JP2020167940A - 乳癌の晩期再発リスクを評価する方法及びキット - Google Patents

乳癌の晩期再発リスクを評価する方法及びキット Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、乳癌の晩期再発リスクを適切に予測するために有用な手段を提供することを目的とする。【解決手段】被験者由来のRNAを含む試料における、特定の遺伝子セットの発現量を測定する工程;前記工程で測定された発現量を解析する工程、及び;前記工程で解析された結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する工程を含む、乳癌の晩期再発リスクを評価する方法、並びに乳癌の晩期再発リスクを評価するためのキットを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、乳癌組織の遺伝子発現プロファイル解析に基づいて乳癌の晩期再発リスクを評価する方法及びキットに関する。
日本および世界の乳癌において、その約8割は女性ホルモン依存性に進展するエストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)陽性乳癌である。乳癌には手術等の初回治療後5年以降に再発する晩期再発と呼ばれる症例が存在する。晩期再発をきたす乳癌のほとんどはER陽性乳癌であり、ER陽性乳癌の再発症例の約5割は晩期に再発する。
術後内分泌療法は、ER陽性乳癌を対象とした、LH-RHアゴニスト、タモキシフェン及びアロマターゼ阻害剤等のホルモン療法剤を投与する治療法である。術後内分泌療法は再発リスクを低減させることが証明されており(非特許文献1)、5年間の継続投与が標準治療とされている。近年の大規模臨床試験によって、術後内分泌療法を10年間に延長すると晩期再発のリスクが低下することが明らかにされ(非特許文献2及び3)、長期の術後内分泌療法による晩期再発の抑制が期待されている。しかしながら、晩期再発リスクの低い患者への長期の術後内分泌療法は副作用等において患者負担の増加につながることから、術後内分泌療法の投与期間延長にあたっては晩期再発のリスクが高い患者を選択することが求められている。
晩期再発を含む乳癌の予後予測手段としていくつかの多遺伝子発現解析ツールが報告されているが(例えば特許文献1、非特許文献4及び5)、これらはいずれも晩期再発の予測を目的として開発されたものではなく、晩期再発に特徴的な遺伝子が含まれていない可能性がある。また、エストロゲン依存性に進展するER陽性乳癌の発生・進展のメカニズムは血中エストロゲン濃度が異なる閉経前症例と閉経後症例とでは異なると推測されるにもかかわらず、これらの多遺伝子発現解析ツールは閉経前症例と閉経後症例を区別することなく開発されたか又は閉経後症例のみを対象として開発されたものであり、閉経前症例にも適用可能であるかは明らかでない。
特開2011-223957号公報
Palmieri C et al., Lancet. 2012; 379: 390-2. Goss PE et al., J Clin Oncol. 2008; 26: 1948-55. Davies C et al., Lancet. 2013; 381: 805-16. Sestak I et al., Breast Cancer Res. 2015; 17: 10. Hayes DF, Breast 24 Suppl 2:S6-S10, 2015
本発明は、乳癌の晩期再発リスクを適切に予測するために有用な手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、閉経の有無及び年齢によって、乳癌の晩期再発症例と無再発症例との間の乳癌組織の遺伝子発現プロファイルの相違パターンが異なることを見出し、以下の発明を完成させた。
(1) 工程I:被験者から採取された乳癌細胞由来のRNAを含む試料における、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量を測定する工程、工程II:前記工程で測定された発現量を解析する工程、及び工程III:前記工程で解析された結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する工程を含む、乳癌の晩期再発リスクを評価する方法。
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(2) 工程IIIにおいて、被験者が閉経前である場合には表1−1に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳未満である場合には表1−2に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳以上である場合には表1−3に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する、(1)に記載の方法。
(3) 工程Iにおいて、表1−1に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−1に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、(1)に記載の方法。
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(4) 工程Iにおいて、表1−2に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−2に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、(1)に記載の方法。
