次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
(描画システム)
本発明の実施の形態に係る描画支援装置1は、図1に示すように描画システム3に用いられる。描画システム3は、オブジェクトをシンボルに具現化して、オブジェクトまたはオブジェクトのつながりをユーザに視認させる。
描画システム3でネットワーク構成を描画する場合、オブジェクトは、ネットワークの拠点、ネットワーク拠点に設けられる筐体、筐体に設けられるネットワーク機器等である。また描画システム3は、組織構成、アプリケーションの機能構成等、任意のオブジェクトの関連を描画しても良い。
描画システム3は、一般的な描画機能のほか、付随シンボル描画指示機能、描画位置保存機能および描画位置決定機能を有する。これらの各機能については、後に詳述する。
描画システム3は、描画支援装置1と描画装置2を備える。描画支援装置1および描画装置2は、それぞれコンピュータである。描画支援装置1および描画装置2は、それぞれ個別の筐体に実装され、図1に示すように、インターネット、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続される。或いは他の実施例として各装置の各機能を、1つの筐体に実装しても良い。
描画支援装置1は、描画装置2によるオブジェクトの描画を支援する。描画支援装置1は、描画装置2が描画するオブジェクトの描画位置を決定し、オブジェクトの描画位置を指定した描画指示を描画装置2に入力する。描画装置2は、描画支援装置1が出力したオブジェクトの識別子および描画位置に基づいて、オブジェクトを描画する。このとき、オブジェクトのシンボルの画像データは、予め描画装置2が保持しても良いし、描画支援装置1が描画装置2に入力しても良い。
図2を参照して、描画システム3における処理の一例を説明する。
まずステップS1において描画装置2が描画支援装置1に、描画対象を特定する検索条件を入力する。検索条件は、例えば、「首都圏のネットワーク構成」、「全国の稼働中のスイッチ」などである。
ステップS2において描画支援装置1は、ステップS1で入力された検索条件を満たすオブジェクトを検索する。ステップS3において描画支援装置1は、ステップS2で検索されたオブジェクトが複数の場合、検索されたオブジェクトの接続関係を検索する。ステップS4において描画支援装置1は、ステップS2およびステップS3の検索結果に基づいて、オブジェクトの描画位置を決定する。
ステップS5において描画支援装置1は、描画対象のオブジェクトの識別子と各オブジェクトの描画位置を、描画装置2に入力する。描画装置2は、描画支援装置1から入力されたデータに基づいて、オブジェクトを描画する。
本発明の実施の形態に示す描画支援装置1および描画装置2の機能分担および図2に示す処理は一例であり、これに限るものではない。本発明の実施の形態において描画支援装置1自身が、描画対象のオブジェクトを検索し、オブジェクトの接続関係を特定する場合を説明するが、これに限らない。描画対象のオブジェクトおよび接続関係は、図示しない外部システムにより検索され、描画支援装置1がその検索結果を受信してもよい。
(描画支援装置)
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る描画支援装置1を説明する。描画支援装置1は、記憶装置110、処理装置120および入出力インタフェース130を備える一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが描画支援プログラムを実行することにより、図3に示す機能を実現し、描画支援方法を実行する。
記憶装置110は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、ハードディスク等であって、処理装置120が処理を実行するための入力データ、出力データおよび中間データなどの各種データを記憶する。処理装置120は、CPU(Central Processing Unit)であって、記憶装置110に記憶されたデータを読み書きしたり、入出力インタフェース130とデータを入出力したりして、描画支援装置1における処理を実行する。入出力インタフェース130は、描画支援装置1が、描画装置2と通信可能に接続したり、入力装置または出力装置に接続したりするためのインタフェースである。
記憶装置110は、描画支援プログラムを記憶するとともに、オブジェクトデータ111、オブジェクト接続データ112、シンボル定義データ113、付随シンボル定義データ114、オブジェクト位置データ115および描画指示データ116を記憶する。
オブジェクトデータ111は、描画対象となるオブジェクトを特定する。オブジェクトデータ111は、オブジェクトの識別子と、オブジェクトの属性を対応づける。オブジェクトの識別子または属性により、描画対象となるオブジェクトが特定される。オブジェクトデータ111は、オブジェクトの識別子およびオブジェクトの属性の種別毎に、属性値が対応づけられる。
