JP2020182089A - フィルタ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ特性を向上させること。【解決手段】第1端子と、第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間に接続され、第1通過帯域を有する第1フィルタと、前記第1端子と前記第2端子との間において前記第1フィルタと並列接続され、前記第1通過帯域と重ならない第2通過帯域を有する第2フィルタと、前記第1フィルタと、前記第1端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第1ノードと、の間に接続され、前記第1ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第1移相回路と、を備えるフィルタ回路。【選択図】図1
Description
本発明は、フィルタ回路に関し、例えば複数のフィルタを有するフィルタ回路に関する。
キャパシタおよびインダクタにより形成された共振回路に、弾性波共振器を設けることで、ローパスフィルタ(LPF)およびハイパスフィルタ(HPF)を形成することが知られている(例えば特許文献1、2)。バンドパスフィルタ(BPF)とハイパスフィルタを並列接続することで、バンドストップフィルタとすることが知られている(例えば特許文献3)。
2つの通過帯域の間に阻止帯域を有するノッチフィルタにおいては、通過帯域の損失を小さくし、阻止帯域の減衰量を大きくすることが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、フィルタ特性を向上させることを目的とする。
本発明は、第1端子と、第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間に接続され、第1通過帯域を有する第1フィルタと、前記第1端子と前記第2端子との間において前記第1フィルタと並列接続され、前記第1通過帯域と重ならない第2通過帯域を有する第2フィルタと、前記第1フィルタと、前記第1端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第1ノードと、の間に接続され、前記第1ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第1移相回路と、を備えるフィルタ回路である。
上記構成において、前記第2フィルタと前記第1ノードとの間に接続され、前記第1ノードからみた前記第1通過帯域における反射特性を、前記第2フィルタとの間のノードから前記第2フィルタをみたときの前記第1通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第2移相回路を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記第1フィルタと、前記第2端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第2ノードと、の間に接続され、前記第2ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第3移相回路を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記第1フィルタと、前記第2端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第2ノードと、の間に接続され、前記第2ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第3移相回路と、前記第2フィルタと前記第2ノードとの間に接続され、前記第2ノードからみた前記第1通過帯域における反射特性を、前記第2フィルタとの間のノードから前記第2フィルタをみたときの前記第1通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第4移相回路と、
を備える構成とすることができる。
を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記第1ノードから前記第1移相回路をみたときの前記第1通過帯域における反射特性は略基準インピーダンスである構成とすることができる。
上記構成において、前記第1フィルタおよび前記第2フィルタのいずれか一方はローパスフィルタであり、前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの他方はハイパスフィルタである構成とすることができる。
上記構成において、前記フィルタ回路は、前記第1通過帯域と前記第2通過帯域との間に阻止帯域を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1フィルタは、前記第1端子と前記第2端子の間に接続された第1並列共振回路と、一端が前記第1並列共振回路に接続され他端が接地された第1弾性波共振器と、を備え、前記第2フィルタは、前記第1端子と前記第2端子の間に接続された第2並列共振回路と、一端が前記第2並列共振回路に接続され他端が接地された第2弾性波共振器と、を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記第1弾性波共振器が形成する第1減衰極は、前記第1並列共振回路が形成する第2減衰極と、前記第1通過帯域との間に位置し、前記第2弾性波共振器が形成する第3減衰極は、前記第2並列共振回路が形成する第4減衰極と、前記第2通過帯域との間に位置する構成とすることができる。
