1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1ついて、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、遊技盤ユニットYUを取付ける縦長方形状の枠体である。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)が一体化したものである(図6参照)。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下、「盤下可動装置」)56が搭載されている(図6参照)。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域6における大入賞口14の上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の左下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
次に、図6を用いて盤上可動装置55と盤下可動装置56について説明する。盤上可動装置55は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された第1盤可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された第2盤可動体56kを具備する。
図6(A)は、第1盤可動体55kおよび第2盤可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。そして第1盤可動体55kを駆動させるための駆動源(例えばモータ)が駆動すると、第1盤可動体55kは下向きに移動(下降)し、第2盤可動体56kが待機状態で保持され、図6(B)に示す様子となる。また第1盤可動体55kが待機状態で保持され、第2盤可動体56kを駆動させるための駆動源(例えばモータ)が駆動して、第2盤可動体56kは上向きに移動(上昇)すると、図6(C)に示す様子となる。本形態では、画像表示装置50は下降した第1盤可動体55kまたは上昇した第2盤可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
2.遊技機の電気的構成
次に図7及び図8に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図7及び図8に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、第1盤可動体55k、第2盤可動体56k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190(電源供給部)は、外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電源を生成するものである。電源基板190は、生成した電源を遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して供給する。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図7に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図8に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ610が接続されている。またサブドライブ基板162には、盤ランプ54、盤上可動装置55(可動役物)、盤下可動装置56(他の可動役物)、枠ランプ212が接続されている。
図8に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141又は画像制御基板140に設ける音声用のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また図8に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプ駆動データともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤上可動装置55、盤下可動装置56の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤上可動装置55、盤下可動装置56の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤上可動装置55、盤下可動装置56を駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤上可動装置55、盤下可動装置56の駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図7及び図8は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図7及び図8に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図7及び図8に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図7及び図8に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図9に示す通りである。図9に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから5Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、6Rから10Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は10Rであるものの、実質的なラウンド数は5Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは6Rから10Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も10Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図8に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が5ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。また、本形態の通常率状態での大当たり確率は約1/312である。一方、高確率状態での大当たり確率は約1/39である。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図11(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の可変表示の変動パターンを決定するための判定を行う(図12参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図11(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図11(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.特別図柄の変動
上述したように本形態のパチンコ遊技機PY1では、図12に示す特図変動パターン判定テーブルを用いて、特別図柄の可変表示の変動パターンを決定するための判定を行い、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレのいずれの場合にも行われることになる。ここで特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連づけることが可能である。非時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルと、時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに大当たり判定結果、またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルには、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルにも、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、非時短状態のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図保留数が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、特図保留数が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また時短状態のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図保留数が0〜1のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、特図保留数が2〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
図12の表の一番右の備考欄に示す特図変動演出の演出内容について説明する。本形態のパチンコ遊技機PY1の変動演出において、ドハズレ、ノーマルリーチ、SPリーチ(スーパーリーチ)、全回転リーチ、擬似連、盤上可動装置55を作動させる第1盤可動体演出(可動演出)、盤下可動装置56を作動させる第2盤可動体演出(他の可動演出)、鎧召喚演出(特別演出)などが実行され得る。ここでドハズレとは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「458」)で停止表示される変動演出のことである。
ここでノーマルリーチとは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されずに、変動表示し続けている残り一つの演出図柄が停止表示される変動演出のことである。SPリーチは、上述したリーチを形成した後に発展演出が実行されて、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長い変動演出のことである。
SPリーチでは、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。従って遊技者は、変動時間が長いSPリーチを見れば、ノーマルリーチよりも当選期待度が高いことを把握することができる。ここでSPリーチの中には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、強SPリーチBという種類が設けられている。弱SPリーチB⇒弱SPリーチA⇒強SPリーチB⇒強SPリーチAの順番に、大当たりへの当選期待度が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。よって遊技者は、強SPリーチAを見れば当選期待度が非常に高いことを把握することができ、強SPリーチBを見れば強SPリーチAよりもが表示される場合の次に当選期待度が高いことを把握することができ、弱SPリーチAを見れば当選期待度がある程度高いことを把握することができ、弱SPリーチBを見れば当選期待度があまり高くないことを把握することができる。
