JP2020165494A - 管端部用保護具 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール性が向上した管端部用保護具を提供する。【解決手段】流体通路31aを有する管端部に着脱可能に装着される管端部用保護具1であって、筒状部2と、管端部の内周壁面31bに圧接係合する複数の外突部3と、筒状部に一体に形成された環状つば部4と、外周面とつば部4との境界に、外周面から環状つば部に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜した外周テーパ面5と、を備える。外周テーパ面5の外周は、外突部3より外側に位置し、かつ、内周壁面31bの内径よりも大きい。環状つば部4は、環状端面に対面する第1面4aと、第1面4aと反対側の第2面4bと、第2面4bの外突部3に対応する位置に設けられたリブ状肉厚部9と、を備える。リブ状肉厚部9は、開口側の縁部から外周縁部に向かって延在する。【選択図】図2
Description
本発明は、管端部に取り付けられ管内への異物の侵入を防止するとともに管端部のシール面を保護する管端部用保護具に関する。
各種の管状製品や管に接続する製品、例えばバルブ、ストレーナ、管継手、配管等の配管製品において、管端部から製品内への水や異物の侵入を防止したり、管端面を保護するために管端部用保護具が使用される。管端部を有する配管製品は、本体が鋳造される場合に防錆油のような比較的低粘度の液体が付着している場合がある。このため、管端部用保護具のシール性が低いと、管端部から防錆油が漏れ出して床等を汚損することがある。
そこで、管端面に対するシール性を確保するために、例えば、筒内空間が閉じている筒状部と、筒状部の外面に一体に設けられた外突部と、筒状部に一体に形成されたつば部と、中心軸線方向で外突部とつば部の間に位置して設けられたテーパ状シール部と、つば部の面より中心軸線方向に突出するよう一体に形成された外側肉厚部7、を備える管端部用保護具がある(例えば、特許文献1参照)。この管端部用保護具は、テーパ状シール部が流体通路の端部周縁部分に圧接することで、配管製品の流体通路をシールするものである。
管端部用保護具において、油漏れを防ぐために更なるシール性の向上が望まれている。
そこで、本発明は、シール性が向上した管端部用保護具を提供することを目的とする。
本発明に係る管端部用保護具の一態様は、
流体通路を形成する内周壁面と該内周壁面と交差する端面とを有する管端部に着脱可能に装着される管端部用保護具であって、
前記管端部に挿入される筒内空間が閉じている筒状部と、
前記筒状部の外周面から複数箇所で半径方向の外方に突出し、前記管端部の前記内周壁面に圧接係合する抜止め用の複数の外突部と、
前記筒状部の開口側の縁部から外方に張り出すように前記筒状部に一体に形成されたつば部と、
前記外周面と前記つば部との境界に、前記外周面から前記つば部に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜した外周テーパ面と、
を備え、
前記外周テーパ面の外周は、前記外突部より外側に位置し、かつ、前記内周壁面の内径よりも大きく、
前記つば部は、前記端面に対面する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第2面の前記外突部に対応する位置に設けられたリブ状肉厚部と、を備え、
前記リブ状肉厚部は、前記縁部から外周縁部に向かって延在することを特徴とする。
流体通路を形成する内周壁面と該内周壁面と交差する端面とを有する管端部に着脱可能に装着される管端部用保護具であって、
前記管端部に挿入される筒内空間が閉じている筒状部と、
前記筒状部の外周面から複数箇所で半径方向の外方に突出し、前記管端部の前記内周壁面に圧接係合する抜止め用の複数の外突部と、
前記筒状部の開口側の縁部から外方に張り出すように前記筒状部に一体に形成されたつば部と、
前記外周面と前記つば部との境界に、前記外周面から前記つば部に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜した外周テーパ面と、
を備え、
前記外周テーパ面の外周は、前記外突部より外側に位置し、かつ、前記内周壁面の内径よりも大きく、
