JP2020180658A - 衝撃吸収構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを抑制しつつ要求圧縮強度を調整できる衝撃吸収構造体を提供すること。【解決手段】衝撃吸収構造体の繊維構造体21は多層織物であり、かつ複数の繊維層を積層方向に結合する層間結合糸26を備え、当該層間結合糸26は撚糸である。繊維構造体21において、層間結合糸26は荷重入力方向Zに並ぶとともに、荷重入力方向Zに直交し、かつ繊維構造体21の面に沿う方向に延びている。繊維構造体21は、荷重に対する第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度を発現させるために、第1〜第3部位23〜25の層間結合糸26の撚り数が異なるように設定されている。【選択図】図5

Description

本発明は、繊維構造体にマトリックス材料を含浸させて構成され、衝撃を受けた際の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体に関する。
例えば、バンパと車体のサイドメンバとの間には、衝撃吸収構造体が配置されており、この衝撃吸収構造体は、車両がパンパ側から過大な衝撃を受けた場合に、破壊することにより衝撃エネルギーを吸収する。衝撃吸収構造体は、荷重が加わる方向の先端から荷重入力方向に沿った所定位置に至るまでの範囲では、荷重に対する強度である要求圧縮強度を小さくし、荷重によって破壊されやすくしている。また、荷重が加わる方向に沿って、厚さを大きくした段差部を複数設けることで、要求圧縮強度を徐々に大きくし、運転席側へ過大な荷重が加わらないようにしている。このような複数の段差部を有する衝撃吸収構造体としては、繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させて構成された繊維強化複合材が知られている。
例えば、特許文献1の衝撃吸収構造体において、繊維構造体は、シート状の繊維層を複数積み重ねて構成されている。また、特許文献1に開示の繊維構造体は、先端部では、シート状の繊維層を複数積み重ねて一様な厚さとし、要求圧縮強度を小さくするとともに、基端部側ほど、シート状の繊維層の端部を階段状にずらして積み重ねることで、要求圧縮強度を大きくしている。
米国特許第6406088号明細書
複数の段差部を有する衝撃吸収構造体を製造する方法としては、繊維層をずらして積み重ねる方法以外にも多層織りがある。多層織りによって形成された繊維構造体は、経糸を複数本配列した経糸層と、緯糸を複数本配列した緯糸層とを積層方向に複数有するとともに、経糸でもある層間結合糸によって複数の経糸層と複数の緯糸層とが積層方向に結合されている。
しかし、多層織物製の繊維構造体を有する衝撃吸収構造体において、複数の段差部を設けるには、緯入れされる緯糸の本数を異ならせ必要がある。緯入れする緯糸の本数を増やすには、多層織りを行う織機において綜絖枠を増やす必要があり、製造コストが嵩む。
また、複数の段差部を設けるために、経糸層の数を異ならせる方法もあるが、経糸層の数を異ならせるには、製織された繊維構造体から経糸を切断し、経糸層を減らして厚さを薄くする必要があり、経糸の切断工程を必要とし、製造コストが嵩む。
本発明の目的は、製造コストを抑制しつつ要求圧縮強度を調整できる衝撃吸収構造体を提供することにある。
上記問題点を解決するための衝撃吸収構造体は、繊維構造体にマトリックス材料を含浸させて構成され、衝撃を受けた際の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、前記繊維構造体は、前記衝撃吸収構造体に対し荷重が加わる荷重入力方向に延びる荷重方向糸を有する多層織物であり、かつ複数の繊維層を積層方向に結合する層間結合糸を備え、当該層間結合糸は撚糸であり、前記繊維構造体において、前記層間結合糸は、前記荷重入力方向に並ぶとともに前記荷重入力方向に直交する方向に延びており、前記繊維構造体は、荷重が最初に加わる先端面を備えた第1部位を有するとともに、前記荷重入力方向に沿って前記第1部位に連続する第2部位を有し、荷重に対する前記第1部位及び前記第2部位の要求圧縮強度を発現させるために、前記第1部位の前記層間結合糸の撚り数と前記第2部位の前記層間結合糸の撚り数とが異なるように設定されていることを要旨とする。
