JP2020185614A - レーザーマーキングされた樹脂製成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
樹脂製成形体の表面へのマーキング方法として、従来から一般的に採用されている方法には、(a)樹脂製成形体の表面に専用の金型を用いて凹凸を付ける方法、(b)樹脂製成形体表面の切削加工により凹凸を付ける方法、(c)樹脂製成形体の表面に直接にインキを用いて所望の形像表示物を印刷する方法、(d)樹脂製成形体の表面にインキ印刷を施した膜状物を貼付する方法などがある。
また、印刷する方法や、膜状物を貼付する方法は、いずれも樹脂製成形体の表面にインキや膜状物といった樹脂製成形体とは異なる材質が存在するために、時間の経過とともにそれが剥離とか褪色の進行などに伴って視認性が悪くなって、マーキング性能が低下するという問題があった。さらに、表面への直接印刷の場合には溶剤が使用されるために、作業環境への影響が懸念されるという問題もあった。
このようなレーザーマーキング方法において、レーザー光線により樹脂製成形体の表面に凸部を付けて形像表示部を認識させるものも知られている。しかしこの方法では、視る方向や角度により視認性に大きなばらつきがあってマーキング性能としては十分でなく、またマーキング表面が平滑な樹脂製成形体を得ることはできない。(特許文献1)
しかしながら、表面を炭化させるマーキング方法では、マーキング部分の表面が粗面化されているので、触れたときにざらつきが感じられて不快感を生じるし、食品用包装材、食器、トレイなどの樹脂製成形体では、粗面化部分に食品残渣などが付着して衛生上の問題を生じる可能性があるという不都合があった。
本発明において、マーキングされた表面が平滑であるとは、マーキングされた部分の樹脂製成形体の表面が平滑であることを言い、異なった表現で言うならばマーキングによって樹脂製成形体の表面の状態にざらつき等の変化がないことをいう。
本発明は、レーザーマーキングによって、マーキング部分の表面が平滑で、鮮明なマーキングが施された樹脂製成形体およびそれを得ることができるレーザーマーキング樹脂製成形体の製造方法を提供するものである。
本発明により、レーザーマーキングによって、マーキング部分の表面が平滑で、鮮明なマーキングが施された樹脂製成形体が提供される。
本発明により、レーザーマーキングによって、マーキング部分の表面が平滑で、鮮明なマーキングが施された樹脂製成形体を得ることができるマーキングされた樹脂製成形体の製造方法が提供される。
本発明のマーキングされた樹脂製成形体の製造方法によって得られた樹脂製成形体は、指触によっても平滑性が感じられ、マーキングが明瞭に視認できるレーザーマーキングが施された樹脂製成形体である。
本発明により得られるレーザーマーキングが施された樹脂製成形体は、特に樹脂製食器もしくは樹脂製トレイに適した樹脂製成形体である。
本発明により、マーキング部分の表面が平滑で、鮮明な黒色着色マーキングが施されたレーザーマーキングされた樹脂製成形体およびその製造方法が提供される。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエーテルスルフォン、フッ素系樹脂などを挙げることができ、熱硬化性樹脂の具体例としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などを挙げることができる。
中でも好ましい樹脂としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォンなどの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化樹脂を挙げることができる。
さらに好ましい樹脂としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン、不飽和ポリエステル樹脂などである。
本発明の特に好ましい樹脂製成形体としては、食器形状またはトレイ形状の樹脂製成形体を挙げることができる。
本発明の樹脂製成形体の例としては、不飽和ポリエステル樹脂製トレイ、特にはガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製トレイが好ましい例である。
本発明の好ましい顔料は、無機顔料、またはこれと他の無機顔料もしくは有機顔料の混合物を含むものである。
