JP2020157182A - 粉体塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭部への充填性に優れる粉体塗装技術を提供する。【解決手段】粉体塗料が流動する流動槽に、粉体塗料の溶融温度以下の温度の被塗装物を浸漬し、被塗装物に設けられた間隙部に粉体塗料を充填する、第1の浸漬工程と、第1の浸漬工程の後、被塗装物を前記流動槽から取り出す工程と、流動槽から取り出した被塗装物を加熱して、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる工程と、を含む、粉体塗装方法。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗装方法に関する。
粉体塗料における塗装性を改善しようとする技術として、特許文献1(特開2004−210875公報)に記載のものがある。同文献には、粉体塗料の流動化剤として用いる無機酸化物微粒子であって、解砕処理され、解砕後の平均凝集粒子径が粉体塗料の粒子径に対して0.001倍以上であって0.5倍以下である粉体塗料用流動化剤について記載されており、かかる流動化剤を含有する粉体塗料は、薄膜を形成した場合でも塗膜表面にブツが殆ど発生せず、平滑性に優れた外観の塗膜を得ることができるとされている。
特開2004−210875公報
しかしながら、上記文献に記載の技術について本発明者が検討したところ、狭部への充填が十分になされない場合があるという点で改善の余地があることが見出された。ここで、狭部とは、電子部品の基板とチップの間隙や巻線したコイルの銅線間隙など、部材の重ね合わせで生じる狭い隙間のことをいう。さらに具体的には、粉体塗装のうち、たとえば静電気による塗装では、塗料が隙間に入り込む前に付着したり、静電反発が生じ、十分な厚みの塗膜が得られない場合があった。また、たとえば、被塗装物を加熱し、粉体を流動させた塗装槽に浸漬して粉体を溶融付着させる流動浸漬法では、溶融物の粘度が高いため、間隙が狭い場合は樹脂成分を間隙に充填することは難しいことがあった。
そこで、本発明は、狭部への充填性に優れる粉体塗装技術を提供するものである。
本発明によれば、
粉体塗料が流動する流動槽に、前記粉体塗料の溶融温度以下の温度の被塗装物を浸漬し、前記被塗装物に設けられた間隙部に前記粉体塗料を充填する、第1の浸漬工程と、
前記第1の浸漬工程の後、前記被塗装物を前記流動槽から取り出す工程と、
前記流動槽から取り出した前記被塗装物を加熱して、前記粉体塗料の溶融物を前記被塗装物に付着させる工程と、
を含む、粉体塗装方法が提供される。
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、前記本発明における粉体塗装方法により塗装されてなる、物品を得ることもできる。
本発明によれば、狭部への充填性に優れる粉体塗装技術を提供することができる。
以下、実施の形態について説明する。本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
本実施形態において、粉体塗装方法は、粉体塗料が流動する流動槽に、粉体塗料の溶融温度以下の温度の被塗装物を浸漬し、被塗装物に設けられた間隙部に粉体塗料を充填する、第1の浸漬工程と、第1の浸漬工程の後、被塗装物を流動槽から取り出す工程と、流動槽から取り出した被塗装物を加熱して、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる工程と、を含む。
本発明者は、粉体塗装において、狭部への充填性を向上すべく検討をおこなった。その結果、第1の浸漬工程の後、流動槽から取り出した被塗装物を加熱して粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させることにより、被塗装物に狭い間隙部が設けられている場合であっても、間隙部への塗料の充填性を向上して安定的に塗装できることを見出した。
以下、本実施形態における方法について、さらに具体的に説明する。
被塗装物の具体例として、各種電装モーターやセラミックコンデンサーなどの電子部品が挙げられる。
また、被塗装物には、たとえば最少幅が200μm以下、または、たとえば150μm以下もしくは100μm以下の間隙部が設けられていてもよい。
第1の浸漬工程は、粉体塗料が流動する流動槽に、間隙部が設けられた塗装物を浸漬し、間隙部に粉体塗料を充填する工程である。
間隙部への塗料の充填性を向上する観点から、第1の浸漬工程における浸漬時の被塗装物の温度は、粉体塗料の溶融温度以下である。こうすれば、第1の浸漬工程において非溶融状態で粉体塗料を間隙部に安定的に充填した後、被塗装物を加熱して粉体塗料を溶融物とすることができるため、間隙部の幅が狭い場合であっても、間隙部への塗料の充填性を向上し、未充填部の発生を抑制することができる。
同様の観点から、第1の浸漬工程において、粉体塗料をその溶融温度以下の温度で流動させることが好ましく、非加熱状態で流動させることがより好ましい。
また、同様の観点から、本実施形態における製造方法が、第1の浸漬工程より前に、被塗装物を加熱する工程を含まないことが好ましい。