前記つば部は、前記端面に対面する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第2面の前記外突部に対応する位置に設けられたリブ状肉厚部と、を備え、
前記リブ状肉厚部は、前記縁部から外周縁部に向かって延在することを特徴とする。
本発明に係る管端部用保護具はリブ状肉厚部を備えるため、管端部への装着時に外突部が内側に押し込まれたとしてもつば部が変形し難くなり、外周テーパ面で管端部を確実に封止する。このため、シール性が向上した管端部用保護具を提供することができる。
前記リブ状肉厚部の幅は、前記外突部の幅と略同一であることが好ましい。
リブ状肉厚部の幅が外突部の幅と略同一に設けられることで、つば部の変形をより防止し、さらにシール性が向上する。
前記管端部は、前記内周壁面と前記端面との間に面取りとしての内周テーパ面を有し、前記外周テーパ面と前記つば部とのなす角度は、前記内周テーパ面と前記端面とのなす角度よりも小さいことが好ましい。
外周テーパ面とつば部とのなす角度が内周テーパ面と端面とのなす角度よりも小さいことにより、内周壁面の開口端の長径側で外周テーパ面に接触させる設計とすることができる。これにより、開口端の加工精度の高い側で開口端を塞ぐことが可能となり、管端部を確実に封止し、よりシール性が向上する。
前記つば部は、前記第2面に、前記縁部に設けられた環状の内側肉厚部と、前記つば部の外周縁部に設けられた環状の外側肉厚部と、を備え、前記内側肉厚部と前記外側肉厚部とは、前記リブ状肉厚部によって連結されることが好ましい。
リブ状肉厚部によって連結された内側肉厚部と外側肉厚部とを備えることにより、つば部の変形をより防止し、さらにシール性が向上する。また、管端部を有する製品を、管端部を下向きにして床面や搬送中の支持面上に載置する場合に、管端部用保護具のつば部が変形しにくくなり、管端部を安定して支持できる。これにより、管端部を有する製品の支持姿勢が安定し、製品の座りを良好に保持できる。
前記内側肉厚部の外周は、前記外周テーパ面の外周よりも外側にあることが好ましい。
内側肉厚部の外周が外周テーパ面の外周よりも外側にあることにより、製品の座りを良好に保持できる。
本発明によれば、シール性が向上した管端部用保護具を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本実施形態に係る管端部用保護具は、流体通路を形成する内周壁面と該内周壁面と交差する端面とを有する管端部に着脱可能に装着される管端部用保護具であって、前記管端部に挿入される筒内空間が閉じている筒状部と、前記筒状部の外周面から複数箇所で半径方向の外方に突出し、前記管端部の前記内周壁面に圧接係合する抜止め用の複数の外突部と、前記筒状部の開口側の縁部から外方に張り出すように前記筒状部に一体に形成されたつば部と、前記外周面と前記つば部との境界に、前記外周面から前記つば部に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜した外周テーパ面と、を備え、前記外周テーパ面の外周は、前記外突部より外側に位置し、かつ、前記内周壁面の内径よりも大きく、前記つば部は、前記端面に対面する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第2面の前記外突部に対応する位置に設けられたリブ状肉厚部と、を備え、前記リブ状肉厚部は、前記縁部から外周縁部に向かって延在することを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具について、図面を参照しつつ説明する。以下の例では、管端部用保護具は、流体通路を形成する内周壁面と、該内周壁面と交差する端面とを有する管端部に着脱可能に装着される物品である。本実施形態では、管端部を有する製品としてゲートバルブを例示し、以下の説明では、管端部用保護具の各構成要素について、管端部の端面が環状に形成されたゲートバルブとの関係において説明する。なお、管端部を有する製品には、ゲートバルブ以外の各種バルブ、ストレーナや各種管継手等も含み、これらの管端部の端面は環状に限定されない。また、以下の説明では、管端部用保護具のつば部は環状に形成されるが、つば部の形状も環状に限定されない。