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(5) 工程Iにおいて、表1−3に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、(1)に記載の方法。
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(6) 工程IIIにおいて、被験者が閉経前である場合には表1−1に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−1に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳未満である場合には表1−2に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−2に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳以上である場合には表1−3に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する、(3)〜(5)のいずれか一項に記載の方法。
(7) 工程Iにおいて、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量が、表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットを用いたハイブリダイゼーション法により測定される、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の方法。
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(8) 工程Iにおいて、発現量がマイクロアレイを用いて測定される、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の方法。
(9) 工程IIにおいて、発現量がクラス分け手法、クラスター分析又はスコア化手法を用いて解析される、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の方法。
(10) (1)において規定される表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含む、乳癌の晩期再発リスクの評価のためのキット。
(11) さらに(3)〜(5)において規定される表2−1〜2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含む、(10)に記載のキット。
(12) 表1−1〜表1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現を検出するためのプローブが、(7)に規定される表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットである、(10)又は(11)に記載のキット。
本発明によると、乳癌の晩期再発リスクを予測することができ、医師が治療方針を決定するために、例えば術後内分泌療法の投与期間を延長する必要性を判断するために有用なデータを提供することができる。
閉経前群で208個、閉経後60歳未満群で146個、閉経後60歳以上群で188個のプローブセットに対応する遺伝子(遺伝子数としてそれぞれ200個、145個、178個)の発現量データから算出された主成分スコアの散布図である。図中、水平方向の軸は第一主成分スコアを、垂直方向の軸は第二主成分スコアを、奥行き方向の軸は第三主成分スコアを示す。 閉経前群で73個、閉経後60歳未満群で24個、閉経後60歳以上群で29個のプローブセットに対応する遺伝子(遺伝子数としてそれぞれ73個、23個、24個)の発現量データから算出された主成分スコアの散布図である。図中、水平方向の軸は第一主成分スコアを、垂直方向の軸は第二主成分スコアを、奥行方向の軸は第三主成分スコアを示す。 閉経前群で73個、閉経後60歳未満群で24個、閉経後60歳以上群で29個のプローブセットに対応する遺伝子(遺伝子数としてそれぞれ73個、23個、24個)の発現量データの階層的クラスター解析により得られたヒートマップ及び樹形図である。 閉経前群で73個、閉経後60歳未満群で24個、閉経後60歳以上群で29個のプローブセットに対応する遺伝子(遺伝子数としてそれぞれ73個、23個、24個)の発現量データから算出された主成分スコアの散布図である。図中、横軸は第一主成分スコアを、縦軸は第二主成分スコアを示す。
本発明の第1の態様は、
工程I:
被験者から採取された乳癌細胞由来のRNAを含む試料における、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量を測定する工程、
工程II:
前記工程で測定された発現量を解析する工程、及び
工程III:
前記工程で解析された結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する工程
を含む、乳癌の晩期再発リスクを評価する方法に関する。
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表1−1〜1−3は、本発明において乳癌の晩期再発リスクを評価するために用いられる遺伝子のリストであり、その遺伝子を表す遺伝子記号、その遺伝子の塩基配列が登録されている遺伝子データベース、当該データベースにおけるアクセッション番号及びそのバージョン、当該アクセッション番号に対応する塩基配列の配列番号が記載されている。なお、本明細書におけるアクセッション番号及びそのバージョン、並びに当該バージョンのアクセッション番号に対応する塩基配列は、2019年2月18日時点でアクセス可能な最新のものである。
