本発明者らは、メーカー通販やサブスクリプション事業のロイヤルカスタマー層である定期購入者にフォーカスし、コールセンター、ECなどのそれぞれの購買者ごとに、各購買プロセスに対するメディアの購買行動影響度を調査した。その結果、ロイヤルカスタマー層の形成・維持拡大に貢献する広告プランニング手法を着想した。
本発明の一態様によれば、広告出稿の際に、CPR重視(初回購入数獲得)からLTV重視(定期購入数獲得)への変革を啓蒙できる。また、TV広告及びWeb広告の統合プランニングを促進できる。また、定期購入者獲得を好適に支援でき、通販などの市場の更なる活性化が期待できる。また、定期購入者の形成・維持拡大に貢献することによって、当該事業の売上維持、拡大に寄与できる(ロイヤルカスタマー層が当該事業売上の大半を占めるようなプランニングが可能となる)。
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
なお、本開示におけるロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)は、ある商品/サービスの定期購入者(定期利用者)に該当してもよい。例えば、当該商品は、健康食品、スキンケア商品、保険、旅行、通信販売の商品などであってもよい。当該サービスは、サブスクリプションサービス、シェアリングサービスなどであってもよい。
例えば、当該サービスは、デリバリー、娯楽・コンテンツ(例えば、音楽、放送、ゲーム、読書、ニュース)、リース・レンタル(例えば、自動車)、定額乗換サービス、スポーツクラブ、エステ、サロン、英会話、業務・学習施設(ワークスペース)、eラーニング、クラウドサービス、生活インフラ(電気、ガス、通信)、住居、トランクルーム、クリーニング、美容室などを利用できるサービスであってもよい。
(LTVプランニングシステム)
図1は、一実施形態に係るLTVプランニングシステムの概略構成の一例を示す図である。図1に示すLTVプランニングシステム1は、LTVプランニング装置10と、放送配信装置20と、視聴率管理装置30と、を含む。
LTVプランニング装置10は、ロイヤルカスタマーの情報を取得し、これに基づいてロイヤルカスタマー層の形成・維持拡大に貢献する広告プランニング(LTVプランニング)を決定等する装置である。LTVプランニング装置10は、以下、単にプランニング装置10とも呼ぶ。
プランニング装置10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(PC:Personal Computer)、サーバなどの固定通信端末であってもよい。つまり、本開示におけるプランニング装置10は、通信デバイスで読み替えることができる。
プランニング装置10は、有線及び/又は無線(例えば、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)、Wi−Fi(登録商標)など)を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
放送配信装置20は、テレビ(TV:television)に対して放送を配信する装置である。ここで、テレビ(テレビ受像機)は、地上波放送、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)/通信衛星(CS:Communications Satellite)による放送、インターネット放送(インターネットテレビ)などの少なくとも1つを受信する機能を有する装置であってもよい。例えば、テレビは、多機能テレビ、スマートTV、IP(Internet Protocol)TV、セットトップボックスなどであってもよい。
なお、放送は、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を意味し、無線放送、インターネット放送などを含んでもよい。
視聴率管理装置30は、テレビにおいて放送される番組の実際の視聴率を集計する装置である。視聴率は、所定の時間単位(例えば、秒、分、時)で記憶されてもよい。視聴率管理装置30は、ネットワークを介して他の装置(例えば、プランニング装置10)に対して視聴率に関する情報を送信してもよい。
視聴率管理装置30は、例えばテレビ視聴率調査者によって管理される装置であってもよい。視聴率管理装置30は、所定の世帯(例えば、調査協力世帯)のテレビに接続された測定機器から視聴履歴のデータを取得して管理してもよい。なお、当該データから視聴率が算出又は予測されてもよい。
視聴率管理装置30は、所定のターゲット(所定の属性に該当するユーザ)ごとの視聴率(ターゲットの個人視聴率)が記録されてもよい。
なお、本開示において、ターゲットは、マーケティングの分野で用いられる性・年齢別区分(C(Child)層、T(Teen)層、M(Male)1−M3層、F(Female)1−F3層)であると想定するが、この分類に限られない。
プランニング装置10など各装置の機能構成及びハードウェア構成の一例については、後述する。
