JP2020181963A - 半導体製造方法及び半導体装置 - Google Patents

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Yasushi Iechika
泰 家近
雅之 津久井
Masayuki Tsukui
雅之 津久井
清孝 宮野
Kiyotaka Miyano
清孝 宮野
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Abstract

【課題】エピタキシャル成長層の反り量と反り方向を精度よく制御する。【解決手段】半導体製造方法は、シリコン基板の上に、窒化物半導体の超格子バッファ層およびエピタキシャル成長層を順次成長させる工程と、X線回折により超格子バッファ層の逆格子空間マップを作成する工程と、逆格子空間マップから得られる超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状が予め定めた形状になるように、超格子バッファ層の成長パラメータを調整する工程と、調整した成長パラメータを用いて超格子バッファ層を成長させ、超格子バッファ層の上にエピタキシャル成長層を形成する工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体製造方法及び半導体装置に関する。
薄膜を再現性良く、広い面積にわたり均一に形成する手法としては、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、分子線エピタクシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、スパッタリング法など、気相中で製膜する気相成長法がよく知られており、これらは工業的な薄膜形成方法として重要である。
気相成長法を用いて、シリコン基板上に、GaN層等の窒化物半導体層を形成する技術が注目されている。シリコンと窒化物半導体では、格子定数が大きく異なるため、シリコン基板上に直接窒化物半導体層を成長させても、結晶性のよい窒化物半導体層は得られない。このため、シリコン基板と窒化物半導体層の間に、窒化物半導体からなるバッファ層を設けることがいくつか提案されている。
しかしながら、バッファ層を介して結晶性のよい窒化物半導体をシリコン基板上に成長させても、窒化物半導体層に多数のクラックが入り、実際の素子を形成することができないことが通常である。これは窒化物半導体の熱膨張係数がシリコンに比べて大きいことが原因である。つまり、シリコン基板上に成長させた窒化物半導体を、成長温度(〜1050℃)から冷却する際に、窒化物半導体がシリコン基板に比べて大きく収縮し、窒化物半導体に成長面内の大きな引っ張り応力が加わり、窒化物半導体層にクラックが発生する。
一方、近年、シリコン基板と窒化物半導体の間のバッファ層の技術開発が進み、窒化物半導体の成長時に圧縮応力を加えることが可能になった。窒化物半導体の成長時に圧縮応力を加えることで、成長後の降温時に発生する引っ張り応力を補償させることが可能となり、上記のクラック発生の問題が大きく改善された。上記の窒化物半導体の成長時に圧縮応力を発生させる技術は、格子定数の異なる窒化物半導体を積層してバッファ層とすることを基本としている。具体的なバッファ層の例としては、Al組成の異なるいくつかの窒化物半導体を積層する多段バッファ層、2つの窒化物半導体層を交互に多数積層する超格子バッファ層、Al組成を連続的に変化させるグレーデッドバッファ層、などが挙げられる。この中でデバイスの性能の観点から、電子デバイスへの応用では超格子バッファ層がよく用いられている。
ところで、シリコン基板上にバッファ層を介して窒化物半導体を成長させた半導体ウエハは、室温において必ずしも平坦であればよいというわけではなく、種々の理由から、わずかに上に凸の反りを有する形状、あるいは、わずかに下に凸の反りを有する形状が望まれる場合がある。このため、気相成長法でエピタキシャル成長層を形成する際には、エピタキシャル成長層の反り量と反り方向を精密に制御する必要がある。しかしながら、同様な構造のバッファ層を積層しても、バッファ層の成長条件によってエピタキシャル成長層にかかる応力が変化するため、反り量や反り方向を制御する技術は確立されていないのが実情である。
特開2011−119715公報
本発明の一態様は、エピタキシャル成長層の反り量と反り方向を精度よく制御できる半導体製造方法及び半導体装置を提供するものである。
本実施形態によればシリコン基板の上に、窒化物半導体の超格子バッファ層およびエピタキシャル成長層を順次成長させる工程と、
