって多孔体21に吸着する。なお、本明細書では、多孔体21と吸脱着する気体分子は、単に「気体」として記載する。
多孔体21には、エネルギー発生装置22によってエネルギーが与えられる。本実施の形態におけるエネルギー発生装置22は、多孔体21に熱エネルギーを与える熱を発生する加熱装置である。熱を発生させるエネルギー発生装置22は、一例として、ヒータである。この場合、多孔体21は、エネルギー発生装置22によって熱エネルギーが与えられることで多孔体21に吸着している気体を脱着し、エネルギー発生装置22によって多孔体21に与えている熱エネルギーが取り除かれることで気体を吸着する。
なお、多孔体21に与えている熱エネルギーが取り除かれる場合には、多孔体21への熱エネルギーの印加を停止させる場合及び多孔体21に印加される熱エネルギーを減少させる場合のいずれの場合であってもよい。具体的には、エネルギー発生装置22がヒータである場合、ヒータをオフすることで多孔体21への熱エネルギーの印加を停止させることができ、また、ヒータにより加熱温度を低くすることで、多孔体21に印加される熱エネルギーを減少させることができる。
加圧減圧部20は、さらに、密閉容器23を有しており、多孔体21は、密閉容器23内に配置されている。密閉容器23は、例えばステンレス等の金属材料によって構成されているが、密閉容器23は、気密封止できる容器であれば、金属製に限るものではない。
本実施の形態において、把持部10と加圧減圧部20とは、通気路30を介して分離されている。具体的には、加圧減圧部20の密閉容器23と把持部10のバッグ11とが通気路30によって連結されている。密閉容器23とバッグ11と通気路30とは、互いに気体が行き来できるように構成されているとともに、密閉容器23とバッグ11と通気路30とによって1つの密閉された空間領域となる密閉系が形成されている。この空間領域には、特定の気体が充填されている。
通気路30は、筒状部材であり、例えば、金属製又は樹脂製のパイプである。通気路30は、把持部10及び加圧減圧部20とは別体であってもよいし、把持部10の一部であってもよいし、加圧減圧部20の一部であってもよい。
このように、密閉容器23とバッグ11とは、密閉された状態で通気路30によって連結されているので、多孔体21に熱エネルギーが与えられて多孔体21から気体が脱着すると、多孔体21から脱着した気体は、通気路30を介してバッグ11内に移動する。これにより、バッグ11内が加圧される。一方、多孔体21に与えている熱エネルギーが取り除かれて多孔体21に気体が吸着する場合、バッグ11内の気体が通気路30を介して密閉容器23に移動する。これにより、バッグ11内が減圧する。
以上のように、加圧減圧部20は、エネルギー発生装置22によって多孔体21にエネルギーを与えて多孔体21に吸着している気体を脱着させることでバッグ11内を加圧し、エネルギー発生装置22によって多孔体21に与えているエネルギーを取り除いて多孔体21に気体を吸着させることでバッグ11内を減圧する。
なお、通気路30には、通気路30を通る気体の流れを制御する制御装置40が設けられている。制御装置40は、例えば、通気路30の開閉を制御したり、通気路30を通る気体の流量を制御したりする。制御装置40は、例えばコックである。
上記のように、本実施の形態における物体把持装置1では、多孔体21に気体を吸脱着させることでバッグ11内の圧力を制御するが、密閉容器23内に配置された多孔体21が気体を吸着するためには、多孔体21に活性化処理を施しておく必要がある。この場合、予め活性化処理を施した多孔体21を密閉容器23に配置しておいてもよいし、活性化処理前の多孔体21を密閉容器23に配置した後に密閉容器23を加熱真空引きすることで多孔体21に活性化処理を施してもよい。活性化処理が施された多孔体21が密閉容器23に配置された状態で密閉容器23内に特定の気体を一定量導入すると、多孔体21は、吸着等温線にしたがって所定量の気体を吸着する。
ここで、一般的な多孔体における気体の吸着等温線の一例を図2に示す。図2に示すように、気体の圧力が上昇すると、多孔体の気体の吸着量は増加する。また、温度が上昇すると、多孔体の気体の吸着量は減少する。したがって、図2に示すように、ある一定の第1温度Tにおいて多孔体が第1吸着量G1の気体を吸着して気体が第1圧力Pに達した状態から、気体に熱を与えて第2温度T(T>T)まで上昇させると、多孔体の気体の吸着量は、第2吸着量Gまで減少する。このため、第1吸着量Gと第2吸着量Gとの差分量(G−G)の気体が多孔体から脱着され得る。
