JP2020189515A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブユニットと等速自在継手とが連結された車輪用軸受装置において、組み付けが容易なナット緩み防止手段を提供する。【解決手段】車輪用軸受装置80は、内周に外側軌道溝16,16が形成された外方部材11と、外周に外側軌道溝16,16と対向する内側軌道溝17a,17bが形成され、軸方向に貫通する中心孔28を有する内方部材12と、外側軌道溝16,16と前記内側軌道溝17a,17bとの間に転動可能に配置された複数の転動体を有し、中心孔28に等速自在継手81の軸部81aを挿通して、軸部81aの先端に設けたおねじ部91にナット83を螺合している。ナット83の回転を規制する回転止め部材33は、内方部材12のねじ部と回転止め部材33のねじ部を螺合して締付けることによって内方部材12に固定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、等速自在継手と連結されて、エンジン等の動力を伝達しつつ車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置に関する。
自動車等の駆動輪を回転支持する車輪用軸受装置として、ハブユニットと等速自在継手とが連結された車輪用軸受装置が知られている(特許文献1)。ハブユニットは、外輪が車両に固定されて、内軸が外輪に対して回転する。内軸には、ハブフランジが一体に形成されており車輪が取り付けられている。また、内軸には等速自在継手が連結されており、エンジンの動力が車輪に伝達される。
図7は、従来の車輪用軸受装置におけるナット83の緩みを防止する緩み防止手段の構成を示している。図7(a)は緩み防止手段を組付ける前の状態を示している。
車輪用軸受装置は、等速自在継手81の軸部81aの軸端におねじ部91が形成されており、ナット83を締め付けることによって、等速自在継手81が内軸82に固定されている。しかしながら、車両走行中に内軸82が路面の凹凸等によって振動するため、長期の使用によりナット83が緩む恐れがある。そこで、図7に示すように、割りピン85と回り止めリング87を用いてナット83の緩みを防止している。
回り止めリング87は、鋼板をプレス成型することによって、軸と直交する向きの断面がナット83の外周に沿った多角形状のナット嵌合部87aと、軸方向に窪んだ凹部84が周方向に複数形成された位置決め部87bとが一体に形成されている。ナット嵌合部87aは、ナット83の外周に僅かなすきまを持って嵌め合わされており、回り止めリング87は、ナット83に対して中心軸mの周りで変位不能である。軸部81aには、割りピン85を挿入するためのピン孔86が設けられている。
ナット83を所定のトルクで締め付けた後、ナット83の外周に回り止めリング87が嵌め合わされ、ピン孔86と凹部84との位相を合わせて割りピン85が挿入される。こうして回り止めリング87の中心軸mの周りの回転が制止されるので、ナット83の緩みを防止できる。割りピン85は、脱落を防止するためピン孔86に挿通させた後、先端が押し広げられている(図7(b)参照)。
特開2002−178706号公報
特許文献1に記載されているように、割りピン85を用いてナット83の緩みを防止する場合には、通常は、一旦、所定の締付トルクでナット83を締め付けた後、ピン孔86と凹部84との位相が完全に一致するように更にナット83を締め込む必要がある。
しかしながら、ナット83を締め付けるトルクは概ね200〜300N−m程度に規定されており相当大きい。このため、一旦ナット83を所定のトルクで締め付けた後に、ピン孔86と凹部84の位相を確認しながら更に締め込むことは難しく、極めて作業性が悪い。
そこで上記の事情に鑑み、本発明は、ハブユニットと等速自在継手とが連結されており、等速自在継手を固定するナットの緩みを防止する緩み防止手段を備えた車輪用軸受装置において、組み付けが容易なナットの緩み防止手段を提供することを目的としている。
本発明の一形態は、内周に外側軌道溝が形成された外方部材と、外周に前記外側軌道溝と対向する内側軌道溝が形成され、軸方向に貫通する中心孔を有する内方部材と、前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との間に転動可能に配置された複数の転動体を有し、前記中心孔に軸方向一方側から等速自在継手の軸部を挿通して、前記軸部の先端に設けたおねじ部にナットを螺合し、前記ナットの回転を規制する回転止め部材を備えた車輪用軸受装置であって、前記内方部材はねじ部を有し、前記回転止め部材は前記ねじ部に螺合されるねじ部を有し、前記回転止め部材は、双方の前記ねじ部を螺合して締付けることによって前記内方部材に固定されていることを特徴としている。