遺伝子データベースであるGenBank及びRefSeqは、米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information;NCBI)により提供されているデータベースであり、そのウェブサイト(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/およびhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/)からアクセッション番号に対応する遺伝子の塩基配列情報を入手することができる。
Ensembl及びVertebrate Genome Annotation database(後者は表中でHavana transcriptと表記される)は、欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory;EMBL)の一部門である欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute;EBI)により提供されているデータベースであり、そのウェブサイト(http://www.ensembl.org/index.html)からアクセッション番号に対応する遺伝子の塩基配列情報を入手することができる。
The UCSC Genome Browser database(表中ではUCSC Genesと表記される)は、米国カルフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California, Santa Cruz;UCSC)により提供されているデータベースであり、そのウェブサイト(https://genome.ucsc.edu/)からアクセッション番号に対応する遺伝子の塩基配列情報を入手することができる。
Transcripts of uncertain coding potential catalog(表中ではBroad TUCPと表記される)は、米国ブロード研究所(Broad Institute)により提供されているデータベースである。アクセッション番号に対応する遺伝子の塩基配列情報はNetAffx Analysis Centerウェブサイト(https://www.affymetrix.com/analysis/index.affx#1_2)から入手することができる。NetAffx Analysis Centerウェブサイトからは、本明細書中にアクセッション番号が記載されている全ての遺伝子の塩基配列情報を入手することが可能である。
本明細書において、乳癌の晩期再発とは、乳癌と診断された患者が手術等の初回治療から5年を経過した後に乳癌が再発することをいう。最初の診断時の乳癌は、ER陽性HER2陰性の早期(ステージI〜III)乳癌を対象とする。大きさ、組織学的グレード分類、Ki-67インデックスの値等の性質に特に制限はない。
本明細書において、乳癌の晩期再発リスクとは乳癌の晩期再発を起こす可能性を意味し、晩期再発リスクの評価とは乳癌の晩期再発を起こす可能性が高いか否かを検査し、予測することを意味する。
また、本明細書において、遺伝子とは、RNAへと転写される核酸分子上の塩基配列の単位又はその一部をいい、タンパク質をコードするmRNAへと転写される塩基配列のほか、tRNA、rRNAその他のノンコーディングRNAへと転写される塩基配列を包含する。さらに、遺伝子の発現量とは、当該遺伝子から転写されるRNAの量を意味する。
工程Iは、被験者から採取された乳癌細胞由来のRNAを含む試料における、上記表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量を測定する工程である。
被験者から採取された乳癌細胞由来のRNAを含む試料は、被験者である乳癌患者の乳癌細胞に由来するRNAを含有する試料であり、例えば手術時に切除された若しくは生検時に採取された乳癌組織、乳癌組織から分離された細胞、又は乳癌組織若しくは細胞から抽出された細胞抽出液やtotal RNA等を挙げることができる。
RNAを含む試料は、そのまま、又はRNAを抽出してRNA含有量若しくは純度を高めた後に、又はRNAから対応するcDNA若しくはcRNAを増幅した後に、遺伝子セットの発現量の測定に供される。RNAの抽出、cDNA又はcRNAの増幅は、いずれも当該技術分野で公知の方法により行うことができ、また市販キットを用いることも可能である。
cDNAは一本鎖核酸に相補的なDNAであり、本明細書においては試料中に含まれるRNAに相補的な一本鎖DNA(1st strand cDNA)、1st strand cDNAに相補的な一本鎖DNA(2nd strand cDNA)及び1st strand cDNAと2nd strand cDNAとの二本鎖DNA(double strand cDNA)が包含される。また、cRNAは一本鎖核酸に相補的なRNAであり、本明細書においては試料中に含まれるRNAに相補的な一本鎖RNAが包含される。cRNAは、試料中に含まれるRNAから逆転写されたcDNAを鋳型として、T7 RNAポリメラーゼ等のDNA依存性RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写反応によって合成することができる。
