JP2020153469A - 摺動部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】導入溝部内へのコンタミの混入を抑制し、摺動面の潤滑性能及びシール機能を良好に保つことができる摺動部品を提供する。【解決手段】回転機械の相対回転する箇所に配置される環状の摺動部品10であって、摺動部品10の摺動面11には、被密封流体F側に連通する導入溝部15と、該導入溝部15に連通して摺動部品10が相対回転する周方向に延設される動圧発生溝部9Aと、から構成される動圧発生機構14が、周方向に複数並設されており、導入溝部15に突起部13Aが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、相対回転する摺動部品に関し、例えば自動車、一般産業機械、あるいはその他のシール分野の回転機械の回転軸を軸封する軸封装置に用いられる摺動部品、または自動車、一般産業機械、あるいはその他の軸受分野の機械の軸受に用いられる摺動部品に関する。
被密封液体の漏れを防止する軸封装置として例えばメカニカルシールは相対回転し摺動面同士が摺動する一対の環状の摺動部品を備えている。このようなメカニカルシールにおいて、近年においては環境対策等のために摺動により失われるエネルギーの低減が望まれており、摺動部品の摺動面に高圧の被密封液体側に連通するとともに摺動面において一端が閉塞する正圧発生溝を設けているものがある。
例えば、特許文献1に示されるメカニカルシールは、一方の摺動部品の摺動面において、径方向に延び被密封液体側に連通する導入溝部と、該導入溝部に連通して相対回転方向に延設される動圧発生溝部とから構成される動圧発生機構が、周方向に沿ってランド部を介し複数並設されている。これによれば、摺動部品の相対回転時には、被密封液体が導入溝部を経て動圧発生溝部に導入され、動圧発生溝部の相対回転方向の端部の壁部に被密封液体が集中して正圧が発生して摺動面同士が離間するとともに、摺動面に被密封液体の液膜が形成されることで潤滑性が向上し、低摩擦化を実現している。
特開平5−60247号公報(第3頁、第2図)
このように、特許文献1にあっては、被密封流体を動圧発生溝の終点から摺動部品間に供給することで、摺動部品間を低摩擦化することができる一方で、被密封流体にコンタミが含まれていると、このコンタミが導入溝部内に滞留して、更に導入溝部を経て動圧発生溝部内に進入し、動圧発生溝部の特に閉塞された終点近傍に停滞・堆積される虞がある。そのため、この摺動面間に存在するコンタミにより、摺動面が損傷し、回転機械の性能に悪影響を及ぼす虞があった。尚、本願において、「コンタミ」とはコンタミネーション(contamination)の略称であり、多細粒子状の導電性異物などの「粒子状異物」を意味する。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、導入溝部内へのコンタミの混入を抑制し、摺動面の潤滑性能及びシール機能を良好に保つことができる摺動部品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の摺動部品は、
回転機械の相対回転する箇所に配置される環状の摺動部品であって、前記摺動部品の摺動面には、被密封流体側に連通する導入溝部と、該導入溝部に連通して前記摺動部品が相対回転する周方向に延設される動圧発生溝部と、から構成される動圧発生機構が、周方向に複数並設されており、
前記導入溝部内に突起部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、導入溝部内の突起部により、被密封流体の流量を確保しながら、当該流体の乱れが生成されることで、摺動部品の相対回転時の慣性で被密封流体に伴い導入溝部内に混入しようとするコンタミが突起部に阻まれて外部に弾かれ若しくはその流動性を失うため、コンタミが導入溝部を経て動圧発生溝部に進入する虞を防止し、摺動面の潤滑性能及びシール機能を良好に保つことができる。
好適には、前記突起部は、前記導入溝部の内面から延設された複数の柱状体である。
これによれば、複数の柱状体によってコンタミを確実にトラップするとともに、これらの柱状体の隙間から被密封流体を導入溝部内に流入させることができる。
好適には、前記突起部は、前記摺動面を構成する基材と同一素材で一体に成形されている。
これによれば、突起部の成形加工を容易に行うことができる。
好適には、前記突起部は、前記摺動面を構成する基材と同一のセラミックで成形されている。
