JP2020154455A - 故障予知装置、および故障予知装置の制御方法 - Google Patents

故障予知装置、および故障予知装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】故障予知の対象となる電子機器において、デバイス間のデータ送受が必須である特定の制御において異常が発生し、将来的な故障の予兆を検出した場合、故障予知の誤報知を未然に防ぐことができ、故障予知機能の精度を向上させる。【解決手段】本発明の一態様は、電子機器が搭載するセンサにより測定する測定データと、電子機器の制御部が実行する処理内容とを含んで構成される送信データを電子機器から受信して、測定データに対応する制御値を算出し、算出した制御値に基づいて、電子機器の制御部において発生した異常の内容と、処理内容とを含んで構成される異常データを作成するセンサデータ解析部と、送信データの処理内容が、異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて電子機器の故障予知情報の報知を決定する故障予兆抽出部と、を備えることを特徴とする故障予知装置である。【選択図】図10

Description

本発明は、故障予知装置、および故障予知装置の制御方法に関する。
電子機器の故障予知機能および手段として、発熱作用のあるモジュールの冷却を目的とした冷却装置を利用し、前記冷却装置に入力した電圧に伴う冷却能力数値が正常でない場合、冷却装置の異常を含む当該電子機器の故障を予知したと判定するものがある。
例えば、下記特許文献1に開示された故障予知機能および手段においては、前記冷却能力数値の予測結果と、実際の運転により得られた値を比較し、これが正常でない場合に故障を予知したと判定させている。
また、特許文献1によれば、冷却装置に入力する電圧を算出する際、どの程度冷却が必要かという意味である冷却目標値を、冷却対象となる物体の温度を計測した計測温度をもとに算出するが、前記計測温度が常時可変性を持つものであれば、温度を計測し、計測した温度から冷却目標値を算出するという制御を行う。
特開2016−065660号公報
しかしながら、特許文献1によれば、先述した手段により比較した結果から故障予知情報を報知するが、故障予知の原因の根本を調査しないため、誤検出、誤報知の可能性が存在する。特に、温度制御は現在の温度を測定し、測定結果から制御値を算出するため、この一連の処理がデバイス間の通信遅延により正確に実施できない場合がある。
すなわち、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、故障予知の対象となる電子機器において、デバイス間のデータ送受が必須である特定の制御において異常が発生し、将来的な故障の予兆を検出した場合、故障予知の誤報知を未然に防ぐことができ、故障予知機能の精度を向上させることにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、電子機器が搭載するセンサにより測定する測定データと、前記電子機器の制御部が実行する処理内容とを含んで構成される送信データを前記電子機器から受信して、前記測定データに対応する制御値を算出し、算出した制御値に基づいて、前記電子機器の制御部において発生した異常の内容と、前記処理内容とを含んで構成される異常データを作成するセンサデータ解析部と、前記送信データの前記処理内容が、前記異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて前記電子機器の故障予知情報の報知を決定する故障予兆抽出部と、を備えることを特徴とする故障予知装置である。
また、本発明の一態様は、表示制御部は、センサデータ解析部が、電子機器が搭載するセンサにより測定する測定データと、前記電子機器の制御部が実行する処理内容とを含んで構成される送信データを前記電子機器から受信して、前記測定データに対応する制御値を算出し、算出した制御値に基づいて、前記電子機器の制御部において発生した異常の内容と、前記処理内容とを含んで構成される異常データを作成する作成工程と、故障予兆抽出部が、前記送信データの前記処理内容が、前記異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて前記電子機器の故障予知情報の報知を決定する決定工程と、を備えることを特徴とする故障予知装置の制御方法である。
