JP2020165967A - 放射線撮像装置 - Google Patents

放射線撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020165967A
JP2020165967A JP2020046141A JP2020046141A JP2020165967A JP 2020165967 A JP2020165967 A JP 2020165967A JP 2020046141 A JP2020046141 A JP 2020046141A JP 2020046141 A JP2020046141 A JP 2020046141A JP 2020165967 A JP2020165967 A JP 2020165967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
radiation imaging
imaging apparatus
measurement
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020046141A
Other languages
English (en)
Inventor
優樹 佐藤
Masaki Sato
優樹 佐藤
建男 鳥居
Takeo Torii
建男 鳥居
敏和 鈴木
Toshikazu Suzuki
敏和 鈴木
和宏 恩田
Kazuhiro Onda
和宏 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Atomic Energy Agency
Chiyoda Technol Corp
Original Assignee
Japan Atomic Energy Agency
Chiyoda Technol Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Atomic Energy Agency, Chiyoda Technol Corp filed Critical Japan Atomic Energy Agency
Publication of JP2020165967A publication Critical patent/JP2020165967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】高線量率の環境下において、広い視野、高い角度分解能かつ高効率でγ線の入射方向を検知する。【解決手段】この放射線検出部30においては、基台20の表面を構成する素子載置面20A〜20Fに、放射線検出素子10が24個ずつ配置されている。基台20において、正5角形の形状の平面である素子載置面20A〜20Fは、正12面体における辺を共有するように互いに隣接するため、これらによって連続的に表面が形成される。放射線検出素子10は、コンプトンカメラである。【選択図】図2

Description

本発明は、放射性物質の空間分布を認識するために放射線を撮像する放射線撮像装置に関する。
放射性物質(線源)の空間分布を測定するためには、この放射性物質が発するγ線を撮像する撮像装置が有効である。これにより得られたγ線の強度を空間中の各点(あるいはγ線の入射方向)と対応させることによって、この放射性物質の空間分布を認識することができる。しかしながら、可視光等とは異なり、γ線に対してはレンズ等の屈折光学素子や鏡等の反射光学素子が実質的に存在せず、結像光学系を形成することができないため、可視光と同様の撮像装置を実現することは極めて困難である。
このため、このような結像光学系を用いないγ線の撮像装置として、例えば、特許文献1に記載されたような、コンプトンカメラが知られている。コンプトンカメラにおいては、1層目となる散乱層、2層目となる吸収層のそれぞれにおいて、γ線光子1個の入射位置と、これによるγ線光子の吸収エネルギーが測定される。散乱層、吸収層は互いに平行な平板状とされる。これらの吸収エネルギーが測定されることによって、このγ線光子の散乱層による散乱角が算出できる。1回の検出では、入射したγ線光子の入射方向はこの散乱角に対応した方向に限定されるが、ここで求まるのは散乱角の絶対値のみであり、入射方向は空間分布における散乱角θに対応する円周(円錐:コンプトンコーン)上にある。このため、この場合には散乱方向が定まらず、入射したγ線の入射方向は一義的には定まらない。しかしながら、同一箇所から再びγ線光子が発せられ、これが再び同様に検出された場合には、再び同様のコンプトンコーンを認識することができ、散乱層による散乱方向が1回目と異なれば、これらのコンプトンコーンの重複(交差)箇所がこの入射方向として認識される。この原理によって、結像光学系を用いずに、γ線の撮像を行なうことができる。
