以下、図面を参照しながら、磁気共鳴イメージング装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置100は、静磁場磁石101と、傾斜磁場コイル102と、傾斜磁場電源103と、全身用高周波(Radio Frequency:RF)コイル104と、高周波シールド105と、コイルボックス5と、コイルアーム7と、複数のコイルエレメント6a〜6nと、架台9と、寝台106と、寝台制御回路107と、送信回路108と、受信回路109と、シーケンス制御回路110と、計算機システム120とを備える。なお、磁気共鳴イメージング装置100に被検体P(例えば、人体)は含まれない。
静磁場磁石101は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に一様な静磁場を発生する。
なお、本実施形態において、「円筒形状」または「円筒状」は、円筒の中心軸に直交する断面の形状が真円となる形状に限定されるものではなく、円筒の中心軸に直交する断面の形状が楕円状となる形状でも良いものとする。
傾斜磁場コイル102は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、傾斜磁場を発生する。より詳細には、傾斜磁場コイル102は、後述する傾斜磁場電源103から個別に電流供給を受けて、円筒内の空間に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸に沿った傾斜磁場を発生させる。
ここで、X軸、Y軸及びZ軸は、磁気共鳴イメージング装置100に固有の装置座標系を構成する。例えば、Z軸は、傾斜磁場コイル102の円筒の軸に一致し、静磁場磁石101によって発生する静磁場の磁束に沿って設定される。また、X軸は、Z軸に直交する水平方向に沿って設定され、Y軸は、Z軸に直交する鉛直方向に沿って設定される。
傾斜磁場電源103は、傾斜磁場コイル102に電流を供給することで、傾斜磁場コイル102の内側の空間に、X軸、Y軸及びZ軸それぞれに沿った傾斜磁場を発生させる。
全身用高周波コイル104は、傾斜磁場コイル102の内側に配置されており、被検体Pが載置される撮像空間に高周波磁場を印加し、当該高周波磁場の影響により被検体Pから発生する磁気共鳴信号(以下、MR(Magnet Resonance)信号と称する)を受信する。具体的には、全身用高周波コイル104は、中空の略円筒状に形成されており、送信回路108から出力されるRFパルス信号に基づいて、円筒内の空間に高周波磁場を印加する。また、全身用高周波コイル104は、被検体Pから発生するMR信号を受信し、受信したMR信号を受信回路109へ出力する。なお、図1では、全身用高周波コイル104は、送信(高周波磁場の印加)とMR信号の受信の両方の機能を備えるものとしたが、送信用と受信用のコイルが別個に設けられる構成を採用しても良い。
高周波シールド105は、例えば、傾斜磁場コイル102と全身用高周波コイル104との間に配置されており、全身用高周波コイル104によって発生するRF磁場を遮蔽する。例えば、高周波シールド105は、略円筒状に形成されており、傾斜磁場コイル102の内周側の空間に、全身用高周波コイル104の外周面を覆うように配置されている。
送信回路108は、対象とする原子核の種類及び磁場の強度で決まるラーモア周波数に対応するRFパルスを全身用高周波コイル104に供給する。送信回路108は、例えば、発振回路、位相選択回路、周波数変換回路、振幅変調回路、および高周波増幅回路を備える。発振回路は、静磁場中に置かれた対象原子核に固有の共鳴周波数の高周波パルスを発生する。位相選択回路は、発振回路から出力される高周波パルスの位相を選択する。周波数変換回路は、位相選択回路から出力される高周波パルスの周波数を変換する。振幅変調回路は、周波数変換回路から出力される高周波パルスの振幅を変調する。高周波増幅回路は、振幅変調回路から出力される高周波パルスを増幅して全身用高周波コイル104に供給する。なお、送信回路108の外部に、高周波増幅回路を備える高周波増幅装置が設けられても良い。
架台9は、静磁場磁石101、傾斜磁場コイル102および全身用高周波コイル104を収容している。具体的には、架台9は、円筒状に形成された中空のボアBを有しており、ボアBを囲むように静磁場磁石101、傾斜磁場コイル102、全身用高周波コイル104および高周波シールド105を配置した状態で、それぞれを収容している。ここで、架台9が有するボアBの内側の空間が、被検体Sの撮像が行われる際に被検体Pが配置される撮像空間となる。
寝台106は、被検体Pが載置される天板106aを備え、寝台制御回路107による制御のもと、天板106aを、被検体Pが載置された状態で傾斜磁場コイル102のボアB内へ挿入する。寝台106は、例えば、長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように設置されている。
また、天板106aには、脊椎(Spine)撮像用の脊椎コイル1106が設置されている。脊椎コイル1106は、受信回路109による制御のもと、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられるMR信号を受信する。脊椎コイル1106は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信回路109へ出力する。
寝台制御回路107は、計算機システム120による制御のもと、寝台106が有する天板106aの駆動機構を駆動して、天板106aを長手方向(Z軸方向)および上下方向(Y軸方向)へ移動する制御を実行するプロセッサである。
複数のコイルエレメント6a〜6n(以下、コイルエレメント6a〜6nを特に区別しない場合には、単にコイルエレメント6という)の各々は、フェーズドアレイコイル(Phased Array Coil:PAC)を構成可能な表面コイルである。換言すれば、複数のコイルエレメント6が組み合わされて被検体Pに設置されることにより、フェーズドアレイコイルとして機能する。さらに換言すれば、フェーズドアレイコイルは、複数のコイルエレメント6を有する。コイルエレメント6は、撮像時以外はコイルボックス5に格納されている。また、コイルエレメント6は、コイルアーム7によってコイルボックス5から取り出され、被検体Pに取り付けられる。被検体Pに取り付けられたコイルエレメント6は、被検体Pから発生するMR信号を受信し、受信したMR信号を受信回路109へ出力する。
コイルエレメント6は、例えば、1ループコイルであるが、複数の1ループコイルの組み合わせであっても良い。コイルボックス5に格納されるコイルエレメント6の数は、特に限定されるものではない。なお、コイルエレメント6は、高周波磁場を印加する送信機能をさらに有していてもよい。この場合には、被検体Pに取り付けられたコイルエレメント6は、送信回路108に接続され、送信回路108から出力されるRFパルス信号に基づいて、被検体Sに高周波磁場を印加する。コイルエレメント6は、本実施形態における高周波コイルの一例である。また、複数のコイルエレメント6が組み合わされたフェーズドアレイコイルを、高周波コイルの一例としても良い。また、コイルエレメント6は、アセンブリコイルともいう。
なお、コイルエレメント6は、RF磁場を印加する送信機能をさらに有していてもよい。その場合には、コイルエレメント6は、後述の送信回路108に接続され、送信回路108から出力されるRFパルス信号に基づいて、被検体PにRF磁場を印加する。
コイルボックス5は、複数のコイルエレメント6を格納する。コイルボックス5は、例えば、架台9のリア側(後方)に位置する。なお、本実施形態においては、ボアBの送入口側を架台9のフロント側(前方)、ボアBの送入口の反対側を架台9のリア側という。コイルボックス5は本実施形態における退避位置および格納場所(格納部)の一例である。