本発明によると、ハブユニットと等速自在継手とが連結された車輪用軸受装置において、等速自在継手を固定するナットの緩みを防止する緩み防止手段を容易に組み付けることができて、車両組立の作業性を向上することができる。
車両に搭載された第1実施形態の車輪用軸受装置の軸方向断面図である。 図1の車輪用軸受装置におけるナット締結部の要部拡大図である。 図3(a)は、回転止めリングの軸方向断面図であり、図3(b)は、側面図である。 第2実施形態の回転止めリングの軸方向断面図及び側面図である。 第3実施形態の回転止めリングの軸方向断面図及び側面図である。 第4実施形態の回転止めリングを組み込んだ図2と同様の要部拡大図である。 従来のナットの緩み防止手段を説明する説明図である。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態(以下、「第1実施形態」)を以下に詳述する。図1は、ナックル等の車両の懸架装置88に取り付けられた車輪用軸受装置80の軸方向断面図である。車輪用軸受装置80は、転がり軸受と車輪を取付けるハブが一体に組み込まれたハブユニット10と、エンジン(図示を省略)の動力を車輪(図示を省略)に伝達する等速自在継手81とが連結されて構成される。ハブユニット10には、ブレーキロータ89及び車輪のホイール90が組み付けられる。
第1実施形態では、等速自在継手81を固定するナット83の緩みを防止する回転止め部材の構造に特徴がある。この構造の特徴を説明するにあたって、先に、ハブユニット10及び周辺の構成について説明する。
図1では、図の右側が車両外側であり、ハブユニット10に対して図の右側に車輪のホイール90が取り付けられている。以下の説明では、車輪の回転軸すなわちハブユニット10の中心軸mの方向を軸方向といい、中心軸mと直交する方向を径方向、中心軸mの回りを周回する方向を周方向という。また、図1の左側である軸方向一方側をインナー側といい、右側である軸方向他方側をアウター側という。
ハブユニット10について説明する。図2は、図1において回転止めリング33が組み込まれている部分の拡大図である。適宜図1と合わせて図2を参照する。
ハブユニット10は、外輪11(外方部材)と内軸12(内方部材)と複数の玉13(転動体)を主要構成部品としている。
外輪11は、炭素鋼などの鋼材を熱間鍛造することによって製造されており、略円筒形状の円筒部14と、その外周から径方向に突出する複数の固定用フランジ15が一体に形成されている。円筒部14の内周には、二列の外側軌道溝16,16が、全周にわたって形成されている。各固定用フランジ15には、軸方向に貫通するねじ孔が設けられている。
内軸12は、ハブシャフト18と、その軸端に圧入された内輪19を主要構成部品としている。
ハブシャフト18は、炭素鋼などの鋼材を熱間鍛造することによって製造されており、軸方向に延在するシャフト部20と円板状のハブフランジ21とが一体に形成されている。シャフト部20は、段付きの円筒形状で、大径のシャフト外周面20cと、そのインナー側に同軸に形成された小径の内輪圧入面20aを備えている。内輪圧入面20aのアウター側端部に、径方向外方に延在してシャフト外周面20cとつながる突き当て面20bが形成されている。第1の内側軌道溝17aが、シャフト外周面20cのアウター側の端部に全周にわたって形成されている。
内輪19は環状で、軸受鋼等の鋼材で製造されている。内輪19は、シャフト部20の内輪圧入面20aに締まりばめの状態で嵌め合わされて、アウター側の端面が突き当て面20bと軸方向に当接するように組み付けられている。第2の内側軌道溝17bが、内輪19の外周に全周にわたって形成されている。こうして内軸12の外周に二列の内側軌道溝17a,17bが形成されている。
ハブフランジ21は、シャフト部20のアウター側の端部で、径方向に拡径する向きに形成されている。ハブフランジ21には、複数のハブボルト23が、ねじ部をアウター側に向けて組み付けられている。ハブボルト23は、中心軸mを中心とする所定のピッチ円上で等しい間隔で配置されている。
ハブフランジ21のアウター側の側面21aは、中心軸mと直交する面である。側面21aの径方向中央には、軸方向のアウター側へ延在する環状のパイロット部25が、中心軸mと同軸に形成されている。パイロット部25の外周は、段付きの円筒面となっていて、インナー側の外周面は、アウター側の外周面よりわずかに大径である。インナー側の外周面はブレーキロータ89を径方向に位置決めする案内面であり、アウター側の外周面は車輪のホイール90を径方向に位置決めする案内面となっている。