本発明の各態様によれば、故障予知の対象となる電子機器において、デバイス間のデータ送受が必須である特定の制御において異常が発生し、将来的な故障の予兆を検出した場合、データ受信の成否と、前記成否による異常発生が頻繁に起きているかを考慮して故障予知情報の報知の有無を判定するため、故障予知の誤報知を未然に防ぐことができ、故障予知機能の精度を向上させることが可能となる。
本発明における故障予知の対象となる電子機器1の構成図である。 本発明における故障予知装置15の構成図である。 本発明におけるネットワークの構成図である。 本発明の実施例において、電子機器1が行う処理の流れを示すフローチャートである。 測定温度の変化量に対する駆動用モータの制御電圧値を示すテーブルである。 故障予知に用いるログデータの一例を示す図である。 本発明の実施例において、故障予知装置15が行う処理の流れを示すフローチャートである。 温度に対する両制御電圧値の比較図である。 異常ログデータの一例を示す図である。 本実施形態の故障予知装置15の主要な構成を示す図である。
(本発明の装置構成)
以下、本発明の装置構成およびネットワーク構成を、図1,図2,図3を用いて説明する。図1は、本発明における故障予知の対象となる電子機器1の構成図である。
電子機器1は、演算部2、記憶部3、判定部4、電源部5、制御部6、外部通信装置8、温度測定装置10、冷却装置12、および操作入力受付部14を含んで構成される。ここで、制御部6は、外部通信制御部7、温度計測制御部9、冷却装置制御部11、および入力受付制御部13を含んで構成される。
演算部2は、温度測定装置10で測定した測定値をもとに制御値を算出する。
記憶部3は、本発明におけるログデータ(送信データ)の保存に用いる。
判定部4は、例えば演算部2の算出に対して真偽の判定を行う。
電源部5は、電子機器1に対して入力された電力の直接的な処理、すなわち電子機器1を構成する各部への電力供給を行う。
制御部6は、主制御部(MAIN CPU機)であり、通信バスの系列内にある各デバイス、すなわち外部通信制御部7、温度計測制御部9、冷却装置制御部11、および入力受付制御部13の制御を行う。制御部6は、処理領域を各種で設けており、外部通信制御部7、温度計測制御部9、冷却装置制御部11、および入力受付制御部13がそれにあたるが、ソフトウェアタイマー等の必須の処理領域は、固定された領域で行う。なお、制御部6は、前提として同時に複数の処理を行うことができず、複数の処理の優先度、処理時刻によってタスク(処理)の内容は前後する。
外部通信制御部7は、外部通信装置8による外部通信を制御するものである。
外部通信装置8は、外部装置に対してデータが送信可能であれば、有線あるいは無線のどちらかに限定しない。
温度計測制御部9は、温度測定装置10を制御し、特定の制御に用いる要素の状態を測定するものである。温度計測制御部9は、温度測定装置10のCPUに対して問い合わせ処理を行い、温度値を取得する。
温度測定装置10は、温度を計測する計測装置であり、CPUを搭載するものである。
冷却装置制御部11は、演算部2で算出した制御値を元に冷却装置12の制御を行う。冷却装置制御部11は、例えば冷却装置12に電圧の供給を行うインバータである。
入力受付制御部13は、ユーザの入力操作受付を行う操作入力受付部14の制御を行う。
操作入力受付部14は、例えば赤外線受光部か、押しボタン式のパネルであっても良い。
図2は、本発明における故障予知装置15の構成図である。
故障予知装置15は、制御部16、外部通信制御装置17、外部通信制御部18、故障予兆抽出部19、センサデータ解析部20、および電源部21を含んで構成される。
制御部16は、主制御部(MAIN CPU機)であり、通信バスの系列内にある各デバイス、すなわち外部通信制御部18、故障予兆抽出部19、センサデータ解析部20、および電源部21の制御を行う。
外部通信制御装置17は、外部装置からデータを受信し、故障予兆抽出部19で抽出した故障内容を管理者に送信するため、外部通信制御部18の制御のもと動作する通信装置である。
故障予兆抽出部19は、センサデータ解析部20による電子機器1から受信したログデータ(電子機器1の送信データ)の解析結果をもとに故障予知の判定を行う。
電源部21は、故障予知装置15に対して入力された電力の直接的な処理、すなわち故障予知装置15を構成する各部への電力供給を行う。
