JP2020159725A - 風況予測システム、及び風況予測方法 - Google Patents

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俊彦 斉藤
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勲 荒巻
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Abstract

【課題】風況予測の精度をより向上させること。【解決手段】風向き及び風速に関する風況を予測する風況予測システムが提供される。この風況予測システムは、過去の風況から予測されるメッシュエリアの風況を示す風況モデルデータと、メッシュエリアの特定地点における風況の実測データと、が格納される記憶手段と、メッシュエリアの地形データを用いて地形の影響を風況モデルデータに反映させる補正を実施して補正データを生成する第1の補正手段と、特定地点における補正データと実測データとの時間相関が所定の閾値より大きくなるように補正データを補正する計算式を生成する第2の補正手段と、計算式と風況モデルデータとに基づいて特定地点における風況を予測する予測手段と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、風況予測システム、及び風況予測方法に関する。
再生可能エネルギーへの関心が高まる中、風力発電機の普及が急速に拡大しつつある。しかし、風力発電機の稼働率は、それを設置する場所における風況(例えば、風速及び風向)の変化に大きく影響される。そのため、風力発電機の性能を引き出すには、好適な風況が期待できる場所に風力発電機を設置することが求められる。
風力発電機の設置場所は、候補地に風況観測タワーを設置して実際に得られる風況観測の結果に基づいて決定される。そのため、風況観測タワーの設置に大きなコストがかかる。最近では、風力発電機の大型化に伴って60mから100m又はそれ以上の高度でデータを取得できる風況観測タワーが必要になり、設置場所の制限(特に山岳部では資材の搬入及び設置自体に困難を伴う。)及び設置コストの負担が増大している。
また、実際に風況観測タワーを設置しても、期待する風況の条件を満たさなければ風力発電機の設置が見送られる。つまり、風況観測タワーの設置コスト及び風況観測にかかった時間が全て無駄になる。そのため、風況を予測するシステムの実現が望まれている。
風況の予測に関し、通年データ及びスポット観測データを用いて風の関係を特定し、その関係を表す予測表を予測用コンピュータで作成する方法が提案されている(特許文献1を参照)。また、地形要因を考慮して風況を予測する風況予測シミュレータ(RIAM-COMPACT(登録商標))が提案されている(非特許文献1を参照)。
特開2005-10082号公報
http://www.riam.kyushu-u.ac.jp/windeng/aboutus.html(2018年3月7日取得)
上記の風況予測シミュレータを利用することで、好適な風況予測を実現できる。しかしながら、風力発電機の設置には多額の費用がかかることから、設置後に期待した風況が得られないという事態は極力避けねばならず、風況予測の精度は高いほどよい。また、再生可能エネルギーの普及を加速させる観点から、1カ所の風況評価にかかる期間を短縮して、多くの好適な場所に風力発電機を設置したいという要望もある。
そこで、本発明の1つの観点によれば、本発明の目的は、風況予測の精度をより向上させることが可能な風況予測システム、及び風況予測方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、風向き及び風速に関する風況を予測する風況予測システムであって、過去の風況から予測されるメッシュエリアの風況を示す風況モデルデータと、メッシュエリアの特定地点における風況の実測データと、が格納される記憶手段と、メッシュエリアの地形データを用いて地形の影響を風況モデルデータに反映させる補正を実施して補正データを生成する第1の補正手段と、特定地点における補正データと実測データとの時間相関が所定の閾値より大きくなるように補正データを補正する計算式を生成する第2の補正手段と、計算式と風況モデルデータとに基づいて特定地点における風況を予測する予測手段と、を有する、風況予測システムが提供される。
本発明によれば、風況予測の精度をより向上させることが可能になる。
気象モデル及び風況の地形依存性について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る風況予測システムが有する機能の一例を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る風況予測方法について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る地形補正及び風況予測について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る季節補正について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る時間補正について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る風況予測システムの機能を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
