JP2020167521A - 通信方法、通信装置、送信機、およびプログラム - Google Patents

通信方法、通信装置、送信機、およびプログラム Download PDF

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Hideki Aoyama
秀紀 青山
大嶋 光昭
Mitsuaki Oshima
光昭 大嶋
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Abstract

【課題】多様な機器間の通信を可能とする通信方法を提供する。【解決手段】通信方法では、端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断し(ステップSG11)、端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に(ステップSG11のYes)、イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、その復号用画像に現れる縞模様から被写体が送信する第1の識別情報を取得し(ステップSG12)、可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に(ステップSG11のNo)、イメージセンサにより、被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、その撮像画像のエッジ検出を行うことで、所定の特定領域を特定し、その特定領域のラインパターンから被写体が送信する第2の識別情報を取得する(ステップSG13)。【選択図】図194C

Description

本発明は、通信方法、通信装置、送信機およびプログラムなどに関する。
近年のホームネットワークでは、Ethernet(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)でのIP(Internet Protocol)接続によるAV家電の連携に加え、環境問題に対応した電力使用量の管理や、宅外からの電源ON/OFFといった機能を持つホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)によって、多様な家電機器がネットワークに接続される家電連携機能の導入が進んでいる。しかしながら、通信機能を有するには、演算力が十分ではない家電や、コスト面で通信機能の搭載が難しい家電などもある。
このような問題を解決するため、特許文献1では、光を用いて自由空間に情報を伝達する光空間伝送装置において、照明光の単色光源を複数用いた通信を行うことで、限られた送信装置のなかで、効率的に機器間の通信を実現する技術が記載されている。
特開2002−290335号公報
しかしながら、前記従来の方式では、適用される機器が照明のような3色光源を持つ場合に限定される。また、送信された情報を受信する受信機は、ユーザに有益な画像を表示することができない。
本発明は、このような課題を解決し、多様な機器間の通信を可能とする通信方法などを提供する。
本発明の一形態に係る通信方法は、イメージセンサを備えた端末を用いた通信方法であって、前記端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断し、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、前記復号用画像に現れる縞模様から前記被写体が送信する第1の識別情報を取得し、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記イメージセンサにより、前記被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、前記撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、前記少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、前記特定領域のラインパターンから前記被写体が送信する第2の識別情報を取得する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、一実施形態に関わる方法を実行するコンピュータプログラムがサーバの記録媒体に保存されており、端末の要求に応じて、サーバから端末に配信する態様で実現されてもよい。
本発明によれば、多様な機器間の通信を実現できる。
図1は、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Aは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Bは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Cは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Dは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Eは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Fは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Gは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図5Hは、実施の形態1における発光部の輝度の観測方法の一例を示す図である。 図6Aは、実施の形態1における情報通信方法のフローチャートである。 図6Bは、実施の形態1における情報通信装置のブロック図である。 図7は、実施の形態2における受信機の撮影動作の一例を示す図である。 図8は、実施の形態2における受信機の撮影動作の他の例を示す図である。 図9は、実施の形態2における受信機の撮影動作の他の例を示す図である。 図10は、実施の形態2における受信機の表示動作の一例を示す図である。 図11は、実施の形態2における受信機の表示動作の一例を示す図である。 図12は、実施の形態2における受信機の動作の一例を示す図である。 図13は、実施の形態2における受信機の動作の他の例を示す図である。 図14は、実施の形態2における受信機の動作の他の例を示す図である。 図15は、実施の形態2における受信機の動作の他の例を示す図である。 図16は、実施の形態2における受信機の動作の他の例を示す図である。 図17は、実施の形態2における受信機の動作の他の例を示す図である。 図18Aは、実施の形態2における送信機および受信機の動作の一例を示す図である。 図18Bは、実施の形態2における送信機および受信機の動作の一例を示す図である。 図18Cは、実施の形態2における送信機および受信機の動作の一例を示す図である。 図19は、実施の形態2における道案内への応用例を説明するための図である。 図20は、実施の形態2における利用ログ蓄積と解析への応用例を説明するための図である。 図21は、実施の形態2における送信機と受信機の適用例を示す図である。 図22は、実施の形態2における送信機および受信機の適用例を示す図である。 図23は、実施の形態3におけるアプリケーションの一例を示す図である。 図24は、実施の形態3におけるアプリケーションの一例を示す図である。 図25は、実施の形態3における送信信号の例と音声同期方法の例とを示す図である。 図26は、実施の形態3における送信信号の例を示す図である。 図27は、実施の形態3における受信機の処理フローの一例を示す図である。 図28は、実施の形態3における受信機のユーザインタフェースの一例を示す図である。 図29は、実施の形態3における受信機の処理フローの一例を示す図である。 図30は、実施の形態3における受信機の処理フローの他の例を示す図である。 図31Aは、実施の形態3における同期再生の具体的な方法を説明するための図である。 図31Bは、実施の形態3における同期再生を行う再生装置(受信機)の構成を示すブロック図である。 図31Cは、実施の形態3における同期再生を行う再生装置(受信機)の処理動作を示すフローチャートである。 図32は、実施の形態3における同期再生の事前準備を説明するための図である。 図33は、実施の形態3における受信機の応用例を示す図である。 図34Aは、実施の形態3における、ホルダーに保持された受信機の正面図である。 図34Bは、実施の形態3における、ホルダーに保持された受信機の背面図である。 図35は、実施の形態3における、ホルダーに保持された受信機のユースケースを説明するための図である。 図36は、実施の形態3における、ホルダーに保持された受信機の処理動作を示すフローチャートである。 図37は、実施の形態3における受信機によって表示される画像の一例を示す図である。 図38は、実施の形態3におけるホルダーの他の例を示す図である。 図39Aは、実施の形態3における可視光信号の一例を示す図である。 図39Bは、実施の形態3における可視光信号の一例を示す図である。 図39Cは、実施の形態3における可視光信号の一例を示す図である。 図39Dは、実施の形態3における可視光信号の一例を示す図である。 図40は、実施の形態3における可視光信号の構成を示す図である。 図41は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。 図42は、実施の形態4における表示システムの一例を示す図である。 図43は、実施の形態4における表示システムの他の例を示す図である。 図44は、実施の形態4における表示システムの他の例を示す図である。 図45は、実施の形態4における受信機の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図46は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図47は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図48は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図49は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図50は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図51は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図52は、実施の形態4における受信機の処理動作の他の例を示すフローチャートである。 図53は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図54は、実施の形態4における受信機の撮像によって取得される撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecを示す図である。 図55は、実施の形態4における受信機に表示される撮像表示画像Ppreの一例を示す図である。 図56は、実施の形態4における受信機の処理動作の他の例を示すフローチャートである。 図57は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図58は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図59は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図60は、実施の形態4における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図61は、実施の形態4における認識情報の一例を示す図である。 図62は、実施の形態4における受信機の処理動作の他の例を示すフローチャートである。 図63は、実施の形態4における受信機が輝線パターン領域を識別する一例を示す図である。 図64は、実施の形態4における受信機の他の例を示す図である。 図65は、実施の形態4における受信機の処理動作の他の例を示すフローチャートである。 図66は、実施の形態4における複数の送信機を含む送信システムの一例を示す図である。 図67は、実施の形態4における複数の送信機および受信機を含む送信システムの一例を示す図である。 図68Aは、実施の形態4における受信機の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図68Bは、実施の形態4における受信機の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図69Aは、実施の形態4における表示方法を示すフローチャートである。 図69Bは、実施の形態4における表示装置の構成を示すブロック図である。 図70は、実施の形態4の変形例1における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。 図71は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図72は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図73は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図74は、実施の形態4の変形例1における受信機200の他の例を示す図である。 図75は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図76は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図77は、実施の形態4の変形例1における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図78は、実施の形態4またはその変形例1における受信機において想定されるAR画像を表示するときの課題の一例を示す図である。 図79は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。 図80は、実施の形態4の変形例2における受信機の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図81は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図82は、実施の形態4の変形例2における受信機の処理動作の他の例を示すフローチャートである。 図83は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図84は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図85は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図86は、実施の形態4の変形例2における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図87Aは、本発明の一態様に係る表示方法を示すフローチャートである。 図87Bは、本発明の一態様に係る表示装置の構成を示すブロック図である。 図88は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の拡大および移動の一例を示す図である。 図89は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の拡大の一例を示す図である。 図90は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の拡大および移動に関する処理動作の一例を示すフローチャートである。 図91は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図92は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図93は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図94は、実施の形態4の変形例3におけるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図95Aは、実施の形態4の変形例3における受信機による撮像によって得られる撮像表示画像の一例を示す図である。 図95Bは、実施の形態4の変形例3における受信機のディスプレイに表示されるメニュー画面の一例を示す図である。 図96は、実施の形態4の変形例3における受信機とサーバとの処理動作の一例を示すフローチャートである。 図97は、実施の形態4の変形例3における受信機によって再生される音声の音量を説明するための図である。 図98は、実施の形態4の変形例3における受信機から送信機までの距離と音量との関係を示す図である。 図99は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図100は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図101は、実施の形態4の変形例3における受信機によるラインスキャン時間の求め方の一例を説明するための図である。 図102は、実施の形態4の変形例3における受信機によるラインスキャン時間の求め方の一例を説明するための図である。 図103は、実施の形態4の変形例3における受信機によるラインスキャン時間の求め方の一例を示すフローチャートである。 図104は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図105は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図106は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図107は、実施の形態4の変形例3における受信機の姿勢に応じて取得される復号用画像の一例を示す図である。 図108は、実施の形態4の変形例3における受信機の姿勢に応じて取得される復号用画像の他の例を示す図である。 図109は、実施の形態4の変形例3における受信機の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図110は、実施の形態4の変形例3における受信機によるカメラレンズの切り替え処理の一例を示す図である。 図111は、実施の形態4の変形例3における受信機によるカメラの切り替え処理の一例を示す図である。 図112は、実施の形態4の変形例3における受信機とサーバとの処理動作の一例を示すフローチャートである。 図113は、実施の形態4の変形例3における受信機によるAR画像の重畳の一例を示す図である。 図114は、実施の形態4の変形例3における受信機、電子レンジ、中継サーバおよび電子決済用サーバを含むシステムの処理動作を示すシーケンス図である。 図115は、実施の形態4の変形例3における、POS端末、サーバ、受信機200および電子レンジを含むシステムの処理動作を示すシーケンス図である。 図116は、実施の形態4の変形例3における屋内での利用の一例を示す図である。 図117は、実施の形態4の変形例3における拡張現実オブジェクトの表示の一例を示す図である。 図118は、実施の形態4の変形例4における表示システムの構成を示す図である。 図119は、実施の形態4の変形例4における表示システムの処理動作を示すフローチャートである。 図120は、本発明の一態様に係る認識方法を示すフローチャートである。 図121は、実施の形態5に係る可視光信号の動作モードの一例を示す図である。 図122Aは、実施の形態5に係る可視光信号の生成方法を示すフローチャートである。 図122Bは、実施の形態5に係る信号生成装置の構成を示すブロック図である。 図123は、実施の形態6におけるMPMのMACフレームのフォーマットを示す図である。 図124は、実施の形態6におけるMPMのMACフレームを生成する符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。 図125は、実施の形態6におけるMPMのMACフレームを復号する復号装置の処理動作を示すフローチャートである。 図126は、実施の形態6におけるMACのPIBの属性を示す図である。 図127は、実施の形態6におけるMPMの調光方法を説明するための図である。 図128は、実施の形態6におけるPHYのPIBの属性を示す図である。 図129は、実施の形態6におけるMPMを説明するための図である。 図130は、実施の形態6におけるPLCPヘッダサブフィールドを示す図である。 図131は、実施の形態6におけるPLCPセンタサブフィールドを示す図である。 図132は、実施の形態6におけるPLCPフッタサブフィールドを示す図である。 図133は、実施の形態6におけるMPMにおけるPHYのPWMモードの波形を示す図である。 図134は、実施の形態6におけるMPMにおけるPHYのPPMモードの波形を示す図である。 図135は、実施の形態6の復号方法の一例を示すフローチャートである。 図136は、実施の形態6の符号化方法の一例を示すフローチャートである。 図137は、実施の形態7における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。 図138は、実施の形態7における、AR画像が重畳された撮像表示画像の例を示す図である。 図139は、実施の形態7における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図140は、実施の形態7における受信機の動作を示すフローチャートである。 図141は、実施の形態7における送信機の動作を説明するための図である。 図142は、実施の形態7における送信機の他の動作を説明するための図である。 図143は、実施の形態7における送信機の他の動作を説明するための図である。 図144は、実施の形態7における光IDの受信し易さを説明するための比較例を示す図である。 図145Aは、実施の形態7における送信機の動作を示すフローチャートである。 図145Bは、実施の形態7における送信機の構成を示すブロック図である。 図146は、実施の形態7における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図147は、実施の形態8における送信機の動作を説明するための図である。 図148Aは、実施の形態8における送信方法を示すフローチャートである。 図148Bは、実施の形態8における送信機の構成を示すブロック図である。 図149は、実施の形態8における可視光信号の詳細な構成の一例を示す図である。 図150は、実施の形態8における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。 図151は、実施の形態8における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。 図152は、実施の形態8における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。 図153は、実施の形態8における、変数y〜yの総和と、全時間長および有効時間長との関係を示す図である。 図154Aは、実施の形態8における送信方法を示すフローチャートである。 図154Bは、実施の形態8における送信機の構成を示すブロック図である。 図155は、実施の形態9における表示システムの構成を示す図である。 図156は、実施の形態9における受信機とサーバの処理動作を示すシーケンス図である。 図157は、実施の形態9におけるサーバの処理動作を示すフローチャートである。 図158は、実施の形態9における送信機および受信機がそれぞれ車両に搭載された場合における通信の例を示す図である。 図159は、実施の形態9における車両の処理動作を示すフローチャートである。 図160は、実施の形態9における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。 図161は、実施の形態9における受信機がAR画像を表示する他の例を示す図である。 図162は、実施の形態9における受信機の処理動作を示す図である。 図163は、実施の形態9における受信機に対する操作の一例を示す図である。 図164は、実施の形態9における受信機に表示されるAR画像の例を示す図である。 図165は、実施の形態9における、撮像表示画像に重畳されるAR画像の例を示す図である。 図166は、実施の形態9における、撮像表示画像に重畳されるAR画像の例を示す図である。 図167は、実施の形態9における送信機の一例を示す図である。 図168は、実施の形態9における送信機の他の例を示す図である。 図169は、実施の形態9における送信機の他の例を示す図である。 図170は、実施の形態9における、光通信対応の受信機と、光通信非対応の受信機とを用いたシステムの一例を示す図である。 図171は、実施の形態9における受信機の処理動作を示すフローチャートである。 図172は、実施の形態9におけるAR画像の表示の例を示す図である。 図173Aは、本発明の一態様に係る表示方法を示すフローチャートである。 図173Bは、本発明の一態様に係る表示装置の構成を示すブロック図である。 図174は、実施の形態10における送信機に描かれる画像の一例を示す図である。 図175は、実施の形態10における送信機に描かれる画像の他の例を示す図である。 図176は、実施の形態10における送信機および受信機の例を示す図である。 図177は、実施の形態10におけるラインパターンの基本周波数を説明するための図である。 図178Aは、実施の形態10における符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。 図178Bは、実施の形態10における符号化装置の処理動作を説明するための図である。 図179は、実施の形態10における復号装置である受信機の処理動作を示すフローチャートである。 図180は、実施の形態10における受信機の処理動作を示すフローチャートである。 図181Aは、実施の形態10におけるシステムの構成の一例を示す図である。 図181Bは、実施の形態10におけるカメラの処理を示す図である。 図182は、実施の形態10におけるシステムの構成の他の例を示す図である。 図183は、実施の形態10における送信機に描かれる画像の他の例を示す図である。 図184は、実施の形態10におけるフレームIDを構成するMACフレームのフォーマットの一例を示す図である。 図185は、実施の形態10におけるMACヘッダの構成の一例を示す図である。 図186は、実施の形態10における、パケット分割数を導出するためのテーブルの一例を示す図である。 図187は、実施の形態10におけるPHY符号化を示す図である。 図188は、実施の形態10におけるPHYシンボルを有する送信画像Im3の一例を示す図である。 図189は、実施の形態10における2つのPHYバージョンを説明するための図である。 図190は、実施の形態10におけるグレイコードを説明するための図である。 図191は、実施の形態10における受信機による復号処理の一例を示す図である。 図192は、実施の形態10における受信機による送信画像の不正検知の方法を説明するための図である。 図193は、実施の形態10における受信機による送信画像の不正検知を含む復号処理の一例を示すフローチャートである。 図194Aは、実施の形態10の変形例に係る表示方法を示すフローチャートである。 図194Bは、実施の形態10の変形例に係る表示装置の構成を示すブロック図である。 図194Cは、実施の形態10の変形例に係る通信方法を示すフローチャートである。 図194Dは、実施の形態10の本変形例に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 図194Eは、実施の形態10およびその変形例に係る送信機の構成を示すブロック図である。 図195は、実施の形態11におけるサーバを含む通信システムの構成の一例を示す図である。 図196は、実施の形態11における第1のサーバによる管理方法を示すフローチャートである。 図197は、実施の形態12における照明システムを示す図である。 図198は、実施の形態12における照明装置の配置および復号用画像の一例を示す図である。 図199は、実施の形態12における照明装置の配置および復号用画像の他の例を示す図である。 図200は、実施の形態12における照明装置を用いた位置推定を説明するための図である。 図201は、実施の形態12における受信機の処理動作を示すフローチャートである。 図202は、実施の形態12における通信システムの一例を示す図である。 図203は、実施の形態12における受信機による自己位置推定の処理を説明するための図である 図204は、実施の形態12における受信機による自己位置推定の処理を示すフローチャートである。 図205は、実施の形態12における受信機の自己位置推定の処理の概略を示すフローチャートである。 図206は、実施の形態12における電波のIDと光IDとの関係を示す図である。 図207は、実施の形態12における受信機による撮像の一例を説明するための図である。 図208は、実施の形態12における受信機による撮像の他の例を説明するための図である。 図209は、実施の形態12における受信機によって用いられるカメラを説明するための図である。 図210は、実施の形態12における受信機が送信機の可視光信号を変更させる処理の一例を示すフローチャートである。 図211は、実施の形態12における受信機が送信機の可視光信号を変更させる処理の他の例を示すフローチャートである。 図212は、実施の形態13における受信機によるナビゲーションを説明するための図である。 図213は、実施の形態13における受信機による自己位置推定の一例を示すフローチャートである。 図214は、実施の形態13における受信機によって受信される可視光信号を説明するための図である。 図215は、実施の形態13における受信機による自己位置推定の他の例を示すフローチャートである。 図216は、実施の形態13における受信機による反射光の判定の例を示すフローチャートである。 図217は、実施の形態13における受信機によるナビゲーションの一例を示すフローチャートである。 図218は、実施の形態13におけるプロジェクタとして構成されている送信機100の例を示す図である。 図219は、実施の形態13における受信機による自己位置推定の他の例を示すフローチャートである。 図220は、実施の形態13における送信機による処理の一例を示すフローチャートである。 図221は、実施の形態13における受信機によるナビゲーションの他の例を示すフローチャートである。 図222は、実施の形態13における受信機による処理の一例を示すフローチャートである。 図223は、実施の形態13における受信機のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。 図224は、実施の形態13における受信機によるキャラクターの表示例を示す図である。 図225は、実施の形態13における受信機のディスプレイに表示される画面の他の例を示す図である。 図226は、実施の形態13における、待ち合わせ場所へのナビゲーションを行うためのシステム構成を示す図である。 図227は、実施の形態13における受信機のディスプレイに表示される画面の他の例を示す図である。 図228は、コンサートホールの内部を示す図である。 図229は、本発明の第1の態様における通信方法の一例を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る通信方法は、イメージセンサを備えた端末を用いた通信方法であって、前記端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断し、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、前記復号用画像に現れる縞模様から、前記被写体が送信する第1の識別情報を取得し、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記イメージセンサにより、前記被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、前記撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、前記少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、前記特定領域のラインパターンから前記被写体が送信する第2の識別情報を取得する。
これにより、例えば実施の形態10のように、受信機などの端末は、可視光通信ができるか否かに関わらず、送信機などの被写体から、第1の識別情報または第2の識別情報を取得することができる。つまり、端末は、可視光通信を行うことができる場合には、被写体から例えば光IDを第1の識別情報として取得する。一方、端末は、可視光通信を行うことができなくても、その被写体から例えば画像IDまたはフレームIDを第2の識別情報として取得することができる。具体的には、例えば図183および図188に示す送信画像が被写体として撮像され、その送信画像の領域が特定領域(すなわち選択領域)として選択され、その送信画像のラインパターンから第2の識別情報が取得される。したがって、可視光通信が不可能な場合でも、第2の識別情報を適切に取得することができる。なお、縞模様は、輝線パターンまたは輝線パターン領域とも呼ばれる。
また、前記特定領域の特定では、所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域を、前記特定領域として特定してもよい。
これにより、例えば図179に示すように、四角形または角丸四角形の領域を特定領域として適切に特定することができる。
また、前記可視光通信の判断では、前記端末が露光時間を所定の値以下に変更することができる端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能であると判断し、前記端末が露光時間を前記所定の値以下に変更することができない端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能でないと判断してもよい。
これにより、例えば図180に示すように、可視光信号を行うことが可能か否かを適切に判断することができる。
また、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、前記第1の露光時間で前記被写体を撮像することで、前記復号用画像を取得し、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの露光時間を第2の露光時間に設定し、前記第2の露光時間で前記被写体を撮像することで、前記撮像画像を取得し、前記第1の露光時間は、前記第2の露光時間よりも短くてもよい。
これにより、第1の露光時間での撮像によって、縞模様を有する復号用画像を取得して、その縞模様に対する復号によって、第1の識別情報を適切に取得することができる。さらに、第2の露光時間での撮像によって、通常撮影画像を撮像画像として取得し、その通常撮影画像に現れているラインパターンから第2の識別情報を適切に取得することができる。これにより、端末は、第1の露光時間と第2の露光時間とを使い分けることによって、その端末に適した第1の識別情報または第2の識別情報を取得することができる。
また、前記被写体は、前記イメージセンサから見て矩形形状であり、当該被写体の中心領域が輝度変化することにより、前記第1の識別情報を送信し、当該被写体の周縁にバーコード状のラインパターンが配置されており、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの有する複数の露光ラインに対応する複数の輝線から構成される輝線パターンを含む前記復号用画像を取得し、前記輝線パターンを復号することによって前記第1の識別情報を取得し、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記撮像画像の前記ラインパターンから前記第2の識別情報を取得してもよい。
これにより、中心領域が輝度変化する被写体から、第1の識別情報および第2の識別情報を適切に取得することができる。
また、前記復号用画像から得られる前記第1の識別情報と、前記ラインパターンから得られる前記第2の識別情報は、同一の情報であってもよい。
これにより、可視光通信が可能な端末でも、可視光通信が不可能な端末でも、その被写体から同じ情報を取得することができる。
また、前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記第1の識別情報に関連付けられている第1の動画像を表示し、前記第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、前記第1の動画像の次に前記第1の識別情報に関連付けられている第2の動画像を表示してもよい。
例えば、第1の動画像および第2の動画像のそれぞれは、図162に示す第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cである。また、第1の識別情報は、例えば上述のように光IDである。上記一態様に係る通信方法では、第1の動画像をスライドさせる操作、つまりスワイプが受け付けられると、第1の動画像の次に第1の識別情報に関連付けられている第2の動画像が表示される。したがって、ユーザに有益な画像を容易に表示することができる。また、図194Aに示すように、事前に可視光通信が可能か否かの判断が行われるため、不可能な場合にまで、可視光信号を取得しようとする無駄な処理を省くことができ、処理負担を軽減することができる。
また、前記第2の動画像の表示では、前記第1の動画像を横方向にスライドさせる操作を受け付けると、前記第2の動画像を表示し、前記第1の動画像を縦方向にスライドさせる動作を受け付けると、前記第1の識別情報に関連付けられている静止画像を表示してもよい。
これにより、例えば図162に示すように、第1の動画像の横方向へのスライド、すなわちスワイプによって、第2の動画像が表示される。さらに、例えば図163および図164に示すように、第1の動画像の縦方向へのスライドによって、第1の識別情報に関連付けられている静止画像が表示される。静止画像は、例えば図164に示すAR画像P47である。したがって、ユーザに有益な多種多様な画像を容易に表示することができる。
また、前記第1の動画像および前記第2の動画像のそれぞれにおいて、最初に表示されるピクチャ内のオブジェクトは同一の位置にあってもよい。
これにより、例えば図162に示すように、第1の動画像に代わって第2の動画像が表示されるときには、それらの最初に表示されるオブジェクトが同一位置にあるため、ユーザは、第1の動画像および第2の動画像が互いに関連していることを容易に把握することができる。
また、前記イメージセンサによる撮像によって前記第1の識別情報を再び取得したときには、表示されている動画像の次に前記第1の識別情報に関連付けられている次の動画像を表示してもよい。
これにより、例えば図162に示すように、スライドまたはスワイプなどの操作が行われなくても、第1の識別情報である光IDが取り直されると、次の動画像が表示される。したがって、ユーザに有益な動画像をより容易に表示することができる。
また、前記表示されている動画像および前記次の動画像のそれぞれにおいて、最初に表示されるピクチャ内のオブジェクトは同一の位置にあってもよい。
これにより、例えば図162に示すように、表示されている動画像に代わって次の動画像が表示されるときには、それらの最初に表示されるオブジェクトが同一位置にあるため、ユーザは、それらの動画像が互いに関連していることを容易に把握することができる。
また、前記第1の動画像および前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像は、前記動画像内の位置が前記動画像の端に近いほど、当該位置における透明度が高くなるように形成されていてもよい。
これにより、例えば図93または図166に示すように、その動画像が通常撮影画像に重畳されて表示される場合には、通常撮影画像によって示される環境に、輪郭が曖昧なオブジェクトが現実に存在するように、撮像表示画像を表示することができる。
また、前記第1の動画像および前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像が表示される領域の外に、画像を表示してもよい。
これにより、例えば図161に示すサブ画像Ps46のように、動画像が表示される領域の外に、画像が表示されるため、ユーザにより有益な多種多様な画像を容易に表示することができる。
また、前記イメージセンサによる第1の露光時間による撮像によって、通常撮影画像を取得し、前記第1の露光時間よりも短い第2の露光時間による撮像によって、複数の輝線のパターンからなる領域である輝線パターン領域を含む前記復号用画像を取得し、前記復号用画像に対する復号によって前記第1の識別情報を取得し、前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記通常撮影画像から、前記復号用画像における前記輝線パターン領域と同一の位置にある基準領域を特定し、前記基準領域に基づいて、前記通常撮影画像において前記動画像が重畳される領域を対象領域として認識し、前記対象領域に前記動画像を重畳してもよい。例えば、前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記通常撮影画像における、前記基準領域の上、下、左または右の領域を前記対象領域として認識してもよい。
これにより、例えば図50〜図52および図172に示すように、基準領域に基づいて対象領域が認識され、その対象領域に動画像が重畳されるため、動画像が重畳される領域の自由度を容易に高めることができる。
また、前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記輝線パターン領域のサイズが大きいほど、前記動画像のサイズを大きくしてもよい。
これにより、図172に示すように、動画像のサイズが輝線パターン領域のサイズに応じて変化するため、動画像のサイズが固定されている場合と比べて、その動画像によって示されるオブジェクトがより現実に存在するように、その動画像を表示することができる。
本発明の一態様に係る送信機は、照明板と、前記照明板の背面側から光を照射する光源と、前記光源の輝度を変化させるマイクロコントローラと、を備え、前記マイクロコントローラは、前記光源を輝度変化させることにより、前記光源から前記照明板を介して第1の識別情報を送信し、前記照明板の前面側の周辺にバーコード状のラインパターンが配置されており、前記ラインパターンに第2の識別情報が符号化されており、前記第1の識別情報と、前記第2の識別情報は、同じ情報である。例えば、前記照明板の形状は、矩形形状であってもよい。
これにより、可視光通信を行うことが可能な端末に対しても、不可能な端末に対しても、同じ情報を送信することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1について説明する。
(発光部の輝度の観測)
1枚の画像を撮像するとき、全ての撮像素子を同一のタイミングで露光させるのではなく、撮像素子ごとに異なる時刻に露光を開始・終了する撮像方法を提案する。図1は、1列に並んだ撮像素子は同時に露光させ、列が近い順に露光開始時刻をずらして撮像する場合の例である。ここでは、同時に露光する撮像素子の露光ラインと呼び、その撮像素子に対応する画像上の画素のラインを輝線と呼ぶ。
この撮像方法を用いて、点滅している光源を撮像素子の全面に写して撮像した場合、図2のように、撮像画像上に露光ラインに沿った輝線(画素値の明暗の線)が生じる。この輝線のパターンを認識することで、撮像フレームレートを上回る速度の光源輝度変化を推定することができる。これにより、信号を光源輝度の変化として送信することで、撮像フレームレート以上の速度での通信を行うことができる。光源が2種類の輝度値をとることで信号を表現する場合、低い方の輝度値をロー(LO),高い方の輝度値をハイ(HI)と呼ぶ。ローは光源が光っていない状態でも良いし、ハイよりも弱く光っていても良い。
この方法によって、撮像フレームレートを超える速度で情報の伝送を行う。
一枚の撮像画像中に、露光時間が重ならない露光ラインが20ラインあり、撮像のフレームレートが30fpsのときは、1.67ミリ秒周期の輝度変化を認識できる。露光時間が重ならない露光ラインが1000ラインある場合は、3万分の1秒(約33マイクロ秒)周期の輝度変化を認識できる。なお、露光時間は例えば10ミリ秒よりも短く設定される。
図2は、一つの露光ラインの露光が完了してから次の露光ラインの露光が開始される場合を示している。
この場合、1秒あたりのフレーム数(フレームレート)がf、1画像を構成する露光ライン数がlのとき、各露光ラインが一定以上の光を受光しているかどうかで情報を伝送すると、最大でflビット毎秒の速度で情報を伝送することができる。
なお、ラインごとではなく、画素ごとに時間差で露光を行う場合は、さらに高速で通信が可能である。
このとき、露光ラインあたりの画素数がm画素であり、各画素が一定以上の光を受光しているかどうかで情報を伝送する場合には、伝送速度は最大でflmビット毎秒となる。
図3のように、発光部の発光による各露光ラインの露光状態を複数のレベルで認識可能であれば、発光部の発光時間を各露光ラインの露光時間より短い単位の時間で制御することで、より多くの情報を伝送することができる。
露光状態をElv段階で認識可能である場合には、最大でflElvビット毎秒の速度で情報を伝送することができる。
また、各露光ラインの露光のタイミングと少しずつずらしたタイミングで発光部を発光させることで、発信の基本周期を認識することができる。
図4は、一つの露光ラインの露光が完了する前に次の露光ラインの露光が開始される場合を示している。即ち、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成となっている。このような構成により、(1)一つの露光ラインの露光時間の終了を待って次の露光ラインの露光を開始する場合に比べ、所定の時間内におけるサンプル数を多くすることができる。所定時間内におけるサンプル数が多くなることにより、被写体である光送信機が発生する光信号をより適切に検出することが可能となる。即ち、光信号を検出する際のエラー率を低減することが可能となる。更に、(2)一つの露光ラインの露光時間の終了を待って次の露光ラインの露光を開始する場合に比べ、各露光ラインの露光時間を長くすることができるため、被写体が暗い場合であっても、より明るい画像を取得することが可能となる。即ち、S/N比を向上させることが可能となる。なお、全ての露光ラインにおいて、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成となる必要はなく、一部の露光ラインについて部分的に時間的な重なりを持たない構成とすることも可能である。一部の露光ラインについて部分的に時間的な重なりを持たないように構成するにより、撮像画面上における露光時間の重なりによる中間色の発生を抑制でき、より適切に輝線を検出することが可能となる。
この場合は、各露光ラインの明るさから露光時間を算出し、発光部の発光の状態を認識する。
なお、各露光ラインの明るさを、輝度が閾値以上であるかどうかの2値で判別する場合には、発光していない状態を認識するために、発光部は発光していない状態を各ラインの露光時間以上の時間継続しなければならない。
図5Aは、各露光ラインの露光開始時刻が等しい場合に、露光時間の違いによる影響を示している。7500aは前の露光ラインの露光終了時刻と次の露光ラインの露光開始時刻とが等しい場合であり、7500bはそれより露光時間を長くとった場合である。7500bのように、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成とすることにより、露光時間を長くとることが可能となる。即ち、撮像素子に入射する光が増大し、明るい画像を得ることができる。また、同一の明るさの画像を撮像するための撮像感度を低く抑えられることで、ノイズの少ない画像が得られるため、通信エラーが抑制される。
図5Bは、露光時間が等しい場合に、各露光ラインの露光開始時刻の違いによる影響を示している。7501aは前の露光ラインの露光終了時刻と次の露光ラインの露光開始時刻とが等しい場合であり、7501bは前の露光ラインの露光終了より早く次の露光ラインの露光を開始する場合である。7501bのように、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成とすることにより、時間あたりに露光できるラインを増やすことが可能となる。これにより、より解像度が高くなり、多くの情報量が得られる。サンプル間隔(=露光開始時刻の差)が密になることで、より正確に光源輝度の変化を推定することができ、エラー率が低減でき、更に、より短い時間における光源輝度の変化を認識することができる。露光時間に重なりを持たせることで、隣接する露光ラインの露光量の差を利用して、露光時間よりも短い光源の点滅を認識することができる。
また、上述のサンプル数が少ない場合、つまり、サンプル間隔(図5Bに示す時間差t)が長いと、光源輝度の変化を正確に検出することができない可能性が高くなる。この場合には、露光時間を短くすることによって、その可能性を抑えることができる。つまり、光源輝度の変化を正確に検出することができる。また、露光時間は、露光時間>(サンプル間隔−パルス幅)を満たすことが望ましい。パルス幅は、光源の輝度がHighになっている期間である光のパルス幅である。これにより、Highの輝度を適切に検出することができる。
図5A、図5Bで説明したように、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりをもつように、各露光ラインを順次露光する構成において、露光時間を通常撮影モードよりも短く設定することにより発生する輝線パターンを信号伝送に用いることにより通信速度を飛躍的に向上させることが可能になる。ここで、可視光通信時における露光時間を1/480秒以下に設定することにより適切な輝線パターンを発生させることが可能となる。ここで、露光時間は、フレーム周波数=fとすると、露光時間<1/8×fと設定する必要がある。撮影の際に発生するブランキングは、最大で1フレームの半分の大きさになる。即ち、ブランキング時間は、撮影時間の半分以下であるため、実際の撮影時間は、最も短い時間で1/2fとなる。更に、1/2fの時間内において、4値の情報を受ける必要があるため、少なくとも露光時間は、1/(2f×4)よりも短くする必要が生じる。通常フレームレートは、60フレーム/秒以下であることから、1/480秒以下の露光時間に設定することにより、適切な輝線パターンを画像データに発生させ、高速の信号伝送を行うことが可能となる。
図5Cは、各露光ラインの露光時間が重なっていない場合、露光時間が短い場合の利点を示している。露光時間が長い場合は、光源は7502aのように2値の輝度変化をしていたとしても、撮像画像では7502eのように中間色の部分ができ、光源の輝度変化を認識することが難しくなる傾向がある。しかし、7502dのように、一つの露光ラインの露光終了後、次の露光ラインの露光開始まで所定の露光しない空き時間(所定の待ち時間)tD2を設ける構成とすることにより、光源の輝度変化を認識しやすくすることが可能となる。即ち、7502fのような、より適切な輝線パターンを検出することが可能となる。7502dのように、所定の露光しない空き時間を設ける構成は、露光時間tを各露光ラインの露光開始時刻の時間差tよりも小さくすることにより実現することが可能となる。通常撮影モードが、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成である場合において、露光時間を通常撮影モード時よりも、所定の露光しない空き時間が生じるまで短く設定することにより、実現することができる。また、通常撮影モードが、前の露光ラインの露光終了時刻と次の露光ラインの露光開始時刻とが等しい場合であっても、所定の露光しない時間が生じるまで露光時間を短く設定することにより、実現することができる。また、7502gのように、各露光ラインの露光開始時刻の間隔tを大きくすることによっても、一つの露光ラインの露光終了後、次の露光ラインの露光開始まで所定の露光しない空き時間(所定の待ち時間)tD2を設ける構成をとることができる。この構成では、露光時間を長くすることができるため、明るい画像を撮像することができ、ノイズが少なくなることからエラー耐性が高い。一方で、この構成では、一定時間内に露光できる露光ラインが少なくなるため、7502hのように、サンプル数が少なくなるという欠点があるため、状況によって使い分けることが望ましい。例えば、撮像対象が明るい場合には前者の構成を用い、暗い場合には後者の構成を用いることで、光源輝度変化の推定誤差を低減することができる。
なお、全ての露光ラインにおいて、隣接する露光ラインの露光時間が、部分的に時間的な重なりを持つ構成となる必要はなく、一部の露光ラインについて部分的に時間的な重なりを持たない構成とすることも可能である。また、全ての露光ラインにおいて、一つの露光ラインの露光終了後、次の露光ラインの露光開始まで所定の露光しない空き時間(所定の待ち時間)を設ける構成となる必要はなく、一部の露光ラインについて部分的に時間的な重なりを持つ構成とすることも可能である。このような構成とすることにより、それぞれの構成における利点を生かすことが可能となる。また、通常のフレームレート(30fps、60fps)にて撮影を行う通常撮影モードと、可視光通信を行う1/480秒以下の露光時間にて撮影を行う可視光通信モードとにおいて、同一の読み出し方法または回路にて信号の読み出しを行ってもよい。同一の読み出し方法または回路にて信号を読み出すことにより、通常撮影モードと、可視光通信モードとに対して、それぞれ別の回路を用いる必要がなくなり、回路規模を小さくすることが可能となる。
図5Dは、光源輝度の最小変化時間tと、露光時間tと、各露光ラインの露光開始時刻の時間差tと、撮像画像との関係を示している。t+t<tとした場合は、必ず一つ以上の露光ラインが露光の開始から終了まで光源が変化しない状態で撮像するため、7503dのように輝度がはっきりとした画像が得られ、光源の輝度変化を認識しやすい。2t>tとした場合は、光源の輝度変化とは異なるパターンの輝線が得られる場合があり、撮像画像から光源の輝度変化を認識することが難しくなる。
図5Eは、光源輝度の遷移時間tと、各露光ラインの露光開始時刻の時間差tとの関係を示している。tに比べてtが大きいほど、中間色になる露光ラインが少なくなり、光源輝度の推定が容易になる。t>tのとき中間色の露光ラインは連続で2ライン以下になり、望ましい。tは、光源がLEDの場合は1マイクロ秒以下、光源が有機ELの場合は5マイクロ秒程度となるため、tを5マイクロ秒以上とすることで、光源輝度の推定を容易にすることができる。
図5Fは、光源輝度の高周波ノイズtHTと、露光時間tとの関係を示している。tHTに比べてtが大きいほど、撮像画像は高周波ノイズの影響が少なくなり、光源輝度の推定が容易になる。tがtHTの整数倍のときは高周波ノイズの影響がなくなり、光源輝度の推定が最も容易になる。光源輝度の推定には、t>tHTであることが望ましい。高周波ノイズの主な原因はスイッチング電源回路に由来し、多くの電灯用のスイッチング電源ではtHTは20マイクロ秒以下であるため、tを20マイクロ秒以上とすることで、光源輝度の推定を容易に行うことができる。
図5Gは、tHTが20マイクロ秒の場合の、露光時間tと高周波ノイズの大きさとの関係を表すグラフである。tHTは光源によってばらつきがあることを考慮すると、グラフより、tは、ノイズ量が極大をとるときの値と等しくなる値である、15マイクロ秒以上、または、35マイクロ秒以上、または、54マイクロ秒以上、または、74マイクロ秒以上として定めると効率が良いことが確認できる。高周波ノイズ低減の観点からはtは大きいほうが望ましいが、前述のとおり、tが小さいほど中間色部分が発生しづらくなるという点で光源輝度の推定が容易になるという性質もある。そのため、光源輝度の変化の周期が15〜35マイクロ秒のときはtは15マイクロ秒以上、光源輝度の変化の周期が35〜54マイクロ秒のときはtは35マイクロ秒以上、光源輝度の変化の周期が54〜74マイクロ秒のときはtは54マイクロ秒以上、光源輝度の変化の周期が74マイクロ秒以上のときはtは74マイクロ秒以上として設定すると良い。
図5Hは、露光時間tと認識成功率との関係を示す。露光時間tは光源の輝度が一定である時間に対して相対的な意味を持つため、光源輝度が変化する周期tを露光時間tで割った値(相対露光時間)を横軸としている。グラフより、認識成功率をほぼ100%としたい場合は、相対露光時間を1.2以下にすれば良いことがわかる。例えば、送信信号を1kHzとする場合は露光時間を約0.83ミリ秒以下とすれば良い。同様に、認識成功率を95%以上としたい場合は相対露光時間を1.25以下に、認識成功率を80%以上としたい場合は相対露光時間を1.4以下にすれば良いということがわかる。また、相対露光時間が1.5付近で認識成功率が急激に下がり、1.6でほぼ0%となるため、相対露光時間が1.5を超えないように設定すべきであることがわかる。また、認識率が7507cで0になった後、7507dや、7507e、7507fで、再度上昇していることがわかる。そのため、露光時間を長くして明るい画像を撮像したい場合などは、相対露光時間が1.9から2.2、2.4から2.6、2.8から3.0となる露光時間を利用すれば良い。例えば、中間モードとして、これらの露光時間を使うと良い。
図6Aは、本実施の形態における情報通信方法のフローチャートである。
本実施の形態における情報通信方法は、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、ステップSK91〜SK93を含む。
つまり、この情報通信方法は、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる複数の露光ラインに対応する複数の輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの第1の露光時間を設定する第1の露光時間設定ステップSK91と、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記第1の露光時間で撮影することによって、前記複数の輝線を含む輝線画像を取得する第1の画像取得ステップSK92と、取得された前記輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得ステップSK93とを含み、前記第1の画像取得ステップSK92では、前記複数の露光ラインのそれぞれは、順次異なる時刻で露光を開始し、かつ、当該露光ラインに隣接する隣接露光ラインの露光が終了してから所定の空き時間経過後に、露光を開始する。
図6Bは、本実施の形態における情報通信装置のブロック図である。
本実施の形態における情報通信装置K90は、被写体から情報を取得する情報通信装置であって、構成要素K91〜K93を備える。
つまり、この情報通信装置K90は、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる複数の露光ラインに対応する複数の輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する露光時間設定部K91と、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記複数の輝線を含む輝線画像を取得する前記イメージセンサを有する画像取得部K92と、取得された前記輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得部K93とを備え、前記複数の露光ラインのそれぞれは、順次異なる時刻で露光を開始し、かつ、当該露光ラインに隣接する隣接露光ラインの露光が終了してから所定の空き時間経過後に、露光を開始する。
このような図6Aおよび図6Bによって示される情報通信方法および情報通信装置K90では、例えば図5Cなどに示すように、複数の露光ラインのそれぞれは、その露光ラインに隣接する隣接露光ラインの露光が終了してから所定の空き時間経過後に、露光を開始するため、被写体の輝度変化を認識しやすくすることができる。その結果、被写体から情報を適切に取得することができる。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図6Aのフローチャートによって示される情報通信方法をコンピュータに実行させる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1における情報通信装置K90であるスマートフォンなどの受信機と、LEDや有機ELなどの光源の点滅パターンとして情報を送信する送信機とを用いた各適用例について説明する。
なお、以下の説明では、通常撮影モード、または通常撮影モードによる撮影を通常撮影といい、可視光通信モード、または可視光通信モードによる撮影を可視光撮影(可視光通信)という。また、通常撮影および可視光撮影の代わりに、中間モードによる撮影を用いてもよく、後述の合成画像の代わりに中間画像を用いてもよい。
図7は、本実施の形態における受信機の撮影動作の一例を示す図である。
受信機8000は、撮影モードを通常撮影、可視光通信、通常撮影、・・・のように切り替える。そして、受信機8000は、通常撮影画像と可視光通信画像とを合成することによって、輝線模様と被写体およびその周囲とが鮮明に映し出された合成画像を生成し、その合成画像をディスプレイに表示する。この合成画像は、通常撮影画像における信号が送信されている箇所に、可視光通信画像の輝線模様を重畳することによって生成された画像である。また、この合成画像によって映し出される輝線模様、被写体およびその周囲はそれぞれ鮮明であって、ユーザによって十分に認識される鮮明度を有する。このような合成画像が表示されることによって、ユーザは、どこから、またはどの位置から信号が送信されているかをより明確に知ることができる。
図8は、本実施の形態における受信機の撮影動作の他の例を示す図である。
受信機8000は、カメラCa1およびカメラCa2を備える。このような受信機8000では、カメラCa1は通常撮影を行い、カメラCa2は可視光撮影を行う。これにより、カメラCa1は、上述のような通常撮影画像を取得し、カメラCa2は、上述のような可視光通信画像を取得する。そして、受信機8000は、通常撮影画像および可視光通信画像を合成することによって、上述の合成画像を生成してディスプレイに表示する。
図9は、本実施の形態における受信機の撮影動作の他の例を示す図である。
2つのカメラを有する上記受信機8000では、カメラCa1は、撮影モードを通常撮影、可視光通信、通常撮影、・・・のように切り替える。一方、カメラCa2は、通常撮影を継続して行う。そして、カメラCa1とカメラCa2とで同時に通常撮影が行われているときには、受信機8000は、それらのカメラによって取得された通常撮影画像から、ステレオ視(三角測量の原理)を利用して、受信機8000から被写体までの距離(以下、被写体距離という)を推定する。このように推定された被写体距離を用いることによって、受信機8000は、可視光通信画像の輝線模様を通常撮影画像の適切な位置に重畳することができる。つまり、適切な合成画像を生成することができる。
図10は、本実施の形態における受信機の表示動作の一例を示す図である。
受信機8000は、上述のように、撮影モードを可視光通信、通常撮影、可視光通信、・・・のように切り替える。ここで、受信機8000は、最初に可視光通信を行うときに、アプリケーションプログラムを起動する。そして、受信機8000は、可視光通信によって受信した信号に基づいて、自らの位置を推定する。次に、受信機8000は、通常撮影を行うときには、その通常撮影によって取得された通常撮影画像に、AR(Augmented Reality)情報を表示する。このAR情報は、上述のように推定された位置などに基づいて取得されるものである。また、受信機8000は、9軸センサによる検出結果、および通常撮影画像の動き検出などに基づいて、受信機8000の移動および方向の変化を推定し、その推定された移動および方向の変化に合わせてAR情報の表示位置を移動させる。これにより、AR情報を通常撮影画像の被写体像に追随させることができる。
また、受信機8000は、通常撮影から可視光通信に撮影モードを切り替えると、その可視光通信時には、直前の通常撮影時に取得された最新の通常撮影画像にAR情報を重畳する。そして、受信機8000は、AR情報が重畳された通常撮影画像を表示する。また、受信機8000は、通常撮影時と同様に、9軸センサによる検出結果に基づいて、受信機8000の移動および方向の変化を推定し、その推定された移動および方向の変化に合わせてAR情報および通常撮影画像を移動させる。これにより、可視光通信時にも、通常撮影時と同様に、受信機8000の移動などに合わせてAR情報を通常撮影画像の被写体像に追随させることができる。また、受信機8000の移動などに合わせて、その通常画像を拡大および縮小することができる。
図11は、本実施の形態における受信機の表示動作の一例を示す図である。
例えば、受信機8000は、図11の(a)に示すように、輝線模様が映し出された上記合成画像を表示してもよい。また、受信機8000は、図11の(b)に示すように、輝線模様の代わりに、信号が送信されていることを通知するための所定の色を有する画像である信号明示オブジェクトを通常撮影画像に重畳することによって合成画像を生成し、その合成画像を表示してもよい。
また、受信機8000は、図11の(c)に示すように、信号が送信されている箇所が点線の枠と識別子(例えば、ID:101、ID:102など)とによって示されている通常撮影画像を合成画像として表示してもよい。また、受信機8000は、図11の(d)に示すように、輝線模様の代わりに、特定の種類の信号が送信されていることを通知するための所定の色を有する画像である信号識別オブジェクトを通常撮影画像に重畳することによって合成画像を生成し、その合成画像を表示してもよい。この場合、その信号識別オブジェクトの色は、送信機から出力されている信号の種類によって異なる。例えば、送信機から出力されている信号が位置情報である場合には、赤色の信号識別オブジェクトが重畳され、送信機から出力されている信号がクーポンである場合には、緑色の信号識別オブジェクトが重畳される。
図12は、本実施の形態における受信機の動作の一例を示す図である。
例えば、受信機8000は、可視光通信によって信号を受信した場合には、通常撮影画像を表示するとともに、送信機を発見したことをユーザに通知するための音を出力してもよい。この場合、受信機8000は、発見した送信機の個数、受信した信号の種類、または、その信号によって特定される情報の種類などによって、出力される音の種類、出力回数、または出力時間を異ならせてもよい。
図13は、本実施の形態における受信機の動作の他の例を示す図である。
例えば、合成画像に映し出された輝線模様にユーザがタッチすると、受信機8000は、そのタッチされた輝線模様に対応する被写体から送信された信号に基づいて、情報通知画像を生成し、その情報通知画像を表示する。この情報通知画像は、例えば、店舗のクーポンや場所などを示す。なお、輝線模様は、図11に示す信号明示オブジェクト、信号識別オブジェクト、または点線枠などであってもよい。以下に記載されている輝線模様についても同様である。
図14は、本実施の形態における受信機の動作の他の例を示す図である。
例えば、合成画像に映し出された輝線模様にユーザがタッチすると、受信機8000は、そのタッチされた輝線模様に対応する被写体から送信された信号に基づいて、情報通知画像を生成し、その情報通知画像を表示する。この情報通知画像は、例えば、受信機8000の現在地を地図などによって示す。
図15は、本実施の形態における受信機の動作の他の例を示す図である。
例えば、合成画像が表示されている受信機8000に対してユーザがスワイプを行うと、受信機8000は、図11の(c)に示す通常撮影画像と同様の、点線枠および識別子を有する通常撮影画像を表示するとともに、スワイプの操作に追随するように情報の一覧を表示する。この一覧には、各識別子によって示される箇所(送信機)から送信される信号によって特定される情報が示されている。また、スワイプは、例えば、受信機8000におけるディスプレイの右側の外から中に指を動かす操作であってもよい。なお、スワイプは、ディスプレイの上側から、下側から、または左側から中に指を動かす操作であってもよい。
また、その一覧に含まれる情報がユーザによってタップされると、受信機8000は、その情報をより詳細に示す情報通知画像(例えばクーポンを示す画像)を表示してもよい。
図16は、本実施の形態における受信機の動作の他の例を示す図である。
例えば、合成画像が表示されている受信機8000に対してユーザがスワイプを行うと、受信機8000は、スワイプの操作に追随するように情報通知画像を合成画像に重畳して表示する。この情報通知画像は、被写体距離を矢印とともにユーザに分かり易く示すものである。また、スワイプは、例えば、受信機8000におけるディスプレイの下側の外から中に指を動かす操作であってもよい。なお、スワイプは、ディスプレイの左側から、上側から、または右側から中に指を動かす操作であってもよい。
図17は、本実施の形態における受信機の動作の他の例を示す図である。
例えば、受信機8000は、複数の店舗を示すサイネージである送信機を被写体として撮影し、その撮影によって取得された通常撮影画像を表示する。ここで、通常撮影画像に映し出された被写体に含まれる、1つの店舗のサイネージの画像をユーザがタップすると、受信機8000は、その店舗のサイネージから送信される信号に基づいて情報通知画像を生成し、その情報通知画像8001を表示する。この情報通知画像8001は、例えば店舗の空席状況などを示す画像である。
本実施の形態における情報通信方法は、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる露光ラインに対応する輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する第1の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記輝線を含む画像である輝線画像を取得する輝線画像取得ステップと、前記輝線画像に基づいて、前記輝線が現われた部位の空間的な位置が識別し得る態様で、前記被写体と当該被写体の周囲とが映し出された表示用画像を表示する画像表示ステップと、取得された前記輝線画像に含まれる前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより送信情報を取得する情報取得ステップとを含む。
例えば、図7、図8および図11に示すような合成画像または中間画像が表示用画像として表示される。また、被写体と当該被写体の周囲とが映し出された表示用画像において、輝線が現われた部位の空間的な位置は、輝線模様、信号明示オブジェクト、信号識別オブジェクト、または点線枠などによって識別される。したがって、ユーザは、このような表示画像を見ることによって、輝度変化によって信号を送信している被写体を容易に見つけることができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記露光時間よりも長い露光時間を設定する第2の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、前記被写体と当該被写体の周囲とを前記長い露光時間で撮影することによって、通常撮影画像を取得する通常画像取得ステップと、前記通常撮影画像において前記輝線が現われた部位を、前記輝線画像に基づいて特定し、前記部位を指し示す画像である信号オブジェクトを前記通常撮影画像に重畳することによって、合成画像を生成する合成ステップとを含み、前記画像表示ステップでは、前記合成画像を前記表示用画像として表示してもよい。
例えば、信号オブジェクトは、輝線模様、信号明示オブジェクト、信号識別オブジェクト、または点線枠などであって、図7、図8および図11に示すように、合成画像が表示用画像として表示される。これにより、ユーザは、輝度変化によって信号を送信している被写体をさらに容易に見つけることができる。
また、前記第1の露光時間設定ステップでは、露光時間を1/3000秒に設定し、前記輝線画像取得ステップでは、前記被写体の周囲が映し出された前記輝線画像を取得し、前記画像表示ステップでは、前記輝線画像を前記表示用画像として表示してもよい。
例えば、輝線画像は中間画像として取得されて表示される。したがって、通常撮影画像と可視光通信画像とを取得して合成するなどの処理を行う必要がなく、処理の簡略化を図ることができる。
また、前記イメージセンサは、第1のイメージセンサと第2のイメージセンサを含み、前記通常画像取得ステップでは、前記第1のイメージセンサが撮影することによって、前記通常撮影画像を取得し、前記輝線画像取得ステップでは、前記第2のイメージセンサが前記第1のイメージセンサの撮影と同時に撮影することによって、前記輝線画像を取得してもよい。
例えば、図8に示すように、通常撮影画像と輝線画像である可視光通信画像とがそれぞれのカメラで取得される。したがって、1つのカメラで通常撮影画像と可視光通信画像とを取得する場合と比べて、それらの画像を早く取得することができ、処理を高速化することができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記表示用画像における前記輝線が現われた部位がユーザによる操作によって指定された場合には、指定された部位の前記輝線のパターンから取得された前記送信情報に基づく提示情報を提示する情報提示ステップを含んでもよい。例えば、前記ユーザによる操作は、タップ、スワイプ、前記部位に指先を所定の時間以上継続して当てる操作、前記部位に視線を向けた状態を所定の時間以上継続する操作、前記部位に関連付けて示される矢印に前記ユーザの身体の一部を動かす操作、輝度変化するペン先を前記部位に当てる操作、または、タッチセンサに触れることによって、前記表示用画像に表示されているポインタを前記部位に当てる操作である。
例えば、図13〜図17に示すように、提示情報が情報通知画像として表示される。これにより、ユーザに所望の情報を提示することができる。
また、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる露光ラインに対応する輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する第1の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記輝線を含む画像である輝線画像を取得する輝線画像取得ステップと、取得された前記輝線画像に含まれる前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得ステップとを含み、前記輝線画像取得ステップでは、前記イメージセンサが移動されている期間に、複数の前記被写体を撮影することによって、前記輝線が現われた部位を複数含む前記輝線画像を取得し、前記情報取得ステップでは、前記部位ごとに、当該部位の前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することによって、複数の前記被写体のそれぞれの位置を取得し、前記情報通信方法は、さらに、取得された複数の前記被写体のそれぞれの位置、および前記イメージセンサの移動状態に基づいて、前記イメージセンサの位置を推定する位置推定ステップを含んでもよい。
これにより、複数の照明などの被写体による輝度変化によって、イメージセンサを含む受信機の位置を正確に推定することができる。
また、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる露光ラインに対応する輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する第1の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記輝線を含む画像である輝線画像を取得する輝線画像取得ステップと、取得された前記輝線画像に含まれる前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得ステップと、取得された前記情報を提示する情報提示ステップとを含み、前記情報提示ステップでは、前記イメージセンサのユーザに対して、予め定められたジェスチャを促す画像を前記情報として提示してもよい。
これにより、ユーザが、促されたとおりのジェスチャを行うか否かによって、そのユーザに対する認証などを行うことができ、利便性を高めることができる。
また、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる露光ラインに対応する輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記輝線を含む輝線画像を取得する画像取得ステップと、取得された前記輝線画像に含まれる前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得ステップとを含み、前記画像取得ステップでは、反射面に映る複数の前記被写体を撮影することによって前記輝線画像を取得し、前記情報取得ステップでは、前記輝線画像に含まれる輝線の強度に応じて、前記輝線を、複数の前記被写体のそれぞれに対応する輝線に分離し、前記被写体ごとに、当該被写体に対応する輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得してもよい。
これにより、複数の照明などの被写体がそれぞれ輝度変化する場合でも、被写体のそれぞれから適切な情報を取得することができる。
また、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる露光ラインに対応する輝線が前記被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの露光時間を設定する露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記被写体を、設定された前記露光時間で撮影することによって、前記輝線を含む輝線画像を取得する画像取得ステップと、取得された前記輝線画像に含まれる前記輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより情報を取得する情報取得ステップとを含み、前記画像取得ステップでは、反射面に映る前記被写体を撮影することによって前記輝線画像を取得し、前記情報通信方法は、さらに、前記輝線画像内における輝度分布に基づいて、前記被写体の位置を推定する位置推定ステップを含んでもよい。
これにより、輝度分布に基づいて適切な被写体の位置を推定することができる。
また、前記送信ステップでは、輝度変化を、前記第1のパターンにしたがった輝度変化と、前記第2のパターンにしたがった輝度変化とで切り替えるときには、緩衝時間を空けて切り替えてもよい。
これにより、第1の信号と第2の信号との混信を抑えることができる。
また、輝度変化によって信号を送信する情報通信方法であって、送信対象の信号を変調することによって、輝度変化のパターンを決定する決定ステップと、発光体が、決定された前記パターンにしたがって輝度変化することによって前記送信対象の信号を送信する送信ステップとを含み、前記信号は、複数の大ブロックからなり、前記複数の大ブロックのそれぞれは、第1のデータと、前記第1のデータに対するプリアンブルと、前記第1のデータに対するチェック信号とを含み、前記第1のデータは、複数の小ブロックからなり、前記小ブロックは、第2のデータと、前記第2のデータに対するプリアンブルと、前記第2のデータに対するチェック信号とを含んでもよい。
これにより、ブランキング期間を要する受信機でも、ブランキング期間を必要としない受信機でも、適切にデータを取得することができる。
また、輝度変化によって信号を送信する情報通信方法であって、複数の送信機がそれぞれ、送信対象の信号を変調することによって、輝度変化のパターンを決定する決定ステップと、送信機ごとに、当該送信機に備えられた発光体が、決定された前記パターンにしたがって輝度変化することによって前記送信対象の信号を送信する送信ステップとを含み、前記送信ステップでは、互いに周波数またはプロトコルが異なる信号を送信してもよい。
これにより、複数の送信機からの信号の混信を抑えることができる。
また、輝度変化によって信号を送信する情報通信方法であって、複数の送信機がそれぞれ、送信対象の信号を変調することによって、輝度変化のパターンを決定する決定ステップと、送信機ごとに、当該送信機に備えられた発光体が、決定された前記パターンにしたがって輝度変化することによって前記送信対象の信号を送信する送信ステップとを含み、前記送信ステップでは、前記複数の送信機のうちの1つの送信機は、他方の送信機から送信される信号を受信し、受信された信号と混信しない態様で、他の信号を送信してもよい。
これにより、複数の送信機からの信号の混信を抑えることができる。
(駅での案内)
図18Aは、電車のホームにおける本発明の利用形態の一例を示したものである。ユーザが、携帯端末を電子掲示板や照明にかざし、可視光通信により、電子掲示板に表示されている情報、または、電子掲示板の設置されている駅の電車情報・駅の構内情報などを取得する。ここでは、電子掲示板に表示されている情報自体が、可視光通信により、携帯端末に送信されてもよいし、電子掲示板に対応するID情報が携帯端末に送信され、携帯端末が取得したID情報をサーバに問い合わせることにより、電子掲示板に表示されている情報を取得してもよい。サーバは、携帯端末からID情報が送信されてきた場合に、ID情報に基づき、電子掲示板に表示されている内容を携帯端末に送信する。携帯端末のメモリに保存されている電車のチケット情報と、電子掲示板に表示されている情報とを対比し、ユーザのチケットに対応するチケット情報が電子掲示板に表示されている場合に、携帯端末のディスプレイに、ユーザの乗車予定の電車が到着するホームへの行き先を示す矢印を表示する。降車時に出口や乗り換え経路に近い車両までの経路を表示するとしてもよい。
座席指定がされている場合は、その座席までの経路を表示するとしてもよい。矢印を表示する際には、地図や、電車案内情報における電車の路線の色と同じ色を用いて矢印を表示することにより、より分かりやすく表示することができる。また、矢印の表示とともに、ユーザの予約情報(ホーム番号、車両番号、発車時刻、座席番号)を表示することもできる。ユーザの予約情報を併せて表示することにより、誤認識を防ぐことが可能となる。チケット情報がサーバに保存されている場合には、携帯端末からサーバに問い合わせてチケット情報を取得し対比するか、または、サーバ側でチケット情報と電子掲示板に表示されている情報とを対比することにより、チケット情報に関連する情報を取得することができる。ユーザが乗換検索を行った履歴から目的の路線を推定し、経路を表示してもよい。また、電子掲示板に表示されている内容だけでなく、電子掲示板が設置されている駅の電車情報・構内情報を取得し、対比を行ってもよい。ディスプレイ上の電子掲示板の表示に対してユーザに関連する情報を強調表示してもよいし、書き換えて表示してもよい。ユーザの乗車予定が不明である場合には、各路線の乗り場への案内の矢印を表示してもよい。駅の構内情報を取得した場合には、売店・お手洗いへなどの案内する矢印をディスプレイに表示してもよい。ユーザの行動特性を予めサーバで管理しておき、ユーザが駅構内で売店・お手洗いに立ち寄ることが多い場合に、売店・お手洗いなどへ案内する矢印をディスプレイに表示する構成にしてもよい。売店・お手洗いに立ち寄る行動特性を有するユーザに対してのみ、売店・お手洗いなどへ案内する矢印を表示し、その他のユーザに対しては表示を行わないため処理量を減らすことが可能となる。売店・お手洗いなどへ案内する矢印の色を、ホームへの行き先を案内する矢印と異なる色としてもよい。両方の矢印を同時に表示する際には、異なる色とすることにより、誤認識を防ぐことが可能となる。尚、図18Aでは電車の例を示したが、飛行機やバスなどでも同様の構成で表示を行うことが可能である。
具体的には、スマートフォンなどの携帯端末(すなわち後述の受信機200などの受信機)は、図18Aの(1)に示すように、電子掲示板を撮像することによって、その電子掲示板から可視光信号を光IDまたは光データとして受信する。このとき、携帯端末は、自己位置推定を行う。つまり、携帯端末は、光データによって直接的または間接的に示される電子掲示板の地図上の位置を取得する。そして、携帯端末は、例えば9軸センサによって得られる自らの姿勢と、撮像によって得られた画像に映し出されている電子掲示板の画像内における位置、形状および大きさなどとに基づいて、電子掲示板に対する携帯端末の相対位置を算出する。携帯端末は、電子掲示板の地図上の位置と、その相対位置とに基づいて、携帯端末の地図上の位置である自己位置を推定する。携帯端末は、この自己位置である起点から、例えばチケット情報によって示される目的地までの経路を検索し、その経路に沿って目的地までユーザを案内するナビゲーションを開始する。なお、携帯端末は、その起点および目的地を示す情報をサーバに送信し、サーバによって検索された上述の経路を、そのサーバから取得してもよい。このとき、携帯端末は、サーバからその経路を含む地図をサーバから取得してもよい。
携帯端末は、ナビゲーションでは、図18Aの(2)〜(4)に示すように、カメラによる撮像を繰り返し、その撮像によって得られる通常撮影画像をリアルタイムに順次表示しながら、ユーザの行き先を示す矢印などの方向指示画像をその通常撮影画像に重畳する。ユーザは、携帯端末を携帯しながら、その表示される方向指示画像にしたがって移動する。そして、携帯端末は、上述の各通常撮影画像に映し出されている物体または特徴点の動きに基づいて、携帯端末の自己位置を更新する。例えば、携帯端末は、上述の各通常撮影画像に映し出されている物体または特徴点の動きを検出し、その動きに基づいて、携帯端末の移動方向および移動距離を推定する。そして、携帯端末は、その推定された移動方向および移動距離と、図18Aの(1)において推定された自己位置とに基づいて、現在の自己位置を更新する。この自己位置の更新は、通常撮影画像のフレーム周期ごとに行われてもよく、そのフレーム周期よりも長い周期ごとに行われてもよい。つまり、携帯端末が地下のフロアまたは経路にあるときには、その携帯端末は、GPSデータを取得することができない。したがって、このよう場合には、携帯端末は、GPSデータを用いることなく、上述の各通常撮影画像の特徴点などの動きに基づいて、自己位置の推定または更新を行う。
ここで、携帯端末は、図18Aの(4)に示すように、目的地への経路の途中などで、ユーザにエレベータを案内してもよい。また、携帯端末は、図18Aの(5)および(6)に示すように、光データを送信する送信機、または、その光データの反射光を撮像すると、その光データを受信し、図18Aの(1)に示す例と同様に、自己位置を推定する。例えば、ユーザがエレベータに搭乗した場合でも、携帯端末は、エレベータの籠の内部に照明装置などとして設置されている送信機(すなわち後述の送信機100などの送信機)から送信される光データを受信する。例えば、その光データは、エレベータの籠が現在位置する階を直接的または間接的に示している。したがって、携帯端末は、その光データを受信することによって、携帯端末が現在位置する階を特定することができる。光データによって、籠の現在位置が直接的に示されていない場合には、携帯端末は、その光データによって示される情報をサーバに送信し、サーバにおいてその情報に対応付けられている階数情報を、そのサーバから取得する。これにより、携帯端末は、その階数情報によって示される階を、携帯端末が現在位置する階として特定する。このように特定される階は、自己位置として扱われる。