オブジェクトデータ111は、図4に示すように、オブジェクトの識別子と、そのオブジェクトが有する属性の属性値とを対応づける。オブジェクトがネットワークに用いるスイッチの場合、属性として、そのスイッチの機種、種別、警報状態等が対応づけられる。より具体的には、オブジェクトデータ111の各データは、図示しない外部システムによって随時更新される。
オブジェクト接続データ112は、接続されるオブジェクトのペアを特定する。図5に示すように、オブジェクト接続データ112は、接続される2つのオブジェクトを特定する。図5は、オブジェクトAとオブジェクトBが接続されることを示す。本発明の実施の形態において、オブジェクト接続データ112は、接続する方向は問わない。別の実施例としてオブジェクト接続データ112において、接続の始点および終点のそれぞれに、オブジェクトの識別子が対応づけられても良い。
シンボル定義データ113は、オブジェクトに対応するシンボルを定義するデータである。シンボル定義データ113は、オブジェクトのシンボルの識別子と、オブジェクトのシンボルに付随シンボルを付加する位置を対応づける。一つのシンボルにおいて、複数の付随シンボルの付加を許容する場合、シンボル定義データ113は、オブジェクトのシンボルの識別子に、さらに付随シンボルの付随種別の識別子を対応づけても良い。シンボル定義データ113で対応づけられる付随シンボルを付加する位置は、オブジェクトのシンボルに対する相対位置である。
本発明の実施の形態においてシンボルは、オブジェクトに対応する画像データ(アイコン等)であって、描画装置2において描画する際に用いられる。オブジェクトがスイッチの場合、シンボルは、そのスイッチの外観の画像データである。これに対し付随シンボルは、オブジェクトの一部であって、状況によって変更される部分の画像データである。なお、本発明の実施の形態において、説明のしやすさのためにシンボルと付随シンボルを区別して定義する場合を説明するが、区別しなくても良い。
シンボルは、オブジェクトの外観をそのまま写実的に表したものではなくても良く、ユーザがそのオブジェクトの外観であることが判れば好適である。またオブジェクトの外観のうち、装置の状態ランプやブレードサーバのスロット等、オブジェクトの状況によって変更される部分(付随シンボルが描画される部分)の位置は、シンボル定義データ113において特定される。シンボルは、オブジェクトの種別および型番等によって定められる外観毎に設けられるのが好ましいが、種別および型番が異なっても、同じシンボルが用いられても良い。
シンボル定義データ113は、図6に示すように、シンボルの名称、画像データの保存場所、大きさ等が対応づけられる。図6に示すシンボル定義データ113は、図6の右側のスイッチのシンボルを定義する。図6は、1つのシンボルについての定義のみを示すが、シンボル定義データ113は、シンボル毎の定義を含む。
本発明の実施の形態において、シンボルの名称(識別子)には、シンボルが具現化するオブジェクトの種別が設定され、シンボルの名称によって、シンボルとオブジェクトが対応づけられる。他の実施例として、シンボルの名称に任意のコードが採番され、オブジェクトデータ111等の設定データを介して、オブジェクトとシンボルの識別子が対応づけられても良い。
図6に示す例において、シンボルにおいて状態ランプを表示する付随シンボル位置113aが定義されている。付随シンボル位置113aは、付随シンボルの付随種別と、その付随シンボルを描画する位置を特定する位置情報とを対応づける。図6に示す例において付随シンボルの付随種別は“STATUS”、X座標は“5”、Y座標は“5”である。スイッチのシンボルに付随種別 “STATUS”の付随シンボルを表示する際、図6の右側に示す画像の「×」印の位置に、状態ランプが表示される。
付随シンボル定義データ114は、オブジェクトのシンボルに付加される付随シンボルを定義するデータである。付随シンボルは、シンボルに重畳して描画され、シンボル上に付随シンボルを確認できる。付随シンボルは、オブジェクトの外観のうち、装置の状態ランプやブレードサーバのスロット等、オブジェクトの状況によって変更される部分に対応する画像データであって、描画装置2において描画する際に用いられる。付随シンボルは、付随種別および付随種別で付加される情報毎に設けられる。付随シンボルは、シンボルと同様に、外観をそのまま写実的に表したものではなく、そのオブジェクトの外観であることが判れば好適である。
付随シンボルが状態ランプの場合、付随シンボル定義データ114は、図7に示すように、付随シンボルの識別子、大きさ等が対応づけられる。図7に示す付随シンボル定義データ114は、図7の右側のスイッチのシンボルを定義する。図7は、1つの付随シンボルについての定義のみを示すが、付随シンボル定義データ114は、複数の付随シンボルの定義を含んでも良い。本発明の実施の形態において付随シンボルの識別子には、付随シンボルが示す情報が設定される。
図7の右側に示す状態ランプの付随シンボルは、例えば、状態が「警報発生」の場合で、赤色のランプが点灯した画像である。なお、状態が「正常」の場合の付随シンボルは、緑色のランプが点灯した画像である。ブレードサーバの機器に設けられたスロットの付随シンボルは、そのスロットに搭載される機器の画像である。機器が搭載されていないスロットの付随シンボルは、ブレードサーバのシンボルにおけるスロットの大きさに対応するグレーの画像である。
