JP2020188598A - 電源装置および電子制御装置 - Google Patents

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鳴 劉
純之 荒田
Sumiyuki Arata
純之 荒田
泰志 杉山
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泰志 杉山
隆介 佐原
Ryusuke Sahara
隆介 佐原
豪一 小野
Goichi Ono
豪一 小野
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Abstract

【課題】別系統の電源ライン間を接続するスイッチの故障診断を行える電源装置、および当該電源装置を備える電子制御装置を提供する。【解決手段】電源ユニットPWU1は、電源ラインPL1を介して負荷LD1に電源を供給し、電源ユニットPWU2は、電源ラインPL2を介して負荷LD2に電源を供給する。スイッチSWは、電源ラインPL1と電源ラインPL2とを接続する。診断回路SDGCは、電源ユニットPWU1からの出力電圧Vdと、電源ユニットPWU2からの、出力電圧Vdとは値が異なる出力電圧Vsとの間の、予め設定された差電圧(|Vd−Vs|)を用いてスイッチSWの故障診断を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置および電子制御装置に関し、例えば、冗長化された電源装置の診断方式に関する。
特許文献1には、電源と負荷との間に接続される半導体スイッチを対象に、当該半導体スイッチのオン時およびオフ時の各両端電圧をモニタすることで故障診断を行う電源ユニットが示される。特許文献2には、重要負荷とメインバッテリとの間をメインリレーで接続し、重要負荷とサブバッテリとの間をサブリレーで接続した車載電源用のスイッチ装置が示される。メインリレーは、メインバッテリの電源線が地絡した場合に非導通となり、サブリレーは、サブバッテリの電源線が地絡した場合に非導通となる。
特開2012−70055号公報 特開2017−140920号公報
例えば、車載用を代表とする高い安全性が要求されるシステムでは、電源の冗長化が必要とされる場合がある。電源の冗長化方式として、例えば、負荷に電源ラインを介して電源供給を行うメイン電源に加えて、当該電源ラインに、別の電源ラインからスイッチを介して電源供給を行うバックアップ電源を設けることが考えられる。この方式は、スイッチが正常があることが前提となるため、スイッチのレイテント故障(潜在故障)を診断する必要がある。しかし、例えば、特許文献1のような故障診断方式では、このような電源ライン間を接続するスイッチに対する故障診断は困難となり得る。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、別系統の電源ライン間を接続するスイッチの故障診断を行える電源装置、および当該電源装置を備える電子制御装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
一実施の形態による電源装置は、第1および第2の電源ユニットと、スイッチと、診断回路とを有する。第1の電源ユニットは、第1の電源ラインを介して第1の負荷に電源を供給し、第2の電源ユニットは、第2の電源ラインを介して第2の負荷に電源を供給する。スイッチは、第1の電源ラインと第2の電源ラインとを接続する。診断回路は、第1の電源ユニットからの第1の出力電圧と、第2の電源ユニットからの、第1の出力電圧とは値が異なる第2の出力電圧との間の、予め設定された差電圧を用いてスイッチの故障診断を行う。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、別系統の電源ライン間を接続するスイッチの故障診断が実現可能になる。
本発明の実施の形態1による電源装置の主要部の構成例を示す概略図である。 (a)および(b)は、図1の電源装置の動作例を示す波形図である。 図1において、故障検出制御回路による差電圧の設定方法の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2による電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。 図4における診断回路の概略動作例を示す波形図である。 図4における診断回路の各種故障検出時の概略動作例を示す説明図である。 図4において、マイコンの起動時に診断回路によって行われる故障診断の動作例を示す波形図である。 図4において、マイコンの通常動作時に診断回路によって行われる故障診断の動作例を示す波形図である。 マイコンの通常動作時の図8とは異なる動作例を示す波形図である。 マイコンの通常動作時の図8とは更に異なる動作例を示す波形図である。 図4における診断回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。 図11における故障判定回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態3による電源装置の主要部の構成例を示す概略図である。 (a)および(b)は、図13の電源装置の動作例を示す波形図である。 (a)は、本発明の第1の比較例となる電源装置の主要部の構成例を示す概略図であり、(b)および(c)は、(a)の動作例を示す波形図である。 (a)は、本発明の第2の比較例となる電源装置の主要部の構成例を示す概略図であり、(b)および(c)は、(a)の動作例を示す波形図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《電源装置(比較例)の概略および問題点》
まず、実施の形態1の電源装置の説明に先立ち、比較例となる電源装置について説明する。図15(a)は、本発明の第1の比較例となる電源装置の主要部の構成例を示す概略図であり、図15(b)および図15(c)は、図15(a)の動作例を示す波形図である。図15(a)に示す電源装置は、電源ユニットPWUと、スイッチSW’と、故障検出回路FDET’と、スイッチドライバDVとを有する。電源ユニットPWUは、スイッチSW’を介して負荷LDに電源を供給する。スイッチドライバDVは、スイッチSW’のオン・オフを制御する。
