JP2020181650A - 補正関数を決定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検波部の計測結果を補正する補正関数を決定する方法を提供する。【解決手段】方法は、単一周波数ピークを有するマイクロ波の第1進行波パワーと単一周波数ピークを有するマイクロ波の第2進行波パワーとを校正用測定器を用いて測定する工程と、測定値と第1判定閾値とに基づいて第1進行波パワー及び第2進行波パワーのデューティ比を取得する工程と、帯域幅を有するマイクロ波の第3進行波パワーと帯域幅を有するマイクロ波の第4進行波パワーとを検波部を用いて測定する工程と、測定値と第2判定閾値とに基づいて第3進行波パワーおよび第4進行波パワーのデューティ比を取得する工程と、第1進行波パワーと第3進行波パワーとのパルス幅誤差と、第2進行波パワーと第4進行波パワーとのパルス幅誤差とを一次関数で近似する工程と、一次関数に基づいて補正関数を決定する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本開示は、補正関数を決定する方法に関する。
特許文献1は、マイクロ波を用いたプラズマ処理装置を開示する。このプラズマ処理装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力するマイクロ波出力装置を備える。この装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力することにより、プラズマの安定化を図ることができる。特許文献2は、プラズマ励起用のマイクロ波をパルス変調する装置を開示する。この装置は、プラズマの不安定性を抑えて電子温度及びイオン温度を低下させることができる。
特開2012−109080号公報 特開平6−267900号公報
本開示は、帯域幅を有し、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を向上させることができる方法を提供する。
本開示の一態様においては、補正関数を決定する方法が提供される。補正関数は、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波を計測する検波部の計測結果を補正するために利用される。方法は、第1測定工程、第1取得工程、第2測定工程、第2取得工程、近似する工程及び決定する工程を含む。第1測定工程では、校正用測定器を用いてマイクロ波の第1進行波パワー及び第2進行波パワーを測定する。第1進行波パワーは、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーであり、第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパルス変調される。第2進行波パワーは、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーであり、第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパルス変調される。第1取得工程では、第1測定工程の測定値と、パワーのONレベルを判定するための第1判定閾値とに基づいて、第1進行波パワーのデューティ比と第2進行波パワーのデューティ比とを取得する。第2測定工程では、検波部を用いてマイクロ波の第3進行波パワー及び第4進行波パワーを測定する。第3進行波パワーは、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波のパワーであり、第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。第4進行波パワーは、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波のパワーであり、第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。第2取得工程では、第2測定工程の測定値と、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されパワーのONレベルを判定するための第2判定閾値とに基づいて、第3進行波パワーのデューティ比と第4進行波パワーのデューティ比とを取得する。近似する工程では、第1設定パワーに対応する第1進行波パワーと第3進行波パワーとのパルス幅誤差と、第2設定パワーに対応する第2進行波パワーと第4進行波パワーとのパルス幅誤差とを一次関数で近似する。一次関数は、設定パワーと、パルス幅誤差とを座標軸とする関数である。パルス幅誤差は、校正用測定器の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅と検波部の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅との誤差である。決定する工程では、一次関数に基づいて補正関数を決定する。
本開示の一態様によれば、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を向上させることができる。
一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図である。 マイクロ波出力装置の一例を示す図である。 波形発生器におけるマイクロ波の生成原理の一例を説明する図である。 測定部の第1検波部及び測定制御部の一例を示す図である。 パワーがパルス変調されたマイクロ波の一例である。 ON/OFF制御に関する信号波形の一例である。 単一周波数ピークを有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比の一例である。 単一周波数ピークを有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比と、帯域幅を有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比との比較の一例である。 マイクロ波モニタ装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るマイクロ波出力装置の一例を示す図である。 補正関数を決定する方法のフローチャートの一例である。 マイクロ波モニタ装置の動作の一例を示すフローチャートである。 単一周波数ピークを有するマイクロ波のデューティ比誤差の出力電圧依存性の測定結果、及び、帯域幅を有するマイクロ波のデューティ比誤差の出力電圧依存性の測定結果である。 単一周波数ピークを有するマイクロ波のデューティ比誤差の出力電圧依存性の測定結果、及び、帯域幅を有するマイクロ波のデューティ比誤差の出力電圧依存性の測定結果である。 帯域幅を有するマイクロ波の設定デューティ比に対するデューティ比誤差の測定結果、及び、設定パルス周波数に対するデューティ比誤差の測定結果である。 設定パワーに対するパルス幅誤差の測定結果である。 補正前のデューティ比を用いて得られた、設定パワーに対するデューティ比誤差の測定結果である。 補正後のデューティ比を用いて得られた、設定パワーに対するデューティ比誤差の測定結果である。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
電子デバイスの製造分野において、被処理体へのダメージを一層低減させるために、マイクロ波の低パワー化が進んでいる。しかしながら、マイクロ波のパワーを小さくし過ぎるとプラズマが不安定となったり失火したりするおそれがある。つまり、低パワー化のアプローチには限界がある。別なアプローチとして、プラズマの電子温度をより低くすることが考えられる。
プラズマの安定化を図りつつ、電子温度を低温化するためには、特許文献1記載の装置のように、帯域幅を有するマイクロ波を採用しつつ、特許文献2に記載の装置のように、マイクロ波のパワーをパルス変調することが考えられる。このようなパルス変調をするにあたっては、マイクロ波出力装置から出力された進行波のパワーがパルス変調されていることを精度良く確認する必要がある。
本開示は、帯域幅を有し、パルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を向上させることができる装置及び方法を提供する。
本開示の一態様においては、マイクロ波モニタ装置が提供される。マイクロ波モニタ装置は、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波をモニタする。マイクロ波モニタ装置は、検波部及び取得部を備える。検波部は、マイクロ波発生部の出力側に設けられ、マイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。マイクロ波発生部は、設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波を発生する。このマイクロ波は、設定パルス周波数、設定デューティ比、及びONレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、及びONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。取得部は、検波部により検出された測定値と、判定閾値とに基づいて、マイクロ波の進行波パワーのパルス周波数及びデューティ比を取得する。判定閾値は、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定され、パワーのONレベルを判定するために用いられる。