一つの付随シンボルは、複数の付随種別および付随種別で示す情報の組み合わせに、適用されても良い。例えば、状態ランプの付随シンボルが、装置の稼働状況の正常または異常を示す場合もあれば、従業員の在席または離席を示す場合があっても良い。
なお本発明の実施の形態において、シンボルの一部に、シンボルの状態によって付随シンボルが描画される場合を説明するがこれに限られない。例えば付随シンボルの一部も、その付随シンボルの状況によって他のシンボルが描画されても良い。例えばシンボルがブレードサーバで、付随シンボルが、ブレードサーバに搭載された機器である場合、ブレードサーバに搭載された機器の状態を示す状態ランプが、機器のシンボルに描画されても良い。
オブジェクト位置データ115は、描画位置保存機能において用いられるデータである。オブジェクト位置データ115は、オブジェクトの識別子およびオブジェクトの保存描画位置を、保存キーに対応づける。オブジェクト位置データ115は、図8に示すように、1つの保存キーに、オブジェクトの識別子および保存描画位置の複数のペアが対応づけられても良い。
描画指示データ116は、描画支援装置1の描画指示部123によって得られた描画内容を特定するデータである。描画指示データ116は、オブジェクトの識別子とそのオブジェクトを描画する位置のほか、各オブジェクトを接続するコネクタオブジェクトの情報も含む。描画指示データ116は、描画装置2によって読み出されて描画され、描画装置2の表示装置に表示される。例えば、図9に示す描画指示データ116によって、図10に示す画像が描画される。
処理装置120は、要求取得部121、検索部122、描画指示部123および保存描画位置取得部127を備える。
要求取得部121は、描画装置2から描画対象のオブジェクトを特定する描画要求を取得する。描画要求において、描画対象のオブジェクトの識別子が含まれても良いし、描画対象のオブジェクトを特定する検索条件が含まれても良い。取得した描画要求は、検索部122および描画指示部123によって処理される。
検索部122は、オブジェクトの検索条件を含む描画要求が入力されると、オブジェクトデータ111から、検索条件を満たすオブジェクトの識別子を検索する。検索部122はさらに、オブジェクト接続データ112を参照して、検索されたオブジェクトのうち、接続されるオブジェクトのペアも検索する。
描画指示部123は、描画要求によって特定された描画対象のオブジェクトのシンボルを描画する描画指示を、出力する。また描画指示部123は、複数のオブジェクトを接続するコネクタオブジェクトを描画する描画指示を、出力する。
描画指示部123は、描画対象のオブジェクトの接続関係に基づいて、各オブジェクトの描画位置を算出して、各オブジェクトの描画位置を特定する描画指示データ116を生成する。生成した描画指示データ116は、描画指示として、描画支援装置1から描画装置2に入力される。
描画指示部123は、付随シンボル描画指示部124、保存描画位置指示部125および描画位置決定部126を備える。これらの各部は、付随シンボル描画指示機能、描画位置保存機能および描画位置決定機能において、それぞれ特定の処理を行う。
保存描画位置取得部127は、描画位置保存機能において、描画装置2から入力された保存キー、オブジェクトの識別子および保存描画位置を対応づけて、オブジェクト位置データ115に記憶する。保存キーに、オブジェクトの識別子および保存描画位置の複数のペアが対応づけられても良い。保存キーは、オブジェクトの識別子および保存描画位置を特定するキーであり、ユーザが任意に設定しても良いし、システムが所定のルールで設定しても良い。また保存キーは、所定の計算式から算出される固定長のハッシュ値であっても良い。保存描画位置は、ユーザが指定したタイミングにおける各オブジェクトの描画位置である。
(描画装置)
図11を参照して、本発明の実施の形態に係る描画装置2を説明する。描画装置2は、記憶装置210、処理装置220および入出力インタフェース230を備える一般的なコンピュータである。記憶装置210、処理装置220および入出力インタフェース230は、図3を参照して説明した描画支援装置の記憶装置110、処理装置120および入出力インタフェース130と同様である。一般的なコンピュータが描画プログラムを実行することにより、図11に示す機能を実現する。
記憶装置210は、描画プログラムを記憶するとともに、シンボルデータ211を記憶する。
シンボルデータ211は、描画されるシンボルの画像データである。シンボルデータ211は、シンボルの画像データを、そのシンボルの識別子に対応づけて保持する。シンボルデータ211は、付随シンボルについても、付随シンボルの画像データを、その付随シンボルの識別子に対応づけて保持する。
処理装置220は、描画要求部221、描画部222および保存要求部224を備える。
描画要求部221は、描画対象のオブジェクトを特定する描画要求を、描画支援装置1に入力する。描画対象のオブジェクトを特定する描画要求は、例えば、描画対象のオブジェクトの識別子であっても良いし、オブジェクトデータ111から描画対象のオブジェクトを検索するための検索条件であっても良い。
