以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.組織マネジメントのための新たなサービス
本発明の発明者は、組織マネジメントのための新たなサービスを開発した。そのサービスとは、組織内のメンバの特徴とそのメンバの評価との関係を見出し、その組織の管理者に伝えるというものである。例えば、その組織において、どのような特徴を有する人物が高いパフォーマンスを有するか、すなわち、ハイパフォーマーであるか、どのような特徴を有する人物が低いパフォーマンスを有するか、すなわち、ローパフォーマーであるか、どのような特徴を有する人物が早期に離職してしまうか等の組織内のメンバの特徴とそのメンバの評価との関係を見出し、それを組織の管理者に伝えることができる。例えば、どのような特徴を有していない人物がハイパフォーマーであるか、どのような特徴を有していない人物がローパフォーマーであるか、どのような特徴を有していない人物が早期離職者であるかを見出すこともできる。このサービスは、例えば、外食産業、流通産業、小売産業において利用されることができる。
組織内のメンバの特徴とそのメンバの評価との関係に基づいて、組織の管理者は、例えば、その組織で高いパフォーマンスを有する人物を育てるために、どのような特徴を伸ばすまたは有するように指導するべきか、どのような特徴を有しないように指導するべきかを知ることができるようになる。これにより、採用した人材をその企業で力を発揮できるように適切に育てていくことができるようになる。
また、組織の管理者は、例えば、その組織で高いパフォーマンスを有する人物を採用するために、および/または、その組織で低いパフォーマンスを有する人物または早期に離職してしまう可能性が高い人物を採用しないために、どのような特徴を有する人物またはどのような特徴を有していない人物を採用すべきかを知ることができるようにもなる。これにより、採用活動の効果が高まり、ひいては採用活動のコスト削減にもつながる。
このような組織マネジメントのための新たなサービスは、本発明のコンピュータシステム100を利用して可能になる。
図1Aおよび図1Bは、本発明のコンピュータシステム100を利用した組織マネジメントのための新たなサービスのフローの一例を示す。
図1Aでは、店舗Aにおいて、従業員10と、店長20とがこのサービスを利用する場合を説明する。従業員10の端末装置(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等)にはこのサービスを利用するためのアプリケーションがインストールされているか、または、従業員10の端末装置は、ウェブブラウザを介してこのサービスを利用するためのウェブアプリケーションにアクセス可能であるものとする。店長20の端末装置(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等)にはこのサービスを利用するためのアプリケーションがインストールされているか、または、店長20の端末装置は、ウェブブラウザを介してこのサービスを利用するためのウェブアプリケーションにアクセス可能であるものとする。
図1Aでは、3人の従業員10および1人の店長20が示されているが、従業員10および店長20の数はこれに限定されず、任意の数の従業員10および店長20がこのサービスを利用し得る。
コンピュータシステム100は、例えば、従業員10の端末装置および店長20の端末装置にネットワークを介して接続されたサーバ装置であり得る。
ステップS1では、各従業員10が、アンケートに回答し、回答結果をコンピュータシステム100に送信する。アンケートは、例えば、従業員10の端末装置にインストールされたアプリケーションまたはウェブアプリケーションを起動することによって、アンケート画面(例えば、図2Aに示されるアンケート画面40)として端末装置に表示され得る。アンケートは、例えば、仕事選びの優先順位の観点からの質問、性格特性の観点からの質問、状況の観点からの質問、経験の観点からの質問、および希望条件の観点からの質問を含み得る。仕事選びの優先順位の観点からの質問は、例えば、従業員10が、仕事を選ぶ際に優先順位が高いまたは低いと考えているものを問う質問である。性格特性の観点からの質問は、例えば、従業員10がどのような性格を有しているかを問う質問である。状況の観点からの質問は、例えば、従業員10がどのような状況に置かれているかを問う質問である。経験の観点からの質問は、例えば、従業員10がどのような経験を有しているかを問う質問である。希望条件の観点からの質問は、例えば、従業員10がどのような条件を希望しているかを問う質問である。アンケートは、例えば、個人情報を問う質問を含んでもよい。アンケートは、例えば、択一回答式であってもよいし、記入回答式であってもよい。
ステップS2では、店長20が、各従業員の評価をコンピュータシステム100に送信する。評価は、例えば、店長20の端末装置にインストールされたアプリケーションまたはウェブアプリケーションを起動することによって、評価入力画面(図示せず)として端末装置に表示され得る。店長20は、例えば、所定期間(例えば、1日、1週間、4週間、1月、2月、3月、6月、1年等)内の各従業員10の行動を観察し、各従業員10がハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるかの評価をし得る。評価は、例えば、各従業員10の動きおよび/またはやる気の評価であってもよい。このとき、評価は、例えば、金、銀、銅の3段階評価であってもよいし、2または4以上の多段階評価であってもよい。評価をする際に、従業員10が既に離職している場合であって、かつ、入社日から十分な期間(例えば、1月、3月、6月、1年、3年等)が経っていない場合には、早期離職者であるとの評価をし得る。
コンピュータシステム100は、各従業員10による回答結果および店長20による評価を受信すると、各従業員10による回答結果と店長20による評価とに基づいて、従業員の特徴とその従業員の評価との関係を導出し、ステップS3で、店長20に通知する。従業員の特徴とその従業員の評価との関係は、例えば、店長20の端末装置に表示される。従業員の特徴とその従業員の評価との関係は、例えば、ハイパフォーマーである従業員が共通して有している特徴が何であるか、ハイパフォーマーである従業員が共通して有していない特徴が何であるか、ローパフォーマーである従業員が共通して有している特徴が何であるか、ローパフォーマーである従業員が共通して有していない特徴が何であるか、早期離職者である従業員が共通して有している特徴が何であるか、早期離職者である従業員が共通して有していない特徴が何であるか等であり得る。特徴は、例えば、仕事選びの優先順位の観点での特徴、性格特性の観点での特徴、状況の観点での特徴、経験の観点での特徴、および希望条件の観点での特徴に分類され得、例えば、仕事選びの優先順位の観点での特徴、性格特性の観点での特徴、状況の観点での特徴、経験の観点での特徴、および希望条件の観点での特徴のうちの少なくとも1つが通知され得る。例えば、ハイパフォーマーである従業員が共通して有している仕事選びの優先順位の観点での特徴、性格特性の観点での特徴、状況の観点での特徴、経験の観点での特徴、および希望条件の観点での特徴がそれぞれ何であるかが通知され得る。
これにより、店長20は、例えば、店舗Aで高いパフォーマンスを有する人物を育てるために、どのような特徴を伸ばすまたは有するように指導するべきか、どのような特徴を有しないように指導するべきかを知ることができるようになり、店舗Aの人材育成が効率化される。
図1Bは、コンピュータシステム100が、店舗Aで働くことを志望する志望者30を採用するか否かの判断を支援する場合のフローの一例を示す。志望者30の端末装置(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等)にはこのサービスを利用するためのアプリケーションがインストールされているか、または、志望者30の端末装置は、ウェブブラウザを介してこのサービスを利用するためのウェブアプリケーションにアクセス可能であるものとする。
ステップS4では、志望者30が、アンケートに回答し、回答結果をコンピュータシステム100に送信する。アンケートは、例えば、志望者30の端末装置にインストールされたアプリケーションまたはウェブアプリケーションを起動することによって、アンケート画面(例えば、図2Aに示されるアンケート画面40)として端末装置に表示され得る。アンケートは、例えば、仕事選びの優先順位の観点からの質問、性格特性の観点からの質問、状況の観点からの質問、経験の観点からの質問、および希望条件の観点からの質問を含み得る。アンケートは、例えば、個人情報を問う質問を含んでもよい。アンケートは、例えば、択一回答式であってもよいし、記入回答式であってもよい。アンケートは、ステップS1で各従業員10に提示されたものと同一の内容のものであってもよいし、異なる内容のものであってもよい。
コンピュータシステム100は、志望者30による回答結果を受信すると、志望者30による回答結果と、既に特定されている従業員の特徴とその従業員の評価との関係とに基づいて、志望者30が店舗Aにおいてどのように評価され得るかを予測し、ステップS5で、店長20に通知する。例えば、ハイパフォーマーである従業員が共通して有している特徴を志望者30が有している場合、志望者30がハイパフォーマーであり得ると通知することができる。例えば、ローパフォーマーである従業員が共通して有している特徴を志望者30が有している場合、志望者30がローパフォーマーであり得ると通知することができる。例えば、早期離職者である従業員が共通して有している特徴を志望者30が有している場合、志望者30が早期離職者であり得ると通知することができる。
これにより、店長20は、例えば、志望者30を採用するか否かを判断する際に、志望者30が、店舗Aで高いパフォーマンスを有する人物であり得るか、または、店舗Aで低いパフォーマンスを有する人物または早期に離職してしまう可能性が高い人物であり得るかの予測を考慮することができる。これにより、採用活動の効果が高まり、ひいては採用活動のコスト削減にもつながる。
図2Aは、従業員10の端末装置に表示されるアンケート画面40の一例である。
アンケート画面40は、質問欄41と回答欄42とを備える。図2Aに示されるアンケート画面40には、性格を問う質問、すなわち、性格特性の観点からの質問が示されている。従業員10は、アンケート画面40の回答欄42の選択肢のうちの1つを選択することにより、質問に回答し得る。
図2Bは、店長20の端末装置に表示される志望者特徴表示画面50の一例である。志望者特徴表示画面50は、志望者30の面接の際等に、店長20の端末装置に表示され得る画面である。
志望者特徴表示画面50は、志望者情報表示欄51と、志望者特徴表示欄52とを備える。志望者情報表示欄51には、志望者30の個人情報および志望者のマッチ度情報が表示され得る。志望者のマッチ度情報は、志望者30の考え方または性格と店長20の考え方または性格とが合っているかどうかの指標を示す。志望者特徴表示欄52には、志望者30の特徴が表示され得る。図2Bに示される例では、性格特性の観点から、志望者の特徴が表示されている。性格特性の観点が5つの項目(「周囲との関わり」、「心の開き」、「思いやり」、「粘り強さ」、「情緒の安定」)に細分されており、それぞれの項目について折れ線グラフで特徴が示されている。志望者特徴表示欄52には、店舗Aでハイパフォーマーと評価された従業員10の特徴、店舗Aでローパフォーマーと評価された従業員10の特徴、店舗Aで早期離職者と評価された従業員10の特徴も折れ線グラフで示されている。店長20は、志望者30の特徴を示す折れ線グラフの形状が、ハイパフォーマーの特徴を示す折れ線グラフの形状と近いか、ローパフォーマーの特徴を示す折れ線グラフの形状と近いか、早期離職者の特徴を示す折れ線グラフの形状と近いかを判断することにより、志望者30がハイパフォーマーであり得るか、ローパフォーマーであり得るか、早期離職者であり得るかを判断することができる。あるいは、志望者30がハイパフォーマーであり得るか、ローパフォーマーであり得るか、早期離職者であり得るかをコンピュータシステム100が判断し、志望者特徴表示画面50に表示するようにしてもよい。