X線回折により前記超格子バッファ層の逆格子空間マップを作成する工程と、
前記逆格子空間マップから得られる前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状が予め定めた形状になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを調整する工程と、
調整した前記成長パラメータを用いて前記超格子バッファ層を成長させ、前記超格子バッファ層の上に前記エピタキシャル成長層を形成する工程と、を備える、半導体製造方法が提供される。
前記成長パラメータを調整する工程では、前記エピタキシャル成長層が目標とする反り量になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを調整してもよい。
前記成長パラメータを調整する工程では、前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状の半値幅にて前記ピーク形状を評価し、前記半値幅が所定の値以下になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを制御してもよい。
前記超格子バッファ層は、複数の組成の異なるAlGaN層(ただし、0≦s、t≦1、s+t=1)を重ね合わせたものを複数積層したものであり、
前記成長パラメータを制御する工程では、前記複数の組成の異なるAlGaN層の少なくともいずれかを成長させる際の前記成長パラメータを制御してもよい。
本発明の他の一態様では、シリコン基板上に、窒化物半導体の超格子バッファ層およびエピタキシャル成長層が順次形成され、前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状を表す波形の半値幅が4×10−3[RLU]以下である半導体装置が提供される。
一実施形態による気相成長装置の概略構成を示す図。 気相成長装置にて製造される半導体装置の一例を示す断面図。 SLS層とGaN層の圧縮応力の強さを矢印のサイズで模式的に示した図。 気相成長装置にて製造される半導体装置の逆格子空間マップの一例を示す図。 TMGとTMAのモル供給量比と図4の逆格子マッピングのピーク形状との関係を示す図。 図5の各ピーク形状のピーク位置の高さが同じになるように標準化したピーク形状波形図。 SLS層の結晶表面方向のピーク形状の半値幅との関係と、TMGとTMAのモル供給量比とSLS層の結晶表面方向のピーク高さとの関係を示す図。 SLS層の結晶表面方向のX線回折強度のピークの半値幅と基板の反りの曲率との関係を示す図。 曲率半径と基板の半径と反り量の関係を示す図。 本実施形態による半導体製造方法の工程順序を示すフローチャート。
図1は一実施形態による気相成長装置1の概略構成を示す図である。本実施形態では、成膜処理を行う基板としてシリコン基板、具体的にはシリコンウエハ(以下、単にウエハと呼ぶ)Wを用い、このウエハW上に単一の膜を、あるいは複数の薄膜を積層して、成膜する例を説明する。以下では、気相成長方法としてMOCVDを例に取って、具体的に説明する。なお、本実施形態は、シリコン基板以外の基板にも適用可能である。また、基板の表面に薄膜を成膜する製法は、MOCVD以外の製法でもよい。
図1の気相成長装置1は、ウエハWに成膜を行うチャンバ2と、このチャンバ2内のウエハWに原料ガスを供給するガス供給部3と、チャンバ2の上部に位置する原料放出部4と、チャンバ2内でウエハWを支持するサセプタ5と、このサセプタ5を保持して回転する回転部6と、ウエハWを加熱するヒータ7と、チャンバ2内のガスを排出するガス排出部8と、このガス排出部8からガスを排気する排気機構9と、ウエハWの温度を測定する放射温度計10と、各部を制御する制御部11とを備えている。
チャンバ2は、成膜対象のウエハWを収納可能な形状(例えば、円筒形状)であり、チャンバ2の内部に、サセプタ5、ヒータ7、回転部6の一部などが収容されている。
ガス供給部3は、複数のガスを個別に貯留する複数のガス貯留部3aと、これらガス貯留部3aと原料放出部4とを接続する複数のガス管3bと、これらガス管3bを流れるガスの流量を調整する複数のガスバルブ3cとを有する。各ガスバルブ3cは、対応するガス管3bに接続されている。複数のガスバルブ3cは、制御部11により制御される。実際の配管は、複数のガス管を結合したり、1本のガス管を複数のガス管に分岐したり、ガス管の分岐や結合を組み合わせるなどの複数の構成を取りうる。
