JP2020180228A - ヒドロゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高強度、生分解性、および自己修復特性を示し、細胞の増殖を阻害しないことから再生医療用の足場材料などとして利用可能なヒドロゲルを提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るヒドロゲルは、ポリロタキサンと水溶性多糖類を含み、前記ポリロタキサンが、両末端に封鎖基を有する直鎖状分子が環状分子を貫通している構造を有するものであり、前記環状分子と前記水溶性多糖類が可逆的共有結合により架橋されていることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、高強度、生分解性、および自己修復特性を示し、細胞の増殖を阻害しないことから再生医療用の足場材料などとして利用可能なヒドロゲルに関するものである。
ヒドロゲルは、三次元状の網目構造を持つ高分子が水を含んで膨潤した物質の総称であり、その高い含水率と優れた生体適合性から、再生医療用の足場材料をはじめとする生体材料としてこれまでに多くの応用が検討されてきた。例えば、タンパク質であるコラーゲンが再生医療用の足場材料として検討されている。
また、再生医療用の足場材料として、ヒドロゲル内で細胞を培養した後に自由自在にゲルの形を工作することができ、場合によっては一旦切断したヒドロゲルを再び接着できる自己修復特性を有すれば、埋植部位において最適形状の足場部位を調製できるため、臨床応用的にも望ましい。そこで本発明者らは、グリコールキトサンのアミノ基と酸化デキストランのアルデヒド基の間でアゾメチン基を形成させて架橋し、自己修復特性を有するヒドロゲルを開発した(非特許文献1)。アゾメチン基は容易に加水分解されるため、かかるヒドロゲルは生分解性も示す。
しかし、従来のヒドロゲルは非常に脆いために、例えば血管や軟骨など高負荷がかかる部位に使用する足場材料としては不十分であった。
ところで、近年、両末端に封鎖基を有する直鎖状分子が環状分子を貫通しているという構造を有するポリロタキサンという高分子が開発されている。ポリロタキサンは、環状分子が直鎖状分子に沿って移動可能であり、負荷された変形応力を内部で吸収可能であるため、優れた耐傷付き性を示す塗料成分などとして、車のバンパーやゴルフボールなどに適用されている(特許文献1,2)。
しかし上記のポリロタキサンは架橋されていない。また、有機溶媒への溶解性を高めるべく、環状分子にカプロラクタム基、および当該カプロラクタム基が開環したヒドロキシペンチル基が導入されているため、ヒドロゲルとして利用できず、生体への適用もできない。
ポリロタキサンを架橋することも検討されてはいるが、主に工業用途が志向されているため、架橋剤として塩化シアヌルやヘキサメチレンジシアネート等、反応性の高さから生体に有害な試薬が用いられている(非特許文献2〜4)。ヒドロキシプロピル基を介した架橋や(非特許文献5)、三次元的構造を有するポリロタキサンゲル(非特許文献6)も検討されているが、不可逆的な共有結合により架橋された高分子は生分解性を示さない。
特開2015−45028号公報 特開2018−102694号公報 国際公開第2016/171187号パンフレット
Ik Sung Cho & Tooru Oya,J.Biomater.Sci.Polym.Ed.,2018,29(2),pp.145−159 Yasushi Okumura & Kohzo Ito,Adv.Mater.,2001,13(7),pp.485−487 Kohzo Ito,Polymer Journal,39(6),pp.489−499(2007) Chang Liu et al.,ACS Macro Lett.,2017,6,pp.1409−1413 Chikara Katsuno et al.,Adv.Mater.,2013,25,pp.4636−4640 Takuya Murakami et al.,Journal of Polymer Science.,2017,55,pp.1156−1165
上述したように、再生医療用の足場材料などとして利用されるヒドロゲルは検討されているが、高強度、生分解性、および自己修復特性を示し、細胞の増殖を阻害しないヒドロゲルは未だ開発されていない。