上述した例では、店舗Aを例に説明したが、本発明の対象は店舗に限定されず、複数のメンバを有する任意の組織であり得る。
上述した例では、従業員10を例に説明したが、本発明の対象は従業員に限定されず、組織内の任意のメンバであり得る。また、店長20を例に説明したが、本発明の対象は店長に限定されず、組織内で何らかの管理を行う任意の管理者(バイトリーダー、係長、課長、部長、社長等)であり得る。
2.組織マネジメントのためのコンピュータシステムの構成
図3は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。また、コンピュータシステム100は、少なくとも1つの管理者用端末装置300と、少なくとも1つのメンバ用端末装置400とにネットワーク500を介して接続されている。
ネットワーク500は、任意の種類のネットワークであり得る。ネットワーク500は、例えば、インターネットであってもよいし、LANであってもよい。ネットワーク500は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。
コンピュータシステム100の一例は、図1Aに示されるようなサーバ装置であるが、これに限定されない。管理者用端末装置300の一例は、図1Aに示される店長20が利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であるが、これに限定されない。メンバ用端末装置400の一例は、図1Aに示される従業員10または図1Bに示される志望者30が利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であるが、これに限定されない。ここで、コンピュータ(サーバ装置または端末装置)は、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、端末装置は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス等の任意のタイプの端末装置であり得る。
コンピュータシステム100は、例えば、チャット機能を有する。コンピュータシステム100は、例えば、管理者用端末装置300およびメンバ用端末装置400にチャット機能を有するアプリケーションを提供することができる。管理者用端末装置300およびメンバ用端末装置400は、このアプリケーションを用いて、チャットでメッセージのやりとりすることができる。コンピュータシステム100は、チャット機能のために、公知の任意の構成を有することができる。
コンピュータシステム100は、例えば、シフト調節機能を有する。コンピュータシステム100は、例えば、管理者用端末装置300およびメンバ用端末装置400にシフト調節機能を有するアプリケーションを提供することができる。このアプリケーションは、上述したチャット機能を有するアプリケーションと同じアプリケーションであってもよいし、異なるアプリケーションであってもよい。管理者用端末装置300は、このアプリケーションを用いて、シフトを調節することができ、メンバ用端末装置400は、このアプリケーションを用いて、シフトを確認することができる。コンピュータシステム100は、シフト調節機能のために、公知の任意の構成を有することができる。
コンピュータシステム100は、チャット機能および/またはシフト調節機能に加えて、またはこれらに代えて、組織マネジメントのための機能を有することができる。
データベース部200には、チャット機能および/またはシフト調節機能のために必要な情報が格納され得る。例えば、データベース部200には、管理者用端末装置300およびメンバ用端末装置400がチャット機能を利用した履歴を示す情報が格納され得る。例えば、データベース部200には、誰が、いつ、誰宛にメッセージを送ったかの情報が格納され得る。例えば、データベース部200には、管理者用端末装置300によって決定されたシフトに関する情報が格納され得る。例えば、データベース部200には、誰が、いつシフトに入るかの予定情報が格納され得、誰が、いつシフトに入ったかの過去の情報が格納され得る。データベース部200には、そのときの売上情報が格納されるようにしてもよい。
データベース部200には、例えば、組織内のメンバの個人情報、特徴、評価が組織内の各メンバと関連付けられて格納され得る。データベース部200には、例えば、組織内のメンバが質問に対して回答した回答結果が各メンバと関連付けられて格納されるようにしてもよい。
図3に示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200は、メモリ130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
図4は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の一例を示す。
コンピュータシステム100は、受信手段110と、プロセッサ120と、メモリ130と、出力手段140とを備える。
受信手段110は、コンピュータシステム100の外部からデータを受信することが可能であるように構成されている。受信手段110は、例えば、管理者用端末装置300またはメンバ用端末装置400からネットワーク500を介してデータを受信してもよいし、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体(例えば、USBメモリ、光ディスク等)またはデータベース部200からデータを受信してもよい。受信手段110によって受信されたデータは、後続処理のためにプロセッサ120に渡される。
受信手段110は、例えば、組織内の少なくとも1人のメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する第1の受信手段111を備え得る。例えば、第1の受信手段111は、組織内の少なくとも1人のメンバが、メンバ用端末装置400を介して入力した質問に対する回答結果を、ネットワーク500を介して受信し得る。質問は、例えば、メンバ用端末装置400に表示されるアンケートであり得る。質問は、例えば、複数の観点からの質問を含み得る。複数の観点は、例えば、仕事選びの優先順位の観点を含む。好ましくは、複数の観点は、例えば、仕事選びの優先順位の観点に加えて、性格特性の観点および状況の観点のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。より好ましくは、複数の観点は、例えば、仕事選びの優先順位の観点と、性格特性の観点および状況の観点のうちの少なくとも1つとに加えて、経験の観点および希望条件の観点のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに好ましくは、複数の観点は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点を含み得る。質問は、択一回答式であってもよいし、記入回答式であってもよい。第1の受信手段111は、例えば、回答結果をテキスト形式で受信してもよいし、回答結果を画像形式で受信してもよいし、回答結果を音声形式で受信してもよい。第1の受信手段111によって受信された回答結果は、後続処理のために、プロセッサ120の第1の分析手段121に渡される。
受信手段110は、例えば、組織内の少なくとも1人のメンバに対する他人による評価を受信する第2の受信手段112を備え得る。例えば、第2の受信手段112は、組織の管理者が、管理者用端末装置300を介して入力したメンバに対する評価を、ネットワーク500を介して受信し得る。評価は、例えば、メンバがハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるか、早期離職者であるかの評価であり得る。評価は、例えば、メンバの動きおよび/またはやる気の評価であってもよい。このとき、評価は、例えば、金、銀、銅の3段階評価であってもよいし、2または4以上の多段階評価であってもよい。第2の受信手段112によって受信された回答結果は、後続処理のために、プロセッサ120の特定手段122に渡される。
受信手段110は、組織内の少なくとも1人のメンバの個人情報(例えば、氏名、性別、生年月日、住所、学校区分、職種、契約形態等)を受信するようにしてもよい。
プロセッサ120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ120は、メモリ130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ120は、受信手段110が受信したデータが処理に適さない形式(例えば、画像形式データ、音声形式データ)である場合は、処理に適した形式(例えば、数値データ)に変換する処理を行うようにしてもよい。プロセッサ120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
プロセッサ120は、第1の分析手段121および特定手段122を備える。
第1の分析手段121は、第1の受信手段111が受信した回答結果を分析することにより、組織内の少なくとも1人のメンバの特徴を決定する。例えば、質問に対する回答の各選択肢に予め点数が付与されており、点数の合計値と特徴とが予め対応付けられているとき、第1の分析手段121は、回答結果を点数化し、点数の合計値から特徴を決定するようにしてもよい。あるいは、質問に対する回答の各選択肢に予め点数が付与されており、点数の分布と特徴とが予め対応付けられているとき、第1の分析手段121は、回答結果を点数化し、点数の分布から特徴を決定するようにしてもよい。
質問が複数の観点からの質問を含み、回答結果が複数の観点からの質問に対する回答結果を含む場合、第1の分析手段121は、複数の観点からの質問に対する回答結果に基づいて、それぞれの観点でのメンバの特徴を決定することができる。例えば、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点のそれぞれの観点でのメンバの特徴を決定し得る。例えば、それぞれの観点は、複数の項目に細分され得、第1の分析手段121は、複数の項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、メンバの特徴を決定するようにしてもよい。例えば、性格特性の観点は、外向性であるか内向性であるかを示す「周囲との関わり」、開放性であるか保守的であるかを示す「心の開き」、調和性であるか自己中心的・競争的であるかを示す「思いやり」、誠実性であるかいい加減・飽きっぽいかを示す「粘り強さ」、情緒安定性であるか神経性傾向であるかを示す「情緒の安定」の5つの項目に細分されることができ、第1の分析手段121は、回答結果に基づいて、それぞれの項目の点数を算出し、5つの項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、メンバの特徴を決定することができる。例えば、それぞれの観点は、複数の項目に細分され得、第1の分析手段121は、回答結果に基づいて複数の項目を順位付け、順位付けに基づいてメンバの特徴を決定することができる。例えば、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点について、順位付けに基づいて、プライベートを優先する特徴を有するか、仕事を優先する特徴を有するかを決定し得る。
決定された少なくとも1人のメンバの特徴は、後続処理のために、特定手段122に渡される。