1.管端部用保護具の構成
1.1.管端部用保護具が装着されるゲートバルブ
まず、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1が着脱可能に装着される管端部を有する製品であるゲートバルブ30の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1が装着されたゲートバルブ30の一部断面図である。
1.1.管端部用保護具が装着されるゲートバルブ
まず、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1が着脱可能に装着される管端部を有する製品であるゲートバルブ30の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1が装着されたゲートバルブ30の一部断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る管端部用保護具1が装着されるゲートバルブ30は、弁筐31と、弁体33と、弁棒34と、蓋35と、ヨーク36と、ハンドル車37と、液封部材38と、を備える。ゲートバルブ30は管端部用保護具1が両端に装着された状態で積み重ねられ、敷板Pに載置される。
弁筐31はダクタイル鋳鉄製であり、流体通路31aを形成する内周壁面31bと、両端にフランジ部31cを備える。流体通路31aは円筒状に形成され、フランジ部31cを貫通する。内周壁面31bはゲートバルブ30の流体通路31aを形成し、両端に開口を形成する。ゲートバルブ30の製造段階では、内周壁面31bに防錆油Lが塗布される。
フランジ部31cは、流体通路31a周り全周に連続的に設けられ、その端面31dは、本発明の端面に対応する。流体通路31aの中心線31f及び流体通路31aを形成する内周壁面31bは、フランジ部31cの端面31dと直角に交差する。ここで、フランジ部31cを含む弁筐端部32が、本発明の管端部に対応する。弁筐端部32は、内周壁
面31bと端面31dとの間に面取りとしての内周テーパ面31eを有する。内周テーパ面31eと端面31dとの境界部が外側周縁部31gとなる。フランジ部31cの端面31d及び外側周縁部31gは、切削加工により平坦な面が形成される。端面31dはゲートバルブ30を他の部材と接合する際にシール面となるため、寸法精度が高く平滑性に優れる状態を維持することが望まれる。外側周縁部31gも同様に、寸法精度が高く平滑性に優れる状態を維持することが望まれる。
面31bと端面31dとの間に面取りとしての内周テーパ面31eを有する。内周テーパ面31eと端面31dとの境界部が外側周縁部31gとなる。フランジ部31cの端面31d及び外側周縁部31gは、切削加工により平坦な面が形成される。端面31dはゲートバルブ30を他の部材と接合する際にシール面となるため、寸法精度が高く平滑性に優れる状態を維持することが望まれる。外側周縁部31gも同様に、寸法精度が高く平滑性に優れる状態を維持することが望まれる。
弁棒34は、複数部品で構成され、ねじ機構を利用した長さ変更機能を有し、ハンドル車37と弁体33とに連結される。弁体33は断面略くさび状に形成され、ハンドル車37の走査により弁棒34と共に上下動可能な状態で弁棒34に連結される。蓋35はダクタイル鋳鉄製である。
ゲートバルブ30は、ハンドル車37を一方向に回転させることにより、弁棒34の長さ変更機能を縮小するように機能させて弁筐31内の弁座から弁体33を離れさせて開弁する。また、ゲートバルブ30は、ハンドル車37を反対方向に回転させることにより、弁棒34の長さ変更機能を伸張するように機能させて弁筐31内の弁座に弁体33を密着させ、閉弁する。
1.2.管端部用保護具の構成
次に、図2及び図3を参照して本実施形態に係る管端部用保護具1の各構成要素を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1を筒状部2側から示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1を環状つば部4側から示す斜視図である。
