JP2020154993A - ライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

ライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ライドシェアサービスの利用者の利便性の向上を図ることができるライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラムを提供すること。【解決手段】利用者からの乗車リクエストに基づき車両(M)の運行計画を生成し、前記車両によるライドシェアサービスを提供するライドシェアサーバ装置(100)と、前記車両に設けられたエージェント装置(400)を含み、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置(D)に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取り、受け取った前記意見を前記同乗者に伝達する車両エージェントシステム(E2)と、を備えたライドシェアシステム。【選択図】図1

Description

本発明は、ライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
従来、車両の乗員と対話を行いながら、乗員の要求に応じた運転支援に関する情報や車両の制御、その他のアプリケーションなどを提供するエージェント機能に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−335231号公報
ところで、今後の新しいサービスとして、複数の利用者が同一の共同車両を利用するいわゆるライドシェアサービスが提案されている。しかしながら、従来の技術では、ライドシェアサービスを利用中の乗員が同乗者へ意見を伝えたいときに躊躇してしまう場合があり、利用者にとっての利便性が十分でなかった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ライドシェアサービスの利用者の利便性の向上を図ることができるライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係るライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラムは以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様は、利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成し、前記車両によるライドシェアサービスを提供するライドシェアサーバ装置と、前記車両に設けられたエージェント装置を含み、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取り、受け取った前記意見を前記同乗者に伝達する車両エージェントシステムと、を備えたライドシェアシステムである。
(2):上記(1)の態様において、前記携帯端末装置は、前記携帯端末装置に仮想的なエージェントを出現させる端末エージェントシステムの少なくとも一部を構成し、前記車両エージェントシステムは、前記利用者が前記エージェントに伝達することで前記携帯端末装置に入力された前記意見を前記端末エージェントシステムから受け取る。
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記車両エージェントシステムは、前記利用者を匿名にして前記意見を前記同乗者に伝達する。
(4):上記(1)から(3)のうちいずれか1つの態様において、前記車両エージェントシステムは、前記意見の表現を変更して前記同乗者に伝達する。
(5):上記(1)から(4)のうちいずれか1つの態様において、前記車両エージェントシステムは、前記意見を一般論化して前記同乗者に伝達する。
(6):上記(1)から(5)のうちいずれか1つの態様において、前記車両エージェントシステムは、前記同乗者の属性を示す情報に基づき前記意見の表現を変更して前記同乗者に伝達する。
(7):上記(1)から(6)のうちいずれか1つの態様において、前記車両エージェントシステムは、前記同乗者に対してエージェントの偶像を出現させ、前記エージェントの偶像を利用して前記意見を伝達する。
(8):上記(1)から(7)のうちいずれか1つの態様において、前記車両は、各座席に対応して設けられた報知部を有し、前記車両エージェントシステムは、前記同乗者が座る座席に対応して設けられた前記報知部を用いて前記同乗者に前記意見を伝達する。
(9):この発明の他の態様は、第1コンピュータが、利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成し、前記車両によるライドシェアサービスを提供し、第2コンピュータが、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取り、受け取った前記意見を前記同乗者に伝達する、情報処理方法である。
(10):この発明の他の態様は、第1コンピュータに、利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成させ、前記車両によるライドシェアサービスを提供させ、第2コンピュータに、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取らせ、受け取らせた前記意見を前記同乗者に伝達させる、プログラムである。
(1)〜(10)によれば、ライドシェアサービスの利用者の利便性の向上を図ることができる。
ライドシェアシステム1の構成図である。 ライドシェアサーバ100の構成図である。 利用者情報182の内容の一例を示す図である。 乗車条件情報184の内容の一例を示す図である。 運行スケジュール情報188の内容の一例を示す図である。 第1乗車情報190の内容の一例を示す図である。 第2乗車情報192の内容の一例を示す図である。 走行に関する車両Mの構成図である。 エージェント装置400に関する車両Mの構成図である。 車両Mの内部構成の一例を示す図である。 車両エージェントサーバ500の構成と、エージェント装置400の構成の一部とを示す構成図である。 意見伝達部530の構成図である。 端末装置Dに表示される表示画像IM1の内容の一例を示す図である。 同乗者U2に対応する表示・操作装置336に表示される表示画像IM2の内容の一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明のライドシェアシステム、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。ライドシェアシステムは、例えば、ライドシェアサーバ装置(以下、「ライドシェアサーバ」と称する)と、1つ以上のエージェントシステムとの協働により実現される。
ライドシェアサーバは、複数の利用者によって一以上の車両を共同で利用すること(ライドシェア)を支援するための装置である。ライドシェアに利用される車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。以下、自動運転車両がライドシェアに用いられるものとして説明するが、手動運転車両が用いられても構わない。ライドシェアサーバは、利用者の端末装置から通信によって乗車リクエストを取得すると、その乗車リクエストにおいて定義された乗車条件に合致する車両(配車可能な車両)を検索する。通信には、データ通信と、音声通信すなわち電話との双方が含まれてよい。ライドシェアサーバは、検索により選定された車両の運行計画を生成し、利用者に対してライドシェアサービスを提供する。
各エージェントシステムの一部または全部は、例えば、エージェント機能部により実現される。エージェント機能部は、例えば、車両や端末装置に搭載され、以下のようなエージェント機能を実現する。例えば、エージェント機能は、エージェントシステムの利用者(例えば車両の乗員や端末装置の使用者)と対話をしながら、利用者の発話の中に含まれる要求(コマンド)に基づく各種の情報提供を行ったり、ネットワークサービスを仲介したりする機能である。エージェント機能の中には、車両内の機器(例えば運転制御や車体制御に関わる機器)の制御などを行う機能を有するものがあってよい。
