JP2020180059A - バソプレシン受容体拮抗剤 - Google Patents

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卓也 大長
Takuya Daicho
卓也 大長
陽一 岩崎
Yoichi Iwasaki
陽一 岩崎
岡田 直樹
Naoki Okada
直樹 岡田
直哉 伊藤
Naoya Ito
直哉 伊藤
祐次郎 内野
Yujiro Uchino
祐次郎 内野
洋祐 長坂
Yosuke Nagasaka
洋祐 長坂
正木 秀和
Hidekazu Masaki
秀和 正木
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Abstract

【課題】水溶性が高く、特に注射剤に適したV2受容体拮抗剤及びそれを含有する医薬組成物を提供する。【解決手段】一般式(I)(式中、すべての記号は明細書に記載のとおりである。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性が高く、特に注射剤に適した新規なV2受容体拮抗剤及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
神経ペプチドの一つであるバソプレシンは、古くから下垂体後葉ホルモンとして体液及び循環系の恒常性の維持に重要な役割を果たしていることが知られている。バソプレシンは視床下部で合成され、軸索を通して下垂体後葉に貯蔵された後、種々の分泌刺激により血中に放出される。バソプレシンの分泌は、主に血漿浸透圧と細胞外液量の変化により調節される。高浸透圧による刺激には視床下部にある浸透圧受容体が、細胞外液量の減少には頸動脈洞、並びに大動脈弓及び左房にある圧受容体が反応し、視床下部でのバソプレシンの産生を促し、分泌を高める。
バソプレシンが結合するバソプレシン受容体は、V1a、V1b及びV2受容体の3つのサブタイプに分類され、いずれも細胞膜7回貫通型の典型的なGタンパク共役型受容体である。バソプレシンはこれら受容体に結合することで、様々な生理作用を示すことが知られている。V1a受容体は血管平滑筋、肝臓、血小板及び中枢神経に分布しており、血管収縮作用を介した末梢血管抵抗による血圧上昇、正常血圧の維持、肝グリコーゲン分解及び血小板凝集作用等の機能を有し、中枢神経では特に中隔、大脳皮質及び海馬に多く、学習・記憶に関与すると考えられている。V1b受容体(V3受容体とも称される)は下垂体、大脳皮質、扁桃体及び海馬等に分布しており、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出に関与していることが示唆されている。V2受容体は腎臓の遠位尿細管及び集合管の上皮に多く分布しており、アクアポリン2を介した水再吸収による抗利尿作用等に関係することが知られている(非特許文献1、2、3)。
2受容体の拮抗剤は、既存の利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド利尿薬)とは異なり、腎尿細管でNa再吸収を阻害することなく自由水の再吸収を阻害することからNa排泄の増加を伴わない水利尿作用を発揮し、心不全患者等における体液貯留や低ナトリウム血症の治療等に使用されている(非特許文献2、3)。V2受容体拮抗剤としては、例えばトルバプタンを含有する経口製剤が市販されている(非特許文献3〜6)。心不全に由来する浮腫はその病態が刻一刻と変化していくため、都度体液貯留の程度を判断して利尿薬の用量を調整することが必要であり、さらには早期からの治療介入が求められている(非特許文献7)。従って、注射剤に適したV2受容体拮抗剤が望まれている(特許文献1)。しかし、トルバプタンは水難溶性であることから、剤形や投与経路が制限される等の問題点を有している。
また、注射剤の投与開始から速やかに薬効が発現することや投与を中止した時の薬効消失が早いことが、利尿薬の用量を調整する上で良好であり、そのような注射剤が望まれている(非特許文献8)。
2及びV1a受容体の拮抗剤として、コニバプタン塩酸塩を含有する静注製剤(非特許文献3、9、10)が市販されている。しかしながらコニバプタン塩酸塩もまた低溶解性であるため、静注製剤とするには溶解補助剤を添加するか、又は低いpH(3.4〜3.8)に調整する必要があり、それらが原因となって投与部位に静脈炎等の副反応が生じることが報告されている(非特許文献11、12)。したがって、既存化合物より溶解性が高いバソプレシン受容体拮抗剤の創製が望まれている。
ところで、肝代謝型の薬物が不活性化され代謝産物へと変換される過程において主要な役割を果たすシトクロームP450(CYP)には多数の分子種が存在するが、同じ分子種のCYPにより代謝される複数の薬物がその代謝酵素上で競合する場合(競合阻害)、並びに分子種非特異的な阻害や不可逆的阻害の関与を生じる場合、結果として、薬物の血中濃度上昇や血中半減期延長等により予期せぬ重篤な副作用が発現する可能性がある。このような薬物相互作用は、相加作用、相乗作用を意図して使用される場合を除き好ましくない。トルバプタンやコニバプタンはCYP3A4の基質や阻害剤であることから薬物相互作用の懸念があり、薬物の併用には注意が必要である。
よって、CYPに対する親和性が低く、薬物相互作用の懸念が小さいバソプレシン受容体拮抗剤が求められている。
国際公開第2007/074915号パンフレット
フィジオロジカル・レビューズ(Physiological Reviews)、2012年、92巻、4号、1813−1864ページ アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー・レーナル・フィジオロジー(American Journal of Physiology. Renal Physiology)、2014年、306巻、9号、F931−940ページ ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)、2015年、372巻、23号、2207−2216ページ サーキュレーション(Circulation)、2003年、107巻、21号、2690−2696ページ ジャマ(JAMA)、2004年、291巻、16号、1963−1971ページ ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)、2012年、367巻、25号、2407−2418ページ 診断と治療、2016年、104巻、8号、1009−1014ページ サーキュレーション(Circulation)、1966年、34巻、910−920ページ サーキュレーション(Circulation)、2001年、104巻、20号、2417−2423ページ アメリカン・ジャーナル・オブ・ネフロロジー(American Journal of Nephrology)、2007年、27巻、5号、447−457ページ アメリカン・ジャーナル・オブ・ヘルス−システム・ファーマシー(American Journal of Health−System Pharmacy)2011年、68巻、7号、590−598ページ コニバプタンFDA承認申請資料、URL;https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2005/021697s000_Vaprisol_PRNTLBL.pdf
本発明は、水溶性が高く、特に注射剤に適したV2受容体拮抗剤及びそれを含有する医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、一般式(I)で表される化合物が、水溶性が高く、新規V2拮抗剤として優れていることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[19]を提供するものである。
[1] 一般式(I)
Figure 2020180059
[式中、Cy環は下記の式
Figure 2020180059
いずれかの構造を示し、
Aは−CHR5−、−C(=O)−、−CF2−、−NR6−、−S−又は−O−を示し、
Bは単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−NR7−、−S−又は−O−を示し(ただし、Bが−NR7−、−S−又は−O−を示すとき、Aは−CH2−である。)、
1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立して、単結合、−CH=又は窒素原子を示し、X1、X2、X3及びX4が−CH=のとき、その炭素原子に結合する水素原子はR1で置換されていてもよく、
Figure 2020180059
環全体で5〜6員環を形成し、
Arは下記の式
Figure 2020180059
で表される芳香環のいずれかを示し、
Yは硫黄原子又は酸素原子を示し、
ZはR9が置換していてもよい炭素原子又は窒素原子を示し、
1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基又はC3−C6シクロアルキル基を示し、
2は−C(=O)R10基を示すか、又は
Figure 2020180059
で示される基を示し;
3は水素原子を示すか、R6と一緒になってC1−C3アルキレン基を示してもよく、
4は水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
5は水素原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基又はカルボキシプロピル基を示し、
6は水素原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アシル基を示し、
7は水素原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アシル基を示し、
8は水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルケニル基、ニトロ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基を示し、
9は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基又はC1−C3ハロアルコキシ基を示し、
10はヒドロキシ基又は−NR1112基を示し、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、−C(=NH)NH2基、−CH213基、−CH2CH213基、−CH2CH2CH213基、−SO214基、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基を示し、
13は−C(=O)OR15基、−C(=O)NR1617又は−NR1617を示し、
14はC1−C3アルキル基を示し、
15は水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
aは0〜4の整数を示し;
nは1〜3の整数を示し、
Figure 2020180059
は、単結合又は二重結合を示す。]
で表される化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[2] Arが置換基を有してもよいベンゼン、ピリジン、ナフタレン、フラン、チオフェン又はベンズチオフェンである、[1]記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[3] Cy環がテトラヒドロアゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、テトラヒドロチアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリジン、又はヘキサヒドロアゾシンである、[1]又は[2]記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[4] Cy環が
Figure 2020180059
で示される基であり、
10が−OH、−NHCH2CO2H、−NH−C(=NH)NH2、−NHOCH3又は−NHOHである、[1]又は[2]記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[5] R2の置換位置が
Figure 2020180059
(式中、R2は前項[1]記載と同じ意味を表す。)で示される位置である、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[6] R8が、C3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基である、[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[7] Cy環が式
Figure 2020180059
で示される環であり、
1、X2、X3及びX4がいずれも−CH=であり、その炭素原子に結合する水素原子はR1で置換されていてもよく、
Aが−CHR5−であり、
Bが−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−O−又は−S−であり、
1が水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アルコキシ基であり、
3が水素原子であり、
5が水素原子又はヒドロキシ基である、[1]、[2]又は[5]記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[8] 一般式(I)で表される化合物が、下記式(α)
Figure 2020180059
[式中、R5は水素原子又はヒドロキシ基を示し、
Bは単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−S−又は−O−を示し(ただし、Bが−S−又は−O−を示すとき、R5は水素原子である。)、
1は水素原子、ハロゲン原子又はC1−C3アルキル基を示し、
2は−C(=O)R10基を示すか、又は
Figure 2020180059
で示される基を示し、
9は水素原子、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を示し、
aは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C1−C3アルキル基、又はC1−C3ハロアルキル基を示し、
10はヒドロキシ基又は−NH(SO214)を示し、
14はC1−C3アルキル基を示し、
aは0〜4の整数を示し、
bは0〜5の整数を示す。]
で表されるものである、[1]記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
[10] 体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療のための医薬組成物である、[9]に記載の医薬組成物。
[11] [1]〜[8]のいずれかに記載の化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬。
[12] 体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療薬である、[11]に記載の医薬。
[13] 注射用である、[9]〜[12]のいずれかに記載の医薬組成物又は医薬。
[14] 静脈注射用である、[9]〜[12]のいずれかに記載の医薬組成物又は医薬。
[15] 持続静脈注射用である、[9]〜[12]のいずれかに記載の医薬組成物又は医薬。
[16] 利尿薬として使用される、[9]〜[12]のいずれかに記載の医薬組成物又は医薬。
[17] 体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療薬製造のための、[1]〜[8]のいずれかに記載の化合物、薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の使用。
[18] 体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療するための、[1]〜[8]のいずれかに記載の化合物、薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物。
[19] [1]〜[8]のいずれかに記載の化合物、薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の有効量を投与することを特徴とする、体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療方法。
一般式(I)で示される化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物(以下、これらを本発明化合物と総称することがある)は、バソプレシンV2受容体に対する優れた拮抗作用と水への優れた溶解性を有する。本発明化合物は、例えば利尿作用、血圧降下作用を有する。従って、本発明化合物は、利尿薬、血圧降下剤等として有用である。本発明化合物は、例えば、浮腫(例えば、心性浮腫、肝性浮腫、腎性浮腫、癌性浮腫、脳性浮腫、術後浮腫、内耳浮腫等)、心不全(例えば、急性心不全、慢性心不全、重症心不全、左心不全、右心不全等)、体液貯留(例えば、腹水、胸水等)、腎機能障害(例えば、慢性腎不全、ネフローゼ症候群等)、バソプレシン分泌異常症候群(SIADH)、肝硬変、電解質障害(例えば、低ナトリウム血症、低カリウム血症等)、多発性嚢胞腎(PKD)、脳卒中、肺高血圧、高血圧、冠動脈疾患(例えば、心筋梗塞、狭心症等)、循環不全等の予防及び/又は治療に有用である。
実施例4の化合物をラットに投与したときの血漿中濃度推移を示す図である。 実施例63の化合物をイヌに投与したときの血漿中濃度推移を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3アルキル基」とは、炭素数1〜3の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を示す。C1−C3アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3アルコキシ基」とは、上記「C1−C3アルキル基」の1個の水素原子が酸素原子に置換した基を示す。C1−C3アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3ハロアルキル基」とは、上記「C1−C3アルキル基」の1個以上の水素原子がハロゲン原子に置換した基を示す。C1−C3ハロアルキル基の例としてはクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル基、2−ブロモエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,3−トリブロモプロピル基が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3ハロアルコキシ基」とは、上記「C1−C3アルコキシ基」の1個以上の水素原子がハロゲン原子に置換した基を示す。C1−C3ハロアルコキシ基の例としては、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリブロモメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2−ジクロロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基、2,2,2−トリブロモエトキシ基、3,3,3−トリクロロプロポキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、3,3,3−トリブロモプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基等が挙げられる。
本明細書中、「C3−C6シクロアルキル基」とは、炭素数3〜6の環状のアルキル基を示す。C3−C6シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3アルキレン基」とは、炭素数1〜3の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を示す。C1−C3アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
本明細書中、「C1−C3アシル基」とは、水素原子又は炭素数1〜2個の脂肪族炭化水素基がカルボニル基に結合した基を示す。C1−C3アシル基の例としては、ホルミル基、アルキルカルボニル基(アセチル基、プロピオニル基)、ハロゲン化アルキルカルボニル基(トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基)、アルコキシアルキルカルボニル基(メトキシアセチル基等)、不飽和アルキルカルボニル基(アクリロイル基等)等が挙げられる。
本明細書中、「C3−C6シクロアルケニル基」とは、炭素数3〜6の環状のアルケニル基を示し、結合位置は特に限定されない。C3−C6シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
本明細書中、「アリール基」とは、炭素数6〜10の単環式又は多環式の芳香族炭化水素基を示す。アリール基の例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリール基」とは、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子等を1〜3個含有する3〜10員環の単環式又は多環式の芳香族複素環基を示し、結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キナゾリル基、フタラジル基等が挙げられる。また、縮合環である場合、一方の環の一部が水素化されていてもよい。
本明細書中、「置換基を有してもよい」とは、無置換であるか又は置換可能な位置に同一又は異なる置換基を1〜5個有していることを示す。当該「置換基」としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、ビニル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3アシル基、カルボキシル基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、C1−C3アルキルスルファニル基、C1−C3アルキルスルフェニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C3アルキル基を1〜2個有するアミノ基、C3−C6シクロアルキル基、アリール基(前記と同じ意味を表す。)、ヘテロアリール基(前記と同じ意味を表す。)、非芳香族複素環基が挙げられ、これらのアリール基、ヘテロアリール基又は非芳香族複素環基はさらに置換基(ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C3アルキル基、ビニル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3アシル基、カルボキシル基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C3アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、C1−C3アルキルスルファニル基、C1−C3アルキルスルフェニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C3アルキル基を1〜2個有するアミノ基、アリール基(前記と同じ意味を表す。)、ヘテロアリール基(前記と同じ意味を表す。)又は非芳香族複素環基)を有してもよい。
前記「非芳香族複素環」とは、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子等を少なくとも1個含んでなる単環式、二環式又は三環式でかつ3〜10員環の非芳香族性の複素環を示す。非芳香族複素環の例としては、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ヘキサメチレンイミン環、ヘプタメチレンイミン環、ホモピペラジン環、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、モルホリン環、チオモルホリン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、ジオキソラン環、ジオキサン環等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は、R2が−C(=O)R10基を示すか、又は
Figure 2020180059
で示される基を示す。R2がこのような基を示すことにより、水に対する溶解性が顕著に向上し、CYPに対する親和性が低下する。
以下、一般式(I)で表される化合物の好ましい態様を示す。
式中、Cy環として好ましくは下記の式
Figure 2020180059
で示される環である。
具体的にCy環として好ましくは、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、テトラヒドロチアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリジン又はヘキサヒドロアゾシンであり、置換基を有してもよい。
Aとして好ましくは−CHR5−、−CF2−、−NR6−、−S−又は−O−であり、より好ましくは−CHR5−、−NR6−又は−S−であり、さらに好ましくは−CHR5−である。
Bは、好ましくは単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−NR7−、−O−又は−S−であり、より好ましくは−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−O−又は−S−であり、さらに好ましくは−CH2−、−CH2CH2−、−O−又は−S−であり、さらに好ましくは−CH2−、−O−又は−S−であり、さらに好ましくは−CH2−又は−O−であり、特に好ましくは−O−である。ただし、Bが−NR7−、−O−又は−S−を示すとき、Aは−CH2−である。
Aが−C(=O)−のとき、Bは単結合、−CH2−、−CH2CH2−又は−CH2CH2CH2−であるのがより好ましく、−CH2−又は−CH2CH2−が特に好ましい。
1、X2、X3及びX4として好ましくは、−CH=基、窒素原子であり、より好ましくは−CH=基であり、その炭素原子に結合する水素原子がR1で置換されていてもよい。
また、
Figure 2020180059
として好ましくはベンゼン環又はピリジン環である。
Arとして好ましくは、
Figure 2020180059
で示される基である。
Yとして好ましくは、硫黄原子である。
Zとして好ましくは、−CR9−である。
1は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子又はC1−C3アルキル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。R1で示されるハロゲン原子として好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子又は塩素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。R1で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基である。R1で示されるC3−C6シクロアルキル基として好ましくはシクロプロピル基である。R1で示されるC1−C3アルコキシ基として好ましくはメトキシ基である。
2として好ましくは−C(=O)R10で示される基又は下記の式
Figure 2020180059
で示されるテトラゾリル基であり、より好ましくは−C(=O)R10で示される基である。
2の置換位置として好ましくは下記の式
Figure 2020180059
で示される位置である。
3として好ましくは水素原子である。
4として好ましくはC1−C3アルキル基である。R4で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基である。
5は、好ましくは水素原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基又はカルボキシメチル基であり、より好ましくは水素原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基又はカルボキシメチル基であり、さらに好ましくは水素原子、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子又はヒドロキシ基であり、特に好ましくは水素原子である。R5で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基又はエチル基である。R5で示されるC1−C3アルコキシ基として好ましくはメトキシ基又はエトキシ基であり、より好ましくはメトキシ基である。R5で示されるC1−C3ハロアルコキシ基として好ましくはトリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。
5が置換基を有してもよいフェノキシ基を表す場合、当該置換基として好ましくはハロゲン原子又はC1−C3アルキル基である。R5が置換基を有してもよいフェノキシ基を示す場合、好ましくは無置換のフェノキシ基である。
6として好ましくは、水素原子、又はR3と一緒になって形成されるメチレン基若しくはエチレン基である。R6で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基又はエチル基であり、C1−C3アシル基として好ましくはアセチル基又はプロピオニル基である。
7として好ましくは、水素原子又はC1−C3アルキル基である。R7で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはエチル基である。R7で示されるC1−C3アシル基として好ましくはアセチル基又はプロピオニル基であり、より好ましくはアセチル基である。
8として好ましくは、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、より好ましくはC3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、さらに好ましくは置換基を有してもよいアリール基である。
