JP2020174586A - 加熱式たばこおよびその製造方法 - Google Patents

加熱式たばこおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020174586A
JP2020174586A JP2019079546A JP2019079546A JP2020174586A JP 2020174586 A JP2020174586 A JP 2020174586A JP 2019079546 A JP2019079546 A JP 2019079546A JP 2019079546 A JP2019079546 A JP 2019079546A JP 2020174586 A JP2020174586 A JP 2020174586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tobacco
rod
heat
drum
burn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019079546A
Other languages
English (en)
Inventor
啓二 山道
Keiji Yamamichi
啓二 山道
尚弘 時津
Hisahiro Tokitsu
尚弘 時津
仙道 誠
Makoto Sendo
誠 仙道
渓介 春木
Keisuke Haruki
渓介 春木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP2019079546A priority Critical patent/JP2020174586A/ja
Publication of JP2020174586A publication Critical patent/JP2020174586A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片を巻紙の内側に充填して形成されたたばこロッドを有する加熱式たばこにおいて、たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部が蔵置期間中に閉塞することを軽減可能な加熱式たばこおよびその製造方法を提供する。【解決手段】エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片が巻紙の内側に充填されてなるたばこロッドを有する加熱式たばこであって、たばこロッドは、加熱式たばこの先端側に設けられており、たばこロッドは、当該たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部と、空洞部の内面へ露呈する再構成たばこ細片の少なくとも一部における再構成たばこ細片同士にまたがるように設けられ、無機塩又は高分子材料を含むコーティング部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱式たばこおよびその製造方法に関する。
エアロゾル生成基材(グリセリン、プロピレングリコール等)を含む再構成たばこ細片を巻紙の内側に充填して形成されたたばこロッドを有する加熱式たばこが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種の加熱式たばこは、加熱装置(加熱式たばこ器具)と組み合わせられて加熱式たばこ製品を構成し、加熱装置における電気ヒーターによって再構成たばこ細片を燃焼させることなく加熱されることで生成したエアロゾルを使用者にデリバリーするものである。電気ヒーターとしては、ブレード状や棒状など、様々な形状のヒーターが実用化されており、喫煙ないし吸引する際に、たばこロッドの先端面から電気ヒーターを挿入することで加熱式たばこが加熱装置に装着される。
特許第5920744号公報 特許第5348648号公報
加熱式たばこのたばこロッドへヒーターを挿入する際、ヒーターの挿入抵抗を低減してヒーターの折損を防止する目的で、たばこロッドの先端面に開口する空洞部(凹部)をたばこロッドの軸方向に沿って予め形成する。発明者らは、上記のようなたばこロッドを試作したところ、たばこロッドに含まれる再構成たばこ細片は塑性体ではなく弾性体であるため、たばこロッドの先端面側から単に穿孔加工を施しただけでは、穿孔加工の直後から空洞部を閉塞する方向に再構成たばこ細片の弾性変形が開始され、例えば、加熱式たばこを長期、例えば2週間以上に亘り蔵置した場合にたばこロッドの空洞部が閉塞してしまうことを発見した。当該発見に基づき、発明者らは、たばこロッドの先端面に開口する空洞部をたばこロッドの軸方向に沿って予め形成するためには、たばこロッドに空洞部を形成するだけでは足りず、空洞部の閉塞を予防する必要があるという新たな技術的課題を発見した。
本発明は、新たな技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片を巻紙の内側に充填して形成されたたばこロッドを有する加熱式たばこにおいて、たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部が蔵置期間中に閉塞することを軽減可能な加熱式たばこおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片が巻紙の内側に充填されてなるたばこロッドを有する加熱式たばこであって、前記たばこロッドは、前記加熱式たばこの先端側に設けられており、前記たばこロッドは、当該たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部と、前記空洞部の内面へ露呈する再構成たばこ細片の少なくとも一部における再構成たばこ細片同士にまたがるように設けられ、無機塩又は高分子材料を含むコーティング部と、を備える。
また、前記空洞部は、前記たばこロッドの先端面において、短径0.5mm以上、長径1.8mm以上で開口していても良い。
また、前記コーティング部は、無機塩として、少なくとも炭酸カルシウムおよびケイ酸ナトリウムの何れかを含んでいても良い。
また、前記コーティング部は、天然高分子として、少なくとも、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラヤガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コンニャクマンナン、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラゲニン、アルギネート、プルラン、カードラン、イナゴマメのガム、タラガム、トラガカントゴム、ゼイン、キチン、キトサン、アカシアゴムの何れかを含んでいても良い。
また、本発明における加熱式たばこは、前記加熱式たばこにおける基端側に前記たばこロッドと同軸に連結されたフィルタを更に有し、前記フィルタは、前記再構成たばこ細片に含まれるエアロゾル生成基材から放出される揮発性物質を冷却するための冷却部を含んでいても良い。
また、前記フィルタは、更に、前記たばこロッドの基端側に接続される接続端に配置され、前記再構成たばこ細片を支持する支持部を含んでいても良い。
また、前記加熱式たばこは、加熱装置と組み合わせて加熱式たばこ製品を構成し、前記加熱装置は、錐体部と棒状部とを含むヒーターを備え、前記ヒーターの錐体部の最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下であって、かつ、前記ヒーターの棒状部の最大差渡
し径が1.5mm以上2.5mm以下であって、前記ヒーターが発熱した際に、その熱量
が前記たばこロッドへ熱伝導されることで、使用者の吸引に供するエアロゾルが発生するように構成されていても良い。
また、本発明は、上述までの何れかの加熱式たばこを製造する方法であっても良い。すなわち、本発明に係る加熱式たばこの製造方法は、前記加熱式たばこにおける前記たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部の内面に露呈する再構成たばこ細片同士にまたがって前記コーティング部が形成されるように、前記コーティング部を形成するためのコーティング剤を再構成たばこ細片に塗工するコーティング剤塗工工程を含んでいても良い。
ここで、前記コーティング剤塗工工程は、一方向に走行する無端状のガニチャベルト上にペーパウエブを介して層状の再構成たばこ細片を供給し、当該層状の再構成たばこ細片をペーパウエブにより連続的に包み込んでたばこロッドの連続体を成形した後、前記連続体を所定長さのたばこロッドに切断するたばこ巻上機のラッピングセクションにおいて、前記ガニチャベルト上にペーパウエブを介して供給された層状の再構成たばこ細片に連続的に前記コーティング剤を予め添加しておき、前記たばこ巻上機から供給される前記たばこロッドとフィルタ製造装置から供給されるフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている、前記再構成たばこ細片に前記コーティング剤が添加された前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで、前記空洞部を形成すると同時に前記コーティング部を形成しても良い。
また、本発明に係る加熱式たばこの製造方法は、たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッ
チメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面側から前記空洞部の内部に向かって固定ノズルから前記コーティング剤を吹き込ませるようにしても良い。
また、本発明に係る加熱式たばこの製造方法は、たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面側から前記空洞部の内部に向かって前記搬送ドラムと同軸で回転するノズルから前記コーティング剤を吹き込ませるようにしても良い。
また、本発明に係る加熱式たばこの製造方法において、前記コーティング剤塗工工程は、たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に予め前記コーティング剤が塗布された穿孔用のニードル部材を挿抜することで、前記空洞部を形成すると同時に前記コーティング部を形成しても良い。
また、本発明に係る加熱式たばこの製造方法は、前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔用のニードルと当接する転写ローラから前記コーティング剤を前記穿孔用のニードル部に塗布し、又は、前記穿孔用のニードル部材の回転軸方向を指向する噴射ノズルから前記コーティング剤を前記穿孔用のニードル部材に塗布しても良い。
ここで、前記転写ローラは、多孔性部材によって形成されていても良い。
また、本発明に係る加熱式たばこの製造方法は、たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドに形成されている前記空洞部に予め前記コーティング剤が塗布された塗工用のニードル部材を挿抜し、前記空洞部の内面へ露呈する再構成たばこ細片に前記塗工用のニードル部材から前記コーティング剤を転写しても良い。
また、前記穿孔用のニードル部材は、その先端が錐体をなし、錐体の最大差渡し寸法が1.5mm以上3.5mm以下であっても良い。
また、前記穿孔用のニードル部材は、その先端が円錐体をなし、円錐体の最大直径が2.8mm以上3.5mm以下であり、前記穿孔ドラムによって搬送されているたばこロッドに長径3.5mm以下、短径3.5mm以下の前記空洞部が形成されても良い。
また、前記コーティング剤は、少なくとも、無機塩として炭酸カルシウム又はケイ酸ナトリウムの何れかを含む水溶液であっても良い。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
本発明によれば、エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片を巻紙の内側に充填して形成されたたばこロッドを有する加熱式たばこにおいて、たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部が蔵置期間中に閉塞することを軽減可能な加熱式たばこおよびその製造方法を提供できる。
図1は、実施形態1に係る加熱式たばこの内部構造を概略的に示す図である。 図2は、たばこロッドにおけるたばこロッドの詳細を示す図である。 図3は実施形態1に係る加熱装置の概略構成図である。 図4は、実施例および比較例における穿孔径戻り量の評価結果一覧を示す図である。 図5Aは、実施例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図5Bは、実施例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図5Cは、実施例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図5Dは、実施例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図6Aは、比較例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図6Bは、比較例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図6Cは、比較例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図6Dは、比較例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。 図7Aは、実施例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。 図7Bは、実施例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。 図8Aは、比較例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。 図8Bは、比較例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。 図9は、実施例に係るたばこロッドのヒーター挿入容易性に関する評価結果を示す図である。 図10は、比較例に係るたばこロッドのヒーター挿入容易性に関する評価結果を示す図である。 図11は、加熱式たばこにおけるたばこロッドを製造するたばこ巻上機を説明する概略図である。 図12は、加熱式たばこの第1の製造方法に適用されるフィルタチップアタッチメント装置が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。 図13は、実施形態1に係る穿孔ドラムの一部を概略的に示す図である。 図14は、実施形態1に係る穿孔ドラム装置の縦断面図である。 図15は、実施形態1に係る図14に示すA矢視図である。 図16は、実施形態1に係るコントロールリングの正面図である。 図17は、実施形態1に係る穿孔ユニットの詳細構成を説明する図である。 図18は、実施形態1に係る穿孔ユニットの上面図である。 図19は、実施形態1に係る穿孔ユニットの正面図である。 図20は、実施形態1に係る回転ドラム部の回転角、カム部におけるガイドレール、ニードル先端位置の移動軌跡の関係を示す図である。 図21は、カム部に設けられたガイドレールにおける各区間とドラム回転軸に直交する仮想直交面との関係を説明する図である。 図22は、ガイドレールにおける挿入区間始端からドラム回転軸に向かって延びる第1仮想垂線の第1方向ベクトルと、挿入区間終端からドラム回転軸に向かって延びる第2仮想垂線の第2方向ベクトルとがなす第1中心角と、引き抜き区間始端からドラム回転軸に向かって延びる第3仮想垂線の第3方向ベクトルと、引き抜き区間終端からドラム回転軸に向かって延びる第4仮想垂線の第4方向ベクトルとがなす第2中心角を説明する図である。 図23は、穿孔ドラム装置における穿孔ニードル部のニードル軸と保持溝との関係を説明する図である。 図24は、実施形態1における変形例を説明する図である。 図25は、実施形態1の変形例における第2ストップリングの部分拡大図である。 図26は、フィルタチップアタッチメント装置に組み込まれた複数の穿孔ドラム装置を含む穿孔装置を説明する図である。 図27は、加熱式たばこの第2の製造方法(吹き込み法)に適用されるフィルタチップアタッチメント装置が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。 図28は、加熱式たばこの第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)に適用されるフィルタチップアタッチメント装置が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。
ここで、本発明に係る加熱式たばこの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態1>
[加熱式たばこ]
図1は、実施形態1に係る加熱式たばこ1の内部構造を概略的に示す図である。加熱式たばこ1は、加熱装置と組み合わされて加熱式たばこ製品を構成するたばこ商品である。加熱式たばこ1および加熱装置からなる加熱式たばこ製品は、加熱装置の電気ヒーターによって加熱式たばこ1の再構成たばこ細片を燃焼させることなく加熱することで生成させたエアロゾルを使用者に供する。