単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーがON/OFFするようにパルス変調された場合、一般的には設定電力の50%の電力がONレベルの判定閾値として採用される。しかしながら、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがON/OFFするようにパルス変調された場合、パルスごとにパワーが異なる上に、ONレベルのパワーも変動するおそれがある。このため、設定電力の50%の電力をONレベルの判定閾値として採用した場合には、パワー変動に起因してONレベルを検知できないおそれがある。
このマイクロ波モニタ装置によれば、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定された判定閾値を用いて進行波パワーのONレベルが判定される。これにより、このマイクロ波モニタ装置は、50%の電力をONレベルの判定閾値として採用する場合と比較して、より小さいパワーでONレベルとなることを検知することができる。このため、このマイクロ波モニタ装置は、ONレベルとなる時間をより正確に把握することができる。よって、このマイクロ波モニタ装置は、帯域幅を有し、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を向上させることができる。
一実施形態においては、判定閾値は、設定パワーの0%よりも大きく0.4%以下の範囲に予め設定されてもよい。この場合、マイクロ波モニタ装置は、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を一層向上させることができる。
一実施形態においては、マイクロ波モニタ装置は、記憶部及び補正部を備えてもよい。記憶部は、設定パワーとパルス幅誤差との対応関係を予め記憶する。補正部は、設定パワーと記憶部に記憶された対応関係とに基づいて取得部により取得されたデューティ比を補正する。ONレベルの判定閾値を50%よりも小さくした場合、デューティ比に誤差が生じるおそれがある。このマイクロ波モニタ装置によれば、測定結果であるパルス幅を設定パワーに応じて補正することができる。
本開示の他の態様においては、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波をモニタする方法が提供される。該方法は、パワーがパルス変調されたマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する工程と、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する工程とを含む。マイクロ波は、中央周波数及び帯域幅を有し、設定パルス周波数、設定デューティ比、及びONレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、及びONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。取得する工程では、測定値と、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されパワーのONレベルを判定するための判定閾値とに基づいて、マイクロ波の進行波パワーのパルス周波数及びデューティ比を取得する。
一実施形態においては、判定閾値は、設定パワーの0%よりも大きく0.4%以下の範囲に予め設定されてもよい。
一実施形態においては、モニタする方法は、設定パワーと、設定パワーとデューティ比の補正係数との対応関係とに基づいて、取得されたデューティ比を補正する工程をさらに備えてもよい。
パルス変調されたマイクロ波をモニタする方法によれば、マイクロ波モニタ装置と同一の効果を奏する。
本開示の他の態様においては、補正関数を決定する方法が提供される。補正関数は、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波を計測する検波部の計測結果を補正するために利用される。方法は、第1測定工程、第1取得工程、第2測定工程、第2取得工程、近似する工程及び決定する工程を含む。第1測定工程では、校正用測定器を用いてマイクロ波の第1進行波パワー及び第2進行波パワーを測定する。第1進行波パワーは、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーであり、第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパルス変調される。第2進行波パワーは、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーであり、第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパルス変調される。第1取得工程では、第1測定工程の測定値と、パワーのONレベルを判定するための第1判定閾値とに基づいて、第1進行波パワーのデューティ比と第2進行波パワーのデューティ比とを取得する。第2測定工程では、検波部を用いてマイクロ波の第3進行波パワー及び第4進行波パワーを測定する。第3進行波パワーは、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波のパワーであり、第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。第4進行波パワーは、中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波のパワーであり、第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調される。第2取得工程では、第2測定工程の測定値と、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されパワーのONレベルを判定するための第2判定閾値とに基づいて、第3進行波パワーのデューティ比と第4進行波パワーのデューティ比とを取得する。近似する工程では、第1設定パワーに対応する第1進行波パワーと第3進行波パワーとのパルス幅誤差と、第2設定パワーに対応する第2進行波パワーと第4進行波パワーとのパルス幅誤差とを一次関数で近似する。一次関数は、設定パワーと、パルス幅誤差とを座標軸とする関数である。パルス幅誤差は、校正用測定器の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅と検波部の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅との誤差である。決定する工程では、一次関数に基づいて補正関数を決定する。
パワーがON/OFFするようにパルス変調され帯域幅を有するマイクロ波のパワーのONレベルを第2判定閾値を用いて判定する場合、同一条件でパルス変調された単一周波数ピークを有するマイクロ波のパワーのONレベルと比べてパルス幅に誤差が生じる。このため、この方法では、校正用測定器で測定されたパルス幅となるように検波部で測定されたパルス幅を補正する。研究の結果、パルス幅の誤差は、設定パワーに依存するという知見が得られた。つまり、補正の正確性を向上させるためには、設定パワーに応じた補正係数を用意する必要がある。しかしながら、プロセスごとに設定パワーは異なるため、任意のプロセスに対応するためには、全ての設定パワーに対して校正用測定器で測定されたパルス幅と比較することが必要となる。研究の結果、パルス幅の誤差は、検波部の個体差があるものの設定パワーに一次関数的に依存するという知見を得た。したがって、この方法では、第1設定パワーに対応する第1進行波パワーと第3進行波パワーとのパルス幅誤差と、第2設定パワーに対応する第2進行波パワーと第4進行波パワーとのパルス幅誤差とが一次関数で近似される。そして、一次関数に基づいて補正関数が決定される。これにより、この方法によれば、少なくとも2点のデータを用いることで、任意の設定パワーに対してパルス幅の誤差を補正することができる補正関数を決定することができる。
一実施形態においては、第1設定パワー及び第2設定パワーは、1000W以上であってもよい。この場合、一次関数の近似の精度が向上する。
以下、図面を参照して、種々の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び各図面において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
[第1実施形態]
[プラズマ処理装置]
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。図1に示されるように、プラズマ処理装置1は、チャンバ本体12、及び、マイクロ波出力装置16を備える。プラズマ処理装置1は、ステージ14、アンテナ18、及び、誘電体窓20を更に備え得る。
チャンバ本体12は、その内部に処理空間Sを提供する。チャンバ本体12は、側壁12a及び底部12bを有する。側壁12aは、略筒形状に形成される。この側壁12aの中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線Zに略一致する。底部12bは、側壁12aの下端側に設けられる。底部12bには、排気用の排気孔12hが設けられる。また、側壁12aの上端部は開口である。