8で示されるハロゲン原子として好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子又は塩素原子である。R8で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基である。R8で示されるC1−C3アルコキシ基として好ましくはメトキシ基である。R8で示されるC1−C3ハロアルキル基として好ましくはトリフルオロメチル基である。R8で示されるC1−C3ハロアルコキシ基として好ましくはトリフルオロメトキシ基である。R8で示されるC3−C6シクロアルキル基として好ましくはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基である。R8で示されるC3−C6シクロアルケニル基として好ましくはシクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基であり、より好ましくはシクロペンテニル基である。
8で示される置換基を有してもよいアリール基として好ましくは置換基を有してもよいC6−C10アリール基であり、より好ましくは置換基を有してもよいフェニル基である。
8で示される「置換基を有してもよいヘテロアリール基」における「ヘテロアリール基」としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル基又はベンズイミダゾリル基が好ましく、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基又はベンゾチオフェニル基がより好ましく、フリル基、チエニル基又はピリジル基がさらに好ましい。
8で示される「置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基」の置換基としては、好ましくはC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくはC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、さらに好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C1−C3アルキル基、又はC1−C3ハロアルキル基であり、特に好ましくはC1−C3アルキル基である。上記置換基の好適な具体例としては、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シクロプロピル基、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。これらの中では、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子が好ましく、メチル基が特に好ましい。また、R8で示される「置換基を有してもよいヘテロアリール基」は、好ましくは無置換のヘテロアリール基である。
また、R8で示される「置換基を有してもよいアリール基」の好適な具体例として、下記の式
Figure 2020180059
で示される基が挙げられる。なお、式中のRa、bは前記と同義である。
aは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子又はC1−C3アルキル基であり、より好ましくは水素原子又はC1−C3アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。Raで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。Raで示される「C1−C3アルキル基」としては、メチル基が好ましく、Raで示されるC1−C3ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
9として好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基又はC1−C3アルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子又はハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子である。R9で示されるハロゲン原子として好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子又は塩素原子であり、さらに好ましくはフッ素原子である。R9で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基である。R9で示されるC1−C3アルコキシ基として好ましくはメトキシ基である。R9で示されるC1−C3ハロアルキル基として好ましくはトリフルオロメチル基である。R9で示されるC1−C3ハロアルコキシ基として好ましくはトリフルオロメトキシ基である。
10としては、ヒドロキシ基及び−NR1112基のいずれも好ましいが、より好ましくはヒドロキシ基である。R10がヒドロキシ基の場合、投与終了後から薬効が消失する早さが更に改善される。
11及びR12として好ましくは、一方が水素原子であり、他方が水素原子、−C(=NH)NH2基、−CH213基、−CH2CH213基、−SO214基、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基であり、より好ましくは、一方が水素原子であり、他方が水素原子、−C(=NH)NH2基、−CH213基、−SO214基、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基であり、さらに好ましくは、一方が水素原子であり、他方が水素原子、−CH213基、−SO214基又はヒドロキシ基であり、さらに好ましくは、一方が水素原子であり、他方が水素原子又は−SO214基であり、特に好ましくは一方が水素原子であり、他方が−SO214基である。R11及びR12で示されるC1−C3アルコキシ基として特に好ましくはメトキシ基である。
13は、−C(=O)OR15基、−C(=O)NR1617基又は−NR1617基を示すが、好ましくは−C(=O)OR15基又は−C(=O)NR1617基である。
14として好ましくはメチル基である。
15は、水素原子又はC1−C3アルキル基を示すが、好ましくは水素原子である。R15で示されるC1−C3アルキル基として好ましくはメチル基である。
16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子又はC1−C3アルキル基を示すが、好ましくはともに水素原子であるか、ともにメチル基であり、より好ましくはともに水素原子である。
aとして好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。なお、aが2〜4の整数の場合、a個のR1は同一であっても異なっていてもよい。
また、bとして好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。なお、bが2〜5の整数の場合、b個のRaは同一であっても異なっていてもよい。
nとして好ましくは2である。
本発明の一般式(I)で表される化合物の好ましい態様として、下記<1>から<7>、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。下記<1>から<7>の全ての組み合わせが特に好ましい。
<1>一般式(I)で表される化合物として薬物相互作用の観点からは、好ましくはCy環は
Figure 2020180059
で示される環であり、
10は−OH、−NHCH2CO2H、−NH−C(=NH)NH2、−NHOCH3又は−NHOH(より好ましくはヒドロキシ基又は−NHCH2CO2H)である。
<2>一般式(I)で表される化合物として薬物相互作用の観点からは、好ましくはR2の置換位置は下記の式
Figure 2020180059
で示される位置である。
<3>一般式(I)で表される化合物として利尿作用の観点からは、R8は、好ましくはハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、より好ましくはC3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基であり、さらに好ましくは置換基を有してもよいアリール基である。
<4>一般式(I)で表される化合物として薬物相互作用の観点からは、好ましくはCy環は
Figure 2020180059
で示される環であり、
1、X2、X3及びX4はいずれも−CH=であり、その炭素原子に結合する水素原子はR1で置換されていてもよく、
Aは−CHR5−であり、
Bは−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−O−又は−S−であり、
1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アルコキシ基であり、
3は水素原子であり、
5は水素原子又はヒドロキシ基である。
<5>一般式(I)で表される化合物として、薬物相互作用及び投与終了後から薬効が消失する早さの観点からは、好ましくは式(α)で表されるものである。
<6>一般式(I)で表される化合物として、薬物相互作用及び投与終了後から薬効が消失する早さの観点からは、好ましくは式(α)で表されるものであり、R5とBの組み合わせが、R5が水素原子でBが−O−の組み合わせ、又はR5がヒドロキシ基でBが−CH2−の組み合わせである。このR5とBの組み合わせとしては、R5が水素原子でBが−O−の組み合わせが好ましい。
<7>一般式(I)で表される化合物として、薬物相互作用及び投与終了後から薬効が消失する早さの観点からは、好ましくは式(α)で表されるものであり、且つR10はヒドロキシ基である。
本発明の一般式(I)で表される化合物の好ましい態様として、利尿作用の観点から具体的には以下の化合物が挙げられる。
(1)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例4)、
(2)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例9)、
(3)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例11)、
(4)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(5−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例12)、
(5)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例14)、
(6)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例17)、
(7)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[5−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例21)、
(8)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例22)、
(9)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例26)、
(10)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[6−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例28)、
(11)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−メチル−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例29)、
(12)2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例38)、
(13)2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例39)、
(14)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−ヒドロキシ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例42)、
(15)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例43)、
(16)2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例56)、
(17)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例63)、
(18)2−(7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例74)、
(19)2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例75)、
(20)2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ)安息香酸・塩酸塩(実施例89)、
(21)N−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[N−(メチルスルホニル)カルバモイル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド(実施例104)、
(22)N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例107)、
(23)N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例108)、
(24)N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド(実施例110)、
(25)(+)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例115)、
(26)(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例116)、
(27)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(5−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例117)、
(28)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例119)、
(29)(+)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例120)、
(30)(−)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例121)、
(31)(−)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例122)、
(32)(−)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例123)、
(33)(−)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例124)、
(34)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例125)、
(35)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例126)、
(36)(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例127)、
(37)(−)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例128)、及び
(38)(+)−N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(N−メチルスルホニルカルバモイル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド(実施例129)。
本発明の一般式(I)で表される化合物のより好ましい態様として、利尿作用(特に注射による投与をした場合の利尿作用)の観点から、具体的には以下の化合物が挙げられる。
(1)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例4)、
(3)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例11)、
(4)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(5−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例12)、
(5)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例14)、
(6)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例17)、
(8)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例22)、
(9)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例26)、
(14)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−ヒドロキシ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例42)、
(15)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例43)、
(16)2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例56)、
(17)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例63)、
(18)2−(7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例74)、
(19)2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例75)、
(21)N−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[N−(メチルスルホニル)カルバモイル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド(実施例104)、
(23)N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例108)、
(25)(+)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例115)、
(26)(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例116)、
(27)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(5−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例117)、
(28)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例119)、
(29)(+)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例120)、
(34)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例125)、
(35)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例126)、
(36)(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例127)、及び
(38)(+)−N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(N−メチルスルホニルカルバモイル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド(実施例129)。
本発明の一般式(I)で表される化合物としては、利尿作用(特に注射による投与をした場合の利尿作用)の観点から、以下の化合物がさらに好ましい。
(1)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例4)、
(3)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例11)、
(4)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(5−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例12)、
(5)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例14)、
(6)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例17)、
(8)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例22)、
(9)2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例26)、
(15)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例43)、
(16)2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例56)、
(17)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例63)、
(21)N−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[N−(メチルスルホニル)カルバモイル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド(実施例104)、
(23)N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例108)、
(25)(+)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(実施例115)、
(29)(+)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例120)、
(34)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例125)、
(35)(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例126)、及び
(36)(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸(実施例127)。
上記した化合物の中でも、投与終了後から薬効が消失する早さの観点から、
(1)2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例4)、
(17)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例63)が殊更好ましく、
(17)2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(実施例63)が特に好ましい。
本発明には、一般式(I)で示される化合物の薬学的に許容される塩が含まれる。具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩等の無機塩基や、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、オルニチン等の有機塩基との塩基付加塩等、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸付加塩等が挙げられる。
本明細書中において、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には、化合物の構造上生ずるすべての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体及び異性体混合物が含まれ、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。従って、本発明の化合物には、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体及びラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においては限定されず、いずれもが含まれる。
本発明において、一般式(I)で示される化合物は、同位元素(例、2H、3H、14C、35S、125I等)等でラベル化した化合物を包含する。
本発明において、一般式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩には、その溶媒和物(水和物、エタノール和物等)も含まれる。
本発明の一般式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩には、結晶多形が存在することがあるが、いずれかの結晶形単独であっても、複数の結晶形の混合物であってもよく、いずれもが本発明に包含される。
本発明の一般式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩は薬理学的に許容される基によってプロドラッグ化されてもよい。プロドラッグを形成する薬理学的に許容される基としては、例えば、Prog.Med.,5,2157−2161(1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163−198に記載の基が挙げられる。
本発明の一般式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩は、それ自体、注射製剤とするのに十分な溶解性を有するが、その溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティー及び安定性をさらに改善させるために、シクロデキストリン及びその適切な誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマー等の可溶性高分子単位と混合することができる。たとえば、薬物のシクロデキストリン複合体等は、一般的に大半の剤型及び投与経路に有用であることが確認されている。包接複合体及び非包接複合体のいずれも使用することができる。薬物との直接の複合体化の別法として、シクロデキストリンを補助的添加剤、すなわち担体、賦形剤又は可溶化剤として用いることもできる。これらの目的のために、α−、β−、γ−シクロデキストリン等が一般的に使用される。
[本発明化合物の製造方法]
本発明化合物は、その基本骨格又はその置換基の種類に基づく特徴を利用し、置換基導入や官能基変換に関する種々の自体公知の合成法を適用して製造することができる。置換基導入や官能基変換に際し、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等の反応性置換基が存在する場合は、必要に応じて当該置換基に保護基を導入し、目的の反応が終わった後に保護基を除去することにより所望の化合物を得ることもできる。保護基の選択、保護基の導入、保護基の除去に関しては、例えばGreene及びWuts著、「Protective Groups in Organic Synthesis(Third Edition)」(WILEY)に記載の方法から適宜選択し実施することができる。
以下に本発明化合物の製造方法を例示するが、本発明化合物の製造方法はこれらにより何ら限定されるものではない。
一般式(I)において、本発明の一般式(Ia)〜(Id)の化合物は、例えば以下の反応式に従って製造することができる。なお、化学式中の炭素原子に*がついている場合、その化合物は当該炭素原子が不斉中心である実質的に単一のエナンチオマーであることを示す。
Figure 2020180059
[式中、R1、R3、R11、X1、X2、X3、X4、A、B、Arは前記と同義であり、Q1はシアノ基又はメトキシカルボニル基又はハロゲン原子を示し、Q2はカルボキシル基又はテトラゾリル基を示す。]
工程1:アミド化
化合物(III)は、化合物(II)のアミノ基をアミド構造へ変換する公知の方法、例えばN−アシル化反応により製造できる。N−アシル化反応は、例えば、化合物(II)と対応する酸塩化物を塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は非存在下で反応させることによって行うことができる。塩基としては、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N−メチルモルホリン(NMM)等の第三級アミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム等が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.25時間〜72時間が好ましい。
なお、使用する酸塩化物は市販されているか、対応するカルボン酸化合物から公知の方法で製造できる。対応するカルボン酸化合物は市販されているか、後述する方法で製造できる。また、使用する化合物(II)は市販されているか、公知の方法若しくは後述する参考例に示す方法で製造できる。
工程2:還元
