(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(ElectroLuminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(ReadOnlyMemory)101と、RAM(RandomAccessMemory)102と、CPU(CentralProcessingUnit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(VideoDisplayProcessor)、CGROM(CharacterGeneratorROM)、VRAM(VideoRAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部152Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部152Fについて説明する。特徴部152Fについては、次のように大当りの当選確率のような遊技者にとって有利度が異なる設定値を設定手段により設定可能なパチンコ遊技機を対象とした技術を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)は、大当りの当選確率の設定値として、遊技者にとって有利度が異なる複数の設定値のうちのいずれかの設定値を設定可能な設定手段としての機能も有する。
まず、設定値について説明する。本例で説明するパチンコ遊技機1は、遊技場側の者(遊技場の店員等)による所定のスイッチ等の操作手段等を用いた設定変更操作により設定値に応じた大当りの当選確率が変わる構成とされている。
例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)において、設定変更操作に応じてパチンコ遊技機1に設定する大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。これにより、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブルを用いることにより、大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。設定値は例えば1〜6の6段階(複数段階)からなり、大当りの当選確率が設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順に高くなる。すなわち、設定値として設定値1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順番で有利度が段階的に高くなる。なお、設定値は、複数段階設けられていればよく、6段階に限定されるものではない。このように大当りの当選確率を変更可能とすることに応じて出球率(単位時間あたりの出球数(賞球数))が変化するため、設定値を変更することは出玉率を変更することであるとも言える。
例えば、本実施の形態のパチンコ遊技機は、電源投入時の設定変更操作による設定値の選択に応じて大当りの当選確率が変わる。6段階の設定値のうち、例えば設定値4〜6は、大当りの当選確率が高い高設定と呼ばれ、例えば設定値1〜3は、大当りの当選確率が低い低設定と呼ばれる場合がある。
また、大当りの種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターン種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターンの選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。
特徴部152Fについては、複数の設定値のうちのいずれかの設定値を設定可能なパチンコ遊技機において、大当り遊技状態に制御されているときに、保留記憶バッファとしてのRAM122に当り(大当りまたは小当り)に制御されると判定された保留情報が記憶されている保留連が実行される場合がある。具体的に、保留連とは、大当りが発生したときに存在している保留情報において、将来的に当りとなる保留情報があり、大当り遊技状態の終了後に、大当り発生時に存在していた保留情報の範囲内で次の当りが連続的に発生する保留情報範囲内での連続的な当り(保留内連荘)をいう。なお、小当りの場合は、V入賞の発生に基づいて小当り経由大当りとなるので、小当りの保留情報は、将来的に大当りとなる当りの保留記憶情報である言える。このような、保留連が実行される場合には、保留連であることを報知する報知演出が実行される場合がある。
図8−1は、特徴部152Fにおけるパチンコ遊技機1の正面図である。特徴部152Fにおけるパチンコ遊技機1においては、図1に示すパチンコ遊技機1の正面図と同様の構成については符号および説明を省略し、異なる部分について説明する。
打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域内における画像表示装置5の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル30の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口が形成された入賞球装置6Aが設けられている。入賞球装置6Aは、画像表示装置5の下方に配置されている。入賞球装置6Aには、第1始動入賞口へ進入した遊技球を検出するための第1始動口スイッチ22Aが設けられている。
遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置6Bは、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、通過ゲート41の内部にはゲートスイッチ21が、第2始動入賞口の内部には第2始動口スイッチ22Bが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。
左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
通過ゲート41は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口、および通過ゲート41に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ87aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ87aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15aにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ87aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15aにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ87aおよびV判定入賞スイッチ15aにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤2内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチ15bが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
右遊技領域では、可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置6BおよびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置6B、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、特別可変入賞球装置7は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
特別可変入賞球装置7は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイドによって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。特別可変入賞球装置7の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。特別可変入賞球装置7へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
大当りは、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示装置4Aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、特別可変入賞球装置7が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行われる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置7が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置7の開放が再度行われる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口または第2始動入賞口を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上方には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2保留表示器25Bが設けられている。第2保留表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2保留表示器25Bのさらに上方には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1保留表示器25Aが設けられている。第1保留表示器25Aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。大当り遊技状態が終了した後は、画像表示装置5の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行うことを促す右打ち促進報知が行われる。具体的には、画像表示装置5の画面上で「右を狙え」等の表示が行われる。
大当り遊技状態中は、開口した特別可変入賞球装置7を右打ちにより狙う遊技を行う。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行われる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行う。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が画像表示装置5の画面上で行われる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行われる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。なお、時短状態とならなかった場合には、画像表示装置5の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行われるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。また、第2始動入賞口に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行う。小当り遊技状態の開始時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行われる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行われる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、画像表示装置5の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時は、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置7が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま特別可変入賞球装置7を狙い遊技を行う。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行ったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、画像表示装置5の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行われる。また、小当り遊技状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行われる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置6Bを狙い遊技を行う。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口に遊技球が入賞するように遊技を行う。時短状態の終了時には、画像表示装置5の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行うことを促す左打ち促進報知とが行われる。
図8−2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、特別可変入賞球装置7が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行われる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、特別可変入賞球装置7が開放することも含まれる。
図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球を通過ゲート41に進入させて可変入賞球装置6Bを開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置6Bに入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置6Bへ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行われなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される特別可変入賞球装置7が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図8−3は、各乱数を示す説明図である。図8−3においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
図8−4は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM101に記憶されている。
図8−4(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図8−4(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
第1特別図柄の大当り確率は、設定値に応じて異なっている。設定1では1/199、設定2では1/190、設定3では1/180、設定4では1/170、設定5では1/160、設定6では1/150となっている。よって、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で大当り確率が高い。
図8−4(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダムRと比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図8−4(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図8−4(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図8−4(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図8−4(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
第2特別図柄の大当り確率は、設定値に応じて異なっている。設定1では1/199、設定2では1/190、設定3では1/180、設定4では1/170、設定5では1/160、設定6では1/150となっている。よって、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で大当り確率が高い。それに対し、第2特別図柄の小当り確率は、設定値によらず1/7.35に設定されている。なお、第1特別図柄に小当りを設けてもよい。このような場合には、第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が小当りの当選確率が低くすることが望ましい。例えば、第1特別図柄による小当り確率を1/100とすればよい。
CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路124のカウント値(ランダムR)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8−4(C),(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8−4(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図8−4(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図8−4(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図8−4(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図8−4(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU103は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8−4(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図8−5および図8−6は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8−5および図8−6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、図8−5および図8−6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用CPU120へ送信する。
図8−5および図8−6のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、RAM102に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM102に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口への入賞に基づいて、CPU103は、乱数回路124およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口への入賞に基づいて、CPU103は、乱数回路124およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