その結果、端末装置は、図18Aの(7)に示すように、通常撮像画像の特徴点などの動きから導出された自己位置を、その光データを用いて導出された自己位置に置き換えることによって、自己位置の再設定を行う。
そして、携帯端末は、図18Aの(8)に示すように、ユーザがエレベータから降りた後、目的地に辿り着いていなければ、図18Aの(2)〜(4)と同様の処理を行いながらナビゲーションを行う。また、携帯端末は、ナビゲーションを行っているときには、GPSデータを取得することができるか否かを繰り返し確認している。したがって、携帯端末は、地下のフロアまたは経路から地上に上がると、GPSデータを取得することができると判断する。そして、携帯端末は、自己位置の推定方法を、特徴点などの動きに基づく推定方法から、GPSデータに基づく推定方法に切り替える。そして、携帯端末は、図18Aの(9)に示すように、GPSデータに基づいて自己位置を推定しながら、ユーザが目的地に到着するまでナビゲーションを引き続き実行する。なお、携帯端末は、例えばユーザが再び地下に入ると、GPSデータを取得することができなくなるため、自己位置の推定方法を、GPSデータに基づく推定方法から、特徴点などの動きに基づく推定方法に切り替える。
以下、図18Aの例について、詳細に説明する。
図18Aに示す例において、例えばスマートフォンまたはスマートグラスなどのウェアラブル機器として実装される受信機は、図18Aの(1)で、送信機から送信された可視光信号(光データ)を受信する。送信機は、例えば、電飾看板、ポスター、または、像を照らす照明として実装される。受信機は、受信した光データと、受信機にあらかじめ設定されている情報と、ユーザの指示とに従って、目的地までのナビゲーションを開始する。受信機は、光データをサーバへ送信し、このデータに関連付けられたナビ情報を取得する。ナビ情報には、以下の第1の情報から第6の情報が含まれている。第1の情報は、送信機の位置および形状を示す情報である。第2の情報は、目的地までの経路を示す情報である。第3の情報は、目的地までの経路上およびその付近にある別の送信機の情報である。具体的には、別の送信機の情報は、その送信機が送信している光データと、送信機の位置および形状と、反射光の位置および形状とを示す。第4の情報は、経路上およびその付近に関する位置特定情報である。具体的には、位置特定情報は、画像特徴量もしくは位置を特定するための電波情報または音波情報である。第5の情報は、目的地までの距離および到達予想時間を示す情報である。第6の情報は、AR表示を行うためのコンテンツ情報の一部または全部である。ナビ情報は、受信機の中にあらかじめ格納されていてもよい。なお、上述の形状には、大きさが含まれていてもよい。
受信機は、撮像によって得られた画像中の送信機の写り方と加速度センサのセンサ値とから計算された送信機と受信機との相対位置と、送信機の位置情報とから、受信機の自己位置を推定し、その自己位置をナビゲーションの起点とする。受信機は、光データではなく、画像特徴量、バーコードもしくは2次元コード、電波、または音波などによって、受信機の自己位置を推定して、ナビゲーションを開始してもよい。
受信機は、図18Aの(2)のように、目的地までのナビゲーションを表示する。このナビゲーションの表示は、カメラの撮像によって得られる通常撮影画像に他の画像を重畳するAR表示であってもよく、地図の表示であってもよく、音声またはバイブレーションによる指示であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。受信機、光データ、または、サーバ上の設定により、表示方法が選択されてもよい。いずれかの設定が他に優先されてもよい。また、到達地(すなわち目的地)が交通機関の搭乗場所であれば、受信機は、時刻表を取得し、予約済みの時刻、または、到達予想時刻付近の発車時刻もしくは搭乗時刻を表示してもよい。また、到達地が劇場などであれば、受信機は、開演時刻または入場期限を表示してもよい。
受信機は、図18Aの(3)および(4)に示すように、受信機の移動に従ってナビゲーションを進める。絶対的な位置情報が得られない状況では、受信機は、複数枚の画像中の特徴点の画像間での移動距離から、それらの画像の撮像が行われた間における受信機の移動距離と方向を推定してもよい。また、受信機は、加速度センサ、電波、または音波の推移から、受信機の移動距離と方向を推定してもよい。また、受信機は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)またはPTAM(Parallel Tracking and Mapping)により受信機の移動距離と方向を推定してもよい。
図18Aの(5)で、受信機は、図18Aの(1)で受信した光データとは別の光データを、例えばエレベータの外で受信した場合、その光データをサーバへ送り、その光データに関連付けられた送信機の形状および位置を取得してもよい。そして、受信機は、図18Aの(1)と同様の方法で受信機の自己位置を推定してもよい。これにより、受信機は、図18Aの(3)および(4)の過程で生じた受信機の自己位置推定の誤差を解消してナビゲーションの現在位置を補正する。受信機は、可視光信号の一部のみを受信し、完全な光データが得られなかった場合は、ナビ情報から最近傍にある送信機を、その可視光信号を送信している送信機であると推定し、以降、上述と同様に、受信機の自己位置推定を行う。これにより、受信条件が十分でない送信機、例えば、小さい送信機、遠くにある送信機、または、暗い送信機であっても、それらの送信機を、受信機の自己位置推定に利用することができる。
受信機は、図18Aの(6)で、反射光により光データを受信する。受信機は、撮像方向、光の強さ、または、輪郭の明瞭さから、受信された光データの媒体が反射光であると識別する。反射光である場合は、受信機は、ナビ情報から反射光の位置(すなわち地図上の位置)を特定し、撮像されている反射光の領域の中心部を、その反射光の位置と推定する。そして、受信機は、図18Aの(5)と同様に、受信機の自己位置を推定し、ナビゲーションの現在位置の補正を行う。
受信機は、GPS、GLONASS、Galileo、北斗衛星測位システム、IRNSS等の位置を特定するための信号を受信した場合は、その信号により受信機の位置を特定し、ナビゲーションの現在位置(すなわち自己位置)を補正する。受信機は、上記信号の強さが十分であれば、すなわち所定の強度よりも強ければ、その信号のみによって自己位置を推定し、所定の強さ以下であれば、図18Aの(3)および(4)で利用した方法を併用してもよい。
受信機は、可視光信号を受信した場合、[1]その可視光信号と同時に受信している所定のIDを持つ電波信号、[2]最後に受信した所定のIDを持つ電波信号、または、[3]最後に推定した受信機の位置を示す情報を、可視光信号によって示される情報と合わせてサーバに送信する。これにより、その可視光信号を送信する送信機が特定される。または、受信機は、上述の電波信号、もしくは、受信機の位置を示す情報によって特定されるアルゴリズムで可視光信号を受信し、上述と同様に特定されるサーバに、その可視光信号によって示される情報を送信してもよい。
受信機は、自己位置を推定し、その自己位置付近にある商品の情報を表示してもよい。また、受信機は、ユーザの指定する商品の位置までのナビゲーションをしてもよい。また、受信機は、ユーザが指定する複数の商品の所在をすべて周るために最適なルートを提示してもよい。その最適なルートは、最短距離のルート、最短所要時間のルート、または、移動の労力が最も少ないルートである。また、受信機は、ユーザの指定する商品または場所に加えて、所定の場所を通るようにナビゲーションを行ってもよい。これにより、所定の場所の宣伝、または、その場所にある商品または店の宣伝を行うことができる。
図18Bは、本実施の形態におけるエレベータでの受信機200によるナビゲーションを説明するための図である。
例えば、スマートフォンとして構成されている受信機は、ユーザが地下3階(B3)にいるときに、図18Bの(1)に示すように、AR表示を用いたガイド、すなわちARナビゲーションを実行する。ARナビゲーションは、図18Aに示すように、通常撮影画像に矢印などの方向指示画像を重畳することによって、ユーザを目的地まで案内するナビゲーション機能である。なお、以下、ARナビゲーションを、単に、ナビゲーションまたはナビともいう。
そして、ユーザがエレベータに搭乗すると、受信機は、図18Bの(2)に示すように、エレベータの籠に配置されている送信機から光信号(すなわち可視光信号、光データ、または光ID)を受信する。これにより、受信機は、その光信号に基づいて、エレベータIDと階数情報とを取得する。エレベータIDは、その送信機が配置されているエレベータまたはその籠を識別するための識別情報であり、階数情報は、その籠が現在位置する階(または階数)を示す情報である。例えば、受信機は、光信号(またはその光信号によって示される情報)をサーバに送信し、サーバにおいてその光信号に対して関連付けられているエレベータIDと階数情報とを、そのサーバから取得する。送信機は、エレベータの籠がどの階にあっても、常に同じ光信号を送信してもよく、籠が位置する階に応じて異なる光信号を送信してもよい。また、送信機は、例えば照明装置として構成されている。この送信機からの光は、エレベータの籠内部を明るく照らす。したがって、受信機は、このような光に重畳される光信号を送信機から直接受信することもでき、籠の内壁面または床による反射を介して間接的に受信することもできる。
受信機は、その受信機が入っている籠が上昇しているときにも、送信機から送信される光信号に基づいて取得されるエレベータIDおよび階数情報にしたがって、受信機が現在位置している階を逐次特定している。そして、受信機は、図18Bの(3)に示すように、受信機が現在位置している階が目的の階になると、エレベータから降りることを促すメッセージまたは画像を、受信機のディスプレイに表示する。また、受信機は、エレベータから降りることを促す音声を出力してもよい。
そして、目的の階が地下1階のように、GPSデータが届かない場所であれば、受信機は、上述のような通常撮影画像の特徴点の移動を用いた推定方法によって、図18Bの(4)に示すように、自己位置を推定しながら上述のARナビゲーションを再開する。一方、目的の階が地上1階のように、GPSデータが届く場所であれば、受信機は、そのGPSデータを用いた推定方法によって、図18Bの(4)に示すように、自己位置を推定しながら上述のARナビゲーションを再開する。
図18Cは、本実施の形態におけるエレベータに備えられるシステム構成の一例を示す図である。
エレベータの籠420には、上述の送信機である送信機100が設置されている。この送信機100は、エレベータの籠420の照明装置として、その籠420の天井に配置されている。また、送信機100は、内蔵カメラ404とマイク411とを備えている。内蔵カメラ404は、籠420の内部を撮像し、マイク411は、籠420の内部の音を収音する。
また、籠420には、監視カメラシステム401と、階数表示部414と、センサ403とが設置されている。監視カメラシステム401は、籠420の内部を撮像する少なくとも1つのカメラを有するシステムである。階数表示部414は、籠420が現在位置する階を表示する。センサ403は、例えば、気圧センサおよび加速度センサのうちの少なくとも1つを備える。
また、エレベータは、画像認識部402、現在階検出部405、光変調部406、発光回路407、無線部409、および音声認識部410を備える。
画像認識部402は、監視カメラシステム401または内蔵カメラ404による撮像によって得られた画像から、階数表示部414に表示されている文字(つまり階数)を認識し、その認識によって得られる現在階データを出力する。現在階データは、階数表示部414に表示されている階数を示す。
音声認識部410は、マイク411から出力される音声データに基づいて、籠420が現在位置する階を認識し、その階を示す階データを出力する。
現在階検出部405は、センサ403、画像認識部402、および音声認識部410のうちの少なくとも1つから出力されるデータに基づいて、籠420が現在位置する階を検出する。そして、現在階検出部405は、その検出された階を示す情報を光変調部406に出力する。
光変調部406は、現在階検出部405から出力される階を示す情報と、エレベータIDとを示す信号を変調し、その変調された信号を発光回路407に出力する。発光回路407は、その変調された信号にしたがって送信機100の輝度を変化させる。これにより、籠420が現在位置する階と、エレベータIDとを示す上述の可視光信号、光信号、光データ、または光IDが送信機100から送信される。
また、無線部409は、光変調部406と同様、現在階検出部405から出力される階を示す情報と、エレベータIDとを示す信号を変調し、その変調された信号を無線によって送信する。例えば、無線部409は、Wi−FiまたはBluetooth(登録商標)によって信号を送信する。
これにより、受信機200は、無線信号および光信号のうちの少なくとも一方を受信することによって、受信機200が現在位置する階とエレベータIDとを特定することができる。
また、エレベータは、上述の階数表示部414を有する現在階検出部412を備えていてもよい。この現在階検出部412は、エレベータ制御部413と階数表示部414とから構成されている。エレベータ制御部413は、籠420の昇降および停止を制御する。このようなエレベータ制御部413は、籠420が現在位置する階を把握している。そして、このエレベータ制御部413は、その把握されている階を示すデータを現在階データとして光変調部406および無線部409に出力してもよい。
このような構成によって、受信機200は、図18Aおよび図18Bに示すARナビゲーションを実現することができる。
(道案内への応用例)
図19は、実施の形態2における送受信システムの応用例の一例を示す図である。
受信機8955aは、例えば案内板として構成される送信機8955bの送信IDを受信し、案内板に表示された地図のデータをサーバから取得して表示する。このとき、サーバは受信機8955aのユーザに適した広告を送信し、受信機8955aはこの広告情報も表示するとしてもよい。受信機8955aは、現在地から、ユーザが指定した場所までの経路を表示する。
(利用ログ蓄積と解析への応用例)
図20は、実施の形態2における送受信システムの応用例の一例を示す図である。
受信機8957aは、例えば看板として構成される送信機8957bの送信するIDを受信し、サーバからクーポン情報を取得して表示する。受信機8957aは、その後のユーザの行動、例えば、クーポンを保存したり、クーポンに表示された店舗に移動したり、その店舗で買い物を行ったり、クーポンを保存せずに立ち去ったりといった行動をサーバ8957cに保存する。これにより、看板8957bから情報を取得したユーザのその後の行動を解析することができ、看板8957bの広告価値を見積もることができる。
本実施の形態における情報通信方法は、被写体から情報を取得する情報通信方法であって、イメージセンサによる前記被写体である第1の被写体の撮影によって得られる画像に、前記イメージセンサに含まれる各露光ラインに対応する複数の輝線が前記第1の被写体の輝度変化に応じて生じるように、前記イメージセンサの第1の露光時間を設定する第1の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記第1の被写体を、設定された前記第1の露光時間で撮影することによって、前記複数の輝線を含む画像である第1の輝線画像を取得する第1の輝線画像取得ステップと、取得された前記第1の輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより第1の送信情報を取得する第1の情報取得ステップと、前記第1の送信情報が取得された後に、制御信号を送信することによって、扉の開閉駆動機器に対して前記扉を開かせる扉制御ステップとを含む。
これにより、イメージセンサを備えた受信機を扉の鍵のように用いることができ、特別な電子錠を不要にすることができる。その結果、演算力が少ないような機器を含む多様な機器間で通信を行うことができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記イメージセンサが、輝度変化する第2の被写体を、設定された前記第1の露光時間で撮影することによって、複数の輝線を含む画像である第2の輝線画像を取得する第2の輝線画像取得ステップと、取得された前記第2の輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより第2の送信情報を取得する第2の情報取得ステップと、取得された前記第1および第2の送信情報に基づいて、前記イメージセンサを備えた受信装置が前記扉に近づいているか否かを判定する接近判定ステップとを含み、前記扉制御ステップでは、前記受信装置が前記扉に近づいていると判定されたときに、前記制御信号を送信してもよい。
これにより、受信装置(受信機)が扉に近づいたときにのみ、つまり、適切なタイミングにのみ、その扉を開かせることができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記第1の露光時間よりも長い第2の露光時間を設定する第2の露光時間設定ステップと、前記イメージセンサが、第3の被写体を、設定された前記第2の露光時間で撮影することによって、前記第3の被写体が映し出された通常画像を取得する通常画像取得ステップとを含み、前記通常画像取得ステップでは、前記イメージセンサのオプティカルブラックを含む領域にある複数の露光ラインのそれぞれに対して、当該露光ラインの隣の露光ラインに対する電荷の読み出しが行われた時点から所定の時間経過後に、電荷の読み出しを行い、前記第1の輝線画像取得ステップでは、前記オプティカルブラックを電荷の読み出しに用いることなく、前記イメージセンサにおける前記オプティカルブラック以外の領域にある複数の露光ラインのそれぞれに対して、当該露光ラインの隣の露光ラインに対する電荷の読み出しが行われた時点から、前記所定の時間よりも長い時間経過後に、電荷の読み出しを行ってもよい。
これにより、第1の輝線画像が取得されるときには、オプティカルブラックに対する電荷の読み出し(露光)は行われないため、イメージセンサにおけるオプティカルブラック以外の領域である有効画素領域に対する電荷の読み出し(露光)にかかる時間を長くすることができる。その結果、その有効画素領域において信号を受信する時間を長くすることができ、多くの信号を取得することができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記第1の輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンにおける、当該複数の輝線のそれぞれに垂直な方向の長さが、予め定められた長さ未満であるか否かを判定する長さ判定ステップと、前記パターンの長さが前記予め定められた長さ未満であると判定された場合には、前記イメージセンサのフレームレートを、前記第1の輝線画像を取得したときの第1のフレームレートよりも遅い第2のフレームレートに変更するフレームレート変更ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記第1の被写体を、前記第2のフレームレートで、且つ、設定された前記第1の露光時間で撮影することによって、複数の輝線を含む画像である第3の輝線画像を取得する第3の輝線画像取得ステップと、取得された前記第3の輝線画像に含まれる前記複数の輝線のパターンによって特定されるデータを復調することにより前記第1の送信情報を取得する第3の情報取得ステップとを含んでもよい。
これにより、第1の輝線画像に含まれる輝線のパターン(輝線領域)によって示される信号長が、送信された信号の例えば1ブロック分に満たない場合には、フレームレートが落とされて、改めて輝線画像が第3の輝線画像として取得される。その結果、第3の輝線画像に含まれる輝線のパターンの長さを長くすることができ、送信された信号を1ブロック分取得することができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記イメージセンサによって得られる画像の縦幅と横幅の比率を設定する比率設定ステップを含み、前記第1の輝線画像取得ステップは、設定された前記比率によって、前記画像における前記各露光ラインと垂直な方向の端がクリッピングされるか否かを判定するクリッピング判定ステップと、前記端がクリッピングされると判定されたときには、前記比率設定ステップで設定された前記比率を、前記端がクリッピングされない比率である非クリッピング比率に変更する比率変更ステップと、前記イメージセンサが、輝度変化する前記第1の被写体を撮影することによって、前記非クリッピング比率の前記第1の輝線画像を取得する取得ステップとを含んでもよい。
これにより、例えばイメージセンサの有効画素領域の横幅と縦幅の比率が4:3であって、画像の横幅と縦幅の比率が16:9に設定され、水平方向に沿う輝線が表れる場合、つまり、露光ラインが水平方向に沿っている場合には、上述の画像の上端および下端がクリッピングされると判定される。つまり、第1の輝線画像の端が欠落してしまうと判定される。この場合には、その画像の比率が、クリッピングされない比率である例えば4:3に変更される。その結果、第1の輝線画像の端の欠落を防ぐことができ、第1の輝線画像から多くの情報を取得することができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記第1の輝線画像に含まれる前記複数の輝線のそれぞれに平行な方向に、前記第1の輝線画像を圧縮することによって、圧縮画像を生成する圧縮ステップと、前記圧縮画像を送信する圧縮画像送信ステップとを含んでもよい。
これにより、複数の輝線によって示される情報を欠落させることなく適切に第1の輝線画像を圧縮することができる。
また、前記情報通信方法は、さらに、前記イメージセンサを備える受信装置が、予め定められた態様で動かされたか否かを判定するジェスチャ判定ステップと、前記予め定められた態様で動かされたと判定したときには、前記イメージセンサを起動する起動ステップとを含んでもよい。
これにより、必要なときにのみイメージセンサを簡単に起動させることができ、消費電力効率の向上を図ることができる。
本実施の形態では、上述のスマートフォンなどの受信機と、LEDや有機ELの点滅パターンとして情報を送信する送信機とを用いた各適用例について説明する。
図21は、実施の形態2における送信機と受信機の適用例を示す図である。
ロボット8970は、例えば自走式の掃除機としての機能と、上記各実施の形態における受信機としての機能とを有する。照明機器8971a,8971bは、それぞれ上記各実施の形態における送信機としての機能を有する。
例えば、ロボット8970は、室内を移動しながら、掃除を行うとともに、その室内を照らす照明機器8971aを撮影する。この照明機器8971aは、輝度変化することによって照明機器8971aのIDを送信している。その結果、ロボット8970は、上記各実施の形態と同様に、照明機器8971aからそのIDを受信し、そのIDに基づいて自らの位置(自己位置)を推定する。つまり、ロボット8970は、9軸センサによる検出結果と、撮影によって得られる画像に映る照明機器8971aの相対位置と、IDによって特定される照明機器8971aの絶対位置とに基づいて、移動しながら自己位置を推定している。
さらに、ロボット8970は、移動することによって照明機器8971aから離れると、照明機器8971aに対して消灯を命令する信号(消灯命令)を送信する。例えば、ロボット8970は、予め定められた距離だけ照明機器8971aから離れると、消灯命令を送信する。または、ロボット8970は、撮影によって得られる画像にその照明機器8971aが映らなくなったときに、あるいは、その画像に他の照明機器が映ると、消灯命令を照明機器8971aに送信する。照明機器8971aは、消灯命令をロボット8970から受信すると、その消灯命令に応じて消灯する。
次に、ロボット8970は、移動して掃除を行っている途中で、推定された自己位置に基づいて、照明機器8971bに近づいたことを検知する。つまり、ロボット8970は、照明機器8971bの位置を示す情報を保持しており、自己位置とその照明機器8971bの位置との間の距離が予め定められた距離以下になったときに、照明機器8971bに近づいたことを検知する。そして、ロボット8970は、その照明機器8971bに対して点灯を命令する信号(点灯命令)を送信する。照明機器8971bは、点灯命令を受けると、その点灯命令に応じて点灯する。
これにより、ロボット8970は、移動しながら自らの周りだけを明るくして、掃除を容易に行うことができる。
図22は、実施の形態2における送信機および受信機の適用例を示す図である。
照明機器8974は、上記各実施の形態における送信機としての機能を有する。この照明機器8974は、輝度変化しながら例えば鉄道の駅にある路線掲示板8975を照らす。ユーザによってその路線掲示板8975に向けられた受信機8973は、その路線掲示板8975を撮影する。これにより、受信機8973は、その路線掲示板8975のIDを取得し、そのIDに関連付けられている情報であって、その路線掲示板8975に記載されている各路線についての詳細な情報を取得する。そして、受信機8973は、その詳細な情報を示す案内画像8973aを表示する。例えば、案内画像8973aは、路線掲示板8975に記載されている路線までの距離と、その路線に向かう方向と、その路線において次に電車が到着する時刻とを示す。
ここで、受信機8973は、その案内画像8973aがユーザによってタッチされると、補足案内画像8973bを表示する。この補足案内画像8973bは、例えば、鉄道の時刻表、案内画像8973aによって示される路線とは異なる別の路線に関する情報、および、その駅に関する詳細な情報、のうちの何れかをユーザによる選択操作に応じて表示するための画像である。
(実施の形態3)
ここで、音声同期再生の応用例について以下に説明する。
図23は、実施の形態3におけるアプリケーションの一例を示す図である。
例えばスマートフォンとして構成される受信機1800aは、例えば街頭デジタルサイネージとして構成される送信機1800bから送信された信号(可視光信号)を受信する。つまり、受信機1800aは、送信機1800bによる画像再生のタイミングを受信する。受信機1800aは、その画像再生と同じタイミングで、音声を再生する。言い換えれば、受信機1800aは、送信機1800bによって再生される画像と音声とが同期するように、その音声の同期再生を行う。なお、受信機1800aは、送信機1800bによって再生される画像(再生画像)と同一の画像、または、その再生画像に関連する関連画像を、音声とともに再生してもよい。また、受信機1800aは、受信機1800aに接続された機器に、音声などの再生をさせてもよい。また、受信機1800aは、可視光信号を受信した後には、その可視光信号に対応付けられている音声または関連画像などのコンテンツをサーバからダウンロードしてもよい。受信機1800aは、そのダウンロード後に同期再生を行う。
これにより、送信機1800bからの音声が聞こえない場合や、街頭音声再生が禁止されているため送信機1800bからの音声が再生されていない場合でも、ユーザは、送信機1800bの表示に合わせた音声を聞くことができる。また、音声到達までに時間がかかるような距離がある場合でも、表示に合わせた音声を聞くことが出来る。
ここで、音声同期再生による多言語対応について以下に説明する。
図24は、実施の形態3におけるアプリケーションの一例を示す図である。
受信機1800aおよび受信機1800cのそれぞれは、その受信機に設定された言語の音声であって、送信機1800dに表示されている例えば映画などの映像に対応する音声を、サーバから取得して再生する。具体的には、送信機1800dは、表示されている映像を識別するためのIDを示す可視光信号を受信機に送信する。受信機は、その可視光信号を受信すると、その可視光信号に示されるIDと、自らに設定されている言語とを含む要求信号をサーバに送信する。受信機は、その要求信号に対応する音声をサーバから取得して再生する。これにより、ユーザは、自分の設定した言語で送信機1800dに表示された作品を楽しむことが出来る。
ここで、音声同期方法について以下に説明する。
図25および図26は、実施の形態3における送信信号の例と音声同期方法の例とを示す図である。
それぞれ異なるデータ(例えば図25に示すデータ:1〜6など)は、一定時間(N秒)ごとの時刻に関連付けられている。これらのデータは、例えば、時間を識別するためのIDであってもよく、時間であってもよく、音声データ(例えば64Kbpsのデータ)であってもよい。以下、データがIDであることを前提に説明する。それぞれ異なるIDは、IDに付随する付加情報部分が異なったものであるとしても良い。
IDを構成するパケットは異なっているほうが望ましい。そのためIDは連続していないほうが望ましい。もしくは、IDをパケット化する際に、非連続な部分を一つのパケットとして構成するパケット化方法が望ましい。誤り訂正信号は、連続したIDであっても異なるパターンとなる傾向が高いため、誤り訂正信号を一つのパケットにまとめるのではなく、複数のパケットに分散させて構成するとしても良い。
送信機1800dは、例えば表示している画像の再生時刻に合わせてIDを送信する。受信機は、IDが変更されたタイミングを検出することで、送信機1800dの画像の再生時刻(同期時刻)を認識することができる。
(a)の場合は、ID:1とID:2の変化時点を受信しているため、正確に同期時刻を認識することができる。
IDが送信されている時間Nが長い場合は、このような機会が少なく、(b)のようにIDが受信されることがある。この場合でも、以下の方法で同期時刻を認識することができる。
(b1)IDが変化した受信区間の中点をID変化点と想定する。また、過去に推定したID変化点から時間Nの整数倍後の時刻もID変化点と推定し、複数のID変化点の中点をより正確なID変化点と推定する。このような推定のアルゴリズムにより、徐々に正確なID変化点を推定することができる。
(b2)上記に加え、IDが変化しなかった受信区間、及び、その時間Nの整数倍後の時刻はID変化点が含まれないと推定することで、徐々にID変化点である可能性のある区間が減り、正確なID変化点を推定することができる。
Nを0.5秒以下に設定することで、正確に同期させることができる。
Nを2秒以下に設定することで、ユーザに遅延を感じさせずに同期させることができる。
Nを10秒以下に設定することで、IDの浪費を抑えて同期させることができる。
図26は、実施の形態3における送信信号の例を示す図である。
図26では、時間パケットによって同期を行うことで、IDの浪費を避けることができる。時間パケットは、送信された時刻を保持しているパケットである。長い時間を表現する必要がある場合は、細かい時間を表す時間パケット1と粗い時間を表す時間パケット2に分割して時間パケットを構成する。例えば、時間パケット2は、時刻のうちの時および分を示し、時間パケット1は、時刻のうちの秒のみを示す。時刻を示すパケットを3以上の時間パケットに分割するとしても良い。粗い時間は必要性が薄いため、細かい時間パケットを荒い時間パケットより多く送信することで、受信機は、素早く正確に同期時刻を認識することができる。
つまり、本実施の形態では、可視光信号は、時刻のうちの時および分を示す第2の情報(時間パケット2)と、時刻のうちの秒を示す第1の情報(時間パケット1)とを含むことによって、可視光信号が送信機1800dから送信される時刻を示す。そして、受信機1800aは、第2の情報を受信するとともに、その第2の情報を受信する回数よりも多くの回数だけ第1の情報を受信する。
ここで、同期時刻調整について以下に説明する。
図27は、実施の形態3における受信機1800aの処理フローの一例を示す図である。
信号が送信されてから受信機1800aで処理され、音声または動画が再生されるまでにはある程度の時間がかかるため、この処理時間を見越して音声または動画を再生する処理を行うことで、正確に同期再生を行うことができる。
まず、受信機1800aには、処理遅延時間が指定される(ステップS1801)。これは、処理プログラム中に保持されていてもよいし、ユーザが指定してもよい。ユーザが補正を行うことで、受信機個体に合わせたより正確な同期が実現可能となる。この処理遅延時間は、受信機のモデル毎、受信機の温度やCPU使用割合によって変化させることで、より正確に同期を行うことが出来る。
受信機1800aは、時間パケットを受信したか否か、または、音声同期用として関連付けられたIDを受信したか否かを判定する(ステップS1802)。ここで、受信機1800aは、受信したと判定すると(ステップS1802のY)、さらに、処理待ち画像があるか否かを判定する(ステップS1804)。処理待ち画像があると判定すると(ステップS1804のY)、受信機1800aは、その処理待ち画像を廃棄し、または、処理待ち画像の処理を後に回して、取得された最新の画像からの受信処理を行う(ステップS1805)。これにより、処理待ち量による不測の遅延を回避することができる。
受信機1800aは、可視光信号(具体的には輝線)が画像中のどの位置にあるのかを計測する(ステップS1806)。つまり、イメージセンサにおける最初の露光ラインから、露光ラインに垂直な方向のどの位置に信号が現れているかを計測することで、画像取得開始時刻から信号受信時刻までの時間差(画像内遅延時間)を計算することができる。
受信機1800aは、認識した同期時刻に、処理遅延時間と画像内遅延時間を加えた時刻の音声または動画を再生することで、正確に同期再生を行うことができる(ステップS1807)。
一方、ステップS1802において、受信機1800aは、時間パケットまたは音声同期用IDを受信していないと判定すると、撮像によって得られた画像から信号を受信する(ステップS1803)。
図28は、実施の形態3における受信機1800aのユーザインタフェースの一例を示す図である。
ユーザは、図28の(a)に示すように、受信機1800aに表示されたボタンBt1〜Bt4の何れかを押すことで、上述の処理遅延時間を調整することができる。また、図28の(b)のようにスワイプ動作で処理遅延時間を設定できるとしてもよい。これにより、ユーザの感覚に基づいてより正確に同期再生を行うことができる。
ここで、イヤホン限定再生について以下に説明する。
図29は、実施の形態3における受信機1800aの処理フローの一例を示す図である。
この処理フローによって示されるイヤホン限定再生によって、周囲に迷惑をかけずに音声再生を行うことができる。
受信機1800aは、イヤホン限定の設定が行われているかどうかを確認する(ステップS1811)。イヤホン限定の設定が行われている場合には、例えば、受信機1800aにイヤホン限定の設定がなされている。あるいは、受信された信号(可視光信号)中にイヤホン限定である設定がされている。または、イヤホン限定であることが、受信された信号に関連付けられてサーバまたは受信機1800aに記録されている。
受信機1800aは、イヤホン限定されていることを確認すると(ステップS1811のY)、イヤホンが受信機1800aに接続されているか否かを判定する(ステップS1813)。
受信機1800aは、イヤホン限定がされていないことを確認すると(ステップS1811のN)、または、イヤホンが接続されていると判定すると(ステップS1813のY)、音声を再生する(ステップS1812)。音声を再生するときには、受信機1800aは、音量が設定範囲内となるようにその音量を調整する。この設定範囲は、イヤホン限定の設定と同様に設定されている。
受信機1800aは、イヤホンが接続されていないと判定すると(ステップS1813のN)、イヤホンの接続をユーザに促す通知を行う(ステップS1814)。この通知は、例えば、画面表示、音声出力または振動によって行われる。
また、受信機1800aは、強制的に音声再生を行うことを禁じる設定がされていない場合には、強制再生のためのインタフェース用意し、ユーザが強制再生の操作を行ったか否かを判定する(ステップS1815)。ここで、強制再生の操作を行ったと判定すると(ステップS1815のY)、受信機1800aは、イヤホンが接続されていない場合でも音声を再生する(ステップS1812)。
一方、強制再生の操作を行っていないと判定すると(ステップS1815のN)、受信機1800aは、あらかじめ受信した音声データ、および解析した同期時刻を保持しておくことで、イヤホンが接続された際に速やかに音声の同期再生を行う。
図30は、実施の形態3における受信機1800aの処理フローの他の例を示す図である。
受信機1800aは、まず、送信機1800dからIDを受信する(ステップS1821)。つまり、受信機1800aは、送信機1800dのID、または、送信機1800dに表示されているコンテンツのID、を示す可視光信号を受信する。
次に、受信機1800aは、その受信したIDに関連付けられている情報(コンテンツ)を、サーバからダウンロードする(ステップS1822)。または、受信機1800aは、受信機1800aの内部にあるデータ保持部からその情報を読み出す。以下、この情報を関連情報という。
次に、受信機1800aは、その関連情報に含まれている同期再生フラグがONを示しているか否かを判定する(ステップS1823)。ここで、同期再生フラグがONを示していないと判定すると(ステップS1823のN)、受信機1800aは、その関連情報によって示される内容を出力する(ステップS1824)。つまり、その内容が画像である場合には、受信機1800aは画像を表示し、その内容が音声である場合には、受信機1800aは音声を出力する。
一方、受信機1800aは、同期再生フラグがONを示していると判定すると(ステップS1823のY)、さらに、その関連情報に含まれている時刻合わせモードが、送信機基準モードに設定されているか、絶対時刻モードに設定されているかを判定する(ステップS1825)。絶対時刻モードに設定されていると判定すると、受信機1800aは、最後の時刻合わせが現在時刻から一定時間以内に行われたか否かを判定する(ステップS1826)。このときの時刻合わせは、所定の方法によって時刻情報を入手し、その時刻情報を用いて、受信機1800aに備えられている時計の時刻を、基準クロックの絶対時刻に合わせる処理である。所定の方法は、例えばGPS(Global Positioning System)電波またはNTP(Network Time Protocol)電波を用いた方法である。なお、上述の現在時刻は、端末装置である受信機1800aが可視光信号を受信した時刻であってもよい。
受信機1800aは、最後の時刻合わせが一定時間以内に行われたと判定すると(ステップS1826のY)、受信機1800aの時計の時刻に基づいて関連情報を出力することにより、送信機1800dに表示されるコンテンツと関連情報とを同期させる(ステップS1827)。関連情報によって示される内容が例えば動画像である場合には、受信機1800aは、送信機1800dに表示されるコンテンツに同期するように、その動画像を表示する。関連情報によって示される内容が例えば音声である場合には、受信機1800aは、送信機1800dに表示されるコンテンツに同期するように、その音声を出力する。例えば、関連情報が音声を示す場合には、関連情報は、音声を構成する各フレームを含み、それらのフレームにはタイムスタンプが付けられている。受信機1800aは、自らの時計の時刻に該当するタイプスタンプが付けられているフレームを再生することによって、送信機1800dのコンテンツに同期された音声を出力する。
受信機1800aは、最後の時刻合わせが一定時間以内に行われていないと判定すると(ステップS1826のN)、所定の方法で時刻情報の入手を試み、その時刻情報を入手することができたか否かを判定する(ステップS1828)。ここで、時刻情報を入手することができたと判定すると(ステップS1828のY)、受信機1800aは、その時刻情報を用いて、受信機1800aの時計の時刻を更新する(ステップS1829)。そして、受信機1800aは、上述のステップS1827の処理を実行する。
また、ステップS1825において、時刻合わせモードが送信機基準モードであると判定したとき、または、ステップS1828において、時刻情報を入手することができなかったと判定すると(ステップS1828のN)、受信機1800aは、送信機1800dから時刻情報を取得する(ステップS1830)。つまり、受信機1800aは、可視光通信によって同期信号である時刻情報を送信機1800dから取得する。例えば、同期信号は、図26に示す時間パケット1および時間パケット2である。または、受信機1800aは、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fiなどの電波によって時刻情報を送信機1800dから取得する。そして、受信機1800aは、上述のステップS1829およびS1827の処理を実行する。
本実施の形態では、ステップS1829,S1830のように、GPS電波またはNTP電波によって、受信機1800aである端末装置の時計と基準クロックとの間で同期をとるための処理(時刻合わせ)が行われた時刻が、端末装置が可視光信号を受信した時刻から所定の時間より前である場合、送信機1800dから送信された可視光信号が示す時刻により、端末装置の時計と、送信機の時計との間で同期をとる。これにより、端末装置は、送信機1800dで再生される送信機側コンテンツと同期するタイミングに、コンテンツ(動画または音声)を再生することができる。
図31Aは、実施の形態3における同期再生の具体的な方法を説明するための図である。同期再生の方法には、図31Aに示す方法a〜eがある。
(方法a)
方法aでは、送信機1800dは、上記各実施の形態と同様に、ディスプレイを輝度変化させることよって、コンテンツIDおよびコンテンツ再生中時刻を示す可視光信号を出力する。コンテンツ再生中時刻は、コンテンツIDが送信機1800dから送信されたときに送信機1800dによって再生されている、コンテンツの一部であるデータの再生時刻である。データは、コンテンツが動画像であれば、その動画像を構成するピクチャまたはシーケンスなどであり、コンテンツが音声であれば、その音声を構成するフレームなどである。再生時刻は、例えば、コンテンツの先頭からの再生時間を時刻として示す。コンテンツが動画像であれば、再生時刻はPTS(Presentation Time Stamp)としてコンテンツに含まれている。つまり、コンテンツには、そのコンテンツを構成するデータごとに、そのデータの再生時刻(表示時刻)が含まれている。
受信機1800aは、上記各実施の形態と同様に送信機1800dを撮影することによって、その可視光信号を受信する。そして、受信機1800aは、可視光信号によって示されるコンテンツIDを含む要求信号をサーバ1800fに送信する。サーバ1800fは、その要求信号を受信し、要求信号に含まれるコンテンツIDに対応付けられているコンテンツを受信機1800aに送信する。
受信機1800aは、そのコンテンツを受信すると、そのコンテンツを、(コンテンツ再生中時刻+ID受信からの経過時間)の時点から再生する。ID受信からの経過時間は、コンテンツIDが受信機1800aによって受信されたときからの経過時間である。
(方法b)
方法bでは、送信機1800dは、上記各実施の形態と同様に、ディスプレイを輝度変化させることよって、コンテンツIDおよびコンテンツ再生中時刻を示す可視光信号を出力する。受信機1800aは、上記各実施の形態と同様に送信機1800dを撮影することによって、その可視光信号を受信する。そして、受信機1800aは、可視光信号によって示されるコンテンツIDおよびコンテンツ再生中時刻を含む要求信号をサーバ1800fに送信する。サーバ1800fは、その要求信号を受信し、要求信号に含まれるコンテンツIDに対応付けられているコンテンツのうち、コンテンツ再生中時刻以降の一部のコンテンツのみを受信機1800aに送信する。
受信機1800aは、その一部のコンテンツを受信すると、その一部のコンテンツを、(ID受信からの経過時間)の時点から再生する。
(方法c)
方法cでは、送信機1800dは、上記各実施の形態と同様に、ディスプレイを輝度変化させることよって、送信機IDおよびコンテンツ再生中時刻を示す可視光信号を出力する。送信機IDは、送信機を識別するための情報である。
受信機1800aは、上記各実施の形態と同様に送信機1800dを撮影することによって、その可視光信号を受信する。そして、受信機1800aは、可視光信号によって示される送信機IDを含む要求信号をサーバ1800fに送信する。
サーバ1800fは、送信機IDごとに、その送信機IDの送信機によって再生されるコンテンツのタイムテーブルである再生予定表を保持している。さらに、サーバ1800fは時計を備えている。このようなサーバ1800fは、その要求信号を受信すると、その要求信号に含まれる送信機IDと、サーバ1800fの時計の時刻(サーバ時刻)とに対応付けられているコンテンツを、再生中のコンテンツとして、再生予定表から特定する。そして、サーバ1800fは、そのコンテンツを受信機1800aに送信する。
受信機1800aは、そのコンテンツを受信すると、そのコンテンツを、(コンテンツ再生中時刻+ID受信からの経過時間)の時点から再生する。
(方法d)
方法dでは、送信機1800dは、上記各実施の形態と同様に、ディスプレイを輝度変化させることよって、送信機IDおよび送信機時刻を示す可視光信号を出力する。送信機時刻は、送信機1800dに備えられている時計によって示される時刻である。
受信機1800aは、上記各実施の形態と同様に送信機1800dを撮影することによって、その可視光信号を受信する。そして、受信機1800aは、可視光信号によって示される送信機IDおよび送信機時刻を含む要求信号をサーバ1800fに送信する。
サーバ1800fは、上述の再生予定表を保持している。このようなサーバ1800fは、その要求信号を受信すると、その要求信号に含まれる送信機IDと送信機時刻とに対応付けられているコンテンツを、再生中のコンテンツとして、再生予定表から特定する。さらに、サーバ1800fは、送信機時刻からコンテンツ再生中時刻を特定する。つまり、サーバ1800fは、特定されたコンテンツの再生開始時刻を再生予定表から見つけ出し、送信機時刻と再生開始時刻との間の時間をコンテンツ再生中時刻として特定する。そして、サーバ1800fは、そのコンテンツおよびコンテンツ再生中時刻を受信機1800aに送信する。
受信機1800aは、そのコンテンツおよびコンテンツ再生中時刻を受信すると、そのコンテンツを、(コンテンツ再生中時刻+ID受信からの経過時間)の時点から再生する。
このように、本実施の形態では、可視光信号は、その可視光信号が送信機1800dから送信される時刻を示す。したがって、端末装置である受信機1800aは、可視光信号が送信機1800dから送信される時刻(送信機時刻)に対応付けられたコンテンツを受信することができる。例えば、送信機時刻が5時43分であれば、5時43分に再生されるコンテンツを受信することができる。
また、本実施の形態では、サーバ1800fは、それぞれ時刻に関連付けられている複数のコンテンツを有している。しかし、可視光信号が示す時刻に関連付けられたコンテンツがサーバ1800fに存在しない場合がある。このような場合には、端末装置である受信機1800aは、その複数のコンテンツのうち、可視光信号が示す時刻に最も近く、かつ、可視光信号が示す時刻の後の時刻に関連付けられているコンテンツを受信してもよい。これにより、可視光信号が示す時刻に関連付けられたコンテンツがサーバ1800fに存在しなくても、そのサーバ1800fにある複数のコンテンツの中から、適切なコンテンツを受信することができる。
また、本実施の形態における再生方法は、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機1800dから、可視光信号を受信機1800a(端末装置)のセンサにより受信する信号受信ステップと、受信機1800aから、可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバ1800fに送信する送信ステップと、受信機1800aが、サーバ1800fからコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、コンテンツを再生する再生ステップとを含む。可視光信号は、送信機IDと送信機時刻とを示す。送信機IDはID情報である。また、送信機時刻は、送信機1800dの時計によって示される時刻であり、その可視光信号が送信機1800dから送信される時刻である。そして、コンテンツ受信ステップでは、受信機1800aは、可視光信号によって示される送信機IDおよび送信機時刻に対応付けられたコンテンツを受信する。これにより、受信機1800aは、送信機IDおよび送信機時刻に対して適切なコンテンツを再生することができる。
(方法e)
方法eでは、送信機1800dは、上記各実施の形態と同様に、ディスプレイを輝度変化させることよって、送信機IDを示す可視光信号を出力する。
受信機1800aは、上記各実施の形態と同様に送信機1800dを撮影することによって、その可視光信号を受信する。そして、受信機1800aは、可視光信号によって示される送信機IDを含む要求信号をサーバ1800fに送信する。
サーバ1800fは、上述の再生予定表を保持し、さらに、時計を備えている。このようなサーバ1800fは、その要求信号を受信すると、その要求信号に含まれる送信機IDとサーバ時刻とに対応付けられているコンテンツを、再生中のコンテンツとして、再生予定表から特定する。なお、サーバ時刻は、サーバ1800fの時計によって示される時刻である。さらに、サーバ1800fは、特定されたコンテンツの再生開始時刻も再生予定表から見つけ出す。そして、サーバ1800fは、そのコンテンツおよびコンテンツ再生開始時刻を受信機1800aに送信する。
受信機1800aは、そのコンテンツおよびコンテンツ再生開始時刻を受信すると、そのコンテンツを、(受信機時刻−コンテンツ再生開始時刻)の時点から再生する。なお、受信機時刻は、受信機1800aに備えられている時計によって示される時刻である。
このように、本実施の形態における再生方法は、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機1800dから、可視光信号を受信機1800a(端末装置)のセンサにより受信する信号受信ステップと、受信機1800aから、可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバ1800fに送信する送信ステップと、受信機1800aが、各時刻と、各時刻に再生されるデータとを含むコンテンツを、サーバ1800fから受信するコンテンツ受信ステップと、そのコンテンツのうち、受信機1800aに備えられている時計の時刻に該当するデータを再生する再生ステップとを含む。したがって、受信機1800aは、そのコンテンツにおけるデータを、間違った時刻に再生してしまうことなく、そのコンテンツに示される正しい時刻に、適切に再生することができる。また、送信機1800dにおいても、そのコンテンツに関連するコンテンツ(送信機側コンテンツ)が再生されていれば、受信機1800aは、コンテンツをその送信機側コンテンツに適切に同期させて再生することができる。
なお、上記方法c〜eであっても、方法bのように、サーバ1800fは、コンテンツのうち、コンテンツ再生中時刻以降の一部のコンテンツのみを受信機1800aに送信してもよい。
また、上記方法a〜eでは、受信機1800aは、サーバ1800fに要求信号を送信して、サーバ1800fから必要なデータを受信するが、このよう送受信をすることなく、サーバ1800fにあるデータを予め保持しておいてもよい。
図31Bは、上述の方法eによって同期再生を行う再生装置の構成を示すブロック図である。
再生装置B10は、上述の方法eによって同期再生を行う受信機1800aまたは端末装置であって、センサB11と、要求信号送信部B12と、コンテンツ受信部B13と、時計B14と、再生部B15とを備えている。
センサB11は、例えばイメージセンサであって、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機1800dから、その可視光信号を受信する。要求信号送信部B12は、可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバ1800fに送信する。コンテンツ受信部B13は、各時刻と、各時刻に再生されるデータとを含むコンテンツを、サーバ1800fから受信する。再生部B15は、そのコンテンツのうち、時計B14の時刻に該当するデータを再生する。
図31Cは、上述の方法eによって同期再生を行う端末装置の処理動作を示すフローチャートである。
再生装置B10は、上述の方法eによって同期再生を行う受信機1800aまたは端末装置であって、ステップSB11〜SB15の各処理を実行する。
ステップSB11では、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機1800dから、その可視光信号を受信する。ステップSB12では、可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバ1800fに送信する。ステップSB13では、各時刻と、各時刻に再生されるデータとを含むコンテンツを、サーバ1800fから受信する。ステップSB15では、そのコンテンツのうち、時計B14の時刻に該当するデータを再生する。
このように、本実施の形態における再生装置B10および再生方法では、コンテンツにおけるデータを、間違った時刻に再生してしまうことなく、そのコンテンツに示される正しい時刻に、適切に再生することができる。
なお、本実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、本実施の形態の再生装置B10などを実現するソフトウェアは、図31Cに示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
図32は、実施の形態3における同期再生の事前準備を説明するための図である。
受信機1800aは、同期再生を行うために、受信機1800aに備えられている時計の時刻を基準クロックの時刻に合わせる時刻合わせを行う。この時刻合わせのために、受信機1800aは、以下の(1)〜(5)の処理を行う。
(1)受信機1800aは、信号を受信する。この信号は、送信機1800dのディスプレイの輝度変化によって送信される可視光信号であっても、無線機器からのWi−FiまたはBluetooth(登録商標)に基づく電波信号であってもよい。または、受信機1800aは、このような信号を受信する代わりに、受信機1800aの位置を示す位置情報を例えばGPSなどによって取得する。そして、受信機1800aは、その位置情報によって、受信機1800aが予め定められた場所または建物に入ったことを認識する。
(2)受信機1800aは、上記信号を受信すると、または、予め定められた場所に入ったことを認識すると、その信号または場所などに関連付けられているデータ(関連情報)を要求する要求信号をサーバ(可視光ID解決サーバ)1800fに送信する。
(3)サーバ1800fは、上述のデータと、受信機1800aに時刻合わせをさせるための時刻合わせ要求とを受信機1800aに送信する。
(4)受信機1800aは、データと時刻合わせ要求とを受信すると、時刻合わせ要求をGPSタイムサーバ、NTPサーバまたは、電気通信事業者(キャリア)の基地局に送信する。
(5)上記サーバまたは基地局は、その時刻合わせ要求を受信すると、現在時刻(基準クロックの時刻または絶対時刻)を示す時刻データ(時刻情報)を受信機1800aに送信する。受信機1800aは、自らに備えられている時計の時刻を、その時刻データに示される現在時刻に合わせることによって、時刻合わせを行う。
このように本実施の形態では、受信機1800a(端末装置)に備えられている時計と、基準クロックとの間では、GPS(Global Positioning System)電波、または、NTP(Network Time Protocol)電波によって、同期がとられている。したがって、受信機1800aは、基準クロックにしたがった適切な時刻に、その時刻に該当するデータを再生することができる。
図33は、実施の形態3における受信機1800aの応用例を示す図である。
受信機1800aは、上述のようにスマートフォンとして構成されて、例えば、透光性を有する樹脂またはガラスなどの部材で構成されたホルダー1810に保持されて利用される。このホルダー1810は、背板部1810aと、背板部1810aに立設された係止部1810bとを有する。受信機1800aは、背板部1810aと係止部1810bとの間に、その背板部1810aに沿わせるように挿入される。
図34Aは、実施の形態3における、ホルダー1810に保持された受信機1800aの正面図である。
受信機1800aは、上述のように挿入された状態でホルダー1810に保持される。このとき、係止部1810bは、受信機1800aの下部と係止し、その下部を背板部1810aと挟持する。また、受信機1800aの背面は、背板部1810aと対向し、受信機1800aのディスプレイ1801は露出した状態となる。
図34Bは、実施の形態3における、ホルダー1810に保持された受信機1800aの背面図である。
また、背板部1810aには、通孔1811が形成され、その通孔1811の近くに可変フィルタ1812が取り付けられている。受信機1800aがホルダー1810に保持されると、受信機1800aのカメラ1802は、背板部1810aから通孔1811を介して露出する。また、受信機1800aのフラッシュライト1803は、可変フィルタ1812に対向する。
可変フィルタ1812は、例えば円盤状に形成され、それぞれ扇状で同じサイズの3つの色フィルタ(赤色フィルタ、黄色フィルタ、および緑色フィルタ)を有する。また、可変フィルタ1812は、可変フィルタ1812の中心を軸にして回転自在に背板部1810aに取り付けられている。また、赤色フィルタは、赤色の透光性を有するフィルタであって、黄色フィルタは、黄色の透光性を有するフィルタであって、緑色フィルタは、緑色の透光性を有するフィルタである。
したがって、可変フィルタ1812が回転されて、例えば、赤色フィルタがフラッシュライト1803aに対向する位置に配置される。この場合、フラッシュライト1803aから放たれる光は、赤色フィルタを透過することによって、赤色の光としてホルダー1810の内部で拡散する。その結果、ホルダー1810の略全体が赤色に発光する。
同様に、可変フィルタ1812が回転されて、例えば、黄色フィルタがフラッシュライト1803aに対向する位置に配置される。この場合、フラッシュライト1803aから放たれる光は、黄色フィルタを透過することによって、黄色の光としてホルダー1810の内部で拡散する。その結果、ホルダー1810の略全体が黄色に発光する。
同様に、可変フィルタ1812が回転されて、例えば、緑色フィルタがフラッシュライト1803aに対向する位置に配置される。この場合、フラッシュライト1803aから放たれる光は、緑色フィルタを透過することによって、緑色の光としてホルダー1810の内部で拡散する。その結果、ホルダー1810の略全体が緑色に発光する。
つまり、ホルダー1810は、ペンライトのように、赤色、黄色または緑色に点灯する。
図35は、実施の形態3における、ホルダー1810に保持された受信機1800aのユースケースを説明するための図である。
例えば、ホルダー1810に保持された受信機1800aであるホルダー付受信機は、遊園地などで利用される。つまり、遊園地において移動するフロートに向けられた複数のホルダー付受信機は、そのフロートから流れる音楽に合わせて、同期しながら点滅する。つまり、フロートは、上記各実施の形態における送信機として構成され、フロートに取り付けられている光源の輝度変化によって可視光信号を送信する。例えば、フロートは、フロートのIDを示す可視光信号を送信する。そして、ホルダー付受信機は、上記各実施の形態と同様に、受信機1800aのカメラ1802の撮影によって、その可視光信号、つまりIDを受信する。IDを受信した受信機1800aは、そのIDに対応付けられたプログラムを例えばサーバから取得する。このプログラムは、所定の各時刻において受信機1800aのフラッシュライト1803を点灯させる命令からなる。この所定の各時刻は、フロートから流れる音楽に合わせて(同期するように)設定されている。そして、受信機1800aは、そのプログラムにしたがって、フラッシュライト1803aを点滅させる。
これにより、そのIDを受信した各受信機1800aのホルダー1810は、そのIDのフロートから流れる音楽に合わせて同じタイミングで点灯することを繰り返す。
ここで、各受信機1800aは、設定されている色フィルタ(以下、設定フィルタという)に応じてフラッシュライト1803の点滅を行う。設定フィルタとは、受信機1800aのフラッシュライト1803に対向している色フィルタである。また、各受信機1800aは、ユーザによる操作に基づいて、現在の設定フィルタを認識している。または、各受信機1800aは、カメラ1802の撮影によって得られる画像の色などに基づいて、現在の設定フィルタを認識している。
つまり、IDを受信した複数の受信機1800aのうち、所定の時刻では、設定フィルタが赤色フィルタであることを認識している複数の受信機1800aのホルダー1810のみが同時に点灯する。次の時刻では、設定フィルタが緑色フィルタであることを認識している複数の受信機1800aのホルダー1810のみが同時に点灯する。さらに次の時刻では、設定フィルタが黄色フィルタであることを認識している複数の受信機1800aのホルダー1810のみが同時に点灯する。
このように、ホルダー1810に保持される受信機1800aは、上述の図23〜図29に示す同期再生と同様に、フロートの音楽と、他のホルダー1810に保持される受信機1800aとに同期して、フラッシュライト1803、すなわちホルダー1810を点滅させる。
図36は、実施の形態3における、ホルダー1810に保持された受信機1800aの処理動作を示すフローチャートである。
受信機1800aは、フロートからの可視光信号によって示されるフロートのIDを受信する(ステップS1831)。次に、受信機1800aは、そのIDに対応付けられているプログラムをサーバから取得する(ステップS1832)。次に、受信機1800aは、そのプログラムを実行することにより、設定フィルタに応じた所定の各時刻にフラッシュライト1803を点灯させる(ステップS1833)。
ここで、受信機1800aは、受信したIDまたは取得したプログラムに応じた画像をディスプレイ1801に表示させてもよい。
図37は、実施の形態3における受信機1800aによって表示される画像の一例を示す図である。
受信機1800aは、例えばサンタクロースのフロートからIDを受信すると、図37の(a)に示すように、サンタクロースの画像を表示させる。さらに、受信機1800aは、図37の(b)に示すように、フラッシュライト1803の点灯と同時に、そのサンタクロースの画像の背景色を、設定フィルタの色に変更してもよい。例えば、設定フィルタの色が赤色の場合には、フラッシュライト1803の点灯によって、ホルダー1810が赤色に点灯すると同時に、赤色の背景色を有するサンタクロースの画像がディスプレイ1801に表示される。つまり、ホルダー1810の点滅と、ディスプレイ1801の表示とが同期する。
図38は、実施の形態3におけるホルダーの他の例を示す図である。
ホルダー1820は、上述のホルダー1810と同様に構成されているが、通孔1811および可変フィルタ1812がない。このようなホルダー1820は、背板部1820aに受信機1800aのディスプレイ1801が向けられた状態で、その受信機1800aを保持する。この場合、受信機1800aは、フラッシュライト1803の代わりに、ディスプレイ1801を発光させる。これにより、ディスプレイ1801からの光がホルダー1820の略全体に拡散する。したがって、受信機1800aが、上述のプログラムに応じて、赤色の光でディスプレイ1801を発光させると、ホルダー1820は赤色に点灯する。同様に、受信機1800aが、上述のプログラムに応じて、黄色の光でディスプレイ1801を発光させると、ホルダー1820は黄色に点灯する。受信機1800aが、上述のプログラムに応じて、緑色の光でディスプレイ1801を発光させると、ホルダー1820は緑色に点灯する。このようなホルダー1820を用いれば、可変フィルタ1812の設定を省くことができる。
(可視光信号)
図39A〜図39Dは、実施の形態3における可視光信号の一例を示す図である。
送信機は、上述と同様、例えば図39Aに示すように、4PPMの可視光信号を生成し、この可視光信号にしたがって輝度変化する。具体的には、送信機は、4スロットを一信号単位に割り当て、複数の信号単位からなる可視光信号を生成する。信号単位は、スロットごとにHigh(H)またはLow(L)を示す。そして、送信機は、Hのスロットにおいて明るく発光し、Lのスロットにおいて暗く発光または消灯する。例えば、1スロットは、1/9600秒の時間に相当する期間である。
また、送信機は、例えば図39Bに示すように、一信号単位に割り当てられるスロット数が可変となる可視光信号を生成してもよい。この場合、信号単位では、1つ以上の連続するスロットにおいてHを示す信号と、そのHの信号に続く1つのスロットにおいてLを示す信号とからなる。Hのスロット数が可変であるため、信号単位の全体のスロット数が可変となる。例えば図39Bに示すように、送信機は、3スロットの信号単位、4スロットの信号単位、6スロットの信号単位の順に、それらの信号単位を含む可視光信号を生成する。そして、送信機は、この場合にも、Hのスロットにおいて明るく発光し、Lのスロットにおいて暗く発光または消灯する。
また、送信機は、例えば図39Cに示すように、複数のスロットを一信号単位に割り当てることなく、任意の期間(信号単位期間)を一信号単位に割り当ててもよい。この信号単位期間は、Hの期間と、そのHの期間に続くLの期間とからなる。Hの期間は、変調前の信号に応じて調整される。Lの期間は、固定であって、上記スロットに相当する期間であってもよい。また、Hの期間およびLの期間はそれぞれ例えば100μs以上の期間である。例えば図39Cに示すように、送信機は、信号単位期間が210μsの信号単位、信号単位期間が220μsの信号単位、信号単位期間が230μsの信号単位の順に、それらの信号単位を含む可視光信号を送信する。そして、送信機は、この場合にも、Hの期間において明るく発光し、Lの期間において暗く発光または消灯する。
また、送信機は、例えば図39Dに示すように、LとHとを交互に示す信号を可視光信号として生成してもよい。この場合、可視光信号においてLの期間と、Hの期間とは、それぞれ変調前の信号に応じて調整される。例えば図39Dに示すように、送信機は、100μsの期間においてHを示し、次に、120μsの期間においてLを示し、次に、110μsの期間においてHを示し、さらに、200μsの期間においてLを示す可視光信号を送信する。そして、送信機は、この場合にも、Hの期間において明るく発光し、Lの期間において暗く発光または消灯する。
図40は、実施の形態3における可視光信号の構成を示す図である。
可視光信号は、例えば、信号1と、その信号1に対応する明るさ調整信号と、信号2と、その信号2に対応する明るさ調整信号とを含む。送信機は、変調前の信号を変調することによって信号1および信号2を生成すると、それらの信号に対する明るさ調整信号を生成し、上述の可視光信号を生成する。
信号1に対応する明るさ調整信号は、信号1にしたがった輝度変化による明るさの増減を補う信号である。信号2に対応する明るさ調整信号は、信号2にしたがった輝度変化による明るさの増減を補う信号である。ここで、信号1と、その信号1の明るさ調整信号とにしたがった輝度変化によって、明るさB1が表現され、信号2と、その信号2の明るさ調整信号とにしたがった輝度変化によって、明るさB2が表現される。本実施の形態における送信機は、その明るさB1と明るさB2とが等しくなるように、信号1および信号2のそれぞれの明るさ調整信号を可視光信号の一部として生成する。これにより、明るさが一定に保たれ、ちらつきを抑えることができる。
また、送信機は、上述の信号1を生成するときには、データ1と、そのデータ1に続くプリアンブル(ヘッダ)と、そのプリアンブルに続くデータ1とを含む信号1を生成する。ここで、プリアンブルは、その前後に配置されているデータ1に対応する信号である。例えば、このプリアンブルは、データ1を読み出すための識別子となる信号である。このように、2つのデータ1と、それらの間に配置されるプリアンブルとから信号1が構成されているため、受信機は、前にあるデータ1の途中から可視光信号を読み出しても、そのデータ1(すなわち信号1)を正しく復調することができる。
本発明の一態様に係る再生方法は、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機から、前記可視光信号を端末装置のセンサにより受信する信号受信ステップと、前記端末装置から、前記可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバに送信する送信ステップと、前記端末装置が、各時刻と、前記各時刻に再生されるデータとを含むコンテンツを、前記サーバから受信するコンテンツ受信ステップと、前記コンテンツのうち、前記端末装置に備えられている時計の時刻に該当するデータを再生する再生ステップとを含む。
これにより、図31Cに示すように、各時刻と、その各時刻に再生されるデータとを含むコンテンツが端末装置に受信され、端末装置の時計の時刻に該当するデータが再生される。したがって、端末装置は、そのコンテンツにおけるデータを、間違った時刻に再生してしまうことなく、そのコンテンツに示される正しい時刻に、適切に再生することができる。具体的には、図31Aの方法eのように、端末装置である受信機は、コンテンツを(受信機時刻−コンテンツ再生開始時刻)の時点から再生する。上述の端末装置の時計の時刻に該当するデータは、コンテンツのうちの(受信機時刻−コンテンツ再生開始時刻)の時点にあるデータである。また、送信機においても、そのコンテンツに関連するコンテンツ(送信機側コンテンツ)が再生されていれば、端末装置は、コンテンツをその送信機側コンテンツに適切に同期させて再生することができる。なお、コンテンツは音声または画像である。
また、前記端末装置に備えられている時計と、基準クロックとの間では、GPS(Global Positioning System)電波、または、NTP(Network Time Protocol)電波によって、同期がとられていてもよい。
これにより、図30および図32に示すように、端末装置(受信機)の時計と基準クロックとの間で同期がとられているため、基準クロックにしたがった適切な時刻に、その時刻に該当するデータを再生することができる。
また、前記可視光信号は、前記可視光信号が前記送信機から送信される時刻を示してもよい。
これにより、図31Aの方法dに示すように、端末装置(受信機)は、可視光信号が送信機から送信される時刻(送信機時刻)に対応付けられたコンテンツを受信することができる。例えば、送信機時刻が5時43分であれば、5時43分に再生されるコンテンツを受信することができる。
また、前記再生方法では、さらに、前記GPS電波または前記NTP電波によって、前記端末装置の時計と前記基準クロックとの間で同期をとるための処理が行われた時刻が、前記端末装置が前記可視光信号を受信した時刻から所定の時間より前である場合、前記送信機から送信された前記可視光信号が示す時刻により、前記端末装置の時計と、前記送信機の時計との間で同期をとってもよい。
例えば、端末装置の時計と基準クロックとの間で同期をとるための処理が行われてから所定の時間が経過してしまうと、その同期が適切に保たれていない場合がある。このような場合には、端末装置は、送信機で再生される送信機側コンテンツと同期する時刻に、コンテンツを再生することできない可能性がある。そこで、上記本発明の一態様に係る再生方法では、図30のステップS1829,S1830のように、所定の時間が経過したときには、端末装置(受信機)の時計と送信機の時計との間で同期がとられる。したがって、端末装置は、送信機で再生される送信機側コンテンツと同期する時刻に、コンテンツを再生することができる。
また、前記サーバは、それぞれ時刻に関連付けられている複数のコンテンツを有しており、前記コンテンツ受信ステップでは、前記可視光信号が示す時刻に関連付けられたコンテンツが前記サーバに存在しない場合には、前記複数のコンテンツのうち、前記可視光信号が示す時刻に最も近く、かつ、前記可視光信号が示す時刻の後の時刻に関連付けられているコンテンツを受信してもよい。
これにより、図31Aの方法dに示すように、可視光信号が示す時刻に関連付けられたコンテンツがサーバに存在しなくても、そのサーバにある複数のコンテンツの中から、適切なコンテンツを受信することができる。
また、光源の輝度変化により可視光信号を送信する送信機から、前記可視光信号を端末装置のセンサにより受信する信号受信ステップと、前記端末装置から、前記可視光信号に対応付けられたコンテンツを要求するための要求信号をサーバに送信する送信ステップと、前記端末装置が、前記サーバからコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、前記コンテンツを再生する再生ステップと、を含み、前記可視光信号は、ID情報と、前記可視光信号が前記送信機から送信される時刻とを示し、前記コンテンツ受信ステップでは、前記可視光信号によって示されるID情報および時刻に対応付けられた前記コンテンツを受信してもよい。
これにより、図31Aの方法dのように、ID情報(送信機ID)に関連付けられている複数のコンテンツの中から、可視光信号が送信機から送信される時刻(送信機時刻)に対応付けられたコンテンツが受信されて再生される。したがって、その送信機IDおよび送信機時刻に対して適切なコンテンツを再生することができる。
また、前記可視光信号は、時刻のうちの時および分を示す第2の情報と、時刻のうちの秒を示す第1の情報とを含むことによって、前記可視光信号が前記送信機から送信される時刻を示し、前記信号受信ステップでは、前記第2の情報を受信するとともに、前記第2の情報を受信する回数よりも多くの回数だけ前記第1の情報を受信してもよい。
これにより、例えば、可視光信号に含まれる各パケットが送信される時刻を秒単位で端末装置に通知する場合には、時、分および秒の全てを用いて表現される現時点の時刻を示すパケットを、1秒経過ごとに端末装置に送信する手間を軽減することができる。つまり、図26に示すように、パケットが送信される時刻のうちの時および分が、前に送信されたパケットに示される時および分から更新されていなければ、秒のみを示すパケット(時間パケット1)である第1の情報だけを送信すればよい。したがって、送信機によって送信される、秒を示すパケット(時間パケット1)である第1の情報よりも、時および分を示すパケット(時間パケット2)である第2の情報を少なくすることによって、冗長な内容を含むパケットの送信を抑えることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、光IDを用いたAR(Augmented Reality)を実現する表示方法などについて説明する。
図41は、本実施の形態における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。
本実施の形態における受信機200は、上記実施の形態1〜3のうちの何れかの実施の形態における、イメージセンサおよびディスプレイ201を備えた受信機であって、例えばスマートフォンとして構成されている。このような受信機200は、そのイメージセンサによる被写体の撮像によって、上述の通常撮影画像である撮像表示画像Paと、上述の可視光通信画像または輝線画像である復号用画像とを取得する。
具体的には、受信機200のイメージセンサは、駅名標として構成されている送信機100を撮像する。送信機100は、上記実施の形態1〜3のうちの何れかの実施の形態における送信機であって、1つまたは複数の発光素子(例えばLED)を備える。この送信機100は、その1つまたは複数の発光素子を点滅させることによって輝度変化し、その輝度変化によって光ID(光識別情報)を送信する。この光IDは、上述の可視光信号である。
受信機200は、送信機100を通常露光時間で撮像することによって、その送信機100が映し出された撮像表示画像Paを取得するとともに、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間で送信機100を撮像することによって、復号用画像を取得する。なお、通常露光時間は、上述の通常撮影モードにおける露光時間であり、通信用露光時間は、上述の可視光通信モードにおける露光時間である。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P1と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Paのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100である駅名標が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P1を重畳し、AR画像P1が重畳された撮像表示画像Paをディスプレイ201に表示する。例えば、送信機100である駅名標に、駅名として日本語で「京都駅」が記載されている場合、受信機200は、英語で駅名が記載されたAR画像P1、つまり「Kyoto Station」と記載されているAR画像P1を取得する。この場合、撮像表示画像Paの対象領域にそのAR画像P1が重畳されるため、英語で駅名が記載されている駅名標が現実に存在するように、撮像表示画像Paを表示することができる。その結果、英語を理解できるユーザは、日本語が読めなくても、その撮像表示画像Paを見れば、その送信機100である駅名標に記載されている駅名を容易に理解することができる。
例えば、認識情報は、認識対象の画像(例えば上述の駅名標の画像)であってもよく、その画像の特徴点および特徴量であってもよい。特徴点および特徴量は、例えば、SIFT(Scale−invariant feature transform)、SURF(Speed−Upped Robust Feature)、ORB(Oriented−BRIEF)、AKAZE(Accelerated KAZE)などの画像処理によって得られる。または、認識情報は、認識対象の画像に類似する白い四角形の画像であってもよく、さらに、その四角形の縦横比(アスペクト比)を示してもよい。または、識別情報は、認識対象の画像に現れるランダムドットであってもよい。さらに、認識情報は、上述の白い四角形またはランダムドットなどの、所定の方向を基準とする向きを示してもよい。所定の方向は、例えば重力方向である。
受信機200は、撮像表示画像Paの中から、このような認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。具体的には、認識情報が画像であれば、受信機200は、その認識情報である画像に類似する領域を対象領域として認識する。また、認識情報が、画像処理によって得られた特徴点および特徴量であれば、受信機200は、その画像処理を撮像表示画像Paに対して行うことによって、特徴点検出および特徴量抽出を行う。そして、受信機200は、撮像表示画像Paにおいて、認識情報である特徴点および特徴量に類似する、特徴点および特徴量を有する領域を対象領域として認識する。また、認識情報が、白い四角形とその向きを示してれば、受信機200は、まず、自らに備えられた加速度センサによって重力方向を検出する。そして、受信機200は、重力方向を基準にして配置された撮像表示画像Paから、認識情報により示される向きに向けられた白い四角形に類似する領域を対象領域として認識する。
ここで、認識情報は、撮像表示画像Paのうちの基準領域を特定するための基準情報と、その基準領域に対する対象領域の相対位置を示す対象情報とを含んでいてもよい。基準情報は、上述のような、認識対象の画像、特徴点および特徴量、白い四角形の画像、またはランダムドットなどである。この場合、受信機200は、対象領域を認識するときには、まず、基準情報に基づいて撮像表示画像Paから基準領域を特定する。そして、受信機200は、撮像表示画像Paのうち、基準領域の位置を基準として対象情報により示される相対位置にある領域を、対象領域として認識する。なお、対象情報は、対象領域が基準領域と同じ位置にあることを示していてもよい。このように、認識情報が基準情報と対象情報とを含むことによって、幅広い範囲で対象領域を認識することができる。また、AR画像が重畳される場所をサーバが自由に設定して受信機200に教えることができる。
また、基準情報は、撮像表示画像Paにおける基準領域が、撮像表示画像のうちのディスプレイが映し出されている領域であることを示していてもよい。この場合、送信機100が例えばテレビなどのディスプレイとして構成されていれば、そのディスプレイが映し出されている領域を基準にして対象領域を認識することができる。
言い換えれば、本実施の形態における受信機200は、光IDに基づいて、基準画像と、画像認識方法とを特定する。画像認識方法は、撮像表示画像Paを認識する方法であって、例えば、幾何学的特徴量抽出、スペクトル特徴量抽出、またはテクスチャ特徴量抽出などである。基準画像は、基準となる特徴量を示すデータである。その特徴量は、例えば、画像の白色の外枠の特徴量であって、具体的には、画像の特徴をベクトルで表現したデータであってもよい。受信機200は、撮像表示画像Paから、画像認識方法にしたがって特徴量を抽出し、その特徴量と基準画像の特徴量とを比較することによって、撮像表示画像Paから上述の基準領域または対象領域を見つけ出す。
また、画像認識方法には、例えば、ロケーション利用方法、マーカー利用方法、およびマーカーレス方法があってもよい。ロケーション利用方法は、GPSの位置情報(すなわち受信機200の位置)を活用した方法であって、その位置情報に基づいて撮像表示画像Paから対象領域が認識される。マーカー利用方法は、二次元バーコードのような白および黒の図形で構成されたマーカーをターゲット特定用のマークとして用いる方法である。つまり、このマーカー利用方法では、撮像表示画像Paに映し出されているマーカーに基づいて対象領域が認識される。マーカーレス方法では、撮像表示画像Paに対する画像分析により、その撮像表示画像Paから特徴点または特徴量を抽出し、その抽出された特徴点または特徴量に基づいて、ターゲットの位置および領域を特定する方法である。つまり、画像認識方法がマーカーレス方法である場合、その画像認識方法は、上述の幾何学的特徴量抽出、スペクトル特徴量抽出、またはテクスチャ特徴量抽出などである。
このような受信機200は、送信機100から光IDを受信し、その光ID(以下、受信光IDという)に対応付けられた基準画像および画像認識方法をサーバから取得することによって、その基準画像および画像認識方法を特定してもよい。つまり、サーバには、基準画像および画像認識方法を含むセットが複数保存され、複数のセットのそれぞれは互いに異なる光IDに対応付けられている。これにより、サーバに保存されている複数のセットの中から、受信光IDに対応付けられた1つのセットを特定することができる。したがって、AR画像の重畳のための画像処理の速度を向上させることができる。また、受信機200は、サーバに問い合わせることによって、受信光IDに対応付けられた基準画像などを取得してもよく、自らが予め保持している複数の基準画像の中から、その受信光IDに対応付けられた基準画像を取得してもよい。
また、サーバは、光IDごとに、その光IDに対応付けられた相対位置情報を、基準画像、画像認識方法およびAR画像とともに保持していてもよい。相対位置情報は、例えば、上述の基準領域と対象領域との相対的な位置関係を示す情報である。これにより、受信機200は、受信光IDをサーバに送信して問い合わせたときには、その受信光IDに対応付けられた基準画像、画像認識方法、AR画像および相対位置情報を取得する。この場合、受信機200は、基準画像および画像認識方法に基づいて撮像表示画像Paから上述の基準領域を特定する。そして、受信機200は、その基準領域の位置から、上述の相対位置情報によって示される方向および距離にある領域を、上述の対象領域として認識し、その対象領域にAR画像を重畳する。また、受信機200は、相対位置情報がなければ、上述の基準領域を対象領域として認識し、その基準領域にAR画像を重畳してもよい。つまり、受信機200は、相対位置情報の取得に代えて、基準画像に基づいてAR画像を表示するプログラムを予め保持し、例えば、基準領域である白枠内にAR画像を表示してもよい。この場合には、相対位置情報は不要である。
基準画像、相対位置情報、AR画像、および画像認識方法の保持または取得には、以下の4つのバリエーション(1)〜(4)がある。
(1)サーバは、基準画像、相対位置情報、AR画像、および画像認識方法からなるセットを複数保持している。受信機200は、それらのセットの中から、受信光IDに対応付けられた1つのセットを取得する。
(2)サーバは、基準画像およびAR画像からなるセットを複数保持している。受信機200は、予め定められた相対位置情報および画像認識方法を用い、かつ、それらのセットの中から、受信光IDに対応付けられた1つのセットを取得する。または、受信機200は、相対位置情報および画像認識方法からなる複数のセットを予め保持し、その複数のセットの中から、受信光IDに対応付けられた1つのセットを選択してもよい。この場合、受信機200は、受信光IDをサーバに送信して問い合わせ、その受信光IDに対応する相対位置情報および画像認識方法を特定するための情報をサーバから取得してもよい。そして、受信機200は、予め保持している、それぞれ相対位置情報および画像認識方法からなる複数のセットの中から、そのサーバから取得された情報に基づいて1つのセットを選択する。あるいは、受信機200は、サーバに問い合わせることなく、予め保持している、それぞれ相対位置情報および画像認識方法からなる複数のセットの中から、受信光IDに対応付けられた1つのセットを選択してもよい。
(3)受信機200は、基準画像、相対位置情報、AR画像、および画像認識方法からなるセットを複数保持し、それらのセットの中から1つのセットを選択する。受信機200は、上記(2)と同様に、サーバに問い合わせることによって、1つのセットを選択してもよく、受信機光IDに対応付けられた1つのセットを選択してもよい。
(4)受信機200は、基準画像およびAR画像からなるセットを複数保持し、受信光IDに対応付けられた1つのセットを選択する。受信機200は、予め定められた画像認識方法および相対位置情報を用いる。
図42は、本実施の形態における表示システムの一例を示す図である。
本実施の形態における表示システムは、例えば、上述の駅名標である送信機100と、受信機200と、サーバ300とを備える。
受信機200は、上述のようにAR画像が重畳された撮像表示画像を表示するために、まず、送信機100から光IDを受信する。次に、受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する。
サーバ300は、光IDごとに、その光IDに対応付けられたAR画像および認識情報を保持している。そこで、サーバ300は、受信機200から光IDを受信すると、その受信された光IDに対応付けられたAR画像および認識情報を選択し、その選択されたAR画像および認識情報を受信機200に送信する。これにより、受信機200は、サーバ300から送信されたAR画像および認識情報を受信し、AR画像が重畳された撮像表示画像を表示する。
図43は、本実施の形態における表示システムの他の例を示す図である。