これによれば、衝撃吸収構造体は、第1部位及び第2部位の要求圧縮強度を調整して、衝撃吸収構造体としての機能を発揮させるようにしている。つまり、衝撃吸収構造体が衝撃を受けた際には、荷重が最初に加わる第1部位で衝撃エネルギーを吸収させ、第2部位により、衝撃が荷重入力方向の奥側にまで及ばないようにしている。層間結合糸を構成する撚糸は、撚り数が一定の値までは、撚り数が大きくなるほど、伸び率が大きくなる。層間結合糸の伸び率が大きいほど、荷重を受けた際の衝撃吸収構造体の割けを抑制しやすく、割けが抑制されるほど、要求圧縮強度を高めることができる。したがって、第1部位と第2部位とで、層間結合糸の撚り数を異ならせつつ、要求圧縮強度が発現されるように撚り数を設定することで、第1部位及び第2部位に求められる要求圧縮強度に調整することができる。よって、第1部位及び第2部位に求められる要求圧縮強度に調整するために、繊維層の積層方向への数を異ならせたり、繊維構造体を構成する糸の切除を行ったりする必要がなく、衝撃吸収構造体の製造コストを抑制しつつ、要求圧縮強度を所望する値に調整できる。
また、衝撃吸収構造体について、前記第1部位の前記繊維層の数と前記第2部位の前記繊維層の数は同じであり、かつ前記荷重入力方向に直交する前記第1部位の断面積と、前記荷重入力方向に直交する前記第2部位の断面積は同じであり、前記第2部位の前記要求圧縮強度が、前記第1部位の前記要求圧縮強度よりも大きくなるように、前記第2部位を構成する前記層間結合糸の撚り数が、前記第1部位を構成する前記層間結合糸の撚り数よりも大きく設定されていてもよい。
これによれば、繊維層及び断面積を同じとした第1部位と第2部位であっても、層間結合糸の撚り数を調整するだけで、第1部位と第2部位の要求圧縮強度を所望する値に調整できる。
また、衝撃吸収構造体について、前記第1部位の前記繊維層の数と前記第2部位の前記繊維層の数は同じであり、かつ前記荷重入力方向に直交する前記第1部位の断面積は、前記荷重入力方向に直交する前記第2部位の断面積より大きく、前記第1部位の前記要求圧縮強度と前記第2部位の前記要求圧縮強度とが揃うように、前記第1部位を構成する前記層間結合糸の撚り数が、前記第2部位を構成する前記層間結合糸の撚り数よりも少なく設定されていてもよい。
これによれば、第1部位と第2部位とで断面積が異なる衝撃吸収構造体であっても、層間結合糸の撚り数を調整することで、第1部位と第2部位の要求圧縮強度を合わせることができる。
本発明によれば、製造コストを抑制しつつ要求圧縮強度を調整できる。
実施形態のフロントバンパの支持状態を示す模式平面図。 衝撃吸収構造体を示す斜視図。 撚糸を模式的に示す図。 繊維構造体を模式的に示す図。 衝撃吸収構造体における層間結合糸を模式的に示す図。 撚り数と要求圧縮強度との関係を示すグラフ。 別例の衝撃吸収構造体を模式的に示す斜視図。 別例の衝撃吸収構造体を模式的に示す平面図。
以下、衝撃吸収構造体を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1に示すように、車体を構成する左右一対のフロントサイドメンバ11には、衝撃吸収構造体20が、それぞれ車両前後方向の後端において固定されている。両衝撃吸収構造体20の車両前後方向における前端にはフロントバンパ12が固定されている。
図2に示すように、衝撃吸収構造体20は繊維強化複合材製である。衝撃吸収構造体20は、四角筒状の繊維構造体21にマトリックス材料の一例であるマトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂19を含浸させて構成されたものである。衝撃吸収構造体20は、過大な衝撃を受けた場合に、破壊することにより衝撃エネルギーを吸収する。以下、衝撃吸収構造体20に対し荷重が加わる方向を荷重入力方向Zとする。荷重入力方向Zは、繊維構造体21の軸線Lの延びる方向に一致する。熱硬化性樹脂19としては、例えば、エポキシ樹脂が使用される。
