JP2020191014A - 紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラム - Google Patents

紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】紙葉類の周縁部から発生する異常部を、異常部の形状によらず、高精度に検出することが可能な紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムを提供する。【解決手段】紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出部と、前記画像において、前記起点検出部によって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡部と、を備える紙葉類処理装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムに関する。より詳しくは、切り貼り紙葉類を検出するのに好適な紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムに関する。
紙幣(銀行券)、商品券、小切手、有価証券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置では、切り貼り紙葉類や裂け紙葉類、更には落書きされた紙葉類といった異常な紙葉類を検出することが求められ、従来から様々な検出手法が提案されている。なお、切り貼り紙葉類とは、1枚又は2枚以上の紙葉類から切り取られた複数の紙片を貼り合わせることによって作成された紙葉類であり、裂け紙葉類とは、一端から他端に向かう途中まで切断された切断部が貼り合わせられた紙葉類である。
切り貼り紙葉類の検出方法としては、例えば、特許文献1記載のように、厚み検知センサを用いて切り貼り紙葉類を検出する方法がある。また、特許文献2記載には、紙幣の画像を用いて切り貼り紙葉類を検出する紙葉類検査装置が開示されている。この装置では、紙葉類の表面に対し、所定の角度(紙葉類の法線から30〜60°の角度)から光線を照射して紙葉類の反射画像を取得し、反射画像の画素の輝度を直線状の接合線に累積し、その累積した輝度累積値の接合線に直交する方向における分布である輝度累積値分布を算出し、輝度累積値分布におけるボトムの値に基づいて、切り貼り紙葉類を検出している。
特許第4819162号公報 特開2011−175410号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明では、厚み検知センサの隣り合う検知ローラ間の隙間がセンサの不感帯となってしまうため、その隙間を切り貼り紙葉類の接合部が通過した場合、その切り貼り紙葉類を検出することができない。
また、特許文献2記載の発明においては、切り貼りされている接合線が直線状であることが前提であるが、実際の接合部には曲線状のものがある。特許文献2記載の発明では、曲線状の接合部については、通常、輝度累積値分布に明確なボトムが現れないことから、検出することが困難である。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、紙葉類の周縁部から発生する異常部を、異常部の形状によらず、高精度に検出することが可能な紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムを提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、紙葉類処理装置であって、紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出部と、前記画像において、前記起点検出部によって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様に基づいて、前記紙葉類が異常な紙葉類であるか否かを判定する判定部を更に備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記周縁部の第1の点から前記周縁部の第2の点まで達している場合に、前記紙葉類を異常な紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様に基づいて、前記紙葉類が切り貼り紙葉類であるか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記紙葉類の第1の辺から前記紙葉類の第2の辺まで達している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記紙葉類の一辺上の第1の点から前記紙葉類の同一の辺上の第2の点まで達している場合は、前記紙葉類を切り貼り紙葉類でないと判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様は、前記紙葉類のある辺から発生し、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様の前記辺と垂直な方向における長さが所定の長さを有している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様は、前記周縁部から前記紙葉類の前記周縁部を除く領域まで達し、前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様の終点と、前記紙葉類の四辺のうちの前記終点と最も近い辺との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、前記紙葉類処理装置は、前記第1の線状の模様の終点と前記第2の線状の模様の終点との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記第1の線状の模様の長さに前記第2の線状の模様の長さを加える線長統合部を更に備え、前記判定部は、前記線長統合部によって前記第2の線状の模様の長さが加えられた前記第1の線状の模様の長さが所定の長さを有している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、前記判定部は、前記第1の線状の模様と前記第2の線状の模様との間の最短距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