図3は、本発明におけるネットワークの構成図である。
電子機器1からの制御ログデータと、本発明である追加の証明データ、ログデータ(電子機器1の送信データ)とをインターネット22を経由し、ISP(Internet Service Provider:インターネットサービスプロバイダ)により広域イーサネット(登録商標)23を介することで、故障予知装置15に対して送信する。
また、電子機器1と故障予知装置15が、図3に示すように互いに外界に存在しない場合、任意の通信手段を用いて通信を行う形態をとっても良い。
(本発明の実施例)
続いて、本発明の実施例について、図4〜図9を用いて説明する。
図4は、本発明の実施例において、電子機器1が行う処理の流れを示すフローチャートである。また、図5は、測定温度の変化量に対する駆動用モータの制御電圧値を示すテーブルである。また、図6は、故障予知に用いるログデータの一例を示す図である。また、図7は、本発明の実施例において、故障予知装置15が行う処理の流れを示すフローチャートである。また、図8は、温度に対する両制御電圧値の比較図である。また、図9は、異常ログデータの一例を示す図である。
まず、図1に示す電子機器1の動作を、図4の各ステップの内容を参照しつつ説明する。なお、詳細については後述するが、図4に示すステップS01からステップS07までの各処理は1秒周期で実施する。
センサが測定した温度データを送信して温度ログデータを保存する(ステップS01)。
具体的には、電子機器1は、搭載する温度測定器(温度測定装置10)によって、例えば、約1秒の間隔で温度を測定し、冷却装置制御部11に対して温度データを伝送する。
記憶部3は、温度の測定と同時に前記温度データを温度ログデータとして保存する。
なお、温度測定器により測定する箇所は、電子機器の冷却制御電圧の算出に必要な測定温度の種類と同じものを利用できる箇所、例えば冷却装置12の駆動用モータの近くの箇所である。
制御部の処理内容を常時抽出したタスクログデータを保存する(ステップS02)。
具体的には、本ステップは、後のステップS12(図7に示すステップ)の判定処理に用いる目的で、冷却装置制御部11からセンサ制御部(温度センサを有する温度測定装置10を制御する温度計測制御部9)に対して測定値(温度データ)を要求するリクエスト処理の時刻において、制御部6(電子機器1の制御部)が実行していたタスクデータを抽出して記憶部3に保存する。つまり、本発明におけるタスクデータとは、冷却装置制御部11からセンサ制御部に対してリクエストを送る時刻の制御部6の処理内容を抽出したものである。
前記タスクデータの抽出手段として、まず図4のステップS01からステップS06までの処理の総時間は、ソフトウェアタイマーによる計測で1secであり、したがって本ステップは1sec周期で実施するものとする。
前記1sec間において、制御部(冷却装置制御部11)からセンサ(温度センサを有する温度測定装置10を制御する温度計測制御部9)に測定値を問い合わせるタイミングを1sec周期で監視し、前記タイミングの時刻で実行中のタスクを抽出する。例えば、本ステップ実施のタイミングが1sec間の0.5secであり、タスクの抽出時刻はソフトウェアタイマーのカウント上、00:00:005、0:00:015、00:00:025…というような時刻でタスクを抽出する。
温度データの受信に成功したか否かの判定を行う(ステップS03)。
具体的には、先に測定した温度データを冷却装置制御部11が受信する。冷却装置制御部11は、受信の成否を記憶部3に保存し、受信に成功した場合(ステップS03−Yes)、ステップS04に進行する。
また、前記受信の成否は、ステップS07で故障予知装置15に送信するログデータ(電子機器1の送信データ)に含むため、記憶部3は、図6に示すログデータ内に、S03正否(受信に成功したか否かのデータ)のように保存する。
温度データを更新して保存する(ステップS04)。
具体的には、ステップS03に成功した場合、記憶部3は、取得した冷却制御に用いる計測温度値の更新を行い保存する。
現在の温度データから算出した制御ログデータを保存して冷却制御を実施する(ステップS05)。
具体的には、冷却装置制御部11は、現在の温度を標準温度に補正するための冷却装置12の制御に必要な制御値を算出し、前記制御値を制御ログデータとして記憶部3に保存する。
