以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態では、商品登録装置と決済装置とを分離し、商品登録装置については店員が操作し、決済装置については買物客が操作するセミセルフ方式のチェックアウトシステム(商品登録処理システム)を例にして説明する。決済装置は、現金支払いに対する決済機能と、クレジットカードまたは電子マネーカードを用いた非現金支払いに対する決済機能とを有する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム10の斜視図である。チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の商品登録装置11、少なくとも1台の決済装置12、及びサーバ13(図2に示す)とを含む。図1においては、2台の商品登録装置11と4台の決済装置12とを含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11及び決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意であり、商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。商品登録装置11及び決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる店舗の店員21により操作される。決済装置12は、店舗で販売される商品を購入する買物客22により操作される。ただし、決済装置12は、店員21による操作を妨げるものではない。また、商品登録装置11において、店員21の操作によって決済処理をすることもできる。
商品登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路が形成される。
商品登録装置11は、買上商品の登録処理、決済情報の生成、決済処理に使用される支払い方法の選択処理、複数の代金支払い方法のそれぞれに対応する特典に関する情報の生成、ならびに決済情報と特典に関する情報の決済装置12へ送信する各機能を備える。登録処理は、買物客22が購入する商品を買上商品として登録する処理である。決済情報は、決済処理に必要となる情報である。決済情報は、登録処理によって登録された買上商品毎の個数及び金額と、各買上商品の合計個数及び合計金額とを含む。
決済装置12は、商品登録装置11から決済情報を受信した場合に、買物客の操作に応じて選択された支払い方法を用いて決済情報に基づいて決済処理を行う。決済処理は、買上商品の販売に係る取引を決済するための処理である。
図2は商品登録装置11(11−1、…、11−m)及び決済装置12(12−1、…、12−n)の構成を示すブロック図である。商品登録装置11及び決済装置12は、何れもネットワークであるLAN(local area network)14に接続されている。ネットワークは、LAN14に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いることもできる。あるいは商品登録装置11と決済装置12との間でサーバ13を介して通信する構成としてもよい。
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、2つのタッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダ11i1、カードリーダライタ11i2、通信ユニット11j及び伝送システム11kを含む。
CPU11a、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dは、伝送システム11kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、例えば、ROM11b、RAM11cあるいは補助記憶ユニット11dに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
CPU11aにより実行されるプログラムには、サーバ13から会員登録された買物客の情報(買物客情報)を受信する処理、スキャナ11fを通じて商品の販売に係る情報(商品コード等)を取得し、商品の情報を登録商品データに追加する処理、商品コードをもとに登録商品データに登録された商品の情報に応じた決済処理に用いられる決済情報を生成する処理、決済に使用する代金支払い方法を、複数の代金支払い方法から買物客の操作によって選択させるための画面を表示させる処理、複数の代金支払い方法のそれぞれについて、決済に使用した場合に買物客に付与される特典に関する情報を算出して表示させる処理、決済情報をサーバ13あるいは決済装置12に送信する処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。支払い方法には、例えば現金、クレジットカード、電子マネーカードなどがある。その他の支払い方法を使用可能とすることもできる。
ROM11bは、コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、ミドルウェアまたはアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット11dは、コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で、商品登録装置11が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された商品登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。 スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
2つのタッチパネル11g1、11g2のうち、一方のタッチパネル11g1は店員用であり、他方のタッチパネル11g2は買物客用である。タッチパネル11g1、11g2は、何れも表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、表示画面に任意の画面を表示する。表示デバイスは、例えばカラーLCD等を含む。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。