また、高感度のγ線検出器としては、γ線光子の吸収に伴って可視光の発光をするシンチレータと、この発光を検出する光電子増倍管とを組み合わせた方式のものが知られている。特許文献2、3には、γ線光子の入射方向を狭い範囲に制限するコリメータやシンチレータを球面上の異なる箇所に多数分散させ、球面上における位置に対応した狭い角度範囲となる入射方向のγ線を各シンチレータが吸収し、このシンチレータの発光を検出することによって、γ線光子の入射方向を認識する検出器が記載されている。この場合においては、配列されたコリメータやシンチレータが撮像に際しての画素に対応する。
特開2010−48699号公報 特開2004−170116号公報 特開2017−20820号公報
原子力発電所の事故現場等においては、放射性物質が極めて広い範囲に飛散しており、この広い範囲の中でその空間分布を測定することが要求される。この際、線量率の高い環境下でこの測定は行われるため、速やかな測定が可能なように、測定効率が高いことも要求される。あるいは、移動体(自動車等)によりこの検出器を移動させてその測定を行うことが必要となる場合もある。このような測定に際しては、上記のような放射線(γ線)撮像装置において、その視野角を広くとる必要があり、その中でγ線の入射方向を正確に認識できる、すなわち高い角度分解能をもつことが要求される。この際、視野は例えば半球状とすることが好ましい。
こうした点において、特許文献1に記載されたようなコンプトンカメラは、検出したイベント数が多ければ入射方向を高精度で認識することができるものの、視野を広くとることは困難であった。このため、実際に上記のように広い視野を確保するためには、コンプトンカメラの視野を逐次移動させることが必要となるため、効率的な測定は困難であった。あるいは、このように視野を機械的に切り替えるための機構、例えばコンプトンカメラを回転させる機構が必要となった。
一方、特許文献2、3に記載されたような検出器の場合には、広い視野を確保することは可能であるが、その視野は、配列されたコリメータ、シンチレータの数に依存し、広い視野を得るためには、配列されたコリメータ、シンチレータ配置数を多くすることが必要となる。その際は、特に高線量率の環境下では、画素を制限するための遮蔽体を多く配置する必要があり、これにより構造が複雑となり全体の重量も重くなる。これらが付帯装備された測定機器を屋外で移動させて測定作業することは困難である。また、複雑な構造はその製造も容易ではなく、保守メンテナンスも容易でない。
すなわち、高線量率の環境下において、広い視野、高い角度分解能かつ高効率でγ線の入射方向を検知できることが望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の放射線撮像装置は、放射線の強度及び入射方向を検出する放射線検出素子を用いて放射性物質の空間分布を測定する放射線撮像装置であって、前記放射線検出素子は、平板状の散乱層及び吸収層を具備し、検出対象となる放射線の前記散乱層における平面内の入射位置、前記散乱層によって散乱後の放射線の前記吸収層における平面内の入射位置、当該検出対象となる放射線の前記散乱層におけるエネルギー損失、及び当該散乱後の放射線の前記吸収層におけるエネルギー損失に基づき、当該検出対象となる放射線の前記散乱層への入射方向が算出されるコンプトンカメラであり、多面体の表面を構成するように形成された、異なる向きの複数の多角形の平面である複数の素子載置面を有する基台を具備し、前記基台における複数の前記素子載置面の各々に、前記放射線検出素子が配されたことを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、単一の前記素子載置面に、視野を共通とした複数の前記放射線検出素子が配されたことを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、前記基台において、複数の前記素子載置面は、前記多面体における辺を共有して隣接する複数の表面に対応して形成されたことを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、測定が行われた際の自身の存在する位置、日時のうちの少なくともいずれかを認識する測定状況認識部と、当該測定による測定結果を記憶する記憶部と、前記測定状況認識部によって認識された前記位置、前記日時のうちの少なくともいずれかと前記測定結果を対応させて前記記憶部に記憶させる制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、複数種類の放射性核種が発するγ線のエネルギースペクトルに関する情報に基づき、前記放射線検出素子によって検出された、特定の入射方向における特定のエネルギー範囲のγ線の検出強度より、線量率を算出する線量率算出部を具備することを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、前記放射線撮像装置で撮像される対象物からの光による情報を取得する光学計測部を具備することを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