発現量の測定のためにマイクロアレイ等のハイブリダイゼーション法を用いる場合、cDNA及びcRNAは、プローブとのハイブリダイゼーションを容易にするため、断片化されていてもよい。また、cDNA及びcRNAは、ハイブリダイゼーション法においてプローブとの間で形成されるハイブリッドを検出するため、当該ハイブリッドが検出可能なシグナルを発するように標識されていることが好ましい。かかる標識に利用可能な物質の例としては、Cy3、Cy5、FITC、Alexa Fluor等の蛍光色素、ビオチン、放射性同位体を挙げることができる。断片化及び標識は、いずれも当該技術分野で公知の方法により行うことができる。
遺伝子セットの発現量の測定とは、当該遺伝子セットに含まれる各遺伝子の発現量を測定することを意味する。発現量が測定される遺伝子セットは、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットであり、すなわち表1−1に記載される全遺伝子a1〜a73より構成される遺伝子セット、表1−2に記載される全遺伝子b1〜b24より構成される遺伝子セット及び表1−3に記載される全遺伝子c1〜c29より構成される遺伝子セットのうちの少なくとも1つの遺伝子セットである。表1−1に記載される遺伝子セットは閉経前の被験者の晩期再発リスクの評価に、表1−2に記載される遺伝子セットは閉経後60歳未満の被験者の晩期再発リスクの評価に、表1−3に記載される遺伝子セットは閉経後60歳以上の被験者の晩期再発リスクの評価に用いることができる。したがって、工程Iにおいては、被験者の閉経の有無及び年齢に基づいて表1−1〜1−3より選択されるいずれか1つの表に記載の遺伝子セットを選択して、その発現量を測定してもよい。しかしながら、更年期の被験者や60歳前後の被験者等、閉経の有無や年齢に基づいて表1−1〜1−3のうちのいずれか1つを選択することが困難な又は適していない被験者の場合は、表1−1〜1−3のうちの2つ又は3つ全ての表に記載される遺伝子セットの発現量を測定し、これを解析して晩期再発リスクの評価を行うことが好ましい。
表1−1に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−1に記載される遺伝子a74〜a208より選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定してもよい。
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表1−2に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−2に記載される遺伝子b25〜b146より選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定してもよい。
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表1−3に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−3に記載される遺伝子c30〜c188より選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定してもよい。
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遺伝子発現量の測定は、当該技術分野で公知の方法によって行うことができ、例えば、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAに特異的にハイブリダイズし得るプローブを用いたハイブリダイゼーション法、前記プローブが固定化されたチップを用いたマイクロアレイ法、測定対象遺伝子の塩基配列を基に設計される適当な塩基配列からなるプライマーのセットを用いたPCR法、RNAシーケンシング法を挙げることができる。
ハイブリダイゼーション法及びマイクロアレイ法においては、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAに特異的にハイブリダイズし得るプローブを用いて、遺伝子の発現量が測定される。プローブは、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAに特異的にハイブリダイズすることができるものであれば、ハイブリダイズする位置やハイブリダイズする領域の長さといった条件に制限はなく、当業者はこれらの条件を適宜選択することができる。またプローブは、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAに特異的にハイブリダイズすることができる限り、その塩基配列において1又はそれ以上の置換、欠失、付加を含んでいてもよい。
特異的にハイブリダイズするとは、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAにハイブリダイズすることができるが、他のRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAにほとんど又は全くハイブリダイズしないことを意味する。プローブの配列は、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAにもっぱら存在し、他のRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAにはあまり存在しない塩基配列に基づいて設計することが好ましい。また、プローブの長さに特に制限はなく、例えば10〜500塩基であることができる。マイクロアレイ法においては、プローブの長さは好ましくは10〜100塩基、より好ましくは20〜80塩基である。