図5に示すように、繊維構造体21は、荷重が最初に加わることとなる荷重入力方向Zの一端面に先端面21aを有し、先端面21aと反対側の端面に基端面21bを有する。繊維構造体21の先端面21aは、フロントバンパ12が固定される衝撃吸収構造体20の前端を構成し、繊維構造体21の基端面21bは、フロントサイドメンバ11が固定される衝撃吸収構造体20の後端を構成する。繊維構造体21は先端面21aを備える四角筒状の第1部位23と、荷重入力方向Zに沿って第1部位23に連続する四角筒状の第2部位24と、荷重入力方向Zに沿って第2部位24に連続する四角筒状の第3部位25とを有する。荷重入力方向Zにおける第3部位25の他端に基端面21bが設けられている。
荷重入力方向Zに沿った第1〜第3部位23〜25の寸法は、それぞれ異なっており、第2部位24が最も短く、第3部位25が最も長い。なお、荷重入力方向Zに沿った第1部位23と第2部位24の境界、及び荷重入力方向Zに沿った第2部位24と第3部位25の境界は、後述する層間結合糸26の撚り数が変化する位置である。
図2に示すように、第1部位23、第2部位24、及び第3部位25は、厚さが同じであり、荷重入力方向Zに沿って一定の厚さである。
そして、荷重入力方向Zに直交する第1部位23の断面積、荷重入力方向Zに直交する第2部位24の断面積、及び荷重入力方向Zに直交する第3部位25の断面積は、ほぼ同じである。なお、第1〜第3部位23〜25の断面積がほぼ同じであるとは、断面積同士の差が予め設定された閾値以下にあることを示し、第1〜第3部位23〜25の断面積が同じであることは当然であり、繊維構造体21の製造誤差や、繊維の太さによって生じる誤差等によって、第1〜第3部位23〜25の断面積が若干異なることも意味する。
第1〜第3部位23〜25において、荷重入力方向Zに加える荷重を徐々に大きくしていき、第1〜第3部位23〜25が圧縮して破壊されるときの荷重を要求圧縮強度とする。この要求圧縮強度は、第1〜第3部位23〜25が耐えることのできる荷重の最大値でもある。そして、第1部位23は、衝撃を受けた際に破壊の起点となる部位である。このため、第1部位23の要求圧縮強度は、第2部位24の要求圧縮強度及び第3部位25の要求圧縮強度より小さく、第1部位23は破壊されやすい部位である。
第2部位24及び第3部位25は、衝撃を受けた際に、破壊の進行を徐々に抑制していき、運転席側に過大な荷重が及ぶことを抑制する部位である。このため、第2部位24の要求圧縮強度は、第1部位23の要求圧縮強度より大きく設定され、第3部位25の圧縮要求強度は、第2部位24の要求圧縮強度より大きく設定されている。
図4に示すように、繊維構造体21は、多層織物製である。繊維構造体21は、荷重入力方向Zに直交し、かつ繊維構造体21の面に沿う方向へ、複数本の緯糸27aが互いに平行に並んで形成された緯糸層を5つ備える。以下、5つの緯糸層を第1〜第5緯糸層31〜35とする。また、繊維構造体21は、複数本の経糸28aが荷重入力方向Zへ互いに平行に並んで形成された経糸層を4つ備える。以下、4つの経糸層を第1〜第4経糸層41〜44とする。
また、繊維構造体21は、第1〜第5緯糸層31〜35と第1〜第4経糸層41〜44とを積層方向Xに結合する複数本の層間結合糸26を有する。
なお、緯糸27a、経糸28a、及び層間結合糸26は、強化繊維を束ねた繊維束である。緯糸27a、経糸28a、及び層間結合糸26を構成する強化繊維としては、有機繊維又は無機繊維を使用してもよいし、異なる種類の有機繊維、異なる種類の無機繊維、又は有機繊維と無機繊維を混繊した混繊繊維を使用してもよい。有機繊維としては、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等が挙げられ、無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等が挙げられる。