図8−7は、S101の一部の処理として実行される始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU103は、乱数回路124やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU103は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S110)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行う。そして、変動パターン設定処理(S111)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行う。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用CPU120では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1217)。また、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用CPU120に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU103は、乱数回路124やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU103は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1227)。また、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図8−8は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(S80)を行った後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU103は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示が行われる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示が行われる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示装置4Bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示装置4Aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファに格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファに格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図8−4(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図8−4(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図8−4(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図8−4(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図8−4(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することより、小当り判定の処理を行う(S77)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8−4(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S77のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図8−4(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S111)に対応した値に更新する(S79)。
図8−9は、小当り開放前処理(S118)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU103は、小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU103は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120へ送信する(S412)。次に、CPU103は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S119)に対応した値に更新する(S414)。
図8−10は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S119)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図8−9のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行う(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用CPU120は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15aにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15aがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図8−9のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行い(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用CPU120は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU103は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S120)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図8−11は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S120)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU103は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用CPU120は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用CPU120は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド22の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行われる(S447A)。次に、CPU103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図8−10のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU103は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグを一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU103は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM101に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM102に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S114)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S110)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図8−12は、報知演出の演出例を示す表示画面図である。図8−12(a)に示すように、大当り遊技中のエンディング期間において保留記憶バッファ内の当り(大当りまたは小当り)に関する保留情報が記憶されていることを報知する報知演出が実行されることを示唆する示唆演出として画像表示装置5の画面上に示唆画像152F001が表示される。示唆演出として表示される示唆画像152F001は、その後に「V」の表示による保留連の報知演出が実行されることを示唆するV形状のエフェクト画像である。
示唆演出の後に実行される報知演出には、第1態様による報知演出と第2態様による報知演出とが設けられている。第1態様による報知演出は、白色の小さい「V」が表示される演出である。また、第2態様による報知演出は、赤色の大きい「V」が表示される演出である。また、保留記憶バッファ内にある当りの個数を「V」の後ろの数字で示すようになっている。例えば、「V×1」は保留記憶バッファ内に当りが1つ以上あることを示し、「V×2」は保留記憶バッファ内に当りが2つ以上あることを示し、「V×3」は保留記憶バッファ内に当りが3つ以上あることを示し、「V×4」は保留記憶バッファ内に当りが4つあることを示している。「V」の後ろの数字は、表示されている数よりも多い当りが保留記憶バッファ内にあることを示す場合もある。例えば、「V×1」では、当りが1つではなく2〜3である場合にも表示される可能性がある。
図8−12(a)の状態から、報知演出が実行されなかった場合には、図8−12(b)に示すように、エンディングの映像が流れる。それに対し、図8−12(a)の状態から第1態様による報知演出が実行される場合を図8−12(c)に示す。図8−12(c)に示すように、第1態様による報知演出として、白色の小さい「V」による第1態様画像152F002が表示される。図8−12(c)では、「V×1」となっているため、保留記憶バッファ内に1つ以上の当りがあることが示される。
図8−12(a)の状態から第2態様による報知演出が実行される場合を図8−12(d)に示す。図8−12(d)に示すように、第2態様による報知演出として、赤色の大きい「V」による第2態様画像152F003が表示される。図8−12(d)では、「V×3」となっているため、保留記憶バッファ内に3つ以上の当りがあることが示される。
図8−13は、報知演出実行有無決定テーブル、報知演出内容決定テーブル、V態様決定テーブル、当り有時示唆演出実行決定テーブル、および、当り無時示唆演出実行決定テーブルを示す説明図である。図8−13(A)は、報知演出を実行するか否かを決定するための報知演出実行有無決定テーブルである。図8−13(A)に示すように、設定値に応じて異なる割合で報知演出の実行有無が決定される。具体的には、設定1では報知演出実行有が35%,報知演出実行無が65%に決定され、設定2では報知演出実行有が40%,報知演出実行無が60%に決定され、設定3では報知演出実行有が45%,報知演出実行無が55%に決定され、設定4では報知演出実行有が50%,報知演出実行無が50%に決定され、設定5では報知演出実行有が55%,報知演出実行無が45%に決定され、設定6では報知演出実行有が60%,報知演出実行無が40%に決定される。つまり、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に実行有に決定される割合が高くなっている。
図8−13(B)は、報知演出内容決定テーブルを示す図である。保留記憶バッファ内にある当り数により、実行される報知演出内容のパターンが異なっている。そして、設定値に応じて報知演出内容のパターンの決定割合が異なる。まず、保留記憶バッファ内の当り数が1のときは、設定1〜設定6で共通の報知演出内容として「V×1」に決定される。当り数が1のときには、設定値によらず共通の演出が実行されることとなる。また、保留記憶バッファ内の当り数が2のときは、「V×2」または「V×1」による報知演出が実行される。設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に「V×2」の報知演出内容に決定されやすくなっている。
また、保留記憶バッファ内の当り数が3のときは、「V×3」,「V×2」および「V×1」の中からいずれかの報知演出が実行される。設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に「V×2」や「V×3」の報知演出内容に決定されやすくなっている。また、各設定値において「V×2」よりも「V×3」の方が決定されやすくなっている。また、保留記憶バッファ内の当り数が4のときは、「V×4」,「V×3」,「V×2」および「V×1」の中からいずれかの報知演出が実行される。設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に「V×3」や「V×4」の報知演出内容に決定されやすくなっている。また、設定値が低い場合には「V×1」や「V×2」に決定される割合が高く、設定値が高い場合には「V×3」や「V×4」に決定される割合が高くなっている。
図8−13(C)は、V態様決定テーブルを示す図である。V態様には、白色の小さいVの表示で示される第1態様と赤色の大きいVの表示で示される第2態様とが設けられている。いずれの設定値においても第2態様よりも第1態様に決定されやすくなっている。また、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に第2態様に決定される割合が高くなっている。
図8−13(D)は、当り有時示唆演出実行決定テーブルである。保留記憶バッファ内に当りが有る場合には、設定値に関わらず示唆演出が必ず実行されるように決定される。図8−13(E)は、当り無時示唆演出実行決定テーブルである。保留記憶バッファ内に当りが無い場合には、設定値に関わらず、示唆演出の実行有が30%、示唆演出の実行無が70%の割合で決定される。
図8−14は、報知演出処理を示すフローチャートである。報知演出処理は、先読予告設定処理(図7のS161)において実行される処理に含まれる。演出制御用CPU120は、まず、現在の遊技状態が大当り開始時であるか否かを判定する(152FS001)。報知演出の実行有無や報知演出の内容は、大当り開始時のタイミングで決定される。大当り開始時で無ければ(152FS001;N)、処理を終了する。大当り開始時であれば(152FS001;Y)、RAM122に設けられた保留記憶バッファ内を確認する(152FS002)。これにより、各種フラグやコマンドに関する情報が保留記憶バッファ内にあるかを確認することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、報知演出の実行がある場合に設定される報知演出済フラグが設定されているか否かを判定する(152FS003)。報知演出済フラグが設定されていれば(152FS003;Y)、処理を終了する。報知演出済フラグが設定されていなければ(152FS003;N)、大当りまたは小当りの保留記憶があるか否か判定する(152FS004)。大当りまたは小当りの保留記憶がある場合(152FS004;Y)には、図8−13(A)に示す報知演出実行有無決定テーブルにより、設定値に応じた報知演出の実行の有無を決定する(152FS005)。
152FS005の後、演出制御用CPU120は、報知演出の実行有に決定されたか否かを判定する(152FS006)。報知演出の実行無に決定されていた場合(152FS006;N)には、152FS010の処理へ移行する。報知演出の実行有に決定されていた場合(152FS006;Y)には、報知演出済フラグをセットする(152FS007)。次いで、図8−13(B)に示す報知演出内容決定テーブルにより、当り数と設定値とに応じた報知演出の内容を決定する(152FS008)。次いで、図8−13(C)に示すV態様決定テーブルにより、V態様を決定する(152FS009)。次いで、図8−13(D)に示す当り有時示唆演出実行決定テーブルにより、示唆演出の実行有無を決定する(152FS010)。なお、152FS010においては、示唆演出が必ず実行されるように決定される。その後、152FS011の処理へ移行する。
152FS004において、大当りまたは小当りの保留記憶がないと判定された場合(152FS004;N)には、図8−13(E)に示す当り無時示唆演出実行決定テーブルにより、示唆演出の実行有無を決定する(152FS012)。その後、152FS011の処理へ移行する。1523FS011の処理においては、決定された各種演出を大当りのエンディング中に実行するように設定する(152FS011)。そして、処理を終了する。
〔特徴部152F,153Fにより得られる主な構成や効果〕
[1] 設定機能のある遊技機で保留連報知を行うと、設定値で大当り確率が異なるため保留連報知の実行割合が設定値に依存してしまい好適に報知演出を行うことができない虞がある。特徴部152Fでは、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態のエンディング期間において当り(大当りまたは小当り)に制御される保留連であることを報知する報知演出を実行する。そして特徴部152Fでは、図8−13(A)に示すように、大当りまたは小当りの保留記憶がある場合に、設定値1〜6に応じて異なる割合で報知演出の実行の有無が決定される。これにより、設定値に応じて報知演出の実行割合を変えることで、状況に応じた報知演出が実行可能となる。このように、設定機能のある遊技機において好適に報知演出を行うことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
[2] 図8−13(A)に示すように、設定1よりも設定6の方が高い割合で報知演出実行有に決定される。具体的には、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に報知演出実行有に決定されやすい。これにより、報知演出が実行されることで高設定であることに期待を持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
[3] 図8−13(B)に示すように、設定1よりも設定6の方が当りが複数記憶されていることを示す報知演出の実行割合が高い。具体的には、保留記憶バッファ内に当りが複数記憶されている場合には、当り数と同じ数に関する報知演出が設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に実行されやすくなっている。これにより、大当り遊技状態(小当り経由の大当りを含む)に制御されると判定された当り(大当りまたは小当り)の保留情報が複数記憶されていることを示す報知演出が実行されることで高設定であることに期待を持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
[4] 演出制御用CPU120は、図8−12(a)に示す、示唆画像152F001による示唆演出を実行可能である。そして、図8−13(D),(E)に示すように、示唆演出は設定1〜6で共通の実行割合である。これにより、いずれの設定値であっても共通の割合で示唆演出が実行されるため、遊技者の報知演出への期待感を煽ることができ、遊技の興趣が向上する。
[5] 設定機能のある遊技機で保留連報知を行うと、設定値で大当り確率が異なるため保留連報知の実行割合が設定値に依存してしまい好適に報知演出を行うことができない虞がある。特徴部153Fでは、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態のエンディング期間において当り(大当りまたは小当り)に制御される保留連であることを報知する報知演出を実行する。そして特徴部153Fでは、図8−13(C)に示すように、大当りまたは小当りの保留記憶がある場合に、設定値1〜6に応じて異なる割合でいずれかのV態様による報知演出が実行されるように決定される。これにより、設定値に応じて報知演出の態様を変えることで、報知演出の態様による設定値の推測が可能となる。このように、設定機能のある遊技機において好適に報知演出を行うことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
[6] 図8−13(C)に示すように、設定1よりも設定6の方が高い割合で赤色大のV態様による報知演出を実行することに決定される。具体的には、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順に赤色大の第2態様のV態様に決定されやすい。これにより、第2態様による報知演出が実行されることで高設定であることに期待を持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
〔特徴部1522F、153Fのその他の変形例〕