本発明によれば、フィルタ特性を向上させることができる。
以下、図面を参照し実施例について説明する。
図1は、実施例1に係るフィルタ回路の回路図である。図1に示すように、端子T1とT2との間にフィルタ10と12とが並列接続されている。フィルタ10と12が結合するノードはN1およびN2である。ノードN1とフィルタ10との間に移相回路13が接続されている。ノードN2とフィルタ10との間に移相回路14が接続されている。ノードN1とフィルタ12との間に移相回路15が接続されている。ノードN2とフィルタ12との間に移相回路16が接続されている。フィルタ10は、通過帯域Pass1のLPFであり、フィルタ12は通過帯域Pass2のHPFである。通過帯域Pass2は通過帯域Pass1より高く、通過帯域Pass1と重なっていない。通過帯域Pass1とPass2との間が阻止帯域となる。
移相回路13および14は、フィルタ12の通過帯域Pass2におけるそれぞれ端子T1およびT2からフィルタ10をみた反射特性を略オープンとする。移相回路15および16は、フィルタ10の通過帯域Pass1におけるそれぞれ端子T1およびT2からフィルタ12をみた反射特性を略オープンとする。
[シミュレーション1]
実施例1および比較例1に係るフィルタ回路の通過特性および反射特性をシミュレーションした。図2は、実施例1におけるフィルタ回路の回路図である。
実施例1および比較例1に係るフィルタ回路の通過特性および反射特性をシミュレーションした。図2は、実施例1におけるフィルタ回路の回路図である。
図2に示すように、フィルタ10は、並列共振回路20と弾性波共振器R1を備えている。並列共振回路20は、キャパシタC11、C12およびインダクタL11を備えている。キャパシタC11およびC12は、ノードN11とN12との間に直列接続されている。インダクタL11は、ノードN11とN12との間においてキャパシタC11とC12に並列接続されている。弾性波共振器R1の一端はキャパシタC11とC12との間のノードN13に接続され、他端は接地されている。
フィルタ12は、並列共振回路22、インダクタL22、L23および弾性波共振器R2を備えている。並列共振回路22は、キャパシタC21、C22およびインダクタL21を備えている。キャパシタC21およびC22は、ノードN21とN22との間に直列接続されている。インダクタL21は、ノードN21とN22との間においてキャパシタC21とC22に並列接続されている。弾性波共振器R2の一端はキャパシタC21とC22との間のノードN23に接続され、他端は接地されている。インダクタL22およびL23の一端はそれぞれノードN1とN21との間のノードおよびノードN2とN22との間のノードに接続され、他端は接地されている。その他の回路は図1と同じであり説明を省略する。
図3(a)および図3(b)は、実施例1における弾性波共振器の例を示す平面図および断面図である。図3(a)は、弾性波共振器が弾性表面波共振器の例である。基板30上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器42が形成されている。IDT40は、互いに対向する1対の櫛型電極40aを有する。櫛型電極40aは、複数の電極指40bと複数の電極指40bを接続するバスバー40cとを有する。反射器42は、IDT40の両側に設けられている。IDT40が基板30に弾性表面波を励振する。基板30は例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板等の圧電基板である。基板30は、支持基板に圧電基板が接合された複合基板でもよい。支持基板は例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、水晶基板またはシリコン基板である。圧電基板と支持基板との間に酸化シリコン膜または酸化アルミニウム膜等の絶縁膜が設けられていてもよい。IDT40および反射器42は例えばアルミニウム膜または銅膜により形成される。基板30上にIDT40および反射器42を覆うように保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。
図3(b)は、実施例1における弾性波共振器が圧電薄膜共振器の例である。基板30上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極44および上部電極48が設けられている。下部電極44と基板30との間に空隙45が形成されている。圧電膜46の少なくとも一部を挟み下部電極44と上部電極48とが対向する領域が共振領域である。共振領域内の下部電極44および上部電極48は圧電膜46内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。基板30は、例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、ガラス基板、水晶基板またはシリコン基板である。下部電極44および上部電極48は例えばルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜46は例えば窒化アルミニウム膜である。空隙45の代わりに弾性波を反射する音響反射膜が設けられていてもよい。
図4は、比較例1におけるフィルタ回路の回路図である。図4に示すように、比較例1では、移相回路13から16が接続されていない。その他の構成は実施例1の図2と同じであり説明を省略する。
[フィルタ10、12のシミュレーション]
まず、フィルタ10単体およびフィルタ12単体の通過特性S21をシミュレーションした。シミュレーション条件は以下である。
フィルタ10:
C11=4.56pF、C12=4.56pF、L11=3.4nH
弾性波共振器R1:圧電薄膜共振器
共振周波数:1540MHz、静電容量:1.8pF
フィルタ12
C21=9.0pF、C22=9.0pF、L21=3.1nH、L22=4nH、L23=4nH
弾性波共振器R2:圧電薄膜共振器
共振周波数:1680MHz、静電容量:2.2pF
まず、フィルタ10単体およびフィルタ12単体の通過特性S21をシミュレーションした。シミュレーション条件は以下である。
フィルタ10:
C11=4.56pF、C12=4.56pF、L11=3.4nH
弾性波共振器R1:圧電薄膜共振器
共振周波数:1540MHz、静電容量:1.8pF
フィルタ12
C21=9.0pF、C22=9.0pF、L21=3.1nH、L22=4nH、L23=4nH
弾性波共振器R2:圧電薄膜共振器
共振周波数:1680MHz、静電容量:2.2pF
図5(a)および図5(b)は、それぞれフィルタ10および12の通過特性を示す図である。図5(a)に示すように、フィルタ10では、0.5GHzから1.51GHzの帯域が通過帯域Pass1である。約1.95GHzの減衰極A12は主に並列共振回路20が形成する減衰極である。約1.55GHzの減衰極A11は主に弾性波共振器R1が形成する減衰極である。通過帯域Pass1と減衰極A12との間に減衰極A11を設けることで通過帯域Pass1と阻止帯域の間の減衰量の変化を急峻にできる。
図5(b)に示すように、フィルタ12では、1.71GHzから2.7GHzの帯域が通過帯域Pass2である。約1.4GHzの減衰極A22は主に並列共振回路22が形成する減衰極である。約1.65GHzの減衰極A21は主に弾性波共振器R2が形成する減衰極である。1GHz以下の帯域の減衰A23は主にインダクタL22およびL23による減衰である。通過帯域Pass2と減衰極A22との間に減衰極A21を設けることで通過帯域Pass2と阻止帯域の間の減衰量の変化を急峻にできる。
[比較例1のシミュレーション]
比較例1における通過特性および反射特性をシミュレーションした。シミュレーション条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
比較例1における通過特性および反射特性をシミュレーションした。シミュレーション条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
図6(a)および図6(b)は、比較例1における反射特性S11を示すスミスチャートである。図6(a)は、比較例1においてノードN1からフィルタ10をみた反射特性S11を示し、図6(b)は、ノードN1からフィルタ12をみた反射特性S11を示す。フィルタ10は対称(すなわちノードN1からフィルタ10をみた特性とノードN2からフィルタ10をみた特性が対称)なため、ノードN2からフィルタ12をみた反射特性S22は反射特性S11と同じである。フィルタ12についてもS11とS22とは同じである。周波数の走査範囲は0.5GHzから2.7GHzである。
極座標で表すとスミスチャートの中心は動径が0であり、スミスチャートの外周は動径が1である。スミスチャートの円の右端と中心を結ぶ直線上では位相(偏角)が0°であり、スミスチャートの円の上端の位相は+90°であり、下端では位相は−90°である。円の上部および下部は位相がそれぞれ正および負である。反射特性S11を基準インピーダンス(例えば50Ω)で規格化した複素数で表すと、スミスチャートの右端と左端を結ぶ直線上ではS11の虚部は0である。左端はS11の実部は0であり、右端はS11の実部は無限大である。円の上部および下部はS11の虚部がそれぞれ正および負である。円の右側の外周付近では、S11の絶対値は無限大に近く、ほぼオープンである。
スミスチャートの円の中心付近の領域50では、S11の実部が基準インピーダンス(50Ω)付近である。領域50に位置する周波数の信号はフィルタ10で反射されずフィルタ10を通過する。スミスチャートの円の右側の外周付近の領域52は、S11の大きさが無限大に近い。領域52に位置する周波数の信号はフィルタ10により反射され、フィルタ10を通過しない。フィルタ10の通過帯域Pass1は領域50に位置し、フィルタ12の通過帯域Pass2は領域52に位置すると、通過帯域Pass1の高周波信号はフィルタ10を通過し、通過帯域Pass2の高周波信号はフィルタ10に反射される。
図6(a)では、1.51GHz以下の通過帯域Pass1におけるS11は領域50に位置している。通過帯域Pass2のうち1.71GHz付近のS11の位相は0°に近くオープンに近いが、2.69GHz付近のS11は領域52より負側に位相が回っている。通過帯域Pass2の中心周波数付近ではS11の位相は負である。このため、通過帯域Pass2の高周波信号の一部はフィルタ10での反射が小さい。通過帯域Pass2の高周波信号のフィルタ10での反射が小さいと、高周波信号がフィルタ10に漏れるため、フィルタ12の損失が低下する。
図6(b)に示すように、1.71GHz以上の通過帯域Pass2におけるS11は領域50に位置しているが、通過帯域Pass1の全体においてS11は領域52より正側に位相が回っている。このため、通過帯域Pass1の低周波信号(すなわち通過帯域Pass2に比べ周波数の低い高周波信号)の一部のフィルタ12での反射は小さい。通過帯域Pass1の低周波信号のフィルタ12での反射が小さいと、低周波信号がフィルタ12に漏れるため、フィルタ10の損失が低下する。