図2を参照する。パイロット部25の内周に、めねじ部29が中心軸mと同軸に形成されている。めねじ部29に形成されるねじは、JISB0205で規定されるメートルねじが好適に使用されるが、この形状に限定されるものではない。ねじの呼び径は、ナット83のフランジ83aの外径より大径であり、回転止めリング33(回転止め部材)が、めねじ部29の内周とフランジ83aの外周との間に組み込まれる。なお、回転止めリング33については後で詳細に説明する。
めねじ部29のインナー側に、中心軸mに対して直交する向きに形成されたナット座面27が形成されている。
再び図1を参照する。ハブユニット10は、内軸12と外輪11とが同軸に組み合わされて、径方向に対向する外側軌道溝16,16と内側軌道溝17a,17bとの間に、複数の玉13が転動可能に組み込まれている。各列の玉13は、それぞれ保持器30によって周方向に等しい間隔で保持されている。
外輪11と内軸12との間の環状空間にはグリースが封入されて、玉13の転動面が潤滑されている。環状空間は軸方向両側に開口しており、それぞれの開口部に密封装置31が装着される。これにより、玉13の転動面に泥水などの異物が浸入するのを防止するとともに、グリースの漏出を防止している。
こうして、ハブユニット10は、外輪11に対して内軸12が中心軸mの回りで回転自在であり、外輪11の固定用フランジ15をナックル等の懸架装置88に固定することによって、車両に搭載される。
その後、ハブフランジ21のアウター側に、ブレーキロータ89とホイール90がそれぞれパイロット部25の外周に嵌め合わされて中心軸mと同軸に搭載される。このとき、ハブボルト23がブレーキロータ89とホイール90を貫通しており、ナット83を締め付けることによって、ブレーキロータ89とホイール90が同時にハブユニット10の内軸12に強固に固定されている。
内軸12には、軸方向に貫通する中心孔28が、中心軸mと同軸に形成されている。中心孔28の内周には、全周にわたって軸方向に延在するスプライン溝が形成されている。
ハブユニット10が懸架装置88に搭載された後、中心孔28に等速自在継手81の軸部81aが挿入される。軸部81aの外周にはスプライン溝が形成されており、このスプライン溝と内軸12のスプライン溝とがかみ合って、等速自在継手81と内軸12とが互いに周方向に回転不能に連結される。
等速自在継手81は、軸部81aのアウター側端部におねじ部91を有しており、ナット83が螺合される。第1実施形態のナット83には、フランジ付き六角ナットが使用される。ナット83の形態は、例えばJISに示されるフランジナットと同様であり、円形のフランジ83aと軸に直交する向きの断面が正六角形の頭部とが組み合わされた形態である。ナット83を締め付けることによって、等速自在継手81とハブシャフト18とが分離不能に連結されている。等速自在継手81は、図示しないエンジンにつながっていて、エンジンの動力を車輪に伝達することができる。
なお、ナット83の頭部の形態は上記の六角形に限定されない。図示を省略するが、頭部の外周が六角形以外の多角形でもよく、また、フランジ付き12ポイントナットのように凹凸が周方向に繰り返された形状であってもよい。
等速自在継手81の軸部81aは、円筒形状の肩部81bの中心から軸方向に延在している。肩部81bの外径は、ハブユニット10に組み込まれた内輪19の外径とほぼ同一の寸法であり、軸部81aが内軸12の中心孔28に挿入されたときには、肩部81bが内輪19と軸方向に当接する。
ナット83が締め付けられると、内輪19が軸方向のアウター側に向けて付勢されて突き当て面20bに強く押し付けられる。これによって、内輪19とハブシャフト18とが強固に固定される。このため、車両の旋回荷重などの外力が作用したときに第1の内側軌道溝17aと第2の内側軌道溝17bとの相対的な変位を小さくできるので、ハブユニット10の転がり軸受としての剛性を高くすることができる。
このように、車輪用軸受装置80では、ナット83の締付力を長期にわたって維持することが極めて重要である。第1実施形態では、内軸12に形成されためねじ部29に回転止めリング33(回転止め部材)を螺合してナット83の緩みを防止している。以下に、回転止めリング33について詳細に説明する。
図3は、回転止めリング33の単体形状を示している。図3(a)は、回転止めリング33の軸方向断面図であり、図3(b)は、図3(a)を軸方向に矢印Xの向きに見た側面図である。なお、図3(a)の回転止めリング33は、図1のハブユニット10に組み込まれた向きと同じ向きに表示されており、図の左側をインナー側とし、右側をアウター側として説明する。