[1] 特定回数大当り遊技状態に制御された後であって、該特定回数の大当り遊技状態に制御されているときに報知演出を実行しなかった場合には、高設定(例えば、設定6)において報知演出が実行有に決定される割合よりも高い割合で報知演出を実行してもよい。具体的には、10回大当りに制御されたときに当りの保留情報が記憶されていた場合があったにも関わらず報知演出が実行されなかったときには、設定6で報知演出実行有に決定される60%よりも高い割合で報知演出を実行してもよい。あまりにも長い間報知演出が実行されないと遊技の興趣が低下してしまう虞があるが、このようにすれば報知演出が特定回数として例えば10回実行されないことによる遊技の低下を防止でき、報知演出による興趣を向上させることができる。なお、特定回数は10回に限らずいずれの回数であってもよいし、保留記憶バッファ内に当りがあるが報知演出が実行されなかった場合の大当りの回数のみを計数し、当りが無い場合の大当りの回数は計数しないようにしてもよい。また、当りの有無に関係なく報知演出が実行されない大当りの回数が多くなるほど報知演出実行有に決定される割合が高くなるようにしてもよい。
[2] 大当り遊技状態に有利度の異なる複数の大当りを設けるようにしてもよい。例えば、ラウンド数の異なる4R大当りと、15R大当りとを設けるようにしてもよい。そして、大当り遊技状態中において、4R大当りの保留記憶がある場合には、設定1よりも設定6の方が高い割合で報知演出を実行可能であり、15R大当りの保留記憶がある場合には、設定1と設定6とで共通の割合で報知演出を実行するようにしてもよい。つまり、有利者に不利な大当りが保留記憶バッファ内にある場合には、高設定ほど報知演出が実行されやすい決定がされ、有利者に有利な大当りが保留記憶バッファ内にある場合には、設定値に関わらず共通の割合で報知演出が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、有利度の低い大当りがその後に実行される場合であっても、有利度は低いが高設定であることに期待が持てるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[3] 保留記憶バッファ内に当りが複数記憶されている場合に、白色小のV態様よりも赤色大のV態様による報知演出が高い割合で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、赤色大のV態様による報知演出が実行された場合には、大当り遊技状態に制御されると判定された保留情報が複数記憶されていることに期待を持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
[4] 前述した実施の形態について、所定状態(小当り)において遊技媒体が進入可能となる可変入賞手段(V入賞装置)と、可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞口)と、表示結果に基づいて有利状態に制御する第1状態制御手段(一種当り)と、表示結果に基づいて所定状態(小当り)に制御して可変入賞手段内の特定領域に遊技媒体が進入可能な状態とし、当該所定状態において特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて有利状態に制御する第2状態制御手段(二種当り)とを備える遊技機について説明した。要約すると、前述した実施の形態については、遊技領域に設けられたV入賞装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)について説明したが、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)に適用してもよい。このような場合であっても、設定値が高くなるにつれて報知演出の実行割合が高くなるようにすればよい。また、設定値が高くなるにつれて第2態様による報知演出が実行されやすくなるようにすればよい。このようにすれば、一種+二種の遊技機であれば、高設定であることを報知演出によりアピールすることができ、一種の遊技機であれば、設定差による大当り確率に基づかずに報知演出の実行割合を調整することが容易に可能となる。
[5] 前述した実施の形態においては、報知演出が大当りのエンディング演出期間で実行される場合について説明した。しかし、報知演出は、それ以外の期間で実行されるようにしてもよい。例えば、大当り開始直後のラウンドや、大当り遊技中のラウンドで実行されるようにしてもよい。また、大当り遊技中の複数のタイミングで報知演出が実行されるようにしてもよい。例えば、ラウンド中の期間とエンディング期間とで報知演出が実行されるようにしてもよい。また、設定値に応じて複数のタイミングのうちのいずれのタイミングで報知演出が実行されるかの割合が異なるようにしてもよい。
[6] 前述した実施の形態においては、大当りが終了するときにラウンド中に獲得した合計球数を表示するようにしてもよい。そして、その表示の実行中に大当りが終了すると見せかけて復活する演出を実行してもよい。また、その復活する演出が実行されるときに報知演出を実行してもよい。
[7] 前述した実施の形態においては、大当り開始時に保留記憶バッファ内を確認し、当りの保留情報が記憶されている場合に報知演出の実行の有無の決定が1回の抽選により実行される場合について説明した。しかし、当りが複数存在する場合には、当り毎に報知演出の実行有無の抽選が実行されるようにしてもよい。また、当りの数により報知演出の実行有無の割合が異なるようにしてもよい。例えば、保留記憶バッファ内に当りが複数ある場合には、当りが1つの場合よりも報知演出の実行割合が高くなる様にしてもよい。これにより、保留記憶バッファ内に当りが複数存在するという低い発生確率の状態のときに設定値の推測をしやすいようにし、このような状態となった遊技者に有利な報知を実行することができる。また、当りが記憶されている保留情報が実行されるタイミングによって、報知演出の実行割合が異なるようにしてもよい。具体的には、大当り後の次に実行される可変表示が当りとなる場合の報知演出の実行割合は、大当り後の4つ先の可変表示が当りとなる場合の報知演出の実行割合より高くなるようにしてもよい。
[8] 前述した実施の形態においては、報知演出の実行割合が高設定である程高い場合について説明した。しかしながら、報知演出の実行割合が低設定である程高くなるようにしてもよい。このようにすれば、低設定であっても報知演出による大当り中の演出の興趣を向上することができる。また、低設定であっても高設定への期待感を持たせることができる。また、報知演出の実行割合を高設定と低設定とで同じとなるように調整してもよい。このようにすれば、大当り確率の高い高設定であっても大当り確率の低い低設定であっても同じ割合で報知演出が実行されるため、現在の設定値を推測し難くすることができる。
[9] 前述した実施の形態においては、V態様として、白色小の第1態様と赤色大の第2態様とについて説明した。しかし、V態様としてはさらに複数種類あってもよく、色のみや形のもが異なるものであってもよい。また、特定の設定値でしか表示されない態様があってもよい。具体的には、設定4以上のとき(設定6確定等でもよい)にしか表示されない第3態様としての虹色のV態様があってもよい。また、高設定では第1態様よりも第2態様の方が高い割合で表示されるようにしてもよい。
[10] 前述した実施の形態においては、示唆画像に複数種類の態様を設けるようにしてもよい。そして、実行される示唆画像の態様によって報知演出であるVの画像が獲得できるか否か(表示されるか否か)や、報知演出内容である獲得可能なVの数を示唆するようにしてもよい。具体的には、示唆画像として、白、青、赤の態様を設け、白<青<赤の順でVの獲得期待度や獲得したときのVの数の期待度が高くなるようにしてもよい。
[11] 前述した実施の形態においては、V態様に高設定確定パターンを設け、所定条件が成立することによって高設定確定パターンが実行されるようにしてもよい。具体的には、設定5,6のときに保留記憶バッファ内に当りが4つあるという所定条件が成立した場合に100%の確率で報知演出が実行されるようにしてもよい。
[12] 前述した実施の形態においては、特定の設定値であることが否定されるパターンを設けてもよい。具体的には、保留記憶バッファ内に当りが4つあるにも関わらず報知演出が実行されなかった場合には、設定1が否定されるようにしてもよい。このようにすれば、保留されている当りが消化される期間に対しても注目させることができる。
[13] 前述した実施の形態においては、実際の当り数と同じ報知がされる方が実際の当り数と異なる報知がされるよりも高設定の期待度が高くなるようにしてもよい。具体的には、当り数が3であるときに「V×3」と報知する場合の方が、当り数が4であるときに「V×3」と報知する場合よりも、高設定の期待度が高くなるようにしてもよい。
[14] 前述した実施の形態においては、報知演出の態様の変化として画面上に表示されるV態様の表示が異なる場合について説明した。しかし、報知演出の態様の変化としては、出力される音や遊技効果用のランプによる発光、振動やエアーの噴出等の変化が実行されるものであってもよい。具体的には、第1態様と第2態様とから成る報知演出において、画面上では同じ表示を行うが、第2態様の報知演出を行うときは、遊技中の遊技者のみが体感できるような振動を与えるようにしてもよい。このようにすれば、遊技中の遊技者のみ高設定の示唆を知ることが可能となるため、画面の表示を見た別の遊技者がその遊技台を狙って遊技することを防止することができる。また、逆に高設定であることを音やランプにより報知して高設定をアピールしてもよい。このようにすれば、高設定示唆の台で遊技をする遊技者に高揚感を与えることができる。
(特徴部003AKに関する説明)
続いて、特徴003AKについて説明する。特徴部003AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態やV入賞で大当り遊技状態に制御される小当り遊技状態)に制御されるときに、有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていること(保留内大当りがあること、保留内連荘すること)を報知する報知演出(保留連報知)を実行可能であり、報知演出が実行されたことにより、特定表示(有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを示す表示)を表示可能な特定表示手段を備え、特定表示手段は、特定表示を、少なくとも第1態様と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、第1態様の特定表示を表示しているときであって、第2態様の特定表示を表示するための条件が成立しているときに、当該特定表示を第1態様から第2態様に変化させる変化演出を実行可能である。
つまり、003AKに係るパチンコ遊技機1では、報知演出が実行されて特定表示が表示されていることにより、有利状態に制御される保留情報があること(保留内大当りがあること、保留内連荘すること)が示されている状況で、特定表示が更に有利度の高い表示態様に変化する場合があるようになっている。これにより、第1態様の特定表示が表示されているときに、有利度の高い態様に変化することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣が向上する。
以下、特徴003AKのパチンコ遊技機1の特徴的な部分について説明する。ここでは説明しない他の部分については、上述の基本説明のパチンコ遊技機1の構成や他の特徴部の構成を適宜採用すればよい。
まず、特徴003AKのパチンコ遊技機1の動作について説明する。図9−1は、大当り遊技状態において、特徴部003AKの保留連報知を実行するための保留連報知処理の動作を示すフローチャートである。保留連報知処理は、図7のステップS176の大当り中演出処理内で実行される。保留連報知処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留連報知の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ003AKS001)。保留連報知の実行タイミングでないと判定した場合(ステップ003AKS001;No)、保留連報知設定処理を終了する。
保留連報知の実行タイミングは、有利状態の開始から終了までの任意のタイミングに定められていればよい。この実施例では大当り遊技状態における所定ラウンド目(例えば4ラウンド等)のラウンド中となっている。ステップ003AKS001では、例えば4ラウンドの開始時であるか否かを判定すればよい。なお、実行タイミングが複数種類あっていずれかに決定されるようにしてもよい。また、制御中の大当り遊技状態の大当り種別や保留内の大当り種別によって実行タイミングや実行タイミングの決定割合が異なるようにしてもよい。
保留連報知の実行タイミングは、図8−1に示すようなV判定入賞装置87に遊技球が入賞可能な状態となる小当り遊技状態中であってもよい。即ち、保留連報知は、有利状態としてのV入賞が可能となる小当り遊技状態中に実行されるようにしてもよい。また、実際には有利状態が開始していないが、飾り図柄が当りの組合せで揃った後の有利状態が開始するまでのインターバルや、有利状態に制御される可変表示中(例えば実行済みの保留連報知の対象の可変表示中等)に保留連報知が実行されるようにしてもよい。なお、短期間の大当りの発生頻度が過度にならないようにするために、飾り図柄が当りの組合せで揃った後の有利状態が開始するまでにインターバルを設ける場合等には、インターバルに保留連報知を実行することで、演出が間延びして興趣が低下してしまうことを防止できる。
保留連報知の実行タイミングであると判定した場合(ステップ003AKS001;Yes)、保留連報知が実行されて特定表示が表示中(保留連報知中)であることを示す保留連報知中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ003AKS002)。この実施例では、保留連報知が実行されたことに応じて、保留内当りがあることを示す特定表示が報知対象の当りとなるまで継続的に表示されるようになっている。そのような特定表示が表示されていることに対応して、保留連報知中フラグがオン状態であれば(ステップ003AKS002;Yes)、保留連報知設定処理を終了して新たな保留連報知は実行しない。
なお、特定表示が表示されているときに、新たな保留連報知を実行するようにしてもよい。このような場合、新たな保留連報知が実行されたことに応じて、新たに特定表示が表示されるようにしてもよいし、特定表示の表示態様が変化するようにしてもよい。
保留連報知中フラグがオフ状態であれば(ステップ003AKS002;No)、現在記憶されている保留番号1〜3の保留情報(第2保留情報)に当り(小当りまたは大当り)となる保留情報があるか否かを判定する(ステップ003AKS003)。
演出制御用CPU120は、例えば主基板11から始動入賞の発生を指定するための演出制御コマンドや、先読み判定の判定結果を指定するための演出制御コマンドを受信したことに基づいて、当該情報を演出制御用の保留情報として、RAM122の所定領域(演出制御用保留情報記憶領域)に記憶する。図9−2は、演出制御用保留情報記憶領域の一例を示している。図9−2に示すように、保留情報の記憶順に対応する「保留番号」と、先読み判定の判定結果を指定するための演出制御コマンドから特定される「表示結果」と、が対応付けて保留情報として記憶される。図9−2における保留番号0の保留情報は、実行中の可変表示に対応する保留情報である。また、各保留情報には、保留連報知の「報知対象」であることを特定可能な情報、後述する変化演出を実行する場合の「変化タイミング」を示す情報、後述する消去演出を実行するタイミングである「消去タイミング」を示す情報が対応付けて記憶される。保留情報としてこれらの以外の情報(例えば変動パターン情報等)が対応付けて記憶されていてもよい。演出制御用保留情報記憶領域は、新たな始動入賞が発生する毎に、上限数(4個)の範囲内で新たな保留情報が記憶され、可変表示が終了または開始される毎に、保留番号0の保留情報が消去されて、保留番号1以降の保留情報が1つ若い保留番号にシフトして更新される。
図9−2では、実行中の可変表示が小当りであり、当該小当り経由の大当り遊技状態において、保留番号2及び3の保留情報を対象に保留連報知が実行されることを示している。また、後述する変化演出や消去演出の実行タイミングも記憶されている。なお、図9−2に示す例では、図8−2に示すような当り種別(小当り経由で大当りが発生する当り種別が含まれるもの)を想定している。
ステップ003AKS003の処理では、演出制御用保留情報記憶領域を参照し、保留番号1〜3の第2保留情報に表示結果が当りとなる保留情報が格納されているか否かを判定すればよい。
なお、演出制御用保留情報記憶領域は、第1特図に対応する保留情報と第2特図に対応する保留情報とが設けられていればよい。図9−2に示す演出制御用保留情報記憶領域は、第2特図に対応するものである。
第2特図の可変表示が第1特図の可変表示よりも優先的に実行されることから、大当り遊技状態の終了後は高ベース状態では、通常第2特図の可変表示により遊技が進行される。そのため、この実施例では、保留連報知の対象として、第2特図(第2始動入賞口への入賞)に対応する第2保留情報について保留連報知を実行するようになっている。そのため、ステップ003AKS003では、第2保留情報に当りとなるものがあるか否かを判定するようになっている。なお、図では省略しているが、通常状態で大当りとなった場合には、第2保留情報の数が無いか少ないことが想定されるため、本実施例では高ベース状態(時短状態)で大当りとなった場合に、大当り遊技状態(有利状態)において保留連報知を実行するようになっている。なお、遊技状態によらず保留連報知を実行するようにしてもよい。
なお、第1特図(第1始動入賞口への入賞)に対応する第1保留情報について保留連報知を実行するようにしてもよい。例えば、通常状態で大当りとなった場合には、第1保留情報について保留連報知を実行するようにしてもよい。この場合の保留連報知の演出態様を、第2保留情報についての保留連報知の演出態様と異ならせてもよい。
第2保留情報は4個まで記憶可能であるが、この実施例では、保留番号1〜3の第2保留情報を対象として保留連報知を実行可能となっている。そのため、ステップ003AKS003では、全ての保留番号ではなく、保留番号1〜3の第2保留情報に当りとなるものがあるか否かを判定するようになっている。
例えば、第2保留情報が4個記憶された状態で、保留番号4のみが当りとなる保留情報だった場合に、当該保留番号4に対して保留連報知を実行した場合、大当り遊技状態が終了した後に、実際に保留連報知となる当りとなる可変表示が実行されるまでに、第2特図の可変表示が3回実行されることになる。この3回の可変表示で選択され得る可変表示時間の最長時間(例えば2分)であった場合、保留連報知が実行された大当り遊技状態終了後、大当りとなる可変表示が開始されるまで最長約6分かかり、大当り遊技状態となるまで最長約8分かかることになる。このように、保留連報知を実行したにも関わらず、当該保留連報知に対応する大当りとなるまでが冗長となってしまうことを防止するため、この実施例では、保留番号4の保留情報は保留連報知の対象外としている。これにより、保留連報知後の演出が間延びしてしまうことを防止でき、興趣低下を防止できる。
なお、保留番号4の保留情報を保留連報知の対象外とすることに限定されず、保留番号4の保留情報を保留連報知の対象としてもよいし、保留番号3及び4の保留情報を保留連報知の対象外としてもよい。また、保留番号2以下の保留情報を保留連報知の対象外としてもよい。例えば、各保留情報に対応した変動パターン(変動時間)を先読みして、その変動時間に応じていずれの保留情報まで保留連報知の対象とするかを決定するようにしてもよい。例えば、記憶されている保留情報に対応した総変動時間が特定の範囲内となる保留情報までを保留連報知の対象とするようにしてもよい。このようにすることで、記憶されている保留情報に対応する変動時間に応じて、保留連報知後の演出の間延びを防止しつつ、保留連報知の実行機会を確保することができ、好適に保留連報知を実行できる。
現在記憶されている保留番号1〜3の第2保留情報に当りとなるものがない場合は(ステップ003AKS003;No)、保留連報知設定処理を終了する。現在記憶されている保留番号1〜3の第2保留情報に当りとなるものがある場合は(ステップ003AKS003;Yes)、保留連報知を実行するか否かを判定する(ステップ003AKS004)。
