JP2020169036A - バンドシーラの摺動加熱部ギャップの自動調節構造 - Google Patents
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Abstract
Description
加熱法には(1)1組の発熱体をヒートシールされる被加熱体(ワーク)の表面に間欠的に直接圧接して、二面からの材料の熱伝導を利用して、接着面を集中加熱するJAW方式、(2)一対のベルトでワークを挟み、ベルトの背面を一対の加熱体に摺動接触して接着面を集中加熱するバンドシーラ方式、(3)一方のみに発熱体を構成する片面加熱方式、(4)接着面付近に局部発熱をさせる方法(超音波、電磁誘導発熱、電界損発熱、熱風吹き付け等)に大別できる。
それに対し、(2)のバンドシーラ方式はベルトの走行によってよって、連続的な加熱/圧着でシールされるので、ワークの長さに制限がなく100mに及ぶ長さのワークを熱接着ができる特徴がある。
その特性は図1示すように加熱温度(接着面温度)と加熱速さがパラメータ([Hishinuma効果])になっている。
F=μN (1)となる。
しかし、テフロン材は熱伝導率が小さいので、運転の低速化を容認しなくてはならない。(図8参照)
長方形の加熱体の宙吊り方式で、本発明の基本原理を説明する。
4本の吊り紐(2−1,2)の動作を図4で説明する。
G1=r1・(1-cosθ1) (2)
L=r1・sinθ1 (3)
(1)加熱体へのベルトの圧接によって発生する摩擦力が加熱体とベルトに磨耗損傷を起こしている。
(2)金属ベルトは熱伝導が良いので加熱の高速化が図れるが、摩擦力が大きいので、利用できなかった。
(3)摩擦力は加熱体の加熱面積に比例するので、加熱体の長さに制限がでる。(4)摩擦力の合計はベルトのテンションになるので、加熱面積の増加はベルトの駆動力の増加負担になっている。
(5)ワークの厚さが変わるとその都度、圧着圧の調整を行っていた。
(6)困難な圧着圧の調整に専門的な技能を充てていた。
(7)従来は止むを得ず
(イ)金属ベルトを避けて、熱伝導性の低く摩擦係数の小さいテフロン含浸ベルトを採用している。
(ロ)加熱バーの寸法を一駆動当たり20cm以下に制限されるので、加熱時間を確保するためベルト速さに制約があった。
(ハ)運転速度の減速による生産性低下を容認してきた。
(ニ)磨耗で発生する磨耗紛の清掃に苦労している。
(8)加熱体とベルトの摩擦力を利用した微圧着調節法(ギャップ調整法)の開発で
(イ)加熱体の圧着調整を不要化した。
(ロ)ワークの厚さ変動に対しても特別の調整が不要となった。
(ハ)金属ベルトの適用が可能になり加熱速さの短縮化が図れた。
(1)室温状態の滑り強さは加熱状態より大きな値を示した。
(2)圧接圧の増加と共に比例的に滑り強さは増加する。
(3)加熱温度が高くなると低下傾向(滑りやすくなる)が観られる。
強さ表示は1cm2当たりであるが、総合の滑り強さはヒートバーとの接触面積を乗じた大きさになる。
以上の説明で加熱体(1−1)が走行方向に10mm位シフトしても0.1mmオーダーの精密なギャップ調整が可能になることを証明した。
吊り紐の長さが変わるとシフト量と浮き上りギャップは変化する。
シフト量(L)を同一にして、rをr2=35mmとr3=75mmに変化した時のそれぞれの演算結果を表1に付記した。
吊り紐(2)の長さによって、浮き上り量が定量的に変化する。その長さ(r)が短くなるとシフト量と浮き上り量の感度が大きくなって、走行中、加熱体(1−1)のシフト動作がハンチングを起こす。これを避けて、r=30mm以上に設定することが好ましい。0.1mmオーダーの安定した作動には、r=60mmの設定がより好ましい。