そして、繊維構造体21は、第1〜第5緯糸層31〜35及び第1〜第4経糸層41〜44が積み重ねられて構成されている。なお、繊維構造体21において、第1〜第5緯糸層31〜35及び第1〜第4経糸層41〜44が積み重なる方向を積層方向Xとする。また、本実施形態では、各緯糸27aは、荷重入力方向Zに延びる荷重方向糸として機能する。
繊維構造体21において、第1緯糸層31と第2緯糸層32は積層方向Xに重なり合い、第2緯糸層32と第3緯糸層33は積層方向Xに重なり合う。また、繊維構造体21において、第3緯糸層33と第4緯糸層34は積層方向Xに重なり合い、第4緯糸層34と第5緯糸層35は積層方向Xに重なり合う。また、繊維構造体21において、第1経糸層41は、積層方向Xにおける第1緯糸層31と第2緯糸層32の間に位置し、第2経糸層42は、積層方向Xにおける第2緯糸層32と第3緯糸層33の間に位置する。繊維構造体21において、第3経糸層43は、積層方向Xにおける第3緯糸層33と第4緯糸層34の間に位置し、第4経糸層44は、積層方向Xにおける第4緯糸層34と第5緯糸層35の間に位置する。
次に、層間結合糸26について説明する。層間結合糸26は、撚糸によって製造されている。
図3に示すように、層間結合糸26(撚糸)は、強化繊維26aの束を下撚りによって一方向に撚った後、下撚りした複数本の強化繊維26aの束を合わせて下撚りと逆方向に上撚りすることで形成されている。そして、層間結合糸26において、下撚りにおいて撚った数と、上撚りにおいて撚った数との差を、撚り数とする。
層間結合糸26において、撚り数が一定の値までは、撚り数が大きくなるほど、伸び率が大きくなり、破断ひずみが大きくなる。しかし、層間結合糸26の撚り数が一定の値より大きくなると、伸び率が小さくなり、破断ひずみが小さくなる。
繊維構造体21において、層間結合糸26は、荷重入力方向Zに並ぶとともに、荷重入力方向Zに直交する方向に延びている。層間結合糸26は繊維構造体21の形状保持用である。図4に示すように、複数本の層間結合糸26は、各経糸28aと略平行に配列されるとともに、繊維構造体21を構成する最上層の第1緯糸層31の緯糸27aの外面を通って折り返すように配置されている。また、各層間結合糸26は、繊維構造体21を積層方向Xに貫通し、最下層の第5緯糸層35の緯糸27aの外面を通って折り返すように配置されている。
荷重入力方向Zに隣り合う層間結合糸26同士は、第1緯糸層31又は第5緯糸層35で折り返される緯糸27aの位置が、荷重入力方向Zに直交し、かつ繊維構造体21の面に沿う方向にずれている。そして、層間結合糸26が各緯糸27aに係合することで、第1〜第5緯糸層31〜35が積層方向Xに結合され、積層方向Xに隣り合う緯糸層同士の間に経糸層が結合されている。また、層間結合糸26によって、第1〜第5緯糸層31〜35と第1〜第4経糸層41〜44が積層方向Xに結合されている。
上記第1部位23、第2部位24、及び第3部位25は、いずれも第1〜第5緯糸層31〜35及び第1〜第4経糸層41〜44を備え、繊維層の数は同じである。このため、第1〜第3部位23〜25の積層方向Xへの寸法である厚さはほぼ同じであり、上記したように、第1〜第3部位23〜25の断面積もほぼ同じである。
厚さ及び断面積がほぼ同じである第1〜第3部位23〜25であっても要求圧縮強度が異なる。要求圧縮強度の違いは、第1部位23を構成する層間結合糸26と、第2部位24を構成する層間結合糸26と、第3部位25を構成する層間結合糸26とで撚り数を異ならせることで発現させている。つまり、第1〜第3部位23〜25を構成する層間結合糸26の撚り数によって、第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度を所望する値に調整している。
衝撃吸収構造体20においては、第1〜第3部位23〜25のいずれにおいても、荷重が加わると荷重入力方向Zに圧縮されつつ、荷重入力方向Zへ直交する方向へ割けようとする。このとき、荷重入力方向Zに直交する方向へ延びる層間結合糸26の突っ張りにより、第1〜第3部位23〜25が、荷重入力方向Zに直交する方向へ割けることが抑制される。