店員用のタッチパネル11g1は、表示画面が店員21の作業スペース側を向くように設けられる。客用のタッチパネル11g2は、表示画面が買物客22用の通路側を向くように設けられる。
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシートを発行する。プリンタ11hは、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどを含む。
カードリーダ11i1は、クレジットカードに記録されたデータを読み取る機能を有する。カードリーダ11i1は、接触型ICカードまたは磁気カードであるクレジットカードの情報を読み取る。なお、カードリーダ11i1は、クレジットカードへデータを書き込む機能を有してもよい。カードリーダ11i1は、カード挿入口を有し、このカード挿入口に挿入されたクレジットカードから、クレジット決済に必要なデータを読み取る。
カードリーダライタ11i2は、電子マネーカードに記録されたデータを読み取る機能と、電子マネーカードへデータを書き込む機能とを有する。カードリーダライタ11i2は、例えば、非接触型ICカードの電子マネーカードに対し、データを読み書きする。リーダライタ11i2は、アンテナ部を有する。このアンテナ部に電子マネーカードが翳されると、カードリーダライタ11i2は、電子マネーカードのICチップに記録された電子マネーの残高データを読み取る。またカードリーダライタ11i2は、電子マネーカードのICチップに電子マネーの残高データを書き込む。
通信ユニット11jは、LAN14を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の商品登録装置11及びサーバ13と、LAN14を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g1、11g2、プリンタ11h、カードリーダ11i1、カードリーダライタ11i2及び通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダ12i1、カードリーダライタ12i2、通信ユニット12j及び伝送システム12kを含む。
CPU12a、ROM12b、RAM12c及び補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU12aは、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU12aは、ROM12b及びRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
CPU12aにより実行されるプログラムには、決済処理に用いられる決済情報を受信する処理、支払い方法に応じた特典に関する情報の受信、支払い方法に応じた操作画面を表示する処理、操作画面に対応する入力に応じて決済情報をもとにした決済処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。
ROM12bは、コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12bは、オペレーティングシステムを記憶する。ROM12bは、ミドルウェアまたはアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12bは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM12cは、コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット12dは、コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット12dは、CPU12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU12aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット12dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で、決済装置12が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
自動釣銭機12eは、硬貨及び紙幣の投入口を備え、この投入口から投入された硬貨及び紙幣を受け取る。自動釣銭機12eは、投入された硬貨及び紙幣の金種を識別し、金種別に投入枚数を計数する。さらに自動釣銭機12eは、硬貨及び紙幣の払出口を備え、払出口に釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
タッチパネル12gは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、その画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU12aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ12hは、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタとしては、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどを利用できる。
カードリーダ12i1は、クレジットカードに記録されたデータを読み取る機能を有する。カードリーダ11i1は、接触型ICカードまたは磁気カードであるクレジットカードの情報を読み取る。なお、カードリーダ12i1は、クレジットカードへデータを書き込む機能を有してもよい。カードリーダ12i1は、カード挿入口を有し、カード挿入口に挿入されたクレジットカードから、クレジット決済に必要なデータを読み取る。
カードリーダライタ12i2は、電子マネーカードに記録されたデータを読み取る機能と、電子マネーカードへデータを書き込む機能とを有する。カードリーダライタ12i2は、例えば、非接触型ICカードの電子マネーカードに対し、データを読み書きする。リーダライタ12i2は、アンテナ部を有する。このアンテナ部に電子マネーカードが翳されると、カードリーダライタ12i2は、電子マネーカードのICチップに記録された電子マネーの残高データを読み取る。またカードリーダライタ11i2は、電子マネーカードのICチップに電子マネーの残高データを書き込む。
