JP2020185728A - フィルム構造体の製造方法および製造装置 - Google Patents

フィルム構造体の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020185728A
JP2020185728A JP2019092149A JP2019092149A JP2020185728A JP 2020185728 A JP2020185728 A JP 2020185728A JP 2019092149 A JP2019092149 A JP 2019092149A JP 2019092149 A JP2019092149 A JP 2019092149A JP 2020185728 A JP2020185728 A JP 2020185728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
mold
correction
cured
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019092149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7217440B2 (ja
Inventor
淳一 鎌谷
Junichi Kamatani
淳一 鎌谷
和田 紀彦
Norihiko Wada
紀彦 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2019092149A priority Critical patent/JP7217440B2/ja
Publication of JP2020185728A publication Critical patent/JP2020185728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7217440B2 publication Critical patent/JP7217440B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

【課題】フィルム両面の転写品質及び、フィルム両面の硬化膜の相対位置精度を確保しつつ歩留まりを向上させるフィルム構造体の製造方法および装置を提供する。【解決手段】フィルム構造体の製造方法は、フィルムの表面に転写材料を塗布する塗布工程と、フィルムの表面に第1硬化膜を形成する第1硬化工程と、フィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め工程と、ダンサーロールによって、走行中のフィルムの送りを保持する送り保持工程と、第1硬化膜と、フィルムの裏面側において転写材料が充填されるモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、位置ズレ量を減少させるように、補正機構によって、フィルムの位置又はモールドの位置を補正する補正工程と、補正工程の後、モールドに充填された転写材料をフィルムの裏面上に硬化させて第2硬化膜を形成する第2硬化工程とを含む。【選択図】図1A

Description

本開示は、インプリント技術を用いたフィルム構造体の製造方法及び製造装置に関する。
近年、ディスプレイ、照明などの商品に用いられる光学部品において、光の反射、回折を制御した従来にない新機能を有するデバイスを実現することが望まれている。当該デバイスは、例えば、特殊光学特性を発揮するナノメートル(nm)オーダーからミクロン(μm)オーダーの微細なパターンを形成することによって実現される。また、システムLSIなどの半導体において、高集積化に伴った配線の微細化も望まれている。このような微細な構造を形成する方法としては、フォトリソグラフィー技術や電子線描画技術に加えて、近年ではインプリント技術が注目されている。
インプリント技術とは、微細形状が予め表面に加工された型(モールド)を、基材表面に塗布された樹脂に押し付けることで、微細形状が転写された硬化膜を形成する技術である。
インプリント方法として、例えば、熱インプリント法と、UVインプリント法等がある。
熱インプリント法は、基材表面に塗布された熱可塑性樹脂に、ガラス転移温度以上に加熱した型を押し当てることにより、微細形状が転写された硬化膜を得る方法である。UVインプリント法は、基材表面に塗布された紫外線硬化樹脂に常温の型を押し当てた状態でUV光を照射することにより、微細形状が転写された硬化膜を得る方法である。
対象とする基材がPET等のフィルムである場合には、表面に微細形状が形成されたロール状の型を用いて、フィルムの送りと同時にフィルム上に微細形状を転写する方式が一般的である。前記方式はスループットが高いことで知られており、ロールトゥロールインプリント方式と呼ばれる。
UVインプリント法によるロールトゥロールインプリント方式によって微細形状を形成する一般的な工法は、例えば特許文献1に開示されている。
一般的なUVインプリント法によるロールトゥロールインプリント方式(ロールトゥロールUVインプリント方式)としては、連続的に走行するフィルム(フィルム基材)上に、塗布部から転写材料を押し出し塗布する。次に、フィルムは、表面に転写形状(微細形状)が形成された転写ロールと、転写ロールに所定の加圧力で押付けられた加圧ロールとの間を通過する。これにより、転写ロールの表面の転写形状(微細な凹凸)内に、転写材料が充填される。
次に、転写ロールに対してUV光源からUV光を照射させることで、転写材料は転写形状に充填された状態で硬化する。最後に、フィルムは、離型ロールと転写ロールとの間を通過し、離型ロールに沿って走行する。これにより、フィルムが転写ロールから離れ、フィルム上に転写形状が転写された硬化膜が形成される。
この方式は、フィルム基材の片側の面に硬化膜を形成する方式であり、フィルム基材両面に硬化膜を形成する必要がある場合、フィルム基材の他方の面にも同様の工程を行う必要がある。
特許第4976868号公報
しかしながら、フィルム両面に硬化膜を形成する場合、フィルムの両面の硬化膜同士の相対位置精度を向上させることが求められる。
前記装置構成では、フィルム両面の硬化膜の位置ズレに対応するためには、転写後に位置ズレを認識し、フィードバックする構成となり、歩留まりが生じる。
従って、本開示は、フィルム両面の硬化膜の相対位置精度を確保しつつ歩留まりを向上させるフィルム構造体の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のフィルム構造体の製造方法は、連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する方法であって、フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布工程と、フィルムの表面を加圧ロールによって転写ロールに加圧しながら、フィルムの表面に塗布された転写材料を紫外線により硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化工程と、第1硬化膜が形成されたフィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め工程と、仮止め工程による吸着部分よりも搬送方向上流側において、ダンサーロールによって、走行中のフィルムの送りを保持する送り保持工程と、第1硬化工程により形成された第1硬化膜と、仮止め工程により仮止めされたフィルムの裏面側において転写材料が充填されるモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、位置ズレ量検出工程により検出された位置ズレ量を減少させるように、補正機構によって、フィルムの位置又はモールドの位置を補正する補正工程と、補正工程の後、モールドに充填された転写材料をフィルムの裏面上に硬化させて第2硬化膜を形成する第2硬化工程とを含む。
