JP2020177378A - 異常予兆検知装置及び異常予兆検知方法 - Google Patents

異常予兆検知装置及び異常予兆検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転装置の異常予兆検知について、より信頼性を高める。【解決手段】異常予兆検知装置10は、回転装置の状態を計測するセンサ41〜48を有し、センサ41〜48による計測データを取得する計測部11と、計測部11が取得する少なくとも三種類の計測データを含む計測データセットを入力可能な入力部12と、複数の計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する分析処理部13と、次元削減データセットをクラスタリング処理することによって前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類する分類処理部14とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、回転装置における異常の予兆を検知する装置に関する。
例えば工作機械において、主軸を支持する装置(主軸装置)に異常が発生していて、その状態でワークの加工が継続されると、ワークの加工精度が低下し、不良品となる。また、主軸装置に異常が発生してからメンテナンスを行う場合、工作機械の停止時間が長くなって、生産性が大きく低下する場合がある。
主軸装置に異常が発生する前に、それを発見し、適切な措置を行うことができれば、不良品の発生を抑制することができ、また、工作機械の停止が長期化しないで済む。そこで、主軸装置に振動センサを取り付け、振動データを閾値と比較し、異常の予兆を捉えようとする方法が考えられる。または、主軸の実際の動作に基づく負荷側の仕事率(実際の仕事率)と、主軸への動作指令に基づく駆動側の仕事率(理論上の仕事率)との差を求め、この差を閾値と比較して異常の予兆を捉えようとする方法が考えられる。また、特許文献1には、機械学習を用いて異常の予兆を検知する技術が開示されている。
特開2017−188030号公報
前記のとおり、振動データを用いる方法、及び、実際の仕事率と理論上の仕事率とを比較する方法の場合、主軸装置においてある程度の異常が進まないと、適切に異常予兆の検出ができず、実効的ではない。
特許文献1に開示の技術では、モータの軸受の振動及び温度等がセンサによって計測される。センサの計測データを入力とするニューラルネットワークによって、異常予知に用いる条件式(学習済みモデル)が生成される。そして、生成した条件式を用いて異常予知(異常予兆の検知)が行われる。しかし、ニューラルネットワークによって条件式を生成し、その条件式に基づく方法は、いわゆる機械学習の一般的な技術への当てはめに過ぎない。この方法では、装置の状態が正常から異常に変化する際の僅かな違いを明確に判別できるか否か不明であり、信頼性に欠ける。
そこで、本発明は、より信頼性の高い異常予兆検知装置、及び異常予兆検知方法を提供することを目的とする。
本発明の異常予兆検知装置は、回転装置の状態を計測するセンサを有し、当該センサによる計測データを取得する計測部と、前記計測部が取得する少なくとも三種類の前記計測データを含む計測データセットを入力可能な入力部と、複数の前記計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する分析処理部と、前記次元削減データセットをクラスタリング処理することによって前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類する分類処理部と、を備える。
前記異常予兆検知装置によれば、少なくとも三種類の計測データを含む計測データセットが主成分分析され、その第一主成分軸に沿って複数のグループに分類される。これら複数のグループの遷移は、回転装置の「正常状態」から「異常予兆状態」を経て「異常状態」への遷移と対応することが、発明者の研究によって見出された。これにより、前記次元削減データセットが、主成分分析の第一主成分軸に沿った複数のグループに分類され、この分類された情報に基づくことで、新たに得られる前記計測データセットが、どのグループに属するかを判定すればよい。この結果、新たな前記計測データセットが取得された時点で、回転装置が正常状態にあるのか異常予兆状態にあるのかを判定することができる。よって、信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。
新たに得られる前記計測データセットが、どのグループに属するかを判定するために、前記異常予兆検知装置は、前記入力部に入力される新たな前記計測データセットを、前記主成分分析で用いられたパラメータに基づいて、前記第一主成分軸についての合成変数データに変換する変換処理部と、前記合成変数データが、前記分類処理部によって分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する判定処理部と、を更に備えるのが好ましい。新たに得られる計測データセットが、どのグループに属するかの判定を、判定処理部が行う。これにより、その新たな計測データセットが取得された時点で、回転装置が、正常状態にあるのか、異常予兆状態にあるのかを判定することができる。
また、好ましくは、前記判定処理部は、前記グループを区画する境界を示す境界情報と、前記合成変数データとを照合することによって、当該合成変数データが、前記分類処理部によって分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する。この場合、より一層、信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。