また、本実施形態のコイルボックス5は、コイルアーム7がコイルエレメント6を把持可能な位置にコイルエレメント6を送り出すレールおよび駆動機構を備える。コイルボックス5の構成の詳細は後述する。
コイルアーム7は、1または複数のコイルエレメント6を移動させる。具体的には、コイルアーム7は、計算機システム120による制御のもと、コイルボックス5から1または複数のコイルエレメント6を取り出し、被検体Pに取り付ける。また、コイルアーム7は、計算機システム120による制御のもと、1または複数のコイルエレメント6を撮像位置から退避可能なように移動させる。またコイルアーム7は、1または複数のコイルエレメント6を撮像位置から退避させる場合に、コイルボックス5に1または複数のコイルエレメント6を格納させる。コイルアーム7は、本実施形態におけるコイル移動機構の一例である。また、本実施形態における撮像位置は、FOV(撮像視野:Field Of View)を覆う位置である。
受信回路109は、全身用高周波コイル104、被検体Pに取り付けられたコイルエレメント6、または脊椎コイル1106から出力されるアナログのMR信号をアナログ・デジタル(AD)変換して、MRデータを生成する。また、受信回路109は、生成したMRデータをシーケンス制御回路110へ送信する。なお、AD変換に関しては、全身用高周波コイル104、コイルエレメント6、または脊椎コイル1106内で行っても良い。また、受信回路109は、AD変換以外にも任意の信号処理を行うことが可能である。
シーケンス制御回路110は、計算機システム120から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源103、送信回路108、および受信回路109を制御することによって、被検体Pの撮像を行う。シーケンス制御回路110は、プロセッサにより実現されるものとしても良いし、ソフトウェアとハードウェアとの混合によって実現されても良い。
シーケンス情報とは、磁気共鳴イメージング装置100による検査で実行されるパルスシーケンスを定義する情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源103が傾斜磁場コイル102に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信回路108が全身用高周波コイル104に送信するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信回路109がMR信号を検出するタイミング等が定義される。
また、シーケンス情報は、操作者によって指定された撮像条件、例えば、撮像部位、被検体Pの挿入方向、被検体Pの身長、パラレルイメージング(Parallel Imaging:PI)の加速因子(アクセラレーションファクター)、FOV、TR(繰り返し時間:Repetition Time)、TE(エコー時間:echo time)、スライス枚数、スライス厚等、多数の撮像パラメータに情報に基づいて、計算機システム120によって生成されるものとする。
被検体Pの挿入方向は、ボアBに被検体Pの頭側を先に挿入する“Head first”と、ボアBに被検体Pの足側を先に挿入する“Foot first”とのいずれかである。
パラレルイメージングの加速因子は、倍速率または間引き率ともいう。一般に、パラレルイメージングでは、位相エンコード方向にk空間データを間引いて収集することで、撮像時間の短縮を図る。つまり、パラレルイメージングでは、k空間データの間引き率に応じた高速化が可能となる。例えば間引き率(加速因子)が4であれば、撮像時間はおよそ4分の1に短縮される。
計算機システム120は、磁気共鳴イメージング装置100の全体制御、データ収集、および画像再構成などを行う。より詳細には、計算機システム120は、シーケンス制御回路110、寝台制御回路107、およびコイルアーム7を制御する。計算機システム120は、インタフェース回路121、記憶回路122、処理回路123、入力インタフェース124、およびディスプレイ125を有する。計算機システム120は、本実施形態における磁気共鳴イメージング装置100の制御システムの一例である。
インタフェース回路121は、シーケンス情報をシーケンス制御回路110へ送信し、シーケンス制御回路110からMRデータを受信する。また、インタフェース回路121は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを記憶回路122に格納する。
記憶回路122は、各種のプログラムを記憶する。記憶回路122は、インタフェース回路121によって受信されたMRデータや、後述の撮像機能123bによってk空間に配置された時系列データ、後述する画像生成機能123eによって生成された磁気共鳴画像(MR画像)などを記憶する。また、記憶回路122は、各種のプログラムを記憶する。記憶回路122は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。なお、記憶回路122は、ハードウェアによる非一過性の記憶媒体としても用いられる。
入力インタフェース124は、医師または診療放射線技師等の操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力インタフェース124は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等によって実現される。入力インタフェース124は、処理回路123に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換して処理回路123へと出力する。
ディスプレイ125は、処理回路123による制御のもと、各種GUI(Graphical User Interface)、または磁気共鳴画像等を表示する。
処理回路123は、磁気共鳴イメージング装置100の全体制御を行う。より詳細には、処理回路123は、受付機能123aと、撮像機能123bと、特定機能123cと、移動制御機能123dと、画像生成機能123eと、表示制御機能123fとを有する。
受付機能123aは、受付部の一例である。撮像機能123bは、撮像部の一例である。特定機能123cは、特定部の一例である。移動制御機能123dは、制御部の一例である。画像生成機能123eは、画像生成部の一例である。表示制御機能123fは、表示制御部の一例である。
ここで、例えば、処理回路123の構成要素である受付機能123a、撮像機能123b、特定機能123c、移動制御機能123d、画像生成機能123e、表示制御機能123fの各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路122に記憶されている。処理回路123は、各プログラムを記憶回路122から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路123は、図1の処理回路123内に示された各機能を有することとなる。なお、図1においては、単一の処理回路123にて、受付機能123a、撮像機能123b、特定機能123c、移動制御機能123d、画像生成機能123e、表示制御機能123fの各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路123を構成し、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central preprocessing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。なお、記憶回路122にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