特定手段122は、第2の受信手段112によって受信された少なくとも1人のメンバに対する評価と、第1の分析手段121によって決定された少なくとも1人のメンバの特徴との関係を特定する。特定手段122は、例えば、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係として、少なくとも1人のメンバのうち同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定する。特定手段122は、例えば、同一の評価を有するメンバを抽出し、抽出されたメンバが有する特徴を集計し、集計された特徴に基づいて、共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。特徴を集計することは、例えば、抽出されたメンバが有する特徴を点数化し、抽出されたメンバ内で特徴毎の点数の合計値を算出することであってもよい。例えば、このように集計された特徴に基づいて、点数の合計値が最大である特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴として特定され、点数の合計値が最小である特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有していない特徴として特定され得る。あるいは、例えば、このように集計された特徴に基づいて、点数の合計値が所定の閾値を超える特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴として特定され、点数の合計値が所定の閾値を超えない特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有していない特徴として特定され得る。例えば、特定手段122は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。例えば、特定手段122は、ローパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。例えば、特定手段122は、早期離職者の評価を有するメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。特定された関係は、出力のために出力手段140に渡される。
特定手段122は、例えば、所定期間(例えば、1週間、1か月、3か月等)内に、第2の受信手段112によって受信された少なくとも1人のメンバに対する金、銀、銅の3段階の評価から、そのメンバの評価がハイパフォーマーの評価であるか、ローパフォーマーの評価であるかを特定したうえで、ハイパフォーマーの評価またはローパフォーマーの評価と、そのメンバの特徴との関係を特定するようにしてもよい。例えば、特定手段122は、所定期間内の金の評価が全評価のうち所定の割合(例えば、80%、70%、60%、50%)を超える場合にそのメンバをハイパフォーマーであると特定することができる。例えば、所定期間内の銅の評価が全評価のうち所定の割合(例えば、80%、70%、60%、50%)を超える場合にそのメンバをローパフォーマーであると特定することができる。
別の実施形態では、特定手段122は、例えば、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係として、少なくとも1人のメンバのうち同一の評価を有するメンバの多くが有している特徴および/または多くが有していない特徴を特定する。特定手段122は、例えば、同一の評価を有するメンバを抽出し、そのメンバが有する特徴を集計することにより、最も多くのメンバが有している特徴および/または最も多くのメンバが有していない特徴を特定することができる。
メモリ130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ130は、ユーザによる評価の結果および構成員による評価の結果を分析するための処理をプロセッサ120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図10、図11、図12A、図12B、図13、図14A、図14B、図15に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワーク500を経由してダウンロードされることによってメモリ130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ130は、任意の記憶手段によって実装され得る。
出力手段140は、コンピュータシステム100の外部にデータを出力することが可能であるように構成されている。出力手段140がどのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力手段140が送信器である場合、送信器がネットワーク500を介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。例えば、出力手段140がデータ書き込み装置である場合、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体またはデータベース部200に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。例えば、出力手段140は、データの出力先のハードウェアまたはソフトウェアによって取り扱い可能な形式に変換して、または、データの出力先のハードウェアまたはソフトウェアによって取り扱い可能な応答速度に調整してデータを出力するようにしてもよい。
出力手段140は、例えば、所定の特徴または評価を有するメンバが、組織の複数のサブセットのうちどのサブセットに属しているかを可視化して出力するようにしてもよい。組織のサブセットとは、組織の一部のことである。組織が会社である場合、サブセットは、例えば、支社であってもよいし、支店であってもよいし、部であってもよいし、課であってもよいし、係であってもよい。例えば、出力手段140は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバ、ローパフォーマーの評価を有するメンバ、早期離職者の評価を有するメンバが、複数の支店のうちどの支店に分布しているかを可視化して出力することができる。これにより、例えば、個々の支店レベルでのミクロな分析のみならず、複数の支店を横断したマクロな分析も行うことが可能になる。
図4に示される実施形態では、コンピュータシステム100は、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係を特定することができるため、例えば、組織内で高い評価を有するメンバの特徴または低い評価を有するメンバの特徴を考慮した組織マネジメントを行うことができるようになる。これにより、例えば、人材育成が効率化され得る。
図4に示される例では、コンピュータシステム100が少なくとも1人のメンバの特徴を決定したが、本発明は、これに限定されない。例えば、コンピュータシステム100は、少なくとも1人のメンバの回答結果を受信する代わりに、少なくとも1人のメンバの特徴をコンピュータシステム100の外部から受信するようにしてもよい。このとき、例えば、第1の受信手段111が少なくとも1人のメンバの特徴を受信し、第1の分析手段121は省略され得る。
図5Aは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の別の一例を示す。図5Aでは、図4に示される要素と同一の要素に同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。図5Aに示されるコンピュータシステム100は、図4に示される構成に加えて、受信手段110が第3の受信手段113を備え、プロセッサ120が第2の分析手段123と推定手段124とを備えている構成である。図5Aに示されるコンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物に対する評価を推定する構成である。
第3の受信手段113は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物が質問に対して回答した回答結果を受信する。例えば、第3の受信手段113は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物(例えば、組織で働くことを志望する志望者)が、メンバ用端末装置400を介して入力した質問に対する回答結果を、ネットワーク500を介して受信し得る。質問は、例えば、メンバ用端末装置400に表示されるアンケートであり得る。質問は、組織内の少なくとも1人のメンバに対する質問と同じ質問であってもよいし、異なる質問であってもよい。質問は、例えば、複数の観点からの質問を含み得る。複数の観点は、例えば、仕事選びの優先順位の観点を含む。好ましくは、複数の観点は、例えば、性格特性の観点および状況の観点のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。より好ましくは、複数の観点は、例えば、経験の観点および希望条件の観点のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに好ましくは、複数の観点は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点を含み得る。第3の受信手段113は、例えば、回答結果をテキスト形式で受信してもよいし、回答結果を画像形式で受信してもよいし、回答結果を音声形式で受信してもよい。第3の受信手段113によって受信された回答結果は、後続処理のために、プロセッサ120の第2の分析手段123に渡される。
第2の分析手段123は、第3の受信手段113によって受信された回答結果を分析することにより、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴を決定する。第2の分析手段123は、第1の分析手段121と同様の処理によって、人物の特徴を決定することができる。決定された人物の特徴は、後続処理のために、推定手段124に渡される。
質問が複数の観点からの質問を含み、回答結果が複数の観点からの質問に対する回答結果を含む場合、第2の分析手段123は、複数の観点からの質問に対する回答結果に基づいて、それぞれの観点での人物の特徴を決定することができる。例えば、第2の分析手段123は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点のそれぞれの観点での人物の特徴を決定し得る。例えば、第2の分析手段123は、仕事選びの優先順位の観点について、プライベートを優先する特徴を有するか、仕事を優先する特徴を有するかを決定し得る。例えば、それぞれの観点は、複数の項目に細分され得、第2の分析手段123は、複数の項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、人物の特徴を決定するようにしてもよい。例えば、性格特性の観点は、外向性であるか内向性であるかを示す「周囲との関わり」、開放性であるか保守的であるかを示す「心の開き」、調和性であるか自己中心的・競争的であるかを示す「思いやり」、誠実性であるかいい加減・飽きっぽいかを示す「粘り強さ」、情緒安定性であるか神経性傾向であるかを示す「情緒の安定」の5つの項目に細分されることができ、第2の分析手段123は、回答結果に基づいて、それぞれの項目の点数を算出し、5つの項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、人物の特徴を決定することができる。
推定手段124は、特定手段122によって特定された少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係と、第2の分析手段123によって決定された人物の特徴とに基づいて、その人物に対する評価を推定する。推定手段124は、例えば、人物の特徴が、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否か、ローパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否か、および、早期離職者の評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否かを判定することにより、その人物に対する評価を推定することができる。例えば、人物の特徴が、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価はハイパフォーマーであると推定され得、人物の特徴が、ローパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価はローパフォーマーであると推定され得、人物の特徴が、早期離職者の評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価は早期離職者であると推定され得る。推定された評価は、出力のために出力手段140に渡される。