故障検出回路FDET’は、スイッチSW’のオン時とオフ時の両端電圧(Vd,Vs)に基づいて、スイッチSW’の故障を診断する。具体的には、故障検出回路FDET’は、図15(b)に示されるように、スイッチSW’がオンであるにも関わらず、その両端電圧間の電圧差検出値Vds(=|Vd−Vs|)がしきい値電圧Vth_oよりも大きい場合に断線故障有りと診断する。また、故障検出回路FDET’は、図15(c)に示されるように、スイッチSW’がオフであるにも関わらず、その両端電圧間の電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_cよりも小さい場合にショート故障有りと診断する。
図16(a)は、本発明の第2の比較例となる電源装置の主要部の構成例を示す概略図であり、図16(b)および図16(c)は、図16(a)の動作例を示す波形図である。図16(a)に示す電源装置は、2個の電源ユニットPWU1,PWU2と、スイッチSWと、図15(a)の場合と同様のスイッチドライバDVおよび故障検出回路FDET’とを有する。電源ユニットPWU1は、電源ラインPL1を介して負荷LD1に電源を供給し、電源ユニットPWU2は、電源ラインPL2を介して負荷LD2に電源を供給する。
例えば、負荷LD1の動作に高い安全性が要求される場合、負荷LD1に対する電源を二重化することが望まれる。ただし、単純に負荷LD1に対する電源を二重化すると、コストの増大等が生じ得る。そこで、図16(a)に示されるように、電源ラインPL1と電源ラインPL2とを接続するスイッチSWを設ける冗長化方式が考えられる。これにより、電源ユニットPWU2を、負荷LD2用の電源としてだけでなく、電源ユニットPWU1のバックアップ用電源としても使用できる。すなわち、電源ユニットPWU1に故障が生じた場合であっても、電源ユニットPWU2からスイッチSWを介して負荷LD1に電源を供給することが可能になる。
このような冗長化方式は、スイッチSWが正常であることが前提となるため、スイッチSWの故障(詳細にはレイテント故障(潜在故障))を診断する必要がある。しかし、図16(a)に示されるように、図15(a)に示した故障検出回路FDET’をそのまま適用すると、電源ユニットPWU1からの出力電圧Vdと、電源ユニットPWU2からの出力電圧Vsとが同等レベルの場合、スイッチSWの故障診断は困難となる。
具体的には、電源ユニットPWU1,PWU2からの同等レベルの出力電圧Vd,Vsに伴い、スイッチSWの両端電圧間の電圧差検出値Vds(=|Vd−Vs|)は、スイッチSWのオン・オフに関わらず略ゼロとなる。その結果、故障検出回路FDET’は、図16(b)に示されるように、図15(b)における断線故障有りの状態を検出できないため、断線故障有りにも関わらず正常と誤診断する。また、故障検出回路FDET’は、図16(c)に示されるように、図15(c)における正常の状態を検出できないため、正常であるにも関わらずショート故障有りと誤診断する。
《電源装置(実施の形態1)の構成》
図1は、本発明の実施の形態1による電源装置の主要部の構成例を示す概略図である。図1に示す電源装置は、図16(a)の場合と同様の電源ユニットPWU1,PWU2、スイッチSWおよびスイッチドライバDVに加えて、診断回路SDGCを有する。電源ユニットPWU1は、電源ラインPL1を介して負荷LD1に電源を供給し、電源ユニットPWU2は、電源ラインPL2を介して負荷LD2に電源を供給する。スイッチSWは、電源ラインPL1と電源ラインPL2とを接続する。スイッチSWは、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等によって構成される。負荷LD1,LD2は、例えば、マイクロコントローラ(マイコン)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を代表とする各種ハードウェアである。
診断回路SDGCは、電源ユニットPWU1からの出力電圧Vdと、電源ユニットPWU2からの、出力電圧Vdとは値が異なる出力電圧Vsとの間の、予め設定された差電圧(明細書ではΔVDSと呼ぶ)を用いてスイッチSWの故障診断を行う。具体的には、診断回路SDGCは、故障検出制御回路FCTLaと、故障検出回路FDETaとを有し、例えば、専用回路、FPGA等といったハードウェアや、またはCPUによるプログラム処理や、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現される。
故障検出制御回路FCTLaは、スイッチSWの故障診断を開始する際に、電源ユニットPWU1または電源ユニットPWU2の少なくとも一方へ、電圧設定信号VSET1,VSET2を介して出力電圧の変更命令を発行することで、差電圧ΔVDSを設定する。また、故障検出制御回路FCTLaは、スイッチSWの故障診断を終了する際に、電圧設定信号VSET1,VSET2を介して差電圧ΔVDSの設定を解除する命令を発行する。さらに、故障検出制御回路FCTLaは、この故障診断の開始から終了までの期間で故障検出イネーブル信号TENをアサートする。
故障検出回路FDETaは、故障検出イネーブル信号TENのアサート期間で、スイッチ制御信号SswおよびスイッチドライバDVを介して、スイッチSWのオンとオフの切替を少なくとも1回以上行う。そして、故障検出回路FDETaは、スイッチSWをオンに制御した際のスイッチSWの両端電圧(出力電圧Vd,Vs)とスイッチSWをオフに制御した際の両端電圧(Vd,Vs)とを検出することでスイッチSWの故障診断を行う。
《電源装置(実施の形態1)の動作》
図2(a)および図2(b)は、図1の電源装置の動作例を示す波形図である。図2(a)および図2(b)の故障検出期間Tdetに示されるように、スイッチSWの故障診断は、差電圧ΔVDSが設定された状態で行われる。この例では、故障検出制御回路FCTLaは、電源ユニットPWU1に対して、電圧設定信号VSET1を用いて電源ユニットPWU2の出力電圧Vsよりも差電圧ΔVDSだけ高い出力電圧Vdを出力するよう指示する。また、故障検出制御回路FCTLaは、スイッチSWの故障診断(故障検出期間Tdet)を終了する際に、電圧設定信号VSET1を用いて差電圧ΔVDSの設定を解除する指示を発行する。
故障検出期間Tdetにおいて、故障検出回路FDETaは、スイッチ制御信号SswおよびスイッチドライバDVを介して、スイッチSWのオンとオフの切替を少なくとも1回以上行う。この例では、便宜上、オンとオフの切替が複数回行われる場合が示される。また、この例では、スイッチドライバDVは、スイッチ制御信号Sswに応じてスイッチ制御電圧Vgを‘H’レベルに駆動することでスイッチSWをオンに制御し、‘L’レベルに駆動することでスイッチSWをオフに制御する。