側壁12aの上端部の上には誘電体窓20が設けられる。この誘電体窓20は、処理空間Sに対向する下面20aを有する。誘電体窓20は、側壁12aの上端部の開口を閉じている。この誘電体窓20と側壁12aの上端部との間にはOリング19が介在する。このOリング19により、チャンバ本体12がより確実に密閉される。
ステージ14は、処理空間S内に収容される。ステージ14は、鉛直方向において誘電体窓20と対面するように設けられる。また、ステージ14は、誘電体窓20と当該ステージ14との間に処理空間Sを挟むように設けられる。このステージ14は、その上に載置される被加工物WP(例えば、ウエハ)を支持するように構成される。
一実施形態において、ステージ14は、基台14a及び静電チャック14cを含む。基台14aは、略円盤形状を有しており、アルミニウムといった導電性の材料から形成されている。基台14aの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この基台14aは、筒状支持部48によって支持される。筒状支持部48は、絶縁性の材料から形成されており、底部12bから垂直上方に延びる。筒状支持部48の外周には、導電性の筒状支持部50が設けられる。筒状支持部50は、筒状支持部48の外周に沿ってチャンバ本体12の底部12bから垂直上方に延びる。この筒状支持部50と側壁12aとの間には、環状の排気路51が形成される。
排気路51の上部には、バッフル板52が設けられる。バッフル板52は、環形状を有する。バッフル板52には、当該バッフル板52を板厚方向に貫通する複数の貫通孔が形成される。このバッフル板52の下方には上述した排気孔12hが設けられる。排気孔12hには、排気管54を介して排気装置56が接続される。排気装置56は、自動圧力制御弁(APC:Automatic Pressure Control valve)と、ターボ分子ポンプといった真空ポンプとを有する。この排気装置56により、処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
基台14aは、高周波電極を兼ねる。基台14aには、給電棒62及びマッチングユニット60を介して、高周波バイアス用の高周波電源58が電気的に接続される。高周波電源58は、被加工物WPに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.56MHzの高周波を、設定されたパワーで出力する。
さらに、高周波電源58は、パルス生成器を有し、高周波パワー(RFパワー)をパルス変調して基台14aに印加してもよい。この場合、高周波電源58は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返される高周波パワーとなるようにパルス変調する。高周波電源58は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Rに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Rは、高周波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は10Hz〜250kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。
マッチングユニット60は、高周波電源58側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、チャンバ本体12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容する。この整合器の中には自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれる。マッチングユニット60は、高周波パワーがパルス変調される場合、同期信号PSS−Rに基づいて整合をとるように動作する。
基台14aの上面には、静電チャック14cが設けられる。静電チャック14cは、被加工物WPを静電吸着力で保持する。静電チャック14cは、電極14d、絶縁膜14e、及び、絶縁膜14fを含んでおり、概ね円盤形状である。静電チャック14cの中心軸線は軸線Zに略一致する。この静電チャック14cの電極14dは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14eと絶縁膜14fとの間に設けられる。電極14dには、直流電源64がスイッチ66及び被覆線68を介して電気的に接続される。静電チャック14cは、直流電源64より印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、被加工物WPを吸着保持することができる。また、基台14a上には、フォーカスリング14bが設けられる。フォーカスリング14bは、被加工物WP及び静電チャック14cを囲むように配置される。
基台14aの内部には、冷媒室14gが設けられる。冷媒室14gは、例えば、軸線Zを中心に延在するように形成される。この冷媒室14gには、チラーユニットからの冷媒が配管70を介して供給される。冷媒室14gに供給された冷媒は、配管72を介してチラーユニットに戻される。この冷媒の温度がチラーユニットによって制御されることにより、静電チャック14cの温度、ひいては被加工物WPの温度が制御される。
また、ステージ14には、ガス供給ライン74が形成される。このガス供給ライン74は、伝熱ガス、例えば、Heガスを、静電チャック14cの上面と被加工物WPの裏面との間に供給するために設けられる。
マイクロ波出力装置16は、チャンバ本体12内に供給される処理ガスを励起させるためのマイクロ波を出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の周波数、パワー、及び、帯域幅を可変に調整するよう構成される。マイクロ波出力装置16は、例えば、マイクロ波の帯域幅を略0に設定することによって、単一周波数のマイクロ波を発生することができる。また、マイクロ波出力装置16は、その中に複数の周波数成分を有する帯域幅を有したマイクロ波を発生することができる。これら複数の周波数成分のパワーは同一のパワーであってもよく、帯域内の中央周波数成分のみが他の周波数成分のパワーよりも大きいパワーを有していてもよい。一例において、マイクロ波出力装置16は、マイクロ波のパワーを0W〜5000Wの範囲内で調整することができる。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の周波数又は中央周波数を2400MHz〜2500MHzの範囲内で調整することできる。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の帯域幅を0MHz〜400MHzの範囲で調整することができる。また、マイクロ波出力装置16は、帯域内におけるマイクロ波の複数の周波数成分の周波数のピッチ(キャリアピッチ)を0〜25kHzの範囲内で調整することができる。
マイクロ波出力装置16は、パルス生成器を有し、マイクロ波のパワーをパルス変調して出力してもよい。この場合、マイクロ波出力装置16は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返されるパワーとなるようにマイクロ波をパルス変調する。マイクロ波出力装置16は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Mに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Mは、マイクロ波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は1Hz〜50kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。マイクロ波出力装置16は、高周波電源58により出力される、パルス変調させた高周波パワーと同期させるように、マイクロ波パワーをパルス変調してもよい。
プラズマ処理装置1は、導波管21、チューナ26、モード変換器27、及び、同軸導波管28を更に備える。マイクロ波出力装置16の出力部は、導波管21の一端に接続される。導波管21の他端は、モード変換器27に接続される。導波管21は、例えば、矩形導波管である。導波管21には、チューナ26が設けられる。チューナ26は、スタブ26a,26b,26cを有する。スタブ26a,26b,26cの各々は、導波管21の内部空間に対するその突出量を調整可能なように構成される。チューナ26は、基準位置に対するスタブ26a,26b,26cの各々の突出位置を調整することにより、マイクロ波出力装置16のインピーダンスと負荷、例えば、チャンバ本体12のインピーダンスとを整合させる。
モード変換器27は、導波管21からのマイクロ波のモードを変換して、モード変換後のマイクロ波を同軸導波管28に供給する。同軸導波管28は、外側導体28a及び内側導体28bを含む。外側導体28aは、略円筒形状を有しており、その中心軸線は軸線Zに略一致する。内側導体28bは、略円筒形状を有しており、外側導体28aの内側で延在する。内側導体28bの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この同軸導波管28は、モード変換器27からのマイクロ波をアンテナ18に伝送する。