図5Bに示される例では、推定手段124が、特定手段122によって特定された少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係を用いて、人物に対する評価を推定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンピュータシステム100は、特定手段122によって少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係を特定する用いる代わりに、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係をコンピュータシステム100の外部から受信するようにしてもよい。このとき、第1の受信手段111、第2の受信手段112、第1の分析手段121、特定手段122は、省略され得る。
図5Bは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の別の一例を示す。図5Bでは、図4および図5Aに示される要素と同一の要素に同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。図5Bに示されるコンピュータシステム100は、特定手段122を備えず、推定手段124の代わりに推定手段124’を備える点を除いて、図5Aに示される構成と同一である。図5Bに示されるコンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物に対する評価を機械学習によって推定する構成である。
推定手段124’は、第1の分析手段121によって決定された組織内の少なくとも1人のメンバの特徴と、第2の受信手段112によって受信された少なくとも1人のメンバの評価とを用いた学習処理を施されており、特定手段124’は、第2の分析手段123によって決定された組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴に基づいて、その人物の評価を推定する。推定手段124’は、例えば、ニューラルネットワークを利用した機械学習によって人物の評価を推定することができる。
図6は、推定手段124’が利用し得るニューラルネットワークの構造の一例を示す。
ニューラルネットワークは、入力層と、少なくとも1つの隠れ層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークの入力層のノード数は、入力されるデータの次元数に対応する。ニューラルネットワークの出力層のノード数は、出力されるデータの次元数に対応する。ここでは、出力されるデータは、ハイパフォーマー、ローパフォーマー、早期離職者のいずれであるかの人物の評価であるため、出力層のノード数は1であり得る。ニューラルネットワーク300の隠れ層は、任意の数のノードを含むことができる。
ニューラルネットワークは、第1の分析手段121によって決定された組織内の少なくとも1人のメンバの特徴と、第2の受信手段112によって受信された少なくとも1人のメンバの評価とを用いて予め学習処理が施されている学習済みニューラルネットワークである。学習処理は、データを使用して、ニューラルネットワークの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する処理である。学習処理では、例えば、第1の分析手段121によって決定されたメンバの特徴を入力用教師データとし、第2の受信手段112によって受信されたそのメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーの評価を「1」とし、ローパフォーマーの評価を「0.5」とし、早期離職者の評価を「0」とする)を出力用教師データとして、複数のメンバについての特徴および評価を用いて、ニューラルネットワークの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する。
このような学習済のニューラルネットワークの入力層に、第2の分析手段123によって決定された人物の特徴を入力すると、出力層にその人物の評価が出力され得る。
図5Aまたは図5Bに示される実施形態では、コンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の評価を推定することができるため、例えば、組織で働くことを志望する志望者を採用すべきか否かを、推定された評価に基づいて判断することができるようになる。これにより、採用活動をより効率的に行うことができるようになる。
図7は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の別の一例を示す。図7では、図5Aおよび図5Bに示される要素と同一の要素に同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。図5Bに示されるコンピュータシステム100は、図5Aまたは図5Bに示される構成に加えて、受信手段110が第4の受信手段114を備え、プロセッサ120が第3の分析手段125および算出手段126を備えている構成である。図5Aまたは図5Bに示される第1の受信手段111、第2の受信手段112、第1の分析手段121、特定手段122、推定手段124、124’は図示を省略しており、一実施形態では、コンピュータシステム100は、これらの構成要素のうちの少なくとも1つを備えなくてもよい。図7に示されるコンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物と、組織の管理者とのマッチ度を算出する構成である。
第4の受信手段114は、組織の管理者が質問に対して回答した回答結果を受信する。例えば、第4の受信手段114は、組織の管理者が、管理者用端末装置300を介して入力した質問に対する回答結果を、ネットワーク500を介して受信し得る。質問は、例えば、管理者用端末装置300に表示されるアンケートであり得る。質問は、組織内の少なくとも1人のメンバに対する質問または組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物に対する質問と同じ質問であってもよいし、異なる質問であってもよい。質問は、例えば、複数の観点からの質問を含み得る。複数の観点は、例えば、仕事選びの優先順位の観点を含む。好ましくは、複数の観点は、例えば、性格特性の観点および状況の観点のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。より好ましくは、複数の観点は、例えば、経験の観点および希望条件の観点のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに好ましくは、複数の観点は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点を含み得る。第4の受信手段114は、例えば、回答結果をテキスト形式で受信してもよいし、回答結果を画像形式で受信してもよいし、回答結果を音声形式で受信してもよい。第4の受信手段114によって受信された回答結果は、後続処理のために、プロセッサ120の第3の分析手段125に渡される。
第3の分析手段125は、第4の受信手段114によって受信された回答結果を分析することにより、管理者の特徴を決定する。第3の分析手段125は、第1の分析手段121と同様の処理によって、管理者の特徴を決定することができる。決定された管理者の特徴は、後続処理のために、算出手段126に渡される。
質問が複数の観点からの質問を含み、回答結果が複数の観点からの質問に対する回答結果を含む場合、第3の分析手段125は、複数の観点からの質問に対する回答結果に基づいて、それぞれの観点での管理者の特徴を決定することができる。例えば、第3の分析手段125は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点のそれぞれの観点での管理者の特徴を決定し得る。例えば、第3の分析手段125は、仕事選びの優先順位の観点について、プライベートを優先する特徴を有するか、仕事を優先する特徴を有するかを決定し得る。例えば、それぞれの観点は、複数の項目に細分され得、第3の分析手段125は、複数の項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、管理者の特徴を決定するようにしてもよい。例えば、性格特性の観点は、外向性であるか内向性であるかを示す「周囲との関わり」、開放性であるか保守的であるかを示す「心の開き」、調和性であるか自己中心的・競争的であるかを示す「思いやり」、誠実性であるかいい加減・飽きっぽいかを示す「粘り強さ」、情緒安定性であるか神経性傾向であるかを示す「情緒の安定」の5つの項目に細分されることができ、第3の分析手段125は、回答結果に基づいて、それぞれの項目の点数を算出し、5つの項目のうち最も点数が高い項目および最も点数が低い項目について、管理者の特徴を決定することができる。
算出手段126は、第2の分析手段123によって決定された組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴と、第3の分析手段125によって決定された管理者の特徴とを比較することにより、その人物と管理者とのマッチ度を算出する。算出手段126は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点のそれぞれの観点でのマッチ度を算出することができる。算出手段126による比較は、例えば、第2の分析手段123が回答結果を点数化した点数と、第3の分析手段125が回答結果を点数化した点数とのコサイン類似度を算出することであり得る。算出手段126による比較は、例えば、第2の分析手段123が回答結果から複数の項目を順位付けた結果と、第3の分析手段125が回答結果から複数の項目を順位付けた結果とのスピルマンの相関係数を算出することであり得る。
図7に示される実施形態では、コンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物と、組織の管理者とのマッチ度を算出することができるため、例えば、組織で働くことを志望する志望者を採用すべきか否かを、組織の管理者と合うかどうかを示すマッチ度に基づいて判断することができるようになる。これにより、採用活動をより効率的に行うことができるようになる。
図8は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の別の一例を示す。図8では、図4、図5A、図5Bまたは図7に示される要素と同一の要素に同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。図8に示されるコンピュータシステム100は、図4、図5A、図5Bまたは図7に示される構成に加えて、プロセッサ120が予測手段127を備えている構成である。図4、図5A、図5Bまたは図7に示される第1の受信手段111、第2の受信手段112、第3の受信手段113、第4の受信手段114、第1の分析手段121、第2の分析手段123、第3の分析手段125、特定手段122、推定手段124、124’、算出手段126は図示を省略しており、一実施形態では、コンピュータシステム100は、これらの構成要素のうちの少なくとも1つを備えなくてもよい。図8に示されるコンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバの離職のし易さを予測する構成である。図8に示されるコンピュータシステム100は、チャット機能を有するアプリケーションを少なくとも1人のメンバに提供するように構成されている。このアプリケーションは、シフト調節機能を有するようにしてもよい。