本実施の形態における表示システムは、例えば、上述の駅名標である送信機100と、受信機200と、第1のサーバ301と、第2のサーバ302とを備える。
受信機200は、上述のようにAR画像が重畳された撮像表示画像を表示するために、まず、送信機100から光IDを受信する。次に、受信機200は、その光IDを第1のサーバ301に送信する。
第1のサーバ301は、受信機200から光IDを受信すると、その受信された光IDに対応付けられたURL(Uniform Resource Locator)とKeyを受信機200に通知する。このような通知を受けた受信機200は、そのURL基づいて第2のサーバ302にアクセスし、Keyを第2のサーバ302に受け渡す。
第2のサーバ302は、Keyごとに、そのKeyに対応付けられたAR画像および認識情報を保持している。そこで、第2のサーバ302は、受信機200からKeyを受け取ると、そのKeyに対応付けられたAR画像および認識情報を選択し、その選択されたAR画像および認識情報を受信機200に送信する。これにより、受信機200は、第2のサーバ302から送信されたAR画像および認識情報を受信し、AR画像が重畳された撮像表示画像を表示する。
図44は、本実施の形態における表示システムの他の例を示す図である。
本実施の形態における表示システムは、例えば、上述の駅名標である送信機100と、受信機200と、第1のサーバ301と、第2のサーバ302とを備える。
受信機200は、上述のようにAR画像が重畳された撮像表示画像を表示するために、まず、送信機100から光IDを受信する。次に、受信機200は、その光IDを第1のサーバ301に送信する。
第1のサーバ301は、受信機200から光IDを受信すると、その受信された光IDに対応付けられたKeyを第2のサーバ302に通知する。
第2のサーバ302は、Keyごとに、そのKeyに対応付けられたAR画像および認識情報を保持している。そこで、第2のサーバ302は、第1のサーバ301からKeyを受け取ると、そのKeyに対応付けられたAR画像および認識情報を選択し、その選択されたAR画像および認識情報を、第1のサーバ301に送信する。第1のサーバ301は、第2のサーバ302からAR画像および認識情報を受信すると、そのAR画像および認識情報を受信機200に送信する。これにより、受信機200は、第1のサーバ301から送信されたAR画像および認識情報を受信し、AR画像が重畳された撮像表示画像を表示する。
なお、上述の例では、第2のサーバ302は、AR画像および認識情報を第1のサーバ301に送信したが、第1のサーバ301に送信することなく、受信機200に送信してもよい。
図45は、本実施の形態における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、上述の通常露光時間および通信用露光時間による撮像を開始する(ステップS101)。そして、受信機200は、通信用露光時間での撮像により得られる復号用画像に対する復号によって、光IDを取得する(ステップS102)。次に、受信機200は、その光IDをサーバに送信する(ステップS103)。
受信機200は、送信された光IDに対応するAR画像と認識情報とをサーバから取得する(ステップS104)。次に、受信機200は、通常露光時間の撮像により得られる撮像表示画像のうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する(ステップS105)。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する(ステップS106)。
次に、受信機200は、撮像と撮像表示画像の表示とを終了すべきか否かを判定する(ステップS107)。ここで、受信機200は、終了すべきでないと判定すると(ステップS107のN)、さらに、受信機200の加速度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。この加速度は、受信機200に備えられている加速度センサによって計測される。受信機200は、加速度が閾値未満であると判定すると(ステップS108のN)、ステップS105からの処理を実行する。これにより、受信機200のディスプレイ201に表示されている撮像表示画像がずれる場合であっても、その撮像表示画像の対象領域にAR画像を追従させることができる。また、受信機200は、加速度が閾値以上であると判定すると(ステップS108のY)、ステップS102からの処理を実行する。これにより、撮像表示画像に送信機100が映らなくなった場合に、送信機100と異なる被写体が映し出されている領域を誤って対象領域として認識してしまうことを抑えることができる。
このように本実施の形態では、AR画像が撮像表示画像に重畳されて表示されるため、ユーザに有益な画像を表示することができる。さらに、処理負荷を抑えて適切な対象領域にAR画像を重畳することができる。
つまり、一般的な拡張現実(すなわちAR)では、予め保存されている膨大な数の認識対象画像と、撮像表示画像とを比較することによって、その撮像表示画像に何れかの認識対象画像が含まれているか否かが判定される。そして、認識対象画像が含まれていると判定されれば、その認識対象画像に対応するAR画像が撮像表示画像に重畳される。このとき、認識対象画像を基準にAR画像の位置合わせが行われる。このように、一般的な拡張現実では、膨大な数の認識対象画像と撮像表示画像とを比較するため、さらに、位置合わせにおいても撮像表示画像における認識対象画像の位置検出が必要となるため、計算量が多く、処理負荷が高いという問題がある。
しかし、本実施の形態にける表示方法では、被写体の撮像によって得られる復号用画像を復号することによって光IDが取得される。つまり、被写体である送信機から送信された光IDが受信される。さらに、この光IDに対応するAR画像と認識情報とがサーバから取得される。したがって、サーバでは、膨大な数の認識対象画像と撮像表示画像とを比較する必要がなく、光IDに予め対応付けられているAR画像を選択して表示装置に送信することができる。これにより、計算量を減らして処理負荷を大幅に抑えることができる。さらに、AR画像の表示処理を高速にすることができる。
また、本実施の形態では、この光IDに対応する認識情報がサーバから取得される。認識情報は、撮像表示画像においてAR画像が重畳される領域である対象領域を認識するための情報である。この認識情報は、例えば白い四角形が対象領域であることを示す情報であってもよい。この場合には、対象領域を簡単に認識することができ、処理負荷をさらに抑えることができる。つまり、認識情報の内容に応じて、処理負荷をさらに抑えることができる。また、サーバでは、光IDに応じてその認識情報の内容を任意に設定することができるため、処理負荷と認識精度とのバランスを適切に保つことができる。
なお、本実施の形態では、受信機200が光IDをサーバに送信した後に、受信機200がその光IDに対応するAR画像および認識情報をサーバから取得するが、AR画像および認識情報のうちの少なくとも一方を予め取得しておいてもよい。つまり、受信機200は、受信される可能性のある複数の光IDに対応する複数のAR画像および複数の認識情報をまとめてサーバから取得して保存しておく。その後、受信機200は、光IDを受信すると、自らに保存されている複数のAR画像および複数の認識情報から、その光IDに対応するAR画像および認識情報を選択する。これにより、AR画像の表示処理をさらに高速にすることができる。
図46は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図46に示すように、照明装置として構成され、施設の案内板101を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。案内板101は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。
受信機200は、送信機100によって照らされた案内板101を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pbと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、案内板101から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P2と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pbのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、案内板101における枠102が映し出されている領域を対象領域として認識する。この枠102は、施設の待ち時間を示すための枠である。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P2を重畳し、AR画像P2が重畳された撮像表示画像Pbをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P2は、文字列「30分」を含む画像である。この場合、撮像表示画像Pbの対象領域にそのAR画像P2が重畳されるため、受信機200は、待ち時間「30分」が記載された案内板101が現実に存在するように、撮像表示画像Pbを表示することができる。これにより、案内板101に特別な表示装置を備えることなく、受信機200のユーザに待ち時間を簡単に、かつ、分かりやすく知らせることができる。
図47は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図47に示すように、2つの照明装置からなる。送信機100は、施設の案内板104を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。案内板104は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。また、案内板104は、例えば「ABCランド」および「アドベンチャーランド」などの複数の施設の名称を示す。
受信機200は、送信機100によって照らされた案内板104を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pcと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、案内板104から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P3と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pcのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、案内板104が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P3を重畳し、AR画像P3が重畳された撮像表示画像Pcをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P3は、複数の施設の名称を示す画像である。このAR画像P3では、施設の待ち時間が長いほど、その施設の名称が小さく表示され、逆に、施設の待ち時間が短いほど、その施設の名称が大きく表示されている。この場合、撮像表示画像Pcの対象領域にそのAR画像P3が重畳されるため、受信機200は、待ち時間に応じた大きさの各施設名称が記載された案内板104が現実に存在するように、撮像表示画像Pcを表示することができる。これにより、案内板104に特別な表示装置を備えることなく、受信機200のユーザに各施設の待ち時間を簡単に、かつ、分かりやすく知らせることができる。
図48は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図48に示すように、2つの照明装置からなる。送信機100は、城壁105を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。城壁105は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。また、城壁105には、例えば、キャラクターの顔を模った小さいマークが隠れキャラクター106として刻まれている。
受信機200は、送信機100によって照らされた城壁105を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pdと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、城壁105から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P4と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pdのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、城壁105のうち隠れキャラクター106を含む範囲が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P4を重畳し、AR画像P4が重畳された撮像表示画像Pdをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P4は、キャラクターの顔を模った画像である。このAR画像P4は、撮像表示画像Pdに映し出されている隠れキャラクター106よりも十分に大きい画像である。この場合、撮像表示画像Pdの対象領域にそのAR画像P4が重畳されるため、受信機200は、キャラクターの顔を模った大きなマークが刻まれた城壁105が現実に存在するように、撮像表示画像Pdを表示することができる。これにより、受信機200のユーザに、隠れキャラクター106の位置を分かりやすく知らせることができる。
図49は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図49に示すように、2つの照明装置からなる。送信機100は、施設の案内板107を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。案内板107は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。また、案内板107の隅の複数箇所には、赤外線遮断塗料108が塗布されている。
受信機200は、送信機100によって照らされた案内板107を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Peと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、案内板107から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P5と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Peのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、案内板107が映し出されている領域を対象領域として認識する。
具体的には、認識情報には、複数箇所の赤外線遮断塗料108に外接する矩形が対象領域であることが示されている。また、赤外線遮断塗料108は、送信機100から照射される光に含まれる赤外線を遮断する。したがって、受信機200のイメージセンサには、赤外線遮断塗料108がその周辺よりも暗い像として認識される。受信機200は、それぞれ暗い像として現れる複数箇所の赤外線遮断塗料108に外接する矩形を対象領域として認識する。
そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P5を重畳し、AR画像P5が重畳された撮像表示画像Peをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P5は、案内板107の施設において行われる催しのスケジュールを示す。この場合、撮像表示画像Peの対象領域にそのAR画像P5が重畳されるため、受信機200は、催しのスケジュールが記載された案内板107が現実に存在するように、撮像表示画像Peを表示することができる。これにより、案内板107に特別な表示装置を備えることなく、受信機200のユーザに施設の催しのスケジュールを分かりやすく知らせることができる。
なお、案内板107には、赤外線遮断塗料108の代わりに、赤外線反射塗料が塗布されていてもよい。赤外線反射塗料は、送信機100から照射される光に含まれる赤外線を反射する。したがって、受信機200のイメージセンサには、赤外線反射塗料がその周辺よりも明るい像として認識される。つまり、この場合には、受信機200は、それぞれ明るい像として現れる複数箇所の赤外線反射塗料に外接する矩形を対象領域として認識する。
図50は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、駅名標として構成され、駅出口案内板110の近くに配置されている。駅出口案内板110は、光源を備えて発光しているが、送信機100とは異なり、光IDを送信しない。
受信機200が送信機100および駅出口案内板110を撮像することによって撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecを取得する。送信機100は輝度変化し、駅出口案内板110は発光しているため、その復号用画像Pdecには、送信機100に対応する輝線パターン領域Pdec1と、駅出口案内板110に対応する明領域Pdec2とが現れる。輝線パターン領域Pdec1は、受信機200のイメージセンサが有する複数の露光ラインの通信用露光時間での露光によって現れる複数の輝線のパターンからなる領域である。
ここで、識別情報は、上述のように、撮像表示画像Ppreのうちの基準領域Pbasを特定するための基準情報と、その基準領域Pbasに対する対象領域Ptarの相対位置を示す対象情報とを含んでいる。例えば、その基準情報は、撮像表示画像Ppreにおける基準領域Pbasの位置が、復号用画像Pdecにおける輝線パターン領域Pdec1の位置と同じであることを示す。さらに、対象情報は、対象領域の位置が基準領域の位置であることを示す。
したがって、受信機200は、基準情報に基づいて撮像表示画像Ppreから基準領域Pbasを特定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreにおいて、復号用画像Pdecにおける輝線パターン領域Pdec1の位置と同一の位置にある領域を、基準領域Pbasとして特定する。さらに、受信機200は、撮像表示画像Ppreのうち、基準領域Pbasの位置を基準として対象情報により示される相対位置にある領域を、対象領域Ptarとして認識する。上述の例では、対象情報は、対象領域Ptarの位置が基準領域Pbasの位置であることを示すため、受信機200は、撮像表示画像Ppreのうちの基準領域Pbasを対象領域Ptarとして認識する。
そして、受信機200は、撮像表示画像Ppreにおける対象領域PtarにAR画像P1を重畳する。
このように、上述の例では、対象領域Ptarを認識するために、輝線パターン領域Pdec1を利用している。一方、輝線パターン領域Pdec1を利用せずに、撮像表示画像Ppreだけから、送信機100が映し出されている領域を、対象領域Ptarとして認識しようとする場合には、誤認識が生じる可能性がある。つまり、撮像表示画像Ppreのうちの、送信機100が映し出されている領域ではなく、駅出口案内板110が映し出されている領域を、対象領域Ptarとして誤認識してしまう可能性がある。これは、撮像表示画像Ppreにおける、送信機100の画像と駅出口案内板110の画像とが似ているからである。しかし、上述の例のように、輝線パターン領域Pdec1を利用する場合には、誤認識の発生を抑えて、正確に対象領域Ptarを認識することができる。
図51は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
図50に示す例では、送信機100は、駅名標の全体を輝度変化させることによって光IDを送信し、対象情報は、対象領域の位置が基準領域の位置であることを示している。しかし、本実施の形態では、送信機100は、駅名標の全体を輝度変化させることなく、駅名標の外枠の一部に配置された発光素子を輝度変化させることによって光IDを送信してもよい。また、対象情報は、基準領域Pbasに対する対象領域Ptarの相対位置を示していればよく、例えば、対象領域Ptarの位置が基準領域Pbasの上(具体的には、鉛直方向上向き)であることを示していてもよい。
図51に示す例では、送信機100は、駅名標の外枠下部に水平方向に沿って配置された複数の発光素子を輝度変化させることによって光IDを送信する。また、対象情報は、対象領域Ptarの位置が基準領域Pbasの上であることを示す。
このような場合、受信機200は、基準情報に基づいて撮像表示画像Ppreから基準領域Pbasを特定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreにおいて、復号用画像Pdecにおける輝線パターン領域Pdec1の位置と同一の位置にある領域を、基準領域Pbasとして特定する。具体的には、受信機200は、水平方向に長く垂直方向に短い矩形状の基準領域Pbasを特定する。さらに、受信機200は、撮像表示画像Ppreのうち、基準領域Pbasの位置を基準として対象情報により示される相対位置にある領域を、対象領域Ptarとして認識する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreのうちの基準領域Pbasよりも上にある領域を、対象領域Ptarとして認識する。なお、このときには、受信機200は、自らに備えられている加速度センサによって計測される重力方向に基づいて、基準領域Pbasよりも上の向きを特定する。
なお、対象情報は、対象領域Ptarの相対位置だけでなく、対象領域Ptarのサイズ、形状およびアスペクト比を示してもよい。この場合、受信機200は、対象情報によって示されるサイズ、形状およびアスペクト比の対象領域Ptarを認識する。また、受信機200は、基準領域Pbasのサイズに基づいて、対象領域Ptarのサイズを決定してもよい。
図52は、本実施の形態における受信機200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、図45に示す例と同様に、ステップS101〜S104の処理を実行する。
次に、受信機200は、復号用画像Pdecから輝線パターン領域Pdec1を特定する(ステップS111)。次に、受信機200は、撮像表示画像Ppreから、その輝線パターン領域Pdec1に対応する基準領域Pbasを特定する(ステップS112)。そして、受信機200は、認識情報(具体的には対象情報)とその基準領域Pbasとに基づいて、撮像表示画像Ppreから対象領域Ptarを認識する(ステップS113)。
次に、受信機200は、図45に示す例と同様に、撮像表示画像Ppreの対象領域PtarにAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する(ステップS106)。そして、受信機200は、撮像と撮像表示画像Ppreの表示とを終了すべきか否かを判定する(ステップS107)。ここで、受信機200は、終了すべきでないと判定すると(ステップS107のN)、さらに、受信機200の加速度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS114)。この加速度は、受信機200に備えられている加速度センサによって計測される。受信機200は、加速度が閾値未満であると判定すると(ステップS114のN)、ステップS113からの処理を実行する。これにより、受信機200のディスプレイ201に表示されている撮像表示画像Ppreがずれる場合であっても、その撮像表示画像Ppreの対象領域PtarにAR画像を追従させることができる。また、受信機200は、加速度が閾値以上であると判定すると(ステップS114のY)、ステップS111またはステップS102からの処理を実行する。これにより、送信機100と異なる被写体(例えば、駅出口案内板110)が映し出されている領域を誤って対象領域Ptarとして認識してしまうことを抑えることができる。
図53は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
受信機200は、表示されている撮像表示画像PpreにおけるAR画像P1がタップされると、そのAR画像P1を拡大して表示する。または、受信機200は、タップされると、AR画像P1に示されている内容よりも詳細な内容を示す新たなAR画像を、そのAR画像P1の代わりに表示してもよい。また、AR画像P1が、複数ページからなる情報誌の1ページ分の情報を示す場合には、受信機200は、AR画像P1のページの次のページの情報を示す新たなAR画像を、そのAR画像P1の代わりに表示してもよい。または、受信機200は、タップされると、そのAR画像P1に関連する動画像を新たなAR画像として、そのAR画像P1の代わりに表示してもよい。このとき、受信機200は、対象領域Ptarからオブジェクト(図53の例では紅葉)が出ていくような動画像をAR画像として表示してもよい。
図54は、本実施の形態における受信機200の撮像によって取得される撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecを示す図である。
受信機200は、撮像しているときには、例えば図54の(a1)に示すように、30fpsのフレームレートで撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecなどの撮像画像を取得する。具体的には、受信機200は、時刻t1に撮像表示画像Ppre「A」を取得し、時刻t2に復号用画像Pdecを取得し、時刻t3に撮像表示画像Ppre「B」を取得するように、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを交互に取得する。
また、受信機200は、撮像画像を表示しているときには、撮像画像のうち撮像表示画像Ppreのみを表示し、復号用画像Pdecを表示しない。つまり、受信機200は、図54の(a2)に示すように、復号用画像Pdecを取得するときには、その復号用画像Pdecの代わりに、直前に取得された撮像表示画像Ppreを表示する。具体的には、受信機200は、時刻t1には、取得された撮像表示画像Ppre「A」を表示し、時刻t2には、時刻t1で取得された撮像表示画像Ppre「A」を再び表示する。これにより、受信機200は、15fpsのフレームレートで撮像表示画像Ppreを表示する。
ここで、図54の(a1)に示す例では、受信機200は、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを交互に取得するが、本実施の形態におけるこれらの画像の取得形態は、このような形態に限らない。つまり、受信機200は、N(Nは1以上の整数)枚の復号用画像Pdecを連続して取得し、その後、M(Mは1以上の整数)枚の撮像表示画像Ppreを連続して取得することを繰り返してもよい。
また、受信機200は、取得される撮像画像を、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとに切り替える必要があり、この切り替えに時間がかかってしまうことがある。そこで、図54の(b1)に示すように、受信機200は、撮像表示画像Ppreの取得と、復号用画像Pdecの取得と間の切り替え時において、切り替え期間を設けてもよい。具体的には、受信機200は、時刻t3に復号用画像Pdecを取得すると、時刻t3〜t5までの切り替え期間において、撮像画像を切り替えるための処理を実行し、時刻t5に撮像表示画像Ppre「A」を取得する。その後、受信機200は、時刻t5〜t7までの切り替え期間において、撮像画像を切り替えるための処理を実行し、時刻t7に復号用画像Pdecを取得する。
このように切り替え期間が設けられた場合、受信機200は、図54の(b2)に示すように、切り替え期間では、直前に取得された撮像表示画像Ppreを表示する。したがって、この場合には、受信機200における撮像表示画像Ppreの表示のフレームレートは低く、例えば3fpsとなる。このようにフレームレートが低い場合には、ユーザが受信機200を動かしても、表示されている撮像表示画像Ppreがその受信機200の動きに応じて移動しないことがある。つまり、撮像表示画像Ppreはライブビューとして表示されない。そこで、受信機200は、撮像表示画像Ppreを受信機200の動きに応じて移動させてもよい。
図55は、本実施の形態における受信機200に表示される撮像表示画像Ppreの一例を示す図である。
受信機200は、例えば図55の(a)に示すように、撮像によって得られた撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示する。ここで、ユーザが受信機200を左側に動かす。このとき、受信機200による撮像によって新たな撮像表示画像Ppreが取得されない場合、受信機200は、図55の(b)に示すように、表示されている撮像表示画像Ppreを右側に移動させる。つまり、受信機200は、加速度センサを備え、その加速度センサによって計測される加速度に応じて、受信機200の動きに整合するように、表示されている撮像表示画像Ppreを移動させる。これにより、受信機200は、撮像表示画像Ppreを擬似的にライブビューとして表示することができる。
図56は、本実施の形態における受信機200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、上述と同様に、撮像表示画像Ppreの対象領域PtarにAR画像を重畳して、その対象領域Ptarに追従させる(ステップS122)。つまり、撮像表示画像Ppreにおける対象領域Ptarと共に移動するAR画像が表示される。そして、受信機200は、AR画像の表示を維持するか否かを判定する(ステップS122)。ここで、AR画像の表示を維持しないと判定すると(ステップS122のN)、受信機200は、撮像によって新たな光IDを取得すれば、その光IDに対応する新たなAR画像を撮像表示画像Ppreに重畳して表示する(ステップS123)。
一方、AR画像の表示を維持すると判定すると(ステップS122のY)、受信機200は、ステップS121からの処理を繰り返し実行させる。このときには、受信機200は、他のAR画像を取得していても他のAR画像を表示しない。または、受信機200は、新たな復号用画像Pdecを取得していても、その復号用画像Pdecに対する復号によって光IDを取得することは行わない。このときには、復号にかかる消費電力を抑えることができる。
このように、AR画像の表示を維持することによって、表示されているそのAR画像が消去されたり、他のAR画像の表示によって見え難くなってしまうことを抑えることができる。つまり、表示されているAR画像をユーザに見え易くすることができる。
例えば、ステップS122では、受信機200は、AR画像が表示されてから予め定められた期間(一定期間)が経過するまでは、AR画像の表示を維持すると判定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreを表示するときには、ステップS121で重畳されているAR画像である第1のAR画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、予め定められた表示期間だけ、その第1のAR画像を表示する。受信機200は、この表示期間には、新たに取得される復号用画像Pdecに対する復号を禁止してもよい。
これにより、ユーザが一度表示された第1のAR画像を見ているときに、その第1のAR画像がそれとは異なる第2のAR画像にすぐに置き換わってしまうことを抑えることができる。さらに、新たに取得される復号用画像Pdecの復号は、第2のAR画像の表示が抑制されているときには無駄な処理であるため、その復号を禁止することによって、消費電力を抑えることができる。
または、ステップS122では、受信機200は、フェイスカメラを備え、そのフェイスカメラによる撮像結果に基づいて、ユーザの顔が近付いていることを検出すると、AR画像の表示を維持すると判定してもよい。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreを表示するときには、さらに、受信機200に備えられたフェイスカメラによる撮像によって、受信機200にユーザの顔が近づいている否かを判定する。そして、受信機200は、顔が近づいていると判定すると、ステップS121で重畳されているAR画像である第1のAR画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、その第1のAR画像を表示する。
または、ステップS122では、受信機200は、加速度センサを備え、その加速度センサによる計測結果に基づいて、ユーザの顔が近付いていることを検出すると、AR画像の表示を維持すると判定してもよい。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreを表示するときには、さらに、加速度センサによって計測される受信機200の加速度によって、受信機200にユーザの顔が近づいている否かを判定する。例えば、加速度センサによって計測される受信機200の加速度が、受信機200のディスプレイ201に対して垂直外向きの方向に正の値を示す場合に、受信機200はユーザの顔が近付いていると判定する。そして、受信機200は、顔が近づいていると判定すると、ステップS121で重畳されているAR画像である第1の拡張現実画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、その第1のAR画像を表示する。
これにより、ユーザが第1のAR画像を見ようとして受信機200に顔を近づけているときに、その第1のAR画像がそれとは異なる第2のAR画像に置き換わってしまうことを抑えることができる。
または、ステップS122では、受信機200は、その受信機200に備えられているロックボタンが押下されると、AR画像の表示を維持すると判定してもよい。
また、ステップS122では、受信機200は、上述の一定期間(すなわち表示期間)が経過すると、AR画像の表示を維持しないと判定する。また、受信機200は、上述の一定期間が経過していない場合であっても、加速度センサによって閾値以上の加速度が計測されたときには、AR画像の表示を維持しないと判定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Ppreを表示するときには、さらに、上述の表示期間において、受信機200の加速度を加速度センサによって計測し、計測された加速度が閾値以上か否かを判定する。そして、受信機200は、閾値以上と判定したときには、第2のAR画像の表示の抑制を解除することによって、ステップS123において、第1のAR画像の代わりに第2のAR画像を表示する。
これにより、閾値以上の表示装置の加速度が計測されたときに、第2のAR画像の表示の抑制が解除される。したがって、例えば、ユーザが他の被写体にイメージセンサを向けようとして受信機200を大きく動かしたときには、第2のAR画像を直ぐに表示することができる。
図57は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図57に示すように、照明装置として構成され、小さい人形用のステージ111を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。ステージ111は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。
2つの受信機200は、送信機100によって照らされたステージ111を左右から撮像する。
2つの受信機200のうちの左側の受信機200は、送信機100によって照らされたステージ111を左側から撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pfと復号用画像とを取得する。左側の受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、左側の受信機200は、ステージ111から光IDを受信する。左側の受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、左側の受信機200は、その光IDに対応する三次元のAR画像と認識情報とをサーバから取得する。この三次元のAR画像は、例えば人形を立体的に表示するための画像である。左側の受信機200は、撮像表示画像Pfのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、左側の受信機200は、ステージ111中央の上側の領域を対象領域として認識する。
次に、左側の受信機200は、撮像表示画像Pfに映し出されているステージ111の向きに基づいて、その向きに応じた二次元のAR画像P6aを三次元のAR画像から生成する。そして、左側の受信機200は、その対象領域に二次元のAR画像P6aを重畳し、AR画像P6aが重畳された撮像表示画像Pfをディスプレイ201に表示する。この場合、撮像表示画像Pfの対象領域にその二次元のAR画像P6aが重畳されるため、左側の受信機200は、ステージ111上に人形が現実に存在するように、撮像表示画像Pfを表示することができる。
同様に、2つの受信機200のうちの右側の受信機200は、送信機100によって照らされたステージ111を右側から撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pgと復号用画像とを取得する。右側の受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、右側の受信機200は、ステージ111から光IDを受信する。右側の受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、右側の受信機200は、その光IDに対応する三次元のAR画像と認識情報とをサーバから取得する。右側の受信機200は、撮像表示画像Pgのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、右側の受信機200は、ステージ111中央の上側の領域を対象領域として認識する。
次に、右側の受信機200は、撮像表示画像Pgに映し出されているステージ111の向きに基づいて、その向きに応じた二次元のAR画像P6bを三次元のAR画像から生成する。そして、右側の受信機200は、その対象領域に二次元のAR画像P6bを重畳し、AR画像P6bが重畳された撮像表示画像Pgをディスプレイ201に表示する。この場合、撮像表示画像Pgの対象領域にその二次元のAR画像P6bが重畳されるため、右側の受信機200は、ステージ111上に人形が現実に存在するように、撮像表示画像Pgを表示することができる。
このように、2つの受信機200は、ステージ111上の同じ位置に、AR画像P6aおよびP6bを表示する。また、これらのAR画像P6aおよびP6bは、仮想的な人形が実際に所定の方向を向いているように、受信機200の向きに応じて生成されている。したがって、ステージ111のどの方向から撮像しても、ステージ111上に人形が現実に存在するように、撮像表示画像を表示することができる。
なお、上述の例では、受信機200は、三次元のAR画像から、受信機200とステージ111との間の位置関係に応じた二次元のAR画像を生成したが、その二次元のAR画像をサーバから取得してもよい。つまり、受信機200は、光IDと共に、その位置関係を示す情報をサーバに送信し、三次元のAR画像の代わりに、その二次元のAR画像をサーバから取得する。これにより、受信機200の負担を軽減することができる。
図58は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図58に示すように、照明装置として構成され、円柱状の構造物112を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。構造物112は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。
受信機200は、送信機100によって照らされた構造物112を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Phと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、構造物112から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P7と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Phのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、構造物112の中央部が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P7を重畳し、AR画像P7が重畳された撮像表示画像Phをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P7は、文字列「ABCD」を含む画像であって、その文字列は構造物112の中央部の曲面に合わせて歪んでいる。この場合、撮像表示画像Phの対象領域にその歪んだ文字列を含むAR画像P2が重畳されるため、受信機200は、構造物112に対して描かれた文字列が現実に存在するように、撮像表示画像Phを表示することができる。
図59は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図59に示すように、飲食店のメニュー113を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。メニュー113は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。また、メニュー113は、例えば「ABCスープ」、「XYZサラダ」および「KLMランチ」などの複数の料理の名称を示す。
受信機200は、送信機100によって照らされたメニュー113を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Piと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、メニュー113から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P8と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Piのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、メニュー113が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P8を重畳し、AR画像P8が重畳された撮像表示画像Piをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P8は、複数の料理のそれぞれに使われている食材をマークで示す画像である。例えば、AR画像P8は、卵が使われている料理「XYZサラダ」に対しては、卵を模ったマークを示し、豚肉が使われている料理「KLMランチ」に対しては、豚を模ったマークを示す。この場合、撮像表示画像Piの対象領域にそのAR画像P8が重畳されるため、受信機200は、食材のマークが付されたメニュー113が現実に存在するように、撮像表示画像Piを表示することができる。これにより、メニュー113に特別な表示装置を備えることなく、受信機200のユーザに各料理の食材を簡単に、かつ、分かりやすく知らせることができる。
また、受信機200は、複数のAR画像を取得して、ユーザによって設定されたユーザ情報に基づいて、それらの複数のAR画像からユーザに適したAR画像を選択し、そのAR画像を重畳してもよい。例えば、ユーザが卵にアレルギー反応を示すことがユーザ情報に示されていれば、受信機200は、卵が使われた料理に対して卵のマークが付されたAR画像を選択する。また、豚肉の摂取が禁止されていることがユーザ情報に示されていれば、受信機200は、豚肉が使われた料理に対して豚のマークが付されたAR画像を選択する。または、受信機200は、光IDと共に、そのユーザ情報をサーバに送信し、その光IDとユーザ情報に応じたAR画像をサーバから取得してもよい。これにより、ユーザごとに、そのユーザに対して喚起を促すメニューを表示することができる。
図60は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図60に示すように、テレビとして構成され、ディスプレイに映像を表示しながら輝度変化することによって、光IDを送信している。また、送信機100の近傍には、通常のテレビ114が配置されている。テレビ114は、ディスプレイに映像を表示しているが、光IDを送信していない。
受信機200は、例えば送信機100とともにテレビ114を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pjと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P9と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pjのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。
例えば、受信機200は、復号用画像の輝線パターン領域を利用することによって、撮像表示画像Pjにおいて、光IDを送信している送信機100が映し出されている領域の下部を第1の対象領域として認識する。なお、このとき、認識情報に含まれる基準情報は、撮像表示画像Pjにおける基準領域の位置が、復号用画像における輝線パターン領域の位置と同じであることを示す。さらに、認識情報に含まれる対象情報は、その基準領域の下部に対象領域があることを示す。受信機200は、このような認識情報を用いて上述の第1の対象領域を認識している。
さらに、受信機200は、撮像表示画像Pjの下部において予め位置が固定されている領域を第2の対象領域として認識する。第2の対象領域は、第1の対象領域よりも大きい。なお、認識情報に含まれる対象情報は、さらに、第1の対象領域の位置だけでなく、上述のような第2の対象領域の位置およびサイズも示している。受信機200は、このような認識情報を用いて上述の第2の対象領域を認識している。
そして、受信機200は、その第1の対象領域および第2の対象領域にAR画像P9を重畳し、AR画像P8が重畳された撮像表示画像Pjをディスプレイ201に表示する。このAR画像P9の重畳では、受信機200は、そのAR画像P9のサイズを第1の対象領域のサイズに合わせ、サイズ調整されたAR画像P9をその第1の対象領域に重畳する。さらに、受信機200は、AR画像P9のサイズを第2の対象領域のサイズに合わせ、サイズ調整されたAR画像P9をその第2の対象領域に重畳する。
例えば、AR画像P9は、送信機100の映像に対する字幕を示す。また、AR画像P9の字幕の言語は、受信機200に設定登録されているユーザ情報に応じた言語である。つまり、受信機200は、光IDをサーバに送信するときに、そのユーザ情報(例えば、ユーザの国籍または使用言語などを示す情報)もサーバに送信する。そして、受信機200は、そのユーザ情報に応じた言語の字幕を示すAR画像P9を取得する。または、受信機200は、それぞれ異なる言語の字幕を示す複数のAR画像P9を取得し、設定登録されているユーザ情報に応じて、それらの複数のAR画像P9から、重畳に使用されるAR画像P9を選択してもよい。
言い換えれば、図60に示す例では、受信機200は、それぞれ画像を表示している複数のディスプレイを被写体として撮像することによって、撮像表示画像Pjおよび復号用画像を取得する。そして、受信機200は、対象領域を認識するときには、撮像表示画像Pjのうち、複数のディスプレイのうちの光IDを送信しているディスプレイである送信ディスプレイ(すなわち送信機100)が現れている領域を対象領域として認識する。次に、受信機200は、送信ディスプレイに表示されている画像に対応する第1の字幕をAR画像としてその対象領域に重畳する。さらに、受信機200は、撮像表示画像Pjのうちの対象領域よりも大きい領域に、第1の字幕が拡大された字幕である第2の字幕を重畳する。
これにより、受信機200は、送信機100の映像に字幕が現実に存在するように、撮像表示画像Pjを表示することができる。さらに、受信機200は、撮像表示画像Pjの下部にも、大きな字幕を重畳するため、送信機100の映像に付されている字幕が小さくても、字幕を見やすくすることができる。なお、送信機100の映像に付される字幕がなく、撮像表示画像Pjの下部に大きな字幕だけが重畳される場合には、その重畳されている字幕が送信機100の映像に対する字幕か、テレビ114の映像に対する字幕かを判断することが困難である。しかし、本実施の形態では、光IDを送信する送信機100の映像に対しても字幕が付されるため、ユーザは、重畳されている字幕が何れの映像に対する字幕かを容易に判断することができる。
また、受信機200は、撮像表示画像Pjの表示では、さらに、サーバから取得される情報に、音声情報が含まれているか否かを判定してもよい。そして、受信機200は、音声情報が含まれていると判定したときには、第1および第2の字幕よりも、音声情報が示す音声を優先して出力する。これにより、音声が優先的に出力されるため、ユーザが字幕を読む負担を軽減することができる。
また、上述の例では、ユーザ情報(すなわちユーザの属性)に応じて字幕の言語を異ならせたが、送信機100に表示されている映像(すなわちコンテンツ)そのものを異ならせてもよい。例えば、送信機100に表示されている映像がニュースの映像である場合において、ユーザが日本人であることがユーザ情報に示されていれば、受信機200は、日本で放送されているニュース映像をAR画像として取得する。そして、受信機200は、そのニュース映像を、送信機100のディスプレイが映し出されている領域(すなわち対象領域)に重畳する。一方、ユーザが米国人であることがユーザ情報に示されていれば、受信機200は、米国で放送されているニュース映像をAR画像として取得する。そして、受信機200は、そのニュース映像を、送信機100のディスプレイが映し出されている領域(すなわち対象領域)に重畳する。これにより、ユーザに適した映像を表示することができる。なお、ユーザ情報には、ユーザの属性として、例えば、国籍または使用言語などが示され、受信機200はその属性に基づいて上述のAR画像を取得する。
図61は、本実施の形態における認識情報の一例を示す図である。
認識情報が例えば上述のような特徴点および特徴量などであっても、誤認識が生じる可能性がある。例えば、送信機100aおよび100bは、それぞれ送信機100と同様に駅名標として構成されている。これらの送信機100aおよび100bは、互に異なる駅名標であっても、互に近い位置にあれば、類似しているために誤認識される可能性がある。
そこで、送信機100aおよび100bのそれぞれの認識情報は、送信機100aまたは100bの画像全体の各特徴点および各特徴量を示すことなく、その画像のうちの特徴的な一部分のみの各特徴点および各特徴量を示してもよい。
例えば、送信機100aの部分a1と、送信機100bの部分b1とは互に大きく異なり、送信機100aの部分a2と、送信機100bの部分b2とは互に大きく異なる。そこで、サーバは、送信機100aおよび100bが予め定められた範囲内(すなわち近距離)に設置されていれば、送信機100aに対応する認識情報として、部分a1および部分a2のそれぞれの画像の特徴点および特徴量を保持する。同様に、サーバは、送信機100bに対応する識別情報として、部分b1および部分b2のそれぞれの画像の特徴点および特徴量を保持する。
これにより、受信機200は、互に類似する送信機100aおよび100bが互に近くにある場合(上述の予め定められた範囲内にある場合)であっても、それらの識別情報を用いて適切に対象領域を認識することができる。
図62は、本実施の形態における受信機200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、受信機200に設定登録されているユーザ情報に基づいて、ユーザに視覚障害があるか否かを判定する(ステップS131)。ここで、受信機200は、視覚障害があると判定すると(ステップS131のY)、重畳して表示されるAR画像の文字を音声で出力する(ステップS132)。一方、受信機200は、視覚障害がないと判定すると(ステップS131のN)、さらに、ユーザ情報に基づいて、ユーザに聴覚障害があるか否かを判定する(ステップS133)。ここで、受信機200は、聴覚障害があると判定すると(ステップS133のY)、音声出力を停止する(ステップS134)。このとき、受信機200は、全ての機能による音声の出力を停止する。
なお、受信機200は、ステップS131において視覚障害があると判定したときに(ステップS131のY)、ステップS133の処理を行ってもよい。つまり、受信機200は、視覚障害があり、かつ、聴覚障害がないと判定したときに、重畳して表示されるAR画像の文字を音声で出力してもよい。
図63は、本実施の形態における受信機200が輝線パターン領域を識別する一例を示す図である。
受信機200は、まず、それぞれ光IDを送信する2つの送信機を撮像することによって復号用画像を取得し、その復号用画像に対する復号によって、図63の(e)に示すように、光IDを取得する。このとき、復号用画像には2つの輝線パターン領域XおよびYが含まれているため、受信機200は、輝線パターン領域Xに対応する送信機の光IDと、輝線パターン領域Yに対応する送信機の光IDとを取得する。輝線パターン領域Xに対応する送信機の光IDは、例えば、アドレス0〜9のそれぞれに対応する数値(すなわちデータ)からなり、「5,2,8,4,3,6,1,9,4,3」を示す。輝線パターン領域Xに対応する送信機の光IDも同様に、例えば、アドレス0〜9のそれぞれに対応する数値からなり、「5,2,7,7,1,5,3,2,7,4」を示す。
受信機200は、これらの光IDを一度取得しても、すなわちこれらの光IDが既知であっても、撮像しているときに、それぞれの光IDがどちらの輝線パターン領域から得られたのか分からない状況になることがある。このような場合、受信機200は、図63の(a)〜(d)に示す処理を行うことによって、それぞれの既知の光IDがどちらの輝線パターン領域から得られたのかを容易に、かつ、迅速に判定することができる。
具体的には、受信機200は、まず、図63の(a)に示すように、復号用画像Pdec11を取得して、その復号用画像Pdec11に対する復号によって、輝線パターン領域XおよびYのそれぞれの光IDのアドレス0の数値を取得する。例えば、輝線パターン領域Xの光IDのアドレス0の数値は「5」であり、輝線パターン領域Yの光IDのアドレス0の数値も「5」である。それぞれの光IDのアドレス0の数値が「5」であるため、このときには、既知の光IDがどちらの輝線パターン領域から得られたのかを判定することができない。
そこで、受信機200は、図63の(b)に示すように、復号用画像Pdec12を取得して、その復号用画像Pdec12に対する復号によって、輝線パターン領域XおよびYのそれぞれの光IDのアドレス1の数値を取得する。例えば、輝線パターン領域Xの光IDのアドレス1の数値は「2」であり、輝線パターン領域Yの光IDのアドレス1の数値も「2」である。それぞれの光IDのアドレス1の数値が「2」であるため、このときにも、既知の光IDがどちらの輝線パターン領域から得られたのかを判定することができない。
そこで、さらに、受信機200は、図63の(c)に示すように、復号用画像Pdec13を取得して、その復号用画像Pdec13に対する復号によって、輝線パターン領域XおよびYのそれぞれの光IDのアドレス2の数値を取得する。例えば、輝線パターン領域Xの光IDのアドレス2の数値は「8」であり、輝線パターン領域Yの光IDのアドレス2の数値は「7」である。このときには、既知の光ID「5,2,8,4,3,6,1,9,4,3」が輝線パターン領域Xから得られたと判定することができ、既知の光ID「5,2,7,7,1,5,3,2,7,4」が輝線パターン領域Yから得られたと判定することができる。
しかし、受信機200は、信頼度を高めるために、さらに、図63の(d)に示すように、それぞれの光IDのアドレス3の数値を取得してもよい。つまり、受信機200は、復号用画像Pdec14を取得して、その復号用画像Pdec14に対する復号によって、輝線パターン領域XおよびYのそれぞれの光IDのアドレス3の数値を取得する。例えば、輝線パターン領域Xの光IDのアドレス3の数値は「4」であり、輝線パターン領域Yの光IDのアドレス3の数値は「7」である。このときには、既知の光ID「5,2,8,4,3,6,1,9,4,3」が輝線パターン領域Xから得られたと判定することができ、既知の光ID「5,2,7,7,1,5,3,2,7,4」が輝線パターン領域Yから得られたと判定することができる。つまり、アドレス2だけでなくアドレス3によっても、輝線パターン領域XおよびYの光IDを識別することができるため、信頼度を高めることができる。
このように、本実施の形態では、光IDの全てのアドレスの数値(すなわちデータ)を改めて取得することなく、少なくとも1つのアドレスの数値を取得し直す。これによって、既知の光IDがどちらの輝線パターン領域から得られたのかを容易に、かつ、迅速に判定することができる。
なお、上述の図63の(c)および(d)に示す例では、所定のアドレスに対して取得された数値が、既知の光IDの数値と一致しているが、一致していなくてもよい。例えば、図63の(d)に示す例において、受信機200は、輝線パターン領域Yの光IDのアドレス3の数値として「6」を取得する。このアドレス3の数値「6」は、既知の光ID「5,2,7,7,1,5,3,2,7,4」のアドレス3の数値「7」とは異なる。しかし、数値「6」は数値「7」に近い数値であるため、受信機200は、既知の光ID「5,2,7,7,1,5,3,2,7,4」が輝線パターン領域Yから得られたと判定してもよい。なお、受信機は、数値「6」が数値「7」±n(nは例えば1以上の数)の範囲内にあるか否かによって、数値「6」が数値「7」に近い数値であるか否かを判定してもよい。
図64は、本実施の形態における受信機200の他の例を示す図である。
受信機200は、上述の例ではスマートフォンとして構成されているが、イメージセンサを備えたヘッドマウントディスプレイ(グラスともいう)として構成されていてもよい。
このような受信機200は、上述のようなAR画像の表示のための処理回路(以下、AR処理回路という)を常に起動しておくと消費電力が多くなるため、予め定められた信号を検出したときに、そのAR処理回路を起動してもよい。
例えば、受信機200は、タッチセンサ202を備えている。タッチセンサ202は、ユーザの指などに触れると、タッチ信号を出力する。受信機200は、そのタッチ信号を検出したときに、AR処理回路を起動する。
または、受信機200は、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)などの電波信号を検出したときに、AR処理回路を起動してもよい。
または、受信機200は、加速度センサを備え、その加速度センサによって重力の向きと反対の向きへの閾値以上の加速度が計測されたときに、AR処理回路を起動してもよい。つまり、受信機200は、上記加速度を示す信号を検出したときに、AR処理回路を起動する。例えば、ユーザが、グラスとして構成されている受信機200の鼻あて部分を下から指先で上向きに突きあげると、受信機200は上記加速度を示す信号を検出して、AR処理回路を起動する。
または、受信機200は、GPSおよび9軸センサなどによって、イメージセンサが送信機100に向けられたことを検知したときに、AR処理回路を起動してもよい。つまり、受信機200は、受信機200が所定の向きに向けられたことを示す信号を検出したときに、AR処理回路を起動する。この場合、送信機100が上述の日本語の駅名標などであれば、受信機200は、英語の駅名を示すAR画像をその駅名標に重畳して表示する。
図65は、本実施の形態における受信機200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、送信機100から光IDを取得すると(ステップS141)、その光IDに応じたモード指定情報を受信することによって、ノイズキャンセルのモードを切り替える(ステップS142)。そして、受信機200は、そのモードの切り替え処理を終了すべきか否かを判定し(ステップS143)、終了すべきでないと判定すると(ステップS143のN)ステップS141からの処理を繰り返し実行する。ノイズキャンセルのモードの切り替えは、例えば、飛行機内におけるエンジンなどの騒音を消去するモード(ON)と、その騒音の消去を行わないモード(OFF)である。具体的には、受信機200を携帯するユーザは、その受信機200に接続されるイヤホンを耳にあてて、その受信機200から出力される音楽などの音声を聞いている。このようなユーザが飛行機に搭乗すると、受信機200は光IDを取得する。その結果、受信機200は、ノイズキャンセルのモードをOFFからONに切り替える。これにより、ユーザは、機内であっても、エンジンの騒音などのノイズが含まれない音声を聞くことができる。また、ユーザが飛行機から出るときにも、受信機200は光IDを取得する。この光IDを取得した受信機200は、ノイズキャンセルのモードをONからOFFに切り替える。なお、ノイズキャンセルの対象となるノイズは、エンジンの騒音だけでなく、人の声など、どのような音であってもよい。
図66は、本実施の形態における複数の送信機を含む送信システムの一例を示す図である。
この送信システムは、予め定められた順に配列された複数の送信機120を備えている。これらの送信機120は、送信機100と同様、上記実施の形態1〜3のうちの何れかの実施の形態における送信機であって、1つまたは複数の発光素子(例えばLED)を備える。先頭の送信機120は、予め定められた周波数(キャリア周波数)にしたがって1つまたは複数の発光素子の輝度を変化させることによって、光IDを送信する。さらに、先頭の送信機120は、その輝度の変化を示す信号を同期信号として後続の送信機120に出力する。後続の送信機120は、その同期信号を受けると、その同期信号にしたがって1つまたは複数の発光素子の輝度を変化させることによって、光IDを送信する。さらに、後続の送信機120は、その輝度の変化を示す信号を同期信号として次の後続の送信機120に出力する。これにより、送信システムに含まれる全ての送信機120は、同期して光IDを送信する。
ここで、同期信号は、先頭の送信機120から後続の送信機120に受け渡され、後続の送信機120からさらに次の後続の送信機120に受け渡されて、最後の送信機120にまで届く。同期信号の受け渡しには例えば約1μ秒かかる。したがって、送信システムに、N(Nは2以上の整数)台の送信機120が備えられていれば、同期信号が先頭の送信機120から最後の送信機120に届くまで1×Nμ秒かかることになる。その結果、光IDの送信のタイミングが最大Nμ秒ずれることになる。例えば、N台の送信機120が9.6kHzの周波数にしたがって光IDを送信し、受信機200が9.6kHzの周波数で光IDを受信しようとしても、受信機200は、Nμ秒ずれた光IDを受信するため、その光IDを正しく受信することができない場合がある。
そこで、本実施の形態では、先頭の送信機120は、送信システムに含まれる送信機120の台数に応じて速めに光IDを送信する。例えば、先頭の送信機120は、9.605kHzの周波数にしたがって光IDを送信する。一方、受信機200は、9.6kHzの周波数で光IDを受信する。このとき、受信機200はNμ秒ずれた光IDを受信しても、先頭の送信機120の周波数が受信機200の周波数よりも0.005kHzだけ高いため、その光IDのずれによる受信エラーの発生を抑えることができる。
また、先頭の送信機120は、最後の送信機120から同期信号をフィードバックしてもらうことによって、周波数の調整量を制御してもよい。例えば、先頭の送信機120は、自ら同期信号を出力してから、最後の送信機120からフィードバックされた同期信号を受け取るまでの時間を計測する。そして、先頭の送信機120は、その時間が長いほど、基準の周波数(例えば、9.6kHz)よりも高い周波数にしたがって光IDを送信する。
図67は、本実施の形態における複数の送信機および受信機を含む送信システムの一例を示す図である。
この送信システムは、例えば2つの送信機120と受信機200とを備えている。2つの送信機120のうちの一方の送信機120は、9.599kHzの周波数にしたがって光IDを送信する。他方の送信機120は、9.601kHzの周波数にしたがって光IDを送信する。このような場合、2つの送信機120はそれぞれ、自らの光IDの周波数を電波信号で受信機200に通知する。
受信機200は、それらの周波数の通知を受けると、通知された周波数のそれぞれにしたがった復号を試みる。つまり、受信機200は、9.599kHzの周波数にしたがって、復号用画像に対する復号を試み、これにより光IDが受信できなければ、9.601kHzの周波数にしたがって、復号用画像に対する復号を試みる。このように、受信機200は、通知された全ての周波数のそれぞれにしたがって、復号用画像に対する復号を試みる。言い換えれば、受信機200は、通知されたそれぞれの周波数に対して総当たりを行う。または、受信機200は、通知された全ての周波数の平均周波数にしたがった復号を試みてもよい。つまり、受信機200は、9.599kHzと9.601kHzとの平均周波数である9.6kHzにしたがった復号を試みる。
これにより、受信機200と送信機120とのそれぞれの周波数の違いによる受信エラーの発生率を低下させることができる。
図68Aは、本実施の形態における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、撮像を開始して(ステップS151)、パラメータNを1に初期化する(ステップS152)。次に、受信機200は、その撮像によって得られた復号用画像を、パラメータNに対応する周波数にしたがって復号し、その復号結果に対する評価値を算出する(ステップS153)。例えば、パラメータN=1、2、3、4、5のそれぞれには、9.6kHz、9.601kHz、9.599kHz、9.602kHzなどの周波数が予め対応付けられている。評価値は、復号結果が正しい光IDに類似しているほど高い数値を示す。
次に、受信機200は、パラメータNの数値が、予め定められた1以上の整数であるNmaxに等しいか否かを判定する(ステップS154)。ここで、受信機200は、Nmaxに等しくないと判定すると(ステップS154のN)、パラメータNをインクリメントして(ステップS155)、ステップS153からの処理を繰り返し実行する。一方、受信機200は、Nmaxに等しいと判定すると(ステップS154のY)、最大の評価値が算出された周波数を最適周波数として、受信機200の場所を示す場所情報に対応付けてサーバに登録する。このように登録される最適周波数および場所情報は、登録後、その場所情報に示される場所に移動してきた受信機200による光IDの受信のために用いられる。また、場所情報は、例えばGPSによって計測される位置を示す情報であってもよく、無線LAN(Local Area Network)におけるアクセスポイントの識別情報(例えば、SSID:Service Set Identifier)であってもよい。
また、サーバへの登録を行った受信機200は、その最適周波数による復号によって得られた光IDにしたがって、例えば上述のようなAR画像の表示を行う。
図68Bは、本実施の形態における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図68Aに示すサーバへの登録が行われた後、受信機200は、自らが存在する場所を示す場所情報をサーバに送信する(ステップS161)。次に、受信機200は、その場所情報に対応付けて登録されている最適周波数をそのサーバから取得する(ステップS162)。
次に、受信機200は、撮像を開始し(ステップS163)、その撮像によって得られた復号用画像を、ステップS162で取得した最適周波数にしたがって復号する(ステップS164)。受信機200は、この復号によって得られた光IDにしたがって、例えば上述のようなAR画像の表示を行う。
このように、サーバへの登録が行われた後では、受信機200は、図68Aに示す処理を実行することなく、最適周波数を取得して光IDを受信することができる。なお、受信機200は、ステップS162において最適周波数を取得することができなかったときに、図68Aに示す処理を実行することによって最適周波数を取得してもよい。
[実施の形態4のまとめ]
図69Aは、本実施の形態における表示方法を示すフローチャートである。
本実施の形態における表示方法は、上述の受信機200である表示装置が画像を表示する表示方法であって、ステップSL11〜SL16を含む。
ステップSL11では、イメージセンサが被写体を撮像することによって撮像表示画像および復号用画像を取得する。ステップSL12では、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。ステップSL13では、その光IDをサーバに送信する。ステップSL14では、その光IDに対応するAR画像と認識情報とをサーバから取得する。ステップSL15では、撮像表示画像のうち、認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。ステップSL16では、対象領域にAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する。
これにより、AR画像が撮像表示画像に重畳されて表示されるため、ユーザに有益な画像を表示することができる。さらに、処理負荷を抑えて適切な対象領域にAR画像を重畳することができる。
つまり、一般的な拡張現実(すなわちAR)では、予め保存されている膨大な数の認識対象画像と、撮像表示画像とを比較することによって、その撮像表示画像に何れかの認識対象画像が含まれているか否かが判定される。そして、認識対象画像が含まれていると判定されれば、その認識対象画像に対応するAR画像が撮像表示画像に重畳される。このとき、認識対象画像を基準にAR画像の位置合わせが行われる。このように、一般的な拡張現実では、膨大な数の認識対象画像と撮像表示画像とを比較するため、さらに、位置合わせにおいても撮像表示画像における認識対象画像の位置検出が必要となるため、計算量が多く、処理負荷が高いという問題がある。
しかし、本実施の形態にける表示方法では、図41〜図68Bにも示すように、被写体の撮像によって得られる復号用画像を復号することによって光IDが取得される。つまり、被写体である送信機から送信された光IDが受信される。さらに、この光IDに対応するAR画像と認識情報とがサーバから取得される。したがって、サーバでは、膨大な数の認識対象画像と撮像表示画像とを比較する必要がなく、光IDに予め対応付けられているAR画像を選択して表示装置に送信することができる。これにより、計算量を減らして処理負荷を大幅に抑えることができる。
また、本実施の形態における表示方法では、この光IDに対応する認識情報がサーバから取得される。認識情報は、撮像表示画像においてAR画像が重畳される領域である対象領域を認識するための情報である。この認識情報は、例えば白い四角形が対象領域であることを示す情報であってもよい。この場合には、対象領域を簡単に認識することができ、処理負荷をさらに抑えることができる。つまり、認識情報の内容に応じて、処理負荷をさらに抑えることができる。また、サーバでは、光IDに応じてその認識情報の内容を任意に設定することができるため、処理負荷と認識精度とのバランスを適切に保つことができる。
ここで、認識情報は、撮像表示画像のうちの基準領域を特定するための基準情報であり、対象領域の認識では、その基準情報に基づいて撮像表示画像から基準領域を特定し、撮像表示画像のうち、その基準領域の位置により対象領域を認識してもよい。
または、認識情報は、撮像表示画像のうちの基準領域を特定するための基準情報と、その基準領域に対する対象領域の相対位置を示す対象情報とを含んでいてもよい。この場合、対象領域の認識では、基準情報に基づいて撮像表示画像から基準領域を特定し、撮像表示画像のうち、その基準領域の位置を基準として対象情報により示される相対位置にある領域を、対象領域として認識する。
これにより、図50および図51に示すように、撮像表示画像において認識される対象領域の位置の自由度を広げることができる。
また、基準情報は、撮像表示画像における基準領域の位置が、復号用画像における、イメージセンサが有する複数の露光ラインの露光によって現れる複数の輝線のパターンからなる輝線パターン領域の位置と同じであることを示してもよい。
これにより、図50および図51に示すように、撮像表示画像における輝線パターン領域に対応する領域を基準にして対象領域を認識することができる。
また、基準情報は、撮像表示画像における基準領域が、撮像表示画像のうちのディスプレイが映し出されている領域であることを示してもよい。
これにより、図41に示すように、例えば駅名標をディスプレイとすれば、そのディスプレイが映し出されている領域を基準にして対象領域を認識することができる。
また、撮像表示画像の表示では、上述のAR画像である第1のAR画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、予め定められた表示期間だけ、第1のAR画像を表示してもよい。
これにより、図56に示すように、ユーザが一度表示された第1のAR画像を見ているときに、その第1のAR画像がそれとは異なる第2のAR画像にすぐに置き換わってしまうことを抑えることができる。
また、撮像表示画像の表示では、表示期間には、新たに取得される復号用画像に対する復号を禁止してもよい。
これにより、図56に示すように、新たに取得される復号用画像の復号は、第2のAR画像の表示が抑制されているときには無駄な処理であるため、その復号を禁止することによって、消費電力を抑えることができる。
また、撮像表示画像の表示では、さらに、表示期間において、表示装置の加速度を加速度センサによって計測し、計測された加速度が閾値以上か否かを判定してもよい。そして、閾値以上と判定したときには、第2のAR画像の表示の抑制を解除することによって、第1のAR画像の代わりに第2のAR画像を表示してもよい。
これにより、図56に示すように、閾値以上の表示装置の加速度が計測されたときに、第2のAR画像の表示の抑制が解除される。したがって、例えば、ユーザが他の被写体にイメージセンサを向けようと表示装置を大きく動かしたときには、第2のAR画像を直ぐに表示することができる。
また、撮像表示画像の表示では、さらに、表示装置に備えられたフェイスカメラによる撮像によって、表示装置にユーザの顔が近づいている否かを判定してもよい。そして、顔が近づいていると判定すると、第1のAR画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、第1のAR画像を表示してもよい。または、撮像表示画像の表示では、さらに、加速度センサによって計測される表示装置の加速度によって、表示装置にユーザの顔が近づいている否かを判定してもよい。そして、顔が近づいていると判定すると、第1のAR画像と異なる第2のAR画像の表示を抑制しながら、第1のAR画像を表示してもよい。
これにより、図56に示すように、ユーザが第1のAR画像を見ようとして表示装置に顔を近づけているときに、その第1のAR画像がそれとは異なる第2のAR画像に置き換わってしまうことを抑えることができる。
また、図60に示すように、撮像表示画像および復号用画像の取得では、それぞれ画像を表示している複数のディスプレイを被写体として撮像することによって、その撮像表示画像および復号用画像を取得してもよい。このとき、対象領域の認識では、撮像表示画像のうち、複数のディスプレイのうちの光IDを送信しているディスプレイである送信ディスプレイが現れている領域を対象領域として認識する。また、撮像表示画像の表示では、送信ディスプレイに表示されている画像に対応する第1の字幕をAR画像として対象領域に重畳し、さらに、撮像表示画像のうちの対象領域よりも大きい領域に、第1の字幕が拡大された字幕である第2の字幕を重畳する。
これにより、送信ディスプレイの画像に第1の字幕が重畳されるため、その第1の字幕が複数のディスプレイのうちの何れのディスプレイの画像に対する字幕であるかを、ユーザに容易に把握させることができる。また、第1の字幕が拡大された字幕である第2の字幕も表示されるため、第1の字幕が小さくて読み難い場合であっても、第2の字幕の表示によって、字幕を読み易くすることができる。
また、撮像表示画像の表示では、さらに、上述のサーバから取得される情報に、音声情報が含まれているか否かを判定し、含まれていると判定したときには、第1および第2の字幕よりも、その音声情報が示す音声を優先して出力してもよい。
これにより、音声が優先的に出力されるため、ユーザが字幕を読む負担を軽減することができる。
図69Bは、本実施の形態における表示装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態における表示装置10は、画像を表示する表示装置であって、イメージセンサ11と、復号部12と、送信部13と、取得部14と、認識部15と、表示部16とを備える。なお、この表示装置10は、上述の受信機200に相当する。
イメージセンサ11は、被写体を撮像することによって撮像表示画像および復号用画像を取得する。復号部12は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。送信部13は、その光IDをサーバに送信する。取得部14は、光IDに対応するAR画像と認識情報とをサーバから取得する。認識部15は、撮像表示画像のうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。表示部16は、その対象領域にAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する。
これにより、AR画像が撮像表示画像に重畳されて表示されるため、ユーザに有益な画像を表示することができる。さらに、処理負荷を抑えて適切な対象領域にAR画像を重畳することができる。
なお、本実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、本実施の形態の受信機200または表示装置10などを実現するソフトウェアは、図45、図52、図56、図62、図65、および図68A〜図69Aに示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
[実施の形態4の変形例1]
以下、実施の形態4の変形例1、つまり、光IDを用いたARを実現する表示方法の変形例1について説明する。
図70は、実施の形態4の変形例1における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。
受信機200は、そのイメージセンサによる被写体の撮像によって、上述の通常撮影画像である撮像表示画像Pkと、上述の可視光通信画像または輝線画像である復号用画像とを取得する。
具体的には、受信機200のイメージセンサは、ロボットとして構成されている送信機100cと、送信機100cの隣にいる人物21を撮像する。送信機100cは、上記実施の形態1〜3のうちの何れかの実施の形態における送信機であって、1つまたは複数の発光素子(例えばLED)131を備える。この送信機100cは、その1つまたは複数の発光素子131を点滅させることによって輝度変化し、その輝度変化によって光ID(光識別情報)を送信する。この光IDは、上述の可視光信号である。
受信機200は、送信機100cおよび人物21を通常露光時間で撮像することによって、それらが映し出された撮像表示画像Pkを取得する。さらに、受信機200は、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間で送信機100cおよび人物21を撮像することによって、復号用画像を取得する。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100cから光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P10と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pkのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100cであるロボットが映し出されている領域の右側にある領域を対象領域として認識する。具体的には、受信機200は、撮像表示画像Pkに映し出されている送信機100cの2つのマーカ132aおよび132bの間の距離を特定する。そして、受信機200は、その距離に応じた幅および高さを有する領域を対象領域として認識する。つまり、認識情報は、マーカ132aおよび132bの形状と、それらのマーカ132aおよび132bを基準とする対象領域の位置および大きさとを示している。
そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P10を重畳し、AR画像P10が重畳された撮像表示画像Pkをディスプレイ201に表示する。例えば、受信機200は、送信機100cとは異なる他のロボットを示すAR画像P10を取得する。この場合、撮像表示画像Pkの対象領域にそのAR画像P10が重畳されるため、送信機100cの隣に他のロボットが現実に存在するように、撮像表示画像Pkを表示することができる。その結果、人物21は、他のロボットが実在していなくても、送信機100cと共に他のロボットと一緒に写真に写ることができる。
図71は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図71に示すように、表示パネルを有する画像表示装置として構成され、その表示パネルに静止画像PSを表示しながら輝度変化することによって、光IDを送信している。なお、表示パネルは、例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイである。
受信機200は、送信機100を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Pmと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P11と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pmのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100における表示パネルが映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P11を重畳し、AR画像P11が重畳された撮像表示画像Pmをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P11は、送信機100の表示パネルに表示されている静止画像PSと同一または実質的に同一のピクチャを表示順で先頭のピクチャとして有する動画像である。つまり、AR画像P11は、静止画像PSから動きだす動画像である。
この場合、撮像表示画像Pmの対象領域にそのAR画像P11が重畳されるため、受信機200は、動画像を表示する画像表示装置が現実に存在するように、撮像表示画像Pmを表示することができる。
図72は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図72に示すように駅名標として構成され、輝度変化することによって、光IDを送信している。
受信機200は、図72の(a)に示すように、送信機100から離れた位置から送信機100を撮像する。これにより、受信機200は、上述と同様に、撮像表示画像Pnと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P12〜P14と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pnのうち、その認識情報に応じた2つの領域を第1および第2の対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100の周囲の領域を第1の対象領域として認識する。そして、受信機200は、その第1の対象領域にAR画像P12を重畳し、AR画像P12が重畳された撮像表示画像Pnをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P12は、受信機200のユーザに対して送信機100への接近を促す矢印である。
この場合、撮像表示画像Pnの第1の対象領域にそのAR画像P12が重畳されて表示されるため、ユーザは、受信機200を送信機100に向けた状態で送信機100に近づく。このような受信機200の送信機100への接近によって、撮像表示画像Pnに映し出されている送信機100の領域(上述の基準領域に相当)は大きくなる。その領域の大きさが第1の閾値以上になると、受信機200は、例えば図72の(b)に示すように、さらに、送信機100が映し出されている領域である第2の対象領域にAR画像P13を重畳する。つまり、受信機200は、AR画像P12およびP13が重畳された撮像表示画像Pnをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P13は、ユーザに対して、駅名標に示される駅周辺の概要を知らせるメッセージである。また、AR画像P13は、撮像表示画像Pnに映し出されている送信機100の領域の大きさと等しい。
また、この場合にも、撮像表示画像Pnの第1の対象領域に矢印であるAR画像P12が重畳されて表示されるため、ユーザは、受信機200を送信機100に向けた状態で送信機100に近づく。このような受信機200の送信機100への接近によって、撮像表示画像Pnに映し出されている送信機100の領域(上述の基準領域に相当)はさらに大きくなる。その領域の大きさが第2の閾値以上になると、受信機200は、例えば図72の(c)に示すように、第2の対象領域に重畳されているAR画像P13をAR画像P14に変更する。さらに、受信機200は、第1の対象領域に重畳されているAR画像P12を削除する。
つまり、受信機200は、AR画像P14が重畳された撮像表示画像Pnをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P14は、ユーザに対して、駅名標に示される駅周辺の詳細を知らせるメッセージである。また、AR画像P14は、撮像表示画像Pnに映し出されている送信機100の領域の大きさと等しい。この送信機100の領域は、受信機200が送信機100に近いほど大きい。したがって、AR画像P14は、AR画像P13よりも大きい。
このように、受信機200は、送信機100に近づくほど、AR画像を大きくし、多くの情報を表示する。また、AR画像P12のようなユーザに接近を促す矢印が表示されるため、送信機100に近づくと多くの情報が表示されることをユーザに容易に把握させることができる。
図73は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