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、図1ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。LTVプランニングシステム1は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、1つの装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。
複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、プランニング装置10と、放送配信装置20と、視聴率管理装置30と、の少なくとも2つが、1つのサーバ上で実装されてもよい。
(LTVプランニング方法)
本開示の一実施形態に係るLTVプランニング方法について、以下で説明する。各LTVプランニング方法は、上述のLTVプランニングシステムに適用されてもよい。
図2は、一実施形態に係るLTVプランニング方法のフローチャートの一例を示す図である。
本開示のLTVプランニング方法では、1又は複数のメディアに出稿される商品/サービスの広告に関して、ロイヤルカスタマーのコンタクトポイントを分析し、これに基づいてロイヤル層(定期顧客層)を形成・維持するメディアプランニング(例えば、TVプランニング)を提供する。
ステップS101において、プランニング装置10は、ロイヤルカスタマーに関して、各メディアのファネルのフェーズごとの接触率、各メディアの貢献度について評価する。プランニング装置10は、マーケティングファネルのフェーズごとのユーザの心理の獲得状況に基づいて、貢献度を算出してもよい。
考慮するファネルのフェーズとしては、以下の少なくとも1つが含まれてもよい:
・基本的に購買前の心理・行動プロセスとして、認知、興味、検索、好意、理解、後押し、購入、クロスセル検討など、
・基本的に購買後の心理・行動プロセスとして、好意、継続意向、推薦、クロスセルなど。
なお、考慮するファネルのフェーズはこれらに限られない。各フェーズは、消費者の購買行動モデル、カスタマージャーニーマップなどに基づいてもよく、例えば、AIDMA(Attention Interest Desire Memory Action)、AISAS(Attention Interest Search Action Share)(登録商標)、SIPS(Sympathize Identify Participate Share&Spread)、DECAX(Discovery Engage Check Action eXperience)などの少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。本開示において、単に「フェーズ」と記載するときは、所定のファネルのフェーズを意味してもよい。
分析対象のメディアは、任意のメディアであってもよく、例えば、テレビ番組、テレビCM、ラジオ、雑誌、新聞、チラシ、屋外広告(例えば、交通広告)、Web広告(インターネット広告)、情報サイト/SNS、企業サイト、知人の勧めなどを含んでもよい。なお、メディアは、情報源と互いに読み替えられてもよい。
なお、分析対象のメディアは、同じメディアであっても、当該メディアの提供者(例えば、放送局、出版社、サービサーなど)ごとに分析されてもよい。また、例えば同じテレビでも、地上波、BS、CSなど波種ごとに分析されてもよい。
なお、本開示の「広告」は、広告キャンペーンと互いに読み替えられてもよい。本開示の「ユーザ」は、ロイヤルカスタマーと互いに読み替えられてもよい。「フェーズ」は、コンタクトポイントと互いに読み替えられてもよい。
ここで、貢献度は、ある商品/サービスの定期購入(又はユーザのロイヤルカスタマー化)に対してあるメディアの広告がどれくらい貢献したかを示す指標であってもよい。貢献度は、寄与度などと呼ばれてもよい。
なお、あるフェーズの接触率(ロイヤルカスタマー接触率)は、所定の数のロイヤルカスタマー全体のうちの、ある広告が当該フェーズに影響したロイヤルカスタマーの比率又は数を意味してもよい。接触率は、接触度、接触数値、影響率などと呼ばれてもよい。接触率は、広告がこのフェーズに影響したことを示す指標で読み替えられてもよい。
プランニング装置10は、貢献度を求めるために必要な情報を取得(例えば、受信)してもよい。例えば、プランニング装置10は、ある商品/サービスのロイヤルカスタマーに関して、当該商品/サービスの購入に至った各フェーズの影響についてのログ、アンケート結果、分析結果などを取得してもよい。プランニング装置10は、これらの情報を、視聴率管理装置30など他の装置から取得(受信)してもよい。
プランニング装置10は、ロイヤルカスタマーが保有するデバイスに対してWebページを送信して回答させる(アンケート調査を行う)ことによって、ロイヤルカスタマーのデモグラフィックデータ、各フェーズの影響などを取得してもよい。なお、アンケートはオフライン(アナログ)で実施され、結果のみがプランニング装置10に収集されてもよい。