スイッチSWが正常状態の場合(断線故障もショート故障も無い場合)、スイッチSWの両端電圧間の電圧差検出値Vds(=|Vd−Vs|)は、図2(a)および図2(b)の正常状態10a,11aに示されるように、スイッチSWのオン期間Tonでは略ゼロとなり、スイッチSWのオフ期間Toffでは略差電圧ΔVDSとなる。一方、断線故障有りの場合、スイッチSWをオンに制御できなくなるため、図2(a)の断線有り10b,10cに示されるように、スイッチSWの両端電圧間の電圧差検出値Vdsは、スイッチSWのオン期間Tonであるにも関わらず略ゼロにならない。また、ショート故障有りの場合、スイッチSWをオフに制御できなくなるため、図2(b)のショート有り11b,11cに示されるように、スイッチSWの両端電圧間の電圧差検出値Vdsは、スイッチSWのオフ期間Toffであるにも関わらず略差電圧ΔVDSにならない。
そこで、故障検出回路FDETaは、図2(a)に示されるように、スイッチSWのオン期間Tonを断線故障検出期間TdetOとして、スイッチSWをオンに制御した際の両端電圧間の電圧差検出値Vdsが予め定めたしきい値電圧よりも大きい場合に断線故障有りと診断する。この例では、2種類のしきい値電圧Vth_o1,Vth_o2(0<Vth_o1<Vth_o2<ΔVDS)が設けられる。故障検出回路FDETaは、両端電圧間の電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_o2よりも大きい場合には完全断線有り10bと診断し、しきい値電圧Vth_o1よりも大きく、しきい値電圧Vth_o2以下の場合にはハーフ断線有り10cと診断する。
また、故障検出回路FDETaは、図2(b)に示されるように、スイッチSWのオフ期間Toffをショート故障検出期間TdetSとして、スイッチSWをオフに制御した際の両端電圧間の電圧差検出値Vdsが予め定めたしきい値電圧よりも小さい場合にショート故障有りと診断する。この例では、2種類のしきい値電圧Vth_c1,Vth_c2(0<Vth_c1<Vth_c2<ΔVDS)が設けられる。故障検出回路FDETaは、両端電圧間の電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_c1よりも小さい場合には完全ショート有り11bと診断し、しきい値電圧Vth_c2よりも小さく、しきい値電圧Vth_c1以上の場合にはハーフショート有り11cと診断する。
《差電圧の設定方法》
図3は、図1において、故障検出制御回路による差電圧の設定方法の一例を示す説明図である。ここでは、負荷LD1,LD2の電源電圧仕様として、上限電圧VlmtHから下限電圧VlmtLの範囲が許容されている場合を想定する。例えば、上限電圧VlmtHは、0.85V等のティピカル電圧Vtypを基準として+5%の電圧であり、下限電圧VlmtLは、ティピカル電圧Vtypを基準として−5%の電圧である。また、電源ユニットPWU1,PWU2では、定常的に±2%(±1%の定常リップルと±1%の定常誤差)の出力電圧変動が生じる場合を想定する。
このような前提のもとで差電圧ΔVDSを設定する方法として、図3の“case1”には、2個の電源ユニットPWU1,PWU2の一方(この例ではPWU1)を制御する方法が示され、“case2”には、2個の電源ユニットPWU1,PWU2の両方を制御する方法が示される。“case1”では、差電圧ΔVDSを設定する際に、電源ユニットPWU2の出力電圧Vsはティピカル電圧Vtypをそのまま維持し、電源ユニットPWU1の出力電圧Vdはティピカル電圧Vtyp±3%(この例では+3%)に設定される。
この場合、3%分の差電圧ΔVDSが設定される。仮に、電源ユニットPWU1の出力電圧Vdにおいて定常的に+2%の出力電圧変動が生じた場合であっても、負荷LD1の電源電圧(Vd)は、上限電圧VlmtHを超えない。しかし、例えば、負荷LD1において負荷急変(負荷電流の急変)が生じると、それに応じて電源ユニットPWU1の出力電圧Vdも変動するため、負荷LD1の電源電圧は、一時的に上限電圧VlmtHを超え得る。このため、差電圧ΔVDSを縮小するか、または、定常リップル、定常誤差および負荷急変に伴う出力電圧変動が小さい高性能な電源ユニットPWU1を用いる必要性が生じる。
一方、“case2”では、差電圧ΔVDSを設定する際に、電源ユニットPWU1,PWU2の出力電圧Vd,Vsの一方(この例ではVd)がティピカル電圧Vtyp+1.5%に設定され、他方(Vs)がティピカル電圧Vtyp−1.5%に設定される。これにより、“case1”の場合と同じく、3%分の差電圧ΔVDSが設定される。“case2”では、“case1”の場合と異なり、例えば、出力電圧Vdにおいて定常的に+2%の出力変動が生じた場合であっても、上限電圧VlmtHに対して更に1.5%分のマージンを確保することができる。
その結果、“case1”と比較して、差電圧ΔVDSを拡大できるか、または、電源ユニットPWU1,PWU2に対して求められる性能を緩和することができる。以上のように、故障検出制御回路FCTLaは、故障診断を開始する際に、2個の電源ユニットPWU1,PWU2の少なくとも一方へ出力電圧の変更命令を発行すればよく、望ましくは、2個の電源ユニットの両方へ出力電圧の変更命令(電圧設定信号VSET1,VSET2)を発行すればよい。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の電源装置では、予め設定された差電圧ΔVDSを用いることで、別系統の電源ラインPL1,PL2間を接続するスイッチSWの故障診断が実現可能になる。これにより、例えば、バックアップ電源(PWU2)と所定の負荷(LD1)とを接続し、メイン電源(PWU1)の故障時にオンとなるスイッチSWの故障を検出することができ、電源装置および負荷を含むシステムの安全性を高めることが可能になる。
なお、ここでは、故障診断を行う際に差電圧ΔVDSを設定し、故障診断を終了する際に差電圧ΔVDSの設定を解除する方式を示したが、場合によっては、故障診断の実行有無に関わらず、常時、差電圧ΔVDSを設定するような方式であってもよい。すなわち、例えば、負荷LD1および負荷LD2は、それぞれ、図3の“case2”に示される出力電圧Vdおよび出力電圧Vsで通常動作を行ってもよい。
(実施の形態2)
《電子制御装置の構成》