図72に示す例では、受信機200は、送信機100に近づくと多くの情報を表示させるが、送信機100との間の距離に関わらず、多くの情報を例えば吹き出しの形態で表示してもよい。
具体的には、受信機200は、図73に示すように、送信機100を撮像することにより、上述と同様に、撮像表示画像Poと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P15と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Poのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100の周囲の領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P15を重畳し、AR画像P15が重畳された撮像表示画像Poをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P15は、ユーザに対して、駅名標に示される駅周辺の詳細を吹き出しの形態で知らせるメッセージである。
この場合、撮像表示画像Poの対象領域にそのAR画像P15が重畳されるため、受信機200のユーザは送信機100に近づかなくても多くの情報を受信機200に表示させることができる。
図74は、実施の形態4の変形例1における受信機200の他の例を示す図である。
受信機200は、上述の例ではスマートフォンとして構成されているが、図64に示す例と同様に、イメージセンサを備えたヘッドマウントディスプレイ(グラスともいう)として構成されていてもよい。
このような受信機200は、復号用画像の一部の復号対象領域に対してのみ復号を行うことによって光IDを取得する。例えば、受信機200は、図74の(a)に示すように、視線検出カメラ203を備えている。視線検出カメラ203は、受信機200であるヘッドマウントディスプレイを装着しているユーザの眼を撮像する。受信機200は、この視線検出カメラ203による撮像によって得られた眼の画像に基づいて、そのユーザの視線を検出する。
受信機200は、図74の(b)に示すように、例えば、ユーザの視界のうち、検出された視線が向けられている領域に視線枠204が現れるように、その視線枠204を表示する。したがって、この視線枠204は、ユーザの視線の動きに応じて移動する。受信機200は、復号用画像のうち、その視線枠204内に相当する領域を復号対象領域として扱う。つまり、受信機200は、復号用画像のうち復号対象領域外に輝線パターン領域があっても、その輝線パターン領域に対する復号を行わず、復号対象領域内の輝線パターン領域に対してのみ復号を行う。これにより、復号用画像に複数の輝線パターン領域が有る場合でも、それらの全ての輝線パターン領域に対する復号を行わないため、処理負荷を軽減することができるとともに、余計なAR画像の表示を抑えることができる。
また、受信機200は、それぞれ音声を出力するための複数の輝線パターン領域が復号用画像に含まれている場合には、復号対象領域内の輝線パターン領域のみを復号して、その輝線パターン領域に対応する音声のみを出力してもよい。あるいは、受信機200は、復号用画像に含まれる複数の輝線パターン領域のそれぞれを復号し、復号対象領域内の輝線パターン領域に対応する音声を大きく出力し、復号対象領域外の輝線パターン領域に対応する音声を小さく出力してもよい。また、復号対象領域外に複数の輝線パターン領域がある場合には、受信機200は、復号対象領域に近い輝線パターン領域ほど、その輝線パターン領域に対応する音声を大きく出力してもよい。
図75は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図75に示すように、表示パネルを有する画像表示装置として構成され、その表示パネルに画像を表示しながら輝度変化することによって、光IDを送信している。
受信機200は、送信機100を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Ppと復号用画像とを取得する。
このとき、受信機200は、復号用画像における輝線パターン領域と同じ位置にあってその輝線パターン領域と同じ大きさの領域を、撮像表示画像Ppの中から特定する。そして、受信機200は、その領域の一端から他端に向けて繰り返し移動する走査線P100を表示してもよい。
この走査線P100が表示されている間、受信機200は、復号用画像に対する復号によって光IDを取得し、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Ppのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。
このような対象領域を認識すると、受信機200は、走査線P100の表示を終了し、その対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像Ppをディスプレイ201に表示する。
これにより、送信機100の撮像が行われてからAR画像が表示されるまでの間、移動する走査線P100が表示されるため、光IDおよびAR画像の読み取りなどの処理が行われていることをユーザに対して知らせることができる。
図76は、実施の形態4の変形例1における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
2つの送信機100はそれぞれ、例えば図76に示すように、表示パネルを有する画像表示装置として構成され、その表示パネルに同一の静止画像PSを表示しながら輝度変化することによって、光IDを送信している。ここで、2つの送信機100はそれぞれ、互いに異なる態様で輝度変化することによって、互いに異なる光ID(例えば光ID「01」および「02」)を送信している。
受信機200は、図71に示す例と同様に、2つの送信機100を撮像することによって、撮像表示画像Pqと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光ID「01」および「02」を取得する。つまり、受信機200は、2つの送信機100のうちの一方から光ID「01」を受信し、他方から光ID「02」を受信する。受信機200は、それらの光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光ID「01」に対応するAR画像P16と認識情報とをサーバから取得する。さらに、受信機200は、光ID「02」に対応するAR画像P17と認識情報とをサーバから取得する。
受信機200は、撮像表示画像Pqのうち、それらの認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、2つの送信機100のそれぞれの表示パネルが映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、光ID「01」に対応する対象領域にAR画像P16を重畳し、光ID「02」に対応する対象領域にAR画像P17を重畳する。そして、受信機200は、AR画像P16およびP17が重畳された撮像表示画像Pqをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P16は、光ID「01」に対応する送信機100の表示パネルに表示されている静止画像PSと同一または実質的に同一のピクチャを表示順で先頭のピクチャとして有する動画像である。また、AR画像P17は、光ID「02」に対応する送信機100の表示パネルに表示されている静止画像PSと同一または実質的に同一のピクチャを表示順で先頭のピクチャとして有する動画像である。つまり、それぞれ動画像であるAR画像P16およびAR画像P17の先頭のピクチャは同じである。しかし、AR画像P16およびAR画像P17は互いに異なる動画像であって、それぞれの先頭以外のピクチャは異なっている。
したがって、このようなAR画像P16およびAR画像P17が撮像表示画像Pqに重畳されるため、受信機200は、同じピクチャから再生される互いに異なる動画像を表示する画像表示装置が現実に存在するように、撮像表示画像Pqを表示することができる。
図77は、実施の形態4の変形例1における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。この図77のフローチャートによって示される処理動作は、具体的には、図71に示す送信機100が2つある場合に、それらの送信機100を個別に撮像する受信機200の処理動作の一例である。
まず、受信機200は、第1の送信機100を第1の被写体として撮像することによって第1の光IDを取得する(ステップS201)。次に、受信機200は、撮像表示画像の中から、その第1の被写体を認識する(ステップS202)。つまり、受信機200は、第1の光IDに対応する第1のAR画像および第1の認識情報をサーバから取得し、その第1の認識情報に基づいて第1の被写体を認識する。そして、受信機200は、その第1のAR画像である第1の動画像の再生を最初から開始する(ステップS203)。つまり、受信機200は、第1の動画像の先頭のピクチャから再生を開始する。
ここで、受信機200は、第1の被写体が撮像表示画像から外れたか否かを判定する(ステップS204)。つまり、受信機200は、撮像表示画像から第1の被写体を認識することができなくなったか否かを判定する。ここで、第1の被写体が撮像表示画像から外れたと判定すると(ステップS204のY)、受信機200は、第1のAR画像である第1の動画像の再生を中断する(ステップS205)。
次に、受信機200は、第1の送信機100とは異なる第2の送信機100を第2の被写体として撮像することによって、ステップS201で取得された第1の光IDとは異なる第2の光IDを取得したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、受信機200は、第2の光IDを取得したと判定すると(ステップS206のY)、第1の光IDを取得したとき以降のステップS202〜S203と同様の処理を行う。つまり、受信機200は、撮像表示画像の中から、第2の被写体を認識する(ステップS207)。そして、受信機200は、第2の光IDに対応する第2のAR画像である第2の動画像の再生を最初から開始する(ステップS208)。つまり、受信機200は、第2の動画像の先頭のピクチャから再生を開始する。
一方、受信機200は、ステップS206において、第2の光IDを取得していないと判定すると(ステップS206のN)、第1の被写体が再び撮像表示画像に入ったか否かを判定する(ステップS209)。つまり、受信機200は、撮像表示画像から第1の被写体を再び認識したか否かを判定する。ここで、受信機200は、第1の被写体が撮像表示画像に入ったと判定すると(ステップS209のY)、さらに、予め定められた時間(すなわち所定時間)が経過したか否かを判定する(ステップS210)。つまり、受信機200は、第1の被写体が撮像表示画像から外れてから再び入るまでにおいて、所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間が経過していないと判定すると(ステップS210のY)、受信機200は、中断された第1の動画像の途中からの再生を開始する(ステップS211)。なお、この途中からの再生開始時に最初に表示される第1の動画像のピクチャである再生再開先頭ピクチャは、第1の動画像の再生が中断されたときの最後に表示されたピクチャの次の表示順のピクチャであってもよい。あるいは、再生再開先頭ピクチャは、最後に表示されたピクチャからn(nは1以上の整数)枚だけ表示順で前のピクチャであってもよい。
一方、所定時間が経過したと判定すると(ステップS210のN)、受信機200は、中断された第1の動画像の最初からの再生を開始する(ステップS212)。
また、上述の例では、受信機200は、撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳するが、このときに、AR画像の明るさを調整してもよい。つまり、受信機200は、サーバから取得したAR画像の明るさが、撮像表示画像の対象領域の明るさと一致するか否かを判定する。そして、受信機200は、一致しないと判定すると、AR画像の明るさを調整することによって、そのAR画像の明るさを対象領域の明るさに一致させる。そして、受信機200は、明るさが調整されたAR画像を撮像表示画像の対象領域に重畳する。これにより、重畳されるAR画像を、より実在するオブジェクトの画像に近づけることができ、ユーザのAR画像に対する違和感を抑えることができる。なお、AR画像の明るさは、そのAR画像の空間的な平均の明るさであり、対象領域の明るさも、その対象領域の空間的な平均の明るさである。
また、受信機200は、図53に示すように、AR画像をタップすると、そのAR画像を拡大してディスプレイ201の全体に表示してもよい。また、図53に示す例では、受信機200は、AR画像がタップされるそのAR画像を他のAR画像に切り替えるが、タップに関わらずに、自動的にAR画像を切り替えてもよい。例えば、受信機200は、AR画像が表示されている時間があらかじめ定められた時間だけ経過すると、そのAR画像を他のAR画像に切り替えて表示する。また、受信機200は、現在時刻があらかじめ定められた時刻になると、それまで表示されていたAR画像を、他のAR画像に切り替えて表示する。これにより、ユーザは操作を行うことなく、簡単に新たなAR画像を見ることができる。
[実施の形態4の変形例2]
以下、実施の形態4の変形例2、つまり、光IDを用いたARを実現する表示方法の変形例2について説明する。
図78は、実施の形態4またはその変形例1における受信機200において想定されるAR画像を表示するときの課題の一例を示す図である。
例えば、実施の形態4またはその変形例1における受信機200は、時刻t1に、被写体を撮像する。なお、上述の被写体は、輝度変化によって光IDを送信するテレビなどの送信機、または、その送信機からの光によって照らされるポスター、案内板、もしくは看板などである。その結果、受信機200は、イメージセンサの有効画素領域によって得られる画像の全体(以下、全撮像画像という)を、ディスプレイ201に撮像表示画像として表示する。このとき、受信機200は、その撮像表示画像のうち、光IDに基づいて取得された認識情報に応じた領域を、AR画像が重畳される対象領域として認識する。対象領域は、例えばテレビなどの送信機の像またはポスターなどの像を示す領域である。そして、受信機200は、その撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、AR画像が重畳された撮像表示画像をディスプレイ201に表示する。なお、AR画像は、静止画または動画でもよく、1つ以上の文字または記号からなる文字列であってもよい。
ここで、受信機200のユーザは、AR画像を大きく表示させるために被写体に近づくと、時刻t2において、イメージセンサにおける対象領域に対応する領域(以下、認識領域という)が有効画素領域からはみ出す。なお、認識領域は、イメージセンサの有効画素領域中、撮像表示画像における対象領域の画像が投影される領域である。つまり、イメージセンサにおける有効画素領域と認識領域はそれぞれ、ディスプレイ201における撮像表示画像および対象領域に相当する。
認識領域が有効画素領域からはみ出すことによって、受信機200は、撮像表示画像から対象領域を認識することできず、AR画像を表示することができない状態となる。
そこで、本変形例における受信機200は、ディスプレイ201の全体に表示される撮像表示画像よりも画角の広い画像を全撮像画像として取得する。
図79は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する例を示す図である。
本変形例に係る受信機200の全撮像画像の画角、つまりイメージセンサの有効画素領域の画角は、ディスプレイ201の全体に表示される撮像表示画像の画角よりも広い。なお、イメージセンサにおいて、ディスプレイ201に表示される画像範囲に相当する領域を、以下、表示領域という。
例えば、受信機200は、時刻t1に、被写体を撮像する。その結果、受信機200は、イメージセンサの有効画素領域によって得られる全撮像画像のうち、有効画素領域よりも狭い表示領域によって得られる画像のみを、撮像表示画像としてディスプレイ201に表示する。このとき、受信機200は、上述と同様、その全撮像画像のうち、光IDに基づいて取得された認識情報に応じた領域を、AR画像が重畳される対象領域として認識する。そして、受信機200は、その撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、AR画像が重畳された撮像表示画像をディスプレイ201に表示する。
ここで、受信機200のユーザは、AR画像を大きく表示させるために被写体に近づくと、イメージセンサにおける認識領域が拡大する。そして、時刻t2において、その認識領域はイメージセンサにおける表示領域からはみ出す。つまり、ディスプレイ201に表示されている撮像表示画像から、対象領域の画像(例えば、ポスターの像など)がはみ出してしまう。しかし、イメージセンサにおける認識領域は、有効画素領域からははみ出していない。つまり、受信機200は、時刻t2においても、対象領域を含む全撮像画像を取得している。その結果、受信機200は、全撮像画像から対象領域を認識することでき、対象領域のうち撮像表示画像内にある一部の領域にのみ、その領域に対応するAR画像の一部を重畳してディスプレイ201に表示する。
これにより、ユーザがAR画像を大きく表示させるために被写体に近づき、対象領域が撮像表示画像からはみ出しても、AR画像の表示を継続することができる。
図80は、実施の形態4の変形例2における受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、イメージセンサが被写体を撮像することによって全撮像画像および復号用画像を取得する(ステップS301)。次に、受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する(ステップS302)。次に、受信機200は、その光IDをサーバに送信する(ステップS303)。次に、受信機200は、その光IDに対応するAR画像と認識情報とをサーバから取得する(ステップS304)。次に、受信機200は、全撮像画像のうち、認識情報に応じた領域を対象領域として認識する(ステップS305)。
ここで、受信機200は、イメージセンサの有効画素領域中の、その対象領域の画像に対応する領域である認識領域が、表示領域からはみ出しているか否かを判定する(ステップS306)。ここで、はみ出していると判定すると(ステップS306のYes)、受信機200は、対象領域のうち、撮像表示画像内にある一部の領域にのみ、その領域に対応するAR画像の一部を表示する(ステップS307)。一方、受信機200は、はみ出していないと判定すると(ステップS306のNo)、受信機200は、撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する(ステップS308)。
そして、受信機200は、AR画像の表示処理を終了すべきか否かを判定し(ステップS309)、終了すべきでないと判定すると(ステップS309のNo)、ステップS305からの処理を繰り返し実行する。
図81は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
受信機200は、上述の表示領域に対する認識領域の大きさの比率によってAR画像の画面表示を切り替えてもよい。
イメージセンサの表示領域の水平方向の幅をw1、垂直方向の幅をh1とし、認識領域の水平方向の幅をw2、垂直方向の幅をh2とする場合、受信機は、比率(h2/h1)および(w2/w1)のうちの大きい方の比率を閾値と比較する。
例えば、受信機200は、図81の(画面表示1)のように、AR画像が対象領域に重畳された撮像表示画像を表示しているときには、その大きい方の比率を、第1の閾値(例えば、0.9)と比較する。そして、大きい方の比率が0.9以上になったときには、受信機200は、図81の(画面表示2)のように、ディスプレイ201の全体にAR画像を拡大して表示する。なお、認識領域が表示領域よりも大きくなったとき、さらに、有効画素領域よりも大きくなったときにも、受信機200は、ディスプレイ201の全体にAR画像を拡大して表示し続ける。
また、受信機200は、例えば、図81の(画面表示2)のように、ディスプレイ201の全体にAR画像を拡大して表示しているときには、その大きい方の比率を、第2の閾値(例えば、0.7)と比較する。第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい。そして、大きい方の比率が0.7以下になったときには、受信機200は、図81の(画面表示1)のように、AR画像が対象領域に重畳された撮像表示画像を表示する。
図82は、実施の形態4の変形例2における受信機200の処理動作の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、光ID処理を行う(ステップS301a)。この光ID処理は、図80に示すステップS301〜S304を含む処理である。次に、受信機200は、撮像表示画像のうち、認識情報に応じた領域を対象領域として認識する(ステップS311)。そして、受信機200は、撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する(ステップS312)。
次に、受信機200は、認識領域の比率、すなわち比率(h2/h1)および(w2/w1)のうちの大きい方の比率が第1の閾値K(例えばK=0.9)以上であるか否かを判定する(ステップS313)。ここで、第1の閾値K以上でないと判定すると(ステップS313のNo)、受信機200は、ステップS311からの処理を繰り返し実行する。一方、第1の閾値K以上であると判定すると(ステップS313のYes)、受信機200は、AR画像をディスプレイ201の全体に拡大して表示する(ステップS314)。このとき、受信機200は、イメージセンサの電源をオンとオフとに周期的に切り換える。イメージセンサの電源を周期的にオフにすることによって、受信機200の省電力化を図ることができる。
次に、受信機200は、イメージセンサの電源が周期的にオンにされているときに、認識領域の比率が第2の閾値L(例えばL=0.7)以下であるか否かを判定する。ここで、第2の閾値L以下でないと判定すると(ステップS315のNo)、受信機200は、ステップS314からの処理を繰り返し実行する。一方、第2の閾値L以下であると判定すると(ステップS315のYes)、受信機200は、撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像を表示する(ステップS316)。
そして、受信機200は、AR画像の表示処理を終了すべきか否かを判定し(ステップS317)、終了すべきでないと判定すると(ステップS317のNo)、ステップS313からの処理を繰り返し実行する。
このように、第2の閾値Lを第1の閾値Kよりも小さい値にしておくことによって、受信機200の画面表示が(画面表示1)と(画面表示2)とで頻繁に切り替えられることを防ぎ、画面表示の状態を安定化させることができる。
なお、図81および図82に示す例では、表示領域と有効画素領域とは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、その例では、表示領域に対する認識領域の大きさの比率を用いたが、表示領域と有効画素領域とが異なる場合には、表示領域の代わりに、有効画素領域に対する認識領域の大きさの比率を用いてもよい。
図83は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
図83に示す例では、図79に示す例と同様、受信機200のイメージセンサは、表示領域よりも広い有効画素領域を有する。
例えば、受信機200は、時刻t1に、被写体を撮像する。その結果、受信機200は、イメージセンサの有効画素領域によって得られる全撮像画像のうち、有効画素領域よりも狭い表示領域によって得られる画像のみを、撮像表示画像としてディスプレイ201に表示する。このとき、受信機200は、上述と同様、その全撮像画像のうち、光IDに基づいて取得された認識情報に応じた領域を、AR画像が重畳される対象領域として認識する。そして、受信機200は、その撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、AR画像が重畳された撮像表示画像をディスプレイ201に表示する。
ここで、ユーザは、受信機200(具体的にはイメージセンサ)の向きを変えると、イメージセンサにおける認識領域が、例えば図83中左上方向に移動し、時刻t2では、表示領域からはみ出す。つまり、ディスプレイ201に表示されている撮像表示画像から、対象領域の画像(例えば、ポスターの像など)がはみ出してしまう。しかし、イメージセンサにおける認識領域は、有効画素領域からははみ出していない。つまり、受信機200は、時刻t2においても、対象領域を含む全撮像画像を取得している。その結果、受信機200は、全撮像画像から対象領域を認識することでき、対象領域のうちの撮像表示画像内にある一部の領域にのみ、その領域に対応するAR画像の一部を重畳してディスプレイ201に表示する。さらに、受信機200は、イメージセンサにおける認識領域の動き、すなわち全撮像画像における対象領域の動きに応じて、表示されるAR画像の一部の大きさおよび位置を変更する。
また、上述のように認識領域が表示領域からはみ出したときには、受信機200は、有効画素領域の縁と、表示領域の縁との間の距離(以下、領域間距離という)に対応するピクセル数を閾値と比較する。
例えば、有効画素領域の上辺と、表示領域の上辺との間と距離と、有効画素領域の下辺と、表示領域の下辺との間と距離とのうち、短い方の距離(以下、第1の距離という)に対応するピクセル数をdhとする。また、有効画素領域の左辺と、表示領域の左辺との間と距離と、有効画素領域の右辺と、表示領域の右辺との間と距離とのうち、短い方の距離(以下、第2の距離という)に対応するピクセル数をdwとする。このとき、上述の領域間距離は、第1および第2の距離のうちの短い方の距離である。
つまり、受信機200は、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方のピクセル数を、閾値Nと比較する。そして、受信機200は、例えば時刻t2において、その小さい方のピクセル数が閾値N以下になれば、そのイメージセンサにおける認識領域の位置に応じてAR画像の一部の大きさおよび位置を変更することなく固定する。すなわち、受信機200は、AR画像の画面表示を切り替える。例えば、受信機200は、表示されるAR画像の一部の大きさおよび位置を、その小さい方のピクセル数が閾値Nとなったときにディスプレイ201に表示されていたAR画像の一部の大きさおよび位置に固定する。
したがって、時刻t3において、認識領域がさらに移動し、有効画素領域からはみ出すことになっても、受信機200は、時刻t2と同様にAR画像の一部を表示し続ける。すなわち、受信機200は、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方のピクセル数が閾値N以下であるかぎり、時刻t2のときと同様、大きさおよび位置が固定されたAR画像の一部を撮像表示画像に重畳して表示し続ける。
図83に示す例では、受信機200は、イメージセンサにおける認識領域の移動に応じて、表示されるAR画像の一部の大きさおよび位置を変更したが、AR画像全体の表示倍率および位置を変更してもよい。
図84は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。具体的には、図84は、AR画像の表示倍率が変更される例を示す。
例えば、図83に示す例と同様、時刻t1の状態から、ユーザは、受信機200(具体的にはイメージセンサ)の向きを変えると、イメージセンサにおける認識領域が、例えば図84中左上方向に移動し、時刻t2では、表示領域からはみ出す。つまり、ディスプレイ201に表示されている撮像表示画像から、対象領域の画像(例えば、ポスターの像など)がはみ出してしまう。しかし、イメージセンサにおける認識領域は、有効画素領域からははみ出していない。つまり、受信機200は、時刻t2においても、対象領域を含む全撮像画像を取得している。その結果、受信機200は、全撮像画像から対象領域を認識することできる。
そこで、図84に示す例では、受信機200は、対象領域のうちの撮像表示画像内にある一部の領域のサイズに、AR画像全体のサイズが一致するように、そのAR画像の表示倍率を変更する。つまり、受信機200はAR画像を縮小する。そして、受信機200は、表示倍率が変更された(すなわち縮小された)AR画像をその領域に重畳してディスプレイ201に表示する。さらに、受信機200は、イメージセンサにおける認識領域の動き、すなわち全撮像画像における対象領域の動きに応じて、表示されるAR画像の表示倍率および位置を変更する。
また、上述のように認識領域が表示領域からはみ出したときには、受信機200は、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方のピクセル数を、閾値Nと比較する。そして、受信機200は、例えば時刻t2において、その小さい方のピクセル数が閾値N以下になれば、そのイメージセンサにおける認識領域の位置に応じてAR画像の表示倍率および位置を変更することなく固定する。つまり、受信機200は、AR画像の画面表示を切り替える。例えば、受信機200は、表示されるAR画像の表示倍率および位置を、その小さい方のピクセル数が閾値Nとなったときにディスプレイ201に表示されていたAR画像の表示倍率および位置に固定する。
したがって、時刻t3において、認識領域がさらに移動し、有効画素領域からはみ出すことになっても、受信機200は、時刻t2と同様にAR画像を表示し続ける。すなわち、受信機200は、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方のピクセル数が閾値N以下であるかぎり、時刻t2のときと同様、表示倍率および位置が固定されたAR画像を撮像表示画像に重畳して表示し続ける。
なお、上述の例では、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方と閾値とを比較したが、その小さい方のピクセル数の比率と閾値とを比較してもよい。そのピクセル数dwの比率は、例えば、有効画素領域の水平方向のピクセル数w0に対するピクセル数dwの比率(dw/w0)である。同様に、ピクセル数dhの比率は、例えば、有効画素領域の垂直方向のピクセル数h0に対するピクセル数dhの比率(dh/h0)である。または、有効画素領域の水平方向または垂直方向のピクセル数の代わりに、表示領域の水平方向または垂直方向のピクセル数を用いて、ピクセル数dw、dhのそれぞれの比率を表してもよい。ピクセル数dw、dhの比率と比較される閾値は、例えば0.05である。
また、ピクセル数dw、dhのうちの小さい方の画角と閾値とを比較してもよい。有効画素領域の対角線のピクセル数がmであって、その対角線に対応する画角がθ(例えば55°)である場合、ピクセル数dwに対応する画角は、θ×dw/mであり、ピクセル数dhに対応する画角は、θ×dh/mである。
また、図83および図84に示す例では、受信機200は、有効画素領域と認識領域との間の領域間距離に基づいて、AR画像の画面表示を切り替えたが、表示領域と認識領域との関係に基づいて、AR画像の画面表示を切り替えてもよい。
図85は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。具体的には、図85は、表示領域と認識領域との関係に基づいてAR画像の画面表示を切り替える例を示す。また、図85に示す例では、図79に示す例と同様、受信機200のイメージセンサは、表示領域よりも広い有効画素領域を有する。
例えば、受信機200は、時刻t1に、被写体を撮像する。その結果、受信機200は、イメージセンサの有効画素領域によって得られる全撮像画像のうち、有効画素領域よりも狭い表示領域によって得られる画像のみを、撮像表示画像としてディスプレイ201に表示する。このとき、受信機200は、上述と同様、その全撮像画像のうち、光IDに基づいて取得された認識情報に応じた領域を、AR画像が重畳される対象領域として認識する。そして、受信機200は、その撮像表示画像の対象領域にAR画像を重畳し、AR画像が重畳された撮像表示画像をディスプレイ201に表示する。
ここで、ユーザは、受信機200の向きを変えると、受信機200は、イメージセンサにおける認識領域の動きに応じて、表示されるAR画像の位置を変更させる。そして、例えば、イメージセンサにおける認識領域が、例えば図85中左上方向に移動し、時刻t2では、認識領域の縁の一部と表示領域の縁の一部とが一致する。つまり、ディスプレイ201に表示されている撮像表示画像の隅に、対象領域の画像(例えばポスターなどの像)が配置される。その結果、受信機200は、撮像表示画像の隅にある対象領域にAR画像を重畳してディスプレイ201に表示する。
そして、認識領域がさらに移動して表示領域からはみ出すときには、受信機200は、時刻t2で表示されていたAR画像の大きさおよび位置を変更することなく固定する。つまり、受信機200は、AR画像の画面表示を切り替える。
したがって、時刻t3において、認識領域がさらに移動し、有効画素領域からはみ出すことになっても、受信機200は、時刻t2と同様にAR画像を表示し続ける。すなわち、受信機200は、認識領域が表示領域からはみ出ているかぎり、受信機200は、時刻t2のときと同じサイズのAR画像を、撮像表示画像における時刻t2のときと同じ位置に重畳して表示し続ける。
このように、図85に示す例では、受信機200は、認識領域が表示領域からはみ出すか否かに応じてAR画像の画面表示を切り替える。また、受信機200は、表示領域を包含し、その表示領域よりも大きく有効画素領域よりも小さい判定領域を、表示領域の代わりに用いてもよい。この場合、受信機200は、認識領域が判定領域からはみ出すか否かに応じてAR画像の画面表示を切り替える。
以上、図79〜図85を用いてAR画像の画面表示について説明したが、受信機200は、全撮像画像から対象領域を認識することができなくなったときに、その直前まで認識されていた対象領域の大きさのAR画像を撮像表示画像に重畳して表示してもよい。
図86は、実施の形態4の変形例2における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
なお、図49に示す例では、受信機200は、送信機100によって照らされた案内板107を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Peと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、案内板107から光IDを受信する。しかし、案内板107の表面全体が、光を吸収するような色(例えば暗色)であれば、その表面は送信機100によって照らされても暗いため、受信機200は、光IDを正しく受信することができない場合がある。または、案内板107の表面全体が、復号用画像(すなわち輝線画像)のような縞模様であっても、受信機200は、光IDを正しく受信することができない場合がある。
そこで、図86に示すように、案内板107の近くに反射板109を配置しておいてもよい。これにより、受信機200は、送信機100から反射板109によって反射された光、つまり、送信機100から送信される可視光(具体的には光ID)を受けることができる。その結果、受信機200は、適切に光IDを受信してAR画像P5を表示することができる。
[実施の形態4の変形例1および2のまとめ]
図87Aは、本発明の一態様に係る表示方法を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る表示方法は、ステップS41〜S43を含む。
ステップS41では、光の輝度変化により信号を送信する送信機によりライトアップされている対象物を被写体として撮像センサにより撮像することによって、撮像画像を取得する。ステップS42では、その撮像画像から信号を復号する。ステップS43では、復号された信号に対応する動画像をメモリから読み出し、撮像画像中のその被写体に対応する対象領域に、動画像を重畳させてディスプレイに表示する。ここで、ステップS43では、その動画像に含まれる複数の画像のうちの何れかの画像であって、その対象物を含む画像と、前記対象物を含む画像の表示時間で前後にある所定の数の複数の画像とのうちの、何れかの画像から、その動画像を表示する。例えば、その所定の数は、10フレームである。あるいは、対象物は、静止画であり、ステップS43では、静止画と同一の画像から、その動画像を表示する。なお、動画像の表示が開始される画像は、静止画と同一の画像に限らず、その静止画と同一の画像、すなわち対象物を含む画像から、表示順で所定のフレーム数だけ前後にある画像であってもよい。また、対象物は、静止画に限らず、人形などであってもよい。
なお、撮像センサおよび撮像画像は、例えば、実施の形態4におけるイメージセンサおよび全撮像画像である。また、ライトアップされる静止画は、画像表示装置の表示パネルに表示される静止画像であってもよく、送信機からの光によって照らされるポスター、案内板、もしくは看板などであってもよい。
また、このような表示方法は、さらに、信号をサーバに送信する送信ステップと、その信号に対応する動画像をサーバから受信する受信ステップとを含んでもよい。
これにより、例えば図71に示すように、静止画が動き出すように仮想現実的に動画像を表示することができ、ユーザに有益な画像を表示することができる。
また、静止画は、所定の色の外枠を有し、本発明の一態様に係る表示方法は、さらに、その所定の色により、撮像画像から対象領域を認識する認識ステップを含んでもよい。この場合、ステップS43では、認識された対象領域のサイズと同一となるように、動画像をリサイズし、撮像画像中の対象領域に、リサイズされた動画像を重畳させてディスプレイに表示してもよい。例えば、所定の色の外枠は、静止画を取り囲む白色または黒色の矩形枠であり、実施の形態4における認識情報によって示される。そして、実施の形態4におけるAR画像が動画像としてリサイズされて重畳される。
これにより、動画像が被写体として実在するように、より現実的にその動画像を表示することができる。
また、撮像センサの撮像領域のうち、その撮像領域よりも小さい領域である表示領域に投影される画像のみがディスプレイに表示される。この場合、ステップS43では、その撮像領域において被写体が投影されている投影領域が、表示領域よりも大きい場合には、投影領域のうち、表示領域を越えた部分によって得られる画像を、ディスプレイに表示しなくてもよい。ここで、例えば図79に示すように、撮像領域および投影領域は、イメージセンサの有効画素領域および認識領域である。
これにより、例えば図79に示すように、被写体である静止画に撮像センサが近づくことによって、投影領域(図79の認識領域)によって得られる画像の一部がディスプレイに表示されなくても、被写体である静止画の全体が撮像領域に投影されている場合がある。したがって、この場合には、被写体である静止画を適切に認識することができ、撮像画像中の被写体に対応する対象領域に、動画像を適切に重畳させることができる。
また、例えば、表示領域の水平方向および垂直方向のそれぞれの幅が、w1およびh1であり、投影領域の水平方向および垂直方向のそれぞれの幅が、w2およびh2である。この場合、ステップS43では、h2/h1またはw2/w1のいずれか大きい値が所定の値以上である場合には、動画像をディスプレイの全画面に表示し、h2/h1またはw2/w1のいずれか大きい値が所定の値よりも小さい場合には、撮像画像中の対象領域に動画像を重畳させてディスプレイに表示してもよい。
これにより、例えば図81に示すように、被写体である静止画に撮像センサが近づくと、動画像が全画面に表示されるため、ユーザは、撮像センサをさらに静止画に近づけて動画像を大きく表示させる必要がない。そのため、撮像センサを静止画に近づけすぎて、投影領域(図81の認識領域)が撮像領域(有効画素領域)からはみ出してしまうことによって、信号を復号することができなくなることを抑えることができる。
また、本発明の一態様に係る表示方法は、さらに、動画像をディスプレイの全画面に表示する場合には、撮像センサの動作をオフにする制御ステップを含んでいてもよい。
これにより、例えば図82のステップS314に示すように、撮像センサの動作をオフにすることによって、撮像センサの消費電力を抑えることができる。
また、ステップS43では、撮像センサが移動することにより、撮像画像から対象領域が認識できなくなった場合には、認識できなくなる直前に認識していた対象領域のサイズと同一のサイズで動画像を表示してもよい。なお、撮像画像から対象領域が認識できないとは、例えば、被写体である静止画に対応する対象領域の少なくとも一部が撮像画像に含まれていない状況である。このように、対象領域が認識できない場合には、例えば図85の時刻t3のときのように、直前に認識していた対象領域のサイズと同じサイズの動画像が表示される。したがって、撮像センサを移動させてしまったために、動画像の少なくとも一部が表示されなくなることを抑えることができる。
また、ステップS43では、撮像センサが移動することにより、対象領域のうちの一部のみが、撮像画像のうちのディスプレイに表示される領域に含まれる場合には、その対象領域の一部に対応する動画像の空間領域の一部を、対象領域の一部に重畳させてディスプレイに表示してもよい。なお、動画像の空間領域の一部とは、動画像を構成する各ピクチャのうちの一部である。
これにより、例えば図83の時刻t2のときのように、動画像(図83のAR画像)の空間領域の一部のみがディスプレイに表示される。その結果、撮像センサが被写体となる静止画に適切に向けられていないことをユーザに知らせることができる。
また、ステップS43では、撮像センサが移動することにより、撮像画像から対象領域が認識できなくなった場合には、認識できなくなる直前に表示されていた、対象領域の一部に対応する動画像の空間領域の一部を、継続して表示してもよい。
これにより、例えば図83の時刻t3のときのように、ユーザが、被写体となる静止画と異なる方向に撮像センサを向けたときにも、動画像(図83のAR画像)の空間領域の一部が継続して表示される。その結果、撮像センサをどのように向ければ動画像の全体が表示されるかを、ユーザに把握しやすくすることができる。
また、ステップS43では、撮像センサの撮像領域における水平方向および垂直方向のそれぞれの幅が、w0およびh0であり、撮像領域において被写体が投影されている投影領域と、その撮像領域との間の水平方向および垂直方向のそれぞれの距離が、dhおよびdwである場合、dw/w0またはdh/h0のいずれか小さい方の値が、所定値以下の場合に、対象領域が認識できないと判断してもよい。なお、投影領域は、例えば図83に示す認識領域である。または、ステップS43では、撮像センサの撮像領域において被写体が投影されている投影領域と、その撮像領域との間の水平方向および垂直方向のそれぞれの距離のうちの短い方に対応する画角が所定値以下の場合に、対象領域が認識できないと判断してもよい。
これにより、対象領域が認識できるか否かを適切に判断することができる。
図87Bは、本発明の一態様に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
本発明の一態様に係る表示装置A10は、撮像センサA11と、復号部A12と、表示制御部A13とを備える。
撮像センサA11は、光の輝度変化により信号を送信する送信機によりライトアップされている静止画を被写体として撮像することによって、撮像画像を取得する。
復号部A12は、その撮像画像から信号を復号する復号部する。
表示制御部A13は、復号された信号に対応する動画像をメモリから読み出し、その撮像画像中の被写体に対応する対象領域に、その動画像を重畳させてディスプレイに表示する。ここで、表示制御部A13は、その動画像に含まれる複数の画像のうち、静止画と同一の画像である先頭画像から、その複数の画像を順に表示する。
これにより、上述の表示方法と同様の効果を奏することができる。
また、撮像センサA11は、複数のマイクロミラーと、フォトセンサとを有し、表示装置A10は、さらに、撮像センサを制御する撮像制御部を備えてもよい。この場合、撮像制御部は、撮像画像のうち、信号を含む領域を信号領域として特定し、複数のマイクロミラーのうち、特定した信号領域に対応するマイクロミラーの角度を制御する。そして、撮像制御部は、複数のマイクロミラーのうち、角度が制御されたマイクロミラーによる反射光のみを、上述のフォトセンサに受光させる。
これにより、光の輝度変化によって表される信号である可視光信号に高周波成分が含まれていても、その高周波成分を正しく復号することができる。
なお、上記各実施の形態および各変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図77、図80、図82および図87Aのフローチャートによって示される表示方法をコンピュータに実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る表示方法について、上記各実施の形態および各変形例に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態および変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれてもよい。
[実施の形態4の変形例3]
以下、実施の形態4の変形例3、つまり、光IDを用いたARを実現する表示方法の変形例3について説明する。
図88は、AR画像の拡大および移動の一例を示す図である。
受信機200は、図88の(a)に示すように、上記実施の形態4もしくはその変形例1または2と同様、撮像表示画像Ppreの対象領域にAR画像P21を重畳する。そして、受信機200は、そのAR画像P21が重畳された撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P21は動画像である。
ここで、受信機200は、図88の(b)に示すように、サイズ変更の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21のサイズを変更する。例えば、受信機200は、拡大の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21を拡大する。サイズ変更の指示は、ユーザによるAR画像P21に対する例えばピンチ操作、ダブルタップまたは長押しによって行われる。具体的には、受信機200は、ピンチアウトによって行われる拡大の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21を拡大する。逆に、受信機200は、ピンチインによって行われる縮小の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21を縮小する。
また、受信機200は、図88の(c)に示すように、位置変更の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21の位置を変更する。位置変更の指示は、ユーザによるAR画像に対する例えばスワイプなどによって行われる。具体的には、受信機200は、スワイプによって行われる位置変更の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P21の位置を変更する。すなわち、AR画像P21が移動する。
これにより、動画像であるAR画像の拡大によって、そのAR画像をより見易くすることができるとともに、動画像であるAR画像の縮小または移動によって、AR画像に隠れている撮像表示画像Ppreの領域をユーザに表示することができる。
図89は、AR画像の拡大の一例を示す図である。
受信機200は、図89の(a)に示すように、上記実施の形態4もしくはその変形例1または2と同様、撮像表示画像Ppreの対象領域にAR画像P22を重畳する。そして、受信機200は、そのAR画像P22が重畳された撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P22は、文字列が記載されている静止画像である。
ここで、受信機200は、図89の(b)に示すように、サイズ変更の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P22のサイズを変更する。例えば、受信機200は、拡大の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P22を拡大する。サイズ変更の指示は、上述と同様、ユーザによるAR画像P22に対する例えばピンチ操作、ダブルタップまたは長押しによって行われる。具体的には、受信機200は、ピンチアウトによって行われる拡大の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P22を拡大する。このAR画像P22の拡大によって、AR画像P22に記載されている文字列をユーザに対して読み易くすることができる。
また、受信機200は、図89の(c)に示すように、さらに、サイズ変更の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P22のサイズを変更する。例えば、受信機200は、さらなる拡大の指示を受け付けると、その指示に応じてAR画像P22をさらに拡大する。このAR画像P22の拡大によって、AR画像P22に記載されている文字列をユーザに対してさらに読み易くすることができる。
なお、受信機200は、拡大の指示を受け付けたときに、その指示に応じたAR画像の拡大率が閾値以上になる場合には、高解像度のAR画像を取得してもよい。この場合、受信機200は、既に表示されている元のAR画像の代わりに、その高解像度のAR画像を上述の拡大率まで拡大して表示してもよい。例えば、受信機200は、640×480画素のAR画像の代わりに、1920×1080画素のAR画像を表示する。これにより、AR画像が現実に被写体として撮像されているように、そのAR画像を拡大することができるとともに、光学ズームでは得られない高解像度の画像を表示することができる。
図90は、受信機200によるAR画像の拡大および移動に関する処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、図45のフローチャートに示すステップS101と同様に、通常露光時間および通信用露光時間による撮像を開始する(ステップS401)。この撮像が開始されると、通常露光時間による撮像表示画像Ppreと、通信用露光時間による復号用画像(すなわち輝線画像)Pdecとがそれぞれ周期的に得られる。そして、受信機200は、その復号用画像Pdecを復号することによって光IDを取得する。
次に、受信機200は、図45のフローチャートに示すステップS102〜S106の処理を含むAR画像重畳処理を行う(ステップS402)。このAR画像重畳処理が行われると、AR画像が撮像表示画像Ppreに重畳されて表示される。このとき、受信機200は、光ID取得レートを下げる(ステップS403)。光ID取得レートとは、ステップS401において開始される撮像によって得られる単位時間あたりの撮像画像の枚数のうちの、復号用画像(すなわち輝線画像)Pdecの枚数の割合である。例えば、光ID取得レートが下がることによって、単位時間あたりに得られる復号用画像Pdecの枚数は、単位時間あたりに得られる撮像表示画像Ppreの枚数よりも少なくなる。
次に、受信機200は、サイズ変更の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS404)。ここで、サイズ変更の指示を受け付けたと判定すると(ステップS404のYes)、受信機200は、さらに、そのサイズ変更の指示が拡大の指示か否かを判定する(ステップS405)。サイズ変更の指示が拡大の指示であると判定すると(ステップS405のYes)、受信機200は、さらに、AR画像の再取得が必要か否かを判定する(ステップS406)。例えば、受信機200は、拡大の指示に応じたAR画像の拡大率が閾値以上になると判断した場合に、AR画像の再取得が必要と判定する。ここで、受信機200は、再取得が必要と判定すると(ステップS406のYes)、高解像度のAR画像を例えばサーバから取得して、重畳して表示されているAR画像を、その高解像度のAR画像に置き換える(ステップS407)。
そして、受信機200は、受け付けられたサイズ変更の指示に応じて、AR画像のサイズを変更する(ステップS408)。つまり、ステップS407で高解像度のAR画像を取得した場合には、受信機200は、その高解像度のAR画像を拡大する。また、ステップS406で、AR画像の再取得が不要と判定された場合には(ステップS406のNo)、受信機200は、重畳されているAR画像を拡大する。また、ステップS405で、サイズ変更の指示が縮小の指示であると判定すると(ステップS405のNo)、受信機200は、受け付けられたサイズ変更の指示、すなわち縮小の指示に応じて、重畳して表示されているAR画像を縮小する。
一方、受信機200は、ステップS404で、サイズ変更の指示を受け付けていないと判定すると(ステップS404のNo)、位置変更の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS409)。ここで、位置変更の指示を受け付けたと判定すると(ステップS409のYes)、受信機200は、その位置変更の指示に応じて、重畳して表示されているAR画像の位置を変更する(ステップS410)。つまり、受信機200は、AR画像を移動させる。また、位置変更の指示を受け付けていないと判定すると(ステップS409のNo)、受信機200は、ステップS404からの処理を繰り返し実行する。
ステップS408でAR画像のサイズが変更されると、または、ステップS410でAR画像の位置が変更されると、受信機200は、ステップS401から周期的に取得されている光IDが、取得されなくなったか否かを判定する(ステップS411)。ここで、光IDが取得されなくなったと判定すると(ステップS411のYes)、受信機200は、AR画像の拡大および移動に関する処理動作を終了する。一方、現在も光IDが取得されていると判定すると(ステップS411のNo)、受信機200は、ステップS404からの処理を繰り返し実行する。
図91は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、上述のように、撮像表示画像Ppre中の対象領域にAR画像P23を重畳する。ここで、図91に示すように、AR画像P23は、AR画像P23の各部位がAR画像P23の端に近いほどその部位における透過率が高くなるように構成されている。透過率は、重畳される画像が透けて表示される度合いである。例えば、AR画像の全体の透過率が100%とは、撮像表示画像の対象領域にAR画像が重畳されていても、ディスプレイ201にはそのAR画像が表示されずに対象領域のみが表示されることを意味する。逆に、AR画像の全体の透過率が0%とは、ディスプレイ201には撮像表示画像の対象領域は表示されず、その対象領域に重畳されているAR画像のみが表示されることを意味する。
例えば、AR画像P23が矩形状である場合、AR画像P23における各部位の透過率は、その部位が矩形の上端、下端、左端または右端に近いほど高い。より具体的には、それらの端における透過率は100%である。また、AR画像P23の中央部分には、AR画像P23よりも小さい透過率0%の矩形領域があり、その矩形領域には、例えば「Kyoto Station」と英語で記載されている。つまり、AR画像P23の周縁部では、透過率がグラデーションのように0%から100%まで段階的に変化している。
受信機200は、このようなAR画像P23を、図91に示すように、撮像表示画像Ppre中の対象領域に重畳する。このとき、受信機200は、AR画像P23のサイズを対象領域のサイズに合わせて、そのリサイズされたAR画像P23を対象領域に重畳する。例えば、対象領域には、AR画像P23の中央部にある矩形領域と同じ背景色の駅名標の像が現れている。なお、駅名標には日本語で「京都」と記載されている。
ここで、上述のように、AR画像P23の各部位の透過率は、その部位がAR画像P23の端に近いほど高い。したがって、対象領域にAR画像P23が重畳されると、AR画像P23の中央部分の矩形領域は表示されても、そのAR画像P23の端は表示されず、対象領域の端、すなわち、駅名標の像の端が表示される。
これにより、AR画像P23と対象領域とのずれを目立ち難くすることができる。つまり、AR画像P23が対象領域に重畳されても、受信機200の動きなどによって、AR画像P23と対象領域との間にずれが生じることがある。この場合、仮にAR画像P23の全体の透過率が0%であれば、AR画像P23の端と、対象領域の端とが表示され、そのずれが目立ってしまう。しかし、本変形例におけるAR画像P23では、端に近い部位ほどその部位の透過率が高いため、AR画像P23の端が表示され難くすることができ、その結果、AR画像P23と対象領域との間のずれを目立ち難くすることができる。さらに、AR画像P23の周縁部では、グラデーションのように透過率が変化しているため、AR画像P23が対象領域に重畳されていることを目立ち難くすることができる。
図92は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、上述のように、撮像表示画像Ppre中の対象領域にAR画像P24を重畳する。ここで、図92に示すように、撮像される被写体は、例えば飲食店のメニューである。このメニューは白枠に囲われ、さらに、その白枠は黒枠に囲われている。つまり、被写体は、メニューと、そのメニューを囲う白枠と、その白枠を囲う黒枠とを含む。
受信機200は、撮像表示画像Ppreのうちの、白枠の像よりも大きく、黒枠の像よりも小さい領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、AR画像P24のサイズをその対象領域のサイズに合わせて、そのリサイズされたAR画像P24を対象領域に重畳する。
これにより、重畳されているAR画像P24が、受信機200の動きなどによって、対象領域からずれてしまった場合でも、そのAR画像P24を、黒枠に囲まれた状態で表示させ続けることができる。したがって、AR画像P24と対象領域との間のずれを目立ち難くすることができる。
なお、図92に示す例では、枠の色は黒または白であるが、これらの色に限定されず、どのような色であってもよい。
図93は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
例えば、受信機200は、夜空にライトアップされた城が描かれたポスターを被写体として撮像する。例えば、このポスターは、バックライトとして構成された上述の送信機100によって照らされ、そのバックライトによって可視光信号(すなわち光ID)を送信している。受信機200は、その撮像によって、そのポスターである被写体の像を含む撮像表示画像Ppreと、その光IDに対応するAR画像P25とを取得する。ここで、AR画像P25は、上述の城が描かれている領域が抜き取られたポスターの像と同一の形状を有する。すなわち、AR画像P25における、ポスターの像の城に対応する領域は、マスキングされている。さらに、AR画像P25は、上述のAR画像P23と同様、AR画像P25の各部位がAR画像P25の端に近いほどその部位における透過率が高くなるように構成されている。また、AR画像P25において透過率が0%である中央部分には、夜空に打ち上げられる花火が動画として表示される。
受信機200は、このようなAR画像P25のサイズを、被写体の像である対象領域のサイズに合わせて、そのリサイズされたAR画像P25を対象領域に重畳する。その結果、ポスターに描かれている城は、AR画像ではなく、被写体の像として表示され、さらに、花火の動像がAR画像として表示される。
これにより、ポスターの中で現実に花火が打ち上げられているように撮像表示画像Ppreを表示することができる。また、AR画像P25の各部位の透過率は、その部位がAR画像P25の端に近いほど高い。したがって、対象領域にAR画像P25が重畳されると、AR画像P25の中央部分は表示されても、そのAR画像P25の端は表示されず、対象領域の端が表示される。その結果、AR画像P25と対象領域とのずれを目立ち難くすることができる。さらに、AR画像P25の周縁部では、グラデーションのように透過率が変化しているため、AR画像P25が対象領域に重畳されていることを目立ち難くすることができる。
図94は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
例えば、受信機200は、テレビとして構成されている送信機100を被写体として撮像する。具体的には、この送信機100は、夜空にライトアップされた城をディスプレイに表示するとともに、可視光信号(すなわち光ID)を送信している。受信機200は、その撮像によって、送信機100が映し出された撮像表示画像Ppreと、その光IDに対応するAR画像P26とを取得する。ここで、受信機200は、まず、撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示する。このとき、受信機200は、ディスプレイ201に、ユーザに消灯を促すメッセージmも表示する。具体的には、そのメッセージmは、例えば「部屋の照明をオフにして、部屋を暗くしてください」である。
このメッセージmの表示によって、ユーザが消灯し、送信機100が設置されている部屋が暗くなると、受信機200は、AR画像P26を撮像表示画像Ppreに重畳して表示する。ここで、AR画像P26は、撮像表示画像Ppreと同じサイズであって、そのAR画像P26における、撮像表示画像Ppreの城に対応する領域はくり抜かれている。つまり、AR画像P26における、撮像表示画像Ppreの城に対応する領域はマスキングされている。したがって、その領域から撮像表示画像Ppreの城をユーザに見せることができる。また、AR画像P26におけるその領域の周縁部では、上述と同様に、透過率がグラデーションのように0%から100%まで段階的に変化していてもよい。この場合には、撮像表示画像PpreとAR画像P26との間のずれを目立ち難くすることができる。
上述の例では、周縁部の透過率が高いAR画像を、撮像表示画像Ppreの対象領域に重畳することによって、AR画像と対象領域とのずれを目立ち難くしている。しかし、このようなAR画像の代わりに、撮像表示画像Ppreと同じサイズであって、全体が半透明(すなわち透過率が50%)のAR画像を撮像表示画像Ppreに重畳してもよい。この場合であっても、AR画像と対象領域とのずれを目立ち難くすることができる。また、撮像表示画像Ppreが全体的に明るい場合には、均一に透明度が低いAR画像を撮像表示画像Ppreに重畳し、逆に、撮像表示画像Ppreが全体的に暗い場合には、均一に透明度が高いAR画像を撮像表示画像Ppreに重畳してもよい。
なお、AR画像P25およびAR画像P26の花火などのオブジェクトは、CG(computer graphics)によって表現されてもよい。この場合には、マスキングを不要にすることができる。また、図94に示す例では、受信機200は、ユーザに消灯を促すメッセージmを表示するが、このような表示を行うことなく、自動的に消灯してもよい。例えば、受信機200は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、または特定小電力無線局等によって、テレビである送信機100が設定されている照明装置に対して消灯信号を出力する。これによって、自動的に照明装置の消灯が行われる。
図95Aは、受信機200による撮像によって得られる撮像表示画像Ppreの一例を示す図である。
例えば、送信機100は、スタジアムに設置されている大型ディスプレイとして構成されている。そして、送信機100は、例えばファーストフードおよびドリンクの注文が光IDで可能であることを示すメッセージを表示するとともに、可視光信号(すなわち光ID)を送信する。このようなメッセージが表示されると、ユーザは受信機200を送信機100に向けて撮像を行う。つまり、受信機200は、スタジアムに設置されている大型ディスプレイとして構成されている送信機100を被写体として撮像する。
受信機200は、その撮像によって撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを取得する。そして、受信機200は、その復号用画像Pdecを復号することによって光IDを取得し、その光IDと撮像表示画像Ppreとをサーバに送信する。
サーバは、光IDごとに、その光IDに対応付けられた設置情報の中から、受信機200から送信された光IDに対応付けられた、撮像された大型ディスプレイの設置情報を特定する。例えば、設置情報は、大型ディスプレイが設置されている位置および向きと、その大型ディスプレイの大きさとなどを示す。さらに、サーバは、その撮像表示画像Ppreに映し出されている大型ディスプレイの大きさおよび向きと、その設置情報とに基づいて、スタジアムにおいてその撮像表示画像Ppreの撮像が行われた座席の番号を特定する。そして、サーバは、その座席の番号を含むメニュー画面を受信機200に表示させる。
図95Bは、受信機200のディスプレイ201に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
メニュー画面m1は、例えば商品ごとに、その商品の注文数が入力される入力欄ma1と、サーバによって特定されたスタジアムの座席の番号が記載されている座席欄mb1と、注文ボタンmc1とを含む。ユーザは、受信機200を操作することによって、所望の商品に対応する入力欄ma1にその商品の注文数を入力し、注文ボタンmc1を選択する。これにより、注文が確定され、受信機200は、その入力結果に応じた注文内容をサーバに送信する。
サーバは、その注文内容を受信すると、その注文内容にしたがった注文数の商品を、上述のように特定された番号の座席に届けるようにスタジアムのスタッフに指示する。
図96は、受信機200とサーバとの処理動作の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、スタジアムの大型ディスプレイとして構成されている送信機100を撮像する(ステップS421)。受信機200は、その撮像によって得られる復号用画像Pdecを復号することによって、送信機100から送信される光IDを取得する(ステップS422)。受信機200は、ステップS422で取得された光IDと、ステップS421の撮像によって得られた撮像表示画像Ppreとをサーバに送信する(ステップS423)。
サーバは、その光IDおよび撮像表示画像Ppreを受信すると(ステップS424)、その光IDに基づいて、スタジアムに設置されている大型ディスプレイの設置情報を特定する(ステップS425)。例えば、サーバは、光IDごとに、その光IDに対応付けられた大型ディスプレイの設置情報を示すテーブルを保持し、受信機200から送信された光IDに対応付けられた設置情報をそのテーブルから検索することによって、その設置情報を特定する。
次に、サーバは、その特定された設置情報と、撮像表示画像Ppreに映っている大型ディスプレイの大きさおよび向きとに基づいて、スタジアムにおいて、その撮像表示画像Ppreの取得(すなわち撮像)が行われた座席の番号を特定する(ステップS426)。そして、サーバは、特定された座席の番号を含むメニュー画面m1のURL(Uniform Resource Locator)を受信機200に送信する(ステップS427)。
受信機200は、サーバから送信されたメニュー画面m1のURLを受信すると(ステップS428)、そのURLにアクセスし、メニュー画面m1を表示する(ステップS429)。ここで、ユーザは、受信機200を操作することによって、注文内容をメニュー画面m1に入力し、注文ボタンmc1を選択することによって、注文を確定する。これにより、受信機200は、注文内容をサーバに送信する(ステップS430)。
サーバは、その受信機200から送信された注文内容を受信すると、その注文内容にしたがった受注処理を行う(ステップS431)。このとき、サーバは、例えば、その注文内容に応じた注文数の商品を、ステップS426で特定された番号の座席に届けるようにスタジアムのスタッフに指示する。
このように、受信機200による撮像によって得られた撮像表示画像Ppreに基づいて、座席の番号が特定されるため、受信機200のユーザは、商品の注文の際に、わざわざ座席の番号を入力する必要がない。したがって、ユーザは、座席の番号の入力を省いて簡単に商品の注文を行うことができる。
なお、上述の例では、サーバが座席の番号を特定したが、受信機200が座席の番号を特定してもよい。この場合には、受信機200は、サーバから設置情報を取得して、その設置情報と、撮像表示画像Ppreに映っている大型ディスプレイの大きさおよび向きとに基づいて座席の番号を特定する。
図97は、受信機1800aによって再生される音声の音量を説明するための図である。
受信機1800aは、図23に示す例と同様に、例えば街頭デジタルサイネージとして構成される送信機1800bから送信された光ID(可視光信号)を受信する。そして、受信機1800aは、送信機1800bによる画像再生と同じタイミングで、音声を再生する。つまり、受信機1800aは、送信機1800bによって再生される画像と同期するように音声を再生する。なお、受信機1800aは、送信機1800bによって再生される画像(再生画像)と同一の画像、または、その再生画像に関連するAR画像(ARの動画像)を、音声とともに再生してもよい。
ここで、受信機1800aは、上述のように音声を再生するときには、送信機1800bまでの距離に応じてその音声の音量を調整する。具体的には、受信機1800aは、送信機1800bまでの距離が長いほど音量を小さく調整し、逆に、送信機1800bまでの距離が短いほど音量を大きく調整する。
受信機1800aは、送信機1800bまでの距離を、GPS(Global Positioning System)などを利用して特定してもよい。具体的には、受信機1800aは、光IDに対応付けられた送信機1800bの位置情報をサーバなどから取得し、さらに、GPSによって受信機1800aの位置を特定する。そして、受信機1800aは、サーバから取得された位置情報によって示される送信機1800bの位置と、特定された受信機1800aの位置との間の距離を、上述の送信機1800bまでの距離として特定する。なお、受信機1800aは、GPSの代わりにBluetooth(登録商標)などを利用して、送信機1800bまでの距離を特定してもよい。
また、受信機1800aは、撮像によって得られる上述の復号用画像Pdecの輝線パターン領域の大きさに基づいて、送信機1800bまでの距離を特定してもよい。輝線パターン領域は、図51および図52に示す例と同様、受信機1800aのイメージセンサが有する複数の露光ラインの通信用露光時間での露光によって現れる複数の輝線のパターンからなる領域である。この輝線パターン領域は、撮像表示画像Ppreに映し出されている送信機1800bのディスプレイの領域に相当する。具体的には、受信機1800aは、輝線パターン領域が大きいほど短い距離を送信機1800bまでの距離として特定し、逆に、輝線パターン領域が小さいほど長い距離を送信機1800bまでの距離として特定する。また、受信機1800aは、輝線パターン領域の大きさと距離との関係を示す距離データを用い、その距離データにおいて、撮像表示画像Ppre中の輝線パターン領域の大きさに対応付けられている距離を、送信機1800bまでの距離として特定してもよい。なお、受信機1800aは、上述のように受信された光IDをサーバに送信し、その光IDに対応付けられた距離データをそのサーバから取得してもよい。
このように、送信機1800bまでの距離に応じて音量が調整されるため、受信機1800aのユーザは、受信機1800aによって再生される音声を、現実に送信機1800bによって再生されている音声のように聞き取ることができる。
図98は、受信機1800aから送信機1800bまでの距離と音量との関係を示す図である。
例えば、送信機1800bまでの距離がL1〜L2[m]の間では、音量は、Vmin〜Vmax[dB]までの範囲において、その距離に比例して増加または減少する。具体的には、受信機1800aは、送信機1800bまでの距離がL1[m]からL2[m]まで長くなれば、音量をVmax[dB]からVmin[dB]まで直線的に減少させる。また、送信機1800bまでの距離がL1[m]よりも短くなっても、受信機1800aは、音量をVmax[dB]に維持し、送信機1800bまでの距離がL2[m]よりも長くなっても、音量をVmin[dB]に維持する。
このように、受信機1800aは、最大音量Vmaxと、その最大音量Vmaxの音声が出力される最長距離L1と、最小音量Vminと、その最小音量Vminの音声が出力される最短距離L2とを記憶している。また、受信機1800aは、自らに設定されている属性に応じて、その最大音量Vmax、最小音量Vmin、最長距離L1および最短距離L2を変更してもよい。例えば、属性がユーザの年齢であって、その年齢が高齢を示す場合には、受信機1800aは、最大音量Vmaxを基準最大音量よりも大きくし、最小音量Vminを基準最小音量よりも大きくしてもよい。また、属性は、音声の出力が、スピーカから行われるかイヤホンから行われるかを示す情報であってもよい。
このように、受信機1800aには最小音量Vminが設定されているため、受信機1800aが送信機1800bから遠すぎるために、音声が聞こえないことを抑えることができる。さらに、受信機1800aには最大音量Vmaxが設定されているため、受信機1800aが送信機1800bから近すぎるために、必要以上に大音量の音声が出力されてしまうことを抑えることができる。
図99は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、ライトアップされた看板を撮像する。ここで、看板は、光IDを送信する上述の送信機100である照明装置によってライトアップされている。したがって、受信機200は、その撮像によって撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを取得する。そして、受信機200は、復号用画像Pdecを復号することによって光IDを取得し、その光IDに対応付けられた複数のAR画像P27a〜P27cと認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreのうちの看板が映し出されている領域m2の周辺を対象領域として認識する。
具体的には、受信機200は、図99の(a)に示すように、領域m2の左側に接する領域を第1の対象領域として認識し、その第1の対象領域にAR画像P27aを重畳する。
次に、受信機200は、図99の(b)に示すように、領域m2の下側を含む領域を第2の対象領域として認識し、その第2の対象領域にAR画像P27bを重畳する。
次に、受信機200は、図99の(c)に示すように、領域m2の上側に接する領域を第3の対象領域として認識し、その第3の対象領域にAR画像P27cを重畳する。
ここで、AR画像P27a〜P27cのそれぞれは、例えば雪男のキャラクターの画像であって、動画であってもよい。
また、受信機200は、光IDを継続して繰り返し取得している間、予め定められた順序およびタイミングで、認識される対象領域を第1〜第3の対象領域のうちの何れかに切り替えてもよい。つまり、受信機200は、認識される対象領域を、第1の対象領域、第2の対象領域、第3の対象領域の順に切り替えてもよい。あるいは、受信機200は、上述の光IDを取得するごとに、予め定められた順序で、認識される対象領域を第1〜第3の対象領域のうちの何れかに切り替えてもよい。つまり、受信機200は、最初に光IDを取得し、その光IDを継続して繰り返し取得している間には、図99の(a)に示すように、第1の対象領域を認識して、その第1の対象領域にAR画像P27aを重畳する。そして、受信機200は、その光IDを取得できなくなった場合には、AR画像P27aを非表示にする。次に、受信機200は、再び光IDを取得した場合には、その光IDを継続して繰り返し取得している間、図99の(b)に示すように、第2の対象領域を認識して、その第2の対象領域にAR画像P27bを重畳する。そして、受信機200は、再び、その光IDを取得できなくなった場合には、AR画像P27bを非表示にする。次に、受信機200は、再び光IDを取得した場合には、その光IDを継続して繰り返し取得している間、図99の(c)に示すように、第3の対象領域を認識して、その第3の対象領域にAR画像P27cを重畳する。
このように光IDを取得するごとに、認識される対象領域を切り替える場合には、受信機200は、N(Nは2以上の整数)回に1回の頻度で、表示されるAR画像の色を変更してもよい。N回は、AR画像が表示される回数であって、例えば200回であってもよい。つまり、AR画像P27a〜P27cは、全て同じ白色のキャラクターの画像であるが、200回に1回の頻度で、例えばピンク色のキャラクターのAR画像が表示される。受信機200は、そのピンク色のキャラクターのAR画像が表示されているときに、ユーザによるそのAR画像に対する操作を受け付けると、そのユーザに対してポイントを付与してもよい。
このように、AR画像が重畳される対象領域を切り替えたり、AR画像の色を所定の頻度で変更することによって、送信機100によってライトアップされた看板の撮像にユーザの興味を向けることができ、ユーザに光IDを繰り返し取得させることができる。
図100は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、例えば建物内における複数の通路が交差する位置の床面に描かれたマークM4を撮像することによって、ユーザの進むべき進路を提示する、いわゆるウェイファインダー(Way Finder)としての機能を有する。建物は、例えばホテルなどであって、提示される進路は、チェックインを行ったユーザが自らの部屋に向かう進路である。
マークM4は、輝度変化によって光IDを送信する上述の送信機100である照明装置によってライトアップされている。したがって、受信機200は、そのマークM4の撮像によって撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを取得する。そして、受信機200は、復号用画像Pdecを復号することによって光IDを取得し、その光IDと受信機200の端末情報とをサーバに送信する。受信機200は、その光IDおよび端末情報に対応付けられた複数のAR画像P28と認識情報とをサーバから取得する。なお、光IDおよび端末情報は、ユーザのチェックインのときに、複数のAR画像P28および認識情報に対応付けてサーバに格納されている。
受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像PpreのうちのマークM4が映し出されている領域m4の周辺において複数の対象領域を認識する。そして、受信機200は、図100に示すように、その複数の対象領域のそれぞれに、例えば動物の足跡のようなAR画像P28を重畳して表示する。
具体的には、認識情報は、マークM4の位置で右に曲がる進路を示す。受信機200は、このような認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreにおける経路を特定し、その経路に沿って配列される複数の対象領域を認識する。この経路は、ディスプレイ201の下側から領域m4に向かい、領域m4で右に曲がる経路である。受信機200は、あたかも動物がその経路に沿って歩いたかのように、認識された複数の対象領域のそれぞれにAR画像P28を配置する。
ここで、受信機200は、撮像表示画像Ppreにおける経路を特定する場合には、自らに備えられている9軸センサによって検出される地磁気を利用してもよい。この場合、認識情報は、マークM4の位置で進むべき方位を地磁気の向きを基準として示す。例えば、認識情報は、マークM4の位置で進むべき方向として西を示す。受信機200は、このような認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreにおいて、ディスプレイ201の下側から領域m4に向かい、領域m4で西に向かう経路を特定する。そして、受信機200は、その経路に沿って配列される複数の対象領域を認識する。なお、受信機200は、9軸センサによる重力加速度の検出によって、ディスプレイ201の下側を特定する。
このように、受信機200によってユーザの進路が提示されるため、ユーザはその進路にしたがって進めば、簡単に目的地に辿り着くことができる。また、その進路は、撮像表示画像PpreにおけるAR画像として表示されるため、ユーザに分かりやすくその進路を提示することができる。
なお、送信機100である照明装置は、短パルスの光でマークM4を照らすことによって、明るさを抑えながら光IDを適切に送信することができる。また、受信機200は、マークM4を撮像したが、ディスプレイ201側に配置されているカメラ(いわゆる自取りカメラ)を用いて、照明装置を撮像してもよい。また、受信機200は、マークM4および照明装置の両方を撮像してもよい。
図101は、受信機200によるラインスキャン時間の求め方の一例を説明するための図である。
受信機200は、復号用画像Pdecを復号する場合には、ラインスキャン時間を用いて復号を行う。このラインスキャン時間は、イメージセンサに含まれる1つの露光ラインの露光が開始されてから、次の露光ラインの露光が開始されるまでの時間である。受信機200は、このラインスキャン時間が判明していれば、その判明しているラインスキャン時間を用いて復号用画像Pdecを復号する。しかし、そのラインスキャン時間が判明していない場合には、受信機200は、ラインスキャン時間を復号用画像Pdecから求める。
例えば、受信機200は、図101に示すように、復号用画像Pdecにおいて輝線パターンを構成する複数の明線と複数の暗線の中から、最小幅の線を見つけ出す。なお、明線は、送信機100の輝度が高いときに、1つまたは複数の連続する露光ラインのそれぞれが露光することによって生じる復号用画像Pdec上の線である。また、暗線は、送信機100の輝度が低いときに、1つまたは複数の連続する露光ラインのそれぞれが露光することによって生じる復号用画像Pdec上の線である。
受信機200は、その最小幅の線を見つけると、その最小幅の線に対応する露光ラインのライン数、つまりピクセル数を特定する。送信機100が光IDを送信するために輝度変化するキャリア周波数が9.6kHzである場合、送信機100の輝度が高い時間または低い時間は、最短で104μsである。したがって、受信機200は、104μsを、特定された最小幅のピクセル数で除算することによって、ラインスキャン時間を算出する。
図102は、受信機200によるラインスキャン時間の求め方の一例を説明するための図である。
受信機200は、復号用画像Pdecの輝線パターンに対してフーリエ変換を行い、そのフーリエ変換によって得られる空間周波数に基づいてラインスキャン時間を求めてもよい。
例えば図102に示すように、受信機200は、上述のフーリエ変換によって、空間周波数と、復号用画像Pdecにおけるその空間周波数の成分の強度との関係を示すスペクトルを導出する。次に、受信機200は、そのスペクトルに示される複数のピークのそれぞれを順に選択する。そして、受信機200は、ピークを選択するごとに、その選択されたピークの空間周波数(例えば図102における空間周波数f2)が、9.6kHzの時間周波数によって得られるようなラインスキャン時間を、ラインスキャン時間候補として算出する。9.6kHzは、上述のように送信機100の輝度変化のキャリア周波数である。これにより、複数のラインスキャン時間候補が算出される。受信機200は、これらの複数のラインスキャン時間候補のうちの最尤の候補を、ラインスキャン時間として選択する。
最尤の候補を選択するためには、受信機200は、撮像におけるフレームレートと、イメージセンサに含まれる露光ラインの数とに基づいて、ラインスキャン時間の許容範囲を算出する。つまり、受信機200は、1×10[μs]/{(フレームレート)×(露光ライン数)}によって、ラインスキャン時間の最大値を算出する。そして、受信機200は、その最大値×定数K(K<1)〜最大値までを、ラインスキャン時間の許容範囲として決定する。定数Kは、例えば0.9または0.8などである。
受信機200は、複数のラインスキャン時間候補のうち、この許容範囲にある候補を最
尤の候補、すなわちラインスキャン時間として選択する。
なお、受信機200は、図101に示す例によって算出されたラインスキャン時間が上述の許容範囲にあるか否かによって、その算出されたラインスキャン時間の信頼性を評価してもよい。
図103は、受信機200によるラインスキャン時間の求め方の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、復号用画像Pdecの復号を試みることによって、ラインスキャン時間を求めてもよい。具体的には、まず、受信機200は、撮像を開始する(ステップS441)。次に、受信機200は、ラインスキャン時間が判明しているか否かを判定する(ステップS442)。例えば、受信機200は、自らの種類および型式をサーバに通知し、その種類および型式に応じたラインスキャン時間を問い合わせることによって、そのラインスキャン時間が判明しているか否かを判定してもよい。ここで、判明していると判定すると(ステップS442のYes)、受信機200は、光IDの基準取得回数をn(nは2以上の整数であって、例えば4)に設定する(ステップS443)。次に、受信機200は、その判明しているラインスキャン時間を用いて復号用画像Pdecを復号することによって、光IDを取得する(ステップS444)。このとき、受信機200は、ステップS441で開始された撮像によって順次得られる複数の復号用画像Pdecのそれぞれに対して復号を行うことによって、複数の光IDを取得する。ここで、受信機200は、同じ光IDを基準取得回数(すなわちn回)だけ取得したか否かを判定する(ステップS445)。n回取得したと判定すると(ステップS445のYes)、受信機200は、その光IDを信用し、その光IDを用いた処理(例えばAR画像の重畳)を開始する(ステップS446)。一方、n回取得していないと判定すると(ステップS445のNo)、受信機200は、その光IDを信用せず、処理を終了する。
ステップS442において、ラインスキャン時間が判明していないと判定すると(ステップS442のNo)、受信機200は、光IDの基準取得回数をn+k(kは1以上の整数)に設定する(ステップS447)。つまり、受信機200は、ラインスキャン時間が判明していないときには、ラインスキャン時間が判明しているときよりも多い基準取得回数を設定する。次に、受信機200は、仮のラインスキャン時間を決定する(ステップS448)。そして、受信機200は、仮決めのラインスキャン時間を用いて復号用画像Pdecを復号することによって、光IDを取得する(ステップS449)。このとき、受信機200は、上述と同様、ステップS441で開始された撮像によって順次得られる複数の復号用画像Pdecのそれぞれに対して復号を行うことによって、複数の光IDを取得する。ここで、受信機200は、同じ光IDを基準取得回数(すなわち(n+k)回)だけ取得したか否かを判定する(ステップS450)。