置は、前記入射方向毎に、前記放射線検出素子における特定のエネルギー範囲のγ線の検出強度と、前記光学計測部による前記情報とを共に画像化して表示する表示部を具備することを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置において、前記光学計測部は、光を用いた計測によって前記対象物までの距離を算出することを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置において、前記検出強度は、前記入射方向における前記コンプトンカメラによって得られる複数のコンプトンコーンの重複の度合いとして認識され、前記検出強度が前記距離に応じて前記対象物の表面での値に換算された上で、前記入射方向に対してマッピング表示されることを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置において、前記散乱層及び前記吸収層は、シンチレータと、当該シンチレータからの発光を検出する光検出器とで構成されたことを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置において、前記散乱層及び前記吸収層における前記シンチレータは、板状の結晶で構成され、前記散乱層における前記シンチレータは、前記吸収層における前記シンチレータよりも薄く構成されたことを特徴とする。
本発明の放射線撮像装置において、前記散乱層及び前記吸収層は、共に半導体材料中で前記放射線を検出する半導体検出器を具備することを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、広い視野、高い角度分解能かつ高効率でγ線の入射方向を検知することができる。
本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置において用いられる放射線検出部の構成を示す上面図である。 本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置において用いられる放射線検出素子の構造及び動作を示す図である。 本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置において用いられる光学計測部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置が使用される際の態様の例を示す図である。 本発明の実施例による137Csのマッピング結果である。
以下、本発明の実施の形態に係る放射線撮像装置について説明する。図1は、この放射線撮像装置1の構成を示すブロック図である。この放射線撮像装置1においては、特に入射したγ線(放射線)を検出し、その到来方向(入射方向:線源の空間的位置)とエネルギー(エネルギースペクトル)を認識するために、放射線検出部30が設けられている。放射線検出部30は、複数の放射線検出素子10と、全ての放射線検出素子10の出力を認識し、γ線の検出された素子の位置情報と吸収エネルギーを出力する信号処理部31を具備する。
図2は、放射線検出部30の構成を示す上面図である。この放射線検出部30においては、基台20の表面を構成する素子載置面20A〜20Fに、放射線検出素子10が24個ずつ配置されている。基台20において、正5角形の形状の平面である素子載置面20A〜20Fは、正12面体における辺を共有するように互いに隣接するため、これらによって連続的に表面が形成される。具体的には、素子載置面20Aが最上部で水平方向となるように配置され、素子載置面20B〜20Fは、素子載置面20Aにおける各辺と自身の一辺とを共有させて正12面体の一部を構成させるように設けられている。このため、素子載置面20A〜20Fは、正12面体における対向する平行な2つの表面を水平方向とした場合に、正12面体の上側半分を構成するように設けられる。この正12面体の大きさは、例えば半径1m程度とすることができる。
図3は、単一の放射線検出素子10の構成を示す構成図である。この放射線検出素子10は、特許文献1に記載された検出器と同様のコンプトンカメラである。この放射線検出素子10においては、上段の散乱層11、下段の吸収層12が用いられる。散乱層11、吸収層12は、共にγ線の吸収により可視光の発光をするシンチレータと、この発光を検知してパルス出力をすると共に、この発光の平面内における位置も認識することができる2次元光検出器(光検出器)とが組み合わせて用いられる。2次元光検出器においては、発光を検知する度にパルス出力をする共に、発光の入射位置が認識される。このパルス出力におけるパルス高は、入射したγ線からシンチレータが吸収したエネルギーに対応する。素子内信号処理部13は、このエネルギーと、各光検出器における発光の検出(入射)位置を認識する。
