JP2018120406A - 状態監視方法および状態監視装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施の形態に係る状態監視装置の構成を示すブロック図である。図1を参照して、状態監視装置100は、被試験装置10に設置された振動センサ20から信号を受けて、被試験装置10の状態を監視し、異常を検出する。被試験装置10は、例えば工場や発電所などに設置された回転機器を含む設備であり、振動センサ20は、回転時に生じる異常振動を検出することができる。なお、本実施の形態では、監視対象として振動を例示するが、設備の運転状況を確認できる出力信号であれば振動センサ以外の検出信号であっても良い。たとえば、音響、温度、負荷トルク、モータ電力等を検出するセンサを振動センサ20に代えて使用しても良い。
以上説明した状態監視方法について、検証実験をおこなった。被試験装置は軸受とし、軌道面に人工の損傷を設けた軸受の状態監視事例を示す。
軸受:アンギュラ玉軸受(型番7216:内径80mm、外径140mm、幅26mm)
ラジアル負荷:1.3kN
アキシアル負荷:1.3kN
回転速度:1500回転/分
損傷サイズ:0.00mm(正常)、φ0.34mm(円筒穴)、φ0.68mm(円筒穴)、
φ1.02mm(円筒穴)、φ1.35mm(円筒穴)、周方向2mm×軸方向10mm×深さ1mm(矩形溝)
<測定条件>
測定データ:振動加速度
測定方向:鉛直方向、水平方向、軸方向
データ長さ:20秒
サンプリング速度:50kHz
測定回数:11回/損傷サイズ
上記で得た各損傷サイズにおける振動加速度データを用い実施例の有用性を評価した。
1回の測定20秒で得られた振動加速度データを、周波数フィルタ処理(ローパス:20〜1000Hz、バンドパス:1000〜5000Hz、ハイパス:5000〜20000Hz)後、0.2秒(回転軸5回転)毎に100セグメントに分割し、分割した測定データ(セグメントデータ)の時間領域、周波数領域、ケフレンシ領域での特徴量(ここでは実効値OA、最大値Max、波高率Crest factor、尖度、歪度)を算出し同時刻における各フィルタ処理後、各領域の特徴量をまとめて特徴量ベクトルを得る(図3)。
正常時において、得た11個の測定データのうち、ランダムに8個を学習データとして選択した。選択した測定データから得られる全特徴量ベクトルをまとめて学習用のデータとして利用する。
各種損傷サイズに対して、得られた11個の特徴量セットのうち、ランダムに3個を選択した。なお、損傷なしのデータとしては、学習データとしてランダムに8個選択した残りの3個を使用した。選択した測定データから得られる全特徴量ベクトルをテスト用のデータとして使用する。
学習データの特徴量ベクトルからOC−SVMを用いて分類境界を作成する(図5)。また作成した分類境界により、学習データの全特徴量ベクトルの異常度を算出し、異常判別しきい値を次式(1)で算出する。
異常判別しきい値=異常度の平均値+5×異常度の標準偏差…(1)
<テストデータの異常率の算出>
分類境界を用いてテストデータの各特徴量ベクトルの異常度を算出し、次式(2)を用いてテストデータの異常率を算出する(図4)。
異常率=異常判別しきい値を超えた特徴量ベクトルの数/特徴量ベクトルの総数…(2)
<診断>
以上の処理を10回繰り返し、各損傷サイズの異常率平均を算出する。異常率平均が0.5以上であればテストデータを異常とみなす。
実施例2は、運転条件および測定条件については、実施例1と共通である。実施例1において求めた特徴量ベクトルを時系列で連続するセグメント5個(セグメントセット)単位でまとめたものを新たな特徴量ベクトルとして使用した。
比較例では、特徴量として一般に診断に用いられる実効値を用いた。比較例の算出方法を以下に示す。
異常判別しきい値=実効値の平均値+5×実効値の標準偏差…(3)
正常時(損傷なし)および各損傷サイズに対して得られた測定データのうち3個をテストデータとして選択し、テストデータの実効値を用いて次式(4)で異常率を算出する。正常時については異常判別しきい値を作成したデータとは別の測定データを使用する。
異常率=異常判定閾値を超えた実効値の数/テストデータの数…(4)
異常率の算出までの処理を繰り返し、各損傷サイズの異常率平均を算出する。異常率平均が0.5以上であればテストデータを異常とみなす。
図12は、異常判別結果を示す図である。実施例1、2および比較例において、学習データ、テストデータを変更して、異常率平均を5回算出した結果が図12に示される。5回の計算で異常率平均がすべて0.5以上となった場合は○、1度でも0.5以上となった場合は△、1度も0.5を超えなかった場合は×とした。比較例に比べ、実施例1,2はいずれも異常判別精度が向上した。