ステップ003AKS004では、例えば、図9−3(A)に示す割合で、保留連報知を実行するか否かを判定(決定)する。図9−3(A)に示すように、ステップ003AKS004では、30%の割合で保留連報知を実行すると判定され、70%の割合で保留連報知を実行しないと判定される。保留内当りが複数ある場合には、各々の保留内当りについて保留連報知を実行するか否かを判定する。なお、保留内当りの数、保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて保留連報知の実行判定割合を異ならせてもよい。また、実行判定割合も好適に保留連報知を実行できれば任意の割合でよい。
続いて、ステップ003AKS004にて保留連報知を実行すると判定されたか否かを判定する(ステップ003AKS005)。保留連報知を実行しない判定された場合(ステップ003AKS005;No)、保留連報知設定処理を終了する。
保留連報知を実行すると判定された場合(ステップ003AKS005;Yes)、消去演出の実行タイミングを決定する(ステップ003AKS006)。この実施例では、保留連報知が実行されたことに応じて、保留内に当りがあることを示す特定表示が画像表示装置5における所定の表示エリアにおいて表示されるようになっている。そして、特定表示は、保留連報知の対象となる可変表示において消去演出が実行されることに応じて消去される。この実施例では、消去演出の実行タイミングとして、図9−4に示すように、保留連報知の対象となる可変表示におけるリーチ演出実行前のタイミングTAと、リーチ演出実行中のタイミングTBと、が設けられている。
ステップ003AKS006では、例えば、図9−3(B)に示す割合で、消去演出の実行タイミングを決定する。図9−3(B)に示すように、ステップ003AKS006では、消去演出の実行タイミング(消去タイミング)として、40%の割合でタイミングTAに決定され、60%の割合でタイミングTBに決定される。保留連報知の実行対象が複数ある場合には、各々の保留内当りについて消去タイミングを決定する。なお、保留内当りの数、保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて消去タイミングの決定割合を異ならせてもよい。また、決定割合も好適に消去演出を実行できれば任意の割合でよい。なお、この実施例では、タイミングTAよりも後のタイミングであるタイミングTBに決定される割合が高くなっている。このようにすることで、タイミングTAで消去演出が実行されなかった場合でも、タイミングTBまで遊技者の期待感を維持することができる。
このように、この実施例では、保留連報知の対象となる可変表示において消去演出が実行されるとともに、その可変表示において消去演出の実行タイミングが複数設けられている。これにより、消去演出により保留連報知の実行対象の可変表示が明確になるとともに、消去演出の実行タイミングが複数設けられていることで、演出のバリエーションが多彩になり、遊技の興趣が向上する。
なお、消去演出の実行タイミングは、図9−4のタイミングTA、TBに限定されず、保留連報知の実行対象となる当りとなるまでの任意のタイミングであってもよい。また、実行タイミングが2種類に限定されず、3種類以上であってもよいし、保留連報知の実行対象以外の可変表示において実行されるようにしてもよい。また、消去演出の実行タイミングが一定であってもよい。さらに、消去演出の実行タイミングにおいて、消去演出が実行されるか否かを煽る演出を実行してもよい。そして、その煽る演出の演出態様によって消去演出が実行される割合が異なるようにしてもよい。このようにすることで、保留内連報知や消去演出の演出効果を向上させることができ、興趣が向上する。
保留連報知の実行対象が複数ある場合、必ず保留番号が最も若い(可変表示の実行順が早い)可変表示において消去演出を実行するように、消去タイミングを設定するようにしてもよい。特定表示の消去タイミングを制御やRAM122の不具合やノイズの影響で決定できなかった場合、決定したが消去タイミングを読み出せなかった場合には、消去演出を実行できずに本来消去されるべきタイミング以降も特定表示が表示され続けてしまうおそれがある。そこで、保留連報知を実行して特定表示を表示した後には、演出制御用CPU120は、保留連報知実行後の最初の当りとなることを示す演出制御コマンド(当り開始指定コマンド等)を受信したことに基づいて、消去演出を実行するようにしてもよい。例えば、当該演出制御コマンドの受信に基づいて、第1態様の特定表示を表示している場合には、当該第1態様の特定表示を消去する消去演出を実行し、第2態様の特定表示を表示している場合には、当該第2態様の特定表示を消去して第1態様の特定表示に変更する消去演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、不具合により特定表示が表示され続けてしまうことを防止でき、遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
ステップASK006にて消去演出の実行タイミングを決定した後は、保留連報知が実行されたことに応じて表示される特定表示の態様に対応した特定表示パターンを決定する(ステップ003AKS007)。
この実施例では、特定表示の表示態様として第1態様と保留内当りが複数あることを示す第2態様とが設けられている。よって、第1態様の特定表示よりも、第2態様の特定表示の方が遊技者にとっての有利度合いが高い。このように、保留内当りが複数あることを示す第2態様を設けたことで、1回の報知で複数回当りとなることを報知可能となり、遊技者は第2態様で特定表示が表示されることを期待するようになり、演出の興趣が向上する。
この実施例では、特定表示パターンとして、特定表示を第1態様で表示する特定表示パターンAと、特定表示を第2態様で表示する特定表示パターンBと、が設けられている。また、特徴部003AKに係るパチンコ遊技機1では、特定表示が第1態様で表示された後、変化演出が実行されて第2態様に変化する特定表示パターンCが設けられている。このように、特定表示が第1態様から、保留内当りが複数あることを示す表示態様であり、より有利度の高い第2態様に変化する場合あるので、第1態様の特定表示が表示されているときに変化演出が実行されて第2態様に変化することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、第2態様は、保留内当りの数が第1態様よりも多いことを示すことで、遊技者にとっての有利度合いが高い態様となっていたが、第2態様が第1態様よりも有利度合いの高い態様であればよい。例えば、第2態様は、保留内当りの当り種別が第1態様よりも有利であることを示す態様であってもよい。例えば、第2態様は、第1態様よりも保留内当りの大当り遊技状態のラウンド数や獲得可能な賞球が多いことを示す態様としてもよいし、大当り遊技状態終了後の遊技状態(確変制御の有無や時短回数等)が有利であることを示す態様としてもよい。
ステップ003AKS007では、保留連報知の実行対象の保留内当りの数に応じて、例えば、図9−3(C)に示す割合で特定表示パターンを決定する。図9−3(C)に示すように、ステップ003AKS007では、保留連報知の実行対象の保留内当りが1つである場合には特定表示パターンAに決定され、保留連報知の実行対象の保留内当りが2つ以上である場合には、40%の割合特定表示パターンBに決定され、60%の割合で特定表示パターンCに決定される。なお、保留連報知の対象外を含む保留内当りの数、保留連報知の実行対象の保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて特定表示パターンの決定割合を異ならせてもよい。また、決定割合も好適に特定表示を表示できれば任意の割合でよい。なお、この実施例では、保留連報知の実行対象の保留内当りが2つ以上である場合には、変化演出が実行されない特定表示パターンBよりも変化演出が実行される特定表示パターンCに決定される割合が高くなっている。このようにすることで、保留連報知の実行対象の保留内当りが2つ以上である場合でも第1態様で表示される割合が高くなるので、特定表示が第1態様で表示された場合の遊技者の落胆を抑え、変化演出が実行される期待感を高めることができる。
なお、この実施例では、特定表示の表示態様として、第1態様と保留内当りが複数あることを示す第2態様とが設けられていたが、特定表示の表示態様として、それぞれ保留内当りの数の期待値や当り種別の有利度合いが異なる3種類以上の表示態様が設けられていてもよい。そして、変化演出の実行に伴い、有利度合いの低い表示態様からより有利度合いの高い表示態様に変化可能に構成してもよい。例えば、第1態様と、第1態様よりも有利度合いの高い第2態様と、第2態様よりも有利度合いの高い第3態様と、を設け、第1態様から第2態様に変化し、さらに第3態様に変化する特定表示パターンや、第1態様から第3態様に変化する特定表示パターンが設けられていてもよい。このようにすることで、特定表示に係る演出が多彩になり、保留連報知中の遊技の興趣を向上させることができる。
この実施例では、保留連報知を実行するときに、保留連報知の実行対象の保留内当りの数に基づいて変化演出を実行するか否か(特定表示パターンCとするか)を決定するようになっている。このようにすることで、保留連報知実行時の保留情報に基づいて変化演出を実行するか否かを決定するので、保留連報知実行後の保留情報を監視する必要がないので、処理負担を増大させることなく、変化演出を実行できる。
ステップ003AKS007にて特定表示パターンを決定した後には、変化演出を実行すると決定された否か、即ち、特定表示パターンCに決定されたか否かを判定する(ステップ003AKS008)。
変化演出を実行すると決定された場合(ステップ003AKS008;Yes)、変化演出の実行タイミングを決定する(ステップ003AKS009)。この実施例では、変化演出の実行タイミングとして、図9−5に示すように、保留連報知が実行された大当り遊技状態終了後の1変動目の変動開始直後のタイミング1−ta、その後のタイミング1−tb、保留連報知が実行された後の2変動目の変動開始直後のタイミング2−ta、その後のタイミング2−tb、が設けられている。なお、タイミング1−ta、タイミング2−taの各変動におけるタイミング(変動開始からの時間)は同じであり、タイミング1−tb、タイミング2−tbの各変動におけるタイミングは同じであり、先頭の数値は大当り遊技状態終了後の何変動目であるかを示している。即ち、タイミング1−ta、1−tbは、大当り遊技状態終了後の1変動目のタイミングta、tbであり、タイミング2−ta、2−tbは、大当り遊技状態終了後の2変動目のタイミングta、tbであることを示している。
なお、1の可変表示における変化演出の実行タイミングta、tbは、当該1の可変表示における消去演出の実行タイミングであるタイミングTA、TBよりも前のタイミングとなっている。このようにすることで、変化演出が実行される前に消去演出が実行されて特定表示が消去されるといった演出の不整合を防止できる。また、1の可変表示において変化演出を実行してから消去演出を実行することができるようになり、演出が多彩になり興趣が向上する。さらに、このように、予め消去演出の実行可能タイミングを変化演出の実行可能タイミングよりも後に設けておくことで、各演出の実行タイミングの調整が不要になり、制御負担の増大を防止できる。
図9−5に示すように、変化演出は、複数の可変表示のいずれかで実行されるので、演出のバリエーションが多彩になり、いずれのタイミングで特定表示が期待度の高い態様に変化する変化演出が実行されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
ステップ003AKS009では、例えば、1回目の当りの保留番号に応じて図9−3(D)に示す割合で、変化演出の実行タイミングを決定する。図9−3(D)に示すように、ステップ003AKS009では、1回目の当りが保留番号1である場合、変化演出の実行タイミング(変化タイミング)として、保留連報知が実行された大当り遊技状態終了後の1変動目のタイミング1−taに40%の割合で決定され、タイミング1−tbに60%の割合で決定される。このように、1回目の当りが保留番号1である場合は、大当り遊技状態終了後の1変動目で消去演出が実行されて当りとなるため、当該変動で変化演出が実行される。また、1回目の当りが保留番号2である場合、変化演出の実行タイミング(変化タイミング)として、タイミング1−taに10%の割合で決定され、タイミング1−tbに20%の割合で決定され、タイミング2−taに30%の割合で決定され、タイミング2−tbに40%の割合で決定される。
なお、保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて変化タイミングの決定割合を異ならせてもよい。また、決定割合も好適に変化演出を実行できれば任意の割合でよい。なお、この実施例では、変化タイミングとして、実行され得る変化タイミングのうち後のタイミング決定される割合が高くなっている。このようにすることで、前の変化タイミングで変化演出が実行されなかった場合でも、後の変化タイミングまで遊技者の期待感を維持することができる。
なお、変化演出の実行タイミングは、図9−5のタイミング1−ta、1−tb、2−ta、2−tbに限定されず、消去演出が実行されるまでの任意のタイミングであってもよい。また、実行タイミングが各変動で2種類に限定されず、各変動で3種類以上または一定であってもよい。また、変化演出の実行タイミングが予め定められた変動(例えば大当り遊技状態後の1変動目)で実行されるようにしてもよい。さらに、変化演出の実行タイミングにおいて、変化演出が実行されるか否かを煽る演出を実行してもよい。そして、その煽る演出の演出態様によって特定表示が変化する割合が異なるようにしてもよい。このようにすることで、保留連報知や変化演出の演出効果を向上させることができ、興趣が向上する。
ステップ003AKS009の処理を実行した後や、変化演出を実行しないと決定された場合(ステップ003AKS008;No)、画像表示装置5等で保留連報知を実行し、図9−5に示すように、当該保留連報知の実行後に、ステップ003AKS007における決定結果に応じて、特定表示を第1態様または第2態様で画像表示装置5における表示エリアに表示するための設定を行う(ステップ003AKS010)。具体的には、保留連報知を実行するための演出制御データを読み出して、当該演出制御データに基づいて保留連報知を実行する。そして、ステップ003AKS007において特定表示パターンAまたは特定表示パターンCに決定された場合は、特定表示を第1態様で表示し、特定表示パターンBに決定された場合は、特定表示を第2態様で表示するための制御を行う。また、RAM122には、表示中の特定態様の表示態様を特定可能な情報を記憶する特定表示態様記憶領域が設けられており、ステップ003AKS010では、表示する特定表示の表示態様(第1態様または第2態様)に対応した情報を特定表示態様記憶領域に格納する。
その後、ステップ003AKS004、ステップ003AKS006、ステップ003AKS008における決定結果に応じて、図9−2に示す演出制御用保留情報記憶領域における保留情報の「報知対象」、「変化タイミング」、「消去タイミング」を更新する(ステップ003AKS011)。具体的には、ステップ003AKS004にて保留連報知を実行すると判定された保留情報の「報知対象」に保留連報知を実行することを示す情報(フラグ等)を記憶し、ステップ003AKS006にて決定された「消去タイミング」を報知対象の対応する保留情報に対応付けて記憶し、ステップ003AKS008にて決定された「変化タイミング」を変化タイミングに対応する保留情報に対応付けて記憶する。
具体的には、ステップ003AKS008にてタイミング1−taまたは1−tbに決定された場合、保留番号1の保留情報の「変化タイミング」にtaまたはtbを対応付けて記憶し、タイミング2−taまたは2−tbに決定された場合、保留番号2の保留情報の「変化タイミング」にtaまたはtbを対応付けて記憶する。これにより、変動開始時に保留番号0の保留情報の「変化タイミング」を参照することで、当該変動において変化演出を実行すること、及び、変化タイミングを特定することができる。
続いて、保留連報知が実行されて特定表示が表示中(保留連報知中)であることを示す保留連報知中フラグをオン状態にセットして(ステップ003AKS012)、保留連報知設定処理を終了する。
なお、この実施例では、保留連報知の実行タイミングにおいて、特定表示の消去タイミング、及び、特定表示の変化タイミングを決定するようになっていた(ステップ003AKS006、ステップ003AKS009)。特定表示の消去タイミング、及び、特定表示の変化タイミングを、特定表示の表示中から消去するまでの任意のタイミングで決定するようにしてもよい。例えば、特定表示の表示中の変動開始時に、当該変動において変化演出を実行するか否かや、実行する場合の変化タイミングを決定するようにしてもよい。また、特定表示の表示中の変動開始時に、当該変動が保留連報知の対象変動である場合には、消去タイミングを決定するようにしてもよい。消去タイミングを決定する場合において、当該変動で変化演出を実行することが決定されている場合は、消去タイミングを変化タイミングよりも後にタイミングに決定するようにすればよい。このようにすることで、特定表示に関する演出(変化演出、消去演出)に関して不整合が生じてしまうことを防止できる。
図9−6(A)は、変化演出設定処理の動作を示すフローチャートである。変化演出設定処理は、可変表示の開始前に図7のステップS171の可変表示開始設定処理内で実行される。変化演出設定処理は、特定表示が第1態様で表示されているときであって、変化演出を実行すると決定されていない可変表示で、いわゆるガセの変化演出を実行するための処理である。
ガセの変化演出とは、変化演出は特定表示の演出態様が変化することを示唆する演出であるが、その結果特定表示の演出態様が変化しない場合の変化演出である。このようなガセの変化演出を実行することで、変化演出の実行頻度が向上するので、第1態様の特定表示が表示されているときに第2態様に変化することを遊技者に期待させることの頻度を向上させることができ、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
なお、ガセの変化演出は実行せずに、変化演出が実行された場合には、特定表示の表示態様が必ず変化するようにしてもよい。
図9−6(A)に示すように、変化演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ003AKS021)。特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ003AKS021;No)、変化演出設定処理を終了する。
特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ003AKS021;Yes)、演出制御用保留情報記憶領域の保留番号0の保留情報の「変化タイミング」を参照することで、今回の可変表示では変化演出(ガセではない変化演出)が実行されて特定表示が変化するか否かを判定する(ステップ003AKS022)。ステップ003AKS022では、演出制御用保留情報記憶領域の保留番号0に変化タイミングを示す情報が記憶されているか否かを判定する。今回の可変表示で変化演出が実行されて特定表示が変化する場合には(ステップ003AKS022;Yes)、ガセの変化演出を実行しないため、変化演出設定処理を終了する。
今回の可変表示で特定表示が変化しない場合には(ステップ003AKS022;No)、ガセの変化演出を実行するか否かを決定する(ステップ003AKS023)。ステップ003AKS023では、例えば、図9−6(B)に示す割合で、ガセの変化演出を実行するか否かを決定する。図9−6(B)に示すように、ステップ003AKS023では、10%の割合でガセの変化演出を実行すると決定され、90%の割合でガセの変化演出を実行しないと決定される。なお、保留内当りの数、保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じてガセの変化演出の決定割合を異ならせてもよい。また、決定割合も好適にガセの変化演出を実行できれば任意の割合でよい。
なお、第1態様とはいえ特定表示が表示されており、間もなく当りとなることが確定している状況であるため、ガセの変化演出を実行すると決定される割合は、ガセの変化演出を実行しないと決定される割合よりも低いことが好ましい。即ち、ガセの変化演出の実行頻度が極端に高くないことが好ましい。このようにすることで、ガセの変化演出を実行しすぎることで、特定表示が表示されて高まっている興趣が低減してしまうことを防止できる。