上記したように、層間結合糸26の撚り数が大きくなるほど、一定の撚り数までは、層間結合糸26の伸び率が大きくなり、突っ張り力が大きくなる。このため、層間結合糸26の撚り数が大きくなるほど、層間結合糸26の突っ張りによって第1〜第3部位23〜25の割けを抑制する機能が高められる。そして、第1〜第3部位23〜25の割けを抑制する機能が高められることにより、要求圧縮強度も高められる。
上記したように、第1部位23、第2部位24及び第3部位25のうち、第1部位23の要求圧縮強度が最も小さい。図5に示すように、第1部位23を構成する層間結合糸26を第1層間結合糸261とすると、この第1層間結合糸261の撚り数を最も小さくすることで第1部位23の割けを抑制する機能を抑え、第1部位23の要求圧縮強度を最も小さくしている。また、第2部位24を構成する層間結合糸26を第2層間結合糸262とすると、この第2層間結合糸262の撚り数を、第1層間結合糸261の撚り数より大きくすることで第2部位24の割けを抑制する機能を第1部位23より高め、第2部位24の要求圧縮強度を第1部位23より大きくしている。
さらに、第3部位25を構成する層間結合糸26を第3層間結合糸263とする。この第3層間結合糸263の撚り数を、第2層間結合糸262の撚り数より大きくし、第1〜第3部位23〜25の中で最も大きくすることで第3部位25の割けを抑制する機能を最も高くし、第3部位25の要求圧縮強度を最も大きくしている。
図6に、層間結合糸26の撚り数と、要求圧縮強度との相関関係を示す。横軸は撚り数に対応し、縦軸は要求圧縮強度に対応する。図6のグラフに示すように、一定の値までは、層間結合糸26の撚り数が大きくなるほど要求圧縮強度が大きくなっている。そして、一定の値から撚り数が大きくなるほど、要求圧縮強度が小さくなっている。
本実施形態では、第1部位23の要求圧縮強度が得られるように、第1層間結合糸261の撚り数N1を設定している。なお、第1層間結合糸261の撚り数N1はゼロである。そして、第2部位24の要求圧縮強度が得られるように、第2層間結合糸262の撚り数N2を設定している。第3部位25の要求圧縮強度が得られるように第3層間結合糸263の撚り数N3を設定している。本実施形態では、第3層間結合糸263の撚り数N3としては、要求圧縮強度の最大値を得られる撚り数を設定している。つまり、繊維構造体21は、第1部位23、第2部位24、及び第3部位25の要求圧縮強度を発現させるために、第1層間結合糸261の撚り数N1と、第2層間結合糸262の撚り数N2と、第3層間結合糸263の撚り数N3とが異なるように設定されている。
したがって、衝撃吸収構造体20は、荷重入力方向Zに沿ういずれの位置でも同じ繊維層の数であり、厚さがほぼ同じでありながら、荷重入力方向Zの位置によって要求圧縮強度が異なっている。なお、第1部位23と第2部位24の境界、及び第2部位24と第3部位25の境界は、層間結合糸26の撚り数が変化する位置である。
次に、衝撃吸収構造体20の作用を記載する。
車両の前方から衝撃が加わった場合、フロントバンパ12を介して衝撃吸収構造体20に荷重が加わる。衝撃吸収構造体20は、第1部位23に局部破壊を生じさせて衝撃エネルギーを吸収する。その後、第2部位24及び第3部位25で破壊の進行を抑制する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)衝撃吸収構造体20において、第1〜第3部位23〜25を構成する第1〜第3層間結合糸261〜263の撚り数を異ならせつつ、所望する値に設定することで、第1〜第3部位23〜25に求められる要求圧縮強度に調整するようにした。よって、衝撃吸収構造体20の第1〜第3部位23〜25に求められる要求圧縮強度に調整するために、繊維構造体21の積層方向Xへの寸法を異ならせるべく織機の設備追加をしたり、製織された繊維構造体21の加工を行ったりすることなく、衝撃吸収構造体20の製造コストを抑制しつつ、要求圧縮強度を所望する値に調整できる。
(2)第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度の調整は、層間結合糸26の撚り数を調整することで行われ、緯糸27a及び経糸28aは撚っていない。このため、緯糸27a及び経糸28aを撚ることに伴う繊維構造体21の強度低下を招くことなく、第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度を調整できる。
