JP2020170098A - 温度制御装置、方法およびプログラム - Google Patents

温度制御装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】細胞等の観察対象の損傷を防止しつつ、培養容器の曇りを効率よく除去できるようにする温度制御装置、方法およびプログラムを提供する。【解決手段】容器に収容された観察対象の温度調整を行う温度制御値設定部62が、観察対象の情報に基づいて、観察対象の温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定する。温度設定部63が、温度制御値に基づいて、温度調整部の目標温度を設定する。【選択図】図2

Description

本開示は、容器に収容された観察対象を観察するに際して、容器の曇りを防止するための温度制御装置、方法およびプログラムに関するものである。
従来、ES(Embryonic Stem)細胞およびiPS(Induced Pluripotent Stem)細胞等の多能性幹細胞および分化誘導された細胞等を顕微鏡等の観察装置で撮像し、その画像の特徴を捉えることで細胞の分化状態等を判定する方法が提案されている。ES細胞およびiPS細胞等の多能性幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備えたものであり、再生医療、薬の開発、および病気の解明等において応用が可能なものとして注目されている。
上述したように細胞を観察装置で撮像する際、高倍率な広視野画像を取得するため、例えばウェルプレート等の培養容器等の容器の範囲内を結像光学系によって走査し、観察位置毎の画像を撮像した後、その観察位置毎の画像を結合する、いわゆるタイリング撮影を行うことが提案されている。
一方、細胞を観察する際には、培養容器にゴミおよび雑菌等の異物が混入するのを防止するために、蓋付きの培養容器またはフラスコタイプの密閉式の培養容器が使用される。また、培養容器中の培養液は、例えば37℃等の人体の体温程度の温度に制御された状態で培養されるが、観察時は環境温度(すなわち室温)に晒される。多くの場合、環境温度は細胞の培養温度よりも低い。このため、観察時には培養容器の蓋等の内側に、曇りまたは結露(以下、曇りで代表させる)が生じやすい。このように容器に曇りが生じると、細胞の観察に支障が生じる。
このため、培養容器の蓋等の曇りを防止するための各種手法が提案されている。例えば、特許文献1には、透明ガラスからなるガラスヒータを培養容器の上方に配置し、ガラスヒータの温度と試料室内の温度とが等しくなるように、ガラスヒータの温度および試料室内の温度のフィードバック制御を行う手法が提案されている。また、特許文献2には、顕微鏡装置が設置されたチャンバ内の温度を測定し、測定結果に基づいて顕微鏡観察の可否を判定する手法も提案されている。さらに、特許文献3には、温度の変化が所定の範囲内になるまで撮影開始を待機し、時間当たりの温度変化が小さい状態で撮影を行う手法も提案されている。
特開2006−39171号公報 再公表2007−145233号公報 特開2012−150171号公報
しかしながら、細胞にはその種類に応じて培養に適した温度がある。とくに細胞の種類によっては、温度感受性があることも知られている。このため、特許文献1に記載された手法のように、曇りを防止するために細胞に適した温度に対して培養容器の温度を高くしたり低くしたりすると、とくに温度感受性がある細胞の場合、細胞が損傷する可能性がある。また、特許文献2,3に記載の手法においては、温度制御を行っているものの、細胞の種類が異なると観察する細胞に適した温度制御を行うことができなくなる可能性がある。
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、細胞等の観察対象の損傷を防止しつつ、培養容器の曇りを効率よく除去できるようにすることを目的とする。
本開示による温度制御装置は、容器に収容された観察対象の温度調整を行う温度調整部と、
観察対象の情報に基づいて、観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定する温度制御値設定部と、
温度制御値に基づいて、温度調整部の温度を設定する温度設定部とを備える。
「温度制御値に基づいて、温度調整部の温度を設定する」とは、温度調整部により温度が調整される観察対象の温度が、目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方に収まるように、温度調整部の温度を設定することを意味する。
なお、本開示による温度制御装置においては、観察対象を撮像して観察画像を取得する撮像部と、
観察対象の温度が温度制御値にない場合、撮像部による観察対象の撮像を禁止する禁止部とをさらに備えるものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、観察対象の温度が温度制御値にない場合、観察対象の温度が温度制御値にないことの通知を行う通知部をさらに備えるものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、観察対象の種類、容器の種類、および容器内における液体の量の少なくとも1つを設定情報として取得する情報取得部をさらに備え、