本開示のフィルム構造体の製造装置は、連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する装置であって、フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布部と、表面に転写形状を有する転写ロールと、フィルムの表面に塗布された転写材料を転写ロールに加圧する加圧ロールと、加圧ロールによって加圧された転写材料をフィルムの表面上に硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化手段と、第1硬化膜が形成されたフィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め機構と、ダンサーロールを含み、仮止め機構による吸着部分よりも搬送方向上流側において走行中のフィルムの送りを保持する送り保持機構と、表面に転写形状を有するモールドと、モールドに充填された転写材料をフィルムの裏面上に硬化させて、第2硬化膜を形成する第2硬化手段と、フィルムの表面に形成された第1硬化膜とモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出機構と、位置ズレ量検出機構により検出された位置ズレ量を補正する補正機構と、第2硬化手段によって第2硬化膜を形成する前に、位置ズレ量検出機構によって検出された位置ズレ量を減少させるように補正機構を制御する制御部と、を備える。
本開示に係るフィルム構造体の製造方法及び製造装置によれば、フィルム両面の硬化膜の相対位置精度を確保しつつ歩留まりを向上させることができる。
本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造装置の概略図 本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造装置の概略図 本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造装置の概略図 本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造装置の概略図 本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造装置の概略図 本発明の実施の形態1における位置ズレ量の認識を示す概略模式図 本発明の実施の形態1におけるフィルム構造体の製造方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態1におけるフィルムの補正動作を示す概略模式図 本発明の実施の形態1における補正動作前のフィルムを示す概略模式図 本発明の実施の形態1における補正動作後のフィルムを示す概略模式図 本発明の実施の形態2におけるフィルム構造体の製造装置の概略模式図 本発明の実施の形態2におけるモールドの補正動作を示す概略模式図 本発明の実施の形態2における補正動作前のフィルムを示す概略模式図 本発明の実施の形態2における補正動作後のフィルムを示す概略模式図
本発明の第1態様によれば、連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する方法であって、フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布工程と、フィルムの表面を加圧ロールによって転写ロールに加圧しながら、フィルムの表面に塗布された転写材料を紫外線により硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化工程と、第1硬化膜が形成されたフィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め工程と、仮止め工程による吸着部分よりも搬送方向上流側において、ダンサーロールによって、走行中のフィルムの送りを保持する送り保持工程と、第1硬化工程により形成された第1硬化膜と、仮止め工程により仮止めされたフィルムの裏面側において転写材料が充填されるモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、位置ズレ量検出工程により検出された位置ズレ量を減少させるように、補正機構によって、フィルムの位置又はモールドの位置を補正する補正工程と、補正工程の後、モールドに充填された転写材料をフィルムの裏面上に硬化させて第2硬化膜を形成する第2硬化工程とを含む、フィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、位置ズレ量検出工程において、第1硬化膜に形成された硬化膜アライメントマークと、モールドに形成されたモールドアライメントマークとを検出し、補正工程において、硬化膜アライメントマーク及びモールドアライメントマークを互いに近づけるように補正する、第1態様に記載のフィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、補正工程において、補正機構が有する一対の補正ロールでフィルムを挟んで、一対の補正ロールの回転に伴ってフィルムを搬送方向に移動させるか又は一対の補正ロールをフィルムと共に移動させることで、位置ズレ量を減少させる、第1態様又は第2態様に記載のフィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、補正工程において、補正機構によって、モールドを移動させることで、位置ズレ量を減少させる、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、仮止め工程では、フィルムの走行経路においてフィルムが直線的に走行する直進部でフィルムを仮止めし、位置ズレ量検出工程では、フィルムの直進部において位置ズレ量を検出する、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、仮止め工程において、モールドに対向する位置でフィルムの表面を吸着して仮止めする、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する装置であって、フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布部と、表面に転写形状を有する転写ロールと、フィルムの表面に塗布された転写材料を転写ロールに加圧する加圧ロールと、加圧ロールによって加圧された転写材料をフィルムの表面上に硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化手段と、第1硬化膜が形成されたフィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め機構と、ダンサーロールを含み、仮止め機構による吸着部分よりも搬送方向上流側において走行中のフィルムの送りを保持する送り保持機構と、表面に転写形状を有するモールドと、モールドに充填された転写材料をフィルムの裏面上に硬化させて、第2硬化膜を形成する第2硬化手段と、フィルムの表面に形成された第1硬化膜とモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出機構と、位置ズレ量検出機構により検出された位置ズレ量を補正する補正機構と、第2硬化手段によって第2硬化膜を形成する前に、位置ズレ量検出機構によって検出された位置ズレ量を減少させるように補正機構