エージェント機能は、例えば、利用者の音声を認識する音声認識機能(音声をテキスト化する機能)に加え、自然言語処理機能(テキストの構造や意味を理解する機能)、対話管理機能、ネットワークを介して他装置を検索し、或いは自装置が保有する所定のデータベースを検索するネットワーク検索機能などを統合的に利用して実現される。これらの機能の一部または全部は、AI(Artificial Intelligence)技術によって実現されてよい。また、これらの機能を行うための構成の一部(特に、音声認識機能や自然言語処理解釈機能)は、車両の車載通信装置や車両に持ち込まれた汎用通信装置、または端末装置に搭載された通信装置などを介して、エージェント機能部と通信可能なエージェントサーバ装置(外部装置)に搭載されてもよい。以下の説明では、構成の一部がエージェントサーバ装置(以下、「エージェントサーバ」と称する)に搭載されており、エージェント機能部とエージェントサーバが協働してエージェントシステムを実現することを前提とする。また、エージェント機能部とエージェントサーバが協働して仮想的に出現させるサービス提供主体(サービス・エンティティ)をエージェントと称する。なお本明細書において「利用者」という表現と「乗員」という表現は、ほぼ同じ意味で用いられており、互いに読み替え可能である。
[全体構成]
図1は、ライドシェアシステム1の構成図である。ライドシェアシステム1は、例えば、ライドシェアサーバ100と、エージェント部Eaが搭載された一以上の端末装置Dと、一以上(例えば複数)の端末エージェントサーバ200(200−1,200−2,…)と、エージェント装置400が搭載された一以上の車両Mと、車両エージェントサーバ500とを備える。
端末装置Dのエージェント部Eaと、車両Mのエージェント装置400(より正確にはエージェント装置400に含まれるエージェント機能部450)は、それぞれ上述した「エージェント機能部」の一例である。本実施形態では、端末装置Dのエージェント部Eaと、その端末装置Dに対応する端末エージェントサーバ200とが協働することで、端末エージェントシステムE1が実現される。また、車両Mのエージェント装置400と、車両エージェントサーバ500とが協働することで、車両エージェントシステムE2が実現される。以下では区別のため、端末エージェントシステムE1の制御により端末装置Dに出現するエージェントを「端末エージェント」と称し、車両エージェントシステムE2の制御により車両Mに出現するエージェントを「車両エージェント」と称する。
ここで、端末エージェントサーバ200および車両エージェントサーバ500は、例えば、互いに異なるエージェントシステムの提供者が運営するものである。また、複数の端末エージェントサーバ200−1,200−2,…は、互いに異なるエージェントシステムの提供者が運営するものである。これら提供者としては、例えば、自動車メーカー、ネットワークサービス事業者、電子商取引事業者、携帯端末装置(例えば端末装置D)の販売者や製造者などが挙げられ、任意の主体(法人、団体、個人など)がエージェントシステムの提供者となり得る。
ライドシェアサーバ100は、例えば端末装置Dを通じてライドシェアサービスの利用者である利用者Uの乗車リクエストを取得し、取得した乗車リクエストに基づき、車両Mの運行計画を生成する。車両Mは、ライドシェアサーバ100が生成した運行計画に基づき、利用者Uの乗車希望地点で利用者Uを乗車させ、利用者Uを目的地まで運ぶ。
端末装置Dは、ネットワークNWを介して、ライドシェアサーバ100および端末エージェントサーバ200とそれぞれ通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi−Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、電話回線、無線基地局などのうち一部または全部を含む。ネットワークNWには、各種ウェブサーバ600が接続されている。端末装置Dは、一以上の利用者Uにより使用される端末装置である。なお「利用者Uにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置など不特定多数によって使用され得る端末装置が利用者Uにより一時的に使用されることを含んでよい。なお以下の説明では端末装置Dがスマートフォンのような携帯端末装置であり、アプリケーションプログラム(ライドシェアアプリ)が起動可能であることを前提とする。
端末装置Dのエージェント部Eaは、端末装置Dに端末エージェントを出現させて端末装置Dの使用者(利用者)と対話を行い、使用者からの音声に基づく音声データを端末エージェントサーバ200に送信し、端末エージェントサーバ200から得られた回答を、音声出力や画像表示の形で端末装置Dの使用者に提示する。エージェント部Eaは、例えば、端末装置Dの販売元や製造元によって種類が異なる。すなわち、端末装置Dに出現する端末エージェントは、端末装置Dの販売元や製造元によって種類が異なる。エージェント部Eaは、複数の端末エージェントサーバ200−1,200−2,…のなかで、自身が対応する(例えば、端末装置Dの販売元や製造元と同じ提供者によって運営される)端末エージェントサーバ200のみと通信を行う。
車両Mのエージェント装置400は、ネットワークNWを介して、ライトシェアサーバ100および車両エージェントサーバ500とそれぞれ通信可能である。エージェント装置400は、車両Mに車両エージェントを出現させて車両Mの乗員と対話を行い、乗員からの音声を車両エージェントサーバ500に送信し、車両エージェントサーバ500から得られた回答を、音声出力や画像表示の形で車両Mの乗員に提示する。
本実施形態は、ライドシェアサービスを提供する車両Mに乗車中の利用者Uが車両Mの別の利用者U(同乗者)に対して意見を伝えたいとき、車両エージェントシステムE2が利用者Uの意見を同乗者Uへ伝達するものである。以下の説明では、車両Mに乗車した利用者Uのなかで意見を発信する利用者Uを「利用者U1」、車両Mに乗車中の別の利用者Uであって意見の対象となる利用者Uを「同乗者U2」と称する。以下、本実施形態のライドシェアシステム1の各構成について詳しく説明する。
[1.ライドシェアサーバ]
図2は、ライドシェアサーバ100の構成図である。ライドシェアサーバ100は、例えば、通信部110と、取得部120と、運行管理部130と、乗車管理部140と、情報通知部150と、記憶部180とを備える。
通信部110は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部110は、ネットワークNWを介して端末装置Dや車両Mと通信する。また、記憶部180は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
取得部120、運行管理部130、乗車管理部140と、および情報通知部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部180に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。なおこれらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
取得部120は、通信部110およびネットワークNWを介して、利用者Uの端末装置Dから発せられた乗車リクエストを取得し、乗車リクエストに含まれる乗車条件を、乗車条件情報184として記憶部180に登録する。なお、利用者情報182は、サービス申込者A、サービス利用者U、サービス提供者Sの個人情報などを含む。
図3は、利用者情報182の内容の一例を示す図である。利用者情報182は、予め登録された利用者Uに関する情報であり、例えば、利用者Uの識別情報である利用者IDに対して、「氏名」、「年齢」、「性別」、「使用言語」、「端末エージェントの種類」、および「端末エージェントアカウント」などが紐付けられて登録されている。「氏名」、「年齢」、「性別」、および「使用言語」は、それぞれ利用者Uの属性を示す属性情報の一例である。
「端末エージェントの種類」とは、利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaが対応する端末エージェントの種類を示す情報であり、言い換えると、利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaが対応する端末エージェントサーバ200を示す情報である。すなわち、「端末エージェントの種類」とは、複数の端末エージェントサーバ200−1,200−2,…のなかで利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaと通信を行う端末エージェントサーバ200を示す情報である。