なお、前記温度データが温度測定装置10から送信されない、あるいは冷却装置制御部11が受信できない状況にあれば、測定データの参照は行えないため、温度データおよび制御電圧値(制御値)を更新しないものとする。
また、冷却装置制御部11による冷却制御の一実施形態としては、例えば冷却ファンの回転数を制御する場合、駆動用モータに対してインバータから電圧(制御電圧値)を入力するが、前記制御電圧の入力は冷却を目的とした必要風量および冷却ファンの一分間あたりの回転数により制御電圧値を制御する。
温度や気圧あるいは電子機器の各種設定、姿勢などにより、これらに対応する制御電圧値を、制御電圧値を制御する際に参照する制御テーブルに代入しても良いが、例えば以下の算出式1を使用し、必要風量を算出後、前記算出の結果に対応する冷却ファン回転数を基にした制御電圧値を設定しても良い。
Q=W/(ρ×C×ΔT)…(算出式1)
ここで、算出式1においてQは、必要風量[m/s]、Wは発熱量[W]、ΔTは空気の許容温度上昇[℃]であるが、ρ(空気の比重量[kg/m])、C(空気の比熱[J/kg℃])を算出1の分母に加えることで、気圧による流体特性を考慮した制御が可能である。
算出式1の発熱量Wは、例えば現時刻で測定した温度が30℃、1秒後に測定した温度が31℃である場合、温度の変化量は1℃であり、前記温度変化量をカロリー換算して算出する。
算出式1により算出した必要風量Qと風圧値Hから、下記算出式2を用いて制御電圧値P(kw)を算出する。
P=(Q×H)/6.12…(算出式2)
算出式2により算出した制御電圧値Pと温度変化の関係は、本実施例において図5を参照すればよい。すなわち、冷却装置制御部11は、測定温度の変化量に対する駆動用モータの制御電圧値を示すテーブルを参照して、制御値を制御ログデータとして記憶部3に保存する。
制御結果送信の時刻になったか否かの判定を行う(ステップS06)。
具体的には、電子機器1の制御部6の外部通信制御部7は、ステップS01を開始した時刻からソフトウェアタイマーの計測時間10秒×n(nは1以上の自然数)経った時刻になったか否かの判定を行う。
なぜなら、電子機器1から故障予知装置15に対してログデータを送信する際、前記送信が定期的に行われる場合、本発明においては、約10秒間隔でデータの送信が行われるものとするからである。また、前記10秒間のカウントは、電子機器が搭載するソフトウェアタイマーを利用するからである。
なお、あるいは実施形態により、故障予知装置15から当該電子機器1に対して、図6に示すデータを同周期で要求しても良い。
各ログデータを故障予知装置に送信する(ステップS07)。
具体的には、外部通信制御部7は、ステップS06の判定結果が「正」である場合、図6に示すログデータ(記憶部3が記憶したログデータ)を、外部通信装置8を制御して、故障予知装置15に送信させる。
ここで、記憶部3が記憶したログデータ(電子機器1からの送信データ)とは、実制御ログデータ(制御値)、温度ログデータ、タスクログデータ(制御部6の処理内容)、SO3判定、時刻を、10個(通信周期10秒/ステップS01〜S06の各処理を行う周期1秒)の連続する時刻に対応して配置した各ログデータである。
つまり、故障予知装置に対して送信する各ログデータは、図6に示すように、時刻0:00:02から0:00:05においてステップS03が失敗したことにより、測定温度が受信できず、制御が正しく実施できなかった内容である。
続いて、図7を参照しつつ、故障予知装置15の動作について説明する。後述するが、図7に示すステップS08からS15までの処理は、本実施形態において、10秒周期で実施する。
当該電子機器から各ログデータを受信して保存する(ステップS08)。
具体的には、外部通信制御部18は、外部通信制御装置17を制御して、図6に示すログデータ(電子機器からの送信データ)を受信する。例えば、制御部16は、センサデータ解析部20を制御し、図6に示すログデータをセンサデータ解析部20が有する不図示の記憶部に保存させる。
測定データから冷却制御電圧の理論値を算出する(ステップS09)。
具体的には、センサデータ解析部20は、受信した図6に示すログデータの内、温度ログデータを参照し、各時刻における温度値に対して理論的な制御電圧値(理論制御値)を算出する。前記理論制御電圧は、ステップS05において冷却装置制御部11が実制御ログデータの算出に用いた手法に、図6に示す温度ログデータの温度値を利用して算出する。算出した結果は、温度に対する両制御電圧値の比較図(図8に示す)において、理論制御値で表している。