アンテナ18は、誘電体窓20の下面20aの反対側の面20b上に設けられる。アンテナ18は、スロット板30、誘電体板32、及び、冷却ジャケット34を含む。
スロット板30は、誘電体窓20の面20b上に設けられる。このスロット板30は、導電性を有する金属から形成されており、略円盤形状を有する。スロット板30の中心軸線は軸線Zに略一致する。スロット板30には、複数のスロット孔30aが形成される。複数のスロット孔30aは、一例においては、複数のスロット対を構成する。複数のスロット対の各々は、互いに交差する方向に延びる略長孔形状の二つのスロット孔30aを含む。複数のスロット対は、軸線Z周りの一以上の同心円に沿って配列される。また、スロット板30の中央部には、後述する導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。
誘電体板32は、スロット板30上に設けられる。誘電体板32は、石英といった誘電体材料から形成されており、略円盤形状である。この誘電体板32の中心軸線は軸線Zに略一致する。冷却ジャケット34は、誘電体板32上に設けられる。誘電体板32は、冷却ジャケット34とスロット板30との間に設けられる。
冷却ジャケット34の表面は、導電性を有する。冷却ジャケット34の内部には、流路34aが形成される。この流路34aには、冷媒が供給されるように構成される。冷却ジャケット34の上部表面には、外側導体28aの下端が電気的に接続される。また、内側導体28bの下端は、冷却ジャケット34及び誘電体板32の中央部分に形成された孔を通って、スロット板30に電気的に接続される。
同軸導波管28からのマイクロ波は、誘電体板32内を伝搬して、スロット板30の複数のスロット孔30aから誘電体窓20に供給される。誘電体窓20に供給されたマイクロ波は、処理空間Sに導入される。
同軸導波管28の内側導体28bの内孔には、導管36が通っている。また、上述したように、スロット板30の中央部には、導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。導管36は、内側導体28bの内孔を通って延在しており、ガス供給系38に接続される。
ガス供給系38は、被加工物WPを処理するための処理ガスを導管36に供給する。ガス供給系38は、ガス源38a、弁38b、及び、流量制御器38cを含み得る。ガス源38aは、処理ガスのガス源である。弁38bは、ガス源38aからの処理ガスの供給及び供給停止を切り替える。流量制御器38cは、例えば、マスフローコントローラであり、ガス源38aからの処理ガスの流量を調整する。
プラズマ処理装置1は、インジェクタ41を更に備え得る。インジェクタ41は、導管36からのガスを誘電体窓20に形成された貫通孔20hに供給する。誘電体窓20の貫通孔20hに供給されたガスは、処理空間Sに供給される。そして、誘電体窓20から処理空間Sに導入されるマイクロ波によって、当該処理ガスが励起される。これにより、処理空間S内でプラズマが生成され、当該プラズマからのイオン及び/又はラジカルといった活性種により、被加工物WPが処理される。
プラズマ処理装置1は、制御器100を更に備える。制御器100は、プラズマ処理装置1の各部を統括制御する。制御器100は、CPUといったプロセッサ、ユーザインタフェース、及び、記憶部を備え得る。
プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラム及びプロセスレシピを実行することにより、マイクロ波出力装置16、ステージ14、ガス供給系38、排気装置56等の各部を統括制御する。
ユーザインタフェースは、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボード又はタッチパネル、プラズマ処理装置1の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等を含んでいる。
記憶部には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセッサの制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)、及び、処理条件データ等を含むプロセスレシピ等が保存される。プロセッサは、ユーザインタフェースからの指示等、必要に応じて、各種の制御プログラムを記憶部から呼び出して実行する。このようなプロセッサの制御下で、プラズマ処理装置1において所望の処理が実行される。
[マイクロ波出力装置16の構成例]
図2は、マイクロ波出力装置の一例を示す図である。図2に示されるように、マイクロ波出力装置16は、演算装置100aに接続されている。演算装置100aは、制御器100、波形発生器101、第1パルス生成器102、第2パルス生成器103、第3パルス生成器104、及び、第4パルス生成器105を有する。
波形発生器101は、マイクロ波の波形を発生する。波形発生器101は、制御器100により指定された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波の波形を発生する。波形発生器101は、マイクロ波の波形をマイクロ波出力装置16へ出力する。
第1パルス生成器102は、マイクロ波出力装置16にてマイクロ波パワーをパルス変調する際に利用される同期信号を生成する。第1パルス生成器102は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Mを生成する。第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Mをマイクロ波出力装置16へ出力する。
第2パルス生成器103は、パワーがパルス変調されたマイクロ波をチューナ26にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第2パルス生成器103は、第1パルス生成器102と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−MTを生成する。同期信号PSS−MTは、同期信号PSS−Mと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第2パルス生成器103は、同期信号PSS−MTをチューナ26へ出力する。
第3パルス生成器104は、高周波電源58にて高周波パワーをパルス変調する際に利用される同期信号を生成する。第3パルス生成器104は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Rを生成する。第3パルス生成器104は、同期信号PSS−Rを高周波電源58へ出力する。
第4パルス生成器105は、パワーがパルス変調された高周波をマッチングユニット60にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第4パルス生成器105は、第3パルス生成器104と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−RMを生成する。同期信号PSS−RMは、同期信号PSS−Rと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第4パルス生成器105は、同期信号PSS−RMをマッチングユニット60へ出力する。
第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Rと同期した同期信号PSS−Mを生成してもよい。この場合、マイクロ波パワーのパルス変調と高周波パワーのパルス変調とを同期させることができるので、安定したプラズマ生成が可能となる。
マイクロ波出力装置16は、波形発生器101により発生されたマイクロ波の波形を、制御器100の設定に応じてパルス変調し、マイクロ波として出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波発生部16a、導波管16b、サーキュレータ16c、導波管16d、導波管16e、第1の方向性結合器16f、第2の方向性結合器16h、測定部16k(測定部の一例)、及び、ダミーロード16jを有する。
マイクロ波発生部16aは、パワーがパルス変調されたマイクロ波を発生する。マイクロ波発生部16aは、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーを取得する。マイクロ波発生部16aは、制御器100から指示された設定に応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調されたマイクロ波を発生する。なお、Lowレベルの設定パワーが0Wの場合、パワーがON/OFFするようにパルス変調される。以下では、パワーがON/OFFするようにパルス変調される例を説明する。
マイクロ波発生部16aは、パワー制御部162、減衰器163、増幅器164、増幅器165、及び、モード変換器166を有する。
波形発生器101は、減衰器163に接続される。減衰器163は、一例として、印加電圧値によって減衰量(減衰率)を変更可能な機器である。減衰器163には、パワー制御部162が接続される。パワー制御部162は、印加電圧値を用いて減衰器163におけるマイクロ波の減衰率(減衰量)を制御する。マイクロ波の減衰率(減衰量)は、波形発生器101により出力されたマイクロ波が、制御器100により指示された設定パルス周波数、設定デューティ比及びONレベルの設定パワーに応じたパワーを有するマイクロ波となるように制御される。