加熱式たばこ1は、同軸に整列して配列されたたばこロッド2及びフィルタ3を備える。加熱式たばこ1は、使用中に使用者が口腔内に挿入する吸い口端1aと、この吸い口端1aとは反対側の端部にある先端1bを有する。フィルタ3は、同軸に整列して配列された支持部4、エアロゾル冷却部5、及びマウスピース部6を有し、これらの部材がフィルタ3の先端側から順に配置されている。フィルタ3の支持部4、エアロゾル冷却部5、及びマウスピース部6は、巻取紙7によって一体に巻き取られている。更に、たばこロッド
2及びフィルタ3は、チップペーパ8によって巻き取られることで一体に連結されている。
加熱式たばこ1の喫煙ないし吸引時には、空気が、使用者によって先端1bから吸い口端1aまで加熱式たばこ1を通って吸い込まれる。加熱式たばこ1の先端1bは、たばこロッド2の先端、又は上流端として捉えることができ、加熱式たばこ1の吸い口端1aはマウスピース部6の後端又は下流端として捉えることができる。
たばこロッド2は、加熱式たばこ1の先端1bに配置される。たばこロッド2は、エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片21を巻紙22によって包んだ棒状部材である。本実施形態において、再構成たばこ細片21は、再構成たばこ材料を裁刻したり、粉砕することで得られた細片であり、再構成たばこシートを小片に裁刻したり、粉砕したものであっても良い。再構成たばこシートは、例えば、均質化たばこ等といったたばこ原料に、添加物として結合剤、ゲル化剤、架橋剤、香料、粘度調整剤等を混練し、例えばスラリー法(キャスト方)、抄造法、圧延法又は押出し方等といった適宜の方法を用いてシート状に成形したものである。再構成たばこ材料は、例えば、たばこ製品の製造工程で生産されるたばこの茎、たばこ葉柄、葉片、及びたばこダストなどのたばこ材料から形成される。再構成たばこ材料は、例えばスラリー法、抄造法、圧延法等といった公知の方法によって形成された再構成たばこシートを、小片に裁刻したり、粉砕することで粒状・粉状の形態としたもの等が知られている。均質化たばこは、例えば、葉タバコ、乾燥たばこ葉、刻みたばこ、膨化たばこ、再生たばこ等を粉砕、磨砕して混和することで得られるたばこ材料である。
再構成たばこは、たばこ由来の植物組織・維管束構造・細胞壁構造を磨砕していること、混練してセルロース繊維の走行方向が乱雑になっていること等から、刻みたばこ・膨化たばこ・再生たばこと比して弾性が劣るものの、依然として弾性体である。また、多数の再構成たばこ細片21が巻紙22で包まれたたばこロッド2内においても再構成たばこ細片21は弾性体である。
再構成たばこ細片21に含まれるエアロゾル生成基材は、揮発して放出される揮発性物質が冷やされた際にエアロゾルを生成する物質である。エアロゾル生成基材の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質を適宜選択することができる。エアロゾル生成基材としては、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、1,3−ブタンジオール、及びこれらの混合物等を例示できる。また、再構成たばこ細片21は、香料を含んでいてもよい。香料の種類は、特に限定されない。
支持部4は、たばこロッド2の直ぐ下流側に位置し、たばこロッド2の後端と当接した状態で配置されている。支持部4は、例えば、中空のセルロースアセテート管体であってもよい。言い換えると、支持部4は、円柱状のセルロースアセテート繊維束の横断面中央にセンターホールを貫通形成したものであってもよい。支持部4は、加熱式たばこ1が適用される加熱装置の電気ヒーターがたばこロッド2内に挿入された際に、再構成たばこ細片21が加熱式たばこ1内でエアロゾル冷却部5に向かって下流側に押し込まれるのを防ぐための要素である。支持部4は、加熱式たばこ1のエアロゾル冷却部5をたばこロッド2から離間させるためのスペーサとしても機能する。
エアロゾル冷却部5は、支持部4の直ぐ下流側に位置し、支持部4の後端と当接して配置される。加熱式たばこ1の喫煙ないし吸引時において、たばこロッド2(再構成たばこ細片21)から放出される揮発性物質は、エアロゾル冷却部5に沿って下流側へ向かって流れる。たばこロッド2(再構成たばこ細片21)から放出された揮発性物質は、エアロゾル冷却部5で冷却されることで、使用者によって吸入されるエアロゾルを形成する。図
1に示す形態において、エアロゾル冷却部5は、外部の空気を導入可能な通気孔5aを有する中空の紙管によって形成されている。また、エアロゾル冷却部5は、巻紙によって囲まれるポリ乳酸の皺寄せ及びギャザー付きシートを含んでいてもよい。ポリ乳酸の皺寄せ及びギャザー付きシートは、エアロゾル冷却部5の長さ方向に沿って延びる複数の通路を形成していてもよい。
マウスピース部6は、エアロゾル冷却部5の直ぐ下流側に位置し、エアロゾル冷却部5の後端と当接した状態で配置される。図1に示す形態において、マウスピース部6は、例えば、円柱状に成形したセルロースアセテート繊維によって形成されたフィルタ材料を備えていてもよい。
図2は、加熱式たばこ1におけるたばこロッド2の詳細を示す図である。図2に示すように、たばこロッド2の先端面2aには、空洞状のヒーター挿入用空洞部23が開口している。ヒーター挿入用空洞部23は、たばこロッド2の軸方向に沿った凹部である。図2に示す形態において、ヒーター挿入用空洞部23は、非貫通の凹部として形成されているが、これには限られない。また、図2に示す形態では、ヒーター挿入用空洞部23は、たばこロッド2の先端面2aから後端側に向かって縮径する円錐形状を有しているが、先端面2aから後端側に向かって縮径する円錐台形状を有していてもよい。ヒーター挿入用空洞部23の形状は特に限定されず、円錐形状や円錐台形状以外の形状を有していてもよい。図2に示す符号CL1は、たばこロッド2の中心軸である。ヒーター挿入用空洞部23は、たばこロッド2の中心軸CL1と同軸に形成されていてもよい。
また、図2に示すように、たばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23の周囲(内面)には、無機塩又は高分子材料を含むコーティング部24が形成されている。このコーティング部24は、再構成たばこ細片21同士を結合する結合材として機能し、再構成たばこ細片21の表面にコーティング剤が塗工されることで形成されている。本実施形態において、コーティング部24は、ヒーター挿入用空洞部23の内面へ露呈する再構成たばこ細片21の少なくとも一部における再構成たばこ細片21同士にまたがるように設けられており、たばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23が閉塞することを抑制する。上記の通り、たばこロッド2の巻紙22によって巻き取られている再構成たばこ細片21は、塑性体ではなく弾性体であるため、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を形成する際、たばこロッド2の先端面2a側から単に穿孔加工を施しただけでは、穿孔加工の直後からヒーター挿入用空洞部23を閉塞する方向(ヒーター挿入用空洞部23の横断面が減少する方向)に再構成たばこ細片21の弾性変形が起こり始めてしまう。その結果、例えば、加熱式たばこ1を長期に亘り蔵置した場合にたばこロッド2のヒーター挿入用空洞部23が閉塞する虞がある。そこで、本実施形態においては、たばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23の内面に、ヒーター挿入用空洞部23の閉塞を抑制するためのコーティング剤を塗工することでコーティング部24を形成することとしている。
コーティング部24としては、無機塩又は高分子材料からなる種々の材料を用いることができる。例えば、コーティング部24は、無機塩として、少なくとも炭酸カルシウムおよびケイ酸ナトリウムのうち何れかを含んでいても良い。また、コーティング部24は、天然高分子として、少なくとも、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラヤガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コンニャクマンナン、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラゲニン、アルギネート、プルラン、カードラン、イナゴマメのガム、タラガム、トラガカントゴム、ゼイン、キチン、キトサン、アカシアゴムのうち何れかを含んでいても良い。また、コーティング部24を形成するためのコーティング剤としては、上記の材料を含む水溶液を好適に用いることができる。具体的には、コーティング剤は、少なくとも炭酸カルシウムおよびケイ酸ナトリウムのうち何れか
を含む水溶液であっても良い。また、コーティング剤は、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラヤガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コンニャクマンナン、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラゲニン、アルギネート、プルラン、カードラン、イナゴマメのガム、タラガム、トラガカントゴム、ゼイン、キチン、キトサン、アカシアゴムのうち何れかを含む水溶液であっても良い。
ここで、コーティング部24を形成するためのコーティング剤のハンドリングのし易さ、ヒーター挿入用空洞部23への電気ヒーターの挿入時における電気ヒーターへの再構成たばこ細片21の付着のし難さ、耐熱性、ヒーター加熱時における揮発成分の安全性等の観点から、コーティング剤として炭酸カルシウムを含む水溶液、又はケイ酸ナトリウムを含む水溶液(水ガラス)を用いることが好ましい。
また、加熱式たばこ1本当たりにおけるコーティング部24の含有量は、特に限定されないが、例えば5mg〜60mgの範囲とする態様が挙げられ、具体的には、たばこロッド2の径、長さ、たばこロッド2充填する再構成たばこ細片21の充填密度・物性等に応じて決定することができる。
図3は、実施形態1に係る加熱装置100Aの概略構成図である。加熱装置100Aおよび加熱式たばこ1を含んで、加熱式たばこ製品が構成される。加熱装置100Aは、各種構成部品を収容するための筐体であるハウジング102を有する。ハウジング102内には、電気ヒーター103、コントローラ(制御部)104、電源105等が収容されている。ハウジング102は、加熱式たばこ1におけるたばこロッド2を挿入する開口部106を含む収容キャビティ107を有している。収容キャビティ107は、円柱形状を有する空洞部であり、たばこロッド2を収容することができる。
図3に示すように、収容キャビティ107内には、電気ヒーター103が設けられている。電気ヒーター103は、例えば円錐形状を有し、収容キャビティ107における底部107aの中央部から開口部106側に向かって垂直に突設されており、基端部103aから先端部103bに向かって徐々に先細りとなっている。また、電気ヒーター103の中心軸は、収容キャビティ107の中心軸と同軸である。また、電気ヒーター103の種類は特に限定されないが、例えば鋼材に発熱線(例えば、ニクロム、鉄クロム、鉄ニッケル等)を張り巡らせて配置したもの、或いは、セラミックヒーター等を用いることができる。加熱装置100Aの電気ヒーター103が発熱した際に、その熱量がたばこロッド2の再構成たばこ細片21に熱伝導されることで、使用者の吸引に供するエアロゾルが発生する。なお、たばこロッド2の直径(巻径)は、7mm〜8mm程度とする態様が一例として挙げられる。電気ヒーター103の最大差渡し径は特に限定されないが、最大差渡し径を1.5mm以上2.5mm以下とすることが好ましいと考えられる。電気ヒーター1
03の最大差渡し径を1.5mm以上にすることで、たばこロッド2における再構成たばこ細片21の加熱時に再構成たばこ細片21をエアロゾルの生成に必要な要求温度まで比較的短時間で昇温させ易くなる。また、電気ヒーター103の最大差渡し径が過度に大きいと、たばこロッド2に電気ヒーター103を挿入しにくくなることが考えられ、電気ヒーター103の最大差渡し径を2.5mm以下とすることで、たばこロッド2に電気ヒー
ター103を挿入し易いと考えられる。なお、電気ヒーター103が棒状部と、当該棒状部の先端側に設けられた錐体部を含む場合には、錐体部の最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下とし、且つ、棒状部の最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下とすることが好ましいと考えられる。
以上のように構成される加熱式たばこ1は、たばこロッド2の先端面に開口するようにヒーター挿入用空洞部23が形成されているため、たばこロッド2を加熱装置100Aに
装着する際、たばこロッド2に電気ヒーター103を挿入する際の挿入抵抗を小さくすることができる。これにより、加熱装置100Aに対するたばこロッド2の装着時(たばこロッド2に対する電気ヒーターの挿入時)におけるユーザビリティを向上させることができる。また、電気ヒーター103をたばこロッド2に挿入する際に、電気ヒーター103の折損等が生じたり、たばこロッド2が座屈変形することを抑制できる。また、たばこロッド2がヒーター挿入用空洞部23を備えることで、電気ヒーター103の挿入抵抗を小さくすることができるため、たばこロッド2に対する電気ヒーター103の挿入時に、再構成たばこ細片21が支持部4側に押し込まれることをより好適に抑制しつつ、再構成たばこ細片21と電気ヒーター103を密着させ、電気ヒーター103から再構成たばこ細片21への熱伝導を向上させることができる。更に、喫煙ないし吸引後に加熱式たばこ1のたばこロッド2を加熱装置100Aの収容キャビティ107から引き抜く際にも、電気ヒーター103と再構成たばこ細片21間で生じる摩擦力が小さいため、再構成たばこ細片21の脱落が起こり難い。また、喫煙ないし吸引時における再構成たばこ細片21の焼き付きが起こり難くなるため、喫煙ないし吸引後に加熱装置100Aの収容キャビティ107からたばこロッド2を引き抜く際に、再構成たばこ細片21の脱落を起こり難くすることができる。
更に、本実施形態における加熱式たばこ1によれば、たばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23の内面へ露呈する再構成たばこ細片21の少なくとも一部に、無機塩又は高分子材料を含むコーティング部24が再構成たばこ細片21同士にまたがるように形成されているため、コーティング部24を介してヒーター挿入用空洞部23の周囲に存在する再構成たばこ細片21同士を結合することができる。これにより、加熱式たばこ1が長期に亘り蔵置されたとしても、たばこロッド2のヒーター挿入用空洞部23が経時的に閉塞することを抑制できる。
<実施例>
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
〔穿孔径戻り量の評価〕
実施例(サンプルNo.1〜12)に係る加熱式たばこと、比較例(サンプルNo.13〜24)に係る加熱式たばこを作製した。
実施例は、上述した実施形態に係る加熱式たばこであり、たばこロッドの先端面に開口する非貫通の凹部であるヒーター挿入用空洞部の内面にコーティング剤を塗工することでコーティング部を形成したものである。一方、比較例は、たばこロッドにおけるヒーター挿入用空洞部の内面にコーティング剤を塗工せず、コーティング部が形成されていない点を除いて実施例と共通である。
実施例および比較例に係る加熱式たばこの製造に際して、たばこロッドの巻径をφ7.0mmに設定し、たばこロッドの先端面に直径φ3.2mmの穿孔用のニードル部材を用いて手作業で穿孔することによりヒーター挿入用空洞部を形成した。ニードル部材は、先端が円錐体をなすことで先端が鋭利に尖った形状を有するものを使用した。実施例においては、更に、ヒーター挿入用空洞部の内面に露呈する再構成たばこ細片の表面に、コーティング剤を手作業で塗布した後、コーティング剤を乾燥させることでコーティング部を形成した。コーティング剤としては、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を使用した。
上記のように作製した実施例および比較例に係る加熱式たばこの作製後(ヒーター挿入用空洞部の穿孔後)から14日蔵置した後、たばこロッドに形成したヒーター挿入用空洞部の穿孔径(長軸孔径、短軸孔径)を測定し、穿孔径戻り量を評価した。図4に、実施例
および比較例における穿孔径戻り量の評価結果一覧を示す。図4に示すように、実施例(サンプルNo.1〜12)は、各実施例の長軸孔径および短軸孔径を平均した平均値(図4中、「孔径平均値」)が1.81mmであり、作製直後からの穿孔径戻り量(穿孔径減少量)の平均値は1.39mmであった。一方、比較例(サンプルNo.13〜24)は、各比較例の長軸孔径および短軸孔径の平均値(図4中、「孔径平均値」)が1.00mmであり、作製直後からの穿孔径戻り量(穿孔径減少量)の平均値は2.20mmであった。以上のように、加熱式たばこ(たばこロッド)の蔵置に伴う穿孔径戻り量に関して、比較例に対して実施例の方が低減できることが確認できた。すなわち、たばこロッドにおけるヒーター挿入用空洞部の内面にコーティング剤を塗工することによってコーティング部を形成することで、蔵置中にヒーター挿入用空洞部が経時的に閉塞することを抑制できるということが確認できた。