次に全回転リーチとは、特別図柄の抽選にて大当たりに当選したことを示唆する複数の演出図柄EZの組み合わせが全て揃った状態でゆっくりと変動する変動演出のことを意味し、本形態のパチンコ遊技機PY1では特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合にのみ実行されるリーチを意味する。
また擬似連とは、所謂擬似連演出のことである。以下、「擬似連演出」とも称する。ここで擬似連演出とは、1回の特別図柄の変動表示の開始からその特別図柄が停止表示するまでの期間を複数の単位期間(変動サイクル)で区切って、各単位期間において、演出図柄EZの変動表示を開始させ、演出図柄EZを仮停止表示させる演出(本実施例では、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を同じ数字で仮停止表示させ、中演出図柄EZ2を「継続」で仮停止表示させる演出)が実行される演出のことである。本形態では、1回の特別図柄の抽選が開始してから終了するまでの間に、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間が1回だけある場合と、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間が2回ある場合と、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間が3回ある場合とがある。なお本形態では、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が同じ数字で、中演出図柄EZ2が「継続」で仮停止させることで1回の単位期間が終了され、演出図柄の再変動表示が開始されることで次の単位期間が開始されることになる。以下では、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を1回(所定の第1回数)だけ含む擬似連演出を「擬似連1回」と呼び、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を2回(所定の第2回数)含む擬似連演出を「擬似連2回」と呼び、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を3回(所定の第3回数)含む擬似連演出を「擬似連3回」と呼ぶことにする。なお、「擬似連1回」⇒「擬似連2回」⇒「擬似連3回」の順番に当選期待度が高くなり得るように設定されている。また本形態では、演出図柄EZが停止表示することで、擬似連演出における最後の単位期間(例えば、擬似連1回の場合には1回の単位期間、擬似連2回の場合には2回目の単位期間、擬似連3回の場合には3回目の単位期間)は終了となる。
次に第1盤可動体演出とは、第1盤可動体55kが下向きに移動(下降)し、第2盤可動体56kが待機状態で保持され、図6(B)に示す様子からなる演出のことである(図16(A)、図17(B)参照)。また第1盤可動体演出は、その第1盤可動体演出の実行後に第2盤可動体演出が実行されるか否かを遊技者に示唆する演出となっている。なお本形態では、盤上可動装置55を用いた第1盤可動体演が実行開始から実行終了までにかかる時間は、約3秒である。ここで第2盤可動体演出とは、第2盤可動体56kが上向きに移動(上昇)し、第1盤可動体55kが待機状態で保持され、図6(C)に示す様子からなる演出のことである(図16(B)、図17(C)参照)。本形態のパチンコ遊技機PY1では、変動演出において、第1盤可動体演出が実行され、その第1盤可動体演出の実行が終了した後に第2盤可動体演出が実行され得る。なお本形態では、全回転リーチにおいて第1盤可動体演出、第2盤可動体演出が実行されることはない。
次に鎧召喚演出とは、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出が実行されるか否かを遊技者に示唆するリーチ演出となっている(図18(B)参照)。なお本形態では、当選期待度が第1盤可動体演出よりも、鎧召喚演出のほうが、高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。なお本形態では、表示画面50aにて鎧召喚演出の表示開始から表示終了までにかかる時間は、約10秒である。また本形態のパチンコ遊技機PY1では、変動演出において、鎧召喚演出が実行され、その鎧召喚演出の実行が終了した後に第2盤可動体演出が実行され得る。
また本形態では、「擬似連1回」⇒「擬似連2回」⇒「擬似連3回」の順番に1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出に係る変動時間が長い変動パターンが選択され得る(図12参照)。そして擬似連1回(擬似連1回における1回目の単位期間)と擬似連2回(擬似連2回における2回目の単位期間)である場合には、鎧召喚演出が実行されずに、第1盤可動体演出が実行される変動パターンが選択される場合がある(図12参照)。一方、擬似連3回(擬似連3回における3回目の単位期間)には、第1盤可動体演出が実行されずに、鎧召喚演出が実行される変動パターンが選択される(図12参照)。これにより本形態では、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出に係る変動時間が長い変動パターンが選択される場合に、表示画面50aにて鎧召喚演出が表示され得ることになる。そのため、擬似連1回と擬似連2回である場合には、擬似連3回よりも1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出に係る変動時間が短い変動パターンが選択され得る。
ここで図14は非時短状態での演出の流れの概要を示す図である。先ず1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出が開始され、擬似連1回である場合には、図14に示すように、「ノーマルリーチ」と「第1盤可動体演出」と「ドハズレ」に分岐する。先ず「ノーマルリーチ」の場合には、「ノーマルリーチで終了する場合」と、ノーマルリーチを経て「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチA」に分岐する(図15(B)〜図15(D−2)、図17参照)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1において、擬似連1回の場合には、変動演出において「ノーマルリーチ⇒第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチA」の一連の流れで実行される場合のほうが、「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチB」又は「第1盤可動体演出⇒弱SPリーチB」が実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
次に第1盤可動体演出の場合には、図14に示すように、第1盤可動体演出を経て、「第2盤可動体演出⇒弱SPリーチB」と「弱SPリーチB」に分岐する(図16参照)。またドハズレの場合には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「458」)で停止表示される。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1において、擬似連1回の場合には、変動演出において「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチB」の一連の流れで実行される場合のほうが、「第1盤可動体演出⇒弱SPリーチB」が実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
次に擬似連2回での演出の分岐について説明する。図14に示すように、擬似連2回の場合には、「ノーマルリーチ」と「第1盤可動体演出」に分岐する。次に「ノーマルリーチ」の場合には、「ノーマルリーチで終了する場合」と、ノーマルリーチを経て「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒強SPリーチB」に分岐する(図15(B)〜図15(D−2)、図17参照)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1において、擬似連2回の場合には、変動演出において「ノーマルリーチ⇒第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒強SPリーチB」の一連の流れで実行される場合のほうが、「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチA」又は「第1盤可動体演出⇒弱SPリーチA」が実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
次に「第1盤可動体演出」の場合には、第1盤可動体演出を経て「第2盤可動体演出⇒弱SPリーチA」と「弱SPリーチA」に分岐する。ここで本形態のパチンコ遊技機PY1において、擬似連2回の場合には、変動演出において「第1盤可動体演出⇒第2盤可動体演出⇒弱SPリーチA」の一連の流れで実行される場合のほうが、「第1盤可動体演出⇒弱SPリーチA」が実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
次に擬似連3回における演出の分岐について説明する。図14に示すように、擬似連3回の場合には、ノーマルリーチを経て「鎧召喚演出⇒強SPリーチB」とノーマルリーチを経て「鎧召喚演出⇒第2盤可動体演出⇒強SPリーチA」に分岐する。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1において、擬似連3回の場合には「ノーマルリーチ⇒鎧召喚演出⇒第2盤可動体演出⇒強SPリーチA」の一連の流れで実行される場合のほうが、「ノーマルリーチ⇒鎧召喚演出⇒強SPリーチB」の一連の流れで実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
図14に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1における擬似連1回および擬似連2回では、第1盤可動体演出が実行され、その第1盤可動体演出の実行後に第2盤可動体演出が実行され得るため、第1盤可動体演出と第2盤可動体演出とが一連に実行される場合がある(可動演出と他の可動演出を一連に実行可能)。一方、図14に示すように、擬似連1回および擬似連2回では、鎧召喚演出が実行されない。これにより擬似連1回および擬似連2回では、鎧召喚演出が実行され、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出が実行されることがないため、鎧召喚演出と第2盤可動体演出とが一連に実行されることはない(特別演出と他の可動演出を一連に実行しない)。