受付機能123aは、入力インタフェース124を介して、操作者の操作を受け付ける。例えは、受付機能123aは、操作者によって指定された撮像条件、例えば、撮像部位、被検体Pの挿入方向、被検体Pの身長、パラレルイメージングの加速因子、FOV等の撮像パラメータを受け付ける(取得する)。また、受付機能123aは、操作者によって入力インタフェース124に入力された撮像開始または撮像終了の操作を受け付ける。受付機能123aは、受け付けた撮像条件を、撮像機能123bと、特定機能123cとに送出する。また、受付機能123aは、撮像開始または撮像終了の操作を受け付けた場合、撮像開始または撮像終了を、撮像機能123bと、移動制御機能123dとに通知する。
撮像機能123bは、受付機能123aが受け付けた撮像条件に基づいてシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御回路110に送信することによって撮像を制御する。また、撮像機能123bは、撮像の結果としてシーケンス制御回路110から送られるMRデータを、上述した傾斜磁場により付与された位相エンコード量や周波数エンコード量に従って2次元または3次元に配列させ、記憶回路122に保存する。配列されたMRデータはk空間データと称される。
また、本実施形態においては、撮像機能123bは、パラレルイメージングによる高速撮像の処理を実行するため、本撮像の前に感度マップ(感度分布情報)を収集するための撮像を実行する。例えば、撮像機能123bは、全身用高周波コイル104および被検体Pに設置されたコイルエレメント6の各々について個別のスキャンを実行する。そして、撮像機能123bは、全身用高周波コイル104の撮像結果として得られたMRデータ(または画像データ)と、被検体Pに設置されたコイルエレメント6の各々の撮像結果として得られたMRデータ(または画像データ)とを比較することによって、各コイルエレメント6の感度マップを生成する。
また、本実施形態においては、撮像機能123bは、診断用の磁気共鳴画像の撮像(本撮像)および感度マップの撮像の前に、ロケータ画像(Locator)の撮像を実行する。ロケータ画像は、スカウト像(Scout)とも呼ばれ、FOVの位置決めに使用される画像である。例えば、本実施形態においては、撮像機能123bは、体軸横断面像(Axial)、矢状断面像(Sagittal)、及び冠状断面像(Coronal)を含む3軸ロケータ画像を撮像する処理を実行する。
また、撮像機能123bは、FOVが操作者によって指定されていない場合には、撮像部位、被検体Pの挿入方向、被検体Pの身長等に基づいて、FOVの初期値を決定する。撮像機能123bは、ロケータ画像の表示後に、操作者によってFOVの初期値が変更された場合には、変更後のFOVに基づいてシーケンス情報を変更する。
また、撮像機能123bは、撮像の開始前に、撮像条件に基づく天板106aの位置を、寝台制御回路107に送信する。なお、撮像機能123bは、天板106aの位置を直接的に指定するのではなく、例えば被検体Pの撮像部位またはFOVを寝台制御回路107に通知するものとしても良い。
特定機能123cは、撮像条件に基づいて、被検体Pの検査に使用する1または複数のコイルエレメント6を特定する。コイルエレメント6の特定に用いられる撮像条件は、撮像部位、撮像視野、または加速因子のうち少なくとも1つであるものとする。より詳細には、特定機能123cは、加速因子と被検体Pに設置されるコイルエレメント6の数の下限値とが対応付けられたコイル数情報と、FOVの寸法とに基づいて、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6を特定する。
図2は、本実施形態にかかるコイル数情報1221の一例を示す図である。図2に示すように、コイル数情報1221は、加速因子と、Z軸方向のコイル数の下限値(zT)と、X軸方向のコイル数の下限値(xT)とが対応付けられている。なお、撮像条件において、Z軸方向の加速因子と、X軸方向の加速因子とは、それぞれ異なる値が設定されても良い。
Z軸方向のコイル数の下限値(zT)は、各加速因子における撮像においてg−factor(g因子)が所定の値以下になるコイルエレメント6のZ軸方向の設置数である。また、X軸方向のコイル数の下限値(xT)は、各加速因子における撮像においてg−factorが所定の値以下になるコイルエレメント6のX軸方向の設置数である。g−factorは、パラレルイメージングにおけるSNR(Signal to Noise Ratio)の低下要因となる因子である。
Z軸方向のコイル数の下限値(zT)と、X軸方向のコイル数の下限値(xT)とは、本実施形態におけるコイルエレメント6の数の下限値の一例である。コイル数情報1221は、例えば記憶回路122に保存される。
また、図3は、本実施形態にかかる被検体Pに取り付けられるコイルエレメント6の組み合わせの一例を示す図である。図3に示す例では、例えば、Z軸方向のコイル数の下限値(zT)は“3”、X軸方向のコイル数の下限値(xT)は“1”であるものとする。また、図3に示す例では、FOV900のZ軸方向の長さをzs、X軸方向の長さをxsとする。
なお、本実施形態においては、FOV900の寸法はX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の長さが定義されるものとするが、コイルエレメント6の特定においては、FOV900のZ軸方向の長さとX軸方向の長さが使用される。
特定機能123cは、式(1)〜式(4)の条件を満たすコイルエレメント6の組み合わせのうち、コイルエレメント6の数が最小(最少)となる組み合わせを特定する。
Nxは、被検体Pに設置されるコイルエレメント6のX軸方向の数である。また、Nzは、被検体Pに設置されるコイルエレメント6のZ軸方向の数である。また、xeは、コイルエレメント6の1つ当たりの横幅(X軸方向の長さ)である。zeは、コイルエレメント6の1つ当たりの縦の長さ(Z軸方向の長さ)である。
式(1)は、組み合わされたコイルエレメント6のX軸方向の長さがFOV900のX軸方向の長さ(xs)以上となるという条件を示す。また、式(2)は、組み合わされたコイルエレメント6のZ軸方向の長さがFOV900のZ軸方向の長さ(zs)以上となるという条件を示す。また、式(3)は、X軸方向のコイルエレメント6の数(Nx)がX軸方向のコイル数の下限値(xT)以上となるという条件を示す。また、式(4)は、Z軸方向のコイルエレメント6の数(Nz)がZ軸方向のコイル数の下限値(zT)以上となるという条件を示す。
つまり、特定機能123cは、コイル数情報1221で定義されたコイルエレメント6の数の下限値以上であり、かつ、FOV900を覆うことができるコイルエレメント6の組み合わせのうち、コイルエレメント6の数が最小となる組み合わせを特定する。
図3に示す例では、式(1)〜式(4)の条件を満たすX軸方向のコイルエレメント6の数(Nx)の最小値は“2”、Z軸方向のコイルエレメント6の数(Nz)の最小値は“5”となる。この場合、特定機能123cは、10個のコイルエレメント6a〜6jの組み合わせを、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6の組み合わせとして特定する。また、この場合、コイルエレメント6a〜6jは、フェーズドアレイコイル60として機能する。
X軸方向のコイルエレメント6の数(Nx)は、コイルエレメント6の列数ともいう。また、Z軸方向のコイルエレメント6の数(Nz)は、コイルエレメント6の行数ともいう。なお、被検体Pに設置されるコイルエレメント6の数、すなわちフェーズドアレイコイル60を構成するコイルエレメント6の数は、これに限定されるものではない。