そこで本発明は、高強度、生分解性、および自己修復特性を示し、細胞の増殖を阻害しないことから再生医療用の足場材料などとして利用可能なヒドロゲルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を可逆的な共有結合で架橋すれば、高強度であるにもかかわらず生分解性を示すのみならず自己修復特性も有し、細胞の増殖を阻害しないことを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を含み、
前記ポリロタキサンが、両末端に封鎖基を有する直鎖状分子が環状分子を貫通している構造を有するものであり、
前記環状分子と前記鎖状水溶性多糖類が可逆的共有結合により架橋されていることを特徴とするヒドロゲル。
[2] 前記直鎖状分子がポリエチレングリコールである上記[1]に記載のヒドロゲル。
[3] 前記環状分子が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびこれらの誘導体からなる群より選択される1以上である上記[1]または[2]に記載のヒドロゲル。
[4] 前記可逆的共有結合が、アルデヒド基とアミノ基により形成されるアゾメチン基、ボロン酸基とcis−ジオール基とのボロン酸エステル結合、ジスルフィド結合、アルデヒド基と水酸基とのアセタール結合、およびケトン基と水酸基とのケタール結合から選択される1以上である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のヒドロゲル。
[5] 前記鎖状水溶性多糖類が水溶性キトサン誘導体である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のヒドロゲル。
本発明に係るヒドロゲルは、高分子鎖間の可逆的共有結合の形成と解離によって、自己修復特性を有する。また、2種の高分子が可逆的な共有結合で架橋されており、生分解性を示すにもかかわらず、ポリロタキサンの導入により高強度を示す。更に、本発明者らの実験的知見によれば、本発明に係るヒドロゲルを培地として用いて細胞を増殖させることも可能である。よって本発明に係るヒドロゲルは、再生医療用の足場材料などとして非常に利用価値が高い。
図1は、(1)ポリロタキサン水溶液の写真、(2)グリコールキトサン水溶液の写真、および(3)本発明に係るヒドロゲルの写真である。 図2は、酸化デキストリン−グリコールキトサンゲルのSEM写真(A)と、本発明に係るヒドロゲルのSEM写真(B〜D)である。 図3は、本発明に係るヒドロゲルの水分取り込み量(1)と含水率(2)の測定結果を示すグラフである。 図4は、酸化デキストリン−グリコールキトサンゲルと本発明に係るヒドロゲルの圧縮応力−歪み測定結果を示すグラフである。 図5は、酸化デキストリン−グリコールキトサンゲルと本発明に係るヒドロゲルの周期的圧縮試験結果を示すグラフである。 図6は、本発明に係るヒドロゲルの引張応力−歪み測定の結果を示すグラフ(1)と写真(2)である。 図7は、本発明に係るヒドロゲルを切断した断片を接触させて自己修復させた写真(1)と接触面の拡大写真(2)である。 図8は、自己修復させた本発明に係るヒドロゲルの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 図9は、自己修復前後における本発明に係るヒドロゲルの引張試験結果を示すグラフである。 図10は、酸化デキストリン−グリコールキトサンゲルと本発明に係るヒドロゲルの内部におけるヒト臍帯静脈内皮細胞の蛍光標識写真である。 図11は、酸化デキストリン−グリコールキトサンゲルと本発明に係るヒドロゲルの内部における蛍光標識したヒト臍帯静脈内皮細胞の蛍光強度を示すグラフである。
本発明に係るヒドロゲルは、ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を含み、これらが架橋された構造を有する。