一方、熱エネルギーの印加を停止して気体の加熱を止めると、気体が冷却されて温度が低下する。例えば、熱エネルギーの印加を停止すると、高温の第2温度Tから低温の第1温度Tにまで温度が低下する。この結果、多孔体の気体の吸着量は、第2吸着量Gから第1吸着量Gにまで上昇する。このため、第1吸着量Gと第2吸着量Gとの差分量(G−G)の気体が多孔体に吸着され得る。
このことは、本実施の形態のように、多孔体21が密閉系に配された場合においても、熱エネルギーの印加の有無によって多孔体21に吸着された気体が脱着したり多孔体21に気体が吸着したりすると考えられる。本実施の形態における物体把持装置1は、多孔体21が気体を吸脱着する性質を利用して加圧減圧部20を構成している。
この場合、本実施の形態では、加熱による気体の脱着及び冷却による気体の吸着は、ヒータ等の加熱装置であるエネルギー発生装置22によって制御している。例えば、ヒータであるエネルギー発生装置22を、密閉容器23における多孔体21が配置された部分又は多孔体21が充填された部分に接触させて設置し、ヒータをオンすることで多孔体21を加熱し、ヒータをオフすることで自然放冷により多孔体21を冷却する。なお、自然放冷では冷却速度が遅い場合には、冷却装置として、ペルチェ素子又は冷媒循環装置等を別途設置してもよい。また、加熱装置又は冷却装置の構成については、所定量の圧力変化に必要な量の吸着又は脱着を多孔体が起こし得る範囲の温度制御が可能な構成であれば、特に限定されるものではない。また、加熱時及び冷却時の温度は、多孔体21の種類、密閉容器23の容積及び使用圧力範囲等に応じて適宜設定すればよい。
多孔体21と吸脱着する気体の種類は、特に限定されるものではないが、安全面及びコスト面の観点から、実用的な気体の中では、常温及び常圧付近で多孔体21への吸着量が十分に大きい気体であるとよい。このような気体を用いることで、気体を低温に保つための機構が不要になり、所定量の圧力変化に必要な多孔体21の量を少なくすることができる。以上の観点から、多孔体21と吸脱着する気体としては、例えば、二酸化炭素(CO)が考えられる。
ここで、加圧減圧部20における多孔体21の具体例について、詳細に説明する。多孔体21は、無数の細孔を有する多孔質構造の物体である。一例として、多孔体21は、粉末状であるが、これに限らない。
多孔体21は、上述のように、気体が吸着したり、吸着している気体が脱着したりする。このような多孔体21としては、例えば、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ又は樹脂等の有機物からなる有機多孔体、ゼオライト、メソポーラスシリカ又はメソポーラスアルミナ等の無機物からなる無機多孔体、金属有機構造体(MOF;Metal−organic framework)、あるいは、多孔性配位高分子(PCP;Porous coordination polymer)等の多孔物体が挙げられる。また、多孔体21は、これらの多孔物体のうちの1つのみによって構成されていてもよいし、これらの多孔物体を複数組み合わせた複合体であってもよい。つまり、多孔体21は、無機物、有機物及び金属の少なくとも一つと複合化された複合体であってもよい。
一例として、多孔体21としてゼオライトを用いた場合に、ゼオライトにおけるCOの吸脱着について、図3を用いて説明する。図3は、ゼオライトについてのCOの吸着等温線を示す図である。図3に示すように、ゼオライトについては、気体の圧力が上昇すると、ゼオライトに吸着するCOの吸着量が増加する。また、温度が上昇すると、ゼオライトに吸着するCOの吸着量は減少する。したがって、ゼオライトを加熱したり冷却したりすることで、ゼオライトにCOを吸着させたりゼオライトからCOを脱着させたりすることができる。
多孔体21の種類は、多孔体21と吸脱着する気体、バッグ11の容積、バッグ11内の圧力変化範囲、及び、多孔体21に必要な吸着量に応じて、これらの多孔物体から適宜選択すればよく、特に制限されるものではないが、吸着量及び応答性の観点から、多孔体21は、金属有機構造体(以下「MOF」と記載する)又は多孔性配位高分子であるとよい。
多孔体21としてMOFを用いる場合、MOFの具体的様態については特に限定されるものではないが、多孔体21と吸脱着する特定の気体に対して常温付近での吸着量が大きいMOFを用いるとよい。また、常温から温度を上昇させたときの吸着量の減少が大きいMOFを用いてもよい。これにより、気体の脱着時の温度を低下させることができるので、必要な熱エネルギーを少なくすることができる。また、加熱及び冷却に要する時間が少なくなるので、気体の吸脱着の応答速度を速くすることができる。つまり、気体の吸脱着の応答時間を短くすることができる。