温度設定部は、設定情報に基づいて容器の加温方法を設定するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、情報取得部は、さらに液体の種類、液体に対する設定温度、加温時間および環境温度の少なくとも1つを設定情報として取得するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、温度制御部は、温度調整部と容器との距離、および温度調整部における経過時間に対する温度の関係の少なくとも一方を、加温方法を設定するための要素として含む加温方法を設定するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、予め定められた各種設定条件に応じた、複数の加温方法を記憶する記憶部をさらに備え、
制御部は、複数の加温方法から、取得した設定条件に応じた加温方法を選択することにより加温方法を設定するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、制御部は、選択した加温方法を温度制御値および取得した設定条件に応じて補正することにより加温方法を設定するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、温度調整部は、ガラスヒータを有するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、温度調整部は、容器の上方から容器に向けて温風を吹き出す温風ヒータを有するものであってもよい。
また、本開示による温度制御装置においては、温度制御値設定部は、観察対象の目標温度をさらに含む温度制御値を設定するものであってもよい。
本開示による温度制御方法は、容器に収容された観察対象の温度調整を行うステップと、
観察対象の情報に基づいて、観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定するステップと、
温度制御値に基づいて、観察対象の温度調整を行う温度調整部の温度を設定するステップとを有する。
なお、本開示による温度制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
本開示による他の温度制御装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリ、および
記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサを備え、プロセッサは、
容器に収容された観察対象の温度調整を行い、
観察対象の情報に基づいて、観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定し、
温度制御値に基づいて、観察対象の温度調整を行う温度調整部の温度を設定する処理を実行する。
本開示によれば、細胞等の観察対象の損傷を防止しつつ、培養容器の曇りを効率よく除去できる
本開示の温度制御装置の一実施形態を用いた顕微鏡観察システムにおける顕微鏡装置の概略構成を示す図 本実施形態の温度制御装置を内包する観察制御装置の構成を示すブロック図 各種細胞の種類と、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値とを対応付けたテーブルの例を示す図 温度制御カーブの例を示す図 温度制御カーブの例を示す図 温度制御カーブの例を示す図 培養容器とガラスヒータとの距離の関係を説明するための図 培養容器とガラスヒータとの距離の関係を説明するための図 温度制御カーブの例を示す図 ガラスヒータの温度を示す図。 本実施形態において行われる処理を示すフローチャート 温度制御処理を示すフローチャート 基準温度制御カーブの補正を説明するための図 本実施形態の他の温度制御装置を内包する観察制御装置の構成を示すブロック図
以下、本開示の温度制御装置の一実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の顕微鏡観察システムにおける顕微鏡装置10の概略構成を示す図である。
顕微鏡装置10は、観察対象である培養された細胞の位相差画像を取得するものである。具体的には、顕微鏡装置10は、図1に示すように、白色光を出射する白色光源11、コンデンサレンズ12、スリット板13、結像光学系14、結像光学系駆動部15および撮像素子16を備える。また、スリット板13の下方には、ガラスヒータ18が配置されている。また、ガラスヒータ18と後述するステージ51との間には、培養容器50に収容された細胞の温度を計測する温度センサ19が配置されている。
スリット板13は、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板に対して白色光を透過するリング形状のスリットが設けられたものであり、白色光がスリットを通過することによってリング状の照明光Lが形成される。
結像光学系14は、対物レンズおよび位相板を備えた位相差レンズおよび結像レンズを備える。結像光学系14は、図1に示す結像光学系駆動部15によってその光軸方向に移動する。なお、本実施形態においては、結像光学系14の光軸方向とZ方向(鉛直方向)とは同じ方向である。結像光学系14のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
結像光学系駆動部15は、例えば圧電素子のようなアクチュエータを備え、後述する撮像制御部31から出力された制御信号に基づいて駆動する。なお、結像光学系駆動部15は、結像光学系14を通過した位相差画像をそのまま通過させる構成となっている。また、結像光学系駆動部15の構成は圧電素子に限らず、結像光学系14をZ方向に移動可能なものであればよく、その他の公知の構成を用いることができる。