無機顔料としては例えば、白色顔料として、亜鉛華(酸化亜鉛)、鉛白、リトポン、酸化チタン、耐湿顔料である沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉など;赤色顔料として鉛丹、弁柄など;黄色顔料として黄鉛(クロムイエロー)、亜鉛黄(ジンククロメート、ジンクイエロー)、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、ストロンチウムクロメート、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエローなど;緑色顔料としてヴィリジアン、酸化クロム緑、クロムグリーン(黄鉛と紺青の混合物)、ピーコック、ビクトリアグリーンなど;青色顔料として群青(ウルトラマリン)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、ターコイズブルーなど;黒色顔料としてカーボンブラック、黒鉛などのカーボン粒子など;金色や銀色に使われるアルミニウム粉等の合成無機顔料など;褐色顔料としてアンバーやシェンナなど;桃色顔料のクロムスズピンク、陶試紅、サーモンピンク等のセラミック顔料など;灰色顔料のジルコングレーなどが挙げられる。その他、白または無色の炭酸カルシウム、無色のカオリン(粘土)等、パール顔料の白色雲母(マイカ)等の天然鉱物顔料などを使用することもできる。
また、有機顔料としては、たとえば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾレーキ顔料系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料などが挙げられる。
また、本発明の顔料の粒径は、特に限定されるものではないが、1〜100μm程度のものが適しており、さらに好ましくは、5〜20μm程度のものであることが望ましい。
なお、顔料の使用を省略して染料のみを用いた場合は、所望の黒色発色を得ることは難しい。
たとえば、JIS Z8102−2001には、「物体色の色名」が規定されている。
顔料の混合は減法混色なので、三原色をシアン(C)、マジェンタ(M)およびイエロー(Y)とし、これにブラック(K)を加えてCMYK値で色を表現することも行われている。
本発明では、商工会議所が作成し発行している「商工会議所 カラーコーディネーションチャート」(CCICカラーコーディネーションチャートということがある。以下、単にCCICということがある。)を用いることとする。なお、CCICカラーコーディネーションチャートは、東京商工会議所発行の「カラーコーディネーター検定試験」公式テキストに添付されているので、そのテキストから入手することも可能である(例えば、同検定試験3級用公式テキスト(第4版)(発行所:東京商工会議所、発行元:(株)中央経済社、第2014年5月20日発行。)。
本発明の樹脂製成形体を有彩色に着色する場合には、前記CCIC簡易版におけるトーン記号がvp(very pale)〜vv(vivid)、またはlg(light grayish)もしくはmg(medium grayish)に分類される色に相当する明るい色から選択することが好ましい。
着色がdp(deep), dk(dark)、vd(very dark) またはdg(dark grayish)などの色調に相当する暗い色に相当する場合には、発色した黒色を視認することが難しくなる傾向にある。
パルスレーザーは、パルス波形を有するレーザー光として取り出されたレーザーである。レーザー発信装置には元々パルスレーザーとしてレーザーを発振するものと、連続波形を有する連続レーザーを発振するものがあるが、連続波形を有する連続レーザーは、パルス波形に変換してパルスレーザーとして取り出して、パルスレーザーとして使用することができる。連続波形をパルス波形に変換するのには、通常Qスイッチ方式が用いられている。パルス波形への変換方法としては、そのほかに直接変調法、モード同期(モードロック)法などが知られている。
固体レーザーとしては、波長400nm以上2,000nm以下の、可視光域から近赤外光域の光を発振できるものが用いられる。
図1では、レーザー発振装置1の両端にはフロントミラー2及びリアミラー3が設置されており、フロントミラー2及びリアミラー3の間でレーザー光が増幅される。発振装置とミラーの間には、Qスイッチ4及び5が設けられていて、パルス化したレーザー光として照射レーザー光のエネルギー量を高めて取り出すことができるように設計されている。6は励起ランプである。
図2中、アイソレーター(isolator)13は、レーザー媒質から誘導放射されたレーザー光や励起用レーザー光の伝播を一方向にのみ許可する光学素子である。
