JP2020154426A - 情報提供システム、情報提供装置および情報提供方法 - Google Patents

情報提供システム、情報提供装置および情報提供方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歩道が狭い場合に、その歩道に隣接する車道を走行する自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避できるようにした「情報提供システム、情報提供装置および情報提供方法」を提供する。【解決手段】情報提供システム1は、1つの歩道で2つの移動支援自動車が向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、何れか一方の車両が一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できないことを検出すると共に、歩道に隣接する車道の進行方向を検出し、車道の進行方向と対向する方向に走行している車両の搭乗者に対して、車道を走行して対向する車両を回避すべき旨の情報を提供し、これにより車道上で近づいてくる自動車を確認しつつ運転できる方の搭乗者に対して、移動支援自動車に車道を走行させて衝突を回避すること促すようにしている。【選択図】図2

Description

本発明は、情報提供システム、情報提供装置および情報提供方法に関し、特に、歩道を走行する移動支援自動車の搭乗者に、移動支援自動車の走行に関する情報を提供する情報提供システム、情報提供装置および情報提供方法に用いて好適なものである。
近年、電動車イスやシニアカーといった移動支援自動車が普及してきている。移動支援自動車は、搭乗者が搭乗した状態で歩道を走行するものであり、多くの場合、高齢者等の歩行に困難性を有する者が搭乗し、搭乗者の移動を支援する。移動支援自動車に関しては、2つの車両が歩道で対向しつつ走行している場合に、これらの車両の衝突をどのように回避するかという課題が従来から存在しており、対向車の搭乗者に自車両の存在を認識させるために音声を出力したり、発光部材を点灯させたりする等、この課題の解決に供する様々な技術が提案されている。
なお、特許文献1には、車道を走行する自動車について、自車両と回避対象の他車両との実際の車幅方向における距離が、所定の手段で定めた許容範囲内である場合には、事前に定めた目標経路を自車両が走行するようにし、これにより、他車両が車幅方向にふらついた場合であっても、そのふらつきに影響を受けず自車両が走行できるようにし、他車両のふらつきに伴う自車両のふらつきを防止する技術が記載されている。
国際公開第2016/024317号
2つの移動支援自動車の衝突を回避すべき状況は、様々な状況が存在し、その1つとして、2つの移動支援自動車が走行する歩道が狭く、何れか一方の車両が車道に出ない限り、これらの車両がすれ違えない、という状況がある。この状況の場合、車道は乗用車等の自動車が走行する可能性があるため、車道を走行する自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避することが求められる。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、対向する2つの移動支援自動車が走行する歩道が狭い場合に、その歩道に隣接する車道を走行する自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、一の歩道において一の移動支援自動車と他の移動支援自動車とが向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の車両が一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない状態である場合、両車両のうち、車道の進行方向と対向する方向に走行している車両の搭乗者に対して、車道を走行して対向する車両を回避すべき旨の情報を提供するようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、2つの移動支援自動車が狭い歩道で衝突し得る状況において、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に走行している移動支援自動車の搭乗者、換言すれば、歩道に隣接する車道上で近づいてくる自動車を確認しつつ移動支援自動車を運転できる搭乗者に対して、移動支援自動車に車道を走行させて対向する移動支援自動車を回避すること促すことができる。また、この促しに応じて、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に走行している移動支援自動車の搭乗者が、移動支援自動車に車道を走行させて対向する移動支援自動車を回避することにより、歩道に隣接する車道上で近づいてくる自動車の状況を踏まえた安全でスムーズな衝突の回避が可能となる。すなわち、本発明によれば、対向する2つの移動支援自動車が走行する歩道が狭い場合に、その歩道に隣接する車道を走行する自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避できる。
第1実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。 第1実施形態に係る情報提供サーバおよび車載装置の機能構成例を示すブロック図である。 各種データベースの内容を示す図である。 歩道に隣接する車道の説明に用いる図である。 第1実施形態に係る情報提供サーバの動作例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る情報提供サーバの動作例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る情報提供装置の機能構成例を示すブロック図である。 第2実施形態に係る情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供サーバ2を有している。情報提供サーバ2は、インターネットや電話網等の通信網を含んで構成されたネットワークNに接続されている。このネットワークNには、移動支援自動車3に搭載された車載装置4が接続されている。
本実施形態において、移動支援自動車3は、搭乗者が搭乗した状態で歩道を走行し、搭乗者の移動を支援する自動車であり、例えば、電動車イスや、シニアカーである。移動支援自動車3は、スピーカ5を備えている。このスピーカ5は、移動支援自動車3の外部へ向かって音声を出力するためのものではなく、移動支援自動車3に搭乗する搭乗者に対して音声により情報を提供するためのものであり、その目的に従って位置や方向が調整されている。なお、本実施形態では、歩道ではない車道を走行する自動車(一般的な乗用車や、トラック、バス、自動二輪車等)を「車道自動車」と表現し、歩道を走行する移動支援自動車3と区別する。