また図14に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1における擬似連3回では、鎧召喚演出が実行され、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出が実行され得るため、鎧召喚演出と第2盤可動体演出とが一連に実行される場合がある(特別演出と他の可動演出を一連に実行可能)。一方、図14に示すように、擬似連3回では、第1盤可動体演出が実行されない。これにより擬似連3回では、第1盤可動演出が実行され、その第1盤可動体演出の実行後に第2盤可動体演出が実行されることがないため、鎧召喚演出と第2盤可動体演出とが一連に実行されることはない(可動演出と他の可動演出を一連に実行しない)。そして、鎧召喚演出と第2盤可動体演出とが一連に実行される場合のほうが、第1盤可動体演出と第2盤可動体演出とが一連に実行される場合よりも、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている(図12参照)。
次に図15〜図18に基づいて、非時短状態における擬似連1回、擬似連2回、及び擬似連3回にて実行される演出例について説明する。先ず、図15に基づいて、擬似連1回における1回の単位期間、擬似連2回における1回目の単位期間、又は擬似連3回における1回目の単位期間の場合に実行される変動演出の例について説明する。なお擬似連1回でのドハズレの場合は、単に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「458」)で停止表示されるだけであるため、図15〜図18では変動演出の例を省略している。図15(A)では、表示画面50aにて特図の抽選に基づく変動演出が実行される。また図15(A)では、昼背景画像H1が表示画面50aに表示されている。
その後、演出図柄EZの表示態様がリーチ態様となり(左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が「2」で仮停止表示)、ノーマルリーチに移行する場合には図15(B)に進む。一方、ノーマルリーチではなく第1盤可動体演出に移行する場合には、図16(A)に進む。
演出図柄EZの表示態様がリーチ態様となり、ノーマルリーチに移行する場合には、例えば、図15(B)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3が表示画面50aにて「2」で仮停止表示される。その後、擬似連2回における1回目の単位期間が終了となって2回目の単位期間が開始される場合、又は擬似連3回における2回目の単位期間が終了となって3回目の単位期間が開始される場合には、図15(C−1)に進むことになる。その場合には、中演出図柄EZ2が表示画面50aにて「継続」で仮停止表示され、擬似連2回における1回目の単位期間が終了する、又は擬似連3回における2回目の単位期間が終了する。その後、図15(D−1)に示すように、表示画面50aにて演出図柄EZの変動表示が再度行われることで、擬似連2回における2回目の単位期間が開始されるか、又は擬似連3回における3回目の単位期間が開始されることになる。
一方、図15(B)に示すノーマルリーチから、擬似連1回で演出図柄EZがハズレ表示態様となる場合、又は擬似連2回で演出図柄EZがハズレ表示態様となる場合には、図15(C−2)に進む。この場合、図15(C−2)に示すように、中演出図柄EZ2が表示画面50aの中央で「継続」で停止することなく、中演出図柄EZ2がすべることになる。その後、図15(D−2)に示すように、演出図柄EZがハズレ表示態様(「232」)で停止表示することになる。
擬似連1回の場合、又は擬似連2回の場合において、ノーマルリーチではなく第1盤可動体演出に移行する場合について、図16を用いて説明する。擬似連1回の場合、又は擬似連2回において、図15(A)から図16(A)に進むと、図16(A)に示すように第1盤可動体演出が実行される。第1盤可動体演出では、例えば、図16(A)に示すように、盤上可動装置55が作動し、第1盤可動体55kが遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、盤下可動装置56が作動するか否かが示唆される。このとき、表示画面50aの第1盤可動体55kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される(図16(A)では不図示)。
図16(A)に示す第1盤可動体演出から、図16(B)に示す第2盤可動体演出に発展する場合と、図16(A)に示す第1盤可動体演出から、図16(B)に示す第2盤可動体演出に発展しない場合とがある。第2盤可動体演出に発展する場合には、図16(B)に示すように、盤下可動装置56が作動し、遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように第2盤可動体56kが移動して、SPリーチ(擬似連1回の場合には弱SPリーチB、擬似連2回の場合には弱SPリーチA)に発展することが示唆される。一方、図16(A)に示す第1盤可動体演出から第2盤可動体演出に発展しない場合には、第2盤可動体演出が実行されずに、SPリーチ(擬似連1回の場合には弱SPリーチB、擬似連2回の場合には弱SPリーチA)に発展することになる。
図15(B)に示すノーマルリーチから、第1盤可動体演出に発展する場合について、図17を用いて説明する。例えば、図17(A)に示すノーマルリーチから図17(B)に示す第1盤可動体演出に発展すると、盤上可動装置55が作動することで、第1盤可動体55kが遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、第2盤可動体56kが可動されることが示唆される。その後、図17(C)に示す盤下可動装置56が作動する第2盤可動体演出が実行される。第2盤可動体演出では、盤下可動装置56が作動することで、第2盤可動体56kが遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、SPリーチ(擬似連1回の場合には弱SPリーチA、擬似連2回の場合には強SPリーチB)に発展することが示唆される。
次に擬似連3回の場合について、図18を用いて説明する。擬似連3回における3回目の単位期間が開始されると、図18(A)に示すように、表示画面50aにて特図の抽選に基づく変動演出としてノーマルリーチが実行されることになる。その後、図18(B)に示すリーチ演出である鎧召喚演出へと発展する。鎧召喚演出が開始されると、図18(B)に示すように、仮停止している左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が縮小しながら表示画面50aの上に移動することになる。また鎧召喚演出が開始されると、昼背景画像H1から、鎧召喚演出用の召喚背景画像YRに切替わる。召喚背景画像YRが表示画面50aに表示されることにより、第2盤可動体56kが可動する第2盤可動体演出が実行されるか否かを遊技者に示唆することが可能となる。そのため、遊技者は召喚背景画像YRから第2盤可動体演出が実行される可能性があることを把握することが可能である。
その後、第2盤可動体演出が実行される場合には、図18(C−1)に示すように、盤下可動装置56が作動し、第2盤可動体56kが遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、強SPリーチAに発展することが示唆される。その後、強SPリーチAへと発展することになる。一方、第2盤可動体演出が実行されない場合には、図18(C−2)に示すように、仮停止している左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が拡大しながら表示画面50aの中央に移動することになる。そして鎧召喚演出用の召喚背景画像YRから昼背景画像H1に切替わる。その後、強SPリーチBに発展することになる。
ところで本形態のパチンコ遊技機PY1において、例えば擬似連演出(擬似連1回、擬似連2回、擬似連3回)である場合に、表示画面50aにて第2盤可動体56kが可動されることを示唆し、特別図柄の抽選にて大当たりに当選にすることへの当選期待度を高める鎧召喚演出と第2盤可動体演出とを一連に実行し得る構成が考えられる。しかし、擬似連1回と擬似連2回という特別図柄の抽選で大当たり当選することがあまり期待できない状況下で、表示画面50aに鎧召喚演出が表示され、第2盤可動体演出が実行され得るようにしても、遊技者の期待感を過剰に高めるだけで、その抽選にてハズレとなった場合には、遊技者を非常にがっかりさせることになり、遊技意欲を低下させ得るという問題があった。また通常確率状態での大当たり確率(約1/312)が本形態のように低い確率の場合には、より遊技者を非常にがっかりさせ、遊技意欲を低下させ得る。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、上記した問題を対処すべく、擬似連1回と擬似連2回である場合には第2盤可動体演出の実行を示唆する鎧召喚演出に代えて第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出が実行されることになる。そして鎧召喚演出よりも当選期待度が低く設定されている第1盤可動体演出が実行され、その後に第2盤可動体演出が実行され得る。一方、擬似連3回では表示画面50aに鎧召喚演出が表示され、その後に第2盤可動体演出が実行され得る。なお鎧召喚演出の方が、第1盤可動体演出よりも当選期待度が高く設定されている。これにより、当選期待度があまり期待できない擬似連1回と擬似連2回である場合に対応して、第1盤可動体演出が実行され、その後に第2盤可動体演出が実行され得る。そのため、特別図柄の抽選にて大当たりに当選することへの期待感を過度に高めることにならず、遊技意欲を低下させ難くすることが可能となる。一方、擬似連3回である場合には、当選期待度が高い擬似連3回に対応して、鎧召喚演出が実行され、その後に第2盤可動体演出が実行され得る。そのため、擬似連演出において単位期間の回数が多いほど(本形態では、3回)、特別図柄の抽選で大当たりに当選することへの期待感を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1において、例えば擬似連1回、擬似連2回、擬似連3回である場合に、表示画面50aにて鎧召喚演出を実行する構成とする。この場合、1回の特別図柄の抽選で大当たり当選にあまり期待ができない擬似連1回又は擬似連2回であるときにも、リーチ演出である鎧召喚演出が実行されると、表示開始から表示終了までに約10秒かかる鎧召喚演出を遊技者が見なければならない状況が生じ得る。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、上記した状況を回避するために、擬似連1回、擬似連2回では鎧召喚演出に代えて第1盤可動体演出が実行されるようにした。ここで第1盤可動体演出の実行開始から実行終了までにかかる時間は約3秒である。そのため、第1盤可動体演出の実行開始から実行終了までにかかる時間(約3秒)は、鎧召喚演出の表示開始から表示終了までにかかる時間(約10秒)よりも短くなっている。これにより、1回の特別図柄の抽選で大当たり当選にあまり期待ができない擬似連1回、擬似連2回では、鎧召喚演出が実行されないため、リーチにかかる時間を短縮することが可能となる。一方、1回の特別図柄の抽選で大当たり当選に期待ができる擬似連3回では、遊技者は鎧召喚演出などをゆっくりと楽しみながら特別図柄の抽選結果を待つことが可能となる。