予測手段127は、データベース部200に格納されている、組織内の複数のメンバがチャット機能を利用した履歴を示す履歴情報と、第1の分析手段121によって決定された複数のメンバの特徴とを用いた学習処理を施されており、予測手段127は、組織内の少なくとも1人のメンバがチャット機能を利用した履歴を示す履歴情報と、少なくとも1人のメンバの特徴とに基づいて、そのメンバの離職し易さを予測する。予測手段127は、例えば、ニューラルネットワークを利用した機械学習によって離職のし易さを予測することができる。
予測手段127は、例えば、図6に示されるニューラルネットワークの構造と同様の構造を有するニューラルネットワークを利用し得る。出力されるデータは、例えば、離職のし易さを表す0〜1の数値であり得、出力層のノード数は1であり得る。
ニューラルネットワークは、データベース部200に格納されている組織内の複数のメンバのチャット履歴情報と、第1の分析手段121によって決定された組織内の複数のメンバの特徴とを用いて予め学習処理が施されている学習済みニューラルネットワークである。学習処理は、データを使用して、ニューラルネットワークの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する処理である。学習処理では、例えば、データベース部200に格納されている組織内の或るメンバのチャット履歴情報と、第1の分析手段121によって決定されたそのメンバの特徴とを入力用教師データとし、そのメンバが離職者であるか否かを示す値(例えば、離職者である場合「1」、在職者である場合「0」)を出力用教師データとして、複数のメンバについてのチャット履歴情報および特徴を用いて、ニューラルネットワークの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する。
チャット履歴情報は、例えば、所定期間(例えば、1時間、12時間、1日、1週間、1か月等)内にチャットでメッセージを発した回数を含み得る。メッセージを発した回数を用いた学習処理を施すことにより、予測精度が向上する。これは、チャットでのやりとりが多い人ほど、組織への忠誠心が高く、離職しにくいという事実に基づいている。
チャット履歴情報は、例えば、チャットを利用した時間帯を含み得る。チャットを利用した時間帯を用いた学習処理を施すことにより、予測精度が向上する。これは、チャットを利用した時間帯がシフトの時間外である人ほど、仕事に追われており、離職し易いという事実に基づいている。
チャット履歴情報は、例えば、チャットのメッセージの内容に関する情報を含むようにしてもよい。チャットのメッセージの内容に関する情報は、例えば、「辞めたい」、「きつい」、「やりたくない」等のネガティブなワードの発信回数であってもよいし、シフトの変更に関するメッセージの発信回数であってもよい。
このような学習済のニューラルネットワークの入力層に、データベース部200に格納されている組織内の少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、第1の分析手段121によって決定されたそのメンバの特徴を入力すると、出力層にそのメンバの離職のし易さが出力され得る。
ニューラルネットワークは、例えば、組織のメンバのチャット履歴情報および特徴に加えて、組織のメンバのシフトに関する情報を用いた学習処理を施されていてもよい。シフトに関する情報は、例えば、所定期間(例えば、1週間、1か月、3か月等)内でシフトに入った平均回数、所定期間内の平均労働時間、シフト当たりの平均労働時間を含み得る。チャット履歴情報に加えて、シフトに関する情報も用いて学習処理を施すことにより、チャットでのコミュニケーションと実際の労働との関係に基づいて離職のし易さを予測することができるようになり、予測精度が向上する。
ニューラルネットワークはさらに、例えば、組織のメンバの個人情報を用いた学習処理を施されていてもよい。個人情報は、例えば、年齢、性別、扶養家族の有無、配偶者の有無、子供の人数、子供の年齢、過去の職種等を含み得る。チャット履歴情報に加えて、個人情報も用いて学習処理を施すことにより、チャットでのコミュニケーションと個人の属性との関係に基づいて、離職のし易さを予測することができるようになり、予測精度が向上する。
ニューラルネットワークはさらに、例えば、上述した算出手段126によって算出され得る組織のメンバと管理者とのマッチ度を用いた学習処理を施されてもよいし、組織のメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるかの評価)を用いた学習処理を施されてもよい。
このような学習済のニューラルネットワークの入力層に、データベース部200に格納されている組織内の少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、第1の分析手段121によって決定されたそのメンバの特徴と、データベース部200に格納されているそのメンバのシフトに関する情報および/または個人情報および/またはマッチ度とを入力すると、出力層にそのメンバの離職のし易さが出力され得る。
図8に示される実施形態では、コンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバの離職のし易さを予測することができるため、例えば、離職しそうなメンバを早期に特定し、そのメンバとコミュニケーションをとったり、シフトを調節したりすることにより、離職しないよう措置を講じることが可能になる。
図9は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100内の構成の別の一例を示す。図9では、図4、図5A、図5B、図7または図8に示される要素と同一の要素に同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。図9に示されるコンピュータシステム100は、図4、図5A、図5B、図7または図8に示される構成に加えて、受信手段110が第5の受信手段115を備え、プロセッサ120が決定手段128を備えている構成である。図4、図5A、図5B、図7または図8に示される第2の受信手段112、第3の受信手段113、第4の受信手段114、第2の分析手段123、第3の分析手段125、特定手段122、推定手段124、124’、算出手段126、予測手段127は図示を省略しており、一実施形態では、コンピュータシステム100は、これらの構成要素のうちの少なくとも1つを備えなくてもよい。図9に示されるコンピュータシステム100は、組織内の少なくとも1人のメンバのうち、売上が向上し得るメンバの組み合わせを決定する構成である。
第5の受信手段115は、所定期間(例えば、1時間、6時間、12時間、1日、1週間、1か月等)毎の組織の売上情報およびそのときのシフトのメンバの情報を受信する。例えば、第5の受信手段115は、データベース部200に格納されている所定期間毎の売上情報と、データベース部200に格納されているシフトに関する情報のうち、その所定期間のシフトのメンバの情報とをデータベース部200から受信し得る。第5の受信手段115によって受信された回答結果は、後続処理のために、プロセッサ120の決定手段128に渡される。
決定手段128は、第5の受信手段115によって受信された売上情報と、第1の分析手段121によって決定されたシフトのメンバの特徴とに基づいて、売上が向上し得る組織内のメンバの組み合わせを決定する。決定手段128は、例えば、売上が高いときのシフトのメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定する。あるいは、決定手段128は、例えば、売上が高いときのシフトのメンバの組み合わせが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定する。
図9に示される実施形態では、コンピュータシステム100は、売上が向上し得るメンバの組み合わせを決定することができるため、例えば、管理者は、シフト調節のための参考として利用することが可能になる。これにより、管理者のシフト調節の負担を低減することができる。
上述した例では、コンピュータシステム100の各構成要素がコンピュータシステム100内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。コンピュータシステム100の各構成要素のいずれかがコンピュータシステム100の外部または遠隔に設けられることも可能である。例えば、プロセッサ120、メモリ130のそれぞれが別々のハードウェア部品で構成されている場合には、各ハードウェア部品が任意のネットワークを介して接続されてもよい。このとき、ネットワークの種類は問わない。各ハードウェア部品は、例えば、LANを介して接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。システム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、プロセッサ120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。システム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
3.組織マネジメントのためのコンピュータシステムにおける処理
図10は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の一例を示すフローチャートである。図10に示される例では、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係を特定する処理1000を説明する。処理1000は、例えば、図4に示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
ステップS1001では、受信手段110の第1の受信手段111が、組織内の少なくとも1人のメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する。第1の受信手段111は、例えば、メンバ用端末装置400からネットワーク500を介して回答結果を受信するようにしてもよいし、データベース部200に格納されている回答結果をデータベース部200から受信するようにしてもよい。第1の受信手段111が回答結果を受信すると、第1の受信手段111は、回答結果をプロセッサ120に送り、プロセッサ120の第1の分析手段121が回答結果を受信する。
ステップS1002では、受信手段110の第2の受信手段112が、組織内の少なくとも1人のメンバに対する他人による評価を受信する。第2の受信手段112は、例えば、管理者用端末装置300からネットワーク500を介してメンバに対する評価を受信するようにしてもよいし、データベース部200に格納されているメンバに対する評価をデータベース部200から受信するようにしてもよい。第2の受信手段112がメンバに対する評価を受信すると、第2の受信手段112は、メンバに対する評価をプロセッサ120に送り、プロセッサ120の特定手段122がメンバに対する評価を受信する。
ステップS1003では、プロセッサ120の第1の分析手段121が、ステップS1001で受信された回答結果を分析することにより、少なくとも1人のメンバの特徴を決定する。
例えば、質問に対する回答の各選択肢に予め点数が付与されており、点数の合計値と特徴とが予め対応付けられているとき、第1の分析手段121は、回答結果を点数化し、点数の合計値から特徴を決定するようにしてもよい。あるいは、質問に対する回答の各選択肢に予め点数が付与されており、点数の分布と特徴とが予め対応付けられているとき、第1の分析手段121は、回答結果を点数化し、点数の分布から特徴を決定するようにしてもよい。