[1.気象モデル及び風況の地形依存性]
まず、図1を参照しながら、気象モデル及び風況の地形依存性について説明する。図1は、気象モデル及び風況の地形依存性について説明するための説明図である。
現在、風況に関するデータとして、NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の局所風況マップや環境省の風況マップがある。しかし、候補地に風況観測タワーを設置して観測した風況データと、これらのマップで示される風況データとの間には大きな乖離が見られることがある。その理由としては、候補地の高度と、気象庁観測所の風速計がある高度とが異なることなどが考えられる。
また、気象庁は、全球数値予報モデルGPV及びメソ数値予報モデルGPV(MSM)などの予測データを公開している。MSMは気象モデルの一例である。MSMの予測データ(MSMデータ)は、日本及びその周辺の大気を対象とし、スーパーコンピュータを利用して、未来の気温、風、水蒸気量、日射量などの状態を予測したデータである。
MSMデータの計算は、対象地域を一辺が5kmの矩形グリッドに分割し、さらに、各矩形グリッドについて所定高度の範囲を考慮した3次元グリッドを規定して、各3次元グリッドを単位として実行される。図1の上図は、気象モデルによる予測データの一例として、ある地域の風向マップを模式的に示している。この例では、ある地域がメッシュ状に区切られ、各グリッド(メッシュエリア)における風向が示されている。
MSMデータの場合、グリッドの各辺の長さdx、dyは5kmである。風力発電機(以下、風車)は、強風と凪とが不定期に訪れる地域よりも、安定的に好適な風量が期待できる地域に設置されることが好ましい。そのため、日本では山岳部が風車の有力な設置候補地となる。山岳部では、5km四方のグリッド内で大きな高低差が生じうる。
図1の下図は、ある地域の詳細な地形を示す例として、その地域の等高線図を模式的に示している。なお、図1の下図では、高度が高くなるにつれてハッチングが濃くなるようにし、ハッチングの濃度により高度を表現している。また、この図には、一例として、風車の設置候補地P0、P1、P2を示した。
P0は、P1、P2に比べて低く、近くに道路が通っている地点である。P1は、P0より高く、P2より低い地点である。また、P1は、道路から離れている。P2は、P0、P1に比べて高い地点である。風車を設置する場合、P2のように高度が高い地点に設置されることが多い。また、各地点で実測されるデータとMSMデータとの乖離は、P0、P1のような低地に比べ、P2のような高地で大きくなる傾向にある。
上記の乖離を低減するためにグリッドのdx、dyを小さくしてシミュレーションによる予測精度を改善する手法も検討されている。しかし、地形の複雑さや、図1の下図にある道路などが影響して、実現可能なグリッドサイズの縮小(演算性能、演算時間、演算コストなどによる限界がある。)だけでは十分な精度が得られないことがある。
上記のような事情を考慮し、本実施形態では、MSMデータなど、気象モデルに基づく予測データ(以下、モデルデータ)を利用し、実際に設置候補地で観測された風況データ、及び詳細な地形などを考慮して補正を実施することで、その設置候補地における風況を高精度に予測する風況予測システムについて説明する。
[2.風況予測システム]
以下、本発明の一実施形態に係る風況予測システム、及びその風況予測システムにより実現される風況予測方法について説明する。
(2−1.機能)
図2を参照しながら、風況予測システム10の機能について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る風況予測システムが有する機能の一例を示したブロック図である。なお、風況予測システム10は、本実施形態に係る風況予測システムの一例である。
図2に示すように、風況予測システム10は、記憶部11、相関式生成部12、地形補正部13、時間補正部14、季節補正部15、及び風況予測部16を有する。なお、記憶部11は、記憶手段の一例である。相関式生成部12は、第2の補正手段の一例である。地形補正部13、時間補正部14、及び季節補正部15は、第1の補正手段の一例である。風況予測部16は、予測手段の一例である。
記憶部11には、モデルデータ11a、実測データ11b、観測地情報11c、及び季節データ11dが格納される。