ここで、図5A〜図5Dは、実施例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。図6A〜図6Dは、比較例に係るたばこロッドの先端面を撮影した画像を示す図である。図7A、図7Bは、実施例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。図8A、図8Bは、比較例に係るたばこロッドのヒーター挿入用空洞部を含む縦断面のCTスキャン画像である。図5A〜図5D、図6A〜図6D、図7A、図7B、図8A、図8Bに示す画像は何れも、実施例および比較例に係る加熱式たばこの作製後(ヒーター挿入用空洞部の穿孔後)、7日ないし60日以上蔵置した後に撮影したものである。
図6A〜図6Dおよび図8A、図8Bに示すように、比較例に係る加熱式たばこのたばこロッドにおいては、ヒーター挿入用空洞部の穿孔直後からヒーター挿入用空洞部を閉塞する方向に再構成たばこ細片の弾性変形が開始されることで、加熱式たばこの蔵置に起因してヒーター挿入用空洞部が閉塞してしまっていることが判る。これに対して、図5A〜図5Dおよび図7A、図7Bに示すように、実施例に係る加熱式たばこにおいては、たばこロッドにおけるヒーター挿入用空洞部の内面にコーティング剤が塗工されることでコーティング部が形成されているため、蔵置中においてもヒーター挿入用空洞部の閉塞が抑制され、依然としてヒーター挿入用空洞部が維持されていることが判る。
〔ヒーターの挿入容易性に関する評価〕
次に、実施例と比較例に係る加熱式たばこのたばこロッドに対して加熱装置のヒーターを挿入する際の挿入容易性に関する評価結果について説明する。ここでは、直径の異なる複数のヒーターを、実施例と比較例に係るたばこロッドに対してそれぞれ挿入したときの挿入のし易さについての官能評価を行った。官能評価は、3名の被験者により行い、被験者が試験時に感じた「ヒーターの挿入し易さ」に関する感覚の程度を評価した。なお、本評価において、たばこロッドに挿入する直径の異なるヒーターは、実施例および比較例に係るたばこロッドにヒーター挿入用空洞部を穿孔する際に用いたリードル部材とほぼ同形状であり、円柱状の軸部の先端を円錐状に尖らせたものである。また、ヒーターの直径(ヒーター径)は、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.2mmの4水準とした。なお、本評価においても、上述した穿孔径戻り量の評価を行ったときと同様、巻径がφ7.0mmのたばこロッドを使用した。
図9は、実施例に係るたばこロッドのヒーター挿入容易性に関する評価結果を示す図である。図10は、比較例に係るたばこロッドのヒーター挿入容易性に関する評価結果を示す図である。図9および図10において、横軸にヒーターのヒーター径を示し、縦軸に「ヒーター挿入容易性に関する評価点(以下、「ヒーター挿入容易性評価点」という)」を示す。なお、ヒーター挿入容易性評価点は、被験者が各たばこロッドにヒーターを挿入したときに感じた「挿入し易さ」に関する感覚の程度が「挿入しにくい」であった場合を「0」、「普通」であった場合を「0.5」、「挿入し易い」であった場合を「1.0」と
して数値化したものである。図9および図10には、「ヒーター挿入容易性」に関する3名の被験者の評価点の平均値を示している。また、ヒーター挿入容易性に関する官能評価は、実施例および比較例に係る加熱式たばこの作製後(ヒーター挿入用空洞部の穿孔後)、7日蔵置した後に行った。
図10に示すように、ヒーター径が2.0mmのヒーターをたばこロッドに挿入した場合における比較例のヒーター挿入容易性評価点(平均値)は「1.0」であった。一方、比較例において、ヒーター径を2.5mm、3.0mm、3.2mmとした場合は、ヒーター挿入容易性評価点(平均値)が何れも「0」であった。以上の結果より、比較例に関しては、ヒーター径が2.0mmのヒーターは挿入し易いが、ヒーター径が2.5mm以上のヒーターは挿入しにくいと評価することができる。
一方、図9に示すように、実施例に関しては、ヒーター径が2.0mmのときのヒーター挿入容易性評価点(平均値)は「1.0」であり、ヒーター径が2.5mmのときのヒーター挿入容易性評価点(平均値)は「0.67」であった。また、実施例において、ヒーター径を3.0mm、3.2mmとした場合は、ヒーター挿入容易性評価点(平均値)が何れも「0」であった。以上の結果より、実施例に関しては、ヒーター径が2.5mm以下のヒーターは挿入し易いが、直径が3.5mm以上のヒーターは挿入しにくいと評価することができる。
実施例および比較例に関するヒーター挿入容易性について比較すると、ヒーター径が2.5mmのときのヒーター挿入容易性に有意な差が確認できた。これは、加熱式たばこ(たばこロッド)の蔵置中における穿孔径戻り量の評価で説明したように、ヒーター挿入用空洞部の内面にコーティング剤を塗工した実施例はヒーター挿入用空洞部の閉塞を抑制できるため、より大きな直径を有するヒーターを容易に挿入することができたことによるものと考えられる。このように、比較例に比べて、実施例の方が、ヒーター径のより大きなヒーターを使用する場合においても、当該ヒーターをたばこロッドに挿入し易いといえる。すなわち、実施例に係る加熱式たばこによれば、たばこロッドへのヒーターの挿入し易さを確保しつつ、より大きなヒーターを用いて加熱することで、たばこロッドの再構成たばこ細片を効率良く加熱することができる。よって、実施例によれば、加熱装置にたばこロッドを装着する際のユーザビリティに優れ、且つ、エアロゾルのデリバリー量の優れた加熱式たばこを提供することができる。
上記実施例に関する評価試験の結果を踏まえると、本実施形態における加熱式たばこ1においては、たばこロッド2の先端面2aに開口するヒーター挿入用空洞部23は、短径0.5mm以上、長径1.8mm以上で開口されていることが好ましい。そして、加熱装置100Aにおける電気ヒーター103は、最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以
下であることが好ましい。このようにすることで、加熱式たばこ1が長期にわたって蔵置されたとしても、使用者が加熱装置100Aにたばこロッド2を装着する際に、たばこロッド2の再構成たばこ細片21に対して電気ヒーター103が挿入し易くなる。また、電気ヒーター103が棒状部と、当該棒状部の先端側に設けられた錐体部を含む場合には、錐体部の最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下とし、且つ、棒状部の最大差渡し
径が1.5mm以上2.5mm以下とすることが好ましい。これにより、電気ヒーター1
03による加熱時の再構成たばこ細片21への熱伝導能力と、たばこロッド2へのヒーター挿入容易性を両立することができる。
[加熱式たばこの製造方法]
次に、上述した加熱式たばこ1の製造方法について説明する。図面を参照して説明する。本実施形態における加熱式たばこ1の製造方法は、たばこロッド2の先端面2aに開口するヒーター挿入用空洞部23の内面に露呈する再構成たばこ細片21同士にまたがって
コーティング部24が形成されるように、コーティング部24を形成するためのコーティング剤を再構成たばこ細片21に塗工するコーティング剤塗工工程を含むことを特徴とする。
《予添加法》
図11〜図27は、実施形態1に係る加熱式たばこ1の第1の製造方法(予添加法)を説明する図である。図11は、加熱式たばこ1におけるたばこロッド2を製造するたばこ巻上機30を説明する概略図である。
たばこ巻上機30は、再構成たばこ細片21を溜める容器であるホッパ31を有する。ホッパ31内の再構成たばこ細片21は、無端状のたばこバンド(移送ベルト)32に吸着されることで、たばこバンド32に再構成たばこ細片21の層が形成される。たばこバンド32に吸着した層状の再構成たばこ細片21は、たばこバンド32の走行に伴い、ラッピングセクション33に供給される。
ラッピングセクション33は、無端状のガニチャベルト34を有する。ガニチャベルト34は、複数のガイドローラにより案内されている。また、ガニチャベルト34は、駆動ドラム35に掛け回されて周回軌道を形成しており、駆動ドラム35の回転に伴って成形ベッド36の図示しない成形溝内を、後述するペーパウエブPWと共に一方向に走行する。なお、成形ベッド36の成形溝は、ラッピングセクション33の入口から出口に向けてその溝幅および溝底の曲率半径が徐々に減少する形状を有し、ラッピングセクション33の出口では略断面半円形となっている。
ラッピングセクション33の上流端側には、ローラ状のウエブガイド37が配置されている。ウエブガイド37は、ウエブロールから巻き出されたペーパウエブPWをラッピングセクション33の上流端においてガニチャベルト34上に導く。なお、ペーパウエブPWは、たばこロッド2の巻紙22となる長尺の包材である。
ラッピングセクション33の上流端には、シュー38が配置されている。シュー38は
、楔形の先端を有し、たばこバンド32から層状の再構成たばこ細片21を剥離させ、剥離した層状の再構成たばこ細片21はラッピングセクション33の上流端においてペーパウエブPW上に供給される。
ラッピングセクション33において、シュー38の直下流には、ガニチャベルト34上を走行するペーパウエブPW上に供給された層状の再構成たばこ細片21に、コーティング剤を塗布(添加)するコーティング剤塗布ノズル39が配置されている。コーティング剤塗布ノズル39は、走行するガニチャベルト34上にペーパウエブWを介して供給された層状の再構成たばこ細片21に対して、連続的にコーティング剤を塗布(添加)する(コーティング剤添加工程)。なお、コーティング剤塗布ノズル39は、層状の再構成たばこ細片21に対して、ガニチャベルト34上を走行方向に直交する幅方向における中央部近傍に対して集中的にコーティング剤を塗布(添加)してもよい。このコーティング剤は、上記の通り、硬化後においてコーティング部24を形成するための液状材料である。
図11に示すように、ラッピングセクション33におけるコーティング剤塗布ノズル39の下流には、トング40、ショートホルダ41、糊塗布ノズル42、ロングホルダ43、及びヒータユニット44がこれらの順に配置されている。そして、コーティング剤塗布ノズル39によってコーティング剤が塗布(添加)された層状の再構成たばこ細片21は、ガニチャベルト34の走行に伴ってペーパウエブPWと共に、トング40、ショートホルダ41、糊塗布ノズル42、ロングホルダ43、ヒータユニット44を順次通過する。
コーティング剤塗布ノズル39によってコーティング剤が塗布(添加)された層状の再構成たばこ細片21がトング40を通過する際、トング40は層状の再構成たばこ細片21を上方から圧縮し、再構成たばこ細片21の上部を横断面でみて円弧状に成形する。一方、成形ベッド36の成形溝は、ガニチャベルト34がラッピングセクション33の上流端からトング40に向けて走行する過程にて、ガニチャベルト34、即ち、ペーパウエブPWをその横断面でみて徐々にU字形に形成する。これにより、成形ベッド36の成形溝はトング40との間にて層状の再構成たばこ細片21の下部を圧縮し、横断面でみて円弧状に成形する。このようにして、層状の再構成たばこ細片21がラッピングセクション33において上下から圧縮され、棒状(棒状)に成形される。
そして、ペーパウエブPWが再構成たばこ細片21と共にショートホルダ41を通過する際、ショートホルダ41はペーパウエブWの一側縁部を再構成たばこ細片21に上側から被せるべく円弧状に曲成し、この際、ペーパウエブPWの他側縁には糊塗布ノズル42によって糊が塗布される。この後、ロングホルダ43はペーパウエブPWの他側縁部を一側縁部と同様に円弧状に曲成して再構成たばこ細片21に被せる。これにより、ペーパウエブPWの両側縁は互い重ね合わされると同時に糊により互いに接着される。このようにして、ガニチャベルト34を介して再構成たばこ細片21がペーパウエブWによって連続的に包み込まれ、たばこロッドの連続体TRが成形される。この後、たばこロッドの連続体TRがヒータユニット44を通過する際、ペーパウエブWのラップ部の糊が乾燥され、たばこロッドの連続体TRがラッピングセクション33から連続して送出される。
そして、ラッピングセクション33から連続して送出されるたばこロッドの連続体TR
は、切断セクション45におけるロータリナイフによって所定長さに切断される。たばこロッドの連続体TRは、例えば、たばこロッド2の2倍の長さを有するダブルたばこロッドDRに切断されてもよい。そして所定の長さに切断されたたばこロッド2(ダブルたばこロッドDR)は、後段のフィルタチップアタッチメント装置に供給される。
図12は、フィルタチップアタッチメント装置50が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。フィルタチップアタッチメント装置50は、たばこ巻上機30で製造されたたばこロッド2と、図示しないフィルタ製造装置で製造されたフィルタロッドを受け取り、これらをチップペーパ8によって接続するための装置である。
フィルタチップアタッチメント装置50は、例えば、たばこ巻上機30から受け取ったダブルたばこロッドDRを、図示しないドラム等で搬送する過程で2本のシングルたばこロッド2に切断する。以後、シングルたばこロッド2は、単に「たばこロッド2」と記載する。ダブルたばこロッドDRが切断されることで得られた2本のたばこロッド2は、軸方向に離間された状態で配列される。
フィルタチップアタッチメント装置50は、ダブルフィルタロッドDFを搬送する搬送ドラム51を有する。ダブルフィルタロッドDFは、フィルタ3の2倍の長さを有するフィルタロッドであり、中央で2等分されることで2本のフィルタ3が得られるように形成されている。ダブルフィルタロッドDFは、搬送ドラム51によってホッパドラム52に搬送される。
上述したたばこロッド2の配列は、2本のたばこロッド2の間にフィルタ3を受け入れ可能な間隔が形成されており、この間隔を保持したままホッパドラム52に供給される。このときたばこロッド2の配列は各たばこロッド2の間にダブルフィルタロッドDFを受け入れ、ダブルフィルタロッドDFと同一の軸線上に並ぶ。ホッパドラム52は、その回転方向でみて両側に一対のフローティングディスク(図示せず)を備えており、ホッパドラム52の回転に伴い、各たばこロッド2は両側のフローティングディスクに挟み込まれ
、軸方向にその間隔を詰められる。
フィルタチップアタッチメント装置50は、ボビンにロール状に巻き取られたチップペーパ8のウエブ(以下、「チップペーパウエブ」という)TWを連続して繰り出しながら、その片面に糊を塗布し、この後、チップペーパウエブTWを先頭から所定長さ毎のチップペーパ8に切断する。切断したチップペーパ8はホッパドラム52に供給され、ホッパドラム52上のたばこロッド2及びダブルフィルタロッドDFの外面に貼り付く。そして、2本のたばこロッド2及びその間に挟まれたダブルフィルタロッドDFと、これらの外面に張り付いたチップペーパ8は、ホッパドラム52に近接するローリングドラム53へと供給される。
ローリングドラム53では、その回転に伴いたばこロッド2等をその外周面上において転動させ、この転動にチップペーパ8を追従させることで、ダブルフィルタロッドDFとその両端に配置された2本のたばこロッド2の外面にチップペーパ8を巻き付ける。チップペーパ8の巻き付けが完了すると、ダブルフィルタロッドDF及びその両側のたばこロッド2の基端部をチップペーパ8一体的に包み込むようにして糊付けされ、ダブルフィルタロッドDFの両側にそれぞれたばこロッド2が接続されたダブル巻きDSが得られる。
ダブル巻きDSは、次工程として、ローリングドラム53からチェッキングドラム54に受け渡される。チェッキングドラム54では、ダブル巻きDSの通気検査を行い、ここで巻紙の破れがある穴巻品やダイリューション過多等の不良品が排除される。通気検査をパスしたダブル巻きDSは、次いでチェッキングドラム54からカッティングドラム55に受け渡される。カッティングドラム55上において、ダブル巻きDSは、カッティングナイフ(図示せず)によりダブルフィルタロッドDFの中央位置で2等分され、これにより、2本の加熱式たばこ1(図1を参照)に切り離される。この時点において、加熱式たばこ1は、たばこロッド2とフィルタ3がチップペーパ8と一体に巻き取られたものであり、その先端には未だヒーター挿入用空洞部23が穿孔されていない。
ダブル巻きDSから2本に切り離された加熱式たばこ1は、カッティングドラム55からターニングドラム56、穿孔ドラム60に順次、受け渡される。ターニングドラム56は、その外周面に多数の保持溝を有しており、これら保持溝内に一対の加熱式たばこ1をそれぞれ1本ずつ受け入れることができる。
ダブル巻きDSの切り離しにより、一対の加熱式たばこ1は互いに背向した状態でカッティングドラム55からターニングドラム56に受け渡される。ターニングドラム56では、互いに背向した状態で受け入れた一対の加熱式たばこ1の一方の向きを反転させ、且つ、その外周面上にて他方の加熱式たばこ1と同列上に位置付けられるように変位させた後、加熱式たばこ1を順次穿孔ドラム60に向けて搬送する。