また、好ましくは、前記クラスタリング処理は、凝集型階層的クラスタリングによる処理である。この場合、次元削減データセットで類似するもの同士がグループ化され、そして、このグループ化が繰り返され、次元削減データセットが、最終的に所望のグループに分類される。
特に、好ましくは、前記凝集型階層的クラスタリングによる処理は、グループ化した場合に前記次元削減データセットの分散の増分が最小となる二つのクラスタを、一つにグループ化する処理を、繰り返し実行し、前記複数のグループに分類する処理である。回転装置は、例えば潤滑油の減少によって状態が徐々に変化する。このように、経時的に回転装置の状態が変化する場合、計測データの傾向に所定の流れが発生する。このような場合に、前記の凝集型階層的クラスタリングによる処理によれば、所望のグループにうまく分類される。
本発明の異常予兆検知方法は、回転装置の状態をセンサによって計測し、計測データを取得する計測ステップと、前記計測ステップで取得される少なくとも三種類の前記計測データを含む計測データセットが、演算装置に入力される入力ステップと、前記演算装置が、複数の前記計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する分析ステップと、前記演算装置が、前記次元削減データセットをクラスタリング処理することによって、前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類する分類ステップと、を含む。
前記異常予兆検知方法は、前記異常予兆検知装置によって実行される。このため、前記異常予兆検知装置と同様、信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。
また、前記演算装置に入力される新たな前記計測データセットを、前記主成分分析で用いられたパラメータに基づいて、前記第一主成分軸についての合成変数データに変換する変換ステップと、前記合成変数データが、前記分類ステップで分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する判定ステップと、を更に含むのが好ましい。新たに得られる計測データセットが、どのグループに属するかの判定が、判定ステップにおいて行われる。これにより、その新たな計測データセットが取得された時点で、回転装置が、正常状態にあるのか、異常予兆状態にあるのかを判定することができる。
本発明によれば、回転装置について、より信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。この結果、回転装置が故障する前に、それを発見し、適切な措置を行うことが可能となり、回転装置の停止が長期化しないで済む。
異常予兆検知の対象となる回転装置の一例を示す説明図である。 異常予兆検知装置のブロック図である。 計測データの説明図である。 データ処理(主成分分析)の結果の概略を示すイメージ図である。 クラスタリング処理した結果を示すイメージ図である。 変換処理部の機能を説明するイメージ図である。 変換処理部の機能を説明するイメージ図である。 検知方法を示すフロー図である。 実際にクラスタリング処理した結果を示す図である。 検知方法を示すフロー図である。
〔異常予兆検知装置について〕
図1は、異常予兆検知の対象となる回転装置の一例を示す説明図である。本開示の回転装置は、工作機械の主軸51を支持する主軸装置50である。異常予兆検知装置10(以下、「検知装置10」と称する。)は、主軸装置50の異常予兆を検知する。
主軸装置50について説明する。主軸装置50は、図外のモータによって回転する主軸51と、主軸51を収容しているハウジング52と、ハウジング52内に取り付けられ主軸51を回転可能に支持する転がり軸受53と、転がり軸受53に給油を行う給油装置54とを備える。転がり軸受53は、主軸51の軸方向一方側及び他方側それぞれに設けられている。給油装置54は、潤滑油(オイル)を軸方向両側の転がり軸受53に供給する。このために、ハウジング52に給油孔52aが形成されている。給油孔52aを通じて、潤滑油は流れ、転がり軸受53を通過する。図1において、潤滑油の流れを破線の矢印で示している。
主軸51には、図外のカップリングを介してトルクセンサ42が取り付けられている。トルクセンサ42は主軸51の回転トルクを計測する。その計測の結果が計測器55(図2参照)に入力され、計測器55は、主軸51の回転トルクについての計測データを取得する。図2は、検知装置10のブロック図である。計測器55は、電子回路及びプログラマブルコントローラ等によって構成され、トルクセンサ42(及び後述する各センサ)からの信号を、所定の形式の計測データに変換する等の機能を有する。前記所定の形式の計測データとは、例えば、トルクセンサ42の場合、回転トルクのレベルを示す計測データである。また、計測器55は計測データを正規化する演算を行う機能を有する。
なお、主軸51を回転させるモータの電流値を換算することで、主軸51の回転トルクが計測されてもよい。つまり、前記モータの回転を制御する制御部が、当該モータの電流値を回転トルクに換算する機能を有していてもよい。この場合、前記制御部が、トルクセンサ42に代わるセンサとなる。
主軸51には、回転センサ41が設けられている。回転センサ41により主軸51の回転数(回転速度)が計測される。その計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、主軸の回転数について動作条件データを取得する。
転がり軸受53には、加速度センサ43が設けられている。加速度センサ43は転がり軸受53の振動を計測する。つまり、加速度センサ43は振動センサとして用いられる。その計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53の振動についての計測データを取得する。