次に、図2及び図3を参照して本実施形態に係る管端部用保護具1の各構成要素を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1を筒状部2側から示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1を環状つば部4側から示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る管端部用保護具1は、筒状部2と、外突部3と、環状つば部4と、テーパ状シール部6と、外側肉厚部7と、延長つば部8と、リブ状肉厚部9と、を備える。管端部用保護具1は、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂により一体に成形される。
筒状部2は、図1に示すゲートバルブ30の弁筐端部32に挿入される部分であり、筒内空間が閉じている。例えば、筒状部2は、フランジ部31cの開口より流体通路31a内に、20mm〜50mm挿入される部分である。筒状部2は、筒状部本体2aと端部閉塞部2bとからなり、筒内空間の奥行端が閉じている筒状形状である。筒状部2は、外周径の大きさが、ゲートバルブ30の製造上の誤差に起因する流体通路31aの最小径よりも小さく、例えば、流体通路31aの最小径よりも1mm〜2mm小さく形成される。筒状部2の肉厚は、例えば、1.5mmである。
図2及び図3に示すように、外突部3は、筒状部2の外周面から複数箇所(図2、3では4か所)で外方に突出し、弁筐端部32の内周壁面31bに圧接係合する抜止め機能を有する。外突部3は、外周面上を外周方向に間隔をあけて、例えば、筒状部本体2aの中心軸線2cを中心に45度毎に配置される。より詳しくは、外突部3は、筒状部2がゲートバルブ30のフランジ部31cの開口より流体通路31a内に挿入されるときに、半径方向の内方側に弾性的に変位しつつゲートバルブ30の流体通路31aを形成する内周壁面31bに圧接係合(内径チャック)することにより、管端部用保護具1の抜止めとなる。外突部3は、ゲートバルブ30の製造上の誤差に起因する流体通路31aの最大径よりも1mm〜3mm大きく突出するように筒状部2に設けられる。外突部3は、例えば、4mm〜20mmの幅に形成される。筒状部2の外突部3の周囲の肉厚は、外突部3による内径チャック時に、外突部3が筒状部2の中心軸線2c側に引っ込みつつ復元力を発揮して内周壁面31bに圧接係合する肉厚とされる。
環状つば部4は、筒状部2の開口側の縁部から外方に張り出すように筒状部2に一体に形成される。すなわち、環状つば部4は、ゲートバルブ30の端面31dに対面する第1面4aと、第1面4aと反対側の第2面4bと、第2面4bに形成されたリブ状肉厚部9と、を備える。環状つば部4は、第2面4b側に突出する内側肉厚部6a及び外側肉厚部7をさらに備える。環状つば部4は、筒状部2の対ゲートバルブ挿入側と反対側において、一体にフランジ状に形成され、第1面4aがゲートバルブ30のフランジ部31cの端面31dに対面する。例えば、環状つば部4は、厚さを2mm〜4mmとされ、直径の大きさをゲートバルブ30のフランジ部31cの外径よりも数mm〜十数mm小さく形成される。また、例えば、環状つば部4と外突部3は、筒状部2の中心軸線2cに沿った方向に30mm〜40mm離間する。
テーパ状シール部6は、中心軸線2cに沿った方向で外突部3と環状つば部4との間に位置するとともに、外周テーパ面5を有する。テーパ状シール部6は、外周テーパ面5を管端部である図1に示す内周テーパ面31e、特に内周テーパ面31eの外側周縁部31gに全周密着状態に当接するように設けられる。
外周テーパ面5は、筒状部本体2aの外周面と環状つば部4との境界に、当該外周面から環状つば部4に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜する。外周テーパ面5の外周は、外突部3より外側に位置し、かつ、図1に示す内周壁面31bの内径よりも大きい。テーパ状シール部6は、ゲートバルブ30の流体通路31aを形成する内周壁面31bに係合する際に楔作用によって強く嵌入してしまう小さいテーパ角を避けた適宜の角度、例えば、5〜45°のテーパ角を有するように形成される。図4に示すように、ゲートバルブ30の弁筐端部32が内周壁面31bと端面31dとの間に面取りとしての内周テーパ面31eを有する場合、外周テーパ面5の環状つば部4とのなす角度αは、内周テーパ面31eと端面31dとのなす角の角度βよりも小さく設けられることが好ましい。例えば、角度αは40°前後に設けられることが好ましい。
