JP2020187011A - ひずみゲージ、センサモジュール、接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電体との接続強度の低下を抑制可能な電極を有するひずみゲージを提供する。【解決手段】本ひずみゲージは、可撓性を有する基材と、前記基材上に、クロムとニッケルの少なくとも一方を含む材料から形成された抵抗体と、前記抵抗体と電気的に接続された電極と、を有し、前記電極が磁力層を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、ひずみゲージ、センサモジュール、接続構造に関する。
測定対象物に貼り付けて、測定対象物のひずみを検出するひずみゲージが知られている。ひずみゲージは、ひずみを検出する抵抗体を備えており、抵抗体の材料としては、例えば、Cr(クロム)やNi(ニッケル)を含む材料が用いられている。又、例えば、抵抗体の両端が電極として用いられ、電極には、はんだにより外部接続用のリード線等が接続され、電子部品との信号入出力を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−74934号公報
しかしながら、電極に、はんだによりリード線等の導電体を接続する際に、はんだ接続のやり直しが必要となる場合もあり、電極と導電体との接続強度の低下が懸念される。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、導電体との接続強度の低下を抑制可能な電極を有するひずみゲージを提供することを目的とする。
本ひずみゲージは、可撓性を有する基材と、前記基材上に、クロムとニッケルの少なくとも一方を含む材料から形成された抵抗体と、前記抵抗体と電気的に接続された電極と、を有し、前記電極が磁力層を備えている。
開示の技術によれば、導電体との接続強度の低下を抑制可能な電極を有するひずみゲージを提供できる。
第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。 第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図である。 第1実施形態に係るひずみゲージの製造工程を例示する図である。 第2実施形態に係るセンサモジュールを例示する平面図である。 第2実施形態に係るセンサモジュールを例示する断面図である。 第2実施形態の変形例1に係るセンサモジュールを例示する平面図である。 第2実施形態の変形例1に係るセンサモジュールを例示する断面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。図2は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図であり、図1のA−A線に沿う断面を示している。図1及び図2を参照するに、ひずみゲージ1は、基材10と、抵抗体30と、電極40とを有している。
なお、本実施形態では、便宜上、ひずみゲージ1において、基材10の抵抗体30が設けられている側を上側又は一方の側、抵抗体30が設けられていない側を下側又は他方の側とする。又、各部位の抵抗体30が設けられている側の面を一方の面又は上面、抵抗体30が設けられていない側の面を他方の面又は下面とする。但し、ひずみゲージ1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置できる。又、平面視とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視た形状を指すものとする。
基材10は、抵抗体30等を形成するためのベース層となる部材であり、可撓性を有する。基材10の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、5μm〜500μm程度である。特に、基材10の厚さが5μm〜200μmであると、接着層等を介して基材10の下面に接合される起歪体表面からのひずみの伝達性、環境に対する寸法安定性の点で好ましく、10μm以上であると絶縁性の点で更に好ましい。
基材10は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成できる。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、可撓性を有する部材を指す。
ここで、『絶縁樹脂フィルムから形成する』とは、基材10が絶縁樹脂フィルム中にフィラーや不純物等を含有することを妨げるものではない。基材10は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成しても構わない。
抵抗体30は、基材10上に所定のパターンで形成された薄膜であり、ひずみを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体30は、基材10の上面10aに直接形成されてもよいし、基材10の上面10aに他の層を介して形成されてもよい。なお、図1では、便宜上、抵抗体30を梨地模様で示している。
抵抗体30は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成できる。すなわち、抵抗体30は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成できる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu−Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni−Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、CrN等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。