6.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図19〜図33に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図19に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図20に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図7参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶(セット)する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図19の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、および特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器83bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器83aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図19参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図21に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理を行う(S202)。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S206)。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図22に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理を行う(S303)。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B)参照)を取得し、その取得乱数値を遊技用RAM104の普図保留記憶部106のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図20参照)。図23に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図11(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図11(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が7秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図20参照)。図24に示すように特別動作処理(S106)では、特図表示器81および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図25に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1415)。ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにして(S1417)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図26に基づいてまとめて説明する。図26に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の第2特図保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の第1特図保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図11(A)参照)をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図11(A)参照)のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「210」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図11(A)参照)のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「1660」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図9に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図9参照)を、遊技用RAM104に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図27及び図28に基づいてまとめて説明する。図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図12に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
図27に示すステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「1」〜「30」であり、時短状態であれば「1」〜「10」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図12に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図12に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている(図11参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図28に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図12に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図12の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図12の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図12の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図12に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)により演出制御基板120に送られる。本形態の擬似連4回では鎧召喚演出ではなく、全回転リーチが実行されるようにしても良い。その場合、擬似連4回では第1盤可動体演出、第2盤可動体演出が実行されても良いし、第1盤可動体演出、第2盤可動体演出が実行されなくても良い。また第1盤可動体演出又は第2盤可動体演出のうち、一方の可動体演出のみ実行されても良い。
[特別図柄変動中処理]図29に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図30に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図8参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図31に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2009に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2009に進む。ステップS2009では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図32に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口14の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口14の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口14を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図9参照)に従って大入賞口14を開放させる(S2204)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口14の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2206)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合には(S2206でYES)、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そしてステップS2207の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2208)。1回のラウンド遊技が終了しない場合には(S2208でNO)、本処理を終える。一方、1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2208でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2209)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2210)。「0」でなければ(S2210でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2210でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2211)、大当たりのエンディングを開始する(S2212)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2213)、処理を終える。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定する(S2214)。エンディング時間が経過していなければ(S2214でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2214でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2215)、大当たりフラグをOFFし(S2216)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2217)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(図24参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2218)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図33に示すように、遊技状態設定処理(S2218)ではまず、大当たりの種類が確変大当たり(停止図柄が特図1_大当たり図柄1又は特図2_大当たり図柄1、図8参照)であるか否かを判定する(S2301)。確変大当たりでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2306)、時短カウンタに「100」をセットして(S2307)、ステップS2308に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301において確変大当たりであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、時短フラグをONにする(S2303)。そして確変カウンタに「10000」をセットすると共に(S2304)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2305)、ステップS2308に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、実質的に次の大当たりに当選するまで継続することになる。確変カウンタの値及び時短カウンタの値が「10000」から「0」になるまで特別図柄の変動表示が実行されることがほぼあり得ないため、確変フラグ及び時短フラグが次回の大当たり遊技が開始されるまでOFFされることがないためである。なお確変カウンタを設けずに確変フラグだけを用いて、高確率状態が次の大当たりに当選するまで継続するようにしても良い。