ガルバノメータースキャナー22は、レーザー用の光学系で1個以上のミラーを使用しレーザー光を走査(スキャン)させるための装置である。図3では、ガルバノメーターミラー(Y方向)とガルバノメーターミラー(X方向)の2枚のミラーから構成されている。これらのミラーはモーター23で動かされるもので、その動作はコンピューター24を使って制御することにより、コンピューターを通じて送られる信号(例えばCADからの信号)に従ってレーザー照射による加工をすることができる。ガルバノメーターミラー系を採用することにより、被照射物の位置を変更させることなく、レーザー照射による加工を行うことができる。
よって、パルスレーザーにおいて、周波数の高いほど各パルスのパルスエネルギーは低くなる。
また、パルスには幅(パルス幅:秒)があるので、パルスを図4の(q)のように表示するとわかり易いが、各パルスの面積がパルスエネルギーに相当し、パルス幅が狭いパルスほどエネルギー強度(ピーク強度)が高くなる。
本発明のパルスレーザーのパルス幅は、1〜100ns、好ましくは4〜65ns程度のものが好ましい。
パルスレーザー照射装置に、レーザー照射出力割合を変更設定できる機能を備えているものも市販されている。このような装置を用いた場合には、所望の出力割合に設定してレーザー照射を行うことができる。
例えばパルスレーザー照射出力25Wのレーザー照射装置を用いて、出力20%〜100%の範囲で可変であるとすると、5〜25Wの範囲でレーザー照射を行うことができることになる。
一定のレーザー照射出力で、パルス周波数を増すに従って、照射面の単位時間当たりのレーザー照射量は変化しないが、各パルスのエネルギー強度が減少することになる。
本発明のレーザー照射によるレーザーマーキングには、このレーザースキャンニングのスキャン速度も影響してくる。レーザースキャン速度が低いほど、所定の点におけるレーザー照射時間が長くなり、反対にスキャン速度が高くなるに従ってその点におけるレーザー照射時間が短くなることになる。
レーザースキャニングは、例えばスキャン速度を12,000mm/s以下で行うことができるが、通常は500〜5,000mm/s、好ましくは1,000〜3,000mm/s程度の速度で行うのが望ましい。
黒色の発色度は、視認できるか否かで判定することができる。この場合、視認による黒色の濃さに応じて黒色度の判定をすることもできる。
図5のカラーチャートの下側に表示されているのは明度記号である。また、同チャートの上側の英文字は色調の略号であって、それぞれWtはWhiteを、lGはlight Grayを、pGはpale Grayを、mGはmedium Grayを、dGはdark Grayを、BkはBlackを表している。
本発明のレーザーマーキングでは、図5のCCICカラーコーディネーションチャートにおける明度記号60以下の黒色発色が可能であり、さらに好ましくは、明度記号40以下の黒色発色が可能である。
なお、パルスレーザーのパルス周波数は、個々のパルスエネルギーに影響する、すなわち、周波数が高いほど個々のパルス波のパルスエネルギーは小さくなる。したがって、パルス周波数も、黒色発色およびざらつきの発生に影響する。具体的には、パルス周波数は、50kHz以下、すなわち1〜50kHz、好ましくは1〜30kHzの条件でレーザー照射することが望ましい。
なお、樹脂製成形体によっては、これらパルスレーザー照射条件の範囲外で良好な結果を示すことがあるので、その場合にはこれらの条件を参考にして、レーザー照射条件を微修正すればよい。
すなわち、予め予備レーザーマーキングテストを行い、その結果に基づいて定めた条件でレーザーマーキングする本発明のレーザーマーキングされた樹脂製成形体の製造方法は、本発明の好ましい態様である。
すなわち、レーザーで黒色マーキングされており、マーキング部の表面が平滑であって、発色した黒色がCCICカラーコーディネーションチャートの無彩色チャートで、明度記号40以下に相当すると認められる黒色であるレーザーマーキングされた樹脂製成形体は、本発明の好ましい態様である。
本実施例におけるマーキング状態の評価は下記の方法及び判定基準によって行った。
(1)発色
マーキングの発色程度を目視で観察し、CCICカラーコーディネーションチャートの無彩色チャートの明度記号を参照して以下の基準で判定した。
(a)〇:黒色発色が明確に視認できる黒色度であった。(前記明度記号60以下に相当すると認められる黒色度)
(b)△:黒色発色が視認できるが薄いと感じられる黒色度であった。(前記明度記号70程度に相当すると認められる黒色度)
(c)×:視認できても極めて薄い黒色度であるか、視認が困難であった。(前記明度記号80程度に相当すると認められる黒色度)
(d)−:視認できなかった。(前記明度記号90以上に相当すると認められる黒色度)