通信ユニット12jは、LAN14を介して接続される複数の商品登録装置11とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の決済装置12及びサーバ13と、LAN14を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム12kは、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダ12i1、カードリーダライタ12i2及び通信ユニット12jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム12kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフPOS端末を利用することが可能である。
図3は、サーバ13が記憶する商品データベースのデータ13aの一例である。商品データベース13aは、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報を記憶する。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表される商品コードが付されている。商品名及び単価は、同一レコードの商品コードによって決定される商品の名称及び1点当たりの価格である。個数及び金額は、同一レコードの商品コードによって決定される商品の販売データ、すなわち販売個数とその個数分の販売金額である。
商品情報は、一商品に対する値引き額や割引率の設定情報を含む。値引き額は、商品単価から値引く金額を定めたものである。割引率は、商品の単価から割り引く割合を定めたものである。また、割引額は、割引率に基づいて商品単価から引かれる金額を算出したものとする。
商品情報は、決済処理に使用される支払い方法に応じて与えられる特典に関する情報(特典情報)30を含む。図3の特典情報30は、例えば、支払い方法が電子マネーカードである場合に、対象の商品を購入する買い物客に対し付与するポイントを設定する。たとえば、図3では、ミネラルウオータが電子マネーカードで購入される場合に、1本当たり2ポイントが付与される。
サーバ13は、商品登録装置11または決済装置12から商品コードに対応する商品情報について問い合わせを受信すると、商品データベースから、問い合わせの対象とする商品コードに関連付けられた商品情報を読み出す。サーバ13は、LAN14を介して商品情報を、問い合わせ元の商品登録装置11または決済装置12に通知する。商品登録装置11または決済装置12(CPU11a、12a)は、サーバ13から通知された商品情報を基に、取得した商品コードに係るレコードを生成し、登録商品データとしてデータメモリ領域31に格納する。
図4は、商品登録装置11と決済装置12のRAM11c、12cにそれぞれ設けられるデータメモリ領域31、32、33に記憶されるデータの一例を示す図である。商品登録装置11のRAM11cには、データメモリ領域31a、32a、33aが設けられ、決済装置12のRAM12cには、データメモリ領域31b、32b、33bが設けられる。
図4(A)のデータメモリ領域31(31a、31b)は、一取引の決済情報に含まれる登録商品データを記憶するための領域であり、登録商品データは、例えば商品コード、商品名、単価、個数及び金額の各データからなるレコードが複数記憶する。また、登録商品データは、商品データベース13aに登録された商品情報に応じて、値引き額、割引額または付与される特典を記憶する。図4において、値引き額は、図3の商品データベース13aで設定された値引き額に対し、商品の個数を掛けて算出される。割引額は、商品データベース13aで設定された割引率に対し、商品単価および商品の個数を掛けて、商品単価から引かれる金額を算出したものである。特典は、商品データベース13aで設定された特典に対し、商品の個数を掛けて算出された値である。なお、図4の例では、特典は、支払い方法として電子マネーカードが選択された場合に付与される。
図4(B)のデータメモリ領域32(32a、32b)は、決済情報に含まれる合計個数と合計金額とを記憶するための領域である。合計個数は、データメモリ領域31に記憶された各レコードの個数の合計を示す。合計金額は、データメモリ領域31に記憶された各レコードの金額の合計を示す。
図4(C)のデータメモリ領域33(33a、33b)は、特典に関する情報(特典情報)を記憶するための領域であり、支払い方法の種類(支払い種別)毎に設定された選択フラグF1、F2、F3と、それぞれの支払い方法を決済処理に用いた場合に買物客に対して与えられる特典に関する情報を記憶する領域である。データメモリ領域33に記憶された選択フラグF1、F2、F3は、対応する支払い方法が選択されていない状態では「0」にリセットされる。選択フラグF1は、支払い方法として現金支払いが選択された場合に「1」にセットされる。選択フラグF2は、支払い方法としてクレジット支払いが選択され場合に「1」にセットされる。選択フラグF3は、支払い方法として電子マネーが選択された場合に「1」にセットされる。
特典に関する情報(特典情報)は、例えば商品登録装置11において、登録商品データに記憶された決済の対象とする全ての商品を含む決済情報に基づいて、複数の代金支払い方法のそれぞれについて生成される。すなわち、特典情報は、一取引の合計金額に基づいて、利用可能な支払い方法に対応する値引き額、割引額、あるいは付与されるポイントが算出される。また、特典情報は、商品データベース13aで個別に商品に設定された支払い方法に関連する特典を含む。本実施の形態では、一例として、特典情報は、対象の商品が購入された場合に、買物客に付与されるポイントを示す。
また、商品登録装置11は、決済の対象とする全ての商品を含む決済情報に基づいて特典を算出するだけでなく、1つの商品の商品コードを取得し、商品の情報を登録商品データに追加する毎に、複数の代金支払い方法のそれぞれに対応する特典を算出して、特典に関する情報を更新することもできる。商品登録装置11は、決済処理がされる前に、複数の代金支払い方法のそれぞれに対応する特典を表示させ、決済情報に対する決済に使用する代金支払い方法を買物客が選択する際の参考にさせることができる。なお、商品登録装置11は、複数の代金支払い方法のそれぞれに対応する特典の情報を決済情報と共に決済装置12に送信する。決済装置12は、商品登録装置11から受信した特典の情報をデータメモリ領域33bに記憶させ、タッチパネル12gに表示させることができる。