ポリロタキサンは、両末端に封鎖基を有する直鎖状分子が環状分子を貫通している構造を有する高分子であり、環状分子が直鎖状分子に沿って移動可能であり、負荷された変形応力を内部で吸収可能であるため、優れた耐傷付き性を示す塗料成分などとして利用されている。本発明に係るヒドロゲルの高い強度は、ポリロタキサンにより発揮されると考えられる。
ポリロタキサンを構成する直鎖状分子は、親水性または両親媒性であり、環状分子を貫通できる程度に嵩高くないものであれば特に制限されず、例えばポリエーテル、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられ、ポリエーテルが好ましい。ポリエーテルとしては、H−[−O−CR12−CR34−]−OH(式中、R1〜R4は、独立して、Hまたはメチル基を示す)で表されるポリアルキレングリコールが好ましく、環状分子の貫通に対する立体障害の少ないポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびエチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体がより好ましい。
直鎖状分子の分子量は特に制限されず、適宜調整すればよいが、例えば1,000Da以上、100,000Da以下が好ましい。分子量が1,000Da以上であれば、ヒドロゲルの強度をより確実に確保することができ、100,000Da以下であれば、その水溶液の粘度が過剰に高くならず、ヒドロゲルの作製がより容易になる。当該分子量としては、10,000Da以上がより好ましく、20,000Da以上がより更に好ましく、また、50,000Da以下がより好ましく、40,000Da以下がより更に好ましい。
ポリロタキサンを構成する環状分子は、直鎖状分子が貫通できる内腔を有するものであれば特に制限されない。例えば、シクロデキストリンやシクロフラクタンなどが挙げられる。シクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ−シクロデキストリンが挙げられ、内径の点からα−シクロデキストリンが好ましい。シクロフラクタンとしては、例えば、環状オリゴマー中に6〜8個のフルクトース部分を有するCF6、CF7、CF8などが挙げられる。
環状分子は、シクロデキストリンやシクロフラクタンなどの誘導体であってもよい。1分子のポリロタキサンあたり1分子の環状分子が直鎖状分子に貫通していることも考えられるが、環状分子の内腔と直鎖状分子との親和性に応じて2分子以上の環状分子が貫通している可能性がある。ポリロタキサンは鎖状水溶性多糖類と架橋する必要があるため、1分子のポリロタキサンあたり1分子以上の環状分子が架橋のための官能基を有している必要がある。架橋のための官能基としては、アゾメチン基のためのアルデヒド基またはアミノ基、ボロン酸エステル結合のためのボロン酸基またはcis−ジオール基、ジスルフィド結合のためのスルフヒドリル基、アセタール結合のためのアルデヒド基または水酸基、ケタール結合のためのケトン基または水酸基が挙げられる。なお、これら架橋のための官能基は、例えばC1-4アルカンジイル基やフェニレン基などのリンカー基により環状分子に結合していてもよい。但し、シクロデキストリンやシクロフラクタンのように、cis−ジオール基や水酸基を元々有している場合がある。
環状分子は、架橋のための官能基以外の官能基を有していてもよい。かかる官能基としては、例えば、水溶性を向上させるヒドロキシ−C1-4アルキル基が挙げられる。即ち、本開示においてシクロデキストリンおよびシクロフラクタンなどの誘導体とは、鎖状水溶性多糖類との架橋のための官能基および/または水溶性向上のための官能基が導入されたシクロデキストリンおよびシクロフラクタンなどを意味する。
ポリロタキサンにおいて封鎖基は直鎖状分子の両末端に存在し、直鎖状分子からの環状分子の脱落を抑制する役割を有する。封鎖基は、環状分子の脱落を十分に抑制できる程度に嵩高い基であれば特に制限されないが、例えば、アダマンチル基やC6-12芳香族炭化水素基が挙げられる。C6-12芳香族炭化水素基としてはフェニル基やナフチル基が挙げられ、ニトロ基などの置換基を有していてもよい。