質問が複数の観点からの質問を含み、回答結果が複数の観点からの質問に対する回答結果を含む場合、第1の分析手段121は、複数の観点からの質問に対する回答結果に基づいて、それぞれの観点でのメンバの特徴を決定することができる。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点でのメンバの特徴を決定することになる。仕事選びの優先順位は、メンバの就業観を反映しているため、仕事選びの優先順位の観点でのメンバの特徴を決定することにより、メンバの就業観を可視化することができ、就業観に基づいた組織マネジメントを行うことが可能になる。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、性格特性の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点および性格特性の観点でのメンバの特徴を決定することになる。性格特性は、意思決定の仕方に影響を及ぼす要素である(例えば、心の開きが低くかつ誠実性が低いという性格特性を有する人は、チャレンジしない、経験に基づく前例主義的な意思決定をしがちである)。仕事選びの優先順位の観点および性格特性の観点でのメンバの特徴を決定することにより、意思決定の仕方に影響を及ぼす要素による結果としての就業観を考慮することができ、決定される特徴の精度が向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、状況の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点および状況の観点でのメンバの特徴を決定することになる。状況は、就業に当たっての意思決定に顕在的に最も影響を与える顕在的因子である。仕事選びの優先順位の観点および状況の観点でのメンバの特徴を決定することにより、就業に当たっての意思決定に顕在的に影響を与える顕在的因子による結果としての就業観を考慮することができ、決定される特徴の精度が向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、性格特性の観点および状況の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、および状況の観点でのメンバの特徴を決定することになる。これにより、就業に当たっての意思決定に顕在的に影響を与える顕在的因子と、意思決定の仕方に影響を及ぼす要素とによる結果としての就業観を考慮することができ、決定因子×決め方×結果のバランスが良くなり、決定される特徴の精度がさらに向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、性格特性の観点および経験の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、および経験の観点でのメンバの特徴を決定することになる。経験は、就業に当たっての意思決定に潜在的に影響を与える潜在的因子である(例えば、人間は概して現状維持欲求を有しており、できること、やったことがあることに固執する傾向がある)。仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、および経験の観点でのメンバの特徴を決定することにより、就業に当たっての意思決定に潜在的に影響を与える潜在的因子と、意思決定の仕方に影響を及ぼす要素とによる結果としての就業観を考慮することができ、決定因子×決め方×結果のバランスが良くなり、決定される特徴の精度がさらに向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、状況の観点および経験の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、状況の観点、および経験の観点でのメンバの特徴を決定することになる。これにより、就業に当たっての意思決定に顕在的に影響を与える顕在的因子と、就業に当たっての意思決定に潜在的に影響を与える潜在的因子とによる結果としての就業観を考慮することができ、多角的な因の要素で果の要素を十分に裏付けることができるため、決定される特徴の精度がさらに向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、状況の観点および希望条件の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、状況の観点、および希望条件の観点でのメンバの特徴を決定することになる。希望条件は、「カネ」および「時間」の面で意思決定の影響を及ぼす要素である。仕事選びの優先順位の観点、状況の観点、および希望条件の観点でのメンバの特徴を決定することにより、就業に当たっての意思決定に顕在的に影響を与える顕在的因子の結果としての就業観および希望条件を考慮することができ、果の要素が複層的になるため、決定される特徴の精度がさらに向上する。
例えば、複数の観点が仕事選びの優先順位の観点に加えて、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点、および希望条件の観点を含む場合、第1の分析手段121は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点、および希望条件の観点でのメンバの特徴を決定することになる。これにより、就業に当たっての意思決定に顕在的に影響を与える顕在的因子と、就業に当たっての意思決定に潜在的に影響を与える潜在的因子と、意思決定の仕方に影響を及ぼす要素とによる結果としての就業観および希望条件を考慮することができ、多角的な決定因子×決め方×複層的な結果のバランスが最良であり、決定される特徴の精度がさらに向上する。
例えば、質問が性格特性の観点からの質問を含み、回答結果が性格特性の観点からの質問に対する回答結果を含む場合、例えば、性格特性の観点は、外向性であるか内向性であるかを示す「周囲との関わり」、開放性であるか保守的であるかを示す「心の開き」、調和性であるか自己中心的・競争的であるかを示す「思いやり」、誠実性であるかいい加減・飽きっぽいかを示す「粘り強さ」、情緒安定性であるか神経性傾向であるかを示す「情緒の安定」の5つの項目に細分されることができる。第1の分析手段121は、例えば、回答結果を点数化し、複数の項目について集計し得る。例えば、或るメンバの回答結果から、表1に示されるように集計されたとする。
このとき、第1の分析手段121は、点数が最も高い項目または点数が最も低い項目について特徴を決定し得る。点数が最も高い項目または点数が最も低い項目が複数ある場合には、いずれか1つの項目について特徴を決定してもよいし、複数の項目のうちの一部またはすべてについて特徴を決定してもよい。表1の例では、「心の開き」および「思いやり」の項目について、それぞれの点数から、「好奇心が高く、新しい事に対しての興味関心が強いタイプであり、利他的で人との競争を好まない協調性の高いタイプである。」という特徴を決定することができる。このような特徴は、管理者にとって分かりやすい。あるいは、「心の開き」および「思いやり」の項目の点数が最も高いという特徴を決定することもできる。このような特徴は、例えば、「心の開き」および「思いやり」の項目の点数を1として扱い、それ以外の項目の点数を0として扱うことができるため、後の処理において利用しやすい。
あるいは、第1の分析手段121は、それぞれの項目について特徴を決定するようにしてもよい。表1の例では、各項目について、それぞれの点数から、「外向的で社交的なタイプであり、好奇心が高く、新しい事に対しての興味関心が強いタイプであり、利他的で人との競争を好まない協調性の高いタイプであり、比較的飽きっぽく、自己統制が苦手なタイプであり、比較的情緒は安定しており、周りに左右されづらいタイプである。」という特徴を決定することができる。このような特徴は、管理者にとって分かりやすい。あるいは、「周囲との関わり」が4.5点であり、「心の開き」が5点であり、「思いやり」が5点であり、「粘り強さ」が2点であり、「情緒の安定」が3.5点であるという特徴を決定することもできる。このような特徴は、各項目を点数で扱うことができるため、後の処理において利用しやすい。
ステップS1004では、プロセッサ120の特定手段122が、ステップS1002で受信された少なくとも1人のメンバに対する評価と、ステップS1003で決定された少なくとも1人のメンバの特徴との関係を特定する。特定手段122は、例えば、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係として、少なくとも1人のメンバのうち同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。
例えば、特定手段122は、同一の評価を有するメンバを抽出し、抽出されたメンバが有する特徴を集計し、集計された特徴に基づいて、共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定することができる。特徴を集計することは、例えば、抽出されたメンバが有する特徴を点数化し、抽出されたメンバ内で特徴毎の点数の合計値を算出することを含み得る。例えば、このように集計された特徴に基づいて、点数の合計値が最大である特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴として特定され、点数の合計値が最小である特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有していない特徴として特定され得る。あるいは、例えば、このように集計された特徴に基づいて、点数の合計値が所定の閾値を超える特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有している特徴として特定され、点数の合計値が所定の閾値を超えない特徴が、同一の評価を有するメンバが共通して有していない特徴として特定され得る。
例えば、特定手段122は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバを抽出し、それらのメンバの特徴の共通部分を取ることにより、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴を特定することができる。例えば、特定手段122は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバを抽出し、全特徴と各メンバの特徴との差分を取り、それらの差分の共通部分を取ることにより、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有していない特徴を特定することができる。
あるいは、特定手段122は、例えば、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係として、少なくとも1人のメンバのうち同一の評価を有するメンバの多くが有している特徴および/または多くが有していない特徴を特定することができる。
例えば、特定手段122は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバを抽出し、それらのメンバの特徴の点数の合計値を取ることにより、合計値が最大となった特徴を、ハイパフォーマーの評価を有するメンバの多くが共通して有している特徴として特定することができる。例えば、特定手段122は、ハイパフォーマーの評価を有するメンバを抽出し、それらのメンバの特徴の点数の合計値を取ることにより、合計値が最小となった特徴を、ハイパフォーマーの評価を有するメンバの多くが共通して有していない特徴として特定することができる。
このようにして特定された関係は、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1001の後にステップS1003が行われ、次いでステップS1002が行われてもよいし、ステップS1001とステップS1002とが同時に行われてもよいし、ステップS1002とステップS1003とが同時に行われてもよい。
