JP2020150976A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】想定以上に第2特図の変動が実行されてしまうことを防止して、遊技の公平性を担保できる遊技機を提供する。【解決手段】時短最終変動の開始タイミングであるタイミングt1において、時短フラグがオフにリセットされるとともに、時短延長フラグがオンにセットされる。その後、タイミングt2において、第2保留記憶数が上限数になると、時短延長フラグがオフにリセットされ、時短状態(高ベース制御)が終了する。そして、タイミングt3において時短最終変動が終了した後は、第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行される。【選択図】図36−8

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
特図確定表示時間が経過した後に、時短回数カウント値を減算し、更新後の時短回数カウント値が0であれば時短フラグをオフ状態にクリアする遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2016−47333号公報
特許文献1に記載の遊技機では、時短フラグをオフ状態にするタイミングについて、普通図柄の図柄確定停止時間や、普通可変入賞球装置(電動チューリップ)の開放時間が考慮されていなかった。そのため、時短状態終了後の次の変動において普通可変入賞球装置が開放しており、普通可変入賞球装置に遊技球が入賞してしまい、時短状態終了後、保留の上限数より多い回数第2特図の変動が実行されてしまう可能性があった。
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、想定以上に第2特図の変動が実行されてしまうことを防止して、遊技の公平性を担保できる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
第1可変表示手段(例えば第1特別図柄表示器8a)と第2可変表示手段(例えば第2特別図柄表示器8b)とにおいて可変表示を実行可能な遊技機(例えば73AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記第1可変表示手段における可変表示が実行されるときよりも、前記第2可変表示手段における可変表示が実行されるときの方が、遊技者にとって有利になりやすく(例えば図36−1、図36−2)、
普通図柄の可変表示の表示結果が所定結果(例えば普通図柄が当り)となったことに基づいて、閉状態から当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態に変化する可変入賞装置(例えば可変入賞球装置15)と、
前記可変入賞装置に遊技媒体が進入したことに基づいて、前記第2可変表示手段の可変表示に関する情報を第2保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば第2保留記憶バッファ)と、
通常状態よりも前記可変入賞装置が前記開状態になりやすい特別状態(例えば時短状態、高ベース状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えばステップS170の処理を実行するCPU56)と、
前記特別状態における可変表示の実行回数に基づいて前記特別状態を終了させる特別状態終了手段(例えばステップ73AKS013、ステップ73AKS028、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)と、を備え、
前記特別状態終了手段は、前記特別状態における最終回の可変表示において、前記保留記憶手段の記憶する前記第2保留情報の数が所定数(例えば上限数である4)に達したことを条件に、前記特別状態を終了可能である(例えばステップ73AKS012、ステップ73AKS013、ステップ73AKS105、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別状態終了手段は、前記特別状態における最終回の可変表示において、前記保留記憶手段の記憶する前記第2保留情報の数が前記所定数に達しなかった場合、当該可変表示の終了時に前記特別状態を終了させる(例えばステップ73AKS028、ステップS149の処理を実行するCPU56)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の公平性を担保できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特別状態に制御されたときに第1フラグ(例えば時短フラグ)をオン状態とし、前記特別状態における最終回の可変表示において、可変表示開始時に前記第1フラグをオフ状態とするとともに第2フラグ(例えば時短延長フラグ)をオン状態とし、所定条件が成立したときに前記第2フラグをオフ状態とするフラグ管理手段(例えばステップ73AKS012、ステップ73AKS013の処理を実行するCPU56)を備え、
前記特別状態終了手段は、前記第2フラグがオフ状態となったことに基づいて、前記特別状態を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(4)上記(1)から(2)のいずれかの遊技機において、
前記特別状態に制御されたときに第1フラグ(例えば時短フラグ)をオン状態とし、前記特別状態における最終回の可変表示において所定条件が成立したときに前記第1フラグをオフ状態とするフラグ管理手段(例えばステップ73AKS105、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)を備え、
前記特別状態終了手段は、前記第1フラグがオフ状態となったことに基づいて、前記特別状態を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1可変表示手段における可変表示に基づいて小当り遊技状態に制御されるときよりも、前記第2可変表示手段における可変表示に基づいて前記小当り遊技状態に制御されるときの方が、遊技者にとって有利になりやすく(例えば図36−1、図36−2)、
前記特別状態終了手段は、
前記特別状態における可変表示の回数をカウントし、前記特別状態における可変表示の回数が第1回数となったときに、前記特別状態を終了可能である(例えばステップ73AKS007、ステップ73AKS028、ステップS149の処理を実行する)とともに、
前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数をカウントし、前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数が第2回数となったときに、前記特別状態を終了可能であり(例えばステップ73AKS025の処理を実行する)、
前記特別状態における可変表示の回数として、前記第1可変表示手段及び前記第2可変表示手段における可変表示の回数をカウントし(例えばステップ73AKS002、ステップS143の処理を実行する)、
前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数として、前記第2可変表示手段における可変表示に基づく前記小当り遊技状態の回数のみをカウントして、前記第1可変表示手段における可変表示に基づく前記小当り遊技状態はカウントしない(例えばステップ73AKS022、ステップ73AKS023の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に特別状態へ制御することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
外部へ前記特別状態であることを示す信号(例えば時短中信号)を送出する外部信号送出手段(例えばS29の処理を実行するCPU56)を備え、
前記外部信号送出手段は、前記特別状態の終了後も所定期間前記特別状態であることを示す信号を送出可能である(例えば図36−8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、外部機器にて好適に有利状態の連続を認識することができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 第1時短状態における第1,第2特別図柄の変動例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 小当り開放前処理を示すフローチャートである。 小当り開放中処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置の表示画面図である。 保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置の表示画面図である。 保留連報知演出のタイミングチャートである。 ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。 保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。 保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。 ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。 保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。 保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。 特定演出の演出画像を示す演出表示装置の表示画面図である。 特定演出のタイミングチャートである。 特定演出第1処理を示すフローチャートである。 特定演出第2処理を示すフローチャートである。 時短残回数の第1表示制御例を示す演出表示装置の表示画面図である。 図33−1に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータにより実行される処理を示すフローチャートである。 時短残回数の第2表示制御例を示す演出表示装置の表示画面図である。 図33−3に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータにより実行される処理を示すフローチャートである。 時短残回数更新ロック表示制御例を示す時短残回数表示部の近傍の表示領域の拡大図である。 特定報知例を示す演出表示装置の表示画面図である。 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 リールの図柄配列を示す図である。 当り種別表および大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 遊技状態の遷移を示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 変動パターンの一例を示す図である。 促進報知、到達報知の一例を示す図である。 保留個数と報知態様の関係を示す図である。 特1保留がない場合の時短中タイミングチャートを示す図である。 区間A、Bや達成演出における可変表示装置等の態様を示す図である。 特1保留がある場合の時短中タイミングチャートを示す図である。 右リールを停止させない場合の時短中タイミングチャートを示す図である。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 時短1回目変動中処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 時短変動処理を示すフローチャートである。 特徴部33AKの当り種別表を示す図である。 特徴部33AKの当り確率、当り種別決定割合を示す図である。 時短最終変動時処理を示すフローチャートである。 変動中演出設定処理を示すフローチャートである。 入賞促進報知の演出態様を示す図である。 時短最終変動演出処理を示すフローチャートである。 特徴部33AKの時短最終変動におけるタイミングチャートである。 特徴部33AKに係る演出動作例を示す図である。 特徴部33AKに係る演出動作例を示す図である。 特徴部73AKの当り種別表を示す図である。 特徴部73AKの当り確率、当り種別決定割合を示す図である。 特徴部73AKの小当りにおけるV入賞領域の開放態様を示すタイミングチャートである。 特徴部73AKの変動開始時処理を示すフローチャートである。 特徴部73AKの時短終了判定処理を示すフローチャートである。 特徴部73AKの特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 特徴部73AKに係る演出動作例を示す図である。 特徴部73AKの時短状態終了までのタイミングチャートである。 特徴部73AKの変形例の時短終了判定処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として打球発射装置から発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。打球発射装置は、発射モータにより駆動されるものであり、打球操作ハンドル5の回動操作位置に応じて、遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。これにより、遊技者は、遊技領域7において希望する場所を狙って遊技球を発射することが可能である。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。このような開放制御期間中には、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるように、後述の図20に示すラウンド数示唆演出、および、図21に示す保留連報知演出のような特定の演出が実行可能である。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ15aおよびV判定入賞スイッチ15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
V判定入賞装置87の前面側の一部には、「V」という文字形状で構成されたLEDよるなる発光体であるVランプ875が設けられている。Vランプ875は、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに基本的に白色で発光される。Vランプ875は、たとえば、基本的に白色で発光可能であるが、保留連を報知するときのように、遊技状況に応じた演出により、青色、赤色、および、虹色に発光色が変化可能である。なお、Vランプ875は、遊技者により視認可能な位置であれば、V判定入賞装置87において、前面部に設けられてもよく、内部に設けられてもよい。また、Vランプ875は、V判定入賞装置87とは異なる位置(たとえば、V判定入賞装置87の近傍位置等)に設けられてもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示器8bおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する1つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを点灯し、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを消灯する。
第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち促進報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。なお、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行なわれるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、後述するような、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の不図示の非特定領域に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、上述したように小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、大当り可変入賞球装置20が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球をゲート32に進入させて可変入賞球装置15を開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置15に入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置15へ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口13が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される大当り可変入賞球装置20が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、V判定入賞装置87(可動部872)を開閉するソレノイド22、および、V入賞判定入賞装置87(領域870可動部87)を開閉するソレノイド22、V入賞領域870(開閉部材)を開閉するソレノイド24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。払出制御基板37は、球払出装置97を制御することで、出玉の払出を制御する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、Vランプ875の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、このような変動パターン種別には、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がある演出が実行される変動パターン種別等)と、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がない演出が実行される変動パターン種別等)とが含まれている。このような、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、特定の演出が実行される変動パターンであり、小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが含まれている。しがって、このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが実行されたときには、遊技者の期待感を盛上げることが可能となる。小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、小当りとなるときと、小当りとならないときとの両方で選択可能であり、小当りとなる
ときの方が、小当りとならないときよりも選択される割合が高くなるように設定される。これにより、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別であっても、小当りとならないときも生じるので、実行される変動パターンの種別から小当りとなることが遊技者に予め認知されてしまうことがないようにすることができる。一方、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別は、たとえば、小当りを経由せずに直接大当りとなることを示唆するような小当りと関連性がない演出がされる変動パターン等であり、小当りとなるときに選択不可能とすることにより、変動パターンの演出と、表示結果との関連性が複雑化しないようにすることができる。なお、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、V判定入賞装置87の開放制御との対応関係に基づいて、特定の変動時間に設定されたものが選択されるように設定されている。このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが、小当りとなるときに実行可能となるようにすれば、変動表示時における遊技者の小当りへの期待感を高めることができる。さらに、大当りを得るために所定期間内にV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる必要があるという、小当り遊技状態特有の遊技に遊技者が容易に対応可能な状態となることにより、遊技者がV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる有利状態を逃がしにくいようにすることが可能となる。
また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、特定の変動時間に限定されないものとしてもよい。また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、小当りに関する所定の示唆演出が実行されるものでなくてもよい。また、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けて設けてもよい。また、変動パターンは、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けず、いずれの変動表示結果となるときにも、選択対象の変動パターンの種類の範囲が同じとなるようにしてもよい。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダムR)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C),(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、第1時短状態(変動表示1回〜5回)、および、第2時短状態(変動表示7回〜11回)のような複数種類の時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、各種大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。ここでは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態を代表例として説明する。図6は、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(1回〜5回)に亘り時短状態に制御される第1時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
図6(A)に示すように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶があるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のための第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれるので、その後、図6(A)に示すように、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。
時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間においては、第1特別図柄の保留記憶が存在するときに、その保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が実行される。図6(A)では、時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間において、大当り遊技状態への制御前において存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が1回実行された例が示されている。図6(A)では、時短状態の開始後、2回目に第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が1回実行されたことに基づいて、時短状態の開始後、2回目の変動表示において時短制御が終了した例が示されている。
第2始動入賞口14への始動入賞については、前述のように4個の保留記憶情報が可能である。したがって、第1時短状態の開始後、たとえば第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に実行される電サポ状態での可変入賞球装置15の開放制御状態中において、図6(A)に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。この実施の形態では、第1時短状態の場合は、第2保留記憶情報が溜まりやすいように、変動表示時間がある程度長い変動表示が、1回目の第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて実行される。なお、そのように変動表示時間がある程度長い変動表示は実行しないようにしてもよい。
その後、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に、第2保留記憶情報が記憶されているときには、たとえば図6(A)の3回目〜6回目の第2特別図柄の変動表示欄に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行され、約1/7の当選確率の小当り抽選が第2保留記憶情報個数分だけ実行可能となる。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
一方、図6(B)に示すように、時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶がないときには、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれ、第1始動入賞口13には遊技球が進入し得ない遊技状態となるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。この場合においても、図6(A)の保留記憶ありの場合と同様に、図6(B)に示すような最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が合計5回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が1回実行された後、2回目に第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、2回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、終了条件が成立し、第1時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に第1特別図柄の保留記憶が存在せず、1回目から第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、1回目の変動表示において第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、時短状態の終了条件が成立し、時短状態の制御が終了される。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
また、たとえば、第1時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
このように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されていることにより、第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、第1時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される第1時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(1回)との合計回数に設定されているので、第1時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
また、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最小変動表示回数「1」を「7」に置換え、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最大変動表示回数「5」を「11」に置換えたものである。したがって、図柄4R時短大当り以外の大当り種別でも、8R時短大当りの場合と同様に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数の有無および多少にかかわらず、同じ7回という第2特別図柄の変動表示が実行されるまで、第2時短状態が継続する。これにより、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りについて得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、大当り後の時短(電サポ)回数が比較的少ない回数に設定される場合には、前述したように、大当り遊技状態終了直後の第1保留記憶情報の数によって遊技者に不利となるような時短(電サポ)回数とならないようにすることが好ましい。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7および図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7および図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM55に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(第1保留記憶データでは4、第2保留記憶データでは4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合があることがあることは上述した通りである。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがない場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(S80)を行なった後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図5(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することにより、小当り判定の処理を行なう(S76)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S76のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S79)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、4R図柄時短大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、4R図柄時短大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図14は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄4R時短大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
図15は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S412)。次に、CPU56は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図15のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、図13のS140でセットされた小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行なう(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15bにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15bがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図15のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行ない(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図17は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグ(図14の大当り終了処理でセットされる第1時短フラグ、第2時短フラグ)を一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500,S501の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
打球促進演出処理(S500):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各種演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた打球促進演出を実行する。打球促進演出とは、遊技領域7における第1経路(左打ち経路)および第2経路(右打ち経路)のうち、少なくともいずれか一方への遊技球の打込みを促進させる報知をする演出である。具体的に、打球促進演出には、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする右打ち促進報知演出が含まれるが、打球促進演出には、当該右打ち促進報知演出と、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする左打ち促進報知の演出とを含むようにしてもよい。
右打ち促進報知の演出は、たとえば、演出表示装置の特定の表示領域において、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示することにより行なわれる。
この実施形態では、遊技球の打込みとして左打ちを基本としており、打球促進演出として、左打ち促進報知を実行せず、右打ち促進報知を実行している状態に基づいて、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込み(右打ち)を促進させ、逆に、右打ち促進報知を実行していない状態に基づいて、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込み(左打ち)を促進させる演出制御例を説明する。
なお、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。また、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と、右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。
先読み処理(S501):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは図柄大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図21参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を所定時間(たとえば、1秒間)行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、V判定入賞装置87の開放中における各種の演出制御を行なう。そして、V判定入賞装置87が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。また、小当り遊技状態において、V入賞スイッチ87aにより遊技球のV入賞が検出され、V入賞が発生したことが判定されたときには、V入賞が発生したことを報知するV入賞演出制御をする。小当り遊技状態においてV入賞が発生したときには、大当り遊技状態に移行させるために、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技状態に移行させないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。また、演出制御プロセス処理では、S500により、演出制御プロセスの実行状況を確認し、遊技制御状態に応じて、打球促進演出が実行される。
パチンコ遊技機1では、打球促進演出として、高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知を含む複数種類の打球促進演出を実行可能である。高ベース状態右打ち促進報知は、高ベース状態において、右打ちをしてゲート32および可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。小当り右打ち促進報知は、小当り遊技状態において、右打ちをしてV判定入賞装置87(V入賞領域)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。大当り右打ち促進報知は、大当り遊技状態において、右打ちをして大当り可変入賞球装置20(大入賞口)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。
高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する同じ画像を用いて実行してもよい。つまり、右打ち促進報知が、高ベース状態での促進報知と、小当りでの促進報知と、大当りでの促進報知とのいずれの種類に該当するかを特定不可能な状態で表示するものでもよい。右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する画像として、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する等、異なる画像を用いて実行してもよい。この実施形態では、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する例を説明する。また、打球促進演出の種類に応じて、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。たとえば、遊技者にとっての有利度により、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。一例として、小当り右打ち促進報知については小型の画像を用いて促進報知をし、高ベース状態右打ち促進報知については中型の画像を用いて促進報知をし、大当り右打ち促進報知については大型の画像を用いて促進報知をするようにしてもよい。なお、高ベース状態右打ち促進報知については、大当り右打ち促進報知と同様に、大型の画像を用いて促進報知をしてもよい。
次に、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、演出表示装置9で表示される大当り遊技状態中の演出の一例として、Vコンボ演出(VCOMBO演出)を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(出球)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
図20は、ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図20では、ラウンド示唆演出の一例が時間経過に応じて示され、ラウンド示唆演出と関係が少ない画像は省略されている。ラウンド示唆演出は、小当り遊技状態においてV入賞の発生により大当りとなることが決定されたときにおいて、演出表示装置9の表示画像により、当該小当り終了経由で実行される大当り遊技状態でのラウンド数を示唆する演出である。
図20(A)〜(E)には、ラウンド示唆演出の一例が示されている。小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87が開放状態に制御され、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可能となる。そのような状態でV入賞が発生すると、図20(A)に示すように、演出表示装置9において、V字形状のV入賞画像94が表示される。これにより、入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。V入賞画像94の表示は、V判定入賞装置87が閉鎖状態に制御されるまで継続される。