図5は、決済装置12の外観を正面上方から見た斜視図である。図5に示すように、決済装置12の筐体上部には、タッチパネル12gが正面に向けて設けられている。タッチパネル12gの下部には、クレジットカード用のカードリーダ12i1、電子マネーカード用のカードリーダライタ12i2、レシート排出口12h1が設けられている。カードリーダ12i1には、クレジットカード挿抜可能なカード挿入口が設けられている。カードリーダ12i1は、カード挿入口から挿入されたクレジットカードからデータを読み取る。カードリーダライタ12i2は、非接触型ICカードで構成されている電子マネーカードが近接されることにより、電子マネーカードとの間でデータを読み書きする。レシート排出口12h1は、プリンタ12hにより印刷されたレシートを排出する。
また、図5に示すように、決済装置12の筐体下部には、自動釣銭機12eに入金する硬貨の投入口(硬貨投入口)12e1を設けている。硬貨投入口12e1の下部には、さらに硬貨投入口12e1が設けられた奥側から手前側に向けて、硬貨排出皿12e3及びリジェクト皿12e4と、紙幣投入口12e2及び紙幣排出口12e5とを順に階段状に設けている。すなわち、硬貨投入口12e1が設けられている面が上段、硬貨排出皿12e3及びリジェクト皿12e4が設けられている面が中段、紙幣投入口12e2及び紙幣排出口12e5が設けられている面が下段である。このように各種の投入口や排出口(排出皿)を階段状に配設することにより、奥側から手前にかけて全ての投入口や排出口(排出皿)を見渡すことができるようになっている。
硬貨排出皿12e3は、自動釣銭機12eから排出された硬貨を受ける受け皿である。リジェクト皿12e4は、変形硬貨、外国銭、偽貨等の自動釣銭機12e内に収容すべきではない硬貨(リジェクト硬貨)を受ける受け皿である。図5に示すように、硬貨排出皿12e3は、硬貨投入口12e1が設けられた決済端末12の幅方向端部とは反対側端部に設けられている。このように硬貨投入口12e1と硬貨排出皿12e3とは、高さ方向と幅方向と奥行き方向においてそれぞれずらして設けられているので、硬貨排出皿12e3に対する視認性、操作性が良好なものとなっている。なお、リジェクト皿12e4は、硬貨投入口12e1の下方位置において硬貨排出皿12e3に並べられて設けられている。紙幣投入口12e2は、自動釣銭機12eに入金する紙幣の投入口である。紙幣排出口12e5は、自動釣銭機12eから排出される紙幣の排出口である。また、決済装置12の筐体左側には、購入対象とする商品等を載置するための台12jが設けられている。
次に、第1実施形態におけるチェックアウトシステム10の動作について説明する。図6は、第1実施形態における商品登録装置11(CPU11a)の制御処理のフローチャートである。図7は、第1実施形態における支払種別のデータファイル13bの一例を示す。図8、図9、及び図10は、商品登録装置11の買物客用のタッチパネル11g2に表示される画面の一例を示す図である。図11は、第1実施形態における決済装置12(CPU12a)の制御処理のフローチャートである。図12、図13、及び図14は、決済装置12のタッチパネル12gに表示される画面の一例を示す図である。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
はじめに、商品登録装置11の動作について説明する。まず、買物客が購入しようとする全ての商品について登録商品データに追加された後に、支払い方法に応じた特典を計算する例について説明する(図6に示すAct15、Act16を実行しない)。
CPU11aは、制御処理を開始すると、RAM11cのデータメモリ領域31、32、33をクリアする(Act1)。また、CPU11aは、店員用のタッチパネル11g1に登録画面及び登録操作画面を表示させる(Act2)。登録画面は、買物客による購入対象として登録された商品の情報などを表示するためのもので、登録処理の実施状況を店員に確認させるための画面である。登録操作画面は、店員が商品を指定するための商品ボタン及び小計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示するための画面である。
CPU11aは、登録画面及び登録操作画面を表示させた状態において、タッチパネル11g1の画面中に表示された小計ボタンへのタッチ操作、及びスキャナ11fを通じて商品コードが取得されるのを待ち受ける。
店員による操作によりスキャナ11fから商品に付された商品コードが読み取られたことを検出すると(Act4、Yes)、CPU11aは、商品コードに対応する商品の情報を登録商品データに追加(更新)する(Act5)。また、CPU11aは、更新後の登録商品データの内容に応じて登録画面の商品の情報を更新する。その後、CPU11aは、前述したように、店員がスキャナ11fにより商品コードを読み取らせる操作がされる毎に、取得された商品コードに応じた商品の情報を、順次、登録商品データに追加する(Act4、Act5)(Act15、Act16については後述する)。
こうして、少なくとも1つの商品が登録された後、CPU11aは、小計ボタンへのタッチ操作を検出した場合(Act3、Yes)、登録商品データに登録された内容に基づいて、登録商品データに登録された商品に関する決済処理のための決済情報を生成する(Act6)。決済情報は、データメモリ領域31aに記憶される購入対象とする全ての商品を含む登録商品データ及びデータメモリ領域32aに記憶される買上商品の合計個数及び合計金額などの情報を含む。
CPU11aは、決済情報をもとに、決済処理において使用可能な複数の支払い方法のそれぞれについて、決済に使用した場合に買物客に付与される特典を計算する(Act7)。CPU11aは、制御プログラムに従い、支払い方法(現金、クレジットカード、電子マネー等)のそれぞれについて予め決められた計算方法に基づいて特典を計算する。例えば、クレジットカードについて、合計金額をもとにポイントを計算することが設定されている場合、CPU11aは、クレジットカードに対する特典として、データメモリ領域32aに記憶された合計金額をもとにポイントを計算する。