(n+k)回取得したと判定すると(ステップS450のYes)、受信機200は、仮決めのラインスキャン時間が正しいラインスキャン時間であると判断する。そして、受信機200は、受信機200の種類および型式と、そのラインスキャン時間とをサーバに通知する(ステップS451)。これにより、サーバでは、受信機の種類および型式と、その受信機に適したラインスキャン時間とが対応付けて記憶される。したがって、同じ種類および型式の他の受信機が撮像を開始した場合には、他の受信機は、サーバに問い合わせることによって、自らのラインスキャン時間を特定することができる。つまり、他の受信機は、ステップS442の判定において、ラインスキャン時間が判明していると判定することができる。
そして、受信機200は、(n+k)回取得された光IDを信用し、その光IDを用いた処理(例えばAR画像の重畳)を開始する(ステップS446)。
また、ステップS450において、同じ光IDを(n+k)回取得していないと判定すると(ステップS450のNo)、受信機200は、さらに、終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS452)。終了条件は、例えば、撮像開始から予め定められた時間が経過したこと、あるいは、光IDの取得が最大取得回数以上行われたことなどである。このような終了条件が満たされたと判定すると(ステップS452のYes)、受信機200は処理を終了する。一方、終了条件が満たされていないと判定すると(ステップS452のNo)、受信機200は、仮決めのラインスキャン時間を変更する(ステップS453)。そして、受信機200は、その変更された仮決めのラインスキャン時間を用いてステップS449からの処理を繰り返し実行する。
このように、受信機200は、ラインスキャン時間が判明していなくても、図101〜図103に示す例のように、そのラインスキャン時間を求めることができる。これにより、受信機200の種類および型式がどのようなものであっても、受信機200は、復号用画像Pdecを適切に復号して光IDを取得することができる。
図104は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、テレビとして構成されている送信機100を撮像する。この送信機100は、例えばテレビ番組を表示しながら輝度変化することによって、光IDとタイムコードを周期的に送信している。タイムコードは、送信されるたびに、その送信時の時刻を示す情報であって、例えば図26に示す時間パケットであってもよい。
受信機200は、上述の撮像によって、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを周期的に取得する。そして、受信機200は、周期的に取得される撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示しながら、復号用画像Pdecを復号することによって、上述の光IDとタイムコードを取得する。次に、受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する。サーバ300は、その光IDを受信すると、その光IDに対応付けられた音声データと、AR開始時刻情報と、AR画像P29と、認識情報とを受信機200に送信する。
受信機200は、音声データを取得すると、その音声データを送信機100に映し出されているテレビ番組の映像と同期させて再生する。つまり、音声データは、複数の音声単位データからなり、それらの複数の音声単位データにはタイムコードが含まれている。受信機200は、音声データのうち、光IDとともに送信機100から取得されるタイムコードと同一の時刻を示すタイムコードを含む音声単位データから、複数の音声単位データの再生を開始する。これにより、音声データの再生が、テレビ番組の映像と同期される。なお、このような音声と映像との同期は、図23以降の各図によって示される音声同期再生と同様の方法によって行われてもよい。
受信機200は、AR画像P29および認識情報を取得すると、撮像表示画像Ppreのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P29を重畳する。例えば、AR画像P29は、受信機200のディスプレイ201の亀裂を示す画像であって、対象領域は、撮像表示画像Ppreのうちの送信機100の像を横切る領域である。
ここで、受信機200は、上述のようなAR画像P29が重畳された撮像表示画像Ppreを、AR開始時刻情報に応じたタイミングに表示する。AR開始時刻情報は、AR画像P29が表示される時刻を示す情報である。つまり、受信機200は、送信機100から随時送信されるタイムコードのうち、AR開始時刻情報と同一の時刻を示すタイムコードを受信したタイミングに、上述のAR画像P29が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する。例えば、AR開始時刻情報によって示される時刻は、テレビ番組において、魔法使いの少女が氷の魔法をかけるシーンが登場する時刻である。また、この時刻には、受信機200は、音声データの再生によって、そのAR画像P29の亀裂が生じる音を受信機200のスピーカから出力してもよい。
これにより、ユーザは、テレビ番組のシーンを、より臨場感を持って視聴することできる。
また、受信機200は、AR開始時刻情報によって示される時刻に、受信機200に備えられているバイブレータを振動させてもよく、光源をフラッシュのように発光させてもよく、ディスプレイ201を瞬間的に明るくさせたり点滅させたりしてもよい。また、AR画像P29は、亀裂を示す画像だけでなく、ディスプレイ201の結露が凍り付いた状態を示す画像を含んでいてもよい。
図105は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、例えば玩具の杖として構成されている送信機100を撮像する。この送信機100は、光源を備え、その光源が輝度変化することによって、光IDを送信している。
受信機200は、上述の撮像によって、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを周期的に取得する。そして、受信機200は、周期的に取得される撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示しながら、復号用画像Pdecを復号することによって、上述の光IDを取得する。次に、受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する。サーバ300は、その光IDを受信すると、その光IDに対応付けられたAR画像P30と認識情報とを受信機200に送信する。
ここで、認識情報は、さらに、送信機100を把持する人物によるジェスチャ(すなわち動作)を示すジェスチャ情報を含む。ジェスチャ情報は、例えば、人物が送信機100を右から左に動かすジェスチャを示す。受信機200は、各撮像表示画像Ppreに映し出されている、送信機100を把持する人物によるジェスチャと、ジェスチャ情報によって示されるジェスチャとを比較する。そして、受信機200は、それらのジェスチャが一致すると、例えば、多くの星型のAR画像P30が、そのジェスチャによって移動する送信機100の軌跡に沿って配列されるように、それらのAR画像P30を撮像表示画像Ppreに重畳する。
図106は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、上述と同様に、例えば玩具の杖として構成されている送信機100を撮像する。
受信機200は、その撮像によって、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを周期的に取得する。そして、受信機200は、周期的に取得される撮像表示画像Ppreをディスプレイ201に表示しながら、復号用画像Pdecを復号することによって、上述の光IDを取得する。次に、受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する。サーバ300は、その光IDを受信すると、その光IDに対応付けられたAR画像P31と認識情報とを受信機200に送信する。
ここで、認識情報は、上述と同様に、送信機100を把持する人物によるジェスチャを示すジェスチャ情報を含む。ジェスチャ情報は、例えば、人物が送信機100を右から左に動かすジェスチャを示す。受信機200は、各撮像表示画像Ppreに映し出されている、送信機100を把持する人物によるジェスチャと、ジェスチャ情報によって示されるジェスチャとを比較する。そして、受信機200は、それらのジェスチャが一致すると、例えば、撮像表示画像Ppreにおいて、その送信機100を把持する人物が映し出されている領域である対象領域に、ドレスの衣装を示すAR画像P30を重畳する。
このように、本変形例における表示方法では、光IDに対応するジェスチャ情報をサーバから取得する。次に、周期的に取得される撮像表示画像によって示される被写体の動きが、サーバから取得されたジェスチャ情報によって示される動きと一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定されたときに、AR画像が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する。
これにより、例えば人物などの被写体の動きに応じてAR画像を表示することができる。つまり、適切なタイミングにAR画像を表示することができる。
図107は、受信機200の姿勢に応じて取得される復号用画像Pdecの一例を示す図である。
例えば、図107の(a)に示すように、受信機200は、横向きの姿勢で、輝度変化によって光IDを送信する送信機100を撮像する。なお、横向きの姿勢は、受信機200のディスプレイ201の長手方向が水平方向に沿う姿勢である。また、受信機200に備えられているイメージセンサの各露光ラインは、ディスプレイ201の長手方向に対して直交している。上述のような撮像によって、輝線の数が少ない輝線パターン領域Xを含む復号用画像Pdecが取得される。この復号用画像Pdecの輝線パターン領域Xでは、輝線の数が少ない。つまり、輝度がHighまたはLowに変化する部位が少ない。したがって、受信機200は、その復号用画像Pdecに対する復号によって適切に光IDを取得することができない場合がある。
そこで、例えば、図107の(b)に示すように、ユーザは、受信機200の姿勢を横向きから縦向きに変える。なお、縦向きの姿勢は、受信機200のディスプレイ201の長手方向が垂直方向に沿う姿勢である。このような姿勢の受信機200は、光IDを送信する送信機100を撮像すると、輝線の数が多い輝線パターン領域Yを含む復号用画像Pdecを取得することができる。
このように、受信機200の姿勢に応じて、光IDを適切に取得することができない場合があるため、受信機200に光IDを取得させるときには、撮像している受信機200の姿勢を適宜変更するとよい。姿勢が変更されているときには、受信機200は、光IDを取得し易い姿勢になったタイミングで、光IDを適切に取得することができる。
図108は、受信機200の姿勢に応じて取得される復号用画像Pdecの他の例を示す図である。
例えば、送信機100は、喫茶店のデジタルサイネージとして構成され、映像表示期間に、喫茶店の広告に関する映像を表示し、光ID送信期間に、輝度変化によって光IDを送信する。つまり、送信機100は、映像表示期間における映像の表示と、光ID送信期間における光IDの送信とを交互に繰り返し実行する。
受信機200は、送信機100の撮像によって、撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecとを周期的に取得する。このとき、送信機100の映像表示期間および光ID送信期間の繰り返し周期と、受信機200による撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecの取得の繰り返し周期との同期によって、輝線パターン領域を含む復号用画像Pdecを取得することができない場合がある。さらに、受信機200の姿勢によって、輝線パターン領域を含む復号用画像Pdecを取得することができない場合がある。
例えば、受信機200は、図108の(a)に示すような姿勢で、送信機100を撮像する。つまり、受信機200は、送信機100に近づき、受信機200のイメージセンサの全体に送信機100の像が投影されるように、その送信機100を撮像する。
ここで、受信機200が撮像表示画像Ppreを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間内にあれば、受信機200は、送信機100が映し出された撮像表示画像Ppreを適切に取得する。
そして、受信機200が復号用画像Pdecを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間と光ID送信期間とに跨る場合であっても、受信機200は、輝線パターン領域Z1を含む復号用画像Pdecを取得することができる。
つまり、イメージセンサに含まれる各露光ラインの露光は、垂直方向の上端にある露光ラインから下側に順に開始される。したがって、映像表示期間において、受信機200が復号用画像Pdecを取得するためにイメージセンサの露光を開始しても、輝線パターン領域を得ることはできない。しかし、その映像表示期間が光ID送信期間に切り替わると、その光ID送信期間に露光が行われる各露光ラインに対応した輝線パターン領域を得ることができる。
ここで、受信機200は、図108の(b)に示すような姿勢で、送信機100を撮像する。つまり、受信機200は、送信機100から離れ、受信機200のイメージセンサの上側の領域のみに送信機100の像が投影されるように、その送信機100を撮像する。このときには、上述と同様、受信機200が撮像表示画像Ppreを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間内にあれば、受信機200は、送信機100が映し出された撮像表示画像Ppreを適切に取得する。しかし、受信機200が復号用画像Pdecを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間と光ID送信期間とに跨る場合には、受信機200が、輝線パターン領域を含む復号用画像Pdecを取得することができないことがある。つまり、送信機100の映像表示期間が光ID送信期間に切り替わっても、その光ID送信期間に露光が行われるイメージセンサの下側にある各露光ラインには、輝度変化する送信機100の像が投影されないことがある。したがって、輝線パターン領域を有する復号用画像Pdecを取得することができない。
一方、受信機200は、図108の(c)に示すように、送信機100から離れた状態で、受信機200のイメージセンサの下側の領域のみに送信機100の像が投影されるように、その送信機100を撮像する。このときには、上述と同様、受信機200が撮像表示画像Ppreを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間内にあれば、受信機200は、送信機100が映し出された撮像表示画像Ppreを適切に取得する。さらに、受信機200が復号用画像Pdecを取得するタイミングが、送信機100の映像表示期間と光ID送信期間とに跨る場合でも、受信機200が輝線パターン領域を含む復号用画像Pdecを取得することができることがある。つまり、送信機100の映像表示期間が光ID送信期間に切り替わると、その光ID送信期間に露光が行われるイメージセンサの下側にある各露光ラインには、輝度変化する送信機100の像が投影される。したがって、輝線パターン領域Z2を有する復号用画像Pdecを取得することができる。
このように、受信機200の姿勢に応じて、光IDを適切に取得することができない場合があるため、受信機200は、光IDを取得するときには、受信機200の姿勢を変えるようにユーザに促してもよい。つまり、受信機200は、撮像が開始されると、受信機200の姿勢が変わるように、例えば「動かしてください」または「振ってください」というメッセージの表示または音声出力を行う。これにより、受信機200は、姿勢を変えながら撮像を行うため、光IDを適切に取得することができる。
図109は、受信機200の処理動作の一例を示すフローチャートである。
例えば、受信機200は、撮像しているときに、受信機200が振られているか否かを判定する(ステップS461)。具体的には、受信機200は、受信機200に備えられた9軸センサの出力に基づいて、振られているか否かを判定する。ここで、受信機200は、撮像中に振られていると判定すると(ステップS461のYes)、上述の光ID取得レートを上げる(ステップS462)。具体的には、受信機200は、撮像中に得られる単位時間あたりの全ての撮像画像を復号用画像(すなわち輝線画像)Pdecとして取得し、取得された全ての復号用画像のそれぞれをデコードする。または、受信機200は、全ての撮像画像が撮像表示画像Ppreとして取得されているときには、つまり、復号用画像Pdecの取得およびデコードが停止されているときには、その取得およびデコードを開始する。
一方、受信機200は、撮像中に振られていないと判定すると(ステップS461のNo)、低い光ID取得レートで復号用画像Pdecを取得する(ステップS463)。具体的には、光ID取得レートがステップS462で上げられて現在も高い光ID取得レートになっていれば、受信機200は、現在の光ID取得レートが高いため、その光ID取得レートを下げる。これにより、受信機200による復号用画像Pdecの復号処理が行われる頻度が少なくなるため、消費電力を抑えることができる。
そして、受信機200は、光ID取得レートの調整処理を終了するための終了条件が満たされたか否かを判定し(ステップS464)、満たされていないと判定すると(ステップS464のNo)、ステップS461からの処理を繰り返し実行する。一方、受信機200は、終了条件が満たされたと判定すると(ステップS464のYes)、光ID取得レートの調整処理を終了する。
図110は、受信機200によるカメラレンズの切り替え処理の一例を示す図である。
受信機200は、広角レンズ211と望遠レンズ212とをそれぞれカメラレンズとして備えていてもよい。広角レンズ211を用いた撮像によって得られる撮像画像は、画角の広い画像であって、その画像には被写体が小さく映し出される。一方、望遠レンズ212を用いた撮像によって得られる撮像画像は、画角の狭い画像であって、その画像には被写体が大きく映し出される。
上述のような受信機200は、撮像を行うときには、図110に示す方法A〜Eの何れかの方法によって、撮像に用いられるカメラレンズを切り替えてもよい。
方法Aでは、受信機200は、通常撮像の場合でも、光IDを受信する場合でも、撮像するときには常に望遠レンズ212を用いる。ここで、通常撮像の場合とは、撮像によって全ての撮像画像を撮像表示画像Ppreとして取得する場合である。また、光IDを受信する場合とは、撮像によって撮像表示画像Ppreと復号用画像Pdecを周期的に取得する場合である。
方法Bでは、受信機200は、通常撮像の場合には、広角レンズ211を用いる。一方、光IDを受信する場合には、受信機200は、まず、広角レンズ211を用いる。そして、受信機200は、その広角レンズ211を用いているときに取得された復号用画像Pdecに輝線パターン領域が含まれていれば、カメラレンズを広角レンズ211から望遠レンズ212に切り替える。この切り替え後には、受信機200は、画角の狭い、すなわち輝線パターン領域が大きく表れた復号用画像Pdecを取得することができる。
方法Cでは、受信機200は、通常撮像の場合には、広角レンズ211を用いる。一方、光IDを受信する場合には、受信機200は、カメラレンズを広角レンズ211と望遠レンズ212とに切り替える。つまり、受信機200は、広角レンズ211を用いて撮像表示画像Ppreを取得し、望遠レンズ212を用いて復号用画像Pdecを取得する。
方法Dでは、受信機200は、通常撮像の場合でも、光IDを受信する場合でも、ユーザによる操作に応じて、カメラレンズを広角レンズ211と望遠レンズ212とに切り替える。
方法Eでは、受信機200は、光IDを受信する場合、広角レンズ211を用いて取得された復号用画像Pdecを復号し、正しく復号できなければ、カメラレンズを広角レンズ211から望遠レンズ212に切り替える。または、受信機200は、望遠レンズ212を用いて取得された復号用画像Pdecを復号し、正しく復号できなければ、カメラレンズを望遠レンズ212から広角レンズ211に切り替える。なお、受信機200は、復号用画像Pdecを正しく復号できたか否かを判定するときには、まず、その復号用画像Pdecに対する復号によって得られる光IDをサーバに送信する。サーバは、その光IDが自らに登録されている光IDに一致していれば、一致していることを示す一致情報を受信機200に通知し、一致していなければ、一致していないことを示す不一致情報を受信機200に通知する。受信機200は、サーバから通知された情報が一致情報であれば、復号用画像Pdecが正しく復号できたと判定し、サーバから通知された情報が不一致情報であれば、復号用画像Pdecが正しく復号できなかったと判定する。または、受信機200は、復号用画像Pdecの復号によって得られる光IDが、予め定められた条件を満たす場合には、復号用画像Pdecが正しく復号できたと判定する。一方、その条件を満たさない場合には、受信機200は、復号用画像Pdecが正しく復号できなかったと判定する。
このようにカメラレンズを切り替えることによって、適切な復号用画像Pdecを取得することができる。
図111は、受信機200によるカメラの切り替え処理の一例を示す図である。
例えば、受信機200は、カメラとしてインカメラ213とアウトカメラ(図111では図示せず)とを備える。インカメラ213は、フェイスカメラまたは自撮りカメラともいい、受信機200におけるディスプレイ201と同じ面に配置されているカメラである。アウトカメラは、受信機200におけるディスプレイ201の面と反対側の面に配置されているカメラである。
このような受信機200は、インカメラ213を上に向けた状態で、照明装置として構成された送信機100をインカメラ213によって撮像する。この撮像によって、受信機200は、復号用画像Pdecを取得し、その復号用画像Pdecに対する復号によって、送信機100から送信される光IDを取得する。
次に、受信機200は、その取得された光IDをサーバに送信することによって、その光IDに対応付けられたAR画像および認識情報をサーバから取得する。受信機200は、アウトカメラおよびインカメラ213のそれぞれによって得られる各撮像表示画像Ppreの中から、その認識情報に応じた対象領域を認識する処理を開始する。ここで、受信機200は、アウトカメラおよびインカメラ213のそれぞれによって得られた撮像表示画像Ppreの何れからも、対象領域を認識することができない場合、受信機200を動かすようにユーザに促す。受信機200に促されたユーザは、受信機200を動かす。具体的には、ユーザは、インカメラ213およびアウトカメラがユーザの前後方向を向くように、受信機200を動かす。その結果、受信機200は、アウトカメラによって取得された撮像表示画像Ppreの中から、対象領域を認識する。つまり、受信機200は、人が映し出された領域を対象領域として認識し、撮像表示画像Ppreのうちのその対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する。
図112は、受信機200とサーバとの処理動作の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、照明装置である送信機100をインカメラ213で撮像することによって、その送信機100から送信される光IDを取得し、その光IDをサーバに送信する(ステップS471)。サーバは、受信機200から光IDを受信し(ステップS472)、その光IDに基づいて、受信機200の位置を推定する(ステップS473)。例えば、サーバは、光IDごとに、その光IDを送信する送信機100が配置されている部屋、建物、またはスペースなど示すテーブルを記憶している。そして、サーバは、そのテーブルにおいて、受信機200から送信された光IDに対応付けられた部屋などを、受信機200の位置として推定する。さらに、サーバは、その推定された位置に対応付けられたAR画像および認識情報を受信機200に送信する(ステップS474)。
受信機200は、サーバから送信されたAR画像および認識情報を取得する(ステップS475)。ここで、受信機200は、アウトカメラおよびインカメラ213のそれぞれによって得られた各撮像表示画像Ppreの中から、その認識情報に応じた対象領域を認識する処理を開始する。そして、受信機200は、例えばアウトカメラによって取得された撮像表示画像Ppreの中から対象領域を認識する(ステップS476)。受信機200は、撮像表示画像Ppreのうちの対象領域にAR画像を重畳し、そのAR画像が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する(ステップS477)。
なお、上述の例では、受信機200は、サーバから送信されたAR画像および認識情報を取得すると、ステップS476において、アウトカメラおよびインカメラ213のそれぞれによって得られた各撮像表示画像Ppreの中から対象領域を認識する処理を開始した。しかし、受信機200は、ステップS476において、アウトカメラのみによって得られた撮像表示画像Ppreの中から対象領域を認識する処理を開始してもよい。つまり、光IDを取得するためのカメラ(上述の例ではインカメラ213)と、AR画像が重畳される撮像表示画像Ppreを取得するためのカメラ(上述の例ではアウトカメラ)とを、常に異ならせてもよい。
また、上述の例では、受信機200は、照明装置である送信機100をインカメラ213で撮像したが、送信機100によって照らされた床面をアウトカメラで撮影してもよい。このようなアウトカメラによる撮像でも、受信機200は、送信機100から送信される光IDを取得することができる。
図113は、受信機200によるAR画像の重畳の一例を示す図である。
受信機200は、例えばコンビニエンスストアなどの店舗に設置された電子レンジとして構成されている送信機100を撮像する。この送信機100は、電子レンジの庫内を撮像するためのカメラと、その庫内を照らす照明装置とを備える。そして、送信機100は、庫内に収納された飲食物(すなわち温め対象物)を、カメラによる撮像によって認識する。また、送信機100は、その飲食物を温めるときには、上述の照明装置を発光させるとともに、その照明装置を輝度変化させることによって、認識された飲食物を示す光IDを送信する。なお、この照明装置は電子レンジの庫内を照らすが、その照明装置の光は、電子レンジの透過性を有する窓部から外部に放たれる。したがって、光IDは、照明装置から電子レンジの窓部を介して、電子レンジの外部に送信される。
ここで、ユーザは、コンビニエンスストアにて飲食物を購入し、その飲食物を温めるために、電子レンジである送信機100にその飲食物を入れる。このとき、送信機100は、カメラによってその飲食物を認識し、その認識された飲食物を示す光IDを送信しながら飲食物の温めを開始する。
受信機200は、その温めを開始した送信機100を撮像することによって、送信機100から送信された光IDを取得し、その光IDをサーバに送信する。次に、受信機200は、その光IDに対応付けられたAR画像、音声データおよび認識情報をサーバから取得する。
上述のAR画像は、送信機100の内部の仮想的な様子を示す動画であるAR画像P32aと、庫内に収納された飲食物を詳細に示すAR画像P32bと、送信機100から湯気が出ている様子を動画によって示すAR画像P32cと、飲食物の温め完了までの残り時間を動画によって示すAR画像P32dとを含む。
例えば、AR画像P32aは、電子レンジの庫内に収納された飲食物がピザであれば、ピザを載せたターンテーブルが回転していて、そのピザの周りを複数の小人が踊っている動画である。AR画像P32bは、例えば、庫内に収納された飲食物がピザであれば、その商品名「ピザ」と、そのピザの材料とを示す画像である。
受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreのうちの送信機100の窓部が映し出されている領域を、AR画像P32aの対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P32aを重畳する。さらに、受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreのうちの、送信機100が映し出されている領域よりも上にある領域を、AR画像P32bの対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P32bを重畳する。さらに、受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreのうち、AR画像P32aの対象領域と、AR画像P32bの対象領域との間にある領域を、AR画像P32cの対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P32cを重畳する。さらに、受信機200は、認識情報に基づいて、撮像表示画像Ppreのうち、送信機100が映し出されている領域の下にある領域を、AR画像P32dの対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P32dを重畳する。
さらに、受信機200は、音声データを再生することによって、飲食物が加熱されるときに生じる音を出力する。
受信機200によって上述のようなAR画像P32a〜P32dが表示され、さらに、音が出力されることによって、飲食物の温めが完了するまでの間、ユーザの興味を受信機200に引き付けることができる。その結果、温めの完了を待っているユーザの負担を軽減することができる。また、湯気などを示すAR画像P32cが表示され、飲食物が加熱されるときに生じる音が出力されることによって、ユーザにシズル感を与えることができる。また、AR画像P32dの表示によって、ユーザは、飲食物の温め完了までの残り時間を容易に知ることができる。したがって、ユーザは、温め完了までの間、例えば、電子レンジである送信機100から離れて店舗内に陳列されている本などを読むことができる。また、受信機200は、残り時間が0になったときには、温めが完了したことをユーザに通知してもよい。
なお、上述の例では、AR画像P32aは、ピザを載せたターンテーブルが回転していて、そのピザの周りを複数の小人が踊っている動画であったが、例えば、庫内の温度分布を仮想的に示す画像であってもよい。また、AR画像P32bは、庫内に収納された飲食物の商品名および材料を示す画像であったが、栄養成分またはカロリーを示す画像であってもよい。あるいは、AR画像P32bは、割引券を示す画像であってもよい。
このように本変形例における表示方法では、被写体は、照明装置を備えた電子レンジであって、照明装置は、電子レンジの庫内を照らし、かつ、輝度変化することによって光IDを電子レンジの外部に送信する。そして、撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecの取得では、光IDを送信している電子レンジを撮像することによって撮像表示画像Ppreおよび復号用画像Pdecを取得する。対象領域の認識では、撮像表示画像Ppreに映し出されている電子レンジの窓部分を対象領域として認識する。撮像表示画像Ppreの表示では、庫内の状態変化を示すAR画像が重畳された撮像表示画像Ppreを表示する。
これにより、電子レンジの庫内の状態変化がAR画像として表示されるため、電子レンジの利用者に庫内の様子を分かりやすく伝えることができる。
図114は、受信機200、電子レンジ、中継サーバおよび電子決済用サーバを含むシステムの処理動作を示すシーケンス図である。なお、電子レンジは、上述と同様、カメラおよび照明装置を備え、その照明装置の輝度を変化させることによって光IDを送信する。つまり、電子レンジは送信機100としての機能を有する。
まず、電子レンジは、庫内に収納された飲食物をカメラによって認識する(ステップS481)。次に、電子レンジは、その認識された飲食物を示す光IDを照明装置の輝度変化によって受信機200に送信する。
受信機200は、電子レンジを撮像することによって、その電子レンジから送信された光IDを受信し(ステップS483)、光IDとカード情報とを中継サーバに送信する。カード情報は、受信機200に予め保存されているクレジットカードなどの情報であって、電子決済に必要な情報である。
中継サーバは、光IDごとに、その光IDに対応するAR画像、認識情報および商品情報を示すテーブルを保持している。この商品情報は、光IDによって示される飲食物の料金などを示す。このような中継サーバは、受信機200から送信された光IDとカード情報とを受信すると(ステップS486)、その光IDに対応付けられた商品情報を上述のテーブルから見つけ出す。そして、中継サーバは、その商品情報とカード情報とを電子決済用サーバに送信する(ステップS486)。電子決済用サーバは、中継サーバから送信された商品情報とカード情報とを受信すると(ステップS487)、その商品情報とカード情報とに基づいて電子決済の処理を行う(ステップS488)。そして、電子決済用サーバは、その電子決済の処理が完了すると、その完了を中継サーバに通知する(ステップS489)。
中継サーバは、電子決済用サーバからの決済完了の通知を確認すると(ステップS490)、飲食物の温め開始しを電子レンジに指示する(ステップS491)。さらに、中継サーバは、上述のテーブルにおいて、ステップS485で受信した光IDに対応付けられているAR画像および認識情報を受信機200に送信する(ステップS493)。
電子レンジは、中継サーバから温め開始の指示を受けると、庫内に収納された飲食物の温めを開始する(ステップS492)。また、受信機200は、中継サーバから送信されたAR画像および認識情報を受信すると、ステップS483から開始されている撮像によって周期的に取得される撮像表示画像Ppreから、その認識情報に応じた対象領域を認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像を重畳する(ステップS494)。
これにより、受信機200のユーザは、電子レンジの庫内に飲食物を入れて撮像を行えば、簡単に決済を済ませて、飲食物の温めを開始することができる。また、決済ができない場合には、ユーザによる飲食物の温めを禁止することができる。さらに、温めが開始されたときには、図113に示すAR画像P32aなどの表示を行うことができ、庫内の様子をユーザに知らせることができる。
図115は、POS端末、サーバ、受信機200および電子レンジを含むシステムの処理動作を示すシーケンス図である。なお、電子レンジは、上述と同様、カメラおよび照明装置を備え、その照明装置の輝度を変化させることによって光IDを送信する。つまり、電子レンジは送信機100としての機能を有する。また、POS(point−of−sale)端末は、電子レンジと同じコンビニエンスストアなどの店舗に設置された端末である。
まず、受信機200のユーザは、店舗で、商品である飲食物を選び、その飲食物を購入するためにPOS端末が設置された場所に向かう。その店舗の店員は、POS端末を操作し、飲食物の代金をユーザから受け取る。この店員によるPOS端末の操作によって、POS端末は、操作入力データと販売情報とを取得する(ステップS501)。販売情報は、例えば商品の名称、個数および値段と、販売場所と、販売日時とを示す。操作入力データは、例えば、店員によって入力されたユーザの性別および年代などを示す。POS端末は、その操作入力データと販売情報とをサーバに送信する(ステップS502)。サーバは、POS端末から送信された操作入力データと販売情報とを受信する(ステップS503)。
一方、受信機200のユーザは、店員に飲食物の代金を支払うと、その飲食物を温めるために電子レンジの庫内に飲食物を入れる。電子レンジは、庫内に収納された飲食物をカメラによって認識する(ステップS504)。次に、電子レンジは、その認識された飲食物を示す光IDを照明装置の輝度変化によって受信機200に送信する(ステップS505)。そして、電子レンジは、飲食物の温めを開始する(ステップS507)。
受信機200は、電子レンジを撮像することによって、その電子レンジから送信された光IDを受信し(ステップS508)、光IDと端末情報とをサーバに送信する(ステップS509)。端末情報は、受信機200に予め保存されている情報であって、例えば、受信機200のディスプレイ201に表示される言語の種別(例えば英語または日本語など)を示す。
サーバは、受信機200からアクセスされ、受信機200から送信された光IDと端末情報とを受信すると、その受信機200からのアクセスが、最初のアクセスか否かを判定する(ステップS510)。最初のアクセスは、ステップS503の処理が行われたときから所定時間内において最初に行われるアクセスである。ここで、サーバは、その受信機200からのアクセスが最初のアクセスであると判定すると(ステップS510のYes)、操作入力データと端末情報とを関連付けて保存する(ステップS511)。
なお、サーバは、受信機200からのアクセスが最初のアクセスか否かを判定したが、販売情報によって示される商品が、光IDによって示される飲食物に一致するか否かを判定してもよい。また、サーバは、ステップS511では、操作入力データと端末情報とを関連付けるだけでなく、販売情報もそれらに関連付けて保存してもよい。
(屋内での利用)
図116は、地下街等の屋内での利用の様子を示す図である。
受信機200は、照明装置として構成された送信機100の送信する光IDを受信し、自身の現在位置を推定する。また、受信機200は、地図上に現在位置を表示して道案内を行ったり、付近の店舗の情報を表示したりする。
緊急時には送信機100から災害情報や避難情報を送信することで、通信が混雑している場合や、通信基地局が故障した場合や、通信基地局からの電波が届かない場所にいる場合であっても、これらの情報を得ることができる。これは、緊急放送を聞き逃した場合や、緊急放送を聞くことができない聴覚障害者に有効である。
つまり、受信機200は、撮像することによって、送信機100から送信された光IDを取得し、さらに、その光IDに対応付けられたAR画像P33と認識情報とをサーバから取得する。そして、受信機200は、上述の撮像によって得られた撮像表示画像Ppreから、認識情報に応じた対象領域を認識し、その対象領域に、矢印の形状をしたAR画像P33を重畳する。これにより、受信機200を上述のウェイファインダー(図100参照)として利用することができる。
(拡張現実オブジェクトの表示)
図117は、拡張現実オブジェクトを表示する様子を示す図である。
拡張現実を表示させる舞台2718eは、上述の送信機100として構成され、発光部2718a、2718b、2718c、2718dの発光パターンや位置パターンで、拡張現実オブジェクトの情報や、拡張現実オブジェクトを表示させる基準位置を送信する。
受信機200は、受信した情報を基に、AR画像である拡張現実オブジェクト2718fを撮像画像に重畳して表示させる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、一実施形態に関わる方法を実行するコンピュータプログラムがサーバの記録媒体に保存されており、端末の要求に応じて、サーバから端末に配信する態様で実現されてもよい。
[実施の形態4の変形例4]
図118は、実施の形態4の変形例4における表示システムの構成を示す図である。
この表示システム500は、可視光信号を用いた物体認識と拡張現実(Augmented Reality/Mixed Reality)表示とを行う。
受信機200は、撮像を行い、可視光信号の受信と、物体認識または空間認識のための特徴量の抽出とを行う。特徴量の抽出は、撮像によって得られる撮像画像からの画像特徴量の抽出である。なお、可視光信号は、赤外線または紫外線などの可視光隣接キャリア信号であってもよい。また、本変形例では、受信機200が、拡張現実感画像(すなわちAR画像)が表示される対象物の認識を行う認識装置として構成されている。なお、図118に示す例では、対象物は例えばAR対象物501などである。
送信機100は、自身またはAR対象物501を識別するためのID等の情報を、可視光信号または電波信号として送信する。なお、IDは、例えば上述の光IDなどの識別情報であり、AR対象物501は、上述の対象領域である。可視光信号は、送信機100が有する光源の輝度変化により送信される信号である。
受信機200またはサーバ300は、送信機100が送信する識別情報と、AR認識情報及びAR表示情報を紐付けて保持している。紐付けは1対1であってもよいし、1対多であってもよい。AR認識情報とは、上述の認識情報であって、AR表示を行うためのAR対象物501を認識するための情報である。具体的には、AR認識情報は、AR対象物501の画像特徴量(SIFT特徴量、SURF特徴量、またはORB特徴量等)、色、形状、大きさ、反射率、透過率、または三次元モデル等である。また、AR認識情報は、どの認識手法を用いて認識を行うかを示す識別情報または認識アルゴリズムを含んでもよい。AR表示情報は、AR表示を行うための情報であり、画像(すなわち上述のAR画像)、映像、音声、三次元モデル、モーションデータ、表示座標、表示サイズ、または透過率等である。また、AR表示情報は、色相、彩度および明度のそれぞれの絶対値または変更割合であってもよい。
送信機100は、サーバ300としての機能を兼ねてもよい。つまり、送信機100は、AR認識情報およびAR表示情報を保持し、有線または無線通信によって、それらの情報を送信してもよい。
受信機200は、カメラ(具体的にはイメージセンサ)で画像を撮像する。また、受信機200は、可視光信号、または、WiFiもしくはBluetooth(登録商標)などの電波信号を受信する。また、受信機200は、GPS等によって得られる位置情報、ジャイロセンサもしくは加速度センサによって得られる情報、およびマイクからの音声などの情報を取得し、これらの全ての情報あるいは一部の情報を統合して付近に存在するAR対象物を認識してもよい。また、受信機200は、それらの情報を統合せず、何れかの情報のみを用いてAR対象物を認識してもよい。
図119は、実施の形態4の変形例4に係る表示システムの処理動作を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、既に可視光信号を受信しているか否かを判定する(ステップS521)。つまり、受信機200は、例えば、可視光信号を光源の輝度変化により送信する送信機100を撮影することにより、識別情報を示す可視光信号を取得しているか否かを判定する。このときには、その撮影によって、送信機100の撮像画像が取得される。
ここで、受信機200は、既に可視光信号を受信していると判定した場合には(ステップS521のY)、受信した情報からAR対象物(物体、基準点、空間座標、または空間中の受信機200の位置と向き)を特定する。さらに、受信機200は、AR対象物の相対位置を認識する。この相対位置は、受信機200からAR対象物までの距離および方向によって表される。例えば、受信機200は、図50に示す輝線パターン領域の大きさおよび位置などに基づいて、AR対象物(すなわち輝線パターン領域である対象領域)を特定し、そのAR対象物の相対位置を認識する。
そして、受信機200は、可視光信号に含まれるID等の情報と相対位置とをサーバ300に送信し、その情報および相対位置とをキーとして用いることによって、サーバ300に登録されたAR認識情報とAR表示情報とを取得する(ステップS522)。このとき、受信機200は、認識したAR対象物の情報だけでなく、そのAR対象物の付近に存在する他のAR対象物の情報(すなわちAR認識情報およびAR表示情報)も同時に取得しても良い。これにより、付近に存在する他のAR対象物がその受信機200によって撮像された際に、受信機200は、素早く、また、誤りなく、その付近に存在する他のAR対象物を認識することができる。例えば、付近に存在する他のAR対象物は、最初に認識したAR対象物とは異なる。
なお、受信機200は、サーバ300にアクセスする代わりに、受信機200内のデータベースからこれらの情報を取得してもよい。受信機200は、これらの情報を、取得時から一定時間経過後、または特定の処理(例えば、画面のオフ、ボタン押下、アプリの終了もしくは停止、AR画像の表示、または、別のAR対象物の認識等)の後に廃棄してもよい。あるいは、受信機200は、取得される複数の情報のそれぞれで、その情報の取得から一定時間経過ごとに、その情報の信頼度を下げ、複数の情報のうち信頼度の高い情報を用いてもよい。
ここで、受信機200は、各AR対象物との相対位置に基づいて、その相対位置の関係において有効なAR対象物のAR認識情報を優先して取得してもよい。例えば、受信機200は、ステップS521において、複数の送信機100を撮影することにより、複数の可視光信号(すなわち識別情報)を取得し、ステップS522において、それらの複数の可視光信号に対応する複数のAR認識情報(すなわち画像特徴量)を取得する。このとき、受信機200は、ステップS522において、複数のAR対象物のうち、それらの送信機100の撮影を行う受信機200から最も近いAR対象物の画像特徴量を選択する。つまり、この選択された画像特徴量が、可視光信号を用いて特定される1つのAR対象物(すなわち第1の対象物)の特定に用いられる。これにより、複数の画像特徴量が取得されても、適切な画像特徴量を第1の対象物の特定に用いることができる。
一方、受信機200は、可視光信号を受信していないと判定した場合には(ステップS521のN)、さらに、既にAR認識情報を取得しているか否かを判定する(ステップS523)。AR認識情報を取得していないと判定すると(ステップS523のN)、受信機200は、可視光信号によって示されるID等の識別情報を用いずに、画像処理により、または、位置情報もしくは電波情報などのその他の情報を用いてAR対象物の候補を認識する(ステップS524)。この処理は受信機200のみで行われてもよい。あるいは、受信機200は、撮像画像、またはその撮像画像の画像特徴量などの情報をサーバ300へ送信し、サーバ300が、そのAR対象物の候補を認識してもよい。その結果、受信機200は、認識された候補に対応したAR認識情報とAR表示情報とを、サーバ300または自身のデータベースから取得する。
ステップS522の後、受信機200は、例えば画像認識など、可視光信号によって示されるID等の識別情報を用いない別の方法で、AR対象物を検出しているか否かを判定する(ステップS525)。つまり、受信機200は、複数の方法でAR対象物を認識したか否かを判定する。具体的には、受信機200は、可視光信号によって示される識別情報に基づいて取得された画像特徴量を用いて、撮像画像からAR対象物(すなわち第1の対象物)を特定する。そして、受信機200は、そのような識別情報を用いずに、画像処理により、撮像画像からAR対象物(すなわち第2の対象物)を特定しているか否かを判定する。
ここで、受信機200は、複数の方法でAR対象物を認識したと判定すると(ステップS525のY)、可視光信号による認識結果を優先する。つまり、受信機200は、各方法によって認識されたAR対象物が一致しているか否かを確認する。そして、一致していなければ、受信機200は、それらのAR対象物の中から、撮像画像中においてAR画像が重畳される1つのAR対象物を、可視光信号によって認識されたAR対象物に決定する(ステップS526)。つまり、第1の対象物が第2の対象物と異なる場合には、受信機200は、第1の対象物を優先して、AR画像が表示される対象物として認識する。なお、AR画像が表示される対象物は、AR画像が重畳される対象物である。
または、受信機200は、複数の方法のそれぞれに付与された優先順に基づいて、高い優先順位が付与された方法を優先してもよい。つまり、受信機200は、各方法によって認識されたAR対象物の中から、撮像画像中においてAR画像が重畳される1つのAR対象物を、例えば最も高い優先順位が付与された方法によって認識されたAR対象物に決定する。または、受信機200は、多数決もしくは優先度付き多数決によって、撮像画像中においてAR画像が重畳される1つのAR対象物を決定してもよい。この処理によって、それまでの認識結果が覆された場合は、受信機200はエラー対応処理を行う。
次に、受信機200は、取得したAR認識情報に基いて、撮像画像中のAR対象物の状態(具体的には、絶対位置、受信機200からの相対位置、大きさ、角度、照明状況、またはオクルージョン等)を認識する(ステップS527)。そして、受信機200は、その認識結果に合わせてAR表示情報(すなわちAR画像)を撮像画像に重畳して表示する(ステップS528)。つまり、受信機200は、撮像画像中の認識されたAR対象物にAR表示情報を重畳する。または、受信機200は、AR表示情報のみを表示する。
これらにより、画像処理のみでは困難な認識または検出が可能になる。その困難な認識または検出は、例えば、(文字内容だけが異なっているなどの)画像的に類似したAR対象物の識別、模様が少ないAR対象物の検出、反射率もしくは透過率が高いAR対象物の検出、形状もしくは模様が変化するAR対象物(例えば動物など)の検出、または、広い角度(いろいろな方向)からのAR対象物の検出である。つまり、本変形例では、これらのAR対象物の認識とAR表示とを行うことができる。また、可視光信号を用いない画像処理では、認識したいAR対象物が多くなるに従い、画像特徴量の近傍検索に時間がかかり、認識処理に時間がかかるようになり、また、認識率も悪化する。しかし、本変形例では、認識対象の増加による認識時間の増加と認識率の悪化の影響は、まったくないか極めて小さく、効果的なAR対象物の認識が可能となる。また、AR対象物の相対位置を用いることで、効率的な認識が可能となる。例えば、AR対象物までのおおよその距離を利用することで、画像特徴量の計算に際してAR対象物の大きさに非依存とするための処理を省いたり、大きさに依存する特徴を利用することができる。また、AR対象物の角度を利用し、通常であれば多くの角度に対して画像特徴量の評価が必要なところ、そのAR対象物の角度に対応する画像特徴量の保持と計算のみを行えばよく、計算速度またはメモリ効率を向上することができる。
[実施の形態4の変形例4のまとめ]
図120は、本発明の一態様に係る認識方法を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る表示方法は、拡張現実感画像(AR画像)が表示される対象物の認識方法であって、ステップS531〜535を含む。
ステップS531では、受信機200は、可視光信号を光源の輝度変化により送信する送信機100を撮影することにより、識別情報を取得する。識別情報は例えば光IDである。ステップS532では、受信機200は、その識別情報をサーバ300に送信し、サーバ300から識別情報に対応する画像特徴量を取得する。画像特徴量は、AR認識情報または認識情報として示される。
ステップS533では、受信機200は、その画像特徴量を用いて、送信機100の撮像画像から第1の対象物を特定する。ステップS534では、受信機200は、識別情報(すなわち光ID)を用いずに、画像処理により、送信機100の撮像画像から第2の対象物を特定する。
ステップS535では、ステップS533で特定された第1の対象物が、ステップS534で特定された第2の対象物と異なる場合に、受信機200は、第1の対象物を優先して、拡張現実感画像が表示される対象物として認識する。
例えば、拡張現実感画像、撮像画像、および対象物はそれぞれ、実施の形態4およびその各変形例におけるAR画像、撮像表示画像、対象領域に相当する。
これにより、図119に示すように、可視光信号によって示される識別情報を用いて特定された第1の対象物と、その識別情報を用いずに画像処理によって特定された第2の対象物とが異なる場合であっても、拡張現実感画像が表示される対象物として第1の対象物が優先して認識される。したがって、撮像画像から、拡張現実感画像が表示される対象物を適切に認識することができる。
また、画像特徴量は、第1の対象物の画像特徴量に加え、第1の対象物の近辺に位置し、第1の対象物とは異なる第3の対象物の画像特徴量も含んでいてもよい。
これにより、図119のステップS522に示すように、第1の対象物の画像特徴量だけでなく、第3の対象物の画像特徴量も取得されるため、その後に、第3の対象物が撮像画像に現れるときには、迅速にその第3の対象物を特定または認識することができる。
また、受信機200は、ステップS531において、複数の送信機を撮影することにより、複数の識別情報を取得し、ステップS532において、複数の識別情報に対応する複数の画像特徴量を取得する場合がある。このような場合には、受信機200は、ステップS533では、複数の対象物のうち、複数の送信機の撮影を行う受信機200から最も近い対象物の画像特徴量を、第1の対象物の特定に用いてもよい。
これにより、図119のステップS522に示すように、複数の画像特徴量が取得されても、適切な画像特徴量を第1の対象物の特定に用いることができる。
なお、本変形例における認識装置は、例えば上述の受信機200に備えられた装置であって、プロセッサと記録媒体とを備える。この記録媒体には、図120に示す認識方法をプロセッサに実行させるプログラムが記録されている。また、本変形例におけるプログラムは、図120に示す認識方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
(実施の形態5)
図121は、本実施の形態に係る可視光信号の動作モードの一例を示す図である。
可視光信号の物理(PHY)層の動作モードには、図121に示すように、2つのモードがある。1つ目の動作モードは、パケットPWM(Pulse Width Modulation)が行われるモードであり、2つ目の動作モードは、パケットPPM(Pulse-Position Modulation)が行われるモードである。上記各実施の形態またはその変形例に係る送信機は、この何れかの動作モードにしたがって送信対象の信号を変調することによって、可視光信号を生成して送信する。
パケットPWMの動作モードでは、RLL(Run-Length Limited)符号化は行われず、光クロックレートは100kHzであり、前方誤り訂正(FEC)は、繰り返し符号化され、典型的なデータレートは5.5kbpsである。
このパケットPWMでは、パルス幅が変調され、パルスは、2つの明るさの状態によって表される。2つの明るさの状態は、明るい状態(BrightまたはHigh)と暗い状態(DarkまたはLow)であるが、典型的には、光のオンとオフである。パケット(PHYパケットともいう)と呼ばれる物理層の信号のチャンクは、MAC(medium access control)フレームに対応している。送信機は、PHYパケットを繰り返し送信し、特別な順番によらずに複数のPHYパケットのセットを送信することができる。
なお、パケットPWMは、通常の送信機から送信される可視光信号の生成に用いられる。
パケットPPMの動作モードでは、RLL符号化は行われず、光クロックレートは100kHzであり、前方誤り訂正(FEC)は、繰り返し符号化され、典型的なデータレートは8kbpsである。
このパケットPPMでは、短い時間長のパルスの位置が変調される。つまり、このパルスは、明るいパルス(High)と暗いパルス(Low)のうちの明るいパルスであり、このパルスの位置が変調される。また、このパルスの位置は、パルスと次のパルスとの間のインターバルによって示される。
パケットPPMは、深い調光を実現する。各実施の形態およびその変形例において説明されていないパケットPPMにおけるフォーマット、波形および特徴は、パケットPWMと同様である。なお、パケットPPMは、非常に明るく発光する光源を有する送信機から送信される可視光信号の生成に用いられる。
また、パケットPWMおよびパケットPPMのそれぞれにおいて、可視光信号の物理層における調光は、オプショナルフィールドの平均輝度によって制御される。
図122Aは、実施の形態5に係る他の可視光信号の生成方法を示すフローチャートである。この可視光信号の生成方法は、送信機が備える光源の輝度変化によって送信される可視光信号を生成する方法であって、ステップSE1〜SE3を含む。
ステップSE1では、互いに異なる輝度値である第1および第2の輝度値のそれぞれが、時間軸上に沿って交互に現れるデータであるプリアンブルを生成する。
ステップSE2では、第1および第2の輝度値が時間軸上に沿って交互に現れるデータにおいて、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを、送信対象の信号に応じた方式にしたがって決定することにより、第1のペイロードを生成する。
ステップSE3では、プリアンブルと第1のペイロードとを結合することによって可視光信号を生成する。
図122Bは、実施の形態5に係る他の信号生成装置の構成を示すブロック図である。この信号生成装置E10は、送信機が備える光源の輝度変化によって送信される可視光信号を生成する信号生成装置であって、プリアンブル生成部E11と、ペイロード生成部E12と、結合部E13とを備える。また、この信号生成装置E10は、図122Aに示すフローチャートの処理を実行する。
つまり、プリアンブル生成部E11は、互いに異なる輝度値である第1および第2の輝度値のそれぞれが、時間軸上に沿って交互に現れるデータであるプリアンブルを生成する。
ペイロード生成部E12は、第1および第2の輝度値が時間軸上に沿って交互に現れるデータにおいて、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを、送信対象の信号に応じた方式にしたがって決定することにより、第1のペイロードを生成する。
結合部E13では、プリアンブルと第1のペイロードとを結合することによって可視光信号を生成する。
例えば、第1および第2の輝度値は、Bright(High)およびDark(Low)であり、第1のペイロードは、PHYペイロードである。このように生成された可視光信号を送信することによって、受信パケット数を増やすことができるとともに、信頼度を高めることができる。その結果、多様な機器間の通信を可能にすることができる。
例えば、プリアンブルおよび第1のペイロードのそれぞれにおける第1の輝度値の時間長は、10μ秒以下である。
これにより、可視光通信を行いながら光源の平均的な輝度を抑えることができる。
また、プリアンブルは、第1のペイロードに対するヘッダであり、そのヘッダの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを3つ含む。ここで、その3つのインターバルのそれぞれは、160μ秒である。つまり、パケットPPMのモード1におけるヘッダ(SHR)に含まれる各パルス間のインターバルのパターンが定義される。なお、上記各パルスは、例えば第1の輝度値を有するパルスである。
また、プリアンブルは、第1のペイロードに対するヘッダであり、そのヘッダの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを3つ含む。ここで、その3つのインターバルのうちの1つ目のインターバルは、160μ秒であり、2つ目のインターバルは、180μ秒であり、3つ目のインターバルは、160μ秒である。つまり、パケットPPMのモード2におけるヘッダ(SHR)に含まれる各パルス間のインターバルのパターンが定義される。
また、プリアンブルは、第1のペイロードに対するヘッダであり、そのヘッダの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを3つ含む。ここで、3つのインターバルのうちの1つ目のインターバルは、80μ秒であり、2つ目のインターバルは、90μ秒であり、3つ目のインターバルは、80μ秒である。つまり、パケットPPMのモード3におけるヘッダ(SHR)に含まれる各パルス間のインターバルのパターンが定義される。
このように、パケットPPMのモード1、モード2およびモード3のそれぞれのヘッダのパターンが定義されるため、受信機は、可視光信号における第1のペイロードを適切に受信することができる。
また、送信対象の信号は、第1のビットxから第6のビットxまでの6ビットからなり、第1のペイロードの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを2つ含む。ここで、パラメータyが、y=x3k+x3k+1×2+x3k+2×4として表される場合(kは0または1)、第1のペイロードの生成では、第1のペイロードにおける2つのインターバルのそれぞれを、上述の方式であるインターバルP=180+30×y[μ秒]にしたがって決定する。つまり、パケットPPMのモード1では、送信対象の信号が、第1のペイロード(PHYペイロード)に含まれる各パルス間のインターバルとして変調される。
また、送信対象の信号は、第1のビットxから第12のビットx11までの12ビットからなり、第1のペイロードの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルを4つ含む。ここで、パラメータyが、y=x3k+x3k+1×2+x3k+2×4として表される場合(kは0、1、2または3)、第1のペイロードの生成では、第1のペイロードにおける4つのインターバルのそれぞれを、上述の方式であるインターバルP=180+30×y[μ秒]にしたがって決定する。つまり、パケットPPMのモード2では、送信対象の信号が、第1のペイロード(PHYペイロード)に含まれる各パルス間のインターバルとして変調される。
また、送信対象の信号は、第1のビットxから第3nのビットx3n−1までの3nビットからなり(nは2以上の整数)、第1のペイロードの時間長は、第1の輝度値が現れてから次の第1の輝度値が現れるまでのインターバルをn個含む。ここで、パラメータyが、y=x3k+x3k+1×2+x3k+2×4として表される場合(kは0〜(n−1)までの整数)、第1のペイロードの生成では、第1のペイロードにおけるn個の前記インターバルのそれぞれを、上述の方式であるインターバルP=100+20×y[μ秒]にしたがって決定する。つまり、パケットPPMのモード3では、送信対象の信号が、第1のペイロード(PHYペイロード)に含まれる各パルス間のインターバルとして変調される。
このように、パケットPPMのモード1、モード2およびモード3では、送信対象の信号が各パルス間のインターバルとして変調されるため、受信機は、そのインターバルに基づいて、可視光信号を適切に送信対象の信号に復調することができる。
また、可視光信号の生成方法では、さらに、第1のペイロードに対するフッタを生成し、可視光信号の生成では、第1のペイロードの次にそのフッタを結合してもよい。つまり、パケットPWMおよびパケットPPMのモード3では、第1のペイロード(PHYペイロード)に続いてフッタ(SFT)が送信される。これにより、第1のペイロードの終了をフッタによって明確に特定することができるため、可視光通信を効率的に行うことができる。
また、可視光信号の生成では、フッタが送信されない場合には、そのフッタに代えて、送信対象の信号の次の信号に対するヘッダを結合してもよい。つまり、パケットPWMおよびパケットPPMのモード3では、フッタ(SFT)の代わりに、第1のペイロード(PHYペイロード)に続いて、その次の第1のペイロードに対するヘッダ(SHR)が送信される。これにより、第1のペイロードの終了を、次の第1のペイロードに対するヘッダによって明確に特定することができるとともに、フッタが送信されないため、可視光通信をより効率的に行うことができる。
なお、上記各実施の形態および各変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図122Aのフローチャートによって示される可視光信号の生成方法をコンピュータに実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る可視光信号の生成方法について、上記各実施の形態および各変形例に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態および変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれてもよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、可視光信号の復号方法および符号化方法などについて説明する。
図123は、MPMにおけるMACフレームのフォーマットを示す図である。
MPM(Mirror Pulse Modulation)におけるMAC(medium access control)フレームのフォーマットは、MHR(medium access control header)とMSDU(medium access control service-data unit)とから構成される。MHRフィールドは、シーケンス番号サブフィールドを含む。MSDUは、フレームペイロードを含み、可変長である。MHRとMSDUとを含むMPDU(medium access control protocol-data unit)のビット長は、macMpmMpduLengthとして設定される。
なお、MPMは、実施の形態5における変調方式であって、例えば、図121に示されるように送信対象の情報または信号を変調する方式である。
図124は、MPMにおけるMACフレームを生成する符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。具体的には、図124は、シーケンス番号サブフィールドのビット長の決め方を示す図である。なお、符号化装置は、例えば、可視光信号を送信する上述の送信機または送信装置などに備えられている。
シーケンス番号サブフィールドは、フレームシーケンス番号(シーケンス番号ともいう)を含む。シーケンス番号サブフィールドのビット長は、macMpmSnLengthとして設定される。シーケンス番号サブフィールドのビット長が可変長に設定されている場合、シーケンス番号サブフィールドにおける先頭のビットは、最終フレームフラグとして使用される。つまり、この場合、シーケンス番号サブフィールドは、最終フレームフラグと、シーケンス番号を示すビット列とを含む。その最終フレームフラグは、最終フレームでは1に設定され、その他のフレームでは、0に設定される。つまり、この最終フレームフラグは、処理対象フレームが最終フレームであるか否かを示す。なお、この最終フレームフラグは、上述のストップビットに相当する。また、シーケンス番号は、上述のアドレスに相当する。
まず、符号化装置は、SNが可変長に設定されているか否かを判定する(ステップS101a)。なお、SNは、シーケンス番号サブフィールドのビット長である。つまり、符号化装置は、macMpmSnLengthが0xfを示すか否かを判定する。macMpmSnLengthが0xfを示すときには、SNは可変長であり、macMpmSnLengthが0xf以外を示すときには、SNは固定長である。符号化装置は、SNが可変長に設定されていない、すなわち、SNが固定長に設定されていると判定すると(ステップS101aのN)、SNをmacMpmSnLengthによって示される値に決定する(ステップS102a)。このとき、符号化装置は、最終フレームフラグ(すなわちLFF)を使用しない。
一方、符号化装置は、SNが可変長に設定されていると判定すると(ステップS101aのY)、処理対象フレームが最終フレームか否かを判定する(ステップS103a)。ここで、符号化装置は、処理対象フレームが最終フレームであると判定すると(ステップS103aのY)、SNを5ビットに決定する(ステップS104a)。このとき、符号化装置は、シーケンス番号サブフィールドにおける先頭のビットとして、1を示す最終フレームフラグを決定する。
また、符号化装置は、処理対象フレームが最終フレームでないと判定すると(ステップS103aのN)、最終フレームのシーケンス番号の値が、1−15のうちの何れかを判定する(ステップS105a)。なお、シーケンス番号は、0から昇順に、各フレームに対して割り当てられる整数である。また、ステップS103aでNの場合には、フレーム数は2以上である。したがって、この場合には、最終フレームのシーケンス番号の値は、0を除く1−15のうちの何れかを取り得る。
符号化装置は、ステップS105aにおいて、最終フレームのシーケンス番号の値が1であると判定すると、SNを1ビットに決定する(ステップS106a)。このとき、符号化装置は、シーケンス番号サブフィールドにおける先頭のビットである最終フレームフラグの値を、0に決定する。
例えば、最終フレームのシーケンス番号の値が1である場合、最終フレームのシーケンス番号サブフィールドは、最終フレームフラグ(1)とシーケンス番号の値(1)とを含む(1,1)として表される。このとき、符号化装置は、処理対象フレームのシーケンス番号サブフィールドのビット長を1ビットに決定する。つまり、符号化装置は、最終フレームフラグ(0)のみを含むシーケンス番号サブフィールドを決定する。
符号化装置は、ステップS105aにおいて、最終フレームのシーケンス番号の値が2であると判定すると、SNを2ビットに決定する(ステップS107a)。このときにも、符号化装置は、最終フレームフラグの値を0に決定する。
例えば、最終フレームのシーケンス番号の値が2である場合、最終フレームのシーケンス番号サブフィールドは、最終フレームフラグ(1)とシーケンス番号の値(2)とを含む(1,0,1)として表される。なお、シーケンス番号は、ビット列によって示されるが、そのビット列では、左端のビットがLSB(least significant bit)であって、右端のビットがMSB(most significant bit)である。したがって、シーケンス番号の値(2)は、ビット列(0,1)と表記される。このように、最終フレームのシーケンス番号の値が2である場合、符号化装置は、処理対象フレームのシーケンス番号サブフィールドのビット長を2ビットに決定する。つまり、符号化装置は、最終フレームフラグ(0)と、シーケンス番号を示すビット(0)または(1)とを含むシーケンス番号サブフィールドを決定する。
符号化装置は、ステップS105aにおいて、最終フレームのシーケンス番号の値が3または4であると判定すると、SNを3ビットに決定する(ステップS108a)。このときにも、符号化装置は、最終フレームフラグの値を0に決定する。
符号化装置は、ステップS105aにおいて、最終フレームのシーケンス番号の値が5−8の何れかの整数であると判定すると、SNを4ビットに決定する(ステップS109a)。このときにも、符号化装置は、最終フレームフラグの値を0に決定する。
符号化装置は、ステップS105aにおいて、最終フレームのシーケンス番号の値が9−15の何れかの整数であると判定すると、SNを5ビットに決定する(ステップS110a)。このときにも、符号化装置は、最終フレームフラグの値を0に決定する。
図125は、MPMにおけるMACフレームを復号する復号装置の処理動作を示すフローチャートである。具体的には、図125は、シーケンス番号サブフィールドのビット長の決め方を示す図である。なお、復号装置は、例えば、可視光信号を受信する上述の受信機または受信装置などに備えられている。
ここで、復号装置は、SNが可変長に設定されているか否かを判定する(ステップS201a)。つまり、復号装置は、macMpmSnLengthが0xfを示すか否かを判定する。復号装置は、SNが可変長に設定されていない、すなわち、SNが固定長に設定されていると判定すると(ステップS201aのN)、SNをmacMpmSnLengthによって示される値に決定する(ステップS202a)。このとき、復号装置は、最終フレームフラグ(すなわちLFF)を使用しない。
一方、復号装置は、SNが可変長に設定されていると判定すると(ステップS201aのY)、復号対象フレームの最終フレームフラグの値が1であるか0であるかを判定する(ステップS203a)。つまり、復号装置は、復号対象フレームが最終フレームであるか否かを判定する。ここで、復号装置は、最終フレームフラグの値が1であると判定すると(ステップS203aの1)、SNを5ビットに決定する(ステップS204a)。
また、復号装置は、最終フレームフラグの値が0であると判定すると(ステップS203aの0)、最終フレームのシーケンス番号サブフィールドにおける第2ビットから第5ビットまでのビット列によって示される値が、1−15のうちの何れであるかを判定する(ステップS205a)。最終フレームは、1を示す最終フレームフラグを有し、復号対象フレームと同じソースから生成されたフレームである。また、各ソースは、撮像画像中の位置によって特定される。なお、ソースは、例えば複数のフレーム(すなわちパケット)に分割される。つまり、最終フレームは、1つのソースの分割によって生成された複数のフレームの中の最後のフレームである。また、シーケンス番号サブフィールドにおける第2ビットから第5ビットまでのビット列によって示される値は、シーケンス番号の値である。
復号装置は、ステップS205aにおいて、上記ビット列によって示される値が1であると判定すると、SNを1ビットに決定する(ステップS206a)。例えば、最終フレームのシーケンス番号サブフィールドが(1,1)の2ビットである場合、最終フレームフラグは1であり、最終フレームのシーケンス番号、すなわち上記ビット列によって示される値は1である。このとき、復号装置は、復号対象フレームのシーケンス番号サブフィールドのビット長を1ビットに決定する。つまり、復号装置は、復号対象フレームのシーケンス番号サブフィールドを(0)に決定する。
復号装置は、ステップS205aにおいて、上記ビット列によって示される値が2であると判定すると、SNを2ビットに決定する(ステップS207a)。例えば、最終フレームのシーケンス番号サブフィールドが(1,0,1)の3ビットである場合、最終フレームフラグは1であり、最終フレームのシーケンス番号、すなわち上記ビット列(0,1)によって示される値は2である。なお、上記ビット列では、左端のビットがLSB(least significant bit)であって、右端のビットがMSB(most significant bit)である。このとき、復号装置は、復号対象フレームのシーケンス番号サブフィールドのビット長を2ビットに決定する。つまり、復号装置は、復号対象フレームのシーケンス番号サブフィールドを(0,0)または(0,1)に決定する。
復号装置は、ステップS205aにおいて、上記ビット列によって示される値が3または4であると判定すると、SNを3ビットに決定する(ステップS208a)。
復号装置は、ステップS205aにおいて、上記ビット列によって示される値が5−8の何れかの整数であると判定すると、SNを4ビットに決定する(ステップS209a)。
復号装置は、ステップS205aにおいて、上記ビット列によって示される値が9−15の何れかの整数であると判定すると、SNを5ビットに決定する(ステップS210a)。
図126は、MACのPIBの属性を示す図である。
MACのPIB(physical-layer personal-area-network information base)の属性には、macMpmSnLengthとmacMpmMpduLengthとがある。macMpmSnLengthは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、シーケンス番号サブフィールドのビット長を示す。具体的には、macMpmSnLengthは、0x0−0xeまでの範囲における何れかの整数値である場合には、その整数値をシーケンス番号サブフィールドの固定のビット長として示す。また、macMpmSnLengthは、0xfである場合には、シーケンス番号サブフィールドのビット長が可変であることを示す。
macMpmMpduLengthは、0x00−0xffまでの範囲における何れかの整数値であって、MPDUのビット長を示す。
図127は、MPMの調光方法を説明するための図である。
MPMは、調光機能を有する。MPMの調光方法には、例えば図127に示す、(a)アナログ調光方式、(b)PWM調光方式、(c)VPPM調光方式、および(d)フィールド挿入調光方式がある。
アナログ調光方式では、例えば(a2)に示すように、輝度を変化させることによって可視光信号を送信する。ここで、その可視光信号を暗くする場合には、例えば(a1)に示すように、可視光信号の全体の輝度を下げる。逆に、その可視光信号を明るくする場合には、例えば(a3)に示すように、可視光信号の全体の輝度を上げる。
PWM調光方式では、例えば(b2)に示すように、輝度を変化させることによって可視光信号を送信する。ここで、その可視光信号を暗くする場合には、例えば(b1)に示すように、(b2)に示す高い輝度の光が出力される期間において、僅かな期間だけその輝度を下げる。逆に、その可視光信号を明るくする場合には、例えば(b3)に示すように、(b2)に示す低い輝度の光が出力される期間において、僅かな期間だけその輝度を上げる。なお、上述の僅かな期間は、元のパルス幅の1/3未満で、50μ秒未満でなければならない。
VPPM調光方式では、例えば(c2)に示すように、輝度を変化させることによって可視光信号を送信する。ここで、その可視光信号を暗くする場合には、例えば(c1)に示すように、輝度の立ち下がりのタイミングを早める。逆に、その可視光信号を明るくする場合には、例えば(c3)に示すように、輝度の立ち下がりのタイミングを遅らせる。なお、VPPM変調方式は、MPMにおけるPHYのPPMモードに対してのみ用いることができる。
フィールド挿入調光方式では、例えば(d2)に示すように、複数のPPDU(physical-layer data unit)を含む可視光信号を送信する。ここで、その可視光信号を暗くする場合には、例えば(d1)に示すように、PPDUの間に、PPDUの輝度よりも低い輝度の調光フィールドを挿入する。逆に、その可視光信号を明るくする場合には、例えば(d3)に示すように、PPDUの間に、PPDUの輝度よりも高い輝度の調光フィールドを挿入する。
図128は、PHYのPIBの属性を示す図である。
PHY(physical layer)のPIBの属性には、phyMpmMode、phyMpmPlcpHeaderMode、phyMpmPlcpCenterMode、phyMpmSymbolSize、phyMpmOddSymbolBit、phyMpmEvenSymbolBit、phyMpmSymbolOffset、およびphyMpmSymbolUnitがある。
phyMpmModeは、0または1であって、MPMのPHYモードを示す。具体的には、phyMpmModeは、0である場合には、PHYモードがPWMモードであることを示し、1である場合には、PHYモードがPWMモードであることを示す。
phyMpmPlcpHeaderModeは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、PLCP(Physical Layer Conversion Protocol)ヘッダサブフィールドモードおよびPLCPフッタサブフィールドモードを示す。
phyMpmPlcpCenterModeは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、PLCPセンタサブフィールドモードを示す。
phyMpmSymbolSizeは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、ペイロードサブフィールドのシンボル数を示す。具体的には、phyMpmSymbolSizeは、0x0の場合には、そのシンボル数が可変であることを示し、Nとして参照される。
phyMpmOddSymbolBitは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、ペイロードサブフィールドの各奇数シンボルに含まれるビット長を示し、Moddとして参照される。
phyMpmEvenSymbolBitは、0x0−0xfまでの範囲における何れかの整数値であって、ペイロードサブフィールドの各偶数シンボルに含まれるビット長を示し、Mevenとして参照される。
phyMpmSymbolOffsetは、0x00−0xffまでの範囲における何れかの整数値であって、ペイロードサブフィールドのシンボルのオフセット値を示し、Wとして参照される。
phyMpmSymbolUnitは、0x00−0xffまでの範囲における何れかの整数値であって、ペイロードサブフィールドのシンボルのユニット値を示し、Wとして参照される。
図129は、MPMを説明するための図である。
MPMは、PSDU(PHY service data unit)フィールドのみで構成される。また、PSDUフィールドは、MPMのPLCPによって変換されるMPDUを含む。
MPMのPLCPは、図129に示すように、MPDUを5つのサブフィールドに変換する。5つのサブフィールドは、PLCPヘッダサブフィールド、フロントペイロードサブフィールド、PLCPセンタサブフィールド、バックペイロードサブフィールド、およびPLCPフッタサブフィールドである。MPMのPHYモードは、phyMpmModeとして設定される。
図129に示すように、MPMのPLCPは、ビット再配置部301aと、複製部302aと、フロント変換部303aと、バック変換部304aとを備える。
ここで、(x、x、x、...)は、MPDUに含まれる各ビットであり、LSNは、シーケンス番号サブフィールドのビット長であり、Nは、各ペイロードサブフィールドのシンボル数である。ビット再配置部301aは、以下の(式1)にしたがって、(x、x、x、...)を(y、y、y、...)に再配置する。
この再配置によって、MPDUの先頭にあるシーケンス番号サブフィールドに含まれる各ビットは、LSNだけ後側に移動する。複製部302aは、そのビット再配置後のMPDUを複製する。
フロントペイロードサブフィールドおよびバックペイロードサブフィールドはそれぞれ、N個のシンボルからなる。ここで、Moddは、奇数番目のシンボルに含まれるビット長であり、Mevenは、偶数番目のシンボルに含まれるビット長であり、Wは、シンボル値オフセット(上述のオフセット値)であり、Wは、シンボル値単位(上述のユニット値)である。なお、N、Modd、Meven、W、およびWは、図128に示すPHYのPIBによって設定される。
フロント変換部303aおよびバック変換部304aは、再配置されたMPDUのペイロードビット(y0、y1、y2、...)を、以下の(式2)〜(式5)によってzに変換する。
フロント変換部303aは、zを用いて、フロントペイロードサブフィールドのi番目のシンボル(すなわちシンボル値)を以下の(式6)によって算出する。
バック変換部304aは、zを用いて、バックペイロードサブフィールドのi番目のシンボル(すなわちシンボル値)を以下の(式7)によって算出する。
図130は、PLCPヘッダサブフィールドを示す図である。
PLCPヘッダサブフィールドは、図130に示すように、PWMモードでは、4つのシンボルによって構成され、PPMモードでは、3つのシンボルによって構成される。
図131は、PLCPセンタサブフィールドを示す図である。
PLCPセンタのサブフィールドは、図131に示すように、PWMモードでは、4つのシンボルによって構成され、PPMモードでは、3つのシンボルによって構成される。
図132は、PLCPフッタサブフィールドを示す図である。
PLCPフッタサブフィールドは、図132に示すように、PWMモードでは、4つのシンボルによって構成され、PPMモードでは、3つのシンボルによって構成される。
図133は、MPMにおけるPHYのPWMモードの波形を示す図である。
PWMモードでは、シンボルは、光強度の2つの状態のうちの何れか、すなわち明るい状態または暗い状態として送信されなければならない。MPMにおけるPHYのPWMモードでは、シンボル値は、マイクロ秒単位の連続時間に対応する。例えば、図133に示すように、第1のシンボル値は、第1の明るい状態の連続時間に対応し、第2のシンボル値は、次の暗い状態の連続時間に対応する。なお、図133に示す例では、各サブフィールドの最初の状態は、明るい状態であるが、暗い状態であってもよい。
図134は、MPMにおけるPHYのPPMモードの波形を示す図である。
PPMモードでは、図134に示すように、シンボル値は、明るい状態の開始から次の明るい状態の開始までの時間をマイクロ秒単位で表す。明るい状態の時間は、シンボル値の90%より短くなければならない。
両方のモードについて、送信機は、複数のシンボルの一部のみを送信することができる。しかし、送信機は、PLCPセンタサブフィールドのすべてのシンボルと、少なくともN個のシンボルとを送信しなければならない。その少なくともN個のシンボルのぞれぞれは、フロントペイロードサブフィールドおよびバックペイロードサブフィールドの何れかに含まれるシンボルである。
(実施の形態6のまとめ)
図135は、実施の形態6の復号方法の一例を示すフローチャートである。なお、この図135に示すフローチャートは、図125に示すフローチャートに相当する。
この復号方法は、複数のフレームで構成される可視光信号を復号する方法であって、図135に示すように、ステップS310bと、ステップS320bと、ステップS330bとを含む。また、これらの複数のフレームのそれぞれはシーケンス番号とフレームペイロードとを含む。
ステップS310bでは、復号対象フレームにおいてシーケンス番号が格納されるサブフィールドのビット長を決定するための情報であるmacSnLengthに基づいて、そのサブフィールドのビット長が可変長か否かを判定する可変長判定処理を行う。
ステップS320bでは、その可変長判定処理の結果に基づいて、そのサブフィールドのビット長を決定する。そして、ステップS330bでは、決定されたサブフィールドのビット長に基づいて、復号対象フレームを復号する。
ここで、ステップS320bにおける上記サブフィールドのビット長の決定は、ステップS321b〜S324bを含む。
つまり、ステップS310bの可変長判定処理において、サブフィールドのビット長が可変長ではないと判定された場合には、そのサブフィールドのビット長を、上述のmacSnLengthによって示される値に決定する(ステップS321b)。
一方、ステップS310bの可変長判定処理において、サブフィールドのビット長が可変長であると判定された場合には、復号対象フレームが、上記複数のフレームのうちの最終フレームであるか否か判定する最終判定処理を行う(ステップS322b)。ここで、最終フレームであると判定された場合には(ステップS322bのY)、そのサブフィールドのビット長を所定の値に決定する(ステップS323b)。一方、最終フレームでないと判定された場合には(ステップS322bのN)、最終フレームのシーケンス番号の値に基づいて、そのサブフィールドのビット長を決定する(ステップS324b)。
これにより、図135に示すように、シーケンス番号が格納されるサブフィールド(具体的には、シーケンス番号サブフィールド)のビット長が固定長であっても可変長であっても、そのサブフィールドのビット長を適切に決定することができる。
ここで、ステップS322bの最終判定処理では、復号対象フレームが最終フレームであるか否かを示す最終フレームフラグに基づいて、その復号対象フレームが最終フレームであるか否かを判定してもよい。具体的には、ステップS322bの最終判定処理では、最終フレームフラグが1を示す場合に、その復号対象フレームが最終フレームであると判定し、最終フレームフラグが0を示す場合に、その復号対象フレームが最終フレームではないと判定してもよい。例えば、最終フレームフラグは、そのサブフィールドの1ビット目に含まれていてもよい。
これにより、図125のステップS203aに示すように、復号対象フレームが最終フレームであるか否かを適切に判定することができる。