図11は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図11に示される例では、少なくとも1人のメンバ以外の人物の評価を推定する処理1100を説明する。処理1100は、例えば、図5Aに示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
処理1100では、初めに処理1000のステップS1001〜ステップS1004が行われる。これにより、少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係が特定されているものとする。
ステップS1101では、受信手段110の第3の受信手段113が、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物(例えば、組織で働くことを志望する志望者)が質問に対して回答した回答結果を受信する。第3の受信手段113は、例えば、メンバ用端末装置400からネットワーク500を介して回答結果を受信するようにしてもよいし、データベース部200に格納されている回答結果をデータベース部200から受信するようにしてもよい。第3の受信手段113が回答結果を受信すると、第3の受信手段113は、回答結果をプロセッサ120に送り、プロセッサ120の第2の分析手段123が回答結果を受信する。
ステップS1102では、プロセッサ120の第2の分析手段123が、ステップS1101で受信された回答結果を分析することにより、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴を決定する。ステップS1102では、第2の分析手段123が、ステップS1003における第1の分析手段121による処理と同様の処理により、人物の特徴を決定する。
ステップS1103では、推定手段124が、ステップS1004で特定された少なくとも1人のメンバに対する評価と少なくとも1人のメンバの特徴との関係と、ステップS1102で決定された組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴とに基づいて、その人物に対する評価を推定する。評価は、例えば、ハイパフォーマー、ローパフォーマー、早期離職者のいずれであるかの評価である。推定手段124は、例えば、人物の特徴が、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否か、ローパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否か、および、早期離職者の評価を有するメンバが共通して有している特徴であるか否かを判定することにより、その人物に対する評価を推定することができる。例えば、人物の特徴が、ハイパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価はハイパフォーマーであると推定され得、人物の評価が、ローパフォーマーの評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価はローパフォーマーであると推定され得、人物の評価が、早期離職者の評価を有するメンバが共通して有している特徴である場合、その人物の評価は早期離職者であると推定され得る。
このようにして推定された評価は、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1001〜ステップS1004の前にステップS1101および/またはステップS1102が行われてもよいし、ステップS1001〜ステップS1004の少なくとも1つとステップS1001またはステップS1002とが同時に行われてもよいし。
図12Aは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図12Aに示される例では、少なくとも1人のメンバ以外の人物の評価を推定することを可能にするために、推定手段124’に学習処理を施すための処理1200を説明する。処理1200は、例えば、図5Bに示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
ステップS1201では、受信手段110の第1の受信手段111が、組織内の少なくとも1人のメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1201は、ステップS1001の処理と同様の処理である。
ステップS1202では、受信手段110の第2の受信手段112が、組織内の少なくとも1人のメンバに対する評価を受信する。ステップS1202は、ステップS1002と同様の処理である。
ステップS1203では、プロセッサ120の第1の分析手段121が、ステップS1001で受信された回答結果を分析することにより、少なくとも1人のメンバの特徴を決定する。ステップS1203は、ステップS1003と同様の処理である。
ステップS1204では、プロセッサ120の推定手段124’が、ステップS1203で決定された少なくとも1人のメンバの特徴と、ステップS1202で受信された少なくとも1人のメンバに対する評価とを学習する。推定手段124’は、例えば、図6に示されるようなニューラルネットワークを利用している。ステップS1204では、例えば、少なくとも1人のメンバの特徴を入力用教師データとし、少なくとも1人のメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるか、早期離職者であるかの評価)を出力用教師データとして、各ノードの重み係数を計算する。
組織内の十分な数の複数のメンバについてステップS1201〜ステップS1204を繰り返すことにより、学習済ニューラルネットワークが構築され、学習処理が完了する。より多くの数のメンバについて学習することにより、推定の精度は向上する。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1201の後にステップS1203が行われ、次いでステップS1202が行われてもよいし、ステップS1201とステップS1202とが同時に行われてもよいし、ステップS1202とステップS1203とが同時に行われてもよい。
図12Bは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図12Bに示される例では、少なくとも1人のメンバ以外の人物の評価を推定するための処理1210を説明する。処理1210は、例えば、図5Bに示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。推定手段124’は、処理1200により学習処理を施されているものとする。
ステップS1211では、受信手段110の第3の受信手段113が、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物(例えば、組織で働くことを志望する志望者)が質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1211は、ステップS1101と同様の処理である。
ステップS1212では、プロセッサ120の第2の分析手段123が、ステップS1101で受信された回答結果を分析することにより、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴を決定する。ステップS1212は、ステップS1102と同様の処理である。
ステップS1213では、プロセッサ120の推定手段124’が、ステップS1212で決定された人物の特徴に基づいて、人物に対する評価を推定する。例えば、推定手段124’の学習済ニューラルネットワークの入力層に人物の特徴を入力すると、出力層に人物の評価が出力される。例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるか、早期離職者であるかの評価が出力される。
このようにして推定された評価は、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。
図13は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図13に示される例では、少なくとも1人のメンバ以外の人物と、組織の管理者とのマッチ度を算出する処理1300を説明する。処理1300は、例えば、図7に示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
ステップS1301では、受信手段110の第3の受信手段113が、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物(例えば、組織で働くことを志望する志望者)が質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1211は、ステップS1101と同様の処理である。
ステップS1302では、プロセッサ120の第2の分析手段123が、ステップS1101で受信された回答結果を分析することにより、組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物の特徴を決定する。ステップS1212は、ステップS1102と同様の処理である。
ステップS1303では、受信手段110の第4の受信手段114が、組織の管理者(例えば、店長等)が質問に対して回答した回答結果を受信する。第4の受信手段114は、例えば、管理者用端末装置300からネットワーク500を介して回答結果を受信するようにしてもよいし、データベース部200に格納されている回答結果をデータベース部200から受信するようにしてもよい。第4の受信手段114が回答結果を受信すると、第4の受信手段114は、回答結果をプロセッサ120に送り、プロセッサ120の第3の分析手段125が回答結果を受信する。
ステップS1304では、プロセッサ120の第3の分析手段125が、ステップS1303で受信された回答結果を分析することにより、組織の管理者の特徴を決定する。ステップS1304では、第3の分析手段125が、ステップS1003における第1の分析手段121による処理と同様の処理により、管理者の特徴を決定する。
ステップS1305では、プロセッサ120の算出手段126が、人物の特徴と、管理者の特徴とを比較することにより、人物と管理者とのマッチ度を算出する。算出手段126は、仕事選びの優先順位の観点、性格特性の観点、状況の観点、経験の観点および希望条件の観点のそれぞれの観点でのマッチ度を算出することができる。算出手段126は、例えば、点数化された人物の特徴と、点数化された管理者の特徴とのコサイン類似度を算出することにより、マッチ度を算出することができる。あるいは、算出手段126は、例えば、順位付けされた人物の特徴と、順位付けされた管理者の特徴とのスピルマンの相関係数を算出することにより、マッチ度を算出することができる。
このようにして算出されたマッチ度は、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1301の前にステップS1303が行われてもよいし、ステップS1301とステップS1303とが同時に行われてもよいし、ステップS1302とステップS1304とが同時に行われてもよい。
図14Aは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図14Aに示される例では、組織内の少なくとも1人のメンバの離職のし易さを予測することを可能にするために、予測手段127に学習処理を施すための処理1400を説明する。処理1400は、例えば、図8に示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
ステップS1401では、受信手段110の第1の受信手段111が、組織内の複数のメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1401では、第1の受信手段111が、ステップS1001における第1の受信手段111による処理と同様の処理により、複数のメンバによる回答結果を受信する。