続いて、ガセの変化演出を実行すると決定されたか否かを判定する(ステップ003AKS024)。ガセの変化演出を実行すると決定されていない場合(ステップ003AKS024;No)、変化演出設定処理を終了する。
ガセの変化演出を実行すると決定されている場合(ステップ003AKS024;Yes)、画像表示装置5等でガセの変化演出を実行するための設定を行う(ステップ003AKS025。ステップ003AKS025では、ガセの変化演出に対応した演出制御データに基づいて、ガセの変化演出を実行するための制御を行う。その後、変化演出設定処理を終了する。
図9−7は、消去演出定処理の動作を示すフローチャートである。消去演出処理は、可変表示中に図7のステップS172の可変表示中演出処理内で実行される。消去演出処理は、図9−1の保留連報知設定処理において決定された消去タイミングにおいて特定表示の表示態様に応じた消去演出を実行するための処理である。
消去演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御用保留情報記憶領域及び変動開始からの経過時間に基づいて、消去演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ003AKS031)。ステップ003AKS031では、演出制御用保留情報記憶領域の保留番号0の保留情報に消去タイミングを示す情報(TA、TBを示す情報)が記憶されているか否かを判定し、消去タイミングを示す情報が記憶されている場合には、変動開始からの経過時間が当該消去タイミングに到達したか否かを判定する。そして、保留番号0の保留情報に消去タイミングを示す情報が記憶されており、消去タイミングに到達したと判定した場合に、消去演出の実行タイミングであると判定する。消去演出の実行タイミングでない場合(ステップ003AKS031;No)、消去演出処理を終了する。
消去演出の実行タイミングである場合(ステップ003AKS031;Yes)、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ003AKS032)。
特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ003AKS032;Yes)、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第1消去演出を実行するための設定を行う(ステップ003AKS033)。ステップ003AKS033では、第1消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第1消去演出を実行するための制御を行う。これにより、特定表示が消去されることになる。
その後、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットして(ステップ003AKS034)、消去演出処理を終了する。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ003AKS032;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第2消去演出を実行するための設定を行う(ステップ003AKS035)。ステップ003AKS035では、第2消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第2消去演出を実行するための制御を行う。
このように、この実施例では、特定表示が第1態様で表示されているときには第1消去演出が実行され、特定表示が第2態様で表示されているときには第1消去演出とは演出態様の異なる第2消去演出が実行されるようになっている。例えば、第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとっての有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
この実施例では、第2消去演出が実行された場合、第2態様の特定表示が消去されるが、特定表示が第1態様で再度表示されるようになっている。そのため、ステップ003AKS035の処理を実行した後、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行う(ステップ003AKS036)。その後、消去演出処理を終了する。
続いて、特徴部003AKの演出動作例について説明する。図9−8は、大当り遊技状態において保留連報知が実行される場合の演出動作例を示している。図9−8(A)は、表示結果が大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、「大当り!」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、表示結果が大当りとなったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図9−8(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。
この実施例では、大当り遊技状態における4ラウンド目が保留連報知の実行タイミングとなっている。保留連報知を実行すると決定された場合、大当り遊技状態におけるラウンドが消化されて、4ラウンド目になると、図9−8(C)に示すように、保留内に当りがあること(保留内連荘すること)を報知する保留連報知として、画像表示装置5の中央に「V」を示す第1態様の特定表示003AK001(第1特定表示003AK001)が表示される。第1特定表示003AK001は、図9−8(D)に示すように、画像表示装置5に右下部分に設けられた表示エリア003AK002に移動し、縮小されて表示される。このような、保留連報知及び特定表示の表示は、図9−1のステップ003AKS010の処理に基づいて実行される。
第1特定表示003AK001は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまでは、表示エリア003AK002において継続的に表示される。これにより、保留内に当りがあること(保留内連荘となること)を継続的に報知でき、報知対象の可変表示が分かりやすくなる。
なお、特定表示は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまで、常に表示されていなくてもよく、例えば所定の演出(予告演出やリーチ演出)が実行される場合等には一時的に視認不可能になるようにしてもよい。
その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図9−8(E)に示すように、画像表示装置5に、「大当り終了」という文字とともに、大当り遊技状態における総賞球数の表示(「TOTAL XXXX pt」)が表示されるエンディング演出が実行されて、大当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態が終了すると、図9−8(F)に示すように、画像表示装置5において、保留情報に基づく飾り図柄の可変表示が開始される。図9−8(F)では、下向き矢印での各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄が可変表示していることを示している。
大当り遊技状態終了後の1変動目で変化演出を実行することが決定されている場合、図9−8(G)に示すように、第1特定表示003AK001が表示エリア003AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示され、図9−8(H)に示すようなエフェクトにより、第1特定表示003AK001が視認できなくなる。
その後、エフェクトが消えると、図9−8(I)に示すように、画像表示装置5の中央に第1特定表示003AK001に代えて「W」を示す第2態様の特定表示003AK003(第2特定表示003AK003)が表示される。
図9−8(G)〜(I)に示すように、特定表示が第1特定表示003AK001から第2特定表示003AK003に変化する演出が変化演出となる。第2特定表示003AK003は、保留内に複数の当りがあることを示す特定表示の表示態様であり、第1特定表示003AK001よりも有利度が高い。このように、特定表示の有利度が向上する変化演出を実行可能とすることで、第1特定表示003AK001が表示されているときの遊技者の期待感高めることができ、興趣が向上する。
なお、図9−8(G)〜(I)に示すような変化演出は、図7のステップS172の可変表示中演出処理内で演出制御用保留情報記憶領域が参照され、演出制御用保留情報記憶領域に変化タイミングが記憶されている場合、当該変化タイミング(タイミングtaまたはtb)において変化演出を実行するための制御が行われる。
その後、第2特定表示003AK003は、図9−8(D)に示すように、画像表示装置5に右下部分に設けられた表示エリア003AK002に移動し、縮小されて表示される。
なお、特定表示パターンとして、特定表示を最初から第2態様で表示する特定表示パターンBに決定された場合には、図9−8(C)の段階において第2特定表示003AK003が表示される保留連報知が実行されることになる。
また、図9−6のステップ003AKS025にて、ガセの変化演出を実行するための設定が行われた場合、図9−8(G)、(H)に示すような演出と同様の演出を実行した後に、特定表示が変化せずに第1特定表示003AK001が表示される演出が実行されることになる。
図9−9は、第1消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図9−9(A)は、画像表示装置5の表示エリア003AK002に第1特定表示003AK001が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
例えば、この変動中のタイミングTB(リーチ中のタイミング)において消去演出を実行することが決定されている場合、図9−9(B)に示すように、第1特定表示003AK001が表示エリア003AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図9−9(C)に示すように、画像表示装置5の全体がブラックアウトして視認不可能な状態になり、第1特定表示003AK001が消去される第1消去演出が実行される。
その後、図9−9(D)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が大当りとなる。このように、保留連報知の対象となる可変表示では、特定表示が消去される消去演出が実行される。これにより、特定表示を消化して当り(大当り)となったような演出を実行することができる。
図9−10は、第2消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図9−10(A)は、画像表示装置5の表示エリア003AK002に第2特定表示003AK003が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
例えば、この変動中のタイミングTB(リーチ中のタイミング)において消去演出を実行することが決定されている場合、図9−10(B)に示すように、第2特定表示003AK003が表示エリア003AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図9−10(C)に示すように、画像表示装置5が切り裂かれるようなエフェクトが表示されて、第2特定表示003AK003が消去される第2消去演出が実行される。
第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。例えば、第1消去演出では音声が出力されず、第2消去演出では音声が出力されるようにしてもよい。また、第2消去演出では演出用役物が動作するのに対して、第1消去演出では演出用役物が動作しないようにしてもよいし、第1消去演出では演出用役物の動作量が第1消去演出よりも少ないようにしてもよい。このようにすることで、特定表示の表示態様によって異なる消去演出を実行することができる。そして、遊技者の有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
その後、図9−10(D)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が大当りとなる。第2消去演出が実行されると、第2特定表示003AK003は消去されるが、表示エリア003AK002には第1特定表示003AK001が表示される。これにより、第2特定表示003AK003は消去されることで大当りとなったような演出を実行できるとともに、第1特定表示003AK001を再表示することで、さらに保留内に当りがあることを継続して報知できる。
なお、第2消去演出が実行された後、第1特定表示003AK001を再表示せずに、その後の有利状態において、再度保留連報知を実行し、当該保留連報知にお実行に応じて第1特定表示003AK001が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、第2特定表示003AK003が表示されているときに当りとなった場合には、再度保留連報知が実行されることにあるので、保留連報知がループすること期待できるようになる。
また、第2消去演出が実行された後、表示エリア003AK002に第2特定表示003AK003を表示したままにしてもよい。この場合、保留連報知の対象についての消去演出が実行されるまで第2特定表示003AK003が継続して表示されるようにしてもよい。このようにすることで、特定表示を変更する制御負担を軽減できる。
図9−9、図9−10に示すように、保留連報知の対象となる可変表示において特定表示を消去する消去演出を実行することで、保留連報知の実行対象の可変表示が分かりやすくなる。また、特定表示が消去されるときに、消去演出が実行されるので、特定表示が消去されたことが明確になり、特定表示を消去することの違和感を軽減できる。また、特定表示に対応した可変表示が明確になり、遊技者に分かりやすい遊技機を提供することができる。
なお、図9−8に示した保留連報知の演出態様、特定表示の表示態様、変化演出の演出態様、図9−9、図9−10消去演出の演出態様は一例であり、保留連報知や特定表示は、保留内当りがあることを報知できればよい。また、変化演出は特定表示の表示態様が変化することを示す演出であればよく、消去演出は特定表示が消去されることに伴って実行される演出であればよい。このような演出であれば、各演出は、画像表示装置5、音声、ランプ、役物の動作等の演出装置により実行される任意の演出であってよい。
例えば、大当り遊技状態終了後の時短状態で保留表示(またはアクティブ表示)の表示態様を有利状態(大当り/小当り)に制御される期待度が高い態様に変化させる保留変化演出を実行可能な場合において、特定表示を変化させる変化演出と保留変化演出とを同一または類似の態様で開始し、演出結果として特定表示または保留表示のいずれかが変化する演出を実行可能にしてもよい。このようにすることで、同一または類似の演出によって開始された後に特定表示が変化する場合と保留表示が変化する場合とがあるので、意外性のある演出を実行できる。このような同一または類似の演出を実行する場合には、特定表示が変化する割合よりも保留表示が変化する割合の方が高くしておくことが好ましい。このようにすることで、同一または類似の演出によって開始された後に特定表示が変化した場合の意外性を高めることができる。なお、これとは逆に特定表示を変化させる変化演出と保留変化演出とを異なる態様で実行するようにしてもよい。また、同一または類似の態様で開始される場合と、異なる態様で実行される場合と、があるようにしてもよい。このようにすることで、演出が多彩になり、興趣が向上する。
また、例えば、図9−8(G)の示した変化演出では、第1特定表示003AK001が表示エリア003AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示され、第2特定表示003AK003に変化するようになっていたが、第1特定表示003AK001が表示エリア003AK002に表示されたまま、表示エリア003AK002に演出画像が飛んでくるような演出が実行された後に、第2特定表示003AK003に変化する(または変化しない)変化演出が実行されるようにしてもよい。
また、図9−8(G)の示した変化演出と、図9−9(B)の示した消去演出と、は同様に第1特定表示003AK001が表示エリア003AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される同様の演出が実行され、その後変化演出または消去演出に分岐するようになっていた。このようにすることで、第1特定表示003AK001が画像表示装置5の中央に拡大して表示されたときに、有利度合いが高くなる変化演出が実行されるか、当該変動で当りとなることが報知される消去演出が実行されるかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。なお、上記実施例では、変化演出と消去演出との実行タイミングは異なっていたが、同じタイミングで実行可能にしてもよい。このようにすることで、変化演出と消去演出のいずれに分岐するかが分かりづらくなり、演出の興趣を向上させることができる。
なお、変化演出と消去演出との導入部分において同様の演出を実行するものに限定されず、明確に区別できるようにしてもよいし、明確に区別できるパターンを設けてもよい。また、変化演出や消去演出の実行タイミングによって演出態様を異ならせてもよい。例えば、実行タイミングが重複しないタイミングで変化演出または消去演出を実行する場合には、いずれが実行されるかが分かるような態様で演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者を不必要に期待させてしまうことを防止できる。
(特徴部003AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、特定表示は1つだけ表示されるようになっていたが、特定表示が複数同時に表示されるようにしてもよい。例えば、特定表示の表示態様により当り種別の有利度合いを示す場合においては、特定表示の数により保留内当りの数を示すようにしてもよい。
上記実施例では、保留連報知実行時の保留情報(当りとなる保留情報数)に基づいて変化演出を実行するか否かを決定するようになっていた(図9−1のステップ003AKS007)。これに対して、保留連報知が実行されて特定表示が表示されている間に新たに記憶された保留情報に基づいて変化演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
図9−11は、特定表示が表示されている間に新たに記憶された保留情報に基づいて変化演出を実行するか否かを決定する変形例における変化演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図9−11に示す変化演出設定処理では、図9−6に示す変化演出設定処理と同様に処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。変形例の図9−11に示す変化演出設定処理では、ガセの変化演出の実行有無を決定する処理に加えて、特定表示を変化させる変化演出の実行有無も決定する。
具体的には、ステップ003AKS041〜ステップ003AKS043の処理が追加されている。図9−11に示すように、特定表示が第1態様で表示されており(ステップ003AKS021;Yes)、今回の可変表示で特定表示が変化しない場合には(ステップ003AKS022;No)、演出制御用保留情報記憶領域を参照して、保留連報知後に保留内当りが増加したか否かを判定する(ステップ003AKS042)。ステップ003AKS042では、例えば、保留連報知時の保留情報の数を記憶しておき、その後に実行された変動回数から新たに記憶された保留情報を特定し、その中に当りとなる保留情報があるか否かを判定する。保留連報知後に保留内当りが増加していなければ(ステップ003AKS041;No)、ステップ003AKS023に移行してガセの変化演出を実行するか否かを決定する。