描画部222は、描画支援装置1が出力した描画指示に従って、オブジェクトを描画する。描画部222は、描画位置更新部223を備える。
描画位置更新部223は、描画された各オブジェクトのシンボルの位置を、ユーザの操作によって更新する。描画位置更新部223は、更新された各オブジェクトのシンボルの位置を保持する。
保存要求部224は、描画位置保存機能において、オブジェクトの描画位置を保存描画位置として保存する要求を、オブジェクトの識別子と保存キーとともに描画支援装置1に入力する。
次に、本発明の実施の形態に係る描画システム3が実現する付随シンボル描画指示機能、描画位置保存機能および描画位置決定機能について、それぞれ説明する。
(付随シンボル描画指示機能)
付随シンボル描画指示機能は、オブジェクトの付随種別に応じた付随シンボルを、オブジェクトのシンボルに付加して描画する。付随種別は、描画されるオブジェクトのシンボルに付随する情報の種別であって、オブジェクトの状態ランプ、オブジェクトを説明するラベル等である。付随シンボル描画指示機能は、主に、描画支援装置1の付随シンボル描画指示部124によって実装される。
付随シンボル描画指示部124は、付随シンボルを付加するオブジェクトの識別子と、付随シンボルを特定する描画要求が入力されると、描画要求で特定された付随シンボルを、描画要求で特定されたオブジェクトの識別子に対応する位置に付加する描画指示を、出力する。付随シンボルを付加する位置は、シンボル定義データ113から特定される。
シンボルにおいて、複数の付随種別の付随シンボルの付加を許容する場合、付随シンボルを付加する位置を特定するために、描画要求はさらに、付加する付随シンボルの付随種別を特定する。この場合、付随シンボル描画指示部124は、描画要求で特定された付随種別の付随シンボルを、描画要求で特定されたオブジェクトのシンボルの識別子および付随種別に対応する位置に付加する描画指示を、出力する。
例えば描画要求で、オブジェクトの識別子“幕張ERP―SW1号機”、付随種別“STATUS”および付随シンボルの識別子“警報発生”が指定されているとする。要求取得部121が、このような描画要求を取得すると、付随シンボル描画指示部124は、オブジェクトデータ111からオブジェクトの識別子に対するシンボルの識別子を取得する。付随シンボル描画指示部124は、シンボル定義データ113から取得したシンボルの識別子において、付随種別“STATUS”の付随シンボルを描画する位置を取得する。
付随シンボル描画指示部124は、図9に示す描画指示データ116を出力する。描画指示データ116は、オブジェクトの識別子116aに“幕張ERP―SW1号機”を指定し、オブジェクトのシンボルの識別子116bに“ERP−SW”を指定し、付随種別116cに“STATUS”を指定し、付随シンボルの識別子116dに“警報発生”を指定する。
図9に示す描画指示データにより、図10に示すシンボルが、描画装置2に描画される。付随シンボルの識別子“警報発生”のシンボルは、シンボル定義データ113のスイッチに関するデータにおいて定義された位置に描画される。なお“幕張ERP―SW1号機”のオブジェクトのシンボルを記載する位置は、描画指示データ116で指定されても良い。或いは、描画装置2において、画面の中央などのデフォルトの位置に表示するように制御されても良い。
上記の描画要求では、オブジェクト、付随種別および付随シンボルの識別子が指定される場合を説明したが、描画要求において、オブジェクト、付随種別および付随シンボルの識別子を特定可能であればよい。描画要求は例えば、付随シンボルを付加するオブジェクトと付随シンボルを特定する検索条件を含んでも良い。
この場合、検索部122は、オブジェクトデータ111から、検索条件を満たすオブジェクトの識別子および付随シンボルを検索する。付随シンボル描画指示部124は、検索部122で検索された付随シンボルを、検索部122で特定されたオブジェクトのシンボルの識別子に対応する位置に付加する描画指示を、出力する。
例えば、全国のスイッチの稼動状況を検索する検索条件が指定された場合、検索部122は、オブジェクトデータ111から、スイッチのオブジェクトの識別子と、そのオブジェクトのシンボルの識別子と、そのオブジェクトの稼動状況を取得する。付随シンボル描画指示部124は、検索部122が取得した情報に基づいて、各スイッチのシンボルについて、稼動状況の付随シンボルを描画する位置を取得し、各オブジェクトの稼動状況を示す付随シンボルを、取得した位置に描画する描画指示を出力する。
スイッチのシンボルがそのスイッチの外観を具現化したものである場合、稼動状況の状態ランプの描画位置は、そのシンボルのデザインに応じて決められるのが好ましい。従来は、稼働状況を示す状態ランプの位置を、ユーザが、各オブジェクトについて個別に指定する必要があった。これに対し本発明の実施の形態によれば、シンボルにおいて付随シンボルを描画する位置を、シンボルの定義として保持する。これによりユーザが、付随シンボルを描画する位置を指定しなくとも、オブジェクトと付随シンボルを特定可能な情報を与えれば、描画支援装置1が付随シンボルを描画する位置を特定して、描画装置2は所望の画像データを描画することができる。