パワー制御部162は、一例として、制御部162aを有する。制御部162aは、プロセッサであり得る。制御部162aは、制御器100から設定プロファイルを取得する。制御部162aは、第1パルス生成器102から同期信号PSS−Mを取得する。制御部162aは、同期信号PSS−M、及び、制御器100によって設定された設定プロファイルに基づいてマイクロ波の減衰率(減衰量)を決定する。
減衰器163の出力は、増幅器164及び増幅器165を介してモード変換器166に接続される。増幅器164及び増幅器165は、マイクロ波をそれぞれに所定の増幅率で増幅する。モード変換器166は、増幅器165から出力されるマイクロ波の伝搬モードをTEMからTE01に変換する。このモード変換器166におけるモード変換によって生成されたマイクロ波は、マイクロ波発生部16aの出力マイクロ波として出力される。
マイクロ波発生部16aの出力は導波管16bの一端に接続される。導波管16bの他端は、サーキュレータ16cの第1ポート261に接続される。サーキュレータ16cは、第1ポート261、第2ポート262A、及び、第3ポート263Aを有する。サーキュレータ16cは、第1ポート261に入力されたマイクロ波を第2ポート262Aから出力し、第2ポート262Aに入力したマイクロ波を第3ポート263Aから出力するように構成される。サーキュレータ16cの第2ポート262Aには導波管16dの一端が接続される。導波管16dの他端は、マイクロ波出力装置16の出力部16tである。
サーキュレータ16cの第3ポート263Aには、導波管16eの一端が接続される。導波管16eの他端はダミーロード16jに接続される。ダミーロード16jは、導波管16eを伝搬するマイクロ波を受けて、当該マイクロ波を吸収する。ダミーロード16jは、例えば、マイクロ波を熱に変換する。
第1の方向性結合器16fは、導波管16bの一端と他端との間に設けられる。第1の方向性結合器16fは、マイクロ波発生部16aから出力されて、出力部16tに伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成される。
第2の方向性結合器16hは、導波管16eの一端と他端との間に設けられる。第2の方向性結合器16hは、出力部16tに戻されたマイクロ波(即ち、反射波)について、サーキュレータ16cの第3ポート263Aに伝送された反射波の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成される。
測定部16kは、導波管内のマイクロ波を測定する機器である。測定部16kは、測定制御部167(取得部の一例)、第1検波部168(検波部の一例)及び第2検波部169を有する。
第1検波部168は、導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。第1検波部168は、マイクロ波発生部16aの出力側に設けられ、第1の方向性結合器16fから出力された進行波を入力する。測定部16kの第1検波部168の詳細については後述する。第2検波部169は、導波管内のマイクロ波の反射波パワーに応じた測定値を検出する。第2検波部169は、第2の方向性結合器16hから出力された反射波を入力する。
測定制御部167は、第1検波部168により検出された測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。測定制御部167による進行波パワーの周波数及びデューティ比の取得方法については後述する。
測定部16kは、パワー制御部162に接続される。測定部16kは、測定値をパワー制御部162に出力する。パワー制御部162は、進行波と反射波との測定値の差、即ちロードパワー(実効パワー)が、制御器100によって指定される設定パワーに一致するように、減衰器163を制御する(パワーフィードバック制御)。
本実施形態に係るマイクロ波モニタ装置10は、測定制御部167及び第1検波部168を備えて構成される。つまり、マイクロ波モニタ装置10は、パワーフィードバック制御に用いられる方向性結合器の信号を分岐させてモニタしている。なお、マイクロ波モニタ装置10は、パワーフィードバック制御の構成と兼用されることが必須ではなく、パワーフィードバック制御の構成とは別に追加されていてもよい。
チューナ26は、チューナ制御部260及びチューナ検波部264を有する。チューナ制御部260は、制御器100の信号及びチューナ検波部264の検出結果に基づいて、マイクロ波出力装置16側のインピーダンスとアンテナ18側のインピーダンスとを整合するようにスタブ26a、26b,26cの突出位置を調整する。チューナ検波部264は、一例として三探針検波器であり、3本のダイオード付きプローブを有する。チューナ制御部260は、図示しないドライバ回路及びアクチュエータにより、スタブ26a、26b,26cを動作させる。
チューナ制御部260は、第2パルス生成器103により生成されたマイクロ波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。チューナ制御部260は、同期信号を考慮して、スタブ26a、26b,26cを動作させる。高周波電源58は、第3パルス生成器104により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−Rを取得する。高周波電源58は、同期信号PSS−Rに基づいて高周波パワーをパルス変調する。マッチングユニット60は、第4パルス生成器105により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。マッチングユニット60は、同期信号PSS−MTに基づいて、パルス変調された高周波パワーを整合する。
[波形発生器の詳細]
図3は、波形発生器におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。図3に示されるように、波形発生器101は、例えば、基準周波数と位相を同期させたマイクロ波を発振することが可能なPLL(Phase Locked Loop)発振器と、PLL発振器に接続されたIQデジタル変調器とを有する。波形発生器101は、PLL発振器において発振されるマイクロ波の周波数を制御器100により指定された設定周波数に設定する。そして、波形発生器101は、PLL発振器からのマイクロ波と、当該PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とを、IQデジタル変調器を用いて変調する。これにより、波形発生器101は、帯域内において複数の周波数成分を有するマイクロ波、又は、単一周波数のマイクロ波を生成する。
波形発生器101は、例えば、N個の複素データシンボルに対する逆離散フーリエ変換を行って連続信号を生成することにより、複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成することが可能である。この信号の生成方法は、ディジタルテレビ放送等で用いられるOFDMA(Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)変調方式と同様の方法であり得る。
一例では、波形発生器101は、予めデジタル化された符号の列で表された波形データを有する。波形発生器101は、波形データを量子化し、量子化したデータに対して逆フーリエ変換を適用することにより、IデータとQデータとを生成する。そして、波形発生器101は、Iデータ及びQデータの各々に、D/A(Digital/Analog)変換を適用して、二つのアナログ信号を得る。波形発生器101は、これらアナログ信号を、低周波成分のみを通過させるLPF(ローパスフィルタ)へ入力する。波形発生器101は、LPFから出力された二つのアナログ信号を、PLL発振器からのマイクロ波、PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とそれぞれミキシングする。そして、波形発生器101は、ミキシングによって生成されたマイクロ波を合成する。これにより、波形発生器101は、一又は複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成する。
[測定部の第1検波部及び測定制御部の詳細]
図4は、測定部16kの第1検波部168及び測定制御部167の一例を示す図である。図4では、測定部16kのうち、進行波パワーを検波する部分のみを図示している。測定部16kは、マイクロ波の進行波パワーPfをポートを介して入力する。測定部16kは、ローパスフィルタLPFを用いて、進行波パワーPfの不要な周波数成分を除去する。続いて、測定部16kは、アッテネータATTを用いて、進行波パワーPfを後続の回路ICに適した信号レベルに減衰する。続いて、測定部16kは、回路ICにより、進行波パワーPfを、パワーに応じたアナログ電圧に変換する。続いて、測定部16kは、回路を用いて、進行波パワーPfを平均化してノイズ成分を除去する。回路による平均化のサンプリングは、ここでは0.1μs以下とされる。測定部16kは、ノイズ成分を除去したのち、A/D変換器を用いて、進行波パワーPfをデジタル信号へと変換する。ここまでの処理が第1検波部168の機能となる。続いて、測定部16kは、CPUによってデジタル信号を電力に換算し、ポートから出力する。出力先の一例はパワー制御部162である。このCPUの処理が測定制御部167の機能となる。このように、測定部16kは進行波パワーを検出し、パワー制御部162へと出力することができる。