転がり軸受53には、アコースティック・エミッションセンサ44(以下、「AEセンサ44」と称する。)が設けられている。AEセンサ44は転がり軸受53で発生する弾性波を捉える。弾性波の計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53の弾性波についての計測データを取得する。加速度センサ43及びAEセンサ44は、転がり軸受53の固定輪となる外輪53a、又は外輪53aを支持しているハウジング52に取り付けられる。
転がり軸受53には、音センサ(マイクロホン)45が設けられている。音センサ45は、転がり軸受53の一部と対向するようにして、例えばハウジング52の一部に取り付けられている。音センサ45は転がり軸受53で発生する音(音波)を捉える。音の計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53の音についての計測データを取得する。加速度センサ43、AEセンサ44、音センサ45は、複数の転がり軸受53のそれぞれに設けられている。
転がり軸受53の近傍であって、前記給油孔52aには、上流側温度センサ46が設けられている。上流側温度センサ46は、給油孔52aを流れる潤滑油の温度を計測する。上流側温度センサ46は、給油装置54から送り出され転がり軸受53に到達する前の潤滑油の温度を計測する。その計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53を通過する前の潤滑油の温度についての計測データを取得する。
転がり軸受53の近傍であって、潤滑油の排出側の通路には、下流側温度センサ47が設けられている。下流側温度センサ47は、給油装置54から送り出され転がり軸受53を通過した後の潤滑油の温度を計測する。その計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53を通過した後の潤滑油の温度についての計測データを取得する。
転がり軸受53には、軸受用温度センサ48が設けられている。軸受用温度センサ48は、転がり軸受53の固定輪となる外輪53aに取り付けられている。軸受用温度センサ48は転がり軸受53の温度を計測する。その計測の結果が計測器55に入力され、計測器55は、転がり軸受53の温度についての計測データを取得する。上流側温度センサ46、下流側温度センサ47、及び、軸受用温度センサ48は、例えば熱電対により構成される。
図2により、検知装置10について説明する。検知装置10は、計測部11、入力部12、分析処理部13、分類処理部14、変換処理部15、及び判定処理部16を備える。計測部11は、前記の各センサ41〜48と計測器55とによって構成される。検知装置10は、コンピュータにより構成される演算装置20を備える。演算装置20が入力部12を有する。入力部12は、計測部11からデータを受けるインターフェース装置により構成される。
演算装置20は、プロセッサー、及びハードディスク等の記憶部17を有する。記憶部17に記憶されているコンピュータプログラムを前記プロセッサーが実行することで、演算装置20は、複数の機能部を備える。演算装置20は、前記機能部として、分析処理部13、分類処理部14、変換処理部15、及び判定処理部16を備える。これら機能部について後に説明する。
計測部11は、主軸装置(回転装置)50の状態を計測するセンサ(センサ41〜48)と、計測器55とを有する。センサ(センサ41〜48)それぞれによる計測データが計測器55によって取得される。センサ41〜48は、時間的に連続して機能し、計測器55は、各計測データを時系列データとして取得する。計測器55は、時間帯毎の平均値又は最大値等の代表値を、計測データとして取得する。計測データは、主軸装置50を備える工作機械がワークを実際に加工することで取得される。なお、このワークは、最終的に製品となるのではなく、後述する学習済情報を取得するために用いられるものである。
本開示では、回転センサ41によって、主軸51の回転数が取得される。他のセンサ42〜48によって、前記回転トルク、温度等、七種類の物理量についての計測データが取得される。図3に、四種類の計測データの例が示されている。図3のグラフの横軸は時間である。縦軸が各物理量のレベルである。
各計測データは、計測器55において、センサ41〜48による計測時刻(計測時間帯)のデータと対応付けられる。センサ42〜48によって同時刻(同時間帯)で取得された七種類の計測データが、一つの計測データセットとして取得される。なお、主軸51の回転数は、計測データセットと紐付けられるが、計測データセットに含まれない。計測器55は、計測データセットに含ませる各計測データの正規化を行う。つまり、複数種類の正規化した計測データが、一つの計測データセットとされる。
計測データセットが生成されると、その計測データセットが演算装置20(入力部12)へ送信される。計測データの取得及び計測データセットの生成は、刻々と行われる。これにより、同じ時間帯の計測データを含む計測データセットが、時間経過により、多数生成される。
演算装置20が有する入力部12には、複数種類(七種類)の計測データを含む計測データセットが入力される。入力部12に入力された計測データセットは、演算装置20が有する記憶部17に記憶される。計測データセットは、入力部12に入力される毎に、記憶部17に記憶される。このため、演算装置20は、時間的に異なる多数の計測データセットを取得する。本開示では、七種類のセンサ42〜48によって、七種類の計測データが取得され、七種類の計測データを含む計測データセットが多数取得される。なお、計測データセットに含まれる計測データは、少なくとも三種類であればよい。つまり、入力部12には、計測部11が取得する少なくとも三種類の計測データを含む計測データセットが入力されればよい。
