JP2020178146A - 天井埋込型スピーカー - Google Patents

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JP2020178146A JP2019076848A JP2019076848A JP2020178146A JP 2020178146 A JP2020178146 A JP 2020178146A JP 2019076848 A JP2019076848 A JP 2019076848A JP 2019076848 A JP2019076848 A JP 2019076848A JP 2020178146 A JP2020178146 A JP 2020178146A
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Shinya Kagawa
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Abstract

【課題】キャビネットを天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなり、埋め込まれたスピーカーの直下と、スピーカーから離れた位置とで音圧レベル差が少なくなる天井埋込型スピーカーを提供する。【解決手段】天井埋込型スピーカー1は、キャビネット10と、キャビネットに取り付けられて天井面よりも下方側の空間に音波を放射する少なくとも1つのスピーカーユニット21、22と、を備える天井埋込型スピーカーであって、キャビネットが、天井面よりも奥まった上方側に規定される平面を含む平面部11と、平面と天井面とを繋ぐ環状の側壁面を規定する側壁部16と、平面部の外周側において平面から下方側に突出し、かつ、側壁部から下方側に突出しないようにスピーカーユニット22を取り付ける取付部12と、を有する。スピーカーユニット22は、側壁面17にその振動板が近づくように傾けられて取付部に取り付けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、天井埋込型スピーカーに関し、特に、キャビネットを天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなり、埋め込まれたスピーカーの直下と、スピーカーから離れた位置とで音圧レベル差が少なくなる天井埋込型スピーカーに関する。
建築物の室内の天井に設置される天井埋込型スピーカーは、室内の人物にアナウンス、音楽、等の音声を伝達する拡声用途に用いられる。天井埋込型スピーカーは、大きな店舗等の室内もしくは長い廊下などに設置される場合には、同じ音声を再生するように複数が接続されて適度な設置間隔をおいて配置される場合がある。
ただし、直接放射型のスピーカーを単に天井に埋め込むように設置してしまうと、指向性が狭い故に室内に於いて音圧レベル差が大きくなり易いという問題がある。この様な場合には、振動板が振動する軸上正面方向である真下側の音圧レベルが高くなり、一方で軸上正面方向以外の位置、つまり、スピーカーから離れた位置では音圧レベルが低くなり易いからである。直接放射型のスピーカーの指向性は、振動板から放射する音波の波長が短くなる高音域において、正面側に強く、狭くなりやすい。その結果、室内に於いて再生される音声がうるさい場所と聞こえにくい場所とが生じてしまうという問題がある。
そこで、それぞれの天井埋込型スピーカーには、指向性が広いことが求められる。指向性が広ければ、1つの天井埋込型スピーカーであっても室内に於いて再生される音声の音圧レベルの差が小さくなることが期待される。また、指向性が広ければ、複数の天井埋込型スピーカーを設置する場合であっても、単位面積当たりの設置数を減らすことができ、コスト増加を防ぐことができる。
例えば、従来の特許文献1には、音エネルギー源、音エネルギーを支持するハウジングであって、音エネルギー源によって生じられた音エネルギーをハウジングの外に指向すべく出来る通路と、通路から出る音エネルギーの少なくとも一部を回析してハウジングの垂直軸心に向かって指向する底壁とを有し、これによって拡声器から放射方向下方への音エネルギーの配分を形成するように成ったハウジングを備えて成る天井取付拡声器が、開示されている。
また、従来の特許文献2には、部屋の天井に設置する天井スピーカー装置であって、同一パッケージ内に直接音発生用スピーカーと反射音発生用スピーカーとを備え、直接音発生用スピーカーは、メインスピーカであって、その音声の放射方向が鉛直方向直下を向く姿勢でパッケージ内に固定し、反射音発生用スピーカーは、指向性スピーカーであって、その音声の放射方向が鉛直方向に対して30度〜75度の範囲の角度で部屋の下方側壁方向を向くようにパッケージ内に固定することにより、部屋の特定領域における反射音発生用スピーカーから出力される音の定位を、直接音発生用スピーカーから出力される音の定位よりも下げることを特徴とする天井スピーカー装置が、開示されている。