を制御する制御部と、を備える、フィルム構造体の製造装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、転写ロールは、第1硬化膜に硬化膜アライメントマークを形成するアライメントマークを有し、モールドは、モールドアライメントマークを有し、位置ズレ量検出機構は、第1硬化膜に形成された硬化膜アライメントマークとモールドのモールドアライメントマークとの位置ズレ量を検出する、第7態様に記載のフィルム構造体の製造装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、補正機構は、フィルムを挟むように配置されて、フィルムの位置を補正する一対の補正ロールを有し、一対の補正ロールを回転させるか又は一対の補正ロールを移動させることによって、位置ズレ量を補正する、第7態様又は第8態様に記載のフィルム構造体の製造装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、補正機構は、位置ズレ量検出機構によって検出された位置ズレ量に基づいて、モールドの位置を補正するモールド位置補正機構を有する、第7態様から第9態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、仮止め機構は、フィルムの走行経路においてフィルムが直線的に走行する直進部でフィルムを仮止めし、位置ズレ量検出機構は、フィルムの直進部において位置ズレ量を検出する、第7態様から第10態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、仮止め機構は、モールドに対向する位置で、フィルムの表面を吸着して仮止めする吸着穴を有する、第7態様から第11態様のいずれか1つに記載のフィルム構造体の製造装置を提供する。
(実施の形態1)
以下、本開示に係る実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。なお本開示は、以下の実施の形態1に限定されるものではない。
まず、図1A〜図1Eを用いて本実施の形態1のフィルム構造体の製造装置D1の構成を説明する。図1A〜図1Eは、それぞれフィルム構造体の製造装置D1の工程別模式図である。なお、以下の図において、X軸方向はフィルム1の幅方向、Y軸方向はX軸方向に直交する水平方向、Z軸方向はX軸およびY軸に直交する上下方向を示す。
製造装置D1は、連続走行するフィルム1の両面に転写材料121a,121bを転写して硬化させることでフィルム構造体を製造する装置である。フィルム1の両面には硬化膜141a,141b(図1E)が形成される。転写材料121a,121bは、硬化膜141a、141bの原材料である。本実施の形態1では、転写材料121a,121bは、紫外線硬化樹脂を含む材料である。転写材料121a,121bは、例えば、硬化前は流動性を有し硬化後は固化する材料である。フィルム1の表面の第1硬化膜141aはフィルム1の走行中に(連続走行で)形成され、フィルム1の裏面の第2硬化膜141bはフィルム1の走行停止中に(間歇的に)形成される。
製造装置D1は、第1塗布部21と、加圧ロール31と、転写ロール41と、第1硬化手段51と、離型ロール61とを備える。さらに、製造装置D1は、送り保持機構71a,71bと、搬送ステージ81と、第2塗布部22と、モールド101と、転写材料充填機構32(図1B)と、第2硬化手段52(図1C)とを備える。さらに、製造装置D1は、位置ズレ量検出機構91,92と、補正機構111と、制御部C1とを備える。
フィルム1は、装置上流側から搬送方向(A1方向)に送り出される。フィルム1の搬送速度は例えば、毎分0.1m以上5m以下である。フィルム1の厚みは、例えば、20μm以上300μm以下である。フィルム1の幅は、例えば、100mm以上1m以下である。また、以下便宜上、フィルム1の表裏に関しては、図1A〜図1Eにおいて下(−Z方向)側を表、上(+Z方向)側を裏とする。
塗布部21,22は、それぞれ、転写材料121a,121bをフィルム1に塗布するユニットである。第1塗布部21は転写材料121aをフィルム1の表面に塗布し、第2塗布部22は転写材料121bをフィルム1の裏面に塗布する。
第2塗布部22は、間歇塗布が可能なユニットである。第2塗布部22は、フィルム1の裏面の所望の箇所のみに転写材料121bを塗布する。具体的には、第2塗布部22は、フィルム1の裏面において、フィルム1の表面の第1硬化膜141aに対向する部分に転写材料121bを塗布する。第2塗布部22の間歇動作は、例えば、後述の送り保持機構71a,71bの駆動と同期して、転写材料121bを間歇的に塗布する。転写材料121a,121bを塗布する方法は問わないが、例えばダイコーターである。
加圧ロール31は、転写材料121aが塗布されたフィルム1を転写ロール41に加圧するローラである。具体的には、加圧ロール31は、フィルム1の裏面と接触して、フィルム1の表面を転写ロール41に加圧する。加圧ロール31は、転写ロール41に対して外周面が対向するように設けられる。本実施の形態では、加圧ロール31は転写ロール41に対して水平方向に並べて設けられる。加圧ロール31の直径は、例えば、100mm以上300mm以下である。
転写ロール41は、表面(円筒外周面)において転写形状(微細形状)131aが形成されるローラ(ロール型)である。本実施の形態1の転写形状131aは、転写ロール41の外周面の一部に形成される。転写ロール41は、転写材料121aに転写形状131aを転写する。転写ロール41の直径は、例えば、100mm以上300mm以下である。
第1硬化手段51は、転写材料121aを硬化させる手段である。第1硬化手段51は、加圧ロール31によって加圧されている転写材料121aを紫外線によって硬化させて第1硬化膜141aを形成する。本実施の形態1では、第1硬化手段51は、転写材料121aに対して紫外線を照射する紫外線照射部(紫外線光源)である。また、第1硬化膜141aの膜厚は、例えば、0.5μm以上10μm以下である。
離型ロール61は、転写ロール41から第1硬化膜141aを剥離するローラである。
送り保持機構71a,71bは、第2硬化膜141bを間歇的に形成する際(フィルム1において第2硬化膜141bを形成する部分を停止させる際)に生じるフィルム1の弛みを吸収する機構である。すなわち、送り保持機構71a,71bは、搬送方向上流側で走行中のフィルム1の弛みを吸収することにより、搬送方向上流側のフィルム1の搬送を継続させるための機構である。送り保持機構71a,71bは、例えば、少なくとも一方がダンサーロールである1対のロールである。本実施の形態1では、送り保持機構71bがダンサーロールである。送り保持機構71a,71bは、それぞれ、フィルム1の表面側および裏面側に設けられる。
搬送ステージ81は、フィルム1を保持するステージである。搬送ステージ81は、第2塗布部22による転写材料121bの塗布、後述のモールド101への転写材料121bへの充填、および第2硬化膜141bの形成の際にフィルム1を保持する。搬送ステージ81は、フィルム1の表面を吸着保持してフィルム1を仮止めする仮止め機構151を有する。
仮止め機構151は、モールド101に対向する位置に設けられる。本実施の形態1の仮止め機構151は、吸着穴151aを有する。仮止め機構151は、吸着穴151aを通じてフィルム1を吸着することにより、フィルム1を仮止めする。仮止め機構151において吸着穴151aが設けられる面は、平面状に形成される。仮止め機構151は、フィルム1の走行経路において、フィルム1が直線的に走行する直進部1aでフィルム1を仮止めする。