流動槽から取り出した被塗装物を加熱して、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる工程においては、被塗装物に付着している粉体塗料がその溶融温度よりも高い温度となる温度まで被塗装物を加熱する。
また、本実施形態において、粉体塗装方法は、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる工程の後、被塗装物を流動槽に浸漬し、粉体塗料を被塗装物の外側に付着させる、第2の浸漬工程をさらに含んでもよい。これにより、被塗装物の外側により厚い塗膜を形成することができる。第2の浸漬工程において、被塗装物に付着する粉体塗料は、溶融物であっても溶融していないものであってもよい。また、粉体塗装方法は、第2の浸漬工程の後、被塗装物を流動槽から取り出す工程;および、第2の浸漬工程の後、流動槽から取り出した被塗装物を加熱して、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる工程をさらに含んでもよい。
また、本実施形態において、粉体塗装方法は、粉体塗料の溶融物を被塗装物の外側に付着させる工程の後、被塗装物を加熱して粉体塗料を硬化する工程をさらに含んでもよい。加熱硬化条件は、被塗装物の種類、粉体塗料の構成成分等に応じて適宜設定することができる。
次に、本実施形態の粉体塗装方法に用いる粉体塗料について説明する。
粉体塗料は、粒子状の熱硬化性樹脂組成物を含む。粉体塗料は、粒子状の熱硬化性樹脂組成物により構成されてもよいし、他の成分を含んでもよい。
レーザー回折法にて測定される熱硬化性樹脂組成物の粒径d90は、塗装槽内での粉体流動性を向上する観点から、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは40μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。
また、粉体塗料の狭部への充填性を向上する観点から、熱硬化性樹脂組成物の上記粒径d90は、たとえば180μm以下であってよく、好ましくは140μm以下であり、より好ましくは120μm以下、さらに好ましくは100μm以下、さらにより好ましくは80μm以下である。
ここで、熱硬化性樹脂組成物の粒径90および他の粒度特性、ならびに、後述する無機充填材および無機粒子の粒度特性については、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、島津製作所社製、SALD−7000)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定することにより得ることができる。
次に、熱硬化性樹脂組成物の構成成分について説明する。
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。
熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。粉体塗料の硬化物の耐熱性や絶縁性を向上する観点から、熱硬化性樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂を含む。
エポキシ樹脂の具体例として、分子中に2個以上のエポキシ基を有し、室温下で固形のものが挙げられる。このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、ナフタレン型、芳香族アミン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。低コスト、溶融時の粘度、耐湿性向上を図るという観点から、エポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂の軟化点は、槽内での固結を抑制する観点から、好ましくは40℃以上であり、好ましくは50℃以上である。
また、粉体塗料により形成される塗膜の外観の好ましさを向上する観点から、エポキシ樹脂の軟化点は、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは120℃以下である。
また、熱硬化性樹脂は、後述するフェノール樹脂硬化剤等の樹脂硬化剤を含んでもよい。
熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、粉体塗料の硬化物の表面の平滑性を向上する観点から、熱硬化性樹脂組成物全体に対して好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上である。
また、粉体塗料の塗膜の成形性を良好なものとする観点から、熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して好ましく95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、さらにより好ましくは60質量%以下である。
また、熱硬化性樹脂組成物は、粉体塗料の硬化物の機械的強度や硬度の向上や線膨張係数の低減、溶融粘度の最適化等の観点から、さらに無機充填材を含んでもよい。