撮像素子16は、結像光学系14によって結像された位相差画像を撮像する。撮像素子16としては、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。撮像素子16としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子16を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いてもよい。なお、撮像素子16が、本開示の撮像部を構成する。
ガラスヒータ18は、上記特許文献1に記載されたように、ガラス基板、透明導電膜および透明樹脂層等が積層された構造を有する。透明導電膜はガラス基板の全域に亘ってパターン状に形成されており、電流を流すことにより発熱する。なお、ガラスヒータ18の面積は、顕微鏡装置10において使用可能な最も大きいサイズの培養容器(例えばフラスコ)の上面の面積をカバーすることができる程度の大きさを有する。また、ガラスヒータ18は不図示の駆動部により図1におけるZ方向(上下方向)に移動する。なお、ガラスヒータ18が、本開示の温度制御装置の温度調整部に対応する。
スリット板13と結像光学系14との間には、ステージ51が設けられている。ステージ51上には、観察対象である細胞が収容された培養容器50が設置される。なお、培養容器50は、ステージ51における予め定められた位置に位置合わせされて、ステージ51上に設置される。
培養容器50としては、シャーレ、ディッシュ、ウェルプレートおよびフラスコ等を用いることができる。また、培養容器50に収容される細胞としては、iPS細胞およびES細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞等がある。また、がん患者から採取したがん細胞も用いられる。
ステージ51は、後述する水平方向駆動部17(図2参照)によって互いに直交するX方向およびY方向に移動する。X方向およびY方向は、Z方向に直交する方向であり、水平面内において互いに直交する方向である。本実施形態においては、X方向を主走査方向とし、Y方向を副走査方向とする。ステージ51の中央には、図1に破線で示す矩形の開口51aが形成されている。開口51aを形成する部材の上に培養容器50が設置され、培養容器50内の細胞を透過した照明光Lが開口51aを通過するように構成されている。
温度センサ19は、非接触式の温度センサであり、培養容器50に収容された細胞の温度を計測し、計測した温度を表す温度情報を、後述する観察制御装置20(図2参照)に出力する。なお、非接触式の温度センサに代えて、接触式の温度センサを用いてもよい。また、細胞の温度は実質的には培養液の温度に一致する。さらには、細胞の温度は培養容器50の温度とも一致する。
次に、顕微鏡装置10を制御する観察制御装置20の構成について説明する。図2は、本実施形態の観察制御装置の構成を示すブロック図である。観察制御装置20は、本実施形態の温度制御装置60を内包する。なお、顕微鏡装置10については、観察制御装置20の各部により制御される一部の構成のブロック図を示している。
観察制御装置20は、顕微鏡装置10の全体を制御するものであり、本実施形態による温度制御プログラムを内包する観察制御プログラムをコンピュータにインストールすることにより実現される。図2に示すように、観察制御装置20は、標準的なワークステーションの構成として、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22およびストレージ23を備えている。また、観察制御装置20には、液晶ディスプレイ等の表示部24、並びにキーボードおよびマウス等の入力部25が接続されている。
ストレージ23は、ハードディスクドライブ等からなり、本実施形態による観察制御装置20および観察制御装置20に内包される温度制御装置60が行う処理に必要な情報を含む各種情報が記憶されている。
また、メモリ22には、本実施形態による温度制御プログラムを内包する観察制御プログラムが記憶されている。観察制御プログラムは、CPU21に実行させる処理として、撮像制御処理および表示制御処理を規定する。また、温度制御プログラムは、CPU21に実行させる処理として、情報取得処理、温度制御値設定処理、温度設定処理、禁止処理および通知処理を規定する。
そして、CPU21がプログラムに従いこれらの処理を実行することで、コンピュータは、撮像制御部31および表示制御部32を備えた観察制御装置20として機能する。また、コンピュータは、情報取得部61、温度制御値設定部62、温度設定部63、禁止部64および通知部65を備えた温度制御装置60として機能する。
表示部24は、後述する通知および位相差画像から生成された合成位相差画像等を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイ等を備える。また、表示部24をタッチパネルによって構成し、入力部25と兼用してもよい。
入力部25は、マウスおよびキーボード等を備えたものであり、撮像開始の指示を含む、ユーザによる種々の設定入力を受け付ける。本実施形態の入力部25は、観察対象ある細胞の種類の入力を受け付ける。また、入力部25は、培養容器50の種類および培養液の量等の設定条件の入力も受け付ける。設定条件については後述する。
撮像制御部31は、結像光学系駆動部15をZ方向に駆動させることにより、結像光学系14を光軸方向に移動させてオートフォーカス制御を行う。また、撮像制御部31は水平方向駆動部17を駆動制御し、これによりステージ51をX方向およびY方向に移動させる。水平方向駆動部17は、圧電素子等を有するアクチュエータから構成される。