化合物(IV)は、化合物(III)のニトロ基を第一級アミンへ変換する公知の方法、例えば還元反応により製造できる。還元反応は、例えば、化合物(III)を還元剤及びプロトン源の存在下、不活性溶媒の存在下又は非存在下で反応させることによって製造できる。還元剤としては、亜鉛、鉄、スズ等の金属単体又は二価塩化物の無水物並びに水和物が使用できる。プロトン源としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、蟻酸、酢酸等の有機酸類、塩酸等の無機酸類、塩化アンモニウム、蟻酸アンモニウム、水又はこれらの混合物が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、エステル類、THF、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、アセトン等のケトン類又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.5〜72時間が好ましい。
工程3:アミド化
化合物(V)は、化合物(IV)のアミノ基をアミド構造へ変換する公知の方法、例えばN−アシル化反応により製造できる。N−アシル化反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
工程4:アミド化
化合物(V)は、化合物(VI)を用いて、化合物(II)のアミノ基をアミド構造へ変換する公知の方法、例えばN−アシル化反応により製造できる。N−アシル化反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
なお、使用する化合物(VI)は後述の方法で製造できる。
工程5:還元
化合物(VII)は、Aが−C(=O)−であり、R3が水素原子である化合物(V)のカルボニル基を第二級アルコールへ還元する公知の方法、例えばヒドリド還元反応により製造できる。ヒドリド還元反応は、例えば、化合物(V)を還元剤の存在下、及び添加剤、プロトン性溶媒の存在下又は非存在下、不活性溶媒の存在下又は非存在下で反応させることによって行うことができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、ボラン−ジメチルスルフィド錯体等の水素化ホウ素化合物等が使用できる。添加剤としては、塩化セリウム、三フッ化ホウ素・エーテル錯体等が使用できる。プロトン性溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、水等が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、エーテル類、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.5時間〜48時間が好ましい。
工程6:シアノ化、テトラゾール化、加水分解
2がテトラゾリル基である場合、化合物(Ia)は、Q1がヨード基である場合には化合物(VII)のシアノ化反応と、それに続くテトラゾール環化反応により製造でき、Q1がシアノ基である場合には化合物(VII)のテトラゾール環化反応により製造できる。
シアノ化反応は、例えば、クロスカップリング反応によって行うことができ、化合物(VII)を金属触媒の存在下、及び配位子、塩基の存在下又は非存在下、シアン化合物と不活性溶媒中で反応させることによって行うことができる。金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物等が使用できる。配位子としては、トリフェニルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,6−ジメチルオキシビフェニル(SPhos)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(XPhos)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(XantPhos)等が使用できる。塩基としては、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム等が使用できる。シアン化合物としては、シアン化カリウム、ジシアノ亜鉛、シアン化銅(I)、フェロシアンカリウム等が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、DMF、DMA、N−メチルピロリドン等が使用できる。反応温度は室温〜160℃の範囲、反応時間は0.25時間〜72時間が好ましい。
テトラゾール環化反応は、例えば、アジ化物の付加環化反応によって行うことができ、シアノ体をアジ化物の存在下、及び添加剤の存在下又は非存在下、不活性溶媒中で反応させる方法によって行うことができる。アジ化物としては、例えば、アジ化金属塩、トリアルキルスズアジド、アンモニウムアジド、トリメチルシリルアジドが使用できる。添加剤としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、マグネシウム塩、ジアルキルスズオキシド、四級アンモニウム塩等が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、DMF、DMA等が使用できる。反応温度は室温〜130℃の範囲、反応時間は0.5時間〜72時間が好ましい。
2がカルボキシル基である場合、化合物(Ia)は、Q1がメトキシカルボニル基である化合物(VII)の加水分解反応により製造できる。加水分解反応は、通常の条件で行えばよく、例えば、化合物(VII)を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下、溶媒中で反応させることによって行うことができる。溶媒としては、水を必須とし、任意にアルコール類、エーテル類、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.5時間〜72時間が好ましい。
工程7:アミド縮合
化合物(Id)は、Q2がカルボキシル基である化合物(Ia)のカルボキシル基を各種のアミド構造へと変換する公知の方法、例えば、アミド縮合反応により製造することができる。アミド縮合反応は、例えば、化合物(Ia)とアミン化合物又はスルホニルアミド化合物を縮合剤の存在下、及び塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で反応させることによって行うことができる。また、本反応は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)等の縮合補助剤を加えて行ってもよい。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボニウム・ヘキサフルオロリン酸塩(BOP)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾ−ル(CDI)、塩化4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム(DMT−MM)、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノカルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU)、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)等が使用できる。塩基としては、ピリジン、DMAP、第三級アミン等が使用できる。溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、エステル類、DMF、DMA、DMSO、アルコール類、水又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は1時間〜96時間が好ましい。
なお、使用するアミン化合物及びスルホニルアミド化合物は市販されているか、公知の方法で製造することができる。
工程8:加水分解
化合物(Ib)は、Q1がメトキシカルボニル基である場合、化合物(V)の加水分解反応により製造できる。加水分解反応は、工程6の加水分解反応と同様の方法で行うことができる。
工程9:アミド縮合
化合物(Ic)は、化合物(Ib)のカルボキシル基を各種のアミド構造へと変換する公知の方法、例えば、アミド縮合反応により製造できる。アミド縮合反応は、工程7と同様の方法で行うことができる。
工程10:還元
化合物(Id)は、Aが−C(=O)−であり、R3が水素原子である化合物(Ic)のカルボニル基を第二級アルコールへ還元する公知の方法、例えばヒドリド還元反応により製造できる。ヒドリド還元反応は、工程5と同様の方法で行うことができる。
化合物(VI)は、例えば以下の反応式に従って製造することができる。
Figure 2020180059
[式中、Q1、Arは前記と同義であり、Q3はハロゲン原子又はメトキシカルボニル基を示し、Uはハロゲン原子、メトキシカルボニル基、又はカルボキシル基を示す。]
工程11:還元
化合物(IX)は、化合物(VIII)のニトロ基をアミノ基へ変換する公知の方法、例えば還元反応によって製造できる。還元反応は、工程2と同様の方法又は接触還元反応によって行うことができる。接触還元反応は、例えば、金属触媒の存在下、水素雰囲気下において溶媒中で反応させることによって行うことができる。金属触媒としては、パラジウム、水酸化パラジウム等のパラジウム触媒、ロジウム、ウィルキンソン触媒等のロジウム触媒、クラブトリー触媒等のイリジウム触媒、ルテニウム、野依触媒等のルテニウム触媒又は白金、酸化白金等の白金触媒等の単体あるいは炭素、炭化水素、金属等への担持物が使用できる。溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、アルコール類、エステル類、環状エーテル類、芳香族炭化水素類、酢酸等の有機酸類、塩酸等の無機酸類、水又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は室温〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.5〜168時間が好ましい。なお、使用する化合物(VIII)は市販されているか、公知の方法で製造できる。
工程12:アミド化
化合物(X)は、化合物(IX)のアミド化反応によって製造できる。アミド化反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
工程13:カルボキシル化、シアノ化、加水分解
1がカルボキシル基である場合、化合物(VI)は、Uがハロゲン原子であり、Q3がメトキシカルボニル基である化合物(IX)のハロゲン原子をカルボキシル基へ変換する公知の方法で製造できる。例えば、化合物(IX)を有機金属試薬存在下、及び添加剤の存在下又は非存在下、不活性溶媒中で二酸化炭素と反応させることによって行うことができる。有機金属試薬としては、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム等のグリニヤール試薬、tert−ブチルリチウム、ジエチル亜鉛等が使用できる。添加剤としては、ヨウ化銅(I)、N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン(TMEDA)等が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類、エーテル類、DMA、DMSO又はこれらの混合物を使用できる。反応温度は−78℃〜室温の範囲、反応時間は0.5時間〜72時間が好ましい。
1がシアノ基である場合、化合物(VI)は、Uがメトキシカルボニル基であり、Q3がハロゲン原子である化合物(IX)のシアノ化反応と、それに続く加水分解反応によって製造できる。シアノ化反応及び加水分解反応は、工程6のシアノ化反応及び加水分解反応と同様の方法で行うことができる。
なお、Uがカルボキシル基である場合、工程13は省略することができる。
本発明の一般式(Ie)で示される光学活性化合物は、例えば以下に示す反応式に従って製造することができる。
Figure 2020180059
[式中、R1、R10、X1、X2,X3,X4、B、Arは前記と同義であり、P1はアミノ基の保護基、P2はヒドロキシ基の保護基を示す。]
工程14:不斉還元
化合物(XII)は、Bが単結合、−CH2−、−CH2CH2−、又は−CH2CH2CH2−である化合物(XI)のカルボニル基を立体選択的に第二級アルコールへ還元する公知の方法、例えば、野依不斉水素移動反応により製造できる。野依不斉水素移動反応は、化合物(XI)をキラルアミン触媒、又はキラルアミン及び金属触媒、並びに水素源の存在下、溶媒の存在下又は非存在下で反応することによって行うことができる。キラルアミンとしては、N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエタンジアミン(Ms−DPEN)、N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエタンジアミン(Ts−DPEN)、N−(10−カンファースルホニル)−1,2−ジフェニルエタンジアミン(Cs−DPEN)等の光学活性体が使用できる。金属触媒としては、二塩化(p−シメン)ルテニウム(II)二量体、二塩化シクロペンタジエニルイリジウム(III)二量体等が使用できる。キラルアミン触媒としては、塩化(Ts−DPEN)(p−シメン)ルテニウム(II)、塩化(Ms−DPEN)(p−シメン)ルテニウム(II)、塩化(Ts−DPEN)(メシチレン)ルテニウム(II)、(Ts−DPEN)(p−シメン)ルテニウム(II)トリフラート等の光学活性体が使用できる。水素源としては、蟻酸アンモニウム、蟻酸及びトリエチルアミンの混合物、蟻酸ナトリウム及びトリエチルアミンの混合物、メタノール等が使用できる。溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、環状エーテル類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、DMF、DMA、水又はこれらの混合物が使用できる。反応温度は室温〜加熱還流温度の範囲、反応時間は2時間〜168時間が好ましい。
なお、使用する化合物(XI)は市販されているか、公知の方法若しくは後述する参考例に示す方法で製造できる。
工程15:保護
化合物(XIII)は、化合物(XII)の第二級ヒドロキシ基に保護基を導入することによって製造できる。保護基の導入は、一般に有機合成化学の分野において公知の方法、例えば、T.W.Greene及びP.G.Wuts著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(Fourth Edition)」(John Wiley & Sons、Inc.)に記載の方法から適宜選択して行うことができる。例えば、保護基P2がメトキシメチル(MOM)基である場合、化合物(XII)とアルキル化剤を塩基の存在下、及び添加剤の存在下又は非存在下、不活性溶媒中で反応させることによって行うことができる。アルキル化剤としては、例えば、塩化メトキシメチル、臭化メトキシメチル等が使用できる。塩基としては、例えば、炭酸セシウム、水素化ナトリウム又はナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等が使用できる。添加剤としては、例えば、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属ヨウ化物、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等のハロゲン化テトラブチルアンモニウム塩、クラウンエーテル等の相間移動触媒が使用できる。不活性溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、エステル類、DMF、DMA等が使用できる。反応温度は0℃〜加熱還流温度の範囲、反応時間は0.5時間〜72時間が好ましい。
工程16:脱保護
化合物(XIV)は、化合物(XIII)の保護基P1を脱保護することによって製造できる。脱保護は、一般に有機合成化学の分野において公知の方法、例えば、T.W.Greene及びP.G.Wuts著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(Fourth Edition)」(John Wiley & Sons、Inc.)に記載の方法から適宜選択して行うことができる。
工程17:アミド化
化合物(XV)は、化合物(XIV)のアミノ基をアミド構造へ変換する公知の方法、例えばN−アシル化反応により製造できる。N−アシル化反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
工程18:還元
化合物(XVI)は、化合物(XV)のニトロ基を第一級アミンへ変換する公知の方法、例えば還元反応により製造できる。還元反応は、工程2と同様の方法で行うことができる。
工程19:アミド化
化合物(XVII)は、化合物(XVI)のアミノ基をアミド構造へ変換する公知の方法、例えばN−アシル化反応により製造できる。N−アシル化反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
工程20:脱保護、加水分解、アミド縮合
10がOHである場合、化合物(Ie)は、化合物(XVII)の保護基P2の脱保護と、それに続く加水分解反応により製造できる。脱保護は一般に有機合成化学の分野において公知の方法、例えば、T.W.Greene及びP.G.Wuts著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(Fourth Edition)」(John Wiley & Sons、Inc.)に記載の方法から適宜選択して行うことができ、加水分解反応は工程6の加水分解反応と同様の方法で行うことができる。
10がNHR11である場合、化合物(Ie)は、化合物(XVII)の加水分解反応とアミド縮合反応、それに続く保護基P2の脱保護によって製造できる。加水分解反応は工程6の加水分解反応と同様の方法で行うことができ、アミド縮合反応は工程7と同様の方法で行うことができ、脱保護は工程16と同様の方法で行うことができる。
本発明の一般式(If)で示される光学活性化合物は、例えば以下の反応式に従って製造することができる。
Figure 2020180059
[式中、R1、Q2、Q3、X1、X2,X3,X4、B、Arは前記と同義である。]
工程21:不斉還元
化合物(XIX)は、化合物(V)のAが−C(=O)−であり、Q1がQ3である化合物(XVIII)の不斉還元反応により製造できる。不斉還元反応は、工程14と同様の方法で行うことができる。
工程22:シアノ化、テトラゾール環化、加水分解
2がテトラゾリル基である場合、化合物(If)は、Q3がハロゲン原子である化合物(XIX)のシアノ化反応と、それに続くテトラゾール環化反応により製造できる。
2がカルボキシル基である場合、化合物(If)は、Q3がメトキシカルボニル基である化合物(XIX)の加水分解反応により製造できる。
シアノ化反応、テトラゾール環化反応、加水分解反応は、工程6と同様の方法で行うことができる。
本発明化合物又はその塩を医薬又は医薬組成物として用いる場合、経口又は非経口的に投与することができる。本発明の医薬又は医薬組成物は、非経口投与するのに特に適する。
本発明化合物又はその塩の含有量は、本発明の医薬組成物中、好ましくは0.0005〜99質量%であり、より好ましくは0.0005〜95質量%であり、特に好ましくは0.001〜90質量%である。また、本発明の医薬組成物は、水等の溶媒を含んでいてもよい。その場合の溶媒の含有量は、本発明の医薬組成物中、通常90質量%以上であり、好ましくは90〜99.9995質量%である。
経口投与用製剤としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられる。この経口投与用製剤は製剤分野において通常用いられる添加剤を配合し、公知の方法に従って製造することができる。このような添加剤としては、例えば乳糖、マンニトール、無水リン酸水素カルシウム等の賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤;でんぷん、カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤等が挙げられる。
非経口投与する場合の形態は、注射剤、直腸投与剤、局所投与剤等が挙げられる。この中でも、注射剤による非経口的投与が好ましい。また、賦形剤、結合剤、緩衝剤、増粘剤、安定化剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤、pH調整剤等を薬学的に許容される添加剤として添加するなどして通常の方法により、投与のための剤形に製剤化することができる。なお、注射用とする場合、例えば、安定化剤、可溶化剤、緩衝剤及び等張化剤から選ばれる1種以上を用いて製剤化される。
また、医薬又は医薬組成物を注射用の医薬又は医薬組成物とする場合、当該注射用の医薬又は医薬組成物は、液状であることが好ましい。具体的には、溶液、懸濁液、凍結乾燥製剤等が挙げられる。
上記注射剤による非経口的投与としては、静脈注射による投与が好ましく、持続静脈注射による投与がより好ましい。投与速度の調節は患者の症状や血行動態を観察しながら通常行われるが、本発明によれば、投与開始後速やかに薬効が得られ、また投与終了後速やかに薬効が消失するため、投与速度の調節を簡便に行うことができる。例えば、体液貯留の程度を判断して、本発明化合物又はその塩(利尿薬)の量を調節しながら心不全等に由来する浮腫などの治療をするのに特に有用である。
また、注射剤の形態としては、より具体的には、無菌の溶液又は懸濁液等が挙げられる。このような注射剤は、例えば、本発明化合物又はその薬学的に許容される塩を日局注射用水に溶解又は懸濁させることにより製造される。必要により塩化ナトリウム等の等張化剤、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム等の緩衝剤、溶解補助剤等を配合してもよい。また、用時溶解型(粉末充填、凍結乾燥)の注射剤とすることができ、この場合、マンニトール、乳糖等の賦形剤を添加して、通常の方法で製造することができる。
注射剤の形態が溶液又は懸濁液のとき、その医薬組成物中の本発明化合物又はその塩の含有量は、好ましくは0.0005〜4質量%であり、より好ましくは0.001〜2質量%であり、特に好ましくは0.002〜1質量%である。
注射剤の形態が用時溶解型(粉末充填、凍結乾燥)であるとき、その医薬組成物中の本発明化合物又はその塩の含有量は、好ましくは1〜99質量%であり、より好ましくは3〜95質量%であり、特に好ましくは5〜90質量%である。
また、直腸投与剤としては坐剤等が挙げられる。坐剤は、例えば本発明化合物又はその薬学的に許容される塩をカカオ脂、マクロゴール等の基剤に溶解又は懸濁させた後、鋳型に注いで成形して製造される。また、液又はクリームを注入用の容器に入れ、直腸投与製剤とすることもできる。
局所投与剤としては、液剤、点眼剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル製剤、スプレー剤、粉剤等が挙げられる。液剤は、本発明化合物又はその薬学的に許容される塩を水に加え、安定化剤、溶解剤、増粘剤、分散剤、懸濁化剤等を必要に応じて加えて製造することができる。この増粘剤としては、ゼラチン、ヒアルロン酸ナトリウム、高分子デキストラン、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等を用いることができる。点眼剤は、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤のほかに防腐剤を加えて製造することができる。クリーム剤及び軟膏剤は、水性又は油性の基剤、例えば水、流動パラフィン、植物油(ピーナッツ油、ひまし油等)、マクロゴール等を用いて製造することができる。ゲル製剤は、公知の方法により、ゼラチン、ペクチン、カラゲナン、寒天、トラガント、アルギン酸塩、セルロースエーテル(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、ペクチン誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン等を用いて製造することができる。スプレー剤は本発明化合物又はその薬学的に許容される塩を水等の溶媒に溶解又は懸濁させた後、スプレー容器に入れて製造することができる。粉剤とする場合は、本発明化合物又はその薬学的に許容される塩をそのまま使用することもできるが、適当な賦形剤と混合して製造することができる。
本発明化合物又はその塩の投与量は、対象とする疾患や症状、投与対象の年齢、体重、性別等を考慮して適宜決定される。経口投与の場合、成人(体重約60kg)1日あたりの本発明化合物又はその塩の投与量は、通常1〜1000mgであり、好ましくは3〜300mgであり、より好ましくは3〜30mgである。これを1回で、又は2〜4回に分けて投与する。
また、注射剤による非経口投与(好ましくは静脈内投与)の場合、本発明化合物又はその塩の投与量は、通常3〜3000μg/kg/dayであり、好ましくは30〜3000μg/kg/dayであり、より好ましくは30〜300μg/kg/dayである。この量を、1日1回〜複数回に分けて投与するか、持続して投与することができる。
特に、持続静脈注射による投与の場合、0.1〜10000μg/kg/hrの範囲の投与速度で本発明化合物又はその塩を持続静脈注射するのが好ましく、0.2〜5000μg/kg/hrの範囲の投与速度で本発明化合物又はその塩を持続静脈注射するのがより好ましく、0.5〜2500μg/kg/hrの範囲の投与速度で本発明化合物又はその塩を持続静脈注射するのがさらに好ましく、1〜1000μg/kg/hrの範囲の投与速度で本発明化合物又はその塩を持続静脈注射するのが殊更好ましく、2〜500μg/kg/hrの範囲の投与速度で本発明化合物又はその塩を持続静脈注射するのが特に好ましい。
なお、「1μg/kg/day」とは、1日に体重1kgあたり1μgを投与することを意味し、「1μg/kg/hr」とは、1時間に体重1kgあたり1μgを投与することを意味する。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、化学式中の炭素原子に*がついている場合、その化合物は当該炭素原子が不斉中心である実質的に単一のエナンチオマーであることを示す。
参考例1
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル
2−メトキシカルボニル−4−ニトロ安息香酸(391mg)をジクロロメタン(7.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(216μL)及びDMF(15μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(495mg)をピリジン(7.0mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で3時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(825mg)をアモルファスの溶媒和物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.64(1H,d,J=2.3Hz),8.19(1H,dd,J=8.3,2.3Hz),7.64(1H,d,J=2.6Hz),7.23−7.12(1H,m),7.17(1H,dd,J=8.4,2.6Hz),7.05(1H,d,J=8.4Hz),4.20−3.00(2H,m),3.97(3H,s),2.95−2.81(2H,m),2.33−2.00(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 403(M+H)+
参考例2
5−アミノ−2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル安息香酸メチル
参考例1の化合物(100mg)をメタノール(2.4mL)に溶解させ、塩化スズ(II)二水和物(280mg)を加えて、加熱還流下で1.5時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて弱塩基性とした後、不溶物をセライトで濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(97mg)を淡黄色アモルファスの溶媒和物の粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.78−7.64(1H,m),7.23−6.95(3H,m),6.81−6.43(2H,m),5.03−3.17(4H,m),3.88(3H,s),2.95−2.83(2H,m),2.24−1.98(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 373(M+H)+
参考例3
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例2の化合物(93mg)をジクロロメタン(1.2mL)に溶解させ、氷冷下で塩化2−メチルベンゾイル(46mg)及びトリエチルアミン(69μL)を加えて、室温下で2時間攪拌した。得られた反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(109mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.29−6.90(11H,m),3.99−3.50(2H,m),3.90(3H,s),2.96−2.84(2H,m),2.49(3H,s),2.24−1.80(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 491(M+H)+
参考例4
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例3の化合物(109mg)をメタノール(2.2mL)に溶解させ、水冷下で水素化ホウ素ナトリウム(10mg)を加えて、室温下で3時間攪拌した。1mol/L塩酸を加え、室温下で5分間攪拌した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(97mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:10.71−10.41(1H,m),8.55−8.22(1H,m),8.07−6.93(9H,m),5.69−5.57(1H,m),5.17−4.50(2H,m),3.86(3H,s),2.76−2.63(1H,m),2.34(3H,s),2.17−1.40(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 493(M+H)+