プローブは、測定対象遺伝子から転写されるRNA又はこれに相補的なcDNA若しくはcRNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸であってもよい。当業者は、ストリンジェンシーに影響を及ぼす温度、プローブ濃度、プローブの長さ、反応時間、イオン強度、塩濃度といった種々の要素を考慮して、ストリンジェントな条件を適宜設定し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るプローブを設計することができる。ストリンジェントな条件は、例えば5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。
本発明においては、表3及び表4に記載されるプローブセットIDを持つプローブの組み合わせ(プローブセット)が好ましく用いられる。
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表3及び表4には、表1−1〜1−3及び表2−1〜2−3に記載される各遺伝子の発現量を測定するために用いることができるプローブセットIDが、さらに表3には当該プローブセットに含まれるプローブの塩基配列の配列番号が記載されている。プローブセットIDは、Thermo Fisher Scientificが販売しているマイクロアレイ(GeneChip(登録商標)シリーズ)において遺伝子発現の検出に用いられる複数のオリゴヌクレオチドプローブからなるプローブセットに付された識別番号である。プローブセットに含まれる個々のプローブの塩基配列は、Thermo Fisher Scientificのウェブサイト(https://www.thermofisher.com及びhttps://www.thermofisher.com/order/catalog/product/902113)から入手することができる。
多数の遺伝子の発現量を効率的に測定するため、本発明における遺伝子発現量の測定にはマイクロアレイ法を用いることが好ましい。マイクロアレイは、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットを検出するためのプローブ、好ましくは表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットが基材上に配置されたものであればよく、さらに表2−1〜2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子を検出するためのプローブ、好ましくは表4に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットが基材上に配置されていてもよい。マイクロアレイとしては、例えばGeneChip(登録商標) Human Gene 2.0 ST Array(Thermo Fisher Scientific)を用いることができる。
遺伝子発現量の測定は、PCR法、好ましくは定量RT-PCR法、典型的にはリアルタイムRT-PCR法によって行うこともできる。
定量RT-PCR法においては、測定対象遺伝子から転写されるRNAから逆転写反応によってcDNAを合成し、これを特異的に増幅するプライマーセットを用いて、遺伝子発現量が測定される。プライマーセットは、測定対象遺伝子に対応するcDNAとアニールし、当該cDNA又はその一部を特異的に増幅することができるものであれば、cDNAとのアニーリング部位や増幅領域の長さといった条件に制限はなく、当業者はこれらの条件を適宜選択することができる。ここで特異的に増幅するとは、測定対象遺伝子に対応するcDNAを増幅することができるが、他のcDNAをほとんど又は全く増幅しないことを意味する。プライマーセットのうちの少なくとも1つのプライマーの配列は、測定対象遺伝子に対応するcDNAに選択的にアニールするように設計することが好ましい。また、プライマーの長さに特に制限はないが、典型的には15〜30塩基である。
TaqMan(登録商標)アッセイを利用したリアルタイムRT-PCR法においては、プライマーセットに加えて、増幅領域に特異的にハイブリダイズし得る標識プローブが用いられる。TaqMan(登録商標)アッセイではプローブの特異的ハイブリダイゼーションに基づいて増幅産物を検出することから、この方法で用いられるプライマーセットは、測定対象遺伝子に対応するcDNAを他の鋳型DNAよりも優先的に増幅することができればよく、必ずしも特異的に増幅することは必要とされない。
プローブ及びプライマーセットは、採用される測定方法の原理及び測定対象の遺伝子の塩基配列に基づいて、当業者が適宜設計し、一般的な核酸合成方法又は遺伝子工学的方法によって調製することができる。また、プローブ及びプライマーセットは、採用される測定方法の原理に応じて、蛍光物質(例えば、Cy3、Cy5、FITC、Alexa Flour等)、放射性同位体(例えば、3H、14C、32P、35S、125I、131I等)、酵素、ビオチン、ストレプトアビジンその他の標識化合物によって標識されていてもよい。
工程Iで測定された発現量は、RMA法、MAS5法、MBEI法、DFW法等の公知の手法によって正規化した後に、工程IIに供することができる。正規化は、例えば、Expression Console Software(Thermo Fisher Scientific)等の解析ソフトウェアを用いて行うことができる。
工程IIは、工程Iで測定された発現量、好ましくは正規化された発現量を解析する工程、工程IIIは、工程IIで解析された結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する工程である。
発現量の解析は、多変量解析によって、クラス分け手法、クラスター分析又はスコア化手法等によって行なうことができる。このような解析は、例えば、Transcriptome Analysis Console(Thermo Fisher Scientific)等の解析ソフトウェアを用いて行うことができる。