本発明では運転状況やノイズの影響を受ける回転機械において、従来は判別できない微細な損傷の判別を可能とした。
第5工程(S13,S14),第7工程(S23,S24)における特徴量として、例えば生の測定データまたはバンドパスフィルタ後の時間領域、周波数領域、ケフレンシ領域における、実効値、最大値、波高率、尖度、歪度を例示できる。
Claims (3)
- 被試験対象物が正常である時に、前記被試験対象物に設置したセンサから第1時間長の複数の第1の測定データを互いに異なるタイミングで取得する第1工程と、
前記被試験対象物の診断時に、前記第1時間長の複数の第2の測定データを互いに異なるタイミングで取得する第2工程と、
前記複数の第1の測定データから複数の学習データをランダムに選択する第3工程と、
前記複数の第2の測定データから複数のテストデータをランダムに選択する第4工程と、
前記複数の学習データの各々を前記第1時間長よりも短い第2時間長毎のセグメントデータに分割し、分割後の各セグメントデータに対して複数の特徴量を含む第1の特徴量ベクトルを作成する第5工程と、
前記複数の学習データについてセグメントデータ毎に作成された複数の第1の特徴量ベクトルから、正常と異常とを分類する分類境界、および異常判別しきい値を作成する第6工程と、
前記複数のテストデータの各々を前記第2時間長毎のセグメントデータに分割し、分割後の各セグメントデータに対して複数の特徴量を含む第2の特徴量ベクトルを作成する第7工程と、
前記第2の特徴量ベクトルに対して前記分類境界からの距離である異常度を算出し、前記複数のテストデータの各々に対して、前記第2の特徴量ベクトルの異常度が前記異常判別しきい値を超える数が前記第2の特徴量ベクトルの総数に対する割合である異常率を算出する第8工程と、
前記第3〜第8工程を繰り返し複数回実行し、得られた異常率の平均値が所定の値を超えた場合に前記被試験対象物を異常と判別する第9工程とを備える、状態監視方法。 - 被試験対象物が正常である時に、前記被試験対象物に設置したセンサから第1時間長の複数の第1の測定データを互いに異なるタイミングで取得する第1工程と、
前記被試験対象物の診断時に、前記第1時間長の複数の第2の測定データを互いに異なるタイミングで取得する第2工程と、
前記複数の第1の測定データから複数の学習データをランダムに選択する第3工程と、
前記複数の第2の測定データから複数のテストデータをランダムに選択する第4工程と、
前記複数の学習データの各々を前記第1時間長よりも短い第2時間長毎のセグメントデータに分割し、分割後の各セグメントデータに対して複数の特徴量を含む第1の特徴量ベクトルを作成し、連続する複数のセグメントデータの第1の特徴量ベクトルをまとめて、第3の特徴量ベクトルを作成する第5工程と、
前記複数の学習データについて前記連続する複数のセグメントデータ毎に作成された複数の第3の特徴量ベクトルから、正常と異常とを分類する分類境界、および異常判別しきい値を作成する第6工程と、
前記複数のテストデータの各々を前記第2時間長毎のセグメントデータに分割し、分割後の各セグメントデータに対して複数の特徴量を含む第2の特徴量ベクトルを作成し、連続する複数のセグメントデータの第2の特徴量ベクトルをまとめて第4の特徴量ベクトルを作成する第7工程と、
前記第4の特徴量ベクトルに対して前記分類境界からの距離である異常度を算出し、前記複数のテストデータの各々に対して、前記第4の特徴量ベクトルの異常度が前記異常判別しきい値を超える数が前記第4の特徴量ベクトルの総数に対する割合である異常率を算出する第8工程と、
前記第3〜第8工程を繰り返し複数回実行し、得られた異常率の平均値が所定の値を超えた場合に前記被試験対象物を異常と判別する第9工程とを備える、状態監視方法。 - 請求項1または2に記載の方法を用いて、前記被試験対象物を診断する、状態監視装置。
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JP2008197007A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Takayoshi Yamamoto | 対象設備の診断方法、コンピュータプログラム、及び、対象設備を診断するための装置 |
JP2016062258A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation | 検出装置、検出方法、およびプログラム |
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