なお、オートフォーカス制御は、例えば特開2018−054817号公報に記載された手法を用いる。特開2018−054817号公報に記載された手法は、例えば結像光学系を挟んで培養容器50のZ方向(鉛直方向)の位置を検出する2つのセンサを配置し、ステージ51の移動方向に応じて使用するセンサを切り替えつつ、センサが検出した位置情報に基づいて、後述する結像光学系駆動部15を制御し、オートフォーカス制御を行う手法である。
また、撮像制御部31は、ステージ51の移動における結像光学系14による観察位置において、撮像素子16により位相差画像を取得する制御を行う。これにより、各観察位置において、位相差画像が取得される。
表示制御部32は、顕微鏡装置10によって撮像された各観察位置の位相差画像を結合することによって1枚の合成位相差画像を生成し、合成位相差画像を表示部24に表示させる。また、後述する通知部65による通知も表示部24に表示する。
温度制御装置60の情報取得部61は、観察対象である細胞の種類の情報、培養容器50の種類および培養容器50内における培養液の量の少なくとも1つの情報を設定情報として取得する。また、本実施形態においては、情報取得部61は、さらに培養容器50において使用する培養液の種類、加温時間および環境温度の少なくとも1つの情報を設定情報として取得するものであってもよい。また、情報取得部61は、温度センサ19が計測した細胞の温度を表す温度情報も取得する。
温度制御装置60の温度制御値設定部62は、情報取得部61が取得した細胞の種類の情報に基づいて、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定する。本実施形態においては、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値の双方を含む温度制御値を設定する。このために、本実施形態においては、ストレージ23に、各種細胞の種類と、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値とを対応付けたテーブルが記憶されている。
図3は各種細胞の種類と、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値とを対応付けたテーブルの例を示す図である。図3に示すように、テーブルTBL0には、ES細胞、iPS細胞およびがん細胞等の各種細胞の種類と、各種細胞に対応する目標温度並びに目標温度の上限値および下限値とが対応付けられている。図3に示すテーブルTBL0においては、ES細胞の目標温度、上限値および下限値としてそれぞれ37℃、38℃および36℃が、iPS細胞の目標温度、上限値および下限値としてそれぞれ37℃、37.5℃および36.5℃が、がん細胞の目標温度、上限値および下限値としてそれぞれ37℃、39℃および35℃が対応付けられている。温度制御値設定部62は、テーブルTBL0を参照して、情報取得部61が取得した細胞の種類の情報に基づいて、細胞の温度制御値を設定する。ここで、いずれの細胞の場合も、目標温度は人体の体温と略一致する37℃となっている。なお、図3のテーブルは、各種細胞の種類と、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値とを対応付けているが、各種細胞の種類と、細胞の標温度の上限値および下限値とを対応付けたテーブルを用いてもよい。
温度制御装置60の温度設定部63は、温度制御値設定部62が設定した温度制御値に基づいて、ガラスヒータ18の温度を設定する。具体的には、細胞の温度が目標温度の上限値および下限値に収まるように、ガラスヒータ18の温度を設定する。また、温度設定部63は、さらに情報取得部61が取得した設定情報に基づいて、ガラスヒータ18の加温方法を設定する。具体的には、ガラスヒータ18と培養容器50との距離、およびガラスヒータ18における経過時間に対する温度の関係の少なくとも一方を、加温方法を設定するための要素として含む加温方法を設定する。本実施形態においては、ガラスヒータ18と培養容器50との距離、およびガラスヒータ18における経過時間に対する温度の関係の双方を、加温方法を設定するための要素として含む加温方法を設定する。以下、加温方法の設定について詳細に説明する。
観察対象である細胞は、培養容器50に収容された状態で培養されるが、培養は人体の体温である37℃程度に制御された環境で行われる。一方、細胞の観察時においては、培養容器50は顕微鏡装置10のステージ51に載置されるが、その際、培養容器50は室温である環境温度に晒される。環境温度は細胞の培養温度よりも低いことが多いため、培養容器50を観察する際には、観察時には培養容器50の内側に曇りが生じやすい。本実施形態による温度制御装置60は、培養容器50の曇りを防止するために、ガラスヒータ18を用いて培養容器50を加温する。具体的には培養容器50の上面、すなわち培養容器50の白色光源11を向いている側の面を加温する。
ここで、培養容器50としては、ウェルプレート、フラスコ、シャーレおよびディッシュ等、多くの種類が用いられる。また、ウェルプレートについても、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェルおよび96ウェル等、ウェルの数が異なるウェルプレートが用いられる。また、培養容器50の種類に応じて使用される培養液の量も異なる。例えば、ウェルプレートよりもフラスコの方が使用される培養液の量が多い。また、使用される培養液も、ゲル状であったり、液状であったり、物性が異なったり、様々な種類のものがある。