ただし、従来の天井埋込型スピーカーは、例えば従来の特許文献3に図示されるように、天井面にほぼ音響的なキャビネットが埋め込まれて、天井面よりも下方側に突出する部分が少ないことが望ましい場合が多くある。天井埋込型スピーカーは、天井面よりも下方側に突出する部分が少なくなるように構成すると、指向特性を広くするのが困難になりやすいという問題がある。また、天井埋込型スピーカーは、指向性を改善するためであっても、天井面よりも下方側に突出する部分が多くなると、美観、見栄えが悪くなり好まれない場合がある。
特開平7−312792号公報 特許第5577949号公報 特許第4161995号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、天井埋込型スピーカーに関し、キャビネットを天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなり、埋め込まれたスピーカーの直下と、スピーカーから離れた位置とで音圧レベル差が少なくなる天井埋込型スピーカーを提供することにある。
本発明の天井埋込型スピーカーは、天井面の取付孔に埋め込むように取り付けられるキャビネットと、キャビネットに取り付けられて天井面よりも下方側の空間に音波を放射する少なくとも1つのスピーカーユニットと、を備える天井埋込型スピーカーであって、キャビネットが、天井面よりも奥まった上方側に規定される平面を含む平面部と、平面と天井面とを繋ぐ環状の側壁面を規定する側壁部と、平面部の外周側において平面から下方側に突出し、かつ、側壁部から下方側に突出しないようにスピーカーユニットを取り付ける取付部と、を有し、スピーカーユニットが、側壁部にその振動板が近づくように傾けられて取付部に取り付けられる。
好ましくは、本発明の天井埋込型スピーカーは、キャビネットが、側壁部から外周側に突出して天井面の取付孔を規定する縁部に係止するフランジ部をさらに有し、側壁部の側壁面を規定する断面が、フランジ部に対して接する円弧を含み、かつ、内周側に略凸状に形成されている。
また、好ましくは、本発明の天井埋込型スピーカーは、キャビネットの取付部が、側壁面並びに平面に対して傾斜するスピーカーユニットの取付面を含み、取付面の面積が、平面よりも十分に狭くなるように形成されている。
また、好ましくは、本発明の天井埋込型スピーカーは、キャビネットの側壁部が略円環の形状に形成され、少なくとも同一の2つのスピーカーユニットが、略円環を規定する中心点を挟んで点対称に配置されて、同相関係となる音波を放射するように接続されている。
また、好ましくは、本発明の天井埋込型スピーカーは、スピーカーユニットが、所定の周波数以上の高音域の音波を放射するツィーターであり、高音域の音波よりも低い周波数を含む音波を下方側に放射する第2のスピーカーユニットが、キャビネットの平面部の平面にさらに取り付けられている。
また、好ましくは、本発明の天井埋込型スピーカーは、少なくとも取付部および平面を覆い、かつ、フランジ部から下方側に突出しないようにキャビネットに取り付けられる枠体を有し、スピーカーユニットから放射される音波が通過する窓部を有するグリルをさらに備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の天井埋込型スピーカーは、天井面の取付孔に埋め込むように取り付けられるキャビネットと、キャビネットに取り付けられて天井面よりも下方側の空間に音波を放射する少なくとも1つのスピーカーユニットと、を備える。キャビネットは、天井面よりも奥まった上方側に規定される平面を含む平面部と、平面と天井面とを繋ぐ環状の側壁面を規定する側壁部と、平面部の外周側において平面から下方側に突出し、かつ、側壁部から下方側に突出しないようにスピーカーユニットを取り付ける取付部と、を有する。
ここで、スピーカーユニットは、側壁部にその振動板が近づくように傾けられて取付部に取り付けられる。したがって、本発明の天井埋込型スピーカーは、傾けて取り付けられた直接放射型の電機音響変換器であるスピーカーの振動板から放射された音波を側壁部の側壁面に反射させることで、スピーカーユニットを側壁部から下方側に突出しないように、つまり、天井面から下方側にほぼ突出しないように取り付けるにも係わらず指向性を広くすることができ、天井埋込型スピーカーの直下と天井埋込型スピーカーから離れた位置とでの音圧レベル差を少なくすることができる。