より具体的には、ステップS320bにおけるサブフィールドのビット長の決定では、ステップS322bの最終判定処理において、復号対象フレームが最終フレームであると判定された場合には、サブフィールドのビット長を、上述の所定の値である5ビットに決定してもよい。つまり、図125のステップS204aに示すように、サブフィールドのビット長SNが5ビットに決定される。
また、ステップS320bにおけるサブフィールドのビット長の決定では、ステップS322bの最終判定処理において、復号対象フレームが最終フレームではないと判定された場合に、最終フレームのシーケンス番号の値が1であるときには、サブフィールドのビット長を、1ビットに決定してもよい。また、最終フレームのシーケンス番号の値が2であるときには、そのサブフィールドのビット長を、2ビットに決定してもよい。また、最終フレームのシーケンス番号の値が3または4であるときには、そのサブフィールドのビット長を、3ビットに決定してもよい。また、最終フレームのシーケンス番号の値が5から8の何れかの整数であるときには、そのサブフィールドのビット長を、4ビットに決定してもよい。また、最終フレームのシーケンス番号の値が9から15の何れかの整数であるときには、そのサブフィールドのビット長を、5ビットに決定してもよい。つまり、図125のステップS206a〜S210aに示すように、サブフィールドのビット長SNが1〜5ビットの何れかに決定される。
図136は、実施の形態6の符号化方法の一例を示すフローチャートである。なお、この図136に示すフローチャートは、図124に示すフローチャートに相当する。
この符号化方法は、符号化対象の情報を、複数のフレームで構成される可視光信号に符号化する方法であって、図136に示すように、ステップS410aと、ステップS420aと、ステップS430aとを含む。また、これらの複数のフレームのそれぞれはシーケンス番号とフレームペイロードとを含む。
ステップS410aでは、処理対象フレームにおいてシーケンス番号が格納されるサブフィールドのビット長を決定するための情報であるmacSnLengthに基づいて、そのサブフィールドのビット長が可変長か否かを判定する可変長判定処理を行う。
ステップS420aでは、その可変長判定処理の結果に基づいて、そのサブフィールドのビット長を決定する。そして、ステップS430aでは、決定されたサブフィールドのビット長に基づいて、符号化対象の情報の一部を処理対象フレームに符号化する。
ここで、ステップS420aにおける上記サブフィールドのビット長の決定では、ステップS421a〜S424aを含む。
つまり、ステップS410aの可変長判定処理において、サブフィールドのビット長が可変長ではないと判定された場合には、そのサブフィールドのビット長を、上述のmacSnLengthによって示される値に決定する(ステップS421a)。
一方、ステップS410aの可変長判定処理において、サブフィールドのビット長が可変長であると判定された場合には、処理対象フレームが、上記複数のフレームのうちの最終フレームであるか否か判定する最終判定処理を行う(ステップS422a)。ここで、最終フレームであると判定された場合には(ステップS422aのY)、そのサブフィールドのビット長を所定の値に決定する(ステップS423a)。一方、最終フレームでないと判定された場合には(ステップS422aのN)、最終フレームのシーケンス番号の値に基づいて、そのサブフィールドのビット長を決定する(ステップS424a)。
これにより、図136に示すように、シーケンス番号が格納されるサブフィールド(具体的には、シーケンス番号サブフィールド)のビット長が固定長であっても可変長であっても、そのサブフィールドのビット長を適切に決定することができる。
なお、本実施の形態における復号装置は、プロセッサとメモリとを備え、メモリには、図135に示す復号方法をプロセッサに実行させるプログラムが記録されている。本実施の形態における符号化装置は、プロセッサとメモリとを備え、メモリには、図136に示す符号化方法をプロセッサに実行させるプログラムが記録されている。また、本実施の形態におけるプログラムは、図135に示す復号方法、または図136に示す符号化方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
(実施の形態7)
本実施の形態では、光IDを可視光信号によって送信する送信方法について説明する。なお、本実施の形態における送信機および受信機は、上記各実施の形態における送信機(または送信装置)および受信機(または受信装置)と同一の機能および構成を有していてもよい。
図137は、本実施の形態における受信機がAR画像を表示する例を示す図である。
本実施の形態における受信機200は、イメージセンサおよびディスプレイ201を備えた受信機であって、例えばスマートフォンとして構成されている。このような受信機200は、そのイメージセンサによる被写体の撮像によって、上述の通常撮影画像である撮像表示画像Paと、上述の可視光通信画像または輝線画像である復号用画像とを取得する。
具体的には、受信機200のイメージセンサは送信機100を撮像する。送信機100は、例えば電球のような形態を有し、ガラス球141と、そのガラス球141の内部で炎のように光りながら揺らめく発光部142とを備える。この発光部142は、送信機100に備えられた1つまたは複数の発光素子(例えばLED)の点灯によって光る。この送信機100は、その発光部142を点滅させることによって輝度変化し、その輝度変化によって光ID(光識別情報)を送信する。この光IDは、上述の可視光信号である。
受信機200は、送信機100を通常露光時間で撮像することによって、その送信機100が映し出された撮像表示画像Paを取得するとともに、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間で送信機100を撮像することによって、復号用画像を取得する。なお、通常露光時間は、上述の通常撮影モードにおける露光時間であり、通信用露光時間は、上述の可視光通信モードにおける露光時間である。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P42と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Paのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P42を重畳し、AR画像P42が重畳された撮像表示画像Paをディスプレイ201に表示する。
例えば、受信機200は、図51に示す例と同様に、認識情報にしたがって、送信機100が映し出されている領域の左上にある領域を対象領域として認識する。その結果、例えば妖精を示すAR画像P42は、送信機100の周りを飛んでいるように表示される。
図138は、AR画像P42が重畳された撮像表示画像Paの他の例を示す図である。
受信機200は、図138に示すように、AR画像P42が重畳された撮像表示画像Paをディスプレイ201に表示する。
ここで、上述の認識情報は、撮像表示画像Paにおける閾値以上の輝度を有する範囲が基準領域であることを示す。さらに、その認識情報は、その基準領域に対して予め定められた方向に対象領域があることと、その対象領域が基準領域の中心(または重心)から予め定められた距離だけ離れていることを示す。
したがって、受信機200によって撮像されている送信機100の発光部142が揺らめくと、図138に示すように、撮像表示画像Paの対象領域に重畳されるAR画像P42も、その発光部142の動きに同期するように動く。つまり、発光部142が揺らめくと、撮像表示画像Paに映し出されている発光部142の像142aも揺らめく。この像142aは、上述の閾値以上の輝度を有する範囲であって、基準領域である。すなわち、基準領域が動くため、受信機200は、その基準領域と対象領域との間の距離が予め定められた距離に維持されるように、対象領域を移動させて、その移動する対象領域にAR画像P42を重畳する。その結果、発光部142が揺らめくと、撮像表示画像Paの対象領域に重畳されるAR画像P42も、その発光部142の動きに同期するように動く。なお、基準領域の中心位置は、発光部142の変形によっても移動することがある。したがって、発光部142が変形する場合にも、AR画像42は、その移動する基準領域の中心位置との間の距離が予め定められた距離に維持されるように動くことがある。
また、上述の例では、受信機200は、認識情報に基づいて対象領域を認識し、その対象領域にAR画像P42を重畳するが、その対象領域を中心にAR画像P42を振動させてもよい。つまり、受信機200は、時間に対する振幅の変化を示す関数にしたがって、そのAR画像P42を例えば上下方向に振動させる。その関数は、例えば正弦波などの三角関数である。
また、受信機200は、上述の閾値以上の輝度を有する範囲の大きさに応じて、AR画像P42の大きさを変化させてもよい。つまり、受信機200は、撮像表示画像Paにおける明るい領域の面積が大きくなるほど、AR画像P42のサイズを大きくし、逆に、その明るい領域の面積が小さくなるほど、AR画像P42のサイズを小さくする。
または、受信機200は、上述の閾値以上の輝度を有する範囲における平均輝度が高いほど、AR画像P42のサイズを大きくし、逆に、その平均輝度が低いほど、AR画像P42のサイズを小さくしてもよい。なお、AR画像P42のサイズの代わりに、AR画像P42の透明度を、その平均輝度に応じて変化させてもよい。
また、図138に示す例では、発光部142の像142aの中では何れの画素も閾値以上の輝度を有するが、何れかの画素が閾値未満であってもよい。つまり、像142aに相当する、閾値以上の輝度を有する範囲は、環状であってもよい。この場合にも、その閾値以上の輝度を有する範囲が基準領域として特定され、その基準領域の中心(または重心)から予め定められた距離だけ離れた対象領域に、AR画像P42が重畳される。
図139は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図139に示すように、照明装置として構成され、例えば壁に描かれた3つの円からなる図形143を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。図形143は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。
受信機200は、送信機100によって照らされた図形143を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Paと復号用画像とを取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、図形143から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P43と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Paのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、図形143が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P43を重畳し、AR画像P43が重畳された撮像表示画像Paをディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P43は、キャラクターの顔画像である。
ここで、図形143は、上述のように3つの円からなるが、この図形143には幾何学的な特徴が少ない。したがって、図形143の撮像によって得られる撮像画像だけからでは、その図形143に応じたAR画像を、サーバに蓄積された多くの画像から適切に選択して取得することは難しい。しかし、本実施の形態では、受信機200は、光IDを取得し、その光IDに対応するAR画像P43をサーバから取得する。したがって、サーバに多くの画像が蓄積されていても、その光IDに対応するAR画像P43を、図形143に応じたAR画像として、その多くの画像の中から適切に選択して取得することができる。
図140は、本実施の形態における受信機200の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態における受信機200は、まず、複数のAR画像候補を取得する(ステップS541)。例えば、受信機200は、可視光通信と異なる無線通信(BTLEまたはWi−Fiなど)によって、サーバから複数のAR画像候補を取得する。次に、受信機200は、被写体を撮像する(ステップS542)。受信機200は、この撮像によって、上述のように、撮像表示画像Paと復号用画像とを取得する。しかし、その被写体が送信機100の写真である場合には、その被写体からは光IDは送信されていないため、受信機200は、復号用画像に対する復号を行っても光IDを取得することはできない。
そこで、受信機200は、光IDを取得することができたか否か、すなわち、被写体から光IDを受信したか否かを判定する(ステップS543)。
ここで、光IDを受信していないと判定すると(ステップS543のNo)、受信機200は、自らに設定されているAR表示フラグが1であるか否かを判定する(ステップS544)。AR表示フラグは、光IDが取得されていなくても撮像表示画像PaだけからAR画像を表示してもよいか否かを示すフラグである。AR表示フラグが1である場合には、そのAR表示フラグは、撮像表示画像PaだけからAR画像を表示してもよいこと示し、AR表示フラグが0である場合には、そのAR表示フラグは、撮像表示画像PaだけからAR画像を表示してはいけないこと示す。
AR表示フラグが1であると判定すると(ステップS544のYes)、受信機200は、ステップS541で取得された複数のAR画像候補の中から、撮像表示画像Paに対応する候補をAR画像として選択する(ステップS545)。つまり、受信機200は、撮像表示画像Paに含まれる特徴量を抽出し、その抽出された特徴量に関連付けられている候補をAR画像として選択する。
そして、受信機200は、選択された候補であるAR画像を撮像表示画像Paに重畳して表示する(ステップS546)。
一方、AR表示フラグが0であると判定すると(ステップS544のNo)、受信機200は、AR画像を表示しない。
また、ステップS543で光IDを受信したと判定すると(ステップS543のYes)、受信機200は、ステップS541で取得された複数のAR画像候補の中から、その光IDに関連付けられている候補をAR画像として選択する(ステップS547)。そして、受信機200は、選択された候補であるAR画像を撮像表示画像Paに重畳して表示する(ステップS546)。
なお、上述の例では、AR表示フラグは受信機200に設定されているが、サーバに設定されていてもよい。この場合には、受信機200は、ステップS544において、サーバにAR表示フラグが1であるか0であるかを問い合わせる。
これにより、受信機200が撮像を行っても光IDを受信していないときに、その受信機200に対してAR画像を表示させるか否かを、AR表示フラグによって制御することができる。
図141は、本実施の形態における送信機100の動作を説明するための図である。
例えば、送信機100はプロジェクタとして構成されている。ここで、プロジェクタから照射されてスクリーンに反射される光の強度は、そのプロジェクタの光源の経年劣化、または、その光源からスクリーンまでの距離などの各要因によって変化する。光の強度が小さい場合には、送信機100から送信される光IDが受信機200に受信され難くなる。
そこで、本実施の形態における送信機100は、その各要因に応じた光の強度の変化を抑えるために、光源を発光させるためのパラメータを調整する。このパラメータは、光源を発光させるためにその光源に入力される電流の値と、その発光時間(より具体的には、単位時間当たりの発光時間)とのうちの少なくとも一方である。例えば、電流の値を大きくするほど、発光時間を長くするほど、光源の光の強度は大きくなる。
つまり、送信機100は、光源が経年劣化しているほど、その光源の光を強めるようにパラメータを調整する。具体的には、送信機100は、タイマを備え、そのタイマによって計測される光源の使用時間が長いほど、その光源の光を強めるようにパラメータを調整する。つまり、送信機100は、使用時間が長いほど、光源の電流の値を高めたり、発光時間を長くしたりする。または、送信機100は、光源から照射される光の強度を検出し、その検出された光の強度が低下しないようにパラメータを調整する。すなわち、送信機100は、検出される光の強度が小さいほど、その光を強めるようにパラメータを調整する。
また、送信機100は、光源からスクリーンまでの照射距離が長いほど、その光源の光を強めるようにパラメータを調整する。具体的には、送信機100は、照射されてスクリーンに反射された光の強度を検出し、その検出された光の強度が小さいほど、光源の光を強めるようにパラメータを調整する。つまり、送信機100は、検出された光の強度が小さいほど、その光源の電流の値を高めたり、発光時間を長くしたりする。これによって、反射される光の強度が照射距離に関わらず一定になるように、パラメータが調整される。または、送信機100は、光源からスクリーンまでの照射距離を測距センサによって検出し、その検出された照射距離が長いほど、光源の光を強めるようにパラメータを調整する。
また、送信機100は、スクリーンの色が黒いほど、その光源の光を強めるようにパラメータを調整する。具体的には、送信機100は、スクリーンを撮像することによって、そのスクリーンの色を検出し、その検出された色が黒いほど、光源の光を強めるようにパラメータを調整する。つまり、送信機100は、検出された色が黒いほど、その光源の電流の値を高めたり、発光時間を長くしたりする。これによって、反射される光の強度がスクリーンの色に関わらず一定になるように、パラメータが調整される。
また、送信機100は、外光が強いほど、その光源の光を強めるようにパラメータを調整する。具体的には、送信機100は、光源をONにして光を照射したときのスクリーンの明るさと、光源をOFFにして光を照射していないときのスクリーンの明るさとの差を検出する。そして、送信機100は、その明るさの差が小さいほど、光源の光を強めるようにパラメータを調整する。つまり、送信機100は、明るさの差が小さいほど、その光源の電流の値を高めたり、発光時間を長くしたりする。これによって、外光に関わらず、光IDのS/N比が一定になるように、パラメータが調整される。または、送信機100は、例えばLEDディスプレイとして構成されている場合には、太陽光の強度を検出し、その太陽光の強度が大きいほど、光源の光を強めるようにパラメータを調整してもよい。
なお、上述のようなパラメータの調整は、ユーザによる操作が行われたときに実施されてもよい。例えば、送信機100は、キャリブレーションボタンを備え、そのキャリブレーションボタンがユーザによって押下されたときに、上述のパラメータの調整を実施する。または、送信機100は、定期的に上述のパラメータの調整を実施してもよい。
図142は、本実施の形態における送信機100の他の動作を説明するための図である。
例えば、送信機100はプロジェクタとして構成され、光源からの光を、前部材を通してスクリーンに照射する。プロジェクタが液晶プロジェクタの場合には、その前部材は液晶パネルであり、プロジェクタがDLP(登録商標)プロジェクタの場合には、その前部材はDMD(Digital Mirror Device)である。つまり、前部材は、映像の輝度を画素ごとに調整する部材である。また、光源は、前部材に向けて光を照射するが、その光の強度をHighとLowとに切り替える。また、光源は、単位時間あたりのHighの時間を調整することによって、時間平均的な明るさを調整する。
ここで、前部材の透過率が例えば100%である場合には、プロジェクタからスクリーンへ投影される映像が明るすぎることがないように、光源は暗くなる。つまり、光源は、単位時間あたりのHighの時間を短くする。
このとき、光源は、輝度変化によって光IDを送信する場合には、光IDのパルス幅を広くする。
一方、前部材の透過率が例えば20%である場合には、プロジェクタからスクリーンへ投影される映像が暗すぎることがないように、光源は明るくなる。つまり、光源は、単位時間あたりのHighの時間を長くする。
このとき、光源は、輝度変化によって光IDを送信する場合には、光IDのパルス幅を狭くする。
このように、光源が暗い場合には、光IDのパルス幅が広くなり、逆に、光源が明るい場合には、光IDのパルス幅が狭くなるため、光IDの送信によって、光源からの光の強度が弱すぎたり、明るすぎたりしてしまうことを抑えることができる。
なお、上述の例では、送信機100はプロジェクタであるが、大型LEDディスプレイとして構成されていてもよい。大型LEDディスプレイは、画素スイッチと共通スイッチとを備える。画素スイッチのONおよびOFFによって映像が表現され、共通スイッチのONおよびオフによって光IDが送信される。この場合、機能的に、画素スイッチが前部材に相当し、共通スイッチが光源に相当する。画素スイッチによる平均輝度が高い場合には、共通スイッチによる光IDのパルス幅を短くしてもよい。
図143は、本実施の形態における送信機100の他の動作を説明するための図である。具体的には、図143は、調光機能付きスポットライトとして構成された送信機100の調光度と、その送信機100の光源に入力される電流(具体的にはピーク電流の値)との関係を示す。
送信機100は、自らに備えられている光源に対して指定される調光度を受け付け、その指定された調光度で光源を発光させる。なお、調光度は、光源の平均輝度の最大平均輝度に対する割合である。平均輝度は、瞬間的な輝度ではなく、時間平均における輝度である。また、調光度の調整は、光源に入力される電流の値を調整したり、光源の輝度がLowとなる時間を調整することによって実現される。光源の輝度がLowとなる時間は、光源をオフする時間であってもよい。
ここで、送信機100は、送信対象信号を光IDとして送信するときには、その送信対象信号を予め定められたモードで符号化することによって符号化信号を生成する。そして、送信機100は、その符号化信号にしたがって、自らに備えられた光源を輝度変化させることによって、その符号化信号を光ID(すなわち可視光信号)として送信する。
例えば、指定された調光度が0%以上x3(%)以下である場合には、送信機100は、デューティ比35%のPWMモードで送信対象信号を符号化することによって符号化信号を生成する。x3(%)は例えば50%である。なお、本実施の形態では、デューティ比35%のPWMモードを、第1のモードともいい、上述のx3を、第1の値ともいう。
つまり、送信機100は、指定される調光度が0%以上x3(%)以下である場合には、可視光信号のデューティ比を35%に維持しながら、光源の調光度をピーク電流の値によって調整する。
また、指定された調光度がx3(%)よりも大きく100%以下である場合には、送信機100は、デューティ比65%のPWMモードで送信対象信号を符号化することによって符号化信号を生成する。なお、本実施の形態では、デューティ比65%のPWMモードを、第2のモードともいう。
つまり、送信機100は、指定される調光度がx3(%)よりも大きく100%以下である場合には、可視光信号のデューティ比を65%に維持しながら、光源の調光度をピーク電流の値によって調整する。
このように、本実施の形態における送信機100は、光源に対して指定される調光度を指定調光度として受け付ける。そして、送信機100は、指定調光度が第1の値以下である場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。また、送信機100は、指定調光度の値が第1の値よりも大きい場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。具体的には、第2のモードで符号化された信号のデューティ比は、第1のモードで符号化された信号のデューティ比よりも大きい。
ここで、第2のモードのデューティ比は第1のモードのデューティ比よりも大きいため、第2のモードにおける調光度に対するピーク電流の変化率を、第1のモードにおける調光度に対するピーク電流の変化率よりも小さくすることができる。
また、指定される調光度がx3(%)を超えるときには、モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられる。したがって、このときには、ピーク電流を瞬間的に低下させることができる。つまり、指定される調光度がx3(%)であるときには、ピーク電流はy3(mA)であるが、指定される調光度がx3(%)を少しでも超えると、ピーク電流をy2(mA)に抑えることができる。なお、y3(mA)は例えば143mAであり、y2(mA)は例えば100mAである。その結果、調光度を大きくするために、ピーク電流がy3(mA)よりも大きくなることを抑えることができ、大きな電流が流れることによって光源が劣化してしまうことを抑制することができる。
また、指定される調光度がx4(%)を超えるときには、モードが第2のモードであっても、ピーク電流がy3(mA)よりも大きくなる。しかし、指定される調光度がx4(%)を超える頻度が少ない場合には、光源の劣化を抑えることができる。なお、本実施の形態では、上述のx4を、第2の値ともいう。また、図143に示す例では、x4(%)は100%未満であるが、100%であってもよい。
つまり、本実施の形態における送信機100では、指定調光度が第1の値よりも大きく第2の値以下である場合に、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値は、指定調光度が第1の値である場合に、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値よりも小さい。
これにより、信号を符号化するモードの切り替えによって、指定調光度が第1の値よりも大きく第2の値以下である場合における光源のピーク電流の値は、指定調光度が第1の値である場合における光源のピーク電流の値よりも小さくなる。したがって、指定調光度を大きくするほど、大きなピーク電流が光源に流れることを抑えることができる。その結果、光源の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施の形態における送信機100は、指定される調光度がx1(%)以上x2(%)よりも小さい場合には、指定される調光度で光源を発光させながら、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するとともに、指定される調光度の変化に対してピーク電流の値を一定の値に維持する。x2(%)はx3(%)よりも小さい。なお、本実施の形態では、上述のx2を第3の値ともいう。
つまり、送信機100は、指定調光度がx2(%)よりも小さい場合には、指定調光度が小さくなるにしたがって、光源をオフにする時間を長くすることにより、小さくなるその指定調光度で光源を発光させ、かつ、ピーク電流の値を一定の値に維持する。具体的には、送信機100は、符号化信号のデューティ比を35%に維持しながら、複数の符号化信号のそれぞれを送信する周期を長くする。これにより、光源をオフにする時間、すなわち消灯期間が長くなる。その結果、ピーク電流の値を一定に維持しながら、調光度を小さくすることができる。また、指定調光度が小さくなる場合でも、ピーク電流の値が一定に維持されるため、輝度変化によって送信される信号である可視光信号(すなわち光ID)を、受信機200に受信させ易くすることができる。
ここで、送信機100は、符号化信号を輝度変化により送信する時間と、光源をオフにする時間とを足した1周期が10ミリ秒を超えないように、光源をオフする時間を決定する。例えば、光源をオフにする時間が長すぎて、その1周期が10ミリ秒を超えると、符号化信号を送信するための光源の輝度変化がちらつきとして人の眼に認識されてしまう虞がある。そのため、本実施の形態では、1周期が10ミリ秒を超えないように、光源をオフする時間が決定されるため、ちらつきが人に認識されてしまうことを抑えることができる。
さらに、送信機100は、指定調光度がx1(%)よりも小さい場合にも、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。このとき、送信機100は、指定調光度が小さくなるにしたがって、ピーク電流の値を小さくすることにより、その小さくなる指定調光度で光源を発光させる。x1(%)はx2(%)よりも小さい。なお、本実施の形態では、上述のx1を第4の値ともいう。
これにより、指定調光度がより小さくても、その指定調光度で光源を適切に発光させることができる。
ここで、図143に示す例では、第1のモードにおける最大のピーク電流の値(すなわちy3(mA))は、第2のモードにおける最大のピーク電流の値(すなわちy4(mA))よりも小さいが、同じであってもよい。すなわち、送信機100は、指定される調光度がx3(%)よりも大きいx3a(%)まで、第1のモードで送信対象信号を符号化する。そして、送信機100は、指定された調光度がx3a(%)である場合には、第2のモードにおける最大のピーク電流の値(すなわちy4(mA))と同じピーク電流の値で光源を発光させる。この場合、x3aが第1の値となる。なお、第2のモードにおける最大のピーク電流の値は、指定される調光度が最大値、すなわち100%であるときのピーク電流の値である。
つまり、本実施の形態では、指定調光度が第1の値である場合における、光源のピーク電流の値と、指定調光度が最大値である場合における、光源のピーク電流の値とは同じであってもよい。この場合には、y3(mA)以上のピーク電流で光源を発光させる調光度の範囲が広がるため、調光度の広い範囲で、光IDを受信機200に受信させ易くすることができる。言い換えれば、第1のモードでも、大きいピーク電流を光源に流すことができるため、その光源の輝度変化によって送信される信号を、受信機に受信させ易くすることができる。なお、この場合には、大きいピーク電流が流れる期間が長くなるため、光源が劣化し易くなる。
図144は、本実施の形態における光IDの受信し易さを説明するための比較例を示す図である。
本実施の形態では、図143に示すように、調光度が小さい場合には、第1のモードが用いられ、調光度が大きい場合には、第2のモードが用いられる。第1のモードは、調光度の増加が小さくてもピーク電流の増加を大きくするモードであり、第2のモードは、調光度の増加が大きくてもピーク電流の増加を抑えるモードである。したがって、第2のモードによって、大きなピーク電流が光源に流れることが抑えれるため、光源の劣化を抑制することができる。さらに、第1のモードによって、調光度が小さくても大きなピーク電流が光源に流れるため、光IDを受信機200に容易に受信させることができる。
一方、調光度が小さい場合にも第2のモードが用いられる場合には、図144に示すように、調光度が小さい場合には、ピーク電流の値も小さいため、光IDを受信機200に受信させることが難しくなる。
したがって、本実施の形態における送信機100では、光源の劣化の抑制と、光IDの受信し易さとの両立を図ることができる。
また、送信機100は、光源のピーク電流の値が第5の値を超えた場合、その光源の輝度変化による信号の送信を停止してもよい。第5の値は、例えばy3(mA)であってもよい。
これにより、光源の劣化をさらに抑制することができる。
また、送信機100は、図141に示す例と同様に、光源の使用時間を計測してもよい。そして、その使用時間が所定時間以上である場合、送信機100は、指定調光度よりも大きい調光度で光源を発光させるためのパラメータの値を用いて、信号を輝度変化により送信してもよい。この場合、パラメータの値は、ピーク電流の値または光源をオフにする時間であってもよい。これにより、光源の経時的な劣化によって光IDが受信機200に受信され難くなることを抑えることができる。
または、送信機100は、光源の使用時間を計測し、その使用時間が所定時間以上である場合、使用時間が所定時間未満である場合よりも、光源の電流のパルス幅を大きくしてもよい。これにより、上述と同様、光源の劣化によって光IDが受信され難くなることを抑えることができる。
なお、上記実施の形態では、送信機100は、指定される調光度に応じて第1のモードと第2のモードとが切り換えられるが、ユーザによる操作に応じてそのモードの切り替えを行ってもよい。つまり、送信機100は、ユーザによってスイッチが操作されると、第1のモードを第2のモードに切り替えたり、逆に、第2のモードを第1のモードに切り替えたりする。また、送信機100は、モードが切り換えられるときには、そのことをユーザに通知してもよい。例えば、送信機100は、音を鳴らしたり、人に視認可能な周期で光源を点滅させたり、通知用のLEDを点灯させたりすることによって、モードの切り替えをユーザに通知してもよい。また、送信機100は、モードの切り替えだけでなく、ピーク電流と調光度との関係が変化する時点にも、その関係が変化することをユーザに通知してもよい。その時点は、例えば図143に示す調光度がx1(%)から変化する時点、または調光度がx2(%)から変化する時点である。
図145Aは、本実施の形態における送信機100の動作を示すフローチャートである。
送信機100は、まず、光源に対して指定される調光度を指定調光度として受け付ける(ステップS551)。次に、送信機100は、信号を光源の輝度変化により送信する(ステップS552)。具体的には、送信機100は、指定調光度が第1の値以下である場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。また、送信機100は、指定調光度が第1の値よりも大きい場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。ここで、指定調光度が第1の値よりも大きく第2の値以下である場合に、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値は、指定調光度が第1の値である場合に、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値よりも小さい。
図145Bは、本実施の形態における送信機100の構成を示すブロック図である。
送信機100は、受付部551と、送信部552とを備える。受付部551は、光源に対して指定される調光度を指定調光度として受け付ける(ステップS551)。送信部552は、信号を光源の輝度変化により送信する。具体的には、送信部552は、指定調光度が第1の値以下である場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。また、送信部552は、指定調光度が第1の値よりも大きい場合には、その指定調光度で光源を発光させながら、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。ここで、指定調光度が第1の値よりも大きく第2の値以下である場合に、第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値は、指定調光度が第1の値である場合に、第1のモードで符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流の値よりも小さい。
これにより、図143に示すように、信号を符号化するモードの切り替えによって、指定調光度が第1の値よりも大きく第2の値以下である場合における光源のピーク電流の値は、指定調光度が第1の値である場合における光源のピーク電流の値よりも小さくなる。したがって、指定調光度を大きくするほど、大きなピーク電流が光源に流れることを抑えることができる。その結果、光源の劣化を抑制することができる。
図146は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
受信機200は、そのイメージセンサによる被写体の撮像によって、上述の通常撮影画像である撮像表示画像Pkと、上述の可視光通信画像または輝線画像である復号用画像とを取得する。
具体的には、受信機200のイメージセンサは、サイネージとして構成されている送信機100と、送信機100の隣にいる人物21とを撮像する。送信機100は、上記各実施の形態における送信機であって、1つまたは複数の発光素子(例えばLED)と、すりガラスのように透光性を有する透光板144とを備える。1つまたは複数の発光素子は、送信機100の内部で発光し、1つまたは複数の発光素子からの光は、透光板144を透過して外部に照射される。その結果、送信機100の透光板144が明るく光っている状態になる。このような送信機100は、その1つまたは複数の発光素子を点滅させることによって輝度変化し、その輝度変化によって光ID(光識別情報)を送信する。この光IDは、上述の可視光信号である。
ここで、透光板144には、「ここにスマートフォンをかざしてください」というメッセージが記載されている。そこで、受信機200のユーザは、人物21を送信機100の隣に立たせて、腕を送信機100の上にかけるようにその人物21に指示する。そして、ユーザは、受信機200のカメラ(すなわちイメージセンサ)を人物21および送信機100に向けて撮像を行う。受信機200は、送信機100および人物21を通常露光時間で撮像することによって、それらが映し出された撮像表示画像Pkを取得する。さらに、受信機200は、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間で送信機100および人物21を撮像することによって、復号用画像を取得する。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに対応するAR画像P44と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pkのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100であるサイネージが映し出されている領域を対象領域として認識する。
そして、受信機200は、その対象領域がAR画像P44によって覆い隠されるように、そのAR画像P44を撮像表示画像Pkに重畳し、その撮像表示画像Pkをディスプレイ201に表示する。例えば、受信機200は、サッカー選手を示すAR画像P44を取得する。この場合、撮像表示画像Pkの対象領域を覆い隠すようにそのAR画像P44が重畳されるため、人物21の隣にサッカー選手が現実に存在するように、撮像表示画像Pkを表示することができる。その結果、人物21は、サッカー選手が隣にいなくても、そのサッカー選手と一緒に写真に写ることができる。より具体的には、人物21の腕をサッカー選手の肩にかけた状態で、そのサッカー選手と一緒に写真に写ることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、光IDを可視光信号によって送信する送信方法について説明する。なお、本実施の形態における送信機および受信機は、上記各実施の形態における送信機(または送信装置)および受信機(または受信装置)と同一の機能および構成を有していてもよい。
図147は、本実施の形態における送信機100の動作を説明するための図である。具体的には、図147は、調光機能付きスポットライトとして構成された送信機100の調光度と、その送信機100の光源に入力される電流(具体的にはピーク電流の値)との関係を示す。
本実施の形態における送信機100は、指定された調光度が0%以上x14(%)以下である場合には、デューティ比35%のPWMモードで送信対象信号を符号化することによって符号化信号を生成する。つまり、送信機100は、指定される調光度が0%からx14(%)に変化する場合には、可視光信号のデューティ比を35%に維持しながら、ピーク電流の値を増加することによって、その指定された調光度で光源を発光させる。なお、デューティ比35%のPWMモードは、実施の形態7と同様、第1のモードともいい、上述のx14を第1の値ともいう。例えば、x14(%)は、50〜60%の範囲内の値である。
また、送信機100は、指定された調光度がx13(%)以上100%以下である場合には、デューティ比65%のPWMモードで送信対象信号を符号化することによって符号化信号を生成する。つまり、送信機100は、指定される調光度が100%からx13(%)に変化する場合には、可視光信号のデューティ比を65%に維持しながら、ピーク電流の値を抑えることによって、その指定された調光度で光源を発光させる。なお、デューティ比65%のPWMモードは、実施の形態7と同様、第2のモードともいい、上述のx13を第2の値ともいう。ここで、x13(%)は、x14(%)よりも小さい値であって、例えば、40〜50%の範囲内の値である。
このように、本実施の形態では、指定される調光度が増加する場合には、PWMモードは、調光度x14(%)において、デューティ比35%のPWMモードからデューティ比65%のPWMモードに切り替えられる。一方、指定される調光度が減少する場合には、PWMモードは、調光度x14(%)よりも小さい調光度x13(%)において、デューティ比65%のPWMモードからデューティ比35%のPWMモードに切り替えられる。つまり、本実施の形態では、指定される調光度が増加する場合と、指定される調光度が減少する場合とで、PWMモードが切り替えられる調光度が異なる。以下、PWMモードが切り替えられる調光度を、切り替え点という。
したがって、本実施の形態では、PWMモードの頻繁な切り替えを抑制することができる。実施の形態7の図143に示す例では、PWMモードの切り替え点は、50%であって、指定される調光度が増加する場合と、指定される調光度が減少する場合とで同じである。その結果、図143に示す例では、指定される調光度の増減が50%の前後で繰り返されると、PWMモードが、デューティ比35%のPWMモードとデューティ比65%のPWMモードとに頻繁に切り替えられる。しかし、本実施の形態では、指定される調光度が増加する場合と、指定される調光度が減少する場合とで、PWMモードの切り替え点が異なるため、このようなPWMモードの頻繁な切り替えを抑えることができる。
また、本実施の形態では、実施の形態7の図143に示す例と同様、指定される調光度が小さい場合には、小さいデューティ比のPWMモードが用いられ、逆に、指定される調光度が大きい場合には、大きいデューティ比のPWMモードが用いられる。
したがって、指定される調光度が大きい場合には、大きいデューティ比のPWMモードが用いられるため、調光度に対するピーク電流の変化率を小さくすることができ、小さいピーク電流によって光源を大きい調光度で発光させることができる。例えば、デューティ比35%のように小さいデューティ比のPWMモードでは、ピーク電流を250mAにしなければ、光源を100%の調光度で発光させることができない。しかし、本実施の形態では、大きい調光度に対しては、デューティ比65%のように大きいデューティ比のPWMモードが用いられるため、例えば、ピーク電流をより小さい154mAにするだけで、光源を100%の調光度で発光させることができる。つまり、光源に過電流を流してその光源の寿命を縮めてしまうことを抑えることができる。
また、指定される調光度が小さい場合には、小さいデューティ比のPWMモードが用いられるため、調光度に対するピーク電流の変化率を大きくすることができる。その結果、小さい調光度で光源を発光させながら、大きいピーク電流によって可視光信号を送信することができる。光源は、入力される電流が大きいほど、明るく発光する。したがって、大きいピーク電流によって可視光信号が送信される場合には、受信機200に可視光信号を受信させ易くすることができる。言い換えれば、受信機200に受信可能な可視光信号を送信することができる調光度の範囲を、より小さい調光度まで広げることができる。例えば、図195に示すように、受信機200は、ピーク電流がIa(mA)以上であれば、そのピーク電流によって送信される可視光信号を受信することができる。この場合、デューティ比65%のように大きいデューティ比のPWMモードでは、受信可能な可視光信号を送信することができる調光度の範囲は、x12(%)以上である。しかし、デューティ比35%のように小さいデューティ比のPWMモードでは、受信可能な可視光信号を送信することができる調光度の範囲を、x12(%)よりも小さいx11(%)以上にすることができる。
このように、PWMモードを切り替えることによって、光源の寿命を長くし、且つ、広い調光度の範囲で可視光信号を送信することができる。
図148Aは、本実施の形態における送信方法を示すフローチャートである。
本実施の形態における送信方法は、光源の輝度変化により信号を送信する送信方法であって、受付ステップS561と、送信ステップS562とを含む。受付ステップS561では、送信機100は、光源に対して指定される調光度を指定調光度として受け付ける。送信ステップS562では、送信機100は、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードまたは第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。ここで、第2のモードで符号化された信号のデューティ比は、第1のモードで符号化された前記信号のデューティ比よりも大きい。また、送信ステップS562では、送信機100は、指定調光度が小さい値から大きい値に変更される場合、指定調光度が第1の値であるときに、信号の符号化に用いられるモードを、第1のモードから第2のモードに切り替える。さらに、送信機100は、指定調光度が大きい値から小さい値に変更される場合、指定調光度が第2の値であるときに、信号の符号化に用いられるモードを、第2のモードから第1のモードに切り替える。ここで、第2の値は、第1の値よりも小さい。
例えば、第1モードおよび第2のモードはそれぞれ、図147に示すデューティ比35%のPWMモードおよびデューティ比65%のPWMモードである。また、第1の値および第2の値はそれぞれ、図147に示すx14(%)およびx15(%)である。
これにより、第1のモードと第2のモードとの切り替えが行われる指定調光度(すなわち切り替え点)は、指定調光度が増加する場合と減少する場合とで異なる。したがって、これらのモードの頻繁な切り替えを抑えることができる。すなわち、いわゆるチャタリングの発生を抑えることができる。その結果、信号を送信する送信機100の動作を安定させることができる。また、第2のモードで符号化された信号のデューティ比は、第1のモードで符号化された信号のデューティ比よりも大きい。したがって、図143に示す送信方法と同様に、指定調光度を大きくするほど、大きなピーク電流が光源に流れることを抑えることができる。その結果、光源の劣化を抑制することができる。また、光源の劣化が抑えられるため、多様な機器間の通信を長期的に行うことができる。また、指定調光度が小さい場合には、デューティ比が小さい第1のモードが用いられる。したがって、上述のピーク電流を大きくすることができ、受信機200に受信され易い信号を可視光信号として送信することができる。
また、送信ステップS562では、第1のモードから第2のモードへの切り替えが行われる際に、送信機100は、符号化された信号を輝度変化により送信するための光源のピーク電流を、第1の電流値から、その第1の電流値よりも小さい第2の電流値に変更する。さらに、第2のモードから第1のモードへの切り替えが行われる際に、送信機100は、ピーク電流を、第3の電流値から、第3の電流値よりも大きい第4の電流値に変更する。ここで、第1の電流値は、第4の電流値よりも大きく、第2の電流値は、第3の電流値よりも大きい。
例えば、第1の電流値、第2の電流値、第3の電流値、および第4の電流値はそれぞれ、図147に示す電流値Ie、電流値Ic、電流値Ib、および電流値Idである。
これにより、第1のモードと第2のモードとを適切に切り替えることができる。
図148Bは、本実施の形態における送信機100の構成を示すブロック図である。
本実施の形態における送信機100は、光源の輝度変化により信号を送信する送信機であって、受付部561と、送信部562とを備える。受付部561は、光源に対して指定される調光度を指定調光度として受け付ける。送信部562は、その指定調光度で光源を発光させながら、第1のモードまたは第2のモードで符号化された信号を輝度変化により送信する。ここで、第2のモードで符号化された信号のデューティ比は、第1のモードで符号化された前記信号のデューティ比よりも大きい。また、送信部562は、指定調光度が小さい値から大きい値に変更される場合、指定調光度が第1の値であるときに、信号の符号化に用いられるモードを、第1のモードから第2のモードに切り替える。さらに、送信部562は、指定調光度が大きい値から小さい値に変更される場合、指定調光度が第2の値であるときに、信号の符号化に用いられるモードを、第2のモードから第1のモードに切り替える。ここで、第2の値は、第1の値よりも小さい。
このような送信機100によって、図148Aに示すフローチャートの送信方法が実現される。
図149は、本実施の形態における可視光信号の詳細な構成の一例を示す図である。
このような可視光信号は、PWMモードの信号である。
可視光信号のパケットは、Lデータ部と、プリアンブルと、Rデータ部とからなる。なお、Lデータ部およびRデータ部はそれぞれ、ペイロードに相当する。
プリアンブルは、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示す。つまり、プリアンブルは、時間長CだけHighの輝度値を示し、次の時間長CだけLowの輝度値を示し、次の時間長CだけHighの輝度値を示し、次の時間長CだけLowの輝度値を示す。なお、時間長CおよびCは、例えば100μsである。また、時間長CおよびCは、例えば時間長CおよびCよりも10μsだけ短い90μsである。
Lデータ部は、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示し、プリアンブルの直前に配置される。つまり、Lデータ部は、時間長D’だけHighの輝度値を示し、次の時間長D’だけLowの輝度値を示し、次の時間長D’だけHighの輝度値を示し、次の時間長D’だけLowの輝度値を示す。なお、時間長D’〜D’は、送信対象の信号に応じた数式にしたがって決定される。この数式は、D’=W+W×(3−y)、D’=W+W×(7−y)、D’=W+W×(3−y)、およびD’=W+W×(7−y)である。ここで、定数Wは、例えば110μsであり、定数Wは、例えば30μsである。変数yおよびyは、2ビットで表される0〜3の何れかの整数であり、変数yおよびyは、3ビットで表される0〜7の何れかの整数である。また、変数y〜yは送信対象の信号である。なお、図149〜図152では、かけ算を意味する記号として「*」が用いられている。
Rデータ部は、Rデータ部は、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示し、プリアンブルの直後に配置される。つまり、Rデータ部は、時間長DだけHighの輝度値を示し、次の時間長DだけLowの輝度値を示し、次の時間長DだけHighの輝度値を示し、次の時間長DだけLowの輝度値を示す。なお、時間長D〜Dは、送信対象の信号に応じた数式にしたがって決定される。この数式は、D=W+W×y、D=W+W×y、D=W+W×y、およびD=W+W×yである。
ここで、Lデータ部とRデータ部とは、明るさに対して補完関係がある。つまり、Lデータ部の明るさが明るければ、Rデータ部の明るさは暗く、逆に、Lデータ部の明るさが暗ければ、Rデータ部の明るさは明るくなる。つまり、Lデータ部の時間長とRデータ部の時間長との和は、送信対象の信号に関わらずに一定である。言い換えれば、送信対象の信号に関わらず、光源から送信される可視光信号の時間平均の明るさを一定にすることができる。
また、D’=W+W×(3−y)、D’=W+W×(7−y)、D’=W+W×(3−y)、およびD’=W+W×(7−y)における、3と7との比率を変更することによって、PWMモードのデューティ比を変更することができる。なお、3と7との比率は、変数yおよびyの最大値と、変数yおよびyの最大値との比率に相当する。例えば、その比率が3:7の場合には、デューティ比が小さいPWMモードが選択され、逆に、その比率が7:3の場合には、デューティ比が大きいPWMモードが選択される。したがって、その比率を調整することによって、PWMモードを、図143および図147に示すデューティ比35%のPWMモードと、デューティ比65%のPWMモードとに切り替えることができる。また、何れのPWMモードに切り替えられているかを受信機200に通知するために、プリアンブルを利用してもよい。例えば、送信機100は、切り替えられたPWMモードに対応付けられたパターンのプリアンブルをパケットに含めることによって、その切り替えられたPWMモードを受信機200に通知する。なお、プリアンブルのパターンは、時間長C、C、CおよびCによって変更される。
しかし、図149に示す可視光信号では、パケットに2つのデータ部が含まれているため、そのパケットの送信に時間がかかってしまう。例えば、送信機100がDLPプロジェクタである場合、送信機100は、赤、緑、および青のそれぞれの映像を時分割で投影する。ここで、送信機100は、赤の映像を投影するときに、可視光信号を送信することが望ましい。それは、このとき送信される可視光信号が、赤色の波長を有するため、受信機200に受信され易いからである。赤の映像が継続して投影される期間は例えば1.5msである。なお、この期間を、以下、赤色投影期間という。このように短い赤色投影期間に、上述のLデータ部、プリアンブルおよびRデータ部からなるパケットを送信することは困難である。
そこで、2つのデータ部のうちRデータ部のみを有するパケットが想起される。
図150は、本実施の形態における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。
図150に示す可視光信号のパケットは、図149に示す例と異なり、Lデータ部を含んでいない。その代わりに、図150に示す可視光信号のパケットは、無効データと、平均輝度調整部とを含む。
無効データは、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示す。つまり、無効データは、時間長AだけHighの輝度値を示し、次の時間長AだけLowの輝度値を示す。時間長Aは、例えば100μsであり、時間長Aは、例えばA=W−Wによって示される。このような無効データは、パケットにLデータ部が含まれていないことを示す。
平均輝度調整部は、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示す。つまり、無効データは、時間長BだけHighの輝度値を示し、次の時間長BだけLowの輝度値を示す。時間長Bは、例えばB=100+W×((3−y)+(3−y))によって示され、時間長Bは、例えばB=W×((7−y)+(7−y))によって示される。
このような平均輝度調整部によって、パケットにおける平均輝度を、送信対象の信号y〜yに関わらず一定にすることができる。つまり、パケットにおいて輝度値がHighの時間長の総和(すなわち合計ON時間)を、A+C+C+D+D+B=790にすることができる。さらに、パケットにおいて輝度値がLowの時間長の総和(すなわち合計OFF時間)を、A+C+C+D+D+B=910にすることができる。
しかし、このような可視光信号の構成であっても、パケットにおける全時間長Eのうちの一部の時間長である有効時間長Eを短くすることができない。この有効時間長Eは、パケットにおいて最初にHighの輝度値が現れてから、最後に現れるHighの輝度が終了するまでの時間であって、受信機200が可視光信号のパケットを復調または復号するために必要な時間である。具体的には、有効時間長Eは、E=A+A+C+C+C2+C+D+D+D+D+Bである。なお、全時間長Eは、E=E+Bである。
つまり、有効時間長Eは、図150に示す構成の可視光信号であっても、最大1700μsであるため、送信機100は、上述の赤色投影期間に、その有効時間長Eだけ継続して1つのパケットを送信することは困難である。
そこで、有効時間長Eを短くし、かつ、パケットの平均輝度を送信対象の信号に関わらず一定にするために、HighとLowのそれぞれの輝度値の時間長だけでなく、Hightの輝度値も調整することが想起される。
図151は、本実施の形態における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。
図151に示す可視光信号のパケットでは、図150に示す例と異なり、有効時間長Eを短くするために、平均輝度調整部のHighの輝度値の時間長Bは、送信対象の信号に関わらず最短の100μsに固定されている。その代わりに、図151に示す可視光信号のパケットでは、送信対象の信号に含まれる変数yおよびyに応じて、すなわち、時間長DおよびDに応じて、Highの輝度値が調整される。例えば、時間長DおよびDが短い場合には、送信機100は、図151の(a)に示すように、Highの輝度値を大きな値に調整する。また、時間長DおよびDが長い場合には、送信機100は、図151の(b)に示すように、Highの輝度値を小さな値に調整する。具体的には、時間長DおよびDがそれぞれ最短のW(例えば110μs)である場合には、Highの輝度値は100%の明るさである。また、時間長DおよびDがそれぞれ最大の「W+3W」(例えば200μs)である場合には、Highの輝度値は77.2%の明るさである。
このような可視光信号のパケットでは、輝度値がHighの時間長の総和(すなわち合計ON時間)を、例えば、A+C+C+D+D+B=610〜790にすることができる。さらに、輝度値がLowの時間長の総和(すなわち合計OFF時間)を、A+C+C+D+D+B=910にすることができる。
しかし、図151に示す可視光信号では、パケットにおける全時間長Eおよび有効時間長Eのそれぞれの最短の時間長を、図150に示す例よりも短くすることはできるが、最大の時間長を短くすることができない。
そこで、有効時間長Eを短くし、かつ、パケットの平均輝度を送信対象の信号に関わらず一定にするために、送信対象の信号に応じて、パケットに含まれるデータ部としてLデータ部とRデータ部とを使い分かることが想起される。
図152は、本実施の形態における可視光信号の詳細な構成の他の例を示す図である。
図152に示す可視光信号では、図149〜図151に示す例と異なり、有効時間長を短くするために、送信対象の信号である変数y〜yの総和に応じて、Lデータ部を含むパケットと、Rデータ部を含むパケットとが使い分けられる。
つまり、送信機100は、変数y〜yの総和が7以上の場合には、図152の(a)に示すように、2つのデータ部のうちLデータ部のみを含むパケットを生成する。以下、このパケットをLパケットという。また、送信機100は、変数y〜yの総和が6以下の場合には、図152の(b)に示すように、2つのデータ部のうちRデータ部のみを含むパケットを生成する。以下、このパケットをRパケットという。
Lパケットは、図152の(a)に示すように、平均輝度調整部と、Lデータ部と、プリアンブルと、無効データとを含む。
Lパケットの平均輝度調整部は、Highの輝度値を示すことなく、時間長B’だけLowの輝度値を示す。時間長B’は、例えばB’=100+W×(y+y+y+y−7)によって示される。
Lパケットの無効データは、時間軸に沿ってHighとLowの輝度値を交互に示す。つまり、無効データは、時間長A’だけHighの輝度値を示し、次の時間長A’だけLowの輝度値を示す。時間長A’は、A’=W−Wによって示され、例えば80μsであり、時間長A’は、例えば150μsである。このような無効データは、その無効データを有するパケットに、Rデータ部が含まれていないことを示す。
このようなLパケットでは、全時間長E’は、送信対象の信号に関わらず、E’=5W+12W+4b+230=1540μsである。また、有効時間長E’は、送信対象の信号に応じた時間長であって、900〜1290μsの範囲にある。また、全時間長E’が一定の1540μsであるのに対して、輝度値がHighの時間長の総和(すなわち合計ON時間)は、490〜670μsの範囲で送信対象の信号に応じて変化する。したがって、送信機100は、このLパケットにおいても、図151に示す例と同様に、合計ON時間に応じて、すなわち時間長DおよびDに応じて、Highの輝度値を100%〜73.1%の範囲で変化させる。
Rパケットは、図150に示す例と同様、図152の(b)に示すように、無効データと、プリアンブルと、Rデータ部と、平均輝度調整部とを含む。
ここで、図152の(b)に示すRパケットでは、有効時間長Eを短くするために、平均輝度調整部におけるHighの輝度値の時間長Bは、送信対象の信号に関わらず最短の100μsに固定されている。また、平均輝度調整部におけるLowの輝度値の時間長Bは、全時間長Eを一定にするために、例えばB=W×(6−(y+y+y+y)によって示される。さらに、図152の(b)に示すRパケットにおいても、送信対象の信号に含まれる変数yおよびyに応じて、すなわち、時間長DおよびDに応じて、Highの輝度値が調整される。
このようなRパケットでは、全時間長Eは、送信対象の信号に関わらず、E=4W+6W+4b+260=1280μsである。また、有効時間長Eは、送信対象の信号に応じた時間長であって、1100〜1280μsの範囲にある。また、全時間長Eが一定の1280μsであるのに対して、輝度値がHighの時間長の総和(すなわち合計ON時間)は、610〜790μsの範囲で送信対象の信号に応じて変化する。したがって、送信機100は、このLパケットにおいても、図151に示す例と同様に、合計ON時間に応じて、すなわち時間長DおよびDに応じて、Highの輝度値を80.3%〜62.1%の範囲で変化させる。
このように、図152に示す可視光信号では、パケットにおける有効時間長の最大値を短くすることができる。したがって、送信機100は、上述の赤色投影期間に、その有効時間長EまたはE’だけ継続して1つのパケットを送信することができる。
ここで、図152に示す例では、送信機100は、変数y〜yの総和が7以上の場合に、Lパケットを生成し、変数y〜yの総和が6以下の場合に、Rパケットを生成する。言い換えれば、変数y〜yの総和は整数であるため、送信機100は、変数y〜yの総和が6よりも大きい場合に、Lパケットを生成し、変数y〜yの総和が6以下の場合に、Rパケットを生成する。つまり、この例では、パケットのタイプを切り替えるための閾値は6である。しかし、このようなパケットのタイプの切り替えの閾値は、6に限定されずに、3〜10の何れかの値であってもよい。
図153は、変数y〜yの総和と、全時間長および有効時間長との関係を示す図である。図153に示す全時間長は、Rパケットの全時間長Eと、Lパケットの全時間長E’とのうちの大きい方の時間長である。また、図153に示す有効時間長は、Rパケットの有効時間長Eの最大値と、Lパケットの有効時間長E’の最大値とのうちの大きい方の時間長である。なお、図153に示す例では、定数W、W、およびbは、それぞれW=110μs、W=15μsおよびb=100μsである。
全時間長は、図153に示すように、変数y〜yの総和に応じて変化するが、その総和が約10で最小になる。また、有効時間長は、図153に示すように、変数y〜yの総和に応じて変化するが、その総和が約3で最小になる。
したがって、パケットのタイプの切り替えの閾値は、3〜10の範囲で、全時間長および有効時間長のうちの何れを短くするかに応じて設定されてもよい。
図154Aは、本実施の形態における送信方法を示すフローチャートである。
本実施の形態における送信方法は、発光体の輝度変化によって可視光信号を送信する送信方法であって、決定ステップS571と、送信ステップS572とを含む。決定ステップS571では、送信機100は、信号を変調することによって、輝度変化のパターンを決定する。送信ステップS572では、送信機100は、その発光体に含まれる光源によって表現される赤色の輝度を、決定されたパターンにしたがって変化させることによって可視光信号を送信する。ここで、可視光信号は、データと、プリアンブルと、ペイロードとを含む。データでは、第1の輝度値、および、その第1の輝度値よりも小さい第2の輝度値が、時間軸上に沿って現れ、第1の輝度値および第2の輝度値のうちの少なくとも一方が継続する時間長は第1の所定の値以下である。プリアンブルでは、第1および第2の輝度値のそれぞれが、時間軸上に沿って交互に現れる。ペイロードでは、第1および第2の輝度値が時間軸上に沿って交互に現れ、第1および第2の輝度値のそれぞれが継続する時間長は第1の所定の値よりも大きく、かつ、上述の信号および所定の方式にしたがって決定されている。
例えば、データ、プリアンブルおよびペイロードはそれぞれ、図152の(a)および(b)に示す無効データ、プリアンブル、およびLデータ部もしくはRデータ部である。また、例えば、第1の所定の値は100μsである。
これにより、図152の(a)および(b)に示すように、可視光信号は、変調される信号に応じて決定される波形のペイロード(すなわち、Lデータ部またはRデータ部)を1つ含み、2つのペイロードを含んでいない。したがって、可視光信号、すなわち可視光信号のパケットを、短くすることができる。その結果、例えば、発光体に含まれる光源によって表現される赤色の光の発光期間が短くても、その発光期間に可視光信号のパケットを送信することができる。
また、ペイロードでは、第1の時間長の第1の輝度値、第2の時間長の第2の輝度値、第3の時間長の第1の輝度値、第4の時間長の第2の輝度値の順で、それぞれの輝度値が現れてもよい。この場合、送信ステップS572では、送信機100は、第1の時間長と第3の時間長の和が、第2の所定の値よりも小さい場合、第1の時間長と第3の時間長の和が、第2の所定の値よりも大きい場合よりも、光源に流れる電流値を大きくする。ここで、第2の所定の値は、第1の所定の値よりも大きい。なお、第2の所定の値は、例えば220μsよりも大きい値である。
これにより、図151および図152に示すように、第1の時間長と第3の時間長の和が小さい場合には、光源の電流値は大きくされ、第1の時間長と第3の時間長の和が大きい場合には、光源の電流値は小さくされる。したがって、データ、プリアンブルおよびペイロードからなるパケットの平均輝度を、信号に関わらずに一定に保つことができる。
また、ペイロードでは、第1の時間長Dの第1の輝度値、第2の時間長Dの第2の輝度値、第3の時間長Dの第1の輝度値、第4の時間長Dの第2の輝度値の順で、それぞれの輝度値が現れてもよい。この場合、信号から得られる4つのパラメータy(k=0,1,2,3)の総和が第3の所定の値以下である場合、第1〜4の時間長D〜Dのそれぞれは、D=W+W×y(W、Wは、0以上の整数)に従って決定されている。例えば、図152の(b)に示すように、第3の所定の値は3である。
これにより、図152の(b)に示すように、第1〜4の時間長D〜DのそれぞれをW以上にしながら、信号に応じて短い波形のペイロードを生成することができる。
また、4つのパラメータy(k=0,1,2,3)の総和が第3の所定の値以下である場合、送信ステップS572では、データ、プリアンブルおよびペイロードを、データ、プリアンブル、ペイロードの順に送信してもよい。なお、図152の(b)に示す例の場合、そのペイロードはRデータ部である。
これにより、図152の(b)に示すように、データ(すなわち無効データ)を含む可視光信号のパケットがLデータ部を含んでいないことを、そのデータによって、そのパケットを受信する受信機200に知らせることができる。
また、4つのパラメータy(k=0,1,2,3)の総和が第3の所定の値よりも大きい場合、第1〜4の時間長D〜Dのそれぞれは、D=W+W×(A−y)、D=W+W×(B−y)、D=W+W×(A−y)、およびD=W+W×(B−y)(AおよびBはそれぞれ、0以上の整数)に従って決定されていてもよい。
これにより、図152の(a)に示すように、第1〜4の時間長D〜D(すなわち、第1〜4の時間長D’〜D’)のそれぞれをW以上にしながら、上述の総和が大きくても、信号に応じて短い波形のペイロードを生成することができる。
また、4つのパラメータy(k=0,1,2,3)の総和が第3の所定の値よりも大きい場合、送信ステップS572では、データ、プリアンブルおよびペイロードを、ペイロード、プリアンブル、データの順に送信してもよい。なお、図152の(a)に示す例の場合、そのペイロードはLデータ部である。
これにより、図152の(a)に示すように、データ(すなわち無効データ)を含む可視光信号のパケットがRデータ部を含んでいないことを、そのデータによって、そのパケットを受信する受信装置に知らせることができる。
また、発光体は、赤色の光源、青色の光源、および緑色の光源を含む複数の光源を有し、送信ステップS572では、その複数の光源のうち、赤色の光源のみを用いて可視光信号を送信してもよい。
これにより、発光体は、赤色の光源、青色の光源、および緑色の光源を用いて映像を表示することができるとともに、受信機200に受信し易い波長の可視光信号を送信することができる。
なお、発光体は例えばDLPプロジェクタであってもよい。DLPプロジェクタは、上述のように、赤色の光源、青色の光源、緑色の光源を含む複数の光源を有していてもよいが、1つの光源のみを有していてもよい。つまり、DLPプロジェクタは、1つの光源と、DMD(Digital Micromirror Device)と、光源とDMDとの間に配置されるカラーホイールとを備えていてもよい。この場合には、DLPプロジェクタは、光源からカラーホイールを介してDMDへ時分割で出力される赤色の光、青色の光、および緑色の光のうち、赤色の光が出力される期間に、可視光信号のパケットを送信する。
図154Bは、本実施の形態における送信機100の構成を示すブロック図である。
本実施の形態における送信機100は、発光体の輝度変化によって可視光信号を送信する送信機、決定部571と、送信部572とを備える。決定部571は、信号を変調することによって、輝度変化のパターンを決定する。送信部572は、その発光体に含まれる光源によって表現される赤色の輝度を、決定されたパターンにしたがって変化させることによって可視光信号を送信する。ここで、可視光信号は、データと、プリアンブルと、ペイロードとを含む。データでは、第1の輝度値、および、その第1の輝度値よりも小さい第2の輝度値が、時間軸上に沿って現れ、第1の輝度値および第2の輝度値のうちの少なくとも一方が継続する時間長は第1の所定の値以下である。プリアンブルでは、第1および第2の輝度値のそれぞれが、時間軸上に沿って交互に現れる。ペイロードでは、第1および第2の輝度値が時間軸上に沿って交互に現れ、第1および第2の輝度値のそれぞれが継続する時間長は第1の所定の値よりも大きく、かつ、上述の信号および所定の方式にしたがって決定されている。
このような送信機100によって、図154Aに示すフローチャートの送信方法が実現される。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態4などと同様、光IDを用いたAR(Augmented Reality)を実現する表示方法および表示装置などについて説明する。なお、本実施の形態における送信機および受信機は、上記各実施の形態における送信機(または送信装置)および受信機(または受信装置)と同一の機能および構成を有していてもよい。また、本実施の形態における受信機は、表示装置として構成されている。
図155は、実施の形態9における表示システムの構成を示す図である。
この表示システム500は、可視光信号を用いた物体認識と拡張現実(Augmented Reality/Mixed Reality)表示とを行う。
送信機100は、例えば図155に示すように、照明装置として構成され、AR対象物501を照らしながら輝度変化することによって、光IDを送信している。AR対象物501は、その送信機100からの光によって照らされているため、送信機100と同様に輝度変化し、光IDを送信している。
受信機200は、そのAR対象物501を撮像する。つまり、受信機200は、上述の通常露光時間および通信用露光時間のそれぞれの露光時間でAR対象物501を撮像する。これにより、受信機200は、上述と同様、撮像表示画像と、可視光通信画像または輝線画像である復号用画像とを取得する。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、AR対象物501から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する。そして、受信機200は、その光IDに関連付けられているAR画像P11と認識情報とをサーバ300から取得する。受信機200は、撮像表示画像のうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、AR対象物501が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P11を重畳し、AR画像P11が重畳された撮像表示画像をディスプレイに表示する。例えば、AR画像P11は、動画像である。
受信機200は、そのAR画像P11の動画像の全ての表示または再生が完了すると、その動画像の再生完了をサーバ300に通知する。この再生完了の通知を受けたサーバ300は、その受信機200に対してポイントなどの報酬を付与する。なお、受信機200は、動画像の再生完了をサーバ300に通知するときには、再生完了だけでなく、受信機200のユーザの個人情報も通知してもよく、報酬を格納するためのウォレットIDも通知してもよい。サーバ300は、これらの通知を受けることによって、その受信機200に対してポイントを付与する。
図156は、受信機200とサーバ300の処理動作を示すシーケンス図である。
受信機200は、AR対象物501を撮像することによって、可視光信号として光IDを取得する(ステップS51)。そして、受信機200は、その光IDをサーバ300に送信する(ステップS52)。
サーバ300は、その光IDを取得すると(ステップS53)、その光IDに関連付けられている認識情報およびAR画像P11を受信機200に送信する(ステップS54)。
受信機200は、認識情報にしたがって、撮像表示画像のうちの例えばAR対象物501が映し出されている領域を対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P11が重畳された撮像表示画像をディスプレイに表示する。そして、その受信機200は、そのAR画像P11である動画像の再生を開始する(ステップS56)。
次に、受信機200は、その動画像の再生が全て完了したか否かを判定する(ステップS57)。再生が全て完了したと判定すると(ステップS57のYes)、受信機200は、その動画像の再生完了をサーバ300に通知する(ステップS58)。
サーバ300は、その再生完了の通知を受信機200から受けると、その受信機200に対してポイントを付与する(ステップS59)。
ここで、サーバ300は、図157に示すように、受信機200に対してポイントを付与するための条件をより厳しくしてもよい。
図157は、サーバ300の処理動作を示すフローチャートである。
サーバ300は、まず、受信機200から光IDを取得する(ステップS60)。次に、サーバ300は、その光IDに関連付けられている認識情報およびAR画像P11を受信機200に送信する(ステップS61)。
そして、サーバ300は、受信機200からAR画像P11である動画像の再生完了の通知を受けたか否かを判定する(ステップS62)。ここで、サーバ300は、動画像の再生完了の通知を受けたと判定すると(ステップS62のYes)、さらに、過去に同じAR画像P11が受信機200において再生されたか否かを判定する(ステップS63)。過去に同じAR画像P11が受信機200において再生されていないと判定すると(ステップS63のNo)、サーバ300は、受信機200に対してポイントを付与する(ステップS66)。一方、過去に同じAR画像P11が受信機200において再生されていると判定すると(ステップS63のYes)、サーバ300は、さらに、その過去の再生から所定期間が経過しているか否かを判定する(ステップS64)。例えば、所定期間は、1か月であってもよく、3か月であってもよく、1年などであってもよく、どのような期間であってもよい。
ここで、サーバ300は、所定期間が経過していないと判定する(ステップS64のNo)、受信機200に対してポイントを付与しない。一方、サーバ300は、所定期間が経過していると判定すると(ステップS64のYes)、さらに、受信機200の現在の場所が、過去に同じAR画像P11が再生された場所(以下、過去再生場所という)と異なるか否かを判定する(ステップS65)。サーバ300は、受信機200の現在の場所が過去再生場所と異なると判定すると(ステップS65のYes)、受信機200に対してポイントを付与する(ステップS66)。一方、サーバ300は、受信機200の現在の場所が過去再生場所と同じであると判定すると(ステップS65のNo)、受信機200に対してポイントを付与しない。
これにより、AR画像P11の全ての再生によってポイントが受信機200に対して付与されるため、受信機200のユーザがAR画像P11の全てを再生しようとする意欲を高めることができる。例えば、サーバ300からデータ量の多いAR画像P11を取得するためには、高いパケット料が必要になり、ユーザは、そのAR画像P11の再生を途中で中断する可能性がある。しかし、ポイントの付与によって、AR画像P11の全てを再生させることができる。なお、ポイントは、パケット料の割引であってもよい。さらに、AR画像P11のデータ量に応じたポイントを受信機200に付与してもよい。
図158は、送信機100および受信機200がそれぞれ車両に搭載された場合における通信の例を示す図である。
車両200nは、上述の受信機200を備え、複数の車両100nは、上述の送信機100を備えている。また、複数の車両100nは、例えば、車両200nの前方を走行している。さらに、車両200nは、複数の車両100nのうちの何れか1つの車両100nと無線で通信している。
ここで、車両200nは、前方にある複数の車両100nのうちの何れの車両100nと無線通信しているのかを把握するために、その通信相手の車両100nに対して、可視光信号を送信するように無線通信によって要求する。
通信相手の車両100nは、車両200nからその要求を受けると、後方に向けて可視光信号を送信する。例えば、通信相手の車両100nは、バックライトを点滅させることによって、可視光信号を送信する。
車両200nは、イメージセンサによって前方を撮像する。これにより、車両200nは、上述と同様、撮像表示画像と復号用画像とを取得する。撮像表示画像には、車両200nの前方を走行する複数の車両100nが映し出されている。
車両200nは、その復号用画像における輝線パターン領域の位置を特定し、例えば、撮像表示画像における、その輝線パターン領域と同一の位置にマーカーを重畳する。そして、車両200nは、マーカーが重畳された撮像表示画像を車内のディスプレイに表示する。例えば、複数の車両100nのうちの何れか1つの車両100nのバックライトにマーカーが重畳された撮像表示画像が表示される。これにより、車両200nの運転者などの乗員は、その撮像表示画像を見ることによって、何れの車両100nが通信相手であるのかを容易に把握することができる。
図159は、車両200nの処理動作を示すフローチャートである。
車両200nは、その車両200nの周辺にある車両100nと無線通信を開始する(ステップS71)。このとき、車両200nの乗員は、その車両200nのイメージセンサによる周辺の撮像によって得られる画像に、複数の車両が映し出されている場合、それらの複数の車両の中で、何れの車両が無線通信の通信相手であるのかを把握することができない。そこで、車両200nは、可視光信号の送信を無線通信で通信相手の車両100nに要求する(ステップS72)。この要求を受け付けた通信相手の車両100nは、可視光信号を送信する。車両200nは、イメージセンサによって周辺を撮像し、その撮像によって、通信相手の車両100nから送信された可視光信号を受信する(ステップS73)。つまり、車両200nは、上述のように、撮像表示画像および復号用画像を取得する。そして、車両200nは、その復号用画像における輝線パターン領域の位置を特定し、撮像表示画像における、その輝線パターン領域と同一の位置にマーカーを重畳する。これにより、車両200nは、撮像表示画像に複数の車両が映し出されていても、それらの複数の車両のうち、マーカーが重畳された車両を、通信相手の車両100nとして特定することができる(ステップS74)。
図160は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する例を示す図である。
受信機200は、そのイメージセンサによる被写体の撮像によって、例えば図54に示すように、撮像表示画像Pkと復号用画像とをそれぞれ繰り返し取得する。
具体的には、受信機200のイメージセンサは、サイネージとして構成されている送信機100と、送信機100の隣にいる人物21とを撮像する。送信機100は、上記各実施の形態における送信機であって、1つまたは複数の発光素子(例えばLED)と、すりガラスのように透光性を有する透光板144とを備える。1つまたは複数の発光素子は、送信機100の内部で発光し、1つまたは複数の発光素子からの光は、透光板144を透過して外部に照射される。その結果、送信機100の透光板144が明るく光っている状態になる。このような送信機100は、その1つまたは複数の発光素子を点滅させることによって輝度変化し、その輝度変化によって光ID(すなわち光識別情報)を送信する。この光IDは、上述の可視光信号である。
ここで、透光板144には、「ここにスマートフォンをかざしてください」というメッセージが記載されている。そこで、受信機200のユーザは、人物21を送信機100の隣に立たせて、腕を送信機100に差し出すようにその人物21に指示する。そして、ユーザは、受信機200のカメラ(すなわちイメージセンサ)を人物21および送信機100に向けて撮像を行う。受信機200は、送信機100および人物21を通常露光時間で撮像することによって、それらが映し出された撮像表示画像Pkを取得する。さらに、受信機200は、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間で送信機100および人物21を撮像することによって、復号用画像を取得する。
受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDに関連付けられているAR画像P45と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pkのうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100であるサイネージが映し出されている領域を対象領域として認識する。
そして、受信機200は、その対象領域がAR画像P45によって覆い隠されるように、そのAR画像P45を撮像表示画像Pkに重畳し、その撮像表示画像Pkをディスプレイ201に表示する。例えば、受信機200は、サッカー選手を示すAR画像P45を取得する。この場合、撮像表示画像Pkの対象領域を覆い隠すようにそのAR画像P45が重畳されるため、人物21の隣にサッカー選手が現実に存在するように、撮像表示画像Pkを表示することができる。その結果、人物21は、サッカー選手が隣にいなくても、そのサッカー選手と一緒に写真に写ることができる。
ここで、AR画像P45は、握手をしている状態のサッカー選手を示す。そこで、人物21は、そのAR画像P45と握手をしている撮像表示画像Pkが得られるように、自らの手を送信機100に差し出す。しかし、人物21には、撮像表示画像Pkに重畳されるAR画像P45が見えず、AR画像P45のサッカー選手と握手ができているのか分からない。
そこで、本実施の形態における受信機200は、ライブビューとして撮像表示画像Pkを表示装置D5に送信して、その表示装置D5のディスプレイに撮像表示画像Pkを表示させる。表示装置D5のディスプレイは、人物21に向けられている。したがって、人物21は、その表示装置D5に表示される撮像表示画像Pkを見ることによって、AR画像P45のサッカー選手と握手ができているのを把握することができる。
図161は、本実施の形態における受信機200がAR画像を表示する他の例を示す図である。
送信機100は、例えば図161に示すように、例えば音楽コンテンツのアルバムのデジタルサイネージとして構成され、輝度変化することによって、光IDを送信している。
受信機200は、送信機100を撮像することによって、上述と同様に、撮像表示画像Prと復号用画像とを繰り返し取得する。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。つまり、受信機200は、送信機100から光IDを受信する。受信機200は、その光IDをサーバに送信する。そして、受信機200は、その光IDによって特定されるアルバムに関連付けられている第1のAR画像P46、認識情報、第1の音楽コンテンツおよびサブ画像Ps46をサーバから取得する。
受信機200は、そのサーバから取得された第1の音楽コンテンツの再生を開始する。これにより、第1の音楽コンテンツである1曲目の歌が受信機200のスピーカから出力される。
さらに、受信機200は、撮像表示画像Prのうち、認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、送信機100が映し出されている領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域に第1のAR画像P46を重畳し、さらに、その対象領域の外に、サブ画像Ps46を重畳する。受信機200は、その第1のAR画像P46およびサブ画像Ps46が重畳された撮像表示画像Prをディスプレイ201に表示する。例えば、第1のAR画像P46は、第1の音楽コンテンツである1曲目の歌に関する動画像であり、サブ画像Ps46は、上述のアルバムに関する静止画像である。受信機200は、第1の音楽コンテンツに同期させて、その第1のAR画像P46の動画像を再生する。
図162は、受信機200の処理動作を示す図である。
例えば、受信機200は、図161に示す状態と同様、図162の(a)に示すように、第1のAR画像P46と第1の音楽コンテンツとを同期させて再生する。ここで、受信機200のユーザは、受信機200に対する操作を行う。例えば、図162の(b)に示すように、ユーザはスワイプを行う。具体的には、ユーザは、受信機200のディスプレイ201に表示されている第1のAR画像P46に指先を当てた状態で、横方向にその指先を動かす。言い換えれば、ユーザは、第1のAR画像P46を横方向にスライドさせる。この場合、受信機200は、第1の音楽コンテンツの次に上述の光IDに関連付けられている第2の音楽コンテンツと、第1のAR画像P46の次に上述の光IDに関連付けられている第2のAR画像P46cとを、サーバから取得する。例えば、第2の音楽コンテンツは、2曲目の歌であり、第2のAR画像P46cは、2曲目の歌に関する動画像である。
そして、受信機200は、再生される音楽コンテンツを第1の音楽コンテンツから第2の音楽コンテンツに切り替える。つまり、受信機200は、第1の音楽コンテンツの再生を停止し、第2の音楽コンテンツである2曲目の歌の再生を開始する。
このとき、受信機200は、撮像表示画像Prの対象領域に重畳されている画像を、第1のAR画像P46から第2のAR画像P46cに切り替える。つまり、受信機20は、第1のAR画像P46の再生を停止し、第2のAR画像P46cの再生を開始する。
ここで、第2のAR画像P46cの最初に表示されるピクチャは、第1のAR画像P46の最初に表示されるピクチャと同一である。
したがって、受信機200は、図162の(a)に示すように、2曲目の歌の再生を開始するときには、まず、第1のAR画像P46の最初のピクチャと同一のピクチャを表示する。その後、受信機200は、図162の(b)に示すように、第2のAR画像P46cに含まれる2枚目以降の複数のピクチャを順に表示する。