理論値と制御データの誤差が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
具体的には、センサデータ解析部20は、ステップS09で算出した理論制御電圧と実制御電圧(ステップS05において算出した結果に基づいて冷却装置12を制御した実制御ログデータ)とを、比較する。比較の結果、前記両電圧の差(誤差)が閾値(本実施例においては±2.0kwとする)以上である場合、ステップS11に進行する。
異常内容とタスクを保存する(ステップS11)。
具体的には、センサデータ解析部20は、制御異常を検出した場合、前記異常が発生した時刻のタスクを図6に示すタスクログデータから抽出し、異常内容とタスクデータを、過去の異常内容とタスクデータを累積している図9に示す異常ログデータに保存する。
本実施形態においては、図6に示すタスクログデータにおいてステップS03が失敗している時刻0:00:02から0:00:05のタスクと異常内容を抽出する。
前記時刻におけるタスクデータの抽出、保存目的は、本来ステップS03を実施しなければなれない時刻において、実施している別の処理の内容によっては必ずしも故障であると断定できない場合があり、前記判定を後述するステップS12で実施するため、本ステップで当該タスクの抽出を行う。
また、後述するステップS13において図9に示す、過去の異常ログデータのタスクデータを参照する必要があるため、今回の異常内容とタスクデータを保存する必要がある。
そのため、制御電圧異常による温度異常の情報とあわせて、図9に示す異常ログデータに保存する。
すなわち、図9に示す異常ログデータは、本ステップを過去に実施した際に累積された異常内容に関連するタスクデータを累積したものであり、後述するステップS13において、抽出したタスクと異常内容と同様のものが図9に示す異常ログデータに存在するか判定を行うために作成する。
当該タスクが入力操作処理であるか否かを判定する(ステップS12)。
具体的には、故障予兆抽出部19は、ステップS11において抽出したタスクデータが、ユーザによる入力操作を制御部が処理していた内容か否かの判定を行う。そして、当該タスクが、ユーザによる入力操作である場合(ステップS12−Yes)、ステップS13に進行し、そうでない場合は(ステップS12−No)、ステップS15に進行する。
過去の異常原因に当該タスクがないか否かを判定する(ステップS13)。
具体的には、故障予兆抽出部19は、過去にステップS11を実施して累積した図9に示す異常ログデータを参照し、前記データに保存された異常内容およびタスク内容と、今回ステップS11で抽出したタスクデータと、を比較する。比較した結果、同様の異常内容とタスク内容があれば(ステップS13−No)、ステップS15に進行し、そうでなければ(ステップS13−Yes)、ユーザの一時的な入力操作であり、故障の予兆でないと判定し、ステップS14に進行する。
故障予知情報を報知しない(ステップS14)。
具体的には、故障予兆抽出部19は、故障予知情報を報知しない。本ステップに進行するということは、当該タスクデータの内容がユーザの入力操作内容の処理であり、さらに当該タスクデータの内容と同様のタスクデータが過去累積した異常ログに存在しない場合である。
本ステップは、当該タスクデータの処理の割り込みにより、センサ制御部(温度センサを有する温度測定装置10を制御する温度計測制御部9)に対する問い合わせが行えない現象は、故障の予兆でないと判定し、故障予知情報を作成せず報知を中止する。故障の予兆でないという根拠は、当該タスクデータに伴うユーザの入力操作は一時的なものであり、前期入力操作により発生した制御異常は、しばらくして正常に収束すると思われるため、前記制御異常により将来的な故障の予兆でないとする。
したがって、本ステップを実行することで、故障予兆でない制御異常を、故障の予兆として誤報知することを防ぐ。
故障予知情報を報知する(ステップS15)。
具体的には、故障予兆抽出部19は、故障予知情報を報知する。本ステップに進行するということは、当該タスクデータの内容がユーザの入力操作内容の処理であるが、当該タスクデータの内容と同様のタスクデータが過去累積した異常ログに存在する場合(ステップS13−Noの場合)か、あるいは、当該タスクデータの内容が、当該電子機器内部における処理(例えば特定のデバイスに対するリクエスト処理)である場合(ステップS13−Noの場合)である。