好ましくは、天井埋込型スピーカーは、キャビネットが、側壁部から外周側に突出して天井面の取付孔を規定する縁部に係止するフランジ部をさらに有し、側壁部の側壁面を規定する断面が、フランジ部に対して接する円弧を含み、かつ、内周側に略凸状に形成されているようにすればよい。また、キャビネットの取付部が、側壁面並びに平面に対して例えば約45度の角度で傾斜するスピーカーユニットの取付面を含み、取付面の面積が平面よりも十分に狭くなるように形成されるようにするのが好ましい。反射させる側壁面の断面形状を適切に設計する、あるいは、取付部の取付面を最小化して影響を最小化することで、天井埋込型スピーカーが放射する音波の音圧周波数特性に生じるピーク・ディップを抑制して、より好ましい音声再生を実現することができる。
天井埋込型スピーカーは、キャビネットの側壁部が略円環の形状に形成され、少なくとも同一の2つのスピーカーユニットが、略円環を規定する中心点を挟んで点対称に配置されて、同相関係となる音波を放射するように接続されているようにしてもよい。また、スピーカーユニットが、所定の周波数以上の高音域の音波を放射するツィーターであり、高音域の音波よりも低い周波数を含む音波を下方側に放射する第2のスピーカーユニットが、キャビネットの平面部の平面にさらに取り付けられているようにしてもよい。全帯域において指向性を広くすることができ、天井埋込型スピーカーの直下と天井埋込型スピーカーから離れた位置とでの音圧レベル差を少なくすることができる。
また、天井埋込型スピーカーは、少なくとも取付部および平面を覆い、かつ、フランジ部から下方側に突出しないようにキャビネットに取り付けられる枠体を有し、スピーカーユニットから放射される音波が通過する窓部を有するグリルをさらに備えるようにしてもよい。指向性が改善された天井埋込型スピーカーであっても、天井面よりも下方側に突出する部分が少なくなるようにグリルで覆うことができ、見栄えが良くなる利点がある。
本発明の天井埋込型スピーカーは、キャビネットを天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなり、埋め込まれたスピーカーの直下と、スピーカーから離れた位置とで音圧レベル差を少なくすることができる。
本発明の天井埋込型スピーカーの具体的な構造を示す斜視図である。 本発明の天井埋込型スピーカーの具体的な構造を示す一部断面図である。 本実施例の天井埋込型スピーカーのX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 本実施例の天井埋込型スピーカーのY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 本実施例のウーファーを含む天井埋込型スピーカーのX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 本実施例のウーファーを含む天井埋込型スピーカーのY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 比較例のウーファーを含む天井埋込型スピーカーのX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 本発明の他の実施例の天井埋込型スピーカーの具体的な構造を示す一部断面図である。 他の実施例の天井埋込型スピーカーのX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 他の実施例の天井埋込型スピーカーのY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである 本発明の他の実施例の天井埋込型スピーカーの具体的な構造を示す一部断面図である。 他の実施例の天井埋込型スピーカーのX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。 他の実施例の天井埋込型スピーカーのY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態による天井埋込型スピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による天井埋込型スピーカー1について説明する斜視図である。具体的には、図1は、図示するX−Y平面上に広がる天井面2に取り付けた天井埋込型スピーカー1を室内側からZ軸方向に見上げる様な斜視図であり、図2は、天井埋込型スピーカー1の中心点Oを下向きに通過する中心軸Uを含むX−Z平面上でのA−O断面図である。なお、以下の説明および図では、本発明の説明に不要な構成の説明および図示を省略する。