ガス供給部3から供給される原料ガスは、原料放出部4を通って、チャンバ2内に放出される。チャンバ2内に放出された原料ガス(プロセスガス)は、ウエハW上に供給され、これにより、ウエハW上に所望の膜が形成されることになる。なお、使用する原料ガスの種類は、特に限定されない。
原料放出部4の底面側には、シャワープレート4aが設けられている。このシャワープレート4aは、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属材料を用いて構成することができる。複数のガス管3bからのガスは、原料放出部4内で混合されて、シャワープレート4aのガス噴出口4bを通ってチャンバ2内に供給される。なお、シャワープレート4aにガス流路を複数設け、複数種類のガスを分離したままチャンバ2内のウエハWに供給してもよい。
原料放出部4の構造は、成膜された膜の均一性、原料効率、再現性、製作コストなどを勘案して選定されるべきであるが、これらの要求を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の構造のものを適宜用いることもできる。
サセプタ5は、回転部6の上部に設けられており、サセプタ5の内周側に設けられた座ぐり内にウエハWを載置して支持する構造になっている。なお、図1の例では、サセプタ5は、その中央に開口部を有する環状形状であるが、開口部のない略平板形状でもよい。
ヒータ7は、サセプタ5および/またはウエハWを加熱する加熱部である。加熱対象を所望の温度および温度分布に加熱する能力、耐久性などの要求を満たすものであれば、特に限定されない。具体的には、抵抗加熱、ランプ加熱、誘導加熱などが挙げられる。
排気機構9は、ガス排出部8を介してチャンバ2の内部から反応後の原料ガスを排気し、排気バルブ9bと真空ポンプ9cの作用により、チャンバ2内を所望の圧力に制御する。
放射温度計10は、原料放出部4の上面に設けられている。放射温度計10は、光源からの光をウエハWに照射し、ウエハWからの反射光を受光して、ウエハWの反射光強度を測定する。このように、放射温度計10は、膜成長面の反射率を測定する反射率計として機能する。また、放射温度計10は、ウエハWの膜成長面Waからの熱輻射光を受光して、熱輻射光強度を測定する。放射温度計10は、その内部にデータ演算部を有する。このデータ演算部は、熱輻射光強度と反射率から、ウエハWの温度を求める。データ演算部は、例えば、汎用のコンピュータにより構成可能である。
原料放出部4の上面には、光透過窓2aが設けられており、放射温度計10の光源からの光と、ウエハWからの反射光および熱輻射光は、この光透過窓2aを通過する。光透過窓2aは、スリット形状や矩形状、円形状などの任意の形状を取り得る。窓には、放射温度計10で計測する光の波長範囲で透明な部材を用いる。室温から1500℃程度の温度を測定する場合には、可視領域から近赤外領域の光の波長を計測するのが好ましく、その場合には窓の部材としては石英ガラスなどが好適に用いられる。
制御部11は、気相成長装置1内の各部を集中的に制御するコンピュータと、成膜処理に関する成膜処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部とを備えている。制御部11は、成膜処理情報や各種プログラムに基づいて、ガス供給部3や回転部6の回転機構、排気機構9などを制御し、ヒータ7によるウエハWの加熱などを制御する。
図1の気相成長装置1は、ウエハW上への種々の膜の成膜に利用できるが、以下では、一例として、シリコン基板上にAlN層を含むAlGaNバッファ層と、超格子バッファ層(SLS:Strained Layer Superlattice構造、以下、SLS層と呼ぶことがある)を形成し、その上にエピタキシャル成長層であるGaN層をエピタキシャル成長させる例について説明する。SLS層とは、組成の異なるAlGaN層(ただし、0≦s、t≦1、s+t=1)とAls‘Gat’N層(ただし、0≦s’、t’≦1、s’+t’=1)を交互に複数層ずつ積層した層である。
図2は気相成長装置1にて製造される半導体装置20の一例を示す断面図である。図2の半導体装置20は、シリコン基板21の上に形成されるAlN層22と、AlN層22の上に形成されるAlGaN層23と、AlGaN層23の上に形成される超格子バッファ層24であるSLS層25と、SLS層25の上に成長されるエピタキシャル成長層26であるGaN層27と、GaN層27の上に形成されるAlGaN層28とを備えている。
図2に示すSLS層25はAls‘Gat’N層がAlN層30である場合である。AlGaN層29、AlN層30は例えば5〜50nm程度の膜厚を有し、AlGaN層29、AlN層30は例えば20〜300ペア程度積層されてSLS層25が形成されている。