ポリロタキサンは、常法により製造できる。例えば、環状分子の内腔と直鎖状分子の少なくとも一部との親和性により、環状分子と直鎖状分子を含む溶液中、加熱するなどして環状分子に直鎖状分子を貫通させることができる。例えば、シクロデキストリンの内腔は親水性が低下しており、ポリアルキレングリコールのアルキレン基と親和性を示す。この際、直鎖状分子の両末端には封鎖基を結合させるための反応性官能基を導入しておいてもよい。次いで、直鎖状分子の両末端の反応性官能基と封鎖基の反応性官能基を反応させて、直鎖状分子の両末端を封鎖する。例えば、直鎖状分子の末端を酸化してカルボキシ基に変換しておき、封鎖基にアミノ基を導入しておき、BOP試薬を用いれば、シクロデキストリンには複数の水酸基が存在しても、カルボキシ基とアミノ基との反応を優先的に進行せしめ、直鎖状分子の末端に封鎖基を選択的に結合させることが可能である。
鎖状水溶性多糖類は、単糖類が鎖状に重合した構造を有する水溶性の高分子をいう。鎖状の多糖類としては、直鎖状多糖類でも分岐鎖状多糖類でもよいが、直鎖状多糖類が好ましい。鎖状水溶性多糖類としては、例えば、アミロース、キチン、キトサン、アガロース、寒天、デキストラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デンプン、イヌリン、セルロースが挙げられる。鎖状水溶性多糖類としては、ポリロタキサンと可逆的に共有結合させるための反応性官能基を元々有するものや、当該反応性官能基が導入されたものを用いることが好ましい。かかる反応性官能基としては、例えば、アゾメチン基のためのアルデヒド基またはアミノ基、ボロン酸エステル結合のためのボロン酸基またはcis−ジオール基、ジスルフィド結合のためのスルフヒドリル基、アセタール結合のためのアルデヒド基または水酸基、ケタール結合のためのケトン基または水酸基が挙げられる。なお、かかる反応性官能基は、例えばC1-4アルカンジイル基やフェニレン基などのリンカー基により環状分子に結合していてもよい。
鎖状多糖類の中には、水溶性でないものがある。そのような場合には、多糖類を構成する単糖類の水酸基を、水溶性を向上させるヒドロキシ−C1-4アルキル基で修飾することにより水溶性にすることが好ましい。即ち、本開示において鎖状多糖類の誘導体とは、ポリロタキサンとの架橋のための官能基および/または水溶性向上のための官能基が導入された鎖状多糖類を意味する。
鎖状水溶性多糖類の分子量は特に制限されず、適宜調整すればよいが、例えば10kDa以上、100kDa以下が好ましい。分子量が10kDa以上であれば、ヒドロゲルの強度をより確実に確保することができ、100kDa以下であれば、その水溶液の粘度が過剰に高くならず、ヒドロゲルの作製がより容易になる。当該分子量としては、20kDa以上がより好ましく、また、70kDa以下がより好ましく、50kDa以下がより更に好ましい。
本発明のハイドロゲルにおいては、ポリロタキサンの環状分子と鎖状水溶性多糖類が可逆的に共有結合することにより、ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類が架橋されている。本開示において可逆的共有結合とは、水の存在下、室温などの温和な条件にて切断と形成が平衡状態になる可逆的な共有結合をいう。例えばエステル結合も、水の存在下、加熱により切断可能ではあるが、切断後の水酸基とカルボキシ基は再結合形成されないため可逆的共有結合には含まれない。可逆的共有結合は、水素結合や静電結合などの非共有結合に比べて強固である一方で、切断に極めて高いエネルギーが必要な非可逆的共有結合に比べて生分解性が高い。
可逆的共有結合は、生分解性を示す限り特に制限されないが、例えば、アルデヒド基とアミノ基により形成されるアゾメチン基、ボロン酸基とcis−ジオールとのボロン酸エステル結合、スルフヒドリル基(チオール基)同士のジスルフィド結合、アルデヒド基と水酸基とのアセタール結合、およびケトン基と水酸基とのケタール結合が挙げられる。これらはポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を含む水溶液を20℃以上、70℃以下程度の温度条件で形成可能であり、また、解離も可能である。
本発明に係るヒドロゲルは、上記可逆的共有結合を常法で形成してポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を架橋することにより、容易に製造できる。例えば、ポリロタキサンの水溶液と鎖状水溶性多糖類の水溶液を混合すればよい。