図4は、本発明の実施の形態2による電子制御装置の主要部の構成例を示す概略図である。図4に示す電子制御装置ECUは、例えば、車載用のECU(Electronic Control Unit)であり、配線基板等によって構成される。当該配線基板には、2個の電源ユニットPWU1,PWU2と、2個のマイコンMCU1,MCU2と、スイッチドライバDVと、スイッチSWとが搭載される。2個のマイコンMCU1,MCU2は、それぞれ、図1の負荷LD1,LD2に対応する。例えば、マイコンMCU1は、車両の走行制御用であり、マイコンMCU2は、車両の周辺機器の制御用である。この場合、マイコンMCU1には、マイコンMCU2よりも高い安全性が要求される。
電源ユニットPWU1は、電源回路PS1と、電源監視回路VMN1と、監視用電源回路PSm1とを備える。電源回路PS1は、外部バッテリからのバッテリ電圧VB(代表的には12V)を受けて出力電圧Vdを生成し、電源ラインPL1を介してマイコンMCU1に電源(出力電圧Vd)を供給する。電源監視回路VMN1は、出力電圧Vdを監視し、電圧低下等の異常を検出した場合には、故障検出信号FT1をアサートすることでマイコンMCU1,MCU2へ通知する。監視用電源回路PSm1は、バッテリ電圧VBを受けて電源監視回路VMN1の電源を生成する。
同様に、電源ユニットPWU2は、電源回路PS2と、電源監視回路VMN2と、監視用電源回路PSm2とを備える。電源回路PS2は、バッテリ電圧VBを受けて出力電圧Vsを生成し、電源ラインPL2を介してマイコンMCU2に電源(出力電圧Vs)を供給する。電源監視回路VMN2は、出力電圧Vsを監視し、電圧低下等の異常を検出した場合には、故障検出信号FT2をアサートすることでマイコンMCU2へ通知する。監視用電源回路PSm2は、バッテリ電圧VBを受けて電源監視回路VMN2の電源を生成する。
ここで、診断回路SDGCは、図1の場合と同様に故障検出回路FDETa1および故障検出制御回路FCTLa1を有し、図4の例では、マイコンMCU2に搭載される。診断回路SDGCをマイコンMCU2に搭載することで、例えば、配線基板上の専用部品として搭載するような場合と比較してコストの低減等が図れる。また、詳細は後述するが、図4の例では、マイコンMCU1は、マイコンMCU2の診断回路SDGCへ負荷急変通知信号Slc1および状態通知信号Sst1を出力可能となっている。同様に、マイコンMCU2も、内部の診断回路SDGCへ負荷急変通知信号Slc2および状態通知信号Sst2を出力可能となっている。
《診断回路の概略動作》
図5は、図4における診断回路の概略動作例を示す波形図である。ここでは、説明を簡素化するため、電源ユニットPWU1からの出力電圧Vdによって差電圧ΔVDSを設定する場合を想定する。図5において、診断回路SDGCは、電源ユニットPWU1からの故障検出信号FT1のネゲート期間(ここでは‘L’レベル期間)でスイッチSWの故障診断を行う。具体的には、故障検出制御回路FCTLa1は、故障診断の開始時および終了時に、それぞれ、故障検出イネーブル信号TENをアサートおよびネゲートする。
また、故障検出制御回路FCTLa1は、故障診断の開始時に電圧設定信号VSET1を用いて差電圧ΔVDSの設定を指示する。そして、期間td後に差電圧ΔVDSの設定が実際に完了した段階で、故障検出回路FDETa1は、スイッチ制御信号Sswを用いてスイッチSWのオンとオフの切替を行う。故障検出イネーブル信号TENのアサート期間(ここでは‘H’レベル期間)は、故障検出期間Tdetである。故障検出期間Tdetにおいて、スイッチSWのオン期間は、図2(a)で述べた断線故障検出期間TdetOであり、スイッチSWのオフ期間は、図2(b)で述べたショート故障検出期間TdetSである。例えば、故障検出期間Tdet内でスイッチSWのオンとオフの切替を1回行う場合、故障検出期間Tdetは、msレベル等であってよい。
一方、故障検出回路FDETa1は、前述した故障診断の結果に基づきスイッチSWに故障(レイテント故障)が無く、かつ、故障検出信号FT1がアサートされた場合(すなわち電源ユニットPWU1の故障が検出された場合)、スイッチ制御信号Sswを用いてスイッチSWをオンに制御する。その結果、高い安全性が要求されるマイコンMCU1に対して電源ユニットPWU2からスイッチSWを介して電源を供給することが可能になる。また、このような電源救済に伴うスイッチSWのオン期間では、当該オン期間を維持する必要があるため、故障検出イネーブル信号TENは、ネゲートレベルに保たれる。
図6は、図4における診断回路の各種故障検出時の概略動作例を示す説明図である。図6において、まず、スイッチSWの完全ショート故障(図2(b)の完全ショート有り11b)が検出された場合、診断回路SDGCは、故障検出イネーブル信号TENをネゲートレベルに保つことでスイッチSWの故障診断を停止すると共にスイッチ制御信号Sswのオフレベルを維持する。さらに、診断回路SDGCは、電源ユニットPWU2とマイコンMCU2の動作の停止を指示する。
その結果、電源ユニットPWU1によってマイコンMCU1が動作している一方で、電源ユニットPWU2とマイコンMCU2は動作を停止している状態が構築される。スイッチSWが完全ショートしている状態で、仮に動作中の電源ユニットPWU2またはマイコンMCU2に何らかの異変が生じた場合、スイッチSWを介して電源ユニットPWU1またはマイコンMCU1の動作に影響が生じ得る。そこで、ここでは、電源ユニットPWU2とマイコンMCU2の動作を停止する制御が行われる。
次に、スイッチSWの完全断線故障(図2(a)の完全断線有り10b)が検出された場合、診断回路SDGCは、完全ショート故障の場合と同様に、スイッチSWの故障診断を停止すると共にスイッチ制御信号Sswのオフレベルを維持する。ただし、この際には、前述した完全ショート故障の場合と異なり、電源ユニットPWU1およびマイコンMCU1の動作と、電源ユニットPWU2およびマイコンMCU2の動作は、そのまま維持される。その結果、電源ユニットPWU1によってマイコンMCU1が動作し、これとは独立に、電源ユニットPWU2によってマイコンMCU2が動作している状態が構築される。
続いて、スイッチSWのハーフ故障(図2(a)のハーフ断線有り10cまたは図2(b)のハーフショート有り11c)が検出された場合、診断回路SDGCは、スイッチSWの正常時の場合と同様に、故障検出イネーブル信号TENを適宜アサートすることでスイッチSWの故障診断を継続する。この際に、電源ユニットPWU1およびマイコンMCU1の動作と、電源ユニットPWU2およびマイコンMCU2の動作も、そのまま維持される。その結果、スイッチSWの正常時の場合と同様の動作状態が構築される。