「端末エージェントアカウント」とは、利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaを識別する(すなわち、利用者Uの端末装置Dに出現する端末エージェントを識別する)ためのアカウントである。なお、「端末エージェントアカウント」によって端末エージェントの種類(すなわち、エージェント部Eaが対応する端末エージェントサーバ200)が識別できる場合は、上述した「端末エージェントの種類」は不要である。なお、利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaの識別は、「端末エージェントアカウント」に代えて、端末装置Dを識別可能な端末装置IDを用いて行われてもよい。このため以下の説明における「端末エージェントアカウント」は、「端末装置ID」と読み替えられてもよい。
図4は、乗車条件情報184の内容の一例を示す図である。乗車条件情報184は、予め登録された利用者Uの識別情報である利用者IDに対し、乗車希望地点、目的地、乗車希望時刻、配車決定済であるか否かを示す配車フラグ(例えば1が配車決定済、0が配車未決定を示す)などが対応付けられた情報である。配車フラグ以外の情報は、端末装置Dのライドシェアアプリが利用者Uの入力を受け付けることで内容が決定され、乗車リクエストとしてライドシェアサーバ100に送信される。以下、乗車条件情報184における一つの利用者IDに対応付けられた一連の情報をレコードと称する場合がある。
図2に戻り説明を続ける。運行管理部130は、乗車条件情報184と、地図情報186と、運行スケジュール情報188とを参照し、配車可能な車両Mを検索する。地図情報186は、ノードやリンクの情報に加えて、各種の施設の概要を示す施設情報が含まれている(車両Mのナビ地図や高精度地図にも、そのような情報が含まれてもよい)。例えば、運行管理部130は、乗車条件情報184に含まれる各レコードの中から、時間帯と、乗車希望地点から目的地までの走行区間が近いものを粗くグループ化し、更に、一台の車両Mで運ぶことの可能な一以上の利用者Uに対応する一以上のレコードを抽出し、運行スケジュール情報188の一部として記憶部180に登録する。運行管理部130は、運行スケジュール情報188の一部として、車両Mのどの座席をどの利用者Uに割り当てるかを示す座席割当情報を生成し、生成した座席割当情報を記憶部180に登録してもよい。
図5は、運行スケジュール情報188の内容の一例を示す図である。運行スケジュール情報188は、ライドシェアサーバ100が管理する車両Mの識別情報である車両IDに対し、出発地、経由地、および到達地のそれぞれの座標と、車両Mの想定到着時刻、並びに各経由地において乗車する利用者Uの利用者IDおよび降車する利用者Uの利用者IDが対応付けられた情報である。出発地や到達地は、通常、車庫などである。運行スケジュール情報188には、未だ運行スケジュールが決定されない「空き車両」の情報も併せて登録される。この場合、空き車両に対しては、出発地の座標のみが登録される。運行管理部130は、前述したように複数の利用者Uからの乗車リクエストをまとめて一台の車両Mの運行スケジュールを決定してもよいし、既に決定されている運行スケジュールを検索し、別の利用者Uの乗車リクエストを盛り込む形で運行スケジュールを変更してもよい。すなわち、運行管理部130は、配車可能な車両Mを検索する際に、運行スケジュールが未だ決定されていない車両Mを検索してもよいし、既に決定された車両Mの運行スケジュールの中から、利用者Uの乗車リクエストを盛り込むことが可能なものを検索してもよい。運行管理部130は、所定のタイミングで、運行スケジュール情報188に基づく経路(経由地)と想定通過時刻の情報を、車両Mに送信する。なお、運行管理部130は、車両Mが手動運転車両である場合、その車両Mの運転者の端末装置または車載端末装置へ乗車リクエストの変更要求を通知する。
図2に戻り説明を続ける。乗車管理部140は、例えば、利用者情報182と、運行スケジュール情報188とに基づき、利用者Uの利用者IDと、利用者Uが乗車中の車両Mを示す車両IDと、利用者Uの端末装置Dの端末エージェントアカウントとが対応付けられた第1乗車情報190を生成し、生成した第1乗車情報190を記憶部180に登録する。また、乗車管理部140は、例えば、運行スケジュール情報188(例えば上述の座席割当情報)または車両Mから受け取る情報(例えば、後述する乗員位置認識装置354により取得される情報)に基づき、車両Mにおいて、どの利用者がどの座席に着座しているかを示す第2乗車情報192を生成し、生成した第2乗車情報192を記憶部180に登録する。これら第1乗車情報190および第2乗車情報192は、車両Mに対して利用者Uの乗車および降車があるごとに車両Mから受け取る情報に基づき、更新される。
図6は、第1乗車情報190の内容の一例を示す図である。図6に示すように、第1乗車情報190では、利用者Uの利用者IDと、利用者Uが乗車中の車両Mの車両IDと、利用者Uの端末装置Dの端末エージェントアカウントとが対応付けられている。
図7は、第2乗車情報192の内容の一例を示す図である。第2乗車情報192では、車両IDで示される車両Mの各座席(前部右席、前部左席、後部右席、後部左席など)と、車両Mの各座席に着座中の利用者Uの利用者IDとが対応付けられている。
情報通知部150は、例えば、記憶部180に記憶された利用者情報182(例えば、利用者情報182に含まれる「端末エージェントの種類」または「端末エージェントアカウント」を示す情報)に基づき、各利用者Uに関して、複数の端末エージェントサーバ200−1,200−2,…のなかから利用者Uの端末装置Dのエージェント部Eaに対応する端末エージェントサーバ200を特定する。そして、情報通知部150は、特定された端末エージェントサーバ200に対して、ネットワークNWを介して、各利用者Uに係る第1乗車情報190を送信する。これにより、第1乗車情報190を受け取った端末エージェントサーバ200は、利用者Uが乗車Mに乗車中であること、および利用者Uの端末エージェントアカウントを認識することができる。
また、情報通知部150は、車両エージェントサーバ500に対して、ネットワークNWを介して、第2乗車情報192を送信する。これにより、第2乗車情報192を受け取った車両エージェントサーバ500は、車両Mのどの座席にどの利用者Uが着座しているのかを認識することができる。
[2.端末装置]
次に、図1に戻り、端末装置Dについて説明する。端末装置Dは、例えば、スマートフォンやタブレット端末のような携帯端末装置である。端末装置Dでは、ライドシェアシステムを利用するためのアプリケーションプログラム(ライドシェアアプリ)、或いはブラウザなどが起動し、本明細書で説明するサービスがサポートされる。ライドシェアアプリは、利用者Uの操作に応じてライドシェアサーバ100と通信し、利用者Uのリクエストをライドシェアサーバ100に送信したり、ライドシェアサーバ100から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。端末装置Dは、表示装置、マイク、およびスピーカユニットなどを備えている。
端末装置Dのエージェント部Eaは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、例えば、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されている。
端末装置Dのエージェント部Eaは、例えば、後述する車両エージェント装置400の音響処理部412、画像処理部413、WU(Wake Up)判定部414、表示制御部416、および音声制御部418と同様の機能部を備える。端末装置Dのエージェント部Eaは、対応する端末エージェントサーバ200と協働して、端末装置Dに仮想的な端末エージェントを出現させる。利用者Uは、例えば、端末装置Dの端末エージェントと対話することで、端末装置Dにコマンドなどの情報を入力することができる。端末装置Dは、エージェントとの対話を通じて入力された情報を、ネットワークNWを介して、端末エージェントサーバ200に送信する。また、端末装置Dのエージェント部Eaは、端末装置Dの表示装置やスピーカユニットなどを用いて、端末エージェントサーバ200から得られた回答を、音声出力や画像表示の形で端末装置Dの使用者に提示する。
本実施形態では、端末装置Dのエージェント部Eaは、車両Mに乗車中(ライドシェアサービスの利用中)の利用者U1が利用者U1の端末装置Dに車両Mの同乗者U2に対する意見を入力した場合、その意見を端末エージェントサーバ200に送信する。例えば、端末装置Dのエージェント部Eaは、端末装置Dに端末エージェントを出現させた状態で利用者U1の意見を受け付け、利用者U1が端末エージェントに伝達することで端末装置Dに入力された意見を端末エージェントサーバ200に送信する。本実施形態では、端末装置Dのエージェント部Eaは、端末装置Dに入力された利用者U1の意見と、端末装置Dのエージェント部Eaの端末エージェントアカウントとを紐付けして端末エージェントサーバ200に送信する。