ここで、移動支援自動車3に関しては、2つの移動支援自動車3が歩道で対向しつつ走行している場合に、これらの移動支援自動車3の衝突をどのように回避するかという課題が従来から存在している。そして、2つの移動支援自動車3の衝突を回避すべき状況は、様々な状況が存在し、その1つとして、2つの移動支援自動車3が走行する歩道が狭く、何れか一方の移動支援自動車3が車道に出ない限り、これらの移動支援自動車3がすれ違えない、という状況がある。この状況の場合、車道は車道自動車が走行する可能性があるため、車道を走行する車道自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避することが求められる。本実施形態に係る情報提供システム1は、このような状況のときに、歩道に隣接する車道を走行する自動車の存在を反映した適切な方法で衝突を回避できるようにするものである。
図2は、本実施形態に係る車載装置4および情報提供サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供サーバ2は、機能構成として、通信部10、車両管理部11、近衝突状態検出部12、進行方向検出部13および情報提供部14を備えている。また、車載装置4は、機能構成として、通信部15および車載装置制御部16を備えている。上記各機能ブロック10〜16は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10〜16は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。このことは、第2実施形態で説明する各機能ブロックについても同様である。
また、情報提供サーバ2は、記憶手段として、車両関連情報記憶部20および道路関連情報記憶部21を備えている。車両関連情報記憶部20は、車両管理データベース22を記憶している。車両管理データベース22については後述する。道路関連情報記憶部21は、車道データベース23と歩道データベース24とを記憶している。
車道データベース23は、車道の道路網の結節点に定義された車道ノードごとに車道ノードデータを有しており、また、結節点と結節点との間の車道区間に定義された車道リンクごとに車道リンクデータを有している。本実施形態では、複数の車線を有する道路については、車線ごとに車道リンクが設定されている。図3(A)は、車道リンクデータの内容を示す図である。図3(A)に示すように、車道リンクデータは項目として、車道リンクID<項目>と車道進行方向<項目>とを少なくとも有している。車道リンクID<項目>には項目値として、車道リンクを識別するための車道リンクIDが格納される。また、車道進行方向<項目>には項目値として、車道区間の進行方向を示す車道進行方向情報が格納される。車道区間の進行方向とは、車道リンクが設定された車道(複数の車線を有する車道については車線のそれぞれ)において、交通規制等により車道自動車の進行が許可された向きを意味する。本実施形態では、車道区間の進行方向は、進行方向の向きを示す方位により表されるものとする。
歩道データベース24は、歩道の道路網の結節点に定義された歩道ノードごとに歩道ノードデータを有しており、また、結節点と結節点との間の歩道区間に定義された歩道リンクごとに歩道リンクデータを有している。図3(B)は、歩道リンクデータの内容を示す図である。図3(B)に示すように、歩道リンクデータは項目として、歩道リンクID<項目>と狭歩道フラグ<項目>と隣接車道<項目>とを少なくとも有している。歩道リンクID<項目>には項目値として、歩道リンクを識別するための歩道リンクIDが格納される。
狭歩道フラグ<項目>には狭歩道フラグが格納される。狭歩道フラグとは、対応する歩道が狭歩道の場合にオンとなり、狭歩道ではない場合にオフとなるフラグである。本実施形態では、以下の2つの条件の双方を満たす歩道が「狭歩道」と定義される。1つ目の条件は、歩道の幅が、「歩道上で2つの移動支援自動車3が対向している場合に、何れか一方の移動支援自動車3が歩道をはみ出さない限り、2つの移動支援自動車3がすれ違えないような幅」である、というものである。2つの移動支援自動車3が歩道をはみ出すことなくすれ違うことができるか否かは、車種によって規定される車幅や、搭乗者の状況(体格や、足を広げた状態で搭乗しているかどうか等)、移動支援自動車3に載せられた荷物の状態等の様々な要素に影響を受ける。これを踏まえ、本実施形態では、車幅や搭乗者の状況等にかかわらず、ほとんど全ての場合において2つの移動支援自動車3が歩道をはみ出すことなくすれ違うことができるような歩道の幅の基準値が、事前のテストやシミュレーションに基づいて決められており、車道の幅がこの基準値以下の場合に、1つ目の条件が満たされているものとしている。
2つ目の条件は、歩道に隣接する車道があり、歩道上で対向する2つの移動支援自動車3の一方が他方を回避するにあたって、この車道を利用できる(一方の移動支援自動車3が車道を走行できる)というものである。例えば、境界を挟んで歩道と車道とが並行に延在しているとする。この場合において、歩道と車道との間の往来を阻害する障害物(例えば、ガードレールや、縁石等)が境界に存在する場合には、歩道は2つ目の条件を満たさない。狭歩道フラグのオン/オフは、実地調査や、既存の地図に関する情報、所定の手段で収集した情報等に基づいて設定される。
一のレコードの狭歩道フラグがオフの場合、当該一のレコードの隣接車道<項目>にはヌル値が格納される。一方、一のレコードの狭歩道フラグがオンの場合、当該一のレコードの隣接車道<項目>には、当該一のレコードに対応する歩道に隣接する車道の車道リンクIDが格納される。
図4は、歩道に隣接する車道の説明に用いる図である。図4(A)は、狭歩道の歩道H1と車道S1とが境界Q1を挟んで並行に延在している様子を模式的に示している。車道S1は車線がない一方通行の道路である。図4(A)の例の場合、車道S1が歩道H1に隣接する車道である。図4(B)は、狭歩道の歩道H2と車道S2とが境界Q2を挟んで並行に延在している様子を模式的に示している。車道S2は片側2車線の道路であり、4つの車線T1、T2、T3、T4を有している。図4(B)の例の場合、車線T4が歩道H2に隣接する車道に相当する。
情報提供サーバ2の通信部10および車載装置4の通信部15はそれぞれ、ネットワークNにアクセスし、ネットワークNに接続された外部装置と所定の通信規格に従って通信する。
情報提供サーバ2は、大きく分けて管理対象の複数の移動支援自動車3の状態を管理する移動支援自動車管理機能と、所定の場合に移動支援自動車3の搭乗者に所定の情報を提供する情報提供機能との2つの機能を有している。以下、機能ごとに情報提供サーバ2の処理を車載装置4の処理と共に説明する。
<移動支援自動車管理機能>
まず、移動支援自動車管理機能について説明する。移動支援自動車3に搭載された車載装置4の車載装置制御部16は、車載装置4の電源がオンされている間、以下の処理を実行する。なお、本実施形態では、移動支援自動車3の動力源のスイッチがオンされると、車載装置4の電源が自動でオンされ、また、移動支援自動車3の動力源のスイッチがオフされると、車載装置4の電源が自動でオフされる。従って、移動支援自動車3の動力源のスイッチがオンされており、移動支援自動車3が走行する可能性のある期間の間、車載装置4の電源がオンされた状態となる。