このため、使用される培養容器50の種類等に応じた、適切な加温方法が存在する。例えば、培養容器50が96ウェルのウェルプレートの場合、ウェルのサイズが小さいため、使用される培養液の量は少ない。このため、緩やかに加温を行ったとしても培養容器50の曇りを消すことができる。したがって、培養容器50が96ウェルのウェルプレートの場合、図4に示すような温度制御カーブC1となるように、ガラスヒータ18の加温方法を設定すればよい。
なお、図4に示す温度制御カーブが、ガラスヒータ18における経過時間に対する温度の関係となる。このため、温度制御カーブが加温方法を設定するための1つの要素となる。また、温度制御カーブにおいては、時間の経過により温度が一定値となるが、この一定値となる温度がガラスヒータ18の定常温度T0となる。
ここで、細胞にはその種類に応じて培養に適した温度がある。とくに細胞の種類によっては、温度感受性があることも知られている。このため、曇りを除去するために培養容器50の温度をその細胞に適した温度に対して高くしたり低くしたりすると、とくに温度感受性がある細胞の場合、細胞が損傷する可能性がある。このため、温度制御カーブC1における定常温度T0は、温度制御値設定部62が設定した温度制御値に応じて設定される。
具体的には、まず、温度設定部63は、培養容器50とガラスヒータ18との距離L0を加温方法を設定するための1つの要素として設定する。なお、距離L0は、培養容器50の種類に応じた予め定められた値に設定される。そして、温度設定部63は、設定した距離L0と細胞の目標温度とに基づいて定常温度T0を設定する。ここで、物体が受ける放射は熱源からの距離の2乗に反比例し、かつ物体の比熱に影響される。このため、本実施形態においては、ガラスヒータ18と培養容器50との距離L0、培養容器50の種類および目標温度と、定常温度T0との関係を規定したテーブルがストレージ23に予め保存されている。温度設定部63は、培養容器50とガラスヒータ18との距離L0、培養容器50の種類および目標温度に基づいて、テーブルを参照して、定常温度T0を設定する。例えば、温度設定部63は、培養容器50の目標温度が37℃である場合、ガラスヒータ18と培養容器50との距離L0に応じて、培養容器50の表面における温度が37℃となるように、ガラスヒータ18の定常温度T0を設定する。
なお、細胞の加温時には、不図示の駆動部がガラスヒータ18のZ方向の位置を移動し、ガラスヒータ18と培養容器50との距離が、設定された距離L0、すなわち、定常温度T0によりガラスヒータ18を加温した場合、培養容器50に収容された細胞の温度が目標温度となる距離に設定されることとなる。
一方、培養容器50が6ウェルのウェルプレートの場合、ウェルのサイズが大きいため、使用される培養液の量は96ウェルよりも多い。このため、96ウェルのウェルプレートの場合よりも、加温開始直後の温度を高くするように制御を行うことが好ましい。したがって、培養容器50が6ウェルのウェルプレートの場合、図5に示すような立ち上がりの温度を高くした温度制御カーブC2となるように、ガラスヒータ18の加温方法を設定すればよい。
また、培養容器50が6ウェルのウェルプレートの場合であっても、使用する培養液の種類および量、並びにウェルプレートの材質によっても、加温方法が異なるものとなる。例えば、培養液の沸点が比較的低く、1つのウェル当たりの培養液の量が少なく、かつ高い熱伝導率の材質からなるウェルプレートを使用した場合、図5に示す温度制御カーブC2と比較して、図6に示すように初期の温度の立ち上がりを緩やかにした温度制御カーブC3にしたがって、ガラスヒータ18の加温方法を設定すればよい。
また、培養容器50がフラスコの場合、ウェルプレートおよびシャーレ等と比較して、ステージ51上に載置した際の厚さが大きい。ここで、ウェルプレートおよびシャーレは図7に示すように、培養容器50とガラスヒータ18との距離L0を小さくすることができるが、フラスコは、図8に示すように斜め上方に向けて入れ口53を有するため、ウェルプレートおよびシャーレ程には、培養容器50とガラスヒータ18との距離L0を小さくすることができない。また、フラスコはウェルプレートおよびシャーレ等と比較して培養液の量が多い。したがって、培養容器50がフラスコの場合、図9に示すように、ウェルプレートの場合よりも、加温開始直後の温度が高く、かつ高い温度での加温時間が長い温度制御カーブC4となるように、ガラスヒータ18の加温方法を設定すればよい。
本実施形態においては、各種培養容器の種類および培養液の量に応じた、さらには培養液の種類、加温時間および環境温度等に応じた複数の基準となる温度制御カーブ(以下、基準温度制御カーブとする)が、ストレージ23に記憶されている。温度設定部63は、情報取得部61が取得した設定情報を参照し、取得した設定情報に最も近い設定情報に対応する基準温度制御カーブを取得する。そして、温度設定部63は、取得した基準温度制御カーブを、温度制御値および設定条件に応じて補正することにより補正済み温度制御カーブを導出して、定常温度T0および加温方法を設定する。補正済み温度制御カーブの導出については後述する。
なお、本実施形態においては、情報取得部61が温度センサ19から取得した温度情報が温度設定部63に入力される。温度設定部63は、ガラスヒータ18の温度が定常温度T0になった後、温度情報に基づく細胞の温度を監視する。そして、細胞の温度が温度制御値である目標温度の上限値および下限値に収まるように、ガラスヒータ18の温度のフィードバック制御を行う。すなわち、細胞の温度が目標温度の下限値に近くなるとガラスヒータ18の温度を上げ、細胞の温度が目標温度の上限値に近くなるとガラスヒータ18の温度を下げるように、ガラスヒータ18の温度を調整する。このため、例えば、図4に示す温度制御カーブC1にしたがってガラスヒータ18の温度を設定する場合、ガラスヒータ18の温度は、図10に示すように、定常温度T0になった後、細胞の温度に応じて変化することとなる。