ここで本明細書において「端末装置に入力」および「エージェントに伝達することで端末装置に入力」とは、端末エージェントに対する発話(すなわち音声)によって端末装置Dに情報を入力する場合と、端末装置に設けられたキーボード(表示画面に表示されるソフトウェアキーボードを含む)を操作するタイプ入力(文字入力)を行うことで端末装置Dに情報を入力する場合のいずれの場合も含む。
端末装置Dから端末エージェントサーバ200に送られる利用者Uの意見を示す情報は、端末装置Dのマイクで収音された生の音声データでもよいし、収音された音声データに対して音響処理が行われた音声(音声ストリーム)でもよいし、タイプ入力で入力されたテキスト(文字情報)でもよい。
[3.端末エージェントサーバ]
端末エージェントサーバ200の各機能部は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、例えば、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されている。
端末エージェントサーバ200は、例えば、後述する車両エージェントサーバ500の音声認識部520、自然言語処理部522、対話管理部524、ネットワーク検索部526、応答文生成部528および同様の機能部を備えている。また、端末エージェントサーバ200は、例えば、後述する車両エージェントサーバ500の記憶部550と同様に、辞書DB554、知識ベースDB556、および応答規則DB558に相当する情報を記憶している。端末エージェントサーバ200は、一般的な利用において、例えば、端末装置Dから受け取る利用者Uの音声ストリームに対して音声認識を行い、意味解釈を行い、必要に応じて各種ウェブサイト600を検索し、利用者Uに対する回答を生成し、生成した回答を利用者Uの端末装置Dに送信する。
本実施形態では、端末エージェントサーバ200は、利用者Uにより端末装置Dに入力されて端末装置Dから受け取る情報に対して意味解釈を行い、同乗者U2に対する利用者U1の意見が含まれるか否かを判定する。そして、端末エージェントサーバ200は、同乗者U2に対する利用者U1の意見が含まれると判定された場合、端末装置Dから受け取った情報そのもの、または端末装置Dから受け取った情報に対して所定の処理(例えば音声認識や意味解釈)を行った情報を車両エージェントサーバ500に送信する(転送する)。例えば、端末エージェントサーバ200は、同乗者U2に対する利用者U1の意見が含まれると判定され、且つ、エージェント部Eaによって利用者U1の意見と紐づけられて端末装置Dから受け取った端末エージェントアカウントと、ライドシェアサーバ100から受け取った第1乗車情報190に含まれる端末エージェントアカウントとが一致する場合に、端末装置Dから受け取った情報そのもの、または端末装置Dから受け取った情報に対して所定の処理を行った情報を車両エージェントサーバ500に送信する。
本実施形態では、端末エージェントサーバ200は、端末装置Dから受け取った情報そのもの、または端末装置Dから受け取った情報に対して所定の処理を行った情報を車両エージェントサーバ500に送信する場合、エージェント部Eaによって利用者U1の意見と紐づけられて端末装置Dから受け取る端末エージェントアカウントと、ライドシェアサーバ100から受け取った第1乗車情報190とに基づき、端末装置Dの利用者U1を特定し(識別し)、利用者U1の利用者IDを紐付けて、端末装置Dから受け取った情報そのもの、または端末装置Dから受け取った情報に対して所定の処理を行った情報を車両エージェントサーバ500に送信する。
ここで、ライドシェアシステム1は、複数の車両エージェントサーバ500を有してもよい。この場合、各車両Mの車両IDと、その車両Mに対応する車両エージェントサーバ500との対応関係を示す対応関係情報は、ライドシェアサーバ100から端末エージェントサーバ200に予め通知されている。端末エージェントサーバ200は、ライドシェアサーバ100から受け取った第1乗車情報190に含まれる車両IDと、上記対応関係情報とに基づき、端末装置Dから受け取った情報そのもの、または端末装置Dから受け取った情報に対して所定の処理を行った情報を送信(転送)する車両エージェントサーバ500を特定して送信することができる。
[4.車両]
[4.1 走行に関する車両の構成]
次に、車両Mについて説明する。車両Mは、例えば、複数の利用者Uが乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両であるが、自動二輪車その他の車両であっても構わない。図8は、走行に関する車両Mの構成図である。車両Mは、例えば、外界監視ユニット312と、車載通信装置314と、ナビゲーション装置316と、推奨車線決定装置318と、自動運転制御ユニット320と、駆動力出力装置322と、ブレーキ装置324と、ステアリング装置326とを備える。
外界監視ユニット312は、例えば、カメラやレーダ、LIDAR(Light Detectionand Ranging)、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う物体認識装置などを含む。外界監視ユニット312は、車両Mの周辺に存在する物体の種類(特に、車両、歩行者、および自転車)を推定し、その位置や速度の情報と共に自動運転制御ユニット320に出力する。
車載通信装置314は、例えば、ネットワークNWに接続したり、他車両や歩行者の端末装置などと直接的に通信したりするための無線通信モジュールである。車載通信装置314は、Wi−Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行う。車載通信装置314として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
ナビゲーション装置316は、ナビHMI(Human Machine Interface)と、GPS(Global Positioning System)などの位置測位装置と、地図情報を記憶した記憶装置と、経路探索などを行う制御装置(ナビゲーションコントローラ)とを備える。後述するマイク332、車室内カメラ334、表示・操作装置336、およびスピーカユニット338のうち一部または全部がナビHMIとして用いられてもよい。ナビゲーション装置316は、位置測位装置によって特定された車両Mの位置から目的地まで移動するための経路(ナビ経路)を探索し、経路に沿って車両Mが走行できるようにナビHMIを用いて案内情報を出力することができる。経路探索機能は、ネットワークNWを介してアクセス可能なナビゲーションサーバにあってもよい。この場合、ナビゲーション装置316は、ナビゲーションサーバから経路を取得して案内情報を出力する。また本実施形態の場合、目的地までの経路は、ライドシェアサーバ100によって指定される場合もある。なお、エージェント装置400は、ナビゲーション装置316のナビゲーションコントローラを基盤として構築されてもよく、その場合、ナビゲーションコントローラとエージェント装置400は、ハードウェア上は一体に構成される。ナビゲーション装置316は、上記いずれかの方法で決定また取得した経路の情報を推奨車線決定装置318に出力する。
推奨車線決定装置318は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)と各種記憶装置を備える。記憶装置には、ナビ地図よりも詳細な高精度地図情報が格納されている。高精度地図情報には、例えば、車線ごとの道路幅や勾配、曲率、信号の位置などの情報が含まれている。推奨車線決定装置318は、ナビゲーション装置316から入力された経路に沿って走行するために好ましい推奨車線を決定し、自動運転制御ユニット320に出力する。
自動運転制御ユニット320は、CPUやMPUなどの一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。自動運転制御ユニット320は、推奨車線決定装置318により決定された推奨車線を走行することを原則として、外界監視ユニット312から位置や速度が入力された物体との接触を避けるように、車両Mを自動的に走行させる。例えば、自動運転制御ユニット320は、車両Mが将来走行する目標軌道を生成し、生成した目標軌道を走行するように駆動力出力装置322、ブレーキ装置324、およびステアリング装置326のうち一部または全部を制御する。
駆動力出力装置322は、車両Mが走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。駆動力出力装置322は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECUとを備える。