本実施形態の天井埋込型スピーカー1は、天井面2を構成する板材に設けられた円孔である取付孔3に、そのキャビネット10が埋め込まれるように取り付けられる。天井埋込型スピーカー1は、キャビネット10と、キャビネット10に取り付けられた電気音響変換器であるスピーカーユニット21、22および23を含む。スピーカーユニット21、22および23は、それぞれの音波を放射する振動板が天井面2の下側の室内空間5に向けて露出するように取り付けられている。したがって、天井埋込型スピーカー1は、天井面2の上側の空間4には音波を放射せずに、天井面2の下側の室内空間5に音波を放射する。
天井埋込型スピーカー1は、室内空間5への拡声用途に用いられるので、同じ音声を再生するように複数が接続されて適度な設置間隔をおいて配置される場合がある。天井埋込型スピーカー1には、指向性が広いこと、つまり、天井埋込型スピーカー1の真下側である中心軸Uの方向(指向角度θ=0度)の音圧レベルと、天井埋込型スピーカー1の真下側から離れた指向角度θ(ただし、その絶対値が90度以下)の方向の音圧レベルと、の差が小さいことが求められる。
天井埋込型スピーカー1は、樹脂で形成された筐体であるキャビネット10を含む。キャビネット10の筐体は、音響容量として機能する略円筒形状の空間を規定し、天井面2よりも奥まった上方側に規定される平面11aを含む平面部11の中央にスピーカー21が取り付けられている。スピーカーユニット21は、口径が約10cmの振動板を備え、所定の周波数以下の音波を放射するウーファーである。
また、キャビネット10は、平面部11の平面11aと天井面2とを繋ぐ環状の側壁面17を規定する側壁部16と、側壁部16から外周側に突出して天井面2の取付孔3を規定する縁部に係止するフランジ部18と、を有する。この天井埋込型スピーカー1では、取付孔3の縁部に係止するフランジ部18だけが天井面2よりも下方側に突出するので、天井スピーカーとしての見栄えが良くなり美観的に好ましい印象を与える。
天井埋込型スピーカー1のキャビネット10は、側壁部16に近い平面部11の外周側において平面部11の平面11aから下方側に突出し、かつ、側壁部16から下方側に突出しないようにスピーカーユニット22または23をそれぞれ取り付ける取付部12または13を備える。スピーカーユニット22および23は、同一のスピーカーユニットであり、小口径のドーム振動板を備え、所定の周波数以上の音波を放射するツィーターである。したがって、スピーカーユニット22および23は、スピーカーユニット21に比較して小型であり、平面部11の外周側において平面11aから下方側に突出し、かつ、天井面2から下方側にほぼ突出しないように取付部12または13にそれぞれ取り付けることができる。
キャビネット10の取付部12は、側壁面17並びに平面11aに対して約45度の角度で傾斜するスピーカーユニット22を取り付ける取付面12aを含む。取付面12aの面積は、平面部11の平面11aよりも十分に狭くなるように形成されている。つまり、取付面12aの面積は、スピーカーユニット22を取り付けるのに必要な最小の面積を確保する程度に狭く設定しているので、その結果、平面部11の平面11aよりも十分に狭くなる。
キャビネット10の取付部13も同様に、側壁面17並びに平面11aに対して約45度の角度で傾斜するスピーカーユニット23を取り付ける取付面13aを含む。取付面13aの面積は、平面部11の平面11aよりも十分に狭くなるように形成されている。
天井埋込型スピーカー1のキャビネット10は、天井面2の円孔である取付孔3に取り付けられる様になっているので、キャビネット10の側壁部16およびフランジ部18は、取付孔3に対応する略円環の形状に形成されている。本実施例の場合には、側壁部16およびフランジ部18の断面形状は周方向に一様であって、図2に示すように、側壁部16の側壁面17を規定する断面が、フランジ部18に対して接する円弧を含み、かつ、内周側に膨らんで突出するように略凸状に形成されている。
スピーカーユニット22および23は、側壁部16に近い平面部11の外周側において、それぞれの振動板が天井埋込型スピーカー1の中心点Oから外周側に向くように傾斜した取付面を有する取付部12また13に取り付けられている。したがって、振動板から放射された音波は側壁部16の側壁面17で反射し、側壁部16の側壁面17並びにフランジ部18の形状は、天井埋込型スピーカー1の指向特性に影響を与える。
図3は、天井埋込型スピーカー1のスピーカーユニット22のX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフである。同様に、図4は、天井埋込型スピーカー1のスピーカーユニット22のY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフである。