本発明において利用することができるクラス分け手法としては、例えば、ニューラルネットワーク、判別分析(線形判別分析、マハラノビス距離に基づく判別分析)、サポートベクターマシン、単純ベイズ分類器、ランダムフォレスト、Between Group Analysis等を挙げることができ、好ましい例はサポートベクターマシンである。クラス分け手法によって発現量を解析することで、晩期再発が予測される被験者由来の試料と無再発が予測される被験者由来の試料とにクラス分けが行われ、これにより被験者の晩期再発リスクが高いか否かを評価することができる。
本発明において利用することができるクラスター分析としては、階層的クラスター分析及び非階層的クラスター分析(k-means法等)を挙げることができ、好ましい例は階層的クラスター分析である。階層的クラスター分析では、発現量のデータから、最短距離法、最長距離法、群平均法、重心法、メディアン法、ウォード法といった手法によって試料間の距離(ユークリッド距離、マハラノビス距離等)や類似度(ピアソン相関係数、スピアマン順位相関係数、コサイン類似度等)を算出し、この距離又は類似度に基づいて発現量のデータをクラスタリングし、樹形図が作成される。クラスター分析によって発現量を解析することで、晩期再発が予測される被験者由来の試料と無再発が予測される被験者由来の試料はクラスターが分けられ、これにより晩期再発リスクが高いか否かを評価することができる。
本発明において利用することができるスコア化手法としては、例えば、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、主成分分析等を挙げることができ、好ましい例は主成分分析である。スコア化手法によって発現量を解析することで、晩期再発が予測される被験者由来の試料と無再発が予測される被験者由来の試料は分かれるようにスコアリングされ、これにより被験者の晩期再発リスクが高いか否かを評価することができる。
本発明が提供する乳癌晩期再発リスクの評価方法は、乳癌晩期再発リスクを検査又は評価し、これを予測するものであることから、乳癌晩期再発リスクを検査又は予測する方法と表すこともできる。また、本発明の方法においては、乳癌晩期再発リスク評価に必要なデータが収集され、このデータが評価の補助となってリスク評価が行われる。したがって、乳癌晩期再発リスクを評価する方法は、評価、検査若しくは予測のためのデータの収集方法、評価、検査若しくは予測を補助する方法と表すこともできる。
本発明の別の態様は、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含む、乳癌の晩期再発リスクの評価のためのキットに関する。キットは、さらに表2−1〜2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含んでもよい。
キットに含まれるプライマーセット、プローブ及びこれらの使用方法の説明は、上で述べたとおりである。プローブの例は、表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットであり、これに加えてさらに及び表4に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットを用いてもよい。
またキットは、プライマーセットやプローブに加えて、それぞれの測定又は検出方法に応じて、例えばdNTP、酵素、標識用又は検出用試薬、コントロール用試薬(例えば、ポジティブ又はネガティブコントロール用のオリゴヌクレオチド)、緩衝液、pH調整剤、安定剤、固相支持体、反応容器、取扱説明書等をさらに含んでもよい。さらにキットは、GAPDHやアクチンといったハウスキーピング遺伝子を検出する内部コントロール用のプライマーセット又はプローブをさらに含んでもよい。キットは、マイクロアレイの形態であることができる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1)被験者
2000年1月から2004年12月に治療を開始した以下のER陽性HER2陰性早期乳癌症例から乳癌手術時に乳癌組織を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋標本を作製した。
初回治療後5〜10年の間に再発した症例(晩期再発症例):
閉経前7例、閉経後60歳未満4例、閉経後60歳以上5例
初回治療後10年以上再発しなかった症例(無再発症例):
閉経前6例、閉経後60歳未満5例、閉経後60歳以上5例
2)試料の調製及びマイクロアレイによる遺伝子発現量解析
ホルマリン固定パラフィン包埋標本をミクロトームで薄片に切り分け、未染標本を作製した。クレシルバイオレット染色にて腫瘍領域を確認し、腫瘍部分を1.5 mLのマイクロチューブ内に回収した。ReliaPrepTM FFPE Total RNA Miniprep System(Promega)を製造業者のプロトコールに従って用いてRNA抽出を行い、total RNAを調製した。SensationPlus FFPE Amplification and WT Labeling Kit(Thermo Fisher Scientific)を用いて50 ngのtotal RNAからcRNAを増幅し、さらにこれを鋳型としてcDNAを増幅した後、ビオチン標識及び断片化を行った。