上記溶液の濃度は、適宜調整すればよい。例えば、上記可逆的共有結合を形成するためのポリロタキサンの反応性官能基と鎖状水溶性多糖類の反応性官能基の数が1対1の場合に、最も高強度のヒドロゲルが形成されると考えられる。よって、例えばポリロタキサンの反応性官能基の数に対する鎖状水溶性多糖類の反応性官能基の数の比を0.2以上、5以下程度に調整することが好ましい。しかし、反応性官能基を有さないポリロタキサンまたは鎖状水溶性多糖類に反応性官能基を導入した場合には、反応性官能基の数を特定できない場合がある。そのような場合などには、反応液におけるポリロタキサンおよび/または鎖状水溶性多糖類の濃度を0.5質量%以上、15質量%以下程度に調整すればよい。なお、各水溶液の溶媒としては、緩衝液を用いてもよい。
本発明に係るヒドロゲルの形成のためには、ポリロタキサンの水溶液と鎖状水溶性多糖類の水溶液を混合するのみでもよいが、混合溶液を加熱することが好ましい。加熱温度は可逆的共有結合の種類などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、30℃以上、70℃以下程度とすることができる。
ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類は、架橋されることにより不溶化する。よって、ヒドロゲルの形成後、水などにより洗浄してもよい。
本発明のヒドロゲルは、高強度、生分解性、および自己修復特性を示すのみならず、その製造に毒性の高い試薬などが必要ないことから細胞の増殖を阻害しない。よって、再生医療用の足場材料など非常に有用である。例えば、ポリロタキサンの水溶液および/または鎖状水溶性多糖類の水溶液に、血管内皮細胞、間葉系幹細胞、iPS細胞などの再生医療用細胞などを添加してヒドロゲルを作製する。次いで、細胞を含むヒドロゲルをその細胞の増殖に適した条件でインキュベートすることにより、ヒドロゲル内でも細胞を増殖させることができる。また、本発明のヒドロゲルは自己修復性も示すため、例えば細かく切断して生体内で所望の形状に埋設することにより、ヒドロゲル同士が接着し、また、本発明者らの実験的知見によればその界面においても細胞は増殖可能である。よって、本発明のヒドロゲルは、再生医療の一層の発展に寄与し得るものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: HP−PRX−ALD/GCゲルの調製
(1)PEG−カルボン酸を用いたポリロタキサンの合成
PEG(Sigma−Aldrich社製,数平均分子量:35,000)(10.0g)を2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)(100mg)および臭化ナトリウム(100mg)を含む蒸留水(100mL)に溶解した。この溶液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、室温で30分間攪拌することにより、PEGの末端を酸化した。エタノール(10mL)を添加することにより過剰の次亜塩素酸ナトリウムを分解して反応を停止させ、続いて塩酸を加えて反応液のpHを2未満に調整した後、100mLの塩化メチレンで3回抽出した。抽出した塩化メチレン層を減圧乾燥し、残渣を熱エタノール(250mL)に溶解し、続いて冷凍庫で一晩沈殿させた。
調製したPEG−COOH(3.0g)を蒸留水(100mL)に溶解し、さらにα−シクロデキストリン(12.0g)を溶解した。得られた混合物を70℃で3時間加熱し、溶液を冷蔵庫で一晩保持して、白色ペースト状の擬ポリロタキサンを得た。
調製した擬ポリロタキサンの分散液を凍結乾燥機で乾燥させた。別途、アダマンタンアミン(0.16g)を脱水DMF(80mL)に室温で溶解し、得られた擬ポリロタキサン(14.0g)を加え、すぐによく振り混ぜた。引き続き、脱水DMF(10mL)にBOP試薬(0.48g)を溶解した溶液を加えた。さらに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.19mL)を脱水DMF(10mL)に溶解した溶液を加え、得られたスラリー状の混合物を3時間攪拌し、4℃で一晩反応させた後、DMF/メタノール=1/1で2回遠心分離して洗浄した。さらにメタノールで2回洗浄した。得られた固体をDMSOに溶解した溶液(80mL)を水(800mL)に加えて沈殿させ、遠心分離する洗浄操作を繰り返した。次いで、凍結乾燥させて、ポリロタキサンを白色固体として得た。