なお、これらの情報は、ユーザが商品/サービスを購入した販路(例えば、ECサイト、コールセンター)ごと、広告枠(例えば、ある放送局の各時間帯の広告枠)に分けられてもよい。このため、プランニング装置10は、貢献度、接触率、後述の貢献金額などを、販路ごと、広告枠ごとの値として導出してもよい。なお、プランニング装置10は、貢献度、接触率、後述の貢献金額などを、後述の広告出稿モデルの入力パラメータ(例えば、番組ジャンル)ごとの値として導出してもよい。なお、販路は、デバイスと呼ばれてもよいし、仮想店舗と呼ばれてもよい。
図3A及び3Bは、一実施形態に係る貢献度の算出の一例を示す図である。本例では、ユーザとしてユーザID1−5に対応する5人のユーザを分析する。また、考慮するフェーズは、認知及び購入であると想定する。また、メディアはTV(テレビ広告)及びWeb(Web広告)と想定する。
プランニング装置10は、ユーザが各フェーズから商品/サービスについてどのような心理の影響を受けたかを、各ユーザ、各メディアについて分析する。図3Aは、各ユーザが、認知及び購入のフェーズにおいて、どのメディアから影響を受けたかの一例を示す図である。
図3Aの左側のテーブルは、ユーザがあるフェーズについてTV及びWebから影響を受けたか否かを示す。「○」は影響を受けたことを示し、「×」は影響を受けなかったことを示す。例えば、ユーザID1のユーザは、TV及びWebの両方に基づいて認知し、TVに基づいて購入に至った(一方でWebは購入の動機ではない)ことが示されている。
図3Aの右側のテーブルは、左側のテーブルの「○」を1、「×」を0として、全てのフェーズのユーザごとの合計値をメディアごとに示している。認知及び購入のファネルを考えたときに、ユーザID1のユーザにとってはTVの影響が2であり、Webの影響が1であったことが示されている。
「○」を1、「×」を0として求めた図3Aの右側のテーブルは、ユーザが商品/サービスを購入するまでの間に接触した(言い換えると、印象に残った、影響のあった)各メディアの累計数に該当してもよい。商品/サービス購入後のフェーズについては、購入後に接触した各メディアの累計数と呼ばれてもよい。
なお、図3Aの左側のような「○」、「×」の代わりに、数字の形式が用いられてもよい。例えば、図3Aの左側のテーブルは、0から10の値などを用いて記載されてもよい。また、フェーズごとに異なる重み付けが適用されてもよい。例えば、ロイヤルカスタマーの形成・維持により影響の大きいフェーズについては、他のフェーズに比べて最大値を大きくしたり、値に加算、乗算などによるオフセットを適用したりしてもよい。
図3Bは、貢献度を求めるための購入金額の一例を示す図である。図3Bの左側のテーブルは、各ユーザが所定の期間(例えば、1年、1か月など)において商品/サービスを購入した金額の総額に該当してもよい。
図3Bの右側のテーブルは、図3Aの右側のテーブルに基づいて各ユーザの購入金額をメディアごとに割り振った金額(貢献金額)を示している。プランニング装置10は、例えば、ユーザID1のユーザについて、TVの貢献金額は、ユーザID1の購入金額*ユーザID1の全メディアに対するTVの貢献比率=¥12,307*2/(2+1)≒¥8,204と求めてもよい。
このようにして各ユーザのメディアごとの貢献金額を求め、メディア単位で全ユーザの貢献金額の総和を取ると、メディア単位のこの商品/サービスの購入における貢献度が分かる。例えば、TVの貢献金額の総和は¥31,505であり、全ユーザの購入金額の総和は¥47,377であるため、TVの貢献度は31,505/47,377≒66.5%と求められてもよい。一方、同様にWebの貢献度は約33.5%と求められてもよい。以上説明したように、あるメディアの貢献度は、ユーザあたりの当該メディアの上記累計数(又は累計数に基づく値)及びユーザあたりの購入金額に基づいて求められてもよい。
なお、ステップS101は、影響を受けた情報源の変化の把握(言い換えると、接触率、貢献度などの可視化)に利用されてもよい。
図4は、各メディアのフェーズごとの影響を受けたユーザの割合の一例を示す図である。図4は、ECサイトから購入したユーザの分析結果に該当する。図4及び後述の図5に示した割合は、接触率に該当してもよい。図4では、フェーズに応じてメディアの影響が異なるが、本例ではTVの影響がWebより大きいことがわかる。例えば、認知フェーズはTVによって影響を受けたユーザが44.2%で、Webの19.5%の2.26倍となっている。
図5は、各メディアのフェーズごとの影響を受けたユーザの割合の別の一例を示す図である。図5は、コールセンターから購入したユーザの分析結果に該当する。図5では、図4の場合よりさらにTVの影響がWebより大きいことがわかる。例えば、認知フェーズはTVによって影響を受けたユーザが52.4%で、Webの14.2%の3.68倍となっている。これは、TVのショッピング番組などにおいてコールセンターの電話番号が放送されることによって、TVの影響が大きいと想定される。なお、図4及び5から、購入後のフェーズのTV及びWebの影響の違いは、購入前のフェーズに比べて販路による差が小さいことがわかる。
また、プランニング装置10は、貢献金額の算出を、ユーザが商品/サービスを購入した販路(例えば、ECサイト、コールセンター)ごとに行ってもよい。プランニング装置10は、各販路についてのメディアごとの貢献金額から、各メディアに対する広告出稿を制御してもよい。例えば、プランニング装置10は、各販路についてのメディアごとの貢献金額に基づいて、各メディアに対する広告出稿量、広告の時間帯などを決定してもよい。