ブレーキ装置324は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニット320から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。
ステアリング装置326は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニット320から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
[4.2 エージェント装置に関する車両の構成]
図9は、エージェント装置400に関する車両Mの構成図である。車両Mには、例えば、一以上のマイク332と、一以上の車室内カメラ334と、表示・操作装置336と、スピーカユニット338と、車両機器340と、乗員認証装置352と、乗員位置認識装置354と、エージェント装置400とが搭載される。また、スマートフォンなどの汎用通信装置が車室内に持ち込まれ、通信装置として使用される場合がある。汎用通信装置の一例は、利用者Uが携行する端末装置Dである。これらの装置は、CAN(Controller Area Network)通信線などの多重通信線やシリアル通信線、無線通信網などによって互いに接続される。なお、図9に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
マイク332は、車室内で発せられた音声を収集する収音部である。マイク332は、例えば、車室内の一以上の代表位置に設けられてもよいし、前部右席、前部左席、後部右席、後部左席などのそれぞれに設けられてもよい。
車室内カメラ334は、車室内の画像(または映像)を取得する情報取得部である。車室内カメラは、車室内に設けられたCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。車室内カメラ334は、車室内の一以上の代表位置に設けられてもよいし、前部右席、前部左席、後部右席、後部左席などのそれぞれに設けられてもよい。
表示・操作装置336は、画像を表示すると共に、入力操作を受付可能な装置(或いは装置群)である。表示・操作装置336は、例えば、タッチパネルとして構成された表示装置を含む。表示・操作装置336は、更に、HUD(Head Up Display)や機械式の入力装置を含んでもよい。表示・操作装置336は、エージェント装置400とナビゲーション装置316とで共用されてもよい。表示・操作装置336は、車室内の一以上の代表位置に設けられてもよいし、例えば、前部右席、前部左席、後部右席、後部左席などのそれぞれに設けられてもよい。
スピーカユニット338は、例えば、車室内に配設された1つ以上のスピーカ(音出力部)を含む。スピーカユニット338は、車室内の一以上の代表位置に設けられてもよいし、例えば、前部右席、前部左席、後部右席、後部左席などのそれぞれに設けられてもよい。
マイク332、車室内カメラ334、表示・操作装置336、およびスピーカユニット338の各々は、車両Mに搭載された「車載機器」の一例である。表示・操作装置336およびスピーカユニット338の各々は、「報知部」の一例である。
車両機器340は、例えば、エンジンの始動モータ、ドアロック装置、ドア開閉装置、窓、窓の開閉装置および窓の開閉制御装置、シート、シート位置の制御装置、ルームミラー及びその角度位置制御装置、車両内外の照明装置及びその制御装置、ワイパーやデフォッガー及びそれぞれの制御装置、方向指示灯及びその制御装置、空調装置、走行距離やタイヤの空気圧の情報や燃料の残量情報などの車両情報装置などを含む。
乗員認証装置352は、車両Mに乗車しようとする利用者が正規の利用者であるか否かを判定する装置である。例えば、利用者Uの乗車リクエストに基づいて車両Mの予約がライドシェアサーバ100により登録されると、利用者Uの端末装置Dには、予約された車両Mに乗車するための仮想鍵(バーチャルキー)が送信される。仮想鍵は、利用者Uが車両Mの正規の乗員であることを示す情報である。仮想鍵は、例えば利用者Uごとに異なる情報(利用者Uごとに固有の情報)であり、例えば利用者Uを識別する識別情報(利用者ID)を含む。仮想鍵は、例えば、端末装置Dと車両Mの車載通信装置314との間の無線通信により伝達可能な情報であるが、端末装置Dの表示装置に表示される二次元バーコード(例えばQR(登録商標)コード)などでもよい。
乗員認証装置352は、利用者Uの端末装置Dから取得された仮想鍵に基づき、車両Mに乗車しようとする利用者が正規の利用者であるか否かを判定する。乗員認証装置352は、車両Mに乗車しようとする利用者が正規の利用者Uであると判定した場合、車両Mのドアロックを解除し、利用者Uの乗車を許容する。例えば、乗員認証装置352は、利用者Uの端末装置Dから取得した仮想鍵に含まれる識別情報(利用者ID)を、車載通信装置314およびネットワークNWを介して、ライドシェアサーバ100およびエージェントサーバ200に出力する。これにより、ライドシェアサーバ100およびエージェントサーバ200は、車両Mに乗車した利用者Uをより確実に特定する(識別する)ことができる。
乗員位置認識装置354は、例えば着座センサである。着座センサは、座席の下部に設けられた圧力センサ、シートベルトに取り付けられた張力センサなどを含む。乗員位置認識装置354は、車室内での乗員の着座位置を認識する着座位置認識部の一例である。乗員位置認識装置354の一部または全部は、車室内カメラ334と後述する画像処理部413により構成されてもよい。乗員位置認識装置354により検出された乗員の着座位置は、車載通信装置314およびネットワークNWを介して、ライドシェアサーバ100およびエージェントサーバ200に出力される。これにより、ライドシェアサーバ100およびエージェントサーバ200は、鍵情報に含まれる識別情報(利用者ID)に基づき特定された利用者Uと、その利用者Uの着座位置とを紐付けて管理することができる。
図10は、車両Mの内部構成の一例を示す図である。車室内には、例えば、プライバシーを確保するためなどの目的で、前部右席、前部左席、後部右席、および後部左席の間を仕切るパーティション362が設けられている。この場合、マイク332、車室内カメラ334、表示・操作装置336、およびスピーカユニット338は、各座席に設けられてもよい。この場合、エージェント装置400は、各座席に個別に設けられた表示・操作装置336およびスピーカユニット338を用いて座席ごとに個別にエージェントを出現させてもよい。ただし、パーティション362は、必須の構成要素ではなく、従前の車両と同様に座席間は開放されていてもよい。
本実施形態では、パーティション362には、窓部364が設けられている。窓部364は、通常時はシャッター364aにより閉鎖されて隣の座席の乗員が見えないようになっており、各座席のプライバシーが確保されている。一方で、窓部364は、例えば車両エージェントに対して所定の応答を行うことで、電動により自動でシャッター364aが開かれるか、ロックが外れて手動でシャッター364aを開くことができる状態になる。シャッター364aが開かれると、隣の座席の乗員と顔を合わせることができる。シャッター364aは、車両機器340の一部である。
[5.エージェント装置]
次に、図9に戻り、エージェント装置400について説明する。エージェント装置400は、管理部410と、エージェント機能部450とを備える。管理部410は、例えば、音響処理部412と、画像処理部413と、WU(Wake Up)判定部414と、表示制御部416と、音声制御部418とを備える。図9に示すソフトウェア配置は説明のために簡易に示しており、実際には、例えば、エージェント機能部450と車載通信装置314の間に管理部410が介在してもよいように、任意に改変することができる。
エージェント装置400の各構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
管理部410は、OS(Operating System)やミドルウェアなどのプログラムが実行されることで機能する。
音響処理部412は、エージェントごとに予め設定されているウエイクアップワードを認識するのに適した状態になるように、入力された音に対して音響処理を行う。音響処理部412により音響処理された音は、車載通信装置314およびネットワークNWを介して車両エージェントサーバ500に出力される。
画像処理部413は、車室内カメラ334により取得された画像(または映像)に対して画像処理を行い、利用者Uの姿勢や利用者Uの表情などを認識可能な情報を取得する。画像処理部413により画像処理された画像は、車載通信装置314およびネットワークNWを介して車両エージェントサーバ500に出力される。