実施例1
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例4の化合物(87mg)をメタノールとTHFの1:1混液(1.0mL)に懸濁させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(98μL)を加えて、40℃加温下で1時間攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液(42μL)を加え、40℃加温下で更に1時間攪拌し、水を加えて、減圧濃縮した。得られた残渣に1mol/L塩酸を加えて酸性とした後、氷冷下で攪拌した。沈殿物を濾取し、冷水及びヘプタンで順次洗浄し、表題化合物(84mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.29(1H,br s),10.63−10.38(1H,m),8.48−8.19(1H,m),8.08−6.87(9H,m),5.65−5.53(1H,m),4.98−4.53(2H,m),2.74−2.60(1H,m),2.34(3H,s),2.18−1.37(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 479(M+H)+
実施例2〜40
対応する原料を用いて、参考例1、参考例2、参考例3、参考例4及び実施例1と同様の操作をこの順番で行うことにより、表1〜8に示す化合物を得た。なお、参考例3の工程で用いた酸塩化物が市販されていない場合は、公知の方法によりカルボン酸から酸塩化物に変換して用いた。
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
参考例5
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−ヨードベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例2の化合物(335mg)、及び塩化2−メチルベンゾイルの代わりに塩化2−ヨードベンゾイル(263mg)を用いて、参考例3と同様の操作に付すことにより、表題化合物(523mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.26−7.40(7H,m),7.20−7.10(3H,m),6.98−6.91(1H,m),4.00−3.46(2H,m),3.89(3H,s),2.98−2.80(2H,m),2.26−1.75(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 603(M+H)+
参考例6
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(3−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸メチル
参考例5の化合物(150mg)をDMF(2.0mL)に溶解させ、3−メチルフェニルボロン酸(41mg)、及びトリエチルアミン(69μL)を加えた。アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)を加えて、マイクロ波照射下、130℃で1時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(50mg)を油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.95−7.86(1H,m),7.70−6.74(14H,m),4.70−3.40(2H,m),3.88(3H,s),3.00−2.82(2H,m),2.40−1.60(2H,m),2.39−2.28(3H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 565(M−H)-
実施例41
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(3−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸
Figure 2020180059
参考例6の化合物(50mg)にメタノール(5.0mL)を加え、水素化ホウ素ナトリウム(4mg)を加えて、室温下で30分間攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液(400μL)、THF(3.0mL)を順次加えて、40℃加温下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、1mol/L塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジオールシリカゲル、5〜20% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(38mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.24(1H,br s),10.52−10.29(1H,m),8.21−7.94(1H,m),7.80−6.50(13H,m),5.60−5.49(1H,m),4.92−4.56(2H,m),2.70−2.60(1H,m),2.20(3H,s),2.11−1.35(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 553(M−H)-
参考例7
4−アセトキシ−2−フェニル安息香酸
4−ヒドロキシ−2−フェニル安息香酸(240mg)をピリジン(6.0mL)に溶解させ、氷冷下で塩化アセチル(80μL)を加え、室温下で1時間攪拌した。室温下で塩化アセチル(160μL)を加え、室温下で更に1時間攪拌した。1mol/L塩酸を加えて酸性とし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CO2Hシリカゲル、0〜5% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(201mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.00(1H,d,J=8.6Hz),7.42−7.31(5H,m),7.18(1H,dd,J=8.6,2.4Hz),7.11(1H,d,J=2.4Hz),2.32(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 255(M−H)-
参考例8
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−ヒドロキシ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例7の化合物(85mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(108μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。参考例2の化合物(112mg)をピリジン(2.0mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(70〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、アモルファス(131mg)を得た。得られたアモルファス(122mg)をメタノール(2.0mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28mg)を加えて、室温下で2時間攪拌した。不溶物を濾過し、溶媒を減圧留去して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(102mg)を油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.92−7.29(8H,m),7.23−6.71(7H,m),6.37−6.15(1H,m),3.95−3.38(2H,m),3.86(3H,s),2.91−2.80(2H,m),2.31−1.70(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 569(M+H)+
実施例42
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−ヒドロキシ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例8の化合物(100mg)を用いて実施例41と同様の操作に付すことにより、表題化合物(64mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.18(1H,br s),10.31−9.96(2H,m),8.23−7.92(1H,m),7.85−6.67(13H,m),5.59−5.52(1H,m),4.91−4.55(2H,m),2.73−2.60(1H,m),2.21−1.40(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 557(M+H)+
参考例9
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,3−b]アゼピン−5−オン
6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2,3−b]アゼピン−5−オン(513mg)をDMF(8.0mL)に溶解させ、氷冷下でN−クロロコハク酸イミド(507mg)を加えて、40℃加温下で16時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水の混合溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(440mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.13(1H,d,J=2.6Hz),7.95(1H,d,J=2.6Hz),5.54(1H,br s),3.37−3.28(2H,m),2.89−2.80(2H,m),2.32−2.20(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 197(M+H)+
参考例10
3−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン
参考例9の化合物(90mg)をトリフルオロ酢酸(1.5mL)に溶解させ、トリエチルシラン(726μL)を加え、40℃加温下で2時間攪拌した。トリエチルシラン(363μL)を加え、更に16時間攪拌し、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣に水を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、クロロホルムで抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、15〜90% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(37mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.90(1H,d,J=2.3Hz),7.31(1H,d,J=2.3Hz),4.71(1H,br s),3.18−3.05(2H,m),2.73−2.61(2H,m),1.87−1.65(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 183(M+H)+
参考例11
2−[(4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]コハク酸ジメチル
DL−アスパラギン酸ジメチル(2.26g)をDMSO(23mL)に溶解させ、N−エチルジイソプロピルアミン(5.0mL)及び5−クロロ−2−フルオロニトロベンゼン(2.14g)を加えて、100℃加温下で2時間攪拌した。反応液に冷水(40mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜66% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(2.82g)を橙色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.49(1H,d,J=7.9Hz),8.21(1H,d,J=2.6Hz),7.42(1H,dd,J=7.9,2.6Hz),6.84(1H,d,J=9.2Hz),4.66(1H,dt,J=9.2,4.0Hz),3.80(3H,s),3.74(3H,s),2.98(2H,d,J=4.0Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 317(M+H)+
参考例12
(6−クロロ−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)酢酸メチル
参考例11の化合物(2.82g)を2−プロパノールと水の3:1混液(45mL)に溶解させ、鉄粉(2.49g)及び酢酸(255μL)を加えて、70℃加温下で3時間攪拌した。室温下でクロロホルムを加えた後、不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜80% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(2.31g)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.06(1H,br s),6.87(1H,dd,J=8.4,2.2Hz),6.71(1H,d,J=2.2Hz),6.63(1H,d,J=8.4Hz),4.77(1H,br s),4.32(1H,ddd,J=10.6,2.7,1.2Hz),3.75(3H,s),3.15(1H,dd,J=17.4,2.7Hz),2.73(1H,dd,J=17.4,10.6Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 255(M+H)+
参考例13
2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)エタノール
参考例12の化合物(575mg)をTHF(17mL)に溶解させ、氷冷下で水素化アルミニウムリチウム(428mg)を加え、加熱還流下で2時間攪拌した。氷冷下で水(430μL)及び10%水酸化ナトリウム水溶液(430μL)、水(1.29mL)を順次加えた後、不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(315mg)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:6.53(1H,dd,J=8.2,2.2Hz),6.47(1H,d,J=2.2Hz),6.41(1H,d,J=8.2Hz),3.93−3.80(2H,m),3.61−3.54(1H,m),3.35(1H,dd,J=10.9,3.0Hz),3.15(1H,dd,J=10.9,7.1Hz),1.79−1.73(2H,m),1.56(1H,br s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 213(M+H)+
参考例14
8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(423mg)及びトリフェニルホスフィン(489mg)をジクロロメタン(16mL)に溶解させ、参考例13の化合物(264mg)を加え、室温下で17時間攪拌した。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて強塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物をクロロホルムに溶解させ、1mol/L塩酸を加えて強酸性とした後、水で抽出した。水層に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて強塩基性とした後、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、表題化合物(217mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.00(1H,d,J=2.4Hz),6.90(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),6.46(1H,d,J=8.4Hz),4.07(1H,br s),3.90−3.86(1H,m),3.39−3.30(1H,m),3.18−3.07(2H,m),2.90(1H,dd,J=11.4,3.1Hz),2.10−1.88(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 195(M+H)+
参考例15
3−[(4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]グルタル酸ジエチル
3−アミノグルタル酸ジエチル(1.15g)を用いて参考例11中の攪拌を室温下で行う同様の方法により、表題化合物(478mg)を橙色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.39(1H,d,J=9.0Hz),8.18(1H,d,J=2.6Hz),7.41(1H,dd,J=9.3,2.6Hz),7.01(1H,d,J=9.3Hz),4.56−4.45(1H,m),4.16(4H,q,J=7.1Hz),2.73(4H,d,J=6.0Hz),1.25(6H,t,J=7.1Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 359(M+H)+
参考例16
(7−クロロ−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン−2−イル)酢酸エチル
参考例15の化合物(478mg)を2−プロパノールと水の3:1混液(7.0mL)に溶解させ、鉄粉(372mg)及び酢酸(38μL)を加えて、70℃加温下で2時間攪拌し、100℃加温下で更に1時間攪拌した。室温下でクロロホルムを加えた後、不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトルエン(5.0mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(247μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(258mg)を茶色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.35(1H,br s),7.01(1H,dd,J=8.2,2.4Hz),6.90(1H,d,J=2.4Hz),6.80(1H,d,J=8.2Hz),4.34−4.27(1H,m),4.19(2H,q,J=7.1Hz),2.77−2.66(2H,m),2.56(1H,dd,J=16.5,3.1Hz),2.34(1H,dd,J=13.2,6.2Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 283(M+H)+
参考例17
2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン−2−イル)エタノール
参考例16の化合物(258mg)を用いて参考例13と同様の操作に付すことにより、表題化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物にクロロホルム及びヘキサンを加え、懸濁液を室温下で攪拌した。沈殿物を濾取し、ヘキサンで洗浄して、表題化合物(158mg)を灰色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:6.71−6.64(3H,m),3.98−3.91(1H,m),3.84(1H,ddd,J=10.8,8.2,4.2Hz),3.41(1H,ddd,J=12.6,6.1,3.4Hz),3.11−3.03(1H,m),2.82(1H,ddd,J=12.6,9.3,3.4Hz),1.94−1.60(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 227(M+H)+
参考例18
8−クロロ−1,4−エタノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(238mg)及びトリフェニルホスフィン(275mg)をジクロロメタン(9.0mL)に溶解させ、参考例17の化合物(158mg)を加え、室温下で16時間攪拌した。1mol/L塩酸を加えて弱酸性とし、水で抽出して、水層に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて強塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(16〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(136mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:6.93(1H,d,J=2.4Hz),6.89(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),6.42(1H,d,J=8.4Hz),4.23(1H,br s),3.45−3.28(5H,m),2.25−2.16(2H,m),1.94−1.83(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 209(M+H)+
参考例19
2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル
2−メトキシカルボニル−4−ニトロ安息香酸(225mg)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(144μL)及びDMF(8μL)を加えて、加熱還流下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物(224mg)を粗生成物として得た。得られた酸塩化物(88mg)をピリジン(2.0mL)に溶解させ、7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン(60mg)を加えて、室温下で17時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、15〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(77mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.96−8.68(1H,m),8.54−8.13(1H,m),7.72−6.89(4H,m),5.14−4.60(3H,m),4.29−3.92(2H,m),4.01(3H,s),3.51−3.02(1H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 391(M+H)+
参考例20
5−アミノ−2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル安息香酸メチル
参考例19の化合物(77mg)をメタノール(1.0mL)に溶解させ、無水塩化スズ(II)(222mg)を加えて、室温下で4時間攪拌した。反応液を水で希釈し、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて弱塩基性とした後、不溶物をセライトで濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(66mg)を白色固体の粗生成物として得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:7.65−6.88(4H,m),6.83−6.49(2H,m),5.02−4.60(3H,m),4.17−3.70(2H,m),3.84(3H,s),3.59−2.96(1H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 361(M+H)+
参考例21
2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
4−フルオロ−2−フェニル安息香酸(71mg)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(71μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物(75mg)を粗生成物として得た。得られた酸塩化物(47mg)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解させ、参考例20の化合物(66mg)のジクロロメタン(1.0mL)懸濁液に加えた後、トリエチルアミン(127μL)を加え、室温下で17時間攪拌した。ピリジン(0.2mL)を加え、更に3時間攪拌した後、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、25〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(92mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.02−7.31(8H,m),7.22−6.72(7H,m),5.13−4.55(3H,m),4.23−2.93(3H,m),3.90(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 559(M+H)+
実施例43
2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例21の化合物(92mg)をメタノールとTHFの1:1混液(1.0mL)に懸濁させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(199μL)を加えて、40℃加温下で1時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加えて酸性とした後、水を加えて室温下で攪拌した。沈殿物を濾取し、水及びヘプタンで順次洗浄し、表題化合物(81mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.30(1H,br s),10.59−10.30(1H,m),8.24−7.90(1H,m),7.82−6.94(13H,m),4.92−4.57(3H,m),4.13−3.57(2H,m),3.07−2.74(1H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 545(M+H)+
実施例44〜47
対応する原料を用いて、参考例19、参考例20、参考例21及び実施例43と同様の操作をこの順番で行うことにより、表9に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
参考例22
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[(ナフタレン−1−イル)カルボニルアミノ]安息香酸メチル
参考例2の化合物(100mg)、及び塩化2−メチルベンゾイルの代わりに塩化1−ナフトイル(56mg)を用いて、参考例3と同様の操作に付すことにより、表題化合物(92mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.40−6.93(13H,m),4.87−3.39(2H,m),3.91(3H,s),2.96−2.81(2H,m),2.23−1.83(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 527(M+H)+
実施例48
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[(ナフタレン−1−イル)カルボニルアミノ]安息香酸
Figure 2020180059
参考例22の化合物(89mg)を用いて実施例1と同様の操作に付すことにより、表題化合物(59mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.56(1H,br s),10.90−10.65(1H,m),8.52−6.97(13H,m),4.19−3.31(2H,m),2.99−2.71(2H,m),2.21−1.69(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 513(M+H)+
実施例49
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[(ナフタレン−1−イル)カルボニルアミノ]安息香酸
Figure 2020180059
実施例48の化合物(57mg)を用いて参考例4と同様の操作に付すことにより、表題化合物(52mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.30(1H,br s),10.92−10.65(1H,m),8.56−8.25(1H,m),8.25−6.92(12H,m),5.73−5.44(1H,m),5.03−4.52(2H,m),2.77−2.62(1H,m),2.20−1.38(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 515(M+H)+
参考例23