前記のとおり、計測器55は、主軸51の回転数について動作条件データを取得する。動作条件データについても、入力部12に入力される。計測データセットは、その計測データセットに含まれる計測データの取得時における動作条件データと、対応付けられて記憶部17に記憶される。動作条件データは、後述する主成分分析(機械学習)の入力データとして用いられない。
演算装置20において、取得時間が異なる多数の計測データセットが得られると、分析処理部13は、これら計測データセットを対象として主成分分析を行う。本開示では、各計測データセットに七種類の計測データが含まれている。分析処理部13は、主成分分析によって、計測データセットの特徴成分(次元数)を減らす。本開示では、説明を容易によるために、特徴成分を二次元に減らす(図4参照)。つまり、七成分が二成分に減らされる。図4は、第一主成分を横軸、第二主成分を縦軸とした場合のデータ処理(主成分分析)の結果の概略を示すイメージ図(グラフ)である。
分析処理部13は、複数種類の計測データ(特徴成分)を、その種類の数よりも少ない次元に減らせばよく、二次元に限定されない。図4に示すように、各計測データセットがグラフ上にプロットされていて、主成分分析により次元削減データセットが生成される。このように、分析処理部13は、複数の計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する。生成された次元削減データセットは、記憶部17に記憶される。
分析処理部13が行う主成分分析では、合成変数は、複数の変数に重みを与えた加重合計によって表される。主成分分析では、合成変数を組み立てる各変数に対する重み(主成分負荷量)が求められる。次の式(1)は、主成分分析で用いられるモデル式(一般式)である。式(1)のnは、計測データ(特徴成分)の数である。
Zk=a1×x1+a2×x2+・・・+an×xn −−−式(1)
式(1)において、Zkは、元データである計測データセットを説明するために用いられる合成変数である。x1,x2,x3・・・xnは、多変量データであり、これが測定データセットに含まれる測定データ(測定データのレベル)に相当する。なお、各測定データは正規化されている。a1,a2,a3・・・anは、多変量データの各変数に対する重み(主成分負荷量)である。
主成分分析において、次元を減らすために、前記重みa1,a2,a3・・・が演算により設定される(求められる)。求められた第一主成分の重みa1,a2,a3・・・の値が、記憶部17に記憶される。つまり、第一主成分のモデル式が、記憶部17に記憶される。この第一主成分の重みa1,a2,a3・・・が、主成分分析で用いられたパラメータとして、後に説明する変換処理部15によって用いられる。また、第二以降の主成分の重みの値についても、求められて記憶部17に記憶される。
分類処理部14は、教師なしの機械学習として、分析処理部13によって生成された次元削減データセットをクラスタリング処理する。図5は、クラスタリング処理した結果を示すイメージ図である。クラスタリング処理によって、次元削減データセットは、分析処理部13による主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類される。図5では、三つのグループG1,G2,G3に分類される。図5において、二点鎖線で示す仮想線K1,K2は、前記グループG1,G2,G3を区画する境界を示す。この境界を示す境界情報(閾値)の設定の手段については、後の異常予兆検知方法において説明する。
本開示では、分類処理部14が実行するクラスタリング処理は、凝集型階層的クラスタリングによる処理である。具体的に説明すると、分析処理部13は、グループ化した場合に次元削減データセットの分散の増分が最小となる二つのクラスタを、一つにグループ化し、このように一つのグループ化する処理を、繰り返し実行し、複数のグループ(三つのグループG1,G2,G3)に分類する。
本開示では、「正常状態」の第一グループG1と、「異常予兆状態」の第二グループG2と、「異常状態」の第三グループG3とに分類される。「正常状態」は転がり軸受53の潤滑が安定した状態である。「異常予兆状態」は正常状態より潤滑が不安定な状態である。「異常状態」は潤滑が十分でない状態である。これら三つのグループG1,G2,G3の遷移は、主軸装置50の「正常状態」から「異常予兆状態」を経て「異常状態」への遷移と対応することが、発明者の研究によって見出された。以上より、クラスタリング処理によって、次元削減データセットが、主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される三つのグループG1,G2,G3に分類される。
演算装置20が有する分析処理部13及び分類処理部14が実行する処理が、学習工程に相当する。分類処理部14によって生成された情報、つまり、前記境界情報(閾値)に基づいて分類された三つのグループG1,G2,G3についての情報が「学習済情報」となる。この学習済情報が憶部17に記憶される。学習工程により、学習済情報が得られる。後にも説明するが、学習済情報が得られると、運用工程に進むことができる。
演算装置20が有する変換処理部15及び判定処理部16は、運用工程で用いられる。運用工程では、工作機械が主軸装置50を用いて実際にワークを加工し、生産が行われる。運用工程において、前記学習済情報が用いられて、異常予兆検知のための処理が変換処理部15及び判定処理部16によって刻々と行われる。運用工程では、実際のワークを加工することで、新たな計測データが、センサ41〜48によって取得される。前記学習工程の場合と同様に、これらの新たな複数種類の計測データを含む計測データセットが、計測器55によって取得される。新たな計測データセットは、取得されると、演算装置20の入力部12に入力される。