図7に示すように、支払種別のデータファイル13bには、支払い方法(支払い種別)それぞれについて適用される特典が設定される。データファイル13bは、例えば、サーバ13に記憶され、サーバ13において設定および設定の変更等が行われる。商品登録装置11は、サーバ13からデータファイル13bを取得し、RAM11cあるいは補助記憶ユニット11dに記憶する。または、決済装置12は、サーバ13からデータファイル13bを取得し、RAM12cあるいは補助記憶ユニット12dに記憶する。
データファイル13bは、例えば、支払い方法(現金、クレジットカード、電子マネーカード)のそれぞれに対応して特典を設定する。特典としては、例えば値引き額、割引、あるいはポイントが設定される。図7では、支払い方法がクレジットカードである場合には、ポイントの付与率が0.2%としてポイントが算出されることを示す。また、支払い方法が電子マネーカードである場合には、ポイントの付与率が0.3%としてポイントが算出されることを示す。また、支払い方法が現金である場合には、ポイントが付与されないことを示す。例えば、合計金額が3144円である場合、CPU11aは、「現金」、「クレジットカード」、「電子マネー」それぞれの支払い方法の付与率に基づいて、付与ポイントを「0ポイント(0P)」、「6ポイント(6P)」、「9ポイント(9P)」と算出する。
また、データファイル13bの割引率が設定されている場合、CPU11aは、割引率とデータメモリ領域32aに記憶された合計金額をもとに割引額を算出する。また、データファイル13bの値引き額に所定の金額が設定されている場合には、CPU11aは、設定された金額をデータメモリ領域32aに記憶された合計金額から引く。データファイル13bの内容が変更されることで、ポイントの付与率や割引など支払い方法に対応する特典がそれぞれ設定される。なお、上記特典は、1つの支払い方法に対し複数設定してもよい。
また、データファイル13bに特典の計算方法(値引き額、割引率、ポイント算出条件など)としてさらに条件を定めてもよい。例えば、商品を販売する日付に応じて特典の値を変更してもよい。例えば、「20日、30日」については「5%割引き」、「5のつく日」は、ポイント2倍などにすることができる。さらに、特定の会員(例えば、指定範囲の年齢の会員、当日が誕生日の会員など)である場合に、通常とは異なる特典が付与されるようにしても良い。この場合、クレジットあるいは電子マネーから会員を識別するデータを読み取る、あるいは現金支払いの際に予め会員カードが読み取ることができた場合に適用する。
また、CPU11aは、登録商品データに基づき、決済情報に含まれる個別の商品に設定された特典の値を抽出する。本実施の形態では、図4(A)に示すように、個別の商品に設定された特典は、支払い方法が電子マネーカードである場合に適用される。図4(A)の例では、ミネラルウオータを6個、電子マネーカードで購入する場合に、特典としてポイントが「6ポイント(6P)」抽出される。特典の対象とする商品は、例えば予め決められていても良いし、例えばサーバ13から任意のタイミングで通知されるようにしても良い。サーバ13から通知する場合には、例えばサーバ13の管理者の操作によって、対象商品の指定、特典の内容(計算方法)が指定されるものとする。
CPU11aは、支払い方法それぞれについて、合計金額から算出された特典情報と、個別の商品関連づけられた特典情報とから、一取引全体に対応する特典の合計を算出する。
なお、特典の内容については、一例であって、他の特典を付与するようにしても良い。例えばクレジットカードに複数の種類がある場合に、特定のクレジットカードについてのみ特典を付与することもできる。また、クレジットカードと電子マネーカードとで付与される特典の種類が異なる形態であってもよい。例えば、クレジットカードを利用した場合には、クレジットカード用のポイントが付与され、電子マネーカードを利用する場合には、電子マネーカード用のポイントが付与されるなど、様々な形態が利用可能である。
続いて、CPU11aは、店員用のタッチパネル11g1に、商品登録装置11において締め操作をして決済処理を指示するための会計ボタンと、決済情報の送信先とする決済装置12を選択するための決済装置指定ボタンを含む転送先選択画面を表示させる(Act8)。店員は、転送先選択画面から何れかの決済装置指定ボタンをタッチすることで、買物客によって決済処理を実行させる決済装置12を指定することができる。
また、CPU11aは、登録商品データ及び登録された商品の合計個数及び合計金額などの小計情報を含む支払い方法選択画面をタッチパネル11g2に表示させる(Act9)。図8は、タッチパネル11g2に表示される第1実施形態の支払い方法選択画面SC1の一例を示す図である。支払い方法選択画面SC1には、例えば購入対象とする商品の一覧を表示する商品表示エリアR1、合計個数及び合計金額を表示する合計表示エリアR2、支払い方法を選択するためのボタンが表示された選択ボタンエリアR3が設けられている。選択ボタンエリアR3には、支払い方法として、クレジット、電子マネー、現金のそれぞれに対応する選択ボタンB1、B2、B3が表示されている。CPU11aは、図8に示すように、選択ボタンB1、B2、B3のそれぞれと対応づけて、特典計算において求められた支払い方法に応じた特典の内容を表示させる。図8では、例えばクレジットが支払い方法として選択された場合には「6ポイント(6P)」、電子マネーが支払い方法として選択された場合には「15ポイント(15P)」が付与されることが表示されている。また、「現金」が支払い方法として選択された場合には、特典がないことが表示されている。
こうして、支払い方法選択画面SC1において複数の支払い方法に対応する特典の内容が表示されるため、買物客は、決済処理に用いる支払い方法を選択する前に特典の内容を把握することができ、希望する特典が得られる支払い方法を選択することができる。
なお、図8では、商品表示エリアR1を設けているが、購入対象とする商品が多い場合には全ての商品を一覧表示できないため、商品表示エリアR1を省略しても良い。
CPU11aは、選択ボタンエリアR3に表示されたボタンB1〜B3の何れかがタッチされると、支払い方法が選択されたと判別する(Act10、Yes)。CPU11aは、支払い方法の選択に応じて、データメモリ領域33aに記憶される選択フラグF1〜F3を更新する(Act11)。すなわち、CPU11aは、データメモリ領域33aに記憶される選択フラグF1〜F3のうち、選択された支払い方法に対応した選択フラグF1、F2またはF3を「1」にセットする。また、CPU11aは、選択された支払い方法以外に対応する選択フラグF1、F2またはF3を「0」にリセットする。