[穿孔ドラム装置]
次に、加熱式たばこ1におけるたばこロッド2に対してヒーター挿入用空洞部23を穿孔するための穿孔ドラム装置70について説明する。穿孔ドラム60は、穿孔ドラム装置70の一部を構成している。穿孔ドラム60は、前段のドラムから受け取った加熱式たばこ1を後段のドラム59に受け渡すまでの搬送過程で、たばこロッド2の先端面2aに対して穿孔し、図1で説明したヒーター挿入用空洞部23を形成する。
図13は、実施形態1に係る穿孔ドラム60の一部を概略的に示す図である。詳しくは後述するが、穿孔ドラム60は、その外周面に多数の保持溝を有しており、たばこロッド2を有する加熱式たばこ1を各保持溝内に1本ずつ受け入れる。穿孔ドラム60における保持溝にはサクションエアが供給されており、保持溝に受け入れられた加熱式たばこ1は
、保持溝内に吸引保持される。また、穿孔ドラム60には、各保持溝の延伸方向の延長上に穿孔用のニードル部材240が設けられている。穿孔ドラム60は、加熱式たばこ1の搬送過程で、たばこロッド2の先端面2aから穿孔用のニードル部材240を挿入することで穿孔する。その結果、ヒーター挿入用空洞部23が穿孔されたたばこロッド2を有する加熱式たばこ1が得られる。
図14は、実施形態1に係る穿孔ドラム装置70の縦断面図である。図14に、便宜上、穿孔ドラム装置70の上下前後方向を示す。穿孔ドラム装置70は、穿孔ドラム60、固定ハウジング80、これらを支持するフレーム部材90等を有している。フレーム部材90は、底板フレーム部91、後方フレーム部92、前方フレーム部93等を有している。後方フレーム部92、前方フレーム部93は、底板フレーム部91から上方に立設するフレーム部材である。
固定ハウジング80は、フレーム部材90の後方フレーム部92に固定された不動の固定部材であり、穿孔ドラム60に併設されている。固定ハウジング80は、回転ドラム基部に相当する。図15は、図14に示すA矢視図である。固定ハウジング80は、概略円筒状のハウジング部材であり、内部は中空となっている。符号81は、固定ハウジング80の中空部である。符号CL2は、穿孔ドラム60の回転軸である。本実施形態において、固定ハウジング80は、穿孔ドラム60の回転軸(以下、「ドラム回転軸」ともいう)CL2と同軸となるように配置されており、固定ハウジング80の中心軸はドラム回転軸CL2と一致している。固定ハウジング80の軸方向に沿った両端位置には軸受けハウジング110A,110Bが取り付けられており、軸受けハウジング110A,110Bによって穿孔ドラム60を回転駆動するための回転駆動シャフト100が回転自在に軸支されている。回転駆動シャフト100の中心軸は、ドラム回転軸CL2と一致している。軸受けハウジング110A,110Bは、ベアリング等によって回転駆動シャフト100を回転自在に軸支している。また、回転駆動シャフト100の後端側には、タイミングプーリ120が取り付けられている。タイミングプーリ120には、図示しないタイミングベルトが掛け回されている。タイミングベルトは、駆動モータ(図示せず)の回転軸に取り付けられたモータ側プーリ(図示せず)にも掛け回されており、駆動モータの回転出力がタイミングベルトを介してタイミングプーリ120に伝達されることで、回転駆動シャフト100が回転駆動されるようになっている。
穿孔ドラム60は、概略有底円筒状のドラムであり、底盤プレート部61と、当該底盤プレート部61から立設する側周壁である円筒状の回転ドラム部62を有する。回転ドラム部62の外周面62Aには、周方向に複数の保持溝(保持部)63が一定間隔で形成されている(図15を参照)。保持溝63は、加熱式たばこ1(たばこロッド2)を受け入れ可能な凹部であり、例えば、半円形状を有している。保持溝63の数は特に限定されないが、図15に示す例では回転ドラム部62の外周面62Aに20個の保持溝63が一定間隔毎に設けられている。また、回転ドラム部62の保持溝63は、ドラム回転軸CL2と平行に延設されている。そのため、回転ドラム部62の保持溝63は、たばこロッド2の中心軸CL1の方向がドラム回転軸CL2に沿うように加熱式たばこ1(たばこロッド2)を保持することができる。
また、図15に示すように、各保持溝63の溝底には、各保持溝63に受け入れた加熱式たばこ1を吸引するためのサクションエアを供給するためのサクション孔63Aが設けられている。穿孔ドラム60における回転ドラム部62の内部には、サクション孔63Aに一端が接続された第1サクション通路64が回転ドラム部62の径方向に延設されている(図14、図15等を参照)。
図14に示すように、回転ドラム部62における各保持溝63には、3箇所にサクショ
ン孔63Aが設けられており、各々のサクション孔63Aに第1サクション通路64が接続されている。但し、各保持溝63に形成するサクション孔63Aの数は特に限定されない。回転ドラム部62には、各第1サクション通路64の他端に接続される第2サクション通路65が、ドラム回転軸CL2方向に沿って延設されている。第2サクション通路65は、回転ドラム部62の前端面62Bにおいて開口している。符号65Aは、回転ドラム部62の前端面62Bにおいて第2サクション通路65が開口する開口孔である。図15に示すように、回転ドラム部62の前端面62Bには、周方向に一定間隔で開口孔65Aが環状に配列している。
回転駆動シャフト100の前端側には、ディスクプレート130が一体に取り付けられている。回転駆動シャフト100のディスクプレート130は、コネクティングピンを介してエンドプレート140と一体に締結されている。また、エンドプレート140は、コネクティングピンを介して、穿孔ドラム60の底盤プレート部61と一体に締結されている。以上のように、本実施形態における回転駆動シャフト100は、ディスクプレート130、エンドプレート140を介して穿孔ドラム60の底盤プレート部61と一体に固定されている。これにより、回転駆動シャフト100が回転することで、回転駆動シャフト100と同期して穿孔ドラム60が回転駆動される。なお、図14に示すように、穿孔ドラム60における回転ドラム部62の後端側の内周面と、固定ハウジング80の外周面との間にはベアリング160が介装されているため、回転駆動シャフト100に同期して円滑に穿孔ドラム60を回転駆動させることができる。また、本実施形態では、便宜上、穿孔ドラム装置70を前面側から眺めて、反時計周りに穿孔ドラム60が回転駆動される場合を例に説明する。
次に、穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60および固定ハウジング80の前方側に設けられるコントロールリング150について説明する。フレーム部材90における前方フレーム部93には、前面プレート94が取り付けられており、この前面プレート94にリングホルダ95が固定されている。また、リングホルダ95には、コントロールリング150が固定されている。コントロールリング150は、その中心がドラム回転軸CL2と一致するように配置された環状部材であり、その後面150Aが穿孔ドラム60における回転ドラム部62の前端面62Bに対向するようにリングホルダ95に固定されている。本実施形態においては、回転ドラム部62の前端面62Bをコントロールリング150の後面150Aに対して摺接させながら穿孔ドラム60が回転駆動されるようになっている。ここで、コントロールリング150の後面150Aには、回転ドラム部62における各第2サクション通路65にサクションエアを供給するためのサクション供給チャネル151が溝状に凹設されている。
図16は、実施形態1に係るコントロールリング150の正面図である。図16に示す符号150Bは、コントロールリング150の前面である。コントロールリング150において、サクション供給チャネル151は、後面150Aに開口している。また、サクション供給チャネル151は、コントロールリング150の周方向に沿って円弧状に延設されており、本実施形態ではコントロールリング150の略半周に亘って形成されている。但し、コントロールリング150においてサクション供給チャネル151を形成させる範囲は適宜変更することができる。図16に示す符号152は、回転ドラム部62における各第2サクション通路65に吸引圧を供給するための吸引口である。吸引口152は、コントロールリング150の前面150Bに開口しており、サクション供給チャネル151と連通している。
また、符号153は、回転ドラム部62における各第2サクション通路65に大気圧を供給するための大気開放孔である。大気開放孔153は、コントロールリング150の前面150Bから後面150Aに掛けてコントロールリング150を厚さ方向に貫通してお
り、大気に開放されている。また、符号154は、回転ドラム部62における各第2サクション通路65にブローエアを供給するためのブローエア供給孔である。ブローエア供給孔154は、コントロールリング150の前面150Bから後面150Aに掛けてコントロールリング150を厚さ方向に貫通している。ここで、図15に示す符号155は、コントロールリング150の吸引口152に連結されるエルボ配管である。符号156は、コントロールリング150のブローエア供給孔154に接続されるエルボ配管である。エルボ配管155には、チューブ等を介して図示しない吸引源から吸引圧が供給される。また、エルボ配管156には、チューブ等を介して図示しないエア供給源からエアブロー用の空気が供給される。
図16において、符号151Aは、サクション供給チャネル151の始端であり、符号151Bはサクション供給チャネル151の終端である。穿孔ドラム60が回転駆動されている間、図15に示す各エルボ配管155および吸引口152を介して、コントロールリング150のサクション供給チャネル151に吸引圧が導入される。本実施形態では、コントロールリング150におけるサクション供給チャネル151とドラム回転軸CL2との間の径方向における離間距離と、回転ドラム部62における各第2サクション通路65とドラム回転軸CL2との間の径方向における離間距離は等しい寸法に設定されている。そのため、穿孔ドラム60が回転駆動される際、回転ドラム部62における各第2サクション通路65がコントロールリング150のサクション供給チャネル151に連通している間、すなわち、図16に示すサクション開始位置からサクション終了位置までのサクション区間に亘って、サクション供給チャネル151と連通状態にある第2サクション通路65および第1サクション通路64を通じて保持溝63のサクション孔63Aに吸引圧が供給される。その結果、コントロールリング150のサクション区間に位置する保持溝63に対してサクション孔63Aから吸引圧が作用することとなる。
本実施形態における穿孔ドラム60は、例えば、穿孔ドラム60の各保持溝63が回転角0°に到達した時点で前段のターニングドラム56からたばこ1を受け取ることで当該加熱式たばこ1を吸引保持し、各保持溝63が回転角180°に到達した時点で当該保持溝63に保持していた加熱式たばこ1を後段のドラム59に受け渡すように設計されていても良い(図16を参照)。なお、図16に示す例では、穿孔ドラム60の各保持溝63が回転角170°に到達した時点でサクション孔63Aへの吸引圧の供給が終了する。そして、各保持溝63のサクション孔63Aが大気開放された後、保持溝63に保持されていた加熱式たばこ1が後段のドラム59に受け渡される。なお、穿孔ドラム60は、各保持溝63に吸引保持していた加熱式たばこ1を後段のドラム59に受け渡し後、各保持溝63のサクション孔63Aが第1サクション通路64および第2サクション通路65を通じてブローエア供給孔154と連通するタイミングで、サクション孔63Aにブローエアが供給される。このブローエアの噴射圧は、穿孔ドラム60の各保持溝63に対応する第1サクション通路64および第2サクション通路65等の清掃に利用される。なお、上述したサクション、大気開放、ブローエアの各タイミングは例示的なものであり、適宜変更することができる。
なお、図14および図15に示すように、本実施形態における穿孔ドラム装置70は、穿孔ドラム60における各保持溝63に吸引保持している加熱式たばこ1をガイドするガイドプレート180を備えている。ガイドプレート180は、後方フレーム部92に固定されたスタッド185によって支持されている。また、図14および図15に示す符号186は、回転ドラム部62の外周面62Aに取り付けられる環状のストップリングであり、保持溝63の前方に配置されている。ストップリング186は、各保持溝63に吸引保持している加熱式たばこ1における吸い口端1a(フィルタ3側の端面)と当接することで加熱式たばこ1を位置決めするための当接面186Aを有する第1のストッパー部材である(図17を参照)。
次に、各保持溝63に保持する加熱式たばこ1におけるたばこロッド2に穿孔するための穿孔ユニット200について説明する。図13に示すように、穿孔ユニット200は、回転ドラム部62に設けられており、回転ドラム部62による加熱式たばこ1(たばこロッド2)の搬送過程において、保持溝63に保持されている加熱式たばこ1におけるたばこロッド2の先端面に穿孔するためのユニットである。穿孔ユニット200は、回転ドラム部62に設けられた一対のスライドロッド210,210と、一対のスライドロッド210,210にスライド自在に保持される穿孔スライダー220を備えている(図13を参照)。図17は、穿孔ユニット200の詳細構成を説明する図である。図18は、穿孔ユニット200の上面図である。図19は、穿孔ユニット200の正面図である。
各スライドロッド210は、ドラム回転軸CL2と平行に延伸するように、回転ドラム部62の後端面62Cから前方に向けて突設されている。本実施形態においては、回転ドラム部62の周方向において、一対のスライドロッド210,210に挟まれた領域内に、2個の保持溝63が含まれるように一対のスライドロッド210,210が配置されており、各スライドロッド210は穿孔ドラム60における回転ドラム部62と同期して周回動作するように構成されている。
穿孔スライダー220は、一対のスライドロッド210,210にスライド自在に装着されたスライダー本体230(図13を参照)と、当該スライダー本体230に装着された一対のニードル部材240,240を有する。スライダー本体230は、一対のニードル部材240,240を保持するケーシングとして機能する。スライダー本体230は、一対のスライドロッド210,210に対してそれぞれスライド自在に保持される一対のロッド装着部231,231と、これら一対のロッド装着部231,231を連結する連結部232を有する。例えば、各ロッド装着部231は、スライドロッド210との間にスライドボールベアリング等を介装しており、スライドロッド210に対して往復スライド自在となっている。このようにして、穿孔スライダー220におけるスライダー本体230は、一対のスライドロッド210,210間に架け渡されるように装着されると共に、一対のスライドロッド210,210に対して往復スライド自在となっている。
また、図13に示すように、スライダー本体230は、ニードル部材240を保持する一対のニードル保持部233,233を有している。一対のニードル保持部233,233は、スライダー本体230の左右方向の両端部近傍にそれぞれ形成されている。ニードル部材240は、ニードル軸部241と、当該ニードル軸部241の先端側に取り付けられた穿孔ニードル部242とを含む。ニードル軸部241は円柱形状を有している。穿孔ニードル部242の形状は特に限定されないが、たばこロッド2に対してヒーター挿入用空洞部23を穿孔するのに適するように、穿孔ニードル部242は先端が尖った針形状を有している。また、後述するように、本実施形態においては、たばこロッド2に対してヒーター挿入用空洞部23を穿孔する際、穿孔ニードル部242を回転させながらたばこロッド2に穿孔するため、穿孔ニードル部242の先端側を円錐形状としている。また、ニードル部材240における穿孔ニードル部242およびニードル軸部241は、同軸配置されている。また、図14に示されるように、ニードル部材240における穿孔ニードル部242は、穿孔ドラム60における回転ドラム部62の外周側に配置されている。
本実施形態において、各ニードル部材240のニードル軸部241は、各ニードル保持部233に対して回転自在に保持されている。ここで、各ニードル部材240(ニードル軸部241、穿孔ニードル部242)の中心軸(ニードル軸)CL3は、ドラム回転軸CL2と平行であり、且つ、穿孔ドラム60における回転ドラム部62の保持溝63に吸引保持されている加熱式たばこ1におけるたばこロッド2の中心軸CL1と同軸となっている。
更に、各ニードル部材240のニードル軸部241の基端側には、ローラガイド170(図14を参照)と接触する環状のローラ部243(被接触部)が設けられている。本実施形態においては、ローラガイド170がガイド部材に相当する。ローラ部243は、ニードル軸部241よりも外径の大きな外周面を有する環状の部材である。図14に示すように、ローラガイド170は、フレーム部材90の後方フレーム部92に取り付けられている。ローラガイド170は、ドラム回転軸CL2を中心として円弧状に延設されている。