モールド101は、表面(フィルム1の裏面に対向する位置)に転写形状131bが形成された型である。モールド101は、例えばシート状である。モールド101は、フィルム1の裏面に塗布された転写材料121bに転写形状131bを転写する。本実施の形態1では、モールド101は透過性のあるモールドである。モールド101を透過性のあるモールドにすることで、フィルム1の上方(裏面側)から第1硬化膜141aに対するモールド101の位置をより容易に検出することができる。なお、透過性のないモールドを使用してもよい。
転写材料充填機構32(図1B)は、モールド101の転写形状131bに、フィルム1の裏面に塗布された転写材料121bを充填させるユニットである。転写形状131bに転写材料121bを充填させる方法は問わないが、本実施の形態では、例えばローラによる加圧である。
第2硬化手段52(図1C)は、転写材料121bを硬化させる手段である。第2硬化手段52は、モールド101の転写形状131bに充填された転写材料121bを紫外線によって硬化させて第2硬化膜141bを形成する。本実施の形態では、第2硬化手段52は、転写材料121bに対して紫外線を照射する紫外線照射部(紫外線光源)である。また、第2硬化膜141bの膜厚は、例えば、0.5μm以上10μm以下である。
位置ズレ量検出機構91,92(図1A)は、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとモールド101(フィルム1の裏面に形成される第2硬化膜141b)との位置ズレ量ΔX,ΔX’,ΔY,ΔY’(図2)を検出する。位置ズレ量検出機構91,92は、例えば、カメラである。位置ズレ量検出機構91,92は、それぞれ、搬送方向上流側および搬送方向下流側において、互いに幅方向にずれて設けられる。
補正機構111は、位置ズレ量検出機構91,92により検出された位置ズレ量(ΔX,ΔX’,ΔY,ΔY’)を補正する機構である。本実施の形態1では、補正機構111は、位置ズレ量(ΔX,ΔX’,ΔY,ΔY’)に基づいてフィルム1の位置を補正する機構を有する。補正機構111は、例えば一対の補正ロール111aを有する。
一対の補正ロール111aは、フィルム1を挟むように配置される。一対の補正ロール111aは、位置ズレ量(ΔX,ΔX’,ΔY,ΔY’)を減少させるために、第1硬化膜141aの位置、つまり、フィルム1の位置を調整可能に設けられる。一対の補正ロール111aは、フィルム1を搬送方向(A1方向)に位置調整できるように、フィルム1を挟んで回転可能に設けられる。一対の補正ロール111aは、フィルム1を幅方向(X方向)に位置調整できるように、軸方向に移動可能に設けられる。
制御部C1は、製造装置D1の各構成部材の運転を制御する部材である。制御部C1は、例えば、マイクロコンピュータ等である。制御部C1は、位置ズレ量検出機構91,92によって検出された位置ズレ量を減少させるように製造装置D1を制御する。具体的には、制御部C1は、搬送ステージ81の仮止め機構151の制御、及び、補正機構111の位置又は回転角を補正する制御などを行う。
次に、図1A〜図1E、図2、及び図3を用いて、フィルム構造体の製造方法について詳細に説明する。図2は、位置ズレ量の認識を示す概略模式図である。図3は、フィルム構造体の製造方法を示すフローチャートである。
まず、図3における第1塗布工程ST10を行う。具体的には、図1Aに示す第1塗布部21が、連続走行するフィルム1の表面に、転写材料121aを塗布する。
次に、図3における第1転写工程ST20を行う。具体的には、図1Aに示す加圧ロール31が、フィルム1の表面に塗布された転写材料121aを転写ロール41に加圧することで、転写形状131aに転写材料121aを充填する。
次に、図3における第1硬化工程ST30を行う。具体的には、図1Aに示す第1硬化手段51が、フィルム1の表面に塗布された転写材料121aを、加圧ロール31によって転写ロール41に加圧しながら硬化させる。言い換えると、第1硬化手段51が、転写ロール41の転写形状131aに充填された転写材料121aを硬化させつつ、フィルム1に接着する。これによって、転写材料121aは、転写形状131aが転写された状態で硬化した第1硬化膜141aとなる。なお、第1転写工程ST20と、第1硬化工程ST30とは、略同時に行われても良い。
次に、図3における第1離型工程ST40を行う。具体的には、離型ロール61が、第1硬化膜141aが硬化されたフィルム1を、転写ロール41から剥離する。
次に、図3における第2塗布工程ST50を行う。具体的には、図1Aに示す第2塗布部22がフィルム1の裏面に転写材料121bを塗布する。
次に、図3における仮止め工程ST60を行う。具体的には、上記工程を終えたフィルム1が、図1Aに示す搬送ステージ81によりモールド101に対向する位置まで送られ、仮止め機構151により、吸着保持される。ここで、仮止め機構151により吸着保持されるまでのフィルム1の送り量は、要求される転写形状などに応じて制御部C1により制御される。すなわち、仮止め機構151は、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとモールド101(フィルム1の裏面に形成される第2硬化膜141b)との相対位置に応じて、フィルム1を吸着保持する。これにより、第2硬化膜141bを形成する部分を所望の位置で容易に仮止めすることができ、後述の位置ズレ量検出工程ST80で検出される位置ズレ量を減少させることができる。
次に、図3における送り保持工程ST70が行われる。図1Aに示す仮止め機構151により、フィルム1が吸着保持されている間、送り保持機構71a,71bより搬送方向(A1方向)下流側のフィルムの搬送系は停止しているのに対し、送り保持機構71a,71bより搬送方向上流側のフィルム搬送系は、連続走行している。この際に生じるフィルム1の弛みを吸収することにより、搬送方向上流側のフィルム1の搬送及び成形を安定化させる。具体的には、図1Aに示すように、送り保持機構71bが図中下方(−Z方向)に移動することにより、フィルム1に生じる弛みを吸収する。なお、送り保持工程ST70は、送り保持機構71aが図中上方(+Z方向)に移動することにより、行われても良い。また、保持工程ST70は、送り保持機構71aが図中上方に移動し、かつ送り保持機構71bが図中下方に移動することにより、行われても良い。
また、図3における送り保持工程ST70が行われる間、位置ズレ量検出工程ST80を行う。具体的には、図1Aに示すように、位置ズレ量検出機構91,92を用いて、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとモールド101(フィルム1の裏面に形成される第2硬化膜141b)との位置ズレ量を検出する。
ここで、位置ズレ量検出工程ST80に関して、図2を用いて説明する。転写ロール41には、例えば、2点のロール上アライメントマーク(図示略)が円周方向および幅方向にずれて対角に設けられる。この時、円周方向のマークの数は問わない。これにより、図2に示すように、フィルム1の表面の第1硬化膜141aには、硬化膜アライメントマーク161a,162aが形成される。一方で、モールド101には、例えば、2点のモールドアライメントマーク161b,162bが搬送方向および幅方向にずれて対角に設けられる。2点のロール上アライメントマーク間のX方向およびY方向の長さは、2点のモールドアライメントマーク161b,162b間のX方向およびY方向の長さに等しい。
位置ズレ量の認識には、フィルム1の表面に形成された硬化膜アライメントマーク161a,162aとモールドアライメントマーク161b、162bとを使用する。硬化膜アライメントマーク161a,162aを基準として、モールドアライメントマーク161b、162bの位置が、位置ズレ量検出機構91,92によって認識される。ロール上アライメントマークおよびモールドアライメントマーク161b,162bを対角に2点設けることで、フィルム1の両面の硬化膜141a,141bの相対位置精度をより向上させることができる。