、前記判定部は、前記第1の線状の模様の終点と前記第2の線状の模様の終点との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様は、前記紙葉類の互いに異なる辺から発生することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記線追跡部は、前記線状の模様を追跡する際、差分チェインコードの総和に基づいて、前記線状の模様の強度に重み付けを行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、前記紙葉類の種類を判別する識別部と、前記識別部によって判別された前記紙葉類の種類に基づいて、少なくとも特定の一方向での前記線追跡部による前記線状の模様の追跡を規制するためのマスク領域を前記画像内に設定するマスク設定部と、を更に備え、前記線追跡部は、前記少なくとも特定の一方向における前記線状の模様の追跡が所定の距離を超えた場合、前記線状の模様の追跡を終了することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類処理装置は、前記紙葉類の種類を判別する識別部と、前記識別部によって判別された前記紙葉類の種類に基づいて、前記紙葉類に複数波長の光をそれぞれ照射して取得された複数の画像の中から一の画像を選択する画像選択部と、を更に備え、前記起点検出部は、前記画像選択部によって選択された前記画像において、前記起点を検出し、前記線追跡部は、前記画像選択部によって選択された前記画像において、前記線状の模様を追跡することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記起点検出部は、赤外光を照射して前記紙葉類を透過した光に基づく透過画像において、前記起点を検出し、前記線追跡部は、前記透過画像において、前記線状の模様を追跡することを特徴とする。
また、本発明は、紙葉類処理方法であって、紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出ステップと、前記画像において、前記起点検出ステップによって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、紙葉類処理プログラムであって、紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出処理と、前記画像において、前記起点検出処理によって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡処理と、を紙葉類処理装置に実行させることを特徴とする。
本発明の紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムによれば紙葉類の周縁部から発生する異常部を、異常部の形状によらず、高精度に検出することができる。
実施形態1に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの概要を説明するための図であり、紙幣を撮像した透過画像を示す。 実施形態1に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの概要を説明するための別の図であり、紙幣を撮像した透過画像を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の外観を示す斜視模式図である。 実施形態1に係る紙幣処理装置が備える紙幣識別装置の構成の例を説明するブロック図である。 実施形態1に係る紙幣識別装置が備える画像取得部の構成を説明する断面模式図である。 実施形態1に係る紙幣処理装置の起点検出部の機能を説明するための図であり、紙幣の透過画像を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置で使用される4方向のカスバンドフィルタを示す図である。 実施形態1に係る紙幣処理装置の線追跡部の機能を説明するための図であり、紙幣の透過画像を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置で使用されるチェインコードを示す図である。 線追跡部で追跡される線状の模様の例と、そのチェインコードと、その差分チェインコードの例を示す図である。 線追跡部で追跡される線状の模様の例と、その差分チェインコードと、その差分チェインコードの総和の例を示す図であり、差分チェインコードの総和が0である場合の例を示す。 線追跡部で追跡される線状の模様の例と、その差分チェインコードと、その差分チェインコードの総和の例を示す図であり、差分チェインコードの総和の絶対値が3である場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置のマスク設定部の機能を説明するための図であり、マスク領域内で線追跡部による線状の模様の追跡が規制される場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置のマスク設定部の機能を説明するための図であり、マスク領域内で線追跡部による線状の模様の追跡が規制されない場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の判定部の機能を説明するための図であり、紙幣の透過画像において線状の模様が紙幣の一辺上の第1の点から同一の辺上の第2の点まで達している場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の判定部の機能を説明するための別の図であり、紙幣の透過画像において線状の模様が紙幣のある辺から紙幣の周縁部を除く領域まで達している場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の判定部の機能を説明するための更に別の図であり、紙幣の透過画像において線状の模様が紙幣のある辺から紙幣の周縁部を除く領域まで達している場合の別の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の判定部の機能を説明するための更に別の図であり、紙幣の透過画像において2本の線状の模様が検出された場合の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置の判定部の機能を説明するための更に別の図であり、紙幣の透過画像において2本の線状の模様が検出された場合の別の例を示す。 