ここで、散乱層11ではγ線光子の一部のエネルギーのみが吸収され、吸収層12ではγ線光子の残りのエネルギーの大部分が吸収されるように設定される。散乱層11においては、シンチレータ11Aと2次元光検出器11Bが用いられ、入射γ線γ0が散乱層11(シンチレータ11A)で散乱されて散乱γ線γ1となる。この際に入射γ線γ0からシンチレータ11Aが吸収したエネルギーに対応する光子数の可視光の発光P1が発せられ、これが2次元光検出器11Bで検出される。同様に、吸収層12においては、シンチレータ12Aと2次元光検出器12Bが同様に組み合わせて用いられ、散乱γ線γ1からシンチレータ12Aが吸収したエネルギーに対応する光子数の可視光の発光P2が発せられ、これが2次元光検出器12Bで検出される。
シンチレータ11A、12Aとしては、例えば平板状のGAGG(ガドリニウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット)結晶が用いられる。ただし、前記のようにγ線エネルギーの散乱層11における吸収を小さく、吸収層12における吸収を大きくするために、シンチレータ11Aは薄く(例えば7mm厚)、シンチレータ12Aは厚く(例えば20mm厚)とされる。2次元光検出器11B、12Bとしては同一仕様の位置検出型シリコン光電子増倍管が特に好ましく用いられる。2次元光検出器11B、12Bは可視光を検出するために薄く設けられ、これらによるγ線エネルギーの吸収は無視できる。
散乱層11(シンチレータ11A)においては、γ線光子の散乱は主に電子によるコンプトン散乱であるため、これによるエネルギーの損失E1と散乱角θの間には一定の関係がある。また、散乱後のγ線γ1の残りのエネルギーが吸収層12で吸収されるものとすると、吸収層12でのエネルギー損失をE2として、散乱角θは、電子質量をm、光速度をcとして、(1)式で与えられる。E1は2次元光検出器11Bのパルス出力より、E2は2次元光検出器12Bのパルス出力より、それぞれ素子内信号処理部13が認識する。
図3において、2次元光検出器11B、12Bにおいては光の入射位置が認識されるため、素子内信号処理部13は、散乱層11で散乱後のγ線γ1の方向を認識することができる。ここで、散乱角θは(1)式で定まるが、ここで定まるのは散乱角θの絶対値であるため、入射γ線γ0の方向は散乱後のγ線γ1の周りの角度θの円錐面(コンプトンコーン)上のいずれかとなり、一義的には定まらない。ただし、同一方向(空間内の一点にある線源)から再び発せられたγ線光子を同様に検知し、これによって前記と異なるコンプトンコーンが認識された場合には、この線源の方向を、これらのコンプトンコーンの交点として認識することができる。図3において、素子内信号処理部13は、入射γ線γ0の入射毎にこのように散乱後のγ線γ1の方向とθ(コンプトンコーン)を認識することによって、入射γ線γ0の方向を認識する。また、各放射線検出素子10において、前記のように散乱γ線γ1が吸収層12で完全に止められる(散乱γ線γ1のエネルギーが全て吸収される)ものとすると、入射γ線γ0のエネルギーはE1+E2となる。この際、多くのγ線光子の検出に際しては、上記のコンプトンコーンが多く得られ、この重複の度合いが高い方向(2次元画像中の位置)においては、特にγ線強度が大きい(高線量である)と認識される。このため、例えばコンプトンコーンの交点の密度がγ線強度に対応し、これを例えばカラー表示(カラーコンター表示)することによって、γ線強度分布を2次元画像で可視化(マッピング)することができる。また、図1の場合において1つのγ線光子から放射線検出素子10が吸収したエネルギー(E1+E2)がこのγ線のエネルギーと等しいとすると、ある特定の放射性核種(例えば137Cs)が発するγ線のエネルギーと等しいγ線の検出結果のみに基づき、このマッピングを行なえば、この放射性核種のマッピングを行うことができる。
このように、放射線検出素子10は入射γ線γ0の入射方向、エネルギーを認識することができるが、その視野は図3における散乱層11、吸収層12の水平方向の幅等で限定され、これらはシンチレータや2次元光検出器の大きさで定まる。このため、例えばこの視野を例えば半球状(視野角=180°)にすることは極めて困難である。これに対して、各放射線検出素子10を図2に記載されるように配置すれば、素子載置面20A〜20Fの各々に配置された放射線検出素子10の視野は素子載置面毎に定まり、視野の中心は隣接する素子載置面の間で一定値だけずれる。このため、図1の構成によって、全体としては半球状の広い視野が得られる。
また、図2における素子載置面20A〜20Fは、正12面体を構成する表面であるため、前記の基台20は、実際には正12面体を形成することによって得られる。その後、基台20の内部に信号処理部31を配置し、各素子載置面に図2に示されたように放射線検出素子10を配置して接続することによって、前記の放射線検出部30を容易に得ることができる。