[マイクロ波の一例]
マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波パワーは、ONレベルのパワーとOFFレベルのパワー(0W)とを繰り返すようにパルス状に変調された波形となる。図5は、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波の一例である。図5に示されるように、マイクロ波は、制御器100から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅(BB幅)を有する。マイクロ波は、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、ONレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数PT1、デューティ比HT、ONレベルのパワーを有する。単一周波数ピークのマイクロ波の場合には、図4に示される同一時間帯におけるONレベルの複数の波形が中心周波数を中心とした1つの波形となり、ON/OFFを繰り返す。
[パワーのON/OFF制御に関する信号波形]
図6は、ON/OFF制御に関する信号波形の一例である。図6に示される複数の波形は、時間軸のタイミングを一致させている。図6の信号(A)は、第1パルス生成器102により生成された同期信号PSS−Mの波形である。図6の信号(B)は、波形発生器101により生成されたマイクロ波の波形である。図6の信号(C)は、信号(A)及び信号(B)に基づいて変調されたマイクロ波の波形である。図6の信号(D)は、信号(C)を検波して得られた波形である。それぞれの横軸は時間である。信号(B)は、パワー制御部162及び減衰器163によって、信号(A)に基づいて減衰される。例えば、信号(B)は、同期信号PSS−MのOFF時間において0Wに減衰される。減衰された信号は、増幅器164及び増幅器165によって増幅され、信号(C)となる。信号(C)は、ON状態のパワーが設定パワーPsetとなるように増幅される。信号(C)のON状態は、信号(A)に示される同期信号PSS−MのON時間と一致する。信号(C)を第1検波部168により検波すると、信号(D)の波形となる。信号(D)を用いて、測定制御部167により、進行波パワーのデューティ比及びパルス周期(パルス周波数)が決定される。
[単一周波数ピークを有するマイクロ波の波形]
図7は、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比の一例である。図7に示されるように、単一周波数ピークを有するマイクロ波の場合、同期信号PSS−Mと同様に、ノイズの少ないON/OFFのパルス波形となる。ONレベルのパワーは、設定パワーPsetとなる。波形は、ON/OFFの切り替わり箇所、つまり、波形立ち上がり部分及び波形立ち下がり部分を含む。このため、デューティ比は、判定閾値P1(第1判定閾値の一例)を用いて決定される。判定閾値P1は、ここでは設定パワーに対して割合T%を乗算して得られる。一例として、割合Tが50%である場合には、判定閾値P1は、設定パワーPset×0.5となる。パワーが判定閾値P1以上となったときからパワーが判定閾値P1以下となるタイミングまでがONレベルである。OFFレベルはその逆であり、1つのONレベルと1つのOFFレベルで構成される区間がパルス周波数PRF1である。1つのパルス周波数PRF1におけるONレベルの区間がデューティ比Duty1である。このように、測定制御部167は、判定閾値P1を用いてパルスをモニタする。
[帯域幅を有するマイクロ波の波形]
帯域幅を有するマイクロ波の波形の場合も、単一周波数ピークを有するマイクロ波と同様に、判定閾値を用いてデューティ比及びパルス周波数をモニタすることができる。しかしながら、判定閾値を設定パワーPset×0.5とした場合、パルスのモニタ精度が低下する。精度低下の要因は、帯域幅を有するマイクロ波の波形の場合、パルスごとに測定されるパワーが異なるため、パルスのONレベルのパワーが安定しないため(変動するため)である。このため、帯域幅を有するマイクロ波のパワーのONレベルを判定するための判定閾値は、設定パワーPsetの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定される。例えば、設定パワーPsetが0〜2700Wの範囲をとり得る場合、判定閾値は、0Wよりも大きく1350Wよりも小さい値となる。判定閾値は、設定パワーPsetの0%よりも大きく0.4%以下の範囲に予め設定されてもよい。この場合、判定閾値は、0Wよりも大きく11W以下の値となる。判定閾値を0に近づけるほど、少しのパワーでONレベルと判定されるため、ON時間をより正確にすることができる。
図8は、単一周波数ピークを有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比と、帯域幅を有するマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比との比較の一例である。図8には、図7と同様に、単一周波数ピークの判定閾値P1、デューティ比Duty1、パルス周波数PRF1が示されている。帯域幅を有するマイクロ波のパワーのONレベルを判定するための判定閾値は、判定閾値P2(第2判定閾値の一例)で示される。判定閾値P2は、設定パワーPsetの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に設定され、例えば設定パワーPsetの0%よりも大きく0.4%以下の範囲に予め設定される。測定制御部167は、判定閾値P2を用いて、デューティ比Duty2及びパルス周波数PRF2を取得する。デューティ比Duty2は、デューティ比Duty1と比べてを比較すると、δ1+δ2だけ大きくなる。一方、パルス周波数PRF2は、タイミングがδ1だけずれているものの、パルス周波数PRF1と一致する。このため、測定制御部167は、判定閾値P2を用いて少なくとも正確なパルス周波数を取得することができる。
[マイクロ波モニタ装置の動作]
図9は、マイクロ波モニタ装置の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示されるフローチャートは、例えば作業員の操作によってパルスモニタ機能をONさせる指示が入力されたときに開始される。図9に示されるように、最初に、マイクロ波出力装置16の第1検波部168は、検波信号の取得処理(ステップS10)として、進行波パワーPfの検波信号を取得する(図6の信号(D)参照)。続いて、マイクロ波出力装置16の測定制御部167は、パルス情報の取得処理(ステップS12)として、判定閾値P2を用いて進行波パワーPfのデューティ比、及びパルス周波数を取得する。判定閾値P2は、設定パワーPsetの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されている。パルス情報の取得処理(ステップS12)が終了すると、図9に示される処理が終了する。図9に示されるフローチャートの終了後、終了条件が満たされるまで、再び図9に示される処理を最初から実行してもよい。終了条件の一例は、例えば作業員の操作によってパルスモニタ機能をOFFさせる指示が入力されたときである。
[第1実施形態のまとめ]
第1実施形態に係るマイクロ波モニタ装置10によれば、設定パワーPsetの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定された判定閾値P2を用いて進行波パワーPfのONレベルが判定される。あるいは、判定閾値P2は、設定パワーの0%よりも大きく0.4%以下の範囲に設定される。これにより、このマイクロ波モニタ装置10は、50%の電力をONレベルの判定閾値として採用する場合と比較して、より小さいパワーでONレベルとなることを検知することができる。このため、このマイクロ波モニタ装置10は、ONレベルとなる時間をより正確に把握することができる。よって、このマイクロ波モニタ装置10は、帯域幅を有し、パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波のモニタ精度を向上させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るマイクロ波モニタ装置10Aは、第1実施形態に係るマイクロ波モニタ装置10と比べて、補正部170及び記憶部171を備える点が相違し、その他は同一である。以下では、マイクロ波モニタ装置10Aとマイクロ波モニタ装置10との相違点を中心に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図10は、第2実施形態に係るマイクロ波出力装置の一例を示す図である。図10に示されるように、マイクロ波発生部16aは、補正部170及び記憶部171を備える。記憶部171は、設定パワーPsetとパルス幅誤差との対応関係を予め記憶する。補正部170は、設定パワーPsetと記憶部171に記憶された対応関係とに基づいて測定部16kにより取得されたデューティ比を補正する。図8を用いて説明されたとおり、判定閾値P2を用いて進行波パワーPfをモニタした場合、デューティ比に誤差が生じる。この誤差は、設定パワーPsetに依存する。したがって、設定パワーPsetとパルス幅誤差との対応関係を予め取得しておくことで、設定パワーPsetに応じてデューティ比を補正し、パルスのモニタ精度をさらに向上させることができる。上記以外の構成は、第1実施形態と同一である。なお、補正部170及び記憶部171は、マイクロ波発生部16aではなく、測定部16kが備えてもよい。