内側肉厚部6aは、環状つば部4の変形防止機能を有する。図3に示すように、内側肉厚部6aは、第2面4bの半径方向内周側で、筒状部2の開口側の縁部に設けられ、第2面4bより中心軸線2cに沿った方向に凸状に突出する環状リブである。内側肉厚部6aは、テーパ状シール部6と一体に設けられ、後述するリブ状肉厚部9によって外側肉厚部7と連結される。内側肉厚部6aは、後述する外側肉厚部7やリブ状肉厚部9と略同じ厚みに形成される。例えば、内側肉厚部6aは、筒状部2の開口側の縁部から幅数mm〜十数mm、環状つば部4の筒状部2側の第1面4aから数mmの厚みに形成される。なお、内側肉厚部6aの外周は、外周テーパ面5の外周よりも外側となるように設けることが好ましい。
外側肉厚部7は、環状つば部4の変形防止機能を有する。外側肉厚部7は、環状つば部4の筒状部2に対して反対側の面において、すなわち、環状つば部4のゲートバルブ30の端面31dに対面する第1面4aとは反対側となる第2面4bの半径方向外周側で、環状つば部4の外周縁部に設けられ、第2面4bより中心軸線方向に凸状に突出する環状リブである。外側肉厚部7は、後述するリブ状肉厚部9によって内側肉厚部6aと連結される。内側肉厚部6aは、後述する外側肉厚部7やリブ状肉厚部9と略同じ厚みに形成される。例えば、外側肉厚部7は、筒状部2の開口側の縁部から幅数mm〜十数mm、環状つば部4の筒状部2側の第1面4aから数mmの厚みに形成される。
延長つば部8は、環状つば部4の外周縁部において、ゲートバルブ30の端面31dに対面する第1面4aに段差なく滑らかに延長される。図5に示すように、管端部用保護具1をフランジ部31cに取付た場合、環状つば部4の第1面4aと、延長つば部8のフランジ部31cに対面する側の面8aとは、滑らかに繋がった面となって所要の逃げ角を有
する。延長つば部8の大きさは、ゲートバルブ30のサイズやフランジ部31cの直径方向の幅寸法によって異なる。例えば、延長つば部8は、延長方向の長さが、小さくて5mm、大きくて15mmに設定され、また、延長つば部8の外径は、フランジ部31cの外径よりも例えば2mm〜20mm小さく設定される。延長つば部8に掛かるゲートバルブ30の荷重Fが小さいため、ゲートバルブ30の製造の最後の工程で、外面に防錆塗装した後に塗料が寄せ集まり環状に盛り上がることを防止する。
する。延長つば部8の大きさは、ゲートバルブ30のサイズやフランジ部31cの直径方向の幅寸法によって異なる。例えば、延長つば部8は、延長方向の長さが、小さくて5mm、大きくて15mmに設定され、また、延長つば部8の外径は、フランジ部31cの外径よりも例えば2mm〜20mm小さく設定される。延長つば部8に掛かるゲートバルブ30の荷重Fが小さいため、ゲートバルブ30の製造の最後の工程で、外面に防錆塗装した後に塗料が寄せ集まり環状に盛り上がることを防止する。
リブ状肉厚部9は、環状つば部4の変形防止機能を有する。リブ状肉厚部9は、第2面4bの外突部3に対応する位置に設けられる。リブ状肉厚部9は、環状つば部4における開口側の縁部から外周縁部に向かって延在し、かつ、筒状部2の中心軸線2cと外突部3とを結ぶ直線の延長線上に位置する。リブ状肉厚部9は、第2面4bに方形状の凸条部として延設される。リブ状肉厚部9は、外突部3の幅と略同一の幅に設けられ、例えば、4mm〜20mmの幅に形成される。リブ状肉厚部9は内側肉厚部6aと外側肉厚部7を連結するように設けられる。リブ状肉厚部9は、内側肉厚部6aや外側肉厚部7と略同じ厚み、例えば、環状つば部4の筒状部2側の第1面4aから数mmの厚みに形成される。
2.管端部用保護具の作用