ここで、入射γ線γ0の入射方向、エネルギーを放射線検出素子10で認識するためには、入射γ線γ0の1個のγ線光子に対する2次元光検出器11Bの出力、及びこれに対応した散乱後のγ線γ1による2次元光検出器12Bのパルス出力が適正に認識できることが要求される。このγ線光子の単位時間当たりの入射個数(カウント数)が多すぎる場合には、上記のような2次元光検出器11B、12Bのパルス出力の認識が困難となる場合があるため、単一の放射線検出素子10におけるカウント数は、一定値以下であることが要求される。一方、γ線の検出効率を高めるためには、図2における単一の素子載置面における素子面積(散乱層11、吸収層12の面積)を大きくとり、検出効率を高くして、カウント数を大きくすることが好ましい。
図1の構成においては、単一の素子載置面に配置され同一の視野をもつ複数の放射線検出素子10を多数設けたことによって、単一の放射線検出素子10のカウント数を小さくすることができ、線量率が高い場合にも、個々の放射線検出素子10における上記の認識がしやすくなる。ただし、上記のような認識が可能な限りにおいて、図3における素子内信号処理部13を、複数(例えば4つ)の放射線検出素子10について共通としてもよい。
図1において、制御部40は、上記のように認識された入射γ線γ0の到来方向(空間分布)を認識し、これを表示部50(ディスプレイ)で、例えば空間画像中の点として表示させることができる。この画像における点が密集した場所が高い線量率の線源に対応すると認識することができる。この表示は、例えば検出されたγ線光子のエネルギー毎、あるいは一定のエネルギー範囲毎に行わせることができる。この場合、例えば特定された放射性核種の発するγ線スペクトルにおけるピーク付近のエネルギーでこの表示を行わせれば、この表示はこの放射性核種の空間分布に対応する。
ここで、線源として想定される放射性核種が予め限定されている場合には、この放射性核種の発するγ線のエネルギースペクトルより、上記のような一定エネルギー範囲内のカウント数から、一定時間(例えば1年)における線量率を算出することができる。図1における線量率算出部60は、このような予め想定される放射性核種の発するγ線のエネルギースペクトルを基にして、一定のエネルギー範囲のカウント数から、この放射線撮像装置1がある場所における線量率を算出することができる。
また、図1において、制御部40には、光学計測部70も接続される。図4は、光学計測部70の構成及び動作を示すブロック図である。光学計測部70は、周知のライダー(Lidar)装置として機能する。光学計測制御部71は、レーザー光源72を制御してパルス状かつビーム状のレーザー光Lを特定の方向に向けて発する。このレーザー光Lが対象物Obの表面に照射された際の拡散反射光等である戻り光Rが、受光部73で検出される。光学計測制御部71は、レーザー光Lが対象物Ob表面を走査するように制御し、これに応じた戻り光Rの受光部73による検出強度を認識することができる。
また、レーザー光Lがパルス状に発振されるため、戻り光Rもこれに対応したパルス状となる。光学計測制御部71は、レーザー光Lと戻り光Rの時間差を解析することによって、光学計測部70(放射線撮像装置1)と対象物Obにおけるレーザー光Lが照射された箇所との間の距離を認識することができる。この距離も戻り光Rの検出強度と同様にレーザー光Lの走査に応じて認識することができる。
このため、図1の構成においては、表示部50において前記のようにγ線強度の空間分布を表示させると共に、戻り光Rの強度分布も表示させることができる。これらの表示を空間位置が対応するように重複させて表示部50に表示させることができる。戻り光Rの強度の空間分布は、測定対象物(建物等)の表面構造等を反映し、可視光による画像と類似する。一方、前記のように、放射線検出部30によって得られたコンプトンコーンの重複の度合い(例えば交点の密度)は、γ線強度の空間分布(放射性物質の分布)を反映する。これらの画像を重複させて表示部50で表示させることによって、放射性物質の分布(その局在の状況)を容易に認識することができる。これらの画像データ、あるいは画像データの基になった実測データは、図1における記憶部90に記憶させることができる。記憶部90は、 ハードディスクや不揮発性メモリ等で構成される。
一方、前記のように、光学計測部70によって、制御部40は、対象物Obまでの距離を認識することができる。このため、制御部40は、例えば前記の画像におけるγ線強度が高い領域(線源)までの距離も認識することができ、これを前記の戻り光Rの強度の代わりに画像化して表示させることもできる。この場合、制御部40は、このγ線強度が高い領域の実際の大きさも認識することができる。前記のように、γ線強度はコンプトンコーンの交点の密度に対応するが、この際に、このように密度の高い箇所に対応する距離を用いてこのγ線強度を補正した(例えばこの密度に距離の2乗を乗じた)上で、前記と同様にマッピングした場合には、このマッピング画像は、対象物Ob上の実際のγ線強度に対応する。前記のようにこのマッピングを特定の放射性核種について行えば、このマッピング結果は、対象物Ob上におけるこの放射性核種の分布を反映する。このため、単にγ線あるいはこれを発する放射性物質を測定する(撮像する)だけでなく、戻り光Rの検出強度や対象物Obまでの距離を認識できる光学計測部70を用いることが特に好ましい。