[対応関係の取得処理]
図11は、補正関数を決定する方法のフローチャートの一例である。図11に示されるフローチャートは、例えばマイクロ波モニタ装置10を有するプラズマ処理装置1の出荷前に実行される。図11に示されるフローチャートの実行時において、プラズマ処理装置1のマイクロ波発生部16aの出力側となる導波管に、測定用となる方向性結合器とダミーロードを別途取り付ける。この方向性結合器の進行波出力をピークパワーアナライザ(校正用測定器)に接続して時間軸でパワー波形を測定する。
最初に、第1測定工程(ステップS20)として、単一周波数ピークを有するマイクロ波の進行波パワーがピークパワーアナライザを用いてリファレンスとして測定される。ここでは、少なくとも2つの設定パワーに対応する進行波パワーが測定される。一例として、第1設定パワーPset1に応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調された第1進行波パワーPf1と、第2設定パワーPset2に応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調された第2進行波パワーPf2とが測定される。第1設定パワーPset1及び第2設定パワーPset2は、1000W以上に設定することができる。
続いて、第1取得工程(ステップS22)として、第1測定工程(ステップS20)の測定結果に基づいて、単一周波数ピークを有するマイクロ波の進行波パワーのデューティ比及びパルス周期がリファレンスとして取得される。一例として、第1測定工程(ステップS20)の測定値と、パワーのONレベルを判定するための第1判定閾値とに基づいて、第1進行波パワーPf1のデューティ比と第2進行波パワーPf2のデューティ比とが取得される。第1判定閾値は、一例として、設定パワーの50%の値である。なお、第1取得工程(ステップS22)では、パルス周期は取得されなくてもよい。
続いて、第2測定工程(ステップS24)として、帯域幅を有するマイクロ波の進行波パワーが測定部16kを用いて測定される。ここでは、第1測定工程(ステップS20)と同一の設定パワーに対応する進行波パワーが測定される。一例として、第1設定パワーPset1に応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調された第3進行波パワーPf3と、第2設定パワーPset2に応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調された第4進行波パワーPf4とが測定される。
続いて、第2取得工程(ステップS26)として、第2測定工程(ステップS24)の測定結果に基づいて、帯域幅を有するマイクロ波の進行波パワーのデューティ比及びパルス周期が取得される。一例として、第2測定工程(ステップS24)の測定値と、パワーのONレベルを判定するための第2判定閾値とに基づいて、第1進行波パワーPf1のデューティ比と第2進行波パワーPf2のデューティ比とが取得される。第2判定閾値は、一例として、設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定された値である。なお、第2取得工程(ステップS26)では、パルス周期は取得されなくてもよい。
続いて、近似工程(ステップS28)として、第1取得工程(ステップS22)及び第2取得工程(ステップS26)で取得されたデューティ比を比較して、パルス幅誤差を算出する。パルス幅誤差は、ピークパワーアナライザの測定値(単一周波数ピークを有するマイクロ波)から得られたデューティ比に基づいたパルス幅と、第1検波部168の測定値(帯域幅を有するマイクロ波)から得られたデューティ比に基づいたパルス幅との誤差である。ここでは、同一の設定パワーで取得されたパルス幅同士が比較される。具体的には、第1設定パワーPset1に対応する第1進行波パワーPf1と第3進行波パワーPf3とのパルス幅誤差が取得される。同様に、第2設定パワーPset2に対応する第2進行波パワーPf2と第4進行波パワーPf4とのパルス幅誤差が取得される。これらのパルス幅誤差は、設定パワーとパルス幅誤差とを座標軸とする座標空間にプロットされ、一次関数で近似される。
続いて、決定工程(ステップS30)として、近似工程(ステップS28)で得られた一次関数に基づいて補正関数が決定される。一例として、補正関数は、設定パワーが指定されたときに、一次関数を用いて得られたパルス幅誤差をオフセットさせる関数となる。決定工程(ステップS30)が終了すると、図11に示されるフローチャートは終了する。このようにして得られた対応関係(一次関数又は補正関数)は、記憶部171に記憶され、補正部170によって参照される。
[マイクロ波モニタ装置の動作]
図12は、マイクロ波モニタ装置10Aの動作の一例を示すフローチャートである。図12に示されるフローチャートは、例えば作業員の操作によってパルスモニタ機能をONさせる指示が入力されたときに開始される。図10に示されるように、最初に、マイクロ波出力装置16の第1検波部168は、検波信号の取得処理(ステップS30)として、進行波パワーPfの検波信号を取得する(図6の信号(D)参照)。続いて、マイクロ波出力装置16の測定制御部167は、パルス情報の取得処理(ステップS32)として、判定閾値P2を用いて進行波パワーPfのデューティ比、及びパルス周波数を取得する。判定閾値P2は、設定パワーPsetの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されている。続いて、マイクロ波出力装置16の補正部170は、デューティ比の補正処理(ステップS34)として、記憶部171に記憶された対応関係と、設定パワーとに基づいて補正係数を取得する。そして、補正部170は、補正係数に基づいて、パルス情報の取得処理(ステップS32)にて取得されたデューティ比を補正する。補正処理(ステップS34)が終了すると、図12に示される処理が終了する。図12に示されるフローチャートの終了後、終了条件が満たされるまで、再び図12に示される処理を最初から実行してもよい。終了条件の一例は、例えば作業員の操作によってパルスモニタ機能をOFFさせる指示が入力されたときである。
[第2実施形態のまとめ]
帯域幅を有するマイクロ波のONレベルの第2判定閾値を50%よりも小さくした場合、デューティ比に誤差が生じるおそれがある。マイクロ波モニタ装置10Aによれば、測定結果であるパルス幅を設定パワーに応じて補正することができる。このため、パルスのモニタ精度を向上させることができる。さらに、少なくとも2点のデータを用いることで、任意の設定パワーに対してパルス幅の誤差を補正することができる補正関数を決定することができる。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。
上述した実施形態では、マイクロ波発生部16aと波形発生器101とが分離している例を説明したが、一つの装置として構成されていてもよい。また、演算装置100aが第1パルス生成器102〜第4パルス生成器105を備える例を説明したが、これに限定されない。例えば、パワー制御部162が第1パルス生成器102を備えてもよい。
プラズマ処理装置がマイクロ波の進行波パワーを利用するモードのみ用いる場合、測定部16kは反射波を測定する構成を備えていなくてもよい。
以下、本開示の効果を説明するシミュレーション結果を説明する。
[デューティ比誤差]
デューティ比誤差をシミュレーションした。シミュレーションの条件として、設定パワーPsetを500W〜2700W、帯域幅を10MHzとした。パルス変調の設定デューティ比は10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%とし、設定パルス周波数は1kHz、2kHz、3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、10kHz、12kHz、14kHz、16kHz、18kHz、20kHzとした。パルス変調方式は、ON/OFF変調とした。また、デューティ比については、図8を用いて説明された第1判定閾値P1及び第2判定閾値P2を用いて算出した。第1判定閾値P1は設定パワーの50%とし、第2判定閾値P2は、設定パワーの0.4%とした。結果を図13の(A)〜(F)、図14の(A)〜(F)に示す。なお、以下では、単一周波数ピークを有するマイクロ波をSPモード(single peak mode)とし、帯域幅を有するマイクロ波をBBモード(broadband mode)として説明する。