吊り紐長さが、r=75mm以上になるとシフト量(L)が一層大きくなる。実用的にはr=30〜70mm、特に50〜70mmの範囲から選択すればよい。また、吊り紐の長さは原則として初期状態で加熱体が10μm以内のギャップなるように調整する。1N位の引張強さを与えながら固定するとよい。
シフト量(L)が同一なので、長さ(r)の短い方の吊り上げ量が大きくなる。
r=50mmを基準にして、シフト量(L)に対するr=35mmとr=75mmの浮き上り量はG2>G1>G3となる。浮き上り量の差(G2−G1)、(G1−G3)を表1に付記した。例えば、(図5(b)の紐(2−1)の長さを50mmにしたとき、表1の浮き上り差を診るとΔrが15mmと25mmの差が見られる。Δrと浮き上り差はほぼ比例する。G1=0.07の(G2−G1)=0.014mmから0.014/15mm=0.001mm/1mmを得る0.01mmを制御するならΔrは約10mmとすればよい。そこで、この傾き調整のための吊り紐の長さの相違設定は10mm位がよい
シフト量と摺動面の荷重の関係モデルを図6に示した。同図においては、圧着圧とシフト量との関係を、圧着圧を30N、60N、90Nの場合について示すとともに、シフト量と浮き上り量との関係を太い実線で示している。
圧着圧はシフト量=0の時最大となる。宙吊り方式の場合は加熱体(1−1)の自重を先ず利用する。これで不足する場合は加熱体(1−1)の長手方向の中心線に2ケの圧縮ばね(6−1,2)を装着して、均一に増強する。加熱体(1−1)と固定板(3)の接触点はピボットとして、荷重が面応力にならないように対策する。
シフト量とギャップの関係は[0063]で述べてあるように(約1:29)の相関がある。その詳細を図4、図5と図6に示したようにシフト量を外部からの操作で規制すれば、初期荷重(最大)から、ほぼ“0”に近い微圧着の調整ができる。圧着圧調整バー(10)の(0〜8mm)の操作で(0.05〜0.8mmレベル)のギャップ調整を容易にできるようになった。
ここまでの本発明は、熱接着面が水平の宙吊り方式で説明してきたが、熱接着面を垂直に構成するニーズもある。垂直方式では加熱体の自重は利用できないので力学系から排除して、加熱体の自由運動を確保しながらの圧着荷重を創成する必要がある。対処モデルを図7に示した。
ワークの厚さが0.1mmより大きい範囲に変化した場合、入り込んだワークには、順次、加熱体(1−1)の自重(含む追加のバネ荷重)が掛かるので、摩擦力が増加して、加熱体はシフトして、厚さの変動を自動的に吸収する。そして摩擦力の支配で決まる0.05〜0.1mmの摺動面が形成される。
本発明の応用の一つは、金属ベルトの利用を可能にして、加熱応答の高速化による生産性の改善、加温エネルギーを回収して予熱に利用し、応答の高速化に利用している。本発明を適用した加熱応答の改善結果を図8に示す。
このダイロール圧着部は、線条ロールと弾性体ロールよりなる。
線条ロールは、剛性のロールで、ステンレススチール、真鍮等の金属、セラミックス、テフロンやDLCのコート等で形成される。
直径は40〜100mm程度で、弾性体ロールと接する面の幅は、帯状の剥がれシールの幅である。線条突起の位置と高さと幅は、形成する線条シールに一致させる。
弾性体ロールの径は、連続運転による弾性体の消耗を考え通常40〜100mm程度であり、幅は線条ロールと圧接する両端よりいずれも2mm以上の余裕があるようにするのがよい。
ダイロールの円周速さは搬送ベルト速さに正確に一致させる必要があるので、
ベルトとダイロールの駆動源と同一にしたり、回転数の電気制御を用いる。
また、特許文献2に記載されている保温板等をバンドシーラとダイロール圧着部の間に設けてその間の温度低下を抑制することが好ましい。
ステンレスベルト:(0.2m/0.7s)×60=17m/min.
テフロンベルト:(0.2/3.4s)×60=3.5m/min.