また、MOFとして、本開示の発明者らは、[Mg(dobdc)]の化学式で表されるMg−MOF−74を合成した。Mg−MOF−74は、COに対して、図3に示されるゼオライトのような吸着等温線を示す。以下、Mg−MOF−74(Mg(dobdc);dobdc=2,5−ジヒドロキシテレフタル酸)を例に挙げ、その具体的な合成方法について説明する。
まず、多孔体として、水熱合成法により、マグネシウムイオンと2,5−ジヒドロキシテレフタル酸からなるMg−MOF−74を合成した。なお、合成に関しては、下記の手法に限定されるものではなく、目的の構造を有する多孔体は、各種方法を用いて合成してもよい。
具体的には、富士フィルム和光純薬株式会社製硝酸マグネシウム六水和物を623mg、シグマアルドリッチ株式会社製2,5−ジヒドロキシテレフタル酸を150mg、富士フィルム和光純薬株式会社製N,N−ジメチルホルムアミドを60mL、富士フィルム和光純薬株式会社製エタノールを4mL、及び蒸留水4mLを混合することによって、原料溶液を調製した。この原料溶液を100mLのテフロン(登録商標)製バイアルに入れ、125℃で24時間、加熱した。得られた試料を固液分離した後、富士フィルム和光純薬株式会社製メタノールで3回洗浄した。洗浄後の試料を50mLのポリプロピレン製バイアルに入れ、富士フィルム和光純薬株式会社製メタノール30mLを加え、常温で24時間静置させた後、上澄み液を取り除くことによって、残存溶媒の交換を行った。この交換作業を計4回繰り返した後、減圧乾燥させた。これにより、Mg−MOF−74を生成することができる。
得られたMg−MOF−74のCOの吸着量を実測したところ、Mg−MOF−74のCOの吸着量(常圧30℃と常圧150℃とのCOの吸着量の差)は、11.0wt%であり、Mg−MOF−74は、後述するELM−11よりもCOの吸着量が多いことが分かった。また、Mg−MOF−74については、数秒オーダーでCOの吸着が起こることも確認した。
また、多孔体21は、ゲート吸着型の金属有機構造体(以下、「ゲート吸着型MOF」と記載する)であってもよい。ゲート吸着とは、気体の吸着量が急激に変化する現象であり、ゲート吸着型MOFは、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)で定義される吸着等温線の6分類では分類することができない特殊な吸着等温線を示す。
ここで、一般的なゲート吸着型MOFの吸着等温線を図4に示す。図4に示すように、気体の圧力が低圧である場合、ゲート吸着型MOFは、気体をほとんど吸着しないが、気体圧力が一定値(この時の圧力がゲート圧と呼ばれる)に達すると、ゲート吸着型MOFの構造が変化(例えば、積層がずれる、層間が広がる等)し、ゲート吸着型MOFに気体が取り込まれる。このため、ゲート圧を境に気体の吸着量は急激に増加する。一方、気体が脱着する際には、気体圧力がゲート圧以下に低下すると、ゲート吸着型MOFに取り込まれていた気体が放出され、ゲート吸着型MOFが元の構造に戻ろうとするため、ゲート吸着型MOFから急激に気体が脱着する。一般的に、ゲート吸着型MOFにおいては、図4に示すように、吸着時の圧力等温線と脱着時の吸着等温線にはヒステリシスループが生じ、吸着時のゲート圧は脱着時のゲート圧よりも高圧側に存在する。また、ゲート吸着型MOFにおいては、温度が上昇すると、ゲート圧は高圧側にシフトする。
このようなゲート吸着現象は、MOFの構造の柔軟性に基づいており、MOFに特有の現象である。したがって、柔軟性を有していない従来の多孔体では、ゲート吸着現象は生じない。
このような特性を有するゲート吸着型MOFについては、図4に示すように、ある一定の第3温度Tにおいてゲート吸着型MOFが第3吸着量G3の気体を吸着して気体が第3圧力Pに達した状態から、脱着のゲート圧が第3圧力P以上になるときの第4温度T(T>T)まで加熱すると、脱着時の吸着等温線から、ゲート吸着型MOFの吸着量は第4吸着量Gとなり、第3吸着量Gと第4吸着量Gとの差分量(G−G)の気体がゲート吸着型MOFから脱着され得る。
一方、気体を冷却して、高温の第4温度Tから低温の第3温度Tにまで温度が低下すると、ゲート吸着型MOFの気体の吸着量は、第4吸着量Gから第3吸着量Gにまで上昇する。このため、第3吸着量Gと第4吸着量Gとの差分量(G−G)の気体がゲート吸着型MOFに吸着され得る。