変換処理部15は、入力部12に入力される新たな計測データセットを、分析処理部13による主成分分析の第一主成分軸についての合成変数データに変換する。具体的に説明すると、この変換は、分析処理部13が行う主成分分析で用いられた前記パラメータ(第一主成分のモデル式、前記式(1))に基づいて行われる。前記のとおり、主成分分析で用いられたパラメータ(第一主成分のモデル式、前記式(1))は、記憶部17に記憶されている。変換処理部15は、入力部12に入力される新たな計測データセットの計測データを入力として、前記式(1)に基づき、その新たな計測データセットの第一主成分軸についての合成変数データを求める。
図6に示す一つのプロットP1は、新たな計測データセットから、変換処理部15によって求められた合成変数データである。図6に示すグラフは、横軸が前記主成分分析に基づく第一主成分であり、縦軸は第二主成分である。図6には、前記グループG1,G2,G3を区画する境界(K1,K2)が説明のために記されている。
判定処理部16は、新たな計測データセットから求められた合成変数データが、分類処理部14によって分類された三つのグループG1,G2,G3の内のどのグループに含まれるかを判定する。図6に示すように、プロットP1で示される前記合成変数データは、「正常状態」の第一グループG1に属する。この属否の判定は、判定処理部16が、前記境界情報(閾値)との照合(比較)に基づいて行われる。
プロットP1の場合、新たな計測データセットが取得された時点では、主軸装置50は正常状態であると判定される。このように、判定処理部16は、三つのグループG1,G2,G3を区画する境界を示す境界情報と、変換処理部15によって求められた合成変数データとを照合することによって、その合成変数データが、三つのグループG1,G2,G3の内のどのグループに含まれるかを判定する。
新たな計測データセットは、刻々と取得される。図7に示す一つのプロットP1000は、運用工程開始から、所定時間が経過した際に新たに取得された計測データセットに基づいて、変換処理部15が求めた合成変数データである。図7に示すように、プロットP1000で示される合成変数データは、「異常予兆状態」の第二グループG2に属する。この属否の判定は、判定処理部16が、前記境界情報(閾値)との照合(比較)に基づいて行われる。
プロットP1000の場合、新たな計測データセットが取得された時点では、主軸装置50は異常予兆状態であると判定される。異常予兆状態であると判定されると、その判定結果が、例えばモニタの表示やスピーカから発せられる音等によって管理者に通知される。この通知に基づいて、異常状態となる前に、工作機械(主軸装置50)のメンテナンスが行われる。
〔異常予兆検知方法について〕
以上の構成を備える検知装置10が行う異常予兆検知方法(以下、「検知方法」と称する。)について説明する。図8及び図10は検知方法を示すフロー図である。検知方法には、学習工程と運用工程とが含まれる。学習工程には、計測ステップ(図8のステップS1−0〜S1−3、S1−5)と、入力ステップ(図8のステップS1−4)と、分析ステップ(図8のステップS2−1)と、分類ステップ(図8のステップS2−2、S2−3)とが含まれる。運用工程には、学習工程と同様の計測ステップ及び入力ステップ(図10のステップS11)との他に、変換ステップ(図10のステップS12)と、判定ステップ(図10のステップS13)とが含まれる。以下、各ステップについて順に説明する。
〔学習工程〕
検知装置10は、学習データの収集を開始する(図8のステップS1−0)。前記学習データとは、動作条件データが紐付けられた計測データセットである。検知装置10は、計測データセットを取得すると共に(ステップS1−1)、動作条件データを取得する(ステップS1−2)。
計測ステップ(ステップS1−1)では、センサ42〜48及び計測器55を含む計測部11によって、工作機械の主軸装置(回転装置)7の七種類の計測データが取得される。つまり、計測データ(センサデータ)として、主軸51の回転トルク、転がり軸受53の振動、転がり軸受53の弾性波、転がり軸受53の音、転がり軸受53に到達する前の潤滑油の温度、転がり軸受53を通過した後の潤滑油の温度、転がり軸受53の温度が取得される。
計測ステップ(ステップS1−2)では、更に、回転センサ41及び計測器55を含む計測部11によって、主軸51の回転数等の動作条件データが取得される。本開示では、主軸51の回転数は一定である。動作条件データは、主軸51の回転数の他に、潤滑油の給油量、使用時間(運転開始からの経過時間)、付与荷重等の機械状態に関するデータであってもよい。
同時刻(同時間帯)に取得された七種類の計測データが、一つの計測データセットとして取得される。同時刻で取得された七種類の計測データは、その時刻における動作条件データと紐付けられて、一つの計測データセットとされる(ステップS1−3)。
計測器55は、各計測データの正規化を行い、七種類の正規化した計測データが、一つの計測データセットとされる。計測データセットが生成されると、その計測データセットが演算装置20(入力部12)へ送信される。送信された計測データセットは、演算装置20の記憶部17に記憶される(ステップS1−4)。
本開示の計測ステップでは、主軸装置50に対して、給油装置54が潤滑油を適切に供給する状態から運転を開始し、その後、時間をかけて潤滑油の供給量を徐々に減少させ、意図的に主軸装置50の潤滑状態を悪化させる。その間、刻々と計測データ及び動作条件データが取得される。工作機械の運転開始から、潤滑油の供給量が減らされた時刻までの間、計測データセットが刻々と生成され、十分な数の計測データセットが得られると(ステップS1−5)、分析ステップ(ステップS2−1)へ進む。