(3)第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度の調整は、層間結合糸26の撚り数を調整することで行われる。層間結合糸26の撚り数の調整は簡単に行うことができるため、第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度の調整を簡単に行うことができる。
(4)第1〜第3部位23〜25は、層間結合糸26の撚り数の違いによって区分けされているだけであり、第1〜第3部位23〜25の厚さはほぼ同じであり、断面積もほぼ同じである。そして、荷重入力方向Zのいずれの位置でも断面積がほぼ同じとなる繊維構造体21は製造が容易である。したがって、層間結合糸26の撚り数を調整して第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度を異ならせつつも、厚さのほぼ同じ繊維構造体21を製造して得られる衝撃吸収構造体20は、製造が容易である。
(5)繊維構造体21は四角筒状であり、繊維構造体21の厚さは荷重入力方向Z及び、荷重入力方向Zに直交する方向のいずれも同じである。そして、第1〜第3層間結合糸261〜263の撚り数を異ならせつつ所望の値に設定することで、第1〜第3部位23〜25の要求圧縮強度を所望する値に調整できる。したがって、荷重入力方向Z及び荷重入力方向Zに直交する方向に同じ形状の衝撃吸収構造体20であっても要求圧縮強度を異ならせることができる。その結果として、層間結合糸26の撚り数を調整することで、衝撃吸収構造体20の形状を問わずに要求圧縮強度を調整することができ、衝撃吸収構造体20の配置の自由度や使用の自由度を高めることができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図7又は図8に示すように、衝撃吸収構造体20の繊維構造体51は、荷重入力方向Zの先端から基端に向けて徐々に寸法が漸増する形状である。繊維構造体51は、荷重入力方向Zの両端部のうち、荷重が最初に加わる四角枠状の端面に先端面51aを有し、先端面51aと反対側の端面に四角枠状の基端面51bを有する。繊維構造体51は、先端面51aを有する四角筒状の第1部位53と、荷重入力方向Zに沿って第1部位53に連続する四角筒状の第2部位54と、荷重入力方向Zに沿って第2部位54に連続する四角筒状の第3部位55と、を有する。第1部位53、第2部位54、及び第3部位55は、厚さが同じであり、荷重入力方向Zに沿って一定の厚さである。
そして、第1部位53、第2部位54、及び第3部位55は、荷重入力方向Zに直交する方向への寸法が荷重入力方向Zに漸増する。このため、荷重入力方向Zに直交する第1部位53の断面積、荷重入力方向Zに直交する第2部位54の断面積、及び荷重入力方向Zに直交する第3部位55の断面積は異なり、第1部位53の断面積が最も小さく、第2部位54の断面積は、第1部位53より大きい。第3部位55の断面積が最も大きく、第2部位54の断面積より大きい。
その一方で、第1層間結合糸261の撚り数N1は最も大きく設定されており、第3層間結合糸263の撚り数N3は最も小さく設定されている。そして、第2層間結合糸262の撚り数N2は、第1層間結合糸261の撚り数N1より大きく設定されており、かつ第3層間結合糸263の撚り数N3より小さく設定されている。そして、衝撃吸収構造体20においては、第1部位53と、第2部位54と、第3部位55とで、断面積の大きさと、層間結合糸26の撚り数を調整することで、要求圧縮荷重が揃えられている。つまり、荷重に対する第1部位53、第2部位54、及び第3部位55の要求圧縮強度を発現させるために、第1層間結合糸261の撚り数N1と、第2層間結合糸262の撚り数N2と、第3層間結合糸263の撚り数N3とが異なるように設定されている。