例えば、プランニング装置10は、ECサイトから購入したユーザのTVの貢献金額がWebの貢献金額の第1の値(例えば、1.83)倍であり、コールセンターから購入したユーザのTVの貢献金額がWebの貢献金額の第2の値(例えば、5.88)倍である場合において、例えば第2の値が第1の値より第3の値(例えば、2)以上大きければ、所定の時間帯の広告を多めに出稿するような制御を行ってもよい。
あるメディアの貢献金額の別のメディアの貢献金額に対する比率は、RCR(Royal Customer Ratio)と呼ばれてもよい。例えば、プランニング装置10は、TVの貢献金額のWebの貢献金額に対する比をRCRとして算出してもよい。
なお、上述の貢献度を求める際、考慮されるフェーズは、あるメディアにおいて影響を受けたユーザの割合が所定の値以上(又は以下)であるものであってもよいし、第1のメディアと第2のメディアの上記ユーザの割合の比率(例えば図4の認知フェーズだと2.26倍)が所定の閾値以上(又は以下)であるものであってもよい。
ステップS102において、プランニング装置10は、ロイヤルカスタマーの特性を考慮した広告出稿モデルを作成する。
既存のメディアプランニングは、メディアから得られるデータを駆使してターゲットの視聴傾向を推察し、コスト効率(例えば、CPR)の良い媒体への広告展開を図ってきた。顧客の継続性は考慮してこなかった。既存のメディアプランニングの際に考慮される要素としては、視聴率、ターゲット含有率、コンテンツ、競合各社の出稿傾向、認知率、リーチなどがある。
一方で、本開示のメディアプランニング(LTVプランニング)では、ロイヤルカスタマー見込みの顧客のコンタクトポイントを重視したメディアプランニングを実施する。本発明者らは、各プランニング要素における定期顧客の接触状況を整理して分析し、好ましい広告出稿モデルの特徴を見出した。LTVプランニングの際に考慮される要素としては、放送局、放送尺、購入意欲時間帯、コンテンツ(視聴番組)、クリエーティブ(CMの表現)などがある。
プランニング装置10は、ロイヤルカスタマーのメディア接触情報、一般顧客(ロイヤルカスタマーに該当しない顧客)のメディア接触情報、一般のメディアデータ(例えば、視聴率など)などに基づいて、上記広告出稿モデルを作成してもよい。
ここで、メディア接触情報は、例えば上述のステップS101で導出された、当該メディアによる特定のフェーズの接触率、当該メディアの貢献度などに該当してもよい。この特定のフェーズは、ロイヤルカスタマー層形成に大きく寄与する(言い換えると、ロイヤルカスタマーであれば高い接触度を有する)フェーズであってもよく、例えば、「理解」、「継続意向」などのフェーズなどであってもよい。もちろん当該特定のフェーズとして、他のフェーズが利用されてもよい。
上記広告出稿モデルは、人工知能(Artificial Intelligence(AI))によって作成された予測モデルなどであってもよい。AIは、機械学習、ディープラーニングなどの少なくとも1つを含んでもよい。
上記広告出稿モデルの入力パラメータは、以下の少なくとも1つを含んでもよい:
・ユーザの属性(例えば、性、年齢、年収、家族構成、地域)、
・購入商品/サービスの特徴(例えば、ブランド、成分、形態、ジャンル)、
・購入商品/サービスの事業主(言い換えると、提供者、販売元、企業など)、
・所定の期間(例えば、年間)の購入金額、
・購入の動機付け(例えば、動機づけとなった広告の訴求表現(インパクトのあったワードなど))、
・影響された情報源(例えば、メディアごとの各フェーズの接触率、購入意欲時間帯)、
・定期購入を決定した理由/定期購入を継続する理由、
・メディアごとの所定の期間(例えば、年間)の貢献度/貢献金額、
・メディアごとの視聴態度に関する情報(例えば、放送局、時間帯、尺、波種(地上波/BS/CSなど)、番組ジャンル)、
・メディアごとの視聴率(世帯視聴率、個人視聴率、個人全体視聴率であってリアルタイム視聴及び放送後7日目までのタイムシフト視聴を合算した視聴率(「All&P+C7(Program + Commercial 7)」などと呼ばれてもよい)、GRP(Gross Rating Point)、TRP(Target Rating Point)など)、
・メディアごとの広告出稿のコスト(例えば、ある広告出稿パターン(逆L型、全日型、ヨの字型、コの字型、逆F型、深夜型、全日昼型など)を想定した場合のコスト)。
なお、購入商品/サービスの事業主は、例えば同じ商品/サービスであっても事業主によって信頼性などが大きく異なり、広告の効果も異なってくることから、考慮されることが好ましい。
商品/サービスの形態の一例としては、例えば、化粧品の形態がある。化粧品の形態は、例えば、オールインワン化粧品(多機能化粧品)、化粧水、美容液、乳液、クリームなどに分類されてもよい。
上記広告出稿モデルの入力パラメータは、ロイヤルカスタマーに関するパラメータを前提としてもよいし、一般視聴者を含んだパラメータが含まれてもよい。なお、プランニング装置10は、上記入力パラメータを、例えば、視聴率管理装置30など他の装置から取得(受信)してもよい。また、プランニング装置10は、上記入力パラメータを、外部からの入力(例えば、ユーザによる設定)、上述したアンケート調査などに基づいて判断してもよい。