次に、電源回路PS1の故障が検出された場合(故障検出信号FT1のアサート時)、診断回路SDGCは、スイッチSWの故障診断を停止すると共にスイッチ制御信号Sswをオンレベルに保つ。その結果、電源回路PS1が故障に伴い停止した状態で、電源ユニットPWU2によってマイコンMCU2が動作していると共に、スイッチSWを介してマイコンMCU1も動作している状態が構築される。
続いて、電源回路PS2の故障が検出された場合(故障検出信号FT2のアサート時)、診断回路SDGCは、スイッチSWの故障診断を停止すると共にスイッチ制御信号Sswをオフレベルに保つ。その結果、電源ユニットPWU1によってマイコンMCU1が動作している状態で、これとは完全に分離された形で、電源回路PS2が故障によって停止し、これに伴いマイコンMCU2の動作も停止している状態が構築される。
以上のような制御によって、各種単一故障が生じた場合であってもマイコンMCU1の動作を優先的に維持することが可能になり、車両の安全性を高めることが可能になる。例えば、車両の走行中にマイコンMCU1への電源供給が突然停止するといった事態を未然に防止することが可能になる。なお、スイッチSWの完全ショート故障、完全断線故障、またはハーフ故障といったレイテント故障が検出された場合であっても、当該故障のみの状態では、マイコンMCU1の動作を維持できる。ただし、例えば、当該故障に加えて、電源回路PS1の故障が生じたような場合には問題が起こり得る。したがって、実用上、診断回路SDGCは、例えば、スイッチSWのレイテント故障を検出した場合、早期の修理が必要な旨をユーザに通知する。
《診断回路の詳細動作》
図7は、図4において、マイコンの起動時に診断回路によって行われる故障診断の動作例を示す波形図である。図8は、図4において、マイコンの通常動作時に診断回路によって行われる故障診断の動作例を示す波形図である。図9は、マイコンの通常動作時の図8とは異なる動作例を示す波形図であり、図10は、マイコンの通常動作時の図8とは更に異なる動作例を示す波形図である。ここでは、説明を簡素化するため、電源ユニットPWU1からの出力電圧Vdによって差電圧ΔVDSを設定する場合を想定する。
図7において、電源ユニットPWU1,PWU2に対するパワーオン信号がアサートされると、各電源ユニットPWU1,PWU2の各出力電圧Vd,Vsは、規定の初期値に向けて上昇する。出力電圧Vd,Vsが初期値に到達すると、例えば、パワーオンリセット回路等によってマイコンMCU2のリセット状態が解除されたのち、ブート期間Tbの中でマイコンMCU2のブートプログラムが実行される。診断回路SDGCは、例えば、このブートプログラムを用いて実装可能である。
故障検出制御回路FCTLa1は、ブート期間Tbの中で故障検出イネーブル信号TENをアサートすると共に、電源ユニットPWU1へ、電圧設定信号VSET1を介して差電圧ΔVDSを設定するための出力電圧Vdを指示する。故障検出イネーブル信号TENのアサート期間(故障検出期間Tdet)において、出力電圧Vdが目標値に到達すると、故障検出回路FDETa1は、スイッチ制御信号Sswを用いてスイッチSWのオンとオフの切替を1回行う。この際のスイッチSWのオン期間は、断線故障検出期間TdetOであり、スイッチSWのオフ期間は、ショート故障検出期間TdetSである。
故障検出制御回路FCTLa1は、このようにしてスイッチSWの故障診断を行ったのち、故障検出イネーブル信号TENをネゲートすると共に、電源ユニットPWU1へ、電圧設定信号VSET1を用いて差電圧ΔVDSの設定の解除を指示する。その後、マイコンMCU2(マイコンMCU1も同様)は、ブート期間Tbから通常動作期間Taへ遷移する。ただし、診断回路SDGCによってスイッチSWの故障が検出された場合には、通常動作期間Taへの遷移が行われないように制御される。
このような起動時診断によって、例えば、マイコンが通常動作を行う前(ひいては車両を実際に走行させる前)の時点でスイッチSWのレイテント故障を検出できるため、車両の安全性を高めることができる。なお、ここでは、マイコンMCU1,MCU2がほぼ同時に起動する例を示したが、例えば、先にマイコンMCU2を起動し、マイコンMCU2によってスイッチSWの正常状態が確認された段階で、マイコンMCU1を起動する(リセット状態を解除する)ような方式を用いてもよい。
図8において、マイコンMCU1,MCU2の通常動作時(図7の通常動作期間Tn)では、故障検出制御回路FCTLa1は、例えば、予め定めた診断周期Tcyc毎に故障検出イネーブル信号TENを所定の期間アサートすることで、スイッチSWの故障診断を定期的に行う。一方、マイコンMCU1,MCU2の通常動作時では、処理内容の変化や、または、マイコン内の各内部回路におけるアクティブ・スタンバイへの遷移等に伴い、マイコン電流の急変(所謂、負荷急変)が生じる。この場合、負荷急変に応じて、出力電圧Vd,Vs(この例ではVd)の電圧変動15が生じ得る。故障検出期間Tdet内に電圧変動15が生じた場合、診断回路SDGCで誤診断が生じる恐れがある。
そこで、図8に示されるように、故障検出回路FDETa1は、故障検出期間Tdet内で、スイッチ制御信号Sswを用いてスイッチSWのオンとオフの切替を連続して複数回(N回)行う。そして、故障検出回路FDETa1は、スイッチSWのN回のオン(すなわち断線故障検出期間TdetO)に伴うN回分の両端電圧(Vd,Vs)と、スイッチSWのN回のオフ(すなわちショート故障検出期間TdetS)に伴うN回分の両端電圧とを検出することで故障診断を行う。
具体的には、故障検出回路FDETa1は、例えば、断線故障検出期間TdetOでのN回分の診断結果に対する多数決判定等によって断線故障有無の最終的な診断結果を定め、ショート故障検出期間TdetSでのN回分の診断結果に対する多数決判定等によってショート故障有無の最終的な診断結果を定める。これによって、負荷急変に伴う電圧変動15が生じる場合であっても、正しい診断結果を得ることが可能になる。
図9において、マイコンMCU1またはマイコンMCU2は、自身の負荷急変が生じる前に、負荷急変を表す負荷急変通知信号Slc(Slc1またはSlc2)を出力する。例えば、マイコンMCU1,MCU2は、自身の各内部回路をスタンバイからアクティブに遷移させる時点よりもΔtだけ前の時点からアクティブへの遷移が完了する時点までの期間で負荷急変通知信号Slcをアサートする。