次に、図12および図13を参照して、複数のコンピュータを搭載可能なレイヤ2スイッチ用のブレードサーバに、コンピュータを搭載した状態を描画する場合を説明する。
図12(a)のシンボル定義データ113は、左側に示すブレードサーバに関し、シンボルの識別子は、“XXX社製レイヤ2スイッチ”である。このシンボルは、コンピュータを搭載可能なスロットを6つ設けており、シンボル定義データ113は、各スロットの位置、大きさ等を定義する。一方、図12(b)の付随シンボル定義データ114は、左側に示すレイヤ2スイッチの識別子を定義する。
図12および図13に示す例において、付随種別は、ブレードサーバのスロットの識別子“SLOT3”等であり、付随シンボルの識別子は、スロットに搭載される“レイヤ2SW−GE−PKG”等のコンピュータである。
図13(a)に示すオブジェクトデータ111は、オブジェクトの識別子“幕張L2SW1号機”のスロット番号“3”に、“レイヤ2SW−GE−PKG”が搭載されていることを示す。またオブジェクトの識別子“幕張L2SW1号機”は、機種が“XXX社製レイヤ2スイッチ”である。
そこで、図13(a)のオブジェクトデータ111から、オブジェクトの識別子“幕張L2SW1号機”のシンボルが図12(a)の左側の画像であり、搭載されるコンピュータのシンボルが図12(b)の左側の画像であることがわかる。付随シンボル描画指示部124は、シンボル定義データ113から、スロット3の位置情報を取得して、取得した位置に、図12(b)の付随シンボルを描画する描画指示を出力する。
図12に示すブレードサーバは、コンピュータを上下方向に並べて搭載するが、コンピュータを左右方向に並べて搭載するものもある。本発明の実施の形態においては、シンボル定義データ113において、ブレードサーバがコンピュータを搭載できる位置を定義する。従って描画要求において、ブレードサーバにおけるコンピュータの搭載位置を考慮することなく、スロットを特定する付随種別と、そのスロットに搭載するコンピュータを特定する付随シンボルの識別子を特定することで、描画装置2は、ブレードサーバの構成に応じた画像を描画することができる。
このように付随シンボル描画指示機能は、描画位置を指定する負担を軽減することができる。
(描画位置保存機能)
描画位置保存機能は、描画支援装置1が決定した各オブジェクトの描画位置を、ユーザが所望の描画位置に変更した際に、その変更後の描画位置を描画支援装置1に保存する機能である。描画位置保存機能は、描画支援装置1の保存描画位置指示部125および保存描画位置取得部127と、描画装置2の保存要求部224によって実装される。
描画位置保存機能は、ユーザが保存キーを指定した状態のオブジェクトの描画位置(保存描画位置)を、オブジェクト位置データ115に保存した後、保存キーが指定されてオブジェクトを描画する際、その保存した描画位置に基づいてオブジェクトを描画する。この際、描画位置が保存されたオブジェクトと、ユーザの描画要求に従って特定された描画対象のオブジェクトが一致しない場合がある。例えば、描画対象のオブジェクトの一部について、描画位置が保存されていない場合がある。
そこで描画対象のオブジェクトを特定する描画要求が、保存キーと入力されると、描画支援装置1の保存描画位置指示部125は、描画要求によって特定されたオブジェクトのうち、オブジェクト位置データ115において保存キーに対応づけられたオブジェクトのシンボルを、オブジェクト位置データ115で対応づけられた保存描画位置に描画する描画指示を、描画装置に入力する。ここで、保存描画位置指示部125は、描画装置2によって特定されたオブジェクトのうち、オブジェクト位置データ115において保存キーに対応づけられたオブジェクト以外のオブジェクトのシンボルを、デフォルトの表示位置に描画する描画指示を、描画装置に入力する。描画装置2の描画部222は、描画支援装置1から入力された保存描画位置に従って、オブジェクトのシンボルを描画する。
保存描画位置指示部125は、描画指示において、描画対象のオブジェクトのうち、オブジェクト位置データ115において保存描画位置が保存されたオブジェクトのシンボルの描画位置として、保存描画位置を指定する。また保存描画位置指示部125は、保存描画位置がないオブジェクトのシンボルの描画位置として、デフォルトの表示位置を指定する。デフォルトの描画位置は、例えば画面の中央であったり、画面の左上であったり、予め定められる。また、保存描画位置指示部125が、保存描画位置がないオブジェクトについて、シンボルの描画位置を指定しても良い。これにより描画装置2は、保存描画位置の保存対象のオブジェクトに変更が生じたとしても、以前に保存した保存描画位置を踏襲して、オブジェクトのシンボルを描画することができる。
保存描画位置指示部125は、描画指示において、接続するオブジェクトを指定しても良い。検索部122によって、描画対象のオブジェクトが検索されたのち、描画対象のオブジェクトの接続関係が検索され、保存描画位置指示部125は、検索された接続関係に基づいて、描画対象のオブジェクトを接続して描画するよう、描画指示において指示しても良い。保存描画位置がなくデフォルトの位置に描画されるオブジェクトは、オブジェクト位置データ115において接続対象のオブジェクトに保存描画位置が登録されている場合、接続対象のオブジェクトのシンボルに接続して描画されても良い。