これによれば、突起部の高い構造強度を確保することができる。
好適には、前記突起部は、前記導入溝部の前記被密封流体側に連通する開口部寄りの箇所に配置されている。
これによれば、導入溝部の開口部寄りに配置された突起部によってコンタミの進入を阻止することで、コンタミを排除した被密封流体を動圧発生溝部に導入させ易い。
好適には、前記突起部は、前記摺動面のランドよりも低い位置に設けられている。
これによれば、突起部が相手側の摺動部品と接触して損傷する虞を回避できる。
好適には、前記突起部は、千鳥状に設けられている。
これによれば、コンタミをトラップする効率を高めることができる。
好適には、前記突起部は、前記導入溝部の外部に向けて傾斜する傾斜面を有している。
これによれば、突起部の傾斜面によりコンタミを導入溝部の外部に向けて誘導することができる。
好適には、周方向に沿って複数並設された前記導入溝部は、無端状に延設された環状溝を介し互いに連通している。
これによれば、導入溝部内の被密封流体の流動性を高め、動圧発生溝部に被密封流体を供給し易いため、動圧発生の効率を向上させることができる。
好適には、前記導入溝部は、前記被密封流体側且つ外径側に連通している。
これによれば、遠心力が外径方向に働くため、混入しようとするコンタミを排除しやすい。
本発明の実施例1におけるメカニカルシールを示す縦断面図である。 静止密封環の摺動面を軸方向から見た図である。 図2のA−A断面図である。 静止密封環の摺動面における要部拡大図である。 導入溝部内に混入したコンタミを排出する状況を示した斜視図である。 実施例1の変形例1を示す説明図である。 実施例1の変形例2を示す説明図である。 実施例1の変形例3を示す説明図である。 本発明の実施例2における静止密封環の摺動面を軸方向から見た図である。 本発明の実施例3における静止密封環の摺動面を軸方向から見た図である。
本発明に係る摺動部品を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る摺動部品につき、図1から図8を参照して説明する。尚、本実施例においては、摺動部品がメカニカルシールである形態を例に挙げ説明する。また、メカニカルシールを構成する摺動部品の外径側を被密封液体側(高圧側)、内径側を大気側(漏れ側、低圧側)として説明する。尚、これに限らず、被密封液体側が低圧側で、漏れ側が高圧側であってもよいし、また被密封流体は、液体に限らず気体でもよく、例えば大気であっても構わない。また、説明の便宜上、図面において、摺動面に形成される溝等にドットを付すことがある。
図1に示される一般産業機械用のメカニカルシールは、摺動面の被密封液体側から大気側に向かって漏れようとする被密封液体Fを密封するインサイド形のものであって、回転軸1にスリーブ2を介して回転軸1と一体的に回転可能な状態で設けられた円環状の摺動部品である回転密封環20と、被取付機器のハウジング4に固定されたシールカバー5に非回転状態且つ軸方向移動可能な状態で設けられた摺動部品としての円環状の静止密封環10と、から主に構成され、ベローズ7によって静止密封環10が軸方向に付勢されることにより、静止密封環10の摺動面11と回転密封環20の摺動面21とが互いに密接摺動するようになっている。尚、回転密封環20の摺動面21は平坦面を成すものでも、凹み部が設けられているものでもよい。
静止密封環10及び回転密封環20は、代表的にはSiC(硬質材料)同士またはSiC(硬質材料)とカーボン(軟質材料)の組み合わせで形成されるが、これに限らず、摺動材料はメカニカルシール用摺動材料として使用されているものであれば適用可能である。尚、SiCとしては、ボロン、アルミニウム、カーボン等を焼結助剤とした焼結体をはじめ、成分、組成の異なる2種類以上の相からなる材料、例えば、黒鉛粒子の分散したSiC、SiCとSiからなる反応焼結SiC、SiC−TiC、SiC−TiN等があり、カーボンとしては、炭素質と黒鉛質の混合したカーボンをはじめ、樹脂成形カーボン、焼結カーボン等が利用できる。また、上記摺動材料以外では、金属材料、樹脂材料、表面改質材料(コーティング材料)、複合材料等も適用可能である。
図2に示されるように、静止密封環10に対して回転密封環20が矢印で示すように相対摺動するようになっており、静止密封環10の摺動面11には複数の動圧発生機構14が静止密封環10の周方向に均等に配設されている。摺動面11の動圧発生機構14以外の部分、より詳しくは動圧発生機構14よりも大気側の部分、及び周方向に隣接する動圧発生機構14の間の部分等は、平端面を成すランド12となっている。