車載装置制御部16は、所定周期で図示しないGPSユニットから移動支援自動車3の現在位置および移動方向を示す情報を入力する。車載装置制御部16は、移動支援自動車3の現在位置および移動方向を示す情報を入力する度に、当該情報と車載装置4の識別情報(以下、「車載装置ID」という)とを含む位置関連データを情報提供サーバ2に送信する。なお、情報提供サーバ2のアドレスや、使用するデータのフォーマット、通信に使用するプロトコル等、位置関連データを情報提供サーバ2に送信するために必要な情報は事前に登録されている。各移動支援自動車3の各車載装置4において以上の処理が行われる結果、各地に点在する電源投入中の車載装置4のそれぞれから随時、移動支援自動車3の位置関連データが情報提供サーバ2に送信される。
情報提供サーバ2の車両管理部11は、車載装置4が送信した位置関連データの受信に応じて、以下の処理を実行する。すなわち、車両管理部11は、車両関連情報記憶部20に記憶された車両管理データベース22を参照する。車両管理データベース22は、管理対象の移動支援自動車3の車載装置4ごとにレコードを有するデータベースである。図3(C)は、車両管理データベース22の1件のレコードの内容を示す図である。図3(C)に示すように、車両管理データベース22の1件のレコードは、項目として、車載装置ID<項目>と車両位置<項目>と車両移動方向<項目>と走行中歩道<項目>とアクティブフラグ<項目>とを有する。一の車載装置4に対応するレコードの車載装置ID<項目>には、当該一の車載装置4の車載装置IDが格納される。車両位置<項目>には後述する車両現在位置情報が、車両移動方向<項目>には後述する車両移動方向情報が、走行中歩道<項目>には歩道リンクIDが、アクティブフラグ<項目>には後述するアクティブフラグが格納される。
位置関連データの受信に応じて車両管理データベース22を参照した後、車両管理部11は、受信した位置関連データに含まれる車載装置IDに対応するレコードを特定する。次いで、車両管理部11は、位置関連データに基づいて、移動支援自動車3の現在位置を示す車両現在位置情報を特定したレコードの車両位置<項目>に格納し、移動支援自動車3の移動方向を示す車両移動方向情報を特定したレコードの車両移動方向<項目>に格納する。
更に、車両管理部11は、受信した位置関連データに含まれる移動支援自動車3の現在位置を示す情報、および、歩道データベース24に基づいて、移動支援自動車3が走行中の歩道の歩道リンクIDを特定する。走行中の歩道の特定は、位置とリンクとをマッチングする既存のマッチング技術により行われ、また、歩道データベース24の各歩道の歩道リンクデータは、マッチングのために必要な情報を不足なく含んでいる。車両管理部11は、特定した歩道リンクIDを、特定したレコードの走行中歩道<項目>に格納する。
車両管理部11により以上の処理が行われる結果、ある移動支援自動車3に搭載された車載装置4からの位置関連データの受信に応じて、その移動支援自動車3の現時点の実際の位置および現時点の実際の移動方向を反映して、車両管理データベース22の対応するレコードの車両位置<項目>、車両移動方向<項目>および走行中歩道<項目>の項目値が更新される。
上述したように、アクティブフラグ<項目>には、アクティブフラグが格納される。アクティブフラグは、現時点から遡って所定期間の間に当該一の車載装置4から情報提供サーバ2が位置関連データを受信している場合はオンされ、受信していない場合はオフされるフラグである。車両管理部11は、各車載装置4からの位置関連データの受信状況を監視し、随時、各レコードのアクティブフラグ<項目>の値を更新する。あるレコードのアクティブフラグ<項目>がオフの場合、そのレコードに対応する車載装置4の電源がオフの状態(=移動支援自動車3の動力源のスイッチがオフの状態)か、車載装置4の電源がオンされていても、移動支援自動車3がトンネルに入っていたり、通信障害等の何らかの理由により車載装置4が相当期間、ネットワークNにアクセスできておらず、そのレコードの車両位置<項目>、車両移動方向<項目>および走行中歩道<項目>の項目値に信頼性がない状態である。以下の説明では、アクティブフラグ<項目>がオンのレコードを「アクティブなレコード」と表現し、当該レコードに対応する車載装置4を「アクティブな車載装置4」と表現し、当該レコードに対応する移動支援自動車3を「アクティブな移動支援自動車3」という。
<情報提供機能>
次に、情報提供機能について説明する。情報提供サーバ2の近衝突状態検出部12は、車両管理データベース22を監視し、異なる2つのアクティブな移動支援自動車3が「近衝突状態」となった場合に、そのことを検出する。異なる2つのアクティブな移動支援自動車3がそれぞれ、移動支援自動車Aと移動支援自動車Bとであるとすると、近衝突状態とは以下の条件を満たす状態である。条件J1:移動支援自動車Aと移動支援自動車Bとが共通する1つの歩道上を向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突する。条件J2:何れか一方の移動支援自動車3が歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない。以下、近衝突状態検出部12の処理について詳述する。
近衝突状態検出部12は、車両管理データベース22の内容を監視し、走行中歩道<項目>の項目値が同一となった異なる2つのアクティブなレコードが出現したか否かを監視する。このような2つのレコードが出現したということは、異なる2つのアクティブな移動支援自動車3が、共通する1つの歩道を走行している状態となったことを意味している。このような2つのレコードが出現した場合、近衝突状態検出部12は、2つのレコードを近衝突状態か否かの監視対象とし、2つのレコードのそれぞれの車両位置(項目)の項目値である車両現在位置情報、および、車両移動方向<項目>の項目値である車両移動方向情報を取得する。
次いで、近衝突状態検出部12は、取得した車両現在位置情報および車両移動方向情報に基づいて、2つのレコードに対応する2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行しているか否かを判定する。一例として、近衝突状態検出部12は、一方の移動支援自動車3が、その現在位置を起点として他方の移動支援自動車3の現在位置へ向かう方向(ただし、ある程度のマージンが加味される)に向かって走行しており、かつ、他方の移動支援自動車3も一方の移動支援自動車3に向かって走行している場合に、2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行していると判定する。
2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行している状態ではない場合、2つの移動支援自動車3が共通する1つの歩道を同じ方向に向かって走行している状態か、または、2つの移動支援自動車3が違いに離れるように走行している状態であり、条件J1を満たさない。このため、この場合、近衝突状態検出部12は、2つのレコードを近衝突状態の検出に係る監視対象から外す。一方、2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行している状態の場合、近衝突状態検出部12は、何れか一方のレコードの走行中歩道<項目>の項目値である歩道リンクIDを取得する。ここで取得された歩道リンクIDは、2つの移動支援自動車3が走行中の歩道の歩道リンクIDである。