なお、図2、3に示す例では、Z軸方向のコイル数の下限値とX軸方向のコイル数の下限値の両方を規定したが、いずれか一方のみが規定されるものとしても良い。また、Z軸方向のコイル数の下限値およびX軸方向のコイル数の下限値は、スライス方向によって異なる値であっても良い。なお、コイルエレメント6の設置数の下限値の特定の手法は上述の手法に限定されるものではない。例えば、特定機能123cは、加速因子に基づいて、Z軸方向のコイル数の下限値とX軸方向のコイル数の下限値とを算出しても良い。
また、特定機能123cは、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6の組み合わせを特定せず、単にコイルエレメント6の列数と行数とを特定し、特定結果を移動制御機能123dに送出するものとしても良い。
特定機能123cは、特定したコイルエレメント6の組み合わせ(図3の場合はコイルエレメント6a〜6j)を、移動制御機能123dに通知する。また、特定機能123cは、複数のコイルエレメント6の組み合わせではなく1つのコイルエレメント6を被検体Pへの設置対象として特定した場合は、1つのコイルエレメント6を特定したことを、移動制御機能123dに通知する。
また、特定機能123cは、特定したコイルエレメント6の組み合わせの設置目標位置を、移動制御機能123dに通知する。特定したコイルエレメント6の組み合わせの設置目標位置は、図3に示したように、FOV900を覆う範囲である。
図1に戻り、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、特定された1または複数のコイルエレメント6を、コイルボックス5から被検体PのFOV900を覆う位置(撮像位置)に移動させる。移動制御機能123dは、例えば、コイルアーム7をZ軸方向および上Y軸方向に移動する制御を実行する。また、移動制御機能123dは、コイルアーム7を左右方向(X軸方向)に移動する制御を実行しても良い。
また、移動制御機能123dは、コイルボックス5内のコイルエレメント移動機構を制御して、特定されたコイルエレメント6を、コイルアーム7が把持可能な位置に送り出す。
ここで、図4〜図6を用いて、コイルエレメント6の移動について説明する。図4は、本実施形態にかかるコイルアーム7の上面図の一例を示す図である。図4では、架台9およびコイルボックス5は、内部構成が見えるように水平方向に横断された状態で図示されている。また、図4では一例として、FOV900およびコイルエレメント6の設置目標位置901は、被検体Pの胸部に位置される。
図4に示すように、コイルアーム7は、ボード72と、ボード移動機構71とを備える。また、コイルボックス5は、レール51a〜51d(以下、特に区別しない場合は、単にレール51という)を有する。
ボード72は、コイルエレメント6を保持可能な部材である。また、ボード移動機構71は、例えば、モータとエンコーダとを含み、移動制御機能123dによる制御のもと、ボード72をZ軸方向および上Y軸方向に移動する。また、ボード移動機構71は、ボード72をX軸方向に移動可能であっても良い。
コイルボックス5に格納されたコイルエレメント6の各々は、レール51上を移動可能に設置される。例えば、コイルエレメント6の下側に、レール51上を移動可能なコイルエレメント移動機構が設けられるものとする。また、コイルエレメント移動機構は、移動制御機能123dによる制御のもと、被検体Pへの設置対象のコイルエレメント6を、保持部720の下へ移動する。コイルエレメント移動機構は、一例として、モータとエンコーダとピニオンとを含み、モータの駆動によってレール51上を移動する。なお、コイルエレメント6の移動手法はこれに限定されるものではない。
次に、コイルエレメント6の下側まで移動されたコイルエレメント6の被検体Pへの設置について説明する。
図5は、本実施形態にかかるコイルアーム7によるコイルエレメント6の移動の流れの一例を示す図である。図5の左側はコイルアーム7の上面図であり、図4と同様にコイルボックス5および架台9は水平方向に横断された状態で図示されている。また、図5の右側はコイルアーム7およびコイルエレメント6部分を拡大した側面図である。
図5の左側の上段の図に示すように、被検体Pへの設置対象のコイルエレメント6は、コイルエレメント移動機構およびレール51によって、保持部720の下に移動される。図5に示す例では、コイルエレメント6e,6d,6i,6jが被検体Pへの設置対象として特定されたコイルエレメント6であるものとする。
図5の右側の上段の図に示すように、コイルエレメント6は、凸部61a,61b(以下、特に区別しない場合は単に凸部61という)を備える。また、コイルエレメント6は、球状の第1の接合部62a,62b(以下、特に区別しない場合は単に第1の接合部62という)と、断面がC形状となる第2の接合部63a,63b(以下、特に区別しない場合は単に第2の接合部63という)とを備える。コイルボックス5内で隣接するコイルエレメント6同士の第1の接合部62と第2の接合部63とは嵌め合わされている。また、コイルエレメント6がコイルエレメント移動機構およびレール51によって移動することにより、移動対象のコイルエレメント6の第1の接合部62または第2の接合部63と、移動対象外のコイルエレメント6の第1の接合部62または第2の接合部63とが切り離される。
また、図5の右側の上段の図に示すように、コイルアーム7のボード72は、保持部720a,720b(以下、特に区別しない場合は単に保持部720という)を備える。ボード72に備えられる保持部720の数は、例えば、コイルボックス5に格納されたコイルエレメント6と同数とする。
保持部720は、凹部721a,721b(以下、特に区別しない場合は単に凹部721という)を備える。凹部721は、コイルエレメント6の凸部61と嵌合可能な形状となっている。
例えば、図5の右側の中段の図に示すように、ボード移動機構71によってボード72がコイルエレメント6に接する高さまで下降することにより、凹部721に凸部61が嵌め合わされる。当該状態は、コイルエレメント6がボード72に保持された状態である。
ボード移動機構71は、コイルエレメント6がボード72に保持された状態において、ボード72を上方に移動させることにより、コイルエレメント6を持ち上げる。
また、図5の左側の下段の図に示すように、ボード移動機構71は、コイルエレメント6を、天板106a上に載置された被検体Pにおけるコイルエレメント6の設置目標位置901の上方に移動する。図5の左側の下段の図に示す例では、ボード移動機構71は、ボード72を保持する小アーム71aを架台9側に伸長することにより、コイルエレメント6を移動しているが、移動の手法はこれに限定されるものではない。小アーム71aは、ボード移動機構71内に内包されていても良いし、ボード移動機構71の下側に折りたたまれていても良い。
また、図5の右側の下段の図に示すように、ボード移動機構71は、コイルエレメント6を設置目標位置901の上方に移動した後に、保持部720に接続されたケーブル601a,601j(以下、特に区別しない場合は単にケーブル601という)を伸長して、コイルエレメント6を下降させる。
図6は、本実施形態にかかるコイルエレメント6の昇降機能の一例を示す図である。図6に示すように、ボード移動機構71は、さらに、張力センサ701と、リール702と、円柱形状の支持部材703a〜703c(以下、特に区別しない場合は単に支持部材703という)とを備える。ケーブル601は、リール702に巻きつけられており、リール702が回転することによってボード72の下部から繰り出される。また、ケーブル601は、リール702が繰り出し時の回転量と同じと回転量分の逆回転をすることにより、リール702に巻きつけられた状態に戻る。