分析ステップの前半(ステップS2−1)では、演算装置20が有する分析処理部13が、複数の計測データセットを対象として主成分分析を行う。これにより、計測データセットの特徴成分を減らした次元削減データセットが生成される。本開示では、前記のとおり、説明を容易とするために、特徴成分が七次元から二次元に減らされる(図4参照)。生成された次元削減データセットは、記憶部17に記憶される。
分類ステップの後半(ステップS2−2)では、演算装置20が有する分類処理部14が、前記次元削減データセットを対象として、クラスタリング処理を実行する。これにより、次元削減データセットは、主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類される。本開示では(図5参照)三つのグループG1,G2,G3に分類される。
分類ステップの後半では、更に(ステップS2−3)、グループG1,G2,G3を区画する境界を示す境界情報(閾値)が設定される。つまり、第一主成分の軸についての境界情報(閾値)が設定される。図5において、二点鎖線で示す仮想線K1,K2が、グループG1,G2,G3を区画する境界である。この境界を示す境界(境界情報)は、検知装置10の管理者によって、前記クラスタリング処理した結果(図5参照)に基づき設定されてもよく、演算装置20(分類処理部14)の機能によって設定されてもよい。演算装置20(分類処理部14)が境界情報を設定する場合は、例えば、サポートベクターマシンによる。
以上のように、クラスタリング処理により、次元削減データセットが、主成分分析の第一主成分軸に沿った三つのグループG1,G2,G3に分類される。つまり、「正常状態」の第一グループG1と、「異常予兆状態」の第二グループG2と、「異常状態」の第三グループG3とに分類される。
図8に示すフローが、学習工程である。学習工程により、学習済情報として、前記境界情報(閾値)に基づいて分類された三つのグループG1,G2,G3についての情報が取得される。図9は、イメージ図(図5)ではなく、実際にクラスタリング処理した結果、つまり、実際に得られた学習済情報の例を示す図である。
図8に示す分析ステップ(ステップS2−1)及び分類ステップ(ステップS2−2、S2−3)は、前記動作条件データ毎に行われ、その動作条件データ毎の学習済情報が取得される。例えば、計測データセットには、主軸51の回転数等の動作条件データが紐付けられている。このため、同じ範囲にある主軸51の回転数が紐付けられている計測データを含む計測データセットの組が、学習工程における学習処理の対象とされる。これにより、動作条件データ毎に(例えば主軸51の回転数毎に)学習済情報が取得される。
〔運用工程〕
運用工程では、前記学習済情報を用いて、ワークを実際に加工する工作機械における主軸装置50の異常予兆の検知が行われる。前記のとおり、動作条件データ毎に学習済情報は取得されている。このため、ここで用いられる学習済情報は、ワークを実際に加工する主軸装置50の動作条件(動作条件データ)と一致するものである。図10は、運用工程を示すフロー図である。
運用工程では、工作機械が主軸装置50を用いて実際にワークを加工し、生産が行われる。実際のワークを加工することで、新たな計測データが、センサ42〜48によって取得される(図10のステップS11)。前記学習工程の場合と同様に、新たな複数種類の計測データを含む計測データセットが、計測器55によって取得される。新たな計測データセットは、取得されると、演算装置20(入力部12)に入力される。
変換ステップ(図10のステップS12)では、検知装置10が有する変換処理部15によって、新たな計測データセットが合成変数データに変換される。この変換は、分析処理部13が行った主成分分析(図8のステップS2−1)で使用の計測データセットから求められたパラメータが用いられる。つまり、前記のとおり、主成分分析では、合成変数を組み立てる各変数に対する重み(主成分負荷量)が求められている。合成変数は、前記式(1)に示すように、複数の変数に重みを与えた加重合計によって表される。主成分分析が分析処理部13によって行われていることで、前記式(1)の重みa1,a2,a3・・・anが求められている。
そこで、変換処理部15は、新たな計測データセットの計測データを入力として、前記式(1)に基づき、その新たな計測データセットの第一主成分軸についての合成変数データを演算により求める。このように、変換ステップ(図10のステップS12)では、演算装置20に入力される新たな計測データセットを、主成分分析で用いられたパラメータ(合成変数のモデル式)に基づいて、第一主成分軸についての合成変数データに変換する。
判定ステップ(図10のステップS13)では、検知装置10が有する判定処理部16が、図8のステップS2−3で設定された境界情報(閾値)を用いて、主軸装置50(工作機械)の状態を判定する。つまり、主軸装置50が、正常状態であるのか、異常予兆状態であるのか、異常状態であるのか、の判定が行われる。
具体的に説明すると、判定処理部16は、求められた合成変数データの第一主成分と、仮想線K1,K2(図6、図7参照)で示す境界情報(閾値)とを比較する。図6の場合、求められた合成変数データ(プロットP1)が、変換処理部15によって新たな計測データセットから求められた合成変数データである。この合成変数データの第一主成分は、仮想線K1で示す境界情報(閾値)よりも小さい。仮想線K1で示す境界情報(閾値)よりも小さい範囲は、「正常状態」の第一グループG1である。したがって、図6の場合、ステップS11において新たな計測データセットが取得された時点では、主軸装置50は正常状態であると判定される。