図3および図4では、指向角度θが0度、30度、60度、70度、80度、並びに90度の場合をグラフ表示している。各指向角度における音圧特性のグラフは、中心軸Uの方向である指向角度θ=0度の音圧レベルにより基準化して表示している。したがって、θ=0度の特性は全周波数に渡って0dBである。また、基準化した指向音圧周波数特性では、指向特性が指向角度に応じて変化しない指向特性の広い天井埋込型スピーカーであるほど、どの周波数でもグラフ表示されるレベルは0dBに近くなる。一方で、指向特性が狭くなるほど、指向角度θが大きくなるに連れてグラフ表示されるレベルは0dBから離れてしまうことになる。
本実施例の天井埋込型スピーカー1では、同一の2つのスピーカーユニット22および23は、略円環を規定する中心点Oを挟んで点対称に配置されて、同相関係となる音波を放射するように接続されている。つまり、2つのスピーカーユニット22および23は、中心点Oから中心に180度の間隔で配置されている。
したがって、図2に示すX−Z平面の断面では、線対称となる右半分の図示を省略している。また、図3および図4並びに後述する指向特性のグラフにおいても、指向角度θが0度以上、90度以下の範囲を現している。なお、同一の2つのスピーカーユニット22および23は、同相関係となる音波を放射するように並列に接続されていても、または直列に接続されていてもよい。
ただし、天井埋込型スピーカー1のY−Z平面における断面にはスピーカーユニット22および23は含まれないことになるので、Y−Z平面おける指向特性(図4)は、X−Z平面における指向特性(図3)とは異なっている。それでも天井埋込型スピーカー1は、図3および図4のグラフに示すように、1kHz以上の高音域の周波数においてX−Z平面でもY−Z平面でも指向特性が指向角度に応じた変化が小さくなり、指向特性が広いことを示している。特に、指向角度θ=30度または60度の場合に、10kHz以上の高い周波数帯域がほとんど±10dB以内に収まる程度に減衰していない。
図5は、ウーファーであるスピーカーユニット21からの放射音をさらに含む天井埋込型スピーカー1のX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(20Hz〜20kHz)を示すグラフである。同様に、図6は、スピーカーユニット21からの放射音をさらに含む天井埋込型スピーカー1のY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(20Hz〜20kHz)を示すグラフである。なお、図5〜図7でも、指向角度θが0度、30度、60度、70度、80度、並びに90度の場合をグラフ表示している
一方で、図7は、比較例としての他の(図示しない)天井埋込型スピーカー100のX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(20Hz〜20kHz)を示すグラフである。比較例の天井埋込型スピーカー100は、天井埋込型スピーカー1のスピーカーユニット21のようにキャビネットのほぼ中央に取り付けられたフルレンジ型スピーカーのみを備える一般的な天井埋込型スピーカーである。
天井埋込型スピーカー1は、図5および図6のグラフに示すように、スピーカーユニット21をさらに含む場合にも、X−Z平面でもY−Z平面でも指向特性が指向角度に応じた変化が小さくなり、指向特性が広いことを示している。一方で、従来の比較例の天井埋込型スピーカー100は、図7のグラフに示すように、指向角度が大きくなるに連れて2kHz以上の高い周波数帯域が著しく減衰していることがわかる。指向角度θ=30度または60度の場合に、指向角度θが0度の場合との差が大きい。
本実施例の天井埋込型スピーカー1の側壁部16は、側壁面17を規定する断面がフランジ部18に対して接する円弧を含み、かつ、内周側に略凸状に形成されている。その結果、外周側に向くように傾斜した取付面12aを有する取付部12また13に取り付けられているスピーカーユニット22の振動板から放射された音波は、側壁部16の側壁面17で反射するものの、その影響が少なくなる。また、取付部12の取付面12aの面積は、スピーカーユニット22を取り付けるのに必要な最小の面積を確保する程度に狭く設定しているので、スピーカーユニット22の振動板から放射された音波が反射する影響は、比較的に小さくなる。
図3〜図6の指向特性のグラフには、上記の結果が現れており、天井埋込型スピーカー1は、天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなる。