張力センサ701は、ケーブル601の張力を計測する。コイルエレメント6が被検体Pに接触する位置まで下降すると、ケーブル601の張力が低下する。例えば、張力センサ701は、計測した張力を処理回路123に送信する。移動制御機能123dは、送信された張力が所定の閾値以下になった場合に、リール702を制御してケーブル601の伸長を停止させる。また、撮像が終了した場合は、移動制御機能123dは、リール702を制御して、ケーブル601を巻き取らせる。また、移動制御機能123dは、ケーブル601の巻き取り完了後に、コイルアーム7を制御して、コイルエレメント6を撮像位置から退避可能なように移動し、コイルボックス5に格納させる。
なお、張力センサ701およびリール702は、コイルボックス5に含まれるものとしても良い。
また、図6では図示しないが、ケーブル601は、受信回路109と接続しているものとする。コイルエレメント6は、受信したMR信号を、ケーブル601を介して受信回路109に送信する。なお、コイルエレメント6と受信回路109とがケーブル601を介さずに無線通信をするものとしても良い。
ここで、図1に戻り、画像生成機能123eは、MRデータに基づいて磁気共鳴画像を生成する。具体的には、画像生成機能123eは、記憶回路122に保存されたk空間データに、例えばフーリエ変換、および感度マップに基づく補正等の再構成処理を行って2次元または3次元の磁気共鳴画像を生成する。
画像生成機能123eは、生成した磁気共鳴画像を、例えば、記憶回路122に保存する。また、画像生成機能123eは、磁気共鳴画像の生成の完了を表示制御機能123fに通知しても良い。
表示制御機能123fは、画像生成機能123eによって生成された磁気共鳴画像をディスプレイ125に表示させる。例えば、表示制御機能123fは、ロケータ画像を表示させる。当該ロケータ画像の表示画面は、例えば、操作者がFOV900の範囲の変更操作を入力可能な画面とする。また、表示制御機能123fは、本撮像の結果として、診断用の磁気共鳴画像を表示する。
次に、以上のように構成された磁気共鳴イメージング装置100で実行されるコイルセッティングおよび撮像処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態にかかるコイルセッティングおよび撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、一例として、受付機能123aが入力インタフェース124を介して、操作者による撮像開始の操作を受け付けた場合に開始する。
受付機能123aは、入力インタフェース124を介して、操作者によって指定された撮像条件を取得する。ここでは、受付機能123aは、例えば、撮像部位、被検体Pの挿入方向、被検体Pの身長、パラレルイメージングの加速因子を、撮像条件として取得するものとする。
次に、撮像機能123bは、操作者によって指定された撮像部位に基づいて、FOVの初期値を算出する(S2)。
次に、撮像機能123bは、操作者によって指定された撮像部位に基づく天板106aの位置を、インタフェース回路121を介して、寝台制御回路107に送信する。例えば、撮像機能123bは、撮像部位のZ軸方向の中心が架台9の磁場中心に位置するように、天板106aの位置を決定する。寝台制御回路107は、撮像機能123bからの指示に基づいて、天板106aを架台9内に移動する(S3)。
図8は、本実施形態にかかる被検体Pの撮像時の状態の一例を示す図である。例えば、撮像部位が胸部である場合、寝台制御回路107は、図8に示すように、被検体Pの胸部のZ軸方向の中心が磁場中心Cに位置するように、天板106aを移動する。
次に、撮像機能123bは、ロケータ画像の取得用の撮像を実行する(S4)。撮像機能123bは、撮像の結果としてシーケンス制御回路110から送られるMRデータを変換し、k空間データを生成する。撮像機能123bは、k空間データを記憶回路122に保存する。
次に、画像生成機能123eは、記憶回路122に保存されたk空間データに再構成処理を行うことにより、ロケータ画像を生成する(S5)。
次に、表示制御機能123fは、画像生成機能123eによって生成されたロケータ画像をディスプレイ125に表示させる(S6)。ここで、操作者は、ロケータ画像を参照して、本撮像用のFOV900を入力する。
そして、受付機能123aは、入力インタフェース124を介して、操作者によって入力された本撮像用のFOV900を受け付ける(S7)。受付機能123aは、入力されたFOV900を、撮像機能123bに送出する。
次に、撮像機能123bは、入力されたFOV900のZ軸方向の中心と、磁場中心Cとの距離が所定の距離以上であるか否かを判断する(S8)。所定の距離は、例えば、FOV900の撮像の精度を担保可能な距離であり、予め定められるものとする。なお、所定の距離の値は特に限定されるものではない。
撮像機能123bは、入力されたFOV900のZ軸方向の中心と、磁場中心Cとの距離が所定の距離以上であると判断した場合は(S8“Yes”)、入力されたFOV900のZ軸方向の中心が磁場中心Cに位置するように、寝台制御回路107に天板106aを移動させる(S9)。
また、撮像機能123bは、入力されたFOV900のZ軸方向の中心と、磁場中心Cとの距離が所定の距離未満であると判断した場合は(S8“No”)、天板106aを移動させず、S10の処理に進む。
また、特定機能123cは、入力されたFOV900に基づいて、脊椎コイル1106に含まれるエレメント(コイルエレメント,セクション)のうち、本撮像に使用されるエレメントを選択する(S10)。図8では、一例として、脊椎コイル1106のうち、FOV900のZ軸方向の長さに相当するエレメント1106aが選択されている。特定機能123cは、選択結果を、インタフェース回路121を介して、シーケンス制御回路110に送出する。
次に、特定機能123cは、操作者によって指定された加速因子と、コイル数情報1221と、FOV900の寸法とに基づいて、被検体Pに取り付けるコイルエレメント6の組み合わせと、当該コイルエレメント6の組み合わせの設置目標位置901とを特定する(S11)。特定機能123cは、特定結果を、移動制御機能123dに送出する。
移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、特定機能123cによって特定された組み合わせに含まれるコイルエレメント6をコイルボックス5から取り出し、被検体Pの設置目標位置901に取り付ける(S12)。例えば、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御してコイルエレメント6を設置目標位置901の上方に移動した後に、ケーブル601を伸長してコイルエレメント6を下降させ、図8に示すように、被検体Pの設置目標位置901にコイルエレメント6を密着させる。
次に、撮像機能123bは、感度マップの撮像を実行する(S13)。
そして、撮像機能123bは、診断用の磁気共鳴画像の撮像(本撮像)を実行する(S14)。
画像生成機能123eは、フーリエ変換、および感度マップに基づく補正等の再構成処理を行って診断用の磁気共鳴画像を生成する(S15)。
表示制御機能123fは、画像生成機能123eによって生成された診断用の磁気共鳴画像をディスプレイ125に表示させる(S16)。
そして、受付機能123aは、操作者による加速因子またはFOV900を変更する操作を受け付けたか否かを判断する(S17)。
受付機能123aは、操作者による加速因子またはFOV900を変更する操作を受け付けたと判断した場合(S17“Yes”)、当該変更内容を撮像機能123bおよび特定機能123cに送出する。この場合は、S8の処理に戻る。
また、受付機能123aは、操作者による加速因子またはFOV900を変更する操作を受け付けなかったと判断した場合(S17“No”)、操作者による撮像終了の操作を受け付けたか否かを判断する(S18)。
受付機能123aが操作者による撮像終了の操作を受け付けなかったと判断した場合(S18“No”)、S14の処理に戻り、本撮像の処理が継続される。