WU判定部414は、エージェント機能部450に対応して存在し、定められているウエイクアップワードを認識する。WU判定部414は、音響処理が行われた音声(音声ストリーム)から音声の意味を認識する。まず、WU判定部414は、音声ストリームにおける音声波形の振幅と零交差に基づいて音声区間を検出する。WU判定部414は、混合ガウス分布モデル(GMM;Gaussian mixture model)に基づくフレーム単位の音声識別および非音声識別に基づく区間検出を行ってもよい。
次に、WU判定部414は、検出した音声区間における音声をテキスト化し、文字情報とする。そして、WU判定部414は、テキスト化した文字情報がウエイクアップワードに該当するか否かを判定する。ウエイクアップワードであると判定した場合、WU判定部414は、対応するエージェント機能部450を起動させる。なお、WU判定部414に相当する機能が車両エージェントサーバ500に搭載されてもよい。この場合、管理部410は、音響処理部412によって音響処理が行われた音声ストリームを車両エージェントサーバ500に送信し、車両エージェントサーバ500がウエイクアップワードであると判定した場合、車両エージェントサーバ500からの指示に従ってエージェント機能部450が起動する。なお、各エージェント機能部450は、常時起動しており且つウエイクアップワードの判定を自ら行うものであってよい。この場合、管理部410がWU判定部414を備える必要はない。
エージェント機能部450は、対応する車両エージェントサーバ500と協働してエージェントを出現させ、車両Mの乗員の発話に応じて、音声による応答を含むサービスを提供する。エージェント機能部450には、車両機器340を制御する権限が付与されたものが含まれてよい。また、エージェント機能部450には、ペアリングアプリ実行部を介して汎用通信装置と連携し、車両エージェントサーバ500と通信するものがあってよい。ペアリングアプリ実行部は、例えば、Bluetoothによって汎用通信装置とペアリングを行い、エージェント機能部450と汎用通信装置とを接続させる。なお、エージェント機能部450は、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信によって汎用通信装置に接続されるようにしてもよい。
表示制御部416は、エージェント機能部450からの指示に応じて表示・操作装置336の表示装置に画像を表示させる。表示制御部416は、エージェント機能部450の制御により、例えば、車室内で乗員とのコミュニケーションを行う擬人化された車両エージェントの偶像(車両エージェントの画像)を生成し、生成した車両エージェントの偶像を表示・操作装置336の表示装置に表示させる。車両エージェントの偶像は、例えば、乗員に対して話しかける態様の画像である。車両エージェントの画像は、例えば、少なくとも観者(乗員)によって表情や顔向きが認識される程度の顔画像を含んでよい。また、車両エージェントの偶像は、アニメーション画像であってもよい。
音声制御部418は、エージェント機能部450からの指示に応じて、スピーカユニット338に含まれるスピーカのうち一部または全部に音声を出力させる。
[6.車両エージェントサーバ]
[6.1 車両エージェントサーバの全体構成]
図11は、車両エージェントサーバ500の構成と、エージェント装置400の構成の一部とを示す構成図である。以下、車両エージェントサーバ500の構成と共にエージェント機能部450などの動作について説明する。ここでは、エージェント装置400からネットワークNWまでの物理的な通信についての説明を省略する。
車両エージェントサーバ500は、通信部510を備える。通信部510は、例えばNIC(Network Interface Card)などのネットワークインターフェースである。更に、車両エージェントサーバ500は、例えば、音声認識部520と、自然言語処理部522と、対話管理部524と、ネットワーク検索部526と、応答文生成部528と、乗員伝達部530とを備える。これらの構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
車両エージェントサーバ500は、記憶部550を備える。記憶部550は、上記の各種記憶装置により実現される。記憶部550には、パーソナルプロファイル552、辞書DB(データベース)554、知識ベースDB556、応答規則DB558などのデータやプログラムが格納される。
エージェント装置400において、エージェント機能部450は、音声ストリーム、或いは圧縮や符号化などの処理が行われた音声ストリームを、車両エージェントサーバ500に送信する。また、エージェント機能部450は、画像処理部413により画像処理された画像を、車両エージェントサーバ500に送信する。
エージェント機能部450は、ローカル処理(車両エージェントサーバ500を介さない処理)が可能な音声コマンドを認識した場合は、音声コマンドで要求された処理を行ってよい。ローカル処理が可能な音声コマンドとは、エージェント装置400が備える記憶部(不図示)を参照することで回答可能な音声コマンドであったり、エージェント機能部450の場合は車両機器340を制御する音声コマンド(例えば、空調装置をオンにするコマンドなど)であったりする。従って、エージェント機能部450は、車両エージェントサーバ500が備える機能の一部を有してもよい。
音声ストリームを取得すると、音声認識部520が音声認識を行ってテキスト化された文字情報を出力し、自然言語処理部522が文字情報に対して辞書DB554を参照しながら意味解釈を行う。辞書DB554は、文字情報に対して抽象化された意味情報が対応付けられたものである。辞書DB554は、同義語や類義語の一覧情報を含んでもよい。音声認識部520の処理と、自然言語処理部522の処理は、段階が明確に分かれるものではなく、自然言語処理部522の処理結果を受けて音声認識部520が認識結果を修正するなど、相互に影響し合って行われてよい。
自然言語処理部522は、例えば、認識結果として、「今日の天気は」、「天気はどうですか」などの意味が認識された場合、標準文字情報「今日の天気」に置き換えたコマンドを生成する。これにより、リクエストの音声に文字揺らぎがあった場合にも要求にあった対話をし易くすることができる。また、自然言語処理部522は、例えば、確率を利用した機械学習処理等の人工知能処理を用いて文字情報の意味を認識したり、認識結果に基づくコマンドを生成してもよい。
対話管理部524は、自然言語処理部522の処理結果(コマンド)に基づいて、パーソナルプロファイル552や知識ベースDB556、知応答規則DB558を参照しながら車両Mの乗員に対する発話の内容を決定する。パーソナルプロファイル552は、乗員ごと(すなわち利用者IDを紐付けられて)に保存されている乗員の個人情報、趣味嗜好、過去の対話の履歴などを含む。知識ベースDB556は、物事の関係性を規定した情報である。知応答規則DB558は、コマンドに対してエージェントが行うべき動作(回答や機器制御の内容など)を規定した情報である。
また、対話管理部524は、例えば乗員認証装置352が設けられていない車両Mの場合、音声ストリームから得られる特徴情報と、画像から得られる特徴情報とのうち少なくとも一方を用いて、パーソナルプロファイル552と照合を行うことで、乗員を特定してもよい。この場合、パーソナルプロファイル552には、例えば、音声または外見(見た目)の特徴情報に、個人情報が対応付けられている。音声の特徴情報とは、例えば、声の高さ、イントネーション、リズム(音の高低のパターン)などの喋り方の特徴や、メル周波数ケプストラム係数(Mel Frequency Cepstrum Coefficients)などによる特徴量に関する情報である。音声の特徴情報は、例えば、乗員の初期登録時に所定の単語や文章等を乗員に発声させ、発声させた音声を認識することで得られる情報である。外見の特徴情報とは、背格好、顔の輪郭、目や鼻など顔の各部位の位置や形状、髪色などによる特徴量に関する情報である。
対話管理部524は、コマンドがネットワークNWを介して検索可能な情報を要求するものである場合、ネットワーク検索部526に検索を行わせる。ネットワーク検索部526は、ネットワークNWを介して各種ウェブサーバ600にアクセスし、所望の情報を取得する。
応答文生成部528は、対話管理部524により決定された発話の内容が車両Mの乗員に伝わるように、応答文を生成し、エージェント装置400に送信する。応答文生成部528は、乗員がパーソナルプロファイル552に登録された乗員であることが特定されている場合に、乗員の名前を呼んだり、乗員の話し方に似せた話し方にした応答文を生成してもよい。
エージェント機能部450は、応答文を取得すると、音声合成を行って音声を出力するように音声制御部418に指示する。また、エージェント機能部450は、音声出力に合わせてエージェント画像を表示するように表示制御部416に指示する。このようにして、仮想的に出現したエージェントが車両Mの乗員に応答するエージェント機能が実現される。