図4に示される吸着挙動を示すゲート吸着型MOFについては、図2に示される一般的な吸着挙動を示す多孔体を用いた場合と比較して、効率よく気体の吸脱着が行われる。つまり、気体の吸脱着の応答時間が短い。
具体的には、図2に示される一般的な吸着挙動を示す多孔体においては、脱着する気体の量(G−G)は、多孔体が吸着した気体の第1吸着量Gよりも少なくなる。この場合、一般的に、完全に気体を脱着させる、すなわちG=0にするには高温まで加熱する必要がある。これに対して、図4に示されるゲート吸着型MOFを用いた場合、脱着される気体の量(G−G)においてG=0とみなすことができるため、ゲート吸着型MOFが吸着した気体の第3吸着量Gの分の全てをゲート吸着型MOFから脱着させることができる。また、ゲート吸着型MOFについては、吸着量の変化が急激に生じるため、吸着及び脱着に伴う応答性を向上させることができる。
ゲート吸着型MOFの具体的様態については、特に限定はされるものではないが、ゲート吸着型MOFと吸脱着する特定の気体に対して常温付近での吸着量が大きいゲート吸着型MOFであるとよい。また、常温から温度を上昇させたときに、ゲート圧が急激に高圧側にシフトするゲート吸着型MOFであるとよい。これにより、気体の脱着時の温度を低下させることができ、必要な熱エネルギーを少なくすることができる。また、加熱及び冷却に要する時間が少なくなるので、気体の吸脱着の応答速度を速くすることができる。
多孔体21の常温常圧下での気体の吸着量は15wt%以上であるとよい。また、多孔体21の100℃での気体の吸着量は1wt%以下であるとよい。また、多孔体21がゲート吸着型MOFである場合、多孔体21の30℃常圧下での気体の吸着量と多孔体21の150℃常圧下での気体の吸着量との差が2wt%以上であるとよい。
多孔体21と吸脱着する気体が二酸化炭素である場合に好適に用いられるゲート吸着型MOFとしては、例えばELM(Elastic Layerstructuredmetal organic frameworks)−11等のELM類が挙げられる。ELM−11は、[Cu(bpy)(BF])の化学式で表される。ELM−11のCOの吸着量を実測したところ、ELM−11のCOの吸着量(常圧30℃と常圧150℃とのCOの吸着量の差)は、2.2wt%であった。
また、ELM−11についてのCOの吸着等温線を図5に示す。図5に示すように、ELM−11は、ゲート吸着の特性を示し、温度に応じてゲート圧を有することが分かる。なお、ELM−11は、吸着時の圧力等温線と脱着時の吸着等温線とでヒステリシスループが発生せず、吸着時のゲート圧と脱着時のゲート圧とが一致している。
また、上述のゼオライトは、図3の吸着等温線に示されるように、圧力の影響を受けにくく、温度の変化により気体の吸脱着が徐々に発現していたが、ELM−11は、図5に示すように、圧力の影響を受けやすく、温度に変化により気体の急激な吸脱着が発現する。
次に、本実施の形態に係る物体把持装置1の動作について、図6A及び図6Bを用いて説明する。図6Aは、実施の形態に係る物体把持装置1のバッグ11内が減圧状態である場合を模式的に示す図である。図6Bは、同物体把持装置1のバッグ11内が加圧状態である場合を模式的に示す図である。
図6A及び図6Bでは、エネルギー発生装置22としてヒータを用いている。また、密閉容器23とバッグ11と通気路30とで構成される密閉系には気体50としてCOが気密封止されている。なお、物体把持装置1は、常温下に設置されている。
図6Aの状態では、ヒータはオフになっており、多孔体21には、熱エネルギーが与えられていない。また、図6Aの状態において、バッグ11内の圧力は、大気圧より低くなっており、また、バッグ11は弾性変形する前の状態であり、バッグ11内に充填された粒体12はバッグ11内で密集して固体的な振る舞いを示している。
なお、初期状態において、多孔体21には活性化処理が施されており、多孔体21の細孔には、気体50として所定量のCOが吸着されている。つまり、図6Aの状態において、多孔体21には気体50が吸着している。
図6Aの状態でヒータをオンにして多孔体21に熱エネルギーを与えると、図6Bに示すように、多孔体21の構造が変形して多孔体21に吸着している気体50が脱着する。つまり、多孔体21に吸着されていた気体50が多孔体21から離脱する。多孔体21から脱着した気体50は、通気路30を介してバッグ11内に移動する。これにより、気体50の流入によってバッグ11内が加圧され、バッグ11が膨張する。このとき、本実施の形態において、バッグ11内の圧力は、大気圧になっている。この結果、バッグ11内の粒体12は、バッグ11内で分散して流体的な振る舞いを示すことになり、把持部10は軟質化して軟質状態になる。このとき、バッグ11に外力が与えられると、バッグ11が弾性変形する。