位置ズレ量検出工程ST80において、硬化膜アライメントマーク161a,162aおよびモールドアライメントマーク161b,162bのそれぞれの中心を認識し、相対位置ズレ量としてΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’が検出される。すなわち、硬化膜アライメントマーク161aの中心に対するモールドアライメントマーク161bの中心の相対位置ズレ量に関して、X方向のΔX及びY方向のΔYが検出される。硬化膜アライメントマーク162aの中心に対するモールドアライメントマーク162bの中心の相対位置ズレ量に関して、X方向のΔX’及びY方向のΔY’が検出される。なお、+X方向に位置する場合はΔX>0となり、−X方向に位置する場合はΔX<0となる。また、+Y方向に位置する場合はΔY>0となり、−Y方向に位置する場合はΔY<0となる。
本実施の形態1の位置ズレ量検出工程ST80においては、フィルム1の直進部1aにおいて位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)が検出される。これにより、湾曲部に比べて、より精確に位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を検出することができる。フィルム1の仮止めは、例えばモールド101に対向する位置で行われる。これにより、フィルム1の第2硬化膜141bを形成する部分を所望の位置で容易に仮止めすることができる。
図3における送り保持工程ST70が行われる間、位置ズレ量検出工程ST80の次に、補正工程ST90を行う。本実施の形態1の補正工程ST90では、位置ズレ量検出工程ST80により検出された位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)をもとに、図1Aに示す補正機構111が、フィルム1の位置を補正する。具体的には、制御部C1が、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとモールド101との相対位置ズレを減少させるために、第1硬化膜141aの位置、つまり、フィルム1の位置を調整するよう、補正機構111の位置または回転角を制御する。
ここで、補正工程ST90に関して、図4を用いて詳細に説明する。図4Aは、フィルム1の補正動作を示す概略模式図であり、図4Bは、補正動作前の位置ズレ認識を示し、図4Cは、補正動作後の位置ズレ認識を示す。
図4Aに示すように、フィルム1の幅方向における位置ズレ量(ΔX,ΔX’)は、補正機構111の回転軸111bを幅方向に動かすことにより補正する。具体的には、一対の補正ロール111aを+X方向に動かすことで、硬化膜アライメントマーク161a,162aは補正ロール111aの移動と共に+X方向に移動する。一対の補正ロール111aを−X方向に動かすことで、硬化膜アライメントマーク161a,162aは補正ロール111aの移動と共に−X方向に移動する。
フィルム1の送り方向における位置ズレ量(ΔY,ΔY’)は、補正機構111の回転角(θ)を動かすことにより補正する。具体的には、一対の補正ロール111aによりフィルム1を挟み込み、補正ロール111aを回転させることで、フィルム1を送り方向に補正制御する。回転動作に関しては、補正ロール111aをフィルム1と共に搬送方向下流側(+Y方向)へ回転させると、硬化膜アライメントマーク161a,162aは、フィルム1搬送方向下流側へ移動する。補正ロール111aをフィルム1と共に搬送方向上流側(−Y方向)へ回転させると、硬化膜アライメントマーク161a,162aは、フィルム1搬送方向上流側へ移動する。
前記補正動作によりフィルム1の位置が調整され、例えば、図4Bの状態から、硬化膜アライメントマーク161a,162aおよびモールドアライメントマーク161b,162bを互いに近づくように補正されて図4Cに示すように位置ズレ量が減少する。なお、前記補正動作において、例えば、仮止め機構151によるフィルム1の吸着力よりもフィルム1へ加える力が大きくなるようにして、補正機構111によってフィルム1の位置が補正される。
図3における送り保持工程ST70が行われる間、補正工程ST90の次に、第2転写工程ST100を行う。具体的には、図1Bに示すように、転写材料充填機構32が、モールド101の転写形状131bに、転写材料121bを充填する。この際にも、送りに応じて、送り保持機構71bが下方(−Z方向)にさらに移動することにより、フィルム1に生じる弛みを吸収している。
図3における送り保持工程ST70が行われる間、第2転写工程ST100の次に、第2硬化工程ST110を行う。具体的には、図1Cに示すように、第2硬化手段52が、フィルム1の裏面に塗布された転写材料121bを、転写材料充填機構32によってモールド101に加圧しながら硬化する。言い換えると、第2硬化手段52が、モールド101の転写形状131bに充填された転写材料121bを硬化させつつ、フィルム1に接着する。これによって、転写材料121bは、転写形状131bが転写された状態で硬化した第2硬化膜141bとなる。この際にも、送りに応じて、送り保持機構71bが図中下方にさらに移動することにより、フィルム1に生じる弛みを吸収している。
図3における送り保持工程ST70が行われる間、第2硬化工程ST110の次に、第2離型工程ST120を行う。具体的には、図1Dに示すようにモールド101を第2硬化膜141bが硬化されたフィルム1から剥離する。剥離手段は問わないが、本実施の形態1においては、モールド101を、フィルム1に対して、斜め上向きまたは垂直方向上方へ移動させることで、第2離型工程ST120が行われる。この際にも、送りに応じて、送り保持機構71bが図中下方にさらに移動することにより、フィルム1に生じる弛みを吸収している。
次に、第2離型工程ST120後、図3における送り保持工程ST70を終了させ、下流送り工程ST130が行われる。具体的には、図1Eに示すように搬送ステージ81での吸着が解除され、フィルム1が搬送方向下流側に送られる。この際、送り保持機構71bは、フィルム1が搬送方向下流側に送られることに伴って上方(+Z方向)へ移動する。
送り保持機構71bが元の位置に戻る時点、すなわち、送り保持機構71a,71bより下流側のフィルムの搬送系と、送り保持機構71a,71bより上流側のフィルム搬送系との搬送タイミング(搬送速度)が一致した時点で、下流送り工程ST130は終了する。
以上のような工程を行って、フィルム構造体を製造する。上述したフィルム構造体の製造方法が連続して行われることにより、ロールトゥロールでのフィルム構造体の製造を実現することができる。
本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1において、位置ズレ量検出工程ST80と、補正工程ST90と、補正工程ST90の後に第2硬化膜141bを形成する第2硬化工程ST110とを含む。位置ズレ量検出工程ST80において、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を検出する。補正工程ST90において、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を減少させるように補正機構111によってフィルム1の位置又はモールド101の位置を補正する。