実施形態1に係る紙幣処理装置が備える紙幣識別装置の構成の別の例を説明するブロック図である。 実施形態1に係る紙幣処理装置が備える紙幣識別装置の構成の更に別の例を説明するブロック図である。 実施形態1に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムにおける処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の対象となる紙葉類としては、紙幣、小切手、商品券、手形、帳票、有価証券、カード状媒体等の様々な紙葉類が適用可能であるが、以下においては、紙幣を対象とする装置、方法及びプログラムを例として、本発明を説明する。また、下記実施形態では、紙葉類の周縁部から発生する異常部として、複数の紙葉類の欠片(例えば紙片)が貼り合わされた接合部を有する紙幣、すなわち切り貼り券及び裂け券について主に説明するが、本発明によれば、単に落書きされただけの接合部が無い紙葉類についても、その落書きが紙葉類の周縁部から発生したものであれば、落書き部分の形状によらず、高精度に検出することが可能である。なお、切り貼り券及び裂け券とは、それぞれ、切り貼り紙葉類及び裂け紙葉類に対応する紙幣であり、以下では、切り貼り券及び裂け券をまとめて貼り合せ券とも言う。上述のように、切り貼り紙葉類とは、1枚又は2枚以上の紙葉類から切り取られた複数の紙片を貼り合わせることによって作成された紙葉類であり、裂け紙葉類とは、一端から他端に向かう途中まで切断された切断部が貼り合わせられた紙葉類である。また、以下の説明は、紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの一例である。
なお、本明細書において、反射画像とは、紙幣に光を照射して当該紙幣で反射された光の強度分布に基づく画像を意味し、紙幣に照射した光が赤外光である反射画像は赤外反射画像とも言う。また、透過画像とは、紙幣に光を照射して当該紙幣を透過させた光の強度分布に基づく画像を意味し、紙幣に照射した光が赤外光である透過画像は赤外透過画像とも言う。
<紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの概要>
まず、図1を用いて、本実施形態に係る紙葉類処理装置、紙葉類処理方法及び紙葉類処理プログラムの概要について説明する。本実施形態の主な特徴は、下記I、IIに示す通りである。
I.切り貼り部等の接合部の隙間の有無によらず接合部の検出が可能。
II.紙幣の模様部の誤検知を抑えつつ様々な形状の接合部の検出が可能。
これらの特徴によれば、貼り合せ券の検知能力を向上することができる。以下、それぞれの特徴についてより詳細に説明する。
(I)精巧に作成された貼り合せ券であっても、接合部には、僅かな媒体の重なり、又は隙間がある。重なりがある場合は、紙幣に光を照射して該紙幣を透過した光に基づく光学ラインセンサの出力(以下、透過出力とも言う。)が低下し、隙間がある場合は、透過出力が上昇する。よって、図1に示すように、周囲より透過出力が低い、又は高い線状の模様201を検出することで隙間の有無によらず貼り合せ券を検出することが可能である。なお、図1は、接合部の出力が低くなった場合の貼り合せ券の透過画像の一例を模式的に示している。
(II)紙幣の接合部を検出する上で紙幣の模様部が障害となる。そこで、トップハット処理、ボトムハット処理等の前処理を実施し、紙幣の線状部のみを抽出する。続いて、前処理で得た画像に対し、線検出フィルタ202を用いることで線の強度と方向を得る。ここで、切り貼り券の切り貼り部は、紙幣の周縁部から別の周縁部まで至ると考えられる。そこで、図1に示したように、線検出フィルタ202を紙幣の周縁部に沿って走査し、接合部の起点の候補として、紙幣の周縁部で線の強度が高く、かつその辺と平行でない方向を持つ箇所を選択する。紙幣の周縁部は、模様が無い場合も多いため、接合部の検出に都合がよい。そして、図2に示すように、線検出フィルタ202により選択された箇所から線状の模様201の延長処理を実施し、一定以上の長さを持つことで貼り合せ券か否かを判定する。また、線状の模様201の延長時にチェインコードの考え方を拡張し、線状の模様201の延長方向に偏りが生じないように補正する。なお、延長方向に偏りが生じるとは、線状の模様201が渦を巻くようなイメージである。接合部が延長を開始した辺に戻ってきたり、渦を巻くことはないという発想に基づいている。また、セキュリティスレッドや紙幣の直線状の模様等、誤検知の回避が困難な箇所は、方向情報を持ったマスク領域203を設定する。このマスク領域203では指定方向への線の延長を禁止する。
<紙幣処理装置の構成>
図3を用いて、本実施形態に係る紙幣処理装置の構成について説明する。本実施形態に係る紙幣処理装置は、例えば、図3に示す構成を有するものであってもよい。図3に示す紙幣処理装置300は、テーブル上に設置して利用する小型の紙幣処理装置であり、紙幣の識別処理を行う紙幣識別装置(図3では図示せず)と、処理対象の複数の紙幣が積層状体で載置されるホッパ301と、ホッパ301から筐体310内に繰り出された紙幣が偽造券、真偽不確定券等のリジェクト紙幣であった場合に該リジェクト紙幣が排出される2つのリジェクト部302と、オペレータからの指示を入力するための操作部303と、筐体310内で金種、真偽及び正損が識別された紙幣を分類して集積するための4つの集積部306a〜306dと、紙幣の識別計数結果や各集積部306a〜306dの集積状況等の情報を表示するための表示部305とを備える。紙幣識別装置による正損判定の結果に基づき、4つの集積部306a〜306dのうち、集積部306a〜306cには、正券が収納され、集積部306dには汚損券が収納される。なお、集積部306a〜306dへの紙幣の振り分け方法は任意に設定可能である。
<紙幣識別装置の構成>
図4を用いて、本実施形態に係る紙幣識別装置の構成について説明する。図4に示すように、本実施形態に係る紙幣識別装置1は、制御部10、検出部20及び記憶部30を備えている。