本ステップは、当該タスクデータの処理の割り込みにより、センサ制御部に対する問い合わせが行えない現象のトリガーは、電子機器1の内部的な不具合である。通常、ユーザによる入力操作のような処理の優先度が高いタスクを除いた場合、別のタスクにステップS03が阻害されることはなく、前記別のタスクでメモリが占領されているということは、例えば長期使用により劣化したデバイスの不安定な動作である可能性がある。前述した例では、一度劣化したデバイスは、デバイス自体を交換しない限り現状の回復はしないため、これによる制御異常が起きる頻度の定量化は困難であるが、少なくとも前記理由による制御異常は解決されていないため、検出した前記異常はむしろ報知されるべきであるため、故障予知情報を作成し報知する。
なお、前記故障予知情報は、将来的な故障内容と、前記故障の原因となる当該電子機器内部における処理内容か、制御異常を頻繁に引き起こすユーザの入力操作の情報が含まれたコンテンツであり、データのフォーマットは限定しないが、例えばHTMLベースにテキストを挿入したものでも良い。
(本実施形態の変形例)
以上が、温度センサの測定値による温度制御の制御値から故障予兆を検出する実施例であるが、制御対象を温度に限定するものでなく、主制御装置から独立したセンサユニットにより、測定した測定値を主制御装置に対して伝送し、主制御装置が前記測定値をもとに制御を実施する場合、本発明を適用することが可能である。
すなわち、本実施形態では、電子機器1として、冷却装置について述べたが、他の電子機器にも適用できる。
例えば投影装置の技術として、出力輝度を一定に保つ輝度固定機能が知られており、前記機能は、プロジェクタ内部に搭載した測距センサにより計測した被写体との距離を考慮し、光源出力の調整を行うことでスクリーン輝度の調整を図る。前記被写体は、通行人や障害物により必ずしも単体でなく、前記被写体と投影装置間の距離は固定されたものでない。
前記機能に要する制御は、測定値に基づくフィードバック制御であり、センサの取得値を目標値に合わせるように光源に対する入力電圧を制御する手段は同様であるため、輝度に対しても先に説明した故障予知手段を適用できる。
ステップS10で説明した、センサ取得値と理論値の比較につき、制御対象が輝度である場合の理論値は、例えば下記算出式3を用いて算出する。
Vth=Vdata+(Vde−Vdata)…(算出式3)
算出式3により、光源制御に要する制御電圧値のうち、測距センサで測定した距離に基づき設定した目標制御電圧値Vdeと、現在の制御電圧値Vdataの差異を算出し、前記差異はフィードバック制御の制御電圧の補償値として、Vdataに加算した制御電圧値Vthを理論値とする。
なお、目標制御電圧値Vdeに関して、距離に対応した制御電圧値を予め設定するが、投影装置の最大光源出力値に依存するため、限定するものでない。また、被写体と投影装置間の距離が増大するほど、スクリーン輝度は低下するため、制御電圧値は前記距離の増大に比例する。また、ステップS06で採取するログデータに、測定距離、輝度制御用の入力電圧値を追加する。ステップS06以降のステップの処理は、温度制御と同様の手段を用いる。
次に、図10を参照して、本発明の実施形態の基本的構成例について説明する。図10は、本実施形態の故障予知装置15の主要な構成を示す図である。
図10に示す故障予知装置15は、センサデータ解析部20と、故障予兆抽出部19と、を含んで構成されている。
センサデータ解析部20は、電子機器1が搭載するセンサ(温度測定装置10)により測定する測定データ(温度データ)と、電子機器1の制御部6が実行する処理内容とを含んで構成される送信データ(図6に示すログデータ)を電子機器1から受信して、測定データ(温度データ)に対応する制御値(図8に示す理論制御値)を算出し、算出した制御値に基づいて、電子機器1の制御部6において発生した異常の内容と、処理内容とを含んで構成される異常データ(図9に示す異常ログデータ)を作成する。
故障予兆抽出部19は、送信データの処理内容が、異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて電子機器1の故障予知情報の報知を決定する。
例えば、故障予兆抽出部19は、処理内容が、ユーザによる入力操作の処理であって、異常の内容の発生原因であるとして保存された処理ではないと判定した場合、電子機器1の故障予知情報の報知を行わない。