禁止部64は、情報取得部61が温度センサ19から取得した温度情報に基づいて、細胞の温度が温度制御値にあるか否かを判定する。そして、細胞の温度が温度制御値にない場合、撮像素子16による培養容器50の撮像を禁止する。具体的には、細胞の温度が目標温度の上限値と下限値との範囲内にないと判定された場合には、操作者が入力部25から撮像開始の指示を行っても、撮像制御部31からの指示が顕微鏡装置10に出力されないようにする。これは、細胞の温度が温度制御値にない場合は、培養容器50の曇りの除去が十分にできていない可能性、および温度調整中であるために細胞の品質に変化が生じる可能性があり、細胞を適切に撮像できない可能性があるためである。また、入力部25が、撮像ボタンを有するものである場合には、撮像ボタンを機械的または電気的に押せないようにしてもよい。また、入力部25がタッチパネルである場合には、撮像ボタンを表示させないようにしてもよい。この場合、後述する通知部65により表示部24に表示された通知を見れば、操作者は温度制御中であることを確認することができる。なお、細胞の温度が温度制御値にない状況としては、温度調整を開始した直後等が挙げられる。
通知部65は、情報取得部61が温度センサ19から取得した温度情報に基づいて、細胞の温度が温度制御値にあるか否かを判定する。なお、この判定を行うことなく、禁止部64による判定結果を用いてもよい。本実施形態においては、通知部65は禁止部64による判定結果を用いるものとする。逆に、禁止部64において、通知部65による判定結果を用いるようにしてもよい。そして、細胞の温度が温度制御値にない場合、その旨の通知を行う。具体的には、通知は、例えば「細胞の温度が目標温度にありません。」等のテキストを、表示部24に表示することにより行えばよいが、これに限定されるものではない。不図示のスピーカーから音声による通知を行ってもよく、音声による通知および表示の双方を行ってもよい。なお、通知部65は、細胞の温度が温度制御値にある場合、具体的には、細胞の温度が目標温度の上限値と下限値との範囲内にある場合には、例えば「細胞の温度が目標温度になっています。」のテキスト等により、その旨を通知するものであってもよい。
次いで、本実施形態において行われる処理について説明する。なお、本実施形態においては、位相差画像を取得する処理は、例えば上述した特開2018−054817号公報に記載された手法と同一であるため、詳細な説明は省略し、以下、本実施形態による温度制御装置60が行う処理についてのみ説明する。図11は温度制御装置60が行う処理を示すフローチャートである。まず、情報取得部61が設定情報を取得する(ステップST1)。次いで、温度制御値設定部62が、情報取得部61が取得した設定情報に含まれる細胞の種類の情報に基づいて、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値を含む温度制御値を設定する(ステップST2)。そして、温度設定部63が、温度制御値および設定情報に基づいてガラスヒータ18の定常温度T0を設定する(ステップST3)。なお、定常温度T0は、上述したガラスヒータ18と培養容器50との間が予め定められた距離L0にある場合に、上述したように培養容器50、さらには細胞を目標温度にするための温度である。この距離L0は加温方法を設定するための要素の1つである。また、温度設定部63は、温度制御値および設定情報に基づいて、ガラスヒータ18の加温方法を設定する(加温方法設定処理;ステップST4)。
図12は加温方法設定処理を示すフローチャートである。温度設定部63は、設定情報に基づいて、ストレージ23に記憶された複数の基準温度制御カーブから、使用する基準温度制御カーブを選択する(ステップST21)。例えば、培養容器50の種類の情報としてB社製の6ウェルのウェルプレート、培養液の量として2.5ml、培養液の種類としてW社製の培養液が設定情報として取得された場合、取得された設定情報に近い、C社製の6ウェルのウェルプレート、培養液の量が2.0ml、培養液の種類としてW社製の培養液に対して設定された基準温度制御カーブが選択されたとする。
なお、基準温度制御カーブの選択に際しては、設定条件の種類に優先順位を付与してもよい。例えば、培養容器50の種類、培養液の量および培養液の種類の順に、優先順位を付与してもよい。この場合、培養容器50の種類により近い設定条件に対応する基準温度制御カーブが優先的に選択されることとなる。
次いで、温度設定部63は、取得した設定条件と基準温度制御カーブについての設定条件との相違、および定常温度T0に基づいて、基準温度制御カーブを補正して補正済み温度制御カーブを導出する(ステップST22)。図13は基準温度制御カーブの補正を説明するための図である。上述したように、基準温度制御カーブに対応する培養液の量が2mlであり、取得した設定条件の培養液の量が2.5mlであるため、初期の加温温度を大きくする必要がある。また、B社製のウェルプレートとC社製のウェルプレートとで、B社製の方が熱伝導率が低いのであれば、これも考慮して初期の加温温度を大きくする必要がある。また、培養液の種類はW社製で同一である。さらに、定常状態となる温度は定常温度T0である。このため、温度設定部63は、図13に破線で示す基準温度制御カーブC10を、初期の加温温度を大きくし、最終的な温度が定常温度T0となるように補正して補正済み温度制御カーブC11を導出する。そして、温度設定部63は、導出した補正済み温度制御カーブC11にしたがって、ガラスヒータ18の加温方法を設定し(ステップST23)、加温方法設定処理を終了する。