抵抗体30の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.05μm〜2μm程度である。特に、抵抗体30の厚さが0.1μm以上であると抵抗体30を構成する結晶の結晶性(例えば、α−Crの結晶性)が向上する点で好ましく、1μm以下であると抵抗体30を構成する膜の内部応力に起因する膜のクラックや基材10からの反りを低減できる点で更に好ましい。
例えば、抵抗体30がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα−Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、ゲージ特性の安定性を向上できる。又、抵抗体30がα−Crを主成分とすることで、ひずみゲージ1のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを−1000ppm/℃〜+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。ここで、主成分とは、対象物質が抵抗体を構成する全物質の50質量%以上を占めることを意味するが、ゲージ特性を向上する観点から、抵抗体30はα−Crを80重量%以上含むことが好ましい。なお、α−Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
電極40は、抵抗体30の両端部から延在しており、平面視において、抵抗体30よりも拡幅して略矩形状に形成されている。電極40は、ひずみにより生じる抵抗体30の抵抗値の変化を外部に出力するための一対の電極であり、例えば、外部接続用のリード線等が接続される。抵抗体30は、例えば、電極40の一方からジグザグに折り返しながら延在して他方の電極40に電気的に接続されている。
電極40は、複数の金属層が積層された積層構造である。具体的には、電極40は、抵抗体30の両端部から延在する端子部41と、端子部41の上面に形成された磁力層42とを備えている。磁力層42は、磁力を発生する層であり、電極40と電気的に接続される導電体(リード線やフレキシブルプリント基板等)を吸着する。
磁力層42は、導電体に貼り付く磁力を発生できる材料から形成された層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、Ni、Ni系合金、Fe系合金、Co系合金を着磁した層が挙げられる。磁力層42は、Ni−Fe系合金(例えば、78−パーマロイや45−パーマロイ等のパーマロイ)を着磁した層であってもよい。
磁力層42の材料の具体例としては、CoNiFe(x+y+z=100)、NiFe、FeP、NiFeP、CoNiFeP、FeB、NiFeB、CoNiFeB、Ni−W、NdFe14B、SmCo、SmCo17、SrFe1219、BaFe1219からなる群から選択される合金の薄膜、この群の何れかの合金の薄膜を積層した積層膜等が挙げられる。
又、磁力層42は、基材10の材料として例示した樹脂材料に磁性粉末フィラーを添加したボンド磁石であってもよい。磁性粉末フィラーとしては、例えば、上記の群から選択される合金の粉末が挙げられる。
磁力層42の厚さは、0.5μm〜500μm程度とすることが好ましい。磁力層42の表面磁束密度は、1mT〜500mT程度とすることが好ましく、30mT以上300mT以下とすることがより好ましい。磁力層42の表面磁束密度を30mT以上とすることで、導電体に対する十分な吸着力を確保できる。又、磁力層42の表面磁束密度を300mT以下とすることで、磁力層42と導電体との着脱が容易となる。
抵抗体30を被覆し電極40を露出するように基材10の上面10aにカバー層60(絶縁樹脂層)を設けても構わない。カバー層60を設けることで、抵抗体30に機械的な損傷等が生じることを防止できる。又、カバー層60を設けることで、抵抗体30を湿気等から保護できる。なお、カバー層60は、電極40を除く部分の全体を覆うように設けてもよい。
カバー層60は、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂から形成できる。カバー層60は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層60の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、2μm〜30μm程度である。
ひずみゲージ1を製造するためには、まず、図3(a)に示す工程では、基材10を準備し、基材10の上面10aに図1に示す平面形状の抵抗体30及び端子部41を形成する。抵抗体30及び端子部41の材料や厚さは、前述の通りである。抵抗体30と端子部41とは、同一材料により一体に形成できる。
抵抗体30及び端子部41は、例えば、抵抗体30及び端子部41を形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィによってパターニングすることで形成できる。抵抗体30及び端子部41は、マグネトロンスパッタ法に代えて、反応性スパッタ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、パルスレーザー堆積法等を用いて成膜してもよい。