回転止めリング33は環状であり、炭素鋼、ステンレス鋼などの金属や、ポリアミド樹脂などの合成樹脂で製造されている。外周は略円筒形状で、全周にわたって中心軸nと同軸のねじ34aが形成されている。ねじ34aは、パイロット部25の内周に形成されためねじ部29に対応する形状であって、回転止めリング33はめねじ部29に螺合することができる。
回転止めリング33の内周面40は、中心軸nと同軸の円筒面であって、その内径dは、ナット83のフランジ83aの外径よりわずかに小径である。
回転止めリング33の軸方向両側の側面35a,35bは、それぞれ中心軸nと直交する向きに形成されており、互いに平行である。一方の側面35bには係止部39が設けられており、回転止めリング33をめねじ部29に螺合するときに工具を係止するために使用される。
図2に示すように、等速自在継手81を組付けた後、ねじ34aをめねじ部29に螺合させて、回転止めリング33がパイロット部25の内側にねじ込まれる。回転止めリング33が軸方向のインナー側に向かって移動するにしたがって、内周面40がフランジ83aの外周に嵌め合わされる。内周面40の直径がフランジ83aの外周の直径より小径であるため、回転止めリング33はフランジ83aの外周に締まりばめの状態で組み付けられる。このとき、内周面40とフランジ83aとの接触部ではすべり摩擦が生じるので、回転止めリング33は、すべり摩擦力よりも大きいトルクでねじ込まれている。
回転止めリング33は、インナー側の側面35aがナット座面27に当接するまでねじ込まれ、その後、所定のトルクで更に強く締め付けられる。これによってねじ34aとめねじ部29のねじ面に大きな摩擦力が生じるので、回転止めリング33が内軸12に対して変位不能な状態で強固に固定される。
次に、回転止めリング33によってナット83の緩みを規制する作用について説明する。通常、おねじ部91のねじは右ねじであり、ナット83は、図2に矢印Yで示す方向から見たときに反時計回りの方向に回転することによって緩む。
第1実施形態では、回転止めリング33の内周面40とフランジ83aの外周とが締まりばめの状態で組み付けられており、回転止めリング33とフランジ83aとの接触部にすべり摩擦が生じるので、回転止めリング33に対するナット83の周方向の変位を規制することができる。回転止めリング33は、内軸12に対して変位不能な状態で固定されているので、内軸12に対するナット83の周方向の変位を規制することができる。
一方、等速自在継手81の軸部81aは、内軸12とスプラインで嵌合されており、内軸12に対して周方向に変位しない。したがって、ナット83の軸部81aに対する周方向の変位を規制して、ナット83の緩みを防止することができる。
以上説明したように、第1実施形態では、ナット83の緩み防止手段としての回転止めリング33を、パイロット部25の内側に形成しためねじ部29に螺合するだけで取り付けることができる。したがって、ナット83を規定されたトルクで締め付けた後、回転止めリング33を容易に組付けることができるので車両組み立て等の作業性が向上する。
また、車輪用軸受装置80をメンテナンスするときには所定の工具を用いて取り外すことができる。回転止めリング33は、外周のねじ34aをめねじ部29に螺合することによって内軸12に固定されているに過ぎず、かしめ等の変形を伴う固定方法を使用していない。このため、取り外した回転止めリング33を再び使用することができるので、メンテナンスのコストを低減することができる。
また、上記で説明した回転止めリング33の変形例(第2実施形態)として、図4に示すように、周方向の一部を軸方向に切断して周方向に所定の幅Lを有する切り欠き部44を形成し、全体としてC型の形状とすることができる。第2実施形態の回転止めリング42は、第1実施形態の回転止めリング33に対して切り欠き部44を設けた点のみが異なり、その他の構成は同一である。すなわち、外周には中心軸nの方向にねじ34aが形成されており、自由状態における内周面40の内径dは、ナット83のフランジ83aの外径より小径である。
回転止めリング42は、内周面40がナット83のフランジ83aの外周に嵌め合わされたときには全体が拡径する向きに弾性変形して、切り欠き部44の周方向の幅Lが、内周面40とフランジ83aの外周とのしめしろに応じて拡大する。このときフランジ83aの外周と接触する径方向の力は、回転止めリング42において自由状態における内径dの大きさを変えたり、軸方向断面の形状を変えて径方向の剛性を変えたりすることによって適宜設定することができる。