無機充填材として、具体的には、結晶シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、表面処理シリカ等のシリカ;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム化合物;硫酸バリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、マイカ、ドロマイト、ウォラストナイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ジルコン、モリブデン化合物が挙げられる。中でも、化学的安定性、低線膨張係数、低コスト、入手のし易さという観点から、シリカおよび炭酸カルシウムから選択される1種以上が好ましく、シリカがより好ましい。
無機充填材がシリカであるとき、シリカの粒径d10は、溶融粘度を好ましいものとする観点から、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上であり、また、たとえば10μm以下であってもよい。
また、粉体塗料の狭部への充填性を向上する観点から、シリカの平均粒径d50は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下であり、また、たとえば1μm以上であってもよい。
熱硬化性樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の機械的強度を向上する観点から、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の平滑性を高める観点から、熱硬化性樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは65質量%以下である。
また、熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤、硬化促進剤および着色剤からなる群から選択される1種または2種以上を含んでもよい。
たとえば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含むとき、熱硬化性樹脂組成物は硬化剤を含んでもよい。
硬化剤の具体例として、ジアミノジフェニルメタンやアニリン樹脂などの芳香族アミン、脂肪族アミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合物、ジシアンジアミドおよびその誘導体、各種イミダゾールやイミダゾリン化合物、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸などのポリジカルボン酸またはその酸無水物、アジピン酸やフタル酸などのジヒドラジッド、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどとアルデヒドとの縮合物であるノボラック類、カルボン酸アミド、メチロール化メラミン類、ブロック型イソシアヌレート類等が挙げられる。これらの中でも、各種イミダゾールやイミダゾリン化合物、酸無水物系の硬化剤が、得られる粉体塗料の接着性、耐熱性、耐ヒートサイクル性、硬化性を向上させることから好ましい。
エポキシ樹脂に対する硬化剤の割合は、使用するエポキシ樹脂および硬化剤の種類により調整することができる。
エポキシ樹脂に対する硬化剤の割合は、良好な硬化性および硬化物特性を得る観点から、硬化剤の官能基(数)が、エポキシ樹脂のエポキシ基(数)に対して、好ましくは0.3モル当量以上、より好ましくは0.9モル当量以上であり、また、好ましくは1.2モル当量以下、より好ましくは1.1モル当量以下である。
硬化促進剤の具体例として、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン、イミダゾール化合物、3級アミン等のアミン化合物が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、良好な硬化特性を得る観点から、熱硬化性樹脂組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
また、熱硬化性樹脂組成物は、顔料等の着色剤をさらに含んでもよい。ここで、顔料は、前述の無機充填材以外の成分である。
顔料の具体例として、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラックおよびシアニンブルーからなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
粉体塗料中の顔料の含有量は、好ましい着色性を得る観点から、粉体塗料全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.06質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
なお、本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物には上記成分のほかにも、本発明の目的を損なわない範囲内で難燃剤、レベリング剤、カップリング剤等を配合してもよい。