図7(a)は、比較例1に係るフィルタ回路の通過特性S21を示す図、図7(b)は、反射特性S11を示すスミスチャートである。図7(a)は端子T1からT2の通過特性S21であり、図7(b)は、端子T1からフィルタ10および12をみたS11である。フィルタ10および12は各々対称なため、端子T2からみた反射特性S22はS11と同じである。
図7(a)に示すように、通過帯域Pass1およびPass2における損失が大きくなっている。図7(b)に示すように、1.51GHz以下の通過帯域Pass1および1.71GHz以上の通過帯域Pass2におけるS11は領域50の外側に位置している。1.51GHzと1.71GHzの間の周波数におけるS11は領域50に位置している。
図6(a)および図6(b)のように、ノードN1からフィルタ10をみたときの通過帯域Pass2とノードN1からフィルタ12をみたときの通過帯域Pass1のS11が領域52から外れているため、比較例1のフィルタ回路では通過帯域Pass1およびPass2における損失が大きくなると考えられる。
[実施例1のシミュレーション]
実施例1における通過特性および反射特性をシミュレーションした。移相回路13から16を理想的な移相回路とし、移相回路13から16の移相量を以下とした。
移相回路13および14:+25°
移相回路15および16:−55°
その他のシミュレーション条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
実施例1における通過特性および反射特性をシミュレーションした。移相回路13から16を理想的な移相回路とし、移相回路13から16の移相量を以下とした。
移相回路13および14:+25°
移相回路15および16:−55°
その他のシミュレーション条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
図8(a)および図8(b)は、実施例1における反射特性S11を示すスミスチャートである。図8(a)は、実施例1においてノードN1から移相回路13およびフィルタ10をみた反射特性S11を示し、図8(b)は、ノードN1から移相回路15およびフィルタ12をみた反射特性S11を示す。フィルタ10および12は各々対称なため、ノードN2からみた反射特性S22はS11と同じである。周波数の走査範囲は0.5GHzから2.7GHzである。
図8(a)に示すように、1.51GHz以下の通過帯域Pass1におけるS11は領域50に位置している。比較例1の図6(a)に比べ、移相回路13によりS11の位相を正に回転させたため、通過帯域Pass2の中心周波数付近のS11の位相は0°に近づき、通過帯域Pass2全体のS11の位置が領域52内に移動している。
図8(b)に示すように、1.71GHz以上の通過帯域Pass2におけるS11は領域50に位置している。比較例1の図6(b)に比べ、移相回路15によりS11の位相を負に回転させたため、通過帯域Pass1の中心周波数付近のS11の位相は0°に近づき、通過帯域Pass1全体のS11の位置が領域52内に移動している。
図9(a)は、実施例1に係るフィルタ回路の通過特性S21を示す図、図9(b)は、反射特性S11を示すスミスチャートである。図9(a)は端子T1からT2の通過特性S21であり、図9(b)は、端子T1からフィルタ10および12をみたS11である。フィルタ10および12は各々対称なため、端子T2からみた反射特性S22はS11と同じである。
図9(a)に示すように、通過帯域Pass1およびPass2における損失が比較例1の図7(a)に比べ非常に小さくなっている。通過帯域Pass1とPass2との間の阻止帯域の減衰量は大きい。通過帯域Pass1およびPass2と阻止帯域との間の減衰量の変化は急峻である。図9(b)に示すように、1.51GHz以下の通過帯域Pass1および1.71GHz以上の通過帯域Pass2におけるS11は領域50内に位置している。
実施例1では、移相回路13は通過帯域Pass2におけるノードN1から移相回路13をみた反射特性S11を領域52となるように位相を回転させる。移相回路15は通過帯域Pass1におけるノードN1から移相回路15をみた反射特性S11を領域52となるように位相を回転させる。これにより、通過帯域Pass2の高周波信号の移相回路13での反射が大きくフィルタ10に漏れる高周波信号は小さい。通過帯域Pass1の低周波信号の移相回路15での反射が大きく、フィルタ12に漏れる高周波信号が小さい。よって、通過帯域Pass1およびPass2におけるフィルタ回路の損失を抑制できる。
[実施例1の変形例1のシミュレーション]
実施例1の変形例1では、移相回路13から16を具体的な回路として、通過特性および反射特性のシミュレーションを行った。図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例1における移相回路の回路図である。図10(a)は移相回路13および14の回路図、図10(b)は、移相回路15および16の回路図である。
実施例1の変形例1では、移相回路13から16を具体的な回路として、通過特性および反射特性のシミュレーションを行った。図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例1における移相回路の回路図である。図10(a)は移相回路13および14の回路図、図10(b)は、移相回路15および16の回路図である。
図10(a)に示すように、移相回路13および14は、LCLπ型回路である。端子T3とT4との間にキャパシタC31が接続され、インダクタL31およびL32はキャパシタC31の両端でシャント接続されている。移相回路13では端子T3およびT4はそれぞれノードN1およびフィルタ10に接続されている。移相回路14では端子T3およびT4はそれぞれノードN2およびフィルタ10に接続されている。