ここで再び、ユーザが、図162の(b)に示すように、受信機200に対してスワイプを行う。その操作に応じて、受信機200は、上述と同様、第2の音楽コンテンツの次に上述の光IDに関連付けられている第3の音楽コンテンツと、第2のAR画像P46cの次に上述の光IDに関連付けられている第3のAR画像P46dとを、サーバから取得する。例えば、第3の音楽コンテンツは、3曲目の歌であり、第3のAR画像P46dは、3曲目の歌に関する動画像である。
そして、受信機200は、再生される音楽コンテンツを第2の音楽コンテンツから第3の音楽コンテンツに切り替える。つまり、受信機200は、第2の音楽コンテンツの再生を停止し、第3の音楽コンテンツである3曲目の歌の再生を開始する。
このとき、受信機200は、撮像表示画像Prの対象領域に重畳されている画像を、第2のAR画像P46cから第3のAR画像P46dに切り替える。つまり、受信機20は、第2のAR画像P46cの再生を停止し、第3のAR画像P46dの再生を開始する。
ここで、第3のAR画像P46dの最初に表示されるピクチャは、第1のAR画像P46の最初に表示されるピクチャと同一である。
したがって、受信機200は、図162の(a)に示すように、3曲目の歌の再生を開始するときには、まず、第1のAR画像P46の最初のピクチャと同一のピクチャを表示する。その後、受信機200は、図162の(d)に示すように、第3のAR画像P46dに含まれる2枚目以降の複数のピクチャを順に表示する。
なお、上述の例では、図162の(b)に示すように、受信機200は、動画像であるAR画像をスライドさせる操作(つまりスワイプ)を受け付けると、次の動画像を表示する。しかし、受信機200は、その操作の代わりに、光IDの取り直しがあったときに、次の動画像を表示してもよい。光IDの取り直しがあったときとは、イメージセンサによる撮像によって光IDが再び取得したときである。つまり、受信機200は、撮像を行うことによって、撮像表示画像および復号用画像を繰り返し取得しているが、その繰り返し取得される復号用画像から輝線パターン領域が消えて再び現れるときに、光IDが取り直される。例えば、送信機100に向けられていた受信機200のイメージセンサが、他の向きに向けられたときに、復号用画像から輝線パターン領域が消える。そして、そのイメージセンサが再び送信機100に向けられたときに、復号用画像に輝線パターン領域が現れる。このときに、光IDが取り直される。
このように、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、イメージセンサによる撮像によって可視光信号を光ID(すなわち識別情報)として取得する。そして、受信機200は、その光IDに関連付けられている動画像である第1のAR画像P46を表示する。次に、受信機200は、第1のAR画像P46をスライドさせる操作を受け付けると、その第1のAR画像P46の次に光IDに関連付けられている動画像である第2のAR画像P46cを表示する。したがって、ユーザに有益な画像を容易に表示することができる。
また、本実施の形態における表示方法では、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのそれぞれにおいて、最初に表示されるピクチャ内のオブジェクトは同一の位置にあってもよい。例えば、図162に示す例では、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのそれぞれの最初に表示されるピクチャは同一である。したがって、それらのピクチャ内のオブジェクトは同一位置にある。例えば、図162の(a)に示すように、オブジェクトである歌手は、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのそれぞれの最初に表示されるピクチャ内において同一位置にある。その結果、ユーザは、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cが互いに関連していることを容易に把握することができる。なお、図162に示す例では、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのそれぞれの最初に表示されるピクチャは同一であるが、それらのピクチャ内のオブジェクトが同一位置にあれば、それらのピクチャは異なっていてもよい。
また、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、イメージセンサによる撮像によって光IDを再び取得したときには、表示されている動画像の次に光IDに関連付けられている次の動画像を表示する。これにより、ユーザに有益な動画像をより容易に表示することができる。
また、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、図161に示すように、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのうちの少なくとも一方の動画像が表示される領域の外に、サブ画像Ps46を表示する。これにより、ユーザにより有益な多種多様な画像を容易に表示することができる。
図163は、受信機200に対する操作の一例を示す図である。
例えば、図161および図162に示すように、受信機200のディスプレイ201にAR画像が表示されているときに、ユーザは、図163に示すように、縦方向のスワイプを行う。具体的には、ユーザは、受信機200のディスプレイ201に表示されているAR画像に指先を当てた状態で、縦方向にその指先を動かす。言い換えれば、ユーザは、例えば第1のAR画像P46などのAR画像を縦方向にスライドさせる。この場合、受信機200は、上述の光IDに関連付けられている他のAR画像を、サーバから取得する。
図164は、受信機200に表示されるAR画像の例を示す図である。
受信機200は、図163に示すようなスワイプの操作が行われると、上述の他のAR画像としてサーバから取得されたAR画像P47を、撮像表示画像Prに重畳して表示する。
例えば、受信機200は、音楽コンテンツの歌手を示す静止画像であるAR画像P47を、図146および図160に示す例と同様に、撮像表示画像Prに重畳して表示する。ここで、AR画像P47は、撮像表示画像Prのうちの対象領域、つまり、デジタルサイネージである送信機100が映し出されている領域に、重畳されている。したがって、図146および図160に示す例と同様に、その送信機100の隣に人物が立つと、その人物の隣に歌手が現実に存在するように、撮像表示画像Prを表示することができる。その結果、人物は、歌手が隣にいなくても、その歌手と一緒に写真に写ることができる。
このように、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、第1のAR画像P46を横方向にスライドさせる操作を受け付けると、第2のAR画像P46cを表示し、第1のAR画像P46を縦方向にスライドさせる動作を受け付けると、光IDに関連付けられている静止画像であるAR画像P47を表示する。したがって、ユーザに有益な多種多様な画像を容易に表示することができる。
図165は、撮像表示画像に重畳されるAR画像の例を示す図である。
受信機200は、図165に示すように、撮像表示画像Pr1にAR画像P48を重畳するときには、そのAR画像P48の一部をトリミングして、その一部のみを撮像表示画像Pr1に重畳してもよい。例えば、受信機200は、矩形のAR画像P48の周縁領域を切り取り、AR画像P48の中央の丸い領域のみを撮像表示画像Pr1に重畳してもよい。
図166は、撮像表示画像に重畳されるAR画像の例を示す図である。
受信機200は、例えば喫茶店のデジタルサイネージとして構成された送信機100を撮像する。その撮像によって、受信機200は、上述と同様、撮像表示画像Pr2と復号用画像とを取得する。撮像表示画像Pr2には、そのデジタルサイネージである送信機100がサイネージ像100iとして写し出されている。受信機200は、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得し、その光IDに関連付けられているAR画像P49をサーバから取得する。そして、受信機200は、撮像表示画像Pr2におけるサイネージ像100iの上側にある領域を対象領域として認識し、その対象領域にAR画像P49を重畳する。AR画像P49は、例えばコーヒーがポットから流れ落ちる動画像である。この動画像であるAR画像P49は、ポットから流れ落ちるコーヒーの領域内の位置がそのAR画像P49の下端に近いほど、その位置における透明度が高くなるように形成されている。これにより、コーヒーが現実に流れ落ちているように、AR画像P49を表示することができる。
なお、このようなAR画像P49は、輪郭が曖昧な動画像であれば、どのような動画像であってもよく、例えば炎の動画像であってもよい。AR画像P49が炎の動画像である場合には、AR画像49の周縁部分における透明度は、外側に向かって次第に大きくなる。また、その透明度が時間的に変化してもよい。これにより、AR画像P49をゆらめく炎として現実感あふれるように表示することができる。
また、図162に示す第1のAR画像P46、第2のAR画像P46cおよび第3のAR画像P46dのうちの少なくとも1つの動画像が、図166に示すような透明度を有するように形成されていてもよい。
つまり、本実施の形態における表示方法では、第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのうちの少なくとも一方の動画像は、その動画像内の位置がその動画像の端に近いほど、当該位置における透明度が高くなるように形成されていてもよい。これにより、その動画像が通常撮影画像に重畳されて表示される場合には、通常撮影画像によって示される環境に、輪郭が曖昧なオブジェクトが現実に存在するように、撮像表示画像を表示することができる。
図167は、本実施の形態における送信機100の一例を示す図である。
送信機100は、可視光通信モードでの撮像が不可能な受信機、すなわち光通信非対応の受信機に対しても情報を画像IDとして送信することができるように構成されている。つまり、送信機100は、上述と同様、例えばデジタルサイネージとして構成され、輝度変化することによって、光IDを送信する。さらに、送信機100には、ラインパターン151〜154が描かれている。これらのラインパターン151〜154のそれぞれは、複数の水平方向に沿う短い直線の配列パターンであって、これらの複数の直線はそれぞれ、垂直方向に互い離れて配列されている。つまり、ラインパターン151〜154のそれぞれは、バーコードのように構成されている。ラインパターン151は、送信機100に描かれているAの文字の左側に配置され、ラインパターン152は、そのAの文字の右側に配置されている。ラインパターン153は、送信機100に描かれているBの文字に配置され、ラインパターン154は、送信機100に描かれているCの文字に配置されている。なお、A、BおよびCの文字は、例示であって、どのような文字または画像が送信機100に描かれていてもよい。
光通信非対応の受信機は、イメージセンサの露光時間を上述の通信用露光時間に設定することができないため、送信機100を撮像しても、その撮像によって光IDを取得することはできない。しかし、受信機は、その送信機100の撮像によって、ラインパターン151〜154が映し出されている通常撮影画像(すなわち撮像表示画像)を取得し、それらのラインパターン151〜154から画像IDを取得することができる。したがって、光通信非対応の受信機は、送信機100から光IDを取得することができなくても、画像IDを取得することができ、その画像IDを光IDの代わりに用いることによって、上述と同様、AR画像を撮像表示画像に重畳して表示することができる。
なお、ラインパターン151〜154のそれぞれから同一の画像IDが取得されてもよく、互いに異なる画像IDが取得されてもよい。
図168は、本実施の形態における送信機の他の例を示す図である。
本実施の形態における送信機100eは、送信機本体115と、レンチキュラーレンズ116とを備える。なお、図168の(a)は、送信機100eの上面図を示し、図168の(b)は、送信機100eの正面図を示す。
送信機本体115は、図167に示す送信機100と同様の構成を有する。つまり、送信機本体115の正面には、A、BおよびCの文字と、それらの文字に付随するラインパターンとが描かれている。
レンチキュラーレンズ116は、送信機本体115の正面、つまり、A、BおよびCの文字とラインパターンとが描かれている面を覆うように、送信機本体115に取り付けられている。
したがって、図168の(c)に示す送信機100eの正面左側から見えるラインパターン151〜154と、図168の(d)に示す送信機100eの正面右側から見えるラインパターン151〜154とを、異ならせることができる。
図169は、本実施の形態における送信機100の他の例を示す図である。なお、図169の(a)は、本物として構成されている送信機100が受信機200aによって撮像される例を示す。また、図169の(b)は、その送信機100の偽物として構成されている送信機100fが受信機200aによって撮像される例を示す。
本物の送信機100は、図169の(a)に示すように、図167に示す例と同様、光通信非対応の受信機に対して画像IDを送信することができるように構成されている。つまり、送信機100の正面には、A、BおよびCの文字と、ラインパターン154などが描かれている。さらに、送信機100の正面には、文字列161が描かれていてもよい。この文字列161は、赤外線反射塗料、赤外線吸収塗料または赤外線遮断塗料の塗布によって形成されている。したがって、この文字列161は、人の目には見えないが、受信機200aのイメージセンサによる撮像によって得られる通常撮影画像には映し出される。
受信機200aは、光通信非対応の受信機である。したがって、受信機200aは、送信機100から上述の可視光信号が送信されても、その可視光信号を受信することはできない。しかし、受信機200aは、送信機100を撮像すれば、その撮像によって得られる通常撮影画像に映し出されているラインパターンから、画像IDを取得することができる。さらに、受信機200aは、その通常撮影画像に、文字列161が例えば「ここにスマートフォンをかざしてください」と映し出されていれば、その送信機100が本物であると判定することができる。つまり、受信機200は、取得された画像IDが不正なものでないと判断することができる。言い換えれば、受信機200は、文字列161が通常撮影画像に映し出されているか否かに応じて、画像IDを認証することができる。受信機200は、画像IDが不正なものではないと判断すると、その画像IDをサーバに送信する処理など、その画像IDを用いた処理を行う。
一方、上述のような送信機100が不正に複製される場合がある。つまり、本物の送信機100ではなく、その送信機100の偽物として構成された送信機100fが設置されている場合がある。このような偽物の送信機100fの正面には、A、BおよびCの文字と、ラインパターン154fとが描かれている。A、BおよびCの文字と、ラインパターン154fとは、本物の送信機100に描かれているA、BおよびCの文字と、ラインパターン154とに類似するように、悪意のある人によって描かれている。つまり、ラインパターン154fは、ラインパターン154に類似しているが、異なっている。
しかし、悪意のある人は、本物の送信機100を不正に複製する場合には、赤外線反射塗料、赤外線吸収塗料または赤外線遮断塗料によって描かれた文字列161を視認することができない。したがって、文字列161は、偽物の送信機100fの正面には描かれていない。
したがって、受信機200aは、このような偽物の送信機100fを撮像すれば、その撮像によって得られる通常撮影画像に映し出されているラインパターンから、不正な画像IDを取得してしまう。しかし、受信機200aは、図169の(b)に示すように、その通常撮影画像に文字列161が映し出されていないため、その画像IDが不正なものであると判断することができる。その結果、受信機200は、その不正な画像IDを用いた処理を禁止することができる。
図170は、光通信対応の受信機200と、光通信非対応の受信機200aとを用いたシステムの一例を示す図である。
例えば、光通信非対応の受信機200aは、送信機100を撮像する。なお、この送信機100には、図167に示す例と同様、ラインパターン154が描かれているが、図168に示す文字列161は描かれていない。したがって、受信機200aは、撮像によって取得される通常撮影画像に映し出されているラインパターンから、画像IDを取得することができるが、その画像IDを認証することができない。そこで、受信機200aは、その画像IDが不正なものであっても、その画像IDを信用し、その画像IDを用いた処理を行う。例えば、受信機200aは、その画像IDに関連付けられた手続きをサーバ300に依頼する。その手続きは、例えば、不正な銀行口座へのお金の振り込みなどである。
一方、光通信対応の受信機200は、送信機100を撮像することによって、上述と同様に、可視光信号である光IDを取得するとともに、画像IDも取得する。そこで、受信機200は、その画像IDが光IDと一致するか否かを判定する。ここで、画像IDが光IDと異なると判定すると、受信機200は、画像IDに関連付けられた手続きの依頼を破棄するようにサーバ300に要求する。
したがって、サーバ300は、光通信非対応の受信機200aから、画像IDに関連付けられた手続きを依頼されても、光通信対応の受信機200から要求を受け付けた場合には、その手続きの依頼を破棄する。
これにより、不正な画像IDが得られるようなラインパターン154が、悪意のある人によって送信機100に描かれていても、その画像IDに関連付けられた手続きの依頼を適切に破棄することができる。
図171は、受信機200の処理動作を示すフローチャートである。
受信機200は、送信機100の撮像によって、通常撮影画像を取得する(ステップS81)。そして、受信機200は、その通常撮影画像に映し出されているラインパターンから画像IDを取得する(ステップS82)。
次に、受信機200は、可視光通信により光IDを送信機100から取得する(ステップS83)。つまり、受信機200は、可視光通信モードによる送信機100の撮像によって復号用画像を取得し、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。
そして、受信機200は、ステップS82で取得された画像IDが、ステップS83で取得された光IDに一致するか否かを判定する(ステップS84)。ここで、一致すると判定すると(ステップS84のYes)、受信機200は、光IDに関連付けられた手続きをサーバ300に依頼する(ステップS85)。一方、一致しないと判定すると(ステップS84のNo)、受信機200は、光IDに関連付けられた手続きの依頼を破棄するようにサーバ300に要求する(ステップS86)。
図172は、AR画像の表示の例を示す図である。
例えば、送信機100は、サーベルのように形成され、サーベルの柄以外の部分が輝度変化することによって可視光信号を光IDとして送信している。
受信機200は、図172の(a)に示すように、送信機100の近くから、その送信機100を撮像する。受信機200は、その撮像を行っている間には、上述のように、撮像表示画像Pr3と復号用画像とを繰り返し取得している。そして、受信機200は、復号用画像に対する復号によって光IDを取得すると、その光IDをサーバに送信する。その結果、受信機200は、その光IDに関連付けられているAR画像P50と認識情報とをサーバから取得する。受信機200は、撮像表示画像Pr3のうち、その認識情報に応じた領域を対象領域として認識する。例えば、受信機200は、撮像表示画像Pr3のうち、サーベルの柄以外の部分が映し出されている領域の上にある領域を対象領域として認識する。
具体的には、図50〜図52の例に示すように、識別情報は、撮像表示画像Pr3のうちの基準領域を特定するための基準情報と、その基準領域に対する対象領域の相対位置を示す対象情報とを含んでいる。例えば、その基準情報は、撮像表示画像Pr3における基準領域の位置が、復号用画像における輝線パターン領域の位置と同じであることを示す。さらに、対象情報は、対象領域の位置が基準領域の上であることを示す。
したがって、受信機200は、基準情報に基づいて撮像表示画像Pr3から基準領域を特定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Pr3において、復号用画像における輝線パターン領域の位置と同一の位置にある領域を、基準領域として特定する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Pr3のうち、サーベルの柄以外の部分が映し出されている領域を、基準領域として特定する。
さらに、受信機200は、撮像表示画像Pr3のうち、基準領域の位置を基準として対象情報により示される相対位置にある領域を、対象領域として認識する。上述の例では、対象情報は、対象領域の位置が基準領域の上であることを示すため、受信機200は、撮像表示画像Pr3のうちの基準領域の上にある領域を対象領域として認識する。つまり、受信機200は、撮像表示画像Pr3のうち、サーベルの柄以外の部分が映し出されている領域の上にある領域を、対象領域として認識する。
そして、受信機200は、その対象領域にAR画像P50を重畳し、AR画像P50が重畳された撮像表示画像Pr3をディスプレイ201に表示する。例えば、AR画像P50は、人の動画像である。
ここで、受信機200は、図172の(b)に示すように、送信機100から遠ざかる。したがって、撮像表示画像Pr3に映し出されているサーベルは小さくなる。つまり、復号用画像の輝線パターン領域のサイズが小さくなる。その結果、受信機200は、AR画像P50の大きさを輝線パターン領域の大きさに整合するように小さくする。つまり、受信機200は、輝線パターン領域とAR画像P50とのサイズの比率を一定に保つように、AR画像P50のサイズを調整する。
これにより、受信機200は、サーベルの上に人が現実に存在するように、撮像表示画像Pr3を表示することができる。
このように、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、イメージセンサによる通常露光時間(すなわち第1の露光時間)による撮像によって、通常撮影画像を取得する。また、受信機200は、その通常露光時間よりも短い通信用露光時間(すなわち第2の露光時間)による撮像によって、複数の輝線のパターンからなる領域である輝線パターン領域を含む復号用画像を取得し、その復号用画像に対する復号によって光IDを取得する。次に、受信機200は、通常撮影画像から、復号用画像における輝線パターン領域と同一の位置にある基準領域を特定し、その基準領域に基づいて、通常撮影画像において動画像が重畳される領域を対象領域として認識する。そして、受信機200は、その対象領域に動画像を重畳する。なお、動画像は、図162などに示す第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cのうちの少なくとも一方の動画像であってもよい。
また、受信機200は、通常撮影画像における、基準領域の上、下、左または右の領域を対象領域として認識してもよい。
これにより、例えば図50〜図52および図172に示すように、基準領域に基づいて対象領域が認識され、その対象領域に動画像が重畳されるため、動画像が重畳される領域の自由度を容易に高めることができる。
また、本実施の形態における表示方法では、受信機200は、輝線パターン領域のサイズに応じて、動画像のサイズを変化させてもよい。例えば、受信機200は、輝線パターン領域のサイズが大きいほど、動画像のサイズを大きくする。
これにより、図172に示すように、動画像のサイズが輝線パターン領域のサイズに応じて変化するため、動画像のサイズが固定されている場合と比べて、その動画像によって示されるオブジェクトがより現実に存在するように、その動画像を表示することができる。
(実施の形態9のまとめ)
図173Aは、本発明の一態様に係る表示方法を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る表示方法は、画像を表示する表示方法であって、ステップSG1〜SG3を含む。つまり、上述の受信機200である表示装置は、イメージセンサによる撮像によって可視光信号を識別情報(すなわち光ID)として取得する(ステップSG1)。次に、表示装置は、その光IDに関連付けられている第1の動画像を表示する(ステップSG2)。そして、表示装置は、第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、その第1の動画像の次に上記光IDに関連付けられている第2の動画像を表示する(ステップSG3)。
図173Bは、本発明の一態様に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
本発明の一態様に係る表示装置G10は、画像を表示する装置であって、取得部G11と表示部G12とを備える。なお、表示装置G10は、上述の受信機200である。取得部G11は、イメージセンサによる撮像によって可視光信号を識別情報(すなわち光ID)として取得する。次に、表示部G12は、その光IDに関連付けられている第1の動画像を表示する。そして、表示部G12は、第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、その第1の動画像の次に上記光IDに関連付けられている第2の動画像を表示する。
例えば、第1の動画像および第2の動画像のそれぞれは、図162に示す第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cである。図173Aおよび図173Bに示す表示方法および表示装置G10では、第1の動画像をスライドさせる操作、つまりスワイプが受け付けられると、第1の動画像の次に識別情報に関連付けられている第2の動画像が表示される。したがって、ユーザに有益な画像を容易に表示することができる。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図156、図157、図159、図171および図173Aのフローチャートによって示される表示方法をコンピュータに実行させる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態4および実施の形態9などと同様、光IDを用いたAR(Augmented Reality)を実現する表示方法および表示装置などについて説明する。なお、本実施の形態における送信機および受信機は、上記各実施の形態における送信機(または送信装置)および受信機(または受信装置)と同一の機能および構成を有していてもよい。また、本実施の形態における受信機は、表示装置として構成されている。
図174は、本実施の形態における送信機に描かれる画像の一例を示す図である。また、図175は、本実施の形態における送信機に描かれる画像の他の例を示す図である。
送信機100は、図167に示す例と同様、可視光通信モードでの撮像が不可能な受信機、すなわち光通信非対応の受信機に対しても情報を画像IDとして送信することができるように構成されている。つまり、送信機100には、略四角形の送信画像Im1またはIm2が描かれている。また、送信機100は、上述と同様、例えばサイネージとして構成され、輝度変化することによって、光IDを送信する。なお、送信機100は、光源を備え、その光源の輝度変化によって、光IDを受信機200に直接送信してもよい。または、送信機100は、光源を備え、その光源からの光を送信画像Im1またはIm2に照射し、その送信画像Im1またはIm2に反射させることによって、その光を光IDとして受信機200に送信してもよい。
このような送信機100の送信画像Im1またはIm2は、図174および図175に示すように、略四角形に形成されている。送信画像Im1またはIm2は、略四角形のベース画像Bi1またはBi2と、そのベース画像に付加されるラインパターン155aまたは155bとを有する。
図174に示す例では、ラインパターン155aは、ベース画像Bi1の4辺のそれぞれにおいて、その辺に沿って配列される複数の短い直線の配列パターンであって、これらの短い直線はそれぞれ、その辺に対して直交している。つまり、送信機100のベース画像にロゴタイプが描かれている場合、そのロゴタイプの周囲に信号が埋め込まれている。なお、ラインパターンに含まれる短い直線を、以下、短線という。
また、図174に示す例では、ラインパターン155aに含まれる複数の短線は、送信機100の中央、すなわちベース画像Bi1の中心に向かうほど濃さが薄くなるように形成されている。これにより、ベース画像Bi1にラインパターン155aが付加されても、そのラインパターン155aを目立ち難くすることができる。
なお、ラインパターン155aは、図174に示す例では、ベース画像Bi1の角には配置されていないが、その角にも配置されていてもよい。また、ベース画像Bi1の角が丸くなっている場合には、ラインパターン155aはその角に配置されていなくてもよい。
一方、図175に示す例では、ラインパターン155bは、ベース画像Bi2の周縁にある枠線w内に配置されている。例えば、ベース画像Bi2は、ロゴタイプ(具体的にはABCの文字列)を囲うように四角形の枠線wを描くことによって形成されている。ラインパターン155bは、その四角形の枠線wに沿って配列される複数の短線の配列パターンであって、これらの短線は、その枠線wに対して直交している。また、これらの短線は、枠線w内に配置されている。
なお、ラインパターン155bは、図175に示す例では、枠線wの角には配置されていないが、その角にも配置されていてもよい。また、枠線wの角が丸くなっている場合には、ラインパターン155bはその角に配置されていなくてもよい。
図176は、本実施の形態における送信機100および受信機200の例を示す図である。
例えば、図168に示す例と同様、送信機100は、図176に示すように、レンチキュラーレンズ116を備えていてもよい。このようなレンチキュラーレンズ116は、送信機100に描かれている送信画像Im2の枠線wを除く領域を覆うように、その送信機100に取り付けられている。
受信機200は、送信機100の撮像によって、ラインパターン155bが映し出されている通常撮影画像(すなわち撮像表示画像)を取得し、それらのラインパターン155bから画像IDを取得する。ここで、受信機200は、受信機200のユーザに対して、受信機200を動かすように促す。例えば、受信機200は、送信機100の撮像が行われているときに、「受信機を動かしてください」というメッセージを表示する。その結果、受信機200がユーザによって移動される。このとき、受信機200は、通常撮影画像に映し出されている送信機100、すなわち送信画像Im2のうちのベース画像Bi2が変化するか否かを判定することによって、取得された画像IDを認証する。例えば、受信機200は、ベース画像Bi2のロゴタイプが、「ABC」から「DEF」に変化したと判定すると、取得された画像IDが正しいIDであると判断する。
光IDを送信する送信機100には、上述の送信画像Im1またはIm2が描かれていてもよい。また、上述の送信画像Im1またはIm2は、送信機100からの光IDを含む光によって照らされ、その光を反射することによって、光IDを送信してもよい。この場合、受信機200は、送信画像Im1またはIm2の画像IDと、光IDとを撮像によって取得することができる。このとき、光IDと画像IDとは同じであってもよく、光IDと画像IDのそれぞれの一部が同じであってもよい。
また、送信機100は、送信スイッチがONにされたときには、点灯し、その点灯開始から10秒後に消灯してもよい。送信機100は、この点灯期間中、光IDを送信する。このような場合、受信機200は、画像IDを取得し、送信スイッチがONにされたときに、通常撮影画像に映し出されている送信画像の明るさが急に変化した場合に、その画像IDが正しいIDであると判断してもよい。また、受信機200は、画像IDを取得し、送信スイッチがONにされたときに、通常撮影画像に映し出されている送信画像が明るくなり、所定時間の経過後に暗くなれば、その画像IDが正しいIDであると判断してもよい。これにより、送信画像Im1またはIm2が不正にコピーされて用いられることを抑えることができる。
図177は、ラインパターンの基本周波数を説明するための図である。
送信画像Im1またはIm2を生成するための符号化装置は、ラインパターンの基本周波数を決定する。このとき、例えば、図177の(a)に示すように、ラインパターンが付加されるベース画像が横長の長方形である場合、符号化装置は、そのベース画像を、図177の(b)に示すように、正方形に変形する。このとき、例えば、長方形のベース画像の短辺が長辺と同じ長さになるように、そのベース画像の形状が変形される。
次に、符号化装置は、図177の(c)に示すように、正方形に変形されたベース画像の対角線の長さを基本周期として設定し、その基本周期の逆数である周波数を基本周波数として決定する。なお、正方形に変形されたベース画像を、以下、正方ベース画像という。
図178Aは、符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。また、図178Bは、符号化装置の処理動作を説明するための図である。
まず、符号化装置は、処理対象の情報に対して誤り検出符号(誤り訂正符号ともいう)を付加する(ステップS171)。例えば、符号化装置は、図178Bに示すように、処理対象の情報である13ビットのビット列に対して、8ビットの誤り検出符号を付加する。
次に、符号化装置は、誤り検出符号が付加された情報を、それぞれNビットからなる(k+1)個の値xkに分割する。なお、kは1以上の整数である。例えば、符号化装置は、図178Bに示すように、k=6の場合、その情報をそれぞれN=3ビットからなる7個の値xkに分割する。つまり、その情報は、それぞれ3ビットの2進数によって示される値x0、x1、x2、・・・、x6に分割される。例えば、値x0、x1およびx2は、x0=010、x1=010、およびx2=100である。
次に、符号化装置は、値x0〜x6のそれぞれに対して、つまり値xkに対して、その値xkに対応する周波数fkを算出する(ステップS173)。例えば、符号化装置は、値xkに対して基本周波数の(A+B×xk)倍の値を、その値xkに対応する周波数fkとして算出する。なお、AおよびBは、正の整数である。これにより、図178Bに示すように、値x0〜x6のそれぞれに対して、周波数f0〜f6が算出される。
次に、符号化装置は、周波数f0〜f6の先頭に、位置決め周波数fPを付加する(ステップS174)。このとき、符号化装置は、基本周波数のA倍未満、または、基本周波数の(A+B×2N−1)倍よりも大きい値に、位置決め周波数fPを設定する。これにより、図178Bに示すように、周波数f0〜f6の先頭に、これらの周波数と異なる位置決め周波数fPが配置される。
次に、符号化装置は、上述の正方ベース画像の周縁に、(k+2)個の指定領域を設定する。そして、符号化装置は、指定領域のそれぞれについて、その指定領域の元の色を基準に、正方ベース画像の辺の方向に沿って、その指定領域の輝度値(または色)を周波数fkで変化させる(ステップS175)。例えば、図178Bの(a)または(b)に示すように、正方ベース画像の周縁に(k+2)個の指定領域JP、J0〜J6が設定される。なお、正方ベース画像の周縁に枠線がある場合には、その枠線を(k+2)個の領域に分割することによって、(k+2)個のそれぞれの領域が指定領域として設定される。より具体的には、(k+2)個の指定領域は、指定領域JP、JP0、JP1、JP2、JP3、JP4、JP5、JP6の順に、正方ベース画像の4辺に沿って時計周りに設定される。符号化装置は、このように設定された指定領域のそれぞれにおいて、輝度値(または色)を周波数fkで変化させる。この輝度値の変化によって、正方ベース画像に対してラインパターンが付加される。
次に、符号化装置は、ラインパターン付きの正方ベース画像の縦横比を、元のベース画像の縦横比に戻す(ステップS176)。例えば、図178Bの(a)に示すラインパターン付きの正方ベース画像は、図178Bの(c)に示すラインパターン付きのベース画像に変形される。この場合、ラインパターン付きの正方ベース画像は、縦方向に縮小される。したがって、図178の(c)に示すように、ラインパターン付きのベース画像では、そのベース画像の上下にあるラインパターンの幅は、左右にあるラインパターンの幅よりも小さくなる。
したがって、ステップS175において、ラインパターンを正方ベース画像に対して付加するときには、図178Bの(b)に示すように、正方ベース画像の上下に付加されるラインパターンと、左右に付加されるラインパターンとのそれぞれの幅を異ならせてもよい。その幅を異ならせるために、例えば、元のベース画像の縦横比の逆の比率を用いてもよい。つまり、符号化装置は、その正方ベース画像の左右に付加される指定領域またはラインパターンの幅に対して、上述の逆の比率を乗算することによって得られる幅を、正方ベース画像の上下に付加される指定領域またはラインパターンの幅に決定する。これにより、ステップS176において、ラインパターン付きの正方ベース画像の縦横比が元に戻されても、図178Bの(d)に示すように、ベース画像の上下にあるラインパターンと、左右にあるラインパターンとのそれぞれの幅を同一にすることができる。
さらに、符号化装置は、ラインパターン付きベース画像の周囲に、すなわち、(k+2)個の指定領域の外側に、それらの指定領域とは異なる色の枠を追加してもよい(ステップS177)。例えば、図178Bに示すように、黒い枠Q1が追加される。これにより、(k+2)個の指定領域を検出し易くすることができる。
図179は、復号装置である受信機200の処理動作を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、送信画像を撮像する(ステップS181)。次に、受信機200は、その撮像によって得られる通常撮影画像からエッジ検出を行い(ステップS182)、さらに、輪郭を抽出する(ステップS183)。
そして、受信機200は、抽出された輪郭の中から、所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域に対して、以下のステップS184〜S187の処理を実行する。
つまり、受信機200は、その領域を正方形の領域に透視変換する(ステップS184)。具体的には、変換対象の領域が四角形の領域である場合には、受信機200は、その四角形の頂点を基準にして透視変換を行う。また、変換対象の領域が角丸四角形の領域である場合には、受信機200は、その領域の各辺を延長して、2つの辺が交わる点を基準にして透視変換を行う。
次に、受信機200は、正方形の領域に含まれる複数の指定領域のそれぞれに対して、その指定領域における輝度変化の周波数を求める(ステップS185)。
次に、受信機200は、周波数fPの指定領域を見つけ出し、その周波数fPの指定領域を基準にして、正方形の領域の周縁において時計周りに順に配置されている各指定領域の周波数fkを並べる(ステップS186)。
そして、受信機200は、図178Aに示すステップS171〜S174の逆の処理を、周波数の配列に対して行うことによって、ラインパターンを復号する(ステップS187)。つまり、受信機200は、処理対象の情報を取得することができる。
このような受信機200による処理動作では、ステップS184において、正方形の領域に透視変換することによって、送信画像を、正面からだけでなく、正面以外の方向から撮像した場合でも、送信画像のラインパターンを正しく復号することができる。また、ステップS186において、基本周波数fPを基準に、各指定領域の周波数が順に並べられることによって、送信画像を横向きで撮像したり、上下逆向きに撮像した場合でも、その送信画像のラインパターンを正しく復号することができる。
図180は、受信機200の処理動作を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、露光時間を通常露光時間よりも短い通信用露光時間に設定することができるか否かを判定する(ステップS191)。すなわち、受信機200は、自らが光通信非対応の機器であるか、光通信対応の機器であるかを判定する。ここで、受信機200は、通信用露光時間に設定することができないと判定すると(ステップS191のN)、画像信号(すなわち画像ID)を受信する(ステップS193)。通信用露光時間は、例えば1/2000秒以下の時間である。
一方、受信機200は、通信用露光時間に設定することができると判定すると(ステップS191のY)、ラインスキャン時間が端末(すなわち受信機200)またはサーバに登録されているか否かを判定する(ステップS192)。なお、ラインスキャン時間は、図101および図102の例に示すように、イメージセンサに含まれる1つの露光ラインの露光が開始されてから、次の露光ラインの露光が開始されるまでの時間である。受信機200は、このラインスキャン時間が登録されていれば、その登録されているラインスキャン時間を用いて復号用画像を復号する。
受信機200は、ラインスキャン時間が登録されていないと判定すると(ステップS192のN)、ステップS193の処理を行う。一方、受信機200は、ラインスキャン時間が登録されていると判定すると(ステップS192のY)、そのラインスキャン時間を用いて、可視光信号である光IDを受信する(ステップS194)。
受信機200は、可視光信号を受信すると、自らが可視光信号の同一性検証モードに設定されていれば、画像信号と可視光信号との同一性を検証する(ステップS195)。ここで、受信機200は、画像信号と可視光信号とが異なっていれば、それらの信号が異なっていることを示すメッセージまたは画像をディスプレイに表示する。または、受信機200は、それらの信号が異なっていることをサーバに通知する。
図181Aは、本実施の形態におけるシステムの構成の一例を示す図である。
本実施の形態におけるシステムは、複数の送信機100と、受信機200とを備える。送信機100は、自走式のロボットとして構成されている。例えば、そのロボットは、自動掃除ロボット、または人とコミュニケーションを行うロボットである。受信機200は、監視カメラまたは環境設置カメラなどのカメラとして構成されている。以下、送信機100を、ロボット100と称し、受信機200を、カメラ200と称す。
ロボット100は、可視光信号である光IDをカメラ200に送信する。カメラ200は、そのロボット100から送信される光IDを受信する。
図181Bは、本実施の形態におけるカメラ200の処理を示す図である。
複数のロボット100のそれぞれは、自動走行している。このような場合、まず、カメラ200は、通常撮影モードでの撮像を行い、その撮像によって得られる通常撮影画像から、動いている物体をロボット100として検出する(ステップS221)。次に、カメラ200は、検出されたロボット100に対して、IDを送信するように促すID送信依頼信号を、電波通信によって送信する(ステップS225)。ロボット100は、このID送信依頼信号を受信すると、ロボット100のID(すなわち光ID)の可視光通信による送信を開始する。
次に、カメラ200は、撮影モードを、通常撮影モードから可視光認識モードに変更する(ステップS226)。この可視光認識モードは、可視光通信モードの一種であっる。具体的には、可視光認識モードは、カメラ200のイメージセンサに含まれる全ての露光ラインのうち、ロボット100の像を捉えている特定の複数の露光ラインのみが、通信用露光時間でのラインスキャンに用いられる。つまり、カメラ200は、その特定の複数の露光ラインに対してのみラインスキャンを行い、他の露光ラインに対する露光を行わない。このようなラインスキャンによって、カメラ200は、ロボット100からID(すなわち光ID)を検出する(ステップS227)。
次に、カメラ200は、復号用画像(すなわち輝線画像)における可視光信号の位置、つまり輝線パターンが現れている位置と、カメラ200の撮像方向とに基づいて、ロボット100の現在位置を認識する(ステップS228)。そして、カメラ200は、そのロボット100のIDおよび現在位置と、そのIDの検出時刻とを、ロボット100およびサーバに通知する。
そして、カメラ200は、撮影モードを、可視光認識モードから通常撮影モードに変更する(ステップS230)。
ここで、複数のロボット100のそれぞれは、ロボット検出用信号を送信しながら自動走行していてもよい。このロボット検出用信号は、可視光信号であるが、カメラ200の通常撮影モードにおける撮像でも認識され得る周波数の光信号である。つまり、ロボット検出用信号の周波数は、光IDの周波数よりも低い。
このような場合、カメラ200は、動いている物体をロボット100として検出する代わりに、通常撮影画像からロボット検出用信号を検知したときに(ステップS223)、ステップS225〜S230の処理を実行してもよい。
また、複数のロボット100のそれぞれは、位置認識依頼信号を電波通信などによって送信し、かつ、IDを可視光通信によって送信しながら自動走行していてもよい。
このような場合、カメラ200は、その位置認識依頼信号を受信したときに(ステップS224)、ステップS226〜S230の処理を実行してもよい。なお、カメラ200が位置認識依頼信号を受信したときに、通常撮影画像にロボット100が映し出されていない場合がある。このようなときには、カメラ200は、ロボット100が写し出されていないことを、そのロボット100に通知してもよい。つまり、カメラ200は、ロボット100の位置を認識することができないことを、そのロボット100に通知してもよい。
図182は、本実施の形態におけるシステムの構成の他の例を示す図である。
例えば、送信機100は、複数の光源171を備えて、それらの光源171を輝度変化させることによって、複数の光源171のそれぞれから光IDを送信してもよい。これにより、カメラ200の死角を減らすことができる。つまり、カメラ200において光IDが受信され易くすることができる。また、カメラ200によって複数の光源171が撮像される場合には、カメラ200は、多点測量によって、ロボット100の位置をより適切に認識することができる。つまり、ロボット100の位置認識精度を向上することができる。
また、ロボット100は、複数の光源171のそれぞれから互いに異なる光IDを送信してもい。この場合には、カメラ200は、複数の光源171の全てではなく、一部の光源171だけ(例えば1つの光源171だけ)を撮像した場合であっても、その一部の光源171の光IDから、ロボット100の位置を正確に認識することができる。
また、ロボット100は、カメラ200からロボット100の現在位置が通知されたときには、そのカメラ200に対してポイントなどの報酬を付与してもよい。
図183は、本実施の形態における送信機に描かれる画像の他の例を示す図である。
送信機100は、図174および図175に示す例と同様、可視光通信モードでの撮像が不可能な受信機、すなわち光通信非対応の受信機に対しても情報を画像IDとして送信することができるように構成されている。なお、画像IDは、フレームIDとも称される。つまり、送信機100には、略四角形の送信画像Im3が描かれている。また、送信機100は、上述と同様、例えばサイネージとして構成され、輝度変化することによって、光IDを送信する。なお、送信機100は、光源を備え、その光源の輝度変化によって、光IDを受信機200に直接送信してもよい。具体的には、送信画像Im3は、透光性を有する板の表面に描かれ、光源からの光は、その板の裏面に向けて照射される。その結果、光源の輝度変化は、送信画像Im3の輝度変化として現れ、その送信画像Im3の輝度変化によって、光IDが可視光信号として受信機200に送信される。または、送信機100は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどのディスプレイを備えた表示装置であってもよい。送信機100は、ディスプレイに送信画像Im3を表示させながら、そのディスプレイを輝度変化させることによって、光IDを送信する。あるいは、送信機100は、光源を備え、その光源からの光を送信画像Im3に照射し、その送信画像Im3に反射させることによって、その光を光IDとして受信機200に送信してもよい。
このような送信機100の送信画像Im3は、図174および図175に示す送信画像Im1およびIm2のように、略四角形に形成されている。送信画像Im3は、略四角形のベース画像Bi3と、そのベース画像Bi3に付加されるラインパターン155cとを有する。
図183に示す例では、ラインパターン155cは、ベース画像Bi3の4辺のそれぞれにおいて、その辺に沿って配列される複数の短い直線の配列パターンであって、これらの短い直線(短線ともいう)はそれぞれ、その辺に対して直交している。また、ラインパターン155cは、32個のブロック(上述の指定領域)からなる。これらのブロックは、後述のように、PHYシンボルともいう。その32個のブロックのそれぞれの周波数の指標は、−1、0、1、2、または3である。−1の指標は、基本周波数の200倍を示し、0の指標は、基本周波数の210倍を示し、1の指標は、基本周波数の220倍を示し、2の指標は、基本周波数の230倍を示し、3の指標は、基本周波数の240倍を示す。ここで、基本周波数は、上述のように、ベース画像Bi3の対角線の長さ(すなわち基本周期)の逆数である。つまり、−1の指標に対応するブロックでは、基本周波数×200の周波数で短線が配列されている。言い換えれば、そのブロックにおける互いに隣り合う短線の間隔は、ベース画像Bi3の対角線の1/200である。したがって、本実施の形態における上記各PHYシンボル(すなわちブロック)は、配列パターンによって、−1、0、1、2および3のうちの何れかの数値を示す。
このような送信画像Im3は、受信機200のイメージセンサによって被写体として撮像される。つまり、被写体は、イメージセンサから見て矩形形状であり、当該被写体の中心領域の光が輝度変化することにより、可視光信号を送信し、当該被写体の周縁にバーコード状のラインパターンが配置されている。
図184は、フレームIDを構成するMACフレームのフォーマットの一例を示す図である。
MAC(medium access control)フレームは、MACヘッダと、MACペイロードとからなる。MACヘッダは、4ビットで構成される。MACペイロードは、可変長のパディングと、可変長のID1と、固定長のID2とからなる。ID2は、MACフレームが44ビットで構成される場合には、5ビットからなり、MACフレームが70ビットで構成される場合には、3ビットからなる。パディングは、例えば「0000000000001」、「0001」、「01」または「1」などからなり、左端のビットから最初に1が現れるまでの部分である。
ID1は、上述のフレームIDであって、可視光信号によって示される識別情報である光IDと同一の情報である。つまり、可視光信号と、ラインパターンから取得される信号は、同一の識別情報である。これにより、受信機200は、可視光信号を受信することができなくても、送信画像Im3を撮像すれば、その送信画像Im3のラインパターン155cから可視光信号と同一の識別情報を取得することができる。
図185は、MACヘッダの構成の一例を示す図である。
例えば、MACヘッダのうちのアドレス「0」のビットは、ヘッダバージョンを示す。具体的には、アドレス「0」のビットが「0」の場合には、ヘッダバージョンは1である。
MACヘッダのうちのアドレス「1−2」の2ビットは、プロトコルを示す。具体的には、そのアドレス「1−2」の2ビットが「00」の場合には、MACフレームのプロトコルは、IEC(International Electrotechnical Commission)に準拠し、アドレス「1−2」の2ビットが「01」の場合には、MACフレームのプロトコルは、LinkRay(登録商標) Dataに準拠する。また、アドレス「1−2」の2ビットが「10」の場合には、MACフレームのプロトコルは、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)に準拠する。
MACヘッダのうちのアドレス「3」のビットは、他のプロトコルを示す。具体的には、MACフレームがIECに準拠し、かつ、そのアドレス「3」のビットが「0」の場合には、1パケットあたりのビット数は4ビットである。また、MACフレームがIECに準拠し、かつ、そのアドレス「3」のビットが「1」の場合には、1パケットあたりのビット数は8ビットである。一方、MACフレームがLinkRay Dataに準拠し、かつ、そのアドレス「3」のビットが「0」の場合には、1パケットあたりのビット数は32ビットである。なお、上述の1パケットあたりのビット数は、DATAPARTの長さ(すなわちdatapart長)である。
図186は、パケット分割数を導出するためのテーブルの一例を示す図である。
受信機200は、ラインパターン155cから、MACフレームに含まれるID1であるフレームIDを復号するとともに、そのフレームIDに対応する分割数を導出する。これは、輝度変化を伴う可視光通信では、光IDとパケット分割数とによって、送受信される情報が定義され、送信画像を用いた通信でも、その可視光通信との互換性を保つためには、その分割数が必要とされるからである。
本実施の形態における受信機200は、図186に示すテーブルを参照し、ID1のビット数(以下、ID長という)と、datapart長との組を用いて、そのフレームIDに対する分割数を導出する。受信機200は、例えば、MACヘッダのアドレス「3」のビットに基づいて、datapart長が何ビットであるかを特定し、さらに、MACフレームのID1の長さであるID長を特定する。そして、受信機200は、図186に示すテーブルにおいて、その特定されたdatapart長とID長との組に対応付けられている分割数を見つけ出すことによって、その分割数を導出する。具体的には、datapart長が4ビットであって、ID長が10ビットであれば、分割数「5」が導出される。
なお、受信機200は、図186に示すテーブルから分割数を導出できない場合、つまり、特定されたdatapart長とID長との組に対応付けられている分割数がテーブルに存在しない場合には、分割数を0に決定してもよい。
また、図186に示すテーブルでは、datapart長「4ビット」とID長「14ビット」との組には、分割数「6」および「7」が対応付けられている。そこで、例えば、フレームIDが符号化される場合には、ID長が15ビットであれば、分割数を「7」に設定してもよい。そして、受信機200がフレームIDを復号する場合に、datapart長が4ビットであって、ID長が15ビットであれば、受信機200は、分割数「7」を導出する。さらに、受信機200は、その15ビットのID1における先頭の1ビットを無視して、14ビットのID1を最終的なフレームIDとして導出してもよい。
なお、フレームIDがIEEEのプロトコルに準拠する場合、受信機200は、例えば暫定的に、分割数「0」を導出してもよい。なお、分割数「0」は、分割が行われないことを示す。
これにより、輝度変化を伴う可視光通信において用いられる光IDおよび分割数を、送信画像を用いた通信にもフレームIDおよび分割数として適切に適用することができる。つまり、輝度変化を伴う可視光通信と、送信画像を用いた通信との互換性を保つことができる。
図187は、PHY符号化を示す図である。
まず、フレームIDを符号化する符号化装置は、MACフレームに対してECC(Error Check Code)を追加する。次に、符号化装置は、そのECCが追加されたMACフレームを複数のブロックに分割する。この複数のブロックのビット数はN(Nは、例えば2または3)である。符号化装置は、その複数のブロックのそれぞれについて、そのブロックに含まれるNビットによって示される値をグレイコードに変換する。なお、グレイコードは、互いに隣り合う数値において1ビットだけが異なるコードである。言い換えれば、グレイコードは、前後に隣接する符号間のハミング距離が必ず1であるという特性を持つ。互いに隣接するシンボル間での誤りが最も発生しやすいが、このグレイコードを用いれば、そのシンボル間で複数のビットが異なることはないため、誤り検出の効率を向上することができる。
そして、符号化装置は、その複数のブロックのそれぞれについて、そのグレイコードに変換された値を、その値に対応するPHYシンボルに変換する。これにより、例えば、それぞれシンボル番号(0〜29)が割り当てられた30個のPHYシンボルが生成される。このPHYシンボルは、図183に示すラインパターン155cのブロックに相当し、一定の間隔ごとに短線が配列されたパターン(すなわち縞々のパターン)である。例えば、グレイコードに変換された値が1を示す場合には、図183に示すように、基本周波数の220倍の周波数を有するブロック(すなわちPHYシンボル)が生成される。
図188は、PHYシンボルを有する送信画像Im3の一例を示す図である。
ベース画像Bi3の周囲には、図188に示すように、上述の30個のPHYシンボルと、2つのヘッダシンボルとが配置される。なお、ヘッダシンボルは、PHYシンボルのうちのヘッダとしての機能を有するシンボルある。2つのヘッダシンボルは、回転位置合わせ用のヘッダシンボルと、PHYバージョン指定用のヘッダシンボルとからなる。これらのヘッダシンボルの周波数の指標は−1である。つまり、図183に示すように、これらのヘッダシンボルの周波数は、基本周波数の200倍である。回転位置合わせ用のヘッダシンボルは、30個のPHYシンボルの配置を受信機200に認識させるためのシンボルである。受信機200は、この回転位置合わせ用のヘッダシンボルの位置を基準に、各PHYシンボルの配置を認識する。例えば、このような回転位置合わせ用のヘッダシンボルは、ベース画像Bi3の左上端に配置される。
PHYバージョン指定用のヘッダシンボルは、PHYバージョンを指定するためのシンボルである。例えば、回転位置合わせ用のヘッダシンボルからのPHYバージョン指定用のヘッダシンボルの相対位置によって、PHYバージョンが指定される。ヘッダシンボル以外の上述の30個のPHYシンボルは、回転位置合わせ用のヘッダシンボルの右側から、ベース画像Bi3の周囲に時計回りに、シンボル番号の小さい順に配置される。
図189は、2つのPHYバージョンを説明するための図である。
PHYバージョンには、PHYバージョン1とPHYバージョン2とがある。PHYバージョン1では、回転位置合わせ用のヘッダシンボルの右隣りに、PHYバージョン指定用のヘッダシンボルが配置される。PHYバージョン2では、回転位置合わせ用のヘッダシンボルの右隣りには、PHYバージョン指定用のヘッダシンボルは配置されない。つまり、PHYバージョン2では、回転位置合わせ用のヘッダシンボルとPHYバージョン指定用のヘッダシンボルとの間に、シンボル番号「0」のPHYシンボルが挟まれるように、PHYバージョン指定用のヘッダシンボルが配置される。このように、PHYバージョン指定用のヘッダシンボルは、その配置によって、PHYバージョンを示す。
PHYバージョン1では、1つのPHYシンボルあたりのビット数Nは、2であり、ECCは16ビットあり、MACフレームは44ビットである。PHYボディは、MACフレームとECCとからなり、60ビットである。また、最大のID長(ID1の長さ)は34ビットであり、ID2は5ビットである。
PHYバージョン2では、1つのPHYシンボルあたりのビット数Nは、3であり、ECCは20ビットあり、MACフレームは70ビットである。PHYボディは、MACフレームとECCとからなり、90ビットである。また、最大のID長(ID1の長さ)は62ビットであり、ID2は3ビットである。
図190は、グレイコードを説明するための図である。
PHYバージョン1では、ビット数Nは2である。この場合、図187に示すグレイコード変換では、10進数で表記される「0、1、2、3」に対応する2進数の「00、01、10、11」は、グレイコード「00、01、11、10」に変換される。
PHYバージョン2では、ビット数Nは3である。この場合、図187に示すグレイコード変換では、10進数で表記される「0、1、2、3、4、5、6、7」に対応する2進数の「000、001、010、011、100、101、110、111」は、グレイコード「000、001、011、010、110、111、101、100」に変換される。
図191は、受信機200による復号処理の一例を示す図である。
受信機200は、送信機100の送信画像Im3を撮像し、その撮像された送信画像Im3のラインパターン155cに含まれるヘッダシンボル(PHY heder symbol)の位置に基づいて、PHYバージョンを認識する(ステップS601)。なお、受信機200は、可視光通信が可能か否かを判断し、可視光通信が可能でないと判断した場合に送信画像Im3を撮像してもよい。この場合、受信機200は、イメージセンサにより、被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、その撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出する。さらに、受信機200は、その少なくとも1つの輪郭の中から、所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域を、選択領域として選択する。この選択領域には、被写体である送信画像Im3が映し出されている可能性が高い。したがって、ステップS601では、受信機200は、その選択領域のラインパターン155cに含まれるヘッダシンボルの位置に基づいて、PHYバージョンを認識する。
また、受信機200は、上述の可視光通信の判断において、可視光通信が可能と判断した場合に、被写体を撮像するときには、上記各実施の形態と同様、イメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、その第1の露光時間で被写体を撮像することで、識別情報を含む復号用画像を取得する。具体的には、受信機200は、上述の可視光通信の判断において、可視光通信が可能と判断した場合に、被写体を撮像するときには、上記各実施の形態と同様、イメージセンサの有する複数の露光ラインに対応する複数の輝線から構成される輝線パターンを含む復号用画像を取得し、その輝線パターンを復号することによって可視光信号を取得する。一方、受信機200は、上述の可視光通信の判断において、可視光通信が可能でないと判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの露光時間を第2の露光時間に設定し、その第2の露光時間で被写体を撮像することで、撮像画像として通常画像を取得する。ここで、上述の第1の露光時間は、第2の露光時間よりも短い。
次に、受信機200は、ラインパターン155cを構成する複数のPHYシンボルから、ECCが追加されたMACフレームを復元し、そのECCを確認する(ステップS602)。これにより、受信機200は、送信機100からMACフレームを受信する。そして、受信機200は、指定時間以内に指定回数だけ同一のMACフレームを受信したことを確認すると(ステップS603)、分割数(すなわちパケット分割数)を計算する(ステップS604)。つまり、受信機200は、受信機200は、図186に示すテーブルを参照し、MACフレームにおけるID長とdatapart長との組を用いて、そのMACフレームに対する分割数を導出する。これにより、分割数と、MACフレームのID1であるフレームIDとが復号される。つまり、受信機200は、上述の選択領域のラインパターンから識別情報を取得する。具体的には、受信機200は、上述の可視光通信の判断において、可視光通信が可能でないと判断した場合に、被写体を撮像するときには、通常画像のラインパターンから信号を取得する。ここで、可視光信号と、その信号は、同一の識別情報である。
ところで、送信画像Im3を有する送信機100は、不正に複製される場合がある。例えば、カメラとディスプレイとを備えたスマートフォンなどの機器が、送信画像Im3を有する送信機100になりすますことがある。具体的には、そのスマートフォンは、送信機100の送信画像Im3をカメラで撮像し、その撮像された送信画像Im3をディスプレイに表示する。これにより、スマートフォンは、送信機100のように、送信画像Im3の表示によって、フレームIDを受信機200に送信することができる。
そこで、受信機200は、スマートフォンなどの機器に表示される送信画像Im3が不正か否かを判定し、送信画像Im3が不正であると判定する場合には、その不正な送信画像Im3からのフレームIDの復号、またはそのフレームIDの利用を禁止してもよい。
図192は、受信機200による送信画像Im3の不正検知の方法を説明するための図である。
送信画像Im3は例えば四角形である。不正な送信画像Im3であれば、その送信画像Im3の四角形の枠は、その送信画像Im3を表示するディスプレイの枠に対して、同一平面内で傾いている可能性が高い。一方、正当な送信画像Im3であれば、その送信画像Im3の四角形の枠は、上述の枠に対して、同一平面内で傾いていない。
また、不正な送信画像Im3であれば、その送信画像Im3の四角形の枠は、その送信画像Im3を表示するディスプレイの枠に対して、奥行き方向に傾いている可能性が高い。一方、正当な送信画像Im3であれば、その送信画像Im3の四角形の枠は、上述の枠に対して、奥行き方向に傾いていない。
受信機200は、上述のような正当な送信画像Im3と不正な送信画像Im3との差異に基づいて、送信画像Im3の不正検知を行う。
具体的には、受信機200は、図192の(a)に示すように、カメラによる撮像によって、送信画像Im3の枠(図192の(a)に示す破線の四角形)と、その送信画像Im3を表示する例えばスマートフォンのディスプレイの枠(図192の(a)に示す実線の四角形)とを認識する。次に、受信機200は、送信画像Im3の枠の2つの対角線のうちの何れか1つと、ディスプレイの枠の2つの対角線のうちの何れか1つとを含む組み合わせごとに、その組み合わせに含まれる2つの対角線のなす角度を算出する。そして、受信機200は、組み合わせごとに算出されたなす角度のうち、絶対値が最小のなす角度が第1閾値(例えば、5度)以上であるか否かを判定することによって、その送信画像Im3が不正か否かを判定する。つまり、受信機200は、送信画像Im3の四角形の枠が、ディスプレイの枠に対して、同一平面内で傾いているか否かによって、その送信画像Imが不正か否かを判定する。受信機200は、その絶対値が最小のなす角度が第1閾値以上であれば、その送信画像Im3が不正であると判定し、そのなす角度が第1閾値未満であれば、その送信画像Im3が正当であると判定する。
また、図192の(b)に示すように、受信機200は、送信画像Im3の枠の上下方向に互いに対向する2つの辺の比率(a/b)と、スマートフォンのディスプレイの枠の上下方向に互いに対向する2つの辺の比率(A/B)とを算出する。そして、受信機200は、それらの比率を比較する。具体的には、受信機200は、比率(a/b)と比率(A/B)のうちの小さい比率を大きい比率で除算する。そして、受信機200は、その除算によって得られる値が第2閾値(例えば、0.9)以上であるか否かを判定することによって、その送信画像Im3が不正か否かを判定する。つまり、受信機200は、送信画像Im3の四角形の枠が、ディスプレイの枠に対して、奥行き方向に傾いているか否かによって、その送信画像Imが不正か否かを判定する。受信機200は、その除算によって得られる値が第2閾値未満であれば、その送信画像Im3が不正であると判定し、その値が第2閾値以上であれば、その送信画像Im3が正当であると判定する。
受信機200は、送信画像Im3が正当である場合にのみ、その送信画像Im3からフレームIDを復号し、送信画像Im3が不正であれば、その送信画像Im3からのフレームIDの復号を禁止する。
図193は、受信機200による送信画像Im3の不正検知を含む復号処理の一例を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、送信画像Im3を撮像し、その送信画像Im3の枠を検出する(ステップS611)。次に、受信機200は、送信画像Im3の枠を内包する四角形枠の検出処理を行う(ステップS612)。四角形枠は、上述のスマートフォンなどの機器が有する四角形のディスプレイの外周からなる枠である。ここで、受信機200は、そのステップS612における検出処理によって、四角形枠が検出されたいか否かを判定する(ステップS613)。四角形枠が検出されていないと判定すると(ステップS613のNo)、受信機200は、フレームIDの復号を禁止する(ステップS619)。
一方、四角形枠が検出されたと判定すると(ステップS613のYes)、受信機200は、送信画像Im3の枠と、検出された四角形枠とのそれぞれの対角線のなす角度を算出する(ステップS614)。そして、受信機200は、そのなす角度が第1閾値未満であるか否かを判定する(ステップS615)。ここで、そのなす角度が第1閾値以上であると判定すると(ステップS615のNo)、受信機200は、フレームIDの復号を禁止する(ステップS619)。
一方、そのなす角度が第2閾値未満であると判定すると(ステップS615のYes)、受信機200は、送信画像Im3の枠における2辺の比率(a/b)と、四角形枠における2辺の比率(A/B)とを用いた除算を行う(ステップS616)。そして、受信機200は、その除算によって得られる値が第2閾値未満か否かを判定する(ステップS617)。ここで、その得られる値が第2閾値以上であると判定すると(ステップS617のNo)、受信機200は、フレームIDを復号する(ステップS618)。一方、受信機200は、その得られる値が第2閾値未満であると判定すると(ステップS617のYes)、フレームIDの復号を禁止する(ステップS619)。
なお、上述の例では、受信機200は、ステップS613、S615またはS617の判定結果に応じて、フレームIDの復号を禁止する。しかし、受信機200は、フレームIDの復号を先に実行し、その後、上記各ステップを実行してもよい。この場合には、受信機200は、ステップS613、S615またはS617の判定結果に応じて、復号されたフレームIDの利用を禁止、またはそのフレームIDを破棄する。
また、送信画像Im3には、プリズムシールが貼着されていてもよい。この場合、受信機200は、図176に示す例と同様、受信機200の移動によって、送信画像Im3のプリズムシールの模様または色が変化するか否かを判定する。そして、受信機200は、変化すると判定すると、その送信画像Im3が正当なものであると判断し、その送信画像Im3からフレームIDを復号する。一方、変化しないと判定すると、受信機200は、その送信画像Im3が不正なものであると判断し、その送信画像Im3からのフレームIDの復号を禁止する。なお、上述と同様、受信機200は、フレームIDの復号を先に実行し、その後、上記模様または色の変化の判定を実行してもよい。この場合には、受信機200は、上記模様または色が変化しないと判定すると、復号されたフレームIDの利用を禁止、またはそのフレームIDを破棄する。
また、受信機200は、ユーザに受信機200を送信画像Im3に近づけさせることによって、その送信画像Im3が正当なものであるか否かを判定してもよい。例えば、送信機100は、送信画像Im3を点灯させて、その送信画像Im3を輝度変化させることによって、可視光信号を送信している。そこで、受信機200は、送信画像Im3を撮像したときには、ユーザに対して受信機200をその送信画像Im3に近づけるように促すメッセージをディスプレイに表示する。ユーザは、そのメッセージに応じて、受信機200のカメラ(すなわちイメージセンサ)を、送信画像Im3に近づける。このとき、受信機200のカメラは、送信画像Im3からの光の受光量が増大するため、イメージセンサの露光時間を例えば最小に設定する。その結果、受信機200による送信画像Im3の撮像によってディスプレイに表示される画像には、縞模様が現れる。なお、受信機200が光通信対応であれば、その縞模様は輝線パターンとして明瞭に現れる。一方、受信機200が光通信非対応であっても、その縞模様は輝線パターンとして明瞭には現れないが、ぼんやりと現れ、その縞模様が現れるか否かによって、送信画像Im3が正当なものか否かを判定することができる。つまり、受信機200は、縞模様が現れれば、その送信画像Im3を正当なものと判定し、縞模様が現れなければ、その送信画像Im3を不正なものと判定する。
なお、上述と同様、受信機200は、フレームIDの復号を先に実行し、その後、上記縞模様の判定を実行してもよい。この場合には、受信機200は、上記縞模様が現れないと判定すると、復号されたフレームIDの利用を禁止、またはそのフレームIDを破棄する。
(変形例)
本実施の形態における受信機200は、実施の形態9における受信機200の機能を備えた表示装置であってもよい。つまり、表示装置は、可視光通信が可能か否かを判断し、可能な場合には、実施の形態9を含む上記各実施の形態における受信機200と同様、可視光または光IDに関する処理を行う。一方、表示装置は、可視光通信が不可能な場合には、上述の送信画像またはフレームIDに関する処理を行う。なお、その可視光通信とは、被写体の輝度変化によって信号を送信し、イメージセンサがその被写体を撮像することによって得られる、そのイメージセンサの各露光ラインに対応する輝線パターンを、復号することによってその信号を受信する通信方式である。
図194Aは、本変形例に係る表示方法を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る表示方法は、画像を表示する表示方法であって、ステップSG1〜SG4を含む。つまり、上述の受信機200である表示装置は、まず、可視光通信が可能か否かを判断する(ステップSG4)。ここで、可視光通信が可能と判断する場合(ステップSG4のYes)、表示装置は、イメージセンサにより、被写体を撮像すすることによって可視光信号を識別情報(すなわち光ID)として取得する(ステップSG1)。次に、表示装置は、その光IDに関連付けられている第1の動画像を表示する(ステップSG2)。そして、表示装置は、第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、その第1の動画像の次に上記光IDに関連付けられている第2の動画像を表示する(ステップSG3)。
図194Bは、本変形例に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
本発明の一態様に係る表示装置G10は、画像を表示する装置であって、判断部G13と取得部G11と表示部G12とを備える。なお、表示装置G10は、上述の受信機200である。判断部G13は、可視光通信が可能か否かを判断する。取得部G11は、判断部G13において可視光通信が可能と判断された場合に、イメージセンサにより被写体を撮像することによって可視光信号を識別情報(すなわち光ID)として取得する。次に、表示部G12は、その光IDに関連付けられている第1の動画像を表示する。そして、表示部G12は、第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、その第1の動画像の次に上記光IDに関連付けられている第2の動画像を表示する。
例えば、第1の動画像および第2の動画像のそれぞれは、図162に示す第1のAR画像P46および第2のAR画像P46cである。図194Aおよび図194Bに示す表示方法および表示装置G10では、第1の動画像をスライドさせる操作、つまりスワイプが受け付けられると、第1の動画像の次に識別情報に関連付けられている第2の動画像が表示される。したがって、ユーザに有益な画像を容易に表示することができる。また、事前に可視光通信が可能か否かの判断が行われるため、不可能な場合にまで、可視光信号を取得しようとする無駄な処理を省くことができ、処理負担を軽減することができる。
ここで、表示装置G10は、可視光通信の判断において、可視光通信が可能でないと判断した場合には、送信画像Im3から識別情報(すなわちフレームID)を取得してもよい。この場合、表示装置G10は、イメージセンサにより、被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、その撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出する。次に、表示装置G10は、その少なくとも1つの輪郭の中から、所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域を、選択領域として選択する。そして、表示装置G10は、その選択領域のラインパターンから識別情報を取得する。なお、上述の角丸四角形は、4つの角のそれぞれの外周が円弧状になっている四角形である。
これにより、例えば図183および図188に示す送信画像が被写体として撮像され、その送信画像の領域が選択領域として選択され、その送信画像のラインパターンから識別情報が取得される。したがって、可視光通信が不可能な場合でも、識別情報を適切に取得することができる。
また、表示装置G10は、可視光通信の判断において、可視光通信が可能と判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、その第1の露光時間で被写体を撮像することで、識別情報を含む復号用画像を取得する。また、表示装置G10は、可視光通信の判断において、可視光通信が可能でないと判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの露光時間を第2の露光時間に設定し、その第2の露光時間で前記被写体を撮像することで、撮像画像として通常画像を取得する。ここで、上述の第1の露光時間は、第2の露光時間よりも短い。
これにより、露光時間を切り替えることによって、可視光通信による識別情報の取得と、送信画像の撮像による識別情報の取得とを、適切に切り替えることができる。
また、上述の被写体は、イメージセンサから見て矩形形状であり、その被写体の中心領域が輝度変化することにより、可視光信号を送信し、その被写体の周縁にバーコード状のラインパターンが配置されている。表示装置G10は、可視光通信の判断において、可視光通信が可能と判断した場合に、その被写体を撮像するときには、イメージセンサの有する複数の露光ラインに対応する複数の輝線から構成される輝線パターンを含む復号用画像を取得し、その輝線パターンを復号することによって可視光信号を取得する。可視光信号は例えば光IDである。また、表示装置G10は、可視光通信の判断において、可視光通信が可能でないと判断した場合に、その被写体を撮像するときには、通常画像のラインパターンから信号を取得する。ここで、可視光信号と、その信号は、同一の識別情報である。
これにより、可視光信号によって示される識別情報と、ラインパターンの信号によって示される識別情報とが同一であるため、可視光通信が不可能であっても、可視光信号によって示される識別情報を適切に取得することができる。
図194Cは、本変形例に係る通信方法を示すフローチャートである。
本発明の一態様に係る通信方法は、イメージセンサを備えた端末を用いた通信方法であって、ステップSG11〜SG13を含む。つまり、上述の受信機200である端末は、まず、端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断する(ステップSG11)。ここで、端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合(ステップSG11のYes)、端末は、ステップSG12の処理を実行する。つまり、端末は、イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、その復号用画像に現れる縞模様から、被写体が送信する第1の識別情報を取得する(ステップSG12)。一方、端末は、ステップSG11での可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合(ステップSG11のNo)、ステップSG13の処理を実行する。つまり、端末は、イメージセンサにより、被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、その撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、その少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、その特定領域のラインパターンから被写体が送信する第2の識別情報を取得する(ステップSG13)。なお、第1の識別情報は、例えば光IDであり、第2の識別情報は、例えば画像IDまたはフレームIDである。
図194Dは、本変形例に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
本発明の一態様に係る通信装置G20は、イメージセンサを備えた端末を用いた通信装置であって、判断部G21と、第1の取得部G22と、第2の取得部G23とを備える。
判断部G21は、端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断する。
第1の取得部G22は、判断部G21において、端末が可視光通信を行うことが可能と判断された場合に、イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、その復号用画像に現れる縞模様から被写体が送信する第1の識別情報を取得する。
第2の取得部G23は、判断部G21において、端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断された場合に、イメージセンサにより、被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、その撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、その特定領域のラインパターンから被写体が送信する第2の識別情報を取得する。
なお、端末は、通信装置G20に含まれていてもよく、通信装置G20の外部にあってもよい。または、端末は、通信装置G20を含んでいてもよい。つまり、図194Cに示すフローチャートの各ステップは、端末によって実行されてもよく、通信装置G20によって実行されてもよい。
これにより、受信機200などの端末は、可視光通信ができるか否かに関わらず、送信機などの被写体から、第1の識別情報または第2の識別情報を取得することができる。つまり、端末は、可視光通信を行うことができる場合には、被写体から例えば光IDを第1の識別情報として取得する。一方、端末は、可視光通信を行うことができなくても、その被写体から例えば画像IDまたはフレームIDを第2の識別情報として取得することができる。具体的には、例えば図183および図188に示す送信画像が被写体として撮像され、その送信画像の領域が特定領域(すなわち選択領域)として選択され、その送信画像のラインパターンから第2の識別情報が取得される。したがって、可視光通信が不可能な場合でも、第2の識別情報を適切に取得することができる。
また、端末は、上述の特定領域の特定では、所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域を、その特定領域として特定してもよい。
これにより、例えば図179に示すように、四角形または角丸四角形の領域を特定領域として適切に特定することができる。
また、端末は、上述の可視光通信の判断では、端末が露光時間を所定の値以下に変更することができる端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能であると判断し、端末が露光時間を前記所定の値以下に変更することができない端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能でないと判断してもよい。
これにより、例えば図180に示すように、可視光信号を行うことが可能か否かを適切に判断することができる。
また、端末は、可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、その第1の露光時間で被写体を撮像することで、復号用画像を取得してもよい。さらに、端末は、可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの露光時間を第2の露光時間に設定し、その第2の露光時間で被写体を撮像することで、撮像画像を取得してもよい。ここで、第1の露光時間は、前記第2の露光時間よりも短い。
これにより、第1の露光時間での撮像によって、輝線パターン領域を有する復号用画像を取得して、その輝線パターン領域に対する復号によって、第1の識別情報を適切に取得することができる。さらに、第2の露光時間での撮像によって、通常撮影画像を撮像画像として取得し、その通常撮影画像に現れているラインパターンから第2の識別情報を適切に取得することができる。これにより、端末は、第1の露光時間と第2の露光時間とを使い分けることによって、その端末に適した第1の識別情報または第2の識別情報を取得することができる。
また、被写体は、イメージセンサから見て矩形形状であり、その被写体の中心領域が輝度変化することにより、第1の識別情報を送信し、当該被写体の周縁にバーコード状のラインパターンが配置されている。そして、端末は、可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、被写体を撮像するときには、イメージセンサの有する複数の露光ラインに対応する複数の輝線から構成される輝線パターンを含む復号用画像を取得し、その輝線パターンを復号することによって第1の識別情報を取得する。さらに、端末は、可視光通信の判断において、端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、被写体を撮像するときには、撮像画像のラインパターンから第2の識別情報を取得してもよい。
これにより、中心領域が輝度変化する被写体から、第1の識別情報および第2の識別情報を適切に取得することができる。
また、復号用画像から得られる第1の識別情報と、ラインパターンから得られる第2の識別情報は、同一の情報であってもよい。
これにより、可視光通信が可能な端末でも、可視光通信が不可能な端末でも、その被写体から同じ情報を取得することができる。
図194Eは、実施の形態10およびその変形例に係る送信機の構成を示すブロック図である。
送信機G30は、上述の送信機100に相当する。この送信機G30は、光源G31と、マイクロコントローラG32と、照明板G33とを備える。光源G31は、照明板33の背面側から光を照射する。マイクロコントローラG32は、光源G31の輝度を変化させる。なお、照明板G33は、光源G31からの光を透過させる板、すなわち、透光性を有する板である。また、照明板G33の形状は、例えば矩形形状である。
マイクロコントローラG32は、光源G31を輝度変化させることにより、その光源G31から照明板G33を介して第1の識別情報を送信する。また、また、照明板G33の前面側の周辺にバーコード状のラインパターンG34が配置されており、ラインパターンG34に第2の識別情報が符号化されている。さらに、第1の識別情報と、第2の識別情報は、同じ情報である。
これにより、可視光通信を行うことが可能な端末に対しても、不可能な端末に対しても、同じ情報を送信することができる。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図191、図193、図194A、および図194Cのフローチャートによって示される表示方法をコンピュータに実行させる。
(実施の形態11)
本実施の形態におけるサーバの管理方法は、携帯端末のユーザに適切なサービスを提供することができる方法である。
図195は、本実施の形態におけるサーバを含む通信システムの構成の一例を示す図である。
