JP2020168646A - 蛍光x線装置を備えた圧延機、及び圧延機におけるロールコーティングの制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1は、一対の上下作業ロールと、これら上下作業ロールをそれぞれ支持する一対の上下補強ロールとを圧延スタンドに備え、前記上下作業ロールは、それらのロール軸線が前記上下補強ロールのロール軸線に対して交差可能であり、かつ作業ロール自身のロール軸線が相互に交差可能となるように構成され、前記上下作業ロールと前記上下補強ロールとの間に潤滑剤を供給して板材を圧延する圧延方法において、前記板材の圧延中に前記上下作業ロールに板材材料が移着することにより生じるロールコーティングの付着状況を検出する第1手順と、検出されたロールコーティングの付着状況に基づきロールコーティング厚さを推定し、ロールコーティング厚さが設定値を超えると、前記上下作業ロールを所定の交差角に設定し、前記ロールコーティングを研削する第2手順とを有し、前記第1手順は、圧延荷重を計測し、その圧延荷重と予め入力された圧延条件から前記上下作業ロールの摩擦係数を演算し、前記第2手順は、その摩擦係数が設定値を超えるとロールコーティング厚さが設定値を超えたと判断し、前記上下作業ロールを所定の交差角に設定する圧延方法を開示する。
なお、圧延ロール上に形成されたロールコーティングを溶解除去する方法は、アルミニウムによるコーティングにしか適用できていないのが実情である。なぜならば、アルミニウムは、容易に溶解可能な金属であるからである。
即ち、本発明の蛍光X線装置を備えた圧延機は、一対のワークロールを備える圧延機であって、蛍光X線によりワークロールのロールコーティングを測定する蛍光X線分析装置が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の圧延機におけるロールコーティングの制御方法は、一対のワークロールと前記ワークロールに対して蛍光X線を用いた分析を行う蛍光X線分析装置を備えた圧延機に対して、蛍光X線により測定される測定結果に基づいてワークロールのロールコーティングを制御することを特徴とする。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示す本実施形態の圧延機2は、例えば連続圧延機に備えられたものの一つである。連続圧延機2は、複数の圧延スタンド3を有するタンデム型(シングルスタンドによるリバース圧延の場合もある)である。また、本実施形態では、アルミ材を圧延材Wとして、説明を進める。
図1に示すように、圧延スタンド3は上下一対のワークロール4、4を有している。このワークロール4は、各々に設けられた電動機(主機と呼ぶこともある)で駆動され、圧延材Wを圧延する。上下一対のワークロール4、4の間隔は、油圧などで駆動される圧下装置によって、圧下量(ロールギャップ量)を調整できる構造になっている。
さて[背景技術]にて述べたように、上記した連続圧延機2(圧延スタンド3)を用いて、アルミニウム板材やチタン板材など非鉄金属板材を熱間圧延乃至は冷間圧延すると、鋼製の圧延ロールの表面にアルミやチタンなどの非圧延材料が移着してロール表面を覆うことが知られおり、ロールコーティング6と呼ばれている。
本発明では、図1に示した圧延スタンド3(ブラシロール7あり、圧延油あり)に対して、蛍光X線分析装置1を導入している。この蛍光X線分析装置1を圧延スタンド3内の適切な場所に設置することで、ワークロール4の表面にX線を照射することが可能となる。X線が照射されたワークロール4の表面からは、ロールコーティング6から励起されてきた特性X線が放出され、蛍光X線分析装置1は、この特性X線を解析することで、非破壊でロールコーティング6の性状、厚みなどを定性的かつ定量的に知ることができる。
図2,図3は、本発明の第1実施形態を示すものであり、これらの図に示す如く、蛍光X線分析装置1がワークロール4の側方(入側)に配備されており、ワークロール4の軸心方向(幅方向)に沿って往復移動可能に支持されている。これにより、ワークロール4の一方端側から他方端側へと、ワークロール4の表面を漏れ無く探索することが可能となっている。
図4は、本発明の第2実施形態を示すものである。第2実施形態においては、圧延スタンド3がクラスタ型圧延機の場合を示している。クラスタ型の圧延機2の圧延スタンド3は、もっぱらチタン材や銅などの圧延に用いられ、多数の圧延ロール(ワークロール4、中間ロール8、バックアップロール5)を有しているため、非常に装置が複雑で、蛍光X線分析装置1を配備する空間が殆ど無いものとなっている。
上述した蛍光X線分析装置1は、ワークロール4の表面を計測した場合に、表面に存在する元素の種類とそれぞれの量を百分率表示などで出力するものであり、AlやTiなどの元素の量からロールコーティング6の状況(厚みなど)を評価可能となっている。なお、この蛍光X線分析装置1が、従来のSEM-EDX法やAES法などで計測された量と相関性を有していることは、出願人は確認している。
まず、図5のS1で示すように、N本目の圧延が終了した後、蛍光X線分析装置1によりワークロール4の表面を分析する(S2)。この分析は、第一実施形態のようにリアルタイムで行ってもよいし、第二実施形態のように、圧延チャンス間にワークロール4を引き出した上で行ってもよい。
例えば、ブラシ条件C1に関し、ブラシロール7をワークロール4に押し付ける圧力を変えたり、ブラシロール7の回転数を変更したりする。それでもうまくゆかない場合は、ブラシロール7を形成する材質などが異なる他のブラシに取り替えるなどの処置を行う。また、ワークロール4などを潤滑する潤滑条件C2を変更するようにする。具体的には、潤滑油の油種を変更したり、供給条件(圧力、温度、吹付け位置)などを変えるようにする。他に、圧延スタンド3の圧下率を変更したり、圧延速度を変えたり、ワークロール4の種類や表面粗さを変更するなどの加工条件C3の変更を行うようにする。このようにすることで、蛍光X線分析装置1で求めたロールコーティング6の状態に基づいて、ブラシ条件C1、潤滑条件C2、加工条件C3などを適正に調整することが可能となる。そして、圧延ロールにおけるロールコーティング6を適正な状態に制御可能となる。
なお、上記制御にあたり、各条件C1〜C3の変更が、ロールコーティング6に与える影響度、改善度の度合い(寄与度)は、ラボ実験などのオフライン評価を事前に行い、制御指針を作成しておくとよい。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 圧延機
3 圧延スタンド
4 ワークロール
5 バックアップロール
6 ロールコーティング
7 ブラシロール
8 中間ロール
W 圧延材
C1 ブラシ条件
C2 潤滑条件
C3 加工条件
Claims (4)
- 一対のワークロールを備える圧延機であって、
蛍光X線によりワークロールのロールコーティングを測定する蛍光X線分析装置が設けられている
ことを特徴とする蛍光X線分析装置を備えた圧延機。 - 前記蛍光X線分析装置の測定結果に基づいて、潤滑条件、ブラシ条件、圧延条件を変更することで、前記ワークロールのロールコーティングを適正な範囲に制御する制御装置が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析装置を備えた圧延機。 - 一対のワークロールと前記ワークロールに対して蛍光X線を用いた分析を行う蛍光X線分析装置を備えた圧延機に対して、
蛍光X線により測定される測定結果に基づいてワークロールのロールコーティングを制御する
ことを特徴とする圧延機におけるロールコーティングの制御方法。 - 前記蛍光X線分析装置の測定結果に基づいて、潤滑条件、ブラシ条件、圧延条件を変更することで、前記ワークロールのロールコーティングを適正な範囲に制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の圧延機におけるロールコーティングの制御方法。
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