上記所定のモデルの出力パラメータは、広告プランニングに関するパラメータを含んでもよく、例えば、各メディアの買い付け広告枠(の候補)、各メディアに対する広告予算などを含んでもよい。なお、プランニング装置10は、上記出力パラメータを、例えば、視聴率管理装置30など他の装置から取得(受信)してもよい。また、プランニング装置10は、上記出力パラメータを、外部からの入力(例えば、ユーザによる設定)、上述したアンケート調査などに基づいて判断してもよい。
本発明者らの検討によれば、上述の入力パラメータのおのおのは、上述の出力パラメータとの間に、統計的に有意な相関関係がある。例えば、本発明者らは、商品/サービス購入前には「理解」のフェーズが、ロイヤルカスタマー層形成のポイントであることを分析によって発見した。また、商品/サービス購入後には、「継続購入意向」のフェーズがロイヤルカスタマーの維持に重要であることを分析によって発見した。
このため、例えば上述の入力パラメータ及び出力パラメータの実測値の組み合わせを教師データとして、学習済みモデルを作成できる。なお、モデルの作成は、プランニング装置10に限られず、他の装置が行ってもよく、他の装置によって作成されたモデルがプランニング装置10に記憶されてもよい。
プランニング装置10は、視聴放送局ごとに、ロイヤルカスタマーのメディア接触情報と、全体視聴率(ロイヤルカスタマーか否かを問わない一般的な視聴率であってもよく、例えば、世帯視聴率、個人視聴率、GRPなどであってもよい)と、を比較した結果に基づいて、上記広告出稿モデルを作成してもよい。
図6は、放送局ごとの接触率と視聴率との関係の一例を示す図である。本例では、放送局A−Dについて、それぞれのロイヤルカスタマーの接触率と、全体視聴率と、の関係が示されている。ここでいう全体視聴率は、ある番組の視聴率であってもよいし、いくつかの番組の平均視聴率であってもよい。
なお、図6の縦軸は、所定の正規化処理をそれぞれの率に適用したものであってもよい。また、接触率としては、理解のフェーズの接触率(理解度などと呼ばれてもよい)が示されている。以降の図面でも同様である。
図6は、局ごとに差異がある例に該当する。例えば、C局は、全体視聴率が比較的低いにも関わらず接触率が高いことから、プランニング装置10は、C局への広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、上記モデルを作成してもよい。例えば、上記モデルの入力データとして放送局ごとの接触率、全体視聴率などを加えることにより、一般視聴者に比べたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
プランニング装置10は、1つの視聴放送局に関して、ロイヤルカスタマーの購入意欲時間と、全体視聴率と、を比較した結果に基づいて、上記広告出稿モデルを作成してもよい。なお、購入意欲時間は、その時間の広告を見て購入に結びついたユーザ(言い換えると、その時間の広告が商品/サービスの理解のきっかけとなったユーザ)の数を示す指標(例えば、このようなユーザの特定のフェーズ(理解など)の接触率)に該当してもよいし、そのような時間のことを意味してもよい。
図7は、ある放送局のロイヤルカスタマーの購入意欲時間と視聴率との関係の一例を示す図である。本例では、購入意欲時間は夜(特にゴールデン・プライム帯)が最も高い。また、朝帯は全体視聴率が比較的高いにも関わらず接触率が低いことから、プランニング装置10は、この放送局の朝帯への広告出稿がLTVへの貢献度が低いと想定し、当該朝帯への広告出稿を低減させるような上記モデルを作成してもよい。
一方で、深夜帯は全体視聴率のわりに接触率が高いことから、プランニング装置10は、この放送局の深夜帯への広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、当該深夜帯への広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。例えば、上記モデルの入力データとして放送局ごとの購入意欲時間(又は購入意欲時間帯)、全体視聴率などを加えることにより、一般視聴者に比べたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
図8は、ある放送局のロイヤルカスタマーの購入意欲時間と視聴放送尺との関係の一例を示す図である。本例では、広告の放送尺として、CM(例えば60秒未満、主に約15−30秒)、インフォマーシャル(例えば29分未満、主に約60−180秒)、通販番組(例えば29分以上)の3つを示したが、放送尺の分類はこれらに限られない。また、ある尺に対する呼び方もこれらに限定されない。