次に、動圧発生機構14の概略について図2〜図4に基づいて説明する。尚、以下、静止密封環10及び回転密封環20が相対的に回転したときに、図4の紙面左側を後述するレイリーステップ9A内を流れる被密封液体Fの下流側とし、図4の紙面右側をレイリーステップ9A内を流れる被密封液体Fの上流側として説明する。
動圧発生機構14は、被密封液体F側に連通する開口部15aを備え大気側に延びる導入溝部15と、導入溝部15の大気側端部から下流側に向けて静止密封環10と同心状に周方向に延びる動圧発生溝部としてのレイリーステップ9Aと、を備えている。また、導入溝部15は内径側の端部が閉塞しており、その内径側端面がレイリーステップ9Aの内径側端面と連続している。すなわち、動圧発生機構14は、導入溝部15、レイリーステップ9Aにより、摺動面11を直交する方向から見て略L字形状を成している。尚、周方向に沿って複数並設された導入溝部15を、無端状に延設された図示しない環状溝を介し互いに連通させることで、導入溝部15内の被密封液体Fの流動性を高め、レイリーステップ9Aに被密封液体Fを供給し易くし、動圧発生の効率を向上させてもよい。
また、導入溝部15は、開口部15a寄りでレイリーステップ9Aよりも被密封液体側に位置する入口部15bと、該入口部15bに径方向に連通しレイリーステップ9A側に位置する奥部15cと、により構成されている。入口部15bには、導入溝部15内にコンタミC(図5参照)の混入を防ぐトラップ部である突起部13Aが配置されていることから、突起部13Aが導入溝部15を経てレイリーステップ9Aへ進入する被密封液体Fの流れを阻害しない。突起部13Aは、導入溝部15の底面から立設された複数の柱状体から成る突起片13a,13a,…が千鳥状に配置された集合群であり、摺動面11を構成する基材と一体に成形されている。ここで千鳥状に配置とは、開口部15a寄りの前列に、周方向に沿って複数の突起片13aが配置され、その後列に、前列の突起片13aとは周方向に異なる位置に複数の突起片13aが配置されることを意味する。尚、突起片13aは図5において角柱状を成しているが、これに限らず、例えば円柱状であってもよいし、或いは先端が先細り状を成す角錐台状や円錐台状であってもよい。
また、レイリーステップ9Aは、下流側の端部に回転方向に対して直交する壁部9aが形成されている。尚、壁部9aは、回転方向に直交することに限られるものではなく、例えば回転方向に対して傾斜していてもよいし、階段状に形成されていてもよい。
また、導入溝部15の深さ寸法L10は、レイリーステップ9Aの深さ寸法L20よりも深くなっている(L10>L20)。具体的には、本実施例1における導入溝部15の深さ寸法L10は、100μmに形成されており、レイリーステップ9Aの深さ寸法L20は、5μmに形成されている。すなわち、導入溝部15とレイリーステップ9Aとの間には、導入溝部15における下流側の側面とレイリーステップ9Aの底面とにより深さ方向の段差18bが形成されている。尚、導入溝部15の深さ寸法がレイリーステップ9Aの深さ寸法よりも深く形成されていれば、導入溝部15及びレイリーステップ9Aの深さ寸法は自由に変更でき、好ましくは寸法L10は寸法L20の5倍以上である。更に、突起部13Aは、摺動面11よりも低い位置に設けられていてもよく、これによれば、突起部13Aが回転密封環20と接触して損傷する虞を回避できる。
尚、レイリーステップ9Aの底面は平坦面をなしランド12に平行に形成されているが、平坦面に微細凹部を設けることやランド12に対して傾斜するように形成することを妨げない。更に、レイリーステップ9Aの周方向に延びる2つの円弧状の面はそれぞれレイリーステップ9Aの底面に直交している。また、導入溝部15の底面は突起部13Aを除き一様深さの平坦面をなしランド12に平行に形成されているが、平坦面に微細凹部を設けることやランド12に対して傾斜するように形成することを妨げない。例えば、導入溝部15の底面は、被密封液体側である開口部15aから大気側であるレイリーステップ9Aに向けて浅くなるようにテーパ状若しくは段差状に構成されてもよい。更に、導入溝部15の開口部15aに延びる2つの平面はそれぞれ導入溝部15の底面に直交している。