SLS層25の上にエピタキシャル成長されるGaN層27と、SLS層25を構成するAlGaN層29及びAlN層30の格子定数は、大きい順に、GaN>AlGaN>AlNである。あるいはAlGaN中のAl組成比(s)が大きいほど格子定数は小さいと言ってもよい。格子定数の大きい層を格子定数の小さい層の上に成長すると、格子定数の大きい層に圧縮応力が発生し、成長中の基板が上に凸の形状に変形する。図3はSLS層25とGaN層27の圧縮応力の強さを矢印のサイズで模式的に示した図である。図示のように、格子定数が大きい層は、格子定数が小さい層に格子整合しようとして圧縮応力が働く。
SLS層25の上にGaN層27をエピタキシャル成長させる工程は、加熱した状態で行われるため、エピタキシャル成長後に温度を下げると、窒化物半導体はシリコンに比べて熱膨張係数が大きいことから、シリコンより縮み量が大きくなる。よって、成長中に上に凸の形状であった基板が平坦になったり、あるいは下に凸の形状になる。下に凸の形状になると、場合によっては、GaN層27にクラックが入るおそれもある。
GaN層27等のエピタキシャル成長層26を形成した後に温度を下げた状態での最終的な基板形状は、使用用途等に応じて、平坦であることが望まれる場合と、所定のサイズの反り量だけ上又は下に凸であることが望まれる場合とがあり、所望の基板形状に制御できることが重要である。ところが、SLS層25の結晶表面方向の結晶性が悪い場合には、種々の成長パラメータを調整しても、基板形状を所望の形状にすることができない。よって、SLS層25の結晶表面方向の結晶性をよくすることが、基板形状を所望の形状にする上で重要になる。SLS層25の結晶表面方向の結晶性がよければ、種々の成長パラメータを調整することにより、基板の反り量と反り方向を制御することが可能となる。なお、成長パラメータの具体的内容については、後述する。
そこで、本発明者は、X線回折によりSLS層25の逆格子空間マップを作成し、逆格子空間マップから得られる超格子バッファ層24の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状によって、結晶表面方向の結晶性を評価する手法を見出した。逆格子空間マップでは、結晶表面方向の情報を把握することができる。より具体的には、逆格子空間マップを用いることで、結晶表面方向に格子定数が揃っているか否かと、結晶表面方向の結晶性がよいか悪いかを評価することができる。
図4は、超格子バッファ層24であるSLS層25と、エピタキシャル成長層26であるGaN層27の逆格子空間マップの一例を示す図である。反射の指数は(−1、−1,4)である。図4の逆格子空間マップは、GaN層27のピーク付近の様子を示しており、図4の縦方向は結晶成長方向すなわち積層方向であり、横方向は結晶表面方向である。図4では、X線回折強度を等高線で表している。図4から、GaN層27はX線回折強度のピークが明瞭な点状であるのに対し、SLS層25はピークが結晶表面内方向に広がっているのがわかる。
SLS層25は、アンモニア、トリメチルガリウム(TMG)、及びトリメチルアルミニウム(TMA)の各原料ガスを気相成長装置1に供給することにより形成される。このとき、TMGとTMAのモル供給量比を変えることで、X線回折強度のピーク形状を変化させることができる。
図5はAlN層30とAlGaN層29を積層したSLSにおいて、AlGaN層29の成長時のTMGとTMAのモル供給量比と図4の逆格子マッピングのピーク形状との関係を示す図である。図5には、4種類のモル供給量比のそれぞれに対応する4つのピーク形状w1〜w4が図示されている。図5の横軸は結晶表面方向の逆格子空間座標、縦軸はX線回折強度である。図5のピーク形状w1〜w4に示す各試料については、SLS層25中のAlGaN層29成長中のTMGとTMAのモル供給比が異なること以外は同じになるように調整している。つまり、AlGaN層29の膜厚を含めて各試料中に含まれるすべての層の膜厚は各試料間で同じになるように調整している。
図6は図5の各ピーク形状w1〜w4のピーク位置の高さが同じになるように標準化した(normalized)ピーク形状図である。図6の各ピーク形状w1’〜w4’は、ピーク位置とピークの鋭さがそれぞれ異なっている。