図10(b)に示すように、移相回路15および16は、CLCπ型回路である。端子T5とT6との間にインダクタL41が接続され、キャパシタC41およびC42はインダクタL41の両端でシャント接続されている。移相回路15では端子T5およびT6はそれぞれノードN1およびフィルタ12に接続されている。移相回路16では端子T5およびT6はそれぞれノードN2およびフィルタ12に接続されている。
シミュレーション条件は以下である。
移相回路13および14:
C31=4pF、L31=24nH、L32=19nH
移相回路15および16
C41=2pF、C42=2.4pF、L41=4.5nH
フィルタ10および12の条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
移相回路13および14:
C31=4pF、L31=24nH、L32=19nH
移相回路15および16
C41=2pF、C42=2.4pF、L41=4.5nH
フィルタ10および12の条件はフィルタ10および12のシミュレーションと同じである。
図11(a)および図11(b)は、実施例1の変形例1における反射特性S11を示すスミスチャートである。図11(a)は、実施例1の変形例1においてノードN1から移相回路13およびフィルタ10をみた反射特性S11を示し、図11(b)は、ノードN1から移相回路15およびフィルタ12をみた反射特性S11を示す。
図11(a)に示すように、1.51GHz以下の通過帯域Pass1におけるS11は領域50に位置している。比較例1の図6(a)に対し、移相回路13および14によりS11の位相を正に回転させたため、通過帯域Pass2の中心周波数付近の位相は0°に近づき、S11はオープンに近づいている。通過帯域Pass2全体のS11は領域52に位置している。
図11(b)に示すように、1.71GHz以上の通過帯域Pass2におけるS11は領域50に位置している。比較例1の図6(b)に対し、移相回路15および16によりS11の位相を負に回転させたため通過帯域Pass1の中央付近におけるS11は領域52内に位置している。通過帯域Pass1の両端(0.5GHzおよび1.51GHz)付近ではS11は領域52から外れている。通過帯域Pass1のうちS11が領域52内に位置する帯域が比較例1の図6(b)より大きい。
図12(a)は、実施例1に変形例1に係るフィルタ回路の通過特性S21を示す図、図12(b)は、反射特性S11を示すスミスチャートである。図12(a)は端子T1からT2の通過特性S21であり、図12(b)は、端子T1からフィルタ10および12をみたS11である。フィルタ10および12は各々対称なため、端子T2からみた反射特性S22はS11と同じである。
図12(a)に示すように、通過帯域Pass1を1GHzから1.51GHz、Pass2を1.71GHzから2.1GHzとすると、通過帯域Pass1およびPass2における損失は比較例1の図7(a)より小さい。
図12(b)に示すように、周波数が1.51GHz付近および1.71GHz付近におけるS11は領域50付近に位置している。1.51GHzと1.71GHzの間の周波数では領域50から外れている。周波数が0.5GHz付近および2.7GHz付近におけるS11は領域50から離れている。比較例1の図7(b)より、1.51GHz以下である通過帯域Pass1および1.71GHz以上である通過帯域Pass2を領域50に近づけることができる。
実施例1の変形例1では、実施例1のように移相回路13から16を理想的な回路とした場合に比べると、通過帯域Pass1およびPass2における損失を抑制できないものの移相回路13から16を設けない比較例1に比べると、通過帯域Pass1およびPass2の損失を抑制できる。
[実施例1の変形例2のシミュレーション]
実施例1およびその変形例1では、フィルタ10および12ともに端子T1からみた特性と端子T2からみた特性が対称の場合の例であった。実施例1の変形例2は、フィルタ10および12ともに端子T1からみた特性と端子T2からみた特性が非対称の場合の例である。
実施例1およびその変形例1では、フィルタ10および12ともに端子T1からみた特性と端子T2からみた特性が対称の場合の例であった。実施例1の変形例2は、フィルタ10および12ともに端子T1からみた特性と端子T2からみた特性が非対称の場合の例である。
図13は、実施例1の変形例2におけるフィルタ回路の回路図である。図13に示すように、ノードN12と移相回路14との間にキャパシタC13が接続されている。ノードN11にインダクタL21がシャント接続されている。その他の接続関係は実施例1と同じである。
実施例1の変形例2のシミュレーション条件は以下がある。
フィルタ10
C11=7pF、C12=2.2pF、C13=5pF、L11=3.9nH、L21=15nH
弾性波共振器R1:圧電薄膜共振器
共振周波数:1540MHz、静電容量:1.8pF
フィルタ12
C21=11pF、C22=7.3pF、L21=3.2nH、L22=3.8nH、L23=3.9nH
弾性波共振器R2:圧電薄膜共振器
共振周波数:1680MHz、静電容量:2.2pF
移相回路13:
C31=4.1pF、L31=22nH、L32=33nH
移相回路14:
C31=5.7pF、L31=25nH、L32=25nH
移相回路15
C41=1.9pF、C42=2.2pF、L41=4.7nH
移相回路16
C41=2.1pF、C42=2.1pF、L41=4.7nH
フィルタ10
C11=7pF、C12=2.2pF、C13=5pF、L11=3.9nH、L21=15nH
弾性波共振器R1:圧電薄膜共振器