次いで、静止密封環10と回転密封環20との相対回転時の動作について説明する。まず、回転密封環20が回転していない一般産業機械の非稼動時には、摺動面11,21間には摺動面11,21よりも被密封液体側の被密封液体Fが毛細管現象によって僅かに進入しているとともに、動圧発生機構14には導入溝部15の開口部15aで被密封液体側から流入した被密封液体Fによって満たされている。尚、被密封液体Fは気体と比べ粘度が高いため、一般産業機械の停止時に動圧発生機構14から大気側に漏れ出す量は少ない。
一般産業機械の停止時に動圧発生機構14に被密封液体Fが満たされている場合には、回転密封環20が静止密封環10に対して相対回転(図2の黒矢印参照)すると、図4に示されるように、被密封液体側の被密封液体Fが矢印H1に示すように導入溝部15から導入されるとともに、レイリーステップ9Aによって被密封液体Fが回転密封環20の回転方向に矢印H2に示すように追随移動するため、レイリーステップ9A内に動圧が発生するようになる。尚、レイリーステップ9Aの上流側に向かうにつれて漸次圧力が低くなっている。
レイリーステップ9Aの下流側端部である壁部9a近傍が最も圧力が高くなり、摺動面11,21同士が離間するとともに、摺動面11に被密封液体Fの液膜が形成され、被密封液体Fは矢印H3に示すように壁部9a近傍からその周辺に流出する。これによれば、複数のレイリーステップ9A,9A,…の壁部9a,9a,…近傍で被密封液体Fの液膜が形成されるため、摺動面11,21間においていわゆる流体潤滑を成し、潤滑性が向上し、低摩擦化を実現している。このとき、上述したように特にレイリーステップ9Aの下流側で高圧となっているため、矢印H4に示すようにレイリーステップ9A近傍の被密封液体Fは、レイリーステップ9A内に略侵入しない。
次いで、導入溝部15に混入しようとするコンタミCが抑止される動作を説明する。図5に示されるように、動圧発生機構14に被密封液体Fが満たされている状態で回転密封環20が静止密封環10に対して相対回転すると、この相対回転による慣性によって被密封液体側の被密封液体Fに伴いコンタミCも導入溝部15内に進入しようとする。このとき、導入溝部15の開口部15a寄りに配置された突起部13AによってコンタミCが弾かれ導入溝部15の外部に排出することができる。また、開口部15a寄りの突起部13Aによって弾かれなかったごく一部のコンタミCについては、千鳥状に配置に立設した複数の突起片13a,13a,…にトラップされることで、該コンタミCを突起部13Aに留まらせ、導入溝部15の奥部15cへの混入を抑制することができる。
以上のように、導入溝部15に、該導入溝部15内へのコンタミCの進入を抑制する突起部13Aが設けられている。このことから、導入溝部15に設けられた突起部13Aにより、被密封液体Fの流量を確保しながら、当該流体Fの乱れが生成されることで、静止密封環10及び回転密封環20の相対回転時の慣性で被密封液体Fに伴い導入溝部15内に混入しようとするコンタミCが突起部13Aに阻まれて外部に弾かれ若しくはその流動性を失うため、コンタミCが導入溝部15を経てレイリーステップ9Aに進入する虞を防止し、摺動面11,21の潤滑性能及びシール機能を良好に保つことができる。
また、突起部13Aは、導入溝部15の内面から延設された複数の柱状体であることから、複数の柱状体によってコンタミCを確実にトラップするとともに、これらの柱状体の隙間から被密封液体Fを導入溝部15内に流入させることができる。尚、突起部13Aは、必ずしも導入溝部15の底面から延設されるものに限られず、例えば導入溝部15の内側面から延設されてもよい。
また、突起部13Aは、摺動面11を構成する基材と同一素材で一体に成形されているため、突起部13Aの成形加工を容易に行うことができる。
また、突起部13Aは、摺動面11を構成する基材と同一のセラミックで成形されているため、突起部13Aの高い構造強度を確保することができる。
また、突起部13Aは、導入溝部15の被密封液体側に連通する開口部15a寄りの箇所に配置されていることから、導入溝部15の開口部15a寄りに配置された突起部13AによってコンタミCの進入を阻止することで、コンタミCを排除した被密封液体Fをレイリーステップ9Aに導入させ易い。
また、突起部13Aは、摺動面11のランド12よりも低い位置に設けられているため、突起部13Aが相手側の回転密封環20と接触して損傷する虞を回避できる。
また、突起部13Aは、千鳥状に設けられているため、コンタミCをトラップする効率を高めることができる。