ステップS2308では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
7.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図34〜図41に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図34に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン抽選乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤上可動装置55、盤下可動装置56を駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、遊技制御基板100から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。図35に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、入力部検知センサ40a(図8参照)、セレクトボタン検知センサ42aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理(S4010)におけるその他の処理(S4305)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理(S4203)では、SPリーチや大当たり演出中等の演出に合うタイミングで盤上可動装置55、盤下可動装置56を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動データ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤上可動装置55、盤下可動装置56を所定の動作態様で駆動させる。
駆動制御処理(S4203)の後、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。
続いて、1msタイマ割り込み処理(S4009)の入力処理(S4201)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。そして、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
続いて、音声制御処理(S4304)を行う。音声制御処理(S4304)では、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。そして、各種の演出用の乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4305)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図38に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していればモードステータス設定処理を行う(S4402)。モードステータス設定処理(S4402)では、受信した遊技状態指定コマンドを解析して、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて、モードステータスの値を設定する。モードステータスの値は、通常遊技状態であれば「1」に設定され、高確高ベース状態であれば「2」に設定され、低確時短状態であれば「3」に設定される。こうして演出制御用マイコン121は、現時点での遊技状態を把握することが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド又は特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4408)。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4410)。ラウンド演出選択処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理)を行って、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
[変動演出開始処理]図39に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理や特図2大当たり判定処理(図26参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理や特図2変動パターン選択処理(図27及び図28参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン121は、現時点で設定されているモードステータスの値を参照する(S4502)。続いて、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の選択を行う(S4503)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、後述する変動演出パターン選択処理1を実行する(S4504)。そして後述する変動演出パターン選択処理2を実行する(S4505)。そして予告演出選択処理を実行する(S4506)。予告演出選択処理(S4506)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
その後、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4507)、本処理を終える。ステップS4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[変動演出パターン選択処理1]図40に示すように、変動演出パターン選択処理(S4504)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動演出パターン抽選乱数を取得する(S4601)。なお変動演出パターン抽選乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。続いて、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動パターンが擬似連1回の実行を示すものであるか否かを判定する(S4602)。具体的には、図12に示すように、変動パターンP7〜P11、P27〜P32、P41〜P43、P51〜P53、P61〜P62であるか否かを判定する。
変動パターンが擬似連1回を実行するものであれば(S4602でYES)、次に変動パターンが弱SPリーチAを実行するものであるか否かを判定する(S4603)。また変動パターンが擬似連1回を実行するものでなければ(S4602でNO)、そのまま本処理を終えて、ステップS4505に進む。ステップS4603にて変動パターンが弱SPリーチAを実行するものであると判定された場合には(S4603でYES)、擬似連1回用変動演出パターン選択テーブル1を用いて変動演出パターンを選択し(S4604)、本処理を終えて、ステップS4505に進む。なお上述したように、弱SPリーチAは、4種類のSPリーチ(弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、強SPリーチB)のうち、3番目に当選期待度が高くなるように設定されている。
ここでステップS4604にて、変動パターンP7又は変動パターンP27に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連1回+ノーマルリーチ+第1盤可動体演出+第2盤可動体演出+弱SPリーチA」が実行されることになる(図15(A)〜図15(B)、図17参照)。
また変動パターンが弱SPリーチAを実行するものでなければ、即ち弱SPリーチBを実行するものであれば(S4603でNO)、次に変動パターンが弱SPリーチBを実行するものであるか否かを判定する(S4605)。変動パターンが弱SPリーチBを実行するものであれば(S4605でYES)、擬似連1回用変動演出パターン選択テーブル2を用いて変動演出パターンを選択し(S4606)、本処理を終えて、ステップS4505に進む。なお上述したように、弱SPリーチBは、4種類のSPリーチ(弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、強SPリーチB)のうち、1番目に当選期待度が低くなるように設定されている。
ここでステップS4606にて、変動パターンP9又は変動パターンP28に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連1回+第1盤可動体演出+第2盤可動体演出+弱SPリーチB」が実行されることになる(図15(A)、図16参照)。一方、ステップS4606にて、変動パターンP10又は変動パターンP29に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連1回+第1盤可動体演出+弱SPリーチB」が一連に実行されることになる(図15(A)、図16(A)参照)。
またステップS4605において、変動パターンが弱SPリーチBを実行するものでなければ(S4605でNO)、その他のテーブルを用いて変動演出パターンを選択し(S4607)、本処理を終えて、ステップS4505に進む。その他テーブルは、擬似連1回用変動演出パターン選択テーブル1、擬似連1回用変動演出パターン選択テーブル2、擬似連2回用変動演出パターン選択テーブル1、擬似連2回用変動演出パターン2、擬似連3回用変動演出パターン以外のテーブルである。変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン抽選乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する(S4607)。これにより、擬似連1回であって弱SPリーチA又は弱SPリーチBを実行しない場合や、擬似連1回であってノーマルリーチを実行して、全回転リーチを実行する場合などの変動演出の詳細が決定される。こうして変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