これにより、補正工程ST90によって第1硬化膜141aとモールド101との位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を減少させることができる。このため、フィルム1両面の硬化膜141a、141bの相対位置精度を向上させることができる。さらに、第2硬化工程ST110を補正工程ST90の後に行うことで、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)が減少した状態で第2硬化膜141bを形成できる。このため、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)が大きい状態で第2硬化膜141bが形成されることを防止でき、歩留まりを向上させることができる。
また、本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1において、位置ズレ量検出工程ST80で、硬化膜アライメントマーク161a,162aと、モールドアライメントマーク161b、162bとを検出する。補正工程ST90において、硬化膜アライメントマーク161a,162a及びモールドアライメントマーク161b、162bを互いに近づけるように補正する。
これにより、アライメントマークによって、第1硬化膜141aとモールド101との位置ズレ量を容易に減少させることができる。
また、本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1において、一対の補正ロール111aの回転に伴ってフィルム1を搬送方向に移動させる。または一対の補正ロール111aをフィルム1と共に移動させる。
補正ロール111aによってフィルム1の位置を補正することにより、第1硬化膜141aとモールド101との位置ズレ量を容易に減少させることができる。
また、本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1において、仮止め工程ST60で、フィルム1が直線的に走行する直進部1aでフィルム1を仮止めする。位置ズレ量検出工程ST80は、フィルム1の直進部1aにおいて位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を検出する。
直進部1aでフィルム1を仮止めして位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を検出することで、湾曲部で行う場合に比べて、フィルム1の吸着および位置ズレ量の検出を精度良く行うことができる。
また、本実施の形態1に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D1において、仮止め工程ST60で、モールド101に対向する位置でフィルム1の表面を吸着して仮止めする。
モールド101に対向する位置でフィルム1の表面を吸着して仮止めすることで、フィルム1の第2硬化膜141bを形成する部分を所望の位置で容易に仮止めすることができる。このため、第1硬化膜141aとモールド101との位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を容易に減少させることができる。
なお、本発明は前記実施の形態1に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。前記実施の形態1では、仮止め機構151は、フィルム1の走行経路において、フィルム1が直線的に走行する直進部1aでフィルム1を仮止めするとしたが、これに限定されない。仮止め機構151は、例えばフィルム1が湾曲して走行する湾曲部でフィルム1を仮止めしてもよい。
また、一対の補正ロール111aによって位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を減少させる方法(構成)について説明したが、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を減少させることができれば、補正ロール111aに限定されない。フィルム1の位置又はモールド101の位置を補正することができれば他の方法(構成)であってもよい。
また、補正工程ST90において、硬化膜アライメントマーク161a,162a及びモールドアライメントマーク161b,162bを互いに近づけるように補正するとしたが、これに限定されない。すなわち、補正工程ST90において、アライメントマークを用いずに補正を行ってもよい。
(実施の形態2)
次に、以下に本開示に係る実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上述の実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を適宜、省略または簡略化する。
図5を用いて本実施の形態2のフィルム構造体の製造装置D2の構成を説明する。図5は、製造装置D2の概略斜視図である。
実施の形態2における補正機構113は、モールド101の位置を調整するモールド位置補正機構113aを有する。モールド位置補正機構113aは、制御部C1によって制御され、位置ズレ量検出機構91,92により検出された位置ズレ量をもとに、モールド101を調整する機構である。モールド位置補正機構113aは、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとモールド101(フィルム1の裏面に形成される第2硬化膜141b)との位置ズレ量を減少させるために、モールド101の位置を調整可能に設けられる。補正機構113は、例えば、モールド101の位置を調整可能なモータである。
ここで、実施の形態2における補正工程ST90に関して、図6A〜図6C(図6)を用いて説明する。図6Aは、モールド101の補正動作を示す概略模式図であり、図6Bは、補正動作前の位置ズレ認識を示し、図6Cは、補正動作後の位置ズレ認識を示す。
位置ズレ量検出工程ST80により検出された位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)をもとに、モールド101の位置を幅方向(X)、送り(Y)方向、及び回転(θ)方向に補正する。具体的には、フィルム1の表面に形成された第1硬化膜141aとフィルム1の裏面に形成される第2硬化膜141bとの相対位置ズレを減少させるために、第2硬化膜141bの形成される位置、つまり、モールド101の位置を調整する。
図6Aに示すように、フィルム1に対する幅方向における位置ズレ量(ΔX,ΔX’)は、モールド101を幅方向に動かすことにより補正する。具体的には、ΔX(ΔX’)>0の場合、フィルム1に対してモールド101を−X方向に動かして補正し、ΔX(ΔX’)<0の場合、フィルム1に対してモールド101を+X方向に動かして補正する。
フィルム1に対する送り方向における位置ズレ量(ΔY,ΔY’)は、モールド101をY方向に動かすことにより補正する。具体的には、ΔY(ΔY’)>0の場合、フィルム1に対してモールド101を−Y方向に動かして補正し、ΔY(ΔY’)<0の場合、フィルム1に対してモールド101を+Y方向に動かして補正する。
位置ズレ量(ΔX,ΔX’)がそれぞれ異なる場合は、モールド101を回転(θ)方向に動かすことで補正する。具体的には、ΔX>ΔX’の場合、すなわち搬送方向上流側の位置ズレ量ΔXが搬送方向下流側の位置ズレ量ΔX’よりも大きい場合、モールド101の搬送方向下流側を+X方向に向けてモールド101を回転させる。ΔX<ΔX’の場合、すなわち搬送方向上流側の位置ズレ量ΔXが搬送方向下流側の位置ズレ量ΔX’よりも小さい場合、モールド101の搬送方向下流側を−X方向に向けてモールド101を回転させる。