ゲージ特性を安定化する観点から、抵抗体30及び端子部41を成膜する前に、下地層として、基材10の上面10aに、例えば、コンベンショナルスパッタ法により膜厚が1nm〜100nm程度の機能層を真空成膜することが好ましい。なお、機能層は、機能層の上面全体に抵抗体30及び端子部41を形成後、フォトリソグラフィによって抵抗体30及び端子部41と共に図1に示す平面形状にパターニングされる。
本願において、機能層とは、少なくとも上層である抵抗体30の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材10に含まれる酸素や水分による抵抗体30の酸化を防止する機能や、基材10と抵抗体30との密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
基材10を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むため、特に抵抗体30がCrを含む場合、Crは自己酸化膜を形成するため、機能層が抵抗体30の酸化を防止する機能を備えることは有効である。
機能層の材料は、少なくとも上層である抵抗体30の結晶成長を促進する機能を有する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ni(ニッケル)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Si(シリコン)、C(炭素)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Au(金)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)からなる群から選択される1種又は複数種の金属、この群の何れかの金属の合金、又は、この群の何れかの金属の化合物が挙げられる。
上記の合金としては、例えば、FeCr、TiAl、FeNi、NiCr、CrCu等が挙げられる。又、上記の化合物としては、例えば、TiN、TaN、Si、TiO、Ta、SiO等が挙げられる。
機能層は、例えば、機能層を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にAr(アルゴン)ガスを導入したコンベンショナルスパッタ法により真空成膜できる。コンベンショナルスパッタ法を用いることにより、基材10の上面10aをArでエッチングしながら機能層が成膜されるため、機能層の成膜量を最小限にして密着性改善効果を得ることができる。
但し、これは、機能層の成膜方法の一例であり、他の方法により機能層を成膜してもよい。例えば、機能層の成膜の前にAr等を用いたプラズマ処理等により基材10の上面10aを活性化することで密着性改善効果を獲得し、その後マグネトロンスパッタ法により機能層を真空成膜する方法を用いてもよい。
機能層の材料と抵抗体30及び端子部41の材料との組み合わせは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、機能層としてTiを用い、抵抗体30及び端子部41としてα−Cr(アルファクロム)を主成分とするCr混相膜を成膜可能である。
この場合、例えば、Cr混相膜を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にArガスを導入したマグネトロンスパッタ法により、抵抗体30及び端子部41を成膜できる。或いは、純Crをターゲットとし、チャンバ内にArガスと共に適量の窒素ガスを導入し、反応性スパッタ法により、抵抗体30及び端子部41を成膜してもよい。
これらの方法では、Tiからなる機能層がきっかけでCr混相膜の成長面が規定され、安定な結晶構造であるα−Crを主成分とするCr混相膜を成膜できる。又、機能層を構成するTiがCr混相膜中に拡散することにより、ゲージ特性が向上する。例えば、ひずみゲージ1のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを−1000ppm/℃〜+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。なお、機能層がTiから形成されている場合、Cr混相膜にTiやTiN(窒化チタン)が含まれる場合がある。
なお、抵抗体30がCr混相膜である場合、Tiからなる機能層は、抵抗体30の結晶成長を促進する機能、基材10に含まれる酸素や水分による抵抗体30の酸化を防止する機能、及び基材10と抵抗体30との密着性を向上する機能の全てを備えている。機能層として、Tiに代えてTa、Si、Al、Feを用いた場合も同様である。
このように、抵抗体30の下層に機能層を設けることにより、抵抗体30の結晶成長を促進可能となり、安定な結晶相からなる抵抗体30を作製できる。その結果、ひずみゲージ1において、ゲージ特性の安定性を向上できる。又、機能層を構成する材料が抵抗体30に拡散することにより、ひずみゲージ1において、ゲージ特性を向上できる。
次に、図3(b)に示す工程では、端子部41の上面に磁力層42を形成する。磁力層42は、例えば、磁力層42を形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィによってパターニングすることで形成できる。磁力層42は、スパッタ法に代えて、電解めっき法を用いて成膜してもよい。磁力層42の材料や厚さは、前述の通りである。磁力層42を形成後、磁力層42を着磁する。磁力層42の表面磁束密度については、前述の通りである。これにより、端子部41の上面に磁力層42が積層された電極40が形成される。