2−メチル−5−[(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ]イソニコチン酸メチル
5−アミノ−2−メチルイソニコチン酸メチル(740mg)をピリジン(6.0mL)に溶解させ、塩化p−トルエンスルホニル(934mg)を加えて、室温下で2時間攪拌した後、50℃加温下で2時間攪拌した後に室温下で更に18時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜5% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(1.36g)を桃色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:9.75(1H,br s),8.26(1H,s),7.45(2H,d,J=8.0Hz),7.39(1H,s),7.26(2H,d,J=8.0Hz),3.64(3H,s),2.36(3H,s),2.26(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 321(M+H)+
参考例24
5−{(4−メトキシ−4−オキソブチル)[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}−2−メチルイソニコチン酸メチル
参考例23の化合物(1.36g)をDMF(14mL)に溶解させ、4−ブロモ酪酸メチル(694μL)、炭酸カリウム(1.17g)、ヨウ化カリウム(141mg)を加え、80℃加温下で1.5時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(1.90g)を茶褐色油状の溶媒和物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.99(1H,s),7.55(1H,s),7.47(2H,d,J=8.2Hz),7.26(2H,d,J=8.2Hz),3.88(3H,s),3.77−3.53(2H,m),3.65(3H,s),2.61(3H,s),2.46(2H,t,J=7.3Hz),2.42(3H,s),1.91−1.81(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 421(M+H)+
参考例25
7−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[3,4−b]アゼピン−5−オン
参考例24の化合物(1.79g)をトルエン(4.0mL)に懸濁させ、氷冷下でカリウムtert−ブトキシド(1M THF溶液、10.6mL)を加え、室温下で1時間攪拌した後に80℃加温下で更に1時間攪拌した。氷冷下で6mol/L塩酸を加えて酸性とした後、Dean−Stark装置を用いて加熱還流下で18時間攪拌した。氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(599mg)を茶褐色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.57(1H,s),7.59(2H,d,J=8.3Hz),7.36(1H,s),7.29(2H,d,J=8.3Hz),3.87(2H,t,J=6.4Hz),2.61(3H,s),2.46−2.41(2H,m),2.44(3H,s),1.99−1.90(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 331(M+H)+
参考例26
7−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[3,4−b]アゼピン−5−オン
参考例25の化合物(590mg)を80%硫酸水溶液(4.0mL)に懸濁させ、75℃加温下で2時間攪拌した後、室温下で18時間放置した。反応液を氷水に加え、40%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後に酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(177mg)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.17(1H,s),7.32(1H,s),4.55(1H,br s),3.28(1H,t,J=6.7Hz),3.26(1H,t,J=6.7Hz),2.84(2H,t,J=7.1Hz),2.47(3H,s),2.19(2H,tt,J=6.7,7.1Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 177(M+H)+
参考例27
4−アミノ−2−(メトキシカルボニル)安息香酸
2−(メトキシカルボニル)−4−ニトロ安息香酸(400mg)をメタノール(3.5mL)に溶解させ、5%パラジウム炭素(53%含水)(216mg)を加え、水素雰囲気下、室温下で2時間攪拌した。不溶物をセライトで濾過した後、反応溶媒を減圧留去し、表題化合物(356mg)を淡黄色固体の溶媒和物の粗生成物として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.29(1H,br s),7.55(1H,d,J=8.4Hz),6.59(1H,dd,J=8.4,2.3Hz),6.52(1H,d,J=2.3Hz),6.05(2H,br s),3.71(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 196(M+H)+
参考例28
2−メトキシカルボニル−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
2−フェニル安息香酸(370mg)をジクロロメタン(6.2mL)に溶解させ、塩化チオニル(174μL)及びDMF(14μL)を加えて、室温下で5時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。参考例27の化合物(347mg)をTHF(3.0mL)に溶解させ、炭酸水素ナトリウム(164mg)を加えた。上記で得られた酸塩化物のTHF(1.0mL)溶液を滴下し、40℃加温下で16時間攪拌した。メタノールを添加した後、反応液を水に加えた。1mol/L塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にクロロホルム及びジイソプロピルエーテルを加え、懸濁液を氷冷下で攪拌した。沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(584mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.05(1H,br s),10.65(1H,br s),7.82(1H,d,J=2.0Hz),7.74(1H,d,J=8.6Hz),7.68−7.25(10H,m),3.76(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 376(M+H)+
参考例29
5−ヨード−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
5−ヨードアントラニル酸メチル(1.00g)を氷冷下でジクロロメタン(14mL)に溶解させ、トリエチルアミン(755μL)及び塩化2−メチルベンゾイル(518μL)を加え、室温下で6時間攪拌した。数滴のメタノールを添加し、反応溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8〜35% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(1.33g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:11.38(1H,br s),8.72(1H,d,J=9.0Hz),8.38(1H,d,J=2.2Hz),7.87(1H,dd,J=9.0,2.2Hz),7.62−7.58(1H,m),7.42−7.35(1H,m),7.33−7.25(2H,m),3.91(3H,s),2.55(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 396(M+H)+
参考例30
3−メトキシカルボニル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸
参考例29の化合物(1.31g)をTHF(17mL)に溶解させ、−20℃冷却下で塩化イソプロピルマグネシウム(1M THF溶液、6.9mL)を滴下し、二酸化炭素通気下、−20℃冷却下で20分間攪拌した。1mol/L塩酸を加えた後に、室温まで昇温し、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で抽出した後、6mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(459mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:11.75(1H,br s),9.06(1H,d,J=9.0Hz),8.83(1H,d,J=2.1Hz),8.30(1H,dd,J=9.0,2.1Hz),7.67−7.62(1H,m),7.46−7.27(3H,m),3.96(3H,s),2.57(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 314(M+H)+
参考例31
3−メトキシカルボニル−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
5−ヨードアントラニル酸メチル(2.00g)、及び塩化2−メチルベンゾイルの代わりに塩化2−フェニルベンゾイルを用い、参考例29及び参考例30と同様の操作をこの順番で行うことにより、表題化合物(1.44g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:11.21(1H,br s),8.88(1H,d,J=8.8Hz),8.65(1H,d,J=2.4Hz),8.20(1H,dd,J=8.8,2.0Hz),7.79−7.73(1H,m),7.62−7.41(5H,m),7.36−7.21(3H,m),3.84(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 376(M+H)+
参考例32
5−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例30の化合物(670mg)をジクロロメタン(7.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(231μL)及びDMF(16μL)を加えて、加熱還流下で20分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。得られた酸塩化物を氷冷下でピリジン(7.0mL)に懸濁させ、7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(439mg)を加えて、室温下で5時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15〜55% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にメタノール(10mL)を加え、氷冷下で1時間攪拌した後、沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄して、表題化合物(865mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:11.51(1H,br s),8.78(1H,d,J=8.8Hz),8.05(1H,d,J=2.2Hz),7.86(1H,d,J=2.6Hz),7.58(1H,d,J=7.7Hz),7.46−7.20(5H,m),6.72(1H,d,J=8.6Hz),4.42−3.31(2H,m),3.87(3H,s),2.94−2.86(2H,m),2.53(3H,s),2.32−2.06(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 491(M+H)+
参考例33
5−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例32の化合物(795mg)をメタノール(16mL)に懸濁させ、水素化ホウ素ナトリウム(74mg)を加え、反応液をメタノール(3mL)で希釈し、室温下で1時間攪拌した。反応液にメタノール(2mL)及び1mol/L塩酸(20mL)を加え、室温下で20分間攪拌した後、氷冷下で更に30分間攪拌した。沈殿物を濾取し、氷冷下で冷却したメタノールと水の1:1混液(10mL)、ジイソプロピルエーテルで順次洗浄し、表題化合物(818mg)を白色固体の溶媒和物として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:11.05(1H,br s),8.23−7.88(2H,m),7.63−7.51(2H,m),7.46−7.18(4H,m),7.13−7.03(1H,m),6.87−6.68(1H,m),5.74−5.56(1H,m),4.99−4.58(2H,m),3.79(3H,s),2.79−2.61(1H,m),2.40(3H,s),2.22−1.39(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 493(M+H)+
実施例50
5−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例33の化合物(667mg)をメタノールとTHFの1:1混液(6.8mL)に懸濁させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加えて、40℃加温下で15分間攪拌した。反応液に水を加え、減圧濃縮し、1mol/L塩酸を加えて酸性とした後、クロロホルムとメタノールの混液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁させ、氷冷下で15分間攪拌した後、沈殿物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(614mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.84(1H,br s),11.82(1H,br s),8.51−8.31(1H,m),8.24−7.91(1H,m),7.64−7.52(2H,m),7.50−7.38(2H,m),7.35−7.20(2H,m),7.13−7.01(1H,m),6.85−6.60(1H,m),5.77−5.51(1H,m),5.00−4.56(2H,m),2.77−2.60(1H,m),2.41(3H,s),2.19−1.42(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 479(M+H)+
実施例51〜61
対応する原料を用いて、参考例32、参考例33及び実施例50と同様の操作をこの順番で行うことにより、表10〜11に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
Figure 2020180059
参考例34
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(5.40g)、及び参考例30の化合物の代わりに参考例28の化合物(10.5g)を用いて、参考例32と同様の操作に付すことにより、表題化合物(9.10g)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.97−7.33(12H,m),7.18−6.72(4H,m),4.47−3.05(2H,m),3.88(3H,s),2.94−2.77(2H,m),2.29−1.75(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 553(M+H)+
参考例35
2−(7−クロロ−5,5−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例34の化合物(100mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、三フッ化(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)硫黄(91mg)及びフッ化水素−ピリジン(40μL)を加え、室温下で4日間攪拌した。三フッ化(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)硫黄(91mg)及びフッ化水素−ピリジン(40μL)を加え、40℃加温下で更に10時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(17mg)を黄色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.96−6.66(16H,m),5.08−4.94(1H,m),4.04−3.72(1H,m),3.94(3H,s),2.97−1.79(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 575(M+H)+
実施例62
2−(7−クロロ−5,5−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例35の化合物(17mg)を用いて、実施例1と同様の操作に付すことにより、表題化合物(7.8mg)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:8.23−6.85(15H,m),5.42−4.70(2H,m),3.04−1.68(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 559(M−H)-
参考例36
7−クロロ−4−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−4−イル)エタノン(98mg)をTHF(2.2mL)に溶解させ、水素化アルミニウムリチウム(33mg)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。室温下で水(33μL)及び10%水酸化ナトリウム水溶液(48μL)、水(84μL)を順次加えた後、不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(83mg)を無色油状の粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.09(1H,d,J=2.4Hz),7.02(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),6.66(1H,d,J=8.3Hz),3.85(1H,br s),3.75(2H,s),3.15−3.06(2H,m),2.98−2.91(2H,m),2.55(2H,q,J=7.1Hz),1.11(3H,t,J=7.1Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 211(M+H)+
参考例37
7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン
7−クロロ−1,5−ジヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−2(3H)−オン(700mg)をTHF(11mL)に溶解させ、室温下でボラン−THF錯体(1M THF溶液、6.6mL)を加え、加熱還流下で4時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(641mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:7.18(1H,d,J=2.6Hz),7.03(1H,dd,J=8.4,2.6Hz),6.89(1H,d,J=8.4Hz),5.47(1H,br s),3.68(2H,s),3.22−3.12(2H,m),2.81−2.73(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 200(M+H)+
参考例38
(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−5−イル)酢酸メチル
ホスホノ酢酸トリエチル(372μL)をTHF(7.0mL)に溶解させ、ナトリウム−tert−ブトキシド(165mg)を加え、室温下で30分間攪拌した。反応液に7−クロロ−1−[(4−メチルフェニルスルホニル)−1,2,3,4,−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(500mg)を加え、室温下で2時間攪拌した後、40℃加温下で14時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈した後、1mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、{7−クロロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンズアゼピン−5−イリデン}酢酸エチル(60mg)を褐色油状物質として得た。得られた褐色油状物質(60mg)をメタノール(1.0mL)に溶解させ、マグネシウム(35mg)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルを加えて希釈し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(30mg)を褐色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.09(1H,d,J=2.4Hz),6.98(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),6.62(1H,d,J=8.3Hz),3.65(1H,br s),3.61(3H,s),3.46−3.35(1H,m),3.28−3.19(1H,m),2.87−2.70(3H,m),2.00−1.78(2H,m),1.77−1.61(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 254(M+H)+
参考例39
7−クロロ−5−フェノキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン
7−クロロ−5−ヒドロキシ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン(200mg)及びフェノール(75mg)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解させ、氷冷下で1,1'−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(147mg)及びトリ−n−ブチルホスフィン(213μL)を加え、室温下で14時間攪拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8〜20% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、7−クロロ−5−フェノキシ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン(210mg)を得た。得られた化合物(200mg)をメタノール(3.0mL)に溶解させ、マグネシウム(114mg)を加え、加熱還流下で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルを加えて希釈し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(78mg)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.38(1H,d,J=2.5Hz),7.31−7.21(2H,m),7.04(1H,dd,J=8.3,2.5Hz),6.97−6.84(3H,m),6.71(1H,d,J=8.3Hz),5.27−5.20(1H,m),3.76(1H,br s),3.38−3.28(1H,m),2.85−2.73(1H,m),2.29−2.18(1H,m),1.95−1.73(3H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 274(M+H)+
参考例40
2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例28の化合物(157mg)をジクロロメタン(1.4mL)に溶解させ、塩化チオニル(82μL)及びDMF(6μL)を加えて、加熱還流下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。得られた酸塩化物をピリジン(1.4mL)に溶解させ、7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン(70mg)を加えて、室温下で3時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、20〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(70mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.97−7.17(12H,m),7.09−6.76(4H,m),5.13−4.55(3H,m),4.21−2.92(3H,m),3.90(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 541(M+H)+
実施例63
2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例40の化合物(175mg)をメタノールとTHFの1:1混液(2.0mL)に溶解させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(259μL)を加えて、40℃加温下で1時間攪拌した。反応液を水で希釈し、1mol/L塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3〜20% メタノール/クロロホルム)にて精製した後、得られた化合物をクロロホルムに懸濁させ、ジイソプロピルエーテルで希釈した。沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(128mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.29(1H,br s),10.62−10.31(1H,m),8.27−7.94(1H,m),7.83−6.93(14H,m),4.90−4.56(3H,m),4.13−3.52(2H,m),3.04−2.74(1H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 527(M+H)+
実施例64〜88
対応する原料を用いて、参考例40及び実施例63と同様の操作をこの順番で行うことにより、表12〜16に示す化合物を得た。なお、実施例84の化合物は、7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピンの代わりに参考例38の化合物を用いて製造した。
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
参考例41
(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)メタノール
2−アミノ−5−クロロニコチン酸メチル(2.91g)を用い、参考例36中の攪拌を氷冷下で行う同様の操作に付すことにより、表題化合物(2.43g)を淡黄色固体の粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.98(1H,d,J=2.5Hz),7.31(1H,d,J=2.5Hz),4.97(2H,br s),4.60(2H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 159(M+H)+
参考例42
(3−ブロモメチル−5−クロロピリジン−2−イル)アミン臭化水素酸塩
参考例41の化合物(2.42g)を臭化水素酸(48%、10mL)に懸濁させ、加熱還流下で1.5時間攪拌した。室温下で冷却した後、沈殿物を濾取し、冷水で洗浄して、表題化合物(3.23g)を淡褐色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:8.16−7.97(2H,m),7.53−6.73(2H,m),4.70(2H,br s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 173(M−HBr−Br+MeOH+H)+
参考例43
[(2−アミノ−5−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ酢酸エチル
参考例42の化合物(1.88g)をDMF(21mL)に溶解させ、グリシンエチルエステル塩酸塩(911mg)を加え、トリエチルアミン(2.77mL)を滴下して、室温で4日間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチル、並びにクロロホルムとメタノールの8:1混液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(973mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.96(1H,d,J=2.4Hz),7.26−7.24(1H,m),5.54(2H,br s),4.22(2H,q,J=7.1Hz),3.73−3.69(2H,m),3.39−3.35(2H,m),1.28(3H,q,J=7.1Hz).