[6.2 意見伝達部]
意見伝達部530は、車両Mに乗車中(ライドシェアサービスの利用中)の利用者U1が利用者U1の端末装置Dに車両Mの同乗者U2に対する意見を入力した場合、端末装置Dから端末エージェントサーバ200に送信された上記意見を示す情報を、端末エージェントサーバ200から受け取る。すなわち本実施形態では、意見伝達部530は、同乗者U2に対する利用者U1の意見を、端末エージェントサーバ200を介して、端末装置Dから間接的に受け取る。意見伝達部530は、受け取った意見を示す情報に基づき意見の対象となる同乗者U2を特定し、特定した同乗者U2に上記意見を伝達する。意見伝達部530は、所定の条件が満たされる場合(例えば、意見の内容がネガティブな場合や利用者U1と同乗者U2の使用言語が異なる場合)、意見の表現を変更して、変更した表現で利用者U1の意見を同乗者U2に伝える。
図12は、意見伝達部530の構成図を示す図である。意見伝達部530は、例えば、対象乗員特定部531と、表現変更要否判定部532と、表現変更部533とを有する。なお、対象乗員特定部531は、上述した自然言語処理部522の一部として設けられてもよい。また、表現変更部533は、上述した応答文生成部528の一部として設けられてもよい。
詳しく述べると、前処理として、端末エージェントサーバ200から受け取る上記意見を示す情報が音声のデータ(音声ストリームである場合も含む)である場合、音声認識部520が音声認識を行ってテキスト化された文字情報を出力し、自然言語処理部522が文字情報に対して辞書DB554を参照しながら意味解釈を行う。一方で、端末エージェントサーバ200から受け取る上記意見を示す情報が文字情報である場合は、自然言語処理部522が文字情報に対して辞書DB554を参照しながら意味解釈を行う。
対象乗員特定部531は、意味解釈が行われた文字情報に基づき、上記意見の対象となる同乗者U2を特定する。例えば、対象乗員特定部531は、上記意見を示す情報と紐付けられて端末エージェントサーバ200から受け取る利用者IDと、ライドシェアサーバ100から取得する第2乗車情報192または車両Mの乗員位置認識装置354により検出されて車両Mから受け取る乗員の着座位置を示す情報と、上記文字情報に含まれる方向や位置を示す単語とに基づき、上記意見の対象となる同乗者U2を特定する。具体例としては、上記文字情報に「前」や「隣」などの特定方向を示す単語が含まれる場合、意見を発信した利用者U1の着座位置から見て上記特定方向に着座している乗員を、意見の対象となる同乗者U2として特定する。
表現変更要否判定部532は、同乗者U2に対する利用者U1の意見の表現を変更する必要性の有無を判定する。例えば、表現変更要否判定部532は、ネガティブな表現(同乗者U2に対する苦情など)や強い表現(きつい言い方)として辞書DB554に登録されている単語が上記意見の表現に含まれるか否かを判定する。ネガティブな表現の例としては、「うるさい」、「やかましい」などである。強い表現の例としては、「静かにしろ」などである。表現変更要否判定部532は、意見の元の表現に含まれる単語のなかにネガティブな表現や強い表現がある場合、意見の表現の変更が必要と判定する。なお、ネガティブな表現と強い表現は、区別する必要はなく、一体に取り扱われてもよい。
また、表現変更要否判定部532は、ネットワークNWを通じて、ライドシェアサーバ100の利用者情報182を参照し、利用者U1および同乗者U2の属性情報を取得する。表現変更要否判定部532は、利用者U1と同乗者U2の使用言語が異なる場合、意見の表現が必要と判定する。また、表現変更要否判定部532は、同乗者U2の年齢に基づいて、意見の表現が必要と判定してもよい。例えば、表現変更要否判定部532は、同乗者U2の年齢が所定以下(例えば小学生以下)である場合、意見の表現を子供向けに変更することを決定してもよい。
表現変更部533は、表現変更要否判定部532により意見の表現の変更が必要と判定された場合に、意味解釈が行われた文字情報に対して、以下に示す第1処理と第2処理とのうち少なくとも1つの処理を行い、意見の表現を変更する。これらの変更は、例えば、応答規則DB458の一部として記憶部550に予め登録された意見変更規則DB558aに基づいて行われる。
(第1処理)
第1処理は、意見を一般化する処理である。第1処理は、意見を発信した利用者U1を匿名にする(特定不能にする)処理でもある。第1処理は、例えば、表現変更要否判定部532により意見の内容にネガティブな表現や強い表現が含まれると判定された場合に行われる。例えば、表現変更部533は、意見の元の表現が「隣の人がうるさい」である場合、表現を一般化し、「所定のデシベルを超えたのでもう少し静かにお願いします」といった表現に変換する。すなわち、表現変更部533は、意見の元の表現に含まれる単語のなかで、ネガティブな表現や強い表現として辞書DB554に予め登録されている表現を、それら表現に対応する柔らかな表現や中立的な表現の単語に置換する。また、表現変更部533は、意見の元の表現に含まれる単語のなかで、方向や位置関係が分かる特定単語を削除する。例えば上記例では、「隣の人」という単語が削除される。これにより、匿名性が確保される。
(第2処理)
第2処理は、同乗者U2の属性情報に基づき、意見の表現を変更する処理である。第2処理は、例えば、表現変更要否判定部532により利用者U1と同乗者U1の使用言語が異なると判定された場合や、同乗者U2の年齢が所定以下であると判定された場合に行われる。例えば、表現変更部533は、利用者U1と同乗者U2との使用言語が異なる場合、利用者U1の意見の内容を同乗者U2の使用言語に翻訳する。また、表現変更部533は、同乗者U2の年齢が所定以下である場合、意見の表現を子供向けに変更する。
意見伝達部530は、対象乗員特定部531により特定された同乗者U2を示す情報と、利用者U1の意見(表現変更部533により意見の表現が変更された場合は、表現が変更された意見)を示す情報とを車両Mのエージェント装置400に送信する。これら情報を受信したエージェント装置400の表示制御部416および音声制御部418は、対象乗員特定部531により特定された同乗者U2に対応する表示・操作装置336およびスピーカユニット338を選択し、選択した表示・操作装置336およびスピーカユニット338を用いて、利用者U1の意見(表現変更部533により意見の表現が変更された場合は、表現が変更された意見)を同乗者U2に伝達する。
[7.意見伝達に関する制御例]
図12は、端末装置Dに表示される表示画像IM1の内容の一例を示す図である。同乗者U2に意見を伝えたい利用者U1は、端末装置Dに対して、端末エージェントのウエイクアップワードを発声するか、端末装置Dに対して所定の操作を行うことで、端末エージェントを起動させる。そして、利用者U1は、例えば、端末エージェントとの対話を通じて、同乗者U2に対する意見を端末装置Dに入力する。なお、利用者U1は、端末エージェントとの対話を同乗者U2に聞かれたくない場合は、端末装置Dに設けられたキーボード(表示画面に表示されるソフトウェアキーボードを含む)を使用したタイプ入力(文字入力)により、同乗者U2に対する意見を端末装置Dに入力する。図12に示す例では、利用者U1にとって同乗者U2がうるさく、同乗者U2に対して「うるさい」ことを伝える例である。
図13は、同乗者U2に対応する表示・操作装置336に表示される表示画像IM2の内容の一例を示す図である。車両Mのエージェント装置400の表示制御部416は、同乗者U2に対応する表示・操作装置336に車両エージェントの偶像を表示する。表示制御部416は、例えば、車両エージェントの偶像を、利用者U1の意見に応じた内容に制御する。例えば、表示制御部416は、利用者U1の意見が「うるさい」である場合、車両エージェントの偶像として、「静かにして」を意味するポーズ(例えば、立てた人差し指を口の前にかざすポーズ)の偶像を表示する。また、表示制御部416および音声制御部418は、同乗者U2に対応する表示・操作装置336およびスピーカユニット338を用いて、表示・操作装置336に車両エージェントの偶像を表示しながら、「所定のデシベルを超えたのでもう少し静かにお願いします」という内容の表示および発話を行う。
なお、利用者U1の意見の例は、上述した例に限定されない。例えば、同乗者U2と会話を楽しみたい利用者U1は、「隣の席の者ですが、お話しませんか?」、「今日はひまですか?」などの意見を端末装置Dに入力し、車両エージェントにより同乗者U2に伝達してもらってもよい。この場合、エージェント装置400は、車両エージェントに対して同乗者U2が「いいですよ」などの肯定的な回答を行った場合、座席間にあるパーティション362の窓部364に設けられたシャッター364aを電動によって自動で開いてもよい。