制御部10は、記憶部30に記憶された各種の処理を実現するためのプログラムと、当該プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、当該CPUによって制御される各種ハードウェアと、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理デバイス等によって構成されている。制御部10は、記憶部30に記憶されたプログラムに従って、紙幣識別装置1の各部から出力された信号と、制御部10からの制御信号とに基づいて、紙幣識別装置1の各部を制御する。また、制御部10は、記憶部30に記憶されたプログラムにより、識別部11、前処理部12、マスク設定部13、起点検出部14、線追跡部15及び判定部16の機能を有している。
なお、制御部10の各部は、制御部10のCPUで紙葉類処理プログラムを実行させることによって実現される。紙葉類処理プログラムは、本実施形態に係る紙幣処理装置に予め導入されてもよいし、汎用OS上で動作可能なアプリケーションプログラムとして、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、又は、ネットワークを介して、操作者に提供されてもよい。
検出部20は、画像取得部21、磁気検出部22及びUV検出部23を備えている。画像取得部21は、紙幣の画像を取得する。磁気検出部22は、磁気を測定する磁気センサ(図示せず)を備え、磁気センサにより紙幣に印刷されている磁気インクやセキュリティスレッド等の磁気を検出する。磁気センサは、複数の磁気検出素子をライン状に配列した磁気ラインセンサである。UV検出部23は、紫外線照射部(図示せず)及び受光部(図示せず)を備え、紫外線照射部により紫外線を紙幣に照射したときに発生する蛍光や、紙幣を透過する紫外線を受光部により検出する。
図5を用いて、画像取得部21の構成について説明する。図5に示すように、画像取得部21は、互いに対向配置された光学ラインセンサ110及び120を備えている。光学ラインセンサ110及び120の間には、紙幣BNが搬送される隙間が形成されており、この隙間は紙幣処理装置の搬送路311の一部を構成する。光学ラインセンサ110及び120は、それぞれ、搬送路311の上側及び下側に位置している。
光学ラインセンサ110は、反射用光源111、集光レンズ112及び受光部113を備えている。反射用光源111は、紙幣BNの主面(以下、A面)に、所定波長の光(赤外光等の非可視光と、赤・緑・青等の単色光や白色光等の可視光)を照射する。集光レンズ112は、反射用光源111から出射され、紙幣BNで反射された光を集光する。受光部113は、紙幣BNの搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)にライン状に配列された複数の撮像素子(受光素子、図示せず)を備え、集光レンズ112によって集光された光を電気信号に変換する。そして、その電気信号を増幅処理した後、デジタルデータにA/D変換した上で画像信号として出力する。
光学ラインセンサ120は、反射用光源121、集光レンズ122、受光部123及び透過用光源124を備えている。反射用光源121及び透過用光源124は、各々、紙幣BNの主面(以下、B面)に、所定波長の光(赤外光等の非可視光と、赤・緑・青等の単色光や白色光等の可視光)を照射する。集光レンズ122は、反射用光源121から出射され、紙幣BNで反射された光を集光する。受光部123は、紙幣BNの搬送方向に対して直交する方向にライン状に配列された複数の撮像素子(受光素子、図示せず)を備え、集光レンズ122によって集光された光を電気信号に変換する。そして、その電気信号を増幅処理した後、デジタルデータにA/D変換した上で画像信号として出力する。
透過用光源124は、光学ラインセンサ110の集光レンズ112の光軸上に配置されており、透過用光源124から出射された光の一部は、紙幣BNを透過し、光学ラインセンサ110の集光レンズ112に集光されて受光部113で検出される。
各光源111、121、124は、図5の紙面に垂直な方向(主走査方向)に延びるライン状の導光体(図示せず)と、導光体の両端部(一方の端部でもよい)に設けられた複数のLED素子(図示せず)とを備えている。
光学ラインセンサ110及び120がそれぞれ、搬送方向に搬送されている紙幣BNに対して一定の時間間隔で撮像(受光素子の露光)を繰り返し行い、画像信号を出力することによって、画像取得部21は、紙幣BN全体の種々の画像を取得する(画像取得ステップ)。具体的には、画像取得部21は、光学ラインセンサ110の出力信号に基づいて紙幣BNのA面の反射画像と紙幣BNの透過画像とを取得し、光学ラインセンサ120の出力信号に基づいて紙幣BNのB面の反射画像を取得する。また、画像取得部21は、例えば、紙幣BNの反射画像として、紙幣BNのA面の可視反射画像及び赤外反射画像と、紙幣BNのB面の可視反射画像及び赤外反射画像とを取得する。更に、画像取得部21は、例えば、紙幣BNの透過画像として、紙幣BNの可視透過画像及び赤外透過画像を取得する。
記憶部30は、半導体メモリやハードディスク等の不揮発性の記憶装置から構成されており、紙幣識別装置1を制御するための各種プログラムと各種データとを記憶している。
識別部11は、画像取得部21により取得された紙幣の画像の特徴パターンと、紙幣の金種ごとの特徴パターンである金種識別用テンプレートとを比較して、紙幣の金種を判定する。
前処理部12は、画像取得部21により取得された紙幣の透過画像(入力画像)に対して、解像度を低下させる処理である低解像度処理や、線を強調する処理(例えばボトムハット処理)、紙幣の斜行を正す回転補正処理等の前処理を行う。なお、ボトムハット処理とは、クロージング処理(膨張させてから収縮する処理)から元画像を差分する処理のことである。これにより、周辺部よりも出力が低い箇所(接合部)を強調した差分画像を得ることができる。
マスク設定部13は、図2に示したように、識別部11によって判別された紙幣の金種に基づいて、前処理部12により前処理された画像内にマスク領域203を設定する。設定されたマスク領域203内では、少なくとも特定の一方向(以下、マスク方向)での線追跡部15による線状の模様の追跡が規制(制限)される。他方、マスク方向以外の方向では、線追跡部15による線状の模様の追跡は規制されない。マスク領域203は、例えば、紙幣のセキュリティスレッド領域(紙幣のある辺から対向する辺まで直線状に延在する領域)に重なるように配置され、その場合、マスク方向は、セキュリティスレッドの延在方向に設定される。