図20(A)〜(E)に示すように、V入賞の発生に応じてV入賞画像94が表示されたときには、オーラ(aura)を模したオーラ画像95(95A〜95E)が、V入賞画像94の周囲にまとわりつくエフェクト画像的な表示態様で表示される。オーラ画像は、図20(A)〜(E)に示すように、オーラ画像白95A、オーラ画像青95B、オーラ画像緑95C、オーラ画像赤95D、または、オーラ画像虹95Eという複数種類の色から選択された色で表示される。図中においては、括弧付の色文字によりオーラ画像95の色が示されている(色文字は、実際には表示されないが、表示されてもよい)。オーラ画像95の色は、図20(A)〜(E)のように、小当り遊技中において白→青→緑→赤→虹というような所定の複数段階で変化表示可能である。このようなオーラ画像95の色は、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて段階的に変化可能となる演出が行なわれる。
オーラ画像95の色は、小当り遊技中において、最初に表示された色が変化しない場合もあり、変化する場合もある。オーラ画像95は、大当り遊技状態でのラウンド数の期待度を色に示唆することが可能である。ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められている。これにより、遊技者は、オーラ画像95の色により、大当り遊技状態でのラウンド数の多さの期待度を認識することが可能となる。たとえば、オーラ画像赤95Dが表示されたときの方が、オーラ画像青95Bが表示されたときよりもラウンド数が多くなる可能性が大きいということを遊技者は認識することができる。
図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図21は、保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図22は、保留連報知演出のタイミングチャートである。図21および図22を用いて、特別演出としての保留連報知演出を説明する。図21では、(A)〜(D)に保留連報知演出の一例が時間経過に応じて示されている。図22では、小当り遊技状態の開始時からV入賞に基づく大当り遊技状態の開始当初までの期間の演出制御タイミングが示されている。
保留連とは、大当りが発生したときに存在している保留記憶情報において、将来的に大当りとなる保留記憶情報があり、当該大当りの大当り遊技状態の終了後に、大当り発生前に存在していた当該保留記憶情報の範囲内で次の大当りが発生するというような、大当り発生時に存在していた保留記憶情報の範囲内で次の大当りが連続的に発生する保留記憶情報範囲内での連続な大当り(保留内連荘)をいう。小当りは、V入賞の発生に基づいて小当り経由大当りとなるので、小当りの保留記憶情報は、将来的に大当りとなる保留記憶情報である。
この実施の形態における保留連は、時短状態(高ベース状態)で大当りとなったときにおける第2保留記憶情報の保留記憶情報内を対象として判断する。第2保留記憶情報が存在すると、第1保留記憶情報よりも第2保留記憶情報が優先して変動表示に用いられるため、時短状態(高ベース状態)では、第2保留記憶情報の保留記憶情報内に小当りまたは図柄大当りの保留記憶情報があれば、連続的な大当りが発生し得るので、これらの保留記憶情報が保留連の記憶情報と判断される。
図22に示すように小当り遊技状態が開始された後、図19の開放中処理(S809)の演出の実行中において、V入賞が発生すると、図21(A)および図22に示すように、演出表示装置9で、V字形状のV入賞画像94が比較的短い所定期間に亘り表示される。これにより、V入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。保留連演出が実行されるときには、小当り遊技状態および大当り遊技状態に亘り次のような演出が実行される。
小当り遊技状態中において、V入賞発生後に所定時間が経過すると、図21(B)および図22に示すように、演出表示装置9の画面全体が黒色に変化(暗転)して何も表示されていないように見せるブラックアウト表示が、図19の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)により、基本的演出として実行される小当り中の開放中演出および小当り終了時の終了演出の代わりに、小当り遊技状態の終了時まで継続して実行される(保留連報知演出の第1処理)。ブラックアウト表示としては、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出、または、遊技者に驚きを与えるための演出であればよく、たとえば、表示画面全体を黒一色の画像に暗転するのではなく、通常表示されている演出画像(演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等の演出画像)の前面側に半透明の黒色等の所定色の画像を重ねて表示することにより、表示画面全体の画像の明度を低下させて画像を全体的に暗くする演出や遊技者に特別感を与える演出が行なわれるようにしてもよい。
そして、当該小当り遊技状態の終了後においては、図19の大当り表示処理(S804)により、基本的演出として実行される大当り開始時のファンファーレ演出(大当り開始を報知する演出であり図中に破線で示す)の代わりに、図21(C)または(D)および図22に示すような保留連報知が実行される(保留連報知演出の第2処理)。具体的に、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が3つある場合には、図21(C)のように「+3BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が4つある場合には、図21(D)のように「+4BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。また、図示を省略するが、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が2つある場合には、「+2BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。このように、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。
このように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
このような保留連報知は、図22に示すように、大当り遊技の第1ラウンドの開始前までというような、大当り遊技状態の演出開始当初の特定期間経過まで実行される。保留連報知が実行された後は、図19のラウンド中処理(S805)により、たとえば、図21(E)および図22に示すように、大当り遊技状態の第1ラウンドの演出が開始される。このように、保留連報知演出は、小当り遊技状態と大当り遊技状態とに跨って実行される。
保留連報知演出が実行されるときにブラックアウト表示が実行されるのは、次のような理由によるものである。保留連報知演出が実行される場合、図20に示すラウンド数示唆演出が実行されない。前述した減速構造のV判定入賞装置87を用いる場合には、V判定入賞装置87上の通路を遊技球がゆっくりと流下するため、小当りでV判定入賞装置87の開放状態中において、合計10回の開放回のうち、どの時点でV入賞が発生するか、および、どの時点で開放状態の終了条件である上限個数の10個目の遊技球がV判定入賞装置87内に進入するかについて小当り発生ごとにばらつきが生じる。これにより、小当り遊技状態が終了するタイミングには、小当り発生ごとにばらつきが生じる。図20に示すラウンド数示唆演出のように、V判定入賞装置87内への遊技球の進入個数に応じて演出が不定期に変化する演出を実行する場合には、遊技者に違和感を与えるような演出とはならない。しかし、小当り遊技状態が開始してから小当り遊技状態が終了するまでの期間中の演出表示として、たとえば一定期間経過後にエンディングを迎えるような、時間経過に応じて演出内容が変化する物語性がある演出等を実行すると仮定した場合には、小当り発生ごとに、小当り終了時の演出状態が異なることになる等、遊技者に違和感を与える演出となってしまうおそれがあり、小当り発生ごとに小当り終了時の演出状態を均一化する調整をすることが困難となる。そこで、遊技者に違和感を与えないような小当り遊技の演出を実行するために、演出内容が変化しないブラックアウト表示による演出が実行される。つまり、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することにより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。これにより、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
なお、図21の保留連報知演出では、V入賞報知を短時間実行した後にブラックアウト表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、V入賞報知をせずにブラックアウト表示を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出を実行する場合において、ブラックアウト表示を実行せずに、たとえば、所定の静止画像または短期間の繰返し動作を実行する動画像等のその他の画像を表示してもよい。また、ブラックアウト表示期間は固定期間としてもよい。保留連報知演出は、小当り遊技状態の終了後における大当りのラウンド演出中に至るまで実行してもよい。保留連報知演出ラを大当りのラウンド演出中に至るまで実行する場合に、ブラックアウト表示期間を固定時間にするときは、V入賞時から固定期間のブラックアウト表示が実行されるので、期間のブラックアウト表示期間を固定期間としてもよく、大当りのラウンド演出中における至るまで、ブラックアウト表示の終了時が不定になるようにしてもよい。また、保留連報知演出は、V入賞時に実行してもよく、V入賞後のV判定入賞装置87の開放期間中に実行してもよい。
図23は、ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。図23(A)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる複数種類の演出パターンを記憶したVオーラ色変化演出パターンテーブルが示されている。図23(B)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出パターンを選択するために用いられるVオーラ色変化演出パターン選択テーブルが示されている。
図23(A)では、第1パターン〜第8パターンの演出パターンが示されている各演出パターンには、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等)のそれぞれに対応してV入賞オーラ画像95の色が設定されている。たとえば、第6パターンでは、1〜2個目のときは白色、3〜6個目のときは青色、7〜8個目のときは緑色、9〜10個のときは赤色となるように、データが設定されている。V判定入賞装置87への入賞個数は、V入賞スイッチ87aおよびV判定入賞スイッチ15aにより検出された遊技球の合計値である。なお、V判定入賞装置87への入賞個数は、V判定排出スイッチ15bにより検出された遊技球の値を用いてもよい。
ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められているため、各演出パターンでは、入賞個数が増えるにしたがって白→青→緑→赤という順番にしたがって色が変化し得るような色変化パターンが設定されている。虹色は、青色、緑色、赤色のような他の色を含む色である。このように、入賞個数が増えるにしたがってラウンド数の多さの期待度が高い色に変化する演出パターンにより、小当り遊技状態でのV判定入賞装置87の開放中において、遊技者の期待感を高めることができ、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるようにすることができる。
第8パターンは、他の演出パターンと異なり、1〜10個目のすべてについて虹色が設定されており、色が変化せず虹色に固定される演出パターンである。これは、虹色は、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する特別な色として用いられるためである。なお、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する演出パターンとしては、たとえば、白→青→緑→赤→虹という順番にしたがって色が変化し得る演出パターンを用いてもよい。
図23(B)では、小当り経由大当りの種別と、図23(A)の第1パターン〜第8パターンとの対応関係が示されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてVコンボ演出パターン選択用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、対応する第1パターン〜第8パターンのそれぞれに割振られている。
図23(B)では、「白<青<緑<赤<虹」という、ラウンド数の多さの期待度の大小関係に対応して、「小当り経由5(4)R時短大当り<小当り経由9(8)R時短大当り<小当り経由16(15)R時短大当り」という対応関係で、最終的な10個目の色についてのラウンド数期待度が大きい演出パターンの選択率が高くなるようにデータが設定されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当りのときのみ、第8パターンが選択可能に設定されている。これにより、第8パターン(1個目〜10個目すべてが虹色)でラウンド数示唆演出が実行されたときには、小当り経由16(15)R時短大当りとなることが確定したことを遊技者に示唆することが可能となる。なお、小当り経由16(15)R時短大当り以外の大当りについても、第8パターンが選択可能となるようにしてもよい。
図24は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図24の保留連報知演出有無決定テーブルでは、図柄15R時短大当り、および、小当り経由16(15)R時短大当りの合計保留連個数が0個〜4個のそれぞれであるときについて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留連報知有無決定用の乱数SR2(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行有(実行する)」と「実行無(実行しない)」とに割振られている。
このように、保留連報知演出は、大入賞口が15回開放する大当りとなり得る保留記憶情報と対象として実行可能である。なお、保留連報知演出は、その他の種別の大当りとなり得る保留記憶情報を対象として実行可能としてもよい。保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報が0個または1個であるときは、「実行有」が決定されず、「実行なし」のみが決定されるように、データが設定されている。
また、保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報の合計が2個以上の複数個のときに「実行有」が決定可能となるようにデータが設定されており、対象となる保留記憶情報の個数が多くなる程、「実行有」が決定される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
さらに、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、保留連報知演出の実行対象として、図柄15R時短大当り、および、16(15)R時短大当りというようなラウンド数が比較的多い大当りとなり得る保留記憶情報を用いたので、保留連報知演出が実行されると、遊技者は自然と大入賞口が15回開放するという最も遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる期待度が高くなるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留連報知演出およびラウンド数示唆演出について実行の有無の決定および演出種類の選択をする保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を説明する。図25は、保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。
図25の保留連・ラウンド数示唆演出選択処理は、演出図柄変動開始処理(図19のS801)において各種演出を設定する処理に含まれる。保留連・ラウンド数示唆演出選択処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを今回の変動に際して受信した表示結果指定コマンドに基づいて判定(表示結果を特定可能な変動パターンコマンドに基づいて判定してもよい)する(S851)。受信した表示結果指定コマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に小当り表示結果を指定するコマンドが格納されているか否かにより、小当り表示結果であるか否かを判定する。
S851により小当り表示結果ではないときは、処理を終了する。一方、S851により小当り表示結果であるときは、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S852)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、保留連報知演出の対象となる図柄大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報の有無を確認する(S853)とともに、保留連報知演出の対象となる小当りとなる(小当り経由16(15)R時短大当りとなり得る)保留記憶情報の有無を確認する(S854)。次に、SR2を抽出し、S853,S854での確認情報に基づき、保留連報知演出有無決定テーブルを用いて、現在の第2保留記憶情報内の保留記憶情報に基づいて保留連報知演出を実行するか否か(実行の有無)を決定する(S855)。
この実施形態では、前述のように、小当り遊技状態に制御されたときに、右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御されるので、小当りとなる保留記憶情報についても、大当りとなる保留記憶情報とともに、保留連となる保留記憶情報として判定される。
S855により保留連報知演出を実行する決定がされたときは、今回の変動表示に対応して保留連報知演出を実行するときに用いるためのデータである保留連報知演出情報(たとえば、報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を所定の演出データ記憶領域に記憶し(S857)、処理を終了する。
一方、S855により保留連報知演出を実行しない決定がされたときは、ラウンド示唆演出(オーラ画像の色変化演出)を実行することを決定する(S858)。次に、S851で確認した表示結果指定コマンドに基づいて小当り経由大当りの種別を確認するとともに、SR3を抽出し、図23(B)のVオーラ色変化演出パターン選択テーブルを用いて、実行するラウンド示唆演出の演出パターンを選択決定する(S859)。そして、決定された演出パターンでラウンド示唆演出を実行するときに用いるためのデータとして、図23(A)のでVオーラ色変化演出パターンテーブルに記憶された演出パターンデータを記憶する等、ラウンド数示唆演出情報(たとえば、ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の有無等)を特定の演出データ記憶領域に記憶し(S860)、処理を終了する。
変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行することが決定されたときには、S857で記憶されたデータに基づいて、保留連報知演出が実行される。一方、変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行しないことが決定されたときには、S860で記憶されたデータに基づいて、ラウンド数示唆演出が実行される。保留連報知演出を備えていないパチンコ遊技機の場合には、S855の後にS858を実行すればよい。
なお、保留連報知演出を実行するときにも、ラウンド数示唆演出を実行してもよい。また、ラウンド数示唆演出は、保留連報知演出を実行しないときに必ず実行するのではなく、保留連報知演出を実行しないときに、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。また、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定し、ラウンド数示唆演出を実行することが決定されたときは、保留連報知演出を実行しないようにしてもよい。このように、保留連報知演出とラウンド数示唆演出とは、どちらかを優先して実行してもよく、どちらかを優先せずに両方を実行可能としてもよい。
次に、前述のラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出処理を説明する。図26は、ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。図26のラウンド数示唆演出処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
ラウンド数示唆演出処理では、まず図25のS860で記憶されたラウンド数示唆演出情報(ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の実行の有無等)を取得する(S840)。次に、S840により取得したラウンド数示唆演出の実行の有無に関する情報に基づいて、ラウンド数示唆演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S841)。S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球が検出されたときに出力されるV特定入賞球検出指定コマンドの受信時であるか否かを確認する(S842)。
S842でコマンドの受信時ではないときは、処理を終了する。一方、S842でコマンドの受信時ではあるときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球を計数する計数手段としての入賞個数カウンタを+1加算更新する(S843)。そして、S840で取得したラウンド数示唆演出の演出パターンに基づき、更新後の入賞個数カウンタで計数された個数に対応する色でオーラ画像95を表示する(S843)。S843において個数に対応する色でオーラ画像95が表示されることにより、V判定入賞装置87に進入した遊技球の個数に応じてオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行されることとなる。V入賞画像94は、小当り演出の開放中処理(S809)においてV入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、表示が開始されるものであり、V入賞が発生すると、直後にV特定入賞球検出指定コマンドを受信することとなるので、S843により、V入賞画像94に対応するオーラ画像95が、S844により決められた色でV入賞発生直後から表示されることとなる。これにより、図20(A)〜(E)のようにオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行される。
次に、前述の保留連報知演出を小当り遊技中に実行する保留連報知演出の第1処理を説明する。図27は、保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。図27の保留連報知演出第1処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第1処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S861)。次に、S861により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S862)。S862で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S862で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87のV入賞領域870へのV入賞球がV入賞スイッチ87aで検出されたときに送信されるV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるか否かを判定する(S863)。
S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時ではないときは、処理を終了する。一方、S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるときは、S861により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、小当り演出の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)が終了するまで実行するブラックアウト表示を開始し(S864)、処理を終了する。これにより、図21(B)のようなブラックアウト表示が小当り遊技の終了時まで実行される。
次に、前述の保留連報知演出を大当り表示中に実行する保留連報知演出の第2処理を説明する。図28は、保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。図28の保留連報知演出第2処理は、大当り演出の大当り表示処理(図19のS804)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第2処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S871)。次に、S871により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S872)。S872で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S872で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、S871により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、保留連報知態様として、+2BONUS(対象保留連個数2個の場合)、+3BONUS(対象保留連個数3個の場合)、+4BONUS(対象保留連個数4個の場合)のいずれかを選択する(S873)。そして、S873で選択された保留連報知態様で、大当り表示演出期間中という所定期間に亘り実行する保留連報知の実行が開始される。れにより、たとえば、図21(C),(D)のような保留連報知が実行される。
[V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]
次に、V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例を説明する。図21では、「+3BONUS」というように文字情報により保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、図20に示すような色変化が可能なオーラ画像95を用いて保留連報知演出をするようにしてもよい。
オーラ画像95を用いた保留連報知演出としては、V入賞画像94に付随して表示されるオーラ画像95を、たとえば、V判定入賞装置87に進入した遊技球が増えることに応じて、図20のようにオーラ画像95の色を変化させ、前述のような保留連報知として、オーラ画像95の色を虹色等の特定の色とする演出をするようにしてもよい。このような保留連報知演出は、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示するような所定演出の演出態様を特定態様に変化可能とすることにより、保留連報知演出を実行すればよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[保留連報知演出の演出態様変化の変形例]
次に、保留連報知演出を実行するときにおいて、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なる例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報については、図柄大当りとなる保留記憶情報のみが存在する第1保留連種別の場合と、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り(小当り経由大当り)となる保留記憶情報の両方が存在する第2保留連種別の場合と、小当り(小当り経由大当り)のみが存在する第3保留連種別の場合とがあり得る。このような複数種類の保留連種別は、いずれも保留連と呼ばれるが、保留連報知演出として、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる演出態様で保留連報知を実行するようにしてもよい。たとえば、第1保留連種別の場合は、「+3ボーナス」というような片仮名で保留連報知をし、第2保留連種別の場合は、「+3BONUS」というような英文字で保留連報知をし、第3保留連種別の場合は、「+3ぼーなす」というような平仮名で保留連報知をしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる色で保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なるキャラクタ画像を表示すること(保留連数に付随する表示でもよく、キャラクタ画像単独表示でもよい)により、保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、「+3ボーナス」というような演出態様、「+3BONUS」というような演出態様、および、「+3ぼーなす」というような複数種類の演出態様のうちから、演出態様を抽選により選択決定してもよい。その場合には、第1保留連種別〜第3保留連種別の保留連種別ごとに、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにしてもよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
[保留連報知演出の制限制御をする変形例] 次に、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と小当り(小当り経由の大当り)となる保留記憶情報が複数ある場合に保留連報知演出を実行するときに、保留連報知演出が実行された大当り遊技状態が終了して、保留連報知対象となった大当りが実行され、その大当り遊技状態においても、保留連報知演出が実行されると、その保留連報知演出が、前回の大当り遊技状態において報知対象とされた保留連の保留記憶情報を対象として継続して実行されているのか、新たに生じた保留記憶情報に基づく保留連の保留記憶情報を対象として新たに実行されているのかを遊技者が区別しにくくなり、不明確な演出となってしまう。
そこで、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する演出制御を実行すればよい。保留連報知演出が実行された後に、報知連報知の対象とされたすべての保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、保留連制限フラグをセットして、新たに保留記憶情報を確認して保留連報知を実行するための処理を実行しないように、演出制御処理の実行を制限すればよい。このようにすれば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
なお、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例としては、つぎのような演出を実行してもよい。
たとえば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連の数をアイコン画像等によるストック画像の個数で特定可能に表示し、保留連報知演出の対象となった大当り遊技状態が消化されるごとに、アイコン画像を減らしていく演出をしてもよい。さらに、新たに発生した保留記憶情報に基づいて保留連報知をするときには、このようなアイコン画像を増やす演出をしてもよい。このように保留連の報知対象数が遊技者に認識可能となるように可視化することにより、遊技者が理解しやすい保留連報知演出を実行することが可能となる。また、このような演出を実行すれば、単に保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限するよりも、保留連報知演出が遊技者に認識される頻度が高くなり、面白みがある演出を実行することができる。
[保留連報知演出の実行タイミングの変形例]
次に、前述したような保留連報知演出をVコンボ演出(VCOMBO演出)時に実行する例を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(付与価値)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分けて段階的に報知する演出である。
[大当り後の変動表示時における特定演出例]
次に、第1特別図柄の変動表示により生じた図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第2特別図柄の第1回目の変動表示中において、保留記憶情報の数と保留記憶情報の先読み判定結果とに基づいて、保留記憶情報における大当りの先読み演出を行なう特定演出について説明する。
図29は、特定演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図30は、特定演出のタイミングチャートである。図29および図30を用いて、特定演出を説明する。
図29では、特定演出の一例が時間経過に応じて示され、特定演出と関係が少ない画像は省略されている。図30においては、図29の特定演出の演出内容に整合した演出を示すとともに、特定演出の全体的な制御イメージをわかりやすく示すために、4R図柄時短大当りの終了後の1回の変動表示が第2特別図柄による変動表示により実行される例が示されている。また、図30においては、入賞促進演出中に4個の第2保留記憶情報が貯まり、3個目までの第2保留記憶情報の中に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる第2保留記憶情報が含まれていなかったこと(たとえば、4個目の第2保留記憶情報に、図柄大当りまたは小当り経由の大当りが含まれている場合と、4個目の第2保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りが含まれていない場合とのいずれか)により、当該変動表示の終了後において、入賞促進演出中に貯まった4個すべての変動表示が順次実行される例が示されている。
図29(A)〜(O)および図30には、特定演出の一例が示されている。図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後には、第2特別図柄が1回変動表示されるまでの期間において、電チューサポート制御が実行されることにより高ベース状態となるので、可変入賞球装置15(電チュー)への入賞が容易化される。したがって、可変入賞球装置15への入賞により第2保留記憶情報が貯まりやすくなる。また、第2保留記憶情報については、小当り経由で大当りとなり得る小当りの当選確率が約1/7という高確率であるので、最大限4個の第2保留記憶情報の内に、小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が比較的高い頻度で含まれ得る。
このような遊技制御の仕組みに対応した演出として、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第2特別図柄の1回目の変動表示中において、第2保留記憶情報を先読みのターゲットとした先読み演出としての特定演出が実行される。
図29(A)のように、特定演出の開始時には、演出表示装置9において、「最終判定開始」というような特定演出の開始を示す特定演出開始画像9Aを表示する特定演出開始演出がされると同時に、所定のムービー画像のような動画像である判定演出動画(図示省略)の表示が開始される。判定演出動画は、たとえば、味方(遊技者の味方)キャラクタと敵キャラクタとが戦いを繰り広げるバトル演出のような一連のストーリー性があるムービー動画が、背景動画像として、特定演出の開始時から終了時までに亘り継続して表示される。特定演出開始演出は、特定演出が実行されることを遊技者が容易に認識可能となるようにするために、第1の所定期間に亘り実行される。
左,中,右の演出図柄91,92,93は、画面右上隅部において縮小された態様で変動表示される小図柄の変動表示態様で変動表示される。図中下向きの矢印は変動表示中であることを示している。
判定開始演出が終了すると、図29(B)のように、演出表示装置9において、「保留を貯めろ!」というような可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させるための入賞促進画像9Bを表示する入賞促進演出が実行される。入賞促進演出は、可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させる演出でもあり、第2保留記憶情報を貯めることを促進させる演出でもある。この実施の形態では、第2保留記憶情報を貯めることを促進させるという意味から「保留を貯めろ!」とう入賞促進画像を表示するが、可変入賞球装置15への遊技球の入賞を促進させるという意味から、「電チューに入賞させろ!」というような具体的な入賞箇所を特定した入賞促進画像を表示する入賞促進演出を実行してもよい。
入賞促進演出は、たとえば第2保留記憶情報の数が「0」であるときから最大の「4」となるまでに必要となるような第2の所定期間が最長期間として設定されているが、当該第2の所定期間中であっても、第2保留記憶情報の数が最大の「4」となった時には以降の無駄な遊技球の発射を抑制するためにその時点で終了する。
入賞促進演出の実行開始後は、第2保留記憶情報の数に応じて特定演出の演出態様を変更する変更演出が実行可能である。具体的に、第2保留記憶情報が「0」個のときには図29(C)のように、現在の変動表示(当該変動表示)に対応する左,中,右の演出図柄91,92,93の画像として、「7」の図柄でリーチ態様(7↓7)が形成された演出図柄(以下リーチ図柄という)の画像が画面中央部で表示される。図29(C)〜(G)のように入賞促進画像9Bは、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)となるまで、縮小された態様で画面左上隅部において表示が継続される。入賞促進画像9Bは、図29(G)のよう第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)となった直後に消去される。
第2保留記憶情報が「0」個の状態で1個目の第2保留記憶情報が生じたときには、図29(D)のように、演出態様を変更する保留1個目変更演出が実行される。保留1個目変更演出では、第2保留記憶数の増加に対応してリーチ図柄が1つ追加され、リーチ図柄が、縮小された態様で画面中央上部から下方に2つ並ぶ態様で表示される演出に演出画像が変更される。図29(D)において、一番上のリーチ図柄が現在の変動中の演出図柄91,92,93を示し、2番目のリーチ図柄が保留1個目に対応する先読み演出図柄94を示している。リーチ図柄が形成された演出図柄の画像は、リーチラインと呼ばれる。このように、1個目の第2保留記憶情報が生じたときには、図29(D)に示すように、リーチライン数を2つ(2ライン)にする演出制御が実行される。このようなリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94を増加表示する演出は、リーチライン増加演出と呼ばれる。