次いで、近衝突状態検出部12は、歩道データベース24を参照し、取得した歩道リンクIDに対応するレコードの狭歩道フラグ<項目>の狭歩道フラグがオンであるか否かを判定する。狭歩道フラグがオンではない場合、「2つのレコードに対応する移動支援自動車3のうち、何れか一方の移動支援自動車3が歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない」という状況ではなく、条件J2を満たさない。このため、この場合、近衝突状態検出部12は、2つのレコードを近衝突状態か否かの監視対象から外す。
一方、狭歩道フラグがオンの場合、条件J1および条件J2の双方を満たす。狭歩道フラグがオンのレコードに対応する歩道の幅は、「歩道上で2つの移動支援自動車3が対向している場合に、何れか一方の移動支援自動車3が歩道をはみ出さない限り、2つの移動支援自動車3がすれ違えないような幅」であり、このような幅の道路を2つの移動支援自動車3が向かい合って走行している場合、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の移動支援自動車3が歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない状況にあるからである。
狭歩道フラグがオンの場合、近衝突状態検出部12は、2つのレコードに対応する異なる2つのアクティブな移動支援自動車3が「近衝突状態」となったことを検出する。次いで、近衝突状態検出部12は、2つのレコードに対応する移動支援自動車3の離間距離が予め定められた所定距離R1となったか否かの監視を開始する。近衝突状態検出部12は、「2つのレコードのそれぞれの車両位置<項目>の項目値である車両現在位置情報のそれぞれを取得し、各情報に基づいて離間距離を算出し、離間距離が所定距離R1以下となったか否かを判定する」処理を所定周期で実行することによって、当該監視を行う。
当該監視を開始した後、2つの移動支援自動車3の離間距離が所定距離R1となったことを検出した場合、近衝突状態検出部12は、2つの移動支援自動車3に搭載された車載装置4のそれぞれの車載装置ID、および、2つの移動支援自動車3が走行する歩道の歩道リンクIDを含む第1通知データを進行方向検出部13に出力する。
進行方向検出部13は、近衝突状態検出部12から第1通知データを入力すると、歩道データベース24を参照し、第1通知データに含まれる歩道リンクIDに対応するレコードを特定する。次いで、進行方向検出部13は、特定したレコードの隣接車道<項目>の項目値である車道リンクIDを取得する。ここで取得された車道リンクIDは、2つの移動支援自動車3が走行する歩道に隣接する車道の車道リンクIDである。
次いで、進行方向検出部13は、車道データベース23を参照し、取得した車道リンクIDに対応する車道リンクデータを特定し、特定した車道リンクデータの車道進行方向<項目>の項目値である車道進行方向情報を取得する。車道進行方向情報を取得する処理は、特許請求の範囲の「進行方向検出部13が、歩道に隣接する車道の進行方向を検出する」処理に相当する。次いで、進行方向検出部13は、2つの移動支援自動車3に搭載された車載装置4のそれぞれの車載装置ID、および、取得した車道進行方向情報を含む第2通知データを情報提供部14に出力する。
情報提供部14は、第2通知データを入力すると、以下の処理を実行する。すなわち、情報提供部14は、車両管理データベース22を参照し、第2通知データに含まれる2つの車載装置IDのそれぞれに対応する2つのレコードを特定する。次いで、情報提供部14は、特定した2つのレコードの車両移動方向<項目>の項目値である車両移動方向情報のそれぞれを取得する。次いで、情報提供部14は、取得した2つの車両移動方向情報と、第2通知データに含まれる車道進行方向情報とに基づいて、2つの移動支援自動車3のうち、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している車両を特定する。例えば、図4(B)の例において、歩道H2上を2つの移動支援自動車3がそれぞれ、向きX1および向きX2に向かって走行しているとする。そして、車線T4(歩道H2に隣接する車道)の進行方向が向きY1であるとする。この場合、情報提供部14は、向きX1に向かって走行している移動支援自動車3を、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している車両として特定する。
なお、歩道に隣接する車道の進行方向と、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に走行している移動支援自動車3の移動方向とのなす角は180°を中心とした所定範囲内に収まると想定される。これを踏まえ、一例として、情報提供部14は、2つの移動支援自動車3のうち、その移動方向と車道の進行方向とのなす角が予め定められた所定範囲内に収まっている方の車両を特定することにより、車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している車両を特定する。
次いで、情報提供部14は、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している移動支援自動車3(以下、「対面車両」という)に搭載された車載装置4の車載装置IDに基づいて、その車載装置4と通信を行うために必要な情報(その車載装置4のアドレスや、通信に使用するプロトコル等)を取得する。本実施形態では、管理対象の移動支援自動車3の車載装置4の全てについて、車載装置IDと対応付けて、車載装置4と通信を行うために必要な情報が記述されたテーブルが事前に登録されており、情報提供部14は、当該テーブルを利用して情報を取得する。更に、情報提供部14は、対面車両ではない移動支援自動車3(以下、「非対面車両」という)に搭載された車載装置4の車載装置IDに基づいて、その車載装置4と通信を行うために必要な情報を取得する。
次いで、情報提供部14は、対面車両の車載装置4と通信を行うために必要な情報を利用してその車載装置4と通信し、以下の内容の音声の音声データを含み、音声データに基づく音声の出力を指示する対面車両用データを、その車載装置4に送信する。対面車両用データに係る音声データの音声の内容は、歩道に隣接する車道が安全な状態となったら、車道を走行して、対向する移動支援自動車3を回避すべき旨の情報を含む内容である。一例として、当該音声は『車道が安全な状態になったら車道に出て、前方の移動支援自動車を避け、歩道にお戻り下さい』というものである。
後述するように、対面車両の車載装置4により対面車両用データに基づく音声の出力が行われ、その音声が搭乗者に聴取されるため、「情報提供部14が対面車両用データを対面車両の車載装置4に送信する処理」は、特許請求の範囲の「一の移動支援自動車と他の移動支援自動車とのうち、進行方向検出部13により検出された進行方向と対向する方向に走行している車両の搭乗者に対して歩道に隣接する車道を走行して、対向する車両を回避すべき旨の情報を提供する」処理に相当する。