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態に係る管端部用保護具1の作用について説明する。図4は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のA−A断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1の筒状部2をゲートバルブの流体通路31aに対応させた挿入前の状態を示す図である。図5は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のA−A断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1がゲートバルブ30に装着された状態を示す図である。図6は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のC−C断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1がゲートバルブに装着された状態を示す図である。なお、図5及び図6は、流体通路31aが上下方向になるようにゲートバルブ30を敷板Pの上に載置した状態を示す。
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態に係る管端部用保護具1の作用について説明する。図4は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のA−A断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1の筒状部2をゲートバルブの流体通路31aに対応させた挿入前の状態を示す図である。図5は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のA−A断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1がゲートバルブ30に装着された状態を示す図である。図6は本発明の一実施形態に係る管端部用保護具1のC−C断面図とゲートバルブ30の一部断面であって、管端部用保護具1がゲートバルブに装着された状態を示す図である。なお、図5及び図6は、流体通路31aが上下方向になるようにゲートバルブ30を敷板Pの上に載置した状態を示す。
内周壁面31bに防錆油Lが塗布されたゲートバルブ30に管端部用保護具1を取り付けるには、図4に示すゲートバルブ30の流体通路31aの中心線31fと管端部用保護具1の筒状部2の中心軸線2cとが同心状態になるようにゲートバルブ30と管端部用保護具1とを対向させる。次いで、図4に示すように、筒状部2を流体通路31aに挿入する。
この際、外突部3は、流体通路31aの入口で流体通路31aの内周壁面31bに当接し、外突部3は筒状部2の中心軸線2c側に変位し、形状復元しようとする力を発揮して内周壁面31bに対して突っ張って内周壁面31bに摺接する。環状つば部4は、外突部3に対応する位置でリブ状肉厚部9を補強するため、外突部3が筒状部2の中心軸線2c方向に変位しても、大きく変形しない。
このリブ状肉厚部9は、外突部3に対応する位置にのみ設けられることが好ましく、それ以外の位置には同様の肉厚部は設けられないことが好ましい。後述するように、管端部用保護具1は、テーパ状シール部6の外周テーパ面5が流体通路31aの開口端と接触することで流体通路31aを液封状態とする。この際、外周テーパ面5にゆがみ等があると、流体通路31aの開口部との間に部分的に隙間が生じ、それが漏れの原因となる。単に環状つば部4を補強するだけなら、全体を肉厚にすればよいが、それでは変形そのものは小さくできても、ゆがみは生じてしまう。そこで、本実施形態のように、リブ状肉厚部9を、むしろ外突部3に対応する位置にのみ形成することで、外突部3の変位による環状つば部4の変形を全周にわたって均一に生じさせることが可能となり、ゆがみによる漏れの発生を防ぐことが可能となる。
また、環状つば部4は内側肉厚部6aにより補強されるため、外突部3の変形はテーパ状シール部6の変形を抑制する。さらに、環状つば部4は内側肉厚部6aと外側肉厚部7を有するため、外突部3が変形しても環状つば部4は大きく変形しない。
続いて、図5及び図6に示すように、テーパ状シール部6の外周テーパ面5が内周テーパ面31eの外側周縁部31gに当接するまで筒状部2を流体通路31aに押し込む。テーパ状シール部6の外周テーパ面5の最大径がゲートバルブ30の流体通路31aの製造上の誤差に起因する最大径よりも大きいので、外周テーパ面5の中途全周が流体通路31aの外側周縁部31gに当接する。これにより、弁筐端部32の流体通路31aを確実にシールする。