図29(E)に示すように、2個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計3ライン)ことにより演出態様を変更する保留2個目変更演出が実行される。図29(F)に示すように、3個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計4ライン)ことにより演出態様を変更する保留3個目変更演出が実行される。図29(G)に示すように、4個目の第2保留記憶情報が発生して第2保留記憶情報が増加したときには、対応する「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94が、先に表示されていた先読み演出図柄94の下に追加表示されてリーチライン数を増加させる(合計5ライン)ことにより演出態様を変更する保留4個目変更演出が実行される。
このように、特定演出では、第2保留記憶情報数の増加に対応して、リーチ図柄よりなる先読み演出図柄94を増加表示することによりリーチライン数を増加させる演出態様の変更をする変更演出が行なわれる。特定演出で第2保留記憶情報数の増加に対応して表示する画像とじて、「7」のリーチ図柄よりなる先読み演出図柄94のリーチライン数を増加表示するのは、次のような演出意図がある。
まず、特定演出が実行される変動表示以外の変動表示において、演出制御用マイクロコンピュータ100により演出図柄についてリーチ表示態様とするときのリーチ図柄は、たとえば「7の図柄>3の図柄>その他の数字図柄」というような関係で、大当りとなる期待度が異なるように選択決定される。したがって、遊技者における大当りへの期待感は、複数種類の中から選択されるリーチ図柄のうち、「7」のリーチ図柄となったときに最も高まる。そこで、特定演出においては、当該変動表示の演出図柄91,92,93および先読み演出図柄94のそれぞれを、リーチ図柄の種類による大当りとなる期待度の高さという観点から、「7」のリーチ図柄により表示するのである。これにより、特定演出において、当該変動表示の演出図柄91,92,93および先読み演出図柄94のそれぞれを遊技者が有利と感じる「7」のリーチ図柄で表示することにより、遊技者における大当りへの期待度を高めることができる。さらに、特定演出において、「7」のリーチ図柄によるリーチライン数が増加する演出により、演出により遊技者における大当りへの期待感をより一層高めることができる。
なお、特定演出におけるリーチライン数増加演出に用いるリーチ図柄としては、「7」以外の図柄を用いてもよい。たとえば、「RUSH」という文字(大当りのラッシュ、小当りのラッシュ、時短状態(電サポ状態)のラッシュ等の遊技者にとって有利な状態を示唆する文字)が示された図柄(通常の変動表示では用いられない特定演出専用図柄)を用いてもよい。
また、「3」のリーチ図柄を用いてもよい。その理由は、次のとおりである。パチンコ遊技機において、一般的に、「7」のリーチ図柄は、大当りとなる期待度の高さ、大当り発生時のラウンド数が最大となる期待度の高さ、および、大当り遊技状態終了後の遊技者にとって有利な状態(時短状態、電サポ状態、確変状態となる遊技機では確変状態等)となる期待度の高さを遊技者が期待する図柄として用いられている。たとえば、演出図柄についてリーチ表示態様とするときのリーチ図柄は、たとえば「7の図柄>3の図柄>その他の数字図柄」というような関係で、大当りとなったときの最大ラウンド数となる期待度が異なるように選択決定されるという設定がされる場合がある。これにより、一般的遊技者は、「7」のリーチ図柄が表示されたときには、大当り発生時のラウンド数が最大ラウンドの大当りとなることについての期待感を持つことが予想される。
大当りとなるときのラウンド数の振分によっては、第1特別図柄の変動表示により発生する大当り種類の振分けや、第2特別図柄の変動表示により発生する大当り種類の振分けが、最大ラウンド数の大当り種類の選択割合が最大ラウンド数以外の大当り種類の選択割合よりも少なく設定されている場合もある。そのような場合には、特定演出において最大ラウンド数の大当りを示唆する意味もある「7」のリーチ図柄に基づいて大当りとなったときに、最大ラウンド数以外のラウンド数の大当り種類が選択される場合もあり得る。「7」のリーチ図柄に基づく大当りとなったにもかかわらず最大ラウンド数以外の大当り種類が選択されたときに、遊技者が「7」のリーチ図柄に基づく大当りが最大ラウンド数となるという感覚を持っていると、遊技者の感覚が、パチンコ遊技機1の演出と整合しなくなる場合も生じる。そのような感覚の不整合を防ぐために、前述した最大ラウンド数となる期待度が「7」よりも小さく、かつ、その他の数字図柄よりも大当り期待度が高い「3」の図柄を、特定演出においてリーチラインを形成するリーチ図柄として用いてもよい。
また、特定演出におけるリーチ図柄によるリーチライン増加演出としては、「7」の図柄、「3」の図柄、それ以外の図柄のうちから、大当りとなる期待度別に予め定められた割合で選択したリーチ図柄によるリーチラインを形成してもよい。その場合には、リーチラインとして表示されたリーチ図柄の種類に応じて、前述したような大当りへの期待度、大当りの最大ラウンド数への期待度が異なるようにする演出をしてもよい。そのようにすれば、リーチラインのリーチ図柄のバリエーションが豊富化するとともに、各第2保留記憶情報等が大当りとなる期待度を遊技者が認識できるので、演出の面白みが向上する。
また、このような特定演出は、図柄4R時短大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時以外に、図柄4R時短大当り遊技状態終了後の1回目の変動表示として第1特別図柄の変動表示が実行される場合に実行してもよい。また、このような特定演出は、図柄4R時短大当り以外の大当りの大当り遊技状態の終了後の所定タイミングの変動表示において実行してもよい。
第2保留記憶情報の数が上限値となるか、または、入賞促進演出が開始してから第2所定期間が経過すると、入賞促進演出が終了し、図29(H)〜(J)に示すような小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるか否かを示唆する示唆演出が実行される。入賞促進演出の実行期間中において第2所定期間が経過する前に第2保留記憶情報の数が上限値となった場合は、示唆演出の実行開始タイミングとなるまで、演出を進行させずに時間の経過を待つ待機期間となる。示唆演出の開始タイミングが、予め固定されたタイミングに設定されているため、入賞促進演出については、このような待機期間が設けられる。待機期間とは、特に専用の演出等を実行する期間ではなく演出の進行を待機する期間である(なお、待機期間中においては第2保留記憶情報が満杯となったことを示す演出等の所定の演出画像を表示してもよい)。示唆演出においては、図29(H)〜(J)のように、当該変動表示および第2保留記憶情報に対応して上下方向に並んだリーチラインにおいて、上から順番に表示結果が導出表示されていく。具体的には、今回の変動(当該変動という)→1個目の保留記憶情報→2個目の保留記憶情報→3個目の保留記憶情報→4個目の保留記憶情報という順番で、リーチライン別に停止図柄の組合せが示されていく。このような停止図柄の組合せは、示唆演出図柄とも呼ばれる。
当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについては、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)とならないときに、図29(H),(I)に示すように、対応するリーチ図柄がはずれ図柄の組合せ(「7」図柄が揃わない組合せ)で停止した示唆演出図柄として表示される。図29(J)においては、2個目の第2保留記憶情報が小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときの表示例が示されている。
当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについて、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときには、たとえば、図29(J)に示すように、対応するリーチ図柄が大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調される。3つの図柄が揃った図柄組合せは、遊技者にとって有利な状態(大当り等)を連想させるものである。これにより、変動表示中において、当該変動表示と、貯められた第2保留記憶情報とのそれぞれについて、遊技者にとって有利な小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることが示唆される。
このように示唆演出では、現実的な大当りとなる前に遊技者にとって有利な状態を連想させる図柄組合せ画像が表示されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができ、さらに、当該変動表示の変動表示結果が導出表示される前のタイミングから大当りを示唆する図柄組合せ画像が表示されることにより、遊技者を早期のタイミングで安心させ、遊技者の興趣を早期のタイミングから盛り上げることができる。このような示唆演出を行なう示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の一定演出期間で実行されるように設定されている。
示唆演出においては、当該変動表示と貯められた第2保留記憶情報とのうち、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるものが複数ある場合には、対応する複数のリーチ図柄のそれぞれが大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調表示される。
なお、当該変動表示と貯められた第2保留記憶情報とのうち、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるものが複数ある場合には、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるタイミングが早い方(たとえば、2個目の第2保留記憶情報と3個目の第2保留記憶情報とが小当りまたは大当りとなる情報であるときは、2個目の第2保留記憶情報)に対応するもののみを対象として、対応するリーチ図柄が大当り図柄の組合せ(「7」の図柄が揃った組合せ)で停止し、拡大されて強調されるようにしてもよい。
図29(J)に示すような「7」の図柄が揃った大当り図柄の組合せで停止表示された図柄は、対応する当該変動表示または保留記憶情報に基づいて小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)が発生することを予告的に示唆する画像であり、その後、対応する変動表示(当該変動表示または保留記憶情報に基づく変動表示)が実行されて表示結果が導出表示されるまで、遊技者に有利な状態となることを示唆(報知)する画像として継続的に表示される。
示唆演出が実行された後、当該変動表示の終了時には、次のような表示が行なわれる。示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)とならず、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれているときには、図29(K)に示すように、大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94が示唆演出図柄として画面中央部で表示され、当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果が画面右下隅部で表示される。
また、示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となり、第2保留記憶情報に変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれていないときには、大当り図柄の組合せで停止した当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果が画面中央部で表示される。
また、示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となり、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれているときには、大当り図柄の組合せで停止した当該変動表示に対応する演出図柄91,92,93の変動表示結果と、大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94の変動表示結果とが画面中央部で表示される。
示唆演出が終了した後の第2保留記憶情報に基づく変動表示においては、主図柄として大当りとなることを報知(表示)しつつ、小図柄としてはずれとなることを表示(報知)する演出が実行されることがある。
示唆演出において、当該変動表示が小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)とならず、第2保留記憶情報に小当り経由の大当りまたは大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報が含まれていないときには、一連の示唆演出の最後において、リーチ図柄がはずれ図柄の組合せとなったリーチラインのはずれ図柄の組合せが、画面中央部で表示される。
示唆演出において大当り図柄の組合せで停止した示唆演出図柄94が複数ある場合は、当該変動表示の終了時において、複数の先読み演出図柄94が大当り図柄の組合せで表示される。なお、示唆演出において大当り図柄の組合せで停止した先読み演出図柄94が複数ある場合は、当該変動表示の終了時において、1つの先読み演出図柄94を代表画像として大当り図柄の組合せで表示してもよい。
当該変動表示がはずれ表示結果となった後は、図29(L)〜(O)のように、特定演出の対象となった第2保留記憶情報について、変動表示が順次実行されていく。図29は、示唆演出において2個目の第2保留記憶情報が小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることが示唆された例であり、その場合は、図29(K)に示す大当り図柄の組合せで停止した第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94が画面中央部で表示された状態が継続され、図29(L)〜(O)のように、各保留記憶情報自体に対応する演出図柄91,92,93の変動表示は、画面右下隅部で縮小された態様(小図柄態様)で実行される。
特定演出において、先読み演出図柄94が大当り図柄の組合せの対象となった第2保留記憶情報(この例では2個目の保留記憶情報)について変動表示が実行されるときには、図29(O)のように、画面右下隅部で変動表示された演出図柄91,92,93の表示結果が大当り表示結果となり、画面中央部で継続的に表示されていた先読み演出図柄94が拡大されて強調される。これにより、特定演出において、示唆演出で示唆された小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となったことを報知する演出が行なわれる。特定演出の開始時から一連のムービー画像として継続的に表示されている判定演出動画は、図29(O)のように、大当り表示が実行されて特定演出が終了するときに、表示が終了される。
このような特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
図29(D)〜(G)に示すように、入賞促進演出に起因して保留記憶情報の数が増加することに関連して変更演出が実行されることにより、特定演出における変更演出と保留記憶情報数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。また、特定演出において変更演出が実行されずに演出が終了してしまうのを防ぐことができる。
図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、第2保留記憶情報数の増加に応じてリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出が実行されることにより、変更演出と第2保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させることにより、リーチ態様の種類に応じて遊技者にとって有利となる期待度を異ならせるというような遊技者にとって有利となる期待度に関する演出パターンを考慮する必要がなくなる等、演出制御の開発設計を容易化することができる。また、リーチ図柄数の増加により、遊技者が一定の期待感を持って特定演出に注目するようになる。
図30に示すように、示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の演出期間で実行されるようにすることにより、演出制御の開発設計を容易化することができる。
図29(G),(H)に示すように、入賞促進演出は、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)に達したときに終了することにより、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
図29(A)〜(O)に示すように、判定演出動画のような一連の映像を用いた演出により特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行することにより、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる演出としては、所定順番で停止させず、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる際に、ボタン画像等の操作手段画像を表示して、「押せ」画像等の操作促進表示をし、遊技者の動作(プッシュボタン120の操作等)に応じて示唆演出図柄94を所定順番で複数回に分けて、または、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出で、リーチ態様の演出図柄91,92,93、および、示唆演出図柄94を停止させる際に、ボタン画像等の操作手段画像を表示する場合と表示しない場合とがあり、表示された方が表示されない場合よりも、遊技者にとって有利な状態(たとえば、小当りまたは大当り)となる期待度が高くなるように設定された割合で、操作手段画像を表示し、「押せ」画像等の操作促進表示をした後、遊技者の動作(プッシュボタン120の操作等)に応じて示唆演出図柄94を所定順番で複数回に分けて、または、1回で同時に停止させる演出をしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、図29(B)のような入賞促進演出の開始後、図29(C)〜(G)のような保留記憶情報1つずつに対応した変更演出を実行せずに、第2保留記憶情報の数が最大の「4」となったか、または、第2の所定期間が経過したときに、その間の第2保留記憶情報に対応したリーチ図柄によるリーチラインを纏めて一度に形成する表示(一度にリーチライン数増加させる表示)をする演出を実行するようにしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出において小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆する演出について、第2保留記憶情報が発生した順番に対応した順番で示唆する例を示した。しかし、これに限らず、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆する演出を実行する順番は、示唆演出の開始時に、第2保留記憶情報が発生した順番とは関係なく、ランダムに選択決定するようにしてもよい。
また、図29および図30に示した特定演出においては、示唆演出において単に各リーチラインの変動表示結果を導出表示する演出を実行することにより、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となることを示唆したが、そのような変動表示結果だけではなく、たとえば、バトル演出(味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う演出)のような所定の演出とリーチラインの表示結果の導出演出とを組合せて実行してもよい。たとえば、各リーチラインの表示結果を導出表示する前にバトル演出の画像を表示して、味方キャラクタが勝利したときに大当り図柄の組合せとなり、味方キャラクタが敗北したときにはずれ図柄の組合せとなるような演出の組合せをしてもよい。そのような演出の組合せは、節目節目で実行すればよく、たとえば、当該最初のリーチラインと最後のリーチラインとの2回について演出の組合せを実行してもよく、最後のリーチラインのみについて演出の組合せを実行してもよい。また、演出の組合せを実行するタイミングをランダムに選択してもよい。また、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となる期待度が高いときと、期待度が低いときとで、演出の組合せを実行するタイミングを異ならせてもよい。そのような演出の組合せは、実行しないときと、実行するときとがあり、小当り(小当り経由の大当り)または大当り(図柄15R時短大当り)となるときには、100%の確率で実行してもよく、小当りまたは大当りとならないときには実行しないようなものでもよい。また、そのような組合せによる演出が実行されるタイミングが最後のリーチラインに近づく程、小当りまたは大当りとなら期待度が高くなるように実行してもよい。このような各種の組合せによる演出を実行可能とすれば、演出のバリエーションが豊富化され、演出の面白みにより遊技の興趣を向上させることができる。
また、図29(H)〜(J)のような示唆演出においては、リーチ図柄がはずれ図柄の組合せとなったときには、その図柄の組合せをそれ以降に画面から消去してもよい。
次に、図29および図30に示す特定演出を演出図柄変動中処理(S802)において実行する特定演出第1処理を説明する。図31は、特定演出第1処理を示すフローチャートである。図31の特定演出第1処理は、演出図柄変動中処理(S802)の一部の処理として構成され、実行される。
特定演出第1処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かを判定する(S881)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、変動表示時に選択する変動パターンとして、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時に必ず選択する演出パターンとしての特殊演出パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、図10の変動パターン設定処理(S301)において、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時であるか否かを判定する処理ステップと、当該処理ステップにより図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示時である判定されたときに、その回の変動表示の変動パターンとして、前述の特殊変動パターンを選択する処理ステップと、選択した特殊変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する処理ステップとが含まれている。
S881では、前述のような特殊変動パターンを受信したか否かを、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域のデータに基づいて確認することにより、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かを判定する。
S881では、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示であるか否かの判定において、ないと判定されたときは処理を終了し、あると判定されたときは現在のタイミングが変動表示の開始時であるか否かを判定する(S882)。S882で変動表示の開始時であると判定されたときには、図29(A)のように、判定開始演出の表示を開始させるとともに判定演出動画の表示を開始させ(S883)、処理を終了する。一方、S882で変動表示の開始時ではないと判定されたときには、判定開始演出の開始時からの時間経過を確認することにより、判定開始演出の終了時であるか否かを判定する(S884)。
S884で判定開始演出の終了時であると判定されたときには、判定開始演出の表示を終了させる(S885)。そして、図29(B)のような入賞促進演出を開始させた後に図29(C)のような「7」図柄でのリーチラインの表示を行なう一連の演出を開始させ(S886)、処理を終了する。なお、特定演出開始時において第2保留記憶情報数が「0」個ではなく、何個かある場合には、最初のリーチラインを表示するときにおいて、その第2保留記憶情報の初期値分の数のリーチラインを表示する。
S884で判定開始演出の終了時ではないと判定されたときには、第2始動入賞指定コマンドの受信時であるか否かを確認することに基づいて、第2始動入賞口14への始動入賞時であるかを判定する(S887)。S887で始動入賞時であると判定されたときには、特定演出中の第2始動入賞口14への始動入賞個数を計数する計数手段としての始動入賞個数カウンタを+1加算更新する(S888)。始動入賞個数カウンタは、特定演出を実行するときにおいて第2始動入賞口14への始動入賞球の個数を計数する計数手段である。始動入賞個数カウンタは、特定演出開始時における第2保留記憶情報数(たとえば、「0」等)を初期値として第、2始動入賞口14への始動入賞球の個数を計数する。次に、S888で更新された始動入賞個数カウンタにより計数された始動入賞個数に応じて、図29(D)〜(G)のような変更演出を実行させ(S889)、処理を終了する。
S887で始動入賞時であると判定されたときには、入賞促進報知演出の終了時であるか否かを判定する(S890)。S890では、始動入賞個数カウンタの値が第2保留記憶情報の上限値(4)になったこと、または、予め定められた促進報知演出の実行期間(前述の第2所定期間)が終了したことの少なくともいずれか一方が成立したときに、入賞促進報知演出の終了時であると判定される。S890により入賞促進報知演出の終了時であると判定されたときは、図29(H)のように、入賞促進報知演出を終了させ(S891)、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S892)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、図29(H)〜(J)のような示唆演出を開始させる処理を(S893)実行し、処理を終了する。
具体的に、S893では、現在の変動中の演出図柄91,92,93については、受信した表示結果コマンドに基づいて図柄大当り(図柄15R時短大当り)または小当り(小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、小当り経由5(4)R時短大当り)となるか否かを判定し、第2保留記憶情報に対応する先読み演出図柄94については、取得した第2保留記憶情報に基づいて、各保留記憶情報が図柄大当り(図柄15R時短大当り)または小当り(小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、小当り経由5(4)R時短大当り)となるか否かを判定する。そして、S893では、このような判定結果に基づいて、演出表示装置9に表示されているリーチ図柄のうち、図柄大当りまたは小当りとなる第2保留記憶情報に対応するものについては、大当り図柄の組合せ(777)を表示し、はずれとなる第2保留記憶情報に対応するものについては、はずれ図柄の組合せ(777以外の組合せ)を表示する演出を、表示されている各リーチ図柄について順番に実行していく演出パターンが決定され、決定された演出が開始される。
なお、示唆演出において、特定のチャンスアップ予告等のリーチラインでの表示結果の導出演出とは別の演出を合わせて実行してもよく、そのような別の演出も実行するときには、S893において、その演出パターンを選択決定し、実行を開始させる。たとえば、小当りまたは大当りとなる期待度に応じて、背景画像色を、青、緑、赤、金等に変化させるチャンスアップ予告(大当り期待度は青<緑<赤<金)を実行するときには、第2保留記憶情報の内容を確認し、所定のチャンスアップ予告データテーブル(小当りまたは大当りの第2保留記憶情報があるか否かに応じて背景画像の選択割合を異ならせたデータテーブル等)に基づいて、背景画像色を選択決定する処理を行なえばよい。
S890により入賞促進報知演出の終了時ではないと判定されたときは、現在実行中の変動表示の終了時であるか否かを確認することにより、示唆演出の終了時であるか否かを判定する(S894)。S894で示唆演出の終了時ではないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S894で示唆演出の終了時であると判定されたときは、示唆演出を終了させ(S895)、特定演出実行フラグをセットし(S896)、処理を終了する。
S896でセットされる特定演出実行フラグは、特定演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、次のような目的で設けられる。第1に、図29(K)に示すように、特定演出を実行中に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示の表示結果を表示するときには、図19のS803により特定演出実行フラグがセットされているか否かが確認され、セットされているときには、図29(K)に示すような特定演出の演出態様での変動表示終了時の変動表示結果の表示が実行される。第2に、図29に示した特定演出の演出期間のうち、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示が終了した後、図29(L)〜(O)に示すような第2保留記憶情報に基づく変動表示を実行させるときにおいて、図30に示す特定演出第2処理において、特定演出の実行中であるか否かを確認するために用いられる。
図32は、特定演出第2処理を示すフローチャートである。図32の特定演出第2処理は、演出図柄変動開始処理(S801)の一部の処理として構成され、実行される。
特定演出第2処理では、まず、特定演出が実行中であるか否かを確認するために、特定演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S901)。S901で特定演出実行中フラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、S901で定演出実行中フラグがセットされているときは、たとえば図29(L)〜(O)のような特定演出時の変動態様で変動表示を実行するために必要となる演出データを設定する(S902)。そして、始動入賞個数カウンタを「−1」減算する(S903)。S903で始動入賞個数カウンタを減算することにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった第2保留記憶情報が変動表示により消化されたか否かを確認することが可能となる。
次に、始動入賞個数カウンタが「0」になったか否かを確認する(S904)。始動入賞個数カウンタが「0」になったことは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった保留記憶情報のすべてが消化されたことを示している。S904で始動入賞個数カウンタが「0」になっていないときは、処理を終了する。一方、S904で始動入賞個数カウンタが「0」になっているときは、特定演出実行中フラグをリセットし(S905)、判定演出動画の表示を終了させ(S905)、処理を終了する。これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の1回目の変動表示中に貯まった保留記憶情報のすべてが消化されたときに、特定演出が終了する。
〔特徴部244F・245Fに関する説明〕
次に、本実施の形態の特徴部244Fおよび245Fについて説明する。特徴部244Fおよび245Fに関しては、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図2に示すような各種大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態(たとえば、図柄15R時短大当りの場合は第2特別図柄変動7回又は第1,第2特別図柄変動合計11回まで継続して実行される時短状態等)中において実行可能な変動表示の残回数(以下、時短残回数ともいう)を表示する表示制御を実行し、その表示制御に関して各種の特徴的な表示制御をする技術を説明する。
特徴部244Fについては、時短状態中において第2保留記憶に基づいて実行される第2変動表示(以下、第2可変表示または第2特別図柄変動ともいう)についての時短残回数の表示がされているときに、第1保留記憶に基づいて実行される第1変動表示(以下、第1可変表示または第1特別図柄変動ともいう)が実行された場合に実行する表示制御として、第1表示制御例と、第2表示制御例とを説明する。
第1表示制御例としては、時短状態中において、第2可変表示についての時短残回数の表示がされているときに第1可変表示が実行された場合に、当該時短残回数の表示を行わないようにする表示制御を説明する。
第2表示制御例としては、時短状態中において、第2可変表示についての時短残回数の表示がされているときに第1可変表示が実行された場合に、第1可変表示が実行された場合に、当該時短残回数の表示を更新しない表示制御を説明する。
図2に示すような各種大当りについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り遊技状態の終了後での時短状態中における第1可変表示および第2可変表示の合計回数が第1回数(たとえば11回等)になった第1条件と、当該時短状態中における第2可変表示(第2特別図柄変動)の回数が第1回数よりも少ない第2回数(たとえば7回等)になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる制御を実行する。
特徴部245Fについては、時短状態中における可変表示の残回数の表示について、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときには、時短状態中における可変表示の残回数として第2可変表示の残回数を表示し、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、前記残回数として当該合計回数の残回数を表示する表示制御を説明する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態の終了後での時短状態中に実行可能な特別図柄の可変表示の残回数(時短残回数)を演出表示装置9に表示し、遊技状況に応じて、その残回数の表示制御を実行する。
〔第1表示制御例〕
図33−1は、時短残回数の第1表示制御例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−1においては、(A)〜(I)に図柄15R時短大当り(図2参照)の大当り遊技状態の終了後における時短状態での演出態様の一例が示されている。図33−1においては、時短状態中において、(A)〜(H)に示すように演出図柄の変動表示が複数回実行された後、(I)に示すように大当り表示結果が導出表示された制御例が示されている。
一例として、図柄15R時短大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態は、時短状態中における第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数が11回になった第1条件と、当該時短状態中における第2特別図柄変動の回数が7回になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことに基づいて終了する。以下、時短状態中において、時短終了条件の第1条件である第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数を「合計残回数」と呼び、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の残回数を「第2特図残回数」と呼ぶ。
図33−1(A)のように、大当り遊技状態が終了すると、「チャンスタイム突入」という文字が示された時短開始表示画像98が表示され、時短状態が開始されることが報知される。図33−1(A)〜(H)のように、時短状態中には、右打ちをすること(第2始動入賞口14への入賞を狙うこと)を指示(促進)する右打ち画像97が画面右上部に表示される。図33−1(B)のように、時短状態の開始時(合計残回数11回、第2特図残回数7回)においては、時短状態の残回数を示す画像として、「残り7回」を示す時短残回数画像96が表示される。「残り7回」を表示する時短残回数画像96は、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの残回数を示している。
時短状態中においては、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数を表示する。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数を表示する。また、時短状態中において、第1条件が成立するまでの合計残回数と、第2条件が成立するまでの第2特図残回数とが同じであるときには、時短残回数として第2特図残回数を表示する。
なお、第1条件が成立するまでの合計残回数と、第2条件が成立するまでの第2特図残回数とが同じであるときには、時短残回数として合計残回数を表示してもよい。
この例では、第1条件が成立するまでの合計残回数が第2条件が成立するまでの第2特図残回数以上であるときは、時短残回数として第2特図残回数を表示し、第1条件が成立するまでの合計残回数が第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときは、時短残回数として合計残回数を表示する。
具体例を挙げると次のような時短残回数の表示が行なわれる。たとえば、図33−1(B)の「合計残回数11回、第2特図残回数7回」、図33−1(E)の「合計残回数10回、第2特図残回数7回」、図33−1(F),(G)の「合計残回数9回、第2特図残回数6回」のように、合計残回数が第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として、図33−1(B),(E)の「残り7回」、図33−1(F),(G)の「残り6回」のような第2特図残回数を時短残回数画像96で表示する。一方、図33−1(H)の「合計残回数4回、第2特図残回数5回」のように、合計残回数が第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として、図33−1(H)の「残り4回」のような合計残回数を時短残回数画像96で表示する。
時短状態の演出開始時には、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が初期表示画像として表示され、その後、始動入賞に応じた時短状態の可変表示が実行される。時短状態における第1可変表示(第1特別図柄変動)は、図33−1(B)に示すような演出図柄91,92,93の前回の可変表示結果の図柄が、2〜3秒間に亘り図33−1(C)に示すようにその場で揺れる動作をして、図33−1(D)に示すように直ちに、今回の可変表示結果を導出表示する演出態様で実行される。一方、時短状態における第2可変表示(第2特別図柄変動)は、図33−1(E),(G),(H)に示すように、演出図柄91,92,93が時短パターンのスクロール表示(図中下向き矢印の表示)で4〜5秒間変動動作をして、可変表示結果を導出表示する演出態様で実行される。
なお、時短状態における第1可変表示の平均的な変動時間と、時短状態における第2可変表示の平均的な変動時間とは、異なる時間(第1可変表示>第2可変表示、または、第1可変表示<第2可変表示)となるようにしてもよく、同様の時間(同じ時間)となるようにしてもよい。また、時短状態における第1可変表示は、第2可変表示と同様に時短パターンのスクロール表示をしてもよい。
演出表示装置9においては、演出図柄91,92,93のそれぞれに対応して可変表示(図柄のスクロール表示、図柄の切り替え表示等、どのような可変表示態様でもよい)し、演出図柄91,92,93のそれぞれに対応する表示結果を導出表示する左図柄,中図柄,右図柄の3つの小型の図柄よりなる常時変動小図柄90が表示される。常時変動小図柄90は、特別図柄の変動期間中においては、演出図柄がどのような表示態様で表示されている状態であっても、常に図柄が変動する態様で可変表示される。このような常時変動小図柄90が表示されることにより、たとえば、図33−1(C)に示すように演出図柄表示91,92,93が変動しているかどうか認識しにくい状況であっても、常時変動小図柄90の表示状態によって、可変表示中であることが明確に示されるとともに、可変表示結果が明確に示される。図33−1(I)のように、演出図柄91,92,93の可変表示結果が大当り表示結果となったときには、常時変動小図柄90の表示結果も大当り表示結果となり、「大当り!」というような大当り報知画像99が表示される。