上記のように、この放射線撮像装置1は、線源の空間分布を実画像に対応させて表示部50で表示させることができる。この際、放射線撮像装置1自身の位置や日時を正確に認識できることがより好ましい。このため、図1において、GPS(Global Positioning System)信号を受信することによって自身の位置を認識すると共に現在の日時を認識する測定状況認識部80も用いられる。これによって、制御部40は、放射線撮像装置1自身の位置情報、日時と、この位置、日時において取得された前記の画像データ(γ線強度及び光学計測部70による画像等)を対応付けて、記憶部90に記憶させることができる。
図5は、この放射線撮像装置1が使用される際の形態の例を模式的に示す図である。ここで、この放射線撮像装置1は、地上G上を走行する移動体(車両)Mに搭載されている。ここでは、上部の対象物Ob表面の線源RRが前記のように放射線検出部30、光学計測部70によって撮像されている。移動体Mの移動に際して、この測定結果(画像データ等)を記憶部90に記憶させることができる。移動体Mの移動は、有人あるいは遠隔操作により行わせることができる。前記のように、放射線検出部30は半球状の視野をもつため、こうした態様で使用することができ、移動体Mを移動させることによって放射線検出部30の視野(対象物Obにおいて撮像される場所)は変動する。このため、広い範囲でこのような画像を得ることができる。この際、制御部40は、移動体M及び放射線撮像装置1の移動と共に、測定状況認識部80によって、測定データと共にこの測定が行われた際の位置情報や日時を記憶部90に記憶させることができる。これによって、後で記憶部90から測定データを読み出して放射性物質分布や線量率等を画像化して再構成する際に、この画像がどの場所で得られたものかを容易に認識することができる。なお、この際に位置情報、日時のいずれか一方のみを認識、記憶させてもよい。
結像光学系が用いられずに上記の基台20が用いられた放射線検出部30を用いることにより、放射線撮像装置1をこのように車両Mに搭載可能な形態とすることができ、上記のように測定を行うことができる。この際、γ線の入射方向の角度分解能は、放射線検出素子10(コンプトンカメラ)で定まるため高く、局所的に分布する線源を認識することができる。
図6は、図5の構成において、前記のような特定の放射性核種を137Csとした場合のマッピング結果を示す。ここでは、光学計測部70(ライダー装置)によって得られた画像と、放射線撮像装置1によって得られたγ線検出強度の値を用いたマッピング結果とが重複されて表示されている。ここで、137Csを搭載した車両の識別が可能である。
図2の構成においては、基台20における素子載置面20A〜20Fが正12面体を構成する表面とされた。しかしながら、同様の効果を奏する限りにおいて、他の多面体形状の表面を用いることができる。この際、基台あるいは放射線検出部の大きさが同一である場合には、面の数が多い多面体とし場合には単一の素子載置面の面積は小さくなるため、単一の素子載置面での検出効率は低くなる。一方、この場合には隣接する素子載置面上の放射線検出素子の視野の違いは小さくなるため、単一の放射線検出素子の視野を小さく設定することができる。このため、基台の形状は、放射線検出素子の構成等に応じて適宜設定される。いずれの場合においても、基台の形状を正多面体を基にした形状とする場合には、その製造が容易であり、かつ各素子載置面を同一の形態とすることができるため、好ましい。この際、素子載置面を、多面体における辺を共有して隣接する複数の表面とすれば、空間上の一領域(例えば半球状の領域)を連続的な視野範囲とすることができる。また、上記の例では正12面体における6つの面を素子載置面とすることにより半球状の視野範囲を得たが、視野範囲は素子載置面の数で定まり、この数を増やすことによって、半球状よりも広い視野範囲とすることもできる。
また、上記の例では、放射線検出素子(コンプトンカメラ)10における散乱層、吸収層として、シンチレータと2次元光検出器とが組み合わされたものが用いられ、シンチレータとして、同一の材料(GAGG)で構成され散乱層、吸収層で異なる厚さのものが用いられた。しかしながら、散乱層、吸収層で、異なる材料のシンチレータを用いてもよい。更に、上記と同様に機能する散乱層、吸収層であれば、他の構成のものを用いてもよい。例えば、半導体材料中でγ線を検出する半導体検出器を散乱層、吸収層として用いることができ、散乱層、吸収層で異なる半導体材料を用いてもよい。
また、上記の例では、光学計測部70としてライダーが用いられたが、対象物側からの光によって得られる情報(光学的情報)を得ることができる限りにおいて、他の構成の光学計測部を用いることもできる。例えば、対象物までの距離の認識は困難であるが、単に可視光での撮像を行う撮像装置を光学計測部として用いても、前記のような画像表示が可能である。この際、対象物までの距離を測定する測距手段を撮像装置とは別に設けてもよい。