起点検出部14は、前処理部12により前処理された画像において、接合部の起点の候補点として、紙幣の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する。より詳細には、図6に示すように、起点検出部14は、線検出フィルタ202を紙幣の周縁部に沿って実行し、紙幣のエッジに沿って存在する一周分の画素について線の強度及び方向を算出し、所定の強度Th1以上の画素を線状の模様の起点201aとして選択する。このとき、下記(i)及び/又は(ii)に該当する場合は、当該画素は、線状の模様の起点201a、すなわち接合部の起点の候補点として選択しない。
(i)線の方向が、当該画素が隣接する紙幣端部(辺)の方向と平行な場合
(ii)当該画素が、マスク領域203内に存在する場合
(i)は、検出した線が紙幣端部の方向と平行な場合は接合部ではなく模様の可能性が高いと考えられるためであり、(ii)は、前処理でどうしても削除できないセキュリティスレッドや媒体折れが接合部と誤検知されることを防ぐためである。
線検出フィルタ202としては、図7に示すように、0°方向、45°方向、90°方向及び135°方向の4方向のカスバンドフィルタが好適である。なお、図7に示したカスバンドフィルタにおいて、数値のない箇所の係数は0である。
線追跡部15は、図8に示すように、前処理部12により前処理された画像において、起点検出部14によって検出された起点201aから線状の模様201を追跡する。線追跡部15は、起点201aから、線の強度及び方向の連続性の条件を満たす限り、線状の模様201の延長処理を繰り返し実行する。線追跡部15によって追跡される線状の模様201の形状は特に限定されず、例えば、直線状であってもよいし、曲線状であってもよいし、直線と曲線が組み合わさった形状であってもよい。
より具体的には、まず、(1)注目画素(初めの場合は起点201aの画素)の線の方向と、前回の延長方向とに基づいて、検索方向を決定する。なお、前回の延長方向とは、注目画素の一つ前の画素から注目画素に至る方向を意味する。また、注目画素が起点201aの画素である場合、前回の延長方向が検出されないことになるが、その場合は、起点201aの画素が隣接する紙幣端部(辺)と直交し、かつ紙幣の内側に向く方向を前回の延長方向とする。次に、(2)検索方向上に位置する画素と、その両側の画素との3つの画素を検索対象画素とし、各検索対象画素について線検出フィルタ202によるフィルタ処理、好ましくは4方向のカスバンドフィルタ処理を行う。そして、(3)最大値(ただし、所定の強度Th2以上)を出力した画素を延長画素とする。その後、(4)その延長画素を注目画素として上述の(1)〜(3)の処理を繰り返す。
上記(2)において、検索対象画素にカスバンドフィルタ処理を行う際、注目画素の線の方向に応じて各方向のカスバンドフィルタに重み付けを行ってもよい。すなわち、注目画素の線の方向に近い方向のカスバンドフィルタほど、より大きな計数を乗じたものを使用してもよい。
また、上記(2)に関して、線追跡部15は、線状の模様201を追跡する際、差分チェインコードの総和に基づいて、線状の模様201の強度に重み付けを行うことが好ましい。これにより、線追跡部15による不自然な方向への線状の模様201の追跡を防止することができる。チェインコードとは、図9に示すように、注目画素の次に追跡が行われる画素への方向を8種類の数値(符号)で表現したものであり、差分チェインコードxは隣接するチェインコードcとci−1の差分kを用いて以下のように表現される。
Figure 2020191014
図10〜12に、線状の模様201と、そのチェインコードと、その差分チェインコードとの例を示す。図10に示すように、差分チェインコードxは、−3≦x≦3を満たす整数で表される。図11に示すように、差分チェインコードxの総和が0に近いほど注目画素までの線状の模様201の直進性が高くなることを示す。他方、図12に示すように、差分チェインコードxの総和の絶対値が3に近いほど注目画素までの線状の模様201の直進性が低く、左右いずれかの方向に偏って進行することを示す。
線追跡部15は、線状の模様201を構成する起点201aの画素から注目画素までの全画素について差分チェインコードの総和を算出し、検索対象画素にカスバンドフィルタ処理を行う際、線状の模様201の延長方向が偏り難くなるように、差分チェインコードの総和に応じて3つの検索対象画素の強度に重み付けを行う。例えば、差分チェインコードの総和が0であれば、3つの検索対象画素の強度に同じ係数を乗じ、差分チェインコードの総和が3であれば、すなわち、注目画素までの線状の模様201が左右いずれかの方向に偏って進行している場合、その偏った進行方向を助長する位置に存在する検索対象画素の強度にはより小さな係数を乗じ、反対に、その偏った進行方向を是正する位置に存在する検索対象画素の強度にはより大きな係数を乗じる。
線追跡部15は、下記(a)及び/又は(b)に該当する場合、線状の模様201の追跡(延長処理)を終了する。
(a)各検索対象画素の線の強度が上記強度Th2未満となった場合
(b)マスク領域203内で、マスク方向と平行となる延長処理が継続した場合
上記(b)について、より詳細には、線追跡部15は、マスク方向における線状の模様201の追跡が所定の距離を超えた場合、線状の模様201の追跡を終了する。このように、マスク設定部13は、マスク領域203の範囲と、マスク方向と、線追跡部15による線状の模様201の追跡を許容する所定の距離とを設定する。なお、これらの事項は、既定値として予め記憶部30に記憶されている。例えば、図13に示すように、線状の模様201を構成する画素が、マスク領域203内でマスク方向と平行に所定の個数Th3を超えて連続する場合、延長処理を終了する。なお、図14に示すように、マスク方向と平行でなければ、線状の模様201の追跡は継続する。図13及び14は、いずれも個数Th3が2の場合を例示しており、線状の模様201を構成する画素が、図13ではマスク領域203内でマスク方向(90°方向)と平行に3個連続するため延長処理が終了されるが、図14ではマスク領域203内でマスク方向(90°方向)と平行に連続しないため延長処理が継続される。
起点検出部14によって検出された起点201aが複数検出された場合は、線追跡部15は、各起点201aから上述の線状の模様201の追跡処理を行う。
判定部16は、線追跡部15によって追跡された線状の模様201に基づいて、対象紙幣が切り貼り券や裂け券等の異常な紙幣であるか否かを判定する。これにより、異常な紙幣を確実に検出することが可能である。また、例えば、異常な紙幣であると判定された場合、当該紙幣をリジェクト紙幣としてリジェクト部302に排出してもよい。以下、判定部16による好適な判定手法について説明する。