更に、情報提供部14は、非対面車両の車載装置4と通信を行うために必要な情報を利用してその車載装置4と通信し、以下の内容の音声の音声データを含み、音声データに基づく音声の出力を指示する非対面車両用データを、その車載装置4に送信する。非対面車両用データに係る音声データの音声の内容は、前方の移動支援自動車3(対面車両)が車道に出て、自車両(非対面車両)を回避するための走行をしている間、自車両が近づき過ぎないようにしつつ自車両を停車させるべき旨の情報を含む内容である。一例として、当該音声は『前方の移動支援自動車が車道に出て当車両を避けるのが終わるまでは、近づき過ぎず、当車両を停車させて下さい』というものである。
後述するように、非対面車両の車載装置4により非対面車両用データに基づく音声の出力が行われ、その音声が搭乗者に聴取されるため、「情報提供部14が非対面車両用データを非対面車両の車載装置4に送信する処理」は、特許請求の範囲の「他方の移動支援自動車3の搭乗者に対して、一方の移動支援自動車3が当該他方の移動支援自動車3を回避するための走行をしている間、移動支援自動車3を停止させるべき旨の情報を提供する」処理に相当する。
対面車両に搭載された車載装置4の車載装置制御部16は、情報提供部14が送信した対面車両用データを受信すると、対面車両用データに含まれる音声データに基づいてスピーカ5に音声信号を出力し、スピーカ5から音声データに基づく音声を出力させる。対面車両に搭乗する搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、車道が安全な状態となったら、自身が搭乗する移動支援自動車3が車道に出て前方の移動支援自動車3を避けるべきことを認識する。
ここで、対面車両は、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している。このため、搭乗者は、サイドミラーを確認しつつ振り向くといった作業を行うことなく、通常の姿勢のままの自然な体勢で、歩道に隣接する車道上で近づいてくる車道自動車をより迅速により確実に確認しつつ、移動支援自動車3を運転することができる。このため、音声の出力に応じて、対面車両の搭乗者が、移動支援自動車3に車道を走行させて対向する移動支援自動車3を回避することにより、歩道に隣接する車道上で近づいてくる自動車の状況を踏まえた安全でスムーズな衝突の回避が可能となる。
また、非対面車両に搭載された車載装置4の車載装置制御部16は、情報提供部14が送信した非対面車両用データを受信すると、非対面車両用データに含まれる音声データに基づいてスピーカ5に音声信号を出力し、スピーカ5から音声データに基づく音声を出力させる。非対面車両に搭乗する搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、前方の移動支援自動車3が車道に出て自車両を避けてくれること、および、自車両が近づき過ぎないようにしつつ自車両を停車させるべきことを認識する。仮に、非対面車両に搭乗する搭乗者がこのことを認識していない場合、搭乗者が、非対面車両をバックさせたり、非対面車両を車道に出そうとしたりして、安全でスムーズな衝突の回避が阻害される可能性があるが、本実施形態ではこのようなことがなく、その点でも、安全でスムーズな衝突の回避が促進される。
なお、対面車両および非対面車両における音声の出力は、近衝突状態の2つの移動支援自動車3の離間距離が所定距離R1となったタイミングで実行される。これを踏まえ、所定距離R1は、対面車両による隣接する車道を利用した衝突の回避がスムーズに行われるような距離とされる。
次に、情報提供機能を実行するときの情報提供サーバ2の動作例について、図5、図6のフローチャートを用いて説明する。図5に示すように、情報提供サーバ2の近衝突状態検出部12は、車両管理データベース22の内容を監視し、走行中歩道<項目>の項目値が同一となった異なる2つのアクティブなレコードが出現したか否かを監視する(ステップSA1)。このような2つのレコードが出現した場合(ステップSA1:YES)、近衝突状態検出部12は、2つのレコードを近衝突状態か否かの監視対象とし(ステップSA2)、2つのレコードのそれぞれの車両移動方向<項目>の項目値である車両移動方向情報を取得する(ステップSA3)。
次いで、近衝突状態検出部12は、取得した2つの車両移動方向情報に基づいて、2つのレコードに対応する2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行しているか否かを判定する(ステップSA4)。2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行している状態ではない場合(ステップSA4:NO)、近衝突状態検出部12は、2つのレコードを近衝突状態の検出に係る監視対象から外す(ステップSA5)。ステップSA5の処理後、フローチャートの処理は終了する。
一方、2つの移動支援自動車3が互いに向かい合って走行している状態の場合(ステップSA4:YES)、近衝突状態検出部12は、2つのレコードの走行中歩道<項目>の項目値である歩道リンクIDを取得する(ステップSA6)。次いで、近衝突状態検出部12は、歩道データベース24を参照し、取得した歩道リンクIDに対応するレコードの狭歩道フラグ<項目>の狭歩道フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSA7)。狭歩道フラグがオンではない場合(ステップSA7:NO)、近衝突状態検出部12は、処理手順をステップSA5へ移行し、2つのレコードを近衝突状態か否かの監視対象から外す。
一方、狭歩道フラグがオンの場合(ステップSA7:YES)、近衝突状態検出部12は、2つのレコードに対応する異なる2つのアクティブな移動支援自動車3が「近衝突状態」となったことを検出する(ステップSA8)。次いで、近衝突状態検出部12は、2つのレコードに対応する移動支援自動車3の離間距離が予め定められた所定距離R1となったか否かの監視を開始する(ステップSA9)。当該監視を開始した後、2つの移動支援自動車3の離間距離が所定距離R1となったことを検出した場合(ステップSA9:YES)、近衝突状態検出部12は、2つの移動支援自動車3に搭載された車載装置4のそれぞれの車載装置ID、および、2つの移動支援自動車3が走行する歩道の歩道リンクIDを含む第1通知データを進行方向検出部13に出力する(ステップSA10)。
図6のフローチャートに示すように、進行方向検出部13は、近衝突状態検出部12から第1通知データを入力する(ステップSA11)。進行方向検出部13は、と、歩道データベース24を参照し、第1通知データに含まれる歩道リンクIDに対応するレコードを特定する(ステップSA12)。次いで、進行方向検出部13は、特定したレコードの隣接車道<項目>の項目値である車道リンクIDを取得する(ステップSA13)。次いで、進行方向検出部13は、車道データベース23を参照し、取得した車道リンクIDに対応する車道リンクデータを特定し、特定した車道リンクデータの車道進行方向<項目>の項目値である車道進行方向情報を取得する(ステップSA14)。次いで、進行方向検出部13は、2つの移動支援自動車3に搭載された車載装置4のそれぞれの車載装置ID、および、取得した車道進行方向情報を含む第2通知データを情報提供部14に出力する(ステップSA15)。