保留連報知後に保留内当りが増加していれば(ステップ003AKS041;Yes)、表示中に第1態様の特定表示について、今回の変動中に変化演出を実行して第2態様に変化させるための設定を行う(ステップ003AKS042)。変化演出に対応した演出制御データに基づいて、変化演出を実行するための制御を行う。そして、演出制御用保留情報記憶領域における増加した保留内当りに対応する保留情報の「報知対象」を更新して(ステップ003AKS043)、変化演出設定処理を終了する。
このように、変形例では、保留連報知を実行した後に記憶された保留情報に基づいて変化演出を実行できるので、保留連報知後の始動入賞の状況に応じて柔軟に変化演出を実行可能となり、変化演出の実行機会を増やすことができる。
上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例でしめした演出を好適に実行できれば任意でよい。
(特徴部003AKに係る手段の説明)
(1)特徴部003AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部003AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば演出制御用保留情報記憶領域)と、
前記有利状態に制御されるときに、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを報知する報知演出(例えば保留連報知)を実行可能な報知演出実行手段(例えばステップ003AKS004、ステップ003AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記報知演出が実行されたことにより、特定表示を表示可能な特定表示手段(例えばステップ003AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定表示手段は、
特定表示を、少なくとも第1態様(例えば第1特定表示003AK001)と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様(例えば第2特定表示003AK003)とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、
第1条件が成立したこと(例えばステップ003AKS003にてYesと判定されること)に基づいて前記第1態様の特定表示を表示可能であり、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えばステップ003AKS007にて保留内当りが複数あること、ステップ003AKS041にてYesと判定されること)に基づいて前記第2態様の特定表示を表示可能であり、
前記第1態様の特定表示を表示しているときであって、前記第2条件が成立しているときに、当該特定表示を前記第1態様から前記第2態様に変化させる変化演出(例えば図9−8(G)〜(I))を実行可能である。
このような構成によれば、特定表示に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
特定表示は、当該特定表示に対応した可変表示が実行されるまで継続して表示される(例えば図9−8〜図9−10)ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出の実行対象が分かりやすくなり、遊技の興趣が向上する。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
特定表示は、当該特定表示に対応した可変表示における複数のタイミングのいずれかで消去される(例えば図9−4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出の実行対象が分かりやすくなるとともに、演出のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣が向上する。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
特定表示を消去するときに特定表示消去演出(例えば消去演出)を実行する消去演出実行手段(例えば図9−7の消去演出処理を実行する演出制御用CPU120)を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示を消去するときの違和感を軽減できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
少なくとも前記保留記憶手段が記憶可能な保留情報の上限数となる保留情報を対象として報知演出を実行しないように制限する報知演出制限手段(例えばステップ003AKS003の処理を実行する演出制御用CPU120)を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示期間が長くなることで、遊技者に間延び間を与えてしまうことを低減できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記第2条件は、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が複数記憶されていること(例えばステップ003AKS007にて保留内当りが複数あること、ステップ003AKS041にてYesと判定されること)により成立するようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出が実行された後に、複数回有利状態に制御される場合があるので、遊技の興趣が向上する。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記特定表示手段は、特定表示を表示するときに、前記第2条件が成立していること(例えばステップ003AKS007にて保留内当りが複数あること)に基づいて前記変化演出を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に変化演出を実行できる。
(8)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記特定表示手段は、前記第1態様の特定表示を表示した後に、前記第2条件が成立したこと(例えばステップ003AKS041にてYesと判定されること)に基づいて前記変化演出を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に変化演出を実行できる。
(9)上記(1)から(8)のいずれかの遊技機において、
前記変化演出の実行タイミングが複数ある(例えば図9−5)ようにしてもよい。
このような構成によれば、いずれのタイミングで変化演出が実行されるかに注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(10)上記(1)から(9)のいずれかの遊技機において、
特定表示が前記第1態様から前記第2態様に変化することを示唆し、前記第1態様のまま変化しない擬似変化演出(例えばガセの変化演出)を実行可能である(例えばステップ003AKS025の処理を実行可能である)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1態様から第2態様に変化するか否かを効果的に煽ることができ、遊技の興趣が向上する。
(特徴部004AKに係る手段の説明)
特徴部003AKは、特徴部004AKを含んでいる。
(1)特徴部004AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部004AK(003AK)に係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば演出制御用保留情報記憶領域)と、
前記有利状態に制御されるときに、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを報知する報知演出(例えば保留連報知)を実行可能な報知演出実行手段(例えばステップ003AKS004、ステップ003AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記報知演出が実行されたことにより、特定表示を表示可能な特定表示手段(例えばステップ003AKS010の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
特定表示に対応した可変表示において、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(例えば消去演出)を実行可能な消去演出実行手段(例えば図9−7の消去演出処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特定表示手段は、特定表示を、少なくとも第1態様(例えば第1特定表示003AK001)と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様(例えば第2特定表示003AK003)とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、
前記消去演出実行手段は、前記第1態様の特定表示と、前記第2態様の特定表示と、で異なる実行態様で前記特定表示消去演出を実行する(例えば図9−9、図9−10)。
このような構成によれば、遊技者にとっての有利度合いに合った特定表示消去演出を実行でき、特定表示消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
特定表示は、当該特定表示に対応した可変表示が実行されるまで継続して表示される(例えば図9−8〜図9−10)ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出の実行対象が分かりやすくなり、遊技の興趣が向上する。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
特定表示は、当該特定表示に対応した可変表示における複数のタイミングのいずれかで消去される(例えば図9−4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知演出の実行対象が分かりやすくなるとともに、演出のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣が向上する。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
少なくとも前記保留記憶手段が記憶可能な保留情報の上限数となる保留情報を対象として報知演出を実行しないように制限する報知演出制限手段(例えばステップ003AKS003の処理を実行する演出制御用CPU120)を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示の表示期間が長くなることで、遊技者に間延び間を与えてしまうことを低減できる。
(特徴部010AKに関する説明)
続いて、特徴010AKについて説明する。特徴部010AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態やV入賞で大当り遊技状態に制御される小当り遊技状態)に制御されるときに、有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていること(保留内大当りがあること、保留内連荘すること)を報知する報知演出(保留連報知)を実行可能であり、報知演出が実行されたことにより、特定表示(有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを示す表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示に対応した可変表示の所定タイミングにおいて、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(消去演出)を実行可能な消去演出実行手段と、を備える。このような消去演出を実行することで、保留連報知の対象が分かりやすくなる。また、消去演出が実行されるまで特定表示が継続して表示されるので、継続的に保留内大当りがあることを報知可能となる。
そして、特徴部010AKでは、特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、所定タイミングよりも後の特定タイミングで当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である。即ち、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、不具合等の所定事象が発生して所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合には、特定タイミングで特定表示が消去されるので、保留連報知の対象となる有利状態に制御されたにも関わらず、特定表示が表示され続けて遊技者に不信感を与えてしまうこと防止できる。これにより、保留連報知を好適に実行できる。
以下、特徴010AKのパチンコ遊技機1の特徴的な部分について説明する。ここでは説明しない他の部分については、上述の基本説明のパチンコ遊技機1の構成や他の特徴部の構成を適宜採用すればよい。
まず、特徴010AKのパチンコ遊技機1の動作について説明する。図10−1は、大当り遊技状態において、特徴部010AKの保留連報知を実行するための保留連報知処理の動作を示すフローチャートである。保留連報知処理は、図7のステップS176の大当り中演出処理内で実行される。保留連報知処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留連報知の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ010AKS001)。保留連報知の実行タイミングでないと判定した場合(ステップ010AKS001;No)、保留連報知設定処理を終了する。
保留連報知の実行タイミングは、有利状態の開始から終了までの任意のタイミングに定められていればよい。この実施例では大当り遊技状態における所定ラウンド目(例えば4ラウンド等)のラウンド中となっている。ステップ010AKS001では、例えば4ラウンドの開始時であるか否かを判定すればよい。なお、実行タイミングが複数種類あっていずれかに決定されるようにしてもよい。また、制御中の大当り遊技状態の大当り種別や保留内の大当り種別によって実行タイミングや実行タイミングの決定割合が異なるようにしてもよい。
保留連報知の実行タイミングは、図8−1に示すようなV判定入賞装置87に遊技球が入賞可能な状態となる小当り遊技状態中であってもよい。即ち、保留連報知は、有利状態としてのV入賞が可能となる小当り遊技状態中に実行されるようにしてもよい。また、実際には有利状態が開始していないが、飾り図柄が当りの組合せで揃った後の有利状態が開始するまでのインターバルや、有利状態に制御される可変表示中(例えば実行済みの保留連報知の対象の可変表示中等)に保留連報知が実行されるようにしてもよい。なお、短期間の大当りの発生頻度が過度にならないようにするために、飾り図柄が当りの組合せで揃った後の有利状態が開始するまでにインターバルを設ける場合等には、インターバルに保留連報知を実行することで、演出が間延びして興趣が低下してしまうことを防止できる。
保留連報知の実行タイミングであると判定した場合(ステップ010AKS001;Yes)、保留連報知が実行されて特定表示が表示中(保留連報知中)であることを示す保留連報知中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ010AKS002)。この実施例では、保留連報知が実行されたことに応じて、保留内当りがあることを示す特定表示が報知対象の当りとなるまで継続的に表示されるようになっている。そのような特定表示が表示されていることに対応して、保留連報知中フラグがオン状態であれば(ステップ010AKS002;Yes)、保留連報知設定処理を終了して新たな保留連報知は実行しない。
なお、特定表示が表示されているときに、新たな保留連報知を実行するようにしてもよい。このような場合、新たな保留連報知が実行されたことに応じて、新たに特定表示が表示されるようにしてもよいし、特定表示の表示態様が変化するようにしてもよい。
保留連報知中フラグがオフ状態であれば(ステップ010AKS002;No)、現在記憶されている保留番号1〜3の保留情報(第2保留情報)に当り(小当りまたは大当り)となる保留情報があるか否かを判定する(ステップ010AKS003)。
演出制御用CPU120は、例えば主基板11から始動入賞の発生を指定するための演出制御コマンドや、先読み判定の判定結果を指定するための演出制御コマンドを受信したことに基づいて、当該情報を演出制御用の保留情報として、RAM122の所定領域(演出制御用保留情報記憶領域)に記憶する。図10−2は、演出制御用保留情報記憶領域の一例を示している。図10−2に示すように、保留情報の記憶順に対応する「保留番号」と、先読み判定の判定結果を指定するための演出制御コマンドから特定される「表示結果」と、が対応付けて保留情報として記憶される。図10−2における保留番号0の保留情報は、実行中の可変表示に対応する保留情報である。また、各保留情報には、保留連報知の「報知対象」であることを特定可能な情報が対応付けて記憶される。保留情報としてこれらの以外の情報(例えば変動パターン情報等)が対応付けて記憶されていてもよい。演出制御用保留情報記憶領域は、新たな始動入賞が発生する毎に、上限数(4個)の範囲内で新たな保留情報が記憶され、可変表示が終了または開始される毎に、保留番号0の保留情報が消去されて、保留番号1以降の保留情報が1つ若い保留番号にシフトして更新される。
図10−2では、実行中の可変表示が小当りであり、当該小当り経由の大当り遊技状態において、保留番号2及び3の保留情報を対象に保留連報知が実行されることを示している。なお、図10−2に示す例では、図8−2に示すような当り種別(小当り経由で大当りが発生する当り種別が含まれるもの)を想定している。
ステップ010AKS003の処理では、演出制御用保留情報記憶領域を参照し、保留番号1〜3の第2保留情報に表示結果が当りとなる保留情報が格納されているか否かを判定すればよい。
なお、演出制御用保留情報記憶領域は、第1特図に対応する保留情報と第2特図に対応する保留情報とが設けられていればよい。図10−2に示す演出制御用保留情報記憶領域は、第2特図に対応するものである。
第2特図の可変表示が第1特図の可変表示よりも優先的に実行されることから、大当り遊技状態の終了後は高ベース状態では、通常第2特図の可変表示により遊技が進行される。そのため、この実施例では、保留連報知の対象として、第2特図(第2始動入賞口への入賞)に対応する第2保留情報について保留連報知を実行するようになっている。そのため、ステップ010AKS003では、第2保留情報に当りとなるものがあるか否かを判定するようになっている。なお、図では省略しているが、通常状態で大当りとなった場合には、第2保留情報の数が無いか少ないことが想定されるため、本実施例では高ベース状態(時短状態)で大当りとなった場合に、大当り遊技状態(有利状態)において保留連報知を実行するようになっている。なお、遊技状態によらず保留連報知を実行するようにしてもよい。
また、第1特図(第1始動入賞口への入賞)に対応する第1保留情報について保留連報知を実行するようにしてもよい。例えば、通常状態で大当りとなった場合には、第1保留情報について保留連報知を実行するようにしてもよい。この場合の保留連報知の演出態様を、第2保留情報についての保留連報知の演出態様と異ならせてもよい。
第2保留情報は4個まで記憶可能であるが、この実施例では、保留番号1〜3の第2保留情報を対象として保留連報知を実行可能となっている。そのため、ステップ010AKS003では、全ての保留番号ではなく、保留番号1〜3の第2保留情報に当りとなるものがあるか否かを判定するようになっている。
例えば、第2保留情報が4個記憶された状態で、保留番号4のみが当りとなる保留情報だった場合に、当該保留番号4に対して保留連報知を実行した場合、大当り遊技状態が終了した後に、実際に保留連報知となる当りとなる可変表示が実行されるまでに、第2特図の可変表示が3回実行されることになる。この3回の可変表示で選択され得る可変表示時間の最長時間(例えば2分)であった場合、保留連報知が実行された大当り遊技状態終了後、大当りとなる可変表示が開始されるまで最長約6分かかり、大当り遊技状態となるまで最長約8分かかることになる。このように、保留連報知を実行したにも関わらず、当該保留連報知に対応する大当りとなるまでが冗長となってしまうことを防止するため、この実施例では、保留番号4の保留情報は保留連報知の対象外としている。これにより、保留連報知後の演出が間延びしてしまうことを防止でき、興趣低下を防止できる。