モデルデータ11aは、気象モデルに基づく予測データである。例えば、モデルデータ11aは、気象庁システム30からネットワークNWを介して取得可能なMSMデータである。なお、気象庁システム30は、気象庁から提供される予測データを公開するシステムである。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークである。
実測データ11bは、風車の設置候補地で実際に測定された風況データである。例えば、実測データ11bは、音波利用風況観測装置(ドップラーソーダ)、電波利用風況観測装置(ドップラーライダ)、風況観測タワーなどの風況観測装置を利用して測定される。なお、コスト負担や設置負担を考えるとドップラーソーダを利用することが好ましいため、図2の例ではドップラーソーダ20を模式的に記載している。
観測地情報11cは、モデルデータ11aの計算に利用される元データ(実際の観測データ)を取得した地点(例えば、気象庁観測所の風速計がある地点;以下、観測地)に関する情報である。例えば、観測地情報11cは、観測地の緯度、経度、高度などの位置情報と、観測地の地名などの情報とを対応付けたデータベースである。
季節データ11dは、各季節(春、夏、秋、冬など)における風況の傾向を示すデータである。例えば、季節データ11dは、各季節において、どの方位で、どのくらいの風量が得られるかを示すデータ、或いは、特定の方向(風車を向ける方向)における季節間の風量変化などを示すデータである。
相関式生成部12は、モデルデータ11a及び実測データ11bを用いて相関式を生成する。相関式は、設置候補地を含むグリッド(以下、対象グリッド)のモデルデータ11aから、その設置候補地における風況データの予測値を計算する計算式である。但し、相関式生成部12は、地形補正部13、時間補正部14、及び季節補正部15による補正を利用して相関式による予測値の精度を改善する。
地形補正部13は、対象グリッド内の詳細な地形を考慮した風況予測シミュレーション(例えば、RIAM-COMPACT(登録商標)の方式を採用する。)、対象グリッドのモデルデータ11aから設置候補地における風況データを再現する。以下、説明の都合上、地形補正部13により再現される風況データを「地形補正データ」と呼ぶ場合がある。
地形補正部13は、実測データ11bと同じ期間(例えば、1ヶ月間)のモデルデータ11aから地形補正データを生成し、相関式生成部12に入力する。なお、地形補正は、高度補正、空間補正、方位別風速比及び乱流解析と診断からなる補正を含みうる。
時間補正部14は、観測地情報11cを利用して相関式の入力又は出力に遅延補正を加えるための遅延補正式を生成する。遅延補正は、観測地と設置候補地との間の距離を風況が移動するのにかかる時間の分だけモデルデータ11aと実測データ11bとの間に生じる時間のずれを補正(時間シフト)する処理である。時間補正部14は、観測地情報11cに基づいて生成した遅延補正式を相関式生成部12に入力する。
季節補正部15は、季節データ11dを利用して相関式の出力に季節補正を加えるための季節補正式を生成する。季節補正は、季節の違いにより風況の方位分布が変化する性質を考慮し、対象となる方位における風況の差を補正する処理である。
例えば、季節補正部15は、対象グリッドにおける風況の方位分布に基づき、基準となる季節(例えば、冬)における各方位の重み値を1として、各季節における各方位の重み値を計算する。一例として、冬の北東における風速比が5、夏の北東における風速比が1、基準の季節が冬の場合、夏における北東の重み値は1/5となる。季節補正部15は、相関式で予測する季節及び方位に対応する重み値を相関式の出力に適用するための季節補正式を生成し、相関式生成部12に入力する。
相関式生成部12は、地形補正データ及び実測データ11bに基づいて相関式を生成する。例えば、相関式生成部12は、時間補正部14から入力される時間補正式を利用して地形補正データを時間シフトさせる。また、相関式生成部12は、時間シフトした地形補正データを入力とし、実測データ11bを再現する相関式を生成する。
相関式の生成方法としては、例えば、相関式に含める演算要素の集合(四則演算を含む関数群)を用意し、演算要素の組み合わせを変えながら相関式の出力と実測データ11bとの相関係数が所定値(例えば、0.9など)以上となる組み合わせを選択する手法を適用できる。また、ニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムなどの高度な学習手法を適用して相関式を生成することも可能である。但し、相関式の生成方法はこれらの例に限定されず、現在又は将来において知られた任意の手法を適用可能である。
相関式生成部12は、相関式、時間補正式、季節補正式を組み合わせて統合相関式を生成し、風況予測部16に入力する。統合相関式は、例えば、モデルデータ11aが入力される相関式の出力に時間補正式を適用し、時間補正式の出力に季節補正式を適用する計算式である。なお、季節補正式は、入力されるモデルデータ11aに対応する季節に応じた季節補正を適用するように組み合わされる。