また、図6Bの状態でヒータをオフにして多孔体21に印加される熱エネルギーが停止すると、自然放冷により多孔体21が冷却されて多孔体21の温度が低下し、多孔体21に気体50が吸着する。このとき、バッグ11内の気体50が通気路30を介して密閉容器23に移動して、多孔体21に気体50が吸着する。これにより、気体50の流出によってバッグ11内が減圧される。このとき、本実施の形態において、バッグ11内の圧力は、所定負圧に減圧されている。この結果、バッグ11の弾性復元力によって、バッグ11の形状は、元の状態に戻ることになる。つまり、バッグ11は、図6Aに示す状態に戻る。この場合、バッグ11内の粒体12は、バッグ11内で密集して固体的な振る舞いを示すことになり、把持部10は硬質化した硬質状態になる。なお、把持部10が硬質状態のときにバッグ11に外力が与えられても、バッグ11は弾性変形しない。
また、図6Aの状態から再びヒータをオンにして多孔体21に熱エネルギーを与えると、再び図6Bの状態に戻る。つまり、多孔体21に吸着している気体50が脱着してバッグ11内に移動し、バッグ11内が気体50の流入によって加圧される。つまり、バッグ11内の圧力が大気圧に戻る。以下、ヒータのオンオフを制御することで、把持部10の状態を図6Aに示される硬質状態と図6Bに示される軟質状態とに可逆的に切り替えることができる。
このように、本実施の形態における物体把持装置1では、加圧減圧部20によって、多孔体21に熱エネルギーを与えて多孔体21に吸着している気体を脱着させてバッグ11内を加圧したり、多孔体21に与えている熱エネルギーを取り除いて多孔体21に気体を吸着させてバッグ11内を減圧したりすることで、バッグ11内の圧力を所定負圧に減圧したりバッグ11内の圧力を大気圧に戻したりすることができる。これにより、バッグ11内に充填された粒体12がジャミング転移により固体的に振る舞ったり流体的に振る舞ったりするので、把持部10が軟質化したり硬質化したりする。
次に、物体把持装置1の適用例について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態に係る物体把持装置1をロボットハンド2に適用したときに、ロボットハンド2がワーク100を把持するときの動作を説明するための図である。ロボットハンド2は、例えば、ロボットアームの一部として用いることができる。
図7では、物体把持装置1を備えるロボットハンド2が、ワーク100を把持するときの様子を示している。なお、図7において、物体把持装置1は、把持部10がワーク100に対向するように把持部10を鉛直下向きに配置した状態になっている。
まず、図7の(a)では、多孔体21に熱エネルギーが印加されておらず、物体把持装置1の把持部10におけるバッグ11内の圧力は減圧されている。したがって、把持部10は、硬質状態になっている。
次に、ロボットハンド2にワーク100を把持させる場合、ヒータをオンにして多孔体21に熱エネルギーを与える。これにより、多孔体21から気体が脱着してバッグ11内が加圧され、バッグ11が膨張する。これにより、把持部10は、軟質化して硬質状態になる。
次に、図7の(c)に示すように、この状態のロボットハンド2を下降させて、軟質化した把持部10をワーク100に押し付ける。これにより、バッグ11の形状がワーク100の形状に倣って弾性変形する。
次に、図7の(d)に示すように、ヒータをオフにして多孔体21に与えている熱エネルギーを取り除く。これにより、バッグ11の気体が多孔体21に吸着してバッグ11内が減圧され、弾性復元力によってバッグ11が収縮する。これにより、バッグ11の形状がワーク100の形状に倣った状態で把持部10が硬質化する。つまり、ワーク100は、硬質状態となった把持部10によって把持されることになる。
なお、把持部10に把持されたワーク100を移動させる場合、例えば、図7の(e)に示すように、ロボットハンド2を上昇移動させればよい。これにより、ワーク100が把持部10で把持された状態でワーク100を移動させることができる。
以上、本実施の形態に係る物体把持装置1は、内部に粒体12を充填させた可撓性及び気密性を有するバッグ11を含み、対象物を把持する形状可変な把持部10と、気体を吸着脱着可能な多孔体21及びエネルギー発生装置22を有し、バッグ11内の圧力を所定負圧に減圧したりバッグ11内の圧力を大気圧に戻したりすることができる加圧減圧部20とを備えている。そして、加圧減圧部20は、エネルギー発生装置22によって多孔体21にエネルギーを与えて多孔体21に吸着している気体を脱着させることでバッグ11内を加圧し、エネルギー発生装置22によって多孔体21に与えているエネルギーを取り除いて多孔体21に気体を吸着させることでバッグ11内を減圧する。