ESI+APCI−MS Found:m/z 244(M+H)+
参考例44
7−クロロ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピリド[2,3−e]−1,4−ジアゼピン−2−オン
参考例43の化合物(970mg)をDMSO(40mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(60%、167mg)を加え、室温下で2時間攪拌した。反応液を冷水(160mL)に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁させ、沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(318mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:10.47−9.93(1H,m),8.33−8.17(1H,m),7.90−7.66(1H,m),3.86(2H,s),3.59(2H,s),3.05(1H,br s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 198(M+H)+
参考例45
7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−e]−1,4−ジアゼピン
参考例44の化合物(316mg)を用い、参考例36と同様の操作に付すことにより、表題化合物(332mg)を橙色アモルファスの溶媒和物の粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.95(1H,d,J=2.5Hz),7.32(1H,d,J=2.5Hz),4.86(1H,br s),3.82(2H,s),3.23−3.15(2H,m),3.10−3.04(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 184(M+H)+
参考例46
4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−e]−1,4−ジアゼピン
参考例45の化合物(294mg)をTHF(6.4mL)に溶解させ、氷冷下で二炭酸ジ−tert−ブチル(384mg)を加え、10分間攪拌した。室温下で更に2時間攪拌し、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(266mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.01−7.92(1H,m),7.51−7.28(1H,m),4.87(1H,br s),4.41−4.22(2H,m),3.70−3.60(2H,m),3.31−3.20(2H,m),1.42(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 284(M+H)+
参考例47
5−アミノ−2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル安息香酸メチル
2−メトキシカルボニル−4−ニトロ安息香酸(76mg)をジクロロメタン(1.4mL)に溶解させ、塩化チオニル(41μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で40分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(80mg)をピリジン(1.4mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、15〜50% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル(101mg)を淡黄色アモルファスとして得た。得られたアモルファス(100mg)をメタノール(1.0mL)に溶解させ、無水塩化スズ(II)(231mg)を加えて、室温下で3時間攪拌した。反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて弱塩基性とし、水で希釈した後、不溶物をセライトで濾過して、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(91mg)を無色アモルファスの粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.62−6.45(6H,m),5.13−3.72(6H,m),3.89(3H,s),3.68−2.73(2H,m),1.43(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 460(M+H)+
参考例48
2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸メチル
4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)安息香酸(55mg)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(43μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で40分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。参考例47の化合物(91mg)をピリジン(1.0mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、10〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(127mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.02−7.84(1H,m),7.68−6.76(13H,m),5.09−4.18(3H,m),3.99−3.82(3H,m),3.74−2.30(3H,m),2.50−2.31(3H,m),1.43(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 672(M+H)+
参考例49
2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸
参考例48の化合物(125mg)をメタノールとTHFの1:1混液(1.0mL)に溶解させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(186μL)を加えて、40℃加温下で1時間攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液(112μL)を加えて、40℃加温下で更に30分間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3〜15% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(113mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.30(1H,br s),10.60−10.31(1H,m),8.27−7.96(1H,m),7.86−6.90(12H,m),4.90−3.12(6H,m),2.27(3H,s),1.33(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 656(M−H)-
実施例89
2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[4−フルオロ−2−(4−メチルフェニル)ベンゾイルアミノ]安息香酸・塩酸塩
Figure 2020180059
参考例49の化合物(112mg)をトリフルオロ酢酸(1.7mL)に溶解させ、室温下で16時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで希釈した後、酢酸エチル及び4mol/L塩化水素酢酸エチル溶液(85μL)を加え、氷冷下で30分間攪拌した。沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(85mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.37(1H,br s),10.69−10.37(1H,m),9.71(1H,br s),8.91(1H,br s),8.26−7.95(1H,m),7.89−7.08(12H,m),5.01−4.83(1H,m),4.64−4.29(2H,m),3.60−2.86(3H,m),2.27(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 558(M−HCl+H)+
参考例50
2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例28の化合物(300mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(86μL)及びDMF(6μL)を加えて、加熱還流下で15分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(51mg)を氷冷下でジクロロメタン(1.0mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(50μL)及び上記で得られた酸塩化物(63mg)を加えて、室温下で17時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、10〜75% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(54mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.97−6.75(16H,m),5.07−4.19(3H,m),3.95−3.86(3H,m),3.55−2.78(3H,m),1.43(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 640(M+H)+
参考例51
2−(4−tert−ブトキシカルボニル−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
参考例50の化合物(54mg)をメタノールとTHFの1:1混液(1.0mL)に懸濁させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(102μL)を加えて、40℃加温下で30分間攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液(34μL)を加え、40℃加温下で更に1.5時間攪拌し、水を加えて、減圧濃縮した。得られた残渣に1mol/L塩酸を加えて酸性(pH2)とした後、氷冷下で攪拌した。沈殿物を濾取し、冷水及びヘプタンで順次洗浄し、表題化合物(44mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.93−7.79(1H,m),7.72−7.16(12H,m),7.04−6.78(3H,m),5.07−4.55(2H,m),4.47−4.02(2H,m),3.61−2.80(2H,m),1.43(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 624(M−H)-
実施例90
2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸・塩酸塩
Figure 2020180059
参考例51の化合物(43mg)をトリフルオロ酢酸(1.0mL)に溶解させ、室温下で16時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで希釈した後、酢酸エチル及び4mol/L塩化水素酢酸エチル溶液(35μL)を加え、室温下で2時間攪拌した。懸濁液を酢酸エチルで希釈した後、沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄して、表題化合物(35mg)を淡緑色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D6)δ:10.34(1H,brs),8.08−7.79(3H,m),7.63−7.16(11H,m),4.75−4.66(2H,m),4.48−3.58(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 526(M−HCl+H)+
実施例91〜93
対応する原料を用いて、参考例50、参考例51及び実施例90と同様の操作をこの順番で行うことにより、表17に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
参考例52
{[5−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]アミノ}酢酸tert−ブチル
実施例50の化合物(51mg)及びグリシンtert−ブチルエステル塩酸塩(26mg)をDMF(1.0mL)に懸濁させ、氷冷下でHATU(61mg)及びN−エチルジイソプロピルアミン(64μL)を加え、室温下で2時間攪拌した。グリシンtert−ブチルエステル塩酸塩(18mg)及びHATU(41mg)、N−エチルジイソプロピルアミン(36μL)をそれぞれ加え、40℃加温下で30分間攪拌し、室温下で更に3日間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(59mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:11.62(1H,br s),9.36−9.18(1H,m),8.39−8.21(1H,m),8.09−7.91(1H,m),7.60−6.97(7H,m),6.83−6.64(1H,m),5.69−5.62(1H,m),5.04−4.59(2H,m),3.95−3.80(2H,m),2.72−2.65(1H,m),2.39(3H,s),2.19−1.42(4H,m),1.37(9H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 592(M+H)+
実施例94
{[5−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−2−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]アミノ}酢酸
Figure 2020180059
参考例52の化合物(58mg)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解させ、氷冷下でトリフルオロ酢酸(146μL)を加え、室温下で20時間攪拌した。トリフルオロ酢酸(573μL)を加え、加熱還流下で1時間攪拌し、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、1mol/L塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5〜40% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(42mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:11.76(1H,br s),9.33−9.16(1H,m),8.37−7.98(2H,m),7.61−6.65(8H,m),5.04−4.59(2H,m),4.07−3.77(1H,m),3.90(2H,d,J=5.9Hz),2.78−2.64(1H,m),2.39(3H,s),2.19−1.42(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 536(M+H)+
実施例95〜102
グリシンtert−ブチルエステル塩酸塩の代わりに対応するアミン若しくはアミン塩酸塩、及び対応する原料を用いて、参考例52と同様の操作を行うことにより、表18〜19に示す化合物を得た。なお、使用するアミン若しくはアミン塩酸塩の反応性に応じ、HATUの代わりに縮合剤を適宜選択して用いた。
Figure 2020180059
Figure 2020180059
実施例103
N−{4−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[N−(メチルスルホニル)カルバモイル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
実施例88の化合物(215mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、メタンスルホンアミド(45mg)及びEDC・HCl(115mg)、N−エチルジイソプロピルアミン(205μL)、HOBt(73mg)を加え、40℃加温下で18時間攪拌した。EDC・HCl(115mg)及びDMAP(48mg)、メタンスルホンアミド(45mg)をそれぞれ加え、40℃加温下で更に5時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、懸濁液を室温下で攪拌した。沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄して、表題化合物(139mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6、60℃加温下)δ:10.36(1H,br s),7.93−7.89(1H,m),7.65−7.25(14H,m),4.10−3.50(2H,m),3.27(3H,s),2.89−2.77(2H,m),2.04−1.94(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 614(M−H)-
実施例104
N−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[N−(メチルスルホニル)カルバモイル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
実施例103の化合物(139mg)をメタノール(2.0mL)に溶解させ、水冷下で水素化ホウ素ナトリウム(13mg)を加えて、氷冷下で1時間攪拌した。水冷下で水素化ホウ素ナトリウム(8.6mg)を加えて、氷冷下で更に40分間攪拌し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルに溶解させ、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて強塩基性とした後、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。水層に1mol/L塩酸を加え、強酸性とした後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5〜40% メタノール/クロロホルム)にて精製し、粗生成物として得た。得られた粗生成物にクロロホルム及びジエチルエーテルを加え、懸濁液を室温下で攪拌した。沈殿物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(65mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.45(1H,br s),10.49−10.26(1H,m),8.06−7.71(1H,m),7.62−6.66(14H,m),5.62−5.48(1H,m),5.01−4.45(2H,m),3.22−2.58(4H,m),2.15−1.37(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 616(M−H)-
参考例53
7−フルオロ−1−(2−ヨード−4−ニトロベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン
2−ヨード−4−ニトロ安息香酸(414mg)をジクロロメタン(6mL)に懸濁させ、塩化チオニル(265μL)及びDMF(9μL)を加えて、加熱還流下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(220mg)をピリジン(5.0mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(532mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.78−8.33(2H,m),8.00−7.27(2H,m),7.12−6.92(2H,m),3.80−2.60(4H,m),2.48−1.70(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 453(M−H)-
参考例54
1−(4−アミノ−2−ヨードベンゾイル)−7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン
参考例53の化合物(532mg)をメタノール(6mL)に溶解させ、塩化スズ(II)二水和物(1.06g)を加え、40℃加温下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで希釈した後、10%水酸化ナトリウムを加えて弱塩基性とし、不溶物をセライトで濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、表題化合物(379mg)を黄色アモルファスの粗生成物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.48−7.39(2H,m),7.09−6.94(4H,m),6.53−6.46(1H,m),6.38−6.30(1H,m),3.91−3.60(2H,m),3.10−2.66(2H,m),2.30−1.85(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 425(M+H)+
参考例55
N−[4−(7−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−ヨードフェニル]−2−フェニルベンズアミド
2−フェニル安息香酸(71mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(86μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。得られた酸塩化物をピリジン(3.0mL)に懸濁させ、参考例54の化合物(127mg)を加え、室温下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(140mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.66−8.52(1H,m),7.98−6.87(13H,m),6.78−6.50(2H,m),3.90−3.20(2H,m),2.96−2.69(2H,m),2.35−1.80(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 605(M+H)+
参考例56
N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−ヨードフェニル]−2−フェニルベンズアミド
参考例55の化合物(140mg)をメタノール(2.0mL)に懸濁させ、水素化ホウ素ナトリウム(9mg)を加え、室温下で5分間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(136mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.92−6.56(17H,m),5.18−4.64(2H,m),2.89−2.68(1H,m),2.27−2.05(2H,m),1.96−1.60(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 607(M+H)+
参考例57
N−[3−シアノ−4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニルフェニル]−2−フェニルベンズアミド
参考例56の化合物(133mg)をDMF(1.0mL)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(25mg)、シアン化亜鉛(26mg)を加え、マイクロ波照射下、140℃で20分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(120mg)をアモルファスの溶媒和物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.10−6.50(16H,m),5.40−4.60(2H,m),2.95−2.74(2H,m),2.27−1.60(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 506(M+H)+
実施例105
N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
参考例57の化合物(161mg)をDMF(1.0mL)に溶解させ、アジ化ナトリウム(39mg)、トリエチルアミン塩酸塩(83mg)を加え、マイクロ波照射下、130℃で1時間攪拌した。アジ化ナトリウム(39mg)、トリエチルアミン塩酸塩(83mg)を加えて、マイクロ波照射下、130℃で更に1時間攪拌した。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、ジエチルエーテルで洗浄した後、水層を6mol/L塩酸で酸性とした。酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5〜25% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(108mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:10.61−10.42(1H,m),8.29−7.96(1H,m),7.70−6.78(14H,m),5.76−5.52(1H,m),4.85−4.49(2H,m),2.73−2.65(1H,m),2.11−1.30(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 547(M−H)-
実施例106〜108
対応する原料を用いて、参考例53、参考例54、参考例55、参考例56、参考例57及び実施例105と同様の操作をこの順番で行うことにより、表20に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
参考例58
2−シアノ−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
2−クロロ−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(2.50g)をDMF(26.3mL)及び水(0.7mL)の混合液に溶解させ、アルゴン雰囲気下、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジメトキシビフェニル(421mg)、シアン化亜鉛(883mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(501mg)を加え、マイクロ波照射下、130℃で30分間攪拌した後、140℃で更に30分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(2.08g)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.99(1H,d,J=8.6Hz),7.93(1H,d,J=7.5Hz),7.63−7.39(10H,m),7.10(1H,br s),3.96(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 357(M+H)+
参考例59
2−シアノ−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
参考例58の化合物(2.00g)をTHFと水の5:2混液(42mL)に懸濁させ、水酸化リチウム一水和物(1.18g)の水溶液(12mL)を加え、40℃加温下で3時間攪拌した。反応溶媒を減圧濃縮した後、水を加え、ジエチルエーテルで洗浄した後、水層を6mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチル、クロロホルム、10%メタノール/クロロホルム混合液で順次抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加えて懸濁させ、沈殿物を濾取して、表題化合物(816mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.57(1H,br s),10.83(1H,br s),8.08−8.00(2H,m),7.86(1H,d,J=8.6Hz),7.65−7.48(4H,m),7.42−7.28(5H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 343(M+H)+
参考例60
2−シアノ−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸
2−クロロ−4−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチルの代わりに2−クロロ−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(667mg)を用いて、参考例58及び参考例59と同様の操作をこの順番で行うことにより、表題化合物(469mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.59(1H,br s),10.87(1H,br s),8.14−8.04(2H,m),7.65−7.38(3H,m),7.37−7.25(2H,m),2.39(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 279(M−H)-
参考例61
3−シアノ−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)安息香酸
5−ヨードアントラニル酸メチルの代わりに4−アミノ−3−シアノ安息香酸メチル(200mg)を用い、参考例29及び参考例59と同様の操作をこの順番で行うことにより、表題化合物(37mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.39(1H,br s),10.80(1H,br s),8.74−7.27(7H,m),2.45(3H,s).