例えば、クレジットカードに対応するボタンB1がタッチされた場合、CPU11aは、選択フラグF1を「1」にセットする。このとき、他の選択フラグF2またはF3が「1」にセットされていた場合には、CPU11aは、その選択フラグF2またはF3を「0」にリセットする。
選択フラグF1〜F3を更新すると、CPU11aは、Act10及びAct12の待ち受け状態に戻る。従って、買物客は、店員により決済装置12の指定される前であれば、支払い方法選択画面SC1において支払い方法を変更することができる。一方、店員は、買物客により支払い方法が選択された後、あるいは買物客が商品登録装置11において支払い方法を選択しない場合に、転送先選択画面から何れかの決済装置指定ボタンをタッチすることで、買物客によって決済処理を実行させる決済装置12を指定する。
CPU11aは、決済装置12が指定されると(Act12、Yes)、決済情報と、複数の支払い方法のそれぞれについて計算した特典に関する情報(特典情報)を、転送先選択画面において指定された決済装置12(あるいはサーバ13)に出力する(Act13)。決済情報及び特典情報を出力すると、CPU11aは、タッチパネル11g1及び11g2に、決済情報の送信完了を通知するための報知画面を表示させる(Act14)。
なお、図8では、複数の支払い方法について、特典としてポイント付与する場合の表示形態を示しているが、他の表示形態を用いることが可能である。図9(A)(B)は、第1実施形態における他の支払い方法選択画面SC1a、SC2bの一例を示す図である。
図9(A)に示す支払い方法選択画面SC1aでは、複数の支払い方法のそれぞれに対応する選択ボタンB11、B12、B13と対応づけて割引額を表示する。図7において、付与ポイントに代えてデータファイル13bの割引率が設定されている場合、CPU11aは、割引率とデータメモリ領域32aに記憶された合計金額をもとに割引額を算出する。CPU11aは、選択ボタンB11、B12、B13と対応づけて、算出した割引額を表示する。図9(A)に示す表示形態では、具体的な金額が表示されるため、支払い額が少なくなる支払い方法を容易に選択することができる。なお、図9(A)の例では、データファイル13bにおいて、現金の割引率がゼロ、クレジットカードの割引率が2%、電子マネーの割引率が5%として設定され、個別の商品に特典が付与されていないものとする。
図9(B)に示す支払い方法選択画面SC1bでは、複数の支払い方法のそれぞれに対応する選択ボタンB11、B12、B13と対応づけて、それぞれ異なる特典を表示する。図9(B)の例では、データファイル13bにおいて、現金の割引率をゼロ、クレジットカードの割引率を2%、電子マネーの割引率が5%に設定される。また、個別の商品の特典として、ミネラルウオータ単品に電子マネーカードで購入する場合に、特典としてポイントが「1ポイント(1P)」付与されるものとする。また、現金支払いの場合にはクーポンが発行されるように設定される。また、方法選択画面SC1bでは、割引額ではなく割引率が表示される。すなわち、クレジットカードによる支払いに対応する選択ボタンB11には、特典として割引率(2%引き)が付与されることが表示され、電子マネーによる支払いに対応する選択ボタンB12には、特典としてポイント(6P)と割引率(5%引き)が付与されることが表示される。また、現金支払いに対応する選択ボタンB13については、「クーポン」が付与されることが表示されている。従って、買物客は、支払い方法によって異なる特典が付与される場合であっても、支払い方法を選択する前に、それぞれの特典を比較して、希望する特典が得られる支払い方法を容易に選択することができる。
なお、前述した説明では、小計ボタンに対する操作に応じて、全ての商品についての決済情報を生成した後に支払い方法に応じた特典を表示する例について説明しているが、購入対象とする全ての商品の登録が完了する前に商品の登録に応じて特典に関する情報を表示することもできる。
この場合、CPU11aは、入力された商品コードに応じて登録商品データを更新すると共に(Act5)、前述したAct7と同様にして、複数の支払い方法のそれぞれに対応する特典を計算する(Act15)。例えば、CPU11aは、登録商品データに追加された登録済みの商品の情報をもとに特典を計算する。CPU11aは、更新後の登録商品データの内容に応じて登録画面の商品の情報を更新すると共に、登録画面に複数の支払い方法のそれぞれに対応する特典の内容を表示する(Act16)。CPU11aは、その後、商品コードの入力に応じて、登録画面において登録商品の情報と共に特典に関する情報を更新する。
図10(A)(B)は、第1実施形態における登録画面SC1cの一例を示す図である。図10(A)は、1つめの商品「ヨーグルト」が登録された時の登録画面を示している。登録画面SC1cには、例えば登録された商品の一覧を表示する商品表示エリアR4、登録済みの商品個数及び小計金額を表示する小計表示エリアR5、特典に関する情報を表示する特典表示エリアR6が設けられている。特典表示エリアR6では、複数の支払い方法のそれぞれに対応する特典表示ボタンB21、B22、B23を表示し、特典表示ボタンB21、B22、B23と対応づけて特典の情報を表示する。
CPU11aは、例えば、登録された商品の小計金額をもとに、特典とするポイントを計算して特典表示エリアR6に表示させる。図10(A)に示す登録画面SC1cに示す例では、特典表示ボタンB21に表示された「2P」をもとに、クレジットカードを支払いに使用した場合には、現時点で登録済みの商品について「2P」が付与されることを把握することができる。
図10(B)は、2つめの商品「りんご」が登録された時の登録画面を示している。CPU11aは、2つめの商品が登録されることにより更新された小計金額をもとに特典を算出し、特典表示エリアR6の特典表示ボタンB21、B22、B23と対応づけた特典の情報を更新する。これにより、買物客は、商品の登録中(購入対象とする全ての商品の登録が完了する前)に、複数の支払い方法のそれぞれについての特典を把握することができる。従って、買物客は、全ての商品の登録が完了する前に、決済の支払いに使用する支払い方法を決めることができ、支払い方法選択画面SC1が表示されると直ちに支払い方法の選択をすることができる。