また、拡径する向きに弾性変形するときのばね定数は、第1実施形態のような環状の回転止めリング33を使用する場合と比較して小さいので、フランジ83aの外径寸法がばらつきを持っている場合であっても、フランジ83aの外周と接触する径方向の力のばらつきを小さくすることができる。こうして、回転止めリング42とフランジ83aとの接触部にほぼ一定のすべり摩擦を生じさせることができるので、回転止めリング42をほぼ一定のトルクで組付けることができる。
更に、ねじ34aが三角ねじで形成されている場合には、回転止めリング42のインナー側の側面35aがナット座面27に当接したあと更に所定のトルクで強く締め付けたときには、内径dが縮小する向きに変位する。このため、内周面40とフランジ83aの外周とが径方向に強く接触するので、接触部のすべり摩擦が増大し、ナット83と回転止めリング42との周方向の相対的な変位をより確実に規制できる。
こうして、回転止めリング42は、組付けを簡単にするとともに、ナット83の緩みを確実に防止することができる。
図5によって第3実施形態について説明する。第3実施形態の回転止めリング47は、第1実施形態の回転止めリング33に対して内周面の形態が異なっている。図5は、図3と同様の、回転止めリング47の軸方向断面図及び側面図である。図5(a)では、回転止めリング47をハブユニット10に組付けたときのナット83の位置を二点鎖線で示している。
回転止めリング47は、内周面49がテーパ形状であって、インナー側からアウター側に向かうにしたがって内径が縮小している。インナー側端部の内径d1は、ナット83のフランジ83aの外径よりわずかに大きく、アウター側端部の内径d2は、フランジ83aの外径より小さい。内径d2は、回転止めリング47をめねじ部29に組付けたときに、内周面49が、ナット83のフランジ83aと径方向に当接するように設定されている。回転止めリング47は、インナー側端部の内径d1が、ナット83のフランジ83aの外径より大きいので、めねじ部29に螺合するときに、フランジ83aの外周に容易に嵌め合わせることができる。
回転止めリング47は、ナット83のフランジ83aと接触するまでねじ込まれる。このとき、回転止めリング47はナット座面27と接触しておらず、回転止めリング47のインナー側の側面43とナット座面27との間には軸方向にわずかなすきまが残存している。その後、回転止めリング47が所定のトルクでねじ込まれる。内周面49がフランジ83aの外周に強く押し付けられることによって、回転止めリング47とフランジ83aとの接触部に大きなすべり摩擦が生じるので、回転止めリング47に対するナット83の周方向の変位が規制される。
また、第1実施形態と同様に、回転止めリング47を強く締め付けることによって外周のねじ34aとめねじ部29のねじ面に大きな摩擦力が生じるので、回転止めリング47が内軸12に強固に固定される。
また、第3実施形態の回転止めリング47は、内周面49がテーパ形状であるため、内周面49とフランジ83aの外周とが接触した後、回転止めリング47をねじ込むにしたがってフランジ83aの外周と内周面49との接触荷重が増加し、回転止めリング47をねじ込むときのトルクが増加する。したがって、回転止めリング47を所定の大きさのトルクでねじ込むことにより、回転止めリング47とフランジ83aとが所定の接触荷重で接触するように組付けることができる。
これにより、内周面49やフランジ83a外周面の直径寸法にばらつきがある場合でも、回転止めリング47がフランジ83aと常に適正な接触荷重で接触するように組み付けることができるので、ナット83の周方向の変位を確実に規制して、ナット83の緩みを確実に防止できる。
なお、図示を省略するが、ナット83のフランジ83aの外周が、インナー側からアウター側に向かうにしたがって外径が縮小するテーパ面であってもよい。この場合には、回転止めリング47のインナー側端部の内径d1は、フランジ83aのアウター側端部の外径より大径に設定すればよい。これにより、回転止めリング47をめねじ部29に組付けるときに、回転止めリング47をフランジ83aの外側に容易に嵌め合わせることができる。
なお、フランジ83aの外周がテーパ面である場合には、回転止めリング47の内周は、第1実施形態の回転止めリング33と同様に中心軸nと同軸の円筒面であってもよい。
図6によって第4実施形態について説明する。図6は、第4実施形態の回転止めリング52が組込まれている部分の、図2と同様の部分拡大図及び側面図である。第3実施形態では、第1実施形態と比較して、回転止めリング52がナット83のフランジ83aに対して軸方向に当接している点が異なっている。
回転止めリング52の形態は第1実施形態の回転止めリング33と比較して直径寸法が異なるだけで、その他の形態は同様である。回転止めリング52は、外周のねじ53aをパイロット部25の内周に形成しためねじ部29に螺合して組み付けられている。