図14を参照して、描画位置保存機能に関する描画システム3の処理を説明する。
ステップS11において描画装置2は、描画支援装置1から入力された描画指示に従って、オブジェクトのシンボルを描画し、入出力インタフェース230を介して表示装置に表示する。ユーザは、表示されたオブジェクトの描画位置を、マウス等の入力装置で操作して、変更する指示を描画装置2に入力すると、ステップS12において描画装置2は、各シンボルの描画位置を都度更新する。
ユーザは、オブジェクトの描画位置を保存したいタイミングで、その指示を描画装置2に入力する。例えば、描画画面に「保存」と表記したボタンと、保存キーを入力するテキストボックスを設ける。ユーザは、現在のオブジェクトの描画位置を後で呼び出す可能性があると感じ、オブジェクトの描画位置の保存を希望する場合、任意の保存キーを入力し、「保存」ボタンを選択する。
保存ボタンが選択されると、ステップS13において描画装置2の保存要求部224は、保存ボタンが選択された時点で画面に表示されたオブジェクトの識別子、そのオブジェクトの描画位置(保存描画位置)および保存キーを描画支援装置1に送信する。
ステップS14において、描画支援装置1の保存描画位置取得部127は、描画装置2から受信したオブジェクトの識別子、保存描画位置および保存キーを対応づけて、オブジェクト位置データ115に保存する。
ステップS15において描画装置2から、オブジェクトの検索条件と保存キーが入力されると、描画支援装置1の検索部122は、ステップS16において、オブジェクトデータ111から検索条件を満たすオブジェクトの識別子を検索する。また保存描画位置指示部125は、ステップS17において、オブジェクト位置データ115から保存キーに対応する保存描画位置を取得し、描画位置を決定する。また保存描画位置指示部125は、ステップS18において、保存描画位置がないオブジェクトのデフォルトの描画位置を決定する。
ステップS19において保存描画位置指示部125は、ステップS17ないしステップS18の処理で決定した各オブジェクトの描画位置を、オブジェクトの識別子と対応づけて描画装置2に入力する。
描画装置2は、ステップS20においてステップS19で取得した描画位置に基づいて、オブジェクトのシンボルを描画する。
図15ないし図17を参照して、描画位置保存機能において、保存キーに対応づけられた保存描画位置を呼び出してシンボルを描画する処理を詳述する。
例えば図15(a)に示す検索画面V11が、描画装置2に表示される。この検索画面において、検索項目に対する検索条件として、システム「回線管理システム」、オペレータ「幕張太郎」、エリア「首都圏」およびメーカ名「全メーカ」が指定される。図15(a)において、システム「回線管理システム」およびオペレータ「幕張太郎」の各条件は、オペレータが描画装置2にログインした際、オペレータに与えられた権限等から描画装置2によって指定され、エリア「首都圏」およびメーカ名「全メーカ」の各条件は、オペレータによって指定される。このとき、検索画面V11において、保存キーも指定される。図15(a)に示す例では、検索項目の一つが保存キーとされており、保存キーは、「回線管理システム」である。
このような検索画面V11において「検索描画実行」ボタンが選択されると、図15(b)に示す結果表示画面V12が表示される。結果表示画面V12において、オブジェクトのシンボルがAないしMの符号が付されて描画される。結果表示画面V12で描画される各オブジェクトのシンボルは、図15(c)に示すように、オブジェクト位置データ115aにおいて、保存キー「回線管理システム」に対応づけられた保存描画位置に基づいて描画される。
図16(a)に示す検索画面V21は、図15(a)に示す検索画面V11と検索条件は共通するが、保存キーが異なる。検索画面V11における保存キーは、「回線管理システム」であるのに対し、検索画面V21における保存キーは、「幕張太郎+首都圏」である。この場合、図16(b)に示す結果表示画面V22において、オブジェクトのシンボルがAないしMの符号が付されて描画される点は、図15(b)と同様であるが、その描画位置が異なる。具体的には、図15(b)において、左から「神奈川」、「千葉」、「埼玉」の順に並ぶのに対し、図16(b)において、左から「千葉」、「神奈川」、「埼玉」の順に並ぶ。これは、オブジェクト位置データ115において保存キー「幕張太郎+首都圏」で登録された保存描画位置と、保存キー「回線管理システム」で登録された保存描画位置とが異なることに依存する。
図17(a)に示す検索画面V31は、図16(a)に示す検索画面V21と検索条件は異なるが、保存キーが共通する。検索画面V21における検索条件は、「全メーカ」であるのに対し、検索画面V31における検索条件は、「X社製品」である。この場合、図17(b)に示す結果表示画面V32において表示されるオブジェクトのシンボルは、図16(b)に示す結果表示画面V22よりも少ない。しかしながら、結果表示画面V32で表示される各オブジェクトのシンボルの位置は、図16(b)に示す結果表示画面V32と同じである。