マイクロアレイ(GeneChip(登録商標) Human Gene 2.0 ST Array;Thermo Fisher Scientific)を製造業者のプロトコールに従って用いて、断片化ビオチン標識cDNAをアレイ上のプローブセットとハイブリダイゼーションし、次いで洗浄、染色した。染色後のアレイをマイクロアレイスキャナー(GeneChip(登録商標) Scanner 3000 7G;Thermo Fisher Scientific)を用いて、アレイ上のプローブセットにハイブリダイズしたcDNAの蛍光を測定した。得られた蛍光強度データは、Expression Console Software(Thermo Fisher Scientific)を用いてRMA法によって正規化した。
3)晩期再発リスク判定のための遺伝子の抽出
正規化後のデータについてアノテーション情報のある遺伝子をできる限り絞り込んだ後、閉経前、閉経後60歳未満、閉経後60歳以上の3つの群毎に、統計解析ソフトウェアGenEx(MultiD Analyses AB (MultiD)社製)を用いて相関行列による動的主成分分析(dynamic PCA)を行った。晩期再発と無再発との間で変動倍率が2^0.5以上であり、かつp<0.013(閉経前群のみp<0.01)のプローブセットを絞り込んだ結果、閉経前群で208個(表5)、閉経後60歳未満群で146個(表6)、閉経後60歳以上群で188個(表7)のプローブセットに対応する遺伝子が抽出された。なお、各群とも抽出された遺伝子に重複があったため、遺伝子数としては、閉経前群で200個、閉経後60歳未満群で145個、閉経後60歳以上群で178個が抽出された。
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4)主成分分析
抽出された遺伝子の正規化蛍光強度データを相関行列による動的主成分分析に供して、固有ベクトルと主成分スコアを算出した。算出された第一、第二及び第三主成分のスコアの散布図を図1に示す。閉経前、閉経後60歳未満、閉経後60歳以上のいずれの群についても、主成分スコアを散布図にプロットすることにより晩期再発症例と無再発症例とを判別可能であることが確認された。
以上の結果から、表5〜7に示す遺伝子セットの発現量に対してデータ解析を行うことで、乳癌の晩期再発リスクの予測が可能であることが示された。
実施例2
1)晩期再発リスク判定のための遺伝子のさらなる選別
実施例1で得られた、閉経前群(13例)、閉経後60歳未満群(9例)、閉経後60歳以上群(10例)の正規化蛍光強度データからそれぞれ1症例分のデータを除外した後、統計解析ソフトウェアGenEx(MultiD Analyses AB (MultiD)社製)を用いて相関行列による動的主成分分析(dynamic PCA)を行い、晩期再発症例と無再発症例との間でp<0.01、かつ変動倍率が2^0.5以上となったプローブセットに対応する遺伝子を抽出した。除外する1症例を別の症例に代えて同様に動的主成分分析を繰り返した。閉経前群において13回の抽出のうち10回以上抽出されたプローブセットに対応する遺伝子(表5の遺伝子a1〜a73)、閉経後60歳未満群において9回の抽出のうち7回以上抽出されたプローブセットに対応する遺伝子(表6の遺伝子b1〜b24)、閉経後60歳以上群において10回の抽出のうち8回以上抽出されたプローブセットに対応する遺伝子(表7の遺伝子c1〜c29)を選別し、以下の検証に供した。なお閉経後60歳未満群においてRNU1-13Pが、および閉経後60歳以上群においてRNU1-13P、PRR20Bが重複していたため、遺伝子数としては23遺伝子、24遺伝子となった。
2)主成分分析による判別
上記1)で選別された遺伝子の正規化蛍光強度データをトレーニングセット(閉経前群12例、閉経後60歳未満群8例、閉経後60歳以上群9例)とテストセット(各群とも無再発症例1例)に分けた。トレーニングセットのデータを相関行列による動的主成分分析に供して、固有ベクトルと主成分スコアを算出した。算出された固有ベクトルを用いてテストセットのデータから主成分スコアを算出した。第一、第二及び第三主成分のスコアの散布図を図2に示す。閉経前、閉経後60歳未満、閉経後60歳以上のいずれの群についても、テストセットはトレーニングセットの無再発症例と同じカテゴリーに属していたことから、主成分分析により晩期再発症例と無再発症例とを判別可能であることが確認された。
3)階層的クラスター解析による判別
上記1)で選別された遺伝子の正規化蛍光強度データを、統計解析ソフトウェアGenEx(MultiD Analyses AB (MultiD)社製)を用いてウォード法によって試料間の距離ユークリッド距離を算出し、階層的クラスター解析を行い、この距離に基づいてヒートマップ及び樹形図を作成した(図3)。閉経前、閉経後60歳未満、閉経後60歳以上のいずれの群についても、晩期再発症例と無再発症例は異なるクラスターに属していたことから、階層的クラスター解析により晩期再発症例と無再発症例と判別可能であることが確認された。
4)サポートベクターマシンによる判別
上記1)で選別された遺伝子の正規化蛍光強度データをトレーニングセット(閉経前群12例、閉経後60歳未満群8例、閉経後60歳以上群9例)とテストセット(各群とも無再発症例1例)に分けた。トレーニングセットのデータをサポートベクターマシン(Support Vector Machine, SVM)による判別に供してカーネル関数としてガウシアンを用いて晩期再発症例と無再発症例との間で最も距離の離れた箇所(最大マージン)を算出し、各群での主成分PC1とPC2スコアを算出、散布図を図4に示す。晩期再発症例と無再発症例の閉経前、閉経後60歳未満、閉経後60歳以上のいずれの群についても、テストセットはトレーニングセットの無再発症例と同じカテゴリーに属していたことから、サポートベクターマシンにより晩期再発症例と無再発症例とを判別可能であることが確認された。
以上の結果から、上記1)で選別された遺伝子セット(表5の遺伝子a1〜a73、表6の遺伝子b1〜b24、表7の遺伝子c1〜c29)の発現量に対して各種データ解析を行うことで、乳癌の晩期再発リスクの予測が可能であることが示された。