したがって、第1部位53と第2部位54と第3部位55とで断面積が異なる衝撃吸収構造体20であっても、層間結合糸26の撚り数を異ならせつつ所望する値に調整することで、第1〜第3部位53〜55の要求圧縮強度を合わせることができる。
○ 第1部位23,53と、第2部位24,54と、第3部位25,55とにおいて、荷重入力方向Zへの各部位の寸法を変更してもよい。
○ 衝撃吸収構造体20において、層間結合糸26の撚り数を異ならせた部位は、第1部位23,53と第2部位24,54のみで構成されていてもよいし、撚り数を異ならせた部位は4つ以上であってもよい。
○ 実施形態では、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂19を用いたが、その他の種類の樹脂を用いてもよい。
○ マトリックス材料はマトリックス樹脂以外にもセラミックでもよい。
○ 実施形態において、積層する繊維層の数は任意に変更してもよい。
○ 繊維構造体21,51の形状は筒状でなくてもよく、荷重入力方向Zに荷重方向糸が延びる柱状や板状であってもよい。
○ 繊維構造体21,51の形状は四角筒状でなくてもよく、円筒状や三角筒状であってもよい。
○ 繊維構造体21,51の形状は筒状でなくてもよく、中実な四角柱状や三角柱状であってもよい。
○ 衝撃吸収構造体20は、車体後部構造において、リアバンパとリアサイドメンバとの間に設けられていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記マトリックス材料は樹脂である。
(2)前記繊維構造体は筒状であり、前記繊維構造体21の厚さは同じである。
X…積層方向、Z…荷重入力方向、19…マトリックス材料としての熱硬化性樹脂、20…衝撃吸収構造体、21,51…繊維構造体、21a,51a…先端面、23,53…第1部位、24,54…第2部位、26…層間結合糸、27a…荷重方向糸としての緯糸、31〜35…繊維層としての第1〜第5緯糸層、41〜44…繊維層としての第1〜第4経糸層、261…第1層間結合糸、262…第2層間結合糸、263…第3層間結合糸。

Claims (3)

  1. 繊維構造体にマトリックス材料を含浸させて構成され、衝撃を受けた際の衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、
    前記繊維構造体は、前記衝撃吸収構造体に対し荷重が加わる荷重入力方向に延びる荷重方向糸を有する多層織物であり、かつ複数の繊維層を積層方向に結合する層間結合糸を備え、当該層間結合糸は撚糸であり、
    前記繊維構造体において、前記層間結合糸は、前記荷重入力方向に並ぶとともに前記荷重入力方向に直交する方向に延びており、
    前記繊維構造体は、荷重が最初に加わる先端面を備えた第1部位を有するとともに、前記荷重入力方向に沿って前記第1部位に連続する第2部位を有し、
    荷重に対する前記第1部位及び前記第2部位の要求圧縮強度を発現させるために、前記第1部位の前記層間結合糸の撚り数と前記第2部位の前記層間結合糸の撚り数とが異なるように設定されていることを特徴とする衝撃吸収構造体。
  2. 前記第1部位の前記繊維層の数と前記第2部位の前記繊維層の数は同じであり、かつ前記荷重入力方向に直交する前記第1部位の断面積と、前記荷重入力方向に直交する前記第2部位の断面積は同じであり、前記第2部位の前記要求圧縮強度が、前記第1部位の前記要求圧縮強度よりも大きくなるように、前記第2部位を構成する前記層間結合糸の撚り数が、前記第1部位を構成する前記層間結合糸の撚り数よりも大きく設定されている請求項1に記載の衝撃吸収構造体。
  3. 前記第1部位の前記繊維層の数と前記第2部位の前記繊維層の数は同じであり、かつ前記荷重入力方向に直交する前記第1部位の断面積は、前記荷重入力方向に直交する前記第2部位の断面積より大きく、前記第1部位の前記要求圧縮強度と前記第2部位の前記要求圧縮強度とが揃うように、前記第1部位を構成する前記層間結合糸の撚り数が、前記第2部位を構成する前記層間結合糸の撚り数よりも少なく設定されている請求項1に記載の衝撃吸収構造体。
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