[変動演出パターン選択処理2]図41に示すように、変動演出パターン選択処理2(S4505)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動パターンが擬似連3回の実行を示すものであるか否かを判定する(S4701)。具体的には、図12に示すように、変動パターンP1〜P2、P21〜P22であるか否かを判定する。
変動パターンが擬似連3回を実行するものであれば(S4701でYES)、擬似連3回用変動演出パターン選択テーブルを用いて変動演出パターンを選択し(S4702)、本処理を終えて、ステップS4506に進む。
ここでステップS4702にて、変動パターンP1又は変動パターンP21に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連3回+第1盤可動体演出+第2盤可動体演出+強SPリーチA」が一連に実行されることになる(図18(A)、図18(B)、図18(C−1)参照)。一方、ステップS4702にて、変動パターンP2又は変動パターンP22に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連3回+第1盤可動体演出+強SPリーチA」が一連に実行されることになる(図18(A)、図18(B)、図18(C−2)参照)。
また変動パターンが擬似連3回を実行するものでなければ、即ち擬似連2回を実行するものであれば(S4701でNO)、変動パターンが強SPリーチBを実行するものであるか否かを判定する(S4703)。ここで擬似連2回が実行される変動パターンとは、図12に示すように、変動パターンP3〜P6、P23〜P26である。そして、変動パターンが強SPリーチBを実行するものであれば(S4703でYES)、擬似連2回用変動演出パターン選択テーブル1を用いて変動演出パターンを選択し(S4704)、本処理を終えて、ステップS4506に進む。なお上述したように、強SPリーチBは、4種類のSPリーチ(弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、強SPリーチB)のうち、2番目に当選期待度が高くなるように設定されている。
ここでステップS4704にて、変動パターンP3又は変動パターンP23に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連2回+第1盤可動体演出+第2盤可動体演出+強SPリーチB」が一連に実行されることになる(図15(A)〜図15(B)、図17参照)。
またステップS4703にて、変動パターンが強SPリーチBを実行するものでなければ(S4703でNO)、変動パターンが弱SPリーチAを実行するものであるか否かを判定する(S4705)。変動パターンが弱SPリーチAを実行するものであれば(S4705でYES)、擬似連2回用変動演出パターン選択テーブル2を用いて変動演出パターンを選択し(S4706)、本処理を終えて、ステップS4506に進む。
ここでステップS4706にて、変動パターンP4又は変動パターンP24に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連2回+第1盤可動体演出+第2盤可動体演出+弱SPリーチA」が一連に実行されることになる(図15(A)、図16参照)。一方、ステップS4706にて、変動パターンP5又は変動パターンP25に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連2回+第1盤可動体演出+弱SPリーチA」が一連に実行されることになる(図15(A)、図16(A)参照)。
またステップS4705にて、変動パターンが弱SPリーチAを実行するものでなければ、即ちノーマルリーチを実行するものであれば(S4705でNO)、擬似連2回用変動演出パターン選択テーブル3を用いて変動演出パターンを選択し(S4707)、本処理を終えて、ステップS4506に進む。
ここでステップS4707にて、変動パターンP6又は変動パターンP26に基づく変動演出パターンが選択されると、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、「擬似連2回+ノーマルリーチ」が実行されることになる(図15(A)、図15(B)、図15(C−2)、図15(D−2)、図16参照)。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、擬似連3回では特別図柄の抽選による当選期待度が相対的に高いことを示唆する鎧召喚演出が実行される場合がある一方、第1盤可動体55kを用いて前記鎧召喚演出よりも前記当選期待度が低いことを示唆する第1盤可動体演出が実行されることはない。また擬似連1回又は擬似連2回では第1盤可動体演出が実行される場合がある。これにより、擬似連1回又は擬似連2回で第1盤可動体演出が実行されることで、特別図柄の抽選にて大当たりに当選することへの過度な期待感を抑制することが可能となる。一方、擬似連3回では第1盤可動体演出は実行されずに鎧召喚演出が実行されることで、特別図柄の抽選にて大当たりに当選することへの期待感を高めることが可能となる。そのため擬似連1回又は擬似連2回である場合と、擬似連3回である場合とに応じて実行される変動演出を適切に調整することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
仮にパチンコ遊技機PY1において、擬似連1回又は擬似連2回にて鎧召喚演出と第2盤可動体演出とが一連に実行されると、擬似連3回よりも当選期待度があまり高くない擬似連1回又は擬似連2回なのに過度な期待を遊技者に持たせることになる。そのため、鎧召喚演出と第2盤可動体演出が実行されたが、特別図柄の抽選結果がハズレの場合には遊技者を非常に落ち込ませてしまう可能性がある。そこで本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、擬似連1回又は擬似連2回では第1盤可動体演出が実行された後に、第2盤可動体演出が実行される場合がある一方、擬似連3回では第1盤可動体演出が実行された後に、第2盤可動体演出が実行されることはない(図12、図14参照)。これにより、擬似連1回又は擬似連2回である場合には、擬似連1回又は擬似連2回に対応した当選期待度を示唆する第1盤可動体演出が実行される場合がある。そのため、擬似連1回又は擬似連2回にて大当たりに当選するかもしれないという過度な期待感を持たせることを抑制することが可能となる。さらに、特別図柄の抽選結果がハズレの場合に遊技者を落ち込ませてしまう可能性を低くすることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、擬似連3回では第1盤可動体演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行されることはないが、鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される場合がある(図12、図14参照)。そして、擬似連1回又は擬似連2回では鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行されないが、第1盤可動体演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される場合がある(図12、図14参照)。そのため、擬似連演出に含まれる単位期間の回数に応じて、第1盤可動体演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される場合と、鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される場合とを遊技者に提供することが可能となる。こうして擬似連続演出に含まれる単位期間の回数に応じた演出を提供して、遊技者を楽しませることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特別図柄の抽選で大当たりに当選する場合のほうが、ハズレとなる場合よりも、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される可能性が高い(図12、図14参照)。また特別図柄の抽選で大当たりに当選するときには、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行されない場合よりも擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行される場合のほうが高い割合になっている(図12参照)。これにより、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることが可能となり、擬似連3回で鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行された場合には、遊技者の気持ちを高めることが可能となる。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、1回の特別図柄の変動表示の開始からその特別図柄が停止表示するまでの期間を複数の単位期間(変動サイクル)で区切って、各単位期間において、演出図柄EZの変動表示を開始させ、演出図柄EZを仮停止表示させる演出(本実施例では、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を同じ数字で仮停止表示させ、中演出図柄EZ2を「継続」で仮停止表示させる演出)が実行される擬似連演出が実行可能であった。そして本形態の変動サイクルの回数は、最大3回であった(図12、図14参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、最大2回であっても良い。その他にも変動サイクルの回数は最大4回以上であっても良い。また変動サイクルの回数が最大4回である場合には、3回の変動サイクルを含む擬似連演出と4回の変動サイクルを含む擬似連演出において、鎧召喚演出(特別演出)が実行される場合があり、第1盤可動体演出(可動演出)は実行されないようにしても良い。また変動サイクルの回数が最大4回である場合には、4回の変動サイクルにおいて、鎧召喚演出が実行される場合があっても良い。その場合、鎧召喚演出が実行された後に、第2盤可動体演出が実行され得るが、第1盤可動体演出は実行されないようにしても良い。
上記形態の単位期間(変動サイクル)において、演出図柄EZの変動表示を開始させ、演出図柄EZを仮停止表示させる演出(本実施例では、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を同じ数字で仮停止表示させ、中演出図柄EZ2を「継続」で仮停止表示させる演出)が実行されたが、これに限定されることはない。例えば、演出図柄EZが所定の表示態様(例えば、「223」)で仮停止表示される演出や、演出図柄EZとは異なる擬似演出図柄(例えば、「NEXT」)が仮停止表示される演出などが実行されるようにしても良い。
上記形態では、中演出図柄EZ2が「継続」で仮停止させることで1回の単位期間が終了され、演出図柄の再変動表示が開始されることで次の単位期間が開始されることになるが、これに限定されることはない。例えば、演出図柄の再変動表示が開始されることで、1回の単位期間が終了して、次の単位期間が開始されるようにしても良い。