次いで、変形例を説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。図6に示されるように、変形例1の周方向に沿って複数並設された導入溝部15,15,…は、無端状に延設された環状溝19を介し互いに連通している。これによれば、導入溝部15内に混入したコンタミCの流動性を高め、レイリーステップ9Aに被密封液体Fを供給し易いため、動圧発生の効率を向上させることができる。尚、環状溝19の深さ寸法は導入溝部15の深さ寸法と略同一である。更に、環状溝19は無端状に限らず、少なくとも並設する2つの導入溝部15,15を連通するように配設されていてもよい。
また、図7に示される変形例2は、突起部13Bを構成する複数の突起片13b,13b,…が、入口部15bと奥部15cの被密封液体側とに架けて、径方向及び周方向に整然と並列配置されている。これによれば、複数の突起片13b,13b,…の隙間に径方向に被密封液体Fの通り道が複数形成されるので、被密封液体Fの流入量を確保しながら、周方向に移動しながら大気側に向かうコンタミC(図5参照)の進入を阻止し、導入溝部15内に混入したコンタミCを開口部15aへ排出し易くできる。また、突起部13Bは、入口部15bと奥部15cの被密封液体側とに配置されていることから、突起部13BによるコンタミC(図5参照)のトラップ効果を向上できる。
また、図8に示される変形例3は、突起部13Cを構成する複数の突起片13c,13c,…が、入口部15bと奥部15cの被密封液体側とに架けて、不規則に配置され、それぞれの突起片13cが互いに径の異なる円柱状に形成されている。これによれば、複数の突起片13c,13c,…により導入溝部15内が複雑な流路を成してトラップ効果が高まるため、被密封液体側からのコンタミC(図5参照)を突起部13Cによってより確実にトラップできる。また、突起部13Cは、入口部15bと奥部15cの被密封液体側とに配置されていることから、突起部13CによるコンタミC(図5参照)のトラップ効果を向上できる。
また、本実施例では、摺動面の外径側に高圧の被密封液体Fが存在するインサイド形であり、導入溝部15は、被密封液体側且つ外径側に連通していることで、遠心力が外径方向に働くため、混入しようとするコンタミCを除去しやすい。
次に、実施例2に係る摺動部品につき、図9を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。
図9に示されるように、突起部131Aは径の異なる円柱を成す複数の突起片131a,131a,…を備えており、導入溝部15において開口部15a側からレイリーステップ9A側に向けて、漸次的に突起片131aの径が小さくなり、且つ漸次的に複数の突起片131aが密に配置されている。すなわち、開口部15a側からレイリーステップ9A側に向けて、導入溝部15の容積を占める突起片131a,131a,…の占有率が高くなっている。このことから、回転密封環20が静止密封環101に対して相対回転する際、コンタミC(図5参照)が導入溝部15のレイリーステップ9A側まで進入することを確実に抑制できる。
また、導入溝部15に設けられた突起部131Aにより、導入溝部15に進入した被密封液体Fに乱れが生成され、更に径の小さい複数の突起片131aにより被密封液体Fの流れが細かくなるため、被密封液体Fの流動性が弱まり、被密封液体Fに伴い混入しようとするコンタミCの流動性も低減する。
また、突起部131Aは、導入溝部15の入口部15bと、奥部15cの被密封液体側と、に備えられていることから、突起部131AによるコンタミC(図5参照)のトラップ効果を向上できる。
尚、突起片131aは円柱を成すと説明したが、これに限らず、例えば角柱であってもよいし、或いは先端が先細り状を成す角錐台状や円錐台状であってもよい。
次に、実施例3に係る摺動部品につき、図10を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。
図10に示されるように、三角柱を成す複数の突起片132a,132a,…を有する突起部132Aが、導入溝部15の入口部15bから奥部15cに亘って備えられている。突起片132aは、平面視において大気側を向く底辺よりも長辺の二等辺を備える二等辺三角形を成しており、すなわち二等辺が成す頂点が被密封液体側を向き、更に二等辺のうち上流側の辺に相当する箇所は突起片132aの誘導面132bを成している。より詳しくは誘導面132bは、内径側から被密封液体側に向かって、回転方向の上流側から下流側に向けて延設されるように傾斜面を成している。