この構成により、真空ポンプを用いることなく、バッグ11内の圧力を減圧することができる。また、多孔体21及びエネルギー発生装置22によってバッグ11内の圧力を制御するので、バッグ11内の圧力の減圧及び加圧の応答性に優れている。したがって、小型且つ軽量で、優れた応答性を有する物体把持装置1を実現することができる。また、本実施の形態に係る物体把持装置1は、小型且つ軽量であるので、移動性及び装着性にも優れている。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、エネルギー発生装置22は、多孔体21に熱エネルギーを与える熱を発生する熱発生装置である。
この構成により、エネルギー発生装置22による加熱及び冷却によって多孔体21に与える熱エネルギーを制御することで、多孔体21の気体の吸脱着を制御してバッグ11内の圧力を制御することができる。したがって、簡易な構成で応答性に優れた物体把持装置1を実現することができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、多孔体21の30℃常圧下での気体の吸着量と多孔体21の150℃常圧下での気体の吸着量との差が2wt%以上であるとよい。
このような多孔体21を用いることで、多孔体21の気体の吸着及び脱着に伴うバッグ11内の加圧及び減圧の応答性を一層向上させることができる。したがって、応答性に一層優れた物体把持装置1を実現することができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、多孔体21は、金属有機構造体であるとよい。
この構成により、多孔体21の気体の吸着量を大きくすることができるので、多孔体21の気体の吸脱着に伴うバッグ11内の圧力の変化を大きくすることができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、多孔体21は、ゲート吸着型の金属有機構造体であるとよい。
この構成により、ある特定の温度(ゲート圧が開く温度)で気体の吸着及び脱着が起こるので、ゲート吸着型MOFの気体の吸着量の変化が急激に生じるため、吸着及び脱着に伴うバッグ11内の加圧及び減圧の応答性を一層向上させることができる。また、多孔体21が吸着した気体を容易に完全に脱着させることができ、多孔体21に与えるエネルギーに対する気体の吸脱着の効率を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、多孔体21は、無機物、有機物及び金属の少なくとも一つと複合化された複合体であるとよい。
この構成により、多孔体21のエネルギー伝達率が向上するので、物体把持装置1の応答性を向上させることができる。例えば、多孔体21に熱エネルギーが与えられる場合、上記構成により、多孔体21の熱伝導率が向上するので、加熱時の脱着の応答性を早めることができるので、物体把持装置1の応答性を向上させることができる。なお、多孔体21を複合化する場合、多孔体21は密な構造にならないようにするとよい。
ここで、多孔体21を複合体とした場合の一例について、図8を用いて説明する。図8は、多孔体21aと粉末接着剤21bとで構成された複合体21Aの一例を示す図である。
図8に示すように、複合体21Aは、複数の多孔体21aが粉末接着剤21bで接合された構成である。多孔体21aとしては、上記の多孔体21を用いることができる。また、粉末接着剤21bとしては、例えば、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらが変性した樹脂等からなる点状接着剤を用いることができる。なお、多孔体21aの平均粒径、粉末接着剤21bの平均粒径は、例えば複合体21AのX線CTにより測定することができる。
また、図示しないが、多孔体21は、熱伝導体との複合体であってもよい。これにより、加熱時における多孔体21の気体の脱着の応答性を早めることができる。この点について、以下説明する。