また、受付機能123aは、操作者による撮像終了の操作を受け付けたと判断した場合(S18“Yes”)、移動制御機能123dおよび撮像機能123bに、撮像終了を通知する。この場合、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、被検体Pに設置されていたコイルエレメント6を、コイルボックス5に収納する(S19)。
また、撮像機能123bは、寝台制御回路107に、撮像の終了を通知する。寝台制御回路107は、天板106aの位置を撮像開始前の位置まで移動させて、被検体Pを架台9の外に出す(S20)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100では、コイルエレメント6を撮像位置から退避可能なように移動させるコイルアーム7を備え、撮像条件に応じて、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6を特定し、特定したコイルエレメント6を、退避位置から撮像位置に移動するようにコイルアーム7を制御する。つまり、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6のコイルセッティングが技師の手技によらずに自動的に行われるので、コイルセッティングに要する作業時間、および作業負荷を低減することができる。また、実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、コイルエレメント6を自動的に撮像位置から退避可能に移動させるため、撮像後のコイルの取り外し作業についても、作業時間、および作業負荷を低減することができる。
例えば、技師が手作業でコイルセッティングを行う場合には、経験が浅い技師は、誤った設置位置に高周波コイルを取り付けてしまう可能性がある。このような場合には、取り付け作業のやり直しが発生し、作業時間および作業負荷が増大する場合がある。また、熟練した技師であっても、コイルセッティングには作業時間を要する上に作業負荷も大きかった。これに対して、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100では、撮像条件に適合したコイルエレメント6を自動的に撮像位置に移動させることにより、技師の経験や技術を問わずに画一的なコイルセッティングを短時間で完了できるのでコイルセッティングに要する作業時間、および作業負荷を低減することができる。
また、従来においては、複数のコイルエレメントが1つの筐体に収められたフェーズドアレイコイルを被検体に設置した後に、MR信号を電気的に受信可能な状態にするコイルエレメントを技師等が選択していた。この場合、正しい位置にコイルセッティングをした場合であっても、1つの筐体に含まれる複数のコイルエレメントのうち、MR信号を受信可能な状態にするコイルエレメントの選択を手動で行うため、誤選択が発生する場合があった。これに対して、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100では、被検体Pの検査に使用されるコイルエレメント6が自動的に特定されて撮像位置に移動するため、手動による誤選択の発生を回避することができる。
また、本実施形態の撮像条件は、撮像部位、FOV900、またはパラレルイメージングの加速因子のうち少なくとも1つであるため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、撮像部位、撮像視野、またはパラレルイメージングの加速因子に適した適合したコイルエレメント6を自動的にセッティングすることができる。
また、本実施形態の撮像位置はFOV900を覆う位置であるため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100では、撮像条件に適合したコイルエレメント6を自動的に被検体PのFOV900を覆うように取り付けることができる。
また、本実施形態のコイルアーム7は、コイルエレメント6を撮像位置から退避させる場合に、コイルボックス5にコイルエレメント6を格納させる。このため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、自動的にコイルエレメント6を収納するため、技師等の作業時間、および作業負荷をさらに低減することができる。
また、本実施形態のコイルエレメント6は、フェーズドアレイコイル60として機能する複数のコイルエレメントであり、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100は、コイル数情報1221に定義されたコイルエレメント数の下限値と、FOV900の寸法とに基づいて、被検体Pの検査に使用するコイルエレメント6を特定する。具体的には、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100は、コイル数情報1221に定義されたコイルエレメント6の数の下限値以上であり、かつ、FOV900を覆うことができるコイルエレメント6の組み合わせのうち、コイルエレメント6の数が最小となる組み合わせを特定する。このため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、FOV900を撮像可能な数のコイルエレメント6を確保した上で、フェーズドアレイコイル60に余分なコイルエレメント6が含まれることを低減する。例えば、フェーズドアレイコイルに余分なコイルエレメントが含まれる場合、コイルエレメント同士の干渉により、磁気共鳴画像の画質が低下する場合がある。これに対して、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、コイルエレメント6同士の干渉によるノイズの発生を低減し、高画質な磁気共鳴画像を撮像することができる。
また、コイル数情報1221に定義されたコイルエレメントの数の下限値は、各加速因子における撮像においてg−factorが所定の値以下になるコイルエレメント6の設置数である。本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、g−factorが所定の値以下の状態でパラレルイメージングを実行するため、SNRの低下を低減し、高速撮像における磁気共鳴画像の画質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100においては、コイルボックス5は、架台9の後方に位置される。磁気共鳴イメージング装置100の後方は、被検体P、技師等、および天板106aの移動範囲外であるため、コイルボックス5を当該位置に設置することにより、コイルボックス5が被検体P、技師等、および天板106aの動作の支障となることを回避することができる。
なお、本実施形態においては、天板106aに脊椎コイル1106が設置されているものとしたが、脊椎コイル1106が設置されない構成を採用しても良い。
なお、本実施形態においては、処理回路123が移動制御機能123dを有するものとしたが、処理回路123とは別個に、コイルアーム7を制御するコイルアーム制御回路が設けられても良い。当該構成を採用する場合は、コイルアーム制御回路が制御部の一例となる。
また、本実施形態においては、特定機能123cは、特定したコイルエレメント6の組み合わせを、移動制御機能123dに通知するものとしたが、特定機能123cは、被検体Pに設置されるコイルエレメント6の列数および行数を移動制御機能123dに通知しても良い。