このように描画位置保存機能において、描画対象のオブジェクトに変更が生じても、以前に保存したオブジェクトの描画位置は変わらないため、ユーザの嗜好に合致する。
(描画位置決定機能)
描画位置決定機能は、オブジェクトのシンボルおよびシンボルを接続するコネクタの接続状態の視認性を向上するように、オブジェクトの描画位置を決定する機能である。描画位置決定機能は、描画支援装置1の描画位置決定部126によって実装される。描画位置決定機能において、オブジェクトの属性を考慮した描画位置決定方法と、循環経路を意識した描画位置決定方法を説明する。
まず、オブジェクトの属性を考慮した描画位置決定方法を説明する。
描画位置決定部126は、描画対象のオブジェクトを属性で複数のグループに分ける。描画位置決定部126は、オブジェクト接続データ112を参照して、グループ毎にオブジェクトを接続するグループ内での描画位置を決定した後、他のグループと接続するオブジェクトを接続するように、描画位置を決定する。
図18(a)に示すように、AないしIのオブジェクトが、オブジェクトデータ111の所定の属性でグルーピングされ、グループ1ないし3に分けられる場合を説明する。例えばオブジェクトデータ111において各オブジェクトの識別子に、オブジェクトが設置される場所と、オブジェクトの用途が対応づけられている場合、描画位置決定部126は、「場所」および「用途」のうちのいずれかの属性でグルーピングすることができる。描画位置決定部126は、例えば、「都道府県および用途」の属性の組み合わせでグルーピングしても良い。
このグループ1ないし3のそれぞれにおいて、オブジェクト接続データ112を参照してオブジェクトを接続すると、図18(b)のようになる。図18(b)では、グループ2において、BとCの各オブジェクトが接続され、それ以外のオブジェクトは接続されない。
その後、オブジェクト接続データ112を参照して、グループ間を接続可能なオブジェクトを特定する。その結果、図18(c)に示すように、AとBのオブジェクトが接続され、AとGのオブジェクトが接続される。さらに、Cのオブジェクトは、D、EおよびFのオブジェクトとそれぞれ接続し、Gのオブジェクトは、HとIのオブジェクトとそれぞれ接続する。
その結果、図18(d)に示すように、オブジェクトの描画位置を決定することができる。例えば、グルーピングせずに、GのオブジェクトがHおよびIのオブジェクトとそれぞれ接続することを考慮してオブジェクトを描画した場合、Cのオブジェクトの位置と、HおよびIのオブジェクトが同一階層に表示されてしまう。Cのオブジェクトと、HとIのオブジェクトは、属性が異なるにもかかわらず横並びに描画されてしまう。その結果、Cのオブジェクトと、HとIのオブジェクトを同グループにみなしてしまう可能性がある。
これに対し図18(d)に示す描画は、HとIのオブジェクトは、D、EおよびFのオブジェクトと同じ属性であることがわかりやすい。図18(d)は、より多くの情報を伝えることを可能にしており、視認性が向上する。
ここで、グループ間でオブジェクトを上下方向に接続するコネクタの距離は、グループ内においてオブジェクトを接続するコネクタの距離よりも短く設定されるのが好ましい。例えば図18(d)において、Cのオブジェクトを、D、EおよびFの各オブジェクトと接続するコネクタは、BとCの各オブジェクトを接続するコネクタよりも長い。これにより、CのオブジェクトとD、EおよびFのオブジェクトとの間に、グループの境界があることが、さらにわかりやすくなる。
また描画位置決定部126は、グループに属するオブジェクトを、グループ毎に設定されたトポロジで接続しても良い。
例えば図19(a)に示すように、描画対象のグループは、グループ1ないし4に分割され、グループ1および4のトポロジをツリー、グループ2のトポロジをメッシュ、グループ3のトポロジをリングと、各グループにトポロジを指定する。描画位置決定部126が、オブジェクト接続データ112におけるオブジェクトの接続関係からトポロジを指定しても良いし、ユーザが指定しても良い。
図19(b)に示すように、各グループについて指定されたトポロジでグループ内を接続した後、図19(c)に示すように、グループ間を接続する。
これにより、図19(d)に示すようにオブジェクトを描画することができる。描画対象のオブジェクトをグルーピングして、グループ内でグループ内の接続関係に応じたトポロジで接続することにより、オブジェクトの関係を把握しやすいように、オブジェクトを描画することができる。
このようにオブジェクトの属性を考慮して描画位置を決定することにより、オブジェクトを接続する各階層において、同様の属性のオブジェクトが集まり、視認性が向上する。またグループ内でオブジェクトの関係に好適なトポロジを決定することにより、オブジェクトの関係の視認性を向上させることができる。
次に、循環経路を意識した描画位置決定方法を説明する。