本発明者は、X線回折強度のピーク形状を評価するために、図6のピーク形状w1’〜w4’の半値幅(FWHM)を検出した。図7はTMGとTMAのモル供給量比とSLS層25の結晶表面方向のX線回折強度のピーク形状の半値幅との関係(○印)と、TMGとTMAのモル供給量比とSLS層25の結晶表面方向のX線回折強度のピーク位置との関係(□印)を示す図である。図7に示す各プロットは、図6の各ピーク形状w1’〜w4’に対応している。図示のように、TMGとTMAのモル供給量比が小さいほど、すなわちAlの組成比が高いほど、半値幅が大きくなり、結晶性が悪くなる。結晶性が悪くなると、想定した通りにAlGaN層29やGaN層27に圧縮応力が働かなくなり、基板の反りの制御が困難になる。
図8はSLS層25の結晶表面方向のX線回折強度のピークの半値幅と基板の反りの曲率との関係を示す図である。図8の横軸は半値幅[10-3rlu]、縦軸は曲率[1/m]である。図8の各プロットは、図6の各ピーク形状w1’〜w4’に対応している。図8の縦軸の曲率は、曲率半径の逆数(=1/曲率半径)である。曲率半径とは、基板の反り形状を球面とした場合の球の半径であり、下に凸の場合は正の値になり、上に凸の場合は負の値になる。
図9に示すように、曲率半径をR、基板の半径をr、反り量をdとすると、Rがrより十分大きい場合、以下の(1)式が成り立つ。通常、Rは10m以上、rは0.1m以下なので、この仮定が成り立つ。
図6の4つのピーク形状w1’〜w4’は、SLS層25の結晶表面方向の結晶性が比較的よい例を示している。図7に示すように、いずれのピーク形状でも、TMGとTMAのモル供給量比によって、結晶表面方向のX線回折強度のピーク形状の半値幅を制御できる。また、図8に示すように半値幅を制御することにより、基板の反り量を制御できる。
なお、図7ではTMGとTMAのモル供給量比を制御することで、SLS層25の結晶表面方向のX線回折強度のピークの半値幅を制御できることを示しているが、半値幅を制御する成長パラメータは、TMGとTMAのモル供給量比だけではない。
半値幅を制御するための成長パラメータは、例えば、SLS層25を成長させる際の成長圧力、成長温度、成長速度、成長に用いられるキャリアガスの種類の少なくとも一つを含んでいてもよい。
あるいは、AlGaN層29、AlN層30の一方を成長させた後、他方の成長を開始するまでの期間の長さ、すなわち成長中断時間の長短によっても、上述した半値幅を制御することができる。
このように、逆格子空間マップから得られる超格子バッファ層24の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状が予め定めた形状になるように制御される成長パラメータには種々のものが考えられる。本実施形態では、エピタキシャル成長層26が目標とする反り量になるように、超格子バッファ層24の成長パラメータを制御する。より具体的には、超格子バッファ層24の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状の半値幅にてピーク形状を評価し、半値幅が所定の値以下になるように、超格子バッファ層24の成長パラメータを制御する。所定の値は、例えば(−1、−1,4)反射の逆格子空間マップの場合、4×10−3[RLU]以下である。
図10は本実施形態による半導体製造方法の工程順序を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の半導体装置20のSLS層25、その上に成長されるGaN層27とAlGaN層28を形成する際の詳細な工程順序を示している。
まず、シリコン基板21上にバッファ層であるAlN層22,AlGaN層23を成長させる(ステップS1)。次に、超格子バッファ層24であるSLS層25を成長させる(ステップS2)。ここでは、基板温度を700〜1200℃程度に設定し、キャリアガスとして例えば水素を供給するとともに、アンモニア、TMG及びTMAの各原料ガスを適量ずつ供給し、SLS層25を構成するAl組成の異なる2つのAlGaN層29、AlN層30を交互に例えば100層ずつ成長させる。Al組成の異なる2つのAlGaN層29、AlN層30では、TMGとTMAのモル供給量比を切り替える。
次に、GaN層27とAlGaN層28を順次エピタキシャル成長させる(ステップS3)。
これらの層の成長が終了した(ステップS4)のち、試料の逆格子空間マップを作成する(ステップS5)。逆格子空間マップは、例えば図4に示すようなものである。
次に、逆格子空間マップに基づいて、結晶表面方向におけるX線回折強度のピーク形状を検出する(ステップS6)。ピーク形状は、例えば図6に示すようなものである。