図33−1(B)のように、時短状態において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときには、時短残回数画像96を、図33−1(C),(D)のように、その第1可変表示の可変表示期間(変動時間)中に亘り一旦消去(図中一点鎖線で示す部分)した後、図33−1(E)のように、時短残回数画像96を、次の第2可変表示(第2特別図柄変動)の実行開始時に時短残回数の表示を更新しないで再表示することにより、時短残回数の表示を更新しない表示制御が実行される。
図33−1(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、図33−1(C)〜(E)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を消去し、消去した残回数を、当該第1可変表示の終了後に再表示することにより、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であることにより、当該残回数の表示の消去および再表示により当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、前述したように、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
図33−2は、図33−1に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータ100により実行される処理を示すフローチャートである。図33−2(A)には変動開始時における時短残回数表示に関する制御をする処理(時短残回数表示処理A)が示され、図33−2(B)には変動停止時における時短残回数表示に関する制御をする処理(演出図柄変動停止処理)が示されている。
図33−2(A)の時短残回数表示処理Aは、図19の演出図柄変動開始処理(S801)内において一部の処理として行われる処理である。
まず、今回の変動表示に際して、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示(第1可変表示)の開始時であるか否かを判定する(S911)。S911では、後述するS928によりセットされる第2特図残回数表示フラグがセットされているか否かを確認することにより、時短状態において第2特図残回数が表示されているか否かを判定する。そして、S911では、図7の第1特別図柄変動指定コマンドを受信したか否かを確認することに基づき、第1特別図柄の変動表示の開始時であるか否かを判定する。
S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時でないときは、処理を終了する。一方、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時であるときは、今回の変動表示中において、時短残回数画像96を、図33−1(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り一旦消去(図中一点鎖線で示す部分)させる演出を実行するための設定である時短残回数表示消去設定をし(S912)、処理を終了する次に第2可変表示(第2特別図柄変動)の実行開始時までに時短残回数を再表示させない。なお、S912の時短残回数表示消去設定は、時短残回数画像96について、時短残回数画像96を一旦消去させる演出に加え、図33−1(E)のように次に第2可変表示時に再表示させる演出を実行するための設定であってもよい。
このように、時短残回数表示消去設定がされると、図19の演出図柄変動中処理(S802)および演出図柄変動停止処理(S803)において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行される場合に、図33−1(C),(D)のように、時短残回数画像96を消去する演出が実行される。一方、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時でないと判定されたときは、S912が実行されないので、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第2特別図柄の変動表示時であるとき、および、時短状態において合計残回数が表示されている状態での第1別図柄の変動表示時または第2特別図柄の変動表示時であるときは、図33−1(E)〜(H)のように、時短残回数画像96が表示されることとなる。
図33−2(B)の演出図柄変動停止処理は、図19のS803の演出図柄変動停止処理において、図33−1に示された時短残回数の表示制御を実行可能に構成された処理である。
演出図柄変動停止処理においては、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S921)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S932に移行する。一方、停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90について、予め決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または、小当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S922)。
次に、停止図柄が大当りとなる図柄であるか否か(すなわち、大当り表示結果を表示したか否か)を確認する(S923)。大当りとなる図柄であるときには、停止図柄表示フラグをセットし(S931)、S932に進む。一方、大当りとなる図柄でないときには、小当りとなる図柄であるか否か(すなわち、小当り表示結果を表示したか否か)を確認する(S923)。小当りとなる図柄であるときには、停止図柄表示フラグをセットし(S931)、S932に進む。一方、小当りとなる図柄でないとき、すなわち、はずれ図柄であるときには、時短終了条件の第1条件である第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数である「合計残回数」を確認する(S925)。
「合計残回数」は、RAM103に合計残回数計数用の計数領域が設けられ、当該計数領域において、大当り遊技状態が終了したときに、図2に示すような大当りの種類により異なる第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数値が「合計残回数」の初期値としてセットされ、第1特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第1図柄変動指定コマンドと、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第2図柄変動指定コマンドとのいずれを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したときも「1」ずつ減算更新する演算がされる。このような「合計残回数」の演算は、たとえば、図18のコマンド解析処理(S704)のように、演出図柄変動停止処理とは別に設けられた処理において実行される。S925では、そのように演算される「合計残回数」のデータを確認することにより、「合計残回数」を確認する。
次に、時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の残回数である「第2特図残回数」を確認する(S926)。「第2特図残回数」は、RAM103に第2特図残回数計数用の計数領域が設けられ、当該計数領域において、大当り遊技状態が終了したときに、図2に示すような大当りの種類により異なる時短終了条件の第2条件である第2特別図柄変動のみの回数の最大値が「第2特図残回数」の初期値としてセットされ、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに送信される第2図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したときに「1」ずつ減算更新する演算がされる。このような「第2特図残回数」の演算は、たとえば、図18のコマンド解析処理(S704)のように、演出図柄変動停止処理とは別に設けられた処理において実行される。S926では、そのように演算される「第2特図残回数」のデータを確認することにより、「第2特図残回数」を確認する。
次に、時短状態の残回数として、S925で確認した「合計残回数」が、S926で確認した「第2特図残回数」以上であるか否かを確認する(S927)。S927で「合計残回数」が「第2特図残回数」以上であるときは、S926で確認した第2特図残回数を時短残回数画像96で表示し(S928)、S930に進む。これにより、図33−1(B),(F)のように、時短残回数画像96が第2特別図柄変動の残回数である第2特図残回数で表示される。また、S928では、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態であることを示す第2特図残回数表示フラグがセットされる。一方、S927で「合計残回数」が「第2特図残回数」未満であるときは、S925で確認した合計残回数を時短残回数画像96で表示し(S929)、S930に進む。これにより、図33−1(H)のように、時短残回数画像96が第1特別図柄変動および第2特別図柄変動の合計回数の残回数である「合計残回数」で表示される。また、S929では、時短状態において合計残回数が表示されている状態であることを示す合計残回数表示フラグがセットされる。S930では、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S930)、処理を終了する。
また、S921で停止図柄表示フラグがセットされていると判定された場合と、S923で大当りと判定されるか、または、S924で小当りと判定されるかにより、S931で停止図柄表示フラグがセットされた場合とにおいては、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始5指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S932)。
S932で大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合は、停止図柄表示フラグをリセットする(S934)。そして、大当り用のファンファーレ演出等をする大当り表示を実行するための準備設定をする(S934)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新し(S935)、処理を終了する。大当り表示を実行するための準備設定としては、たとえば、大当り種別に対応するファンファーレ演出等の大当り表示を実行するためのプロセステーブルの選択、プロセスタイマのスタート、プロセスデータの内容したがった演出表示装置9等の演出装置の制御の実行開始等を行なう。
一方、S932で大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定された場合は、小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグ(第1小当り開始指定コマンド受信フラグ〜第3小当り開始指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S936)。
S936で小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定された場合は、処理を終了する。一方、S936で小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合は、停止図柄表示フラグをリセットする(S937)。そして、小当り用のファンファーレ演出等をする小当り表示を実行するための準備設定をする(S938)。その後、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S808)に応じた値に更新し(S939)、処理を終了する。小当り表示を実行するための準備設定としては、たとえば、小当り用のファンファーレ演出等の小当り表示を実行するためのプロセステーブルの選択、プロセスタイマのスタート、プロセスデータの内容したがった演出表示装置9等の演出装置の制御の実行開始等を行なう。
このような演出図柄変動停止処理のうち、S924〜S929等の処理が実行されることにより、演出図柄変動停止処理において、図33−1に示したような時短残回数の表示制御を実行することができる。
〔第2表示制御例〕
図33−3は、時短残回数の第2表示制御例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−3においては、図33−1と同様に、(A)〜(I)に図柄15R時短大当り(図2参照)の大当り遊技状態の終了後における時短状態での演出態様の一例が示されている。図33−2においては、時短状態中において、(A)〜(H)に示すように演出図柄の変動表示が複数回実行された後、図33−1と同様に、(I)に示すように大当り表示結果が導出表示された制御例が示されている。
図33−3が図33−1と異なるのは、次のような表示制御が実行されることである。時短残回数画像96は、図33−3(B)のように、赤色(図中「(赤)」という文字で時短残回数画像96の色を表現している)で表示されるのが標準色(通常色)である。これに対し、図33−3(B)のように、時短状態において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときには、時短残回数画像96の色を、図33−3(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り、赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない表示制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
図33−3(C),(D)に示すように、時短状態中において時短残回数画像96で第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を更新しない表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、図33−3(B)〜(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、時短残回数画像96の色を変更表示することにより、当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
また、前述したように、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
図33−4は、図33−3に示す時短残回数の演出表示を実行するために演出制御マイクロコンピュータ100により実行される処理を示すフローチャートである。図33−4(A)には変動開始時における時短回数表示に関する制御をする処理(時短残回数表示処理B)が示され、図33−4(B)には変動停止時における時短回数表示に関する制御をする処理(演出図柄変動停止処理)が示されている。
図33−4(A)の時短残回数表示処理Bは、図33−2(A)の時短残回数表示処理Aと同様に、図19の演出図柄変動開始処理(S801)内において一部の処理として行われる処理である。
図33−4に示した処理が、図33−2に示した処理と異なるのは、図33−4(A)であり、図33−4(B)は、図33−2(B)と同様の処理である。図33−4(A)の時短残回数表示処理Bが、図33−2(A)の時短残回数表示処理Aと異なるのは、S911で、時短状態において第2特図残回数が表示されている状態での第1特別図柄の変動表示の開始時であるときは、今回の変動表示中において、図33−3(C),(D)のように、その第1可変表示の変動表示期間中に亘り、時短残回数画像96を赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない演出を実行するための設定である時短残回数表示更新制限設定をし(S912A)、処理を終了することである。
このように、時短残回数表示更新制限設定がされると、図19の演出図柄変動中処理(S802)および演出図柄変動停止処理(S803)において、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行される場合に、図33−1(C),(D)のように、時短残回数画像96を赤色の標準色から青色の特別色に変更するとともに、時短残回数画像96で表示される時短残回数の表示を更新しない演出が実行される。
図33−4(B)では、図33−2(B)と同様に、S924〜S929等の処理が実行されることにより、演出図柄変動停止処理において、図33−3に示したような時短残回数の表示制御を実行することができる。
なお、図33−1の第1表示制御例および図33−3の第2表示制御例においては、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)に、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が、引き続き、時短状態の演出開始時の初期表示画像として表示され、その後、第1可変表示の実行時には前回の可変表示結果の図柄がその場で揺れる動作をして今回の表示結果を導出表示する例を示した。しかし、これに限らず、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)には、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せではなく、常に、例えば「123」というようなはずれ図柄の組合せ(所謂バラケ目等)を表示した後、時短状態での可変表示を実行してもよい。
一般的に、大当り図柄の組合せの状態で演出図柄がその場で揺れる動作をしていると、今回の可変表示結果が大当り図柄の組合せの表示結果として表示されているものと遊技者が誤解する場合がある。そこで、このような誤解を生じさせないためには、時短状態の演出開始時に、はずれ図柄の組合せを表示してから時短状態での可変表示を実行させればよい。このようにすれば、時短状態での1回目に第1可変表示が実行されて表示結果がはずれ表示結果となる場合であっても、はずれ表示結果から別のはずれ表示結果に変化する演出が行なわれ得るので、時短状態の演出開始時の1回目の可変表示として第1可変表示が実行されるときに、その場で揺れる動作をしている例えば「333」の大当り図柄の組合せから急に「334」のはずれ図柄の組合せに変化するときに感じると考えられる違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
また、時短状態の演出開始時(チャンスタイム突入時)に、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄の組合せ(この例では「333」)が演出図柄91,92,93および常時変動小図柄90で停止表示された状態が、引き続き、時短状態の演出開始時の初期表示画像として表示され、その後、当該大当り図柄の組合せがその場で揺れる動作をして、はずれ表示結果となる第1可変表示の実行時であっても、今回の可変表示結果として当該大当り図柄の組合せを維持表示するようにしてもよい。その場合には、演出図柄があくまでも演出用の図柄であるため、例えば、演出図柄が変動表示中であるか否かを示すことが可能な第4図柄等のような演出表示装置9のその他の領域で表示される特定の図柄により、第1可変表示の実行において、揺れる動作をしている演出図柄が変動表示中であること、および、停止している演出図柄がはずれ表示結果と大当り表示結果とのいずれであるかを示すことが可能であればよい。
〔時短残回数更新ロック表示制御例〕
次に、第2表示制御例のように、時短状態中において、第2可変表示についての時短状態の残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を更新しない表示制御をする場合において、時短状態の残回数の表示が更新されないことを示唆する所定画像を時短残回数画像96に重畳表示する例として、時短残回数更新ロック表示制御を説明する。
図33−5は、時短残回数更新ロック表示制御例を示す時短残回数画像96の近傍の表示領域の拡大図である。たとえば、図33−3のような第2表示制御例においては、図33−3(C),(D)のように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96の残回数の表示が更新されない。図33−5に示すように、時短残回数更新ロック表示制御例では、そのように時短残回数画像96の残回数の表示が更新されないときに、時短状態の残回数の表示が更新されないことを示唆する所定画像として、透明性を有し、時短残回数画像96の周囲を囲んで時短残回数画像96が更新されないことを表示態様で示唆可能なロック画像96Aを、時短残回数画像96に重畳表示する表示制御が行なわれる。そのロック画像96Aの一部には「LOCK」というような残回数の表示が更新されないことを示唆する文字情報が含まれている。なお、「LOCK」というような残回数の表示が更新されないことを示唆する文字情報は、ロック画像96Aに含まれなくてもよい。
このようなロック画像96Aの重畳表示は、たとえば、図33−4(A)のS912Aの時短残回数更新制限表示設定で表示することを設定することにより実行されるようにすればよい。
図33−5に示すように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96にロック画像96Aのような、残回数が更新されないことを示唆する所定画像を重畳表示する表示制御がされることにより、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
なお、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、透明性が高い画像であっても、透明性が低い画像であってもよく、時短残回数画像96での残回数表示が、ある程度視認可能なものであればよい。また、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、時短残回数画像96自体が表示されていることを視認可能であるが、残回数の数値が視認不可能な画像であってもよい。また、時短残回数画像96に重畳表示する画像としては、時短残回数画像96を覆うような画像と、時短残回数画像96の一部を覆うような画像とのどちらであってもよい。
〔第1表示制御制限例〕
次に、前述した第1表示制御、すなわち、時短状態中において、第2可変表示についての時短状態の残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を行わないようにする表示制御に対して、制限を加える制御としての第1表示制御制限例を説明する。
前述したように、時短状態中において、時短状態における可変表示の残回数を表示するときには、少なくとも、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、残回数として第2可変表示の残回数ではなく、当該合計回数の残回数を表示することを説明した。
したがって、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合に、当該残回数の表示を行わないようにする表示制御をしなくても、遊技者が違和感を感じにくいと考えられる。また、第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数を表示している状態で第1可変表示が実行されるときに残回数の表示を行わないようにする必要性もないと考えられる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態中において、可変表示の時短状態の残回数を表示するときには、少なくとも、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行されても、図33−1(C),(D)のような時短残回数画像96での残回数の消去をしない制御をすることにより、第1表示制御を制限する制御を実行する。
このような第1表示制御制限例では、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2回数の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合であっても、当該残回数の表示を行わないように表示制御をする演出が制限されることにより、遊技状態に応じた残回数の表示がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
〔特定報知例〕
次に、前述した時短状態中に実行される可変表示の残回数の表示制御について共通に実行可能な特定報知例を説明する。特定報知とは、前述のように、第1可変表示と第2可変表示との合計回数による時短状態の終了条件と、第2可変表示の回数による時短状態の終了条件とにより時短状態の終了条件が定められた場合において、第1可変表示の回数が多くなる程、遊技者にとって不利な状況になるため、そのような状況を可能な限り回避するために、時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、第2可変表示の実行を特別に促進させるために演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する報知である。
図33−6は、特定報知例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図33−6においては、時短状態中において、特定回数をたとえば4回と設定し、たとえば3回のような特定回数未満である第1可変表示が実行された場合は、図33−6(A)のように、特定報知が実行されない。一方、短状態中において、たとえば4回のような特定回数の第1可変表示が実行された場合は、図33−6(B)のように、右打ち画像97のうちの一部の右向矢印画像が、図33−6(A)通常時の右打ち画像97の右向矢印画像よりも極めて大きく表示された右打ち強調画像97Aにより、右打ちを強く促進する特定報知が実行される。さらに、特定報知としては、通常の右打ち画像97の表示時に出力される音声とは異なる音声(たとば、音量が大きい音声、警告音のような音声、右打ちをしなければ遊技者に不利な状態となることを示す音声等の特別の音声のそれぞれ、および、組合せ等)が出力される。さらに、特定報知としては、パチンコ遊技機1に設けられた各種のランプ等の発光体の発光態様を、通常の右打ち画像97の発光態様とは異なる発光態様(たとば、光音量が大きい発光、発光色が異なる発光、点滅周期が異なる発光等の特別の発光態様のそれぞれ、および、組合せ等)が実行される。
このような特定報知例によれば、時短状態中における第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特定報知がされることにより、第1可変表示および第2可変表示の合計回数または第2可変表示により時短状態の終了条件が規定されている遊技において、特定報知により、遊技者に不利益な状態となるのを防ぐことができる。
〔特徴部068SH・069SHに関する説明〕
次に、本実施の形態の特徴部068SHおよび069SHに係る実施形態ついて説明する。特徴部068SHおよび069SHに係る実施形態では、可変入賞球装置15に関する報知について説明される。なお、特徴部068SH・069SHに関する説明においては、保留記憶情報または保留記憶を保留情報とも表現する。保留情報の数を保留個数とも表現する。また、上述した実施形態と同様に、変動表示を可変表示とも表現する。
特徴部068SHは、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が第1数(0〜3個)のときと、当該第1数よりも多い第2数(4個)のときとで、報知態様が異なること特徴とする。また、特徴部069SHは、所定期間において、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数(4個)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行することを特徴とする。
まず、上記特徴部068SH・069SHについて、技術的な背景を説明する。近年の遊技機は、スペックや遊技方法が多様化し、長年遊技機で遊技してきた遊技者にとっても、遊技している遊技機がどのようなスペックや遊技方法であるのか分かりづらいということがある。例えば、遊技機で何かが起こっているようだが、何が起こっているのか分からず、遊技球をどこに発射すればよいのか、また遊技球を発射しても損はないだろうか、などと遊技者が不安に感じることがある。特に、一種二種混合機といわれるような特殊な機種では、こうした傾向が顕著である。
遊技者が遊技方法等をよく分からない場合には、遊技者が不利益を被ったり、有利な権利を逃すことがあり得る。そこで、本実施形態では、特徴部068SH、069SHによる報知によって、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。また、遊技者が不安を感じた状態は、興趣の向上を妨げるばかりではなく、その遊技機が持つ本来の特徴を十分に感じることができない。本実施形態によれば、こうした不安を除去できるため、遊技者の興趣を向上することができるとともに、遊技機が持つ特徴を遊技者が理解しやすくなるため、より遊技者の昂揚感を高めることができる。従来の遊技機では、右打ちや左打ちを報知することがあったが、これだけでは具体性に欠けるとともに、遊技球の無駄打ちを防止することができなかった。以下、特徴部068SH・069SHについて詳細な説明する。
図34−1は、特徴部068SHおよび069SHの説明で用いられるパチンコ遊技機068SH100を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機068SH100と図1に示したパチンコ遊技機1との大きく異なる点は、可変表示装置がドラム式のパチンコ遊技機であること、第1特別図柄および第2特別図柄の保留数を示すLEDが設けられていること、右打ち、左打ちを指示するLEDが設けられていることである。
図34−1に示されるように、パチンコ遊技機068SH100の可変表示装置68SH009には、表面に複数種類の識別情報(図柄)が付された回胴(以下、「リール」ともいう)を複数有し、複数の回胴が回転することで複数種類の識別情報が順次更新される複数の表示領域が形成されている。なお、図柄にはブランク図柄も含まれる。可変表示装置には、リール68SH009L、68SH009C、68SH009R(以下、「左リール」、「中リール」、「右リール」、ともいう)が水平方向に並設されており、これらリール68SH009L、68SH009C、68SH009Rに配列された領域のうち連続する3つの領域が透視窓から見えるように配置されている。本実施形態では、図34−1に破線で示される有効ライン68SHL1(上段)、68SHL2(中段)、68SHL3(下段)、68SHL4(右下がり)、68SHL5(右上がり)上に後述する赤7、青7が揃うと、大当りまたは小当りとなる。
また、パチンコ遊技機068SH100には、第1保留記憶表示器68SH001、第2保留記憶表示器68SH002が設けられており、それぞれ4つのLEDで構成される。各LEDは、点灯することで、未だ開始されていない可変表示が保留されていることを示す。図34−1において、白丸は保留されていないことを示し、黒丸は保留されていることを示す。従って、図34−1の場合、第1特別図柄について保留個数は0個であり、第2特別図柄についての保留個数は2個であることが示されている。
パチンコ遊技機068SH100には、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005Rが設けられている。パチンコ遊技機068SH100は、左打ちを遊技者に指示する場合には、打球指示矢印LED68SH005Lを点灯し、右打ちを遊技者に指示する場合には、打球指示矢印LED68SH005Rを点灯する。図34−1では、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005Rが消灯している態様を白抜き矢印で示し、点灯している態様を黒矢印で示している。従って、図34−1の場合、右打ちが指示されていることが示されている。さらに、パチンコ遊技機068SH100には、盤面ランプ68SH015が設けられている。盤面ランプ68SH015は、遊技盤6の裏面に設けられ、遊技盤6の裏から遊技盤6を照射するランプであり、照射された光は遊技盤6を透過する。盤面ランプ68SH015は、可変入賞球装置15のまわりも照射する。パチンコ遊技機068SH100には、電チューランプ68SH016が設けられている。電チューランプ68SH016は、可変入賞球装置15内に設けられたランプであり、可変入賞球装置15を目立たせるためのランプである。
可変入賞球装置15は、上述したように開状態と、閉状態とに変化する可変入賞球装置としての役物である。具体的に、特徴部068SHおよび069SHに係るパチンコ遊技機068SH100において、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞不可または入賞し難い閉状態と、当該閉状態よりも遊技球が入賞しやすい開状態とに変化可能である。また、可変入賞球装置15には、マーク「M」が目印として設けられている。マーク「M」は、可変入賞球装置15が開状態であることの報知(音声報知:「Mを狙え」)で用いられる。
図34−2は、パチンコ遊技機068SH100における主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図3で示した主基板(遊技制御基板)31と異なる点は、液晶表示装置9が構成から外れ、リールモータ68SH010、リールセンサ68SH012、リールLED68SH014、打球指示矢印LED68SH005L、68SH005R、第1保留記憶表示器68SH001、第2保留記憶表示器68SH002が新たな構成として含まれる。
リールモータ68SH010は、演出制御基板80から出力されるモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)によって制御される。リールモータ68SH010は、左リール、中リール、右リールの各々に対応して設けられている。左リール、中リール、右リールは、リールモータ68SH010によって回転されることで、左リール、中リール、右リールごとに、連続する3つの領域が透視窓に連続的に変化しつつ表示される一方で、左リール、中リール、右リールの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する領域が表示結果として導出表示されるようになっている。
リールセンサ68SH012は、左リール、中リール、右リールの内側に設けられ、左リール、中リール、右リールそれぞれに対して基準位置を検出する。リールLED68SH014は、左リール、中リール、右リールを背面から照射する。リールLED68SH014は、左リール、中リール、右リールの連続する3つの領域に対応する12のLEDからなり、各領域をそれぞれ独立して照射可能とされている。
図34−3は、リールの図柄配列を示す図である。リールには、図柄(識別情報)として、赤7、青7、促進報知図柄、および到達報知図柄が互いに識別可能に所定の順序で描かれている。このうち、赤7、および青7は、1つの領域内に収まる大きさであるが、促進報知図柄、および到達報知図柄は、連続する3つの領域にまたがる大きさである。
図34−4(A)は、パチンコ遊技機068SH100における当り種別表を示す図である。図2に示した種別表との主な違いは、ラウンド数と、図柄大当りにおいて時短なし大当りが設けられたことである。本実施形態では、大当り当り種別として、図柄5R時短あり大当り、図柄5R時短なし大当り、小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。図柄5R時短あり大当り、図柄5R時短なし大当りの判定には、図5(B)で説明した大当り判定値が用いられる。従って、本実施形態における図柄5R時短あり大当り、および図柄5R時短なし大当りの大当り確率は1/199である。小当りの判定も同様に図5(B)で説明した大当り判定値が用いられる。従って、本実施形態における小当り確率は1/7.35である。
本実施形態における小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが含まれる。一方、本実施形態における図柄大当りには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄5R時短あり大当り、および、図柄5R時短なし大当りがある。
図柄5R時短あり大当りは、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。図柄5R時短なし大当りは、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。小当り経由11(10)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が10回(10R)開放される大当りであり、11ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、10回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄10R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由6(5)R時短あり大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。6ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、5回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄5R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件は、図2で説明した条件と同じである。すなわち、図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、図2で説明した図柄4R時短大当り後の時短状態と同じである。その理由は、図2で説明したものと同じく、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄5R時短なし大当り後は、特殊通常状態に移行する。特殊通常状態とは、演出制御基板80によって行われる演出のみが通常状態と異なる状態である。従って、遊技者に対する有利度は、通常状態と変わらない。また、特殊通常状態は最大30変動継続する。以下の説明において、図柄5R時短あり大当り、小当り経由11(10)R時短大当り、小当り経由6(5)R時短あり大当りの3つの大当りを、時短あり大当りと表現することがある。
図34−4(B)、(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図34−4(B)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図34−4(C)は、第2特別図柄により小当りと判定されたときの小当り経由大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図34−4(B)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図34−4(C)の第2特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。本実施形態の場合、「図柄5R時短あり大当り」と「図柄5R時短なし大当り」は、それぞれ50%で選択される。
図34−4(C)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」と「小当り経由6(5)R時短あり大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、11(10)R時短あり大当りとなるものと、6(5)R時短あり大当りとなるもののそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ無効となる。本実施形態の場合、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」と「小当り経由6(5)R時短あり大当り」は、それぞれ50%で選択される。