この構成により、故障予知の対象となる電子機器において、デバイス間のデータ送受が必須である特定の制御において異常が発生し、将来的な故障の予兆を検出した場合、故障予知の誤報知を未然に防ぐことができ、故障予知機能の精度を向上させることが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、図10に示す故障予知装置15の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御工程を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
1…電子機器、15…故障予知装置、19…故障予兆抽出部、20…センサデータ解析部

Claims (7)

  1. 電子機器が搭載するセンサにより測定する測定データと、前記電子機器の制御部が実行する処理内容とを含んで構成される送信データを前記電子機器から受信して、前記測定データに対応する制御値を算出し、
    算出した制御値に基づいて、前記電子機器の制御部において発生した異常の内容と、前記処理内容とを含んで構成される異常データを作成するセンサデータ解析部と、
    前記送信データの前記処理内容が、前記異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて前記電子機器の故障予知情報の報知を決定する故障予兆抽出部と、
    を備えることを特徴とする故障予知装置。
  2. 前記故障予兆抽出部は、
    前記処理内容が、ユーザによる入力操作の処理であって、
    前記異常の内容の発生原因であるとして保存された処理ではないと判定した場合、
    前記電子機器の故障予知情報の報知を行わない
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障予知装置。
  3. 前記故障予兆抽出部は、
    前記処理内容が、ユーザによる入力操作の処理でないと判定した場合、
    前記電子機器の故障予知情報の報知を行う
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の故障予知装置。
  4. 前記故障予兆抽出部は、
    前記処理内容が、ユーザによる入力操作の処理であって、
    前記異常の内容の発生原因であるとして保存された処理であると判定した場合、
    前記電子機器の故障予知情報の報知を行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか一項に記載の故障予知装置。
  5. 前記電子機器は、冷却装置であり、
    前記センサは、前記冷却装置の温度を測定する温度センサであって、
    前記冷却装置は、制御される制御電圧を前記温度に応じて行うことで冷却ファンの回転数の調整を行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項4いずれか一項に記載の故障予知装置。
  6. 前記電子機器は、投影装置であり、
    前記センサは、前記投影装置から被写体との距離を測定する測距センサであって、
    前記投影装置は、光源出力の調整を測定された前記距離に応じて行うことでスクリーン輝度の調整を行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項4いずれか一項に記載の故障予知装置。
  7. センサデータ解析部が、電子機器が搭載するセンサにより測定する測定データと、前記電子機器の制御部が実行する処理内容とを含んで構成される送信データを前記電子機器から受信して、前記測定データに対応する制御値を算出し、
    算出した制御値に基づいて、前記電子機器の制御部において発生した異常の内容と、前記処理内容とを含んで構成される異常データを作成する作成工程と、
    故障予兆抽出部が、前記送信データの前記処理内容が、前記異常の内容の発生原因である処理内容であるか否かを判定し、判定結果に応じて前記電子機器の故障予知情報の報知を決定する決定工程と、
    を備えることを特徴とする故障予知装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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