ステップS1402では、プロセッサ120の第1の分析手段121が、受信された回答結果を分析することにより、複数のメンバの特徴を決定する。ステップS1402では、第1の分析手段121が、ステップS1003における第1の分析手段121による処理と同様の処理により、複数のメンバの特徴を決定する。
ステップS1403では、受信手段110が、複数のメンバがチャット機能を利用した履歴を示すチャット履歴情報を受信する。受信手段110は、例えば、データベース部200に格納されているチャット履歴情報を受信するようにしてもよいし、ネットワーク500を介してチャット履歴情報を受信するようにしてもよい。
ステップS1404では、受信手段110の第2の受信手段112が、組織内の複数のメンバに対する離職者であるか否かの評価を受信する。第2の受信手段112は、例えば、管理者用端末装置300からネットワーク500を介して複数のメンバに対する離職者であるか否かの評価を受信するようにしてもよいし、データベース部200に格納されている複数のメンバに対する離職者であるか否かの評価をデータベース部200から受信するようにしてもよい。第2の受信手段112が複数のメンバに対する離職者であるか否かの評価を受信すると、第2の受信手段112は、複数のメンバに対する離職者であるか否かの評価をプロセッサ120に送り、プロセッサ120の予測手段127が複数のメンバに対する離職者であるか否か評価を受信する。
ステップS1405では、プロセッサ120の予測手段127が、ステップS1402で決定された複数のメンバの特徴と、ステップS1403で受信された複数のメンバのチャット履歴情報と、ステップS1404で受信された離職者であるか否かの評価を学習する。予測手段127は、例えば、図6に示されるようなニューラルネットワークを利用している。ステップS1403では、例えば、複数のメンバのうちの1人特徴およびそのメンバのチャット履歴情報を入力用教師データとし、そのメンバに対する離職者であるか否かの評価を出力用教師データとして、各ノードの重み係数を計算する。
チャット履歴情報は、例えば、所定期間(例えば、1時間、12時間、1日、1週間、1か月等)内にチャットでメッセージを発した回数、および、チャットを利用した時間帯を含み得る。チャット履歴情報は、チャットのメッセージの内容に関する情報を含んでもよい。
ステップS1405では、上述したものに加えて、組織内の複数のメンバのシフトに関する情報、組織内の複数のメンバの個人情報、算出手段126によって算出され得る組織の複数のメンバのそれぞれと管理者とのマッチ度、組織内の複数のメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるかの評価)も学習するようにしてもよい。シフトに関する情報は、例えば、所定期間(例えば、1週間、1か月、3か月等)内でシフトに入った平均回数、所定期間内の平均労働時間、シフト当たりの平均労働時間を含み得る。個人情報は、例えば、年齢、性別、扶養家族の有無、配偶者の有無、子供の人数、子供の年齢、過去の職種等を含み得る。
組織内の十分な数の複数のメンバについてステップS1405を繰り返すことにより、学習済ニューラルネットワークが構築され、学習処理が完了する。より多くの数のメンバについて学習することにより、推定の精度は向上する。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1401の後にステップS1404が行われ、次いでステップS1403が行われてもよいし、ステップS1401とステップS1403とステップS1404とのうちの少なくとも2つが同時に行われてもよい。
図14Bは、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図14Bに示される例では、組織内の少なくとも1人のメンバの離職のし易さを予測するための処理1410を説明する。処理1410は、例えば、図8に示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。予測手段127は、処理1400により学習処理を施されているものとする。
ステップS1411では、受信手段110の第1の受信手段111が、組織内の少なくとも1人のメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1411は、ステップS1001の処理と同様の処理である。
ステップS1412では、プロセッサ120の第1の分析手段121が、ステップS1411で受信された回答結果を分析することにより、少なくとも1人のメンバの特徴を決定する。ステップS1412は、ステップS1003と同様の処理である。
ステップS1413では、受信手段110が、組織内の少なくとも1人のメンバがチャット機能を利用した履歴を示すチャット履歴情報を受信する。受信手段110は、例えば、データベース部200に格納されているチャット履歴情報を受信するようにしてもよいし、ネットワーク500を介してチャット履歴情報を受信するようにしてもよい。
ステップS1414では、プロセッサ120の予測手段127が、ステップS1413で受信された少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、ステップS1412で決定された少なくとも1人のメンバの特徴に基づいて、少なくとも1人のメンバの離職のし易さを推定する。例えば、予測手段127の学習済ニューラルネットワークの入力層に少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、その特徴とを入力すると、出力層に離職のし易さが出力される。例えば、離職のし易さが0〜1の指標で出力される。
予測手段127がチャット履歴情報に加えて、組織内の複数のメンバのシフトに関する情報を用いた学習処理を施されている場合、ステップS1414では、ステップS1413で受信された少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、ステップS1412で決定された少なくとも1人のメンバの特徴と、受信手段110によって受信され得る少なくとも1人のメンバのシフトに関する情報とに基づいて、少なくとも1人のメンバの離職のし易さを推定するようにしてもよい。さらに、予測手段127がチャット履歴情報に加えて、組織内の複数のメンバの個人情報、算出手段126によって算出され得る組織の複数のメンバのそれぞれと管理者とのマッチ度、および/または、組織内の複数のメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるかの評価)を用いた学習処理を施されている場合、ステップS1414では、ステップS1413で受信された少なくとも1人のメンバのチャット履歴情報と、ステップS1412で決定された少なくとも1人のメンバの特徴と、受信手段110によって受信され得る少なくとも1人のメンバの個人情報、算出手段126によって算出され得る少なくとも1人のメンバと管理者とのマッチ度、および/または、第2の受信手段112によって受信され得る少なくとも1人のメンバに対する評価(例えば、ハイパフォーマーであるか、ローパフォーマーであるかの評価)とに基づいて、少なくとも1人のメンバの離職のし易さを推定するようにしてもよい。
このようにして予測された離職のし易さは、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1411の前にステップS1413が行われてもよいし、ステップS1411とステップS1413とが同時に行われてもよい。
図15は、組織マネジメントのためのコンピュータシステム100における処理の別の一例を示すフローチャートである。図15に示される例では、売上が向上し得る組織内のメンバの組み合わせを決定する処理1500を説明する。処理1500は、例えば、図9に示される構成を有するコンピュータシステム100において行われ得る。
ステップS1501では、受信手段110の第5の受信手段115が、所定期間(例えば、1時間、6時間、12時間、1日、1週間、1か月等)毎の組織の売上情報およびそのときのシフトのメンバの情報を受信する。組織内の少なくとも1人のメンバ以外の人物(例えば、組織で働くことを志望する志望者)が質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1211は、ステップS1101と同様の処理である。第5の受信手段115は、例えば、データベース部200に格納されている所定期間毎の売上情報を受信するようにしてもよいし、ネットワーク500を介して所定期間毎の売上情報を受信するようにしてもよい。第5の受信手段115は、データベース部200に格納されているシフトに関する情報のうち、その所定期間のシフトのメンバの情報を受信するようにしてもよいし、ネットワーク500を介して、シフトのメンバの情報を受信するようにしてもよい。
ステップS1502では、受信手段110の第1の受信手段111が、組織内の複数のメンバのうち、シフトのメンバが質問に対して回答した回答結果を受信する。ステップS1502では、第1の受信手段111が、ステップS1001における第1の受信手段111による処理と同様の処理により、シフトのメンバによる回答結果を受信する。
ステップS1503では、プロセッサ120の第1の分析手段121が、ステップS1502で受信された回答結果を分析することにより、シフトのメンバの特徴を決定する。ステップS1503では、第1の分析手段121が、ステップS1003における第1の分析手段121による処理と同様の処理により、シフトのメンバの特徴を決定する。
ステップS1504では、プロセッサ120の決定手段128が、ステップS1501で受信された売上情報と、ステップS1503で決定されたシフトのメンバの特徴とに基づいて、売上が向上し得る組織内のメンバの組み合わせを決定する。決定手段128は、例えば、売上が最も高いときのシフトのメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定する。決定手段128は、例えば、売上が平均よりも高いときのシフトのメンバが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバ同士の組み合わせを決定する。
あるいは、決定手段128は、例えば、売上が最も高いときのシフトのメンバの組み合わせが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定する。決定手段128は、例えば、売上が平均よりも高いときのシフトのメンバの組み合わせが共通して有している特徴および/または共通して有していない特徴を特定し、特定された共通して有している特徴を有するメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定するか、または、特定された共通して有している特徴を有し、かつ、特定された共通して有していない特徴を有していないメンバの組み合わせを決定する。
このようにして決定されたメンバの組み合わせは、出力手段140によってコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われることに留意されたい。例えば、ステップS1501の前にステップS1502が行われてもよいし、ステップS1501とステップS1502とが同時に行われてもよい。
図10、図11、図12A、図12B、図13、図14A、図14B、図15を参照して上述した例では、図10、図11、図12A、図12B、図13、図14A、図14B、図15に示される各ステップの処理は、プロセッサ120とメモリ130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図10、図11、図12A、図12B、図13、図14A、図14B、図15に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。