また、粉体塗料は、粒子状の熱硬化性樹脂組成物以外の成分を含んでもよい。かかる成分の具体例として、流動性付与材が挙げられる。すなわち、粉体塗料は、その流動性をさらに向上する観点から、粒子状の熱硬化性樹脂組成物以外の成分として、好ましくは無機粒子をさらに含む。
無機粒子の材料は、好ましくはシリカである。
レーザー回折法にて測定される無機粒子の平均粒径d50は、粉体塗料の流動性を向上する観点から、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上であり、また、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。
粉体塗料中の無機粒子の含有量は、粉体塗料全体に対してたとえば0.1質量%以上であってもよく、また、たとえば10質量%以下であってもよい。
本実施形態においては、被塗装物に設けられた間隙部に粉体塗料を充填した後、流動槽から取り出した被塗装物を加熱して、粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させるため、粉体塗料の狭部充填性を向上することができる。このため、本実施形態によれば、たとえば、粉体塗装による物品の製造安定性を向上することも可能となる。
また、本実施形態によれば、たとえば、最少幅が200μm以下の間隙部を有する物品、または、最少幅がたとえば150μm以下もしくは100μm以下の間隙部を有する物品についても、粉体塗装を安定的におこなうことも可能となる。
また、本実施形態において、150℃にて測定される粉体塗料の流れ率は、0%であってよく、粉体塗料の狭部への充填性を向上する観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは20%以上である。
また、溶融時のタレ防止の観点から、150℃における粉体塗料の流れ率は、好ましくは120%以下であり、より好ましくは60%以下である。
ここで、150℃における粉体塗料の流れ率は以下の方法で測定される。
(流れ率の測定方法)粉体塗料0.5gを10mmφの金型に入れて加圧成形後、150℃の乾燥機中で30分間加熱し、加熱前後の錠剤径の変化から次式により算出する。
流れ率[%]=(加熱後の錠剤径−加熱前の錠剤径)/加熱前の錠剤径×100
200℃における粉体塗料のゲルタイムは、粉体塗料の狭部への充填性を向上する観点から、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは20秒以上である。
また、生産性向上の観点から、200℃における粉体塗料のゲルタイムは、好ましくは100秒以下であり、より好ましくは40秒以下である。
ここで、200℃における粉体塗料のゲルタイムは以下の方法で測定される。
(ゲルタイムの測定方法)JIS C 2161に準拠して、200℃の熱盤を用いてゲル化するまでの時間(秒)を測定する。
粉体塗料の融点(溶融温度)は、粉体の固結を抑制する観点から、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは45℃以上である。
また、塗装時の付着性を向上する観点から、粉体塗料の融点は、好ましくは80℃以下であり、より好ましくは70℃以下である。
ここで、粉体塗料の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により、10℃/分の昇温の条件で測定される。
粉体塗料の流動性は、粉体の動きの良さを好ましいものとして、塗装物への粉体の付着性を向上する観点から、好ましくは80mmH2O以上である。また、粉体を動きやすくして狭部の内部への入り込みを向上する観点から、粉体塗料の流動性は、好ましくは200mmH2O以下であり、より好ましくは150mmH2O以下である。
ここで粉体塗料の流動性は、以下の方法で測定される。
(流動性測定方法)直径15cmの丸型流動槽(OPPC社製)へ粉体塗料を700g投入し、粉体全体が澱みなく流動を開始する圧力を水マノメーターにて測定する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
(実施例1〜3、比較例1)
本例では、粉体塗料を製造し、これを用いて粉体塗装をおこなった。
(原料)
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製、JER1002(1002番タイプ)、エポキシ当量600〜700、軟化点78℃
(硬化剤)
硬化剤1:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)
(無機充填材)
無機充填材1:球状シリカ、日鉄ケミカル&マテリアル社製、HS−208、d50=20μm、d10=10μm
無機充填材2:球状シリカ、日鉄ケミカル&マテリアル社製、HS−311、d50=2.2μm、d10=1.0μm
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン(TPP)
(顔料)
顔料1:酸化チタン、石原産業社製、CR−50、d50=0.25μm
(流動性付与材)
流動性付与材1:微粒シリカ、エボニック社製、R972、d50=12nm
(粉体塗料の製造)