故障検出制御回路FCTLa1は、図8の場合と同様に、診断周期Tcycに基づき定期的に故障検出期間Tdetを設ける。一方、故障検出回路FDETa1は、各故障検出期間Tdet内でスイッチSWのオンとオフの切替を1回行うことでスイッチSWの故障診断を行う。この際に、故障検出回路FDETa1は、負荷急変通知信号Slcを受信した場合、負荷急変の期間(負荷急変通知信号Slcのアサート期間)で得られる故障診断の結果を無効にする。これによって、負荷急変に伴う電圧変動が生じる場合に、図8の場合のようにスイッチSWの切替を連続して複数回行わずとも、正しい診断結果を得ることが可能になる。
図10において、マイコンMCU1またはマイコンMCU2は、例えば、自身がスタンバイ状態であること示す状態通知信号Sst(Sst1またはSst2)を出力する。故障検出制御回路FCTLa1は、状態通知信号Sstを受けた場合、状態通知信号Sstから得られるスタンバイ期間Tsで故障検出イネーブル信号TENをアサートする。故障検出回路FDETa1は、故障検出イネーブル信号TENのアサート期間となる故障検出期間Tdet内でスイッチSWのオンとオフの切替を1回行うことでスイッチSWの故障診断を行う。
これにより、スイッチSWの故障検出期間Tdetにおいて負荷急変自体が生じなくなるため、正しい診断結果を得ることが可能になる。なお、図示は省略されているが、例えば、スタンバイ期間Tsが長い場合、故障検出制御回路FCTLa1は、図8および図9の場合と同様に、当該スタンバイ期間Ts内に故障検出期間Tdetを定期的に設ければよい。
《診断回路の詳細》
図11は、図4における診断回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。図12は、図11における故障判定回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。図11および図12に示す各回路は、図4に示したように診断回路SDGCをマイコンに搭載する場合、CPUによるプログラム処理を主体として、アナログディジタル変換器を用いた出力電圧Vd,Vsの測定や、タイマを用いたタイミング生成等を適宜行うことで実現される。ただし、当該各回路は、勿論、マイコンではなく、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
図11において、故障検出制御回路FCTLa1は、故障検出タイミング生成回路TENGと、差電圧設定回路DVSTとを有する。故障検出タイミング生成回路TENGは、故障検出信号FT1がネゲートレベル(電源回路PS1に故障無し)の場合に、図8等に示したように、所定の診断周期Tcycで定期的に故障検出イネーブル信号TENをアサートする。また、故障検出タイミング生成回路TENGは、図10に示した方式を適用する場合には、状態通知信号Sst1,Sst2を受けて、故障検出イネーブル信号TENをアサートする。差電圧設定回路DVSTは、故障検出イネーブル信号TENがアサートされた場合に、電圧設定信号VSET1,VSET2を用いて電源ユニットPWU1,PWU2に差電圧ΔVDSの設定を指示する。
故障検出回路FDETa1は、タイミング調整回路TMAと、スイッチ間欠制御回路SIMCと、両端電圧検出回路DVDTと、故障判定回路FJGと、制御論理回路LGCとを有する。タイミング調整回路TMAは、故障検出イネーブル信号TENのアサートを受けて、図5に示した期間td後にスイッチ切替イネーブル信号TENSをアサートする。具体的には、タイミング調整回路TMAは、例えば、期間tdを遅延回路(タイマ)によって固定的に定める。また、場合によっては、タイミング調整回路TMAは、電源ユニットPWU1,PWU2直近の出力電圧Vd,Vsが所定の値に到達したか否かを検出する方式であってもよい。
スイッチ間欠制御回路SIMCは、スイッチ切替イネーブル信号TENSのアサート期間で、スイッチSWのオンとオフの切替(すなわち故障診断)を行うためのスイッチオンオフ信号SSsw(図5のスイッチ制御信号Sswに相当)をタイマ等を用いて生成する。両端電圧検出回路BVDTは、スイッチSWの両端電圧(Vd,Vs)間の電圧差を検出(および場合によっては所定のゲインで増幅)することで、両端電圧間の電圧差検出値Vds(=|Vd−Vs|)を出力する。
故障判定回路FJGは、スイッチオンオフ信号SSswのオン期間(図5の断線故障検出期間TdetOに相当)とオフ期間(図5のショート故障検出期間TdetSに相当)で、両端電圧検出回路BVDTからの電圧差検出値Vdsに基づきスイッチSWの故障診断を行う。そして、故障判定回路FJGは、故障診断結果となる故障検出信号FTo1,FTo2,FTs1,FTs2を、例えば、図4のマイコンMCU1等へ出力する。故障検出信号FTo1,FTo2は、図2(a)の完全断線有り10bおよびハーフ断線有り10cにそれぞれ対応する。故障検出信号FTs1,FTs2は、図2(b)の完全ショート有り11bおよびハーフショート有り11cにそれぞれ対応する。
制御論理回路LGCは、スイッチオンオフ信号SSswと、電源ユニットPWU1の故障有無を表す故障検出信号FT1と、スイッチSWの完全断線および完全ショートを表す故障検出信号FTo1,FTs1とを受けて、スイッチ制御信号Sswを生成する。具体的には、図6で述べたように、制御論理回路LGCは、各故障検出信号(FT1,FTo1,FTs1)が全て故障無しを表す場合(すなわち、正常時またはスイッチSWのハーフ故障時)には、スイッチオンオフ信号SSswをそのままスイッチ制御信号Sswとして出力する。一方、制御論理回路LGCは、故障検出信号FT1がアサートされた場合には、オンレベルのスイッチ制御信号Sswを出力し、故障検出信号FTo1,FTs1がアサートされた場合には、オフレベルのスイッチ制御信号Sswを出力する。
故障判定回路FJGは、図12に示されるように、完全断線判定回路OJ1と、ハーフ断線判定回路OJ2と、完全ショート判定回路SJ1と、ハーフショート判定回路SJ2と、出力回路FOCとを有する。完全断線判定回路OJ1およびハーフ断線判定回路OJ2は、スイッチオンオフ信号SSswのオン期間で有効化され、完全ショート判定回路SJ1およびハーフショート判定回路SJ2は、スイッチオンオフ信号SSswのオフ期間で有効化される。