図34−5は、遊技状態の遷移を示す図である。図34−5には、遊技状態として、通常状態、特殊通常状態、大当り(図柄)、大当り(V入賞)、およびチャンスタイムが示されている。まず、通常状態において「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選すると、大当り(図柄)状態に移行する。大当り(図柄)状態において、「図柄5R時短あり大当り」が終了すると、チャンスタイムAに移行する。一方、大当り(図柄)状態において、「図柄5R時短なし大当り」が終了すると、上述した特殊通常状態に移行する。
特殊通常状態において「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選すると、大当り(図柄)状態に移行する。特殊通常状態において、30回の変動表示が終了すると、通常状態に移行する。
チャンスタイムAは、「図柄5R時短あり大当り」終了後、上述した条件である、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件のいずれかが満たされるまで継続する状態である。従って、チャンスタイムAでは、第2特別図柄について、1回の時短と、その時短中に最大で4個保留される第2特別図柄の保留情報の4変動とを合わせて、最大で5回の変動が行われる。
チャンスタイムAにおいて、第1特別図柄の保留情報に基づく可変表示よって、「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選した場合には、再び大当り(図柄)状態に移行する。チャンスタイムAにおいて、小当りに当選し、V入賞が発生した場合に大当り(小当り経由)状態に移行する。一方、チャンスタイムAにおいて、小当りに当選しなかった場合、または小当りに当選したが、V入賞が発生しなかった場合は、特殊通常状態に移行する。
大当り(小当り経由)状態において、大当り(図柄)状態において、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」、または「小当り経由6(5)R時短あり大当り」が終了すると、チャンスタイムBに移行する。
チャンスタイムBは、「小当り経由11(10)R時短あり大当り」、または「小当り経由6(5)R時短あり大当り」の終了後、上述した条件である、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの条件のいずれかが満たされるまで継続する状態である。従って、チャンスタイムBでは、第2特別図柄について、7回の時短と、その時短中に最大で4個保留される第2特別図柄の保留情報の4変動とを合わせて、最大で11回の変動が行われる。
チャンスタイムBにおいて、第1特別図柄の保留情報によって、「図柄5R時短あり大当り」または「図柄5R時短なし大当り」に当選した場合には、大当り(図柄)状態に移行する。チャンスタイムBにおいて、小当りに当選し、V入賞が発生した場合に再び大当り(小当り経由)状態に移行する。一方、チャンスタイムBにおいて、小当りに当選しなかった場合、または小当りに当選したが、V入賞が発生しなかった場合は、特殊通常状態に移行する。
図34−5に示したように、本実施形態では、有利状態終了後に、可変表示が上限数以上の所定回数(チャンスタイムAの場合最大5回、チャンスタイムBの場合、最大11回)実行されるまでに再度有利状態に制御された場合には、当該有利状態終了後に特別状態(チャンスタイムB)に制御可能である。このような構成によれば、有利状態になるたびに特別状態に制御されるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
図34−6および図34−7は、本実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図34−6および図34−7においては、図7および図8と同様に、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。
図34−6および図34−7では、本実施形態における大当りのラウンド数などに合わせて8C02〜8C05、A001〜A004、A301〜A304、およびC401、C402、C501、C502における名称や内容を図7および図8から変更している。また、図34−7では、本実施形態において特殊通常状態が設けられたことや、作動口の開放や閉鎖を指定するために、D101〜D104の新たなコマンドが設けられている。
図34−8は、本実施形態における変動パターンの一例を示している。本実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターンと称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターンと称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα又はスーパーリーチXといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図34−8(A)は、第1特別図柄の変動パターンである特図1変動パターンを示している。図34−8(B)は、第2特別図柄の変動パターンである特図2変動パターンを示している。特図1変動パターンのうち、P1A1−2の時短あり大当り終了後・非リーチ(ハズレ)は、図柄5R時短あり大当り、小当り経由図柄11(10)R時短あり大当り、および小当り経由図柄6(5)R時短あり大当りの終了後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄が変動するときの変動パターンである。図34−8(A)に示されるように、P1A1−2の変動時間は、2000ms(2秒)となっている。
また、特図2変動パターンのうち、P2A1−2の時短(ハズレ)は、時短あり大当りの終了後に、最初に実行される第2特別図柄が変動するときの変動パターンである。図34−8(B)に示されるように、P2A1−2の変動時間は、60000ms(60秒)となっている。このように、時短あり大当りの終了後に第1始動入賞の保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(2秒)は、有利状態終了後に第2始動入賞の保留情報に基づいて実行される可変表示の実行時間(60秒)より短い時間である。なお、時短中であっても、時短あり大当りの終了後に、最初に実行される第2特別図柄が変動するとき以外の変動パターンは、P2A1−2以外の変動パターンとなる。
P2A1−2の60秒という変動時間は、時短状態において、保留個数を4個にさせるための時間でもある。P2A1−2で変動している期間は、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから終了するまでの期間であり、また第2保留記憶バッファにより記憶される保留個数を4個にさせるための所定期間の一例である。一の所定期間において、可変入賞球装置15は、複数回(本実施形態では、3回)に渡って開状態に制御される。すなわち、可変入賞球装置15は、所定期間全体で開状態に制御されない。
本実施形態では、可変入賞球装置15が開状態である場合に、可変入賞球装置15が開状態であることを報知(以下、「開状態報知」ともいう)する。また、本実施形態では、時短あり大当り終了後の所定期間において、可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行する。図34−9(A)は、開状態報知および促進報知の一例を示す図である。本実施形態では、図34−9(A)に示されるように、中リールの促進報知図柄を仮停止させることによって促進報知を実行する。この促進報知は、可変入賞球装置15が開状態でなければ報知されないため、開状態報知でもある。なお、右リールおよび左リールに描かれている矢印は、矢印方向にリールが変動していることを示している。また、中リールは、第1可動体の一例であり、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。このように、報知態様を促進報知図柄の仮停止とすることで、遊技者の興趣を向上できる。
また、本実施形態では、時短あり大当り後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから終了するまでの期間において、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。図34−9(B)は、到達報知の一例を示す図である。本実施形態では、図34−9(B)に示されるように、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。なお、左リールおよび中リールに描かれている矢印は、矢印方向にリールが変動していることを示している。また、右リールは、第2可動体の一例であり、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
上述した図34−9に示されるように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、P2A1−2の60秒という変動時間に移行したときに中リールを停止動作させ、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が4個に到達したときに右リールを停止動作させる。このような構成によれば、所定期間に移行したことと、第2数に到達したことを可動体によって視覚的に遊技者に報知することができる。
開状態報知および促進報知には、上記リールによる報知の他に、上述した音声報知(「Mを狙え」)がある。音声報知は、所定期間のうち、可変入賞球装置15が開状態のときに行われる。また、開状態報知および促進報知には、可変入賞球装置15を目立たせるために電チューランプ68SH016を点灯させる報知(以下、「促進ランプ報知」ともいう)がある。さらに、開状態報知および促進報知には、盤面ランプ68SH015を消灯する(以下、「盤面消灯」ともいう)ことで、電チューランプ68SH016による光を相対的に明るくすることで、可変入賞球装置15を目立たせる消灯報知もある。
これらの各種報知の実行有無は、第2特別図柄の保留個数によって変化する。さらに、時短あり大当り後に最初に実行される識別情報の可変表示が開始されてから特定期間(本実施形態では、P2A1−2の変動時間60秒の半分の30秒)が経過したか否かによっても変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2保留記憶バッファにより記憶された保留個数が0〜3個のときと、4個のときと、特定期間が経過したか否かで、報知態様が異なる。ここで報知態様が異なるとは、本実施形態の場合は、実行される音声報知、促進ランプ報知、および盤面消灯の組合せが異なることである。また、特定期間は、可変入賞球装置15に始動入賞可能な残り時間が少なくなっていることを遊技者に報知するための期間である。
図34−10は、保留個数と報知態様の関係を示す図である。図34−10には、音声報知、促進ランプ報知、盤面消灯の実行条件が示されている。図34−10において、丸は実行することを示し、バツは実行しないことを示している。音声報知は、保留個数が0〜3個の場合は特定期間が経過したか否かに関わらず実行され、保留個数が4個の場合は実行されない。促進ランプ報知は、所定期間の全期間で実行される。盤面消灯は、保留個数が0〜3個で、かつ特定期間経過後に実行され、保留個数が4個のとき、または特定期間経過前は実行されない。
このように、本実施形態では、保留個数が0〜3個のときと、4個のときとで報知態様が異なる。保留個数が0〜3個のときは、保留個数が4個に達していないため、少なくとも音声報知および促進ランプ報知を行うことにより、遊技者に対して可変入賞球装置15への始動入賞を促すことができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
一方、保留個数が4個に達したときは、これより多く保留個数を増やせないため、促進ランプ報知のみを行うことで、保留個数が0〜3個の場合の報知態様と比較して遊技者にとって認識し難い報知態様としている。これにより、認識しやすい報知から認識し難い報知となったことで、遊技者は保留個数が4個に達したことをより確実に認識でき、保留個数が4個のときに遊技媒体を発射することを意識させないようにできる。この場合、遊技者は例えば打球操作ハンドル5から手を離すことで遊技媒体の発射を停止することができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
さらに、保留個数が0〜3個で特定期間が経過した場合に、音声報知、促進ランプ報知、盤面消灯の全てを行うことで、より強く遊技者に開状態であることや可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促すことを訴求することができる。その結果、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。このように、本実施形態では、有利状態終了後の所定期間において、可変入賞球装置15への遊技媒体の入賞を促す促進報知を実行し、さらに所定期間において、記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。このような構成によれば、促進報知と到達報知とを実行するので、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することができる。具体的には、遊技者は、第2特別図柄での抽選をしっかりと享受することができる。
以上説明した各報知等について、タイミングチャートを用いて説明する。図34−11は、時短中における「音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。このうち、「到達演出」は、保留個数が4個に到達したときに音声による到達報知が行われる演出であるが、後述するように到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知することがある。図34−11は、一例として時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートを示している。従って、第2特別図柄の変動前に第1特別図柄の変動は発生しない。また、図34−11に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3つとなり、特定期間経過後に、保留個数が4個となる。
図34−11に示されるように、時短あり大当りが終了し、第2特別図柄の変動表示が開始すると、上述したP2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。なお、図34−11では、大当り終了後、直ちに変動が開始するように簡略して描かれているが、実際には大当り終了後に普通図柄の表示結果が当りとなり、可変入賞球装置15に始動入賞すると、P2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。変動開始から特定期間終了までを区間Aとする。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。到達報知図柄の仮停止は、14秒間に渡って行われる。従って、到達報知図柄が仮停止されてから14秒間経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は右リールを回転する。また、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は到達演出を行う。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。次に、図34−11で説明したタイミングチャートでの各種報知等の態様について説明する。
図34−12は、区間A、Bや達成演出における可変表示装置の態様、スピーカ27から出力される音声報知の態様、可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(A)は、区間Aにおける可変表示装置、音声報知、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(A)に示されるように、可変表示装置では、中リールの促進報知図柄は仮停止され、右リールおよび左リールは回転している。音声報知により「Mを狙え!」がスピーカ27から出力される。また、盤面ランプ68SH015は点灯しているため、可変入賞球装置15の周りは盤面ランプ68SH015によって明るくなっている。
図34−12(B)は、区間Bにおける可変表示装置、音声報知、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図34−12(B)に示されるように、可変表示装置では、中リールの促進報知図柄は仮停止され、右リールおよび左リールは回転している。音声報知により「Mを狙え!」がスピーカ27から出力される。従って、可変表示装置および音声報知については、区間Aのときの態様と同じである。異なる点は、盤面ランプ68SH015が消灯することである。盤面ランプ68SH015が消灯することで、可変入賞球装置15の周りは暗くなり、可変入賞球装置15がより認識しやすくなり、遊技者に対して可変入賞球装置15への始動入賞を促すことができる。このように、本実施形態では、所定期間より短い特定期間が経過した場合に、保留情報の数が4個に達していないときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定期間が経過する前の報知態様より認識しやすい報知態様で報知する。このような構成によれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
図34−12(C)、(D)は、保留個数が4個となったときの可変表示装置、音声、および可変入賞球装置15と盤面ランプ68SH015の態様を示す図である。図が2つ用いられている理由は、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合は到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知されるためである。具体的には、時短あり大当り後の最初の第2特別図柄の可変表示によって時短大当りに制御される場合(以下、「保留連」ともいう)とそうでない場合とで出力される音声などが異なる。
図34−12(C)、(D)ともに共通する点は、保留個数が4個になると、右リールの到達報知図柄を仮停止させる点である。そして、保留連がない場合は、図34−12(C)に示されるように、到達演出としてスピーカ27から「到達」と報知される。また、盤面ランプ68SH015は、区間Aのときと同じ態様で点灯する。このように、本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。このような構成によれば、報知態様を識別情報の仮停止とすることで興趣を向上できる。
一方、保留連がある場合は、図34−12(D)に示されるように、スピーカ27から「おめでとう」と報知される。また、盤面ランプ68SH015は、区間Aのときとことなり、虹色で点灯する。このように、本実施形態では、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、到達報知の報知態様とは異なる特定態様(「おめでとう」)で報知する。このような構成によれば、促進報知により遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止できるとともに、特定態様によって有利状態に制御されること報知することができるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
このように、本実施形態では、有利状態後に最初に実行される識別情報の可変表示によって有利状態に制御されることが決定されている場合には、到達報知の報知態様とは異なる特定態様で報知する。このような構成によれば、促進報知により遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止できるとともに、特定態様によって有利状態に制御されること報知することができるので、遊技者の昂揚感を高めることができる。
図34−11で説明したタイミングチャートは、時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートを示していたが、時短あり大当り後に第1特別図柄の保留個数が1個以上で第2特別図柄の保留個数が0個の場合もあり得る。そこで、時短あり大当り後の第1特別図柄の保留個数が1個以上で第2特別図柄の保留個数が0個の場合のタイミングチャートについて説明する。
図34−13は、「音声報知」、「右打ち音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。このうち、新たな「右打ち音声報知」とは、「右打ち!」などの音声を出力し、右打ちを指示する報知である。図34−13に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3個となり、特定期間経過後に、保留個数が4個となる。このように、本実施形態では、有利状態終了後に第1保留記憶バッファに記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行中は、促進報知とは異なる他の促進報知(「右打ち!」)を実行する。このような構成によれば、短い可変表示の時間に応じた他の促進報知を実行することができる。
図34−13に示されるように、時短あり大当りが終了すると、第2特別図柄の保留個数が0個で第1特別図柄の保留個数が1個以上あるため、第1特別図柄の変動表示が開始される。この変動表示の開始とともに、右打ち音声報知が開始される。一方、第1特別図柄の変動中は、音声報知(「Mを狙え」)は行われないが、促進ランプ報知は行われ、盤面ランプ68SH015は点灯している。
このように、本実施形態では、有利状態終了後に第1保留記憶バッファに記憶された保留情報に基づいて実行される可変表示の実行中は、音声報知による促進報知とは異なる右打ち音声報知を実行する。このような構成によれば、短い可変表示の時間に応じた他の促進報知を実行することができる。
第1特別図柄の変動中に普通図柄の表示結果が当りとなり、可変入賞球装置15に始動入賞すると、第2特別図柄の保留個数が1個となる。第1特別図柄の変動が終了すると、P2A1−2の変動パターンによって保留されていた第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させることによって到達報知を実行する。到達報知図柄が仮停止されてから14秒間経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は右リールを回転する。また、保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は到達演出を行う。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。
本実施形態では、可変表示装置にリールを用いている。リールは、リールモータ68SH010によって回転するが、回転や停止を短時間内に行うと、リール等の負荷の慣性モーメントによって遅れや進みが生じて、リールモータ68SH010が脱調する可能性がある。そこで、リールの停止動作時間を担保するために、本実施形態では、所定期間の残り時間(特定時間)が15秒以下である場合に、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、4個に到達したときは、識別情報を仮停止させずに、音声による到達報知を実行する。
これは、到達報知図柄の仮停止が14秒間に渡って行われることから、リールの回転や停止を短時間内で行うこととなるためである。例えば、残り時間が14.5秒で保留個数が4個に到達した場合、14秒間に渡って到達報知図柄を仮停止した後に回転を開始することとなるが、その時点で残り時間は0.5秒である。従って、回転して0.5秒後には停止することとなり、回転や停止が短時間内で行われることとなる。
所定期間の残り時間が15秒以下で保留個数が4個に到達した場合のタイミングチャートについて説明する。
図34−14は、「音声報知」、「促進ランプ報知」、「盤面ランプ」、「到達演出」、「中リール」、「右リール」の態様を示すタイミングチャートである。図34−14に示される例では、特定期間経過前に、保留個数が3個となり、所定期間の残り時間が15秒以下で、保留個数が4個となる。
図34−14に示されるように、時短あり大当りが終了し、第2特別図柄の変動表示が開始すると、上述したP2A1−2の変動パターンによって第2特別図柄の変動が開始する。
変動開始時において、音声報知、促進ランプ報知が行われ、盤面ランプ68SH015は点灯しており、中リールは促進報知図柄まで回転して促進報知図柄で仮停止しており、右リールは回転している。その状態のまま、特定期間が満了するまでに保留個数が3個となる。特定期間が満了すると、この時点で保留個数が4個に到達していないため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤面ランプ68SH015を消灯する。
その後、残り15秒以下で保留個数が4個となると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声報知を終了し、盤面ランプ68SH015を点灯し、中リールを回転させる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右リールの到達報知図柄を仮停止させずに回転させたままとするが、到達演出は行う。このように、本実施形態では、所定期間の残り時間が特定時間以下である場合に、第2保留記憶バッファにより記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数である4個に到達したときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、識別情報を仮停止させずに、音声による到達報知を実行する。このような構成によれば、リールの停止動作時間を担保しつつ、到達報知を行うことができる。
その後、所定期間が満了すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進ランプ報知を終了し、全てのリールを停止する。このような構成によれば、リールの停止動作時間を担保しつつ、到達報知を行うことができる。
次に、以上説明した本実施形態を実現するための処理を、フローチャートを用いて説明する。本実施形態において、主基板31では、図9のタイマ割込処理およびタイマ割込処理内の特別図柄プロセス処理などや、演出制御基板80では、図18の演出制御メイン処理および演出制御プロセス処理などと同様の処理が行われる。以下では、特別図柄停止処理など、本実施形態において行われる処理のうち、上述した処理と異なる処理について、フローチャートを用いて説明する。
図34−15は、本実施形態における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄5R時短あり大当りまたは図柄5R時短なし大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、さらに特殊状態フラグがセットされているときには、その特殊状態フラグをリセットし(68SH001)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄5R時短なし大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄5R時短あり大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、5回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、5回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述する68SHS005に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、5R図柄時短あり大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、5R図柄時短あり大当りおよび5R図柄時短なし大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(S151)。
68SHS003では、さらに特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS002)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SH003)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SH004)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
上述したS142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、特殊通常状態か否かを確認する(68SH005)。68SH005で特殊通常状態ではないときは、上記S152に進む。68SH005で特殊通常状態のときは、特殊状態カウンタを−1減算更新する(68SH006)。68SH007では、特殊通常カウンタが0か否かを確認する(68SH007)。特殊通常カウンタが0ではないときは、S152に進む。特殊通常カウンタが0のときは、特殊通常状態終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(68SHS008)、S152に進む。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図34−16は、本実施形態における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(68SHS101)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(68SHS102)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が5R時短なし大当りであるか否かを確認する(68SHS103)。
終了する大当りの種別が5R時短なし大当りであるときは、特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS104)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SHS105)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SHS106)、68SHS107に進む。
68SHS107では、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(68SHS107)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
68SHS103により終了する大当りの種別が図柄5R時短なし大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りか否かを確認する(S163)。終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄5R時短あり大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、上記68SHS107に進む。
これにより、図柄5R時短あり大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄5R時短大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄5R時短あり大当りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄5R時短大当りおよび図柄5R時短なし大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
次に、可変入賞球装置15を開状態に制御する場合には、開状態に制御することを示す制御情報(作動口開放コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理について説明する。図34−17は、作動口開放コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する時短1回目変動中処理を示すフローチャートである。図34−17の時短1回目変動中処理は、特別図柄変動中処理(図10のS303)に含まれる。
時短1回目変動中処理において、CPU56は、可変入賞球装置15を開状態とする作動口開放タイミングか否かを確認する(68SHS201)。作動口開放タイミングのときは、作動口開放コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(68SHS202)、可変入賞球装置15を開放し(68SHS203)、処理を終了する。
上記68SHS201において作動口開放タイミングではないときは、CPU56は、可変入賞球装置15を閉鎖状態とする作動口閉鎖タイミングか否かを確認する(68SHS204)。作動口閉鎖タイミングのときは、作動口閉鎖コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(68SHS205)、可変入賞球装置15を開放し(68SHS206)、処理を終了する。このように、本実施形態では、一の所定期間において、可変入賞球装置15を複数回に渡って開状態に制御するとともに、開状態に制御する場合には、開状態に制御することを示す制御情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
図34−18は、本実施形態における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグを一旦リセットし(S451)、特殊通常フラグをリセットする(68SH304)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、または大当り開始4指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、10回、または、5回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特殊通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をする(68SHS301)。そして、特殊通常状態であることを示す特殊通常フラグをセットし(68SHS302)、特殊通常状態の残り回数を示す特殊通常カウンタに30をセットし(68SHS303)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S457)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100側の処理について説明する。図34−19は、時短時変動処理を示すフローチャートである。図34−19の時短時変動処理は、演出図柄変動中処理(図19のS802)に含まれる。また、時短時変動処理は、時短あり大当り後の最初の第2特別図柄の可変表示中の処理を示している。
時短時変動処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留4個目が始動入賞したか否かを確認する(68SHS401)。これは、第2保留記憶数指定コマンドによって確認できる。保留4個目が始動入賞したときは、仮停止させておいた中リールの回転を開始する(68SHS402)。次いで、残り時間が特定時間以下か否かを確認する(68SHS403)。残り時間が特定時間以下のときには、68SHS405に進む。残り時間が特定時間以下ではないときは、右リールの到達報知図柄を仮停止させる(68SHS404)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留連があるか否かを確認する(68SHS405)。保留連があるか否かは、コマンドC2XXによって確認できる。保留連があるときには「おめでとう」をスピーカ27から出力し、処理を終了する。保留連がないときには「到達」をスピーカ27から出力し、処理を終了する。
68SHS401において、保留4個目が始動入賞していないときは、特定期間が経過したか否かを確認する(68SHS408)。特定期間が経過したときは、保留個数が4個未満か否かを確認する(68SHS409)。保留個数が4個未満のときは、盤面ランプ68SH015を消灯し(68SHS410)、処理を終了する。
68SHS408において、特定期間が経過していないときは、作動口開放コマンドを受信したか否かを確認する(68SHS411)。作動口開放コマンドを受信していないときは、そのまま処理を終了する。作動口開放コマンドを受信したときは、保留個数が4個未満か否かを確認する(68SHS412)。保留個数が4個未満でないときは、処理を終了する。保留個数が4個未満のときは、音声報知を行い(68SHS413)、処理を終了する。このように、本実施形態では、作動口開放コマンドを受信することにより、可変入賞球装置15が開状態であることを報知する。このような構成によれば、可変入賞装置を制御するCPU56から送信される作動口開放コマンドによって演出制御用マイクロコンピュータ100は確実に報知を行うことができる。
〔特徴部068SHに関する主な効果〕
(1) 遊技が可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
遊技媒体が入賞不可または入賞し難い閉状態と、当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態とに変化可能な可変入賞装置(可変入賞球装置15等)と、
前記可変入賞装置に遊技媒体が入賞したことに基づいて識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示装置(可変表示装置68SH009等)と、
未だ開始されていない可変表示に関する保留情報を記憶する保留記憶手段(第2保留記憶バッファ等)と、
前記可変入賞装置が開状態である場合に、前記可変入賞装置が開状態であることを報知する報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
を備え、
前記報知手段は、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が第1数(0〜3個等)のときと、当該第1数よりも多い第2数(4個等)のときとで、報知態様が異なる(図34−10に示されるように、保留個数が0〜3個のときは音声報知および促進ランプ報知、または音声報知、促進ランプ報知、および盤面消灯、一方、保留個数が4個のときは促進ランプ報知のみ)ことを特徴とする遊技機。
このような構成によれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
(2) (1)に記載の遊技機であって、
前記第2数のときの報知態様は、前記第1数のときの報知態様よりも認識し難い態様である(図34−10に示されるように、保留個数が0〜3個のときは音声報知および促進ランプ報知、または音声報知、促進ランプ報知、および盤面消灯、一方、保留個数が4個のときは促進ランプ報知のみであるため、保留個数が4個のときは保留個数が0〜3個のときより認識し難い)。
このような構成によれば、保留情報の数が前記第2数のときに遊技媒体を発射することを意識させないようにできる。
(3) (1)または(2)に記載の遊技機であって、
前記保留記憶手段により記憶される保留情報の数を前記第2数にさせるための所定期間(30秒等)が設けられており、
第1可動体(中リール等)と該第1可動体とは異なる第2可動体(左リール等)を制御する可動体制御手段を備え、
前記可動体制御手段は、前記所定期間に移行したときに前記第1可動体を動作(停止動作等)させ、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が前記第2数に到達したときに前記第2可動体を動作(停止動作等)させる。
このような構成によれば、所定期間に移行したことと、第2数に到達したことを可動体によって視覚的に遊技者に報知することができる。