描画位置決定部126は、描画対象のオブジェクトのうちの一つを起点オブジェクトに決定する。描画位置決定部126は、オブジェクト接続データ112を参照して、起点オブジェクトの接続先が、複数の子オブジェクトの場合、複数の子オブジェクトのうちの一つの対象子オブジェクトの接続先を探索する際、オブジェクト接続データ112において、複数の子オブジェクトのうちの一つの対象子オブジェクト以外の子オブジェクトに接続するペアを除外して、対象子オブジェクトの接続先である対象孫オブジェクトを探索する。
描画位置決定部126は、対象子オブジェクトの接続先が、複数の孫オブジェクトの場合、対象子オブジェクトと同様に接続先を探索する。具体的には描画位置決定部126は、複数の孫オブジェクトのうちの一つの対象孫オブジェクトの接続先を探索する際、オブジェクト接続データ112において、複数の孫オブジェクトのうちの一つの対象孫オブジェクト以外の孫オブジェクトに接続するペアを除外して、対象孫オブジェクトの接続先のオブジェクトを探索する。接続先のオブジェクトがなくなるまでこの処理を繰り返す。
対象孫オブジェクトの接続先がない場合、描画位置決定部126は、起点オブジェクト、対象子オブジェクトおよび対象孫オブジェクトを直列に接続するよう描画位置を決定する。また、オブジェクト接続データにおいて、対象孫オブジェクトの接続先がない場合、描画位置決定部126は、複数の子オブジェクトのうちの対象子オブジェクト以外の新たな対象子オブジェクトについて、接続先のオブジェクトを探索する。
図20から図24を参照して、循環経路を意識した描画位置決定方法を説明する。描画対象のオブジェクトはAないしIである。これらの描画対象のオブジェクトの接続関係を、図20(a)のオブジェクト接続データ112aに示す。描画位置決定部126は、図20(b)に示すように、各オブジェクトの描画位置を決定する。なお、オブジェクト接続データ112aは、オブジェクト接続データ112から、描画対象のオブジェクトに関連する接続ペアを抽出し、任意のソートキー(ここではオブジェクトの識別子順)でソートし、重複を省いたデータである。
起点ノードをAとした場合、図21(a)に示すように、Aのオブジェクトの接続先は、B、EおよびGの各オブジェクト(子オブジェクト)である。その結果、図21(b)に示すように、Aの配下に、B、EおよびGの各オブジェクトが並ぶ。
B、EおよびGの各子オブジェクトのうち、Bのオブジェクトを対象子オブジェクトとする場合、図22(a)および(b)に示すように、B以外のEおよびGの各子オブジェクトに接続するオブジェクトのペアを除外する。ここでは、F−E、E−A、A−GおよびG−Hの各ペアが除外される。
図23(a)に示すように、除外されずに残った接続ペアを参照して、対象子オブジェクトであるBオブジェクトの接続先を探索する。ここでは図23(b)に示すように、B−C−D−Fの順で接続することができる。
次に、子オブジェクトのBオブジェクトに関する探索が終了したので、未探索のEまたはGの子オブジェクトのうち、Eオブジェクトを対象子オブジェクトとして探索する。図24(a)に示すように、Gの子オブジェクトに接続する接続ペアA−Gが除外される。ここで、図24(a)に示すように、子オブジェクトであるBオブジェクトの配下のオブジェクトを探索した際に既に処理された接続ペアも、除外される。A−B、B−C、C−D、D−Fの各接続ペアが除外される。
図24(a)に示すように、除外されずに残った接続ペアを参照して、対象子オブジェクトであるEオブジェクトの接続先を探索する。ここでは図24(b)に示すように、オブジェクトA−Eの接続は、既に描画されている一方、F−Eの接続は描画されていないので、E−Fを接続するコネクタを描画する。また図24(a)において、除外されていない接続ペアのうち、Fに接続する接続先はないので、子オブジェクトであるEオブジェクトに関する処理を終了する。
次に、Gオブジェクトを対象子オブジェクトとして同様の処理を行う。この結果、図20(b)に示すように、G−H−Iを直列に接続する。
このように循環経路を意識した描画位置決定方法では、循環経路(リング)のトポロジを指定しなくとも、図20(b)に示すように、A−B−C−D−F−E−Aの循環経路を表現することができる。また同じ方向を向くコネクタが重複することがないので、各コネクタを視認でき、オブジェクトの接続関係をわかりやすく描画することができる。
このように描画位置決定機能において、オブジェクトのシンボルを接続するコネクタの視認性を向上する。
なお、描画装置2に描画する場合、オブジェクトを接続した状態の幅および深さと、描画画面のサイズ等から、一般的な方法により、コネクタの長さ、向き等が決定される。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施の形態に記載した描画支援装置および描画装置は、図3および図11に示すようにそれぞれ一つのハードウエア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウエア上に構成されても良い。また描画支援装置および描画装置は、他の機能を実現する既存の情報処理装置上に実現されても良い。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。