ここで、図19に示すように、ローラガイド170は、第1のローラガイド部170A〜第3のローラガイド部170Cに分割されており、ローラガイド部170A〜170Cは互いに離間した状態で後方フレーム部92に固定されている。本実施形態においては、第1のローラガイド部170A〜第3のローラガイド部170Cが複数の分割ガイド部に相当する。また、ローラガイド170における第1のローラガイド部170A〜第3のローラガイド部170Cは、ドラム回転軸CL2を中心とする円弧形状を有するガイド面171を有している。回転ドラム部62と同期して穿孔スライダー220が周回動作する際、穿孔スライダー220におけるニードル部材240のローラ部243はローラガイド170(第1のローラガイド部170A〜第3のローラガイド部170C)のガイド面171に対して摺動する。その際、ニードル部材240のローラ部243がローラガイド170のガイド面171と摺動する際の摩擦によって、ニードル部材240の中心軸CL3を中心にニードル軸部241を回転させる回転トルクが発生するため、中心軸CL3を中心としてニードル部材240が回転する。このようにして、本実施形態においては、穿孔スライダー220におけるニードル部材240のローラ部243がローラガイド170のガイド面171に接触している間に亘って、ニードル部材240を回転させることができる。
次に、回転ドラム部62の回転駆動に同期して、スライドロッド210の軸方向に沿って(すなわち、ドラム回転軸CL2に沿って)穿孔スライダー220をスライド駆動するための構成について説明する。図17に示すように、スライダー本体230の下面には、固定ハウジング80(回転ドラム基部)の外周部に形成されるカム部82と係合するカムフォロワー250が設けられている。カムフォロワー250は、図18に示すように、スライダー本体230の略中央部に配置されており、図17等に示すように固定ハウジング80の外周面に向けてカムフォロワー250がスライダー本体230から突設されている。カムフォロワー250の形状は、特に限定されないが、本実施形態では略円柱形状を有している。
次に、固定ハウジング80の外周部に形成されるカム部82について説明する。図14、図17等に示すように、固定ハウジング80の後端側における外周面には、穿孔スライダー220に設けられたカムフォロワー250と係合するカム部82が設けられている。カム部82は、固定ハウジング80の外周面を形成しているということもできる。また、カム部82は、カムフォロワー250を受け入れ可能(嵌合可能)な凹部820が固定ハウジング80の周方向に延在するように形成する円弧状のガイドレール821を有している。本実施形態において、ガイドレール821は、ドラム回転軸CL2を中心として環状に配置されている。言い換えると、ガイドレール821は、固定ハウジング80における外周面の全周に亘って設けられている。また、ガイドレール821は、ドラム回転軸CL2からの離間寸法が等距離の3次元曲線形状を有している。穿孔スライダー220は、カムフォロワー250をカム部82のガイドレール821に係合させた状態で、回転ドラム部62の回転駆動に伴ってドラム回転軸CL2を中心として周回動作する。その際、ガイドレール821に沿ってカムフォロワー250がガイドされることにより、穿孔スライダー220をスライドロッド210の軸方向に沿って往復スライド動作させることができる
。穿孔スライダー220のスライド動作の詳細については後述する。
上記のように、本実施形態における穿孔スライダー220は、2本のニードル部材240を備えている。そのため、図19に示すように、回転ドラム部62には、回転ドラム部62に設けられている保持溝63の数の半分である10個の穿孔スライダー220が環状に配置されている。なお、各穿孔スライダー220における各ニードル部材240の中心軸CL3は、対応する保持溝63に保持されている加熱式たばこ1(たばこロッド2)の中心軸CL1と同軸となっている。つまり、回転ドラム部62に形成されている全ての保持溝63に保持されている加熱式たばこ1(たばこロッド2)に対してニードル部材240が同軸上に配置されることで、たばこロッド2の先端面2aに対して穿孔ニードル部242が対向した状態で配置される。なお、図17および図19に示す符号190は、回転ドラム部62に設けられる各スライドロッド210の後端部を互いに連結する環状のリング部材である。
次に、穿孔スライダー220のスライド動作の詳細について説明する。図20は、回転ドラム部62の回転角、カム部82におけるガイドレール821、穿孔ニードル部242における先端位置(以下、「ニードル先端位置」という)PNの移動軌跡の関係を示す図である。
図20に示すように、カム部82におけるガイドレール821は、退避状態定位区間R1、挿入区間R2、挿入状態定位区間R3、引き抜き区間R4を有している。図20に示す「前方」とは、ドラム回転軸CL2に沿って前方を意味しており、図14に示す「前方」と対応している。図20に示す「後方」とは、ドラム回転軸CL2に沿って後方を意味しており、図14に示す「後方」と対応している。また、図20に示すドラム回転角は、図16で説明した回転ドラム部62の回転角と対応している。
上記のように、穿孔ドラム60における回転ドラム部62は、回転角が0°〜180°に対応する区間(以下、「搬送区間」ともいう)において、加熱式たばこ製品1を保持溝63に吸引した状態で搬送する。以下、搬送区間の始点である回転角が0°に対応する位置を「搬送開始位置」と定義し、搬送区間の終点である回転角が180°に対応する位置を「搬送終了位置」と定義する。図20に示すように、ガイドレール821の退避状態定位区間R1および挿入状態定位区間R3は、ドラム回転軸CL2と平行な変位軸(以下、「スライド軸」という)上におけるカムフォロワー250の位置が、回転角が増加しても変位しないようにカムフォロワー250をガイドする区間である。挿入状態定位区間R3は、退避状態定位区間R1に比べて所定のスライド変位量δ1だけ前方に位置している。また、ガイドレール821の挿入区間R2は、スライド軸上におけるカムフォロワー250の位置が、回転角の増加に伴って前方に変位するようにカムフォロワー250をガイドする区間である。また、引き抜き区間R4は、スライド軸上におけるカムフォロワー250の位置が、回転角の増加に伴って後方に変位するようにカムフォロワー250をガイドする区間である。
本実施形態におけるガイドレール821は、回転ドラム部62の回転角が165°〜15°に対応する区間が退避状態定位区間R1、回転角が15°〜65°に対応する区間が挿入区間R2、回転角が65°〜115°に対応する区間が挿入状態定位区間R3、回転角が115°〜165°に対応する区間が引き抜き区間R4として、それぞれ形成されている。従って、搬送開始位置から搬送終了位置にかけて、カムフォロワー250は、ガイドレール821における退避状態定位区間R1(回転角0°〜15°)、挿入区間R2(回転角15°〜65°)、挿入状態定位区間R3(回転角65°〜115°)、引き抜き区間R4(回転角115°〜165°)、退避状態定位区間R1(回転角165°〜180°)によって順次ガイドされる。
なお、図20に示す符号VPは、ドラム回転軸CL2に直交する仮想直交面を表す。図21は、カム部82に設けられたガイドレール821における各区間R1〜R4とドラム回転軸CL2に直交する仮想直交面VPとの関係を説明する図である。上記の通り、ガイドレール821は、ドラム回転軸CL2からの離間寸法が等距離の3次元曲線形状を有している。そして、図21に示すように、ガイドレール821における退避状態定位区間R1および挿入状態定位区間R3は、仮想直交面VPに対して平行な平行ガイド部821Aとして形成されている。ガイドレール821における平行ガイド部821Aは、仮想直交面VPに対して平行な仮想平面内に存在する。より詳しくは、平行ガイド部821A(退避状態定位区間R1および挿入状態定位区間R3)は、3次元直交座標系XYZにおける1
つの座用軸である第1座標軸(図21に示す例では、Z軸)をドラム回転軸CL2とした
場合における当該第1座標軸(Z軸)の座標(z座標)が、平行ガイド部821Aの全区
間に亘って一定である。一方、ガイドレール821における挿入区間R2および引き抜き区間R4は、仮想直交面VPに対して傾斜する(非平行な)傾斜ガイド部821Bとして形成されている。傾斜ガイド部821B(挿入区間R2および引き抜き区間R4)は、3次元直交座標系XYZにおける上記第1座標軸(図21において、Z軸)をドラム回転軸CL2とした場合における当該第1座標軸(Z軸)の座標(z座標)が、傾斜ガイド部821
Bの延在方向に沿って一定ではない(変化している)。本実施形態においては、ガイドレール821の少なくとも一部が傾斜ガイド部821Bとして形成されていれば良く、当該傾斜ガイド部821Bによって挿入区間R2および引き抜き区間R4が形成される。
本実施形態においては、各穿孔ユニット200における穿孔スライダー220は、ドラム回転軸CL2に沿って往復スライド自在にスライドロッド210に保持されている。従って、穿孔ユニット200(穿孔スライダー220)が回転ドラム部62の回転と同期して周回動作する際、ガイドレール821によってガイドされるカムフォロワー250がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って変位すると、カムフォロワー250の変位に連動して穿孔スライダー220がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿ってスライド変位する。そして、穿孔スライダー220にはニードル部材240が保持されているため、穿孔スライダー220がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿ってスライド変位することで、穿孔スライダー220に保持されているニードル部材240もドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿ってスライド変位する。その結果、図20に示すように、ドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿ったカムフォロワー250の変位に追従するように、ニードル部材240における穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って変位する。
本実施形態においては、図20に示すように、カムフォロワー250が退避状態定位区間R1によってガイドされている状態で、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがたばこロッド2の先端位置よりも後方に後退した位置に維持される。つまり、カムフォロワー250が退避状態定位区間R1によってガイドされている間に亘って、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがたばこロッド2の先端面2aと離間した状態に維持される。
次に、カムフォロワー250の係合位置が、ガイドレール821における退避状態定位区間R1から挿入区間R2に移行すると、回転角の増加に伴ってカムフォロワー250がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って前方に変位する。従って、カムフォロワー250が挿入区間R2によってガイドされている間に亘って、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って前方、すなわち、たばこロッド2の先端面2aに接近する方向に徐々に変位する。本実施形態においては、カムフォロワー250が挿入区間R2によってガイドされる過程において、穿孔ニードル部242がたばこロッド2の先端面2aから挿入されるように、上述したスライド変位量δ1の
大きさが設定されている。つまり、ガイドレール821における挿入区間R2は、穿孔ニードル部242がたばこロッド2に先端面2aから挿入されるようにカムフォロワー250をガイドする区間として形成されている。このようにして、穿孔ニードル部242によってたばこロッド2の先端面2aが穿孔されることにより、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を形成することができる。
なお、ニードル部材240(穿孔ニードル部242)のスライドストローク(以下、「ニードルスライドストローク」という)δ3は、上記スライド変位量δ1と実質的に等しい。従って、上記スライド変位量δ1を調整することで、ヒーター挿入用空洞部23を所望の深さを有する凹部として形成することができる。例えば、カムフォロワー250が退避状態定位区間R1を推移する際におけるたばこロッド2の先端面2aとニードル先端位置PNの離間寸法(以下、「初期ニードル離間寸法」という)δ2を5mmとし、ニードル部材240(穿孔ニードル部242)のスライドストローク(すなわち、ニードルスライドストローク)δ3を25mmに設定することで、たばこロッド2に20mmの深さを有するヒーター挿入用空洞部23を形成することができる。ただし、初期ニードル離間寸法δ2と、ニードルスライドストロークδ3の設定値は例示的なものであり、適宜変更することができるのは勿論である。
更に、本実施形態においては、回転ドラム部62の回転に伴って周回動作する穿孔スライダー220のカムフォロワー250が挿入区間R2の少なくとも一部の区間を変位する間に亘り、当該穿孔スライダー220に設けられたニードル部材240のローラ部243(被接触部)が、ローラガイド170(ガイド部材)のガイド面171に沿って摺動することで、ニードル部材240が回転駆動されるようになっている。図20に示す例では、回転ドラム部62の回転角が25°〜65°に対応する期間である「第1ニードル回転期間T1」において、穿孔スライダー220に設けられたニードル部材240のローラ部243が、第1のローラガイド部170Aのガイド面171に沿って摺動し、当該摺動時におけるローラ部243とガイド面171との間の摩擦力によってニードル部材240を回転させることができる。本実施形態のように、穿孔ニードル部242を回転させながら穿孔ニードル部242をたばこロッド2の先端面2aに挿入して穿孔することで、穿孔ニードル部242をたばこロッド2(再構成たばこ細片21)に挿入する際の挿入抵抗(穿孔抵抗)を低減することができる。その結果、穿孔ニードル部242をたばこロッド2(再構成たばこ細片21)に対してスムーズに挿入することができる。これにより、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を穿孔する際、保持溝63に吸着保持されている加熱式たばこ1(たばこロッド2)の姿勢がずれたり、保持溝63から加熱式たばこ1(たばこロッド2)が脱落することを抑制できる。また、穿孔ニードル部242をたばこロッド2に挿入する際、たばこロッド2に座屈等の変形が起こることを抑制できる。
次に、ガイドレール821にガイドされるカムフォロワー250が、挿入区間R2から挿入状態定位区間R3に移行すると、スライド軸上におけるカムフォロワー250の位置が定位に維持されることで、スライドロッド210に対して、穿孔スライダー220が定位に維持される。その結果、カムフォロワー250が挿入状態定位区間R3によってガイドされている間は、スライド軸上におけるニードル先端位置PNは定位に維持される。以上のように、ガイドレール821における挿入状態定位区間R3は、スライドロッド210に対して穿孔スライダー220を定位に維持することで、穿孔ニードル部242をたばこロッド2に挿入させた状態に維持されるようにカムフォロワー250をガイドする区間として形成される。これにより、挿入状態定位区間R3において、穿孔ニードル部242をたばこロッド2内に挿入した状態に維持することができる。
更に、本実施形態においては、穿孔スライダー220のカムフォロワー250が挿入状態定位区間R3の少なくとも一部の区間を変位する間に亘り、当該穿孔スライダー220
に設けられたニードル部材240のローラ部243(被接触部)が、ローラガイド170(ガイド部材)のガイド面171に沿って摺動することで、ニードル部材240が回転駆動される。図20に示す例では、回転ドラム部62の回転角が70°〜110°に対応する期間である「第2ニードル回転期間T2」において、穿孔スライダー220に設けられたニードル部材240のローラ部243が、第2のローラガイド部170Bのガイド面171に沿って摺動し、当該摺動時におけるローラ部243とガイド面171との間の摩擦力によってニードル部材240を回転させる。このように、穿孔ニードル部242をたばこロッド2内に挿入した状態で、穿孔ニードル部242を回転駆動することで、ヒーター挿入用空洞部23を適正な大きさ、適正な形に穿孔することができる。すなわち、穿孔スライダー220のカムフォロワー250がガイドレール821における挿入状態定位区間R3に位置する間に、穿孔ニードル部242を回転駆動することで、たばこロッド2に挿入されている穿孔ニードル部242に見合った形および大きさのヒーター挿入用空洞部23を綺麗に成形することができ、ヒーター挿入用空洞部23が歪に成形されることを抑制できる。