共振周波数:1540MHz、静電容量:1.8pF
フィルタ12
C21=11pF、C22=7.3pF、L21=3.2nH、L22=3.8nH、L23=3.9nH
弾性波共振器R2:圧電薄膜共振器
共振周波数:1680MHz、静電容量:2.2pF
移相回路13:
C31=4.1pF、L31=22nH、L32=33nH
移相回路14:
C31=5.7pF、L31=25nH、L32=25nH
移相回路15
C41=1.9pF、C42=2.2pF、L41=4.7nH
移相回路16
C41=2.1pF、C42=2.1pF、L41=4.7nH
図14(a)および図14(b)は、実施例1の変形例2における反射特性S11およびS22を示すスミスチャートである。図14(a)は、移相回路13を設けずにノードN1からフィルタ10をみた反射特性S11、および移相回路14を設けずにノードN2からフィルタ10をみた反射特性S22のスミスチャートであり、図14(b)は、ノードN1から移相回路13をみた反射特性S11、およびノードN2から移相回路14をみた反射特性S22である。
図14(a)に示すように、1GHzから1.51GHzの通過帯域Pass1におけるS11およびS22はいずれも領域50に位置する。1.71GHzから2.1GHzの通過帯域Pass2のS11およびS22は領域52から外れている部分がある。
図14(b)に示すように、通過帯域Pass1におけるS11およびS22はいずれも領域50に位置する。図14(a)に対し、移相回路13および14によりS11およびS22の位相を正に回転させている。通過帯域Pass2のS11およびS22は領域52から外れている部分がある。
図15(a)および図15(b)は、実施例1の変形例2における反射特性S11およびS22を示すスミスチャートである。図15(a)は、移相回路15を設けずにノードN1からフィルタ12をみた反射特性S11、および移相回路16を設けずにノードN2からフィルタ12をみた反射特性S22のスミスチャートであり、図15(b)は、ノードN1から移相回路15をみた反射特性S11、およびノードN2から移相回路16をみた反射特性S22である。
図15(a)に示すように、1.71GHzから2.1GHzの通過帯域Pass1におけるS11およびS22はいずれも領域50に位置する。1GHzから1.51GHzの通過帯域Pass1におけるS11およびS22の位相が正であり、通過帯域Pass1におけるS11およびS22は領域52から大きく外れている。
図15(b)に示すように、通過帯域Pass2におけるS11およびS22はいずれも領域50に位置する。図14(b)に対し、移相回路15および16によりS11およびS22の位相を正に回転させており、通過帯域Pass1の中心周波数におけるS11およびS22の位相は0°に近づいている。通過帯域Pass1のうちS11が領域52内に位置する帯域が図14(a)より大きい。
図16(a)および図16(b)は、実施例1の変形例2におけるフィルタ単体の通過特性S21を示す図である。図16(a)は、フィルタ10単体の通過特性を示す、図16(b)は、フィルタ12単体の通過特性を示す。
図16(a)に示すように、フィルタ10では、主に並列共振回路20が形成する減衰極A12と通過帯域Pass1との間に主に弾性波共振器R1が形成する減衰極A11が位置する。これにより、通過帯域Pass1と阻止帯域との間の減衰量の急峻性を大きくできる。
図16(b)に示すように、フィルタ12では、主に並列共振回路22が形成する減衰極A22と通過帯域Pass2との間に主に弾性波共振器R2が形成する減衰極A21が位置する。これにより、通過帯域Pass2と阻止帯域との間の減衰量の急峻性を大きくできる。以上のように、フィルタ10および12は非対称でもよい。
図17(a)は、実施例1に変形例2に係るフィルタ回路の通過特性S21を示す図、図17(b)は、反射特性S11およびS22を示すスミスチャートである。図17(a)は端子T1からT2の通過特性S21であり、図17(b)は、端子T1およびT2からフィルタ10および12をみたS11およびS22である。
図17(a)に示すように、1GHzから1.51GHzの通過帯域Pass1と1.71GHzから2.1GHzの通過帯域Pass2における損失を小さくできる。
図17(b)に示すように、周波数が1.71GHz付近ではS11およびS22は領域50付近に位置している。1.51GHz付近ではS11およびS22は領域50から外れているが領域50に近づいている。
実施例1の変形例2のように、端子T1からフィルタ10をみたときと端子T2からフィルタ10をみたときが非対称であり、端子T1からフィルタ12をみたときと端子T2からフィルタ12をみたときが非対称であっても、移相回路13から16を適宜設定することで、通過帯域Pass1およびPass2の損失を抑制できる。
移相回路13から16としてπ型回路を例に説明したが移相回路13から16はT型回路でもよく、キャパシタおよびインダクタの個数およびキャパシタンスおよびインダクタンスは適宜設定できる。また、移相回路13から16の少なくとも1つが設けられていればよい。
[実施例1の変形例3]
図18(a)および図18(b)は、実施例1の変形例3におけるフィルタの回路図である。図18(a)に示すように、フィルタ11では、端子T7と端子T8との間に直列共振器S1からS6が直列に接続され、並列共振器P1からP4が並列に接続されている。直列共振器S1からS6および並列共振器P1からP4は弾性波共振器である。直列共振器S1からS6および並列共振器P1からP4は破線17に対し対称な特性である。すなわち、端子T7からフィルタ11をみた高周波特性と、端子T8からフィルタ11をみた高周波特性は等価である。