図8は、本発明の他の好ましい実施形態による天井埋込型スピーカー1aについて説明する斜視図である。具体的には、図8は、天井埋込型スピーカー1aの中心点Oを下向きに通過する中心軸Uを含むX−Z平面上でのA−O断面図である。本実施例の天井埋込型スピーカー1aは、そのキャビネット10aの側壁部16aおよび側壁面17aの形状のみが、先の実施例の天井埋込型スピーカー1と相違する。したがって、以下の説明および図では、本発明の説明に不要な構成の説明および図示を省略する。
天井埋込型スピーカー1aのキャビネット10aの側壁部16aは、図8に示すように、平面部11の平面に対して直交するような略円筒形の内径面である側壁面17aを有する。本実施例の場合にも、側壁部16aおよびフランジ部18の断面形状は周方向に一様であって、図8に示すように、側壁部16aおよびフランジ部18は、取付孔3に対応する略円環の形状に形成されている。
スピーカーユニット22または23は、側壁部16aに近い平面部11の外周側において、振動板が天井埋込型スピーカー1aの中心点Oから外周側に向くように傾斜した取付面を有する取付部12または13に取り付けられている。したがって、振動板から放射された音波は側壁部16aの側壁面17aで反射し、側壁部16aの側壁面17a並びにフランジ部18の形状は、天井埋込型スピーカー1aの指向特性に影響を与える。
図9は、天井埋込型スピーカー1aのスピーカーユニット22のX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフであり、先の実施例の図3と同様なグラフである。同様に、図10は、天井埋込型スピーカー1aのスピーカーユニット22のY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフであり、先の実施例の図4と同様なグラフである。
本実施例の天井埋込型スピーカー1aは、図9および図10のグラフに示すように、1kHz以上の高音域の周波数においてX−Z平面でもY−Z平面でも指向特性が指向角度に応じた変化が小さく、指向特性が広いことを示している。図3および図4のグラフに示す先の実施例の天井埋込型スピーカー1よりも側壁面17aでの反射の影響が大きいものの、指向角度θ=30度の場合に、10kHz以上の高い周波数帯域がほとんど±10dB以内に収まる程度に減衰していない。つまり、天井埋込型スピーカー1aは、天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなる。
図11は、本発明の他の好ましい実施形態による天井埋込型スピーカー1bについて説明する斜視図である。具体的には、図11は、天井埋込型スピーカー1bの中心点Oを下向きに通過する中心軸Uを含むX−Z平面上でのA−O断面図である。本実施例の天井埋込型スピーカー1bは、そのキャビネット10bの側壁部16bおよび側壁面17bの形状のみが、先の実施例の天井埋込型スピーカー1または1aと相違する。したがって、以下の説明および図では、本発明の説明に不要な構成の説明および図示を省略する。
天井埋込型スピーカー1bのキャビネット10aの側壁部16bは、図11に示すように、側壁部16bの側壁面17bを規定する断面が、フランジ部18に対してほぼ直交する円弧を含み、かつ、内周側に略凹状に形成されている。本実施例の場合にも、側壁部16bおよびフランジ部18の断面形状は周方向に一様であって、図11に示すように、側壁部16bおよびフランジ部18は、取付孔3に対応する略円環の形状に形成されている。
スピーカーユニット22は、側壁部16bに近い平面部11の外周側において、振動板が天井埋込型スピーカー1bの中心点Oから外周側に向くように傾斜した取付面を有する取付部12また13に取り付けられている。したがって、振動板から放射された音波は側壁部16bの側壁面17bで反射し、側壁部16bの側壁面17b並びにフランジ部18の形状は、天井埋込型スピーカー1bの指向特性に影響を与える。
図12は、天井埋込型スピーカー1bのスピーカーユニット22のX−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフであり、先の実施例の図3または図9と同様なグラフである。同様に、図13は、天井埋込型スピーカー1bのスピーカーユニット22のY−Z平面における基準化した指向音圧周波数特性(1kHz〜20kHz)を示すグラフであり、先の実施例の図4または図10と同様なグラフである。
本実施例の天井埋込型スピーカー1bは、図12および図13のグラフに示すように、1kHz以上の高音域の周波数においてX−Z平面でもY−Z平面でも指向特性が指向角度に応じた変化が小さく、指向特性が広いことを示している。図3、図4、図9および図10のグラフに示す先の実施例の天井埋込型スピーカー1または1aよりも側壁面17bでの反射の影響が大きいものの、指向角度θ=30度の場合に、10kHz以上の高い周波数帯域がほとんど±10dB以内に収まる程度に減衰していない。つまり、天井埋込型スピーカー1bは、天井に埋め込んで設置する場合にも指向性が広くなる。