図2(a)でも示したように、完全断線判定回路OJ1は、両端電圧検出回路BVDTからの電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_o2よりも高い場合に検出信号を出力し、ハーフ断線判定回路OJ2は、電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_o1よりも高い場合に検出信号を出力する。また、図2(b)でも示したように、完全ショート判定回路SJ1は、両端電圧検出回路BVDTからの電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_c1よりも低い場合に検出信号を出力し、ハーフショート判定回路SJ2は、電圧差検出値Vdsがしきい値電圧Vth_c2よりも低い場合に検出信号を出力する。
出力回路FOCは、完全断線判定回路OJ1とハーフ断線判定回路OJ2の両方から検出信号を受けた場合には完全断線を表す故障検出信号FTo1を出力し、ハーフ断線判定回路OJ2のみから検出信号を受けた場合にはハーフ断線を表す故障検出信号FTo2を出力する。同様に、出力回路FOCは、完全ショート判定回路SJ1とハーフショート判定回路SJ2の両方から検出信号を受けた場合には完全ショートを表す故障検出信号FTs1を出力し、ハーフショート判定回路SJ2のみから検出信号を受けた場合にはハーフショートを表す故障検出信号FTs2を出力する。また、出力回路FOCは、図8に示した方式を適用する場合には、例えば、多数決判定回路等を備える。さらに、出力回路FOCは、図9に示した方式を適用する場合には、例えば、負荷急変通知信号Slc1,Slc2に応じて各判定回路からの検出信号を無効化する。
《実施の形態2の主要な効果》
以上、実施の形態2の電子制御装置を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、負荷急変が生じた場合でも正しい診断結果を得ることができ、故障(レイテンシ故障)の診断精度を高めることが可能になる。また、図6で述べたように、スイッチSWの故障診断結果に応じて適切な制御を行うことで、主マイコン(MCU1)の動作に対する安全性を高めることができ、特に、車両に適用することで車両の安全性を高めることが可能になる。
(実施の形態3)
《電源装置(実施の形態3)の構成および動作》
図13は、本発明の実施の形態3による電源装置の主要部の構成例を示す概略図である。図13に示す電源装置は、図1の構成例と比較して、電流センサISENが追加され、さらに、診断回路SDGC内の故障検出回路FDETbの構成および動作が異なっている。電流センサISENは、例えば、スイッチSWに直列接続された低抵抗値の抵抗素子等によって構成され、スイッチSWに流れるスイッチ電流Idsを検出する。故障検出回路FDETbは、図1の場合のようなスイッチSWの両端電圧ではなく、スイッチSWをオンに制御した際のスイッチ電流Idsとオフに制御した際のスイッチ電流Idsとを検出することで故障診断を行う。
図14(a)および図14(b)は、図13の電源装置の動作例を示す波形図である。図14(a)および図14(b)の故障検出期間Tdetに示されるように、スイッチSWの故障診断は、図2(a)および図2(b)の場合と同様に差電圧ΔVDSが設定された状態で行われる。故障検出期間Tdetにおいて、故障検出回路FDETbは、図2(a)および図2(b)の場合と同様に、スイッチ制御信号SswおよびスイッチドライバDVを介して、スイッチSWのオンとオフの切替を少なくとも1回以上行う。
スイッチSWが正常状態の場合(断線故障もショート故障も無い場合)、スイッチ電流(|Ids|)は、図14(a)および図14(b)の正常状態10a,11aに示されるように、スイッチSWのオン期間Tonでは差電圧ΔVDSおよびスイッチSWのオン抵抗等に基づく所定値となり、スイッチSWのオフ期間Toffではゼロとなる。一方、断線故障有りの場合、スイッチSWをオンに制御できなくなるため、図14(a)の断線有り10b,10cに示されるように、スイッチ電流(|Ids|)は、スイッチSWのオン期間Tonであるにも関わらず流れなくなる。また、ショート故障有りの場合、スイッチSWをオフに制御できなくなるため、図14(b)のショート有り11b,11cに示されるように、スイッチ電流(|Ids|)は、スイッチSWのオフ期間Toffであるにも関わらず流れてしまう。
そこで、故障検出回路FDETbは、図14(a)に示されるように、スイッチSWのオン期間Tonを断線故障検出期間TdetOとして、スイッチSWをオンに制御した際のスイッチ電流(|Ids|)が予め定めたしきい値電流よりも小さい場合に断線故障有りと診断する。この例では、2種類のしきい値電流Ith_o1,Ith_o2(0<Ith_o1<Ith_o2<所定値)が設けられる。故障検出回路FDETbは、スイッチ電流(|Ids|)がしきい値電流Ith_o1よりも小さい場合には完全断線有り10bと診断し、しきい値電流Ith_o1よりも大きく、しきい値電流Ith_o2以下の場合にはハーフ断線有り10cと診断する。
また、故障検出回路FDETbは、図14(b)に示されるように、スイッチSWのオフ期間Toffをショート故障検出期間TdetSとして、スイッチSWをオフに制御した際のスイッチ電流(|Ids|)が予め定めたしきい値電流よりも大きい場合にショート故障有りと診断する。この例では、2種類のしきい値電流Ith_c1,Ith_c2(0<Ith_c1<Ith_c2<所定値)が設けられる。故障検出回路FDETbは、スイッチ電流(|Ids|)がしきい値電流Ith_c2よりも大きい場合には完全ショート有り11bと診断し、しきい値電流Ith_c1よりも大きく、しきい値電流Ith_c2以下の場合にはハーフショート有り11cと診断する。
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の電源装置を用いることで、電流センサISENが必要となるものの、実施の形態1で述べた各種効果と同様の効果が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、実施の形態の電源装置は、車載用に限らず、例えば、持続的な動作が要求されるサーバ用の電源装置等を代表に、様々なシステムに適用可能である。また、ここでは、2個の電源ユニットを用いたが、電源ライン間が適宜スイッチで接続される3個以上の電源ユニットを用いる場合にも同様に適用可能である。
ECU 電子制御装置
FCTL 故障検出制御回路
FDET 故障検出回路
FT 故障検出信号
ISEN 電流センサ
Ith しきい値電流
LD 負荷
PL 電源ライン
PWU 電源ユニット