管端部用保護具1は、テーパ状シール部6の外周テーパ面5の中途で弁筐端部32の内周テーパ面31eの外側周縁部31gに全周密着して流体通路31aを閉塞する。ここで、外周テーパ面5と環状つば部4とのなす角度αは、内周テーパ面31eと端面31dとのなす角の角度βよりも小さく設けられるため、内周テーパ面31eの外側周縁部31gで外周テーパ面5に接触させる設計である。上述の通り、外側周縁部31gは、加工精度が高く、真円に近い形状とできる。一方、内周壁面31bは多くの場合、鋳造等により成形されたままの粗い表面である。本実施形態において、外周テーパ面5を加工精度の高い外側周縁部31gに接触させることで、内周壁面31b側で接触させるよりも、面の粗さや開口端形状のゆがみに起因する隙間等が生じ難くなり、流体通路31aの開口端を確実に塞ぐことができる。この結果、テーパ状シール部6が流体通路31aを液封した状態になり、複数の外突部3がゲートバルブ30の内周壁面31bを内径チャックすることで、液封した状態が保持される。
また、外周テーパ面5の中途全周が流体通路31aの外側周縁部31gに当接するので、環状つば部4のゲートバルブ30の端面31dに対面する第1面4aと、ゲートバルブ30のフランジ部31cとの間に隙間が生じる。この隙間は、管端部用保護具1をゲートバルブ30から取り外すときに、ヤトイを入れることができる隙間として利用することもできる。この隙間は、荷重が加わっていない状態で数mm〜5mm程度とすることが好ましい。これにより、後述するようにゲートバルブ30を複数段重ねても、環状つば部4がゲートバルブ30の端面31dに接触することを確実に防いで当該端面31dを保護できる。
流体通路31aの両端に管端部用保護具1を取付けられたゲートバルブ30の倉庫内の収容や流通過程における運搬は、図1に示すように、流体通路31aが上下方向になるようにゲートバルブ30を敷板Pの上に載置して複数並べ、2段、3段と重ねた状態とする。
図5及び図6に示すように、管端部用保護具1は、環状つば部4がゲートバルブ30のフランジ部31cの端面31dに対向し、端面31dを保護する。また、内側肉厚部6a、外側肉厚部7及びリブ状肉厚部9には、ゲートバルブ30の自重に対する敷板Pからの反力作用で、敷板Pから垂直圧力を受けることになる。ここで、上記のように、外突部3が筒状部2の中心軸線2c側に変位しても、環状つば部4は大きく変形せず、形状を維持する。これにより、外周テーパ面5でゲートバルブ30の端面31dを確実に封止する。このようにして、内側肉厚部6a、外側肉厚部7及びリブ状肉厚部9は、敷板Pに密着状態になるため、ゲートバルブ30の支持姿勢が安定し、ゲートバルブ30の座りを良好に保持する。
またこの状態では、ゲートバルブ30は外周テーパ面5との接触部分のみで支えられるため、ゲートバルブ30の荷重はこの接触部分に集中して加わることになる。その場合で
あっても、管端部用保護具1の環状つば部4は、敷板Pから垂直圧力に対し形状を維持できるので、例えば筒状部2側だけが沈むように変形して環状つば部4の外周が端面31dに接触することがない。バルブ等の管端部の端面には塗装が施されることが多く、その塗装に傷や圧痕がつくと、見た目が悪くなるのみならず、配管を接続した際の漏れの原因となりやすい。本実施形態に係る管端部用保護具1によれば、環状つば部4が変形しにくいので、搬送や保管の際にゲートバルブ30を積み重ねても、端面31dに傷や圧痕が着くことを防ぐことができる。
あっても、管端部用保護具1の環状つば部4は、敷板Pから垂直圧力に対し形状を維持できるので、例えば筒状部2側だけが沈むように変形して環状つば部4の外周が端面31dに接触することがない。バルブ等の管端部の端面には塗装が施されることが多く、その塗装に傷や圧痕がつくと、見た目が悪くなるのみならず、配管を接続した際の漏れの原因となりやすい。本実施形態に係る管端部用保護具1によれば、環状つば部4が変形しにくいので、搬送や保管の際にゲートバルブ30を積み重ねても、端面31dに傷や圧痕が着くことを防ぐことができる。