(2)ポリロタキサンアルデヒド(PRX−ALD)の合成
ポリロタキサン(1.0g)およびデスマーチンペルヨージナン(DMP)(0.696g)をDMSO(50mL)に溶解した。次いで、室温で24時間撹拌し、反応混合物をアセトン(200mL)に滴下し、1時間撹拌した後に、冷凍庫で2時間静置した。この溶液を蒸留水中で3日間透析し、沈殿物を回収し、凍結乾燥してPRX−ALDを白色固体として得た。
(3)ヒドロキシプロピル化ポリロタキサンアルデヒド(HP−PRX−ALD)の合成
ポリロタキサンアルデヒド(1.0g)を1N水酸化ナトリウム水溶液(100mL)に溶解した。得られた溶液にプロピレンオキシド(11.4mL)をゆっくり加え、室温で24時間反応させた。反応液を塩酸で中和した後、溶液を蒸留水に対して3日間透析し、次いで凍結乾燥して、水溶性のHP−PRX−ALDを白色固体として得た。
(4)HP−PRX−ALD/GCゲルの調製
HP−PRX−ALDを蒸留水に溶解し、5質量%、7.5質量%および10質量%の水溶液をそれぞれ調製した。別途、グリコールキトサン(GC)(和光純薬社製)を蒸留水に溶解し、5質量%水溶液を調製した。使用したGCを1H−NMRで分析したところ、重合度は200以上、アセチル化率は9.13±0.89%であった。
ヒドロゲルを調製するために、5質量%のHP−PRX−ALD水溶液を5質量%のGC水溶液と1:1(容量比)の比率で混合した。混合物を10秒間静かに撹拌し、37℃に維持した。結果を図1に示す。図1中、(1)はHP−PRX−ALD水溶液の写真、(2)はグリコールキトサン(GC)水溶液の写真、(3)は混合物の写真である。
図1に示す結果の通り、HP−PRX−ALD水溶液とGC水溶液はゾル状であったのに対し、HP−PRX−ALD水溶液とGC水溶液の混合物はチューブを反転しても流動せず、ゲル化していることが確認された。
試験例1: 動的粘弾性測定
各水溶液を1:1の容量比で混合し、レオメーターを用いて10rad/sの振動周波数で37℃にて時間掃引試験を行った。具体的には、各水溶液を混合した直後にサンプルを試験プレート上に置き、1分後に測定を開始し、貯蔵弾性率G'と損失弾性率G”を求め、G'=G”となるゲル化時間を求めた。結果を表1に示す。表1中、HP−PRXx−ALD/GCゲルと命名されたゲルの「x」は、HP−PRX−ALD水溶液の濃度を示す。
表1に示す結果の通り、HP−PRX−ALD水溶液の濃度が高いほど速やかにゲル化することが明らかになった。その理由としては、グリコールキトサンのアミノ基とHP−PRX−ALDのアルデヒド基とから可逆的共有結合であるアゾメチン基が形成される反応は平衡反応であり、HP−PRX−ALD水溶液の濃度が高いほどアルデヒド基濃度も高くなり、平衡が結合解離よりも結合形成側に傾くことによりアゾメチン基が多く形成され、ゲル化が進行したと考えられる。
試験例2: ゲルの拡大観察
さらに、HP−PRX−ALDの各水溶液を5質量%のグリコールキトサン(GC)水溶液と1:1の容量比で混合して、直径10mm×厚さ5mmの円筒形ヒドロゲルを作製し、−50℃で凍結乾燥した。乾燥したヒドロゲルを中央に沿って破砕してヒドロゲルの断面を露出させ、蒸着により断面をPtで被覆し、SEMで観察した。また、比較のために、5質量%の酸化デキストリン(Odex)と5質量%のグリコールキトサン(GC)水溶液を使って作製したゲルも同様に観察した。SEM写真を図2に示す。図2中、(A)はOdex/GCヒドロゲルのSEM写真であり、(B)はHP−PRX5−ALD/GCヒドロゲルのSEM写真であり、(C)はHP−PRX7.5−ALD/GCヒドロゲルのSEM写真であり、(D)はHP−PRX10−ALD/GCヒドロゲルのSEM写真であり、各SEM写真中のスケールは100μmを示す。