電極40を形成後、必要に応じ、基材10の上面10aに、電極40を露出するカバー層60を設けることで、ひずみゲージ1が完成する。カバー層60は、例えば、基材10の上面10aに、抵抗体30を被覆し電極40を露出するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製できる。カバー層60は、基材10の上面10aに、抵抗体30を被覆し電極40を露出するように液状又はペースト状の熱硬化性の絶縁樹脂を塗布し、加熱して硬化させて作製してもよい。
なお、抵抗体30及び端子部41の下地層として基材10の上面10aに機能層を設けた場合には、ひずみゲージ1は図3(c)に示す断面形状となる。符号20で示す層が機能層である。機能層20を設けた場合のひずみゲージ1の平面形状は、図1と同様である。
このように、ひずみゲージ1は、磁力層42を備えた電極40を有することにより、磁性体からなる導電体を磁力層42で吸着可能となるため、電極40と導電体とのはんだ付けが不要である。そのため、従来はんだ接続のやり直し等により生じていた電極40と導電体との接続強度の低下を抑制可能となる。
又、電極40と導電体との電気的な接続を簡略化できると共に、必要なときに導電体を電極40に容易に着脱できる。
又、はんだに起因して発生するはんだ食われ等の問題を原理的に排除可能となり、導電体と電極40との接続強度の低下を防止して接続信頼性を向上できる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、ひずみゲージを用いたセンサモジュールの例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図4は、第2実施形態に係るセンサモジュールを例示する平面図である。図5は、第2実施形態に係るセンサモジュールを例示する断面図であり、図4のB−B線に沿う断面を示している。図4及び図5を参照するに、センサモジュール5は、ひずみゲージ1と、導電体70とを有している。なお、カバー層60は、電極40を除く部分の全体を覆うように設けてもよい。
導電体70は例えばリード線やフレキシブルプリント基板等であり、一端が電極40の磁力層42に吸着され、電極40と電気的に接続されている。導電体70の一端は、磁力層42に吸着可能な導電材料から形成されていれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、銅線や銅箔の表面にニッケルめっきを施したものが挙げられる。なお、導電体70の全体が、銅線や銅箔の表面にニッケルめっきを施したものであってもよい。又、導電体70は、部分的に絶縁体に被覆されていてもよい。
導電体70の他端は開放されており、必要なときに他の基板の電極や半導体チップの電極等と接続可能である。例えば、導電体70の他端を銅線や銅箔の表面にニッケルめっきを施したもの等とし、他の基板の磁力を発生する電極や半導体チップの磁力を発生する電極等と接続できる。
このように、センサモジュール5は、磁力層42を有する電極40と磁性体からなる導電体70との接続構造を有するため、電極40と導電体70とのはんだ付けが不要となる。そのため、従来はんだ接続のやり直し等により生じていた電極40と導電体70との接続強度の低下を抑制可能となる。
又、電極40と導電体70との電気的な接続を簡略化できると共に、必要なときに導電体70を電極40に容易に着脱できる。
又、はんだに起因して発生するはんだ食われ等の問題を原理的に排除可能となり、導電体70と電極40との接続強度の低下を防止して接続信頼性を向上できる。
なお、ここでは、ひずみゲージの電極に導電体が磁力で吸着した接続構造について説明したが、本発明に係る接続構造は、ひずみゲージには限定されない。すなわち、基材上に形成された、磁力層を備えた電極と、一端が磁力層に吸着された導電体とを有する接続構造であれば、本発明に係る接続構造は、ひずみゲージの電極以外にも適用可能である。本発明に係る接続構造は、例えば、配線基板や半導体装置等の電極に適用可能である。
〈第2実施形態の変形例1〉
第2実施形態の変形例1では、ひずみゲージを用いたセンサモジュールの他の例を示す。なお、第2実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図6は、第2実施形態の変形例1に係るセンサモジュールを例示する平面図である。図7は、第2実施形態の変形例1に係るセンサモジュールを例示する断面図であり、図6のC−C線に沿う断面を示している。
図6及び図7を参照するに、センサモジュール5Aは、ひずみゲージ1の基材10を細長状とし、基材10の上面10aに電子部品200が搭載されたものである。
電子部品200は、例えば、電極40を介して抵抗体30から入力される電気信号の増幅や温度補正を行う半導体チップである。半導体チップと共に、コンデンサ等の受動部品が搭載されてもよい。電子部品200は、例えば、ダイアタッチフィルム等の接着層を介して、基材10の上面10aに搭載されている。
電子部品200は、電極210を有している。電極210は、銅等からなる端子部211と、端子部211上に形成された磁力層212とを備えている。磁力層212の材料や厚さは、例えば、磁力層42と同様である。導電体70の一端は磁力層42に吸着され、他端は磁力層212に吸着されている。これにより、電極40と電極210とが導電体70により電気的に接続される。