風況予測部16は、相関式生成部12から入力された統合相関式に基づいてモデルデータ11aから設置候補地における風況を予測する。このとき、風況予測部16は、気象庁システム30から長期間(例えば、1年間)のモデルデータ11aを取得し、長期間の風況データ(予測データ)を生成する。上記のように、地形補正に加えて、時間補正及び季節補正が適用されることで風況予測の精度が向上する。
以上、風況予測システム10の機能について説明した。
なお、変形例として、風況予測システム10の一部機能を省略すること、新たな機能を追加すること、少なくとも一部の機能を独立した他のシステムで運用することなども可能である。このような変形例についても本実施形態の技術的範囲に属する。
(2−2.風況予測方法)
ここで、図3を参照しながら、上記の風況予測システム10を利用した風況予測方法について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る風況予測方法について説明するための説明図である。
図3に示すように、本実施形態に係る風況予測方法は、大きく3つのステップ(1st step, 2nd step, 3rd step)に分けられる。
(1st step)には、候補地での1ヶ月実測(S1a)、候補地を含むグリッド周辺のモデルデータ(1ヶ月)取得(S1b)、グリッド内地形に基づく補正(S1c)、そして、相関式生成(S1d)の工程が含まれる。また、S1dの工程で、時間補正の追加(S1e)、及び季節補正の追加(S1f)が行われる。
S1aの工程では、実測データ11bの取得が行われる。例えば、ドップラーソーダ20を候補地に設置し、1ヶ月間にわたり実測データ11bの収集を行う。なお、ここでは1ヶ月間としているが、実測データ11bの収集期間を、1ヶ月より長い期間、或いは、1ヶ月より短い期間に設定してもよい。ドップラーソーダ20で収集された実測データ11bは、風況予測システム10の記憶部11に格納される。
S1bの工程では、対象グリッドにおけるモデルデータ11aの取得が行われる。この工程では、実測データ11bと同じ期間(この例では1ヶ月間)のモデルデータ11aが取得される。S1cの工程では、地形補正部13による風況予測シミュレーションにより地形補正データの計算が行われる。なお、S1aの工程、及びS1b、S1cの工程は並行して実施されてもよい。
S1dの工程では、相関式生成部12による相関式の生成が行われる。このとき、S1eの工程で時間補正部14による時間補正式の生成が行われ、相関式の生成に利用される。また、S1fの工程で季節補正部15による季節補正式の生成が行われる。そして、相関式生成部12により統合相関式11eが生成され、(2nd step)に工程が進められる。
(2nd step)には、候補地を含むグリッド周辺のモデルデータ(1年間)取得(S2a)、及び候補地の風況予測(1年間)の工程が含まれる。S2aの工程では1年間分のモデルデータ11aが取得され、S2bの工程では、風況予測部16によりモデルデータ11a及び統合相関式11eを用いて1年間分の風況予測が行われる。この風況予測の結果を受けて、(3rd step)候補地の評価(S3)が行われる。
上記のように、候補地で実測データ11bを収集する期間は1ヶ月(長くても数ヶ月)と短くて済み、1年間に数カ所の候補地で実測データ11bを得ることができる。特に、実測データ11bの収集にドップラーソーダ20を利用すれば、設置及び撤去が容易であるため、上記のような運用が可能になる。もちろん、一部の重要な地点に風況観測タワーを設置するなどの運用にしてもよい。
以上、風況予測方法について説明した。
(2−3.各種補正について)
ここで、上記の地形補正、時間補正、及び季節補正について、さらに説明する。
図4には、ある地点における実測データ11bとモデルデータ11aとの風速比比較(実測−モデル比較)を示したグラフ、及び実測データ11bと地形補正データとの風速比比較(実測−補正比較)を示したグラフを示した。図4は、本発明の一実施形態に係る地形補正及び風況予測について説明するための説明図である。
実測−モデル比較のグラフに示すように、1ヶ月間で比較した場合に、実測データ11bとモデルデータ11aとの間には乖離がある。一方、モデルデータ11aに上記の地形補正を適用すると、実測−補正比較のグラフに示すように、実測データ11bとモデルデータ11aとの間の乖離が抑制される。実際、1ヶ月間のデータについて、地形補正により相関係数の改善(R2>R1)が確認されている。
既に説明したように、本実施形態では、地形補正データを利用して相関式を生成し、長期間(1年間)のモデルデータ11a及び相関式から風況予測を行う。
候補地の評価は、通常、1年間分の風況評価を経て行われる。そのため、季節要因を考慮した評価が重要になることがある。図5には、ある地点における季節毎の風況変化((A)−(C)の分布図は異なる季節における風況を示している。)を示した。図5は、本発明の一実施形態に係る季節補正について説明するための説明図である。