前記補正動作によりモールド101の位置が調整され、例えば、図6Bの状態から、図6Cに示すように位置ズレ量が減少する。
本実施の形態2に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D2によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施の形態2に係るフィルム構造体の製造方法および製造装置D2において、補正工程ST90で、補正機構113(モールド位置補正機構113a)によって、モールド101を移動させることで、位置ズレ量(ΔX,ΔY,ΔX’,ΔY’)を減少させる。
補正機構113によって、モールド101を移動させることで、第1硬化膜141aとモールド101との位置ズレ量を容易に減少させることができる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。また、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示に係るフィルム構造体の製造方法及び製造装置は、フィルムの両面に微細形状同士を高精度に形成できるため、例えば光学部品や半導体部品等の分野で有用である。
D1 製造装置
1 フィルム
1a 直進部
21 第1塗布部
22 第2塗布部
31 加圧ロール
32 転写材料充填機構
41 転写ロール
51 第1硬化手段
52 第2硬化手段
61 離型ロール
71a,71b 送り保持機構
81 搬送ステージ
91,92 位置ズレ量検出機構
101 モールド
111,113 補正機構
111a 補正ロール
111b 回転軸
113a モールド位置補正機構
121a,121b 転写材料
131a,131b 転写形状
141a 第1硬化膜
141b 第2硬化膜
151 仮止め機構
151a 吸着穴
161a,162a 硬化膜アライメントマーク
161b,162b モールドアライメントマーク
C1 制御部
ST10 第1塗布工程
ST20 第1転写工程
ST30 第1硬化工程
ST40 第1離型工程
ST50 第2塗布工程
ST60 仮止め工程
ST70 送り保持工程
ST80 位置ズレ量検出工程
ST90 補正工程
ST100 第2転写工程
ST110 第2硬化工程
ST120 第2離型工程
ST130 下流送り工程

Claims (12)

  1. 連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する方法であって、
    フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布工程と、
    前記フィルムの表面を加圧ロールによって転写ロールに加圧しながら、前記フィルムの表面に塗布された前記転写材料を紫外線により硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化工程と、
    前記第1硬化膜が形成された前記フィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め工程と、
    前記仮止め工程による吸着部分よりも搬送方向上流側において、ダンサーロールによって、走行中の前記フィルムの送りを保持する送り保持工程と、
    前記第1硬化工程により形成された前記第1硬化膜と、前記仮止め工程により仮止めされた前記フィルムの裏面側において前記転写材料が充填されるモールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、
    前記位置ズレ量検出工程により検出された前記位置ズレ量を減少させるように、補正機構によって、前記フィルムの位置又は前記モールドの位置を補正する補正工程と、
    前記補正工程の後、前記モールドに充填された前記転写材料を前記フィルムの裏面上に硬化させて第2硬化膜を形成する第2硬化工程と、
    を含む、フィルム構造体の製造方法。
  2. 前記位置ズレ量検出工程において、前記第1硬化膜に形成された硬化膜アライメントマークと、前記モールドに形成されたモールドアライメントマークとを検出し、
    前記補正工程において、前記硬化膜アライメントマーク及び前記モールドアライメントマークを互いに近づけるように補正する、請求項1に記載のフィルム構造体の製造方法。
  3. 前記補正工程において、前記補正機構が有する一対の補正ロールで前記フィルムを挟んで、前記一対の補正ロールの回転に伴って前記フィルムを前記搬送方向に移動させるか又は前記一対の補正ロールを前記フィルムと共に移動させることで、前記位置ズレ量を減少させる、請求項1又は2に記載のフィルム構造体の製造方法。
  4. 前記補正工程において、前記補正機構によって、前記モールドを移動させることで、前記位置ズレ量を減少させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造方法。
  5. 前記仮止め工程では、前記フィルムの走行経路において前記フィルムが直線的に走行する直進部で前記フィルムを仮止めし、
    前記位置ズレ量検出工程では、前記フィルムの前記直進部において前記位置ズレ量を検出する、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造方法。
  6. 前記仮止め工程において、前記モールドに対向する位置で前記フィルムの表面を吸着して仮止めする、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造方法。
  7. 連続走行するフィルムの両面に転写材料を転写して硬化させたフィルム構造体を製造する装置であって、
    フィルムの表面に紫外線硬化樹脂を含む転写材料を塗布する塗布部と、
    表面に転写形状を有する転写ロールと、
    前記フィルムの表面に塗布された前記転写材料を前記転写ロールに加圧する加圧ロールと、
    前記加圧ロールによって加圧された前記転写材料を前記フィルムの表面上に硬化させて第1硬化膜を形成する第1硬化手段と、
    前記第1硬化膜が形成された前記フィルムの表面を吸着して仮止めする仮止め機構と、
    ダンサーロールを含み、前記仮止め機構による吸着部分よりも搬送方向上流側において走行中の前記フィルムの送りを保持する送り保持機構と、
    表面に転写形状を有するモールドと、
    前記モールドに充填された前記転写材料を前記フィルムの裏面上に硬化させて、第2硬化膜を形成する第2硬化手段と、
    前記フィルムの表面に形成された前記第1硬化膜と前記モールドとの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出機構と、
    前記位置ズレ量検出機構により検出された前記位置ズレ量を補正する補正機構と、
    前記第2硬化手段によって前記第2硬化膜を形成する前に、前記位置ズレ量検出機構によって検出された前記位置ズレ量を減少させるように前記補正機構を制御する制御部と、
    を備える、フィルム構造体の製造装置。
  8. 前記転写ロールは、前記第1硬化膜に硬化膜アライメントマークを形成するアライメントマークを有し、
    前記モールドは、モールドアライメントマークを有し、
    前記位置ズレ量検出機構は、前記第1硬化膜に形成された前記硬化膜アライメントマークと前記モールドの前記モールドアライメントマークとの位置ズレ量を検出する、請求項7に記載のフィルム構造体の製造装置。
  9. 前記補正機構は、前記フィルムを挟むように配置されて、前記フィルムの位置を補正する一対の補正ロールを有し、前記一対の補正ロールを回転させるか又は前記一対の補正ロールを移動させることによって、前記位置ズレ量を補正する、請求項7又は8に記載のフィルム構造体の製造装置。