気体を吸着した多孔体21を熱エネルギーによって脱着させる場合、多孔体21には、脱着に必要な熱量が伝達されなければならない。このとき、気体の脱着の応答性は、多孔体21への熱伝達速度に依存する。この点、MOF等の多孔体21単体では、一般的に熱伝導率が低いので、エネルギー発生装置22で多孔体21に熱エネルギーを与えても熱が多孔体21の内部にまで伝達する速度は遅い。このため、多孔体21単体では、気体の吸脱着の応答速度は低い。そこで、熱伝導率が比較的に高い熱伝導体と多孔体21とを複合化させることにより、多孔体21と熱伝導体との複合体としての熱伝導率を高くすることができる。これにより、加熱時の気体の脱着の応答性を早めることができる。したがって、バッグ11の加圧の速度を向上させることができる。
なお、多孔体21と複合化する熱伝導体としては、特に限定されるものではないが、例えば、グラファイト等のカーボン材料又は金属材料等が挙げられる。使用する多孔体21に応じて熱伝導体を適宜選択すればよく、多孔体21の吸着性能を損なわないものであれば、熱伝導体の材料は、特に限定されるものではない。また、多孔体21と熱伝導体との複合化の方法及び複合体の具体的構造についても特に限定されるものではない。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、把持部10と加圧減圧部20とは、通気路30を介して分離されている。
この構成により、把持部10とは分離された加圧減圧部20によって把持部10のバッグ11内の圧力を制御することができる。これにより、応答性が要求される用途に容易に展開することができる。
なお、加圧減圧部20が把持部10と分離されておらず、加圧減圧部20の一部又は全部が把持部10の内部等にあってもよい。例えば、多孔体21がバッグ11の内部に配置されていてもよい。この場合、エネルギー発生装置22は、バッグ11の外部に設置するとよいが、バッグ11の内部に設置されていてもよい。このように、加圧減圧部20の一部又は全部を把持部10の内部に設置することで、加圧減圧部20の一部又は全部と把持部10とを一体化させることができ、加圧減圧部20の一部又は全部を把持部10と別に設置する必要がなくなる。これにより、物体把持装置の装置構成をより簡素化することができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、通気路30には、通気路30を通る気体の流れを制御する制御装置40が設けられている。
この構成により、制御装置40によって、多孔体21と吸脱着する気体の流れを制御することができるので、バッグ11内の圧力の調整を容易に行うことができるとともに、バッグ11内の圧力の調整の自由度が向上する。例えば、制御装置40がコックである場合、コックを閉めた状態で多孔体21を加熱して気体を予め脱着させておき、その後コックを開くことで、バッグ11に気体を流入させてバッグ11内を加圧することができる。つまり、コックの開閉を制御することで、バッグ11の加圧及び減圧するタイミングを制御することができる。
また、本実施の形態に係る物体把持装置1において、多孔体21が配置される密閉容器23内には除湿機構が配置されているとよい。一例として、除湿機構は、シリカゲルである。
このように除湿機構を配置することで、多孔体21が水分を吸収することを抑制できるので、多孔体21の劣化を抑制することができる。これにより、多孔体21の性能を長期的に維持させることができる。したがって、信頼性に優れた物体把持装置1を実現することができる。
(変形例)
以上、本開示に係る物体把持装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、エネルギー発生装置22として、ヒータ等の熱エネルギーを発生する熱発生装置を例示したが、これに限らない。
この場合、エネルギー発生装置22として、多孔体21に光エネルギーを与える光を発生する光発生装置を用いてもよい。熱エネルギーによって多孔体21の気体の吸脱着を制御すると、バッグ11内の加圧及び減圧の応答速度は、加熱速度及び冷却速度に依存する。また、冷却速度を早めるために冷却機構をさらに設置すると、物体把持装置が大型化する。そこで、エネルギー発生装置22として光発生装置を用いることで、光エネルギーによって多孔体21の気体の吸脱着を制御することができる。例えば、気体を吸着した多孔体21にUV光等の光を照射することで気体を脱着させることができる。このように、エネルギー発生装置22として光発生装置を用いることで、応答性に優れた物体把持装置を実現することができる。