この通信システムは、送信機100、受信機200、第1のサーバ301、第2のサーバ302、および店舗システム310を備える。本実施の形態における送信機100および受信機200は、上記各実施の形態における送信機100および受信機200と同一の機能をそれぞれ備えていてもよい。また、送信機100は、例えば店舗のサイネージとして構成され、輝度変化することによって光IDを可視光信号として送信する。店舗システム310は、送信機100を有する店舗を管理するための少なくとも1つのコンピュータを有する。また、受信機200は、例えば、カメラおよびディスプレイを備えたスマートフォンとして構成された携帯端末である。
例えば、受信機200のユーザは、受信機200を操作することによって、店舗システム310に対して事前に予約処理を行う。この予約処理は、そのユーザの名前など、そのユーザに関する情報であるユーザ情報と、そのユーザが注文するメニューとを、ユーザが店舗に訪れる前に店舗システム310に登録するための処理である。なお、ユーザは、このような予約処理を行っていなくてもよい。
そして、ユーザは、店舗に訪れると、その店舗のサイネージである送信機100を受信機200で撮像する。これにより、受信機200は、送信機100から可視光通信によって光IDを受信する。そして、受信機200は、その光IDを、無線通信を介して第2のサーバ302に送信する。第2のサーバ302は、受信機200から光IDを受信すると、その光IDに対応付けられている店舗情報を、無線通信を介して受信機200に送信する。店舗情報は、そのサイネージを掲げる店舗に関する情報である。
受信機200は、第2のサーバ302から店舗情報を受信すると、ユーザ情報およびその店舗情報を、無線通信を介して第1のサーバ301に送信する。第1のサーバ301は、そのユーザ情報および店舗情報を受信すると、その店舗情報によって示される店舗システム310に対して問い合わせることによって、そのユーザ情報によって示されるユーザによる予約処理が完了しているか否かを判定する。
ここで、第1のサーバ301は、予約処理が完了していると判定すると、店舗システム310に対してユーザの店舗への到着を、無線通信を介して通知する。一方、予約処理が完了していないと判定すると、第1のサーバ301は、その店舗のメニューリストを、無線通信を介して受信機200に送信する。受信機200は、そのメニューリストを受信すると、ディスプレイにそのメニューリストを表示し、ユーザからのメニューの選択を受け付ける。そして、受信機200は、ユーザによって選択されたメニューを選択メニューとして、無線通信を介して第1のサーバ301に通知する。
第1のサーバ301は、受信機200からの選択メニューの通知を受け付けると、その選択メニューを、無線通信を介して店舗システム310に通知する。
図196は、第1のサーバ301による管理方法を示すフローチャートである。
まず、第1のサーバ301は、受信機200である携帯端末から店舗情報を受信する(ステップS621)。次に、第1のサーバ301は、その店舗情報によって示される店舗に対する予約処理が完了しているか否かを判定する(ステップS622)。ここで、第1のサーバ301は、予約処理が完了していると判定すると(ステップS622のYes)、携帯端末のユーザの店舗への到着を、店舗システム310に通知する(ステップS623)。一方、第1のサーバ301は、予約処理が完了していないと判定すると(ステップS622のNo)、その店舗のメニューリストを携帯端末に通知する(ステップS624)。さらに、第1のサーバ301は、そのメニューリストから選択されたメニューである選択メニューが携帯端末から通知されると、その選択メニューを店舗システム310に通知する(ステップS625)。
このように、本実施の形態におけるサーバ(すなわち第1のサーバ301)の管理方法では、前記サーバが、携帯端末から店舗情報を受信し、前記店舗情報に基づいて、前記携帯端末のユーザによる店舗のメニューの予約処理が完了しているか否かを判断し、前記予約処理が完了している場合には、店舗システムに対して前記携帯端末の前記ユーザが前記店舗に到着している旨の通知を行う。また、その管理方法では、前記予約処理が完了していない場合には、前記サーバが、前記店舗のメニューリストを前記携帯端末に通知し、前記携帯端末から、メニューの選択を受け付けた場合、前記店舗システムに対して選択されたメニューの通知を行う。また、その管理方法では、前記携帯端末は、前記店舗に設置された被写体を撮影することにより可視光信号を識別情報として取得し、前記識別情報を他のサーバに送信し、前記他のサーバから識別情報に対応する店舗情報を受信し、受信した店舗情報を前記サーバに送信する。
これにより、携帯端末のユーザは、事前に予約処理をしておけば、店舗に到着すると、すぐに店舗に対して注文メニューの調理を開始させることができ、出来立ての料理を飲食することができる。また、ユーザは、予約処理をしていなくても、店舗に到着すると、すぐにメニューリストからメニューを選択して、店舗に対して注文することができる。
なお、受信機200は、店舗情報に代えて、識別情報(つまり光ID)を第1のサーバ301に送信し、第1のサーバ301は、その識別情報に基づいて予約処理の完了の有無を確認してもよい。この場合、識別情報を第2のサーバ302に送信することなく、携帯端末から識別情報が第1のサーバ301に送信される。
(実施の形態12)
本実施の形態では、上記各実施の形態と同様、光IDを用いた通信方法および通信装置などについて説明する。なお、本実施の形態における送信機および受信機は、上記各実施の形態における送信機(または送信装置)および受信機(または受信装置)と同一の機能および構成を有していてもよい。
図197は、本実施の形態における照明システムを示す図である。
この照明システムは、例えば図197の(a)に示すように、複数の第1の照明装置100pと、複数の第2の照明装置100qとを備える。このような照明システムは、例えば、大型店舗の天井に取り付けられる。また、複数の第1の照明装置100pと、複数の第2の照明装置100qとは、それぞれ長尺状に形成され、それらの長手方向に沿って一列に配置される。また、第1の照明装置100pと第2の照明装置100qとは交互に配置されている。
第1の照明装置100pは、上記各実施の形態における送信機100として構成され、照明用の光を発するとともに、可視光信号を光IDとして送信する。また、第2の照明装置100qは、照明用の光を発するとともに、ダミー信号を送信する。つまり、第2の照明装置100qは、周期的に輝度変化することによって、照明用の光を発するとともに、ダミー信号を送信する。受信機によって照明システムが可視光通信モードで撮像されると、その撮像によって得られる上述の可視光通信画像または輝線画像である復号用画像には、第1の照明装置100pに対応する領域に、輝線パターン領域が現れる。しかし、その復号用画像における、第2の照明装置100qに対応する領域には、輝線パターン領域はあらわれない。
このように、図197の(a)に示す照明システムでは、互いに隣り合う2つの第1の照明装置100pの間に、第2の照明装置100qが配置されている。これにより、可視光信号を受信する受信機は、復号用画像における輝線パターン領域の端を適切に特定することができ、それぞれの第1の照明装置100pから送信される可視光信号を区別して受信することができる。
また、第2の照明装置100qが発光しているとき(つまりダミー信号を送信しているとき)の平均輝度と、第1の照明装置100pが発光しているとき(つまり可視光信号を送信しているとき)の平均輝度とは、等しい。したがって、照明システムにおける各照明装置の明るさのばらつきを抑えることができる。なお、その各照明装置の明るさは、人が見て感じる明るさである。これにより、店舗内の人が、その照明システムにおける明るさのばらつきを感じ難くすることができる。また、第2の照明装置100qの輝度変化が、点灯(オン)と消灯(オフ)との切り換えで行われる場合には、第2の照明装置100qが調光機能を有していなくても、第2の照明装置100qの平均輝度を、オンとオフとのデューティ比によって調整することができる。
また、照明システムは、例えば図197の(b)に示すように、複数の第1の照明装置100pを備え、第2の照明装置100qを備えていなくてもよい。この場合、複数の第1の照明装置100pは、それらの長手方向に沿って一列に、かつ、互いに離間して配置される。
したがって、図197の(b)に示す照明システムであっても、図197の(a)に示す照明システムと同様、可視光信号を受信する受信機は、復号用画像における輝線パターン領域の端を適切に特定することができる。その結果、受信機は、それぞれの第1の照明装置100pから送信される可視光信号を区別して受信することができる。
または、複数の第1の照明装置100pは、隣接して配置され、互いに隣接する2つの第1の照明装置100pの境界部分は、カバーによって覆われてもよい。このカバーによって、境界部分から照射される光が遮られる。もしくは、複数の第1の照明装置100pのそれぞれは、その第1の照明装置100pの長手方向の両端部分から光が照射されない構造を有していてもよい。
このような図197の(a)および(b)に示す照明システムでは、受信機は、その照明システムに含まれる第1の照明装置100pの長手方向の長さを用いて、第1の照明装置100pからの距離を算出することができる。したがって、受信機は、その受信機の位置を正確に推定することができる。
図198は、照明装置の配置および復号用画像の一例を示す図である。
例えば、図198の(a)に示すように、第1の照明装置100pと第2の照明装置100qとは隣接して配置されている。ここで、第2の照明装置100qは、100μs以下の周期でオンとオフとを切り換えることによって、ダミー信号を送信している。
受信機は、その第1の照明装置100pと第2の照明装置100qとを撮像することによって、図198の(b)に示す復号用画像を撮像する。ここで、第2の照明装置100qにおけるオンとオフとの切り換えの周期は、受信機の露光時間と比較して短すぎる。したがって、復号用画像における第2の照明装置100qに対応する領域(以下、ダミー領域という)の輝度は一様である。また、このダミー領域の輝度は、第1の照明装置100pおよび第2の照明装置100q以外のバックグラウンドに対応する領域よりも高い。また、このダミー領域の輝度は、第1の照明装置100pに対応する領域、すなわち輝線パターン領域における高い輝度よりも低い。
したがって、受信機は、ダミー領域に対応する照明装置を、輝線パターン領域に対応する照明装置と区別することができる。
図199は、照明装置の配置および復号用画像の他の例を示す図である。
例えば、図199の(a)に示すように、第1の照明装置100pと第2の照明装置100qとは隣接して配置されている。ここで、第2の照明装置100qは、100μsを超える周期でオンとオフとを切り換えることによって、ダミー信号を送信している。
受信機は、その第1の照明装置100pと第2の照明装置100qとを撮像することによって、図199の(b)に示す復号用画像を撮像する。ここで、第2の照明装置100qにおけるオンとオフとの切り換えの周期は、受信機の露光時間と比較して長い。したがって、復号用画像におけるダミー領域の輝度は、一様ではなく、そのダミー領域では、明るい領域と暗い領域とが交互に現れる。例えば、受信機は、既定の最大幅よりも広い暗い領域が復号用画像に現れている場合には、その暗い領域を含む範囲にダミー領域があることを認識することができる。
したがって、受信機は、ダミー領域に対応する照明装置を、輝線パターン領域に対応する照明装置と区別することができる。
図200は、第1の照明装置100pを用いた位置推定を説明するための図である。
受信機200は、上述のように、第1の照明装置100pを撮像することによって、受信機200の位置を推定することができる。
しかし、受信機200は、その推定された位置における床からの高さが、許容範囲よりも高い場合には、エラーをユーザに通知してもよい。例えば、受信機200は、復号用画像または通常撮影画像に映し出されている第1の照明装置100pの長手方向の長さと、加速度センサの出力などに基づいて、その第1の照明装置100pの位置および向きを特定する。さらに、受信機200は、床から第1の照明装置100pが設置されている天井までの高さを用いて、受信機200の位置における床からの高さを特定する。そして、受信機200は、その受信機200の位置での高さが許容範囲よりも高い場合には、エラーを通知する。なお、上述の第1の照明装置100pの位置および向きは、受信機200に対する相対的な位置および向きである。したがって、第1の照明装置100pの位置および向きが特定されることによって、受信機200の位置および向きが特定されていると言える。
図201は、受信機200の処理動作を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、図201の(a)に示すように、受信機200の位置を推定する(ステップS231)。次に、受信機200は、床から天井までの高さを導出する(ステップS232)。例えば、受信機200は、メモリに保存されている高さを読み出すことによって、その床から天井までの高さを導出する。または、受信機200は、周辺にある送信機から電波によって送信される情報を受信することによって、その床から天井までの高さを導出する。
次に、受信機は、ステップS231で推定された受信機200の位置と、ステップS232で導出された、床から天井までの高さに基づいて、床から受信機200までの高さが許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS233)。ここで、受信機は、その高さが許容範囲内であると判定すると(ステップS233のYes)、受信機200の位置および向きを表示する(ステップS234)。一方、受信機は、その高さが許容範囲内にないと判定すると(ステップS233のNo)、受信機200の向きのみを表示する(ステップS235)。
または、受信機200は、図201の(b)に示すように、ステップS235の代わりに、ステップS236を実行してもよい。つまり、受信機は、その高さが許容範囲内にないと判定すると(ステップS233のNo)、位置推定においてエラーが生じたことをユーザに通知する(ステップS236)。
図202は、本実施の形態における通信システムの一例を示す図である。
通信システムは、受信機200とサーバ300とを備える。受信機200は、GPS、電波または可視光信号によって送信される位置情報または送信機IDを受信する。なお、位置情報は、例えば送信機または受信機の位置を示す情報であり、送信機IDは、送信機を識別するための識別情報である。そして、受信機200は、その受信された位置情報または送信機IDをサーバ300に送信する。サーバ300は、その位置情報または送信機IDに関連付けられている地図またはコンテンツを受信機200に送信する。
図203は、本実施の形態における受信機200による自己位置推定の処理を説明するための図である。
受信機200は、予め定められた周期ごとに、自己位置推定を行う。この自己位置推定は、複数の処理からなる。上述の周期は、例えば、受信機200による撮像のフレーム周期である。
例えば、受信機200は、前のフレーム周期において行われた自己位置推定の結果を直前自己位置として取得する。そして、受信機200は、その直前自己位置からの移動距離および移動方向を、加速度センサおよびジャイロセンサなどからの出力に基づいて推定する。さらに、受信機200は、その推定された移動距離および移動方向にしたがって直前自己位置を変更することによって、現在のフレーム周期における自己位置推定を行う。これにより、第1の自己位置推定結果が得られる。一方、受信機200は、電波と、可視光信号と、加速度センサおよび方位センサからの出力とのうちの少なくとも1つに基づいて、現在のフレーム周期における自己位置推定を行う。これにより、第2の自己位置推定結果が得られる。そして、受信機200は、例えば、Kalman filterなどを用いて、第1の自己位置推定結果に基づく第2の自己位置推定結果の調整を行う。これによって、現在のフレーム周期における最終的な自己位置推定の結果が得られる。
図204は、本実施の形態における受信機200による自己位置推定を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、電波の強さなどに基づいて、受信機200の位置を推定する(ステップS241)。これにより、受信機200の推定位置Aが得られる。
次に、受信機200は、加速度センサ、ジャイロセンサおよび方位センサなどからの出力に基づいて、受信機200の移動方向および移動方向を計測する(ステップS242)。
次に、受信機200は、可視光信号を受信し、その受信された可視光信号と、加速度センサおよび方位センサなどからの出力に基づいて、受信機200の位置を計測する(ステップS243)。
そして、受信機200は、ステップS242で計測された受信機200の移動距離および移動方向と、ステップS243で計測された受信機200の位置とを用いて、ステップS241で得られた推定位置Aを更新する(ステップS243)。この推定位置Aの更新には、Kalman filterなどのアルゴリズムが用いられる。そして、ステップS242以降の処理が繰り返し実行される。
図205は、本実施の形態における受信機200の自己位置推定の処理の概略を示すフローチャートである。
まず、受信機200は、例えばBluetooth(登録商標)などの電波の強さなどに基づいて、受信機200のおおまかな位置を推定する(ステップS251)。次に、受信機200は、可視光信号などを用いて、受信機200の詳細な位置を推定する(ステップS252)。これにより、例えば±10cmの誤差範囲で自己位置を推定することができる。
なお、各送信機に割り当て可能な光IDの数は少なく、世界の各送信機に対して唯一の光IDを与えることはできない。しかし、本実施の形態では、上述のステップS251の処理のように、電波の強さなどに基づいて、その電波を送信する送信機が存在するエリアが絞り込まれる。そして、それぞれ同じ光IDを有する複数の送信機がそのエリアに存在しなければ、受信機200は、ステップS252の処理によって、つまり、光IDに基づいて、そのエリアから1つの送信機を特定することができる。
サーバは、送信機ごとに、その送信機が有する光IDと、その送信機の位置を示す位置情報と、その送信機が有する電波のIDとを互いに関連付けて記憶している。
図206は、本実施の形態における電波のIDと光IDとの関係を示す図である。
例えば、電波のIDには、光IDと同じ情報が含まれる。なお、電波IDは、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)などに用いられる識別情報である。つまり、送信機は、電波のIDを電波で送信するとともに、その電波のIDの少なくとも一部と一致する情報を光IDとして送信する。例えば、電波のIDに含まれる下位の数ビットが、光IDと一致する。これにより、サーバは、電波のIDと光IDとを一元的に管理することができる。
また、受信機200は、受信機200の付近に、同じ光IDを送信する複数の送信機が存在するかを、電波を介して確認することができる。そして、受信機200は、複数の送信機が存在することを確認した場合には、電波を介して何れかの送信機の光IDを変更させてもよい。
図207は、本実施の形態における受信機200による撮像の一例を説明するための図である。
例えば、受信機200は、図207の(a)に示すように、位置Aにおいて、第1の照明装置100pを可視光通信モードで撮像する。さらに、受信機200は、位置Bにおいて、第1の照明装置100pを可視光通信モードで撮像する。ここで、位置Aと位置Bとは、第1の照明装置100pに対して点対称の関係にある。この場合には、受信機200は、位置Aでも位置Bでも、図207の(b)に示すように、その撮像によって同一の復号用画像を生成する。したがって、受信機200は、図207の(b)に示す復号用画像だけからは、受信機200が位置Aにあるのか位置Bにあるのかを区別することができない。そこで、受信機200は、自己位置推定の候補として位置Aと位置Bとを提示してもよい。また、受信機200は、過去の受信機200の位置と、その位置からの移動方向などに基づいて、複数の候補から1つの候補を絞り込んでもよい。また、復号用画像に2つ以上の照明装置が映し出されている場合には、位置Aにおいて得られる復号用画像と、位置Bにおいて得られる復号用画像とは異なる。したがって、この場合には、受信機200の候補となる位置を1つに絞り込むことができる。
なお、受信機200は、方位センサからの出力に基づいて、位置Aと位置Bから1つの位置に絞り込むことができる。しかし、このよう場合でも、方位センサの信頼性が低いときには、受信機200は、位置Aおよび位置Bのそれぞれを、受信機200の位置の候補として提示してもよい。
図208は、本実施の形態における受信機200による撮像の他の例を説明するための図である。
例えば、第1の照明装置100pの周囲には、ミラー901が配置されていてもよい。これにより、位置Aにおける撮像によって得られる復号用画像と、位置Bにおける撮像によって得られる復号用画像とを異ならせることができる。つまり、復号用画像に基づく自己位置推定によって、受信機200の位置を1つに絞り込めなくなる状況の発生を抑制することができる。
図209は、本実施の形態における受信機200によって用いられるカメラを説明するための図である。
例えば、受信機200は、複数のカメラを備え、その複数のカメラから、可視光通信に用いられるカメラを選択する。具体的には、受信機200は、加速度センサからの出力データに基づいて、受信機200の向きを特定し、複数のカメラから上向きのカメラを選択する。または、受信機200は、受信機200の向きと、複数のカメラの画角とに基づいて、水平方向よりも上向きの撮像を行うことができる1つまたは複数のカメラを選択してもよい。また、受信機200は、複数のカメラを選択した場合には、その複数のカメラの中から、画角において上向きの領域が最も広い1つのカメラをさらに選択してもよい。また、受信機200は、カメラの撮像によって得られた画像のうち一部の領域に対しては、自己位置推定または光IDの受信のための処理を行わなくてもよい。その一部の領域は、水平方向よりも下向きにある領域でもよく、あるいは、水平方向から下に所定の角度だけ傾く方向よりもさらに下向きにある領域である。
これにより、受信機200の計算負荷を削減することができる。
図210は、本実施の形態における受信機200が送信機の可視光信号を変更させる処理の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、可視光信号として可視光信号Aを受信する(ステップS261)。
次に、受信機200は、「可視光信号Aを送信している場合には可視光信号Bに変更する」という命令を電波で送信する(ステップS262)。
そして、送信機100は、受信機からステップS262で送信された命令を受信する。第1の照明装置100pである送信機は、その命令に基づいて、自らが送信する可視光信号が可視光信号Aに設定されている場合には、その設定されている可視光信号Aを可視光信号Bに変更する(ステップS263)。
図211は、本実施の形態における受信機200が送信機の可視光信号を変更させる処理の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、可視光信号として可視光信号Aを受信する(ステップS271)。
次に、受信機200は、周囲の電波を受信することによって、電波通信可能な送信機を探し、その送信機のリストを作成する(ステップS272)
次に、受信機200は、作成されたリストに示される複数の送信機の順序を所定の順序で並べ替える(ステップS273)。この所定の順序は、例えば、電波強度の強い順、ランダム順、または、送信機のIDの小さい順である。
次に、受信機200は、リストに示される1番目の送信機に対して、所定の時間の間、可視光信号Bを送信するように電波で命令する(ステップS274)。そして、受信機200は、ステップS271で受信された可視光信号Aが可視光信号Bに変更されたか否かを判定する(ステップS275)。ここで、受信機200は、変更されたと判定すると(ステップS275のY)、リストに示される1番目の送信機に対して、可視光信号Bの送信を継続するように命令する(ステップS276)。
一方、可視光信号Aが可視光信号Bに変更されないと判定すると(ステップS275のN)、受信機200は、リストの1番目の送信機に対して、可視光信号を変更前の信号に戻すように命令する(ステップS277)。そして、受信機200は、リストに示される1番目の送信機をそのリストから削除し、2番目以降の各送信機の順番を1つ繰り上げる(ステップS278)。そして、受信機200は、ステップS274からの処理を繰り返し実行する。
このような処理によって、受信機200は、受信機200に現在受信されている可視光信号を送信している送信機を適切に特定し、その送信機に対して可視光信号を変更させることができる。
(実施の形態13)
受信機200は、実施の形態2の図18A〜図18Cに示す例と同様、自己位置推定と、その推定結果を用いたナビゲーションを行う。受信機200は、自己位置推定を行うときには、復号用画像に含まれる輝線パターン領域の大きさおよび位置を用いる。つまり、受信機200は、受信機200の姿勢と、送信機100の大きさおよび形状と、復号用画像に含まれる輝線パターン領域の大きさ、形状および位置とに基づいて、送信機100に対する受信機200の相対位置を特定する。そして、受信機200は、送信機100からの可視光信号によって特定される地図上の送信機100の位置と、上述の特定された相対位置とを用いて自らの位置を推定する。なお、受信機200の姿勢は、例えば、受信機200に備えられている加速度センサおよび方位センサなどのセンサからの出力データによって特定される受信機200のカメラの向きである。
図212は、受信機200によるナビゲーションを説明するための図である。
送信機100は、例えば、図212の(a)に示すように、バス停を案内するためのデジタルサイネージとして構成され、地下街に設定されている。そして、送信機100は、実施の形態2の図18A〜図18Cに示す例と同様、可視光信号を送信している。ここで、送信機100には、ARナビゲーションを促す画像が表示されている。受信機200のユーザは、この送信機100を見て、ARナビゲーションによってバス停まで案内してもらいたい場合には、スマートフォンとして構成されている受信機200にインストールされているARナビゲーションのアプリケーションを起動する。この起動によって、受信機200は、内蔵されているカメラに、可視光通信モードでの撮像と、通常撮影モードでの撮像とを交互に切り替えて実行させる。そして、受信機200は、通常撮影モードでの撮像が行われるごとに、その撮像によって得られる通常撮影画像を受信機200のディスプレイに表示する。そして、ユーザは、その受信機200のカメラを送信機100に向ける。これにより、受信機200は、可視光通信モードでの撮像が行われるタイミングで、復号用画像を取得し、その復号用画像に含まれる輝線パターン領域の復号を行うことによって、送信機100からの可視光信号を受信する。そして、受信機200は、その可視光信号によって示される情報(すなわち光ID)をサーバに送信し、その情報に関連付けられている送信機100の地図上の位置を示すデータをそのサーバから受信する。さらに、受信機200は、送信機100の地図上の位置を用いて自己位置推定を行い、その推定された自己位置をサーバに送信する。サーバは、受信機200の位置と、目的地であるバス停までの経路を検索し、地図と、その経路とを示すデータを受信機200に送信する。なお、このときの自己位置推定によって得られた受信機200の位置は、ユーザを目的地に案内するための起点である。
次に、受信機200は、図212の(b)に示すように、その検索された経路にしたがってナビゲーションを開始する。このとき、受信機200は、通常撮影画像に対して方向指示画像431を重畳してディスプレイに表示する。この方向指示画像431は、その検索された経路と、受信機200の現在位置と、カメラの向きとに基づいて生成され、目的地に向かう方向に向けられた矢印として構成されている。
そして、受信機200は、地下街を移動するときには、図212の(c)および(d)に示すように、通常撮影画像に映し出されている特徴点の動きに基づいて、現在の自己位置を推定する。
さらに、受信機200は、図212の(e)に示すように、図212の(a)に示す送信機100とは異なる送信機100から可視光信号を受信すると、そのときまでに推定されていた自己位置を補正する。つまり、受信機200は、可視光信号を用いた自己位置推定を再び行うことによって、自己位置を更新する。
そして、受信機200は、図212の(f)に示すように、目的地であるバス停までユーザを案内する。
このように、受信機200は、スタート地点で、まず、可視光信号に基づく自己位置推定を行い、その推定によって得られた自己位置を周期的に更新してもよい。例えば、受信機200は、図212の(c)および(d)に示すように、通常撮影モードでの撮像で、通常撮影画像を一定のフレームレートで取得している場合には、それらの通常撮影画像に映し出されている特徴点の移動量から、自己位置を更新してもよい。そして、受信機200は、通常撮影モードでの撮像が行われている途中で定期的に可視光通信モードでの撮像を行う。受信機200は、図212の(e)に示すように、その可視光通信モードでの撮像によって得られる復号用画像に輝線パターン領域が映し出されていれば、その時点で最近に更新された自己位置を、その映し出されている輝線パターン領域に基づいて補正してもよい。
ここで、受信機200は、輝線パターン領域に対する復号によって、可視光信号を受信することができなくても、自己位置を推定することができる。つまり、受信機200は、復号用画像に映し出されている輝線パターン領域を完全に復号することができなくても、その輝線パターン領域に基づいて、または、輝線パターン領域のようなストライプ状の領域に基づいて、自己位置推定を行ってもよい。
図213は、受信機200による自己位置推定の一例を示すフローチャートである。
受信機200は、地図と、複数の送信機100のそれぞれの送信機データとを、サーバまたは受信機200が有する記録媒体から取得する(ステップS341)。なお、送信機データは、送信機100が配置さているその地図上の位置と、その送信機100の形状およびサイズを示す。
次に、受信機200は、可視光通信モード(すなわち短時間露光)で撮像し、その撮像によって得られる復号用画像からストライプ状の領域(すなわち領域A)を検出する(ステップS342)。
そして、受信機200は、ストライプ状の領域が可視光信号である可能性があるか否かを判定する(ステップS343)。つまり、受信機200は、そのストライプ状の領域が、可視光信号によって現れた輝線パターン領域であるか否かを判定する。ここで、受信機200は、可視光信号である可能性がないと判定すると(ステップS343のN)、処理を終了する。一方、受信機200は、可視光信号である可能性があると判定すると(ステップS343のY)、さらに、その可視光信号を受信することができたか否かを判定する(ステップS344)。つまり、受信機200は、復号用画像の輝線パターン領域を復号し、その復号によって可視光信号として光IDを取得することができたか否かを判定する。
ここで、受信機200は、可視光信号を受信することができたと判定すると(ステップS344のY)、復号用画像における領域Aの形状、大きさおよび位置を取得する(ステップS347)。つまり、受信機200は、可視光通信モードでの撮像によって復号用画像にストライプ状の像として映し出されている送信機100の形状、大きさおよび位置を取得する。
そして、受信機200は、送信機100の送信機データと、取得された領域Aの形状、大きさおよび位置とに基づいて、送信機100と受信機200との相対位置を計算し、受信機200の現在位置(つまり現在の自己位置)を更新する(ステップS348)。例えば、受信機200は、ステップS341で取得された各送信機100の送信機データから、受信された可視光信号に対応する送信機100の送信機データを選択する。つまり、受信機200は、地図上に示される複数の送信機100のうち、その可視光信号に対応する送信機100を、領域Aの像として映し出されている撮像対象の送信機100として選択する。そして、受信機200は、ステップS347で取得された送信機100の形状、大きさおよび位置と、撮像対象の送信機100の送信機データに示される形状および大きさとに基づいて、受信機200の送信機100に対する相対位置を計算する。その後、受信機200は、その相対位置と、ステップS341で取得された地図と、撮像対象の送信機100の送信機データによって示される地図上の位置とに基づいて、自己位置を更新する。
一方、受信機200は、ステップS344で可視光信号を受信することができないと判定すると(ステップS344のN)、受信機200のカメラによって地図上のどの位置または範囲が撮像されているのかを推定する(ステップS345)。つまり、受信機200は、その時点で推定されている現在の自己位置と、受信機200の撮像部であるカメラの向きまたは方向とに基づいて、地図上において撮像されている位置または範囲を推定する。そして、受信機200は、地図上に示される複数の送信機100の中から、撮像されている可能性が最も高い送信機100が、領域Aの像として映し出されている送信機100であるとみなす(ステップS346)。つまり、受信機200は、受信機200は、地図上に示される複数の送信機100のうち、その撮像されている可能性が最も高い送信機100を、撮像対象の送信機100として選択する。なお、撮像されている可能性が最も高い送信機100は、例えば、ステップS345で推定された撮像の位置または範囲に最も近い送信機100である。
図214は、受信機200によって受信される可視光信号を説明するための図である。
復号用画像に含まれる輝線パターン領域は、2つのケースによって現れる。第1のケースでは、受信機200が、例えば天井に配置されている照明装置などの送信機100を直接的に撮像することによって輝線パターン領域が現れる。言い換えれば、第1のケースでは、輝線パターン領域が現れる原因となる光は直接光である。第2のケースでは、受信機200が送信機100を間接的に撮像することによって輝線パターン領域が現れる。つまり、受信機200は、照明装置などの送信機100を撮像することなく、送信機100からの光を反射している壁または床などの反射領域を撮像する。これによって、復号用画像に輝線パターン領域が現れる。言い換えれば、第2のケースでは、輝線パターン領域が現れる原因となる光は反射光である。
したがって、本実施の形態における受信機200は、復号用画像に輝線パターン領域があれば、その輝線パターン領域が現れているケースが第1のケースか、第2のケースかを判定する。つまり、受信機200は、輝線パターン領域が送信機100の直接光によって現れているのか、送信機100の反射光によって現れているのかを判定する。
そして、受信機200は、第1のケースであると判定すると、復号用画像における輝線パターン領域を、復号用画像に映し出されている送信機100として用いて、その送信機100に対する受信機200の相対位置を特定する。つまり、受信機200は、撮像に用いられたカメラの向きおよび画角と、輝線パターン領域の形状、大きさおよび位置と、送信機100の形状および大きさと用いて、三角測量または幾何学的な測量方法によって、受信機200の相対位置を特定する。
一方、受信機200は、第2のケースであると判定すると、復号用画像における輝線パターン領域を、復号用画像に映し出されている反射領域として用いて、その送信機100に対する受信機200の相対位置を特定する。つまり、受信機200は、撮像に用いられたカメラの向きおよび画角と、輝線パターン領域の形状、大きさおよび位置と、地図によって示される床または壁の位置および向きと、送信機100の形状および大きさと用いて、三角測量または幾何学的な測量方法によって、受信機200の相対位置を特定する。このとき、受信機200は、輝線パターン領域の位置として、その輝線パターン領域の中心を用いてもよい。
図215は、受信機200による自己位置推定の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、可視光通信モードでの撮像によって可視光信号を受信する(ステップS351)。そして、受信機200は、地図と、複数の送信機100のそれぞれの送信機データとを、サーバまたは受信機200が有する記録媒体(すなわちデータベース)から取得する(ステップS352)。
次に、受信機200は、ステップS351で受信された可視光信号が反射光によって受信されたか否かを判定する(ステップS353)。
そして、受信機200は、ステップS353で反射光によって受信されたと判定すると(ステップS353のY)、ステップS351での撮像によって得られる復号用画像におけるストライプ状の領域の中心部を、床または壁に映し出されている送信機100の位置とみなす(ステップS354)。
次に、受信機200は、図213のステップS348と同様、送信機100と受信機200との相対位置を計算し、受信機200の現在位置を更新する(ステップS355)。一方、受信機200は、ステップS353で反射光によって受信されていないと判定すると(ステップS353のN)、床または壁の反射を考慮することなく、受信機200の現在位置を更新する。
図216は、受信機200による反射光の判定の例を示すフローチャートである。
受信機200は、復号用画像からストライプ状の領域または輝線パターン領域を領域Aとして検出する(ステップS641)。次に、受信機200は、その復号用画像の撮像が行われたときのカメラの向きを加速度センサによって特定する(ステップS642)。次に、受信機200は、その時点において既に推定されている受信機200の地図上の位置から、ステップS642で特定されたカメラの向きに、送信機100が存在するか否かを地図データから特定する(ステップS643)。つまり、受信機200は、その時点において推定されている受信機200の地図上における位置と、受信機200の撮像の向きまたは方向と、地図上における各送信機100の位置とに基づいて、送信機100を直接撮像しているか否かを判断する。
そして、受信機200は、送信機100が存在すると判定すると(ステップS644のYes)、領域Aの光、つまり可視光信号の受信に用いられた光が直接光であると判定する(ステップS645)。一方、受信機200は、送信機100が存在しないと判定すると(ステップS644のNo)、領域Aの光、つまり可視光信号の受信に用いられた光が反射光であると判定する(ステップS646)。
このように、受信機200は、加速度センサを用いて、輝線パターン領域が現れる原因となる光が直接光か反射光かを判定する。また、受信機200は、カメラの向きが上向きであれば、その光が直接光であると判定し、カメラの向きが下向きであれば、その光が反射光であると判定してもよい。
また、受信機200は、加速度センサの出力の代わりに、復号用画像に含まれる輝線パターン領域の光の強さ、位置、または大きさなどに基づいて、直接光か反射光かを判定してもよい。例えば、受信機200は、光の強さが所定強度未満であれば、輝線パターン領域が現れる原因となる光が反射光であると判定する。または、受信機200は、輝線パターン領域の位置が復号用画像の下部にあれば、その光が反射光であると判定する。または、受信機200は、輝線パターン領域の大きさが所定サイズよりも大きければ、その光が反射光であると判定する。
図217は、受信機200によるナビゲーションの一例を示すフローチャートである。
受信機200は、例えばアウトカメラとインカメラとディスプレイとを備えているスマートフォンであって、ユーザを目的地まで道案内するための画像をディスプレイに表示することによって、ナビゲーションを行っている。つまり、受信機200は、実施の形態2の図18A〜図18Cに示す例のように、ARナビゲーションを実行する。このとき、受信機200は、アウトカメラでの撮像を行い、その撮像によって得られる画像に基づいて、周辺の危険探知を行う。そして、受信機200は、ユーザが危険な状況にあるか否かを判定する(ステップS361)。
ここで、受信機200は、ユーザが危険な状況にあると判定すると(ステップS361のY)、受信機200のディスプレイに、注意喚起のメッセージを表示する、または、ナビゲーションを停止する(ステップS364)。
一方、受信機200は、ユーザが危険な状況でないと判定すると(ステップS361のN)、その受信機200が位置するエリアにおいて歩きスマホが禁止されているか否かを判定する(ステップS362)。例えば、受信機200は、地図データを参照し、受信機200の現在位置が、その地図データによって示される歩きスマホ禁止の範囲に含まれているか否かを判定する。ここで、受信機200は、歩きスマホが禁止されていないと判定すると(ステップS362のN)、ナビゲーションを続行する(ステップS366)。一方、受信機200は、歩きスマホが禁止されていると判定すると(ステップS362のY)、インカメラでユーザの視線を認識することによって、ユーザが受信機200を見ているか否かを判定する(ステップS363)。ここで、受信機200は、受信機200を見ていないと判定すると(ステップS363のN)、ナビゲーションを続行する(ステップS366)。一方、受信機200は、受信機200を見ていると判定すると(ステップS363のY)、受信機200のディスプレイに、注意喚起のメッセージを表示する、または、ナビゲーションを停止する(ステップS364)。
そして、受信機200は、ユーザが危険な状況を脱したか、または、ユーザが受信機200を注視している状態を脱したか否かを判定する(ステップS365)。ここで、受信機200は、その状況または状態を脱したと判定すると(ステップS365のY)、ナビゲーションを続行する(ステップS366)。一方、受信機200は、その状況または状態を脱していないと判定すると(ステップS365のN)、ステップS364の処理を繰り返し実行する。
また、受信機200は、加速度センサおよびジャイロセンサなどからの出力に基づいて移動速度を検知してもよい。この場合、受信機200は、その移動速度が閾値以上であるか否かを判定し、閾値上である場合には、ナビゲーションを停止させてもよい。このとき、受信機200は、その移動速度での歩行が危険であることを通知するためのメッセージを表示してもよい。これにより、歩きスマホによる危険を回避することができる。
ここで、送信機100は、プロジェクタとして構成されていてもよい。
図218は、プロジェクタとして構成されている送信機100の例を示す図である。
例えば、送信機100は、床または壁に画像441を投影する。また、送信機100は、画像441を投影しながら、その投影に用いられる光を輝度変化させることによって、可視光信号を送信している。なお、投影される画像441には、ARナビゲーションを促す文字などが表示されていてもよい。受信機200は、その床または壁に投影されている画像441を撮像することによって、可視光信号を受信する。そして、受信機200は、その投影されている画像441を用いて自己位置推定を行ってもよい。例えば、受信機200は、その可視光信号に対応付けられている画像441の地図上の位置をサーバから取得し、その画像441の位置を用いて自己位置推定を行う。または、受信機200は、その可視光信号に対応付けられている送信機100の地図上の位置をサーバから取得し、床または壁に投影されている画像441を、上述の第2のケースのように、反射光として扱うことによって、自己位置推定を行ってもよい。
図219は、受信機200による自己位置推定の他の例を示すフローチャートである。
受信機200は、まず、送信機100、所定の画像、または、所定のコード(2次元コードなど)を撮像する(ステップS371)。なお、送信機100の撮像では、受信機200は、その送信機100から可視光信号を受信する。
次に、受信機200は、ステップS371で撮像された被写体の位置(つまり地図上の位置)を取得する。そして、受信機200は、その位置、形状および大きさと、ステップS371での撮像によって得られた画像内における被写体の位置、形状および大きさとに基づいて、受信機200の位置、すなわち自己位置を推定する(ステップS372)。
次に、受信機200は、ステップS371での撮像によって得られた画像によって示される所定の位置にユーザを案内するナビゲーションを開始する(ステップS373)。なお、被写体が送信機100であれば、その所定の位置は、可視光信号によって特定される位置である。被写体が所定の画像であれば、その所定の位置は、所定の画像を解析することによって得られる位置である。被写体がコードであれば、その所定の位置は、そのコードを復号することによって得られる位置である。受信機200は、ナビゲーションを行っているときには、カメラによる撮像を繰り返し、その撮像によって得られる通常撮影画像をリアルタイムに順次表示しながら、ユーザの行き先を示す矢印などの方向指示画像をその通常撮影画像に重畳する。ユーザは、受信機200を携帯しながら、その表示される方向指示画像にしたがって移動を開始する。
次に、受信機200は、GPSなどの位置情報(すなわちGPSデータ)を受信することができるか否かを判定する(ステップS374)。ここで、受信機200は、受信することができると判定すると(ステップS374のY)、そのGPSなどの位置情報を用いて現在の受信機200の自己位置を推定する(ステップS375)。一方、受信機200は、GPSなどの位置情報を受信することができないと判定すると(ステップS374のN)、上述の各通常撮影画像に映し出されている物体または特徴点の動きに基づいて、受信機200の自己位置を推定する(ステップS376)。例えば、受信機200は、上述の各通常撮影画像に映し出されている物体または特徴点の動きを検出し、その動きに基づいて、受信機200の移動方向および移動距離を推定する。そして、受信機200は、その推定された移動方向および移動距離と、ステップS372で推定された位置とに基づいて、現在の受信機200の自己位置を推定する。
次に、受信機200は、最近に推定された自己位置が、目的地である所定の位置から予め定められた距離以内にあるか否かを判定する(ステップS377)。ここで、受信機200は、その自己位置がその距離以内にあると判定すると(ステップS377のY)、ユーザが目的地に到着したと判断して、ナビゲーションの処理を終了する。一方、受信機200は、その自己位置がその距離以内にないと判定すると(ステップS377のN)、ユーザが目的地に到着していないと判断して、ステップS374からの処理を繰り返し実行する。
また、受信機200は、ナビゲーションの途中で現在の自己位置を見失った場合、つまり、自己位置を推定することができなくなった場合には、通常撮影画像に対する方向指示画像の重畳を停止し、最後に推定された自己位置を地図上に表示してもよい。または、受信機200は、最後に推定された自己位置を含む周辺の地図を表示してもよい。
図220は、送信機100による処理の一例を示すフローチャートである。図220に示す例では、送信機100は、エレベータに設置されている照明装置である。
送信機100は、エレベータの動作状況を示すエレベータ動作情報を、そのエレベータから得られるか否かを判定する(ステップS381)。なお、エレベータ動作情報は、エレベータが上昇しているか、下降しているか、停止しているかなどの状況と、エレベータが現在位置している階と、停止予定の階などを示していてもよい。
ここで、送信機100は、エレベータ動作情報が得られたと判定すると(ステップS381のY)、そのエレベータ動作情報の全てまたは一部の情報を可視光信号によって送信する(ステップS386)。または、送信機100は、その送信機100から送信される可視光信号(すなわち光ID)に、エレベータ動作情報を関連付けてサーバに保持させてもよい。
一方、送信機100は、エレベータ動作情報が得られないと判定すると(ステップS381のN)、加速度センサによって、エレベータが停止中、上昇中、および下降中の何れの状態にあるかを認識する(ステップS382)。さらに、送信機100は、エレベータの階表示部から、エレベータが現在位置する階を特定することができるか否かを判定する(ステップS383)。なお、階表示部は、図18Cに示す階数表示部に相当する。ここで、階を特定することができたと判定すると(ステップS383のY)、送信機100は、上述のステップS386の処理を実行する。一方、階を特定することができないと判定すると(ステップS383のN)、送信機100は、さらに、その階表示部をカメラで撮像し、その撮像によって得られた画像から、エレベータが現在位置する階を認識することができるか否かを判定する(ステップS384)。
ここで、送信機100は、その階を認識することができたと判定すると(ステップS384のY)、上述のステップS386の処理を実行する。一方、送信機100は、階を認識することができないと判定すると(ステップS384のN)、予め定められた可視光信号を送信する(ステップS385)。
図221は、受信機200によるナビゲーションの他の例を示すフローチャートである。図221に示す例では、送信機100は、エレベータに設置されている照明装置である。
受信機200は、まず、受信機200の現在位置がエスカレータ上にあるか否かを判定する(ステップS391)。なお、エスカレータは、スロープ状のエスカレータであっても、水平状のエスカレータであってもよい。
ここで、エスカレータ上にあると判定すると(ステップS391のY)、受信機200は、受信機200の動きを推定する(ステップS392)。この動きは、エスカレータ以外の固定された床または壁などを基準とする受信機200の動きである。つまり、受信機200は、まず、エスカレータの動きの方向と速度とをサーバから取得する。そして、受信機200は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのフレーム間画像処理によって認識された、エスカレータ上での受信機200の動きに、そのエスカレータの動きを足し合わせることによって、受信機200の動きを推定する。
一方、受信機200は、エスカレータ上にないと判定すると(ステップS391のN)、受信機200の現在位置がエレベータ内にあるか否かを判定する(ステップS393)。ここで、受信機200は、エレベータ内にないと判定すると(ステップS393のN)、処理を終了する。一方、受信機200は、エレベータ内にあると判定すると(ステップS393のY)、エレベータ(具体的には、エレベータの籠)が現在位置する階を、可視光信号、電波信号または他の手段によって特定することができるか否かを判定する(ステップS394)。
ここで、階を特定することができないと判定すると(ステップS394のN)、受信機200は、ユーザがエレベータから降りる予定の階を表示する(ステップS395)。さらに、受信機200は、ユーザがエレベータから降りることによって受信機200がエレベータから出たか否かを認識するとともに、可視光信号、電波信号またはその他の手段によって、受信機200が現在位置する階を認識する。そして、受信機200は、その認識された階が予定されていた階と異なっていれば、ユーザが降りた階が間違っていることをユーザに通知する(ステップS396)。
また、受信機200は、エレベータが現在位置する階を特定することができたとステップS394で判定すると(ステップS394のY)、ユーザがエレベータから降りる予定の階、つまり、目的の階に受信機200があるか否かを判定する(ステップS397)。ここで、受信機200が目的の階にあると判定すると(ステップS397のY)、受信機200は、ユーザに降りることを促すメッセージなどを表示する(ステップS399)。または、受信機200は、その目的の階に関する広告を表示する。また、受信機200は、ユーザが降りようとしない場合には、警告のメッセージを表示してもよい。
一方、受信機200は、受信機200が目的の階にないと判定すると(ステップS397のN)、ユーザに降りないように注意を促すメッセージなどを表示する(ステップS398)。または、受信機200は、広告を表示してもよい。また、受信機200は、ユーザが降りようとする場合には、警告のメッセージを表示してもよい。
図222は、受信機200による処理の一例を示すフローチャートである。
図222に示すフローチャートでは、受信機200は、可視光信号と通常露光画像情報(すなわち通常撮影画像)とを併用する。
例えばスマートフォンまたはスマートグラスなどのウェアラブル機器として構成される受信機200は、通常の露光時間より短い露光時間での撮像によって画像A(すなわち上述の復号用画像)を取得する(ステップS631)。そして、受信機200は、その画像Aを復号することによって、可視光信号を受信する(ステップS632)。受信機200は、受信した可視光信号に基づき、一例として受信機200の現在位置を特定して、所定の位置までのナビゲーションを開始する。
受信機200は、次に、上述の短い露光時間より長い露光時間(例えば、自動露光設定による露光時間)での撮像によって画像B(すなわち上述の通常撮影画像)を取得する(ステップS633)。ここで、画像Aは、物体検出または特徴量抽出には不適である。したがって、受信機200は、上述の短い露光時間での撮像による画像Aの取得と、上述の長い露光時間での撮像による画像Bの取得とを交互に所定の回数ずつ繰り返し行う。これにより、受信機200は、その得られた複数の画像Bを用いて上述の物体検出または特徴量抽出などの画像処理を行う(ステップS634)。例えば、受信機200は、画像Bから特定の物体を検出することで、受信機200の位置を補正する。また、例えば、受信機200は、2枚または複数の画像Bのそれぞれから特徴点を抽出し、画像間で同じ特徴点がどのように移動したかを識別する。その結果、受信機200は、2枚または複数の画像Bのそれぞれの撮像時点の間での、受信機200の移動の距離と方向を認識し、受信機200の現在位置を補正することができる。
図223は、受信機200のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
受信機200は、ナビゲーションのアプリケーションを起動したときには、例えば図223に示すように、送信機100のロゴマークを表示する。そのロゴマークは、例えば、「ARナビ」と記載されたロゴマークである。そして、受信機200は、そのロゴマークを撮像するように、ユーザを誘導してもよい。送信機100は、例えばデジタルサイネージとして構成され、可視光信号を送信するために、そのロゴマークを輝度変化させながら表示している。または、送信機100は、例えばプロジェクタとして構成され、可視光を送信するために、上述のロゴマークを輝度変化させながら床または壁に投影している。受信機200は、そのロゴマークを可視光通信モードで撮像することによって、送信機100からの可視光信号を受信する。なお、受信機200は、ロゴマークの代わりに、送信機100として構成されている近くの照明装置またはランドマークの絵を表示してもよい。
また、受信機200は、ユーザが何かに困ったときのためのコールセンターの電話番号を表示してもよい。このとき、受信機200は、ユーザの使用言語と、推定されている自己位置とを、コールセンターのサーバに通知してもよい。ユーザの使用言語は、例えば受信機200に予め登録されてもよく、ユーザによる操作によって設定されてもよい。これにより、コールセンターは、受信機200のユーザから電話がかかってきたときに、そのユーザに迅速に対応することができる。例えば、コールセンターは、電話でユーザを目的地まで案内することができる。
また、受信機200は、予め登録されているランドマークの形態と、そのランドマークの大きさと、そのランドマークの地図上での位置とに基づいて、自己位置を補正してもよい。つまり、受信機200は、通常撮影画像が取得されると、その通常撮影画像からランドマークが映し出されている画像領域を検出する。そして、受信機200は、その通常撮影画像における画像領域の形状、大きさおよび位置と、ランドマークの大きさおよび地図上の位置とに基づいて、自己位置推定を行う。
また、受信機200は、インカメラを使って天井または後ろにあるランドマークを認識または検出してもよい。また、受信機200は、カメラによる撮像によって得られる画像のうち、例えば水平方向に対して所定の角度以上(または所定の角度以下)の領域のみを使用してもよい。例えば、送信機100またはランドマークが天井側に配置されることが多ければ、受信機200は、そのカメラの画像のうち、水平方向よりも上側にある被写体が映し出されている領域のみを用いる。受信機200は、その領域のみから、輝線パターン領域またはランドマークの画像領域の検出を行う。これにより、受信機200の処理量を削減することができる。
また、受信機200は、図212の例に示すように、ARナビゲーションを行うときには、方向指示画像431を通常撮影画像に重畳するが、さらに、キャラクターを重畳してもよい。
図224は、受信機200によるキャラクターの表示例を示す図である。
受信機200は、例えばデジタルサイネージとして構成されている送信機100から可視光信号を受信すると、その可視光信号に対応するキャラクター432を上述のAR画像として例えばサーバから取得する。そして、受信機200は、図224に示すように、方向指示画像431だけでなく、そのキャラクター432も通常撮影画像に重畳して表示する。例えば、そのキャラクター432は、飲料水の製造販売会社の広告用のキャラクターであって、その飲料水が封入された缶の画像として表示される。また、そのキャラクター432は、ユーザの目的地までの経路において販売されている飲料水の広告用のキャラクターである。このようなキャラクター432は、方向指示画像431によって指し示される方向または位置にあって、ユーザを先導するように表示されてもよい。このようなキャラクターによる広告は、アフィリエイトによって実現されてもよい。
また、キャラクターは、動物または人の形をしていてもよい。この場合、受信機200は、方向指示画像の上を歩くようなキャラクターを通常撮影画像に重畳してもよい。また、複数のキャラクターが通常撮影画像に重畳されてもよい。さらに、受信機200は、キャラクターの代わりに、または、キャラクターとともに、広告用の動画像をコマーシャルとして通常撮影画像に重畳してもよい。
また、受信機200は、会社の広告のために支払われた広告料金によって、広告用のキャラクターの大きさおよび表示時間などを変えてもよい。また、複数の広告用のキャラクターが表示される場合には、受信機200は、キャラクターごとに支払われた広告料金に応じて、それらのキャラクターの奥行き方向の表示順序を決定してもよい。また、受信機200は、表示されているキャラクターの商品が販売されている店舗に入ったときに、その店舗に対する課金を電子決済で行ってもよい。
また、受信機200は、そのキャラクター432を表示しているときに、他のデジタルサイネージから他の可視光信号を受信した場合には、表示されているキャラクター432を、他の可視光信号に応じたキャラクターに変更してもよい。
受信機200は、会社のコマーシャルとなる動画像を通常撮影画像に重畳してもよい。コマーシャルの動画像または広告の表示時間および回数などに応じて、広告主に対して課金が行われてもよい。受信機200は、コマーシャルの言語として、ユーザの言語を表示してもよく、ユーザがそのコマーシャルの商品の購入意思を店の人に伝えるための文章または音声リンクを、その店舗の人の言語で表示してもよい。また、受信機200は、その商品の値段をユーザの通貨で表示してもよい。
図225は、受信機200のディスプレイに表示される画面の他の例を示す図である。
受信機200は、例えば図225の(a)に示すように、店名「XYZ」の本屋が前方にあることを通知するためのメッセージを、ユーザの使用言語である英語で表示する。このようなメッセージは、上述のように動画のコマーシャルとして表示されてもよい。そして、受信機200は、その本屋に入ると、例えば図225の(b)に示すように、その本屋の店員に伝えるための文章を、その店員の言語(例えば日本語)と、ユーザの使用言語である英語とで表示してもよい。
また、受信機200は、ナビゲーションの途中でユーザに寄り道を促してもよい。この場合、受信機200は、余裕時間に応じて寄り道を提案してもよい。余裕時間は、図212の例では、バス停からのバスの発車時刻と、ユーザがそのバス停に到着する時刻との差分である。
また、受信機200は、近くの店の宣伝を表示してもよい。この場合、受信機200は、すぐ横の店か、これから通る道沿いの店の宣伝を表示してもよい。また、受信機200は、コマーシャルの動画像の再生終了時に、そのコマーシャルに対応する店の横に受信機200が存在するように、動画像の再生開始のタイミングを計算してもよい。また、受信機200は、通り過ぎた店の宣伝表示を停止してもよい。
さらに、ユーザが店などに寄り道した場合に、受信機200が元の目的地への案内に戻れるように、店には、起点を得るための送信機100である照明装置などが設置されていてもよい。または、受信機200は、「XYZ店の前から再開する」と記されたボタンを表示してもよい。また、受信機200は、コマーシャルを見て来店した人だけに割引価格を適用してもよく、クーポンを表示してもよい。また、受信機200は、商品購入の支払いを行うために、アプリケーションによってバーコードを表示して電子決済してもよい。
また、サーバは、各ユーザの受信機200によるナビゲーションの結果に基づいて、動線分析を行ってもよい。
また、受信機200は、ナビゲーションにおいてカメラが使用されない場合には、自己位置推定の手法を、加速度センサなどによるPDR(Pedestrian Dead Reckoning)に切り替えてもよい。例えば、ナビゲーションのアプリケーションがオフにされた場合、または、受信機200がユーザのポケットなどに入って、カメラによって得られる画像が真っ暗になる場合に、自己位置推定の手法がPDRに切り替えられる。また、受信機200は、電波(Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi)または音波を自己位置推定に利用してもよい。
また、受信機200は、ユーザが間違った方向に行こうとすると、バイブレーションまたは音でそのことを通知してもよい。例えば、受信機200は、交差点においてユーザが正しい方向に行こうとする場合と、間違った方向に行こうとする場合とで、バイブレーションまたは音の種類を異ならせてもよい。なお、受信機200は、移動することなく、間違った方向に向けられたとき、または正しい方向に向けられたときに、上述のバイブレーションまたは音による通知を行ってもよい。これにより、視覚障害者にも使い勝手を向上することができる。なお、正しい方向とは、探索された経路に沿って目的地に向かう方向っであり、間違った方向とは、その正しい方向以外の方向である。
また、受信機200は、上述の例ではスマートフォンとして構成されているが、スマートウォッチまたはスマートグラスとして構成されていてもよい。受信機200がスマートグラスとして構成されている場合には、受信機200によるカメラを用いたナビゲーションが、そのナビゲーションと関連していないアプリケーションによって中断されることを抑制することができる。
また、受信機200は、ナビゲーションを開始してから一定時間が経過するとそのナビゲーションを終了させてもよい。その一定時間は、目的地までの距離に応じて変更されてもよい。あるいは、受信機200は、GPSのデータが届く場所に入ると、ナビゲーションを終了してもよい。または、受信機200は、GPSの場所が一定距離離れたらナビゲーションを終了してもよい。また、受信機200は、到着予定時刻または到着までの残りの距離を表示してもよい。さらに、受信機200は、図212の例では、目的地であるバス停においてバスが発車する時刻を表示してもよい。
また、受信機200は、階段または交差点などの位置では、ユーザに注意喚起を行ってもよく、ユーザの希望または健康状態などに応じて、階段ではなくエレベータなどに案内してもよい。例えば、受信機200は、ユーザが高齢(例えば80代の年齢)であれば、階段を避けてエレベータに案内してもよい。また、受信機200は、ユーザが大きな荷物を持っていると判定すると、階段を避けてエレベータに案内してもよい。例えば、受信機200は、加速度センサからの出力に基づいて、ユーザの歩行速度が普段の速度よりも遅いか否かを判定し、遅い場合に、大きな荷物を持っていると判定してもよい。あるいは、受信機200は、加速度センサからの出力に基づいて、ユーザの歩幅が普段の歩幅よりも短いか否かを判定し、短い場合に、大きな荷物を持っていると判定してもよい。さらに、受信機200は、ユーザが女性であれば、安全なコースに案内してもよい。なお、安全なコースは、地図データにおいて示されている。
また、受信機200は、カメラによる撮像によって得られる画像に基づいて、受信機200の周囲の人または車などの障害物を認識してもよい。そして、受信機200は、ユーザがその障害物に衝突しそうな場合には、ユーザに対してその障害物を回避するように促してもよい。例えば、受信機200は、音を鳴らすことによって、ユーザに止まるように、または障害物を避けるように促してもよい。
また、受信機200は、ナビゲーションを行うときには、過去の他のユーザの移動時間から、到着予想時刻を修正してもよい。このとき、受信機200は、ユーザの年齢および性別に基づいて修正してもよい。例えば、受信機200は、ユーザが20代の年齢であれば、到着予想時刻を前に修正し、ユーザが80代の年齢であれば、到着予想時刻を後に修正する。
また、受信機200は、ナビゲーションの開始時に同じ送信機100であるデジタルサイネージを撮像した場合でも、ユーザによって目的地を異ならせてもよい。例えば、受信機200は、ユーザの性別に応じて目的地となるトイレの位置を異ならせてもよく、ユーザの国籍などに応じて目的地となる入国または帰国のカウンターを異ならせてもよい。あるいは、受信機200は、ユーザのチケットに応じて目的地となる電車または飛行機の乗り場を異ならせてもよい。また、受信機200は、ユーザのチケットに応じて目的地となるショーの座席を異ならせてもよい。また、受信機200は、ユーザの宗派に応じて目的地となるお祈りスペースを異ならせてもよい。
また、受信機200は、ナビゲーションを開始するときには、いきなりナビゲーションを開始することなく、「XYZへの案内を始めますか? Yes/No」のようなダイアログを表示してもよい。また、受信機200は、案内先がどこか(登場ゲート、ラウンジ、または店舗など)をユーザに問い合わせてもよい。
また、受信機200は、ナビゲーションを行っているときには、他のアプリケーションによる通知または着信を抑制してもよい。これにより、ナビゲーションが中断されることを抑えることができる。
また、受信機200は、目的地として待ち合わせ場所にユーザを案内してもよい。
図226は、待ち合わせ場所へのナビゲーションを行うためのシステム構成を示す図である。
例えば、受信機200aを有するユーザと、受信機200bを有するユーザとが待ち合わせ場所に集合する。なお、受信機200aおよび受信機200bのそれぞれは、上述の受信機200の機能を有する。
上述のような待ち合わせが行われる場合、受信機200aは、図226の(a)に示すように、自己位置推定によって得られた位置と、受信機200aの番号と、待ち合わせの相手(すなわち受信機200b)の番号とをサーバ300に送信する。なお、番号は、電話番号であってもよく、受信機を識別し得るものであればどのような識別番号であってもよい。また、番号以外の情報であってもよい。
サーバ300は、受信機200aからの上記各情報を受信すると、図226の(b)に示すように、受信機200bに対して、受信機200aの位置と番号とを送信する。そして、サーバ300は、受信機200aからの待ち合わせの招待を受け入れるか否かを受信機200bに問い合わせる。ここで、受信機200bのユーザは、受信機200bを操作することによって、その招待を受け入れる。つまり、受信機200bは、図226の(c)に示すように、その待ち合わせを了承することをサーバ300に伝える。そして、受信機200bは、図226の(d)に示すように、自己位置推定によって得られた受信機200bの位置をサーバ300に通知する。
その結果、サーバ300は、受信機200aおよび受信機200bのそれぞれの位置を特定する。そして、サーバ300は、それぞれの位置の中間地点を待ち合わせ場所(すなわち目的地)に設定し、受信機200aおよび受信機200bに対して、その待ち合わせ場所までの経路を通知する。これにより、受信機200aおよび受信機200bのそれぞれで待ち合わせ場所までのARナビゲーションが実行される。なお、上述の例では、受信機200aおよび受信機200bのそれぞれの位置の中間地点が、目的地として設定されるが、他の場所が目的地に設定されてもよい。例えば、それぞれランドマークが設置されている複数の場所のうち、移動時間が最短となる場所が目的地に設定されてもよい。なお、移動時間は、受信機200aおよび受信機200bがその場所に到達するまでの予想時間である。
これにより、待ち合わせをスムーズに行うことができる。
ここで、受信機200aは、目的地付近に到着すると、受信機200bを有するユーザを識別するための画像を通常撮影画像に重畳してもよい。
図227は、受信機200aのディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
例えば、サーバ300は、受信機200bの位置を受信機200aに定期的に送信している。この受信機200bの位置は、受信機200bによる自己位置推定によって得られる位置である。したがって、受信機200aは、受信機200bの地図上での位置を把握している。そこで、受信機200aは、通常撮影画像において、受信機200bの位置が映し出されている場合には、図227に示すように、その位置を指し示す矢印433を通常撮影画像に重畳してもよい。なお、受信機200bも、受信機200aと同様、受信機200aの位置を指し示す矢印を通常撮影画像に重畳してもよい。
これにより、待ち合わせ場所に人が多くいる場合であっても、待ち合わせ相手を容易に見つけ出すことができる。
なお、上述の例では、矢印433などのインジケータは、待ち合わせに用いられるが、待ち合わせ以外にも用いられてもよい。受信機200bのユーザは、待ち合わせに関わらず、行き先など何かに困っている場合には、受信機200bを操作することによって、そのことをサーバ300に通知してもよい。この場合、サーバ300は、コールセンターの係員が有する受信機200aのディスプレイに、図227の例に示す画像を表示させてもよい。このとき、サーバ300は、矢印433の代わりにクエスチョンマークを表示させてもよい。これにより、そのコールセンターの係員は、受信機200bのユーザが困っていることを容易に確認することができる。
また、受信機200は、コンサートホールの内部を案内してもよい。
図228は、コンサートホールの内部を示す図である。
受信機200は、例えば図228に示すコンサートホールの内部の地図と、そのコンサートホールの入口から座席までの経路434とを、サーバから取得してもよい。例えば、受信機200は、その入口に配置された送信機100から可視光信号を受信することによって自己位置を推定し、その経路434に沿ってユーザを、そのユーザの座席まで案内する。ここで、コンサートホールの内部に階段があれば、受信機200は、加速度センサなどの出力に基づいて、ユーザが階段を何段登ったか、または、何段降りたかを特定し、その特定された段数に基づいて自己位置を更新してもよい。
また、受信機200は、上述の例では、可視光信号を受信していない場合には、特徴点の動きに基づいて自己位置推定を行ったが、通常撮影画像から特徴点を検出することができなくなった場合には、加速度センサからの出力を用いてもよい。具体的には、受信機200は、通常撮影画像から特徴点を検出することができるときに、上述のように移動距離を推定し、その移動距離と、移動中の加速度センサからの出力データとの関係を学習する。この学習には、例えばDNN(Deep Neural Network)などの機械学習が用いられてもよい。そして、受信機200は、特徴点の検出が不可能になったときに、その学習結果と、移動中の加速度センサからの出力データとを用いて、移動距離を導出する。または、受信機200は、特徴点の検出が不可能になったときには、直前の移動速度で等速に受信機200が移動していると仮定し、その仮定に基づいて移動距離を導出してもよい。
[第1の態様]
通信方法では、端末の傾きが地面に平行な面に対して所定の角度よりも大きいか否か判断し、所定の角度よりも小さいと判断し、かつ、アウトカメラで輝度変化する被写体を撮像する場合、前記アウトカメラのイメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、前記イメージセンサを用いて前記第1の露光時間で前記被写体を撮像することで、復号用画像を取得し、前記復号用画像から前記被写体が送信する第1の信号を復号できる場合には、前記復号用画像から前記第1の信号を復号し、前記第1の信号により特定される位置を取得し、前記復号用画像から前記被写体が送信する信号を復号できない場合には、前記端末に保存されており、複数の送信機の位置を含む地図情報と、端末の位置とを用いて、前記端末の位置から所定の範囲にある送信機に関連する位置を特定する。
図229は、本発明の第1の態様における通信方法の一例を示すフローチャートである。
まず、受信機200である端末は、端末の傾きが地面に平行な面に対して所定の角度よりも大きいか否か判断する(ステップSG21)。なお、地面に平行な面は、例えば水平面であってもよい。具体的には、端末は、加速度センサからの出力データを用いて端末の傾きを検出することによって、その傾きが大きいか否かを判断する。この傾きは、端末の前面または背面の傾きである。
ここで、端末は、その傾きが所定の角度よりも大きいと判断し、かつ、アウトカメラで輝度変化する被写体を撮像する場合(ステップSG21のYes)、アウトカメラのイメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定する(ステップSG22)。そして、端末は、そのイメージセンサを用いて第1の露光時間で被写体を撮像することで、復号用画像を取得する(ステップSG23)。
ここで取得される復号用画像は、端末の傾きが地面に平行な面に対して所定の角度よりも大きいときに得られた画像であるため、地面側にある被写体への撮像によって得られる画像ではない。したがって、その復号用画像の撮像では、天井側に配置されている照明装置、または、壁面に設置されているデジタルサイネージなどの、可視光信号を送信可能な送信機100が、被写体として撮像されている可能性が高い。言い換えれば、復号用画像の撮像では、送信機100からの反射光が被写体として撮像されている可能性が低い。したがって、送信機100が被写体として撮像されている可能性が高い復号用画像を適切に取得することができる。つまり、図214および図215のステップS353に示すように、床または壁からの反射光を撮像しているのか、送信機100からの直接光を撮像しているのかを、適切に判定することができる。
次に、端末は、復号用画像から被写体が送信する第1の信号を復号できるか否かを判定する(ステップSG24)。ここで、第1の信号を復号できる場合には(ステップSG24のYes)、端末は、復号用画像から第1の信号を復号し(ステップSG25)、第1の信号により特定される位置を取得する(ステップSG26)。一方、復号用画像から被写体が送信する信号を復号できない場合には(ステップSG24のNo)、端末は、その端末に保存されており、複数の送信機の位置を含む地図情報と、端末の位置とを用いて、その端末の位置から所定の範囲にある送信機に関連する位置を特定する(ステップSG27)。
これにより、図213のステップS344〜S348に示すように、例えば可視光信号である第1の信号を受信することができても、受信することができなくても、被写体となる送信機の位置を特定することができる。その結果、端末の現在の自己位置を適切に推定することができる。
[第2の態様]
第2の態様の通信方法では、前記第1の通信方法において、前記第1の露光時間は、前記イメージセンサに含まれる複数の露光ラインに対応する輝線が前記復号用画像に現れるように設定される。
これにより、復号用画像から第1の信号を適切に復号することができる。
[第3の態様]
第3の態様の通信方法では、前記第1の態様の通信方法において、前記被写体は、輝度変化により信号を送信する第1の送信機からの光が床面で反射した反射光である。
これにより、反射光の撮像によって復号用画像が得られ、その復号用画像から第1の信号を復号することできない場合であっても、第1の送信機の位置を特定することができる。
[第4の態様]
第4の態様の通信方法では、前記第1の態様の通信方法において、前記アウトカメラのイメージセンサの露光時間を、前記第1の露光時間よりも長い第2の露光時間に設定し、前記第2の露光時間で撮像することで、複数の通常画像を取得し、前記複数の通常画像から複数の空間特徴量を算出し、前記複数の空間特徴量を用いて、前記端末の位置を算出する。
なお、通常画像は、上述の通常撮影画像である。
これにより、図212の(c)および(d)に示すように、GPSのデータが届かないような地下街に端末があっても、複数の通常画像から、その端末の現在の自己位置を適切に推定することができる。なお、空間特徴量は、特徴点であってもよい。
[第5の態様]
第5の態様の通信方法では、前記第4の態様の通信方法において、前記第1の露光時間で第2の送信機を撮像することで、復号用画像を取得し、前記復号用画像から前記第2の送信機が送信する第2の信号を復号し、前記第2の信号により特定される位置を取得し、前記第2の信号により特定される位置を前記地図情報における移動開始位置とし、前記複数の空間特徴量を用いて、前記端末の移動量を算出することで、前記端末の位置を特定する。
これにより、図212の(a)に示すように移動開始位置である起点からの移動量に基づいて端末の位置が特定されるため、より正確な自己位置推定を行うことができる。
本発明の通信方法は、多様な機器間の通信を行うことができるという効果を奏し、例えば、スマートフォン、グラスまたはタブレットなどの表示装置等に利用できる。
G20 通信装置
G21 判断部
G22 第1の取得部
G23 第2の取得部

Claims (20)

  1. イメージセンサを備えた端末を用いた通信方法であって、
    前記端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断し、
    前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、前記復号用画像に現れる縞模様から、前記被写体が送信する第1の識別情報を取得し、
    前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記イメージセンサにより、前記被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、前記撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、前記少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、前記特定領域のラインパターンから前記被写体が送信する第2の識別情報を取得する、
    通信方法。
  2. 前記特定領域の特定では、
    所定の大きさ以上の四角形の輪郭を有する領域、または、所定の大きさ以上の角丸四角形の輪郭を有する領域を、前記特定領域として特定する、
    請求項1に記載の通信方法。
  3. 前記可視光通信の判断では、
    前記端末が露光時間を所定の値以下に変更することができる端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能であると判断し、
    前記端末が露光時間を前記所定の値以下に変更することができない端末であると特定した場合に、可視光通信を行うことが可能でないと判断する、
    請求項1に記載の通信方法。
  4. 前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの露光時間を第1の露光時間に設定し、前記第1の露光時間で前記被写体を撮像することで、前記復号用画像を取得し、
    前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの露光時間を第2の露光時間に設定し、前記第2の露光時間で前記被写体を撮像することで、前記撮像画像を取得し、
    前記第1の露光時間は、前記第2の露光時間よりも短い、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の通信方法。
  5. 前記被写体は、前記イメージセンサから見て矩形形状であり、当該被写体の中心領域が輝度変化することにより、前記第1の識別情報を送信し、当該被写体の周縁にバーコード状のラインパターンが配置されており、
    前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記イメージセンサの有する複数の露光ラインに対応する複数の輝線から構成される輝線パターンを含む前記復号用画像を取得し、前記輝線パターンを復号することによって前記第1の識別情報を取得し、
    前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記被写体を撮像するときには、前記撮像画像の前記ラインパターンから前記第2の識別情報を取得する、
    請求項4に記載の通信方法。
  6. 前記復号用画像から得られる前記第1の識別情報と、前記ラインパターンから得られる前記第2の識別情報は、同一の情報である、
    請求項5に記載の通信方法。
  7. 前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記第1の識別情報に関連付けられている第1の動画像を表示し、
    前記第1の動画像をスライドさせる操作を受け付けると、前記第1の動画像の次に前記第1の識別情報に関連付けられている第2の動画像を表示する、
    請求項1に記載の通信方法。
  8. 前記第2の動画像の表示では、
    前記第1の動画像を横方向にスライドさせる操作を受け付けると、前記第2の動画像を表示し、
    前記第1の動画像を縦方向にスライドさせる動作を受け付けると、前記第1の識別情報に関連付けられている静止画像を表示する
    請求項7に記載の通信方法。
  9. 前記第1の動画像および前記第2の動画像のそれぞれにおいて、最初に表示されるピクチャ内のオブジェクトは同一の位置にある
    請求項8に記載の通信方法。
  10. 前記イメージセンサによる撮像によって前記第1の識別情報を再び取得したときには、表示されている動画像の次に前記第1の識別情報に関連付けられている次の動画像を表示する、
    請求項7または8に記載の通信方法。
  11. 前記表示されている動画像および前記次の動画像のそれぞれにおいて、最初に表示されるピクチャ内のオブジェクトは同一の位置にある、
    請求項10に記載の通信方法。
  12. 前記第1の動画像および前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像は、前記動画像内の位置が前記動画像の端に近いほど、当該位置における透明度が高くなるように形成されている、
    請求項11に記載の通信方法。
  13. 前記第1の動画像および前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像が表示される領域の外に、画像を表示する
    請求項12に記載の通信方法。
  14. 前記イメージセンサによる第1の露光時間による撮像によって、通常撮影画像を取得し、
    前記第1の露光時間よりも短い第2の露光時間による撮像によって、複数の輝線のパターンからなる領域である輝線パターン領域を含む前記復号用画像を取得し、前記復号用画像に対する復号によって前記第1の識別情報を取得し、
    前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記通常撮影画像から、前記復号用画像における前記輝線パターン領域と同一の位置にある基準領域を特定し、
    前記基準領域に基づいて、前記通常撮影画像において前記動画像が重畳される領域を対象領域として認識し、前記対象領域に前記動画像を重畳する
    請求項7に記載の通信方法。
  15. 前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記通常撮影画像における、前記基準領域の上、下、左または右の領域を前記対象領域として認識する、
    請求項14に記載の通信方法。
  16. 前記第1の動画像または前記第2の動画像のうちの少なくとも一方の動画像の表示では、前記輝線パターン領域のサイズが大きいほど、前記動画像のサイズを大きくする、
    請求項14に記載の通信方法。
  17. イメージセンサを備えた端末を用いた通信装置であって、
    前記端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断する判断部と、
    前記判断部において、前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断された場合に、前記イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、前記復号用画像に現れる縞模様から前記被写体が送信する第1の識別情報を取得する第1の取得部と、
    前記判断部において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断された場合に、前記イメージセンサにより、前記被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、前記撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、前記少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、前記特定領域のラインパターンから前記被写体が送信する第2の識別情報を取得する第2の取得部とを備える、
    通信装置。
  18. 照明板と、
    前記照明板の背面側から光を照射する光源と、
    前記光源の輝度を変化させるマイクロコントローラと、を備え、
    前記マイクロコントローラは、前記光源を輝度変化させることにより、前記光源から前記照明板を介して第1の識別情報を送信し、
    前記照明板の前面側の周辺にバーコード状のラインパターンが配置されており、前記ラインパターンに第2の識別情報が符号化されており、
    前記第1の識別情報と、前記第2の識別情報は、同じ情報である、
    送信機。
  19. 前記照明板の形状は、矩形形状である、
    請求項18に記載の送信機。
  20. イメージセンサを備えた端末を用いた通信方法を実行するためのプログラムであって、
    前記端末が可視光通信を行うことが可能か否かを判断し、
    前記端末が可視光通信を行うことが可能と判断した場合に、前記イメージセンサにより、輝度変化する被写体を撮像することにより、復号用画像を取得し、前記復号用画像に現れる縞模様から前記被写体が送信する第1の識別情報を取得し、
    前記可視光通信の判断において、前記端末が可視光通信を行うことが可能でないと判断した場合に、前記イメージセンサにより、前記被写体を撮像することによって撮像画像を取得し、前記撮像画像のエッジ検出を行うことで、少なくとも1つの輪郭を抽出し、前記少なくとも1つの輪郭の中から、所定の特定領域を特定し、前記特定領域のラインパターンから前記被写体が送信する第2の識別情報を取得する、
    ことをコンピュータに実行させるプログラム。
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