図8の例では、購入意欲時間は、尺によってばらつきがみられ、通販番組については他の尺に比べて朝と夕方が低く、深夜が高い。このため、プランニング装置10は、この放送局の朝帯、夕方帯の通販番組への広告出稿がLTVへの貢献度が低く、深夜帯の通販番組への広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、当該朝帯、夕方帯への広告出稿を低減し、当該深夜帯への広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。例えば、上記モデルの入力データとして、放送局ごと及び/又は視聴放送尺ごとの購入意欲時間(又は購入意欲時間帯)を加えることにより、広告の尺に応じたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
なお、全日でコストが統一されるような放送局(又は波種)については、プランニング装置10は、通販番組の出稿を日中帯に多くするよりは、購入意欲が高い時間帯に多くするようなモデルを作成することが好ましい。購入意欲時間帯に基づくモデルを作成することによって、低コストでより高い効果のある時間帯に広告を好適に出稿できる。
図9は、ある放送局のロイヤルカスタマーの理解のフェーズの接触率と視聴放送尺との関係の一例を示す図である。広告の放送尺は、図8と同様である。本例では、各放送尺の市況(露出量)も併記されている。
図9の例では、CM尺の広告は、より長い尺の広告に比べて、広告の露出量に対して接触率が高い結果となっている。例えば、CM尺の広告は、インフォマーシャル尺の広告に比べて露出量が小さいにも関わらず、接触率はより高い。
このため、プランニング装置10は、この放送局についてはCM尺の広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、当該CM尺の広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。例えば、上記モデルの入力データとして、放送局ごと及び/又は視聴放送尺ごとの所定のフェーズ(例えば、理解のフェーズ)の接触率を加えることにより、広告の尺に応じたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
図10は、ある放送局のロイヤルカスタマーの理解のフェーズの接触率と視聴番組ジャンルとの関係の一例を示す図である。視聴番組のジャンルとしては、時間帯ごとのニュース、情報番組などが示されているが、もちろん他のジャンルが規定されてもよい。
図10の例では、各時間帯のニュースの接触率が他のジャンルの接触率より高く、ロイヤルカスタマーが各時間帯のニュースを視聴する傾向が高いことが理解できる。
このため、プランニング装置10は、この放送局についてはニュース番組の広告枠への広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、当該広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。例えば、上記モデルの入力データとして、放送局ごと及び/又はジャンルごとの所定のフェーズ(例えば、理解のフェーズ)の接触率を加えることにより、ジャンルに応じたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
プランニング装置10は、訴求表現(クリエーティブ表現と呼ばれてもよい)を考慮して上記広告出稿モデルを作成してもよい。例えば、「初回割引」などのコストに関する表現が含まれる広告と、有名人を起用した広告と、があったとして、プランニング装置10は、前者の広告の接触率が後者の広告の接触率より高い(言い換えると、前者の広告の方がより定期購入の理由に関連している)という分析結果を入力パラメータから導出した場合、前者の広告の広告出稿がLTVへの貢献度が高いと想定し、当該広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。放送局ごと及び/又は訴求表現ごとの所定のフェーズ(例えば、理解のフェーズ)の接触率を加えることにより、訴求表現に応じたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
プランニング装置10は、購入金額を考慮して上記広告出稿モデルを作成してもよい。例えば、プランニング装置10は、あるフェーズに該当する(あるフェーズに接触した)ユーザの購入金額の全体に対する比率が他フェーズに該当するユーザに比べて大きいという分析結果を入力パラメータから導出した場合、このフェーズのユーザの増大に寄与する広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。例えば、継続購入意向のフェーズに該当するユーザの購入金額比率が高い場合、プランニング装置10は、このフェーズのユーザの増大に寄与する広告出稿(例えば、「無料サンプル」などのクリエーティブ表現を含む広告出稿)を増大させるような上記モデルを作成してもよい。