1 放射線撮像装置
10 放射線検出素子
11 散乱層
11A、12A シンチレータ
11B、12B 2次元光検出器(光検出器)
12 吸収層
13 素子内信号処理部
20 基台
20A〜20F 素子載置面
30 放射線検出部
31 信号処理部
40 制御部
50 表示部
60 線量率算出部
70 光学計測部
71 光学計測制御部
72 レーザー光源
73 受光部
80 測定状況認識部
90 記憶部
G 地上
L レーザー光(照射光)
M 移動体
R 戻り光
Ob 対象物
RR 線源
γ0 入射γ線
γ1 散乱後のγ線

Claims (12)

  1. 放射線の強度及び入射方向を検出する放射線検出素子を用いて放射性物質の空間分布を測定する放射線撮像装置であって、
    前記放射線検出素子は、平板状の散乱層及び吸収層を具備し、検出対象となる放射線の前記散乱層における平面内の入射位置、前記散乱層によって散乱後の放射線の前記吸収層における平面内の入射位置、当該検出対象となる放射線の前記散乱層におけるエネルギー損失、及び当該散乱後の放射線の前記吸収層におけるエネルギー損失に基づき、当該検出対象となる放射線の前記散乱層への入射方向が算出されるコンプトンカメラであり、
    多面体の表面を構成するように形成された、異なる向きの複数の多角形の平面である複数の素子載置面を有する基台を具備し、
    前記基台における複数の前記素子載置面の各々に、前記放射線検出素子が配されたことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 単一の前記素子載置面に、視野を共通とした複数の前記放射線検出素子が配されたことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記基台において、複数の前記素子載置面は、前記多面体における辺を共有して隣接する複数の表面に対応して形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  4. 測定が行われた際の自身の存在する位置、日時のうちの少なくともいずれかを認識する測定状況認識部と、
    当該測定による測定結果を記憶する記憶部と、
    前記測定状況認識部によって認識された前記位置、前記日時のうちの少なくともいずれかと前記測定結果を対応させて前記記憶部に記憶させる制御部と、
    を具備することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  5. 複数種類の放射性核種が発するγ線のエネルギースペクトルに関する情報に基づき、前記放射線検出素子によって検出された、特定の入射方向における特定のエネルギー範囲のγ線の検出強度より、線量率を算出する線量率算出部を具備することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記放射線撮像装置で撮像される対象物からの光による情報を取得する光学計測部を具備することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記入射方向毎に、前記放射線検出素子における特定のエネルギー範囲のγ線の検出強度と、前記光学計測部による前記情報とを共に画像化して表示する表示部を具備することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記光学計測部は、光を用いた計測によって前記対象物までの距離を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記検出強度は、前記入射方向における前記コンプトンカメラによって得られる複数のコンプトンコーンの重複の度合いとして認識され、前記検出強度が前記距離に応じて前記対象物の表面での値に換算された上で、前記入射方向に対してマッピング表示されることを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記散乱層及び前記吸収層は、シンチレータと、当該シンチレータからの発光を検出する光検出器とで構成されたことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記散乱層及び前記吸収層における前記シンチレータは板状の結晶で構成され、前記散乱層における前記シンチレータは、前記吸収層における前記シンチレータよりも薄く構成されたことを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記散乱層及び前記吸収層は、共に半導体材料中で前記放射線を検出する半導体検出器を具備することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