  10. 前記補正機構は、前記位置ズレ量検出機構によって検出された前記位置ズレ量に基づいて、前記モールドの位置を補正するモールド位置補正機構を有する、請求項7から9のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造装置。
  11. 前記仮止め機構は、前記フィルムの走行経路において前記フィルムが直線的に走行する直進部で前記フィルムを仮止めし、
    前記位置ズレ量検出機構は、前記フィルムの前記直進部において前記位置ズレ量を検出する、請求項7から10のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造装置。
  12. 前記仮止め機構は、前記モールドに対向する位置で、前記フィルムの表面を吸着して仮止めする吸着穴を有する、請求項7から11のいずれか一項に記載のフィルム構造体の製造装置。
JP2019092149A 2019-05-15 2019-05-15 フィルム構造体の製造方法および製造装置 Active JP7217440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019092149A JP7217440B2 (ja) 2019-05-15 2019-05-15 フィルム構造体の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019092149A JP7217440B2 (ja) 2019-05-15 2019-05-15 フィルム構造体の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020185728A true JP2020185728A (ja) 2020-11-19
JP7217440B2 JP7217440B2 (ja) 2023-02-03

Family

ID=73222617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019092149A Active JP7217440B2 (ja) 2019-05-15 2019-05-15 フィルム構造体の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7217440B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006352054A (ja) * 2005-05-19 2006-12-28 Lintec Corp 貼付装置
JP2009107193A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Toshiba Mach Co Ltd 転写方法及び転写装置
JP2010105314A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toray Ind Inc 間欠式フィルム成形方法および間欠式フィルム成形装置
JP2011148180A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Konica Minolta Opto Inc 光学素子シートの連続両面形成方法、およびその光学素子シート形成装置
JP2015085659A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法及び製造装置
JP2019025718A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 東芝機械株式会社 パターン転写装置およびパターン転写方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006352054A (ja) * 2005-05-19 2006-12-28 Lintec Corp 貼付装置
JP2009107193A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Toshiba Mach Co Ltd 転写方法及び転写装置
JP2010105314A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toray Ind Inc 間欠式フィルム成形方法および間欠式フィルム成形装置
JP2011148180A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Konica Minolta Opto Inc 光学素子シートの連続両面形成方法、およびその光学素子シート形成装置
JP2015085659A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 凹凸パターンを有する帯状のフィルム部材の製造方法及び製造装置
JP2019025718A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 東芝機械株式会社 パターン転写装置およびパターン転写方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7217440B2 (ja) 2023-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3455676B1 (en) Apparatus for imprinting discrete substrates with a discrete flexible stamp
KR101421396B1 (ko) 몰드 박리 장치
TWI754978B (zh) 微小構造轉印裝置及微小構造轉印方法
CN111674055B (zh) 薄膜构造体的制造方法以及制造装置
JP7217440B2 (ja) フィルム構造体の製造方法および製造装置
KR100894736B1 (ko) 롤가압 및 연속수지도포가 가능한 대면적 임프린트장치
TW201334948A (zh) 壓印設備及壓印方法
JP2010028039A (ja) 印刷装置
JP7386449B2 (ja) フィルム構造体の製造方法及び製造装置
TWI776561B (zh) 奈米壓印用複製模製作裝置
KR101200833B1 (ko) 롤스탬프 제조장치 및 이를 이용한 롤스탬프 제조방법
JP7475646B2 (ja) 微細構造転写装置及び微細構造転写方法
KR101957493B1 (ko) 고세장비의 마이크로 패턴 제조 장치 및 이의 제어 방법
KR101519843B1 (ko) 구동 피드백 신호를 이용한 동기화 오차를 계측 및 보정하는 인쇄 장치 및 방법
KR20190104083A (ko) 임프린팅 장치 및 이를 이용한 임프린팅 방법
KR101721497B1 (ko) 롤스탬프 제조장치 및 이를 이용한 롤스탬프 제조방법
JP2021028973A (ja) 微細構造転写装置及び微細構造転写方法
JP2017183303A (ja) インプリント装置
JPH10291517A (ja) ラベル貼付装置及びラベル貼付方法
JP2010080538A (ja) 多層プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230113

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7217440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151