プランニング装置10は、継続購入理由を考慮して上記広告出稿モデルを作成してもよい。例えば、プランニング装置10は、商品/サービスが安心安全であるなど、高品質であることが継続購入理由として多いという分析結果を入力パラメータから導出した場合、このようなクリエーティブ表現を含む広告出稿を増大させるような上記モデルを作成してもよい。また、プランニング装置10は、この商品/サービスに関するテレビ広告をよく見かけることが継続購入理由として多いという分析結果を入力パラメータから導出した場合、テレビ広告を他メディアの広告に比べて多く出稿させるような上記モデルを作成してもよい。放送局ごと及び/又は継続理由ごとの所定のフェーズ(例えば、理解のフェーズ)の接触率を加えることにより、継続理由に応じたロイヤルカスタマーの傾向を高精度に推定することができ、ロイヤルカスタマー層の形成・維持に好適な広告出稿を実現できる。
ステップS103は、プランニング装置10は、ステップS102で作成した広告出稿モデルを用いて、広告プランニングを決定してもよい。例えば、プランニング装置10は、以下のようなプランニングを実施してもよい:
・理解度が高い層を獲得するプランニング、
・購買後、継続意向の高い層を獲得するプランニング、
・購買後、クロスセルを積極的に行う層を獲得するプランニング、
・商品のカテゴリーごとのプランニング、
・ベンチマーク事業主顧客の含有率の高いプランニング。
プランニング装置10は、上述のRCRに基づいて広告プランニングを決定してもよい。例えば、RCRとしてのTVの貢献金額のWebの貢献金額に対する比が2.56である場合、プランニング装置10は、Web広告に投下する予算のRCR倍(この場合は2.56倍)までテレビ広告に投下できると想定して、各メディアの広告プランニングを決定してもよい。また、同じ条件において、プランニング装置10は、Web広告のCPRのRCR倍(この場合は2.56倍)までテレビ広告のCPRが許容できると想定して、各メディアの広告プランニングを決定してもよい。
なお、ステップS103の広告プランニングは、各メディアについての広告の作案、方針決定、広告枠の買い付けなどの少なくとも1つを含んでもよく、プランニング装置10が実際に広告枠の買い付けなどを実施してもよいし、他の装置に買い付けなどさせる指示を送信してもよい。
以上説明した一実施形態によれば、適切なLTVプランニングを提供できる。
<その他>
上述の実施形態に示したLTVプランニングは、テレビCM、Web広告などに適用する例を示したが、これに限られない。本開示の上述の実施形態は、例えば、ラジオCM、インターネット配信(例えば、ストリーミング、ダウンロード)のCM、オフライン広告(例えば、新聞広告、本の広告)などに適用されてもよい。当業者であれば、必要に応じて上述の実施形態の説明を読み替えて理解できる。例えば、ラジオCMに適用される場合、本開示の「視聴」は「聴取」で読み替えられてもよい。
(機器の構成)
図11は、一実施形態に係るプランニング装置の機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、プランニング装置10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、プランニング装置10は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
制御部110は、プランニング装置10の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
記憶部120は、プランニング装置10において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部120は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
通信部130は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部13は、受信した種々の情報を制御部110に出力してもよい。
通信部130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
入力部140は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
入力部140は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
出力部150は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
表示部は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
出力部150は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
なお、通信部130又は入力部140は、取得部と呼ばれてもよい。取得部は、ある商品又はサービスについての広告がマーケティングファネルの各フェーズに影響を与えたメディアの累計数を、特定のユーザ(例えば、ロイヤルカスタマー)ごとに取得してもよい。なお、「取得」は、「導出」、「算出」などを意味してもよい。累計数は、累計数に関連する値、累計数に基づく値などで読み替えられてもよい。
制御部110は、図2で示したステップに基づく処理を実施してもよい。例えば、制御部110は、前記累計数及び前記特定のユーザあたりの購入金額に基づいて、前記商品又はサービスの購入に関する各メディアの貢献度を算出してもよい。