また、本実施形態では、撮像位置から退避されたコイルエレメント6はコイルボックス5に格納されるものとしたが、コイルボックス5のない構成を採用しても良い。この場合、撮像位置から退避されたコイルエレメント6は、架台9の後部に位置されるものとしても良い。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、高周波コイルの退避位置および格納場所(格納部)は、磁気共鳴イメージング装置100の架台9の後方に位置されたコイルボックス5であった。これに対して、この第2の実施形態では、高周波コイルの退避位置および格納場所は、架台9の内部に設けられる。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100は、静磁場磁石101と、傾斜磁場コイル102と、傾斜磁場電源103と、全身用高周波コイル104と、高周波シールド105と、架台9と、寝台106と、寝台制御回路107と、送信回路108と、受信回路109と、シーケンス制御回路110と、計算機システム120とを備える。本実施形態の計算機システム120は、第1の実施形態と同様に、インタフェース回路121、記憶回路122、処理回路123、入力インタフェース124、およびディスプレイ125を有する。また、本実施形態の処理回路123は、第1の実施形態と同様に、受付機能123aと、撮像機能123bと、特定機能123cと、移動制御機能123dと、画像生成機能123eと、表示制御機能123fとを有する。また、本実施形態の架台9は、複数のコイルベルトを内部に格納する。
図9〜図12を用いて、本実施形態にかかるコイルベルトの格納場所および高周波コイルの移動手法について説明する。
図9は、本実施形態にかかる架台9の水平方向の横断図の一例である。図9に示すように、架台9には、天板160aの長手方向に沿って、2つのコイル取り出し口91a,91b(以下、特に区別しない場合は、単にコイル取り出し口91という)が設けられる。
また、図10は、本実施形態にかかる架台9内におけるコイルベルト(帯状コイル)1060a〜1060h(以下、特に区別しない場合は、単にコイルベルト1060という)の収納状態の一例を示す図である。本実施形態におけるコイルベルト1060は、可撓性を有する。また、コイルベルト1060は、複数のコイルエレメント6を含むものとする。被検体Pに設置されたコイルベルト1060に含まれる複数のコイルエレメント6は、フェーズドアレイコイルとして機能する。なお、コイルベルト1060の数は、図10に示す例に限定されるものではない。本実施形態においては、コイルベルト1060に含まれるコイルエレメント6を高周波コイルの一例としても良いし、コイルベルト1060を高周波コイルの一例としても良い。
図10に示すように、コイルベルト1060の退避位置および格納場所は、架台9の内部に設けられる。より具体的には、本実施形態におけるコイルベルト1060の退避位置および格納場所は、架台9の下部(天板106aよりも低い位置)である。
また、図11は、本実施形態にかかる架台9を、天板106aの挿入口方向から見た状態の一例を示す図である。図11に示すように、コイルベルト1060の先端は引き出し部1007に接続する。
また、図12は、本実施形態にかかるコイルベルト1060の移動の手法の一例を示す図である。図12に示すように、引き出し部1007は、架台9の天井面に設けられたレール1009a〜1009h(以下、特に区別しない場合はレール1009という)上を移動することによってコイルベルト1060を移動させる。引き出し部1007は、例えば、不図示のモータおよびエンコーダを有し、移動制御機能123dによる制御のもと、コイルベルト1060を移動させる。引き出し部1007は、本実施形態におけるコイル移動機構の一例である。
なお、図12では、コイルベルト1060はコイル取り出し口91bから引き出されているが、コイルベルト1060は、コイル取り出し口91a,91bのいずれから引き出されても良いものとする。
次に、以上のように構成された磁気共鳴イメージング装置100で実行されるコイルセッティングおよび撮像処理の流れについて説明する。
図13は、本実施形態にかかるコイルセッティングおよび撮像処理の流れの一例を示すフローチャートである。S1の撮像条件の取得から、S11の被検体に取り付けるコイルエレメント6の組み合わせと、設置目標位置901との特定の処理までは、第1の実施形態と同様である。
次に、本実施形態の移動制御機能123dは、引き出し部1007を制御して、特定機能123cによって特定されたコイルエレメント6を含むコイルベルト1060を架台9の下部から取り出し、被検体Pにコイルベルト1060を取り付ける(S12)。
図14は、本実施形態にかかるコイルベルト1060の移動の一例を時系列に示す図である。図14の左から1番目の図に示すように、引き出し部1007は、レール1009上を移動し、コイルベルト1060を引き出す。また、架台9には、図14の中央の図に示すように、引き出し部1007を目的の位置でロックする係止部1017を有する。なお、図14に示す例では、係止部1017はレール1009の終着点に設けられているが、係止部1017は、レール1009の途中でコイルベルト1060を係止可能に設けされても良い。
そして、本実施形態の移動制御機能123dは、フィッティング用プレート1027aまたはフィッティング用プレート1027bを被検体Pに向かってスライドさせるように制御する(S202)。
図14の左から1番目の図、および中央の図に示すように、フィッティング用プレート1027a,1027b(以下、特に区別しない場合は単にフィッティング用プレート1027という)は、通常時は、例えば、架台9の側面に折りたたまれた状態で格納されている。
そして、フィッティング用プレート1027a,1027bは、図14の右から1番目の図に示すように、移動制御機能123dの制御のもと、被検体Pに向かってスライド移動し、コイルベルト1060に横方向から圧を印加することにより、コイルベルト1060を被検体Pに密着させる。例えば、フィッティング用プレート1027は、圧力センサを備え、先端が被検体Pに到達したことを検知した場合に停止するものとする。フィッティング用プレート1027は、本実施形態における押さえ付け部の一例である。なお、コイルベルト1060を押さえ付ける手段は、フィッティング用プレート1027に限定されるものではない。例えば、被検体Pの上方から圧を印加する構成を、押さえ付け部として採用しても良い。
また、S13の感度マップの撮像から、S18の撮像が終了するか否かの判断までの処理は、第1の実施形態と同様である。
そして、移動制御機能123dは、撮像が終了した場合に、フィッティング用プレート1027を架台9の側面に収納する(S203)。また、移動制御機能123dは、コイルベルト1060を架台9の内部に収納する(S204)。
S20の天板106aの移動については、第1の実施形態と同様である。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100では、コイルの格納場所(格納部)は、架台9の内部に設けられる。このため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、高周波コイル(本実施形態ではコイルベルト1060またはコイルエレメント6)の格納場所をより省スペース化することができる。このため、撮像室内用に広いスペースを確保することが困難な場合にも、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100を設置することが容易になる。
また、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100は、高周波コイル(本実施形態ではコイルベルト1060またはコイルエレメント6)に上方向または横方向から圧を印加するフィッティング用プレート1027を制御して、高周波コイルを被検体Pに密着させる。このため、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100によれば、MR信号を高精度に収集することができ、磁気共鳴画像の精度を向上することができる。