なお、ステップST21において選択された基準温度制御カーブに対応する設定条件が、ステップST1において取得した温度制御値および設定条件と同一かまたは実質的に等しい場合、補正を行うことなく、選択された基準温度制御カーブに従って、加温方法を設定すればよい。
図11に戻り、加温方法が設定されると、温度設定部63は、設定された加温方法に従って、ガラスヒータ18による培養容器50の加温を開始する(ステップST5)。この際、ガラスヒータ18がZ方向に駆動されて、ガラスヒータ18と培養容器50との距離が、上記予め定められた距離L0に設定される。加温の開始後、情報取得部61が温度センサ19からの温度情報を取得し(ステップST6)、温度情報に基づいて、禁止部64が細胞の温度が温度制御値にあるか否かを判定する(温度判定;ステップST7)。ステップST7が否定されると、禁止部64は、撮像素子16による培養容器50の撮像を禁止する(ステップST8)。また、通知部65が、細胞の温度が温度制御値にない旨の通知を行い(ステップST9)、ステップST6に戻る。
ステップST7が肯定されると、通知部65が、細胞の温度が温度制御値にある旨の通知を行う(ステップST10)。そして、撮像開始の指示があると(ステップST11;肯定)、撮像制御部31が位相差画像を撮像する(ステップST12)。そして、表示制御部32が合成位相差画像を生成し、かつ表示し(ステップST13)、処理を終了する。
このように、本実施形態においては、観察対象である細胞の情報に基づいて、細胞の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を決定し、決定された温度制御値に基づいて、培養容器50に収容された細胞の温度調整を行うガラスヒータ18を制御するようにした。このため、細胞の温度制御値に収まるように、細胞の温度が制御されることとなる。したがって、本実施形態によれば、細胞等の観察対象の損傷を防止しつつ、培養容器50の曇りを効率よく除去できる
また、本実施形態においては、細胞が収容された培養容器50の種類および培養容器50内における培養液の量の少なくとも一方を設定情報として取得し、設定情報に基づいて、ガラスヒータ18の加温方法を設定するようにした。このため、設定された加温方法に従って培養容器50を加温することにより、培養容器50の種類および培養液の量の少なくとも一方に応じて、培養容器50の曇りを除去することができる。したがって、本実施形態によれば、培養容器50の曇りを効率よく除去することができる。
なお、上記実施形態においては、ガラスヒータ18により培養容器50を加温しているが、これに限定されるものではない。図14に示すようにガラスヒータ18に代えて、温風ヒータ70を用いてもよい。温風ヒータ70は、ステージ51に載置された培養容器50の上方から培養容器50に向けて温風を吹き出す。ここで、培養容器50の上方から温風を吹き出すのは、ゴミおよび埃等が上方に拡散されることを防止するためである。
また、上記実施形態においては、ガラスヒータ18のZ方向の位置を移動させることにより、ガラスヒータ18と培養容器50との距離を設定された距離L0に設定するようにしたが、これに限定されるものではない。ガラスヒータ18に代えて、培養容器50のZ方向の位置を移動させるようにしてもよく、ガラスヒータ18および培養容器50の両方のZ方向の位置を移動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、温度制御値として、細胞の目標温度、並びに目標温度の上限値および下限値を用いているが、これに限定されるものではない。細胞の目標温度のみを温度制御値として用いてもよく、細胞の目標温度の上限値のみまたは下限値のみを温度制御値として用いてもよい。また、細胞の目標温度と細胞の目標温度の上限値のみ、または細胞の目標温度と細胞の目標温度の下限値のみを温度制御値として用いてもよい。
また、上記実施形態においては、温度センサ19により培養容器50の温度を計測して、培養容器50の温度のフィードバック制御を行っているが、これに限定されるものではない。温度センサ19を設けることなく、ガラスヒータ18または温風ヒータ70のみにより、培養容器50の温度を制御してもよい。
また、上記実施形態においては、ガラスヒータ18または温風ヒータ70を用いて、培養容器50の加温のみを行っているが、これに限定されるものではない。例えば、ガラスヒータ18または温風ヒータ70とペルチェ素子等とを組み合わせて、培養容器50を冷却できるようにしてもよい。これにより、より細かな温度制御が可能となる。