配列番号120〜2587はプローブの塩基配列である。

Claims (12)

  1. 工程I:
    被験者から採取された乳癌細胞由来のRNAを含む試料における、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量を測定する工程、
    工程II:
    前記工程で測定された発現量を解析する工程、及び
    工程III:
    前記工程で解析された結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する工程
    を含む、乳癌の晩期再発リスクを評価する方法。
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  2. 工程IIIにおいて、被験者が閉経前である場合には表1−1に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳未満である場合には表1−2に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者が閉経後かつ60歳以上である場合には表1−3に記載される遺伝子セットの発現量の解析結果に基づいて、被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程Iにおいて、表1−1に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−1に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、請求項1に記載の方法。
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  4. 工程Iにおいて、表1−2に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−2に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、請求項1に記載の方法。
    Figure 2020167940
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  5. 工程Iにおいて、表1−3に記載される遺伝子セットの発現量を測定する場合、さらに表2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量を測定する、請求項1に記載の方法。
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  6. 工程IIIにおいて、
    被験者が閉経前である場合には表1−1に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−1に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、
    被験者が閉経後かつ60歳未満である場合には表1−2に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−2に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、
    被験者が閉経後かつ60歳以上である場合には表1−3に記載される遺伝子セットの発現量及び表2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現量の解析結果に基づいて、
    被験者の乳癌晩期再発リスクを評価する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程Iにおいて、表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現量が、表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットを用いたハイブリダイゼーション法により測定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
    Figure 2020167940
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  8. 工程Iにおいて、発現量がマイクロアレイを用いて測定される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程IIにおいて、発現量がクラス分け手法、クラスター分析又はスコア化手法を用いて解析される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1において規定される表1−1〜1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含む、乳癌の晩期再発リスクの評価のためのキット。
  11. さらに請求項3〜5において規定される表2−1〜2−3に記載される遺伝子セットから選択される1又は複数の遺伝子の発現を検出するためのプローブ又はプライマーセットを含む、請求項10に記載のキット。
  12. 表1−1〜表1−3より選択される少なくとも1つの表に記載される遺伝子セットの発現を検出するためのプローブが、請求項7に規定される表3に記載されるプローブセットIDを持つプローブセットである、請求項10又は11に記載のキット。

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