図7の場合、求められた合成変数データ(プロットP2)が、変換処理部15によって新たな別の計測データセットから求められた合成変数データである。この合成変数データの第一主成分は、仮想線K1で示す境界情報(閾値)よりも大きく、仮想線K2で示す境界情報(閾値)よりも小さい。仮想線K1で示す第一の境界情報(閾値)と仮想線K2で示す第二の境界情報(閾値)との間の範囲は、「異常予兆状態」の第二グループG2である。したがって、図7の場合、ステップS11において新たな計測データセットが取得された時点では、主軸装置50は異常予兆状態であると判定される。
このように、判定ステップ(図10のステップS13)では、合成変数データが、分類ステップで分類された三つのグループG1,G2,G3の内のどのグループに含まれるかを判定する。
運用工程において、実際に工作機械が主軸装置50を用いてワークを加工することで、新たな測定データが取得される。すると、予め生成された学習済情報が用いられて、変換処理部15及び判定処理部16によって、異常予兆検知のための処理が行われる。運用工程では、以上の各処理(ステップS11〜S13)が繰り返し行われる(ステップS14)。
〔本開示の異常予兆検知方法について〕
以上より、本開示の検知方法には、計測ステップと、入力ステップと、分析ステップと、分類ステップとが含まれる。計測ステップ(図8のステップS1−0〜S1−3、S1−5)では、主軸装置50の状態がセンサ42〜48によって計測され、計測データが取得される。入力ステップ(図8のステップS1−4)では、計測ステップで取得された少なくとも三種類(本開示では七種類)の計測データを含む計測データセットが、演算装置20に複数(多数)入力される。分析ステップ(図8のステップS2−1、S2−2)では、複数(多数)の計測データセットを対象として主成分分析が行われる。これにより、次元削減データセットが生成される。分類ステップ(図8のステップS2−3)では、生成された次元削減データセットをクラスタリング処理する。これにより、次元削減データセットが、前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループ(本開示では三つのグループG1,G2,G3)に分類される。
そして、本開示の検知方法には、更に、変換ステップと、判定ステップとが含まれる。変換ステップ(図9のステップS12)では、演算装置20に入力される新たな計測データセットが、第一主成分軸についての合成変数データに変換される。前記主成分分析(図8のステップS2−1)で用いられたパラメータ(合成変数のモデル式)に基づいて、新たな計測データセットが、第一主成分軸についての合成変数データに変換される。判定ステップ(図9のステップS13)では、変換により得られた合成変数データが、分類ステップ(図8のステップS2−3)で分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する。
本開示の検知方法によれば、学習工程において、七種類の計測データを含む計測データセットが主成分分析され、更に、その第一主成分軸に沿って区画される三つグループG1,G2,G3に分類される。これら三つのグループG1,G2,G3の遷移は、主軸装置50の「正常状態」から「異常予兆状態」を経て「異常状態」への遷移と対応する。三つグループG1,G2,G3に分類された情報に基づき、運用工程において新たに得られる計測データセットが、どのグループに属するかの判定が行われる。これにより、その新たな計測データセットが取得された時点で、主軸装置50が正常状態にあるのか異常予兆状態にあるのかを判定することができる。
また、本開示では、判定ステップ(図10のステップS13)において、判定処理部16は、グループを区画する境界(K1,K2、図6、図7参照)を示す境界情報と、前記変換により得られた合成変数データ(図6、図7のプロットP1,P1000)とを照合する。これにより、その合成変数データが、分類処理部14によって分類された三つのグループG1,G2,G3の内のどのグループに含まれるかを、判定処理部16は判定する。判定処理部16は、グループG1,G2,G3を区画する境界(K1,K2)を示す境界情報(閾値)を、例えばベクターサポートマシンによって生成する。そして、合成変数データと境界情報とを照合することによって、その合成変数データが、分類処理部14によって分類された三つのグループG1,G2,G3の内のどのグループに含まれるかを判定する。
また、本開示では、分類処理部14が行うクラスタリング処理は、凝集型階層的クラスタリングによる処理である。このため、次元削減データセットで類似するもの同士がグループ化され、そして、このグループ化が繰り返され、次元削減データセットが、最終的に所望のグループに分類される。
特に、本開示では、前記凝集型階層的クラスタリングによる処理は、グループ化した場合に次元削減データセットの分散の増分が最小となる二つのクラスタを、一つにグループ化する処理を行い、この処理を繰り返し実行することで、三つのグループG1,G2,G3に分類する処理である。ここで、本開示では、前記のとおり、主軸装置50に対する潤滑油の供給量を徐々に減少させている。このため、主軸装置50は、潤滑油の減少によって状態が徐々に変化する。このように、経時的に主軸装置50の状態が変化する場合、計測データの傾向に所定の流れが発生する。このような場合に凝集型階層的クラスタリングによる処理によれば、所望のグループ(G1,G2,G3)にうまく分類される。つまり、正常状態から異常予兆状態、更には異常状態に変化する際の僅かな違いが明確にされる。