このように、管端部用保護具1は、テーパ状シール部6の外周テーパ面5の中途で弁筐端部32の外側周縁部31gに全周密着して流体通路31aを閉塞するため、重力作用で初期の塗布位置より下降する防錆油Lが漏れ出さないように防ぐことができる。
また、管端部用保護具1は、リブ状肉厚部9の幅が外突部3の幅と略同一に設けられることで、環状つば部4の変形をより防止し、さらにシール性が向上する。
さらに、管端部用保護具1は、環状つば部4がゲートバルブ30のフランジ部31cの端面31dに対向するため、フランジ部31cの端面31dを汚損から保護するとともに、安定的に支持する。
なお、環状つば部4の外形は、図2に示すように、円形の他、楕円形や多角形であってもよい。
また、上記実施形態では外突部3は円周方向に4等分配置にかつ中心から放射方向に4個設けられるが、外突部3の数は等分配置されれば4個に制限されず、3個、6個、8個であってもよい。
さらに、上記実施形態ではリブ状肉厚部9の幅は外突部3の幅と略同一に設けられるが、リブ状肉厚部9による環状つば部4の変形を防止できるのであれば、外突部3の幅よりも広くても狭くても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、シール性が向上し、さらには、管端部を有する製品の座りを良好に保持できる管端部用保護具を提供することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…管端部用保護具、2…筒状部、2a…筒状部本体、2b…端部閉塞部、2c…中心軸線、3…外突部、4…環状つば部(つば部)、4a…第1面、4b…第2面、5…外周テーパ面、6…テーパ状シール部、6a…内側肉厚部、7…外側肉厚部、8…延長つば部、8a…側の面、9…リブ状肉厚部、30…ゲートバルブ、31…弁筐、31a…流体通路、31b…内周壁面、31c…フランジ部、31d…端面、31e…内周テーパ面、31f…中心線、31g…外側周縁部、32…弁筐端部(管端部)、33…弁体、34…弁棒、35…蓋、36…ヨーク、37…ハンドル車、38…液封部材、F…荷重、L…防錆油、P…敷板。
Claims (5)
- 流体通路を形成する内周壁面と該内周壁面と交差する端面とを有する管端部に着脱可能に装着される管端部用保護具であって、
前記管端部に挿入される筒内空間が閉じている筒状部と、
前記筒状部の外周面から複数箇所で半径方向の外方に突出し、前記管端部の前記内周壁面に圧接係合する抜止め用の複数の外突部と、
前記筒状部の開口側の縁部から外方に張り出すように前記筒状部に一体に形成されたつば部と、
前記外周面と前記つば部との境界に、前記外周面から前記つば部に向かって徐々に直径が大きくなるように傾斜した外周テーパ面と、
を備え、
前記外周テーパ面の外周は、前記外突部より外側に位置し、かつ、前記内周壁面の内径よりも大きく、
前記つば部は、前記端面に対面する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、前記第2面の前記外突部に対応する位置に設けられたリブ状肉厚部と、を備え、
前記リブ状肉厚部は、前記縁部から外周縁部に向かって延在する、管端部用保護具。 - 前記リブ状肉厚部の幅は、前記外突部の幅と略同一である、請求項1に記載の管端部用保護具。
- 前記管端部は、前記内周壁面と前記端面との間に面取りとしての内周テーパ面を有し、
前記外周テーパ面と前記つば部とのなす角度は、前記内周テーパ面と前記端面とのなす角度よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の管端部用保護具。 - 前記つば部は、前記第2面に、
前記縁部に設けられた環状の内側肉厚部と、前記つば部の外周縁部に設けられた環状の外側肉厚部と、を備え、
前記内側肉厚部と前記外側肉厚部とは、前記リブ状肉厚部によって連結される、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の管端部用保護具。 - 前記内側肉厚部の外周は、前記外周テーパ面の外周よりも外側にある、請求項4に記載の管端部用保護具。
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2019
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