回転止めリング52の内周面54の内径dは、フランジ83aの外径より小さく、ナット83の頭部より大径である。したがって、回転止めリング52は、めねじ部29に組付けられたときには、ナット83の頭部を径方向に取り囲むように配置され、インナー側の側面53bがナット83のフランジ83aと軸方向に当接する。
第4実施形態では、内周面54はナット83と接触しないので、回転止めリング52をめねじ部29に容易に組付けることができる。
インナー側の側面53bがナット83のフランジ83aと当接した後、更に、回転止めリング52が所定のトルクでねじ込まれる。側面53bとフランジ83aとの接触荷重は、回転止めリング52をねじ込むときのトルクの大きさに比例するので、回転止めリング52を所定のトルクでねじ込むことによって、フランジ83aと所定の接触荷重で接触するように組み込むことができる。こうして、常に適正な接触荷重で回転止めリング52を組み付けることができるので、回転止めリング52とフランジ83aとの間に適正な摩擦力が生じ、回転止めリング52に対するナット83の周方向の変位を規制することができる。
また、第1実施形態と同様に、回転止めリング52を強く締め付けることによって外周のねじ53aとめねじ部29とのねじ面に大きな摩擦力が生じ、回転止めリング52が内軸12に強固に固定される。
こうして、第4実施形態の回転止めリング52は、ナット83の緩みを確実に防止できる。
なお、上記の各実施形態では、パイロット部25の内周に形成しためねじ部29が右ねじで形成されている場合を例に説明したが、左ねじで形成されていてもよい。
通常、等速自在継手81の軸部81aの軸端に形成されているおねじ部91は右ねじである。このため、例えば第1実施形態では、ナット83が緩むときには、図2の矢印Yの方向に見て反時計回りの方向に変位するので、接触面の摩擦によって回転止めリング33が反時計回りの方向に付勢される。したがって、めねじ部29を左ねじとした場合には、回転止めリング33は、外周のねじ34aを更に締め込む方向に付勢される。このため、回転止めリング33が内軸12に対して緩むことがなく確実に固定されるので、ナット83の緩みを更に確実に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
10:ハブユニット、11:外輪、12:内軸、13:玉、16:外側軌道溝、17a:第1の内側軌道溝、17b:第2の内側軌道溝、18:ハブシャフト、19:内輪、21:ハブフランジ、25:パイロット部、27:ナット座面、28:中心孔、29:めねじ部、30:保持器、31:密封装置、33:回転止めリング(第1実施形態)、34a:ねじ(外周)、40:内周面、42:回転止めリング(第2実施形態)、44:切り欠き部、47:回転止めリング(第3実施形態)、49:内周面、52:回転止めリング(第4実施形態)、54:内周面、80:車輪用軸受装置、81:等速自在継手、81a:軸部、81b:肩部、82:内軸、83:ナット、83a:フランジ、84:凹部、85:割りピン、86:ピン孔、87:回り止めリング、88:ナックル、89:ブレーキロータ、90:ホイール、91:おねじ部

Claims (3)

  1. 内周に外側軌道溝が形成された外方部材と、
    外周に前記外側軌道溝と対向する内側軌道溝が形成され、軸方向に貫通する中心孔を有する内方部材と、
    前記外側軌道溝と前記内側軌道溝との間に転動可能に配置された複数の転動体を有し、
    前記中心孔に軸方向一方側から等速自在継手の軸部を挿通して、前記軸部の先端に設けたおねじ部にナットを螺合し、
    前記ナットの回転を規制する回転止め部材を備えた車輪用軸受装置であって、
    前記内方部材はねじ部を有し、
    前記回転止め部材は前記ねじ部に螺合されるねじ部を有し、
    前記回転止め部材は、双方の前記ねじ部を螺合して締付けることによって前記内方部材に固定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記内方部材は、軸方向他方側へ延在する環状のパイロット部を有し、
    前記回転止め部材が、前記パイロット部の内周に固定されていることを特徴とする請求項1に記載する車輪用軸受装置。
  3. 前記ナットはフランジを有するフランジナットであって、
    前記回転止め部材は前記フランジと接触しており、当該接触部のすべり摩擦により前記ナットの回転を規制することを特徴とする請求項2に記載する車輪用軸受装置。
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