例えば、従来、技師等の作業者が、フェーズドアレイコイル等の高周波コイルが被検体に密着するように、手作業で取り付けていた。このような場合、熟練度の低い作業者は取り付け作業に時間を要する場合があった。これに対して、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置100は、自動で高周波コイルを被検体Pに密着させるため、作業者の作業負荷および作業時間を低減することができる。
なお、本実施形態においては、特定機能123cは、第1の実施形態と同様にコイルエレメント6を特定するものとしたが、コイルベルト1060を特定するものとしても良い。この場合、コイル数情報1221には、Z軸方向のコイルベルト1060の数の下限値が、加速因子と対応付けられて登録されているものとする。当該構成を採用する場合、特定機能123cは、例えば、Z軸方向について、コイル数情報1221に定義されたZ軸方向のコイルベルト1060の数の下限値以上であり、かつ、FOV900を覆うことができるコイルベルト1060の組み合わせのうち、コイルベルト1060の数が最小となる組み合わせを特定する。
(変形例1)
上述の第2の実施形態においては、図12で説明したように、引き出し部1007が架台9の天井面に設けられたレール1009上を移動するものとしたが、コイルベルト1060の移動の手法はこれに限定されるものではない。
図15は、本変形例にかかるコイルベルト1060の移動の手法の一例を示す図である。例えば、本変形例では、磁気共鳴イメージング装置100は、1本のポール1037と、該ポール1037に接続可能な複数のコイルベルト1060を備える。複数のコイルベルト1060のうち、撮像に使用される1または複数のコイルベルト1060のみが、ポール1037に接続される。接続された1または複数のコイルベルト1060は、ポール1037の移動に伴って格納場所(格納部)から引き出される。
図15に示す例では、撮像に使用されるコイルベルト1060d,1060eの各々は、1本のポール1037に接続し、ポール1037の移動に伴って引き出される。当該構成を採用する場合は、架台9の後ろ側に、ポール1037を移動させる移動機構1047が設けられる。本変形例においては、ポール1037および移動機構1047が、コイル移動機構の一例となる。
また、磁気共鳴イメージング装置100は、複数のポール1037を備えても良い。例えば、図16は、本変形例にかかるコイルベルト1060の移動の手法の他の一例を示す図である。図16に示すように、コイルベルト1060d,1060eの各々は、別個のポール1037d,1037eにそれぞれに接続し、ポール1037d,1037eの移動に伴って引き出されるものとしても良い。
なお、第2の実施形態および本変形例で説明したコイルベルト1060の移動の手法はあくまで一例であり、他の移動の手法が採用されても良い。
(変形例2)
また、磁気共鳴イメージング装置100は、さらに、デカップリング用のコイルエレメントを被検体Pに設置する機能を備えても良い。例えば、フェーズドアレイコイル60を構成する隣接したコイルエレメント6間にカップリングが生じると、あるコイルエレメント6に流れた高周波電流に起因して他のコイルエレメント6に高周波電流、すなわち誘導電流が流れ、この結果、磁気共鳴画像のSNRが低下する場合がある。そこで、隣接したコイルエレメント6同士の境界に、当該隣接したコイルエレメント6と重複するように、デカップリング用のコイルエレメントを配置することにより、このようなSNRの低下を抑制することができる。
図17は、本変形例にかかる架台9水平方向の横断図の一例である。例えば、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、被検体Pに設置される隣接するコイルエレメント6の境界部に、さらにデカップリング用のコイルエレメント2006a,2006b(以下、特に区別しない場合は単にデカップリング用のコイルエレメント2006という)を重畳して設置する。なお、図17に示す例は、第1の実施形態の構成に対する変形例であるが、第2の実施形態に対して、デカップリング用のコイルエレメント2006を設置する構成を組み合わせても良い。
(変形例3)
また、上述の各実施形態においては、複数のコイルエレメント6がFOV900および加速因子に応じて組み合わされてフェーズドアレイコイル60を構成するものとしたが、複数のコイルエレメント6が予め組み合わされた複数のフェーズドアレイコイル60がコイルボックス5に格納されているものとしても良い。例えば、フェーズドアレイコイル60は、撮像部位ごとに予め用意されているものとする。本変形例においては、フェーズドアレイコイル60が、高周波コイルの一例となる。
本変形例においては、記憶回路122は、例えば、撮像部位と、複数のフェーズドアレイコイル60の各々が撮像部位に対応付けられた部位別フェーズドアレイコイル情報を記憶する。また、特定機能123cは、例えば、受付機能123aが受け付けた撮像部位と、記憶回路122に記憶された部位別フェーズドアレイコイル情報とに基づいて、被検体Pの検査に使用するフェーズドアレイコイル60を特定する。部位別フェーズドアレイコイル情報は、本変形例における部位別コイル情報の一例である。
また、本変形例では、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、特定されたフェーズドアレイコイル60を、コイルボックス5から被検体PのFOV900を覆う位置に移動させる。
本変形例の磁気共鳴イメージング装置100によれば、複数のコイルエレメント6が撮像部位ごとに予め組み合わされたフェーズドアレイコイル60が用いられる場合においても、フェーズドアレイコイル60の選択および取り付けを自動的に行うため、コイルセッティングに要する作業時間、および作業負荷を低減することができる。
(変形例4)
また、上述の各実施形態においては、フェーズドアレイコイル60によるパラレルイメージングを前提としたが、パラレルイメージングを実施しないものとしても良い。
例えば、本変形例においては、フェーズドアレイコイル60の代わりに、撮像部位ごとに用意された局所用高周波コイル(表面コイル)が用いられても良い。局所用高周波コイルは、例えば、頭部用の受信コイルや、頚部用の受信コイル、肩用の受信コイル、胸部用の受信コイル、腹部用の受信コイル、下肢用の受信コイル等である。本変形例においては、局所用高周波コイルが、高周波コイルの一例となる。
なお、局所用高周波コイルは、RF磁場を印加する送信機能をさらに有していてもよい。その場合には、局所用高周波コイルは、送信回路108に接続され、送信回路108から出力されるRFパルス信号に基づいて、被検体PにRF磁場を印加する。
本変形例においては、記憶回路122は、例えば、撮像部位と局所用高周波コイルとが対応付けられた部位別局所コイル情報を記憶する。また、特定機能123cは、例えば、受付機能123aが受け付けた撮像部位と、部位別局所コイル情報とに基づいて、被検体Pの検査に使用する局所用高周波コイルを特定する。部位別局所コイル情報は、本変形例における部位別コイル情報の一例である。
また、本変形例では、移動制御機能123dは、コイルアーム7を制御して、特定された局所用高周波コイルを、コイルボックス5から被検体PのFOV900を覆う位置に移動させる。
本変形例の磁気共鳴イメージング装置100によれば、撮像部位ごとに用意された局所用高周波コイルが用いられる場合においても、局所用高周波コイルの選択および取り付けを自動的に行うため、コイルセッティングに要する作業時間、および作業負荷を低減することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、高周波コイルの取り付けに要する作業時間、および作業負荷を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。