表1に記載の配合で熱硬化性樹脂組成物を調製し、得られた熱硬化性樹脂組成物およびその他の成分を常法にしたがって混合することにより、各例の粉体塗料を得た。ここで、熱硬化性樹脂組成物については、原料成分をミキサーにより混合し、80℃条件下で溶融混練した後、粉砕機により粉砕し、気流分級および篩を用いて、粒径d90が45〜150μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
(粉体塗料の物性)
各例で得られた粉体塗料の流れ率(粘度特性)、ゲルタイム、融点および粉体流動性、ならびに、粉体塗料の調製に用いた熱硬化性樹脂組成物の粒度分布を以下の方法で測定した。測定結果を表1にあわせて示す。
(流れ率(粘度特性))
粉体塗料0.5gを10mmφの金型に入れて加圧成形後、150℃の乾燥機中で30分間加熱し、加熱前後の錠剤径の変化から次式により算出した。
流れ率[%]=(加熱後の錠剤径−加熱前の錠剤径)/加熱前の錠剤径×100
(ゲルタイム)
JIS C 2161に準拠して、200℃の熱盤を用いてゲル化するまでの時間(秒)を測定した。
(熱硬化性樹脂組成物の粒度分布)
レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、Partica LA−950V2)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定した。
(融点)
セイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計DSC6200にて融点を測定した。
(粉体流動性)
直径15cmの丸型流動槽(OPPC社製)へ粉体塗料を700g投入し、粉体全体が澱みなく流動を開始する圧力を水マノメーターにて測定した。
(評価)
2枚の銅板(いずれも幅15mm)を準備し、一方の銅板に厚み140μmで耐熱テープを巻いた後、2枚の銅板を重ね合わせ、耐熱テープで接着することで銅板間に140μmの幅の空隙を形成したものをテストピースとして用いた。
各例で得られた粉体塗料について、以下の方法および条件で上記テストピースへの粉体塗装をおこなった。
すなわち、比較例1では、テストピースを190℃の乾燥機中で10分加熱後、粉体を流動させた流動浸漬槽に2秒間浸漬後、流動浸漬槽から取り出して、190℃で20分硬化した。
また、実施例1〜3では、未加熱状態のテストピースを、粉体を流動させた流動浸漬槽に2秒間浸漬後、流動浸漬槽から取り出して、190℃で20分硬化した。
ここで、各実施例および比較例のいずれにおいても、粉体は非加熱状態(25℃)で流動させた。
各例で得られた塗装後のテストピースについて、貼り合わせていた2枚の銅板を剥がして空隙部への粉体塗料の充填状態を目視で観察し、以下の評価基準で狭部への充填性を評価した。評価結果を表1にあわせて示す。
◎:銅板間に形成された硬化物の面積が80%以上
○:銅板間に付着した硬化物面積が50%以上80%未満
×:銅板間に付着した硬化物面積が50%未満
Figure 2020157182
表1より、各実施例においては、比較例のものに比べて、粉体塗装時の狭部充填性に優れていた。

Claims (8)

  1. 粉体塗料が流動する流動槽に、前記粉体塗料の溶融温度以下の温度の被塗装物を浸漬し、前記被塗装物に設けられた間隙部に前記粉体塗料を充填する、第1の浸漬工程と、
    前記第1の浸漬工程の後、前記被塗装物を前記流動槽から取り出す工程と、
    前記流動槽から取り出した前記被塗装物を加熱して、前記粉体塗料の溶融物を前記被塗装物に付着させる工程と、
    を含む、粉体塗装方法。
  2. 前記第1の浸漬工程より前に、前記被塗装物を加熱する工程を含まない、請求項1に記載の粉体塗装方法。
  3. 前記第1の浸漬工程において、前記粉体塗料を非加熱状態で流動させる、請求項1または2に記載の粉体塗装方法。
  4. 粉体塗料の溶融物を被塗装物に付着させる前記工程の後、前記被塗装物を前記流動槽に浸漬し、前記粉体塗料を前記被塗装物の外側に付着させる、第2の浸漬工程をさらに含む、請求項1乃至3いずれか1項に記載の粉体塗装方法。
  5. 前記被塗装物の前記間隙部の最少幅が200μm以下である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の粉体塗装方法。
  6. 前記粉体塗料が、粒子状の熱硬化性樹脂組成物を含む、請求項1乃至5いずれか1項に記載の粉体塗装方法。
  7. レーザー回折法にて測定される前記熱硬化性樹脂組成物の粒径d90が、20μm以上140μm以下である、請求項6に記載の粉体塗装方法。
  8. 前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む、請求項6または7に記載の粉体塗装方法。
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JP2006509621A (ja) * 2002-12-12 2006-03-23 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ 粉体コーティング法

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