制御部110は、前記各メディアの貢献度に基づいて、前記商品又はサービスについての広告プランニングを決定してもよい。
制御部110は、所定の推定モデルに基づいて、前記広告プランニングを決定してもよい。なお、当該所定の推定モデルは、以下のいずれか又はこれらの組み合わせに該当する推定モデルであってもよい:
・放送局ごとの前記広告が各フェーズに影響した前記特定のユーザの比率及び全体視聴率の実測値に基づいて生成された推定モデル、
・放送局ごとの前記特定のユーザの購入意欲時間及び全体視聴率の実測値に基づいて生成された推定モデル、
・前記特定のユーザの視聴放送尺ごとの購入意欲時間の実測値に基づいて生成された推定モデル、
・前記特定のユーザの視聴放送尺ごとの所定のフェーズの前記比率に基づいて生成された推定モデル、
・前記広告の訴求表現及び/又は前記特定のユーザの前記商品又はサービスの継続購入理由に基づいて生成された推定モデル。
放送配信装置20、視聴率管理装置30などについても、図11と同様の構成を有してもよい。当業者であれば、図11の説明におけるプランニング装置10関連の記載を、適宜読み替えて理解できる。
以下、いくつかの部について例示的に説明する。なお、図11の各機能ブロックに対応する各装置の符号は、各装置を示す符号の最初の一桁の数字(例えば、放送配信装置20であれば「20」の最初の一桁の「2」)を図11の最初の一桁の数字に適用して表す。
放送配信装置20の通信部230は、プランニング装置10によって決定された広告プランニングに基づいて所定のメディア(例えば、テレビ、Web)に広告を放送するための制御情報を、プランニング装置10から受信してもよい。放送配信装置20の制御部210は、上記制御情報に基づいて、例えば、所定の時間帯に放送するCMを決定してもよい。放送配信装置20の通信部230は、当該CMを配信(送信)してもよい。
視聴率管理装置30の制御部310は、図示しないテレビの視聴ログなどに基づいて、視聴率に関する情報を導出してもよい。視聴率管理装置30の通信部330は、視聴率に関する情報をプランニング装置10に送信してもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本開示の一実施形態における装置(プランニング装置10など)は、本開示のLTVプランニング評価方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図12は、一実施形態に係るプランニング装置などのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のプランニング装置10、放送配信装置20などは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。プランニング装置10、放送配信装置20などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
プランニング装置10、放送配信装置20などにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、プランニング装置10などは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体及び信号波形の少なくとも1つを介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図され、「A又はB」は「A及びBの少なくとも一方」を意味してもよい。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
本開示の一態様に係るLTVプランニングシステムは、ある商品又はサービスについての広告がマーケティングファネルの各フェーズに影響を与えたかに関する、各ユーザ各メディアについての情報を受信し、任意のフェーズに影響を与えたと当該情報によって示される累計数を、特定のユーザごとかつメディアごとに導出する、ここで、任意のフェーズに影響を与えたと当該情報によって示される累計数を、特定のユーザごとかつメディアごとに導出することは、前記情報が、当該特定のユーザがあるフェーズについてあるメディアによって影響を受けたことを示す場合は当該フェーズの値を1とし、当該特定のユーザが当該フェーズについて当該メディアによって影響を受けなかったことを示す場合は当該フェーズの値を0として、全てのフェーズの値を加算した合計値を、当該特定のユーザかつ当該メディアについての累計数と算出することである、取得部と、前記累計数及び前記特定のユーザあたりの購入金額に基づいて、前記商品又はサービスの購入に関する各メディアの貢献度を算出する制御部と、を有し、前記制御部は、各メディアの貢献度、全体視聴率及び広告プランニングに関するパラメータの実測値の組み合わせを教師データとして、機械学習及びディープラーニングの少なくとも1つを用いて生成された学習済みモデルに対して、各メディアの貢献度及び全体視聴率を入力することで、前記広告プランニングに関するパラメータを出力する、ここで、前記広告プランニングに関するパラメータは、各メディアの買い付け広告枠及び各メディアに対する広告予算の少なくとも一方であることを特徴とする。