図2に示すSEM写真の通り、HP−PRX−ALD/GCヒドロゲルを構成する高分子の主鎖間には、矢印で示す非常に細い構造が観察された。かかる構造は、ゲル製造の反応条件から、酸化シクロデキストリンのアルデヒド基とグリコールキトサンのアミノ基との間で形成された架橋鎖であり、移動可能なものであると考えられる。
試験例3: 膨潤プロファイルと生分解挙動の解析
乾燥したHP−PRX−ALD/GCゲルをPBS(pH7.4)中、37℃でインキュベーションし、所定時間でPBSから取り出し、過剰のPBSを濾紙で穏やかに吸い取った後に秤量した。含水率は、以下の式により算出した。
含水率(%)=[(mt−mo)/mo]×100
[式中、mtは膨潤したヒドロゲルの質量を示し、moは乾燥したゲルの質量を示す。]
測定は3回行い、平均値と標準偏差を求めた。乾燥したHP−PRX−ALD/GCゲルからの水分取り込み量(Water uptake)を図3(1)に、膨潤平衡後におけるHP−PRX−ALD/GCゲルからの含水率(Weight ratio)の変化を図3(2)に示す。
図3(1)に示す結果の通り、グリコールキトサン(GC)に対するHP−PRX−ALDの割合が大きいほど膨潤平衡時の水分含量が少ないことが明らかになった。その理由としては、ゲルの架橋点である可逆的共有結合が多いことが考えられる。また、図3(2)に示す結果の通り、GCに対するHP−PRX−ALDの割合が大きいほど膨潤平衡後の重量減少が遅くなることが明らかになった。その理由としては、ゲルの架橋点である可逆的共有結合が多くなることで、可逆的結合が解離した後にも再結合する確立が高くなり、分解後に生じると考えられるHP−PRX−ALD/GCの断片が水媒体中に溶解・拡散し難くなったことが考えられる。
試験例4: 機械的試験
(1)圧縮応力−歪み測定
自動記録万能試験装置の下板に直径10mm×高さ5mmの円柱状ゲル試料をセットし、ロードセルに接続した上板を使って1mm/minの歪率で圧縮した。結果を図4に示す。
図4に示す結果の通り、従来の自己修復ゲルであるOdex/GCゲルは圧縮により崩壊したのに対して、本発明に係るHP−PRX−ALD/GCゲルは崩壊しなかった。
(2)周期的圧縮試験
10質量%のHP−PRX−ALD水溶液を5質量%のグリコールキトサン(GC)水溶液と1:1の容量比で混合して作製したHP−PRX10−ALD/GCゲルの円柱状試料を、0〜55%の圧縮歪みで10mm/minの一定速度で10サイクル圧縮し、応力を測定した。結果を図5に示す。
図5に示す結果の通り、本発明ゲルに対して圧縮を10回繰り返しても同様の応力−歪み特性を保持しており、高い圧縮耐性を示すことが証明された。
(3)引張応力−歪み測定
10質量%のHP−PRX−ALDの水溶液を5質量%のグリコールキトサン(GC)水溶液と1:1(容量比)の比率で混合し、HP−PRX10−ALD/GCゲルの幅10mm×高さ10mm×厚さ1mmの正方形試験片を作製した。当該試験片を自動記録万能試験装置のクランプ間で器具上に保持し、引張応力を1mm/minの歪み速度で負荷した。図6(1)として引張応力−歪み曲線を示し、図6(2)として試験時の写真を示す。
図6に示す結果の通り、本発明ゲルは、約600%も伸長することが示された。
試験例5: 自己修復特性評価
10質量%のHP−PRX−ALDの水溶液を5質量%のグリコールキトサン(GC)水溶液と1:1(容量比)の比率で混合して作製したHP−PRX10−ALD/GCゲルを複数の断片に完全に切断し、切断した断片を室温で30分間物理的に接触させ、ゲル間の断面を顕微鏡で拡大観察した。試験の際の写真を図7に示す。
図7に示す結果の通り、本発明ゲルは互いに接触させたのみで接着し、ゲル間の境界は経時的に消失した。この様に、本発明ゲルは高い自己修復特性を有していた。
また、本発明ゲルの自己修復プロセスを定性的にモニターするために、動的粘弾性解析を実施した。具体的には、ゲルに対して1.0Hzの一定周波数で歪みを1%から800%まで連続的に負荷する操作を2回繰り返し、貯蔵弾性率G'と損失弾性率G”を測定した。結果を図8に示す。
図8に示す結果の通り、動的粘弾性解析の結果、歪み変化に応じて本発明ゲルは可逆的にゾルゲル変化したことから、力学的にも自己修復されることが証明された。