そこで金属ベルトでは、〜17m/分程度にできる。これに対してテフロンベルトでは、〜3.5m/分となる。
図4に示す装置を用いた。ベルト4−1、4−2にはいずれも幅15mm、厚さ0.1mmのステンレススチール製シートを用い、加熱体1−1、1−2には長さ200mm×幅30mm(ベルトの接触部を15mmに加工)×高さ35mmの真鍮製で内部にヒートパイプが埋め込まれているものを用いた。上部加熱体の重量は3Kgであった。吊り紐2−1、2−2、2−3、2−4にはいずれも太さ0.3mmのステンレス製撚線の針金を用いた。固定板3の下面と加熱体側面の取付部との間の各針金の長さはいずれも50mmで、吊り下げられている上部加熱体1−1はベルト4−1の上面に吊り紐2−1、2−2、2−3、2−4がいずれも弛まない状態で圧着圧約0.02MPaで当接している。この長さは固定板上部に取り付けられた調整ネジで調整できるようになっている。吊り紐2−1と2−2、2−3と2−4はいずれも側面方向から見ると(図4左図)平行であり、走行方向から見ると(図4右図)それぞれ垂直方向と5°の角度で上方に向かって拡径している。吊り下げられた上部加熱体1−1のワーク5の進入側の端部は下部加熱体1−2の端部より3mm上流側にずらしている。
図9、10に示す装置を用いた。図9の右側のバンドシーラ部分は実施例1と同じである。
又運転待機時に弾性体ロール14への荷重を容易に開放でき、弾性体の損耗を軽減できる。
2、2−1〜5 吊り紐
3 固定板
4、4−1〜2 ベルト
5 ワーク
6、6−1〜2 圧縮バネ
7、7−1〜3 横ぶれ規制ガイド
8 調整ネジ
9 支え板
10 圧着圧調整バー
11 ダイロール圧着部
12 線条ロール
13 一条突起
14 弾性体ロール
15 弾性体
16 圧縮圧調整スプリング
17 保温板
G ギャップ
L シフト量
(2)密封と易開封を同時に達成する革新的な熱接着技法の一条シール(登録商標)の活用を更に発展させる。
(3)熱接着の長さ制限のないバンドシーラの基本性能の大幅向上と汎用化に貢献できる。
r=50mmを基準にして、シフト量(L)に対するr=35mmとr=75mmの浮き上り量はG2>G1>G3となる。浮き上り量の差(G2−G1)、(G1−G3)を表1に付記した。例えば、(図5(b)の紐(2−1)の長さを50mmにしたとき、表1の浮き上り差を診るとΔrが15mmと25mmの差が見られる。Δrと浮き上り差はほぼ比例する。G1=0.07の(G2−G1)=0.014mmから0.014/15mm=0.001mm/1mmを得る0.01mmを制御するならΔrは約10mmとすればよい。そこで、この傾き調整のための吊り紐の長さの相違設定は10mm位がよい。
Claims (5)
- ロール間に掛架され、被ヒートシール体を挟持して搬送する一対のベルトと、該ベルトを裏側から抑えて加熱し、被ヒートシール体をヒートシールする一対の加熱体よりなるバンドシーラにおいて、その一方の加熱体を吊り紐で吊って、ベルトの進行方向に揺動可能に設けたことを特徴とするバンドシーラ
- 吊り紐が加熱体の4隅近傍に設けられている請求項1記載のバンドシーラ
- 吊り紐で吊られている加熱体の、被ヒートシール体の進入側の先端が他方の加熱体の先端より前に出ている請求項1又は2記載のバンドシーラ
- 線条のヒートシールを形成するダイロール圧着部が付設されている請求項1ないし3のいずれかに記載のバンドシーラ
- 加熱体のシフト量を拘束して、圧着圧の調整をする請求項1記載のバンドシーラ
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WO2023233478A1 (ja) * | 2022-05-30 | 2023-12-07 | ファナック株式会社 | 粉粒体移送装置及び工作機械 |
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