ESI+APCI−MS Found:m/z 279(M−H)-
参考例62
N−[4−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−シアノフェニル]−2−フェニルベンズアミド
参考例59の化合物(810mg)をジクロロメタン(20mL)に懸濁させ、塩化オキサリル(369μL)及びDMF(17μL)を加えて、加熱還流下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(421mg)をピリジン(15mL)に溶解させ、上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、50〜100% クロロホルム/ヘキサン)にて再度精製し、表題化合物(467mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.89(1H,d,J=7.7Hz),7.80−7.77(1H,m),7.66−6.55(14H,m),4.57−3.00(2H,m),2.97−2.82(2H,m),2.30−1.90(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 520(M+H)+
実施例109
N−[4−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
参考例62の化合物(260mg)をDMF(1.5mL)に溶解させ、アジ化ナトリウム(98mg)、トリエチルアミン塩酸塩(207mg)を加え、マイクロ波照射下、120℃で2時間攪拌した。1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、ジエチルエーテルで洗浄した後、水層を6mol/L塩酸で酸性とした。酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(357mg)を黄色油状の溶媒和物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.09−8.00(1H,m),7.85−7.69(3H,m),7.61−7.30(8H,m),7.15−6.62(4H,m),4.15−3.38(2H,m),2.43−1.36(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 561(M−H)-
実施例110
N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
実施例109の化合物(282mg)をメタノール(3.0mL)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(28mg)を加えて、室温下で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸を加え、水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CO2Hシリカゲル、3〜15% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(253mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.10(1H,br s),10.69−10.46(1H,m),8.11−7.97(1H,m),7.69−6.88(14H,m),5.69−5.52(1H,m),4.92−4.41(2H,m),2.79−2.60(1H,m),2.29−1.40(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 563(M−H)-
実施例111〜112
対応する原料を用いて、参考例62、実施例109及び実施例110と同様の操作をこの順番で行うことにより、表21に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
実施例113
N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
参考例62の化合物(125mg)を用い、参考例4と同様の操作に付すことにより得られたN−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−シアノフェニル]−2−フェニルベンズアミド(ESI+APCI−MS Found:m/z 556(M+Cl−H)-)をDMF(1.0mL)に溶解させ、イミダゾール(32mg)とtert−ブチルジメチルクロロシラン(62mg)を加え、室温下で16時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、N−{4−[5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−シアノフェニル}−2−フェニルベンズアミド(133mg)をアモルファスとして得た。
得られたN−{4−[5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−シアノフェニル}−2−フェニルベンズアミド(133mg)をメタノール(2.0mL)に溶解させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(30mg)、炭酸水素ナトリウム(35mg)を加え、加熱還流下で2時間攪拌した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(30mg)、炭酸水素ナトリウム(35mg)を加え、マイクロ波照射下、80℃で30分間加熱した後、マイクロ波照射下、100℃で更に30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、N−{4−[5−(tert−ブチル)ジメチルシリルオキシ−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド(140mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 669(M+H)+)を粗生成物として得た。
得られたN−{4−[5−(tert−ブチル)ジメチルシリルオキシ−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル}−2−フェニルベンズアミド(140mg)をピリジン(2.0mL)に溶解させ、クロロギ酸エチル(60μL)を加え、マイクロ波照射下、130℃で30分間加熱した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルを加えて1mol/L塩酸で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジオールシリカゲル、1〜15% メタノール/クロロホルム)にて精製し、N−{4−[5−(tert−ブチル)ジメチルシリルオキシ−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル}−2−フェニルベンズアミド(145mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 693(M−H)-)を油状物質として得た。
得られたN−{4−[5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル]カルボニル−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル}−2−フェニルベンズアミド(145mg)をTHF(2.0mL)に溶解させ、酢酸(18μL)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(1M THF溶液、314μL)を加え、室温下で2時間攪拌した。フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(1M THF溶液、314μL)を加え、室温下で更に17時間攪拌した。1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジオールシリカゲル、2〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(37mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.95(1H,br s),10.72−10.50(1H,m),8.11−7.94(1H,m),7.68−6.83(14H,m),5.66−5.56(1H,m),4.89−4.48(2H,m),2.72−2.64(1H,m),2.19−1.30(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 579(M−H)-
実施例114
N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−6−フルオロ−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オンの代わりに7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オンを用い、参考例53及び参考例54と同様の操作をこの順番で行うことにより製造した1−(4−アミノ−2−ヨードベンゾイル)−7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(176mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 441(M+H)+)、及び2−フェニル安息香酸の代わりに2−フルオロ−6−フェニル安息香酸(87mg)を用い、参考例55、参考例4及び参考例57と同様の操作をこの順番で行うことにより、N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−シアノフェニル]−6−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(147mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 574(M+Cl−H)-)をアモルファスとして得た。
得られたN−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−シアノフェニル]−6−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(147mg)をメタノール(3.0mL)に溶解させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(38mg)、炭酸水素ナトリウム(75mg)を加え、マイクロ波照射下、100℃で30分間加熱した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(38mg)、炭酸水素ナトリウム(75mg)を加えて、マイクロ波照射下、120℃で更に30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、N−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル}−6−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(91mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 573(M+H)+)をアモルファスとして得た。
得られたN−{4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−[(ヒドロキシアミノ)イミノメチル]フェニル}−6−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(91mg)をピリジン(2.0mL)に溶解させ、クロロギ酸エチル(45μL)を加え、マイクロ波照射下、130℃で30分間加熱した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルを加えて1mol/L塩酸で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(57mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ: 12.93(1H,br s),11.07−10.84(1H,m),8.08−7.90(1H,m),7.70−6.86(13H,m),5.65−5.59(1H,m),4.88−4.49(2H,m),2.72−2.64(1H,m),2.25−1.46(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 599(M+H)+
参考例63
(−)−7−フルオロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−5−オール
7−フルオロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(3.33g)をDMF(3.0mL)に溶解させ、氷冷下で蟻酸−トリエチルアミン5:2付加物(4.8mL)、塩化[(R,R)−Ms−DPEN](p−シメン)ルテニウム(II)(57mg)を加え、室温下で60時間攪拌した。氷水を加え、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、無色アモルファスを得た。得られた無色アモルファスを酢酸エチル/ヘキサンから2度再結晶して表題化合物(2.48g)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.65(2H,d,J=8.4Hz),7.30−7.22(1H,m),7.29(2H,d,J=8.4Hz),7.07(1H,dd,J=8.2,5.1Hz),6.85(1H,ddd,J=8.2,8.2,2.9Hz),4.70−4.50(1H,m),4.24−4.00(1H,m),3.27−2.90(1H,m),2.44(3H,s),2.10−1.50(5H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 336(M+H)+
[α]D=−9.9(c=0.10、CHCl3
参考例64
(+)−7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン
参考例63の化合物(2.43g)をDMF(24mL)に溶解させ、氷冷下、水素化ナトリウム(60%、379mg)を加え、氷冷下で10分間攪拌した。氷冷下、クロロメチルメチルエーテル(1.03mL)を加え、室温下で18時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去して得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルな7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン(2.72g、ESI+APCI−MS Found:m/z 402(M+Na)+)を油状物質として得た。
得られたキラルな7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン(2.71g)をメタノール(48mL)に溶解させ、マグネシウム(869mg)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。マグネシウム(869mg)、メタノール(30mL)を加えて加熱還流下で更に2時間攪拌した。マグネシウム(695mg)、メタノール(30mL)を加えて加熱還流下で更に18時間攪拌した。更に、マグネシウム(174mg)を加えて加熱還流下で30分間攪拌し、マグネシウム(174mg)を加えて加熱還流下で更に30分間攪拌した。クロロホルムを加えて不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて不溶物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(1.14g)を黄色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.10(1H,dd,J=9.8,3.0Hz),6.78(1H,ddd,J=8.4,8.4,3.0Hz),6.67(1H,dd,J=8.4,4.9Hz),4.73(1H,d,J=6.7Hz),4.71−4.65(1H,m),4.63(1H,d,J=6.7Hz),3.66(1H,br s),3.39(3H,s),3.20−3.10(1H,m),2.91−2.80(1H,m),2.05−1.72(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 226(M+H)+
[α]D=+163(c=0.39、MeOH)
実施例115
(+)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オンの代わりに参考例64の化合物(496mg)、及び2−フェニル安息香酸の代わりに4−フルオロ−2−フェニル安息香酸を用い、参考例53、参考例54及び参考例55と同様の操作をこの順番で行うことにより、キラルなN−[4−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−ヨードフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(1.08g、ESI+APCI−MS Found:m/z 669(M+H)+)をアモルファスの溶媒和物として得た。
得られたキラルなN−[4−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−ヨードフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(500mg)を参考例57及び実施例105と同様の操作をこの順番で行うことにより、キラルなN−[4−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(300mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 611(M+H)+)をアモルファスとして得た。
得られたキラルなN−[4−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(290mg)をメタノール(3.0mL)に溶解させ、濃塩酸(0.6mL)を加えて55℃加温下で2時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CO2Hシリカゲル,2〜15% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(225mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.12(1H,br s),10.69−10.43(1H,m),8.32−8.00(1H,m),7.70−7.05(12H,m),6.93−6.80(1H,m),5.68−5.55(1H,m),4.90−4.40(2H,m),2.74−2.60(1H,m),2.26−1.46(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 567(M+H)+
[α]D=+128(c=0.17、MeOH)
実施例116
(+)−2−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
(工程A)
2−メトキシカルボニル−4−ニトロ安息香酸(287mg)をジクロロメタン(6.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(239μL)及びDMF(9μL)を加えて、加熱還流下で2時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。参考例64の化合物(250mg)をピリジン(7.0mL)に溶解させ、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜40% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルな2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル(402mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 433(M+H)+)を無色アモルファスとして得た。
(工程B)
得られたキラルな2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル(402mg)をメタノール(13mL)に懸濁させ、塩化スズ(II)二水和物(798mg)を加えて、45℃加温下で18時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで希釈した後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて弱塩基性とし、室温下で5分間攪拌した。不溶物をセライトで濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルな5−アミノ−2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル安息香酸メチル(367mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 403(M+H)+)を無色アモルファスとして得た。
(工程C)
4−フルオロ−2−フェニル安息香酸(201mg)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解させ、塩化チオニル(131μL)及びDMF(7μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、酸塩化物を粗生成物として得た。上記で得られたキラルな5−アミノ−2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル安息香酸メチル(367mg)をピリジン(6.0mL)に溶解させた後、氷温下で冷却し、溶液を上記で得られた酸塩化物に加えて、室温下で30分間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルな2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(267mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 601(M+H)+)を無色アモルファスとして得た。
(工程D)
得られたキラルな2−(7−フルオロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(4−フルオロ−2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(267mg)をメタノール(4.0mL)に溶解させ、氷冷下で濃塩酸(0.7mL)を加え、50℃加温下で1時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をメタノールとTHFの1:1混液(12mL)に溶解させ、氷冷下2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.2mL)を加えた後、40℃加温下で1時間攪拌した。反応溶液を0℃まで冷却し、6mol/L塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜25% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(150mg)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.01(1H,br s),10.51−10.06(1H,m),8.23−7.86(1H,m),7.83−6.56(13H,m),5.49−5.30(1H,m),5.01−4.50(2H,m),2.94−2.60(1H,m),2.20−1.35(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 543(M+H)+
[α]D=+130(c=0.11、MeOH)
実施例117〜119
対応する原料を用いて、実施例116と同様の操作を同様の順番で行うことにより、表22に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
実施例120
(+)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
(工程A)
7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オンの代わりに7−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オン(245mg)を用いて、参考例1、参考例2及び参考例55と同様の操作をこの順番で行うことにより、2−(7−メチル−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(533mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 533(M+H)+)をアモルファスとして得た。
(工程B)
二塩化(p−シメン)ルテニウム(II)二量体(2.3mg)、(R,R,R)−Cs−DPEN(1.9mg)をDMF(0.4mL)に溶解させ、80℃加温下で20分間攪拌した。氷冷下で蟻酸−トリエチルアミン5:2付加物(272μL)、上記で得られた2−(7−メチル−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(200mg)を加え、室温下で18時間攪拌した後に30℃加温下で24時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルな2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(235mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 535(M+H)+)を油状の溶媒和物として得た。
(工程C)
得られたキラルな2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(235mg)を用いて、実施例1と同様の操作に付すことにより、表題化合物(158mg)を白色固体の粗生成物として得た。得られた粗生成物(120mg)を以下の条件にて、キラルカラムを用いたHPLC分取による精製を行った。
カラム:CHIRALPAK IA φ20×250mm
移動相:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢酸=80/20/0.1
流速:13mL/min
カラム温度:40℃
検出波長:254nm
保持時間:20〜25min
得られた油状物質に水及びアセトニトリルを加えて攪拌した。沈殿物を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(90mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.15(1H,br s),10.60−10.31(1H,m),8.25−7.94(1H,m),7.85−6.70(14H,m),5.44−5.36(1H,m),4.90−4.54(2H,m),2.64−2.55(1H,m),2.35−2.16(3H,m),2.12−1.45(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 521(M+H)+
[α]D=+91.4(c=0.11、MeOH)
実施例121
(−)−2−(5−ヒドロキシ−7−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
キラルアミンとして(R,R,R)−Cs−DPENの代わりに(S,S,S)−Cs−DPENを用い、実施例120と同様の方法により表題化合物を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.16(1H,br s),10.60−10.30(1H,m),8.24−7.96(1H,m),7.83−6.70(14H,m),5.40−5.34(1H,m),4.89−4.50(2H,m),2.63−2.53(1H,m),2.34−2.16(3H,m),2.14−1.37(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 521(M+H)+
[α]D=−85.3(c=0.14、MeOH)
実施例122
(−)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
(工程A)
参考例34の化合物(100mg)をトリエチルアミン(252μL)及び蟻酸(171μL)の混合溶液中に懸濁させ、塩化[(S,S)−Ms−DPEN](p−シメン)ルテニウム(II)及びDMF(0.18mL)を加えて、室温下で4時間攪拌した。DMF(0.08mL)を加え、室温下で更に18時間攪拌した。反応液に氷冷下で水を加え、攪拌した。沈殿物を濾取し、水及びヘプタンで順次洗浄し、キラルな2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル(100mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 555(M+H)+)を淡黄色固体として得た。
(工程B)
得られた淡黄色固体をメタノール及びTHFの1:1混液(1.0mL)に溶解させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(220μL)を加えて、40℃加温下で2時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4〜10% メタノール/クロロホルム)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルムに懸濁させ、溶媒を減圧留去して、表題化合物(90mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.24(1H,br s),10.58−10.28(1H,m),8.24−7.96(1H,m),7.83−6.79(14H,m),5.67−5.25(1H,m),4.95−4.10(2H,m),2.71−2.57(1H,m),2.17−1.35(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 539(M−H)-
[α]D=−93.5(c=0.10、MeOH)
実施例123〜124
対応する原料を用いて、実施例122と同様の操作を行うことにより、表23に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
実施例125
(+)−2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
キラル触媒として塩化[(S,S)−Ms−DPEN](p−シメン)ルテニウム(II)の代わりに塩化[(R,R)−Ms−DPEN](p−シメン)ルテニウム(II)を用いて、実施例122と同様の方法で表題化合物(88mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.23(1H,br s),10.58−10.29(1H,m),8.25−7.97(1H,m),7.83−6.80(14H,m),5.64−5.48(1H,m),4.97−4.48(2H,m),2.71−2.59(1H,m),2.16−1.34(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 539(M−H)-
[α]D=+104(c=0.10、MeOH)
実施例126〜127
対応する原料を用いて 、実施例125と同様の操作を行うことにより、表24に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
参考例65
N−[4−(7−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−ヨードフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド
参考例54の化合物(379mg)と4−フルオロ−2−フェニル安息香酸(203mg)を用いて、参考例55と同様の方法で表題化合物(552mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.66−6.50(15H,m),3.90−3.30(2H,m),2.90−2.81(2H,m),2.30−1.80(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 623(M+H)+
参考例66
N−[3−シアノ−4−(7−フルオロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニルフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド
参考例65の化合物(500mg)を用い、参考例57と同様の操作に付すことにより、表題化合物(334mg)をアモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.02−6.68(15H,m),3.90−3.40(2H,m),2.99−2.78(2H,m),2.44−1.64(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 522(M+H)+
実施例128
(−)−N−[4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
参考例66の化合物(73mg)及び塩化[(S,S)−Ms−DPEN](p−シメン)ルテニウム(II)(1mg)をDMF(0.5mL)に溶解させ、蟻酸−トリエチルアミン5:2付加物(169μL)を加えて、室温下で24時間攪拌した。40℃加温下で更に24時間攪拌した後に、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30〜90% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、キラルなN−[3−シアノ−4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニルフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(63mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 524(M+H)+)を白色固体として得た。
得られたキラルなN−[3−シアノ−4−(7−フルオロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニルフェニル]−4−フルオロ−2−フェニルベンズアミド(60mg)を用い、実施例105と同様の方法で表題化合物(27mg)をアモルファスの粗生成物として得た。得られたアモルファスを以下の条件にて、キラルカラムを用いたHPLC分取による精製を行った。
カラム:CHIRALPAK AD−H φ20×250mm
移動相:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢酸=50/50/0.1
流速:15mL/min
カラム温度:40℃
検出波長:254nm
保持時間:4.2〜5.8min
得られた油状物質に水及びアセトニトリルを加えて攪拌した。沈殿物を濾取し、水及びジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(11mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:10.72−10.40(1H,m),8.30−7.90(1H,m),7.70−7.10(12H,m),6.90−6.75(1H,m),5.62−5.54(1H,m),4.82−4.44(2H,m),2.70−2.53(1H,m),2.21−1.41(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 567(M+H)+
[α]D=−138(c=0.10、MeOH)
実施例129
(+)−N−[4−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(N−メチルスルホニルカルバモイル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド
Figure 2020180059
7−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−1−ベンズアゼピン−5−オンの代わりに(+)−7−クロロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンを用いて、参考例1、参考例2、参考例55及び実施例1と同様の操作をこの順番で行うことにより製造したキラルな2−(7−クロロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸(白色固体、300mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 585(M+H)+)をジクロロメタン(3.0mL)に溶解させ、EDC・HCl(148mg)及びDMAP(94mg)を加えて、室温下で攪拌した。メタンスルホンアミド(146mg)及びN−エチルジイソプロピルアミン(263μL)を加え、室温下で1.5時間攪拌した後、加熱還流下で15時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸及び水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2〜20% メタノール/クロロホルム)にて精製し、キラルなN−[4−(7−クロロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(N−メチルスルホニルカルバモイル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド(185mg、ESI+APCI−MS Found:m/z 662(M−H)-)を白色固体として得た。
得られたキラルなN−[4−(7−クロロ−5−メトキシメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−3−(N−メチルスルホニルカルバモイル)フェニル]−2−フェニルベンズアミド(168mg)をメタノール(6.0mL)に溶解させ、濃塩酸(0.3mL)を加え、55℃加温下で2時間攪拌した。THF(6mL)を加え、55℃加温下で更に3時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5〜20% メタノール/クロロホルム)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解させ、ジエチルエーテルを加えて、室温下で10分間攪拌した。沈殿物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(76mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:12.46(1H,br s),10.49−10.42(1H,m),8.12−7.80(1H,m),7.80−6.65(14H,m),5.65−5.55(1H,m),4.95−4.51(2H,m),3.27(3H,s),2.74−2.61(1H,m),2.28−1.41(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 616(M−H)-
[α]D=+142(c=0.10、Acetone)
参考例67
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル
参考例1の化合物(302mg)をメタノール(3.8mL)に懸濁させ、水素化ホウ素ナトリウム(14mg)を加えて、室温下で30分間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を1M塩酸で希釈した後、沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られた粗生成物をクロロホルムとメタノールの10:1混液で溶解させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテル中で懸濁させ、沈殿物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(293mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:8.72−8.42(1H,m),8.25−7.79(1H,m),7.61−7.33(2H,m),7.06−6.97(2H,m),5.71−5.61(1H,m),4.99−4.51(2H,m),3.98−3.89(3H,m),2.86−2.68(1H,m),2.39−1.88(2H,m),1.82−1.42(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 439(M+Cl−H)-
参考例68
2−(7−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−ニトロ安息香酸メチル
参考例67の化合物(283mg)をDMF(3.5mL)に溶解させ、氷冷下、水素化ナトリウム(60%、34mg)を加えた後、氷冷下で30分間攪拌した。反応液にヨウ化メチル(65μL)を加え、室温下で1時間攪拌した後、1M塩酸で希釈した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9〜17% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(221mg)を淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.94−8.66(1H,m),8.52−8.04(1H,m),7.78−7.58(1H,m),7.46−7.09(2H,m),7.03−6.88(1H,m),5.07−4.25(2H,m),4.06−3.99(3H,m),3.55−3.39(3H,m),3.06−2.05(3H,m),1.87−1.46(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 419(M+H)+
参考例69
5−アミノ−2−(7−クロロ−5−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル安息香酸メチル
参考例68の化合物(209mg)をメタノール(5.0mL)に懸濁させ、塩化スズ(II)二水和物(429mg)を加え、40℃加温下で5時間攪拌した。氷冷下で冷却した後、pH8になるまで1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで希釈した。不溶物をセライトで濾過し、ろ液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(33〜67% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出した後、2% メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物(133mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:7.47−6.59(4H,m),6.45−5.46(2H,m),4.86−4.34(2H,m),3.86−3.74(3H,m),3.44−3.23(5H,m),2.80−2.61(1H,m),2.33−1.14(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 389(M+H)+
参考例70
2−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(1−シクロヘキセン−1−イル)ベンゾイルアミノ]安息香酸メチル
2−(1−シクロヘキセン−1−イル)安息香酸(55mg)をジクロロメタン(1.1mL)に溶解させ、塩化チオニル(37μL)及びDMF(2μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた酸塩化物をピリジン(1.0mL)に懸濁させ、氷冷下で攪拌した。参考例2の化合物(96mg)を懸濁液に加え、室温下で2.5時間攪拌した後、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(112mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.50−7.34(8H,m),7.23−6.92(3H,m),6.06−5.89(1H,m),4.97−2.81(4H,m),3.91(3H,s),2.35−1.57(10H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 557(M+H)+
参考例71〜73
対応する原料を用い、参考例70と同様の操作に付すことにより、表25に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
参考例74
8−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロスピロ[1−ベンゾアゾシン−6,2'−[1,3]ジオキソラン]−2(1H)−オン
8−クロロ−4,5−ジヒドロ−1−ベンゾアゾシン−2,6(1H,3H)−ジオン(4.47g)をトルエン(100mL)に懸濁させ、エチレングリコール(2.23mL)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(380mg)を加えた。Dean−Stark装置を用いて加熱還流下で16時間攪拌した後、室温まで冷却した。酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム存在下で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(33〜67% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出後、1〜2% メタノール/クロロホルム)にて精製し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をジエチルエーテル中で懸濁させ、沈殿物を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(931mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.76(1H,br s),7.69(1H,d,J=2.4Hz),7.28(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),7.02(1H,d,J=8.4Hz),4.06−3.96(2H,m),3.80−3.57(2H,m),2.41−1.79(6H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 268(M+H)+
参考例75
8−クロロ−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロスピロ[1−ベンゾアゾシン−6,2'−[1,3]ジオキソラン]
参考例74の化合物(884mg)をTHF(13mL)に溶解させ、ボラン−THF錯体(1M THF溶液、9.9mL)を加え、40℃加温下で5時間攪拌した。ボラン−ジメチルスルフィド錯体(939μL)を加え、40℃加温下で更に24時間攪拌した後、氷冷下でメタノールを加え、反応を停止させた。反応液を減圧留去し、得られた残渣をTHF(13mL)で希釈した後、水(3mL)及び6M塩酸(3mL)を加え、40℃加温下で3時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に水及び1M水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(17〜25% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(330mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.45(1H,d,J=2.6Hz),7.20(1H,dd,J=8.4,2.6Hz),7.02(1H,d,J=8.4Hz),5.03(1H,br s),4.11−3.99(2H,m),3.93−3.81(2H,m),3.07(2H,t,J=5.8Hz),1.99−1.89(2H,m),1.78−1.66(2H,m),1.41−1.28(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 254(M+H)+
参考例76
8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−6(1H)−オン
参考例75の化合物(330mg)をジオキサンと水の1:5混液(6.0mL)に懸濁させ、濃硫酸(2滴)を加えた後、90℃加温下で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液のpHが9になるまで2.5M水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9〜17% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(94mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.30(1H,d,J=2.3Hz),7.14(1H,dd,J=8.6,2.3Hz),6.57(1H,d,J=8.6Hz),4.24(1H,br s),3.21−3.08(2H,m),2.81−2.68(2H,m),1.99−1.86(2H,m),1.81−1.68(2H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 210(M+H)+
参考例77
2−(8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾオキサゼピン−5−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸メチル
参考例28の化合物(80mg)をジクロロメタン(1.1mL)に溶解させ、塩化チオニル(25μL)及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(4μL)を加えて、加熱還流下で1時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、得られた酸塩化物をピリジン(0.5mL)に懸濁させ、氷冷下で攪拌した。ピリジン(0.5mL)に溶解させた8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾオキサゼピン(32mg)を懸濁液に加え、室温下で1.5時間攪拌した後、反応溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、40〜90% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、表題化合物(35mg)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.96−7.32(10H,m),7.12−6.63(6H,m),4.34−3.37(2H,m),3.92(3H,s),2.38−0.80(4H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 541(M+H)+
参考例78〜79
対応する原料を用い、参考例77と同様の操作に付すことにより、表26に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
実施例130
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−[2−(1−シクロヘキセン−1−イル)ベンゾイルアミノ]安息香酸
Figure 2020180059
参考例70の化合物(109mg)を用いて参考例4及び実施例1と同様の操作をこの順番で行うことにより、表題化合物(94mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:10.39−10.09(1H,m),8.36−8.05(1H,m),7.93−6.79(9H,m),5.76−5.42(2H,m),4.99−4.47(2H,m),2.75−2.58(1H,m),2.34−1.34(12H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 545(M+H)+
実施例131〜133
対応する原料を用い、参考例4及び実施例1と同様の操作に付すことにより、表27に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
実施例134
2−(8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾオキサゼピン−5−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸
Figure 2020180059
参考例77の化合物(35mg)を用い、実施例1と同様の操作に付すことにより、表題化合物(29mg)を白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:13.24(1H,br s),10.59−10.29(1H,m),8.26−7.94(1H,m),7.84−6.74(14H,m),4.77−3.15(3H,m),2.13−0.78(3H,m).