(4) (3)に記載の遊技機であって、
前記可変入賞装置を制御する可変入賞装置制御手段(CPU56等)を備え、
前記可変入賞装置制御手段は、一の前記所定期間において、前記可変入賞装置を複数回に渡って開状態に制御するとともに、開状態に制御する場合には、開状態に制御することを示す制御情報(作動口開放コマンド等)を前記報知手段に送信し(図34−17の68SHS202等)、
前記報知手段は、前記制御情報を受信することにより、前記可変入賞装置が開状態であることを報知する(図34−19の68SHS411でYES、68SHS412でYESで68SHS413で音声報知される)。
このような構成によれば、可変入賞装置を制御する可変入賞装置制御手段から送信される制御情報によって報知手段は確実に報知を行うことができる。
(5) (3)または(4)に記載の遊技機であって、
前記所定期間(図34−12の区間A等)に移行した後に、前記所定期間より短い特定期間(30秒等)が経過した場合に、前記保留記憶手段により記憶された保留情報の数が前記第2数に達していないときは、前記報知手段は、前記特定期間が経過する前の報知態様より認識しやすい報知態様で報知する(図34−12(B)に示される区間Bにおける盤面ランプの消灯により、可変入賞球装置15を目立たせることで認識しやすい報知態様で報知する、等)。
このような構成によれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)と、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)とを組み合わせた遊技機(いわゆる一種二種混合機)について説明したが、第一種の遊技機において適用してもよい。
具体的には、第一種の遊技機には、保留が存在するため、特徴部068SHを適用することで、記憶された保留情報の数が第1数(0〜3個)のときと、当該第1数よりも多い第2数(4個)のときとで、報知態様が異なるようにし、特徴部069SHを適用することで、所定期間において、記憶された保留情報の数が、第2保留記憶バッファにおいて記憶可能な保留情報の上限数(4個)に到達すると、上限数に到達したことを示す到達報知を実行する。また、本実施形態では、保留情報の上限数を4つずつとしたが、8つなど、他の個数であってもよい。
本実施形態では、到達報知として、「到達」などの音声を出力したが、これに限るものではない。例えば、到達報知は、遊技制御基板がコマンドを送信し、演出制御基板がコマンドを受信したときに出力する微小音であってもよい。
本実施形態では、第1可動体、および第2可動体としてリールを用いたが、これに限るものではない。第1可動体、および第2可動体は役物であってもよい。第1可動体の役物として、例えば所定期間に移行したときに出現する役物を用いてもよく、また第2可動体の役物として、例えば第2数に到達したときに出現する役物を用いてもよい。いずれの場合であっても、可動体を用いて報知することで、報知のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上することができる。
本実施形態では、所定期間として1分、特定期間として30秒、特定時間として15秒を用いたが、これに限るものではない。所定期間、特定期間、および特定時間は、機種ごと(例えば可変入賞装置が開状態となる回数や時間等)に適宜定めるようにしてもよい。
本実施形態では、可変表示装置をリールを用いたドラム式としていたが、これに限るものではなく、液晶、有機EL、プロジェクトマッピング等を用いた可変表示装置としてもよい。
本実施形態では、可変入賞球装置15への入賞を促したり、到達報知を行う実施形態について説明したが、遊技媒体が入賞不可または入賞し難い閉状態と、当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態とに変化可能な可変入賞装置に限らず、第1始動入賞口13のように、常に入賞が可能な入賞球装置であってもよい。この場合の報知手段は、前記可変入賞装置が開状態である場合に、前記可変入賞装置が開状態であることを報知する報知手段に代えて、入賞装置への入賞を報知する報知手段としてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であり、また遊技者は報知によって明確に入賞球装置を狙えばよいことが認識できるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。
本実施形態では、第1数のときと、当該第1数よりも多い第2数のときとで報知態様を異なるようにしたが、保留個数に応じて(例えば段階的に)報知態様を異なるようにしてもよい。すなわち、保留個数が1のときの報知態様、保留個数が2のときの報知態様、保留個数が3のときの報知態様、保留個数が4のときの報知態様が互いに異なっていてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。
本実施形態では、音声、ランプ、リールの組み合わせで報知態様を異なるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ランプの色を変化させたり、音声を変化させたり、リールの動きを変えるなど、ランプ、音声、リールのそれぞれ単独で報知態様を異なるようにしてもよい。この場合であっても、遊技者に入賞を促す報知を行うことが可能であるので、遊技者が不利益を被ることを防止し、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となる。さらに、所定期間における残り時間をデジタル表示またはバーで表示したりするようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、スペックや遊技方法が多様化した遊技機に対応するために、従来の遊技機で行われていた右打ちや左打ちのみの報知では、遊技者が不利益を被ることを防止したり、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが困難であったという課題を解決することができる。これにより、遊技者が不利益を被ることを防止したり、遊技者が所定期間内の有利な権利を逃すことを防止することが可能となるばかりではなく、従来から遊技している遊技者だけではなく、初心者も容易に遊技を楽しむことができるので、遊技人口の増加を促進できるという効果も得られる。
〔特徴部244F・245Fに関する主な効果〕
(1) 図33−1(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(2) 図33−3(C),(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を更新しない表示制御をすることが可能であるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(3) 図33−1(C)〜(E)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、当該残回数の表示を消去し、消去した残回数を、当該第1可変表示の終了後に再表示することにより、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが可能であることにより、当該残回数の表示の消去および再表示により当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(4) 図33−3(B)〜(D)に示すように、時短状態中において第2可変表示についての残回数の表示がされているときに、第1可変表示が実行された場合は、時短残回数画像96の色を変更表示することにより、当該残回数の表示を更新しないことを示唆する演出がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(5) 図33−5に示すように、時短残回数画像96として第2特図残回数が表示されているときに、第1可変表示(第1特別図柄変動)が実行されるときに、時短残回数画像96にロック画像96Aのような、残回数が更新されないことを示唆する所定画像を重畳表示する表示制御がされることにより、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(6) 時短状態中において、図33−1の(B)〜(G)、図33−2(B)のS927,S928、図33−3の(B)〜(G)、図33−4(B)のS927,S928等に示すように、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数を超えているときには、時短残回数として第2特図残回数が表示される。そして、時短状態中において、図33−1の(H)、図33−2(B)のS927,S929、図33−2の(H)、図33−4(B)のS927,S929等に示すように、少なくとも、第1条件が成立するまでの合計残回数が、第2条件が成立するまでの第2特図残回数未満であるときには、時短残回数として合計残回数が表示されるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を状況に応じて的確に表示することができる。
(7) 〔第1表示制御制限例〕に示すように、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、第2条件が成立するまでの第2回数の残回数未満であるときには、第1可変表示が実行された場合であっても、当該残回数の表示を行わないように表示制御をすることが制限されることにより、遊技状態に応じた残回数の表示がされるので、時短状態中に実行可能な可変表示の残回数を、より一層遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。
(8) 図33−6に示す〔特定報知例〕のように、時短状態中における第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特定報知がされることにより、第1可変表示および第2可変表示の合計回数により時短状態の終了条件が規定されている遊技において、特定報知により、遊技者に不利益な状態となるのを防ぐことができる。
(9) 図29等に示す特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
〔特徴部244F・245Fに関する主な変形例〕
(1) 前述の第1表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を行わないようにする表示制御例としては、(a)時短残回数画像96をキャラクタ画像等の別の画像に変化させることにより、時短残回数の表示を行わないようにする表示制御、または、(b)時短残回数画像96をキャラクタ画像等の他の画像で覆うように隠蔽する表示をすることにより時短残回数の表示を行わないようにする表示制御等のその他の表示制御をしてもよい。
(2) 前述の第2表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を更新しない表示制御例としては、(a)時短残回数画像96を一旦キャラクタ画像等の別の画像に変化させて更新していない時短残回数画像96を最表示することにより、時短残回数の表示を更新しない表示制御、(b)時短残回数画像96を一旦減算更新しようとして元の表示に戻すことにより結果的に時短残回数の表示を更新しない表示制御、(c)時短残回数画像96の画像の大きさを変化(例えば極めて小さい画像に変化)させることにより更新しない示唆をして更新しない表示制御、または、(d)時短残回数画像96の画像の近傍に時短残回数を更新しない旨のメッセージを表示させることにより更新しない示唆をして更新しない表示制御等のその他の表示制御をしてもよい。
(3) 前述の第1表示制御例について、時短残回数画像96として第2特図残回数を表示しているときに第1可変表示が実行された場合に、時短残回数の表示を消去する制御としては、(a)時短状態終了の第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えるときには、時短残回数の表示を消去し、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満のときには、時短残回数の表示を消去しないようにする制御、または、(b)時短状態終了の第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えると、第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、時短状態終了の第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満のときとの両方において、時短残回数の表示を消去する制御を実行してもよい。
(4) 第1表示制御および第2表示制御において、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときには、時短状態中における可変表示の残回数として第2可変表示の残回数を表示し、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときには、前記残回数として当該合計回数の残回数を表示する表示制御については、次のような表示制御をしてもよい。合計回数の残回数が第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときと、合計回数の残回数が第2条件が成立するまでの第2可変表示未満であるときとで、時短残回数画像96の表示態様を異ならせてもよい。その場合の表示態様を異ならせることには、表示位置を異ならせること、表示色を異ならせること、表示サイズを異ならせること、および、表示形状(フォント等)を異ならせること、現在表示されているが含まれる。
(5) 前述した特定報知例としては、次のような制御を、前述した制御の他に実行してもよく、前述した制御とともに実行してもよい。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、特別なキャラクタ画像等の特別画像を表示して、遊技者にとって不利な状況になることを報知(示唆)する制御をする。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、背景画像を変化させる等、演出表示装置9の表示領域の所定範囲以上の広い表示領域の画像を変化させることにより、遊技者にとって不利な状況になることを報知(示唆)する制御をする。時短状態中において、実行される第1可変表示の回数が特定回数以上となったことに基づいて、遊技者にとって不利な状況になることを示すメッセージを直接的に表示することにより報知をする制御をする。
(6) 時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているか、「第2特図残回数」を表示しているかを特定可能な画像を次のように表示するようにしてもよい。(a)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像色を異ならせてもよい。(b)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像のサイズを異ならせてもよい。(c)時短残回数画像96については、「合計残回数」を表示しているときと、「第2特図残回数」を表示しているときとで、画像の形状(文字のフォント、文字の太さ、文字の色等)を異ならせてもよい。(d)時短残回数画像96については、「合計残回数」と「第2特図残回数」とのどちらを表示しているかを示すメッセージを直接的に表示してもよい。
(7) 時短残回数画像96については、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数を超えているときに加え、少なくとも、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数の残回数が、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の残回数未満であるときにも、時短残回数として、第2特図残回数を表示してもよい。
(8) 時短残回数画像96については、前記第1条件が成立するまでの第1可変表示および第2可変表示の合計回数である合計残回数と、前記第2条件が成立するまでの第2可変表示の回数である第2特図残回数との両方を並列的に表示してもよい。
(9) 〔特定報知例〕については、時短状態中において、たとえば4回というような予め定められた特定回数を設定し、特定回数の第1可変表示が実行された場合に特定報知を実行する例を示した。しかし、これに限らず、特定報知の実行条件として設定される特定回数は、時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数(0〜4個)9を設定し、その保留記憶数分の第1特別図柄の可変表示が実行された後に、さらに第1特別図柄の可変表示が実行されたときに特定報知を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した第1表示制御および第2表示制御においては、時短状態において、可変表示の終了時において時短残回数の表示を更新可能とする例を示した。しかし、これに限らず、時短状態において、可変表示の開始時において時短残回数の表示を更新可能とする制御をしてもよい。
[その他の手段構成例1]
前述した実施の形態では、以下のような手段構成が含まれている。
(1) 変動表示(特別図柄、演出図柄の変動表示等)を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り可変入賞球装置20が開放する大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、保留記憶バッファ等)と、
特定演出(図29の特定演出等)を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS881〜S896、図32のS901〜S906等)と、
前記特定演出の演出態様を変更する変更演出(図29(D)〜(G)の保留1個目変更演出〜保留4個目変更演出等)を実行可能な変更演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図29(D)〜(G)、図31のS889等)とを備え、
前記特定演出実行手段は、特定変動パターン(図柄4R時短大当り遊技状態終了後1回目の第2特別図柄の変動パターン等)で変動表示が実行されることに応じて前記特定演出を実行可能であり(図30、図31のS881等)、
前記変更演出実行手段は、前記特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて前記変更演出を実行する(図29(D)〜(G)、図31のS889等)。
このような構成によれば、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記特定変動パターンで変動表示が実行されるときに、前記保留記憶手段への保留記憶情報の記憶を促進させる促進演出(図29(B)〜(G)の「保留を貯めろ!」という入賞促進画像9Bを表示する入賞促進演出等)を実行する促進演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS886等)をさらに備え、
前記変更演出実行手段は、保留記憶情報の数が増加することに関連して前記変更演出を実行する(図29(D)〜(G)、図31のS889等)。
このような構成によれば、変更演出と保留記憶情報の数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。
(3) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記変更演出実行手段は、前記変更演出を実行するときに、前記特定演出の実行に関連して形成されたリーチ態様のライン数を増加させるリーチライン数増加演出をする(図29(D)〜(G)のように第2保留記憶情報数の増加に応じて先読み演出図柄94によるリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出等)。
このような構成によれば、変更演出と保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
(4) 前記(3)の遊技機において、
前記変更演出実行手段は、前記リーチライン数増加演出において、同じリーチ態様のライン数を増加させる(図29(D)〜(G)のように保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させる等)。
このような構成によれば、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(5) 前記(2)または(3)の遊技機において、
前記リーチライン増加演出中に、前記有利状態となるか否かを示唆する示唆演出(図29(H)〜(J)の各保留記憶情報に対応するリーチラインの図柄の表示結果を表示することにより保留連となるか否かを示唆する示唆演出等)を実行する示唆演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図31のS893等)をさらに備え、
前記示唆演出は、リーチ態様のライン数に関わらず共通の演出期間で実行される(図30の示唆演出期間、図31のS893〜S895等)。
このような構成によれば、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(6) 前記(2)の遊技機において、
前記促進演出実行手段は、保留記憶情報の数が所定値に達したときに前記促進演出を終了させる(図29(G),(H)、図31のS890,S891等)。
このような構成によれば、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(7) 前記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出実行手段は、一連の映像を用いた演出(図29(A)〜(O)の判定演出動画の演出等)により、前記特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行する(図29(A)〜(O)、図31の883、図32のS906等)。
このような構成によれば、一連の映像を用いた演出により遊技の興趣を向上させることができる。
[その他の手段構成例2]
前述した実施の形態では、さらに以下のような手段構成が含まれている。
(1) 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
所定状態において遊技媒体が進入可能となる可変入賞手段と(V判定入賞装置87等)、
前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞領域870等)と、
変動表示結果に基づいて、有利状態(図柄大当り等)に制御する第1状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS305〜S307等)と、
変動表示結果に基づいて、前記所定状態に制御して前記可変入賞手段内の前記特定領域に遊技媒体が進入(V入賞等)可能な状態(小当り状態等)とし、当該所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて前記有利状態(小当り経由大当り等)に制御する第2状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図10のS308〜S310,図10のS305〜S307等)と、
前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、所定演出(図20のラウンド数示唆演出としてV入賞オーラ画像95を表示する演出等)を実行可能な所定演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図26のS842〜S844等)とを備え、
前記所定状態は、所定期間(0.1秒×10回の開放および1秒間の閉鎖を繰返す期間等)が経過したこと、または、前記可変入賞手段に所定数(10個等)の遊技媒体が進入したことに基づいて終了し、
前記所定演出手段は、前記特定領域に遊技媒体が進入した後、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて、前記所定演出の演出態様を変化させる(図24のように、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等)に応じて、図20のラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化する等)。
このような構成によれば、特定領域に遊技媒体が進入した後、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて所定演出の演出態様が変化させられるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したときに、前記特定領域に遊技媒体が進入したことを報知する進入報知演出(図20のV入賞報知等)を実行する進入報知演出手段(小当り演出における図19のS808の開放中処理において図20のV入賞画像94を表示する処理等)をさらに備え、
前記所定演出手段は、前記特定演出が実行されたことに関連して前記所定演出を実行する(図20のように、V入賞画像94が表示されたときにV入賞オーラ画像95を表示する等)。
このような構成によれば、所定演出が、特定領域に遊技媒体が進入したことを報知する進入報知演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(3) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定演出の演出態様は、前記可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて段階的に変化可能である(図20(A)〜(E)、図23(A)のように、V入賞オーラ画像95が、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて、白→青→緑→赤→虹という段階的に色変化可能等)。
このような構成によれば、所定演出の演出態様が、可変入賞手段に進入した遊技媒体の数に応じて段階的に変化可能であるので、所定演出の演出態様と可変入賞手段に進入した遊技媒体の数とに遊技者を注目させることができる。
(4) 前記(1)または(2)の遊技機において、
前記有利状態は、有利度が異なる複数種類の有利状態のうちから選択され(図2の複数種類の当り種別等)、
前記所定演出の演出態様は、前記所定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される前記有利状態の有利度に応じて段階的に変化可能である(図23(B)のように、決定された大当りのラウンド数に応じて、V入賞オーラ画像95の色の段階的変化パターンが異なる複数種類の演出パターンの選択割合が異なる等)。
このような構成によれば、所定演出の演出態様が、所定状態において特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される有利状態の有利度に応じて段階的に変化可能であるので、特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて制御される有利状態の有利度を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、保留記憶バッファ等)と、
未だ開始されていない変動表示について前記有利状態に制御されるか否かを判定する先読み判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS1215,S1225等)とをさらに備え、
前記所定演出手段は、前記保留記憶手段に前記有利状態となる保留記憶情報が含まれていることに基づいて、前記所定演出の演出態様を特定態様に変化可能である([V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]等)。
このような構成によれば、保留記憶手段に有利状態となる保留記憶情報が含まれていることに基づいて、所定演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶手段に有利状態となる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られるその他の効果を説明する。
(1) 図29等に示す特定演出が実行されることにより、図29(D)〜(G)のように、特定演出が実行されるときの保留記憶情報の数に応じて変更演出が実行され、特定演出の演出態様が変更されることにより、演出の面白味により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図29(D)〜(G)に示すように、入賞促進演出に起因して保留記憶情報の数が増加することに関連して変更演出が実行されることにより、特定演出における変更演出と保留記憶情報数との関係を遊技者が明確に認識可能となるようにすることができる。
(3) 図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、第2保留記憶情報数の増加に応じてリーチライン数を増加させるリーチライン増加演出が実行されることにより、変更演出と第2保留記憶情報の数との関係が視覚的にわかりやすくなるようにすることができる。
(4) 図29(D)〜(G)に示すように、特定演出における変更演出として、保留記憶情報数の増加に応じて同じ「7」図柄のリーチライン数を増加させることにより、リーチ態様の種類に応じて遊技者にとって有利となる期待度を異ならせるというような遊技者にとって有利となる期待度に関する演出パターンを考慮する必要がなくなる等、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(5) 図30に示すように、示唆演出期間は、リーチライン数に関わらず共通の演出期間で実行されるようにすることにより、演出制御の開発設計を容易化することができる。
(6) 図29(G),(H)に示すように、入賞促進演出は、第2保留記憶情報の数が上限個数(4個)に達したときに終了することにより、必要以上の促進演出を抑制することにより演出による遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(7) 図29(A)〜(O)に示すように、判定演出動画のような一連の映像を用いた演出により特定演出を複数の保留記憶情報に対応する変動表示において実行することにより、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(10) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
(11) 図23のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(12) [V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]に示したように、保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶除法に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(13) 図21のように、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(14) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報と小当りとなると判定された保留記憶情報との合計が複数以上記憶されていると判定されたときに保留報知演出が実行されるので、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(15) 図21のように、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することにより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
(16) 保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(17) 図24のように、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
(18) 保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(19) 図21のように、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(20) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(21) 小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
(22) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なるときに、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(23) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(24) [保留連報知演出の制限制御をする変形例]に示すように、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
(特徴部33AKに関する説明)
続いて、特徴部33AKについて説明する。特徴部33AKのパチンコ遊技機1では、時短状態が終了するときに、第2保留記憶数が溜まっている場合には、時短状態終了後も溜まっている第2保留記憶数分、第2特別図柄の特図ゲームが実行される。当該特図ゲームに基づいて小当り遊技状態に制御されれば、V入賞が発生して再度大当り遊技状態に制御され、再度時短状態に制御される。即ち、時短状態においては第2保留記憶数を溜めることで、いわゆる連チャンが発生する確率が高くなり、時短状態において第2保留記憶数を溜めなかった場合には、溜めなかった分(例えば最大4回)の第2特別図柄の特図ゲームの実行機会(約1/7で当選する小当り抽選の機会)を失うため、第2保留記憶数を溜めた場合よりも極めて遊技者に不利となってしまう。特徴部33AKでは、そのような不利な状態の発生を防止するために、時短最終変動時にその時点での第2保留記憶数に応じた入賞促進報知(保留を溜めることの報知)を実行するようになっている。
図35−1は、特徴部33AKにおける当り種別表を示す図である。図2に示した種別表との主な違いは、ラウンド数と、図柄大当りにおいて時短なし大当りが設けられたことである。本実施形態では、大当り当り種別として、図柄5R時短あり大当り(第1大当り)、図柄5R時短なし大当り(第2大当り)、小当り(第1小当り)経由11(10)R時短あり大当り、および小当り(第2小当り)経由6(5)R時短あり大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内の数値は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
図35−1に示すように、本実施形態における小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが含まれる。一方、本実施形態における図柄大当りには、第1特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄5R時短あり大当り、および、図柄5R時短なし大当りがある。
図柄5R時短あり大当り(第1大当りともいう)は、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。図柄5R時短なし大当り(第2大当りともいう)は、大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。
小当り経由11(10)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が10回(10R)開放される大当りであり、11ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、10回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄10R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由11(10)R時短大当りの契機となる小当りを第1小当りともいう。
小当り経由6(5)R時短あり大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が5回(5R)開放される大当りである。6ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、5回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄5R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由6(5)R時短あり大当りの契機となる小当りを第2小当りともいう。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、図2で説明した図柄4R時短大当り後の時短状態と同じである。その理由は、図2で説明したものと同じく、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
また、小当り経由の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄5R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
なお、図柄5R時短なし大当り後は、通常状態に移行する。以下の説明において、図柄5R時短あり大当り、小当り経由11(10)R時短大当り、小当り経由6(5)R時短あり大当りの3つの大当りを、時短あり大当りと表現することがある。
本実施形態では、図35−2(A)に示す確率で大当り判定が行われる。従って、本実施形態における大当り確率は、第1特別図柄の変動時において1/199である。第1特別図柄に関して大当りにすると判定された場合に第1大当りまたは第2大当りの大当り種別に決定される。図35−2(B)に示すように、本実施形態の場合、「第1大当り」と「第2大当り」は、それぞれ50%で選択される。「第1大当り」の大当り図柄は「7」に設定され、第2大当りの大当り図柄は「3」に設定されている。
同様に図35−2(A)に示す確率で小当り判定が行われるが用いられる。従って、本実施形態における小当り確率は第2特別図柄の変動時において1/7.35である。第2特別図柄に関して小当りにすると判定された場合に第1小当りまたは第2小当りの大当り種別に決定される。図35−2(C)に示すように、本実施形態の場合、「第1小当り」と「第2小当り」は、それぞれ50%で選択される。「第1小当り」の大当り図柄は「1」に設定され、第2大当りの大当り図柄は「5」に設定されている。
なお、図35−1に示した当り種別は一例であり、特徴部33AKでは、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。また、第2特別図柄については、大当りとする判定がされないように設定されているが、第2特別図柄について、所定の確率で大当りとする判定がされるように設定してもよい。また、大当りのラウンド数や当り種別の数、時短状態の終了条件等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
この実施形態では、時短状態の最終回となる変動表示においては、変動表示時間が長い時短最終変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)が選択されるようになっている。時短最終変動パターンの変動表示時間は、時短状態において当該時短最終変動パターンに基づく変動表示が実行されている間に右打ちをしていれば、第2保留記憶情報が上限まで溜まるのに十分な時間であることが好ましい。このようにすることで、例えば第2特別図柄の変動1回のみで時短状態が終了する場合でも第2保留記憶数を溜めることができ、時短状態において第2保留記憶情報が十分に溜まらずに、第2特別図柄の変動表示を実行させる機会を失って、小当りに当選すること、小当り経由の大当りとなる機会を逸してしまうことを少なくすることができる。