なお、保留番号4の保留情報を保留連報知の対象外とすることに限定されず、保留番号4の保留情報を保留連報知の対象としてもよいし、保留番号3及び4の保留情報を保留連報知の対象外としてもよい。また、保留番号2以下の保留情報を保留連報知の対象外としてもよい。例えば、各保留情報に対応した変動パターン(変動時間)を先読みして、その変動時間に応じていずれの保留情報まで保留連報知の対象とするかを決定するようにしてもよい。例えば、記憶されている保留情報に対応した総変動時間が特定の範囲内となる保留情報までを保留連報知の対象とするようにしてもよい。このようにすることで、記憶されている保留情報に対応する変動時間に応じて、保留連報知後の演出の間延びを防止しつつ、保留連報知の実行機会を確保することができ、好適に保留連報知を実行できる。
現在記憶されている保留番号1〜3の第2保留情報に当りとなるものがない場合は(ステップ010AKS003;No)、保留連報知設定処理を終了する。現在記憶されている保留番号1〜3の第2保留情報に当り(小当りまたは大当り)となるものがある場合は(ステップ010AKS003;Yes)、保留連報知を実行するか否かを判定する(ステップ010AKS004)。
ステップ010AKS004では、例えば、図10−3(A)に示す割合で、保留連報知を実行するか否かを判定(決定)する。図10−3(A)に示すように、ステップ010AKS004では、30%の割合で保留連報知を実行すると判定され、70%の割合で保留連報知を実行しないと判定される。なお、保留内当りの数、保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて保留連報知の実行判定割合を異ならせてもよい。また、実行判定割合も好適に保留連報知を実行できれば任意の割合でよい。
続いて、ステップ010AKS004にて保留連報知を実行すると判定されたか否かを判定する(ステップ010AKS005)。保留連報知を実行しない判定された場合(ステップ010AKS005;No)、保留連報知設定処理を終了する。
保留連報知を実行すると判定された場合(ステップ010AKS005;Yes)、保留連報知が実行されたことに応じて表示される特定表示の態様に対応した特定表示パターンを決定する(ステップ010AKS006)。
この実施例では、特定表示の表示態様として第1態様と保留内当りが複数あることを示す第2態様とが設けられている。よって、第1態様の特定表示よりも、第2態様の特定表示の方が遊技者にとっての有利度合いが高い。このように、保留内当りが複数あることを示す第2態様を設けたことで、1回の報知で複数回当りとなることを報知可能となり、遊技者は第2態様で特定表示が表示されることを期待するようになり、演出の興趣が向上する。
この実施例では、特定表示パターンとして、特定表示を第1態様で表示する特定表示パターンAと、特定表示を第2態様で表示する特定表示パターンBと、が設けられている。
ステップ010KS006では、保留連報知の実行対象の保留内当りの数に応じて、例えば、図10−3(B)に示す割合で特定表示パターンを決定する。図10−3(B)に示すように、ステップ010AKS006では、保留連報知の実行対象の保留内当りが1つである場合には特定表示パターンAに決定され、保留連報知の実行対象の保留内当りが2つ以上である場合には、20%の割合で特定表示パターンAに決定され、80%の割合で特定表示パターンBに決定される。このようにすることで、特定表示が第2態様で表示された場合は保留内当りが2つ以上あることを報知できる。また、保留内当りが2つ以上である場合でも、特定表示パターンAに決定されることがあるようになっている。よって、特定表示が第1態様で表示された場合でも、保留内当りが2つ以上ある場合があるため、特定表示が第1態様で表示された場合の遊技者の落胆を低減することができる。
なお、この決定割合は一例であり、保留連報知の対象外を含む保留内当りの数、保留連報知の実行対象の保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて特定表示パターンの決定割合を異ならせてもよい。即ち、特定表示の表示態様により当りの数以外の有利度合いを示唆するようにしてもよい。また、決定割合も好適に特定表示を表示できれば任意の割合でよい。
また、特定表示の表示態様として、第1態様及び第2態様とは有利度合いが異なる他の表示態様が設けられていてもよいし、特徴部003AKと同様に、第1態様から第2態様に変化する変化演出を実行可能としてもよい。
ステップ010AKS006にて特定表示パターンを決定した後には、画像表示装置5等で保留連報知を実行し、当該保留連報知の実行後に、ステップ010AKS006における決定結果に応じて、特定表示を第1態様または第2態様で画像表示装置5における表示エリアに表示するための設定を行う(ステップ010AKS007)。具体的には、保留連報知を実行するための演出制御データを読み出して、当該演出制御データに基づいて保留連報知を実行する。そして、ステップ010AKS006において特定表示パターンAに決定された場合は、特定表示を第1態様で表示し、特定表示パターンBに決定された場合は、特定表示を第2態様で表示するための制御を行う。また、RAM122には、表示中の特定態様の表示態様を特定可能な情報を記憶する特定表示態様記憶領域が設けられており、ステップ010AKS006では、表示する特定表示の表示態様(第1態様または第2態様)に対応した情報を特定表示態様記憶領域に格納する。
その後、ステップ010AKS004における決定結果に応じて、図10−2に示す演出制御用保留情報記憶領域における保留情報の「報知対象」を更新する(ステップ010AKS008)。具体的には、ステップ010AKS004にて保留連報知を実行すると判定された保留情報の「報知対象」に保留連報知を実行することを示す情報(フラグ等)を記憶する。
続いて、保留連報知が実行されて特定表示が表示中(保留連報知中)であることを示す保留連報知中フラグをオン状態にセットして(ステップ010AKS009)、保留連報知設定処理を終了する。
図10−4は、特徴部010AKの消去演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図10−4に示すように、大当り遊技状態(大当り遊技状態がON)において保留連報知が実行されると、特定表示が表示される(特定表示がON)。
その後、大当り遊技状態が終了すると、記憶されている保留情報に基づいて変動(可変表示)が実行される(変動がON)。その変動が保留連報知の対象変動であった場合、当該変動(保留連報知対象変動)において消去演出が実行される。この実施例では、図10−4に示すように、消去演出の実行タイミング(消去タイミング)として、変動開始直後のタイミングTAと、ノーマルリーチ開始時(左右図柄揃い時)のタイミングTBと、スーパーリーチ発展後のタイミングTCと、が設けられている。
この実施例では、保留連報知対象変動の変動開始時に、演出制御用CPU120が、主基板11から受信する演出制御コマンドに基づいて消去演出の実行タイミングをいずれかに決定するようになっている。変動開始時には、図10−4に示すように、背景指定コマンド(ここでは第2時短状態指定コマンド)、変動特図指定コマンド(ここでは第2図柄変動指定コマンド)、表示結果指定コマンド、変動パターン指定コマンドといった複数の演出制御コマンドが送信される。そして、この実施例では、変動パターンから特定される演出の有無や変動時間に基づいて消去演出の実行タイミングが決定される。
このように、変動開始時にコマンドを正常に受信し、演出制御用CPU120が正常な処理を実行した場合には、消去演出の実行タイミングとしてタイミングTA、TB、TCのいずれかに決定される。しかしながら、コマンドを正常に受信できなかった場合や、演出制御基板12側のエラー等の何らかの事象(所定事象)の発生により、消去演出の実行タイミングが正常に決定されなかった場合、保留連報知対象変動において消去演出が実行されずに、特定表示が表示されたままになってしまうおそれがある。
そのような異常時(所定事象の発生時)には、特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1では、図10−4に示すように、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンドともいう)を受信したことに基づいて、小当り経由大当りの大当り遊技状態中であるタイミングTDにおいて特定表示を消去するようになっている。
即ち、小当り開始指定コマンドを受信時に当該小当りが保留連報知の対象であるのにも関わらず、消去演出が実行されずに特定表示が表示されたままである場合には、タイミングTDにおいて特定表示を消去する。このようにすることで、正常に消去演出が実行されなかった場合でも、特定表示を好適に消去することができる。そして、保留連報知の対象の小当り(小当り経由大当り)となったにも関わらず、特定表示が消去されずに未だ当りとなる権利が残っていると遊技者に誤解させてしまうことを防止できる。
なお、小当り経由でない図柄大当りとなった場合には、大当り開始指定コマンドを受信したことに基づいてタイミングTDにおいて特定表示を消去すればよい。
図10−4に示すように、所定事象発生時の特定表示の消去タイミングTD(特定タイミング)は、正常時の特定表示の消去タイミングTA〜TC(所定タイミング)よりも後のタイミングとなっている。このようにすることで、消去演出が実行され得る所定タイミングがまだ残っているにも関わらず、特定タイミングとなって特定表示が消去されてしまい、違和感を与えてしまうことを防止できる。
図10−5(A)は、消去演出設定処理の動作を示すフローチャートである。消去演出設定処理は、可変表示中に図7のステップS171の可変表示開始設定処理内で実行される。消去演出設定処理は、特定表示を消去する変動(当りとなる変動)である場合に、消去演出の実行タイミングを決定するための処理である。
図10−5(A)に示す消去演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ010AKS021)。変動パターン指定コマンドを受信していなければ(ステップ010AKS021;No)、消去演出設定処理を終了する。
変動パターン指定コマンドを受信していれば(ステップ010AKS021;Yes)、保留連報知中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ010AKS022)。保留連報知中フラグがオフ状態である場合(ステップ010AKS022;No)、消去演出設定処理を終了する。
保留連報知中フラグがオン状態である場合(ステップ010AKS022;Yes)、演出制御用保留情報記憶領域の保留番号0を確認すること等により、今回の変動が保留連報知の報知対象であるか否かを判定する(ステップ010AKS023)。保留連報知の報知対象でない場合(ステップ010AKS023;No)、消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の報知対象である場合(ステップ010AKS023;Yes)、受信した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンに基づいて、消去演出の実行タイミングを決定する(ステップ010AKS024)。
ステップ010AKS024では、変動パターンに応じて、例えば図10−5(B)に示す割合で消去演出の実行タイミングを決定する。この実施例では、保留連報知の対象となる当りの変動パターンとして、例えば図10−5(C)に示すように、リーチの煽りを実行せず直で当り図柄(例えば同じ数字の飾り図柄の並び)が揃う変動パターンAと、ノーマルリーチの後に当り図柄が揃う変動パターンBと、ノーマルリーチ後にスーパーリーチのリーチ演出が実行され、その後当り図柄が揃う変動パターンCと、が設けられている。
図10−5(B)、(C)に示すように、変動パターンAは変動時間が短く、例えば図10−4に示すタイミングTBに到達する前に変動が終了する変動パターンとなっている。そのため、変動パターンが変動パターンAである場合には、100%タイミングTAに決定される。
また、変動パターンBは変動時間が中程度であり、例えば図10−4に示すタイミングTBに到達後でありタイミングTCに到達する前に変動が終了する変動パターンとなっている。そのため、変動パターンが変動パターンBである場合には、50%の割合でタイミングTAに決定され、50%の割合でタイミングTBに決定される。
また、変動パターンCは変動時間が長く、例えば図10−4に示すタイミングTCに到達後に変動が終了する変動パターンとなっている。そのため、変動パターンが変動パターンCである場合には、50%の割合でタイミングTAに決定され、25%の割合でタイミングTBに決定され、25%の割合でタイミングTCに決定される。
このように、この実施例では、変動パターンに応じた消去演出を実行できる実行タイミングに決定されるようになっている。これにより、好適な実行タイミングで消去演出を実行できる。なお、保留内当りの数、保留連報知の実行対象の保留内当りが大当りであるか小当りであるか、当り種別(ラウンド数、確変制御や時短制御の有無等)等に応じて消去演出の実行タイミングの決定割合を異ならせてもよい。また、決定割合も好適に消去演出をできれば任意の割合でよい。
続いて、ステップ010AKS024にて決定された実行タイミングにおいて消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS025)。ステップ010AKS025では、例えば、ステップ010AKS024にて決定された実行タイミング(タイミングTA、TB、またはTC)において、消去演出を実行するための演出制御データを読み出して、当該演出制御データに基づく演出制御を開始する。その後、消去演出設定処理を終了する。
図10−6は、消去演出処理の動作を示すフローチャートである。消去演出処理は、可変表示中に図7のステップS172の可変表示中演出処理内で実行される。消去演出処理は、図10−5(A)の消去演出設定処理において決定された特定表示の消去タイミングにおいて、特定表示の表示態様に応じた消去演出を実行するための処理である。
図10−6に示す消去演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、消去演出設定処理における消去タイミングの決定結果及び変動開始からの経過時間に基づいて、消去演出の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップ010AKS031)。ステップ010AKS031では、今回の変動が保留連報知の報知対象であって、消去演出設定処理において消去タイミングが決定されている場合、当該消去タイミング(タイミングTA、TB、またはTC)となったか否かを判定する。消去演出の実行タイミングでない場合(ステップ010AKS031;No)、消去演出処理を終了する。
消去演出の実行タイミングである場合(ステップ010AKS031;Yes)、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS032)。
特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS032;Yes)、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第1消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS033)。ステップ010AKS033では、第1消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第1消去演出を実行するための制御を行う。これにより、特定表示が消去されることになる。
その後、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットする(ステップ010AKS034)。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS032;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5において、特定表示を消去する消去演出として第2消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS035)。ステップ010AKS035では、第2消去演出に対応した演出制御データに基づいて、第2消去演出を実行するための制御を行う。
このように、この実施例では、特定表示が第1態様で表示されているときには第1消去演出が実行され、特定表示が第2態様で表示されているときには第1消去演出とは演出態様の異なる第2消去演出が実行されるようになっている。例えば、第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとっての有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
このように、この実施例では特定表示の表示態様に応じて消去演出の演出態様を異ならせているが、特定表示の表示態様によらず同じ消去演出を実行するようにしてもよいし、同じ消去演出が実行される場合があるようにしてもよい。また、消去演出の実行タイミング等の他の条件に応じて消去演出の演出態様を異ならせてもよい。
この実施例では、第2消去演出が実行された場合、第2態様の特定表示が消去されるが、特定表示が第1態様で再度表示されるようになっている。そのため、ステップ010AKS035の処理を実行した後、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行う(ステップ010AKS036)。
ステップ010AKS034またはステップ010AKS036の処理を実行した後には、今回の可変表示において消去演出を実行済みであることを示す消去演出済みフラグをオン状態にセットして(ステップ010AKS037)、消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の対象変動の開始時に図10−5(A)の消去演出設定処理において正常に消去タイミングが決定された場合には、図10−6に示す消去演出設定処理が実行されることで、特定表示を消去する消去演出が実行されることになる。
これに対して、変動パターン指定コマンドを取りこぼした場合、受信したがノイズ等で正常なコマンドを受信できなかった場合、消去演出設定処理の処理エラー、変動パターンに対して誤って消去演出が実行できない消去タイミングに決定された場合(例えば変動パターンAに対してタイミングTB、TCに決定された場合)といった所定事象が発生して、消去タイミングが決定されなかった場合や、正常に消去演出が実行されずに特定表示が消去されなかった場合は、図7のステップS173の特図当り待ち処理内にて、図10−7に示す第2消去演出設定処理が実行されることで、特定表示が消去されることになる。
図10−7に示す第2消去演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から当り開始指定コマンド(小当り開始指定コマンド、大当り開始指定コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップ010AKS041)。当り開始指定コマンドを受信していなければ(ステップ010AKS041;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
当り開始指定コマンドを受信していれば(ステップ010AKS041;Yes)、演出制御用保留情報記憶領域の保留番号0を確認すること等により、今回実行された変動(今回の当り)が保留連報知の報知対象であるか否かを判定する(ステップ010AKS042)。保留連報知の報知対象でない場合(ステップ010AKS042;No)、第2消去演出設定処理を終了する。
保留連報知の報知対象である場合(ステップ010AKS042;Yes)、今回実行された変動において消去演出が実行済みであることを示す消去演出済みフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ010AKS043)。消去演出済みフラグがオン状態であれば(ステップ010AKS043;Yes)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行された場合であるので、消去演出済みフラグをオフ状態にリセットして(ステップ010AKS044)、第2消去演出設定処理を終了する。