ESI+APCI−MS Found:m/z 527(M+H)+
実施例135〜136
2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−シクロヘキシルベンゾイルアミノ)安息香酸
対応する原料を用い、実施例134と同様の操作に付すことにより、表28に示す化合物を得た。
Figure 2020180059
以下の表29〜44に実施例化合物の合成中間体を示す。なお、表中の中間体A−Bは参考例Bと同様の操作で得られた実施例Aの合成中間体を示し、中間体A−ex.Bは実施例Bと同様の操作で得られた実施例Aの合成中間体を示す。また、*印がついている合成中間体は単離することなく次工程に使用した。
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
Figure 2020180059
生物試験評価
ヒトV 2 受容体阻害評価
試験にはヒトV2受容体を過剰発現させたヒト子宮頚部癌由来細胞(HeLa細胞)を用いた。ヒトV2受容体が安定発現したHeLa細胞を37℃で10%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、非必須アミノ酸(グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−プロリン、L−セリン、各0.1mM)、G418(200μg/mL)を加えたイーグル最小必須培地(SIGMA社)にて培養した。細胞は培養液で懸濁し、96穴ハーフプレートに播種した後、37℃で36〜48時間培養した。培養液を除き、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタン−1−スルホン酸(20mM)及び3−イソブチル−1−メチルキサンチン(250μM)を含有したハンクス平衡塩溶液で1回洗浄後、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(250μM)を含有した試験化合物溶液(15μL)を添加し、37℃で15分間培養した。更にバソプレシン溶液(5nM、5μL)を添加し、37℃で20分間培養し、cAMPアッセイキット(シスバイオ社)にてcAMP濃度を測定した。すなわち、cAMPアッセイキットのバッファーを加え総量を40μLとし、25℃で60分間インキュベーションした。蛍光測定装置(Envision2103、パーキンエルマー社)にプレートを設置し、得られる蛍光強度比(330nm励起、620nm、665nm検出)を算出し、サンプル中のcAMP濃度を定量した。
IC50値は被験化合物を含まないサンプルのcAMP濃度を100%の活性として被験化合物の阻害率を測定し、アッセイ・エクスプローラー(ダッソー・システムズ社)にて4パラメーターロジスティックモデルにより算出した。その結果、今回試験した全ての実施例化合物が、V2受容体阻害作用を有することが分かった。試験結果を表45に示す。
Figure 2020180059
溶解度
被験化合物をDMSOに溶解させ、10mg/mL溶液を調製した。96穴フィルタープレートにリン酸緩衝液(pH7.2)を198μL加え、調製した被験化合物 2μLを添加した。37℃で1時間振盪し、減圧下濾過を行い、96穴コレクションプレートに濾液を集めた。50%メタノール水溶液180μLを添加した96穴コレクションプレートに濾液20μLを加え、よく混合させた。これを96穴フィルタープレートにて減圧下濾過し、96穴コレクションプレートに濾液を集め、高速液体クロマトグラフィーを用いて試験液中の被験化合物の濃度を測定し、リン酸緩衝液(pH7.2)に対する各溶解度を算出した。試験結果を表46に示す。溶解度は、μg/mLで表す。
Figure 2020180059
本発明の化合物はいずれも、コニバプタン及びトルバプタンに比べ、著しく高い水溶性を示し、注射用医薬組成物として使用するのに適していることがわかった。
CYP3A4阻害試験
各試験化合物を10mmol/LとなるようにDMSOに溶解した後、反応時に設定濃度となるように精製水にて化合物溶液を調製し、96穴ハーフプレートに20μL添加した。これにVivid Regeneration System(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及びHuman CYP3A4 + Oxidoreductase + b5(コーニング社)を加えた200mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を25μL添加し、室温で20分間反応させた。反応後、20μM Vivid DBOMF Substrate(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及び1mM NADP+を含有した200mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を5μL添加し、室温で60分間反応させた。60分後、100μM ケトコナゾールを5μL加え、蛍光測定装置(FlexStation II、モレキュラー・デバイス社)にプレートを設置し、得られる蛍光強度(490nm励起、520nm検出)から被験化合物のCYP3A4阻害活性を算出した。試験濃度10μM(*は3μM)での評価結果を表47に示す。
Figure 2020180059
本発明の化合物は、いずれもCYP3A4阻害活性をほとんど示さなかった。
CYP2C9阻害試験
各試験化合物を10mmol/LとなるようにDMSOに溶解した後、反応時に設定濃度となるように精製水にて化合物溶液を調製し、96穴ハーフプレートに20μL添加した。これにVivid Regeneration System(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及びHuman CYP2C9 + Oxidoreductase(コーニング社)を加えた100mM リン酸カリウムバッファー(pH7.4)を25μL添加し、室温で20分間反応させた。反応後、20μM Vivid OOMR Substrate(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及び1mM NADP+を含有した100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)を5μL添加し、室温で60分間反応させた。60分後、300μM スルファフェナゾールを5μL加え、蛍光測定装置(FlexStation II、モレキュラー・デバイス社)にプレートを設置し、得られる蛍光強度(530nm励起、570nm検出)から被験化合物のCYP2C9阻害活性を算出した。試験濃度10μMでの評価結果を表48に示す。
Figure 2020180059
本発明の化合物は、CYPに対する親和性が低く、薬物相互作用の懸念が小さいことがわかった。
in vivo利尿作用評価
イソフルラン吸入麻酔下にて、16から20時間絶水処置したSDラットの左右大腿部を切開し、大腿静脈に薬剤投与用のカニューレを挿入・留置した。傷口を生体用ボンドで接着後、ボールマンケージIII型に固定した。薬剤投与の開始は、ボールマンケージに固定後から最低1時間半の回復期間を設け、覚醒下の血行動態が安定したことを確認してから行った。各薬剤はそれぞれ溶媒(DMF20質量部と注射用水80質量部との混液)に溶解させ、3時間かけて持続静脈内投与(2mL/kg/hr)した。各薬剤の投与量は200μg/kg/hrと設定した。採尿は自然排尿とし、尿受けに集まった尿を回収した。投与1時間毎に3時間まで採尿を繰り返し、投与3時間の総尿量をラットの体重で補正して算出し集計した。試験結果を表49に示す。
Figure 2020180059
本発明の化合物は、動物を使用した試験において高い利尿効果を示した。
静脈注射した場合の血漿中濃度の評価(1)
イソフルラン吸入麻酔下にて、SDラットの左右大腿部を切開し、大腿静脈に薬剤投与用のカニューレを、大腿動脈に採血用のカニューレをそれぞれ挿入・留置した。傷口を生体用ボンドで接着後、ボールマンケージIII型に固定し覚醒させた。薬剤投与の開始までには、ボールマンケージに固定後から最低1時間半の回復期間を設けた。実施例4の化合物(2−(7−クロロ−5−ヒドロキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン−1−イル)カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸)を溶媒(DMF20質量部と注射用水80質量部との混液)に溶解させ、3時間かけて持続静脈内投与(2mL/kg/hr)した。実施例4の化合物の投与量は600μg/kg/hrと設定した。持続投与中の採血は60分毎に、投与終了後の採血は、投与開始から185分後、195分後、210分後、225分後、240分後及び300分後に行った。採取した血液を遠心分離し、得られた血漿中の薬物濃度をLC−MS/MSにて測定した。試験結果を図1に示す。
静脈注射した場合の血漿中濃度の評価(2)
ビーグルイヌを覚醒下でスリング式イヌ用保定器に固定し、左右橈側皮静脈に薬剤投与用及び採血用の留置針をそれぞれ挿入・留置した。実施例63の化合物(2−[7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1−イル]カルボニル−5−(2−フェニルベンゾイルアミノ)安息香酸)を溶媒(水酸化ナトリウム含有5%ブドウ糖溶液)に溶解させ、3時間かけて持続静脈内投与(1mL/kg/hr)した。実施例63の化合物の投与量は、60、200、600及び2000μg/kg/hrと設定した。採血は1時間毎に投与開始から5時間まで行った。採取した血液を遠心分離し、得られた血漿中の薬物濃度をLC−MS/MSにて測定した。試験結果を図2に示す。
図1及び2に示すとおり、本発明の化合物は、投与開始後の血漿中濃度上昇と投与終了後の血漿中からの消失がどちらも速やかであり、長期投与による副作用のリスクが低く、用量調節が簡便且つ容易であることが分かった。

Claims (13)

  1. 一般式(I)
    Figure 2020180059
    [式中、Cy環は下記の式
    Figure 2020180059
    いずれかの構造を示し、
    Aは−CHR5−、−C(=O)−、−CF2−、−NR6−、−S−又は−O−を示し、
    Bは単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−NR7−、−S−又は−O−を示し(ただし、Bが−NR7−、−S−又は−O−を示すとき、Aは−CH2−である。)、
    1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立して、単結合、−CH=又は窒素原子を示し、X1、X2、X3及びX4が−CH=のとき、その炭素原子に結合する水素原子はR1で置換されていてもよく、
    Figure 2020180059
    環全体で5〜6員環を形成し、
    Arは下記の式
    Figure 2020180059
    で表される芳香環のいずれかを示し、
    Yは硫黄原子又は酸素原子を示し、
    ZはR9が置換していてもよい炭素原子又は窒素原子を示し、
    1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基又はC3−C6シクロアルキル基を示し、
    2は−C(=O)R10基を示すか、又は
    Figure 2020180059
    で示される基を示し;
    3は水素原子を示すか、R6と一緒になってC1−C3アルキレン基を示してもよく、
    4は水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
    5は水素原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基又はカルボキシプロピル基を示し、
    6は水素原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アシル基を示し、
    7は水素原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アシル基を示し、
    8は水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3ハロアルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルケニル基、ニトロ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基を示し、
    9は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルキル基又はC1−C3ハロアルコキシ基を示し、
    10はヒドロキシ基又は−NR1112基を示し、
    11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、−C(=NH)NH2基、−CH213基、−CH2CH213基、−CH2CH2CH213基、−SO214基、ヒドロキシ基又はC1−C3アルコキシ基を示し、
    13は−C(=O)OR15基、−C(=O)NR1617又は−NR1617を示し、
    14はC1−C3アルキル基を示し、
    15は水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
    16及びR17はそれぞれ独立して、水素原子又はC1−C3アルキル基を示し、
    aは0〜4の整数を示し;
    nは1〜3の整数を示し、
    Figure 2020180059
    は、単結合又は二重結合を示す。]
    で表される化合物、その薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
  2. Arが置換基を有していてもよいベンゼン、ピリジン、ナフタレン、フラン、チオフェン又はベンズチオフェンである請求項1記載の医薬組成物。
  3. Cy環がテトラヒドロアゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、テトラヒドロチアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、テトラヒドロピリジン、又はヘキサヒドロアゾシンである請求項1又は2記載の医薬組成物。
  4. Cy環が
    Figure 2020180059
    で示される基であり、
    10が−OH、−NHCH2CO2H、−NH−C(=NH)NH2、−NHOCH3又は−NHOHである、請求項1又は2記載の医薬組成物。
  5. 2の置換位置が
    Figure 2020180059
    (式中、R2は請求項1記載と同じ意味を表す。)で示される位置である、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 8がC3−C6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基である請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
  7. Cy環が式
    Figure 2020180059
    で示される環であり、
    1、X2、X3及びX4がいずれも−CH=であり、
    Aが−CHR5−であり、
    Bが−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−O−又は−S−であり、
    1が水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はC1−C3アルコキシ基であり、
    3が水素原子であり、
    5が水素原子又はヒドロキシ基である
    請求項1、2又は5記載の医薬組成物。
  8. 一般式(I)で表される化合物が、下記式(α)
    Figure 2020180059
    [式中、R5は水素原子又はヒドロキシ基を示し、
    Bは単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−S−又は−O−を示し(ただし、Bが−S−又は−O−を示すとき、R5は水素原子である。)、
    1は水素原子、ハロゲン原子又はC1−C3アルキル基を示し、
    2は−C(=O)R10基を示すか、又は
    Figure 2020180059
    で示される基を示し、
    9は水素原子、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を示し、
    aは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C1−C3アルキル基、又はC1−C3ハロアルキル基を示し、
    10はヒドロキシ基又は−NH(SO214)を示し、
    14はC1−C3アルキル基を示し、
    aは0〜4の整数を示し、
    bは0〜5の整数を示す。]
    で表されるものである、請求項1記載の医薬組成物。
  9. 注射用である、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬組成物。
  10. 静脈注射用である、請求項1〜9のいずれか1項記載の医薬組成物。
  11. 持続静脈注射用である、請求項1〜10のいずれか1項記載の医薬組成物。
  12. 利尿薬として使用される、請求項1〜11のいずれか1項記載の医薬組成物。
  13. 体液貯留、浮腫、心不全、腹水、胸水、腎機能障害、バソプレシン分泌異常症候群、肝硬変、電解質障害、多発性嚢胞腎、脳卒中、高血圧、冠動脈疾患又は循環不全の予防及び/又は治療のための医薬組成物である、請求項1〜12のいずれか1項記載の医薬組成物。
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