情報提供部14は、第2通知データを入力する(ステップSA16)。情報提供部14は、車両管理データベース22を参照し、第2通知データに含まれる2つの車載装置IDのそれぞれに対応する2つのレコードを特定する(ステップSA17)。次いで、情報提供部14は、特定した2つのレコードの車両移動方向<項目>の項目値である車両移動方向情報のそれぞれを取得する(ステップSA18)。次いで、情報提供部14は、取得した2つの車両移動方向情報と、第2通知データに含まれる車道進行方向情報とに基づいて、2つの移動支援自動車3のうち、歩道に隣接する車道の進行方向と対向する方向に向かって走行している車両を特定する(ステップSA19)。
次いで、情報提供部14は、対面車両の車載装置4と通信を行うために必要な情報を利用してその車載装置4と通信し、対面車両用データを、その車載装置4に送信する(ステップSA20)。上述したように、対面車両に搭載された車載装置4の車載装置制御部16は、情報提供部14が送信した対面車両用データを受信すると、対面車両用データに含まれる音声データに基づいてスピーカ5に音声信号を出力し、スピーカ5から音声データに基づく音声を出力させる。対面車両に搭乗する搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、車道が安全な状態となったら、自身が搭乗する移動支援自動車3が車道に出て前方の移動支援自動車3を避けるべきことを認識する。
更に、情報提供部14は、非対面車両の車載装置4と通信を行うために必要な情報を利用してその車載装置4と通信し、非対面車両用データを、その車載装置4に送信する(ステップSA21)。上述したように、非対面車両に搭載された車載装置4の車載装置制御部16は、情報提供部14が送信した非対面車両用データを受信すると、非対面車両用データに含まれる音声データに基づいてスピーカ5に音声信号を出力し、スピーカ5から音声データに基づく音声を出力させる。非対面車両に搭乗する搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、前方の移動支援自動車3が車道に出て自車両を避けてくれること、および、自車両が近づき過ぎないようにしつつ自車両を停車させるべきことを認識する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係る情報提供装置30の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る情報提供装置30は、移動支援自動車3に搭載される装置である。図7に示すように、情報提供装置30には、スピーカ31および無線通信ユニット32と接続されている。スピーカ31は、第1実施形態のスピーカ5と同様、移動支援自動車3の搭乗者に向かって音声を出力する。無線通信ユニット32は、アンテナや、送信データを変調しまたは受信データを復調する変調/復調部、変調後の送信データを電波としてアンテナを介して送信しまたはアンテナを介して受信した電波に含まれる信号を変調/復調部に出力するRF部等を有する装置である。
図7に示すように、情報提供装置30は、機能構成として、近衝突状態検出部33、進行方向検出部34および情報提供部35を備えている。また、情報提供装置30は、記憶手段として、道路関連情報記憶部36を備えている。道路関連情報記憶部36は、第1実施形態で説明した車道データベース23および歩道データベース24を記憶している。
近衝突状態検出部33は、情報提供装置30が搭載されている移動支援自動車3(以下、「自車両」という)と、自車両以外の移動支援自動車3(以下、「他車両」という)とが近衝突状態となった場合に、そのことを検出する。詳述すると、近衝突状態検出部33は、所定周期で車両位置関連情報を生成する。車両位置関連情報は、情報提供装置30を識別するための情報提供装置IDと、自車両の現在位置を示す車両現在位置情報と、自車両の移動方向を示す車両移動方向情報と、自車両が走行中の歩道の歩道リンクIDを示す走行中歩道情報とを含む。
近衝突状態検出部33は、不図示のGPSユニットからの入力に基づいて車両現在位置情報および車両移動方向情報を生成する。また、近衝突状態検出部33は、車両現在位置情報および歩道データベース24に基づいて、自車両の現在位置と歩道リンクとのマッチングを行って走行中歩道情報を生成する。近衝突状態検出部33は、車両位置関連情報を生成する度に、無線通信ユニット32を制御して、車両位置関連情報を電波により送信する。また、無線通信ユニット32は、他車両の情報提供装置30から電波によって車両位置関連情報を受信した場合、受信した車両位置関連情報を近衝突状態検出部33に出力する。
走行中の移動支援自動車3の情報提供装置30の各々が上記処理を行う結果、2つの移動支援自動車3が近づくと、双方の情報提供装置30が、相手側の位置関連情報を受信することになる。なお、本実施形態では、2つの情報提供装置30が互いに車両位置関連情報を受信し合う状態となったタイミングの2つの移動支援自動車3の距離が、所定距離R1よりも十分に長い距離となるよう、無線通信ユニット32が設計されている。
近衝突状態検出部33は、無線通信ユニット32から、近衝突状態であると判定していない他車両の位置関連情報を入力すると、その他車両と自車両とが近衝突状態であるか否かを判定する。近衝突状態か否かの判定は第1実施形態で説明した方法と同様の方法で実行される。
簡単に説明すると、自車両と他車両とが近衝突状態であるか否かは、(1)自車両と他車両とが共通する1つの歩道を走行しているか否か、(2)自車両と他車両とが互いに向かい合って走行しているか否か、(3)走行中の歩道が「狭歩道」であるか否かが判定されて行われる。(1)について、近衝突状態検出部33は、自車両に係る走行中歩道情報と他車両に係る走行中歩道情報とが一致するか否かに基づいて判定する。(2)について、近衝突状態検出部33は、自車両に係る車両移動方向情報と他車両に係る車両移動方向情報とに基づいて、例えば、第1実施形態で例示した方法により判定する。(3)について、近衝突状態検出部33は、歩道データベース24の対応する歩道リンクデータの狭歩道フラグに基づいて判定する。
近衝突状態検出部33は、自車両と他車両とが近衝突状態であると判定した場合、この他車両から所定周期で受信する車両位置関連情報を監視対象とし、この他車両から受信する車両位置関連情報の車両現在位置情報と、自車両に係る車両現在位置情報とに基づいて、自車両と他車両との離間距離が所定距離R1となったか否かの監視を開始する。当該監視を開始した後、自車両と他車両との離間距離が所定距離R1となったことを検出した場合、近衝突状態検出部33は、自車両に係る走行中歩道情報を進行方向検出部34に通知する。
進行方向検出部34は、近衝突状態検出部33から通知を受けると、車道データベース23および歩道データベース24に基づいて、第1実施形態と同様の方法で、歩道に隣接する車道の進行方向を示す車道進行方向情報を取得する。進行方向検出部34は、取得した進行方向情報を情報提供部35に通知する。