図5に示した分布図は、Nが北、Sが南、Eが東、Wが西を示し、ハッチングを施した部分で風向及び強度(円の外側に行くほど強い)を示している。
図5(A)を参照すると、この季節では、北北西、西北西、南南東の方角に強度のピークがある。また、図5(B)を参照すると、この季節では、南東から南南東の方角に強く風が吹いている。また、図5(C)を参照すると、この季節では、西から西北西、南南東から南東の方角に強く風が吹いている。上記の状況では、例えば、北西の方角に風車を向けて設置したときに、図5(B)の季節で発電効率が極端に低下する。
本実施形態では、上記のような季節変動の要因を考慮して風況予測を実施するため、より確実な候補地の評価を行うことができる。
次に、時間補正について述べる。図6は、本発明の一実施形態に係る時間補正について説明するための説明図である。上述したように、時間補正は、モデルデータ11aの元となる風況データの観測地から候補地まで距離がある場合に、その距離を風況が伝搬するのにかかる時間分だけ実測データ11bに生じる遅延を補正する処理である。対象グリッドに既知の観測地がある場合、時間補正が適用できる。
図6の上図は、実測データ11bと時間補正前の地形補正データとを比較したグラフである。本来、ピークa1とb1の位置、ピークa2とb2の位置、ピークa3とb3の位置、ピークa4とb4の位置が時間軸上の同じ位置に来るべきであるが、図6の上図では僅かにずれている。一方、図6の下図は、実測データ11bと時間補正後の地形補正データとを比較したグラフである。この図では上記の各ピークのペアがほぼ一致している。
上記のような遅延の存在は他の気象データ(アメダスなど)からも裏付けられており、遅延時間tの分だけ補正することで相関式の精度向上が期待できる。
以上、各種補正について説明した。
(2−4.ハードウェア構成例)
最後に、図7を参照しながら、風況予測システム10の機能を実現可能な情報処理装置10Hのハードウェア構成例について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る風況予測システムの機能を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示したブロック図である。
情報処理装置10Hが有する機能は、例えば、図7に示すハードウェア資源を用いて実現することが可能である。つまり、情報処理装置10Hが有する機能は、コンピュータプログラムを用いて図7に示すハードウェアを制御することにより実現される。
図7に示すように、このハードウェアは、主に、プロセッサ10a、メモリ10b、表示I/F(Interface)10c、通信I/F10d、及び接続I/F10eを有する。
プロセッサ10aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などである。メモリ10bは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置である。
表示I/F10cは、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイデバイスを接続するためのインターフェースである。例えば、表示I/F10cは、プロセッサ10aや表示I/F10cに搭載されたGPU(Graphic Processing Unit)により表示制御を実施する。
通信I/F10dは、有線及び/又は無線のネットワークに接続するためのインターフェースである。通信I/F10dは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、光通信ネットワーク、携帯電話ネットワークなどに接続される。
接続I/F10eは、外部デバイスを接続するためのインターフェースである。接続I/F10eは、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)などである。
接続I/F10eには、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなどの入力インターフェースが接続されうる。また、接続I/F10eには、スピーカなどのオーディオデバイスやプリンタなどが接続されうる。また、接続I/F10eには、可搬性の記録媒体10fが接続されうる。記録媒体10fは、例えば、磁気記録媒体、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどである。
上述したプロセッサ10aは、記録媒体10fに格納されたプログラムを読み出してメモリ10bに格納し、メモリ10bから読み出したプログラムに従って情報処理装置10Hの動作を制御することができる。なお、情報処理装置10Hの動作を制御するプログラムは、メモリ10bに予め格納されていてもよいし、通信I/F10dを介してネットワークからダウンロードされてもよい。