基材10の上面10aにカバー層60Aが設けられていない場合、抵抗体30、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を被覆するように、基材10の上面10aにカバー層60B(第2絶縁樹脂層)を設けても構わない。カバー層60Bを設けることで、抵抗体30、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70に機械的な損傷等が生じることを防止できる。又、カバー層60Bを設けることで、抵抗体30、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を湿気等から保護できる。
カバー層60Bは、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂から形成できる。カバー層60Bは、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層60Bの厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、2μm〜30μm程度である。
カバー層60Bは、例えば、基材10の上面10aに、抵抗体30、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を被覆するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製できる。カバー層60Bは、基材10の上面10aに、抵抗体30、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を被覆するように液状又はペースト状の熱硬化性の絶縁樹脂を塗布し、加熱して硬化させて作製してもよい。
基材10の上面10aにカバー層60Aが設けられている場合、カバー層60A、電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を被覆するように、更にカバー層60Bを設けても構わない。カバー層60Bを設けることで、カバー層60Aには被覆されていない電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70に機械的な損傷等が生じることを防止できる。又、カバー層60Bを設けることで、カバー層60Aには被覆されていない電極40、電子部品200、電極210、及び導電体70を湿気等から保護できる。なお、カバー層60Aとカバー層60Bは、同一材料から形成してもよいし、異なる材料から形成してもよい。
このように、センサモジュール5Aは、磁力層42を有する電極40と、磁力層212を有する電極210とを有する。そして、導電体70の一端は磁力層42に吸着され、他端は磁力層212に吸着されて、電極40と電極210とが導電体70により電気的に接続されている。そのため、電極40と電極210とをボンディングワイヤやはんだ等により接続する必要がない。その結果、センサモジュール5Aは、センサモジュール5と同様の効果を奏する。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 ひずみゲージ、5、5A センサモジュール、10 基材、10a 上面、20 機能層、30 抵抗体、40、210 電極、41、211 端子部、42、212 磁力層、60、60A、60B カバー層、70 導電体、200 電子部品

Claims (11)

  1. 可撓性を有する基材と、
    前記基材上に、クロムとニッケルの少なくとも一方を含む材料から形成された抵抗体と、
    前記抵抗体と電気的に接続された電極と、を有し、
    前記電極が磁力層を備えているひずみゲージ。
  2. 前記磁力層は、Ni、Ni系合金、Fe系合金、Co系合金、又はNi−Fe系合金を含む請求項1に記載のひずみゲージ。
  3. 前記磁力層は、CoNiFe(x+y+z=100)、NiFe、FeP、NiFeP、CoNiFeP、FeB、NiFeB、CoNiFeB、Ni−W、NdFe14B、SmCo、SmCo17、SrFe1219、BaFe1219からなる群から選択される合金の薄膜、前記合金の薄膜を積層した積層膜、又は前記合金の粉末を含んだボンド磁石からなる請求項2に記載のひずみゲージ。
  4. 前記抵抗体は、アルファクロムを主成分とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のひずみゲージ。
  5. 前記抵抗体は、アルファクロムを80重量%以上含む請求項4に記載のひずみゲージ。
  6. 前記抵抗体は、窒化クロムを含む請求項4又は5に記載のひずみゲージ。
  7. 前記基材の一方の面に、金属、合金、又は、金属の化合物から形成された機能層を有し、
    前記抵抗体は、前記機能層の一方の面に形成されている請求項1乃至6の何れか一項に記載のひずみゲージ。
  8. 前記機能層は、前記抵抗体の結晶成長を促進する機能を有する請求項7に記載のひずみゲージ。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載のひずみゲージと、
    一端が前記磁力層に吸着された導電体と、を有するセンサモジュール。
  10. 前記基材に、磁力層を備えた電極を有する電子部品が搭載され、
    前記導電体の他端が前記電子部品の前記磁力層に吸着された請求項9に記載のセンサモジュール。
  11. 基材上に形成された、磁力層を備えた電極と、
    一端が前記磁力層に吸着された導電体と、を有する接続構造。
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