図35−3は、変動パターン設定処理(S301)内で実行される時短最終変動時処理の一例を示すフローチャートである。時短最終変動時処理では、CPU56は、まず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判定する(33AKS001)。
時短フラグがセットされていれば(33AKS001;Yes)、時短状態における最終変動であるか否かを判定する(33AKS002〜33AKS004)。
まず、今回の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判定し(33AKS002)、第2特別図柄の変動表示である場合には(33AKS002;Yes)、特図2時短回数カウンタの計数値が「1」であるか否かを判定する(33AKS003)。また、第2特別図柄の変動表示でない場合には(33AKS002;No)、合計時短回数カウンタの計数値が「1」であるか否かを判定する(33AKS004)。
特図2時短回数カウンタの計数値が「1」である場合(33AKS003;Yes)、または、合計時短回数カウンタの計数値が「1」である場合(33AKS004;Yes)、今回の変動表示が時短状態における最終変動であるので、今回の変動パターンを時短最終変動パターンに決定し、当該時短最終変動パターンに基づく変動を開始するための設定を行う(33AKS005)。その後、時短最終変動時処理を終了する。
時短フラグがセットされていない場合や(33AKS001;No)、特図2時短回数カウンタの計数値が「1」でない場合(33AKS003;No)、合計時短回数カウンタの計数値が「1」でない場合(33AKS004;No)、時短状態における最終変動ではないので時短最終変動時処理を終了する。この場合は、通常の変動パターンを決定するための処理により変動パターンが決定されればよい。
図35−4は、変動中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。変動中演出設定処理は、演出図柄変動開始処理(S801)内で実行される。変動中演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示から時短状態が開始されるか否かを判定する(33AKS011)。今回の変動表示から時短状態が開始されるか否かは、例えば遊技状態を指定する演出制御コマンドの受信結果等に基づいて判定すればよい。
今回の変動表示から時短状態が開始される場合には(33AKS011;Yes)、今回の変動表示において、入賞促進報知を実行するための設定を行う(33AKS012)。特徴部33AKにおける入賞促進報知は、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15への遊技球の発射(打球)を促す報知である。入賞促進報知は、右打ち促進報知でもあり、第2保留記憶数を溜めることを促すことの報知でもある。このように、本実施形態では、時短状態の開始時に入賞促進報知を実行するようになっている。これにより、時短状態における遊技方法(右打ちをすること)を遊技者に報知することができ、遊技者に第2保留記憶数を溜めることを促すことができる。また、本実施形態では、複数種類の入賞促進報知が実行可能となっており、33AKS012では、第1態様の入賞促進報知を実行するための演出パターンを選択し、当該演出パターンに基づいて今回の変動表示において入賞促進報知を実行するための設定を行う。
今回の変動表示から時短状態が開始される場合ではない場合や(33AKS011;No)、33AKS012の処理を実行した後には、受信した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに基づいて、今回の変動表示において大当りとなることやリーチとなることを予告・示唆する予告演出を実行するか否かや、実行する場合の演出態様を決定する(33AKS013)。その後、変動中演出設定処理を終了する。
図35−5は、本実施形態における入賞促進報知の演出態様を示している。本実施形態では、入賞促進報知の演出態様として、第1態様と第2態様と第3態様とが設けられている。第1態様は、演出表示装置9における表示によって入賞促進報知を行う演出態様であり、演出表示装置9には「右を狙え!」という報知画像が表示される。第2態様は、演出表示装置9における表示、スピーカ27からの音声出力、及び、ランプの点灯によって入賞促進報知を行う演出態様であり、演出表示装置9には「保留を溜めろ!」という報知画像が表示される。第3態様は、演出表示装置9における表示、及び、ランプの点灯によって入賞促進報知を行う演出態様であり、演出表示装置9には「保留を溜めろ!」という報知画像が表示される。入賞促進報知の強度(促進の強さ)は、第2態様>第3態様>第1態様となっている。本実施形態では、入賞促進の必要性に応じてこれらの演出態様のいずれかにより入賞促進報知を実行するようになっている。
図35−6は、時短最終変動演出処理の一例を示すフローチャートである。変動中演出設定処理は、演出図柄変動中処理(S802)内で実行される。時短最終変動演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が時短最終変動であるか否かを判定する(33AKS021)。33AKS021では、受信した変動パターンコマンドが時短最終変動パターンを指定しているか否かを判定すればよい。時短最終変動でない場合(33AKS021;No)、時短最終変動演出処理を終了する。
時短最終変動である場合(33AKS021;Yes)、入賞促進報知の実行タイミングであるか否かを判定する(33AKS022)。本実施形態では、時短最終変動パターンに基づく変動表示の所定タイミング(変動開始から所定時間後)において入賞促進報知が実行されるようになっている。33AKS022では、変動開始からの経過時間等から入賞促進報知の実行タイミングであるか否かを判定すればよい。
入賞促進報知の実行タイミングであれば(33AKS022;Yes)、第2保留記憶数が0であるか否かを判定する(33AKS023)。第2保留記憶数が0であれば(33AKS023;Yes)、入賞促進度合いが最も強い第2態様の入賞促進報知を実行するための設定を行う(33AKS024)。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
第2保留記憶数が0でなければ(33AKS023;No)、第2保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(33AKS025)。第2保留記憶数が3以上でなければ(33AKS025;No)、即ち、第2保留記憶数が1または2である場合、入賞促進度合いが第2態様よりも弱い第3態様の入賞促進報知を実行するための設定を行う(33AKS026)。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
このように、時短最終変動において第2保留記憶数が0である場合には、第2保留記憶数が1または2である場合よりも入賞促進度合いが強い入賞促進報知を実行するようになっている。このようにすることで、第2保留記憶数に応じた入賞促進報知を実行できる。特に、第2保留記憶数が0である場合に最も強い入賞促進報知を実行するので遊技者の危機感を煽ることができる。
なお、時短最終変動における第2保留記憶数が1または2であって、入賞促進報知を実行する状況において、第2保留記憶に基づく変動表示の表示結果が小当りとなる場合には、入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。この場合、第2保留記憶に基づく変動表示の表示結果が小当りとなることを予告・示唆する演出を実行するようにしてもよい。
第2保留記憶数が3以上であれば(33AKS025;Yes)、入賞促進報知の代わりに大当り遊技状態(有利状態)に制御されるか否かを示唆する特定予告演出を実行するための設定を行う(33AKS027)。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
このように、特徴部33AKでは、時短最終変動において第2保留記憶数が3未満である場合には、入賞促進報知を実行することで、遊技者に第2保留記憶数を溜めることを促すことができる。一方、時短最終変動において第2保留記憶数が3以上である場合には、入賞促進報知を実行せずに特定予告演出を実行することで、報知が煩わしくなることを防止でき、変動表示が間延びすることを防止しつつ、特定予告演出により演出の興趣を向上させることができる。
なお、第2保留記憶数が3以上である場合に必ず特定予告演出を実行するのではなく、所定割合で特定予告演出を実行するようにしもよい。この場合、特定予告演出を実行しない場合には、入賞促進報知を実行するようにしてもよいし、演出を実行しないようにしてもよい。また、特定予告演出の演出態様を複数種類設けて、表示結果等や第2保留記憶数に応じて、特定予告演出の実行割合や演出態様の決定割合を異ならせてもよい。このようすることで、特定予告演出が多彩になり、特定予告演出の演出効果を高めることができる。
入賞促進報知の実行タイミングでなければ(33AKS022;No)、入賞促進放置の実行中であるか否かを判定する(33AKS028)。33AKS028では、例えば33AKS024または33AKS026の処理を実行済みであれば、入賞促進報知の実行中であると判定する。入賞促進報知の実行中でなければ(33AKS028;No)、時短最終変動演出処理を終了する。
入賞促進報知の実行中であれば(33AKS028;Yes)、時短最終変動パターンに基づく変動表示においてスーパーリーチに発展するタイミングであるか否かを判定する(33AKS029)。スーパーリーチに発展するタイミングであれば(33AKS029;Yes)、今回の変動の表示結果が大当り(大当り変動)であるか否かを判定する(33AKS037)。今回の変動が大当り変動であると判定された場合(33AKS037;Yes)、入賞促進報知を中止して、スーパーリーチのリーチ演出を実行するための設定を行う(33AKS038)。その後、時短最終変動演出処理を終了する。大当り変動である場合にはその後大当り遊技状態に制御され、再度時短状態に制御されることになる。再度制御される時短状態でも第2保留記憶数が十分に溜まっていなければ入賞促進報知が実行される。そのため、本実施形態では、大当り変動である場合には入賞促進報知を中止して、大当りとなることを煽るリーチ演出を優先して実行するようになっている。このようにすることで、状況に応じた演出を実行できる。
なお、大当り変動である場合にも入賞促進報知を継続するようにしてもよい。また、時短最終変動の変動パターンを複数種類から選択するような場合には、時短最終変動の変動パターン(リーチ演出)の大当り信頼度が特定値以上のものである場合には、入賞促進報知を中止してリーチ演出を実行するようにしてもよい。
今回の変動が大当り変動でない場合(33AKS037;No)、入賞促進報知の実行を優先するために、スーパーリーチのリーチ演出をワイプ(演出表示装置9に設けられた小窓領域)で実行する(33AKS030)。
スーパーリーチに発展するタイミングでない場合や(33AKS029;No)、33AKS030の処理を実行した後には、第2保留記憶数が3以上になったか否かを判定する(33AKS031)。第2保留記憶数が3以上になった場合には(33AKS031;Yes)、実行中の入賞促進報知を終了する(33AKS032)。このとき、スーパーリーチのリーチ演出をワイプで実行していた場合には、全画面のリーチ演出に切り替える。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
第2保留記憶数が3未満のままの場合(33AKS031;No)、予告演出の実行タイミングであるか否かを判定する(33AKS033)。AKS033では、図35−4の33AKS013において予告演出を実行することが決定され、その予告演出を実行するタイミングとなったか否かを判定する。予告演出の実行タイミングでなければ(33AKS033;No)、時短最終変動演出処理を終了する。
入賞促進報知の実行中に予告演出の実行タイミングとなった場合(33AKS033;Yes)、その予告演出が低期待度の予告演出であるか否かを判定する(33AKS034)。低期待度の予告演出は、複数種類の予告演出のうち、大当り信頼度が最高の予告演出よりも少なくとも大当り信頼度が低い予告演出のうちのいずれかが定められていればよい。例えば、ここでは、予告演出が最も大当り信頼度が低い予告演出であるか否かを判定する。
低期待度の予告演出であれば(33AKS034;Yes)、当該予告演出を実行しても入賞促進報知の妨げとなり、遊技者の期待感をあまり向上させることもできないため、当該予告演出の実行を中止する(33AKS035)。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
低期待度の予告演出でない場合(33AKS034;No)、その予告演出を音声のみで実行するため設定を行う(33AKS036)。即ち、演出表示装置9において予告画像を表示しつつ、音声を出力する予告演出であっても、当該予告画像の表示は行わず、音声のみを出力する。これにより、予告画像により入賞促進報知が妨げられることを防止しつつ、音声により大当りとなることを予告・示唆することができる。その後、時短最終変動演出処理を終了する。
この実施形態では、入賞促進報知の実行中に予告演出を実行する場合には、音声のみで予告演出を実行するようになっているが、予告演出のうちの他の一部の演出(ランプ点灯や可動体の動作等)が実行されるようにしてもよい。
なお、例えば33AKS013において予告演出の実行の有無を決定する際に、第2保留記憶数や時短最終変動であるか否かを判定することで、入賞促進報知を実行する状況であるか否かを判定し、入賞促進報知を実行する状況である場合には低期待度の予告演出を実行することが決定されないように制御し、予告演出を実行する場合でも、音声による予告演出を実行することが決定されるようにしてもよい。
また、入賞促進報知の実行中であっても、予告演出を並行して実行するようにしてもよい。この場合、所定以上の期待度の予告演出のみ入賞促進報知と並行して実行するようにしてもよい。
図35−7は、時短最終変動における演出内容等を示すタイミングチャートである。図35−7(A)に示すように、時短最終変動において第2保留記憶数が0〜2の場合には、変動が開始してからの所定の入賞促進報知タイミングにおいて、入賞促進報知が開始される。入賞促進報知が実行されてから第2保留記憶数が3以上になった場合には、その時点で入賞促進報知を終了する。スーパーリーチに発展する時点で入賞促進報知が実行されていなければ通常通りリーチ演出が実行される。
図35−7(B)に示すように、入賞促進報知が実行されてから第2保留記憶数が3以上にならない場合には、スーパーリーチに発展した後も、ワイプで実行されるリーチ演出と並行して入賞促進報知が実行される。
図35−7(C)に示すように、時短最終変動において第2保留記憶数が3以上の場合には、入賞促進報知タイミングと同じタイミングにおいて、特定予告演出を実行する。例えば、特定予告演出はスーパーリーチに発展するまで実行される。このようにすることで、変動開始後スーパーリーチに発展するまでの期間の変動が間延びしてしまうことを防止できる。
続いて、特徴部33AKに係る演出動作例について説明する。図35−8は、第1態様の入賞促進報知が実行される場合の演出動作例を示している。図35−8(A)は、大当り遊技状態終了後の演出表示装置9を示しており、「チャンスタイム突入」という文字が表示されることで、チャンスタイム(時短状態)に移行することが報知されている。特徴部33AKでは、演出表示装置9に第1保留記憶数を示す第1保留表示エリア33AK001が設けられており、図35−8(A)では、第1保留記憶数が1であることを示している。
続いて、図35−8(B)に示すように、演出表示装置9に「右を狙え!」という入賞促進画像33AK011が表示される第1態様の入賞促進報知が実行される。なお、第1態様の入賞促進報知は、時短状態における遊技状況(第2保留記憶数の溜まり具合)が不明であるため、他の態様(第2態様、第3態様)よりも、入賞促進度合い弱くなっている。このようすることで、遊技方法を理解している遊技者に対して必要以上の入賞促進報知を実行してしまうことを防止できる。
その後、図35−8(C)に示すように、第1保留記憶に基づく変動表示が開始される。また、特徴部33AKでは、時短状態中には、右打ちをすること(第2始動入賞口14への入賞を狙うこと)を指示(促進)する右打ち画像33AK012が画面右上部に表示される。
なお、例えば第1態様の入賞促進報知前や後において、時短状態において第2保留記憶数を溜めることで、第2特別図柄の変動表示の実行機会を確保することができ、連チャンが発生しやくなること、そのため時短状態において第2保留記憶数を溜めないと著しく不利となることを遊技者に説明する説明演出を実行するようにしてもよい。このようすることで、遊技者に特徴部33AKに係るパチンコ遊技機1のゲーム性を理解させることができ、公平に遊技を行わせることができる。
図35−9は、時短最終変動における演出動作例を示している。図35−9(A)は、変動表示が実行され、右打ち画像33AK012が表示されている演出表示装置9を示している。特徴部33AKでは、演出表示装置9に第2保留記憶数を示す第2保留表示エリア33AK002が設けられており、図35−9(A)では、第2保留記憶数が2であることを示している。時短最終変動において、第2保留記憶数が2である場合は、入賞促進報知の実行タイミングになると、図35−9(B)に示すように、演出表示装置9に「保留を溜めろ!」という入賞促進画像33AK013が表示されるとともに、スピーカ27から「保留を溜めろ」という音声が出力される第3態様の入賞促進報知が実行される。このとき、第2保留表示エリア33AK002を点滅させることで、第2保留記憶数が溜まっていいないことを強調する演出も実行される。また、図35−9(B)に示すように、入賞促進報知の実行中、変動表示は演出表示装置9の左上等の小領域で実行される。
その後、第2保留記憶数が増加しない場合、図35−9(C)、(D)に示すように、リーチが成立して、スーパーリーチに発展するときにも入賞促進報知が継続して実行される。図35−9(D)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出は、ワイプ(小窓領域)9Sで実行される。
また、図35−9(A’)に示すように、時短最終変動において、第2保留記憶数が3である場合は、入賞促進報知の実行タイミングになると、図35−9(B’)に示すように、演出表示装置9において特定予告演出が実行される。図35−9(B’)では、文字のみの表記により特定予告演出詳細な演出内容は省略しているが、演出画像を表示したり音声を出力することで、所定の特定予告演出が実行されればよい。特定予告演出は、大当りとなることを予告・示唆する演出であってもよいし、スーパーリーチとなることを煽る演出等であってもよい。このように第2保留記憶数が十分たまっており、遊技者に極端に不利とならない場合には、入賞促進報知を実行せずに、特定予告演出を実行することで、状況に応じた好適な演出を実行することができる。
(特徴部33AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
図35−5に示す入賞促進報知の演出態様は一例であり、入賞促進報知の強度(促進の強さ)が、第2態様(第2保留記憶数0の時)>第3態様(第2保留記憶数1、2の時)>第1態様(時短状態開始時)となっていればその演出態様は任意でよい。演出表示装置9における表示による入賞促進報知として、狙う遊技領域や狙う入賞口(第2始動入賞口14)の画像を表示するようにしてもよい。また、遊技者の危機感を煽る入賞促進報知として、時短最終変動の終了までの時間をカウントダウン表示するようにしてもよい。
上記実施形態では、時短最終変動において第2保留記憶数が3以上である場合には、入賞促進報知を実行せずに大当り遊技状態(有利状態)に制御されるか否かを示唆する示唆演出として、特定予告演出を実行するようになっていたが、示唆演出は有利状態に制御させるか否かを示唆する任司の演出(予告演出、リーチ演出、演出図柄のテンパイ煽り等)であってよい。
本実施形態では、時短状態の開始時に入賞促進報知を実行するようになっていたが、時短状態の開始時の入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。このようすることで、遊技方法を理解している遊技者に対して不必要な入賞促進報知を実行してしまうことを防止できる。
本実施形態では、入賞促進報知の実行中にリーチ演出を実行する場合には、リーチ演出をワイプで実行することで、入賞促進報知を優先して実行するようになっていた。入賞促進報知を優先して実行する方法はこれに限定されず、リーチ演出よりも入賞促進報知が優先して実行されていればよい。演出表示装置9において入賞促進報知に使用する領域をリーチ演出よりも大きくしたり、音声の出力やランプの発光に関して入賞促進報知の方を優先するようにしてもよい。なお、入賞促進報知が実行されていても通常通りのスーパーリーチのリーチ演出を実行するようにしてもよい。例えば、表示結果が小当りとなる場合には、入賞促進報知が実行されていても通常通りのスーパーリーチを実行するようにしてもよい。この場合、第2保留記憶数が少ない場合でも小当り(小当り経由の大当り)が発生することになるので、遊技者は不利益を被ることがない。このようにすることで、状況に応じた入賞促進報知を実行することができる。
本実施形態では、時短最終変動において第2保留記憶数が0である場合と1〜2である場合とで入賞促進報知の演出態様を異ならせていたが、第2保留記憶数が2以下である場合に同様の演出態様の入賞促進報知を実行するようにしてもよい。また、時短最終変動において第2保留記憶数が3以上である場合には、入賞促進報知を実行せずに特定予告演出を実行するようになっていたが、第2保留記憶数が1以上である任意の数である場合には入賞促進報知を実行せずに特定予告演出を実行するようにしてもよい。時短最終変動において変動開始後の所定タイミング(例えば入賞促進報知の実行タイミング)において第2保留記憶数が上限数である場合のみ入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。即ち、時短最終変動において第2保留記憶数に応じて演出を異ならせる閾値は任意でよい。
ドラム式の可変表示装置を備えるパチンコ遊技機に特徴部33AKを適用してもよい。即ち、本実施形態では、識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられていたが、表面に複数種類の識別情報(図柄)が付された回胴(以下、「リール」ともいう)を複数有し、複数の回胴が回転することで複数種類の識別情報が順次更新される複数の表示領域が形成された可変表示装置を備えるようにしてもよい。そして、演出図柄を変動表示に代えて、可変表示装置において回胴を回転させることで図柄の可変表示を実行し、当該表示結果により大当りとなるか否かを表示するようにしてもよい。
この場合、パチンコ遊技機1は演出表示装置9と可変表示装置との双方を備えるようにしてもよい。例えば、遊技領域の中央部分に可変表示装置を設けて、可変表示装置の周辺部分(例えば上部)に演出表示装置9を設けてもよい。そして、演出表示装置9では演出図柄の変動表示を実行せずに、各種の演出や遊技に関する表示が実行されればよい。例えば、入賞促進報知は演出表示装置9において実行し、可変表示装置において特定予告演出(示唆演出)を実行するようにしてもよい。時短最終変動において第2保留記憶数が3未満である場合等、第2保留記憶数が十分に溜まっていない場合には、可変表示装置において特定予告演出を実行しないようにして、演出表示装置9において入賞促進報知を実行するようにしてもよい。このようにすることで、可変表示装置における特定予告演出に注目して、入賞促進報知を見逃すことを防止できる。
なお、本実施形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)と、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)とを組み合わせた遊技機(いわゆる一種二種混合機)について説明したが、第二種の遊技機において特徴部33AKを適用してもよい。
(特徴部33AKに係る手段の説明)
(1)特徴部33AKに係る遊技機は、
可変表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、
可変表示を行う第1可変表示手段(例えば第1特別図柄表示器8a)と、
可変表示を行う第2可変表示手段(例えば第2特別図柄表示器8b)と、
前記第2可変表示手段における可変表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段(例えば第2保留記憶バッファ)と、
前記有利状態の終了後、所定回数可変表示が実行されるまで通常状態よりも前記保留情報を記憶しやすい特別状態(例えば時短状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えばS164〜S170の処理を実行するCPU56)と、
前記保留情報を記憶させることを促す促進報知(例えば入賞促進報知)と、前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出(例えば特定予告演出)と、を実行可能な演出制御手段(例えば時短最終変動演出処理を実行する演出制御用CPU101)と、を備え、
前記特別状態において、前記保留情報を上限数まで記憶させた場合に、当該上限数まで記憶させなかった場合よりも前記有利状態に制御される割合が高く(例えば第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する)、
前記演出制御手段は、
前記保留記憶手段に記憶される前記保留情報の数が前記上限数未満の第1数(例えば0〜2)で前記所定回数目の可変表示である特別状態最終可変表示が実行されるときに、前記促進報知を実行可能であり、
前記保留記憶手段に記憶される前記保留情報の数が前記第1数よりも多い第2数(例えば3以上)で前記特別状態最終可変表示が実行されるときに、前記促進報知を実行せずに、前記示唆演出を実行する。
このような構成によれば、状況に応じた適切な報知を実行できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特別状態に制御されるときに、前記特別状態最終可変表示における前記促進報知とは異なる態様で前記促進報知(例えば第1態様の入賞促進報知)を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に促進報知を実行でき、特別状態最終可変表示における促進報知に注目させることができる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特別状態最終可変表示の特定タイミング以降においてリーチ演出を実行可能であり、当該特定タイミング以降においても前記保留情報の数が前記第1数である場合には、前記リーチ演出よりも前記促進報知を優先して実行する(例えばリーチ演出をワイプ9Sで実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記第1数として0を含み、
前記演出制御手段は、前記保留情報の数が0であるか他の前記第1数であるかに応じて、前記促進報知の態様を異ならせる(例えば33AKS023〜33AKS026の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に促進報知を実行できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記演出制御手段は、前記促進報知の実行中に、特定期待度の前記示唆演出を実行することが決定された場合、当該示唆演出の少なくとも一部の演出を実行する(例えば33AKS036の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定期待度の示唆演出が実行されていることを遊技者に認識させることができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記演出制御手段は、前記示唆演出を第1演出装置(例えばドラム式の可変表示装置)において実行し、前記促進報知を当該第1演出装置とは異なる第2演出装置(例えば演出表示装置9)において実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、促進報知が実行されている第2演出装置に注目させることができる。
(特徴部73AKに関する説明)
続いて、特徴部73AKについて説明する。特徴部73AKのパチンコ遊技機1では、時短状態が終了するときに、第2保留情報(第2保留記憶、第2保留記憶情報)の数である第2保留記憶数が溜まっている場合には、時短状態終了後も溜まっている第2保留記憶数分、第2特別図柄の特図ゲーム(変動表示)が実行される。当該特図ゲームに基づいて小当り遊技状態に制御されれば、V入賞が発生して再度大当り遊技状態に制御され、再度時短状態に制御される。即ち、時短状態においては第2保留記憶数を溜めることで、いわゆる連チャンが発生する確率が高くなり、時短状態において第2保留記憶数を溜めなかった場合には、溜めなかった分(例えば最大4回)の第2特別図柄の特図ゲームの実行機会(後述のように約1/7で当選する小当り抽選の機会)を失うため、第2保留記憶数を溜めた場合よりも極めて遊技者に不利となってしまう。よって、第2保留記憶数の1つ辺りの価値が高い。
時短状態における最後の変動中(例えば変動終了直前等)において、可変入賞球装置15に遊技球が入賞して普通図柄の変動表示が実行され、普通図柄の表示結果が当りとなった場合、時短状態終了後の第2特別図柄の変動中に可変入賞球装置15が開状態となる可能性がある。そして、開状態の可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)に遊技球が入賞して、第2保留記憶数が増加する可能性がある。こうなった場合、時短状態終了後、第2保留記憶数の上限数である4回を超えて、第2特別図柄の特図ゲームが実行されることとなる。上述のように、特徴部73AKに係るパチンコ遊技機1では、第2保留記憶数の1つ辺りの価値が高い。そのため、時短状態終了後、第2保留記憶数の上限数を超えて第2特別図柄の特図ゲームが実行されてしまうと、小当り発生確率(連チャン確率)が上がるため想定以上に遊技者に有利となってしまい、遊技の公平性を担保できなくなる。
そこで、特徴部73AKに係るパチンコ遊技機1では、時短状態における最後の変動中に、第2保留記憶数が上限数となった時点で、時短状態(高ベース制御)を終了させるようになっている。このようにすることで、時短状態終了後に可変入賞球装置15が開放して第2保留記憶数が増加してしまうことを防止でき、時短状態終了後、第2保留記憶数の上限数を超えて第2特別図柄の特図ゲームが実行されてしまうことを防止できる。そして、遊技の公平性を担保することができる。
図36−1は、特徴部73AKにおける当り種別表を示す図である。図2に示した種別表との主な違いは、ラウンド数と、図柄大当りにおいて時短なし大当りが設けられたことと、第1特別図柄の変動表示に基づいて小当りが発生することである。本実施例では、大当り種別として、図柄5R時短あり大当り(第1大当り)、図柄5R時短なし大当り(第2大当り)、小当り(第1小当り)経由11(10)R時短あり大当り、および小当り(第2小当り)経由6(5)R時短あり大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内の数値は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。また、小当り種別として、第1小当り、第2小当り、第3小当りが設けられている。
本実施例では、図36−2(A)に示す確率で大当り判定が行われる。従って、本実施例における大当り確率は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時において1/199である。大当りにすると判定された場合に第1大当りまたは第2大当りの大当り種別に決定される。図36−2(B)に示すように、本実施例の場合、「第1大当り」と「第2大当り」は、それぞれ50%で選択される。「第1大当り」の大当り図柄は「7」に設定され、第2大当りの大当り図柄は「3」に設定されている。
同様に図36−2(A)に示す確率で小当り判定が行われるが用いられる。従って、本実施例における小当り確率は第1特別図柄の変動時において1/30であり、第2特別図柄の変動時において1/7.35である。第2特別図柄に関して小当りにすると判定された場合に第1小当りまたは第2小当りの小当り種別に決定される。図36−2(C)に示すように、本実施例の場合、第2特別図柄の変動時において「第1小当り」と「第2小当り」は、それぞれ50%で選択される。「第1小当り」の小当り図柄は「1」に設定され、第2大当りの小当り図柄は「5」に設定されている。第1特別図柄に関して小当りにすると判定された場合に第3小当りの小当り種別に決定される。図36−2(D)に示すように、本実施例の場合、第1特別図柄の変動時において「第3小当り」は、100%で選択される。「第3小当り」の小当り図柄は「9」に設定されている。
図36−1に示すように、本実施例における小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由11(10)R時短あり大当り、および小当り経由6(5)R時短あり大当りが含まれる。一方、本実施例における図柄大当りには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄5R時短あり大当り、および、図柄5R時短なし大当りがある。
図柄5R時短あり大当り(第1大当りともいう)、及び、図柄5R時短なし大当り(第2大当りともいう)は、大入賞口が5回(5R:各ラウンド29秒)開放される大当りである。
小当り経由11(10)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が10回(10R:各ラウンド29秒)開放される大当りであり、11ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、10回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄10R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由11(10)R時短大当りの契機となる小当りを第1小当りともいう。
小当り経由6(5)R時短あり大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が5回(5R:各ラウンド29秒)開放される大当りである。6ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、5回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄5R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由6(5)R時短あり大当りの契機となる小当りを第2小当りともいう。第1小当り及び第2小当りは、第2特別図柄の変動表示に基づいて発生する。
第1特別図柄の変動表示に基づいて発生する第3小当りは、第1小当り及び第2小当りと同様に、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放されるが、V入賞が発生することがない小当りとなっている。
図36−3は、小当りにおけるV入賞領域の開放態様を示すタイミングチャートである。第2特別図柄の変動表示に基づいて第1小当りまたは第2小当りとなった場合には、図36−3(A)に示すように、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放されるときに、1個の遊技球がV入賞領域870に入賞するまでV入賞領域870も開放状態となる。これにより、第1小当り及び第2小当りに基づく小当り遊技状態ではV入賞可能となっている。これに対して、第1特別図柄の変動表示に基づいて第3小当りとなった場合には、図36−3(B)に示すように、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放されるときに、V入賞領域870が閉鎖状態となり、V判定入賞装置87の開放終了後、t時間後にV入賞領域870が開放状態となる。ここで、tは、V判定入賞装置87(作動口)からV入賞領域870へ遊技球が到達するまでの時間より多い時間となっているため、第3小当りに基づく小当り遊技状態ではV入賞不可能となっている。
このように、この実施例では、第1特別図柄の変動表示に基づいて小当りに当選する場合あるようになっているが、遊技者には実質的なメリットは少ない小当り種別となっている。このように遊技者には実質的なメリットは少ない小当り種別を設けることで、小当りが過度に遊技者にとって有利とならないようにすることができる。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの条件が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
図柄5R時短あり大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、図2で説明した図柄4R時短大当り後の時短状態と同じである。その理由は、図2で説明したものと同じく、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞の保留情報に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
また、小当り経由の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄5R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りの発生回数が2回という終了条件も設定されている。第2特別図柄の変動表示に基づく小当りとして、上述のようにV入賞時に実質10ラウンドの大当り遊技状態となる第1小当りと、V入賞時に実質5ラウンドの大当り遊技状態となる第2小当りと、が設けられている。小当り種別は小当り図柄により確認可能であるが、時短状態において、第2小当りとなった場合には、より有利な大当り遊技状態となる第1小当りとなることを狙うため、敢えてV入賞を避けるといった遊技方法を選択し得る。そのような遊技方法を選択しづらくするため、本実施例では、時短状態が終了する条件として、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りの発生回数が2回という終了条件も設定している。なお、第1特別図柄の変動表示に基づく小当りは、小当り経由で大当りとなることはないため、時短状態の小当り発生回数としてカウントしないようなっている。これにより、遊技者にとって有利でない小当りが発生したことに基づいて時短状態が終了してしまうことを防止できる。なお、時短状態の終了条件となる小当りの発生回数は、2回に限定されず、1回や3回以上(時短状態の終了条件となる変動回数未満)であってもよい。また、第3小当りといった小当り経由で大当りとなることがなく、遊技者にとってメリットの少ない小当りを設けない場合には、全ての小当りの発生回数をカウントし、その回数に応じて時短状態を終了させればよい。
なお、図柄5R時短なし大当り後は、通常状態に移行する。以下の説明において、図柄5R時短あり大当り、小当り経由11(10)R時短大当り、小当り経由6(5)R時短あり大当りの3つの大当りを、時短あり大当りと表現することがある。
なお、図36−1に示した当り種別は一例であり、特徴部73AKでは、第1特別図柄については、小当りとする判定がされるように設定されているが、第1特別図柄について、小当りとする判定がされないように設定してもよい。また、第2特別図柄については、大当りとする判定がされるように設定されているが、第2特別図柄について、大当りとする判定がされないように設定してもよい。また、大当りのラウンド数や当り種別の数、時短状態の終了条件等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
続いて、特徴部73AKにおける動作について説明する。図36−4は、変動開始時に1回実行される変動開始時処理の一例を示すフローチャートである。変動開始時処理は、例えば特別図柄変動中処理(S303)内で実行されればよい。変動開始時処理は、変動開始時に時短回数カウンタを減算更新したり、時短フラグを管理する処理が含まれている。
変動開始時処理では、CPU56は、まず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ73AKS001)。時短フラグがセットされていなければ(ステップ73AKS001;No)、変動開始時処理を終了する。