次に、ガイドレール821にガイドされるカムフォロワー250が、挿入状態定位区間R3から引き抜き区間R4に移行すると、回転角の増加に伴ってカムフォロワー250がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って後方に変位する。従って、カムフォロワー250が引き抜き区間R4によってガイドされている間に亘って、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って後方、すなわち、穿孔ニードル部242がたばこロッド2の内部から引き抜かれる方向に変位する。以上のように、ガイドレール821における引き抜き区間R4は、穿孔ニードル部242がたばこロッド2から引き抜かれるようにカムフォロワー250をガイドする区間として形成されている。その結果、カムフォロワー250が引き抜き区間R4によってガイドされる過程で、穿孔ニードル部242をたばこロッド2から好適に引き抜くことができる。
更に、本実施形態においては、穿孔スライダー220のカムフォロワー250が引き抜き区間R4の少なくとも一部の区間を変位する間に亘り、当該穿孔スライダー220に設けられたニードル部材240のローラ部243(被接触部)が、ローラガイド170(ガイド部材)のガイド面171に沿って摺動することで、ニードル部材240が回転駆動される。図20に示す例では、回転ドラム部62の回転角が115°〜155°に対応する期間である「第3ニードル回転期間T3」において、穿孔スライダー220に設けられたニードル部材240のローラ部243が、第3のローラガイド部170Cのガイド面171に沿って摺動し、当該摺動時におけるローラ部243とガイド面171との間の摩擦力によってニードル部材240を回転させる。このように、穿孔ニードル部242を回転させながら穿孔ニードル部242をたばこロッド2(再構成たばこ細片21)から引き抜くことで、穿孔ニードル部242の引き抜き抵抗を低減できる。その結果、穿孔ニードル部242をたばこロッド2(再構成たばこ細片21)からスムーズに引き抜くことができる。これにより、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に、再構成たばこ細片21が穿孔ニードル部242に付着することを抑制できる。その結果、ヒーター挿入用空洞部23の形が崩れたり、歪になることを抑制できる。また、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に、保持溝63から加熱式たばこ1(たばこロッド2)が脱落することを好適に抑制できる。
そして、ガイドレール821にガイドされるカムフォロワー250が、引き抜き区間R4から退避状態定位区間R1に移行した後は、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがたばこロッド2の先端面2aと離間した状態に維持される。具体的には、穿孔ニードル部242のニードル先端位置PNがたばこロッド2の先端面2aから初期ニードル離間寸法δ2だけ離間した状態に維持される。そして、回転ドラム部62の回転角が搬送終了位置に到達することで、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23が形成されている
加熱式たばこ1が穿孔ドラム60から後段のドラム59に受け渡される。
なお、本実施形態において、図20、図21に示した例では、ガイドレール821における傾斜ガイド部821B(挿入区間R2および引き抜き区間R4)は、仮想直交面VPに対する傾斜角が一定の定速スライド領域として形成されている。ここで、仮想直交面VPに対する傾斜角が一定であるとは、回転ドラム部62の単位回転角当たりにおける第1座標軸(Z軸)の座標(z座標)の変化量が一定であることを意味する。ガイドレール8
21における挿入区間R2が定速スライド領域として形成されることで、カムフォロワー250が挿入区間R2に沿ってガイドされた際に、穿孔ニードル部242がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って前方へ定速でスライドする。その結果、穿孔ニードル部242がたばこロッド2に対して定速で挿入される。同様に、ガイドレール821における引き抜き区間R4が定速スライド領域として形成されることで、カムフォロワー250が引き抜き区間R4に沿ってガイドされた際に、穿孔ニードル部242がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って後方へ定速でスライドする。その結果、穿孔ニードル部242がたばこロッド2から定速で引き抜かれる。ここで、ガイドレール821における挿入区間R2および引き抜き区間R4を上記のように定速スライド領域として形成した場合、挿入区間R2の仮想直交面VPに対する傾斜角(以下、「挿入区間傾斜角」という)と、引き抜き区間R4の仮想直交面VPに対する傾斜角(以下、「引き抜き区間傾斜角」という)は等しくても良いし、相違していても良い。ガイドレール821における挿入区間傾斜角と引き抜き区間傾斜角を等しい場合には、たばこロッド2に対して穿孔ニードル部242が挿入されるときの挿入速度と、たばこロッド2から穿孔ニードル部242が引き抜かれる際の引き抜き速度が等しくなる。一方、ガイドレール821における挿入区間傾斜角と引き抜き区間傾斜角が相違する場合には、たばこロッド2に対する穿孔ニードル部242の上記挿入速度と引き抜き速度を異なる速度に設定することができる。
更に、本実施形態において、ガイドレール821における傾斜ガイド部821B(挿入区間R2および引き抜き区間R4)を、仮想直交面VPに対する傾斜角が一定でない(変化する)変速スライド領域として形成されていいても良い。ここで、仮想直交面VPに対する傾斜角が一定でない(変化する)とは、回転ドラム部62の単位回転角当たりにおける第1座標軸(Z軸)の座標(z座標)の変化量が一定ではなく、変化することを意味す
る。例えば、ガイドレール821における挿入区間R2が変速スライド領域として形成されることで、カムフォロワー250が挿入区間R2に沿ってガイドされた際に、穿孔ニードル部242がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って前方へスライドする際に、そのスライド速度を変化させながらスライドする。その結果、穿孔ニードル部242がたばこロッド2に対して、その挿入速度を変化させながら挿入される。同様に、ガイドレール821における引き抜き区間R4が変速スライド領域として形成されることで、カムフォロワー250が引き抜き区間R4に沿ってガイドされた際に、穿孔ニードル部242がドラム回転軸CL2(スライド軸)に沿って後方へスライドする際に、そのスライド速度を変化させながらスライドする。その結果、たばこロッド2から穿孔ニードル部242が、その引き抜き速度を変化させながら引き抜かれる。本実施形態において、ガイドレール821における傾斜ガイド部821Bは、上述した「定速スライド領域」および「変速スライド領域」の少なくとも一方を含んでいれば良い。すなわち、ガイドレール821における傾斜ガイド部821Bの全てが「定速スライド領域」又は「変速スライド領域」の何れかであっても良い。また、ガイドレール821における傾斜ガイド部821Bが、「定速スライド領域」および「変速スライド領域」の双方を含んでいても良い。その場合、「定速スライド領域」および「変速スライド領域」の比率は自由に設定することができる。
ここで、ガイドレール821における引き抜き区間傾斜角(仮想直交面VPに対する引き抜き区間の傾斜角)は、挿入区間傾斜角(仮想直交面VPに対する挿入区間の傾斜角)より小さな角度とすることが好ましい。このようにすることで、たばこロッド2に対する
穿孔ニードル部242の引き抜き速度を、挿入速度よりも小さくすることができる。ここで、たばこロッド2に対して穿孔ニードル部242を挿入するときの挿入抵抗に比べて、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜くときの引き抜き抵抗の方が相対的に大きくなり易い。そこで、たばこロッド2に対する穿孔ニードル部242の引き抜き速度を挿入速度よりも相対的に小さくすることで、たばこロッド2から穿孔ニードル部242をゆっくりと引き抜くことができる。これにより、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に、保持溝63から加熱式たばこ1(たばこロッド2)が脱落することを抑制でき、また、再構成たばこ細片21が穿孔ニードル部242に付着することや、ヒーター挿入用空洞部23の形が歪になることを抑制できる。
また、本実施形態におけるカム部82(ガイドレール821)は、挿入区間R2よりも引き抜き区間R4の方が長くすることが好ましい。このようにすることで、たばこロッド2に穿孔ニードル部242を挿入する際に掛ける時間よりも、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に掛ける時間を長くすることができる。このようにすることで、たばこロッド2から穿孔ニードル部242をゆっくりと引き抜くことができる。その結果、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に、保持溝63から加熱式たばこ1(たばこロッド2)が脱落することや、再構成たばこ細片21が穿孔ニードル部242に付着すること、或いは、ヒーター挿入用空洞部23の形が歪になること等を好適に抑制できる。
ここで、図22は、ガイドレール821における挿入区間R2の開始位置(以下、「挿入区間始端」という)P1からドラム回転軸CL2に向かって延びる第1仮想垂線VL1の第1方向ベクトルV1と、挿入区間R2の終了位置(以下、「挿入区間終端」という)P2からドラム回転軸CL2に向かって延びる第2仮想垂線VL2の第2方向ベクトルV2とがなす第1中心角(以下、「挿入区間中心角」という)φ1と、引き抜き区間R4の開始位置(以下、「引き抜き区間始端」という)P3からドラム回転軸CL2に向かって延びる第3仮想垂線VL3の第3方向ベクトルV3と、引き抜き区間R4の終了位置(以下、「引き抜き区間終端」という)P4からドラム回転軸CL2に向かって延びる第4仮想垂線VL4の第4方向ベクトルV4とがなす第2中心角(以下、「引き抜き区間中心角」という)φ2を説明する図である。なお、挿入区間始端P1、挿入区間終端P2、引き抜き区間始端P3、引き抜き区間終端P4の各点については、図21にも図示している。ここで、図21で説明した例のように、回転ドラム部62の回転角において15°〜65°に対応する区間を挿入区間R2に設定し、回転ドラム部62の回転角において115°〜165°に対応する区間を引き抜き区間R4に設定する場合には、挿入区間中心角φ1および引き抜き区間中心角φ2の何れも50°に設定される。また、本実施形態においては、挿入区間中心角φ1および引き抜き区間中心角φ2を異なる大きさに設定しても良い。その際、挿入区間中心角φ1よりも引き抜き区間中心角φ2が相対的に大きな角度に設定することが好ましい。これにより、たばこロッド2から穿孔ニードル部242をゆっくりと引き抜くことができる。その結果、たばこロッド2から穿孔ニードル部242を引き抜く際に、保持溝63から加熱式たばこ1(たばこロッド2)が脱落することを抑制でき、また、再構成たばこ細片21が穿孔ニードル部242に付着することや、ヒーター挿入用空洞部23の形が歪になることを抑制できる。なお、本実施形態においては、挿入区間中心角(第1中心角)φ1を10°以上120°以下とする態様が例示できる。また、引き抜き区間中心角(第2中心角)φ2を10°以上180°以下とする態様が例示できる。
以上のように、本実施形態によれば、たばこロッド2の先端面2aに開口するヒーター挿入用空洞部23を穿孔することに適合した穿孔ドラム装置70を提供することができる。
また、本実施形態における穿孔ドラム装置70のローラガイド170においては、当該ローラガイド170を複数に分割させた第1のローラガイド部170A〜第3のローラガイド部170C(複数の分割ガイド部)に分割されており、各ローラガイド部170A〜170Cを互いに離間して配置するようにしている。これによれば、ニードル部材240のローラ部243がガイド面171との摩擦によって摩耗等することにより摩擦力が変動した場合に、ガイド面171の位置等を容易に微調整することができる。また、たばこロッド2における再構成たばこ細片21の充填量に合わせてニードル部材240の回転トルクを容易に微調整することができる。
また、本実施形態における穿孔ドラム装置70は、種々の変形例を採用することができる。例えば、穿孔ドラム60による加熱式たばこ1の搬送過程におけるニードル部材240のストローク動作は種々の変形例を採用することができる。例えば、ガイドレール821における退避状態定位区間R1、挿入区間R2、挿入状態定位区間R3、引き抜き区間R4の各区間の長さ、割合を変更することで、ニードル部材240のストローク動作を変更しても良い。例えば、ガイドレール821は、挿入区間R2と引き抜き区間R4の間に挿入状態定位区間R3が形成されていなくても良い。このようにガイドレール821を形成することで、たばこロッド2に対してニードル部材240の穿孔ニードル部242を挿入させてヒーター挿入用空洞部23を穿孔した後、直ぐに、たばこロッド2から穿孔ニードル部242が引き抜いても良い。
ここで、たばこロッド2の直径(巻径)は、7mm〜8mm程度とする態様が一例として挙げられる。たばこロッド2の直径(巻径)を考慮すると、ニードル部材240が備える円錐形状の穿孔ニードル部242の最大直径は、1.5mm以上3.5mm以下とすることが好ましく、2.8mm以上3.5mm以下とするとより好ましい。このようにすることで、たばこロッド2に対して適切な直径のヒーター挿入用空洞部23を形成することができ、加熱式たばこ1の製造後に当該加熱式たばこ1の蔵置期間が長くなった場合においても、使用者が加熱装置100Aの電気ヒーター103をたばこロッド2の再構成たばこ細片21に容易に挿入することができる。なお、穿孔ニードル部242は、円錐体以外の錐体として形成することも可能であり、その場合には、穿孔ニードル部242(錐体)の最大差渡し寸法を1.5mm以上3.5mm以下とすることが好ましく、2.8mm以上3.5mm以下とするとより好ましい。そして、上記のような穿孔ニードル部242を用いて、穿孔ドラム60によって搬送されているたばこロッド2に長径3.5mm以下、短径3.5mm以下のヒーター挿入用空洞部23を穿孔しても良い。
また、図1に示した加熱式たばこ1においては、ヒーター挿入用空洞部23をたばこロッド2の先端面2aに開口する非貫通の凹部として形成したが、ヒーター挿入用空洞部23はたばこロッド2を軸方向に貫通する貫通孔として形成しても良い。
ここで、図23は、穿孔ドラム装置70における穿孔ニードル部242のニードル軸ANと保持溝63(保持部)との関係を説明する図である。図23における符号Pcbは、保持溝63(保持部)における溝底の中心(以下、「溝底中心」という)を示す。図23において、溝底中心Pcbは、半円断面形状を有する保持溝63の最深部に位置している。また、符号VL5は、保持溝63(保持部)における溝底中心Pcbからドラム回転軸CL2に向かって延びる仮想垂線である。符号Pccは、仮想垂線VL5とドラム回転軸CL2との交点である。すなわち、交点Pccは、ドラム回転軸CL2上に位置する。符号VL6は、交点Pccおよび溝底中心Pcbを通る直線である。本実施形態において、穿孔ニードル部242のニードル軸ANは、直線VL6上であって、且つ溝底中心Pcbよりも外側に位置する点を通り、且つ、ドラム回転軸CL2と平行に延在するように設定することが好ましい。その際、保持溝63における溝底中心Pcbと穿孔ニードル部242のニードル軸ANとの離間寸法は、保持溝63に保持するたばこロッド2の直径以下の
寸法に設定すると、より好ましい。本実施形態では、保持溝63における溝底中心Pcbと穿孔ニードル部242のニードル軸ANとの離間寸法が、例えば、保持溝63に保持するたばこロッド2の半径と等しい寸法に設定されており、その結果、穿孔ニードル部242のニードル軸ANが、保持溝63に保持されているたばこロッド2の中心軸CL1と同軸となるように設定されている。このようにニードル軸ANの位置を設定することで、たばこロッド2のヒーター挿入用空洞部23を、たばこロッド2の中心軸CL1と同軸に形成することができる。
ここで、図24は、実施形態1における変形例を説明する図である。図24は、図17に対応する図であり、穿孔ユニット200の詳細構成を示している。本変形例における回転ドラム部62は、第2ストップリング187を有している。第2ストップリング187は、回転ドラム部62の外周面62Aに取り付けられた環状のリング部材であり、ストップリング186に対向して配置されている。第2ストップリング187は、保持溝63の後方に取り付けられている。第2ストップリング187は、穿孔ニードル部242がたばこロッド2から引き抜かれる際に、たばこロッド2の先端面2aに当接することで保持溝63からの加熱式たばこ1の脱落を抑制する第2のストッパー部材である。