判定部16は、線追跡部15によって追跡された線状の模様201が、図1に示したように、紙幣の周縁部の第1の点から第1の点とは異なる第2の点まで達している場合に、当該紙幣を異常な紙幣、例えば切り貼り券又は裂け券であると判定してもよい。これにより、異常な紙幣をより高精度に検出することができる。線状の模様201が、紙幣の周縁部の一部から発生して周縁部の別の一部に達する場合、その模様201は接合部によるものと考えられるためである。なお、第1の点と第2の点とは、紙幣の同一辺上に存在してもよいし、紙幣の異なる二辺上に存在してもよいが、紙幣の異なる二辺上に存在することが好ましい。ここで、紙幣の辺とは、線だけでなく、端の点も含む。
判定部16は、線追跡部15によって追跡された線状の模様201に基づいて、対象紙幣が切り貼り券であるか否かを判定してもよい。これにより、切り貼り券を確実に検出することが可能である。
判定部16は、線追跡部15によって追跡された線状の模様201が、図1に示したように、紙幣の第1の辺から紙幣の第2の辺まで達している場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。切り貼り券では、通常、溶接部は、このように、紙幣の第1の辺から紙幣の第2の辺まで達することが多いためである。なお、ここで、第1及び第2の辺は、図1のように互いに対向する(平行な)二辺、すなわち長辺同士又は短辺同士であってもよいし、隣り合う(互いに直交する)二辺、すなわち長辺と短辺であってもよい。
判定部16は、図15に示すように、線追跡部15によって追跡された線状の模様201が、紙幣の一辺上の第1の点から同一の辺上の第2の点まで達している場合は、当該紙幣を切り貼り券でないと判定してもよい。このような紙幣は、切り貼り券ではなく、単に落書きされただけの紙幣である可能性があるためである。
判定部16は、図16に示すように、線追跡部15によって追跡された線状の模様201が、紙幣のある辺Saから発生し、かつその線状の模様201の辺Saと垂直な方向における長さLが、所定の長さ(例えば、紙幣の短手方向の長さの8割の長さ)を有している場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。線状の模様201が紙幣の周縁部の一部から別の一部に達していなくとも、ある程度の長さが有れば切り貼り券の接合部である可能性があるためである。
判定部16は、図17に示すように、線追跡部15によって追跡された線状の模様201が、紙幣の周縁部から周縁部を除く領域(周縁部で囲まれた領域)まで達し、かつその線状の模様201の終点201bと、紙幣の四辺のうちの終点201bと最も近い辺Sbとの間の距離D1が所定の距離未満である場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。線状の模様201が紙幣の周縁部の一部から別の一部に達していなくとも、終点と紙幣の辺との距離が短ければ切り貼り券の接合部である可能性があるためである。
判定部16は、図18に示すように、起点検出部14及び線追跡部15による処理の結果、第1の起点201Aaから延びる第1の線状の模様201Aと、第2の起点201Baから延びる第2の線状の模様201Bとが検出され、かつ第1の線状の模様201Aと第2の線状の模様201Bとの間の最短距離D2が所定の距離未満である場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。このような2本の線状の模様は切り貼り券の接合部である可能性があるためである。
また、判定部16は、図19に示すように、第1の線状の模様201Aの終点201Abと第2の線状の模様201Bの終点201Bbの間の距離(最短距離)D3が所定の距離未満である場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。このような2本の線状の模様も切り貼り券の接合部である可能性があるためである。
また、このような場合を想定し、紙幣識別装置1は、図20に示すように、制御部10に線長統合部17を更に備えていてもよい。線長統合部17は、図19に示したように、第1の線状の模様201Aの終点201Abと第2の線状の模様201Bの終点201Bbとの間の距離(最短距離)D3が所定の距離未満である場合に、第1の線状の模様201Aの長さL1に第2の線状の模様201Bの長さL2を加算する処理を行う。そして、判定部16にて、線長統合部17によって第2の線状の模様201Bの長さL2が加えられた第1の線状の模様201Aの長さL1(すなわちL1+L2)が所定の長さを有している場合に、当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。これにより、切り貼り券をより確実に検出することができる。このような2本の線状の模様もまた切り貼り券の接合部である可能性があるためである。
線長統合部17は、第1の線状の模様201Aの長さL1及び第2の線状の模様201Bの長さL2について、一方から他方を減算する処理を行ってもよく、判定部16は、この減算処理によって算出された長さを所定の長さと比較し、その結果に基づいて当該紙幣を切り貼り券であると判定してもよい。
なお、図18及び19に示した場合、起点検出部14は、第1の線状の模様201Aの第1の起点201Aaと、第2の線状の模様201Bの第2の起点201Baとをそれぞれ検出し、線追跡部15は、第1の起点201Aaから第1の線状の模様201Aを追跡するとともに、第2の起点201Baから第2の線状の模様201Bを追跡する。
また、図18及び19に示したように、第1の線状の模様201A及び第2の線状の模様201Bは、紙幣の互いに異なる辺から発生したものであることが好ましい。これにより、切り貼り券を更に確実に検出することができる。このような2本の線状の模様は切り貼り券の接合部である可能性が高いためである。