情報提供部35は、進行方向検出部34から通知を受けると、歩道に隣接する車道の進行方向と、自車両の移動方向とが対向しているか否かを判定する。対向している場合、情報提供部35は、スピーカ31に音声信号を出力し、第1実施形態の対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる。対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる処理は、特許請求の範囲の「自車両の搭乗者に対して、歩道に隣接する車道を走行して、他の移動支援自動車3を回避すべき旨の情報を提供する」処理に相当する。搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、車道が安全な状態となったら、自身が搭乗する移動支援自動車3が車道に出て前方の移動支援自動車3を避けるべきことを認識する。
一方、歩道に隣接する車道の進行方向と、自車両の移動方向とが対向していない場合、情報提供部35は、スピーカ31に音声信号を出力し、第1実施形態の非対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる。非対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる処理は、特許請求の範囲の「他の移動支援自動車3が自車両を回避するための走行をしている間、車両を停止させるべき旨の情報を提供する」処理に相当する。搭乗者は、スピーカ5から出力された音声を聴取し、前方の移動支援自動車3が車道に出て自車両を避けてくれること、および、自車両が近づき過ぎないようにしつつ自車両を停車させるべきことを認識する。
次に、第2実施形態に係る情報提供装置30の動作例について図8のフローチャートを用いて説明する。図8に示すように、近衝突状態検出部33は、無線通信ユニット32から位置関連情報を入力すると(ステップSB1)、位置関連情報の送信元の他車両と自車両とが近衝突状態であるか否かを判定する(ステップSB2)。近衝突状態ではない場合(ステップSB2:NO)、フローチャートの処理は終了する。
近衝突状態の場合(ステップSB2:YES)、近衝突状態検出部33は、自車両と他車両とが近衝突状態であると判定した場合、自車両と他車両との離間距離が所定距離R1となったか否かの監視を開始する(ステップSB3)。当該監視を開始した後、自車両と他車両との離間距離が所定距離R1となったことを検出した場合(ステップSB3:YES)、近衝突状態検出部33は、自車両の走行中歩道情報を進行方向検出部34に通知する(ステップSB4)。
進行方向検出部34は、近衝突状態検出部33から通知を受けると、車道データベース23および歩道データベース24に基づいて、第1実施形態と同様の方法で、歩道に隣接する車道の進行方向を示す車道進行方向情報を取得する(ステップSB5)。進行方向検出部34は、取得した進行方向情報を情報提供部35に出力する(ステップSB6)。
情報提供部35は、進行方向検出部34から通知を受けると、歩道に隣接する車道の進行方向と、自車両の移動方向とが対向しているか否かを判定する(ステップSB7)。対向している場合(ステップSB7:「対向している」)、情報提供部35は、スピーカ31に音声信号を出力し、第1実施形態の対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる(ステップSB8)。ステップSB8の処理後、フローチャートの処理は終了する。一方、対向していない場合(ステップSB7:「対向していない」)、情報提供部35は、スピーカ31に音声信号を出力し、第1実施形態の非対面車両用データに基づく音声と同じ内容の音声を出力させる(ステップSB9)。ステップSB9の処理後、フローチャートの処理は終了する。
以上の第2実施形態の構成であっても、サイドミラーを確認しつつ振り向くといった作業を行うことなく、通常の姿勢のままの自然な体勢で、歩道に隣接する車道上で近づいてくる車道自動車をより迅速により確実に確認できる側の搭乗者が、移動支援自動車3を車道に移動させることになり、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、第1、第2実施形態を説明したが、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、上記第1実施形態では、情報提供部14は、近衝突状態にある2つの移動支援自動車3に対して、各車両の離間距離が所定距離R1となったときに、対面車両用データおよび非対向車両用データを送信する構成であった。この点に関し、情報提供部14が、各車両の離間距離が所定距離R1となる前に、各車両の車載装置制御部16に音声データを送信し、各車両の搭乗者に対して、「所定距離R1になったら衝突を回避する方法を通知するので、それまでまっすぐ進行して下さい」との情報を提供するようにしてもよい。この場合において、音声データを送信するタイミングは、例えば、2つの移動支援自動車3の搭乗者が共に、目視により相手側の移動支援自動車3を確認できる距離として予め定められた距離とされる。この構成によれば、離間距離が所定距離R1となる前に、各車両の搭乗者が、自身の前方に近づいてくる他の移動支援自動車3が存在することに気付いて、自主的に移動支援自動車3を車道に進入させてしまい、スムーズで安全な衝突の回避が阻害されることを抑制できる。以上のことは、第2実施形態についても同様である。
また、第1実施形態では、各歩道について、予め挟歩道か否かが定義され、挟歩道フラグを利用して管理される構成であった。この点に関し、近衝突状態検出部12が、1つの歩道で対向する2つの移動支援自動車3が存在する場合に、その歩道の幅や、各移動支援自動車3の幅、その他の2つの移動支援自動車3のすれ違いに影響を与える要素に関する情報を取得し、各情報に基づいて動的にその歩道が狭歩道か否かを判定する構成でもよい。以上のことは、第2実施形態についても同様である。
また、第2実施形態について、移動支援自動車3に車両の前方を撮影するカメラを設け、近衝突状態検出部33は、カメラが出力する撮影画像データを分析し、分析結果を一部に利用して自車両と他車両とが近衝突状態となったか否かを監視する構成としてもよい。一例として、パターンマッチングを含む画像認識による撮影画像データの分析により、自車両の前方に存在する他車両の検出や、他車両の移動方向を検出できるため、この結果を一部に利用して自車両と他車両とが近衝突状態となったか否かを監視するようにしてもよい。
また、各実施形態において、搭乗者に対して音声で情報を提供するとした部分について、音声に代えて、または、音声と共に表示によって情報を提供する構成としてもよい。
また、第1実施形態において、情報提供サーバ2が記憶するとしたデータの一部または全部を、情報提供サーバ2と通信可能な外部装置が記憶する構成としてもよい。また、各機能ブロックの処理について、処理の一部または全部を情報提供サーバ2と外部装置とが協働して実行する構成でもよい。また、第2実施形態において、情報提供装置30が記憶するとしたデータの一部または全部を、情報提供装置30と通信可能な外部装置が記憶する構成としてもよい。また、各機能ブロックの処理について、処理の一部または全部を情報提供装置30と外部装置とが協働して実行する構成でもよい。この場合の外部装置の一例は、情報提供装置30がネットワークNにアクセスする機能を有する場合において、ネットワークN上に存在するクラウドサーバである。