図18(b)に示すように、フィルタ11aでは、端子T7と端子T8との間に直列共振器S1からS4が直列に接続され、並列共振器P1からP4が並列に接続されている。端子T7からフィルタ11aを見た高周波特性と端子T8からフィルタ11aをみた高周波特性は等価でない。フィルタ11および11aの直列共振器および並列共振器の個数は任意に設定できる。フィルタ10および12は多重モード型フィルタでもよい。
実施例1およびその変形例1から2において、フィルタ10および12の少なくとも一方をフィルタ11または11aとしてもよい。このように、フィルタ10および12はLC回路で構成されていてもよいし、弾性波共振器で構成されていてもよい。フィルタ10および12の少なくとも一方はバンドパスフィルタでもよい。
実施例1およびその変形例によれば、フィルタ10(第1フィルタ)は、端子T1(第1端子)と端子T2(第2端子)との間に接続され、通過帯域Pass1(第1通過帯域)を有する。フィルタ12(第2フィルタ)は、端子T1とT2との間においてフィルタ10と並列接続され、通過帯域Pass1と重ならない通過帯域Pass2(第2通過帯域)を有する。移相回路13(第1移相回路)は、フィルタ10とノードN1(端子T1とフィルタ10と20とが分岐する第1ノード)の間に接続されている。
図6(a)と図8(a)のように、移相回路13は、ノードN1から移相回路13をみた通過帯域Pass2における反射特性S11を、移相回路13とフィルタ10との間のノードからフィルタ10をみたときの通過帯域Pass2における反射特性S11よりオープンに近づける。これにより、移相回路13はノードN1からフィルタ10に向かう通過帯域Pass2の高周波信号の反射を大きくできる。よって、フィルタ12の通過帯域Pass2における損失を抑制できる。
ノードN1から移相回路13をみた通過帯域Pass2における反射特性S11を、移相回路13とフィルタ10との間のノードからフィルタ10をみた通過帯域Pass2における反射特性S11よりオープンに近づけるとは、通過帯域Pass2の少なくとも一部において、ノードN1から移相回路13をみた反射特性S11を、移相回路13とフィルタ10との間のノードからフィルタ10をみた反射特性S11よりオープンに近づける(すなわちS11の位相を0°に近づける)ことである。例えば、通過帯域Pass2の中心周波数において、ノードN1から移相回路13をみた反射特性S11を、移相回路13とフィルタ10との間のノードからフィルタ10をみた反射特性S11よりオープンに近づければよい。他の移相回路14から16においても同様である。
移相回路15(第2移相回路)は、フィルタ12とノードN1の間に接続されている。図6(b)と図8(b)のように、移相回路15は、ノードN1から移相回路15をみた通過帯域Pass1における反射特性S11を、移相回路15とフィルタ12との間のノードからフィルタ12をみたときの通過帯域Pass1における反射特性S11よりオープンに近づける。これにより、移相回路15はノードN1からフィルタ12に向かう通過帯域Pass1の高周波信号の反射を大きくできる。よって、フィルタ10の通過帯域Pass1における損失を抑制できる。
移相回路14(第3移相回路)は、フィルタ10と、ノードN2(端子T2とフィルタ10と12とが分岐する第2ノード)と、の間に接続されている。移相回路14は、ノードN2から移相回路14をみた通過帯域Pass2における反射特性S22を、移相回路14とフィルタ10との間のノードからフィルタ10をみたときの通過帯域Pass2における反射特性S22よりオープンに近づける。これにより、移相回路14はノードN2からフィルタ10に向かう通過帯域Pass2の高周波信号の反射を大きくできる。よって、フィルタ12の通過帯域Pass2における損失を抑制できる。
移相回路16(第4移相回路)はフィルタ12とノードN2との間に接続されている。移相回路16は、ノードN2から移相回路16をみた通過帯域Pass1における反射特性S22を、移相回路16とフィルタ12との間のノードからフィルタ12をみたときの通過帯域Pass1における反射特性S22よりオープンに近づける。これにより、移相回路16はノードN2からフィルタ12に向かう通過帯域Pass1の高周波信号の反射を大きくできる。よって、フィルタ10の通過帯域Pass1における損失を抑制できる。
ノードN1から移相回路13をみた通過帯域Pass2における反射特性S11は略オープンであり、ノードN1から移相回路15をみた通過帯域Pass1における反射特性S11は略オープンであり、ノードN2から移相回路15をみた通過帯域Pass2における反射特性S22は略オープンであり、ノードN2から移相回路16をみた通過帯域Pass1における反射特性S22は略オープンであることが好ましい。
反射特性が略オープンとは、スミスチャートを極座標で表したとき、動径が0.5以上かつ位相(偏角)が−90°以上かつ+90°以下の範囲であり、例えば、動径が0.7以上かつ位相(偏角)が−60°以上かつ+60°以下の範囲である。
ノードN1から移相回路13をみた通過帯域Pass1における反射特性S11は略基準インピーダンスであり、ノードN1から移相回路15をみた通過帯域Pass2における反射特性S11は略基準インピーダンスであり、ノードN2から移相回路14をみた通過帯域Pass1における反射特性S22は略基準インピーダンスであり、ノードN2から移相回路16をみた通過帯域Pass2における反射特性S22は略基準インピーダンスであることが好ましい。
反射特性が略基準インピーダンスとは、スミスチャートを極座標で表したとき、動径が0.5以下の範囲であり、例えば、動径が0.3以下の範囲である。