マーキングされた表面のざらつきは、マーキングされた樹脂製成形体の表面を人差し指の指腹で触診して、全くざらつきを感じなかったときを「〇:ざらつきなし」と判断し、少しでもざらつきを感じたときを「×:ざらつきあり」と評価した。
樹脂製成形体の作製
(1)樹脂成分
使用した樹脂は、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂(BASF社製、E2010で、樹脂100重量部あたりの重量部で表して下記割合で配合されており、樹脂はアイボリー色(CCICカラーコーディネーションチャートのvp−Y1に相当する色)を呈していた。
(a)C.I.ピグメントホワイト6 チタニア 2重量部
(b)C.I.ピグメントイエロー53 ニッケルチタンイエロー(チタンニッケルアンチモン黄) 0.1重量部
(c)C.I.ピグメントブラウン24 クロムチタンイエロー(チタンアンチモンクロムイエロー) 0.1重量部
PES樹脂を、射出成形によって楕円形状の食器に、その形状に合わせた蓋を成形した。
成形された樹脂製食器の身(本体)及び蓋のサイズは以下のとおりであった。
身:180mm(長径)×119mm(短径)×40mm(高さ)、容量460ml
蓋:182mm(長径)×122mm(短径)×30mm(高さ)
前記で成形した蓋の上正面に、レーザー照射機を用いて、下記の照射条件で模様をマーキングした。用いたレーザー照射機は、YVO4レーザーとファイバーレーザーの技術を組み合わせたハイブリッドレーザーマーカー(株式会社キーエンス社製、MD−X1520)を用いた。同レーザーマーカーはレーザー出力が25Wで、パルス幅4〜65nsの短パルス幅のパルスレーザーを用い、オートフォーカス機能を用いてレーザー照射を行った。用いたレーザー照射機は、パルス周波数の選択及びデフォーカス調整が可能なレーザー照射機であるので、パルス周波数及びデフォーカス値を下記の設定とした。
・照射出力:照射機出力(25W)の18%
・パルスレーザー周波数:10kHz
・レーザー照射のデフォーカス値:−20mm
・レーザー光のスキャン速度:2,000mm/s
前記レーザー照射条件によって、幅約0.1〜0.5mmの曲線によって模様を描いたところ、黒色着色した曲線模様をマーキングすることができた。マーキングされた曲線模様は、視認可能であって、マーキング表面は滑らかであった。
また描いた模様中の円形は直径5mmを越えるものであって、本発明によって黒色発色が可能であることがわかった。
本実施例によって曲線模様がレーザーマーキングされたPES樹脂製食器蓋体の図を、図6に示した。図6には、表面に黒色発色でレーザーマーキングされた曲線模様が鮮明に表されている様子が示されている。
マーキングされた曲線模様の黒色度は、CCICカラーコーディネーションチャートの明度記号で40に相当する黒色であった。
図7は、マーキングされたPES樹脂製食器蓋の斜視図であり、図8は、図7に示された食器蓋にレーザーマーキングされた曲線模様の部分拡大図である。
サイズが縦325mm、横235mmおよび高さ18mmの白色に着色したガラス繊維強化不飽和ポリエステル製のトレイ(酸化チタン 10重量%、ガラス繊維 25重量%含有)を用い、実施例1で使用したのと同じレーザー照射機を用いて、下記条件でレーザー照射を行った。
・照射出力:照射機出力(25W)の40%
・パルスレーザー周波数:10kHz
・レーザー照射のデフォーカス値:−20mm
・レーザー光のスキャン速度:1,000mm/s
レーザー照射の結果、太字文字が鮮明な黒色発色しており、黒色発色が明確に視認できる黒色度であった(判定基準で「〇」)。前記明度記号40以下に相当すると認められる黒色度であった。また、レーザーマーキングの表面は、人差し指の指腹で触診して、全くざらつきを感じなかった(判定基準で「〇」)。
1.レーザー照射の予備試験
(1)試験方法
顔料として酸化チタンを含む複数の顔料が配合されていると推定され、黄色(CCICカラーコーディネーションチャートのpl−Y2に相当する色)に着色されたガラス繊維強化不飽和ポリエステル製のトレイ(サイズ:縦325mm、横235mm、高さ18mm)(三信化工株式会社製、商品名「エスタートレイ」(FYE)を用いてレーザー照射の予備試験を行った。
レーザー照射には、実施例1と同様YVO4レーザーとファイバーレーザーの技術を組み合わせたハイブリッドレーザーマーカー(株式会社キーエンス社製、MD−X1520)を用いた。同レーザーマーカーはレーザー出力が25Wで、短パルス幅のパルス出力が可能で、パリス周波数の選択が可能で、オートフォーカス機能を有し、レーザー光のスキャン速度の調整もでき、デフォーカス調整も可能なレーザー照射機である。