また、上記実施形態においては、ステージ51を移動させることによって、培養容器50内の観察位置を走査するようにしたが、これに限定されるものではない。結像光学系14および撮像素子16からなる撮像系を移動させるようにしてもよい。また、ステージ51と撮像系との両方を移動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態は、本開示による温度制御装置を位相差顕微鏡に適用したものであるが、本開示は、位相差顕微鏡に限らず、微分干渉顕微鏡および明視野顕微鏡等のその他の顕微鏡に適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、結像光学系14によって結像された位相差画像を撮像素子16によって撮像するようにしたが、撮像素子16を設けることなく、結像光学系14によって結像された観察対象の位相差像をユーザが直接観察できるように観察光学系等を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、例えば、撮像制御部31、表示制御部32、情報取得部61、温度制御値設定部62、温度設定部63、禁止部64および通知部65といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせまたはCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアとの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)を用いることができる。
10 顕微鏡装置
11 白色光源
12 コンデンサレンズ
13 スリット板
14 結像光学系
15 結像光学系駆動部
16 撮像素子
17 水平方向駆動部
18 ガラスヒータ
19 温度センサ
20 観察制御装置
21 CPU
22 メモリ
23 ストレージ
31 撮像制御部
32 表示制御部
50 培養容器
51 ステージ
51a 開口
60 温度制御装置
61 情報取得部
62 温度制御値設定部
63 温度設定部
64 禁止部
65 通知部
70 温風ヒータ
C1〜C4 温度制御カーブ
C10 基準温度制御カーブ
C11 補正済み温度制御カーブ
L0 距離
T0 設定温度

Claims (13)

  1. 容器に収容された観察対象の温度調整を行う温度調整部と、
    前記観察対象の情報に基づいて、前記観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定する温度制御値設定部と、
    前記温度制御値に基づいて、前記温度調整部の温度を設定する温度設定部とを備えた温度制御装置。
  2. 前記観察対象を撮像して観察画像を取得する撮像部と、
    前記観察対象の温度が前記温度制御値にない場合、前記撮像部による前記観察対象の撮像を禁止する禁止部とをさらに備えた請求項1に記載の温度制御装置。
  3. 前記観察対象の温度が前記温度制御値にない場合、前記観察対象の温度が前記温度制御値にないことの通知を行う通知部をさらに備えた請求項1または2に記載の温度制御装置。
  4. 前記容器の種類、前記観察対象の種類および前記容器内における液体の量の少なくとも1つを設定情報として取得する情報取得部をさらに備え、
    前記温度設定部は、前記設定情報に基づいて前記容器の加温方法を設定する請求項1から3のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  5. 前記情報取得部は、前記液体の種類、加温時間および環境温度の少なくとも1つを前記設定情報として取得する請求項4に記載の温度制御装置。
  6. 前記温度設定部は、前記温度調整部と前記容器との距離、および前記温度調整部における経過時間に対する温度の関係の少なくとも一方を、前記加温方法を設定するための要素として含む前記加温方法を設定する請求項4または5に記載の温度制御装置。
  7. 予め定められた各種設定条件に応じた、複数の加温方法を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記温度設定部は、前記複数の加温方法から、前記取得した設定条件に応じた加温方法を選択することにより前記加温方法を設定する請求項4から6のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  8. 前記温度設定部は、前記選択した加温方法を前記温度制御値および前記取得した設定条件に応じて補正することにより前記加温方法を設定する請求項7に記載の温度制御装置。
  9. 前記温度調整部は、ガラスヒータを有する請求項1から8のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  10. 前記温度調整部は、前記容器の上方から前記容器に向けて温風を吹き出す温風ヒータを有する請求項1から9のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  11. 前記温度制御値設定部は、前記観察対象の目標温度をさらに含む前記温度制御値を設定する請求項1から10のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  12. 容器に収容された観察対象の温度調整を行うステップと、
    前記観察対象の情報に基づいて、前記観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定するステップと、
    前記温度制御値に基づいて、前記観察対象の温度調整を行う温度調整部の温度を設定するステップとを有する温度制御方法。
  13. 容器に収容された観察対象の温度調整を行う手順と、
    前記観察対象の情報に基づいて、前記観察対象の目標温度の上限値および下限値の少なくとも一方を含む温度制御値を設定する手順と、
    前記温度制御値に基づいて、前記観察対象の温度調整を行う温度調整部の温度を設定する手順とをコンピュータに実行させる温度制御プログラム。
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