消去演出済みフラグがオフ状態であれば(ステップ010AKS043;No)、今回の保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されていない場合であるので、大当り遊技状態(小当り経由大当り)中のタイミングであるタイミングTDにおいて消去演出を実行するための設定を行う(ステップ010AKS045)。このように、保留連報知の報知対象の変動において正常に消去演出が実行されなかった場合に、当り開始指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去する制御を特定制御ともいう。
その後、特定表示態様記憶領域を参照することで、特定表示は第1態様で表示されているか否かを判定する(ステップ010AKS046)。特定表示が第1態様で表示されている場合(ステップ010AKS046;Yes)、保留連報知中フラグをオフ状態にリセットし(ステップ010AKS047)、第2消去演出設定処理を終了する。
特定表示が第1態様で表示されていない場合(ステップ010AKS046;No)、即ち、特定表示が第2態様で表示されている場合、画像表示装置5の表示エリアに特定表示を第1態様で表示するための表示設定を行い(ステップ010AKS048)、第2消去演出設定処理を終了する。このように、特定表示が第2態様で表示されている場合であって、消去演出が正常に実行されなかった場合には、正常の消去演出が実行された場合と同様に、第2態様の特定表示を第1態様に変化させる制御が行われる。このようにすることで、遊技者にとって有利な第2態様の特定表示が表示され続けて遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
続いて、特徴部010AKの演出動作例について説明する。図10−8は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−8(A)は、大当りとなったときの画像表示装置5を示している。画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(図柄大当りまたは小当り経由大当り)となったことが示されている。
その後、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始される。大当り遊技状態では、例えば図10−8(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分に現在のラウンド表示が表示される。
この実施例では、大当り遊技状態における4ラウンド目が保留連報知の実行タイミングとなっている。保留連報知を実行すると決定された場合、大当り遊技状態におけるラウンドが消化されて、4ラウンド目になると、図10−8(C)に示すように、保留内に当りがあること(保留内連荘すること)を報知する保留連報知として、画像表示装置5の中央に「V」を示す第1態様の特定表示010AK001(第1特定表示010AK001)が表示される。第1特定表示010AK001は、図10−8(D)に示すように、画像表示装置5に右下部分に設けられた表示エリア010AK002に移動し、縮小されて表示される。このような、保留連報知及び特定表示の表示は、図10−1のステップ010AKS007の処理に基づいて実行される。
第1特定表示010AK001は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまでは、表示エリア010AK002において継続的に表示される。これにより、保留内に当りがあること(保留内連荘となること)を継続的に報知でき、報知対象の可変表示が分かりやすくなる。
なお、特定表示は、保留連報知の実行後少なくとも報知対象の当りとなる可変表示が実行されるまで、常に表示されていなくてもよく、例えば所定の演出(予告演出やリーチ演出)が実行される場合等には一時的に視認不可能になるようにしてもよい。
その後、大当り遊技状態が終了するときには、例えば図10−8(E)に示すように、画像表示装置5に、「大当り終了」という文字とともに、大当り遊技状態における総賞球数の表示(「TOTAL XXXX pt」)が表示されるエンディング演出が実行されて、大当り遊技状態が終了する。
大当り遊技状態が終了すると、図10−8(F)に示すように、画像表示装置5において、保留情報に基づく飾り図柄の可変表示が開始される。図10−8(F)では、下向き矢印での各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄が可変表示していることを示している。
保留連報知の対象変動である場合、例えば、図10−8(G)に示すように、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となる。
例えば、この変動中のタイミングTB(ノーマルリーチ開始時のタイミング)において消去演出を実行することが決定されている場合、図10−8(H)に示すように、第1特定表示010AK001が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−8(I)に示すように、画像表示装置5の全体がブラックアウトして視認不可能な状態になり、第1特定表示010AK001が消去される第1消去演出が実行される。
その後、図10−8(I)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が当り図柄となる。このように、保留連報知の対象となる可変表示では、特定表示が消去される消去演出が実行される。これにより、特定表示を消化して当り(大当り)となったような演出を実行することができる。
図10−9は、大当り遊技状態において保留連報知が実行され、保留連報知対象変動において消去演出が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−9(A)〜(G)の演出動作については、図10−8(A)〜(G)の演出動作と同様である。保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−9(H)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第1特定表示010AK001が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−9(I)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、小当り遊技状態においてV入賞が発生したことに基づき、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−9(J)に示すように、表示エリア010AK002から第1特定表示010AK001が消去されている。これがタイミングTDにおける消去演出となる。
この実施例では、画像表示装置5に複数の表示レイヤが設けられており、各表示レイヤに異なる画像を表示させることができるようになっている。そして、各表示レイヤには表示優先順位が設定されており、表示優先順位の高い表示レイヤの画像が遊技者から見て手前側に表示される。図10−9(I)に示すように大当りとなったことを報知する演出(ファンファーレ演出)は、表示エリア010AK002よりも表示レイヤが上位に設定されることにより、表示エリア010AK002(特定表示)よりも優先的に表示されるようになっている。このように、表示エリア010AK002(特定表示)が非表示となった、ファンファーレ演出中のタイミングTDにおいて特定表示を消去することで、突然特定表示が消去されるといった違和感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
なお、消去演出が正常に実行されなかった場合に特定表示を消去する特定タイミングは大当り遊技状態のタイミングTDに限定されない。例えば、特定タイミングは、変動中のタイミングであってもよいし、図柄揃い時のタイミングであってもよい。この場合、特定タイミングは、違和感なく特定表示を消去できるタイミングであることが好ましい。例えば、特定タイミングを変動中とする場合には、消去演出を実行する所定タイミングのうち最も遅い所定タイミングよりも後のタイミングであることが好ましい。このようにすることで、演出の不整合を防止でき、未だ消去演出が実行され得る段階で消去演出によらず特定表示が消去されて、遊技者に違和感や不信感を与えてしまうことを防止できる。
また、特定タイミングは、他の演出の実行タイミングと同じタイミングとして、他の演出実行中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、特定表示を違和感なく消去させることができる。例えば、特定タイミングを、役物を動作させる演出の実行タイミングとしてもよい。そして、例えば、役物を動作させる演出に伴って画像表示装置5に役物動作エフェクトを表示する場合には、当該役物動作エフェクトの表示レイヤを特定表示よりも上位に設定し、役物動作エフェクトの表示中に特定表示を消去するようにしてもよい。このようにすることで、役物を動作させる演出中に、違和感なく特定表示を消去することができる。なお、特定タイミングを大当り遊技状態とした場合、当り指定コマンドを受信したことに基づいて特定表示を消去するようになっていたが、変動中や図柄確定時に特定タイミングを設ける場合は、変動開始からの経過時間や、図柄確定指定コマンドの受信に基づいて特定表示を消去するようにすればよい。
図10−10は、第2消去演出が実行される場合の演出動作例を示している。図10−10(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
例えば、この変動中のタイミングTBにおいて消去演出を実行することが決定されている場合、図10−10(B)に示すように、第2特定表示010AK003が表示エリア010AK002から飛び出して、画像表示装置5の中央に拡大して表示される。
そして、図10−10(C)に示すように、画像表示装置5が切り裂かれるようなエフェクトが表示されて、第2特定表示010AK003が消去される第2消去演出が実行される。このように、第2消去演出の演出態様は、図10−8(I)に示した第1消去演出の演出態様と異なっている。
第2消去演出は、第1消去演出よりも遊技者にとって有利な状況で実行されるため、第1消去演出よりも派手な態様、激しい態様、演出量(音量、光量等)の多い態様で実行されるようにしてもよい。例えば、第1消去演出では音声が出力されず、第2消去演出では音声が出力されるようにしてもよい。また、第2消去演出では演出用役物が動作するのに対して、第1消去演出では演出用役物が動作しないようにしてもよいし、第1消去演出では演出用役物の動作量が第1消去演出よりも少ないようにしてもよい。このようにすることで、特定表示の表示態様によって異なる消去演出を実行することができる。そして、遊技者の有利度合いに合った消去演出を実行でき、消去演出の演出効果を高めることができ、興趣が向上する。
その後、図10−10(D)に示すように、中の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止して表示結果が大当りとなる。第2消去演出が実行されると、第2特定表示010AK003は消去されるが、表示エリア010AK002には第1特定表示010AK001が表示される。これにより、第2特定表示010AK003は消去されることで大当りとなったような演出を実行できるとともに、第1特定表示010AK001を再表示することで、さらに保留内に当りがあることを継続して報知できる。
なお、第2消去演出が実行された後、第1特定表示010AK001を再表示せずに、その後の有利状態において、再度保留連報知を実行し、当該保留連報知にお実行に応じて第1特定表示010AK001が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、第2特定表示010AK003が表示されているときに当りとなった場合には、再度保留連報知が実行されることにあるので、保留連報知がループすること期待できるようになる。
図10−10に示すように、保留連報知の対象となる可変表示において特定表示を消去する消去演出を実行することで、保留連報知の実行対象の可変表示が分かりやすくなる。また、特定表示が消去されるときに、消去演出が実行されるので、特定表示が消去されたことが明確になり、特定表示を消去することの違和感を軽減できる。また、特定表示に対応した可変表示が明確になり、遊技者に分かりやすい遊技機を提供することができる。
図10−11は、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合の演出動作例を示している。図10−11(A)は、画像表示装置5の表示エリア010AK002に「W」を示す第2態様の特定表示010AK003(第2特定表示010AK003)が表示されており、左右の飾り図柄表示エリアに「7」の飾り図柄が停止してリーチ状態となっていることを示している。
保留連報知対象変動の開始時に所定事象(コマンド取りこぼしや演出制御基板12におけるエラー等)が発生したことにより、消去演出の実行タイミングを正常に決定できなかった場合、図10−11(B)に示すように、消去演出が実行されずに、表示エリア010AK002に第2特定表示010AK003が表示されたまま表示結果が当り図柄となる。
その後、小当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことにより、図10−11(C)に示すように、画像表示装置5には、ピースをしたキャラクタ画像と「大当り」という文字が表示され、右上部分に「777」の数字(小図柄)が表示されて、大当り(小当り経由大当り)となったことが報知される。
続いて、大当り遊技状態の1ラウンド目が開始されるが、図10−11(D)に示すように、表示エリア010AK002の第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更されている。これがタイミングTDにおける第2消去演出となる。
このように、第2特定表示010AK003が表示されているときに、保留連報知対象変動において消去演出(第2消去演出)が実行されなかった場合には、タイミングTDにおいて第2特定表示010AK003が第1特定表示010AK001に変更する制御が実行される。これにより、大当り遊技状態(小当り遊技状態)に制御されたにも関わらず、遊技者にとって有利な態様である第2態様の特定表示が表示されて続けて遊技者を過度に期待させたり、その後期待した程有利にならずに遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
(特徴部010AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。例えば、特徴部003AKに係る変化演出を実行するようにしてもよい。また、特徴部003AKや特徴部004AKの手段を特徴部010AKに採用してもよい。
上記実施例では、特定表示は1つだけ表示されるようになっていたが、特定表示が複数同時に表示されるようにしてもよい。例えば、特定表示の表示態様により当り種別の有利度合いを示す場合においては、特定表示の数により保留内当りの数を示すようにしてもよい。
上記実施例の保留連報知、特定表示、消去演出、特定タイミングにおいて特定表示を消去する際の演出態様や表示態様は一例であり、各演出の演出態様や表示態様は任意でよい。例えば、上記実施例では特定表示や消去演出の演出態様が複数種類あったが、一種類であってもよい。
上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。
(特徴部010AKに係る手段の説明)
(1)特徴部010AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部010AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
可変表示に関する情報を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば演出制御用保留情報記憶領域)と、
前記有利状態に制御されるときに、前記保留記憶手段に前記有利状態に制御されることに対応した保留情報が記憶されていることを報知する報知演出(例えば保留連報知)を実行可能な報知演出実行手段(例えばステップ010AKS004、ステップ010AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記報知演出が実行されたことにより、特定表示を表示可能な特定表示手段(例えばステップ010AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
特定表示に対応した可変表示の所定タイミング(例えばタイミングTA、TB、またはTC)において、当該特定表示を消去する特定表示消去演出(例えば消去演出)を実行可能な消去演出実行手段(例えばステップ010AKS024、ステップ010AKS025の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
特定表示が表示されているときに、所定事象(例えば変動パターンコマンドの取りこぼしや消去演出設定処理のエラー)が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記所定タイミングよりも後の特定タイミング(例えばタイミングTD)で当該特定表示を消去する特別制御を実行可能である(例えばステップ010AKS045の処理を実行可能である)。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11、遊技制御用マイクロコンピュータ100、CPU103)と、
前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用CPU120)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から可変表示開始時に情報(例えば変動パターン指定コマンド)を正常に受信できなかったことにより、前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記遊技制御手段から前記有利状態開始時に受信する情報(例えば当り開始指定コマンド)に基づいて前記特別制御を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(3)上記(2)の遊技機において、
前記有利状態開始時に受信する情報に基づいて実行される有利状態開始時演出の方が特定表示よりも表示優先順位が高く設定されており、
前記有利状態開始時演出期間中に、特定表示を消去する(例えば図10−9(H)〜(J))ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記所定タイミングは複数あり、
前記特定タイミングは、複数の所定タイミングのうち、最後のタイミングよりも後のタイミングである(例えば図10−4)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定表示消去演出の実行タイミングがまだ残っている状況で特定表示が消去されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定表示手段は、特定表示を、少なくとも第1態様と、当該第1態様よりも遊技者にとっての有利度の高い第2態様とを含む複数種類の表示態様のうちいずれかにより表示可能であり、
前記第2態様で特定表示が表示されているときに、所定事象が発生したことにより前記所定タイミングで当該特定表示が消去されなかった場合、前記特定タイミングで当該特定表示の表示態様を前記第1態様から前記第2態様に変更する制御を実行可能である(例えば図10−11)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2態様の特定表示が表示され続けて、遊技者に不信感を与えてしまうこと防止でき、好適に報知演出を実行できる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。