このような構成によれば、車両Mに乗車中の利用者U1が利用者U1の端末装置Dに入力した同乗者U2に対する意見を示す情報を受け取り、上記意見を同乗者U2に伝達する車両エージェントシステムE2を備えることで、ライドシェアサービスの利用者Uの利便性の向上を図ることができる。ここで、ライドシェアサービスの利用者U1は、車両Mの同乗者U2へ意見を伝えたい場合に、躊躇してしまう場合があった。また、意見を伝えられた同乗者U2も不快感を覚える場合があった。しかしながら、本実施形態では、車両エージェントシステムE2が間に入り、利用者U1の意見を同乗者U2に伝達することができる。このため、利用者U1は、同乗者U2に対して意見を直接伝える必要は無くなり、従来と比べて躊躇せずに意見を伝えることができる。
本実施形態では、車両エージェントシステムE2は、利用者U1を匿名にして意見を同乗者U2に伝達する。これにより、利用者U1は、より躊躇せずに意見を伝えることができる場合がある。
本実施形態では、車両エージェントシステムE2は、意見の表現を変更して同乗者U2に伝達する。車両エージェントシステムE2は、例えば表現が柔らかくなるように意見の表現を変更して同乗者U2に伝える。これにより、意見を伝えられた同乗者U2が不快感を覚える可能性を低減することができる場合がある。
本実施形態では、車両エージェントシステムE2は、意見を一般論化して同乗者U2に伝達する。これにより、利用者U1の匿名性を確実に確保するとともに、意見を伝えらえた同乗者U2の納得性を高めることができる場合がある。
本実施形態では、車両エージェントシステムE2は、同乗者U2の属性を示す情報に基づき意見の表現を変更して同乗者U2に伝達する。これにより、コミュニケーションの円滑化を促進することができる場合がある。
以上、実施形態について説明したが、実施形態は上記例に限定されない。例えば、車両エージェントサーバ500の機能の一部または全部(例えば、意見伝達部530の一部または全部)は、エージェント装置400に設けられてもよい。
また、端末装置Dのエージェント部Eaは、端末エージェントサーバ200を介さずに、車両Mのエージェント装置400と直接に通信を行い、同乗者U2に対する利用者U1の意見を利用者U1の端末装置Dから直接に受け取ってもよい。例えば、端末装置Dのエージェント部Eaは、端末装置Dに搭載された通信装置(例えばBluetooth)を用いて車両Mの車載通信装置314と通信を行うことで、端末エージェントサーバ200を介さずにエージェント装置400と通信を行うことができる。この場合、端末装置Dに入力された音声や文字情報の処理は、エージェント装置400の音響処理部412および画像処理部413により行われる。
同乗者U2の属性を示す情報は、ライドシェアサーバ100の記憶部180に予め登録されている場合に限定されない。例えば、同乗者U2の属性を示す情報は、車両Mに設けられたマイク332や車室内カメラ334を通じてエージェント装置400により取得される情報(声質や言語など)に基づき、エージェント装置400によって判定されて生成されてもよい。また、同乗者U2の属性を示す情報は、車両Mの車載通信装置314と同乗者U2の端末装置Dとの間で通信を行うことで端末装置Dから取得されてもよく、または端末装置Dから取得される情報に基づいてエージェント装置400によって判定されて生成されてもよい。
ライドシェアサーバ100は、ライドシェア管理装置として車両Mに搭載されてもよい。また、車両Mが手動運転車両である場合、通信部110は、ネットワークNWを介して車両Mの運転者の端末装置と通信してよい。
以上、同乗者U2に対する意見を利用者U1が発信する場合、端末装置Dの端末エージェントに意見を伝達する例を説明した。ただし、同乗者U2に対する意見を発信したい利用者U1は、車両Mのマイク332や表示・操作装置336を用いて車両エージェントに意見を伝達してもよい。この場合であっても、車両エージェントは、利用者U1から預かった意見を、必要な場合は表現を変更し、同乗者U2に伝達することができる。
なお本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。本明細書で「コンピュータ」とは、例えば、CPUやMPUなどの一以上のハードウェアプロセッサにより実現される情報処理機能部を意味する。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1 ライドシェアシステム
100 ライドシェアサーバ
200 端末エージェントサーバ
332 マイク
334 車室内カメラ
336 表示・操作装置(報知部)
338 スピーカユニット(報知部)
400 エージェント装置
500 車両エージェントサーバ
530 意見伝達部
M 車両
D 端末装置(携帯端末装置)
Ea 端末装置のエージェント部
E1 端末エージェントシステム
E2 車両エージェントシステム

Claims (10)

  1. 利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成し、前記車両によるライドシェアサービスを提供するライドシェアサーバ装置と、
    前記車両に設けられたエージェント装置を含み、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を示す情報を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取り、受け取った前記意見を前記同乗者に伝達する車両エージェントシステムと、
    を備えたライドシェアシステム。
  2. 前記携帯端末装置は、前記携帯端末装置に仮想的なエージェントを出現させる端末エージェントシステムの少なくとも一部を構成し、
    前記車両エージェントシステムは、前記利用者が前記エージェントに伝達することで前記携帯端末装置に入力された前記意見を前記端末エージェントシステムから受け取る、
    請求項1に記載のライドシェアシステム。
  3. 前記車両エージェントシステムは、前記利用者を匿名にして前記意見を前記同乗者に伝達する、
    請求項1または請求項2に記載のライドシェアシステム。
  4. 前記車両エージェントシステムは、前記意見の表現を変更して前記同乗者に伝達する、
    請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のライドシェアシステム。
  5. 前記車両エージェントシステムは、前記意見を一般論化して前記同乗者に伝達する、
    請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のライドシェアシステム。
  6. 前記車両エージェントシステムは、前記同乗者の属性を示す情報に基づき前記意見の表現を変更して前記同乗者に伝達する、
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載のライドシェアシステム。
  7. 前記車両エージェントシステムは、前記同乗者に対してエージェントの偶像を出現させ、前記エージェントの偶像を利用して前記意見を伝達する、
    請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のライドシェアシステム。
  8. 前記車両は、各座席に対応して設けられた報知部を有し、
    前記車両エージェントシステムは、前記同乗者が座る座席に対応して設けられた前記報知部を用いて前記同乗者に前記意見を伝達する、
    請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載のライドシェアシステム。
  9. 第1コンピュータが、利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成し、前記車両によるライドシェアサービスを提供し、
    第2コンピュータが、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取り、受け取った前記意見を前記同乗者に伝達する、
    情報処理方法。
  10. 第1コンピュータに、利用者からの乗車リクエストに基づき車両の運行計画を生成させ、前記車両によるライドシェアサービスを提供させ、
    第2コンピュータに、前記車両に乗車中の前記利用者が前記利用者の携帯端末装置に入力した前記車両の同乗者に対する意見を前記携帯端末装置から直接的または間接的に受け取らせ、受け取らせた前記意見を前記同乗者に伝達させる、
    プログラム。
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