次いで、導入溝部15に混入したコンタミCが排出される動作を説明する。動圧発生機構14に被密封液体Fが満たされている状態で回転密封環20が静止密封環102に対して相対回転すると、動圧発生機構14内の被密封液体Fは周方向の下流側に移動する。このとき、回転密封環20に対向する表面側の被密封液体Fはレイリーステップ9Aへと進入する流れの発生とともに、一部のコンタミCがレイリーステップ9Aに混入する場合があるが、壁部9aよりランド12を乗り越えて、該レイリーステップ9Aよりも下流側に並設された導入溝部15に流出される。更に該導入溝部15に形成された突起部132Aの誘導面132bは、上述の通り傾斜面を成していることから、流出されたコンタミCが誘導面132bにより被密封液体側に弾き出されやすい。これによれば、突起部132Aの誘導面132bによりコンタミCを導入溝部15の外部に向けて誘導することができる。
尚、突起片132aは平面視において二等辺三角形を成していると説明したが、これに限らず、コンタミCを被密封液体側に向けて誘導できる誘導面132bを備えるような形状であればよく、例えば突起片は、内径側から被密封液体側に向かって、回転方向の上流側から下流側に向けて延設される傾斜面を有する板状片であってもよい。また、突起部は、上記した誘導面を有する突起片と、誘導面を有さない別の突起片とが混在して構成されてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、摺動部品として、一般産業機械用のメカニカルシールを例に説明したが、自動車やウォータポンプ用等の他のメカニカルシールであってもよい。また、メカニカルシールに限られず、すべり軸受などメカニカルシール以外の摺動部品であってもよい。
また、前記実施例では、動圧発生機構を静止密封環にのみ設ける例について説明したが、動圧発生機構を回転密封環20にのみ設けてもよく、静止密封環と回転密封環の両方に設けてもよい。
また、前記実施例では、摺動部品に同一形状の動圧発生機構が複数設けられる形態を例示したが、形状の異なる動圧発生機構が複数設けられていてもよい。また、動圧発生機構の間隔や数量などは適宜変更できる。
1 回転軸
2 スリーブ
4 ハウジング
5 シールカバー
7 ベローズ
9A レイリーステップ(動圧発生溝部)
10 静止密封環(摺動部品)
11 摺動面
12 ランド
13A,13B,13C 突起部
13a,13b,13c 突起片
14 動圧発生機構
15 導入溝部
15a 開口部
20 回転密封環
21 摺動面
131A 突起部
131a 突起片
132A 突起部
132a 突起片
132b 誘導面(傾斜面)

Claims (10)

  1. 回転機械の相対回転する箇所に配置される環状の摺動部品であって、前記摺動部品の摺動面には、被密封流体側に連通する導入溝部と、該導入溝部に連通して前記摺動部品が相対回転する周方向に延設される動圧発生溝部と、から構成される動圧発生機構が、周方向に複数並設されており、
    前記導入溝部に突起部が設けられていることを特徴とする摺動部品。
  2. 前記突起部は、前記導入溝部の内面から延設された複数の柱状体である請求項1に記載の摺動部品。
  3. 前記突起部は、前記摺動面を構成する基材と同一素材で一体に成形されている請求項1または2に記載の摺動部品。
  4. 前記突起部は、前記摺動面を構成する基材と同一のセラミックで成形されている請求項3に記載の摺動部品。
  5. 前記突起部は、前記導入溝部の前記被密封流体側に連通する開口部寄りの箇所に配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の摺動部品。
  6. 前記突起部は、前記摺動面のランドよりも低い位置に設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の摺動部品。
  7. 前記突起部は、千鳥状に設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の摺動部品。
  8. 前記突起部は、前記導入溝部の外部に向けて傾斜する傾斜面を有している請求項1ないし7のいずれかに記載の摺動部品。
  9. 周方向に沿って複数並設された前記導入溝部は、無端状に延設された環状溝を介し互いに連通している請求項1ないし8のいずれかに記載の摺動部品。
  10. 前記導入溝部は、前記被密封流体側且つ外径側に連通している請求項1ないし9のいずれかに記載の摺動部品。
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