時短フラグがセットされていれば(ステップ73AKS001;Yes)、合計時短回数カウンタを−1減算更新する(ステップ73AKS002)。
合計時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に時短状態に制御されたときの第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。合計時短回数カウンタは、大当り終了処理において、5R図柄時短大当り後の時短状態に制御されるときには5回にセットされ、小当り経由の時短大当り後の時短状態に制御されるときには11回にセットされ、ステップ73AKS002により、変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の開始時であるか否かを判定する(ステップ73S003)。第2特別図柄の変動表示の開始時であるときは(ステップ73AKS003;Yes)、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(ステップ73AKS004)。
特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、大当り終了処理において、5R図柄時短大当り後の時短状態に制御されるときには1回にセットされ、小当り経由の時短大当り後の時短状態に制御されるときには7回にセットされ、ステップ73AKS004により、第2特別図柄の変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
続いて、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを判定する(ステップ73AKS005)。特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていない場合や(ステップ73AKS005;No)、第1特別図柄の変動表示の開始時であるときは(ステップ73AKS003;No)、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを判定する(ステップ73AKS006)。合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていない場合は(ステップ73AKS006;No)、変動開始時処理を終了する。
特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になった場合や(ステップ73AKS005;Yes)、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になった場合は(ステップ73AKS006;Yes)、時短フラグをリセットし(ステップ73AKS007)、時短延長フラグをセットする(ステップ73AKS008)。その後、変動開始時処理を終了する。
この実施例では、変動開始時に時短回数カウンタを減算更新し、時短状態における最終変動(時短最終変動)において、変動開始時に時短フラグがリセットされるようになっている。しかしながら、時短フラグがリセットされたときに直ちに時短状態(高ベース制御)が終了する訳ではなく、第2保留記憶数が上限値となるまで時短延長フラグがセットされた状態となる。そして、時短延長フラグがセットされている間は、時短状態(高ベース制御)が継続するようになっている。このように、この実施例では、時短フラグを決まったタイミング(時短最終変動時)でリセットしているので、時短フラグをリセットする制御が容易になり、挙動の安定が望める。なお、時短最終変動中においては、時短延長フラグにより、時短状態の判定や管理を行うことになる。
なお、時短フラグや時短延長フラグは、普通図柄プロセス処理で参照され、いずれかがオンである場合に普通図柄プロセス処理において高ベース制御(普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御等)が実行される。時短フラグ及び時短延長フラグがオフとなった場合、普通図柄プロセス処理における高ベース制御は終了し、時短状態が終了する。
図36−5は、時短終了判定処理の一例を示すフローチャートである。時短終了判定処理は、変動中に時短状態の終了条件が成立したか否かを判定し、終了条件成立時に時短状態を終了させるための処理であり、特別図柄変動中処理(S303)内で繰り返し実行される。
時短終了判定処理では、CPU56は、まず、時短延長フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ73AKS011)。時短延長フラグがセットされていなければ(ステップ73AKS011;No)、変動開始時処理を終了する。
時短延長フラグがセットされていれば(ステップ73AKS011;Yes)、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を判定する(ステップ73AKS012)。第2保留記憶数が上限値に達していなければ(ステップ73AKS012;No)、時短終了判定処理を終了する。
時短延長フラグがセットされる時短最終変動において、第2保留記憶数が上限値に達した場合(ステップ73AKS012;Yes)、時短状態の終了条件が成立し、時短延長フラグをリセットし(ステップ73AKS013)、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を実行し(ステップ73AKS014)、時短終了判定処理を終了する。
上記実施例では、特別図柄停止処理(図13)内で、時短回数カウンタを減算更新し、時短フラグをリセットする処理が含まれていた。特徴部73AKでは図36−4、図36−5に示した処理により、時短回数カウンタを減算更新し、時短フラグや時短延長フラグを管理する処理を実行するため、特別図柄停止処理内ではそのような処理が実行されない。また、特徴部73AKでは、時短状態における小当りの回数も時短状態の終了条件となっているため、特別図柄停止処理内で小当り回数に基づいて時短状態を終了させるための処理も実行される。
図36−6は、特徴部73AKに係る特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図36−6に示す特別図柄停止処理において、図13に示す特別図柄停止処理と同様の処理については、同じステップ番号を付して説明は省略する。特徴部73AKに係る特別図柄停止処理では、大当りフラグがセットされている場合(ステップS133;Yes)、CPU56は、時短フラグまたは時短延長フラグがセットされているときには、そのフラグをリセットする(ステップAKS030)。
大当りフラグがセットされていない場合(ステップS133;No)、時短延長フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ73AKS027)。時短延長フラグがセットされていなければ(ステップ73AKS027;No)、ステップS139に移行する。時短延長フラグがセットされていれば(ステップ73AKS027;Yes)、時短最終変動の終了時であって表示結果がハズレまたは小当りなので、時短延長フラグをリセットし(ステップ73AKS028)、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を実行し(ステップ73AKS029)、ステップS139に移行する。
ステップS139にて小当りフラグがセットされている場合(ステップS139;Yes)、時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ73AKS021)。
時短フラグがセットされていれば(ステップ73AKS021;Yes)、小当り種別が第3小当りであるか否かを判定する(ステップ73AKS022)。時短フラグがセットされていない場合や(ステップ73AKS021;No)、小当り種別が第3小当りである場合(ステップ73AKS022;Yes)、ステップS140の処理に移行する
小当り種別が第3小当りでない場合(ステップ73AKS022;No)、即ち小当り種別が、第2特別図柄の変動に基づいて発生する第1小当りまたは第2小当りである場合、小当り回数カウンタを−1減算更新する(ステップ73AKS023)。小当り回数カウンタは、時短状態における第1小当りまたは第2小当りの回数をカウントするためのカウンタであり、時短状態に制御される際に、初期値として「2」(第2特別図柄の変動表示に基づく小当りの発生回数が2回という終了条件に対応した値)がセットされる。
その後、小当り回数カウンタが「0」になったか否かを判定し(ステップ73AKS024)、小当り回数カウンタが「0」になった場合(ステップ73AKS024;Yes)、時短フラグをリセットし(ステップ73AKS025)、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を実行し(ステップ73AKS026)、ステップS140に移行する。小当り回数カウンタが「0」になっていなければ(ステップ73AKS024;No)、ステップS140に移行する。
また、小当りフラグがセットされていない場合(ステップS139;No)、ステップS152に移行する。
特徴部73AKでは、このような特別図柄停止処理を実行することで、小当り回数に基づいて時短状態を終了させる制御や、時短最終変動の終了時に第2保留記憶数が上限になっていない場合でも時短状態を終了させる制御を実行できる。
特に、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限にならずに時短状態の終了条件が成立しなかった場合でも、時短最終変動終了時に時短延長フラグがオフされるので、確実に時短状態を終了させることができ、遊技の公平性を担保できる。
図36−7は、特徴部73AKの時短最終変動における演出動作例を示している。図36−7(A)は、変動表示が実行され、右打ち画像73AK012が表示されている演出表示装置9を示している。演出表示装置9に第2保留記憶数を示す第2保留表示エリア73AK002が設けられており、図36−7(A)では、第2保留記憶数が2であることを示している。時短最終変動において、第2保留記憶数が2である場合(上限数でない場合)は、例えば入賞促進報知の実行タイミングになると、図36−7(B)に示すように、演出表示装置9に「保留を溜めろ!」という入賞促進画像73AK013が表示され、第2保留表示エリア73AK002を点滅させる入賞促進報知が実行される。そして、第2保留記憶数が上限数である4になると、例えば図36−7(C)に示すように、演出表示装置9に第2保留記憶数が溜まったことを示す「チャージ完了」という文字画像73AK014が表示される。このとき、時短状態(高ベース制御)も終了することとなる。その後、例えばリーチが実行される等した後、図36−7(D)に示すように、時短最終変動が終了する。なお、時短最終変動は、第2特別図柄の保留情報を溜めやすくするため、変動時間の長い変動パターン(例えばリーチを伴う変動パターン)が選択されるまたは選択されやすいようにしてもよい。また、時短最終変動は図柄の停止時間や、時間変動までのインターバルを長くすることで、時短状態終了後の変動中に可変入賞球装置15が開放状態となににくくしてもよい。
その後、時短状態終了後は、溜まっている第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行される。ここでは時短状態終了後、第2保留記憶数の上限数分の4回第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、全てハズレとなった場合には、図36−7(E)に示すように、時短状態移行後の連チャン回数や総獲得出玉等が表示され、遊技者にとって有利な状態が終了したことが示される。なお、時短状態終了後も、約1/7で発生する小当りとなった場合には右打ちをすることになるため、継続して矢印のみの右打ち画像73AK015を表示している。これにより、遊技者に適切な遊技方法を示すことができる。
その後、図36−7(F)に示すように、左打ちで遊技をすることを報知する矢印画像73AK016が表示される。
なお、図36−7に示した入賞促進報知や、第2保留記憶数が溜まったことを示す表示、右打ち表示、連チャン回数や総獲得出玉等の表示は一例であり、時短最終変動において第2保留記憶数が上限数となった時点で時短状態が終了する制御が実行されればよく、変動表示中の演出態様は任意でよい。
図36−8は、時短状態終了までのタイミングチャートである。図36−8におけるタイミングt1〜t4は、図36−7のタイミングt1〜t4に対応している。図36−8に示すように、時短最終変動の開始タイミングであるタイミングt1において、時短フラグがオフにリセットされるとともに、時短延長フラグがオンにセットされる。その後、タイミングt2において、第2保留記憶数が上限数になると、時短延長フラグがオフにリセットされ、時短状態(高ベース制御)が終了する。そして、タイミングt3において時短最終変動が終了した後は、第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行される。
時短状態中及び、時短終了後溜まっていた第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行される間は、ステップS29の情報出力処理により主基板(遊技制御基板)31からホール管理用コンピュータ等の遊技機外部に時短中信号が出力される。また、このとき、遊技盤6の所定位置等に設けられた右打ちをする状態であることを示す右打ちLED(右打ちランプ)がオンとなっている。タイミングt4において第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が終了すると、時短中信号や右打ちLEDがオフとなる。このようにすることで、好適に外部機器にて連チャン回数や出玉を把握することができる。また、遊技者に適切な遊技方法を報知することができる。時短中信号を外部出力するタイミングは、主基板31から演出制御基板80に出力される右打ちコマンド(時短状態であることを示すコマンドや、時短状態終了後の第2特別図柄の保留消化中であることを示すコマンド)の出力タイミングと同期させてもよい。
(特徴部73AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、時短最終変動の開始時に時短フラグをリセットするとともに、時短延長フラグをセットして、時短最終変動においては時短延長フラグにより時短状態であるか否かを管理していた。これに限定されず、時短延長フラグを設けずに、時短フラグのみにより時短状態であるか否かを管理するようにしてもよい。この場合、時短最終変動において時短状態の終了条件が成立した時点で時短フラグをリセットして、時短状態を終了させる。
図36−9は、時短延長フラグを設けない変形例における時短終了判定処理の一例を示すフローチャートである。時短終了判定処理では、CPU56は、まず、時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ73AKS101)。時短フラグがセットされていなければ(ステップ73AKS101;No)、変動開始時処理を終了する。
時短フラグがセットされていれば(ステップ73AKS101;Yes)、時短状態における最終変動であるか否かを判定する(73AKS102〜73AKS104)。
まず、今回の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判定し(73AKS102)、第2特別図柄の変動表示である場合には(73AKS102;Yes)、特図2時短回数カウンタの計数値が「1」であるか否かを判定する(73AKS103)。また、第2特別図柄の変動表示でない場合には(73AKS103;No)、合計時短回数カウンタの計数値が「1」であるか否かを判定する(73AKS104)。
特図2時短回数カウンタの計数値が「1」である場合(73AKS103;Yes)、または、合計時短回数カウンタの計数値が「1」である場合(73AKS104;Yes)、今回の変動表示が時短状態における最終変動であるので、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を判定する(ステップ73AKS105)。第2保留記憶数が上限値に達していなければ(ステップ73AKS105;No)、時短終了判定処理を終了する。
時短最終変動において、第2保留記憶数が上限値に達した場合(ステップ73AKS105;Yes)、時短状態の終了条件が成立し、時短フラグをリセットし(ステップ73AKS106)、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を実行し(ステップ73AKS107)、時短終了判定処理を終了する。
なお、この変形例では、ステップS303内で図36−4に示した変動開始時処理は実行されず、ステップS304では、図13に示す特別図柄停止処理にステップ73AKS021〜73AKS026の処理(第2特別図柄の変動表示に基づく小当り回数に応じて時短状態を終了させる処理)が追加された特別図柄停止処理が実行される。
この変形例によれば、時短延長フラグといった新たなフラグを設ける必要がなく、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限数に達した時点で時短状態を終了させることができる。
上記実施例では、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限数に達した時点で時短状態(高ベース制御)を終了させるようになっていたが、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限数未満の所定数(例えば3等)になったことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。また、時短最終変動において第2保留記憶数が上限数未満の所定数となったときに直ちに時短状態を終了させるのではなく、所定の猶予時間が経過した後に終了させるようにしてもよい。また、時短最終変動において増加した第2保留記憶数が特定数(例えば2等)となったことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。
また、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限数に達していなくても、変動終了の所定期間前のタイミングで時短状態を終了させるようにしてもよい。
なお、時短最終変動において、第2保留記憶数が上限数(所定数)になったことに基づいて時短状態を終了させる制御は、上記実施例や変形例の制御に限定されず、任意の制御により実現されてもよい。
また、時短最終変動において、第2保留記憶情報を先読みして、有利な表示結果(小当りや大当り)となるものがあるか否かに応じて、時短状態の終了条件を異ならせてもよい。例えば、時短最終変動において、第2保留記憶情報に有利な表示結果となるものがなければ、第2保留記憶数が上限数になったことに基づいて時短状態を終了させ、第2保留記憶情報に有利な表示結果となるものがあれば、第2保留記憶数が上限数未満の所定数になったことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。このようにすることで、遊技状況に応じた高ベース制御を実行できる。
可変入賞球装置(普通電動役物)に遊技球が入賞したことに基づいて、非電動役物が開放して、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となるパチンコ遊技機に、特徴部73AKに係る発明を適用してもよい。非電動役物が開放した場合、規定数(例えば2個)の遊技球が入賞するまで開放状態となる。このような遊技機において、時短最終変動の終了タイミングで時短状態(高ベース制御)を終了させると、時短最終変動で、第2保留記憶数を上限にしつつ非電動役物(第2始動入賞口)が開放した状態で時短状態を終了させ、時短状態終了後に、溜まっている第2保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行された後に、開放している非電動役物(第2始動入賞口)に規定数の遊技球を入賞させることができてしまう。よって、このような非電動役物を備えるパチンコ遊技機においても、時短最終変動で第2保留記憶数が上限になったタイミングで時短状態(高ベース制御)を終了させることで、可変入賞球装置(普通電動役物)へ入賞する遊技球を減らすことができ、第2保留記憶数を上限にしつつ非電動役物(第2始動入賞口)が開放した状態で時短状態を終了させることを困難にすることができる。
(特徴部73AKに係る手段の説明)
(1)特徴部73AKに係る遊技機は、
第1可変表示手段(例えば第1特別図柄表示器8a)と第2可変表示手段(例えば第2特別図柄表示器8b)とにおいて可変表示を実行可能な遊技機(例えば73AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
前記第1可変表示手段における可変表示が実行されるときよりも、前記第2可変表示手段における可変表示が実行されるときの方が、遊技者にとって有利になりやすく(例えば図36−1、図36−2)、
普通図柄の可変表示の表示結果が所定結果(例えば普通図柄が当り)となったことに基づいて、閉状態から当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態に変化する可変入賞装置(例えば可変入賞球装置15)と、
前記可変入賞装置に遊技媒体が進入したことに基づいて、前記第2可変表示手段の可変表示に関する情報を第2保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば第2保留記憶バッファ)と、
通常状態よりも前記可変入賞装置が前記開状態になりやすい特別状態(例えば時短状態、高ベース状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えばステップS170の処理を実行するCPU56)と、
前記特別状態における可変表示の実行回数に基づいて前記特別状態を終了させる特別状態終了手段(例えばステップ73AKS013、ステップ73AKS028、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)と、を備え、
前記特別状態終了手段は、前記特別状態における最終回の可変表示において、前記保留記憶手段の記憶する前記第2保留情報の数が所定数(例えば上限数である4)に達したことを条件に、前記特別状態を終了可能である(例えばステップ73AKS012、ステップ73AKS013、ステップ73AKS105、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別状態終了手段は、前記特別状態における最終回の可変表示において、前記保留記憶手段の記憶する前記第2保留情報の数が前記所定数に達しなかった場合、当該可変表示の終了時に前記特別状態を終了させる(例えばステップ73AKS028、ステップS149の処理を実行するCPU56)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の公平性を担保できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特別状態に制御されたときに第1フラグ(例えば時短フラグ)をオン状態とし、前記特別状態における最終回の可変表示において、可変表示開始時に前記第1フラグをオフ状態とするとともに第2フラグ(例えば時短延長フラグ)をオン状態とし、所定条件が成立したときに前記第2フラグをオフ状態とするフラグ管理手段(例えばステップ73AKS012、ステップ73AKS013の処理を実行するCPU56)を備え、
前記特別状態終了手段は、前記第2フラグがオフ状態となったことに基づいて、前記特別状態を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(4)上記(1)から(2)のいずれかの遊技機において、
前記特別状態に制御されたときに第1フラグ(例えば時短フラグ)をオン状態とし、前記特別状態における最終回の可変表示において所定条件が成立したときに前記第1フラグをオフ状態とするフラグ管理手段(例えばステップ73AKS105、ステップ73AKS106の処理を実行するCPU56)を備え、
前記特別状態終了手段は、前記第1フラグがオフ状態となったことに基づいて、前記特別状態を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特別状態終了後に第2保留情報の上限数より多い回数有利な第2可変表示手段で可変表示が実行されてしまうことを防止でき、遊技の公平性を担保できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1可変表示手段における可変表示に基づいて小当り遊技状態に制御されるときよりも、前記第2可変表示手段における可変表示に基づいて前記小当り遊技状態に制御されるときの方が、遊技者にとって有利になりやすく(例えば図36−1、図36−2)、
前記特別状態終了手段は、
前記特別状態における可変表示の回数をカウントし、前記特別状態における可変表示の回数が第1回数となったときに、前記特別状態を終了可能である(例えばステップ73AKS007、ステップ73AKS028、ステップS149の処理を実行する)とともに、
前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数をカウントし、前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数が第2回数となったときに、前記特別状態を終了可能であり(例えばステップ73AKS025の処理を実行する)、
前記特別状態における可変表示の回数として、前記第1可変表示手段及び前記第2可変表示手段における可変表示の回数をカウントし(例えばステップ73AKS002、ステップS143の処理を実行する)、
前記特別状態における前記小当り遊技状態の回数として、前記第2可変表示手段における可変表示に基づく前記小当り遊技状態の回数のみをカウントして、前記第1可変表示手段における可変表示に基づく前記小当り遊技状態はカウントしない(例えばステップ73AKS022、ステップ73AKS023の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に特別状態へ制御することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
外部へ前記特別状態であることを示す信号(例えば時短中信号)を送出する外部信号送出手段(例えばS29の処理を実行するCPU56)を備え、
前記外部信号送出手段は、前記特別状態の終了後も所定期間前記特別状態であることを示す信号を送出可能である(例えば図36−8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、外部機器にて好適に有利状態の連続を認識することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出の演出パターンを実行するための抽選による各種選択決定は、小当りとなる変動表示の変動開始時に実行してもよく、その小当り遊技状態となった時点で実行してもよい。
(2) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出として、予め決定された演出パターンにしたがって遊技球の進入ごとにV入賞オーラ画像95の演出態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、遊技球の進入検出ごとに、V入賞オーラ画像95の演出態様(たとえば、色)を変化させるか否かを抽選により決定し、その抽選結果に基づき、V入賞オーラ画像95の演出態様を変化させるようにしてもよい。その場合には、遊技球の進入検出ごとに、色変化させるか否かの判定と、変化させる色の選択決定とを実行してもよく、遊技球の進入検出ごとに、色変化を必ずさせるものとし、変化させる色の選択決定をするようにしてもよい。
(3) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95が虹色となったときに、16(15)R時短大当りとなることが確定する例を示した。しかし、これに限らず、16(15)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。また、5(4)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。
(4) 前述した実施形態では、所定演出としてのラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化し得る演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、ラウンド数示唆演出としては、V入賞画像94が「v」字から「W」字に変化する演出を実行してもよい。その場合においては、V入賞オーラ画像95の色が前述した場合と同様に変化するようにしてもよい。
(5) 前述した実施形態では、有利状態として説明した大当り遊技状態は、可変入賞手段を複数回開放させる大当り遊技状態の一例が代表例として挙げられる。
(6) 前述した実施形態では、ラウンド示唆演出として、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を一例として示したが、これに限らず、V入賞画像94に付随しない画像としてV入賞オーラ画像を表示し(たとえば、V入賞画像94から離れた位置でオーラ状のエフェクト画像を表示する等)、その色を変化させる演出をしてもよい。また、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を実行するか否かは所定の抽選により、実行するか否かを決定し、実行しない場合があってもよい。
(7) 前述した実施形態では、保留連報知として、「+3BONUS」のように、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数との合計を特定可能な表示をする例を示した。しかし、これに限らず、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数とのそれぞれが個別に特定可能となるような表示をしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出を実行するときの演出パターンとして、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けていないが、これに限らず、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けてもよい。たとえば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の色は、10個目の色と同じ色とする等の演出データを設けてもよい。このようにすれば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超えた場合についても、違和感を生じさせることなく、ラウンド数示唆演出を実行することができる。
(9) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報の内容を先読みして、「図柄大当り」となる保留記憶情報と「小当り」となる保留記憶情報とのいずれかがある場合に、保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「小当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とのそれぞれについて、同様の演出態様の保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とで異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(11) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内にある「図柄大当り」の数と「小当り」の数との合計数にかかわらず、同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、当該合計数に応じて異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(12) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」のみがある場合と、「小当り」のみがある場合と、「図柄大当りおよび小当りの両方がある場合」とで同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、これらの場合に応じて異なる種類の演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(13) 保留連報知演出を実行するための第2保留記憶情報の先読みは、小当りまたは大当りとなる変動表示の開始時に実行してもよく、小当り遊技状態中に実行してもよく、大当り遊技状態中に実行してよい。
(14) 前述した保留連報知演出として実行されるVランプ演出は、保留連数を報知可能な演出でなくてもよく、保留連数を報知可能な演出であってもよい。保留連数を報知可能な演出とする場合には、Vランプ演出において、保留連数とランプの発光色との関係を予め定めておき、その関係に基づいて、ランプ発光色により保留連数を報知可能としてもよい。
(15) 「小当り経由の大当り」については、小当りと判定されたときに大当りの種類を選択決定するのではなく、V入賞が発生したときに、大当りのラウンド数等の制御パターンを複数種類の制御パターンから選択するようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態に示した可変入賞球装置15、V判定入賞装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。
(17) 前述した実施形態では、V判定入賞装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、V判定入賞装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、V判定入賞装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、必ずV判定入賞装置87が開放される例を示したが、これに限らず、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、特定の抽選に基づいて開放状態とするか否かを決定し、開放状態とする抽選結果となったときに、V判定入賞装置87を開放するようにしてもよい。
(19) 前述した実施形態では、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87内のV入賞領域に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、第1ラウンドでV判定入賞装置87を開放し、第2ラウンド以降のラウンドで大当り可変入賞球装置20を開放するような開放パターンの大当り遊技制御を実行可能とする。大当り判定によりこのような大当り遊技制御を実行することが決定された場合には、このような大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、V判定入賞装置87を開放させることにより小当り遊技状態と見せ、第1ラウンドで遊技球がV入賞領域870にV入賞したときに、当該大当り遊技状態を継続させることにより、大当り可変入賞球装置20を開放させる第2ラウンド以降のラウンド制御を実行させて大当り遊技状態と見せる。一方、当該大当り遊技状態の第1ラウンドで、V判定入賞装置87において遊技球がV入賞領域870に入賞しないときには、当該大当り遊技状態として、第2ラウンド以降に継続させずに、第1ラウンドで終了させる制御を実行する。
(20) 遊技者にとって有利な有利状態としては、大当り遊技状態、時短状態、および、高ベース状態等の各種の有利状態が含まれてもよい。大当り判定確率が低確率状態から高確率状態(確変状態)に制御可能な遊技機では、高確率状態も有利状態に含まれる。この実施の形態において、より具体的な有利状態としては、大当り遊技状態において大当り可変入賞球装置20が開放することが該当する。
(21) 特定演出としては、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に応じてリーチライン数を増加(減少表示でもよい)させるものであるが、次のような演出をするものであってもよい。たとえば、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に対応して所定のアイコン画像(たとえば、「RUSH」という遊技者にとって有利な状態を連想させる文字が示された星形の画像)数を増加表示(減少表示でもよい)させるものであってもよい。また、所定条件の成立(第2保留記憶情報の増加)に応じて所定のキャラクタ画像(たとえば、その他の演出では表示されない特別なキャラクタ画像等)数を増加表示(減少表示でもよい)させるものであってもよい。また、所定条件の成立(第2保留記憶情報数の増加)に応じて、第2保留記憶情報数の上限値(4)からカウントダウンする数値画像を表示してもよく、現在の第2保留記憶情報数(たとえば、0等)からの上限値(4)までカウントアップする数値画像を表示してもよい。このように特定演出は、どのような演出態様の演出であってもよい。
(22) 変更演出としては、第2保留記憶情報数の増加に応じて、特定演出の演出態様を変更する演出であれば、どのような演出を用いてもよい。たとえば、前述した各種の演出における演出態様の変更を、第2保留記憶情報数の増加に応じて実行するものであれば、どのような演出であってもよい。
(23) 変更演出は、第2保留記憶情報数に応じてリーチライン数を増加させる演出態様の変更をするものであるが、リーチ図柄は、「7」図柄以外の図柄を用いたリーチ図柄であってもよい。そのようなリーチ図柄としては、通常の変動表示に用いられる図柄列に含まれる図柄以外の図柄、たとえば、「RUSH」という遊技者にとって有利な状態を連想させる文字が示された図柄等の特別な図柄を用いてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(25) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(26) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(27) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、スティックコントローラ122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、プッシュボタン120の操作を検出可能なプッシュセンサ124等のその他の検出手段を用いてもよく、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(28) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8a 第1特別図柄表示器、8b 第2特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、55 RAM、9 演出表示装置、96 時短残回数画像。

Claims (1)

  1. 第1可変表示手段と第2可変表示手段とにおいて可変表示を実行可能な遊技機であって、
    前記第1可変表示手段における可変表示が実行されるときよりも、前記第2可変表示手段における可変表示が実行されるときの方が、遊技者にとって有利になりやすく、
    普通図柄の可変表示の表示結果が所定結果となったことに基づいて、閉状態から当該閉状態よりも遊技媒体が入賞しやすい開状態に変化する可変入賞装置と、
    前記可変入賞装置に遊技媒体が進入したことに基づいて、前記第2可変表示手段の可変表示に関する情報を第2保留情報として記憶可能な保留記憶手段と、
    通常状態よりも前記可変入賞装置が前記開状態になりやすい特別状態に制御可能な特別状態制御手段と、
    前記特別状態における可変表示の実行回数に基づいて前記特別状態を終了させる特別状態終了手段と、を備え、
    前記特別状態終了手段は、前記特別状態における最終回の可変表示において、前記保留記憶手段の記憶する前記第2保留情報の数が所定数に達したことを条件に、前記特別状態を終了可能である
    ことを特徴とする遊技機。
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