上記形態では、第1盤可動体55kが「可動役物」に相当するが、これに限定されることはない。例えば、第1盤可動体55k以外の可動体であっても良い。また第2盤可動体56kが「他の可動役物」に相当するが、これに限定されることはない。例えば、第2盤可動体56k以外の可動体であっても良い。ただし、可動役物と他の可動役物が異なる可動役物であることとする。
上記形態では、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間(変動サイクル)を1回だけ含む擬似連演出と、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を2回含む擬似連演出と、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を3回(所定回数)含む擬似連演出とがあった。そして上記形態では、所定回数以上の変動サイクルを含む擬似連演出であるときに、鎧召喚演出は実行されるが第1盤可動体演出は実行されなかった。一方、所定回数未満の変動サイクルを含む擬似連演出であるときには、第1盤可動体演出は実行されるが鎧召喚演出は実行されなかった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば所定回数は2回であっても良い。また所定回数は4回以上であっても良い。
上記形態では、擬似連3回にて鎧召喚演出(特別演出)が実行されたが、これに限定されることはない。例えば、特別演出は、スピーカ610から出力された特定の音声、枠ランプ212や盤ランプ54で発光させた特定の発光態様、保留アイコン予告、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等の他の演出でも良い。
上記形態では、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間(変動サイクル)を3回(所定回数)含む擬似連演出(擬似連3回)にて鎧召喚演出(特別演出)が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、所定回数の変動サイクルにて特別演出が実行されなくても良い。
上記形態では、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間(変動サイクル)を3回(所定回数)含む擬似連演出(擬似連3回)にて、第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出が実行されなかったが、これに限定されることはない。例えば、所定回数の変動サイクルにて第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出が実行される場合があっても良い。
上記形態では、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にて、第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、擬似連1回又は擬似連2回では第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出が実行されないようにしても良い。
上記形態では、第1盤可動体55k(可動役物)と第2盤可動体56k(他の可動役物)とを備えていたが、これに限定されることはない。例えば、可動役物と他の可動役物とも異なる別の可動役物を備えるようにしても良い。
上記形態では、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出(特別演出)を実行した後に第2盤可動体56kを用いた第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、他の可動演出が実行された後に特別演出が実行される場合があっても良い。
上記形態では、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にて、第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出(可動演出)を実行した後に第2盤可動体56kを用いた第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、他の可動演出が実行された後に可動演出が実行される場合があっても良い。
上記形態では、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にて、、第1盤可動体55kを用いた第1盤可動体演出(可動演出)を実行した後に第2盤可動体56kを用いた第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にて、可動演出が実行された後に他の可動演出が実行されなくても良い。その他に、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にて、可動演出と他の可動演出のうち、一方の可動演出のみが実行され、他方の可動演出は実行されないようにしても良い。
上記形態では、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にてノーマルリーチに発展して、第1盤可動体演出が実行されると、その後に必ず第2盤可動体演出が実行されることになったが(図12、図14参照)、これに限定されることはない。例えば、擬似連1回における単位期間又は擬似連2回における2回目の単位期間にてノーマルリーチに発展して、第1盤可動体演出が実行された後に、第2盤可動体演出が実行される場合と第2盤可動体演出が実行されない場合とに分岐しても良い。
上記形態では、擬似連1回又は擬似連2回では、鎧召喚演出(特別演出)が実行された後に第2盤可動体56kを用いた第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行されなかったが、これに限定されることはない。例えば、擬似連1回又は擬似連2回では、特別演出が実行された後に、他の可動演出が実行されるようにしても良い。また擬似連1回又は擬似連2回にて、特別演出と他の可動演出のうち、一方の演出のみが実行され、他方の演出は実行されないようにしても良い。
上記形態の擬似連3回における3回目の単位期間では、第1盤可動体演出(可動演出)が実行された後に第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行されないが、これに限定されることはない。例えば擬似連3回における3回目の単位期間では、可動演出が実行された後に他の可動演出が実行されるようにしても良い。また擬似連3回にて、可動演出と他の可動演出のうち、一方の可動演出のみが実行され、他方の可動演出は実行されないようにしても良い。
上記形態の擬似連3回における3回目の単位期間では、鎧召喚演出(特別演出)が実行された後に第2盤可動体演出(他の可動演出)が実行される場合があったが、これに限定されることはない。例えば擬似連3回における3回目の単位期間では、特別演出が実行された後に他の可動演出が実行されないようにしても良い。また擬似連3回における3回目の単位期間にて、特別演出と他の可動演出のうち、一方の演出のみが実行され、他方の演出は実行されないようにしても良い。
上記形態の擬似連3回における3回目の単位期間では、ノーマルリーチに必ず発展したが、これに限定されることはない。例えば擬似連3回における3回目の単位期間では、ノーマルリーチに発展する場合と、ノーマルリーチに発展しない場合に分岐しても良い。例えば、擬似連3回における3回目の単位期間でノーマルリーチに発展しない場合には、演出ボタン40kの押下操作を促す操作促進演出などノーマルリーチと異なる演出が実行されるようにしても良い。
上記形態では、特別図柄の抽選にてハズレである場合よりも、大当たりである場合のほうが、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行され易かったが、これに限定されることはない。例えば、特別図柄の抽選にてハズレである場合の方が、大当たりである場合よりも、擬似連3回における3回目の単位期間にて鎧召喚演出が実行された後に第2盤可動体演出が実行され易くしても良い。
上記形態では、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出が開始され、擬似連1回である場合に、第1盤可動体演出が実行されると、第1盤可動体演出を経て第2盤可動体演出が実行され、弱SPリーチBへと発展した(図14参照)が、これに限定されることはない。例えば、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出の開始時に(擬似連1回)、第1盤可動体演出が実行されると、第1盤可動体演出を経て第2盤可動体演出が実行され、強SPリーチ(強SPリーチA、強SPリーチB)に発展する場合があっても良い。
上記形態では、表示画面50aにて鎧召喚演出の表示開始から表示終了までにかかる時間は約10秒であったが、これに限定されることはない。例えば、約10秒よりも短くても良いし、約10秒よりも長くても良い。また盤上可動装置55を作動させる第1盤可動体演出の実行開始から実行終了までにかかる時間は約3秒であったが、これに限定されることはない。例えば、約3秒よりも短くても良いし、約3秒よりも長くても良い。ただし、鎧召喚演出の表示開始から表示終了までにかかる時間のほうが、盤上可動装置55を作動させる第1盤可動体演出の実行開始から実行終了までにかかる時間よりも長いこととする。
上記形態では、盤上可動装置55を作動させる第1盤可動体演出と鎧召喚演出は、盤下可動装置56を作動させる第2盤可動体演出が実行されるか否かを示唆し、当選期待度を示唆する演出であったが、これに限定されることはない。例えば、第1盤可動体演出と鎧召喚演出は、第2盤可動体演出が実行されるか否かを示唆せず、単に当選期待度を示唆する演出であっても良い。また第1盤可動体と鎧召喚演出のうち、一方の演出は盤下可動装置56を作動させる第2盤可動体演出が実行されるか否かを示唆する演出とし、当選期待度を示唆し、他方の演出は第2盤可動体演出が実行されるか否かを示唆せず、単に当選期待度を示唆する演出としても良い。
上記形態では、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出が開始され、擬似連1回である場合に、ノーマルリーチを経て、第1盤可動体演出が実行されると、第1盤可動体演出を経て第2盤可動体演出が実行され、弱SPリーチBへと発展した(図14参照)。また擬似連2回である場合に、ノーマルリーチを経て、第1盤可動体演出が実行されると、第1盤可動体演出を経て第2盤可動体演出が実行され、強SPリーチBへと発展した(図14参照)。また擬似連3回である場合に、ノーマルリーチを経て、鎧召喚演出が実行されると、鎧召喚演出を経て第2盤可動体演出が実行され、強SPリーチAへと発展した(図14参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、擬似連1回又は擬似連2回にてノーマルリーチを経て、第1盤可動体演出が実行され、第1盤可動体演出を経て第2盤可動体演出が実行される場合や擬似連3回にてノーマルリーチを経て、鎧召喚演出が実行され、鎧召喚演出を経て第2盤可動体演出が実行される場合でも同じSPリーチに発展するようにしても良い。これにより、擬似連毎に同じSPリーチに発展する場合でも、同じSPリーチに発展するまでに第1盤可動体演出又は鎧召喚演出を実行するかといったように変化させることが可能である。そのため、当選期待度が低い擬似連1回では過度な期待感を高めることにはならないから、遊技者のストレスを緩和させ、当選期待度が高い擬似連では大当たりに当選することへの期待感を高めることが可能となる。