フィルタ10はローパスフィルタであり、フィルタ12はハイパスフィルタである。これにより、ノッチフィルタを実現できる。また、通過帯域Pass1とPass2との間に阻止帯域を有することで、ノッチフィルタを実現できる。
フィルタ10は、端子T1とT2の間に接続された並列共振回路20(第1並列共振回路)と、一端が並列共振回路20に接続され他端が接地された弾性波共振器R1(第1弾性波共振器)と、を備える。フィルタ12は、第1端子T1と第2端子T2の間に接続された並列共振回路22(第2並列共振回路)と、一端が並列共振回路22に接続され他端が接地された弾性波共振器R2(第2弾性波共振器)と、を備える。これにより、通過帯域Pass1と阻止帯域との間の減衰量の変化を急峻にでき、通過帯域Pass2と阻止帯域との間の減衰量の変化を急峻にできる。
図5(a)のように、弾性波共振器R1が形成する減衰極A11(第1減衰極)は、並列共振回路20が形成する減衰極A12(第2減衰極)と、通過帯域Pass1との間に位置する。図5(b)のように、弾性波共振器R2が形成する減衰極A21(第3減衰極)は、並列共振回路22が形成する減衰極A22(第4減衰極)と、通過帯域Pass2との間に位置する。これにより、通過帯域Pass1と阻止帯域との間の減衰量の変化をより急峻にでき、通過帯域Pass2と阻止帯域との間の減衰量の変化をより急峻にできる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10、12 フィルタ
20、22 並列共振回路
20、22 並列共振回路
Claims (9)
- 第1端子と、
第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子との間に接続され、第1通過帯域を有する第1フィルタと、
前記第1端子と前記第2端子との間において前記第1フィルタと並列接続され、前記第1通過帯域と重ならない第2通過帯域を有する第2フィルタと、
前記第1フィルタと、前記第1端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第1ノードと、の間に接続され、前記第1ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第1移相回路と、
を備えるフィルタ回路。 - 前記第2フィルタと前記第1ノードとの間に接続され、前記第1ノードからみた前記第1通過帯域における反射特性を、前記第2フィルタとの間のノードから前記第2フィルタをみたときの前記第1通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第2移相回路を備える請求項1に記載のフィルタ回路。
- 前記第1フィルタと、前記第2端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第2ノードと、の間に接続され、前記第2ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第3移相回路を備える請求項1または2に記載のフィルタ回路。
- 前記第1フィルタと、前記第2端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとが分岐する第2ノードと、の間に接続され、前記第2ノードからみた前記第2通過帯域における反射特性を、前記第1フィルタとの間のノードから前記第1フィルタをみたときの前記第2通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第3移相回路と、
前記第2フィルタと前記第2ノードとの間に接続され、前記第2ノードからみた前記第1通過帯域における反射特性を、前記第2フィルタとの間のノードから前記第2フィルタをみたときの前記第1通過帯域における反射特性よりオープンに近づける第4移相回路と、
を備える請求項2に記載のフィルタ回路。 - 前記第1ノードから前記第1移相回路をみたときの前記第1通過帯域における反射特性は略基準インピーダンスである請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ回路。
- 前記第1フィルタおよび前記第2フィルタのいずれか一方はローパスフィルタであり、前記第1フィルタおよび前記第2フィルタの他方はハイパスフィルタである請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ回路。
- 前記フィルタ回路は、前記第1通過帯域と前記第2通過帯域との間に阻止帯域を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタ回路。
- 前記第1フィルタは、前記第1端子と前記第2端子の間に接続された第1並列共振回路と、一端が前記第1並列共振回路に接続され他端が接地された第1弾性波共振器と、を備え、
前記第2フィルタは、前記第1端子と前記第2端子の間に接続された第2並列共振回路と、一端が前記第2並列共振回路に接続され他端が接地された第2弾性波共振器と、を備える請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタ回路。 - 前記第1弾性波共振器が形成する第1減衰極は、前記第1並列共振回路が形成する第2減衰極と、前記第1通過帯域との間に位置し、
前記第2弾性波共振器が形成する第3減衰極は、前記第2並列共振回路が形成する第4減衰極と、前記第2通過帯域との間に位置する請求項8に記載のフィルタ回路。
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