また、紙幣識別装置1は、図21に示すように、制御部10に画像選択部18を更に備えていてもよい。画像選択部18は、識別部11によって判別された紙幣の金種(種類)に基づいて、画像取得部21によって取得された複数の画像の中から一の画像を選択する。そして、画像選択部18によって選択された画像に対して、起点検出部14及び線追跡部15による処理を実行してもよい。すなわち、画像選択部18によって選択された画像(ただし、前処理部12による前処理が施されたもの)において、起点検出部14は、線状の模様201の起点201aを検出するとともに、線追跡部15は、線状の模様201を追跡してもよい。これにより、金種毎に線状の模様201の検出に適した画像を利用できることから、切り貼り券等の異常な紙幣をより高精度に検出することができる。例えば、模様が少ない紙幣であれば、可視光(緑色光等)で取得した可視透過画像を使用し、赤外インクが少ない紙幣であれば、赤外光で取得した赤外透過画像を使用してもよい。なお、画像選択部18は、金種毎に選択すべき画像の種類が予め設定されたテーブル等に基づいて一の画像を選択してもよい。
また、異常な紙幣をより高精度に検出する観点からは、赤外光を照射して紙幣を透過した光に基づく赤外透過画像を使用することもまた好ましい。赤外透過画像は、通常、他の種類の画像に比べて、線状の模様201の検出に適しているためである。この場合、赤外透過画像(ただし、前処理部12による前処理が施されたもの)において、起点検出部14は、線状の模様201の起点201aを検出するとともに、線追跡部15は、線状の模様201を追跡することになる。
また、紙幣識別装置1は、制御部10に真偽判定部を更に備えていてもよい。真偽判定部は、画像取得部21によって取得された紙幣の画像に基づいて紙幣の真偽を判定する。また、真偽判定部は、判定部16によって異常な紙幣であると判定された紙幣を偽造券であると判定してもよい。更に、真偽判定部は、磁気検出部22及びUV検出部23の検出信号をそれぞれ真偽識別用の基準データと照合して、紙幣の真偽を判定する。このように、真偽判定部は、紙幣について複数種の真偽判定処理を行い、全ての判定結果が真のときに紙幣が真券であると判定し、いずれか一つの判定結果を偽のときに紙幣が偽造券であると判定する。
<紙幣処理装置による処理フロー>
次に、図22を用いて、本実施形態に係る紙幣処理装置による処理フロー、なかでも起点検出部14、線追跡部15及び判定部16による処理フローについて説明する。この処理は、紙幣識別装置1に搬入される紙幣について、1枚ずつ繰り返し行われる。
図22に示すように、まず、起点検出部14が、紙幣の画像において、紙幣の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する(起点検出ステップS11)。次に、線追跡部15が、その画像において、起点検出ステップS11によって検出された起点から線状の模様を追跡する(線追跡ステップS12)。そして、判定部16が、線追跡部15によって追跡された線状の模様に基づいて、当該紙幣が異常な紙葉類であるか否かを判定する(判定ステップS13)。
以上説明したように、本実施形態では、紙幣の画像において、紙幣紙葉類の周縁部から発生する線状の模様201の起点201aを検出し、また、その画像において、起点201aから線状の模様201を追跡することから、接合部の隙間の有無によらず紙幣の周縁部から発生する様々な形状の接合部の検出が可能である。したがって、紙幣の周縁部から発生する接合部(異常部)を、その形状によらず、高精度に検出することができる。
なお、上記実施形態では、赤外透過画像に基づいて接合部を検出する場合について主に説明したが、可視透過画像(例えば、緑色光による透過画像)や反射画像を使用してもよい。特に、図5に示したように、紙幣BNに真上からではなく斜め方向から光を照射して反射画像を取得する場合は、反射画像を使用する方が接合部の検出性能は高い。また、透過画像で検出した線状の模様について反射画像で確認し、反射画像でも同様の線状の模様が検出できなければ、接合部と判定し、反対に、反射画像でも同様の線状の模様が検出できれば、落書きの線と判定してもよい。
また、上記実施形態では、前処理を行う場合について説明したが、少なくとも一つの前処理は適宜省略してもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
以上のように、本発明は、紙葉類の周縁部から発生する異常部を有する紙葉類を検出するのに有用な技術である。
1:紙幣識別装置
10:制御部
11:識別部
12:前処理部
13:マスク設定部
14:起点検出部
15:線追跡部
16:判定部
17:線長統合部
18:画像選択部
20:検出部
21:画像取得部
22:磁気検出部
23:UV検出部
30:記憶部
110、120:光学ラインセンサ
111、121:反射用光源
112、122:集光レンズ
113、123:受光部
124:透過用光源
201、201A、201B:線状の模様
201a、201Aa、201Ba:線状の模様の起点
201b、201Ab、201Bb:線状の模様の終点
202:線検出フィルタ
203:マスク領域
300:紙幣処理装置
301:ホッパ
302:リジェクト部
303:操作部
305:表示部
306a〜306d:集積部
310:筐体
311:搬送路
BN:紙幣
Sa、Sb:紙幣の辺

Claims (18)

  1. 紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出部と、
    前記画像において、前記起点検出部によって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡部と、
    を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様に基づいて、前記紙葉類が異常な紙葉類であるか否かを判定する判定部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記周縁部の第1の点から前記周縁部の第2の点まで達している場合に、前記紙葉類を異常な紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の紙葉類処理装置。
  4. 前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様に基づいて、前記紙葉類が切り貼り紙葉類であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の紙葉類処理装置。
  5. 前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記紙葉類の第1の辺から前記紙葉類の第2の辺まで達している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4記載の紙葉類処理装置。