また、エネルギー発生装置22として、多孔体21に磁気エネルギーを与える磁力を発生する磁力発生装置を用いてもよい。光エネルギーによって多孔体21の気体の吸脱着を制御すると、多孔体21の内部にまで光が届かない場合が生じうる。これに対して、基本的に磁界は物質を透過するため、エネルギー発生装置22として磁力発生装置を用いて多孔体21の存在空間に磁場を生成することで、多孔体21の気体の吸脱着を効果的に行うことができる。磁気エネルギーが与えられて気体の吸脱着を行う多孔体21は、磁気エネルギーが与えられることで熱を発生し、この熱によって気体の吸脱着を行うものである。このように、エネルギー発生装置22として磁力発生装置を用いた場合も、応答性に優れた物体把持装置を実現することができる。
また、上記実施の形態において、ジャミング転移により状態が変化する物質として、粒体12を例示したが、これに限らない。例えば、ジャミング転移により状態が変化する物質として、無機繊維又は有機繊維等の繊維であってもよいし、フィルム又はシートが積層されたものであってもよい。つまり、バッグ11の内部に収納される物質は、ジャミング転移により状態が変化する固体等の物質であればよい。
また、上記実施の形態において、多孔体21と吸脱着する気体としてCOを例示したが、これに限らない。多孔体21と吸脱着する気体としては、CO以外に、N、O、CH、C、C、NH、H等が挙げられる。
また、上記実施の形態における物体把持装置1は、ロボットハンドに利用する場合を例示したが、物体把持装置1は、その他の様々な用途にも適用することができる。例えば、物体把持装置1は、人又は物体を固定する治具等にも利用することができる。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
1 物体把持装置
10 把持部
11 バッグ
12 粒体
20 加圧減圧部
21、21a 多孔体
21A 複合体
22 エネルギー発生装置
23 密閉容器
30 通気路
40 制御装置
50 気体
100 ワーク

Claims (11)

  1. ジャミング転移により状態が変化する物質が収容された可撓性及び気密性を有するバッグを含み、対象物を把持する形状可変な把持部と、
    気体を吸着脱着可能な多孔体及びエネルギー発生装置を有し、前記バッグ内の圧力を所定負圧に減圧したり前記バッグ内の圧力を大気圧に戻したりすることができる加圧減圧部とを備え、
    前記加圧減圧部は、
    前記エネルギー発生装置によって前記多孔体にエネルギーを与えて前記多孔体に吸着している気体を脱着させることで前記バッグ内を加圧し、
    前記エネルギー発生装置によって前記多孔体に与えているエネルギーを取り除いて前記多孔体に気体を吸着させることで前記バッグ内を減圧する、
    物体把持装置。
  2. 前記エネルギー発生装置は、前記多孔体に熱エネルギーを与える熱を発生する熱発生装置である、
    請求項1に記載の物体把持装置。
  3. 前記多孔体の30℃常圧下での気体の吸着量と前記多孔体の150℃常圧下での気体の吸着量との差が2wt%以上である、
    請求項1又は2に記載の物体把持装置。
  4. 前記多孔体は、金属有機構造体である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の物体把持装置。
  5. 前記多孔体は、ゲート吸着型の金属有機構造体である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の物体把持装置。
  6. 前記多孔体は、無機物、有機物及び金属の少なくとも一つと複合化された複合体である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の物体把持装置。
  7. 前記エネルギー発生装置は、前記多孔体に光エネルギーを与える光を発生する光発生装置である、
    請求項1に記載の物体把持装置。
  8. 前記エネルギー発生装置は、前記多孔体に磁気エネルギーを与える磁力を発生する磁力発生装置である、
    請求項1に記載の物体把持装置。
  9. 前記把持部と前記加圧減圧部とは、通気路を介して分離されている、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の物体把持装置。
  10. 前記通気路には、前記通気路を通る気体の流れを制御する制御装置が設けられている、
    請求項9に記載の物体把持装置。
  11. 前記多孔体は、密閉容器内に配置されており、
    前記密閉容器内に除湿機構が配置されている、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の物体把持装置。
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