上記形態では、図14〜図18に示す演出は、非時短状態での擬似連演出において行われる演出の一例に過ぎず、これらに限定されることはない。例えば、非時短状態での擬似連演出においてスピーカ610から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させたり、保留アイコン予告、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が適宜実行可能であっても良い。
上記形態では、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を1回(所定の第1回数)だけ含む擬似連演出を擬似連1回と呼ぶこととしたが、これに限定されることはない。例えば、演出図柄EZの変動表示が1回行われる単位期間を1回(所定の第1回数)だけ含む擬似連演出を「擬似連なし」と呼ぶようにしても良い。
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技(特別遊技)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。なお上記形態において、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されることを「所定の条件」に相当する。
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
所定の条件(大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されること)が成立することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かの判定を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
所定の変動演出を制御可能とする演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
前記変動演出にて可動可能な可動役物(第1盤可動体55k)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記変動演出において、複数の変動サイクル(演出図柄EZの変動表示が行われる単位期間)を含む擬似連演出(1回の特別図柄の変動表示の開始からその特別図柄が停止表示するまでの期間を複数の単位期間(変動サイクル)で区切って、各単位期間において、演出図柄EZの変動表示を開始させ、演出図柄EZを仮停止表示させる演出(本実施例では、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を同じ数字で仮停止表示させ、中演出図柄EZ2を「継続」で仮停止表示させる演出)が実行される演出)を実行可能であり、
前記複数の変動サイクルのうち所定回数(3回)以上の変動サイクル(演出図柄EZの変動表示が行われる単位期間)では、前記特別遊技が実行される期待度が相対的に高いことを示唆可能な特別演出(鎧召喚演出、図14、図18(B)参照)を実行可能である一方、前記可動役物を用いて前記特別演出よりも前記特別遊技が実行される期待度が低いことを示唆可能な可動演出(第1盤可動体演出、図6、図14、図16(B)、図17(B)参照)を実行せず、
前記所定回数(3回)未満の変動サイクル(演出図柄EZの変動表示が行われる単位期間)では、前記可動演出(第1盤可動体演出、図6、図14、図16(B)、図17(B)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、擬似連演出における複数の変動サイクルのうち所定回数以上の変動サイクルでは、特別遊技が実行される期待度が相対的に高いことを示唆する特別演出が実行される場合がある一方、可動役物を用いて特別演出よりも特別遊技が実行される期待度が低いことを示唆する可動演出は実行されない。また所定回数未満の変動サイクルでは、可動役物を用いて特別演出よりも特別遊技が実行される期待度が低いことを示唆する可動演出が実行される場合がある。これにより、所定回数未満の変動サイクルでは可動演出が実行される場合がある一方、所定回数以上の変動サイクルでは可動演出が実行されないが、特別演出が実行される場合がある。そのため、所定回数未満の変動サイクルでは可動演出が実行されることで特別遊技への過度な期待感を抑えることが可能となる一方、所定回数以上の変動サイクルでは可動演出が実行されずに特別演出が実行されることで特別遊技への期待感を高めることが可能となる。こうして、擬似連演出での変動サイクルが所定回数以上、又は所定回数未満に応じて実行され得る演出を適切に調整することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機において、
前記可動役物(第1盤可動体55k)と異なる他の可動役物(第2盤可動体56k)を備え、
前記演出制御手段は、
前記他の可動役物を用いた他の可動演出(第2盤可動体演出、図6、図14、図16(B)、図17(C)、図18(C−1)参照)を実行可能とし、
前記所定回数未満の変動サイクルでは、前記可動演出と前記他の可動演出を一連に実行可能である一方、前記特別演出と前記他の可動演出を一連に実行しない(擬似連1回及び擬似連2回では、第1盤可動体演出を実行し、その第1盤可動体演出の実行後に第2盤可動体演出を実行し得る一方、鎧召喚演出を実行し、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出を実行しない、図14、図16、図17参照)ことを特徴とする遊技機である。
仮に所定回数未満の変動サイクルにて期待度が相対的に高いことを示唆する特別演出と他の可動演出が一連に実行され得ると、所定回数未満の変動サイクルにて特別遊技への過度な期待感を遊技者に抱かせることになる。これにより、特別遊技が実行されなかった場合には遊技者を過度に落胆させてしまう可能性がある。この構成の遊技機によれば、可動役物を用いた特別演出よりも期待度が低いことを示唆する可動演出と他の可動役物を用いた他の可動演出が一連に実行される場合がある一方、期待度が相対的に高いことを示唆する特別演出と他の可動演出が一連に実行されない。これにより所定回数未満の変動サイクルでは、他の可動演出と特別演出が一連に実行されないが、他の可動演出と可動演出が一連に実行され得る。そのため、所定回数未満の変動サイクルにて他の可動演出と一連に実行され得る演出を適切に調整することが可能となり、所定回数未満の変動サイクルでの特別遊技への過度な期待感を抑え、遊技者を過度に落胆させてしまう可能性を低くすることが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記所定回数以上の変動サイクルでは、前記可動演出と前記他の可動演出を一連に実行しない一方、前記特別演出と前記他の可動演出を一連に実行可能である(第1盤可動演出を実行し、その第1盤可動体演出の実行後に第2盤可動体演出を実行しない一方、鎧召喚演出を実行し、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出を実行し得る、図14、図18参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、所定回数以上の変動サイクルでは可動役物を用いた可動演出と他の可動役物を用いた他の可動演出が一連に実行されないが、所定回数以上の変動サイクルでは特別遊技が実行される期待度が相対的に高いことを示唆する特別演出と他の可動演出が一連に実行される場合がある。これにより、変動サイクルが所定回数以上であれば特別演出と他の可動演出を一連に実行される場合がある一方、変動サイクルが所定回数未満であれば可動役物を用いた可動演出と他の可動演出を一連に実行される場合があることになる。そのため、擬似連演出での変動サイクルが所定回数以上であるか、又は所定回数未満であるかによって、その変動サイクルに対応した演出の一連の流れを遊技者に提供することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段4に係る発明は、
手段3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技が実行されないと判定される場合よりも、前記特別遊技が実行されると判定される場合のほうが、前記所定回数(3回)以上の変動サイクルでは、前記特別演出と前記他の可動演出を一連に実行し(鎧召喚演出を実行し、その鎧召喚演出の実行後に第2盤可動体演出を実行する、図14、図16、図17参照)易い(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特別遊技が実行されないと判定される場合よりも、特別遊技が実行されると判定される場合のほうが、所定回数以上の変動サイクルにて期待度が相対的に高いことを示唆する特別演出と他の可動役物を用いた他の可動演出が一連に実行され易い。これにより、特別遊技が実行されると判定されるか否かによって、所定回数以上の変動サイクルにて特別演出と他の可動演出が一連に実行される可能性が異なることになる。そのため、擬似連演出での変動サイクルが所定回数以上となって、特別演出と他の可動演出が一連に実行されるか否かに遊技者を注目させることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
ところで、特開2008−161390号公報に記載の遊技機のように、演出を制御可能な演出制御手段が設けられている。上記特許文献1の演出制御手段では、例えば演出図柄を所定時間変動させた後に、演出図柄をハズレ態様で仮停止させて、その後再度演出図柄を変動表示させる変動サイクルが複数から構成された、所謂擬似連演出を実行させる場合がある。ところが擬似連演出を実行する遊技機には、複数の変動サイクルのうち所定回数未満の変動サイクルだけでなく、所定回数以上の変動サイクルでも特別遊技(例えば大当たり遊技)が実行される期待度が相対的に高いことを示唆する演出を実行するものがある。そのため、擬似連演出での変動サイクルの回数に応じた演出を適切に実行することが困難で、遊技興趣を高めるための改善の余地があった。そこで上記した手段1〜4に係る発明は、特開2008−161390号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、複数の変動サイクルのうち所定回数以上の変動サイクルでは、特別遊技が実行される期待度が相対的に高いことを示唆可能な特別演出を実行可能である一方、可動役物を用いて特別演出よりも特別遊技が実行される期待度が低いことを示唆可能な可動演出を実行しないが、所定回数未満の変動サイクルでは、前記可動演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。