なお、特典表示ボタンB21、B22、B23は、単に複数の支払い方法のそれぞれに対応する特典の情報を表示するだけでなく、支払い方法選択画面SC1の選択ボタンB1、B2、B3と同様に機能させても良い。すなわち、特典表示ボタンB21、B22、B23に対する操作によって支払い方法を選択できるようにする。これにより、全ての商品の登録が完了する前に、支払い方法を選択することができる。この場合、Act9〜11の処理を省略することができ、商品登録装置11における1人の買物客に対する処理時間の短縮を図ることができる。
また、前述した説明では、商品登録装置11では買物客によって支払い方法を選択させるとしているが、店員用のタッチパネル11g1に前述と同様の支払い方法選択画面SC1(SC1a〜SC1c)を表示させて、店員の操作によって支払い方法を選択できるようにしても良い。これにより、店員は、特典に関する情報を参照することで、買物客に対して有利な支払い方法について説明することができ、また買物客に代わって支払い方法を選択する操作をすることができる。従って、商品登録装置11のタッチパネル11g2に対する操作に慣れていない、あるいは操作が困難な買物客についても、特典を把握した後に支払い方法を選択させることができる。
次に、第1実施形態における決済装置12の動作について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
決済装置12(CPU12a)は、初期状態においてタッチパネル12gに待機画面を表示させる。待機画面は、決済処理をする状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、例えば、決済処理をすることができないことを表すメッセージ、あるいはスクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示する。
CPU12aは、待機状態において、商品登録装置11からの決済情報と特典情報の受信を監視している。ここで、決済情報と特典情報の受信が検出されると(Act22、Yes)、CPU12aは、決済情報と特典情報をRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに記録する。
ここで、CPU12aは、特典情報に含まれる選択フラグF1、F2、F3を参照して「1」にセット(フラグオン)されているかを判別する。すなわち、商品登録装置11において、支払い方法が選択済みであるか判別する。ここで、選択フラグF1、F2、F3の何れも「1」にセットされていない場合(Act23、No)、CPU12aは、商品登録装置11において支払い方法が選択されていないものと判別し、支払い方法選択画面をタッチパネル12gに表示させる(Act24)。CPU12aは、例えば商品登録装置11におけるAct9と同様にして、複数の支払い方法に対応する選択ボタンを含む支払い方法選択画面を表示させる。また、CPU12aは、商品登録装置11から受信した特典情報をもとに複数の選択ボタンにそれぞれに対応する特典の情報を表示させる(Act25)。すなわち、決済装置12では、特典についての計算を実行せず、商品登録装置11における計算により生成された特典情報をもとに支払い方法選択画面を表示させる。CPU12aは、何れかの選択ボタンエリアがタッチされると、支払い方法が選択されたと判別し(Act25、Yes)、選択された支払い方法に応じた支払い画面を表示させる(Act27)。
一方、CPU12aは、特典情報に含まれる選択フラグF1、F2、F3の何れかが「1」にセット(フラグオン)されている場合(Act23、Yes)、商品登録装置11において支払い方法が選択済みであると判別し、「1」にセットされた支払い方法に応じた支払い画面を表示させる(Act27)。すなわち、商品登録装置11において予め支払い方法を選択しておくことで、決済装置12において支払い方法を選択するための操作を省略することができる。これにより、買物客の決済装置12を操作する負担を軽減することができる。
図12(A)は、支払い方法として現金が選択された場合の支払い画面SC2の例を示す図である。支払い画面SC2には、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージを表示する表示エリアR7、買物客に対する操作方法を説明するための操作ガイドエリアR8が設けられている。操作ガイドエリアR8には、決済装置12の外観を表す画像が表示され、買物客が操作すべき部分を表す画像(例えば円図形)が付加されている。例えば、図12(A)では、現金を投入するための硬貨投入口12e1と紙幣投入口12e2の位置に円図形が付加されている。
また、支払い画面SC2には、決済処理の内容(例えば、購入対象として登録された商品の合計金額、投入金額、おつり)を表示する表示エリアR9が設けられる。さらに、支払い画面SC2には、支払い方法の変更を指示するための変更ボタンB31、決済の実行を指示するための精算ボタンB41が設けられている。
図13(A)は、支払い方法としてクレジットカードが選択された場合の支払い画面SC3の例を示す図である。図14(A)は、支払い方法として現金が選択された場合の支払い画面SC4の例を示す図である。支払い画面SC3、SC4には、支払い画面SC2と同様に、表示エリアR7〜R9が設けられており、それぞれ支払い方法に応じて表示内容が変更された内容が表示される。詳細な説明については省略する。また、支払い画面SC3、SC4には、精算ボタンB41が設けられている。
CPU12aは、支払い画面SC2、SC3、SC4の変更ボタン31についてタッチ操作された場合(Act28、Yes)、前述と同様にして支払い方法選択画面を表示させる(Act24)。支払い方法選択画面は、少なくとも選択ボタンエリアR3に表示される選択ボタンと同様の選択ボタンが表示され、それぞれの支払い方法に対応する特典が選択ボタンに対応づけて表示されている。このため、買物客は、特典の内容を改めて確認して、支払い方法を変更することができる。