次に、ピーク形状の半値幅が所定の値であるか否かを判定する(ステップS7)。所定の値とは、例えば(−1、−1,4)反射の場合、4×10−3[RLU]である。半値幅が所定の値と異なる場合には、SLS層25の成長パラメータの調整値を決める(ステップS8)。成長パラメータとは、上述の例ではSLS層を成長する際のTMGとTMAの供給量であるが、そのほかにも例えば、SLS層25を成長させる際の成長圧力、成長温度、成長速度、成長に用いられるキャリアガスの種類などを挙げることができる。成長パラメータを調整値に変更した後に、ステップS1〜ステップS8の処理を繰り返す。
上記のようにSLS層の成長パラメータを逆格子空間マップを用いて調整することで、試料の反りを精密に制御することができる。
このように、本実施形態では、シリコン基板21上に、SLS層25等の超格子バッファ層24を成長させ、その上にGaN層27等のエピタキシャル成長層26を成長させる際、成長途中の超格子バッファ層24に照射されたX線の回折強度に基づいて超格子バッファ層24の結晶表面方向の逆格子空間マップを作成し、逆格子空間マップから得られる超格子バッファ層24の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状が予め定めた形状になるように、超格子バッファ層24の成長パラメータを制御する。これにより、超格子バッファ層24の結晶表面方向の結晶性をよくすることができ、超格子バッファ層24の上にエピタキシャル成長層26を形成した基板の反り量と反り方向を所望の値に制御することができる。
本実施形態では、超格子バッファ層24の一例として組成の異なる2つのAlGaNを交互に積層する例を示したが、超格子バッファ層24としては組成の異なる窒化物層を積層する構造であれば特に限定されるものではない。具体的には、積層する層は特にAlGaN層に限定するものではなく、また積層する層の種類数は特に2つに限定するものではない。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 気相成長装置、2 チャンバ、3 ガス供給部、4 原料放出部、5 サセプタ、6 回転部、7 ヒータ、8 ガス排出部、9 排気機構、10 放射温度計、11 制御部、21 シリコン基板、22 AlN層、23 AlGaN層、24 超格子バッファ層、25 SLS層、26 エピタキシャル成長層、27 GaN層、28 AlGaN層、29 AlGaN層、30 AlN層

Claims (5)

  1. シリコン基板の上に、窒化物半導体の超格子バッファ層およびエピタキシャル成長層を順次成長させる工程と、
    、X線回折により前記超格子バッファ層の逆格子空間マップを作成する工程と、
    前記逆格子空間マップから得られる前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状が予め定めた形状になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを調整する工程と、
    調整した前記成長パラメータを用いて前記超格子バッファ層を成長させ、前記超格子バッファ層の上に前記エピタキシャル成長層を形成する工程と、を備える、半導体製造方法。
  2. 前記成長パラメータを調整する工程では、前記エピタキシャル成長層が目標とする反り量になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを調整する、請求項1に記載の半導体製造方法。
  3. 前記成長パラメータを調整する工程では、前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状の半値幅にて前記ピーク形状を評価し、前記半値幅が所定の値以下になるように、前記超格子バッファ層の成長パラメータを制御する、請求項1又は2に記載の半導体製造方法。
  4. 前記超格子バッファ層は、複数の組成の異なるAlGaN層(ただし、0≦s、t≦1、s+t=1)を重ね合わせたものを複数積層したものであり、
    前記成長パラメータを制御する工程では、前記複数の組成の異なるAlGaN層の少なくともいずれかを成長させる際の前記成長パラメータを制御する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体製造方法。
  5. シリコン基板上に、窒化物半導体の超格子バッファ層およびエピタキシャル成長層が順次形成され、前記超格子バッファ層の結晶表面方向におけるX線の回折強度のピーク形状を表す波形の半値幅が4×10−3[RLU]以下である半導体装置。
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