工作機械の主軸装置50の場合、運転初期では、異常ではなくても、例えば潤滑油の馴染み不足によって、センサ42〜48を用いて取得される計測データは、異常予兆状態に近いデータとなる場合がある。これに対して、運転初期から運転がしばらく継続されると、潤滑油が馴染み、前記計測データは、正常状態のデータが得られる。そして、潤滑油が消費され不足すると、給油量を徐々に減少させていることから、前記計測データは、正常状態から異常予兆状態を経て異常状態へと変化する。つまり、主軸装置50の場合、計測データが、始め、異常予兆状態に近いデータから、正常状態のデータに変化し、その後、異常予兆状態に近いデータ、及び異常状態のデータへと変化する場合がある。すると、運転初期に得られる異常予兆状態に近いデータと、運転継続後に得られる異常予兆状態に近いデータと、が同じグループに分類されるおそれがある。しかし、本開示のように、凝集型階層的クラスタリングによる処理によれば、他の種類の計測データの影響を受けることができる。この結果、運転初期に得られる異常予兆状態に近いデータと、運転継続後に得られる異常予兆状態に近いデータと、が異なるグループに分類されることが期待できる。よって、精度の高い学習済情報が得られ、運用工程において、信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。
〔その他〕
前記実施形態では、主成分分析によって、計測データの成分数が減じられる。本開示では、七成分が二成分に減じられている。本開示では、視覚的にわかりやすいため、二次元で説明されている。二次元とする点は例示であり、計測データの種類の数よりも少ない成分に減らされればよい。
以上より、本開示の検知装置10及びこの検知装置10が行う検知方法によれば、主軸装置50について、より信頼性の高い異常予兆検知が可能となる。この結果、主軸装置50が故障する前に、その予兆を発見し、適切な措置を行うことが可能となり、主軸装置50(工作機械)の停止が長期化しないで済む。
前記のとおり、異常予兆検知の対象となる回転装置が、工作機械の主軸装置50である場合について説明した。異常予兆検知の対象となる回転装置は他であってもよく、軸と転がり軸受とを備える装置として、例えば風力発電機又は圧延機等であってもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:異常予兆検知装置 11:計測部 12:入力部
13:分析処理部 14:分類処理部 15:変換処理部
16:判定処理部 20:演算装置 41〜48:センサ
50:主軸装置(回転装置) G1,G2,G3:グループ

Claims (7)

  1. 回転装置の状態を計測するセンサを有し、当該センサによる計測データを取得する計測部と、
    前記計測部が取得する少なくとも三種類の前記計測データを含む計測データセットを入力可能な入力部と、
    複数の前記計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する分析処理部と、
    前記次元削減データセットをクラスタリング処理することによって前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類する分類処理部と、
    を備える、異常予兆検知装置。
  2. 前記入力部に入力される新たな前記計測データセットを、前記主成分分析で用いられたパラメータに基づいて、前記第一主成分軸についての合成変数データに変換する変換処理部と、
    前記合成変数データが、前記分類処理部によって分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する判定処理部と、
    を更に備える、請求項1に記載の異常予兆検知装置。
  3. 前記判定処理部は、前記グループを区画する境界を示す境界情報と、前記合成変数データとを照合することによって、当該合成変数データが、前記分類処理部によって分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する、請求項2に記載の異常予兆検知装置。
  4. 前記クラスタリング処理は、凝集型階層的クラスタリングによる処理である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の異常予兆検知装置。
  5. 前記凝集型階層的クラスタリングによる処理は、グループ化した場合に前記次元削減データセットの分散の増分が最小となる二つのクラスタを、一つにグループ化する処理を、繰り返し実行し、前記複数のグループに分類する処理である、請求項4に記載の異常予兆検知装置。
  6. 回転装置の状態をセンサによって計測し、計測データを取得する計測ステップと、
    前記計測ステップで取得される少なくとも三種類の前記計測データを含む計測データセットが、演算装置に入力される入力ステップと、
    前記演算装置が、複数の前記計測データセットを対象として主成分分析を行うことにより次元削減データセットを生成する分析ステップと、
    前記演算装置が、前記次元削減データセットをクラスタリング処理することによって、前記主成分分析の第一主成分軸に沿って区画される複数のグループに分類する分類ステップと、
    を含む、異常予兆検知方法。
  7. 前記演算装置に入力される新たな前記計測データセットを、前記主成分分析で用いられたパラメータに基づいて、前記第一主成分軸についての合成変数データに変換する変換ステップと、
    前記合成変数データが、前記分類ステップで分類された前記複数のグループの内のどのグループに含まれるかを判定する判定ステップと、
    を更に含む、請求項6に記載の異常予兆検知方法。
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