図13の(A)〜(F)は、横軸が出力電圧測定値(設定パワー相当)であり、縦軸がデューティ比誤差である。図13における誤差は、設定デューティ比に対する測定部16kの測定値の誤差であり、測定値から設定値を減算し、さらに小数点第1位を四捨五入することで導出される表示モニタ値である。図13の(A)は、SPモードかつパルス周波数9kHzのシミュレーション結果であり、図13の(B)は、BBモードかつパルス周波数9kHzのシミュレーション結果である。図13の(C)は、SPモードかつパルス周波数10kHzのシミュレーション結果であり、図13の(D)は、BBモードかつパルス周波数10kHzのシミュレーション結果である。図13の(E)は、SPモードかつパルス周波数20kHzのシミュレーション結果であり、図13の(F)は、BBモードかつパルス周波数20kHzのシミュレーション結果である。それぞれのシミュレーションにおいて、デューティ比ごとに誤差をシミュレーションした。
図13の(A)、(C)、(E)に示されるように、SPモードの場合には、デューティ比誤差は確認されなかった。図13の(B)に示されるように、BBモードの場合でも、パルス周波数9kHzのときには誤差は確認されなかった。しかしながら、BBモードの場合、図13の(D)、(F)に示されるように、パルス周波数10kHz、20kHzのときに誤差が確認された。具体的には、出力電圧測定値500Wかつパルス周波数10kHz以上のときに、1%の誤差が確認された。このように、BBモードの場合、第2判定閾値P2を用いた場合でも、SPモードの場合と比べて誤差が生じてしまうことが確認された。
図14の(A)〜(F)は、横軸が出力電圧測定値(設定パワー相当)であり、縦軸がデューティ比誤差である。図14における誤差は、ピークパワーアナライザの測定値に対する測定部16kの測定値の誤差であり、測定部16kの測定値からピークパワーアナライザの設定値を減算することで導出される。図14の(A)は、SPモードかつパルス周波数9kHzのシミュレーション結果であり、図14の(B)は、BBモードかつパルス周波数9kHzのシミュレーション結果である。図14の(C)は、SPモードかつパルス周波数10kHzのシミュレーション結果であり、図14の(D)は、BBモードかつパルス周波数10kHzのシミュレーション結果である。図14の(E)は、SPモードかつパルス周波数20kHzのシミュレーション結果であり、図14の(F)は、BBモードかつパルス周波数20kHzのシミュレーション結果である。それぞれのシミュレーションにおいて、デューティ比ごとに誤差をシミュレーションした。
図14の(A)、(C)、(E)に示されるように、SPモードの場合には、デューティ比が80%まではディーティ比誤差は0.5%以内であり、誤差はほぼ無いことが確認された。しかし、図14の(E)ディーティ比が90%のときは0.5%以下となる。図14の(B)に示されるように、BBモードの場合でも、パルス周波数9kHzのときには誤差は確認されなかった。しかしながら、BBモードの場合、図14の(D)、(F)に示されるように、パルス周波数10kHz、20kHzのときに誤差が確認された。具体的には、出力電圧測定値500Wかつパルス周波数10kHz以上のときに、1%の誤差が確認された。このように、BBモードの場合、第2判定閾値P2を用いた場合でも、SPモードの場合と比べて誤差が生じてしまうことが確認された。また、出力電圧測定値が高くなるほど誤差が大きくなることが確認された。
図15の(A)は、図14の(F)に示されるデータを座標変換してディーティ比の刻みを1%としたグラフであり、横軸が設定デューティ比、縦軸が誤差である。図15の(A)に示されるように、BBモードでは、設定デューティ比が高くなるほど誤差が大きくなることが確認された。図15の(B)は、図14の(B)、(D)、(F)などに示されるデューティ比90%のデータをプロットし直してパルス周波数を0.1kHzとしたグラフであり、横軸が設定パルス周波数、縦軸が誤差である。図15の(B)に示されるように、BBモードでは、設定パルス周波数が高くなるほど誤差が大きくなることが確認された。
続いて、パルス幅の誤差をシミュレーションした。シミュレーションの条件として、設定パワーPsetを500W〜2700W、帯域幅を10MHzとした。パルス変調の設定デューティ比は10、50、90%とし、設定パルス周波数は1、5、10、20kHzとした。パルス変調方式は、ON/OFF変調とした。また、デューティ比については、図8を用いて説明された第1判定閾値P1及び第2判定閾値P2を用いて算出した。第1判定閾値P1は設定パワーの50%とし、第2判定閾値P2は、設定パワーの0.4%とした。この条件で4つの測定部16kのパルス幅誤差を測定した。結果を図16の(A)〜(D)に示す。
図16の(A)〜(D)は、4つの測定部16kごとのシミュレーション結果であり、横軸が設定パワー、縦軸がパルス幅誤差である。図16の(A)〜(D)に示されるように、測定部16kごとに個体差があるものの、設定パワーに依存してパルス幅誤差が大きくなることが確認された。さらに、パルス幅誤差は、設定パワー1000W以上の領域で単調増加することが確認された。つまり、パルス幅誤差は、設定パワー1000W以上の領域で一次関数で近似可能であることが確認された(図中の直線参照)。よって、任意の設定パワーとパルス幅誤差との対応関係を一次関数を用いて導出可能であることが確認された。
[パルスモニタ精度の向上の確認]
図17の(A)〜(D)は、図16の(A)〜(D)に対応する測定部16kによって測定された結果であり、横軸が設定パワー、縦軸がデューティ比誤差である。図17の(A)〜(D)では、設定パルス周波数は1kHz、5kHz、10kHz、20kHzである。図17の(A)〜(D)に示されるように、最大5%程度の誤差があることが確認された。図17の(A)〜(D)を、図16の(A)〜(D)に示される一次関数を用いて補正した結果を図18の(A)〜(D)に示す。
図18の(A)〜(D)は、図17の(A)〜(D)のデータを補正した結果であり、横軸が設定パワー、縦軸がデューティ比誤差である。補正データは設定パルス周波数が5kHzでパルス変調のデューティ比を90%として設定パワーが1000Wと2500Wとして一次近似で算出した。図18の(A)〜(D)に示されるように、設定パルス周波数が1kHz、5kHz、10kHz、20kHzにて設定パワーが500W以上でデューティ誤差は1%以下に抑えられていることが確認された。特に、設定パワー1000W以上の範囲では誤差が確認されないほど改善されることがわかった。
1…プラズマ処理装置、10,10A…マイクロ波モニタ装置、12…チャンバ本体、16…マイクロ波出力装置、16a…マイクロ波発生部、16f…第1の方向性結合器、16h…第2の方向性結合器、16k…測定部、16t…出力部、18…アンテナ、20…誘電体窓、26…チューナ、27…モード変換器、28…同軸導波管、30…スロット板、32…誘電体板、34…冷却ジャケット、38…ガス供給系、58…高周波電源、60…マッチングユニット、100…制御器、101…波形発生器、102…第1パルス生成器、162…パワー制御部、163…減衰器、164…増幅器、165…増幅器、166…モード変換器。

Claims (2)

  1. パワーがON/OFFするようにパルス変調されたマイクロ波を計測する検波部の計測結果を補正するための補正関数を決定する方法であって、
    第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調され単一周波数ピークを有するマイクロ波の第1進行波パワーと、第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調され単一周波数ピークを有するマイクロ波の第2進行波パワーとを、校正用測定器を用いて測定する第1測定工程と、
    前記第1測定工程の測定値と、パワーのONレベルを判定するための第1判定閾値とに基づいて、前記第1進行波パワーのデューティ比と前記第2進行波パワーのデューティ比とを取得する第1取得工程と、
    前記第1設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調され中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波の第3進行波パワーと、前記第2設定パワーに応じたONレベルとなるようにパワーがパルス変調され中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波の第4進行波パワーとを、前記検波部を用いて測定する第2測定工程と、
    前記第2測定工程の測定値と、前記設定パワーの0%よりも大きく50%よりも小さい範囲に予め設定されパワーのONレベルを判定するための第2判定閾値とに基づいて、前記第3進行波パワーのデューティ比と前記第4進行波パワーのデューティ比とを取得する第2取得工程と、
    前記設定パワーと、校正用測定器の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅と前記検波部の測定値から得られたデューティ比に基づいたパルス幅との誤差であるパルス幅誤差とを座標軸とし、前記第1設定パワーに対応する前記第1進行波パワーと前記第3進行波パワーとのパルス幅誤差と、前記第2設定パワーに対応する前記第2進行波パワーと前記第4進行波パワーとのパルス幅誤差とを一次関数で近似する工程と、
    前記一次関数に基づいて前記補正関数を決定する工程と、
    を含む、補正関数を決定する方法。
  2. 前記第1設定パワー及び前記第2設定パワーは、1000W以上である請求項1に記載の補正関数を決定する方法。
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