1 情報提供システム
3 移動支援自動車
12、33 近衝突状態検出部
13、34 進行方向検出部
14、35 情報提供部
30 情報提供装置

Claims (8)

  1. 歩道を走行する移動支援自動車の搭乗者に、前記移動支援自動車の走行に関する情報を提供する情報提供システムであって、
    一の歩道において、一の移動支援自動車と他の移動支援自動車とが向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の前記移動支援自動車が前記一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない近衝突状態であることを検出する近衝突状態検出部と、
    前記近衝突状態検出部により前記近衝突状態であることが検出された場合、前記一の歩道に隣接する車道の進行方向を検出する進行方向検出部と、
    前記一の移動支援自動車と前記他の移動支援自動車とのうち、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向する方向に走行している前記移動支援自動車の搭乗者に対して、前記一の歩道に隣接する車道を走行して、対向する前記移動支援自動車を回避すべき旨の情報を提供する情報提供部と、
    を備えることを特徴とする情報提供システム。
  2. 前記情報提供部は、前記一の移動支援自動車と前記他の移動支援自動車とのうち、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向する方向に走行している一方の前記移動支援自動車の搭乗者に対して、前記一の歩道に隣接する車道を走行して、対向する前記移動支援自動車を回避すべき旨の情報を提供すると共に、他方の前記移動支援自動車の搭乗者に対して、当該一方の前記移動支援自動車が当該他方の前記移動支援自動車を回避するための走行をしている間、車両を停止させるべき旨の情報を提供することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
  3. 前記近衝突状態検出部は、前記近衝突状態であることを検出した前記一の移動支援自動車と前記他の移動支援自動車との離間距離が所定距離となったことを更に検出し、
    前記情報提供部は、前記近衝突状態検出部により前記離間距離が前記所定距離となったことが検出されたときに、前記一の移動支援自動車および前記他の移動支援自動車の各搭乗者に情報を提供する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
  4. 歩道を走行する移動支援自動車に搭載され、自車両の走行に関する情報を前記自車両の搭乗者に提供する情報提供装置であって、
    一の歩道において、前記自車両と他の移動支援自動車とが向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の前記移動支援自動車が前記一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない近衝突状態であることを検出する近衝突状態検出部と、
    前記近衝突状態検出部により前記近衝突状態であることが検出された場合、前記一の歩道に隣接する車道の進行方向を検出する進行方向検出部と、
    前記自車両が走行する方向が、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向している場合、前記自車両の搭乗者に対して、前記一の歩道に隣接する車道を走行して、前記他の移動支援自動車を回避すべき旨の情報を提供する情報提供部と、
    を備えることを特徴とする情報提供装置。
  5. 前記情報提供部は、前記自車両が走行する方向が、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向していない場合、前記自車両の搭乗者に対して、前記他の移動支援自動車が前記自車両を回避するための走行をしている間、前記自車両を停止させるべき旨の情報を提供することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
  6. 前記近衝突状態検出部は、前記近衝突状態であることを検出した前記自車両と前記他の移動支援自動車との離間距離が所定距離となったことを更に検出し、
    前記情報提供部は、前記近衝突状態検出部により前記離間距離が前記所定距離となったことが検出されたときに、前記自車両および前記他の移動支援自動車の各搭乗者に情報を提供する
    ことを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
  7. 歩道を走行する移動支援自動車の搭乗者に、前記移動支援自動車の走行に関する情報を提供する情報提供システムによる情報提供方法であって、
    前記情報提供システムの近衝突状態検出部が、一の歩道において、一の移動支援自動車と他の移動支援自動車とが向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の前記移動支援自動車が前記一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない近衝突状態であることを検出するステップと、
    前記情報提供システムの進行方向検出部が、前記近衝突状態検出部により前記近衝突状態であることが検出された場合、前記一の歩道に隣接する車道の進行方向を検出するステップと、
    前記情報提供システムの情報提供部が、前記一の移動支援自動車と前記他の移動支援自動車とのうち、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向する方向に走行している前記移動支援自動車の搭乗者に対して、前記一の歩道に隣接する車道を走行して、対向する前記移動支援自動車を回避すべき旨の情報を提供するステップと、
    を含むことを特徴とする情報提供方法。
  8. 歩道を走行する移動支援自動車に搭載され、自車両の走行に関する情報を前記自車両の搭乗者に提供する情報提供装置による情報提供方法であって、
    前記情報提供装置の近衝突状態検出部が、一の歩道において、前記自車両と他の移動支援自動車とが向かい合って走行しており、両車両の走行がそのまま継続すると衝突し、かつ、何れか一方の前記移動支援自動車が前記一の歩道に隣接する車道を走行しなければ衝突が回避できない近衝突状態であることを検出するステップと、
    前記情報提供装置の進行方向検出部が、前記近衝突状態検出部により前記近衝突状態であることが検出された場合、前記一の歩道に隣接する車道の進行方向を検出するステップと、
    前記情報提供装置の情報提供部が、前記自車両が走行する方向が、前記進行方向検出部により検出された前記進行方向と対向している場合、前記自車両の搭乗者に対して、前記一の歩道に隣接する車道を走行して、前記他の移動支援自動車を回避すべき旨の情報を提供するステップと、
    を含むことを特徴とする情報提供方法。
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