図25は、実施形態1の変形例における第2ストップリング187の部分拡大図である。図25において、ドラム回転軸CL2と平行に眺めた状態における第2ストップリング187を示している。図25に示すように、第2ストップリング187は、各保持溝63に対応する位置に形成された切欠き187Aを有している。第2ストップリング187における各切欠き187Aは、ドラム回転軸CL2の矢視方向において、穿孔ニードル部242と重なっており、穿孔ニードル部242がそのニードル軸ANに沿ってスライド動作した際に、穿孔ニードル部242が第2ストップリング187と干渉(衝突)しないようになっている。図25には、破線でたばこロッド2の輪郭を示し、鎖線で穿孔ニードル部242の輪郭を示している。図25に示すように、第2ストップリング187の切欠き187Aは、たばこロッド2の輪郭よりも小さい。これにより、穿孔ニードル部242がたばこロッド2から引き抜かれる際、その引き抜き抵抗によってたばこロッド2が後方に位置ずれを起こしたとしても、第2ストップリング187(より詳しくは、切欠き187Aの縁部等)に先端面2aが当接することによって、たばこロッド2が保持溝63から脱落することを抑制できる。なお、図24に示す例では、保持溝63にたばこロッド2が保持された状態で、たばこロッド2の先端面2aと第2ストップリング187とがドラム回転軸CL2方向に離間しているが、保持溝63にたばこロッド2が保持された際に、先端面2aと第2ストップリング187が当接する位置に第2ストップリング187が配置されていても良い。
なお、本発明は、上述までの実施形態に係る穿孔ドラム装置70を複数備えた穿孔装置として提供されても良い。そのような穿孔装置において、各穿孔ドラム装置70がフィルタチップアタッチメント装置50に組み込まれていても良い。図26は、フィルタチップアタッチメント装置50に組み込まれた複数の穿孔ドラム装置70を含む穿孔装置を説明する図である。図26に示す例では、穿孔装置は、2つの穿孔ドラム装置70を含んでいる。個々の穿孔ドラム装置70については、上記実施形態で説明した通りである。符号70Aは、フィルタチップアタッチメント装置50において相対的に前段に位置する穿孔ドラム装置であり、以下では「前段穿孔ドラム装置」と呼ぶ。符号70Bは、前段穿孔ドラム装置70Aよりも後段に位置する穿孔ドラム装置であり、以下では「後段穿孔ドラム装置」と呼ぶ。ここで、複数の穿孔ドラム装置70のうち、相対的に後段に位置する後段穿孔ドラム装置70Bに設けられた穿孔ニードル部242のニードル径は、相対的に前段に位置する前段穿孔ドラム装置70Aに設けられた穿孔ニードル部242のニードル径よりも大きな寸法を有していても良い。このように、複数の穿孔ドラム装置70を配列し、順次ドラム列を搬送される加熱式たばこ1のたばこロッド2に対して段階的に大きな径を有
する穿孔ニードル部242を用いてヒーター挿入用空洞部23を穿孔することで、ヒーター挿入用空洞部23を段階的に拡径することができる。すなわち、前段穿孔ドラム装置70Aによってたばこロッド2に形成したヒーター挿入用空洞部23を下穴として、後段穿孔ドラム装置70Bの穿孔ニードル部242によって更に穿孔することで、所望の直径を有し、形の整ったヒーター挿入用空洞部23をより一層精度良く形成することができる。
更には、複数の穿孔ドラム装置70のうち、相対的に後段に位置する後段穿孔ドラム装置70Bに設けられた穿孔ニードル部242のニードル挿入深さ寸法が、相対的に前段に位置する前段穿孔ドラム装置70Aに設けられた穿孔ニードル部242のニードル挿入深さ寸法よりも大きな寸法に設定されていても良い。この場合、前段穿孔ドラム装置70Aによってたばこロッド2に形成したヒーター挿入用空洞部23を下穴として、後段穿孔ドラム装置70Bの穿孔ニードル部242によって更に深く穿孔することができる。なお、図26に示す例では、2つの穿孔ドラム装置70を直列に配置する例を説明したが、穿孔装置が3つ以上の穿孔ドラム装置70を備えていても良い。そして、最も上流側に位置する穿孔ドラム装置70から最も下流側に位置する穿孔ドラム装置70に掛けて、穿孔ニードル部242のニードル径を段階的に太くし、ニードル挿入深さ寸法を段階的に深くすることで、たばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23を段階的に拡径し、或いは、段階的に深くしていっても良い。
なお、図26に示す例では、各穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60同士の間にドラム59を介在させているが、各穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60を連続的に配置しても良い。また、各穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60同士の間に複数のドラム59を介在させても良い。
以上のように、本実施形態における加熱式たばこ1の製造方法においては、加熱式たばこ1におけるたばこロッド2の先端面2a側に開口すると共に当該たばこロッド2の軸方向に沿って延在するヒーター挿入用空洞部23に露呈する再構成たばこ細片21同士にまたがってコーティング部24が形成されるように、再構成たばこ細片21にコーティング剤を塗工する。これにより、加熱式たばこ1を長期に亘り蔵置した場合においても、たばこロッド2に形成されたヒーター挿入用空洞部23が閉塞することを抑制可能な加熱式たばこ1を製造することができる。
そして、図11〜図26を参照して説明した第1の製造方法(予添加法)においては、たばこ巻上機30のラッピングセクション33でたばこセクションの連続体TRを巻上げる際、走行するガニチャベルト34上にペーパウエブPWを介して供給された層状の再構成たばこ細片21に対して連続的にコーティング剤を添加しておき、たばこ巻上機30から供給されたたばこロッド2とフィルタ製造装置から供給されたフィルタロッドをチップペーパ8によって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置50の穿孔ドラム60によって搬送されているたばこロッド2の先端面2aに穿孔ニードル部242を挿抜する。このように、予めコーティング剤を添加しておいたたばこロッド2に対して、後工程として穿孔することにより、たばこロッド2に対してヒーター挿入用空洞部23を形成すると同時にコーティング部24を形成することができる。本実施形態における第1の製造方法(予添加法)によれば、図1及び図2に説明したような、たばこロッド2先端面2aに開口するヒーター挿入用空洞部23およびその内面に形成されるコーティング部24を備えた加熱式たばこ1の製造に適した製造方法を提供できる。なお、本実施形態に係る加熱式たばこ1の製造方法においては、ヒーター挿入用空洞部23の内面へ露呈する再構成たばこ細片21の少なくとも一部における再構成たばこ細片21同士にコーティング部24がまたがるように設けられるように、再構成たばこ細片21にコーティング剤を塗工すれば良い。
《吹き込み法》
次に、加熱式たばこ1の第2の製造方法(吹き込み法)について説明する。加熱式たばこ1の第2の製造方法(吹き込み法)においては、図11に示したたばこ巻上機30のラッピングセクション33において、コーティング剤塗布ノズル39が設けられていない。従って、第2の製造方法(吹き込み法)においては、たばこ巻上機30のラッピングセクション33において、走行するガニチャベルト34上にペーパウエブWを介して供給された層状の再構成たばこ細片21に対して連続的なコーティング剤の塗布(添加)は行わない。その代り、第2の製造方法(吹き込み法)においては、図12〜図26で説明したフィルタチップアタッチメント装置50および穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60で加熱式たばこ1のたばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を形成する空洞部形成工程を実施した後、後段の搬送ドラムで加熱式たばこ1を搬送する過程で、加熱式たばこ1におけるヒーター挿入用空洞部23の内部に、固定ノズルからコーティング剤を吹き込むことで、ヒーター挿入用空洞部23の内面に露呈する再構成たばこ細片21にコーティング剤を塗工するコーティング剤塗工工程を実施することを特徴とする。
図27は、加熱式たばこ1の第2の製造方法(吹き込み法)に適用されるフィルタチップアタッチメント装置50が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。図27においては、搬送ドラム59の後段に搬送ドラム57が設けられている点を除いて、図12に示すフィルタチップアタッチメント装置50のドラム列と共通する。図27に示すフィルタチップアタッチメント装置50において、搬送ドラム57の近傍には、コーティング剤噴射ノズル571が配置されている。具体的には、コーティング剤噴射ノズル571は、その噴射口が搬送ドラム57によって順次搬送される加熱式たばこ1におけるたばこロッド2のヒーター挿入用空洞部23に対向するように、フィルタチップアタッチメント装置50の機体に固定された固定ノズルであり、搬送ドラム57による搬送過程において、各加熱式たばこ1におけるたばこロッド2のヒーター挿入用空洞部23に向かってコーティング剤を噴射する。このようにして、コーティング剤噴射ノズル571から噴射されたコーティング剤が、各加熱式たばこ1におけるたばこロッド2の先端面2aに開口するヒーター挿入用空洞部23内に吹き込まれることで、ヒーター挿入用空洞部23の内面に露呈する再構成たばこ細片21の表面にコーティング剤を塗工することができる。その結果、各加熱式たばこ1のたばこロッド2におけるヒーター挿入用空洞部23の内面に露呈する再構成たばこ細片21同士にまたがるようにコーティング部24を形成することができ、ヒーター挿入用空洞部23の閉塞を抑制することができる。以上のように、第2の製造方法(吹き込み法)によっても、上述した第1の製造方法(予添加法)と同様、ヒーター挿入用空洞部23およびその周囲に形成されるコーティング部24を備えた加熱式たばこ1の製造に適した製造方法を提供できる。
なお、図27に示すフィルタチップアタッチメント装置50は、コーティング剤噴射ノズル571から噴射するコーティング剤の噴射タイミングを制御するコントローラ572と、搬送ドラム59の回転位相を検出するセンサ573を備えている。センサ573は、搬送ドラム57の回転位相を検出することができるセンサであれば特に限定されない。センサ573による検出信号がコントローラ572に供給されることで、コントローラ572は搬送ドラム57の回転位相を取得することができる。
コントローラ572は、搬送ドラム57の回転速度、及び、搬送ドラム57の回転位相に基づいて、これらと同調するようにコーティング剤噴射ノズル571の噴射口からコーティング剤を噴射させる。ここで、センサ573の検出信号に基づいて取得した搬送ドラム57の回転位相(回転角度)に基づいてコーティング剤噴射ノズル571の噴射動作トリガーを引き、搬送ドラム57の回転速度に応じて、更にコーティング剤噴射ノズル571の噴射タイミングを微調整するとよい。その結果、搬送ドラム57によって搬送される各加熱式たばこ1におけるたばこロッド2ロッド2のヒーター挿入用空洞部23内に、コ
ーティング剤を精度良く吹き込むことができる。なお、上記第2の製造方法(吹き込み法)においては、フィルタチップアタッチメント装置50の機体に固定された固定ノズルであるコーティング剤噴射ノズル571からコーティング剤をヒーター挿入用空洞部23内に吹き込ませる態様を説明したが、これに代わって、搬送ドラム57に設けられると共に当該搬送ドラム57と同軸で回転する回転ノズルとしてコーティング剤噴射ノズル571を配置し、当該コーティング剤噴射ノズル571からコーティング剤を噴射しても良い。この場合、搬送ドラム57に加熱式たばこ1を吸引保持する保持溝(穿孔ドラムと同様の機構であっても良い)毎にコーティング剤噴射ノズル571を配置し、搬送ドラム57によって各加熱式たばこ1が搬送される過程で、たばこロッド2に形成されているヒーター挿入用空洞部23内に各コーティング剤噴射ノズル71から噴射したコーティング剤を吹き込むようにしても良い。
《穿孔ニードル塗布法》
次に、加熱式たばこ1の第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)について説明する。加熱式たばこ1の第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)においては、図13〜図26で説明した穿孔ドラム装置70のニードル部材240(穿孔用のニードル部材)における穿孔ニードル部242の表面に予めコーティング剤を塗布しておき、コーティング剤が塗布された状態のニードル部材240の穿孔ニードル部242を用いてたばこロッド2に穿孔することを特徴とする。これによれば、ニードル部材240の穿孔ニードル部242によってたばこロッド2に穿孔する際に、穿孔ニードル部242からコーティング剤を再構成たばこ細片21に塗布(転写)することができる。その結果、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を形成すると同時にヒーター挿入用空洞部23の内面にコーティング部24を形成することができる。よって、上記第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)によっても、上述した第1の製造方法(予添加法)や第2の製造方法(吹き込み法)と同様、ヒーター挿入用空洞部23およびその内面に形成されるコーティング部24を備えた加熱式たばこ1の製造に適した製造方法を提供できる。
なお、上記第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)によって加熱式たばこ1を製造する場合、穿孔ドラム装置70は、ニードル部材240の穿孔ニードル部242に供給するためのコーティング剤を貯留するリザーバ、および当該リザーバからコーティング剤をニードル部材240の穿孔ニードル部242に塗布するためのコーティング剤塗布装置を備えておくと良い。コーティング剤塗布装置は、穿孔ドラム60に併設される転写ローラであっても良い。例えば、穿孔ドラム装置70フレーム部材90等に転写ローラを取り付け、穿孔ドラム60の回転に伴って各穿孔スライダー220が周回移動する際、各穿孔スライダー220におけるニードル部材240の穿孔ニードル部242と順次、当接するような位置に転写ローラを配置しておいても良い。このようにすることで、リザーバから転写ローラに供給されるコーティング剤を、転写ローラから順次、各ニードル部材240の穿孔ニードル部242に転写することができる。なお、転写ローラの構造については特に限定されないが、多孔性部材によって形成されていても良い。多孔性部材の毛細管構造によって、リザーバからコーティング剤を円滑に吸引および保持することができる。
また、上記のコーティング剤塗布装置は転写ローラに限られず、例えば、ニードル部材240における穿孔ニードル部242の中心軸CL3(ニードル軸)方向を指向する噴射ノズルからコーティング剤を噴射することで、穿孔ニードル部242にコーティング剤を塗布しても良い。この場合、噴射ノズルは、穿孔ドラム装置70におけるフレーム部材90や固定ハウジング80等に固定された固定ノズルであっても良いし、穿孔ドラム60に設けられると共に当該穿孔ドラム60と同軸で回転する回転ノズルであっても良い。
また、加熱式たばこ1の第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)は、次のような変形例を採用しても良い。本変形例においては、穿孔ドラム装置70における穿孔ドラム60に
よる加熱式たばこ1の搬送過程において、たばこロッド2にヒーター挿入用空洞部23を形成する空洞部形成工程の後、穿孔ドラム60の後段に配置される搬送ドラムによって搬送されているたばこロッド2に形成されているヒーター挿入用空洞部23に予めコーティング剤が塗布された塗工用のニードル部材を挿抜し、ヒーター挿入用空洞部23の内面へ露呈する再構成たばこ細片21に塗工用のニードル部材からコーティング剤を転写することを特徴とする。図28は、加熱式たばこ1の第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)に適用されるフィルタチップアタッチメント装置50が備えるドラム列の一部を概略的に示す図である。図28においては、搬送ドラム59の後段に搬送ドラム57Aが設けられている点を除いて、図12に示すフィルタチップアタッチメント装置50のドラム列と共通する。
図28に示すように、搬送ドラム57Aにはコーティング剤塗布装置570が併設されている。コーティング剤塗布装置570は、図13〜図24等で説明した穿孔ドラム装置70と実質的に同様な機構を有している。搬送ドラム57Aに併設されるコーティング剤塗布装置570は、上述した穿孔ドラム装置70で説明した各ニードル部材240を塗工用のニードル部材として使用する。すなわち、搬送ドラム57Aによる加熱式たばこ1の搬送過程において、たばこロッド2に既に穿孔されているヒーター挿入用空洞部23に対して予めコーティング剤が塗布されたニードル部材240(塗工用のニードル部材)を挿抜することで、ヒーター挿入用空洞部23の内面へ露呈する再構成たばこ細片21にニードル部材240(塗工用のニードル部材)からコーティング剤を転写する。これにより、たばこロッド2に形成されたヒーター挿入用空洞部23の内面にコーティング部24を形成することができる。なお、ニードル部材240(塗工用のニードル部材)に対するコーティング剤の塗布は、第3の製造方法(穿孔ニードル塗布法)で説明したような転写ローラ、或いは、ニードル部材240(塗工用のニードル部材)におけるニードル軸方向を指向する噴射ノズルを用いて行うようにしても良い。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明に係る加熱式たばこ、および、その製造方法はこれらに限られない。