また、CPU12aは、支払い画面SC2、SC3、SC4が表示された状態において決済のための操作がされると、決済処理に必要な処理を進めるための次の操作画面を表示し(Act30)、買物客による入力操作を受け付ける。CPU12aは、決済処理に必要な操作が完了すると決済処理を実行する(Act31)。例えば、CPU12aは、支払い画面SC2が表示されている場合、現金が投入されると投入金額の表示を更新し、決済に必要な金額が投入された後に精算ボタンB41がタッチされると、決済情報が示す合計金額について決済する。そして、CPU12aは、おつりがあれば硬貨排出皿12e3あるいは紙幣排出口12e5から排出させると共に、プリンタ12hにより決済処理の結果を印刷したレシートをレシート排出口12h1から排出させる(Act32)。また、CPU12aは、例えば図12(B)に示すように、決済完了を買物客に通知する支払い画面SC2を表示させる。
また、CPU12aは、支払い画面SC3が表示されている場合、カードリーダ12i1(カード挿入口)にクレジットカードが挿入されるとクレジットカードを用いた決済処理を実行して、クレジットカードとレシートを排出させると共に、図13(B)に示すように、決済完了を買物客に通知する支払い画面SC3を表示させる。
また、CPU12aは、支払い画面SC4が表示されている場合、カードリーダライタ12i2に電子マネーが近接されると電子マネーを用いた決済処理を実行して、レシートを排出させると共に、図14(B)に示すように、決済完了を買物客に通知する支払い画面SC4を表示させる。
このようにして、第1実施形態のチェックアウトシステム10では、支払い方法選択画面において、支払い方法の選択をする前に特典の内容を表示させるので、買物客により特典を把握した上で支払い方法を選択させることが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、複数の支払い方法のそれぞれについて特典を計算し、支払い方法選択画面において、複数の支払い方法の特典情報を表示させているが、第2実施形態では、決済処理に使用する支払い方法が選択された場合に、この選択された支払い方法について特典情報を表示させる。第2実施形態では、第1実施形態と実質同一の部分についての説明を省略する。
図15は、第2実施形態の商品登録装置11(CPU11a)の制御処理のフローチャートである。図15において、図6に示すフローチャート同じ処理(動作)については同じ符号を付して説明を省略する。ただし、Act7において、複数の支払い方法のそれぞれについて一括して特典計算を実行しないものとする。
図16は、Act9において表示される第2実施形態の支払い方法選択画面SC5の一例を示す図である。支払い方法選択画面SC5には、例えば商品表示エリアR1、合計表示エリアR2、選択ボタンエリアR3が設けられている。選択ボタンエリアR3には、支払い方法として、クレジット、電子マネー、現金のそれぞれに対応する選択ボタンB41、B42、B43が表示されている。
CPU11aは、選択ボタンエリアR3に表示されたボタンB41〜B43の何れかがタッチされると、支払い方法が選択されたと判別する(Act10、Yes)。CPU11aは、支払い方法の選択に応じて、データメモリ領域33aに記憶される選択フラグF1〜F3を更新する(Act11)。CPU11aは、選択された支払い方法について特典計算を実行して(Act41)、特典の情報を支払い種別と対応づけてデータメモリ領域33に記憶させる。また、CPU11aは、登録商品データ及び登録された商品の合計個数及び合計金額などの情報を含む小計画面をタッチパネル11gに表示させる(Act42)。また、小計画面には、支払い方法の選択確定を指示するための確定ボタンB51と、支払い選択画面を再度表示させて支払い方法を選択することを指示するための戻るボタンB52が設けられている。
図17は、第2実施形態における小計画面の一例を示す図である。小計画面では、例えば特典計算により求められた特典のポイント(6P)が表示されている。
ここで、戻るボタンB52がタッチ操作されたことを検出した場合、CPU11aは、再度、支払い方法選択画面SC5を表示させて、買物客により改めて支払い方法を選択させる(Act9、10)。異なる支払い方法が選択された場合(Act10、Yes)、CPU11aは、選択された支払い方法に応じた特典計算を実行して、データメモリ領域33に記憶させると共に、前述と同様にして小計画面において表示させる(Act11、41、42)。すなわち、買物客は、小計画面に表示された特典の内容を確認することができ、さらに別の支払い方法を選択した場合の特典を確認したい場合には、再び、別の支払い方法を選択することで、別の特典の内容を確認することができる。これにより、複数の支払い方法のそれぞれに対応する特典の内容を比較して支払い方法を確定させることができる。また、第2実施形態では、支払い方法が選択された場合に、支払い方法に対応する特典を計算するので、特典の表示が不要な支払い方法について特典計算を省くことができる。また、商品登録装置11において支払い方法が選択されない場合には(Act10、No)特典計算をしない。従って、処理負荷を軽減することができる。
なお、特典計算の処理負荷が軽い場合には、第1実施形態と同様にして、決済情報の生成と共に、Act7において、複数の支払い方法のそれぞれについて一括して特典決済を実行するようにしても良い。この場合、Act41における特典計算を省略することができる。
第2実施形態では、決済装置12において支払い方法選択画面を表示させる場合に、前述した第2実施形態における支払い方法選択画面SC5と同様の画面を表示して、買物客により支払い方法を選択できるようにする。ただし、商品登録装置11から決済装置12に対して、全ての支払い方法に対応する特典情報が送信されない場合があるが、決済装置12において特典情報を表示する必要がある時に特典計算を実行すれば良い。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様にして、支払い方法選択画面において、複数の支払い方法のそれぞれについての特典の情報を一覧表示するようにしても良い。
また、前述した説明では、商品登録装置11と決済装置12とを有する商品登録処理システムを対象として説明しているが、商品登録と決済を1つの装置で実行可能なチェックアウトシステムにおいて、前述した第1及び第2実施形態と同様にして、支払い方法に対応する特典の情報を表示させるようにしても良い。
なお、商品登録装置11及び決済装置12の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールまたはダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。