なお、上述した風況予測システム10が有する記憶部11の機能は、メモリ10bを用いて実現可能である。また、上述した相関式生成部12、地形補正部13、時間補正部14、季節補正部15、及び風況予測部16の機能は、プロセッサ10aを用いて実現可能である。
以上、情報処理装置10Hのハードウェアについて説明した。
以上、本発明の実施形態について説明した。
(変形例について)
上記の説明では、実測データ11bの収集にドップラーソーダ20を利用する例を示したが、例えば、ドップラーライダを利用してもよいし、ドップラーライダや風況観測タワーを組み合わせて利用してもよい。また、上記の説明では、モデルデータ11aの例としてMSMデータを示したが、他の予測データを利用してもよい。また、実測データ11bの収集期間や、風況予測の期間は上記の例に限定されず、実施の態様に応じて変形可能である。このような変形についても、当然に本実施形態の技術的範囲に属する。
10 風況予測システム
11 記憶部
11a モデルデータ
11b 実測データ
11c 観測地情報
11d 季節データ
11e 統合相関式
12 相関式生成部
13 地形補正部
14 時間補正部
15 季節補正部
16 風況予測部
20 ドップラーソーダ
30 気象庁システム
NW ネットワーク

Claims (8)

  1. 風向き及び風速に関する風況を予測する風況予測システムであって、
    過去の風況から予測されるメッシュエリアの風況を示す風況モデルデータと、前記メッシュエリアの特定地点における風況の実測データと、が格納される記憶手段と、
    前記メッシュエリアの地形データを用いて地形の影響を前記風況モデルデータに反映させる補正を実施して補正データを生成する第1の補正手段と、
    前記特定地点における前記補正データと前記実測データとの時間相関が所定の閾値より大きくなるように前記補正データを補正する計算式を生成する第2の補正手段と、
    前記計算式と前記風況モデルデータとに基づいて前記特定地点における風況を予測する予測手段と、を有する、風況予測システム。
  2. 前記実測データは、第1の期間に前記特定地点で実測された風況のデータであり、
    前記予測手段は、前記第1の期間より長い第2の期間における前記風況モデルデータと前記計算式とに基づいて前記特定地点における風況を予測する
    請求項1に記載の風況予測システム。
  3. 前記第2の補正手段は、前記過去の風況を観測した地点から前記特定地点まで風況が伝搬する時間を遅延時間として計算し、前記遅延時間の分だけ時間軸上で前記補正データを遅延させる第1の補正式を前記計算式に含める
    請求項2に記載の風況予測システム。
  4. 前記記憶手段には、季節毎に異なる風況の特徴を示す季節データが格納され、
    前記第2の補正手段は、前記第2の期間のうち前記第1の期間とは季節が異なる期間について前記風況を予測するとき、前記季節データに基づいて前記補正データに前記風況の特徴の違いを反映させる第2の補正式を前記計算式に含める
    請求項2又は3に記載の風況予測システム。
  5. 前記風況モデルデータは、GPV(Grid Point Value)データである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の風況予測システム。
  6. 前記実測データは、前記特定地点に設置されたドップラーソーダ及び/又はドップラーライダにより測定されたデータである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の風況予測システム。
  7. 前記風況モデルデータは、前記メッシュエリアの内部で一様な風況を示し、
    前記第1の補正手段は、前記風況モデルデータが示す風向きに基づいて、矩形の前記メッシュエリアを形成する4つの辺のうち、他のメッシュエリアから風が流入する前記メッシュエリアの辺を特定し、特定した前記メッシュエリアの辺から風況が伝搬することを境界条件とするシミュレーションを実施して前記補正データを生成する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の風況予測システム。
  8. 風向き及び風速に関する風況を予測する風況予測方法であって、
    コンピュータが、
    過去の風況から予測されるメッシュエリアの風況を示す風況モデルデータを取得し、
    前記メッシュエリアの特定地点に設置されたドップラーソーダ及び/又はドップラーライダにより測定される風況の実測データを取得し、
    前記メッシュエリアの地形データを用いて地形の影響を前記風況モデルデータに反映させる補正を実施して補正データを生成し、
    前記特定地点における前記補正データと前記実測データとの時間相関が所定の閾値より大きくなるように前記補正データを補正する計算式を生成し、
    前記計算式と前記風況モデルデータとに基づいて前記特定地点における風況を予測する、風況予測方法。
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