1・・・加熱式たばこ
2・・・たばこロッド
3・・・フィルタ
4・・・支持部
5・・・エアロゾル冷却部
6・・・マウスピース部
21・・・再構成たばこ細片
23・・・ヒーター挿入用空洞部
24・・・コーティング部
30・・・たばこ巻上機
34・・・ガニチャベルト
39・・・コーティング剤塗布ノズル
50・・・フィルタチップアタッチメント装置
60・・・穿孔ドラム
70・・・穿孔ドラム装置

Claims (18)

  1. エアロゾル生成基材を含む再構成たばこ細片が巻紙の内側に充填されてなるたばこロッドを有する加熱式たばこであって、
    前記たばこロッドは、前記加熱式たばこの先端側に設けられており、
    前記たばこロッドは、
    当該たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部と、
    前記空洞部の内面へ露呈する再構成たばこ細片の少なくとも一部における再構成たばこ細片同士にまたがるように設けられ、無機塩又は高分子材料を含むコーティング部と、
    を備える、
    加熱式たばこ。
  2. 前記空洞部は、前記たばこロッドの先端面において、短径0.5mm以上、長径1.8mm以上で開口する、
    請求項1に記載の加熱式たばこ。
  3. 前記コーティング部は、無機塩として、少なくとも炭酸カルシウムおよびケイ酸ナトリウムの何れかを含む、
    請求項1又は2に記載の加熱式たばこ。
  4. 前記コーティング部は、天然高分子として、少なくとも、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラヤガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コンニャクマンナン、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、小麦グルテン、カラゲニン、アルギネート、プルラン、カードラン、イナゴマメのガム、タラガム、トラガカントゴム、ゼイン、キチン、キトサン、アカシアゴムの何れかを含む、
    請求項1から3の何れか一項に記載の加熱式たばこ。
  5. 前記加熱式たばこにおける基端側に前記たばこロッドと同軸に連結されたフィルタを更に有し、
    前記フィルタは、前記再構成たばこ細片に含まれるエアロゾル生成基材から放出される揮発性物質を冷却するための冷却部を含む、
    請求項1から4の何れか一項に記載の加熱式たばこ。
  6. 前記フィルタは、更に、前記たばこロッドの基端側に接続される接続端に配置され、前記再構成たばこ細片を支持する支持部を含む、
    請求項5に記載の加熱式たばこ。
  7. 前記加熱式たばこは、加熱装置と組み合わせて加熱式たばこ製品を構成し、
    前記加熱装置は、錐体部と棒状部とを含むヒーターを備え、前記ヒーターの錐体部の最大差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下であって、かつ、前記ヒーターの棒状部の最大
    差渡し径が1.5mm以上2.5mm以下であって、前記ヒーターが発熱した際に、その
    熱量が前記たばこロッドへ熱伝導されることで、使用者の吸引に供するエアロゾルが発生する、
    請求項2に記載の加熱式たばこ。
  8. 請求項1から4の何れか一項に記載の加熱式たばこを製造する製造方法であって、
    前記加熱式たばこにおける前記たばこロッドの先端面に開口すると共に当該たばこロッドの軸方向に沿って延在する空洞部の内面に露呈する再構成たばこ細片同士にまたがって
    前記コーティング部が形成されるように、前記コーティング部を形成するためのコーティング剤を再構成たばこ細片に塗工するコーティング剤塗工工程を含む、
    加熱式たばこの製造方法。
  9. 前記コーティング剤塗工工程は、一方向に走行する無端状のガニチャベルト上にペーパウエブを介して層状の再構成たばこ細片を供給し、当該層状の再構成たばこ細片をペーパウエブにより連続的に包み込んでたばこロッドの連続体を成形した後、前記連続体を所定長さのたばこロッドに切断するたばこ巻上機のラッピングセクションにおいて、前記ガニチャベルト上にペーパウエブを介して供給された層状の再構成たばこ細片に連続的に前記コーティング剤を予め添加しておき、
    前記たばこ巻上機から供給される前記たばこロッドとフィルタ製造装置から供給されるフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている、前記再構成たばこ細片に前記コーティング剤が添加された前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで、前記空洞部を形成すると同時に前記コーティング部を形成する、
    請求項8に記載の加熱式たばこの製造方法。
  10. たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、
    前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面側から前記空洞部の内部に向かって固定ノズルから前記コーティング剤を吹き込ませる、
    請求項8に記載の加熱式たばこの製造方法。
  11. たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、
    前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面側から前記空洞部の内部に向かって前記搬送ドラムと同軸で回転するノズルから前記コーティング剤を吹き込ませる、
    請求項8に記載の加熱式たばこの製造方法。
  12. 前記コーティング剤塗工工程は、たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に予め前記コーティング剤が塗布された穿孔用のニードル部材を挿抜することで、前記空洞部を形成すると同時に前記コーティング部を形成する、
    請求項8に記載の加熱式たばこの製造方法。
  13. 前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔用のニードル部材と当接する転写ローラから前記コーティング剤を前記穿孔用のニードル部に塗布し、又は、前記穿孔用のニードル部材の回転軸方向を指向する噴射ノズルから前記コーティング剤を前記穿孔用のニードル部材に塗布する、
    請求項12に記載の加熱式たばこの製造方法。
  14. 前記転写ローラは、多孔性部材によって形成されている、請求項13に記載の加熱式たばこの製造方法。
  15. たばこ巻上機から供給されるたばこロッドとフィルタ製造装置から供給される棒状のフィルタロッドをチップペーパによって一体に巻き上げるフィルタチップアタッチメント装置において、当該フィルタチップアタッチメント装置の穿孔ドラムによって搬送されている前記たばこロッドの先端面に穿孔用のニードル部材を挿抜することで前記空洞部を形成する空洞部形成工程を、更に含み、
    前記コーティング剤塗工工程において、前記穿孔ドラムの後段に配置される搬送ドラムによって搬送されている前記たばこロッドに形成されている前記空洞部に予め前記コーティング剤が塗布された塗工用のニードル部材を挿抜し、前記空洞部の内面へ露呈する再構成たばこ細片に前記塗工用のニードル部材から前記コーティング剤を転写する、
    請求項8に記載の加熱式たばこの製造方法。
  16. 前記穿孔用のニードル部材は、その先端が錐体をなし、錐体の最大差渡し寸法が1.5mm以上3.5mm以下である、
    請求項9から15の何れか一項に記載の加熱式たばこの製造方法。
  17. 前記穿孔用のニードル部材は、その先端が円錐体をなし、円錐体の最大直径が2.8mm以上3.5mm以下であり、
    前記穿孔ドラムによって搬送されているたばこロッドに長径3.5mm以下、短径3.5mm以下の前記空洞部が形成される、
    請求項9から15の何れか一項に記載の加熱式たばこの製造方法。
  18. 前記コーティング剤は、少なくとも、無機塩として炭酸カルシウム又はケイ酸ナトリウムの何れかを含む水溶液である、
    請求項8から17の何れか一項に記載の加熱式たばこの製造方法。
JP2019079546A 2019-04-18 2019-04-18 加熱式たばこおよびその製造方法 Pending JP2020174586A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019079546A JP2020174586A (ja) 2019-04-18 2019-04-18 加熱式たばこおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019079546A JP2020174586A (ja) 2019-04-18 2019-04-18 加熱式たばこおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020174586A true JP2020174586A (ja) 2020-10-29

Family

ID=72935378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019079546A Pending JP2020174586A (ja) 2019-04-18 2019-04-18 加熱式たばこおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020174586A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113940448A (zh) * 2021-11-30 2022-01-18 云南中烟工业有限责任公司 一种间歇喷淋式制备分段式气溶胶发生基质棒的方法
WO2022080244A1 (ja) 2020-10-16 2022-04-21 日本電気株式会社 Ue、コアネットワークノード、アクセスネットワークノード、amf装置、端末、及びこれらの方法
CN115100424A (zh) * 2022-06-18 2022-09-23 河南中烟工业有限责任公司 一种重叠烟丝组分判定方法、系统、电子设备及计算机可读存储介质
WO2023286291A1 (ja) * 2021-07-15 2023-01-19 日本たばこ産業株式会社 たばこ成形体、吸引具用霧化ユニット、吸引具、たばこ成形体の製造方法、及び、吸引具用霧化ユニットの製造方法
WO2023026391A1 (ja) * 2021-08-25 2023-03-02 日本たばこ産業株式会社 吸引具のたばこ消費材及び吸引具
WO2023095248A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型スティック
WO2023119796A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 日本たばこ産業株式会社 たばこ材料及び喫煙物品
WO2023148915A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 日本たばこ産業株式会社 喫煙システムおよび香味吸引器
WO2023223491A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル発生装置および喫煙システム
WO2023223494A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル発生システム

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022080244A1 (ja) 2020-10-16 2022-04-21 日本電気株式会社 Ue、コアネットワークノード、アクセスネットワークノード、amf装置、端末、及びこれらの方法
WO2023286291A1 (ja) * 2021-07-15 2023-01-19 日本たばこ産業株式会社 たばこ成形体、吸引具用霧化ユニット、吸引具、たばこ成形体の製造方法、及び、吸引具用霧化ユニットの製造方法
WO2023026391A1 (ja) * 2021-08-25 2023-03-02 日本たばこ産業株式会社 吸引具のたばこ消費材及び吸引具
WO2023095248A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 日本たばこ産業株式会社 非燃焼加熱型スティック
CN113940448A (zh) * 2021-11-30 2022-01-18 云南中烟工业有限责任公司 一种间歇喷淋式制备分段式气溶胶发生基质棒的方法
CN113940448B (zh) * 2021-11-30 2024-01-30 云南中烟工业有限责任公司 一种间歇喷淋式制备分段式气溶胶发生基质棒的方法
WO2023119796A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 日本たばこ産業株式会社 たばこ材料及び喫煙物品
WO2023148915A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 日本たばこ産業株式会社 喫煙システムおよび香味吸引器
WO2023223491A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル発生装置および喫煙システム
WO2023223494A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル発生システム
CN115100424A (zh) * 2022-06-18 2022-09-23 河南中烟工业有限责任公司 一种重叠烟丝组分判定方法、系统、电子设备及计算机可读存储介质
CN115100424B (zh) * 2022-06-18 2024-03-19 河南中烟工业有限责任公司 一种重叠烟丝组分判定方法、系统、电子设备及计算机可读存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020174586A (ja) 加熱式たばこおよびその製造方法
JP6523947B2 (ja) フィルターロッド製造機
JP5806729B2 (ja) 高速ポーチ製造機
JP2767445B2 (ja) 喫煙物品製造のためのロッド製造装置
US9028385B2 (en) Equipment for insertion of objects into smoking articles
US20110190105A1 (en) Fluid Encapsulation
US9055768B2 (en) High speed object inserter and related methods
US6723033B1 (en) Method and apparatus for producing particle bearing filter rod
EP3254570A1 (en) Filter cigarette producing method, filter and filter cigarette
EP2545791B2 (en) Filter-tipped cigarette rolling device and method
US20130167851A1 (en) Method of filter assembly for smoking article
US3962957A (en) Curling device for webs of paper or the like
KR20090094027A (ko) 튜브 롤링 장치
EP1547477B1 (en) A method and a device for making filters for tobacco products
US20130167849A1 (en) Method of tipping for smoking article
US3996842A (en) Apparatus for reducing and equalizing localized stresses in running paper webs or the like
EP1156721A1 (en) Method and apparatus for producing particle bearing filter rod
JP7187684B2 (ja) 穿孔ドラム装置および穿孔装置
US20160135496A1 (en) Method and an apparatus for manufacturing a filter for a smoking article
WO2020194232A1 (en) Method and machine for making a sub-unit of a smoking article
EP3811788A1 (en) Production line for manufacturing nicotine pouches
US355968A (en) bonsack
JP2022507374A (ja) 添加剤集合体