  6. 前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様が、前記紙葉類の一辺上の第1の点から前記紙葉類の同一の辺上の第2の点まで達している場合は、前記紙葉類を切り貼り紙葉類でないと判定する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の紙葉類処理装置。
  7. 前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様は、前記紙葉類のある辺から発生し、
    前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様の前記辺と垂直な方向における長さが所定の長さを有している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  8. 前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様は、前記周縁部から前記紙葉類の前記周縁部を除く領域まで達し、
    前記判定部は、前記線追跡部によって追跡された前記線状の模様の終点と、前記紙葉類の四辺のうちの前記終点と最も近い辺との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  9. 前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、
    前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、
    前記第1の線状の模様の終点と前記第2の線状の模様の終点との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記第1の線状の模様の長さに前記第2の線状の模様の長さを加える線長統合部を更に備え、
    前記判定部は、前記線長統合部によって前記第2の線状の模様の長さが加えられた前記第1の線状の模様の長さが所定の長さを有している場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  10. 前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、
    前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、
    前記判定部は、前記第1の線状の模様と前記第2の線状の模様との間の最短距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  11. 前記起点検出部は、第1の線状の模様の第1の起点と、第2の線状の模様の第2の起点とをそれぞれ検出し、
    前記線追跡部は、前記第1の起点及び前記第2の起点から前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様をそれぞれ追跡し、
    前記判定部は、前記第1の線状の模様の終点と前記第2の線状の模様の終点との間の距離が所定の距離未満である場合に、前記紙葉類を切り貼り紙葉類であると判定する
    ことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  12. 前記第1の線状の模様及び前記第2の線状の模様は、前記紙葉類の互いに異なる辺から発生する
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  13. 前記線追跡部は、前記線状の模様を追跡する際、差分チェインコードの総和に基づいて、前記線状の模様の強度に重み付けを行う
    ことを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載の紙葉類処理装置。
  14. 前記紙葉類の種類を判別する識別部と、
    前記識別部によって判別された前記紙葉類の種類に基づいて、少なくとも特定の一方向での前記線追跡部による前記線状の模様の追跡を規制するためのマスク領域を前記画像内に設定するマスク設定部と、を更に備え、
    前記線追跡部は、前記少なくとも特定の一方向における前記線状の模様の追跡が所定の距離を超えた場合、前記線状の模様の追跡を終了する
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  15. 前記紙葉類の種類を判別する識別部と、
    前記識別部によって判別された前記紙葉類の種類に基づいて、前記紙葉類に複数波長の光をそれぞれ照射して取得された複数の画像の中から一の画像を選択する画像選択部と、を更に備え、
    前記起点検出部は、前記画像選択部によって選択された前記画像において、前記起点を検出し、
    前記線追跡部は、前記画像選択部によって選択された前記画像において、前記線状の模様を追跡する
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  16. 前記起点検出部は、赤外光を照射して前記紙葉類を透過した光に基づく透過画像において、前記起点を検出し、
    前記線追跡部は、前記透過画像において、前記線状の模様を追跡する
    ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の紙葉類処理装置。
  17. 紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出ステップと、
    前記画像において、前記起点検出ステップによって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡ステップと、
    を含むことを特徴とする紙葉類処理方法。
  18. 紙葉類の画像において、前記紙葉類の周縁部から発生する線状の模様の起点を検出する起点検出処理と、
    前記画像において、前記起点検出処理によって検出された前記起点から前記線状の模様を追跡する線追跡処理と、
    を紙葉類処理装置に実行させることを特徴とする紙葉類処理プログラム。

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