JP2020046141A 2019-03-29 2020-03-17 放射線撮像装置 Pending JP2020165967A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019066561 2019-03-29
JP2019066561 2019-03-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020165967A true JP2020165967A (ja) 2020-10-08

Family

ID=72716055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020046141A Pending JP2020165967A (ja) 2019-03-29 2020-03-17 放射線撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020165967A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10838085B2 (en) Compact directional radiation detector system
JP5918093B2 (ja) 放射線測定装置及び放射線測定方法
US9709684B2 (en) Systems and methods for scintillators having micro-crack surfaces
US10473794B2 (en) Radiation detection device and method
CN105510952B (zh) 飞行模式CdZnTe巡检系统和巡检方法
CN104823073B (zh) 用于探测伽玛辐射的系统如伽玛摄像机和方法
Wojcik et al. High spatial resolution gamma imaging detector based on a 5" diameter R3292 Hamamatsu PSPMT
US8519343B1 (en) Multimode imaging device
JP2016515204A5 (ja)
US10401510B2 (en) Gamma ray detector with two-dimensional directionality
JP5700319B1 (ja) 放射線源可視化装置及び放射線源可視化方法
US9383457B2 (en) Detector for detecting the traces of ionizing particles
US9864073B1 (en) Systems and methods for controlling optical coupling between scintillator crystals
EP3674752B1 (en) Detector system and radiation imaging device
US6335957B1 (en) Variable resolution imaging system
US9612344B2 (en) Positron emission tomography and single photon emission computed tomography based on intensity attenuation shadowing methods and effects
KR100251064B1 (ko) 방사선 분포 3차원 측정 장치 및 방법
JP2020165967A (ja) 放射線撮像装置
JPH0627819B2 (ja) 放射線量率の分布測定方法及び装置
Sato et al. Detailed visualization of radioactive hotspots inside the unit 1 reactor building of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station using an integrated Radiation Imaging System mounted on a Mecanum wheel robot
JP6808214B2 (ja) 放射線計測装置
RU2782169C1 (ru) Устройство для визуализации гамма-излучения и способ такой визуализации
RU50314U1 (ru) Устройство для радиографии и томографии
CN116263415A (zh) 一种模块化背散射成像仪
Soundara-Pandian et al. Combined gamma-ray/neutron imaging system for detecting nuclear material