SDGC 診断回路
SIMC スイッチ間欠制御回路
SW スイッチ
Slc 負荷急変通知信号
Ssw スイッチ制御信号
TEN 故障検出イネーブル信号
Vd,Vs 出力電圧
Vds 電圧差検出値
Vth しきい値電圧
ΔVDS 差電圧

Claims (15)

  1. 第1の電源ラインを介して第1の負荷に電源を供給する第1の電源ユニットと、
    第2の電源ラインを介して第2の負荷に電源を供給する第2の電源ユニットと、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとを接続するスイッチと、
    前記第1の電源ユニットからの第1の出力電圧と、前記第2の電源ユニットからの、前記第1の出力電圧とは値が異なる第2の出力電圧との間の、予め設定された差電圧を用いて前記スイッチの故障診断を行う診断回路と、
    を有する、
    電源装置。
  2. 請求項1記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記スイッチをオンに制御した際の前記スイッチの両端電圧と前記スイッチをオフに制御した際の前記両端電圧とを検出することで前記故障診断を行う、
    電源装置。
  3. 請求項2記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記スイッチをオンに制御した際の前記両端電圧間の電圧差検出値が予め定めた第1のしきい値電圧よりも大きい場合か、または、前記スイッチをオフに制御した際の前記電圧差検出値が予め定めた第2のしきい値電圧よりも小さい場合に故障有りと診断する、
    電源装置。
  4. 請求項1記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記故障診断を開始する際に、前記第1の電源ユニットまたは前記第2の電源ユニットの少なくとも一方へ出力電圧の変更命令を発行することで前記差電圧を設定し、前記故障診断を終了する際に、前記差電圧の設定を解除する命令を発行する故障検出制御回路を有する、
    電源装置。
  5. 請求項4記載の電源装置において、
    前記故障検出制御回路は、前記故障診断を開始する際に、前記第1の電源ユニットおよび前記第2の電源ユニットの両方へ前記出力電圧の変更命令を発行する、
    電源装置。
  6. 請求項2記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記第1の負荷または前記第2の負荷の通常動作時に、前記スイッチのオンとオフの切替を行うスイッチ間欠制御回路を有する、
    電源装置。
  7. 請求項6記載の電源装置において、
    前記スイッチ間欠制御回路は、前記スイッチのオンとオフの切替を連続して複数回行い、
    前記診断回路は、前記スイッチの前記複数回のオンに伴う前記複数回分の前記両端電圧と、前記スイッチの前記複数回のオフに伴う前記複数回分の前記両端電圧とを検出することで前記故障診断を行う、
    電源装置。
  8. 請求項2記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記第1の負荷または前記第2の負荷から負荷急変を表す信号を受信した場合、前記負荷急変の期間で得られる前記故障診断の結果を無効にする、
    電源装置。
  9. 請求項1記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記故障診断の結果に基づき前記スイッチに故障が無く、かつ、前記第1の電源ユニットの故障が検出された場合に前記スイッチをオンに制御する、
    電源装置。
  10. 請求項1記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記スイッチをオンに制御した際に前記スイッチに流れるスイッチ電流と前記スイッチをオフに制御した際の前記スイッチ電流とを検出することで前記故障診断を行う、
    電源装置。
  11. 請求項10記載の電源装置において、
    前記診断回路は、前記スイッチをオンに制御した際の前記スイッチ電流が予め定めた第1のしきい値電流よりも小さい場合か、または、前記スイッチをオフに制御した際の前記スイッチ電流が予め定めた第2のしきい値電流よりも大きい場合に故障有りと診断する、
    電源装置。
  12. 第1の負荷および第2の負荷と、
    第1の電源ラインおよび第2の電源ラインと、
    前記第1の電源ラインを介して前記第1の負荷に電源を供給する第1の電源ユニットと、
    前記第2の電源ラインを介して前記第2の負荷に電源を供給する第2の電源ユニットと、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ラインとを接続するスイッチと、
    前記第1の電源ユニットからの第1の出力電圧と、前記第2の電源ユニットからの、前記第1の出力電圧とは値が異なる第2の出力電圧との間の、予め設定された差電圧を用いて前記スイッチの故障診断を行う診断回路と、
    を有する、
    電子制御装置。
  13. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記診断回路は、前記スイッチをオンに制御した際の前記スイッチの両端電圧と前記スイッチをオフに制御した際の前記両端電圧とを検出するか、または、前記スイッチをオンに制御した際に前記スイッチに流れるスイッチ電流と前記スイッチをオフに制御した際の前記スイッチ電流とを検出することで前記故障診断を行う、
    電子制御装置。
  14. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記診断回路は、前記故障診断を開始する際に、前記第1の電源ユニットまたは前記第2の電源ユニットの少なくとも一方へ出力電圧の変更命令を発行することで前記差電圧を設定し、前記故障診断を終了する際に、前記差電圧の設定を解除する命令を発行する故障検出制御回路を有する、
    電子制御装置。
  15. 請求項12記載の電子制御装置において、
    前記診断回路は、前記第2の負荷に搭載され、前記故障診断の結果に基づき前記スイッチに故障が無く、かつ、前記第1の電源ユニットの故障が検出された場合に前記スイッチをオンに制御する、
    電子制御装置。
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