前記試験用トレイに対して、下記の項目について条件を変えて、太文字英文字のマーキングを行った。
条件を変更した項目は下記のとおりであり、選択した条件はそれぞれの項目に記載したとおりである。
(1)レーザー照射出力(25Wに対して)
(a)100%、(b)80%、(c)60%、(d)40%、(e)20%
(2)パルス幅
4〜65nsの短パルス幅のパルスレーザー
(3)パルス周波数(単位:kHz)
(a)5、(b)10、(c)30、(d)50、(e)100
(4)デフォーカス値
(a)0、(b)−10mm、(c)−20mm
固定貢献項目
レーザー光のスキャン速度は、1,000mm/sとした。
前記樹脂製トレイの予備試験結果を下記表1に示した。
表1に表示された発色評価における〇印、△印及び×印のマーキング例を図9に示した。
図9には、本発明によって黒色発色した例が示されている。図9の(a)は黒色発色が鮮明に認められる例で表1では〇印の評価である。図9の(b)も黒色発色が認められる例であって(a)の黒色度と比較するとやや薄くなっているが、表1では〇印の評価である。
図9の(c)は、黒色発色が認められるが黒色度については薄いと認識される例であって表1では△印の評価である。同図の(d)は黒色度が辛うじて視認できる程度の極めて弱い発色の例であり、表1では×印の評価である。
(A)レーザー出力:100%、パルス周波数:5kHz、デフォーカス値:−20mm
(B)レーザー出力:80%、パルス周波数:10kHz、デフォーカス値:−20mm
(C)レーザー出力:60%、パルス周波数:10kHz、デフォーカス値:−20mm
(D)レーザー出力:40%、パルス周波数:10kHz、デフォーカス値:―10mmまたは−20mm
(E)レーザー出力:40%、パルス周波数:30kHz、デフォーカス値:―10mmまたは−20mm
レーザー照射の予備試験に用いたガラス繊維強化不飽和ポリエステル製のトレイ(サイズ:縦325mm、横235mm、高さ18mm)(三信化工株式会社製、商品名「エスタートレイ」(FYE)の表面中央部に、予備試験結果が良好であった前記(C)の条件を適用してレーザーマーキングを行った。
その結果、発色が明確に視認できる黒色度で、マーキング表面が平滑はレーザー印字を施すことができた。
レーザーマーキングの結果を図10に示した。
2 フロントミラー
3 リアミラー
4、5 Qスイッチ
6 励起ランプ
7 プリアンプ
8 メインアンプ
9 希土類ドープファイバー
10 励起LD
11 シードLD
12 パルスジェネレーター
13 アイソレーター
14 出力ファイバー
15 コリメーター
20 レーザー光
21 レーザー光発振装置
22 ガルバノメータースキャナー
23 モーター
24 コンピューター
25 fθレンズ
26 樹脂製成形体
Claims (6)
- レーザーで黒色にマーキングされており、マーキングされた部分の表面が平滑であって、熱硬化性樹脂製またはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートおよびポリエーテルスルフォンから選ばれた熱可塑性樹脂製であるレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
- 前記黒色が、CCICカラーコーディネーションチャートで、明度記号60以下に相当する黒色であることを特徴とする請求項1に記載のレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
- 前記樹脂製成形体が、樹脂製食器もしくは樹脂製トレイである請求項1または2に記載のレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
- 前記樹脂製成形体がポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォンから選ばれた熱可塑性樹脂製の樹脂製食器である請求項1〜3のいずれかに記載のレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
- 前記樹脂製成形体が、不飽和ポリエステル樹脂製のトレイである請求項1〜3のいずれかに記載のレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
- 前記樹脂製成形体が、繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製トレイである請求項5に記載のレーザーマーキングされた樹脂製成形体。
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