切断前の本発明ゲルと自己修復後の本発明ゲルに対して引張試験を行い、自己修復前後の破断歪みと応力を測定した。結果を図9に示す。
図9に示す結果の通り、自己修復前の本発明ゲルの破断歪みは約640%、破断強度は約8kPaであったのに対し、自己修復後はそれぞれ約580%、4.5kPaであり、破断歪みは90%程度保持されていた。
試験例6: ゲル内での血管内皮細胞の増殖評価
1×107/mLのヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を懸濁したHP−PRX10−ALDの10質量%水溶液を調製した。この懸濁液と、GCの5質量%水溶液とを混合し、棒状の型にピペットで入れ、棒状ヒドロゲルを作製した。棒状ヒドロゲルの両側を切断し、各端部の位置を入れ替えて新たな界面に付着させた後、自己修復するまで37℃でインキュベートした。対照として、動的化学架橋ヒドロゲルである酸化デキストラン(Odex)とGCを混合して得られたOdex/GCゲルを調製し、同様に処理した。
次いで、各ヒドロゲルを4チャンバープレートの内側に置き、内皮細胞基礎培地を加え、5%CO2雰囲気下、37℃で5日間培養した。その間、培地を一日おきに交換した。培養開始から1、3、および5日間後、CD31膜タンパク質の免疫染色を行った。CD31については、試料を4%w/vのパラホルムアルデヒド中で30分間固定した後、0.1v/v%のTriton X−100を含むダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)に30分間曝して細胞膜を透過させた。透過処理の際に、10質量%ウシ血清を含むDPBS中、試料を37℃で1時間ブロックし、1/100に希釈したヒト抗CD31抗体水溶液中でインキュベートした。ゲルの自己修復領域の蛍光画像を図10に、HUVECの蛍光強度を図11に示す。
図10,11に示す結果の通り、従来の自己修復ゲルであるOdex/GCゲルの場合には、細胞の数はかえって減少する傾向が認められた。
それに対して、本発明に係るHP−PRX10−ALD/GCゲルの場合には、細胞が経時的に有意に増殖していた。
かかる結果の通り、本発明ゲルによって、細胞増殖をより促進できることが示された。

Claims (5)

  1. ポリロタキサンと鎖状水溶性多糖類を含み、
    前記ポリロタキサンが、両末端に封鎖基を有する直鎖状分子が環状分子を貫通している構造を有するものであり、
    前記環状分子と前記鎖状水溶性多糖類が可逆的共有結合により架橋されていることを特徴とするヒドロゲル。
  2. 前記直鎖状分子がポリエチレングリコールである請求項1に記載のヒドロゲル。
  3. 前記環状分子が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびこれらの誘導体からなる群より選択される1以上である請求項1または2に記載のヒドロゲル。
  4. 前記可逆的共有結合が、アルデヒド基とアミノ基により形成されるアゾメチン基、ボロン酸基とcis−ジオール基とのボロン酸エステル結合、ジスルフィド結合、アルデヒド基と水酸基とのアセタール結合、およびケトン基と水酸基とのケタール結合から選択される1以上である請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロゲル。
  5. 前記鎖状水溶性多糖類が水溶性キトサン誘導体である請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロゲル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115970040A (zh) * 2022-12-16 2023-04-18 北京科技大学 可黏结湿表面且易更换促修复的水凝胶敷贴及其制备方法
WO2024038782A1 (ja) * 2022-08-16 2024-02-22 株式会社高研 アルデヒド基付加環状分子を含むポリロタキサン及び該ポリロタキサンの製造方法、並びに、伸縮性を有する生体材料及び該生体材料の製造方法
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