なお、天井埋込型スピーカー1、1aまたは1bは、図1、図2、図8または図11においては省略して図示しないグリルをさらに備えるようにしてもよい。スピーカーユニット21、22および23を保護するグリルは、平面部11および側壁部16を覆い、かつ、フランジ部18から大きく下方側に突出しないようにキャビネット10に取り付けられる枠体を有し、スピーカーユニット21、22および23から放射される音波が通過する窓部を有するようにすればよい。グリルは、枠体の窓部を覆うネット、網、パンチングメタル、等を備えていても良い。
また、天井埋込型スピーカー1、1aまたは1bにおいて、キャビネット10、10aまたは10bは、天井面2の円孔である取付孔3に取り付けられる様になっているので、その側壁部16、16aまたは16bおよびフランジ部18は、取付孔3に対応する略円環の形状に形成されている。ただし、取付孔3が矩形の場合には、キャビネット10は取付孔3に対応する矩形の環状の形状を備えていればよい。
天井埋込型スピーカー1のキャビネット10の筐体は、音響容量として機能する略円筒形状の空間を規定しなくてもよい。また、キャビネット10の取付部12の取付面12aは、側壁面17並びに平面11aに対して約45度の角度でなくても、側壁部にその振動板が近づくように傾けられていればよい。
また、上記実施例のスピーカーユニット21、22または23は、動電型の電機音響変換器である動電型スピーカーに限られない。スピーカーユニット21、22または23は、いずれかが圧電型または静電型といった他の電機音響変換器によるスピーカーを用いてもよい。
本発明の天井埋込型スピーカーは、図示するような天井面への取付に限らず、室内を構成する壁面に埋め込むように取り付ける埋込型スピーカーに適用してもよい。
1、1a、1b 天井埋込型スピーカー
2 天井面
3 取付孔
10a、10b、10c キャビネット
11 平面部
12、13 取付部
16a、16b、16c 側壁部
17a、17b、17c 側壁面
18 フランジ部
21、22、23 スピーカーユニット

Claims (6)

  1. 天井面の取付孔に埋め込むように取り付けられるキャビネットと、該キャビネットに取り付けられて該天井面よりも下方側の空間に音波を放射する少なくとも1つのスピーカーユニットと、を備える天井埋込型スピーカーであって、
    該キャビネットが、該天井面よりも奥まった上方側に規定される平面を含む平面部と、該平面と該天井面とを繋ぐ環状の側壁面を規定する側壁部と、該平面部の外周側において該平面から下方側に突出し、かつ、該側壁部から下方側に突出しないように該スピーカーユニットを取り付ける取付部と、を有し、
    該スピーカーユニットが、該側壁部にその振動板が近づくように傾けられて該取付部に取り付けられる、
    天井埋込型スピーカー。
  2. 前記キャビネットが、前記側壁部から外周側に突出して前記天井面の前記取付孔を規定する縁部に係止するフランジ部をさらに有し、
    該側壁部の前記側壁面を規定する断面が、該フランジ部に対して接する円弧を含み、かつ、内周側に略凸状に形成されている、
    請求項1に記載の天井埋込型スピーカー。
  3. 前記キャビネットの前記取付部が、前記側壁面並びに前記平面に対して傾斜する前記スピーカーユニットの取付面を含み、該取付面の面積が、該平面よりも十分に狭くなるように形成されている、
    請求項1または2に記載の天井埋込型スピーカー。
  4. 前記キャビネットの前記側壁部が略円環の形状に形成され、少なくとも同一の2つの前記スピーカーユニットが、該略円環を規定する中心点を挟んで点対称に配置されて、同相関係となる音波を放射するように接続されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の天井埋込型スピーカー。
  5. 前記スピーカーユニットが、所定の周波数以上の高音域の音波を放射するツィーターであり、該高音域の音波よりも低い周波数を含む音波を下方側に放射する第2のスピーカーユニットが、前記キャビネットの前記平面部の前記平面にさらに取り付けられている、
    請求項1から4のいずれかに記載の天井埋込型スピーカー。
  6. 少なくとも前記取付部および前記平面を覆い、かつ、前記フランジ部から下方側に突出しないように前記キャビネットに取り付けられる枠体を有し、前記スピーカーユニットから放射される音波が通過する窓部を有するグリルをさらに備える、
    請求項2から5のいずれかに記載の天井埋込型スピーカー。
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